<射撃ニュース11月>

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(河川敷に男性遺体、自殺か:京都)
12日午後4時15分ごろ、滋賀県野洲市小南の日野川河川敷で、近江八幡市の男子大学生(25)が倒れているのを近くの住民が見つけ、110番通報した。守山署が調べたところ、大学生は頭から血を流し、猟銃を抱えたまま死亡していた。近くに「先に行きます」などと書かれたメモ帳が見つかり、同署は自殺とみて調べている。大学生は昨年、銃の所有許可を受けており、猟銃は本人のものだった。
(ミロクが連日の安値 値動き悪く見切り売り)
(14時25分、大証2部、コード7983)続落。後場に下げ幅を広げている。一時は前日比8円安の136円まで下げ、年初来安値を連日で更新した。相場全体の地合いが悪化する中で、「業績の先行きを懸念した売りが出ているのではないか」(中堅証券)という。工作機械や自動車関連事業での需要減退を懸念している。猟銃事業でも主力の米国市場の先行きを警戒する声がある。「オバマ次期米大統領の就任を前に、全米で銃の駆け込み購入が急増している。オバマ新政権と議会が銃規制を強化し、購入が困難になるとの懸念が広がっているためだ」と11日付日本経済新聞朝刊は報じた。値動きも悪い。株価は9月末に295円の直近高値を付けた後、ほぼ一本調子で下げており、見切り売りが出やすくなっている。ただ、「指標面では割安感を強めている」との指摘があった。連結ベースの予想PER(株価収益率)は約3倍で、PBR(株価純資産倍率)は0.2倍台半ばまで低下している。
(ラムサール登録湿地近くの農家、ガンの群れにロケット花火:宮城)
ラムサール条約登録湿地の蕪栗沼(大崎市田尻)近くの農家が、マガンの群れが自宅方向に飛んでくると、ロケット花火を打ち上げ爆発音で驚かせて追い散らすケースが起きている。「鳥インフルエンザウイルスが空から降ってくるのでは」と考えての自衛策という。環境省、厚生労働省とも、その可能性は問題にするに当たらないとしている。過敏な反応をなくす鳥と人間の付き合い方をもっと伝える必要があるとの指摘が出ている。同沼南西部約1・5キロ地点の70代の農業男性はこの秋すでに早朝3回、沼から飛び立ってきたマガンの群れめがけロケット花火を1回数発ずつ発射した。花火は上空20メートル余り上がり「バーン」と爆発する。マガンの隊列はずっと上空を飛行しているが、音に驚いて散り散りに乱れ、男性宅の上空から離れていく。小学生の孫が風邪を引きやすい体質で万が一、自宅上空を飛ぶマガンの糞(ふん)や抜けた羽毛が落ちてきて鳥インフルエンザウイルスが含まれていたら危ないと、「撃退」するのだという。同様の理由で花火を上げる沼近くの農家は他に2軒あると、地元に通じた自然観察家は語る。花火は中国製で12発入り100円程度と安い。環境省鳥獣保護業務室は05年度から湿地などで採取したガンカモ類の糞便検査を全国的に行っているが、高病原性鳥インフルエンザの検出例は国内ではゼロとしている。また、厚生労働省結核感染症課は、仮に頭に糞が落ちたとしてもせっけんで洗い落とし、うがいをしておけば他の病原体を含め感染防除できると説明。花火での撃退は不必要との見方を示している。県内の鳥獣保護事業について管轄する県自然保護課は「マガンを追い払うのが目的だとしても、想定外のことが起き、場合によっては花火が鳥に当たることもある」と指摘。現場周辺でのマガンの飛行高度や、花火の打ち上げ高度など当時の状況を確認したいとの方針を示した。「問題点があれば、鳥獣保護法に基づき指導することになる」としている。
(大淀町でパイプ式密造銃発見:奈良)
県警組織犯罪対策1課などは12日、大淀町下渕の集合住宅の駐車場で、パイプ式密造銃1丁を発見したと発表した。県警は銃刀法違反容疑などで捜査している。調べでは、10月31日午前3時45分ごろ、女性の声で県警にかかってきた匿名の電話の情報を基に、中吉野署員が現場に駆けつけたところ、駐車していた車の下から、紙袋に入ったパイプ式の銃を見つけた。銃は長さ約40センチ、重さ約820グラム。鑑定で発射能力と殺傷能力があることが分かった。
(シカに襲われた男性が死亡:熊本)
熊本県多良木町黒肥地の民家でペットとして飼育されていたシカに襲われ、意識不明の重体となっていた近所の無職井上孝雄さん(72)が13日未明、搬送先の病院で死亡した。死因は転倒して頭を強打したことによる脳挫傷。多良木署によると、井上さんは、つないでいたロープが外れ逃げ出そうとしたシカを取り押さえようとして、体当たりされたという。
(82歳男性、クマに襲われ軽傷:富山)
12日午前9時ごろ、上市町舘の田んぼで、栽培していたナメコを採りに来た無職の男性(82)が、突然現れたクマ(体長約1~1・2メートル)に顔面をひっかかれ、軽傷を負った。ツキノワグマとみられ、南東の山側に向かって逃げた。この事故を受け、県は同日、ツキノワグマ出没警報を出し、里山に入る場合、ラジオや鈴などで人の存在をアピール▽クマの行動が活発な朝夕は入山を控える--などの予防策を講じるよう呼び掛けた。
(爆発火災「火薬詰めていた」渋谷で大量、無許可保管か)
東京・渋谷のイベント会社「ブロンコ」経営、横山信一さん(60)方で家族5人が死傷した爆発火災で、横山さんが病院搬送時、救急隊員に「舞台用銃の薬きょうに火薬を詰めていて爆発した」などと話したことが警視庁の調べで分かった。同庁は、横山さんが無許可で多くの火薬を保管し、製造していた可能性もあるとみて火薬類取締法と業務上過失致死傷違反の疑いで捜査している。同庁と東京消防庁は13日午前、合同で現場の実況見分を始めた。警視庁によると、横山さんは12日午後0時半ごろ、渋谷区神宮前の1階事務所兼作業場で、映画撮影用など使う火薬を使った銃器の作業をしていたという。横山さんはこの爆発で全身やけどの重症を負い搬送されたが、その際「しゃがんで舞台用の拳銃の薬きょうに火薬を詰めていたら、くすぶり始めて爆発した」と話したという。火薬を詰める際、摩擦や衝撃などで爆発した可能性もある。全国火薬類保安協会の吉田隆司・業務課長は「爆発の映像を見る限り、少なくともキロ単位の火薬を保管していたと思われる」と指摘している。業界関係者によると、特殊効果で使用する火薬は、拳銃1発当たり0.05グラム前後と微量。多くても、数キロの火薬しか保管しないのが一般的という。製造業者から薬きょうなどの完成品を購入するため、火薬を混合したり、薬きょうに詰め込むなどの作業は通常行わないという。火薬類取締法は、火薬の製造や貯蔵をする場合は原則、国や都道府県の許可が必要と定めているが、横山さんは未届けで許可は出ていなかった。同庁は詳しく調べる。
(ホシハジロが本格飛来:愛知)
暖かい日が続き、暦の上の冬入りが実感できないこのごろだが、シベリア方面から渡ってくる野ガモ「ホシハジロ」の大群が蒲郡市沖の三河湾で見られるようになり、冬は確実に近づいている。国内最大の飛来地として知られる同市沖で群れが多く見られるのは、形原漁港の大橋から春日浦海岸にかけて。数十羽から数百羽のいくつもの渡り鳥の群れが、波に漂っている。よく見ると、ホシハジロだけでなくスズガモやキンクロハジロなど近い種の野ガモも混じり、仲良く羽を休めている。野ガモとしては中型のホシハジロは、グレーの胴と頭の茶色が特徴的。夜行性のため夜間に沖に移動し、海中にもぐって海藻や小魚を捕るという。
(伊那地区野生鳥獣保護対策協議会:長野)
上伊那地区野生鳥獣保護対策協議会が12日、伊那市の伊那合同庁舎であった。同協議会は、上伊那8市町村や県、信州大学などで組織するもので、農作物への食害が深刻となっている野生動物の対策について検討している。そのうちニホンジカについては、毎年、上伊那猟友会の協力のもと、地区を限定して一斉に捕獲する「広域捕獲」を実施しており、この日は本年度の広域捕獲の実施計画などを確認。昨年度までは上伊那地区3ヶ所で広域捕獲をしていたが、本年度は伊那市高遠町荊(ばら)口(ぐち)地区を新たに増やし、4ヶ所で実施することとなっており、実施日は、伊那市高遠町の入笠牧場が12月6日、荊(ばら)口(ぐち)地区が12月14日、伊那市長谷、三峰川上流で12月中に、中川村小渋ダム周辺で来年2月16日以降に行う。伊那市内で行う広域捕獲計画では、高遠町地区で50頭、長谷地区で175頭を捕獲する計画で、全体では225頭を捕獲する。また、本年度からはわな猟に限り、1ヶ月狩猟期間を延長していることなどを確認した。そのほかにも、南アルプス食害対策協議会の報告もあり、信州大学の竹田謙一准教授は「南アルプスでは、食害の影響で土壌が流れ出している場所が出てきている。また、植物の種類も単純化してきている」と指摘した。
(ツキノワグマ処分20頭に制限 捕獲後標識付け放つ:滋賀)
15日の狩猟解禁に合わせ、県は近く、何度も出没を繰り返す個体の対策を柱とするツキノワグマの「特定鳥獣保護管理計画」を初めて策定する。この計画を巡っては、クマ愛護派と処分派の双方から反対意見が相次ぎ、2年越しの作業となった。県自然環境保全課は「保護もしなくてはいけないが、事故があったら、もっと大変。うまく共存していければ」としている。ツキノワグマは国内でも地域ごとに生息数にばらつきがあり、多い北陸では捕獲したクマの大半を処分している。一方、生息数が少ない関西では保護する動きが広がっている。県内でも91年までは毎年50頭前後を処分していたが、現在は湖西・湖北地域を中心に250頭ほどしかいないと推定されることから、県は捕獲しても人里から離れた山奥に放すよう指導している。一方、全国的にクマのえさのドングリが凶作となった04、06年には県内にもクマが大量に人里に出没し、住民が襲われて大けがをする事件もあった。今年の県内の目撃件数は30件(今月5日現在)と多くはないが、昨年なかった大津市内も2件あった。山奥に逃がしても人間を恐れず再捕獲されるクマもいる。今回の県計画では、捕獲したクマを放す際に標識を付け、標識がある個体を再び捕まえた場合のみ処分し、標識のない初捕獲の個体は原則として放す。1年間に有害鳥獣として処分できる頭数を20頭に制限し、保護と対策を両立させる。また、毎年平均9頭ほどの狩猟も自粛を求め、クマが山を下りなくてもいいよう、落葉広葉樹林の保護にも力を入れることを盛り込んだ。さらに、クマは移動距離が大きく、県をまたぐことも多いことから、県北西部から北陸に広がる個体群については、福井県など5県の広域協議会を作って個体群全体の保護を図る考えだ。同様の保護計画は関西では京都府や兵庫県が既に策定しており、府は年間処分頭数を15頭に制限している。
(冬の使者カモ飛来 鈴鹿のため池に1000羽:三重)
鈴鹿市寺家町の御座ケ池など農業用ため池に冬の使者・カモが飛来し始めた。カモたちは気持ち良さそうに水面に浮かび、長旅の疲れを癒やしている。今年3月に市が発刊した「鈴鹿市の自然」によると、田んぼや丘陵地などの谷間に点在する池は、冬鳥の格好の越冬場になる。カモは毎年10月ごろにシベリア方面から飛来し、4月ごろに北へ旅立つ。約3・3ヘクタールの御座ケ池には、えんじ色の頭が特徴のホシハジロなど1000羽近くが既に飛来し、風に任せて優雅に浮かんでいる。冷え込みとともにカモの数は更に増えるという。
(民主党候補オバマ氏の当選で「銃」の売り上げが3倍に)
ワシントン(CNN)米大統領選で銃規制に積極的な民主党のバラク・オバマ候補が当選したことを受け、銃規制が厳しくなると不安に感じた人々が銃の購入に走っている。大統領選後、全米の銃器店で売り上げが増加し、前年と比べて2─3倍となった店舗も出ている。首都ワシントン郊外、バージニア州マナサスで銃を販売するバーニー・コナッツァーさんは大統領選が終わってすぐの週末となった8日、通常なら1週間分の売り上げをたった1日で達成したという。「ここで商売を始めて12年。これまでに、2000年問題(Y2K)や米同時多発テロ、大型ハリケーン『カトリーナ』の襲撃などで、銃の売り上げが増えた時期はあるが、ここまでの急増は経験したことがない」と話している。購入者のほとんどは、オバマ次期政権が発足すれば銃器売買に関して規制が厳しくなると恐れており、駆け込みで買い込んでいるという。また、購入者だけではなく販売側にも厳しい規制がかけられるのではないかと、店側も懸念している。銃の販売量増加を強く実感しているのは、コロラドやオハイオ、コネティカット、ニューハンプシャー各州の販売店。いずれも、民主党政権下で、銃規制が強化されることを懸念している。銃規制についてオバマ氏はこれまでに、購入者の身元確認強化を挙げているほか、「常識的な基準」を設置したいと述べている。これに対し、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)は、「オバマ氏は銃器類に課税する考えを支持している」と強く反発している。一方、米連邦捜査局(FBI)によると、11月3日から9日までの1週間に寄せられた、銃器購入者の身元確認や過去調査を実施するよう求める要望は、37万4000件に達したという。この数は昨年同期から比べて49%増で、多発する銃犯罪を多くの米国民が憂慮しているようだ。

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11/12
(火薬調合中に爆発か,2遺体見つかる:東京)
12日昼過ぎ、東京・渋谷区の住宅で爆発音をともなう火事があり、1人が意識不明の重体となっています。また、焼け跡から2人の遺体が見つかりました。午後12時半頃、渋谷区神宮前の自営業、横山信一さん(60)の3階建ての住宅で、爆発音をともなう火事が発生しました。火は隣接する建物にも燃え広がり、これまでに2棟、あわせておよそ220平方メートルが焼けました。調べによりますと、現場の住宅では、映画などの特殊効果音を作る会社の作業場を兼ねていて、火薬が保管されていたということです。「すごい音がして、会社が揺れたんですよ。地震かと思ったら、地震じゃなくて、近所の人が中から人を助けていて、血だらけで顔とか皮がむけていた」(近くにいた人)横山さんは6人家族で、20代の2人の息子が煙を吸って病院に搬送されたほか、55歳の妻と88歳の母親の2人が今も中に取り残されていて、救出活動が続けられています。また、横山さんは全身にヤケドを負っていて意識不明の重体ですが、病院に搬送される際には意識があり、消防隊員に「火薬調合中にくすぶり始めて爆発した」と話していたということで、警視庁と東京消防庁で出火の原因を調べています。警視庁などによりますと、先ほど焼け跡から2人の遺体が見つかったということです。警察と消防では、2人の身元の確認を急いでいます。現場は神宮球場などがある、高級住宅街の一角です。
(エゾシカ肉の加工ピーク 新得の精肉店 東京の料亭などに直送:北海道)
冬の狩猟期を迎え、十勝管内新得町の上田精肉店(上田邦夫社長)で、野生エゾシカ肉の食肉加工がピークを迎えている。十月下旬のシカ猟解禁以降、同店の食肉加工所には連日、ハンターが仕留めたシカが十頭前後持ち込まれている。シカは枝肉にされた後、職人たちが熟練の包丁さばきでヒレやロース、モモなどの部位に切り分ける。真空パックにされた肉は、チルド状態で東京や大阪の高級レストランや料亭などに直送され、ジビエ(狩猟肉)料理として提供されている。同店のエゾシカの仕入れは厳冬期前の脂が乗っている年内いっぱい。上田隆史専務は「クリスマスや年末年始向けの需要が一年で最も多く、しばらくは休日返上で加工、出荷に追われる」という。同店はホームページ(http://www.ezodeer.com/)などを通じて一般販売も行っている 。
(上市町で男性クマに襲われる:富山)
12日午前、上市町の山中で82歳の男性がクマに襲われ、顔などを引っかかれる軽いけがをしました。地元猟友会や警察では付近をパトロールして注意を呼びかけています。12日午前9時ごろ、上市町舘の林道から20メートルほど入った山の中で、栽培しているキノコの様子を見に行った近くに住む農業、野崎友行さん(82歳)が、突然、クマに襲われ、頭から顔にかけて引っかかれました。野崎さんは全治2週間の軽いけがです。野崎さんを襲ったクマは体長1メートルから1メートル20センチほどの成獣とみられ、山の方向に逃げたということです。地元猟友会や警察では現場付近をパトロールするなどして注意を呼びかけています。県内でのクマによる人身被害は今年これで4件の5人となりました。
(合同でシカ食害対策 那賀・木頭中生と高知・大栃中生)
シカの食害が拡大する徳島・高知県境の三嶺系の山林で十一日、那賀町の木頭中学校と高知県香美市の大栃中学校の生徒が、樹木に防護ネットを巻く作業などを行った。中学生に被害を見せることで問題意識を持ってもらい、森の機能や大切さも学んでもらおうと、とくしま森とみどりの会などが主催した。両県の中学生が協力して対策活動するのは初めて。木頭中三年生十五人と大栃中三十八人は、七班に分かれ、約一時間半にわたって作業。香美市のみやびの丘登山口周辺の百六十三本に樹脂製の防護ネットを設置した。また、生徒はみやびの丘山頂までの約一キロを登りながら食害状況を観察。三嶺の森をまもるみんなの会の依光良三代表(66)=高知県香南市=から森の役割や食害状況などの説明を受けた。木頭中の木屋野(きやの)幸恵さん(15)は「高知側がこんなにひどいとは思わなかった」。大栃中二年小松英恵(はなえ)さん(13)は「身近な山で食害があるとは知らなかった。一緒に作業できてよかった」と話した。同会によると、三嶺周辺では、シカがモミやツガなどの芽や樹皮などを食い荒らし、約七割の木々が被害を受けている。シカは一平方キロメートル当たり約八十頭(適正数は五頭)が生息しているという。
(宮崎県椎葉村の知人から)
宮崎県椎葉村の知人から紅葉を見に来ないか、と便りが届いた。台風が来なかった今年は、まれにみる見事さだという。奥山に思いをめぐらせ、彼と山を歩いた際の会話を思い出した。「見てみなさい」。指さした先には、大きな倒木があった。かつてない標高までシカが登ってきて、表土を覆った下草まで食べてしまう。まとまった雨が降れば、山が崩れるのだという。なぜそうなったか分からないが、山を手入れする人が減り、温暖化、開発など人間の営みが知らないうちに自然を変えたのでは‐それが彼の推測だった。別の時、霧島山系を歩いた。自動車道まで下りて来た野生のシカに、観光客が餌をやっているのを見た。シカのつぶらな瞳はかわいいが、人間の行為は生態に影響しないのだろうか…。はっきりしているのは、歓声を上げる観光客が、シカを含む自然の変化に責任を持てないということだろう。
(イノシシ大暴走 小松での農作物被害最悪:石川)
小松市内のイノシシによる農作物被害面積が今年、過去最悪の7.17ヘクタールに上ることが、小松市と加賀地区農業共済の調べで分かった。4月から10月末までに獣害防止用のおりにかかった頭数は、185頭と昨年に比べて約2倍。暖冬で個体数が増加しているとみられ、市などが対応策を検討している。小松市のまとめによると、被害総額も約五百五十五万円で、昨年の被害額二百八十万円の約二倍。申告のない農家を含めると、被害はさらに拡大する見込みだ。被害に遭ったのは国府校下から那谷校下まで東南部十六集落で、大杉町が被害面積全体の40%以上を占める。同町で稲作を営む前坂善治さん(61)の田では、収穫量が昨年に比べ10%減少。「イノシシがあぜを壊して水路を土でふさいでしまう。手が付けられない」と嘆く。電気柵が設置されていたが、装置に慣れたイノシシが柵をジャンプしたり、体当たりして壊したりして効果も半減した。イノシシは足が取られるため積雪が苦手だが、昨年からの暖冬で繁殖が進んだとみられる。市は六月、県内で初めて鳥獣被害防止計画を策定。市、JA小松市、地元町会などでつくるイノシシ被害対策協議会はそれに基づく実施計画を立て、国の補助を受けて高さ一・二メートルの金属製の防護柵を中山間部の約十キロで設置を進めていた。イノシシ被害が増えたため、同協議会は二〇〇九年度に柵を最大約十キロ延長する方向で調整中。現在各集落で防護柵設置の要望をまとめている。
(キジ 伸び伸びと,100羽放鳥:滋賀)
キジの保護と増殖を目的にした県の放鳥事業がこのほど、高島市であり、県猟友会今津、高島両支部の会員や高島県事務所の職員らが雄雌半数ずつ計100羽を野山に放った。キジの放鳥は県が年2回、市内で実施し、今回は同市マキノ町海津など3カ所であった。このうち、同市勝野の乙女ケ池では、同事務所環境森林整備課の職員が、甲賀市土山町の県猟友会の施設で繁殖したキジ約30羽を放鳥。かごに入った体長20センチほどのキジは、ふたを開けると、勢いよく空に飛び立った。同課は「キツネなどに襲われることも多いが、元気に育ってほしい」と話していた。
(キジ 亀岡の空に飛べ 園児や児童 放鳥に参加:京都)
京都府猟友会亀岡支部は11日、日本の国鳥・キジのつがいを亀岡市内の山林に放った。同市宮前町の地球環境子ども村では、幼稚園児や小学生も参加し、勢いよく飛び立つキジを見送った。古里の山に野鳥の姿を増やそうと、府猟友会(谷口昭会長)が毎年続けている取り組み。今年は府内35支部中、南丹市や京丹波町、京都市右京区京北など10支部で計400羽のキジ放鳥を予定しており、亀岡支部はこの日、馬路町や本梅町など4カ所の鳥獣保護区に計40羽を放った。雄雌10羽ずつを放した地球環境子ども村では、自然観察に訪れていた第2亀岡幼稚園(大井町)の園児30人と青野小(宮前町)の2年生20人も参加。谷口会長から雄と雌の違いなど説明を受けた後、放す前のキジを触ってぬくもりや羽毛の感触を確かめた。「雄のほうがきれいやった」「体が温かかった」と感想を話す子どもたちに、谷口会長は「野山で大きくなった姿をまた見に来てください」と呼び掛けていた
(火縄銃 武者姿で披露 茨城)
埼玉県川越市の川越藩火縄銃鉄砲隊保存会「獅子の会」のメンバーが、古河市中央町の古河歴史博物館そばの堀で、火縄銃を披露した。9日の実演では、甲冑(かっちゅう)武者姿の男性6人が、銃を構え「放てー」の号令で、「バーン」という大きな音とともに空砲を発射すると、見守っていた市民や観光客から驚きのどよめきが起きた。耳をふさいだり泣き出す子どももいた。実演後、観客らは武者姿の会員らと記念撮影を楽しんでいた。
(コラム 樹海)
ひどいコラムがあったものだ。先月、福岡県で伯国籍の男が鉄パイプで自作した拳銃のようなもので日本人老夫婦から車を奪った事件に関して、二十七日付け某全国紙地方版は、驚くようなコラムを掲載した▼その記者は、最初は犯人を元特殊部隊員かと思ったらしいが、捜査関係者が『向こうでは当たり前らしいよ』と言ったのを真に受け、「私たちが竹でさおを作り魚釣りに行くように、彼らは銃を作り山へシカ撃ちに行くという。日常生活で、自然に身に付いたことだが、悪用は許せない」と書いている▼伯国のどこの地方なら、自分で銃を作って山にシカ撃ちに行くのか教えてほしい。普通、銃は買うものだろう。「銃を作って山に狩に行く日常生活」というイメージの根底に、どこか伯国=アマゾン的な先入観が潜んでいるように感じる▼事件を起こした当人への批判は当然だ。だが、警察という権威が「むこうでは当たり前らしい」との情報を流し、マスコミがまことしやかに垂れ流して一般社会に広げる構図は、いかがなものか。特定の個人の話を伯人全体に置き換える論法は「外国人嫌悪」(ゼノフォビア)に他ならない▼世界金融危機では、どこの国でも外国人嫌悪がおきやすい状況にある。不景気になるほど移民は迫害されるが、大手メディアが先導していいのか▼スペインのEFE通信二十七日付け記事よれば、不況時は〃高給〃の合法就労者が迫害され、安く使えるビザなし外国人労働者に入れ替える動きが強まり、労働者への人権的配慮が減るとの専門家の指摘が掲載されている▼こういう時だからこそ、外国人への先入観を疑う姿勢を求めたい。
(しし肉で「井月丼」メニューに 駒ケ根の水車:長野)
駒ケ根市のJR駒ケ根駅前にある飲食店「水車」で、井上井月にちなみ、イノシシ肉を使って丼に仕立てた「井月丼」をメニューに加えている。15日に開かれる井月と下島空谷をめぐる講演会では、来場者に半額券をプレゼントする。井月丼は、講演会を企画した駒ケ根文芸セミナーのメンバーの1人で、同店の宮沢宏治さん(46)が考案。井月はしし鍋を喜び、しし鍋を詠んだ句も残しているという。イノシシ肉を素早くいためた後、しょうゆをベースに甘めに煮込み、ネギ、半熟卵を乗せて牛丼風に仕上げた。宮沢さんがイノシシ肉を使うのは初めてで、試行錯誤を重ねた味。「イノシシの肉は柔らかくて臭みもなく、こんなにもさらっとしているとは思わなかった」と話している。女性客にも好評という。市内などの飲食店に呼び掛け、イノシシ肉を新たな地域の味として展開していくことも構想している。

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11/11
(猟銃が暴発し男性が負傷:香川)
9日午前8時ごろ、綾川町千疋の駐車場で、同町の猟友会メンバーで団体職員の男性(60)がカラス駆除のために使った散弾銃を倉庫に立てかけていたところ、銃が倒れて暴発。銃弾が、約10メートル離れたところにいた仲間の男性(60)に当たった。男性は右足に約10日間のけがを負った。高松西署の調べによると、2人は猟友会の有志らと、同日午前6時半ごろから近くの畑でカラス駆除をし、作業を終えたところだったという。同署は銃刀法違反、業務上過失傷害の疑いで団体職員の男性から事情を聴いている。
(シンポジウム:狩猟の役割考えよう:長野)
野生動物の農林業被害などが増える中、狩猟の役割を考えるシンポジウム(県主催、県猟友会共催)が松本市内で開かれた。人間と野生鳥獣との緊張感あるすみ分けのため、狩猟を再評価する観点から討論が行われた。鈴木正嗣・岐阜大教授らが「日本は農耕民族だったからこそ独特の狩猟文化があった。追い払いではイタチごっこになる。狩猟による個体数調整は欠かせない」と語り、狩猟者育成を訴えた。
(美ケ原高原周辺でニホンジカ8頭捕獲 食害軽減で連絡協:長野)
松本市、上田市、小県郡長和町などでつくる「美ケ原ニホンジカ個体数調整広域行政連絡協議会」は9日、3市町にまたがる美ケ原高原周辺でニホンジカの広域捕獲をした。松塩筑猟友会と上小猟友会の会員約80人が、それぞれの市町で実施。いずれも初めて捕獲する場所で、シカの居場所や逃げる方向が分からない中、雄3頭、雌5頭の計8頭を捕獲した。同高原に大量に出没しているシカの食害を軽減する目的で、広域的な取り組みは3月に続き2回目。観光客らへの安全面などを考慮し、牧場が広がる台上ではなく、それぞれの周辺地域で行った。松本市では松塩筑猟友会東山ブロックの会員ら約50人が、入山辺の三城牧場と王ケ鼻の間の鳥獣保護区内で実施。シカを追い立てる役と撃つ役に分かれ、3頭を捕らえた。同ブロックは、この日行った場所の東側でも2日に19頭を捕獲しており、芦田勝弘・東山ブロック長(62)は「シカが増えているのを実感している。要請があれば積極的に協力したい」と話していた。上田市では牧場西側の沢などで4頭、長和町では牧場南東の鳥獣保護区内で1頭を捕獲した。協議会は今後、本年度2回目の広域捕獲を行うか検討するという。
(イノシシ3時間大捕物:茨城)
10日正午頃、東海村村松の原子力科学館前の国道245号にイノシシが現れた。警察官らと大立ち回りを演じ、約3時間後に“御用”となったが、付近は一時騒然となった。近隣住民から「イノシシが歩いている」と110番があり、ひたちなか西署は、防災無線で注意を呼びかける一方、若手警察官約25人がパトカー数台で現場に駆けつけたほか、村役場や猟友会、消防署員も集まった。付近の住民が見守る中、署員がハクビシンなどの動物を捕獲するために特注で作っていた長さ約20メートルの網を用い、付近の水田に追い込んだ。通報から約3時間後、最後は網に突進したところを勝田駅前交番勤務で柔道3段の勝永祐矢巡査(22)が飛びついて“押さえ込み”。同署などによると、イノシシはオスで体長1メートル、体重40キロほど。勝永巡査は制服を泥だらけにしながら、「犯人を捕まえるよりも大変でした」と振り返り、吉田浩一副署長は「東海で出るのは珍しい。民家が近いが、人に危害を加えず捕まって良かった」とほっとしていた。同署は「東海村は県条例により全域狩猟が出来ない地域で、駆除ができないため、人海戦術しかなかった」としている。イノシシの“身柄”は、猟友会に引き渡された。
(北限サル270頭 国に捕獲申請:青森)
下北半島に生息する国の天然記念物「北限のサル」による食害問題で、県は10日、県第2次特定鳥獣保護管理計画に基づき、むつ市など4市町村の教育委員会が提出した捕獲計画を文化庁に申請した。計画では、群れに属さない「ハナレザル」など25頭も含めた計270頭を捕獲する。内訳は、むつ市が3群102頭、大間町1群23頭、風間浦村2群66頭、佐井村5群79頭。来月開かれる文化庁の審議会に諮られた後、許可が得られれば、年内にも捕獲作業が始まる。県文化財保護課によると、計画は2011年度までの4年間だが、今年度中にすべてのサルの捕獲を予定しているという。
(「カウベルト」先進県に 富山県が来年度5カ所拡大 鳥獣被害防止へ牛放牧)
富山県は来年度、サルなどの鳥獣被害から農作物を守る効果が確認できた「カウベルト」事業を拡大する。牛を放牧するカウベルトは、耕作放棄地の解消や中山間地域の振興に寄与するだけでなく、世界的に高騰している飼料も減らせるため、畜産農家の間でも注目を集め放牧頭数が増加しており、県は事業を一層推進し、「カウベルト先進県」を目指す。カウベルトは中山間地域の耕作放棄地などに牛を放牧するものでクマやサル、イノシシ、カモシカなどの野生動物が大型動物の牛がいる場所には近づかないため、人里との緩衝地帯になる効果がある。県事業は現在二年目で、黒部、魚津、滑川、富山、氷見、南砺市の計十一カ所で牛を放牧している。黒部市宇奈月ではソバ畑の被害がなくなり、イノシシに市民農園が荒らされた南砺市小院瀬見でも被害は見られなくなった。県は効果が確認できたことから、来年度はさらに五カ所で事業を展開する。カウベルトは鳥獣被害の防止以外にも効果を発揮している。昨年度に実施した朝日町南保では、放牧した牛が耕作放棄田の雑草を食べ尽くしたため、今年度は再び、水田に戻した。また、受胎牛を放すため、出産後は園児や地元住民らが仔牛(こうし)に命名するケースもあり、放牧牛への愛着から中山間地域や畜産への関心を高める効果も期待されている。県事業以外にも、県内では畜産農家が三十二カ所で九十八頭を放牧していて、魚津市小菅沼では牛の代わりにヤギを放牧している。県ではカウベルトについて「想像以上に効果を上げている。畜産振興の観点からも力を入れたい」(農業技術課)としている。
(加賀市の片野鴨池にマガンやコハクチョウ:石川)
石川県加賀市の片野鴨池にはマガンやコハクチョウなど冬を日本で過ごす渡り鳥が飛来しています。片野鴨池には先月中ごろからカモやヒシクイなどの渡り鳥が増え始めました。11日朝、マガンやマガモ、ヒシクイなどおよそ1500羽が羽を休めていました。またコハクチョウが柴山潟周辺の田んぼにむかって飛び立つ姿も見られました。各地の朝の最低気温は金沢市で6.7℃加賀市柏野で4.6℃輪島市で7℃ちょうどと平年を1、2℃下回りました。鴨池観察館によりますと天気の良い午前中に多くのカモなどが見られるということです。渡り鳥の飛来は来月にかけて多くなり、来年2月ごろまで見られるということです。
(陸自玖珠駐屯地の銃紛失 元陸自隊員に懲役4年求刑:大分)
陸上自衛隊玖珠駐屯地(玖珠町)に侵入して64式小銃などを盗んだとして銃刀法違反、窃盗の罪などに問われた宮崎県高鍋町持田、元陸上自衛隊員、高山敏信被告(45)の初公判が10日、宮崎地裁(高原正良裁判長)であり、高山被告は「自衛隊を退職させられた恨み。武器、弾薬の紛失が一番ダメージが大きいのでやった」と起訴事実を認めた。即日結審し、検察側は「自衛隊への信頼を揺るがせた」と懲役4年を求刑した。判決は12月11日。冒頭陳述などによると、高山被告は06年9月、同駐屯地内に侵入し、64式小銃など計6点を盗んだ。また消費者金融に借金し、01年ころから、返済を督促する電話が勤務先にかかってきたことから依願退職した。弁護側は最終弁論で「犯行の背景にはうっ屈した精神状態があった。うつ病での入院歴があり、手首を切って自殺を図ろうとした」と情状酌量を求めた。
(朝青龍が初場所へ意欲 4日ぶりに朝げいこ)
左ひじのけがのため大相撲九州場所を休場した横綱朝青龍が11日、福岡市内の高砂部屋で4日ぶりに朝げいこを行い「けがをしっかりと治して来場所に備えたい。(12月2日から始まる)冬巡業にも出る」と話し、進退のかかる来年1月の初場所への意欲を示した。この日はしこや若い衆に胸を貸すなど軽めのけいこだった。左ひじには「痛みはないが、違和感がある」と話した。体重は147、8キロを維持し、体調もいいという。朝青龍は治療のために10月初旬から約1カ月、モンゴルに帰国。現地では温泉治療のほか、山に10日間こもって、テントで生活をしたという。「シカを捕まえて食べたり、川の水で顔を洗ったり、サバイバル生活だった。精神を鍛えることが目的だった」と説明した。
(生きもの異変 温暖化の足音)
地球の気候システムが変調をきたしている。この100年間で世界平均気温が0・74度、高くなった。人間でも体温が1度上がれば寝込んでしまう。今の地球は、生命の惑星が病んで発熱している状態にもたとえられるのだ。温暖化の影響は、真っ先に自衛手段を持たない動物や植物の暮らしに表れる。気温上昇に追われ、あるいはその波に乗って分布域が変化する。南北に長い日本列島の海山で、草虫木魚や鳥獣の世界に異変が起きている。すべてが気候変動に起因すると断定はできないが、可能性はきわめて高い。生物は、忍び寄る温暖化を感度良くとらえるセンサーだ。シリーズで温暖化がもたらす生物界の異変をさぐる。昆虫ではチョウの北進が目立つ。ナガサキアゲハをはじめ、ツマグロヒョウモンなど10種ほどで分布に変化が起きている。いずれも南方系の仲間である。黒くて美しい大型のナガサキアゲハは研究が進み、温暖化によって分布域の北方拡大が起きたことが明らかになっている。九州北部付近から北上を始め、約60年後の2000年ごろには首都圏に到達しているのだ。鳥類では日本アルプスの高山帯に暮らすライチョウの生息域が狭められている。氷河時代の生き残りのこの鳥は日本が世界分布の南限だが、麓(ふもと)から迫る温暖化の波で、山頂部に向かって押し上げられている。また、冬が暖かくなったことなどで山岳地帯に進入を始めたシカなどにライチョウの生活の適地が奪われているという面もある。シカは雪が積もると餌不足で自然に数が減るのだが、その調節が効かなくなってきているのだ。食害で高山植物も危うい。日本の気候帯は1年に約5キロの速度で北に向かって移動している」国立環境研究所参与でIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のメンバーでもある西岡秀三さんは語る。東京と大阪の平均気温差と距離と10年当たりの昇温値から算出できるスピードなのだ。動物や昆虫なら対応可能かもしれないが、樹木の場合は不可能だ。氷河期に広がったブナ林は、西日本では約1000メートル以上の山地に残っているが、この群落も急速な温暖化で山頂へと追い詰められることになる。高い山が少ない西日本のブナの将来には絶滅の運命が待っている。ブナ林に影を落とす高温障害は、国産米で深刻な現実問題となっている。九州では2003年以降、水稲の作柄と品質の低下が続いている。稲穂が出た後の気温が高すぎるために実りが悪いのだ。病気や虫害の多発も影響している。ブドウなどの果樹への影響も出始めている。果樹は栽培に適した気温の幅が狭いので温暖化の影響を受けやすい。現在、関東以西の太平洋岸にあるウンシュウミカンの産地が2060年代には日本海側などに移る見通しだ。リンゴ畑は長野や青森から北海道へと移る。海の中でも異変が起きている。夏に海水温が高くなりすぎるためにサンゴが白くなって死んでしまう白化現象の発生だ。昨夏には、日本の南西諸島をはじめ、世界の熱帯・亜熱帯の海で多発した。サンゴ礁は海中のオアシスなので、そこに暮らす多様な生物も消えてしまう。九州や瀬戸内海では、以前にはいなかった南方産のナルトビエイの群れが浅海のアサリなどを食い荒らす。気象庁によると、日本周辺の海面水温は世界の海の平均の2倍強の割合で上昇中なのだ。東シナ海や瀬戸内海でとれていたサワラが10年前から日本海で漁獲されるようになり、漁場も青森県まで延びている。海水面の上昇で世界には水没が心配される島々もあるが、瀬戸内海では大繁殖したダンゴムシの仲間に無人島が侵食されて消滅寸前。温暖化の影響も否定できない。日本列島の動植物が申し合わせたかのように変化をみせ始めている。6年ぶりに、昨年まとめられたIPCCの第4次報告書も、生物環境の90%において温暖化の影響が有意に表れていると述べている。日本の自然界も例外ではあり得ない。マラリアなど、媒介生物の北上による感染症のリスクも高くなる。大発生したクマゼミによる光ファイバーの断線も多発した。温暖化の波は、予想さえしない障害も引き起こす。日本アルプスに生息するライチョウは、日本で最も温暖化の痛手を受けやすい野生動物の代表だろう。氷河期の生き残りであるからだ。このライチョウが減少傾向を見せている。「25年前の調査では約3000羽。それが最新の調査では約1670羽になっています」信州大学の鳥類学者、中村浩志教授は、ほぼ半減という現実に表情を曇らせる。日本アルプスのうちでも、北アルプスより南アルプスのライチョウの減少が著しい。25年前の南アルプスでは723羽の生息が推定されたが、今では284羽に減って、かつての40%に満たない推定個体数である。それが各山の山頂部で別れ別れに暮らしているのだ。ライチョウは約2万年前の氷河期に陸続きになった日本列島へ大陸からやってきた。氷河期が終わると日本海ができて、飛ぶ力の弱いライチョウは日本列島に取り残された。気温の上昇とともに彼らは涼しい高山に逃れ、3000メートル級の日本アルプスで生き延びてきた。東北や北海道にいないのは山々の標高が低く、生息できる高山帯の面積も小さいためだ。縄文時代の気候温暖期に、日本アルプス以外のライチョウは絶滅したと考えられている。ライチョウは、寒冷な氷河時代の「忘れ形見」なのだ。現在、世界のライチョウは、北極を取り巻く地方に生息しており、日本の仲間は、世界の南端に隔離分布している特異で貴重な存在なのである。最南端のライチョウは現在、急速に進んでいる地球温暖化の影響をまともに受けやすい。中村教授は、25年前の生息数をベースにして年平均気温が1~3度上昇した場合の生息可能数を試算した。1度高くなるごとに、ライチョウが生息するハイマツ帯の森林限界は154メートル上昇し、それより低い位置にあったなわばりが失われるという考えに立っている。その結果、南アルプスのライチョウは、1度で22%、2度で69%、3度で95%が死滅するという結果が出た。北アルプス群の減少率はもう少し緩やかだが、南北間の交流はないので南アルプス群の状況は危機的だ。温暖化の包囲網に加えてライチョウの生存を危うくする、もうひとつの脅威がある。ニホンザルやニホンジカなどの大型哺乳(ほにゅう)類の高山帯への進出だ。サルやシカは本来、低山にすむ動物だが、近年その数が増えすぎた結果、新たな餌を求めて3000メートルの高山にまで現れるようになったのだ。サルやシカは、ライチョウの餌となる高山植物を食い荒らし、生息環境を荒廃させている。これらの野生動物が増えた原因には、農山村の過疎化や里山の荒廃があげられるが、シカの場合は近年の暖冬・少雪が効いている。冬季にシカが餌不足で死ななくなったため、個体数が急速に増えている。これまでは動物にとって餌の少ない針葉樹林の亜高山帯が高山帯への障壁になっていたのだが、林道がつけられたために頂上への結界が破られたのだ。その結果、現在の南アルプスのライチョウは25年前の40%以下に減っている。これに温暖化が本格的に作用すれば、日本のライチョウは“蒸発”しかねない。

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11/10
(ペットの鹿暴れ突進、近所の72歳重体 熊本)
9日午後10時ごろ、熊本県多良木町黒肥地、無職川畑満渡(みつと)さん(67)方の庭で、ペットとして飼っていた雄の鹿(体重約80キロ)の首輪が外れているのに川畑さんが気付いた。暴れ出したため、近所の数人が取り押さえようと駆けつけたところ、鹿が突進し、川畑さん方前の道路で、近くの無職井上孝雄さん(72)に体当たりして逃げた。井上さんは転倒、アスファルト路面で頭部を打ち、意識不明の重体。鹿は10日朝、約300メートル離れた山中で見つかり、地元猟友会に射殺された。県警多良木署の発表などによると、川畑さんは4年前の春、山に行った際に子鹿を見つけ、拾って帰った。ロープと金具でできた首輪をかけ、庭にクイを立ててつないでいたという。9日夜は、鹿が暴れる物音がしたため、川畑さんが庭に様子を見に行ったという。1人で取り押さえられなかったため、妻のハツコさん(67)が近所に助けを求めるとともに、110番した。川畑さんは、読売新聞の取材に対し、「妻が首輪をしっかりと着けていなかったのだと思う」と話している。首輪がクイの近くに落ちていたという。同署は、鹿の管理に問題があり、狩猟期間(11月~3月)外の鹿の捕獲を禁止している鳥獣保護法にも抵触する恐れがあるとみて、川畑さん夫婦から事情を聞いている。熊本市動植物園によると、秋は繁殖期で雄の闘争心が強まるため、人間に向かってくることがあるという。
(道東道に出没も 夕方、早朝は要注意)
十勝管内では今年、野生動物が車両や列車と衝突する事故が相次いでいる。11月に入ってからは大型バスとクマ、列車とタンチョウがそれぞれ衝突し、いずれの動物も命を落とした。乗員、乗客にけがはなかったが、一歩間違えれば車両などの破損だけでなく、人命が危険にさらされる恐れも。「エゾシカの数が増えている」との関係者の見方もあり、帯広署では注意深い運転とスピードダウンを呼び掛けている。道警釧路方面本部によると、今年に入ってから10月末まで十勝管内5署と十勝機動警察隊が扱ったシカと車両の交通事故件数は計98件で、すべて物損事故だった。本別署が30件と最も多く、帯広署22件、新得署20件と続く。帯広署管内では10月に8件と集中し、衝突の弾みで路外に逸脱し走行不能になった車もあるという。11月1日午前には、清水町の道東自動車道清水IC(インターチェンジ)-トマムIC間で、根室から札幌に向かっていた都市間バスがクマと衝突。同5日午後には、JR根室線の浦幌駅-新吉野駅間で、特急列車とタンチョウ1羽が衝突し、タンチョウが死んだ。また、9月2日には広尾町の町道で乗用車とぶつかったクマが、2、3回転がった後、草むらへ逃げる事故も起きている。帯広署は「クマとの衝突は珍しいケース」とする一方、多発するシカとの衝突事故の対処法として、春と秋の夕方や早朝は特に注意が必要と指摘。具体的には(1)群れで行動するので1頭だけと思わない(2)道路上のシカの動きは遅い(3)道路際まで林がある道に注意(4)夜間は可能な限り前照灯をハイビームに-などを挙げている。また、猟銃や猟具品などを扱う「小宮銃砲火薬店」(帯広市東1南8、小宮則夫代表)では「年々、シカもクマも頭数が増えている印象。水を飲むためなどの移動で道路を横断することも十分に考えられる」という。上士幌町糠平を拠点に活動する「NPOひがし大雪自然ガイドセンター」(河田充代表)も「昨年は雪が少なかったため餌に困らず、越冬できたシカの数が多かったのでは。糠平周辺の禁猟区にシカが集まってくる傾向にある」とし、一層の注意を呼び掛けている。
(出没情報少なくても 木の実凶作 クマ里山へ)
今年は少なく感じるクマの出没情報。しかし、安心するのは早い。県によると、ツキノワグマの餌になる木の実が奥山で不足する見込みで、暖冬なら年内いっぱい活動するクマもいるといい、関係者は「餌を求めて人里に近づくのでは」と心配する。中山間地域の住人やキノコ採りなどで山に入る人は、まだ注意が必要だ。県のまとめでは、十月三十日までに寄せられたツキノワグマの出没情報は百七十二件。大量出没した二〇〇四年の千六件、〇六年の五百二十七件に比べれば少ない。しかし、昨年一年間の総数よりは五十件近く上回っている。クマの出没数は山奥の餌の量で変わる。不足すると、普段は寄りつかない里山に向かって来るからだ。県自然保護課が十月に発表した木の実の着果予測は「昨年より不作」。ミズナラこそ並作だが、ブナは大凶作、コナラも凶作になるという。しかも「特に奥山が凶作で、里山寄りの山地の方が餌が多い」という。既に、民家近くまで来ているとの情報も少なくない。同課は対策として、クマが活発になる早朝や夜の外出を控えたり、外出時に鈴やラジオを携帯することなどを呼び掛ける。金沢中日文化センター登山教室講師の林正一さんは「ブナだけでなくキノコも少なく、要注意の年であるのは間違いない。冬眠前のこれからの時期、里山に降りてくる可能性がある」と話す。そして「クマだって人間が怖い。山にはできるだけ誰かと一緒に入り、一人の時は時々大声でしゃべるといい」とアドバイスする。県猟友会の山下忠さん(76)=金沢市涌波=は以前、三年続けてクマに襲われた。「こっちからクマにちょっかいをかけたから」という。最初は約十年前の秋。金沢市内の登山道でキノコ採りの最中、見上げると、頭上の枝でコクワの実を食べるクマの姿があった。「クマは見慣れとっさけ、追い払おうと『こら、こら』と叫んだ」。すると、逃げるどころか飛び降りて追い掛けてきた。太い木に隠れて攻撃をしのぐうち、走り去った。その翌年の四月と、さらに翌年の十一月には、ライフルで仕留めたはずのクマに反撃された。鋭いツメを背中やひざに受けた。幸いけがは軽かったが、「足が速く、気づいたときには目の前まで迫っていた。クマも必死で向かってくる。油断した」と振り返る。山下さんは「クマには絶対にこちらから近寄らないで」と話している。
(横浜の信金で強盗 現金入りかばん奪われる)
10日午後0時10分ごろ、横浜市戸塚区上倉田町の湘南信用金庫戸塚支店の職員から「裏口から店に入ろうとしたら男に現金が入ったかばんを奪われた」と110番があった。かばんには200万-300万円が入っており、戸塚署が強盗事件として男の行方を追っている。けが人はいなかった。調べでは、男は40-50歳で身長約170センチ、黒い帽子をかぶっていたという。職員が店の裏口から店内に入ろうとしたところ、男が洋弓銃のようなものを突き付けて「かばんを置け」と脅迫、現金が入ったかばんを奪って軽自動車で逃げた。

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11/9
(新型エアガンに殺傷能力か 800丁押収)
東京都北区の遊戯銃製造会社「タナカ」が発売した新型のエアガンが拳銃と同様の殺傷能力を持つ疑いがあるとして、警視庁組織犯罪対策5課が銃刀法違反容疑で同社を家宅捜索し、エアガン約800丁などを押収していたことが9日、分かった。同課は押収したエアガンを鑑定し、同社社長らから事情聴取するなど立件に向け捜査している。調べによると、通常のエアガンは本体にガスを注入するが、同社が今年7月に発売した新型の回転式拳銃型エアガン「カシオペアタイプ」は薬きょうの中にガスを注入し、その圧力でプラスチック弾を発射する仕組み。本体を改造しなくても、薬きょうの強度を上げて火薬を詰めれば、金属弾を発射できる可能性があり、拳銃同様の殺傷能力を持つ疑いがある。
(射殺は薬物密売からむトラブルか:愛知)
愛知県小牧市で8日夜に乗用車内で外国人とみられる男性が射殺体で見つかった事件で、車内に現金と複数の種類の薬物が残されていたことが9日、分かった。県警は外国人の薬物密売にからむトラブルとみて捜査を進めている。県警によると、車内には携帯電話が2台、財布が2つ残されており、財布には現金計74万円が入っていた。覚せい剤や大麻とみられる薬物の包みが大量に入った黒いバッグも発見された。車の名義人は岐阜県の日系人男性だったが死亡男性とは別人だった。身元を示すものは見つかっておらず、身元の確認を急ぐ。また8日深夜から翌未明にかけ銃で撃たれた別の外国人男性が滋賀県長浜市の病院に入院し治療を受けていることも、病院から滋賀県警への通報で判明。「小牧で撃たれた」と話しており、関連を調べている。命に別条はないという。
(小学校庭で手りゅう弾見つかる:滋賀)
7日正午ごろ、長浜市当目町の市立下草野小学校の中庭で、重機で掘削工事をしていた土木業者の男性(62)が、地下約1メートルから金属製の樽(たる)型手りゅう弾(高さ約10センチ)を発見。8日に長浜署に届け出た。一時は学校に近づかないよう呼び掛ける騒ぎとなったが、同署が調べたところ、見つかった手りゅう弾は旧日本陸軍の訓練用で、針管や火薬はついていないものと判明した。埋まっていた経緯は不明という。同署は週明けに陸上自衛隊に引き渡す予定だ。
(多種類の獣の侵入防止に対応 新電気柵「獣塀くん」開発:山梨)
山梨県総合農業技術センターは、イノシシやハクビシンなど多くの種類の獣に対応できる新電気柵(さく)「獣塀(じゅうべい)くん」を開発したと発表した。市販の金網などを購入すれば簡単に安価で製作可能といい、県のホームページ(www.pref.yamanashi.jp)で作り方を紹介している。同センターによると、既存の電気柵は獣の対象を限定し、対象外の獣の侵入はあまり防止できなかった。農林水産省の事業の一環として、新電気柵の開発を担当したという。新電気柵は、モルタル壁の下地用に使う金網を支柱間に取り付け、通電部分を線から面に広げたのが特徴だ。サル・シカ以外に対応する1号、サル以外の2号、すべてに対応する3号の3種を考案し、1号は高さ60センチで経費はメートル当たり544円。
(集団で眠り夜食欠かさず:奈良)
夜の奈良公園。シカは昼間のようには、姿を見られない。どのように過ごしているのだろうか。奈良の鹿愛護会によると、今の時期、午後4時を過ぎると、ぞろぞろとねぐらに向かう。ただ、年中、同じ時間という訳ではない。季節によって異なり、日没の少し前に、動き出すという。集団で行動することが多い日中と同じように、夜も、そのまま、まとまって休む。ほとんどが茂みのある場所。約10年前の9月に行った調査では、公園内に、シカが集まるねぐらが11か所ほどあった。少ないもので約20頭、多いところは、若草山のふもとで、約280頭が一緒にいた。「集団でいるほうが安全」と話すのは同会の池田佐知子事務局長(57)。公園周辺には天敵の野犬もおり、毎年10~20頭が襲われ死んでいる。「危険が近付くと、集団の中の“ボス”が、お尻の白い毛を立たせた後、『ピャッ』と鳴いて知らせるんですよ」という。仲間と一緒に安心してぐっすり寝ているのか、と思いきや、雌雄とも約3時間ごとには起きて、うろついては芝を食べる。お腹が減るというのもあるのだろうが、シカの生態に詳しい広島フィールドミュージアムの金井塚務代表(57)は「草食動物は、常に襲われる危険性を感じているので、眠りが浅いらしい」という。夜食を欠かさないシカ。その割には、太り過ぎて困っている姿を見かけないのが、ちょっとうらやましい。
(今年は40頭捕獲クマ出没注意:群馬)
沼田市の県利根環境森林事務所は、今年のツキノワグマによる管内の被害状況をまとめた。4月から先月末までに利根沼田地区で捕獲されたクマは昨年同期より7頭多い40頭で、ほぼ平年並みだが、同事務所では「まだ冬眠前のクマの出没が相次いでおり、キノコ採りなどの入山に際しては注意が必要」と地元住民や観光客に警戒を呼びかけている。捕獲は農家などの農作物被害の申請に基づき、市町村や県の判断で檻(おり)を設置して行われている。市町村別の捕獲頭数は合併前の旧沼田市域が五頭、旧白沢村域が二頭、旧利根村域が十頭、片品村が十頭、川場村が二頭、みなかみ町が十頭、昭和村が一頭。被害額は五百九十二万円(昨年同期三百五十九万円)で、リンゴやプラム、ブドウ、トウモロコシなどが食い荒らされた。県の農政サイドで詳しい被害状況を調査中で、最終的な被害額は現段階より増えると予想されている。今月十五日には狩猟解禁となり、クマもしばらくすると冬眠するため、被害申請による捕獲状況は十月末のデータが事実上の確定値。とはいえ、同事務所の話では、今月に入ってからもJR上越新幹線・上毛高原駅から北に約一キロの民家近くでクマのうなり声が聞かれ、旧月夜野町域の中村地区でも親子のクマの足跡が確認されるなど、まだ要注意という。
(EU、アルプスの動植物保護計画を始動)
欧州連合(EU)は4日、アルプス(Alps)に生息する3万種の動物、1万3000種の植物を保護するための「ECOCONNECT」計画を開始すると発表した。期間は3年間、予算は320万ユーロ(約1140万円)で、アルプスに接するEU加盟国のオーストリア、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニアに加え、スイスでも実施され、ほかにEU加盟・非加盟の16か国が関連国として参加する。ウィーン(Vienna)で会見したECOCONNECTのコーディネーター、クリス・ワルツァー(Chris Walzer)氏は、スロベニア・アルプスではクマが希少種になっており、毎年20頭が車やトラック、列車にひかれて命を落としていると指摘した。
(タヌキの飛び出しにご注意 上越、妙高の国道で事故急増)
上越市や妙高市の国道を管理する国土交通省直江津国道維持出張所(古山利也所長)が、2006年度から今年10月までの管内(総延長約80キロ)の動物れき死件数をまとめたところ、タヌキの事故件数が半数以上と突出し、山間部や市街地の区別なく多発していることがわかった。国道管理にあたる同出張所が、動物事故などの防止につながればと、初めてまとめた。それによると、06年度208件、07年度205件、08年度も7か月間ですでに185件と、過去2年を上回るペースで発生している。犠牲の内訳は、タヌキが318件で全598件の約53%を占め、突出していた。次いで猫92件、カラス70件、犬13件で、ほかにもハクビシン、イタチ、アナグマ、シカ、キツネなどと多岐にわたり「イノシシとクマ、サル以外はほとんどいる」(古山所長)という。タヌキの事故では、冬に備えてエサを求めて動き回るためか、月別では9~12月が多く、特に10月が多発。昨年は26匹、今年も29匹が犠牲になった。路線別では山間部の国道18号よりも、海岸部を走る国道8号が約1・4倍多かった。昨年4月には国道8号で、動物を避けようと運転手が急ハンドルを切ったトラックが路肩に乗り上げる事故も起きた。同出張所は、動物事故が人身事故につながる可能性もあるとして、10月下旬から電光情報板などで動物の飛び出しへの注意を呼びかけている。古山所長は「どこでも動物が飛び出して来ると意識することで、動物だけでなく人身事故の減少にもつながれば」と話している。

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11/8
(山梨、長野知事が初の懇談会 シカ食害対策で連携)
山梨・横内正明知事と長野・村井仁知事による初の2者懇談会が7日、長野県諏訪市で開かれ、ニホンジカ駆除の強化や中央自動車道の渋滞緩和を関係機関に求めることで連携していくことを確認した。懇談では村井知事が、農産物被害の4割を占めるシカの駆除を取り上げ、「ジビエ(野生の鳥獣肉)料理やペットフードに利用できる」と説明。横内知事は「市町村に補助をしてきたが、山の上に侵出するシカの駆除は県がやるしかないと考えている」と語った。懇談会後、報道陣から話題にしなかったリニアと道州制の質問が出ると、両知事は互いを気づかいながらも持論を展開。両問題では温度差を感じさせた。
(野生生物学会全国大会、佐世保で開幕)
国や研究機関、環境保護団体などの関係者でつくる野生生物保護学会の第十四回全国大会が七日、三日間の日程で佐世保市で始まった。最終日は長崎国際大で国の天然記念物ツシマヤマネコの保護をテーマにシンポジウムがある。全国大会の九州開催は初めて。ツシマヤマネコの繁殖、飼育を目指している同市が会場に選ばれた。初日は、県北地域でイノシシによる農作物被害が深刻化していることから、潮見町の山澄地区公民館で対策講習会を開催。会員のほか長崎、佐賀両県内の自治体職員、農業関係者約百五十人が鳥獣被害防止対策を学んだ。近畿中国四国農業研究センター(島根県)の上田弘則主任研究員は、捕獲用のわなに掛かったものの逃れ四年間生き続けたイノシシがいたなどとする調査結果を報告。「捕獲を試みても減らない。農地に近づけさせない環境づくりが必要」と強調した。九日午前九時からのシンポジウムでは、財団法人自然環境研究センター(東京)の中島絵里・上席研究員がツシマヤマネコの生態、佐々木真二郎・環境省対馬自然保護官が保護活動について基調講演。ほかに四人を加え、今後の保護の在り方などについてパネルディスカッションをする。
(アライグマ国宝に傷 京都や奈良で被害相次ぐ)
京都府木津川市の浄瑠璃寺や奈良県葛城市の当麻(たいま)寺で、アライグマが国宝や重要文化財を傷つけるなどの被害が続出していることが分かった。京都府内の8割の寺社でアライグマの痕跡が確認されたとの調査結果もあり、文化庁が6日、浄瑠璃寺の現地調査に入った。浄瑠璃寺では国宝・三重塔内の柱に描かれた天部(てんぶ)像の顔がひっかかれ、天井の一部が破損。重文の薬師如来像も右肩の衣部分の朱色顔料などに傷つけられた跡があった。アライグマは塔の軒下の穴から入り込んだとみられ、文化庁の奥健夫・文化財調査官は「文化財価値にも影響するので被害を防ぐよう管理してほしい」と話した。一方、当麻寺の国宝・三重塔の西塔では今年5月、足跡が見つかった。同寺中之坊の茶室「九窓席」(重文)では屋根裏を走り回り、天井の数カ所に穴が開いたという。県猟友会葛城支部が6月、境内におりを設け、居着いていた1匹を捕獲した。被害は世界遺産の東大寺(奈良市)や清水寺(京都市)にも及んでいるという。奈良県森林保全課によると、アライグマの捕獲数は近年急増し、07年度は県内で136匹。関西野生生物研究所(京都市)によると、京都府内では調査した約400寺社の8割で足跡やフンなど痕跡が見つかった。同研究所の川道美枝子代表は「狭くて暗い寺社の天井裏を好んで、すみかとしているのだろう」と分析する。
(テロ対処訓練 都が実施)
都は7日、放射能爆弾(ダーティボム)を想定した大規模テロ災害対処訓練を東京ビッグサイト(江東区)で実施し、関係者約1000人が参加した。国民保護計画に基づく訓練を03年から行っており、今回が6回目。放射能爆弾を想定した実動訓練は全国初という。イベント会場に武装集団が立てこもり、時限式放射能爆弾が仕掛けられたとの想定。放射能爆弾は放射性物質を拡散させるもので、将来にわたる健康被害に加え心理面でも不安を与えるとされる。訓練では、まず機動隊員らが警備犬を放って武装集団を制圧した。一方、屋外の会場で放射能爆弾に見立てた火薬が音を響かせて爆発し、倒れた参加者らが救助された。遠隔操作で負傷者を救出するロボットなど最新鋭の機材も登場した。終了後、石原慎太郎知事は「毎年やることで抑止力になると思う」と語った。
(イノシシ被害増、住民ら駆除研修:山口)
イノシシ駆除を目的とした研修会が、柳井市日積の旧大里小学校であった。同市と熊毛郡、周防大島町の農業者ら約60人が参加した。県田布施農林事務所によると、昨年のイノシシ被害は管内で米を中心に約6・2ヘクタール、約489万円。狩猟免許の取得者は3年間で40人以上増え、現在は146人。農家が自衛のために取得する例が増えている。県鳥獣被害相談センターの小枝登専門研究員が「最近の被害増は、耕作放棄地に雑草がはえてやぶができたのが原因」と説明。「憶病なイノシシが、姿を隠して田畑に近づけるようになった。農家を中心にまとまって駆除しないと増え続ける」と指摘した。03年の免許取得後、イノシシ193頭を箱わなで捕獲した田布施町の農業、清神清(せいじんきよし)さん(61)がコツを伝授。効果を上げた箱わなのサイズや置き場所、餌などを教えた。参加者は最近3年間に免許を取得した人がほとんどで、清神さんの話を熱心に聞いていた。
(8歳男児、父親ら2人を射殺:アメリカ)
アリゾナ州フラッグスタッフ――セントジョンズ警察は7日、29歳の父親と39歳の男性を自宅で射殺した8歳男児を計画殺人の容疑で拘束したと述べた。AP通信が報じた。男児は最初、事件への関与を否定したが、その後、認めたという。警察は動機については触れていない。男児の家庭で問題があった形跡もなく、学校で注意を受けたような過去もないとう。凶器はライフル銃で被害者の遺体には複数の弾痕があったという。男児の母親はミシシッピ州から男児宅を訪れていたが、事件後、帰ったという。一方、弁護士は、警官が銃を保持しながら聴取を実施して男児を怖がらせ、弁護士立ち会いも無視したなどと捜査上の不手際を主張、男児が容疑者とする警察の発表を疑問視している。アリゾナ州東部で5日に起きた事件で、男性2人の遺体は玄関前と2階の部屋で見付かった。2人は同じ建設会社に勤めていた。
(軍用照準器を日本に密輸、日系米国人に実刑判決)
米シアトル・タイムズ紙によると、軍用にも使われる暗視用照準器などを日本に不正輸出したとして、密輸の共謀罪に問われていた日系米国人で米陸軍大尉の飯柴智亮被告に対し、シアトル連邦地裁は7日、禁固1年と1日の実刑判決を言い渡した。飯柴被告側は罪を認めた上で、3年間の執行猶予を求めていたが、裁判官は拒否した。ワシントン州フォートルイス陸軍基地に所属していた飯柴被告は、2006年から今年2月にかけて、ライフル銃用の照準器60個を業者から購入するなどし、日本の共犯者と共謀して、許可なく日本に輸出した。

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(佐世保基地の米兵が銃弾3300発不法投棄)
長崎県佐世保市にある米海軍佐世保基地所属の米兵が10月27日に基地近くの海中にライフル銃などの実弾約3300発を不法投棄していたことが7日、分かった。同市などは同日までに「適切な管理と教育の徹底」を米軍側に申し入れた。佐世保市基地政策局によると、米軍は実弾の基地内保管を定めており、基地の捜査機関が事実関係や動機を調べている。散弾銃用約3000発とライフル銃335発で、ポリ袋に入れて投棄された。米軍は「周辺の環境には影響がない」と説明しているという。米兵が10月31日に投棄を認め、米軍が1日までに回収。佐世保市などには10月31日に連絡があった。
(男性警部補交番で女性巡査に拳銃押しつけ脅す:佐賀)
佐賀県警佐賀署の交番に勤務する男性警部補(55)が今年7月と8月の2回、同じ交番に勤める20代の女性巡査の体に実弾入りの拳銃を押しつけ「撃つぞ」などと脅していたことが分かった。同署の幹部は7月時点でこの件を把握したが「性格的な問題。(警部補を)見守ろう」などと事実上放置していた。県警は対応が不適切だったと認める一方、警部補の行為が銃刀法違反などに当たる疑いがあるとみて事情を聴いている。県警によると、警部補は07年3月に佐賀市内の交番所長となった。警部補は7月17日、勤務先の交番で部下の女性巡査の右肩に拳銃を突きつけ「撃つぞ」と脅した。巡査が「やめてください」と言うと拳銃を下ろした。約1週間後、現場に居合わせた同僚の警察官が佐賀署幹部に報告した。しかし、幹部は「警部補の性格的な問題。すぐ(調子が)戻るから見守ろう」と、県警本部に報告せず、交番勤務を続けさせた。警部補は8月22日にも、同じ女性巡査の右太ももに拳銃を突きつけ、前回同様に脅した。2回とも笑いながら銃を突きつけていたという。県警は9月に入って組織犯罪対策課が警部補から3回にわたって事情聴取したが「仕事の指導の中でやったと思うが、理由は分からない」などと話したという。警部補は家庭の問題などで今年5月ごろから体調がすぐれなかったといい、県警の聴取を受けた後の9月5日に佐賀市内の病院に入院。現在も入院中で、精神的疾患の診断書が出ているという。堤哲男・県警首席監察官は「国民を守るために貸与されている拳銃を不法に使用したことは言語道断。誠に申し訳なく、県民の皆さまに深くおわび申し上げます」とするコメントを発表した。
(観光客が熊に襲われけが 軽井沢)
6日午後1時半ごろ、北佐久郡軽井沢町旧軽井沢の雲場池(くもばいけ)で、観光に来た群馬県高崎市、飲食店店員の女性(60)が熊に襲われ軽いけがをした。熊は逃げ去った。雲場池は紅葉の名所で、軽井沢署は池周辺にいた観光客約50人を避難させた。近くには軽井沢東部小学校もあり、町は下校時の注意を呼び掛けた。同署によると、女性は友人2人と訪れ、池西側の遊歩道を最後尾で歩いていたところ、やぶの中から体長約1メートルの熊が現れ、背中を引っかかれた。友人が119番通報し、町内の病院で手当てを受けて帰ったという。熊は約30分後、北東に1キロほどの旧軽ロータリー南側で川から上がり、道路を横切って民家の玄関前や庭などをうろついているのを目撃された。水道工事業の女性は「ごみ置き場を荒らそうとしたり、隣家の玄関や庭にしばらくいた後、南の方に逃げた」と話した。同署員約20人と地元猟友会員、町から熊対策を受託しているNPO法人「ピッキオ」スタッフらが熊対策犬も連れて捜索したが、臭気が途絶え、見つからなかった。雲場池は新幹線軽井沢駅から北西約1キロ余の別荘地にある。町とピッキオは同日、池周辺2カ所に注意を促す看板を設置。7日朝は通学時間帯に付近をパトロールする。
(ソバ収穫ピーク 好天続きで良い出来:京都)
京都府京丹波町で、特産化を進めるソバの収穫が最盛期を迎えている。秋風に揺れるソバ畑にコンバインが分け入り、茶色く色づく実を茎ごと刈り進めている。同町では耕作放棄地の活用策として、旧瑞穂町域を中心に1999年からソバの栽培が始まった。現在は約80軒の農家が20ヘクタールほどで生産。町内の飲食店や、そばどころで知られる兵庫県出石市などに出荷している。作業を委託されている瑞穂町農業公社によると、今年はシカなどの食害がひどく、収量は例年より3割ほど少ない10トン程度の見込み。それでも、9月以降に好天が続いたため、実の出来は良いという。収穫は今月中旬まで行われる。
(イノシシ5頭が特急列車と衝突:福島)
6日午後7時25分ごろ、福島県南相馬市小高区のJR常磐線磐城太田―小高駅間で、仙台発上野行き特急スーパーひたち66号(4両編成)の運転士が異常な音に気付き、特急を停車させた。近くで親子とみられるイノシシ5頭が死んでいるのが見つかったことから、特急はイノシシと衝突したらしい。乗客約140人にけがはなかった。JR東日本福島支店によると、車両に異常はなく、親1頭、子4頭とみられるイノシシを線路脇に運び、約20分後に運転を再開した。下りの普通列車1本も約25分遅れ、合わせて約340人に影響が出た。列車が5頭ものイノシシと衝突するのは珍しい。JR東日本は野生生物の線路内への進入対策に頭を痛めている。

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(“公務員ハンター”全国で増加 クマ、サルなどによる被害対策)
農作物に被害を及ぼし、人里への出没が相次ぐサルやクマなどを捕獲・駆除する“公務員ハンター”が全国で増えている。被害が頻発するなか、地元猟友会のメンバーは高齢化してハンターは減るいっぽう。頭を悩ませる自治体の中には、職員をハンターとして養成し、猟銃の購入も予定するなど、出没時の即応態勢を整える動きが出てきている。環境省によると、野生動物による被害は急増している。例えば、2005年度のイノシシ捕獲数は全国で6万5153匹と1997年度の約3倍。一方、ハンターは約16万6000人で30年前に比べて半減した。ニホンザルによる農作物被害やクマの出没などが相次ぐ富山県魚津市でも、ハンター不足は深刻。市内の猟友会員は70年代の約170人から約40人に激減した。会員の多くは60歳代だ。そこで、市は今年6月、「職員ならすぐに出動させられる」と、職員に狩猟免許の取得を呼びかけた。現在、消防署員ら20~50歳代の職員9人が免許取得を目指して勉強中だ。市は今年度、国の補助を受けて散弾銃を購入する計画という。特産のユズなどをニホンジカに荒らされている高知県香美(かみ)市では今年、免許を持つ職員3人による「鳥獣被害対策実施隊」が発足した。1人は昨年、免許を取得したばかり。ハンター不足の事情は同じで、市は「今は農家へ対策を広報する活動が中心だが、将来は隊員による捕獲や駆除も考えたい」としている。「同様な傾向は、全国で広がるはず」と農林水産省鳥獣被害対策室。岩手大の青井俊樹教授(野生動物管理学)は、自治体が自前のハンターを持つことについて「選択肢の一つとしてあり得るが、放置されている里山の果樹や森林の整備なども重要だ」と話している。
(伊豆沼・内沼 愛鳥会など関係7団体「餌付けやめ」宣言:宮城)
県伊豆沼・内沼環境保全財団と栗原、登米市、地元の愛鳥会など計7団体は5日、両沼の3カ所に、愛鳥会などによる組織的な餌付けの取りやめを宣言する「渡り鳥等への餌付けの自粛」看板を設置した。本来の野生を損なわないようにするのと、鳥インフルエンザ問題に配慮した措置。渡り鳥ファンの個人的な餌やりは量的に少ないとしてOK。適度な距離感を保った鳥との交流を求めている。看板には、「鳥と人間の本来の関係を構築するには、餌付けを少なくし、環境保全活動によって沼の自然再生活動をすすめることが重要」などと記され、鳥インフルエンザに関しては「通常では人間に感染しないが、餌やりする場合、手で直接与えないように」と呼びかけている。同財団によると、組織的な餌付けの取りやめで餌付け量の9割を削減できるという。すでに1日から組織的餌付けを取りやめており、同財団の嶋田哲郎主任研究員は「カモ類は近辺の田に索餌に出かけ、ハクチョウは両沼に増えたハスの根を食べている」と指摘する。
(ドングリ凶作、クマ出没に注意:兵庫)
播磨地域の四-十月のクマの目撃・痕跡発見件数が、昨年度一年間と比べて約三割多いことが分かった。氷ノ山山系はコナラの実が平年並みで、餌不足が深刻な但馬地域と比べれば少ないものの、今後、冬眠前の出没が増える懸念もあり、各市町が注意を呼び掛けている。(若林幹夫)兵庫県の各農林水産振興事務所などによると、四-十月の目撃・痕跡発見の件数は、宍粟二十(昨年度合計二十三)▽佐用=十三(同十一)▽神崎郡(神河、市川、福崎町)=五(同〇)など。中播磨、西播磨県民局管内では計四十五件(昨年度合計三十五件)で、捕獲数は〇件だった。ここ数年、クマの餌となるドングリが、隔年で豊作、凶作を繰り返し、出没件数も増減。県森林動物研究センター(丹波市)によると、今年は全県的に凶作といい、但馬の目撃情報は、十月末で昨年度合計の約二倍に上るという。播磨は氷ノ山山系のコナラの実が平年並みだが、宍粟市千種町で十月二十七日、民家近くでカキを食べた跡が発見されている。ブナ、ミズナラなどは実りが少なく、冬眠前に餌を確保しようと、人里近くに姿をみせる可能性があるという。予防策は、生ごみを野外に置かない▽果実、ペットフードなどは厳重に保管▽住居近くのやぶ、草むらは刈り取る-など。各市町の担当者は「入山時は、鈴やラジオなどを携帯して」と呼び掛けている。
(健在7歳 獣猟北海道犬日本一:北海道)
厚真町軽舞の斉藤政則さん(51)飼育の北海道犬「桐」(牡7歳)が、北海道犬種獣猟競技で日本一に輝いた。全盛期は過ぎたものの、大会で勇敢にヒグマと立ち合った。斉藤さんも「いつもはおとなしいけど持って生まれた本能」と脱帽だ。天然記念物北海道犬保存会が主催する第94回本部獣猟競技会(10月、札幌)で、全国各地から集まった北海道犬約200頭の頂点に輝いた。鵡川支部の豊田康秀支部長(62)がハンドラー(犬を引く人)となり、桐はおりの中にいるクマと向き合い、姿勢を低くしながら威嚇した。幼犬時代に全国一位になったことはあるが、成犬になってからは初めての日本一。他の模範となる「参考犬」にも輝いた。桐は豊田さん方で生まれ、斉藤さんが生後約2カ月の時に譲り受けた。畑がエゾシカの食害に悩まされ、「番犬代わりに」と斉藤さん。「元気に長生きしてもらいたい。桐の木はタンスにしても100年持つから」との願いを込めて「桐」と名付け、家族で大切に育てたル豊田さんの薦めで大会に出るようになり、全国大会準優勝など次々と好成績を収めていった。「訓練しているわけではないので(日本一は)実感がない」といいながら、「普段は無駄ぼえもせずとてもおとなしい犬。自信のある証拠かもしれない」とも。豊田さんも「北海道犬は2、3歳のころが一番いい。全盛期は過ぎたものの焦らずにじっくり育てた成果」と評価した。
(アライグマ捕獲45匹 過去最多に:北海道)
苫小牧市内のアライグマ捕獲数が、2008年度既に45匹を数えている。07年度総数を10匹も上回り、過去最高に。市街地のごみ箱を荒らす問題も起こり始めた。生態系に影響を及ぼしたり、農業被害をもたらす国の特定外来生物として、5年前から捕獲に取り組んでいる。市内美園町の住宅街で5日、アライグマ2匹が捕獲された。市が民家の庭に設置した箱わなに掛かった。「この地域で随分と出没が目立つようになった。生息数が増えているのでしょう」と市職員。市自然保護係によると、市がアライグマ対策を始めた5年前の捕獲数は8匹。生息域の広がりと、強い繁殖力で捕獲数も年々増える一方という。捕獲場所は、樽前から植苗・美沢地区にかけた森林沿いの地域が多い。農家のスイートコーンを食い荒らすなど市内の農業被害額は、昨年度で240万円に達した。市街地に姿を現し、ごみ箱を荒らすやっかいなアライグマも見られるようになった。市内あけぼの町の運輸会社では今年春、事務所前のごみ箱が荒らされた。「事務所にごみが散乱し、わなを仕掛けたところ、2匹も掛かった」という。市内高丘の事業所のごみ箱に餌付いた事例もあり、市は「生ごみの味を覚えたアライグマが市街地にどんどん侵入して来るようになれば大変だ」と心配している。
(郡山の刀剣乱入 大量殺人を計画:福島)
郡山市駅前の「結婚情報センター」郡山支店に9月、刀剣を持って乱入したとして殺人予備、銃刀法違反などの罪に問われた須賀川市森宿七曲、派遣社員、米倉穣被告(34)の初公判が5日、地裁郡山支部(竹下雄裁判長)であった。検察側は冒頭陳述で、米倉被告が長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件や秋葉原無差別殺傷事件を参考にしたとし、勤務先の派遣会社も襲う大量殺人を計画していたと明らかにした。冒頭陳述によると、米倉被告は昨年9月に40万円を支払い同支店に入会したが、思うように交際相手の紹介がなく「だまされている」と思い、支店従業員を皆殺しにすると決意。支店を襲った後には、派遣会社の襲撃を計画し、下見していた。決行日は「09年9月9日」と定めたが、「殺す」などと送った脅迫メールをいたずらと思われたと考え、1年早め実行。グルカナイフなどの特殊な刃物は、インターネット通販で手に入れられると、今年6月の秋葉原事件の報道で知り、昨年12月の佐世保の乱射事件にも共感したという。この日、米倉被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。次回12月10日に結審する予定。
(試験栽培のキビ脱穀:長野)
根羽村高橋地区の農家ら11戸が、今年試験的に取り組んできたタカキビが収穫期を迎えた。5日には根羽家畜市場に収穫したタカキビを持ち寄り、脱穀の作業に汗を流した。タカキビは雑穀の一種。かつては全国的に生産され、根羽村でも昭和30年代ごろまでは、かしわもちなどにしてよく食べられていたという。同地区では、トウモロコシの連作障害を避け、栽培が簡単なことから将来的には遊休農地対策につなげようと、村を担当する県農業改良普及センターの高橋博久普及員の勧めで、それぞれの農家が計11アールで試験栽培した。タカキビはシカやサル、イノシシなどが食べないとされ、同村でも実際にほとんど食害がなかったという。この日は取れたキビを、昔ながらの木づちや手動の扇風機などで脱穀した。60キロほどになったタカキビはこれから粉にして、まんじゅうやお汁粉などにして食べる予定。同地区の石原邦雄さん(66)は「タカキビは50年くらい食べていないので、まず味わってみたい。いずれは販売などにつなげて、地域を元気にする力にできれば」と期待した。
(昭和の山林で森林管理署職員クマに襲われる:福島)
5日午前10時40分ごろ、昭和村野尻美女峠の山林で同村野尻、関東森林管理局会津森林管理署昭和森林事務所の男性職員(58)がクマに襲われた。男性は左手のひらをかまれ、右手中指付近を引っかかれて軽傷を負った。会津坂下署によると、男性は同僚の職員2人と一緒に民有地と国有林の境界を調査中だった。
(県立美術・文学館の指定管理者候補 「サントリー」系の新会社に:山梨)
県は4日、2009年度から5年間、県有38施設の管理・運営にあたる指定管理者の候補を発表した。新たに指定管理者制度が導入される県立美術館、文学館、芸術の森公園(いずれも甲府市貢川)は一括して、菓子製造会社「桔梗屋」とサントリーの子会社「サントリーパブリシティサービス(SPS)」で設立する新会社が候補となった。12月県議会で、正式な管理者に決定する。県行政改革推進課によると、今回公募したのは36施設で、うち6施設が新規。県立美術館などには計5団体が応募。SPSは接客サービスを手掛ける会社で、サントリーホール(東京都港区)や島根県立美術館の運営に携わっており、ノウハウや実績が評価された。公募しなかったのは2施設。韮崎射撃場は09年7月に閉鎖予定のため。準特定優良賃貸住宅は特定優良賃貸住宅を管理する県住宅供給公社に併せて任せるのが適当とした。県民文化ホール(甲府市寿町)については「利用者増加を図る手法が具体的」などとして、現在の管理者「やまなし文化学習協会」に代わり、山日YBSグループの「アドブレーン」、「NTTファシリティーズ」などで作る共同事業体が選考された。

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(イノシシ・ニホンジカの食害防止へ捕獲奨励:宮城)
宮城県は3日までに、県内のイノシシとニホンジカによる食害などを防ぐため、捕獲による個体数調整を柱とした「県イノシシ保護管理計画」と「牡鹿半島ニホンジカ保護管理計画」を策定した。計画の実施期間は1日から2012年度末まで。両計画とも狩猟期間(11月15日―2月15日)の延長や、わな猟の奨励で個体数を減らす。生態に即した効率的な防除方法の普及、すみかとなる耕作放棄地の管理も進める。イノシシは、農業被害の多い白石市、角田市、丸森町など県南3市8町を対象区域に指定する。被害総額を現在の半分の約1000万円に抑える数値目標を設定した。ニホンジカは、狩猟頭数の制限を「1日に1頭」から「1日に雌2頭もしくは雄雌1頭ずつ」に緩和。計画開始から2年間は年間1000頭の捕獲を目標とし、牡鹿半島内の生息数を最終的に1000頭以下にする。県自然保護課は「計画期間中も生息状況のモニタリングを続け、結果に応じて計画を修正しながら個体数を適正に管理していく」としている。
(手製銃を誤射で大けが テレビ番組見て製造:茨城)
取手署は四日、銃刀法、武器製造法違反の疑いで、守谷市、無職男(20)を逮捕するとともに、手製けん銃一丁、金属製弾丸、火薬を押収した。調べでは、無職男は五月二日午後五時五十分ごろ、守谷市野木崎の常磐自動車道高架下で、今年四月下旬ごろ、自宅で製造した手製けん銃などを所持していた疑い。当時、十九歳だった無職男は、この日、高架下で手製けん銃の試し撃ちをしようとしたが人影が見えたため中断。手製けん銃を持ち歩いているうち右手を誤射し大けがをして入院していたが、回復したため逮捕された。手製けん銃は、テレビ番組を見て製造。長さ約七センチのタガネにドリルで穴を開け、鉛で作った弾丸を花火の火薬で発射する簡単な構造だが、発射実験で車のドアを射抜き、殺傷能力のある銃器と判断された。
(走行中の高速バス、ヒグマと衝突:北海道)
1日未明、北海道清水町内の道東自動車道上り線で、走行中の路線高速バスが本線に侵入したヒグマと衝突する事故が起きた。バスは車体の一部が小破したが、乗客乗員にケガはなかった。ヒグマは即死したという。北海道警・十勝機動警察隊によると、事故が起きたのは1日の午前3時25分ごろ。清水町清水付近の道東自動車道上り線を走行していた北都交通が運行する路線高速バスと、本線に侵入していたヒグマ(体長約170cm、体重約100kg)が衝突した。バスは前部バンパーなどが破損したが、バスに乗車していた客21人(事故当時は就寝中)と、2人の運転手にケガはなかった。ヒグマは数メートル弾き飛ばされて全身を強打。即死したものとみられる。現場は片側2車線の直線区間で、川を横断する形で架かる全長約100mの高架橋。周囲は高さ1mの防音壁で覆われており、クマがどこから侵入したのかは不明。バスの運転手は「車線の中央部に居座るクルマを発見し、急ブレーキを掛けたが間に合わず衝突した」と話しているという。
(新宿で開いた長野カフェ好評 26日で1万4千人来店)
県が県産食材の料理をアピールし、県のイメージアップを図るため、10月の1カ月間に限定して都内に開設したカフェレストランの利用者数が、当初予想の9000人を大幅に上回った。調査がまとまった10月1-26日だけで1万3907人が利用し、営業日を5日間残し予想の1・5倍以上。利用者からは肯定的な受け止めが多く、県企画部は「期待以上の効果」としている。カフェレストランは、JR新宿駅南口近くの新宿サザンテラスに10月31日まで開設した「TOKYO長野カフェ」。客層は20-30代の女性が多く、店内に置いた観光パンフレットの持ち帰りは約500部あった。店舗の運営費などに約430万円の県費をかけたが、テレビ・雑誌などのメディアにも取り上げられ、同部は「2200万円余に相当する広告効果があった」としている。携帯電話のインターネット機能を使って、来店者百人を対象に実施したアンケートだと、長野カフェの印象について「結構いいかも」が64人いるなど、9割が肯定的に評価。自由記述でも「地方の特色アピールに良い企画」「常設で継続してほしい」などの好反応が多かった。ただ、1日10食限りだったシカ肉のカレーや信州サーモンなどをのせたパンなどの特製メニューが売り切れることが多く、「食べられなくて残念」「メニューを増やして」との声もあった。
(色づく丹波路3600人快走 もみじの里ハーフマラソン:兵庫)
色づき始めた丹波路を駆け抜ける「第三十一回兵庫・丹波もみじの里ハーフマラソン大会」が二日、丹波市青垣町田井縄のグリーンベル青垣を発着点とする遠阪川リバーサイドコースで開催された。北は北海道から南は鹿児島まで全国の三千五百九十九人が、健脚を競った。大会はハーフマラソン、10キロ、5キロ、3キロの四部門で実施された。参加者たちは沿道からの声援を受け、号砲と共に勢いよくスタート。木々の紅葉が始まった田園風景の中を、懸命に走った。競技後は地元住民がバザーを開き、丹波牛やアマゴ、シカ肉など丹波の名産でもてなした。京都市の小学校教諭太田景子さん(30)は初めての競技会参加で10キロを走破し、「空気がきれいで、気持ち良かった」と笑顔で話していた。
(“古代7種競技”に挑戦 天童・家族連れらがゲーム楽しむ:山形)
天童市の西沼田遺跡公園で3日、「古代体験秋祭り・ヌマリンピック2008in西沼田」が開かれ、大勢の家族連れが古代風にアレンジしたさまざまなゲームや体験を楽しんだ。会場では、稲ぐいを投げて飛距離を競う「稲杭(ぐい)投げ」や俵を担いで走るスピードを競う「田力競争」、弓で標的を狙う「弓名人」など古代7種競技と銘打った7つのゲームコーナーを用意。各種目の上位記録者は賞品がもらえるとあって参加者たちは元気にチャレンジしていた。また、イノシシやカモの肉を使った古代風芋煮500食や、同公園で収穫された古代米入りのバクダン菓子が振る舞われた。勾玉(まがたま)作り、古代服の試着コーナーなどもにぎわいをみせていた。

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(解禁日にシシ5匹 白浜で7人グループ:和歌山)
イノシシとシカの狩猟が解禁された1日、上富田町や白浜町、田辺市のハンターでつくる「岡本グループ」が白浜町(旧日置川町)の山中で体重100キロ超を含む5匹のイノシシを仕留めた。メンバーは「幸先の良いスタート」と喜んだ。この日は、グループのメンバー7人が猟犬15匹とともに午前9時から狩猟を始め、体長約130センチ(体重約120キロ)から約80センチ(約20キロ)までの5匹を散弾銃やライフルで仕留めた。イノシシと格闘したために負傷した猟犬もいたという。約20メートルの距離から散弾銃で仕留めたという白浜町の男性(53)は「1日でイノシシが5匹捕れることはあまりない。解禁日としては上々の滑り出し」と話した。
(クマやサルとの共生を考える:新潟)
クマやサルなどによる人的、農作物被害が増えている南魚沼市で2日、シンポジウム「これからの野生鳥獣対策を考える」が開かれた。市民や行政関係者ら約80人が参加し、野生動物による被害防止と、人との共生の道を考えた。シンポは、任意の自然観察団体「南魚沼自然塾」などが初めて開催した。基調講演では、長岡技術科学大の山本麻希助教が「大型野生鳥獣とどう向きあっていくか」をテーマに講演した。クマなどの被害防止に対する自治体の取り組みなどを紹介。「駆除だけでなく、発信機を使った生息状況の調査や奥山へ追い払うなどの防除も行い、バランスよく対策を行う必要がある」と強調した。パネル討論では、長野県環境保全研究所の岸元良輔主任研究員や県、同市、湯沢町の行政担当者、地元猟友会員ら6人が登壇。岸元さんは「(人里と奥山を分ける)里山が手入れされなくなり、迷い込んだクマが人里で目撃されるようになった」と指摘。クマの餌になるような生ごみを放置しないなど総合的な対策の必要性を挙げた。会場からは「サルが作物を食い荒らし被害がひどい」といった切実な声も出た。これに対しパネリストは「駆除だけでは根本的な解決にはならない」などと答えた。
(ハロウィーンの悲劇再び…米で12歳少年射殺)
米サウスカロライナ州の民家に、ハロウィーンで仮装して訪れた少年が強盗と間違えられ、民家の住民に銃で撃たれ死亡した。ドア越しに自動小銃で、少なくとも29発が発射された。ハロウィーンをめぐっては、92年に米国の高校に留学中だった服部剛丈(よしひろ)君=当時(16)=が訪問先を間違え、住民男性に射殺されている。 銃で撃たれて亡くなったのは、米南部サウスカロライナ州サムターに住むT・J・ダリソー君(12)。仮装した子供たちが近所の家を回る祭り、ハロウィーン(万聖節の前夜祭)の習慣で、菓子を分けてもらいに近くの住宅を訪ねてドアをノックしたところ、強盗と勘違いした住民の男がドア越しに自動小銃を乱射。少なくとも29発が発射され、頭部などを撃たれ搬送先の病院で死亡した。ダリソー君と一緒にいた父親と弟(9)も負傷。母親と、ほかの子供は近くの路上に止めた車の中で待っていたため、ケガはなかった。AP通信によると、サムターの警察は、現場の住宅にいたクエンティン・パトリック容疑者(22)を殺人容疑などで調べている。同容疑者は仮面をかぶるなど仮装して訪れた子供たちを「強盗だと思った」と供述。昨年、強盗に押し入られ、銃で撃たれたと話している。薬物や酒の影響はなかったという。サムターは、州都コロンビアから東に約70キロに位置し、人口約4万人。犯罪は比較的少ない土地だという。米国では、個人の銃購入や携行についての規制は州法によって違う。サウスカロライナ州では、家や車、職場といった自分の「城(キャッスル)」に対する不法侵入者には銃を発射しても良いとする内容の「キャッスル・ドクトリン州法」があり、銃の使用制限が緩い州の1つとされている。
(秋の叙勲 ライフル競技発展貢献:愛知)
旭日双光章 内山弘行さん(80)(豊川市東曙町)「協会の皆さんのおかげです。続けられたのは妻や家族の協力があってこそ」と感謝した。自衛隊在籍中は射撃の競技に打ち込んだ。引退後は競技役員に転じ、1964年の東京五輪をはじめ、国体では67年の埼玉国体以来、通算30年以上務めた。県と中央のライフル射撃協会でも要職を歴任し、競技の発展に貢献した。中でも94年のわかしゃち国体では競技会場の運営全般にわたって指揮。銃の安全管理に力を入れた。「安全、安全と口うるさく言っていたから、選手には頑固者と映ったでしょうね」と振り返る。「最近は足が弱ってなかなか遠出ができないけど、愛知県の選手にはもっと強くなってほしいね」とエールを送った。

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(保護管理計画:ニホンジカ・イノシシの被害軽減を目指し、きょうから:宮城)
急増するイノシシとニホンジカによる農林業被害の軽減などを目指し、県はそれぞれの「保護管理計画」を策定、11月から実施する。イノシシの捕獲数は過去10年で10倍以上に急増し、生息域も県南から仙台市まで拡大。一方、牡鹿半島では、ニホンジカが植物を食べ尽くして山の地盤が悪化するなどの被害が懸念されている。県は「増え過ぎたシカが原因の交通事故も多い。イノシシも繁殖力が強く、今のうちに手を打つ必要がある」としている。県自然保護課によると、県内のイノシシは明治時代に伝染病で全滅後、福島方面から生息域が広がり、78年の国の調査では丸森町が北限とされた。暖冬で、苦手な「雪」が減ったこともあり、現在は仙台市北部でも生息が確認されている。イノシシは雑食性で、田畑の食害はコメやイモ類、果物など広範囲に及ぶ。95年度まで200万~500万円だった被害額は、96年度に約1800万円と急増。99年度は4119万円に上り、県内の動物による被害額の72%を占めた。急増の背景には、個体数の急増、耕作放棄地の増加、狩猟者の減少など複数の要因が絡むという。計画では被害額を1000万円に減らすことを目標とした。具体的には▽仙台市以南の3市8町を対象に、狩猟期間を通常より1カ月長い11月15日~来年3月15日に延長▽被害が確認された休猟区での狩猟を認可▽農家を対象に狩猟免許試験を臨時に実施▽安全で効果的なわなの普及--などに取り組む。一方、牡鹿半島に生息するニホンジカも急増。半島内の個体数は不明だが、国が示す適正個数(1平方キロメートル当たり3~5頭)を数倍上回っているとみられる。シカとの交通事故が年間20~60件発生しているほか、樹木の皮を食べて木を枯らし、地盤が緩んで土砂崩れにつながったり、流入した土砂で水質が悪化するため養殖業にも悪影響が及ぶと指摘されている。「県獣」として保護してきたが、93年から有害鳥獣捕獲の対象となり、06年は530頭が捕獲された。計画は、牡鹿半島での適正個数(300~500頭)を参考に、1000頭以下を目標値に設定。2年かけ生息数を推定、管理につなげる。
(日の出とともに響く銃声 県内で狩猟解禁:山形)
県内でカモ類などを対象とした狩猟が1日、解禁された。ヤマドリやキジ、ノウサギといった鳥獣類は15日に解禁となる。期間はカモ類などが来年1月31日まで、鳥獣が同2月15日まで。山形市の須川河川敷では、多くのハンターが茂みに待機。午前6時4分の日の出とともに、上空のカモに向けて銃声を響かせた。山形市猟友会の中村松雄さん(61)=同市十文字=は「この日を楽しみにしてきた。銃の事故がないように配慮したい」と話していた。県警生活環境課と県内全署は、早朝から約200人態勢で狩猟場の一斉取り締まりを行った。同課は狩猟の際の注意点として▽発射時に周囲の安全を確認する▽猟銃を携帯する際は覆いなどをする▽発射する時以外は実包を装てんしない-などを挙げている。県みどり自然課によると、昨年度の登録証発行者数は計2417人(県内2259人、県外158人)となっている。県警生活環境課によると、県内では昨年度、高畠町の和田川で、同町の男性が発射した散弾が狩猟をしていた人の首などに当たり、けがをさせた事故のほか、寒河江市の最上川で、山形市の男性が狩猟後も散弾銃内に実包を装てんしたままにしていた違反があった。
(カモ猟解禁、朝もやに銃声響く 久々の感触楽しむ:秋田)
狩猟シーズンの幕開けを告げるカモ猟が1日、解禁された。県内の猟場には、この日を待ちかねたハンターの獲物を狙う銃声がこだました。秋田市西部猟友会と同市河辺猟友会のメンバー5人は、午前5時半ごろから猟場の同市四ツ小屋の岩見川の河原に集結。茂みにじっと身を潜め、解禁の日の出を待った。解禁時刻の午前6時8分すぎ、メンバーは飛び立つカモに狙いを定め一斉に引き金を引いた。猟場に立ち込める朝もやを突いて発砲音が響き渡った。メンバーの一人、同市山王の男性(68)は「カモの数は例年より少ないようだが、狩猟期間中の無事故が一番大事なこと」と、話しながら久々の猟の感触を楽しんでいた。
(イノシシ、シカ猟解禁 獣害深刻で猟期延長:和歌山)
県内で1日、イノシシとシカの狩猟が解禁された。好天に恵まれ、午前10時現在、県内で156人が早朝から出猟、那賀振興局管内でイノシシ1匹(40キロ)の猟果があった。県農業環境保全室によると、昨年の初日(イノシシのみ)午前10時現在に比べ、出猟者は66人増えた。西牟婁振興局管内(田辺市―すさみ町)では同日午前10時現在、32人のハンターが山に入った。日高振興局管内は8人が出猟、東牟婁振興局管内の出猟はなかった。イノシシやシカの農林業への被害が深刻なため、県は今季、イノシシに続きシカ猟も開始日を15日早くし、終了日も1カ月延長して来年の3月15日までとした。2007年のイノシシによる農作物被害は約1億2300万円、シカは約3600万円。西牟婁振興局管内では、県や市、町職員と警察署員、鳥獣保護員、県猟友会員の40人が1日午前6時ごろから山間部をパトロール。狩猟許可証を持っているかどうかや、狩猟禁止の鳥獣を捕っていないかどうかなどを調べた。田辺市の上芳養や秋津川、伏菟野など約10カ所をパトロールした県猟友会西牟婁支部の大川敏彦支部長は「イノシシのにおいが残る雨上がりは湿度が高く、猟には最高の条件だが(ハンターは)少ない。明日、明後日に出猟するのかもしれない」と話した。
(イノシシ、食べて活用 安定捕獲や販売に課題)
農作物に被害を与えるイノシシを駆除し、食肉として活用する取り組みを全国で多くの自治体が進めている。今年度から国の補助が拡大され、年度内に栃木県や鹿児島県などで新たな食肉処理施設が完成する。ただ、安定しない捕獲数や販売の落ち込みに悩む声も聞かれる。生息数の削減と名産品のヒットを狙う「一石二鳥」作戦はそう簡単ではないようだ。群馬県中之条町など7町村が2007年度に設置したイノシシ肉処理施設「あがしし君工房」。運営を受託する沢田農業協同組合(同町)は10月24、25日に東京・銀座でイノシシ肉などの販売会を開いた。
(滑川の堤防でクマ目撃:富山)
日夕方、滑川市の川沿いでクマ1頭が目撃されました。1日午後5時すぎ、滑川市本江を流れる郷川の近くの家で飼い犬が激しく吠えたため、住人が外に出たところ、目の前の堤防に成獣のクマ1頭がいるのを目撃し、警察に通報しました。クマは間もなく川沿いを山の方向に去って行ったということです。現場は住宅が点在する田園地帯で、地元猟友会や警察などが付近をパトロールして注意を呼びかけています。
(高速道でバスがクマと衝突:北海道)
1日午前3時25分ごろ、北海道清水町清水の道東自動車道上り線で、根室発札幌行きの夜行都市間バスがクマと衝突、バスのバンパーが破損したが、乗客ら23人にけがはなかった。クマは現場で死んだ。道警十勝機動警察隊の調べによると、現場は右カーブ。バスの運転手が何かにぶつかったのに気付き戻ったところ、フェンスのそばでクマが死んでいたという。クマは体長約170センチ、体重約100キロの雄だった。
(本当のジビエの醍醐味:北海道)
エゾシカの自家製ハムや、サバのスモークなど前菜を2品頂いたあと、お目当ての料理が運ばれた。カルガモのロースト、根セロリピュレ、キノコのソテー、内臓を使ったソース。ドン、と真っ赤な肉がお皿に山盛り。これで1羽丸ごとだという。骨付きもも肉や心臓とレバーの串焼きもある。そして、骨からスープをとり、砂肝、レバー、心臓を混ぜ込んだソースがたっぷり。野趣溢れる豪快な地場料理のようだ。初めて食べた、初めての味。これが野生の命なんだ、と思った。余計な脂が全くない。しっかりとした肉の味。残酷なほど美味しい。冬を前にしてたっぷり滋養を付けた野生の動物たちの血と肉が、自分の体のエネルギーになっていく。活力が沸くと同時に、脂ぎった肉と異なり、フレッシュな感じがする。ソースがまた、いとおしいほど美味なのだ。ここに注ぎ込まれた命と手間を思う。キノコの風味や根セロリのまろやかさも加わりながら、たっぷりと満たされる。もう一品は、野鴨とフォアグラのパイ包み焼き、山ブドウ風味のソース。サクサクっとしたパイ皮をナイフで切ると、中にぎっしり鴨肉のミンチとフォアグラが入っている。これも1羽丸ごとだという。ミンチには内臓も入っているのだろう、パテのような旨みがある。野性味溢れる肉と濃厚なフォアグラが、赤ワインと山ブドウのソースにぴったり。このソースにも、骨からとったスープが使われている。ジビエとはこんな力強いものなのか。最後にデザートとエスプレッソを頂き、圧倒されたディナーを終えた。
念願だった狩猟の免許を取った久保田豪之シェフは今年の10月から狩りに出ている。早朝4時に出発し、昼前に店に戻り、調理する。遠方の狩場のときは前の晩に出発する。睡眠を削ってもやりたかったことだという。フランスではシェフ自ら狩りに出ることは珍しくないが、日本ではあまりない。札幌では初めてのハンターシェフだ。今実際に獲っているのは、カモ類。6時間かけて2・3羽獲れた日もあれば、獲れない日もある。野生動物の勘は鋭いので、気配を消して近づく。人間の服の匂いを感じても逃げらてしまうらしい。そんな思いで漸く獲った鳥に対して、生きた命をいただいているのだから、丸ごと全てを大切に使いたい、と強く思うそうだ。獲ってすぐ、腸を引っ張り出し、肝臓・心臓はそのままにして冷蔵保存する。2日くらい置いた方が肉は熟成される。調理するときは羽を抜くわけだが、羽が散らないよう野外でやるが、細かい産毛も抜くので、1羽に30分はかかるという。手間はかかっても、完結していることに達成感があり、さらに、輸入するよりも安く料理を提供できることで、多くの人にジビエを味わってほしいとシェフは思っている。本州では11月、北海道は1カ月早い10月から狩猟が解禁となる。寒さを乗り切るエネルギーと、命を分けてもらえるジビエ。手を合わせて「いただきます」という意味を、改めて感じさせてもらった。
(ハロウィーンまた悲劇、米で12歳少年射殺される)
子どもたちが近所の家を回ってお菓子をもらう習慣がある米国のお祭り「ハロウィーン」の10月31日夜、米南部サウスカロライナ州で、12歳の少年が訪問先の住人に銃で撃たれて死亡した。ハロウィーンの銃撃では、92年に留学生の服部剛丈さん(当時16)がルイジアナ州で射殺される事件が起きている。AP通信によると、サウスカロライナ州サムターで少年が父親、兄弟と一緒にお菓子をもらおうと民家に近づいたところ、住人(22)がドア越しにライフルを約30発乱射したという。父親と弟(9)もけがをして入院した。この住人は殺人容疑などで訴追された。地元警察によると、容疑者は昨年、強盗に襲われ銃で撃たれたことがあり、自衛のために発砲したと供述しているという。

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