<射撃ニュース11月>

11/26
(猿銃器で捕殺へ:長野)
茅野市安国寺で野生の猿が、かみつくなどして住民3人にけがを負わせた騒動で、県諏訪地方事務所、市、茅野署、諏訪猟友会などは25日、市役所で緊急会議を開き、県の特定鳥獣保護管理計画に基づく危険度を最も高い「レベル4」とした。今後、猟友会と協力し、銃器による捕殺を主体とした対策を講じる。会議では、22、23日の両日で計6人を襲い、3人にけがをさせたほか、諏訪大社上社(諏訪市)などにも出没したニホンザル2匹を人に危害を与える同一の個体とした。その上で、かみつく、引っかくなどの人身被害や威嚇行動などから、人への加害レベルを判定した。被害発生後、2カ所に設置したおりでは、捕獲の可能性が不透明なため、銃器による捕殺の必要性も確認した。被害予防については、施錠の実施や単独での入山を控えるよう地域住民に呼び掛けるほか、子どもの安全対策として登下校、登降園時に大人による付き添いの実施などを求めていくとした。猿は同日も住宅地に姿を現したが、茅野署によると、住民への被害はないという。
(カモ、鴨池から柴山潟へ 禁猟化で餌豊富:石川)
加賀市の片野鴨池に集まるカモ類が二十五日現在、約八百羽にとどまる一方、同市の柴山潟では二千羽超が群れをなす「逆転現象」が起きている。この影響で、鴨池伝統の「坂網猟」が狩猟解禁から十日間の捕獲数が二十羽未満と極度の不振に陥り、坂網猟師は「将来は鴨池からカモがいなくなってしまうのではないか」と、伝統猟の継承に危機感を募らせている。近年、全国的に禁猟区が広がり、カモ類は各地に分散する傾向にある。同市鴨池観察館によると、銃猟が禁止されている鴨池はカモ類の安息地として毎年ピーク時には一日あたり約一万羽が集まったが、最近十年は約千―四千五百羽で推移している。一方の柴山潟は、二〇〇四(平成十六)年に禁猟化されて以降、近くに餌場となる田んぼが多いためか、カモ類が急増し、以前の十倍以上にあたる約二千羽が集まるようになった。カモが鴨池を避け柴山潟にねぐらを移しているとみられ、県自然保護課は「この傾向は今後も続く可能性がある」とみている。飛来するカモが少なければ坂網猟の不猟に直結する。昨年同時期には計四十羽が捕獲されたといい、最年長の坂網猟師荒北清さん(75)は「ことしは特にひどい」と渋い顔。鴨池観察館は「鴨池周辺に冬も水を張る田んぼを増やしてカモの餌場を増やす工夫を続けたい」とし、人と野鳥の営みが共存する鴨池の環境整備に取り組む考えである。
(県内狩猟者登録数が最少 07年度 高齢化、免許更新減る:山梨)
2007年度の県内狩猟者登録数は4079人で過去最少だったことが25日までに、県のまとめで分かった。狩猟者免許第一種(実弾を使った銃器)の保有者も2786人で過去2番目に低い水準。県は高齢化などに伴う猟友会員の減少などが影響しているとみている。県みどり自然課によると、狩猟者登録は11月15日から2月15日(イノシシ・シカ猟は3月15日)の猟期中に県内で猟を行う際に必要で、県内外のハンターを問わず登録が義務付けられている。01年度に初めて4000人台に落ち込んでからは減少が続き、07年度は前年度の4123人を44人(1・1%)下回り過去最少となった。また07年度末の狩猟者免許第一種保有者は前年度の2758人より28人(1・0%)増えたが、2年連続で2000人台に低迷した。5年前の02年度末に比べ、25%余り減っている。第二種(空気銃)や網猟、わな猟も含めた狩猟者免許の延べ保有者数は07年度で4266人。1985年度には10%台だった60歳以上の保有者が半分以上の56・3%を占めた。免許の有効期限は3年だが、同課は「高齢化などを理由に免許を更新しない人が年々増えてきている」と説明している。免許保有者の大部分を占める県猟友会員数も01年度に2000人台に減少。その後も減り続け07年度末時点では過去最少の2517人となっている。同課は「狩猟者の減少は鳥獣害対策を進める上で痛手だが、価値観の変化などもあって若い世代への狩猟の浸透は難航している」としている。
(舞鶴でクマ 今季初捕獲:京都)
舞鶴市別所の山林で22日、体重が112キロもあるツキノワグマが捕獲された。今シーズンの同市でのクマの捕獲は初めて。市内では約60件のクマの目撃情報が寄せられ、昨年よりほぼ倍増している。ドングリなどの木の実の不作が要因と推定され、府や市は注意を呼びかけている。21日早朝、神社の参道脇に仕掛けてあった筒状の捕獲用のおりで物音がするのを近所の住民が聞きつけ、谷正義区長(65)がツキノワグマがかかっているのを確認した。捕獲作業は22日午前9時から、府や市の職員、地元住民ら十数人が参加して行われた。おりを軽トラックで別の林道脇に移し、府が委託した獣医師が麻酔で眠らせた。おりから出して調べたところ、体長138センチ、体重112キロもある大物の雄だった。14~15歳とみられ、背中のマイクロチップから、04年6月に綾部市内の山林で捕獲されていたことも分かった。別所の集落では10月末から、民家の近くでクマの目撃が相次いでいた。谷区長は「一応一安心だが、住民には引き続き注意を呼びかけたい」と話していた。
(ツキノワグマ たらふく食べ冬眠:長野)
06年に全国で里に出没して問題となったツキノワグマ。赤外線自動カメラを置き定点撮影している北アルプス・常念岳山ろくで今年最初に姿をとらえたのは4月下旬。冬眠明けの個体だった。その後、夏場は大雨や故障でカメラを撤去した時期はあるものの、クマの姿はキャッチされていた。ここは複数のクマの通過地点になっているが、撮影結果を見る限り、彼らは今年も山中で活発に活動していたようだ。実りの秋。クマはドングリなどをたらふく食べ冬ごもりに備える。9月下旬、カメラの前へ若いクマが向かってきた。体に草の実を付け、右耳にはピンクのタグ。これは捕獲歴があることを示す。このクマは4日後にもカメラの前を通った。十分食べることができただろうか。山々が雪化粧すると、いよいよ冬ごもりの時期だ。無事に岩穴や樹洞へ入り、来春を迎えてほしい。
(水鳥の餌付けめぐってホットな論争:新潟)
先月ラムサール条約の登録湿地となった阿賀野市の瓢湖で、ハクチョウなど水鳥の給餌を巡る議論が活発化している。ハクチョウとの触れ合いを観光客誘致の目玉にしたい地元商工会や観光協会と、鳥インフルエンザ対策として餌付け制限を求める野鳥保護団体。当面、市側が提案した一部を制限する折衷案を実施することに決まったが、論議は今後も続きそうだ。条約登録を受けて、市は21日、環境省や「瓢湖の白鳥を守る会」、市観光協会、地元商工会などによる「瓢湖の環境保全と賢明な利用・検討会議」を初めて開催した。会議では、守る会の関川央会長が、鳥インフルエンザ対策として観光客による給餌を中止するよう提案。地元商工会と観光協会は、「条約登録を誘客に結びつけたい。給餌をやめれば(観光面での)魅力が減ってしまう」と反対した。瓢湖ではこれまで、観光客による餌やりに場所や量の制限がなかったが、議論をふまえ、市側が、湖面に投げ入れる方式に限って給餌を認める折衷案を提示。今冬は、市側の提案に従うことで会議はまとまった。野鳥への給餌を巡っては、今春、青森、秋田両県や北海道で見つかったハクチョウの死骸(しがい)から強毒性の鳥インフルエンザウイルスが確認されて以降、全国的に中止する動きが広がっている。ハクチョウ飛来数日本一で知られる最上川スワンパーク(山形県)、同条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県)でも、今冬から給餌の中止や自粛要請を始めた。ただ、瓢湖では、吉川重三郎氏(故人)が日本で初めてハクチョウの給餌に成功し、飛来数を増やしてきた経緯から、「吉川さんの遺産を残し、可能な限り今までのスタイルで鳥と共生していきたい」(市商工観光課)との思いもある。市は来月にも、人と鳥が直接接触しないよう、湖の柵に防護ネットを張るほか、感染原因となる鳥のフンを洗い流すための清掃装置を設置する予定。また、観光客には餌を湖面に投げ入れるよう呼びかけていく。
(160キロのイノシシ仕留めた 20年ぶり大物:福岡)
福岡県福智町の山中で25日、田川猟友会の会員、工藤忠良さん(73)が体重約160キロの大イノシシを仕留めた。体長も大人の身長ほどあり、工藤さんに同行した同会員の今井登喜雄さん(60)によると、150キロを超えるイノシシは、10年に1度見られるかどうかの大物という。2人は狩猟のため、同日朝から同町の山に入った。午前11時半ごろ、猟犬2匹がほえ始め、犬を威嚇しているイノシシを発見。工藤さんが5~6メートルの距離から1発で弾を頭部に命中させ、仕留めたという。今井さんの家族に連絡を取り、3人がかりで軽トラックに積み込んだという。工藤さんは猟歴約35年。同様の大物に出合ったのは20年ぶりといい、「こんな大物はまたとれるかどうかわからない」とベテランらしい落ち着いた表情で話した。釣り好きの今井さんは「クロマグロでいえば300キロ以上の大物ではないか」と驚いていた。
(イノシシ食べて集落元気に:愛知)
家庭で簡単においしくイノシシを食べる勉強会が25日、新城市青年の家で開かれ、奥三河の猟友会、飲食店、農家の人たち約100人がイノシシ料理を味わった。森林が8割以上の奥三河では、イノシシ被害が広がっている。有害鳥獣駆除に地元猟友会が力を入れているが、ニホンジカやサルも増えて畑の作物が一晩で消えてしまうほど。このため、イノシシなどを捕まえて食料にし、集落を元気にしようと新城・北設広域鳥獣害対策協議会が「獲って・食べて・集落を元気にする獣害対策研修会」を開いた。同研修会では、獣害対策に詳しい滋賀県環境農政部の松井賢一氏から「獣害のない元気な里づくり」のテーマで話を聞いた。松井氏は、地域全体での取り組みや森と集落との間に見渡せる「緩衝地帯」づくり、飼い犬を生かした追い払いなどすぐにできる取り組みを紹介した。イノシシやシカなどの肉流通については、衛生的な肉処理施設が必要なのと保健所を通した肉の安全確保の問題があり、行政と一体になった対応が求められることなども説明した。引き続き、豊橋の山猫軒オーナーシェフの伊藤新作さんが料理したイノシシ弁当を食べた。味ご飯、あぶら蕎麦(そば)、角煮のメニュー。試食した参加者は「クセが気にならない」とおいしく味わった。伊藤さんは、家庭で簡単に作れるレシピを説明、「皆さんも試してください」とイノシシ肉の利用を訴えた。
(血を吸う「ヤマビル」、山間部から活動範囲拡大:兵庫)
気づかぬ間に動物の体にはい上がり、血を吸う「ヤマビル」。丹波市内では青垣町西部の山間部に主に出没していたが、徐々に活動範囲が広がっている。田畑や民家の軒先にも姿を現すようになり、住民は手を焼いている。ヤマビルは湿気を好み、林の中などに生息。気温二〇-二五度で活発に活動する。靴や服のすき間から潜り込んで血を吸うが、だ液に麻酔成分を含んでいるため気づきにくい。毒はないが、まれにアレルギー反応を起こす人がいるという。同市青垣町稲土の農業、足立英一さんが「異変」に気づいたのは、約十年前。田んぼで草を刈っていて、血を吸われた。「以前はヒルが出るのはもっと西側の朝来市との境だった。まさかここに出るなんて」と驚いたという。農作業は乾燥した日にするなど対処するが、被害を完全に防ぐのは難しい。「毒はないが、かゆみが厄介。最近は十一月中旬まで出るようになった。家に上がっていることもある」と困り顔だ。丹波市森林組合には、数年前から「畑に出るようになった。どうにか防げないか」と、年間数十件の問い合わせが寄せられる。森林作業員が主な買い手だったヒルよけスプレーは、農家などからの需要も増え、年間約八十本が売れる。同組合の中尾正文組合長(70)は「森林の荒廃で、シカなどの野生動物が人里に下りてくるようになったのが原因では」と話す。一方、県森林動物研究センターの横山真弓主任研究員は「両者の分布が完全に一致するわけではなく、因果関係は証明されていない」とする。活動地域は広がっているのは確かで、横山主任研究員は「山に入る時は、皮膚を覆う、忌避剤を使うなどの対策を心がけて」としている。
(〔廉価DVD〕ウィンチェスター銃’73)
長らく「B級」扱いされてきたアメリカのアンソニー・マン監督ですが、最近は再評価の気運も高まって、たいへん喜ばしい。ということで、アンソニー・マン監督作品より三作ご紹介。まず第一回目は『ウィンチェスター銃’73』(1950年)。西部劇です。「西部を征服した銃」とも呼ばれるウィンチェスターM1873ライフル。ウィンチェスター社が生産する1万挺か2万挺のうち、「名銃」と呼ばれる1挺ができあがる。舞台は1873年の西部ドッジ・シティ。父を殺した敵を探すリンとその相棒ハイ・スペードは、その町で敵のダッチとめぐり合うが、保安官ワイアット・アープは町中での揉め事を許さない。アメリカ独立百周年を祝い、「名銃」のウィンチェスター・ライフルを賞品に射撃大会が開催され、リンが優勝して名銃を受け取る。しかしダッチとその一味がその銃を強奪し砂漠へ逃げ、リンとハイ・スペードはその後を追う…。ある意味、「名銃」の流転の物語。リンから奪い取ったダッチの名銃は、酒場のポーカーで負けたカタとして武器商人に取られ、その武器商人はインディアンに銃を売りに行ったところ殺されて、名銃は若き酋長ヤング・ブルの手に…、と次々に他の人間へと渡ります。最後は再びダッチが手にし、そしてついに追い付いたリンとの間で決闘が。しかしよく考えると、この名銃を手に入れた人間はみな死んでるんですよね。幸福感あふれるハッピー・エンディングにしなかったあたり、アンソニー・マン監督の演出は現代的です。主役のリンに扮するのがジェームズ・スチュワート。1930年代から1940年代にかけてフランク・キャプラ監督と組んだ一連の作品の印象から「アメリカの良心」と呼ばれているそうですけど、怒った時の眼光の鋭さは実に恐ろしい。『素晴らしき哉、人生!』(1946年)でも、そんな怖いシーンがありました。アンソニー・マン監督というと、ロケやオープンセットの演出の巧みさが有名で、この映画も構図だけでなく、インディアンに追われる馬車の車軸から出る煙とか、カウボーイ・ハットの汗染みとかディテールが凝っています。しかし、室内の芝居のつけ方もなかなか堂に入ったもんです。脚本も良くできてますが、監督の冴えと技量もそれに劣らない一本。

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11/25
(イノシシと間違え撃たれる 猟友会の男性死亡:熊本)
22日午前10時ごろ、熊本市池上町付近の山中で、イノシシ駆除に来ていた同市花園6丁目の会社員近藤満寛さん(59)が猟銃で撃った弾が、一緒に来ていた同市水前寺1丁目の自営業谷口繁さん(63)の腹部などに当たった。谷口さんは約3時間半後に搬送先の病院で死亡した。熊本南署は、イノシシを追っていた近藤さんが約20メートル先の谷口さんをイノシシと誤認して発砲した、と説明している。2人は22日午前9時ごろ、猟友会の仲間約10人とイノシシの駆除を始めたという。同署は業務上過失致死の疑いもあるとして調べている。
(猟銃を誤射、男性重傷:鹿児島)
23日午前9時55分ごろ、徳之島町轟木の山中で、イノシシ猟をしていた伊仙町伊仙、農業、富寅一さん(70)が、同町阿権、農業、実健一郎さん(72)の散弾銃で尻を撃たれ、重傷を負った。知人同士3人で猟の最中で、実さんがバランスを崩し、暴発したらしい。弾は、富さんの尻から腹にかけて貫通した。
(男性が散弾銃自殺:埼玉)
23日午後10時45分ごろ、越谷市南越谷の南越谷第一公園に男性が倒れているのを近所の男性(58)が見つけ110番通報した。越谷署員が駆けつけたところ、男性は散弾銃で頭を撃って死亡していた。調べでは、死亡したのは越谷市内の無職の男性(57)。男性のそばに散弾銃と、「人工透析に疲れた」などと書かれた遺書があったことから、自殺とみて調べている。
(銃刀法改正案が衆院通過)
東京・秋葉原の無差別殺傷事件で使われたダガーナイフなど殺傷能力の高い刀剣類の所持を禁止する銃刀法改正案が21日、衆院本会議で全会一致で可決した。同日参院に送付され、来週にも可決、成立する見通し。改正銃刀法はダガーナイフなど刃渡り5・5センチ以上の両刃の刃物所持を禁止。猟銃所持を認めない欠格事由に、新たに(1)ストーカー行為をした人(2)自殺のおそれがある人-などを盛り込んだ。また与野党の修正で、銃所持の許可申請時に精神科医らによる診断書を添付することなどを義務付けた。
(カワウが昨秋から倍増 駆除中止一因か:滋賀)
日本最大のカワウ営巣地・竹生島(長浜市)と伊崎半島(近江八幡市)で、生息数が前年秋に比べ倍増の計7万4688羽(推計)となったことが県の調査でわかった。2004年度の調査開始以来、最多となる。9月中旬の調査で、竹生島は前年の秋に比べ201%の5万8547羽、伊崎半島は同205%の1万6141羽と、ともに倍増した。カワウのふんによる樹木の枯死で、竹生島では14ヘクタールの山林の3分の2に被害が出ているほか、カワウが琵琶湖の水産物を食べる食害で、県内で年間21億円(本年度推計)の被害がある。県は04-07年度に銃による駆除を実施したが、生息数は3万5000羽前後で横ばいが続き、08年度は見合わせた。こうしたことが増加の一因となった可能性があるといい、県は「対策をとりたい」としている。
(大仙市長野でクマを駆除 体長約1・5メートルの成獣:秋田)
23日午前8時ごろ、大仙市長野字一ノ坪の小滝川(幅約5メートル)で、土手に上がろうとするクマを地元猟友会員が発見し、猟銃で駆除した。前日深夜、近くの住民の女性(26)から大仙署にクマの目撃情報があり、猟友会員4人が早朝から警戒中だった。同署によると、駆除されたのはツキノワグマの成獣の雌で、体長約1・5メートル。現場は小滝川に架かるJR田沢湖線の鉄橋付近の田んぼ沿いで、中仙中学校から北西に約300メートル。
(ワシ・タカ類鉛弾被害この1年で8羽:北海道)
道内のエゾシカ猟が解禁されているが、釧路・根室地方では国の天然記念物で絶滅危惧(きぐ)種にも指定されているオオワシやオジロワシの鉛中毒被害が依然と続いている。昨年10月から今年9月末現在で鉛中毒や鉛の影響で死亡、負傷したワシ・タカ類は8羽に上る。鉛弾を含んだカモやシカの残し肉を食べた可能性が強い。本格的な狩猟期を迎えて、北海道地方環境事務所もハンターに鉛弾の使用禁止を強く呼び掛けている。
(イノシシ注意!岐阜の中央道 玉突きで15人けが)
22日午後5時30分頃、岐阜県多治見市美山町の中央自動車道上り線で、走行車線を走っていた乗用車がイノシシをはね、その場に停止した。後続の東濃鉄道(多治見市)の高速路線バスが乗用車を避けようと追い越し車線に出たところ、後ろから来た大型トラックがバスの側面に接触した後、乗用車に追突した。同市消防本部によると、この事故でトラックの男性運転手が骨盤骨折の重傷を負ったほか、バスの乗客12人と男性運転手1人、乗用車の女性2人の計15人が軽傷を負った。県警高速隊の発表によると、バスは名古屋市から岐阜県可児(かに)市に向かう途中だった。
(徳島連続爆発事件で35歳無職を逮捕)
徳島市の創価学会徳島文化会館と、徳島県日中友好協会が入るビルで起きた連続爆発事件で、徳島東署捜査本部は21日、爆発物取締罰則違反と激発物破裂の疑いで、徳島市不動東町、無職堀太■(■は日の下に高)容疑者(35)を逮捕した。捜査本部によると、堀容疑者は「自宅で爆竹を使って爆発物を作った。犯行声明文は自分で届けた」と容疑を認め、動機について「話せば長くなるのでゆっくり説明していく」と供述している。爆竹はネットオークションで購入したという。調べでは、堀容疑者は10月13日、同市の創価学会徳島文化会館と日中友好協会の出入り口ドアに爆発物を仕掛けて爆発させるなどした疑い。天井の一部などが壊れたが、けが人はなかった。事件後、徳島新聞社や四国放送が入る同市の新聞放送会館で「犯行声明文」と題した文書が見つかっていた。捜査本部は、爆発物は爆竹に使われる過塩素酸カリウムなどを主成分とする火薬類を、市販の塩化ビニール製のパイプに入れて作ったとみている。堀容疑者が県内の量販店でパイプを購入したことも判明。爆竹とパイプの購入者から堀容疑者が浮上した。堀容疑者と創価学会などとの関係は分かっておらず、捜査本部は動機を調べている。
(高知の連続爆破 手投げ弾使用か)
高知市の食品卸売会社「旭食品」本社ビルなど同社関連2カ所の玄関が爆破された事件で、使用された爆発物は手投げ弾とみられることが24日、高知県警特別捜査本部の調べで分かった。現場にはいずれも金属片が散乱し、爆発の衝撃で玄関手前通路に直径約10センチ、深さ約4センチの穴ができていた。県警科学捜査研究所で金属片などの鑑定を進め、入手ルートの特定を急ぐ。本社ビルで爆発があったのは22日午後11時35分ごろ。18日深夜には、同社が出資する会社が運営する同県芸西(げいせい)村の「Kochi黒潮カントリークラブ」でもクラブハウスの玄関口が爆破された。ゴルフ場周辺の住民によると、先月から爆発当日にかけて、付近を大音量で音楽を流しながら周回する車があり、同日は「年末は事故や事件が多いので気を付けましょう」などと流していたという。
(江戸時代の火縄銃を集めた鉄砲展 和歌山・岩出市民俗資料館)
市民俗資料館で30日まで江戸時代の火縄銃を集めた鉄砲展が開かれている。30日は、和歌山市立博物館の太田宏一・主任学芸員が「鉄砲と紀州」をテーマに記念講演する。火縄銃は種子島に伝わった翌年の天文13年(1544年)に津田監物が根来に持ち帰り、国内で初めて模倣したといわれている。展示されているのは根来史研究会根来鉄砲隊(上田和彦会長)の隊員所蔵の9丁。4丁は紀州で製造され、5丁は堺、徳島、熊本製など。いずれも発砲可能で、鉛を流し入れて弾を作る玉鋳型や携帯できる火薬入れなどの小物もみられる。同鉄砲隊は20年前に結成し、隊員22人。全国各地の鉄砲まつりにも参加し、「地元に伝わる鉄砲文化を知ってほしい」と上田会長。22日には根来寺の「かくばんまつり」の一環として、火縄銃の発砲などの鉄砲まつりを開催する。
(鳥インフル対応で、観光客の餌やり制限 検討会議決定:新潟)
阿賀野市は21日、ラムサール条約に登録された瓢湖(同市水原)の今後について話し合う「瓢湖の環境保全と賢明な利用・検討会議」の初会合を開いた。20人の地元関係者が集まり、鳥を感染源とする新型インフルエンザへの対応策として、観光客が餌を与える給餌場所を制限することを決めた。会議は、瓢湖の保全活動を推進しながら観光やまちづくりに生かす道を探ろうと、先月30日の条約登録をきっかけに結成された。同市や環境省新潟事務所のほか、環境保全団体「瓢湖の白鳥を守る会」、観光協会、商工会、農協などが参加している。天野市栄市長は「これを機に産業振興に力を入れたい」とあいさつ。一方で、水鳥のフンに触れることで感染が懸念される新型インフルエンザについて「大変心配。給餌のやり方を検討してほしい」と要請した。瓢湖では、市管理事務所による1日3回の給餌のほかに、観光客が指定されたポン菓子と呼ばれる餌を購入して自由に与えることができる。だが、餌を食べようとカモが陸に上がり、フンの散乱が問題となっていた。守る会は「観光客の給餌は全面中止すべき」としたが、観光業界は「子供たちの楽しみ」と反論。当面は、湖面に投げ入れる方法だけに制限し、陸にまかないよう観光客に指導して様子を見ることで一致した。
(ラジコンで追い払い 諏訪湖漁協がカワアイサ対策実験:長野)
諏訪湖漁協は23日、冬期にワカサギを捕食する魚食性鳥類のカワウやカワアイサ対策として、ラジコンのボートと飛行機を使った追い払い実験を諏訪湖で行った。愛好者団体が協力。群れに向かって飛行、走行し、効果を検証した。ラジコン機の接近に伴って魚食性鳥類は次々と水面を飛び立ち、漁協は「食害を軽減できる」として本格導入を目指す考えだ。カワウ、カワアイサはともに潜水して魚を捕食する。特にカワアイサ(カモ科)は近年、数千羽単位で諏訪湖に飛来しており、昨年度に県水産試験場諏訪支場が行った調査でワカサギを捕食していることが分かっている。ワカサギ採卵への影響を懸念し、漁協は昨季、漁船での追い払いに取り組んだが、燃料費や人件費がかさむなどの課題があり、諏訪地方のラジコン愛好者でつくる諏訪模型クラブ(岩波義一会長)に協力要請。クラブ側も「ラジコンに対する理解の促進、PRにつながる」と応じた。この日は漁協役員、ラジコン模型操縦士の資格を持つクラブ会員が漁船に分乗し、他の野鳥やワカサギの釣り客に影響が出ない範囲で実験に取り組んだ。上空と湖上からラジコン機が近付くと、魚食性鳥類は一斉に飛び立ち、別の地点に着水。何度も追い払いを繰り返し、飛び立つ方向や着水地点を確認した。藤森貫治組合長は「湖から外へ飛び立つ姿は確認できなかったが、落ち着いて魚を食べる機会は減らせる。数千羽が飛来する時期には相当な効果があるだろう」と手応えをつかんだ様子。関係機関と相談しながら、導入に向けた準備を進めるという。カワウの対策としてはこのほか、潜水して魚を捕食するのにぬれた羽を乾かす場所を必要とするため、そうした場所に鳥除けの糸を張り巡らせることにしている。
(クマただ今捕獲ゼロ 青森・下北の生態調査難航)
青森県が下北半島で実施しているツキノワグマの生態調査が難航している。農作物などに被害をもたらすクマの行動を調べようと、9月に捕獲用の箱わなを設置したものの一向に捕まらず、冬眠の季節を前に関係者はあきらめムード。一方で有害駆除件数は3年間で計100頭を超え、絶滅を危ぶむ声も上がっている。行動調査は県下北地域県民局が昨年度から実施。むつ市内の3カ所で計3頭に発信器を取り付け、2カ年にわたり追跡する計画で着手した。昨年は8月に捕獲したのが子グマで発信器を取り付けられず、10月に別のクマに装着した発信器は2カ月後に脱落、調査を中断した。リベンジを期した本年度は9月上旬、市内の国有林2カ所にわなを設置した。その後、場所を変えるなどしたが、冬が迫る現在まで2カ月半、クマは捕まってくれない。県民局林業振興課は「雪が降れば中止せざるを得ない。捕獲は難しいだろう」とあきらめ顔だ。下北のクマは、環境省と県のレッドデータブックで「絶滅の恐れがある地域個体群」に位置付けられる。1996年の段階で「少なくとも100頭以下」とされたが、具体的な数は分かっていない。県は2005年度から有刺鉄線で体毛を採取、DNA分析する「ヘアトラップ」による生息数調査を実施したが、毛根が付いていないなど状態が悪く、分析を断念した。県自然保護課は「科学的方法として採用したが、実際は課題が多かった」と説明。本年度は有害駆除したクマの肉片から分析する方法に切り替えた。推計数を出した上で、年度内に作成する被害対策マニュアルに反映させる方針だ。有害駆除はピークの06年度が57頭で、07年度は22頭、08年度は24頭。3年間で既に103頭が殺された。一方で今年の出没件数(18日現在)は、昨年同期比で36件減の19件にとどまる。県自然保護課は山で餌となるブナの実が豊作だったことを挙げ、「クマが出ないから取りすぎというのは根拠がない。捕獲の実績を見れば、まだまだいるんじゃないか。絶滅の状況にはないと思う」と楽観視する。これに対して、県の委託でわなを設置した下北野生生物研究所(むつ市)の森治所長は「明らかに駆除の行き過ぎ。クマは少なくなっている」と危惧(きぐ)する。森所長は被害防止対策として電気柵拡大の必要性を訴え、「クマがいてこそ食物連鎖が成り立つ。行政が本気で自然保護を語るなら、安直に駆除するばかりでは駄目だ」と話している。(クマ被害防止で幻の柿復活:石川)
白山市の山あいの集落で地域の特産品として生産していた柿「仏師ヶ野柿」を復活させようと、24日「柿の市」が開かれました。白山市河原山町では特産の「仏師ヶ野柿」をPRしようと、地域の住民らが「柿の市」を開き柿や取れたての野菜などを販売しました。河原山町では40年ほど前まで柿を生産し、金沢や関西方面に出荷していました。しかし過疎化や高齢化で生産する農家はなくなり、柿の実がなっても放置されたままの状態でした。この柿を狙ってクマやサルが集落に現れ、2年前には男性がクマに襲われて大けがをするという被害も出ました。このため地域の住民が柿の実を収穫して売り出すことにしました。
(住民が「獣垣」設置:長野)
伊那市西春近地区の全住民らでつくる「西春近地域の環境をよくする会」は今年度から、野生動物の被害防止を目的に地区西部の山ろくに総延長十数キロの電気牧柵を設置する「平成の獣垣」事業を始めた。2012年度までに設置を完了する一大構想で、初年度分の約4.4キロが完成。被害防止に効果が出始め、今後「点から線にする」ことで、さらに効果を高める。電気牧柵は、北部の小出二区から南部の諏訪形区まで設置する。今月中に各区が設置ルートを提案し、同会の獣垣プロジェクトチームで現地を踏査後、全体のルートを固め、住民の合意を得て進める予定。野生動物の進入防止効果が期待できる中央道を含めると、総延長は約20キロ。獣垣だけの総延長は「15、6キロ」程度と見込んでいる。設置予定区間内の東春近木裏原区も趣旨に賛同して同会に加入し、地区を超えた取り組みにもなる。プロジェクトチームは、イノシシ、サル、ニホンジカ、クマの四獣対策の視点から効果的な電気牧柵を研究し、独自の構造を考案した。高さ約1.5メートルで、4本の電線の下に地中に差し込む金網を設置し、イノシシの進入を防ぐ。資材費は国などの補助金を充てるが、設置の作業はあくまでボランティアだ。今年度設置したのは、被害が深刻な小出二区の小屋敷集落。小黒川上流にあり、戸数23戸。7月下旬から山際を中心に集落を囲むように電気牧柵を設置し、10月下旬に通電した。農地を持たない人も設置作業に参加したという。地元の農業伊藤千里さん(80)は、「一昨年はイノシシの被害で田んぼの収穫はゼロ。それが(電気牧柵の設置で)今年は被害が全くなく、非常に効果があった」と喜ぶ。電気牧柵と先人が築いた猪垣のルートが重なる部分もあったという。同会の平沢信助会長は「自分たちが汗を流して設置するから愛着も出る。連帯感、責任感も生まれ、獣垣の効果以上の効果が生まれた」と話し、電気牧柵を隣接地区とつなぐ「連携」にも期待する。同会は農家も非農家も一緒になって地域の環境を守り、伝えて行こうと2月に発足した。ソバ栽培による荒廃地の解消や水路の泥上げなども実施。農水省が推奨する「農地・水・環境保全向上活動」に認定され、年間約1600万円の支援を受けて取り組む。
(イナバウアーにお願いポーズ、エサねだってクマが次々)
兵庫県姫路市にある娯楽施設「姫路セントラルパーク」のヒグマたちが、エサを投げ込む来園者の気を引こうと様々なポーズを披露して評判になっている。そのポーズはイナバウアー、開脚、両手を合わせてお願い――と多彩だ。ヒグマは約2千平方メートルの広場に10頭いる。来園者はトウモロコシや大豆カスで作った固形のエサ(4個200円)を投げ入れることができる。 人気のクニコ(17歳)は06年に北海道のクマ牧場から来た。今年に入り、エサを持った来園者を見つけると、万歳した状態で背中を反らす荒川静香選手の「イナバウアー」のような格好でエサをねだるようになった。投げてもらったエサを見事に口でキャッチすることも。ほかにも、寝転がって手を振りながら足を上げる「開脚ポーズ」や、お尻だけ地面につけて両手両足を持ち上げたりするポーズも繰り出す。負けていないのがオスのタイセツ(23歳)。両手を胸の前で合わせる「お願いポーズ」が得意だ。また、オスのタイキ(25歳)は片手を上げて招き猫のようなしぐさをみせる。いずれもエサを持った来園者がいなくなるとやめてしまう。奥田和男園長(42)は「たまたまポーズをしたときに来園者からたくさんエサをもらえたので学習したのでしょう」とクマたちの多芸ぶりに感心している。
(電気柵より手軽自然とも調和“新兵器”でイノシシ撃退:千葉)
鋸南町に移り住み、田舎暮らしを満喫している元会社員の杉山茂嘉さん(65)が、イノシシから農作物を守る撃退具を考案した。田畑を囲う電気柵よりも手軽で、自然と調和するのが特徴という。急増したイノシシが農家を悩ませる中、“新兵器”のポイントを聞いた。杉山さんは石川島播磨重工(現IHI)を退職し、約八年前に横浜市から同町市井原に転居。約二ヘクタールの山林を利用して「森の時計・自然工夫塾」を開設、里山で暮らすライフスタイルを提案している。妻の敏子さん(59)と農業にも取り組んでいるが、三年ほど前からイノシシの被害に遭うようになり、防御策を試行錯誤してきた。考案したのは、鉄製の格子を二枚組み合わせて立たせる「X型格子撃退具」、格子をトンネル状に曲げた「U型格子撃退具」など。それぞれイノシシが足を取られる構造で、少ない費用で作れ、持ち運びが簡単だ。光り物を付けた目印棒と併せて斜面や獣道に置くと、イノシシが警戒して山から下りてこなくなるという。小さな農園でサツマイモやナスを栽培する敏子さんは「撃退具を置いてから、ぴたりとイノシシの被害がなくなった」と喜ぶ。イノシシ対策で主流の電気柵は設置する場所が限られ、漏電や故障などのトラブルが起きる。杉山さんの撃退具は自然を壊すことなく手軽に利用できるのが利点だ。ただしイノシシの通り道に設置する必要があるので、その生態を知らなければ有効活用できない。「イノシシが里に下りてからでは手遅れ。山に封じ込めることが重要だ」と杉山さんは強調した。イノシシは本来臆病(おくびょう)な生き物。しかし一度味をしめると、わが物顔で繰り返し田畑を荒らすようになる。大切なのは「獣は山」「人は里」ときっちり線を引くこと。そのためには行政を交えた広域的な対策が必要だと訴える。杉山さんは、柵をのこぎりの歯状にした「アングル突起型獣撃退具」や地元の竹を使った「釘(くぎ)竹」など、ほかにもさまざまな撃退具を開発しては改良を進めている。「里山生活を楽しむことが研究の最大の目的。それに向けて一歩一歩前進してゆきたい」と意気込む。
(モンキードッグ、養成中 野生ニホンザル撃退へ強い味方:和歌山)
野生のニホンザルの農作物被害に頭を痛めている那智勝浦町山間部の色川地区で、飼い犬を訓練しサルを追い払う「モンキードッグ」の養成事業が今夏から始まった。約3カ月の厳しい訓練を経て今月27日、適否を確認する認定試験があり、県内初のモンキードッグが誕生する予定だ。モンキードッグは、野生ザルによる食害を防止するため、農家が飼っている犬を訓練しサルの追い払いに活用する。全国に先駆け、長野県大町市で05年に導入された。田畑への出没が激減するなど、効果が高いことから各地が採用。県東牟婁振興局の調べでは、兵庫、徳島など21府県の42町村が導入、または導入を検討している。那智勝浦町は今年4月、農業委員会、JA、県で構成した「町鳥獣害防止対策協議会」(事務局・産業課)を設立。色川地区の農家の人たちとともに導入3年目の兵庫県香美町を視察するなど、モンキードッグ養成事業を進めてきた。「サル追い払い犬養成講習会」と名付けた訓練の会場は、那智勝浦町出会の旧出会小グラウンド。飼い主と一緒に受講する犬は柴(しば)犬、雑種犬など計7頭。愛犬「テツ」(雄、2歳)と参加する農業、曽根和仁さん(45)は、約70アールの田畑でお茶、野菜、水稲を栽培する。02年ごろからサル被害が始まり「花火や防護ネットなどで追い払ったがあまり効果はなかった。養成事業のために犬を飼い始めた。しつけはしたこともなく不安だったが、訓練を重ねるうちに指示通りに動くので驚いている。サル撃退に期待している」と話す。農業、大河内至さんは「訓練が始まって3カ月になるが、別の犬みたいに随分と変わった」と続けた。講師は犬を通した社会貢献などをしている社団法人「JKC」(ジャパンケネルクラブ)公認訓練士、濱田由美子さん(田辺市在住)。「おすわり」「伏せ」「待て」など基本から教える。濱田さんは「見知らぬ人と出会った時に、飛びついたりせずフレンドリーな犬かどうかを最初にみた。犬のコントロールの仕方を、飼い主に学んでもらう。7頭が認定試験に合格するよう頑張っています」。那智勝浦町によると、サルを含めた鳥獣被害は07年度が約40ヘクタールで約1500万円にのぼる。町産業課の鳥居利行さんは「兵庫県香美町では、サルが出没しなくなり食害が減った。色川では100頭近いサルが幾つかの群れで行動しているのではないか。年内にデビューさせたい」と期待を寄せる。
(北海道犬活用の野生動物追い払い事業:長野)
伊那市の小坂樫男市長は、北海道犬を活用した野生動物追い払い事業の今後の展開について、市民に犬を貸し出して日常の中で活用するなどとした計画を21日の定例記者会見で示した。小坂市長は、記者会見で「子犬も1年が経過し、リーダー犬も育ったことから、日常的な飼育と追い払いに取り組む段階になった」と話した。伊那市は、北海道犬による野生動物の追い払い事業を人間・野生動物共生プロジェクトと位置づけ、元北海道大学助教授で高遠町在住の鈴木延夫さんに飼育や訓練を委託。総事業費は、2年間で1,000万円を計上した。去年の10月に購入した北海道犬は、追い払いができるリーダー犬として育った。市では、このリーダー犬を育てる第一段階が今月一杯で終了し、今後は飼育や追い払いを実施する市民に貸し付け、日常生活の中で必要に応じて追い払いを行なう第2段階へと移行する―と説明。犬を飼う人たちの会を結成し、情報の共有化や事業の推進、繁殖などについても進める考え。その後の第3段階としては、市の関与を減らし、市民有志による追い払いの実施を目指す。伊那市の備品としてとらえられる北海道犬は、現在リーダー犬が6頭、子犬が5頭で、20日までにすべての犬が市民に預けられた。配置されたのは、西春近、西箕輪、小沢、富県、高遠の長藤、長谷の溝口の6地区。このうち、7月末から1歳3ヶ月のリーダー犬を預かっている西春近諏訪形の果樹農家、酒井健さんは、北海道犬の効果を実感している―という。全国的にも注目を集めている北海道犬を活用したこの追い払い事業。飼育の段階から今後はより実践的な活用へと事業が展開されることになる。
(生態系乱す、ノヤギ駆除:鹿児島)
野生化したヤギが植物を食べ荒らす食害が深刻化している奄美大島で、4町村が9月から、ノヤギの駆除に取り組んでいる。山中に仕掛けた網で生け捕る方法で、11月中旬までに186頭を捕獲。だが、険しい崖(がけ)や、山に阻まれ、駆除頭数は伸び悩みつつあるという。駆除は来年3月までだが、「駆除が進んで数が減ると、生け捕りでは難しくなる」との指摘も出始めている。昨年5月、龍郷町・長雲峠の山中にある「町自然観察の森」。宇都宮英之指導員は頭を抱えた。「森の周りでノヤギが出没するようになった。森の中の植物が荒らされる」駐車場で5、6頭の群れを見かけた。以来、ちょくちょくノヤギに遭遇した。「近づくと崖下に逃げ込んでいく」。すでに道路沿いのクワノキやイヌビワなどは食べられていた。森の中にも侵入した形跡があった。この時期、森の中ではヤッコソウやリュウキュウスズカケなど貴重な植物が開花する。生態系破壊が懸念された。9月から、ノヤギ駆除。以来、「自然観察の森」周辺でノヤギはほとんど見かけないという。宇都宮さんは「植物が守られた」と、胸をなで下ろした。奄美大島でのノヤギは400頭以上とされるが、「実数は不明。山中に入り込まれると把握は難しい」(龍郷町産業振興課)という。雑食性で草を根こそぎ食べる。植物を失った土地は、崩壊など災害を引き起こしかねない。生態系も大きく乱すことになる。龍郷町の駆除目標は40頭。委託を受けた町猟友会の会員が山中の獣道などノヤギが通りそうな場所に高さ約1・5メートルの網を仕掛けた。捕獲は生け捕りが条件で、銃は「あくまで威嚇のために使用する」。網に追い込むため、空砲を撃っている。しかし、11月21日までの捕獲は、わずか10頭。「険しい崖やソテツの群生地にノヤギが逃げ込むとどうしようもない」と町猟友会会員は嘆く。町も「銃を使ったほうが効果的と聞くが、あくまで生きたままの捕獲をお願いしている」。根気強く網にかかるのを待つしかない、という。宇検村(駆除目標60頭)と大和村(同40頭)も、これまでの捕獲はそれぞれ13頭。苦戦しているようだ。一方、瀬戸内町は150頭を捕獲し、今月初旬、事業を終えた。町農林課は「短期間で捕獲できた。来年度も駆除を進める」と話す。ただ、銃を使用した方が駆除が進むと指摘されたという。「駆除が進むほど、網にかかるノヤギは減っていく」からだという。県も地元市町村も奄美群島の世界自然遺産登録を目指している。豊富で貴重な生態系が息づくことが奄美の魅力という。野生生物の保護を進める奄美野生生物保護対策協議会でも「生態系に影響を与えるノヤギは自然遺産登録の障害になる」と明言する。「障害」のノヤギに対し、有効な駆除方法を探ることも必要のようだ。
(猿に襲われ3人ケガ:長野)
23日朝、茅野市安国寺の住宅地内に猿2匹が出没し、女性ばかり5人がかまれたり、後ろから飛び付かれたりして、うち3人が足などに軽いけがをした。通報を受けた市などは張り紙や看板などで注意を呼び掛けるとともに周辺の警戒を強めている。出没した場所は諏訪大社上社前宮近く 。茅野署の調べだと、同日午前8時から9時にかけて、玄関先に出たり庭先で洗濯物を干しているときに 飛び付いてきたという。通報を受けた市や猟友会などは、おりを2カ所に設置したほか、注意を呼び掛ける看板や張り紙を掲示。茅野署は同日午前と午後の2回にわたり延べ17人の署員で捕獲を試みたが、同日夜までに捕獲に至っていない。地区内でパトカーを巡回している。同区によると、前日の22日から猿が出没し、別の住民がかまれるなどの被害に遭っている。安国寺周辺では、北側の高部、南側は富士見町に近い金沢地区でも猿が目撃されている。「早く捕獲してほしい」「向かってきて怖かった」。同区ではこれまで猿による農作物被害は散見されていたが、複数の住民が一度に襲われたことはなく、一様に不安な表情を見せた。取材中の23日午後1時から同3時にかけても、1匹の猿が現れた。人を警戒する様子もなく民家の軒先にひんぱんに姿を見せ、家の中をのぞいたりうろうろと動き回って何かの食べ物を口にしたりしては、山へ逃げ込むという行動を繰り返した。集落内で22、23の両日の猿情報は多数ある。60代の男性は「うちでは2人もやられた。22日の夜は30歳の息子が車を止めたときに庭でかまれた」。庭先で野沢菜を洗っていて不意に足に抱きつかれた女性(62)は、「昨日も3回、きょうも2回見た」と言い、音もなく近づいてくるため「全然分からなかった」と話した。23日朝に足をかまれたという男性(72)は「体長は1メートル近くだった」と証言。「生ごみの出し方も注意しないといけない。えさをやってるようなものだ」と対策を口にした。地元の増木雅行区長は「1カ月ほど前からひんぱんに目撃されるようになった。これほど人が一度に襲われることはなかった」とし、区民に区内放送で注意を呼び掛けている。
(また猿を目撃:長野)
猿にかまれて住民3人がけがをした茅野市宮川で、24日も猿が目撃され、茅野署員や地元安国寺区の区民らが警戒に当たった。人への被害はなかったが、区は猿を見かけたら警察や市に通報するよう注意を呼び掛けている。23日に2匹の猿が出没した諏訪大社上社前宮周辺は、山際に実を付けた柿の木や民家が点在。同署や区によると、24日は午前8時半ごろと午後1時半ごろ、1匹ずつが目撃され、民家の軒先や集落を歩いていたという。諏訪猟友会員は、市が民家の庭に23日に設置したおりを点検。市内の男性会員(64)は「追ってもまた来るから捕獲するしかない」。市は前宮境内などに注意を喚起する看板を設置した。警戒していた区長の増木雅行さん(69)は「住民も不安がっているし、これ以上被害を出したくない。登下校中の小さい子どもたちには保護者が付き添うように注意を促している」と話していた。
(トキ、関川気に入る?:新潟)
環境省が佐渡島内での野生復帰を目指していたトキ1羽が、本州の関川村で確認され、定着の兆しをみせている。新潟市方面から北上してきたとみられ、山形、福島、群馬などえさ場を求めて県外へ向かう可能性もある。狩猟シーズンに入り、同省は各地の猟友会に、目撃情報の提供や誤射への注意を呼び掛けた。胎内川沿いに広がる平野に、湿田や水辺が点在する胎内市中条地区。県が絶滅危惧(きぐ)種に指定する小型の淡水魚イバラトミヨが生息する。「トキはいい場所を選んで飛んできたなあ」。市内の自営業近藤美博さん(55)は誇らしげだ。近藤さんら地元有志は約15年前から、こうした水辺を守る活動を展開。ドジョウなど水生生物が豊富な水辺は、トキが好んでえさを取る場所だ。近くで最初にトキの目撃情報があったのは10月27日。「まさか佐渡島から」。そう思っていた近藤さんだが、11月8日、隣の関川村でトキが確認されたというニュースをテレビでみて「本当だったんだ」と納得した。「もちろんトキにはまた来てほしい。イバラトミヨが食べられてしまう心配? それは大丈夫でしょう」環境省新潟事務所には9月の放鳥後これまでに、本州での目撃情報が計44件寄せられている。写真判定でトキと確定したのは関川村の1件だが、目撃者の証言から同省は10月初旬以降、新潟市西区と胎内市、関川村で目撃されたという計十数件を「確度が高い」とみる。新潟市西区では10月6日午後、佐潟公園近くの電線に顔の赤い鳥が1羽、止まっているのを住民が目撃した。一帯は水鳥も多く生息する湿地地帯。国内では過去に「トキが電線にとまった」という目撃例はないが、中国のトキは止まり木代わりのワイヤの上でも羽を休めるという。胎内市、関川村内で目撃されたのもいずれも湿地や棚田地帯。同省の担当者は「上空から探すのか、えさのある場所をしっかり選んでいる。野生の力ですね」と感心する。関川村ではここ1~2週間、かつてドジョウの養殖池だった場所などによく姿をみせているようだ。池から逃げ出したドジョウが繁殖を続けていて、当面はえさに困らない。だが、雪が深くなり、えさが取れなくなれば、新たなえさ場を求めて県外へ向かう可能性もあるという。「地域活性化のため、いつまでもトキにいてもらいたい」。そう期待する同村は、えさ場となりそうな水田に水を張って融雪を促すなどの対策も検討しているという。
(繁華街で日本人男性2人撃たれ負傷:フィリピン)
フィリピンの警察当局によると、マニラ首都圏マカティ市の繁華街で22日深夜、日本人男性2人が銃で撃たれて負傷した。警察は殺人未遂事件として調べている。撃たれたのは、マカティ市でカラオケ店を経営している男性(48)と、商用でフィリピンを訪れていた旅行業の男性(37)。48歳の男性は腹部とあご付近、37歳の男性は首を撃たれ、ともに重傷だが命に別条はないという。マカティ署などの調べでは、2人がカラオケ店の前の路上で立ち話をしていたところ、突然、男が近づいてきて短銃を発砲。男は別の男と近くに止めてあったオートバイに乗って逃げたという。
(ゴミ誤飲防ごう 鹿愛護会が清掃 奈良公園)
奈良公園の鹿が食べ物のにおいがついたゴミを誤って食べるのを防ごうと、財団法人「奈良の鹿愛護会」が23日、ボランティアを募って公園一帯の清掃活動をした。観光シーズンの11月にあわせて毎年実施し、観光客らにゴミを捨てないように呼びかけるPR活動の一環。約130人が公園周辺約1・5キロを歩いて、ゴミを拾った。この日、回収したゴミは約100キロ。プラスチックのトレーやビニールの菓子袋が目立った。これらのゴミを鹿が食べると消化されずに胃にたまり、栄養不良で死ぬこともあるという。
(シカがパトカーにはねとばされる:アメリカ)
暗い夜道を走るパトカーの前に飛び出して来たのは、一頭の雄のシカです。パトカーにそのまま衝突し、はねとばされ、路上で3回、4回と回転するシカ。その後、なんとか立ち上がり、足早に夜の闇へと消えて行きました。アメリカでは、こうした「シカ」と車の衝突事故が頻ぱんに起きているということです。
(富松審議監、検察主張に徹底抗戦 大分県教委汚職)
収賄罪に問われた現職の県教委ナンバー2は、検察と真っ向から争う姿勢を示した。大分県の教員汚職事件で21日開かれた教育審議監・富松哲博被告(60)の初公判。ジャンパーにジャージーのズボン姿で被告人席に座る富松被告は起訴事実をきっぱりと否認しつつ、目の前で展開される検察側の主張に、やつれ果てた表情で聞き入った。法廷に姿を見せた富松被告はげっそりとした様子。県教委で人事権を振るったかつての面影は感じられない。裁判長から職業を聞かれると、一瞬、間をおいて「地方公務員です」と答えた。元義務教育課参事・矢野哲郎被告(52)(贈賄罪で公判中)から昇任に伴う謝礼として商品券20万円分を受け取ったとされる罪の認否では「もらったのは事実だが、便宜な取り計らいはしていない。謝礼とは認識しておりません」と早口で語った。一方、検察側は、徹底抗戦の姿勢を見せる富松被告の前で、商品券が抜てき人事の謝礼だったとする論拠を次々と示した。矢野被告が富松被告の自宅で商品券を贈った場面について「矢野被告は富松被告と交友関係がなく、人事の時期に自宅を訪ね、商品券を供与するのは任用の謝礼と今後も目をかけてほしいとのあいさつとしか考えられない」と述べた。さらに、矢野被告の証人尋問では、参事候補に挙がっているとの話を同僚から聞いた矢野被告が、富松被告に会った昨年11月22日、妻に送信したメールを示した。「かなりやばいが、審議監には今日サザエとヒオウギガイが届くようにしています。まっ、ライバルは多いが」という内容で、「やばい」の文意について矢野被告は「人事の話が出ている時に、贈り物をするのはよくないという気持ちだった」と答えた。富松被告には海産物3000円相当のほか、12月にはお歳暮で5000円相当のサーモンと数の子の詰め合わせを贈ったという。スーツにネクタイ姿の矢野被告は、2メートルほど離れた席にじっと座るかつての上司に目も向けず淡々と語り続けたが、「田舎の校長だった自分を富松先生が引き上げてくれた。受けた恩を(事件発覚により)あだで返してしまい、申し訳ない」とも話し、複雑な胸中をのぞかせた。矢野被告は弁護側の尋問も受け、「教員採用で不正を(別の幹部に)お願いした時は相当悪いことをしている意識があった。今回は贈収賄になるとまでは思わなかった」と明かした。この間、富松被告は矢野被告に一切目を向けず、表情を変えずに検察側を向いていた。また、弁護側は冒頭陳述で、矢野被告が富松被告に趣味でしとめたシカ肉を振る舞ったほか、県教委幹部にも魚介類やシシ肉を贈っていたと主張。矢野被告は贈り物を頻繁にしており、富松被告は受けとった商品券をわいろと感じなかった可能性があるとした。一方、富松被告を巡っては、前任者の二宮政人・元教育審議監(62)が自らの公判で「毎年、小中学校教員採用試験で数十人分の合格依頼を受けた。内容は一覧表にして部下の富松課長に伝えた」と語るなど、教員採用試験での口利きの取りまとめ役だったとの証言も相次いでいる。
(教育・教師を語る会「日本熊森協会」森山代表をゲストに)
森に住むクマをシンボルに、森林保全運動を続ける市民団体「日本熊森協会」(西宮市)の森山まり子代表をゲストに迎えた「教育・教師を語る会」が23日午後2時から、大阪市天王寺区東高津町の府教育会館で開かれる。20年以上の教員経験がある森山代表が、生徒の問題提起から始めた運動を通し、参加者と教育問題を考える。森山代表は、尼崎市内の中学校で指導していた92年、ツキノワグマが絶滅のおそれがあることを報じた新聞記事に関して生徒が書いた感想文を機に、子どもとともに森林保全運動を始めた。97年には同協会を設立し、クマの保護や森の復元に取り組んでいる。語る会は、元教員らでつくる「教師駆け込み寺・大阪」が学期に1回のペースで開催。教員だけでなく一般の参加者も募集している。

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