<射撃ニュース12月>

12/4
(自作銃、花火の火薬使用 札幌スーパー強盗)
札幌市北区屯田のスーパーで一日に起きた強盗致傷事件で、強盗致傷の疑いで逮捕された札幌市白石区川北二二八〇、廃品回収業川村彰範(55)と同区北郷四の八、無職花川正則(66)の両容疑者のうち、川村容疑者が自作した銃は、花火の火薬で金属弾を発射する仕組みだったことが三日までに、札幌北署の調べで分かった。自作銃は川村容疑者宅で見つかり、金属製の単発式で、引き金がついていた。このほか、ロケット花火約百三十本やクラッカーも押収。同署は花火の火薬で弾丸を発射する仕組みとみて、銃の製作方法などを調べている。川村容疑者は十一月下旬、同市清田区と東区で起きたコンビニエンスストアの強盗事件への関与も認めており、いずれも自作銃を使ったとみられる。また北区屯田の事件について、同容疑者は「約三十年前からの知人の花川を誘った。金は山分けした」と供述しているという。同署は三日午後、両容疑者を送検した。
(解体法教えます 14日に鳥獣害防止広域対策協が開催:三重)
県境を越えて獣害対策に取り組んでいる宇陀(奈良県)・名張地域鳥獣害防止広域対策協議会は14日、名張市蔵持町芝出の市農業研修センターで、シカ・イノシシの解体調理研修会を開く。駆除で捕獲したものの、解体できずに捨てられるケースもあることから、名張市猟友会(菅尾照雄会長)が指導する。同市農林振興室によると、市内ではニホンジカが年々増えており、昨年度の捕獲頭数は前年度比22頭増の75頭。若芽を好んで食べることから、果樹や米、野菜などへの被害が報告されている。協議会は被害低減に向け、農家への狩猟免許取得拡大を進めており、年間数人が取得している。しかし、不慣れから、「捕まえたが解体できない。なんとかしてほしい」との要望も寄せられている。当日は、ベテラン猟師が柔らかく食べられる肉の切り方を手ほどきし、イノシシ汁とシカ焼き肉にして試食する。狩猟免許保有者らが対象だが、取得希望者や一般市民も自由に参加できる。同室は「シカ肉は低脂肪・高タンパクで、鉄分豊富な健康食品。自然の恵みに感謝するとともに、有効活用を進めたい」と話している。
(山梨・長野の連携なるか 知事同士の初の懇談会)
山梨、長野両県の知事懇談会が先月、開かれた。ともに“海なし県”で、長野には軽井沢、山梨には清里といった高原リゾート地があり、共通項は多いものの、両知事の2者懇談は初めて。県境を越えて被害が広がるニホンジカの捕獲や、中部横断自動車道の整備などで連携強化を確認した。ただ、テーマによっては一方が意気込むも一方は乗り気ではないといった“温度差”も露呈した。懇談会を契機に両県の連携が深まる可能性を探った。「へー、僕は漫画の『美味(おい)しんぼ』を全巻持っていますよ」11月7日、長野県諏訪市で開かれた懇談会。山梨県の横内正明知事が名刺を差し出すと、長野県の村井仁知事はこう応じて場を和ませた。横内知事の名刺には和食と合う甲州ワインが宣伝されている。長野県も欧州系ブドウのワイン生産地で有名だが、村井知事は「ワインは山梨にあるため日本酒で歓迎し、さまざまな局面で協力を深めたい」と切り出した。村井知事が真っ先に求めたのはシカの捕獲強化。県内農林業の年間鳥獣被害17億円のうち4割はシカによる被害という。「信州大の調査では長野県のシカが甲府の近くに行っていた」とし、同県は部局を横断する組織を設けていると訴えると、横内知事は「市町村に補助をして管理捕獲をしてきたが、山の上にいるシカは県がやるしかないと考えている」などと応じた。[後略]
(地元農家が…:滋賀)
高島市マキノ町で、地元農家が休耕田の有効利用を目的に南米原産の根菜「ヤーコン」の栽培に取り組んでいる。ヤーコンは、整腸効果などが期待できる健康野菜で、先日、学校農園で栽培を始めた市立マキノ中の1年生が収穫に汗を流し、土の中から約60キロを掘り起こした。レンコンのようなシャキシャキとした歯ごたえとほのかな甘みが特徴で、外見はサツマイモにそっくり。地元の7農家がヤーコンをうどんや餅に練り込んだ商品などを開発し、特産化を目指して奮闘している。地元農家は、野生動物が田畑の農作物を食い荒らす獣害に悩んでいるが、シカやイノシシはなぜかヤーコンには手を出さないという。水やりの必要があまりなく、栽培にそれほど手間がかからないのもありがたいという。高齢化や後継者不足が深刻な町内の農家を救う存在になることを期待したい。
(イノブタ肉の愛称「イブの恵み」に決定:和歌山)
すさみ町商工会は3日、同町の特産品であるイノブタ肉の愛称を「イブの恵み」に決めたと発表した。全国から824通の応募があり、同町のパロディー国家「イノブータン王国」の活性化委員会が審査した結果、埼玉県朝霞市の金剛明夫さん(45)の応募作を選んだ。「イ」ノシシと「ブ」タの良いところ(恵み)を取った肉という意味で、委員会では「ソフトで安心、安全というイメージにぴったり」と話している。イノブタは約40年前、町内の県畜産試験場でイノシシとブタをかけあわせて誕生。今秋、町内で本格的に民間飼育が始まり、今後の消費増大が期待されている。猪肉が「ぼたん」と呼ばれて親しまれているように、イノブタ肉の知名度向上にも愛称が必要だとして公募していた。委員会では今後、イメージポスターや認証シール、イノブタ料理を扱う飲食店を紹介するパンフレットなどを作成し、PR活動を展開する。
(イノシシ急増 被害防止計画年度内に策定:岡山)
倉敷市児島地区でイノシシ被害が急増しており、同市の日名英雄経済局参与は、2日の11月定例市議会で被害防止計画を年度内に策定する方針を示した。生水耕二氏(公明)の質問に答えた。 同市内のイノシシ捕獲数は、昨年度78匹と前年度から1・5倍。特に児島地区では、03年度は4匹だったが、昨年度は35匹と激増し、農作物被害も拡大も深刻という。
(東京のカラス対策で減るものの、公園で存在感増す)
都内のゴミ集積場に群がるカラスは一時期に比べて減ってきている。今年1月の東京都環境局の発表によると、2001年に36400羽だったカラスの数が、カラス対策を開始した2002年度以降から減少を続け、2005年には17900羽になっている。これは防鳥ネットの普及やゴミの収集時間を早めるなど、東京都のカラス対策の効果が着実に表れている結果だといっていいだろう。だが、町中からカラスが消えてきた一方で、公園でのカラス被害の声は絶えない。その中で「都内の公園はもはやカラスのたまり場と化してる」という声が聞かれる。たとえば、渋谷、原宿に近い代々木公園を午前中よく散歩する住人によると「公園の真ん中に噴水があり、その周りにベンチがありますが、ほとんど誰も座っていませんね」。というのも、噴水はカラスたちの格好の水浴び場となっており、その周辺の木々にはたくさんのカラスがとまっているからだという。もしベンチに座ろうものなら、カラスのおしっこや糞がシャワーのように降りかかります」(前出・住人)それゆえ、公園に来た人々は噴水から離れたベンチに座らざるを得ない。「あれでは噴水はカラスたちのためにあるようなものですね」と住人は語った。しかも、年々カラスも狡猾になり、ゴミ集積場にかけられた防鳥ネットをくちばしで取り除き、ゴミをあさる姿をみかけることがある。カラスと人との戦いはまだまだ続きそうである。
(「サルの脅威に立ち向かえ」エアガンを手に立ち上がった主婦たち:インド)
サルによる被害が相次ぐインド北部ウッタルプラデシュ州の州都ラクノーでは、森林当局の対応の遅さに業を煮やした主婦たちが武器を手に取り、“サルの脅威”に立ち向かっている。人口300万人超のラクノーでは、住宅地を中心に推定約3000匹のサルが出没。市内の少なくとも4地区では女性たちがサルたちを撃退するため、エアガンなどの武器を使い始めている。州の森林当局は、この数か月で市内各地に現れたサル83匹を捕獲したとしている。しかし当局が実際に動き出したのは、3歳の男児がサルの群れに襲われてベランダから転落した11月1日以降とみられている。武器を手に自ら立ち上がった地元の女性たちは、次のように語っている:「サルの一団に台所を荒らされ、幼い娘も襲われそうになったので、夫がエアガンを買ってくれました。その後、再び現れたサルたちに向けてエアガンを発砲したところ、それ以降は寄りつかなくなりました。エアガンの腕も磨いたんです」。「(サルによる被害について)森林当局が開設した電話相談サービスに何度問い合わせても、サルの捕獲要員は2人しかいないと言われるばかりです。自分たちで対処するしかありませんでした」。こうした動きを受け、エアガンなどを取り扱う店舗の業績が伸びているようだ。ラクノー市内のある店主は「この1か月で、エアガン約200丁を売りました」と語る。「うちの店では最近、通常のエアガンやエアピストルに加え、レーザー照準付きのものも取りそろえました」。一方、森林当局はサルによる被害に歯止めをかけるため、苦情が寄せられた地域では夜通しで警戒するなどの努力を続けていると強調、“サル問題”への対処のため、専門家を招くことも検討中としている。
(ハトの死骸から殺虫剤検出:長野)
県は11日、安曇野市明科中川手で今月5日、計14羽のハトの死骸(しがい)が見つかり、検査できた12羽から劇物指定の有機リン系殺虫剤「フェンチオン」を検出した、と発表した。フェンチオンは、ウンカなどイネの害虫防除で夏-秋にかけて一般的に使われている。しかし、県は「この時期に散布するとは考えにくい」(農業技術課)として、周辺で不適切な使用や不法投棄がなかったか調べている。明南小学校の児童が通学中に死骸を発見し、学校や市を通じて、県松本地方事務所に連絡。学校周辺の道路、畑で13羽、JR明科駅前の道路で1羽の死骸が見つかった。県環境保全研究所(長野市)が検体を調べたところ、12羽すべての消化器の内容物からフェンチオンを検出。体重1キロ当たりに換算した量は1・8-85ミリグラムとなり、6羽が、ハトに大きさが近いウズラの半数致死量(一定数の動物が摂取した場合に半数が死ぬ量)の11ミリグラムを上回った。
(カラスが電線ついばみ停電 相模原800世帯が42分:神奈川)
相模原市下溝、当麻、磯部周辺で7日午前11時20分から42分間、約800世帯が停電した。東京電力相模原支社が調べたところ、同市当麻の電柱下で、感電死したカラスが見つかり、カラスが電線をついばんだことが原因とみられる。同支社によると、電柱の高圧配電設備に感電が起きた跡があった。このため、電線に止まったカラスのくちばしが、電柱の先端にかぶせてある金属製のキャップに触れたため感電したとみている。同支社は、夏場に蛇が電柱に上って電線にからみついて感電するなど、鳥獣が原因とみられる停電が「たまにはある」と説明している。
(ザリガニの殻4列車止める カラスの食べかす?:福岡)
16日午前10時ごろ、福岡県粕屋町酒殿のJR香椎線酒殿駅構内で、上下線のポイントが切り替わらないトラブルがあり、約30分間運転を見合わせた。列車4本が運休し、4本が最大38分遅れた。乗客約500人に影響した。JR九州によると、上り線のポイントにザリガニの殻やつめが挟まっていた。カラスなどの鳥がザリガニを食べ、そのかすが偶然、ポイントと線路の間に挟まったのではないかとみている。同社によると、別の場所で過去、亀がポイントに挟まったこともあるという。
(ハトとの別れ-ふん害撲滅作戦スタート:奈良)
ドバトが住み着き、ふん害など鳥による被害に長年悩まされてきた奈良市三条本町一丁目の市コミュニティ住宅(180戸)で、ドバトを締め出す巨大なネットを張る作業が6日、始まった。JR奈良駅西の13階建てL字型建物で、特に日当たりのいい南面は、奥まった接合部分のベランダなどが都会に暮らすドバトにとって格好のねぐらに。鳥害は建物完成当時から続き、営巣を繰り返しながら今も約90羽が住み着いているといわれる。洗濯物も干せず、壁やベランダといわず周囲は汚され、住民から「不衛生だ」との苦情がこれまで再三市に寄せられていた。市は鳥害防止で建物をネットで覆う奇策を検討。このほど入札が行われ、5日からビル壁洗浄などの作業がスタートしたのに続き、6日からネットを張る作業が始まった…
(羽田空港滑走路工事現場で演習弾発見)
東京湾の羽田空港D滑走路建設工事現場で3日、土砂から旧日本軍の演習弾1発(直径約11・7センチ、長さ約41センチ。重さは20・7キロ)が見つかった。海上自衛隊横須賀総監部水中処分隊が撤去したが、火薬は入っておらず、爆発の危険はない。東京海上保安部によると、砲弾は海中にあったか、埋め立てるために各地から運搬した土砂内にあったのかは不明という。

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12/3
(「真正銃」実験で認定 エアガン製造の社長逮捕)
「リアルなメカニズムにリアルな操作性」「とにかくアッパレな設計」-。7月に発売されたタナカ社のエアガンは、専門雑誌がこう絶賛したように、「本物の拳銃のようだ」と発売前から話題になっていた。エアを入れた薬莢型カートリッジを回転式弾倉に装填(そうてん)する真正銃そっくりの設計は、実験によって、模造ではなく真正銃と認定された。銃刀法から導き出される拳銃の実質的要件とは、(1)金属弾を(2)発射でき(3)殺傷能力がある-の3点だ。最高裁の判例も、「鉄砲」であるかどうかの判断に、適合する弾丸の有無は関係ないとしている。問われるのは発射機能だ。警視庁は、押収したエアガンに手製火薬と実包を装填。1・5メートル離れた場所から発射したところ、弾は厚さ4ミリのベニヤ板6枚を貫通した。殺傷能力ありと判断される最低のエネルギーの数倍もの威力を持っていることが分かった。田中容疑者はこれまで、「実際に火薬を使って撃ったら本体が壊れる」などと主張していたが、実験で本体が壊れた例はなかったという。警視庁などによると、改造を加えないエアガンが拳銃と認定された例は、これまでに2例ある。しかし、製造メーカーの代表者が逮捕されたのは初めてだ。田中容疑者は今年3月、加入する業界団体の日本遊戯銃協同組合に対して、新モデルの検査を要請した。検査で組合が公認すれば、安全性を証明する証紙が発行される。これに対し、組合は「火薬入り薬莢が作られれば、発火する恐れがある」と公認しなかった。田中容疑者は「手製の実包を作る方が悪い」と、証紙のない規格外のまま新モデルを販売。さらに、10月には同種の別サイズの新製品を発売しようとしていた。警視庁は、こうした田中容疑者の行為が悪質性が高いと判断した。同社が出荷した1948丁のうち、警視庁が回収したのは約500丁。過去に拳銃と認定されたエアガンは、約20年たった今でも、インターネットオークションで高額で取引されることがあり、市場に出回った“拳銃”の回収は容易ではない。警察当局は、一定期間を超えて所持し続けると銃刀法違反に問われる可能性もあるとして、回収を急いでいる。
(札幌のスーパー拳銃強盗で回収業者ら逮捕)
札幌市のスーパーで店長が拳銃のようなもので足を撃たれ現金が奪われた事件で、北署は2日、強盗致傷の疑いで同市白石区川北、廃品回収業川村彰範(55)と白石区北郷、無職花川正則(66)両容疑者を逮捕した。2人とも容疑を認めているという。北署によると、犯行に使われたのは川村容疑者が自作した拳銃。同容疑者の自宅から犯行に使われた拳銃とロケット花火134本のほか、鉄製ドライバーの先端を切って加工した弾4発を押収した。調べでは、両容疑者は1日午後11時55分ごろ、札幌市北区のスーパー「ホクレンショップ屯田店」正面出入り口から押し入り、店長小野寺寛さん(53)を「金を出せ」と脅してレジを開けさせ、左足首に発砲。現金30数万円を奪った疑い。弾は小野寺さんの左足首を貫通した。札幌市では11月28日未明と30日未明にも、銃のようなものを持った男によるコンビニ強盗事件が発生。川村容疑者は「2件とも自分がやった」と供述しており、北署が調べている。公開された防犯ビデオを見た市民から「川村容疑者が拳銃を持っている」と情報提供があり、両容疑者が浮上した。
(死んだと思った獲物のシカが猛反撃、米ハンターが胸を負傷)
狩猟シーズンが始まり、猟に出かけたランディ・グッドマンさん(49)が、仕留めたと思ったシカから猛反撃を受け、胸を負傷した。ライフルグッドマンさんは11月19日、体重100キロを超える雄のシカを発見。持っていたライフルで狙って撃った。倒れて動かないシカを見たグッドマンさんは、すでに死んだと思って近づいたところ、数秒後にいきなりシカが起き上がり、反撃してきたという。グッドマンさんはさらに2発の銃弾を撃ち込み、完全にシカを仕留めた。その後、頭がふらふらし始め、ベストを見ると血が広がっていたという。すぐに乗ってきたトラックを自分で運転し、病院に駆け込んだ。胸を7針縫うけがを負っていたという。ハンターとしてベテランのグッドマンさんだが、「地獄のような15秒だった」と、シカの猛反撃を振り返っている。
(やすりを吉野川で発見 徳島市連続爆破、爆発物製造に使用か)
徳島市内で十月に発生した連続爆破事件を調べている県警捜査本部は二日、逮捕した徳島市不動東町二、無職堀太●(たかあき)容疑者(35)が「自宅で爆発物を作るときに使った道具や、犯行時に着ていた服や手袋は川に捨てた」などと供述したことを受け、自宅近くの吉野川や周辺の草むらなどを捜索した。川底から金属製の棒やすり一本を見つけた。捜査員と県警機動隊員の計三十一人が捜索。吉野川に潜水した機動隊員が、長さ約二十センチの棒やすりを見つけた。捜査本部は、堀容疑者が「(爆発物に使った)塩化ビニール製パイプの表面の刻印を消すのに使った棒やすりも犯行後に捨てた」と供述していることから、犯行を裏付ける証拠の一つとみている。このほか、堀容疑者は犯行の前後、何回かに分けて▽火薬を除いた爆竹の残りかすや接着剤▽犯行声明文を書くのに使った筆ペン-なども吉野川や鮎喰川に捨てたことを明かしているという。このため、捜査本部は供述に沿って、三日も引き続き捜索を行う。
(餌付け自粛:長野)
白鳥やカモ類が飛来する季節だ。県内では安曇野の犀川や諏訪湖周辺に多く集まり、冬の観光名所にもなっている。だが、今年は人間の側に波紋が広がっている。秋田県などで今春、オオハクチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、各地で餌付けの自粛や制限の動きが出ているからだ。研究者によると、日本への白鳥飛来数は05年までの30年間に5.7倍に増えた。「餌付けが主因で、越冬地は過密状態」という。野生動物への餌付けは本来、好ましいことではない。これを契機に考え直す必要がある。
(鳥インフルエンザ対策 瓢湖に防護ネット、観光客との接触防ぐ:新潟)
ラムサール条約登録湿地の瓢湖を管理する阿賀野市は1日、鳥インフルエンザ対策の一環として、観光客に開放している湖の西側のさくのすき間から、野鳥が岸に上がるのを防ぐため、さくにビニールの網を取り付けた。瓢湖では、約250メートルにわたってさくが設置されている湖の西側で、観光客が米を膨らませた「ポン菓子」を購入して自由に餌がやれる。岸にまかれた餌を食べようと、高さ約80センチのさくのすき間からカモが上陸、岸にフンが散乱していた。鳥インフルエンザが発生した場合には、靴などに付いたフンを通してウイルスが運ばれるのを防ぐ必要もあり、不衛生でもあることから、観光客と野鳥が接触しないよう網の設置を決めた。また、今月から観光客の餌やりは湖面に投げ入れる方法に制限する。市商工観光課は「陸に餌を落とさないで」と呼びかけており、今月から土日や祝日も事務所に職員を常駐させ、指導を徹底する。
(「鹿食免音頭」で自然の大切さ訴え 諏訪の男性2人)
霧ケ峰でニッコウキスゲの食害が問題になり、駆除の対象にもなっているニホンジカ。こうした現状に心を痛めた諏訪市の男性2人が、貴重な高山植物を食べないで-とシカたちに“呼び掛ける”歌「鹿食免(かじきめん)音頭」を作った。諏訪市岡村の会社役員武井政勝さん(71)が作詞し、同市上諏訪の元団体職員、島いさおさん(68)が作曲。2人は自然の大切さを訴えるきっかけにしたいとしている。武井さんは日本ペンクラブ、日本詩人連盟などの会員。奈良を訪れた中学の修学旅行以来、シカに愛着を感じているという。最近になって農作物を荒らすシカのニュース映像を見たことををきっかけに「愛らしいシカと環境問題について関心を持ってほしい」と詞を書き上げた。島さんは定年退職後、諏訪市郊外の山荘で趣味の曲作りに取り組んでおり、武井さんは「豊かな自然に囲まれて暮らす島さんにこそ頼みたい」と9月下旬に曲作りを依頼。2人で手直しを重ね、2週間ほどで仕上げた。曲は歌謡曲風の民謡で、長さは3分ほど。「歌いやすく、リズムに乗って手拍子をしやすい曲にと心掛けた」(島さん)という。3番まである詞は、桜やツツジ、ニッコウキスゲなど山を彩る花を挙げ「やさしい鹿(しか)さんお願いね かわいい草花食べないで ふるさと緑地困り顔」と呼び掛けている。題の「鹿食免」は、仏教の教えで肉食が禁じられていた時代に、諏訪大社が「鹿食免」と呼ばれる札を出し、シカの肉を食べることを許した歴史にちなんでいる。歌詞でも「鹿さんごめんねありがとう 品数いっぱいああ鹿の幸」「むかしの祭りが夢誘う 大社に頂くああ鹿食免」とシカ肉料理に触れている。武井さんはこれまでも諏訪湖の白鳥や霧ケ峰をテーマにした曲で作詞を担当。歌手による録音で10点ほどを大手レコード会社からカセットテープなどで出している。「鹿食免音頭」も、日本音楽著作権協会(JASRAC)への登録を経て、レコード会社から発売できないか準備を進めているという。武井さん自らも今後、曲を披露する機会を持ちたいとしており、11月26日には島さんの山荘でギター伴奏に合わせて歌を練習した。島さんの山荘は、標高約1200メートルにあり、シカやタヌキなどの野生動物に出くわすこともしばしば。「シカは人に危害を加えるわけでもなく、かわいいもの」と島さん。シカへの思いは「まったく歌詞の通り」と話している。
(函館、サル山の池に温泉引く)
北海道函館市の湯の川温泉にある市営熱帯植物園で、飼育されているニホンザルが温泉につかり、心地よさそうな表情をみせている。12月に入って、サル山の池に約40度の温泉が引かれた。2日の函館の最低気温は2.3度と平年より約4度高かった。札幌管区気象台によると、12月は平年より気温がやや低めになるという。
(東映社長、東京撮影所の再開発を発表)
東映の岡田裕介社長(59)は2日、東京・銀座の同社で会見し、東映東京撮影所(練馬区)の再開発を発表した。戦前に建てられ、70年にわたり多くの映画やテレビを生んだ第6ステージを取り壊し、250坪の広さに最新のデジタル設備を配した新ステージを建設する。また、同撮影所での撮影からポストプロダクション(映像と音の仕上げ作業)まで一環して管理できるデジタルセンターも設置する。第6ステージは、1983年公開の「日本海大海戦 海ゆかば」の着弾シーンで火薬量が多すぎて壁が崩壊。大規模補修したという逸話が残る。両方にかかる費用は42億円。10年5月末竣工。
(J2入りの喜び、石井知事に報告=ファジアーノ岡山)
日本フットボールリーグ(JFL)4位でJ2入会が認められたファジアーノ岡山の選手らが3日午前、ホームタウンである岡山県の石井正弘知事を表敬訪問した。桃太郎伝説や「県民の鳥」のキジを意味する同チーム。木村正明社長は「ひとえに県民の応援があってこそ」とJリーグ入りの喜びを報告した。石井知事は、同県初のプロチームとなるファジアーノの選手らに「テレビで応援していて胸が熱くなった。チーム設立5年でJ2入りという偉業は県民の誇りだ」と祝福。その上で「県総合グラウンドの使用料減免を通じて支援し、わたしもスタジアムで声をからしたい」と意気込んでいた。

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12/2
(イノシシに襲われ小5女児軽傷:大分)
1日午後4時半ごろ、大分県日出町川崎の町道で、下校途中の小学5年生の女子児童(11)がイノシシに襲われ、右ひざに軽いけがをした。日出署によると、女児は同級生と2人で学校を出て約500メートル歩いたところでイノシシに遭遇。走って逃げる途中で転倒し、追い掛けてきたイノシシにひざをかまれた。同級生にけがはなかった。イノシシは体長1メートルくらいで、そのまま逃げたという。同署には、午後4時ごろから「大きいイノシシがいる」という目撃情報が相次ぎ、パトカー3台でイノシシを捜している最中だった。
(猿害、農作物守れ!農家や行政担当者ら研修会 電波で群れ探す練習も:群馬)
ニホンザルによる農林業被害を食い止めようと、県内外の農家や行政担当者などを対象にした研修会がこのほど、富岡市妙義地区と安中市松井田地区で開かれた。参加者は、電波を頼りにサルの居場所を特定したり、農地に施す防除策を学び、サルと共存しながら農作物を守る方法を探った。研修会は農林水産省の「鳥獣害防止総合対策事業」の一環で、野生動物の研究などを行っている民間会社が受託した。関東東海ブロックとして11月27、28日に行われ、長野、富山、岐阜などから、各地区で鳥獣害対策に取り組む農家や自治体、農協の担当者約70人が参加した。初日は▽ニホンザルの生態▽関係法令の知識と運用--などについて座学を受け、翌日、妙義地区の大牛と、菅原にある集落で実習した。実習では「ラジオテレメトリー」という手法を体験。参加者は降りしきる雨の中、専用のアンテナを頭上に掲げてその場で1周しサルのいる方向を探した。以前に捕獲したサルの中には、発信機を取り付けた上で放したものもあり、受信音が最大だった方向にそのサルがいる。サルは群れで行動するので1頭でも見つかれば群れの動きがつかめる。数カ所を移動しながらコンパスや地図を使って記録すれば群れの居場所を特定し、追い払うこともできる。今回の実習では、受信音が大きかった方向に建つ民家の屋根に、肉眼でサルを確認できた。群れが雨宿りする場所もおおよそ決まっているという。その後、農家の協力で群れの行動域内の畑を見て回り、作物の種類、電気柵やサルよけネットなどの設置状況を観察・記録しながら、効果的な防除法を学んだ。講師が「ニホンザルは木から木へ飛び移ることはほとんどない」「電気柵の線と線の間隔や巻き方、地上からの高さも重要」などと説明すると、参加者は興味深そうに聴き入っていた。下仁田町と富岡市妙義地区では02年から研究者らの協力で生態調査を開始。地域住民に啓発して防除策を強化するなどした結果、群れの制御に一定の成果を収めている。県自然環境課によると、サルによる07年度の県内の農林業被害は約5300万円。有害捕獲は163頭で、県内全域には約2400頭が生息していると見られる。
(四万十川下流で水鳥150羽のんびり)
高知県四万十市の四万十川下流にカモ類など約150羽の水鳥が集まり、ハンターの入れない〈聖域〉で、のんびりと羽を休めている。不破~具同地区に架かる国道56号渡川大橋の辺りは、両岸がヤナギや雑草に覆われて車がほとんど入らないため、冬鳥が毎年集まる。狩猟銃が撃てない特定猟具使用禁止区域でもあり、狩猟解禁後にはカモ類がたくさん逃げ込んで来る。細長い中州周辺はカルガモなどカモ類約100羽に、ゴイサギ、シラサギ、カラスも交じってにぎやか。カモ類が浅瀬に潜り込んで巧みに小魚を取り、シラサギを追い払うカラスの姿も見られる。住民らは「以前は川が深かったが、約10年前に中州が出来てから鳥が集まるようになった」と話している。
(尾瀬国立公園誕生から1年余:群馬)
[前略]だが、登山者が増えることによる環境破壊を懸念する声は、新公園誕生当初から上がっていた。尾瀬入山者が特定の登山口に集中する傾向も依然続く。昨年度は入山者の約50%が鳩待峠(群馬県)からで、周辺の植生などへの影響も心配されている。最近ではシカの食害が深刻化するなど、自然保護への課題は山積している。環境省の推計によると、尾瀬地域のシカは十年前は六十頭だったが、昨年は二百四十頭に急増。尾瀬を代表するミズバショウやニッコウキスゲなどの被害も目立つ。同省関東地方環境事務所(さいたま市)は今秋、シカの移動経路とみられている奥鬼怒林道に、シカを駆除するネット状の柵を設置した。[後略]
(トキ海を渡る…想定外100キロ移動)
野生復帰を目指し、新潟県・佐渡島で放たれたトキ10羽のうち1羽が海を渡り、約100キロ離れた本州で確認された。ケージの中で大切に守られ、27年ぶりに大空を舞ったが、「かごの中の鳥」の印象と違い、たくましい。謎に包まれたトキの生態が少しずつ分かりつつある。かつて全国各地にいたトキは、乱獲や開発で絶滅。9月25日に放たれたのは、同じ遺伝子を持つ中国産トキの子孫10羽だ。その後、オス、メス各1羽が行方不明になり、島内で一斉調査をしたが見つからず、関係者を不安にさせていた。吉報は思わぬところから届いた。11月8日、メスが山形県境に近い新潟県関川村で見つかった。賓客の訪れに、人口約7000人の過疎の村には、人が押し寄せ、ちょっとしたフィーバー状態だ。トキ担当に任命された田村健一・生涯学習課長は「村が注目されるのは歓迎だが、トキがどこかへ行っては大変」と困惑気味。全戸に「やさしく静かに見守りましょう」と書いたチラシを配った。村には棚田が広がり、餌となるドジョウのいる小川が流れ、営巣木のナラが茂る。箕口秀夫・新潟大教授(森林生態学)は「トキの生息に適している」と分析する。11月下旬に入っても住民に目撃されている。慌てたのは環境省だ。絶滅回避のため81年、野生のトキ全5羽を捕獲して以来、人工飼育の状態での情報しかない。渡り鳥のように大陸間移動しないことは知られていたが、放鳥して間もない時期に本州まで飛んだのは想定外だった。トキの生態に詳しい研究者によると、「野生のトキに関するデータに乏しく、一般的なトキの飛翔(ひしょう)距離は不明だが、トキは移動しない留鳥で海は渡らないとされていた」と指摘。佐渡から本州の対岸まで約50キロ。そこから関川村までも50キロほどあり、このメスのトキは約100キロも移動した格好だ。10月6日に新潟市の干潟でトキを見たとの情報があり、かなり早い段階で海を渡り、その後本州を北上した可能性がある。佐渡トキ保護センターの初代所長だった近辻宏帰さん(65)は「追い風に乗り、上空から見える山影に向かって飛んだのでは」と解説する。このメスは全地球測位システム(GPS)機能付きの発信器を装着していない。トキは警戒心が強く、すぐ林に身を隠す。コウノトリが昼間も人前に姿を現すのとは対照的だ。環境省は山形県に目撃情報の提供を呼びかけ、猟友会に誤射しないよう注意喚起した。環境省の目標は15年までに佐渡島で60羽のトキ定着だ。島内で群れを作り自然繁殖を期待していたが、貴重な1羽が本州に渡り、オスの1羽は依然、所在不明だ。佐渡とき保護会の佐藤春雄顧問(89)は「1羽で子孫は残せない。関川村を選んだ理由を調べ、そのままにするか、佐渡に戻すかを考える必要がある」と指摘する。関川村は厳冬期、積雪が1メートルを超える。トキがそうした厳しい環境に耐えられるか懸念する声もある。環境省はトキの衰弱が激しくなった場合、保護し、佐渡に戻すことも検討している。近辻さんは「囲いの外に出たトキは意外にたくましく、かつて各地にいたトキの素顔を伝えるメッセンジャーだ」と話す。
(盆地の城下に山の恵み:兵庫・篠山)
JRの「丹波路快速」車中、尼崎駅でアナウンスが入った。この先、濃霧で各駅停車になるという。紅葉もちらほら交じる車窓を眺めつつ、いつ霧が出るかと思っていたら、そのうち消えてしまったらしい。盆地の空は晴れ渡っていた。篠山は城下町だ。1609年、徳川家康は西国に抜けるこの要衝に築城を命じた。維新後も残ったシンボルは、こけら葺(ぶ)きの屋根が格調高い大書院。戦時中に焼亡したが、8年前に再建された。周囲には武家屋敷群や落ち着いた風情の商家群も残っている。来年は築城400年、まちぐるみのイベントが続くそうだ。商店街をそぞろ歩く。名物と言えば丹波の黒豆。土産物屋に大福、ようかん、ケーキなどが並ぶ。イノシシ肉のぼたん鍋を出す店も多い。それが寝具店や豆腐屋ともさりげなく軒を連ねるのがいい。八百屋にはヤマノイモやチョロギなど山の幸がひしめき、観光客がのぞきこむ。無理押しに売り込む様子がないのは城下町の美風というものか。イノシシ肉の専門店「鳥幸」は1891年創業。冬場の猟期のみの販売で、折しも前日、初荷が入ったばかりだった。名物になったゆえんを3代目の主人、広瀬進康(のぶやす)さん(74)に聞くと、駐屯する陸軍の将校たちが上京の際、みそ漬け、桐箱(きりばこ)入りで手土産にしたことから広まったのだという。むろん豊かな山の幸で育ち、しっかり脂が乗っていればこその話。「野生の肉はかみごたえがあるけど、カッとかんだら、味が出るさかいな」。うーん、これは食べてみなければ。丹波の黒豆も収穫期を迎えている。市街地から少し離れた川北地区では、刈り田と黒豆畑が交じり、早いところでは株ごと稲架(はさ)に乗せ、乾燥を始めていた。その名も「黒豆マイスター」として日本特産農産物協会の認定を受けている生産者の山本博一さん(69)に言わせると、黒豆は“苦労豆”なのだそうだ。生育期間は150日と長い。土作りも必要で、コメより手がかかる。「その“苦労豆”がお正月になると、1年マメに暮らせる“縁起豆”になる」と笑わせて、「今年はさやの数も多い。作柄はええんちゃうかなあ」。翌朝は高台の宿から景色を楽しんだ。空がほの赤く染まる。三重四重に周囲をめぐる低い山腹に霧がたなびく。盆地をすっぽり覆うこともあるのだろう。重要文化財の能舞台がある春日神社に行ってみると、世話役らしいお年寄りたちが落ち葉を掃き清めていた。地域で古社を守っていこうという気持ちがうれしい。午後はレンタサイクルで紅葉の名所だという「宇土(うど)観音」こと弘誓寺(ぐぜいじ)へ足を延ばした。大きなイチョウが目に鮮やかだったが、帰路は夕方。あいにく小雨が降り始めた。ペダルをこげど体は冷える。かくなる上はぼたん鍋と思い定めた。ここで申し添えると、ぼたん鍋は2人前からの店が多い。一人旅の際は要注意だ。何とか1人前で出してくれる店を見つけ、今年の生肉で、と張り込んだ。みそを溶かした鍋に肉と野菜を一緒に入れ、ひたすら煮る。早くカッとかみしめたいが、イノシシ肉は煮るほどに軟らかくなるのだとか。まずは野菜から。みその味がしみ、身も心も温まってくる。待つこと20分余り。さあ、肉だ。
(8歳の子供が尻を1000回叩かれた恨みで父親を射殺:アメリカ)
アメリカ、アリゾナ州で、8歳の少年が父親とその友人を自宅で撃ち殺したというニュースがありました。当初少年は不審者の仕業のように話していましたが、供述を二転三転と変えており、最終的に警察に自分が撃ったことを認めたそうです。少年は学校でも特に問題がなかったことから動機がわからずにいましたが、日常的にお仕置きとして尻を叩かれており、1000回が我慢の限度だと数えていたそうです。警察の調書によると、少年は毎回父親と新しい母親にお尻を打たれるたびに、帳面に数をつけていたそうで、1000回が彼の限界だったとしています。祖父は、8歳とはいえ少年がそういうことができる子であったといい、祖母は両親が彼に厳しすぎることから、こんなことになるのでないかと懸念していたと伝えています。父親を撃った前日も、学校での学習が終わらなかったとの理由で、尻を打たれていました。記録の上では、少年に精神的な問題は過去になかったとあり、薬物の服用もありませんでした。銃の使用方法は父親が教えていたそうで、扱い方は知っていました。いろいろ考えさせられる問題ではありますが、たった8歳で銃の扱い方を教えられていること、8歳で1000回もぶたれていること、そして義理の母親だったこともあり誰も助けてくれる人はいない環境でした。

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12/1
(両陛下25年振りの鴨猟 皇太子ご夫妻も参加)
天皇、皇后両陛下は29日、皇太子ご夫妻と宮内庁新浜鴨場(千葉県市川市)を訪れ、皇族方や旧皇族らでつくる「菊栄親睦会」の会員と鴨猟や昼食を共にされた。黒田清子さんも夫妻で参加した。両陛下が鴨場を訪問されたのは昭和58年以来。皇太子ご夫妻は平成9年以来のご訪問。鴨場は駐日大使らをもてなす施設で、日本の伝統的な鴨猟を体験できる。
(カワウ駆除空気銃で 長浜市が実証実験へ:滋賀)
竹生島でカワウの生息数が倍増しているのを受け、長浜市は来年2、3両月、空気銃を使った新たな駆除対策の実証実験を行う。国の委託事業で、12月市議会に銃の購入費や猟友会への委託費など1254万円を計上する。空気銃はライフル型で、圧縮空気で数ミリの金属製の銃弾を撃ち出す。散弾銃より発射音が小さく、ほかのカワウが飛び立たず効率よく駆除出来るという。10丁程度購入し、実際の駆除は地元猟友会に委託する。巣作りや産卵が始まる2月中旬に駆除を開始し、3月末まで実施する予定。駆除した個体の数や雌雄などを調べ、効果を検証する。昨年7月、竹生島に停泊中の船の乗客に、銃で打たれたカワウの血が付着したことなどから、今年度は銃による駆除は中止。この影響もあり、9月の調査では竹生島で計5万8547羽と、前年同期比で倍増していた。県は来年度以降、5年間で4000羽まで減らす駆除計画を立てている。
(シカ食害から桜守れ:宮城)
ニホンジカの食害から桜の木を守ろうと、女川町花卉(かき)同好会(黄川田豁=とおる=会長)は二十九日、町内の鷲神公園に植えられた桜の木の保護作業を行った。公園では今年初めてシカの食害が確認されたため、同好会がボランティアで保護に乗り出した。保護作業には、会員二十六人が参加。二時間ほどかけて、公園内の約百十本の桜の木の幹に金属製のネットを巻き付けていった。公園内の桜は、二十本ほどがシカによって食べられた痕跡もあるなど、「このままでは二、三年で全滅しかねない状況」(黄川田会長)という。シカは餌を求めて冬に山を下る傾向にあり、食害の拡大を防止するために実施した。黄川田会長は「せっかく植樹した桜を大切に保護して、春には満開の花で地元住民らを出迎えてほしい」と話した。町観光協会によると、鷲神公園の桜は、二〇〇四?〇六年度、観光協会が中心となって、シダレザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラの三種類を計約百十本植樹した。高台にあり、女川湾を眺望できることから「海の見える桜の公園」としてPRしている。深刻化するシカの被害を軽減しようと女川町と石巻市は〇八、〇九年度で、牡鹿半島に生息する千頭ずつのシカを捕獲する鳥獣被害防止計画を先ごろ策定。農作物や植物の保護に乗り出している。
(駐車場に熊、射殺:長野)
30日午後1時半頃、軽井沢町軽井沢の有料駐車場管理人の女性から、「駐車場に熊がいる」と町役場に通報があった。軽井沢署員や猟友会、NPO法人「ピッキオ」(軽井沢町)職員ら約10人が現場に駆けつけると、駐車場内にある小屋とブロック塀の間に熊がいるのを発見。猟友会メンバーが熊を射殺した。けが人はなかった。熊は体長約1・3メートルのメス。現場は、軽井沢本通りと万平通りが交わる交差点の近くで、民家が密集している。
(国際近代五種競技 来年から四種に削減)
国際近代五種連盟が実施種目を事実上4つに削減していたことが明らかになった。射撃とランニング(三千メートル)をミックスして冬季五輪のバイアスロン形式にするもので、来年1月以降の競技会から実施。近代五種は近代オリンピックの創設者、クーベルタン男爵の提案によって五輪に組み込まれたが、競技時間が12時間以上に及ぶなど運営面で問題が多かった。
(鳥獣対策 大学と地域が連携強め:長野)
シカやクマ、イノシシ、サルなど野生鳥獣による農林業への被害が深刻になっている。中山間地から悲鳴が聞こえてくる。信大農学部が付属機関として「野生動物対策センター(仮称)」の設置を検討している。被害を軽減させるための弾みにしたい。農学部には、農林業について多面的な研究の蓄積がある。唐沢豊学部長が編著者となった「食と緑の環境科学」(信濃毎日新聞社)では、人とケモノの関係が変ぼうする様子を図解している。それによると、1960年ごろまでは、クマなどと出あうのは奥山だった。70から90年ごろには奥山での拡大造林や里山が荒れたため、クマなどが里山にも出てくる。2000年以降は放棄農地の拡大で野生動物が人里にまで進出する-。動物の種類による違いや、温暖化の影響もあるだろうが、体験的にも理解しやすい説明だ。県林務部によると、2007年度の県内の農林業被害はシカがトップで、シカ害は前年度比3割以上増えて7億1200万円に上り、過去最多。広域圏別では下伊那、佐久、上伊那、諏訪の順だ。シカに次いで被害が多いのはクマで、イノシシ、サルなどと続く。県内の野生動物による被害総額は、17億4200万円。近年では、2000年度に次ぐ多さとなっている。農学部はこうした事態に対処するため、対策センターを設置し、現場で活動できる人材の育成や野生鳥獣に関する情報のデータベース化などを担いたいという。センター設置のきっかけの一つとして、南アルプスでシカなどによる高山植物への食害が深刻化したことが挙げられる。ライチョウも脅かされている。食害対策はこれまで、信大なども協力してさまざまに取り組まれてきた。農地に入り込ませないための電気柵や緩衝帯設置、捕獲おりの設置、追い払うための犬導入などである。今年は県内では、シカのわな猟に限って、例年より1カ月猟期を延長している。まだ十分とはいえない。対策を強める必要がある。センターが人材育成と交流の拠点となって工夫を凝らし、市町村や地域の人たちのやる気を高めたい。鳥獣肉の有効利用のほか、動物の侵入をはね返すような活気ある集落づくりはできないか-など課題も多い。長い目で取り組むことが大切だ。大学と県や環境省、林野庁間の連携も強めたい。
(県警、事件の全容発表 徳島市の連続爆破事件)
徳島市内で十月に発生した連続爆破事件を調べている県警捜査本部は二十八日、逮捕した徳島市不動東町二、無職堀太●(たかあき)容疑者(35)の供述に基づき、犯行の動機や経緯など事件の全容を明らかにした。捜査本部は、犯行目的について、県日中友好協会(南内町一)や創価学会徳島文化会館(南沖洲五)への個人的な恨みではなく、チベット暴動を武力鎮圧した中国政府への抗議行動だったと判断した。堀容疑者は、四月に長野市で行われた北京五輪聖火リレーでの妨害行為が、思いのほか激しくなかったことに憤って犯行を決意。八月の北京五輪が盛り上がりをみせる中、チベット問題がなおざりになっていると感じ、県内で中国と親交のある両施設を標的に選んだ。堀容疑者は東京都内の中学校を卒業後の十代のころ、本の影響で右翼的思想に興味を持ち、靖国参拝に反発したり反日教育を行ったりする中国に不満を募らせた。右翼関係者との接触や右翼団体に所属した時期はあるが目立った活動歴はない。徳島に移り住んだ一九九九年には、右翼的思想への関心は薄れていた。連続爆破は、人を傷つけるためではなく、恐怖心や不安感を植え付ける目的で、手作り爆弾を爆発させる方法を選んだ。創価学会徳島文化会館の所在地は知っていたが、県日中友好協会の存在はネット検索で確認。八月下旬の深夜に併せて下見した。九月上旬、ネット通販で購入した爆竹は十箱に及んだ。塩化ビニール製パイプと爆竹の火薬による爆発物は、爆竹の火薬を入れたピンポン球に導火線をつなぎ、爆発させた十代の成功体験をもとに作ったという。
(海自訓練中に標的が流失 日向灘中に火薬)
海上自衛隊呉地方総監部は28日、日南市沖の日向灘での掃海訓練中に機雷に見立てた訓練用の標的が流失した、と発表した。標的の内部には、火薬の入った雷管があり、同総監部は「海岸に打ち上げられていても、触らないで」と注意を呼び掛けている。漂流している標的は、同市油津港沖北東約20キロの海中に、重りにつないで設置されていたが、25日午後4時に確認されたあと、行方が分からなくなっている。標的は黄色で、長さ約2.5メートル、直径50センチ、重さ400キロの金属製の円筒形。表面には「海上自衛隊」と記載されている。同総監部によると、標的回収時に目印となるブイを切り離すための火薬約1グラムが中にあり、大きな衝撃を与えたり、火に投げ込んだりすると爆発してやけどなどを負う危険性があるという。日向灘での掃海訓練は、21日に始まり、28日終了した。現在掃海艇など24隻と哨戒機などで標的を捜索している。
(アライグマ慰霊祭 北大研究者ら黙とう)
有害獣として駆除されたアライグマの慰霊祭が29日、札幌市北区の北大獣医学部の「畜魂碑」前で行われた。北大研究者らでつくるアライグマ研究グループなどが開き、献花して黙とうを捧げた。77年に始まったテレビアニメ「あらいぐまラスカル」で人気が上がり、ペットとして北米から多数輸入された。しかし、力が強くて暴れるため、捨てられるケースが続出。野生化し、ニホンザリガニなど在来生物を食べて生態系の混乱も招いている。道内の駆除数は累計約1万2000匹。阿部豪グループ代表は「アライグマは被害者。ペットを放してはいけないことを皆さんに知ってほしい」。
(シカ被害防止策学ぶ 専門家講師に研修会:岩手)
野生鳥獣による農林業被害が増加している中、陸前高田市鳥獣被害防止対策協議会(石川滿雄会長)は二十八日、米崎町の市総合営農指導センターでシカ被害防止研修会を開いた。講師の県環境保健研究センター主任専門研究員の山内貴義氏は、ハンターの減少によって狩猟で個体数を減らすことが難しくなっている昨今の状況を踏まえ、「えさとなる草を丹念に刈り払いし、防護網の維持管理を徹底して自衛していくしかない」とアドバイスした。研修会は、シカ被害を少しでも減らすため、生態や習性について学びながら対応策を考えようというもので、気仙三市町から約六十人が参加した。石川会長は「市内でもシカやカモシカによる農林業被害が拡大し、防護網などを設置しているものの被害が減っていないのが現状。防止のためにはシカの生態を学ぶことが大切であり、有意義な研修会に」とあいさつした。講師の山内氏は「ニホンジカ(シカ)の生態を学ぶ」と題し講話。この中で、ニホンジカはシカ科で、天然記念物であるウシ科のカモシカとはまったく違った動物であることを強調。カモシカは縄張りを持って生活するが、シカは縄張りを持たず、えさがある環境であれば数が増える動物であることを説明した。また、カモシカは二、三年に一回の出産だが、シカは繁殖率が高く、東北では五葉山麓にしか生息していないことを指摘。「以前、シカはどこにでも生息していたが、雪に弱いことから比較的暖かい五葉山麓だけに残ったのではないか」と推測し、「藩政時代には仙台藩が五葉山への入山を厳しく規制したことも影響したかもしれない」と語った。近年は県内の沿岸部で生息域が拡大していることについて、「えさが豊富な牧草地を拠点に数が増えている」と強調。要因は「ハンターの減少や暖冬による少雪などが考えられ、他県では農林業被害のほか、草を食い尽くすことにより沿岸部で土壌流出が発生する事態ともなっている」と紹介した。対応策としては、「えさとなる草の刈り払いを行い、設置した防護網や柵の管理をしっかりやるしかない」と語った。また、「気仙で被害を及ぼす野生鳥獣と言えばシカやカモシカだが、他県ではサルやイノシシによる被害が深刻化している。特にサルは頭が良く、網を破るなど防ぐ方法がない。絶対にえさなどを与えず、一定の距離を置いて生活するように」と説明した。出席者は「シカが嫌うにおいはないのか」と質問。山内氏は「肉食動物であるライオンのフンを使って警戒させ、近づけないようにする実験なども行われているが、シカはえさがあればにおいを我慢してでも食べに行くようだ」と語った。同市の鳥獣被害で多いのはシカとカモシカ。被害地域は市中心部の平坦地を除くほぼ全域で、とくに中山間地で被害が目立っている。その影響もあって耕作放棄地が増加傾向にあることが問題となっている。十九年度の農林業への被害額は一千万円で、面積は百ヘクタールにのぼっている。
(「肉食はタブー」に迫る 山梨県立博物館)
「明治以前の日本では動物の肉を食べなかった」。何となく抱いているそんな思いの検証に、山梨県立博物館で開催中の企画展「甲州食べもの紀行」が挑んでいる。記録が残りにくい日常の暮らしの解明は簡単でないが、探してみると、営々と肉食が続いてきた証拠は明白なようだ。「猿の肉を早く送ってほしい」。身延山に近い山間部の民家に伝わった手紙は江戸からの督促状だった。肉食がタブーだったとされる江戸時代だが、同じ家には猿皮を求める手紙も残っていた。江戸時代の料理書も展示。シカ、タヌキ、イヌなどの調理法が紹介されている。浮世絵には「山くじら」の看板がくっきりと浮かび、「薬食い」すると元気になるとの狂歌も。凶作に備えて動物や鳥の肉の塩漬けを蓄えることを勧める代官所の文書もある。「肉食はタブーだった」とのイメージは仏教とのかかわりで語られることが多い。7世紀、天武天皇時代の「肉食禁止令」は仏教思想によって殺生を禁じたものと解釈されることが多かった。日本で里山の緑が守られたのは、この禁令のおかげでヤギやヒツジが増えなかったからだといった主張もみられるほどだ。だが、この禁令が規制したのは牛、馬、犬など5種の動物だけで、それも季節限定だった。宮中の献立を調べた佐藤全敏・信州大准教授(日本古代史)によると、平安時代半ばまではシカやイノシシの肉料理が天皇の食卓に上がっていることが史料で確認できるという。シカとイノシシは平安時代に甲斐の特産品として記録されている。学芸員の植月学さんは県内各地で発掘された動物の骨を分析。時代、地域を問わず食用と判断できる骨が見つかった。「どの時代でも肉食が行われたことは明らか。ただ、毎日のように食卓に上るようになったのはごく近年のことですが」と総括した。同展は山梨の食文化の歴史を多様な視点からたどっている。山国・甲州での海産物の消費の実態に迫り、武田信玄の食卓を再現、郷土食ほうとうの来歴やブドウ栽培の由来など盛りだくさんだ。
(中池見湿地にアライグマ 生態系破壊の恐れも:福井)
多様な動植物が生息する中池見湿地(福井県敦賀市樫曲)周辺に、アライグマなどの特定外来生物が生息しているとみられることが、環境保護に取り組む敦賀市のNPO法人「ウエットランド中池見」(笹木智恵子理事長)の観測でわかった。現地に設置した自動撮影カメラでその姿が確認されたが、同NPOは「湿地の貴重な生態系を破壊する恐れがある」として警戒している。中池見湿地は、里山に囲まれた約25ヘクタールの泥炭湿地。オオタカやカキツバタなど希少な動植物を含む約2000種が観察できるという。同湿地を含む約80ヘクタールを市が所有しており、市はラムサール条約登録を目指している。同NPOは2005年9月、環境省の補助を受けて同湿地周囲の山中に、動物が近づくと熱感知センサーが反応して写真を自動撮影する赤外線カメラ5台を設置。2週間から1か月ごとに設置場所を変えて湿地に生息する動物の観察を続けたところ、06年秋からアライグマが撮影されるようになった。今年5月から9月までに撮影された写真では、アライグマの姿は少なくとも3回確認できた。アライグマはペットとして輸入されたが、逃げたり、捨てられたりして各地で野生化。現在は生態系などに影響を及ぼす恐れがあるとして、特定外来生物に指定されている。県によると、県内では約5年前から目撃情報が急増。特に嶺南地方では若狭町以西で農林水産業への被害報告が多い。敦賀市内では目撃情報などはほとんどなかったが、敦賀市農務課によると、今年6月に1匹が捕獲されたという。写真では、アライグマのほか、ハクビシンやイノシシ、シカなども確認。同NPOの田代牧夫・副理事長は「アライグマなどは繁殖力が強いので、今後も監視を強めたい」と話している。
(野生のシカ 側溝に落ちる 三好の四電発電所:徳島)
三好市井川町井川東の四国電力松尾川第一発電所で二十八日、野生のシカが発電所裏の側溝に落ち込んで出られなくなり、四国電力池田支店と県西部県民局の職員らが駆け付け四人がかりで助け出す救出劇があった。四国電力関連会社の社員が正午前、発電所施設の定期巡視に訪れ、送水管脇の深さ五十センチ程度の側溝に落ちているシカを見つけた。シカは側溝と手すりの間に右前足が挟まり、現場が急斜面とあって、自力で抜け出せなくなっていた。午後三時ごろ、西部県民局の職員がシカを側溝から助け出し、山中に放した。しかし、職員は「右前足は骨折し、野生で生き続けるのは難しいのではないか。といって有害鳥獣のシカを治療するわけにも・・・」と言葉少なだった。
(奈良公園の冬の風物詩「シカ寄せ」)
ホルンの音でシカを誘う奈良公園の冬の風物詩「シカ寄せ」で、奈良の鹿(しか)愛護会の鮫島晶子さん(27)と福本千春さん(26)の女性職員2人が、初めてホルンを吹く。明治時代から続く伝統の行事だが、女性が担当するのは初めて。初回の12月1日朝には2人で登場する予定で、業務の合間に練習に励む日々だ。シカ寄せは、奈良公園で1892年にラッパを使ってシカを集めたのが始まりとされる。一時中断されたが、1949年からナチュラルホルンを使って再開された。会場は奈良公園の飛火野で、ベートーベンの交響曲第6番「田園」の一節を吹くと、どこからかシカが一斉に集まって来る。今回は、観光客に奈良の朝の魅力を知ってもらおうと、県旅館ホテル生活衛生同業組合奈良支部が主催する。14日まで毎朝9時半から実施する。ホルンの演奏は愛護会の職員が担当。しかし、昨年はホルンを吹ける男性職員が4人しかおらず、シカ寄せ中に緊急出動などが必要になると、人数が足りなくなることがあった。そのため、「職員全員がホルンを吹けるようになった方がいい」と、2人が練習を志願した。今月中旬ごろから練習を開始。約10年前から経験がある先輩の甲斐義明さん(40)らの指導を受ける。甲斐さんは「シカだけでなく、人も魅了するような演奏をしてほしい」と期待する。福本さんは「光栄で楽しみ。緊急出動の手伝いができない分、ホルンの演奏で力になれたらうれしい」と話している。
(中学生56人が植林体験:埼玉)
秩父市浦山の国有林内で27日、同市立高篠中(岩崎憲一校長)の2年生56人が森林環境学習の一環として植林体験を行った。埼玉森林管理事務所とNPO「秩父の環境を考える会」の指導、協力で実施した。生徒らは国道140号から浦山川沿いを2台のバスで8キロほど入り、小雨降る中、徒歩で林道を約3キロ登った植林地へ。同管理事務所の江尻康雄所長らの指導で山の斜面(約5アール)にヤマグリとトチの2種、56本の苗木を植え込んだ。クリは3、4年後には実をつけるという。植えられた苗木にはシカやクマなどの食害を防止するネットがかけられた。高篠中は森林を通して自然環境の大切さを実感して地球温暖化などについて学ぶ取り組みを続けている。
(「いのしし村」惜しまれ閉園:静岡)
伊豆市湯ケ島の観光施設「天城いのしし村」は30日の営業を最後に閉園した。営業日で最後の土日となった29、30日は例年の同月より多くの観光客が訪れ、飼育されているイノシシの姿を観賞したり、同園オリジナルグッズを買い求めたりする人でにぎわった。最後のイノシシショーには100人以上の観客が集まり、愛らしいしぐさで芸をするイノシシに大きな歓声がわいた。家族で訪れた自営業與五沢孝明さん(43)=函南町=は「子どものころから来ていた施設。なくなるのは寂しいですね」と話した。昭和45年オープンの同園は団体客の減少などで次第に経営が悪化。平成14年に道の駅で飲食店を経営する「浄蓮の滝協業組合」が買い取り経営再建を図ったが、入園者数はその後も伸び悩み、9月に閉園を決めた。今後の施設の利用法は未定。飼育していたイノシシは伊豆地域の飼育施設に引き取ってもらう。
(家族?イノシシ4頭相次ぎはねられる:山形)
28日午前10時ごろ、山形県上山市川口の国道13号でイノシシ3頭が死んでいるのを道路の維持管理業者が発見した。27日午後9時半ごろには、近くの国道458号で1頭が死んでいるのが見つかった。上山署や上山市によれば、いずれも体長75~85センチ、体重20キロ前後で2歳程度の若いイノシシと推定される。傷跡などから、車にはねられたとみられる。二つの事故現場が約400メートルと近く、27日に死んだイノシシの周りで6~7頭のイノシシが見守っていたのが目撃されていることから、28日にはねられたのは、このうちの3頭だったとみられる。イノシシは成獣になるまで家族で行動することが多く、死んだ4頭はきょうだいだった可能性もあるという。
(猪名川町の新名物「しし肉はるさめ」カップ麺感覚で楽しんで:兵庫)
「猪名川」の町名にも入っているイノシシ肉で特産品を作ろうと、猪名川町商工会はこのほど、湯を入れれば3分で食べられる「しし肉はるさめ」を発売した。町内にあるしし肉販売店や、しし肉を使った鍋料理「ぼたん鍋」専門店などの協力を得て開発した。「本格的なぼたん鍋に近い味を、カップ麺の感覚で、気軽に楽しんで」と売り込みを図る。商工会は昨年、町の土産になるような特産品のアイデアを公募。優秀作となった「しし肉ヌードル」を参考に、フリーズドライ製法のしし肉料理を商品化した。材料はしし肉のほか、はるさめ、ねぎ、ごぼうなど。ぼたん鍋風に赤味噌で仕上げた。カロリーを抑えるため、麺(めん)に代えてはるさめを使った。開発した同商工会特産品研究委員会の辻口広美・委員長は「100グラム1000円はするしし肉を1カップに20グラム分ほど使っている。普通のカップはるさめと比べたら高価に感じるだろうが、味には圧倒的な自信がある」と話していた。
(県内のクマ被害増える:長野)
県内でツキノワグマに襲われて負傷する被害が、今年は12人(27日現在)にのぼっている。一昨年の18人(2人死亡)に次ぐ過去2番目の多さで、昨年の3人から増加。ほとんどは無防備に山中に入って襲われているが、10月には軽井沢町で観光客が負傷した。入山者だけでなく住民、観光客への注意喚起が必要になっている。県野生鳥獣対策室によると、クマと遭遇、負傷したのは、キノコ狩りや山菜採り、ハイキングなどで入山した人たちが大半を占める。負傷者のうち9人は鈴やラジオなどを持ち歩く“クマ対策”を講じていなかった。山のドングリが凶作だった2006年は各地で民家近くに出没。この事態を受けて県は昨年度から、専門知識をもつ特定非営利活動法人(NPO法人)信州ツキノワグマ研究会(松本市)など3団体を「クマ対策員」として配置した。生息や行動パターンを調査して農産物被害対策や、市町村と連携して、入山者や観光客の安全対策に取り組んでいる。軽井沢町では今月6日、雲場池の周回道路を散策していた女性がクマに襲われ、背中に引っかき傷を負った。秋の紅葉シーズン、人出でにぎわう旧軽井沢地区の中心部から1キロほど離れた場所での出没に、関係者は衝撃を受けた。軽井沢観光協会では「東京など山のない所から来る人が多く、クマが出るなど考えていない」と説明。町は現場には看板を立て、同協会は観光パンフレットで注意を促す。案内所では鈴の販売もしている。アルプスへの登山やハイキングで人気の駒ケ根高原(駒ケ根市)でも、たびたび目撃情報が寄せられる。夏には宿泊施設近くに姿を見せ、捕殺された。市農林課は「どこから出てくるか分からないだけに、登山者への注意喚起が必要」とし、これまで5本だった注意看板を10本追加する。クマの生態に詳しい北海道大獣医学研究科の坪田敏男教授は「クマは人間が怖い。鈴やラジオで存在を知らせれば、まず襲われることはない」と強調する。その上で「クマをおびき寄せないよう、山に残飯など食べ物を残さないこと。警戒を怠ってはいけない」と訴える。クマは越冬のため12月半ばごろには冬眠に入る。野生鳥獣対策室は「緊張感を持って山に入ることがクマと人間の共存につながる」としている。
(クマ被害を考える 木の実が不作、出没増加に拍車:京都)
近年頻発するクマの人里への出没のメカニズムを知り、被害防止を図るシンポジウム「森の外でクマさんと出遭うわけ」(独立行政法人・森林総合研究所主催)が22日、下京区のメルパルク京都であった。同研究所関西支所の大井徹さんが「クマはブナ科の木の実が好物で、体重80キロの雄グマは冬眠前の3カ月で280キロのドングリが必要」と説明。冬を越えるための木の実が不作の年に、クマの出没傾向が高いとした。また、「家畜のエサや残飯、リンゴなどが家の裏山に捨ててあるので、クマのごちそうがたくさんある。そのため出没傾向を加速させる要因になっている」と訴えた。同研究所の正木隆さんは89年以降、東北地方などでブナの実り具合を調査。その結果を「豊作は前年の作柄と気象条件に影響を受けるようだ。少なくともブナの豊凶予測は1年前にできるようになるのでは」と話した。約150人の参加者はメモを取ったり、スライドで説明された写真や図をカメラに収めていた。同研究所によると、06年度はツキノワグマの出没が相次ぎ、全国で平年の4倍以上の4300頭が殺処分され、140人以上が負傷したという。
(野生動物が暮らせる森を 日本熊森協会の森山会長が講演)
上伊那歯科医師会ホリスティック医学研究会主催の第12回医学健康セミナーは11月30日、伊那市西春近のかんてんぱぱ「くぬぎの杜ホール」で開いた。兵庫県に本部を置く日本熊森協会の森山まり子会長が「クマの棲(す)む豊かな森を次世代へ」と題して講演し、約120人が聴講。野生動物が暮らせる環境の大切さについて語り、自然林の保全、復元の必要性を訴えた。森山さんは兵庫県内の中学校で理科の教師を務めていた1992年、生徒が書いた作文をきっかけに、絶滅寸前のツキノワグマ保護を訴える活動をスタート。97年には同協会を結成し、野生動植物の保全活動を展開している。講演で森山さんは、農作物を荒らしたり、人里に出現したために駆除されているクマの実状について説明。クマは「臆病な生き物。本来、人を襲う習性はない」とした上で、近年、人里に現れるようになった原因を「人間が奥山に入り込み、すみかやえさ場を奪ったため」と指摘した。また野生動物のすみかとなっていた奥山に、人間の都合でスギやヒノキを中心とする針葉樹が植えられた結果、「森に日光が入らなくなったため、下草がなくなり、虫もいなくなった」と強調。「動物を滅ぼす森は人間を滅ぼす」と警告し、人間が生きていくためにも「奥山を広葉樹の森に戻し、街に出てきた動物たちに帰る場所をつくってあげよう」と呼び掛けた。
(カモ飼育を障害者雇用に 支援取り組み紹介:長野)
松本市の松本大学は30日、在宅障害者の就労支援を考えるフォーラムを同大で開いた。障害者がフランス鴨(がも)を飼育して収入が得られるようになることを目指して、同大や地元有志らが進めている取り組みが紹介された。同大などは「信州フランス鴨の会」を組織。鳴き声が静かで飼育しやすく、肉質が軟らかいフランス鴨を松本市などで育て、障害者の雇用の場にしようとしている。フォーラムでは、同会の役員らが試験飼育を始めた2006年からの経過を説明。今年秋には同市新村のビニールハウスで174羽のカモを育てており、役員は「飼育方法や障害者の参加の仕方はめどが立った」と話していた。今後の課題としては、販路拡大やエサの確保などを挙げた。50人が来場。障害者の就労支援に取り組む喬木村の女性(54)は「障害者の自立した就労のあり方に希望が持てた。何かアイデアを出していきたい」と話していた。
(古式ゆかしく「草鹿式」 見物客、問答を楽しむ:鹿児島)
シカの模型に向かって矢を放つ伝統行事「草鹿式(くさじししき)」が30日、鹿児島市吉野町の仙厳園であった。射手と「的奉行」と呼ぶ審判役が的中について問答する独特の作法が特徴で、見物客は興味深く見守っていた。源頼朝が武士の訓練として鎌倉時代に始めたとされる行事。仙厳園では、頼朝没後800年となる1999年から、園内にある鶴嶺神社の奉納行事として実施している。矢は先が円くなっており刺さらない。的に当たっても落ちるため、それを確かめる問答が始まり、射手は「ただ今の矢は紛れもなく良き矢に候(そうろう)」と主張。これに対して的奉行が「されば八幡に誓言(せいごん)せよ」と注文をつけていた。今年は仙厳園の築庭350年。これを記念して、大願を祈念する際に行う「百々手式(ももてしき)」もあり、射手が一つの的を目がけてさみだれ式に矢を放った。
(山の神に豊猟を祈願 独特の神楽奉納「鹿倉祭り」:宮崎)
木城町中之又に伝わる伝統の祭り「鹿倉(かくら)祭り」が30日、地区内3つの鹿倉神社であった。鹿倉は「狩り場」を意味し、猟の季節を迎えて山の神(鹿倉様)に豊猟をお祈りする祭儀。神面を付けた「鹿倉舞い」など独特の神楽が奉納された。同地区はかつてイノシシ猟やシカ猟が盛んだったところ。今も中武畩平(けさへい)さん(77)ら猟師が古式の狩りを受け継いでいる。鹿倉祭りは現在、中之又6集落のうち5つで伝承され、30日は屋敷原、筧木(ひゅうぎ)、中野で行われた。この3集落では人口減のため、約10年前から協同で開催。この日は、地区民らがまず屋敷原に集まり、神社周辺に御幣(ごへい)を飾ったあと、お社で「奉賛舞い」「鹿倉舞い」「舞い上げ」の神楽三番を舞った。神面である鹿倉面を付けての鹿倉舞いの伝承は全国でも中之又だけとされ、長老の中武福男さん(80)らが伝統の灯を守っている。同日は中武寿(ひさし)さん(68)たちが演じ、3集落それぞれの鹿倉神社で奉納した。13、14日には、中之又神社例大祭で神楽三十三番がある。

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