<射撃ニュース12月>

12/22
(散弾銃や弾盗難 茨城で2件連続)
21日午後3時50分ごろ、茨城県笠間市の男性会社員(53)が、軽ワゴン車のトランクに入れてあった2連式の散弾銃1丁と散弾27発が盗まれていることに気付き、県警笠間署へ通報した。同署は窃盗事件とみて捜査しているが、同日、水戸市の民家にある倉庫から散弾30発が盗まれていたことも判明し、県警が関連を調べている。調べでは、男性は同日、笠間市平町の射撃場で開かれたクレー射撃大会に出場。午後2時半ごろ、車のトランクに銃と散弾を入れて表彰式に出席し、帰宅した後に気付いたという。表彰式の間、車は無施錠だった。また同日午前11時50分ごろ、水戸市大塚町の金属加工業の男性(75)が、自宅の倉庫からクレー射撃用の散弾と現金約3000円などが盗まれていることに気付き、110番した。倉庫は無施錠で、散弾はアタッシェケースごと盗まれたという。
(猟銃が暴発か、銃弾胸に受け男性死亡:岡山)
21日午前11時ごろ、岡山県津山市三浦の山中で、同市綾部、左官本名龍夫さん(56)が死亡しているのを猟仲間の男性が発見し、津山署に届けた。本名さんは銃弾を胸に受け、近くには猟銃が落ちており、同署は狩猟中に銃が暴発した可能性があるとみている。調べでは、現場はJR三浦駅の北東約1キロにある山中の斜面。男性は21日朝、現場近くに本名さんの軽トラックが止まっているのを不審に思い、付近を捜して本名さんを見つけたという。本名さんは1人暮らし。
(殺人イノシシ、狩猟中58歳男性をひと突き:愛媛)
21日午前10時15分ごろ、愛媛県伊予市双海(ふたみ)町串の山中で、イノシシ猟をしていた松山市西垣生(はぶ)町の自営業、魚見岳生(たかお)さん(58)が腹部から血を流しているのが見つかり、搬送先の松山市内の病院で死亡が確認された。死因は出血性ショック。伊予署は傷跡などからイノシシに牙でひと突きされたとみている。魚見さんは畳作りの職人だったという。調べによると、魚見さんは狩猟仲間3人とともに午前10時から猟を開始。猟犬と一緒にイノシシを追い立て、無線で「イノシシを追い出した」と仲間に伝えた。だが、その数分後に「腹を刺された」とSOS。仲間は即座に駆け付けたが、魚見さんは立木にもたれかかってぐったりとし、すでに意識はなく、救急隊員が到着した際には心肺停止状態だった。魚見さんを発見した当時、猟犬はイノシシと格闘しており、ほかの猟犬も加勢。イノシシが弱ってきたところで仲間の1人が狩猟用大型ナイフで刺し、絶命させた。体長1メートル15の成体だったという。ナイフを使ったのは、発砲すると猟犬に当たる危険性があるからだった。現場は松山市の南西約30キロ。同署によると、周辺では昔からイノシシが生息し、今年も数頭が目撃されており、狩猟可能な地域となっている。
(冬鳥マガン飛来:沖縄)
国の天然記念物で冬鳥のマガンが、名護市の羽地ターブックヮ(田んぼ)に飛来している。マガンはカモ科で全長約七二センチ。ピンク色のくちばしが特徴。越冬のため主に北日本に飛来する。沖縄では迷鳥として観察される。三羽が寄り添うように田んぼを行き来し、落ち穂をついばんだり、ひなたぼっこをしていた。国指定屋我地鳥獣保護区管理員の渡久地豊さんによると、ターブックヮでの確認は約七年ぶりという。渡久地さんは「自然がまだ残っている証拠。大きくて愛らしい鳥なので、優しく見守ってほしい」と話した。
(「綾川カモ」人気:香川)
綾川町のアイガモ農家や高松市の産直市場、飲食店が結成した「アイガモ消費推進実行委員会」(松原寿美委員長)が21日、香川県高松市の丸亀町商店街で試食会を開いた。和風だしで味付けした鍋をつくり、買い物客らに提供。用意した200食は開始から約50分でなくなり、実行委メンバーは「おいしいと喜んでもらった。今後の普及に期待がわく」と手応えを得ていた。同実行委は今月上旬、無農薬稲作の手法として知られるアイガモ農法後、成鳥を食用として流通させようと、農業団体「さぬき合鴨水稲同時作研究会」や産直市場「亀井戸水神市場」などで結成。試食会は活動の第1弾として開いた。午後2時の試食開始前から、会場を設けた同市場横の市民スペースには行列ができ、スタート後は家族連れやカップルらが、器に盛られたアイガモと野菜をおいしそうにほおばった。高松市由良町の女性会社員、中山まゆおさん(22)は「カモを食べるのは初めて。柔らかくて、癖もない」と舌鼓を打っていた。同実行委はメンバーが生産した食用アイガモを「綾川カモ」と命名。ブランド化を図り、今後は同市場や飲食店で積極的に販売・商品化していくという。
(江戸起源のエコ農法「ふゆみずたんぼ」水入れ:石川)
冬場の水田に水を張り、カモなど水鳥のエサ場にする「ふゆみずたんぼ」が21日、加賀市大聖寺下福田町で始まり、子供会の児童や保育園児、地元農家の人たちなど約50人が6.7ヘクタールの水田に水入れをした。ラムサール条約の指定湿地「鴨池」を管理する市鴨池観察館や付近の農家が協力して、冬場の田に水を張ることで雑草を抑制し、水鳥のフンを堆肥(たいひ)にする江戸時代の農法「ふゆみずたんぼ」を5年前から同市片野町(14ヘクタール)と下福田町の水田で実施している。用水から水を取り込む栓を開け、勢いよく水が田んぼに流れ込むと子どもたちは歓声を上げていた。同市立錦城小5年、竹内慎太郎君(11)は「去年は水入れをした田んぼにカモが集まってきた。今年もたくさん集まってほしい」と話していた。同観察館のレンジャー、田尻浩伸さんによると、今季はすでに約1000羽のマガモが鴨池に飛来しており、水田には1月いっぱい水を張るという。
(野生獣被害軽減へ 県民税活用し里山整備:栃木)
「とちぎの元気な森づくり県民税」を活用した「明るく安全な里山林整備事業」が二十一日、板荷地区で行われた。地元の林業団体「サンデーフォレストクラブ」の会員十一人が野生獣被害を軽減するために里山の下草刈りや不要な木の伐採作業に汗を流した。同税を活用した事業は、県が奥山林などの荒廃したスギやヒノキの人工林の間伐などを行い、市は通学路沿いや住宅周辺にあるうっそうとした里山林などの整備や野生獣被害の予防事業などを担当する。板荷地区ではイノブタやシカ、サルの被害があり、畑や民家に隣接した里山林では獣道やふんなども確認されている。二回目となるこの日は、薬定寺西側の畑や民家に隣接する荒廃した人工林約二百メートル区間の約二ヘクタールで、野生獣のすみかや隠れる場所となるやぶなどの刈り払いや不要な木の伐採などを約三時間半にわたり実施した。同地区では、本年度約八ヘクタールの里山整備を行う予定で、整備後も四年間管理するという。
(山形市中心部でカラス被害 市への相談が相次ぐ)
山形市中心部で最近、夕方以降にカラスが群れを成して飛び、電線に長い列をつくって止まっている光景が、よく見掛けられている。童謡「七つの子」の歌詞の世界とは違い、山に帰らずに都市部をねぐらとしているようだ。市当局には今月に入って、カラスの鳴き声による騒音、ふんに関する相談が急増。市は来年度にカラスの生息調査を実施、具体的な対策を打ち出したいとしている。市環境課によると、カラスに関する相談は▽ふんによって道路が汚れている▽鳴き声がうるさい▽たくさん集まっていて気味が悪い-などで、本年度は16日現在で22件。既に2007年度1年間の18件を上回っており、このうち11件が12月に入ってから寄せられた。06年度1年間の相談は5件だった。市や日本野鳥の会県支部事務局などによると、カラスの群れは、今年の1、2月は市街地東部にそびえる千歳山のふもとの地域、9、10月は霞城公園で確認されたが、12月初めごろから中心部の十日町周辺に移り、中旬になって市役所がある旅篭町周辺を回遊する姿が見られるようになった。旅篭町では、深夜も電線に止まるカラスの群れが目撃されており、交差点付近などの電線の下には、線を描くようにふんが落ちている。市では、市民からの相談に対し、夕方に集まったカラスを追い払う手段として、「ライトを向けて点滅させてください」とアドバイスしているが、「抜本的な対策については五里霧中の状態」と頭を悩ます。来年度に生息調査を進めながら、効果的な対策を見いだしたいとしている。カラスの生態研究などに取り組んでいる山形大農学部の後藤三千代教授によると、カラスは2月下旬-7月初めの繁殖時期を除き、テンなどの外敵から身を守るために群れをつくる。明るく、周囲を見渡せる場所を好み、冬は落ち葉のために姿があらわとなる広葉樹を避けるため、市街地にある常緑樹にねぐらを移していることが考えられるという。後藤教授は「相談が増えたのは、一概にカラスが増えたことが原因ではなく、それだけ人間の生活とかかわりがある場所にすむようになっているということ。すみかとなる常緑樹の減少など、自然環境の変化も要因となっているかもしれない」と話し、カラスの移動を促す場所づくりと共生の必要性を指摘する。同市では本年度、JAやまがたから有害鳥獣捕獲の申請を受け、農作物被害の対策としてカラス380羽分の駆除を許可、76羽が捕獲された。07年度に比べ、許可数は70羽、捕獲数は17羽多い。市は有害鳥獣対策設備導入事業として、農作物の防護ネット購入などに対する補助を行っている。

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12/21
(散弾銃と実包盗まれる 茨城で盗難相次ぐ)
21日午後3時40分ごろ、茨城県笠間市平町の「SKB友部射撃場」の駐車場に車を止めていた市内に住む会社員の男性(53)が「車のトランクに置いていた散弾銃1丁と実包27発が盗まれた」と笠間署に届け出た。調べでは、男性が車を離れ、射撃大会の表彰式に出席していた約20分間に盗まれたとみられる。運転席のドアを施錠していなかったという。同署は窃盗事件として捜査している。一方、午前11時50分ごろ、水戸市大塚町、金属加工業の男性(75)から、自宅敷地内の倉庫に保管してあった散弾銃用の実包約30発がなくなっていると110番があった。実包はセカンドバッグに入れていたが、バッグごと盗まれた。水戸署は、男性が実包の適切な管理を怠ったとして火薬類取締法違反の疑いで調べる方針。県警は、笠間市と水戸市の事件は関連があるとみて捜査している。
(シカ2頭「市内に生息域広がる?」:神奈川)
19日午前、小田原市の酒匂川左岸にある国道1号酒匂橋付近の草むらに、シカ2頭がいるのを猟友会員が見つけ、市に通報した。雌親子とみられ、子ジカは18日午前、JR東海道線の橋脚付近で目撃されたシカと同じとみられている。市によると、県西湘地域県政総合センター、同市環境保護課が調査した目撃地点付近の足跡や食痕、草木の状況から、同川左岸河口の竹やぶにシカがいると推定される。竹やぶは野バラが繁茂して、人の立ち入りが困難な場所だという。酒匂川付近では昨年1月から散発的にシカの目撃情報が寄せられており、昨年6月には西湘バイパス国府津インター付近の森戸川河口で雄ジカ1頭が銃器で捕獲されている。市環境保護課は「市内に生息域を広げつつあるのでは」とみている。
(民家に手負いの野猿か 女性かみつかれ軽傷:長野)
20日午前9時ごろ、諏訪市湖南の民家に猿が現れ、庭で洗濯物を干していた無職女性(60)の背後から左足のふくらはぎにかみついた。女性はあざが残る軽いけが。猿は山中に逃げ去った。諏訪地方では11月下旬にも茅野市宮川の諏訪大社上社前宮付近で猿が出没し、女性3人が軽いけがをしている。県などが諏訪猟友会と協力して猟銃で追い払い、1匹に銃創を与えたが、捕殺できなかった。諏訪市によると、女性を襲った猿は足を引きずっていたとの情報もあり、茅野市に出没した猿と同一の可能性もあるとみている。
(拡大するシカ被害:兵庫)
2008年も、残りわずか、光陰矢の如(ごと)し、古希を過ぎると月日のたつのも早く感じる。最近自転車の調子も悪く、往復8キロの道も日によれば歩いてショッピングに行く事もある。先日の例句会も夕刻午後6時に家を出て、往復8キロを歩いて出席した。月が5時半ごろ出て、これにあわすのがごとく、数頭のシカが国道に出ていた。句会を終え帰宅したのが午後9時30分、シカは我が家の傍らに移動していた。私はそのシカの貌(かたち)を記憶していた。昨今は、ハンターも減り猟期に入っても狙いはイノシシがメーンとか。繁殖したシカは敬遠とか? シカも生態が変わり水銀灯や、蛍光灯のついた明るい場所に出没し、どんどん郊外の禁猟区へと移動して難を逃れる傾向にあり、ハンターの高齢化と共に住宅地へ被害が拡大しつつある。さらなる対策を切望したい。
(カラス対策フォーラム:青森)
弘前商工会議所が主催するカラス対策フォーラムが20日、弘前市上鞘師町の同会議所会館で開かれ、集まった約120人の市民らが弘前公園周辺のふん害などカラスによる被害を減らすための方策について考えた。弘前公園周辺を朝夕に大群で飛び回るカラスのふん害などは市の長年の課題。これまでもさまざまな対策が講じられたが抜本策を見いだせないのが実情。東北新幹線新青森駅開業で観光客増加が期待される中、カラス被害を減らすための方策を検討しようとフォーラムが開かれた。パネルディスカッションでは、弘前大学農学生命科学部の高橋秀直学部長がコーディネーターを務め、カラス対策協議会の高野悟座長、弘前市環境保全課の秋元哲係長、百石町展示館の畠山秀文副館長、JTB東北弘前支店の根本隆支店長の4人が意見を交わした。根本氏は「カラスが増える一方なら観光客のイメージも悪くなりかねない」と指摘。「出勤して最初にカラスのふんを掃除するのが日課」という畠山氏は「我慢も限界広域的に協力して捕獲により数を減らすべき」と訴えた。秋元氏は「対策を講じても、公園周辺のカラスが他地域に移動し苦情が寄せられる結果になった」と説明「捕獲しても他地域からまた集まるため、数は減らない。家庭ごみの出し方を工夫し、餌を与えない兵糧攻めが一番」と強調した。高野氏は「増加に歯止めを掛けるには相当数の捕獲が必要」と述べたほか、「ごみの出し方を工夫している地区はカラス被害が少ない」と事例を紹介した。会場の出席者からは「対策は行政だけでできるものではなく、一般市民もカラスを寄せつけない工夫が必要」「地域住民がカラスに絶対に餌をやらないという決意が必要」などと、地域ぐるみでの取り組みの重要性を訴える意見も上がった。

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12/20
(男性警部補が拳銃1発を暴発:栃木)
栃木県警鹿沼警察署で19日午前、男性警部補が誤って拳銃1発を暴発させた。19日午前9時15分すぎ、鹿沼署内の拳銃庫で、男性警部補(34)が、拳銃の手入れをしていたところ、誤って1発を暴発させた。けが人はいなかった。銃の手入れをする際には、弾を抜くことになっているが、男性警部補は「確認を忘れた」と話しているという。
(東北道にサル、捕獲作戦で一時通行止め:福島)
福島県白河市内の東北道に19日、ニホンザルが迷い込み、捕獲作戦のため上下線が一時、通行止めになった。車にぶつかったとみられ、足などにけがをしていたため割と簡単に「御用」に。大玉村の鳥獣保護センターで治療した後、自然にかえすという。 サルは体長60センチ弱で推定7歳。同社子会社のパトロールカーが午前11時ごろ、阿武隈パーキングエリア近くで発見。同35分から正午まで白河―矢吹の両インターチェンジ間を上下線とも通行止めにし、県警の高速隊員らが中央分離帯で座り込んでいたのを網をかぶせて捕まえた。 同事務所によると、動物の出現はよくあるが通行止めは珍しいという。「里は不況だが山も不況だろうか。御用にした時、心なしかホッとした様子に見えた」とある職員。
(高校火薬事故 男性教諭略式起訴:茨城)
筑西市の県立明野高で今年1月に火薬が破裂して男子生徒が重傷を負った事故で、下館区検は18日、業務上過失傷害と火薬類取締法違反容疑で書類送検された同高の男性教諭(31)を、重過失傷害と火薬類取締法違反罪で略式起訴した。起訴状などによると、教諭は1月11日夜、授業用に火薬の過塩素酸カリウムと赤リンを混ぜてかんしゃく玉を作り、残った火薬など約50グラムを、県知事の許可を受けていないのに水をかけただけで校内の花壇だった場所に捨てた。同16日午後、2年生だった男子生徒(当時17歳)が火薬を踏み、破裂でかかとを骨折して1カ月のけがをした。
(実弾不法投棄の米兵を書類送検:長崎)
米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)所属の米兵が基地近くの海中にライフル銃などの実弾約3300発を不法投棄した問題で、長崎県警は19日、火薬類取締法違反などの疑いで、同基地所属の2等兵曹(31)と1等兵曹(34)の2人を書類送検した。県警の調べなどによると、2人は共謀し、10月27日未明、散弾銃用実弾約3000発と、ライフル銃用実弾約300発の実弾を基地外に持ち出し、ポリ袋に入れて基地近くの海中に投棄した疑い。佐世保市基地政策局によると、米軍側は「実弾はすべて回収した。周辺環境には影響がない」としている。
(イノシシ資源活用へ講習会:鳥取)
農作物被害をもたらすイノシシの捕獲から調理までを学ぶ「イノシシの解体&調理講習会」が18日、鳥取市鹿野町内で開かれた。鳥獣対策の技術者を養成する県の「鳥獣・里山塾」の講座で、農業関係ら約40人の塾生が実習を通してイノシシの資源活用について理解を深めた。県生産振興課によると、イノシシは07年度に約3500万円の農作物被害をもたらし、有害鳥獣として約4200頭が捕獲された。しかし、解体処理施設で精肉されたものは1割にも満たず、多くは個人用か廃棄されているという。そこで、資源を生かす人材を育てるために企画した。この日の講習会では、山中のおりに捕獲した2歳程度の約30キロのイノシシ1頭を実際に解体処理した。近くの県猟友会員、原田晏年さん(63)らがしとめ方を説明。「とても力が強いので注意して」と言いながら暴れるイノシシの鼻をワイヤーで縛った。前足を持ち上げて動きをとめ、刃物でしとめた。解体処理施設に移ると、イノシシは手際よくさばかれ、塾生も骨を切り離す作業を体験した。鬼入道都市交流センターに移動して冷凍にした肉をスライスし、焼き肉にした。汁や薫製肉も食べた塾生らは「脂がのっているのに、胃がもたれずにうまい」と味を確かめていた。猟をしているという岩美町恩志の自営業、村島裕之さん(33)は「一番難しい解体が見られ勉強になった」と話していた。
(イノシシから作物守れ:愛知)
地域でイノシシから田畑の作物を守ろうと、豊田市の中山間地域で、防除柵の設置が進んでいる。豊田市は昨年度、市鳥獣害対策アクションプランを作り、田畑の作物を守る方針を定めた。中でもイノシシは、広範囲に移動して水田や畑を荒らしたり、あぜを壊したりするため、各農家が、ワイヤで囲むなどの対策を取ってきた。しかし、個々の農家よりも、地域や集落が一帯となり、柵で囲むことで防止効果を高めようと、今年度から複数の農家が集まる集落の周囲を柵で囲む事業を始めた。現在、市内の49農事組合が、市の補助を受けて柵などを購入、設置に取り組んでおり、年度内にほぼ整備が終わる。このうち最大規模の取り組みをしているのは石野地区にある山中町で、町農事組合(35戸)が中心となり、集落の周囲約9・5キロを、ワイヤメッシュという鉄製の網のような柵(高さ1メートル)で囲む作業を続けている。近く完成するという。市農政課では「山中町の事例を広くPRして、地域ぐるみの獣害対策を進めていきたい」と効果に期待している。

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12/19
(実弾譲渡 医師に罰金30万円:岩手)
射撃場で散弾銃の実弾を譲り渡したとして、盛岡区検は17日までに、県クレー射撃協会の前会長で、雫石町八卦の医師の男(66)を火薬類取締法違反罪で盛岡簡裁に略式起訴。同簡裁は罰金30万円の略式命令を出した。起訴状などによると、男は同協会会長だった07年9月2日午後1時40分ごろ、花巻市湯口の市クレー射撃場で公式大会が開かれた際、実弾250発を県公安委の許可なく、同協会理事に譲渡した。医師や理事は07年9月上旬、一身上の理由で同協会を退会した。
(県境越えてサルの合同駆除作戦:新潟)
サルが急増している津南町と長野県栄村の猟友会はこのほど、合同でサルの駆除を実施した。県境を行き来するサルを効率的に駆除、追い出したいと、両猟友会が声を掛け合って実現した。県によると、猟友会が県境を越え、連携して駆除を行うのは本県では初。津南町では、長野県との県境に当たる上郷地区や秋山郷で3年ほど前からサルが増加。町などによると、30匹ほどの集団が少なくとも2つ以上いる。今年は畑が食い荒らされるなど被害が相次ぎ、町に住民からの苦情が殺到している。栄村では被害は30年前から出ている。当時はハンターも多かったことなどから、被害は最小限だったが、「事情が変わった近年は、サルが人里でのさばり、生息域や被害が広がった」(同村)と手を焼いている。サルは県境を行き来するが、駆除を担う猟友会員は県によって許可が異なるため、県をまたいで獲物を追うことはできない。栄村猟友会の滝沢三四吉会長は「せっかくサルを追い詰めても、新潟に逃げられることが多かった」と振り返る。今回の合同サル駆除は、同時刻に両町村の猟友会員が県境付近で活動、他県にサルが逃げた場合でも効率的に駆除するのが狙い。早朝から両猟友会の25人が参加し、県境を流れる志久見川を挟み約2時間活動、栄村側で7匹を駆除した。津南町猟友会の大口友一会長は「駆除頭数以上に、人里に下りてきたサルに恐怖心を植え付けることが大切で、継続していきたい」と話した。
(150キロのイノシシ仕留めた:島根)
雲南市木次町東日登の山中で十六日、イノシシ猟歴約二十年の小林正一さん(60)=松江市上大野町=が体重一五〇キロのイノシシを仕留めた。有害駆除対象だが、一〇〇キロ超の大物は珍しいといい、地元ハンターの話題になっている。小林さんは二日前、付近の山で子牛のように大きな足跡を発見し、仲間二人とともに追跡していた。イノシシは十歳前後の雄で、体長も一六〇センチほどある。猟犬五匹のうち二匹が傷を負うなど、命がけの大捕物だった。仕留めた後も大仕事。近隣の住民らの助けを得て、六人がかりで運び出したという。小林さんは「自然と向き合えるのが猟の魅力。執念が実った」とうれしそうに話した。
(東京・新宿区のマンションのごみ置き場に不発弾とみられる砲弾 自衛隊が回収)
東京・新宿区にあるマンションのごみ置き場で、不発弾とみられる砲弾1発が見つかり、自衛隊が回収した。18日午後3時ごろ、新宿区住吉町にあるマンションのごみ置き場に爆弾のようなものがあると、近くにいた人が110番通報した。爆発の危険性もあるとみて、自衛隊の不発弾処理隊が出動し、午後8時前に回収した。近所の人は「爆発物のようなものが(マンションに)置いてあった」と話した。自衛隊によると、回収されたのは、81mm迫撃砲の演習弾で、火薬は入っておらず、爆発の危険性はなかったという。砲弾は、数日前からごみ置き場に置かれていたという。
(迷いザル出没:神奈川)
今月中旬、大和市と海老名市で相次いで目撃情報が寄せられていたニホンザル。これとは別のサルが十月下旬から、横浜、川崎の両市内をさまよい歩いていることが、県環境農政部緑政課の調べで分かった。同課によると、ニホンザルの出没情報は十月二十六日から今月十八日までに約七十件。足跡などから、一匹は横須賀や大和、海老名の各市で目撃されたサル。もう一匹が港北区の慶応大学グラウンドなど横浜市内や川崎市を行動範囲にしているサルと判明した、という。同課野生生物班の稲本克也さんは「この時期、野生のオスが単独でメスのいる群れを探す」と分析。県内で厚木市以東にサルの生息地はなく「何年かに一度、勘の鈍いサルが迷子になる。以前、ベイブリッジに現れたこともあった」と話している。大和市などのサルは、その後目撃情報がなく、群れに帰ったとみられる。もう一匹は今月十八日、川崎市で確認されており、群れに戻るまで時間がかかりそうだ。稲本さんは「人におびえている。見つけたら、そっと見守ってほしい」と話している。
(カラス捕獲量6割減:富山)
富山市が今年度、富山城址公園(富山市本丸)で捕獲したカラスが11月末までに324羽と、昨年同期比で約6割減ったことがわかった。同公園内の整備工事でカラスが周辺に移動した可能性もあり、市は捕獲用オリの設置場所の変更も検討する。市環境保全課によると、同公園で捕獲したカラスは昨年4月から11月までの8か月間で792羽に上った。一方、同公園をねぐらとするカラスの個体数自体は2006年2月で6000羽、昨年2月に7200羽、今年2月には1万1900羽と年々増えている。同課は「公園内で進んでいる整備工事で木々が切られたため、カラスが公園外などに分散し、捕獲数が減った」とみる。このため市は、市立図書館脇など3か所に設置しているオリ4基を、公園内の別の場所に移すことも検討している。同公園のオリは2006年から設置。同公園周辺ではカラスがゴミ集積場を荒らしたり、フンで歩道を汚したりする被害が相次いでいる。

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12/18
(「鹿カツ定食」消費拡大、獣害減へ期待:和歌山)
古座川町相瀬の物産店「一枚岩鹿鳴館」を管理している有限責任事業組合、古座川街道やどやの会は、シカ肉を使った新メニュー「鹿カツ定食」(850円)の販売を期間限定で始めた。関係者は「おいしく食べられることを知ってもらい、消費が増えれば捕る数も増えて、農作物の被害も減るのでは」と話している。県内では近年、シカによる獣害が拡大し、深刻な被害を受ける農家が増えている。シカ肉は、主に焼き肉やすき焼きなどにして食べるが、イノシシ肉と比べるとあまり好まれず、利用について困っている状況があるという。おいしく食べられる方法がないか、鹿鳴館が試行錯誤し、衣を付けて揚げると軟らかくなることが分かった。くせや脂っこさがなく、クジラ肉に近いという人もいる。鹿カツ定食は、揚げたシカ肉110~120グラムを1口サイズ5枚に切っている。ハーブ塩を付けて食べるのがお薦め。ソースもある。ライスのほか手作りみそを使ったみそ汁、自家製の漬物、小鉢が付く。試験販売のため、期間は来年3月まで。鹿鳴館では、開館当時から同じ考えで「鹿コロッケ」(1個200円)を販売している。しかし、材料はミンチにしたシカ肉が1割で、ジャガイモやタマネギなどが9割を占めるため、シカ肉の大量消費にはつながっていなかった。鹿鳴館は「地元の主婦らにいろいろな食べ方があることを知ってもらい、家庭での消費が増えていけばと思う。簡単に作れるので、希望者には調理法を教えたい」と話している。県も今年、ニホンジカ保護管理計画を策定し、猟期を延ばしたり、1日に捕ることができるメスジカの数を増やしたりするなど、対策に乗り出している。県農業環境保全室は「肉の利用を考えているので、取り組みが地域の店から広がることを期待している」と話している。県猟友会東牟婁支部によると、狩猟期間中のシカの捕獲数は、串本町では2005年度184匹、06年度206匹、07年度217匹、古座川町では05年度109匹、06年度232匹、07年度231匹と増加傾向にある。狩猟期間以外で、農作物の被害により有害駆除した数は、串本町で06年度33匹、07年度87匹、08年度90匹、古座川町で06年度85匹、07年度65匹、08年度が4~9月27匹となっている。
(伝統の「ししば祭り」:宮崎)
古くからの狩猟儀礼を伝える西都市銀鏡(しろみ)地区の祭事「ししば(猪場)祭り」が16日、銀鏡川であった。銀鏡神楽(国重要無形民俗文化財)など5日間にわたる銀鏡神社大祭の最終日の行事で、捕獲されたイノシシの霊を鎮める儀式を行った。同地区では古くから作物を守り、また貴重な食料を得るためのイノシシ猟が盛んだった。祭りでは、銀鏡川の川原に「オタドコロ」と呼ばれる木組みの焼き場を設け、銀鏡神楽で神前に供えられたイノシシを焼いた。川原にはイノシシの像が浮き彫りになった巨石があり「猪(しし)の御魂(みたま)が宿る」として信仰の対象になっている。この巨石に、イノシシの肉、穀物などを供え、銀鏡神社禰宜(ねぎ)の上米良(かんめら)久通さん(54)が厳かに祝詞を捧げた。同地区の祭儀を代々執り行ってきた「宮人(みょうど)家」の現当主、浜砂修照(みちてる)さん(71)は「命に対する深い感謝の気持ちを込めた祭事。大切に伝えていきたい」と話していた。
(流弾事故で抗議決議可決へ:沖縄)
沖縄県金武町で13日、民家の駐車場に止めてあった自家用車のナンバープレートに銃弾がめり込んでいるのが見つかった事故で、県議会の米軍基地関係特別委員会は17日、「米軍演習場からの可能性が高い」として、同基地での実弾射撃訓練を中止するよう求める意見書と抗議決議案を可決した。19日の本会議で全会一致で可決される見通し。
(霧ケ峰のニホンジカ、過去最多の53頭を確認:長野)
県環境保全研究所(長野市)は17日、霧ケ峰のニホンジカ生息数の傾向を確かめるライトセンサス調査と、シカによるニッコウキスゲ被食調査の結果を発表した。ライトセンサスでは今秋に過去最多の平均53頭を確認、ニッコウキスゲも調査地点の9割近くで食べられていた。調査は県霧ケ峰自然保護センター(諏訪市)職員と同センターのパークボランティアの協力で実施。2004年秋に始まったライトセンサスは毎年春と秋の各4、5日間、夜間に林をサーチライトで照らし、反射して光るシカの目で頭数を推測する。04-06年は平均20頭前後でほぼ一定だったが、07年春から増加傾向にあるという。今年の調査では子どものシカも見られたことから、繁殖して今後も増えると予想。諏訪市と諏訪郡下諏訪町境の八島ケ原湿原に入り込んでいることも既に確認されている。ニッコウキスゲの調査は、7、8月に草原内の登山道沿いの65地点で、各10平方メートル内に生える健全な花茎と食べられた花茎を数えた。57地点で食害を確認し、平均被食率は57・4%だった。群生地別では、車山肩やセンター近くの「園地」の被食率が7・9-18・8%だったのに対し、車山高原スキー場から北の登山道周辺は78・3-96・8%と特に高かった。調査を担当した同研究所の岸元良輔主任研究員は「霧ケ峰でも昨年からシカが増え始めており、今後も継続して傾向を把握する必要がある」と指摘。「ニッコウキスゲが一面に咲き誇る場所は、車山肩など一部に限られてきてしまっている」と話していた。
(カラス被害続出「ごみ捨てないで」:和歌山)
田辺市芳養町、社会福祉法人ふたば福祉会の福祉作業所「たなかの杜(もり)」への進入路になっている市道沿いで、ごみの不法投棄が続いている。ドッグフードや魚の頭部などが捨てられ、それを目当てにカラスが集まるため、作業所の網戸が壊されたり、ふん害が出たりしている。市や作業所はモラルの向上を呼び掛けている。市有地の一角に建つ作業所は今年4月に開所した。障害者約30人が通所し、施設内では箱折りや菓子作りなどに励んでいる。開所する以前から、敷地内や市道の脇にごみが捨てられており、市は今年6、7月に市道沿い2カ所に不法投棄禁止を訴える看板を設置した。ごみを餌に集まる多くのカラスが作業所の玄関部分やデッキなどにふんをするため、施設の利用者が毎朝掃除している。屋根をつつかれて雨漏りしたり、網戸がぼろぼろになったりしているほか、車のワイパーを壊されることもある。最近では13日夜から15日朝にかけ、魚の頭部や小魚などが市道の脇の斜面に捨てられており、ボランティアで草刈りや不法投棄のパトロールをしている保護者が発見した。ごみは作業所が閉まっている週末、または早朝や夜遅くに捨てているとみられる。夏場は悪臭が漂う。ごみが山積みになっていたこともあり、あまりに多いときは市と福祉会で撤去している。施設周辺にはカラスだけでなく、野良犬も5、6匹いるが、いまのところかまれるなどの被害は出ていない。市やすらぎ対策課障害福祉室は「モラルをきっちり守ってほしい。野良犬への餌となり、利用者がかまれる危険性があるので不法投棄はやめてほしい」と話す。たなかの杜職員の西中梓さんは「徒歩や自転車で通所している利用者もおり、夏場は悪臭で困ることもある。マナーを守ってほしい」と話している。

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12/17
(ミロクの前期、純利益22%減)
猟銃最大手のミロクが16日発表した2008年10月期連結決算は、純利益が前の期に比べ22%減の5億5600万円だった。主力の猟銃事業は売上高が増加、営業損益が黒字転換したが、工作機械事業は自動車業界の失速などで減益となった。前の期に特別利益に計上した保険金収入の減少も響いた。 売上高は微増の152億円。主に米国向けに出荷している猟銃事業は13%増の71億円。ライフル銃などの販売が伸びた。ただ「新製品の生産が遅れ、計画は下回った」(田中勝久専務)。工作機械事業は4%減の40億円。 木製ハンドル製造など自動車関連事業は16%減の40億円。米国向けの販売減が響いた。経常利益は1%減の9億6700万円だった。
(女子高生をエアガン?で狙い打ち:福岡)
北九州市八幡西区のJR折尾駅周辺で、登校中の高校の女子生徒をエアガンのようなもので狙い撃ちする事件が相次いでいることが分かった。福岡県警折尾署は傷害事件として捜査している。 事件は今月8、10、15日のいずれも午前8時ごろ、同駅南側の路上で発生した。被害にあったのは、いずれも同区内の高校の女子生徒という。 この高校によると、15日には、4人で歩いていた生徒のうち2年生1人の後頭部に当たり、赤く腫れた。8日と10日には、数人の生徒が狙われたが外れたという。生徒らは「通りすがりの車から銃のような形をしたもので撃たれた」と話しているという。現場からはプラスチック製の直径数ミリの丸い弾が見つかっている。
(殺傷能力あるエアガン3丁回収:長崎)
遊戯銃製造会社タナカ(東京)が製造販売したエアガン四機種が拳銃と認定された銃刀法違反事件に関連し、県警は十六日、一機種のエアガン三丁を回収したことを明らかにした。組織犯罪対策課によると、回収したエアガンはいずれも「コルトSAA.45カシオペアモデル」。長崎市内で一丁、佐世保市内で二丁、報道で殺傷能力があることを知った購入者らが警察に提出した。しかし佐世保市内の玩具店が販売した同機種と「S&W M500 カシオペアモデル」一丁ずつが未回収という。県内ではこの玩具店のほかに同社製のエアガンを販売した店は確認されていないという。同課の谷川藤登次席は「殺傷能力がある違法な銃と知りながら所持していると銃刀法違反の罪に問われる可能性もある。同社製のエアガンを持っている人は早急に届け出てほしい」と話した。同事件では、警視庁が銃刀法違反容疑で同社社長を逮捕した。全国で二機種約千九百五十丁が流通しているとみられる。
(イノシシ捕獲へ二つめの檻設置:兵庫)
周辺でイノシシによる農作物などの被害が相次ぐ兵庫県三田市の県立有馬富士公園内に、二つめの捕獲用檻が設置された。10月に設営した市有地の西約1キロの民有地で、近くで足跡などの痕跡が見つかったことなどから、三田市と県猟友会三田支部(乾福治支部長)がこの場所を選んだという。いずれも来年2月末まで置くことにしており、関係者は駆除効果が上がることを期待している。市によると、市内のイノシシの駆除頭数は2005年の21頭から年々増え、08年は16日現在、95頭に上っている。特に同公園内では原則、有害鳥獣が駆除できないため、ふもとで畑の農作物やあぜ道が荒らされる被害が出ているという。この日は乾支部長や市職員ら4人が、地権者の許可を得た民有地の林道に檻(幅、高さ各1・3メートル、奥行き1・7メートル)を仕掛けた。乾支部長はイノシシが増えている理由について「耕作を放棄した土地が増え、イノシシの格好の遊び場となっている上、猟友会のメンバーも高齢化のため減ったため」と指摘する。市は「作物が育つ来春までに、少しでも数を減らしたい」としている。
(美山にシカ肉処理施設:京都)
食用シカ肉の普及に取り組む京都府南丹市美山町で、町内初の本格的なシカ肉解体・肉処理施設がこのほど完成し、稼働を始めた。供給態勢が整ったことで、シカ肉の「美山ブランド」発信を強化する。 シカによる農林産物の食害防止を兼ねて、同町は食用シカ肉のPRに力を入れてきた。これまで、町内では捕獲したシカから食用肉を取り出す一次処理と、さらに細かく切ったり、ミンチにして冷凍パックなどの商品に仕上げる二次処理とを別の施設で行ってきた。 新施設は、地元住民や狩猟者ら約20人でつくる「知井地区鹿(しか)有効利用プロジェクト」が、府の補助金を利用して、同町江和の観光農園江和ランド内に新築した。木造平屋の約60平方メートルで、総事業費は約700万円。 一次と二次処理を同じ施設内で行うことができ、作業の効率化が図れるという。新施設では年間200頭ほどのシカを処理する計画。ロース、ミンチなど6種類を、プロジェクトメンバーの同町内3店で販売する。 プロジェクトの大野安彦代表は「行政機関と連携してシカ肉の有効利用を図り、地域の生活を支えたい」と話している。 府によると、昨年1年間に府内で約9000頭のシカを捕獲しているが、食用での利用は少ない、という。
(イノシシ対策 侵入防止に“緩衝帯”を)
農作物の鳥獣被害の中で最も深刻なのがイノシシだ。各地で防護柵設置や箱わな捕獲などの対策が取られるが、集落近くに寄せ付けない環境を整えることが重要だ。イノシシは見通しの良い場所に近寄りたがらないという。この習性に注目し、山すその森林や雑草を除いて見通しを良くする「緩衝帯」を設け、ほかの方法と組み合わせて効率的に被害を防ぐ試みが始まっている。成果に期待したい。全国のイノシシの農作物被害金額は近年、ほぼ50億円で推移している。鳥獣被害全体の約4分の1だ。しかし、生息地域は北上して拡大傾向にある。近年は関東や北陸での被害報告も増えている。被害が数字上で横ばいなのは、防除対策による被害抑制と被害地域の拡大で相殺されているためとみられる。イノシシとのせめぎ合いは続いている。対策の基本は、イノシシを集落や農地に近寄らせないことだ。イノシシが近寄らなければ、最後の防波堤となる防護柵や捕獲おりの設置、猟銃による駆除も必要ではなくなる。農研機構・近畿四国中国農業研究センターの江口祐輔主任研究員は、イノシシを集落に近づかせない方法として、餌となるくず野菜や未収穫の果実を取り除くことに加え、田畑周辺や集落内の茂みの管理の重要性を説く。イノシシは「本来臆病(おくびょう)で、茂みに身を隠すことが好きな動物」であり、見通しの良い環境をつくれば「田畑に近づいても警戒心をあおることができる」という。福井県はこの夏、複数の障害物を設置した緩衝帯モデルを越前町に完成させた。水田周辺の森林を幅20メートルの範囲で伐採し、山際に切り株とネット、電気柵などの仕掛けを用意した。緩衝帯に侵入しても切り株でイノシシの通過時に腹がこすれ、ネットの網目に足が絡まる仕組みだ。広島県福山市では、イノシシ向けの防護柵「忍び返し柵」に加え、今春から緩衝帯を設置した。柵中心に内側と外側15メートルずつの範囲で雑木を伐採した。集落全体を防護柵で覆い、かつ緩衝帯を設ける「合わせ技」で、侵入防止に大きな成果を挙げている。緩衝帯を組み合わせた防除で欠かせないのは、地域住民の監視体制だ。たとえば、中山間地域の耕作放棄地の管理対策として近年、牛の放牧用の牧草地が増えている。牧草地が緩衝帯となり、牛が見張り役になる。しかし、同センターの調べで、イタリアンライグラスなどの寒地型牧草地は牛のいない冬の間、イノシシの格好の餌場になっていることが分かった。緩衝帯といえども、人の目が行き届かなければ侵入が容易となり、逆に個体数を増やして繁殖適地となりかねないことを示す一例といえる。簡単にイノシシの侵入を防ぐ手立てはない。監視を緩めず、緩衝帯設置も組み合わせた継続的な対策が欠かせない。

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12/16
(白鳥観察会例年になく寂しく:宮城)
鳥インフルエンザ感染の懸念から、全国各地で渡り鳥の餌付け自粛の動きが広がる中、大河原町の白石川で14日、白鳥観察会が開かれた。会場では、白鳥やカモなどに直接、餌を与えたり、過度に接触することを避けるため、岸辺から数メートルにロープが張られ、手や履物用の消毒液が準備された。餌付け中止で、ハクチョウの数も激減しており、例年にない寂しい観察会となった。同所は例年、500~600羽のハクチョウが集まる仙南有数の飛来地。地元住民有志の「大河原白鳥を守る会」(高橋守会長、約60人)と町観光物産協会、町などが協力。毎年2月の第1日曜日に観察会を開催。今年は、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンと連動して12月開催とした。餌付け中止の動きは、今春、北東北で強毒性鳥インフルエンザウイルスがハクチョウの死骸(しがい)から見つかって以後、全国に拡大。大河原の「守る会」も朝夕2回の餌付けを1回に減らし、一般人の餌付け自粛を呼び掛ける看板や消毒液も設置、ロープを張り巡らし、岸辺への立ち入りを制限している。例年この時期には、約200羽の白鳥が飛来しているが、この日の観察会では、わずか数羽の白鳥とカモ類800羽だけ。訪れた親子連れらが遠巻きに静かに観察。クイズ大会や、いも煮のサービスなどが行われた。守る会の会員によると、飛来したハクチョウは、例年のような餌にありつけないため、周辺の水田などに散らばり、落ち穂などをついばんでいるという。餌不足による体力の低下や北帰行の遅れも心配されている。蔵王町宮松ケ丘の白石川河川公園で毎年2月に「みやぎ蔵王白鳥まつり」を開催している「白石川白鳥愛護会」(樽見正一会長)は、来年20回目の節目となるまつりの中止を決定した。飛来地から約3キロ以内に、約30万羽飼育する県内一の養鶏団地があり、万が一の感染被害を考慮した。代わりに来年2月8日、タイトルも会場も移し、「第20回みやぎ蔵王白鳥まつり記念感謝の集い」を開く。環境保全と白鳥愛護に関する標語・ポスターの表彰式や、長年餌を提供してくれた企業・団体への感謝状贈呈などを行う。樽見会長は「各地で餌付けの自粛や中止が相次ぐ中、感染を未然に水際で食い止めるべく、断腸の思いで中止を決めた」と複雑な心境を語る。愛護会は鳥インフルエンザ予防策として、11月から、餌付け自粛を呼び掛ける看板と消毒液を設置。会員が来年3月まで月2回、餌付け場所周辺で消毒剤などの散布を続ける。
(古座川の野鳥を観察 準絶滅危惧のミサゴも確認:和歌山)
日本野鳥の会県支部は14日、串本町の古座川で探鳥会を開いた。参加した5人は川沿いを歩きながら、さまざまな種類の鳥を見つけては興味深く眺めていた。同町西向のJR古座駅に集合。古座川河口から同町古田までを往復し、約2時間半歩いて観察した。マガモやヒドリガモなどの留鳥が18種、ユリカモメやセグロカモメ、ウミネコなどの冬鳥が10種見られた。珍しいベニマシコや、環境省と県のレッドデータブックで準絶滅危惧(きぐ)に指定されているミサゴも確認できた。副支部長の東定司さんは「カモ類の数が少ないが、多くの種が見られたので、参加者は喜んでいる」と話した。
(『鉄砲祭り』勇壮に 小鹿野町八幡神社:埼玉)
小鹿野町飯田の八幡神社で十四日午後、県無形民俗文化財「鉄砲祭り」が行われた。秩父地方は昼すぎまで氷雨が降ったが、祭りが始まるころには青空が見えた。江戸時代、猟師たちが火薬の威力を試すため始めたともいわれ、豊猟祈願の付け行事として伝わった。散弾銃を持った地元のハンターや川越市の火縄銃愛好団体メンバーら四十五人が参加した。午後四時、氏子ふんする大名行列に続いて、幣束を背負った神馬二頭が登場。氏子に引かれ一頭ずつ参道を駆け抜け、十五段の石段を駆けのぼった。参道を駆け抜ける神馬の頭上目がけ、両側に控えたハンターらが空砲を放つと、境内にはごう音が響き、硝煙の白い煙に包まれた。
(民家で車被弾 米流弾か:沖縄)
十三日午後七時半ごろ、金武町伊芸区に住む建設業の玉城陽一さん(25)から、「車のナンバープレートが壊されている」と一一〇番通報があった。自宅駐車場に止めてあった車の前部の字光式ナンバープレートに、長さ約四・五センチ、直径約一センチの銃弾のようなものが一発、突き刺さっていた。同区は米軍キャンプハンセンに隣接するため、県警は米軍の流れ弾の可能性があるとみて鑑定を進め、米軍に照会する。事態を重く見た町議会米軍基地問題対策調査特別委員会(仲間昌信委員長)は十五日午前、現場を視察し、抗議決議について協議する。町も町民総決起大会の検討を始めた。県警は十五日から鑑定を開始。「薬きょうがない状態で突き刺さっていた。他に流弾のようなものが見つかったという報告は、今のところない」という。車の約一メートルほど手前のコンクリート地面には、銃弾が当たってえぐれ、跳ね返ったような跡があった。十日午後三時すぎ、陽一さんの祖母ミツさん(70)が「パーン」という大きな音とともに、白煙が駐車場に広がるのを目撃していた。伊芸区周辺には多くの米軍射撃場がある。一番近い「レンジ4」は、発見場所から約四百メートルしか離れていない。米軍はレンジを特定せず年間を通じて実弾射撃訓練の実施を通告するため、いつ、どのレンジで、どんな武器を使用して訓練したか明らかになっていない。発見された銃弾のような金属片は、米軍が訓練で使用する機関銃の弾と大きさが類似する。十四日に現場を視察した儀武剛町長は「あってはいけない事が起きた。大変遺憾」と憤りをあらわにした。庁内で緊急の会議を開き、今後の対応を検討。県警からの事実関係の確認が必要としながらも、「米軍演習場からの流弾も想定し、過去の事故の検証も含め対応したい。町民総決起大会の開催も視野に、段取りを進めたい」と述べた。
(つつましく暮らすヒグマ:北海道)
恵庭フットパスをつくる会の講演会「ヒグマが住む森」が13日、恵庭市恵み野北の恵み野会館で開かれ、のぼりべつヒグマ博物館学芸員の前田菜穂子さんが、人間との共生について講演した。前田さんは、ヒグマ研究の道内の第一人者。「ヒグマが育てる森」など多くの著書がある。前田さんは「クマは遠慮して、つつましく暮らしている」「道央地域のクマのほとんどが支笏湖地区で冬ごもりしている」「人身事故の8割はハンターへの反撃、あとのほとんどは人間の食べものに餌付いたのが原因」と、ヒグマが置かれている現状や暮らしなどを説明。また、「森はいろいろな生きもののネットワークで成り立っている」とし、「人間は自然界で最後に出た種。自然界の事柄への対処法を知らないままにすごい力を持ってしまった」と、自然から学ぶこと、自然との共生の重要性を説いた。
(サル目撃 自治体など注意呼び掛け:神奈川)
十五日午前から午後にかけて、海老名、座間市内の住宅街で野生のニホンザルの目撃が相次いだ。十二日から大和駅前などでサルが目撃されており、同じサルの可能性があるとみて、警察や自治体が注意を呼び掛けている。県央地域県政総合センター環境調整課などによると、サルは十二日に大和駅前、十三日には中央林間駅周辺、十四日から十五日午前には海老名市上今泉地区の住宅街で目撃された。十五日午後に座間市入谷で目撃されてから姿が見えなくなったという。県内では丹沢が生息地で、オスのサルは発情期になる秋から冬にメスを探して山を下りてくることがあるという。同課は「サルは刺激しなければ襲ってこない。見つけても目を合わさず、エサを与えないでほしい」と呼び掛けている。

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12/15
(銃を自主管理 県猟友会支部が14日、警察署に宣誓書:徳島)
徳島県猟友会三好支部(西村友治支部長、二百七十三人)は、長崎県佐世保市で起きた散弾銃乱射事件から一年を迎える十四日、会員への立ち入り指導も含め自主的に猟銃の適正管理に努める宣誓書を三好署に提出する。併せて法令順守を徹底する誓約書も会員全員が提出。同署は「猟友会自らのこうした取り組みは県内で初めてではないか」としている。乱射事件後、銃所持規制への動きが強まる中、団体が自ら銃管理の徹底に取り組むことで、銃所持への市民の理解を広げるのが狙い。今年七月、猟銃にかかわる事件事故の防止に向けて同署と意見交換したのをきっかけに、独自の取り組みを検討していた。主な取り組みは▽飲酒したら銃に触れないことや法令順守を約束する誓約書を会員全員が同署に提出する▽銃の適正管理を徹底するため三好支部自らが会員に立ち入り指導、改善を進める▽同署と会員の連絡網を構築する-の三点が柱。三好署管内は猟銃所持許可人数が二百四人と県内で最も多く、県内全体の11%を占める。西村支部長は「銃による事件が起きるたびに銃所持者が悪いように言われる。銃管理に自ら取り組む姿勢を示すことで理解を広げたい」と話している。
(佐世保銃乱射事件から1年、傷癒えぬ被害者・遺族ら)
長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で起きた散弾銃乱射事件から、14日で1年。不特定多数の人が利用する施設で8人が死傷した事件は、社会に大きな衝撃を与えた。散弾銃を乱射後、同市の男(当時37歳)が自殺し、事件の真相は解明されていない。被害者や遺族は、やり場のない怒りと癒やされない悲しみに満ちた1年を過ごしてきた。◆「事件終わらぬ」「私にとって、事件はまだ終わっていない」。当時、現場で流れ弾を両足に受け、重傷を負った同市の40歳代の男性は語った。クラブ内で銃声が響き、悲鳴が上がった。現場の惨状は一日も頭から離れたことがない。寒さが厳しくなると、傷口が時折痛み出す。男が自殺し、詳しい動機は謎のまま。「本来なら逮捕され、裁判で事件の全容が明らかになるのに。被害者はどこに怒りをぶつければいいのか」と訴える。殺害された従業員の倉本舞衣さん(当時26歳)と、男の知人の藤本勇司さん(同36歳)の無念を思うと、胸が締め付けられるという。「(加害者の)男が罪を償うことはない。2人があまりにも浮かばれない」事件後、男性はルネサンスを退会した。2人の冥福(めいふく)を祈ろうと、クラブに向かったことがある。施設に事件の痕跡は残っていないのに、記憶がよみがえり、入ることができなかった。男性は「一周忌で事件が終わることはないが、一つの節目」と言う。近く再びクラブに足を運び、今度こそ中に入って手を合わせようと決めている。足を負傷したルネサンス佐世保の男性マネジャーは、取材に対し「事件を忘れることはないが、(周りの励ましに)勇気づけられた」と文書を寄せた。ルネサンス(東京)は12月14日を「安全の日」とし、全国の施設で安全管理の徹底を図ることにしている。◆遺族、言葉少な 被害者の遺族らは一様に言葉少なで、癒やされない胸の内をのぞかせた。市内に住む藤本さんの母は今月4日の読売新聞の取材に「事件のことは思い出したくない」と硬い表情を見せ、「残された孫を育てるだけで精いっぱいです」と静かに語った。倉本さんの実家の玄関には「事件に関して一切お答えすることはありません」と書かれたA4判の紙が張られていた。
(会員減少、有害動物は増加 進む銃規制 悩む猟友会 佐世保乱射事件から1年)
昨年12月、散弾銃の乱射で8人が殺傷された佐世保市の事件から1年。事件の再発防止へ向け銃規制が強化される中、農作物などを荒らす野生動物の駆除を担当する猟友会では、管理のわずらわしさから銃を手放す人が続出している。会員減の一方で有害動物の数は増加傾向にあり、関係者からは「このままでは、駆除要請に応えられなくなるおそれもある」と嘆く声が聞こえてくる。「若い人がなかなか入ってくれない。もともと高齢化が問題だったのに、規制強化で入り口も狭くなり、頭が痛い」。県猟友会の井手耕作会長はため息まじりにつぶやく。同会によると、昨年末時点は1395人の会員がいたが、この1年近くで78人減った。残る会員も半数以上が60歳以上で、高齢化がより顕著になっている。井手会長は会員減少の理由として、事件後、県内では3年に一度の許可更新時に精神科での問診を求められるようになったり、近隣や職場での警察の身辺調査が強化されたりした影響を挙げる。「管理がわずらわしくなったという人もいるし、世間で銃のイメージが低下したので止めた人もいる」(井手会長)同会は会員を通じて若手の新規加入を呼び掛けているが、今のところ20、30代の手応えはないという。一方で、野生動物による農作物の被害は県北地方を中心に増加。佐世保市農水商工課によると、10月末の農業被害額は6800万円で、昨年度の3倍にまで達している。県猟友会が昨年1年間で駆除したイノシシは1万1107頭。関係者は「会員が減る中で出動回数は増える一方。要請に対応しようにも限界だ」と不安げに話す。近隣住民から不審な言動を指摘されていた男が起こした乱射事件は、銃所持のあり方の問題点を社会に投げかけ、銃刀法の改正にまで至った。こうした流れの一方で、県内の銃砲店店主は「事件以降、銃の所持を周囲に隠す人が増えた。肩身の狭い思いをしている人も少なくない」と打ち明ける。井手会長は「使わない人には危険な代物としか思われていないかもしれないが、銃は自然界とのバランスを保つためには必要不可欠。マナーと技術を向上させて信頼を回復するしかない」と話している。
(「拳銃」認定のエアガン回収 県内の3人提出:石川)
遊戯銃製造会社「タナカ」(東京)が製造販売したエアガンに殺傷能力があるとして、拳銃と認定されたエアガンが石川県内にも出回り、県警が所有者から三丁の任意提出を受け、回収していたことが十三日までの調べで分かった。県警によると、提出した男性三人は玩具店やインターネットで購入していた。現時点でこのエアガンを提出すれば、銃刀法に抵触することはなく、県警が提出を求め、回収を進めている。県警が提出を受けた三丁は、十一月下旬、警察庁と経済産業省が拳銃と認定した同社製造のエアガン四種類のうちの一つで、「S&W M500カシオペアモデル」。七月に販売が開始され、薬きょうの中にガスを入れて圧力で弾を発射する仕組みになっている。タナカが製造販売したエアガンをめぐっては、警視庁が今月二日、殺傷能力があるエアガンを販売したとして、同社社長、田中祥元容疑者(64)=東京都北区王子=を銃刀法違反(拳銃所持)容疑で逮捕している。県内の男性三人は報道で同社のエアガンに殺傷能力があり、拳銃に認定されたことを知り、それぞれ最寄りの警察署などに持参、提出した。県警などによると、殺傷能力のあるエアガンは全国で約二千丁が流通し、現時点で千丁以上が未回収になっている。県内に出回ったエアガンの数も不明という。県警は、玩具店などに対し、四種類のエアガンが在庫として残っている際には速やかに提出するよう呼び掛けている。既に販売した場合には販売先を開示するよう協力を求めている。四種類のエアガンを所持した場合の免責期間は決まっておらず、県警は「現時点では罪になることはない。持っていればいち早く提出してほしい」(組織犯罪対策課)と呼び掛けている。
(女性部下に銃突きつけた交番所長を懲戒処分:佐賀)
佐賀署兵庫交番(佐賀市兵庫南3丁目)の所長を務める男性警部補(55)が、7月と8月の2回にわたり、交番で勤務中の20代女性巡査に拳銃を突きつけ「撃つぞ」などと発言していた問題で、佐賀県警は12日、この警部補を銃刀法違反の疑いで同日佐賀地検に書類送検し、停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。県警は11月下旬に警部補の退職願を受理しており、13日にも退職を承認する。 県警監察課によると、警部補は7月17日と8月22日の2回、交番で女性巡査に実弾5発を込めた回転式拳銃を右肩や右ふとももに突きつけた疑いがある。撃鉄は起こしていなかったという。県警は、警部補を暴力行為等処罰法違反容疑でも調べたが、本人に精神疾患があることや、女性巡査に被害意識がないことから立件は見送り、処分もその点を考慮したとしている。 県警の調べに対し、この警部補は「当時のことが記憶にない」と話しているという。 また、佐賀署がこの問題を7月の時点で把握しながら、「冗談でやった一過性の行為」として扱ったのは不適切だったとして、県警は同日付で同署地域官(58)を戒告の懲戒処分に、副署長(52)を本部長訓戒にした。署長(60)については、国家公安委員会が戒告の懲戒処分にした。 津田隆好警務部長は「国民を守るために貸与されている拳銃の使用が不適切だった。県民の信頼を裏切る言語道断の行為。誠に申し訳なく、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
(カワウ銃器駆除再開へ:滋賀)
カワウによるアユの食害やフンによる樹木の枯死などが深刻化している問題に絡み、嘉田知事は11日の県議会一般質問で、今年度に中止したカワウの銃器駆除について、来年度からの再開を検討していることを明らかにした。銃器駆除は2004年度から実施していたが、県内2大営巣地の竹生島(長浜市)と伊崎半島(近江八幡市)の生息数が大幅に減少せず、「効果が薄い」として中止。しかし、カワウの県内での推計生息数(9月現在)が、昨年同期と比べて約2倍の約7万4600羽に激増したことから、知事は「来年度から本格的な銃器駆除も視野に入れた対策強化を検討している」と述べた。知事は、銃器駆除中止がカワウ激増の一因と認める一方、「(激増の原因は)カワウの主な餌のアユが豊富であったことや、台風の上陸がなく生息環境が安定していたことなども考えられる」と説明した。県は、カワウによる水産被害が年間18億~21億円と推計。特に竹生島では樹木の枯死も進んでいるといい、知事は「カワウ急増を厳粛に受け止め、厳しい財政事情ではあるが、対策強化に積極的に取り組んでいきたい」と理解を求めた。県自然環境保全課によると、長浜市が来年2、3両月に実施する空気銃を使った駆除の実証実験の結果などを踏まえ、来年度以降の具体的な対策を決定。今後数年間で、食害や枯死などが顕在化していなかった1994年の生息数(約4000羽)まで減少させることを目指すという。
(イノシシ大暴れ、4人軽傷:和歌山)
和歌山県岩出市で14日、市街地にイノシシが現れ、通行人4人に軽傷を負わせた。2歳程度の雌で体長1.05メートル、体重約80キロ。駆けつけた県警岩出署員が約10分間格闘の末にサスマタで取り押さえ、県猟友会に引き渡して処分した。現場はJR岩出駅の北約2キロで、同市水栖(みずす)の上岩出郵便局前の県道。イノシシは正午すぎに現れ、自転車に乗った小学6年の男児(11)と中学2年の男子生徒(14)の兄弟に突進した。男子生徒は転倒して左ひじを打撲。逃げた男児も追われ、左手小指をかまれた。イノシシは更に高校1年の男子生徒(15)の左足を前脚で引っかき、付近の市立上岩出小校内に逃げた男性会社員(40)にも後ろから体当たり。会社員は右太ももを打撲した。岩出市によると、現場付近は普段イノシシが出没するような場所ではないという。
(牡鹿半島の野生シカ肉加工販売)
生息数増加で食害被害などが深刻化している牡鹿半島の野生シカの肉を加工販売する県内初の会社が石巻市に設立された。13日、市内で無料試食会があり、市民からは「癖もなく軟らかくて、おいしい」と好評を得た。牡鹿半島では、ここ数年、ニホンジカの頭数が激増。農林業被害や飛び出しによる交通事故が多発しており、県は11月、牡鹿半島のシカ生息数を300~500頭とする保護管理計画を策定した。これまで、シカ肉はハンター仲間で分配されているが、食べきれず残った肉は廃棄処分されてきた。このため、ハンターの同市小船越内田の三浦信昭さん(66)が「もったいない。一般市民にも味わってほしい」と、仲間たちの協力を得て、自宅に加工処理場を建設。食肉販売会社「丸信ワイルドミート」を設立した。同社では、猟友会から肉を購入。ロースや内モモなどに分け、真空パックや缶詰にして販売する。試食会では、4頭分約80キロの肉を、ステーキやたたき、角煮、焼肉など8種類のメニューで提供。シカ肉を初めて食べるという市民が多かったが、「クジラよりおいしい」という評価も出ていた。同社は24日から、上肉の背ロース1キロ3000円、肩ロース同1500円で販売する。
(愛犬が競技会で次々入賞:岐阜)
「日本の猟場に適した犬を育てたい」-。養老町竜泉寺、養老郡猟友会長・辻本伊之彦さん(74)は、50年近く鳥猟犬「イングリッシュ・ポインター」の繁殖と訓練を手がけている。辻本さんの愛犬は、獲物を探す技術を競うフィールドトライアル(競技会)で次々に上位入賞。その能力の高さから、全国的にも知られた存在になっている。辻本さんは7期目のベテラン町議で、現役ハンター。猟犬の改良普及を担う全日本狩猟倶楽部(くらぶ)県支部顧問を務め、自宅犬舎でポインター7匹を飼育している。20代のころ、キジ猟で使っていたポインターがフィールドトライアルに出場。犬の優れた能力を知り、訓練に情熱を傾けるようになった。ポインターは、キジなどの居所をハンターに知らせ、撃ち落とされた獲物を回収する。生まれつき持っている習性だが、その能力を十分に引き出せるかは訓練次第。辻本さんは「犬の性格を見極めて指導するのが大切。猟場の広さに応じて、効率的に捜索できるようにするのが難しい」と話す。犬の訓練は欠かさず、猟期中は連日キジ猟に連れて行く。地道な訓練が実り、辻本さんの犬は全国大会や東海大会で何度も入賞。今年は、春季県大会で優勝を果たした。辻本さんにとって、犬たちは気心の知れた家族同様。猟に出ると、どの犬も指示通りに獲物を追う。「自分の猟場に適した犬を育てれば、何も言わなくても犬が判断してくれる」という。終戦後の食糧難の時代、小学生ながらも、イノシシ猟の勢子(せこ)になったという辻本さん。猟場の減少やハンターの高齢化で、狩猟を取り巻く環境は厳しいが、犬と猟場を走るのが一番の楽しみ。「飼い主に従順で甘えるポインターは本当にかわいい。これからも、良い猟犬を育てていきたい」と、話している。
(鹿肉活用、ペット用に試作:長野)
県は12日、獣害対策で捕獲したニホンジカの有効活用を考える「鹿肉用途開発研究会」の2回目の会合を飯田市内で開いた。事業化を目指しているシカ肉を加工したペットフードの試作品を披露し、動物病院など同市内の4施設で年内から来年3月末まで、モニター販売を行うと発表した。ペットフードは飯伊連合猟友会南信濃支部(飯田市)が製造し、1パック50グラム入り。県によると、対面販売ができる4施設でそれぞれ10パックずつ、計40パックをモニター価格の1パック800円で売り出す。犬用のおやつと位置付け、「南アルプスの麓(ふもと)信州遠山郷原産ドッグフード鹿肉ジャーキー」と名付けて販売する予定とした。県は来年2月の第3回会合でモニター販売の中間報告を行い、消費者の反応などを分析、検討。その上で飯田下伊那地方を中心に4月以降、本格的な販売を展開していきたいとしている。
(上市町職員鳥獣捕獲隊:富山)
カラスやサルによる農作物などへの被害を減らすため、上市町は、町職員による「上市町特別有害鳥獣捕獲隊(仮称)」を発足させることを決めた。早ければ2010年4月にも捕獲隊を発足させる。自治体職員による鳥獣捕獲は、県内では魚津市に続き2件目。同町産業課によると、野生鳥獣による農作物への被害が拡大しているが、地元猟友会員の高齢化により、会員数は29人にまで減少。今後、狩猟免許の取得者が増える見込みもないため、町は今年度から、町職員による捕獲や駆除を検討してきた。町では、職員3人が来年2月に県の狩猟免許試験を受け、3月以降に猟銃所持のための試験などを受験する。すでに狩猟資格を取得している5人の職員を含めて、同隊を発足させる計画だ。
(ツキノワグマ保護、イノシシ用わなに掛かる:三重)
尾鷲市泉町の山林で11日、県希少野生動物種に指定されているツキノワグマ1頭が保護された。クマは体長120センチ、体重46キロの雄。10日昼、同町の民家から徒歩約30分の山中で、イノシシ用のわなに掛かっているのを地元の猟師が発見し県に通報した。県は暗闇での作業は危険と判断し11日早朝から捕獲作業を開始した。松阪市の獣医師鈴木義久さん(47)や地元の猟友会員、尾鷲署員ら15人が集合。鈴木さんが背中に吹き矢を放ち、麻酔薬を注入。おとなしくなったところを保護した。猟師の久保力男さん(60)は「おとなしかったので冷静に対処できた。こんな経験はもう十分」と話した。クマは首に発信器を装着し、人里離れた市内の奥山に放された。県自然環境室によると、紀伊半島のツキノワグマの生息数は180頭以下という。
(皇居の堀に別の爆弾も 元自衛官を追起訴)
東京都千代田区の皇居に向けて火薬入りの消火器が発射された事件で、東京地検は12日、皇居の堀に別の爆弾を投げ入れたとして、爆発物取締罰則違反(使用・所持)の罪で元陸上自衛隊員の小川俊之被告(34)を追起訴した。 地検によると、小川被告は「爆発で人が驚くのを見て、自己顕示欲を満たしたかった」と供述しているという。 起訴状によると、小川被告は9月9日午前、横浜市の沖合に泊めたボート内で、爆薬約540キロを詰めたポリタンクを所持した。さらに同18日未明、ドラム缶2本に計約80キロの爆薬を詰めた爆弾を皇居「桜田濠」に投げ入れたとされる。 ドラム缶爆弾は9月18日午前8時に爆発するように時限装置が付けられていたが、警視庁が爆発前に回収したという。
(会津駒ヶ岳でシカ侵入確認:福島)
昨年8月に尾瀬国立公園に編入された会津駒ヶ岳で、シカの侵入が初めて確認された。11日に開かれた県の会議で報告された。尾瀬国立公園では近年、シカによる希少植物などの食害が問題化しており、県は侵入経路などを調査して対策を検討する方針。シカが確認されたのは、檜枝岐村の滝沢登山口から山頂方面に約1キロ登った標高約1480メートルの地点。編入地域での生態系を調査している学識経験者らが設置したセンサーカメラが10月2日と8日に姿をとらえた。現場は森林地帯で、高山植物などの希少種はなかった。編入地域では、田代山と帝釈山の中間地点の森林地帯(標高約1900メートル)で、既にシカの侵入が確認されている。侵入エリアが広がれば植生への影響も懸念されるため、県自然保護課は「県境をまたがるエリアは国にも要望を出し、調査を進めたい」としている。
(ライチョウ絶滅の危険:長野)
県内の動植物研究者らでつくる信州生態研究会の発表会が13日、長野市の信州大教育学部であった。ライチョウの研究で知られる同大の中村浩志教授は御岳での縄張り調査結果を報告し、「確実にライチョウは減っているが、原因はわからない。御岳のライチョウには遺伝的多様性もなく、絶滅の危険性が最も高いのではないか」と話した。教授らが今年実施した調査によると、御岳の縄張りの推定数は28。1981(昭和56)年の50、95年の35から減少が続き、教授は「原因として考えられる捕食者の生態を詳しく調べなければならない」と話した。発表会は同学部生態学研究室が主催。コガタカワシンジュガイなど動植物の生態や、シカの食害など環境保全をテーマに13演題を約70人が聴講した。14日は午前9時15分から午後2時まで、参加自由。中村教授の「鳥の研究を通し日本の自然と文化を考える」と題する講演などがある。
(遊休農地除草に県所有の和牛が大活躍:千葉)
房総半島の南東部、千葉県鴨川市の遊休農地の除草作業に3頭の和牛(いずれもメス)が大活躍している。同県所有のこの3頭、同市東で酪農を営む松本牧場にレンタルされているもので、放牧されて草をはむことで除草作業に貢献している。この放牧で、大きな牛に恐れをなしてか、イノシシやシカなどの農地への侵入防止にも役立っているという。また、除草された農地は、飼育する乳牛の飼料となる牧草地となることから、飼料高騰の折、経費削減にもつながり、足腰の強い乳牛育成も期待される。遊休農地を抱える農家にとって、その保全や景観維持、ごみの不法投棄防止も悩みの種。高齢化が進み、除草作業に人手がかかるだけに、周辺農家からこの3頭に手助けを求める声も上がっている。「ウシ年」となる来年、3頭の奮闘が一層期待される。
(防獣フェンスを設置:長野)
イノシシなどによる畑の農作物被害を防ぐため、諏訪市上野の菖蒲ケ沢耕地組合(笠原一躬組合長、組合員10人)は13日、菖蒲ケ沢地籍で獣害防止用フェンスの設置を始めた。ネットは設けていたが、思うように効果が上がらず、新たに頑丈な鉄製フェンスを1キロにわたって立てることにした。国の鳥獣害防止総合対策事業を受けて実施。事業費は189万円で、国(50%)と市(20%)の補助を得てつくる。組合によると、畑では特産品の「上野大根」や、バレイショ、カボチャ、長芋などを栽培しているが、イノシシ、シカ、ハクビシンなどによる被害が後を断たない。今までも予防用のネットを張っているが、飛び越えられたり、もぐられ、農作物が荒らされている。この日は地権者である組合員全員が出て作業をした。支柱を立てた後、獣がもぐって侵入できないよう下部の外側に折り返しのあるフェンス(1枚2.5メートル×1.2メートル)を1枚ずつつなぎ、飛び越えられないようフェンスは2段にして高さ2メートルに組んだ。笠原組合長(78)は「今まではうまくいかなかったが、このフェンスに期待したい」と成果が上がることを望んでいた。フェンスは1週間ほどかけ、約1ヘクタールの畑を囲む形で山林境に設ける。
(サル大和駅前に出没 捕獲ならず:神奈川)
12日午前10時15分ごろ、大和市大和東1の大和署大和駅前連絡所に「駅前の銀座通りにサルがいる」と通行人の男性が届け出た。同署員や市消防署員ら約60人が捕獲を試みたが逃げ続け、同日中の捕獲作業は打ち切った。県緑政課によると、10月下旬から横浜市内で相次いで目撃された野生のニホンザルと同じサルの可能性があるという。大和署によると、サルは駅前に続き百貨店や銀行の前などを往来。署員らが大きな網で捕獲を試みたが、サルはカキを食べたり電線を渡ったり。負傷者が出る可能性もあり、救急車も出動する騒ぎとなった。県緑政課の斉藤和之主幹によると、10月下旬から少なくとも2頭のサルが横浜や川崎に出没。11日は横浜市泉区で目撃されていた。県内では丹沢山ろくなどが生息地域だが、オスのニホンザルは秋~冬が発情期で、メスを探して緑地沿いに山を下りてくることがあるという。
(アサリをまき、カモの食害を調査:福島)
相馬市松川浦でアサリが激減したため、今年の潮干狩りの開催を一時見合わせた問題で、相馬双葉漁協はアサリが減った要因の1つに挙げられたカモの食害状況を調査するため13日、松川浦の潮干狩り場にアサリ約1トンをまいた。役員ら4人が2カ所にアサリをまいた。今後、カモによる被害の状況を調べ、来年の潮干狩りの開催に備える。
(荒川区議会、餌やり禁止条例可決 初の罰則規定に反発も)
荒川区議会は12日、カラスなどにむやみにエサをやり環境を悪化させることを罰則付きで禁じる「良好な生活環境の確保に関する条例」を賛成多数で可決した。来年4月に施行する見通し。条例は、自分が飼っていないカラスやハト、野良猫などの動物にむやみに餌をやり、周辺住民に迷惑をかける行為を禁止する。違反者には中止を勧告し、従わない場合は弁護士らによる審査会に諮って改善命令を出したり、氏名を公表をする。区の立ち入り調査を拒めば10万円の罰金、命令に従わない場合は5万円以下の罰金を科す。条例に関して一部市民団体から反発の声が上がっていたが、区民から意見を取り入れて「エサやり」という表現を「給餌」に改め、立ち入りに関しては事前に区の生活環境審査会に諮ることに修正した。
(カラス影響?巣立ちゼロ:東京)
大田区昭和島の「森ヶ崎水再生センター」屋上に設けた渡り鳥コアジサシの営巣地で、今年は1羽もひなが巣立たなかった。雑草が営巣を妨げた2004年以来の事態。保護団体ではカラスに邪魔されたことが原因とみており、「多くのコアジサシを集めてカラスを寄せ付けないことが有効」として、営巣環境をさらに整えていくことにしている。(佐々木大輔)東京湾沿岸などに飛来するコアジサシは環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)2類に指定されている。見晴らしの良い砂浜や川岸の砂利などに穴を掘り、卵を産む。保護にあたるNPO法人「リトルターン・プロジェクト」(増田直也代表)によると、同センターの約7ヘクタールの屋上で営巣が確認されたのは01年。同法人は翌年から、都下水道局や区の協力も得て、屋上に破砕したコンクリートや砂利を敷いてコアジサシの模型(デコイ)を設置。スピーカーで鳴き声も流してきた。これまで、屋上に雑草が茂った04年を除き、推定で毎年5羽から1600羽のひなが巣立ってきた。昨年も642か所に巣ができ、442羽が巣立った。今年はスピーカーを1台新調し、デコイも過去最多の800個を用意していた。しかし、営巣地周辺に例年以上に多くのカラスが飛来。集まった理由は不明だが、コアジサシの営巣が本格化する5月中旬以降、カラスが卵を持ち去る例が続き、コアジサシが営巣を放棄したとみられる。同法人はこれまでも塀にナイロン製の糸を張り巡らせ、カラスが近寄らないよう工夫してきたが、そうした対策をすり抜けるように営巣地に侵入してくるようになっているという。同法人は「多くのコアジサシが集まれば、カラスを威嚇して追い払える」として、より多くのコアジサシを集めることに力を注ぐ方針。屋上でも、上空から白っぽく見えるコンクリート片を敷き詰めた部分でより多くの営巣が確認されており、屋上の砂利をペンキで白っぽくしたり、貝殻を敷き詰めたりして、営巣しやすい環境を整えていく。また、同センターで営巣をやめた群れの移動先を調査するほか、各地でのコアジサシの営巣状況などについて保護団体同士がホームページなどを使って情報を共有化していく。増田代表は「センター屋上を恒久的な営巣地として整備していきたい」と話している。

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