<射撃ニュース12月>

12/31
(違法エアガン 県警、返納呼び掛け:大分)
東京都北区の遊戯銃製造会社「タナカ」が製造販売したエアガンが本物の拳銃と同等の殺傷能力があるとして、警視庁が銃刀法違反容疑で摘発した。警察当局は市場に流通したエアガンの回収を進めており、大分県内では県警が三丁を押収していることが三十日、分かった。県警は「違法銃なので所有者は最寄りの警察署に届けてほしい」と呼び掛けている。県警などによると、拳銃と認定されたエアガンは七月に発売された「S&WM500カシオペアモデル」(全長約三十九センチ、販売価格一万九千八百円)と「コルトSAA45カシオペアモデル」(同約二十六センチ、同一万七千五百円)の二種類。強度を上げた薬きょう型のカートリッジに火薬を詰めると、実弾と同じ威力を持つ金属弾を発射できるという。警視庁は拳銃と同等の殺傷能力があると認定し、今月二日に拳銃所持の疑いでタナカの社長を逮捕した。カシオペアタイプは全国に千九百四十八丁が出回っており、七百十一丁が押収されたという(いずれも十二月十七日現在)。大分県警は事件摘発後、県内の所有者三人から三丁を押収した。エアガンは店頭やインターネットを通じて市場に出回ったとみられるが、購入者をすべて把握するのは難しいらしい。県警組織犯罪対策課は自主返納を求めており、「一丁でも多く回収して、県民の安全を確保したい」としている。
(六本木に包丁男 警官が威嚇射撃し逮捕)
三十日午後八時半ごろ、東京都港区六本木六丁目の喫茶店の店先に包丁を持った男がいると、通行人から警視庁麻布署に届けがあった。同署の巡査部長(35)が現場に駆けつけて威嚇射撃し、銃刀法違反と公務執行妨害の現行犯で逮捕した。けが人はなかった。麻布署によると、男は東京都杉並区天沼、無職椎名賢次しいな・けんじ容疑者(28)。調べでは、巡査部長が駆けつけると、椎名容疑者が逃走したため数十メートル追跡し、六本木ヒルズ前で追い詰めた。椎名容疑者が「刺すぞ、この野郎」と言いながら包丁を振り回したため、巡査部長は拳銃を空に向けて一発威嚇射撃し、包丁を足元に置いたところを取り押さえたという。麻布署の阿多孝治署長は拳銃使用について「現時点では適正な執行と考えている」とコメントした。
(ライフル購入金としてアリゾナの警察署に10万ドルを寄付したコメディアン)
コメディアンのデヴィッド・スペードが、地元アリゾナ州のフェニックス警察署に10万ドル(約900万円)を寄付したとアクセス・ハリウッドが報じた。この寄付金は、警察官と住民の安全を守るため、ライフルの購入にあてがわれるという。警察署では300丁のライフルを購入するための資金を集めており、デヴィッドの寄付によって計画は大きく前進したという。フェニックス警察が出した声明によると、デヴィッドは10万ドル(約900万円)を寄付したいが、派手な記念式典やメディアなどをなしにしたいと申し入れ、翌週に10万ドル(約900万円)の小切手を持って警察署を訪れたという。「ミスター・スペードの寛大な寄付によりライフル購入計画も弾みをつけて前進できる」と警察署は発表している。
(全国初の銃器捜索犬、警視庁のトランプ号死ぬ)
全国初の銃器捜索犬として育成された警視庁のトランプ号(オス、12歳)=写真・警視庁提供=が30日、東京都板橋区の同庁警察犬第一訓練所で息を引き取った。人間で言えばまだ67歳で、鑑識課の道上芳輝管理官は「長生きしてほしかったのに」と死を惜しんだ。トランプ号は97年2月に入舎。当時、拳銃密輸や発砲事件などが相次いだことから訓練を始め、99年12月に銃器捜索犬となった。真正拳銃に塗られた油や弾丸の火薬のにおいから銃器を捜すのが役割で、00年1月から06年12月までに計96件の事件現場に出動、14件で弾丸などを見つけた。鑑識課によると、警視庁に計4頭いる銃器捜索犬の中で、トランプ号の実績はずばぬけていた。
(CMで好演 北海道犬、飼い主激減)
携帯電話会社「ソフトバンクモバイル」のテレビCMで一家のお父さんに扮する白い犬は、国の天然記念物にも指定されている北海道犬だ。CM効果で注目される一方、ペット市場では洋犬人気に押され、飼育数が激減している。忠誠心が強く温厚で、飼育に手間がかからない犬種だが、クマにも立ち向かう猟犬としての特性ゆえか、「気性が荒い」などと誤解されることも多いという。ソフトバンクモバイルのCMに登場する「白戸家」。一家の「お父さん」を演じるのは、白い北海道犬の「カイ」だ。湘南動物プロダクション(東京)に所属する役者で、07年6月放映の「予想外の家族」編で登場して以来、今年11月まで計40本に出演した。「予想外な家族」のコンセプトから、父親役を犬に設定。同社の料金サービス「ホワイト家族24」のPRのため、白い犬にこだわったという。同社広報部は「カイくんの起用で決め手になったのは、やはりその『白さ』。元々はクマ狩りにも使われる勇猛果敢な犬ということで、威厳のある『お父さん』の迫力がしっかり表現できた」と喜ぶ。CM総合研究所の月別CM好感度では、同社のCMは今年1月から最新の11月まで連続で1位を記録している。11月末、北海道犬の登録や血統書の発行をする天然記念物北海道犬保存会(札幌市)に千葉県の女性から電話があった。「CMの『お父さん』のような白い犬が飼いたい。子犬を譲って欲しい」。子犬の両親の写真を送ると「大きくなると、こんなに目が鋭くなるんですか。丸い目の『お父さん』とイメージが違う」。結局、女性は飼うのをやめたという。同会の佐藤幹副会長は「CMはマイナーだった北海道犬を知ってもらう絶好のきっかけ。だが、会員数の増加には結びついていない」という。同保存会の会員数は最多だった72年度の4678人から、07年度は831人に激減。その年に生まれた子犬もピークだった71年度の7061頭から、昨年度は526頭に減った。天然記念物を保存するためにも、会員獲得は至上命題だという。佐藤さんは「粗食に耐え、主人に忠実。寒さにもめっぽう強く、飼育の手間がかからない」と北海道犬の良さを説明。かつてアイヌ民族が猟犬として飼い、クマやシカにも勇敢に立ち向かう性格。インターネットなどでは「気性が荒い」「なつかない」などの誤解が目立つという。佐藤さんは「要は飼い主のしつけ方次第。これはどんな犬でも同じこと」と話す。しかし、ペット市場で北海道犬の人気は低い。損保会社「アニコム」のペット保険に加入した犬種の07年のランキングは7頭で90位。1位のミニチュアダックスフント(1万2754頭)、2位のチワワ(1万2314頭)など、小さな洋犬に人気が集中している。日本犬は、比較的小さなシバイヌが4位(3367頭)に食い込んだが、秋田犬が48位、紀州犬が75位など、総じて低迷している。同社は「都会の住宅事情から、今後も室内で飼いやすい小型の洋犬が好まれる。日本犬の苦戦は続くでしょう」と話す。

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12/30
(シカと車の衝突事故急増:滋賀)
大津市内で、自動車とシカが衝突する交通事故が増えている。山にエサがなくなったシカが人里までおりてくることが原因と考えられ、死がいの回収に当たる大津土木事務所や事故処理に当たる警察は昼夜を問わず対応に追われ、市なども対策に頭を悩ませている。土木事務所によると、交通事故で死亡した路上のシカの回収数は、この5年間は20体から30体で推移してきたが、今年度は12月20日現在で57体に上る。市内の伊香立地区や葛川地区などの367号や477号で増加が目立ち、甲賀市にぬける422号や大津信楽線でも増加している。特に10月の1カ月間では市内で15体を回収した。大津北署によると、10月以降、シカとの交通事故の届け出は8件あった。夜間から早朝にかけてが多く、道の横からいきなり飛び出してくるパターンがほとんど、という。市農林水産課鳥獣害対策室は「森にシカのエサがなくなったことが、シカが人里におりてくる原因の一つではないか」と指摘する。「人里と森との緩衝地帯をつくるなどして対応しないといけない」と対策を模索する。
(「北限の猿」受難の年に 年明けから大規模捕獲:青森)
国の天然記念物に指定されている青森県下北半島のニホンザル「北限の猿」が、受難の年を迎える。広範な被害を受けるむつ市など地元4市町村が、今後4カ年で10群270匹という過去最大規模の個体数調整(捕獲)に、年明けから着手するからだ。抜本的な被害対策が見いだせない中での苦渋の選択だが、最終目標である「人間とサルとの共生」の姿は依然、見えてこない。「被害を訴えてきた地元の声がようやく届いた。人間とサルが共生するための苦渋の決断だ」。むつ市の山崎秀春鳥獣対策専門官はこう話す。文化庁は12月、むつ市と大間町、佐井村、風間浦村が申請していた計270匹の捕獲を許可した。その数は、過去3年間の捕獲数の約9倍。現在生息する44群1635匹(2007年度現在)の6分の1にも上る。県が昨年度策定した第2次特定鳥獣保護管理計画(08―11年度)は人的被害と人家侵入に限っていた捕獲対象を、農作物被害をもたらす群れにまで拡大。「10群1000匹を下回らない」とする適正生息数も掲げ、大規模捕獲に道を開いた。年200―300匹ともされる生息数増加と、広範囲化する被害。4市町村は本年度、初の被害対策連絡会議を発足させ、今回の捕獲申請に足並みをそろえてきた。ただ、自治体によってサル対策の経験にはかなりの差がある。実績があるむつ市以外の担当職員は「実際に捕獲できるのか」と不安を口にするなど、大量捕獲の実現性は不透明だ。また、市が8月に追い上げ犬「モンキードッグ」2匹を導入して以降、脇野沢、川内両地区では農作物被害、出没件数とも4分の1に激減。捕獲を前に「期待以上」(山崎専門官)という皮肉な成果を挙げている。文化庁記念物課の江戸謙顕文部科学技官は「モンキードッグや電気柵もかなり効果的な施策。捕獲との組み合わせが重要だ」と注文を付ける。捕獲する270匹は、02年度(1109匹)から現在までの増加率を基に算定した数字。NPO法人ニホンザル・フィールド・ステーションの松岡史朗事務局長(むつ市脇野沢在住)は「誰かが何らかの対策をしなきゃいけない。捕獲は選択肢として理解する」と語る。一方で個体数調整という“数合わせ”の先にも思いをめぐらせる。「悲しいことに、人間とサルが将来どんな世界を描くのか、今まで語られていない。ビジョンを示すべき時に来ている。270匹を『犬死に』に終わらせてはならない」と訴える。
(コウノトリ飛来で難民ザル来襲:タイ)
タイ東部チャチュンサオ県バンパコン郡タイワー地区の村に100頭以上のカニクイザルが現れ、食べ物が盗まれたりテレビのアンテナがこわされるなどの被害が続出している。このサルの群れは近くのバンパコン川にある中州の森に住んでいたが、付近の土地開発による環境の変化によって大量のコウノトリが越冬のためにシベリアから飛来するようになり、森から追い出されて村に押し寄せたとみられている。生活用水として貯めておいた雨水がサルの糞尿で汚されたり、車の窓ガラスが引っかかれたりするなどの被害も出ているほか、サルの方も高圧線に触れて感電死したり車にひかれたりしており、住民が行政当局に早急な対応を求めている。

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12/29
(駐車場に散弾銃を置き忘れ、窃盗か:千葉)
散弾銃1丁を紛失したとして、埼玉県所沢市の男性会社員(52)が28日、千葉県警成田署に届け出た。調べでは、男性は26日午前8時ごろ、成田市玉造の会社の寮の駐車場で、乗用車のトランクに荷物を積み込む際、中にあったジュラルミンケース入りの散弾銃を取り出し、そのまま駐車場に忘れたという。男性は東京都内の銃器店へ散弾銃の点検に行く途中だった。実弾は入っていなかった。同署は窃盗事件の可能性もあると見て捜査するとともに、男性が散弾銃の適切な管理を怠ったとして、銃刀法違反の疑いも視野に入れ調べる方針。
(英エドワード王子、猟犬につえ振り回す)
英エリザベス女王(Queen Elizabeth II)の3男、エドワード王子(Prince Edward、44)がけんかをした猟犬を引き離すため長さ1.2メートルのつえを振り回している写真が28日、新聞に掲載され、動物愛護団体から非難の声が上がっている。写真では散弾銃を抱えた王子がつえを振り回しており、1匹の犬の頭につえが当たりそうになっている場面も。猟犬たちは死んだキジを取り合っていた。王子は、王室関係者が冬の休暇を過ごすイングランド東部ノーフォーク(Norfolk)のサンドリンガム(Sandringham)宮殿で狩猟に出掛けていた。王室報道官は「王子が犬をたたいたかは判明していない」と述べ、「王子は猟犬同士のけんかを止めに入った。写真で王子はつえを振り回しているだけだ。犬をたたいたかどうかは確認できていない」と釈明した。王室関係者の動物虐待が指摘されたのは今回が初めてではない。エリザベス女王は8年前、サンドリンガムで、キジの首を絞めているところを写真に撮られた。昨年はヘンリー王子(Prince Henry)が、英国の希少種の鳥、ハイイロチュウヒを撃ったとの疑いで警察に聴取を受けている。
(女性鷹匠「魅せます」新春に都心で実演)
タカを使う猟「鷹狩(たかが)り」が来年1月2日と3日、東京都中央区の浜離宮庭園で披露される。実演するのは、諏訪流放鷹(ほうよう)術保存会事務局長の大塚紀子さん(37)だ。獲物を追うタカの姿に魅せられて10年余。夢は、鷹狩りが国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることだ。保存会は、江戸時代に徳川家に仕えた諏訪流鷹匠の伝統を受け継ごうと06年にできた。会員は約20人。調教経験3年以上で、実技試験に合格した鷹匠は5人。大塚さんもその一人だ。スポーツ人類学を専攻した大学の卒業論文で鷹狩りを取り上げたのが縁で、この世界に飛び込んだ。タカを屋外の小屋で飼う人も多いが、大塚さんは埼玉県所沢市内の「ペット可」のアパートで飼っている。2部屋のうち3畳の部屋をオオタカとハヤブサの2羽が占領。たいていは止まり木で休んでいるのでおとなしいという。えさには血抜きをしていない生肉が必要で、卵をうまなくなったウズラを譲り受けて与えている。秋から冬のシーズンは毎日、車で片道1時間ほどかけて東京・多摩地域の休耕田や河川敷に出かけ、2~3時間の調教をする。保存会によると、猛禽類(もうきんるい)を使う狩りは中東や欧州など100カ国以上で行われ、日本では1600年以上の歴史がある。皇族や武将に好まれたが、今の愛好者の人数は、流派を問わず全国で200人程度とみられている。大塚さんは2年前から早稲田大学大学院で、諏訪流の歴史的位置づけや技法などまとめている。ユネスコ無形文化遺産登録を目指す保存会の中で重要な役割だ。「多くの伝統猟法が消滅するなか、登録は文化を守る一つの手段。独自性を明らかにしたい」浜離宮庭園の実演では、近くにある地上48階建ての電通本社ビル屋上からハヤブサを放つ。「獲物を捕るため、鷹が本気で追い、技を見せてくれるのが楽しい」と大塚さん。庭園内では、鷹匠の手から別の鷹匠の手にオオタカが行き来する「振り替え」なども見ることができる。
(爆発事故が発生、犠牲者15人:中国)
2008年12月27日、河南省の濮陽市共産党委員会宣伝部によると、27日未明同市華竜区で爆発事故が発生し、地元公安局司法部の調査で現在までに死者15人、負傷者9人が確認されている。新華網が伝えた。現場の初期調査で、爆発したのは不法に保管されていた工業雷管と判明。この種の雷管は導火線の火炎で火薬を起爆させる。単純な仕組みで使用方法も簡単なため、小規模な発破作業に使われることが多い。同市政府の関連部門では、この事件についてさらに詳しく調査を続け、地元警察当局も引き続き雷管を不法に保管していた容疑者を追跡、逮捕することを表明。衛生部門は現在全力で事故の負傷者の救助、治療作業にあたっている。

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12/28
(散弾銃盗難で厳戒 県警が大量の捜査員:茨城)
今月21日、笠間市の射撃場駐車場で散弾銃と弾が盗まれる事件があり、県警が二次犯罪の防止と犯人検挙に向け、警戒態勢を強めている。従来も散弾銃が盗まれる事件はあったが、無差別殺人が多発する社会情勢をふまえ、県下全域でこれまでにない規模の捜査員を動員。「捜査本部並み」(捜査幹部)の態勢を敷いてショッピングセンターや金融機関などの警戒や、不審者情報の聞き込みに当たっている。笠間署の発表などによると、事件発生は、21日午後2時30~50分頃。笠間市の男性会社員(53)から、同市平町にある射撃場駐車場に止めてあった車から散弾銃1丁と散弾27発が盗まれた、と同署に届け出があった。この日は射撃場でクレー射撃の大会があり、男性は大会に参加した後、近くの駐車場の車のトランクに銃などをおいて表彰式に出席。約20分後に車に戻り、自宅に帰ってからなくなっているのに気づいた。同じ日の午前には水戸市で散弾約30発が盗まれる事件も発覚、関連を含めて調べているが、有力な手がかりは得られていないという。県警は、二次犯罪を防げなかった土浦連続殺傷事件の教訓を生かし、21日の事件発生から人やお金が集まる場所で大量の捜査員を警戒に当たらせ、不測の事態に備えるとともに、聞き込みで銃に興味を持っている不審者らの洗い出しを急いでいる。現場となった射撃場で練習していた40代男性は「散弾銃は一般の人は使い方がわからないはずで、持つのさえ怖いのでは」と話し、射撃場の男性職員(44)は「こんな事件は初めて。盗まれた銃はばらした状態でケースに入れられていたようで、組み立てられなければ撃つことはできない。何もなく犯人が見つかればいいが」と心配していた。笠間署は目撃情報や不審者情報の提供を求めている。情報提供はフリーダイヤル0120・778・401へ。
(鹿猟中に銃暴発:山梨)
27日午前11時頃、早川町雨畑の山林で、鹿狩りをしていた近くの農業天野元さん(60)が、足を滑らせて転倒した拍子に、手にしていた猟銃が暴発し、左手中指の骨が砕ける重傷を負った。南部署の発表によると、天野さんは仲間4人と午前8時半頃から山林に入っていたという。
(散弾銃で釣り人に軽傷負わせ逃げた男逮捕:島根)
狩猟中に誤って釣り人に散弾銃の弾を当て軽傷を負わせたとして、松江署は27日、業務上過失傷害などの疑いで島根県東出雲町、タクシー運転手野々内武夫容疑者(66)を逮捕した。「弾が当たったと思い、怖くなって逃げた」と容疑を認めているという。調べでは、野々内容疑者は24日午後、松江市内の貯水池で、周囲を確認せずにカモを狙って銃を発射。近くで釣りをしていた男性(29)の顔などに数発の弾が当たり、2週間のけがを負わせた疑い。周辺は猟が認められており、野々内容疑者は狩猟免許も持っていた。
(陸自の銃紛失、当時当直の陸曹減給処分:大分)
玖珠町の陸上自衛隊玖珠駐屯地で発生した銃器盗難事件に絡み、陸上自衛隊は26日、銃器庫で当時当直だった1等陸曹(49)を減給10分の1・1カ月▽2等陸曹(37)を同15分の1・1カ月の懲戒処分とした。64式小銃や拳銃などを盗んだ元隊員は今月11日、宮崎地裁で懲役3年6月の判決を受けた。両陸曹=現在は九州内で勤務=は06年9月8日、銃器庫の当直だったが、鍵を机の中に入れたまま当直室を離れた。規則では鍵はいつも携行することになっており、以前から机の中にあると知っていた元隊員は、机から鍵を取り出して銃器庫に侵入した。
(部下に銃突きつけた元佐賀県警警部補を不起訴)
佐賀県警佐賀署の兵庫交番所長だった元男性警部補(55)(13日付で依願退職)が今年7月と8月、部下の女性巡査に拳銃を突きつけたとして銃刀法違反容疑で書類送検された事件で、佐賀地検は26日、元警部補を不起訴(起訴猶予)とした。地検は起訴猶予の理由を〈1〉犯行時間が2回とも30秒に満たなかった〈2〉当時、心神耗弱状態だった〈3〉犯行前後は適正に執務し、約37年間、警察官として勤務していた〈4〉反省し停職3か月の懲戒処分を受け依願退職もした――などと説明。元警部補が受診した医療機関に照会するなどし、心神耗弱と判断したという。不起訴を受け、林田明弘・県警監察課長は「再発防止に取り組み、信頼回復に努めたい」と話した。元警視庁巡査部長でジャーナリストの黒木昭雄さんは「事件当時だけ心神耗弱で、前後は適正に執務していたとの説明は矛盾している。独自に複数の医師に鑑定を依頼せず、心神耗弱と断定したのもおかしい」と批判した。元警部補は7月17日と8月22日、勤務中に正当な理由がないのに実弾入りの拳銃をホルダーから取り出した疑いで、今月12日に書類送検された。
(獣肉加工処理センター建設へ:静岡)
伊豆市は、野生のシカやイノシシを食肉に加工して伊豆産の新たな食材とするため、獣肉加工処理センターを建設する方針を固めた。来年度予算案に建設事業費を計上する予定だ。伊豆半島では特にシカの生息頭数が増え、農作物被害が深刻化しており、有害駆除と食肉活用の一石二鳥を目指す。伊豆半島で生息するシカは推定2万頭。ワサビ、シイタケなど農業被害が半島全体で年間約2億円に達し、中でも、同市の被害は甚大だ。猟友会のハンターによる有害駆除だけでは限界に達し、囲いわなによる捕獲も検討されている。菊地豊市長は22日の定例記者会見で「加工処理センターがハンターに駆除のインセンティブ(刺激)を与えることにもなる」と語った。
(エゾシカ「セーム皮」発売へ:北海道)
増えすぎたエゾシカの有効活用を図ろうと、東京農大生物産業学部(網走市)と道猟友会(堀田繁雄会長)は、奈良県の加工業者と連携し、狩猟で出た皮を眼鏡や車、楽器の手入れなど多用途に使える「セーム皮」として商品化し、道内限定で一月下旬にも売り出す。エゾシカの皮はほとんどが廃棄処分されており、三者は食肉に続く活用策に育てたい考えだ。道によると、道内の狩猟などによるエゾシカ捕獲数は年間約七万頭。しかし、一部が食肉として利用されているのみで、皮は内臓や角などとともに、ほぼ100%がごみとして捨てられている。商品化は、「エゾシカ学」を開講し、有効活用を模索している東農大の増子孝義教授(動物栄養学)が発案。原料となる皮が大量に必要なことから、約六千人の会員がいる道猟友会に呼び掛けた。加工は、中国シカの皮加工で実績がある奈良県毛皮革広報協同組合に依頼。完成品はきめが細かく、ふいても傷がつきにくいのが特徴で、楽器やカメラ、眼鏡の手入れのほか、化粧のクレンジングとしても使える。縦二十センチ、横二十五センチなど大小四種類、価格は一枚千-二千円を予定し、北海道土産として道内限定で販売する考えだ。三者は、セーム皮販売を事業の柱の一つにしたNPO法人を近く設立する。加工費を除いた益金は、角や内臓などの活用策を探る調査研究や、市民向けに生態や流通を教えるセミナーなど、法人の活動費に充てる。増子教授は「食害をもたらすエゾシカも、見方を変えれば地域資源。皮加工を突破口に、さらに活用策を模索したい」としている。
(ロケット花火でサル退治、結末は…:山梨)
27日午後0時半ごろ、山梨県北杜市須玉町東向の畑から出火し、枯れ草など400平方メートルが焼けた。北杜署によると、近くの無職男性(77)が、ニホンザルを追い払おうと、打ち上げたロケット花火が畑に落ちたという。同署によると、男性が家の近くに群れをなしてやってきたサルを追い払おうと、ロケット花火を数本打ち上げた。うち1本が休耕地の畑に落ち、折からの強風で燃え広がったという。男性が119番通報した。一帯では冬になると、食べ物を求めてサルやイノシシ、シカがやって来る。軒先につるした柿が食べられるなどの被害が増えているため、住民たちはロケット花火を使って追い払っているという。なお火事の発生で、署員が駆けつけたところ、現場付近で3頭のサルが遠巻きに眺めていたという。
(養鹿、ヘルシー食材に:北海道)
新ひだか町の建設業、大川勝さん(64)が、地元農家などの協力を受けて取り組んでいるエゾシカの「養鹿(ようろく)」事業が軌道に乗り、缶詰など加工製品の出荷が最盛期を迎えた。管内では初の取り組みで、「新ひだか町の新名物に」と地元の期待を集めている。エゾシカによる農作物被害は管内でも深刻化している。被害防止ととともにシカ肉を有効利用しようと、地元農家ら10人が出資して今春、大川さんを代表者に「ウタリ共同養鹿加工組合」を設立。
(イノシシ被害「例年の10倍」:長崎)
佐世保市のミカン農家がイノシシによる深刻な被害に見舞われている。被害実態を把握するため、JAながさき西海のさせぼ地区かんきつ部会(田中芳秀部会長)が今月、市内のミカン農家三百三十戸を調べたところ、被害額は果実が約四千三百万円(約百三十トン)、資材も約二千万円に上っていることが分かった。同部会は「例年の十倍ぐらいの被害」と頭を抱えている。被害は市内のほとんどのミカン畑で確認されているが、中でも針尾、江上など南部が大きく、中には果実五トン以上が食い荒らされた農家もあった。今年のミカンは質が高く、中でもさせぼ温州のブランド「出島の華」は全国でも最高級で、キロ単価六百-八百円で取引されている。収益が期待されていただけに関係者のショックは大きい。田中部会長は「前脚で枝を折ってしまうケースもあり、来年以降の収穫に支障が出そうだ」と嘆く。果実や枝以外にも、地面を覆って甘味を高める園芸用の白いシートもイノシシに踏み荒らされ、破れているケースが多くあった。多く目撃されているのは、ブタとイノシシをかけ合わせた繁殖力の強い「イノブタ」。あるミカン農家は「繁殖力に捕獲のペースがついていかず、急激に頭数が増えているようだ」と話す。各農家は電気柵やわななどで対策を講じているが、イノシシが柵を飛び越えることも確認されており、田中部会長は「収穫のときにイノシシに出くわしたり、イノシシが道路に飛び出して交通事故につながったケースもある。経済的な打撃はもちろん、身の危険を感じることもある。被害を減らすため、行政にも協力してもらいたい」としている。

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12/27
(サンタ姿で乱射し元妻、両親ら9人殺害:米国)
聖夜の祝宴が一転して惨劇に変わった。ロス近郊コビナで24日深夜、サンタクロース姿の男が、クリスマスイブのパーティーを行っていた元妻の両親宅に押し入り、拳銃を乱射した。男は銃撃後に同宅に放火。元妻ら計9人が殺害した後、現場から約40キロ離れた兄弟宅で拳銃を使って自殺した。地元メディアによると、男は元妻との離婚をめぐってトラブルを抱えていたという。男はブルース・パルド容疑者(45)。地元警察によると、24日午後11時半ごろ、パルド容疑者はサンタクロースの衣装を着て元妻の両親宅に侵入した。同宅では元妻ら25人が集まってクリスマスパーティーを開いていた。同容疑者は玄関のドアをノックし、ドアを開けた8歳の少女に向けていきなり発砲。銃弾は顔面を貫通したとみられ、少女は重傷を負った。同容疑者はパニック状態となった室内で、悲鳴を上げて逃げ回るパーティー客らに向けて銃を乱射し続けた。8歳少女以外にも16歳の女子高生が背中を撃たれ、20歳女性は逃げるため2階の窓から飛び降りて足首を骨折した。同容疑者は銃乱射後、同宅に火をつけた。可燃性のスプレーのようなものをプレゼントに見えるように持ち込み、発火物のようなものを室内にまいて炎上させたとみられる。放火後、サンタの衣装を脱ぎ捨て、私服姿で逃走したという。同宅は全焼し、焼け跡から9人の遺体が見つかった。地元警察によると元妻や両親も含まれている可能性が高いという。同容疑者は犯行から約4時間後の25日未明、ロス近郊の兄弟宅で拳銃を使って自殺しているのが見つかった。同宅は押し入った現場から約40キロ離れている。地元メディアによると、同容疑者は航空宇宙産業の技術者。元妻と昨年9月に離婚したが、離婚によって働くことが困難になったとして元妻に生活費を要求していたという。元妻も同容疑者に対し、接近禁止命令を出すように裁判所に申し立てていた。地元警察は、元妻との間のトラブルが犯行の動機につながったとみて調べている。地元警察によると、近所住民が集まるこのパーティーは毎年、誰か1人がサンタ姿で登場することが恒例だった。今年は同容疑者が侵入するまでサンタ役が到着していなかったという。
(ヒグマ対応件数 昨年同期の倍155件:北海道)
羅臼町は、4月からのヒグマの出没件数をまとめた。今年は町民によるヒグマの通報で、町職員らが対応した件数が155件と昨年同期と比べ約倍増だった。また、ヒグマの駆除件数も15件を記録し、道が春クマ捕獲を禁じた1991年以降の統計でタイ記録となった。幸いにも町内でヒグマの人身事故が無かったことに関係者はほっと胸をなで下ろしているが、来年以降のヒグマの対策に頭を悩ませている。 ヒグマの対応は、通報を受けると町職員や知床財団職員が出動する。初めに威嚇して山里へ追い追い払うが、それでも人里にくるヒグマは有害と見なし駆除の対象となる。 ヒグマの駆除件数が多かったのは6月の6頭。大半が3歳以下の100㌔未満のヒグマで占めた。対応する同財団では、「繁殖期で気が立っている雄の成獣に追い払われ、人里に降りて来ているケースが多い。その上、ハンターの減少から最近の若いヒグマは、人に追い払われる経験が少なく、人に警戒心が無いので、昼間から堂々と行動するものが出てきている」と分析している。
(深刻なシカの食害:栃木)
「お手植えのイチイはシカ対策をしなければ枯れてしまいます。巨木の影響で生育が極端に悪くなったらその時は対応を考えますが、まずはシカから守ることです」-。日光市の日光田母沢御用邸記念公園を案内してくれた同事務所の公園管理運営士、大貫譲司さんがこう語った。田母沢のイチイは本紙OBの影山榑三雄氏が栃木版で書いた記事の中で知り、このほど「樹に宿る」(東京新聞出版局)という本になった。仲間うちで開いた出版を祝う会で造園業を営む知人が「田母沢のイチイはこのままでは枯れてしまうよ」と指摘した。このひと言がきっかけとなって、イチイを取材してみたくなった。田母沢は天皇陛下が学習院初等科の生徒だった一九四四年から約一年間、過ごされた疎開先。イチイは陛下が寝起きされた部屋の庭先にあったという。九六年、陛下は改修を終えた田母沢を半世紀ぶりに視察された。随行の渡辺文雄県知事(当時)は「陛下は寝起きされた部屋でじっと目を閉じ長い間身動きをされなかった。その後、廊下に出られ、庭先を指さし『ここにイチイの木があったはず』と問い掛けられた。その後、調べたら切り株が見つかった」と回想する。陛下にとっての特別な場所・田母沢には二〇〇一年、二代目のイチイが植えられた。現在、イチイは高さ二メートルほどに育っているが、シカに樹皮を食べられないように周りを金網に囲まれたあわれな姿をさらしている。「パンジーを植えれば、翌日には花はすべてシカに食べられてしまう。守るには金網しかありません」と、大貫さんはため息をつく。県の〇七年の統計によると、シカは山間部で一平方キロあたり二・二五頭生息しているという。地球温暖化の影響で冬に生き延びる確率が高くなり、狩猟の衰退などで増える傾向にある。山域で群生するニッコウキスゲやカタクリ、幼木がシカに食べられ問題になるが、国道に接し、周りに住宅やホテルがあるいわば市街地で、これほどシカの食害が深刻となっているとは思わなかった。

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12/26
(狩猟の流れ弾?釣り男性負傷:島根)
24日午後2時10分ごろ、松江市東忌部町の大谷貯水池で市内のトラック運転手の男性(29)から「釣りをしていたところ撃たれた」と110番通報があった。男性は散弾銃のようなもので撃たれたとみられ、右ほほや右肩など5カ所を負傷している。体内には弾とみられる金属片が残っているが、生命には別条はないという。松江署によると、現場付近は野鳥などの狩猟許可区域。狩猟の流れ弾が当たったのではないかとみて、詳しく捜査をしている。
(実弾3300発投棄の米兵2人は不起訴)
米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)近くの海にライフル銃などの実弾約3300発を不法投棄したとして火薬類取締法違反などの疑いで書類送検された同基地所属の2等兵曹(31)と1等兵曹(34)について、長崎地検佐世保支部は25日、「日本側に第1次裁判権がない」として不起訴処分にした。日米地位協定は米兵が基地外で犯した罪について、公務中であれば第1次裁判権は米国側にあると定めている。同支部は、弾薬・銃器の管理を担当する米兵2人が、上司から銃弾の処理を命じられていたことなどから、公務中と認定した。今後は米軍内部で処分が予定されているという。長崎県警の調べなどによると、2人は共謀し10月27日未明、散弾銃用実弾約3000発とライフル銃用実弾約300発の実弾を基地外へ持ち出し、ポリ袋に入れて基地近くの海中に投棄したとされる。
(合格カレーコロッケセット:三重)
御在所岳山頂のレストラン「アゼリア」に27日から、新メニュー「合格カレーコロッケセット」が登場する。シカ肉が入ったコロッケとハヤシライスのセットで1000円。2月末まで、土日祝日限定で販売する。同レストランを運営する御在所ロープウエイが開発した。シカは「絶壁でも決して落ちない」とされることから、受験生に縁起が良いと使用。カレーのスパイスも「記憶力を高める」という。同店の米村賢吾料理長(55)は「シカ肉はマヨネーズで臭みをとってある。食感を楽しんで」と味に自信を見せる。同店ではシシ鍋定食(1200円)も始まった。雪に覆われた山々の景色とともに、メニューも冬支度は万全。
(シカ食害対策、住民が柵整備:長野)
千曲市の大田原区と森地区の住民が、集落内の田畑をイノシシやシカの食害から守ろうと鉄柵を整備している。大田原区では3年間かけて、集落全体約60ヘクタールを、道路と交差する部分を原則除いて全長約14キロの鉄柵で囲う。森地区は2年間で、地区東側の山際約10キロに鉄柵を巡らす。
(三渓園に“寝癖カモ”入場者に人気:神奈川)
横浜市中区本牧三之谷の三渓園内の大池に、カモ科の渡り鳥キンクロハジロが大挙して飛来し、来園者を和ませている。キンクロハジロは体長約四〇センチで、黄色に光る目と、頭部に伸びる冠羽と呼ばれる“寝癖”のような毛が特徴的。夏はシベリアなどのユーラシア大陸北部に生息し、越冬のため十月末ごろから日本各地に飛来する。同園では七~八年前から飛来数が増えているが、鳥類の生態に詳しい野毛山動物園(横浜市西区)の獣医師東野晃典さんによると「日本にやってくる渡り鳥の詳しい飛来ルートは分かっておらず、キンクロハジロの飛来数が増えた原因は特定できていない」という。母親と訪れた近くに住む二歳と一歳の姉妹は「かわいいね」「こっちにおいで」などと呼び掛けながら、ちぎったパンを与えていた。

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12/25
(全力尽くし最高の笑顔 北京五輪で県関係選手活躍:茨城)
八月に開かれた北京五輪で本県関係の選手たちが活躍し、地元は大いに盛り上がった。記者が担当する県西地域では、クレー射撃女子トラップの中山由起枝、陸上女子20キロ競歩の川崎真裕美ら三選手が健闘した。川崎選手を最初に取材したのは五月下旬。筑西市内にある所属企業を訪れたところ、会社の制服姿で迎えられた。練習場所は母校・下館二高のそばにある五行川の堤。五輪選手は特別な環境で訓練するものだと思っていたが普段は事務の仕事をし市民が散歩する堤で練習を積んでいることを知り、意外だった。中山選手は六月、地元の結城市役所を訪れた際、「前回の五輪はプレッシャーに押しつぶされた」と語った。シドニー五輪で十三位だった中山選手。アテネ五輪で四十位に終わった川崎選手。二人とも前回五輪の悔しさをバネに練習を続け、雪辱を期していた。メダルを狙った中山選手は八月十一日に出場し、日本女子過去最高の四位に入賞。川崎選手は同二十一日にレースに臨み、目標の入賞は逃したが、同種目で日本選手過去最高の十四位だった。五輪ではメダル獲得に注目が集まりがちだが、メダルがすべてだとは思わない。選手が目標に向かって、全力を尽くしたかどうかが大切だと思う。川崎選手は大雨という悪条件の下、自身の日本記録にあと47秒と迫る1時間29分43秒を記録。大舞台で実力を最大限に発揮したのは素晴らしかった。中山選手も自分の持てる力を出し切り、三位決定戦まで進出。重圧をはねのけた原動力は、前回五輪後に生まれ、今回応援に駆けつけた長女芽生ちゃんの存在だった。二人は五輪への再挑戦を通じて、精神的にたくましくなったように見えた。帰国後、二人とも「満足している」(中山選手)、「悔いはない」(川崎選手)と話し、最高の笑顔を見せた。
(食害:福島)
南会津で、ニホンザルによる農業被害が深刻化している。収穫間近の作物を狙い、20~30頭の群れが畑や果樹園を荒らしている。「熟したリンゴを一口かじって、投げ捨てる。枝にぶら下がって、実をゆすり落とす。目の前でやられるからたまらんです」と下郷町のリンゴ農家。被害に嫌気が差し、耕作に見切りをつける高齢者もいるという。「収穫直前にやられガックリくるのでしょう」と南会津町の担当者は心中を慮(おもんぱか)る。暖冬や少雪によるサルの死亡率低下や、林道やダムの開発などを背景に、サルが行動域を広げ、人との境界が崩れたとみられる。サルだけではない。尾瀬国立公園ではニホンジカによる湿原破壊が進む。シカが掘り起こした「ぬた場」が至る所に広がり、食害はニッコウキスゲにまで及んだ。環境省の推計では、もともといなかったシカが07年には241頭に増加。シカ道も複数確認され、新年度からは特別保護地区内での捕獲に乗り出す。さらにツキノワグマも、人と摩擦を起こしている。エサを求め里に下りたり、生息域に入った人間と遭遇したり。07年までの5年間で1094頭が有害駆除などで殺された。動物と人間のあつれきの原因が生息環境の変化にあるとすれば、動物側に一方的に責めを負わせられない。少なくとも、自分たちが壊した環境の回復は人間側の義務ではないか。共生の道を探る努力を続けねばなるまい。
(アサリ減少の原因究明へ:福島)
松川浦(福島県相馬市)の潮干狩り場で今年春、大量のアサリがいなくなった問題で、潮干狩りを運営している相馬双葉漁協(同)は24日、減少の原因などを探るために、アサリ200キロを試験的に放流した。漁協関係者が場内のロープで囲んだ場所にアサリを次々と放流。25、26の両日に放流場所のアサリの状況などを調べ、今後の対応を検討する方針。アサリ減少の原因としてはカモ類による食害が指摘されている。漁協関係者によると、松川浦に飛来しているカモ類の数は昨シーズンよりも多いという。この日は漁協に加え、福島県、相馬市、地元観光協会の関係者らも潮干狩り場を訪れ、放流作業を見守った。同漁協は潮干狩り場にアサリがいなくなったとして、今年3月に潮干狩りの営業中止を決めたが、地元観光団体などからの要望を受けて、4月から8月まで潮干狩り場を無料開放した。
(野鳥餌やり自粛を:長野)
県諏訪地方事務所と諏訪地方の4市町が、カモ類やハクチョウが集まる諏訪湖と茅野市の上川で、見物客などに餌やりの自粛を求める方針を固めたことが24日、分かった。安易に餌を与えたり、野鳥に近付かないよう呼び掛ける看板を、早ければ25日から設置する。生態系の保全に加え、鳥インフルエンザの感染拡大を防ぐことが主な理由だ。今春に、北海道などでハクチョウの死骸から強毒性の鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が相次いで検出されたことで、全国の越冬地で餌やりの禁止・自粛の動きが拡大。県内有数のハクチョウ飛来地を抱える安曇野市も今月上旬、愛護団体を除いて餌やり自粛に踏み切った。関係者によると、看板では安易に餌を与えたり、野鳥と接することはせず、一定の距離を保った観察を求める。ウイルスやダニを保有していることもあるとして、帰宅後の手洗いなどを呼び掛ける。岡谷、下諏訪、諏訪の3市町の湖岸と、茅野市の上川河川敷へ、3月末まで10―20基を立てる計画。設置期間は状況に応じて延長する。富士見町、原村でも今後、野鳥が集まる場所などがあれば設置を検討する方針だ。「鳥インフルエンザ」とは記さない方向だが、関係者の1人は「もちろん鳥インフル問題を考慮しての対応」と強調し、餌やりで野鳥が1カ所に集まれば、大量死につながる恐れが出てくると指摘。野鳥から人間に感染した例はないものの、靴底にふんなどが付着し、ウイルスが養鶏場に運ばれる可能性も「ゼロではない」としている。県と市町は、諏訪湖、上川でハクチョウの世話をする2つの愛護団体にも看板設置の趣旨を説明した。ただ、諏訪湖白鳥の会の白田正夫会長=下諏訪町=は「諏訪湖は自然の餌が十分でなく、補助的な餌やりは必要だ。マスク着用や長靴の履き替えをし、必要最低限の量で続けていく」と話している。
(ハシビロガモに釣り糸絡まる:埼玉)
ふじみ野市の新河岸川一帯で越冬している渡り鳥のハシビロガモ(カモ科)のメスのクチバシに、釣り糸が絡まっている。県生態系保護協会ふじみ野支部の会員が今月初旬に確認した。網で捕獲して糸をほどこうと試みたが、近づくと飛び立ち保護できないという。同支部は「十分にエサを食べられず、このままでは衰弱して来春に北へ帰れなくなる」と心配している。同支部によると、へら状のクチバシにブラックバスなどの魚に使う疑似餌の針が鼻の穴に引っかかり、釣り糸が絡まり大きく口を開けない。好物の水草の実や根が十分にのみ込めないという。日報連会員の菊地久二さん(64)=川越市藤間=も20日午後1時ごろに同市中福岡の新河岸川の放水路で見つけ、撮影した。ハシビロガモは毎年、シベリア方面から飛来し越冬する。同支部長の野沢裕司さん(61)によると、今年も新河岸川に約20羽が越冬している。支部の会員が毎日観察を続け、保護の機会をうかがっているといい、野沢さんは「渡り鳥は、北へ帰れないと衰弱して死んでしまう。釣り人は、釣り具や糸を決して川岸などに放置しないでほしい」と話している。
(「イノシッ士」1期目誕生:鳥取)
農作物を食い荒らすイノシシなどの有害鳥獣対策を指導する人材を育てようと、県が5月に開講した無料の「鳥獣・里山塾」の最終回が18日、鳥取市鹿野町のイノシシ食肉解体処理施設など4カ所であり、駆除したイノシシの解体作業を受講生約40人が見学し、食材として生かす方法を学んだ。受講生らは今後、鳥獣技術士「イノシッ士」として県に3年間登録され、鳥獣被害に悩む農家などに助言や指導をして対策に取り組む。この日解体したのは、同市気高町にしかけた鉄格子のわなにかかった体長80センチ、重さ30キロのイノシシ。鹿野町鹿野の農家原田晏年(やす・とし)さん(62)らが包丁で心臓を突いて血抜きした後、内臓を丁寧に取り出し、冷たい井戸水につける過程を教えた。原田さんは「内臓を切るとにおいが肉に移るので気をつけて」「体温で肉質が落ちるので、最低3時間は冷たい水で冷やして」などとていねいにアドバイスした。続いて、ハラミやモモなどの各部位に切り分ける精肉作業も体験し、焼き肉や汁にして味わった。イノシシ肉の脂肪はコラーゲンが豊富とされており、受講生らは「胃にもたれないのがいい」。講座は鳥獣対策に関心のある人ならだれでも受講でき、10回シリーズで内容は鳥獣の捕獲から里山の整備まで幅広い。「イノシッ士」第1期生となる倉吉市北野の農家黒川幸人さん(65)は「現場で学べたことが何よりよかった。地域での指導に生かしたい」と意気込む。平田滋樹・県鳥獣被害対策専門員も「駆除だけでなく、肉をおいしい食べ物として活用することができれば」と期待する。県生産振興課によると、県内では年間約4千頭のイノシシが捕獲されているが、解体されて売られるのはわずか。一方、処理場がある鹿野町では、捕獲されたイノシシの約6割が解体されているという。受講生からは「県内各地に処理場を増設しては」との提案もあった。講座は来年も開く予定で、3月に受講生を募集する。
(消費者金融に拳銃強盗:三重)
三重県鈴鹿市道伯2の消費者金融「サンワ」に24日、2人組の男が押し入り、男性店長(39)を拳銃で撃って現金約400万円を奪って逃げた事件で、店にいた男性店員(29)が2人組の逃走直後にエンジン音を聞いていたことが三重県警の調べで分かった。県警は2人組が車やオートバイで逃げた可能性があるとみて調べている。調べでは、男性店員は2人組が押し入った時には店のトイレにいた。トイレから出ると2人に脅され、手足を手錠などで拘束された。2人組はその後、店長を銃で撃ち、店舗奥の事務所で現金を奪い、裏口から逃走。その際に、店員はエンジン音を聞いたという。店は交通量の多い県道に面している。県警には不審車両の情報が複数寄せられているといい、関連を慎重に調べる方針。
(オオカミ無事捕獲:中国)
今月19日から八達嶺長城景区付近の山中でオオカミが目撃されていたが、23日に無事捕獲された。京華時報の報道。オオカミの姿は、同地区の管理を請け負う係員数名が望遠鏡で確認していたが、初めはただの野良犬だと思っていたという。しかし現場の痕跡の確認などを繰り返すうちにオオカミであることが分かり、群れがいる可能性も出てきたことから急きょ捕獲作戦に乗り出した。延慶県ではオオカミを捕獲する道具などを備えていなかったため、八達嶺野生動物園に連絡をして麻酔師や檻などを準備。周辺の村に警戒を呼びかける中で捕獲作戦に当たった。山中に大量の生肉をばら撒いておびき寄せる方法を取ったが、オオカミは警戒心が強く何度も取り逃がしたという。しかし23日にまた姿を現したため、麻酔銃を発射。無事に捕獲に成功した。このオオカミの“身元”だが、動物園から逃げ出したものではなく、野生なのか誰かに飼育されていたものなのかはわかっていない。記録によれば北京市には現在約20匹の野生のオオカミがいるということだ。
(大の大人がハマりまくり!おもちゃの銃を社内で撃ちまくれ!?)
最近、おもちゃフリークの間で爆発的な人気を呼んでいる銃がある。その名も、NERF(ナーフ)。スポンジ製ソフト弾を使った、アメリカ生まれのトイガン。アメリカでは40年くらい売れ続けている定番商品らしいが、これまで日本では未発売。しかし、今年9月頃から、おもちゃ専門店トイザらスが輸入販売を開始すると、マニアの間で火がつき、瞬く間に売れ筋商品となった。しかも、あるホビー雑誌編集者によれば、子ども向けにもかかわらず、購入者のほとんどが大人だというのだ。

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12/24
(メキシコのミス代表、銃不法所持で逮捕)
ミス・インターナショナル代表が銃不法所持で逮捕され、美貌(びぼう)で見る者をうならせてから半年で犯罪者へと転げ落ちてしまった。AP通信などによると、逮捕されたのはラウラ・スニガ容疑者(23)で、11月に南米のボリビアで開かれた米州各国とスペインが参加するミスコンテストでも優勝した美女だ。ところが、22日夜、男7人とメキシコ中部のグアダラハラを車で移動中に麻薬組織関係者らに関する密告を受けたメキシコ警察の職務質問を受け、車内からライフル銃や多数の携帯電話、5万ドル以上の現金が見つかり、男7人とともに銃器の不法所持などの疑いで逮捕された。スニガ容疑者は「ボリビアやコロンビアに買い物に行くところだった」と供述しているという。
(アライグマ被害が急増:兵庫)
アライグマの丹波地域での捕獲数が、本年度は十月末までに三百十三匹に上り、二〇〇三年度からの五年間で約六十倍に激増していることが二十三日までに分かった。春から夏には畑のイチゴやスイカなどを食べ荒らし、冬には木造家屋の屋根裏などにもぐり込んでは三-五匹の子を産んでふん尿被害をもたらす。猟友会の捕獲では間に合わず、篠山市はこのほど、講習を受けた市民が箱わなを設置できる「市アライグマ・ヌートリア防除実施計画」を策定した。(上田勇紀)アライグマは本来、北米大陸に分布。一九七〇年代ごろからペットとして日本に持ち込まれ、雑食性と繁殖力の強さから全国に広がった。丹波地域では二〇〇三年度に篠山市で初めて捕獲されて以降、捕獲体制の整備もあって急増=グラフ(狩猟分を除く)。本年度十月末までの捕獲は篠山市二百十九匹、丹波市九十四匹。農作物被害額は昨年度、把握しているだけで篠山市約八十六万円、丹波市約四百三十七万円だった。国は〇五年に外来生物法を施行し、市町村による防除実施計画の策定が可能になった。県内では〇六年から始まり、同年十月の丹波市、今年十月の篠山市を含め、三十市町で進んだ。篠山市ではこれまで、市の委託を受けた約八十人の市猟友会員が、被害の連絡を受けてから箱わなを設置。だが、市が保有する五十基のわなでは追いつかないのが現状という。同計画の策定を受け、今後は講習を受けた市民も箱わなを設置することが可能になる。来年二月ごろに設置方法の講習会を開く予定で、篠山城跡の外堀などに出没するヌートリアも同様に対策する。ただ、市は財政難から新たに箱わなを購入せず、市民が設置する場合は自己負担とする方針で、どれだけ設置が進むかは未知数となっている。一方の丹波市では、市民が箱わなを設置することはできないが、市猟友会向けに新たに箱わなを購入。一匹三千円の報奨金を出し、成果を上げている。森林動物研究センター(丹波市青垣町)の宇佐川元巳専門員(56)は「アライグマの足跡は長さ十数センチの人の手のような形をしているのが特徴。見かけたら急増しないうちに早めに対策することが重要」と指摘している。
(ニホンカモシカ道路脇で食事中:山梨)
取材先へ向かうため、23日午後1時半ごろ八ケ岳南麓(ろく)に延びる県道八ケ岳高原ラインを車で走っていると、標高1200メートルほどの高地で道路脇で草を食べる特別天然記念物、ニホンカモシカを見つけた。山梨の県獣でもある。名前は「シカ」だが、分類上はウシ目ウシ科。ずんぐりとした体つきで黙々と草をほおばる姿はまさにウシだ。しかし、健脚を持ち、ヤギのように急斜面を軽やかに歩く。ニホンカモシカは好奇心が強い動物で、20メートルほどまで近づいても逃げる様子もなかった。レンズを向けると「何かご用ですか。食事中なんですけど」と言わんばかりに、こちらを見つめ続けた。

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12/23
(狩猟免許の取得推進:石川)
石川県などの中山間地域を中心に、イノシシなどの鳥獣被害が深刻化していることを受け、農水省は対策を強化する。市町職員の狩猟免許取得を推進するのをはじめ、田畑への侵入を防ぐ柵(さく)や捕獲ワナなどの費用を補助する。県内では昨年度、イノシシによる農林被害額が過去最高となっており、農水省では総合的な対策で被害軽減を図る。来年度予算の財務省原案に二十八億円が盛り込まれた。被害防止計画を策定した全国の市町村が支援対象となる。イノシシやツキノワグマなどによる被害は、里山の荒廃などを背景に増加している。一方で、これまで鳥獣捕獲を担ってきた猟友会の会員は全国的に減少傾向にあり、自治体職員や農林水産業の関係団体職員に狩猟免許取得を促すことで、マンパワーを確保する。被害防除では、犬を活用した追い払いや、牛の放牧などによる緩衝帯の設置も進める。農水省では、イノシシなど捕獲した鳥獣の適切な処分を推進するため、地域資源として活用するアイデアも提供したい意向だ。
(エアガン発売の社長釈放)
東京都北区の遊戯銃製造会社「タナカ」の社長(64)が銃刀法違反(拳銃加重所持)容疑で逮捕された事件で、東京地検は22日、社長を処分保留で釈放した。社長は全面的に容疑を認め、警察に協力して出回ったエアガンを回収すると誓約しており、地検はその推移を見極めて最終処分を決めるという。 タナカは本物の拳銃に相当する殺傷能力を持つ「カシオペアモデル」と呼ばれるエアガンを7月に発売。社長は同モデル867丁を本社に所持した疑いで12月2日、警視庁に逮捕された。 社長は逮捕直後は否認していたが、地検によると、「金属弾を詰めれば発射可能で、殺傷能力があったとの認識はあったが、強行してしまった」との趣旨の供述をしているという。警視庁は、社長のほか、従業員、設計者らを武器等製造法違反容疑で継続捜査する方針。 出荷済みのカシオペアモデルは、銃刀法に違反するため、全国の警察署で回収を受け付けている。
(猿出没相次ぐ:長野)
諏訪市湖南大熊で20日朝に住民の女性が猿に足をかまれてけがをした事態を受け、市は近く、木になったままだと集落に猿をおびき寄せてしまう柿の実や、家の外に置いてある野菜などの撤去を促す文書を配布する。一方、11月下旬に住民が猿にかまれる被害があった茅野市宮川安国寺区の住民有志らは21日、実のなった柿の木の伐採や枝払いをした。湖南大熊と宮川安国寺区に挟まれた諏訪市中洲神宮寺では先週、猿の目撃情報が相次いだため、諏訪市農林課が19日に捕獲用のおりを設置している。市の文書は今週中に湖南大熊、中洲神宮寺の両地区計千戸余に配布する。湖南大熊で女性がかまれて以降、市内の猿の目撃情報は同課によると▽20日午後、中洲神宮寺の民家の屋根▽21日午前、大熊の柿の木の上▽同日午後、大熊の民家の庭先-などがあった。一方、茅野市宮川安国寺区では21日、有志ら約80人がのこぎりやチェーンソー、なたを手に作業。「落ちるぞー」と声を掛け合って注意しながら枝を切っていった。増木雅行区長(69)は「猿の対策に大勢の区民が協力してくれて、ありがたい。2度と被害が起きないよう、今後も見回りなどの活動を続けていきたい」と話していた。安国寺区では11月23日、女性3人が2匹の猿に足をかまれるなどの被害が発生。同27日、諏訪猟友会員らが銃で捕殺を試みた後はしばらく目撃されなかったが、区によると今月19、20日に区内で姿が確認されている。
(農作物守れ サル対策“用心棒犬”:大分)
農作物への被害を防止する「サル追い払い犬」の訓練が津久見市内で行われている。全国的には長野や兵庫、高知県などで例があるが、県内では初めての試み。市内ではミカンなど農作物に対する鳥獣被害が多く、被害額が二〇〇七年度はイノシシ約二百七十万円、シカ約二百万円、サル二百三十万円、鳥類約八十万円の計七百八十万円に達した。このため農業従事者や地区代表、猟友会、鳥獣保護員、農業委員などで「市鳥獣害防止対策協議会」(会長・岩崎倖市農業委員会長)を結成して対策を協議してきた。その結果、サルについては四浦半島の西部から市街南東方面を中心にした十一自治区を対象に、追い払い犬候補を募集。十一月に警察犬の訓練士により適性検査が行われ、五匹が選ばれた。訓練は今月から週一回のペースで、市役所近くの市営グラウンドで行われている。一匹約三十分ずつの時間割で、基本的なしつけから、サルに対する闘争心を呼び起こす練習などを重ねている。市内千怒、農業小手川洋邦さん(54)が参加させている愛犬の「くう」(雌二歳)は最初、訓練での指示方法に戸惑っている様子だったが、練習とともに動作が次第にきびきびとなった。小手川さんは「サルを追うのと、犬のしつけの両方に効果がありそう」と話していた。来年三月には五匹を対象に、成果テストが予定されている。
(イノシシ神社付近の森にすみ着く:三重)
名張市蔵持町芝出の稲荷神社付近の森にイノシシがすみ着いていると住民から市に通報があり、同市は22日、捕獲用の檻(おり)を設置した。イノシシは2頭いるとみられ、市は「出合い頭に突進してくることもあるので、むやみに近づかないでほしい」と注意を呼びかけている。17日に通報があり、19日に市職員らが確認したところ、イノシシが田やあぜ道を掘り起こした跡や、2頭分の足跡が見つかった。この日、市猟友会と市職員ら4人が檻を2基設置。市内の4小中学校や区長を通じて、周辺地区住民に啓発用のチラシ計約1200枚を配布した。けが人や農作物への被害は出ていないという。
(野生動物との戦い:長野)
1年ぶりに信州へ戻り、また野生動物のニュースにかかわることになった。06年はツキノワグマの里への大量出没が大きな問題となったが、今年の焦点はニホンジカだった。赴任した諏訪地方でも、車で山中の道を走ると、よくシカを見かける。それだけ生息密度が高いのだろう。諏訪市の霧ケ峰農場では、農家が「牧草や作物が狙われる」と訴えた。高原ではニッコウキスゲの食害が目立つ。下諏訪町の御柱の森も、南アルプスのお花畑も、食害による惨状が広がりつつある。クマやサル、イノシシを含め、近年は大型哺乳(ほにゅう)類の増長が著しい。県は昨年11月、野生鳥獣被害対策本部を設置し、行政が地域を支援する形で各地で被害防除作戦を開始した。山岳地帯も同様だ。そうしたことから、今年は「野生動物との戦い」が本格化した年と言えそうだ。それにしても、なぜ彼らは勢力を増やしたのか。農山村の過疎・高齢化、里山の荒廃、狩猟者の減少、温暖化……。要因は幾つも挙げられる。つまり、彼らにとっては好適な環境に変わったのだ。ただ実は、歴史を振り返ると、野生動物の数は江戸時代も多かった。それが、明治から大正に狩猟全盛期を迎え、数が大きく減った。そして昭和にかけては「歴史上、例がない動物が少ない時代だった」と専門家は言う。動物たちは回復した。一方、人の側は「限界集落」の名に表されるように、農山村で止め難い衰退が進む。「戦い」は、長く困難な道を歩む覚悟がいる。
(シカ食害 根底にある林業不振:奈良)
吉野の大台ケ原や弥山(み・せん)の広葉樹林では、「ディアライン(ブラウジングライン)」が目につく。立ち上がったシカの口が届く範囲の木の葉が食べ尽くされ、横一線に見える現象だ。とにかくシカが増えすぎている。下草が食べ尽くされ、皮をはがされた木が枯れる。森林は保水力を失って土砂崩れを起こし、下流の都市も災害の危険が増しているが、山奥のことだけに都会には伝わりにくい。ある林業家が嘆く。「大企業から『社会貢献活動で植樹をしたい』という話が最近、よく来るが、本当は間伐に協力してほしい」。植樹してもすぐにシカに食べられ、結局、育たないからだ。シカが増えた根底には、林業の不振がある。外国産木材の輸入が増え、国産材の価格が低迷し、山林に入る人が減った影響が大きい。専門家らは「国産材は外国材と比べて高くない。むしろ、住宅建設が『工業化』した影響が大きい」と言う。柱や梁(はり)を工場で加工し、建築現場では組み立てるだけという方法だ。そのためには、小さな産地が分散する国内より、均質な材木を大量に輸入した方が手っ取り早いというわけだ。先日、こんな話を聞いた。最近、兵庫県のあるホテルは団体客を大広間ではなく、小部屋に分けて食事させることにした。大広間だと、魚を同じ種類、大きさにそろえないと客から不満が出るので、大都市の市場から大量に仕入れてきた。だが、「これでは地元の新鮮な魚を食べてもらえない」と考え直したという。首都圏に行くと、郊外に広がる画一的な住宅群にため息が出る。一方、奈良は築100年以上の風格ある住宅が珍しくない。自然との調和を考えると、多様な木材の性質を読み取り、それを組み合わせて家を建てる「適材適所」という「匠(たくみ)の技」を取り戻す時代が来ている気がする。
(サルサル大作戦始まる:長野)
茅野市安国寺区は、11月下旬から猿が出没し、区民がかみつかれたりする被害が出たのを受け、集落内にある柿の木や枝を切り、餌となる実を片付けた。約80人の区民有志と市、県諏訪地方事務所の職員が21日、協力して作業し、猿が寄り付かない環境を整えた。 「サル(猿)サル(去る)大作戦」と銘打ち、塚屋、中の沢、平、小町屋の4部落ごと取り組んだ。事前に、区民から自宅庭や畑などにある柿の片付けを希望するかを聞き取り。所有者立ち会いのもとで枝を払ったり、根元から伐採し、柿の実を処分した。区内では捕殺を試みた11月27日以降も4件の目撃情報があり、今月中旬に、関係機関・団体による再度の緊急対策会議を開催。引き続き捕獲を目指すとともに、猿が寄り付かない集落づくりを進めていく方針を決めた。増木雅行区長は「区民が何とかしなければいけないと危機意識を持ち、協力して取り組んでくれた」と感謝。猿のほか、イノシシやニホンジカによる農作物被害も出ていることから、県の森林税を活用した里山整備を検討し、人間と野生獣の生息域を分ける取り組みを進めたいという。県諏訪地方事務所林務課によると、安国寺では今月12日を最後に目撃情報は寄せられていないが、その後、同区に近い諏訪市神宮寺、大熊で出没が相次いでいる。

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