<射撃ニュース11月>

10/7
(深刻な鳥獣被害、わな猟で“自衛”:大分)
イノシシやシカなどの鳥獣害対策として「わな猟」の免許を取得する人が増えている。猟銃の狩猟免許を持つ人が減少傾向にある中、中山間地で依然として深刻な鳥獣被害を解決しようと、農林業者が“自衛”のために取るケースが増えているようだ。県も事前の勉強会を増やすなど、免許取得を支援している。わな猟は県知事の許認可事項。県森との共生推進室によると、本年度は10月6日時点で255人が免許を取得。10月に試験が1回残っている状況で、前年度の計198人を上回っている。特に50~60歳代の取得者が目立つという。狩猟の中心である第1種銃猟免許を持つ人は、1976年には約8500人いたが、徐々に減少して昨年は約3000人になった。「長崎で起きた銃乱射事件を受けて運用が厳しくなった上、一から始めようとすれば費用も掛かる」などが減少の理由という。一方、わな猟は銃猟に比べれば簡単に取得できるため、昨年の免許所持者は約2200人に増えた。わな猟には、鉄柵などで扉の開いた箱を造り、イノシシなどを餌で中までおびき寄せ、仕掛けに触れると連動して扉が閉まる「箱わな」や、ばねとワイヤを使って獣が足を踏み入れると、輪が閉まって足を縛る「くくりわな」などがある。取得者が自前で購入したり、市町村が貸し出す制度もある。県によると、2007年度は県内で約1万7千頭のイノシシを捕獲したが、うち64%がわな猟によるもの。宇佐市猟友会理事の須崎昇さん(60)は「見回りなどの手間を惜しまず、本格的にやれば銃猟より効率がよく、安全性も高い。農林業の被害を防ごうと、農家の女性が取得する例もある」と説明する。県も本年度から狩猟試験向けの勉強会を年4回から6回に増やした。同推進室は「わな猟の強化は鳥獣被害対策のポイントの一つ。取得者が増えているのは心強い」と話している。
(サル被害に住民泣く:兵庫)
兵庫県香美町小代区で農作物を荒らすなど野サルによる被害が深刻化している。同町は有害鳥獣対策協議会を立ち上げ、猟友会によるパトロールや畑を囲う電気柵の設置など対策を講じてきたが、サルは学習能力が高いため、対策が「いたちごっこ」になっているのが現状。地元では人身被害を懸念する声も上がっており、住民に不安が広がっている。同町の獣害による農業被害は年々増加。2008年度被害面積は17・92ヘクタール、同被害金額は2740万円で、ともに06年度の約1・4倍に増えた。とくに学習能力の高いサルによる小代区の被害は深刻で、新しい対策を実施しても効果があるのは、サルが対処法を学習してしまうまでのわずかの間だけという。小代区に住み着くサルは約70匹の群れで、集落をエサ場にしている。集団で畑に出てきては作物を食い荒らし、食べ物を目当てに民家に侵入することもたびたび。畑で多数のサルに囲まれたり、追い払おうとして逆に威嚇されたりした人もいて、「高齢者や子どもたちが、いつ襲われるのか分からない状態」と住民の不安は募っている。同地区ではロケット花火や訓練された「サルぼい犬」による追い払いのほか、地元猟友会のメンバーによる捕獲も行われているが、サルは猟友会が巡回する地域を避けて活動しており、対処策だけでは限界がある。このため、町は「集落を餌場にしていることが問題」として、餌となる畑の野菜や生ごみなどからサルを締め出すよう集落全体で対策を講じる必要性を訴えている。10月下旬には町が推奨し、設置費用の3分の2が補助される電気防除柵についての説明会を開催する。実際、09年度に畑のサル用電気防除柵の導入に集落全体で取り組んだ実山、新屋、秋岡の3地区では被害が減少。特にサルの移動ルート上にあり被害の大きかった実山地区では「サルが素通りする」と住民からの評価も上々だ。町有害鳥獣対策協議会の中村能章副会長は「小代の農家は高齢者がほとんど。サルが出なくなるのが先か、農家がいなくなるのが先か、このままでは分からない」と指摘。その上で「サルを山に戻し、すみ分けをするという方針も分かるが、本音を言えば一網打尽にしてほしい」と要望している。
(シカ、適正数の30~50倍:宮城)
県と石巻市、女川町で組織する「牡鹿半島ニホンジカ対策協議会」は、同半島の幹線道路沿いで9月末の夜間に行った生息数調査の結果をまとめた。調査は、半島部の幹線道路(延長184キロ)を13エリアに分け、山側に照明を当てながら5台の車両に分乗した職員が光るシカの目で頭数を確認するライトセンサス法。その結果、雄51頭、雌325頭、子43頭の計419頭を確認した。生息密度は1平方キロ・メートル当たり164頭で、環境に影響を及ぼさない適正な頭数とされる3~5頭の30~50倍にも上った。今年3月の同様の調査で計507頭を確認しており、今回は88頭少ない計算になる。ただ、市農林課は「枯れ葉で見通しの良い3月とは違い、枝葉の繁茂で奥行きまで確認できなかった」と条件の違いを説明した。沿道では、ニホンジカと車両が衝突する事故も多く、2007年度33件、08年度は53件と増加傾向だ。同協議会は「広範囲に出没して農作物への被害も増えている。調査結果を分析して被害対策に手を打ちたい」と話している。
(遊休桃園に牛、イノシシ被害への効果期待:大分)
県北部振興局は今月に入り、三光桃で知られる中津市三光の平林桃団地の一角に牛を放牧した。遊休農地を活用した「おおいた型放牧」の一環で、11月まで続ける。平林桃団地での桃栽培は、88年に始まった。当初7軒の農家が計6・8ヘクタールで桃の栽培をしていたが、現在5軒で3・1ヘクタールに激減し、遊休農地が増えた。このため、イノシシが遊休農地をすみかなどにして、既存の桃園の桃を食い荒らす被害が激増。平林果樹生産組合の金色昭次組合長は「多いときは、イノシシに1日50~60個食べられることもあり、今回の実験に期待しています」と話す。1日、県畜産試験場から借りてきた黒毛和牛2頭を、荒れた桃園跡(80アール)に放した。雌牛は妊娠中で、早速、伸びた雑草をモリモリ食べ始めた。1日1回、ふすま(小麦の皮)をやるだけという。農地は、電流を通した柵で囲っている。おおいた型放牧は02年にスタート。休耕田などに牛を放し、シカやイノシシなどの獣害防止や雑草を食べさせ雑草の繁茂を防ぐとともに、遊休農地管理の省力化のため始めた。北部振興局管内では、08年にも、中津市山国町や宇佐市院内町の山間部の休耕田でテストした。
(「どけろ、これで熊をやったんだぞ」、「やり男」を逮捕:宮城)
手製のやりで農作業中の男性3人を脅したなどとして、宮城県警加美署は6日、暴力行為法違反の疑いで、同県加美町の無職、渋谷茂夫容疑者(58)を逮捕した。渋谷容疑者は「間違いない」と容疑を認めており、「やりは以前、山でクマに襲われたことがあり護身用に作った。仕事がなくイライラしていて当日は酒に酔っていてよく覚えていない」などと供述しているという。同署によると、渋谷容疑者は4日午後1時45分ごろ、同町下野目久保田中の国道347号を、やりのような棒を持ち、自転車で走りながら、稲刈り作業中だった20~50代の農作業中の男性3人に対して立て続けに、やりを突きつけるなどして、「どけろ、これで、クマなんぼでもやったんだぞ」などと怒鳴りつけ、脅迫した疑いがもたれている。被害にあった男性の1人が110番通報。県警はヘリコプターを出動させるなどして捜索。渋谷容疑者がピンクのワイシャツを着ていたことなどから、聞き込みなどから近くに住んでいた渋谷容疑者が浮上した。やりは全長157センチで太さ3センチ。木の棒に刃渡り11センチの包丁が付けられていたという。

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10/6
(シカと勢子格闘、角切り:宮城)
石巻市金華山の鹿山公園で4日、恒例の「鹿(しか)の角切り」が行われた。勇ましい神事に、訪れた多くの見物客が歓声を上げた。金華山黄金山神社(奥海聖宮司)などで組織する角切り行事委員会の主催。地元の鹿友華角会(内海隆司会長)に所属する約20人の勢子(せこ)が、赤い旗でシカの群れを追い立てながら、「十字投げ縄」と呼ばれる仕掛け縄をシカの角をめがけて投げて捕獲した。シカは、神官に水を飲まされて落ち着いてから、のこぎりで角を切り落とされ、再び野山に放たれた。角切りは、秋の発情期を迎えた雄シカの角が鋭くなるため、黄金山神社参拝客の安全に配慮し、1963年から毎年実施されている。11日も午前10時と午後1時の2回実施され、2日間で計約30頭の角を切るという。
(人間の逆襲、対イノシシ「秘策」とは)
イノシシなど野生動物の被害の話は、秋のワイドショーでよく見るネタだが、「ある自治体のオドロキの秘策がいま注目を集めています」とVTR前に上宮菜々子アナ。いったいどんな秘策なのかと視聴者的に期待も高まるなか、いかめしいナレーションと仰々しい太字のキャプションに乗って、カメラは佐賀県武雄市へ。イノシシに畑を食い荒らされて困っているという同市は、イノシシ処理加工センターを建て、獲ったイノシシ肉を出荷することにしたというのだ。出てくる料理は、イノシシの石焼きにソーセージ、スモークハムなど、結局そう代わり映えしないところに落ち着いた。すっかり羊頭狗肉的な展開である。「でも、そんなにいるの?」。ジャーナリストの鳥越俊太郎は、ビジネスとして成立するほどイノシシの数がいるのか、安定供給できるのかと疑問を呈する。そこで「イノシシを飼育すればいい」などと本末転倒な思いつきのコメントで締めくくり、視聴者は一層の脱力感に悩まされる事態となった。
(ペットのクマ、飼い主の37女性を殺す:アメリカ)
米ペンシルベニア州ロス・タウンシップの37歳女性が4日、飼っていたアメリカクロクマに殺されたと、同州の警察が発表した。クマは近所の住民に射殺された。警察によると被害に遭ったケリー・アン・ウォルツさんは、体重158キロのクマを飼育する、4.5メートル四方のコンクリート製敷地内に入ってエサをやり、掃除をしていたという。ウォルツさんは敷地内にアメリカクロクマのほか、許可を得てベンガルトラやアフリカライオンを飼育していた。ウォルツさんが個人的に所有する施設として定期的な検査も受け、これまで傷害事故などは起きていなかった。
(クマ襲撃、九死に一生:徳島)
9月19日に観光客ら9人がクマに襲われた岐阜県高山市の乗鞍岳で、阿波踊り「娯茶平」連長の岡秀昭さん(68)=徳島市下助任町1=がクマに襲われて1カ月の重傷を負っていたことが5日、分かった。岡さんは最初に襲われたとみられるが、いち早く逃げ出して病院で手当てを受けていたため、警察発表の負傷者9人には含まれていなかった。岡さんは妻治子(はるこ)さん(63)と2人で乗鞍岳を観光。午後2時半、ひだ丹生川乗鞍バスターミナルに到着した。タクシーを降りて1人で風景を写真に収めていたところ、突然クマが姿を現し、自分の方に向かってきた。必死で7、8メートル逃げたが追いつかれ、背後から飛びかかってきたという。「大きなくぎで打たれたような感じの激痛が走った」。左肩から脇腹にかけてと左足のひざ下をツメで引っかかれていた。一撃を受けた後、とっさに1メートルほど横に跳んで逃れた。この後、クマは近くの観光客らを次々に襲っており、「しばらくはクマのなすがまま。地獄絵図のようだった」と恐怖を振り返る。助けに来た治子さんとともにその場を脱出。出血がひどく、タクシーで上高地の診療所まで行き、止血や消毒などの処置を受けた。岡さんは現在も通院を続けており、今も傷口からは血がにじんでいる。まだ痛みもあるが、九死に一生を得て、「阿波踊りのための体力づくりが役に立った。でも山はこりごり」と苦笑いしている。
(県がモンキードッグ導入を支援:青森)
県議会は5日、一般質問を行った。むつ市が昨年8月に導入し、サル被害対策に効果を挙げているモンキードッグ事業に関し、津軽半島でもサルの農作物被害が拡大していることなどを受け、県側は市町村の導入拡大を支援していく方針を示した。山内正孝議員(民主)の質問に答えた。
(四万十川沿い、秋の味大集合:高知)
四万十川沿いの秋の味覚をそろえた四万十川流域観光物産展が4日、四万十市右山の「物産館サンリバー四万十」の駐車場で開かれ、家族連れらでにぎわった。四万十市と津野、梼原、中土佐、四万十町の5市町などでつくる観光振興連絡会が主催。04年から四万十町の「道の駅あぐり窪川」や「道の駅四万十とおわ」で開いてきた。梼原町キジ生産組合はキジ肉や大根、ゴボウなどを煮た「きじ汁」を無料で振る舞い、1時間足らずでなくなる人気を呼んだ。四万十町のJAしまんとは窪川ポークの串焼きを提供。中土佐町の上ノ加江漁協は、9月26日に漁獲解禁になったばかりの生きたイセエビ50匹を持ち込んで「伊勢エビ汁」を販売した。津野町は久保川みそなど、四万十市は焼きたてのクリや天然アユなどを売った。

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10/5
(アライグマ県内で急増:香川)
香川県内でアライグマの捕獲数が急増している。2008年度の捕獲数は64匹で、06年度に比べて約5倍となり、農作物や家屋の被害も県内全域に拡大。他県では、農作物被害が数年で100万円程度から2千万円以上に膨れあがった例もあり、県みどり保全課は「天敵がいない上、繁殖力も強い。早急に手を打たないと取り返しが付かなくなる」と危機感を募らせている。アライグマは北米原産。国内では70年代に放送されたテレビアニメの影響で人気が高まり、ペットなどとして輸入された。外見はタヌキと似ており、表情も愛くるしい。ただ、気性は荒く、手に負えなくなった飼い主が捨てたり、逃亡するなどして野生化し、全国で徐々に増えたと見られている。同課によると、県内で初めて捕獲されたのは99年。以降、毎年数頭で推移していたが06年度に13匹、07年度に33匹に増え、08年度には64匹に。農作物の被害額も05年度の90万円から08年度は452万円となった。被害例では、モモやブドウ、スイカなどを食い荒らすケースが多い。一方、人家や納屋などの天井裏や床下をすみかとするため、排せつ物による異臭や夜中に走り回る騒音の相談も増え続けている。生息域は、ため池や川などの水辺を中心に広範囲にわたり、「ため池が多い県内は生息しやすい環境にある」(同課)。実際、被害地域は当初、高松市の牟礼町や庵治町に集中していたが、既に高松市南部やさぬき市、三木町、三豊市などにも広がっている。被害の拡大防止には、地道な捕獲以外に方法はなく、県は今夏、全市町に外来生物法に基づく防除計画を策定するよう要請。捕獲従事者の確保や捕獲技術の向上などに乗り出した。同課は「生息数が少ない今を逃せば手遅れになる。市町や猟友会、農家などと連携し、小回りの利く捕獲体制を整えたい」としている。アライグマは特定外来生物に指定され、輸入や飼育が原則禁止されている。
(金華山の角切り神事:宮城)
石巻市の牡鹿半島東側に浮かぶ霊島・金華山黄金山神社で4日、境内の鹿山公園に放たれている「神鹿(しんろく)」の角切り神事が行われ、訪れた観光客らの目を楽しませた。同島には現在、500頭を超すシカが生息。うち約120頭が神鹿として境内の公園に放たれ、観光客らにエサをねだるなど人慣れし、人気を集めている。ところが「恋の季節」を迎えると雄シカの気性が荒くなり、観光客らに危害を与える恐れがあることから、毎年この時期に角を切り落としている。神事は、事前に捕獲したシカを境内の角切り場に4~5頭ずつ放ち、十数人の勢子(せこ)たちが独特の「十字投げ縄」を使って捕獲。神官が角を切り落とす。中には素手でシカを取り押さえる勢子もおり、見物客を沸かせた。
(雪減りシカ急増、食害すすむ尾瀬)
「今年はニッコウキスゲの大なり(当たり年)なのに、東半分はまったく駄目だった。こんなに極端に違うのは初めてだ」尾瀬国立公園の玄関口にある福島県檜枝岐(ひのえまた)村の平野信之教育長(52)は湿原の異変に首をかしげる。ニッコウキスゲはユリ科の多年草。尾瀬沼東岸の大江湿原は、当たり年の7月には一面が黄色のじゅうたんのようになる。ところが、昨年はほとんど花が咲かなかった。遅霜の影響はあったが、それだけではない。ニホンジカの食害だ。今年は幸い、湿原の西側は黄色のじゅうたんが戻ったが、東側は花がまばらだった。福島大4年の吉田和樹さんが8月に実施した調査では、最も被害のひどい場所では3割以上が、葉の半分や根際まで食われていた。雪解け後の芽出し時期に多く食われていたとみられ、食害の程度は葉先のみ、葉の半分、花、実などさまざまだ。8月、研究者らでつくる福島県尾瀬保護調査会が湿原の核心部・尾瀬ケ原に入った。山小屋が集まる見晴(みはらし)地区では木道のすぐ脇で、真っ黒な土があらわになっていた。シカが立ち入り、掘り起こしたためだ。足跡や草がなぎ倒されたシカ道がいくつもある。シカが繰り返し通った道に周囲の水が流れ込み、沢のようになっている。環境省によると、大江湿原は96年にシカ道が確認されて以来、毎年増え、08年度は面積の2%がシカに荒らされていた。見晴地区は06年以降、木道の両側に荒らされた跡が目立つようになった。シカはもともと平野部にすむ動物だが、明治以降の乱獲と開発で減り、山に逃げた。国は狩猟を制限、拡大造林の伐採地が一時的に草原化してシカの餌場になった。さらに、天敵のオオカミは絶滅、ハンターも減少し、苦手な雪も減りシカが増え始めた。尾瀬もかつてシカはいなかったとされる。95年に初めて目撃され、現在では300頭まで増えたという。どこから来たのか。環境省がシカにGPS(全地球測位システム)を装着して追跡すると、隣接する栃木県・奥日光に戻っていたことが判明した。奥日光は91年ごろにシカの食害が目立ち始めた。秀峰、白根山(2578メートル)では、群生していた数千もの青紫色のシラネアオイがほとんど消えた。ササ類も食い尽くされ、代わりにシカが好まないマルバダケブキ、ハンゴンソウが著しく増えた。宇都宮大の調査では、植生が変わりチョウの種類は80年代の69種から96年の26種に減った。その白根山のシカもふもとで増えて、餌場を探してあがってきたとされる。日光でシカが植物に与える影響を調べている元高校教諭の長谷川順一さん(72)=宇都宮市=は「このままでは、あっという間に貴重な動植物が消えてしまう」と嘆く。
(クマ来ないでね!住民らカキの木切って対策:兵庫)
クマを呼び寄せないように、管理できていないカキなどの木を伐採する取り組みが4日、香美町村岡区柤岡と熊波であった。両集落の住民に、県が募集したボランティア12人も協力。約20本を切った。県の調査では今年、山のドングリ類は大豊作で、集落へのクマの出没は少ないとみられるが、関係機関は「油断せず、注意を徹底してほしい」と訴えている。柤岡では、住民7人と京阪神や播磨などのボランティア「獣害レンジャー」、町有害鳥獣対策協議会、県、町職員らが参加した。事前に了解を得ていたカキの木を北但西部森林組合員が伐採。住民らが細かく切って軽トラックに運び込んだ。家の敷地内の木を切った女性は「残念だが、住んでいるのは年寄りばかり。最近は収穫もしておらず、数年前から伐採を考えていた」。レンジャーの一人、県立大学大学院生関香菜子さん(23)=丹波市=は「獣害の研究をしているが、地域の方の話を聞いて勉強になった」と話した。香美町では昨年、村岡区和池でカキの木を伐採。2006、07年度と各18件の目撃情報が昨年度は6件に激減しており、今回は柤岡、熊波が伐採に取り組んだ。柤岡の岸本正人区長は「対策を行政にばかり頼るのではなく、自分たちでも取り組むきっかけにしたい。今後も対策を続ける」と話していた。県森林動物研究センターの調査では、今年のコナラやブナ、ミズナラの実りは6段階の最上位で、過去5年間で最もよいという。ただ、県や町などは、人が山に入る際には音を出すことや、既にカキの実の味を覚えたクマも多いとして、早めの収穫を呼び掛けている。

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10/3
(宮島サル捕獲1号、新天地へ:広島)
廿日市市宮島町の弥山などに生息するニホンザルの捕獲を進めている広島観光開発(廿日市市)は4日、捕獲第1号のサルを日本モンキーセンター(愛知県犬山市)へ移送する。サルは推定20歳以上の雌。厳島神社に近い民家の庭のクリを食べるために出没していた。9月23日朝、庭に設置した小型おりで捕まえた。4日午前にモンキーセンターへ陸送する。宮島ロープウエーを運行する同社は1962年、観光と研究目的で島外からサル47匹を移入した。その後、半ば野生化し約140匹に増加。人への危害や文化財被害が懸念されるため、同社とモンキーセンターが5年計画で島内のサル全匹を捕獲することにした。小型おりは単独行動のサルを捕獲するため9月上旬から設置。12月には大型おり(約10メートル四方、高さ約2メートル)を設け、餌付け後に捕獲を本格化する。
(キジ被害、外来種繁殖:沖縄)
伊是名村に本来生息していなかったコウライキジが繁殖し、農作物に被害を及ぼしている。村などによると、当初は個体数が少なかったことから大きな被害はなかったというが、近年、概数で1000羽以上になっているといい、被害が拡大している。村は、キジの卵を回収して繁殖を防ぐ対策を立てているが、抜本的な解決となるかは不透明で、今後のさらなる被害拡大が懸念されている。村とJAおきなわ伊是名支店によると、キジは10~15年ほど前から増え始めたというが、どこから入ってきたか、誰が持ち込んだのかなどは分かっていないという。数の増加に合わせ、4、5年前から被害や苦情の報告が増えてきたという。被害が大きい農作物はタマネギやカボチャ、トウガンなど。被害額の試算は出していないが、多いところで畑の作付けの半分が食べられて出荷できない状態になっている農家もあり、深刻な状況になっている。JAはこれまでにも防鳥ネットや警音装置、風車などを設置し対策を取ってきたが、キジが次第に慣れてしまい効果は限定的だった。効果的な対策がなかなか取れず、対応に苦慮しているのが現状だ。村の担当者は「被害が広がっているのは確実。県とも協議中で、昨年あたりから本格的な対策を検討してきたが、取りあえず春先に産む卵を回収し増加を防ぐという方向で考えている」と話した。
(田畑荒らすイノシシなど一網打尽:千葉)
田畑や果樹園を荒らし、農作物に大きな被害を与えるイノシシやシカを一網打尽にしようと、君津市は大型の囲いワナによる捕獲作戦を11月から始める。ワナの中に置いたエサでおびき寄せ、イノシシやシカが中に入ると逃げ出せなくなる仕掛け。本州では珍しく、成果が注目される。房総半島のイノシシは数十年前に絶滅したと言われていた。しかし、狩猟目的で放したイノブタが代を重ねて祖先返りし、野生化したイノシシが急激に増加。今では君津、夷隅地方の房総丘陵などに生息している。君津市ではイノシシによる農作物の被害が毎年約1300万~2000万円にも上る。イノシシの捕獲数は94年度はゼロだったが、04年度の290頭から年々増え、08年度は1310頭が捕獲されている。シカも人間が木の伐採や下草刈りで山に入らなくなるにつれて増加。果樹を食べ枯らすなど毎年40万~70万円の被害が出ているため、年間約300頭を捕獲しているという。大型の囲いワナは、君津市旅名の山間部の休耕田に250万円で設置する。漏斗(じょうご)状に囲ったワナは、金網の延長が約150メートル。約1500平方メートルで2、3カ所の入り口を設け、中にエサを置く。イノシシやシカが先端部に進むと逆走はできず、一度入ると出られない仕組み。イノシシは突進力が強いため、暴れても耐えられる強度を持たせ、シカの跳躍力を考慮して金網の高さは2・5メートルにするという。
(レミントンの猟銃が登場するゲーム)
米老舗銃器メーカー、レミントン・アームズ(Remington Arms)は2日、任天堂(Nintendo)の家庭用ビデオゲーム機「Wii」向けゲームソフトに同社の猟銃を登場させるため、米ゲームメーカー、マスティフ(Mastiff)と提携していることを明らかにした。マスティフは狩猟をテーマにしたゲーム「Remington Great American Bird Hunt」を10月に発売する。マスティフはすでに「Wii」向けハンティングゲーム「Deer Drive」を販売しており、近く同じく「Wii」向けにアウトドアをテーマにしたゲーム「Shimano Xtreme Fishing」も発売する予定。レミントンは散弾銃、ライフル銃、銃弾などの製造で知られる。
(食害深刻:埼玉)
手塩にかけた農作物を食い荒らす「害獣」の被害が収まる気配を見せない。相手は、イノシシ、ハクビシン、アライグマ、サルと種類が多く、食害や行動のパターンはまちまち。県は2006年度からアライグマ対策に力を入れるものの、全体の被害額はさほど減らない。今年はイモ畑でイノシシが暴れ回り、食べ頃のブドウやカキ畑でも大被害の兆候が表れている。自治体からはこんな報告も上がる。「お年寄りの農耕意欲がなくなっている」県内で野生動物の被害が最も激しい秩父地方。丘陵地にある横瀬町の農業八木原章雄さん(63)の畑には、サル、イノシシ、シカ、ハクビシンなどが続々と出没する。柵やワナも仕掛けるが、この夏、約5アールのブルーベリー畑の1割がハクビシンなどにやられた。「年に1回の作物。やられると本当にがっかりする。このままでは一帯の農地放棄が進みかねない」。八木原さんはため息をつく。秩父市大滝の70歳代の女性も「畑が一晩でやられた。もう作る気になれない」と訴える。7月の地元特産「中津川いも」の収穫期を前にイノシシが大暴れ。被害が7割にも上った農家もあった。県や市町村、猟友会などでつくる秩父地域鳥獣害対策協議会が先月に開いた初幹事会でも、横瀬町の職員は、「ほぼ全域で被害が発生し、耕作意欲もなくなってきている」と報告した。県のまとめによると、こうした野生動物たちの「捕獲」総数は、01~05年度は2000頭前後で推移していたが、06年度から3000頭台になり、昨年度は5065頭と過去最高を記録した。アライグマとハクビシンの対策強化が要因だ。特にアライグマについて県は、06年度から特定外来生物法に基づく「計画捕獲」を実施。昨年度に捕獲された1767頭(前年度比832頭増)の94%を占める。ハクビシンも01年以降、捕獲が毎年増え続け、昨年度は974頭(同543頭増)。シカとイノシシを抜いた。しかし、昨年度の農業被害は9259万円で、07年度より450万円ほどしか減らなかった。アライグマ被害は1181万円減って285万円、ハクビシン被害も863万円減の450万円と抑止される中、サル被害は逆に3626万円増え、6341万円に上った。野生動物たちの好みは多様だ。イノシシはイモや果物、水田で暴れ回ることもある。シカは樹皮だけでなく、タケノコやワサビも食べる。アライグマやハクビシンは、ブドウやスイカ、トウモロコシなどが好物だ。「被害を防ぐには、頭数を管理し、農地に近づけない工夫も必要」と指摘するのは、県農林総合研究センター中山間営農担当(秩父市)の古谷益朗・担当部長。古谷部長らは02年度から08年度にかけ、生態がよく分かっていないハクビシンに発信器をつけて行動を調査。雄・雌とも別々のねぐらを複数持つことや、餌場までの移動には側溝などの水際を好み、水の中にフンをする行動パターンなどをつかんだ。ワナの仕掛け方や、農地に近づけない対策などに生かすという。秩父市もこの春から、群れで行動するサルの生態を利用した撃退法を試行している。捕獲したサルに電波発信器を付けて放し、畑に近づくと花火で威嚇するというやり方だ。被害は県全域に広がっている。小川町産業観光課によると、秋口になり、アライグマやハクビシンによるカキ被害が目立ってきた。県春日部農林振興センターは「アライグマ、ハクビシンによるブドウなどの果樹被害が3年くらい前から現れた。被害が減っている感じはない」とする。上尾市農政課の担当者は先月中旬、JA職員と一緒にブドウなど計16か所の果樹畑を調査した。半数が被害に遭っていた。職員は危機感を募らせる。「うち1か所は畑全体がやられていた。今年は昨年よりひどいことになるかもしれない」
(人の食料がクマ誘う:北海道)
根室支庁羅臼町の知床半島先端付近で先月下旬、ヒグマがテントの中の食料を食い荒らしたのを受け、環境省釧路自然環境事務所は、知床岬へのトレッキング利用の自粛要請を決めた。「クマが人の食料の味をしめた可能性がある」との判断からだ。実は現場では7月にも、同様の被害が報告されていた。8月には現場近くで威嚇射撃の中をハンターに近づいたクマも目撃されており、地元ではクマの行動の変化を指摘する声も出ている。同事務所は「クマの特性、性格の変化を監視していかねばならない」と話している。今回の被害は9月25日、知床岬の手前約5キロの「念仏岩」と呼ばれる地点であった。クマがテントの一部をツメで破り、レトルトカレー、コーンスープの素などを食い荒らしたという。道外の女性がテントを置いて、徒歩で知床岬までを往復している間の出来事だった。同事務所などによると、女性は、利用者のルールである「知床半島先端部地区利用の心得」(08年1月、知床国立公園利用適正化検討会議策定)が強く求めている、クマから食料を守る携帯保管容器「フードコンテナ」を使用していなかった。これが被害を引き起こした最大の要因と考えられている。念仏岩は、岩肌が海岸付近でえぐれて大きな洞穴になり、屋根の代わりになるため、トレッキングやシーカヤックで知床岬へ向かう人たちの野営ポイントになっている。クマが人の持っている食料の味をしめ、テントなどに執着している可能性があるという。同じ場所で7月22、23両日にも、トレッキングで知床岬を目指していた男性2人が野営中、食料を荒らされていた。同町などによると、2人は知床岬への往路も帰路も狙われた。2人はクマに襲われないように、離れた場所の岩の下に食料を隠していたが、その岩が動かされ、食われていたという。今回、テントを荒らしたクマの仕業ではないかとみられている。このほかにも、知床岬付近の海岸にある番屋(漁業用の作業小屋)近くで作業する人に頻繁に接近したり、海岸に一時的に置かれたクーラーボックスの近くをうろついたりするクマもいる。これらのクマの中には、ハンターが追い払おうとして、威嚇用の轟音(ごうおん)弾を繰り返し撃ち込んでも、おびえる様子を見せず、山の斜面の草むらから海岸に下りて近づき、ハンターらを接岸中の船に退散させるものまでいる。このような状況に、同町内の半島先端付近では、6月に1頭、8月に3頭を駆除した。今年度の同町でのクマの有害駆除数は、既に過去10年で3番目に多い13頭に上っている。ハンターに近づくクマについて、地元住民の中には、環境省が半島先端付近で冬に行っているエゾシカの駆除(密度操作実験)で、撃たれたシカの一部が回収されていないこととの関係を指摘し、「銃声の方向やハンターのそばに行けば、労せずに『ごちそう』が手に入ると、クマが学習したのでは」と推測する人も出ている。知床の自然保護に取り組む知床財団では「駆除したシカはクマのごちそう。クマが学習している可能性はある。しかし、確かめる方法がない。ただ、クマが人に慣れてきているのは知床だけの問題ではない」とみている。環境省釧路自然環境事務所の則久雅司・統括自然保護企画官の話 7月のケースは確実にクマだと特定できなかったが、今回はクマの足跡が確認できたため、自粛要請を決めた。(銃声に近づくクマがいると)地元のガイドから聞いているが(シカ駆除との)関係は分からない。クマの特性、性格の変化をしっかり監視していかねばならない。《知床半島先端部地区利用の心得》 「ヒグマのすみかにおじゃまする」を基本理念に、地元関係団体、学識経験者などで構成する「知床国立公園利用適正化検討会議」が08年1月、合議した。トレッキングやシーカヤック、釣りなどで立ち入る者に対し、自然保護やリスク軽減の観点から、留意すべき事項や禁止事項を定めている。冊子とパンフレットが知床地域のビジターセンターや公共施設で配布されている。
(ニホンジカの食害急増:徳島)
徳島県内の中山間地で、かつては保護獣だったニホンジカの食害が急増している。2008年度の農作物被害額は前年比37%増の2570万円。1位のサル2972万円や2位のイノシシ2665万円に迫る勢いで、鳥獣被害総額の30%近くを占めるようになった。被害面積も10年足らずで30倍と、急激に拡大している。個体数の急増に駆除が追いつかず、生息域が人里にまで広がっているためとみられる。県農山村保全対策室によると、シカによる農作物被害は01年度で111万円。被害地域も那賀、海部の0・4ヘクタール程度だった。05年度以降、被害が深刻になり、剣山山系を越えて美馬、三好の県西部でも食害が報告されるようになった。08年度の被害面積は12・3ヘクタールでサルの9・2ヘクタールを抜き、最も大きいイノシシの13・9ヘクタールに次ぐ広さ。市町村別の被害額は那賀町が2041万円と突出している。次いで美波町の158万円、海陽町85万円、阿南市70万円、牟岐町62万円、つるぎ町57万円の順。那賀町では、特産「木頭ゆず」の樹皮や葉が食われ、立ち枯れした木が目立つ。他市町では水稲や野菜が被害を受けている。シカの推定生息数は、県が調査した05年時点で1万2570頭。その後も生息数の増加に衰えは見られず、適正数の8100頭を少なくとも5000頭は上回っているという。このため餌を求めて人里に下り、田畑を荒らすようになったとみられる。県は07年度から、年間3800頭を捕獲して適正数に減らす5カ年計画を始めた。しかし、30年余り前に6千人いた猟師は2400人ほどに減少。高齢化も進んでおり、近年で最も捕獲数が多かった08年度で3100頭と計画を下回っているのが現状で、生息数の増加に捕獲が追いつかなくなっている。対策室の川崎陽通室長は「シカはサルやイノシシに比べて繁殖力が強く、生息数の増加は予想を上回るペース。駆除は限界にきており、効果的な対策が見当たらない」と頭を抱えている。那賀川中流の那賀町朴野地区。全国でも指折りの品質で知られる「木頭ゆず」の産地だ。段々畑には収穫目前の青い実を無数に付けたユズの木々。その幹は根元から1メートル余り、ことごとく皮がはがされ、丸裸になっている。「シカを見ない日がないくらい。とにかく数が多くなった」。朴野の農業清水克洋さん(53)は変わり果てたユズの木を前にため息をもらす。50アールのユズ畑が、シカの食害に遭い始めたのは3年前の夏。皮をむかれて、葉を食べられたユズの木は樹勢が衰える。栄養分が行き渡らないため、実は小ぶりになるという。父の代からユズを作り始めて40年。「畑にシカが下りてくるなんて想像もしなかった」ひと晩で30本以上の木が被害を受けたこともある。たまらず畑を取り囲むように2重に防護ネットを張った。しかし、シカはネットの下をくぐったり、飛び越えたりして侵入してくる。500本のユズのうち2割の100本が食われ、30本が枯れた。枯れた木は伐採し、新しい苗木を植える。苗木もまたシカに狙われる。シカ対策には費用がかさみ、ユズ栽培をあきらめた農家もある。町内では700戸の農家が90ヘクタールでユズを栽培。「木頭ゆず」のブランドで関東や関西市場に毎年約1350トンを出荷している。全国トップ級の産地を揺るがす食害。JAあなんの田中覚販売第2課長(44)は「ほとんどの農家が食害に苦しんでいる。生産量の減少は避けられない」と困り果てた表情を見せた。

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10/2
(津野の猟銃死傷、被告に懲役25年を求刑:高知)
07年12月に津野町で起きた猟銃殺傷事件で、隣人ら2人を死傷させたとして殺人や殺人未遂などの罪に問われた津野町芳生野丙、農業、西森茂広被告(57)の論告求刑公判が1日、高知地裁(伊藤寿裁判長)であり、検察側は「犯行は殺意に基づくもので極めて悪質」として懲役25年を求刑した。弁護側は心神耗弱状態だったとして「発砲は故意や殺意に基づくものではない」と無罪を主張した。判決は来月30日。検察側は、「散弾銃を発砲するには、一定の操作を要する。無意識に発砲されたとは考えにくい」などとして殺意を持って故意に発砲したと指摘。「犯行の行動や動機は合理的」とし、完全責任能力があると主張した。弁護側は「多量の飲酒による複雑酩酊(めいてい)状態での犯行だった」と心神耗弱状態を主張。「被告人に被害者らを死傷させるような理由は見当たらない」と反論した。
(シカ肉バーガーを試作:長野)
上田市小泉の半過地区住民有志らが、上田地域で駆除されたシカの肉と、区内で採れたトマトやタマネギといった野菜を使ったハンバーガーを試作している。地元の親水公園「川の駅」で17日に開く交流イベント「秋穫祭」で振る舞う。地域を活性化する材料として商品化できたら-との声も上がっており、地域の食材を生かそうと意気込んでいる。県上小地方事務所林務課によると、管内のシカの食害や捕獲頭数は増加傾向。昨年度は個体数調整(駆除)と狩猟で計1116頭が捕獲された。半過地区でも農作物の食害の報告があるという。ハンバーガーには、半過地区に住む猟友会員が市内の山で捕ったシカの肉を使う。精肉店で加工し、区内の女性たちが調理。「子どももお年寄りもなじめるように」と味付けや形状などのアイデアを出し合っている。半過公民館で30日夜に開いた初の試食会では、シカ肉のミンチにニンニクを練り込んだり、甘めの「照り焼き風」に味付けしたりしたハンバーグを用意。バーガー用のパンのほか、米と小麦粉で作った郷土食「こねつけ」のような「うすやき」に挟んで食べた。高校生や自治会役員らの参加者からは「においを消すソースがあった方がいい」「シカ肉だと分かるように味付けは控えめでいいのでは」「子ども受けするのはパンを使った方」といった意見が出ていた。秋穫祭実行委員長の石井功夫さん(69)は「幅広い年代で考えている面白い企画。何とかうまくいくようにしたい」と話していた。秋穫祭は午前10時から。ウオーキングやクイズ大会、もちつきなども予定している。
(女性警部補が拳銃を誤発砲:大阪)
府警は1日、関西空港署の女性警部補(37)が署内で訓練中に拳銃を誤って発砲したと発表した。けが人はなかった。同署によると、警部補は同日午前10時半ごろ、署内の道場で、計5人で映像を使った射撃シミュレーション訓練の準備をしていた際、約3メートル離れたスクリーンに向かって誤って実弾1発を発射した。弾はスクリーンを貫通して壁に当たり、約14メートル跳ね返った。警部補は「弾を抜いたと勘違いした。空撃ちするつもりだった」と話しているという。訓練では、実弾の代わりにレーザー光線を発射する模擬弾に入れ替え、指揮官が確認する手順になっていたが、訓練は正式に始まる前だった。浜地正宏副署長は「拳銃の取り扱いに慎重を期すよう指導徹底し、再発防止を図りたい」と話している。
(NHKディレクター、不発弾4発持ち帰る:北海道)
NHK旭川放送局(北海道旭川市)の男性ディレクターが先月、美瑛町の農家に残されていた不発弾4発を同局に持ち帰り、約2週間にわたって保管していたことが1日、わかった。4発のうちの1発には信管が残っており、自衛隊がすべて回収した。同局は「軽率な行為だったと言わざるを得ません。今後、このようなことがないように指導徹底します」としている。NHK札幌放送局によると、ディレクターは今年2月から、美瑛町の自然と農家の営みをリポートする番組を制作するため、地元の農家を取材。同町で旧日本陸軍が演習を行い、農家の一人が不発弾4発を納屋に保管していることを知り、「持ち帰って撮影したい」と申し出た。9月15日に放送局に不発弾を持ち帰ったが、撮影などはしないまま保管。その後、不発弾を渡した農家が「安全かどうか調べてもらった方がいい」と申し出たため、9月29日に道警に相談。その日のうちに自衛隊が調べ、1発に信管が残っていることが判明した。火薬類取締法では、爆発の危険性がある火薬類について、法令などで認められていない場合は所持してはならないと定めている。
(バードストライク対策のパトロール始まる:鹿児島)
鳥が航空機のエンジンなどに衝突して事故の原因となるバードストライクを防ぐため、霧島市の鹿児島空港に1日、銃器などで鳥を駆除する専門職員が配置されパトロールを始めた。全国で18空港目。鳥獣駆除の許可を持つ航空保安協会の職員4人が、車で定期的にパトロールし、散弾銃の空砲で脅すほか、必要な場合は実弾で駆除する。爆音を出す機械も新たに設置された。これまでは、運航情報官が駆けつけ、大きな音の出るクラッカーで追い払っていた。同空港では航空機の離発着が一日約200回あり、ここ数年は年30~40件のバードストライクが発生。一昨年はトビが滑走路に居座り約40分間離発着ができなくなった。空港事務所の高橋英昌次長は「たった1羽の鳥でも運航に大きな影響を与える。パトロールで被害は半減すると聞いており効果を期待したい」と話した。
(ニホンオオカミはく製“里帰り”:岩手)
県立博物館(菊池慧館長)の企画展「野生動物と生きる~岩手のシカとクマ~」は、三日から同館で開幕する。鹿角製装飾品やマタギの秘伝巻物など気仙からも貴重な資料が多数展示。この中には、絶滅したニホンオオカミのはく製も〝里帰り〟する。国内では三体しかなく、注目を集めそうだ。企画展では、ニホンジカやツキノワグマの知られざる生態を紹介。東北の人々の生活と文化に表れるシカとクマの存在をたどりながら、現代に生きる私たちが野生動物と共存する意味と方策をさぐる。主な展示資料は、ニホンジカの親子とエゾジカのはく製、シカの一生分の角標本、ツキノワグマの胎児から成体までの標本、シカ・クマの全身骨格、ニホンオオカミのはく製、シカとクマの生態写真・映像など。このうち、ニホンオオカミのはく製(東京大学農学部蔵)は、明治十四年(一八八一)に購入された岩手県産のメスのニホンオオカミとされる。大船渡市日頃市町鷹生の大倉沢で捕獲されたとも伝えられている。ニホンオオカミは明治の早期に絶滅したため、はく製は世界に四体しかなく、うち三体は東京大学農学部と、国立科学博物館、和歌山県立自然博物館にある。岩手県立博物館の藤井忠志学芸第三課長によると、県博では「北の鉄文化展」(平成十二年)「北東北三県共同展」(同十九年)以来の展示となるが「ニホンオオカミのはく製標本は大変貴重で、今後の展示公開はよほどのことがない限り難しいのでは」と話す。気仙関係の資料のうち、大船渡市立博物館蔵の鹿角製装飾品は縄文晩期の下船渡貝塚から出土したもので、太い鹿角の基部を使用、表に複雑な模様を刻んでいる。シカの一生分の角標本は、同市日頃市町の伊藤悦次さんが、二十年間にわたって飼育したシカ(ピー太)の落角標本。同町の休石昭一さんの「鹿皮なめし機」は、今回はじめての公開で、県内唯一のものではないかと注目されている。マタギに関する資料としては、住田町上有住の紺野茂忠さん所蔵で、五葉山檜山に伝承されていた「山立根本之巻奥書」も特別展示され、狩人と野生動物とのかかわりを知るうえで関心を呼びそうだ。企画展は、十二月六日まで。期間中、企画展に関連した秋期セミナーも開催される。

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10/1
(クレー射撃、内紛影響せず無事終了)
日本クレー射撃協会の新旧執行部が役員人事をめぐって対立しているため、日本体協は今大会のクレー射撃の競技実施を条件付きで特例措置として認めたが、混乱もなく無事に終了した。競技委員長を務めた日本協会の安藤理事は「何も問題なかった。対立は関係なしに大会をやるという共通認識だったので」と話し、大江事務局長は「新執行部になってから初の大きな全国大会。自信になったと思う」と語った。
(クレー射撃の中山、重圧に耐える)
クレー射撃トラップの中山は開口一番「疲れました」。出番前に茨城がトラップとスキートの合計で総合優勝が狙える状況だと分かり「相当重圧がかかった」という。第4ラウンドは8回目から3回連続で失敗したが、北京五輪4位の実力者だけに大崩れしない。21点にまとめて総合優勝に貢献し「よく耐えた」と自賛した。ロンドン五輪でのメダル獲得を目標に、一人娘を育てながらマイペースで競技に取り組む30歳。「まだまだ成長できる段階だと思う。自分に期待感がある」と目を輝かせた。
(野生動物管理で協定、農業被害に対応:栃木)
野生動物による農業被害などが深刻化している状況を受けて、栃木県と宇都宮大、東京農工大は30日、野生動物の管理に関する人材養成と研究推進についての包括連携協定を結んだ。宇大とは「里山野生鳥獣管理技術者養成プログラム」を通しての人材養成、農工大とは「総合的な野生動物管理システムの構築」の研究を宇大とともに行う。人材育成プログラムは、里山の鳥獣害対策として、野生動物の管理を担う人材を養成する。宇大農学部付属里山センターは既に、「地域鳥獣管理プランナー」と「地域鳥獣管理専門員」の養成コースの受講生を募集しており、3日には同学部で説明会を開く。野生動物管理システムの構築については、野生動物問題の解決に向けて、生態学と社会科学を融合した研究を行う。県庁で行われた締結式には、宇大の進村武男学長や農工大の小畑秀文学長らが出席。福田富一知事が「近年はイノシシによる農業被害が顕著で、その解決が喫緊の課題」と両協定への期待を語ると、進村学長も「三者協定で、事業がスムーズに進むのではないか。大学としても感謝している」と応えた。
(遺品整理中に拳銃発見:福岡)
東署は30日、東区内の住宅から回転弾倉式拳銃1丁を押収したと発表した。03年4月に亡くなった祖父の遺品を娘(51)が整理していたところ、タンス内から木箱に入った拳銃を発見、29日に届け出た。同署によると、拳銃は米国製。32口径の5連弾倉で全長13センチ。100年ほど前のものとみられ、旧日本軍の護身用拳銃の可能性が高いという。弾はなかった。同署は「こうした銃が自宅に眠っている場合も、銃刀法違反に当たるケースもある。旧軍用拳銃の回収に協力してほしい」と注意を促している。
(全獣種向け防護柵設置:滋賀)
イノシシやシカ、アライグマやハクビシンなど大小あらゆる野生動物の侵入を防ぐため、滋賀県は今月から、全獣種対応型の防護柵「獣塀くん」の設置試験を、同県甲良町正楽寺で始めた。複数の獣種による被害に悩む農家が多い中、現場試験で防除効果を確かめてから普及に移す。「獣塀くん」は、山梨県総合農業技術センターが開発した。出没する獣種に応じて柵を改造できるのがポイント。設置方法は、まず農地の周囲に敷いた防草シートに、漏電防止のための絶縁用の畦(あぜ)波板を載せて固定する。ここに高さ約2メートルの支柱を1.5メートル前後の間隔で立てる。柱の間には上下60センチ幅の金網を、地際に張り巡らす。この上にも約40センチの間隔を空けて、同一規格の金網を同様に張る。上下の金網とも電極はプラスにしてある。支柱の最上部にはプラス極の電線2本を横に配線。上と下の金網の間にも電線3本を同様に配列する。3本の電線の真ん中はプラス極にし、残りの2本はマイナス極にする。この電線の内側に防鳥ネットを張れば完成。柵の高さが2メートル近くあるので、跳躍力のあるシカでも飛び越えられない。ハクビシンやテンなどが金網の網目をくぐり抜けようとすれば感電する。猿が支柱を伝って電線の間をくぐり抜けようとしても、電気ショックと防鳥ネットが行く手を阻む。設置試験を始めたのは今月1日から。これまでイノシシやシカに田畑を荒らされてきた。同地区長の若林勝さん(66)は「作っているカボチャは、これまでは一度も人の口に入らなかった。それが今年は収穫できた。侵入した様子は見られない」と喜ぶ。ただし、「柵があるので、ロータリーで耕うんできる範囲はやや小さくなる」と話す。設置コストは1メートル当たり1000円ほど。ただし、シカが出ない場所では上の金網を、猿が出ない場所では最上部の電線を外せば経費が減らせる。同県湖東農業農村振興事務所は「支柱についても細いのと太いのを交互に使えば、いくらか経費を安くできる」としている。
(市街地にシカ“定住”:北海道)
帯広市の西町公園(西16南2)に、たびたびエゾシカが出没している。市に寄せられる目撃情報は1カ月以上続き、園内の草を食べながらすみ着いているようだ。捕獲が難しく危害を与える心配も少ないことから、市はしばらく見守る考えだが、注意を呼び掛ける看板を設置し、文書を配布するなど、住宅街周辺に突如現れた“住民”への対応に追われている。
(獣害ネット、効果や耐久性を調査:福井)
坂井市の土木用繊維メーカー「前田工繊」が、獣害対策ネットの開発に取り組んでいる。同社は30日、試作したネットの効果や耐久性を調べるため県の許可を得て若狭町安賀里の県営嶺南牧場に取り付けた。ネットは網目の結節点も編み込むことで通常のものより頑丈にして、紫外線による劣化を防ぐ工夫も凝らしている。シカは金網など固いものには体当たりをして破壊しようとする性質があるといい、柔軟性と耐久性を備えたネットの開発を進めていた。同牧場には10年ほど前からシカやサルが出没するようになり、最近は牧草の1~2割が食害に遭っている。試作のネットは牧場内にある牧草地の一角に高さ2メートル、長さ約240メートルに渡って設置された。獣害は雪解けの春先が最も多いといい、尾澤宏朗牧場長は「よく工夫されているので期待している」と話していた。
(「シカ肉バーガー」試作:長野)
上田市小泉の半過地区住民有志らが、上田地域で駆除されたシカの肉と、区内で採れたトマトやタマネギといった野菜を使ったハンバーガーを試作している。地元の親水公園「川の駅」で17日に開く交流イベント「秋穫祭」で振る舞う。
(「クマはぎ」被害解明へ:和歌山)
県林業試験場(和歌山県上富田町)は10月から、田辺市龍神村の市有林で、ツキノワグマがスギやヒノキの樹皮(甘皮)をはぐ「クマはぎ」被害の本格的な実態調査に乗り出す。今年6月、自動撮影カメラで、クマが移動している姿の撮影に成功しており、研究員は「県内では初めての調査。クマの生活史の一部を解明したい」と話している。昨年11月に田辺市から「木が枯れているので見てほしい」との調査依頼があり、調べた結果「クマはぎ」であることが分かった。15メートル四方で状況を調べたところ、計28本のうち18本が被害を受け、3本が枯死していた。県内ではこれまでにわずかな被害があったが、大規模なものは初めてだった。奈良県の報告では、1度被害のあった所で再び「クマはぎ」が起こるという事例があることから、ふるさと自然公園センター(同市稲成町)の鈴木和男さんの協力で今年5月18日~6月19日、被害現場のスギ林(約3000平方メートル)に自動撮影カメラ12台を設置した。その結果、6月1日午前9時すぎにツキノワグマの成獣が歩いている姿をとらえた。このほか、ニホンカモシカやテンなどの野生動物も映っていた。今年は「クマはぎ」被害の報告はまだない。今後は新たな被害木の発見、つめ跡や体毛などの確認をする現地調査に加え、自動撮影調査も引き続き行う。前回は等高線に対して横方向にカメラを設置しており、今回は縦方向に設置する予定。何時ごろ、どのようにして「クマはぎ」が行われるか確認したいという。同試験場の栗生剛研究員は「クマは希少動物なので共存できる山づくりを考えたい。身近な所で皮はぎ被害があれば、連絡してほしい」と呼び掛けている。県自然環境室によると、紀伊半島のツキノワグマは環境省のレッドデータブックで「絶滅の恐れのある地域個体群」に分類されており、和歌山県では「絶滅危惧(きぐ)1類」として保護されている。推定される頭数は、紀伊半島全体で180頭程度、県内には約20頭が生息しているとみている。
(野鳥餌やり、今季も中止:山形)
白鳥の飛来シーズンを前に「酒田市白鳥を愛する会」(池田昭三会長)は30日、今シーズンの餌やりを昨冬に続き中止すると決めた。鳥インフルエンザを懸念しての措置。同日開かれた市との意見交換会で断念した。「愛する会」は例年、酒田市の最上川スワンパークで白鳥やカモ類に餌やりをしてきた。雪に覆われた川岸で水鳥が観光客らから餌をもらうシーンは酒田市の冬の風物詩として長年続いてきただけに、2年連続の中止に池田会長は「残念。でも仕方ない」とがっかりした様子だった。監視小屋は11月に設置。また観光客らが立ち入らないようにロープを張る。監視小屋は、餌やり中止が水鳥にどう影響するか観察するためという。「愛する会」が日中、常駐する。白鳥は日本に約8万羽が飛来し、うちスワンパークは毎年1万羽という。全国有数の飛来地には毎年30万人の観光客らが訪れる。しかし07年、観光客らに餌やり自粛などを要請したこともあって07年度は20万人弱に、昨年度は5000人を切った。

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