<射撃ニュース10月>

10/23
(イノシシ被害に狩猟の役割重要:栃木)
イノシシなどによる里山の農作物被害の現状や、狩猟の必要性などを学ぶ県主催の講座「狩猟で守ろう栃木の自然2009in佐野」がこのほど、市田沼中央公民館で開かれた。県内農作物の被害が年間1億円を超すなど深刻化する一方、ハンターの高齢化が進む中、狩猟免許の取得を促すのが狙い。県南地区の農業委員や関係者ら約100人が参加した。県自然環境課の職員が「今なぜ狩猟なのか」と題して講義し、増えすぎた鳥獣の数を調整するために「森の番人」としてハンターの役割が重要であると訴えたほか、金子徳蔵猟友会安蘇支部長が体験談を披露。「困っている安蘇地区の農家のため、ハンターとなって協力を」と呼び掛けた。山に仕掛けるわなの説明や狩猟免許試験の案内、三好地区で捕獲されたイノシシを使った鍋の試食なども行われた。
(零戦マニア、ミクロネシア沖で銃弾収集し郵送)
ミクロネシア沖の海底から旧日本軍の戦闘機「零戦」の銃弾などを収集し、無許可で日本国内に持ち込んだとして、警視庁は22日、東京都足立区の同区職員の男(41)と埼玉県八潮市の会社員の男(40)ら3人を火薬類取締法違反(火薬類の輸入、所持)の疑いで東京地検に書類送検した。発表によると、3人は今年2月19日、海底で拾い集めた銃弾(長さ約8~18センチ)のうち8発を、火薬類輸入の許可を受けずに、ミクロネシア連邦の郵便局から、会社員の男の自宅に郵送したほか、それぞれの自宅に銃弾計10発を所持していた疑い。同庁幹部によると、3人は小学校からの幼なじみの零戦マニア。今年2月15日から9日間、零戦や艦船が沈んでいることで知られる同連邦チューク州の海域でダイビングし、水深約30メートルの海底に沈んでいた零戦などから、銃弾約120発と操縦席の計器類などを拾い集めたという。3人はこうして集めた銃弾などを段ボール箱に詰め、「コンピューター部品」と偽って国際郵便で会社員の男の自宅に郵送したが、成田空港の東京税関職員が発見し、通報した。同庁が約120発のうち一部を鑑定した結果、8発が破裂するおそれがあることが分かった。3人のうち足立区職員の男は3回、会社員の男も2回、これまでに同海域を訪れ、銃弾などを持ち帰っており、自宅で飾っていたという。3人はいずれも容疑を認めており、「零戦が好きでつい持ち帰ってしまった」と供述しているという。
(戦場ケ原のシカ、来年2月に捕獲へ:栃木)
日光市の戦場ケ原湿原をシカの食害から保護するため実施している環境省の柵内生息調査で、今年度は昨年度と同じ13頭だったことが分かった。環境省は「湿原に大きな影響を与える頭数ではないが、放っておくのは良くない」と判断、市などと協議して、2月にも捕獲する。環境省は01年、約900ヘクタールの湿原に総延長16・7キロのシカ侵入防止柵を設置。その後、国道や河川など、開放部分から侵入しているため、06年度から生息数、捕獲頭数などの調査を進めている。調査は20、21日に行われた。生息頭数は初めて調査した06年度には71頭いたが、調査漏れはあるものの減少傾向にあり、植生も回復傾向にあるという。しかし、専門家からは「生息数はゼロを目指すべきだ」との意見があり、今年度も捕獲に踏み切る。
(モンキードッグ講習会:長野)
人里に出没し、農作物を食い荒らすサルなどを山へ追い返す飯田市で第1号の「モンキードッグ」が活動を始めた。これまでに6、7回、サルを追い払った実績があるといい、市鳥獣被害対策協議会は、モンキードッグの活躍を知ってもらうため、22日に講習会を開いた。このモンキードッグは、雌の雑種「バナナ」(1歳半)。市内の山本地区に1・3ヘクタールの畑を持つ吉沢文隆さん(56)の飼い犬だ。5月まで安曇野市穂高の安曇野ドッグスクールで吉沢さんとともに特訓を受けた。バナナが活動を始めたのは6月。毎日、朝と午後8時ごろ、文隆さんと畑を見て回る。異変があると、オレンジ色のベストを着けて「出動」だ。サルを追い払う時は、引き綱を外すこともある。講習会は、吉沢さん方と周辺の畑を会場にした。鳥獣被害に遭っている他の地区から10人ほどが集まり、ドッグスクールの訓練士から説明を受けた。バナナは、イノシシが餌のミミズを求めて荒らした休耕田で、においを感じ取って激しく動き回り、反応の鋭さを披露した。対策協などは、バナナには活動範囲を広げてもらい、吉沢さん以外もバナナを扱えるようにして、地域ぐるみで有害鳥獣対策に取り組みたい考えだ。吉沢さんは「私もバナナもまだ未熟なので、地元の人たちに協力してもらい、レベルを高めていきたい」と話していた。
(サル、電線渡り逃走劇:岐阜)
各務原市の住宅街でサルの目撃情報が市や警察に相次いで寄せられている。21日には2頭のサルが同市那加門前町の市民公園周辺に出没し、各務原署員や市職員らが捕獲を試みたが、動きの素早いサルは逃走。今のところ被害は出てないが、同署や市は住民に注意を呼び掛けている。同署などによると、今月12日に同市尾崎地区で2頭が目撃された後、先週末から20日にかけては同市那加地区で数件の目撃情報が寄せられた。野生のニホンザルとみられる。21日午前も住民から通報があり、市民公園近くに幼稚園があるため安全を考え、署員や市の担当者らが網やさすまたを手に2頭のサルを追跡した。サルは線路上を走ったり、電線を伝って民家の屋根に飛び移るなど軽快な逃走劇を展開。その後、三井北町などで目撃された。近隣住民らは「アライグマの出没はあったけどサルは初めて」と不安そうな表情だった。同署によると鵜沼山崎町地内でも19日に1頭のサルが目撃されているという。
(ホテルのロビーに野生のシカ:中国)
中国・大連にあるホテルで22日、ロビーに野生のシカが現れた。すぐに動物園の職員が呼ばれ、シカの捕獲作戦が始まった。職員が撃った麻酔銃は見事に命中、シカは驚いて暴れ出したが、すぐに麻酔が効いておとなしくなった。シカはこの後、動物園へ運ばれたという。

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10/22
(エゾシカ生息数調査を21日に開始:北海道)
北海道内のエゾシカ生息数の増減傾向を調べるため、毎年夜間に車で同じルートを走り、ライトで照らして頭数を確認する「エゾシカライトセンサス」が21日、白糠町で始まる。調査は道が1992年から地元猟友会などと協力して実施しており、今年は31日までに136市町村、計160カ所で行う予定。結果は来年春までにまとめ、エゾシカの食害対策や森林生態系の保全に役立てる。道職員らは21日、白糠町内の約17キロと10キロのコースを低速で走行しながら、出没するエゾシカの頭数をチェック。同町での調査は23日まで行う。同町での昨年の調査では、初日に95頭が確認された。
(貨物列車がシカはねる:兵庫)
22日午前5時40分ごろ、JR山陽線有年(赤穂市)-相生(相生市)駅間で、福岡発大阪行き貨物列車(24両編成)が、線路に出てきたシカをはねた。貨物列車は現場に14分間停車、運転士が車両を点検した後、運転を再開した。JR西日本によると、このトラブルで上り快速電車1本が運休。上下13本が4~14分遅れ、約1万7000人に影響した。
(柵内でシカ13頭確認:栃木)
環境省日光自然環境事務所は21日、奥日光・戦場ケ原のシカ侵入防止柵内のシカ生息数を発表した。本年度確認したシカは13頭で昨年と同数。ピーク時の6分の1以下に減った頭数を維持しており、同事務所は「湿原の植生に大きく影響を与える数ではない」とみている。20、21日の2日間、柵内約900ヘクタールを区分けし、1頭ずつ数える「区画法」で生息数を調査した。同様の方法で調査した06年はピークの71頭、07年は27頭だった。戦場ケ原のシカは85年ごろから増え、食害などによる湿原植生の破壊が危ぶまれていた。環境省は01年、総延長約17キロにおよぶ防止柵を設置。柵内に入り込んだシカの7割近くが、戦場ケ原南側の湯川付近から侵入していることも分かり、同地点にも防止柵を設け、06年から捕獲も進めていた。こうした対策が生息数の減少につながったと同省はみており、番匠克二同事務所長は「今の状況を保つためにも今後も関係機関と協議を重ね、対策を継続していく必要がある」と話している。
(美味!脇野沢のぼたん肉:青森)
むつ市脇野沢地区特産のイノシシ肉を使った料理をPRする試食会が21日開かれ、関係者約80人が舌鼓を打った。イノシシ肉を出荷する市脇野沢農業振興公社が、シーズン前の毎年この時期に主催している。会場に並んだのは、昨年までも披露されたぼたん鍋やヒレ肉の刺し身、ラーメン、焼き肉のほか、角切りにしたタンを味付けした新メニューも登場した。関係者は、柔らかくて味にコクのあるイノシシ料理に盛んにはしを伸ばしていた。公社では今年、50頭以上を出荷。11月~来年3月末には直売もする。価格は各300グラムでロース肉2640円、モモ肉2100円など。送料別で取り寄せもできる。

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10/21
(有害鳥獣捕獲で県内初の協定締結:大分)
シカやイノシシによる農林業被害に対処するため、中津市と市内5猟友会・支部は、狩猟期間中の有害鳥獣捕獲に関する協定を結んだ。これまで捕獲奨励金の交付対象でなかった狩猟期間中の捕獲に対して奨励金を出すもので、県内初。調印式が19日、中津市役所であった。中津市では、有害鳥獣による農作物被害が年間約2900万円あり、対策が急務。市によると、協定では、全体捕獲目標はイノシシ、シカ各200匹ずつ。各猟友会・支部ごとに目標を割り当て、狩猟登録者から選ばれた「有害鳥獣捕獲班」のメンバーが捕獲した場合、イノシシ1匹6千円、シカ1匹1万円を出す。期間は2009年11月1日~2010年3月15日まで。式には、猟友会員、関係者ら約40人が出席。新貝正勝市長が「協定によって年間捕獲が促進され、農林産物の被害軽減につながる。安心して生活できる集落環境をつくり、生産意欲を高揚させるように努めていく」とあいさつし、各猟友会・支部の代表と協定書を交わした。猟友会を代表して江島賢治・下毛猟友会山国支部長が「期間中の目標達成に向けて、取り組んでいきたい」と決意表明した。
(クマ捕獲195頭、上限を大幅に超過で狩猟自粛を要請:秋田)
県内で出没が相次ぐツキノワグマの捕獲数が、4〜9月の6カ月間で195頭に達したことが16日、県自然保護課のまとめで分かった。個体数を安定的に保つために県保護管理計画で定めた年間捕獲数の上限112頭を大幅に超過。急激な頭数減少により、同計画で県が掲げる「1千頭台の回復・維持」が危ぶまれることから、県は同日までに県猟友会などに対し、クマ狩猟期間中(11月15日〜来年2月15日)の狩猟活動自粛を要請した。同課によると、本年度の推定生息数は1126頭で、2年連続で1千頭台をキープ。このため県は今春、「安定的な個体群の維持ができる見通しになった」と判断し、同計画に基づき休止していた4〜6月の個体数調整捕獲(間引き)を5年ぶりに再開した。生息数が回復の兆しを見せた一方で、人里への出没は急増。県警生活環境課によると、4月以降の目撃情報は264件(今月12日現在)に上り、統計が残る過去9年間で2番目の多さ。昨年同期の1・4倍となっている。これに伴い、捕獲数も大幅に増加。9月末までに個体数調整で22頭、有害駆除で173頭の計195頭が捕獲され、推定生息数の17・3%に達した。県保護管理計画では捕獲上限を生息数の1割と定め、1千頭台の維持を目標としているため、県は2年ぶりに狩猟自粛を申し入れた。
(鳥獣保護区指定に農家反発:京都)
野生生物の保護を図る京都府の鳥獣保護区指定が難しくなっている。農家などが難色を示すことが多く、今年は2カ所の鳥獣保護区が更新されず、新規指定も計画より少ない1カ所にとどまる予定だ。背景には、鳥獣被害の深刻化と鳥獣保護区へのマイナスイメージがあるようだ。「イノシシがかき回した跡やね」。京都市右京区の山すそに広がる府指定の「宇多野北嵯峨鳥獣保護区」(300ヘクタール)の一角。9月下旬、刈り取り前の酒米田で、地元農家の山田耕司さん(61)が倒れた稲を見せてくれた。足跡も残っている。今年は別の田の一部もイノシシに荒らされ、「精米をしたけど、においが取れず捨てた」。付近ではシカの被害も相次ぎ、田畑には動物の侵入を防ぐための電気柵が目立つ。同保護区は、10月末で現在の指定期間が満了となる。府は「広沢池や大沢池があり、野生鳥獣の生息に適した環境」などとして、更新の考えと意見照会を地元自治会などに伝えたところ、市農協嵯峨支部が農作物の被害多発を理由に反対の意見書を出した。鳥獣の捕獲が禁止される鳥獣保護区でも、農業被害を受けた「有害捕獲」は可能だ。逆に指定が外れても、人家が近いこの地域では自由に猟はできない。だが「鳥獣保護区は動物を守るというイメージがあまりに強く、名称を含め農家の印象は良くない」と府森林保全課の藤井文夫課長。農家側と、更新したい府や日本野鳥の会京都支部などが話し合ったが、平行線に終わった。「鳥獣保護区の意義が十分に伝わっていない側面もある」とこぼすのは、市内の鳥獣保護区を所管する府京都林務事務所の上萩寛林務課長。「鳥獣保護区は生物多様性の一翼を担う制度。訪れる人の認識も変わる。保護区であること自体が大切なのだが…」結局、日ごろから農家と接している市西部農業指導所が「理解を得るには被害対策が大事」と農家側と協議した。被害が出る前の捕獲も検討▽迅速な捕獲許可-を示したことで一定の理解を得たという。学識者らでつくる「府環境審議会自然・鳥獣保護部会」の5日の会合で、府は宇多野北嵯峨鳥獣保護区の更新方針を示した。しかし、10月末で指定満了となる残り5カ所のうち、「園部町るり渓」(南丹市)と「権現山」(京丹後市)両鳥獣保護区は地元の理解が得られなかったとして、更新しない考えだ。11月からの新規指定も、3カ所の計画地のうち1カ所だけを縮小して指定する。昨年度も1カ所が解除されており、府内の鳥獣保護区の面積はここ5年ほど増えていない。同部会長の村上興正・京都精華大講師(保全生態学)は「生態系の重要な構成種として野生生物が安定的に生息できる区域は大切だが、地元に無理強いはできない。鳥獣被害や森林のあり方も含めて考えなければならない」と指摘している。
(五輪射撃会場跡で鉛が基準の3倍超す:埼玉)
県は19日、10年4月に所沢市南永井で開校予定の「県立所沢おおぞら特別支援学校」のプール建設予定地付近から、基準の3倍を超える鉛が検出されたと発表した。現地は1964年の東京五輪の射撃会場だった。検出したのはライフル用の標的が設置されていた付近からで、当時の鉛弾が原因と見られる。県特別支援教育課によると、プール建設の基礎工事のために調査したところ、土壌1キロあたりの鉛の含有量が環境基準(150ミリグラム)の3倍以上の470ミリグラムだった。県が過去にさかのぼって土地の用途を調べたところ、かつてライフル、クレー射撃場(約14万平方メートル)があり、東京五輪会場でもあったことが判明した。県は「おおぞら校」の入・転校予定者130人に状況を説明するとともに、追加検査を実施する。結果によっては土壌の入れ替えなどの対策が必要になる。11月中旬ごろまでに開校時期を延期するかも判断する。
(元県クレー場環境対策を10月下旬に公告:静岡)
静岡県教育委員会は、鉛散弾による環境問題で2004年度末以降閉鎖している元県クレー射撃場について、本年度から環境対策工事に着手する。発注は、浜松土木事務所から10月下旬に制限付き一般競争入札(総合評価方式・標準型)で公告する予定で準備を進めている。射撃場内では、一部で鉛の検出量が高い場所があり、推定で約100㌧を超える残留鉛弾の堆積が予測される。環境対策工事では、鉛弾による土壌汚染に対して掘削回収、選別し、汚染の供給源となる鉛弾を排除するとともに、汚染土壌を鉛分の溶け出しにくい土壌ph値を維持するために、不溶化処理した後に、ベントナイト遮水層と遮水シートによる封じ込め処理する。工事は11年度までの3カ年の施工を予定している。環境対策・回復工事の実施設計は応用地質静岡支店(静岡市駿河区)が担当。また、土地の所有者である浜松市とも協議を進めており、現時点では09~11年度の3カ年で環境対策・回復工事を実施し、12年度以降に環境モニタリング調査などで経過を観察していく方針。1985年8月に開場した元県クレー射撃場は、敷地面積7万3955平方㍍を有する。鉛散弾による環境問題が発覚後、一時休場・環境対策工事などを経て、03年に開催された「NEW!!わかふじ国体」の会場として、52日間のみ一時開場。05年3月に閉鎖し、管理棟などの建物や工作物を撤去し、現在、立ち入り禁止の措置を講じている。これまで、有識者や関係機関で組織する「環境対策検討委員会」を設置し、多角的に対策方法等を検討してきた。
(カラス200羽を追い払うチームとは?:大阪)
カラスによる被害に悩む箕面市が5月に発足させた「動物対策チーム」が、被害報告が多い阪急桜井駅周辺での活動数を8割以上減らすことに成功した。生息調査の結果、カラスの大半が実は隣接する豊中市方面から飛来していたことも明らかに。「捕獲より追い払うのを優先し、大幅にカラスを減らせた」という。市では6~7年前からカラスの被害が報告されるようになった。お年寄りが庭先で与えた猫のえさを狙ってカラスが増え、付近の2本の大木を中心に居着いたという。周辺では鳴き声が響き、ごみ袋が荒らされ、ふんで住宅の軒先などが汚れる被害が相次いだ。5月、市は住宅環境のイメージ低下を防ごうと動物対策チームを結成。カラスの生息場所の確認や道路のふん掃除、まき餌による一斉捕獲などを始めた。結成当初に桜井地区にいたカラスは約240羽。ところが、毎日午前4時から調査を進めていくと、8割にあたる約190羽が箕面に生息しておらず、南の豊中市側から飛来していたことがわかってきた。「えさを取りに行く中継地点になっていた」と、市の橋川勝行専任参事。カラスは早朝に桜井地区まで群れとなって飛来。昼間は大木を拠点にえさを探し、夕方にまた大木に集まって豊中市方面へ戻るという習性だった。ほかの約50羽はこの大木をねぐらにしていた。ハシブトとハシボソのカラス2種が同じ木に生息し、勢力争いのために大声で鳴いていたという。市ではこれまで、カラスの捕獲に重点を置き、追い払うことには消極的だった。「箕面のカラスがほかの地域に逃げたら、そこに迷惑をかける」と懸念したからで、実際に住民からも「カラスを追い払って、ほかの場所に来たらどうするのか」という苦情の電話があったという。しかし、調査結果を受けて、「飛んできたカラスを追い返そう」と決意し、7月から飛来防止の対策を中心に据えた。鏡で日光を反射してカラスに当てて驚かせ、カラスが嫌がるにおいを発する乾燥ヒトデを置いた。効果はてきめんでカラスはどんどん減り、現在は約40羽が飛来するだけに。大木をねぐらにするカラスはゼロになった。「布団が外で干せるようになった」「夏にセミの声が聞こえる」など、住民からも環境の改善を喜ぶ声が寄せられているという。橋川専任参事は「カラスに危険を感じさせ、飛来を防ぐ効果は出ているが、このまま対策を継続してやることが重要だ。ほかの地域でもカラスが増えないよう、啓発していきたい」と話している。
(くくりわな規制解除、鳥獣被害軽減狙い:和歌山)
和歌山県は11月1日の狩猟解禁日から、直径12センチ以内となっていた、くくりわなの規制を解除する。鳥獣による農作物被害が年間3億円以上あり、被害の大きいイノシシとニホンジカの捕獲が狙い。ハイカーらの安全確保のため、注意看板の設置を義務付けている。ツキノワグマの生息域を除く全域が対象。規制はクマを誤って捕獲するのを防ぐため、2007年4月に始まったが、鳥獣害が相次いでいる紀南地方などを中心に「12センチではイノシシが掛かりにくい」と解除を求める声が上がっていた。イノシシ捕獲には25~30センチ程度が適当という。有害駆除では規制がなく、くくりわなによる捕獲が効果を挙げている。クマの生息県で規制解除したのは鳥取や広島に続き5県目。紀南では田辺市龍神村の一部や北山村などがクマの保護地域に含まれ、規制解除の対象外としている。08年度の鳥獣による農業被害は約3億2600万円。うちイノシシが49%、ニホンジカが10%を占めている。
(イノシシ2683頭、捕獲目標上回る:山梨)
県は15日に開かれた09年度イノシシ・ツキノワグマ保護管理検討会で、08年度のツキノワグマとイノシシの捕獲頭数を発表した。イノシシの捕獲頭数は計2683頭。捕獲方法の内訳は▽狩猟1700頭▽有害鳥獣駆除185頭▽頭数調整のために行われる管理捕獲798頭--で、目標数の2500頭を上回った。生息密度は変化していないとみられ、県は09年度の捕獲目標数も2500頭とすることを決めた。また、県内全体に約400頭が生息していると推定されるツキノワグマの捕獲頭数は、有害鳥獣駆除の計24頭(1頭は放獣)で、県が保護管理指針で定めた捕獲頭数制限の40頭を下回った。全国でツキノワグマが大量に出没した06年度の捕獲頭数は96頭だった。個体数は回復していないとみられ、捕獲頭数の多かった北杜市から峡東へと広がる山地では09年度も引き続き、狩猟の自粛を呼びかける。
(五月山動物園のシカ結核死、感染5頭殺処分:大阪)
池田市は19日、飼育していたシカ(雌、2歳)が結核の疑いで死んだため休園中の同市立五月山動物園(同市綾羽2)で、他のシカ5頭が感染していたと発表した。5頭は既に殺処分されており、21日から開園する。死んだシカとともに飼育していた24頭にツベルクリン反応検査を実施し、感染が確認された。同園では12種約80頭を飼育しているが、シカ舎との距離があるため、他の動物への感染の可能性はないという。同園は今後も定期的にシカを検査する予定。飼育員にも検査を実施中で、来週以降に結果が出るという。
(対馬でイノシシが夫婦襲う:長崎)
17日午前8時半ごろ、対馬市豊玉町大綱で、同町田の無職男性(72)と妻(67)がわなにかかっていたイノシシに襲われ、手や足にけが。対馬南署や対馬市消防本部によると、男性と妻が神社近くの野原に仕掛けていた捕獲用のわなを確認しに行ったところ、わなにかかっていたイノシシが暴れだした。イノシシはワイヤ製のわなを切り、男性の左手と妻の両ふくらはぎなどに傷を負わせた後、山林に逃げ込んだ。全長約1・2メートル、体重約100キロで牙があったという。2人は対馬市消防本部の豊玉出張所に駆け込み病院に搬送された。
(イノシシよけ車が線路上に進入:埼玉)
16日午後10時45分ごろ、埼玉県秩父市黒谷の国道140号で、長瀞町の女性会社員(23)の乗用車が道路左側のガードレールに衝突、そのまま約3メートル先の秩父鉄道の線路上に乗り上げ停止した。女性は自力で脱出して無事だった。秩父署の調べでは、現場は見通しの良い直線道路。付近住民からの110番通報で同署員が駆けつけたところ、現場近くの道路左に体長約80センチのイノシシが死んでいた。女性は「前方に倒れているものが見えたのでハンドルを切った」と話しているという。
(クマと車の衝突事故相次ぐ:北海道)
北海道で17日夜、車とクマの衝突事故が相次いだ。クマはいずれも死んだが、運転手らにけがはなかった。道警によると、午後9時20分ごろ、苫小牧市美沢の道道で、横断していた体長約1メートルの子グマを乗用車がはね、子グマは即死した。 約10分後には、上川町東雲の旭川紋別自動車道で、旭川市の男性会社員(36)の乗用車と、体長約1・5メートルの雌のクマが衝突。クマは間もなくしてガードレールの外側で死んでいるのが見つかった。
(北限のサル捕獲86匹、許可数の3割:青森)
国の天然記念物「北限のサル」の被害軽減を目指すむつ市、風間浦村、大間町、佐井村などは20日、「下北半島のニホンザル被害対策市町村等連絡会議」(委員長・五十洲和彦風間浦村産業建設課長)を開き、2月から本格的に始まった大規模捕獲(個体数調整)の進ちょく状況を確認した。4市町村の捕獲数は86匹で、国の許可を受けた270匹の約3分の1にとどまっている。1年間の許可期限が迫っているため、残りの分については再度文化庁に申請を行うことを申し合わせた。
(サル30頭の駆除申請へ:長野)
軽井沢町の有害鳥獣被害予防対策協議会(会長・佐藤町長)が19日、町内であった。昨年度と同様に鳥獣保護区内でニホンザル30頭の駆除を環境省に申請することを決めたほか、ニホンジカによる農業被害の拡大を懸念する声も出た。町によると、今年は人里に出没しているニホンザルの群れの頭数が昨年より増加しているといい、駆除とともに、町職員らによる追い払いを今後も行う。
(エゾシカ”逃走劇”パトカー出動3時間:北海道)
釧路市内で20日、雄のエゾシカ2頭が市街地に迷い込み、約3時間にわたり各地を逃げ回る騒動があった。釧路署員や市職員ら約20人とパトカー7台が出動。幸い事故は発生せず、最後は釧路町北部の釧路湿原へと姿を消した。同日午前9時過ぎ、釧路市駒場町の公園に体長約2・5メートル、年齢2~3歳程度の雄シカ2雄がいるのを同署員が発見。その後、シカは市街地を北東から東方向へ移動。スーパーの駐車場に逃げ込んだり、道路を横断したりと大騒ぎになった。市街地のため麻酔銃が使えず、捕獲用ネットもシカの動きについていけないため、同署員らは車の整理をしながら、人海戦術でシカを郊外へと誘導。正午ごろ、湿原へと追いやり、直線距離で5キロ近くにも及ぶ“逃走劇”は落着した。市内では今年8月にも、繁華街の立体駐車場にシカ1頭が逃げ込む騒ぎがあったばかり。市環境政策課は「湿原に接する釧路でも、シカが市街地をこれほど横断した例は珍しい」と話している。
(鶴岡の散弾銃発砲、54歳男性書類送検:山形)
鶴岡市で今年5月、カラス駆除の散弾が民家に飛び込み、女子高生(18)がけがをした事件で、鶴岡署は16日、同市の男性(54)を業務上過失傷害と銃刀法違反などの容疑で山形地検鶴岡支部に書類送検した。送検容疑は、5月24日午前6時25分ごろ、鶴岡市無音でカラス駆除中、周囲の安全を確認せず散弾を発射。数発が約80メートル離れた民家に飛び込み、女子高生の首に全治1週間のけがをさせた疑い。
(照準は来月15日の狩猟解禁、ハンターたちが腕磨く:岐阜)
狩猟解禁(11月15日)を控え、揖斐川町の揖斐教習射撃場が、射撃練習をするハンターたちでにぎわっている。同射撃場は日本クレー射撃協会公認。飛び出すクレー(標的)を散弾銃で撃つトラップとスキート射場のほか、ライフル射撃場がある。県公安委員会による教習も行われており、週末と祝日を中心に開場。愛知、滋賀、福井県などから足を運ぶ人も多く、年間約2000人が利用している。西濃地域では唯一の射撃場とあって、この時期は猟友会の事故防止研修会が集中。ハンターたちは、銃の正しい取り扱いや射撃時の安全確認など、事故を起こさないための基本動作を繰り返している。西濃地域はシカ、イノシシを追う大物猟が盛んで、遠距離射撃が可能なライフルが使われることが多い。ハンターたちは、100メートル先の小さな標的に向かい、ライフルスコープ(照準眼鏡)で慎重に狙いをつけていた。射撃場管理者の尾村謙司さん(揖斐郡猟友会副会長)によると、クレー射撃や狩猟をする人は年々減り、高齢化が進んでいる。このため、射撃場を取り巻く状況も厳しく、全国で閉鎖される施設が相次いでいる。尾村さんは、動物による農作物の被害を防ぐ有害鳥獣駆除の担い手不足が深刻な問題になっていることに触れ「大学の射撃クラブを普及させるなどして、若手を育てる必要があるのでは」と話していた。
(駆除のウサギを暖房燃料に、愛護団体が反発:スウェーデン)
スウェーデンの首都ストックホルムの市当局が、駆除したウサギの死体を暖房用の燃料にすると発表し、動物愛護団体が怒りを表している。同市の当局者によると、昨年駆除した野生のウサギは6000匹で、今年これまでにも3000匹を殺処分にしているが、下請け業者が死体を燃料として使うことを決めたという。業者は、ウサギの死体を食用に適さないと判断された家畜などと一緒にして、燃えやすい状態にした上で焼却すると説明。動物愛護団体「アニマルライツ・スウェーデン」のスポークスウーマンは、このような行為が人道的で道徳的か疑問だとし、繁殖を抑えるにはオスのウサギを去勢すべきだと提案。「少なくとも、(ウサギを)銃で撃ち殺す代わりに、どのような対策ができるか考えるべきだ」と述べた。
(イノシシ肉商品化へ、サンショウ入りソーセージ:和歌山)
和歌山県海草振興局は16日、サンショウ入りイノシシ肉ソーセージの試食会を、同県紀美野町内で開いた。周辺の市町やJA、猟友会関係者、獣肉加工処理業者ら36人が参加。同振興局管内で年間約1700頭捕獲されるイノシシの有効活用と、生産量が伸びている同町特産のサンショウの用途拡大に向け、ソーセージの商品化について意見交換をした。同町内で取れたイノシシ肉を加工し、サンショウ入りとサンショウなしのソーセージ、それに栃木や山梨の食肉加工業者が販売するイノシシ肉のソーセージ、豚肉ソーセージの5種類を食べ比べた。参加者は「ほかの業者のよりも臭みがない」「サンショウはないより、あった方がおいしい」など、サンショウ入りソーセージは好評だった。今回試作したサンショウ入りソーセージは、販売すれば1グラム当たりに換算すると10円になる見込み。栃木や山梨の食肉加工業者が扱うソーセージは同4、5円にとどまり、試作品は2倍以上のコストになった。同振興局は「安い部位だけをソーセージに使ったり、大きなロットで加工することで価格を下げられる」と提案した。参加者からは「捕獲する時期や場所で味が変わるのではないか」との質問も出た。これに対し、猟友会会員は「確かに味が変わる。とりわけ血抜きは徹底しないといけない」「時期によって脂の量も違うので、ほかの動物の脂を入れ、味を一定に保つ必要があるのでは」などと述べた。
(国道歩道上にイノシシ、猟友会員がその場で刺殺:長野)
19日午前6時ごろ、上田市住吉の国道144号の歩道上で熊のような動物が寝ている-と通りかかった男性が、上田署神科交番に通報した。署員らが確認すると、けがを負いぐったりとしたイノシシだった。現場は神科小学校の通学路で、安全を確保するため上小猟友会員がナイフで死なせた。上田署によると、人への被害は確認されていない。同署によると、イノシシは体長約110センチ、体重約80キロで3歳ぐらいの雄。上田市森林整備課は、近くに血の跡があることから、車にはねられたとみている。現場は上信越道上田菅平インター付近の住宅地近く。同課は「イノシシがこの付近に出没するのは珍しい」と話している。
(ウートリア、厄介もの:愛知)
特定外来生物の大型ネズミが、尾張地方西部や知多半島などの農家を悩ませている。その名はヌートリア=写真。第2次世界大戦中、軍服の毛皮用として飼育が進められたが、野生化し、増え続けている。戦時下の「負の遺産」が今ごろになって厄介な存在になっている。とにかく大きい。しっぽを除いた体長は50~70センチでハツカネズミの7~10倍ある。堤防や土手に直径20~30センチの穴を掘り、決壊させることもあるらしい。国内有数のレンコン産地、愛西市では10年ほど前から食害に遭うようになった。市経済課の担当者は「近年、被害が増えています。特に木曽川が近い旧立田・八開村で目立ちます」と言う。レンコンの場合、5~6月に新芽を食べられ、商品になる根の部分が育たなくなる。稲穂がつく前のイネの茎や根を食べ、露地栽培のニンジンなどもかじる。被害額はまとまっていないが、地元猟友会などが捕獲した数は、07年度に6匹だったのが、08年度は16匹と急増。今年度も9月末現在で14匹を捕まえた。周辺市町でも被害は深刻化しつつある。名古屋市に隣接する七宝町では05年前後から駆除に力を入れ始めた。町経済課は「『ネズミ算式』というぐらいですから、急増しているのでしょうかねえ」と話す。初めて輸入されたのは1905(明治38)年。防寒用の毛皮に最適だったため、軍が繁殖を奨励し、40年代前半には西日本を中心に約4万匹が飼育されていた。だが、敗戦後、処置に困って放たれた。最近では岡山、広島、兵庫県などの西日本を中心に広く見られ、愛知県内では、矢作川以西で確認されている。県自然環境課は「数は把握できていない」と言うが、県内での捕獲数は07年度が382匹と03年度より150匹増えた。生態系や農林水産業に悪影響を与える恐れがあるとして、外来生物法で飼育などが原則禁止されている特定外来生物の一種。県内の捕獲数をみると、ヌートリアは同じ特定外来生物のアライグマをほぼ毎年上回っている。県農業経営課によると、農作物への被害も増加傾向にある。昨年度、県内の市町村から報告された被害は45ヘクタール、約2700万円。04年度より12ヘクタール、約900万円増えた。昨年度の動物別の被害額をみると、ヌートリアはイノシシ、サル、シカに次いで4番目に多い。自然環境課は「アライグマより生息数は多いでしょう。捕獲するなどして、これ以上増えないよう注意する必要がある」と話している。ヌートリア:ネズミ目ヌートリア科。南米原産。ドブネズミのような体つきで、灰褐色の体毛に覆われる。国内に住むげっ歯類では最大の大きさ。泳ぎが得意で河川や沼地などの水辺に生活する。年に2~3回、1回で平均5匹の子供を産む。成長が早く生後6~7カ月で成熟する。
(野生サルが一人旅?:兵庫)
野生とみられるサルが東播各地に出没している。13~16日に警察に寄せられた目撃情報は27件。特徴などから、県や各市町は同一のサルとみている。一番近いサルの群れの生息地から30キロ以上離れており、単独で“長旅”をした可能性があるという。稲美町、加古川市を抜け、高砂市を西進中とみられ、関係者は「すみかの山に早く帰ってほしい」と気をもんでいる。加古川、高砂両署への通報記録などによると、サルは13日午前7時ごろ、稲美町野寺で最初に目撃され、その後、加古川市平岡町▽同市別府町▽同市尾上町-に出没。13日夕から15日昼までは、同市別府町新野辺周辺で14件の目撃情報が集中した。同地区には、広い敷地に雑木林が茂る民家があり、ここが根城になったとみられる。居座られると困るとあって、加古川市農林水産課は猟友会に依頼し、中にバナナを入れた捕獲箱を仕掛けた。その後サルは西進したらしく、16日午前には高砂市役所近くに現れた。加古川農林水産振興事務所林業課によると、野生のサルは本来、群れで生活するが、まれに群れから離れる個体がある。近くでは神河町と佐用町に生息地があり、そこのサルの可能性があるという。東播磨地域では年1、2回程度出没し、今年7月にも加古川市加古川町大野で目撃された。サルの出没に対し、県や各市町は、子どもに危害が及ばないよう学校・園に注意を促し、餌をやらないよう呼び掛けながら、サルが山へ帰るのを待つ。高砂市産業振興課には16日、同市西端の北浜町での目撃情報も寄せられ、今後姫路市へ向かう可能性もある。
(漁師がシカ猟:北海道)
紋別市の紋別港で16日早朝、海に落ちて陸に上がれなくなったエゾシカを漁師たちが漁網などを使って助け出す騒ぎがあった。シカは体長1・5メートル、体重150キロほどの雄。山から水を飲みに来たとみられ、港内を泳いで右往左往していたが、1時間半後にトラックのクレーンで引き揚げられた。この日早朝の紋別港の水温は14・2度で、シカはぶるぶる震え、かなりの衰弱ぶり。栄養剤を打たれて山に放されたが、「もう海は嫌だ」とばかり、振り返ることもなく森の中に消えていった。
(「鴨場」の鳥インフル、低病原性:埼玉)
越谷市の「宮内庁埼玉鴨場(かもば)」で16日、高病原性鳥インフルエンザと疑われたアイガモやアヒルは低病原性と判明した。県は「念のため鴨場の経過観察を行う」としているが、周辺の養鶏業者は安堵(あんど)の表情を見せた。鴨場ではアイガモ380羽、アヒル330羽を飼育。15日の定期検査で4検体中3検体に陽性反応があったが、16日夜にH5、H7型の高病原性ではなく低病原性のH3型と判明した。H3型は「届出伝染病」に分類されるが、強毒性は確認されていない。高病原性と確認された場合、家畜伝染病予防法に基づき、鴨場の鳥は殺処分し、半径10キロ以内の養鶏農家13戸の出荷も制限する予定だった。10キロ以内にある養鶏業者の男性は「養鶏で生計を立てているので、大打撃を受けるかもしれないと心配していた。ひとまずほっとした」と話していた。県畜産安全課は今後、検出されたウイルスの鶏への接種試験で異常がないことが確認されるまで、宮内庁に鴨場のアイガモとアヒルの移動自粛を求める方針だ。鴨場は、カモを無傷で捕獲する伝統的な猟法を伝えるため宮内庁が管理。約11万6000平方メートルの広大な敷地に約1万2000平方メートルの元溜(もとだまり)と呼ばれる池を持つ。
(クマ目撃情報、再調査で新たな痕跡発見できず:北海道)
室蘭市と北海道猟友会室蘭支部は14日、クマの足跡や目撃情報が相次いだ本輪西町や神代町などで、合同の再調査を実施した。この日は新たな痕跡は発見できなかったが、ジュースなどの味を覚えると何度も訪れる可能性もあるため、専門家は「屋外に餌となるごみ類を放置しない」と注意を促している。一方、本輪西町の住宅街で見つかった足跡は「車のタイヤの泥」とほぼ断定した。 この日は市職員2人と道猟友会室蘭支部の5人が参加。前日にシカの死がいが発見された神代町を皮切りに、さらに、クマらしい足跡が発見された本輪西町の住宅街と付近の畑、目撃情報のあった港北公園近く、天神町など4カ所を調べた。住宅街で発見された足跡については、1・7メートル間隔で数個の痕跡がアスファルト上に残っていたが、猟友会員は「泥を踏んだタイヤが回転して道路に跡を付けたもの」とほぼ断定。坂を上っている足の向きだが、坂の上の位置にある足跡の方がクッキリ大きく、間隔も広い―ことなどを根拠としている。また、目撃情報のあった地点でも、新たな痕跡は見つからなかった。猟友会員によると「通常出没するのは高速道路より山側。本物ならよっぽど放浪してきたクマだ」とし、ごみやジュースの味を覚えると何度も同じ場所を訪れるので、空き缶などを捨てないことが重要―と注意を促している。これまで、畑の野菜や人家の近くのごみをあさった形跡はなく「通りクマの場合1~2週間で再び現れなければ危険性は低い」としており、当面新たな情報を収集するという。
(シカ・イノシシから農作物守ろう:徳島)
上勝町は、シカやイノシシによる農作物への被害を防ごうと、集落を丸ごと包囲する防護ネットの設置を進めている。「樫原の棚田」で知られる生実の樫原集落では、9月下旬までに延長4・5キロのネットを張った。今年中には野尻地区など6集落でも予定しており、町は鳥獣害対策の決め手として、効果を期待している。町は、農家が堆肥(たいひ)用として農地に生ごみを捨てることや、管理の行き届かない果樹が放置されている影響で、集落全体がシカやイノシシのエサ場になっていると指摘。戸別に小規模なネットを設置するよりも、集落全体を包囲することで、より効率よくシカなどの侵入を防ぐことができると判断した。防護ネット1枚の大きさは高さ1・8メートル、幅50メートルで、3メートル間隔に支柱を立て、ネットをつなぎ合わせていく。景観を損ねたり、棚田や畑の草刈りの際に誤ってネットを切ったりしないように、ネットは集落から離れた山林に設ける。地元住民やボランティアが作業を行う。農林水産省の2009年度鳥獣害防止総合対策交付金を活用。樫原を含む7集落の総延長は約18キロで、総事業費1882万円。費用の内訳は、国の補助が1035万円(55%)、町負担が659万円(35%)、地元の住民負担が188万円(10%)となっている。生実の大北、野尻集落と正木の杉山、柳谷集落、旭の市宇、八重地集落は11月から作業を始める。
(山間果樹畑、シカ害深刻:山梨)
峡東地域の果樹畑でシカの食害が広がっている。山梨、甲州両市の山間地を中心にブドウ、桃の葉や実を食べたり、枝を折ったりする被害が深刻化していて、昨年度の山梨市の被害面積は11・5ヘクタール。2年前の約13倍に拡大した。甲州市でも被害額が倍増していて、両市ともイノシシ以上のダメージを受けている。名所として知られる甲州・三窪高原のツツジも食害に遭っている。シカの繁殖数が多い上、山に餌がなくなっているため、標高の高い果樹畑が狙われるようになったとの見方が強い。両市は防護柵を高くする対策を進めているが被害はなくならず、畑をネットで囲むなど自衛策を講じる農家も出ている。「このままでは果樹栽培ができなくなってしまう」。山梨市三富上柚木の農業久保田忠雄さん(66)は嘆く。同地区では、シカが桃やスモモ、リンゴなどの葉を食べたり、枝を折ったりした跡が見られる。「葉っぱを食べられると、果実の色付きは悪くなる」と久保田さん。「最近はほぼ一年中シカを目撃する。高い場所で実をならそうとすると、収穫量が減ってしまう」。妙案は浮かんでこない。山梨、甲州両市によると、シカは主にブドウ、桃、スモモの新芽や葉、実を好んで食べるという。被害が多いのは山梨市が牧丘、三富両地域、甲州市は塩山地域の上小田原、竹森、藤木、勝沼地域の菱山、深沢といった山間地だ。とりわけ被害が深刻な山梨市では、シカによる果樹被害が2006年度の面積0・9ヘクタール、被害額80万円から、昨年度は11・5ヘクタール、690万円に拡大。06年度の被害面積が0・5ヘクタール、被害額が70万円だった甲州市も、昨年度は0・8ヘクタール、150万円に増えた。両市とも、これまでは野菜を中心に食い荒らすイノシシの被害に悩まされた。旧勝沼町は1996年度から、旧塩山市は2001年度から、イノシシが畑に侵入しないよう山間部に高さ約1メートルの防護柵を設置してきた。ところがシカの食害が目立つようになったため、甲州市は2年前から既設の柵の高さを2・3メートルにする対策を講じている。山梨市では旧牧丘町と旧三富村が04年度から、シカ用の防護柵を設けている。両市の担当者は「柵を増設して食害を食い止めたい」としているが、被害は後を絶たない状態。今年初めてブドウが被害に遭ったという甲州市塩山藤木の農業橋爪政治さん(74)は、畑をネットで囲った。「せっかく育てた作物を台無しにされ、悔しい。自分で守るしかない」と話している。
(イノシシが列車に接触:岡山)
20日午前6時20分ごろ、岡山市北区玉柏、JR津山線玉柏―牧山間で、岡山発津山行き上り普通列車(2両編成、乗客140人)が線路内にいたイノシシをはねた。列車は車両点検後、運転を再開したが、撤去作業が同7時40分すぎまでかかり、後続が運転を見合わせた。けが人はなかった。JR西日本岡山支社によると、上下計8本が運休・部分運休、8本が最高1時間半遅れ、約2500人に影響が出た。イノシシは体長約80センチ、体重約40キロ。現場はJR岡山駅の北東約8キロの山あい。同支社管内では2008年度、イノシシに絡む事故が9件起きている。
(イノシシ2匹、特急電車にはねられる:愛媛)
15日午後6時50分ごろ、愛媛県今治市のJR予讃線波止浜―波方間で、岡山発松山行きの特急「しおかぜ19号」がイノシシと衝突し、緊急停車した。乗客にケガはなかった。JR四国によると、衝突後、運転士が線路の間に2匹のイノシシが死んでいるのを確認した。車両に異常がないことを確認し、17分後に運行を再開したが、上りの特急が14分遅れ、計約370人に影響が出た。
(クマ対策「柿もぎ隊」出動:広島)
ツキノワグマが柿を目当てに人里へ近づかないよう、地域の柿を収穫するイベント「柿もぎ隊」が18日、広島市安佐北区安佐町の小河内地区であった。都市部の住民も協力し、約150人が参加。参加者は、持ち主が集落を離れたり高齢化したりして、実ったまま放置されている柿を約5メートルの竹の棒でもいでいった。収穫後、地元農家から干し柿作りを学んだ。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(廿日市市吉和)の田公(たきみ)和男理事(70)から、クマの生態の説明も受けた。
(市街でクマ目撃:広島)
19日午前10時ごろ、庄原市の60歳代の男性が「散歩中にクマを見つけた」と市に届けた。男性によると、同日午前5時半ごろ、同市東本町の上野池外周路を散歩中、体長約1・8メートルのクマを目撃した。持っていた携帯ラジオのボリュームを上げると、クマは南側の山中へ逃げたという。市は目撃場所近く3カ所へ注意を呼びかける看板を設置。クマ出没を知らせると共に、近くの保育所や学校、自治会などへ厳重注意した。
(逃亡のサル、好物の食パンで捕獲:愛知)
名古屋市の東山動物園から13日に逃げ出したニホンザルの雌“カッパ”(愛称)が18日、園西側の森林に仕掛けたオリに入り、無事捕獲された。「脱走」から6日目、オリの中に好物の食パンなどを置いた作戦が実った。小林弘志園長は「やっと家出娘が戻ってきた。ご迷惑をお掛けした。昨日オープンさせる予定だった新飼育舎は再発防止策をとった上で開設時期を決めたい」と話した。同動物園によると、18日午前9時ごろ、仕掛けた七つのオリのうち、一つのオリの周辺に置いた餌に食べられた跡があった。午後1時ごろに職員が確認に行くと、カッパがオリに入っていた。1週間近い「逃亡生活」で少しやつれ気味だが、健康状態に問題はないという。捕獲場所は逃げ出した飼育舎から南西約300メートルのわき水が出ている場所だった。
(キジ肉のうまみを日本酒にブレンド:愛媛)
町おこしの一環でキジの養殖に取り組んでいる鬼北町の農業公社「鬼北きじ工房」が県内の酒造会社と共同で、日本酒にキジ肉のエキスを加えたきじ酒「鬼北雉(きじ)」 を開発、18日発売した。古くから正月の宮中でたしなまれる縁起のよい飲み物で、キジ肉のうまみがとけ込んでまろやかな風味が楽しめる。きじ酒は同工房で作っているキジ肉エキスを四国中央市の酒造会社・梅錦山川の純米吟醸酒にブレンド。アルコール度数は14度。ほのかに黄色みがかっているのが特徴だ。元々、同町地域振興課長の入船秀一さん(59)とキジ肉の冷凍技術を開発した同工房技術顧問の三嶋洋さん(59)の2人が、文献などを参考に再現、個人的に楽しんでいたもの。本来のきじ酒は薄切りにして塩を振ったキジのささみ肉をあぶって日本酒の熱かんに浸して作るが、2人は「もっと手軽に飲めるように」と、02年にきじ肉のうまみを凝縮したエキスを開発。さらに日本酒とエキスをあらかじめブレンドした製品ができないか検討していた。三嶋さんの友人で旧広見町時代の02年から同町の「食の大使」としてきじ養殖を応援してきた随筆家の本間千枝子さん(76)が、昨秋東京で知り合った梅錦山川の山川浩一郎社長(68)にボトル入りのきじ酒づくりを打診。山川社長は、南予の酒造会社を紹介するつもりで引き受け手を探したが見付からず、自社で製造することになった。梅錦は年明けから日本酒との相性やエキスの配合割合など100種類以上の味見をし、合わせる酒を決定した。鬼北町の入船課長は「豊富なアミノ酸がまろやかな味を作り出している。ちょっとした記念日などに飲んでほしい」と話している。きじ工房は合併前の旧広見町が特産品づくりを目指して00年に設立、01年から肉を販売する。現在では8戸の農家が約2万羽を契約飼育、年間2トン弱を出荷、売り上げ約4500万円。
(コハクチョウ“冬の使者”早々と飛来:鳥取)
鳥取県米子市彦名新田の米子水鳥公園に、冬の到来を告げるコハクチョウ(カモ科)の群れが次々と飛来している。今年は、95年の開園以来最も早い今月10日に初飛来。同公園はコハクチョウの西日本最大級の越冬地で、来年3月中旬まで羽を休める。水鳥の保護をうたったラムサール条約登録湿地の宍道湖・中海の一角にある。約6000キロ離れたロシアの北極海沿岸から、日本へ飛来するコハクチョウは約4万2000羽。同公園周辺には、そのうち約2000羽が集まってくるという。
(苫小牧のウトナイ鳥獣保護センターで来館50万人突破)
環境省と苫小牧市が共同管理するウトナイ湖野生鳥獣保護センターの来館者が15日、50万人を突破し、記念のセレモニーが行われた。50万人目となったのは札幌市の会社員、外崎文浩さん(40)、明子さん(39)夫妻と長女の文菜ちゃん(8つ)。セレモニーでは、環境省北海道地方環境事務所の坂本真一統括自然保護企画官が「ようこそウトナイ湖野生鳥獣保護センターへ。家に帰ってもセンターをたくさんの人にPRしてほしい」とあいさつし、記念品を贈った。外崎さんは「ここには初めて来ました。50万人目でびっくりしました。記念になります」と話していた。同センターは木造2階建て、延べ床面積1474平方メートル。平成14年7月に開設、ウトナイ湖周辺の動植物の生態系などをパネル、写真、映像設備などを活用して紹介しており、疾病鳥獣の治療室なども設置されている。ウトナイ湖は、昭和57年に周辺約510ヘクタールが国指定鳥獣保護区に定められている。平成3年には、国際的に重要な湿地と生息する動植物の保全を進めるラムサール条約に登録されている。
(「冬の使者」飛来:和歌山)
和歌山県南部の池や川、沿岸で、「冬の使者」であるカモ類などの渡り鳥が飛来している。田辺市新庄町の内の浦湾には、数十羽のヒドリガモの群れが飛来した。長旅の疲れを癒やすように水面に浮かんでいる。昼間は数羽の小さな群れになってあちらこちらで餌を探しているが、夕方になると1カ所に集まり、海面で夜を過ごす。冬鳥の渡来は、10月中旬から始まった。内の浦湾にはヒドリガモ以外にマガモやカルガモなども多く訪れる。日本野鳥の会県支部会員によると、飛来時期は例年より若干遅い。今後、寒くなるにつれて南下してくる鳥が増えてくるという。
(オオハクチョウ飛来:北海道)
帯広市内を流れる帯広川に14日、冬の到来を告げるオオハクチョウが飛来した。ロシア極東部からの長い渡りの旅を終え、川面でゆっくりと羽を休めている。帯広川はオオハクチョウの越冬地の一つとして知られる。同日、姿を見せたのは計4羽。越冬のため既に到着していた先客のカモと一緒に優雅に水上を泳いでいる。日本野鳥の会十勝支部によると、オオハクチョウの第一陣は今月10日に市内稲田町で確認された。これから徐々に増え、ピーク時には500羽以上が十勝管内で越冬するという。オオハクチョウは毎年4月下旬ごろになると、ロシア極東部へ向かって飛び立つ。

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