<射撃ニュース11月>

11/30
(小6がエアガン撃ち小2失明、不法所持容疑で父逮捕:福岡)
福岡県警田川署は30日、人を傷付ける能力があるエアガンを所持していたとして、同県田川郡の運送業の男(40)を銃刀法違反容疑で逮捕した。男の小学6年の長男(12)についても、このエアガンで友人の右目を失明させる重傷を負わせたとして、同日、傷害の非行事実で県田川児童相談所に書類送致した。発表によると、男は今月2日、銃刀法で「準空気銃」として所持が禁止されているライフル型のエアガン2丁を自宅で持っていた疑い。長男は同日午後4時10分頃、自宅の玄関で、1丁(長さ約1メートル15)を近所の小学2年の男児(8)に向けて撃ち、右目に直径6ミリのプラスチック弾2発を当てて、失明させた疑い。調べに対し、男は「エアガンは親類の形見として手に入れた。違法なものとは知らなかった」と供述。長男は「男児を脅かそうと思って頭上を狙った。当てるつもりはなかった」と話しているという。
(ウサギと思い誤射か:秋田)
29日午後1時55分ごろ、由利本荘市矢島町元町字分水長根の原野で、狩猟をしていた由利本荘市の自営業男性(79)が撃った猟銃の散弾が、一緒に狩猟をしていた由利本荘市のJA職員男性(54)の両大腿(だいたい)部に当たる事故があった。撃たれた男性は、市内の病院に運ばれたが、意識があり命に別条はないという。由利本荘署の調べでは、自営業男性とJA職員は同日午後1時ごろから、猟銃仲間計4人でウサギ狩りをしていた。現場は草木が2メートルほどに伸びたやぶ状の場所で、自営業男性が、約23メートル離れた場所にいたJA職員をウサギと勘違いし、誤射したとみられる。自営業男性は「白いものが見えたので、ウサギだと思って撃った」と話しているという。
(イノシシ狩り、放送されるか:韓国)
MBCテレビで野生のイノシシを捕獲する内容の番組が、環境保護団体と宗教界の反発を呼んでいる。動物保護市民団体のKARAは29日、「MBC『日曜日、日曜日の夜に』の新コーナー、『大韓民国生態救助団ハンターズ!』が生命軽視の風潮を拡散させかねない」として制作中断を要求した。「ハンターズ!」は来月6日から始まる新コーナーで、キム・ヒョンジュンやチョン・ヨンファらスターMCがイノシシ出没地域で専門猟師とともにイノシシを捕まえるという内容だ。制作陣は「韓国のイノシシの数が適正個体数の4倍を超えており、昨年の被害額は56億ウォン(約4億1000万円)に上るなど副作用が大きい」と企画意図を説明している。しかしKARAは、「週末のバラエティ番組で、狩猟を生態系調節という美名の下に合理化するのなら、子どもたちの生命観がゆがめられる結果をもたらすだろう」と批判した。チョン・ホ事務処長は、「生態的で人道的な個体数調節に対する社会的議論が排除された状況で、『ハンターズ!』制作はイノシシ狩りをひとつの娯楽に転落させる危険が大きい」と指摘した。環境・生命・仏教・女性など18の市民社会団体と進歩新党議員らも30日午後に国会で制作中断と放送取りやめを求める記者会見を開く予定だ。番組を総轄するプロデューサーのキム・ヨンヒさんは、「イノシシ狩りではなく、捕獲に焦点を合わせている。血が流れたり狩りの場面は入っていない」と説明する。また、「イノシシの生態を追跡し、無分別な環境破壊にさらされた農村の実情を示す教育的番組だ」と釈明している。

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11/28
(「カモがいたので…」県道から猟銃発砲:佐賀)
佐賀県唐津署は27日、銃刀法違反の疑いで、唐津市佐志浜町、農業宮崎好弘容疑者(63)を現行犯逮捕した。逮捕容疑は27日午後1時ごろ、同市鎮西町石室の県道で、散弾銃を撃った疑い。同署によると、窃盗事件の捜査で通りかかった署員が発砲を目撃した。宮崎容疑者は「カモがいたので車から降りて撃ってしまった」と話しているという。同法は、狩猟の許可区域内であっても、公道からの発砲は禁じている。
(自動車販売会社発砲容疑で暴力団員を逮捕:鹿児島)
05年2月、鹿児島市の自動車販売会社に銃弾が撃ち込まれた事件で、鹿児島南署などは26日、住所不定、山口組系暴力団組員、太信容疑者(34)を器物損壊と銃刀法違反(所持)容疑で逮捕した。同署によると、太容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認。銃も見つかっていない。また、住所不定、無職の男性(36)も事件に関与したとみて任意で事情を聞いているという。事件は05年2月28日午前1時ごろ、同市東開町の47歳男性が経営する自動車販売会社の事務所で発生。壁や天井など数カ所に、散弾銃の弾のようなものが撃ち込まれたとされる。
(カンガルーの目撃情報:宮城)
カンガルーの目撃情報が大崎市で相次いでいるという。ペットが逃げたのか、都市伝説のたぐいか。真相は不明だが、町おこしに生かそうとの声もあるようだ。青森県の下北半島でも、意外な動物が度々見つかっている。北海道にしか生息しないはずのエゾシカ。昨年から報告件数が目立って増え、大間町と佐井村で先月、住民が映像に収めた。今年夏にはむつ市で子どもが捕獲され、北里大獣医学部(十和田市)がDNAを調べた。成獣より鑑定が難しく断定はできなかったものの、岩手県が北限とされるホンシュウジカよりもエゾシカに近かった。「かなりの頭数がいるとみられる。人為的に運ばれたと考えられないこともないが、津軽海峡を泳いで渡って来た可能性が高い」と県自然保護課。もともとシカは泳ぎが得意な動物だ。明治初期に大群で海峡を渡って来たことを記す80年前の文献も残っている。「数十頭が一列になり、前のシカの尻に後ろのシカが頭を載せて泳いだ。先頭のシカが疲れると最後に回って続いた」(中道等著『奥隈奇譚』)。津軽海峡は動植物の分布の境界線とされる。県の生息状況の調査も進んでおり、分布図が描き換えられる日が訪れるかもしれない。生物学の常識を覆すような「南下大作戦」に挑んだ理由は分からないにしても。
(にせ爆弾、放置容疑で男逮捕:岡山)
北区いずみ町の県総合グラウンド周辺で今月2日夜~3日朝、爆発物に見せかけた容器が計3個見つかった事件で、岡山西署は26日、北区北方2、無職、村田浩一容疑者(54)を偽計業務妨害容疑などで逮捕したと発表した。「身に覚えがない」などと容疑を否認しているという。容疑は今月2日~3日、岡山武道館近くのベンチに、電気コードを巻いてストップウオッチを取り付け、「時限爆弾」と書いた紙を張った賞状用の筒(直径5センチ、長さ35センチ)と「工業用爆弾」などと書いた紙箱を置き、同署員に国道53号を600メートルの区間を封鎖させるなどして通常業務を妨害。また、同区学南町1の建設中のマンションに「小型発火装置」などと書かれた紙を張った筒を入れたビニール袋を置き、建設会社の業務を妨害したとされる。県警によると、筒にはパチンコ玉などが入っていたが、火薬類や毒物など危険物はなかった。県警は同日、村田容疑者の自宅を捜索、筒などを押収しており、紙片の筆跡や聞き込み捜査などから村田容疑者が浮上したと説明している。

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11/27
(男性がクマに襲われ軽傷:秋田)
26日午前11時半ごろ、五城目町馬場目の国有林で杉の間伐作業をしていた同町馬場目、会社員石川孝志さん(57)が体長約1メートルのクマに左肩や左太ももをかまれ、軽傷を負った。五城目署によると、石川さんは同日午前8時半ごろ、同僚7人とともに入山。襲われた後は自分の軽トラックで携帯電話が通じる場所まで下山して119番し、秋田市の病院に搬送された。同僚はそれぞれ離れた場所にいたため、石川さんが襲われたことに気付かなかったという。現場は県道秋田八郎潟線の保呂瀬トンネルから南に約1キロ。
(餌を与えないで:北海道)
苫小牧市のウトナイ湖畔に、水鳥に餌を与えないよう観光客に呼び掛ける看板が登場した。問題の多い餌やりが絶えないため、市が設置した。看板は縦90センチ、横1.8メートル。道の駅ウトナイ湖の裏手の湖畔に設置した。「ハクチョウやカモに餌をあげないで」と大きな文字で訴え、鳥インフルエンザ感染が広がる恐れなど、給餌の悪影響を説明している。湖畔では、観光客による水鳥への給餌が日常的に行われている。しかし、野鳥が人間の餌に依存してしまうなど生態をゆがめる問題も指摘されており、市は「環境を守るためにも、餌やりをしないよう協力を求めていきたい」としている。

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11/26
(犬のけんか、銃で飼い主脅した男逮捕:広島)
安芸高田署は25日、安芸高田市八千代町向山、会社員森田和則容疑者(57)を暴力行為法違反と銃刀法違反(目的外携帯)の疑いで逮捕した。安芸高田署の調べでは、18日午前7時半ごろ、同町向山の無職女性(72)方の庭で、女性の飼い犬と自分の猟犬がけんかになったことに腹を立て、犬に散弾銃を向け「犬を殺しちゃろうかあ」などと女性を脅した疑い。同署によると、森田容疑者はイノシシ狩り中で、猟犬を追って女性方に現れた。「女性の犬を銃で殴っただけ」と容疑を否認しているという。
(シカ哀れ、中央線電車と衝突死:山梨)
25日午後6時15分ごろ、山梨県北杜市のJR中央線の穴山―日野春間で、八王子発小淵沢行きの普通電車(6両編成)がシカと衝突した。JR東日本によると、乗客約120人にケガはなかった。先頭車両の一部が破損したが、現場で応急処置をして約90分後に運転を再開した。シカは死んでいた。上下4本が運休し、7本が遅れ、約1800人に影響が出た。
(伊豆シカ肉PR:静岡)
伊豆半島のシカ肉のブランド化に取り組んでいる、伊豆市のイズシカブランド創生委員会はこのほど、PR用マークを作製した。動物の飛び出し注意の道路標識をかたどったデザインを採用し、シカ肉の魅力と同時に、シカの増加に伴う農林業や、自然環境への弊害を強調している。同委員会は、マークを入れたポスター500枚とのぼり旗50本を作り、市役所や商工会、観光協会など、市内の公共施設や協力店へ配布する。市内の商店や、市外の駅などへの掲示も検討する。ポスターやのぼり旗には、三角形の黄色い道路標識をイメージしたマークとともに「イズシカ注意!」の標語を添えた。ポスターやのぼり旗とともに、シカの増加による影響や、食肉加工処理センター構想の背景などを図解したパネルも製作。各種イベントや市役所天城湯ケ島支所などに展示して、一般市民にシカ肉ブランド化事業への理解を求めていく。同委員会PR展示委員会の鈴木裕也リーダー(33)=同市上船原=は「シカはかわいいという印象もあるが、伊豆では増えすぎて困っている。環境被害への問題提起も兼ねつつ、栄養価がありおいしいシカ肉をPRしていきたい」とマークに込めた思いを語った。
(死因特定にCT活用を:岐阜)
「死後CTの利点・欠点」と題した講演が21日、岐阜市薮田南3丁目の県医師会館であった。千葉大学大学院の岩瀬博太郎教授(法医学)が事件を見逃さないために、CT(コンピューター断層撮影装置)を使った検視が有効な手段の一つだと強調した。県警と医師らでつくる「県法医等三師会・警察連絡協議会」が開いた。岩瀬教授によると、遺体をCTを使って検査したほうが、死因を正確に特定できるという。講演では、2006年8月に、千葉県内の山で死亡した女性(当時75)を例に挙げた。死因をめぐり、「イノシシにかまれた」「そうではない」と県警内で意見が分かれた。CT検査の結果、頭部に金属片が残っていたことを確認。その後、山でサルを駆除しようとして散弾銃を誤射した疑いで、男が逮捕された。岩瀬教授は、CT検査の有効性を調べようと、04年に目視や触診だけで死因が判断された20体の遺体をCTで検査し直した結果、4体の死因が異なっていたことも紹介した。CTで撮影された写真は遺体の損傷状態が分かりやすいといい、裁判員裁判に参加する一般市民にとって、生々しい解剖写真を見せられるよりも、「精神的負担が少ないと思う」と話した。ただ、CT検査ですべて死因が判明するわけではなく、遺体の発見状況も、診断に大きく影響するという。岩瀬教授は、事件解決などには、「医療と捜査両機関の連携が欠かせない」と訴えた。
(警察や猟友会、連携して捜索・救助を:石川)
警察や猟友会が協力して山での遭難など行方不明者の捜索や救助を行う連絡会が県警で初めて開かれました。県警と県猟友会では、行方不明者に対し、協力して捜索や救助を行おうと2007年に情報の共有などに関する協定を結びました。24日は、協定締結後初めて県警本部で連絡会が開かれ、警察や消防関係者、猟友会など66人が参加しました。県内では、今年51件の行方不明事案がありそのうち32人が発見、保護されています。連絡会では、認知症や高齢者の行方不明が増加していることなどを課題にあげ、猟友会と警察が互いに情報を共有することを確認しました。
(牙で魔よけ、イノシシ猟に副産物:静岡)
小笠猟友会のイノシシ猟グループ「掛川四四(しし)の会」代表の松浦幸さん(60)=掛川市五明=が、仕留めたイノシシの牙を使ってアクセサリーを作っている。これまで手掛けた作品は20年間で600本以上。生命力の強いイノシシにあやかり、お守りとして身に付ける人も多いという。松浦さんがアクセサリーを作り始めたのは20年前。島田市の先輩猟師から磨いたイノシシの牙をもらったのがきっかけだった。イノシシに目立つ牙があるのはオスだけで大きさは10~20センチの三日月形。牙を洗剤で洗い、軽くニスを塗って仕上げる。削りなどの細部の加工はせず、原形保存を大切にしている。松浦さんによると、猟師仲間内ではイノシシの牙は魔よけにもなるという言い伝えもある。その御利益にあやかろうと、病気で苦しむ患者や受験生を持つ親から「ぜひほしい」という要望が多いという。松浦さんの本業は茶農家で「10年ぐらい前からイノシシによる農作物への被害が増え始めた」と頭を悩ませている。6年前には狩猟中にイノシシの牙で脚を刺される重傷も負ったが、アクセサリー作りはやめなかった。今月24日に今季初のオスを仕留めた松浦さんは「農作物被害を減らし、捕ったイノシシを最大限生かすためにも続けていきたい」と農地を守りながら牙を磨いている。
(カモ群れてます:石川)
国内有数のカモ、ガン類の越冬地で、県内で唯一ラムサール条約に登録されている加賀市片野町の片野鴨池に今年も多くの渡り鳥が飛来している。池のほとりの有料施設、加賀市鴨池観察館は今年、カモなどの飛来を近くを通りがかるドライバーらに知らせるのぼり旗とタペストリーを初めて製作し、来館者の増加を期待している。片野鴨池は、300年以上前の江戸前期から、カモにY字形の柄がついた網を投げつける伝統猟法「坂網猟」の猟場として守られ、1969年に県の天然記念物、93年にラムサール条約の登録湿地に指定された。84年に加賀市が開設し、運営を委託されている日本野鳥の会のレンジャーが常駐する鴨池観察館は、毎年秋から冬にかけて越冬のために飛来するマガモやコガモなどのカモ類やマガン、ヒシクイなどだけでなく、カモなどを狙うオオタカやオジロワシなども観察できるため、野鳥愛好家に人気が高い。ただ、幹線道から外れた丘陵地で野鳥保護のために周囲を板塀で囲まれ、カモなどの飛来状況は分かりにくかったため、利用者らの要望で、のぼり旗などが製作されたという。製作されたのぼり旗は「カモ越冬中」「カモ群れてます」と描かれたオレンジ色と緑色の2種類。タペストリーは「ガンカモ続々到着中」の文字と鴨池に飛来するカモ類などの顔のイラストが描かれている。同館常駐のレンジャーは「野鳥の観察施設としては珍しい試みだと思う。これからカモの飛来も増え、観察館のより近くで見られるようにもなるので、多くの人に来館してほしい」と話している。片野鴨池のカモ類の越冬のピークは例年、12月から2月にかけて。11月下旬の時点でカモ類は約1千羽、ほかにマガン約1600羽、ヒシクイ約150羽が飛来している。
(ライチョウ、つがい撮影:山梨)
南アルプスの「鳳凰(ほうおう)三山」で、山小屋を経営する小林賢さん(60)が22日、国の特別天然記念物ライチョウ(雷鳥)のつがいの撮影に成功した。鳳凰三山では約20年前に絶滅したと言われていたが、23日には、他に3羽の足跡が新たに見つかり、ライチョウが生息している可能性が高まっている。ライチョウが発見されたのは鳳凰三山の薬師岳(標高2780メートル)頂上付近の東側斜面。22日午前10時半ごろ、小林さんと山小屋従業員の長谷川文さん(39)が山頂付近を歩いていたところ、雪上にライチョウの足跡を見つけた。「足跡をたどって稜(りょう)線を歩くと、冬毛に生え変わった真っ白な2羽が現れたんです」と小林さん。ライチョウは人に対し警戒心が薄いため、カメラを向けても逃げることなく、約10メートルの距離から撮影に成功した。2羽はくちばしから尾までが約30センチで、比較的小さいことから今年誕生した若鳥とみられ、ハイマツ林の中にある木の実などをついばんでいたという。また、23日には発見場所より北側にある観音岳(標高2840メートル)でも別のグループとみられる3羽の新しい足跡が見つかった。小林さんは「2年程前、登山客がライチョウを1羽写真に収めたという話があったが、これほど多く確認できたのは初めて」と喜びを語り、「登山客には見かけても脅かしたりせず、そっと見守ってもらいたい」と呼びかけている。信州大が85年に発表した調査によると、ライチョウは国内に約3000羽いた。南アルプスでも北岳や荒川岳などで生息が確認されているが、高山帯に入るようになったサルやシカが高山植物を食い荒らすため、生息域が激減している。鳳凰三山では約20年前を最後に目撃例が無くなり、絶滅したと言われていた。
(ドライバーに「シカの飛び出し注意」呼びかけ:奈良)
奈良の鹿愛護会が今年7月に行った調査によると、現在奈良公園周辺にシカは1,052頭の生息が確認され、357頭のシカが死んだ。死亡原因は、179頭が疾病、76頭が交通事故によるもの。奈良公園のシカの許容範囲は1,000頭から1,200頭とされており、天候や気象条件や栄養状態などにより子ジカの生まれる数に増減があるなどから、2007年から減少傾向にあるが1980年以降1,000~1,300頭の間を推移している。この季節は、発情期を迎えた雄ジカが雌ジカを追って道路への飛び出しや、道路に落ちたドングリなどを食べるため道路に出ることに加え、シカが冬毛の濃い茶色になるため、日没が早くなった秋はシカを確認しにくく交通事故が増える。シカは犬を怖がるため、公園内で犬を放すとビックリして道路に飛び出すことも。天然記念物の奈良公園のシカと接触事故を起こすと、文化財保護法違反で多くの罰金を払わなければならないなどのイメージがあるためか、事故が起きても同会に連絡せず現場を立ち去るドライバーが少なくいない。しかし、故意に殺傷した場合を除き、過失では罰則に問われることはない。けがを負わせてしまった場合は、すぐ同会に連絡し処置を施せば助かる命もあるという。けがを負ったシカなどを保護する施設の「鹿苑(ろくえん)」内には、交通事故に遭い断脚したシカが現在も数十頭保護されている。脚を失ったシカは、野犬などから逃げることができず襲われる可能性があるため、公園に放すことができない。そのため重症を負ったシカは一生「鹿苑」で過ごすことになってしまう。また、けがをして森に逃げ込んでしまったシカを暗闇で見つけるには困難で、処置が遅れてしまうここともあるため、シカを守るには事故を未然に防ぐことが必要になる。同会の池田佐知子事務局長は「奈良公園は人やシカだけではなく、さまざまな生き物が共存することで(奈良公園の芝を刈らなくてもきれいに保てるなど)バランスが整い自然が保たれている。さまざまな生き物の場として認識し、みんなで大切に生き物を気遣う思いやりを持ってもらえれば」と話し、「交通事故ゼロを目指し、シカも人も使う道路なので、時と場合によってシカが飛び出してくることもあると心にとどめてほしい。公園道はできるだけ迂回(うかい)していただき、シカが出てきても止まることのできるスピードで」と呼びかける。
(シカ肉を特産料理に:兵庫)
農作物を食い荒らす「厄介者」であるシカを、地元特産の「食材」として活用しようという料理講習会が25日、豊岡市日高町の道の駅神鍋高原であった。日本フランス料理界の第一人者を招き、参加したホテル・民宿関係者ら約50人は上質なシカ肉の味を堪能しながら、但馬ならではの料理法と今後の課題を探った。但馬の他地域同様、シカの「食害」に悩まされている神鍋地区。日高町商工会の観光女性部が年2回開いている講習会の一環として開いた。紹介されたのは「ジビエ」と呼ばれるフランス発祥のシカ肉料理。講師の酒井一之さん(68)はフランスで13年にわたり修業した後、レストランやホテルのシェフとして東京を中心に活躍。現在は日本フードコーディネーター協会常任理事として活動している。調理に先立ち、酒井さんは「各地でシカを使った料理を考案する動きがあるが、長続きしないことが多い。地元の魅力を織り交ぜながら、ひねらずに作ることが大事」とアドバイス。キッチンに立つと、豊岡市内で捕獲されたシカ2頭をさばき、地元産の野菜を使ってステーキや鍋、エスニック料理のクスクスなど計6品を披露した。低脂肪・高タンパクの健康食として注目されるシカ肉だが、臭みを取る技術や下ごしらえなどが課題とされる。細かく切った野菜やサラダ油、パイナップルに肉を浸すなど、さまざまな工夫が紹介され、参加者は真剣な表情でメモを取っていた。北村泳子観光女性部長(54)は「シカ肉がこんなにおいしくなることが分かって、大きな可能性を感じました」と明るい表情。同商工会では来年3月にシカ肉料理の試食会を予定しており、参加者は神鍋の新「ご当地レシピ」誕生に向けて意気込んでいた。
(野生サルの群れを追跡調査:長野)
栄村で野生のサルが村民の自家用農作物を食い荒らす被害が広がっており、村は本年度、サルの群の追跡調査に乗り出した。捕獲したサルに発信機を付けて居場所などのデータを集め、群れの行動パターンを分析、対策を講じる際に活用する計画だ。
(サルの行動を完全マーク:静岡)
湖西市は25日、今月初めに同市吉美の住宅街の民家で捕獲した雌のニホンザル1匹を、捕獲場所近くで放して行動範囲の調査を始めた。サルは元の群れに戻る可能性が高く、取り付けた無線発信機を地図上で追跡し群れの様子を把握。あえて住宅街に戻すことで今後の農作物被害の対策に役立てる。サルは、6、7歳とみられ、体重はおよそ8・5キロ。今月4日の日中に市中心部の住宅街で、民家に侵入したところを捕獲された。市中心部でのサルの出没と、雌が群れを離れることが珍しいことから、県農林技術研究所森林・林業研究センター(浜松市浜北区)がDNAを調査。最も近い愛知県新城市周辺の群れではなく、静岡市周辺で生息する群れと同じと分かったものの、どうやって湖西に来たかは不明だ。このサルがどの群れに所属しているのかを調べようと、市は近隣自治会の了解を得て追跡調査を決めた。この日午後、同センターの大橋正孝主任研究員が雌ザルに麻酔をし、発信機を着けた首輪を巻いて竹林に放した。捕獲前まで一緒に行動しその後逃げた子ザルが現れて母ザルに近づいた後、2匹とも林の中に追い払われた。大橋さんは「人為的に持ち込まれた可能性も残るが、県内の群れが拡大している可能性がある。個体ごとの対策より群れ単位で対策を取ることが重要だ」と話している。

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