<射撃ニュース12月>

12/14
(市街地にイノシシ出没、男女3人けが:和歌山)
和歌山市の市街地2カ所で、イノシシが12日深夜から13日未明にかけ出没し、男女3人が襲われて大けがをした。和歌山西署によると、イノシシはいずれも体長約1メートル。同署は、襲ったのは同じイノシシとみて警戒している。同署によると、12日午後10時40分ごろ、同市和歌浦中の主婦岸純子さん(47)が自宅玄関で物音がしたため、確認しようと屋外に出たところ、イノシシに襲われた。岸さんは右腕をかまれ、脇腹に打撲を負ったほか、ろっ骨骨折の疑いがあり入院した。13日午前0時20分ごろには、岸さんの現場から約7キロ離れた同市東蔵前丁、南海電鉄和歌山市駅前のロータリーで、和歌山県岩出市新田広芝の会社員中務健治さん(51)と大阪府岬町淡輪の会社員徳本裕明さん(42)が相次いでイノシシに襲われた。2人は牙で突かれるなどして、ひざや太ももを切られ、2週間のけがを負った
(ニホンジカ生息か:青森)
岩手県境から下北半島までの県内の太平洋側で、2005年10月から今年9月にかけ、県内には生息しないとされるニホンジカの目撃情報が19件あったことが、県と北里大学のアンケート調査でわかった。ニホンジカが生息しているとすれば、食害や生態系への影響は必至とみられる。県は駆除など対策強化を視野に、県民に広く情報提供を呼びかけている。調査は今年8~9月、市町村や警察署など計136の関係機関・団体を対象に実施。八戸市やむつ市など10市町村から計19件の目撃情報が寄せられた。いずれの情報も、体高1~1・5メートル程度の成獣のオスで、メスや幼獣の情報はなかった。ニホンジカが県内で目撃された理由として、県自然保護課は、〈1〉北海道から泳いで渡ってきた〈2〉岩手県から越境してきた――など複数の可能性を推測する。また北里大学獣医学部の岡田あゆみ講師は、「ニホンジカの個体数は全体的に増加傾向にあり、生息範囲が広がりつつあるのではないか」との見方を示した。ニホンジカは習性として、オス1匹と複数のメスが群れを形成し、この場合、一定の場所に定住する傾向がある。このため、県内で目撃されたオスは、群れをなさないオスが渡ってきたとみられるが、仮にメスと行動するニホンジカが確認されれば、県内でのニホンジカの生息・繁殖はほぼ確実となる。ニホンジカが繁殖すれば、これまで無縁だった本県にとって大きな脅威となる。生息地の北海道や長野県では、樹木の若芽や樹皮、農作物を食い荒らしたり、木の幹に角をこすりつけて木を傷めたりする被害が続出。農林水産省の調査では、2007年度の全国の被害総額は、北海道の31億9048万円を筆頭に、計46億8039万円に達した。同課の葛西進主幹は「ニホンジカは若芽を好んで食べ、生態系に与える影響はサルやクマの比ではない」と頭を抱える。ニホンジカは近年、標高2500~3000メートル級の山にも生息範囲を広げており、八甲田山系などに植生する貴重な高山植物も被害に遭う恐れがある。同課は今後、ニホンジカの生息・繁殖が確認されれば、関係機関などと協議の上、駆除を検討する方針だ。
(車に散弾銃の弾が:鹿児島)
13日午前、奄美市で駐車中の軽自動車に散弾銃の弾が当たったと見られる痕が見つかりました。警察では銃刀法違反の疑いもあるとして調べています。きょう午前10時20分ごろ、奄美市名瀬朝日町にあるエブリワン名瀬大熊店で駐車していた軽自動車の後ろの部分に数カ所の銃弾の痕が見つかりました。現場からは空の薬きょうが1個見つかっていて、警察では銃弾の痕は散弾銃によるものとみています。けが人はなく、目撃者も今のところいないということです。警察は銃刀法違反の疑いもあるとして猟銃の所持が許可されている人を中心に聞き込み捜査を行っています。
(五葉山地域シカ推定「5千~7千100頭」:岩手)
先月解禁されたシカの狩猟は、今シーズンから一日一人当たりの捕獲頭数が緩和された。五葉山地域の生息数が「五千~七千百頭」と推定され、適正生息数の「二千頭」に近づけるため、県が現行の第三次シカ保護管理計画を変更し捕獲頭数の制限を緩めたもの。しかし、昨シーズンはシカの捕獲実績が目標数を下回っており、農作物に被害を及ぼすシカとの共生実現には〝狩猟力〟にもかかっている。シカ保護管理計画は、第一次計画(平成十二年十一月~十四年三月)、第二次計画(十四年十一月~十九年三月)終了後、現在は第三次計画(十九年十一月~二十四年三月)を実施中。国の特定鳥獣保護管理制度に基づき管理計画を作成し、規制緩和を行っている。第三次計画は先月変更され、五葉山地域の生息数を見直し、捕獲頭数の制限を緩和した。今回の変更では、これまでカウントしていなかった人工造林に隠れているシカの生息数を統計的な手法を使って割り出して推定した最尤(さいゆう)法推定値を用いて見直し、五葉山地域の生息数を五千~七千百頭と推定。これは適正頭数二千頭の約三倍に当たる。五葉山地域の生息数調査は、大船渡、陸前高田、住田、釜石の四市町と遠野市東部を含む約八百八十平方㌔㍍の範囲で上空約百㍍からヘリコプターで実施している。平成五年から四回実施した調査結果と、人工造林地帯に隠れていて目視で確認できなかったシカの生息数を新たに推定し、さらに平成五年三月調査時点の性比の推計、その後の捕獲頭数の状況などを踏まえて、推定生息数を五千~七千百頭に改めた。この数字は、改正前の三千三百~四千六百頭(十九年三月調査)の約二倍の生息数となる。このため狩猟規制を緩和し捕獲を促進するもので、個体数調整地区の大船渡、陸前高田、住田、釜石の四市町は、一日一人当たり三頭(ただしオスは一頭以内)とし、改正前の二頭より一頭多く捕れるようになった。四市町以外の県全域は侵出抑制地区となっており、改正前は、捕獲できるのは三頭(ただし、オスは一頭以内)だったが、改正後はオスメスの区別なく五頭に拡大した。シカの狩猟期間は十一月十五日から二月末日。二十年度の捕獲数は、県内全域で千五百八十三頭。このうち個体数調整地区の気仙と釜石の四市町の捕獲数は千二百五十五頭と約八割を占める。ハンターの狩猟による捕獲が千五十一頭、有害捕獲が二百四頭で、個体数調整地区の捕獲目標数の千三百五十頭には達しなかった。捕獲目標は、適正頭数に近づけるため、専門家を集めてシミュレーションしながら毎年設定している。県環境生活部自然保護課では、「制限を緩和したので捕獲数が増加することを期待している」と話す。県のシカ保護管理計画は、猟区以外の乱場が対象。第三次計画の変更に合わせて、三陸町にある三陸地区五葉山猟区でもシカ狩猟の緩和措置を取った。狩猟の解禁日を十一月一日に半月早めて実施したほか、捕獲頭数も一グループ八頭を、今シーズンから人数×四頭とし、このうちオスは人数×一頭プラス二頭に緩和し、多く捕れるようにした。
(「サル被害」対策確立へ:京都)
京都府中丹広域振興局が今年5月に立ち上げた「中丹新ビジネス創出交流会」で、ニホンザルから農産物を守る機器の開発を検討しているグループが11日、舞鶴市浜の府舞鶴総合庁舎で会合を開いた。獣害対策が専門の室山泰之兵庫県立大教授からニホンザルの習性や被害の背景を学んだ。電気設備業者や猟友会、IT企業などでつくる「野生鳥獣害対策」活動グループが、イノシシやシカに比べ、有効策のないニホンザルの農産物被害を食い止める手段を開発しようと、9月に続き催した。室山教授は、記憶力に優れるが、洞察力がほとんどないニホンザルの性質を解説。各地の対策例やネットなどの被害防止品を紹介したうえで「集落を居心地が悪く食べ物の少ない場所に変えることが大切」と強調した。有効な被害対策として、サルが怖がる物を見せたり、聞かせたりするといった心理的障壁を設ける方法や目的にたどり着くまでに時間がかかるように物理的障壁を設けることがポイントと指摘した。
(日高川の環境警備隊、巡回効果でサルは1匹:北海道)
有害鳥獣対策を目的に活動している日高川町の環境警備隊は11日、玉置俊久町長に狩猟成果や巡回効果など報告した。警備隊は狩猟などの資格所有者11人がメンバーで、試験的実施のことしは9月11日から2人1組となって連日川辺、中津地区を巡回。野生鳥獣の駆除や追い払いのほか、出没地域や個体数の調査、餌になるゴミなど不法投棄の啓発など行ってきた。隊員には県の雇用対策基金を活用し日額5500円と捕獲による報償を支給している。この日の報告によるとこれまでイノシシ7頭、シカ15頭、サル1匹を捕獲。巡回、追い払いの効果でサルは、以前より民家のある里へ下りてこなくなったという。 報告会で玉置町長はメンバーをねぎらうとともに、 「効果があったので来年度もやる方針。 栃木県などから視察に訪れるなど警備隊は全国的にも注目されており、 来年度は一層充実させたい」 と天敵からの農作物の防御に意欲を見せた。 メンバーからは、 サルの捕獲は現在の2人体制では難しいため巻狩り (狩猟地を多人数で取り囲み野獣を追い詰める) の意見が出された。同町の野生鳥獣による年間被害は毎年2000万~3000万円にものぼり、昨年度で2100万円。日高地方管内で最も被害額が大きい。
(シカの群れ、突然住宅街に:北海道)
11日午前、札幌市厚別区の住宅街に野生のエゾシカ8頭が姿を現した。警察や市職員が出動したが、被害はなく、シカは間もなく近くの厚別川に姿を消した。市や道によると、市内でこれだけ多くのシカが一度に出没するのは極めて珍しいという。午前9時40分ごろ、同区大谷地西を乗用車で通行中の会社員武田剛さん(70)=同市白石区=がシカを見つけ110番通報した。武田さんによると、シカは空き地から急に道路に飛び出してきた。角がある雄のほか雌や子供もいたという。その後、同川の河川敷を同市清田区方向へ走り去った。
(イノシシ農作物被害拡大:富山)
富山県内で近年、イノシシによる農作物被害が拡大している。県によると、今年は新たに南砺市の福光地域や氷見市の県境付近、県東部の丘陵地末端で被害が報告された。地域によっては山村全体がイノシシのすみかになりつつあり、県は被害防止に向けて電気柵の設置を呼び掛けている。県が2001年に行ったイノシシの生息状況調査では、富山市の大沢野、大山、細入、山田、八尾の各地域と南砺市城端地域で目撃されただけで、年間を通じてイノシシが見られた地域はなかった。しかし、農地の荒廃が進むのに伴い、01年から05年にかけて朝日町、魚津市、立山町、氷見市など、県東部から県西部の幅広い地域にイノシシの分布が広まった。イノシシによる被害の9割は稲で、食べるだけでなく、泥浴びで倒伏も引き起こす。県がまとめた被害額は06年が278万円、07年が937万円、08年が2823万円と、年を追うごとに急増している。今年の被害額はまとまっていないが、新たに平野に近い富山市市場地区や滑川市小森地区、南砺市土生新地区、氷見市角間地区で被害が出ている。高齢化が進む中山間地では、被害に遭った農家が農地を放棄し、イノシシの新たなすみかになってしまう傾向もある。イノシシの被害を防ぐため、県は関係機関と一体になって捕獲や里山の環境整備に取り組むとともに、電気柵の設置研修会を開いている。富山市須原地区では今年、総延長2330メートルの電気柵を集落の水田に設置し、被害を封じ込めた。電気柵については、3戸以上の農家が設置する場合、県が半額を補助しているほか、市町村の補助制度もある。県は「イノシシの被害は対策を講じれば防ぐことができるので、補助制度を活用してほしい」(自然保護課)としている。
(北限のサル捕獲継続は「妥当」:青森)
国の天然記念物「北限のサル」による農作物などへの被害軽減と大規模捕獲(個体数調整)をめぐり、県は11日、有識者による「下北半島ニホンザル対策評価科学委員会」(委員長・青井俊樹岩手大学教授)を県庁で開催した。むつ、大間、風間浦、佐井の4市町村が2008年12月から同日まで1年間に捕獲したのは99匹と報告があった。11年度までに計画している捕獲数は270匹で、残る分について、4市町村は文化庁と県に対し、早ければ年内にも捕獲の許可を申請する意向。委員会はこれを妥当とする意見をまとめた。

TOPへ

12/11
(所長、無資格でイノシシのわな:長崎)
長崎県対馬市のし尿処理施設、対馬北部衛生センターの男性所長(51)が、無資格でセンター近くの道路沿いなどに、イノシシやシカ用のわなを仕掛けていたことが11日、市への取材で分かった。勤務中でも、知人らに頼まれると突然有給休暇を取り、イノシシを解体しに出掛けることもあったという。市は「1頭30分程度で解体するなど上手だったと聞いているが、職場には所長を含めて職員が数人しかおらず、勤務を優先させるべきだった」としている。市によると、所長は狩猟者登録証の交付を受けないまま、わなを計約10カ所に設置。そもそも狩猟免許も持っていなかったといい、県が詳しい経緯を調べている。市によると、所長は勤務時間中に電話などで知人らに頼まれると、2時間ほど有給休暇を取るなどし、近くの山やセンター内でイノシシやシカを解体することもあった。
(クマに襲われ男性けが:兵庫)
10日午後2時ごろ、兵庫県新温泉町用土、五十鈴神社東側の山林で、イノシシ狩猟用のワナにかかったツキノワグマの保護作業をしていた県森林動物研究センター(丹波市青垣町)の男性職員(47)が、このクマに左腕の数カ所をかまれた。男性は重傷。クマは射殺された。同センターなどによると、同日朝、ワナにかかったクマを見つけた住民が新温泉町に通報。駆けつけた同センター職員らが、麻酔銃でクマを眠らせて山に返す作業に取りかかったところ、ワナをくくりつけた木が倒れ、自由になったクマが男性職員にかみついたという。クマは体重約100キロの成獣。現場は周辺に田んぼが広がる山のふもとで、南約1キロには集落がある。
(エゾシカ、ヒグマによる農業被害が5年間で倍増1380万円:北海道)
帯広市内の2008年度のエゾシカとヒグマによる農業被害が約1380万円に上り、約640万円だった03年度から5年間で倍増した。9日の市議会一般質問で市側が明らかにした。市によると、市内の鳥獣による農業被害はエゾシカとヒグマで8割を占める。市は食害を減らすため、北海道猟友会帯広支部の協力で駆除を実施しているが、ハンターの高齢化が進むなどで近年は担い手不足が課題となっている。このため市は2009年度、有害鳥獣駆除者の養成を目的に、狩猟免許取得の講習会受講料や受験料、狩猟税の負担分などを、一定の条件を満たした人に対し助成する制度を新設し、すでに20代の3人に合計約7万円を支出したという。
(ミロク、欧米向けボルトアクションライフルが好調に推移)
ミロク <7983> は猟銃製造の国内トップ。9日に、09年10月期の連結業績を増額したことで、見直し買いが入った。15日に決算発表を予定している。連結経常利益は前期比75.2%減の2億4000万円と、期初予想の1000万円を上回った。会社側は「猟銃事業でボルトアクションライフルが欧米向けに好調だったことが要因。高単価製品は伸び悩んだが、低価格製品が好調で、自動車関連も想定以上だった。ただ、設備投資の抑制を受けて、工作機械は低迷している」(総務課)という。同社は、猟銃分野で米国ブローニング社と提携している。チャート上では、155円にまとまった戻り売りを控えているが、順調に消化すれば、8月27日に付けた年初来高値165円を奪回する場面もありそうだ。10日終値は11円高の152円。
(乗鞍の熊、残飯依存ない自然の個体:長野)
NPO法人信州ツキノワグマ研究会(松本市)と岐阜大の研究グループは、岐阜県高山市の乗鞍岳山頂付近で観光客ら10人にけがを負わせた熊について、体毛や胃腸の内容物を分析し、「残飯に誘引されたのではなく、バスターミナルに現れてパニックに陥り、居合わせた人を襲った可能性が高い」との調査結果を10日までにまとめた。熊は9月19日、標高約2700メートルにある通称・畳平バスターミナル脇の登山口付近に現れ、観光客や山荘経営者らを次々に襲った。駆けつけた猟友会員が射殺。岐阜大が熊の胃腸の内容物を調べ、研究会が体毛を分析した。岐阜大応用生物科学部の浅野玄准教授(野生動物医学)によると、熊は19歳前後の雄で、体長136センチ、体重67キロ。胃腸の中には標高2500メートル前後の高山帯・亜高山帯にあるハイマツの球果、キソアザミの葉などが含まれ、人が出した残飯はなかった。同研究会は、体毛に含まれる炭素と窒素の安定同位体のそれぞれの比率が、摂取した食べ物と密接に関係していることを利用し、熊の食性を調査。分析を受託した日本認証サービス(横浜市)の中下留美子主任研究員によると、熊は北アルプスにすむ通常の熊と同様の食べ物を食べていたといい、「少なくとも今年と昨年は木の芽、実、昆虫などを食べていたとみられ、残飯に味をしめて人前に出てきた可能性は低い」としている。同研究会の林秀剛代表は「ふんを垂れ流しながらバスターミナルを動いていた状況からして、熊は相当なパニックに陥っていた」と指摘。バスターミナルに出てくる前に熊に石を投げた人がいた-との情報もあることを踏まえ、「畳平一帯に熊がいることを人間側が認識する必要がある。もし出合ったら大声を出したり物を投げたりせず、静かにその場を離れるなどの対応を、観光関係者が観光客に教えていくことが必要ではないか」としている。

TOPへ

12/10
(有害鳥獣、捕獲報酬金を増額:福井)
イノシシなどによる農作物への被害が増大するなか、県は来年度から有害鳥獣を捕獲した狩猟者への報酬金を増額し、狩猟期間も1カ月間延長することを検討している。07年度から狩猟免許試験の回数を増やして狩猟者の増員につなげてきたが、今度は「手厚い配慮」で、有害鳥獣の駆除に参加してもらうねらい。県自然環境課によると、県内の鳥獣による農作物被害は06年度の約8400万円から増加し続け、08年度は約1億1千万円となった。7割がイノシシによるもので、シカ、サルと続く。特に若狭地域での被害が目立つ。県猟友会によると、県内の狩猟者数はここ数年約700人で推移し、約1500人いた20年ほど前から半減していた。県が07年度から狩猟免許試験の回数を年1回から2回に増やすと、合格者は08年度の28人から09年度101人に急増した。多くは農業者で、県の担当者は「被害に遭っている農家が危機感を持ったからでは」と分析する。一方、有害鳥獣の捕獲報酬金は、各市町がイノシシ1頭あたりで1万円前後を支払っている。その半分を補助している県は「より多く捕獲に参加してほしい」と、来年度からの補助金増額を検討し始めた。県猟友会の宮下堅司事務局長は「狩猟は射撃の練習にお金がかかるので大歓迎。有害鳥獣の捕獲もしやすくなる」と話す。狩猟期間も、現行の11月15日~2月15日なのを3月まで1カ月延長できないか検討している。すでに石川県では今年度から3月まで延長しており、県担当者は「2、3月はイノシシが子どもを妊娠していることが多く、頭数を一気に減らす効果もあるはず」と説明している。
(銃器バブル:アメリカ)
少年が近道するため民家の敷地を横切り、かねて無断通過に腹を立てていた家人の男から銃で撃たれけがをした。先日ロサンゼルス近郊で起きた事件だ。男は殺人未遂容疑で逮捕されたが、普通の市民が銃を買える米国社会の危険を実感した。昨秋の大統領選で銃規制に前向きな民主党が勝利した後、深刻な経済不況とは裏腹に「ガンバブル」といわれるほど銃器の売り上げが伸びた。護身のために銃が必要と考える市民が新たな規制や増税を恐れ、さしたる根拠もなく駆け込み買いに走ったのだ。ロス市内の銃器店によると、オバマ政権成立後、何の立法の動きもないため、落ち着いてきたが、数カ月前には弾薬が在庫切れになったという。サンフランシスコで銃規制のため活動するサム・フーバー弁護士(38)は、銃を手に独立を勝ち取り大陸を開拓した歴史から、「銃が国民性の特別な一部になっている」と指摘する。「毎日84人が銃で死ぬ」現実があっても、なかなか規制強化へ向けた合意にはつながらない。
(ホッキョクグマが共食い始める)
米国が率いる国際的な科学調査によると、気候変動の影響でホッキョクグマが狩りをする北極圏の氷原が溶け、共食いをするクマが現れたことなどにより、ホッキョクグマの生息数が減少している。11月20日には、カナダのマニトバ州チャーチルから300キロほど北で、オスのホッキョクグマが共食いした子グマの頭部を運ぶ写真も撮影されている。

TOPへ

12/9
(イノシシ猟で仲間の撃った弾が男性に当たる:熊本)
8日午後、熊本・宇城市の市道でイノシシ猟をしていた男性が、仲間から誤って猟銃で腹部を撃たれた。8日午後1時過ぎ、イノシシ猟をしていた72歳の男性が発砲した猟銃の弾が、約100メートル先で一緒に猟をしていた稲崎英二さん(54)の腹部に命中した。稲崎さんはヘリコプターで熊本市の病院に運ばれた。運ばれた時には意識があったが、現在の容体はわかっていない。銃弾は貫通せず、腹部に残っていたという。現場付近では8日午前11時ごろから、地元の猟友会のメンバー8人がイノシシ猟をしていて、猟銃を撃った男性は道路に飛び出してきたイノシシに向かって発砲したという。警察は、散弾銃の弾の1発がイノシシを挟んで反対側にいた稲崎さんに当たったとみて調べている。
(火縄銃など4300万で購入へ:愛知)
新城市は、同市設楽原歴史資料館で一般公開している火縄銃などの展示資料107点を豊川市の収集家から約4300万円で購入することを決めた。購入代金を含む補正予算案は12月市議会最終日の18日に可決される見込み。購入するのは、江戸時代に国内で製造された火縄銃や幕末の洋式銃など古式銃55点と火薬入れ、砲術秘伝書など。同資料館では、1996年に開館して以来、豊川市の収集家からコレクションを借り受け、展示してきた。今回、収集家から購入を打診され、買い取ることにした。金額は国立歴史民俗博物館の専門家などの鑑定結果をもとに算定。最も高価なものは国内に数丁しか残っていない幕末の連発気砲銃で、1丁300万円するという。新城市文化課の湯浅大司学芸員は「火縄銃を含む古式銃の常設展示では、国内でもトップクラスの内容」と話している。

TOPへ

12/8
(散弾銃暴発、男性死亡:静岡)
7日午後4時5分ごろ、静岡県裾野市須山の「須山クレー射撃場」の駐車場で、神奈川県相模原市相模大野7丁目、会社役員上釜士郎さん(64)が腹から血を流しあおむけで倒れているのを射撃場の従業員が発見し110番した。上釜さんは病院へ運ばれたが間もなく死亡した。沼津署によると、上釜さんはプレーを終え、自家用のワゴン車後部に散弾銃を収納させる際、暴発したとみられる。弾が腹部に当たったという。上釜さんは午後1時から射撃場で練習していた。
(食害対策、解決探るシンポ:兵庫)
野生動物が農作物や林を荒らす食害が深刻な但馬で、なぜ被害が増えたのかなどを考え、解決の方法を探るシンポジウム「山の動物と森のあり方を考える」が6日、養父市八鹿町国木の県立但馬長寿の郷で開かれた。NPO法人ひょうごエコ市民ネットワークが主催し、農林業関係者や市民ら約50人が参加。最初に県立森林動物研究センターの稲葉一明・森林動物専門員が県内の獣害対策の現状を話した。同センターの調べでは、県内では昨年、イノシシやシカなど野生動物による農業被害が6億4千万円にのぼった。稲葉さんは「食害との戦いは江戸時代以前から。明治から昭和50年代にかけて捕獲や毛皮需要が進み減ったが、最近は里から人が減り、耕作放棄地の増加などでまた野生動物が里に下りてきている」と説明。「追い払い捕獲するだけでなく、放置された農作物をなくすなど、総合的な対策が必要」と指摘した。また、外来種の侵入も深刻で、但馬では今後、アライグマの食害が爆発的に拡大する可能性も示唆した。県や町の担当者は、狩猟者の育成や集落ぐるみの被害対策を進めていることなどを報告した。農林業者は田植え直後の苗や、植林した木の皮が食べられる厳しい現状を訴えた。シカ肉を使ったソーセージを作っている薫製業者からは駆除後の動物の有効利用も提案された。同ネットワークの大西英剛代表(62)は「野生のシカが林の下草を食べると山の保水力が失われ水害につながるなど、農林業だけでなく、県民みんなの問題。今後も続けていきたい」と話している。
(駆除のシカやイノシシ活用:静岡)
農作物や自然環境への被害が深刻化している鳥獣害対策の一環として、駆除したシカやイノシシの肉などを流通させるため、伊豆市は7日、食肉加工センター(仮称)を来年夏に市内に建設する方針を明らかにした。駆除したシカなどを解体処理する県内初の施設。最大処理能力は年間800頭で、来年度中の稼働を目指している。 市によると、同市下船原地区の工場跡地(民有地)を借り、建物面積200平方メートルの木造平屋建てセンターを建設する。体温の高いシカは腐敗が激しいため、建設地は市内の各方面から効率的に輸送できる立地にした。建設費は5000万~6000万円を見込む。対象は、増加が著しいシカが中心だがイノシシも処理し、2ライン制で対応する。駆除したシカは猟師が同センターに輸送。2~3人の解体員が洗浄や冷蔵熟成、解体、冷凍保存などの工程を担い、肉や各部位をジビエ料理の食材などとして出荷する。運営体制については、市営や第3セクターを念頭に、関係機関でつくる委員会で検討する。シカによる市内の農作物被害は、1億4897万円(2007年度)。県の特定鳥獣保護管理計画によると、伊豆半島でのシカの目標駆除頭数は年間7000頭だが、実際は年間4000頭程度の駆除にとどまっている。駆除したシカは、猟師が自家消費したり、捕獲現場で埋めたりしているのが実情。シカ肉を流通・販売するには、保健所の許可を受けた施設での加工処理が必要になる
(サギ被害対策へ:山形)
鶴岡市は7日の市議会一般質問で、市街地で被害が相次ぐサギ対策に来年度から乗り出す方針を示した。樹木を伐採せずに営巣を防止するため、防鳥ネットの利用を想定。おととし立ち上げたカラス対策プロジェクト会議で併せて対応策を練る考えだ。サギは5月から8月にかけて、コロニーを作って繁殖する習性を持つ。繁殖後は群れを解くため被害は一時的だが、営巣個所では夜の鳴き声やふん害に悩ませられる。特効策はないという。市内では大督寺(家中新町)で1998年に被害が発生し、境内の樹木をほぼ皆伐。日枝神社(日枝)でも去年夏に営巣が確認され、スギ200本のうち70本を切った。今夏、被害に遭ったのは常念寺(睦町)。寺は目玉の描かれた風船、爆竹を使って対抗したが、騒音と悪臭は解決せず泣く泣く17本を伐採した。営巣するのは貴重な大木ばかりで「鎮守の森を伐採し続けていては街から緑がなくなってしまう」(環境課)と防止策の検証、調査に入ることにした。質問した渡辺洋井市議はサギの市街地集結の原因について、2002年度から進められている赤川掘削工事との関連を指摘。「水辺の森を追われ営巣地を転々としているのでは」と国を交えた協議の必要性を説く。これに対し、酒田河川国道事務所の斎藤信哉副所長は「三川橋から鉄橋間で確認されていた100羽単位のコロニーが去年は見られなかったが、ここで樹木伐採はしていない。工事とは直接つながらない」としている。
(潟東カモねぎまつり:新潟)
「かもん!潟東カモねぎまつり」が6日、新潟市西蒲区潟東の潟東体育館などで開かれた。脂が乗ったカモを味わってもらおうと、カモ汁1800食が1杯500円で販売され、人気を呼んだ。カモ猟は11月15日に解禁され、地域の猟友会員約70人が10年2月15日まで1人250羽の制限付きで猟をしている。その猟の様子を知ってもらおうと、猟友会の会員が、カモに扮(ふん)した4人を無双網で生け捕りにする寸劇を披露した=写真・日報連会員の池田友好さん撮影。雌のカモ役を演じた内藤美栄子さんは「初めてだったので、カモの扮装で顔を隠さなければ、とても恥ずかしくて……」と笑顔で話した。
(クマの皮はぎ被害:群馬)
クマによる木の「皮はぎ」被害が全国的に広がる中、県内でも桐生市から利根地域の森林で被害が出ている。皮をはがされた木は商品価値がなくなり、ただでさえ木材価格の下落に苦しむ林家には大きな打撃。県林業試験場は被害から守るための生態調査に乗り出した。「この木です」と言われた木を見ると、根本から2メートルほどの高さまで皮がはがされていた。幅は3分の1周ほど、厚さは数ミリ。桐生市梅田町3丁目のスギを中心とした針葉樹林。持ち主の森下美昭さん(67)に、被害にあった木を案内してもらった。「傷の周りの皮がまだ成長せずに薄い。被害を受けたのは数カ月以内でしょう」と森下さん。皮はぎの跡は20年ほど前から見つかり始め、この10年ほどであちこちで目立つようになったという。被害を受け傷ついた木は、出荷できる可能性はほぼなくなる。森下さんは、「未来の木を思い浮かべながら育てているだけに悔しい」と語る。なぜクマが皮をはぐのか、実はまだ解明されていない。歯形や足跡から、(1)春先にはぐ(2)母が子グマに教えている(3)うろうろせず「おいしそうな木」に一目散に駆け寄る(4)根元付近をくわえて一気に上に引っ張り、はいだ皮は食べる、らしい。地域も、県内では桐生から利根南部の赤城山東北面に限られるが、ほかの地域のクマがなぜ皮はぎをしないのかも不明だ。「謎の行動」に対し、被害地区ではこの数年、幹にビニールなどを巻き付ける対策をしている。やはり皮はぎが見られる山陰や東北で行われている方法で、なぜかクマが嫌がるという。県林業試験場も、木が成長しても巻き直さなくて済むよう、伸びるバネを使った対策資材を考案。効果の高い形状や設置方法を探っている。だが、これら資材の値段は500~600円。一方、直径16センチほどのスギ1本の価格は600円強。切り出しや運搬のコストや、資材を1本1本セットする手間を考えると割に合わない。このため、クマの生態を解明して根本的な対策を考えようと、試験場は今年から、クマを傷付けずに体毛を採取できるワナを設置した。集めた体毛を分析し、特定の個体だけが皮はぎをするのかどうかを調べるという。来年は発信器を使い、皮はぎの時期や生息地域、ほかに食べているエサなどを調べる予定だ。皮はぎに関してこのような生態調査をするのは全国でも珍しいが、確実に皮はぎのクセのある個体を捕獲する難しさもつきまとう。試験場によると、この数十年で木材価格は大幅に下落し、出荷すればするほど赤字になるほどになってしまった。地主の中には出荷をあきらめる人も多く、山は荒れ続けている。試験場の職員は、「厳しい状態の中でも山を放置せず、少しでも出荷に回そうと努力する林家を被害から守りたい」と語る。

TOPへ

12/7
(青森にニホンジカ?)
青森県には生息しないとされるニホンジカの目撃例が2005年10月以降、県内で19件あることが、北里大生物環境科学科の岡田あゆみ講師(野生動物学)が実施したアンケートで分かった。県自然保護課などは「増加すれば農作物被害も予想される」と懸念している。今年8~9月、県内の全市町村、警察署、森林組合など約140団体にアンケートを送付。目撃の有無を尋ねた結果、下北半島や南部地方の県内10市町村から情報が寄せられた。いずれも雄で、05年は2件、06、07年が各1件だったが、昨年は9件、今年は9月までに6件と増加していた。県自然保護課によると、県内のニホンジカは約100年前に乱獲などで絶滅したとされている。岡田講師は(1)北海道から津軽海峡を泳いで渡ってきた(2)岩手県から侵入した(3)飼育していたシカが逃走した―の三つの可能性を指摘。雌の目撃がないことから「繁殖しているかは不明」(同課)という。他県では、ニホンジカが農作物や貴重な植物を食い荒らす被害も出ている。県自然保護課は岡田講師と連携し、情報収集に努めており、「発見されれば速やかに捕獲し、今後の対応を検討したい」と話している。
(火薬なめさせ、22人中毒:茨城)
陸上自衛隊古河駐屯地(茨城県古河市上辺見)は4日、新人隊員に爆破薬をなめさせ22人が急性薬物中毒になったとして、第4施設群の2等陸尉(26)ら教官3人を減給、監督責任のある同群教育隊長の1等陸尉(31)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。同駐屯地によると2等陸尉は08年8月29日、城里町の訓練場で実施した新人隊員31人に対する爆破訓練教育中「爆破薬は無害だ。なめてみないか」など言いながら少量ずつ配った。興味を示した24人が口に含み、うち22人が吐き気などの急性薬物中毒症状を訴え、2~13日入院した。同駐屯地は、2等陸尉を減給5分の1(1カ月)にしたほか、2等陸尉に爆破薬が無害との誤った認識を与えたとして、別部隊で新人1人に爆破薬をなめさせた同群の2等陸曹(35)を同15分の1(2カ月)、過去に爆破薬を食べたと話した第1施設団の3等陸曹(26)を同30分の1(1カ月)にした。
(進む狩猟離れ、県内登録者4割減:秋田)
県内の狩猟人口が減り続けている。ことし10月末現在の狩猟者登録数は2383人で、10年前の3821人から37・6%減少した。狩猟免許を持つ人の高齢化と、若年層の狩猟離れが要因で、県自然保護課は「今後、減少に歯止めがかかることは考えにくい」と話す。狩猟者は市町村の要請を受けて有害鳥獣の駆除にも当たってきたが、関係者は「このまま減り続ければ、いずれ有害駆除を担う人がいなくなる時がくる」と危機感を持っている。同課によると、県内の狩猟者登録数は過去10年間、毎年100人前後のペースで減少を続けている。県猟友会の鈴木俊平会長(77)は「会員は60、70代が中心で、平均年齢は62、63歳ぐらい。『手足が利かなくなった』『山を歩くのがつらい』などの理由で辞めていく仲間は多い」と話し、減少は高齢化が主因とみる。狩猟者減少により、懸念されるのが有害鳥獣駆除への影響だ。有害駆除件数に減少傾向はみられず、狩猟者1人当たりの負担は重くなっている。同課は「今はまだ心配ないが、10年後、20年後は分からない。このままの状況が続けば、いずれ有害駆除の受け皿が無くなるかもしれない」と懸念する。
(155キロのイノシシ仕留める:広島)
体長約1・3メートル、体重約155キロの大物イノシシを、岩国市本郷町の自営業原田孝親さん(64)が仕留めた。「ここ数年は記憶にない大きさ」と驚いている。所属する本郷猟友会のメンバー7人で3日、町内本谷地区へ狩猟に出掛け、山中から向かってくるイノシシを猟銃で倒した。5、6歳のオスとみられる。原田さんによると、普段捕まえるイノシシの体重は60キロ前後。100キロまで計測するはかりで調べきれず、肉を切って2回に分けて調べたという。
(巡査部長が列車に拳銃置き忘れる:鹿児島)
4日午後2時すぎ、鹿児島県警本部鉄道警察隊所属の巡査部長(46)が、JR宮崎駅で下車した特急「きりしま」の車内に実弾入りの拳銃を忘れた。十数分後、回送先の宮崎神宮駅に停車していた車内で男性清掃員が発見。JRを通じて「不審な銃がある」と通報を受けた宮崎県警が捜査員を出す騒ぎになった。鹿児島県警地域課によると、巡査部長は警らのため鹿児島中央駅から列車に乗り、終点の宮崎駅で下車した。その際、駅のトイレに行こうとして拳銃をベルトから外してポーチに入れ替え、ポーチごと座席付近に忘れたという。銃には実弾5発が装てんされていた。巡査部長は駅のトイレで紛失に気づき、ホームに戻ったが、既に発車した後。拳銃の紛失は上司にも宮崎県警にも伝えておらず、宮崎駅に戻ってきた列車を宮崎県警鉄道警察隊員などが調べ始めたところ、巡査部長が自分の銃であることを申し出たという。鹿児島県警は巡査部長らを処分する方針。同県警地域課の永松一郎理事官は「拳銃の取り扱いについては十分に指導していたが、このようなことになって申し訳ない。指導を徹底していく」とコメントした。
(獣害対策、指導者育成が急務:長野)
野生動物の被害対策を担う技術指導者を育成する研修会が3~4日、南箕輪村の信州大農学部野生動物対策センターを主会場に行われ、県や市町村の鳥獣害対策担当者ら約20人が参加した。農林水産省の補助事業で、県内での開催は初めて。ニホンザルやニホンジカ、イノシシなどによる農林業や生活、環境への被害は各地で深刻化しているが、同センターによると「県や市町村には、その対策を現場で理論的に指導できる人材は皆無」といい、指導者の育成が急務になっている。初日の3日は、まず同センターの専門家らが、サルやシカの行動生態と被害防止技術について講義。泉山茂之准教授は「獣害防止に特効薬はない」と強調し、野生動物の動向を調べたうえで▽隠れ場所となるやぶや誘因物となる柿やクワの撤去▽犬による追い払い▽電気柵設置▽有害駆除--などの対策を効果的に組む「総合的防除」の必要性を説いた。その後、農学部構内での電気柵づくりの実習や、伊那市内で実施されている北海道犬による追い払いの視察をした。4日は辰野町内での集落環境診断、被害防止計画の立案などの実習を行った。参加した長野市農政課の担当者は「防護柵設置などは普段は農家にお任せで、自ら取り組む機会はなかなかない」と話していた。指導にあたった竹田謙一准教授は「市町村は国の補助金を得てさまざまな対策を講じているが、現場のノウハウを持つ人がいない。大きな市では獣害対策の専従スタッフを配置すべきだ」と話す。県野生鳥獣対策室によると、08年度の野生鳥獣による農林業被害額は約16億3900万円に上る。02~08年度の被害は約12億8000万~17億4000万円の間で推移。同室は「金額に表れない被害もあり、長期的に見ると被害は深刻化している」と話す。要因としては、里山に人の手が入らなくなり、農山村の周辺に野生動物が暮らしやすい環境ができた▽農山村の高齢化、過疎化により人と動物が接触する機会が減った▽猟師の減少--などが挙げられている。また「温暖化の結果、死なずに冬を越す動物の数が増えていることも考えられる」という。
(野生動物との共生考えて:岩手)
シカとクマの生態を取り上げた企画展「野生動物と生きる~岩手のシカとクマ」が、盛岡市上田の県立博物館で開かれている。野生動物と人間の共生について考えてもらおうと企画した。6日まで。同館所蔵のはく製、標本など164点を展示した。白い輪のない「ミナクロ」と呼ばれるツキノワグマのはく製や、毎年生えかわるニホンジカの20年間分の角を並べた標本など、貴重な資料が見学できる。また、釜石市、大船渡市、住田町にまたがる五葉山の県立自然公園で撮影された写真や、生息分布図などもある。同館の藤井忠志第3学芸課長によると、ニホンジカが1970年以降、保護政策や天敵の不在から爆発的に増え、森林の荒廃など新たな問題を引き起こしているという。藤井課長は「クマやシカによる被害は、元をたどれば人間が自然を変えてきたことに原因がある。彼らの生態を知り、人間社会が自然とどう付き合っていくかを考えるきっかけにしてほしい」と話す。
(西・南日本のツキノワグマ、DNA多様性を失う)
日本のツキノワグマが、長く国内に生息する間に遺伝子レベルで東日本と西日本、南日本の三つに分かれて進化し、そのうち西、南日本で遺伝的多様性が無くなって「絶滅の危機」にあることが、独立行政法人森林総合研究所東北支所(盛岡市)などの研究グループの調べで分かった。調査は、同支所生物多様性研究グループの大西尚樹研究員らが、慶応大、山形大などと共同で進めた。ツキノワグマの生息地の本州・四国の各地で捕獲されるなどした697体の組織やフンなどから、母系で受け継がれるミトコンドリアDNAの塩基配列を解析した。その結果、遺伝子レベルで、(1)琵琶湖以東の東日本グループ(2)琵琶湖から中国地方の西日本グループ(3)紀伊半島と四国の南日本グループの三つに分かれた。国内には現在約1万5千頭のツキノワグマが生息するとされるが、今回の調査では、東日本グループで38種類の遺伝タイプが確認されたのに対し、約1500頭が生息するとされる西日本では16種、数十頭とされる南日本ではわずか4種しかなかった。研究グループは「多様性があれば伝染病などが流行しても、耐性のあるタイプが生き残れるが、遺伝タイプが少なくなるほど抵抗できる確率が下がってしまう。生息環境再生などで保護対策を取らないと、西南日本では絶滅の恐れもある」とみている。大西研究員は「西南日本は、氷河期中も広葉樹林が広がり、もっと多様なDNAの個体群がいたはず。近世、近代以降の山林伐採などで生息域が狭まり、孤立・小集団化したのが原因ではないか」と話す。ツキノワグマは、30万~50万年前の氷河期に、陸続きだった朝鮮半島から日本に入ったとされるが、今回の調査で北朝鮮、中国雲南省などのクマと比較したところ、国内のグループのDNAはいずれも大陸系とは明らかに異なり、日本に渡ってから三つに分岐して独自に進化したと見られるという。
(サル追うイヌの訓練:長野)
農作物を食い荒らすサルを追い払う「モンキードッグ」の合同訓練が6日、大町市であった16頭が勢ぞろいして市役所駐車場からJR信濃大町駅までパレードし、駅前で訓練のデモンストレーションをした。同市は05年、全国に先駆けてサル追い払い犬の養成を始め、各地の自治体などの視察がいまも絶えない。モンキードッグの普及を受け、犬の放し飼いを規制する環境省の基準も、有害鳥獣追い払いの場合の例外規定ができた。この日は「元祖モンキードッグ」の1期生から「新犬」の6期生までがそろった。訓練中も含めると今年度中に20頭になる。同市では、5カ月の訓練のうち市が4カ月分、飼い主が1カ月分の費用を負担する制度で支援している。モンキードッグが活動する集落では、サルが近づかなくなり確実に農作物被害が減った。しかし、モンキードッグのいない地域にサルが移動し、被害が拡散する傾向がある。同市はさらにモンキードッグの頭数を増やすと同時に、やぶの刈り払いなど森林整備と、有害鳥獣としての捕獲など複合的な対策を進めるとしている。
(カラスを「悲鳴」で撃退:岩手)
JR東日本盛岡支社(盛岡市)がカラスによる線路への置き石を防ぐため、軌道内へ立ち入った際に仲間の悲鳴をスピーカーで流す実験を始めた。カラスの習性や賢さを逆手に取り、「線路は危険」と学習させるという。置き石はダイヤの乱れだけではなく、事故にもつながりかねない。同じ悩みを抱える他支社からも問い合わせがあり、盛岡支社は「置き石対策の決定版に」と意気込んでいる。カラスの置き石は同支社管内で年間約15~20件。同支社によると、線路下に餌を隠す際やいたずらで、石をくちばしで挟んでレール上に置くとされている。事故は起きていないが、車輪が石をつぶす時の異常音のたびに安全確認のため運転を見合わせるなど、遅れの一因になっていた。置き石の多い場所にカラスの模型を置き、風車を回したこともあるが、設置場所しか効果がなかった。このため、カラスの生態を研究する宇都宮大農学部の杉田昭栄教授の協力で、広範囲をカバーできる装置を開発。東北線花巻-花巻空港間の1カ所に設置した。装置は、線路に100メートル間隔で赤外線センサーを取り付け、カラスを感知すると線路脇のスピーカーからカラスの悲鳴や警戒時に発する声を数パターンの周波数で流す。カラスは仲間の悲鳴を聞くとその場を離れる習性があり、同じ音に慣れないよう装置が無作為に音を選択するよう工夫した。同時に、視力が人間の5倍というカラスが嫌がるよう発光器も約5秒間点滅する。10月の設置以降、置き石は確認されておらず、雪が積もり始める時期まで実験を続ける。仙台、長野など他支社から問い合わせもあり、盛岡支社施設課の高瀬力男副課長は「効果が実証されれば他地域でも生かしたい」と話している。

TOPへ

12/4
(共同で有害鳥獣焼却所:福井)
若狭町は3日、嶺南地方の2市4町が共同で、駆除した有害鳥獣の焼却施設を若狭町に建設すると発表した。嶺南地方で捕獲したシカやイノシシなどを処理し、食肉加工も行う計画で、有害鳥獣の焼却施設は県内では初めて。2011年秋の稼働を目指す。有害鳥獣の被害増加を受け、嶺南6市町は07年度から、嶺南連携事業推進協議会を設けて対策を検討。08年度の嶺南の駆除数はシカがほぼ県内のすべて、イノシシも約7割を占めた。駆除した鳥獣は土に埋めるなどしてきたが、環境面への影響も考慮し焼却施設を造ることにした。県内には有害鳥獣の加工施設自体はあり、処分にはアライグマやカラスなども加える。計画では、若狭町海士坂の民有地約4000平方メートルを6市町が共同で買い取り、焼却施設と食肉加工施設を建設する。総事業費は3億5000万円と試算し、県の核燃料税市町交付金を充てる。年間で2000近い個体を処理する。同協議会で本年度中に基本計画を策定して概要を固め、11年度に着工する。
(平べったい角のシカ捕獲:徳島)
美馬市木屋平でヘラジカのように角の一部が平べったくなったシカが捕まった=写真。ベテランハンターも見たことがないと驚いており、県立博物館では変異ではないかとみている。シカは11月30日昼ごろ、木屋平竹尾の山林で木屋平猟友会の川窪憲治会長(57)が猟銃で仕留めた。体長約1・5メートルの雄で、角の長さは約50センチ。角の先端が平べったくなっている。右の方が幅広く、最大で約8センチあった。県立博物館では「どのような原因でなったのかは分からないが、非常に珍しい」という。木屋平では昨年2月にも角が3本生えたシカが見つかった。川窪さんは「2年続けて奇妙なシカが捕まったのは何かの前触れだろうか」と首をかしげている。
(軍用拳銃押収:秋田)
軍用拳銃を所持していたとして、県警が旧日本軍将校だった能代市の男性を、銃刀法違反(拳銃所持)の疑いで秋田地検能代支部に書類送検していたことが3日、分かった。男性は既に死亡しており、同地検は不起訴処分とした。県内では軍用拳銃の押収実績は年に数件だが、全国的に増加傾向にある。県警は「まだ引き出しに眠っているケースが相当数あるのではないか」とみており、届け出を呼びかけている。捜査関係者によると、男性は旧日本陸軍の元技術将校で2006年6月、82歳で亡くなった。妻(79)が翌07年10月、男性の机を整理していた際、拳銃を発見。妻は自宅で保管し続けたが、男性の3回忌前の今年4月、遺品の整理にあわせ、知人を通じて能代署に届け出た。押収されたのは、米国スミス・アンド・ウエッソン社製の回転式拳銃(全長16・8センチ、32口径)で、実弾は装てんされていなかった。県警が鑑定したところ、実弾の発射が可能な状態で殺傷能力があると判明し、今年6月、被疑者死亡のまま書類送検した。県警は、男性の妻の話から、「戦時中に所持していた拳銃を復員後も持ち続けてたのではないか」と見ている。今回押収された拳銃について、防衛省陸上幕僚監部は「旧軍支給のものなのかは不明」としている。だが、警察庁は軍用拳銃を「型式や発見時の状況などから戦前・戦中に旧日本軍などから支給されていたものを終戦後も放置していた旧式拳銃」と定義しているため、県警では今回押収した銃を軍用として扱った。警察庁のまとめによると、過去5年間の軍用拳銃の全国での押収数は04年58丁、05年67丁、06年81丁、07年98丁、08年129丁と年々増加している。戦後64年が過ぎ、今回同様、元軍人の死亡に伴って発見され、届け出があるケースが多いという。県内では、過去5年間で今回の押収分を含め計5丁だった。軍用拳銃について、県警は、所持自体が違法である上、実弾が装てんされたままであれば暴発の危険性があり、盗まれて悪用もされかねないとして、「見つけた際は触れずに、すみやかに警察に連絡してほしい」と呼びかけている。銃刀法では、届け出があれば「刑を減刑または免除される」としている。
(体重140キロ、体長約2mの巨大イノシシ:茨城)
茨城県成沢町の山林で2日、体重140キロ、体長約2メートルの巨大イノシシが駆除された。付近の畑ではイノシシによる農作物への食害が深刻で、仕留めた同市開江町、粉川弘美さん(62)は「多数生息する水戸市森林公園の主だろう。これだけ体が大きければ相当田畑を荒らしてきたはず」と胸をなで下ろしている。県猟友会水戸支部に所属し、狩猟歴約40年のベテラン。2日午前6時半頃、狩猟仲間の同市上国井町、目幡昭男さん(68)から「緊急事態だ」との報告を受け、現場に向かうと、巨大イノシシが横たわっていた。巨大イノシシの足跡は何度も見てきたが、実物を見るのは初めて。まず大きさに驚いたという。市の有害駆除なども行っている粉川さんにとって、2年ほど前から狙っていた大物だったといい、「肉は仲間たちにも分け、家ではチャーシュー、角煮、鍋にして食べたい」と話していた。
(カラスの群れ数百羽:和歌山)
上富田町の富田川周辺に、カラスの群れ数百羽が集まっている。越冬のために飛来したとみられている。よく見掛けられるのは同町岩田と市ノ瀬の境界付近や岡の県道沿いなど。木の実を食べたり、電線や木に止まったりしている。人が近づくと驚いて一斉に飛び立ち「カーカー」と騒がしくなるが、落ち着くとまたいた所に戻ってくる。日本野鳥の会県支部会員は「ハシブトガラスが多いようだ。この時期、冬鳥として南下してきたか、山を降りてきたかだろう」と話している。
(湖北に珍客ハクガン飛来:滋賀)
天然記念物のハクガン1羽が、湖北野鳥センター(湖北町今西)前の琵琶湖に飛来しているのが3日、確認された。センターによると、県内で観察されるのは、29年ぶり2例目という。ハクガンは、北米に分布するガンの仲間で体長70センチ前後、羽を広げると1・5メートル前後になるが、日本に渡ってくることは少ない。成鳥は全身が真っ白で、くちばしがピンク色だが、今回確認されたのは幼鳥で、灰褐色の羽毛が多く残り、くちばしは黒い。前回に続いて発見者となったセンターの清水幸男所長(58)は「今朝、飛来したコハクチョウの群れに付いてきたようだ。西日本に来るのは非常に珍しい」と話している。
(高い捕獲率など独自の「くくりわな」開発:長野)
大岡乙の北澤行雄さん(77)は、イノシシやシカなど有害鳥獣の被害対策で、動物の足をワイヤで締めて捕獲する「くくりわな」を独自に開発した。従来の市販品に比べ、安全性と捕獲率が高まる工夫や技術を凝らしたのが特長。10月に本格発売し、県内農家を中心にこれまで30丁近い注文を受けている。くくりわなは「北澤式第5号型」と銘打ち、動物の足が乗るとワイヤが作動する仕掛け部分に、2層にした楕円(だえん)状の塩化ビニール管と、ステンレス板を使ったのが特色。プレス加工の長野プレス工業=鬼無里=の協力を得て、動物が仕掛けを踏み込むと、縁に掛けた輪状のワイヤが高さ35㌢ぐらいまで瞬時に跳ね上がり、足を締め付けて捕獲する仕組みを実用化した。ワイヤが確実に高く跳ねることで、従来品より捕獲しやすくなる一方、ワイヤを飛ばすばねの反発力は弱くし、人間がわなの上に誤って乗った際などにけがを負う危険を減らした。4項目の技術について国内特許を出願中だ。県のわな狩猟の免許取得者に、主にイノシシ、シカを捕らえる「有害鳥獣用」(長径19㌢、短径15㌢、深さ12㌢)として1万1000円で販売している。鳥獣による長野市内の農作物被害は2001(平成13)年度に約3800万円だったが、08年度は約1.3倍の約5006万円に増加。そうした状況を受けて、猟友会会員でもある北澤さんが「安全で利用しやすいわなを作れないか」と考え5年前に開発を始め、試作を重ねて商品化にこぎ着けた。北澤さんは「わなの免許を取っても危険で使うことをためらっていた農家にぜひ使ってほしい。実地での使い方指導にも応じるので気軽に問い合わせて」と話している。
(ハクチョウ、野性復活!?:福島)
鳥インフルエンザの感染拡大防止のため、冬に川や湖に集まる渡り鳥への餌付け自粛が各地で行われている。そのお陰で、福島市ではハクチョウが人の餌に頼らず、自分で食べ物を探すようになるなど、本来の野鳥の姿を取り戻しつつある。一方、依然として食べ物を与える市民が絶えず、2日も同市の阿武隈川でパンをやる市民が見られた。同市などが注意するのも限界があるようだ。同市岡部の「あぶくま親水公園」は、多数のハクチョウやカモの越冬地として知られ、日本野鳥の会福島支部や多くの市民が餌を与えていた。管理する同市は昨冬から、餌付けしないよう呼び掛ける看板を立て、野鳥の会も餌付けをやめた。川岸をフェンスで囲って市民が水辺に近付けないようにしているが、フェンスを乗り越えて中に入ったり、公園から外れた場所で餌を与える人が多数いる。餌付け自粛は、家禽(かきん)や人に鳥インフルエンザが感染するのを防止するのが目的だが、野鳥が餌によって1カ所に集中し、野鳥同士の感染で大量死するのを防ぐことにもつながる。担当の同市観光課は「餌をやっている人がいないか見回る余裕はなく、ホームページなどで自粛をお願いするしかない」と話す。日本野鳥の会福島支部の鈴木滋事務局長は「川で水草を食べたり、水田で落ち穂を拾ったりするのが本来のハクチョウ。最近はそんな姿を見られるようになり、餌付け自粛はハクチョウにとっていい方向に進んでいる」と話している。
(スウェーデンで45年ぶりオオカミ猟復活)
スウェーデンでこの冬、45年ぶりにオオカミ猟が解禁される。政府環境保護局が2日明らかにしたところによると、同国議会は今年10月、今後5年間のオオカミの頭数を210頭に制限することを決め、過去3年間で個体数が増加した一部地域について猟の許可証を発行することを承認した。環境保護局が今月中旬までに狩猟割り当てを発表するという。前年の冬の推定頭数は182~217頭で、狩猟割り当て頭数は20~40頭になると見られる。猟は1月に解禁され、発情期が始まる2月中旬まで行われる予定だ。スウェーデンのオオカミは1970年代に絶滅しかけたが、その後の懸命な保護活動により頭数は順調に増えていった。しかし最近では、家畜や野生動物がオオカミに襲われる被害が増え、問題となっている。首都ストックホルム(Stockholm)近郊を含む住宅街のそばでオオカミが目撃されたという報告も後を絶たない。同国は、欧州の一部の国と同様、ヒグマやオオヤマネコといった保護動物について、間引き目的での猟を認めている。

TOPへ

12/3
(100キロ超!巨大イノシシ:千葉)
茂原市台田の休耕田に仕掛けられたワナに、重さ100キロを超すイノシシがかかり、1日、捕獲された。体長は1・3メートルほどある雄で、種類はニホンイノシシとみられる。イノシシ駆除に取り組む長生村一松、益田賢次郎さん(62)と同市綱島、山坂輝夫さん(75)の仕掛けたワナにかかった。益田さんは「今年は例年に比べ、イノシシの捕獲数が多いが、10年以上捕獲を続けていて、こんなに大きいのは初めて」と驚いていた。兵庫県森林動物研究センターの宇佐川元巳・森林動物専門員は「子供のイノシシがワナにかかることはあっても、成獣はワナを警戒するため、これほど大きなイノシシが捕まるのは珍しい」と話している。
(ヤギ放牧:群馬)
遊休農地の再活用などを試みている前橋市は、赤城山麓(さんろく)など3か所で今年5月13~11月20日に試験的に行ったヤギの放牧の成果を点検した結果、「除草効果は十分」として来年度も継続することを決めた。一方で、農作物を荒らすイノシシを近づけさせないために、隠れ場所となる草むらをヤギに食べさせる試みは「除草とイノシシを遠ざけた効果の関連を検証するのは困難」として打ち切り、来年度は、オオカミの尿の香りを使ってけん制する新作戦に乗り出す方針を決めた。市農林課によると、ヤギは計7匹使った。放牧した3か所とも脱走したため、「今後は首輪や柵などの対策が必要」としている。同市鳥取町と荒子町の2か所計約3200平方メートルで、除草用に各2匹を6月から使うと、クズなどのつる状の植物やススキ、若い雑草などをよく食べた。約5か月で約2500平方メートルをこなし、効果が認められた。来年度は、ヤギを賃貸するか、購入する農家に補助する方針。一方、同市粕川町中之沢の山林(3000平方メートル)にイノシシよけに5月からヤギ3匹を放したところ、イノシシはほぼ出没せず、周辺の牧草地などには現れた。ただ、ヤギによる除草で見通しが良くなったことを嫌ったためなのか、人間のにおいを避けたのかは判別できなかった。市内では2008年度、イノシシ26頭、ツキノワグマ9頭、ニホンジカ8頭が目撃され、飼料用のトウモロコシや牧草が食い荒らされる被害が出た。対策は不可欠で、市はオオカミの尿の粉末を使った実験に踏み切ることにした。県森林組合連合会によると、粉末を入れた袋を棒などにつるし、10メートルごとに置くと、香りを嫌う鳥獣を遠ざける効果は約3か月続き、沼田市などで実証されているという。市は、計3ヘクタールで半年ほど実験する予定で、必要とする計240袋は計約23万5000円。同課は「初めての試みだが、実績はあると聞くし、自然にも優しい」と効果を期待する。
(ツキノワグマ危機:岩手)
日本のツキノワグマが、長く国内に生息する間に遺伝子レベルで東日本と西日本、南日本の三つに分かれて進化し、そのうち西、南日本で遺伝的多様性が無くなって「絶滅の危機」にあることが、独立行政法人森林総合研究所東北支所(盛岡市)などの研究グループの調べで分かった。調査は、同支所生物多様性研究グループの大西尚樹研究員らが、慶応大、山形大などと共同で進めた。ツキノワグマの生息地の本州・四国の各地で捕獲されるなどした697体の組織やフンなどから、母系で受け継がれるミトコンドリアDNAの塩基配列を解析した。その結果、遺伝子レベルで、(1)琵琶湖以東の東日本グループ(2)琵琶湖から中国地方の西日本グループ(3)紀伊半島と四国の南日本グループの三つに分かれた。国内には現在約1万5千頭のツキノワグマが生息するとされるが、今回の調査では、東日本グループで38種類の遺伝タイプが確認されたのに対し、約1500頭が生息するとされる西日本では16種、数十頭とされる南日本ではわずか4種しかなかった。研究グループは「多様性があれば伝染病などが流行しても、耐性のあるタイプが生き残れるが、遺伝タイプが少なくなるほど抵抗できる確率が下がってしまう。生息環境再生などで保護対策を取らないと、西南日本では絶滅の恐れもある」とみている。大西研究員は「西南日本は、氷河期中も広葉樹林が広がり、もっと多様なDNAの個体群がいたはず。近世、近代以降の山林伐採などで生息域が狭まり、孤立・小集団化したのが原因ではないか」と話す。ツキノワグマは、30万~50万年前の氷河期に、陸続きだった朝鮮半島から日本に入ったとされるが、今回の調査で北朝鮮、中国雲南省などのクマと比較したところ、国内のグループのDNAはいずれも大陸系とは明らかに異なり、日本に渡ってから三つに分岐して独自に進化したと見られるという。
(サル出没、市が注意呼びかけ:茨城)
水戸市内で2日、サルが出没しているとの目撃情報が、同市三の丸の旧県庁付近や同市若宮1の県営若宮団地付近から相次いで寄せられた。同市内では昨年同時期にも目撃情報が寄せられており、水戸市は、サルを発見しても物を与えたり、近づいたりしないよう注意を呼びかけている。同市環境課や水戸署によると、同日午前8時40分ごろ、旧県庁付近で通行人から「サルを目撃した」と110番通報があった。午後0時40分すぎには、目撃場所から約2キロ離れた県営若宮団地付近で「何かを食べているのを見た」との情報が寄せられた。同課によると、2日午後5時までにサルの目撃情報は8件。1日にも、同市飯富町の飯富公民館付近で目撃情報があったという。2日午前10時20分ごろ、同市城東2の城東小学校で落ち葉掃除中に目撃したという男性教員は、道路の真ん中を四つんばいになって歩くサルを目撃し「まさか」と思ったという。この教員によると、サルは中型犬より大きく、歯をむき出して威嚇した後、国道6号方面へ走り去ったという。
(冬の使者白鳥飛来、例年以上に:山形)
冬の使者の白鳥が庄内平野に多数飛来している。「酒田市白鳥を愛する会」の池田昭三会長(82)=同市若竹町2=は飛来数は例年以上に多いようだ、という。「愛する会」は鳥インフルエンザの影響で一昨年から餌やりをやめているがその影響もなく「ほっとしている」と話す。最上川では昨年より1週間早い10月1日に初飛来が確認された。その後、次々と飛来。池田会長によると昨季の約9900羽を超え1万羽の大台に乗ったようだ。白鳥たちは日の出とともに餌場へ「出勤」し、夕方に「帰宅」。今までの旧松山町や旧平田町方面より遊佐町方面が多いらしい。餌場は刈り取りがすっかり終わった休耕田など。100羽を超えるような集団で落ち穂拾いする姿は遠くから眺めると雪が降ったよう。純白の鳥海山(2236メートル)をバックにした群れの姿は米どころ庄内平野の面目躍如たる冬の風景だ。
(朝鮮選手権、多くの種目で新記録:北朝鮮)
11月24日発朝鮮中央通信によると、朝鮮で共和国選手権大会が行われ、多くの種目で新記録が樹立された。とくに、射撃の女子クレー・トラップ個人で世界記録を破り、女子エアピストル団体と個人、女子クレー射撃スキート団体、男子25メートルラピッドファイアピストル団体、女子25メートルスポーツピストル団体をはじめ、8種目で国内新記録が樹立された。また、重量挙げ、アーチェリー、水泳、陸上、自転車の20余種目で国内記録が更新された。

TOPへ

12/2
(イノシシ飛び出し4台事故:長崎)
1日午後3時頃、佐賀県多久市東多久町別府、長崎自動車道の佐賀大和―多久インターチェンジ間の上り線で、山からイノシシが飛び出し、走行中の乗用車にぶつかった。この弾みで4台の多重事故が起き、20歳代の男性があばら骨を折る1か月の重傷を負った。県警高速隊の発表によると、イノシシがぶつかった乗用車は約100メートル先で停車。急ブレーキをかけた後続のライトバンに別の乗用車や後続の大型トラックが次々と衝突するなどした。ライトバンを運転していた男性が重傷を負った。イノシシは体長約1メートル、体重約60キロ。車にぶつかって即死した。事故の影響で、現場は約2時間半、1車線通行となり、最大約1キロ渋滞した。
(オシドリが例年より1カ月遅れで飛来:鳥取)
鳥取県日野町の日野川で例年より1カ月遅れてオシドリの飛来が始まり、1日には約600羽が川面で羽を休めていた。地元の愛鳥家グループが約20年前からドングリの実や古米を河原にまいて餌付けし、昨シーズンは約千羽が飛来。しかし今年は野山にドングリが豊富で、餌をまいてもなかなか日野川へ降りてこなかったという。オシドリはカモ科の渡り鳥。雄は虹色の冠羽と腰のイチョウ羽が美しい。同町のJR伯備線鉄橋下に観察小屋が設けられており、来年3月まで利用できる。

TOPへ

12/1
(猟銃殺人、57歳被告に懲役15年:高知)
高知県津野町で07年12月に猟銃で隣家の2人を死傷させたとして殺人や殺人未遂罪などに問われた同町芳生野丙(よしうのへい)、農業、西森茂広被告(57)に対し、高知地裁は30日、懲役15年(求刑・懲役25年)を言い渡した。伊藤寿裁判長は「ためらうことなく至近距離から散弾銃を立て続けに発砲した犯行は極めて危険で悪質」とする一方、多量の酒を飲み、心神耗弱の状態だったことを認めた。判決によると、西森被告は同月9日午後0時20分ごろ、隣家の山本栄喜さん(当時78歳)方に押しかけ、長男均さん(同55歳)に発砲し重傷を負わせ、さらに妻政代さん(同75歳)の胸に向け発砲し殺害した。
(エゾシカ被害で対策チーム:北海道)
増え続けるエゾシカによる農林業被害を防ぐため、道は30日、自衛隊や農協、猟友会、道警などに呼びかけて対策チームを発足させる方針を決めた。道によると、エゾシカは全道に約52万頭が生息し、08年度末の農林業被害は40億円に上る。道はメスジカ捕獲目標を年間7万頭と掲げているが、ハンターの高齢化による減少や、シカが鳥獣保護区に逃げ込むことを覚えたことなどから、目標が達成されていない。対策チームでは、銃器の扱いに習熟した自衛官OBにハンター育成を手伝ってもらうなど、幅広い機関や専門家に協力を呼びかけ、駆除体制の強化を図るという。同日の道議会本会議で、自民党・道民会議の小松茂氏(釧路管内)の質問に高橋はるみ知事が答えた。
(道議会一般質問:北海道)
<抜粋>エゾシカの急増で、農業や林業などに深刻な被害が出ている問題で、高橋知事は農協や猟友会、道警などで構成する新組織を創設する方針を表明。知事は「自衛隊に協力が得られるか検討したい」とも述べ、自衛隊OB会などの協力でハンター育成を図る考えを示した。
(秋神温泉近くでニホンジカの群れ目撃:岐阜)
高山市朝日町胡桃島、秋神温泉旅館の調理師小林徳博さん(46)が先月27日、秋神川沿いの同旅館から約3キロ上流の牧場で、ニホンジカの群れを目撃、写真に収めた。徳博さんも、父繁さん(72)も「秋神地区で見たという話は初めて。環境変化が原因では」と心配する。同日午後5時ごろ、小林さんが夕焼けの写真を撮りに行ったところ、ニホンジカ8頭が草を食べるなどしていたという。小林さんは「立派な角がある雄もいて、カモシカより大きい姿に驚いた。増え過ぎて、作物などに被害をもたらさなければいいが」と願う。飛騨生態調査研究室の代表大森清孝さん(58)は「飛騨地域では、ニホンジカは、イノシシの後を追うようにして西部から東部へと生息エリアを広げている。これによって生態系が変化し、元からいた動物たちがいなくなる恐れがある」と警鐘を鳴らす。
(獣害、動物で対抗:長野)
獣害対策は獣で-。イノシシ、猿、熊など野生動物による農作物の食害や人への被害を防ごうと、家畜などを利用する試みが県内各地で行われている。下高井郡山ノ内町夜間瀬横倉の住民でつくる横倉環境整備組合は、9月から3カ月近く、山際の荒廃農地26アールで豚約50匹を放し飼いにし、雑草を一掃した。池田進次組合長(51)は「農地に戻すつもりなので、土を掘り起こしてくれる豚を放した。見通しが良くなり、豚は鳴き声も大きいので猿やイノシシが近寄らなくなった」と効果を話す。2年前から「牛の舌草(したくさ)刈り」事業に取り組んでいる木曽郡木祖村。今年は6月から3カ月間、2頭を菅地区に放牧した。ススキの原っぱになっていた農地がきれいになり、村によると、地区住民からのイノシシとシカの目撃や農業被害の届け出が3割ほど減った。上水内郡小川村では9月、村民有志約20人でつくる小川村山羊(やぎ)倶楽部(くらぶ)がヤギ6匹を成就(じょうじゅ)地区の荒れた農地に放した。農地再生や、乳を加工した食品の製造販売、観光振興が主な狙いだが、野生動物対策も期待。メンバーの湯浅昌謙(あつよし)さん(67)は「ヤギを人や車に慣れさせている段階だが、数年後には30匹まで増やし、もっと人目に付く場所に放したい」と言う。野生動物を追い払うために北海道犬を育成している伊那市。「追い払い実施者の会」の会員に1匹ずつ計11匹を預け、見回りをしてもらっている。会長で果樹農家の酒井健さん(75)=同市西春近=は「猿と出合うと犬が勇敢に追い、猿が出なくなった。助かっている」と効果を実感。市は1匹がカバーする地域を広げ、数も増やしたい、としている。農業関連資材卸販売の「長野味えさ販売」=松本市両島=はハイイロオオカミの尿を輸入、販売している。においが野生動物を遠ざけるという。自宅近くに出没する猿対策に、今年秋初めて購入した安曇野市穂高有明の土肥敏夫さん(61)は「安全で手軽に始められる。効果があれば人にも勧めたい」と期待していた。
(八ケ岳でシカ生態の調査)
長野、山梨両県にまたがる八ケ岳連峰の自然保護に取り組んでいる「南北八ケ岳保護管理運営協議会」は、信大農学部野生動物対策センター(上伊那郡南箕輪村)に依頼してシカの生息調査に乗り出す。シカによる食害が広がっているのを受けて、八ケ岳での分布をはじめ、シカをどの程度減らせばこれまでの自然を守れるのかといった調査を進める。同協議会は八ケ岳の地元自治体や観光団体で構成。生息調査は林野庁のモデル事業として5年かけて実施する。
(キジ肉を都城の特産に:宮崎)
霧島山麓(さんろく)で育てたキジ肉を、都城地域の特産にしようと動いている人たちがいる。都城市山田町の建設業、木脇利博さん(62)と同市郡元町の精米業、志々目義民さん(61)。2人によるとキジの生産販売は九州では珍しく、今後、積極的に情報発信していきたいという。志々目さんが昨年夏、熊本県の知人からキジの飼育をもちかけられたのがきっかけ。「地域で誰もやっていない。特産になりうる」と、木脇さんとともに「宮崎県雉(きじ)生産事業合同会社」を立ち上げ、飼育を始めた。昨年9月、北海道から成鳥約240羽を取り寄せ、手製のキジ舎で飼い始めた。今では約2200羽となり出荷体制が整った。木脇さんによると、キジは昔から高級食材として知られている。さっぱりした口当たりと、まろやかな風味が特長。現在、同市内のホテルや個人客に販売中。値段は雌で1キロ当たり4000~4500円、雄は約1500円増し。11月下旬には市役所を訪ね、長峯誠市長らに刺し身や鍋、キジそば、炭火焼きなどを試食してもらった。長峯市長は「脂身が少なくさっぱり。十分に地産品としてPRできる」と評価した。
(鶴岡市がカラス飛来数調査:山形)
市街地でのカラスの群れに悩まされている鶴岡市は30日、カラスの飛来数調査を行った。しかし、行動パターンの変化により、結果は計測不能に終わった。対策の基礎データとなるだけに、市環境課は「調査手法を抜本的に見直す必要がある」と仕切り直しの構えだ。調査は、ねぐらになっている鶴岡公園の周囲6地点に職員を配置し、公園に入ってきた数を目視で計測する方法で行った。市は、いったんねぐらに入ったカラスは、その場所にとどまることを前提にしていた。しかし、調査されていることをカラスたちが知ってか知らずか、実際には公園北東の市立荘内病院ヘリポートに集合した後、大群で渦を巻きながら公園に入ったり出たりを繰り返す異様な行動を取ったという。同病院と鶴岡南高の2地点では一度に出入りする数が数百単位に及んだため、重複カウントを避けられず、計測を断念した。先ごろ、公園でまとまった数の樹木が伐採された。この影響でねぐらが移動した可能性もあるが、同課は「原因は不明」とした上で「ヘリポートに近寄らせない対策も急がないと」としている。カラスの生態に詳しい山形大農学部の後藤三千代名誉教授は、カラスはねぐらに入る前に周囲でたむろする習性があると指摘。「たむろする場所は状況により変わるし、ねぐらとの行き来もある。もっと大きく構えて、たむろする前の段階で計測しないとだめ」と話している。今年は、カラスの数が最も少なくなる5月と、繁殖を終えた在来種(ハシブトガラス、ハシボソガラス)が集まりだす9月にも調査を行った。今回は、大陸からのミヤマガラスが加わりピークを迎える時期に合わせて実施した。また、市は本年度、箱わなを3カ所に設置。750羽を捕獲する計画で、27日現在347羽に上っている。

TOPへ