<射撃ニュース12月>

12/30
(野生シカ、健康把握で基準:兵庫)
兵庫県は2010年度、獣肉の有効利用に向けて、野山に生息しているシカが健康かどうかをリスク評価する手法を確立する。E型肝炎と寄生虫症、慢性消耗性疾患(CWD)にかかっていないかどうかを調べ、安全なシカ肉供給に役立てる。異常が確認された場合の情報公開や捕獲規制などの行政対応も検討する。県森林動物研究センターは「シカの健康状態を継続的に追跡するのは全国でも初めてではないか」としている。同県では2003年に全国で初めて、シカ肉を食べたことによるE型肝炎の患者が出た。その後、北海道大学や岐阜大学などによる共同調査で、E型肝炎を発症した可能性があることを示す抗体の保有率は、豚(58%)やイノシシ(27.5%)などに比べると非常に低くシカでは2.6%だった。また、外国ではシカ類がCWDを発症した事例も報告されている。

TOPへ

12/29
(実弾入り?小沢氏事務所に封筒届く)
衆院第1議員会館内にある民主党・小沢一郎幹事長(67)の事務所に、銃弾とみられる物が入った封筒が届いたことが25日、警視庁麹町署への取材で分かった。脅迫文などはなく、麹町署で捜査を進めている。同署によると、ライフル銃の実弾とみられ、大きさは直径1センチ、長さ8センチ弱。警視庁科学捜査研究所が鑑定を急いでいる。消印は数日前で、都内から発送されたとみられる。封書には横書きで「千代田区永田町2丁目 議員会館内 小沢一郎殿」と記載され、黒ペンが使われ手書きだった。消印は4、5日前で、東京23区内の郵便局から発送されたとみられる。差出人の氏名はなかった。小沢氏の秘書が25日午前11時40分頃、数日分の郵便物を整理していた際に発見した。小沢氏が中国国家副主席と天皇陛下の特例会見を推し進めて以降、右翼団体などによる街宣での抗議が強まっており、同署では関連を調べている。03年には「建国義勇軍」と名乗る差出人が、自民党議員に銃弾入り封書を送りつける事件が全国各地で16件発生。鈴木宗男氏、加藤紘一氏、河野洋平氏、野中広務氏らあてに北朝鮮問題などの政治活動についての抗議文付きで送られた。
(銃暴発で巡査長を訓戒処分:佐賀)
佐賀県警小城署で先月、拳銃の手入れ中に起きた暴発に関し、県警は25日までに、分解前に弾倉内を確認しなかったとして、30代の女性巡査長を本部長訓戒処分とした。また、監督責任がある50代の警務課長ら2人を本部長注意に、女性巡査長の作業を手伝って引き金部分を操作し、暴発させた20代の男性巡査長を所属長注意とした。県警によると、暴発は先月11日に同署1階の相談室で発生。弾は作業台を貫通しただけで、銃の手入れのため室内にいた7人にけがはなかった。
(ニホンジカ16頭捕獲、駆除:福島)
尾瀬国立公園でのニホンジカ対策として今年度から可能になった銃とわなによる駆除活動で、16頭が捕獲されたことが26日までの環境省檜枝岐自然保護官事務所のまとめで分かった。いずれもわなによる捕獲だった。同事務所によると、大江湿原や浅湖湿原付近で11頭、御池田代付近で5頭が捕獲された。同事務所と檜枝岐村猟友会のメンバーは100頭を上限に捕獲を目指し、特別保護地区内の尾瀬沼周辺などにわなを仕掛けたほか、銃による駆除が可能な期間中は入山しシカの痕跡をたどるなどした。同事務所によると本県と群馬、新潟の両県にまたがる尾瀬国立公園内には約300頭が生息しているとみられる。今回の捕獲について同事務所の仁田晃司自然保護官は「シカの生息域や対策などをさらに調べ、尾瀬の自然を守る活動を継続していきたい」と話している。
(鳥獣被害額22都府県減)
農水省が25日までにまとめた2008年度の野生鳥獣類による農作物の都道府県別被害状況によると、前年度より被害額が減った都府県が22あった。全体では被害額は増えたが、昨年2月に施行した鳥獣被害防止特措法に基づき地域ぐるみで対策に取り組み、被害を減らしている事例もある。08年度の被害額は約199億円で、前年度より約14億円多かった。北海道でシカによる被害が増えたことなどの影響で、2年ぶりに増加に転じた。
(農作物鳥獣被害、京都府は近畿最悪)
農林水産省はこのほど、野生鳥獣が農作物を食い荒らしたりする「農地荒らし」の被害額が08年度は前年度比7・5%増の198億86000万円に上ったことを発表しました。京都府の被害額は7億4400万円(被害面積830㌶)で全国5位、被害額・被害面積とも近畿では最悪となりました。都道府県別では、北海道が43億8240万円で最も多く、次いで長野県(9億8000万円)、福岡県(9億6700万円)、山形県(8億6000万円)の順。農水省のまとめによると、イノシシ、シカ、サル、カラスによる被害が大きく、特にシカでは、被害金額は前年度より11億3600万円増の58億1600万円でした。野生鳥獣による農作物被害は近年年間200億円前後で推移。農水省は対策事業の経費として10年度予算の概算要求に30億円を計上しましたが、行政刷新会議の事業仕分けで「地方の判断」と判定されました。同省では、事業継続のため都道府県向け交付金として措置するよう財務省と折衝しています。
(イノシシ農業被害額、昨年の5分の1:長崎)
佐世保市のイノシシによる農業被害額が大幅に減っている。4月-10月の被害額約1200万円は昨年度同時期に比べ5分の1の少なさ。対策を学ぶイノシシ大学を開設するなど、「正しい対処が農家に少しずつ浸透してきた」(県農政課)とみられている。県は2001年度から防護柵補助などの本格的な対策を始め、06年度にイノシシ対策の専門員も県に配置。昨年9月には、県北地域イノシシ等防除対策協議会を設置し、正しい電気柵の設け方やイノシシの生息しにくい環境づくりなどを地域のリーダーに教えるイノシシ大学を7回にわたって開校。専門員による研修回数は07年の3回から14回に増やした。本年度に入ってからは、卒業生16人の指導でイノシシの隠れ場所をなくすため、各地域で耕作地周辺の草刈りが頻繁に行われるようになった。さらに市が猟友会に委託しているイノシシの駆除数が、08年度は07年度の約1700頭から約2800頭に増加したことも、被害が減った一因とみられている。県や市によると、佐世保市内のイノシシによる農業被害額は00年度から急増し、04年度は過去最高の約1億1200万円を記録。07年度は約2千万円と沈静化したが、08年度はミカン農家の被害が相次ぎ、前年度の3倍の約7千万円(4-10月は約6800万円)に急増していた。県鳥獣対策専門員の小寺祐二さん(39)は「設置や管理の仕方で効果が変わる電気防護柵など、イノシシ対策は正しい知識を学ぶことが最も大切だ」と話している。
(収支均衡見通し示す、譲渡の福光クレー射撃場:富山)
南砺市議会産業建設常任委員会は15日開き、県から同市へ無償譲渡される福光射撃場クレー射撃場の採算性について、中山副市長が「試算では収支とも1700万円余りとなる」と説明し、収支がほぼ均衡する見通しを示した。有害鳥獣捕獲技術の向上やクレー射撃振興に努める一方、県からの財政支援を得られることも強調し、理解を求めた。
(シカに餌与えないで:宮崎)
シカによる自然林や農作物などへの食害を防止するため、霧島山系を囲む宮崎、鹿児島の5市2町でつくる環霧島会議(会長・前田終止霧島市長)は、野生のシカに餌を与えないよう呼び掛ける看板を作製した。合わせてポスターやリーフレットも作り、公共施設ほかホテルなど観光施設に配布して、食害防止への理解を求める。霧島連山では、観光客らが餌を与えることからシカの“定住化”が進み、頭数も増加。下草が食べられるなど植生に影響を与えていることから作製した。
(害獣対策で集落ぐるっと電気柵:和歌山)
和歌山県田辺市中辺路町小松原地区にこのほど、害獣対策用の電気柵が設置された。市の集落支援事業で、最終的に集落を囲うようにする計画。市森林局は「住民の生活空間の保全が目的。今後も同様の被害がある地区で検討したい」と話している。電気柵は、地区北側の傾斜地約3・1ヘクタールにある田畑や住居(16世帯)を山林と分断するように約620メートル張った。高さは平均1・5メートル。張り巡らせた6本の電線に触れると電流が流れる。電流は動物がびっくりする程度の強さで、24時間稼働させる。事業費は約40万円。設置は住民、市職員有志のボランティア組織・レンジャー隊らの計約20人が作業に当たった。小松原地区では、ほとんどの世帯が自家用の田畑を耕作しているが、獣害が深刻になっている。特にサルの被害が多く、住民は栽培する野菜や米などを守るのに四苦八苦している。集落には上部までネットで覆った畑が目立つ。地元に住む当仲佐季子さん(80)は「畑では何を栽培しても全部食べられてしまう。電気柵の効果が出ればうれしい」、本西孝晟区長(62)は「小規模な畑を一つ一つネットで覆うのは労力が掛かり、景観も雑然としていた。被害が減ってほしい」と期待している。来年度は、南側約3ヘクタール(8世帯)を守るために電気柵を設置する予定。市森林局によると、5月に同市龍神村丹生ノ川で集落を囲むようにネットを張ったが、電気柵は紀南地方では珍しいという。
(イノシシ駆除に農家奮闘:石川)
葉とツルだけを残し、サツマイモだけがきれいに掘り起こされ、イノシシに食べられてしまった畑の“証拠写真”を見た。手塩に掛けた農作物が、根こそぎやられた光景は痛ましい。現場の金沢市東原町では、7月下旬、イノシシ対策のためのオリが設置された。地球温暖化の影響か、県内にはいなかったイノシシが年々、福井県から北上しているらしい。何でも食べてしまうイノシシは、農家の敵だ。金沢市では今年度、中山間地26集落が被害を受け、七尾市や穴水町でも目撃された。被害集落は、さらに数を増している。イノシシが田んぼに入り稲を荒らすと、獣のにおいがつき、そのコメは売り物にならなくなるという。金沢市内では2006年度から、田畑への侵入を防ぐための電気柵を設け始めた。ただ、400メートルで7万円、1キロ・メートルで17万円かかり、半額は市が補助するが、農家の負担は大きい。生産者の1人は「専業では(コストがかさんで)食べていけない」と嘆いた。中山間地では、高齢化という問題もある。ふぞろいな形の畑や、斜面の田の管理は平野部よりも労力がかかる。若手が減り、耕作放棄地が増えて山が荒れると、さらにイノシシの繁殖を助長する悪循環。山あいでの農業の未来が見通せない中で、「全力を挙げて農作物を作る意味はあるのか」と吐き捨てる人もいた。収穫時期を終え、地元の生産者組合長、宮田外茂治さん(60)を訪ねると、「オリでの捕獲はできなかったが、柵設置後は被害が無くなった」と喜んではいた。だが、柵で追い返しても、別の集落へ移動させるだけで、繁殖拡大は防げない。金沢市は、生産者らがイノシシの習性や他県での対策を学ぶ研修会を始めた。電気柵設置に「採算が合わない」と窮状を訴える生産者のため、田畑1枚ごとの柵から、何枚もの田畑を広く囲い込むコストダウン策を提案。頭数減らしのためには、オリやワナを設置し、捕獲できる資格の取得も勧めている。イノシシが出てからというもの、生産者たちの負担は明らかに増えた。農業に見切りを付ける人たちがさらに増えてもおかしくない。だが、宮田さんは来年以降も現れるだろうイノシシへの対策を真剣に考えている。「先祖から受け継いだ土地を守りたい」と話す様子には、その土地を愛するがゆえの切実な思いが感じられた。
(ニホンザル謎の死:京都)
京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)人類進化モデル研究センターで昨年3月から今月までに、飼育中のニホンザル15頭が急死していたことが28日、分かった。死因は不明で、感染症の疑いもあるという。同センターによると、死んだニホンザルは昨年6頭、今年9頭。いずれも血液中の血小板や赤血球、白血球の数が減少する「再生不良性貧血」を発症していた。ただ、病気と急死の因果関係がはっきりせず、死因は特定できていないという。また、一つの飼育室で複数のサルが発症していることなどから、感染症の疑いもあるという。2001~02年にも再生不良性貧血の症状があった6頭が急死したが、死因は分かっていない。同センターでは約1000頭を飼育しているが、ニホンザル以外での発症例はなく、平井啓久センター長は「今夏以降、死因を本格的に調べている。分かり次第、公表したい」と話している。

TOPへ

12/25
(狂犬病接種受けさせず、飼い主を書類送検へ:三重)
三重県松阪市飯南町の県立飯南高校で生徒5人が猟犬にかまれた事件で、同町の飼い主の男性(57)が、法律で義務付けられた年1回の狂犬病の予防接種を猟犬に受けさせていなかったことが県警松阪署への取材で分かった。同署は狂犬病予防法違反容疑と、高校生にけがを負わせた業務上過失致傷容疑などで、年明けにも男性を書類送検する。狂犬病予防法では飼い主に年1回の予防接種を義務付けており、違反すると20万円以下の罰金刑。しかし男性は同署の任意の事情聴取に対し、「ずいぶん前に接種してから受けさせていない」と話している。男性が所属する松阪飯南猟友会によると、捕獲された猟犬5匹のうち4匹は1歳以下の若い犬で、予防接種を一度もしていなかった疑いが強い。高校生が襲われた現場には猟犬5匹のほか、飼い主不明の犬2匹もいたが、高校生は同署に対し、「猟犬の方にかまれた」と話していることも新たに分かった。ランニング中に襲われた野球部員は「猟犬数匹がまとまってほえながら一気に向かってきた。逃げても追い掛けてきた」と説明。同署は猟犬がかんだことを裏付けるため、犬の口内の残存物や高校生の衣服の繊維片などを鑑定している。同署は、松阪飯南猟友会の会員でもある男性の犬の管理や日常的な飼育方法に不適切な点があったとみて、25日、被害者の高校生に立ち会ってもらい現場検証する。主に犬にかまれた人が感染する狂犬病は発症後の致死率がほぼ100%だが、三重県健康福祉部薬務食品室によると、最近は野犬の駆除が進み、ここ50年以上、犬と人間が発症した例はない。予防接種の効果は1年余りで、毎年接種しないと効果はない。高校生を襲った猟犬は事件後、動物病院で発症の有無を確認する検査を受けており、数日後に結果が分かる。同室担当者は「過剰な不安を抱く必要はない」と話している。
(野生鳥獣による農作物被害、昨年度199億円に)
2008年度中に野生鳥獣類により、全国の農作物で198億8600万円の被害が出ていたことが農林水産省のまとめで分かった。加害鳥獣のベスト3はシカ、イノシシ、カラスで、被害総額の69%(137億3100万円)を占めた。これは、農林水産省が都道府県からの報告をまとめたもので、被害額は前年度に比べ14億円増加、被害面積も10万ヘクタールと9000ヘクタール増えていた。加害鳥獣を金額ベースでみると、シカが58億1600万円と最も多く、次いでイノシシ(53億7600万円)、カラス(25億3900万円)、サル(15億4200万円)、スズメ(6億1900万円)と続いていた。シカによる被害は前年度に比べ24%増加、イノシシによる被害も7%増えるなど、生息エリアに広がりも見られている。
(イノシシ肉、流通させ地域振興へ:長野)
長野市は、中山間地域を中心に深刻な農業被害を及ぼしているイノシシの対策で、イノシシ肉を食用として流通できないか検討を始める。捕殺して被害を減らすとともに、新たな産業を創出して地域の活性化も視野に入れる。市森林整備課によると、昨年度のイノシシによる被害面積は233㌶で被害額は約1530万円。有害鳥獣対策として市は、各地区の有害鳥獣対策団体に捕殺に対する補助金を交付している。捕殺数は2006年度が133匹、07年度が169匹、08年度は204匹と増加の一途で、本年度は11月末までに昨年度全体を上回る327匹を数えている。イノシシ肉を食用にする場合、捕殺してすぐに血抜きをしなくてはならず、多くはその場で土に埋めて処理しているという。捕殺数が「右肩上がり」(森林整備課)の状況下、相当数のイノシシを捕殺するだけでなく、肉の加工所を設けて食肉として流通するルートをつくり、地域の活性化にもつなげたい考え。ジビエ(野生鳥獣肉)料理へ関心が高まる中、特産化への可能性も探る。課題は、捕殺後に短時間で持ち込める加工施設を設置できる適地の確保。被害の多い中山間地域は広域にわたるだけに、効率性が求められる。今後、先進地の運営ノウハウなども研究していく。同課は「イノシシ肉の需要もあり、数も賄える。農家への被害が減り、食肉流通で地域の活性化にもつながる」と期待を寄せる。

TOPへ

12/24
(イノシシ出没で看板設置:岡山)
深山公園(玉野市田井)でイノシシの活動範囲が広がっていることを受け、玉野市、市公園緑化協会は、利用者に日没後の入園自粛を促す看板を設置した。人への被害は出ていないが、市都市計画課は「猟友会と連携して、公園内からイノシシを追い出すよう努めたい」としている。深山公園では今年に入って、イノシシの目撃情報が相次いで寄せられるようになり、市職員、県猟友会岡山支部玉野分会メンバーが存在を確認した。イノシシの出没場所は限定的だったが、人が襲われる恐れもあることから市、市公園緑化協会は4月下旬、サイクリングロードから西へ伸びる各遊歩道を進入禁止に。利用者に注意を呼び掛ける看板なども設置してきた。ところが、秋ごろからイノシシの目撃情報、土を掘り返した痕跡の範囲が拡大。同公園を早朝に散策する高齢者らが多いことや、「イノシシは夜間の方が活発に活動する」(同課)ことなどから、自由広場そばや南入り口駐車場など計4カ所に、日没後の入園自粛を呼び掛ける看板を設置した。罰則などはなく、散策道などの封鎖も予定していない。市都市計画課は「利用者がけがをすることがないよう、今後も様子を見ながら対応していきたい」としている。
(大船渡線の列車にシカが衝突:岩手)
22日午後7時55分ごろ、JR大船渡線の陸前矢作(陸前高田市)―上鹿折(宮城県気仙沼市)駅間で、上り普通列車がニホンジカと衝突した。乗客にけがはなかった。この列車が16分遅れたほか、下り普通列車も50分遅れ、乗客計150人に影響が出た。
(爆発物原料の管理対象を拡大)
警察庁は24日、爆発物の原料となる化学物質について、販売事業者に販売台帳の作成・保管を求める品目を、従来の7から11に拡大することを決めた。インターネットを利用した通信販売で爆発物原料を入手したケースもあり、ネット販売では本人確認を行うことも求め全国の警察本部に通知した。新たに追加される4品目は▽ヘキサミン▽硝酸カリウム▽塩素酸カリウム▽塩素酸ナトリウム。警察庁によると、いずれも試薬などに用いられるが、別の物質と調合すると、HMTDや黒色火薬など殺傷性の高い爆発物の原料になるという。販売事業者対策をめぐっては従来、硝酸アンモニウムや硝酸、塩酸などTATPや硝酸尿素爆薬などの爆弾原料となる化学物質7品目に限り、販売した不審者の情報提供を求めてきた。05年のロンドン同時爆破テロ事件や昨年9月の皇居に向けた爆発物発射事件などで新たな4品目の原料物質が判明。今年10月の毒劇物取締法違反事件では、警視庁に摘発された薬品販売会社「林ケミカル」(東京都中央区)が購入者の名前、住所、使用目的などを記す法定書面を作成していなかったことから、4品目を追加した。警察庁幹部は「手製爆弾については11品目の管理を徹底すれば、未然防止できる。来年にはアジア太平洋経済協力会議(APEC)も控えており、対策を強化していきたい」としている。
(環霧島、シカ対策で連携)
鹿児島・宮崎県境にまたがる霧島連山でシカが急増し、森林の新芽や樹皮が食べられる被害が深刻化しているため、霧島市など県境の5市2町でつくる環霧島会議は22日から、観光客らに、エサを与えないよう呼びかける看板設置やリーフレットの配布を始めた。同地域の市町が連携してシカ対策に取り組むのは初めて。同会議などによると、霧島連山周辺の生息数は3千~4千頭が適正とされるが、2006年の生息数は県側だけで約1万頭と大きく上回っており、同年の農林業への被害は135ヘクタールに及び、被害額は約1千万円にのぼった。シカの捕獲頭数は年々増えており、14年ごろには県側で約1500頭に減らしたいという。霧島連山の生態系やシカ問題について協議してきた同会議環境専門部会は、観光客がエサを与えているのが一因とみて、09年度事業として看板設置などの広報対策を計画。費用136万5千円は7市町で分担した。縦横60センチの板に「シカにえさを与えないで下さい」と書き高さ2メートルの支柱に取り付けた埋め込み式など20枚の看板を作製。霧島、えびの両市の各5カ所とそのほかの市や町の各2カ所に設置する。ポスター600枚とリーフレット1万5千枚も作った。霧島市生活環境政策課員らはこの日、国民宿舎みやま荘や高千穂河原キャンプ場の入り口付近などに看板を立てた。周辺の別荘やペンションも訪ね、リーフレットを配って協力を呼びかけた。
(農作物の食害など移動知事室で説明:長野)
村井知事が県民から直接、意見や要望を聞く「ようこそ『移動』知事室へ」が22日、栄村役場であった。村内の3グループ計10人が知事と面会し、野生動物による農産物被害の実態などを説明した。秋山地区の有志でつくる小赤沢活性化倶楽部(くらぶ)は、カモシカやイノシシの食害への支援を求めた。知事は「農作物食害は県の重要な課題だが解決の決め手がない。努力します」とした。雪室で農作物を保存し、販売を始めた会社「田舎工房」は「味がまろやかになり好評」と活動を紹介。新潟県の隣接地域では、冬に蓄えた雪を夏の建物の冷房に使う取り組みが進んでいるとし、「長野も雪の利用を進めたい」とした。
(農家がイノシシ用竹製おり作る:愛知)
イノシシによる食害を防ごうと、豊田市旭地区や松平地区の農家など34人が23日、同市白浜町の白浜公園で竹製のおりを作った。おりは高さ1・3メートル、奥行き1・9メートルの竹製。枠にヒノキを使い、格子の間隔は6~7センチ。獲物が中の餌に食い付くと、仕掛けにつながった針金がはずれ、扉が閉まる仕組みだ。おり作りは、イノシシ捕獲の高い実績を持つ広瀬勇夫さん(岡崎市)が指導。竹の長さをそろえるのに苦労しながらも何とか2基を完成させた。10年ほど研究を重ねる広瀬さんは「竹製だと鉄製に比べ安価だし、イノシシの警戒も低くなる」と話す。昨年は1人で200頭を捕獲した。「すぐに効果が出るわけではない。おりの位置や、餌の置き方。一番大切なのは工夫し続けること」と捕獲のこつを明かした。
(北限のニホンザル、冬季一斉調査:青森)
下北半島に生息する国の特別天然記念物「北限のニホンザル」の冬季一斉調査が行われている。半島を7地域に分け、29日までの10日間、延べ約130人の研究者や学生、ボランティアが参加する。昨冬はサルの群れ47群、約1800匹を確認した。県は昨年度、農作物被害の恐れが高い群れ270匹の捕獲を許可し、99匹が捕獲された。今回は捕獲による群れの数や個体数、構成への変化も調べる。
(あらいぐま急増中、農作物被害全国最多:兵庫)
アライグマが県内で急増している。農作物への被害額は6520万円(08年度)と2年続けて全国最多。繁殖力が強く、このまま放置すれば生息数が今後15年で100倍に膨れあがるという予測もある。宝塚市は10月、アライグマなど有害鳥獣の駆除を県猟友会宝塚支部へ全面的に委託した。今年に入ってアライグマの被害や苦情が特に目立つようになったためだ。昨年度、市内での捕獲数は67頭だったが、今年度はすでに12月中旬で96頭に。毎日のように農政課の職員が捕獲作業へ出向いていたが、「数が多すぎて対応できなくなった。捕っても捕っても増えている」と担当者は言う。もともと、アライグマは北米原産で日本に生息していなかった。70年代ごろからペットとして輸入されるようになったが、飼い主が屋外に放ったり逃げ出したりして野生化。特定外来生物に指定されており、野外に放つことや販売、飼育は原則禁止だ。寄生虫や感染症を持っている可能性もあり、衛生面での危険性も指摘されている。県内では98年ごろから目撃情報が神戸市などで寄せられ始めた。イチゴやブドウ、トマトなどの農作物を荒らし、民家の屋根裏で子どもを産んだり汚物を残したりする被害が目立っている。国内には強力な天敵がおらず、生命力が強いため自然界では「一人勝ち状態」。行政や住民の捕獲作戦が各地で本格化しているが、メスは2歳ごろから年間4~5頭の子どもを産み続けるため、捕獲が追いつかないのが現状だ。県によると、01年度には0頭だった捕獲数も05年度には331頭、06年度は2059頭と激増し、08年度は3133頭とさらに増えている。「きちんとした捕獲と防護対策をとるのが肝心」と注意を促すのは、県森林動物研究センター(丹波市)の坂田宏志主任研究員。実際は、もっと多くのアライグマが生息しているはずだという。捕獲するには、目撃情報のあった場所にリンゴなどのえさを入れた箱わなを仕掛ける地道な作業を続けるしかない。同センターは、ほとんど対策をとらずに放置すれば今後15年で生息数は100倍に膨れあがると予測。出産前のメスの25%を捕獲しても5倍に増えるとみている。自治体も手をこまねいているわけではない。昨年度668頭を捕獲した三木市では、農家の住民ら約150人を「捕獲協力員」に認定。市職員や地元の猟友会員だけでは対応しきれないため、箱わなの見回りやえさの補給などを依頼している。春先に活発化するアライグマはいまのところ身を潜めているが、県森林動物研究センターは「いま被害の少ない地域でも積極的に対策をとらないと被害は拡大する。行政と地域の協力体制は必須」と注意を呼びかけている。

TOPへ

12/23
(改正銃刀法、ハンター不足招く?)
改正銃刀法が4日に施行された。これにより狩猟者人口が、ますます減るのではないかと、鳥獣被害に悩む山間部や島しょ部などで不安の声が広がっている。猟銃の所持者に対しては、今後規制が強化される。特に離島や過疎地の狩猟者には費用や日数で負担が大きく、既に狩猟をやめる人も出ているという。同法では最初の所持許可の取得時や3年に1度の更新の際、技能講習会の受講と、精神科や心療内科での受診を新たに義務付けた。しかし、射撃練習場や精神科医などがない地方では、狩猟者は遠くまで出掛けなければならない。「仕事がある人は、とても更新に行ってられないよ」。東京都猟友会小笠原支部長の小俣信二さん(57)はこう訴える。
(住宅街にサルが出没、麻酔入りの吹き矢で捕獲:広島)
広島市中心部の住宅街にサルが現れ、21日は小学校で授業が中断される事態になった。22日に再開された捕獲作戦では、マンションの駐車場に逃げたサルに麻酔入り吹き矢が命中し、捕獲された。21日、広島市中区の住宅街にサルが突然現れ、小学校では授業が中断される事態となった。その後、さすまたや網を手に追い詰めたものの、サルは逃走した。一夜明けた22日、捕獲作戦が再開された。マンションの駐車場に逃げ込んだサルに麻酔入りの吹き矢が命中し、捕獲された。市の職員は「(天井を)開けたら、一番端っこで、壁側に寄り添ってじっとしていた。吹き矢で狙って当てたという感じですね」と話した。サル捕獲に市民は「びっくりしましたね。街の中だから。(サルに)けががなくて、麻酔だから。目が覚めて元気になって山の方に返してあげたらいいなと」と話した。このサルは、若いオスのニホンザルとみられ、専門家によると、年を重ねると群れを離れる習性があり、山から街に迷い込んだ可能性が高いという。
(シカ肉「お宿」で提供:長野)
シカ肉を諏訪地方の新たな観光資源にしようと取り組む「鹿食免(かじきめん)振興会」(事務局・諏訪商工会議所)は、来春の諏訪大社御柱祭で御柱の曳行(えいこう)路沿いにできる休憩所「お宿」でシカ肉料理を振る舞えるよう、家庭への肉の販路を充実させる。21日、諏訪市内で開いた会合で決めた。諏訪地方では茅野市と諏訪郡下諏訪町にシカなどを解体する施設があり、主に飲食店や宿泊施設に肉を卸している。精肉店を通じて個人でも手に入るが、振興会は販路をより広げようと、農協のAコープなどに取り扱いを求めていく。家庭用はすじを取り除くなど調理しやすいように加工し、100グラム前後の塊やミンチで販売する。同振興会には、諏訪地方でシカ肉料理を提供する飲食店など約40店が参加。この日の会合には約30人が出席し、会員が日ごろ提供している鍋やたたきなどの料理を試食した。この日会長に就任した井口恒雄・諏訪地方観光連盟副会長は「シカ肉は調理が難しいと聞いているが、ここ1~2年で普及してきた。観光客から『シカ肉料理を食べたい』と思われるようにしていきたい」とあいさつした。
(おおち山くじら、鍋セット好評:島根)
冬の鍋物シーズンを迎え、山くじら(イノシシ)肉の産地・美郷町で、地元の主婦グループによる「おおち山くじら」ブランドの鍋セットの出荷作業が続々と行われた。今冬は売れ行きが例年以上に良いといい、全国からの注文に限定300セットがたちまち完売した。人里に下りては畑を荒らす「害獣」のイノシシも、食材としては豊かな味わいの「山の幸」。同町ではこの点に目を付け、里山保全と生態系の適切管理を兼ね、イノシシ肉の活用に力を入れている。食育の一環として学校給食の献立に盛り込んでいるほか、東京や京都のホテル・料亭などへ特産品として出荷している。06年には、地元の主婦らが加工グループ「おおち山くじら倶楽部(くらぶ)」(吉川統子代表)を結成。同町久保の学校給食調理場跡を活用してイノシシのつくだ煮や鍋セットを手作りしている。冬の鍋セット(1箱4~5人前、3000円)は、11月下旬以降に捕れた天然イノシシのもも肉(400グラム)をメーンに、松江市の日本料理店の開発したレシピに基づいたみそだし汁、イノシシ肉団子、同町産の野菜を詰め合わせて全国に送る。注文窓口となっている同町産業振興課には今シーズン、注文の電話が殺到していた。同倶楽部会員の安田兼子さん(64)=同町乙原=は「美郷の天然山くじらは安全でおいしいのが自慢。多くの人に知ってほしい」と話していた。

TOPへ

12/22
(「農地荒らし」の被害深刻)
農林水産省は18日、野生鳥獣が農作物を食い荒らしたり畑で暴れたりする「農地荒らし」の被害額が、2008年度は前年度比7.5%増の198億8600万円に上ったと発表した。シカやイノシシが温暖化で増えた上に、過疎化で生じた耕作放棄地に住み着いたことが背景にあると、同省ではみている。シカ被害の大半を占める北海道では、東部地域に加え日高、上川両支庁でも牧草地が荒らされたといった報告が目立つ。イノシシの被害は近年、西日本から北日本に拡大。08年度は宮城、山形、福島各県で被害が発生した。
(飯南高に猟犬、生徒の集団を獲物と錯覚か:三重)
訓練された猟犬が、なぜ人に襲いかかったのか-。三重県松阪市飯南町の県立飯南高校の生徒5人が、猟犬など7匹の犬にかまれた事件で、犬の訓練の専門家からは「生徒の集団を、猟犬が獲物と錯覚したのではないか」との見方が出ている。40年近く犬の訓練に当たる同県伊賀市の警察犬訓練士は「一般に狩猟犬は人間への警戒心や攻撃心は弱く、人を傷つけることはまれ」と今回の事件に驚く。事件を目撃した同校教員は「犬に追われて逃げる生徒がいた一方で、頭をなで、かわいがる生徒もいた」と証言。人間側の対応によっては、興奮が収まった犬もいたようだ。犬はなぜ、人間に対し“攻撃モード”になったのか。この訓練士は、犬がランニング中の約10人の野球部員と出くわした状況から、「パニックになって逃げる生徒たちを、獣の集団と勘違いした可能性がある」と指摘する。全国の猟友会を統括する「大日本猟友会」によると、狩猟中の猟犬が人を襲う事件は毎年5件程度報告されているが、多数の被害者が出るケースは、ほとんど聞かないという。三重県猟友会の中世古太輔会長は「近年、人里の近くにイノシシやシカが出るようになり、狩猟のエリアも変わりつつある」と話し、今回のような集団被害の事件が起きる背景には、猟場が人里に近くなってきていることもあるとみている。
(鉛の散弾放置数百トンか:山梨)
今年7月に閉鎖された県立韮崎射撃場(韮崎市清哲町青木)に、人体に有害な鉛の散弾が大量に放置されていることがわかった。鉛の量は数百トンに上る可能性もある。県教委は早急に鉛を回収するとしているが、土壌汚染の実態調査も実施しておらず、回収時期は未定だ。回収には数十億円かかるとの指摘もあり、市民団体からは「ちゃんと鉛は回収されるのか」と不安視する声が出ている。40年以上利用 韮崎市の県立射撃場は1966年6月に開設。86年に県内で開催された「かいじ国体」では、空中を飛ぶ皿を散弾銃で撃つクレー射撃競技の会場にもなった。利用者はクレー射撃の選手や猟友会の会員らが中心だ。98年11月に誤射された弾が民家に当たった事故がきっかけで閉鎖につながった。県教委スポーツ健康課の推計では、2008年に延べ約4000人が射撃場を利用し、約12トンの鉛が使用された。開設から40年以上経過したことから、単純計算で数百トンの鉛が使われた可能性がある。射撃場は、散弾の射程235メートル前後にある釜無川とその河川敷の方向に射撃する構造のため、同課は河川敷や川底に相当量の鉛が残っていることを認める。「県立射撃場建設を考える市民の会」が現地視察したところ、河川敷には散弾の薬きょうやクレー射撃の皿が広範囲にわたって大量に散乱していた。同会の海老沢璋愿代表は「まるでごみ捨て場だった。行政が放置するのは許せない」と批判する。水質「問題なし」 県大気水質保全課によると、国土交通省が年2回実施する釜無川の水質調査では、鉛の環境基準1リットルあたり0・01ミリ・グラムを大幅に下回る0・001ミリ・グラム未満の鉛しか検出されていない。スポーツ健康課は「過去に1度も環境基準を上回ったことがない」として、土壌が鉛で汚染されていることを認めつつも、土壌の調査を見送ってきた。また、11年度中に完成を目指していた甲州市の次期射撃場が、地元住民らの反対で遅れている。こうした事情があることから、同課は「韮崎市の射撃場を再開したいが、土壌調査をすれば完全に閉鎖すると受け取られかねない」と説明する。大工事が必要 他県では過去に射撃場の鉛による土壌汚染が問題化している。千葉県は01年に市原市の射撃場を閉鎖し、20億円以上かけて汚染された土砂を搬出した。神奈川県も伊勢原市の射撃場を02年に閉鎖し、鉛の除去工事に約20億円を費やした。韮崎市の射撃場の場合、釜無川の流れを変更して、川底から鉛を回収するという大規模な工事が必要になる見通しだ。海老沢代表は「財政が厳しい中、県は数十億円とも言われる鉛の回収費が本当に出せるのか」と疑問を投げかける。<鉛>長く人体に蓄積し、高濃度になると貧血、手足の筋肉虚弱などの中毒性がある。発がん性があるとも指摘されている。雨水などに触れると溶けだす性質がある。空気抵抗に負けずに遠くまで飛ばすために、銃弾には、鉄などより重い鉛が使われてきた。全国的に射撃場の汚染が深刻化したことから、環境省は2007年に汚染対策の指針を策定した。
(この時期に熊?:長野)
21日午前6時半ごろ、長野市信更町三水で、県道脇の雪の上に熊のものとみられる足跡があるのを、近くの民家から新聞を取りに出た男性が見つけ、長野南署の駐在所に連絡した。同署によると、足跡は複数で直径15~20センチほど。近くに小学校や中学校があり、市教育委員会は保護者向けの電子メールで注意を呼び掛けた。同署によると、足跡は民家付近から県道を横切るように続き、山の中へ消えていた。形状や県鳥獣保護員を務めた地元の男性の話などから、熊の足跡とみている。現場で直径17センチほどの足跡を確認した市信更支所の職員は「秋や春先などに熊は出るが、雪があるこの時期の出没情報は珍しい」と話した。県クマ対策員の後藤光章さん(長野市)によると、ツキノワグマが冬眠に入る時期は個体差があるが、通常11月末から12月末にかけて。「信更町一帯は山が比較的浅いので、この時期に足跡が目撃される可能性は十分ある」と話している。
(ゴルフ場コースでイノシシ被害続出:福島)
イノシシによる農作物の食害などが相次ぐいわき市で、コースを荒らされる被害が続いているゴルフ場・いわきプレステージカントリー倶楽部が17日までに、本格的駆除に向けた有害鳥獣捕獲の許可申請や銃による捕獲実施の要望を市に行った。市によるとゴルフ場からの申請・要望は極めて珍しい。同ゴルフ場によると、今年は昨年以上にイノシシが餌を探してコースの芝を掘り起こす被害が発生、夏ごろには全コースにわたって荒らされているのが確認された日もあった。補修のための砂代や人件費もかさんでいる。従業員の懸命の修復作業や夜通しの見回りによって一時期よりコース環境は改善されたが、秋以降も“いたちごっこ”が続いているという。このためゴルフ場は11月、有害鳥獣捕獲の許可を市に申請し認められた。狩猟免許所持者らの協力を得て足わなやかごのわなを合わせて約40カ所に設置、一定の効果を挙げた。今月には銃による捕獲も行うため、県の基準などに基づき鳥獣駆除隊へ捕獲申請してもらうよう市に要望した。
(ニホンジカ北上:岩手)
ニホンジカが北上中だ。大船渡市などにまたがる五葉山が生息の中心だったが、近年は県北へと足を伸ばし、青森県でも今年、延べ6頭の目撃情報が集まった。食害を懸念する青森県は「できれば岩手県北で食い止めてほしい」と願うが、頼みのハンターは高齢化で減少傾向。有効な足止め策はないようだ。青森県は北里大獣医学部(青森県十和田市)とニホンジカの生息調査を行い、今月、結果を発表した。最も古い目撃情報は2005年で、2頭。06、07年は1頭ずつだったが、08年には9頭に増えた。同県では約100年前に絶滅したとみられていた。今回は県東部と南部を中心に確認されたため、「岩手県から北上したと考えられる」という。飼料作物や、種差海岸や十和田湖などの希少植物の食い荒らしを懸念する。岩手県は、00年にニホンジカの保護管理計画を作り、狩猟を中心に生息数の抑制に努めてきた。五葉山周辺では03年の8500頭から、07年は5千~7100頭まで数を減らした。だが、食用植物から推定すると、五葉山の生息限度数は2千頭。山からシカがあふれ、生息地域が拡大した可能性が高い。08年度には軽米町や一戸町などの県北でも目撃されるようになった。県は今年11月、拡大を食い止めようと、捕獲制限数を緩和、五葉山周辺以外の「侵出抑制地区」で、1人1日当たり3頭だったのを5頭まで増やした。だが、ハンターが減少している。散弾やライフルなどを扱える県内の銃猟者登録数は、05年度には2522人だったが、08年度には2170人に減った。高齢化が原因だ。県自然保護課の佐藤宗孝主査は「狩猟を頼ってきた猟友会などの担い手は、山を知り尽くしている。高齢化で後継者がいなくなるのは痛い」と話す。93年度に約6億7500万円だった農林業被害は、06年度には約4千万円まで下がった。それが、07年度は約7千万円、08年度は1億7千万円と、上昇傾向にある。森林総合研究所東北支所生物多様性研究グループの堀野真一さんによると、ニホンジカはもともと江戸時代までは東北にも生息していたという。それが、食用や食害対策のために乱獲され、各地で絶滅した。それが増加傾向にあるのは、「人の自然への働きかけが減ったから」とみる。かつて、中山間地域では薪を取ったり、間伐をして里山の見晴らしを良くしたりするなど、山に人が入っていた。それが、過疎化で人が減り、野生動物の天国になった。「シカは、敵を察知して木陰に隠れて生き延びてきた生き物で、狩猟といっても、見つけること自体が難しい。(生息地域の抑制は)一朝一夕にはいかないだろう」と話す。
(鳥獣被害防止計画を策定:北海道)
釧路市は、鳥獣被害防止特措法に伴う鳥獣被害防止計画を策定し、20日までに公表した。農林業被害や交通事故を引き起こしているエゾシカやヒグマ、カラスについて、適切な被害防除を促し、捕獲の具体的数値を示した。エゾシカは2009年度から3カ年で計7590頭、カラスは2100羽を駆除する。森林被害の甚大な阿寒湖畔の前田一歩園財団が行う生体捕獲は年間1200頭とする。ただし、ヒグマは猟友会や関係機関との連携を強化して取り組むこととし、捕獲計画数は定めていない。
(相次ぐクマ出没:秋田)
「クマ?野良犬じゃないのか」。多くの人がいぶかったのも無理はない。残存湖に囲まれた干拓地の大潟村で今年5月、ツキノワグマ2頭が目撃されたのだ。ほどなく1頭が射殺され、開村45年目にして初の干拓地“上陸”が証明された。昨年に続き推定生息数が1千頭台に達した今年、各地で出没が相次いだ。県警への目撃情報は計269件(21日現在)に上り、統計が残る過去9年間で2番目の多さに。特に6~8月は全体の8割に当たる219件もの情報があり、山中で餌が不足しがちな夏場に出没が集中した。そうした中で耳目を集めたのが大胆な採食行動。小坂町では7月にカモシカを襲う姿が目撃されたほか、8月には大仙市の民家で小屋の奈良漬が度々食い荒らされた。鹿角市でも8月にメロンやみそだるを積んだ車の窓ガラスが割られ、近くの温泉旅館の従業員らを驚かせた。ほかにも直売所内のみそが狙われるなど各地で被害が続発した。それを裏付けるように捕獲数も急増。個体数調整(4~6月)で22頭、有害駆除(通年)で178頭が捕獲された。推定生息数の17・8%が射殺された計算となるが、県自然保護課は「人家や学校の近くに出没すれば、有害駆除を許可せざるを得ない状況」と説明する。狩猟期間(11月15日~来年2月15日)の直前には、県猟友会などに対して県が2年ぶりに狩猟自粛を要請。ただ強制力はなく、ヤマドリなどの狩猟中にクマに遭遇した際は射殺することもある。そうした理由で21日までに4頭が捕殺され、個体数調整や有害駆除と合わせた捕獲総数は204頭に達した。総数は昨年の2・6倍に及び、県が保護管理計画で掲げる「1千頭台の回復・維持」が危ぶまれる状況となっている。そもそも、奥山に生息するクマが人間と接触する危険を冒してまで人里に現れたのはなぜなのか。ドングリなどが実った9月以降に目撃情報が急減した点を踏まえると、食べ物が不足した時季に限って里に下りてきたと推測できる。一方で、猟友会員らが「里に食べ物があると知れば何度も現れる」と指摘する通り、残飯や果樹などがクマを呼び寄せたという実情もある。今年9月に観光客ら9人がクマに襲われて重軽傷を負った岐阜県高山市の乗鞍岳。以前から現場周辺で目撃されており、山荘から出る残飯を日常的にあさっていた可能性が指摘されている。出没のたびに繰り返される捕殺。彼らに野生と人間界の境界線を見失わせたのが人間であるとすれば、出没させない対策もまた、人間が講じなければならない。<県のクマ保護管理計画>ツキノワグマの個体数を安定的に保つ観点から、県は年間捕獲数の上限を「推定生息数の1割」と設定している。今年春に算出した推定生息数は、過去10年間で2番目に多い1126頭。その1割に当たる112頭が捕獲上限だったが、実際の捕獲数は204頭と大幅に超過した。このうち9割が有害駆除だった。
(「幻のシカ」出没:青森)
ガラスケースの中に大きなシカが立ち尽くしていた。大間町内山の丘に立つ畜産資料展示館。静かな館内に置かれた剥製(はく・せい)に「エゾシカ」のプレートが掲げられている。シカは1983年秋、近くの牧場で捕獲された。ウシの腹を角で突いていたという。北海道から津軽海峡を渡ったのだろうか。その立派な角を仰ぎ見ながら、丑(うし)年に出没が相次いだシカの話題を振り返った。県内では絶滅したとされるニホンジカが人目につき始めたのは昨年秋から。今年8月5日には1頭がむつ市で捕獲された。2歳の雄。十和田市の北里大獣医学部生物環境科学科でDNAを分析した。遺伝学的な手法で系統解明を試みられた青森初のシカの結果は「北海道のシカに近く、岩手のシカとは違うDNA配列」だった。県と北里大が今月公表したシカに関するアンケートによると、この2年間の目撃情報は15件に上る。下北半島北部で目撃されたシカは八戸市などの個体よりも比較的大型という結果も出た。エゾシカはホンシュウジカよりもやや大きい。シカは南と北から分布域の拡大戦略を繰り広げようとしているのだろうか。生物環境科学科の岡田あゆみ講師は「(出没の)要因は複数あるのではないか」と指摘する。考えられるのは(1)岩手県からの北上(2)北海道からの南下、そして、(3)飼育されていた可能性だ。県内ではエゾシカなどを移入し、飼うケースが少なくない。DNAを分析したむつ市のシカもその配列からエゾシカの可能性が高いが、解剖では消化管に寄生虫が少なく、飼育されていた疑いも捨てきれない、とされた。温暖化による少雪でホンシュウジカが太平洋側で分布域を広げ、北上しているというのは理解しやすい。その一方で、エゾシカが果たして津軽海峡を泳いで渡来するのだろうか。この“北ルート”は最近の目撃例が確認されたわけではないが、下北では古来、シカが海を泳ぐことが知られていた。「宇曽利百話」「奥隅奇譚」などに海洋を渡る記述があるほか、村林源助「原始謾筆風土年表」には1807年、「榎山(え・さん)灘より渡れるや野牛海より来たりしか。砂鉄山より見たりしは鹿渡りと云(い)える一連なるべし。初めの一匹は頭を上げ、残るは幾匹ならん。七、八丈(二十数メートル)にも見え……」とある。捕獲年代は新しいが、本州最北端の大間に残されたシカの剥製はその数少ない史料かも知れない。岡田講師らは皮膚の一部をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法でDNA検出可能な量にまで増幅し、正体の解明を試みている。三内丸山など県内の多くの縄文遺跡からシカの骨で作った釣り針が出土し、江戸時代に県内を旅した紀行家、菅江真澄は各地でシカの鳴き声を聞いている。その後、青森では明治初期のわずかな期間にシカやイノシシを絶滅させてしまった歴史がある。「シカ進出」の次の焦点は雌の確認だ。群れとして定着し、繁殖している可能性が出てくる。大雪と狩猟でいなくなった「絶滅種」の再定着という見方もできるが、各地で食害が拡大し、シカ対策は増えるスピードに追いつかないというのが実情だ。岡田講師は「暖冬傾向が続き、県内でもシカが増える可能性は高い。県民がその保護管理をどうするのか、考えなければならない時期に来ている」と話す。
(獣にかじられた?落石警報切断:広島)
19日午前10時半ごろ、三次市十日市西4丁目のJR芸備線西三次駅と志和地駅(同市下志和地町)の間で、落石警報装置が作動し、一時運転を見合わせた。JR西日本広島支社によると、落石はなかったが、装置のケーブル線が切断されていた。切断面に動物の歯形のような跡が残っており、シカやイノシシにかじられた可能性があるという。同社によると、装置は同区間の線路脇に太さ2ミリの銅線が100メートルにわたり、線路と平行して8重に張り巡らされている。そのうちの一カ所が切断され、線を覆うビニールに歯形が残っていた。上下線2本が部分運休し、上り線1本が1時間遅れるなどした。同区間では4月にも落石がないのに装置が切断されたことがあり、同社は「けもの対策を考えたい」としている。
(飼いイノシシ逃亡:岡山)
18日午後3時半ごろ、岡山市東区金岡西町の男性(68)が「自宅で飼っていたイノシシが逃げた」と110番、岡山東署員が周辺を捜索したが、見つかっていない。同署によると、イノシシは2歳程度の雄で体長約90センチ、体重約60キロ。男性がうり坊の時から自宅敷地内に鉄柵を設けて飼っていたが、一部を破って逃げたという。約30分後に1キロほど離れた日本エクスラン工業西大寺工場(同金岡東町)西側の県道を走っているのが目撃された後、行方不明になった。
(知事がイノシシ肉のイタリア料理堪能:和歌山)
農作物への鳥獣被害が増す中、仁坂吉伸知事が18日、捕獲した野生のイノシシ肉を地域資源としてふるまっている岩出市内の料理店を訪問し、料理や被害状況などを話題にジビエ料理を味わった。被害を及ぼす鳥獣の代表格であるイノシシを地域食材として利用することで流通を確保し、捕獲を促そうと県が展開する「平成21年度振興局政策コンペ事業」の一環。この事業で、岩出市の3つのイタリア料理店がイノシシ肉を使ったランチなどを来年2月まで提供している。この日、イタリア料理店「ヴィラアイーダ」で出されたのは、白ワインで味付けしたイノシシの肩肉入りパスタ、ハーブと塩でシンプルに味付けた背肉のグリルなど。仁坂知事は一口ほおばるなり「とてもおいしい」と満足そう。同席した紀の川市の主婦、西澤洋子さん(59)らも「どんな料理にも合いそう。若い人も抵抗なく食べられますね」。昨年度の県内の農作物の鳥害獣被害は3億2700万円で、イノシシによる被害が全体の約50%を占めた。県によると、イノシシは捕獲しても流通せず、処分にも困るため捕獲量が伸び悩んでいるという。仁坂知事は「需要があれば猟師の励みにもなる。多くの人にイノシシ肉の魅力を知ってもらいたい」と話していた。
(捕獲報奨金制度が好調:栃木)
イノシシによる農作物などの被害が深刻化する中、鹿沼市が緊急対策として10月に導入した「捕獲報償金制度」が好調だ。11月末までの2カ月間で報償金の対象となった個体数調整の捕獲数は113頭に上り、昨年度1年間の同捕獲数(132頭)の約9割に達している。市は「かなり効果が上がっている」と受け止め、報償金の増額などを検討した上で来年度も事業を継続したい意向だ。同制度は、市の有害鳥獣捕獲と個体数調整捕獲の許可を受けた捕獲従事者が対象で、来年2月末までの期間中に市内でイノシシを捕獲すると成獣、幼獣を問わず1頭当たり3千円が交付される。モデル事業の本年度は市に住民登録している狩猟者(狩猟期間内)も対象としている。市林政課によると、制度導入後2カ月間の「くくりわな」や「箱わな」を使った個体数調整捕獲は、粕尾地区の49頭、永野地区の20頭など市内10地区で計113頭。これに導入前の4~9月の同捕獲数(74頭)を合わせると計187頭で、既に昨年度1年間の1・4倍になっている。市内ではイノシシによる農作物被害が深刻化しており、被害額は2006年度約474万円、07年度約920万円、昨年度は約1232万円と拡大。市長の車座集会でも被害対策を求める声が強いため、市は被害地区への対策交付金に加えて新たに報償金制度を導入したという。
(広島市中心部にサル出没:広島)
21日朝、広島市中区十日市町一帯の街頭でサルが目撃された。市職員と広島中央署員が追っている。住民にけがはないが、市は広報車を巡回させ、注意を呼び掛けている。午前8時15分ごろ、中区十日市町2丁目を通りかかった市民から「看板の上にサルがいる」と110番があった。同9時40分ごろ、近くから再び通報があり、中央署員たちが駆け付け、民家の屋根やマンションの屋上伝いに走るサルを発見。網を使った捕獲を試みたが、逃げられた。中区役所によると20日も、上幟町の高校のグラウンドなどで目撃された。市職員が追跡したが見失った。サルは体長50~60センチで、ニホンザルとみられる。安佐動物公園(安佐北区)の獣医師渡辺仁さん(42)は「若いオスザルは、群れから離れる習性がある。山間部から迷い込んだのではないか」と話している。
(潮来にサルが出没:茨城)
十九日午後二時半ごろから同四時二十分ごろにかけて、潮来市内でサルの目撃情報が相次いだ。行方署によると、サルの体長は約五○~六○センチ。人を襲うなどの報告はないが、同署は「危険なので近づかないように」と呼び掛けている。同署によると、目撃情報があったのは同市潮来、日の出、大洲など。付近住民らから「サルが野菜を食べている」「民家の屋根にサルがいる」「サルが西の方へ走っていった」などといった情報が寄せられたという。今月一~三日には、水戸市内の数カ所で体長約六○センチほどのサルの目撃情報があった。
(36年ぶりタンチョウ成鳥:島根)
松江市郊外の水田で、国の特別天然記念物タンチョウの成鳥2羽の飛来が確認された。撮影した日本野鳥の会島根県支部の飯塚洋一支部長によると、県内での成鳥確認は、記録が残る1973年以来という。宍道湖・中海に飛来したガン、カモ類の調査をしていた同県支部メンバーが、20日に確認。2羽のタンチョウは餌をついばみながら、羽を休めていたという。和名の由来は「丹(赤)い頭頂部」。成鳥は体長140センチ前後、翼を広げると2メートル30センチにもなり、ツル科の中で最大の鳥。優雅に舞う「求愛ダンス」でおなじみ。越冬地では北海道の釧路市丹頂鶴自然公園などが知られるが、西日本での飛来はまれにあるという。飯塚支部長は「中国から飛来した野生種の可能性が高い」とし、島根県立三瓶自然館サヒメルの星野由美子研究員は「珍しい。天候が荒れ、寒波を避けて舞い降りたのではないか」と話した。
(オシドリ800羽飛来:鳥取)
日本最大級のオシドリ飛来地である鳥取県日野町の日野川に早くも800羽が訪れ、愛らしい姿が大勢の野鳥ファンを魅了している。イチョウに似た尾羽が美しい渡り鳥。十数年前に地元の保護グループが餌付けに成功した。天敵が来ない中州はまさに別天地。多い時は千羽を超す。カモ類なども誘われ、水鳥の楽園になった。JR伯備線の鉄橋下の監察小屋は11~3月に開放。警戒心の強いオシドリが間近に見える。1、2月の繁殖期に向けてカップルづくりのほほ笑ましい姿が楽しめそうだ。今秋はオシドリ資料館も開設された。山間の清流の町を舞台に交流の輪は広がる一方だ。
(突然変異?白いカラス発見:山梨)
甲府市内で全身が白い羽で覆われたカラスが見つかり、やまなし野鳥の会の依田正直会長が撮影に成功した。突然変異による色素欠乏(アルビノ)が原因とみられるが、「白いカラスはあまり聞いたことがない」(依田会長)と驚いている。カラスが撮影されたのは同市大手地内。全長は約50センチで通常のカラスとほとんど変わらないが、羽が白く、くちばしは茶褐色をしている。生後1年未満とみられ、付近の住民によると、今年の春ごろから姿を見かけるようになった。カラスは集団で活動するのが特徴だが、このカラスは親とみられるカラスといるとき以外は1羽で過ごしていることが多いという。知人から目撃情報を聞き、撮影に向かったという依田会長は「アルビノによって白化したスズメやツバメは県内でも時折報告があるが、カラスを見たのは初めて。最初に話を聞いたときは半信半疑だったぐらいで、とても珍しい」と話している。

TOPへ

12/18
(高校に猟犬や野犬乱入:三重)
17日午後1時半ごろ、三重県松阪市飯南(いいなん)町粥見(かゆみ)の県立飯南高校から「乱入した犬に、生徒4人がかまれた」と110番通報があった。松阪署によると、近くに住む農林業の男性(57)が同校の裏山でイノシシ猟のため放した猟犬5頭が、別の野犬2頭ととも同校グラウンドなどに乱入。練習中のサッカー部員など1、2年生の男子生徒4人の太ももやふくらはぎに次々とかみついた。4人のけがは軽いという。猟犬はいずれも体長70~80センチの中型犬で、約1時間後に地元の猟友会などが捕獲、収容したが、野犬は逃げた。どの犬が生徒をかんだのかはわかっていないという。同校の裏山は、シカやイノシシの猟区で、猟犬の飼い主の男性は「約35年、地元で猟をしてきたが、猟犬が人里に下りたのは初めて。獲物のにおいにつられたのかもしれない」と説明。同校の宇田克巳校長は「生徒の命にかかわる問題で、二度と乱入が起きないようにしてほしい」と話した。
(猪鍋セットに注文殺到:愛知)
町おこしを目的に、地元猟友会の仕留めた天然イノシシを使った猪(しし)鍋セットを販売している設楽町観光協会は、21日で予約を打ち切る。これまでの注文は約300セット。過去最多だった前年の約350セットを上回る勢いで、捕獲量が追いつかない恐れがあると判断、来年2月ごろを予定していた締め切りを前倒しする。同協会は大きな反響を喜びながらも「期待に応えられず申し訳ない」と複雑だ。脂乗りがいい肉質が好評でリピーターも多く、17日までに発送したのは90セット。今後の見通しが立っているのは約100セットで、残る予約分は既に捕獲待ちとなっている。イノシシは大きさが均一でなく、銃弾の命中した付近の部位は利用できないため、1頭からどれだけ肉が取れるか捕獲してみないと分からない。予約は今年分のみの受け付けだが、翌年の予約を申し出る人がいるほどだったという。同町の道の駅「アグリステーションなぐら」では同日、職員が肉の詰め込みやラベルはりに追われた。担当者は「肉が手に入るかは狩猟次第。多くの予約を抱えるなかで、さらに受け付けるのは失礼と判断した」と話す。鍋セットの受け付けは平日の午前9時から午後5時まで。猪肉のハムやソーセージなど加工品は引き続き注文を受け付ける。
(屋根破壊「容疑者」カラス:広島)
アステールプラザ(広島市中区)前の駐輪場を覆う屋根と窓計3カ所のガラスが、今月相次いで壊された。現場近くには石が残されていた。管理する市文化財団の職員や利用者の目撃証言から、意外な「容疑者」が浮上している。駐輪場を覆うガラス製の屋根約3・6平方メートルに5日、ひびが見つかった。当時、利用者が現場で目撃したのはカラスだった。9日には、カラスが上空から歩道に石を落とす姿を職員が確認。石は直径約5センチ、重さ約110グラムだった。13日は1階の窓ガラス2カ所に5~20センチのひびが入った。ガラスの割れる音で駆け付けた職員が、石をくわえて飛び去るカラスを発見。窓辺に石のかけらも落ちていた。利用者が石でけがを負う恐れもあり、財団は「カラスに注意」と書いた張り紙を出入り口に掲示している。職員の門田晃一さん(34)は「警察に被害届を出すわけにもいかない」と顔を曇らせる。

TOPへ

12/17
(イノシシ供養、碑建立:栃木)
県内初の施設として4月に開設された和見のイノシシ肉加工施設で16日、獣魂碑の建立式が関係者が集まって行われた。今後はイノシシの供養のための儀式を年1回程度行っていくという。碑は、施設で解体作業に従事している解体者5人で建立した。地元の和見石でできており、高さ約1㍍、幅約1・2㍍。建立者の1人で、猟友会で捕獲も行っている小高公平さん(67)は「農作物を荒らすイノシシでも命あるもの。供養してやりたい」と話した。式を終え「これで解体に専念できる」と笑顔を見せた。15日には、宇都宮市内の料亭の板前を講師に迎え、町が町内の温泉旅館や飲食店従業員を集めた講習会を実施。新たなメニュー開発にも取り組んだ。施設開設以来のイノシシの解体頭数は102頭(16日現在)で、年間予定頭数の倍に迫る勢い。全国各地から約600人が視察に訪れるなど注目が集まっている。町農林振興課は「町の名物として定着してきている」と自信を深めている。

TOPへ

12/16
(JOC、クレー射撃協会内紛で審査委開く)
日本オリンピック委員会(JOC)は15日、役員人事をめぐる日本クレー射撃協会の内紛問題を審議する第1回の加盟団体審査委員会を開き、対立する旧執行部と新執行部の双方から近く事情を聴く方針を確認した。JOCは2回目の審査委員会を来年1月に開く予定で、3月末までに結論を出す方針。
(イノシシ、はねられ死ぬ:和歌山)
15日午後4時頃、和歌山市栄谷の打手川近くを通りかかった人から、「川にイノシシがいる」との通報が和歌山北署にあった。署員らが駆けつけたところ、体長約1メートルのイノシシが川の中にいるのを確認した。同署によると、12日夜から13日未明にかけ、市内に出没したイノシシとみられる。同署員や県猟友会会員らが捕獲の準備を始めたが、イノシシは雑草の茂みに姿を隠すなどして作業は難航。日没後は川から上がり、住宅街を逃げ回るなど一時、騒然とした雰囲気になった。イノシシは午後8時30分頃、東約1キロの同市粟、南海本線紀ノ川第2号踏切付近で電車にはねられ、和歌山北署員が死んでいるのを確認した。近くの主婦(33)は「ドーンと大きな音がして驚いた。近所には小さな子どもが多く、イノシシにはかわいそうだけど、ほっとしました」と話していた。
(クマの目撃情報:静岡)
15日午前8時半ごろ、体長約1・5メートルのクマ1頭が島田市志戸呂の市道を横切って茶畑に入っていくのを近くの男性会社員が見つけ、島田署に通報した。地元の猟友会関係者や同署員がパトロールするなど警戒している。隣接する掛川市でも10月下旬、クマの目撃情報があり、島田市は同報無線などで注意を呼びかけている。同市によると、男性がクマを目撃したのは、市道菊川谷北線で、ホテルMIKAZATOから北西へ約900メートルの場所。茶畑に囲まれた丘の頂上付近にあたるという。
(シカ食害拡大で電気柵設置に補助:鹿児島)
鹿児島市郡山地区でここ数年、農作物のシカの食害を受ける地域が広がりを見せている。市郡山農林事務所には、農家から「野菜や水稲が被害を受け困っている」という苦情や相談が多数寄せられており、市は電気柵の設置補助など対策に乗り出した。八重山のふもと、西俣町西雪元集落の農家上野美義さん(84)は昨年から、田植えしたばかりの稲が荒らされ、大根や白菜の葉が食べられるなどの被害を受けた。人家に近い田畑で一年中被害が出ており「山間部にいたシカが姿を現すようになった」と話す。2007年度の同地区の鳥獣による農作物被害額は557万円。内訳は、イノシシが214万円と最も多いが、市内の他地区にはないシカの食害が77万円に上ったのが特徴だ。市生産流通課は、荒れた山林が増え山間部の餌場が減ったのに加え、農家の高齢化や後継ぎ不足で人が近づかない休閑地が増えたことが被害拡大の原因とみている。冬を越すシカの個体数も増えているとみられる。市はシカやイノシシを寄せ付けない電気柵の導入に力を入れ、設置費用の3分の2を補助している。09年度には市全体で590万円の予算を計上、郡山地区には218万円を助成する。08年度の同地区のシカ被害額は18万円に減っており、電気柵は一定の効果が出ているという。このほか、市は、猟友会の鳥獣駆除に報奨金を出すなど対策をとっているが、市全体のシカやイノシシ被害は依然増加傾向が続いている。市が本年度中にスタートさせる「市鳥獣被害防止計画」は、捕獲中心の従来策から、除間伐による山林整備や休閑地解消といった鳥獣保護・農林業振興の観点も加え対策を講じる考えだ。
(大型おりで宮島サル捕獲作戦:広島)
廿日市市宮島町の弥山などに生息するニホンザルを捕まえるための大型おりが15日、山頂付近の宮島ロープウエー獅子岩駅近くに設置された。宮島ロープウエーを運行する広島観光開発(廿日市市)が1月下旬にも捕獲を始める。大型おりは、獅子岩駅から約25メートル離れた場所に設置。サルを群れ単位で捕獲するのを狙っている。縦6~7メートル、横12メートル、高さ2メートル。金属製パイプを組み合わせて金網を張り、約1メートル四方のサル用の入り口を3カ所に設けた。移送時に暑さでサルの体力が低下しやすい夏場を避け、山林で餌が少なくなる冬場に捕獲するため、7日から工事していた。今後、約1カ月かけてサルを餌付けし、1月下旬以降、捕獲作業に入る。
(「ふん害」参った:山形)
鶴岡市立荘内病院の屋上が、カラスの来襲を受けている。屋上はヘリポートになっており、おびただしいふんに病院は大弱りだ。原因は不明だが、これまでの「仕掛け」が通じなくなったのは間違いない。フェンスに新たな追い払い道具を設置してはみたものの効果のほどは、さて-。夜のとばりに紛れて、ヘリポートに舞い降りる黒い影、影、影。何百羽いるだろうか。巨匠ヒチコックの映画ばりの恐怖感で迫ってくる影の正体はカラスだ。翌朝には一面に広がる大量のふん。「ヘリの発着上の問題はないが、患者を収容・搬出する場だけに衛生面が心配」と病院総務課。ふん片付けが欠かせない仕事になりつつある。カラスは5~6月から、集結しだした。カラスのねぐらは鶴岡公園。山形大農学部の後藤三千代名誉教授によれば、ねぐらに入る前に近くでたむろする習性があり「就塒(しゅうじ)前集合場所」と呼ばれる。ヘリポートがその場所になったというわけだ。大群をなすカラスが病院と公園上空で旋回を繰り返し、飛来数調査すらできなくなった。新たな追い払い道具は、ひもに釣り糸に使われるモノフィラメントをつけたもの。よじると輪ができ、風になびくとカラスが嫌う光を放つ。山形市の業者が開発。1つ50センチほどと大きくはないが、近くの小学校では効果が見られたという。鶴岡公園に近い立地のため、病院としてもこれまで、屋上にピアノ線を張り巡らしたり、カラスの死体模型をつるしたりと予防策をとってきた。しかし、学習能力の高いカラスに見抜かれ「今やピアノ線の上からフェンスに止まっていることも」(市環境課)。融雪式のためか、見晴らしがいいためか、鶴岡南高や鶴岡工業高から、たまり場が移ってきた。新たな道具をヘリポートのフェンス10カ所に設けて約10日。効果のほどは、まだはっきりしない。村田啓一総務課施設管理主幹は「これで?という気はするが、何とか寄り付かなくなってほしい。それだけ」と願うように話している。

TOPへ

12/15
(仲間2人の散弾当たり男性けが:栃木)
13日午前10時半ごろ、大田原市奥沢の巻川で鹿沼市の建築業男性(59)が、仲間の発射したとみられる散弾銃の一部が当たり、顔にけがをした。大田原署によると、男性は狩猟仲間とカモ猟に来ており、仲間2人が同時に放った散弾の一部が誤って当たったとみられる。
(コンビニ駐車場で猟銃暴発:鹿児島)
13日午前10時20分ごろ、奄美市名瀬朝日町のコンビニエンスストアの駐車場に止めていた同市内の女性(46)軽乗用車の右後部に散弾銃とみられる弾痕が見つかった。同市名瀬安勝町の会社員男性(57)がイノシシ猟に行く途中に同コンビニに立ち寄った際、「銃を暴発させた」と話しており、奄美署は銃刀法違反(実包装てん違反)の疑いで男性を書類送検する方針。同署によると、買い物を終えて車に戻った女性が弾痕に気付き同署に通報。弾痕は後部ドア後ろの鉄板に、少なくとも5カ所あり、直径はいずれも約1センチ。車内まで貫通はしていなかった。車にはだれも乗っていなかった。車から3メートルほど離れたコンビニ入り口付近で空薬きょう1個が見つかった。同署は、猟銃所持者らを中心に聞き込みを実施して男性を突き止め、同日夕に出頭を求め任意で事情を聴いた。男性は「何かに当たったとは思わなかった」と話しているという。当時、コンビニには3、4人の客がいた。女性は「店に入った直後、ボーンという大きな音を聞いた。孫(1)を連れていたが、車に残していなくてよかった。時間がたつにつれ、ゾッとしてきた」と話した。
(イノシシ被害相次ぐ:佐賀)
佐賀市大和町の嘉瀬川河川敷で11月頃から、大型のイノシシの目撃情報が相次いでいる。けが人も出ており、市は県猟友会と協力して15日にも駆除に乗り出す。市大和支所などによると、イノシシは体重が100キロ近くあり、河川敷の竹林をねぐらに、別の数頭と群れで行動している。11月中旬に河川敷の畑で農作業をしていた男性が背後から襲われ、背中に軽傷を負ったほか、同月末にも、河川敷で遊んでいた男子高校生が襲われた。12月上旬には、警戒中の佐賀署のパトカーが体当たりされ、車体が傷ついた。河川敷の農作物への被害も深刻という。市は河川敷に防護ネットを張り、イノシシ出没の看板を設置。近くには大和中や高志館高もあり、登下校時に河川敷近くを通らないよう学校を通じて注意を呼びかけている。大和支所の職員は「人間を怖がらずに襲ってくるので、見つけても近づかないで通報してほしい」と話している。
(小鹿野町『鉄砲まつり』:埼玉)
小鹿野町飯田の八幡神社冬祭りが13日行われた。県無形民俗文化財の付け行事「鉄砲まつり」で知られ、散弾銃や火縄銃を持ったハンターや愛好家40人が参加した。江戸時代に、猟師たちが火薬の威力を試すため始めたともいわれ、豊猟祈願の意味もある。午後4時に銃火奉納「お立ち」が始まり、格式十万石の大名行列に続き、幣束を背負った神馬2頭が登場。鼻取りの氏子ら4人に引かれ、神馬が参道を駆けると、待ち構えたハンターらが頭上目がけて空砲を撃ち放った。銃声が響き、銃口からオレンジ色の火炎が噴き出て、境内は白い硝煙に包まれた。またたく間の神事だったが、見物客は豪快な祭りに寒さを忘れていた。
(渡良瀬川にコクチョウ飛来:栃木)
足利市中心部を流れる渡良瀬川に、オーストラリア原産のコクチョウ5羽が飛来し、地元で話題になっている。コクチョウはカモ科の水鳥で、全身が黒い羽根で覆われ、真っ赤なくちばしをしている。渡良瀬漁協指導員の岩崎光雄さん(57)によると、5羽は9日頃から緑橋下流付近に姿を見せた。14日は、流れの緩い浅瀬で5羽がそろって羽を休めていた。岩崎さんは「渡良瀬川でコクチョウを見たのは初めて。どこから来たのか不思議」と驚いていた。県自然環境課は「動物園などで飼育されていたものが逃げ出し、野生化した可能性もある」と話している。
(アイガモの買い手募る:長野)
松本市四賀地区の農家でつくる「四賀有機農業研究会」が、アイガモを田んぼで放し飼いしてコメを有機栽培する「アイガモ農法」で、除草などの役目を果たしたカモの肉を買い取ってくれる観光施設などを探している。今年は不況などを理由にカモ料理を提供する施設の買い取りが激減、約250羽分の肉が余っている。研究会は「廃棄処分をしては『循環型』のアイガモ農法の理念に合わない」として、年内をめどに買い取り手の開拓を目指している。研究会は、有機農業に取り組み地域の特産品を作ろうと2003年に発足。水稲部会の農家17戸がアイガモ農法に取り組んでおり、今年は水田約4ヘクタールに適用した。田植えと同時期に卵をふ化させ、今年は5月下旬に計約350羽のひなを水田に放した。ひなが雑草や害虫を食べることで、地元の四賀有機センターで作った有機肥料だけを使い、化学肥料や除草剤は一切使わずにコメを栽培できる。こうして収穫した「アイガモ米」は首都圏などに流通。通常のコメの3~4割増しの値が付くという。ただ、大きくなったアイガモは苗を踏み荒らすため、毎年ひなを放さなくてはならない。稲穂が出るころには近くのため池に移し、食肉用にするため9月中旬まで飼料を与えて2、3キロまで太らせる。食肉処理は飯田市の施設で行い、内臓を抜いた状態で冷凍にしている。ほかの産地では、採算が合わないとアイガモを廃棄処分することもある。同研究会会長の坪田泰雄さん(79)は「最後まで責任を持って育て、食卓でいただくのが無駄のない循環型農業の本質」と訴える。「アイガモ肉は臭みが少なくおいしいが、買い取り手がなくなれば、来年以降のアイガモ米を生産調整しなければならなくなる」と話す。中山間地域に位置し兼業農家が多い四賀地区にアイガモ農法は向いているといい、毎年都会からアイガモ米の消費者を呼んで現場を見学してもらうなど地域おこしにも一役買っているという。1羽分(重さ約1・3キロ)の肉は2千円前後。
(犯人はカラス?線路に置き石:北海道)
14日午前8時45分ごろ、北広島市南の里のJR千歳線で、小樽発千歳行きの普通列車(3両編成、乗客231人)の運転士が、カラスがレール上に置いたとみられる石を発見、非常ブレーキをかけた。列車は石1個を踏みつぶし停車、列車と線路に異常がないことを確認し16分遅れで運転を再開した。乗員、乗客にけがはなかった。現場は北広島駅から千歳方向へ約2.4キロの地点。運転士が約100メートル手前で、カラスがレールから飛び立つのを確認した。JR北海道は「カラスによる置き石とすれば極めて珍しい」という。釧路市動物園園長補佐の志村良治獣医師は「カラスは学習能力が高く、過去にレールに木の実などを置いてうまく割ることができた個体が石を置いたのかもしれない」と話している。

TOPへ