<射撃ニュース2月>

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(駆除上限600頭に:島根半島シカ対策協議)
島根半島のシカ被害対策協議会が五日、出雲市大津町の出雲合同庁舎であり、旧出雲、平田両市と大社町の北側に広がる弥山山地での二〇〇九年度の駆除頭数を、これまでよりさらに百頭増やし六百頭を上限とすることを決めた。協議会には行政関係者や地元猟友会の代表など三十人が出席。県が特定鳥獣保護管理エリアとする弥山山地で昨年末に実施したシカの生息調査結果や被害状況を確認し、駆除頭数について話し合った。同エリアの〇八年のシカの捕獲実績は約五百頭で、統計の残る一九八七年以降で最多となったものの、生息頭数は四百八十六頭と報告。県が管理適正規模とする百八十頭に遠くおよばず、一向に減る気配のない実態が報告された。調査結果をもとに、捕獲許可上限頭数を協議。捕獲後の頭数を百八十頭として、独自の推計法により捕獲頭数の目安を六百頭に決めた。また弥山山地の東方に続く湖北山地でも繁殖している実態を出雲市が報告。弥山、湖北山地を対象にした大規模なエサ場造成や捕獲体制の強化など〇九年度から向こう五年間に取り組むシカ対策の基本計画が示された。
(シカ対策に住民とJRが協力:広島)
長年、シカの食害が続く広島市安佐北区白木町の井原地区の住民たちが、実態調査やマップ作りなどの対策に取り組んでいる。列車とシカの衝突事故が絶えないJR西日本広島支社などにも協力を呼び掛け、シカの現れない環境づくりを目指したいとしている。井原地区では白木山山系に沿うように住宅が並び、JR芸備線の線路を挟んで耕作地が広がる。山根自治会の正木一洋さん(66)は昨年、ホウレンソウやハクサイなどの3分の1が食害に遭った。「ここ数年、特に被害が増えている」と肩を落とす。食害で耕作をあきらめた住民もいる。住民らは今年に入り、足跡や被害があった田畑の特定など実態調査に着手。結果を地図にまとめ、シカが身を隠しながら枯れ草が延びている線路沿いや耕作放棄地を移動する特徴も分かってきた。現状把握に加え、より実効性のある対策を進めようと1月24日にシカ問題の研修会を開いた。同じくシカ対策に頭を悩ませるJR側との連携も欠かせない。研修会には広島支社の社員を初めて招き、現状の説明を受けた。芸備線の列車に衝突したのは2002年から07年までで年間151―94頭と多発。昨年7月からは、志和口―向原駅の2区間で最終列車の徐行運転も余儀なくされている。
(イノシシ被害深刻 ミミズ求めて芝生をガサゴソ:鳥取)
鳥取市桂見の「とっとり出合いの森」にある出合いの広場の芝生が、約1000平方メートルにわたってイノシシに荒らされている。これまでもイノシシが尾根や森に現れ、地面を掘り返すことはあったが、芝生の被害は99年の開園以来初めてという。有効な対策が見つからず、公園の管理者は頭を抱えている。公園の指定管理者、谷尾樹楽園によると、1月6日早朝の見回りで、芝生が約20平方メートル掘り返されていたのが最初の被害。ラジオをスピーカーで鳴らしたりロープを張るなどしてきたが効果はあまりなく、多い時は週5日ほど現れて、芝生を掘り返していくという。芝生は農薬を使っていないため、イノシシは地中のミミズなどを掘り返して食べているらしい。谷尾樹楽園の谷尾善三施設長(60)は「春先には子供たちの遠足で使われる場所なので何とかしたいが、今のところは打つ手がない」と肩を落としている。県森林保全課の徳安正之副主幹は「公園という場所であり、電気柵を張るのは難しい。山に帰るのを待つしかないのではないか」と話している。
(「借りてきた牛」活躍 獣害防止、耕作放棄地対策に:京都)
牛を農村に貸し出して耕作放棄地に放牧し、イノシシなど野生動物による農作物被害を防ぎ、草取りにもなる一石二鳥の試みが近畿地方で広がっている。名づけて「レンタカウ(牛)」作戦。農林水産省近畿農政局(京都市)も指南書を作るなど普及に努めており、丑(うし)年の今年、「借りてきた猫」ならぬ「借りてきた牛」に期待がかかる。イノシシや猿に田畑を荒らされていた京都府舞鶴市の西屋地区では2年前から、府畜産技術センターの所有する黒毛和種のレンタカウ「はな」と「もも」を借り、耕作放棄地2・7ヘクタールで放牧した。牛1頭は1日40〜60キロの草を食べると言われる。放牧地は雑草が刈り取られたようにきれいになったうえ、獣害が目に見えて減った。地元の農家志楽(しらく)光男さんは「イノシシが、体が大きい牛を怖がっている」と効果を話す。昨年は放牧地を3ヘクタールに広げた。京都府は01年から1日当たり1頭72円で牛のレンタルを始め、昨年は舞鶴市を含め7カ所に計14頭を貸し出した。「大枝の富有柿」で有名な京都市西京区の大枝地区。猿による被害で07年は柿がほとんど収穫できず、損害面積は10ヘクタールに上った。昨年夏、地元農家が初めて府から借りた牛2頭を柿園の周囲の耕作放棄地に放牧したところ、被害が激減した。牛が下草を食べたため、山から下りてきた猿が身を隠す場所がなくなったためらしい。柿農家の西小路光喜さん(80)は「効果は抜群」と喜ぶ。近畿農政局管内の農産物への獣害は、4266ヘクタール、計18億円(07年度)に上る。同農政局管内では昨年、京都や滋賀など1府3県で肉牛32頭が貸し出され、今年はさらに増えそうだ。滋賀県では、牛の購入に踏み切る農家も出始めた。和歌山県では牛のほか、狭い土地でも飼えるヤギの活用も始めた。同農政局畜産課は「国としてもレンタカウ制度を推進していきたい」と話している。
(大塩湖で市民探鳥会:群馬)
南後箇の大塩湖で市民探鳥会が開かれ、甘楽富岡地域の住民三十六人が湖で羽を休める冬鳥のバードウオッチングを楽しんだ=写真。日本野鳥の会県支部富岡分会が、鳥類と自然環境について考えてもらおうと、毎年多くのカモが飛来するこの時期に実施している。参加者は、同会の吉田昇会長の案内で、湖上のキンクロハジロ、オナガガモ、ホシハジロなどのカモ類約四百羽の種類や特徴を観察しながら、ウオーキングとネーチャーウオッチングを楽しんだ。
(晩秋にハクチョウの舞 水田に次々9羽が飛来:栃木)
五分一の水田にオオハクチョウ九羽が飛来し、道行く人たちの目を楽しませている。町内の日本野鳥の会県支部員によると「今までは町内の鬼怒川などで飛来が確認されているが、田んぼは初めてではないか」という。水田を所有する近くの農業男性(57)が昨年十二月に水を張ったところ、同月下旬に二羽のオオハクチョウが姿を見せ、徐々に数が増えたという。オオハクチョウは早朝に飛来し、水草などをついばんでいる。夕方には茨城県方面へ移動していく。男性は「これまで田んぼにカモなどが飛来したが、ハクチョウは初めて。これが本来の田んぼの姿なのかもしれない」と話していた。

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(ミロク、猟銃の国内販社を3月末で解散)
猟銃最大手のミロクは2日、油脂製品製造の日油と折半出資する猟銃・弾の国内販売会社、ニッサンミロク(静岡県裾野市)を3月末に解散すると発表した。4月以降、販売は日油の弾製造子会社、日邦工業(同)が引き継ぐ。ミロクは製造する猟銃のほとんどを海外に輸出、国内販売比率は1%未満にとどまっており、需要減に対応して販売体制を見直す。ニッサンミロクは1972年の設立で、2008年3月期の売上高は約10億円。
(クジャクあす捕獲:沖縄)
宮古島市内で外来種のインドクジャクが繁殖し、カボチャやインゲンなど野菜への食害が拡大している。市水産みどり課は県の許可を受けて県猟友会宮古支部(渡真利一夫支部長)に委託し、5日から3月31日まで、市平良の大野山林など市内全域の山林で銃器などを使用してクジャク50羽、イノシシ5頭を目標に捕獲する。市のクジャク捕獲は2007年4月に続いて2回目。捕獲する時間帯は日の出から日没まで。市は4日午前に平良、城辺、上野、下地、伊良部の計5カ所で看板を設置し、捕獲地域で注意を呼び掛けている。インドクジャクはインドやスリランカなどに生息する。観賞用で90年代に先島に持ち込まれた。個人やホテルなどが飼っていたが、野生化し繁殖したという。宮古や八重山などで増殖して野菜の新芽を食べるなどの食害が問題化している。市によると、宮古島では07年度には少なくとも50羽の生息が推定されていたが、08年度も増え、100羽以上は生息しているとみられる。生息地域も市平良の大野山林が大半だったのが、市内全域へ拡大している。
(拳銃認定されたエアガンを回収中:埼玉)
「そのエアガン、拳銃です」−。埼玉県警は、拳銃と認定されたエアガンの回収を行っている。対象は、遊戯銃製造会社「タナカ」社製のエアガン「S&W M500カシオペアモデル」「コルトSAA45カシオペアモデル」の2種類。改造や修理をしなくても金属製の弾丸が発射可能で、殺傷能力があり危険なことから、警察庁が平成20年11月5日付で拳銃に認定した。県警はこれまでに県内の24人から提出を受け、計28丁を押収している。所有者は、40歳前後のサラリーマンが多いという。しかし、いまだに全国で1000丁以上が出回っているという。県警は「銃刀法違反で立件が可能になってしまうので、持っている人は速やかに最寄りの警察署まで提出してほしい」と呼びかけている。
(Iターン夫婦が民家カフェをオープン:島根)
昨年秋、岐阜県高山市から松江市宍道町上来待にIターンした水谷靖さん(65)、登美子さん(60)夫婦が、空き家を改装した民家カフェ「山花(さんか)」を十日にオープンする。古民家再生を通して多くの地元住民と交流し、夢だった郊外のカフェで第二の人生に踏み出す。水谷さん夫婦が、二十七年間も暮らした岐阜県からの移住を決意したのは、二〇〇七年に松江市が初めて企画した「松江暮らし体験モニター」に参加したのがきっかけ。四泊五日で松江市内の観光名所や農業体験などをして、「文化が凝縮した良い街だ」との印象を抱いた。市役所職員が空き家探しに奔走し、「松江人の人柄と情熱に押された」と、昨年十月に移住した。民家カフェをオープンするため、岐阜と松江を往復しながら、昨年六月に古民家の改装が始まった。畳をはがし、かもいを敷き、天井も張り替えた。作業には島根大学の空き家活用を研究するゼミのメンバー七人も参加し、地区住民は使わなくなった階段を持ってきてくれた。「ここには目に見えない温かみがある」と登美子さん。作業開始から八カ月後の今年一月。畳とふすまで仕切られ、旅館のようだった空き家は、新たにいろりを設け、心地良い木の香が漂い、靖さんの陶芸作品を室内の随所にちりばめた民家カフェへと生まれ変わった。カフェでは、登美子さんが地元で捕れたイノシシの肉を使ったギョーザや、アイガモの親子丼などのランチやディナーも提供する予定。靖さんは「この地で刺激を与えたり、もらったりしながら過ごしたい」と目を輝かせる。
(スズメ急減)
18世紀プロイセンのフリードリヒ大王は大のサクランボ好きだったという。そこでサクランボを食べるスズメの駆除を命じる。だが、スズメがいなくなるとたちまち害虫が大発生し、サクランボも打撃を受けた。反省した大王は一転、鳥類保護に努めたという。こちらは20世紀、毛沢東の中国だ。50年代に中国政府はネズミなどと共に農作物を食い荒らすスズメの一掃に乗り出す。一説に11億羽が捕獲されたというが、結果はやはり害虫や雑草がまん延して大凶作に陥る。やがて駆除令は撤回された。「頭きって尾をきって、俵につめて海へ流す」とは小正月の鳥追い歌だ。日本でも農民からは嫌われてきたスズメである。しかし一方で「スズメを取ると火事になる」といった俗信や、スズメが幸運をもたらす物語も日本人は好んだ。昔の人はその「益」にも目配りしていたようだ。そんな愛憎からみあう古くからの友が最近少ないなと、かねていぶかしくは思っていた。東京近郊の自宅近くでは20年前は小鳥といえばスズメだった。だが今やヒヨドリやシジュウカラ、メジロなどが元気に飛び回る割にスズメの影が薄い。立教大特別研究員の三上修さんの調査にもとづく推計によると、国内のスズメ生息数は約1800万羽、ここ20年で最大80%減少し、半世紀前の1割程度になっているという。原因は田畑などエサ場や営巣できる場所が減ったためらしい。調査が実感を裏付けた形だが、あのひときわ生命力あふれたスズメたちに今何が起こっているのか。急減するスズメは何か思わぬ凶事の前触れではないかと心配になってくる。古い友の忠告を聞き取れる聴耳頭巾(ききみみずきん)がほしい。

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(散弾銃と実弾盗難で持ち主2人を書類送検:茨城)
茨城県内2カ所で昨年12月、散弾銃の盗難が発生した事件で、笠間署は3日、銃刀法違反などの疑いで笠間市内の会社員の男性(53)を水戸地検に書類送検した。同署の調べでは、男性は昨年12月21日午後2時20分ごろから約30分間、同市内の射撃場の駐車場に止めた車の中に散弾銃1丁と実弾27個を放置した疑い。男性は射撃場から帰宅後に盗難にあったことに気づいた。一方、水戸署も3日、自宅の無施錠の物置に、散弾銃の実弾28個を放置したとして、火薬類取締法違反(貯蔵違反)で水戸市内の男性(75)を同地検に書類送検した。県警では事件発生直後から主要道路で検問を実施するなどしているが、盗まれた散弾銃と実弾は見つかっていない。
(白老町で北海道犬の展覧会)
北海道犬の第17回展覧会・第15回獣猟競技会が1日、白老町のポロト温泉前広場で開かれた。17年ぶりの開催で全道各地の保存会から参加した愛犬が覇を競った。天然記念物北海道犬保存会白老支部(川上勲支部長)の主催。大会には胆振管内はじめ、札幌、函館、北見など道内各地や岩手県など本州からの参加者を含め110頭が出陳した。展覧会は子犬、若犬、幼犬などの部門に分かれ体型や色などを審査、優れた北海道犬を選出した。「最近は携帯電話のテレビコマーシャルに登場した北海道犬がブームとなり、着実にファンが増えている」と関係者。会場周辺には一般の愛犬家も訪れ、カメラを向ける光景も。また、青森県から連れてきたツキノワグマを相手に勇敢さを競う獣猟競技会も行われ、狩猟犬の本能を発揮していた。
(中学生への威嚇発砲「行き過ぎ」か「仕方ない」か)
中学生に対する警察官の威嚇発砲の是非を取り上げたが、「妥当だった」という圧倒的意見の中で、「やり過ぎ」との意見も取り入れ、今一つ番組の意図が……。事件があったのは、2月2日午前2時半ごろ、愛知県豊橋市の山中川で。豊橋署の男性巡査部長(58)と男性巡査長(26)がパトカーで巡回中、2人乗りの原付バイク2台を発見した。うち1台が停止したため巡査長が職務質問しようとしたところ、バイクに乗っていたうちの1人が殴る蹴るなど激しく抵抗。深さ20センチの山中川に入って、もみ合いになった。巡査長は、拳銃を奪われそうになったために警告した後、水面に向けて1発威嚇発砲。それでも抵抗したためさらに1発威嚇発砲したという。公務執行妨害と傷害の疑いで男を現行犯逮捕したが、同市立中学の2年生の男子生徒(14)だった。少年は無傷だったが、巡査長は頭、顔面挫傷で全治2か月のけがを負った。元警視庁警部は「拳銃を奪われないという責任があるので、極めて妥当だと思う」と。ところが、銃器専門家という津田哲也は「威嚇射撃は必要最低限の回数にとどめると規則にある。あの状況において2発は不必要だ。14歳という私の知る限り最年少の凶器を持たない少年には行き過ぎだった」と。が、この指摘は見当違いといえる。深夜2時の暗闇、抵抗を受けた時点では14歳の中学生と分かっていたわけではない。身長170センチというから中学生には見えない。したがって、宮崎哲哉(評論家)の「川面に向かって威嚇するなど十分安全に配慮しているし、この場合は仕方がなかった」という評価が妥当なところだろう。さらに「(行き過ぎを言うより)むしろ次の段階を考えるべきだ」というのはテリー伊藤。「もし、奪われた拳銃を警察官が奪い返して太ももを撃ったとする。世の中は警察官のことを擁護してくれるか。これから、こうした悪辣な事件が起きますよ。そこを認めないと警察官も辛いと思う」確かに、事件が凶悪化し警察官自身が身を守らねばならない中で、見当違いの批判はやめるべきだろう。
(訓練で磨いた射撃の腕競う:香川)
香川県警はこのほど、香川県高松市郷東町の県警察学校射撃場で、拳銃射撃競技大会を開いた。香川県警本部と各署から18チームが参加、女性警察官13人を含む計67人が訓練で磨いた腕を競い合った。大会は、射撃技術の向上を図ろうと1955年から実施しており、今回で31回目。10年ぶりに女性警察官の個人部門を復活させた。3分以内に5発撃つ「遅撃ち」や5メートル手前に標的を設置した「近接射撃」などが行われ、選手は真剣な表情で狙いを定めていた。
(「美しい里山取り戻せ」雑木で炭作り川に設置:大分)
日田市の小野地区で、手入れが行き届かなくなった山から切り出した雑木や竹で炭を作り、川に設置することで水質改善を試みているグループがいる。その名も「小野谷根浚(ねざ)れ軍団」。美しい里山の風景を未来の子どもたちに残そうと、74、5歳のメンバー11人が奮闘している。団長を務める楢原季彦さん(74)は小野地区の三河町出身。高校卒業後、横浜市に移り住んで教員生活を送り、9年前に日田市へUターンした。48年ぶりの古里の変わりように驚いたという。「山は荒れてシカやイノシシのすみかとなり、川からはたくさんの生き物が姿を消していました」楢原さんは地元の同級生らに呼び掛け、昨年3月にグループを結成した。戦時中に子ども時代を過ごし、里山が最高の遊び場だったメンバーは、「あのころの山と川を取り戻そう」を合言葉に里山の保全活動をスタート。グループ名には、「根ざれ」(下草刈り)と川の汚れを「浚(さら)う」という意味を込めた。地元の小学生9人の協力も得て、7月に小野川上流8カ所で水質を調査した。水生生物の種類を確認し、汚染度を示す化学的酸素要求量(COD)を計測。調査では水質はきれいだったものの、「昔はたくさんいたアカザやギギュウ(ギギ)などうろこのない魚が姿を消し、魚の数も減った」と代表の和田大吉さん(74)は言う。8月には、里山を浸食する竹や倒木などを運び出して焼いた炭をネットに詰め、川底に沈めた。炭の持つ浄化力を利用し、水質を改善するのが狙いだ。今後は、下流にも炭を設置し、河川工事の影響で減った魚のすみかを確保し、プランクトンを増やすため、古木を川に沈める活動などを予定している。楢原さんは、「長年都会の子どもたちを見てきたが、自然の中で生き生きと遊べるのが本来あるべき姿。どのくらい効果があるかは分からないが、ゆっくりと活動をはぐくんでいきたい」と話している。
(ニホンジカ急増:島根)
出雲市内の島根半島に生息するニホンジカが、旧平田市域の湖北山地まで活動範囲を広げていることが、県の調査で明らかになった。昨年末の調査から推計した湖北山地の生息数は約二百八十頭で、旧出雲市域や旧大社町を中心とする弥山山地の約四百九十頭と合わせると、八百頭近い生息規模となることが分かった。適正規模を大きく超える結果となり、県や出雲市にとって被害対策の強化が求められる調査結果となった。調査結果は二日、出雲市平田町で開かれた北山地域シカ被害者の会で、出席者七十人に報告された。県によると、調査は昨年十一月から十二月にかけて実施。調査した平均生息密度に、生息面積を乗じる方法で推計し、全体像を描いたところ、旧平田市域の湖北山地西部三千四百ヘクタールに、二百七十五頭(誤差は±百二十一頭)生息していることが分かった。同地域の生息頭数が示されたのは初めて。湖北山地は一九八五年ごろ、シカの足跡は確認される程度だったが、近年になって増加し、果樹園などで被害も拡大している。旧出雲市や旧大社町北側の弥山山地の生息頭数は四百八十六頭(誤差は±八十六頭)で、前年と比べて大きな変化はなかった。県は、弥山山地に生息するニホンジカの適正規模を百八十頭として、駆除計画や各対策を講じているが、今回の調査により、効果が現れていない実態が明らかになった。特に、湖北山地の一平方キロメートル当たりの生息密度は、弥山山地の七・九頭に対し十一・二頭。今後も繁殖が危惧(きぐ)されるため、説明会に出席した住民は「駆除期間を通年にするなど、思い切った対策を展開してほしい」と県や市に強く求めた。
(鳥獣害防止総合支援事業説明会:大分)
イノシシやシカなどによる農林業被害が深刻化する中、国が創設した被害防止支援事業を各市町村に活用してもらおうと県庁で説明会が開かれました。国は野生の鳥獣による農林業の被害を多角的に防止しようと新年度に総額28億円の鳥獣害防止総合支援事業を創設しました。
県や市町村の担当者が参加して国の事業の説明会が開かれました。会では九州農政局側が、個体数調査などのソフト面で市町村に200万円、電気柵などのハード面では1団体に事業費の半額を補助することを説明しました。県内の鳥獣による農林業被害は、2007年度3億4000万円にのぼり、そのうちイノシシが1億5千万円、シカが1億円、カラスが4千万円などとなっています。県では市町村や集落に対し、ゴミを出さないなどの環境対策の他、防護柵の設置や、捕獲に取り組むよう呼びかけています。
(「ガー」「オギャー」悲鳴でカラス撃退なるか:新潟)
カラスのふんや鳴き声の害が深刻な新潟県長岡市のJR長岡駅前で、ねぐらとなっている樹木などに向け、カラスの悲鳴を吹き込んだ「忌避音」を流し、ねぐらから追い払う実験が行われている。効果が実証されれば、カラスが駅前に増え始める8月頃から本格実施するという。実験はカラスがねぐらに集まる夕方を狙い、長岡市が2〜4日に実施。スピーカー付きの市パトロール車とハンドマイクを持った臨時職員を3か所に配置し、アメリカガラスの鳴き声を録音したテープを1時間以上、断続的に流した。「ガー」「オギャー」――。夕闇をつんざく大音量に驚き、樹木やビル屋上で羽を休めていたカラスが一斉に飛び立つ場面も。地上では、職員らがカラスの模型をつるしたさおを振り回し、威嚇し続けた。実験を見守った「長岡野鳥の会」の渡辺央副会長は「カラスは非常にストレスを感じ、興奮気味に飛び回っていた。思ったより敏感に反応していた」と話した。同会によると、長岡駅前には冬場、約1万羽のカラスが集まることもあり、ふんなどの害が深刻化。市は昨年12月、JRや地元商店、住民などと対策会議を設置し、撃退策を検討していた。
(ズボンの中からハト2羽で逮捕:オーストラリア)
オーストラリアのメルボルン空港(Melbourne Airport)で1日、ズボンの中に生きたハト2羽を隠し持っていたオーストラリア人の男が逮捕された。23歳のこの男は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)からの便で到着し、手荷物検査をうけた際、ポケットに鳥の卵2個が入ったビタミン剤の容器を持っていたことから、税関職員が別室で身体検査を行った。するとズボンの下に履いていたタイツの左右の脚部から生きたハト1羽ずつを発見した。ほかにも、マネーベルトから植物の種、かばんからはナスの標本が見つかったという。税関当局の野生生物担当官は、「野生動物の密輸は、動物に苦痛を与えるだけでなく、オーストラリアの自然生態系や公衆衛生にも深刻な脅威となる」と警告を発している。野生動物の持ち込みには、最高で10年の禁固刑および11万豪ドル(約630万円)の罰金が科せられる。

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(散弾銃の保管義務違反容疑 盗難被害男性、書類送検へ:茨城)
笠間市内の射撃場駐車場で昨年12月、車から散弾銃と散弾が盗まれた事件で、笠間署は、銃や弾を車内に放置したとして、被害に遭った同市の男性会社員(53)を銃刀法違反(保管義務)と火薬類取締法違反(運搬方法)容疑で水戸地検に書類送検する方針を固めた。事件後、県警は捜査員を大量に動員、二次犯罪に備えて警戒活動を続けていることもあり、被害者であっても過失が大きいと判断。再発防止のため所有者に警鐘を鳴らしたい考えだ。捜査関係者によると、会社員は昨年12月21日午後2時半〜50分頃、笠間市内の射撃場近くの駐車場で、軽ワゴン車内に散弾銃1丁と散弾27発を放置した疑い。この日は射撃大会があり、会社員は大会に参加した後、車のトランクに銃などを置いて表彰式に出席。約20分後に車に戻り自宅に帰ってから盗難に気づいた。銃刀法では、銃は携帯するなどして自ら保管するよう義務づけており、火取法は弾を運搬する場合は監視下に置くよう定めている。事件後、県警は金融機関などで警戒に当たったり、聞き込み捜査などを続けている。
(拳銃認定のエアガン提出を 県警が所有者に呼び掛け:埼玉)
警察庁が昨年十一月、拳銃と認定したエアガン二種類について、県警は所有者に最寄りの警察署への提出を呼び掛けている。所持していると、銃刀法違反罪に問われる可能性があるという。県警薬物銃器対策課によると、対象となるのは「S&W M500(カシオペアモデル)」と「コルトSAA45(同)」の二種類。いずれも本体を改造せずに金属性弾丸が発射可能で、殺傷能力があるとして、昨年十一月五日に拳銃と認定された。県警はこのエアガンが県内の十一店舗で販売されていたことを確認。昨年十二月以降、県内の購入者二十四人から計二十八丁の任意提出を受けたが、同課は「未回収分が相当数ある」としている。このエアガンは東京都北区の遊戯銃製造会社が製造・販売していたもので、同社社長が昨年十二月、銃刀法違反容疑で警視庁に逮捕された。
(郵便局に拳銃を持った男が押し入る:埼玉)
埼玉県川口市石神の「川口石神郵便局」に2日午後4時ごろ、黒いニット帽とマスクをつけ、刃渡り約20センチの包丁と拳銃のような物を持った男が押し入り、「300万円を出せ」と書いた紙切れを見せるなどして女性局員を脅した。緊急通報で県警武南署員3人が駆け付けたところ、男はカウンター奥にある金庫室に身を隠した。投降を説得すると男が拳銃のようなものを向けたため、男性巡査(31)が金庫室の扉に向けて威嚇発砲を一発発射した。その直後に男は投降し、強盗未遂容疑の現行犯で逮捕された。事件当時、客1人と局長ら3人がいたが、けが人はなかった。武南署によると、男は自称、同県鳩ヶ谷市桜町、無職、金谷貢容疑者(37)で所持していた銃はモデルガンだったという。
(銃ねらわれ?威かく発砲:愛知)
2日午前2時30分ごろ、豊橋市中岩田3丁目の路上で、豊橋署地域課の男性巡査長(26)が、職務質問をしようとした際、少年ともみ合いになり、巡査長が川の水面に向けけん銃を2発発砲した。同署は豊橋市内の男子中学生(14)を公務執行妨害と傷害の疑いで現行犯逮捕した。調べでは、同日未明、豊橋市内を巡回中の同署員が、同市中岩田3丁目で2人乗りの原付バイク2台を発見。追跡し、うち1台から男子中学生が下りたため職務質問しようとしたところ、男子中学生が巡査長の顔を殴ったり腹を蹴(け)るなどした。原付バイクはそのまま逃走した。2人はもつれあったまま近くの川に転落。さらに男子中学生が巡査長の左手指をかんだうえ、けん銃を奪おうとしたため発砲したという。巡査長は左肩の関節を脱臼(だっきゅう)するなど全治2カ月の重傷。伊藤公一・同署警務課長は「けん銃使用については、現時点で適正な使用と判断している」と話した。
(シカ肉商品化 味は好評だが安定供給は?:大分)
深刻な鳥獣被害の対策を模索するため県が委託したシカ肉の商品化可能性調査の報告会が二日、県庁であった。試作した加工品、創作料理は消費者に好評だったが、肉の流通、消費を定着させるには安定的な捕獲など課題も多いことが分かった。県有害鳥獣商品化推進協議会(桑野和泉代表)が昨年十月から商品化研究に取り組んできた。佐伯市内で捕獲したシカを使った加工品、創作料理を由布市の由布院温泉の旅館などで提供、販売した。大銀経済経営研究所の沓掛正幸社長が調査結果を報告。消費者アンケートでは、ハム、ソーセージの加工品を試食した全員が「大変おいしい」か「おいしい」と回答。創作料理は食べた人の80%が「おいしい」、88%が「また食べたい」と答え好評だった。協議会にかかわった狩猟、食肉処理、調理、加工の関係者が感想を交換。課題として「狩猟愛好家の高齢化が進んでいる。猟友会と連携して肉を安定供給できるかが重要になる」(食肉業者)、「本格的に生産するためにはこれまでの豚肉などを扱う設備とは別に新たな設備が欲しい」(薫製の加工業者)などが挙がった。小売業者から「加工品は大分らしいギフト商品になる。可能ならすぐにでも量産してほしい」といった意見もあった。県、市町村の観光、鳥獣対策の担当者や料理人、一般の応募者など百四十人が参加。料理、加工品の試食も楽しんだ。
(小学校で植栽:埼玉)
埼玉県加須市の市立三俣小学校で、小鳥のエサになる木の実のなる木の植栽が行われた。参加した同校6年生は「早く大きくなるように」と願いながら、額に汗を流していた。植栽は県猟友会の主催。緑地の保全推進と野生鳥獣の生息環境保護を目的に毎年、県内各所で行われている。三俣小では、サクランボのなる木30本が児童の手で校庭に植えられた。早ければ3年で実がなるという。同校は今年で創立95周年。児童は100周年までに、校庭にウグイやメジロがたくさん集まることを期待していた。
(仏料理では高級食材、シカ肉を味わって:兵庫)
兵庫県の但馬や丹波地方などで農作物や山林に深刻な被害を及ぼし、有害鳥獣駆除の対象になっているシカの有効活用に向け、シカ肉を使った料理の可能性を探る「ジビエフェア」が1日、多可町加美区寺内の町交流会館であった。フランス料理は狩猟で得た野生動物を使ったジビエ料理が数多くあり、シカ肉は高級食材の一つ。日本では、駆除されたシカはほとんど食用にされておらず、資源としての可能性を探るため、地域起こしグループなどの約100人が参加して開かれた。県森林動物研究センター(丹波市青垣町)の横山真弓・主任研究員が、安全性や牛肉よりも低カロリーで高たんぱく、鉄分を多く含み栄養的に優れていること、増加を止めるには年間1万8000頭以上の捕獲が必要で、今後2万頭の捕獲を計画していることなどを説明した。続いて、エゾシカ協会(北海道)の料理研究委員長を務める上條一シェフが、家庭でできる料理としてシカ肉のカツレツ香草風味を実演。上條シェフが提案するスネ肉のスープ、コロッケ、ミートローフ、みそ風味のおにぎりと合わせて試食した。あっさりした中にあふれる肉の滋味を味わった西脇市立西脇中1年、村井幸太さん(13)と同西脇小5年、幸華さん(11)の兄妹は「シカ肉のカツがやわらかくておいしかった」と話していた。シカの食害は県北部や北・西播磨地方に大きな被害をもたらし、06年度の県内農林業被害金額約8億円の半分を占める。捕獲数もエゾシカ被害に苦しむ北海道に次ぎ、07年度は1万6241頭が捕獲されている。
(国道にシカ!軽トラックに衝突、炎上させて姿消す:滋賀)
2日午前6時40分頃、滋賀県高島市今津町藺生(ゆう)の国道303号で、市内の男性(37)運転の軽トラックが道路を横切ってきたシカに衝突した。直後にエンジン付近から出火し、車は全焼した。男性は車外に逃げて無事。シカはそのままいなくなった。高島署によると、衝突の衝撃で車両前部の電気系統の部品がショートし、出火した可能性もあるという。
(「エゾシカ料理まつり」:北海道)
北海道は2月1日より、エゾシカ食肉事業共同組合、エゾシカ協会と共同で「エゾシカ料理まつり」を開催する。道内では、エゾシカの個体数が増加、分布域を拡大し、年間約30億円の農林業被害をはじめ、希少植物や自然林生態体系などの影響もあり深刻な社会問題となっている。そのため、道はエゾシカを地域資源として生態系や自然環境の保全を図り、計画的な個体数の調整と有効活用を推進している。エゾシカ肉は低カロリーで高タンパクのほか、鉄分や銅などミネラルを多く含む健康的な高級食材として人気を博し、ホテルやレストラン、観光地などで高級食材として提供されてきた。2回目の開催となる「エゾシカ料理まつり」は、札幌周辺の飲食店33店が参加する。「道が定めたエゾシカ衛生処理マニュアルに基づき、適正に処理している肉の使用」や「道産食材と合わせた料理」などの規定がある中、フレンチやイタリアンのほか、ハンバーグ、ジンギスカン、スープカレー、もみじ南蛮、シカ肉まん、ピロシキなど多彩なメニューがある。参加店は北海道のサイトで確認できる。そのほか、各店にアンケートはがきを置き、アンケートに答えて郵送した中から抽選で粗品をプレゼントする企画も行う。道の担当者は「今回参加しているお店が創意工夫し、考えだしているメニュー。この機会にしか味わえないので、好みの店をパンフレットやサイトで探して、食べていただいき、ファンになってくれれば」と話し、「雪まつりがあることで観光客もたくさん来るので、エゾシカ料理を食べてもらい、『北海道にはこんなにおいしいエゾシカ料理がある』ということを知っていただければ」(同)とも。
(シカ食害、現状知って:三重)
シカによる森林の食害が問題になっている大台町の大台ケ原や大杉谷を守る方法を考えるシンポジウムが1日、同町の宮川小学校で開かれた。多くの人に問題を知ってもらい、対策に加わってもらおうと町などが主催し、町民ら200人が参加。森林保護に取り組む専門家らが、1990年ごろからシカが急速に増えて森林が裸地になり、斜面崩落や水害の危険が高まっている現状を報告した。林野庁の上村邦雄・自然再生指導官は、本年度から大台ケ原で取り組む森林再生事業を説明。保護区域を決めて、柵で囲むなどの活動を紹介し、「大台をシカ害対策の先進地として全国に発信できるようにしよう」と呼び掛けた。
(猪肉おでん好評デビュー:静岡)
静岡の食べ物を紹介する静岡食文化祭が1日、静岡農政事務所(静岡市葵区東草深町)で開かれ、同区清沢地区の住民らが考案したイノシシを使った「猪肉(ししにく)おでん」がお披露目された。猪肉おでんは食害に悩まされていた清沢地区の住民らでつくるNPO法人「フロンティア清沢」が考案した。猪肉の角切りとごぼう、地元産のこんにゃくをくしに刺して特製スープで煮込み、ショウガ入りみそを付けて味わう。静岡おでんの会によると、猪肉を使ったおでんは全国でも例がないという。同市全域でイノシシの捕獲頭数が倍増しており、地域おこしの食材として注目を集めている。この日“デビュー”した限定300食の猪肉おでんは開始30分で完売する人気ぶり。静岡おでんの会の大石正則顧問は「新しい静岡名物になってほしい」と期待を込めた。このほか、会場では米粉パンやシイタケパン、マスの塩焼きなどが並び、多くの来場者でにぎわった。
(“猟師シェフ”大島衛の「またぎ」が本物時代にマッチして大ブレイク中:東京)
知る人ぞ知る葉山の名店、猪鍋の「またぎ」(東京都港区、代表・大島衛氏、運営・株式会社テンポリノベーション)が西麻布に移転オープンして1年半、葉山時代からの常連客はもちろん、「本物」を提供する店として新規顧客を次々と虜にしている、いま業界注目の1軒だ。“またぎ”とは、夏季は農業などを営み、冬になると8〜10名程の集団をつくり、奥深い山林でカモシカやクマの狩猟を行う人々のことをいう。三浦半島の自然の中で育ったという「またぎ」店主の大島氏も、夏季は自前の漁船を出して魚を獲り、冬季の間は山に入って熊や猪、鹿、キジ、野鳥を獲るという本物の”またぎ”だ。店に出す食材は業者を使わず、魚はその日に獲れたもの、肉は店主自らまたは信頼できる仲間が獲った、いつ、どこで獲れて、誰が解体したか”素性の知れた”ものに限定。毎日、それらのいい食材を集めることに奔走するという。仲間が送ってくれた肉でも、一度でも納得のいかない物が届くと、それ以降一切取引しないという徹底ぶり。「うちの肉の良さには絶対の自信がある。本物だからね。養殖ものは一切食べないし、一切使わない。だから腹いっぱい食べても、もたれないのよ。」素材に全てを掛ける分、生、焼く、煮ると調理法はいたってシンプル。そのものずばりの味が楽しめる。もともと猪鍋が有名だった同店だが、お客様の要望に応える形で扱う食材も増えていった。金目鯛を炭火でさっと焼く「金目鯛のあぶり」(時価)、臭みが全く無い「鹿刺」(1,580円)は獣肉の概念を覆されるほど。店主も「絶品!作る度に腹がへる」という、合鴨ではなく天然の鴨を使った「鴨鍋」(雄13,650円〜、雌10,500円〜)は、注文を受けてから下処理をするため要予約。そのほかの鍋料理「鶏鍋」「猪鍋」(各1人前2,100円〜)は、雑炊またはすいとんまで頂くのが流儀。焼肉は「地鳥」(1,580円〜)、「きじ」(単身7,350円〜)、「熊」(4,200円〜)「猪」(3,150円〜)など。毎日獲れるものが違うため、日々メニューが変わるという。飲み物も素材にあわせてシンプルに、「エビス生ビール」(680円)、「シャンパーニュ」(グラス1,470円)、各種焼酎(グラス630円〜)、日本酒「天狗舞」(1合1,470円〜)など。ボトルワインも各種揃えているが、お客様の持込みもOK(持ち込み料1本3,150円)。美しく磨かれたワイングラスは、ワイン本来の風味を最大限に引出すオーストリアの「リーデル」社のもの。”ワインとジビエを楽しむ会”で利用されることも多いというのも頷ける。葉山時代から東京のお客さんが多く、遠くて申し訳ないという想いから東京に移転オープンさせた。その結果、主人が東京・葉山間を往復することとなった。「葉山の時はそれこそ毎日山に入ったが、今は店を終えて自宅に戻るのが2時〜3時、なかなか山に行けなくなったね」と、店主は少し寂しそうに語る。あわせて「カッコイイだけでは駄目、本物でなければ」と、今の外食産業に対して厳しい一言も。舌の肥えた美食家、女子アナや某横綱をはじめ、マスコミ、芸能関係にファンが多いというのも納得の本物の味。素材がいいからこそなせる業、いつまでも変わらない1軒であってほしい。
(エジンバラ公、背中に痛み)
エリザベス女王の夫、エジンバラ公フィリップ殿下(87)が背中を痛め、公務の一部を欠席したことが伝えられた。エジンバラ公は先週末、馬車の運転中に背中を痛めたとされ、日曜日、別邸であるサンドリンガム宮殿から近いウエスト・ニュートン教会で行われた朝の礼拝を欠席。また先週の木曜日には近くのフリッチャム小学校への訪問が予定されていたが、それも欠席したほか、土曜日はキジ撃ち行事への参加も見送ったという。
(オオワシ飛来例年より増加傾向:北海道)
国の天然記念物のオオワシがこの時期の風物詩として野付半島へ飛来しているが、今年は例年になく多いようで、ピーク時には昨年同時期より十数羽多い329羽をカウントしている。オオワシは、翼を広げると2―2・5bある大型の猛禽類。鋭いくちばしが特徴で、魚類のほかカモやアザラシも捕食する。夏にはロシア極東で繁殖期を迎え、同町付近には11月中旬から雄姿をのぞかせ、3月上旬ごろまで根室管内の海岸や湖などで羽を休める。野付半島の越冬数を調査している根釧東部森林管理所の深津恵太自然管理員は「氷下待ち網漁ができない風蓮湖などから、空腹を満たすため、漁師が投げるカジカや網からもれたコマイを食べにオオワシが来ている」と増加の要因を推測している。
(ガンカモ生息数が3割減:神奈川)
横須賀、鎌倉、三浦、逗子の四市と葉山町に生息するガンカモ類が、ことしは前年同期に比べて三割以上減ったことが二日、県横須賀三浦地域県政総合センターの調査で分かった。調査は同センター管内十八カ所にある池や川、海岸で一月九日に実施。夫婦池(鎌倉市)、大池(逗子市)など五カ所を除く十三カ所で、冬季に北国から飛来するカモ八種類六百三十九羽が確認された。過去十年で最も多かった前年同期に比べて三百五羽少なかったが、同センター環境部は「平年に比べるとそれほど少なくはない。生息地の環境が悪化したわけではない」とみている。最も多かった種類はヒドリガモの二百五十八羽(前年同期比六十八羽増)。オナガガモ(七十七羽減の二百十九羽)、ホシハジロ(百二十六羽減の五十四羽)と続く。生息地では轡堰(くつわぜき)の百八十七羽が一番多かったが、前年より百九十羽も減った。他も減少している場所が大半を占めた。
(豊かな自然、水鳥で実感 琵琶湖で観察会:滋賀)
水鳥の生息する湿地保全を目指すラムサール条約を記念した「世界湿地の日」を翌日に控えた1日、琵琶湖周辺の県内8カ所で水鳥の観察会があった。1993年に琵琶湖が、条約の登録湿地に加わったのを期に、毎年開催。湖北町今西の湖北野鳥センターでは親子連れを中心に30人が参加した。滋賀自然環境保全・学習ネットワークの村上宣雄会長から条約の意義などの説明を受けた参加者は、近くの尾上漁港へ移動。持参した双眼鏡や望遠鏡で、港内で羽を休めるマガモやヨシガモ、キンクロハジロといったカモ類をはじめ、県鳥のカイツブリやユリカモメなど30種類近くを観察した。同センターの植田潤さんは「わずかな移動距離と観察時間でこれだけ多くの鳥が見つかるということは、それだけ琵琶湖岸が自然の宝庫である証拠」と説明していた。

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(猟銃暴発し男性けが、狩猟後に手入れ中:秋田)
31日午後2時25分ごろ、男鹿市船川港船川字海岸通り二の空き家で、散弾銃の手入れをしていた同市船越、無職山本博平さん(58)が暴発で弾を体に受けたとして男鹿署に通報した。山本さんは左肩を骨折し、秋田市内の病院に運ばれた。男鹿署の調べでは、山本さんは狩猟を終え、午後2時20分ごろ、所有する空き家の1室で、1人で散弾銃の手入れをしていたところ、暴発したという。山本さんは携帯電話で同署に通報した。山本さんは銃の所持許可を持って、10年以上になるという。同署が暴発の原因を調べている。
(野生のツシマジカ“捕獲劇”:長崎)
野生のツシマジカが三十一日朝、対馬市厳原町中心部に現れ、緊急出動した警察官らによる“捕獲劇”があった。現場は国道沿いの葬儀社の裏手。高さ二十メートルほどのがけから転落し、建物とがけの間にいるところを住民が発見。国道に出て暴れ出せば危険と、通報を受けた対馬南署員や県、市の担当者、対馬猟友会長が網や刺股(さすまた)などを使い、約一時間半後に無事取り押さえた。同署員は「昨夜からの当直体制でこれが一番大きな事案。対馬らしいですね」と苦笑い。一方、転落したシカに窓ガラス三枚を割られた葬儀社は「シカだけに仕方ない」とぼやいていた。
(バイアスロン太田選手、日本人初の銀)
フィンランドで開かれた世界障害者ノルディックスキー選手権は31日、バイアスロン長距離が行われ、女子立位の部12・5キロに出場した尾花沢市出身で同国の高校に留学中の太田渉子(しょうこ)選手(19)が、世界選手権の同種目で日本人初の2位に輝いた。トリノパラリンピック(2006年)に日本選手最年少の16歳で出場し、バイアスロン12・5キロ立位で銅メダルを獲得した太田選手は、今回、金メダルを目標に現地入りした。競技は、2・5キロのコースを5周する間に計20発のライフル射撃を行い、タイムと射撃の総合成績で競う。生まれつき左手の指がない障害を持ち、右手のストックさばきとスムーズな重心移動で滑走する太田選手は、得意の射撃で20発中19発を命中させ、波に乗った。しかし、走力に優るウクライナの選手に総合力でわずかに及ばなかった。スタート時が氷点下19度という寒さの中でのレースだったが、太田選手は「銃が凍りつくトラブルがなくてよかった。最後まで抜いたり抜かれたりのレースで、とても楽しかった」と振り返り、喜びをかみしめた。日本代表の荒井秀樹監督は「射撃の力で2位を確保できた。来年のバンクーバーパラリンピックで金を目指してほしい」と、快挙をねぎらった。
(読売茨城スポーツ大賞表彰式)
2008年に最も活躍した県内のアマチュアスポーツ選手、指導者、団体を表彰する「第12回読売茨城スポーツ大賞」の表彰式が31日、水戸市宮町のホテルテラスザガーデン水戸で行われ、競歩7種目で日本記録を打ち立てた陸上の川崎真裕美選手(28)(富士通)に大賞が授与された。北京五輪で柔道銀メダルを獲得した塚田真希選手(27)(綜合警備保障)とクレー射撃4位入賞の中山由起枝選手(29)(日立建機)には特別賞が、またトライアスロンの田山寛豪選手(27)(流通経済大)、日立化成卓球部と同部の内山敏彦監督(62)には優秀賞が贈られた。
(エゾジカ、食肉としての流通はわずか1万頭)
「シカ肉は硬い、臭い、汚いなどのイメージがあるが、狩猟時にきちんと処理された肉は絶品。餌に穀物を混ぜている家畜の肉に比べ、脂が軽やかでくどさがなく、アレルギーも出にくい。レストランで出されるステーキ以外にも、しゃぶしゃぶやハンバーグなどさまざまな料理で楽しめる」社団法人エゾシカ協会の井田宏之事務局長はそう語る。前編で報じたように、道内では年間6万〜7万頭のエゾシカが狩猟や捕獲によって仕留められているが、狩猟の手間やハンターの減少、暖冬などを要因にその数は増加するばかり。エゾシカの増加に歯止めをかける画期的な対策は見つかっておらず、年間約30億円の農林業被害が発生している。こうした中、同協会では、狩猟やその後の処理方法の手引きとなる「ハンティング・マニュアル」の作成や、衛生管理が整った食肉処理場を推奨する「エゾシカ肉推奨制度」を設けるなど、エゾシカを害獣として駆除するだけではなく、食材として利用する取り組みを行っている。道でも06年に、個体数調整の一環として食肉活用を推進する「エゾシカ有効活用のガイドライン」を策定した。ガイドラインは年間2万頭の流通を目標としているが、現在、道内に約700カ所ある食肉処理場のうちエゾシカを扱った実績がある食肉処理場は約70カ所。ここからレストランなどに流通したのは年間約1万頭だ。野生獣であるエゾシカは、狩猟時に急所(頭部、頚椎、胸部)をはずし手負いとなれば、肉に血が回って商品としては扱えない。仕留めた後も、短時間で放血しなければ同様となる。また、猟場の近くに食肉処理場がなければ、運搬にコストと時間を要し、地域によっては流通ルートの確保が困難になる。約20年前からエゾシカ肉の販売・加工を行う十勝管内新得町の上田精肉店では、「腕の良いハンターの獲物でなければ商品として買い取るのは難しい。ハンターから買い取る相場は1頭1万5,000円前後。買う方もハンターや獲物によって品質にバラつきがあるので目利きが必要、解体処理などの手間もかかる」と説明する。こうした労力に比べエゾシカ肉の消費量は少なく、部位によっても需要には大きな差がある。フランス料理などでステーキとして使用されるロースやヒレは、レストランやホテルに出回るが、それ以外の部位の需要は極端に低い。今後の需要拡大には他の部位での商品開発が不可欠だ。増え過ぎたエゾシカの獣害は、農林業被害のほかにも、自動車や列車との衝突事故や天然林の食害などさまざまな。シカ肉料理が多くの飲食店で定番メニューとなるにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
(シカ肉の新レシピ模索:兵庫)
プロの調理人らを招き、高タンパク低カロリーのシカ肉料理を研究するジビエ(野鳥獣)フェアが三十一日、多可町加美区轟のラベンダーパーク多可で始まった。地元の特産品開発グループのメンバーら約三十人が参加し、しゃぶしゃぶや竜田揚げなど試行錯誤を重ねた料理について、アドバイスを受けた。同町では、農作物を食い荒らすシカを駆除して有効活用しようと、昨年九月から月一回勉強会を開催。フェアはその一環で、エゾシカ協会(札幌市)の料理研究委員長上條一さん(51)らを講師に招き、二月一日までの二日間、シカ肉の活用法などを学ぶ。この日は同町や西脇市の十グループが開発した商品を上條さんが味見し、相談に乗った。加美区棚釜を拠点にする「華むらさき」は、一日から同パークで提供する手作りこんにゃく入りのカレーライスについて「万人向けでおいしい」と評価された。また、特徴を出すには「野菜を生かしたスープカレーもシカ肉に合う」との提案も受けた。「とても勉強になった。早速実践したい」と代表の溝垣和子さん(66)。最後に上條さんは「すべての料理がほぼ完成していた。発想を生かして優れた商品を作ってほしい」とまとめていた。
(環境保全を地域振興に 大船渡でフォーラム開催)
「地球の環境は私たちの足元から」をテーマとしたフォーラムが三十一日、大船渡市盛町の市民文化会館・リアスホールで開かれた。環境と共生した地域づくりやビジネス展開を提言する基調講演、活動発表などが行われたほか、地元産のナタネ油やシカ肉利用食品などの試食もあり、来場者は環境を大切にする身近な取り組みの重要性に理解を深めた。催しは「けせん環境フォーラム2008」と銘打ったもので、大船渡湾水環境保全計画推進協議会、三陸町地域の美しい水環境をつくり守る協議会、気仙川流域基本計画推進協議会、けせん菜の花エコネット、県大船渡地方振興局が主催。環境保全活動への参加を促進する目的で開催し、市内外から約百六十人が訪れた。マルチスペースでの開会行事では、大船渡湾水環境保全計画推進協議会の水野雅之亮会長が「今後の環境保全は森・川・海に農耕地も加えて考える必要がある」とあいさつ。大船渡地方振興局の高橋克雅局長も「環境への取り組みは、多くの地域の方々が一歩ずつ前に進むことが重要」と述べた。
(シカとの衝突、3年連続50件超:京都)
高島市内で車やバイクがシカと衝突する事故が3年連続、年間50件を超えている。高島署は「シカが飛び出して来ると思って安全運転を心がけて欲しい」と注意を呼び掛けている。同署によると、2008年のシカと車両の衝突事故は54件あり、うち2件はバイクを運転していた男性がけがをした。1件は9月の早朝で、道路に飛び出してきたシカと衝突、男性は重傷。12月には、カーブを曲がったところシカの群れに遭遇した男性は避けきれずにぶつかり、軽いけがを負った。高島市内では06年に53件、07年は50件の事故があり、夜間から早朝が多い。月別では、08年も10、11月に10件前後と多いが、夏季でも2、3件起きている。シカ以外では、06年はクマ3件、イノシシが2件あり、08年はイノシシとの事故が3件あった。シカは、国道161号バイパスの高架部分にも姿を見せ、驚いた運転手が急ブレーキをかけ、後続の車との追突事故も起きている。道路別では、同161号が9件と最も多いが、他の国道、県道などでも発生している。今井実交通課長は「左からのシカを避けようと右ハンドルを切り、対向車と正面衝突することもある」と注意を呼び掛けている。
(国有林のシカ食害広がる:三重)
大台町西部の大台ケ原山系の国有林が、広範囲にわたってシカの食害に遭っていることが分かった。放置したままでは周辺の生態系に影響を及ぼす可能性もあり、三重森林管理署などが本格的な対策に乗り出した。同管理署などによると、シカが山頂付近のトウヒやウラジロモミなどの樹木の皮を食べる被害は、1990年ごろから目立つようになった。国有林は広さが約5800ヘクタールに及ぶが、2004年の台風21号による豪雨災害などもあり、荒れ地は100ヘクタール以上に達するという見方もある。大台ケ原山系の森林再生に取り組む林野庁の下部組織「箕面森林環境保全ふれあいセンター」(京都市)によると、50年前の伊勢湾台風の際に樹木が倒れ、跡地に生い茂ったササを目当てにシカが集まってきた。オオカミなどの天敵もおらず、次第に増加していったという。同山系には、環境省が絶滅危惧2類に分類する県指定天然記念物「オオダイガハラサンショウウオ」などが生息している。ただ、シカの頭数や食害の被害の状況などはほとんど把握されておらず、本格的な実態調査や保護策の検討は本年度に始まったばかりだ。同管理署の鳥谷和彦流域管理調整官は「これまで樹木を防護柵で囲うなどの対策は打ってきたが、抜本的な保護策はまだ見つかっていない。町や県などと連携して対策を強化したい」としている。2月1日には大台町の宮川小学校で、京都市の特定非営利活動法人が「大台ケ原 大杉谷を鹿(しか)害から守る」と題したシンポジウムを開催。同管理署などの関係者が森林管理の方法などを話し合う。
(獣害対策を考える研修会:島根)
地域ぐるみでサル、イノシシの獣害対策を考える集落営農活性化研修会が一日、邑南町淀原の町健康センター「元気館」であった。近畿中国四国農業研究センター大田研究拠点(大田市)の井上雅央・鳥獣害研究チーム長が、獣害を減らす心得を紹介。邑智郡内などの約三百六十人が熱心に耳を傾けた。井上さんは「獣害対策は、集落みんなで取り組もう」と題して講演。サルなどの餌は、食われて人間が「怒る餌」と「怒らない餌」の二種類で、取り残しのカキや刈り取り後の稲の蘖(ひこばえ)など「怒らない餌」を食っているのを追い払わず、見逃しているのは「餌付けと同じ」と指摘した。また、集落近くが潜み場所とならないよう、竹林伐採、草刈りなどの管理が必要と強調し▽集落みんなで勉強▽「守りやすい畑作り」に向けた果樹の低床栽培−などの取り組み順序を紹介。「自分たちが講師になって広めてほしい」と呼び掛けた。県西部農林振興センター県央事務所(川本町)は対策のポイントをまとめた新しいパンフレットを配り、集落ぐるみで取り組む必要性を訴えた。JA島根おおち管内の五十二組織でつくる島根おおち集落営農組織連絡協議会(西嶋二郎会長)が主催。集落営農、高齢者外出支援の輸送事業などを多角経営するグリーンワーク(出雲市佐田町)の事例発表もあった。
(篠山で「いのしし祭」レースや料理を楽しむ)
丹波地域特産のイノシシにちなんだ祭典「第六回丹波篠山冬の味覚 いのしし祭」が三十一日、篠山市北新町の篠山城跡周辺で開かれた。雨の中、約三千人が訪れ、イノシシが商店街の特設コースを二十メートル駆け抜ける「ドドドいのしし猛レース」や屋台村を堪能した。同市商工会青年部などでつくる実行委員会が主催。屋台村では、イノシシ肉のハンバーグをぼたん鍋みそで味付けした「丹波ーガー」や丸焼きに長蛇の列ができた。レースは、生後一年以内のイノシシが出走。「デカンショボーイ」など地元にちなんだ名前が付けられており、観客は事前に一位を予想して投票した。柵が開くと、小さいながらも「猪突猛進」。囲った柵にぶつかったりしながらゴールした。見事一位を当てた宝塚市の会社員岡田正明さん(40)は「予測がつかないところが面白い」と笑顔だった。
(キジ料理で地域おこし:岐阜)
キジで地域おこし−。郡上地域活性化協議会が進める「奥美濃郡上・とっておきの味研究開発事業」で作られたキジ料理の試食会が29日、郡上市大和町の道の駅・古今伝授の里やまとであった。とっておきの味研究開発は、市内の商工会や観光連盟など7団体でつくる同協議会が、国の「地方の元気再生事業」の委託を受けて取り組んでいる6事業の1つ。同町神路の臼田護さんが一昨年から飼育している高麗キジに着目。キジ料理の開発・販路拡大の実証実験に取り組んでいる。その開発第1弾として、同道の駅のレストラン料理長蓑島直樹さんがコンフィ・サラダ添えやポトフ、ロースト、赤ワイン煮などフランス料理で6品のキジ料理を調理した。研究開発委員ら10人が味わい、アンケート用紙に満足度や意見を記入。「何点か選んでコース料理として提供できる」「メリハリをつけ会席料理にも」などと話していた。キジの飼育は高齢者、休耕田対策に有効で、肉は低脂肪、高タンパクでヘルシーという。現在、町内4カ所で約500羽が飼われ、来月6日には白鳥町のレストラン覇楼館でも試食会を予定している。
(マングース襲撃 水鳥の被害深刻:沖縄)
約百三十種の動物を飼育している沖縄こどもの国(沖縄市胡屋)が、マングースや野良ネコの「襲撃」に頭を悩ませている。同園によると、フェンスのすき間などから侵入し、水鳥などが被害に遭ったとみられるケースが昨年以降、相次いで報告されている。マガモやコクチョウなどがふ化する春先を控え、同園は警戒を強めているが、小柄で動きが俊敏なため、完全な“入場制限”は難しく対応に苦慮している。同園によると、二〇〇八年春、園内の池で飼育する水鳥三羽の死骸が見つかった。同年末には池に隣接する広場やステージ裏で、頭や羽をちぎられた野生のハト六羽も見つかった。
目撃情報や死骸の状況などから、同園は野良ネコやマングースが襲ったとほぼ断定。被害に遭う水鳥はひなや、けがから回復し池に放した成鳥で、いずれも水際で休んでいる時に狙われたとみている。野良ネコや野犬は三十年以上前から園内に侵入し、飼育動物に危害を加えていたという。同園は敷地の周囲にフェンスをはり、穴を掘らないようセメントで固めるなどの対策を講じた。野犬の侵入はなくなったが、身軽なネコはフェンスをよじ登り、マングースはすき間から入り込むという。見つけるたびに職員が追い払うなどしているが、建物の裏や周辺の草むらに逃げ込まれ、いたちごっこの状態が続いている。比嘉源和園長は「人間が持ち込んだ外来種のマングースによって、動物園の動物たちも被害に遭う。野良ネコの増加も元は人間が捨てたことが原因。ペットは一生育ててほしい」と訴える。同園は、外来種の増殖が自然に与える影響を子どもたちに知ってもらうため、マングースの展示も検討している。
(純血保存へ「北限のサル」南下 上野動物園20頭受け入れ)
ヒト以外の霊長類としては世界最北の青森県下北半島に生息する国の天然記念物「北限のサル(ニホンザル)」。農作物などへの被害が問題となり、捕獲・駆除が決まった270頭のうち約20頭が、上野動物園(東京都)に譲渡されることになった。猿山ですでに42頭を飼育している同園はなぜ、新たな受け入れに動いたのか。背景を探った。人気スポットの地位を保ち続けてきた上野動物園の猿山。同園は、猿山のニホンザルを「北限のサル」に将来的に置き換えていく方針だ。同園教育普及係の堀英正さんは「純血」が一つのポイントだという。堀さんによると、猿山で現在飼育しているサルは九州地方から集めた“雑種”。一方、「北限のサル」は大昔から下北半島に住み続けてきた“純血種”。近年、種の保存など学術的な役割を動物園に求める考えが広がっていることが背景にあるらしい。実際、さらに北にある北海道旭川市の旭山動物園にもニホンザルは飼育されているが「北限」の指定は受けていない。同園の坂東元副園長によると、道内の各地から連れて来られた非野生のサルで、学術的な価値が異なるのだという。動物園関係者の間には、トキの人工飼育の苦い教訓がある。野生動物が絶滅の危機にひんしてから人工飼育技術を確立するのでは遅い。早くから動物園で飼育すれば、将来的な“保険”にもなるというわけだ。天然記念物のサルは全国で6種類。なかでも「北限のサル」は北国の寒さに耐えて適応してきた点で「天然記念物というのを除いても生物地理学的な価値が高い」(堀さん)。動物園で飼育すれば、野外での感染症や他のサルとの交雑を防ぐこともできる。環境省鳥獣保護業務室によると、これまで、動物園が飼育用にニホンザルの捕獲を申し出た例はない。同じ「種の保存」の観点から、行政が野生動物の捕獲を制限してきたのが一因だ。サルは成長すると群れの仲間以外は排除するため、飼育する際には子ザルを集めるか、群れをまるごと捕獲するしかない。野生動物の捕獲は自然の生態系に影響を与えないことが条件となるため、数が増えるほど捕獲の条件は厳しくなるという。同室は「毎年2万頭ものサルが駆除されているなかで、わざわざ新たに下北半島のサルの捕獲を申請するには相応の理由が必要になる」と指摘する。数年前には、感染症法の改正で、ヒトと共通の感染症を運び込む恐れのある動物の輸入が禁止された。霊長類も致死性のエボラ出血熱などを運ぶとして対象に入り、ニホンザルに限らず、“純血種”の入手が困難になっていた。そんななか、上野動物園は昨年、青森県で「北限のサル」が捕獲・駆除されるという情報を入手。文化庁を通して「北限のサル」を管理する青森県むつ市と協議した結果、受け入れが実現する運びとなった。「種の保存」を目指す動物園と行政の思惑が一致した。ただ、引っ越せば一件落着とはいかないようだ。長年、北限のサルを観察してきたNPO法人(非営利活動法人)「ニホンザル・フィールドステーション」の松岡史朗事務局長は「北限のサルは寒冷地に適応するため毛がふさふさしている。だが、ストレスも違う暖かい東京で世代交代を続けるうちに変化していくかもしれない」と話す。そもそも、南下して「北限」を名乗れるかどうかも詰める必要があるらしい。文化庁記念物課は「地域でなく個体で指定しているので基本的には天然記念物のまま」としたうえで、「園内で生まれた子ザルまで天然記念物になるかは微妙。今後の検討課題」としている。下北半島では「北限のサル」による農産物への被害が続いている。サルの数も平成20年には12年の倍以上の1700頭ほどに増え続け、環境省は19年に「絶滅のおそれのある地域個体群」の指定を外している。それも上野動物園の堀さんは意に介さない。「北限のサルを展示することで、ヒトとサルが共存できる社会を考えるきっかけにもしたい」。注目度を逆手にとって、農産物への被害についても啓発していく考えだ。北限のサルの南下を憂慮する声もある。下北半島にある野猿公苑(むつ市脇ノ沢)で北限のサルを飼育する立崎賢一さんは「ここにいるときでさえ、7、8月になるとサルがホースで水浴びをするようになるのに…」と心配顔だ。ただ、これは杞憂に終わるかもしれない。上野動物園教育普及係の堀英正さんは、九州でもホッキョクグマが飼育されていることを例に挙げる。「寒冷地の動物の研究は進んでいる。うちにもノウハウがあるから大丈夫」と自信をみせる。

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