<射撃ニュース3月>

3/12
(尾瀬のシカ捕獲、特別保護区でも)
環境省と尾瀬国立公園の関係4県、地元自治体などでつくる「尾瀬国立公園シカ対策協議会」が11日、さいたま市の同省関東地方環境事務所で開かれ、尾瀬中心部の特別保護地区でニホンジカを捕獲する方針が決まった。ニッコウキスゲなど湿原の貴重な高山植物がシカに食い荒らされていることに危機感を持った同省が提案したもので、同省はこれまでの方針を転換した。これを受け、県は新年度、独自に同地区での調査捕獲を検討する方針を示した。同省ではこれまで、2000年に決めた「尾瀬地区におけるシカ管理方針」に基づき、シカの捕獲は特別保護地区の外側に限定していた。しかし、シカは増加の一途で、湿原が掘り起こされるなど植生の被害面積が拡大していた。同省はこの日、09年度の具体的な捕獲計画を提示した。同省と福島県檜枝岐村が5月20日〜7月末と10月1日〜同31日に、同村の尾瀬沼近くの大江湿原と浅湖(あざみ)湿原周辺に発信機付きのわなを50基しかける。同村を通じ、村の猟友会のメンバーが同沼近くに置かれた冷凍庫にシカを運び、2週間に1回ヘリコプターで同国立公園外に搬出するというもの。同省では春・夏で50頭を捕獲したいとしている。また、これ以外の時期に銃による捕獲も行う。これまで国に対策を求めてきた檜枝岐村の平野信之教育長は、「大江湿原のニッコウキスゲは数年周期で開花が減るが、今はその最低をも下回る危機的な状況。一頭最大で80キロあるシカの搬送に課題はあるが、猟友会と連携し、うまくやっていきたい」と今回の決定を評価した。田代山などを抱える同県南会津町環境水道課の長沼豊係長も「幸い田代山湿原は被害はないが、近くでは被害が確認されている。これを機に町の監視態勢も強化したい」と話した。また、福島県自然保護課の佐藤守孝課長は「現状改善に向けた一歩になるだろう」と話し、同県は09年度、今年度から始めた檜枝岐村での調査捕獲を、同村の特別保護地区である御池地区でも行うことを検討する方針を明らかにした。一方、会議では、檜枝岐村の御池田代の湿原で0・20ヘクタールの被害が確認されるなど特別保護地区内の尾瀬沼周辺で他の湿原より被害率が高い調査結果も報告され、深刻な被害実態も浮き彫りとなった。協議会のアドバイザーの1人、福島大の木村吉幸教授(動物生態学)は「方針転換は遅すぎの感はあるが、前には進んだ。捕獲者や利用者の安全確保を徹底しながら、効果的にシカの捕獲にあたってほしい」と語った。
(火縄銃所持容疑で男逮捕:東京)
実弾を撃てる火縄銃を無登録で所持したとして、警視庁赤坂署は11日までに、銃刀法違反(所持)の疑いで兵庫県姫路市広畑区西夢前台、古物商桐村侑昇容疑者(38)を逮捕した。赤坂署によると、桐村容疑者は昨年8月、火縄銃を銃身と銃床に分解し「部品」としてインターネットのオークションに出品。東京都港区の古物収集家の男性が両方を落札し、組み立てたところ、発射できると気付いて同署に届け発覚した。逮捕容疑は昨年8月24日、自宅で火縄銃1丁を所持した疑い。火縄銃など古式銃は骨董品として都道府県教育委員会への登録が必要だが、桐村容疑者は兵庫県教委に登録をしていなかった。桐村容疑者は「銃身と銃床は別々に持っていたので違法性はない」と容疑を否認している。火縄銃は江戸時代中期の製造とみられる。
(イノシシ捕獲中、月末まで立ち入り禁止:福岡)
国土交通省遠賀川河川事務所(直方市)が遠賀川の中州「中島」=中間市=で増えたイノシシの駆除を進めている。イノシシが島の外に出没し、農地を荒らしたり、地域住民に危害を加えたりする恐れがあるためで、事務所は3月末まで島への立ち入りを禁止して駆除を続ける。事務所によると、中島に生息するイノシシは2グループ15頭ほど。有害鳥獣駆除を行う遠賀郡猟友会に依頼し、先月26日から中島内3カ所にわなを仕掛けて5頭を捕獲。今月8日には猟銃で2頭を駆除した。イノシシは数年前にすみ着いて増えたという。イノシシ1頭の生息には約50ヘクタールの土地が必要とされ、約30ヘクタールの中島は明らかに手狭な上、昨年から中島自然再生事業の工事が本格化して生息域が狭まり、橋を渡って島外に足を延ばすようになったとみられる。事務所と中間市には、採草地への侵入情報や、散歩中の目撃情報が数件、地域住民から寄せられている。中島は、自然観察会やタケノコ掘りで市民に利用されている。事務所は「遭遇すれば何があるかわからない。危ないので、今は立ち入らないでほしい」と呼び掛けている。
(ジビエとワインのマッチング:山梨)
シカを使ったジビエ(野生の鳥獣肉)料理とワインの組み合わせをPRしようと、山梨県が主催した「やまなし畜産マッチングフェア」が11日、甲府市内のホテルで開かれた。県は急増するニホンジカの活用策として、シカ肉の衛生や品質を確保するためのガイドラインを作成。4月には、県内初のジビエ処理加工施設が富士河口湖町と丹波山村の2カ所にオープンする。今回のフェアでは料理評論家の山本益博氏が長野県産のシカ肉にメルシャン(甲州市)製、甲州牛にはボー・ペイサージュ(北杜市)製のワインを提案。参加者は「ジビエは思ったよりやわらかく、ワインと合う」などと話していた。
(農作物被害、4億8000万円 イノシシが6割:熊本)
県は10日、イノシシやサル、シカなど野生鳥獣による農作物被害が、07年度は総額約4億8000万円に上ったと発表した。水稲や果樹、野菜など被害面積は中山間地を中心に約3700ヘクタール、被害量は約4600トン。県議会一般質問で広田大作農林水産部長が早田順一議員(無所属改革クラブ)の質問に答えた。被害額は03年度は3億1000万円だったが、その後は5億円前後で推移。特にイノシシの被害は約6割を占めているという。野生鳥獣による農作物被害は全国的にも毎年増えており、昨年2月に鳥獣被害防止特別措置法が制定され、防止事業に対する財源スキームが作られた。県によると、同法に基づいて17市町村が被害防止計画を策定し、このうち8市町村がすでに国の交付金を使って箱ワナ設置などに取り組んでいる。被害地域の拡大も懸念される中、県は被害情報のある市町村に、被害防止計画の策定を働きかけている。
(イノシシ被害、芝生ズタズタ:鳥取)
憩いの場として親しまれている鳥取市桂見の「とっとり出合いの森」に、今年に入ってイノシシが頻繁に出没し、広場の芝生を掘り起こしてズタズタにしている。県は、行楽シーズンを前に侵入防止柵を設置することにした。指定管理者の谷尾樹楽園によると、昨年春に竹林が掘り起こされ、秋には周囲の山をあちこちはいかいしている痕跡が見つかった。年が明けてすぐ、中央に位置する芝生広場の南側のあずまや周辺が掘り起こされているのが確認された。ミミズやコガネムシの幼虫など餌を探していたとみられ、補修しても繰り返される恐れがあるため、周囲にロープを張り、立ち入り禁止にして様子を見守っていたが、被害は徐々に拡大。今では約千平方メートルに及んでいる。利用客が増えるシーズンが迫っているため、県は侵入防止柵の設置を決めた。芝生広場や水遊び広場など人の利用度の高い部分を囲うように、高さ一・二メートルのワイヤメッシュ柵を二・五キロにわたって張り巡らす。設置作業は、県が養成した指導者の鳥獣技術士(イノシッ士)、県や鳥取市の職員ら約三十人が十九日に行うことにしている。柵の設置に伴い、管理者も広場の補修に着手する。
(北上サル?目撃相次ぐ:埼玉)
熊谷市妻沼地区で2月下旬からサルの目撃が相次いでいる。昨年12月から八潮市などから県東部を北上する地域でサルの目撃が続いているが、県東部環境管理事務所では同じサルの可能性が強いとみている。熊谷市妻沼行政センターによると、2月21日に熊谷市葛和田でサルが目撃されたのを皮切りに、同25日まで、弁財、妻沼行政センター付近、妻沼東などの妻沼地区で十数件ものサル目撃情報が市民から寄せられた。その後しばらく途絶えたが、3月9日から再び妻沼地区に出没。10日は空っぽのハト小屋に入っているところを目撃され、市職員が急行したが逃げられたという。これまで県東部環境管理事務所では「北上サル」の情報を集めていたが、2月中旬に行田で目撃されたのを最後に姿が見えなくなっていた。この「北上サル」も妻沼のサルもともにニホンザルとみられ、大きさは中型。姿や行動経路からみて、「ほぼ同一個体とみてよいのではないか」という。これまで人や農作物への被害情報は寄せられていないことから、県北地域の有害鳥獣を担当する県北部環境管理事務所では捕獲は考えていない。「このまま山の方に行くのを見守りたい」という。また、熊谷市は近隣の小中学校に情報を提供したり、防災メールなどでサルを刺激しないよう呼び掛けている。
(気仙地方渡り鳥調査:岩手)
気仙地方にこの冬飛来した渡り鳥は、ハクチョウ類、カモ類を合わせて千三百十二羽が確認された。昨年度より百八十七羽の増。ハクチョウは微増で、盛川でカモ類が三百羽を超え、急増したのが目立つ。今年一月中旬に実施された平成二十年度(第四十回)ガンカモ類の生息調査は、全国で冬期間の生息状況を把握するために行われた。本県では三百二十カ所で調査した。気仙は、三市町の二十六カ所で鳥獣保護員八人と獣医師の計九人が調査にあたった。それによると、ハクチョウ類(オオハクチョウ、コハクチョウなど)は八十三羽が飛来し、昨年度より五羽増えた。気仙川の矢作町島辺橋が五十二羽で最も多く、同川の竹駒町廻舘橋が十六羽、同川の気仙町姉歯橋が十五羽。この三カ所のみで確認された。カモ類(カルガモ、マガン、オナガガモなど)は千二百二十九羽で、昨年度より百八十二羽増えた。盛川の大船渡町地の森が三百七十三羽で最も多く、百三十九羽増となった。次いで、気仙川の気仙町姉歯橋の百六十四羽、矢作町島辺橋の百五十八羽、三陸町越喜来の浦浜川の百六羽など。調査二十六地点のうち、十七カ所でハクチョウやカモの飛来を確認。昨年度より飛来数が増えたのは九カ所、逆に減少したのは十カ所。このほか調査項目になっているガン類はゼロで、最近の三年間でも飛来が確認されていない。一方、ハクチョウ類の飛来状況は、平成元年度は十七羽だったが、平成十四、五年度ごろから増加し、十六年度は百十六羽を確認。その後、微減傾向にあるが、本年度は微増となった。渡り鳥については、鳥インフルエンザ対策で昨年十月末に県もホームページ上で餌付けの自粛を呼びかけている。餌付けは渡り鳥などが食べ物に依存し、人馴れして増え過ぎたり渡りの時期を遅らせたり生態系を乱す原因になり、希少鳥獣などの保護の給餌など特別な場合を除き、餌付けをしないよう協力を呼びかけ啓発している。給餌の自粛によって今後、渡り鳥と触れ合う環境や気仙への飛来状況が変化する可能性もありそうだ。生息調査担当の県大船渡地方振興局保健福祉環境部の金子和華子獣医師は、「従来の意識を見直し、野鳥の生息や飛来において自然環境本来が持つ収容力を尊重し、生態系全体を保存するという意識を醸成していく意義も含まれている」という。
(カラスの撃退実験、効果あり:新潟)
長岡市は10日、2月にJR長岡駅周辺で行ったカラス撃退実験の結果をまとめた。カラスの悲鳴音を流すなどしたところ、駅周辺をねぐらにするカラスは急減し、その後も10日程度は効果が持続した。市は今後も、同様の方法で撃退を目指すことにしている。同駅周辺には3年ほど前から、毎冬、夜になると1万羽ものカラスが集まり、このうち約3800羽が駅舎屋根や駅前広場の樹木、広場に面したビルをねぐらにしていた。撃退実験は2月2―4日の3日間、同駅大手口の駐車場で実施。米国で市販されているカラスの悲鳴の録音テープを車のクラクションほどの大音量(110デシベル)で流し、死がいの模型を振り回した。実験の前日には、大手口側に約600羽、東口側に約3200羽がいたが、実験最終日には大手口側約100羽、東口側約2000羽まで急減。終了9日後の13日になっても、大手口側が約300羽、東口側が約2000羽で、効果が持続した。ただし、市の調査では、20日ほどたつと、カラスの数は元のレベルに戻った。駅周辺を追われたカラスがどこをねぐらにしたかは分かっていない。市環境政策課は「次は、夏の終わりから初秋に掛けてのカラスが集まり始める時期に撃退の取り組みを開始し、駅周辺をねぐらに選ばせないようにしたい」している。3/12
(尾瀬のシカ捕獲、特別保護区でも)
環境省と尾瀬国立公園の関係4県、地元自治体などでつくる「尾瀬国立公園シカ対策協議会」が11日、さいたま市の同省関東地方環境事務所で開かれ、尾瀬中心部の特別保護地区でニホンジカを捕獲する方針が決まった。ニッコウキスゲなど湿原の貴重な高山植物がシカに食い荒らされていることに危機感を持った同省が提案したもので、同省はこれまでの方針を転換した。これを受け、県は新年度、独自に同地区での調査捕獲を検討する方針を示した。同省ではこれまで、2000年に決めた「尾瀬地区におけるシカ管理方針」に基づき、シカの捕獲は特別保護地区の外側に限定していた。しかし、シカは増加の一途で、湿原が掘り起こされるなど植生の被害面積が拡大していた。同省はこの日、09年度の具体的な捕獲計画を提示した。同省と福島県檜枝岐村が5月20日〜7月末と10月1日〜同31日に、同村の尾瀬沼近くの大江湿原と浅湖(あざみ)湿原周辺に発信機付きのわなを50基しかける。同村を通じ、村の猟友会のメンバーが同沼近くに置かれた冷凍庫にシカを運び、2週間に1回ヘリコプターで同国立公園外に搬出するというもの。同省では春・夏で50頭を捕獲したいとしている。また、これ以外の時期に銃による捕獲も行う。これまで国に対策を求めてきた檜枝岐村の平野信之教育長は、「大江湿原のニッコウキスゲは数年周期で開花が減るが、今はその最低をも下回る危機的な状況。一頭最大で80キロあるシカの搬送に課題はあるが、猟友会と連携し、うまくやっていきたい」と今回の決定を評価した。田代山などを抱える同県南会津町環境水道課の長沼豊係長も「幸い田代山湿原は被害はないが、近くでは被害が確認されている。これを機に町の監視態勢も強化したい」と話した。また、福島県自然保護課の佐藤守孝課長は「現状改善に向けた一歩になるだろう」と話し、同県は09年度、今年度から始めた檜枝岐村での調査捕獲を、同村の特別保護地区である御池地区でも行うことを検討する方針を明らかにした。一方、会議では、檜枝岐村の御池田代の湿原で0・20ヘクタールの被害が確認されるなど特別保護地区内の尾瀬沼周辺で他の湿原より被害率が高い調査結果も報告され、深刻な被害実態も浮き彫りとなった。協議会のアドバイザーの1人、福島大の木村吉幸教授(動物生態学)は「方針転換は遅すぎの感はあるが、前には進んだ。捕獲者や利用者の安全確保を徹底しながら、効果的にシカの捕獲にあたってほしい」と語った。
(火縄銃所持容疑で男逮捕:東京)
実弾を撃てる火縄銃を無登録で所持したとして、警視庁赤坂署は11日までに、銃刀法違反(所持)の疑いで兵庫県姫路市広畑区西夢前台、古物商桐村侑昇容疑者(38)を逮捕した。赤坂署によると、桐村容疑者は昨年8月、火縄銃を銃身と銃床に分解し「部品」としてインターネットのオークションに出品。東京都港区の古物収集家の男性が両方を落札し、組み立てたところ、発射できると気付いて同署に届け発覚した。逮捕容疑は昨年8月24日、自宅で火縄銃1丁を所持した疑い。火縄銃など古式銃は骨董品として都道府県教育委員会への登録が必要だが、桐村容疑者は兵庫県教委に登録をしていなかった。桐村容疑者は「銃身と銃床は別々に持っていたので違法性はない」と容疑を否認している。火縄銃は江戸時代中期の製造とみられる。
(イノシシ捕獲中、月末まで立ち入り禁止:福岡)
国土交通省遠賀川河川事務所(直方市)が遠賀川の中州「中島」=中間市=で増えたイノシシの駆除を進めている。イノシシが島の外に出没し、農地を荒らしたり、地域住民に危害を加えたりする恐れがあるためで、事務所は3月末まで島への立ち入りを禁止して駆除を続ける。事務所によると、中島に生息するイノシシは2グループ15頭ほど。有害鳥獣駆除を行う遠賀郡猟友会に依頼し、先月26日から中島内3カ所にわなを仕掛けて5頭を捕獲。今月8日には猟銃で2頭を駆除した。イノシシは数年前にすみ着いて増えたという。イノシシ1頭の生息には約50ヘクタールの土地が必要とされ、約30ヘクタールの中島は明らかに手狭な上、昨年から中島自然再生事業の工事が本格化して生息域が狭まり、橋を渡って島外に足を延ばすようになったとみられる。事務所と中間市には、採草地への侵入情報や、散歩中の目撃情報が数件、地域住民から寄せられている。中島は、自然観察会やタケノコ掘りで市民に利用されている。事務所は「遭遇すれば何があるかわからない。危ないので、今は立ち入らないでほしい」と呼び掛けている。
(ジビエとワインのマッチング:山梨)
シカを使ったジビエ(野生の鳥獣肉)料理とワインの組み合わせをPRしようと、山梨県が主催した「やまなし畜産マッチングフェア」が11日、甲府市内のホテルで開かれた。県は急増するニホンジカの活用策として、シカ肉の衛生や品質を確保するためのガイドラインを作成。4月には、県内初のジビエ処理加工施設が富士河口湖町と丹波山村の2カ所にオープンする。今回のフェアでは料理評論家の山本益博氏が長野県産のシカ肉にメルシャン(甲州市)製、甲州牛にはボー・ペイサージュ(北杜市)製のワインを提案。参加者は「ジビエは思ったよりやわらかく、ワインと合う」などと話していた。
(農作物被害、4億8000万円 イノシシが6割:熊本)
県は10日、イノシシやサル、シカなど野生鳥獣による農作物被害が、07年度は総額約4億8000万円に上ったと発表した。水稲や果樹、野菜など被害面積は中山間地を中心に約3700ヘクタール、被害量は約4600トン。県議会一般質問で広田大作農林水産部長が早田順一議員(無所属改革クラブ)の質問に答えた。被害額は03年度は3億1000万円だったが、その後は5億円前後で推移。特にイノシシの被害は約6割を占めているという。野生鳥獣による農作物被害は全国的にも毎年増えており、昨年2月に鳥獣被害防止特別措置法が制定され、防止事業に対する財源スキームが作られた。県によると、同法に基づいて17市町村が被害防止計画を策定し、このうち8市町村がすでに国の交付金を使って箱ワナ設置などに取り組んでいる。被害地域の拡大も懸念される中、県は被害情報のある市町村に、被害防止計画の策定を働きかけている。
(イノシシ被害、芝生ズタズタ:鳥取)
憩いの場として親しまれている鳥取市桂見の「とっとり出合いの森」に、今年に入ってイノシシが頻繁に出没し、広場の芝生を掘り起こしてズタズタにしている。県は、行楽シーズンを前に侵入防止柵を設置することにした。指定管理者の谷尾樹楽園によると、昨年春に竹林が掘り起こされ、秋には周囲の山をあちこちはいかいしている痕跡が見つかった。年が明けてすぐ、中央に位置する芝生広場の南側のあずまや周辺が掘り起こされているのが確認された。ミミズやコガネムシの幼虫など餌を探していたとみられ、補修しても繰り返される恐れがあるため、周囲にロープを張り、立ち入り禁止にして様子を見守っていたが、被害は徐々に拡大。今では約千平方メートルに及んでいる。利用客が増えるシーズンが迫っているため、県は侵入防止柵の設置を決めた。芝生広場や水遊び広場など人の利用度の高い部分を囲うように、高さ一・二メートルのワイヤメッシュ柵を二・五キロにわたって張り巡らす。設置作業は、県が養成した指導者の鳥獣技術士(イノシッ士)、県や鳥取市の職員ら約三十人が十九日に行うことにしている。柵の設置に伴い、管理者も広場の補修に着手する。
(北上サル?目撃相次ぐ:埼玉)
熊谷市妻沼地区で2月下旬からサルの目撃が相次いでいる。昨年12月から八潮市などから県東部を北上する地域でサルの目撃が続いているが、県東部環境管理事務所では同じサルの可能性が強いとみている。熊谷市妻沼行政センターによると、2月21日に熊谷市葛和田でサルが目撃されたのを皮切りに、同25日まで、弁財、妻沼行政センター付近、妻沼東などの妻沼地区で十数件ものサル目撃情報が市民から寄せられた。その後しばらく途絶えたが、3月9日から再び妻沼地区に出没。10日は空っぽのハト小屋に入っているところを目撃され、市職員が急行したが逃げられたという。これまで県東部環境管理事務所では「北上サル」の情報を集めていたが、2月中旬に行田で目撃されたのを最後に姿が見えなくなっていた。この「北上サル」も妻沼のサルもともにニホンザルとみられ、大きさは中型。姿や行動経路からみて、「ほぼ同一個体とみてよいのではないか」という。これまで人や農作物への被害情報は寄せられていないことから、県北地域の有害鳥獣を担当する県北部環境管理事務所では捕獲は考えていない。「このまま山の方に行くのを見守りたい」という。また、熊谷市は近隣の小中学校に情報を提供したり、防災メールなどでサルを刺激しないよう呼び掛けている。
(気仙地方渡り鳥調査:岩手)
気仙地方にこの冬飛来した渡り鳥は、ハクチョウ類、カモ類を合わせて千三百十二羽が確認された。昨年度より百八十七羽の増。ハクチョウは微増で、盛川でカモ類が三百羽を超え、急増したのが目立つ。今年一月中旬に実施された平成二十年度(第四十回)ガンカモ類の生息調査は、全国で冬期間の生息状況を把握するために行われた。本県では三百二十カ所で調査した。気仙は、三市町の二十六カ所で鳥獣保護員八人と獣医師の計九人が調査にあたった。それによると、ハクチョウ類(オオハクチョウ、コハクチョウなど)は八十三羽が飛来し、昨年度より五羽増えた。気仙川の矢作町島辺橋が五十二羽で最も多く、同川の竹駒町廻舘橋が十六羽、同川の気仙町姉歯橋が十五羽。この三カ所のみで確認された。カモ類(カルガモ、マガン、オナガガモなど)は千二百二十九羽で、昨年度より百八十二羽増えた。盛川の大船渡町地の森が三百七十三羽で最も多く、百三十九羽増となった。次いで、気仙川の気仙町姉歯橋の百六十四羽、矢作町島辺橋の百五十八羽、三陸町越喜来の浦浜川の百六羽など。調査二十六地点のうち、十七カ所でハクチョウやカモの飛来を確認。昨年度より飛来数が増えたのは九カ所、逆に減少したのは十カ所。このほか調査項目になっているガン類はゼロで、最近の三年間でも飛来が確認されていない。一方、ハクチョウ類の飛来状況は、平成元年度は十七羽だったが、平成十四、五年度ごろから増加し、十六年度は百十六羽を確認。その後、微減傾向にあるが、本年度は微増となった。渡り鳥については、鳥インフルエンザ対策で昨年十月末に県もホームページ上で餌付けの自粛を呼びかけている。餌付けは渡り鳥などが食べ物に依存し、人馴れして増え過ぎたり渡りの時期を遅らせたり生態系を乱す原因になり、希少鳥獣などの保護の給餌など特別な場合を除き、餌付けをしないよう協力を呼びかけ啓発している。給餌の自粛によって今後、渡り鳥と触れ合う環境や気仙への飛来状況が変化する可能性もありそうだ。生息調査担当の県大船渡地方振興局保健福祉環境部の金子和華子獣医師は、「従来の意識を見直し、野鳥の生息や飛来において自然環境本来が持つ収容力を尊重し、生態系全体を保存するという意識を醸成していく意義も含まれている」という。
(カラスの撃退実験、効果あり:新潟)
長岡市は10日、2月にJR長岡駅周辺で行ったカラス撃退実験の結果をまとめた。カラスの悲鳴音を流すなどしたところ、駅周辺をねぐらにするカラスは急減し、その後も10日程度は効果が持続した。市は今後も、同様の方法で撃退を目指すことにしている。同駅周辺には3年ほど前から、毎冬、夜になると1万羽ものカラスが集まり、このうち約3800羽が駅舎屋根や駅前広場の樹木、広場に面したビルをねぐらにしていた。撃退実験は2月2―4日の3日間、同駅大手口の駐車場で実施。米国で市販されているカラスの悲鳴の録音テープを車のクラクションほどの大音量(110デシベル)で流し、死がいの模型を振り回した。実験の前日には、大手口側に約600羽、東口側に約3200羽がいたが、実験最終日には大手口側約100羽、東口側約2000羽まで急減。終了9日後の13日になっても、大手口側が約300羽、東口側が約2000羽で、効果が持続した。ただし、市の調査では、20日ほどたつと、カラスの数は元のレベルに戻った。駅周辺を追われたカラスがどこをねぐらにしたかは分かっていない。市環境政策課は「次は、夏の終わりから初秋に掛けてのカラスが集まり始める時期に撃退の取り組みを開始し、駅周辺をねぐらに選ばせないようにしたい」している。

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(手製改造銃所持の疑い 63歳男を逮捕:愛知)
金属パイプやモデルガンの部品を組み合わせた手製の改造銃を隠し持っていたとして、名古屋市名東区の自称カメラマンの男(63)が、愛知県警に銃刀法違反容疑で逮捕されていたことが分かった。県警によると、男は「山に写真を撮りに行く際、動物に襲われないようつくった」などと供述しているという。逮捕容疑は、男は自分の車の中に、金属パイプにモデルガンの撃鉄部分を取り付けた形状の改造銃1丁や手作りの実弾を隠し持っていたとされる。名東署などによると、男は2月上旬、名東区内で車上荒らしをした窃盗容疑で逮捕された。自宅や車の捜索で金属パイプの改造銃のほか、銃身を短くするなどしたライフル様の銃や実弾数百発が見つかった。室内には改造に使ったとみられる工作機械や火薬もあった。県警科学捜査研究所の鑑定で殺傷能力が確認されたため、県警は同月下旬、金属パイプの改造銃について銃刀法違反容疑で逮捕。ライフル様の銃や大量の実弾についても、近く追送検する方針。銃は実際に弾を発射した形跡があり、男は調べに「10年以上前につくった」と供述している。県警は、男が銃を売っていた可能性は低いとみているが、弾の火薬など材料の入手先を調べている。
(カワウ一斉駆除:長野)
天竜川漁業協同組合は8日、カワウの一斉駆除を箕輪町の天竜川で実施した。カワウの駆除は天竜川漁業協同組合が、ウグイを守るために5年前から実施している。この日は箕輪町猟友会のメンバーおよそ40人の協力のもと、カワウ8羽を駆除。メンバーは2班に分かれ、50メートルから100メートル置きに立ち、カワウを狙い撃った。箕輪町猟友会の小林弘人会長は「会員の高齢化や減少は進んでいるが、猟友会にしかできない仕事もある。少しでも世の中の役に立つよう協力していきたい」と話していた。カワウの駆除は、2月16日〜3月31日まで実施する。
(イノシシ“上陸”「安住の地」求め渡海?:長崎)
五島列島北端に位置する宇久島(佐世保市)と小値賀島(北松小値賀町)で、従来生息していなかったとされるイノシシが昨年7月から相次ぎ目撃されていることが10日分かった。宇久島周辺で泳ぐ姿を見た人もおり、約10キロ離れた中通島(新上五島町)から“安住の地”を求めて渡った可能性が大きいという。宇久島では被害を心配、早めの対策を求める声が出ている。市農業畜産課と宇久行政センターによると、昨年7月30日に宇久島民が海岸で目撃。その後も島内各地でイノシシや足跡が見つかっている。今のところ、農作物への被害報告は出ていない。2年前には死骸(しがい)が海岸に流れ着くなど来島する兆候はあったという。小値賀町産業振興課によると、宇久島と中通島の間に位置する小値賀島にはこれまでイノシシは生息していなかったが、昨年11月、島民が1匹を確認した。宇久行政センターの担当者は「宇久や小値賀で見つかったイノシシは、“有害鳥獣”として中通島を追われた末に海を渡ったのでは」とみる。宇久島では目撃情報後、猟友会が島内を巡回しているほか、会員が捕獲用わなを仕掛けることができる免許を取得。4月からわなを設置する予定。行政センターは目撃したら連絡するよう呼び掛けている。10日の市議会一般質問で、宇久島在住の大岩博文議員がイノシシ上陸を取り上げた。田崎勉農水商工部長は「効果的にイノシシを捕獲できるよう支援するとともに、電気柵の設置などについても関係者と協議を進めたい」と述べた。
(エゾシカの平穏、つかの間:北海道)
北海道東部のオホーツク海に面した知床岬。強風で雪が吹き飛ばされるため、冬季は草をはむエゾシカのえさ場となっている。生息数は近年急激に増え、知床岬では600頭といわれる。食害が進んでいるため、環境省は駆除に取り組んでいる。ただ現地への道はなく流氷がある間は船が近づけないため、シカの平穏な暮らしはしばらく続く。
(シカ肉料理を名物に:静岡)
国民文化祭伊豆市実行委員会(委員長・菊地豊市長)は10日、農林業に甚大な被害をもたらし、毎年大量捕獲されるニホンジカの活用策を探ろうと「シカ肉料理講習会」を同市の天城温泉会館で開いた。ジビエ(野生鳥獣)料理シェフ藤木徳彦さん=長野県茅野市=が講師を務め、市内の旅館・ホテルの調理師や飲食店経営者ら30人が参加した。藤木さんはシカ肉の食材としての魅力について講演したほか、伊豆で捕獲されたシカのテリーヌやハヤシライスを振る舞い「70度の湯せんで火入れするとぱさつかない」などと調理する際の注意点も教えた。参加した宿泊施設経営の足立浩さん(50)は「ハヤシライスは食べやすく、給食に出してもいい」と話した。講習会は11日も行う。市はシカ肉の安定供給を目指し食肉加工処理施設の建設を計画していて、10月から始まる国民文化祭でもシカ肉料理を特産品として発信する予定。
(鳥獣害に住民パワー:長野)
木曽川両岸の山に囲まれた上松町荻原の立町(たちまち)地区住民が、有害鳥獣対策の自主的な活動を本格化させている。約70の全戸でつくる上松町内では最初の鳥獣被害対策協議会が先月、野生動物を人里に近づけないための「緩衝帯」を造る伐採作業を実施した。行政側は近隣地域への広がりを期待している。立町は左右両岸の集落とも、すぐ背後に山が迫る。ここ数年、サルやイノシシが出没し畑を荒らしている。クマが木の実を食べるため人里の木に登った跡も見つかっている。日常生活にも危険が及ぶことから、地元は昨年秋、県の木曽地区野生鳥獣被害対策チームや町に実態調査を依頼。現在は竹やぶや雑木林になってしまっている集落内の農地跡が、タヌキやハクビシンも含む野生動物の隠れ場所になっていることが分かった。地区を挙げて長期・組織的に野生鳥獣が近づけない環境をつくろうと、立町区は昨年12月、町内初の試みとして鳥獣被害対策協を設立。2月下旬には町が貸し出す道具を使い、竹やぶなどの刈り払いをした。木材関係の仕事をしている住民は扱い慣れているチェーンソーで伐採、高齢者や女性は枝を片付けるなど、参加した約40人がそれぞれ可能な形で力を出し合った。広大なやぶの伐採は今後も続く。対策協は、住民による通報をもとに追い払いをする態勢づくりも検討している。立町区長の鮎沢秀一さん(63)は「畑作はお年寄りの生きがいにもなっており、今後も有害鳥獣対策に力を入れていきたい」と言う。県木曽地方事務所林務課や町農林係の担当者は「広域的に対策を行えばより効果が上がる。同様の活動が他地域に広がっていってほしい」としている。
(イノシシ被害、1000平方メートル:鳥取)
鳥取市桂見の「とっとり出合いの森」にある出合いの広場の芝生が、今年に入ってイノシシに頻繁に荒らされ、被害が約1000平方メートルに上ったことを受け、県森林保全課は長さ約2・5キロの侵入防止柵(さく)を設置することを決めた。柵は高さ約1・2メートルで、ワイヤーが格子状に張ってある。野生鳥獣による農作物への被害防止のため育成された「イノシッ士(県鳥獣技術士)」や県職員ら計約30人で19日、広場を中心に設置する。費用は約220万円。掘り返された芝生も今月中に修復する予定。公園の指定管理者、谷尾樹楽園の谷尾喜三施設長は「遠足の問い合わせが最近、相次いでいる。4、5月のシーズン前に修復のめどが立ってよかった」と安心した様子だ。
(イノブタ料理店ずらり:和歌山)
和歌山県すさみ町の「イノブータン王国活性化委員会」は、町内産イノブタを使った料理を提供する店を紹介したリーフレット(A3判)を5000部作製した。委員会は「すさみに来たら、ぜひイノブタを食べてほしい」と呼び掛けている。町内ほとんどの飲食店と宿泊施設合わせて21軒に、大阪市や串本町の飲食店を加えた23軒の概要や地図を掲載。イノブタの丼やくし焼き、ラーメン、うどん、ステーキ、中華風コース料理など各店のお薦め料理をカラー写真で紹介している。各店とも、町内のイノブタ生産者でつくる「イノブタ生産協議会」が、イノシシとブタの一代雑種の肉「イブの恵み」の使用店として認定している。観光客が気軽に手にできるように同町周参見のJR周参見駅や同町見老津の「道の駅・イノブータンランドすさみ」に置いた。掲載の飲食店や宿泊施設にもある。すさみ町商工会が管理するホームページ「イノブータン王国」でも見られる。同町はイノブタのまちとしてPRしていたが、これまで町内の肉の供給量が少なく、イノブタ料理は一部の店でしか食べられなかった。本年度から民間飼育頭数が増え、肉を確保できるようになったことで、各店がそれぞれ工夫してイノブタのメニューを考案、提供を始めた。
(イノブタ発祥の地で飼育研修会:和歌山)
イノブタ発祥の地のすさみ町で、県農林水産総合技術センター畜産試験場が、イノブタの飼育者を増やそうと一般を対象にした飼育研修会を開いた。イノブタの繁殖やふん尿の堆肥(たいひ)化など30人が飼育技術を学んだ。同試験場生産環境部の尾畑勝吉部長が、繁殖させる場合、父親がイノシシ、母親がブタで生まれた子どもが数や生存率が最も良く、肉質もあっさりして臭みがないと説明。飼育では衛生面を重視するよう強調し、「イノブタは発育が遅いため皮膚病にかかりやすい。畜舎を清潔に保つと同時におがくずを敷き、ふん尿と混ざって、堆肥ができるように工夫が必要」と助言した。同町周参見の一般廃棄物収集業、岡賢氏さんは「畜産業は環境衛生面で経費がかかると思っていたが、自分でもできるのではないかと思った」と話していた。
(猿の目撃相次ぐ:埼玉)
熊谷市妻沼地区で9日朝から10日にかけて、「猿を見た」との情報が5件寄せられ、市安心安全課は「見かけたら、あわてず騒がず、静かに立ち去ってほしい」と呼びかけている。市によると、9日午前8時半頃、市民から「猿が出没している」との連絡があった。市妻沼行政センターの職員が駆けつけると、サルは民家の物置の屋根に乗り、目をむいて体を揺するなどして威嚇したという。同地区は群馬県境を流れている利根川沿いに広がる田園地帯で、山などはないため、市職員も「どこから来たか見当がつかない」と困惑気味だ。
(発信機でサルの行動を監視:埼玉)
サルによる農作物の被害を防ごうと、埼玉県飯能市はサルに発信機をつけ、行動を監視している。市によると、神出鬼没なサルに対しては現在最も有効な方法で、県内では秩父市なども取り入れ、効果を上げているという。飯能市によると、市内には推定で3グループ約150匹のサルがいるという。野菜が食べられるなど農作物への被害が多く、平成19年度は市に30件のサル被害が寄せられていた。しかし、サルがどのようなルートで移動し、農作物を荒らしているのかは不明。そこで、サルの行動を把握するために20年5月下旬ごろから、飯能市内でも被害が多い妻沢、赤沢の両地区に箱ワナを設置して、発信機をつけられるサルの捕獲を目指していた。20年8月中旬に妻沢地区で一度サルが捕獲されたが、発信機をつけられる大きさではない小ザルだったため放した。そして今年2月、妻沢地区の箱ワナで、サルの捕獲に成功した。捕獲されたサルは3歳半くらいのオスで、体重約6キロ、体長約55センチ。首に発信機をつけて群れに放した。現在は受信機5台を地元に配布したほか、市職員も随時受信機やアンテナを持ち、サルの行動を監視中だ。受信機に反応があった場合は、先回りしてサルを追い払うことを目指しているという。市農林課は「サルは同じルートを通って行動する。サルがどう動くのか調査することで、先回りして追い払うことができるようになる」と期待を寄せる。今後は、県農林総合研究センターと協力し、追い払ったサルの行動変化を調べ、農作物被害への効果を検証するほか、発信機をつける新たなサルの捕獲を目指しているという。
(農業被害軽減へ ニホンザルの出没情報を提供:長野)
県や松本・大北地域の14市町村、林業関係者らでつくる「中部山岳流域林業活性化センター」(事務局・県松本地方事務所)は、同センターが運営するインターネットサイト「信州里山.net」でニホンザル出没情報を提供している。大町市、北安曇郡池田町、東筑摩郡生坂村の3市町村から寄せられたニホンザルの出没場所、日時などの情報を載せ、農業被害防止に役立てる狙い。2月の閲覧回数が約3800回に上るなど、関心を集めている。出没情報は、住民らから各市町村に寄せられてからほぼ10分以内にサイトに掲載している。サイトにはQRコード(2次元バーコード)も載せており、カメラ付き携帯電話で読み取って登録しておけば、外出先でも出没情報を確認できる。同センターによると、3市町村周辺では「三日町個体群」と呼ばれる約60匹の群れが移動しており、リンゴや畑の農作物を食べたり、荒らしたりなどの被害が出ている。3市町村はそれぞれ出没情報を集め、無線で流すといった対策を取っていたが、広範囲での動きを予測し、追い払いなどの対策につなげるには情報の共有化が必要と、同センターに要望していた。同センターは「サルに畑は怖い場所だと認識させることが大事。情報を活用し、追い払いなどに役立ててほしい」としている。「信州里山.net」のアドレスは(http://www.shinsyu−satoyama.net/)
(鳥インフルエンザ愛知・豊橋発生問題:三重)
愛知県豊橋市のウズラ飼育農家で鳥インフルエンザが発生した問題を受け、県内の養鶏農場など計33農場で抗体検査とウイルス分離検査を実施していた県は9日、いずれも陰性で問題はなかった、と発表した。検査は県内各地の鶏農場30カ所と熊野市のキジ農場1カ所、津市と伊勢市のウズラ農場各1カ所で実施。16農場で抗体検査とウイルス分離検査、16農場で抗体検査、1農場でウイルス分離検査を行ったがいずれも陰性で異常はなかったという。県は10日から順次、養鶏農場を中心に家きんを飼育する県内計170農場で緊急消毒も実施する。
(鳥インフルで環境省が野鳥調査へ)
愛知県豊橋市内でウズラが鳥インフルエンザに感染していた問題で、環境省と同県は10日、感染経路を特定するため、発生農家周辺に生息する野鳥のウイルス保有状況調査を実施すると発表した。同省鳥獣保護業務室によると、調査は11日に開始。感染したウズラがこれまでに確認された3農家を含む半径10キロの地域で実施する。ため池、川などの水辺でカモやガンなどのフンを約100個採取するほか、発生農家周辺に生息する野鳥100羽を捕獲し、鳥インフルエンザウイルスを保有しているかどうかなどを調べる。

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3/10
(押し入れに入る猟銃保管庫を発売)
富祥(神奈川県伊勢原市、近藤幸子社長、0463・94・5041)は、押し入れに入るコンパクトサイズで高いセキュリティー機能を備えた金属製ガンロッカー(猟銃保管庫)「Castello Mini(カステロミニ)」を完成し、4月に発売する。角度感知センサーを備えているうえ、特殊な構造でテコやバールを使っても容易に扉を開けられない。価格はオプションの生体認証システム込みで25万円。年間1000台の販売を見込む。近年、凶悪な銃犯罪が相次いでおり、08年は鉄砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反件数が前年の約3倍に達した。こうした背景から、今後銃刀法による取り締まりが強化されることが予想される。ただ、現状では、個人宅の押し入れに入るようなサイズの猟銃保管庫はなく、ミニサイズが求められていた。カステロミニは、高さ800ミリ×幅260ミリ×奥行き265ミリメートルのサイズ。
(北限のサル、1カ月で45匹捕獲:青森)
国天然記念物「北限のサル」の個体数調整を目的とした大規模捕獲が始まって一カ月。これまでにむつ市が脇野沢地区と大畑地区で三十七匹、風間浦村が一匹、佐井村が七匹の計四十五匹のニホンザルを捕獲した。
(遊休農地にヤギ放牧 イノシシ対策:群馬)
前橋市は、赤城山麓(さんろく)で頻発しているイノシシによる農作物への被害を食い止めるため、“隠れ家”となる耕作放棄地や山林にヤギを放牧して下草を食べさせ、イノシシを追い出す取り組みを始める。まずは効果を調べる実証実験の費用として、二〇〇九年度当初予算案に六十万円を計上した。市農林課によると、イノシシの食害は年々増加傾向にある。〇七年度は十二件の通報があり、被害面積は約三ヘクタール、被害額は三十万円余り。〇八年度はすでに前年度を上回る十七件の通報があり、被害面積は約十一ヘクタールに及んでいる。出没地域も山すそ側に拡大している。赤城山の南麓を東西に走る空っ風街道と呼ばれる農道は「すでに突破」(同課)されており、約一キロ南を並行する国道353号の近くにまで迫っているという。背景には、耕作放棄地や手入れの行き届かない山林の増加があるとされる。下草が伸び放題となり、イノシシの通り道や隠れ家になっていると考えられるためだ。同課は「隠れる場所をなくせば現れづらくなる」とし、下草に加えて小さな雑木も食べるヤギを放牧することとした。実証実験は、ヤギを飼育している農家に管理料などを支払って協力を求め、田、畑、山林の三カ所に一定数のヤギを放牧する。効果を確認できれば翌年度以降、範囲や規模を拡大する方針。
(イノシシ 人里と摩擦:長崎)
町中でイノシシに人が襲われる事件が、昨年10月以降に佐世保市で4件起きた。農作物を食い荒らされる被害は例年問題になっているが、人身事故はめずらしかった。専門家は「イノシシが出づらい環境を作らないと今後も起きるだろう」と警鐘を鳴らしている。2月1日午後、佐世保市小佐々町の会社員男性(56)が、自宅玄関先でイノシシに腰をかまれ、振り回された。買い物から帰宅して車を降りたところにイノシシが現れ、数秒見つめ合った後に足で追い払おうとすると、突き上げられたという。30秒ほどでイノシシは去ったが、男性は腰から尻にかけて長さ約20センチ、幅約10センチほどの傷と右ひざ裏に牙で刺されたような傷を負い、あわせて50針ほど縫った。入院は10日間に及んだ。現場は山を切り開いた住宅街。近くには森が残る。鰐川裕英区長によると5、6年前からイノシシの目撃が増えてきた。男性も鰐川さんも「襲われたのが子供だったら命がなかっただろう」と気が気でない。市農業畜産課によると、小佐々町では昨年10月にも県道を走るバイクがイノシシにぶつかられて倒れ、男性(54)が打撲を負った。また同月、市街地に近い白岳町でも50歳代の女性が腰をかまれ、70歳代の女性が体当たりされて転倒し、それぞれ軽いけがをした。県鳥獣対策専門員の小寺祐二・農学博士によると、イノシシは明治・大正時代に捕獲されて頭数が減った。だが、70年代ごろ減反政策などで山に人の手が入らなくなり、西日本を中心に分布が拡大。県内では、90年代に人目につくようになった。今では壱岐と五島列島の一部を除いて県内全域に広がっている。イノシシは警戒心が強く、通常は人里に出たがらない。だが、人が住む所では生ゴミや収穫した農作物の残り、ペットフードといったエサが簡単に見つかる。やぶなどに身を隠し、人がいないすきを狙って住宅地に出てき始めたと考えられるという。県内の有害獣駆除としてのイノシシの捕獲頭数は03年度3631頭、04年度6391頭から07年度1万1107頭と増え続けているが、小寺さんは「捕獲だけでは解決しない。捕まらないイノシシが、里に出続ける」と話す。対策はイノシシが寄りつかない環境にすること。(1)生ゴミを収集日以外に出したり、犬や猫のエサを外に出しっぱなしにしたりしない(=エサをなくす)(2)やぶの草刈りをする(=身を隠す場所をなくす)、といった手段が効果的という。町中でイノシシに出合った時の対処法を、小寺さんに聞いた。(1)通常は、放っておけば近寄ってこない。驚かさないよう、ゆっくりと後ずさりして逃げる(2)向かってきたら▽塀や木の上など高い所に逃げる▽傘や板、シートなどを地面につけて盾にする(行き止まりと勘違いして避けていく)▽ジャンプして牙をよける――などが考えられるという。

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3/9
(ウを散弾銃で追い払い:広島)
大竹市の阿多田島周辺でメバルの稚魚がウミウなどに捕食され、漁業に影響が出ている問題で、市は8日、駆除に乗り出す。地元の阿多田島漁協の要請を受け、実施に踏み切る。8日の駆除には市と漁協、大竹猟友会から約10人が参加。漁船2隻に分かれ、阿多田島と猪子島の沿岸を回り、散弾銃による追い払いを中心に実施する予定。島内や阿多田島航路のフェリーでは、張り紙や放送で注意を呼び掛ける。市が先月25日に実施した調査では、同島周辺海域で約80羽を確認。大半がウミウで、少数のカワウが交じっていたという。同漁協では組合員約30人がメバルを漁獲。売り上げは年間約3000万円に上る。
(県は新年度から元クレー射撃場の環境対策着工:静岡)
静岡県は、鉛散弾による環境問題で2004年度末以降閉鎖している元県クレー射撃場について、09年度は環境対策工事に着工する。当初予算案に工事費など1億0200万円を計上した。鉛を除去する環境対策工事は、不溶化・遮水工法を採用し、11年度までの3カ年の施工を予定している。射撃場内では、一部で鉛の検出量が高い場所があり、推定で約100dを超える残留鉛弾の堆積が予測される。本年度は、環境対策・回復工事のための実施設計を応用地質静岡支店(静岡市駿河区)に委託。設計では、現地調査で水質など場内の状況把握に加え、環境対策工事を前提とした施工計画書の作成、施工に要する積算作業などを行っている。土地の所有者である浜松市とも協議を進めており、現時点では09〜11年度の3カ年で環境対策・回復工事を実施し、12年度以降に環境モニタリング調査などで経過を見守る見通し。環境対策工事費は09年度に1億円、10年度に6億円、11年度に4億4900万円、3カ年で計11億4900万円を投入する計画。09年度は工事費に加え、施工管理委託費や事務費など1億0200万円を当初予算案に盛り込んでいる。鉛の検出状況については、調整池に設置した水質浄化装置などの効果で、含有率など数値が安定している。環境対策工事の実施により、周辺住民の不安を完全に払しょくする考えだ。1985年8月に開場した元県クレー射撃場は、敷地面積7万3955平方bを有する。鉛散弾による環境問題が発覚後、一時休場・環境対策工事などを経て、03年に開催された「NEW!!わかふじ国体」の会場として、52日間のみ一時開場。05年3月に閉鎖し、管理棟などの建物や工作物を撤去し、現在、立ち入り禁止の措置を講じている。これまで、有識者や関係機関で組織する「環境対策検討委員会」を設置し、多角的に浄化方法などを検討してきた。施工場所は浜松市天竜区春野町筏戸。
(銃弾送付と爆発、同一犯か、NHK福岡放送局事件)
福岡市中央区六本松1丁目のNHK福岡放送局の玄関で起きた爆発事件で、現場の防犯カメラに映っていた犯人と酷似した男が、事件の直前に同区天神で福岡放送局の場所を通行人に尋ねていたことが、捜査関係者への取材でわかった。天神は92年まで福岡放送局があった場所だが、銃弾入りの郵便物が同放送局に送りつけられた事件でもあて先は天神になっていた。県警は、爆発と弾を送りつけた事件を関連づける証拠とみて、慎重に調べている。捜査関係者によると、男は先月22日夕、天神の路上で「NHKはどこですか」と通行人の女性に尋ねたという。付近の防犯カメラにもこの男の姿が映っており、爆発事件の犯人と着衣など特徴が酷似していた。男は女性に道を聞いた後、タクシーで同区六本松の同放送局に向かったらしい。爆発事件はその後の同日午後5時半ごろ、同放送局の東側玄関で発生。現場の防犯カメラには、犯人の男が玄関の自動ドアから建物に入り、持っていたバッグを置いた直後に爆発が起きた様子が録画されていた。犯人はニット帽にサングラス、マスク姿で、紺の上下、白の手袋をしていた。また、東京と福岡、札幌、長野のNHKに、旧日本軍が使用していた三八式歩兵銃の弾が送りつけられる事件も発生。いずれも東京都内の神田郵便局の23日付の消印で、「赤報隊」と書かれた紙も入っていた。県警は、福岡に送られた郵便物のあて先が旧住所の天神になっていたことから、二つの事件が、爆発事件の前から郵便物を用意していた同一犯か、共犯者による犯行の可能性があるとみている。
(拳銃認定のエアガン販売の会社社長ら書類送検)
東京都北区の遊戯銃製造会社「タナカ」が殺傷能力のあるエアガンを製造販売した事件で、警視庁組織犯罪対策5課は6日、武器等製造法違反(営利目的製造)の疑いで、同社社長(65)=銃刀法違反容疑で逮捕、処分保留で釈放=ら4人と同社を東京地検に書類送検した。同課によると、社長は「危険との認識はあったが、会社の利益のために製造した」と供述し、容疑を認めているという。同課の調べでは、社長らは昨年6月下旬ごろ〜10月上旬ごろ、警察庁が拳銃と認定した回転式拳銃型エアガン「S&W M500 カシオペア・モデル」など4種類の部品を組み立てるなどして拳銃1685丁を製造した疑いがもたれている。
(殺傷能力あるエアガン、845丁を回収)
去年12月、本物の拳銃と同じ殺傷能力があるとして摘発を受けた市販のエアガンが、これまでに845丁回収されたことが分かりました。警視庁では、残るおよそ1000丁について引き続き、回収を進める方針です。この事件は去年12月、東京・北区の会社「タナカ」が販売したエアガンが、本物の拳銃と同じ殺傷能力があるとして、銃刀法違反の疑いで会社社長が逮捕されたものです。その後、警視庁では各地の警察と協力して、すでに販売されたエアガンおよそ1950丁の回収を進めてきましたが、6日までに845丁が回収されました。大半は、個人の所有者が自主的に警察署などに相談し、回収に協力したということです。警視庁では、残るおよそ1000丁余りについて引き続き、回収を進める方針です。
(「ネットでエアガン100丁販売」銃刀法違反容疑で逮捕:愛知)
愛知県警豊田署は6日、「準空気銃」と認定されるエアガンなどを所持していたとして、銃刀法違反の疑いで群馬県太田市中根町、自営業、高木健治容疑者(45)を逮捕したことを明らかにした。逮捕容疑は、平成18年10月から20年12月にかけ、販売目的などで準空気銃11丁や模造拳銃、刀を所持した疑い。同署によると、高木容疑者は「銃を台湾から輸入し、インターネットのオークションなどで100丁ぐらい売った」と供述。「銃は威力の弱いおもちゃ」と容疑を否認しているが、県警の鑑定で、人を傷つける能力があると判明した。一丁4、5万円で売却していたとみられる。
(猟区設置条例、廃止へ:滋賀)
東近江市は、狩猟家が入猟承認料を払って猟区に入りイノシシやシカなどの狩猟をする市猟区設置条例と猟区入猟承認料徴収条例を今年度限りで廃止する方針を固め、3月定例市議会に廃止条例案を提案した。安全で適正な狩猟を楽しんでもらうため1960年に設けた制度。だが、狩猟家が激減し、イノシシやシカが増え過ぎて獣害が起きているため。撤廃は半世紀ぶり。耳慣れないこの制度は、県内では、鈴鹿山系を抱え三重県と接する同市と甲賀市、日野町にある。猟区は同市が8372ヘクタール▽甲賀市が4505ヘクタール▽日野町が1717ヘクタール。毎年11月15日〜2月15日の狩猟期間中の土日祝日、ハンターは1日1万円の入猟承認料を自治体に支払って猟区に入山し、キジやイノシシなどを狩猟する。狩猟が盛んなころは、鈴鹿山系へ京阪神から狩猟家が殺到。同市の場合は、一度に大勢の狩猟家が入山すると危険なため、1日30人までとし、くじで制限していたという。ところが、10年ほど前から狩猟家が激減し、今年はシーズンを通して28人しかいなかったという。猟区はイノシシやニホンジカの天国となり、今では獣害が問題になっているという。市は「入猟料を徴収する以上、猟区への放鳥なども続けなければならないが、入山者が少なく、採算が合わない。そのうえ獣害も出ている」として撤廃に踏み切ることにした。今後は、これまでの猟区に入猟料を支払わずに入山できる。ただ、鈴鹿山系の一部には、イヌワシやクマタカなどが生息し、保護区の見直しも検討したいという。
(富士市内にサル出没:静岡)
富士市内の中心部で5、6の両日、野生のサルの出没情報が市役所などに寄せられた。市は同報無線などを流し、注意を促している。出没情報はまず5日午前6時40分ごろあった。同市今泉西木の宮町住民から「道路にサルがいる」と市役所に入った。その後、今泉地区南部にも出没。市役所職員や富士署員、猟友会関係者が捕獲網などで民家の屋根にいたサルの捕獲を試みたが、南の方角へ逃げ去ったという。サルは6日も午前8時半ごろ、吉原中央駅に現れた。同10時45分ごろ市役所付近の永田北町の弥生線上で、同11時前に中央公園東側で確認された後、姿を消したという。サルの目撃はいずれも1匹で、市は、同じサルが何らかの理由で群れからはぐれ、市内を移動しているとみている。屋内に侵入する可能性や危害を加える恐れもあることから、市環境保全課〈電0545(55)2773〉は「発見した際は近づかず、刺激せず、早期に情報提供を」と呼び掛けている。
(渡り鳥生息地、国境越え保全:石川)
加賀市片野町の片野鴨池が六日までに、「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)パートナーシップ」に加わった。渡り鳥の飛行経路上にある生息地を守るため、国境や海を越えた協力関係をつくる。市は、国内有数の渡り鳥の安息地の保護とともに、国際的な知名度向上につなげる。十二日、鴨池に対して認定証が伝達される。EAAFパートナーシップは二〇〇六(平成十八)年十一月に、野鳥の種類別や所在地ごとに分立していた各国の保護組織をまとめて発足した。渡り鳥は、繁殖地から越冬地へ向かう長い旅の間、各国に点在する湿原や水田などを経由し、保護には国際的な連携が必要となる。国内では、鴨池をはじめ、釧路湿原や八郎潟干拓地、琵琶湖など二十九カ所が参加する。ラムサール条約登録湿地である片野鴨池は、加盟条件を十分に満たす。今季は多い時で約八千羽のガン、カモ類が羽を休めた。伝統的な狩猟法である坂網猟の伝承、冬に周辺の田んぼに水を張りえさ場を確保する取り組みなど、保全に向けた啓発活動も盛んで、人と野鳥の営みの共存関係が守られてきた。パートナーシップでは、普及活動が活動テーマの一つに挙げられており、鴨池のこうした活動も生かされる。飛来時期や状況を調べる標識の装着など、調査活動にも連携して取り組む。同市鴨池観察館では「鴨池の貴重な環境を、あらためて認識してもらえるのではないか」としている。
(イノシシ増加止まらず:新潟)
イノシシの農作物被害に悩む十日町・津南地域の本年度の猟期(2008年11月15日―09年2月15日)におけるイノシシの駆除頭数が67頭に上った。県猟友会十日町支部によると、一昨年のシーズンはわずか5頭の駆除だったが、昨季の48頭に続いて急増した。イノシシ被害が深刻な長野県などから山伝いに流れてきたと見られる。イノシシは足が短く体重が重いため、雪の多い冬場は沢など行動範囲が狭まるが、ことしは少雪のため行動範囲が広く、駆除はしづらい状況だった。それでも60頭以上を駆除したことから、同支部は「市内だけでも100頭以上は軽くいるはず」と推測する。上越市や柏崎市などでもイノシシが増えており、駆除した場所は両市に近い十日町市の川西、松代地域で特に多い。「上越や柏崎の猟友会関係者と情報交換を密にして、効率的に駆除していくことが今後は必要だ」と同支部の池田富夫副会長。同市では「イノシシの増加傾向は止まらず、春以降の人的被害が心配。対策を急ぐ必要がある」と話している。
(イノシシ被害防止へ捕獲開始:福岡)
遠賀川に浮かぶ中間市の中島でイノシシが増えすぎたとして、国土交通省遠賀川河川事務所と遠賀郡猟友会が駆除に乗り出した。イノシシが橋などを渡り農作物を荒らす被害が確認され、人へ危害を及ぼす可能性もあるとしている。島に箱わなが設置され、5日までに5頭が捕獲された。中島は長さ約1・1キロ、幅約0・3キロ。広さは福岡ドーム4個分に当たる約30ヘクタール。同事務所によると、数年前からイノシシが目撃されるようになり、現在は少なくとも2グループ15頭ほどがタケノコなどを食べて生息しているとみられる。同事務所は、市民による自然観察の機会をつくるため自然再生事業を進めているが、ひと目で数頭が確認されるなど活発な繁殖が推測できた。専門家に意見を求めたところ、イノシシの生息には1頭当たり約50ヘクタールが必要といい、30ヘクタールに約15頭という状況について、同事務所は「4畳半に10人が暮らしているようなもの。宅地への活発な移動や、タケノコ採りで島に入る人に危害を及ぼす可能性がある」としている。箱わなは島内3カ所に設置。イノシシは警戒心が強く、幼いイノシシがわなに掛かった様子を見た親は近寄らないようになるという。今月中旬から下旬にかけては猟銃で駆除する。同事務所河川環境課は「タケノコ採りのためでも島には入らないで」と呼び掛けている。
(シカ食害対策、報奨金制度が成果:高知)
中山間地域で深刻なシカの食害対策で、県が今年度から始めた報奨金制度などが成果をあげている。年間の捕獲数は今月3日現在の推計で、約6700頭と昨季の1・5倍となる見込み。県は2010年度末までに県内の適正頭数約9200頭に近づける目標を立てており、「報奨金などの対策が効いてきた」と話している。県内のシカ頭数は、02〜04年度の調査で約3万1000頭と推計されたが、07年度には4万7000頭までに増加。木の樹皮がはがされたり、農作物への被害が相次いでいる。このため、県は今年度から対策に本腰を入れ、狩猟期(11月15日〜3月15日)に捕獲したハンターに対し、メス1万円、オス5000円の報奨金を支払う制度を創設。さらに、狩猟期以外に捕獲する市町村向けの補助金を3分の1から2分の1にかさ上げした。報奨金がなかった昨季はハンターの狩猟だけで2953頭だったが、今季は今月3日現在で3118頭を捕獲し、昨季を上回るペースで推移。市町村への補助についても、1757頭から約3600頭にほぼ倍増した。狩猟期が終わってから報奨金を申請するハンターがいることも見込まれ、最終的に県は今年度の目標1万850頭に近づき、9000頭台になるとみている。県鳥獣対策課は「対策が功を奏した。2010年度に再び生息数調査を実施して、成果を見極めたい」と話している。
(シカ有効資源に 肉、皮製品を拡充へ:兵庫)
兵庫県は新年度から、市町や企業と連携して、捕獲したニホンジカの肉や皮の有効活用に乗り出す。狩猟期間の延長などで捕獲数を増やす一方で、シカ肉を流通させるためのガイドラインを作成。食肉処理施設を計画する市町には、整備に必要な調査費を助成する。企業と連携してベルトやかばんなど、シカ皮の製品化も目指す。市町が個体数管理を目的に捕獲する年間の目標頭数を、4000頭から6000頭に増やす。「これに一般の狩猟を含めると、シカの総捕獲数は年間約2万頭を見込める」(県森林動物研究センター)という。
(沼原湿原でイノシシ:栃木)
ニッコウキスゲで知られる那須塩原市の沼原湿原(標高一、二三〇メートル)周辺に、今冬イノシシが出没していたことが分かった。周辺はイノシシが苦手とされる深雪地。これまで生息が確認されておらず「ついにここにも出たか」と関係者は一様に驚く。全県的な保護管理計画を進めてきた県は、新たな生息域拡大を警戒している。一月八日夕、湿原入り口の駐車場わきで県立博物館の林光武主任研究員は一頭のイノシシに遭遇した。地面を掘り返し餌を探している様子だったという。県内のイノシシは二十年ほど前から急増。一九九五年度には農業被害額約五百二十万円、捕獲頭数九十一頭だったが、二〇〇七年度には約一億三千八百四十万円、二千百五十五頭に達している。県は二〇〇六年にイノシシ保護管理計画を策定し、全県的な捕獲状況の把握や農作物などの被害対策を実施。特に県東の八溝地域、足利市など両毛地域、高原山周辺の三カ所が生息域だった。ところが同年から翌〇七年にかけ、絶滅したとされた奥日光やこれまで生息していなかった栗山地区で捕獲が相次いだ。昨秋ごろからは、那須町西部でも「地面を荒らされた跡がある」との情報が数件寄せられている。イノシシは里山などにすみ、植物の根茎や木の実、昆虫などを食べる。足が短く雪深いと生息できないとされ、出現は少雪傾向が影響したと見られる。野生動物に詳しい宇都宮大農学部の小金沢正昭教授は「餌を求めて地面を掘り返すので山が荒れることがある。ただ標高が高く積雪があるため定着する可能性は低い」とする一方「県内では標高一、〇〇〇メートルぐらいまで生息域を拡大する可能性があり、注意が必要だ」と指摘している。
(ヤギ放牧でイノシシ対策:群馬)
前橋市はイノシシなど有害獣による飼料作物の食害を防ぐため、09年度からヤギを利用した防止策を試験的に実施する。イノシシなどは山林や遊休農地の雑草などに隠れて動くことが多いとし、放牧したヤギに草を食べさせることで有害獣の動きを制限するのが狙い。市は「効果が確認できれば、本格的に『ヤギ導入』を推進していきたい」としている。事業費として市は09年度当初予算案に60万円を計上。4月から田畑、山林など市内3カ所にヤギ約10頭を配置し、放牧した周りには柵を設置する。当初、牛を利用した対策も考えたが「牛よりもヤギの方が小型で扱いやすい。ヤギの方が雑木や落ち葉も食べるので牛よりも効果が期待できる」(市農林課)という。同課によると、有害獣によるジャガイモ、トウモロコシなどの食害報告が07年度、12件計約3ヘクタール寄せられた。08年度もこれまでに17件、約11ヘクタールの被害が報告されているという。
(甲賀市の耕地、11%が放棄地 獣害が影響:滋賀)
滋賀県甲賀市内の耕作放棄地が620ヘクタールにのぼることが、本年度に初めて行われた農林水産省の現地調査で分かった。市内の全耕地面積の11・5%に当たり、獣害の影響が大きいという。市は農業委員や関係機関による「市耕作放棄地対策協議会」を3月中に設置し、対策に乗り出す。耕作放棄地はこれまで、5年ごとの農林業センサスで農家にアンケート調査してきたが、近年の増加を受けて農水省が本年度、実態把握のために現地を見る全体調査を行った。調査は各市町に依頼し、甲賀市では農業組合や農業委員の協力で昨年7月から11月にかけて実施。判明した620ヘクタールのうち、国のガイドラインで5年後をめどに解消を図ることが必要とされる農業振興地域内の農用地区域が約160ヘクタールあった。県農政課は「甲賀市は県内の市町で突出して多い」とし、「山間地の農地が多く、イノシシやサルなどに作物が食べられる獣害の影響で放棄される傾向にある」と分析する。市産業経済部は「設置する対策協議会で耕作放棄地の解消計画を策定し、国の再生推進事業を活用して再生利用を図っていきたい」としている。
(イノシシ出没最多:石川)
白山市の県白山自然保護センター・ブナオ山観察舎職員が今月一日、イノシシ九頭と八頭の群れを確認した。観察舎の一日の確認数としては過去最多。二月二十八日にも九頭の群れを確認しており、連日の出没に驚いている。観察舎では、一九九九年度に初めてイノシシを確認。二〇〇一−〇三年度はゼロだったが、〇四年度にはこれまでで最多の三十九頭が見られた。ところが一日の確認数は一頭か二頭が大半を占め、〇七年度までは四頭以上を確認した例は〇五年一月三十日(四頭)と〇六年十一月二十三日(七頭)の二回だけだった。観察舎職員によると、今月一日に見た二つの群れには幼獣も見られ、いずれも複数の家族で構成されているらしい。同センターは「イノシシは雪中歩行が苦手。ことしは雪が例年に比べて少ないうえ、観察を遮る草なども生えていないので、人里から山奥へ帰る群れが見られたのではないか」と話している。県自然保護課、農業安全課によると、県内のイノシシ捕獲数、農業被害額とも二〇〇〇年ごろから増加傾向にあり、捕獲数は〇五年度の千五十九頭がピーク。農業被害額は〇七年の千百九十一万一千円が最多となっている。
(生態系異変、漂う不安:岐阜)
冬になれば森も田んぼも雪に覆われて真っ白になるはずの郡上市明宝気良は、2月末の厳寒期にも雪がまったく無かった。集落を縫うように流れる気良川は陽光を受けて輝き、見上げた山々は青々としていた。気良で山野草を中心に花き栽培を行う清水孝宜さん(69)は、降雪と冷え込みが少ないことでビニールハウスが倒壊する恐れもなく、暖房費も節約できると異変を話す。清水さんは旧明宝村職員だったころ、めいほうスキー場の開発を担当。以前は空に雪雲を探したが、「高齢者が多いので少雪もありがたい」と暖冬にも笑顔を見せる。ハウスでは、ヒナ草が淡い青色の花を咲かせていた。隣の棚でも山野草が花をつけ、ハウスはいつもより2カ月ほど早く華やかになった。清水さんと親しい気良の猟師によると、今冬のイノシシの捕獲数が激減した。例年は仲間と数十頭を仕留めているが、今季は数頭。雪が少ないため足の短いイノシシでも山奥で移動しやすく、谷近くに下りてこないというのが大方の見解。足跡が残る雪もなく、追うことも難しい、という。一方で気良には近年、シカとサルが頻繁に現れるようになった。田んぼや畑に入り、好物のもみやカボチャなどの農作物や希少植物、樹皮を食べて山に戻っていくが、いずれも群れで動くことから食べる量もかなり多い。加えてシカが運んできたヒルも困りもの。いつのまにか住民の体にくっ付いている。気良ではクマ、ハクビシン、アライグマも目にすることができるが、かつてはシカやサルもおらず、出没した近くの集落まで見物に行った。今では、イノシシの子のウリボウを狙うキツネが減ったことで周辺のイノシシも増えたといい、シカの天敵だったオオカミは既にいない。豊かな自然がある気良でも見られる、バランスを欠いたような生物と環境の相互関係。イノシシの捕獲数が少なかったことで、今夏は多くのイノシシが気良の農地に現れるのだろうか。
(2009渓流シーズン開幕)
清流に春の訪れを告げるアマゴなどの渓流釣りが、一日から西日本の主要河川で順次解禁された。「相変わらずイノシシが全国的に人里に現れ農作物に被害を出しています。今年も二月十五日までの狩猟期間が一月延長されましたので、ハンターに誤射されないよう紙面で知らせてください」と、日高川漁協にアマゴの生育状況を尋ねると物騒な依頼があった。数年前から一月延長によりアマゴの解禁から十五日間重複することが慣例化しているが、派手な服装などで事故に遭わないような工夫が必要かもしれない。
(韓国、絶滅危機ツキノワグマ出産)
韓国環境省は8日、南部の智異山系で絶滅寸前になっている野生のツキノワグマの雌2匹が、それぞれ子グマを1匹ずつ出産したと発表した。出産した2匹は北朝鮮から2005年に持ち込まれた。韓国のツキノワグマ保護政策に協力してきた日本の「日本ツキノワグマ研究所」(広島県廿日市市)の米田一彦理事長も「素晴らしい成果だ」としている。韓国環境省によると、1998年に保護活動を始めてから繁殖が確認されたのは初めて。子グマは今年1月に生まれたとみられる。米田さんが96年末に同省の依頼を受け智異山一帯で調査した時は、生息個体数は10匹前後と推定され、絶滅が避けられない「孤立個体群」となっていた。絶滅を避けるため韓国は2004年から北朝鮮とロシア沿海地方から計27匹を持ち込み繁殖を試みた。今回、父グマがもともといた個体か持ち込まれたクマかは未確認という。
(鳥インフルエンザ、愛知・豊橋発生問題:三重)
愛知県豊橋市のウズラ飼育農家で鳥インフルエンザが発生した問題を受け、県内の養鶏農場などに対する緊急消毒を実施するため、県は6日再開した県議会に、防疫事業費1302万円を盛り込んだ08年度一般会計補正予算案を追加提案した。県議会は原案通り可決した。国から各都道府県に対して5日に通達が出されたことを受け、緊急消毒の実施を決めた。消毒の実施対象は100羽以上の家きんを飼育する168農場と、津市と伊勢市のウズラ飼育農場各1カ所の計170農場。家きん農場の内訳は鶏が162農場、ダチョウ3農場、アヒル2農場、キジ1農場となっている。10日から各農場に計260トンの消石灰を提供し、各農場は31日までに飼育施設周囲などに散布する。県は既に、県内全農場に対して電話による聞き取り調査を行い、異常がないことを確認すると共に、防疫対策の徹底を要請した。また、ウズラの2農場を含む計33農場で抗体やウイルス検査を実施しており、11日までに結果が判明するという。
(餌付け禁止でハクチョウそっぽ?:福島)
ハクチョウの飛来地として知られる福島市岡部の「あぶくま親水公園」で今年1月確認されたハクチョウは192羽で、昨年1月に比べ7割以上減ったことが県の調査(調査地=330か所)で明らかになった。同公園では、鳥インフルエンザの感染予防策として今シーズンから餌付けを禁止しており、県は「禁止の影響が出たのではないか」としている。同公園では例年、真っ白いコハクチョウやオオハクチョウが川面を埋め尽くす姿が冬の風物詩となっており、県自然保護課などによると、昨年1月の調査では、ハクチョウは例年並みの745羽が確認された。しかし、今年1月はハクチョウが昨年1月の25・7%にとどまり、カモ類も13・4%の1276羽へと激減した。同公園周辺ではハクチョウやカモが岸にあがってエサをついばんだり、観光客にエサをねだったりする姿がみられている。県によると、飛来数は県全体で昨年の7割程度の6121羽となっており、特に餌付けを自粛または禁止した同公園など19か所を中心に、大きく数が減っているという。
(アライグマ「電気柵」で撃退:三重)
アライグマによる農作物への被害が深刻化している伊賀市で、県農業研究所伊賀農業研究室(同市森寺)は、地域の特産品ブドウをアライグマから守るための研究を本年度から始めた。昨年秋、市内のブドウ園に電気柵を仕掛け、効果を挙げている。研究施設内のブドウ園2ヘクタールで3、4年前から被害が目立ち始め、多いときには1晩に100房が食べられた。輪田健二主幹研究員は「はじめはカラスの仕業だと思った。収穫1カ月前の熟していない実を好み、器用に袋を破いて食べる」と話す。研究は県の獣害対策の一環として本年度から開始。昨年7月、アライグマ被害で困っていた同市湯屋谷のブドウ園で、埼玉県農林総合研究センターが開発した対ハクビシン用の電気柵「白落くん」による効果を試した。針金でもよじ登るアライグマの習性を利用した柵は、棚の周りに防鳥ネットを張り、ネットを登ったアライグマを頂上部の電線に感電させる仕組み。設置したブドウ棚では被害がなくなった一方、道路を挟んだ未設置の棚では被害がみられた。輪田研究員は「完ぺきではないが、ある程度の被害は防げることが分かった。今後は電気柵の設置カ所を増やしたい」という。特定外来種のアライグマは体長約60センチ。県内で農作物の被害が最も多い伊賀地域では捨てられたペットが野生化し、繁殖したとみられる。
(カラス攻撃で長野のトキが新潟にUターン)
新潟県佐渡市から長野県内に飛来していたトキ(雌3歳)が8日、再び新潟県十日町市内に戻った。環境省新潟事務所などによると、このトキは昨年9月に佐渡で放鳥された後、海を渡り、先月上旬から下旬までは新潟県十日町市内にいた。今月1日から長野県に移動していたが、1週間ぶりの“帰省”となった。8日午前7時前、長野県木島平村で、カラスに追われて北方に向かい、約45キロ離れた十日町市内で姿が確認された。
(千歳川を飛ぶオジロワシ)
千歳川上流で、越冬のオジロワシやオオワシたちが優雅に舞っている。千歳川のワシは毎年12月、遡上するサケを捕獲するインディアン水車が撤去されるころに、姿を見せ始める。今冬も昨年12月中旬に現れた。千歳市根志越の第14号幹線排水路周辺から支笏湖まで広範囲に飛び回っている。多い時には7羽。産卵を終えたサケや死んだエゾシカを食べようと、カラスと争っている。千歳川のワシは、成鳥よりも若鳥が多い。川沿いの高木の枝にとまり、成鳥に比べちょっと貫録不足ながら、その鋭い目で周囲を見渡している。餌を見つけると、2メートルはある大きな翼を広げて飛び立つ。その優雅で力強い姿は見応え十分だ。
(北海道のラッコ、なぜか増加中)
釧路市の幣舞橋に現れたラッコの「クーちゃん」。珍現象として注目されているが、北海道にやって来るラッコは今後さらに増える可能性があるという。漁業被害を心配する声もあり、研究者らは、北方4島にある繁殖地の調査を急ぐべきだと訴えている。明治以前の北海道でラッコは珍しい動物ではなかった。「ラッコ」という言葉はアイヌ語起源であり、道内の遺跡からラッコの骨も見つかっている。また、江戸時代に北海道を探検した松浦武四郎の文献にも登場する。しかし、毛皮を求めて乱獲され、20世紀初頭には北海道から一時期姿を消したとされている。道内で再び目撃されるようになったのは1980年代からだ。90年代半ばからは根室市の納沙布岬を中心に目撃数が急増。7年前からは襟裳岬にも定着しており、ラッコの出没は珍しい現象ではなくなった。ただ、警戒心が強いラッコが、人の多い街中の川に現れることは、めったにない。ラッコの専門家で水産総合研究センター北海道区水産研究所の服部薫研究員はクーちゃんについて、「人慣れしすぎており、特異な例だ」としている。道内の太平洋岸にラッコが現れるようになった理由の一つとして、歯舞群島などで個体数が増え、分布域を広げているとの説がある。服部研究員は、「このまま増えれば、もっと頻繁に北海道に来るようになる。今後、道内漁業との摩擦も考えられる」と懸念する。というのも、ラッコは一部漁業者にとって厄介な動物だからだ。えりも漁協では2003年、放流した約4トンの養殖用ウニがラッコの食害で全滅した。ラッコは貝だけでなく、カニやウニも食べる。1日に食べる量は体重(成獣で約40キロ)の20〜33%という大食漢だ。しかも、ラッコが漁網を破ったり、養殖のホタテを食い荒らしたりしても、漁業者には講じる手段がない。国際的な絶滅危惧(きぐ)種であるラッコを捕獲することは、臘虎膃肭獣(らっこおっとせい)猟獲取締法で禁じられている。03年の被害の際も、えりも漁協では養殖場を他へ移すしかなかった。一方、4島でカニやウニが激減し、餌を求めて来遊している可能性も指摘されている。現に、根室税関支署によると、昨年、ロシア船による花咲港へのカニの輸入量は前年比で61%も減っている。昨年7月の日露首脳会談で、オホーツク海の日露近隣海域などでの「生態系保全プログラム」として、北方4島で両国研究者が共同調査を行うことを合意した。実現すれば、ラッコの繁殖の実態も明らかになる。調査はビザなし交流事業の枠組みで行われる。しかし、ロシア側は4島へ上陸する日本人に「出入国カード」の提出を求めているため、このままではプログラムが実行できない。カード問題の早急な解決は、ラッコの保護管理を進めるためにも必要だ。東京農大生物産業学部(網走市)の小林万里講師は、「餌の枯渇か、個体の増えすぎか、繁殖地を見ることができないのでわからない。現地を調査しないと、何の手も打てない」と話している。
(銃器探知犬、成田空港に導入)
銃器の密輸を水際で食い止めるため、東京税関が成田空港に銃器探知犬を2頭導入することが7日、分かった。全国の税関が昨年に押収した密輸拳銃は本体1丁にとどまっており、探知犬の活躍に検査官らも期待を寄せている。導入するのは、ラブラドルレトリバーの雄と雌の2頭。約1500万円の費用を掛け、オーストラリアにある専門の施設で訓練を受けた。銃弾の火薬や拳銃の手入れに使う油にも反応でき、全国の警察でも銃器を捜す警察犬は8頭しか導入されていないという。すでに東京税関麻薬探知犬訓練センター(千葉県成田市)で実践訓練中で、近く成田空港で本格始動する。財務省関税局によると、昨年1年間に全国の税関が押収したのは密輸拳銃1丁のほか、部品でも3点のみ。成田空港では1978年の開港以来初めて「ゼロ」を記録した。事態を重く見た政府の犯罪対策閣僚会議は昨年末、今後5年のうちに主要空港で銃器探知犬を活用するよう行動計画に盛り込んでおり、成田がモデルケースとなる。
(“銃は危険ではない”と証明したかった少年、自らの足に発砲:アメリカ)
米フロリダ州で、自らの足を銃で撃った少年(15)が病院に搬送された。少年は“銃は危険ではない”ことを身をもって証明するために発砲したという。命に別条はないもよう。米英メディアが伝えた。ある日、友人宅で実弾の入った拳銃をいじっていたという少年。危険を感じた友人の制止も聞かずに床に銃口を向けると、そのまま引き金を引いて自らの足を撃ってしまったとされる。“銃社会”とされる米国で起きた今回の事件。米国では銃の購入は合法とされているが、購入後の管理を徹底しない限り同様の事件が再発する可能性は高い。保管してあるだけなら、確かに“銃は危険ではない”かもしれない。少年は結局、“人間が使うことによって銃は凶器と化す”ことを証明したといえるのではないだろうか。
(「業績悪化と病気がきっかけ」…仏像盗容疑者が供述)
臨済宗建仁寺(京都市東山区)の木造十一面観音坐(ざ)像盗難事件で、三重県四日市市の会社社長・阿部逸男容疑者(59)(逮捕)が京都府警の調べに対し、仏像に惹(ひ)かれるようになった理由について、「会社の業績悪化と自身の病気がきっかけ」と供述していることがわかった。父親の会社を継ぎ、かつてはヨットやゴルフを楽しむ生活を送っていたが、病気などを境に、最近では「心が癒やされる」と京都に通い、仏像などを次々と買っていたという。府警は、こうした環境の変化が、犯行の遠因になった可能性があるとみている。捜査関係者によると、阿部容疑者は約30年前、先代社長の父親から会社を受け継いだ。数人の従業員とともに機械部品の製造を手がけ、業績は好調。余暇には趣味のヨットやゴルフ、クレー射撃などに励んだ。だが、数年前から経営が悪化。3年前に相前後して心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞になると、月1回程度、東寺(京都市南区)の骨董(こっとう)市などを訪れて仏像などを買うようになった。最近は、会社の負債が数千万円に上る一方で、昨年11月には京都市内の古美術店で20万〜30万円のびょうぶ2点と約20万円の仏像を購入。同年末には、三重県内の神社に30万円を寄付していた。仏像盗もこうした中で始めたとみられ、阿部容疑者の日記には、犯行に際して寺を下見したことを示す記述が昨年9月頃に始まっていた。これまでに自供したのは、建仁寺や東寺など同市内の五つの寺での同月〜今年1月の窃取。盗んだ仏像は自宅の居間に安置して果物などを供え、毎日、拝んでいたという。

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