<射撃ニュース3月>

3/16
(猟銃暴発?ハンター死亡:山梨)
15日午後0時55分ごろ、富士河口湖町本栖の山林内で、東京都の自営業男性(67)がうつぶせに倒れているのを、キジ猟に訪れたハンターが見つけ、110番通報した。富士吉田署員が調べたところ、男性は腹部に銃で撃たれたあとがあり、既に死亡していた。男性は狩猟に来ていたことから、同署は銃の暴発による事故と、事件の両面で調べを進めている。現場は国道139号本栖交差点の約2キロ南側の林道沿い。同署によると、男性の近くには男性所有の散弾銃が落ちていた。現場の状況から、腹部を至近距離で撃たれた可能性が高いという。同署は検視を行い、死因や腹部に残っていた銃弾が男性の散弾銃のものか調べを進めている。男性は同日の早朝から、友人2人とキジ猟に訪れていた。狩猟は別々に行っていたという。本栖猟友会によると、現場周辺は全日本狩猟倶楽部(くらぶ)が山梨県と契約をしている放鳥獣猟区。関東近県から多くのハンターが訪れているという。県が許可している狩猟期間は15日までだった。本栖猟友会の滝口雅博会長(56)は「現場の状況を把握していないので事故かどうかは分からないが、ハンターが転倒して誤って銃の引き金を引いてしまうケースは全国的に見られる」と話している。
(クリ端材で本格ゴム銃:福島)
福島県会津若松市神指町の木製品製造会社「共栄」が、住宅の土台用に製材した会津産クリ材の切れ端を再利用したゴム銃を製作し、販売を始めた。無垢(むく)材を使い、クリの木目の美しさが特徴。割りばしと輪ゴムで作る一般的なゴム鉄砲とは全く異なる高級品に仕上がっている。ゴム銃の製作は、社員の1人が町内会の夏祭りの出し物用にと、単発のゴム銃を作ったのがきっかけ。その後、6連発に改良してイベントで試売したところ、好評だったことから商品化した。拳銃(500円)から、西部開拓時代の米国で開発されたウィンチェスターライフル(4800円)まで8種類。城下町・会津若松にちなんで、火縄短筒と火縄銃も用意した。火縄以外は組み立て型も選べる。日本ゴム銃射撃協会の公式競技にも使える本格仕様だ。設計を担当したのは西部劇と時代劇が大好きな佐藤雄一専務。「形を知っているので図面にするのは問題ない。やるからには本格的なものを目指しており、ほかにも考えている」という。佐藤芳賢社長は「ふとしたことから生まれた製品で、これまでチップにしていた端材が有効利用できる。会津産木材のPRや地産地消の浸透、温室効果ガスの抑制につながればうれしい」と話している。会津地方の一部の道の駅で販売している。
(イノシシ・シカ肉を家庭料理に:京都)
農産物に深刻な被害を与える有害鳥獣をおいしく調理しようと、フレンチシェフを招いた「家庭でもできる猪(いのしし)・鹿(しか)肉料理実演会」が15日、京都府京丹後市弥栄町の弥栄地域公民館で開かれた。地域住民ら約40人が参加し、イノシシやシカ肉を活用した料理のレシピを学び、試食を楽しんだ。京丹後市や猟友会でつくる市猪・鹿肉有効活用研究会、NPO法人(特定非営利活動法人)日本都市農村交流ネットワーク協会などが主催。京都市のフランス料理店オーナーシェフ、山形隆さん(60)が1週間前に地元猟友会が捕獲したシカの背ロースなどを使って腕をふるった。イノシシの骨でだしを取ったカレーやシカ肉をサワークリームのソースで煮込んだストロガノフのほか、ハンバーグやオムレツなど多彩な料理を次々と実演。参加者たちは1品ずつ試食し「おいしい」「香辛料が効いている」と満足げだった。京丹後市久美浜町の織物業野村恭子さん(58)は「家庭菜園も被害を受け困っている。鍋と焼き肉しか知らなかったので参考になりました」と話した。同市の野生鳥獣による農林業被害金額は約5400万円(2007年度)。捕獲したイノシシやシカを有効活用するため、来年度に食肉処理施設の建設を予定している。
(イノシシ駆除にヤギ放牧:群馬)
イノシシなど有害獣による農作物の被害が拡大する中、前橋市は、ヤギを放牧することで、イノシシの“隠れみの”と化している下草などを除去し、被害を防止する実験を平成21年度から始める。イノシシが自分の背丈を超える草の茂みなどを好む習性を逆手に取ったもので、被害に頭を悩ます住民からは「被害軽減の取り組みは助かる」と期待の声が上がっている。「前の家が見えなくなるほど成長していたトウモロコシが一晩でなくなった。台風よりひどい」。前橋市東金丸町で酪農業を営む富岡貢さん(57)はイノシシによる被害状況をこう説明する。かつてはほとんど見かけることがなかったイノシシを、富岡さんが目撃するようになったのは4、5年前から。牛の飼料となるトウモロコシを根こそぎ掘り起こし、一昨年は所有する300アールの畑のトウモロコシがすべてイノシシになぎ倒されたという。市農林課によると、イノシシによる農作物の被害は年々拡大。平成18年度は前橋市内で12件、約0・85ヘクタールの被害があったが、今年度は2月末までで、すでに17件、約11・1ヘクタールの被害が確認されているという。被害地域はいずれも、大胡や粕川、宮城の旧3町村などの赤城山南面に集中。イノシシの目撃件数も19年度の12件から、今年度は2月末現在で25件と、倍以上になっている。有害獣の対策を練る県技術支援課は、イノシシが増えた背景を、温暖化で山間地域の降雪量が減るなど、イノシシの生態系に有利な環境となっている状況に加え、イノシシが生息しやすい耕作放棄地が増えたことも一因にあると分析。県内でも、イノシシなど有害獣による被害は拡大しているという。年々増えるイノシシによる被害に頭を悩ませ、富岡さんは、イノシシの侵入を防ごうと、近隣住民と協力し、電流などを流す電気さくを畑の周囲に張り巡らし被害防止に努めている。だが、「イノシシがいつ電気さくを越えてくるか分からない」。不安が収まることはない。こうした現状を踏まえ、被害の拡大を防止しようと前橋市では、遊休農地など整地されていない藪などをイノシシが利用し、潜む習性に着目。「下草などをヤギに食べてもらい、見通しがよくなれば、イノシシも近づかなくなるのではないか」(市農林課)と予測。21年度当初予算案に、森林等管理支援事業(山羊放牧実証実験)として60万円を計上。赤城山南面の遊休農地に約10頭のヤギを試験的に放牧し、その効果を試したいとしている。県技術支援課も「ヤギ放牧は、遊休農地対策にもなり一石二鳥の面もある。被害対策として今後の試金石になる」としており、前橋市の取り組みに“熱い視線”を送っている。
(日亜鋼業、獣害防護柵をゴルフ場に販促)
日亜鋼業はシカやイノシシなど野生動物の侵入を防ぐ柵の売り上げを2012年をメドに2倍の35億円に増やす。主にゴルフ場や鉄道関係に照準を絞って専従担当者を増員し、代理店網も拡大。公共工事の減少で主力の建築・土木向け部材の需要が落ち込むなか、民需分野を開拓し、事業の多角化を図る。同社の獣害防護柵は下部で網目を上部より狭めており、動物の侵入を減らす効果を持つ。また、地中に埋め込む部分を折り曲げたことで、イノシシの潜り込みも防ぐことができる。電気性の防護柵と比べて周囲の草木を刈る必要はなく、メンテナンスが容易なのも特徴だ。従来は農場・牧場向けに販売し、年間17億―18億円の売り上げがある。

TOPへ

3/15
(バスケ部コーチ、生徒にハト殺させる:高知)
高知県高知市の中学校で、バスケットボール部の外部コーチを務めていた男性が練習中に「ハトが騒がしい」と、生徒にハトを殺させていたことがわかりました。高知市教育委員会によりますと、男性コーチは、高知市にある市立中学校の男子バスケットボール部で、ボランティアの外部コーチとして指導を行っていました。男性コーチは、去年12月、合同練習で高知市の県立高校を訪れたとき、校内にいたハトが騒がしかったため、男子部員2人に殺すよう指示。ハトの首を切って殺させたということです。男性コーチは、事実を認めていて、学校では、今後、男性コーチに指導をさせない方針を示しています。また、高知市教育委員会は「教員ではないので処分はできないが、今後、他校でも指導をさせない」とコメントしています。
(狩猟、銃よりわな 管理が手間で:岐阜)
街にクマやイノシシなどが出没した時に登場する「猟友会」。銃で有害な鳥獣を仕留めるイメージがあるが、猟に変化が見られるようになったと聞いた。何がどう変わったのか。岐阜近郊で山間部が多い山県市の猟友会を取材した。「ガシャン」。すごい勢いでばねがはじけ、ワイヤが締まる。今、多くの猟友会員がイノシシ狩りに使っているワイヤを用いた「くくりわな」だ。県地球環境課でサンプルを見せてもらった。実際は地面に穴を掘り、その中に仕掛ける。イノシシの足が穴に入ると、留め金が外れ、ワイヤが締まる。イノシシは鼻が良く、仕掛けが臭うとすぐ気づくため、会員らは腐葉土の中に入れたり、熱湯につけたりするなど、においを消す工夫を凝らしている。同課によると、2003年度に852件だった網・わな猟の登録件数は、07年度に1208件に増えた。逆に3190件だった銃の狩猟者登録は2677件に減っている。ハサミのような部分がバネになっており、指で差した輪の部分が締まる「くくりわな」=岐阜市の県地球環境課で「昔はみんな鉄砲を使ったが、持つのが難しくなってね」山県市猟友会会長日比野雅廣さん(59)=山県市岩佐=は語る。猟犬でイノシシを追い出して銃で仕留める「巻き狩り」がかつては盛んだった。巻き狩りは5、6人が1つのグループになって参加するが、現在は銃の所持者が減っているためか、以前ほど見られない。銃の所持者が減ったのは、猟友会員の高齢化に加え、07年に長崎県佐世保市で起きた銃乱射事件の影響で警察のチェックが厳しくなり、管理に手がかかり銃を手放す人が増えているからだという。くくりわなも、人や目的以外の獲物が誤って掛かるのを防ぐため、わなが締まる前の状態を直径12センチ以下にすることが07年施行の改正鳥獣保護法で義務付けられた。山県市猟友会副会長の中沢五十士さん(65)=同市藤倉=は「規制がかかる前に比べて、イノシシが捕りにくくなった。イノシシなどは繁殖力が旺盛なので、これから農作物の被害が増えるのでは」と不安げ。日比野さんは「人里に出てくる動物は増えたが、銃を使って駆除できる人は減っている。いざという時、撃ってくれる人がおらんようになると困るのでは」と危ぶむ。
(ツキノワグマ保護管理計画、始動へ:山形)
06年度にツキノワグマが人里に大量出没し、それまでの3倍を超える692頭を処分した事態を受け、県が策定を進めていた「ツキノワグマ保護管理計画」が16日の環境審議会自然環境部会で正式決定され新年度からスタートする見通しだ。クマを豊かな県土の象徴とし、年間捕獲頭数の上限を決めることや、小国町などでの伝統的な春のクマ猟を「県の重要な文化的財産」と位置づけたことが特徴。クマと人間の暮らしが折り合うことを狙った計画を探った。計画案では、人里近くのわなにかかったクマを山奥で放す放獣の推進を書き込んだ。これまで捕獲したら殺処分が大半だったが柔軟性を持たせた。県みどり自然課は「放獣は効果が確認されていないのでまだ試行段階。新年度は08年度の1・5倍の予算をつけている」と話す。捕獲頭数も県全体で上限を決めるだけでなく、秋田県境、新潟県境、福島県境をそれぞれ行動圏とするグループがあることから、県内4地域ごとの上限を決める。有害駆除許可の判断基準も示した。農作業中の出没は追い払うことが原則、市街地周辺に出没し捕獲した場合などは殺さずに放獣することに努めるとした。駆除は差し迫った危険がない限りは認めず、特に子連れのクマには原則許可しない。2月27日、県庁で保護管理計画案の公聴会が開かれ、クマが多く出没する市町村の担当者や自然保護団体、各地の猟友会ら15団体が計画案への意見を述べた。大半の団体は賛成したが、「葉山の自然を守る会」の原敬一代表は「従来より前進した面もあるが、06年の大量出没の原因が分からないのに夏季の有害駆除を認めるのは問題だ」と計画案に反対した。また先月発足したクマの保護と森林環境の保全を訴える市民団体「日本熊森協会」山形支部の八木文明支部長も「大型動物は小さな動物の存在に支えられている。大型の動物がいることは、豊かな生態系が保たれていることを示す。上限を決めるとはいえ夏季の捕獲を認めるのは、共存の観点がない」と指摘する。人里に出たら駆除する方向から共存に向けた取り組みも盛り込んだ計画だが、なお自然保護団体からは不満があがる。計画はクマとの共存の新たなモデルとなりうるだろうか。県内の捕獲数は、96〜05年度は200頭前後で推移したが、06年度は692頭と突出。捕獲したクマはすべて殺処分していたため、推定生息数1500頭の3分の1以上を殺処分し、絶滅のきっかけになるのではと指摘された。これがきっかけで生息数調査と保護管理計画が作られることになった。生息数調査では、08年2月に約1500頭と公表した。06年度は全国でも4846頭とそれまでの倍以上を捕獲。過去最多の年となった。
(マタギ資料館:秋田)
マタギの里・阿仁にある打当温泉の別館に設置。マタギが使った道具や資料を展示し、山と共に生きた人々の歴史と文化を伝える。マタギの語源は、鬼より強い「又鬼」▽山をまたいで移動する▽アイヌ語の「狩人」がなまった−−などの諸説があるが、はっきりしない。資料館では山の神信仰のもと、入山の前に身を清めることや、秘伝書を持つリーダー「シカリ」の指揮を仰ぎ、マタギ同士にしか伝わらない山言葉を使うことなど、独自の文化を形成したマタギの歴史を解説している。カモシカやキツネ、テンなど多くの森の動物たちの中でも、クマは「イタズ」と呼ばれて特別な存在だった。クマは肉や肝をはじめ、全身を余す所なく活用され、マタギの貴重な収入源になった。クマを仕留めるための猟の作法や山の神に対する儀式を解説するマタギシアター、実際に使われた火縄銃や村田銃の展示もされている。マタギの部屋を再現したコーナーもあり、自然への感謝を忘れず、山と共存したマタギの生きざまを感じることができる。本館の打当温泉のレストランでは、全国どぶろく研究大会で最優秀賞を受賞したどぶろく「マタギの夢」や、クマ鍋などのじゃんご(田舎)料理も味わえる。
(エサ禁止、数増で細る宮島のシカ:広島)
世界遺産・厳島神社がある宮島(広島県廿日市市)で、「神の使い」と大切にされてきたシカが増えすぎ、餌不足からやせ細っている。しかも、子どもがかまれるなどトラブルが多発したため地元は餌付けを禁止し、観光客向けのシカせんべい販売も中止。09年度から5年間で市街地の頭数を半分に減らす対策を打ち出した。専門家からは「このままでは絶滅しかねない」と危ぶむ声も出始めた。宮島のシカは、戦後間もなくは数十頭から100頭ほどだったが、観光資源として奈良から連れてくるなどして増え、今では島全体に450〜500頭いる。約180頭が集中する市街地では餌不足が深刻化。ゴミ箱をあさり、庭の花を食べ、あちこちにフンをするなどの被害が問題となった。07年11月〜08年2月には幼児がシカに指をかまれる事件が十数件相次いだ。市はシカせんべいの販売を業者にやめてもらい、08年初めには「餌をやらないで」という看板を桟橋前に立てた。さらに市は同年3月に「対策協議会」を設立。厳島神社や観光協会の関係者、大学准教授らが話し合った結果、市街地のシカの半減をめざすことで合意した。観光客に人気のため駆除はしないが、餌を与えず、代わりに市街地に芝地をつくることなどを検討。09年度に死体を解剖して死因や栄養状態を調べる。県の調査では、市街地の1歳のオスの平均体重は21.5キロで、本州側のシカの半分ほど。角の発達も遅れている。市の対策には異論もある。市民団体「宮島の鹿を救う人道支援の輪」代表の竹中千秋さん(61)は「人間が餌付けして、邪魔になると餌をやらないのはおかしい」。シカの保護を県と市に求める署名をインターネットで呼びかけたところ、これまでに国内外から3600通余が集まったという。生態学が専門の鈴峯女子短大講師の林勝治さん(70)は「餌やり禁止だけでは、人に依存し続けたシカは急激に個体数が減り、絶滅する危険性がある」と指摘する。一方、環境NGO「広島フィールドミュージアム」の金井塚務代表(57)は餌不足でシカがゴミをあさり、異物をのみ込むことを心配する。シカを見守る組織をつくり、餌やり禁止とゴミの処理の徹底で、人との分離を図るべきだと提言。「森にはドングリなどシカの食べ物はまだ残っている。自然の中で生きるシカの生活を取り戻してあげることが大切だ」と話す。奈良公園のシカは57年に天然記念物に指定され、現在約1100頭。奈良県によると、傷つき弱ったり、畑を荒らすなど問題を起こしたりしたシカは財団法人「奈良の鹿愛護会」が保護している。
(駆除のシカ、食で活用を:滋賀)
ニホンジカによる獣害の現状と対策を考えるシンポジウム「えらいこっちゃぞ!ニホンジカ」が14日、東近江市下中野町の愛東公民館で開かれた。作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんらが、増えすぎたシカを肉にしヘルシーな健康食品として食べることを呼び掛けた。同市でも獣害が深刻化しているが、駆除が追いつかずシカなどが増加している。シンポは同市野生動物保護管理対策協議会が開催し、市民ら約140人が参加した。ニコルさんは「欧州ではシカ肉は貴族の食べ物。日本は食料自給率の問題があるのだから、せっかく捕獲したシカは食べた方がいい。おいしいし、米国産牛肉を食べずに済む」と語った。続いて、県立大環境科学部の野間直彦講師を司会に、ニコルさんと料理評論家の岸朝子さんがパネル討論し、シカ肉を中心とした獣肉料理について語り合った。
(尾瀬 特別保護区でシカ捕獲へ)
群馬や新潟など、関東と東北の4県にまたがる「尾瀬国立公園」で、希少な植物がシカに食い荒らされる被害が相次いでいることから、環境省などは、本来は動物を捕獲できない特別保護地区の一部でシカの捕獲を行うことになりました。
(イノシシ被害の防止策探る:島根)
農作物を食い荒らすイノシシの対策を考える講演会が14日、三次市十日市西のみよしまちづくりセンターであり、近畿中国四国農業研究センター(大田市)の井上雅央鳥獣害研究チーム長が講演した。井上さんは、畑へ野菜くずなどを捨てると、無意識にイノシシの餌付けになると指摘。耕作放棄地が増えるとイノシシが集落に侵入しやすくなるため、高齢者でも管理しやすい畑の整備方法などを説明した。「人や集落への恐怖心をイノシシに与えられるよう、地域全体で考えていくのが重要」と強調した。
(野生鳥獣保護管理対策協議会:長野)
伊那野生鳥獣保護管理対策協議会が13日開かれ、農作物などへの被害を減らすために行っているニホンジカの捕獲、個体数調整の来年度目標数などを決めた。農作物への食害が深刻となっているニホンジカについては、適正な生息数に近付けるため、来年度も個体数調整を行う。捕獲の計画数は、例年と同じ1240頭。また、ニホンザルも農作物に被害を与えているサルを選別して、個体数調整する。計画数は200頭。そのほかにも、農家を対象により実践的な獣害対策の研修を行ったり、防護柵の設置を拡充し、農作物への被害を減らしたい―としている。今年度は、1月末現在で約750頭のニホンジカが個体数調整で捕獲されている。
(キジが衝突し列車ストップ:富山)
15日午前、JR北陸本線の普通列車の正面にキジが衝突して、窓ガラスが割れ、普通列車2本が運休となりました。15日午前11時30分ごろ、JR北陸本線で高岡発・黒部行きの普通列車が越中大門と小杉駅の間を走行中、正面の窓ガラスにキジが衝突しました。この事故で直径30センチほどの穴があき、運転席までガラスが飛び散りこの列車は富山駅止まりとなりました。列車にはおよそ70人が乗っていましたが、運転手や乗客にけがはありませんでした。この事故の影響で北陸本線は普通列車2本が運休となり、およそ200人の足に影響が出ました。JR西日本によりますと、鳥が衝突して列車のガラスが割れるのはあまり例がないということです。
(暖冬で北帰行早まる ガンカモ調査、前年比減少:宮城)
宮城県は11日、今季3回目となるガンカモ科鳥類の生息数調査を行った。県内の生息数は2万9517羽で、前年同期に比べ1万4327羽少なかった。暖冬の影響で北帰行が早まったとみられる。生息数の内訳は、ガン類1134羽(前年同期比5835羽減)、ハクチョウ類1175羽(1942羽減)、カモ類2万7208羽(6550羽減)。今季から餌付けを縮小した伊豆沼・内沼(栗原、登米市)、化女沼(大崎市)でも生息数は前年同期を下回った。県自然保護課は「餌付け縮小で飛来地が分散した」としている。調査は今季最後で、県職員ら100人が県内の渡り鳥の飛来地約480カ所で行った。

TOPへ

3/14
(獣害の現状と対策、市民と考える:滋賀)
増え続けるニホンジカによる獣害の現状と対策について市民とともに考えようと、東近江市野生動物保護管理対策協議会が作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんらを招き14日、同市の愛東公民館愛東文化センターで獣害対策シンポ「えらいこっちゃぞ!ニホンジカ」を開く。ニコルさんが対策の一つとしてシカ肉食のすすめについて講演する。ニホンジカは、04年度の調査によると県内に2万6500頭だが、捕獲が追いつかず、増え過ぎたシカが山から平野部に降りてきて被害を増やしている。このままでは12年には14万頭になるという。市は、シカにGPS発信器を装着して行動域調査や里山整備ですみ分け緩衝帯を整備するなどして対策に乗り出している。シンポでは、市の取り組みについて発表後、ニコルさんが日本の森林におけるニホンジカの現状とシカ肉の有効利用について講演。ニコルさんと食生活ジャーナリスト、岸朝子さんによるパネルディスカッションもある。シンポは同日午後1時半から。午後4時10分からニホンジカの解体実演。入場無料。問い合わせは東近江市農林水産課(0748・24・5660)。
(カラスの巣が原因 交通乱れ:広島)
13日午前5時45分ごろ、福山市明神町1丁目で、電柱上のカラスの巣が原因で停電が起きた。一帯の約1000戸が停電したほか、国道2号の信号機5カ所やJR東福山駅の自動改札機なども停止した。中国電力福山営業所は「巣の材料に使われた針金ハンガーが避雷器に当たった」とみている。送電ルートを切り替え、約2時間後に完全復旧した。通勤ラッシュと重なったため、東福山駅では、ICカード乗車券の認証を別の機械で対応。国道2号交差点では、福山東署員が手信号で交通を整理した。
(イノシシ前線北上中)
イノシシが日本海沿いを「北上」している。農作物被害も福井、石川、富山の各県の順に増え、新潟県南部でも被害が出始めた。豪雪地帯で本来はイノシシが生活しにくいはずだが、暖冬や里山の荒廃などの影響もあって急増している。農作物被害額がこの1年で3倍に増えた県もある。富山市中心部から車で約50分。岐阜県を源流とする神通川沿いに山田が連なり、すぐ横には杉林が茂る。5年ほど前の夏、農家の村田秀夫さん(74)は、穂が伸びた稲が一晩で泥の中にベタッと倒れているのを見て驚いた。「猟師に聞いて、初めてイノシシだと分かった」脚が短く、植物の根などを食べるイノシシは雪の多い場所は苦手だ。富山県内では江戸〜明治期に農作物被害や毛皮生産の記録があるが、大正末以降の捕獲はわずか。それが99年度から増え始めた。県自然保護課などによると、05年度に捕獲数が100頭を突破。農作物の被害は01年度から出始め、08年度には2823万円(2月現在)と前年度の約3倍に。西隣の石川県の捕獲数の増加は富山より約10年早い。環境省の調査では、25年で生息域も福井県境から金沢市まで拡大。石川県の農作物被害は07年度、1191万円に。同じ調査で約30年前は生息情報がなかった新潟県でも05年度から農作物被害が出ている。なぜイノシシの分布が広がっているのか。一つの理由は暖冬だ。富山市科学博物館主幹学芸員の南部久男さんによると、北陸3県と岐阜県飛騨地方の13観測地点で、イノシシの自然分布限界とされる「積雪30センチ以上の日数が70日以上」の地点は87年冬を境に、8から1に減ったという。南部さんは「移動しやすい川や丘陵地帯を伝い、北へと広がり、繁殖した」とみる。もう一つの大きな理由は里山の荒廃だ。草の茂る休耕地や耕作放棄地は、イノシシにとって格好の寝床や泥浴びの場。田畑の近くにあれば、そこへの侵入口にもなる。03年度に農作物被害が約1億円を超えた福井県は、電気さくの設置や有害獣捕獲を強化した。富山県は09年度を「対策元年」と位置づける。休耕地の草刈りなど「近づけない」工夫を記した対策マニュアルを配布。電気さくの設置方法の研修会も開く予定だ。(
(シカ防止フェンス格安に設置:北海道)
釧路開発建設部はこの冬、国道44号沿いの3カ所に従来よりも簡易で安価なシカ飛び出し防止フェンスを設置した。建設工事用の足場などに使う金属製の単管を組み合わせたもので、従来フェンスの6、7割の費用に抑えられるという。釧路管内ではシカと自動車の衝突事故が年間500件にも上り、なかでも国道44号が最も多い。従来高さ2b50aのフェンスを設置してきたが、防止効果は高い半面、基礎工事費を含め1b当たり1万数千円の費用がかかるため、長距離の設置は難しい実情にあった。同開建は「効果が確認できれば設置場所を増やす」と期待している。
(住宅街近く、物騒な看板が:山梨)
甲州市勝沼町菱山の観光宿泊施設「ぶどうの丘」へと上るブドウ畑の一角に、ハンターに注意を呼びかける鉄製の看板が設置されている。近くには住宅街があり、ウオーキングコースとしても人気で、夏はブドウ狩りの観光客でにぎわう場所だ。閑静な地区に似つかわしくない物騒な看板が設置された理由を探ってみた。看板は近くに住む農業、佐藤哲也さん(52)が経営するブドウ園の入り口に陣取っている。佐藤さんによると、20年以上前からあるという。「昔はブドウを食べに来る鳥を撃っていて『住宅の屋根に散弾が落ちる』と苦情が出ていたらしい」。だが、看板が設置された詳しい経緯は不明だ。「今ではここで銃を撃つ人はいないけど、知らない人が見たらびっくりする看板だね」と佐藤さんは笑う。市のベテラン職員によると、山すそにある菱山地区は、昔からイノシシや鳥による果物の食害が多かった。約30年前は人家周辺でも銃による駆除が行われていたほか、現在多用されているガスによる爆音機が普及する前は、空砲を撃って鳥よけにしていたという。看板についてこの職員は「昔の勝沼では、農家の暮らしを守るため、ハンターが手助けをするのは日常の光景だった。当時の名残だね」と懐かしそうに話していた。
(シカ食害対策で24キロの柵:長野)
南牧村や地元猟友会などでつくる村野生鳥獣被害対策協議会は09年度、高原野菜畑をシカ食害から守るため延長約24キロにわたり金属製フェンスを張り巡らす方針だ。村は、開会中の村議会3月定例会に提出している一般会計当初予算案に村負担分3195万円を盛った。これまでも部分設置や猟友会による捕獲に努めているが、被害増加に対応が難しくなっていた。
(ニホンジカ食害防護柵設置を推進:長野)
上伊那地区野生鳥獣保護管理対策協議会(会長・宮坂正巳県上伊那地方事務所長)は13日、伊那市の県伊那合同庁舎で開き、今年度の活動報告や来年度の活動計画を協議した。この中で、同地方事務所林務課は「野生鳥獣はどこにでもいて常に耕作地を狙っている状況。生息環境の整備や捕殺、防護柵の設置など複合的な対策が必要」と指摘。個体数調整に加え、防護柵による防除対策の推進を呼び掛け、来年度、防護柵設置についての啓発用リーフレットの作成を検討するほか、南アルプスの入笠牧場で新たに防護柵によるニホンジカ防除の技術実証試験を実施する意向を示した。協議会では伊那家畜保健衛生所が、「入笠牧場におけるニホンジカの食害の推定」と題して研究発表した。同牧場に放牧されている乳用育成牛の発育状態が2007年度から低下している調査結果を示し、血液検査からも「栄養が悪く発育が落ちている」と指摘。牧場周辺に推定千頭以上が生息するニホンジカによる牧草の採食が一因となっている可能性を示唆し、「推論だが、放牧牛とシカが牧草を奪い合っているのでは」と分析した。同課では来年度事業として、入笠牧場に設置された既存の防護柵の外側1メートルほどの距離に、高さ45センチほどの低い電気柵を設置して、ニホンジカの防除効果を調べる技術実証試験を計画。放牧の時期に合わせ、6月から3カ月間程度の実施を検討している。また正しい防護柵の設置方法や留意点などをまとめた啓発用リーフレットの作成も計画しており、詳細については6月に開く次回協議会までに検討するとしている。今年度の管内の個体数調整実績は1月末現在で、ニホンジカ752頭(狩猟を除く)、ニホンザル98頭、イノシシ334頭、ツキノワグマ6頭、カモシカ7頭。ニホンジカについては15、22の両日、辰野町で諏訪地区との共同による広域捕獲が行われるほか、中川村でも20日に広域捕獲が行われる予定だ。来年度の個体数調整計画では、ニホンジカが1240頭、ニホンザル200頭、ニホンカモシカ21頭前後(予定)とする計画数を確認した。
(射撃で日本記録:宮城)
右足を前に出し、左手は腰のベルトをつかんで固定。ピストルを握った右手を静かに、素早く、目の高さまで上げ、鋭い眼光で25メートル先にある直径約50センチの的に狙いを絞る−−。昨年10月の大分国体。射撃のセンターファイアピストルで、日本新記録の785点をたたき出し優勝した。正確さとスピードの両方が求められる難しい競技に、「無心で撃った方がいいと言われるけど、僕は相手の点数を頭に入れて、勝負の経過を楽しでいる」と白い歯を見せる。地元の高校を卒業後、「白バイに乗ってみたいから」などの理由で宮城県警に入った。射撃は未経験。だが、警察学校での射撃訓練で徐々に頭角を現し、15年程前から国内の大会に出るようになった。「日本で一番になりたい」という一心で、可能な日は午前と午後に2時間ずつみっちり練習。忙しくて実際に撃てない日でも、ピストルを握ったり試合の場面を思い浮かべるなどした。そして、98年の全日本選手権で初優勝。目標だった国内の頂点に立った時、「この先、今まで歩んできた道の何倍もある」ことに気が付いた。まだ見ぬ世界への挑戦という、新たなスタートを切った瞬間だった。その後は海外の大会でなかなか勝てず、02年のアジア大会国内予選を前に「これで成績が良くなかったらやめよう」とまで思い詰めた。だが、五輪種目のラピッドファイアピストルで見事6位入賞。スピードの極限を追い求める速射競技で「何かをつかんだ」ガンマンは、初めて「オリンピック」を意識し始めた。精神力が成績を大きく左右する射撃に、一番必要なのは「プラス思考」。物事を悪い方向にばかり考える人は、悪いイメージが弾にも表れてしまう。持ち前の明るさと前向きな性格が、ここ一番の緊迫した場面でも普段通りの力を出せる勝負強さにつながっている。現在の県警での任務は、海に潜って水没した車を引き揚げるなどの「潜水」。射撃の腕を使うことはないが、困難な状況に陥った時は、射撃で培ったプラス思考をフル回転させるという。若手警察官への射撃指導も大事な任務だ。目指すは2012年のロンドン五輪。これまでの日本人金メダリストは、84年のロサンゼルス五輪での蒲池猛夫さん(72)=日本ライフル射撃協会コーチ=ただ一人。「五輪まで行って初めて、今まで応援してくれた人に恩返しができる。今まで見たことがない境地に立ってみたい」。世界最高峰に照準を定めた。
(農作物荒らす厄介者、観光の目玉に:栃木)
那珂川町は農作物を荒らすイノシシの肉を地元の特産として売り出そうと、4月にイノシシ肉の加工処理施設をオープンする。県内では初めての試みで、現在イノシシのシンボルマークやネーミングを募集している。同町農林振興課によると、イノシシによる同町の農作物被害額は07年度、約1900万円に上った。稲やカボチャ、ジャガイモなどが狙われやすいという。同年度は122頭が捕獲されたが、イノシシ肉の処理には食品衛生法上の食肉処理業の許可が必要で、流通させることはできなかった。そこで、町は「農作物の被害を減らし、厄介物のイノシシを観光の目玉に」と考え、食肉処理業の許可を取得した施設を建設した。総事業費は約3500万円。国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金事業として1400万円の補助を受けた。4月以降は捕獲されたイノシシを町が買い取り、施設で部位ごとに解体、町内の料理店などに販売する。イノシシ肉の加工処理施設は千葉県大多喜町や群馬県中之条町などにある。同課は「『那珂川町に来ればイノシシ料理が食べられる』とPRし、交流人口の増加につなげたい」と意気込んでいる。イノシシをイメージしたシンボルマーク(15センチ四方以内)やネーミング(愛称)を募集中。採用作品は、施設の看板や商品などに記載される。
(野生鳥獣の集落対策 県が事例集作成:長野)
ニホンジカやイノシシによる農作物被害を防ぐため、県内各地で進む集落ぐるみの被害防止対策で、県が作成していた優良事例集が完成し、県ホームページに掲載した。集落相互の情報交換に役立てるとともに、効果的な対策を波及させて被害の軽減を図る狙い。かつての「猪垣」を進化させた防護柵を設ける諏訪市神宮寺区など、14地区の取り組み内容や成果、課題を紹介している。タイトルは、野生鳥獣に負けない集落づくり事例集。農家個々ではなく、集落全体で対策に乗り出した地域の中から優良事例を選定し、具体的な対策や成果、失敗事例、今後の課題を、写真と合わせて紹介する。諏訪地域では2地区の被害対策を掲載した。山地と耕作地の境に、延長500メートルの防護ネット(高さ2メートル)を設置する神宮寺区は、侵入防止効果をより高めるため、ネット手前を掘削する猪垣構造にしたと紹介。効果の検証はこれからだが、昨年度に試験設置した部分は「獣が避けていることを確認できた」と報告している。一方、ソバのほ場を囲うようにして、鹿が好んで食べないとされるエゴマを試験栽培した諏訪市上野区は、「ソバは食べられたが、エゴマの食害はなく、(野生獣の)常襲地帯での作物として有望」と見解を示している。県によると、各集落の取り組み内容は毎年更新し、波及効果が見込める他集落の被害対策も随時追加する。「県内だけでなく、他県の優良事例も見ることができる内容にしたい」としている。事例集は林務部野生鳥獣対策室のページで見ることができる。
(延長12キロ、イノシシ柵設置:広島)
イノシシによる農作物への被害を集落全体で食い止めようと、呉市安浦町の女子畑地区集落協定組合が、地区内の複数の農地に延長約12キロの防護柵を張り巡らした。維持管理が高齢化する農家の負担にならないよう、住民で手作りした。国や広島県が傾斜地の農地整備などに交付金を出す「中山間地域等直接支払制度」を活用。農地計約64ヘクタールの荒廃を防ぐための水路の整備や景観の保全活動など5年間で交付される4500万円のうち、約1600万円を柵の設置費に充てた。集落協定組合には農家116戸が加盟。組合員が昨年11月から2月中旬にかけて、山すそ、ため池や里道沿いなどに高さ1メートルの金網を取り付けた。
(ツキノワグマ、共生目指す:福島)
県自然環境保全審議会は13日、「県ツキノワグマ保護管理計画」を県に答申した。個体数調整のための捕獲を「行わない」とし、個体数の上限も設定しなかった。クマと人間の生活域を3段階に分けて捕獲などを規制し、クマとの共生を目指す内容となった。計画は、農林水産業や人的被害を軽減しながらツキノワグマを保護する狙いで、実施は09年度から3カ年。県自然保護課によると、個体数の上限を設けない計画は「全国的にも珍しいのではないか」という。クマの被害がある地域では▽クマの生息ゾーン▽人の生活ゾーン▽緩衝地帯−−の3区域を設定。クマの生息ゾーンの森林帯では、被害が生じてもむやみに捕獲せず「慎重に判断する」とした。農用地など人の生活ゾーンでは、クマの活動範囲を追い上げるなどの防止策をとり、被害が防げない場合に捕獲できる。緩衝地帯では間伐やさくで人の生活ゾーンとの境界を明確にし、捕獲は必要最小限にとどめるとした。同審議会の木村吉幸・福島大教授は「これまではツキノワグマを駆除することに主眼を置き、九州では絶滅してしまった。県は関係団体と連携し、保護管理に取り組んでほしい」と話した。
(鳥インフルエンザ、県内216カ所を一斉消毒:岐阜)
県は13日、愛知県豊橋市での高病原性鳥インフルエンザの発生を受け、17日から今月末まで県内216カ所の家きん飼育農場と県畜産研究所養鶏研究部で、予防のための消石灰による一斉緊急消毒を行うと発表した。緊急消毒の対象は、100羽以上飼育するニワトリ農場213カ所とキジ飼育農場1カ所、10羽以上のダチョウ農場2カ所のほか、県畜産研究所養鶏研究部。農水省の指導を受け、家畜伝染病予防法に基づいて知事命令により実施する。
(渡り鳥が群舞:秋田)
日の出前の空に向け一斉に飛び出す鳥の集団…。能代市の小友沼ではこの時季、羽を休めているマガンやカモ類などの渡り鳥が、大きな集団を作って次々と餌場へ飛び立つ光景が見られる。小友沼は国内屈指の渡り鳥の飛来地。「おとも自然の会」(畠山正治会長)によると、昨年9月下旬に飛来が始まり、ピークとなった今月6日には約12万6000羽を確認したという。北帰行も始まった。13日現在、沼にとどまっているのは2万5000羽ほど。それでも水面から舞い上がり、羽音を立てて旋回する様子は壮観。野鳥観察や写真撮影に訪れた人たちを楽しませている。
(渡り鳥保護で認定書:石川)
加賀市片野町にある片野鴨池に12日、渡り鳥保護の国際組織「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(渡り性水鳥保全連携協力事業=略称EAAFパートナーシップ)」から参加認定書が授与された。EAAFパートナーシップは、繁殖地から越冬地へ長い旅をする渡り鳥の生息地保全や調査、啓発を各国が連携して進めるため、2006年11月に発足。日、豪、米、ロ、中、韓、インドネシア、フィリピンなど11か国とラムサール条約事務局、国際湿地保全連合など10組織が加盟。ガン・カモ、シギ・チドリ、ツルの3つのネットワークに94か所の野鳥生息地が参加している。国内の参加地は片野鴨池をはじめ、釧路湿原、琵琶湖など27か所。同市役所で行われた授与式には、鴨池観察館の田尻浩伸チーフレンジャーらが出席。市原信男・環境省中部地方環境事務所長から大幸甚市長に「鴨池が水鳥保全のため国際的に重要で、EAAFパートナーシップ生息地ネットワークに参加を認める」と記した認定書が手渡された=写真=。鴨池には、東アジアのマガン個体数の1%を超える約2500羽のマガンが飛来しており、田尻チーフレンジャーは「鴨池の貴重な環境が国際的にも認められた」と話している。
(野鳥のサンプル調査開始:愛知)
豊橋市内の3軒の養鶉(じゅん)農家から発生した高病原性鳥インフルエンザ感染問題に関連し、環境省の調査チーム(代表=常冨豊・中部地方環境事務所統括自然保護企画官)が来豊。12日早朝から、同市南大清水町の1例目発生農家を中心に半径10キロ圏内で、野鳥のサンプル調査を始めた。一帯にいる野鳥から、同じようなウイルスが見つかるかどうか調べるもので、生きた野鳥の粘膜や、カモ類の糞を採取した。1週間程度でウイルスの有無は判明する。農水省の調査チームが今月7日に来豊して現地調査を行い、第1回検討会を開いた結果、感染経路を解明する上で、近在の野鳥や野生動物(ネズミなど)を調べるべきだという方針が決まった。環境省の調査チームはこれを受けて調査に訪れたもので、この日早朝、かすみ網を仕掛けて、野鳥を採取した。高さ2・5メートル、幅12メートルの網20枚を仕掛けた。アオジやウグイスなどがかかり、素早くくちばしや肛(こう)門から粘膜を採取し、放した。14日まで3日間行う。100羽を採取する。一方、カモ類の糞を採取する作業もこの日朝から行われ、午後万場調整池(水資源機構、西赤沢町地内)で行った採取作業に限り、報道陣に公開された。常冨企画官がリーダーとなり、作業員6人が容器を持って貯水池のり面に降り、水際で、マガモやカルガモの新鮮な糞を20個体採取した。午前中に採取したものと合わせ、100個体採取した。常冨企画官は「順調に採取できた。ウイルスの有無は1週間ほどで分かるが、H7型などの型式まで確定するには、それから2週間ほどかかる。粘液、糞の計200個体のサンプルを調べれば、当該圏域の野鳥にウイルスがあるかないか、おおよその判断が可能になる」と話す。
(ホワイトデーだから?小松に白いカラス:石川)
小松市芦城公園で十三日、羽の一部が白くなったカラス一羽が姿を現し、十四日の「ホワイトデー」を前に園内を散策する市民の話題を集めている。いしかわ動物園(能美市)の竹田伸一飼育課主任によると、カラスはハシボソガラスの成鳥。羽が白くなるのは「部分白化」と呼ばれ、遺伝子の欠損が原因で突然変異したとみられる。数万羽に一羽の割合で出現するという。竹田さんは遺伝子異常は虚弱体質が多く、成鳥するのは珍しいとし、「ハンディを上回る知恵、生活力があったのだろう」と話している。
(銃規制強化広がらず:ドイツ)
ドイツ南部シュツットガルト近郊の実科学校で元生徒(17)が銃を乱射し、十五人を殺害した事件は、家庭内にあった銃が使用されたことで、同国の銃規制の問題点を浮き彫りにしている。メディアが連日、規制強化を求める意見を伝える一方、政治家の多くが「規制は既に十分厳格」と強化には慎重で、今秋の連邦議会選挙の争点になる可能性も出てきた。ドイツの銃器に関する法律によると、銃を所持できるのは二十一歳(狩猟従事者など一部は十八歳)から。合法所持は国内で約一千万丁だが、欧州内で国境を自由に往来できる「シェンゲン協定」が東欧に拡大された結果、東欧からもこれと同数以上の非合法な銃が流入しているとされる。所持の免許取得には精神鑑定や犯罪歴調査など多くのハードルがあり、保管に関しても、複数の金属扉がある保管庫でないといけないなどの規定が設けられている。こうした厳格な規制があるにもかかわらず、今回の事件が起こったことで、規制の実効性も問われた形だ。ショイブレ内相は「規制を厳しくしても事件を防ぐことはできない。政治問題化させる前に、冷静に考えなければならない」などと、規制強化に慎重な姿勢を繰り返し示している。社会民主党(SPD)の内政問題スポークスマン、ビーフェルスピュッツ議員も「すでに一千万丁が所持されている中では、規制してももう遅い」と発言するなど、政界では現行制度の支持派が主流だ。しかし、惨劇の舞台となったバーデン・ビュルテンベルク州選出のシェール連邦議会議員(SPD)が「競技用も含めてすべての銃器所持を禁止すべきだ。それしか凶行を防ぐ手だてはない」と主張するなど、規制強化を求める声も根強い。
(静岡県警、生活安全保安課など新設)
静岡県警は13日、春の定期人事異動を発表した。23日付で発令。異動者は1730人で、前年度に比べ41人少なかった。退職者は257人で過去最高となった。総務部長に池野武夫・地域部長、刑事部長に末木良明・生活安全部長、浜松中央署長に岡村努・交通部参事官がそれぞれ着任する。今回の異動に合わせ県警本部の組織改編も行われた。銃・火薬や風俗関係の捜査や許認可事務などを担当する生活安全保安課が新設されたほか、生活安全企画課に「子ども・女性安全対策係」、鉄道警察隊に捜査体制強化のため「特務係」がそれぞれ新しく設けられた。近年、検視遺体が増加傾向にあることを踏まえ、捜査一課検視係が3人増強され11人体制の「検視官室」に増強された。

TOPへ