<射撃ニュース5月>

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(クマに襲われ?男性死亡:青森)
5日午後0時20分ごろ、青森県深浦町の山中で、クマの駆除に来ていた深浦町深浦蓙野の無職、出口哲夫さん(65)が死亡しているのを鰺ケ沢署員らが発見した。顔や腕など全身に引っかかれたような傷があり、同署はクマに襲われた可能性が高いとみて死因などを調べている。鰺ケ沢署によると、出口さんは地元の猟友会の会員。2日午前7時ごろ、1人で山に出掛けたが3日になっても帰宅しないため、家族らが行方を捜したところ出口さんの軽乗用車を発見、同署に届けていた。遺体は車から約600メートル北西の杉林で見つかり、猟銃も遺体の付近で発見された。
(クマに襲われ男性けが:山梨)
4日午後5時ごろ、甲府市古関町の林道を歩いていた同所、農業河野新作さん(77)が「クマに襲われた」と、近くの精進湖レジャーセンターに助けを求めた。河野さんは顔面を引っかかれ、救急車で甲府市内の病院に搬送された。軽傷とみられる。ゴールデンウイークで同センターには大勢の家族連れが訪れていて、クマ出没の報を受け、帰宅するなどの措置を取った。南甲府署や地元住民によると、現場は国道358号王岳川橋から東へ約1キロの林道。河野さんは所有する山林でサンショウを収穫しようと歩いていたところ、突然前方に体長約150センチのクマが現れ、顔の左側を引っかかれたという。河野さんが持っていたなたを振り回して抵抗したためクマはそのまま逃げた。河野さんはクマに襲われた後、軽トラックを運転して約100メートル離れた同センターへ駆け込み、センター経営者が119番通報した。顔からの出血がひどかったものの、意識ははっきりしていたという。同センターには当時、家族連れや釣り客ら約50人がいて、クマの出没情報に一時騒然とした。同センター経営の熊谷博充さんは「この辺りでクマに人が襲われたのは初めて。驚いた」と話していた。甲府市は、住民に注意を呼び掛けるとともに、捕獲用のおりの設置など対策を検討する。
(クマ被害2件、目撃も相次ぐ:福島)
大型連休の2、3の両日、県内で連続してクマによる被害が発生した。今年最初と2件目の人的被害で、昨年の被害は同日比でゼロ。目撃情報も昨年同日現在は2件だったが、今年は既に12件に上っている。山菜採り、登山、観光シーズンで入山する機会が増える中、クマも冬眠を終えて食欲旺盛な時期。県や専門家らは入山者らに自己防衛策の徹底を訴えている。県はホームページなどで鈴や笛、ラジオを身に着け、音を出しながら自分の存在を知らせる行動を求めている。特に「クマ鈴」は3キロ以上離れた場所にいるクマにも聞こえる製品もあるという。声を出したり、複数で歩くことも有効という。県警本部によると、今年の人的被害では2日、福島市佐原の山林で男性が腕を折るなどの大けがをした。3日には会津美里町の山林で男性が顔をつめで引っかかれた。いずれも山菜採りで入山していた。目撃情報を方部別に見ると会津が最も多く7件、相双が3件、県北が2件。人里での目撃が多く、特に会津は複数のクマを見た情報もあった。
(クマ出没:新潟)
5日午前4時半すぎ、魚沼市葎沢の山中で、山菜採りをしていた小千谷市の男性(64)がクマを目撃し、小出署に通報した。クマは男性を見ると、山の奥へ逃げていった。同署によると、クマは体長70―80センチで、子どもとみられる。現場は魚沼市役所湯之谷庁舎から南に約500メートル、近くには住宅もある。
(山の神に感謝の祈り:山形)
山の神に恵みを感謝し、クマの霊を鎮める小国町小玉川地区伝統の「熊(くま)まつり」が4日、同地区の国民宿舎飯豊梅花皮(かいらぎ)荘前広場で開かれた。開会行事の後、会場近くの山でクマ狩りの模擬実演が行われ、伝統の衣装をまとったマタギ約10人が登場。大声で獲物を狩り場に追い込む勢子(せこ)役が「ホーリャー」「ドリャー」の掛け声でクマ役のマタギを追い込むと、会場から歓声が上がった。この後、祭壇の前で神事を行い、マタギなどが感謝の祈りをささげた。クマの毛皮が当たる抽せん企画もあった。クマ汁は約800食分用意され、会場には長い列ができた。南陽市三間通の会社員高橋浩一さん(45)は「クマの肉は思っていたより軟らかい。少し臭みもあるが、慣れるとそうでもない」と笑顔を見せていた。まつりは実行委員会などが主催し、31回目。
(イノシシ突進、83歳女性けが:福岡)
4日午後9時半ごろ、福岡県香春町採銅所の無職女性(83)方の庭で、イノシシ1頭が女性に突進してぶつかった。女性は病院に搬送されたが、手と足に裂傷を負った。県警田川署によると、女性が母屋を出て敷地内にあるトイレに向かう途中、いきなりイノシシが向かってきたという。署員らが付近を捜したが、イノシシは逃げたとみられる。
(松本城本丸で砲術演武:長野)
長野県松本市の国宝松本城の本丸庭園で4日、「第1回松本藩御家流砲術演武」が行われた。松本城は鉄砲戦を想定して築かれ、射撃練習場があったといわれる。観客の安全や国宝を守るため、本丸庭園で射撃が行われるのはまれで、今回は特別に、火縄銃の技術を伝承するため企画された。射手の「松本城鉄砲隊」の男女13人は、よろいかぶとに身を包んで、150年ほど前に作られた約1メートルの火縄銃を手に登場。隊長の号令で、約30メートル離れた的に向かってひざ撃ちや一斉撃ちなどを披露すると、庭園に銃声が響き渡り、観客から歓声が上がった。
(白神山地「山の人」:青森)
鰺ケ沢町一ツ森町で「熊の湯温泉」旅館を営む吉川隆さん(59)は、白神山地を自由に駆けめぐっていた「赤石またぎ」の血をひく。旅館のすぐ前は、白神を源流とする名高い「金アユ」が泳ぐ赤石川の渓流だ。旅館から先の白神寄りには住家はなく、登山道への道が続くだけだ。18歳ごろからまたぎとして山に入っていたが、むやみに殺すスポーツ的な狩猟が広まったのに加え、グループを組むのが困難になり、約30年前に「またぎ」を名乗らなくなった。かつての山の暮らしは、熊(くま)撃ちだけでなく山菜取り、アユ釣りやイワナ釣り、キノコ採集、ウサギ狩りなど、四季に合わせて自然に寄り添っていた。今も、白神山地ガイド倶楽部会長、青秋林道建設反対運動をしてきた「赤石川を守る会」幹事、白神自然遺産巡視員、赤石川清流会副会長などを務め、やはり白神からの縁は切れない。昨年は「またぎと山の暮らし塾」をつくり、塾長として白神キャンプ場で町内の小中学生に自然と命の大切さを教えている。7月は、清流会の一員として地元の小学生にアユ釣りなどを伝授している。「ナイフは料理に使ったりするもので、人を殺す道具ではなく人を生かす道具だ。銃は人に向けるものではない」。またぎの大先輩から学んできたことが基本になっている。白神が世界自然遺産に登録されたのはいいが入山が規制され、「古くからの山村文化があるのに、家から出るなと言われているようで窮屈になった」と感じている。冬や春には今も1人で白神に入り、1頭だけ熊撃ちをし、山の神に感謝するまたぎの儀式を行う。先祖は約600年前から当地に住み着き、吉川さんは21代目。「無理だと思うが、以前のように山を自由に歩ける生活をしたい」。根っからの「山の人」のようだ。
(全米で弾薬が品薄状態)
米国各地の銃販売店で、弾薬が品薄状態になっている。オバマ政権が弾薬の税率引き上げや新たな銃規制導入に踏み切るのではないかと警戒した愛好家が、買いだめに走っているようだという。「この2カ月で、銃弾を見つけるのがものすごく難しくなった」と話すのは、コロラド州デンバーで銃販売店を経営するリチャード・テイラーさん。「現政権が弾薬の税率を引き上げるといううわさが出回っている。パニック買いが広がっているだけだと思う」オバマ大統領は大統領選の最中に銃規制強化支持を表明していたが、今のところ、実際に規制強化に乗り出す動きはない。それでも銃愛好家らは、万が一の場合に備えたいようだ。テイラーさんの店では2週間前から、弾薬の販売は1人4箱までと決めた。それ以前は9ミリ口径銃用の弾薬が1日に1万個も売れた。38口径銃用の弾薬は何カ月も前から品切れ状態が続いているという。米小売大手のウォルマートも、傘下の店舗で弾薬の販売が伸びていることを明らかにした。同社広報は「一部店舗では銃と弾薬の需要が増大しており、仕入先の協力を得て商品の補充に努めている。需要が大きい店では、購入できる数を制限している。さまざまな理由で品薄になるのは、弾薬もほかの製品(トイレットペーパー、電池など)も変わりはない」と説明している。銃火器の業界団体NSSFによると、現在は供給を上回るペースで需要が増えており、需要に追いつくためにメーカーはフル稼働状態だという。「銃火器と弾薬の需要が伸びているのは、銃愛好家が現在の政治的環境を警戒しているのが主な原因だ」と広報担当者は解説する。全米ライフル協会も、かつてない勢いで弾薬の品薄が広がっており、大小の小売店が影響を受けていると指摘。「議会や新政権が火器や弾薬の禁止を推進したり、大幅な増税に踏み切るのではないかとの不安が存在する」と話している。

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(シカ食害で捕獲強化:山梨)
山梨県は本年度、ニホンジカが農作物や植物を食い荒らす食害被害が深刻化していることを踏まえ、管理捕獲を県猟友会に委託して捕獲態勢を強化する。管理捕獲頭数が毎年目標を下回る一方、シカの食害は増加。猟友会に委託することで、これまで及ばなかった山間部での捕獲に乗り出す。捕獲目標も前年比200頭増の2900頭とした。また国立公園内での食害対策として国に対し、捕獲を求めていくことにした。県みどり自然課によると、管理捕獲の目標値は個体数の増加傾向に歯止めをかけるのに必要な頭数として算出。しかし市町村職員が地元のハンターらに独自に依頼してきたため、「捕獲範囲が限られ、広範囲に移動するシカを捕らえきれないのが現状」(同課)という。一方で、シカが農産物や山林の新芽を食い荒らす被害は07年度に1億8600万円に達し、02年度に比べ約2倍に増加。07年度のシカのふんの密度調査では、32カ所中22カ所で02年度に比べて密度が上昇していて、県内の生息数は8400頭と推測されている。これまでシカの管理捕獲は人家や畑周辺の「里地・里山」に偏っていたため、県猟友会には標高約1000メートル以上の山間部で重点的に活動してもらう。また、南アルプス国立公園や秩父多摩甲斐国立公園内の高山帯でもミヤマハナシノブなどの希少種が食い荒らされていることから、管理する環境省に対策を求める。本年度は国への予算・施策要望に生息数や食害の実態調査、防護柵の設置などを要望する。管理捕獲は06年度から始め、同年度は目標400頭に対し227頭(56・7%)を捕獲。07年度は目標800頭に対し377頭(47・1%)、2700頭に目標を設定した08年度も1431頭(53%)にとどまり、3年連続で目標を下回っている。
(カラス対策の状況を公表:東京)
東京都は、増えすぎたカラスから生じる様々な被害を防止するため、2001年度から都市部を中心としたカラス対策に取り組んいる。5月1日、2008年度のカラスの生息数調査の結果が公表されたが、2007年度に比べ、捕獲数を約3割(2744羽)増加させたにも関わらず、都内全体では増加していることがわかった。これを受け、2009年度は、@トラップの大幅増設(08年度/82基から09年度/112基)、A区市に、巣の撤去等の徹を要請、Bごみ対策で、区市に、繁華街での早朝収集や防鳥かごの活用などの取組の強化要請を行うとしている。
(片倉家火縄銃、静寂切り裂く:宮城)
白石市民春まつり(同協議会主催)の関連行事として、宮城県古式鉄砲研究会片倉鉄砲隊(大宮宗雄隊長)による火縄銃の演武が3日、同市益岡町の白石城本丸であった。凱旋(がいせん)式を想定し、甲冑(かっちゅう)姿の隊員7人が本丸に入城。城主・片倉家に伝わる不易流で「膝(ひざ)放ち」「諸居(もろおり)放ち」などの射撃法を披露した。片倉鉄砲隊は市民有志が2002年に結成、片倉家中の砲術や武具を研究している。城内に「ズドーン」と砲声が響き渡るたび、大勢の市民や観光客からはどよめきがわいた。春まつりでは中心商店街を主会場に稚児行列や伝統はしご乗り、コンサートなど各種イベントもあった。
(「シカ食害」新たな脅威)
宮崎県綾町には国内最大規模の約2000ヘクタールの照葉樹林が広がる。標高1100メートルを過ぎると、シイやカシなどの照葉樹林から新緑のブナ林へと森は姿を変えた。「ここが常緑から落葉に変身する最前線」。日本自然保護協会の大沢雅彦専務理事が周囲を見渡した。中核部分の大森岳(1108メートル)の向かいの掃部(かもん)岳(1223メートル)の稜線(りょうせん)には、照葉樹林の上にブナ林が広がる。ここは、東南アジアから日本に到達した照葉樹林と、北からの温帯型落葉樹林が接している南の端だ。4月中旬、日本自然保護協会は気温と湿度の計測機器を一帯に設置した。温暖化が進むと衰退が懸念されるブナ林の状況を調べるためだ。森林総合研究所(茨城県つくば市)の試算では、ブナの生育に適した土地が21世紀末には約9割減る恐れがある。また、九州森林管理局の06年度調査によると、アカガシやヤブツバキなどでシカによる食害率は2割を超えていた。ニホンカモシカを見かける機会も激減しており、増加したシカに生息域が奪われたと考えられている。シカの増加は全国に共通する課題だ。その背景に、周囲の森林伐採でシカが山地に追いやられたことや、気候変動で雪が減り餌不足によるシカの死亡率が低下したことなどが指摘されている。今年4月、屋久島の自然保護団体でつくる「屋久島生物多様性保全協議会」のメンバーが綾町を訪れ、現場を視察した。屋久島もまた、人工林からの復元やシカの食害という問題を抱えていた。

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(海中に弾丸225発入りリュック:大阪)
2日午後6時ごろ、大阪府泉南市の岡田浦漁港内の海中で、漁業男性(43)が大量の弾丸が入ったリュックサックを発見、110番した。散弾銃の弾とみられ、府警泉南署が鑑定して詳しく調べる。同署によると、リュックに入った弾丸は、いずれも直径2センチ、長さ5.7センチで、計225発。比較的新しく、海中に投棄されてから数日しかたっていないとみられる。
(山菜採りの男性がクマに襲われ左腕骨折:福島)
2日午後1時ごろ、福島市佐原竹ノ森の山中で、山菜採りに来ていた同市の無職男性(69)がクマに襲われ、左腕を骨折するなど1カ月の重傷を負った。福島署によると、クマはツキノワグマの成獣とみられ、男性が大きな声を上げると逃げて行った。男性は午前10時ごろから1人で山に入っていた。男性が自力で下山しながら携帯電話で110番した。
(一関でクマ出没、ニワトリに被害:岩手)
きょう未明、一関市の民家にクマが現れ、飼っていたニワトリが被害を受けました。人への被害はありませんでしたが警察で注意を呼びかけています。クマが現れたのは一関市大東町の会社員和賀章吉さん宅で、きょう午前1時半すぎ飼っていたニワトリの鳴き声で和賀さんの妻が目覚めて二階のベランダから敷地内の鶏小屋を見たところ、体長150センチぐらいのクマが座ってニワトリをくわえていました。和賀さんによりますと懐中電灯で照らしたところクマは逃げたということですが、飼っていたニワトリおよそ20羽のうち2羽が被害を受けました。けが人はいませんでした。和賀さん方では3年前にもトウモロコシ畑に被害を受けているということです。また、数日前にも2キロほど離れたところでクマの目撃情報があり警察で注意を呼びかけています。
(JRでは送電停止で混雑:北海道)
JR北海道によると、札幌発の函館、釧路行きなどの特急で1日夕から混雑が始まり、ピークの2日は乗車率100%を超える列車が目立った。JR千歳線上り線では午後4時35分ごろ、カラスが架線に営巣したことから送電がストップ。小樽−新千歳空港駅間などで計49本が運休し、約1万4000人に影響が出た。
(カラ“巣”撤去で停電防げ:福井)
カラスの巣による停電はストップ―。福井県の北陸電力敦賀営業所は、電柱にカラスが営巣し産卵するピークを迎えているため、敦賀市内の巡回、撤去作業を強化している。市内では4月にカラスの巣が原因で停電するトラブルが発生していることもあり同営業所は今年、ゴールデンウイーク(GW)中の3日、初の特別巡回を実施する。カラスは3月から5月が産卵期間で、盛んに巣作りする。住宅街の電柱は天敵に襲われることもなく、生ごみなど餌場が近いため格好の巣作り場所。巣の材料は、小枝のほかハンガーなど針金が多く、これが電線に触れると停電の原因となる。風の強い敦賀では、特に針金類が目立つという。カラスの巣が原因で4月16日夜には同市公文名やみどりケ丘などの380戸が約1時間にわたり停電。昨春にも1回、同様の停電が発生している。今年は2月中旬以降、同営業所配電課の18人が巡回監視を強化してきた。すでに4月末で市内に1万4000基ある電柱のうち、巡視回数は延べ約5万基に及ぶ。巣の撤去は328基となっている。カラスは2、3個ずつ6―8個を産卵するが、おなかに卵を抱えている間は巣作りを繰り返すため、北電は電柱の高さ10メートル付近に人工的に営巣アーム(長さ95センチ)を設置している。縄張りが半径200メートル(電柱本数で20本程度の範囲)あり、ほかのカラスが入ってこないため監視、処理しやすいという。30日には同市古田刈(こたかり)の営巣アームにできた巣から、卵1個を回収処分した。特に今春はGWが長く、営巣による事故が心配なため、3日に特別巡回を行う。市内には古田刈や粟野、木崎など9カ所の営巣実績ポイントがあり、6人が重点的に見て回る。同営業所の岩竹弘明配電課長は「6月中旬までカラスの営巣事故防止の強化期間と定め、巡回・撤去を続けていくが限界もあり、市民からの情報提供をお願いしたい。習性を利用した営巣アームも、フンを落とすなど苦情があり市内に2基しかない。住民の理解や協力が不可欠です」と話している。
(こ、怖すぎる!いにしえの猟師の暮らしを超リアル再現『平家狩人村』:栃木)
栃木県・湯西川温泉にある「平家狩人村」。そもそも湯西川温泉そのものが「逃げ延びた平家の生き残りが身を隠して住んでいた」という、ちょっぴり雰囲気ありすぎな由縁がある秘湯(別に本当に怖いワケではありませんので。念のため)なんですが、野趣に富んだ猟師料理が楽しめるのもここの特徴で、実際に狩りでしとめたクマ肉やシカ肉、さらに珍味としてサンショウウオの炙り焼きなんてものまで味わえる(ただし安定して捕獲できるものではないので、巡りあえるかは運次第ですが)という非常に濃〜いお土地柄。そんな場所にある「平家狩人村」は、この土地に根ざした猟師の生活を紹介する資料館......といっても、これが尋常ではないディープさなんです。いちおうはココ、観光スポットのハズなんですが、入村するなりとてもそうとは思えない物悲しすぎる音楽が流れていて、気持ちもロービートにならざるを得ません。遊びにきたというよりは、間違って横溝正史作品にでも迷い込んだような錯覚に陥りそうです。さて、最初の展示室は山の動物たちがお出迎え......ですが、当然メルヘンチックなカワイイ動物などではなく、そこにあるのはひたすら生々しい剥製たち。時間経過とともにナチュラルに朽ちている動物たちと、ところどころに飾られている虚ろな視線が印象的なイケメン猟師の人形が後々まで消えない思い出として残りそうな展示室です。しかしこれはまだ序の口、ここから先が本当に"村"といえる造りで、小屋や茅葺きの家が立ち並び、その建物ごとにテーマが分けられた狩人ライフが紹介されているのですが、まず建物自体がこれまたリアルに作りすぎたせいで朽ちています。中には見たこともないキノコや菌類に覆われつつあるものもあって、軽く恐怖する人も居るかもしれませんが、展示の怖さはそんなものではありません。「解体小屋」ではクマを捌く様子が実物大ジオラマで紹介されていますが、さすがにクマは作り物なものの、周りにぶらさがる動物たちの骨や毛皮はすべてホンモノ! ちょうど見学に訪れたときは「何かの骨」が水洗いの最中だったようで、ただならぬムードに拍車をかけていました。他の小屋もとにかく動物の骨だらけで、本格的にもほどがあります。さらになんだか性的なものを連想させるアイテムが山盛りの小屋、さりげなくサンショウウオやヘビが漬けられた酒瓶(当然、すべてホンモノです)が並ぶ小屋に蚕の小屋......と、ヤワな方なら卒倒してしまいそうな施設でしたが、このむせ返るぐらいの濃さは必見! なにかとライトなものばかりが横行する今日このごろ、たまにはヤバいぐらい本格的なところもいいんじゃないでしょうか。

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(五葉山猟区、捕獲頭数増検討へ:岩手)
大船渡市の三陸地区五葉山猟区管理協会(会長・甘竹勝郎大船渡市長)の二十一年度第一回運営会議が三十日、市役所三陸支所で開かれ、二十年度事業報告と収支決算を承認、二十一年度事業計画を決めた。二十年度はハンター数の減少などで入猟者が減ったが、捕獲頭数は前年比で増加。事務局側では、さらなる捕獲頭数増への検討に着手する姿勢を示した。会議には行政、猟友会、猟区内の地域関係者らで構成する委員と市担当者ら約二十人が出席。二十年度収支決算と二十一年度予算を審議し、原案通り承認した。役員改選では甘竹会長をはじめ全役員の再任が承認された。二十年度猟区実績によると、狩猟はシカの入猟者が四百四十四人で、捕獲頭数は二百三十七頭(オス八十一頭、メス百五十六頭)。トリは五十三人で捕獲数は十五羽(キジ十三羽、ヤマドリ二羽)。シカの有害捕獲は五十三頭(オス十三頭、メス四十頭)だった。シカ入猟者は、グループ数は四十五団体で前年度と同じだったが、ハンター数で四十一人(同8・5%)減少。一方で狩猟頭数は、オスが三十頭(同58・8%)、メスが二十九頭(同22・8%)それぞれ増えた。二十年度は従来よりも二週間狩猟時期を延ばしたが、ここ数年続いているハンター数減少には歯止めがかからなかった。三陸町内でのシカ被害は依然深刻な状況にあり、事務局側ではさらなる狩猟日数の増加や入猟一グループあたりの捕獲上限数引き上げに向け、県と協議する意向を示した。委員からは猟区内のシカ農作物被害への抜本的な対策を講じる必要性を強調する意見が寄せられた。入猟者数減少によって同協会の収入となる入猟承認料も下降線をたどっており、運営面の見直しを提案する声もあった。
(妻襲うクマ、74歳夫地下足袋キックで撃退:福井)
福井県越前町は1日、同町小曽原の山林で、山菜採りに来ていた同県越前市の女性(76)がクマに右太ももをかまれた、と発表した。一緒にいた夫(74)がクマの頭をけると、クマは山中に逃げたという。夫は山菜採りのため、裏側に滑り止めの金属が付いた地下足袋を履いていた。女性は市内の病院に運ばれたが、50針縫う全治2週間のけがを負った。同町によると、クマは体長約120センチで成獣のツキノワグマとみられる。夫婦は同日午前10時ごろ、山道で休憩している時に突然襲われたという。一帯では毎年数回、クマの目撃情報があるという。
(クマ親子目撃:福井)
福井県大野市は1日、市中心市街地にある亀山のふもとで30日夜にクマが目撃された、と発表した。周辺でつめ跡などが確認され、市は1日、亀山の遊歩道を封鎖するとともに、目撃現場近くにおりを設置。注意を呼び掛けている。30日午後10時半ごろ、飼い犬を散歩させていた同市元町の男性が亀山南西部の国道476号上でクマの親子とみられる2頭を目撃。1日午前9時半ごろ、市に連絡した。市は同日午前に近隣区長や学校などに連絡。広報車を出動させて注意を喚起した。市職員と猟友会会員が周辺を調べると、南側登山道入り口近くでつめ跡と、クマが休んだと思われる痕跡も見つかったという。クマが逃げた先などが不明のため、同日昼から亀山を進入禁止にして注意看板を立てた。市農林整備課によると2日以降、亀山を調べてクマがいないことを確認した上で、遊歩道を開放するという。
(銀行の不審物、鉄パイプ内に火薬:山梨)
富士河口湖町小立の山梨中央銀行小立支店(山坂一男支店長)の敷地内で爆発物のような不審物が見つかった事件で、不審物の鉄パイプ内には花火に使う火薬が約50グラム詰められていたことが1日、富士吉田署への取材で分かった。不審物には遠隔操作で起爆させるために取り付けたとみられるアンテナが付いていたことも判明。同署は威力業務妨害や火薬取締法違反の疑いで捜査し、材料の入手経路や不審物が実際に爆発する可能性があったのかなどを調べている。同署によると、火薬は市販の花火に使われている物と同じ成分で、鉄パイプの中に入っていた。鉄パイプは基盤と赤と白2本のリード線でつながっており、周囲をガスが入った6本のガスボンベ(長さ約20センチ)で囲んで、ビニールテープで束ねられていた。アンテナと乾電池も付いていた。同署は遠隔操作で鉄パイプを爆発させ、ガスに引火させる仕組みの爆発物だった可能性があるとみていて、科学捜査研究所(科捜研)で詳しい鑑定を行う方針。同署は付近の目撃情報や同支店がトラブルを抱えていなかったかを調べている。また捜査関係者によると、不審物が見つかった室外機がフェンス(高さ1・6メートル)で囲まれ、室外機周辺から足跡が見つかっていないことから、隣接する民宿側の塀の上から不審物を置いた可能性もあるとみている。一方、山梨中銀広報室によると、同支店は1日、警備員が終日駐在するなど警備を強化。県内外の全91店舗周辺を行員が調査して警戒した。ゴールデンウイーク中も各店舗で警備会社による巡回を行うという。
(農山漁村の疲弊に耳を:兵庫)
豊岡市の中貝宗治市長は2期目の任期初日の1日、市役所であった初登庁式で約150人の職員に「市民の声なき声に耳を傾けて業務を」と訓示した。公用車で市役所に着いた中貝市長は、出迎えた職員の拍手の中、女性職員から花束を受け取り、「合併後の4年間で新しい市の基礎固めはできた。小さな世界都市としてしっかり情報発信してほしい」と述べた。記者会見では「1期目は新しい市の骨組みづくりを優先し、農山漁村の疲弊に十分耳を傾けることができなかった」と話し、切実な要望の例として有害鳥獣駆除を挙げ、「ハンターの減少や森林の荒廃などが原因で獣が人里に近づき、農作物の食害が増え、それが耕作放棄につながっている。2期目は隅々の“毛細血管”にまで血が行き渡るよう、しっかり対策を行いたい」と意欲を見せた。当面の課題として6月定例市議会に提出する補正予算案を挙げ、「国の経済対策に対し、市としてどうするか。一過性でなく豊岡の次につながる事業を行いたい」と話した。
(シカが列車に衝突:栃木)
1日午後7時55分ごろ、栃木県日光市七里の東武日光線の線路上で、突然、シカが飛び出し、浅草行き区間急行列車(4両編成)と衝突した。この事故で列車は約25分間停止したが、乗客、乗員約40人にけがはなかった。現場は東武日光駅から南東に約2キロ離れた地点。同署によると、シカと車の衝突はあるものの、シカと列車の衝突は珍しいという。
(荻野流砲術勇壮に演舞:山形)
庄内松山藩荻野流砲術演武が1日、酒田市の生涯学習施設「里仁館」グラウンドで開かれ、行楽客が勇壮な演武に見入った。明石藩(現兵庫県)の荻野六兵衛安重が1661(寛文元)年に創設した砲術で、型や隊列などに厳しく実戦向きの流儀とされる。松山藩士の山本丈右衛門が1808(文化5)年に免許皆伝を受け、藩内や周辺に広めた。明治期以降は武者行列の中で演武していたが、戦後は火薬使用の規制強化で一時中断した。1990年に旧松山町民の間で復活の話が盛り上がり、有志が松山藩荻野流砲術伝承保存会を結成。伝統の作法などを研究し98年、松山藩350年祭に合わせて復活。以来、毎年5月1日に行われる「松山まつり」などで披露している。2003年に旧松山町の無形文化財に指定された。この日は、砲術隊員11人が中筒や大筒などを使用し、立って肩に構える「立ち放し」、腰に構える「腰放し」、全員で一斉に放つ「斉射」などを次々と披露。「ドーン」というごう音とともに白煙が立ち込め、詰め掛けた行楽客たちは「すごーい」と歓声を上げていた。
(ライチョウ激減、25年で半分)
世界最南端、南アルプスのライチョウに危機が迫っている。近年、生息地である3000メートルの稜線(りょうせん)にまでサルやシカが登ってきて、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されているライチョウの餌の高山植物を食べるようになったためだ。40年間ライチョウを研究してきた信州大の中村浩志教授(62)=鳥類生態学=は「このままでは5年以内にトキやコウノトリと同じ道をたどる。行政が今すぐ動かなければ、取り返しがつかないことになる」と警鐘を鳴らす。信州大が85年に発表した調査結果によると、日本のライチョウの推定生息数は約3000羽。多くは北アルプスにおり、南アルプスは723羽だった。中村教授によると、南アルプスでは約300羽にまで減少。生息環境が比較的残っているのは、北部の北岳(3193メートル)、中部の荒川岳(3141メートル)、南部の聖岳(3013メートル)程度という。山梨県によると、南アルプスでは10年ほど前から「駆除するハンターの減少などで」(みどり自然課)、ニホンジカやニホンザルが高山帯に進出するようになった。高山植物の食害は4〜5年前から顕著になり、静岡県自然保護室によると、静岡・長野県境の塩見岳(3047メートル)などでは既に植物が失われて表土流出が始まった。山梨県は昨年12月、シカ3頭にGPS(全地球測位システム)付き発信機を付け、行動域を調べている。しかし、中村教授は「調査している時間はない」と指摘。ライチョウを守る手段として北岳など3峰に見張り人を置き、シカとサルが上がってくる6〜9月の4カ月間、徹底的に低山に追い払うことを提案する。「まだ一定の個体群が残っている時に保護すれば低コストで絶滅から救える」寒冷地の鳥であるライチョウは、2万年前の氷河期末期、陸続きだったユーラシア大陸から日本列島に入り、本州の3000メートル級の山々でのみ生き残ったと考えられている。
(山林でクマ3頭目撃:福島)
1日午前9時15分ごろ、昭和村野尻字山崎の山林に3頭のクマがいるのを付近に住む女性(62)が目撃した。クマは山林に入っていき、女性にけがはなかった。会津坂下署によると、親グマ1頭、子グマ2頭とみられる。同署員と村職員が付近を探したが、発見されなかった。同署はパトカーなどで警戒、村は防災無線などを通じて注意を呼び掛けている。
(ミツバチ7000匹無届け飼育容疑で書類送検:大阪)
無届けでミツバチを飼育したとして、大阪府警布施署は1日、同府東大阪市の自営業の男(69)を府みつばち飼育規制条例違反容疑で書類送検した、と発表した。男は「洗濯物などにたかられて自分も困っていた」と容疑を認めている。発表によると、男は2008年5月〜今年4月の間、府知事へ届け出ずに、自宅でミツバチ約7000匹を飼育していた疑い。男はクマ狩りが趣味で、クマをおびき寄せる餌にするため、自宅の車庫の上に、自作の木製巣箱(縦30センチ、横40センチ、奥行き50センチ)を設置したところ、野生のミツバチが巣を作ったという。近隣住民が「ハチを飼っている家がある。ハチが飛び回っていて怖い」などと同署に通報し、発覚した。
(八甲田にクマ!?足跡発見:青森)
四月二十九日に南八甲田に入った男性(50)のグループ十数人が、逆川岳の山頂付近でクマの足跡を発見、このグループのメンバーが本社に写真を寄せた。二十年以上前の県の調査では八甲田でクマの生息は確認されず、八甲田への登山歴が三十年を超えるこの男性もクマの足跡を見るのは初めてというが、八甲田に詳しいガイドはクマがいるという認識を持ち油断せずに入山することを勧めている。写真の足跡は長さ約二十センチ。別の写真には、林の中から連なってきた足跡が雪原にくっきり。県自然保護課も本紙取材に対し、写真のファクス画像を見て「クマの足跡だ」と述べた。男性は「八甲田は雪が多く、クマがすめないと思う人が多いのではないか。私自身も今まで八甲田でクマの足跡を見たり、実際に遭ったことはなかった。やっぱりいるんだな」と話す。一方で、八甲田登山歴約四十年、ガイド歴二十年以上になる久末正明さん(56)=十和田市=は「八甲田にクマがいるのは普通。クマがいるという認識で山に入らないといけない」とくぎを刺す。久末さん自身も四月十一日、南八甲田でクマの足跡を見つけた。例年はゴールデンウイーク前後に見られるため、「今年はクマの活動が例年より活発になっている」と警戒している。県自然保護課によると、一九八一年に県が実施した調査では、八甲田や津軽半島、十和田湖周辺でクマの生息情報は確認されなかった。しかし、二〇〇六年ごろから足跡の発見や目撃情報が出始め、県は同年から「クマ出没マップ」を作製し注意を呼び掛けている。
(イノシシ約20頭の大集団が出没:長野)
30日午後11時半ごろ、上田市上田の太郎山のふもとの住宅地近くで、車で帰宅した会社員男性(19)が畑にイノシシ約20頭がいるのを発見、男性の母親(53)が上田署へ通報した。同署や市によると、人や農作物への被害は確認されていない。母親によると、男性は怖くて車から降りられなかった。また、母親は同日午後9時ごろ、近くで2、3頭を目撃。「5、6年ほど前からイノシシを見るが、こんなに多いのは初めて」と話していた。現場は国道18号上田バイパスから約200メートル、上田市役所から直線で約2キロ。近くの北小学校や上田第三中学校は、下校時や大型連休中にイノシシに気を付けるよう児童、生徒に呼び掛ける。市も有線放送で注意を促す。県環境保全研究所(長野市)によると、イノシシは母子で行動し、1グループは一般的に10頭前後。「20頭は大変珍しい」という。
(新型インフル対策でイノシシ処分へ:イラク)
イラク政府は4月30日、豚インフルエンザが変異、感染が拡大する新型インフルエンザ対策のため、首都バグダッドの動物園のイノシシ3頭を処分する方針を決めた。イラクでは豚インフルエンザの感染例は報告されていないが、イラク当局者はあらゆる感染拡大の機会を封じるためとしている。
(稚アユがジャンプ、カモがパクリ:静岡)
静岡市清水区の興津川で、アユの稚魚の遡上(そじょう)が続いている。川のえん堤付近では、体長5〜8センチ程度の稚アユが群れをなし、次々と急流に向かってジャンプを繰り返している。興津川漁業協同組合によると、今年はやや小ぶりで、例年より2週間ほど遅い3月初め頃から本格的に見られるようになった。アユ釣りの解禁に備えてここのところ毎日川の様子を見に来るという近くの無職茅木国男さん(65)は4月23日、2羽のカモがいるのを見つけた。空中に踊る銀鱗(りん)をカモがくちばしで器用にキャッチしてはのみ込む珍しい光景に、茅木さんは「サギやカワウがついばむ様子は見るが、カモは初めて」と驚いていた。興津川のアユ釣りは20日に解禁される。
(つがるなどでカラスの死骸相次ぐ:青森)
県は三十日、五所川原市の県五所川原合同庁舎で西北地域高病原性鳥インフルエンザ情報連絡会議を開き、三月につがる市と五所川原市でハシブトガラスが計十七羽死んでいたことを報告した。県による鳥インフルエンザの簡易検査はいずれも陰性で、現在は茨城県の国立環境研究所で遺伝子検査を行っている。
(野鳥の巣箱にカラスよけ:広島)
三次市の市民グループ「霧中クラブ」が29日、粟屋町の高谷山展望台周辺に設置した野鳥の巣箱に、カラスが止まるのを防ぐ棒を取り付けた。メンバー約10人が参加。木の台座に差し込んだ長さ約20センチのグラスファイバーを、2、3メートルの高さにある巣箱の屋根にボンドで張り付けていった。グラスファイバーの棒が邪魔をして、カラスの止まる場所をなくせるという。巣箱は2、3月に粟屋小児童や市民が計25個取り付けた。しかし、カラスがフックを外して内部をうかがっていたほか、ついばんだとみられる傷も多く見られる。

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(迷子のニホンジカ1頭を捕獲:神奈川)
小田原市は三十日、同市国府津の電子機器メーカーに迷い込んだニホンジカ一頭を捕獲した。同社が同日午前八時半ごろ、「敷地内にシカがいる」と市に連絡。市は交通事故などの人身被害が発生する可能性が高い上、現場が県ニホンジカ捕獲管理事業実施計画で捕獲を実施するとしている監視区域だったことから、野生動物保護管理事務所(東京都町田市)に捕獲を依頼した。鉄製のフェンスで囲まれた同社のグラウンド内に入り込んだシカは同日午後一時二十分ごろ、麻酔銃で撃たれ、動けなくなったところを捕獲された。雄で推定一歳、体重四十五キロ。市では酒匂川や森戸川の河川敷周辺でたびたびシカが目撃されている。近くの住民は「(同社裏を走る)用水路からグラウンドに入り込んだのかしら」と首をひねっていた。
(ニホンジカ9頭をおり設置後初捕獲:長野)
伊那市高遠町の入笠牧場にニホンジカの大量捕獲おりを設置しているJA上伊那は4月30日、捕獲おりで設置後初となるシカの捕獲に成功したことを明らかにした。わなに掛かったのは9頭の雌ジカで、いずれも妊娠中。同26日、見回りに訪れた上伊那猟友会員が見つけた。JA上伊那では「おりの効果がようやく表れてくれた」と、今後も継続してわなが機能していくことを期待している。乳用育成牛の放牧に使用されている入笠牧場はニホンジカの増加に伴い、牧草などの食害が深刻化している。JA上伊那では2007年度の「野生鳥獣被害総合対策事業」を利用して、同年11月、牧草地を高さ2.5メートル、全長787メートルの柵で囲み、落下式のゲート(高さ2メートル、幅1メートル)を3カ所に設置した。捕獲おりはシカが進入してえさを食べると、えさ場とワイヤで固定したゲートが落ちる仕組み。JA上伊那によると、シカの警戒心を和らげるため、冬場もゲートを上げたままにしていたという。一度に九頭のシカが捕獲されたことについて、県上伊那地方事務所林務課は「出産時期を迎え、群れになって行動していたのかもしれない」と分析。今回の捕獲で「(おりの)効果が確認された。シカが柵に慣れてくれば、もっと捕獲できるのでは」と期待を寄せている。県特定鳥獣保護管理計画によると、南アルプス周辺には3万300頭のニホンジカが生息していると推定される。シカの採食に伴う牧草量の減少で、同牧場では放牧牛の発育状態低下を懸念する声も上がっている。

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