<射撃ニュース5月>

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(ニホンジカ過密繁殖力に困った:宮城)
石巻市や女川町で急増するニホンジカの被害対策を検討する牡鹿半島ニホンジカ対策協議会(会長・亀山紘石巻市長)総会が二十七日、石巻市民会館であり、二〇〇八年度の捕獲、被害状況が報告された。狩猟や有害駆除などによる捕獲は、千三百三十八頭で前年度より34パーセント増えたが、被害額は約三千四百万円とほぼ横ばい。対策が追いつかない状況が浮き彫りとなった。捕獲の内訳は、狩猟が七百五十三頭、有害駆除が三百五十三頭、農作物の保護網による捕獲が百十三頭。死亡処理が百十九頭だった。狩猟と有害捕獲の合計は、前年度より二百九頭多く、中でも駆除効果が高いとされる雌は、ほぼ倍の五百九十四頭に上った。県の実施分も含めて、囲いわな四基、箱わな二基、くくりわな九十基を初めて設置したが、捕獲は四頭だけ。囲いわなはゼロだった。一方、被害額は、道路に飛び出したシカによる車被害(四十二件)が前年度比35パーセント増の約千二百六十万円で最大。樹木は29パーセント減の七百二十万円だったが、水稲約六百五十万円、牧草地約四百八十万円、畑作約三百十万円は横ばいだった。協議会が牡鹿半島主要道路沿いで三月に実施した夜間の生息数把握調査によると、一平方キロ当たり百二十五頭を確認。国の指針で自然への影響が少ないとされる一平方キロ当たり三?五頭を大きく上回った。確認したシカの七割は雌と見られる。現在実施中の有害駆除でもほとんどの雌は妊娠し、旺盛な繁殖力を裏付けているという。協議会は「半島全体の生息数は把握できないが、かなりの過密状態」と判断。〇九年度は囲いわな一基を増設するが、対策が追いつかない状況に頭を悩ませている。
(ホテル近くに熊出没:長野)
28日午後3時ごろ、大町市平の大町温泉郷南側のホテル近くに熊がいるのを、仕事で通り掛かった同市職員が見つけた。県や市、大町署、猟友会などから16人が出て付近を探し、熊1頭を発見。ホテルや民家に近く、危険なことから、同5時40分ごろ射殺した。けが人はなかった。県北安曇地方事務所林務課によると、熊は2-3歳の雌で体長80センチ、体重20キロ。大北地方の熊の補殺例は本年度、これが初めて。

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(県立クレー射撃場、甲州市への移転難航:山梨)
県が甲州市塩山で進めている県立クレー射撃場の移転計画が揺れている。近隣住民が、県の説明不足や銃弾による鉛汚染への懸念などを理由に強く反対しているためだ。射撃場を所管する県教委などは今後、説得を強める構えだが、住民側に応じる気配はみられない。県が目指す2011年度中の完成は微妙な情勢だ。「反対20人」「賛成10人、条件付き賛成8人」今年2月、甲州市塩山上小田原のクレー射撃場の建設計画地から約460メートルしか離れていない集落「小松尾(こまとお)組」で、射撃場の賛否を問う投票が行われた。甲州市議の一人は「本当に反対しているのは3人くらいだと思っていた」と驚きを隠さない。県の構想では、市が所有する山林約18ヘクタールを切り開き、クレー射撃やライフルの射場を計五つ建設する。整備費は約15億円を見込む。地元住民は、鉛の散弾による汚染や射撃に伴う騒音の問題から、建設に批判的な声もあった。加えて県の説明不足が住民の態度を硬化させたとの見方が強い。県が07年8月に甲州市を移転候補地に決めた後の初めての地元説明会では、現在の構想より500メートルほど山奥に建設予定と説明していた。だが、その後の調査で、鉛の散弾が、近くを流れる高芝川を汚染する可能性があると判明し、集落に近い場所に計画を変更した。計画変更の地元説明は08年8月。集落に住む住民の一人は、「いきなり計画の変更案を出され、『ここでお願いします』と言われた」と不信感を隠さない。県側も「もう少し丁寧な説明が必要だった」と不備を認める。県内にあるクレー射撃場は五か所。そのうち県立が一か所で、民間が四か所だ。現在、韮崎市にある県立の射撃場では、1998年11月、民家に流れ弾が当たる「誤射事件」が発生。この影響で、県は射撃場を2009年7月30日で閉鎖することを決め、甲州市への移転構想が浮上した。県側は「射撃場をなくすという選択肢はない」との立場だ。その理由として、県教委は「クレー射撃は、山梨県の有力競技の一つで、国体でも重要な競技。競技の振興には射撃場が不可欠」と強調する。また県は、農作物などを荒らすイノシシやサル、シカなどの駆除を担う猟友会の「射撃の技能向上の場」としても重視している。県幹部は「管理捕獲は今後も継続していく必要があるが、猟友会の高齢化が進んでいる。射撃場がなくなれば、管理捕獲を請け負ってくれる後進が育たない」と語る。ただ、韮崎市の現射撃場の年間利用者は5000人程度。民間射撃場もある中で、甲州市の地元住民からは「一部の利用者のために15億円もの公費を使う必要があるのか」との指摘も出ている。甲州市の3月議会では、住民からの射撃場建設中止の請願が12対6で不採択となった。田辺篤市長も建設推進の立場だ。だが、市長、市議が11月に任期満了を迎えることから、反対派市議の一人は「射撃場の建設の是非が、市長選や市議選の争点になる可能性もある」と指摘する。「選挙が終わるまで、問題に白黒をつけない方が無難ではないか」との見方もある。県教委と市は28日夜、地元集落の住民に対し、説明会を開き、改めて計画への理解を求める予定だ。
(イノシシ?加美で被害:宮城)
宮城県加美町宮崎地区の田んぼや休耕田で、野生のイノシシが荒らしたとみられる痕跡が27日までに見つかった。以前は県南部が北限とされたイノシシの生息域は近年、仙台市泉区まで北上が確認され、農作物の被害が多発している。加美町まで生息域が広がったとすれば、農家の被害は避けられず、町は戦々恐々としている。イノシシらしき痕跡が見つかったのは町宮崎支所から西北へ3キロほどの山間地で、25日に初めて確認された。水田の稲が踏み荒らされたほか、休耕田では約70平方メートルにわたって掘り返されていた。掘られた深さは20センチ前後で、直径7、8センチの足跡も無数に残されている。町農林課によると、掘り返された面積は25日以降、少しずつ広がっている。地元猟友会も足跡などを確認し「恐らくイノシシ」とみているという。県自然保護課は「イノシシかどうか断定はできないが、休耕田を掘り返したのはミミズを食べている可能性がある。イノシシは自分に付いている虫を泥で駆除する習性があり、このため水田に入ったのかもしれない」と説明する。被害に遭った田の近くに山を所有する農家桧野儀雄さん(60)は「こんなふうに掘り返す動物はこの辺にはいなかった。イノシシに違いない。厄介な物が出てきた」と困惑の表情だ。イノシシは繁殖力が強い。被害が拡大した場合、田畑に柵を設置する対策なども考えられるが、手間と費用がかかる。町農林課は「当面は様子を見るしかない」と困惑気味に話している。イノシシの生息域は1980年代までは丸森町が北限とされていた。その後、北上し、仙台市では2000年ごろに太白区で初めてイノシシの食害を確認。県自然保護課によると、有害鳥獣としてイノシシが駆除された北限地点は泉区という。
(ミヤマガラスは道具を利用)
カラスの一種のミヤマガラスには、道具を使って餌を取るなどチンパンジーにも匹敵する知恵があることが、英ケンブリッジ大学などの研究チームが行った実験で分かった。ケンブリッジ大学とロンドン大学クイーンメアリー校の研究チームは、人工飼育されたミヤマガラスに道具の使い方を覚えさせる実験を行った。その結果、カラスは石を落として容器を割り、中の餌を手に入れるやり方をすぐに学習し、実験を繰り返すうちに適当な重さと形の石を選べるようになることが分かった。石がない場合には棒を使うなど、状況に応じて柔軟に道具を選ぶ能力も発揮。かぎ状の道具を使ってチューブ状の容器から餌を取り出したり、真っすぐなワイヤを自分で折り曲げて道具を作り出す能力も見せたという。カラスの仲間では、ニューカレドニアの「カレドニアガラス」が道具を使うことで知られている。野生のミヤマガラスの道具利用は確認されていないが、チンパンジーやカレドニアガラスに匹敵する知能があることが、今回の実験で実証されたと、研究チームを率いるクリス・バード氏は話している。
(カラスがアユ漁:愛知)
愛知・豊田市で、アユの遡上(そじょう)が盛んになっている。そのアユを鋭いくちばしで捕らえる水鳥の中に、1羽のカラスの姿があった。水辺を歩くには足の長さが不利なように見えるが、このカラスは、ほかの水鳥のまねをしてアユを捕まえる。最近は、川から引いた用水路で水面からはねるアユを狙っているという。アユを捕まえるカラスはこの1羽だけだが、その様子をじっと見ている別のカラスもいる。専門家は「見て覚えようとしているのではないか」と話している。
(黒竹をシカの食害から守ろう:和歌山)
日高町の原谷生産者の会(鍵本元雄会長)がシカによる黒竹の食害を防止するため、黒竹林に獣害防止ネット「イノシッシ」の設置を進めている。高さ1・8メートルの金属製のネットを、総延長4684メートル(9カ所)に設置するもので、事業費は600万円。補助事業を活用して地元負担金を軽減し、受益者自ら設置作業を行っている。シカの食害が防止できれば原谷特産の黒竹林が守られ、生産量が確保できると期待されている。同地は日本一の黒竹生産量を誇っているが、近年はシカによる黒竹のタケノコや葉の新芽の食害で生産量が激減している。個人で獣害防止ネットなどを設置して対応している生産者もいるが、個人での防止には限界があった。そのため4月1日付けで同会を設立し、補助事業を活用して、黒竹林全体を防止ネットで囲むことにした。完成すれば黒竹の生産性と品質が向上し、経営が安定化。それが原谷地区の活性化につながると期待されている。設置する獣害防止ネットは近江屋ロープ(株)(本社・京都市)製で、ネットは直径3・2ミリの亜鉛鍍金鉄線を15センチ間隔で編み目状にしたもの。高さ1・8の支柱を2メートル間隔に設置し、ネットを取り付ける。イノシシが穴を掘って下から侵入しないよう、スカート状の金属製ネットで外側の下部を覆い、アンカーを打って固定する。すでに業者による作業の手順の説明会が開かれ、会員らが受講した。食害のほとんどがシカによるもので、シカの侵入防止だけならポリエチレン製ネットでも防げるが、それだとイノシシに破られて、その穴からシカが侵入する可能性が高いため、初めから金属製のネットを設置することになった。補助事業は山村資源振興総合対策事業「山の恵み活用事業」と、小規模土地改良事業を活用している。
(家庭向けシカ肉レシピ集を作製:鹿児島)
伊佐市にある姶良・伊佐地域振興局農林水産部大口支所は、地域資源のシカ肉普及を狙い、家庭向け料理レシピ集を発刊した。ロールキャベツやシカ汁、ごまあえ、そぼろ丼など30通りの食べ方を提案している。伊佐市は2008年度、鳥獣被害防止特措法に伴う全国初のシカ肉処理施設を整備。シカ肉の一般販売を始めた。しかし、食べ方は刺し身以外あまり知られておらず、調理方法の普及が課題になっていた。そこで同支所は、菱刈農産加工生産組合「やる気かあちゃんの里」にシカ肉のレシピ開発を委託した。同生産組合は、他の食肉に比べ脂肪分やコレステロールが少なくタンパク質が多い特性を生かす調理方法を研究した。
(養蜂箱破壊、クマ出没注意:群馬)
みなかみ町下津小川島の畑でツキノワグマが養蜂(ようほう)箱を荒らし、町は27日、捕獲檻(おり)を設置した。例年クマの出没が多い同町だが今年の被害確認は初めてで、捕獲檻も第1号。昨年10月に民家に近い町道で沼田市の男性(66)がクマに襲われ負傷した現場から近く、町は住民に警戒を呼び掛けている。町によると、被害が確認されたのは今月二十一日朝で、養蜂箱一箱が壊され、二十五日朝にも別の一箱が荒らされているのが分かった。町や県の職員が現地調査した結果、現場からクマのふんが見つかった。このため、町はクマ被害と判断、鳥獣保護法に基づき、県に捕獲檻の設置許可を申請し、許可された。町は昨年の人的被害の際、現場周辺に民家が多く、小中学校二校の通学区域だったため、檻を六基設置する本格的な“捕獲作戦”を展開したが、クマは捕まらなかった。今回は通学路ではないものの、昨年の現場と直線距離で百メートルほどしか離れていないため、町は町教委を通じ各校に注意を促す予定という。今月十一、十二の両日には昭和村川額地区の畑で計二つの養蜂箱がクマに壊され、こちらも現場に残されたクマの足跡を根拠に、利根沼田地区で今年最初の捕獲檻を設置した。県利根環境森林事務所の担当職員は「今年はクマの出没がやや早い。夏山シーズンを迎え、観光客は入山時にクマ鈴を携帯したり、ラジオを持参して音を出すなど十分なクマ対策をしてほしい」と訴えている。
(カモのひなを救出:三重)
亀山市関町新所で27日、用水路の大穴から出られなくなったカモのひな12匹を、近くを通りがかった人が見つけた。通報を受けて駆け付けた3人の市職員が12匹を救出。集まった人たちは、ほっと胸をなで下ろした。穴は幅6メートル、奥行き8メートル、深さ1・7メートルで、コンクリートの壁が四方を取り囲んでいる。親鳥は飛び上がって穴から脱出できたが、ひなは体長の何倍もある壁を越えることができず右往左往していた。連絡を受けた関支所の男性職員1人が穴の中へ入り、すばしっこく逃げ回るひなを網で1匹ずつ段ボール箱に保護。10分程度ですべて捕まえた。心配そうに見守っていた親鳥は、段ボール箱を持った別の男性職員が近くの池へ向かうと、飛んで池へ先回り。ひなが池に放されると、すぐに合流して寄り添っていた。ひなを池に放した市民サービス室の川瀬行雄室長は「何かの拍子に穴に落ちてしまったのだろう。通報のおかげで早めに助け出せてよかった」と話した。
(長流川河口にメジロガモ飛来:北海道)
伊達市内を流れる長流川の河口にこのほど、国内では目にする機会がまれなメジロガモが飛来、愛鳥家を驚かせた。25日午後5時ごろ、川で餌をついばむ姿を篠原盛雄・日本野鳥の会室蘭支部長が見つけた。雄の成鳥で体長は約40センチ。羽の色は頭から首元にかけてが明るい茶、胴体は白交じりの茶、尾は白。主にインドやサウジアラビア、ロシアなどに分布し、国内ではこれまで福岡、千葉県など数カ所で見られた程度という。篠原支部長は「道内で見つかるのは珍しい。強風など何らかの原因で日本に迷い、ほかのカモと一緒に北上しているのでは」と”予期せぬ訪問者“をカメラに収めていた。
(鵜の目鷹の目の防犯システム:アメリカ)
アメリカで銃を使った犯罪が多いことは周知の事実だが、その対策として発砲事件の検知システムを利用する都市が増えている。1996年に開発されたこのシステムは、発砲時の音や光を監視地域内に複数設置されたセンサーで捉(とら)え、三角測量法などを用いて発砲地点を割り出すというもので、現在では代表的ソリューションである「ShotSpotter」だけでも全米36都市で導入されている。法務省やボストン大学などに「犯罪を未然に防ぐ効果は実証されていない」と指摘される一方で、事件解決に役立ったり被害者の命を救ったりといった事後的な実績はあることから、この2年間で導入数が3倍になったともいわれている。また先日、同種のシステムを戦場で使う研究が国防高等研究計画局(DARPA)で進められているというニュースも目にした。兵士のヘルメットにセンサーを取り付け、狙撃された場合は1秒以内に誤差15度以内で狙撃手の位置を特定するというものらしい。銃だ狙撃だというと日本における必要性は低そうに感じられるが、このシステムが特に効果を発揮するのは、防犯カメラと併せて利用した場合だ。前者の例でいえば、発砲検知の直後に防犯カメラを操作し、事件現場の周辺を視認・録画することによって、検挙率の向上・事件解決の迅速化・裁判における有罪獲得などにつなげることができる。これを応用して、例えば防犯ブザーなど特定の音に対して反応するように調整したり、GPS内蔵携帯電話からの通報を受けた際に周辺の防犯カメラで一斉に追跡撮影したりすれば、日本でも日常の防犯などに役立つかもしれない。

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(田んぼ水面で跳弾か:山形)
鶴岡市無音(よばらず)で24日、県猟友会鶴岡支部会員の50代男性がカラスを駆除するために発射した散弾が民家の窓の網戸を突き破り、台所にいた女子高校生(17)がけがをした事件で、散弾は田んぼの水面で跳弾し網戸を突き破ったとみられることが25日、分かった。県猟友会有害鳥獣対策部が同日、明らかにした。同対策部によると、男性はカラスが水田で苗をついばんでいたため、打ち下ろす形で発砲。散弾の一部が水面で跳ね上がり、ほぼ直線方向の後方の民家に入ったとみられる。また、男性の発射地点から民家までの距離が約80メートルで、発射方向の300メートル以内に民家がある場合、銃の使用を禁止している狩猟法などに抵触した疑いがあるとし、同対策部の川越正部長は「散弾が水面や石などに当たると、跳弾する可能性がある。跳弾を予測し、危険を感じたら打つ必要はない」と話している。一方、この男性が当日、駆除作業班が無音地区の駆除中止を決定した後、発砲していたことが25日、無音生産者組合の話で分かった。同組合によると、24日の駆除作業は無音など3地区で順次、実施する予定だった。無音を除く2地区で作業を終えた際、「銃声でカラスが逃げてしまい、無音地区での駆除は難しい」などと話し合い、中止を決定。班員が無音地区を移動していたところ、カラスを見つけたこの男性が発砲したという。県猟友会は「申し合わせ事項」で原則、駆除参加者は銃取り扱い経験3年以上としている。同対策部の話では、男性は3年未満だったといい、駆除作業班の班長の近くで行動することを条件に、作業に当たっていたという。また、駆除作業は班長の指示に従うことになっている。県猟友会鶴岡支部の保科直士支部長は「(この男性が)勝手に判断し、しかも民家の近くで発砲した。通常では考えられない」と話した。
(射撃の疑似体験装置導入へ:長野)
上伊那郡辰野町の有害鳥獣駆除対策協議会は本年度、射撃を疑似体験できる装置を同町沢底の県営総合射撃場に導入する。野生鳥獣の個体数調整(駆除)を担う猟友会員の減少を受けて、若い人などに疑似体験をしてもらい、狩猟への関心を高める狙いだ。26日に町内で開いた協議会の総会で、関連の予算案と事業計画案を了承した。県野生鳥獣対策室などによると、装置(スウェーデン製)はパソコンの画像を壁などに投影。疑似用の銃を操作し、獲物を狙ったり空中を動く皿を的にするクレー射撃などを体験できる。弾の軌跡も投影され、獲物の狙い方や銃を撃つタイミングをチェックすることもできるという。
(カワウの駆除で成果:新潟)
県内最大のカワウ繁殖地とされる十日町市小根岸の林で24日、地元猟友会による駆除作戦が行われた。付近の信濃川でアユなどの漁業被害が深刻なため市が要請した。巣立つ直前のひなを駆除する方法で、ピーク時に約1200羽あった生息数が約800羽に減る効果を上げている。カワウの生態を研究する長岡技科大の山本麻希助教によると、県内では7年前に長岡市で繁殖地が確認されて以来、中越地方で生息域を拡大。十日町市小根岸付近は、2007年8月には最大約1200羽がすむ大繁殖地になった。カワウは体長90センチほどで、潜水しながらアユなどの魚を1日5匹程度食べる。同市では信濃川のほか清津川などで捕食している。市がまとめたカワウによる漁業被害額は昨年で推定3664万円。中魚沼漁協の長谷川克一組合長(64)は「河川のほか民家の池や養鯉業者、釣り堀でも被害が出ている」と話す。市の要請を受けて地元猟友会は2年前に駆除を開始。山本助教の指導で昨年から、個体数抑制に効果的な巣立ち前の5月中旬に駆除することとし、今回の駆除前には800羽に減少していた。JR東日本信濃川発電所の水利権取り消しで、信濃川本流は増水し魚の生息域が広がったため被害が減ったとの見方もあり、市は駆除との相乗効果に期待する。24日は地元猟友会員約50人が午前5時から約1時間かけ、ひなを中心に約230羽を駆除した。山本助教は「十日町はカワウにとって好環境のため県外からさらに渡ってくる可能性があるが、駆除しつつ、巣となる樹木にロープを張るなどして繁殖を抑えることが大切だ」と話している。
(クマ、国道に飛び出て乗用車に衝突:愛知)
愛知県豊田市は26日、同市小原地区の大ヶ蔵連(おおがぞれ)町でツキノワグマが走行中の乗用車とぶつかったと発表した。けが人はなかった。市環境政策課によると「比較的、臆病なツキノワグマが車とぶつかるのは珍しい」という。市によると、市外の男性が25日午前10時過ぎ、同町の国道419号で乗用車を運転中、道路右側から体長約1メートルのクマが飛び出し、車体右側にぶつかった。バンパーと運転席側ドアに傷がついた。クマはそのまま逃げ、男性の通報を受けた市が車体に付いていた黒い毛を調べたところ、ツキノワグマとわかった。市内では今月6日にも、今回の現場から約550メートル離れたところでクマの目撃情報があった。
(サル逃走中:千葉)
26日午前、JR木更津駅西口から約1キロ離れた公園にサルが現れ、千葉県警木更津署員や木更津市職員がバナナでおびき寄せるなど捕獲作戦を展開した。約6時間半にわたり追跡を試みたが、失敗に終わった。27日朝から、行方が分からなくなったサルの捕獲作業を再開する。「木更津市富士見の公園の松の木にサルが登っている」。26日午前10時頃、住民から木更津署に通報があった。市環境衛生課によると、サルは体長約40~50センチで、赤茶色の毛で覆われていた。野生か飼育されていたかは不明という。公園を中心に半径約200メートル圏内で、住宅の屋根やビルの屋上を次々と移動。警戒心が強く、時折、千葉市動物公園のアイドル「風太」のように背筋を伸ばした美しい立ち姿で、辺りを見回すようなしぐさも見せていた。駆け付けた同署員や市職員ら約15人が捕獲網やオリなどを用意。ある署員は「飲食店から差し入れしてもらったバナナでおびき寄せようと試みたが、見向きもされなかった」と悔しがった。サルは午前と午後の2回、公園から近い結婚式場「エルセルモAQUA21」にも姿を見せた。同僚と一緒に写真を撮ったという女性スタッフは「警察官が数人、施設の前にいたので、通行客も気になっていたようだ。サルは周りをキョロキョロ見回したりして、すごくかわいかった」と振り返った。サルは人を威嚇するようなそぶりは見せなかったが、市環境衛生課は付近の保育園や小学校に注意を促し、午後4時半頃には防災無線で「見かけたら市や警察に通報してください」と呼びかけ、この日の作戦を終えた。27日午前7時半からは、市職員らが出没現場の周辺で聞き込みを行い、対策を練る方針。市環境衛生課は「麻酔銃なども考えたが、市街地で撃つわけにもいかない。サルが人に危害を及ぼす前に、何とか捕獲したい」と意気込んでいる。現場近くには童謡「証城寺の狸(たぬき)ばやし」の舞台として知られる證誠寺(しょうじょうじ)がある。木更津署は「サルのような動物が市街地に出没するのは珍しい」と驚いている。
(バードカービング展)
北海道の自然をテーマにしたバードカービング展が、東京都新宿区の新宿御苑インフォメーションセンター・アートギャラリーで6月2~7日開かれる。バードカービングとは野鳥の生命力をリアルに表現する彫刻。本州には生息しないエゾフクロウの作品など約100点を並べ、野趣に富んだ北の大地のネーチャーの魅力を伝える。「野鳥を知るバードカービング展」と題し、財団法人日本鳥類保護連盟(東京都杉並区、森幸男会長)と、バードカービング作家の鈴木勉さん(45)の「鳥の工房つばさ」(同世田谷区)が主催する。工房で趣味として学ぶ生徒ら約50人と鈴木さんの作品のカワセミやタカなどを展示。特に北海道の野鳥にフォーカスを当て、特別天然記念物のタンチョウ、エゾフクロウ、シマアオジなどをそろえた。併せて北海道の自然を紹介するパネルも展示する。歴史的にバードカービングは猟のおとり「デコイ」として使われたが、次第に趣味として広まった。加工しやすい「チュペロ材」と呼ぶ北米産木材を用い、剥製(はくせい)や写真集などを参考にし、電動工具を使って彫り込んでいく。細部は拡大鏡を使い丁寧に描写し、最後にアクリル絵の具で着色する。鈴木さんの出品作品のエゾフクロウは、顔を少しうつむき加減に製作した。鈴木さんはその意図を、「五感を研ぎすましエサのネズミを狙って一点を凝視する。緊張感あふれる表情を描き出した」と説明する。「作品の向こう側にある自然そのものまで表現しようとするのがバードカービングの世界。その奥深さを感じてもらいたい」と話す。
(カルガモ、子育てシーズン突入:鳥取)
鳥取県米子市彦名新田の米子水鳥公園で、今シーズン初めてカルガモの親子が確認された。まだ警戒心が強いが、時折茂みから姿を見せ愛嬌(あいきょう)をふりまいている。同公園の桐原佳介指導員(35)が22日午後、親鳥とふ化したばかりのヒナ5羽がつばさ池の水面を泳ぎまわり、岸辺の茂みに移動するのを発見した。初確認は昨年より1週間早いという。カルガモは初夏に日本の水辺で繁殖するカモ科の鳥。卵を多く産み、10羽以上のヒナを連れていることをもある。米子水鳥公園では毎年6月から7月に最大十数組の親子が確認される。初夏を迎える同公園では、カルガモやカイツブリなどの子育ての様子が観察できる。
(違法な銃器根絶に向けて幹事会:大分)
けん銃など銃器による犯罪の撲滅を図るため県警などで組織する県銃器対策推進本部の会議が開かれました。会議では全国で起きた銃犯罪が報告されたほか、税関や入国管理局との連携を密にしていくことを確認しました。県警によりますと、県内では去年1年間で違法な銃が5丁押収されました。銃を使った犯罪は平成18年9月以降、発生していません。

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(散弾銃事故でカラス駆除中止、マニュアル作成へ:山形)
山形県鶴岡市で24日、カラスの駆除のため発射された散弾銃の弾が民家に飛び込み、高校3年の女子生徒(17)が首に軽いけがをした事故で、山形県猟友会と駆除を依頼した庄内たがわ農協(鶴岡市)は25日、来月3日まで実施する予定だった駆除作業の中止を決めた。県猟友会は今後、再発防止に向けたマニュアルを作成するという。県猟友会によると、撃ったのは鶴岡市内の50代の男性。民家から約80メートルの距離で水田にいたカラスを狙ったが、弾の一部が水面で跳ねた可能性が高いという。鶴岡署は、業務上過失傷害での立件も視野に男性から事情を聴いている。民家の300メートル以内での射撃は自粛するのが原則だといい、県猟友会の川越正副会長(69)は「この距離での射撃は危険で、不注意では済まない。誠に申し訳ない」と陳謝。「今回のような事故が2度と起こらないように、安全確認の徹底を優先させたい」と強調した。カラスの駆除は、庄内たがわ農協が県猟友会に依頼し、市の許可を受けて21日から実施していた。市は26日、許可を取り消す方針。
(雷鳥からのメッセージ:山梨)
低山の動物であるシカやサルがなぜ、ライチョウの生息域の高山帯に入り込んできたのだろうか。多くの専門家は人為的な要因を指摘する。長野県野生鳥獣対策室によると、南アルプスの長野県側のニホンジカの推定生息数は01年に約1万8858頭だったが、06年は約3万頭まで増加した。同県などによると、人間による駆除や捕獲が少なくなったことが背景にあるという。社団法人「大日本猟友会」(東京都)によると、78年度には全国に約42万人の猟師がいたが、この年を境に減少に転じ、07年度には約13万人となっている。高齢化が原因だ。一方、林業の衰退で森林が荒れ、低山にシカやサルの餌となる木の実が不足するようになった。増えたシカやサルが餌に困り、高山帯まで上がってきているとみられる。
(耕作放棄地、花園に:富山)
魚津市小菅沼地区の耕作放棄地約20アールで、地元住民らのグループ「小菅沼・ヤギの杜(もり)」が植えたマメ科の植物ヘアリーベッチの花が満開になった。放棄地は山の斜面にあり、高さ約50センチのヘアリーベッチの青紫色のかれんな花が咲き誇る。同グループは今年から、蜂蜜を採取するため、花のそばにセイヨウミツバチの巣箱を二つ設置した。同グループ副代表で、同市鹿熊、農協職員金森喜保さん(55)は「良い蜂蜜が取れれば」と期待する。同グループはサルなどから農作物を守り、放棄地を再生するため、2007年から約50アールの放棄地にヤギを放牧し、現在は12頭を飼育する。ヤギの体臭などでサルを追い払うほか、ヤギに雑草を食べてもらうことで雑草も駆除する。同グループは雑草を駆除した土地を耕し、ヘアリーベッチやブルーベリーなどを育てている。
(カラスの仕業か、レールに置き石:神奈川)
24日午後2時45分ころ、小田原市酒匂1のJR東海道線鴨宮-国府津駅間で、熱海発東京行き上り電車の運転士が異常な音に気付き、緊急停止。運転士が調べたところ、付近に砕けた拳大の石があり、下りレール上にも石があった。乗客にけがはなく、電車は12分後に再発車、後続電車が2分遅れた。小田原署によると、午後4時ごろ、付近でカラスが石をついばんでいるのを運転士が目撃したことなどから、カラスの仕業ではないかと調べている。
(カード利用者保護強化法、「銃規制緩和」潜り込む:アメリカ)
米国でこのほど成立したクレジットカードの利用者保護を強化する法律に、本題とは関係のない銃規制を緩める条項が盛り込まれた。共和党のコバーン上院議員の主張を受け、国立公園の中で弾丸を込めた銃の携帯を原則として認める内容だ。全米ライフル協会(NRA)は「常識的な措置」と支持する一方、銃規制の強化を求める勢力は反発している。カード業界への規制強化は金利引き上げや営業方法の条件を厳しくして、個人破産が広がるのを防ぐのが目的。米議会での審議の終盤になって銃規制の緩和を巡る条項が表面化し、賛否両論が広がった。

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5/25
(猟友会員「初歩的ミス」「家屋に銃口向けた」:山形)
鶴岡市内の害鳥駆除で起きた散弾銃による発砲事故は、再三の注意が必要な危険な作業の手順徹底を改めて突きつけた。軽傷だったが、家屋内の居住者を突然襲った重大な事故。周辺住民からは「なぜ民家に銃弾が」と疑問の声が相次いだ。別の猟友会メンバーは「家屋に銃口を向ける初歩的なミス」と指摘。数十年続く駆除だが、対応に慣れや油断はなかったか、十分な検証と対策が求められる。「1発目の銃声で目が覚め、数秒後の2発目が台所に飛び込んできたみたい。孫は『痛い』と叫び、首は赤く腫れ上がっていた」銃弾で首にけがを負った女子高校生(17)の祖母は表情をこわばらせた。家族が発砲を止めさせたが、猟友会メンバーは「地面に向かって撃っていたが、跳ね返った」などと釈明して謝罪したという。鶴岡市は、有害鳥獣駆除の許可を出す際、鳥獣保護法に基づき〈1〉住居の近くで発砲しない〈2〉チラシや張り紙などによる実施日時の周知徹底〈3〉地理に詳しい地域住民を同行させる――などを定めている。同市藤島庁舎によると、散弾銃を用いた駆除作業は、毎年の田植え直後に実施。近くに住む40歳代の男性は、「昔は1軒1軒口頭で日時を教えてくれたけど、今年は2週間ほど前にチラシが配られただけ」と不安を口にした。

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5/24
(カラス駆除の散弾で女子高生が軽傷:山形)
24日午前6時25分ごろ、山形県鶴岡市無音の農業、今野敬志さん(47)方で、地元猟友会の男性メンバーがカラス駆除で発射した散弾数発が窓から入り、うち1発が台所にいた高校生の長女(17)に当たった。長女は首に約1週間のかすり傷を負った。ほかに被害はなかった。県警鶴岡署や消防によると、現場近くでは、有害鳥獣駆除の許可を受けた地元猟友会が猟銃を使用してカラス駆除を行っていた。女子高生は台所で炊事中で、散弾は網戸を突き抜けて当たったという。同署で、猟友会のメンバーから事情を聴くなどして、詳しい事故原因を調べている。
(渡り鳥激減、温暖化?:宮城)
昨冬中に宮城県内で確認されたガンやハクチョウの数が例年より少なかったことが、宮城県のガンカモ科鳥類の生息調査で明らかになった。「暖冬の影響で、冬を越すために南下する必要が薄れた」(自然保護課)とみられる。故郷に向けて飛び立つ「北帰行」も早まり、気候の異変が渡り鳥の生態を変えつつある。生息調査は毎冬、11月から3月にかけて3回実施。昨シーズンも県内約480か所の飛来地で自然保護員らが調べた。3月調査で確認されたハクチョウ類は1175羽。3000羽を超えた前年同期の4割程度にとどまり、現行の調査地点数になった2001年以来、最少だった。ガン類は1134羽(前年同期比84%減)、カモ類も2万7208羽(同19%減)と減少が目立った。今年1月の調査でもガン・ハクチョウ・カモ類の合計は前年同期を約1万6000羽下回った。県自然保護課は「暖かい気候で宮城以北での越冬が可能になり、飛来数が減ったのでは」とみる。ハクチョウやカモの北帰行も例年より2週間ほど早かったという。ハクチョウ類は主な飛来地だった伊豆沼や化女沼、白石川などで微減し、ほかの地点で増えた。飛来地が分散したことについて、同課は「餌付けをやめた影響が考えられる」と説明する。環境への配慮や鳥インフルエンザ対策を理由に、ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(栗原、登米市)など各地で昨冬から餌付け自粛の動きが広がっている。ガンやカモの観察を15年間続けている県伊豆沼・内沼環境保全財団(栗原市)の島田哲郎主任研究員は「かつて本県が北限だったマガンの越冬地が90年代後半以降、少しずつ北上している」と指摘。中継地に過ぎなかった秋田県や北海道の湖沼で12月に姿が確認されるなど、気候変動の影響で渡りにも変化がみられるという。
(シカ、シシ肉の衛生管理マニュアル:大分)
県は、捕獲したシカやイノシシの肉を安心して食べてもらうため、狩猟時や食肉処理、販売店などの衛生上の注意点をまとめた「衛生管理マニュアル」を作成した。今年秋からは、販売される肉に狩猟免状番号を明示するトレーサビリティー(履歴管理)も導入し、消費拡大を目指す。小規模集落では、農作物を食い荒らすシカやイノシシなど有害鳥獣の駆除が懸案となっている。県は今年度から5年間の年間捕獲目標について、シカが現在の1・5倍に当たる1万5000頭、イノシシは1・2倍の2万2000頭と設定。ジビエ(狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉)料理の考案などにも取り組んでいる。マニュアルでは、狩猟者に対し、血抜き後の速やかな食肉処理施設への搬入を要請。食肉処理施設には、損傷部位などの確認や出荷時のトレーサビリティー表示を求めている。販売店や飲食店には、十分加熱した料理の提供などを呼びかけている。県内では、シカ肉を刺し身など生で食べた人が、サルモネラ菌やO(オー)157による食中毒になった事例が過去に発生している。県食品安全・衛生課は「決して生では食べないでほしい」と話している。
(イノシシ被害から市民守る:佐賀)
武雄市は22日、イノシシ被害の軽減と住民の安全確保を目的に、「いのししパトロール隊」を結成した。パトロール員2人と、指導員を務める猟友会メンバー1人の計3人を一組とする4班が、被害状況の聞き取りや柵の設置調査、イノシシ出没地の確認などを行う。事業費は年間2000万円で、期間は3年間。業務は武雄杵島森林組合に委託。ふるさと雇用再生基金事業を活用し、同森林組合が年に8人を臨時職員として雇用、パトロール員になってもらう。1か月の勤務日数は、パトロール員が20日程度、指導員が6日程度という。溝上正勝・市いのしし課長は「パトロール隊が集めた情報を、効果的なイノシシ被害対策に役立てたい」としている。初日は出発式が行われ、パトロール員が軽トラック4台に分乗して業務についた。その一人の同市武雄町、松尾昌吉さん(43)は「勤めていた材木販売会社が倒産し、アルバイトをしたり家業の農業を手伝ったりしていた。イノシシ被害の深刻さを知っているので、力になれればと思い応募した」と話していた。
(不発弾、陸自処理できず:沖縄)
3月24日に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブで発生した爆発事故以降、シュワブと金武町のキャンプ・ハンセンでの不発弾の爆破処分ができず、処理作業が滞っていることが21日までに分かった。陸上自衛隊第一混成団が明らかにした。同団第101不発弾処理隊の担当者によると、米軍が事故原因の調査などをしているため、同隊が処理を申請しても許可を出さないという。処理できていない分は読谷村にある県の保管庫に置かれている。保管庫は火薬量換算で10トンまで保管でき、現在は3・5トン。同隊によると、不発弾は発見現場で爆発・焼却処理ができなかった場合、信管離脱などの安全処理をしてから保管庫に保管する。その後、米軍キャンプで爆破するか、外注企業に県外での処理を委託するという。爆発事故は3月24日午前11時15分ごろ、キャンプ・シュワブ内の廃弾処理場で、旧日本海軍の砲弾を処理中に爆発し、海兵隊員1人が死亡した。廃弾処理場は、米軍と自衛隊が、県内で発見された沖縄戦時の不発弾や演習による不発弾の処理・爆破訓練で使用している。
(レンジャー隊、初出動:和歌山)
住民だけでは持て余す難題に力を貸す田辺市職員による「レンジャー隊」が、第1回事業として超限界集落の同市龍神村菅野(すげの)で、獣害防護柵の設置作業に汗を流した。レンジャー隊は今年度発足した。自主参加で、職員913人のうち118人が登録。要請を庁内メールで一斉案内し、仕事に支障のない職員が参加する。この日は隊員8人と龍神行政局職員や地域住民ら計25人が参加。田畑を囲むように約5メートル間隔で支柱を立て、幅約2メートルのネットを340メートルにわたり張り巡らせた。奈良県境にある菅野地区は、3世帯4人の住民が73~80歳の超限界集落。田畑約1ヘクタールを耕作し、山仕事をしている人もいるが、10年ほど前からシカやサルなどによる農作物被害が深刻化している。最長老の松本哲さん(80)は「食害もさることながら、作物の植わった所を踏み荒らされると気持ちがなえる」と言う。防護柵は700メートルの設置を計画しており、残りは後日張る。ネット代など40万円は市が全額を負担する。
(丹沢のブナ林、再生期し視察:神奈川)
ブナの立ち枯れや土壌の流出などが問題になっている丹沢で22日、松沢成文知事と、シンガー・ソングライターでかながわ環境大使の白井貴子さんが自然再生の取り組み現場を視察した。松沢知事らはまず、登山口から1時間ほど歩いて「堂平」に。美しいブナ林がある一方、シカの食害が問題になっている場所だ。シカよけのさくに囲まれた場所にはササが生い茂っているが、さくの外は地面が露出。そのため土が斜面をずり落ち、木の根っこがむきだしになっている。県はシカの管理捕獲に取り組むとともに、シカに食べられないように木の幹に網を巻いたり、土留めで土の流出を防いだりする実験をしている。その後丹沢山(1567メートル)の山頂でブナの立ち枯れやフロン濃度などを計測する装置を視察。松沢知事は「シカは悪者ではなく、元々自然の中にいた。山が再生されれば生きる場所も出来るはず」。県出身の白井さんは「ふるさとにブナ林があると聞いて喜んでいたが、現状を知ってショック。人間がやったことだから人間が元に戻さないと」と話した。
(因島でイノシシ防護柵設置:広島)
イノシシによる農作物被害が深刻化している尾道市因島の畑で23日、防護柵の設置作業があり、艦艇の定期修理に伴い滞在している海上自衛官がボランティアで手伝った。ユニバーサル造船因島事業所に入港中の輸送艦「くにさき」など4艇の乗組員37人が、因島重井町の重井東部ほ場(18ヘクタール)で農家55人と一緒に作業をした。忍び返しに折り曲げたワイヤネット(高さ1メートル、幅2メートル)1800個をくいで固定し、3.2キロにわたって張り巡らした。市因島総合支所によると08年度の旧因島市域のイノシシ被害はかんきつや芋類など約1300万円。5年前の2倍に増えている。自衛官の参加は昨年に続き2回目。同ほ場の防護柵総延長は約10キロになった。
(クマ目撃:広島)
22日午前9時ごろ、庄原市西城町油木、農業、高原芳典さん(62)が同町大屋大戸、旧大戸小学校付近の県道近くの墓地でクマを目撃。市西城支所へ届けた。高原さんによると、クマは体長約1・2~1・3メートル。南側の山に逃げ込んだという。

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5/22
(ニホンジカ捕獲数、下伊那で4千頭超:長野)
飯田下伊那地方で2008年度中に狩猟や個体数調整(駆除)で捕獲されたニホンジカは計4354頭に上り、過去最多になったことが21日、県下伊那地方事務所のまとめで分かった。ニホンジカによる農作物への被害が深刻になる中、市町村や猟友会が積極的に駆除に取り組んだ成果を反映。
(クマ2頭出没:秋田)
21日午前5時ごろ、大潟村字東野の八郎湖残存湖の堤防に2頭のクマがいるのを三種町の農業男性(65)が目撃、五城目署に届け出た。残存湖に囲まれた干拓地での出没情報に、村民からは「まさか」といぶかる声も上がったが、日没前には1頭が射殺され、開村45年目にして「初めて」(村猟友会)の“上陸”が確認された。クマはどうやって村へ渡ったのか—。村の東南にある大潟橋。ここから約5キロ北の東部承水路脇の堤防で、2頭は目撃された。発見した男性からは離れていたため大きさは分からなかったが、男性は「クマに間違いない」と確信し通報したという。農作業中の男性(30)はこの話を聞き、「(水に囲まれた)こんな場所にクマが出るのか?」と耳を疑った。村によると、出没地点の堤防のコンクリート上には、クマが水を振るったような濡れた場所があった。県自然保護課の担当者は「山中で川を渡ることはあるだろうが、底に足がつかない承水路を泳ぐことができるのか」と驚く。だが、橋などほかの場所に目立った痕跡は見つからず、泳いで渡った可能性が濃厚だ。村は住民に注意を喚起するため、午後4時に高橋浩人村長を本部長とする「熊出没対策本部」を設置。それから約2時間半後、体長約1メートルの雄グマ1頭が大潟橋付近で有害駆除により射殺された。22日も午前4時から、残る1頭の捜索を行う。
(実弾?人事院総裁あてに郵送)
人事院の谷公士総裁あてに、散弾銃の実弾とみられる金属片とともに脅迫文が郵送されていたことが警視庁丸の内署への取材でわかった。同署は金属物を鑑定し、脅迫の疑いで捜査している。同署によると、脅迫文は東京・霞が関の人事院に届き、20日午前9時10分ごろ発見された。封筒の中に金属片とともに、「血税をガブのみし、国益より省益を優先している」「速やかに辞任しなければ、貴殿の一命もしくは家族の命をもらう」などと手書きされた便箋(びんせん)4枚が入っていた。差出人は「一国民」となっていたという。
(カモのヒナ放鳥:千葉)
茂原市立西小学校(糸井仁志校長)の5年生たちが20日、近くの学習田にカモのヒナを放鳥した。地元の農業、湯浅久幸さん(56)が協力する稲作体験活動の一環。児童たちは、4月末に自ら手で田植えを終えた約330平方メートルの水田で、有機栽培による米づくりを学んでいる。この日は5年生男女52人がアイガモのヒナ40羽を放った。ヒナとはいえカモに触れるのは全員初めて。ヒナを両手のひらで包みこむように持ち、放つのも忘れて「かわいい」とほおずりする子も。カモはこれから7月初めまで水田の雑草や害虫駆除の役目を果たすという。湯浅さんは「一つ一つの農作業を通じで環境を大事にする気持ちを学んでほしい」と話している。

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5/21
(クマに襲われ男性けが:山形)
20日午前11時15分ごろ、金山町下野明の山林で、ワラビ採りをしていた近くの建築業丹昇さん(64)がクマに襲われ、顔や胸を引っかかれて同町立金山診療所で治療を受けている。軽傷という。新庄署によると、丹さんは同日午前11時10分ごろ、1人で入山。沢沿いでワラビを採っていた際、足元にいるクマに気付いたという。クマは体長約1メートル。丹さんは顔などを引っかかれたが、クマの腹部をけって追い払った。丹さんは軽トラックで自宅に戻り、同診療所に行った。鈴やラジオなどは携行していなかった。現場は上台川に架かる下野明橋の近くで、民家から約300メートル離れている。金山町は地元猟友会と協議し、捕獲用のわなを設置。町防災無線やパトカー巡回などで住民らに注意を呼び掛けた。
(イノシシ肉加工施設で竣工式:栃木)
県内初の施設として先月十日から本格稼働している那珂川町の「イノシシ肉加工施設」の竣工式が二十日、同町和見で、関係者約百二十人が出席して行われた。全国公募していた愛称「八溝ししまる」やシンボルマークが披露されたほか、シシ肉のフランス料理やウインナーの試食も行われ、害獣から一転、すっかり姿を変えた特産品に参加者たちは舌鼓を打った。施設は木造平屋、延べ床面積約八十八平方メートルで、総事業費約三千八百万円。稼働開始からすでに十四頭を加工処理しているという。竣工式で川崎和郎町長は「加工した肉をブランド化し地域活性化につなげたい」などとあいさつ。式後、真空調理で軟らかくしたモモ肉にブルーベリーなどのソースを添えた料理などが振る舞われ、試食した女性(62)は「軟らかくてとてもおいしい。イノシシがこんな高級料理になるなんて」と笑顔で話していた。ウインナーやハムは同町小口の「ばとう手づくりハム工場」で購入できるほか、近く町内の道の駅などで八溝産のイノシシ料理を楽しめる。
(大成、鹿島に実弾?)
大手ゼネコン、大成建設(東京都新宿区)と鹿島(港区)の各支店や、新宿区で両社がそれぞれ施工する大規模建設工事の現場事務所の計4カ所に、ライフル銃の銃弾のような金属が入った封筒が郵送されていたことが警視庁の調べで分かった。同庁は、火薬類取締法違反容疑などで差出人の特定を急ぐとともに、金属の鑑定を進めている。また、工事を巡り嫌がらせなどのトラブルがなかったか両社関係者から事情を聴いている。捜査関係者によると、銃弾のような物が入った封筒は今月中旬、大成建設東京支店(新宿区西新宿6)と現場事務所(同区西新宿8)、鹿島の東京建築支店(港区元赤坂1)と現場事務所(新宿区北新宿2)の計4カ所に届いた。いずれも都内の同じ郵便局の消印が押されていた。差出人の名前は書かれていなかったが、封筒の形状が似ていることなどから、警視庁は同一犯の可能性が高いとみている。東京都などによると、両社が施工しているのは、新宿副都心の再開発に伴い複合ビルやマンションなどを建設する各1000億円規模の大型プロジェクト。既に着工しており、11年度中の完成を目指している。大成建設広報部は「当局が捜査中であり、コメントは差し控えたい」、鹿島広報室は「当局の指導もあり、コメントは控える」としている。
(民家の庭でキジが卵温める:広島)
廿日市市原の会社員田中修二さん(37)宅の庭で、キジが巣を作り、12個の卵を大切に温めている。愛鳥家は「人目につきやすい庭に巣を作るのは珍しい」としている。巣は庭の一角に茂るローズマリーの根元にある。4月下旬、田中さんの妻の友美さん(36)と、近くに住む母親の国子さん(68)が見つけた。当初は5、6個だった卵が、日を追って増えていった。国子さんは「孫が近くを走り回っても、親鳥はじっと卵を温め続けている」と感心していた。卵は温め始めてから約20日でふ化する。

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5/20
(クレー射撃協会ついに法廷闘争へ)
日本オリンピック委員会(JOC)は19日の理事会で、役員改選をめぐり内紛が続く日本クレー射撃協会について、麻生太郎会長を支持する「旧執行部」が、独自に新会長を選んだ「新執行部」と法廷で争う見通しであることを報告した。18日に「旧執行部」側がJOCを訪れ、法廷闘争の意向を報告した。同協会では3月の総会で麻生会長再選を支持する執行部と反対勢力が対立。反対勢力が独自に新会長を選んだ「新執行部」と「旧執行部」が反目する異例の事態が続いている。組織の混乱で準備が間に合わず、8月に熊本県で予定されたアジア選手権開催を返上。東京五輪招致活動中の失態に懸念の声があがっている。JOCはすでに2009年度の補助金支給などを差し止めており、混乱収拾まで続ける方針。
(クレー内紛、法廷闘争か)
内紛が続く日本クレー射撃協会で麻生太郎会長を支持する「旧執行部」が「新執行部」を相手取り、訴訟に持ち込む方針を日本オリンピック委員会(JOC)に伝えたことが分かった。19日のJOCの理事会で報告された。両者は3月29日の総会が成立したかどうかをめぐって対立する。旧執行部が役員改選は継続審議と主張するのに対し、麻生会長の再選に反対する勢力は独自に会長ら新役員を選出し、実質的に協会運営を始めた。
(シカ肉の品質アップへ衛生講習会:大分)
鳥獣被害対策を兼ねたイノシシ、シカの肉の活用を促進するため、県は食肉処理、流通段階の衛生管理の確保、強化に取り組む。新たに狩猟免許所有者や食肉処理業者を対象にした衛生講習会を始める。シカ肉などを地域の特産品や名物料理にする取り組みも始まっており、誰が捕獲したかを確認できる「トレーサビリティー(生産履歴)」の仕組みも導入する。イノシシやシカは山中で捕殺されることが多く、十分な衛生管理が必要となる。食肉としての信頼性を高め、おいしく品質の高い加工品の原料にするためには、捕獲時の適切な処理とその後の管理が重要になっている。狩猟免許所有者に対しては、免許切り替え時の講習会に合わせて講習会を実施する。衛生的な血抜きの方法や用具の管理などを新規作成した衛生管理マニュアルに沿って指導する。七月の大分地区を皮切りに県内四カ所で開く。トレーサビリティーの導入は、仮に食中毒などの問題が発生した場合に流通系路をさかのぼって調査、原因の究明ができるようにして信頼性を高めるのが目的。狩猟免状番号の表示で個体ごとの管理を行う。狩猟が解禁となる十一月の実施を予定している。県内の各保健所を通じた食肉処理施設、食肉販売店、飲食店への指導も徹底。消費者に対しては生で食べず十分に加熱するよう啓発を強化する。昨年度県が実施した調査では、中山間地の小規模集落の抱える課題として、鳥獣被害がトップに挙がった。肉の活用に関しては、由布市湯布院町でのジビエ(野生獣肉)料理の創作や、杵築市山香町での処理施設の整備といった取り組みが始まっている。県食品安全・衛生課は「有効な利用ができなければ駆除は進まない。衛生管理を万全にして商品価値を高めていきたい」としている。
(南アルプス一帯でニホンジカの生息状況調査)
関係市町村や県、南信森林管理署、信州大学などでつくる南アルプス食害対策協議会は今年度から、南アルプスの広範囲でニホンジカの生息状況などを調査する。調査期間は今年度から5年間。南アルプスの広範囲で、ニホンジカの生息状況や植物の被害状況を把握するほか、対策を調査研究する。具体的には、シカの行動を追跡調査するため、GPS発信機取り付けを現在の1頭から4頭に増やすほか、群れの大きさや出没頻度を調査するため、仙丈ケ岳の薮沢源流付近に赤外線センサーカメラを設置する。調査は信州大学に委託する予定。今年度の事業費は580万円で、財源は林野庁からのモデル事業負担金を充てる。会長の小坂樫男伊那市長は、「中山間地域の農業への被害が深刻化している。有効な対策手段が見つかるようお願いしたい」と話した。
(ニホンジカ発見、先月は最多109頭:長野)
県環境保全研究所と県霧ケ峰自然保護センターが春、秋の年2回、霧ケ峰高原で実施しているニホンジカのライトセンサス調査で今年4月、1回の調査としては過去最多の109頭を発見していたことが分かった。調査は各時期4、5回の平均値で比較するため、この数字だけでは判断できないが、同研究所は「3けたは初めて。増加がさらに進んでいる可能性がある」と注目している。ライトセンサスは夜間、定めたルートに車をゆっくり走らせ、両側をライトで照射、光るシカの目で頭数を数える。生息数の推定などに用いる。霧ケ峰では2004年秋から大門峠-強清水の16キロ、踊場湿原-八島湿原の10キロ区間で調査を続けている。これまでの調査結果では、06年までの平均発見頭数は20頭前後で一定。07年春から増加傾向に転じ、08年秋は53・0頭と最高を記録していた。今春の調査は4月に3回実施。うち1回が109頭を数えた。同研究所の岸元良輔専門研究員は「印象として大きな群れに何回か遭遇した。あまり見たことのない若いオスの群れもあり、これまでとは違う感じがした」という。別の2回の調査は、ともに30頭前後だった。7月までさらに2回実施、平均値を出す。岸元研究員は「現時点では何とも言えない。ただ増加傾向は確かで、標高の比較的低い場所というより、霧ケ峰そのものの範囲で繁殖していると考えられる」と話している。
(クマ目撃数が大幅減:富山)
今年1~5月期のクマの目撃件数や足跡など痕跡の発見件数が、統計のある2005年以降で最少となりそうだ。理由について県自然保護課は、山菜などクマの食料が豊富だったと推測するが、はっきりした理由は「分からない」と首をひねる。県によると、19日までのクマの目撃情報や、足跡など痕跡の情報は計46件。昨年1~5月期には92件あったが、今年は大幅に下回る。市町村別では、南砺市の24件が最も多く、富山市7件、黒部市6件、小矢部市3件――などとなっている。クマの目撃は、山菜採りなどで入山する人が多い5月頃に増える傾向にある。1~5月期の目撃、痕跡件数は最も多かった05年が145件で、06年85件、07年86件だった。また今年は、いずれも目撃情報などで、クマに直接危害を加えられたケースはない。昨年同期には、人身被害が2件で3人が被害に遭い、うち2人が重傷。06年同期も2件の被害があり、2人が重傷となった。野生動物の生態に詳しい富山市ファミリーパーク(富山市古沢)の山本茂行園長は、暖冬で雪が少なかったことの影響を指摘する。降雪が少ないとクマの黒っぽい色が目立たず発見しづらいことや、クマが食料を得やすくなることなどが、理由として考えられるという。ただ、初夏にかけてエサとなる山菜などが少なくなるため、県は「山に入るときは、鈴などでクマに存在を知らせるなど十分注意してほしい」と呼びかけている。

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5/19
(猟友会、今年初の出動:山梨)
山梨市牧丘町地区を拠点とする牧丘猟友会が9日、今年初めて行った有害鳥獣駆除に同行した。近年、県内ではニホンジカによる農作物の食害が深刻化しており、同猟友会は昨年は約30回、主に市の依頼で駆除に出動した。午前8時、メンバー10人が集合。この日の駆除場所は牧丘町北原周辺で、午前は標高約1500メートル、午後には約2000メートル付近まで登る計画だ。メンバーは各自が持つ無線機の周波数を合わせ、早速山に入った。まず、足跡やふんなど、シカの痕跡を探す。ハンターが位置に着くと、獲物を追い立てる勢子(せこ)役が猟犬とともに山林内に入る。ハンターはその間、獲物が猟犬に追われて飛び出してくるまで、じっと待ち構える。事故を防ぐため、全員が目立つオレンジ色のチョッキを着ている。ドーン!--散弾銃の発砲音が突然、山中に響き渡った。記者がいた地点とは別の所で、シカが仕留められたようだ。この日は推定2歳の雄と3歳の雌1頭ずつを捕獲。捕獲後は肉の劣化を防ぐため、素早く解体される。ベテランになると10分以内で終えるという。メンバーたちは反省会を兼ね、内臓肉の焼き肉を囲んだ。高級とされるもも肉やロースは、均等に分けて持ち帰るのが慣例だ。藤波敏会長(72)は「メンバーはそれぞれ仕事があって大変。でも、求められればいつでも駆け付けます」と話した。
(ツキノワグマ、わなにかかる:滋賀)
16日午前5時半ごろ、高島市今津町角川(つのがわ)の石田川沿いの山中で、イノシシやシカ用のわなにツキノワグマがかかっているのを、約300メートル離れた集落に住む住民が発見し市に通報した。県自然環境保全課によると、捕獲されたのは体長1・4メートル、体重110キロのオスの成獣。同日午後5時ごろ、現地から離れた山中に放した。ツキノワグマの捕獲数は08年度は1件。今年度は初めて。
(アライグマ捕獲:佐賀)
佐賀県武雄市武雄町の武雄競輪場の駐車場付近市道でこのほど、雌のアライグマが見つかり捕獲された。16日午前10時すぎ、通行人の110番通報で武雄署員が現場へ駆け付けると、体長約50センチのアライグマが―。見た目の愛くるしさとは裏腹に、凶暴な性質といわれるが、このアライグマは暴れることもなく署員に手で捕まえられた。4月以降、市内でアライグマが捕獲されたのは2回目。繁殖すれば農作物や人的な被害も考えられるだけに、4月にいのしし課を発足させた同市では「イノシシ被害だけでなく、アライグマ対策も考え始めないと」と話している。
(シシ肉で地域おこし:大分)
杵築市山香町で、今春完成した食肉加工施設を活用し、農林業などに被害を与えるイノシシやシカの肉を地域活性化につなげる取り組みが始まった。町内の温泉宿泊施設「風の郷」では、施設で加工した肉を使った料理を開発、二十日からはシシ肉のサンドイッチを販売する。山香町内には、保健所の許可を得た食肉加工施設がなかったが、ことし三月、県の補助を受け、町内内河野に加工処理施設「山香アグリ」(鶴成宏代表)が完成した。現在、施設では鶴成代表が捕獲したイノシシやシカを加工しているが、今後は、県北地区の猟師からイノシシなどの買い取りを始める計画。捕まえたイノシシはすぐに血抜きして内臓を取り、真空パックに入れて冷蔵庫に保存、「臭みがなく、あっさりとした、脂の乗った肉に仕上がる」という。肉は風の郷をはじめ、町内のスーパーや県外のハムメーカー、東京都内の居酒屋などに出荷。風の郷は、四月からイノシシ肉のコロッケやカツなどの料理を提供している。新たなメニューとなるイノシシ肉のサンドイッチ「志士サンド」は五百円で販売、持ち帰りもできる。料理長の中山田正幸さん(42)は「シシ肉はコラーゲンも多く、女性に喜ばれる。いろんな料理を出して、親しみやすくしていきたい」と話している。
(クマを目撃:福島)
18日午後3時ごろ、福島市佐原字竹ノ森の山中で、山菜採りをしていた市内の60代の男性がクマに遭遇し、福島署に通報した。同署によると、男性は山菜採りの最中、木に登っていく子グマとみられるクマを見つけた。男性は近くに親グマがいると思い、現場を離れて通報した。現場付近では2日には約1・5キロ東側の山中で山菜採りの男性がクマに襲われ、重傷を負っている。
(カラスから身を守れ)
5月から8月にかけてはカラスの子育て期間で、1年のうちで最も攻撃的になっている時期。特に巣の近くでは警戒心が強く、人が襲われる例もあるので注意が必要だ。わが身を守るために、カラスの生態を知っておこう。先月中旬、東京都港区で車から降りた直後の女性がカラスに襲われ、頭頂部を負傷。二年前には、港区の青山霊園で男性が「頭をくちばしでつつかれ、出血した」と管理事務所に駆け込んできた-。これらは都への報告例で、都自然環境部は「カラスに襲われる例はそれほど多くないが、注意は必要」と呼びかけている。都によると、カラスの生息数は二〇〇六年度を底に再び増加し、〇八年度は都内四十カ所に二万千二百羽を確認。前年度から三千羽も増えていた。都心部では大きな木の上や電柱、鉄塔など高いところに巣を作る。「停電につながりかねない」と、東京電力は電柱などの巣の撤去を進めている。都内二十三区を管轄する東京支店は昨年三月から八月末までに子ども百五十一羽、卵四百六十三個を捕獲した。都心のカラスは、主にハシブトガラス。繁殖期のカラスはつがいで暮らし、巣作りする時期(三-四月)、メスが三-五個の卵を産み、ふ化するまでの時期(四-五月)、子どもに食べ物を運ぶ子育て時期(五-六月)を経て、八月ごろまでに幼鳥が巣立つという。巣立ちといっても、すぐ飛び立てるわけではない。通常は約一週間、生い茂った枝の上で飛ぶ訓練をするが、誤って地面に落ちる子どももいる。日本野鳥の会の安西英明主席研究員は「落ちた子どもの近くを人間が通り掛かると、子どもを守らねばと思った親鳥が襲うことがある」と解説する。カラスが人間を襲う場合、人間の視界から外れた後方の上空から背後を狙うのがパターンだ。都自然環境部計画課の竹内高広係長は「被害者から事情を聴くと異口同音に『いきなりやられた』と話す」と証言するが、安西研究員は「カラスの習性として、襲う前、何らか威嚇行為をしているはず。人間が気づいていないだけだ」と指摘する。カラスの威嚇方法として枝や葉を落とすこともあるが、基本は声を出して警告する。威嚇対象に向けて大声を出したり、鳴きながら上空を旋回したりする。ハシブトガラスの成鳥は「カァー」「アァー」と澄んだ声で鳴くが、子どもは「ンアァー」と、こもったような甘ったるい声になる。安西研究員は「子どもの声が聞こえた場合、そこから遠ざかれば攻撃されずに済む。そのためにもハシブトガラスの声を覚えてほしい」とアドバイスする。口の中が真っ赤なのもハシブトの子どもの特徴。エサを求めてよく鳴くので注意して見てみよう。ただし大きさで判断しないように。子どもだが、大きさは親鳥(全長約五十六センチ)とほぼ同じで五十センチ以上ある。襲われないためには「巣の周辺に近づかない」(竹内係長)ことが重要だ。ビルの屋上や樹上で見張ったり、子どもに与えるエサでのどを膨らませているカラスを見かけたら、近くに巣がある可能性が高い。どうしても巣の近くを通らなければならない場合は傘をさそう。安西研究員は「カラスは警戒して襲ってこなくなるし、仮に近づいてきても傘を振り回して対抗すればいい」と助言。竹内係長は「カバンや雑誌を頭上にかざすだけでも、カラスに対する抑止力になる」と話している。

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