<射撃ニュース6月>

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(クレー協会への補助金保留を解除へ)
日本オリンピック委員会(JOC)は16日、総務委員会総会を開き、日本クレー射撃協会に対する補助金の支給留保などの措置を解除する方針を明らかにした。同協会は役員改選をきっかけに、08年度までの任期だった麻生太郎会長(首相)の再選を支持する従来の執行部と、協会運営に反発して新会長に平井一三氏を推すグループの対立が表面化。JOCは協会内部の混乱を理由に、09年度の補助金を差し止め、関連会議への協会役員の出席を認めていなかった。協会は11日の総会で平井氏を会長とする執行部案を承認。文部科学省も議事録提出を条件に、新執行部を認める判断を下していた。JOCの市原則之専務理事は「文科省や日本クレー射撃協会から事情を聴いた上で、解除の手続きを進めたい」と述べた。
(脂肪少なくヘルシー「鹿コロッケ」好評:鳥取)
鳥取県若桜町のボランティアグループ、わかさ制作振興会(山本賢二会長)の「鹿コロッケ」が人気だ。同会はこれまでにも、町の名物だった「さば天うどん」を復活させたほか、町内で栽培したナタマメを活用した「大刀(なた)豆茶」の特産化に成功。鹿コロッケも町の“名物料理”として売り出す考えで、町の活性化に一役買いそうだ。若桜町では野生のシカやイノシシによる農作物被害が発生。猟友会の会員が駆除を目的に捕獲しており、同会が、肉の有効活用と、話題性のある創作料理で町のにぎわいを取り戻そうと鹿コロッケを考案した。いためたシカ肉に独自に調合した香辛料を加え、ジャガイモやタマネギと混ぜ合わせて揚げている。カレー風味とプレーンタイプの2種類があり、同町若桜の「道の駅若桜」の向かいに今月7日にオープンしたレストラン「夢豆庵」のメニューに加えたところ、脂肪が少なくて高タンパクなヘルシー料理として人気になった。女性客にも「くせがなく健康的」と好評。同店の泉谷峯子店長は「時代に合ったヘルシー感覚の料理。こだわりの味を楽しんでほしい。今後はイノシシ肉を使用した料理も提供したい」と話している。
(クマ目撃情報、ほぼ連日:秋田)
タケノコ採りが盛りの県内で、クマの目撃情報が相次いでいる。県警には約1カ月前からほぼ連日情報が寄せられ、特に6月に入ってからは過去5年の月間最多を上回るペース。県警は猟友会員らとともに各地で警戒に当たっている。県警生活環境課によると、これまでの目撃総数は昨年に比べて少ないものの、今月に入ってからは急増し半月で29件。過去5年で月間最多の昨年の55件を上回る勢いだ。目撃者の大半は、山菜やタケノコ採りでの入山者だが、田畑や民家、学校近くなどでの目撃も相次いでおり、白神山地のブナ原生林を守る会理事長の鎌田孝一さん(79)=藤里町=は「木の実がなる広葉樹林が激減した影響でクマが里まで下りるようになり、人間の住むエリアに踏み入ることに抵抗感が薄れたためではないか」と推測している。
(田沢湖畔で車とクマが接触:秋田)
県内では16日もクマの出没が続き、仙北市の田沢湖畔では車との接触事故も起きた。仙北署によると、同市西木町西明寺字潟尻の湖畔の県道で午前5時半ごろ、同市西木町西明寺の男性(62)の軽トラックが山側から飛び出してきたクマと接触。クマは湖側にそのまま道路を横切った。男性にけがはなかった。同9時ごろには、五城目町富津内の五城目第一中学校近くで体長約1メートルのクマが目撃され、同校はグラウンドでの体育を屋内に切り替えた。また、大館市小袴字小袴では民家から約20メートルの市道に出没、美郷町金沢東根では町道を横切るクマが目撃された。
(山林の開発に伴い、ヤマドリの生息環境が脅かされています)
ヤマドリはキジ科の鳥で、本州と四国、九州だけに生息する日本固有種。開発が進む前は身近な鳥だったが、今や実物を知る人は少ないだろう。その姿を手軽に楽しむには、動物園を訪ねるのがいい。08年末現在、全国14カ所の動物園でヤマドリが飼育されている。最も力を入れているのは井の頭自然文化園(東京都武蔵野市、三鷹市)。5月下旬から人工授精で生まれた卵が次々とふ化し、育雛(いくすう)器に移されたひなたちが元気に歩き回っている。無事、成長すれば他園にも移され一般公開される。ヤマドリは生息地域によって尾羽の形や羽の色が異なり、コシジロヤマドリ、アカヤマドリ、ウスアカヤマドリ、シコクヤマドリ、キタヤマドリの五つの亜種に分類されている。1955年から飼育を始めた同園には国内の動物園で唯一、全亜種がそろう。亜種の維持に努めてきた。88年に研究家から人工授精の技術協力を得て、初めて人工ふ化・育雛に成功した。雄は気性が激しく、雌を一緒にしておくと繁殖期に争いを起こす場合がある。動物園の限られた空間では逃げる場がなく、けがや命を落とすことがあるため、1羽ずつ飼育している。加えて04年には複合飼育と自然繁殖を目指し、コシジロヤマドリの雄雌各2羽をニホンリスやシジュウカラなどもいる「リスの小径」(645平方メートル)に移した。翌年、二つの卵の産卵を確認。この時はふ化に至らなかったものの、自然繁殖への期待が高まっている。普段ヤマドリは山奥の森でひっそりと暮らし、ほとんど鳴かず、単独行動を取っているとされる。だが詳しい生態や生息数はいまだに分かっていない。ヤマドリを取り巻く環境は厳しい。森林伐採や林道の整備で生息地域は狭まるばかり。また、キジ同様に狩猟鳥で、ハンターが狩猟できる数を確保するために、全国各地で人工繁殖させたヤマドリが放鳥されており、違う亜種どうしによる交雑が進むことが心配されている。キジも昔は4亜種だったが、交雑が進み区別できなくなってしまった。同園の小林和夫副園長は「このままだとヤマドリも何もわからないうちに5亜種がぐちゃぐちゃになってしまう」と早急な実態調査を求めるとともに「野生で五つの亜種が生き残っていけるよう動物園間で協力し、問題提起していきたい」と話す。井の頭自然文化園では毎月第2土、日曜、第3日曜、第4土曜の午後1時半、東京動物園ボランティアーズ(会長・正田陽一東京大学名誉教授)が生態や観察方法を解説する「ヤマドリガイド」を行っている。
(仙山線、停電トラブルで2本運休)
17日午前7時40分ごろ、仙台市青葉区上愛子のJR仙山線愛子―陸前白沢駅間で架線に異常が発生して停電し、約10分間運転を見合わせた。JR東日本仙台支社によると、カラスが架線に接触したのが原因とみられる。影響で普通列車上下2本が運休し、上下6本が最大17分遅れ、約1700人に影響が出た。

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6/16
(県立射撃場移転に反対陳情:山梨)
山梨県立射撃場(韮崎市)の甲州市への移転計画に対し、移転先となる甲州市塩山上小田原地区の小松尾(こまとお)集落に住む住民らが15日、計画中止を求める陳情を県教委スポーツ健康課に行った。住民らは「民家から約460メートルと近く、騒音や鉛による水質汚染などの問題もある」と主張した。一方、県教委は「安全性には気を配り、ライフル競技の振興や有害鳥獣の技能維持に必要」としている。同射撃場をめぐっては、平成10年に流れ弾が一般住宅に当たる事故が起き、周辺住民が反発。県教委は甲州市の市有地に23年度に移転し、射場を1面増の5面とする方針を示している。
(航空学園に脅迫文:山梨)
甲斐市宇津谷の日本航空学園(梅沢重雄理事長)に昨年4月と今年4月、航空機の離着陸の中止を迫る脅迫文が送り付けられていたことが12日、分かった。昨年4月の封筒には、銃弾1発が入っていた。韮崎署は同一犯の可能性があるとみて脅迫などの疑いで調べるとともに、パトカーによる警戒を強化している。同学園によると、昨年4月7日、同学園あてに白い封筒が郵送された。中には火薬が入っていない薬きょう付き銃弾1発(長さ約5センチ)と、B4サイズの紙が入っていて、「(北東に隣接する)ショッピングセンターのオープン後の飛行は一切行わないこと。忠告を無視した場合の代償は覚悟すること」と、ワープロ文字で書いてあった。今年4月20日には「ショッピングセンターがオープンする(4月)25日から飛行を中止すること」とする文書が茶封筒で届いた。B4サイズの紙にサインペンで、角張った文字で手書きされていた。銃弾は入っていなかった。差出人はいずれも住所が東京都杉並区内だったが、住所も名前も実在しなかった。今年送られてきた封筒には、「新宿」の消印が押されていた。同学園はいずれも郵送された当日、韮崎署に脅迫の疑いで被害届を提出。教職員に事実関係を伝えて巡回を強化し、ショッピングセンターなど関係機関にも連絡した。同署は警戒を強めている。同学園は「脅迫される心当たりはない。生徒たちの学びの場に銃弾を送り付けるのはとんでもない行為。生徒の安全を第一に考え、航空機の飛行にも細心の注意を払っている」としている。
(シカよけ防護ネット設置へ:長野)
長野、山梨両県の八ケ岳連峰一帯の保護や魅力の紹介に取り組む「南北八ケ岳保護管理運営協議会」は15日、茅野市役所で理事会を開いた。茅野市・佐久穂町境の麦草峠にシカよけの防護ネットを設置したり、シカの食害調査に取り組んだりするほか、長野、山梨両県で八ケ岳登山の案内標識を統一するなど本年度の活動計画を決めた。
(アライグマ被害に注意を:富山)
飼育や輸入が原則禁止の特定外来生物に指定されるアライグマが15日までに、富山市の県自然博物園ねいの里の園内で確認された。アライグマは京都や奈良の寺社で国宝や重要文化財を傷つけ、全国的に農作物を食い荒らす被害をもたらしており、同園では「生息範囲を調べて動向を注視したい」と警戒を強めている。ねいの里の間宮寿賴主任(35)は昨年9月11日夜7時半ごろ、園内の水生庭苑横の道を横切るアライグマを見掛けた。その後の消息は不明で、間宮主任は「野生のものか、人間の持ち込んだものかは不明。富山市内で分布を広げている恐れもある」と話す。アライグマは昨年8月に高岡市赤祖父で捕獲されて以降、県内の生息状況は確認されていない。2007年度に2306頭のアライグマを捕獲した北海道ではトウモロコシやスイカなどの農業被害額が9年間3千万円前後を記録している。京都では昨年、浄瑠璃寺(じょうるりじ)の国宝の三重塔を傷つけ、奈良では東大寺の柱につめあとを残すなどの被害があった。県内の農作物を食い荒らす生物はこれまでイノシシやハクビシンが知られていたが、県内全域での分布が確認された場合、アライグマがこの一群に加わる恐れもある。生息範囲を調べている富山市ファミリーパークの村井仁志係長(44)は「アライグマが市内全域でも定着しているのか調べたい」と話しており、危険性を把握して来園者らに知識の普及を図る予定だ。県生活環境文化部自然保護課では「1匹のみの確認ではペットの可能性が高い。情報を集め、生息範囲を調べたい」としている。
(クマの目撃相次ぐ:秋田)
14日から15日にかけて県内6市町でクマの目撃が8件相次いだ。鹿角署によると、14日午後7時半ごろ、小坂町の七滝小学校まで約300メートルの町道に体長約90センチのクマが出没。北秋田署によると、15日午後4時半ごろ、北秋田市の合川南小学校まで約200メートルの県道に約1メートルのクマが出没した。そのほかの目撃場所は次の通り。▽14日=北秋田市小森の国道285号、同市浦田の国道105号、能代市母体の水田▽15日=大館市板沢の農道、大仙市土川の県道、美郷町金沢東根の町道。
(「箕面市サル餌やり禁止条例(素案)」に対する市民意見募集:大阪)
市では、天然記念物「箕面山のサル生息地」に生息する野生のニホンザルを本来の自然群としての生活を取り戻させることを目標に、野生喪失の主要因である人からの餌やりを禁止し、もって、人間とサルが共生していける環境を整備するための一助とすることを目的とし、餌やり行為を禁止するため、過料も可能とする条例の制定を進めている。この条例制定素案について、広く市民の意見を募集するため、パブリックコメントを実施しています。

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6/15
(ハト死骸投棄の容疑者起訴:山形)
寒河江市の農業用水路で足が切られた大量のハトの死骸(しがい)が見つかった事件で、山形地検は10日、同市寒河江、ダンプ運転手、渡辺誠容疑者(53)を動物愛護法違反罪と廃棄物処理法違反罪(不法投棄)で山形地裁に起訴した。地検によると、渡辺被告は「レースに出場しなくなり、ハトが増えすぎて困った。レースで主力にならない2歳バトを中心に選んで殺した」などと供述しているという。起訴状などによると、渡辺被告は、5月2日ごろから17日ごろまでの間、同市の自宅鳩小屋で飼育していたハト125羽に餌を与えず衰弱させたり、首を引っ張るなどして殺し、15日ごろ~17日ごろの間、2回に分け、用水路に投棄した。地検の菅野俊明次席検事は「殺したハトが大量であることなどを考慮した」と起訴の理由を話した。
(タケノコ採り男性がクマに襲われけが:秋田)
13日午前6時ごろ、鹿角市八幡平熊沢の山林で、タケノコ採りをしていた秋田市の60代の男性がクマに襲われ顔などにけがを負った。命に別条はないという。鹿角署の調べでは、男性は同日午前5時半ごろ1人で入山しタケノコ採りをしていた。同6時ごろ体長約1メートルのクマ1頭と遭遇。いきなり襲いかかられ、顔をひっかかれ、左腕をかまれた。同署は、他の入山者にパトカーで注意を呼びかけた。また北秋田市小森タモノ木でも同日午前9時ごろ、民家から約50メートル離れた畑で体長約60センチのクマ1頭が目撃された。
(シカと列車の衝突相次ぐ:岐阜)
14日午後7時10分ごろ、岐阜県のJR東海高山線の下油井(白川町)-飛騨金山(下呂市)間で、名古屋発高山行き特急「ワイドビューひだ17号」とシカ2頭が衝突。約1時間後には約50キロ離れた同線の久々野(高山市)-渚(同)間で飛騨古川発美濃太田行き普通列車とシカ1頭が衝突した。JR東海によると、2列車の乗客計約120人にけがはなかったが、安全確認のため特急に約40分、普通列車に約20分の遅れが出た。JR東海では6月に入り、シカと列車の衝突が相次いでいる。
(イノシシに食われ1万株全滅し、はす祭り中止:兵庫)
豊岡市出石町奥小野地区の休耕田30アールで栽培しているハスがイノシシに食い荒らされ、7月19、20日に予定していた第7回奥小野はす祭りが中止となった。住民らでつくる奥小野はす同好会が、10年前から1万株を育て、6年前から祭りも開いてきた。ハス田の周囲に電気さく(高さ1.2メートル)を設置しているが、雪でさくが埋まったところをイノシシが入り込み、レンコンを食べ尽くしてしまった。奥谷栄次代表(67)は「これまでも獣害はあったが、全滅したのは初めてで大変残念。電気さくを高くするなど対策を考えたい」と話している。
(ヒツジの力を借り遊休農地を再生へ:長野)
上田市武石地域で農村体験ツアーの受け入れなどに取り組む住民グループ「信州せいしゅん村」が、遊休荒廃農地を再生して農業体験の場とする「懐かしの村」づくりを進めている。泊まりがけや日帰りで訪れた人が、農村の日常を味わうことができるサービスを提供していく予定だ。田畑で働きながら地域住民と交流し、小動物とも触れ合うことができる場を目指している。現在約2ヘクタールの土地を借り受けている。ここをメンバー29人で整備していく。訪れた観光客も農業を体験できるよう「自由農園」と名付け、苗植えから収穫までの体験ができるようにする。借り受けた土地には雑木や雑草が生い茂っているため、6月初旬に購入したヒツジ10匹を放して雑草を食べさせている。市武石地域自治センターが昨年6~10月、この地にヒツジを試験放牧したところ、ソバなどを食い荒らすシカが現れなかったことから、食害防止にも期待がかかる。県の地域発元気づくり支援金を利用する。20日にはミニトマトやホオズキの苗を植える。興味のある人の参加を呼び掛けている。グループ代表で「むらおさ」の小林一郎さん(58)は「地域住民と都市住民が一緒に農村を守っていければ」と話している。
(尾瀬でシカ捕獲本格化)
尾瀬国立公園の湿原植物がニホンジカの食害に遭っている問題で、環境省と福島県桧枝岐村が本年度、規制が最も厳しい特別保護地区に含まれる尾瀬沼近くの大江湿原、浅湖(あざみ)湿原で、シカ捕獲に乗り出した。これまでは周辺部での捕獲に限っていたが、方針を転換した。貴重な高層湿原の保全のため、国立公園の核心部での捕獲に踏み切ったが、シカを完全排除するまでの道のりは長そうだ。「大江湿原のニッコウキスゲが絶滅する恐れがある。このままでは湿原全体が駄目になってしまう」。観光立村を掲げる桧枝岐村の星光祥村長の危機感は強い。特別保護地区は落ち葉の採取さえも禁じられるなど、あらゆる行為が厳しく規制される。そこでのシカ捕獲に踏み込まざるを得ないほど、湿原の状況は深刻だ。ミツガシワやニッコウキスゲなどの食害だけでなく、湿原の踏み荒らしも目立つ。尾瀬にはもともとシカは生息していなかったが、暖冬・少雪などの影響で入り込むようになり、1995年ごろに被害が出始めた。環境省や地元自治体はシカ管理方策検討会を組織。生息数や被害状況の調査、狩猟や個体数調整などに取り組み、シカの生育密度を引き下げようとしてきた。だが、尾瀬のシカの推定生息数は98年度の90頭から、2008年度は305頭にまで増加。被害面積の割合は大江湿原で2.1%、浅湖湿原で2.0%に拡大した。尾瀬ケ原の木道周辺での被害も大きくなっている。「従来の方針では、被害の拡大に歯止めがかからない」と、環境省関東地方環境事務所は強調する。尾瀬の生態系は、シカの影響を受けない条件下で成立してきたとして「尾瀬からのシカ排除」を最終目標に掲げる。環境省は08年度、尾瀬沼への経路に当たる群馬県片品村に高さ2.4メートル、長さ3.7キロの「長距離シカ遮断柵」を設置した。大江、浅湖湿原での捕獲と併せた両面作戦を展開する。捕獲計画によると、5月20日~7月31日と10月に、発信機の付いた「足くくりわな」を尾瀬沼周辺に40基、御池に10基設置する。山開き前の4月下旬~5月19日と、シーズンオフの11、12月は猟銃を使う。4月以降、特別保護地区内で捕獲したのは県の試験捕獲を含めた3頭(11日現在)で、いずれもわな。環境省と村は「天候不順や雪の影響で思ったように進んでいないが、次第に成果は上がってくる」と予想する。ただ、尾瀬沼周辺と並ぶ観光地点・尾瀬ケ原での対策は手つかずのままで、「範囲が広い上、移動経路が特定できないなど難しい面が多い」(関東地方環境事務所)という。環境省桧枝岐自然保護官事務所の仁田晃司自然保護官は「尾瀬沼での取り組みを成功させて尾瀬ケ原の対策につなげ、いずれはシカを完全排除したい」と説明する。福島大の木村吉幸教授(動物生態学)は「シカの食害の影響は深刻だが、特効薬はない。捕獲や柵の設置、移動経路の解明などを地道に続けるしかない」と、息の長い取り組みを求めている。
(黒沢湿原のサギソウ園で堀と柵設置:徳島)
三好市池田町漆川の黒沢湿原のサギソウ園で、イノシシの食害を防ごうと、市が園の周囲に堀と柵を設けた。堀と柵が設けられたのは、湿原に4カ所あるサギソウ園のうち、最も奧の園。地元の林業研究グループ・馬路夢いっぱい会が管理している。同園は、遊歩道沿いで約200平方メートル。周囲に幅2メートルの堀を設けたほか、堀の内側に沿って木のくいを2メートル間隔で打ち込み、ロープで囲った。事業費は約40万円。昨年6月、同園はイノシシに荒らされ、約3000株のうち7割が掘り返されたり、根が食べられるなどの被害にあった。このため、市が同会と協議し対策を講じた。同会は、2002年からサギソウの群生復元に三好高校や池田中学校の生徒と取り組んできた。20日にはサギソウの苗約400株を植え付ける。
(飲酒運転ではねた小学生を狩猟用銃で殺害:韓国)
光州(クァンジュ)北部警察署は12日、飲酒運転で小学生の男児をはねた後、狩猟用の銃で撃って殺害した疑いで、イ容疑者(48、室内装飾業)に対する逮捕令状を請求した。警察によると、酒を飲んだ後に運転していたイ容疑者は4日午後8時30分ごろ、光州市北区日谷洞(イルゴクドン)の交差点でA君(10、小4)をはねた。A君は当時、テコンドー道場から帰る途中だった。イ容疑者は倒れたA君を車に乗せて10キロほど離れた全羅南道潭陽郡古西面(チョンラナムド・ダムヤングン・コソミョン)の貯水池付近に逃げ、助手席でうめいていたA君に狩猟用の銃4発を撃って殺害した疑いだ。イ容疑者は死亡したA君を乗せてまた10キロほど移動し、潭陽郡南面の山の中に遺体を遺棄した容疑も受けている。警察は、イ容疑者が事件直後、周囲の人に「交通事故で死亡した子どもを田舎に捨てた」と話したという情報を受け、イ容疑者を検挙した。当初イ容疑者は「事故の後、怖くなって昌平面(チャンピョンミョン)の崖から落とした」と供述したが、国立科学捜査研究所の解剖検査の結果、A君が銃で死亡したことが確認された後、犯行を自白した。A君が行方不明になった後、家族はビラ4000枚を配布しながらA君を捜していた。

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6/12
(クレー射撃協会の3月から続く混乱が収拾へ)
役員改選で内紛が続いた日本クレー射撃協会は12日、前日の総会で平井一三会長(66)の「新執行部」が承認されたことを文部科学省競技スポーツ課に報告し「報告内容の通りなら問題はない」という見解を得た。3月から続く混乱が収拾に向かう見通しとなった。文科省は総会議事録などの提出を求め、事実関係を確認する。日本クレー射撃協会への選手強化交付金や補助金などを差し止めた日本オリンピック委員会(JOC)は同協会から説明を受け、文書での正式な報告を待って差し止めを解く方針を示した。日本クレー射撃協会は3月の総会で、麻生太郎会長の再選を支持する執行部と反対勢力が対立。新会長を独自に選んだ「新執行部」と「旧執行部」が争う異例の事態となっていた。
(クレー協会、文科省に新執行部体制を報告し承認される)
日本クレー射撃協会は12日、文部科学省を訪れ、前日の総会で平井一三氏を会長とする新執行部体制が承認されたと報告した。同協会は、08年度まで任期だった麻生太郎会長(首相)の再選を支持する従来の執行部と、協会運営に反発して平井会長を推すグループが対立していた。文科省は正式な議事録の提出を求め、手続きを確認したうえ新執行部を認める方針。日本オリンピック委員会(JOC)も関係書類の提出を受けて、留保している09年度の補助金を支給する。同協会の大江直之事務局長は「クレー射撃は(東京が立候補している)16年五輪でメダル獲得が有望な種目。選手強化もあり、一本化に向け努力を続けてほしいと指導された」と話した。
(新執行部を基本的に了承、JOCは補助金支給再開へ)
日本クレー射撃協会は12日、文科省を訪れ、前日の総会で平井一三氏を会長とする執行部人事案が承認されたことを報告した。文科省では「報告が事実なら問題ない」との見解を示した上で、議事録などの正式な書類の提出を求めた。これを受けて日本オリンピック委員会(JOC)でも執行部承認などの正式文書の提出がされ次第、留保していた2009年度の補助金支給などを行う方針。同協会の大江直之事務局長は「文科省には了解いただいたのと同時に、選手強化に悪影響を与え兼ねないので、引き続き一本化に向けた努力をしてほしいとの指導も受けた」と語った。
(猟銃問題、原田伸郎さんの立件見送り:滋賀)
びわ湖放送(大津市)のテレビ番組内で、滋賀県余呉町の猟友会男性(49)が無許可で猟銃を番組に持ち込み、タレントの原田伸郎さん(57)に手渡した問題で、県警生活環境課と木之本署は12日、猟友会の男性のほか、同社の当時のゼネラルプロデューサー(60)(現・契約社員)とディレクター(37)の男性2人を銃刀法違反(携帯違反)容疑で書類送検した。厳重処分を求める意見書を付けている。一方、原田さんについて「不法に所持しようという意思がなかった」として、立件は見送った。発表などによると、男性は1月17日、ゼネラルプロデューサーらに依頼され、余呉町内の施設でテレビ番組「ときめき滋賀’S」が生放送された際、正当な理由なく自宅から猟銃を持ち込んだ疑い。原田さんの所属事務所は「今後は番組制作の打ち合わせ段階から、法的に問題がないか、しっかりと確認していきたい」としている。びわ湖放送の話「社員が書類送検されたことを重く受け止めている。今後は番組制作・放送に際し、違法性がないかなど一層慎重に検討を加え、対応していく」
(散弾銃盗難の2被告、窃盗容疑などで再逮捕:埼玉)
さいたま市岩槻区で4月、民家から散弾銃が盗まれた事件で、県警捜査3課と越谷署などは11日、千葉県野田市東金野井、無職、小枝恭利(27)▽松伏町松伏、無職、篠崎佐知男(23)の両被告=窃盗罪などで起訴=を、窃盗と銃刀法違反、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)などの容疑で再逮捕した。県警によると、いずれも容疑を認めているという。容疑は4月21日午後、岩槻区の男性(63)方から現金約82万円と散弾銃3丁、散弾実包109個などを盗み、銃と実包を28日まで野田市内の貸し倉庫に隠したとしている。県警によると、散弾銃が使用された形跡はない。2人の自宅や車などから、盗品とみられる電化製品や貴金属、バッグなど約1000点を押収。篠崎容疑者は「150件くらい盗みに入った」と供述しているといい、裏付け捜査を進める。
(イノシシ被害、出没範囲さらに拡大:宮城)
仙台市内でイノシシによる農作物被害が拡大している。2008年度は、被害の急増が指摘された07年度よりさらに出没範囲が広がり、被害額も約2倍になった。生息数が増えたのが原因とみられ、住民は対策と支援の強化を市に求めている。太白区秋保町長袋の集落では、5月半ばごろから12カ所の畑でジャガイモやタマネギが食い荒らされた。くいを打って網を張り巡らせた畑もあったが、突破されたという。ジャガイモ畑が被害に遭った陶芸家の大場拓俊さん(52)は「自衛しても無駄だと思うと、みんな畑を耕す気がなくなる」と嘆く。秋保地区では、数年前から一部地域でイノシシが出没していたが、今年は全域に範囲が広がり、被害が増えた。車両とぶつかる事故も今年に入って既に3件起きている。市農業振興課によると、08年度のイノシシ被害は210件で、金額ベースでは487万円。07年度よりそれぞれ1.7倍、2.1倍に増えた。地域的には、07年度に被害が目立った青葉区大倉などに加え、08年度以降は秋保町の湯向、青葉区の下愛子や郷六、太白区坪沼などでも出没している。市は頭数を把握していないが「繁殖力が強く、ここ数年でねずみ算式に増えた」(農業振興課)と推測する。市は、柵の設置が被害防止に最も有効だとして、青葉区大倉などで山際に電気柵を巡らせる取り組みを進めているが、山と平地が入り組む複雑な地形では効率が悪いため設置しにくいなど限界がある。こうした状況を受けて、秋保地区の町内会関係者は9日、駆除のための捕獲わなを増やすことや、農家などの対策費への経済的な支援を充実させるよう市に求めた。要望した地元町内会の佐藤龍夫さん(69)は「秋保地区は自給目的で畑を耕す高齢者が多い。被害の拡大を防ぎ、耕作を放棄してしまう人が増えないよう支援してほしい」と訴える。市は要望を踏まえて新たな対策を検討するが、手詰まりの状態。「被害の拡大が急すぎる。予算にも限りがあり、即効性のある解決策は見当たらない」(同課)と頭を抱えている。
(アライグマによる農作物の被害深刻化:和歌山)
北米原産のアライグマの子ども3匹が先月中旬、和歌山市の民家屋根裏で見つかった。5、6月は出産のピーク。可愛らしいイメージだが、実は凶暴な外来種で、農作物の被害も深刻化している。ここ数年、特に県北部で急増しているとみられ、県自然環境室は「近付くのは危険なので、見かけたらすぐに市町村に連絡を」と呼びかけている。同市弘西の一人暮らしの女性(79)は5月中旬、屋根裏を何かが歩き回る音に気付いた。知人に相談してわなを仕掛け、捕まえると体長約20センチの子どもアライグマ3匹。親は捕まっていない。捕獲した県猟友会の上木場春好さん(61)によると、アライグマは排水溝内を移動して民家に侵入することが多いという。田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さん(52)によると、アライグマはこの時期、1~6匹、平均3・2匹を出産。安全な場所を探して屋根裏や納屋で子育てするという。繁殖力は在来種のタヌキの方が強いが、アライグマは成長が早く、成獣はタヌキの1・5~1・8倍になる。県によると、従来は紀南などでよく捕獲されたアライグマが、特に伊都、那賀地方で急増している。07年の県内捕獲数は739頭で、5年前の5倍に。民家だけでなく、ホテルで捕獲された例もある。農作物などの被害も深刻で、08年の被害額は約3332万円。イチゴやスイカ、ビワなどに加え、コイや鶏なども襲われている。特定外来生物被害防止法で、在来の生態系へ影響を及ぼし農作物への被害をもたらす特定外来生物に指定され、輸入や飼育は禁じられている。発見されれば、狩猟免許のある人や同法に基づく講習を受けた人らが捕獲し、紀美野町の県鳥獣保護センターで処分する。しかしなかなか捕獲が追いつかない状態で、県自然環境室は「病害虫をもつ場合も多い。見付けた場合は市町村役場に連絡して」と呼びかけている。
(アライグマ激増、15年後に100倍も:兵庫)
兵庫県での農作物の被害額が全国最悪となっている外来種の「アライグマ」について、現状では約15年で現在の100倍に増える恐れもあるとの研究結果を、県森林動物研究センター(丹波市)がまとめた。頭数の抑制には毎年、全体の33%を捕獲する必要があるとし「現在の捕獲頭数は不十分」と指摘している。県内でアライグマが目撃され始めたのは1990年代。神戸などで見つかり、2000年代になって阪神、播磨、丹波に生息区域が拡大した。農業被害も急増。07年度の被害額はイチゴをはじめトマトやスイカなど総額5340万円となり、2年連続で全国最悪だった。動物による農業被害ではシカ、イノシシに次ぎ3番目に多い。同センターは07年から生息実態と駆除策を研究。農家へのアンケートや捕獲後の解剖結果を分析した。その結果、頭数は年1・5倍のペースで増えており、毎年、全体の約33%を捕獲しなければ増加を抑えられないと分かった。県内の生息数は不明だが、07年度の捕獲数は2779頭。目撃情報や農業被害の増加状況から、坂田宏志主任研究員は「今の捕獲数は生息数の5%程度の可能性もある」と推測する。駆除策としては、出産期前の3~4月中旬と、子どもが独立する7月ごろ、重点的に捕獲檻(おり)を置くことが効果的としている。食害対策では電気柵の有効性を確認した。坂田研究員は「出没を察知して早い段階で対策を取れば、農業被害を軽減でき、捕獲数も少なくてすむ。行政や農家の連携が必要」と話す。研究結果は同センターのホームページで閲覧できる。
(クマにシカ、特急と動物の衝突相次ぐ)
11日午後8時50分ごろ、JR東海中央線の日出塩(長野県塩尻市)-贄川(同)間で、長野発名古屋行き特急列車「ワイドビューしなの26号」(6両編成、乗客約70人)が、クマと衝突した。贄川駅まで走行し車両点検、異常がなかったため約20分遅れて発車した。けが人はなかった。また、同9時半ごろ、JR東海紀勢線の滝原(三重県大台町)-阿曽(同県大紀町)間で、名古屋発新宮行き特急列車「ワイドビュー南紀7号」(4両編成、乗客約60人)がシカと衝突。安全確認後、阿曽駅を出発したところ、今度は別のシカとぶつかり、再び点検。けが人はなかったが計約20分の遅れが出た。JR東海では7日にも、飯田線の普通列車がシカと衝突、ブレーキが壊れ、乗客約30人が車内で約5時間足止めされた。同社によると、6月はシカの出没による列車の遅れが最も多い時期。
(クマ1頭目撃:青森)
11日午後1時半ごろ三戸町川守田大久保付近の県道で体長約1.6メートルのクマ1頭を、車で通り掛かった同町豊川の会社員男性(49)が目撃した。クマは道路を横切り近くの山林に入っていった。現場は旧三戸北小から北西へ約100メートルの地点。三戸署は町役場を通じ防災無線で注意を呼び掛けた。

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6/11
(平井体制、総会で承認)
役員人事をめぐって混乱している日本クレー射撃協会は11日、東京都内で総会を開き、京都府協会の平井一三会長を会長、広島県協会の福城一信会長を専務理事とする役員人事案を承認した。すでに3月の総会で可決済みともされていたが、その有効性について協会内で意見が分かれたため改めて審議した。この日の総会の出席者数は32人(委任15含む)で会議成立の最低条件である「総数(47)の3分の2以上」を辛うじてクリア、人事案は拍手による満場一致で可決された。運営の正常化を促していた所管官庁の文科省に12日に報告する。平井体制は4月から実質的にスタート。麻生太郎首相を「会長」とする従来の執行部はこれを不服として法的措置も辞さない構えを示しており、平井会長招集による今回の総会の無効を主張する可能性もある。
(クレー射撃協会、新執行部を承認 麻生会長ら旧執行部は法廷闘争も)
役員改選をめぐり内紛が続く日本クレー射撃協会は11日の総会で、3月末の総会で独自に新会長を選出した「新執行部」を改めて承認した。この日の総会は47人の正会員中、委任状を含めて3分の2以上に当たる32人が出席し成立した。3月末の総会では、麻生太郎会長再選を支持する執行部と反対勢力が対立。執行部は同総会を途中で散会としたが、会に残った人数が定足数を満たしていたため、反対勢力が「新執行部」を立ち上げ、互いが反目する異例の事態となっていた。「新執行部」は、文書による総会で改選の承認を得ており、この日の総会で再度承認を得た格好。12日に所轄官庁の文科省に経緯を説明し、新執行部として正式に承認を得る手続きを取る。しかし、旧執行部は先月、日本オリンピック委員会(JOC)を訪れ、訴訟に持ち込む意向を報告。8月に熊本県で予定されたアジア選手権開催を返上したほか、JOCが2009年度の補助金支給などを差し止めるなどしている。文科省の判断が注目される。
(混乱のクレー協会処分も=日体協)
日本体育協会(日体協)は10日の理事会で、役員改選をめぐり混乱が続く日本クレー射撃協会の現状を報告した。国体の予選や選手選考などに支障が出る恐れもあり、岡崎助一専務理事は「一つの競技団体として機能するように見守っているところ。国体委員会や倫理委員会で対応を検討していく必要もある」とし、混乱が収束しなければ何らかの処分を科す意向を示した。日本オリンピック委員会(JOC)は同協会の加盟団体としての権利を留保し、選手強化のための交付金支給を差し止めている。
(日本体協100周年、寄付金目標額は1億円)
日本体協は10日の理事会で、2011年に迎える創立100周年記念事業に充てる寄付金の目標額を1億円に定めたと報告した。7月10日から11年12月末まで、加盟団体や企業、個人から募集する。日本体協から独立した日本オリンピック委員会(JOC)も記念事業で協力する方針。役員改選で内紛が続く日本クレー射撃協会について、国体予選に支障がないかを調査中という報告もあった。
(散弾銃の実弾50発盗まれる:三重)
10日午後3時半ごろ、三重県伊賀市蓮池の三重上野射撃場で射撃をしていた名古屋市港区、自営業の男性(35)が「散弾銃の弾がなくなった」と伊賀署に通報した。同署は、何者かが実弾計50発を盗んだとみて、窃盗事件として捜査している。同署によると、同日午後2時ごろ、男性は射撃場の支柱に設置された台に実弾25発が入った箱を置き、友人ら2人と射撃を開始。射撃を終え、実弾の箱がなくなっていることに気付いた。射撃場から約30メートル離れた管理棟内の休憩室にあった男性の無施錠のケースからも、1箱実弾25発入りの3箱のうち1箱がなくなっていたという。
(県立射撃場移転、地区説明会で賛否:山梨)
県立射撃場の移転計画をめぐり、県教委と甲州市は9日夜、建設予定地がある同市塩山上小田原地区への説明会を同地区集会所で開いた。建設反対を訴える同地区小松尾組を対象とした5月に続く開催で、区の住民全体を対象とするのは昨年10月以来。住民からは鉛による環境への影響を懸念する声のほか、計画について賛否両論が上がった。住民約50人、行政側からは松土清県教育長や田辺篤市長も出席した。県教委担当者らが、建設計画に加え、鉛弾による水質汚染対策として少量の雨が鉛と接触し、排水中の鉛濃度が高くなる場合は鉛成分を取り除くことや、年に1、2回付近の水質と土壌の調査を行うことなど環境対策を説明した。住民からは「影響は20年、30年たってから出てくるもの。対策が十分なのか疑問だ」、「県の財政も厳しい中、多額の税金を使って射撃場を造る必要があるのか」など反発する意見が出た一方、「地域の活性化につながるのでぜひ造ってほしい」との声もあった。説明会後、松土県教育長は「住民からの指摘は真摯しんしに受け止め、安全安心の施設を第一に計画を進めたい」と話した。また、県教委は同日までに小松尾組が提出した建設中止を求める陳情書について「防災対策、鉛対策、騒音対策、景観対策などを実施する。ご理解とご協力をお願いいたします」などと文書で回答した。
(NHK広島に送られた金属片「38式歩兵銃の弾」)
NHK広島放送局に「赤報隊」と印字された紙とともに不審な金属片が送られてきた脅迫事件で、広島県警は11日、この金属片は旧日本軍が使用していた38式歩兵銃の弾とする鑑定結果をまとめた。東京の放送センターなど全国のNHK4カ所に送られたものも同様に38式歩兵銃のものだったことから、県警は一連の事件との関連について調べている。県警によると、金属片は長さ約7.5センチ。雷管は使用済みで発火薬は入っていなかったという。
(県が衛生マニュアル:大分)
安心してイノシシとシカ肉の消費を―。県は鳥獣被害対策で生じたイノシシとシカ両肉の活用促進に合わせて、解体処理や販売・飲食店の食中毒防止対策などをまとめた「衛生管理マニュアル」(A4判・36ページ)を作った。県内では地域特産品やジビエ(野生獣肉)の創作料理の取り組みが進んでおり、「消費拡大のためにも安全確保を徹底させたい」と話している。イノシシやシカはこれまで狩猟免状所有者が捕獲し、狩猟関係者間で消費してきたが、近年は地域特産品として活用する動きがある。しかし、全国的にサルモネラ菌や腸管出血性大腸菌による食中毒、肝炎患者が発生。県内でもシカ肉による食中毒(2000、01年・計12人)が起きている。その中、中山間地での鳥獣被害増加に伴い、県は年間捕獲頭数をイノシシは07年度の1万7700頭から2万2000頭(09年度から5カ年)、シカは9600頭から1万5000頭(同)に強化。県食品安全・衛生課は「捕獲頭数が増えるのに伴い狩猟関係者だけでさばけず、一般消費する機会も増える。安全性の確保は不可欠」としていた。マニュアルは食中毒防止の観点から、解体作業の手順や用具の消毒方法、販売店や飲食店での適正な取り扱いなどを明記。イノシシ、シカ両肉について、新たに導入予定の狩猟免状番号などを基に流通経路をたどることができる「トレーサビリィティー(生産履歴)」についても説明している。マニュアルは今年9月以降の狩猟免状更新の講習会などで配布。県は「マニュアルをつくることで食品衛生管理の意識を高めたい。シカ肉とシシ肉の安全につなげ、消費拡大につながれば」と話している。
(子ジカ動けず、住民ら無事祈る:京都)
10日正午ごろ、京都市左京区の高野川右岸で動けなくなった子ジカが見つかった。住民から連絡を受けた京都市の担当者は、けがの確認や保護はせず様子を見ることにしたが、住民らは「無事に帰ってほしい」と心配そうに見守っていた。近くに住む川本譲治さん(70)によると、この日午前6時ごろに親子連れのシカが河原を歩いていた。正午ごろ再び確認すると、子ジカだけが草むらに残っていた。子ジカはけがをしたらしく、動けなくなっていたという。その後、子ジカは高さ1メートルほどの草むらの根元で疲れ切った様子で横たわり、親ジカが見守った。小雨の中、川の水かさも増しており、川本さんの家族らは「流されてしまわないだろうか」と心配そうに話していた。
(「アライグマ楽園化」阻止:島根)
北米原産で日本には生息していないはずのアライグマの目撃情報が、県内で増えてきた。見た目の愛らしさとは異なる凶暴な一面を持ち、今のところ、田んぼに入って苗を踏み倒す程度だが、県外では神社仏閣の天井に住み着いたり、出荷前の農作物を食い荒らしたりする被害も。繁殖力も強く、県は「増えてからでは手の打ちようがない」と、警戒を強めている。元々は、1970年代のアニメ「あらいぐまラスカル」で人気を集め、ペットとして輸入され始めた。しかし、成獣になると凶暴になるため、手に負えなくなった飼い主が捨てて野生化する事例が全国で急増。農作物を食い荒らすだけでなく、野生動物の卵を捕食するなど、生態系にも深刻な影響を与えるほか、京都市の清水寺などでは梁(はり)を爪でひっかき大きな傷をつけたことも。回虫や狂犬病などを人間に媒介する恐れもあり、2005年には輸入や飼育が禁止される特定外来生物に指定された。県内では、97年に旧多伎町(現・出雲市)で初めて住民が目撃。04年頃から益田市や大田市、邑南町など県西部を中心に、国道などでひかれて死んでいたり、イノシシなどのわなにかかったりするケースが年1、2件発生し、08年には6件に増加。今年5月末には益田市の民家の倉庫に2頭が侵入、引き出しを開けてキャットフードをあさっている様子を監視カメラがとらえ、市は今月3日、メス1頭を捕獲した。母乳が出ており、子どもがいる可能性が高いという。鳥獣類の研究や対策に携わる「県中山間地域研究センター」(飯南町)は、現在は少なくとも数十頭が山間部などに生息していると推定する。特定外来生物は、外来生物法により捕まえて保管することが原則禁じられており、捕獲は容易ではないが、「100頭いれば2年後には200頭に増えると言われるほど繁殖率が高く、天敵もいないため爆発的に増える懸念がある。島根がアライグマの楽園にならないよう監視したい。目撃したら知らせてほしい」と呼びかけている。
(県内でクマ出没相次ぐ:秋田)
10日午後5時10分ごろ、北秋田市小森字下門頭の国道285号脇の山林で、クマ2頭を車で通り掛かった市内の男性が目撃、北秋田署に通報した。鷹巣南小学校まで約500メートルと近かったため、同署は午後7時半ごろまでパトカーで付近を警戒、住民に注意を呼び掛けた。放課後も部活動で残っていた児童約60人は、保護者の車やスクールバスで無事帰宅した。仙北市田沢湖玉川の山林では午前5時半ごろ、タケノコ採りをしていた北秋田市の男性が、ブナの木に登っているクマ1頭を発見。同8時ごろには、この近くでタケノコ採り中の女性2人が、おにぎりなどの入ったリュックサックをクマが荒らしているのを目撃、車を止めていた場所まで逃げて無事だった。仙北署によると、現場は玉川温泉から北東約1キロ。玉川地区では今月6日と9日、タケノコ採り中にクマに襲われ、2人がけがをしている。このほか、午後0時20分ごろ、大館市比内町味噌内字宿内中岱の畑で1頭、同0時25分ごろには、大仙市協和下淀川の山林で2頭が目撃された。
(クマはぎ防除策、テープ巻き付け:青森)
クマが針葉樹の樹皮をはいで食べる「クマはぎ」被害の防除策を探るため、青森県とむつ市、下北地方森林組合は10日、むつ市川内町のスギ林で調査を始めた。スギの幹にポリエチレンテープや荒縄を取り付ける方法を採用。3団体の職員10人が被害報告のあった民有林に入り、樹齢30年のスギ約90本にテープや荒縄を巻き付けた。テープの巻き付けは、岐阜県の研究機関が発案。クマが皮をむきにくくなって、被害が防止できると考えられている。県は今後、佐井村の山林でも同様の調査を開始する。10月に防除策を施した木を再調査し、有効性の有無を確認する。下北半島には相当数のツキノワグマが生息し、昨年度、県が確認したクマはぎ被害は約40件に上る。下北地域県民局は「木材価格の低迷に加え、クマはぎは林業に打撃を与えている。早急に有効な防除策を見つけたい」と話している。
(アイガモで農薬ゼロ:鳥取)
アイガモ農法の主役となるひな114羽が9日、南部町天万にある井田農園経営、井田真樹さん(45)の田んぼに放たれた。8月上旬まで害虫駆除、除草、田起こしに当たる。収穫されたら、農薬と化学肥料不使用の「合鴨(あいがも)米」として通常の2倍近い価格で販売されるという。5月25日にふ化したアイガモを井田さんが熊本から購入した。“アイガモ進水式”に招待された近くの町立さくら保育園児36人が、田植えが終わったばかりの約66アールの田んぼに放った。アイガモが泳ぎ始めると園児たちは「元気でねー」と声援を送った。収穫までの手入れはほとんどカモ任せという。井田さんは98年からアイガモ農法を続けており、田んぼ全体の117アールをカモに委ねている。収量は10アール当たり300~400キロで、除草剤と化学肥料を使った場合に比べ少ない。合鴨米は米子市内のスーパーで販売しているほか、井田さんがネット販売もしている。
(新潟市西区で790戸停電:新潟)
10日午後7時前、新潟市西区五十嵐2の町などで計790戸が停電、約1時間40分後に復旧した。東北電力新潟営業所によると、カラスが電線をつついて感電したことが原因。

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6/10
(県立射撃場、基準値超す鉛検出:秋田)
由利本荘市岩城の県立総合射撃場内にあるクレー射撃場の鉛散弾残存問題で、県教育庁が昨年度実施した土壌調査の結果、着弾場所など調査面積の約半分で国の環境基準値を超える鉛が検出されたことが9日分かった。同日開かれた県議会学術教育公安委員会で示された。同庁は「場外の環境汚染には及んでいない」としているが、汚染を心配する周辺住民は、鉛と汚染土壌の早期全量回収を訴えている。同庁によると、調査は昨年8月〜今年3月に行われ、対象は着弾場所と隣接する山の斜面の一部で計10万3500平方メートル。このうち深さ10センチの調査(355地点)では、5万7600平方メートル(298地点)で土壌汚染対策法で定める環境基準を超えた。深さ10センチで、鉛の溶出量は最大1リットル中1・9ミリグラム(基準値の190倍)、含有量は最大1キログラム中1万3千ミリグラム(同約87倍)を検出。最も深い50センチでは、溶出量が最大1リットル中0・53ミリグラム(同53倍)、含有量は1キログラム中1200ミリグラム(同8倍)だった。前回の05年度調査では、深さ10センチ(5地点)のうち1地点で基準値を超えた。
(クマ出没、樹齢250年の保存木に被害:宮城)
仙台市青葉区茂庭、折立両地区の住宅街などで今月に入り、ツキノワグマの出没が相次いで確認されている。大梅寺(同区茂庭綱木裏山)では、市の保存樹木に指定されている樹齢250年のコウヤマキが被害を受けた。両地区は、野生動物が数多く生息する蕃山のふもとに位置するが、これまでクマの目撃はほとんど報告されたことがない。市は「餌を求めて移動している可能性がある」と注意を呼び掛けている。クマが目撃されたのは2日朝。茂庭地区の運送会社前の路上と、折立小近くの住宅街で、それぞれ「子どものクマを見た」という通報が仙台北署に寄せられた。目撃情報があった地点に近い大梅寺では4日朝、境内を清掃中の男性が樹木への被害に気付いた。高さ24メートルのコウヤマキの樹皮が根元から約2メートルの高さまではぎ取られ、幹には複数のつめの跡が刻まれていた。クマが幹の中にあったスズメバチの巣を取ったとみられる。被害に遭った樹木は「大梅寺のこうやまき」として、市保存樹木に指定されている寺のシンボル。星悠雲住職(96)は「60年ほど前から寺で暮らしているが、クマを目撃したことはない。山奥ならともかく、人の近くに現れたのは不安」と話す。青葉区によると、ツキノワグマは蕃山をはじめ、区内の青葉山や権現森などでも生息が確認されている。ただ、蕃山東側の茂庭や折立での目撃情報は、最近では06年11月に一度あったきり。今回目撃された地点よりかなり南に離れた場所だったという。仙台市環境都市推進課の伊藤俊夫係長は「クマには縄張りがなく、餌を求めて移動しているのかもしれない。家の近くに生ごみを放置しないなど、被害に遭わないための対策が必要」と注意を呼び掛けている。
(パンタグラフにカラスが挟まり東北線、2本運休:宮城)
9日午前7時40分ごろ、仙台市宮城野区岩切のJR東北線岩切駅で、停車中の利府発仙台行き上り普通列車のパンタグラフにカラスが挟まっているのが見つかった。同列車の運行に支障はなく、時間通りに仙台駅に着いたが、点検のため折り返しの普通列車上下2本が運休、約500人に影響が出た。
(県過疎対策研究会、新たに提言まとめる:和歌山)
09年度末に過疎法が失効することを受け、過疎地域の問題を調べ、方策を検討してきた県過疎対策研究会(座長、横道清孝・政策研究大学院大学教授)が、新たな対策への提言をまとめた。過疎法に基づいて公示された県内過疎市町村は08年4月で13市町村。県面積の3分の2以上を占めるが、人口は22・3%。高齢化率50%以上の集落が193ある。提言は、過疎対策のあり方ついて、「地域が必要とする対策」「住民や行政の役割の整理」を挙げた。具体的な対策として、NPO法人などによる過疎地有償運送への支援制度▽新規定住者への経済的支援▽有害鳥獣捕獲のため、夜間駆除の実施を可能にするなどの規制緩和--などを示している。その上で「都市を支えてきた過疎地域の重要な役割を積極的に発信すべきだ」などとした。
(アライグマ駆除へ検討会:山梨)
県は特定外来生物に指定されているアライグマの駆除について協議する検討会を立ち上げる。県内での目撃情報が増加傾向にあることを受けた対応。協議結果を基に捕獲頭数の目標値設定も含めた駆除計画を策定する。検討会は動物の専門家や猟友会関係者で構成。農業被害が深刻化している他県の例も踏まえ、効果的な駆除方法について検討する。年度内にも駆除計画をまとめる。県みどり自然課によると、2008年度のアライグマの目撃情報は30件で、前年度から5件増加。地域別では富士北ろく東部地域が最多で13件、中北地域で10件、峡東地域で5件など。一方、県は昨年度、目撃情報を基に県内35カ所にカメラを設置。生息地域や個体数の把握を試みたが、カメラがとらえたのは1頭だけだった。これまで農業被害は報告されていないものの、「定住せず、餌場を求めて移り住んでいる可能性が高い。広範囲で繁殖している恐れがある」(同課)という。同課の担当者は「まだ実態が完全につかみきれていない。多くの意見を聞く中で有効な駆除方策を見いだしたい」としている。
(JR紀勢線「新鹿駅」付近、特急とシカ衝突:三重)
9日午後10時半ごろ、三重県熊野市のJR紀勢線新鹿(あたしか)駅付近で、名古屋発新宮行きの下り特急列車(4両編成、乗客約40人)にシカが衝突した。この列車が13分遅れた。同線では8日夜も、同県尾鷲市の九鬼駅付近で、特急列車がシカに衝突したばかり。JR東海広報部は「さくを設置するなど対策をしているが、なぜ2日連続でシカが衝突したのか分からない」と話している。
(田畑のシカ、イノシシ被害対策:長野)
シカやイノシシに里山の田畑が荒らされる被害が深刻化している。山間地の耕作放棄地に草が伸び放題となり、山と里の境界があいまいになってしまったのが一因とされる。そこで注目されているのが、“悪食”のヤギだ。牛が牧草などの柔らかい草しか食べないのに対し、ヤギは食べる草を選ばず、枯れ木さえ食べてしまう。1日に5~8キロも食べる“大食い”でもある。体重60キロ程度と扱いやすいのも特長だ。そんなヤギに目をつけ、耕作放棄地へのヤギの放牧を研究、推奨しているのは、独立行政法人「家畜改良センター」長野牧場(佐久市)。耕作放棄地の草を食べさせ、山と里の間に緩衝帯を作ろうというのだ。2006年から、ヤギを農家に貸し出している。4月中旬に、草がひざ丈くらいまで茂る土地に2頭のヤギを放せば、10月上旬には約1ヘクタールが数センチに刈りそろえたようになる。県内だけでなく、奈良、富山、山梨県などの農家にも貸し出しており、06年には4件10頭だったのが、09年は9件28頭に増えた。立科町の農業竹内愛国(よしくに)さん(64)の田んぼでも10年くらい前から、シカに苗を食べられるようになった。柵を張って対抗したが、「年をとって、それも大変になってきた」ため、昨年、管理する休耕地に長野牧場から借りたヤギを放してみた。すると、山の際にあった獣道からシカの足跡が見られなくなり、田畑の被害も減った。「最初は半信半疑。これほど見事に結果が出るとは……」と竹内さん。だが、長野牧場のヤギは本来、品種改良などの研究用。「うちにも貸して」という問い合わせもあるが、頭数には限りがある。その代わり、飼育方法の伝授や、放牧に必要な首輪やロープの貸し出しで、ヤギ放牧を広めたいという。長野牧場の土方浩嗣種苗業務課長(48)は「耕作放棄地の荒廃を防ぐには、地味ながら効果的。あちこちにヤギがいるようになればいいですね」と期待する。農林水産省の調査によると、08年度の全国の耕作放棄地は約23万1000ヘクタール。長野県は約1万5000ヘクタールで、鹿児島県に次いで2番目に多い。野生動物による農作物被害は07年度には全国で約185億円、県内で約10億円に上った。
(民家付近の畑でクマ目撃:青森)
9日午前11時半ごろ、平内町清水川大萢の民家近くの畑で、体長約1メートルのクマが畑を横切るのを、農作業をしていた無職女性(78)が目撃し、近くの駐在所に届け出た。現場は、国道4号から山側へ約600メートル入った地点で、北側約60メートルには民家があることから、青森署はパトカーで付近を警戒し、住民に注意を呼び掛けた。
(クマに襲われ61歳女性けが:秋田)
9日午前9時ごろ、仙北市田沢湖玉川の山林でタケノコ採りをしていた秋田市の女性(61)がクマに襲われ、腕や足などにけがを負った。仙北署によると、女性は同6時半ごろ、夫と知人夫婦の4人で国道341号の玉川温泉付近から入山、タケノコを採っていたところ、体長約80センチのクマに腕や足をかまれた。女性は夫らとともに約1キロ離れた国道まで逃げ、通り掛かったドライバーが119番した。女性は市内の病院で手当てを受けた。玉川地区では今月6日にも秋田市の男性がタケノコ採り中、体長約1メートルのクマに顔や腕などを引っかかれ大けがを負っている。
(“金属製”カラスの巣で停電:島根)
電柱の上部に金属製ハンガーなどで作られたカラスの巣が引き起こす停電に、中国電力島根支社(松江市母衣町)が頭を悩ませている。巣が原因とみられる停電は昨年、県内で5件起こっているが、鳥獣保護法の規定で卵があるとむやみに撤去できないのが現状。同支社は、産卵前か、ヒナが巣立った後かを見極めながら、巣を撤去したり移動したりの作業に追われている。4月20日午後7時前、斐川町上庄原や直江町の約450戸で停電が発生した。同支社が調べると、電柱の上部にカラスが巣作りし、材料に使われた金属製ハンガーが電線に触れて漏電、自動的に送電が停止されたためだった。巣を取り除き、約2時間後に復旧した。同支社によると、カラスの巣作りは3~6月がピーク。生ゴミなどエサの豊富な市街地や、川沿いの電柱に多いという。電線を固定するため電柱の上部に取り付けられた「腕金」と呼ばれる鉄製の棒(長さ約1・8メートル)の上や、鉄塔の安定した部分に、木の枝を組み合わせた、直径約50~60センチの巣を数日で作る。この際、金属製ハンガーも使われる。カラスの生態に詳しい、都市鳥研究会の唐沢孝一代表(66)は「金属製ハンガーは耐久性があり都市部では簡単に取ってこられるため、巣の土台によく使われる。学習能力の高いカラスがほかのカラスをまねて広がったとみられる」と話し、カラスが干した洗濯物ごとハンガーを持ち去ることもあるという。県内では、2007年に約460、08年に約430のカラスの巣を撤去。今年は今月9日までに約500を確認し、約270を取り除いた。同支社は、巣を作りにくいよう腕金に突起物を設けるなどしているが、すぐに突起物のない他の電柱に作られてしまうという。一方、同支社は、鳥獣保護法の観点から、金属製ハンガーなどがない巣はヒナが巣立つまで撤去を待ち、ある場合でも、巣に卵があったりヒナがかえったりしていれば、巣をそのまま近くの木の上に移すなどしている。担当者は「巣を見つけたらまずは知らせてほしい」と呼びかけている。
(モンキードッグ、獣害対策にピンチヒッター:滋賀)
東近江市永源寺高野町の住民たちが市などと連携し、家庭で飼っている犬を訓練し、サルやイノシシなどの野生動物を追い払う「モンキードッグ」(サル追い犬)を導入。5月末から、モンキードッグを地域の農作物保護や住環境維持に役立てる取り組みを始めた。モンキードッグはサルをはじめ、山から民家近くに降りてくる野生動物をほえて威嚇(いかく)し、山に追い返すのが役目。長野県大町市が数年前、全国で初めて導入。三重、愛知県なども続き、県内では同地区が初めて。地域住民が期待を寄せるモンキードッグの取り組みについてリポートする。永源寺高野町は、鈴鹿山系をぬう愛知川が平野部に流れ出たところにある同市東部の123戸の集落。10年ほど前からサルやイノシシなどが民家の近くに出没。田畑を荒らしたり、屋内まで入ってくるなどの被害が出て、一時は市内有数の獣害地区となった。そこで、市と住民は猟友会の協力で有害鳥獣を捕獲したり、ロケット花火で追い払ったり、対策フェンスを張り巡らせるなど、いろいろな対策を講じて防御に努めてきた。しかし、学習能力の高いサルは追い払っても、人間が去ると再び現れ、被害が絶えなかった。2年前から愛知川沿いなど3ヘクタールの竹やぶなどを伐採してサルやイノシシなどの逃げ隠れする場所を減らし、ようやく群れを追い払うことに成功した。だが、群れから離れて活動するサルによる被害は残り、対策を考えて行きついたのがモンキードッグだった。提案したのは市農林水産課獣害対策グループの濱中亮成さん。「高野町住民は竹林伐採などにも協力し、地域ぐるみで獣害対策に取り組む下地があった。後は町内にモンキードッグに養成する飼い犬がいるかどうかだったが、昨年夏、2人の愛犬家が名乗りを挙げてくれた」という。隣の愛東外町でも、県の動物管理センターから譲り受けた子犬を訓練中で、秋には導入できそうという。1号犬は山下厚司さん(44)のゴールデンレトリバー「あい」(7歳、メス)。2号犬は吉澤高明さん(57)のミニチュアダックスフントの「仁」(2歳、オス)。2頭は警察犬の公認訓練士で栗東ドッグスクール代表の高畑五朗さん(42)から昨年秋以降毎週2回ずつ訓練を受け、今年5月27日に修了。県内初のモンキードッグに認定された。飼い主の命令でほえて威嚇したり、サルなどを追いかけて山に帰らせるため、警察犬や盲導犬と同じような訓練を受けたという。高畑さんは「まずは飼い主に服従するように基礎訓練をし、次に本能的なものを引き出し、興奮してもちゃんと戻ってくるように訓練した。2頭とも飲み込みが早く、即戦力になる」と太鼓判。飼い主の山下さんは「仁は体重が30キロもある。昔はたらたらしていたが、訓練のお陰でたくましくなった。訓練途中にもサルと遭遇したが、追い払っており、期待が持てる」。吉澤さんも「仁は小柄ながら気が強かったので訓練してもらった。すると、見違えるように精かんになった。地域のために頑張ることでしょう」と目を細める。市の調査によると、同市内にはサルが三十数カ所、シカが五十数カ所、イノシシも五十数カ所で出没。サルに限ると、確認できただけでも、愛東地区で54頭と64頭の群れ、永源寺地区で60頭と54頭、97頭の群れの5群があり、計300頭を超える。モンキードッグを導入した永源寺高野町周辺もかつては、このうち1群の縄張りだった。がけの竹やぶや雑木林の整備で周辺へ追いやったが、今秋に導入する愛東外町はこのうち2群の縄張りが交わる地区で、高野地区より必要性が高まっている。指導に当たっている濱中さんは「さらに他地区にも導入したいが、まず2地区で導入して、検証しながら他にも広めたい」と話す。また、「サルが増えたのは、ハンターの減少と林業の衰退などが背景にある。集落に現れるようになったのは、農産物を食べることを覚えて何世代か経過しているため。だから、本来の山奥に移動させることはなかなか難しいが、住民たちと一緒に取り組んでいきたい」と地道な取り組みを覚悟している。

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