<射撃ニュース6月>

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(クレー実施を8月に結論)
日本体協の泉正文国体委員長は19日の国体委員会で、日本クレー射撃協会で役員人事をめぐって内紛が続いた問題を受けて、同競技を今秋の新潟国体で実施するかどうかを、8月26日の同委員会で決めることを明らかにした。泉委員長は「予選会の実施状況や、クレー射撃協会の動向を見て判断する。いまのところは実施する方向だが、ボイコットのようなものが起きると困るので」と話した。
(県議会、福光射撃場の今後は:富山)
鉛で土壌が汚染され、施設の一部が閉鎖されている県の福光射撃場について、県は早期再開に向けて南砺市から要望があれば施設の譲渡も含めて検討する考えを明らかにしました。これは19日開かれた県議会の一般質問で石井知事が答えました。南砺市にある県の福光射撃場では、鉛の散弾の影響で土壌が環境基準を超える鉛で汚染されていることが平成13年に分かりました。このため、県は汚染された土壌1万トンの掘り出しと搬出を行っていて、今年秋までに全ての作業が終了する予定です。しかし、射撃場の全面再開には土壌の処理だけではなく、施設の改修も必要となるため、今のところ再開の時期は決まっていません。19日の県議会で石井知事は地元住民や射撃の競技団体などが南砺市に早期再開を求めていることに触れて、今後、南砺市から正式な要望があれば施設の譲渡も含めて検討する考えを明らかにしました。
(ごみから弾丸150発:滋賀)
草津署は19日、草津市クリーンセンターが回収した金属ごみの中から、未開封の箱に入ったライフル銃の弾丸計150発が見つかったと発表した。18日に同市の渋川地区で回収されたごみから見つかったといい、同署は火薬類取締法違反事件とみて調べている。見つかった弾丸は直径約5ミリ、長さ約2・5センチで、主にライフル競技に使われる種類。さびなどもあり、かなり古いとみられる。同署によると、18日午後3時ごろに委託業者の男性作業員(43)が空き缶などを分別していた際にポリ袋に入った弾丸50発入りの箱3個を発見し、同センターが19日に届けた。同署はライフル競技の経験者が古くなった弾丸を捨てた可能性が高いとみて調べている。
(ハンター減少に歯止めを:岩手)
県内でニホンジカ、ツキノワグマが生息域を拡大しているが、それを捕獲、駆除する狩猟者は減少の一途、高齢化も進む。個体数の調整弁となっていた最大の「天敵」が減り続ければ、食害は農作物にとどまらず、希少植物に及ぶ可能性も。県は生態系のバランス維持には狩猟者の確保が必要と、猟銃免許試験を2会場に増やす窮余の一策を打ち出した。ただ、一朝一夕にその数を上向かせるのは難しそうだ。ニホンジカは生息域を広げ続け、近年は久慈市や軽米町でも目撃されている。ツキノワグマは人里近くのデントコーン畑を荒らす事例が昨年、久慈市や滝沢村で相次いだ。生息域の拡大は暖冬による少雪、耕作放棄地の増加などが原因と考えられている。岩手大農学部の青井俊樹教授は「緩衝地帯の役割を果たしていた里山が消え、人と野生動物の生活圏が密着した結果」と分析する。希少な高山植物が自生する早池峰山周辺でもシカが目撃され、森林総合研究所東北支所の堀野真一生物多様性研究グループ長は、高山植物に食害が出る可能性を指摘する。一方、食害の抑止力となる狩猟者の落ち込みは激しい。県猟友会によると2008年の会員は2219人。1989年の4477人から約20年間で半減。趣味、レジャーの多様化や、動物を射つことに対する社会の見方が変わったことなどが背景にあるとみられる。08年の会員の約6割が65歳以上の高齢者だ。減少に歯止めをかけようと、県は08年度まで矢巾町で年2回実施してきた猟銃免許の試験を09年度から大船渡市でも実施することにした。県猟友会の鈴木英一事務局長は「狩猟は野生動物の適正頭数維持に大きな役割を担っている。試験場所の拡大が免許取得者の増加につながれば」と淡い期待を寄せる。県自然保護課の立花良孝総括課長は「特にニホンジカの生息域の拡大を防ぎ、適正頭数維持には狩猟者の力が欠かせない」と語る。ツキノワグマやニホンジカなどの野生動物は、県が保護管理計画で捕獲目標や捕獲上限を設定している。ツキノワグマの08年度の捕獲上限は北上高地が123頭(実績101頭)、北奥羽は26頭(同57頭)。北奥羽は有害捕獲が35頭だったため上限を超えた。県自然保護協会の中村正事務局長は「人と野生動物が共存共栄するためには、頭数制限や狩猟者数の調整は必要だ。避けたいのは県外の狩猟者に本県での有害捕獲を頼むという事態。地元の人に動物の生態を理解した上で狩猟してほしい」と注文する。
(箱型拳銃など所持、容疑の男を逮捕:岡山)
玉野署は18日、玉野市山田、無職、小野田敏容疑者(55)を銃刀法違反(拳銃と実弾の加重所持)容疑で逮捕したと発表した。容疑は昨年2月20日、自宅に箱形拳銃2丁とペン型拳銃1丁、22口径の実弾5発を隠し持っていたとされる。小野田容疑者は「間違いない」と容疑を認めているという。同署によると、同タイプの特殊銃の摘発は全国でも珍しいという。これまでの調べでは、小野田容疑者は散弾銃の所持許可証を所持しており、同署が長崎県で発生した散弾銃乱射事件(07年12月)を受けて実施した一斉点検で、箱形拳銃などを自宅から押収した。小野田容疑者はタイ滞在中で不在だったため、点検には親族が立ち会ったという。昨年4月、警察庁から通報を受けたタイ警察当局が、小野田容疑者を箱形拳銃1丁などを不法所持していた容疑で逮捕。小野田容疑者は懲役1年2カ月の実刑を受け、6月3日に出所後、17日に強制退去処分となった。帰国途上、同署員が公海上の機内で逮捕した。小野田容疑者が滞在していたバンコク市内のマンションから銃の設計図が見つかったとの情報もあり、同署は密造容疑も視野に入手ルートなどを調べる。
(銃の保管に静脈認証)
身体の一部で個人を識別する生体認証分野で、日立製作所は指静脈による認証システムの販売態勢を強化する。今年に入り、中米の病院に電子カルテシステムへのログイン用として読み取り装置を納めるなど、新規分野での成約に相次いで成功。これまでは主に、ATM(現金自動預払機)やオフィスの入退室用として利用されていたが、主流の指紋認証に比べ識別精度が高い点などを武器に用途開拓を推進する。中米のプエルトリコでは、情報システムの関連会社を通じ、現地の病院にマウス型の読み取り装置を納めた。納入先では、医師や看護師が電子カルテを閲覧したり、記入する際のログイン用に使う。今年1月からは金庫などの製造メーカー、富祥(東京都渋谷区)が開発した銃の保管用ロッカーに、読み取り装置の供給を行っている。猟銃の場合、免許を持たない人に触らせてはいけないなど、取り扱いのルールが厳格に定められており、富祥は猟銃の保管用として販売するほか、警察にも売り込む方針だ。(後略)
(イノシシ“逃避行”海を渡る?:佐賀)
本来イノシシが生息しなかった宇久島(佐世保市)や小値賀島(小値賀町)で、昨年からイノシシの目撃情報が相次いでいる。近くの中通島(新上五島町)などから渡海したとみられ、専門家は「県内でイノシシ対策が強化される中、居場所を求めての“逃避行”ではないか」と話している。最初に目撃されたのは、昨年7月30日、宇久島東側の海岸。地元の中学生らが海水浴をしていた際、1頭のイノシシ(体長約1メートル)が海面から鼻を突き出し、犬かきで泳ぎながら、入り江から浜に上陸。町中心部にトコトコと走っていった。以降、島内で目撃情報が5件寄せられ、水田でも足跡が数か所見つかった。昨年11月には、宇久島から南に約5キロ離れた小値賀島の近海で、並んで泳ぐ2頭を漁師が発見。小値賀島から東に約2キロの野崎島や、小値賀島から南東に約4キロの中通島付近の海でも泳ぐ姿が目撃された。宇久島では目撃後、島の猟友会員4人が初めて、佐世保市から捕獲許可を得て島内を巡回。獣道には箱ワナ12基を設置したが、まだ捕獲はされていない。小値賀島も初めて箱ワナ2基を購入した。両島では今のところ、人や農作物への被害はないが、宇久行政センターの担当者は「まさか海からやってくるとは。いつ農作物が荒らされるのか」と戸惑いを隠せない。イノシシ対策について、県は、農作物への被害がピークだった5年ほど前から、捕獲した1頭ごとに報奨金を出したり、田畑を囲って農作物を守る防護柵の導入を推奨したりするなど対策を強化している。毎年500万円前後の農作物被害が発生している中通島でも対策に力を入れており、昨年度は前年度の倍の約1500頭を駆除した。県鳥獣対策専門員の小寺祐二さん(38)によると、泳ぐイノシシは瀬戸内海などでも目撃され、10~20キロを泳げる可能性があるという。小寺さんは、中通島のほか、宇久島から東に約20キロの平戸島からも渡海している可能性も挙げ、「防護柵で食料にありつけず、駆除も強化され、本土や五島列島で暮らせなくなったのだろう。島としては、防護柵の設置など早めの対策が重要」と指摘している。
(八甲田でクマ目撃情報2件:青森)
青森市の八甲田山系で20日、2件のクマ目撃情報があった。同日午前7時半ごろ、同市荒川寒水沢の城ケ倉大橋入り口交差点から同市方面へ約500メートルの国道103号で、体長約80センチのクマ1頭が道路を横切るのを車で通りかかった同市旭町の会社員女性(63)が目撃、青森署に通報した。同9時ごろには、同市合子沢山崎、国道103号脇の岩木山展望台から合子沢記念公園に至る道路を約300メートル下った地点で、体長約50~60センチのクマ1頭が道路を横断するのを自転車で走行中の男性が目撃、合子沢記念公園野鳥観察施設に連絡した。
(クマに襲われ男性負傷:福井)
19日午後3時半ごろ、福井県永平寺町松岡上吉野の福井工業大学のグラウンド造成工事現場で、男性作業員(36)がクマに襲われ、手の甲や右腕をかまれた。男性は病院に運ばれ、全治10日間のけが。県警永平寺署によると、男性が現場の一角で休憩中、物音に気付き振り向いたところ、背後から体高約1メートルのクマが突然襲い掛ってきたという。同署はトラックの音に驚いたクマが走り出し、男性と鉢合わせになったとみている。
(クマ目撃「注意を」:広島)
17日午後5時45分ごろ、庄原市川北町上重行、農業、石田タツコさん(72)が「水田脇で草刈り作業中、クマを見た」と市へ届けた。石田さんの話では、背後で「ウォー」という声を上げてすぐ後ろを通り、山に逃げ込んだという。体長80センチぐらいだった。届けを受けた市職員と庄原署員が現地で足跡らしいものを見つけたが、クマの姿はなく、付近住民に「注意するよう」呼びかけている。
(キジのヒナすくすく:岐阜)
岐阜県高山市上宝町本郷で、野原に営巣して卵を温めていたキジの母鳥が草刈り機に巻き込まれて命を落とした。近くで農業を営んでいる三好健二さん(86)は、巣に残っていた卵を母鳥に代わってふ卵器でふ化させ、4羽がすくすく育っている。三好さんは「夏ごろには自然に返してやりたい」とヒナたちを優しく見守っている。5月29日、草刈り中に誤って母鳥を巻き込んだ近くの男性(76)が「可哀そうなことをした」と11個の卵を三好さん方に持ち込んだ。三好さんは自宅の倉庫にあったふ卵器で卵を温め、今月8日に7羽のヒナが殻を破って次々誕生。3羽は育たなかったが、残り4羽は細切れにした野菜や穀物を与えるなどして、順調に育っている。三好さんは「キジの母鳥は火事になっても卵を温め続けると聞いたことがあるが、草刈り機が近づいてもじっと動かず卵を守ったんでしょう。何とか代わりに育ててあげたい」と話している。日本野鳥の会岐阜県支部の大塚之稔(ゆきとし)支部長(55)は「自分で餌を探して食べる習慣をつけさせれば、自然に返しても生きていける可能性はある」と話している。
(水田にアイガモ10羽放す:滋賀)
「アイガモさん、おいしいお米を作ってね」と16日、愛荘町東円堂の田んぼで近くの社会福祉法人ゆたか保育園の5歳園児15人がアイガモのひなを放した。東円堂青少年育成会(国寄勇会長)がカモや自然とふれあう情操教育として企画し、園児を招いた。同会が地元農家から水田約600平方メートルを借り、6年前から園児を招いている。田んぼに放ったアイガモで雑草や害虫を除去する無農薬栽培の稲作を行うのは今年で3回目。5月23日に同会役員約10人がもち米を植えた田んぼに園児を招いた。園児は体長20センチほどに育ったアイガモのひなを同会役員の前田吉弘さん(43)らから受け取り、10羽を次々と田んぼに放した。「ピヨピヨ」とかわいい鳴き声をあげながら泳ぐ姿を見送り、園児らは「カモさん頑張ってね」と話していた。近所の家族連れらも珍しい光景を見守っていた。田んぼは同園のすぐ近くにあり、園児は通園時などにカモの働きぶりを観察し、エサやりもするという。10月の稲刈りや11月の収穫感謝祭にも園児たちを招待して楽しんでもらう。
(高岡古城公園にカラス駆除隊:富山)
高岡古城公園をねぐらにするカラスを追い払うため、高岡市が臨時職員による「駆除隊」を編成することになった。7月から夜間に出動し、ねぐらをライトで照らしてカラスにストレスを与える作戦。初の生息調査も実施し、高岡開町400年記念イベントの主会場となる古城公園の美化につなげる狙いだが、頭が良いと言われるカラスを思惑通りに追い払うことができるか。富山県の調査によると、古城公園には約3300羽のカラスが住みついており、近隣住民はふん害や鳴き声などに悩まされてきた。新たに編成される駆除隊は、7月から来年3月までの間、カラスの巣の位置や飛来する方角などを調査したうえで駆除作戦に乗り出す。週に5回、午後10時から翌朝4時まで園内を回り、懐中電灯で巣を照らしてカラスの眠りを妨げる。カラスにストレスを与えることで、古城公園がカラスにとって居心地の悪い場所にしようという作戦だ。駆除に際しては、周期的に大きな音を発する装置を設置する案も挙がったが、近隣住民への騒音被害を考慮し、より経費がかからない「ライト作戦」を採用することにした。高岡市は、昨年5月からカラス対策として、周辺住民が出す生ごみが餌にならないよう、自治会がごみ集積かごを購入する際に助成し、これまでに坂下町や五福町などが設置している。市環境サービス課によると、設置した自治会では、ごみ収集日に集まっていたカラスが見られなくなっているが、カラスを追い払う抜本的な解決策にはなっていない。古城公園は、開町400年の記念日となる9月13日の「高岡開町まつり」のメーン会場に予定されており、市花と緑の課は「県内外から多くの観光客が訪れるだけに、印象が悪くならないようにしたい」としている。
(シカ激増、食害拡大)
全国各地でシカの食害が広がっています。里山では農作物、牧草地の被害、奥山ではブナ林などの樹皮食い、高山植物の危機などが進行。山の土壌が侵食され、流出の原因にもなり、生態系にも強い影響がでています。シカの食害は農作物だけでも約47億円の被害額(農水省調べ)がでており、北海道から九州まで37都道府県に拡大しています。その実態について高知県と神奈川県から報告します。総延長1200キロ―。高知県にシカやイノシシの侵入を防ぐために設置された防護柵の長さです。高知―東京間が600キロ余りですので、その長さが分かります。それでもシカによる農林産物の被害は増え続けています。シカによる被害が出始めたのは、1990年代の中ごろから。07年度の被害額は1億2千万円。被害面積は1054ヘクタールに及んでいます。県鳥獣対策課は、「被害の実態把握は困難で、実際は数倍から十数倍になるだろう」と言います。温暖化で子ジカの生存率が高くなったこと、森林の荒廃や山村の荒廃地が広がったことなどがシカの増えた原因です。国が、長く雌シカの捕獲制限などをしてきたことも数を増やす結果になりました。県は4万7000頭いるとみています。徳島県と境を接する香美市では98年ごろから被害が多くなりました。シカは、特産のユズや植林の皮はぎ、新芽をかじるほか、野菜類やタケノコ、水稲を食べるなど年間を通じて多方面の被害が出ています。近年、増えすぎたシカによってササ原が食べ尽くされ、はげ山になり、大雨で表土が流出して、川を汚しています。貴重な高山植物が食べられるなど、生態系や自然環境に甚大な被害を与えています。香美市林政課では「毎年8キロ以上の防護柵を設置しているが、根本的な解決には頭数を減らす以外ない。被害の多い山間部では、植林や農業をあきらめる人がでることを心配している」と語ります。県は、現在頭数を12年度までに人間とシカが共生できる9200頭までに減らす計画で、08年度から始まった「第2期特定獣(シカ)保護管理計画」にある年間捕獲頭数を上向きに見直す作業を始めています。長年森林保護に携わってきた山崎三郎・元森林総合研究所四国支所研究員は、環境対策からもシカ問題は大事と指摘し、「森林の二酸化炭素(CO2)吸収効果が見直されていますが、バランスのとれた森林の生態系を維持するには、立ち木の管理だけでなく、シカや動物の生息密度の管理も必要です」と言います。ただ、個体数管理には困難な問題もあります。シカは広範囲に移動するため市町村や県単独の取り組みでは限界があることや、個体数管理に当たる狩猟者には1頭5千~1万円の報償金が出ますが、銃の管理や猟犬の飼育など費用がかかり、ボランティアでやっている状態。高齢化で人数が減っています。日本共産党の笹岡まさる衆院四国比例候補は、4県で被害調査をおこない、(1)四国4県が連携して情報を共有する(2)生態調査をして正確で効果的な個体管理をおこなう、などの提言をもって4県の担当者と懇談しています。神奈川県の屋根とよばれる丹沢(たんざわ)山地は、県面積の6分1を占めています。丹沢の「丹(タン)」は「谷」を意味し、山にも谷にもシカが多くみられます。シカの頭数は1970年の推計1700頭から、現在は県の調査によれば3700~4500頭と推計され、急速に増えています。シカの食害は造林地でスギ、ヒノキなどの苗木を食べる林業被害と里地での農作物被害です。県の農林業被害額は約1758万円(07年度)にのぼっています。シカは地球温暖化で冬の積雪が減ったことや狩猟者の減少・高齢化、森林の荒廃が広がったことなどで増えてきました。20年間、自然保護活動を続ける丹沢ブナ党代表の梶谷敏夫さん(55)は指摘します。「シカは人工林地帯(標高おおむね300~800メートル)から柵で締め出され、山頂部と里山で生きざるを得ない。丹沢ではブナ林の立ち枯れに加え、シカが下層植生を食い尽くし、樹皮食いにまで及んでいる。シカが中腹の人工林でも生息できるように生息域管理をすることがカギです」山梨、静岡と県境を接する山北町(西丹沢)でもシカが増えています。同町は横浜、相模原に次ぐ広さで9割が森林地域です。同町共和地区の岩本博さん(76)は、兼業農家。自宅の裏山からシカが出てきます。岩本さんは「漆の苗木800本が2メートル近く育ったところで全滅し、キリも300本食べられた。いまは放棄地です。ネギ、ハクサイなどを守ろうとシカよけネットを張った」と話します。地域の世話役をする池田勝義さん(78)。日本共産党の元町議です。「シカとならんでイノシシの被害も深刻です。ネットの下部を補強したのがイノシシ用です。対策に県、国は支援を強めてほしい」と池田さんは説明します。山北町内の県立大野山乳牛育成牧場の周辺にもシカがときどきあらわれます。シカは1日に5~6キロの植物を食べ、昼夜を問わず採食する大食漢。数頭の群れで行動します。神奈川県は現在、丹沢山地の失われた自然環境を取り戻そうと「丹沢大山自然再生計画」(2007~11年度)を進めています。シカについては、「第2次神奈川県ニホンジカ保護管理計画」で増えすぎたシカを減らす計画。丹沢でシカを絶滅させないため、11年度までに約1500頭を下回らないとする試算をだしています。「管理捕獲」を知らせる赤いノボリを立て、実施しています。野生動物保護管理事務所代表の羽澄俊裕さん(54)は、「シカも生物多様性の一要素で人間と共生できる」との視点が大事と言います。羽澄さんは、当面保護柵の必要性を指摘し、「中山間地での農業と林業を振興・再生することがいまこそ必要です。経済的理由だけで人工林を放置してはならない。人工林を伐採して活用する試みや、森林管理などの仕事で雇用の創出になる」と強調します。
(不景気アメリカで銃がバカ売れしている理由)
「いまアメリカでは銃が飛ぶように売れているのです」ウェストバージニア州に住む友人は電話口で、興味深いことを口にした。「飛ぶように」というのは誇張に思われるが、南部や中西部を中心に、銃の売上が確実に伸びているという。少し調べると、確かに銃や弾丸が品切れになっている銃砲店が続出していた。連動するように、銃砲メーカーの株価も上昇している。しかも、この現象はオバマ氏が昨年11月に当選した前後から続いていた。何かがアメリカで起きている。6月10日、首都ワシントンのホロコースト博物館の警備員が、白人至上主義者の男に殺害される事件が起きた。この時も銃が使われている。オバマ大統領は選挙中から銃を規制していく立場をとってきたはずだが、アメリカ国内の流れは逆流しているように思われる。殺人事件の件数だけを眺めると、90年代前半をピークに下降線を描いている。もっとも多かった年は2万3000件を超えたが、08年は約1万6000件にまで下がっている。しかし、殺人事件の約3分の2で銃が使われており、依然としてアメリカは「銃弾の国」と言って差し支えない。さらに国連が発表した10万人あたりの殺人事件発生率をみると、アメリカは先進国では最も高い5.8件という数値である。日本が0.64、ノルウェーが0.78、ドイツが0.98、フランスが1.59なので、ある意味で「危ない国」に変わりはない。冒頭の話に戻ろう。南部オクラホマ州にタルサという町がある。そこでスポーツ用品を扱う店を経営するJ・プラールさんに取材した。「オバマ政権樹立後の3カ月間で、昨年の売上を達成したほど銃や弾丸が売れています。一時は棚から銃が無くなってしまいました。オバマ大統領は最高の銃のセールスマンですね」1852年に創業された銃メーカー最大手の「スミス&ウェッソン」の第1四半期の利益は前年同期比で約3倍、株価は昨年10月以来2.4倍になっている。歴史的に不況になると犯罪が増えるため、強盗や不測の事態に備えて銃を買う人が増える傾向はある。しかし、今回の不況は07年末に始まっており、銃の売上増はオバマ政権誕生を契機にした「銃のブーム」と考えるべきである。理由はオバマ大統領の銃規制に隠されていた。96年にイリノイ州議員に当選した時、オバマ氏はマシンガンや短銃を含めたすべての銃所有に反対する考えを示していた。いかにもリベラル派議員らしい立場である。ただ、主義主張だけで政治家は務まらない。昨年の選挙中、オバマ氏は銃所有の権利を謳う憲法修正第二条を認める立場をとったが、規制という観点からは、半自動式(セミオートマチック)のマシンガンなどの殺傷力の高い「攻撃武器(Assaulted Weapons)」の売買を禁止したい意向だった。「攻撃武器」については、クリントン政権時代の94年、売買禁止法案が時限立法で成立していた。04年の期限切れ後、マシンガンがスポーツ用品店で再び買えるようになり、オバマ大統領は再度、売買禁止に持ち込みたかったのだ。エリック・ボルダー司法長官も今年2月、「攻撃武器」の売買を禁止する動きを歓迎する発言を行った。それに対し、同じ民主党の下院議員65名がホルダー氏に書簡を送って、「年内に攻撃武器禁止法案が成立しないようにしてほしい」と懇願した。民主党も一枚岩でないのだ。背景には地元との利害関係がある。下院は小選挙区なので、全米ライフル協会(NRA)などから献金を受けていると、個人として銃規制に賛成でも、実際は反対せざるを得ない状況がある。なにしろNRAは年間予算200億円のアメリカ最大のロビイング団体で、気に入らない法案はかなり高い確率で潰してくる。それがワシントンの政治力学である。そうした中、銃規制に反対する市民を中心に、規制法案が成立する前に銃を買い置きする人たちが増えたのだ。ちなみに銃を買う時は、アメリカ市民であれば運転免許証などの身分証明書を提示し、身元調査書に必要事項を書き込むだけである。店側がインターネットで連邦捜査局(FBI)に身元調査を要請して答えがでるまで30分もかからない。犯罪歴がなければ誰でも購買できる。さらに全米中では、年間5000回といわれる銃の即売会が開かれている。そこでは身元捜査の手続きを踏まないことが多く、事実上の野放しが続いている。現在アメリカ国内に出回っている銃の数は約2億5000万丁から3億丁といわれており、アメリカの人口とほぼ同数なので、国民一人に一丁という割合である。豊臣秀吉の刀狩令と同じようなことを実施することは現在のアメリカでは不可能だが、少なくとも「攻撃武器」の売買禁止を復活せることから始め、規制強化を進めることが望まれる。だが、アメリカではハンティングがメジャースポーツの一つとされている点や、地域によっては家族を強盗などから守るために銃は必要とする価値観が強く残されている点などから、銃規制への動きは鈍い。まして、4月に行われたギャロップ調査の結果をみると、銃規制に関してアメリカは保守化の傾向が出ている。短銃の所持を禁止すべきと答えた人は29%に過ぎなかった。これは過去50年で最低レベルである。そのためオバマ大統領が選挙中に「攻撃武器」の売買を禁止する法案を通すと意気込んでも、現実に議会で成立できる可能性は低い。「チェンジ」がオバマ大統領のキャッチフレーズだったはずですが、銃規制であらたな「チェンジ」を実現させることは多難なのが現実である。

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(許可銃器が過去最少、08年末時点で34万丁)
全国で所持が許可された猟銃などの銃器は2008年末時点で約34万丁で、前年より約2万2千丁減って過去最少を更新したことが18日、警察庁のまとめで分かった。減少幅も00年以降で最大。長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件などを受け、警察が銃器管理の取り締まりや許可証の自主返納の働きかけを強化したためとみられる。
(猟銃など約3千丁の許可証返納)
銃刀法が改正され、猟銃や空気銃を所持するための要件が厳しくなる中、全国の一斉点検で警察の指導などによって、およそ2400人が猟銃など3000丁余りの許可証を返納したことが警察庁のまとめでわかりました。警察による猟銃や空気銃の一斉検査は、今年4月から実施されています。警察庁によりますと5月末現在、全国の2413人が猟銃や空気銃あわせて3174丁分の許可証を、「長期間使っていないから」などの理由で返納したということです。このうち369人、518丁分の許可証については、警察の指導などによって所有者が返納しています。また、一斉検査では許可されていない場所で発砲する発射制限違反などで17人が所持の許可を取り消されているほか、銃の不法改造などあわせて46件が銃刀法違反や火薬類取締法違反で摘発されています。おととし12月、長崎県佐世保市のスポーツジムでは男が散弾銃を発射し、2人が死亡、6人が重軽傷を負いました。この事件を受けて去年銃刀法が改正され、自殺のおそれがある人は猟銃を持てなくするなど、所持するための要件がより厳格化されています。
(民家土蔵から銃弾発見:香川)
高松南署は17日、高松市一宮町の男性方で男性の妹(73)が土蔵を整理していたところ、革製のケースに入った銃弾27個を発見したという届け出があったと発表した。同署によると見つかった銃弾は長さ約7・5センチで表面にはサビがあるものの、いずれも未使用。旧日本陸軍が使用していた三八式歩兵銃の銃弾ではないかという。家族の話によると男性方では昭和20年ごろ、旧陸軍関係者が出入りしていたことがあり、同署では関係者が置いていったものではないかとみている。
(箱、ペン型の拳銃所持容疑:岡山)
箱型やペン型の珍しいタイプの銃と実弾を隠し持っていたとして岡山県警玉野署は18日、銃刀法違反(加重所持)の疑いで、同県玉野市山田、無職小野田敏容疑者(55)を逮捕した。同署によると、昨年4月に滞在していたバンコクのアパートからは設計図や工具も見つかっており、入手ルートを調べるとともに、密造や密輸の疑いもあるとみて捜査を進める。逮捕容疑は、昨年2月20日、同市の自宅で拳銃3丁と実弾5発を隠し持っていた疑い。同署によると、2007年12月に長崎県のスポーツクラブで発生した散弾銃乱射事件を受け、散弾銃の所持許可を受けていた小野田容疑者宅を立ち入り検査し、銃を発見した。昨年4月、滞在先のバンコクで銃を違法所持したとして地元警察に逮捕され、実刑判決を受けた。17日に強制退去処分となり、捜査員が公海上の機内で逮捕した。
(イノシシ、2カ月で2100頭駆除:佐賀)
県全域で4、5月の2カ月間に実施したイノシシの一斉駆除で、約2100頭を捕獲した。県が県猟友会に委託した新規事業で、この期間の平年の捕獲頭数の4倍に上った。県内9地区の広域駆除対策協議会に県が聞き取りし、概数をまとめた。中山間地の農作物を食い荒らすイノシシは繁殖能力が高く、繁殖する前の4、5月に集中的に捕獲し、生息数減への効果を高める狙いがある。県はこの期間の平年の捕獲数500頭程度を上回った分に対して、捕獲報償金を予算化し、捕獲強化へと誘導した。予算上は最大3000頭(支援対象は2500頭)を想定していた。繁殖期は警戒心が強く、捕獲が困難な時期だが、地域的には唐津市や伊万里市でより多く捕まえるなど捕獲頭数は大幅に増加した。施策の目的であるイノシシの農作物被害の防止について、県生産者支援課は「今回の結果を詳しくまとめ、(収穫物が多い)秋の農作物被害やこの時期以外の捕獲頭数のデータをもとに分析したい」と話している。来年度までの2カ年事業で、本年度予算には約4000万円を計上していた。
(クマに襲われ負傷:群馬)
十八日午前七時五分ごろ、みなかみ町藤原の町道で、ランニングをしていたオーストラリア国籍のインストラクターの男性(35)が山林から突然現れたクマに襲われ、左手小指の一部を食いちぎられ、腕や胸を引っかかれ軽傷を負った。一緒にいた同僚の同国籍の男性(33)に、けがはなかった。沼田署によると、クマは体長約一・五メートルとみられる。現場は、藤原ダム管理支所から約八百メートルの町道。男性らは同支所を通じて一一九番した。クマの出没で、町立藤原小・中学校は、児童や生徒が集団下校するなどの措置を取った。地元の猟友会は現場付近に捕獲用のわなを二基設置し、同署がパトカーで一帯を警戒した。
(くくりわな規制解除へ:和歌山)
年間3億円以上の鳥獣による農作物被害対策で、県は直径12センチ以内となっているくくりわなの規制解除を盛り込んだ、イノシシとニホンジカの保護管理計画案を公表した。クマの生息域を除く全域が対象で、ハイカーらの安全確保のため、注意看板の設置を義務付けている。7月7日まで意見を募集している。規制はクマを誤って捕獲するのを防ぐため、2007年4月に始まったが、被害が相次いでいる紀南地方などを中心に「12センチではイノシシが掛かりにくい」と解除を求める声が上がっていた。イノシシ捕獲には25~30センチ程度が適当という。すでに有害駆除では規制はなく、くくりわなによる捕獲が急増している。今春にも計画策定の予定だったが、クマの保護をめぐって難航。ツキノワグマの保護地域を定めて、再度案をまとめた。紀南では田辺市龍神村や本宮町の一部、北山村などが保護地域に含まれ、規制解除の対象外となっている。08年度の鳥獣による農業被害は3億2600万円、林業は2200万円。イノシシとニホンジカが大きな割合を占めている。被害を繰り返すことで、農家の生産意欲減退が深刻な問題となっている。計画案は県農業環境保全室や各振興局のほか、県ホームページでも閲覧できる。
(サルの農作物被害が1億円:山口)
サルによる農作物被害が山口県内で急増している。2008年は前年に比べ被害面積が1・5倍の97・2ヘクタール、金額も1・4倍の1億3800万円に達した。野菜や果物を食い荒らすほか、いたずら半分で収穫前にもぎ取ってしまう被害もあるという。過去10年では被害面積、金額とも約2倍に増えている。県が18日、県鳥獣被害防止対策協議会で報告した。トマトやタマネギなど野菜類の被害額が8900万円と最多。ミカンやカキなど果樹が1900万円、イモ類が1300万円と続く。山間部を中心に、被害は県内全域に及ぶ。鳥獣全体による08年の農作物被害は517・5ヘクタール、6億4700万円で、前年より微増。鳥類の被害が減る一方、イノシシやシカ被害がやや増加した。サル被害の増加割合は突出している。県は「農作物を食べて栄養状態が良くなり、個体数が増えて被害が増えているため」とみる。賢いため、わなによる捕獲が難しいのも一因という。
(イノシシ対策、モー大丈夫:富山)
牛を放牧してイノシシによる農作物被害を防ぐカウベルト事業の入牧式が18日、南砺市小院瀬見の福光里山レクリエーション農園で始まり、雌牛2頭が園内に放された。同農園では一昨年秋、サツマイモやジャガイモがイノシシに荒らされて全滅し、昨年初めてカウベルト事業を実施したところ、被害はほぼゼロに抑えられた。農園関係者らの話では、牛のにおいや首につけた鈴の音がイノシシを寄せつけないのではないかとみられる。約1.2ヘクタールの農園には昨年と同じく、「さとこ」「ももこ」と名付けられた妊娠中の雌牛が放され、周囲には電気柵が張られた。式ではカウベルト友好会の山崎秀信会長らが「今年も牛たちの活躍で、イノシシの被害がないことを祈りたい」とあいさつし、西太美保育園児が歌やメッセージを披露した。放牧は11月ごろまで行われる。
(希少な花イノシシ食害で開花少なく:山口)
ササユリの名所で知られる周南市鹿野上の天神山公園で、昨秋のイノシシ被害によって、今年のササユリの花の数が激減している。例年、700~800もの花が楽しめるが、今年は100程度しか咲いていないという。市によると、効果的なイノシシ対策は見つかっておらず、地元は「せっかく観光名所になっていたのに……」と残念がっている。ササユリは、本州中部から九州の山地で見られるユリ科の多年草。近年は希少になっている植物の一つで、まとまった数のササユリが見られる場所は珍しいという。同公園では、自生しているほか、1996年以降、同市鹿野総合支所あぐりハウスが毎年、100~150個の球根を植え付け、見頃の6月中旬には、白っぽい花々が散策する市民らの目を楽しませている。だが、昨年10月、雑草を刈ろうと公園を訪れたあぐりハウス職員、村木実さん(59)が、イノシシによって球根が食い荒らされているのを発見。「雨が降ったら土砂崩れが起こるんじゃないかと思うくらいに一面が掘り返されていた」という。このため、昨秋の植え付けは見送られた。同総合支所産業土木課によると、公園のササユリが荒らされたのは初めて。防護柵などを設置すれば公園の景観を損なうため、今のところ、具体的な対策はとっていないという。同園に花の写真を撮りに訪れていた同市上村、貞本治己さん(75)は「例年、たくさん咲いているが、今年は少なくて寂しい」と残念そう。ただ、村木さんは「毎年咲くササユリを楽しみにしてくれる人のためにも、今秋は球根を植えたい」と話している。
(特急列車とクマが衝突:長野)
18日午後1時25分ごろ、長野県上松町の中央線倉本―上松間で、名古屋発長野行きの下り特急「ワイドビューしなの11号」(6両)が、線路上にいたクマと衝突した。運転士が現場と上松駅で安全点検を行い、異状がないことを確認。JR東海によると、同列車は22分遅れで出発し、乗客約160人に影響が出た。列車とクマが衝突する事故は、今月11日夜にも同県塩尻市の中央線で起きている。

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(銃の返納3174丁、所持取り消し29丁)
警察庁は18日、猟銃と空気銃の全国一斉検査を4月から2カ月間行った結果、17人の計29丁について所持許可を取り消し、2413人から計3174丁の自主返納があったと発表した。保管や使用の状況を調べる一斉検査は毎年実施しているが、今年は、長崎県佐世保市で2007年12月に発生した散弾銃乱射事件直後の検査と同様、厳格に行うよう指示。対象とした約14万人が所持する約30万丁の99.7%が完了した。自主返納されたうち、長期間使っていないなどの理由で警察の指導に応じたのは369人、518丁だった。
(ツキノワグマ捕獲:宮城)
気仙沼市塚沢の月立小に近い山林で17日午前5時半ごろ、仕掛けた箱わなにツキノワグマが入っているのが見つかった。周辺では12日に出没情報が市に寄せられており、地元住民は「小学校の近くで心配だったが一安心」と安堵(あんど)の表情を浮かべている。クマは4歳の雄の成獣で、体長1・35メートル、体重90キロ。出没の情報を受け、県猟友会気仙沼支部が13日からわなを設置していた。最初にクマを見つけたのは近くで養蜂(ようほう)業を営む尾形三郎さん(78)。「間近で見ると怖い。養蜂を始めて8年ほどになるが、こんなことは初めて」と驚いた様子で話した。クマはハチの巣箱を狙っていたとみられ、12日に巣箱11個のうち3個が壊されたという。現場は月立小の東側数百メートルの山林。12日は保護者が児童を迎えに来る姿も見られた。
(シカの食害深刻化:宮城)
ニホンジカによる農作物への食害が深刻化している気仙沼市の上八瀬地区で17日、県や市、地域住民らによる現地調査が行われた。約25人が上八瀬上、上八瀬下、塚沢の三つのグループに分かれ、シカなどが出没した痕跡や作付けの状況などを確認した。塚沢地区を担当したの地元の2人を含む6人。地区内の水田や畑を回り、作付けした品目、被害の程度、防除ネットなどの対策の有無などを調べ、調査用紙に書き込んでいった。動物の足跡やふんがあるか、周辺に獣道のような個所はあるかなども入念に調査。畑の所有者に「過去に被害があったか」などを聞き取りもした。調査を踏まえて18日にはシカが出没するとみられる5カ所に暗視カメラを設置し、シカの生息状況を把握する予定。市農林課によると、昨年度のニホンジカによる被害は600万円を超えている。県などは上八瀬地区を獣害対策のモデル地区に指定し、地域ぐるみの対策に乗り出した。5月28日には第1回の勉強会を開いた。
(イノシシに襲われ駐在所員ら軽傷:神奈川)
17日午前7時15分ごろ、南足柄市内山の市道で、内山自治会長の男性(67)と松田署北足柄駐在所の男性巡査長(57)が相次いでイノシシに襲われ、それぞれ右足に軽傷を負った。イノシシは逃走した。市は猟友会に駆除を依頼した。市などによると、自治会長らは当時、市道前の農業の男性(69)方から「庭にイノシシがいる」と連絡を受け、男性宅前の市道が近くの市立北足柄中学校の通学路にあたるため登校する生徒らを見守っていた。2人が男性宅の生け垣越しに庭の様子をうかがうと、イノシシが突進。自治会長は右足に牙がかすり、あおむけに転倒。巡査長が警棒で首付近を数回殴ると、逃げるイノシシの牙が巡査長の右足をかすった。男性方では5月に入り、夜間、イノシシが頻繁に出没。庭土が掘り返されており、ミミズを食べにきていたとみられる。現場は山あいで、住宅と畑が混在したエリア。イノシシに詳しい島根県中山間地域研究センターの金森弘樹科長は「イノシシは人を恐れ、通常、人を襲わない」と指摘。今回の事故については「人が近づいてきたので、パニックになったのでは」と推測する。県内では2006年10月、小田原市国府津の住宅街で、女性と孫の女児がイノシシに襲われ、負傷している。
(ネットオークションに火縄銃出品の男逮捕:長野)
安曇野署と県警生活環境課は17日、火縄銃を不法に所持したとして銃刀法違反の疑いで、鹿児島県姶良(あいら)町、自営業酒匂(さこう)利夫容疑者(57)を逮捕した。逮捕容疑は、昨年11月上旬ごろ、同県教育委員会に銃刀法に基づく美術刀剣類の登録の届け出をせず、自宅などで不法に火縄銃(全長約50センチ、重さ約750グラム)1丁を所持していた疑い。同署によると、酒匂容疑者は同年11月ごろ、インターネットオークションに火縄銃を出品、安曇野市内の男性会社員(46)が約10万円で購入した。会社員が火縄銃の登録のために同署を訪れたことから、容疑が発覚した。銃は同署が押収した。鹿児島県教委によると、火縄銃などの刀剣類は審査の上で美術品として登録される。ほかの人に譲渡した場合も、所有者の名義変更手続きをすれば所持は問題にならないという。「登録された刀剣類であれば、ネット上での売買も問題にはならない」(警察庁)が、安曇野署は「ネットオークションの品には出所不明の物もあり、安易に手を出すと、犯罪となる恐れがある」と注意を呼び掛けている。
(銃で脅し強奪、被告に懲役10年求刑:福岡)
八女市の山中で昨年9月、老夫婦が手製銃で脅され乗用車を強奪された事件などで、強盗傷害や武器等製造法違反などの罪に問われた広川町新代、元建設作業員、モリヤ・ヴァルデシ・タモツ被告(41)の初公判が16日、地裁久留米支部(長倉哲夫裁判長)であった。モリヤ被告は起訴内容を認め検察側は懲役10年を求刑し、即日結審した。検察側は「元同僚ら4人と貸した金銭や仕事を巡るトラブルがあり、殺害を決意したことが発端」と指摘。手製銃の製造は「我が国の治安の根幹を脅かす行為」と述べた。さらに車の強奪を「老夫婦の恐怖感は計りしれない。酌量の余地は皆無だ」と続けた。起訴状などによると、モリヤ被告は昨年8月20日~9月6日、元同僚らに復讐(ふくしゅう)しようと仕事先の香川県丸亀市などで、手製の銃7丁と爆弾6個を製造。同9月10日夕、八女市上陽町の山中で、久留米市の男性(84)と妻(78)を手製銃を発砲して脅し、道路脇のがけ下に落としてけがをさせ、車を奪った。
(大型補正予算案提出:山梨)
山梨県の横内正明知事は今月24日に開会する6月県議会に、公共事業の前倒しや雇用対策を盛り込んだ約280億円の補正予算案を提出する。(中略)新規事業で、甲州市へ移転する県立射撃場の事業費に7億400万円など盛り込んだ。
(紀伊長島鳥獣保護区、食害増え見直し:三重)
環境省は今秋、紀北町、大紀町にまたがる紀伊長島鳥獣保護区で、海に面する陸地部分を保護区から外す作業に着手する。同地域では猿や鹿の食害が増えており、有害鳥獣駆除を円滑に進めるのが狙い。従来は駆除の申請を町が環境省に出し、許可が出るまでに約1か月かかったが、保護区から外れれば許可は町が出すため、1週間に短縮される。紀伊長島鳥獣保護区は1969年、農水省が紀北町、大紀町の約7450ヘクタールを指定。大島など5島を中心に、国天然記念物のカンムリウミスズメや、カラスバトなどの集団繁殖地になっている。当初から、国道42号沿いの海から約5キロの陸地部分も指定区域に入っていた。中部地方環境事務所や紀北町によると、今回の見直しでは、陸地部分について、鳥の飛来地となっている片上池など二つの池の指定は残したうえ、ほとんどの地域を保護区から除外する。紀北町では海野、古里地区を中心にミカンなどのかんきつ類の栽培が盛んだが、鹿や猿、イノシシの食害に悩まされてきた。同町産業振興課によると、食害は5年前から目立ってきている。猿の群れは少なくとも5群れあり、群れからはぐれた猿が被害を拡大させている。町民からは「被害が出たらすぐに駆除の対応ができるよう、陸地部分を保護区から外してほしい」との要望が出ていた。指定更新は69年の保護区指定日から10年ごとで、除外は今年11月の更新の際に行う見通し。大島など特別保護区の5島については、現状のままとみられ、次回の更新は20年後になる。全国的に鳥獣の食害が増えており、環境省野生生物課は「今後も、食害などについての地元の声を聞きながら見直しを進めることは出てくる」と話している。

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