<射撃ニュース7月>

7/31
(韮崎射撃場43年の歴史に幕:山梨)
山梨県立韮崎射撃場が30日、地元との使用協定期限を迎えて閉鎖した。1966年6月にオープンしてから43年。最終日は長年利用した愛好者を中心に通常の5倍近い約100人が来場した。住民からは安堵(あんど)の声が聞かれた。同射撃場によると、この日は朝から来場者が多く、県外者もいた。午後5時の閉場時間を迎えると、入り口の門に閉鎖を知らせる看板を設置した。閉鎖後も2カ月間は、県クレー射撃協会が射撃場内に事務局を置くという。長年利用していたという南アルプス市飯野の斉藤武勝さん(64)は「今日が最後だと思うと寂しい。新射撃場を一日でも早く整備してほしい」と語った。今後は下部射撃場などに通うという。神奈川県相模原市から毎週通っていた佐久間彰司さん(67)は「県の対応が遅すぎた」と批判した。射撃場対岸の同市祖母石地区の70代男性は「今日は朝から射撃音が激しかったが、閉鎖となる明日からは静かな生活になる」と話していた。一方、甲州市に整備予定の新しい射撃場が完成するまでの約2年間、県内には国体の試合などが行える公営施設がなくなる。県教委は地元住民に対し、あらためて利用再開を要請する考え。
(厄介者、うまく料理:佐賀)
有害鳥獣として駆除したイノシシ肉の特産化を目指している佐賀県武雄市は30日、イノシシ肉100%のソーセージやベーコンなど地元で開発された加工品を発表した。ソーセージとベーコンは、市内に加工所を持つ山下精肉店(佐賀県有田町)が開発。価格はともに1袋(200グラム)千円。ソーセージは香草やスパイスを入れて肉の臭みを消している。近く発売するスモークハムは、武雄鳥獣食肉加工センターが福岡市の辛子めんたいこ製造会社に商品化を委託した。価格は60グラムで500円。このほか、山下精肉店は秋をめどにハンバーグやロースハムも商品化の予定。駆除と有効活用に取り組む「いのしし課」を4月に発足させた武雄市は「特産化でイノシシの買い取り価格が上がれば駆除が進み、農作物被害を減らすことができる」と商品効果に期待する。商品は市内の武雄温泉物産館、道の駅「黒髪の里」で取り扱う。
(衝撃の告発映画!日本人がイルカを大量に捕獲!)
和歌山県で行われているイルカ大量捕獲についてのドキュメンタリー映画『The Cove』(原題)の監督であるルイ・シホヨスが「この事実をもっと日本人に知ってもらいたい」とインタビューに答えた。今年のサンダンス映画祭のドキュメンタリー部門で、観客賞を受賞した本作は、和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み猟に焦点を当て、捕獲されたイルカの一部が水族館に売られ、そこで選ばれなかったイルカは、その場で殺され肉として売られているという事実を暴く。そしてその肉には大量の水銀が含まれているだけでなく、偽装してクジラ肉として売られたり、学校の給食として出回っていたりする現実を見せ付ける。初めて太地町を訪れたときの印象について。「太地町に入って橋を渡ると2つのイルカ像が出迎えてくれて、道はイルカの絵のタイルで埋め尽くされているんだ。表面的には、実際にそこで行われていることとは対照的だね。そして町の真ん中の吉野熊野国立公園に入ると、そこには砦があって、非常に高いフェンスと有刺鉄線が張り巡らされていた。さらに行くと、入り江に通じる津波用の避難場所があって、そこのトンネルの中にはセンサーが置かれ、人が通ったりするとすぐにセンサーが鳴り響き、警官が来る仕組みになっているんだ」とイルカの捕獲に使用されている入り江が、一般人が簡単に入れない仕組みであることを教えてくれた。では、イルカはどうやって捕獲されるのか。「毎年一定の時期になると、イルカたちは大地町の近くの海を移住のために通るんだ。恐らく、同じ経路を1000年近く通っていたと思うな。そこに漁師たちは網を張り、水中に棒状のものを半分沈めて音を鳴らし、音の壁を作るんだ。聴覚のいいイルカは、その音に驚き、群れになって泳いでいるところを、入り江などに強制的に押し込まれる形になる」とのことだ。ルイ監督は、入り江でのイルカ捕獲と、イルカが処分される映像を撮るために太地町を訪れた。当然現地の人間は、訪問理由を知らず、怪しげなルイ監督を追跡していた。「撮影中はずっと、現地の警官が24時間態勢で僕らを監視していたよ。どこに行くにしてもね。隣町に行って、別のホテルに宿泊していたときでさえも、僕らと同じホテルに警官たちが警戒して宿泊していたんだよ。その監視の目を盗んで撮影するのが、一番キツかったね」と話してくれた。もちろん撮影は無許可で行われた。規定値の16倍を超える水銀が含まれるイルカの肉を、太地町の学校で給食として提供されていたことがあった。「太地町の町議会議員も驚いていたが、これは非常に重要な問題さ。学校の子どもはもちろん、妊婦がスーパーなどでイルカの肉を買って食べてしまったら大変なことになるだろう? 現在は、太地町のコミッショナー3人が決議して、完全にイルカの肉を太地町の学校に出回らないようにしたらしいが、決議したコミッショナーの一人は、子どもが村八分のような状態になってしまい、町を出なければならない状況になってしまったらしいね」。ルイ監督の意見もわかるが、イルカやクジラは知能の高い動物だから保護し、鶏や牛や豚などの家畜類は殺してもOKというのは、都合のいい人間のエゴではないのだろうか? 「その点については、僕も同感さ。確かに動物福祉問題で、僕らのようなOPS(海洋保護協会)の者が、議論で勝つことは難しいと思う。オーストラリアでは、カンガルーを殺して肉にしていたのを見たし、アメリカで家畜が殺されているのも見たことがある。一方の動物だけを生かし、ほかの動物を殺すのは、確かに矛盾がある。しかし、僕らが主張したいのは、このイルカの肉が人体に悪影響を及ぼすということさ。もし日本の人たちが、魚を主食としている哺乳(ほにゅう)類に、大量の水銀が含まれていることを知ったら、食べないだろう? さらにイルカの肉がクジラ肉として売られているとしたら、それにも気を付けるだろう? 最終的には、人に害をもたらす危険性があるということを考えなければいけないんだ」と安全性を第一に考えることを強調していた。この映画を公開することや、映画のインタビュー記事を書くことでもたらされる、太地町民への影響についても考えなければならない。「僕の住んでいる近所で原発が建てられるとしたら、安全のために反対するのと同じように、もっと大きな視点でこの問題を見つめなければいけないだろうね。確かに、記事や映画が原因となって世間に知られ、町民や家族の仕事に影響を及ぼすかもしれない。だが、水銀の入った肉を食べてしまう可能性が日本全国民にあることを忘れてはいけないよ。最終的に何が大事かをしっかりと選択しなくてはいけないんだ」とコメントした。最近、東京国際映画祭の関係者がこの映画を観たらしい。日本で上映されるかどうかはわからないが、ルイ監督は、日本人に吹き替えをやってもらい、できるだけ多くの日本人に観てほしいと願っている。
(親の銃、幼児による銃の暴発事件が続発:アメリカ)
子供には銃器のような危険物でもオモチャと本物の区別はなく、すぐ手に取ってしまうの。家族や自らの身の安全を確保する為にあるはずの拳銃が5歳以下の子供の命を奪う事件が連鎖するかのように発生した。ネバダ州ラスベガスのとあるドラッグストアに処方薬を受け取りに父親が5歳の息子を連れてやってきた。ドライブスルーの窓口で待っている間に息子が車内にあった拳銃を見つけ、何らかの弾みで銃が発砲されて弾丸が頭を直撃した。事故直後に父親が息子を病院へ運んだが、その日に息を引き取った。父親は幼児を危機にさらしたとして起訴されている。その一週間も経たないうちに悲劇は再び起こった。ラスベガスの自宅で4歳の兄が父親の拳銃を見つけ、遊んでいるうちに2歳の妹に向けて誤って発砲し、妹は重傷をおった。事件当時父親が家にいたが、子供達の行動には全く気づいていなかった。同じ日の数時間後今度はノースカロライナ州で二人の子供を連れて父親が知人宅を訪れた際に、真夜中に目覚めた3歳の弟がベッドの下にあった拳銃を発見し、誤って発砲した。銃弾は4歳の兄の腹部に当たり、重傷をおった。拳銃を保持するということは危険を管理するということでもある。その管理を怠れば、危険は子供であろうが大人であろうがすぐ近くの人間にすべり落ちてゆく。連鎖するように次々に起こる悲劇はいつまで続くのだろうか。

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7/30
(シカ捕獲、過去最多1万4674頭:長野)
県内で2008年度に捕獲されたニホンジカは1万4674頭で過去最多だったことが28日、分かった。また、同年度のシカによる農林業被害額は前年度とほぼ同額の7億6百万円余だった。この日、長野市の県庁で開かれた県野生鳥獣被害対策本部の会議で県が説明した。捕獲頭数は、県が第2期特定鳥獣保護管理計画(2006~10年度)で定めた目標(8300頭)を上回った。内訳は、個体数調整(駆除)が9524頭、狩猟は5150頭。雌は7956頭で、県が目標とする5500頭を大きく上回った。昨年度まで3年間の捕獲実績を踏まえて、県は本年度内に県内の生息数を推計、必要があれば来年度以降の捕獲計画に反映させる方針だ。昨年度は「わな・おり」に限って狩猟期間を1カ月間延長したが、その効果については分析中という。この日の会議で講義した信大農学部の泉山茂之准教授(50)は、林道ののり面に植えた牧草を冬の主食にしているシカもいると紹介。「シカの知恵に負けないさまざまな対策が必要だ」と指摘した。県によると、シカを含めた昨年度の農林業被害額は前年度比5・9%減の16億3900万円で、3年ぶりに減少。内訳は、佐久地方でレタスなどの野菜被害が多い農業が2・5%減の9億8千万円、下伊那地方でシカや熊によるヒノキやスギといった人工林への被害が多い林業は10・6%減の6億5900万円だった。
(JR紀勢線、夜間徐行を試行:和歌山)
ニホンジカと列車の衝突が頻発しているJR紀勢線で、JR東海は抑止対策の一環として、新たに多発区間で一部列車による夜間の徐行運転を試行し、衝突回避効果を検証する取り組みを始めた。シカは夜間に線路内に入り込むケースが多く、衝突した場合は車体に損傷が出るほか、撤去処理に時間がかかり、大幅に運行ダイヤを乱す。同社は徐行しても回避できた方が結果的に得策と判断し、有効性を探る。試行は6月下旬から、午後7時45分、名古屋発新宮行きの特急ワイドビュー南紀7号で、7月初めからは下りの最終普通列車で実施。多発区間の川添(三重県大台町)-三木里(同県尾鷲市)の77・7キロ間の数カ所で、走行速度を時速30キロに制限。運転士がシカと出くわした場合、ブレーキをかけて停車したり、警笛を鳴らして線路内から逃げ出す余裕を与えるなど、事前回避の可能性をみる。8月下旬まで続け、運転士の報告事例を集めて結果を分析し、導入を見極める。紀勢線では「短期間だが試行後に衝突したケースはなく、一定の成果はある」(同社)とみて、高山線でも20日から、試行を始めている。シカの衝突や直前横断は、JR東海の在来線では紀勢線が最多で、4月以降、28日午前現在で76件発生している。このため、沿線の一部に侵入防止柵を設置しているが、決め手にはなっていない。
(独自「くくりわな」考案:長野)
飯島町田切の金属加工業「信英精密」が、独自の動物捕獲用わなを考案し、実用新案登録を申請した。イノシシやシカなどによる農作物の被害が県内各地で深刻化する中、わなを使った狩猟を趣味で13年間続けている伊東征勝社長(65)が3年前から試作し、改良した。同社のくくりわなは、野生動物が底板を踏むと同時に、塩化ビニールの輪(直径約20センチ)の外縁にくくった金属製ワイヤが、高さ約8センチまで跳ね上がって足首の上をほぼ確実に締める仕組み。
(イノシシの飛び出しにご用心:長崎)
28日午後3時40分ごろ、佐世保市庵浦町の市道で、道路脇から飛び出したイノシシと同市俵ケ浦町、俵ケ浦郵便局員の男性(63)のミニバイクが接触、バイクは転倒した。佐世保署の調べによると、男性は道路横1メートル下の畑に転落し、右肩を打つ軽傷。イノシシは逃げた。佐世保市農業畜産課によると、イノシシによる人的被害は昨年10月から既に4件発生。このうち2件がバイクとの衝突事故で、運転していた男性2人が全身打撲のけがを負った。同課は「現在、イノシシは市内のどこにいてもおかしくない状況。飛び出しも頭に入れて運転してほしい」と注意を呼び掛けた。
(クマ捕獲の上限88頭:富山)
ツキノワグマの適正な頭数を維持するため、県が策定を進めている「県ツキノワグマ保護管理計画」の概要が29日、富山市内で開かれた県野生動物保護管理検討委員会で示され、県側は、年間の捕獲上限数を88頭とする案を提示した。隣接県との協議などを経て、年度内の策定を目指す。案によると、捕獲上限数は東西に分けて設定し、東部は58頭、西部は30頭とする。2008年までの過去5年間の出没頭数は、朝日町が最多の62頭、富山市が55頭と続き、東部で多いことが反映された。08年の初調査で、県内には約740頭(東部約490頭、西部約250頭)が生息していると推定されており、環境省のマニュアルに基づき、捕獲上限は12%以下にすることにした。また、山間地や市街地など3区分に分けて、保護と被害防止の優先度を明確にし、管理指針を設定する。「緊張感のある共存関係の構築」をテーマに、人間の居住地域では、クマを誘い込む柿を植えないようにするほか、電気柵の設置や、耕作放棄地や河川敷での草刈り、牛を放牧するカウベルトの整備などを進める。県内ではツキノワグマの出没が04年に412件、06年には922件に上り、それぞれ1人が死亡する被害が出た。農業被害も問題となっており、06年度までの8年間の平均は、金額で約335万円、数量で14トンとなっている。
(クマ目撃3分の1に:石川)
県内で今年、ツキノワグマの目撃件数が激減している。県や各市町に24日までに寄せられた目撃情報は、前年同期の約3分の1に当たる31件。県が28日までにまとめた「餌資源調査」の中間報告でも今秋は餌が豊富になるとの予測が出ており、県は「今のところ大量出没の可能性は低い」(自然保護課)としている。県によると、クマの目撃数は1~3月がゼロで、4月が6件、5月が7件、6月が10件、7月が8件。近年は目撃が少なかった小松市が12件と最も多く、出没が目立っていた白山市は1件、金沢市は4件となっている。2007(平成19)年以降、目撃数が急増していた宝達志水町でも4件にとどまっている。県が金沢市から加賀市の山間部約60カ所で行っている餌資源調査によると、餌となるブナやコナラ、ミズナラの花芽の生育状況は良く、食べ物を求めて人里に降りてくるクマは少ないとみられる。県は「山に入る時には警戒心を緩めず、クマを見掛けたら必ず関係機関に連絡してほしい」(自然保護課)と呼び掛けている。
(クマの目撃情報:新潟)
28日午後5時半ごろ、糸魚川市青海の青海川河川敷で、近くの住民が散歩中にクマを目撃した、と糸魚川署に通報があった。同署員が現場に駆け付けたが、クマは逃げた後だった。同署ではパトカーによる警戒を強化している。
(クマ目撃80件、2人死傷:青森)
県警地域課は27日、県内の今年のクマ目撃状況(26日現在)を発表した。報告総数は80件で前年同期比で26件増加。うち目撃件数は77件と前年同期に比べ30件の大幅増となった。人的被害は深浦町で死亡1件、むつ市で負傷1件。食害は1件で前年同期比5件減。報告総数を警察署別でみると、多いのは青森署18件、大間署12件、鯵ケ沢署10件などとなっている。人的被害のうち深浦町のケースは5月2日、クマの駆除のため入山した男性(60)がクマに襲われて死亡。むつ市のケースは同月16日、写真撮影のため入山した男性(63)がクマに襲われて顔や頭などに負傷した。県警では、クマの目撃情報を受けると現場周辺のパトロール、小中学校への通報、注意を促す看板の設置などを行っている。今年は報告が増加していることから、県内全署でクマよけの鈴を貸し出すことを検討しているという。県警地域課はクマを目撃した場合、すぐに警察署や市町村に連絡するよう促しているほか、「盆すぎから秋にかけては食害も多発する恐れがある」と注意を呼び掛けている。
(牧場にクマ侵入か:北海道)
27日午後3時ごろ、北見市留辺蘂町花園の同市営花園牧場の柵の外で、乳牛1頭が食い殺されているのが見つかった。同市によると、足跡などから親子グマが柵を壊して侵入したとみられ、市は注意を呼びかけている。
(尾瀬のニッコウキスゲ、大群落復活もシカ食害懸念:福島)
尾瀬国立公園の大江湿原や尾瀬沼などで、ニッコウキスゲが見ごろを迎えた。昨年は遅霜などの影響で不作だったが今年は大群落が復活した。しかし、ニホンジカによる食い荒らしも目立ち、関係者をやきもきさせている。ニッコウキスゲはユリ科の多年草。株で冬を過ごし、夏は茎先に数個のつぼみを付けて順番に開花する。地元の檜枝岐村によると、昨年は霜害に加え、花芽がシカに食べられる被害が続出し、花はほとんど見られなかったという。今年は花芽の食害は免れたが、開花後に種になる部分を食べられるケースが目立つという。同村の平野信之教育長は「多年草といっても、新たな株が育たないと数年先が心配。花が見られて良かったと手放しでは喜べない」と話していた。シカ対策として、今年から尾瀬沼周辺など特別保護地区で駆除が始まった。5月下旬からのわな猟による捕獲は7頭。同村猟友会メンバーでもある平野教育長は「7月までに20頭程度を見込んでいた。設置場所などを見直し、観光シーズン後の10月からの駆除の再開に備えたい」と話していた。
(工事現場から弾頭57個:北海道)
28日午後2時ごろ、室蘭市茶津町9の排水管工事現場で、砲弾のようなものが57個埋まっているのを作業員が見つけ、室蘭署に110番通報した。陸上自衛隊第7師団(千歳)の不発弾処理班が回収して調べたところ、57個はいずれも長さ12センチの円すい状で、旧日本軍の37ミリ砲弾の弾頭部とみられるという。火薬は入っておらず、爆発の危険性はなかった。この工事現場では24日にも、ほぼ同じ場所から、35ミリ機関砲弾の弾頭部18個が見つかっている。
(ライチョウ、絶滅防ぐ手だてを広く:長野)
日本のライチョウはヨーロッパなどと違って人を恐れず、逃げない。神々が鎮座する山にすむ鳥として大切にされてきたため、と研究者らはみている。そのライチョウが、このままでは絶滅する恐れさえある。信州大の中村浩志教授らの調査によると、長野県内を中心とした国内全体の生息数はこの20余年で4割以上減少して、1600羽台になっているとみられる。特に南アルプス北部での減少が著しい。最大の生息地・北アルプスや御岳山での減少も目立つ。いくつもの原因がライチョウを追い詰めている。一つは、ライチョウのすむ高山帯へ低山帯の動物が進出していることだ。ニホンジカやサルがライチョウの餌である高山植物を荒らす。キツネやテン、カラスはライチョウを捕らえて食べる。登山者やスキーヤーの大量の入り込みや、ごみもライチョウの生息環境を悪化させる。長い目でみると、地球温暖化も挙げられる。温度が上がるほど生息域が狭められる。中央アルプスでは既に絶滅したとみられる。全国的な絶滅は何としても防ぎ止めたい。新潟県のトキから分かるように、個体数が減りすぎてからだと復活へのハードルは高くなる。減少傾向が顕著になった今の時点で、対策に本腰を入れるべきだ。県はライチョウ保護回復事業計画に従い、高山植生の復元、ニホンジカの個体数調整などを急がねばならない。生息域以外で飼育繁殖させる技術も必要になる。自然状態での繁殖が困難になった場合に備えてである。大町市では、約40年間低地飼育に取り組んだ。2004年に最後の1羽が死亡した。再開を求める声も高まっている。そんな中、東京の上野動物園がノルウェー産ライチョウの人工飼育を始めている。餌をついばむひなの姿がかわいい。日本のライチョウとどこが同じでどこが違うのか、興味がわく。大町の山岳博物館とも連携を強め、飼育技術を確立してほしい。ライチョウ保護は、国、県、市町村、研究者のほか、登山者や関心を持つ人みんなが力を合わせてこそ効果が出る。南アルプスはライチョウが生息する世界の最南端だ。各国の研究者が参加する「国際ライチョウ会議」が2011年に日本で開かれる。世界全体のライチョウ、ひいては広く鳥と人の関係に目を向ける機会にもしたい。
(カナダ、アザラシ製品禁輸でEUをWTO提訴へ)
欧州連合(EU)によるアザラシ製品の禁輸措置に対し、カナダ政府は27日、自国のアザラシ猟保護のため世界貿易機関(World Trade Organization、WTO)に提訴すると発表した。ストックウェル・デイ(Stockwell Day)貿易相は、記者団に対し「われわれはこの措置に非常に失望している。WTOのガイドラインに違反していると確信している。(アザラシ猟は)人道的、科学的であり、持続可能性に関する環境規則に従ったものだ」と語った。EUは、EU域内27か国におけるカナダ製アザラシ製品の取引禁止措置を決めていた。棄権したデンマークとルーマニア、オーストリアの3か国以外はすべて賛成した。デイ貿易相は、「科学的根拠に基づかずに貿易について判断することは不適切だ。ゆえに本日カナダは、この採決について提訴することを発表する」と述べた。先住民イヌイット(Inuit)の団体「Inuit Tapiriit Kanatami」のメリー・サイモン(Mary Simon)代表は、禁輸措置について「動物保護団体の宣伝キャンペーンに影響された根拠のない非難」と批判した。15万人のイヌイットを代表する非政府組織(NGO)、イヌイット北極圏会議(Inuit Circumpolar Council、ICC)のバイオレット・フォード(Violet Ford)副代表(国際問題担当)は、イヌイットは今後もアザラシ猟を続けると述べ、法的な対応も検討していると語った。フォード氏は、「ロシア、アラスカ、カナダ、グリーンランドの全イヌイットが、この問題についてEUに反対する。われわれは数千年前から持続可能な方法による人道的なアザラシ猟を行ってきており、今後も同じことを続けていく」と語った。

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(有害鳥獣のシカ、おいしく食べよう:京都)
有害鳥獣として駆除したシカの肉をおいしく食べてもらおうと、シカ肉料理教室が24日、滋賀県日野町鎌掛の鎌掛公民館で開かれた。町内産シカ肉を和洋中14品に調理し味わった。町有害鳥獣被害対策協議会が主催し、町内の主婦ら20人が参加した。料理教室「ピットインクッキングサロン」(京都市)の赤塚愛代表を講師に招いた。参加者は、捨てられることの多いモモ肉や内臓などを主に使い「レバーと日野菜、貝柱のソテー」「モモ肉しぐれ煮」「心臓の薫製」「シカ肉回鍋肉」などに仕上げた。イノシシ肉や同町原産とされる日野菜の料理も作り、シカ料理と合わせ計24品を参加者ら約40人で味わった。参加した農業藤澤澄子さん(65)=同町清田=は「シカ肉は臭みがあると聞き、今まで食べたことがなかったが、おいしい。家でも作りたい」と話していた。
(銃刀法違反で2容疑者を起訴:石川)
金沢地検は24日、銃刀法違反容疑で石川、茨城、埼玉の3県警合同捜査本部に逮捕された茨城県ひたちなか市、解体業、根本弘(49)▽埼玉県上尾市、会社員、長崎和雄(61)--の両容疑者を銃刀法違反罪で起訴した。起訴状によると、昨年12月16日ごろ、根本被告が回転式拳銃1丁を長崎被告に6万円で販売。長崎被告は自宅で不法所持していたとされる。2人とも容疑を認め、根本被告は拳銃について「解体現場で拾った」と供述しているという。石川県警組織犯罪対策課の調べによると、2人はモデルガンのネットオークションを通じて知り合い、今年6月、長崎被告が買った拳銃をネットオークションに出品していた。根本被告の自宅から回転式拳銃と空気銃3丁を押収し、鑑定している。
(爆薬原料所持の少年再逮捕:神奈川)
神奈川県相模原市の少年(19)が爆薬原料の薬品を所持したとして逮捕された事件で、警視庁久松署などは24日、強盗傷害容疑で、少年を再逮捕した。同署は少年が薬品の購入資金を得るため、同様の強盗などを繰り返した疑いもあるとみて調べる。逮捕容疑は昨年3月10日午後11時ごろ、相模原市淵野辺の路上で、女性会社員(29)に高圧電流銃を突き付け、現金約1000円が入ったバッグを奪い、2週間のけがを負わせた疑い。
(特急とイノシシ衝突、JR紀勢線17分遅れ:三重)
23日午後10時50分ごろ、三重県御浜町のJR紀勢線阿田和―紀伊井田駅間で、名古屋発新宮行きの特急「ワイドビュー南紀」(4両編成)がイノシシと衝突した。乗客30人にけがはなかった。JR東海によると、イノシシは体長約1メートル。衝突後、車両点検をしたため、この特急と別の普通列車がそれぞれ17分遅れた。
(イノシシ1頭、増水の川脱出:福岡)
九州北部を襲った豪雨から一夜明けた25日午前9時半ごろ、八幡東区槻田2丁目の槻田川で、ずぶぬれのイノシシ1頭が現れた。八幡東署によると、「川に弱ったイノシシがいる」との通報を受けて同署員5人が駆けつけると、体長40-50センチのイノシシが岸辺にうずくまっていた。川は大雨の影響で水位が上昇し、流れも速かった。署員や地域住民が救出しようとすると、イノシシは川下に逃走。浅いところを走ったり、急流を泳いだりして、約500メートル先から道路に上がり、住宅街を抜けて走り去ったという。目撃した同区大蔵3丁目の田辺寛さん(69)は「集中豪雨が野生動物にも被害を及ぼすなんて」と驚いていた。
(田んぼのアイガモ受難:兵庫)
アイガモ農法で米作りに取り組む神戸市北区長尾町宅原で、田んぼに放されているアイガモがイタチやキツネによって相次いで犠牲となり、農家が頭を痛めている。背中につつかれた跡が目立つようになり、カラスも“犯人”に浮上。昨年は半分以下しか生き残らず、今年も放鳥から約1カ月で約100羽が死ぬ事態に。農家は「何羽生き残ってくれるのだろう」と気をもんでいる。下宅原営農改善組合は、2005年からアイガモ農法を実施。アイガモが害虫を食べ、泳ぐことで雑草を生えにくくし、無農薬の米をつくっている。毎年6月中旬、ひな200羽を田んぼに放し、穂が実る8月下旬に引き上げて解体処理する。これまで9割は無事だったが、昨年は94羽しか残らなかった。同組合は田んぼの周囲にネットや釣り糸を張って防御していたが、組合長の馬場文雄さん(53)は「ネットのすき間からキツネやイタチが入って、ひなを持っていったのだろう」と話す。今年は釣り糸を増やしたにもかかわらず、今月中旬までに半数が犠牲となった。足や背中をつつかれ、弱って死んでいることもあり、農家は夕方になるとアイガモを小屋へ誘導するなどの対策を取っているという。三田市でアイガモ農法に取り組む「三田合鴨稲作会」でも、カラスによる被害が多いという。JA兵庫六甲三田営農総合センターは「農家が早朝に田んぼへ行って、大声でカラスを追っ払っている」と話す。県立人と自然の博物館(三田市)の研究員によると、カラスにとって、カモのひなは手ごろなえさだという。「カラスの生息分布が変わって、北区で狙われるようになったのか」と分析する。馬場さんは「稲が大きくなれば、アイガモの姿が見えにくくなる。それまで何とか守りたいが」と話している。
(銀座で養蜂でカラス被害ピタリ:東京)
東京・銀座でカラスが激減している場所がある。ビル屋上で養蜂(ようほう)を始めたところ、近くにカラスが寄り付かなくなったというのだ。ミツバチがカラスを撃退しているのか。都心の不思議な現象を追った。養蜂が行われているのは、中央区銀座三丁目の紙パルプ会館の屋上。ミツバチの飼育を通じて、環境と生態系を感じようと特定非営利活動法人(NPO法人)「銀座ミツバチプロジェクト」が二〇〇六年から始めた。採れたはちみつを使った洋菓子を販売するなどしてきた。近隣のビル屋上にある朝日稲荷(いなり)神社では、コメなどのお供え物を入れた皿がカラスに割られる被害に遭ってきた。だが、養蜂が始まって以降、被害がピタリとやんだ。「銀座ミツバチプロジェクト」の副理事長田中淳夫さんは、「神社は、ハチの通り道になっているようだ」と話す。ミツバチは天敵のクマなど黒っぽいものを見つけるとまとわりつく習性があるといわれる。人も黒い服で巣箱に近づくと危険なため、はちみつを採る際は白い作業着を着る。「真っ黒なカラスはハチの攻撃対象となる可能性があるのでは」と田中さんはみる。紙パルプ会館も、以前は屋上にカラスが集まっていたが、ハチを飼い始めてからは姿を見せなくなった。ハチのみつ集めのために花壇がつくられた近くの区立中央会館・銀座ブロッサムの屋上でも、カラスが姿を消した。ただし、「銀座全域からカラスがいなくなったわけではない」と田中さん。紙パルプ会館に近い昭和通りでは、カラスが街路樹のイチョウの間を元気に飛び回っている。ハチの効果は限定的なのかもしれない。都内に生息するカラスは一時減少傾向にあったが、〇七年から増加に転じ、〇八年は二万千二百羽と推定されている。ごみを荒らすなどするため、嫌われるカラス。ハチの飼育は、カラス撃退の有効な手段になるのか。都市鳥研究会の川内博事務局長は「カラスがミツバチを嫌うという話は聞いたことがない。通常、屋上は人がめったに来ない場所で、カラスが餌を食べる場所になっている。カラスにとって人間が一番の天敵で、養蜂に伴って屋上に来る人を警戒しているのではないか」と話している。

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