<射撃ニュース8月>

8/21
(大音量スピーカー売り込み、有害鳥獣対策や災害現場へ)
丸紅情報システムズは、不審船に警告するのを目的に開発された米軍向けの大音量スピーカーの小型版を、官公庁や自治体に売り込む。海上自衛隊などが使っている従来機種より軽量で値段も安く、災害現場での活用などを提案する。販売するのは、米国のアメリカンテクノロジー社が開発した長距離音響発生装置「エルラド」。音声を高周波に変換し、スピーカーの形も工夫することで、1キロ以上先にもはっきりした音を伝えられるという。従来の主力機種は20キロあったが新型は14キロで、価格も200万円ほど安い350万円。プロペラ音がうるさいヘリコプターから地上に情報を伝えることができるなど、災害現場での活用や、農地からシカなどの野生動物を追い払う用途などで、自治体に売り込む考え。鳥が飛行機のエンジンに衝突する「バードストライク」の防止策を検討中の国土交通省に対しては、空港で鳥が嫌がる音をスピーカーを使って流すことで、鳥を追い払う方法を提案するという。
(クマの仕業?産直店のみそ、食い荒らされる:秋田)
20日午前6時20分頃、秋田県鹿角市八幡平の産直食品販売店「旬のふれあい市」のサッシ戸が破られ、店内のみそが食い荒らされているのを、通りがかった男性が発見し秋田県警鹿角署に通報した。店内に残された足跡から、同署はクマの仕業とみている。販売店はJAかづの女性部が運営。従業員によると、店内にはモモなどの果物やナスなどの野菜も置かれていたが、食い荒らされたのは1袋約500グラム入りのみそ15袋のみだった。店の入り口のサッシ戸はガラスが割られて手前に倒されており、店の壁や床に、クマの成獣とみられる大きさ約20センチの足跡が数個残されていた。同署の発表によると、襲われたのは店の従業員がいなくなった19日午後6時以降で、20日朝までに、半径約500メートル以内にある別荘やコンビニ店のゴミ集積所計5か所も壊されていた。鹿角市農林課は21日から、販売所の裏手にはちみつを入れたオリを設置し、クマの捕獲を試みるという。販売店は八幡平アスピーテラインの入り口に近い国道341号沿いにあり、周りには別荘が立ち並ぶ。近くの不動産会社に出勤途中に被害を発見、通報した同市八幡平の会社員浅石敦幸さん(54)によると、店の周囲では数年前から、年1回はクマが出没するという。浅石さんは、「大声を出して歩くなど、自衛策を講じてはいるが、いつクマと鉢合わせになるか分からず怖い」と話していた。
(土建業界、異業種参入:高知)
シイタケ小屋を改造した建物で、体長約40センチのキジの幼鳥が飼われている。止まり木で休んだり、地面を歩き回ったり。いの町大森の山間部。6月に孵化(ふか)したばかりのひな約1千羽が餌をついばんでいる。飼っているのは同町を拠点にする土木建設業の手箱建設だ。「本業以外に採算を見込める事業を」と地元の本川きじ生産組合にノウハウを学び、7月に始めた。
(冬鳥オオヒシクイ、湖北で越夏:滋賀)
滋賀県湖北町今西の琵琶湖岸で、越冬後も大陸に渡らずに居残った冬鳥のオオヒシクイ1羽が、酷暑に負けず元気に夏を過ごしている。湖北野鳥センター(同町)によると、滋賀県内で越夏が確認されたのは初めてで、「羽が生え替わる様子も観察でき非常に貴重」という。オオヒシクイは体長90センチ前後のカモ科の渡り鳥で、国の天然記念物に指定されている。ロシアのカムチャツカ半島で初夏に繁殖し、湖北地域には毎年9月下旬ごろから順次飛来して越冬する。センター職員が、換羽時期の7月下旬に近くの田んぼに成鳥が飛来したのを確認。現在は湖岸付近で草を食べたり、水浴びをしたりして過ごしており、新しい羽を羽ばたかせ始めている。琵琶湖で越冬したかどうかは不明だが、同センターは「春に群れからはぐれた後、安全な場所を求めて迷い飛んでいたのではないか。仲間が来るまで元気でいてほしい」と願っている。

TOPへ

8/20
(散弾銃の実弾みつかる:岡山)
美作市の豪雨災害で被災した家屋のごみが搬入されている作東産業団地(同市竹田)内の臨時ごみ集積場で、散弾銃の実弾2発が19日までに見つかった。市によると、18日午後6時半ごろ、職員が災害ごみに交じっているのを発見、美作署に届けた。実弾は未使用で直径17ミリ、長さ6センチ。カモなどの小型の鳥を撃つ際に使うという。同署は「散弾銃と実弾は金庫などでの厳密な保管が義務付けられている。ずさんな管理で悪質」として、火薬類取締法違反の疑いで捜査している。
(食害獣、市町境越え捕獲:京都)
市町の境界を越えて丹波地域でシカとイノシシの駆除を進める、初の「南丹地域野生鳥獣広域捕獲協議会」が19日、京都府南丹市園部町小山東町の府園部総合庁舎で開かれ、今秋に向け捕獲計画を決めた。猟友会への有害鳥獣の捕獲許可は市町村長が出しているため、猟師は市町の境界を越えて活動できず、害獣の捕獲を断念することがあるという。一方で農林業への鳥獣害が深刻になり、猟師の高齢化も進んだことから、府が本年度から振興局単位で捕獲体制の整備を進めている。協議会には府と2市1町の職員、丹波地域の猟友会や森林組合など17人が出席。本年度の計画として、11月以降、市町境をまたぐ山林など5区域でシカとイノシシを駆除することを決めた。境界区域の捕獲許可は府南丹広域振興局長が出し、境界に接する一方の市町の猟友会が活動する。昨年度、丹波地域では有害鳥獣による農林業被害額が約2億5千万円に達し、シカとイノシシ計2860頭を捕獲した。同振興局は「効率的な駆除のため、市町域を越えた活動は重要。獣害を受けた農家の要望も強く、来年度以降、市町境界の捕獲区域を拡大したい」としている。
(不良集団リーダー、改造空気銃所持容疑で5度目の逮捕:愛知)
名古屋市を中心とする不良グループがひったくりなどの違法行為を繰り返していたとされる事件で、愛知県警非行集団対策課と中署などは19日、銃刀法違反(所持)の疑いでリーダー格の会社員板谷博希容疑者(28)=同市中区正木3=を再逮捕した。板谷容疑者の逮捕は5度目。逮捕容疑は、4月22日午前7時20分ごろ、グループのメンバーと共謀し、許可がないのに殺傷能力のある空気拳銃2丁を所持したとされる。調べに対し、板谷容疑者は「そんな事実はありません」と否認している。中署によると、板谷容疑者は同日に窃盗容疑などで逮捕され、空気拳銃はその際の家宅捜索でメンバー宅から発見された。改造されて市販のモデルガンの10倍以上の威力があるという。
(上半期発砲事件、最少の14件)
1~6月の発砲事件は昨年同期比10件減の14件で、上半期の統計が残る1994年以降の最少を更新したことが20日、警察庁のまとめで分かった。うち7件は暴力団員などによる発砲。死者はなく、負傷者は10人だった。銃を使った事件は16件増の152件で、強盗が33件増の63件となったのが目立った。
(クマ駆除へおり設置:石川)
金沢市正部町の路上で19日夜、散歩していた同町の自営業男性(42)がクマに襲われ軽傷を負ったことを受け、県猟友会金沢支部と同市の関係者17人は20日、現場周辺の山中などを捜索した。クマは発見されず、同支部などはクマを駆除するため同日午後、山中におり1基を設置する。おりは円柱形で直径1メートル、長さ2メートル。奥にはちみつを仕掛け、クマが中に入ると格子が下がる仕組み。同支部によると、山中では数匹のクマの足跡が見つかっている。里山にある餌を求めて民家近くまで下りてくる傾向があるという。
(駐車場7階でシカ捕物劇:北海道)
釧路市中心街の7階建て立体駐車場「パステルパーク」(末広町3)に20日未明、エゾシカ1頭が迷い込み、警察官らと半日間のにらみ合いの末、同日昼に捕獲された。駐車場の管理会社によると、同日午前1時半ごろ、3階付近にシカがいるのを利用客が発見した。シカは7階に逃走し、夜明けまで釧路署員が警戒。朝から釧路支庁職員らが網で追い込み、正午ごろやっとつかまえた。釧路市動物園によると、捕獲されたシカは1歳の雌。捕獲後に麻酔で眠らせたが、脇腹にけがをしており、動物園で治療する。現場は繁華街の一角。近くで青果店を営む竹内正昭さん(60)は「店は先代から62年間続いているが、シカが出たという話は聞いたことがない」と驚いていた。
(クマに注意!目撃情報相次ぐ:栃木)
県内でクマの目撃情報が増えている。夏は山でエサが取れず、人里に下りてくるためだ。十九日も那須町で子グマが現れ、県は注意を呼び掛けている。「突然で、肝を冷やしましたよ」と話すのは同町高久丙の河村尚幸さん(55)。同日午前六時半ごろ、りんどう湖近くの四ツ川沿いを飼い犬と散歩中、河原の斜面を体長一メートルほどの子グマが駆け上がってきた。立ち向かおうとする犬を必死で呼び戻しながら「『近くに親グマがいるはず』と思い、全力でその場を離れました」と声を上ずらせた。県自然環境課によると、八月は例年十~二十頭を捕獲する最もクマが出没する時期。春の新芽や秋のドングリなどのエサが取れない「端境期」であることが原因という。十四日には日光市の山林でキノコ採りをしていた男性が親グマに襲われて軽傷を負った。県の担当者は、「クマが襲ってくるのは身を守ろうとする防衛本能」といい、「クマに出くわさない工夫が大事。鈴を持ったり複数で山に入るなど、人間の存在を相手に知らせることが必要です」と話している。
(青い森アリーナ近くでクマ食害:青森)
19日午前4時ごろ、青森市矢田山野井の畑でトウモロコシ約300本が食い荒らされているのを、畑の所有者の男性(73)=同市東造道3丁目=が発見し、110番通報した。畑は青い森アリーナから北東約1.3キロの地点で、青森署はクマによる被害とみて付近を警戒した。
(ヒグマ目撃、市内で急増:北海道)
帯広市内でヒグマの出没が相次いでいる。市に寄せられた今年の目撃情報は18日現在18件で、昨年の4.5倍。これまで情報が少なかった大正地区でも足跡が見つかっており、市などは一部地域で威嚇用の爆竹や花火を配布、注意を呼び掛けている。市によると、今年初の目撃情報は7月3日。市内泉町の防風林内で足跡が発見され、その後は広野町や以平町などにも広がった。通報は今月から急増し、14~17日は4日連続で足跡が見つかっている。足跡は長さ28~30センチ程度。発見場所により歩幅に差があるため、市は複数のクマが出没しているとみる。農作物被害も出ている。16日には清川町と幸福町の畑でビートが食い荒らされた。帯広大正農協によると、18日も以平町のナガイモ畑で長さ28センチの足跡が見つかり、隣接する畑でビートが被害に遭ったという。同農協の青山哲男営農振興部長は「大正地区で見つかっている足跡は同じ大きさ。同じクマではないか」とみるが、捕獲には至っていない。市は6月末、太平町と八千代町の2カ所で、人里とクマの住む森を隔てる緩衝帯を設置。畑との境目にある防風林2カ所で雑草を刈り、見晴らしを良くすることでクマの進入を防ぐ狙いだ。市農村振興課は「大正地区に緩衝帯をつくることも検討したい」と話す。浦幌町を拠点にヒグマの生態を調査している日大生物資源科学部の佐藤喜和講師は「親離れした子グマが人里に降りることもあるが、今年は浦幌では目撃情報が少ない。なぜ帯広で増えたかは分からない」と話している。
(むつでサルとの共生考えるシンポ:青森)
国の天然記念物「北限のサル」と人との共生を考えるシンポジウム(主催・下北半島のニホンザル被害対策市町村等連絡会議)が19日、むつ市で始まった。同市でニホンザルをテーマにシンポジウムを開くのは初めて。国や大学の専門家、サルの被害に悩む全国の自治体関係者ら約180人が出席し、被害対策や保護管理について活発に意見を出し合った。

TOPへ

8/19
(かかし40体、棚田をガード:岡山)
岡山県新見市北部の中国山地にある菅生地区の棚田に、猟師や子どもなどをモデルにした40体のかかしが並び、黄に色づき始めたアキタコマチの稲穂をスズメなどから守っている。野鳥やイノシシ被害に悩まされていた農業徳永美義さん(80)が6年前、20体ほど立てたところ、被害はほとんどなくなった。今では地区の名物になり、地域の人たちがかかしの衣装を寄付してくれ、今年は登校中や魚釣りの小学生、浴衣でくつろぐ主婦ら40体があぜ道に並んだ。棚田は、分かりにくい場所にあり、近くの県道に旗を振って知らせるガードマンのかかしも置いた。刈り取りをする9月20日頃まで愛嬌(あいきょう)をふりまく。徳永さんは「みんな喜んでくれるので、作りがいがある」と話している。
(サル食害今年も確認:青森)
国の天然記念物「北限のサル」による農作物被害が昨年初めて確認されたむつ市川内町野平高原で、今年もニホンザルの食害が出始めた。野平地区は高原野菜の産地として知られ、被害に遭った野菜には、出荷までもうすぐというものも多い。「サルが味をしめて、今後被害が広がるのでは」と生産者に不安が広がっている。

TOPへ

8/18
(散弾銃事故、男性を書類送検:山形)
村山市土生田の最上川で、今年1月、カモの狩猟中に撃った散弾銃の弾が仲間の男性2人に当たり、2人が重傷を負った事故で、村山署は17日、散弾銃を撃った大石田町の農業の男性(48)を業務上過失傷害と銃刀法違反容疑で山形地検に書類送検した。送検容疑は、男性は1月9日午後1時半ごろ、狩猟仲間の男性2人と一緒に木造の小舟に乗りカモ猟をしていた際、周囲の安全を確認せず散弾銃を発射し、前にいた62歳の男性に頭を切る重傷を、また57歳の男性にも右腕を骨折する重傷を負わせたとしている。同署によると、撃った男性は「カモを見つけたのに前の2人が撃たないのでよく確認しないで急いで撃った」と供述しているという。
(イノシシの農作物被害深刻:広島)
イノシシによる農作物被害が広島県世羅町で広がっている。今年上半期の被害件数は110件で昨年の2倍。捕獲頭数も7月末現在69頭で2・5倍以上に増えている。専門家は農家の高齢化で山が荒廃し、餌を求めてイノシシの行動範囲が広がっていると分析する。2006年から始めた町の調査では、上半期のイノシシ被害が100件を超えたのは初めて。7月までの捕獲頭数も06~08年は20頭台で推移してきたが、今年は7月だけで25頭も捕まった。町内の農園では夏の果物や秋に向けて栽培中の花などが被害を受け、香山ラベンダーの丘(世羅町別迫)ではブルーベリー300本のうち10本以上がなぎ倒された。ラ・スカイファーム(同)では梅や栗の木が被害に遭った。世羅ゆり園(同町黒渕)では約2ヘクタール拡大したユリ畑の球根がすべて食べられた。農家は防護柵を張り巡らせるなど対応に追われている。世羅ゆり園の風呂元貢社長(59)は「畑全体の周囲にネットを張ったが破られる。金網や電気柵の導入を検討している」と話す。町は今年から捕獲に力を入れ、9月2日には世羅郡水田農業推進委員会などがイノシシ対策の研修会を開く。
(クマの目撃・食害多発:青森)
県内でクマの目撃・食害情報が依然相次いでいる。16日から17日午後8時までの報告総数は計13件。今年の累計は129件で前年同期比で46件増となっている。県警などは、複数で入山するよう促すなど注意を喚起している。今年のクマに関する報告の累計は17日午後8時現在、目撃98件(前年同期比36件増)、食害28件(同9件増)、人的被害3件(同1件増)。食害はトウモロコシの被害が大半。17日には平内町の隣接する2カ所の畑で計960本が被害に遭ったほか、青森市矢田の畑3カ所で計210本の被害が確認された。同一エリアで同じクマが目撃されているケースも考えられるが、報告総数が多いことについて、県自然保護課は「ドングリなど堅果類が豊富な年の翌年はツキノワグマの繁殖数が多い傾向にある。昨年も豊富だったので、子グマの数が増えていることも考えられる」と話している。県警地域課や県自然保護課では、入山時は複数で行動し、クマよけの鈴やラジオなど音を出す物を携帯すること、山中や畑に食べ残しや食べ物の容器を放置しないことを改めて呼び掛けている。
(国道121号でクマを目撃:福島)
16日午後3時30分ごろ、喜多方市岩月町入田付字舘ノ下の121号国道で、車で通行していた人が道路を横切るクマ1頭を目撃し喜多方署に通報した。クマは体長約80センチ。喜多方署はパトカーを出動させ、注意を呼び掛けた。
(死体の模型設置:岩手)
JR東日本盛岡支社がカラスとの知恵比べに今年も乗り出した。例年秋に増えるカラスの置き石。今年は春先から相次いだことから、7月下旬にカラスの死体模型6個を東北本線に設置した。功を奏し、「いたずら」はぱたりとやんだ。同支社は秋に向け「まだ気は抜けない」と気を引き締めている。置き石は、沿線に田園が広がる線路に多く発生するという。同支社によると、カラスの置き石で脱線する恐れはないという。ただ、運転手が異音を感じて急ブレーキをかけるため、車両や線路の点検や、乗客の安全確認などに時間を取られ、運行に支障が出る。置き石による遅れなどの支障が07年度には18件、08年度には15件、今年度は7月までに9件起きた。支社内に「研究開発グループ」を立ち上げ、早めの対策に乗り出している。設置したカラスの死体模型は、本物のカラスの羽根を使っている。上りと下りのレールの間に、くいを打ち込み、そこから逆さにつるす。カラスは仲間が死んでいると認識するのか、「上空に来ても、警戒して線路に近づかない」(同支社広報)。過去には動物の生態に詳しい専門家の助言を得て、カラーシートを線路に敷いたり、小さな風車を置いたりするなど、あの手この手で「封じ込め」に苦慮してきた。対策を施した区間では被害が確認されなくなったという。ただ、敵もさるもの。過去には、対策したすぐ隣の区間を狙われるなど、「頭がいい動物」という。今回は設置が簡単で、効果も期待できるカラス模型を選んだが、担当者は「もしかしたらカラスが慣れてしまうかもしれない。人間との知恵比べは続きます」。

TOPへ

8/17
(電気柵でイノシシ撃退、深刻な稲作被害に対策:石川)
津幡町議の農業谷下紀義さんが、山間にある同町牛首の自宅近くの田んぼを荒らすイノシシに頭を悩まし、電気柵を設けた。周囲には稲を倒され、昨年の出荷を断念した農家もおり、効果に期待している。イノシシは四、五年前から、稲の収穫間近に出没するようになった。転げ回って稲を倒したり、歯で稲穂をしごくという。今年は昨年より一カ月ほど早く八月に入って田んぼに大小の足跡が見られるようになった。電気柵は、乾電池六本を使用する簡単なもので、費用は二万円余。谷下さんは、イノシシが入ってくる田んぼの谷側約百メートルに巡らした。おりで捕獲する手もあるが手続きに手間がかかり、自前で対策を講じたという。全国的にはイノシシによる農作物の被害は拡大傾向にあるとされ、田畑が全滅するケースも珍しくない。谷下さんは「クマと同様、山に食べ物が少なくなり、里の方へ下りてきたのでは」と指摘。今年の冷夏の影響も懸念材料に、対策の必要性を訴えている。
(ゴルフ場にクマ?周辺住民に注意呼びかけ:山口)
14日午後2時20分ごろ、山陽小野田市津布田の厚狭ゴルフ倶楽部で、クマらしき動物の目撃情報があった。山陽小野田署によると、17番ホールでプレー中の3人の客が、約120m前方を横切る体長1m程度の熊に似た動物を目撃した。周辺のパトロールによる広報活動で、付近住民に警戒を呼びかけた。人畜、農作物への被害は確認されていない。

TOPへ

8/16
(ニホンジカ、人里近く定住し食害:京都)
GPS(衛星利用測位システム)を取り付けてニホンジカの行動を把握する滋賀県東近江市の調査で、シカが集落付近に定住して農作物を荒らすケースがあることが分かった。シカが同じ場所で食害を拡大させる科学的なデータはこれまでなく、市農林水産課は「効率的な有害駆除に生かしたい」としている。調査は1月から行い、同市永源寺地区でオスとメスのシカ計2頭にGPS付き首輪を設置。1時間ごとの動きを追い、3月までの結果をまとめた。オスジカの活動は同市永源寺相谷町の人里近くに集中。期間中、半径約100メートル内にとどまり、冬季を一カ所で過ごしたことが判明した。昼夜別では午前0-4時に集落に出没し、朝方には裏山に「帰宅」。夕方まで山中で過ごしており、「人が出歩く時間帯を避けている」(同課)という。同市ではこれまで有害駆除の範囲を、人里離れた山中を含めて広めに設定していた。同課の小泉和也副参事は「集落付近に出没するシカを狙えば、被害を軽減しやすくなるはず」と話し、人里近くで使いやすい罠(わな)猟を強化する方針だ。またメスジカは対照的で、多賀町近くまで約5キロも山中を移動していた。メスは通説で「行動範囲が狭い」と言われるが、異なる調査結果になった。小泉副参事は「農作物が少ない地域で生息し、自然の餌に依存していたからではないか」と推測。今月にGPSを装着したシカを2頭増やし、さらに検証を進める。
(クマが車の警笛鳴らす?:秋田)
16日午前1時半ごろ、鹿角市八幡平字熊沢の温泉旅館「後生掛温泉」駐車場で、周辺の見回りを終え戻ろうとしたパート従業員の男性(69)が突然、車のクラクションの音を聞き懐中電灯で照らしたところ、軽乗用車の近くに体長1メートルほどのクマがいるのを見つけた。クマは、すぐに林に入っていったという。鹿角署によると、軽乗用車の運転席側窓ガラスが粉々に割れ、ドアにはクマの爪跡らしき傷が残っていた。所有者の宿泊客が窓ガラスを少し開けて駐車、車内にメロンや菓子、みそだるを置いていた。同署は「食べ物のにおいに誘われたクマが、窓のすき間に前足をかけてガラスを割り、中に入ろうとしてクラクションを鳴らしてしまったのでは」とみている。駐車場は旅館の正面玄関前。県内外の125人が宿泊中だった。

TOPへ

8/15
(クマに襲われ68歳男性軽傷:宮城)
14日午前8時半ごろ、仙台市泉区根白石の山林で、近くに住む男性(68)がクマに襲われ、右指に軽いけがをした。市によると、男性は自転車で買い物に向かう途中、山道で体長約1.6メートルのクマと遭遇。クマに追いかけられ、つめでひっかかれた。クマは山林へ逃げたという。市環境都市推進課は「クマとの遭遇を避けるため、入山時にはラジオや鈴など音の出るものを携帯してほしい」と呼び掛けている。
(イノシシ被害相次ぐ:広島)
岩国市の柱島でイノシシによる農作物の被害が相次いでいる。これまで生息が確認されていなかった離島のため、島民は「海を渡ってきたのでは」と困惑顔。市は捕獲用の箱わなを設置し、本格的な対策に乗り出した。「島では見かけない大きな足跡。たまげたね」。7月上旬、木田昭一さん(82)のイモ畑で、一晩に約100株が食い荒らされていた。そばにはイノシシとみられる足跡がくっきり。ネットを張って自衛しているが「壊して侵入するので、どうしようもない」とつぶやく。その後も島内のイモ畑で被害が続き、イノシシ1匹とウリボウ3匹を複数の島民が目撃した。島から連絡を受け、市は7日、山口県猟友会岩国支部の協力で箱わな(高さ1・2メートル、幅2メートル、奥行き1メートル)を設置。被害現場で足跡を確認した同猟友会の山形一夫副会長(74)は「イノシシに間違いない。群れを追われ、新天地を求めて島に来たのでは」と推測する。近隣の阿多田島(大竹市)や大津島(周南市)などの離島でも、イノシシによる被害が報告されている。いずれも海を渡ってきたとみられ、島で繁殖を繰り返している。
(サルの生態調査でクマに襲われ負傷:青森)
15日午後1時10分ごろ、青森県弘前市藍内の林道で、公立中学校の女性教員(48)が体長約1メートルのクマに襲われ、頭や背中などを負傷した。命に別条はない。県警弘前署によると、女性は大学の研究プロジェクトのボランティアとして、15日午前9時ごろから現地でサルの生態調査をしていた。同行していたボランティア仲間が消防に通報した。
(標津町、野生生物保護へ事業:北海道)
標津町は、野生動物の保護などを進める「標津アニマル・プロジェクト」(野生生物保護管理モデル事業)に9月から取り組む。専門職員1人を新たに採用するほか、NPO法人や大学などと協力し、ヒグマの行動経路など野生生物の生態把握に努める考えだ。町内では昨年、クマによる死者が出たほか、目撃情報が10年ほど前から急激に増えている。野犬やエゾシカ、カラスなどによる被害も増加しているが、現場対応する人や専門知識を持つ人は不足していた。また、知床の世界自然遺産登録により、野生生物や環境の保全への関心も高まり、数年前から情報の一元化や専門職員配置を求める声が役場内から出ていた。国の補助を受けて実現のめどが立ち、5月ごろから具体的な検討を始めていた。事業は3年計画。町に寄せられた野生生物の情報を専門職員に集約。現地対応とデータ整理をNPO法人南知床・ヒグマ情報センターに9月から委託し、得られたデータを北大、東京農大生物産業学部と協力し解析する。高齢化するハンターの後継者育成や野生生物の情報を共有する広域的な協議会設立なども将来の目標としている。専門職員は公募中で、現在、5人が応募している。8月下旬に面接し、早期に着任してもらうという。町農林水産課は「住民へのサービスや安全性の向上、むやみな駆除の抑制にもつながる」と期待している。
(ミンク1万匹、ギリシャの町を襲撃)
ギリシャ北部のある町が、ミンク数千匹の襲撃と闘っている。活動家とみられる人物によって、付近の毛皮業者からミンクが放たれたためだ。地元町長が13日語った。ギリシャ北部のアスキオ(Askio)では9日、ミンク約1万匹が町を襲撃、ニワトリや家畜のウサギに襲いかかった。ミンクを一網打尽に捕獲するため、町は地元の毛皮業者らを動員。しかし、まだ3000匹あまりのミンクが捕獲できずにいるという。同町のVassilis Patras町長は、AFPに対し「やつらは危険な肉食動物だ。小さい羊なら殺してしまうこともできる。捕獲しなければ、この地域には小動物の一匹たりとも残らないだろう」と語った。ギリシャのメディアは、4歳の少女がミンクに足をかまれたと伝えた。また町長によると、ミンクは付近を通過する高速道路で大量に死んでいるという。ミンクを飼育場から放した人物については、「Corvus Revengis(復讐のカラス)」と自称する活動家グループが関与しているとの見方が出ている。「復讐のカラス」は前年12月に、付近のSiatistaで同様の騒動を起こしていた。当時、「復讐のカラス」はインターネットを通じて声明を発表し、ミンクが悲惨な環境で「地獄」に拘束され、生きたまま皮をはがれていると主張していた。

TOPへ

8/14
(イノシシよけで男性が感電死:兵庫)
兵庫県南あわじ市湊里の水田で、同市八木馬回、農業田中忠幸さん(73)が感電死していたことが南あわじ署への取材で13日分かった。同署によると水田の周囲に田中さんが張り巡らせた、イノシシよけの電線に触れたとみられる。電線は高さ約50センチと約1メートルの位置に2本張られており、12日午後7時ごろ、下の電線に顔を引っかけて倒れている田中さんを家族が見つけた。体には通電したあとが残っていた。同署は汗で体がぬれ、通電しやすい状態のまま、足を滑らせるなどして電線に接触したとみている。現場の水田は山すそにあり、イノシシの被害が多い。田中さんは12日朝から1人で作業していた。夜になっても帰宅しなかったため、家族が様子を見に行った。
(奈良漬“泥棒”クマ捕獲:秋田)
秋田県大仙市豊岡の無職村上誠良さん(76)方の小屋で奈良漬を食べていたクマが11日、捕獲された。関係者は「作戦がうまくいき、人的被害がなくてよかった」と胸をなで下ろした。奈良漬の入ったおりを小屋近くの林の中に設置、10日夜から11日未明にかけて、わなにかかったとみられる。奈良漬はなくなっていた。体長120センチ、体重60キロの雌の成獣で、やせ細っていた。暴れたため猟友会が駆除した。胃の中には奈良漬のほかにトウモロコシが残っていたが、山で採れる食べ物はほとんどなかったとみられる。クマは今月2日から5日にかけて連日、村上さんの小屋に現れ、奈良漬を食べていた。11日午前6時ごろ、クマがおりに入っているのを見つけた猟友会の農業戸堀操さん(71)は「空腹に耐えかねたのだろう。人里に来たら身は危険なのに、それだけ山に食べ物が少なく、大変になっている」と同情していた。
(クマ出没:秋田)
養蜂箱を荒らすクマ、川を渡るクマ、車と衝突するクマ…。大仙市ではこの春夏、さまざまなクマの出没情報が大仙署などに寄せられている。県仙北地域振興局へのクマの有害鳥獣駆除の申請件数は昨年の3倍近い。大仙市豊岡の民家の小屋には先週、クマが忍び込んだ。母屋と棟続きの小屋の窓をこじ開けて、砂糖たっぷりのウリの奈良漬をペチャペチャなめていたという。「嫌いな人間のにおいも察知しただろうが、奈良漬の甘い誘惑には負けたのだろう」。仙北マタギの伝統を継承する豊岡マタギの世話人戸堀操さん(71)=同市北長野=がクマの気持ちを推察する。3年前の夏、豊岡ではこんなこともあった。農家の居間にクマがガラス戸を突き破って侵入。家人と遭遇し、慌てて逃げていった。どうやら飼い犬に追い立てられたようだ。クマが生息する奥羽山脈のふもとに広がる地域だけにクマの出没には寛容な土地柄。クマを見掛けても通報しない住民もいるが、家や小屋に入られては話は別だ。奈良漬を狙ったクマは連夜にわたり現れた。市や地元猟友会はやむなく、高さ90センチ、1畳ほどのおりを民家近くの山林に仕掛けた。餌はその奈良漬だ。鉄製のおりを設置しながら、マタギの戸堀さんは思う。「この夏は、家の中に入ってくる羽虫類が少ない。山中にも夏場、クマが餌にするようなハチやアリが少ないのではないか」背に腹は代えられない事情が、山にあるのだろうか。相次ぐクマの出没から、どんな自然環境の変化が読み取れるのかも考えたい。
(林野庁、国有林のシカ食害を調査)
シカによる食害の増加を受け、林野庁は2009年度から初めて、国有林での全国調査を始めた。8、9月の北海道内での調査を皮切りに、全国5森林管理局が計8地域で実施。13年度まで継続調査し、駆除や森林保全など効果的な対策を検討する。ほかの調査地域は栃木県の塩那地方、長野県の南アルプスなど3地域、徳島・高知県境の剣山系、熊本・大分・宮崎・鹿児島各県にまたがる九州中央山地、鹿児島県の屋久島。同庁によると、シカの食害は「農作物被害」が07年度に約47億円に上ったが「林業被害」は明らかになっていない。調査は各森林管理局が委託先を入札で決めて行うが、民間シンクタンクや自然保護団体などが調査主体になる見通し。各地域でサンプル地点を選び、食害のある樹木の本数やシカの頭数などを調べる。結果は学識経験者や自治体担当者、NPO関係者らでつくる委員会で検討し、報告書にまとめる予定。
(里山守り、地域活性化:栃木)
パソコン画面に現れた栃木県茂木町の航空写真。写真上の山ぎわや河川沿いには赤い点が表示されている。イノシシによる農作物被害が起きた場所だ。「ここまで正確に把握しているのは全国でもほとんど例がない」と、宇都宮大里山科学センターの高橋俊守・特任准教授は話す。農林水産省によると、野生鳥獣による農作物被害は07年度に全国で185億円。そのうち最も大きな被害を起こすのがイノシシだ。全国で50億円とされるイノシシ被害のうち、栃木県は1億2000万円を占める。イノシシによる農作物被害は、森林の縁や、夏場の体温調節で訪れる河川に沿って起きやすい。こうした場所をGIS(地理情報システム)を駆使して的確に把握し、集中的にわなをしかけて駆除する。従来型の電気柵による「守り」の対策から、「攻め」の対策への転換という。今、身近な自然の里山では、生き物のすみかが失われつつある。住民の高齢化で森の手入れが不十分となり地表まで太陽光が届かず、下草が育たない。イノシシ以外にもシカが急増し、樹木を食い荒らしている。野生生物と人がどう共存していくのか、現場の実態を踏まえた対応が求められている。そこで、センターは栃木、茨城両県にまたがる那珂川流域の12市町を主なフィールドに、総合的な野生鳥獣の保護管理を担う「地域鳥獣管理士」を栃木県と連携して5年で60人以上育成する。栃木県那珂川町ではイノシシ肉を使った加工食品の開発が進むが、その取り組みを支援する計画だ。大学の母体は農林学校だった。「第1次産業の活性化と地域貢献を通して身近な自然を守りたい」と高橋さんは訴える。
(農地にシカ出没:神奈川)
11日午前10時ごろ、小田原市飯田岡の住民から「仙了川の農地にシカがいる」と、市に連絡があった。市環境保護課職員らが現地に出向いたところ、同市清水新田の仙了川下仙了橋右岸の農地にシカ1頭がいるのを確認した。体高約1メートルで、メスとみられる。市職員らは、住宅地にシカが入り込んで交通事故などを誘発しないようにロケット弾や爆竹を使って追い払った。シカは仙了川と狩川の合流点近くまで移動し、やぶに逃げ込んだという。この2時間半前にも同市穴部新田の狩川で「シカを見た」との連絡が市にあった。両地点の距離は約1キロで、この間に仙了川と狩川の合流点があることから同一のシカの可能性が高いという。いずれの川も台風9号の影響で増水していたことから、シカが河川敷から農地に上がったとみられる。
(クマの目撃通報100件:福島)
今年のクマの目撃通報が10日現在、100件に達したことが県警本部のまとめで分かった。57件だった前年同期より43件も増えている。クマに襲われ、けがをした人は昨年1年間の5人に対して今年は4人。同本部は雑木林や山に入る際にクマに人の存在を知らせるために、手をたたき音を鳴らすことやクマ鈴を携帯するよう呼び掛けている。
(糸魚川でクマ2頭目撃:新潟)
11日午前6時ごろ、糸魚川市外波の北陸自動車道親不知インターチェンジ付近の国道で、体長1メートルくらいのクマ2頭が海側から山側に向かって横断したのを、通りかかった運転手が目撃し、、糸魚川署に通報した。同署員が現場に向かったが逃げた後で、同署はパトカーなどによる警戒を行っている。
(モンキードッグ効果で被害激減:青森)
畑の作物を食べるなど、長年住民を悩ませてきた国の天然記念物「北限のサル」。むつ市脇野沢ではその被害が激減している。その理由の一つが、1年前に導入されたモンキードッグだ。里に下りてきたサルをほえて追い払うもので、“犬猿の仲”をうまく利用したこの対策が大きな効果を挙げている。市の担当者も「効果は想像以上」とびっくり。サルの保護と管理の間で揺れる関係者に、一つの明るい道筋を示している。
(サルの群れ、獅子畑付近まで南下:青森)
国の天然記念物「北限のサル」の個体数や群れの構成などを調べる夏季調査が11日までに終わった。調査では、31匹以上の群れがむつ市川内町獅子畑付近まで南下していることが分かり、市街地や民家が近いことから、新たな被害が懸念されている。
(きのこ採りの男性、クマに襲われけが:栃木)
きのこ採りの男性が、クマに襲われました。「『助けてくれ。大至急、救急車呼んでくれ』と。なんだと聞くと、『クマにやられたんだ』と」(119番通報した人)14日午前、栃木県日光市足尾の山中で、きのこ採りをしていた58歳の会社員の男性が子連れのツキノワグマに襲われました。警察によりますと、「ガサッ」という音がして男性が振り向いたところクマが覆いかぶさってきて、男性の頭に噛みついたほか胸などをひっかいたということです。男性は病院に運ばれ、全治2週間のけがです。地元の猟友会などが山にワナを取り付け、警戒を呼びかけています。
(「猿害」防止にワナ設置:宮崎)
日南市東郷地区で、野生のサルが農作物などを食い荒らす「猿害」が広がっているとして、市は大型の囲いわなを設置した。サルが好む餌や行動半径の調査を兼ねた取り組みで、今月17日ごろまで試行。効果があれば、他地区でも実施する方針だ。わなは9メートル四方、高さ3メートルのトタン製で中にカボチャやナスなどの餌を置き、中に入ったサルは出られない仕組み。市が約200万円を予算化。1カ月間ほどの有害鳥獣駆除の許可を得て、今月5日に山林に設置した。市林政課によると、同市の猿害は2年ほど前から目立ち始めた。東郷地区では山林を移動しながらビニールハウスや菜園に侵入し、スイカ、カボチャ、ナスなどを食い荒らしている。同地区だけで、約500匹のサルが生息しているとみられるという。わなの見回りなどを担当する地元の自治会長、宮浦直記さん(62)は「6月にはビニールハウスに21匹ものサルが侵入し、トマトを食い荒らした後に日射病で死んだことがあった。農家は安心できない」と話し、わなに期待する。同課の川添利喜夫課長は「北郷町、南郷町内でも猿害が増えている。囲いわなの効果を検証し、設置を広げたい」としている。
(シカ肉料理幅広く:滋賀)
日野町有害鳥獣被害対策協議会はこのほど、日野町立鎌掛公民館でシカ肉を使った料理の講習会を開き、幅広い調理例を提案した。町内で捕獲した野生シカの肉を有効に利用しようと、多様な料理で利用を増やす考え。今後の商品化に向けアンケートもした。講習会には町内外から約20人が出席。これまでのシカ肉は刺し身や焼き物にするのがほとんどだったが、会場ではしぐれ煮や薫製、ふりかけなど24種類の料理を紹介。身近な家庭料理を提案することで、一般家庭での消費拡大につなげ、利用機会を増やす。日野町ではシカによる農業・林業への被害が拡大。そのため猟期以外の有害鳥獣駆除も増えている。このシカ肉を有効活用しようと、町や対策協議会が中心となり、これまでにも地元ホテルと提携し、シカ肉メニューを開発するなど、販売ルートの確立を図ってきた。
(日南市、駆除のわな設置:宮崎)
日南市は10日、深刻化する野生ニホンザルの農作物被害対策のモデルとして東郷地区平山に設置した捕獲用囲いわなを公開した。縦横9メートル、高さ3メートルあり、現在、入り口を開けたまま猿が好みそうな野菜を置いて餌付けし、警戒心を解く段階。盆明けから本格的なトラップとして捕獲を開始する。同地区で猿の害が目立ってきたのはこの2、3年。未収穫の農産物が食い荒らされるほか、庭先にも出没し住民を怖がらせている。市林政課は猿害対策に200万円を計上、駆除対策に乗り出した。囲いわなは今月5日に設置した。わなの壁の内側はトタン張りのため猿がいったん入ったら滑って出られない仕組み。警戒心が薄れたことが確認され次第、進入した途端入り口が閉まるようにする。宮浦直記・平山自治会長は「猿はこの辺りに100~150頭ほどいると思う。このわなが個体数の減少につながれば他地区の猿害対策にも応用できるので、ぜひとも成果を上げたい」と話した。また、川添利喜夫・市林政課長は「猿は非常に警戒心が強く、今はそれを和らげる段階。成果を十分なものにするためにも、関係者以外はわなに近づかないでほしい」と呼び掛けている。
(牡鹿鯨まつり盛況:宮城)
石巻市牡鹿地区の牡鹿鯨まつり(実行委員会主催)が9日、石巻市のおしかホエールランドイベント広場を主会場に開かれた。雨天にもかかわらず、伝統の祭りを見物しようと、大勢の観光客が訪れた。ツチクジラの炭火焼き約1500食を無料で振る舞い、開始20分前から列ができた。特設会場では、地元の金華山龍踊りを披露し、勇壮な踊りが観客を魅了した。お祭りステージには、牡鹿地区の小中学生が登場。ブラスバンドや鼓笛隊の演奏、威勢のいい創作踊りを披露し、盛んな拍手を浴びた。来年4月に統合される鮎川、大原、寄磯の3中学校にとっては、単独校として最後の祭り参加となった。メーンの捕鯨ショーは鮎川港内で。鯨の模型2体を標的に、キャッチャーボートが実包射撃を実演した。牡鹿地区でしか見られないという捕鯨ショーに見物客はくぎ付けになっていた。祭りを締めくくる納涼花火大会は鮎川港内であり、約3000発の打ち上げ花火が夜空を彩った。
(帰省客らに火縄銃で「お帰り」:鹿児島)
種子島火縄銃保存会(松浦實会長、20人)は11日、西之表港で盆の帰省客や観光客を出迎える毎年恒例の火縄銃の試射を行った。陣がさ、陣羽織姿の同保存会のメンバー4人が、全員による一斉撃ち、一人ずつの段撃ちなどを披露。観光客らに銃を持たせたり記念撮影したりした。出迎え試射は13日まで。午前11時55分着の高速線トッピー、午後0時10分着のフェリーわかさ、午後1時35分着の高速線ロケットに合わせ行う。
(アライグマ捕獲、地元での繁殖心配:長野)
南木曽町読書(よみかき)の畑でアライグマとみられる動物が捕獲された。町の鳥獣保護員は「地元で捕獲された例は聞いたことがない」としており、愛知や岐阜県などで農業被害が出ていることから、地元での繁殖を懸念している。捕獲されたのは南木曽中学校近くの野菜畑。地元の猟友会員鈴木義弘さん(76)が町の委託で仕掛けたハクビシンを捕獲するためのおりに、8日朝に入っていた。連絡を受けた町鳥獣保護員の鈴木春直さん(65)が、9日にアライグマと確認した。性別は未確認。体長50センチほどで成獣らしい。おとなしく、ペットの可能性もある。鈴木春直さんによると、アライグマは近隣の県で、ザリガニを狙って田を荒らしたり、家に入り込んだりもしており「木曽川沿いに移動してきて、すでに繁殖が始まっているのではないかと心配」と言う。10日に県の担当者に処置を委ねる。
(新たな鳥獣害対策:和歌山)
イノシシ、シカやサルなどによる農作物への鳥獣被害が深刻な問題となっている日高川町で、駆除、追い払いなど目的とした「環境警備隊(仮称)」が組織されることが決まった。猟銃などの資格保有者が、連日田畑を巡視して天敵から大切な農作物を守る新たな有害鳥獣対策。本年度は9月から狩猟解禁前の10月末まで2カ月間試行し、成果があれば来年度からは、4月から10月まで半年間にわたって本格出動する。日高川町は、野生鳥獣の仕業により毎年2000万円~3000万円にものぼる農作物被害を受けており、年間被害額は昨年度で約2100万円。日高地方管内で最も被害額が大きい。内訳は果樹が1300万円、稲470万円、豆類220万円、野菜100万円などで、鳥獣類別ではイノシシによる被害が最も大きく700万円。次いでシカ560万円、サル360万円、以下アライグマ、カラス、ヒヨドリなど。町では対策として、イノシシやサルなどの捕獲檻、電気柵、トタン張り施設、侵入防止ネットの購入などに補助金、有害鳥獣駆除には報奨金を出しているものの、決定的な対策まで至っておらず被害は深刻で、農家らの生産意欲の減退にもつながっている。そこで新たな取り組みとして玉置俊久町長が考案。今回導入が決まった。試験的実施の今秋は、町が6人程度選んで組織。駆除、追い払い、鳥獣の個体数調査、被害状況調査の4本柱を目的に、2人1組の3グループに分かれてそれぞれ川辺、中津、美山の各ブロックを終日かけて見て回る。特に警備隊自身による目撃や町民からの情報などをもとに頻繁に出没する田畑や出没が考えられる谷などを要警戒地域とし、重点的に巡視。野生鳥獣を発見した場合は駆除を最優先手段とするが、山へ逃げ込まれても威嚇射撃などで再び人里へ姿を見せないよう徹底的に恐怖心を与え、田畑を守る。また一般町民には、野生鳥獣のエサとなるようなゴミの放置などしないようにも呼びかけていく。国の緊急雇用事業の活用で事業費は約170万円。成果が出た場合、来年度から本格始動することにしており、本年度の成果をもとに、増員や巡視方法の改善などより効果的な方法で取り組んでいく。11月から3月の狩猟期間については、野生鳥獣も警戒していることから被害は少ないという。連日の終日巡視は県内でも珍しい取り組みで、新たなモデル的な取り組みとしてその効果が注目されそう。
(奥多摩のマタギが消えた:東京)
東京・奥多摩で、半世紀以上ハンターとして活動してきた酒井満平さん(76)が引退し、愛用の猟銃を所持証とともに警視庁青梅署に返納した。かつて、クマ猟を生業とする「マタギ」がいた時代を知る最後の世代。駆け出しのころには、先輩とともにクマを求めて山々を駆け、ツキノワグマを仕留めたこともある。酒井さんが狩猟免許を取得した1953年、約150人の猟師がいた。戦前から「マタギ」としてクマ猟を続けてきた猟師も何人か残っていたという。なかでも、約30年前に亡くなった大野友平さんは「神様」と呼ばれ、今も猟師で知らぬ者はいない。奥行き5~6メートルもあるクマの穴にもぐっていって仕留めたり、一人で運べない大型のクマを見つけたときは、太い木の幹で穴をふさいで一晩閉じ込め、翌日に応援を呼んで衰弱したクマを撃ったという。酒井さんも70年12月には、奥多摩湖から南へ約1・5キロ入った「小沢山」で、体長約1・5メートル、体重約50キロのツキノワグマと出くわし、約3メートルの至近距離から仕留めた。「あの時はさすがに頭が真っ白になった。よほどの度胸がないとクマは撃てない」。今でも一番の自慢だ。現在、東京都猟友会奥多摩支部のメンバーは約30人いるが、ほとんどがクマ撃ちの経験がない。しかも、「絶滅の恐れがある」として、都が昨年、ツキノワグマの禁猟に踏み切ったため、今後は撃つこともないだろう。酒井さんも足腰を痛め、6月に引退した。「撃つ時は、クマより高い位置にいないとダメだ」「子連れが一番凶暴なので避けた方がいい」。酒井さんは、先輩から多くのことを教わった。しかし、もう後輩に教えることはない。
(銃5万丁、爆薬9百トン押収:中国)
新華社電によると、中国公安省は13日、10月の建国60年を前にした集中取り締まりで、5万丁以上の銃と約900トンの爆薬、374万個の雷管を押収し、約1万人を逮捕したと発表した。集中取り締まりは今年3月に開始。これまでに、562カ所の銃や爆弾の密造工場を強制捜査した。銃のうち、3万丁以上は所有者が自主的に公安当局に提出した。公安省は、懸賞金を出し、銃や爆薬を所持している人を通報するよう呼び掛けている。
(夜の唐辛子畑、空気銃で撃たれ50代女性死亡:韓国)
夜間に用を足すためトウガラシ畑へ入り込んだ50代の女性が、作物泥棒と勘違いした畑の所有者に空気銃で撃たれ死亡する事件が起こった。今月12日夜8時50分ごろ、京畿道抱川市永中面梁文里のクァンミョン休憩所の近くにあるトウガラシ畑で、Aさん(54)がBさん(64)に空気銃で撃たれ死亡した。警察によると、隣の集落に住むAさんはこの日、同居しているCさん(51)と一緒に散歩していたが、尿意を催したためトウガラシ畑に入った。これを目撃した所有者のBさんが、トウガラシを盗もうとしていると思い、乗用車に積んでいた口径5ミリの空気銃を持って畑へ近付き、威嚇のため空中に向け3発発射した。ところが、Aさんが畑から出てこないため、さらに周囲へ向け3発発射したところ、1発がAさんの左胸に当たった。Bさんは警察の調べに対し、「昨年、トウガラシを盗まれたため、監視のために空気銃を持ち歩いていた。脅すために空気銃を発射したが、死なせてしまった」と話した。

TOPへ