<射撃ニュース8月>

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(害獣の処理施設新設:京都)
高島市は、一般廃棄物処理を行っている市環境センター(同市今津町途中谷)で、駆除したシカなど多量の野生獣を焼却する県内初の処理機能を追加する。9月定例市議会に提案する一般会計補正予算案に事業費5100万円を計上した。来年度から稼働させる。高島市では昨年度、獣害による稲や野菜、果物の農作物の被害が100ヘクタール、7000万円に及んでいる。本年度から市内に生息していると見られるシカ9300頭を2011年度に半減する計画が始まっているが、シカは繁殖力が強く、年間3100頭ペースで減らさないと達成できない、とされている。昨年度、市内の猟友会会員が駆除したのは1700頭で、食肉にする以外は山に穴を掘って埋めたり、死骸は一般廃棄物にあたるためごみ袋に入れ出したりしている。駆除数が大幅に増えるため、大量に処分できる施設が必要となった。野生獣処理施設は、同センター内に、燃えやすくするように第1、第2の粉砕機を新設する。細かくなった肉は脂分が多すぎるため下水処理で出来た脱水ケーキと汚泥ホッパでまぜたあと、ガス化炉で焼却する。1日に最大20頭が処理できる。同施設に運搬して処理する必要があるのは、個体数調整分600頭で、狩猟分2500頭は猟友会会員に処理方法がまかされている。個体調整の費用として1頭に1万7500円が支給されている。
(猿害対策に囲いわな:宮崎)
野生のニホンザルによる農作物被害などに悩む日南市東郷地区で、市が捕獲するための囲いわなを試験的に設置している。効果が実証されれば、猿の害に悩むほかの地区でも活用していく方針。うまく捕まえられるかどうか、猿と人間の知恵比べが始まった。わなは、9メートル四方の大きさで、高さ3メートル。トタン板を張り巡らせている。3か所の入り口を設け、一定期間は中に野菜などの餌を置いて油断させ、10匹以上の集団で入るようになったら、入り口を一斉に閉めて捕獲する仕掛け。天井は開いているが、猿がトタンの壁を登っても、滑って逃げられない仕組みだ。市林政課によると、東郷地区の猿害は3年ほど前から深刻化。群れをなして人里に出没しては農作物を荒らしたり、住宅の屋根を壊したりする被害が発生している。この地区だけでも約500匹が生息するとみている。今年4月に市と地元の猟友会などでつくる野猿対策特別班が発足。その後、市は対策費200万円を計上し、実態調査や駆除対策に乗り出したほか、要望を受けて東郷地区を猿害対策のモデル地区に選んだ。地元住民と共同で巡回しながら、9月3日まで、わなを設置して捕獲したサルを駆除する。状況によって、設置を延期するかどうか判断するという。同課の川添利喜夫課長は「この地区に来たら捕まってしまう、とサルたちに学ばせることが狙い。捕獲しやすいよう、わなも改良していく」と話していた。
(希少種カワウ「害鳥」に:愛知)
希少種だったカワウが保護活動などで増えすぎて、県内の河川でアユなどの稚魚を食べる被害が各地で出ているため、「害鳥」として駆除されている。カワウは、1970年代には国内に数千羽しかいない希少種だったが、状況の変化に関係者は頭を痛めている。県自然環境課によると、県内のカワウの数は、2008年12月の調査では約3万2000羽と、07年12月より4割増えた。その年の飛来数によって数が大きく増減することがあるが、同課では「県内で確実に増えている」と話す。カワウは繁殖地で暮らし、小魚を餌としているため、河川に放流したアユの稚魚などが食べられる被害が出ている。県では具体的な被害額などをまとめていないが、漁協などの団体から被害報告が目立ち始めたのは、5年以上前からだという。県内水面漁協では、豊川などで放流したアユやマスの稚魚がカワウに食べられており、「空が真っ暗になるほどに数が増え、食害を起こしている」と訴える。また、弥富野鳥園(弥富市)では、約30年前は数羽だったカワウが、現在、ピーク時は1万羽を超す。同園事務所は「弥富市内は金魚の産地で、金魚がカワウに食べられる例もあった」と話す。こうした被害を受けて、各市町村では、有害鳥獣としてカワウの駆除申請を認めており、03年度の413羽から07年度は796羽に増えている。また、禁止されていたカワウの狩猟も07年度から解禁された。一方、かつての希少種だったときからの状況の変わりように、悩む関係者も多い。美浜町の「鵜乃山」は国内唯一の繁殖地として1934年に国の天然記念物に指定され保護し、町の宣伝に一役買ってきた。同町社会教育課は「表立って観光面で利用しにくく、人間と共存できる場所としてPRしたい」と話す。また、県自然環境課は「被害があるからといって、すぐに大量駆除するのは難しい。推移を見守りたい」と言うにとどまっている。
(糸魚川でクマ3頭出没:新潟)
30日午前9時半前、糸魚川市田海の高畑児童遊園付近の畑で農作業中の住民が、近くのやぶで親子とみられるクマ3頭を目撃、糸魚川署に通報した。クマは山中ヘ逃げた。現場は住宅地に近く同署は、住民に注意を呼び掛けている。

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8/29
(407匹のシカ捕獲:和歌山)
和歌山県田辺市龍神村(旧龍神村)で2008年度、407匹のシカが有害鳥獣と狩猟によって捕獲されたことが市のまとめで分かった。シカの捕獲数は、旧5市町村別では最も多く、市全域の4割近くに上っている。市は「生息数が多いのに加え、猟友会の活動が活発なことなどが理由ではないか」としている。市がまとめた鳥獣捕獲数によると、市全体でシカの捕獲数は1023匹。旧市町村別では旧龍神村が407匹で最も多く、次いで旧本宮町209匹、旧田辺市158匹、旧中辺路町127匹、旧大塔村122匹の順だった。龍神村での捕獲の内訳は、農家からの被害報告を基に市が地元の猟友会員に依頼して行う有害駆除が124匹、狩猟期間中の捕獲が283匹で、いずれも旧市町村別では最も多かった。この傾向は以前から続いており、06年度は377匹で市全体の38・7%、07年度も396匹で39%を占めた。市農業振興課は「龍神ではもともとシカの生息数が多いのに加えて、猟友会西牟婁支部の分会が地域に三つあり、活動が活発。その上、龍神では以前から有害鳥獣の捕獲でくくりわなを使用しており、銃器での捕獲が難しい夏場も、わなを使うことで年中、効率良く捕獲していることなどが考えられる」と分析する。また、市全体の鳥獣による農作物被害はここ数年、年間4000万円前後に上っており、市は今後も有害駆除に力を入れる必要があるとしている。
(クマ出没、早まる:石川)
金沢市の里山周辺で8月、クマの目撃や痕跡情報が相次いでいる。石川県内では例年、9月に入ってから出没情報が増える傾向にあるが、今年は早めで、県に今月寄せられた出没情報は27日までに15件に上り、うち10件が同市内だった。県などによると、クマが里山にすみ着く状況が進んでいることに加え、今年は天候不順による餌不足も影響しているとみられる。同市内では人が襲われる被害も出ており、クマの活動が活発になる秋に向け、県や同市は警戒を強めている。県と同市によると、県内では今月27日現在、クマの出没情報15件のうち、目撃情報は9件で、前年同月の6件より多い。同市内では7件の目撃情報、3件の痕跡情報が寄せられ、前年同月の目撃情報4件を上回っている。今月19日夜、里山に近い同市正部町の路上で散歩していた自営業男性(42)が、民家で栽培されているスモモを食べていた体長約1メートルのクマに襲われ、軽傷を負った。17日には末広町の卯辰山相撲場近くで3頭が目撃され、24日には東長江町の夕日寺小裏の畑で、親子とみられる2頭の足跡が見つかっている。県によると、ブナなどが凶作だった2004(平成16)年に里山に下りてきたクマが標高の低い里山に慣れ、すみ着く傾向があるという。最近は民家に近い里山でも樹木などを手入れする者が少ないため、クマにとってすみやすい環境になっているという。さらに今年は7月以降の天候不順などで標高1000~1200メートルの地帯に広がるクマの餌となるブナやミズナラなどが不作になっている可能性もあるという。金沢市は「クマが里山にすみ着かないように整備を進めるとともに、地元の猟友会とも協力し、警戒を強めたい」(森林再生課)としている。
(なぜ起きた電気柵感電死:兵庫)
兵庫県南あわじ市で農業を営む70代男性が今月半ば、電気柵で感電死する事故が起きた。遺族によると、水田を荒らすイノシシ対策として自分で電気柵を作り、昨年から設置していたという。だが、感電事故を防ぐために付ける「電気柵用電源装置」を使っていなかった。事故現場や関係者への取材から原因を探った。事故があったのは、山が迫る棚田沿いの細いあぜ道。水田の周りに立った支柱には、高さ50センチと100センチの部分に電線が張り巡らせてある。男性が発見されたのは午後7時10分ごろ。農作業からなかなか帰らないことを不審に思った家族が駆けつけると、男性は電線に寄りかかるようにして死亡していたという。
(熊本大学で異臭、原因はクマ撃退スプレー)
28日午前、熊本市の熊本大学の食堂で異臭がし、厨房(ちゅうぼう)にいた従業員の女性8人が目やのどの痛みを訴え、病院に運ばれた。全員、軽症だった。当時、食堂の2階にある探検部の部室で、部員が「クマ撃退スプレー」を噴射していたという。スプレーには刺激物の成分が含まれており、警察はこのスプレーが原因とみて調べている。大学は現在、夏休み中だが、食堂は営業していた。
(アルペンルートでクマと車衝突:富山)
29日午前9時50分ごろ、立山黒部アルペンルートの立山有料道路の雪の大谷付近で、アルペンルートの業務関係者の男性が運転するライトバンが室堂ターミナル方向へ走っていたところ、道路左の谷の側から出てきたクマ1頭と衝突しました。男性にけがはありませんでしたが、クマはそのまま走り去りました。クマは体長およそ1メートルで、成獣と見られます。室堂警備派出所では、アルペンルートの各施設や山小屋に連絡するとともに、パトロールを行い、観光客や登山者に注意を呼びかけています。立山黒部貫光によりますと、アルペンルートではクマは時々目撃されるということです。
(クマ目撃:福島)
28日午後2時45分ごろ、郡山市湖南町赤津の布引山展望台近くで、観光客男性が砂利道を横切るクマ2頭を目撃し、郡山北署に通報した。同署によるとクマはいずれも体長約60センチ。約50人の観光客が訪れていたが、被害はなかった。
(サルよけかかし、リアルさ奏功:京都)
人が2人座り、畑の見張りをしているように見えるかかし2体が滋賀県高島市朽木地子原(じしはら)のバス停近くの県道沿いに登場、出没していたサルがぱたりと姿を見せなくなり話題になっている。作ったのは近くに住む縫製業松井七造さん(73)。谷間の集落で獣害対策の柵は山のふもとに設置されているが、サルは用水路の下から侵入、網をかぶせた畑からサツマイモのつるをひっぱり、イモづる式にサツマイモを食べていた。このため、5年ほど前に人の走っている姿のかかしを設置したとき、イノシシがそれを見て、逃げ出したことをヒントに、頭を下げ鉄砲で狙っている姿と棒を持った人のかかしを作った。いずれも制作は1時間程度、古着を使い、長靴や作業用手袋も着用しリアルさを追究した。10日に設置すると南北の山で二つのグループに分かれているサルの群れが、いずれも現れなくなった、という。松井さんは「複数の人を怖がるサルとの知恵比べ。今は遠くから見て、かかしを人と思っている」と話している。

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8/28
(五葉山猟区、シカ捕獲頭数枠を拡大へ:岩手)
三陸地区五葉山猟区管理協会(会長・甘竹勝郎大船渡市長)の今年度第二回運営会議は、二十六日午後一時半から大船渡市役所三陸支所で開かれた。農林業へのシカ被害対策で、今秋からシカ狩猟の捕獲頭数制限枠を拡大、解禁日も半月早めて十一月一日にするなど、管理規定や狩猟期間を見直した。運営会議には、協会員十六人と市職員が出席。冒頭、甘竹市長が「全国的なハンターの減少で入猟者も減ってる。解禁日を早め、捕獲頭数を増やすことで狩猟実績を向上させ、シカ被害対策にもつなげたい」とあいさつした。議事では五葉山猟区の管理規定の一部変更、狩猟期間の見直し、猟区職員の雇用の三議案について協議し、すべて原案通り決定した。このうち、シカの捕獲数に関する管理規定の一部変更は、これまで一日当たり「入猟者一グループ、八頭」だった制限枠を、「入猟者一グループ、人数×四頭(うちオスは人数×一頭+二頭)に拡大した。例えば、一グループ(五人)の場合、これまで捕獲数が八頭までだったものが、二十頭(うちオスは七頭)まで可能となる。狩猟期間の見直しは、これまでのシカ狩猟期間(十一月十五日~三月十五日)の解禁日を十一月一日に早め、開猟日数を昨年より五日多い四十六日とした。キジ・ヤマドリ猟は、例年通り(十一月十五日~二月十五日)の三十八日。狩猟日はいずれも原則として、狩猟期間の初日とその翌日、期間中の土日曜日、祝祭日、一月二、三日、期間の最終日とその前日となる。県知事の認可を経て、今シーズンから実施する。同猟区は、十年ほど前には入猟者も年間で千人を超えていたが、ハンター減少や高齢化、趣味の多様化などで入猟者は年々減少。一方、シカ生息数の増加で、三陸町をはじめ市内外の広範囲で里ジカによる農作物被害が後を絶たない状況が続いている。五葉山周辺の適正頭数は二千頭だが、現在の生息頭数は五千~七千頭とみられている。現在、見直し中の県第三次シカ保護管理計画では、有害駆除と狩猟捕獲を合わせて二十三年度までに二千頭減らす目標を立てている。今回の捕獲数制限枠の拡大と狩猟期間延長は、入猟者数が減少している中で、開猟時期を早めることでハンターを確保し、より多くのシカを捕獲してもらうネライがある。出席者からは「猟区周辺では依然として作物のシカ被害が多く、有害駆除対策も強化してほしい」といった意見も出た。〝狩猟緩和〟の効果が注目される。
(生息調査し、対策を:和歌山)
シカなどによる農作物への食害が深刻化しているのを受け、和歌山県古座川町鳥獣害防止対策協議会(広畑幹朗会長)は、町内で生息調査をしたり、目撃情報を収集したりして、鳥獣害防止へ向けデータを集めている。協議会は2008年9月、鳥獣害防止対策の普及や啓発などを目的に町、みくまの農協、東牟婁振興局、町農業委員会で発足。鳥獣害防止計画を立て、本年度、国から鳥獣害防止総合支援事業として91万9000円の補助金を受け、調査に乗り出している。シカの生息調査は古座川町猟友会に依頼。今月5日前後と10日前後の計2回、午後8時から会員50人ずつが町内全域に分かれ、車で回るなどして目視した。目撃情報記録帳に時間や場所、匹数、来た方向と逃げた方向、人への警戒心を記録。現在、回収している途中経過によると、ほとんどの地域でシカが現れていたという。農業委員10人は、鳥獣の種類の項目を加えた目撃情報記録帳を農家に配り、アンケートに答えてもらい回収している。気付いたことについても記入してもらうので、細かい情報が入手できる。26日に同町高池の町中央公民館で開いた会合には、関係者14人が出席。8月で終える予定だったシカの生息調査は、調査時間を繰り下げた方がいいと9月に2回、午後10時から行うことを決めた。目撃情報のアンケートについても8月までの予定だったが、クリや柿などが実り始める時期であることから、9月末まで続けることにした。事務局の町産業振興課によると、ここ3年ほど前から、ユズやシキミの新芽が食べられるなど、シカによる食害が特に増えているという。総生息数を推測し、出没状況が多い場所を記した地図を製作する予定。担当者は「今回の調査ですぐに成果が出るのではなく、データは今後対策を講じる上での資料となる。まずは現状を把握し、データをいかに活用するか考えていきたい」と話している。
(園児らがキジ放鳥:鹿児島)
鹿児島・さつま町で、地元の保育園児らがキジの放鳥を行った。キジを増やそうと地元の猟友会が行ったもので、20羽が放たれた。園児らは恐る恐るキジを抱き、中には怖くて泣き出す子も。園児らの手を離れたキジは、大きく羽ばたいて飛び立っていった。

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8/27
(国体クレー射撃実施に条件設定)
日本体育協会は26日、国体委員会を開き、役員人事をめぐり混乱が続く日本クレー射撃協会の新潟国体(9月26日開会式)参加に関し、2項目の付帯条件を同協会に提示することを決めた。内容は、(1)協会の現執行部、旧執行部とも競技会役員としての国体参加を認めない(2)競技の円滑な運営に協力する-で、返答期限は9月8日。協会側が条件を受け入れない限り、国体での競技実施を認めないとした。
(新潟国体でクレー射撃実施方針)
日本体協は26日の国体委員会で、役員人事などで混乱する日本クレー射撃協会の問題を受けて、9月26日開幕の新潟国体でクレー射撃を行うかどうかを検討、除外せずに実施する方針を固めた。ただし、同協会内の対立が9月8日までに収拾しない場合、協会役員に国体運営を妨げないという異例の誓約書を提出させることにした。8日はプログラムを作成する最終期限。泉正文国体委員長は「各地区の予選会も滞りなく終了し、準備状況を見ても、開催に支障はない。中止した場合の方が影響が大きい」と説明し「人事の問題が収束しない場合には誓約書の提出を求める」と話した。対立する新、旧執行部の代表者に求める誓約書では(1)各執行部は新潟国体の競技会役員として参加できない(2)役員人事問題を影響させることなく、適切かつ円滑な大会運営に協力する―が記される。
(夫婦が熊に襲われけが:長野)
26日午前6時ごろ、上田市真田町長で、近くの男性(79)と妻(78)が、おりのわなにかかった熊を見に行ったところ、熊が逃げ出し、男性が額をかまれ、助けようとした妻も後頭部を引っかかれた。市内の病院に運ばれたが、ともに軽傷。熊は菅平方面に逃げたという。上田署によると、現場は大日向と呼ばれる国道144号沿いにある山中の集落の外れ。わなは地元の猟友会が14日に仕掛け、25日午後11時に熊がかかっていたという。県上小地方事務所によると、大日向付近では今月10日前後に熊が集落近くで相次いで目撃され、11日から熊の捕獲許可が出ていた。同事務所は早朝と夕方の外出を控えるよう呼び掛けている。
(餌求め大胆行動、クマ被害相次ぐ:秋田)
県内でツキノワグマの出没が相次いでいる。県警への目撃情報は今年246件(25日現在)に上り、統計が残る過去9年間の同時期で2番目の多さ。特に目立つのが、漬物を狙って民家の小屋に入り込むといった大胆な採食行動。専門家らはクマの学習能力の高さを指摘し「人間の食べ物の味を覚えると、なかなか奥山には戻らない」と懸念する。餌となるブナの実の不作が見込まれる今秋、クマは冬眠に向けて餌を探し回るとみられ、県などが注意を呼び掛けている。県警や県によると、今年はタケノコシーズン後の6月以降に出没が急増。今月は25日時点で目撃情報が60件に達し、昨年同期の27件からほぼ倍増した。目に付くのが、餌を求めての大胆な行動。小坂町では7月にカモシカを襲う姿が目撃されたほか、8月には大仙市の民家で小屋の奈良漬が何度も食い荒らされた。鹿角市では同月、直売所のみそが狙われるなど各地で被害が相次いでいる。出没の多さを裏付けるように有害駆除も増加。県の保護管理計画は「1千頭台の維持」と「年間捕獲数は生息数の1割まで」とする基準を掲げているが、今年は個体数調整(4〜6月)で22頭、有害駆除(通年)で94頭の計116頭を捕獲した。本年度の推定生息数1126頭の1割を既に超えたが、県自然保護課は「人家や学校に近く危険性が高いといったケースが多く、駆除を許可せざるを得ない状況」としている。
(県南部でシカ被害深刻化:大分)
シカによる農業や林業被害は県全体では減少していたものの、佐伯市を中心とする県南部では2倍以上に増加。捕獲が進んでいる一方で、それ以上に繁殖し農家を悩ませています。佐伯市の木立地区では2,3年前から毎晩9時を過ぎると民家のすぐ近くに山から降りてきたシカが現れ田畑を荒しています。地元の人たちは「昔は野生のシカに悩まされることはなかった」と口を揃えて言います。木立地区は稲作が盛んだった地域でしたがシカ被害は稲だけでなく、野菜にまで及んでいます。夜中に網や柵のすき間から畑に侵入し、葉っぱや実を食べてしまいます。網や柵で囲っても有効な防止策とはなっていません。野生のシカが人里に現れるようになったのは耕作放棄地の増加、そして山の中にエサが少なくなったことが原因と考えられています。県などでも対策を講じていますが、佐伯市などの農家はその被害に「農業は成り立たないよ」と頭を悩ませています。
(イノシシ暴走、スーパーなどのガラス戸破る:福井)
26日午前6時ごろ、福井県勝山市猪野毛屋のスーパーマーケットとホームセンターで、イノシシがガラス戸3枚を突き破り警報が鳴る騒ぎがあった。早朝のため客はおらず、けが人はなかった。被害に遭ったスーパー「ハニー新鮮館勝山店」などによると、イノシシは店内を一直線に走り抜けたとみられ、スーパー出入り口のガラス戸(厚さ約1センチ)が2枚、ホームセンターの鉄線入り自動ドア1枚が破られていた。警報で駆け付けた男性警備員は「バタバタ走る足音が聞こえ、店内を見ると大型犬くらいのイノシシがいて驚いた。こちらに気付くと突き破ったガラス戸から逃げた」と話している。勝山市農林政策課は「住所地が猪野毛屋なので昔はイノシシが多かったかもしれないが、市街地にまで来るのは珍しい」としている。
(イノシシ被害深刻でコメの収穫減濃厚:三重)
獣害、長雨、伝染病-。刈り取りを目前にした北勢地方の稲作地域で、今年の収穫量減が濃厚になっている。収穫前のこの時期には、柔らかい稲穂を狙うイノシシによる被害が急増。稲が倒され、壊滅的な田んぼも出ている。「27日ごろに刈り取る予定だったけれど、この田んぼはもうダメ。1週間前くらいから、何度か入っとるみたいやわ」四日市市水沢町の茶畑の中にある田んぼ。農家の南川真毅さん(46)はあきらめ顔だ。「地面をどろどろに荒らすのがイノシシ。サルも、稲穂をつかんでこそげ取る」。田んぼの周りを囲む高さ1メートル強のネットも、「突進して入ってくる」。電気の通った電柵の方が効果はあるが、「隣り合う田んぼが並んでないと、コストもかかるし導入しにくい」という。県農畜産室によると、餌の栄養過多や猟師の減少、暖冬などで山間部の獣は増加。稲作の獣害も増えている。加えて今年は、7月後半の雨と日照不足で米が細くなり、「1割弱は減収の見込み」。北勢では局地的にいもち病も流行。稲穂にカビが生えて、ほとんど収穫できない田んぼもあるという。
(「箕面のサル」餌やり禁止:大阪)
大阪府箕面市は26日、同市の観光地「箕面大滝」周辺に生息するニホンザルへの餌やりを禁止する条例案を発表した。観光客の餌やりで数が増え、市街地でもトラブルが多発しているため。悪質な違反者には1万円以下の過料支払いを求める。ニホンザルの餌やり禁止条例は栃木県日光市でもあり、神戸市も住宅地でのイノシシの餌づけを条例で禁じているが「過料まであるのは珍しい」(箕面市)という。箕面市は1950年代から観光資源や研究目的でサルに餌を与えており56年には、市の天然記念物に指定。その後サルが人の持ち物を奪うなどの被害が深刻化したため餌場を山奥に移動した。だが、観光客の餌やりなどで数が増え続け、現在滝周辺には適正数の3倍近い約600匹が生息。最近は30~50匹が山を下りてきて餌をもらおうと観光客の車の上に乗り、アンテナを折るなど「悪行」を重ねトラブルになっていた。天然記念物の駆除はできないため、市は餌減らしで生息数を減らそうと、条例化の方針を決定。9月2日から始まる本議会に条例案を提出し、来年4月の施行を目指す。
(上川クマ被害、家畜処理場が誘引か:北海道)
上川管内上川町菊水でヒグマに牛が襲われ、今春から15頭が死傷した被害で、以前近くにあった、死んだ家畜を埋める処理場が誘引した可能性がある。被害を受けた牧場4カ所がある地区には5年前まで町のへい死家畜処理場があり、クマが掘り返して食べていたとの証言がある。被害農家は「処理場閉鎖後、牧場に来て飼料を食い荒らすクマが増えた」と語る。大型飼料タンクのパイプを引きちぎったり、牛舎に侵入して餌箱を荒らすクマが出始めた。飼料荒らしの前兆を経て、牛が初めて襲われたのは2007年。今年ついに連続被害が出た。

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(鳥獣対策に6653万円:三重)
9月補正予算案には、鳥獣害対策として地区の集落全体を高さ約1~2メートルの鉄柵(さく)で囲い込む事業の補助金として6653万円が盛り込まれた。対象は友生、柘植など8地区の9カ所。昨年7月に柵を設置し、被害がほぼ無くなった同市の小杉地区(80世帯)がモデルとなっている。同地区では、4年ほど前からイノシシにイネを食われたり、あぜを破壊される被害が出始め、07年には250万円相当の被害を受けたという。柵の設置を企画したのは、小杉営農組合の松本昭次組合長(70)ら。昨年6~7月にかけ、地域住民が総出で地区全体を総延長12キロの柵で覆った。資材費は約650万円で、地元負担は約240万円。残りは国、県、市の補助金で賄った。松本さんは、被害の防止に加え「田を電気の流れる柵で囲む方式に比べ、管理の手間が大幅に減った」と効果を実感している。一方、他地区でイノシシの被害が増えたとの報告もあるといい、市農林振興課は「地区同士で情報を共有してもらえれば」としている。柵の設置については、地区からの要望があれば、順次拡大する方針という。
(スイカ散々…県内クマ食害相次ぐ:青森)
25日午前5時半ごろ、弘前市石川平山のスイカ畑でスイカ6個がクマに食い荒らされているのを、畑を所有する近くの農業女性(67)が見つけ、弘前署に届け出た。畑から約300メートルの地点には民家があり、同署は付近を警戒している。同署によると、畑にはクマの足跡はなかったが、スイカなどにつめ跡があった。畑を所有する女性や関係者によると、スイカ畑は自家消費用で、11日夜にも同様の被害があり、体長1メートルほどのクマが目撃された。女性は「1人で農作業している時にクマが来たらと思うと不安」と話した。同署は農作業時にもクマよけの鈴を身につけるなどの対策を呼び掛けている。25日午前6時ごろ、平内町外童子平沢の畑でトウモロコシ約40本が食い荒らされているのを、近くに住む畑の所有者男性(74)が発見し、町役場に通報した。畑は東栄小学校の南西約800メートル。クマの足跡があったことから、青森署などはクマによる被害とみて、付近を警戒した。25日朝、大鰐町早瀬野坂本の畑で、スイカ21個がクマに食べられているのを畑を所有する男性(61)が見つけ、黒石署大鰐分庁舎に届け出た。現場にクマのものとみられる足跡が残っていた。同署によると、被害に遭ったのは、所有者が最後に畑を確認した24日午後5時半ごろから25日午前5時半ごろまでの間とみられる。
(育成牧場でクマが相次ぎ子牛襲う:北海道)
上川管内上川町菊水の育成牧場で24日未明、ヒグマが侵入し、牛舎の子牛5頭を殺し、3頭にけがを負わせたことが25日分かった。菊水地区では今年5月以降、今回を含め4カ所の牧場で計15頭の牛が死傷しており、道によると、これほど多数の牛の同時被害は極めて異例という。町などは電気牧柵や箱ワナを設置し、クマへの警戒を強めている。町によると、24日に被害を受けたのは町中心部から約5キロ離れた乳牛育成牧場。0~2歳の若牛を収容するビニールハウスの壁を破ってクマが侵入。殺された5頭のうち4頭は背中などを食いちぎられ、1頭は連れ去られて死んだ。同地区では5月上旬に今回とは別の2カ所の牧場で5頭、8月12日にも別の牧場で2頭がいずれも牛舎内でクマに襲われ、うち5頭が死んだ。襲われた牛の多くは体重100キロ前後の子牛だった。牧場はいずれも山に隣接している。

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8/25
(誤射死亡猟友会仲間に衝撃:千葉)
君津市浦田の山林で23日に起きた、有害鳥獣を駆除していた同市人見、無職村越雅由さん(72)が仲間に撃たれ死亡した猟銃事故。誤射直後、現場には発砲した同市六手、JAきみつ周南支店の支店長前田純則容疑者(51)が村越さんの名を叫び続ける声が響いた。猟友会の仲間たちは、ベテランハンターの突然の死に衝撃を受けた。「撃たれた。来てくれ」。駆除作業中の仲間の無線に、村越さんの声が入った。それぞれの持ち場に散っていた仲間が駆け付けると、川の近くに倒れた村越さんを前田容疑者が抱きかかえ、「村越さん、村越さん」と必死に叫び続けていた。仲間たちはすぐに119番し、止血を試みたり、励ますなどしたが、次第に意識が薄れていったという。村越さんは約50年、前田容疑者は20年以上の大ベテラン。これまで、2人は一緒に駆除する機会が何度もあり、仲間たちは「どちらもかわいそう」と肩を落とした。2人の所属する猟友会は隔週の日曜にサルやイノシシなどの駆除を行っていた。23日は午前7時頃から山に入り、約2時間半後に事故が起きた。仲間の一人は「(前田容疑者は)慣れていた人なので、起こるはずのない事故なのだが」と声を詰まらせた。
(シカが食べる国有林、被害調査)
シカが国有林の樹木の皮などを食べてしまう森林被害が全国的に広がっていることから、林野庁は被害の実態を知るための全国調査を始めました。全国的に調べるのは初めてです。2013年度まで調査を続け、シカを追い払う方法や森林保全などについて対策を検討します。 北海道から調査を始め、栃木県の塩那地方、長野県の南アルプスなど3地域、徳島と高知県の境にある剣山系、熊本と大分、宮崎、鹿児島の各県にまたがる九州中央山地、鹿児島県の屋久島の計8か所で行います。
(エゾシカ食害 道森林管理局、国有林を調査:北海道)
エゾシカによる森林の食害が深刻になっていることを受け、道森林管理局は31日から、道内の国有林内における初の実態調査を実施する。調査が今年実施されるのは、根釧西部(釧路市)、日高南部(日高管内新ひだか町)、上川中部(旭川市)の3森林管理署管内。31日からは根釧西部で、続いて日高南部と上川中部森林管理署管内でも行う。調査方法は同3管理署管内に縦4メートル横50メートルの帯状の調査地点を20カ所設置。樹木の枝や幹に残った食害の数や被害にあった樹種、枯死した木の数などを調べる。2013年度まで5年間で全道24森林管理署のうち被害が目立つ15署管内で行う。今年の調査は10月上旬まで。学識経験者らでつくる「影響調査検討会」を年内にも設置し、調査結果を基に被害実態を正確に把握するための手法の確立や対策などに役立てる。道によると、07年度のエゾシカによる道内の食害被害額は農業で32億円、林業被害は2200万円だった。道内の森林面積の55%を占める国有林の被害実態はこれまで分かっていなかった。道森林管理局国有林野管理課は「道内の国有林はエゾシカの生息地になっており、実態をきちんと把握することで、被害対策や森林生態系の保全に役立てたい」としている。
(青梅市が有害鳥獣合同捕獲で協定締結:東京)
東京都青梅市と埼玉県飯能市の都県境に位置する富岡、今井地区で、イノシシなど有害鳥獣による農作物の被害が深刻なことから、両市は24日、有害鳥獣の合同捕獲に関する協定を締結した。他県との協定締結は都内で初の試み。これまでは都県境を越えて逃げられると捕獲できない状況だったが、今回の協定で相互に捕獲できるようになる。青梅市では「農作物被害の防止のため効果が期待できる」と話している。
(有害鳥獣捕獲補助員の出動式:富山)
猟銃免許を持った市の職員が有害鳥獣捕獲隊を補助する取り組みが県内で初めて魚津市で始まり、25日、出動式が行われました。これは、サルなどによる農作物の被害が増える一方で、高齢化などで有害鳥獣捕獲隊員が減っていることから、魚津市が県内で初めて始めた取り組みで、補助員となった市の職員は6人全員が猟銃免許を取得しています。魚津市役所で行われた出動式では、補助員を代表して魚津市消防本部の米田益宏さんが「被害の防止、軽減を図り、森の番人であることを自覚して行動します」と意気込みを述べました。魚津市では今年、サルやクマなどによる農作物への被害が先月までに30件報告されていて、補助員たちは早速、捕獲隊員とともに、山間地へパトロールに向かいました。
(加賀の片野鴨池で水抜き:石川)
環境省は9月、加賀市のラムサール条約登録湿地「片野鴨池」で、池の水を完全に抜き、底にたまった泥や水質などの環境調査を行う。鴨池の歴史が始まって以来、初めて行われる調査で、市と日本野鳥の会が協力。世界的に貴重な環境の保全へ基礎的なデータを集める計画で、関係者は「鴨池の秘密」の解明に期待している。環境省が2007(平成19)年から2カ年かけて行った周辺環境調査に続く、本格的な調査となる。近年、ガン、カモ類の飛来数は減少傾向で、昨季は約6千羽だった。外来種や水質悪化の影響も懸念され「この際、池の中がどういう状態か確かめよう」と、水を抜いての調査が決まった。鴨池は最深部で水深約5メートルといわれる。調査に向け、23日から鴨池の水位を調整する水門から放水が始まった。急激な水位変化で鴨池の環境に悪影響が出ないよう、ポンプも使って1~2週間かけ池の底まで水を抜く。銃を使わず、伝統的な坂網猟だけが許されてきた鴨池は、野鳥と人間が330年以上前から共存してきた。同市鴨池観察館によると、地元には「池には白い大蛇がすむ」「水辺の神木を切るとたたりがある」などの伝説があり、乱開発の戒めが古くからあったらしい。9月13日に池の底の観察会を開き、14日ごろから再び水をためる。同観察館は「池に住む魚、わき水などの水源が分かるかもしれない」としている。

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8/24
(サル駆除中に誤射、撃たれた男性死亡:千葉)
23日午前9時半ごろ、千葉県君津市浦田の山林で、地元の猟友会の会員としてサルの駆除をしていた無職村越雅由さん(72)=同市人見=の胸付近に、仲間の撃った散弾銃の弾が当たり、村越さんは病院に運ばれたが間もなく死亡した。君津署は業務上過失傷害の疑いでJA君津周南支店長前田純則容疑者(51)=同市六手=を現行犯逮捕した。前田容疑者と村越さんはこの日朝から、他の会員9人と2班に分かれてサルの駆除をしていた。2人は別の班だったという。同署は、近づいてきた村越さんを前田容疑者がサルと見間違えて撃ったとみている。
(野生シカ、有害駆除などで捕獲、缶詰発売:宮城)
有害駆除などで捕獲した牡鹿半島の野生シカ(ニホンシカ)の肉を加工販売している石巻市の丸信ワイルドミート(三浦信昭代表)が、シカ肉の缶詰「伊達の黄金鹿」を発売した。シカ肉は食用として敬遠されがちだが、市民が参加した試食会では「においがなく肉も軟らかい」など好評。新たな石巻の地場産品として定着するか注目される。三浦代表はハンターとして、生息数が増加し、農林被害が深刻化する牡鹿半島の野生シカの狩猟、駆除作戦に参加している。牡鹿半島ではここ数年、1000頭を超すシカを捕獲してきた。ただ、シカ肉はハンター仲間で分配し、食べきれない肉は廃棄処分してきた。三浦さんは昨年11月、「捨てるのはもったいない」と捕獲後の肉の加工処理場を自宅に建設し、食肉加工販売会社を設立。ロースや太ももなどに分け、真空パックにして販売し、人気を集めている。さらに三浦さんは「多くの人にシカ肉を味わってもらいたい」と、缶詰で発売することを発案し、鯨肉を缶詰加工販売する市内の水産会社に依頼。鯨肉缶詰と同じ大和煮にして商品化した。缶詰は、1缶170グラム入りで、価格は600円。肉は軟らかく、鯨肉のようなにおいはない。癖もなく肉だけなら食通でも何の肉か分からないほどの食感だ。三浦さんは「シカ肉というだけで敬遠する人もいるが、まずは食べてみて」とPRしている。
(エゾシカ肉でペットも健康:北海道)
エゾシカの生肉でペットも健康に―。北海道で数が増え続け、食害が深刻化している野生のエゾシカ。道内に50万頭以上が生息していると推定され、駆除と肉などの有効活用が大きな課題となっているが、この肉に注目し、ペットの健康増進に活用している獣医師がいる。「たかすの丘どうぶつ診療所」(鷹栖町)の林聡院長(52)だ。林院長は犬や猫の餌として野生のエゾシカ肉を薦めている。「牛肉や豚肉と比べ、シカ肉は高タンパクで低カロリー。リピーターになる飼い主が多いですよ」近年、生活習慣病や肥満になるペットが増え、食生活を見直す必要があると感じていた。そんな折、町内にエゾシカの食肉処理施設が完成。「市販のドッグフードなどは添加物が入っていて人工的だが、野生のエゾシカは天然の物しか食べておらず、生で与えると栄養素もそのまま摂取できる」と着目した。同施設で真空冷凍された肉を4月から診療所で販売したところ人気に。実際に体重が減ったり、毛つやが良くなったペットも多いという。道自然環境課は「ハンターが飼い犬に与えるのはよく聞く話だが、獣医師がペットの健康のために診療所で販売しているというのは初耳。今後も有効活用の幅が広がってほしい」と話している。
(鹿コロッケでがんばろう:兵庫)
台風8号の豪雨で被災した兵庫県佐用町の商工会青年部や商店主が22日、最も家屋被害の大きかった久崎地区で、地元のシカ肉を使った名物「鹿コロッケ」や、かき氷を、復旧作業に追われる住民やボランティアに振る舞った。炊き出しには、同県福崎町の商工会も名物のうどんを携えて応援に駆け付けた。配給弁当中心の食生活で、泥かきやごみ出しに追われゆっくり食事する余裕のなかった被災者らは、避難所の久崎小学校で笑顔を見せた。佐用町中心部の商店街で呉服店を営む商工会青年部長の加古原瑞樹さん(36)は「自分の店の復旧もあるが、早く町を元気にしたい」と話す。名古屋市から駆け付けたボランティアの大谷琴美さん(24)は初めて食べる鹿コロッケに目を丸くし「これで力が付きます」とほお張った。青年部は「これからもさまざまな企画で町を活気づけたい」と復旧の合間を縫って計画を仕掛けていく予定だ。
(クマが2日続け網戸壊す:青森)
24日午前1時23分ごろ、佐井村佐井原田川目のグループホーム「さい荘」で、女性職員がクマ1頭をトイレの窓越しに目撃、大間署に通報した。同施設では前夜にも親子と思われるクマ2頭が出没しており、地元の猟友会が24日夕方までに箱わなを設置し、駆除することにしている。
(クマ出没100件超:青森)
県内でクマの目撃や被害が相次いでいる。県警によると、今年の目撃件数は23日現在で101件と、昨年1年間の目撃件数73件を既に超えている。県自然保護課によると、クマは、餌となる木の実が増えた翌年は活発に活動する傾向があり、今年もこの傾向に沿って目撃件数が増えているとみられる。秋にはクマが冬眠に備えて食料を探すため、同課は「今後も注意が必要」としている。県警地域課によると23日現在で、今年の食害件数は37件(前年同期比10件増)。人的被害は3件(同1件増)で、5月に深浦町の山中でクマ駆除のため入山した男性がクマに襲われ遺体で見つかったほか、同月にむつ市で男性が、8月には弘前市で女性が、それぞれ負傷した。東北森林管理局(秋田県)は毎年、クマの餌になるブナの実の出来を調査しているが、それによると本県は07年に「皆無」だったが08年は「凶作」で若干だが増加した。県自然保護課によると、クマの餌になるブナの実が不作から豊作に転じた年は母グマが子グマを多く産み、さらに翌年は子グマに餌を与えるため活動範囲が広がる-という傾向が分かっているという。今年目撃例が増えているのも「ブナの実が前年比で増加したことが関係したと推測できる」としている。子グマを連れた母グマは気性が荒く、不用意に近づくと人間に危害を加えることもある。しかし、同課によると、本州に多く生息するツキノワグマは、出合い頭に遭遇しない限り人間に近づかない習性があるという。同課はクマよけの対策として、鈴やラジオで音を出したり、複数人で会話しながら山に入ることで、自分の位置をあらかじめクマに知らせる方法を勧めている。
(イノシシに襲われ重傷:千葉)
23日午前8時10分ごろ、上野原市棡原の畑で、同市新井の老人福祉施設の男性職員(34)がイノシシに襲われた。男性は東京都立川市の病院に搬送されたが、腹部や左手を突かれたり、かまれるなどして重傷。上野原市消防本部などによると、現場は上野原市西部の山あいで、民家が点在する地域。男性が農作業をするため畑に入ったところ、イノシシを発見。逃げようとしたが追い掛けられ、腹部を牙で突かれたり、左手をかまれるなどした。イノシシは山の方へ逃げたという。同市は防災無線で注意を呼び掛けたほか、地元猟友会が警戒している。棡原地区に住む会社員男性(65)は「サルの被害はあるが、イノシシが出ることはほとんどなかった。襲われてけが人が出るなんて怖い」と話していた。
(クマの姿や足跡、目撃情報が2件:北海道)
21、22の両日、帯広市内でクマの姿や足跡を見たという届け出が2件、帯広署にあった。22日午後3時半ごろ、同市清川町東1線95のビート畑が荒らされ、クマ1頭分とみられる足跡(後ろ足約30センチ)を見つけたと、畑を所有する男性(68)から通報があった。同署によると、約10平方メートル分のビートが食い荒らされていた。21日午後9時ごろには、同市八千代町西1線205付近の市道でクマを目撃したと、同所を車で走行していた男性が22日正午ごろ、農協を通じて届け出た。同署によると、男性は南西方向に進行中で、クマも同じ方向に歩いていたという。暗かったため、クマの大きさや、どの方向に移動したかなどは不明。同署は地元の猟友会に連絡するとともに、パトロールを通じて付近住民に注意を呼び掛けている。
(イノシシ被害防げ、勝山で講習会:福井)
奥越地方で近年、急激に増えてきたイノシシ被害を防ごうと福井県勝山市は22日、市民会館に被害農家らを集め、有害鳥獣駆除の捕獲おり設置講習会を初めて開いた。市内でイノシシ被害が発生している集落の農家と猟友会員約50人が参加した。県猟友会会長の澤崎貢敦賀支部長と景山孝一・同副支部長が講師となり、望ましいおりの形状や設置のポイント、生態を講義した。特にイノシシは学習能力が高く、捕獲後に一晩放置すると仲間が警戒しておりに入らなくなることや、捕殺の際に人への危険が少ない場所に設置することを強調した。市役所駐車場に場所を移し市が保有するおりを使って、餌となる米ぬかのまき方、イノシシの足がかかって扉が閉まる糸の張り方などを実地指導した。誤って入ったクマが出られるよう、おりの天井部に設けた穴の位置が悪く、イノシシも逃げられると指摘するなど、経験を基に具体的なアドバイスをしていた。同市内では5~6年前からイノシシが目立ち始め、野菜、米、そばなどの農作物に加え、あぜが壊されるなど被害が増えている。例年0頭だった捕獲数が昨年は7頭を数えたという。
(エゾシカ、繁華街で捕物:北海道)
釧路市末広町の繁華街にある立体駐車場「パステルパーク」(7階建て)に20日未明、雌のエゾシカ1頭が迷い込み、30人以上による捕物の末、捕獲された。市動物園は「釧路の繁華街にシカが現れたのは聞いたことがない」と話している。釧路署などによると、午前1時すぎ、シカが同駐車場2~5階をうろついているのを男性管理員が発見し、110番通報。シカは最上階の7階まで逃げたため、午前8時半ごろから、街路に通行規制を敷いて釧路支庁や市役所、市動物園の応援も借りて捕獲作戦を開始。同11時50分ごろ、取り押さえた。シカは1~2歳とみられる。腹部に傷があり、同動物園で治療後、森林に放された。
(ゴルフ練習場シカ出没:長野)
塩尻市長畝のゴルフ練習場にニホンジカの群れが頻繁に現れている。練習に訪れる人たちには「動物園みたい」と人気だが、近くの畑ではシカによるとみられる食害が出ており、周辺農家には困惑も広がっている。市役所から東へ2キロほどの場所にある練習場にはネットは張られておらず、周囲には林や畑が広がる。従業員によると昨年4月のオープン後、5~10頭のシカの群れが姿を見せるようになり、今春からは朝夕を中心に毎日のように芝を食べに来るという。客が打つボールに驚く様子もなく、打席から100メートルほどまで近づくこともある。「ゴルフそっちのけで見ている人もいますよ」と従業員は話す。一方、近くの農家の男性(62)は「昨年はレタスを食い荒らされて大変な目に遭った」といい、「自分たちにとっては生活がかかっている問題」とシカの害が広がることを心配している。市農林課によると、2008年度の市内のシカ食害はレタスなど18トン、165万円余に上った。
(クマ、調理場の残飯を食べる?:秋田)
20日午前6時ごろ、鹿角市八幡平熊沢のホテル「八幡平レークイン」で、調理場の残飯の米粒や空き缶の入った容器がひっくり返ったりしているのを経営者の男性が見つけた。鹿角署の調べでは、調理場は1階にある食堂に隣接。施錠されたアルミサッシ戸の下側部分に押し破られたような跡があり、クマが侵入した可能性があると見て付近に注意を呼びかけている。
(クマの捕獲わな撤去求め要望書:栃木)
日光市足尾町で、きのこ採りの会社員がクマに襲われ、市が捕獲わなを2基設置したことについて、日本熊森協会(本部・兵庫県西宮市)は、撤去を求めて要望書を市に提出した。協会は要望書の中で「人間側がクマに遭遇しないように配慮すべきであった」としている。日光署によると、会社員は14日、チタケ採りのため、同町野路又の山林に入り、クマにかみつかれ頭などに2週間のけがをした。市農林課によると、同日、「住民に万が一のことがないように」と、ドラム缶型のわなを2基設置した。会は要望書で、このほか「クマの生息地に入る際、人の存在をクマに知らせてやればクマが逃げることを看板などで周知させ、共存を目指すべきである」と訴えている。
(高齢者は怖くない!?サル被害続発:京都)
京都市北部の上賀茂、西賀茂地区の住宅地に、これまでほとんど姿を見せることのなかった野生のサルが集団で現れ、農作物を食い荒らしたり、屋根づたいに飛び回るなどの被害が相次いでいる。市は花火で追い払うなどの対策を講じているが、効果が上がらず頭を痛めている。夏場は特に深刻な山間部の餌不足で、サルの行動範囲が急速に広がっていることが原因のようだが、専門家は「人間社会の高齢化により、サルが人を恐れなくなっている」とも指摘している。

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