<射撃ニュース9月>

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(クレー協会、会長ら選出)
麻生太郎首相の会長再選に反対する「新執行部」が実権を握る日本クレー射撃協会は7日、東京都内で理事会と臨時総会を開き、あらためて平井一三会長ら理事と役員を選出する手続きを行った。報告を受けた文部科学省は「現時点で(新執行部が正当かの)決定はしていない」と判断を保留した。クレー協会の措置は、日本体協が新潟国体での競技実施の条件として協会内の混乱の収拾を要求したため。麻生首相の再選を支持する「旧執行部」は、混乱の発端となった3月の総会の無効を求めて訴訟を起こし、係争中。
(イノシシ退治、住民の手で:石川)
イノシシ被害に悩む金沢市医王山地区で7日までに、同地区町会連合会が地元農家に狩猟免許の取得を促す対策に乗り出した。石川県猟友会によると、町会が率先して各農家に免許取得を呼び掛けるのは珍しい。猟友会員の減少と高齢化を背景に鳥獣捕獲の担い手が減る中、同連合会は各地に免許取得者を配置して農作物の自衛を講じていく構えだ。医王山地区では、イノシシが畑を踏み荒らしたり、収穫前のサツマイモなどを食べる被害が相次いでいる。田んぼの周囲に電気柵約10キロを取り付けたり、捕獲檻(おり)2個を設置するなどの対策を取っているが、今後、個体数の増加で被害拡大が懸念されている。一方で県猟友会の登録者数は年々減少し、7日現在で670人とピーク時の4分の1程度まで減少。同地区では田島町以外の5町で会員がおらず、捕獲要請があっても対応に苦慮しているのが実情という。このため同地区町会連合会が今夏から各農家に呼び掛ける対策を始めた。7月に二俣町北島地区の農家2人が狩猟免許を取得し、今後は二俣町の上出、下出、北島の3地区と残りの4町会で2人ずつ計14人の免許取得を目指す。県は今年から狩猟免許試験の事前講習会の無料化を始めた。同地区町会連合会の折池晃会長(65)=二俣町=は「里山の農家の生活を守るため、引き続き行政に協力を求めていきたい」と話した。
(枯れる修験道の山:和歌山)
ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つ、大峯山系の大峯奥駈道。修験道の行者が登る険しい山道の途中に、弥山(1895メートル)はある。かつて緑に覆われていた山頂付近は、針葉樹のシラビソが立ち枯れ、絶滅の危機にひんしている。行者たちのホラ貝が奥駈道に鳴り響く。白い木肌がむき出しになったシラビソの枯れ木が根こそぎ倒れ、地面を覆っている。その傍らには、美しさから「天女花」と呼ばれる国の天然記念物、オオヤマレンゲがシカよけの防護柵に囲まれ、ひっそりと咲いている。シラビソの立ち枯れについて、17年前から弥山の山小屋の管理人をしている西岡満さん(57)は「シカの食害が大きな原因」と話す。山頂付近に群生するシラビソは、等高線に沿って規則的に枯れ、新しく生え替わり、うまく「世代交代」が進んできたというが、「もう何年も前から、シカが新芽を食べてしまって世代交代が進まず、枯れていく一方。養分の少ない土壌なので台風にも弱い」と嘆く。NPO法人「森林再生支援センター」(京都市)の高田研一・常務理事(58)は「大規模な森林伐採で下草など餌が増えたことや、温暖化による降雪量の減少もあって、シカが増えて食害が進んだ。1万年以上を生き抜いてきたシラビソを何とかして守っていきたい」と語る。同センターは地元の奈良県天川村と協力し、一昨年から針葉樹の芽生え調査などを実施、枯れていく過程の解明に乗り出すなど、これ以上の森林の衰退を食い止めようと懸命だ。神々しい自然に包まれた山岳信仰の地。貴重な世界遺産を次世代に残したい。緑豊かな山の再生を願う。
(カナダ北極の白クマ、10年で激減)
地球温暖化で絶滅の危機が叫ばれるシロクマの大生息地カナダ極北地方。気温の上昇によって生息環境は著しく悪化し、シロクマは確実に追い詰められている。頭数もこの10年間で劇的に減少した。北極海につながるハドソン湾に面したマニトバ州を訪ねた。北緯58度。同州北端にある町チャーチルは、「ポーラーベア(シロクマ)の首都」の異名を持つ。秋になると周辺からシロクマたちが集まり、野生動物を間近で観察するツアーの拠点ともなっている。シロクマが集結するのは、チャーチル川の淡水が流れ込み、冬場にハドソン湾がこの辺りから凍るため、海へのルートができるからだ。夏は陸に上がって過ごすシロクマは、11 月中旬、結氷と同時に大好物のアザラシを求めて海へと出て行く。マニトバ州では、今年の夏は例年になく気温の低い日が続いた。7月末になっても海岸から数㌔沖に流氷が残り、シロクマが海を泳ぐ光景を目にできた。しかし、温暖化の悪影響が深刻の度合いを深めていることに変わりはない。パークス・カナダ(カナダ国立公園管理局)によると、ハドソン湾周辺のシロクマは10年ほど前は1200~1500頭と試算されていたが、今では約900頭まで減った。温暖化の影響で海氷が早く解け、アザラシの猟期が短くなったり、永久凍土のツンドラ地帯に掘った巣穴が気温の上昇で崩れて生き埋めになったりして、数が減っているという。シロクマは獲物が捕れるチャンスが少なくなったことで、体重も減少傾向にあるほか、母クマの出産数も、以前の3頭が最近は1頭だけになっているという。パークス・カナダの職員は現状を説明した上で、「野生保護のためにわれわれにできることは、共存することだ。グローバルな気候変動対策は、米国と日本がカギを握っている」と語った。

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(火薬原料「県内でも購入」:富山)
民家で無許可の手製爆弾が作られていた事件で、火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで県警に再逮捕された富山市上千俵町、無職高柳浩一容疑者(48)が、自宅にあった黒色火薬の原料について、これまで明らかになっていた県外の2業者からのほか、「県内の量販店からも買った」と話していることが捜査関係者への取材でわかった。爆発物の原料に転用できる薬品類は販売に関する規制が少なく、県警は店頭での対応に注意を求めている。富山南署の発表によると、高柳容疑者は今年5~8月、自宅の納屋で黒色火薬など約1・5キロの爆発物を製造した、とされる。黒色火薬の原料となるのは薬品など3種類。捜査関係者によると、高柳容疑者はこのうち、消防法で危険物に指定されている2種類を県外の2業者から通信販売で取り寄せた。これらは、一定量以上を取り扱う場合を除き、資格などは必要ないという。一方、別の1種類は「県内の量販店で直接購入した」と供述。同署は領収書なども押収しており、現在、購入先の特定を進めている。県消防課などによると、黒色火薬の原料は、科学実験用に研究者らが購入する場合も多く、比較的容易に手に入れることができる。富山市の薬局従業員男性も「規制に基づいて氏名や住所、用途を尋ねる薬品もある。大量に購入する場合は不審に思うだろうが、少量では見逃してしまう可能性はある」と話す。薬品類の販売については、2008年、男が皇居に手製の消火器爆弾を撃ち込むなど全国的に個人が爆弾を製造する事件が相次いだため、警察庁は全国の警察本部に販売実態の調査を指示している。県警公安課によると昨年11月現在、爆弾の原料となる薬品を取り扱う薬局などは県内で約700店確認されており、県警は、大量購入するなど不審な客が訪れた場合は届け出るよう呼びかけている。富山南署は4日、高柳容疑者を火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで富山地検に送検した。
(イノシシ肉を特産品に:福井)
有害鳥獣として農業者に嫌われるイノシシを県特産のサトイモやぬか漬けのへしこと組み合わせ、“地産地消”メニューとして売り出す取り組みを、福井市の日本料理店が進めている。店は福井市大町の創作料理店「伊呂波(いろは)」。大女将の山口康枝さん(76)を中心に、県猟友会有志らと料理研究会を結成し、2年前から試行錯誤してきた。4日夜に店で開いた試食会は、ゆでつぶしたサトイモでイノシシのひき肉とサバのほぐし身を包んだ「あんかけ団子」、ひき肉にへしこを混ぜた「ギョーザ」など5品がテーブルに上った。県関係者ら15人が試食し「脂身が少なくヘルシー」などと好評だった。同店では「発情期以外は臭みもない。特産品となるような商品開発に取り組み、イノシシ肉を福井のPRに役立てたい」と話し、有害鳥獣のシカの活用にも取り組み、今月下旬に試食会を開く。県によると、2008年のイノシシによる県内の農産物被害は前年比23%増の約7900万円。有害鳥獣としての捕獲頭数は1997年度から急激に増加しており、08年度は2729頭だった。
(イノシシ現る、捕獲断念もけが人なし:岐阜)
4日午後10時半ごろ、岐阜市長良東鵜飼の「鵜飼ひろば」周辺に住む住民から「イノシシが茂みに隠れている」との通報が岐阜北署にあった。署員が急行すると、同ひろばで雑草を食べるイノシシを確認。体長1メートル超で、体重は推定で80キロ。同署員や市職員、消防署員ら約15人が投網を手に追跡すると、イノシシはひろば向かいの住宅街へ。最後は空き家の雑木林に逃げ込んで隠れてしまったため、翌5日午前2時に捕獲を断念した。けが人はなかった。「イノシシが生息する山からは遠く、うり坊の時から飼育して大きくなったイノシシが逃げ出したのでは」と同署員。捕獲作業に当たった消防署員は「鉄棒でたたいたら鉄かぶとのように硬かった」と話していた。
(イノシシ対策で住民参加講習会:栃木)
イノシシの農作物被害を防ごうと、茨城栃木鳥獣害広域対策協議会(会長・千保一夫市長)は8日、市須賀川出張所で住民参加型のイノシシ被害対策講習会を開く。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の井上雅央氏が、「みんなでやろう!イノシシ対策」と題して講演する。同氏は農作物保護が専門で、イノシシやサルなどの被害対策に詳しい。農林水産省の農作物野生鳥獣害被害対策アドバイザーも務めている。須賀川地区で、実際にイノシシ被害に遭った田園を視察する。井上氏が電気柵の正しい設置法などをアドバイスする。
(河川浚渫でクマの道遮断:富山)
富山県は、河川にたまった土砂の浚渫(しゅんせつ)作業の強化に乗り出す。流れる水の量を増やし、近年多発するゲリラ豪雨によるはんらんを防ぐだけでなく、堆積(たいせき)した土砂に草木が生い茂ってクマの通り道となるケースがあるため、それを遮断する狙いもある。今年度9月補正予算案に約1億5千万円を盛り込む。県内では、ツキノワグマが大量出没した2006年度、河川敷の草や立ち木に身を隠して移動する姿が確認されるなど、河川が里に出没するクマの通り道の一つとなっていることが指摘されている。県はこれまで、クマの移動ルートの分断や出没を発見しやすくするため、河川敷や中州の草刈りや立ち木の伐採を進めてきた。ことしのクマの目撃・痕跡情報は、8月25日時点で125件と前年の約6割にとどまっている。しかし、ゲリラ豪雨への対策が急務となっている現状と合わせ、河川敷や中州を形成する堆積土砂自体の撤去を強化するよう求める声が、地域などから出ていた。県はこれまで、河川の維持修繕費の一部で浚渫作業に対応してきた。ただ、浚渫に充てられるのは約2割にとどまり、多くが草刈りや木の伐採に回されているのが実情である。今年度当初予算では、維持修繕費の工事費6億5千万円のうち、浚渫分で1億3千万円を見込む。9月補正予算案では、別枠で約1億5千万円を盛り込み、浚渫の費用を倍増させる。浚渫は、1級を含めた河川のうち県管理の部分が対象で、今後、具体的な場所を選んでいく。

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(イノシシと車衝突、女性死亡:三重)
4日午後10時45分ごろ、三重県菰野町音羽の町道で、「山林に車が突っ込んでいる」と通行人から110番があった。四日市西署員が駆け付けたところ、乗用車が道路脇の木に衝突していた。運転していた女性は病院で死亡が確認された。現場近くにイノシシ2匹が死んでおり、同署は女性の車とイノシシが衝突したのが原因とみて調べている。同署によると、死亡したのは同町潤田、ホテル従業員山本順子さん(58)。現場は道幅8メートルの片側1車線の直線で、車から80メートル離れた場所で親子とみられるイノシシ2匹が死んでいた。現場にはイノシシが車に引きずられた跡があり、同署は道路を横断したイノシシと車が衝突した後、女性がハンドル操作を誤り、木に衝突したとみている。道路には街灯がなく、イノシシやシカがたびたび出没するという。
(止まらないイノシシ被害:和歌山)
印南町内で放火とみられる不審火が相次いでいるなか、美浜町ではイノシシが畑を荒らすなどの被害が止まらない。本年度はまだ狩猟期間前ながら、9月3日現在、11頭が有害駆除され、先月31日からはなんと4日連続で6頭。すでに昨年度1年間を3頭も上回るハイペースとなっている。町担当課によると、本年度のイノシシの有害駆除は5月が1頭、7月が3頭、8月が2頭、9月が5頭の計11頭。いずれもイモなどの畑の農作物やミミズを狙って土を掘り起こすなどしており、地元の農家の男性らは「もうガチャガチャにしやれる(むちゃくちゃにされてしまう)」という。7月16日夕方には、中学生らが野球の練習をしている三尾の第2若もの広場に約1・2㍍の1頭が現れ、子どもたちの安全を十分に確認のうえ、駆けつけた猟友会のメンバーが銃で駆除。8月31日からは三尾と本ノ脇で4日連続、計6頭がワナとオリにかかった。3日には和田西地区の上の池近くの山のふもとで大きさ約1・3㍍、重さは80㌔ぐらいとみられるオスがワナにかかり、駆除にあたったベテランハンターはそのやせたイノシシを山から引きずり出し、「こんなに(多くの)イノシシが出てくんのは、(山にイノシシの)数が増えすぎて、よっぽど食べるもんがないんやろな」と話していた。
(アライグマの農作物被害拡大:北海道)
伊達市内で今年、アライグマが続々と捕獲されており、8月末で既に昨年を上回る100頭近くが箱わなに掛かっている。農作物の食害が広がっているだけに、農家自ら狩猟免許を取得してわなの設置に乗り出す方針を固めるなど、被害防止へ積極的に動きだした。市環境衛生課によると、これまで捕まえた数は95頭に上り、昨年に比べ28頭増加。人的被害こそないものの、主にトウモロコシやスイカなど、甘みのある作物が狙われているという。道猟友会伊達支部の犬塚敬さんは「生息区域は今までは大滝区が中心だったが、西関内町や乾町、北黄金町など市内全域に広がっている」と状況を分析する。伊達市農協では、畑を荒らされた農家は例年より多い―と推測しており今後、被害状況をまとめる予定で、市も現在、対策協議会を発足させる方向で準備している。今後の食害拡大が懸念される中、「自分たちの手で野菜を守ろう」と市内上長和町の農家でつくる村界倶楽部(11戸)は、わなの狩猟免許取得を目指す方針を決定。メンバーの山本健市さん(33)は「今年はかじられているトウモロコシの本数が多い。できるところから対策を取りたい」とし、同倶楽部挙げて年明けに開かれる講習会に参加して試験に臨み、春からわなを仕掛け成果を試す予定だ。
(爆弾を製造したとして男逮捕:富山)
今年5月ごろから先月にかけて無許可で火薬を製造していたとして、3日、富山市の48歳の男が警察に再逮捕されました。男は自宅の納屋で爆弾を作っていたとみられます。火薬類取締法違反の疑いで再逮捕されたのは、富山市上千俵町の無職、高柳浩一容疑者(48)です。富山南警察署によりますと、高柳容疑者は今年5月ごろから先月13日までの間、無許可で自宅の納屋で火薬およそ1.5キロを製造した疑いです。先月13日の夜に「大きな爆発音がした」という近所の人の通報を受け、警察が現場に駆けつけたところ、高柳容疑者が折りたたみ式ナイフなどを持っていたため、銃刀法違反の疑いで逮捕しました。その後の調べで、大きな爆発音は高柳容疑者が自分で作った爆弾を爆発させた際の音であることがわかり、自宅から鉄パイプに火薬をつめた手製の爆弾や火薬などが押収されました。警察の調べに対し高柳容疑者は、「自殺するために爆弾を作った。作り方はインターネットで調べた」と話しているということです。また、高柳容疑者の自宅の近くの休耕田には、直径およそ50センチの円状に爆弾を爆発させた跡があったということです。警察では、材料の購入先や詳しい動機について調べています。
(イノシシが電車に衝突:岐阜)
2日午後9時40分ごろ、海津市南濃町上野河戸の養老鉄道駒野8号踏切(警報機、遮断機無し)にイノシシが侵入し、桑名発大垣行き普通電車(3両編成)と接触した。この事故で同電車が現場に3分停車したが、乗客5、6人にけがはなかった。イノシシは逃げた。海津署によると、運転士が踏切手前で発見し、急ブレーキをかけたが間に合わなかった。現場は山沿いでイノシシやシカが普段からよく見かけられるという。
(シカ侵入、カメラで監視:福島)
尾瀬国立公園の自然環境の変化などについて調べている県尾瀬保護調査会(会長・樫村利道福島大名誉教授)は先月、会津駒ケ岳(標高2133メートル)と田代山(同1971メートル)の山頂周辺にニホンジカの侵入を確認するためのセンサーカメラを設置した。両地域ともすでに中腹部までシカが入り込み、駒ケ岳の雪田植生、田代山湿原への被害拡大も懸念されており、10月まで継続観察する。
(シカ肉をペットフードに:長野)
長野県伊那市は、シカの肉を犬用のペットフードとして利用する取り組みを進めている。完成品は首都圏で試験販売されており、市は本格的な製品化を目指す。
(イノシシのわなにアナグマ:栃木)
黒羽田町の山林に設置されたイノシシのわなに、レッドデータブックとちぎで要注目種に指定されているイタチ科のアナグマが掛かり、関係者を驚かせている。同市亀久の農業大金恒夫さん(62)が1日、わなに掛かっているのを見つけた。体長約50センチの雌。狩猟歴30年の大金さんも「いろんな動物を見てきたが、アナグマは初めて」と話す。県自然環境課によると、アナグマは森林に生息し、夜行性のため目撃や捕獲例が少ないという。県は「要注目種」として1997年から捕獲を禁止している。誤って捕獲されたため後日放獣する。現場は禅寺の古刹と知られる大雄寺の裏山で民家も近い。大金さんは「山にいるはずの生き物。山が荒廃していることを里まで知らせに来たのでは」とアナグマの身を案じていた。
(洋犬モンキードッグ活躍:徳島)
サルの食害に悩む佐那河内村で、県内初の洋犬のモンキードッグ2匹が活躍している。2匹は、村職員上野浩嗣(ひろつぐ)さん(36)=同村下=の飼い犬チップとデールで、いずれも生後11カ月のメス。デビュー後3カ月が経過し、住宅近くまで来ていたサルが来なくなるなどの成果が出ているという。2匹はスタッフォードシャーブルテリアという種類のイギリス犬で、板野町のノイマンドッグスクールで3カ月間訓練。体長約60センチと小柄ながら、がっしりとした体格と俊敏な動きでサルを威嚇する。モンキードッグは、サルによる農作物被害を防ぐように訓練された犬で、現在、三好市や那賀町などで計11匹導入されているが、すべて和犬や雑種。スタッフォードシャーブルテリアは人間の指示をよく聞くため、しつけや訓練がスムーズという。2匹は6月から定期的に山に放たれ、サルが近寄らないようにらみを利かせている。結果、上野さん宅の軒下まで出没していたサルを見かけなくなり、畑の野菜もほとんど被害に遭わなくなったという。上野さんは「猟犬にも使われている種類なので適応性があると思った」と働きに満足している様子。村では、10年ほど前からサルやイノシシによる被害が深刻化。上野さん方周辺でもサルが群れで畑を荒らし、耕作放棄された畑が増えていたことから、今年1月に村役場からモンキードッグの導入をすすめられた。
(クマに襲われ軽いケガ:青森)
3日午後10時前田子町の民家にあるトウモロコシ畑にクマが出没した。物音で様子を見に行った61歳の女性が体長1メートル40センチのクマに引っかかれ腕などに軽いケガをした。逃げ去ったが近くに田子小学校があり警察は住民に注意を呼びかけている。
(クマが暴走!?バスにクラッシュ:福島)
4日午前7時10分ごろ、磐梯町更科の磐越自動車道わきの町道で、体長約1メートルのクマが道路左手から飛び出し、小型マイクロバスと衝突した。クマはその後バスの車体の下をくぐり、道路脇の山中に逃げたとみられる。バスは同町内の小中学生を迎えに行くスクールバスで、まだ乗客はおらず、運転手の男性にもけがはなかったが、バスの前方が大きくへこむなどの被害があった。猪苗代署によると、現場は磐越道の磐梯山サービスエリア(下り線)から西へ約200メートルの地点。バスを運行していた会津交通の運転手(47)によると、クマは磐越道をまたぐ陸橋から、町道に出てきた。ブレーキをかけたが間に合わず、正面衝突したが、クマはバスの底と道路のすき間約60センチの間をすり抜けたようで、男性がバックミラーを見ると、山側に走り去る姿が映っていたという。事故後、修理に出されたバスのバンパーには茶色のクマの毛がはさまっていた。今年はクマの目撃情報が相次いでおり、同署で広報しただけで、5月下旬からこれまでに29件、34頭に上っている。中でも磐梯町は、8月に目撃された10頭中6頭が出没した「クマ銀座」で、同署でドライバーに注意を呼びかけている。

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(役員に誓約書提出も、クレー国体実施で日本体協)
役員人事などをめぐる日本クレー射撃協会内の対立が8日までに収拾しない場合には、26日開幕の新潟国体でクレー射撃を実施するための条件として、同協会役員に国体の運営を妨げないという誓約書を提出させることが、日本体協の2日の理事会で報告された。日本体協は、対立する新、旧執行部の代表者に、必要となる誓約書を既に送付した。泉正文国体委員長は「対立状況を早急に解消するように求めている」と話した。日本クレー射撃協会は、7日に臨時理事会と総会を開いて対応を協議する。
(県立射撃場、12月にも移転工事:山梨)
県立射撃場の甲州市塩山上小田原地区への移転計画で、県教委は2日までに、12月にも移転工事に着手する方針を固めた。県教委は、2011年度末の完成を目指す考えだが、建設に反対する一部住民は反発している。県教委によると、12月から射撃場建設に伴う、土砂流出対策の防災施設ダムの整備を始める計画。来年1月には建設地への進入路工事を開始する。造成工事は同年8月のスタートを予定しており、12年度からの供用開始を目指している。県教委は8月25日、塩山上小田原地区の集会所で開かれた会合で、建設地に最も近い小松尾組住民を対象に工事スケジュールを説明。これに対し、住民側は同26日、「建設反対の立場は変わらない」とした上で、「工事車両は生活道路を通らない」「県と小松尾組で住民の安全確保のための協定書を交わす」などの要望を県教委スポーツ健康課に伝えた。高橋文子組長は「突然工事を始めますと言われた。反対しているのに計画を進めるのは強引ではないか」と反発。一方、同課は「6月に行った上小田原地区住民全体への説明会で、多くの住民の賛同を得たと考えている」としている。
(クマに襲われ重傷:長野)
2日午後1時頃、木曽町三岳尾尻平で、山仕事をしていた、近くに住む農業浅村明さん(73)がクマに襲われ、頭や右腕などをかまれ、3か月の重傷を負った。クマは逃げた。木曽署によると、浅村さんは、一人で自宅の裏山で蜜蜂の世話やキノコ取りなどをしていた。クマは成獣とみられ、浅村さんは「振り返ったらクマがいた」と話しているという。同署や地元猟友会は、捕獲用のオリを設置したほか、有線放送で住民に注意を呼びかけている。
(環境警備隊、日高川で発足へ:和歌山)
イノシシやサル、シカなどによる鳥獣被害に悩まされている日高川町は、国の緊急雇用対策事業費を使い、猟銃免許を持つ町民が駆除などをする「環境警備隊(仮称)」を、今月中に試験的に発足させる。雇用対策と有害鳥獣駆除を一体にした取り組みは全国的にも珍しく、同様の鳥獣被害に悩まされている全国の自治体から注目を集めそうだ。警備隊は6人で編成。町内3地区を各2人がペアで定期的にパトロールし、駆除や追い払いに加え、個体数と被害状況の調査や、ごみの不法投棄の警備も行う。9、10月に試行。狩猟期間の11月~来年3月末はいったん中断し、2カ月間の試行期間の効果をみて、来年5月ごろから本格的に取り組む。これまで町内では、トタン板や網で畑を覆ったり電気柵を設置したりしてきた。しかし、一時的に追い払う効果はあるものの、網をかいくぐったり柵を跳び越えたりするため、効果は限られている。農林水産省鳥獣被害対策室によると、鳥獣による農作物被害額は全国で07年度、前年度より約11億円減ったものの計184億9478万円にのぼる。被害面積は前年度比1万5000ヘクタール減の約9万1000ヘクタールだが、被害量は同6000トン増の約40万6000トンだった。県農業環境保全課の調べでは08年度、鳥獣農作物被害金額は約3億2600万円、被害面積は約696ヘクタール。日高川町では約2100万円で、ここ10年間は被害額は横ばいか減少傾向。しかし、同対策室によると、被害を受け次年度から廃業する農家もあって額が減少している面もあるといい、「被害が沈静化している訳では決してない。農家や自治体がパトロール隊などを結成している例はあるが、緊急雇用対策と連動した例は聞いたことがない」と話す。同町産業振興課は「まずイノシシやサル、シカなどの正確な個体数を把握してもらい、有効な対策計画を作りたい」と話している。
(イノシシ対策など研修:広島)
イノシシやシカによる農作物被害と松枯れへの対策を学ぶ研修会が2日、広島県世羅町寺町のせら文化センターであり、約150人が参加した。世羅郡農業振興協議会などの主催。近畿中国四国農業研究センターの上田弘則さん(40)がイノシシの警戒心の強い生態を紹介。「農地周辺の草刈りをして見晴らしをよくするだけで被害は減るはず」とした。防止柵はイノシシが高さ1メートル、シカが2メートルは必要で、冬も電気を流すなどの管理が大切と訴えた。森林総合研究所関西支所の黒田慶子さん(52)は松枯れを招くマツノザイセンチュウがカミキリを介して広まると指摘。薬剤散布や枯れ木のチップ化などでカミキリ対策が必要と呼び掛けた。
(イノシシ被害でヒガンバナ激減:香川)
白や黄色の鮮やかな花が初秋の風物詩となっている、みろく自然公園(香川県さぬき市大川町)のヒガンバナが、イノシシの被害によって激減している。餌を探すイノシシに球根が掘り返され、株数は例年の7割ほど。満開時には多くのファンが訪れる人気スポットだけに、関係者は「今後に向けて何か対策を考えないと」と頭を悩ませている。同公園では1992年に1千個、2003年に9千個のヒガンバナ科の球根を植栽。昨年までは14品種約1万本が群生、通常の赤に加え、白や黄色の花が満開を迎える9、10月には、大勢の来場者の目を楽しませていた。市などによると、今年は7月末ごろから、イノシシによって球根が掘り返される被害が続出。市は「球根には毒性があることから、食い荒らされることはなかった」とするが、植えては掘られの「いたちごっこ」が続くため、掘られた球根は一時保管しているという。運良く残った球根は8月下旬から咲き始め、2日に5分咲きになったショウキズイセン(通称・黄色彼岸花)も、今年は数がまばら。中にはイノシシによって折られたとみられる花もあった。公園を管理する市商工観光課は「今年は豪雨の影響も重なり、花の数が少なくなって残念。敷地が広大なので全部は難しいが、来年は部分的に金網を張るなど対策を講じたい」としている。
(道内のクマ、出没急増:北海道)
先月中旬から道内各地でクマの出没が急増している。道警によると、足跡やふんなども含めた1~8月の認知件数は、過去5年間で最多の508件。うち167件が8月で、昨年同月より33件も増えた。札幌市区政課は「今夏は日照時間が少なく涼しい日が続いた。冬ごもりの準備を早めに始めているのでは」と分析している。クマによる家畜や農作物への被害も広がっている。上川管内上川町では5月以降、酪農家が飼う計15頭の牛が襲われて死傷した。帯広市では8月23、28日の両日、畑のビートやとうもろこしが食い荒らされている。道環境科学研究センターによると、食料となる草木や果実が少なくなる8月中旬から9月にかけて、農耕地ではトウモロコシなどの作物が育つため、山から下りてくるクマが増えるという。さらに冬ごもりに備えて食いだめをすることから、9月いっぱいは危険な時期とされている。また、「畑に行けば食料がある」とクマが学習することも出没を増やしている。同センター自然環境部の間野勉・主任研究員は「収穫前の作物を放置せず、畑の周りに電気柵を設置したり、畑付近の雑木林を刈り取るなどの対策が有効」と指摘する。今後、きのこ採りのシーズンを迎えるが、道警地域部は「山へはなるべく複数で入り、鈴など音が出るものを身に付けて」と呼び掛けている。
(ヒトより利口なカラス)
「鳥類最強」「霊長類に肉薄」などと称賛されるカラスの頭脳。さい銭箱から盗んだ硬貨をエサの自動販売機に入れて出したり、クルミを乗用車にひかせて割ったりと、高い知性がたびたび報じられる。そんな“カラス伝説”に新たな1ページを加えたのが、研究者による実験結果を収録したこの動画だ。くちばしが届かないところまで水が入った容器に、カラスが好むエサを浮かべる。さて、カラスたちはどうやって問題を解決するのか-。その一部始終を収録している。漫画家の手塚治虫は「火の鳥」で、人類滅亡後にナメクジが文明を築く様子を描写したが、次の“知的生命体”はカラスかもしれないと感じる動画だ。

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9/2
(カラス捕獲をスタート:山形)
中心街のカラス対策に取り組む鶴岡市は1日、本年度の箱わなによる捕獲をスタートさせた。対策は3年目。「増加に歯止めがかかった程度」(環境課)で被害は続いており、前年度より250羽多い750羽の捕獲を目指す。餌場の赤川河川敷に近い市浄化センターに2カ所、移動コースになっている旧貴船水源地の計3カ所に箱わなを設置。県猟友会鶴岡支部のメンバーが来年2月まで管理、処分に当たる。止まり木を増設、脱走防止用のネットを張ったり、中に積もった雪をかきだす小窓をつけたりと改良を加えた。おびき寄せる餌には従来の豚肉に加え、青果市場から出される廃棄用の野菜果物を活用。糖分の高いスイカ、バナナなどが効果的という。9日には鶴岡南高生徒会と合同実施している羽数調査を行う。
(駆除シシ肉をジビエ料理に:佐賀)
駆除したイノシシを、野生の鳥獣肉を使った「ジビエ料理」などに活用する取り組みが佐賀県武雄市で進んでいる。全国から問い合わせが相次ぎ、取引が始まったケースも。武雄地域鳥獣加工処理組合の淵辰弘組合長(57)は「可能ならヨーロッパにも売り込みたい」と意気込んでいる。ジビエはフランス語で狩猟対象となる野生の鳥獣肉を指し、肉をペースト状にしてパンにつけて食べる「リエット」や煮込みなどの料理が人気を呼んでいる。武雄市では平成8年ごろからイノシシが増え、畑の農作物を荒らすようになった。最近は年間の駆除が1千~2千頭に上り、地元の猟友会が肉の販売を発案。国と市の補助金も受け、今年4月に加工所を開いた。30分以内の処理で鮮度を保持しており、滋賀県や東京・赤坂のレストランと納入契約を結んだほか、多方面から引き合いがきている。
(福山通運、爆発物検査せず空輸)
航空会社に代わって保安検査できる認定を国土交通省から受けている「福山通運」(広島県福山市)が、荷物に爆発物が含まれているかを調べずに航空機での貨物運送を繰り返していたとして、国交省は1日、同社の認定を停止した。認定停止処分が行われるのは初めて。同社は06年3月から認定を受けている。国交省が8月末に監査したところ、空港に隣接する本社、子会社の13支店のうち10支店で、ずさんな保安検査をしていた。子会社の福岡支店では火薬の有無を検査していないのに検査済みとの確認書を航空会社に提出。昨年3月に国交省から定期監査を受けた広島支店では、監査の前後1カ月だけ検査して監査をすり抜けていたという。8月26日に北九州空港から羽田空港に航空輸送された同社の一般小包を見た航空会社社員が、伝票に花火と記載されながら段ボールに危険物を示す国際コードが印字されていないことを不審に思って通報。国交省が監査してずさんな保安体制が発覚した。同社は会見して「担当者が法律を理解していなかった」と釈明した。
(長岡市でクマ出没:新潟)
1日午後2時すぎ、長岡市西野俣の県道脇で、クマがガードロープに寄りかかっていると通りかかった車の運転手が長岡署に通報した。同署員が駆け付けたが、すでにいなくなっていた。同署によると、クマは体長約1メートル。現場は同市の栃尾地域で住宅まで約170メートルの距離だった。同署は注意を呼び掛けている。
(住宅街でクマの足跡見つかる:北海道)
旭川市の住宅街で熊の足跡が見つかりました。警察は夜間などは特に注意するよう呼びかけています。「旭川市内から車で15分程のかんせいな住宅街です。今朝6時頃、庭先の畑にクマの足跡があると警察に通報がありました」。これが見つかったクマの足跡です。大きさはおよそ20センチほどあります。クマの足跡が見つかったのは、旭川市高砂台3丁目の住宅にある畑です。この家の住人が、畑にクマの足跡が6か所ほどあるのを発見しました。(近所の人)「上川あたりでも出てるから山にエサがなかったから来るのではないか。子どものいる人はやっぱり心配だね」。警察ではほぼ同じ時間に、近くに山林でも子グマの情報や親グマの足跡が確認されていることから、今後もクマが出没するおそれがあるとして、付近の住民に注意を呼びかけています。

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9/1
(9月補正予算193億円:和歌山)
<前略>日高川町が力を入れている鳥獣害防止対策関連では、新たにイノシシやシカを撃つ猟師の育成と捕獲技術の向上を目指した射撃訓練場の整備費(5億5000万円)が盛り込まれ、これはクレー射撃競技の練習場としても使い、現在、湯浅町内への新設が有力となっているという。
(イノシシ対策学ぼう:広島)
イノシシやシカによる農作物被害や松枯れへの対策を学ぶ研修会が9月2日、広島県世羅町寺町のせら文化センターである。町内でイノシシ被害などが急増しているのを受け、防止策の啓発を図る。世羅郡農業振興協議会など主催。近畿中国四国農業研究センター鳥獣害研究チームの上田弘則さん(40)と森林総合研究所関西支所の黒田慶子さん(52)を講師に招く。イノシシやシカの被害は、放置作物や未収穫の果樹などが意図しない「餌付け」になっているとして、集落全体での取り組みを呼び掛ける。柵やネットの効果的な設置方法も教える。松枯れでは原因となる線虫「マツノザイセンチュウ」の対処法などを紹介する。
(獣害対策で休耕田に牛を放牧:京都)
福知山市中六人部地区の田野山田自治会で31日、獣害対策として牛を放牧する市内初の試みが始まった。牛を休耕田などに放牧し、野生動物と人間とのバッファゾーン(緩衝帯)を設ける取り組み。市が野生鳥獣対策推進事業として、府の地域サポートカウ事業の補助と合わせ、自治会(荒井肇自治会長、23戸)の協力を得て実施した。サポートカウ事業は、畜産農家の牛を希望する集落で放牧し、遊休農地の省力管理や獣害低減に役立てるもの。昨年度から始まり、府北部では久美浜町、綾部市に次いで3例目となる。放牧した牛は、綾部市内の畜産農家から借りた雌2頭。山が迫る田野川沿いの約70アールの休耕田をバッファゾーンにし、周囲400メートルを電気柵で囲って放した。休耕田は緩やかな段差で7枚分あり、これまでシカやイノシシの被害を最も受けやすかった場所という。4年前から減反割り当て地にしてきた。荒井自治会長は「田んぼは電気柵を張っていますが、これまでから、穂が実りだすとイノシシ被害がある場所です。周辺はこれからが稲刈りの最盛期。放牧は綾部などで効果があったと聞いているので、期待しています。効果が認められれば、来年もお願いしたい」と話している。放牧期間は9月いっぱいの予定。牛は24時間、休耕田に放したままにする。生えている雑草を食べるほか、地元農区長らが飼料や水を与え、毎日世話することになっている。放牧地の隅には、牛のエサや水やり場の屋根付き小屋が設けてある。
(ヤギ放牧でイノシシ撃退:群馬)
農作物に被害を与えるイノシシなどの“隠れみの”となっている下草の除去を目的に2009年5月、粕川町中之沢の畑と山林、約3,000㎡にヤギ3頭を放牧した。市内には農家の高齢化や後継者不足などで耕作されていない遊休農地が約236haあり、整地されていないやぶなどに潜むイノシシが増加。このため市では2009年度から、雑草を食べさせることでイノシシなどが生息しにくい環境を作ろうと、試験的にヤギの放牧を始めた。効果が確認されれば放牧地域を拡大する予定。
(ヒグマ捕獲、牛を襲った個体か:北海道)
上川管内上川町菊水でヒグマが牛を襲い、5月から牧場4カ所で計15頭が死傷した被害で、8月30日午前6時ごろ、現場近くに仕掛けた鉄製箱わなに大型のヒグマが掛かっているのを、牧場主が見つけた。5月上旬と8月中旬に牛を襲ったクマとみられ、同日殺処分された。町によると推定10歳の雄で、体長約2・1メートル、体重約270キロ。「大きさや胸の白い模様から、問題のクマとみてほぼ間違いない」という。体毛は今後、被害牧場で採取したクマの体毛とともにDNA鑑定し、同一のクマか調べる。町内ではほかにも畑が荒らされるなどクマによる被害が報告されており、町は引き続き箱わなを設置するなど警戒を続ける。
(日本のツキノワグマの遺伝的特徴が3つのグループに分かれることを解明)
ツキノワグマの遺伝的特徴は西と東で大きく違う。<ポイント>・日本全国のツキノワグマの遺伝子解析を行い、東日本、西日本、南日本の3つの遺伝グループに分かれることを解明した・東日本グループの遺伝的多様性は、森林植生の変遷が影響している可能性を示した。特に東北地方では遺伝的多様性が低く、これは氷期に小集団化されていた可能性を明らかにした・南日本グループと西日本グループでは、孤立・小集団化で遺伝的多様性が低下していることを明らかにした。<概要>森林総合研究所では、本州全域および四国のツキノワグマの個体群から標本を集めツキノワグマの遺伝的な特徴を解析しました。その結果、日本には大きく3つの系統(遺伝的なグループ)が存在することを突き止めました(東日本、西日本、南日本グループ:図1・2)。東日本グループと西日本グループを分ける境界は琵琶湖であり、本州紀伊半島と四国で南日本グループを形成していました。南日本グループと西日本グループの個体群では近年の孤立・小集団化により遺伝的多様性1)が低下していました。また、東日本グループの中でも、東北地方では遺伝的多様性が低く、その原因は氷期に小さな個体群に分断されたことにより遺伝的多様性が低下したためと考えられました。さらに、日本のグループはアジア大陸のグループと系統的に大きく異なっており、今から30~50万年前に大陸から渡ってきた後、3つの遺伝グループに分岐したと推定されました。

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