<射撃ニュース9月>

9/16
(ヒメナミキ荒らされる、イノシシの仕業か:和歌山)
和歌山県串本町田原の田原湿地内にあるあぜで、県レッドデータブック絶滅危惧(きぐ)IB類のヒメナミキ(シソ科)がイノシシに荒らされたとみられる跡が見つかった。京都大学フィールド科学教育研究センター紀伊大島実験所の梅本信也所長は「なにか手を打たなければ被害が拡大する」と懸念している。同実験所が「古座川プロジェクト」の一環で、13日に湿地の植物調査をしていて発見した。梅本所長によると、あぜはヒメナミキが群生していた場所で、2・5メートル×1メートルほどの広さが荒らされていた。この湿地では3、4月にシカの食害があったが、イノシシの被害は初めてという。ヒメナミキが目的ではなく、土の中の小動物を狙って掘り起こした際に、一緒に荒らされたとみられる。梅本所長は「このままではまた被害を受ける上に、湿地にあるたくさんの希少植物もイノシシに荒らされてしまう。柵を設けるなど手を打たないといけない」と心配している。
(子イノシシ街を駆ける:山梨)
甲府駅前で迷子のイノシシ駆け回る-。15日、甲府市北口2丁目で、子どものイノシシが目撃され、居合わせた市職員と捕物を繰り広げた末、捕獲された。この日は同市川田町でも1頭が捕まった。いずれもけが人はなかったが、専門家は「この時期は、食料を求めて山から下りてくることがあり、注意してほしい」と呼び掛けている。北口2丁目では午前10時50分ごろ、イノシシが駅方向に向かっているのを市職員が発見、近くにいた職員らが捕獲しようとした。イノシシは周辺を逃げ回り、山梨文化会館の自動ドアにぶつかって御用となった。発見者は「駅前でイノシシに遭遇するなんて驚いた。子どもだから良かったが、大きかったら…」と話していた。市農林振興課によると、体長約50センチ、体重約10キロの雄。生後4~5カ月とみられる。午前9時50分ごろ、約700メートル北西の同市朝日5丁目でも目撃情報があった。同課職員は「大きさから同じイノシシだと思う。親からはぐれて街中に迷い込んだのだろう」とみている。午前11時40分ごろには、同市川田町のブドウ畑に子どものイノシシがいたという情報が市に寄せられた。現場に向かった市職員が体長約60センチ、体重約12キロの雄を捕獲した。市内では14日夕、同市向町で2頭が確認されている。市街地に出没するイノシシについて、県鳥獣センターは「食料が少なくなる冬を前に、捕食が活発になっている。野菜やブドウなどを求めて山から下りてきたのではないか」と分析する。市によると、イノシシの目撃情報は本年度58件(8月末現在)に上り、44頭を捕獲している。同課は「捕獲頭数が増えている。ハンターが少なくなっていることも影響している」という。
(クマ目撃相次ぐ:山形)
クマの目撃情報が県内各地で相次ぎ、8月末までに前年より12件も多い53件に上っている。襲われけがをした人も14日までに2人いる。キノコ採りシーズンで入山する人が増えることから県警や県みどり自然課は「クマに居場所を知らせるため、ラジオや鈴を付けて入山してほしい」と注意を呼び掛けている。新庄署によると、9月10日午後0時10分ごろ、真室川町差首鍋の明神沢付近で、近くの無職、黒井誠一さん(74)がキノコ採りから帰る途中でクマの親子に遭遇。顔や左腕をひっかかれ全治1カ月の重傷を負った。また5月20日には金山町の山林でワラビ採りをしていた男性(64)がクマに襲われ、全治2週間のけがを負っている。同課によると、クマの目撃情報が多いのは、雪解けが早く、クマが春先から活発に活動したためと、クマの食料であるブナの実がここ数年凶作なため、人里に出没するクマが増えたため。クマは9~12月ごろ、冬眠の準備のため、食料を求めて活動が活発になる。この時期はキノコ採りのシーズンで多くの人が山に入るため、毎年クマとの遭遇が増える。同課や県警はクマに遭遇した際の対応として、「前向きのまま後ずさりしてその場から逃げてほしい。特に子連れのクマは気が立っているので注意が必要」と話している。
(雇用対策でサル被害パトロール:栃木)
市は、失職した労働者を対象にサル被害対策に当たるパトロール隊の枠を拡大する。10月から新たに4人分の雇用を創出したい考えだ。市は当初予算で、行楽シーズンに限ったパトロール員1人分を予算化。今回はこれとは別に、失業者を対象に4人分の人件費730万円を開会中の定例市議会に補正予算案として計上、可決された。パトロール隊員は、市が直接募集するのではなくビルメンテナンス会社などの労務提供事業者に事業を委託し、受注した事業者が新規に雇用する。雇用期間は10月1日~来年3月31日。1日に日中の8時間、月21日勤務してもらう。パトロール隊は、新規雇用の4人を2チームに分け、奥日光地域や旧日光市内でパトロールに当たる。市によると、サルの被害は奥日光で沈静化しつつあるが、足尾エリアなどから新たな群も出没。秋の行楽シーズンを前に、観光客や登下校の児童、生徒の安全確保、農作物への被害なども危惧されている。市産業建設課は「5年前に取り組んだサル対策は雇用創出の観点だったが、今回はあくまでも失業者を対象にした雇用支援」と話している。
(サル出没、110番通報相次ぐ:埼玉)
14日午後5時13分ごろ、本庄市千代田の女性から「自宅の庭にサルがいる」と110番があった。駆けつけた本庄署員2人がサル1匹を発見。網で捕獲しようとしたが失敗した。署員は「柿の木の近くにいたが、ピョンピョンと逃げていった」と話している。同署によると、12~14日に「サルがいる」との110番が14件あった他、署への通報も数件あった。いずれも市内の若泉や千代田など商店や住宅の多い地域だったといい、同じサルとみられる。
(里守り犬、育成開始:三重)
飼い犬を訓練して野生のサルから子どもや農作物を守る、「里守り犬」の育成が13日、いなべ市藤原町鼎の梅林公園内のドッグランで始まった。市の事業で、愛犬を扱う技術を身に着ける「しつけ」が行われ、参加した柴犬(しばいぬ)やトイプードル、ラブラドルレトリバーなど15匹が、飼い主と一緒に歩行訓練などを繰り返した。同市の西端は、サルの生息地となる鈴鹿山脈が連なり、50~100匹の集団が10群以上はいるという。最近は民家の近くまでやってきて、農作物被害が増えている。講師は岐阜県各務原市の家庭犬インストラクター、山本研志さん(36)が務めた。「大切なのは、飼い主が犬のいいなりにならないこと」との言葉で始まった訓練は、犬の散歩やお座りなどと続き、「うまくできたら、ほめることを忘れずに」と指導した。10月からは週1回、半年間の訓練を続け、子どもたちの登下校の際、犬の散歩を兼ねて町内をパトロールし、サルの被害を減らしていくという。甲斐犬(かいけん)と参加した女性(67)は「いつも犬に引っ張られる散歩なのに、今日は横に付いて歩いてくれた」と成果を喜んでいた。

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9/15
(民家にクマ、散弾銃で射殺:青森)
青森県警大間署は14日、同県佐井村佐井八幡堂の自営業男性(75)が、自宅の敷地に現れたクマを散弾銃で撃ち殺したと明らかにした。同署によると、ツキノワグマで体長約110センチの雄(推定3歳)。男性は10日午後11時ごろ、自宅の外で物音がしたため見回ったところ、敷地内でクマを発見。ライトで追い払おうとしたが、逃げなかったため散弾銃を使ったという。男性は銃の使用許可を県公安委員会から受けている。クマは村産業建設課が埋めた。

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9/14
(イノシシ被害が拡大:栃木)
上河内地域など市北部を中心に、市内でイノシシによる農作物被害が拡大している。本年度の捕獲頭数は昨年度同期の1・5倍を超え、防護柵購入費の市への補助申請件数は既に昨年度1年分の2倍に達した。他地域からの侵入が原因とみられるが、抜本的な対策がなく、関係者の悩みは当分続きそうだ。市北端に近い宮山田町の山あい。丸ごと「1枚」踏み荒らされた水田が数カ所、枯れて茶色に変色した稲穂が痛々しい姿をさらけ出している。関係者は「今年は目立って被害が増えた」「夜行性のイノシシが昼間も親子で歩いている」と表情を曇らせた。飼料用トウモロコシやカボチャなども打撃を受けているという。市上河内地域自治センターによると、被害が目立つようになったのは8月中旬。冬室町、宮山田町など北部から、南隣で住宅地に近い中里町、高松町などに拡大しているという。ある農家男性は「以前は(被害は)東北道の北側だけだったんだが、東北道を越えて来ている」と語る。市は昨年度、イノシシ捕獲に対する報奨金や防護柵やわなの設置費補助の制度を創設。本年度は11日現在、捕獲報奨金の申請件数は51件(昨年度同期は約30件)、防護柵設置補助の申請件数は10件(昨年度は5件)で、いずれも被害拡大を物語る。市経済部は「補助金などで、間接的に被害者の支援を行っていく」方針だ。県自然環境課によると、市内で出没するイノシシは両毛地域から北上してきた群れとみられる。人間が放したのが発端という説もあり、平成に入って数が急増した。県は「宇都宮などは本来の生息地ではない」として、駆除などの個体数調整を行っている。
(未明の訪問者クマ?:新潟)
13日午後5時頃、胎内市鍬江に住む70歳代の女性から「深夜に玄関戸をバンバンとたたく音がした」と胎内署に電話で届け出があった。同署員が女性方を調べたところ、家の壁に、動物の足跡や、引っかいたような跡が残っていた。同署はクマによるものとみて、再び付近に現れる可能性があるとして注意を呼びかけている。体長などは不明。発表によると、女性は「13日午前1時半頃に音を聞いた。玄関の電気をつけたら音がしなくなった」と話しているという。
(山で親子クマ、男性かまれ軽傷:神奈川)
13日午前9時15分ごろ、相模原市津久井町青根の管理釣り場経営者男性(50)が釣り場近くの山のやぶ内で親子のクマに遭遇、男性は親グマに左手の甲をかまれ、軽傷を負った。男性によると、親グマは60キロぐらいで、子グマは子犬程度だったという。地元の民間非営利団体「NPO北丹沢山岳センター」は「親子連れのクマは危険。神ノ川林道登山道に入る時は鳴り物や鈴を身に着けて入山し、絶対に単独での沢や道のない場所へ立ち入らないで」と注意を呼び掛けている。
(渡り鳥の憩い場守れ:石川)
渡り鳥の渡来地として知られる加賀市片野町の市鴨池観察館で十三日、水を抜いて鴨池の底を乾かす「底干し」の様子を見学するイベントがあった。底干しは、水質悪化などによる渡り鳥の渡来数減少を食い止めるために試験的に初めて実施。渡り鳥の生息環境保全に向けた試みに期待がかかっている。鴨池は国の指定する鳥獣保護区。同観察館によると、毎年秋には約二十種類のカモやガンなどの渡り鳥が渡来するが、水質悪化や気候変動などが原因で、ここ二十年間で渡来数が減少してきているという。底干しは、環境省が予定する池の保全事業に向けた調査の一環として、九月初めから開始。一週間かけてポンプで池の水をくみ出し、水深を例年より約半分ほどに下げ、池の底を直接酸素に触れさせることで、ヘドロの浄化を図った。関係者によると、同月下旬ごろからカモ類の渡来が確認できるという。イベントでは、日本野鳥の会職員で同観察館チーフレンジャーの田尻浩伸さんが、鴨池周辺の自然などについて説明。池にたまった泥の深さを示すなどして、来場者らが池の保全への関心を深めた。
(イノシシ被害SOS:石川)
県内でイノシシによる農作物への被害額が年々大きくなっている。被害が発生する地域は次第に北上し、昨年はとうとう能登地区に達した。イノシシ対策に積極的に取り組む自治体も出てきたが、防御設備や駆除に必要な狩猟免許の取得にかかる費用も、農家にとっては重い負担だ。金沢市の医王山地区では、昨年からイネやサツマイモなどの被害が拡大。二俣町の山間部にある水田には、今年から電気さくや防護ネットなどを設置した。電気さくは、イノシシが触れると約7千ボルトの電圧が流れて痛みを与える。ナイロン製の防護ネットや金網は、イノシシの短い脚にからみついて田畑への侵入を食い止める効果がある。同地区町会連合会の折池晃会長は「一度痛い目に遭うと2、3年は寄りつかなくなる。ただ、山に食べ物が無くなって数匹が一度にやってくれば、この程度の防御では意味がない」とため息をつく。県自然保護課によると、福井県境の加賀市でイノシシの被害が出始めたのは98年ごろ。以後は急速に北上し、白山市、金沢市へも拡大、ついには能登地区にも被害が出始めた。原因は、降雪量が減ってイノシシの行動範囲が北に広がったことと、えさ場や隠れ場となる耕作放棄地が増えたことだとみられる。こうした獣害は全国各地で深刻になっており、国は昨年度、防御設備への補助などを含む鳥獣害防止総合対策事業を創設した。県内では昨年度、3市2町で計1290万円だった同事業の予算が、今年度は8市6町で計4494万円と3倍以上に増えた。金沢市は2日、獣害対策に知恵を出し合おうと、農業生産組合や農協、猟友会の代表や県、市の農政担当者などを集めて「イノシシ対策研究会」の初会合を開いた。研究会は市内の中山間地区に3カ所のモデル集落を設定し、電気さくや防護ネットを設置して効果を検証。さらに被害発生時の連絡体制の整備なども進めるという。研究会の事務局を務める市農業政務課の坂井祐一課長は「集落全体が団結して取り組むことが大事。今年度中に金沢版の防護・捕獲マニュアルを作成し、獣害の起きている全集落で対策を打っていきたい」と意気込む。だが、イノシシ対策には費用もかかる。電気さくは、地区全体を囲わなければ未設置の田畑が被害を受けるが、設置費用は200メートルで約4万円。金沢市では半額の補助も出るが集落単位で申請しなければならない。「被害のない農家もあり、予防のための設備投資に全員の同意を得ることは難しい」という。イノシシを駆除するにも、捕獲用のわなを仕掛けるには狩猟免許が必要で、登録料と狩猟税に年間約1万円かかる。しかも、農作物に被害が出る時期は禁猟期間(4月16日から10月14日)と重なるため、この時期に捕獲するためには、県猟友会などが設置する「有害鳥獣捕獲隊」に加わらなければならない。その費用も年に2万円ほど必要だ。県は昨年から、免許取得に必要な狩猟講習会への参加費の全額補助を始めたが、「登録料と税は条例で決まっている」。金沢市も「資格は個人のものなので、補助金支出は市民の理解が得られない」と助成には消極的。農家からは「捕獲は生活のため。趣味やもうけのためではないのに」と不満の声が上がる。

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9/13
(ごみから銃弾相次ぎ発見:愛知)
名古屋市内のごみ処理工場で、未使用の銃弾が相次いで見つかった。残った火薬が火災につながった可能性もあっただけに、昨夏に大江破砕工場(港区)で火事が起きたばかりの市は、ピリピリムード。県警と連携し、銃の保有者に弾の正しい廃棄方法を周知する考えだ。8月7日、市内の女性が大江破砕工場に持ち込んだ粗大ごみに、カギのかかった鉄製の引き出しがあった。危険物がないか調べていた職員が「大きさの割に重いな」と不審に感じ、こじ開けると、中から176個の散弾銃の弾が出てきた。女性は「家族の遺品を整理して、ごみに出した。中に銃弾があるとは知らなかった」と説明しているという。市内では6月末にも、ごみ処理工場に運び込まれた不燃ごみの中から、未使用の散弾銃の弾が1個見つかっている。ごみを砕く際に出る火花が火薬に引火すれば、一気に燃え広がる可能性もあっただけに、担当者は「運良く気付いたが、もし、そのまま破砕されていたらと思うと、ヒヤヒヤ」と肝を冷やす。県警保安課によると、未使用の弾を捨てる場合、銃砲店に手数料を払って処理してもらうのが正規の手続き。6月のケースは故意に捨てられた可能性もあるが、同課は「弾は消耗品なので、銃ほど厳重に管理されない傾向がある」と指摘する。銃を持つ人は3年に1度、許可更新のため講習会が義務付けられており、市は「そうした機会を利用して、周知を図れないか県警と協議したい」と話す。また銃刀法改正で12月から、銃の所有者は弾が何個あるか記録に残すことが新たに義務化されることも「自覚を促すのに役立つ」(同課)とみている。
(イノシシ農業被害急増:石川)
深刻化するイノシシによる農業被害を食い止めようと、県は11月から、狩猟期間の延長を含めた対策の強化に乗り出す。2年後の2011年度の被害額を、07年度の8割に抑えるのが目標で、市町や地元住民とも連携し、里山や耕作放棄地の管理など、イノシシの生息域拡大を防ぐ取り組みも並行して進める計画だ。県内のイノシシは明治~大正期に絶滅したとされていたが、1950年代頃から再び捕獲されるようになった。県によると、捕獲数は92年度までは年10頭未満で推移していたが、98年度に147頭、05年度には1059頭と急増。積雪量の減少や、餌場になる耕作放棄地の増加などが要因として考えられている。捕獲数だけでなく、農業被害も拡大傾向だ。1999年度に44万円余りだった被害額は、2007年度には1191万円に膨らんだ。9割以上が水稲で、イノシシが寄生虫を取り除くために泥浴びをして田を荒らす被害が多い。被害地域も、99年度は加賀市だけだったが、北へ広がり続け、07年度には初めて七尾市で被害が報告された。被害拡大を受け、県は、「イノシシ保護管理計画」を策定し、7日の県環境審議会自然共生部会で承認された。イノシシの増加を抑えるため、狩猟期間を1か月半延長し、11月15日~3月31日とするほか、休猟区でも特例としてイノシシの狩猟を認める。県自然保護課は「むやみに捕獲するのではなく、人里に近い里山に住みついたイノシシを奥山に戻すような個体数の調整が狙い」と説明する。また、被害の報告が無い奥能登地域でも、耕作放棄地が増えており、将来的にイノシシの生息域となる可能性が高いと予測。侵入を防ぐために、耕作放棄地や里山の管理やパトロールを強化する。電気柵の設置や、緩衝帯として耕作放棄地での放牧など、イノシシが田畑に近付きにくくする取り組みも推進する。今月9日には、白山麓(ろく)の白山市瀬波地区の耕作放棄地で牛の放牧がスタート。イノシシやクマの隠れ場所となる雑草を牛が食べる上、牛を恐れて害獣が近づかなくなる利点もある。県と同市は今年度、白山麓地域の計3か所で牛の放牧を実施するという。県は、06年度からモデル事業として、同市や小松市で放牧を行っている。自然保護課は「放牧によりイノシシの目撃回数が減るなど効果は実証されており、今後、放牧地帯を増やしていきたい」としている。
(200人が火縄銃の一斉射撃:熊本)
火縄銃の保存に取り組む団体が集まって熊本県芦北町で開かれていた「全国火縄銃サミット」で13日、フィナーレを飾るイベントとして約200人による一斉射撃があり、迫力いっぱいの音と白煙が、集まった約3千人の観客を圧倒した。会場の海水浴場ではまず、各地の保存団体による「火縄銃演武」があった。赤や黒の甲冑姿、僧兵の衣装などそれぞれ地元ゆかりの格好で隊列を組んだりしながら、各流派での砲術を次々と披露した。続いて約200人が砂浜に横一列に並び、号令とともに十数メートル先の観客席に向かって空砲を撃つと、ドーンとごう音が響き、観客席からはどよめきと拍手が上がった。熊本県水俣市から見に来た主婦田島朋代さん(51)は「衣装も素晴らしく(一斉射撃は)全員がそろってすごい迫力」と興奮した様子だった。火縄銃サミットは12日に開会。主催した地元の「葦北鉄砲隊」を含め、16都府県の24団体が参加した。
(サル撃退にオオカミのおしっこ)
高速道路や料金所に侵入するサルに悩まされてきた中日本高速道路会社(名古屋市)がオオカミの尿を使った米国製商品でサルを撃退、効果を挙げている。同社によると、新名神高速では開通後約1年間でサルがひかれるなどの事故が7件発生。料金所に乗り込んできたり、桑名保全・サービスセンター(三重県)近くで暴れ、車のタイヤがかじられることも。パーキングエリアの残飯を狙っているとみられる。同社はフェンスをかさ上げし、さらに電気を流すことを検討したが、担当者が「ウルフピー(オオカミの尿の意味)」という商品を知り「半信半疑」ながら3月に導入。新名神の土山サービスエリア(滋賀県)周辺約2キロのフェンスに、約50ミリリットルを入れた穴開き容器を数メートル間隔でぶら下げると、サルの侵入がなくなり、ふんも見られなくなった。成分は100%オオカミの尿で、3・8リットル入りボトル(約4万円)で1カ月分という。サルなどは天敵オオカミのにおいを嫌う習性があり、米国の国立公園では約20年前から利用。環境省も山梨県でシカの食害から希少植物を守るため試験的に使っている。

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9/12
(環境警備隊発足:和歌山)
サルやイノシシ、シカ、カラスなど野生鳥獣による農林水産物被害を防ぐため、日高川町に「環境警備隊」が11日、発足した。10月30日まで試行し、成果が得られれば来年度から本格的に実施する。同日町役場であった出発式には、町の公募に応じた狩猟免許を持つ町猟友会所属の30代~70代の男性ら6人と、玉置俊久町長らが出席。玉置町長は「鳥獣被害は町にとって大変深刻な問題になっている。電気柵や網などで防御しているが限度がある。猟銃を使うこともあるので安全には十分気を付け、町の環境や自然を守ってほしい」とあいさつした。隊員らはこの後、川辺、中津地区に分かれ、それぞれ鳥獣被害の報告を受けている場所で早速パトロールした。川辺地区ではサルの足跡などを発見。また、中津地域でもグループ長の関史尚さん(36)らがサルが荒らしたとみられる草木の跡を見つけるなど、野生鳥獣が広範囲にわたって作物を狙っている様子がうかがえた。関さんは「サルは一度追い払われると私たちの車や顔などを覚え、次に発見した時にはすぐに逃げたり近づかないようになったりするので、それだけでも効果がある」と話していた。隊員らは月-金曜日の午前8時半~午後5時、2人体制で担当地区の巡視や駆除、追い払い、被害地・出没状況の調査のほか、ごみの不法投棄場所の確認なども行う。事業費は、県の雇用対策基金を活用。隊員らには日当が支払われるほか、捕獲による報奨費も支給される。
(南砺市長答弁:富山)
県が市への譲渡の考えを示している福光射撃場について、田中市長は▽土地や施設の無償譲渡▽鉛汚染の未然防止のための改修▽老朽化施設の改善に対する財政支援、を強く要望していると述べた。浅田裕二氏(自民ク)の代表質問に答えた。
(JR函館線で貨物列車とシカ衝突:北海道)
11日午後9時6分ごろ、砂川市のJR函館線滝川駅-砂川駅間で、北旭川発札幌貨物ターミナル行きの貨物列車(17両編成)がシカと衝突。ブレーキが故障し、約2時間、立ち往生した。JR北海道によると、この影響で網走発札幌行きの特急オホーツク8号など特急3本、普通列車1本が最大1時間45分遅れ、約550人に影響が出た。
(クマ冬眠中、くくりわな口径規制解除:長野)
県環境審議会は11日、県庁で開き、農林業や高山植物への被害が出ているニホンジカの管理計画の変更と、イノシシの新たな管理計画の答申案を基本的に了承した。狩猟捕獲頭数の増加を狙い、両計画に盛り込まれた「くくりわな」の口径規制解除は、ツキノワグマが誤って捕獲されるのを防ぐため、ツキノワグマの冬眠期間に限ることにした。また、県は、諏訪市、木曽郡木曽町と岡山県内だけで生息している昆虫フサヒゲルリカミキリの県希少野生動物への指定を諮問。県側は捕獲・採取を原則禁止する「特別指定」とするよう検討を求めた。3月に答申する予定だ。
(わな購入費など補助へ:岐阜)
高山市は増加しているイノシシやニホンジカによる農作物などへの被害に対応するため、国の指針に基づき県が策定した鳥獣被害特別措置法に沿って被害防止計画を策定する。年度中の策定を目指しており、策定後は国による鳥獣被害の支援事業が利用できるようになる。県は昨年2月に鳥獣被害特措法を策定。これに基づいて市町村が防止計画を策定する。同市では、農業者団体や地区の改良組合などによる運営協議会を組織。わなの購入や緩衝帯設置、追い払い対策、侵入防止策整備の補助など国の支援事業を利用する。市によると、本年度の有害鳥獣捕獲頭数は、8月15日の時点でイノシシが492頭(前年同期比169頭増)、ニホンジカ35頭(同34頭増)。集落で目撃されるケースや農作物が食い荒らされる被害が相次ぎ、農家を悩ませている。県の鳥獣保護計画には狩猟期のイノシシ捕獲を有害鳥獣捕獲と認めて狩猟費用を支払う制度も盛り込まれているが、市は「趣味の狩猟なのか有害鳥獣の捕獲か線引きが難しいが、設置が可能かどうか研究していきたい」としている。
(イノシシ出没、農作物などに被害:岡山)
岡山市北区法界院の半田山植物園や周辺の住宅地にイノシシが出没、園内の畑が荒らされたり、一部で農作物の被害が出ている。近くの大学キャンパスでも目撃情報が相次いでいるが有効な対処法はなく、関係者は頭を痛めている。7月下旬、同園中腹にあるテッポウユリの球根が掘り起こされ、頂上付近のサクユリも被害に遭った。「こんな事態は初めて。貴重な植物も多数あり、不安」と男性職員は話す。同園は、イノシシの好物の1つとされるユリ科植物の周りを防護ネットなどで囲い、園内の通路も柵で遮断したが、9月に入っても多数の足跡を確認。園全体を囲う金網の設置も検討中という。同園に近い岡山理科大(同理大町)や岡山大(同津島中)のキャンパス、住宅地でも目撃情報があり、岡山理科大では7月下旬、学生に注意を呼び掛けた。地元の青葉町町内会の中山信夫会長(68)は「数年前から畑で被害があるが、今年は特に多い。近くには保育園もあり、人に被害が及ばないか心配」と話す。

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9/11
(協会ゴタゴタでもクレー射撃を実施)
日本体育協会は10日、26日開幕の新潟国体でのクレー射撃競技実施を決め、文科省、新潟県、協会などに伝えた。開催条件としていた役員人事などで混乱する日本クレー射撃協会の新旧両執行部から誓約書の提出を受けて検討し、決定した。協会内での対立は続いているものの、国体役員に同協会の新旧執行部の役員が就かないことを確認。選手の大会参加を最優先した。ただ、日本体協の岡崎助一専務理事は「あくまで今回の措置。混乱が続けば、次は休んでもらう可能性もある」とくぎを刺した。
(クレー、新潟国体で「特例」実施へ)
日本体協の岡崎助一専務理事は10日、役員人事をめぐって新旧執行部が対立する日本クレー射撃協会から、新潟国体での大会運営に支障を与えないなどの内容を盛り込んだ誓約書が提出されたことを受け、特例措置として26日開幕の同国体での競技実施を認めることを明らかにした。競技会会長を日本クレー射撃協会から選ばず、新潟県協会会長が代理で務めるなど、誓約書の付帯条件に沿って運営できると判断した。ただし、内紛は続いているため、岡崎専務理事は「今回だけの特例措置。同じ状況が続けばお休みいただくこともある」と話した。
(イノシシ捕獲に報奨金:栃木)
鹿沼市定例市議会一般質問初日の10日、4人が質問した。佐藤信市長ら執行部は(1)イノシシなどによる農林業被害対策で、捕獲報奨金制度を創設する(中略)などと答えた。イノシシやシカによる農林業被害が深刻化しており、2008年度の農業被害は稲、飼料作物など約20ヘクタール、金額で約4800万円。林業では、スギやヒノキの皮はぎ被害が約74ヘクタールに及んだ。こうした状況を踏まえ、市は新たにイノシシ捕獲に対する報奨金制度の創設を急ぐとともに、イノシシが好まない農作物作りの促進などを検討している。
(サル、イノシシ、シカ、対策3カ年計画:愛知)
豊川市の山間部の農地でサル、イノシシ、シカによる農産物の被害が出ているため、市は今年度から3カ年計画で対策に乗り出している。市によると、米、ミカン、タケノコなどを食べられる被害があり、07年度の被害面積は16・2ヘクタール、被害金額は1230万円。鳥獣被害防止計画では被害面積・金額の半減を目標としている。具体的な取り組みとしては、10月にも、千両地区で約500メートルにわたってネットを張る。このネットにはトウガラシの辛みの成分・カプサイシンを編み込んである。トウガラシの5000倍の辛さで、動物が鼻で触れると撃退できるという。他にも動物を捕獲するためのおりの購入や研修会の実施などを予定している。また、3カ年計画とは別に、環境省の委託事業として、萩、長沢両地区に動物侵入防止用の金属製などの柵を計約3000メートルにわたって設置する。
(シカ侵入防護柵27キロ整備へ:島根)
出雲市北部の弥山山地でニホンジカによる農林業被害が深刻化していることから、市は全長約27キロの侵入防護柵の整備を始める。山地内7カ所の集落をそれぞれ囲むように、集落のすぐそばに設置し、田畑への被害を水際で防ぐ。柵は金属製で高さ約1・8メートル。下部はイノシシなどの衝突で壊れないよう強度を高める。10月にも始め、本年度中に終える予定。島根県は1995~2000年に全長100キロの柵を整備。しかし集落から離れた場所に設けたため柵の内側に生息域ができたり、倒木で壊れたりしていた。
(シカ肉の料理法学ぶ:京都)
京都府と南丹市がシカ肉の食用普及に取り組んでいる同市美山町で10日、「鹿(しか)ジビエBU(ブラッシュアップ)講習会」が開かれた。大野ふれあい館の調理場に講師を招き、同町の料飲店主らがシカ肉のおいしい料理法などを学んだ。講習会は府南丹広域振興局が2年前から毎年開いており、3回目。飲食店主や行政関係者ら約20人が参加した。最初に、同市八木町で肉店を経営、地域振興活動も行う廣瀬孝人さん(59)が講演、「美山としてシカ肉を普及する真意、考え方をしっかり持てば、道は広がる」と期待を語った。大津市在住の薬膳料理家、井上正江さん(73)が、シカ肉とクリ、黒豆、ゴボウを使ったおこわや、みそ漬けシカ肉のフライなどを作り、参加者が試食した。参加した民宿経営、武田晶子さん(40)=美山町長谷=は「シカ肉の特徴を生かす料理に興味を持てた」と話していた。
(クマ大量出没の可能性低い見込み:富山)
県は9日、この秋はツキノワグマが平野部に大量に出没する可能性は低いとの見通しを示しました。県は9日に市町村の担当者を集めて野生動物被害防止対策会議を開き、この秋のツキノワグマ出没について、クマが主食としているブナ・ミズナラ・コナラの実り具合が良好などとして、平野部への大量出没の可能性は極めて低いという見通しを示しました。4月から9月7日までに寄せられたツキノワグマの目撃・痕跡情報は106件で、平野部で大量出没があった平成18年以降では最も少ない水準で推移しています。しかし、今年7月には南砺市の市街地にある福野庁舎にクマが出没したほか、過去に10月に出没が急増した年もあったということで、県では引き続き注意を呼びかけています。一方、県内の水田ではイノシシがイネを倒したり食い荒らす被害が去年よりも著しいことが報告されました。
(耕作放棄地に雌牛を放牧:石川)
県と白山市は九日、ツキノワグマやイノシシの人里への侵入を防ぐため、白山市瀬波の耕作放棄地に雌牛二頭を放牧した。十月末まで。牛が草を食べることで、クマ、イノシシが身を隠す茂みを無くし、近寄らないようにするのが狙いという。放牧は県自然保護課などが進める人と野生鳥獣との共生推進事業の一環。野生動物と人のすみ分けをはっきりさせようと、二〇〇六年度からクマ出没が増える秋を前に同市や小松市で実施している。本年度は瀬波を含め、白山市内三カ所が対象地区になっている。瀬波では、耕作放棄地約一ヘクタールを柵で囲い、同市内の畜産会社から借りた雌牛二頭を放した。雌牛は体重約四百キロでいずれも妊娠中。柵内を自由に歩き回り、気に入った草を悠々と食べている。放牧は牛の健康に良く、安産が期待できるという。県によると、瀬波地区での放牧は二〇〇七年度から始まり、今年で三回目。クマの目撃情報やイノシシによる農作物被害は放牧実施前に比べ減っているという。
(クマ被害相次ぎ3人重軽傷、山形と岩手)
10日、岩手県と山形県でキノコや山菜を採るため山林に入った人が相次いでクマに襲われ、3人が重軽傷を負った。山形県警新庄署によると、正午ごろ、同県真室川町差首鍋の山林で、同町の無職黒井誠一さん(74)がキノコ採りから戻る途中、クマの親子が現れた。黒井さんは体長約1・5メートルの親グマに襲われ、顔や腕に約1カ月の重傷を負った。岩手県警によると、午前11時ごろ、同県花巻市太田の山林で、キノコ採りに来ていた同市藤沢町、自営業上川原次男さん(70)がクマに襲われ顔に重傷を負った。八幡平市野駄の山林では、山菜採りの無職男性(73)が襲われ、腕や頭に軽傷を負った。

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9/9/
(日体協に国体開催で誓約書)
日本体育協会が役員人事で混乱が続く日本クレー射撃協会に対し、新潟国体での競技会実施の条件として「役員が競技会役員として参加しないこと」を求めていた問題で、日体協は8日クレー射撃協会からこれをおおむね順守する趣旨の誓約書を受理したことを明らかにした。日体協の岡崎助一専務理事は「一部問題が残るが、基本的に了解していただいた。今週中に(競技会実施について)最終的な結論を出すが、選手の立場を重視する考えは変えていない」と話した。誓約書は平井一三氏を会長とする現執行部側、今年3月まで会長だった麻生太郎首相の再選を望む旧執行部側の両方から届いた。
(クマに襲われ71歳重傷:北海道)
8日午後2時頃、新ひだか町静内豊畑の藤川牧場のデントコーン畑で、ヒグマの駆除中だった同町静内青柳町4、会社役員山内美知憲さん(71)がヒグマに襲われ、頭などに重傷を負った。静内署の発表などによると、牧場主が「畑にヒグマが出没した」と町に通報。山内さんら地元猟友会のメンバー4人が警戒に当たっていたところ、山内さんが畑の中でヒグマに襲われた。ヒグマは約2時間20分後に、猟友会メンバーが畑の中で射殺した。ヒグマは推定年齢11~12歳の雄で、体長約2メートル15、体重約310キロだった。
(ムクドリ大発生:三重)
名張市夏見の国道上の電線に、ムクドリ(ムクドリ科、成鳥約25センチ)が多数集まり、ねぐらにしている。夕暮れ時から早朝まで1000羽以上が見られ、夜空に響く鳴き声に「すごい」と見上げる歩行者もいる一方、歩道などに落ちた大量のフンに悩まされる声も出ている。電線は大型スーパー近くの夜遅くまで明るい場所にある。野鳥の生態に詳しい日本鳥学会会員の武田恵世さん(51)=桔梗が丘5=によると、ムクドリはタカや蛇など天敵に襲われにくい大型店舗や駅前など、明るく、通行量が多いところに若鳥が集まる傾向があるという。時期は7月末~今月末ごろまで。伊賀市でも名阪国道・上野インターチェンジ付近に集団が見られるという。なぜ今年、この場所に集まったかは不明だが、日本野鳥の会県支部会員の田中豊成さん=名張市蔵持町芝出=は「毎年同じ場所がねぐらになるわけではなく、移動することがある」と話す。近くに住む大学教員の女性(31)は「鳴き声に癒やされる」という一方、「フンが多くて歩道が歩きづらい」と話している。フンや騒音が社会問題化している自治体では、ムクドリが発する警戒音を流して追い払う(新潟県長岡市)▽街路樹にネットを張る(和歌山市)--など、対策を講じている場合もあるが、多くはねぐらを移動させるだけで、根本的な解決には至っていない。名張市などによると、市内では青蓮寺のブドウに被害が出ているため、地元猟友会が追い払っているが、ねぐらのある場所は民家が少なく、フンや騒音などの苦情は現在、報告されていないため、対策は取っていない。しかし市環境対策室は「鳴き声がうるさくて眠れないなど、今後苦情が出れば、追い払いなど、なんらかの対策を取りたい」と話している。電線を管理する中部電力は、「電力供給に問題が出ることは考えにくい」と話している。
(駆除獣肉をおいしく活用:三重)
農地を荒らすイノシシやシカなどを駆除し、その肉を利用して特産品作りに取り組んでいる度会町商工会。事業開始から約3カ月、8品の試作品ができ、初めて一般向けの試食を実施した。今後、改良を加え、10月に東京である見本市に出品。来春にも商品化し、全国展開を図りたい考えだ。同町の宮リバー度会パークで5日にあった町商工会謝恩セールの一角。試作したばかりの「チャーハン」「コロッケ」「ミートボール」「肉そぼろ」「ハンバーグ」「肉みそ」「にこごり」「カレー」が並ぶ試食コーナーには、次々と人が並び、用意した150食が1時間半ほどで品切れになった。「臭みがまったくない」「硬い肉が好みの人にはお薦め」などと、おいしそうに試作品をほお張る姿に、町商工会の山北佳宏事務局長(49)は「予定を上回るペースで品切れになった。おおむね好評だったと思う」と目を細めた。町では2007年度、田畑114ヘクタールで478万円の被害が出るなど、獣害が問題になっている。そこで「マイナスの地域資源をプラスに活用しよう」と、駆除後の肉を使った特産品作りを発案した。「伊勢の山の贈り物 獅子と鹿を活用したお伊勢さんブランドづくり」と銘打った事業は、中小企業庁の補助金事業にも選ばれ、5月末には、大学教授、地元猟友会員、地元料理人、町商工会職員らが集まり、事業推進協議会を設立した。試作品は「なじみの薄い食材を手軽に」と、町商工会の女性部員や協議会員の料理人が中心となって、家庭的な品を開発した。野生のイノシシとシカの持つ独特の臭みや、あくを取り除くことに腐心した。趣旨に賛同した津市のフランス料理シェフからの助言で、熱湯であくを取り除いた後、下味を付けるなど工夫を凝らした。牛肉や豚肉に比べて、高タンパク、低カロリー、低脂肪とされるイノシシ肉とシカ肉。“ヘルシー食材”をアピールするために今後、成分分析も進める。試作品は、飲食店関係者や仲買人が集まる東京の見本市に出品した後、市場調査をした上で、レトルトや冷凍食品としての商品化を目指す。地元の飲食店にメニューとして加えてもらい、地域での広がりにも期待する。山北事務局長は「これまでは『おいしいものを作る』ことだけに専念してきたが、猟師一人一人が生肉を冷凍保存している現状を一本化するなど、今後はコストダウンのことも考えていきたい」と、全国展開に向け意気込んでいる。
(保護されたシカが死ぬ:青森)
8月5日に、むつ市大平マリーナで保護されたシカが、7日午前8時半すぎ、平内町の県鳥獣保護センターの収容施設内で死亡しているのを、出勤して来た同センターのパート女性が見つけた。シカのDNA鑑定を担当している北里大学獣学部(十和田市)生物環境科学科野生動物学研究室の進藤順治準教授が同日、シカを解剖して調べたが、目立った外傷や大きな疾患は見つからず、死因は不明。
(イノシシと衝突で2万4500人が影響:和歌山)
9日午前5時50分ごろ、和歌山市内原のJR紀勢線黒江-紀三井寺間で、御坊発京橋行の普通電車(4両編成、乗客約250人)が、イノシシと衝突した。紀三井寺駅で車両点検、異常がなかったため約10分遅れで発車した。けが人はなかった。JR西日本によると、同電車が阪和線に乗り入れていた影響で、同線の上下10本が運休したほか、上り17本に最大39分の遅れが生じ、約2万4500人に影響した。
(公園でもクマ目撃:北海道)
札幌市西区の山林でもクマが目撃されました。目撃されたのは、体長1.5メートルほどのクマで、札幌市では、現場付近の住民らに注意を呼びかけています。クマが目撃されたのは札幌市西区西野にある西野西公園と西野すみれ公園を結ぶ遊歩道です。午前8時15分ごろ体長1.5メートルほどのヒグマ1頭を犬を散歩させていた女性が目撃、町内会を通じて市に通報しました。目撃された現場付近では足跡やフンなどが見つかっていて札幌市では看板を設置して周辺の住民に注意を呼びかけ、遊歩道を立ち入り禁止にすると共に、警察とも協力して周辺のパトロールなどを行っています。西区では今年初めての目撃情報だということです。
(クマにご注意:栃木)
ハイキングやキノコ採りに山へ出かける観光客が増える行楽の秋。しかし日光市足尾町の山林では8月中旬、チタケ採りに訪れた男性がクマに襲われ大けがをするなど、県内では毎年1、2件のクマによる人身被害が発生している。本来、臆病(おくびょう)といわれるクマについて正しい知識を持って登山をすれば、被害に遭うケースはぐっと減ると専門家は言う。県内のクマ被害の現状と対策を調べた。県自然環境課によると、県内のクマ生息地は日光市や那須塩原市など10市町に及ぶ。同課自然保護担当の丸山哲也さんによると、クマは基本的に人間を避けるため、夜間に下山することが多いという。今回の事件は昼間に発生したが、同課はその原因について「現在では過疎化が進み耕作放棄地など手つかずの山が多くなり、人とクマとの『すみ分け』の境界があいまいになっていることにあるのでは」と話す。ここ10年ほど、クマによる農作物被害や出没が増加しており、行政も対応を迫られてきた。同課によると、出没が1度だけならば、基本的には捕獲した後、山奥へ再び放す放獣処分を取るが、何度も出没し人間に危害を加える可能性が高いと判断された場合は殺処分される。丸山さんによると「殺処分は捕獲頭数の約8割に上る」という。一方、クマの住環境の保護活動を続ける日本熊森協会栃木県支部の斉藤奈美子さんは「山奥に放獣しても、食欲という本能に逆らえなければ、また下山してくるはず」と話す。また「親グマだけ別の場所に放獣すれば、子グマは1頭で生きていかなければならない」と問題視する。斉藤さんは「大切なのはクマを下山させないこと。農家の人に、商品にならなくなった食べ物を譲ってもらい、山奥に運んで下山させないようにすべきだ」と主張する。だが県も熊森協会もまずは「人間側が十分注意しながら登山をしてほしい」と口をそろえる。県は「キノコ採りに夢中になってクマが住む山奥にうっかり入ることのないよう注意してほしい」と話し、クマよけに有効といわれる鈴を配布するキャンペーン活動の展開も検討している。「『出会ってどうしよう』と思うより、鈴をつけて山へ入って」と呼び掛けている。

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