<射撃ニュース9月>

9/18
(妻に暴力、銃の所持取り消し:京都)
散弾銃の所持許可の更新を申請した京都市内の50歳代の男性について、京都府公安委員会が、妻に暴力を振るったり、「無性に銃が撃ちたくなる」と話したりしたことを理由に、「抽象的危険性がある」として17日付で許可を取り消したことが分かった。府警によると、こうしたケースで所持許可が取り消されるのは珍しいという。府警によると、男性は今年5月に所持許可の更新を申請したが、言動に不審な点があったため、府警が立ち入り検査を実施。男性が酒に酔って妻に暴力を振るうことがある事実がわかったほか、聞き取りに「無性に銃が撃ちたくなることがある」と話したという。これを受け、府公安委は、男性が銃を所持することが公共の安全を害する恐れがあると判断した。
(ヌートリア捕獲始まる:岡山)
岡山県は17日、県内に多く生息し農作物に被害を与える特定外来生物ヌートリアの一斉捕獲を、浅口市などで始めた。来年秋までに笠岡市、井原市、矢掛町など計18市町で順次実施する。ヌートリアの大規模な一斉捕獲は全国初という。この日は浅口市、里庄町、玉野市の計27カ所で作業。浅口市鴨方町の鳩岡川河岸では、県の委託業者や地元猟友会員たち5人が、スイカなどを入れた鉄製の箱わな(幅・高さ29センチ、長さ65センチ)約25基をけもの道や草むらに設置した。捕獲した個体は安楽死処分か研究機関に提供する。本年度の事業費約6千万円はすべて国の緊急雇用対策事業交付金を充てる。ヌートリアは大型ネズミの一種で南米原産。第2次大戦中、毛皮用として日本に持ち込まれて飼育され、戦後に野生化。県内や広島県など西日本を中心に生息する。
(アライグマ食害に悲鳴:北海道)
実りの秋を迎え、新ひだか町の山間部を中心に、自家菜園のスイートコーンなどがアライグマに食べられる被害が相次いでる。農家からは「ほとんど全滅」と悲鳴が上がっている。被害に遭っているのは、イチゴやスイートコーン、牛用飼料。ここ1、2年で急増している。2008年度、町内で捕獲されたアライグマは90頭。町は「今年も増加傾向」という。北米大陸に生息していたアライグマは、30年ほど前からペットとして日本に持ち込まれ、一部が野生化。最近は道内でも急増し、農業被害が拡大していて、日高管内でも全域で生息が確認されている。新ひだか町静内田原の桜井和子さん(72)の菜園では、実の入ったスイートコーンがアライグマに連日食い荒らされている。「毎日50~60本は荒らされ、皮がむけたところを今度はカラスが群がり食べてしまう。今年はほぼ全滅」と話した。最近になって町の箱わなを設置したものの、効果はいまひとつ。特にここ数年は被害がひどい、という。町内のアライグマ被害は特に静内地区で多く、豊畑や田原、御園、東別などで目立っている。町は08年度に策定した鳥獣被害防止計画で、アライグマの被害の低減化と生息域拡大を阻止する方針を決め、長期的には野外からの完全排除を目標に定めた。計画では、09、10年度とも130頭の捕獲を目標にしており、町所有の18個の捕獲用箱わなはフル稼働の状態。このほか、駆除申請により個人が箱わなを仕掛けているものの、繁殖力の強いアライグマの被害は収まらず、捕獲は追いついていない。

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9/17
(快速列車がクマと接触:岩手)
15日午後7時ごろ、遠野市のJR釜石線平倉駅―足ケ瀬駅間の佐生田トンネル手前で、下り快速列車がクマと接触した。足ケ瀬駅で車両点検を行い異常がなかったため運転を再開した。この影響で同列車が約30分遅れ、乗客約40人に影響が出た。接触したクマは発見できなかった。
(サル対策で雇用を支援:栃木)
日光市は、失職した労働者を対象にサル被害対策に当たるパトロール隊の枠を拡大する。10月から新たに4人分の雇用を創出したい考えだ。市は当初予算で、行楽シーズンに限ったパトロール員1人分を予算化。今回はこれとは別に、失業者を対象に4人分の人件費730万円を開会中の定例市議会に補正予算案として計上、可決された。パトロール隊員は、市が直接募集するのではなくビルメンテナンス会社などの労務提供事業者に事業を委託し、受注した事業者が新規に雇用する。雇用期間は10月1日~来年3月31日。1日に日中の8時間、月21日勤務してもらう。パトロール隊は、新規雇用の4人を2チームに分け、奥日光地域や旧日光市内でパトロールに当たる。市によると、サルの被害は奥日光で沈静化しつつあるが、足尾エリアなどから新たな群も出没。秋の行楽シーズンを前に、観光客や登下校の児童、生徒の安全確保、農作物への被害なども危惧されている。市産業建設課は「5年前に取り組んだサル対策は雇用創出の観点だったが、今回はあくまでも失業者を対象にした雇用支援」と話している。
(キジのひな200羽を放鳥:佐賀)
県猟友会(石丸博会長)は16日、ニホンキジのひな計200羽を有田町の古木場ダム鳥獣保護区など、県内7カ所で放鳥した。県の委託を受け、野生の鳥の繁殖を目的に1987年度から毎年実施している。これまで1万500羽を放鳥した。この日は有田町と伊万里市で40羽ずつ、唐津市の厳木と北波多で60羽ずつを放した。有田町では同会のメンバーや県職員ら10人が、コンテナにかぶせたダンボールのふたをとると、キジは勢いよく大空に羽ばたいた。キジはオスとメス半々で生後130日前後。生息状況を追跡調査するため、「SG」の文字を入れたプラスチック製の足環(あしわ)を右足につけている。県猟友会の伊東主夫副会長は「天敵に狙われずに、無事に増えてほしい」と話した。
(「サル去るプロジェクト」:山口)
人里に出没して農林産物を荒らし、人間にも危害を加える野生ザルの傍若無人ぶりに、業を煮やした萩市はサルに特化した「サル去るプロジェクト」を展開し、被害防止に本腰を入れる。サルによる農林産物被害は県内各地でも増えており、昨年1年間の県全体の被害総額は1億3800万円に上り、5年前の2倍以上に増えているという。市農政課の調べでは、イノシシ、サル、カラスなどの有害鳥獣による昨年の農林産物被害額は約8370万円。このうちサルによる水稲、イモ類、野菜、果樹、生シイタケなどの被害が約3千万円とトップを占めている。人間が被害に遭うケースも増え、公園で遊んでいた子どもがおもちゃを奪われたり、農作業中の人がかみつかれたりした。萩署大井駐在所のパトカーの上に乗っていたとの目撃情報もあった。15日も同市大井の住宅地にサルが現れ、我が物顔に屋根伝いに歩き、ときおり子どもや飼い犬などを威嚇した。最近はほぼ毎日のように姿を見せるという。市ではこれまでも、サルが出没した地区に追い払うためのロケット花火を貸し出すなどしてきたが、あまり効果はあがっていない。このため、今年は野猿被害軽減対策として7月補正予算に637万円を計上。農地侵入防止の電気さくなどを設置するとともに、「サルパトロール隊」を編成して各地域の出没情報の聞き取りや被害調査をし、サル出没マップを作る。被害通報があったときには隊が出動し、ロケット花火などで追い払う。また、阿武萩森林組合にサル被害の実態調査と追い払い業務を、県猟友会に捕獲業務をそれぞれ委託した。市によると、毎年、90~100匹のサルを捕獲しているが、今後、捕獲数はさらに増えると見ている。市農政課の大谷聡係長は「サルの被害が目に余るので対策に本腰を入れる。来年度はイヌを使った防止なども検討したい」と話している。
(シカ増加で環境悪化:兵庫)
野生動物の保全と管理などを研究している兵庫県森林動物研究センター(丹波市青垣町沢野)は、農産物や森林への獣害防止や環境保全について、「これからのシカとのつきあい方」をテーマに、フォーラムを開いた。研究員らが研究成果を報告し、参加した住民らと意見交換した。同センター内の一般公開に合わせて企画し、住民ら約30人が参加した。同センターの藤木大介研究員が「シカがもたらす山の異変」と題し、淡路島などの実情を説明。シカが山の低木の葉や草などを食べ荒らしていることが、山の保水機能の低下につながっている現状を解説。「シカの増加は農林業への被害だけでなく環境問題になっている」と訴えた。また、シカが増え続ける理由について、横山真弓・主任研究員は生態や解剖調査で、山の植生や胃の内容物から栄養価の高い植物を多く食べていると指摘。県内で年間約2万頭の捕獲実施の報告に加え、シカ肉の優れた栄養価や安全性を紹介し、活用を呼びかけた。参加者から「戦後、山に杉などを植林したが放置したまま。山を元の姿に戻して行くことが大切」「捕獲数を2倍にするなど思いきった対策を」などの意見が出された。林良博所長は「人と動物のあり方は、地域だけでなく世界的な問題」と話していた。
(イノシシ対策を強化:栃木)
町内で捕獲されるイノシシの数が急増、本年度既に昨年度の捕獲頭数を追い越す勢いだ。被害も減る兆しはなく、町は16日、対策関連の補正予算120万円を組んだ。29日には町野生鳥獣対策協議会を開催し対策強化に努める。イノシシ被害が出ているのは大半が真名子地区で、昨年度はわなで96頭を捕獲。だが本年度は16日現在で95頭。半年で昨年度分を超えるのはほぼ確実だ。これは町がわな設置数を3基増やし、国助成の緊急雇用対策として、鳥獣対策専門の臨時職員を2人配置するなど、捕獲体制強化の結果という面もある。だが捕獲が増えても被害は減少せず、農地以外の宅地やゴルフ場で被害が拡大。町は近年の傾向として(1)以前と異なり川を渡り広く移動(2)穂の中身を吸い取るなどコメが好き(3)庭先にも侵入する-などを挙げる。捕獲個体の肉利用も進まず、大半を焼却処分しているのが現状だという。町は約60万円で箱式わなを5基追加、くくりわなも20基設置する。また昨年度から累計約70ヘクタールが実施済みの里山整備事業も、イノシシの増えやすい荒れ山を減らす点で大きな対策となる。町は「一番のポイントは地域の連携、協働。地域力の強化が、里山保持も含めて鍵となる」としている。
(イノシシ対策、地域の力必要:栃木)
イノシシの農作物被害を防ごうと、茨城栃木鳥獣害広域対策協議会(会長・千保一夫市長)は8日、市須賀川出張所で住民参加型のイノシシ被害対策講習会を開き、参加者らが講演会のほか被害現場を視察しながら対策について学んだ。独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の井上雅央さんが講演。井上さんは被害拡大の要因として収穫後に畑に捨てられている農作物を挙げ、「イノシシを呼び寄せ、餌付けしているのと同じ」と指摘。その上で「一人だけが頑張ってもだめ。みんながやらないと効果はでない」と地域としてしての取り組みの必要性を強調した。午後には須賀川地区で、実際にイノシシ被害に遭った田園を視察。電気柵の正しい設置法などについてアドバイスを受けた。益子町産業環境課の上田昌史主査は「身近な取り組みが大事だということを感じました。大変参考になった」と話した。
(遊休農地復活へ子ブタ放牧:長野)
下高井郡山ノ内町夜間瀬の横倉区の住民でつくる「横倉環境整備組合」は、鳥獣被害対策や遊休農地の復活を目的として子ブタの放牧に取り組んでいる。県野生鳥獣対策室によると、雑草対策として牛やヤギを使っている地域はあるが、ブタの活用は県内では珍しい。草を食べるだけでなく、土を掘ったりするブタの習性に着目した。再び農作物を栽培することも視野に入れている。横倉区の山間部にある遊休農地26アールに子ブタ50匹を放した。かつてはリンゴが栽培されていたが、イノシシや猿などの被害に遭い、数年前から栽培されなくなった。町農林課によると、この一帯は3年前に「緩衝帯整備事業」として草刈りなどを実施した。その後は地元農家が草刈りをしたり、除草剤をまいたりしている。だが、イノシシや熊などの被害が続いた。ブタの放牧が始まったのは今月6日。ブタ県農協直販(長野市)から提供を受けた。放牧地の周囲には高さ約1・5メートルの柵を設けてある。当初は一面が雑草に覆われていたが、今では放牧地の半分ほどは土が現れている。今年は11月まで続ける。ブタには、地主が栽培したリンゴのほか、県農協直販から届く餌を地元の人が与えている。地元の子どもたちが見物に訪れており、鳥獣被害や荒廃地の実態を知ってもらう機会にもなると同組合はみている。県農協直販の鹿田均社長は「ストレスのない環境で育ったブタを加工品にするなどして地元の旅館やホテルで扱ってもらえば、地域おこしにもつながる」と期待。放牧は3年間続ける計画で、池田進次組合長は「農地が復活したら野菜や果樹を栽培したい。効果があれば面積を広げていきたい」と話している。
(クマ相次いで駆除:秋田)
今月1日と3日、八郎潟町北部の真坂地区で、クマが相次いで駆除された。町によると、ともに体長約115センチで、幼獣と成獣の端境期だったとみられる。同地区では8月上旬、住宅近くのトウモロコシ畑がクマに食い荒らされる被害が発生していた。町内でクマが駆除されたのは3年ぶりの出来事。危険を感じていた住民がこれで一安心と思いきや、4日朝にトウモロコシ畑近くのクリの木にクマが出没した痕跡が見つかった。担当者は「例年ならクマに関する情報は、クリが熟す10月ごろに寄せられていた。今年は異常に早い」と話す。県警生活環境課によると、県内の今年4〜8月のクマの目撃件数は263件で、昨年同期に比べて86件増えている。県自然保護課は増加した理由を「餌となるブナの実の不作などが考えられる」と分析。「かつてクマと人間のテリトリーの境界線は、里山周辺の山林が担っていた。領域を隔てていた山林の手入れが行き届かなくなり、一線を越えたことを認識できないまま人里までクマが出没するようになったのでは」と続ける。出来秋が近付く中、当地の山々にもキノコなどを求めて入山する愛好者が増加するだろう。一方、クマにとっては冬眠を控えて食欲が増し、行動範囲も広がる時期となる。クマは雑食性だといい、山中にない「未知の食材」の味を覚えた個体が再び一線を越えてくる可能性もある。不意の遭遇を避けるため、入山時はクマに警戒心を抱かせるという鈴や笛、ラジオなどの鳴り物をお忘れなく。実際のクマは、童謡「森のくまさん」のように話は通じない。
(「冬に向かう季節」:北海道)
山の裾野(すその)に霜が降りるたび、森も衣替えを始める。木の葉がいっせいに色づき、実が熟し、やがてそれも落ちると、だんだん山がやせてゆく。冬に向かって季節が折り返したな、と思う。心なしか寂しいこの季節、ヒグマの体は少し欠けた月が満月に向かうように丸々としてくる。ドングリなどを十分食べて脂肪を身につけたクマは、春と別のクマに見間違えるほど。全身に精気がみなぎっている。すべては冬ごもりのためだ。ヒグマは食料を冬眠穴に貯(た)めず、12月ごろからの4~5カ月間、何も食べずに過ごす。雄は単独で、母グマは子連れでの越冬。そして妊娠した雌は、真冬に穴の中で子グマを産む。研究者によると、初夏の交尾でできた受精卵はなぜか発育を停止したまま子宮を浮遊し、実際に着床するのは晩秋以降とのこと。それまでに蓄えた栄養が――つまりその年の山の実りが、受精卵の運命を左右しているという。

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