<射撃ニュース1月>

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(「北限のサル」食害に地域差:青森)
青森県下北半島に生息する「北限のニホンザル」による2009年度の農作物の被害総額が、むつ市内では08年度と比べて約12%増の約95万円だったことが、同市のまとめで分かった。サルを山に追い上げる「モンキードッグ」などの対策が効果をあげ、多くの地区では減少したものの、一部地域では移り住んだサルの群れが商品価値の高い農作物を食い荒らし、全体の被害額を押し上げた。調査は09年度の収穫がほぼ終わった昨年11〜12月、市内の4地区で農家から聞き取りで実施した。それによると、脇野沢と大畑地区では前年度より被害は減少し、08年度にモンキードッグを導入した脇野沢では、前年度比約58%減の約11万円。被害が大きい群れを捕獲する個体数調整も奏功した。大畑でも捕獲の効果で同約40%減の約33万円だった。むつでは被害は確認されなかった。一方、川内地区では、隣接する佐井村で分裂した群れが移り住み、白カブや大根など高価な高原野菜を食い荒らす被害が急増。被害は前年度の10倍にのぼる約51万円となった。このため市は、ほかの地区で被害抑止に効果をあげている電気ネット柵を、川内地区の畑にも新年度から設置することを決めた。また、むつ市をはじめ下北半島の4市町村で進める個体数調整も、計画の計270頭のうち99頭の捕獲にとどまっているため、4市町村は残りのサルと、群れから離れて行動する16頭のサルの捕獲を行う。
(手作り装置で野生動物撃退:埼玉)
秩父市と小鹿野町にまたがる長尾根丘陵にある秩父ミューズパーク「癒やしの森 花の回廊」で、手作りの野生動物撃退装置が十四日公開された。同パークは、市の第三セクター秩父開発機構が昨春オープンさせたが、晩秋からイノシシやシカ、ウサギなど野生動物の食害に遭い、野沢博美園長(65)が撃退装置を開発した。花の回廊は三万六千五百平方メートルで、樹林の約三万平方メートルにさまざまな植物が栽培されている。野生動物も多く、目玉植物の「ちちぶムラサキラン」をはじめ「ヤグルマギク」「夏スイセン」「ルピナス」が食害に遭った。特に、ムラサキランは四万八千株中、五分の一の約九千六百株の葉がシカに食われ、来秋の開花にも影響が心配されるほど。撃退装置は市販の一ワット発光ダイオード(LED)ソーラー照明器具で、ハンドメードで防犯用携帯ブザーを接続した。装置は高さ約三メートルの支柱に設置、人影などを探知すると自動点灯し、鳴り出す仕組みで、六メートル以内に野生動物が近づくと光と音で脅して撃退する。十二月初旬から五カ所に設置されている。また動物の嗅覚(きゅうかく)を逆手に取り、トウガラシを詰め込んだ軍手二十四個を園路につり下げた。撃退装置は、動物の慣れ対策として、十日に一度は場所替えし、トウガラシは三日に一度入れ替えており、ともに大きな効果を上げているという。撃退装置は無線操縦ヘリなどが趣味の野沢園長の手作りで、材料費は一基あたり五千円ほど。「野生動物との付き合いも大事だが、食害で開花しなければ開園できないので考案しました。作り方は教えますよ」と話していた。
(ヤギで雑草駆除:兵庫)
遊休農地の雑草駆除に一役買ってもらおうと、南あわじ市はヤギ2匹を購入し農家に貸し出している。飼育が簡単で餌代もかからない上、除草効果も上がっており、農家に喜ばれている。県の「遊休農地活用総合対策事業」を導入。県洲本農林水産振興事務所によると、同事業でヤギによる雑草駆除の試みは県内初という。体格が大きい日本ザーネン種のヤギ2匹を京都府南丹市の業者から購入し、昨年12月から希望農家に貸し出している。イノシシやシカの被害を受けている山間部の農家からは「ヤギを飼っていると、イノシシやシカの出現回数が減った」との声もある。市農林振興課は「自然に優しい取り組み。今後も、人手がなく遊休農地の除草管理が行き届かない農家に、ヤギ導入をPRしていきたい」と話している。

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(クレー射撃内紛、JOC主導で打開策)
役員人事をめぐる日本クレー射撃協会の内紛問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は対立する旧執行部と新執行部の双方から13日に事情を聴き、JOC主導で同協会の総会を開く方針を固めた。関係者によると、すべて振り出しに戻して問題解決への打開策を図る。同協会は昨年3月の総会で、麻生太郎会長の再選を支持する執行部と反対勢力が対立し、新会長を独自に選んだ新執行部と旧執行部が訴訟で争う問題に長期化。文科省から事態を解決するよう要請を受けたJOCは加盟団体審査委員会を設置し、対応に乗り出した。審査委では過去に日本バスケットボール協会や全日本テコンドー協会の内紛を解決した。
(銃砲規制の厳格化進める、居酒屋発砲事件で警察庁長官)
大阪府羽曳野市の居酒屋で、男が義母ら男女3人をライフル銃で射殺し、自殺した事件について、警察庁の安藤隆春長官は14日の記者会見で、「(府警の捜査で)現行法の問題が出てくれば制度の(見直し)検討も行うが、まずは改正された銃刀法を浸透させ、銃砲規制の厳格化を進めていく」と述べた。男は妻に暴力をふるい、離婚調停をめぐってトラブルになっていたとの情報もある。2008年11月の銃刀法改正で、配偶者等暴力(DV)をした者には猟銃の所持を認めないことになったが、府警によると、男が昨年6月にライフル銃の所持許可を更新した際、妻らは警察の調査に「問題行動はない」と回答したという。
(シカ食害防止にスギ樹皮ポットで大苗作り:徳島)
徳島県立森林林業研究所(徳島市)は、スギ樹皮を成型したポットを使って、シカの食害対策に有効なスギの大苗を効率生産するシステムづくりを進めている。土に定着しやすく成長の早い苗木ができるほか、造林コストを低減、作業の省力化も期待できる。13日、徳島市内の同研究所であった発表会で報告された。大苗は、樹高80〜120センチ程度に育成した苗木。高い部分がシカの食害に遭いにくいが、一般的な約40センチの苗木よりも根鉢が大きく、重くて運搬性が悪いため利用は進んでいない。同研究所はスギ樹皮を成型したポットの開発と、それを利用した大苗生産システムの確立を急ぐことにした。ポット苗は露地苗に比べ、植林する時期を選ばず、運搬や植え付け作業が容易というメリットがある。だが、ポリエチレン製のポットでは、根が伸びて絡まる「根巻き」が起こり、土に定着しづらかった。そこで、野菜などで使われているスギ樹皮を使ったポットに着目。直径と高さ各約10センチのポットを試作したところ、空気に触れた根は成長が止まって根巻きは起きず、定着しやすい苗木ができることが分かった。高さ30センチまで養液栽培した苗木をポットに移植し、80センチ以上に育てた後、そのまま植える。防護柵の設置や日光を遮る雑草を刈る費用が10年間で150万円と、従来の半分で済むという。ポットの吸水性や保水性に課題があり、点滴やミストかん水などを試し、生産システムを確立する。価格は露地苗(70〜80円)の2倍程度を想定。2012年までの実用化を目指す。
(「北限のサル」食害に:青森)
下北半島に生息する「北限のニホンザル」による2009年度の農作物の被害総額が、むつ市内では08年度と比べて約12%増の約95万円だったことが、同市のまとめで分かった。サルを山に追い上げる「モンキードッグ」などの対策が効果をあげ、多くの地区では減少したものの、一部地域では移り住んだサルの群れが商品価値の高い農作物を食い荒らし、全体の被害額を押し上げた。調査は09年度の収穫がほぼ終わった昨年11〜12月、市内の4地区で農家から聞き取りで実施した。それによると、脇野沢と大畑地区では前年度より被害は減少し、08年度にモンキードッグを導入した脇野沢では、前年度比約58%減の約11万円。被害が大きい群れを捕獲する個体数調整も奏功した。大畑でも捕獲の効果で同約40%減の約33万円だった。むつでは被害は確認されなかった。一方、川内地区では、隣接する佐井村で分裂した群れが移り住み、白カブや大根など高価な高原野菜を食い荒らす被害が急増。被害は前年度の10倍にのぼる約51万円となった。このため市は、ほかの地区で被害抑止に効果をあげている電気ネット柵を、川内地区の畑にも新年度から設置することを決めた。また、むつ市をはじめ下北半島の4市町村で進める個体数調整も、計画の計270頭のうち99頭の捕獲にとどまっているため、4市町村は残りのサルと、群れから離れて行動する16頭のサルの捕獲を行う。
(アカツクシガモが飛来、確認例少ない珍鳥:沖縄)
10日朝、絶滅危ぐ種のアカツクシガモ(カモ目カモ科)が与那国島の祖納田原水田に飛来、寒風を避けるように羽を休めている。与那国では、1980年代前後に確認されたのを最後に、その後は見かけない珍鳥。羽を広げると120センチ余りもある大型のカモ類。南東ヨーロッパから中国西部にかけて繁殖する。冬季はエジプト、南アジア、中国南部に渡って越冬する鳥が与那島で確認できるのはまれで、「群れからはぐれて迷って来たのでは」と話すのは、県鳥獣保護員の村松稔さん。首をすくめてのんびりした様子に見えるがこまめに移動するうえ、警戒心が強くて近づけない。撮影できたのはラッキーだったようだ。

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(居酒屋で男が猟銃乱射、3人殺害して自殺:大阪)
12日午後8時頃、大阪府羽曳野市河原城の居酒屋「いーちゃん」に、大阪市職員・杉浦泰久容疑者(49)(羽曳野市桃山台)が、猟銃を持って押し入り、店内にいた3人に猟銃を数回発砲した後、店の前の路上で猟銃で自殺を図り、間もなく死亡した。撃たれたのは、杉浦容疑者の妻の実母の田中美子さん(66)と、アルバイト店員の福井達也さん(23)(大阪府松原市)、店の2階に住む大家の上原浩人さん(49)で、3人は病院に運ばれたが死亡した。府警羽曳野署は、同店を経営する妻(48)との別れ話にからんだトラブルが原因とみて、殺人容疑などで捜査している。近所の住民によると、杉浦容疑者は妻と離婚調停中だったといい、この日夕方頃から同店で妻や田中さんらと話し合いをしていたが、その最中に激高。一度、店を出たが、猟銃を持って戻り、いきなり乱射したという。妻は当時、店の2階にいて無事だったという。妻の親族の男性によると、妻は「夫の暴力に悩んでいる」と話していたという。羽曳野署は「妻からの相談はなかった」としている。同署は、経緯を詳しく調べ、杉浦容疑者を被疑者死亡のまま書類送検する方針。大阪市によると、杉浦容疑者は1994年に採用され、環境局で斎場に勤務していた。この日は公休だったという。羽曳野署によると、猟銃は杉浦容疑者の所有で、昨年6月に所持の許可を更新していた。田中さんは元羽曳野市議で、市議会議長を務めたこともある。現場は近鉄南大阪線高鷲駅の南約2キロの住宅街。
(暴れイノシシ、警官射殺:石川)
十一日午前十一時半ごろ、金沢市伏見台の住宅街で、車にひかれたイノシシが暴れ、警察官二人が拳銃を計六発発砲、撃ち殺す騒ぎがあった。猟友会員二人が右手や左ひざをかまれ、軽傷を負った。金沢中署によると、同日午前十一時十分ごろ、同市窪(くぼ)に住む女性(71)の乗用車がイノシシと衝突。乗用車のタイヤに左足を挟まれたイノシシが暴れたことから、通報を受けた署員二人のほか、猟友会員らが駆けつけた。猟友会員がイノシシを駆除しようとハンマーで頭を二回たたくと、イノシシは猟友会員二人にかみついて逃走したため、巡査部長(55)が二発発砲した。イノシシが隣接する田んぼへ逃げたことから、巡査(25)が二発発砲。住宅街へ逃走を続けるイノシシに向け、巡査と巡査部長がさらに一発ずつ発砲し、民家の裏手で射殺した。同署の調べでは、イノシシは成獣で、体長約一三〇センチ、体重約一〇〇キロのメス。子連れだったとの目撃情報もあり、同署などが捜索している。拳銃使用について同署の松井三十二副署長は「猟友会員の生命、身体に危険が及び、付近住民にも危険が及ぶ恐れがあったため使用した。適正な職務執行だった」とコメントした。現場は市中心部の片町交差点から南へ約三キロ離れた伏見川沿いの住宅街。石川県自然保護課によると、暖冬などの影響でイノシシの生息域が拡大し、県内でも農作物被害は悪化していた。近年、イノシシによる負傷者が出たのは初めてという。
(イノシシ猟期を延長へ:静岡)
県は農林業被害の軽減を目的にイノシシに限って、毎年11月15日から2月15日までの法定狩猟期間を緩和し、延長する方針を固めた。規制緩和に必要な「特定鳥獣保護管理計画」策定に向け、今月中旬にも作業に着手する。対象区域は県内全域としたい方向だが、観光など関係分野の反対も予想され、延長期間と合わせ、決着には曲折がありそうだ。狩猟期間は鳥獣保護法で決められていて、猟期延長には、都道府県が特定鳥獣保護管理計画を策定しなければならない。県が猟期の延長を検討するのは初めて。野生鳥獣による農林産物への被害は増加傾向で、特にイノシシ被害が県内被害額全体の約6割を占めるため、猟期を延長してイノシシ捕獲を強化する必要があるとしている。一方、秋は紅葉見物や登山、自然散策、きのこ狩りなどで観光客が山を訪れる。初春には3月1日にイワナなどの渓流釣りが解禁され釣り人が入山することから、対象区域や延長期間、さらに猟具(銃とわな)使用の選択については関係者の調整が不可欠になるという。実際、既にイノシシの特定計画を策定している宮城、埼玉、長野、香川など28府県では、対象区域は「全域」と「一部地域」に分かれ、延長期間も終了日を繰り下げるケースが多いが、日付は「2月末まで」や「3月15日まで」と一様ではない。県は今月中旬から、市町に対し地元関係者の意見を集約するよう求めるとともに、県と外部有識者、市町代表の3者でつくる作業部会で特定計画の素案づくりを始める。6月にも鳥獣保護法に基づき県環境審議会に特定計画案を諮問する見通し。県自然保護室は「規制を緩和し、イノシシ捕獲の条件を整備したい」としている。
(鳥獣駆除で島田市が報償金:静岡)
農作物を荒らすイノシシなどの鳥獣対策として、島田市は来月から、狩猟免許保有者を対象に、市が指定する鳥獣を駆除した場合に報償金を支払う制度を始める。鳥獣による農作物の被害が増えているためで、報償金の最高額はカモシカ1頭あたり5万円。静岡市と浜松市は既に実施しているが、島田市は対象鳥獣を増やすなど、被害の防止に全力を挙げようとしている。同市農林課によると近年、イノシシ、タヌキ、サルなどが農作物を荒らす被害が増えている。統計をまとめているイノシシに関しては昨年度、約1400万円の被害があったという。地元猟友会は昨年度、472頭のイノシシを自主的に駆除しているが、被害が後を絶たないため、市は報償金制度の導入に踏み切ることを決定。昨年の12月補正予算で、猟期が終わる翌日の今年2月16日〜3月末までを今年度分の報償金対象期間として50万円の予算を組んだ。対象の鳥獣の種類は11種。静岡市の6種、浜松市の7種より多く、両市にないキジバトなどを加えた。報償金の額は先行する両市を参考に、▽カラス、キジバト1羽500円▽イノシシはオス1頭1万円、メスは1頭1万1000円▽サル1頭3万円−−など。市内の狩猟免許保持者(約100人)らが対象で、捕獲した鳥獣の写真や尻尾を提出し駆除が確認されれば、報償金を支払う。
(イノシシ駆除、猟銃禁止区域を一時解除:静岡)
急増するイノシシ被害対策として、伊豆の国市は猟銃の使用を原則禁止する特定猟具(銃)使用禁止区域に指定された「平山」(同市韮山地区)で銃を使用した狩猟を例外的、一時的に許可し、大掛かりな駆除作戦を展開する。区域内でイノシシが増加し、農作物被害に加えて周囲の住民にも危害を及ぼす恐れがあるため。狩猟中は付近の公園を封鎖し、周辺住民にも外出自粛を呼び掛ける「万全の態勢」(市農業振興課)で臨む。特定猟具(銃)使用禁止区域は誤射などを防ぐために銃猟が原則禁止されているが、平山では箱わななどを仕掛けても効果は薄く、逆に“安全地帯”としてイノシシが人家に近い場所にすみつく皮肉な結果を生み、住民から市に駆除の要望が寄せられていた。近くの住宅地にはイノシシがたびたび出没し、許可権限を持つ市が猟銃による駆除が必要と判断。地区説明会を開き、住民との間で実施を決めた。市は韮山猟友会の事前調査から、区域内に少なくとも10頭が生息すると推測する。駆除は2月19、26日と3月5、12日の4回に分け、いずれも午前中に実施。平山周辺の80万平方メートルが対象区域で、猟友会員が入り、猟犬でイノシシを追い込みながら最後は銃で仕留める。ただ、対象区域には県立韮山高や市立韮山中が隣接し、住宅地も周辺に広がる。狩猟中、逃げたイノシシが住民や子どもに危害を加える可能性もあるため、学校は屋外での活動を控え、付近の公園は立ち入り禁止とするほか、イノシシの逃走や入山者の有無を確認するため周囲17カ所に監視員を配置する。約1000世帯の周辺住民には回覧板や看板で外出自粛などの注意を呼び掛ける。
(旧軍人の銃押収最多)
旧日本軍で使われた軍用拳銃が家庭内の遺品整理などで見つかるケースが後を絶たず、東京都内で昨年一年間の押収数が二十八丁で、過去十年間で最多だったことが、警視庁への取材で分かった。今年で戦後六十五年。いまだに発射可能な実弾もあり、警視庁は「拳銃は危険なので、見つけたらすぐに最寄りの警察署や交番に連絡してほしい」と呼び掛けている。昨年九月、八王子市の女性は、二〇〇四年に八十六歳で亡くなった夫の遺品を整理中、押し入れからキリの箱に入った拳銃一丁と実弾三十三発を、軍服や軍隊手帳などとともに見つけた。女性は当初、「どうしたらよいか」と困ったが、八王子署に届けたところ、警視庁の照会で、夫は陸軍技術大尉だったと判明した。拳銃はドイツ製のモーゼル25口径。科学捜査研究所の鑑定で、実弾五発は今でも発射可能と分かった。軍事史家の熊谷直さんによると、軍用拳銃は戦時中、幹部は自ら購入して使用し、兵士は任務に応じて貸与を受けていた。多くは終戦時に連合国軍に差し出され、回収されたが、一部は自宅に保管されるなど回収から漏れたという。回収から漏れた拳銃は、家庭の天井裏や倉庫などに眠り続け、旧軍人が亡くなって家族が形見の整理や引っ越しの際に見つけることが多いという。都内の過去十年間の押収数は、二〇〇〇年の二十七丁から次第に減り、〇六、〇七年は各十六丁だったが、〇八年に二十丁、昨年は二十八丁と再び増加。過去五年間では、ドイツ製のブローニングと日本製の十四年式、九四式、米国製のコルト、スミス&ウエッソンが七割を占めた。熊谷さんは「戦時中、将校で最も若かった人でも、現在八十五歳ぐらいになっているはず。本人や、直接かかわりがあった遺族が寿命を全うする時期がきており、遺品の整理などで多く見つかっているのではないか」と推測する。警視庁組織犯罪対策五課によると、軍用拳銃は発見後速やかに届ければ、銃刀法違反の罪に問われることはない。組織犯罪対策五課は、昨年三月から文京区の都戦没者霊苑など都内四施設にチラシを置くなど広報・啓発活動を強化。「大事な遺品でも、子どもが誤射したり、盗まれて凶器に使われたりする恐れもある」と注意を促している。
(有害捕獲のイノシシ肉活用:長野)
長野市は2010年度、県内では南信地方にしかない野生鳥獣解体処理施設の建設準備に着手する。市内で農業被害が深刻になっているイノシシを主な処理対象と想定。捕獲を促して農業被害を抑えるとともに、肉を利用して中山間地活性化にもつなげるアイデア。10年度当初予算案に建設用地選定の調査研究費を計上する計画で、早ければ2011年度にも稼働させたいとしている。市の構想では、おりやわななどにイノシシがかかった場合、連絡を受けて保冷車が現場へ出向く。到着後に猟友会員が仕留め、処理施設へ運んで肉にする。有害鳥獣として捕獲される分だけでなく狩猟で捕獲されたイノシシも買い取って、食肉販売会社へ肉を販売する。施設の場所や運営主体は未定だ。県によると、県内7カ所の野生鳥獣の解体処理施設は、すべて南信地方にある。長野市は市内に施設ができれば、近隣町村からの鳥獣も受け入れたい考えだ。市によると、イノシシによる08年度の市内の農作物被害額は1500万円余。鳥獣による被害全体の約3割を占め、種類別では最も多い。イモを掘り起こしたり水田を荒らしたりするほか、背伸びしてリンゴも食べるという。電気柵やトタンで田畑を囲むといった対策も講じているが、一方で「被害が恒久的になり、あきらめてしまっている人もいる」と市の担当者。被害は市内のほぼ全域で出ており、平地へも広がっている。イノシシの有害捕獲数は年々増加。本年度は昨年11月に300頭を超え、過去最多だった08年度の204頭を大きく上回る。狩猟分を加えると、市内での捕獲数はさらに増えるとみられる。一方で、肉の活用は進んでいない。「解体は手間が掛かり、有害捕獲したイノシシまで対応できない」と市猟友会連絡協議会の小山英雄会長(70)=若穂綿内。狩猟者が自家消費する一部を除き、8割ほどは地中に埋めているという。市森林整備課は「イノシシ肉は冬場の鍋など、需要が高いはず。新たな収入源や雇用創出につながる可能性があり、中山間地の活性化に生かしたい」としている。
(箱根の観光施設がイノシシといたちごっこ:神奈川)
箱根町の観光施設が“イノシシ禍”に手を焼いている。町内はほぼ全域が駆除規制の厳しい鳥獣保護区に指定されているため、ミミズが大好物のイノシシにとって地面を掘り起こし放題の“パラダイス”。人への危害こそないものの、そんな「イノシシ天国」のレッテルは「国際観光地・箱根」のイメージを落としかねない事態だ。全頭を駆逐して種を滅ぼすわけにもいかず、敷地を荒らされては修復する「いたちごっこ」が続いている。敷地の半面ほどが芝生に覆われた箱根ピクニックガーデン(同町元箱根、約8万平方メートル)。休園期に入った昨年12月、無人となった芝生の大半がはぎ取られていた。「すべてイノシシの仕業ですよ」。スタッフがため息を漏らした。イノシシがミミズ目当てに掘り起こした地面は、月面のクレーターのように無残な姿をさらしていた。駒ケ岳の西側斜面に広がり、芦ノ湖を見渡す眺望を誇る同ガーデン。イノシシの餌取りは景観被害をもたらすだけに「営業妨害だ」とスタッフは憤る。4月の開園に向け、スタッフ総出で芝生の修復に当たっているが、翌日には元通り。周囲に張り巡らされた電気柵をものともせず、柵の下を掘ってトンネルをつくったり、跳び越えたりする“猛者”もいるようだ。「追い払おうとしたら、逆に向かってきた」。そう証言するのは、近接する山のホテルのスタッフ。隣の成蹊学園箱根寮では、人間を恐れずに敷地をうろつくイノシシを爆竹で追い払った。元箱根地区に限らず、箱根全山で敷地や家庭菜園が荒らされる被害が報告されている。昨年4月から12月末までに町に寄せられた通報数は96件。2005年度までは平均60件程度だったのが、158件を数えた06年度以降、100件を超える年が続いている。神奈川県猟友会箱根支部(井上亘支部長)は、町内に約80頭が生息すると推定。鳥獣保護区に指定されていない近隣地域から猟で追われたイノシシが、町内に続々と逃げ込んでいるようだ。ミミズのほか、ドングリを落とす広葉樹が多く、餌に事欠かない自然の豊かさも繁殖を助長する一因とみられる。同ガーデンなどの要請に伴い、同支部は猟期に入った昨年11月から、銃器とわなによる駆除で数十頭を捕獲した。06年から毎シーズン、イノシシが生態を維持できる30〜40頭を下回らないように配慮しながら駆除してきたが、被害の深刻さにさらなる数の駆除の検討を始めた。
(鳥獣被害大幅増加:愛知)
過疎・高齢化の進む奥三河で、鳥獣被害が急増している。とくに豊根村で、シカを中心にした農作物への被害が深刻化している。今春始まる特区の認定事業に期待が集まる一方で、申請を検討していた国の補助事業が「事業仕分け」によって予算化を見送られた。村は肩透かしを食った格好で、戸惑いを隠せない。村の面積の約9割を山間地が占める同村では、以前から野生動物に田や畑を荒らされる被害が頻発していた。主にシカ、イノシシ、サル、鳥によるもので、被害品目もコメ、イモ、野菜などさまざま。被害額は2005年=883万円、06年=970万円、07年=1412万円と、ここ数年で大幅に増えている。このうちの約5〜7割はシカによる被害。実際に近年、奥三河ではシカの目撃例が相次いでいて、道路に飛び出して自動車とぶつかる事故も増加している。シカが増えた原因の1つに、キツネがほとんどいなくなったことが挙げられる。キツネは子ジカを捕食する。数年前、キツネの間で伝染病がはやり、その数は激減。天敵がいなくなったことで、成獣になるシカが増えていると考えられている。村では以前から、県の補助事業も使って鳥獣の駆除に報奨金を出したり、村単独で電気柵(さく)や爆音機の購入費を補助したりと、さまざまな対策を取ってきた。昨年7月には、内閣府から構造改革特区の認定を受けた。これにより、従来のような猟銃での捕獲に加えて、罠(わな)の使用も認められた。3月からの実施に向けて現在、希望農家を募集している。村ではさらに、大規模な侵入防止柵の設置などに対し国が補助をする「鳥獣被害防止総合対策事業」に申請する方向で検討を進めてきた。村の担当者は三重と滋賀の先進事例を視察。効果が期待できることを確認した。ところが、同事業は、新政権によって昨年11月に行われた「事業仕分け」の対象となり、議論の結果、「自治体の判断に任せる」とされ、結局、来年度予算案には盛り込まれなかった。村の担当者は「国の財政措置が不明確だ。再来年度以降に予算化されるのかも分からない」と不安な表情だ。熊谷卓也村長は「職員には、焦って村単独で無理をするなと言ってある。毎日、情報がパラパラと入ってきていて状況を見ているところだが、国にはあまり期待していない」と冷めた見方をしている。
(がっつり!シカ肉バーガー:愛知)
豊根村の宿泊施設「休暇村茶臼山高原」が、シカ肉を使ったミンチカツのハンバーガーを売り出した。独特の臭みを消したこくのある味わいが特徴で、同施設は「ご当地バーガーとして認知されるようPRしたい」と意気込む。発案したのは、入社1年目で営業担当の愛場祐希さん(23)。昨年8月、「若者にも好まれ、手軽に食べられるものを」と、既に同施設レストランで商品化されていたシカ肉ミンチカツを使ったハンバーガーを提案した。シカ肉は隣接する長野県から調達。従業員らが試行錯誤を続け、ソースカツ丼のたれとからしマヨネーズの組み合わせが肉の臭みを消すのに最適と判断した。県内産のトマトとキャベツを挟んだ高さ約10センチの商品に仕上げ、販売している。1個945円。「大きいけど、豪快にかぶりついて」と愛場さん。「今後も周辺地域の素材を生かしたメニューを考えていきたい」と話している。
(支笏湖温泉周辺にシカの群れ:北海道)
千歳市支笏湖温泉周辺に、今冬もエゾシカが集まり始めた。日中でも、温泉街に近い国道や千歳川沿いでその姿が見られる。年末年始の大雪で、周辺の餌場が雪に覆われたため、南に面した雪の少ない場所に移動してきたようだ。湖の北側を通る国道453号沿いの斜面上部では、朝夕に数十頭が群れ、千歳川沿いの斜面や岸辺でも、常時十数頭が、雪を掘り返して草や木の皮などを食べている。立派な角の雄やおなかの大きい雌、昨年生まれた若ジカの姿も。車が近づくと一斉に視線を向けて耳を立てる。車を止めるドライバーも多く、「まるで道東並みですね」と話し、カメラを向けていた。
(クマ目撃は激減、イノシシは活発:石川)
昨年1年間に石川県に寄せられたツキノワグマの目撃・痕跡件数は74件で、2008年の半分以下だったことが、県の12日までのまとめで分かった。奥山の木の実が豊富だったためで、里山に大量出没した06年の約7分の1に激減した。これに対し、雑食性のイノシシは新たな餌場を求めて生息域を拡大、今後も市街地への出没が懸念されており、関係者の間で警戒が強まっている。県内のクマの目撃・痕跡情報は08年が190件、07年は125件だった。昨年の市町別では金沢市の28件(08年54件)が最も多く、小松市の16件(同29件)、加賀市の9件(同14件)と続いた。近年、出没が目立っていた白山市は1件、宝達志水町は8件だった。県が昨年8〜9月に行ったクマの餌資源調査では、ブナとミズナラが「豊作」で、餌を求めて平野部に下りてくる可能性は少ないと予想。「木の実の実り具合が良く、予測が当たった」(自然保護課)としている。一方、イノシシは年間捕獲数が数頭にすぎなかった1998年度以降、増加の一途をたどり、08年度は1013頭を数えた。イノシシは30センチ以上の積雪が続けば生息が困難になるとされ、県では温暖化の影響で積雪が少なくなり、生存率が向上し、個体数の増えたイノシシが移動、生息域を広げていると分析している。山間部に先月来の雪が残る今冬は、餌が確保できず、11日に金沢市の住宅地に現われたように平野部に餌を求めて移動する傾向が強いとみている。県は今冬からイノシシの狩猟期間を1カ月半延長し、個体数調整を進めているが、年に5〜7頭の子どもを生む旺盛(おうせい)な繁殖力だけに効果は不透明。県は、これまで被害がほとんどなかった能登地域で防止策周知の研修会を数回開催することを検討しており、「継続して対策を練り、県内全域で意識啓発を進めるしかない」(自然保護課)としている。
(イノシシ被害深刻:広島)
福山市内海町の田島で、イノシシの被害が深刻化している。最近まで島にはいなかったのに、本土から海を泳いで来たり、橋を渡ったりして2、3年前から出没を始めた。昨年末には段々畑の石垣が崩されて道が通れなくなり、正月の墓参りにも支障が出た。田島南の農業稲木亮さん(63)は、昨年12月21日朝に思わず頭を抱えた。イノシシが近くのブドウ畑わきの石垣を掘り返し、1・5メートルの石垣が約20メートルにわたって崩されていた。周囲には直径30センチほどの石が無残に転がるだけ。墓地に続く里道が通れなくなり、稲木さんは付近の畑を通って墓に参った。「こんなひどい被害は経験がない。石垣を再び築く余力もない」とがっくり。「地元の人間ならともかく、墓参りに実家に帰った人は道が分からず墓所にも行けなかったはず」と心配している。市農政課によると、イノシシは以前は田島には生息していなかった。2〜3年前から、本土側から海を泳いだり、内海大橋を渡ったりする姿が目撃されてきた。田島の東部で被害が出始めた後、あっという間に個体数が増え、南部にも被害が広がっているという。
(集団追い払い、サル害に効果:三重)
県内の4集落で、農作物を食い荒らすニホンザルを住民が集団で追い払い続けたところ、被害が激減したことが、県農業研究所によるデータ集計で明らかになった。住民の参加率が高く、積極的に予防策を講じた集落ほど、効果が大きかった。同研究所は2006年以降、深刻な被害に悩んでいた5集落をモデルケースに、集団での追い払いによる効果を数値で表す試みを始めた。山端直人主任研究員は霊長類の専門家から「サルは自分の方に向かって飛んで来るものが苦手で、大きな音を恐れる」などの習性を学んだ。住民らには、ロケット花火やパチンコ、エアガンを常備してもらい、サルを目撃したら素早く発射するよう指導した。住民らが記録した06、07年度のデータを比較したところ、07年度に追い払いの参加率が100%に達した松阪市広瀬町の集落では、被害が73件から13件に減少。特に、畑が荒らされる大きな被害は42件から2件に激減した。別の3集落でも同様の結果が見られた。農作物に手を付けさせずに追い払った方が、サルは失敗体験を学習し、集落に近寄らなくなるという。山端主任研究員は「サルは集落全体を『おいしい食べ物が手に入るところ』と認識しているので、自分の畑を守っているだけでは意味がない。集落のすべての畑を守るという意識が強い地区では、顕著に効果が表れている」と分析している。研究所は、獣害に強い集落を50か所に増やすことを目標に、さらに多くの集落に指導を続ける。近畿中国四国農業研究センター(広島県福山市)の井上雅央・鳥獣害研究チーム長は「追い払いによる効果をデータで表した唯一の研究。『いつまで頑張ればよいのか』と不安に思っている参加住民たちの指標や励みになる」と評価している。
(北限のサル、187匹の捕獲再申請へ:青森)
国の天然記念物「北限のサル」による農作物などへの被害を軽減するため、個体数調整を進めているむつ市、大間町、佐井村、風間浦村の担当者が8日、むつ市役所で会合を開き、今月15日に国と県に対し、4市町村計187匹の捕獲を申請することを申し合わせた。
(上野動物園に「北限のニホンザル」仲間入り)
青森県の下北半島に生息する国天然記念物「北限のニホンザル」が19日から、上野動物園(東京都台東区)のサル山で一般公開される。食害対策で捕獲され、昨年4月に同園に引き取られた21頭と、その後生まれた子ザル2頭だ。気候や環境の変化にもすっかり慣れ、これまで公開されてきた雑種の群れと入れ替える。深刻な食害対策で地元自治体が捕獲を始めたのを知った上野動物園が昨年1月、「処分するなら譲ってほしい」と申し出た。同4月には、同県むつ市脇野沢で捕獲された21頭が引き取られ、5月に生まれた子ザルとともに計23頭(オス6頭、メス17頭)が園内の非公開の施設で飼育されてきた。夏場は、過ごしやすい下北半島とは打って変わり、室内は30度以上。それでもバテずに過ごし、現在サル山で公開されている九州地方の雑種の群れ36頭と総入れ替えすることに。同園では「下北のサル」として紹介され、北国育ちに配慮して、夏はスプリンクラーで水を噴霧することも検討している。同園によると、下北のサルは現在公開されている雑種の群れと比べて体毛が2倍ほど長いのに加え、白っぽいのが特徴。飼育担当者は「ぬいぐるみみたいでかわいらしいので人気者になるのでは」と期待を寄せ、むつ市農林水産課の担当者は「夏バテもしなかったと聞き、ほっとした。動物園で元気に過ごしてほしい」と話していた。
(県保護センター運営見直しへ:岩手)
県は2010年度から、滝沢村滝沢の県鳥獣保護センターの在り方を見直す。約30年続くヤマドリの繁殖事業を09年度限りで廃止し、傷ついたり病気で弱ったりした鳥獣を自然に返す訓練施設としての役割に重点を置く。同センターはこれまで一般公開していなかったが、野生動物の救護や機能訓練を間近で見学できる県内唯一の施設であり、ボランティアと連携して自然保護学習に活用する体制整備も進める。県鳥獣保護センターは、一次的に野生鳥獣を救護する獣医師と連携して治療に当たる二次救護機関。治療後、野生復帰訓練を施す。例外を除き、これまでは一般公開していなかった。センターに運び込まれる鳥獣は重傷度が高く、救護率は08年度が鳥類50%、獣類24%。野生復帰率は鳥類が約30%、獣類は約10%と低水準で推移する。復帰できず終生飼養となっているのは09年9月現在、トビやハヤブサなど鳥類37羽、ホンシュウジカ2頭で、盲目や翼がないなどの障害がある。県鳥獣保護センターのあり方検討会(委員長・安田準岩手大農学部教授)は09年度、施設運営の課題と今後の方向性について検討を重ねた。最終報告で▽野生復帰訓練・終生飼養施設としての位置付けの明確化▽獣医師やボランティア、学術機関、いわて野生動物保護ネットなど関係団体との連携強化▽県民の野生動物保護意識を高めるための情報発信▽老朽化した施設の改修―などに取り組むべきとした。県鳥獣保護センターは1965年度にキジの繁殖施設として整備された。放鳥用キジの民間購入切り替えに伴い、88年度にキジの繁殖事業を終了。ヤマドリの繁殖事業は77年度に始めた。施設を見学可能とすることについて県自然保護課の立花良孝総括課長は「人の影響などで傷ついた野生動物を観察する機会は少ない。ボランティアなどと連携して施設を開放し、特に子どもたちに学んでほしい」と活用を望む。
(やめて!野鳥にエサ:北海道)
野鳥に餌をあげないで――。数多くの野鳥が飛来することで知られる苫小牧市のウトナイ湖で、ハクチョウなどへの餌やりを禁止する呼びかけを強化することになった。生態系が乱れるほか、病原菌が広がるのを助長する恐れもあることなどが理由だ。市などは、観光客に誤解を与える無許可の餌売り場の撤去などにも乗り出す方針だ。ウトナイ湖ではかつて、湖畔の土地を所有していた市の第三セクターが餌売り場を設置。ハクチョウなどに直接、餌をあげられると人気を呼んでいた。だが、鳥インフルエンザ騒ぎの拡大を受けて2008年5月に販売は中止となり、野鳥への給餌(きゅうじ)を禁止する看板も立てられた。ところが、この直後に市内の男性が勝手に餌売り場を設置。小麦やトウモロコシなどを小袋に入れ、「2袋 100円」などとして小銭入れとともに置いている。湖畔を管理する道室蘭土木現業所は「警告 ここは河川敷地です。許可なく物件を設置することはできません」とする看板を立てて餌売り場の撤去を求め、市などは再三、違法であることを告げてきたが、男性は「みんな、餌をあげているじゃないか」と受け入れる気配はないという。昨年10月、湖畔に道の駅がオープンした。観光客の中には、最初からハクチョウへの餌やりを楽しみに来る人もいるという。ハクチョウなどに囲まれるうちに、餌をあげてしまうケースも多く見受けられる。湖畔の手前には「ハクチョウやカモにエサをあげないで!」などと注意する看板はあるが、観光客の目はハクチョウを向いていて効果は出ていない。湖畔で餌をやっていた札幌市内の20代の女性グループは「じかに餌をあげられてうれしかった。少しぐらい餌をやるのはかまわないでのは」。札幌市内から家族で来た60代男性は「孫が餌をやっている笑顔がよかった」と顔をほころばせ、餌売り場が違法であると気づいていなかった。市などは対策協議会を設置し、これまでに2回開催。給餌行為の禁止を徹底する一環として英、中、韓国語の看板を設けるほか、都市公園条例に基づき、餌売り場の撤去を男性に求めていくことを決めた。日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリ・チーフレンジャーの原田修さんは「無秩序に給餌することでハクチョウやカモだけが集まり、生態系が攪乱(かくらん)される。フンが人間の靴底について、病原菌が拡散する恐れもある」と指摘している。
(岩手県北上川流域で餌付け禁止:岩手)
餌付けは動物を寄せて楽しむ行為、それに対して給餌は動物の保護を目的とする自然保護の一環だとウィキペディアにあるが、鳥インフルエンザの流行以来、渡り鳥が病原体を運ぶ可能性から、あちこちの自治体が渡り鳥の餌付け中止を決定している。岩手県の北上川流域にも毎年カモや白鳥などの冬鳥が飛来するが、やはり鳥インフルエンザ騒ぎ以降、広報などで餌付け自粛を呼びかけたため、白鳥を見に来る者はいても餌まきをする人がいなくなった。鳥たちはそんな事を知る由もなく、餌場に人が立つと餌をもらえると思い、500メートルも先からたくさん集まって来る。何千キロと旅をしてようやく北上川にたどり着いても餌をもらえないのではさぞひもじい事だろう。特に今年は、大みそかからの大雪で、自然界にある餌が雪で覆われ、食べる物に事欠いているのだ。白鳥には罪がないのだからなんとか一日も早く餌やりができる日が来ればいいのだが。鳥たちの鳴き声も心なしか悲しく響く。冬本番はまだまだこれから。人間にも、鳥たちにも厳しい冬が続く。

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(つえ代わりの散弾銃が暴発?:宮城)
7日午後7時50分頃、宮城県大崎市鹿島台広長の林道で、同市鹿島台木間塚、無職渡辺操さん(74)が右胸から血を流し、あおむけに倒れているのを家族が見つけ、110番した。古川署員が駆けつけたところ、渡辺さんはすでに死亡していた。着衣の乱れがないことから、同署は、持っていた散弾銃が誤って発射され、胸に当たったとみて死因を調べている。発表によると、渡辺さんは同日午後2時頃から山鳥猟に出掛け、帰宅が遅いため家族が捜していた。散弾銃の一部が変形しており、林道脇の斜面を歩く際につえ代わりに使った散弾銃に衝撃が加わり、発射された可能性もあるという。
(シカ食害から守れ:徳島)
徳島と高知県境にまたがる三嶺(1893メートル)など剣山山系で深刻化するシカの食害について考えるシンポジウムが24日、徳島市内のアスティとくしまで開かれる。徳島、高知両県から動植物の専門家や森林保護団体の代表らが食害対策をテーマに話し合う。三嶺でシカの食害対策に取り組む徳島、高知の10団体でつくる「三嶺の森をまもるみんなの会」などの主催。みんなの会の依光良三代表(67)=高知大名誉教授=は基調講演で、食害の全国的傾向と剣山山系の現状を対比し、樹木を守る防護ネット設置や駆除の必要性を訴える。このほか、行政担当者らが、食害の概況や2007年から三嶺で進められている植物保護柵の設置活動と効果などについて報告する。シンポジウム実行委の事務局長で三嶺の自然を守る会の暮石洋理事長(60)は「剣山山系は食害による植物の枯死で表土が流出し、土砂災害にもつながりかねない状況だ。県民全体で解決策を考えるきっかけになれば」と話している。三嶺周辺では06年からニホンジカの食害が急激に拡大。モミやツガ、ササのほか、国指定天然記念物のコメツツジなど貴重な高山植物が食い荒らされている。四国森林管理局の07年の調査では、1平方キロメートル当たり78頭(適正数は3〜5頭)が生息。8割の木々が被害を受け、昨夏には山頂部まで及んだ。
(コクチョウ、優雅に羽休め:東京)
練馬区石神井台1の都立石神井公園に、2羽のコクチョウが飛来し、話題になっている。5日朝、同公園サービスセンターの職員が発見。うわさを聞きつけた近隣住民らが連日詰めかけ、公園内の池を優雅に泳ぐ姿を写真に収めたりしている。コクチョウはカモ科の野鳥でオーストラリア原産。全身が黒く、くちばしと目が赤い。日本野鳥の会によると「普通は日本に渡って来ないので、動物園などで飼育されていたのが逃げたのかも」。都内でも時々、かご抜けしたコクチョウを見かけることがあるという。

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(イノシシ捕獲:新潟)
6日午後0時半すぎ、長岡市北荷頃の県道で、住民が走っているイノシシを発見し、長岡署に通報した。イノシシは体長約120センチ、体重約80キロのメスの成獣で、同署員が捕獲したが死んだ。同署などによると、イノシシは同所の酒造会社で植木鉢などを壊したほか、走行中の乗用車に衝突した。けが人はなかった。同署員が警杖(けいじょう)でたたき、倒れたイノシシの足に手錠を掛けて捕まえたが、数十分後に死んだ。
(列車とシカ衝突、乗客にはけがなし:福井)
7日午前5時50分ごろ、福井県小浜市のJR小浜線勢浜―加斗間で、小浜発東舞鶴行き普通列車がシカと衝突。同列車は東舞鶴まで運行したが、その後ブレーキが利かなくなり運転できなくなった。乗客乗員にけがはなかった。JR西日本金沢支社によると、この車両を運行させる予定だった東舞鶴発敦賀行き普通列車1本が運休したほか、普通2本が区間運休となり、約600人に影響した。シカは死んだ。
(サル追い隊出動:大分)
津久見市は市街地に出没する野生のサルを山へ追い返すため、ロケット花火などを装備した「サル追い隊」(12人)を発足させ、3月下旬まで市内パトロールを続ける。昨秋から市中心部にもサルが出没するようになり、市農林水産課への連絡だけでも9月と10月に各6回あり、11月には17回に増加した。かまれるなどの事例もあったことから市は市街地サル対策事業費(約571万円)を予算化、12月19日から活動を始めた。隊は3人一組で4組に分かれ、1日交代で2組ずつ毎日午前7時半から同11時半、午後1時半から同5時半まで、青江川を境に2コースを巡回する。見つけ次第、ロケット花火で山へ追い払う。可能な場所であれば、隊員として参加している市猟友会員が猟銃を使用する。巡回1回の走行距離は50〜60キロにおよび、1週間に5回ほどのペースでサルと遭遇してきたという。第1班長の川野清一さん(70)は「出没する場所や逃げるルートも次第に分かってきた。逃げ道に隊員を配置するなどの工夫をして捕獲をしていきたい」。第2班長の野下一馬さん(66)は「強そうな大人だと逃げ、子どもなどには向かっていく傾向がある。子どもたちの被害を防ぎたいので、現場で騒がずにわたしたちの活動を見守ってほしい」と話している。

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(大学にイノシシ、1人けが:愛媛)
5日午前10時半ごろ、松山市北条の聖カタリナ大にイノシシが入り込み、40代の男性職員を突き飛ばした。職員は足に軽いけが。イノシシは近くの住宅街へ逃げ込んだが、地元猟友会のメンバーが射殺した。大学や猟友会によると、イノシシは体長137センチで、体重120キロ。正門から入って学内を走り回った。大学は休みで、数人いた学生らにもけがはなかった。猟友会の河野康志さん(56)は「街で見たのは初めて。野犬に追われて来たのではないか」と話している。
(特急がシカと衝突:北海道)
5日午後5時50分ごろ、登別市内のJR室蘭線幌別駅―富浦駅の間を走行中の函館発札幌行の特急北斗15号(228人乗車)がエゾシカと衝突した。 乗客などにけがはなく、線路と車両を点検した後、約35分遅れで運転を再開した。
(イノシシ捕獲5000頭超:栃木)
県は、イノシシの年間捕獲目標を5千頭以上とする保護管理計画(二期計画)の素案をまとめた。併せてツキノワグマについても、年間の捕獲上限数を30頭としており、素案に対するパブリックコメントを募集している。14日必着。二期計画は今年4月〜平成27年3月が対象。個体群を適正管理することで、農林業などの被害を軽減しながら、生物の多様性を保全するのが狙い。イノシシによる被害は10年度ごろから増え始め、18年度には被害額が1億円を突破。20年度はやや減少したが、1億円を超える状態が続き、獣類による被害額の半分を占めている。狩猟と有害鳥獣捕獲を合わせた年間捕獲数は、長年100頭前後で推移していたが、10年度からの10年間で13倍も増え、20年度は狩猟1571頭、有害鳥獣捕獲2712頭の計4283頭と過去最高となった。県では、一期計画が始まった18年度に年間捕獲目標を2500頭以上と定めたが、20年度からは5千頭以上に増やしている。二期計画でも、21年の繁殖直後の生息数を2万6千〜3万1千頭と推定し、個体数を減らすには年間5千頭以上の捕獲が必要とみている。イノシシの県内分布は、「八溝・阿武隈」「両毛」「高原・帝釈」の個体群に分かれ、県南西部の両毛個体群は平成に入って急拡大、県北部の高原・帝釈個体群も平成10年以降から分布がみられ、近年は急拡大の傾向という。一方、ツキノワグマは個体数維持のため、年間捕獲上限数を30頭に設定。一期計画の推定生息数は85〜323頭になっている。
(サルから農地守ろう:和歌山)
野生ザルによる農作物被害が増加する中、和歌山県田辺市上芳養古屋谷の農家が「自分たちの農地は自分たちで守ろう」と、山中に大型囲みわなを設置し、サルの捕獲に乗り出した。同地区には40〜50匹規模の群れがいるとみられ、ミカンやクリ、野菜などへの被害が深刻だという。わなを設置したグループの代表、小谷重雄さん(69)は「猟期の終了後からが勝負になるだろう」と話している。囲みわなは、軽量鉄骨製で高さ4メートル、幅4メートル、奥行き5メートルの箱形。一部県の鳥獣害対策の補助を受けている。管理がしやすいように道路沿いを選び、上から木の枝がかぶさっている場所を探した。昨年10月から準備を始めて12月上旬に完成。冬から早春にかけてはミカンやリンゴを餌に使う。今春からはわなの中でトウモロコシとカボチャを育て夏場の餌にするという。地元住民によると、ミカンやクリの園地では、集団で襲ってくるため、短時間で被害に遭うことが多いという。このほか、ダイコンの上部がかじられて放置されたり、干している稲を持っていかれたりされている。小谷さんは「イノシシ被害にも困っているが、サルは巧妙でたちが悪い。最近のサルはその場で食べないで、安全な場所に持っていって食べるようだ」と分析している。田辺市農業振興課によると、市内では現在、上芳養以外に本宮町で2基の囲いわなが稼働している。平瀬(旧大塔村)でもサルによる被害がひどくなっており、以前作ったわなを再利用するため整備中。上秋津でも設置したことがあった。
(イノシシ撃退用の青色LED売れ行き好調:鹿児島)
電子部品製造の日本計器鹿児島製作所(南九州市知覧)がイノシシ撃退用に開発したLED(発光ダイオード)ライト「ピカちゃん」が、売れ行き好調だ。農家の深刻なイノシシ被害を背景に、発売1年足らずで2500個余りを販売。年間売り上げ予想の20倍以上に上っている。「ピカちゃん」は、高さ9センチ、直径7.4センチのプラスチック容器に、青色LED6個を装備。畑の周りや獣道で、イノシシの目線に近い地上50センチほどの位置につり下げ使う。夜になるとセンサーが反応し自動点滅、光は50メートル先からでも見える。イノシシは青色を警戒するが、学習能力が高いためしばらくすると慣れるという。同社はライト6個それぞれが不規則に光るプログラムを開発、問題を解消した。5000円(税込み)。

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(カラス駆除の男性に罰金30万円:山形)
山形県鶴岡市で昨年5月、カラスを駆除するために撃った猟銃の散弾が民家の網戸を突き破り、この家に住む高校生の長女が首にかすり傷を負った事故で、鶴岡区検は4日までに、業務上過失傷害罪で男性会社員(54)を略式起訴し、鶴岡簡裁が罰金30万円の略式命令を出した。
(イノシシ出没、警察や市などが捜索:埼玉)
5日午前8時50分ごろ、埼玉県東松山市箭弓町の自動車部品製造業「ボッシュ東松山工場」の駐車場で、男性警備員がイノシシを見つけ、東松山署に通報した。署員らが駆けつけ、一時はイノシシを取り囲んだが逃げられた。東松山署によると、イノシシは体長約1メートル。牙は生えていなかった。東松山市によると、その後、約1キロ離れた同市松葉町でイノシシの目撃情報が数件寄せられている。農作物などの被害は出ていない。同市内にイノシシが出るのは珍しいという。東松山署と同市などが捜索を続けている。イノシシが目撃されたのは東武東上線東松山駅から約1キロの範囲の市街地。
(利口なカラス捕獲へ:鳥取)
カラスによる農産物の被害を防止・軽減しようと、鳥取県の倉吉市やJA鳥取中央などは、檻(おり)による捕獲作戦に取り組んでいる。畜産団地がある同市久米が原には多くのカラスが生息しており、周辺では梨や野菜への被害に悩まされているが、檻設置から2カ月で111羽を捕獲し、成果を上げている。2009年度9月末現在のカラスによる果実の被害は県内で約1238万円、中部地区では梨やスイカ、メロン、キャベツなどの果樹、野菜などで669万円にのぼる。特に、同市久米が原には畜産団地があり、カラスのエサ場となっている。このため、梨園では袋かけの時期から落果や食害の被害のほか、ハウス栽培やトンネル栽培のビニールを破るなどの被害があった。そこで昨年1月、県と倉吉市有害鳥獣捕獲協議会、久米が原土地改良区、大山乳業農業協同組合、同JAでカラス捕獲檻設置対策会議を開き、すでに檻を設置している鳥取市福部町を視察するなどして協議してきた。捕獲檻は同市下福田の久米が原畜産団地内に昨年11月、同協議会が国の鳥獣害防止総合対策事業を受けて1基設置。縦横4メートル、高さ3・5メートルで、おとりのカラスが10羽入っている。檻の管理・運営は同JAが行っており、年間約300羽の捕獲を見込んでいる。同JAでは「生産者のロスを少しでもなくし、生産意欲を高めていきたい」と話し、カラスの生態系にも配慮しながら、スイカの産地である北栄町や畜産団地の多い琴浦町にも捕獲檻を広げていきたい考えだ。
(住宅地にサル出没し捕獲劇:神奈川)
正月早々、相模原市城山町地区の住宅地にニホンザルが現れ、県警や市消防職員らによる捕獲劇が繰り広げられた。サルが現れたのは2日午前8時45分ごろ。城山町若葉台に住む女性から「自宅の庭にサルが出た」との110番通報を受け、津久井署員と市消防職員、市職員らが付近を捜索。若葉台4丁目の若葉台榛名公園内の雑木林で、うずくまっているサル1匹を発見した。署員ら約30人で周囲を包囲し、約2時間後に素手で捕獲した。市によると、捕獲したサルは体長約50センチの雄。1歳程度で野生とみられるという。サルを一時的に保護している市城山総合事務所によると、ニホンザルを飼うには行政の許可が必要。飼い主が見つからず、人に危害を加える恐れがある場合には、殺処分される可能性が高いという。同署によると、元日には同地区に住む女性2人が、ニホンザルに太ももをかまれ、軽傷を負っていた。捕獲されたサルと同一とみられ、捕まえた同署の秋山富男警部補(57)は「被害に遭った人もいたので、捕まえることができてよかった」と話していた。
(ニホンジカ、畑に姿現す:青森)
佐井村佐井の民宿近くに4日、雄のニホンジカ1頭が姿を現し、宿泊していた大堀清充さん(68)=むつ市出身、東京都在住=が撮影に成功した。本県にニホンジカは生息していない−とされてきたが近年、むつ下北地域では目撃が相次いでいる。同日、シカを見た人たちは「何か良いことがあるのかも」と、新年の“珍客”に驚いていた。
(利口なカラス捕獲へ:鳥取)
カラスによる農産物の被害を防止・軽減しようと、鳥取県の倉吉市やJA鳥取中央などは、檻(おり)による捕獲作戦に取り組んでいる。畜産団地がある同市久米が原には多くのカラスが生息しており、周辺では梨や野菜への被害に悩まされているが、檻設置から2カ月で111羽を捕獲し、成果を上げている。2009年度9月末現在のカラスによる果実の被害は県内で約1238万円、中部地区では梨やスイカ、メロン、キャベツなどの果樹、野菜などで669万円にのぼる。特に、同市久米が原には畜産団地があり、カラスのエサ場となっている。このため、梨園では袋かけの時期から落果や食害の被害のほか、ハウス栽培やトンネル栽培のビニールを破るなどの被害があった。そこで昨年1月、県と倉吉市有害鳥獣捕獲協議会、久米が原土地改良区、大山乳業農業協同組合、同JAでカラス捕獲檻設置対策会議を開き、すでに檻を設置している鳥取市福部町を視察するなどして協議してきた。捕獲檻は同市下福田の久米が原畜産団地内に昨年11月、同協議会が国の鳥獣害防止総合対策事業を受けて1基設置。縦横4メートル、高さ3・5メートルで、おとりのカラスが10羽入っている。檻の管理・運営は同JAが行っており、年間約300羽の捕獲を見込んでいる。同JAでは「生産者のロスを少しでもなくし、生産意欲を高めていきたい」と話し、カラスの生態系にも配慮しながら、スイカの産地である北栄町や畜産団地の多い琴浦町にも捕獲檻を広げていきたい考えだ。
(農作物被害が拡大:千葉)
県内では一九七三〜八五年に捕獲記録がなく、絶滅したと思われていたイノシシ。そのイノシシが現在は捕獲されただけでも年間数千頭に急増し、房総半島中央部の山間地域で米やイモなどの農作物に大きな被害を与えている。十年前には想像できなかった大繁殖に、イノシシを利用した新ビジネスも登場した。「三十年前はイノシシを撃つなんて考えられなかった。当時はヤマドリ、キジ、ウサギがほとんど。イノシシのような大物を仕留めたかったら、鉄砲打ちは茨城か静岡方面に行ったもんだよ」。有害鳥獣としてのイノシシを捕獲したり、駆除したりする大多喜町猟友会長の高梨喜一郎さん(65)は振り返る。県内での捕獲数は、二〇〇〇年度の四百三十七頭から、〇六年度には六千九百五十五頭を記録。最近は五千〜六千頭で推移している。イノシシによる農作物の被害も年々増加。〇八年度は、サルやシカなどを含めた有害鳥獣による農作物被害全体のうち、イノシシが65%を占め、被害額は約一億七千万円に上った。イノシシはなぜ増えたのか。ルーツは一九八〇年代、ハンターが狩猟目的でイノシシやイノブタの子を山に放したためといわれている。イノシシは一頭で一回に二〜八頭の子を産み、生まれた子も一年で親になる。農業従事者の高齢化や減少で山に入る人が少なくなり、山の荒廃や耕作しなくなった農地の増加も影響した。「今の若い人たちは炭焼きや木の伐採もしないし、山に入らなくなった。農道がけもの道になり、荒れた畑はいい隠れ家になっている」と高梨さんは嘆く。天敵のいない雑食性のイノシシが山間部をわが物顔でのし歩き、植物の葉、根やミミズだけでなく、里に下りて農作物を食い荒らす。「これまで山奥でしか見られなかったシカが民家周辺に出没するのは、イノシシと共存できないからだと思う」と推測する。被害の軽減化を図るため、県南部の自治体はイノシシ一頭につき五千〜一万二千円の報償金を支払っている。ワナを使った捕獲なども試みているが、ねずみ算式に増えるイノシシにはあまり効果がないという。安房猟友会のメンバーは「知人から北総地区にもイノシシがいると聞いており、生育地域は確実に広がっている」と心配する。捕獲、駆除されたイノシシは自家消費を除き、大半が埋葬されてきたが、食材として有効活用するビジネスが大多喜町でスタートした。町では〇五年、イノシシ肉を加工・処理する「大多喜町都市農村交流施設」が完成。〇六年から稼働させ、都内のレストランなどに高級食材として肉を卸している。豚肉や牛肉と比べ、低脂肪、低カロリーでカルシウムが豊富というのが売りだ。施設を管理する大多喜町農林課は「イノシシ一頭を五千円で引き取り、解体・処理したものを都内のレストランチェーン店に卸している。肉の評判は上々」と説明。処理頭数も初年度は六十八頭だったが、〇八年度は百五十七頭で、本年度はさらに増えるという。また、町内の道の駅「たけゆらの里おおたき」では、肉を部位により一キロ当たり三千百五十〜六千三百円で販売。レストランではイノシシ肉を使った「イノシシ丼」を六百五十円で提供している。「イノシシ丼は大多喜名物の健康食として売っていますが、土日には五十食も出る人気メニュー。肉は独自の処理技術を施しているので臭みもありません」と、レストラン従業員はPRする。“厄介者”のイノシシで地域活性化に取り組む大多喜町。イノシシビジネスが成功するかどうかは、肉の安定供給に向けた周辺市町との連携強化がカギとなりそうだ。

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(シカ狙った仲間の弾当たる:兵庫)
3日午前11時15分頃、兵庫県姫路市林田町山田の山中で、イノシシ猟をしていた同市の無職男性(64)が撃ったライフル銃の弾が、一緒に猟をしていた同市の運送業の男性(61)の左太ももに当たり、10日間のけがをした。姫路署の発表によると、男性らは朝から約20人で猟をしていたといい、鹿を狙って撃った3発のうち1発が当たったとみて調べている。
(狩猟中、仲間を誤射:山梨)
大月署は3日、鳥の狩猟をしていたところ、仲間を散弾銃で誤って撃ち、けがをさせたとして、業務上過失傷害の疑いで、上野原市秋山、会社員原田洋一容疑者(60)を逮捕した。逮捕容疑は同日午前11時40分ごろ、都留市小形山の山林で誤って上野原市の会社員男性(62)を撃ち、顔や腕などにけがを負わせた疑い。打たれた男性は甲府市内の病院に搬送されたが、けがの程度は不明。意識はあるという。大月署によると、原田容疑者は「やぶの中で音がしたため、鳥だと思って撃ってしまった」と供述しているという。
(狩猟中に事故:大分)
2日午後、日田市の山中で、猟に参加していた男性の手に、仲間の撃った散弾銃の弾があたり、指を切断する大ケガをしました。午後3時半ごろ、日田市三和の山中で、仲間と9人で猟に参加していた、福岡県朝倉郡の自営業の男性(59)が散弾銃を発砲したところ、弾が、別の仲間の左手にあたりました。この事故で、日田市内に住む会社員の男性(48)が、小指と薬指を切断する大ケガをして、病院に運ばれました。命に別状は無いということです。警察の調べによりますと、発砲した男性は、狩猟免許は持っていて「イノシシと間違えて撃った」と話しているということです。警察では、業務上過失傷害などの疑いもあるとみて、捜査を進めています。
(イノシシに襲われ男性死亡:岐阜)
30日午後0時40分ごろ、海津市南濃町上野河戸のミカン畑で、同市職員栗田丈正さん(55)が全身から血を流して倒れているのを、父丈一さん(83)が見つけ、海津署に届けた。すでに死亡しており、死因は外傷性失血死。同署によると、栗田さんの全身に獣の牙で突かれたような傷があったほか、現場にイノシシの足跡があったため、同署は栗田さんがイノシシに襲われたとみて調べるとともに、周辺住民に注意を呼び掛けている。現場は国道258号西側の山際で、民家と畑が点在する。同署によると、同日午前8時ごろ、栗田さんが自宅裏のミカン畑にあるごみ捨て場に行ったまま戻らないため、丈一さんが様子を見に行ったところ、栗田さんが倒れているのを見つけた。頭部や背中、両足など全身に、牙で突かれたようなあとがあった。同市猟友会によると、足跡の大きさから、体重150キロ近い大きなイノシシとみられるという。現場近くの畑でイノシシが走り去るのを見たという情報もあるという。市は、同日夕から夜にかけて、南濃地域住民に広報無線で注意を呼び掛けた。31日には市猟友会とパトロールなどの対策を練る。栗田さんは丈一さんと2人暮らし。同市農林振興課課長補佐で、主に土地改良事業を担当。まじめで仕事熱心だったという。
(電車がシカと衝突:京都)
2日午後8時前、京都府亀岡市千代川町のJR山陰線の八木−千代川駅間で、園部発京都行きの普通電車の運転士が異常音を確認し、急停車した。上下計6本で最大37分遅れ、約550人が影響を受けた。JR西日本によると、現場にシカの死体があり、電車と衝突したとみられる。
(イノシシ、住宅街などに出没:和歌山)
2日正午ごろ、紀の川市名手市場の同市立那賀中学校付近や住宅街などに、イノシシ1頭が出没し、付近住民の男性2人に軽傷を負わせそのまま逃げた。岩出署によると、イノシシは体長約1・5メートル。突然向かってきたため、身を守るために殴りかかろうとした男性会社員(32)が右手に、自営業の男性(60)も殴ろうとして、左手にそれぞれ軽い擦り傷などを負った。同署員のほか、同市職員や地元猟友会などが捜索にあたっているが、イノシシは見つかっていない。
(四万温泉がイノシシ:群馬)
四万温泉(中之条町)の旅館有志が、地元のイノシシ肉を活用した料理を開発し、今月20日から3月末まで、料理付きの宿泊プランを行う。同温泉協会は「評判が良ければ期間後も続け、温泉街の売りとして誘客につなげたい」としている。県などは、有害駆除するなどした吾妻郡内のイノシシの肉を、特産物として活用しようと、2006年にブランド名を「あがしし君」と命名。07年には吾妻郡7町村が、解体施設を中之条町に設置し、県内企業を通してハムなどの加工品販売に取り組んでいる。同温泉協会は、地産地消を進めるとともに、目立った名物料理のない温泉街の売りにしようと、昨年8月頃からイノシシ料理の検討を始め、旅館の半数近くにあたる16軒が参加。独自のシシ鍋などを開発した。「柏屋旅館」では、イノシシ肉が低脂肪で、鉄分など肌に良いとされる成分が多いことに着目し、「美肌の欲張りしゃぶしゃぶ」を開発。だし汁には魚由来のコラーゲンを入れ、肉がやや硬くてくせのある点も、みそだれに漬け込むことで解消した。上州牛肉や、だし汁を使った雑炊も提供する。四万温泉は肌の保湿成分を多く含むといい、温泉と料理の相乗効果で「美肌」を打ち出すのが狙いという。同旅館の柏原益夫社長(48)は「四万温泉が食の面でも頑張っていることをアピールしたい」と話している。
(「シカ缶」限定発売へ:北海道)
逆転の発想で厄介者を地元ブランドの商品にと、浜中町姉別北の酪農家・岩松邦英さん(岩松ファーム)が姉別郵便局(田村修治局長)とタイアップして、ふるさと小包「エゾシカ缶詰セット」を共同企画。12日から3月30日までの季節限定で販売する。今回商品化された「エゾシカ缶詰」は「手軽にエゾシカ肉を味わってほしい」というアイデアから、味付けが大和煮、カレー煮、味噌煮の3種類。1缶は固形量110グラム、内容総量160グラム。セット価格は3缶セット(各味1缶)が送料込みで2500円。
(ヤギで休耕地荒廃防ぐ:岡山)
傾斜地で手入れが難しい耕作放棄地にヤギを放し、荒廃を防ぐ取り組みを、奈義町皆木地区の住民組織・皆木中山間地振興協議会(皆木造会長、25人1団体)が県のモデル地区となって進めている。雑草を食べさせて草刈りの手間を省くとともに、イノシシなどの獣害を減らす目的。住民に“癒やし”も提供する試みで、住民らは「高齢化集落の活性化の一助に」と期待を込める。同地区は約30戸、100人が暮らし、65歳以上が4割を占める。山肌の約1ヘクタールの畑では果樹や牧草を作っていたが、後継者不足などで約30年前に休耕。ササが茂り、そこを寝床にしたイノシシやシカが農作物を荒らすようになった。2005年から草刈りも始めたが、重労働で燃料など費用もかかる。そんなとき、ヤギを使った他県の取り組みを会員が知って町に相談。県が本年度始めた「ヤギ放牧等棚田保全普及啓発事業」に申し込み、久米南町里方北地区と共にトップを切ってモデル地区(他にも2カ所)になった。
(はぐれタンチョウ松江に飛来:島根)
主に北海道に生息するタンチョウ2羽が、松江市郊外の水田にいるのを、日本野鳥の会島根県支部の会員が発見、写真に収めた。ガン、カモの調査をしていた会員が、コハクチョウの群れの中に、頭頂部が赤く、尾羽が黒い姿を確認した。写真撮影した県支部の飯塚洋一支部長(59)は「中国大陸から渡ってきた野生種のつがいではないか」とみている。飯塚支部長によると、1973年に成鳥が安来市で確認されているほか、2年前の冬場に幼鳥1羽の飛来記録があるという。「驚かさず、遠くから見守ってほしい」と話している。
(天窓破損、銃弾か?:香川)
香川県丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館で先月から、屋上の天窓が割れる被害が相次いだ。同館は「銃弾が撃ち込まれたのか」と不安になって丸亀署に相談したが、職員が近くで口にくわえた石を落とすカラスを偶然目撃し、“犯人”が判明した。同館は新年から入館者に注意を呼びかける。同館によると、被害に遭ったのは11月22日、同24日と12月9日。2階の入り口に向かう階段の上にある40枚の天窓(1枚縦1メートル、横2・5メートル)にはめ込まれた強化ガラス(厚さ1センチ)に直径2センチ程の穴が開いた。天窓の高さは13メートルあり、職員らは「銃弾では」「飛行機から部品が落ちたのか」と心配になり、同署に相談した。署員の調べで、上空から硬い物が落ちて割れたことがわかり、職員らも、付近にいたカラスが口に小石をくわえ、敷地内に落とす姿を目撃。階段の近くなどからカラスが落としたとみられる直径1〜2センチの石7個も見つかり、カラスの仕業と結論付けた。専門家によると、知能が高いカラスは遊びでこうした行為を繰り返すという。
(花火店など10棟火災:東京)
30日午後5時20分ごろ、東京都台東区の問屋街の建物から出火、近くの花火販売店や住宅など計10棟に延焼し、約1千平方メートルを焼いた。東京消防庁の消防隊65隊が出動し、火は約5時間後に消し止められた。けが人はいなかった。同庁によると、木造2階建ての住宅が火元とみられるという。火薬がはじけるような音もしたことから、同庁は近くの花火販売店の火薬に引火した可能性があるとみて調べている。現場はJR浅草橋駅から北東約200メートルの問屋街の一角。
(拳銃で撃たれ組幹部死亡:東京)
東京都足立区椿2丁目のマンションで「知人が倒れている」と、男性の声で12月30日午後11時35分ごろ、119番通報があった。3階の部屋で、指定暴力団松葉会傘下組織の鈴木和一幹部(68)とみられる男性が腹部と右腕を拳銃で撃たれて倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。警視庁は殺人事件として捜査している。組織犯罪対策4課によると、男性は普段着姿で、居室の床に倒れていた。現場から拳銃や薬莢(やっきょう)は見つかっていない。鈴木幹部はこの部屋に住んでいたが、部屋の所有者は別で、通報者も特定されていないという。現場は日暮里・舎人ライナー西新井大師西駅から西に約800メートルの住宅街。
(空港の機内持ち込み荷物検査で銃やナイフが素通り:ドイツ)
ドイツ警察労働組合(GdP)委員長は29日、同国の空港での覆面検査の結果、機内持ち込み荷物に隠された武器のうち最大30%を検知できなかったことを明らかにした。GdPのコンラート・フライベルク委員長は、銃やナイフ、武器の部品がドイツ連邦警察局による警備をくぐり抜けたと説明した。警察局は国内空港でこうした警備上の検査を「定期的に」実施している。フライベルク委員長は電話インタビューで、「非検知率は非常に高く、空港によっては3割に達した」と述べたが詳細は明らかにしなかった。ドイツ内務省は29日、25日に起きたアムステルダム発デトロイト行き米ノースウエスト機での爆破未遂事件を受け、政府が航空旅客と機内持ち込み荷物の検査を強化していると発表。デメジエール内相は、遅延防止のため、手荷物を最小限にとどめるよう呼びかけた。同相は、欧州航空会社の警備体制は「すでに高水準」にあるものの、独政府は爆破未遂事件を「非常に深刻に」受け止めており、イエメンを拠点とするアルカイダ系組織による犯行声明を信ぴょう性のあるものと結論付けたとしている。
(マタギ知る山の水:宮城)
山の中で獲物を追いかけるマタギは長年、山のわき水や沢の水でのどを潤してきた。今は飲料水を持参しているが、マタギの間では飲んではいけない場所が言い伝えられてきた。マタギにとって山の水は飲むだけではなく、山の変化を感じ取るしるべでもある。マタギとして栗駒山を中心に狩猟を行っている栗原市栗駒の千葉清さん(71)の話を通し、「マタギと山の水」の関係を紹介する。千葉さんによると、マタギには「赤川」と呼ぶ川の場所が言い伝えられている。水を口にすると渋みや酸っぱさなどがあるという。強い毒性があり、魚など生き物が住んでいないのが特徴で、「マタギの間では、絶対口にしてはいけない」とされている。その一方で、「昔は赤川でない限り、山の水はどこでも飲んだ」という。ただ、最近は「赤川」に加えて、病気を持った動物などが口をつけ、細菌に汚染される水が増えたことから「わき水以外は飲まない」という。マタギは山の水の観察を通して、自然の変化を感じ取る。08年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震。千葉さんは地震発生の2日前、栗駒山に入り、山腹でわいている温泉の色が普段と違って濁っているのを発見した。「噴火があるのではないかと思った」と千葉さん。もう一度見に行って、まだ濁っていたら気象庁に連絡しようと思っていた14日の朝、地震が起きた。「(水の濁りが)地震の前兆だったのだと思う」と明かす。最近、飲料水を持参して山に入るマタギが増えたというが、山の水の変化が、自然からのメッセージであることに変わりない。県内に、山での狩猟だけで生計を立てているマタギはいないとされている。旅館経営や会社員などの職業を持ちながら、山に入る「兼業マタギ」が多いという。千葉さんもマタギとして獲物を追い求めて山を駆け回りながら栗駒山のふもとで飲食店「狩人」を経営。店内でクマやシカの肉など仕留めた獲物を調理して提供している。狩猟対象はシカ、イノシシ、キツネ、タヌキ、ウサギなど狩猟鳥獣に指定されているものすべて。千葉さんが一番仕留めたいと思う獲物はクマだ。千葉さんは「シカは何頭でも取れるが、クマは集中しないと取れない」と話す。基本的にクマはマタギ数人による巻き猟と呼ばれる狩猟法で仕留めるが、クマを倒すために最後に相対するのは1人だけ。仲間に手伝ってもらうことはない。「怖いとか可哀そうと思っていたら仕留められない」と語る千葉さんの顔や体にはクマとの格闘で付いた傷がいくつも残っている。マタギにとって山に入る目的は狩猟だけではない。キノコや山菜も収穫する。千葉さんは長年、山の中にブナを植林してきた。その数は全部で数百本にも及び、植えてから30年ほど経過する木もあるという。毎年その実を収穫している。ところが最近、植林したブナの木が枯れ始めているという。人の手で等間隔で植えられた木に自然淘汰(とうた)はなく、「何かが作用している」と千葉さん。「気候の変化による影響なのか、雨が悪いのか分からない」と困惑気味だ。山の中で何かが起きていると敏感に感じ取っている。春は山菜、夏は魚、秋はキノコ、そして冬は狩猟。季節ごとに山から自然の恵みをもらい生活してきた。千葉さんは「山に入れば、暮らせる食料は確保できますよ」と笑った。

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