<射撃ニュース10月>

10/13
(籠城のクマ、射殺される:福井)
12日、福井県勝山市で女性看護師を襲ってけがをさせ、その後建物の中に残っていたクマは13日午前、猟友会の会員によって射殺されました。福井県勝山市のデイケアセンター「野向の舎」に閉じ込められていたクマは、高さ3メートルほどの天井の梁のすき間にいるところが見つかり、午前9時前に猟友会の会員が散弾銃3発を発射。直後にクマが死んだのを確認したということです。「2日目に入ってましたんで、ようやく終わったなという感じでホッとしております」(「野向の舎」池端定男 デイケア長)クマは体長が1メートル20センチ、推定3歳のツキノワグマのメスで12日午前7時過ぎ、出勤した女性看護師を襲いけがをさせた後、建物の中におよそ26時間にわたって閉じ込められていました。
(小学校でクマ1頭発見:新潟)
13日午前8時ころ、三条市飯田、三条市立飯田小学校から校舎裏手にクマ1頭がいると110番通報があった。同校児童142人は校舎2階で待機している。同校では、前日も12日もクマのものとみられるふんが校舎玄関前で、足跡がグラウンドで見つかっている。三条市では猟友会や関係職員を現地へ動員、警戒にあたっている。13日朝は、これ以外にも同校周辺でクマの痕跡ではなく、実際にクマを見たという情報が三条市に何件か届いている。今秋は全国で数多くのクマの出没情報があり、三条市でもことしは異常に多かった平成18年以来のたくさんの出没情報があり、先週から下田地区を中心に朝晩、クマに注意するよう呼びかける防災無線を流している。また、三条地区でも三条市浄水場や月岡でも目撃情報があることから、13日から三条地区でも放送する。
(クマ捕獲:長野)
12日午前5時50分ごろ、大町市八坂の八坂マレットゴルフ場西側に仕掛けたおりにツキノワグマが捕獲されているのを大北地区猟友会の会員が発見した。大町署によると、クマは体長約1・5メートルの成獣。同市では7日、クマの目撃情報などが相次いだことから「クマ出没警戒警報」を発令していた。
(ツキノワグマがイノシシ用オリ内に:岐阜)
11日午後8時半ごろ、関ケ原町関ケ原の山すそに仕掛けてあったイノシシ捕獲用の鉄製オリ(縦・横1メートル、奥行き1・5メートル)にツキノワグマが入っているのを近くの男性が見つけた。夜明けを待って12日午前6時ごろ、猟友会員が射殺した。関ケ原町や垂井署によると、クマは体長1・2メートル。体重60キロ、6歳くらいのオス。現場は伊吹山ドライブウェイ料金所から東へ約200メートル。最寄りの民家とは約200メートルの距離。同町でのクマの捕獲・射殺は3年ぶり。9月中旬にも目撃情報があり、エサを求めて山から下りてきたらしい。
(市街地にサル出没:愛知)
豊川市中心部の諏訪地区で12日、ニホンザルサルの目撃情報が相次いで市に寄せられた。市環境課によると午前8時ごろ、住民から「サルが民家の庭先のイチジクを食べている」との通報があった。ほぼ同じ時刻、同地区にある保育園からも目撃情報が入った。同9時から市職員2人と委託を受けた鳥獣パトロール隊員2人が駆けつけ、警戒に当たったがサルは発見できなかった。同10時半ごろ、現場近くの豊川市開発ビルから、管理する立体駐車場の5階にサルがいるとの連絡が市に入った。市職員らが到着したときサルはまだ駐車場内にいたが、あっという間に地上に降りて隣接する集合住宅の敷地内に侵入。30分ほど捜索したが、その場でサルの足取りは途絶えた。豊川市内では、今年7月から市街地の広い範囲でサルが目撃されている。これまでのところ市民がケガをするなどの被害は出ていない。市では「サルに遭遇したらサルと目を合わさず、そっと離れて。エサは絶対に与えないで」などと呼びかけている。

TOPへ

10/12
(介護施設内のクマ、捕獲進める:福井)
福井県勝山市野向町の介護施設「野向の舎」で女性看護師(56)を襲い、施設の建物内に残っているクマについて、12日午後、県職員や猟友会メンバーら約20人が施設を囲み、玄関先に酒かすやはちみつを入れたおりを設置するなど捕獲作業を進めた。出勤時に玄関付近で襲われた看護師は胸や顔をかまれ3週間のけがで、勝山市は捕獲後にクマを殺処分する方針。ツキノワグマとみられる。「野向の舎」と廊下でつながっている併設の病院には135人が入院。廊下の防火扉を閉め、器具などでバリケードをつくり、侵入できないようにした。勝山市によると、市内でのクマ目撃情報は2009年度は10件だったが、10年度はこれまで51件に達し、住民に注意を呼び掛けていた。
(クマに襲われ夫婦重傷:山形)
12日午前5時40分ごろ、山形県飯豊町添川の民家の玄関先で、この家に住む農業高橋保さん(63)と妻の明子さん(61)がクマに襲われた。高橋さんは顔面をかまれ、明子さんも左足首を脱臼骨折しており、ともに重傷。県警長井署と地元猟友会が逃げたクマを捜すとともに、住民に警戒を呼び掛けている。同署によると、夫婦は農作業に出かけようと家を出たところを突然クマに襲われた。クマは体長約1メートルの成獣とみられる。2人の叫び声を聞いた長男(37)が119番した。現場周辺は田んぼや畑も多く、クマの目撃情報も寄せられていたという。
(クマに襲われ2人けが:富山)
12日午前、魚津市で男性2人がクマに相次いで襲われてけがをしました。クマは現在も逃げていて、警察などが付近をパトロールし注意を呼びかけています。12日午前8時50分ごろ、魚津市吉島のリンゴ園で1人で作業をしていた長谷川栄太郎さん(58)がクマに襲われました。長谷川さんはすぐそばの自宅に逃げましたが頭をクマにひっかかれ、富山労災病院に運ばれました。長谷川さんは軽傷だということです。長谷川さんが襲われたリンゴ園は新川高校の近くで周囲は住宅や商業施設もある市街地です。また午前10時前にはおよそ2キロ離れた魚津市印田の北陸自動車道魚津インターチェンジ近くの貯水池そばで農作業をしていた近くに住む大城義輝さん(81)がクマに襲われました。大城さんは顔にけがをしてヘリコプターで県立中央病院に運ばれました。意識はあるということです。クマは山の方へ逃げたということですが、2人を襲ったクマが同じクマかどうかはわかっていません。魚津市内では12日朝、クマの目撃情報が相次いでいました。目撃された場所は吉島小学校と市営住宅吉島団地のあいだで、1人目の被害の現場の近くです。魚津市では有害鳥獣捕獲隊が出動するとともに、警察、消防とともに現在付近をパトロールして住民に注意を呼びかけています。
(クマが民家に侵入か:富山)
11日朝、射水市の民家でクマがガラス戸を割って侵入した形跡が見つかりました。射水市ではクマが民家に侵入して逃げたとみて注意を呼びかけています。射水市によりますと、11日午前7時ごろ、射水市串田の民家で、大きな音に気付いた家の人が2階から1階に降りてきたところ、1階のガラス戸が割れ、室内に血の痕と足跡が残されているのを見つけました。家の前の畑には成獣のものとみられるクマの足跡が残されていて、射水市ではクマが民家に侵入して逃げたとみています。射水市では広報車と防災無線を通じて周辺の住民に注意を呼びかけるとともに、12日朝、現場周辺を有害鳥獣捕獲隊がパトロールを行います。現場は射水市南部の和田川のすぐ近くで、10日も川の向こう側でクマの爪跡などが見つかっていて、市ではクマが川沿いを移動しているとみて警戒を強めています。
(ツキノワグマ捕獲、目撃情報のあったクマか:神奈川)
11日午後4時45分ごろ、厚木市上古沢の緑地で、仕掛けていた捕獲用のおりにツキノワグマが掛かっているのが見つかった。同緑地周辺では10日午前8時半ごろと、同日午後3時ごろの2回にわたって、クマの目撃情報が相次いだ。県職員が、クマがよじのぼって柿を食べていたという柿の木の周辺におりを1個設置していた。県は12日にもクマに麻酔をかけ、個体調査を実施。丹沢のツキノワグマは生息数が30頭程度と非常に少ないため、山中に運び、クマの嫌がるスプレーを顔に噴射して人家周辺が危険なことを学習させて放すという。

TOPへ

10/11
(サル捕獲家族に懸賞金20万円贈呈:静岡)
静岡県東部で住民100人以上がサルにかみつかれるなどした騒動をめぐり、小池政臣三島市長は11日、サルを家の部屋に閉じ込め、捕獲に協力した同市川原ケ谷、会社員米山悠己さん(33)の家族に懸賞金20万円を贈呈した。懸賞金の贈呈式が市長室で行われ、米山さんは家族5人で出席。小池市長が「米山さん家族の勇気で捕獲が成功した。多くの市民の協力に心から感謝したい」と目録を渡した。米山さんは10日昼、サルが2階ベランダから自宅に入るのを見つけ、窓を閉め、市に連絡。その後、駆け付けた三島署員らがサルを捕獲した。贈呈式後、米山さんは「被害に遭った女性からお礼の電話をもらった。懸賞金は家族へのプレゼントに使いたい」と笑顔で話した。また捕獲したサルについて、小池市長は市内の動物公園「楽寿園」で飼育し、殺処分はしない方針を明らかにした。
(ニホンザル3人襲い、かみつき引っかく:岩手)
11日午前7時頃、岩手県北上市和賀町の旅館駐車場にサルが現れ、福島県相馬市の男性(63)ら男女計3人の背中や太ももにかみつき、腕をひっかくなどして、近くの山へ逃げ去った。3人はいずれも軽傷。北上署の発表によると、サルは体長約60センチ、ニホンザルの成獣とみられる。3人のうち、男性2人はツーリングに来ていて、バイクに荷物を積んでいた時に襲われたという。同町では、7日にも自宅庭にいた農業女性(58)が後ろからサルに襲われ、背中をかまれる被害があった。
(クマが民家に侵入か:富山)
11日朝、射水市の民家でクマがガラス戸を割って侵入した形跡が見つかりました。射水市ではクマが民家に侵入して逃げたとみて注意を呼びかけています。射水市によりますと、11日午前7時ごろ、射水市串田の民家で、大きな音に気付いた家の人が2階から1階に降りてきたところ、1階のガラス戸が割れ、室内に血の痕と足跡が残されているのを見つけました。家の前の畑には成獣のものとみられるクマの足跡が残されていて、射水市ではクマが民家に侵入して逃げたとみています。射水市では広報車と防災無線を通じて周辺の住民に注意を呼びかけるとともに、12日朝、現場周辺を有害鳥獣捕獲隊がパトロールを行います。現場は射水市南部の和田川のすぐ近くで、10日も川の向こう側でクマの爪跡などが見つかっていて、市ではクマが川沿いを移動しているとみて警戒を強めています。
(クマが市街地を移動か:福井)
大野市で9~10日にかけ、ツキノワグマの目撃や痕跡の情報が相次いだ。クマは市中心部の住宅街を移動していたとみられる。発見場所の周辺は住宅が立ち並び、小学校もあるため、同市農林整備課は「人身被害の恐れもある」として注意を呼びかけている。同課によると、9日午後9時ごろ、同市中野の道路でクマが歩いているのを通行人が見つけた。通行人が車で追跡したが、クマは付近の畑に入り逃走した。翌10日午前8時45分ごろ、市職員と猟友会大野支部の捕獲隊員計3人が、近くの畑でクマの足跡を発見。さらに付近を捜索し、同午前10時10分ごろ、赤根川の堤防近くでクマが食い散らかした柿や栗が見つかった。クマの姿は発見できなかったという。クマが見つかったのは、市役所や越前大野城がある中心市街地から北に約1.5キロ離れた集落で、新旧の比較的大きな民家が立ち並び、各戸の間に畑が広がっている。小学校や保育園もあり、南側は県道と接している。夜間は人通りが少ないという。クマが栗を食い散らかしたのは、集落から西側の赤根川を渡り、県道から10メートルほど離れた民家の敷地。背丈の低い栗の木が数本あり、根元に器用にむかれたいがや、かじられた実が散乱していた。隣に住む男性は「昨晩は物音に気付かなかった。こんな人里に出てくるとは、山中に全く食べ物がないのかね」と首をかしげていた。
(イノシシ捕獲頭数増加:広島)
呉市内でイノシシの捕獲頭数が増えている。本年度は8月末までの5カ月間に約1500頭で、合併後最多だった2008年の年間2575頭を大きく上回るペース。農作物被害が続く場合に設置が認められるわな捕獲が大半で、殺処分をするしかないのが現状だ。灰ケ峰のふもとの栃原町で8日、農道脇の竹やぶに仕掛けたわなに体長1メートル、体重70キロほどの雌がかかった。猟友会員でつくる市有害鳥獣捕獲班が殺処分。近くの農業堂本徳男さん(63)は「田畑だけでなく、墓地もほじくり返す被害も出て手に負えない」と話す。本年度は月別で7月に最も多い474頭を捕獲。市によると、子連れの雌が餌を求めて歩き回る時季で例年も捕獲が多いが、本年度の増加の理由は明確には分からないという。市農林振興課によると、捕獲頭数は市内全域で増え、半数近くを音戸、倉橋の両町が占める。本年度の農作物の被害状況はまとまっていないが、田畑や耕作放棄地の果樹園などが荒らされ、これまで少なかった明るい時間帯や本来は嫌うアスファルトで舗装された市街地付近での目撃も増えているという。餌を求めて人里に下りないよう、市は補助金を出して田畑周辺への防護柵設置を呼び掛けている。それでも被害が減らない場合、市から有害鳥獣捕獲の許可を得て、狩猟期間(11月15日~2月末日)外に限り捕獲わなが使える。

TOPへ

10/10
(かみつきサルをついに捕獲:静岡)
県東部で住民がサルに襲われる被害が多発している問題で、三島市川原ケ谷の民家で10日午後、襲ったとみられる1匹が捕獲された。同市では10日午前に住民3人がサルにかまれたものの、捕獲後は目撃情報がないため、市は「同一犯」とみている。サルを自宅に閉じ込めた一家に懸賞金20万円を出す予定。同市や三島署によると、サルは午後0時40分ごろ、民家の2階ベランダから侵入。この家の男性らが子ども部屋に閉じ込め、当局に連絡した。駆け付けた三島署員と市職員が捕獲作戦を展開。子ども部屋のクロゼットから飛び出してきたサルの首と背中を署員らが手づかみし、おりに入れた。おとなしく丸まっているといい、市の施設で預かり、処分を決める。市によると、県東部で8月下旬以降、117人がサルにかみつかれたり引っかかれたりする被害を受けた。複数のサルの目撃情報もあったが、市はかみついたのは1匹とみている。
(シカが市街地に出没、捕獲作戦失敗:山梨)
甲府市街地の濁川河川敷で9日、シカが出没し、警察官や市職員計約20人が約6時間、捕獲に奮闘したが失敗した。南甲府署などによると、午前10時20分ごろ、甲府市の城東大橋付近の住民から「濁川にシカがいる」と110番があった。市職員らが「あっちに行ったぞ」「こっちに追い込め」など声を掛け合い、網のわなで捕獲を目指したが、シカは逃走。午後5時ごろに捕獲を断念した。その時点で被害は確認されていない。市森林整備課によると、シカは体長1・5メートルで、雄の成獣。甲府市内でシカの出没は少ないが、今夏には、市立山城小(同市上今井町)付近でも目撃情報があった。飯島敬良課長は「シカは追い込まれなければ、人を襲うことはない。近寄らず、刺激を与えないでください」と話している。
(ニワトリ死骸15羽、クマに食い荒らされる:山形)
10日午前7時10分ごろ、小国町樽口で、ニワトリを飼育しているビニールハウスのネットが破られていると、所有者の男性会社員(49)が小国署に通報した。ニワトリ15羽の死骸(しがい)が周囲に散乱していた。現場に残されていたつめ跡などから、同署はクマに食い荒らされたとみている。同署によると、ビニールハウスは2棟あり、ニワトリ計130羽が飼育されている。男性が午前6時ごろ、1棟のネットが破られているのを確認。周辺には15羽の死骸が散乱し、クマのつめ後やふんがあった。
(ツキノワグマを捕獲:和歌山)
印南町で絶滅の恐れのある希少動物のツキノワグマが捕獲されました。和歌山県によりますと、ツキノワグマが見つかったのは印南町川又(かわまた)地区で、きのう(9日)夕方、くくりわなにかかっていると警察から連絡がありました。けさ(10日)専門家が調べたところこのクマは体調1メートル20センチ、体重65キロのメスで、識別用に付けられた札から、5年前の2005年12月に日高川町で保護されたツキノワグマと確認されました。体調は良く、警察や印南町と協議したうえでツキノワグマは山に返されました。1998年度以降、県内でクマが捕獲されたのはあわせて5頭で、最近では今年6月に日高川町で捕獲されていますがいずれも山に返されています。和歌山県によりますと紀伊半島のツキノワグマの生息数はおよそ180頭で、そのうち和歌山県内にはおよそ20頭いるものと推定されています。ツキノワグマは環境省レッドリストで 「絶滅の恐れのある地域個体群」や和歌山県のレッドデータブックで「絶滅危惧Ⅰ種」にそれぞれ位置づけられている希少動物で、三重県と奈良県それに和歌山県では狩猟は禁止されています。
(クマ2頭殺処分:山口)
県は9日、岩国市錦町広瀬でツキノワグマのメス2頭を捕獲したと発表した。8月下旬以降、錦町での捕獲は延べ10頭となり、住民の不安が強いため殺処分された。県自然保護課によると、8日午前6時半ごろ、ハチミツを餌にし、山すそに設置された箱わなにかかっているメスの子グマ(体長90センチ、体重15キロ)を市職員らが発見。9日午前6時半ごろには、子グマの隣に設置した同様の箱わなに、母グマとみられるメスの成獣(体長132センチ、体重48キロ)がかかっているのを市職員らが見つけた。近くでは9月下旬からクリ林に被害が出ていた。県内のクマの捕獲は今年度24頭となった。
(国道でトラック衝突、クマ死ぬ:福島)
8日午後10時20分ごろ、猪苗代町翁沢字浮り場の49号国道で、男性(23)の中型トラックがクマと衝突した。トラックは左前部が破損したが男性にけがはなかった。クマは死んだ。猪苗代署の調べではクマは体長約90センチ。現場は猪苗代湖沿いの国道で、郡山市方面から会津若松市方面へ走行していた男性が道路左側から路上に飛び出したクマを発見。避けようとしたが間に合わず、衝突したという。
(ツキノワグマ、07年度以降最多出没:福井)
ツキノワグマが県内の人里に出没した件数が、4月以降の集計で237件(7日現在)に達し、この4年間で最多の年となっている。出没件数は9月から急増し、県は「今月中旬がピーク」と注意を呼び掛けている。県自然環境課によると、年間のクマの出没件数は2006年度が1553件と異常な大量出没だったが、07年度以降は落ち着き、200件を超える年はなかった。10年度は9月に100件が加わって215件となり、今月も7日までで22件の出没を確認している。地域別にみると、奥越が全体の34・2%を占め、嶺南の33・3%が続く。県によると、今秋はクマの餌となる奥山のドングリ類が不作で、クマが行動範囲を人里まで広げているようだ。同課は、人身被害を予防するため▽早朝、夕方・夜のジョギングや散歩に気を付ける▽山林の散策は避け、もし入るならクリなど木の実のあるところは歩かない▽遭遇したらゆっくりと後退する-ことを呼び掛けている。

TOPへ

10/9
(広州アジア大会、開幕まで1カ月)
4年に1度の国際総合大会、第16回アジア競技大会の開幕まで1カ月となった。11月12日から27日まで中国広東省の省都、広州で45カ国・地域が参加し、五輪の規模をはるかに超える史上最多の42競技、476種目を実施。囲碁などが新採用されるなど、話題豊富な大会になる。市原則之団長が率いる日本選手団も史上最多の1081人に上り、さらにクレー射撃女子2選手が追加される見込み。各選手にとって2年後のロンドン五輪に向けた重要な試金石になる。
(サルにかまれ住民2人軽傷:岩手)
北上市和賀町で7日午後、住民2人が相次いでサルにかまれる被害に遭った。ともに軽傷だったが、市は有線放送を通じて周辺住民に注意を呼び掛けた。同日午後1時10分ごろ、同市和賀町岩崎の農業女性(58)が自宅の庭で、背後から突然、サルに襲われて背中2カ所をかまれた。けがは歯形がついた程度。北上署によると、サルは体長約60センチで、女性の家族が6日にも付近に出没したのを見たという。また同2時すぎ、市職員が現場に行ったところ、隣家の男性も背後からサルに襲われ、背中や腕をかまれた直後だった。サルが近くにいたため、市職員が花火で追い払ったという。
(イノシシにかまれ女児けが:愛媛)
7日午後2時50分ごろ、今治市喜田村6丁目の市道で、下校途中の小学1年女児(7) がイノシシに左手をかまれた。女児は約1週間のけが。イノシシはその後、同市富田新港1丁目の日本食研本社工場の敷地内へ逃げ込んだが、午後6時10分ごろ、今治猟友会員や今治署員らが捕獲した。同署によると、イノシシは体長約1メートルの雌。捕獲には、同署や市職員ら約30人があたった。イノシシが逃げ込んだ工場は周囲約1キロと広く、見つからずに午後5時にいったん捜索が打ち切られた。だが、その後、正門わきの格子に頭を突っ込んで動けなくなっていたイノシシが発見され、地元猟友会員らがロープを使って捕獲した。同社社員の赤嶺直哉さん(30)は「夜を越さずに捕まってよかった」とホッとした様子だった。
(「ハナちゃん」がクマ撃退:富山)
8日午後5時25分頃、富山県魚津市大海寺野で、散歩中の男性会社員(57)がツキノワグマ2頭に遭遇し、追いかけられたが、一緒にいた雌犬が追い払い、飼い主を助けた。犬は、体長約1メートルの「ハナちゃん」で、ハスキー犬の母と小型犬の父の間に生まれた10歳の雑種。男性によると、自宅裏山の斜面で親子グマ2頭を発見。男性が走って逃げながら、ハナちゃんの引き綱を手放したところ、果敢にクマに向かって走り出した。クマは山の奥へ逃げ去ったという。男性は3日朝にも同じ場所でクマ2頭と遭遇していた。ハナちゃんは、ほえずにクマに突進したといい、男性の妻は「母犬に似て、めったにほえないが、気性は強い」、男性は「おかげで命拾いした」と話していた。
(ガスガン違法所持で男逮捕:長野)
人を傷つける能力のあるガスガンを違法に所持していたとして、長野県の無職の男が警視庁に逮捕されました。銃刀法違反の疑いで逮捕されたのは、長野県軽井沢町の無職・高林安一容疑者(59)です。警視庁によると、高林容疑者は6月、インターネットオークションなどで購入したガスガン6丁を許可なく自宅で持っていた疑いが持たれています。これらのガスガンは人を傷つける能力がある「準空気銃」に分類され、2006年の銃刀法改正で所持が禁止されています。警視庁の調べに対し、高林容疑者は「処分しなければいけないのは分かっていたが、もったいないので持っていた」と容疑を認めています。
(植物保護と捕獲並行で:北海道)
標津町は新たなエゾシカ対策として、9月から樹木の苗木を囲った柵の周囲にわなを仕掛け始めた。1カ月で雌2頭を捕獲し、植物の保護とシカの捕獲を並行して行う「標津方式」として確立させたい考えだ。これまで町は町内各地に苗木を植えてきたが、シカに新芽を食べられるケースが多かった。このため通常の駆除に加え、わなで捕獲の増加を目指す。今回は標津川沿いに2009、10年の町植樹祭で植えたミズナラやヤチダモなど4750本を全長600メートル近い柵で囲った。面積は1・9ヘクタール。柵は高さ2・5メートルでカラマツ間伐材を利用した支柱を5メートル間隔で打ち込み、専用ネットと価格の安い防風ネット、再利用した漁網の3種類を張り、周囲にくくりわなを4カ所設けた。事業費は109万円で、うち57万9千円は林野庁の補助を受けた。町が野生動物対策を委託しているNPO法人、南知床ヒグマ情報センターの職員がほぼ毎日現場を巡回する。しかし課題もあり、3種類の網のうち、専用ネット以外は計37カ所裂かれ、補修を余儀なくされた。町農林水産課は「今後は個人でこうした取り組みを実施できるようにしていきたい」と話す。来年の植樹祭で植える分も同様に囲う予定だ。
(クマやイノシシ出没急増:兵庫)
兵庫県は8日までに、「野生動物の出没に関する警報」を発令した。警報という形で注意を促すのは初めて。今年はクマやイノシシに襲われたり、シカやサルなどによる農作物被害が県内各地で相次いだりしているためで、県は「秋の実りのシーズンを迎え、山中に入る機会が増える。十分に注意を」と警戒を呼びかけている。県農政環境部によると、これまでも県は、野生動物が出没した際、関係団体などに文書で注意を促すなどしてきた。しかし、今年は出没情報が異常に多いため、異例の「警報」を出して、住民や関係者に強く警戒してもらうことした。警報は、クマ出没の対策として、山林や夜間の外出時に音の出るものを携行する▽柿の実などの早めの収穫▽生ごみの屋外保管や収穫残の農作物の放置禁止‐を呼びかけた。また、イノシシ出没の防止策として、雑草の刈り取りなど隠れ場所となる茂みの除去▽人慣れを誘発する餌やりの禁止‐などを徹底するよう注意を喚起。出没情報がある市町や農林関係団体の会議などでの周知を求めている。今年は山中のブナの実が6年に一度の「大凶作」、コナラ、ミズナラの実が3年に一度の「凶作」という。餌が不足しているため、人里に下りてくる野生動物が急増しているとみられる。県森林動物研究センター(丹波市)によると、8月末現在のツキノワグマの目撃・痕跡情報は378件と2001年以降、同時期比で過去最多。9月も100件以上の報告が寄せられている。人身事故が4年ぶりに起きており、香美町で8月2日、男性が負傷し、豊岡市でも9月18日、農作業中の男性が襲われた。
(クマ多発警報:富山)
クマの出没が相次いでいるとして魚津市は8日、市内全域にクマ多発警報を出しました。魚津市では今月4日に海岸に近い住吉地区で親子とみられるクマ2頭が目撃されるなど、今年は7日までにクマの目撃・痕跡情報が71件寄せられています。人里にクマが出没するようになったため、人身被害の発生が懸念されるとして市は8日、市内全域にクマ多発警報を出しました。魚津市内では8日も北陸自動車道近くの舛田地区周辺で子グマ1頭が目撃されました。市は今月13日に緊急対策会議を開いてクマ対策本部を立ち上げ、出没時の連絡体制や対応などを話し合うことにしています。
(市役所にアライグマ:兵庫)
8日午前7時頃、兵庫県明石市役所2階の外階段踊り場で、巡回中の警備員が、雌のアライグマ1頭(体長約50センチ)を発見。農水産課の職員や地元猟友会のメンバーら3人が網で捕獲しようとしたが逃走し、約1時間半後、庁舎南側で“御用”となった。けが人などの被害はなかった。同課によると、アライグマは月1回ほど、市内の畑や市街地などで目撃情報が寄せられているという。同課は「見た目はかわいいが、触らずに市に通報を」と呼びかけている。

TOPへ

10/8
(狩猟を補助金対象に、頭数制限も見直し:滋賀)
県は今年度から始めたシカ駆除の補助金について、狩猟による捕獲も対象とする検討を始めた。狩猟者1人につき1日5頭までの頭数制限も12年度以降の撤廃を検討する。いずれも今年度末までに結論を出す見通しだ。県は現在、「琵琶湖森林づくり県民税」を基に年間約5300万円を予算計上。禁猟期などの有害鳥獣駆除事業としてシカ1頭あたり1万~1万4000円を市町を通じて支払っている。一方、狩猟は補助対象外で、県内では高島市が国から1頭あたり1万円の助成を受けているだけだった。しかし、国の助成で湖西地域の駆除頭数が3倍以上に増え、今年度で助成が終わるのに伴い、狩猟による捕獲も補助対象として検討することにした。県内のニホンジカはこの10年間で急増。駆除しなければ毎年1・27倍に増えるとされる。農林業の被害も深刻化しており、県は現在約2万9000頭とされる県内のシカを来年度末までに1万頭に減らしたい考え。県自然環境保全課は「個人の趣味である狩猟に補助金を出すことに違和感もあったが、狩猟期間の方が効率よく駆除できる。前向きに検討したい」と話している。
(車庫のひさしに赤ちゃんグマ:新潟)
7日午前9時15分ごろ、南魚沼市島新田の男性から「小さな熊が1頭歩いている」と110番通報があった。南魚沼署や市の職員が駆けつけたところ、体長50センチほどの黒い子熊が、木をつたって近くの製造業阿部芳郎さん(43)方の車庫のひさしまで登り、下りられなくなっていた。子熊は午前10時ごろ、猟友会関係者が素手で捕獲。衰弱していたため、同市美佐島の六日町動物病院に運ばれた。診察した小宮山毅院長によると、生後数カ月の赤ちゃん熊とみられ、けがはない。ひどくおびえた様子だが、ドッグフードを食べたという。子熊は8日、胎内市の市営樽ケ橋遊園に引き取られる。
(ガラス割ってクマ侵入:長野)
7日午後1時20分ごろ、白馬村の「和田野の森ビジターセンター」で、クマが同センター南側出入り口のガラスを割って施設内に侵入するのを観光客が目撃し、同村役場に通報した。大町署によると、クマはその後、施設北側の出入り口のガラスを割って施設外に出た。体長は約1メートル50センチ。施設は現在閉鎖中で、けが人はいなかったという。大町市内では、人家周辺での目撃情報が相次いでいる。このため同市は7日、今年2度目のクマ出没警戒警報を出した。キノコ狩りで里山に入る機会も多く、注意を呼びかけている。同市内では先月14日、運動公園内でクマに引っかかれけが人が出るなど2件の人身被害があり、同15日、初めてのクマ出没警戒警報を出した。同27日に解除していた。
(熊被害防止へ対策会議:岐阜)
ツキノワグマの目撃が相次いでいる飛騨市で7日、被害防止対策会議が開かれた。市や警察、地元猟友会の約20人が出席し、人里に熊が出没した場合は捕獲して被害を防止するほか、市や猟友会、警察などが連携したパトロールの実施を確認した。同市内では4月から今月にかけて約150件の目撃情報があった。特に9月以降が半数以上を占めており、同17日にイノシシ捕獲用のわなにかかった熊を山に放そうとした猟友会の男性が大けがしたり、今月6日には同市古川町の建設会社事務所兼市民ギャラリーに成獣が入り込んだりする被害が相次いでいる。県によると、今年は餌となるドングリが凶作で熊が山里に下りてくる可能性が高い。このため、対策会議では、住民への広報の強化や畑などに柿やリンゴ、野菜などの未収穫物を残さないようにするなどの自己防衛策の必要性も指摘された。
(被害防止に全力:福島)
6日に「クマ出没警報」を発令した西会津町は同日、町役場でクマ被害防止緊急対策会議を開き、町や関係機関が連携して被害防止に取り組むことを決めた。新たな全町対策として小中学生全員へ「クマ鈴」を配布。町ケーブルテレビは啓発番組を放送する。また、防災無線広報を朝、昼、夜の3回流し、住民へ注意を促す。重点地域の野沢地区では、町有害鳥獣捕獲隊による捕獲活動、被害多発地域へのPRなどを進めていく。参加者からは、緊急時における県の捕獲許可の迅速化やクマを遠ざける被害対策機器設置などの要望、提案が寄せられた。町と町猟友会は近く、例年の傾向などから出没が予想される場所、ルートを地図にまとめ、住民へ情報提供する方針。
(クマ警報、明け方・夕方とくに注意:富山)
ツキノワグマの出没例が急増しているのを受け、富山市は7日、市内の大沢野、大山、八尾の3地域と、富山地域のうち池多、熊野、月岡の3地区に出没警報を出した。県内で人がクマに襲われる被害が多発した2006年以来の発令。朝夕を中心に、市職員や警察、消防などによるパトロールを強化、必要に応じて、わなや注意を呼びかける看板の設置を増やす。森雅志市長と市の関係部局担当者が7日に開いた「緊急熊対策会議」で決めた。県自然保護課によると、今年に入って県内でクマを目撃したり痕跡を見つけたりした出没情報は6日までで420件。過去5年間では06年に次ぐペースで、県は9月28日に2度目の注意情報を出した。県内で出没情報が最も多い富山市では9月に52件あり、10月に入ってすでに30件にのぼる。9、10月の出没情報のうち8割近くが、本来はクマが生息していない、山際の人家近くや集落など人里でのものという。今年はコナラやミズナラの実が不作で、民家や隣の畑にあるカキの木が折られたり、木につめ跡を見つけたりする例が多い。時間帯は明け方と夕刻が多いという。市は今月中旬から、警報を発令した地域で、青色回転灯を載せた車を重点的に走らせるパトロールを強化する。すでに、わなを14基、注意看板を50枚設置しているが、増設する予定という。
(クマよけグッズ売れてます:石川)
石川県内でクマ出没が相次ぎ、県が2006年以来4年ぶりに「警戒情報」を出す中、アウトドア用品店で鈴や撃退スプレーなど「クマよけグッズ」の売れ行きが伸びている。今年は市街地での出没が目立つことから、子どもの安全確保のため買い求める保護者の姿も見られ、購入者は登山やキノコ採りなどで山に入る人以外にも広がっている。金沢市のモンベル金沢店の一角には、鈴や笛、トウガラシ成分入りのクマ撃退スプレーが並ぶ。先月に出没情報が多発してからクマよけグッズを買いに訪れる人が増え、千円前後の品を中心に鈴が一日十数個売れる日もある。同市大桑町などこれまで例のない市街地で出没していることを背景に、子どものランドセルなどに付けるため鈴を買い求める人もいるという。同市の好日山荘金沢西インター大通り店によると、「山に行くわけではないが、今年は街中に出ているので」と鈴を求める人が訪れ、先週には一時品薄状態になった。約1万円のクマ撃退スプレーも例年より売れており、こちらは土木関係などの仕事で山に入る人が購入していくという。県自然保護課によると、県内では今年1月から10月6日までに146件の目撃情報があり、06年の164件に次いで多い。同課は、既にクマが出没したり、出没が予想される地域ではクマの活動が活発になる早朝と夜間の外出を控えてほしいとした上で「外出する場合は鈴やラジオなど音の出るものを携行し、クマに人間の存在を気付かせてほしい」と呼び掛ける。
(猟銃安全指導委員、63人に委嘱状:栃木)
猟銃による事件や事故を防ぐために新設された「猟銃安全指導委員」の委嘱状交付式が6日、県警本部であり、警察署長から推薦を受けたベテランの猟銃所持者計63人に委嘱状が交付された。長崎県佐世保市で07年12月、男が猟銃を乱射した事件などを受け改正された銃刀法で新設された制度。委員の任期は2年間で、銃所持者への助言や狩猟期間(11月15日~2月15日)中に狩猟区域で巡回などを行う。式で、県警の相馬誠生活安全部長は「豊富な経験を生かして、警察では気付かないきめ細かい指導をお願いしたい」とあいさつ。委嘱状を受け取った黒川昭一さん(66)は「事故、違反、盗難による事件がないように、所持者に指導を徹底していきたい」と話した。
(駆除したイノシシやシカ、いっそ名物に:福岡)
有害鳥獣として駆除したイノシシやシカを食肉に加工する施設が添田町に完成した。11月にも町内で販売を始める。同様の施設はみやこ町に次いで県内2カ所目といい、農作物やスギの苗などへの食害を防ぐとともに、肉の販売を町の名物にする考えだ。施設は町民や町職員でつくる「英彦山ジビエの会」がボランティアで運営する。イノシシやシカを持ちこめるのは有害鳥獣の駆除にあたる狩猟者のみ。ロースやバラ、ヒレなど部位別のブロックを真空パックにしたり、スライスやミンチにしたりする。出荷先としては、町内の道の駅「歓遊舎ひこさん」や宿泊施設、ホテルなどを検討している。町では16、17日にそえだサン・スポーツランドである「ふる里まつり」に、イノシシ肉のつくねやシカ肉のハンバーグなどを出品するほか、料理法を探るシンポジウムを12月に開催してPRする。町によると、イノシシ、シカを含めた有害鳥獣の2008年度の農林業への被害額は約3100万円に及ぶ。これまでは肉を加工する場所がなかったため、多くを埋却処分していた。寺西明男町長は「高たんぱく低カロリーで、きちんと処理すれば臭みも消え、おいしい食材になる。食害被害対策が発端だが、地域活性化にもつながる」と期待を込める。

TOPへ

10/7
(ニホンジカ捕獲、大幅増へ:宮城)
牡鹿半島のニホンジカが増え続け、生息範囲が拡大していることから、石巻市と女川町の「牡鹿半島ニホンジカ対策協議会」は6日、今年度の捕獲頭数を1500頭と、昨年度の1000頭から大幅に引き上げる捕獲計画を決めた。11月から適用する。これまで総数の6割以上としたメスの捕獲も無制限にする。同半島のニホンジカ生息数は数千頭前後と推測され、ここ2、3年は同半島以外の同市稲井、雄勝、河北、桃生各地区でも目撃情報や農作物被害が広がっている。このため、県が策定した「ニホンジカ保護管理計画」の捕獲頭数1000頭を、1500頭に見直している。この日の臨時総会では、狩猟で800頭、有害駆除700頭の計1500頭に決めたうえ、「ニホンジカの過密による山の荒廃が、沿岸の養殖業へも影響している」「対策が後手。抜本策を考える時期」などの意見が出された。両市町の農作物などの被害額は、2007、08両年度は約3400万円だったが、09年度は約5300万円と増加。車との衝突による交通事故も07年度33件、08年度54件、09年度は112件と大幅に増えている。人身事故はないが、「当て逃げされた分を含めると相当数あり、泣き寝入りした話も聞いている」という。市農林課では「全体的に頭数が増えており、険しい山中よりも餌を求めやすい人家に近い里や田畑にも広域的に進出するようになった」と分析している。同半島で環境に影響を及ぼさない生息密度は1平方キロ・メートル当たり3~5頭とされるが、これまでの調査でこの30~50倍にも上っていることが判明している。
(クレー射撃場完成祝う:富山)
南砺市クレー射撃場のオープン記念式は6日、同市才川七の現地で行われ、市や県の関係者ら約100人が競技振興の新たな拠点完成を祝うとともに、クマやイノシシなどの有害鳥獣対策として、捕獲の担い手となる猟友会員の技術向上、後継者育成につながることに期待を寄せた。同射撃場は県が1985(昭和60)年に設置し、2000年とやま国体の会場にもなった。01年に場外で土壌の鉛汚染が見つかったため閉鎖となり、05~09年に汚染土壌の掘削や搬出処理を実施、今年4月に県から市へ無償譲渡された。射撃場は敷地面積約2万平方メートルで、トラップ、スキートの射場を各1面備える。市は国の鳥獣害防止総合対策事業の助成などを受け、鉛散弾飛散防止ネットの整備や着弾地点のアスファルト舗装などを行った。総事業費は1億3485万円。記念式では田中幹夫市長が「県内外から多くの方に利用される施設を目指したい」とあいさつ、植出耕一副知事、北陸農政局の相馬厚司次長、且見公順市議会議長、河合常則県クレー射撃協会長が祝辞を述べた。続いて、同協会員の選手が撃ち初めを行った。営業は7日からで、砺波市の庄川自動車が指定管理者として運営する。
(のぞみ緊急停止、イノシシと衝突か:山口)
5日午後0時55分頃、山口県下松市切山の山陽新幹線新岩国―徳山駅間で、東京発博多行き「のぞみ17号」の運転士が「ドン」という異音に気づき、緊急停止した。JR西日本によると、車両先端部に動物のものとみられる白い毛と血痕が、縦約20センチ、横約30センチにわたって付着していたという。死体などは発見されなかったが、JR西日本は体毛などから「イノシシではないか」としている。この列車は約17分後に運転を再開。計上下線3本が遅れ、約1400人に影響が出た。
(70歳男性がクマに襲われ、大ケガ:山形)
6日午前6時ごろ、山形・米沢市の我妻喜一さん(70)がクマに襲われ、顔や腰などをツメで引っかかれ、左目や鼻骨などに大ケガをした。米沢市などによると、近くに仕掛けていたワナに子グマが掛かっているのを見つけ、猟友会に知らせに行って再び戻ったところを親とみられるクマに襲われたという。
(建設会社事務室にクマ:岐阜)
6日午後1時20分ごろ、岐阜県飛騨市古川町朝開町にある建設会社の事務室にツキノワグマが侵入した。室内にいた社員3人は裏口などから逃げ、けがはなかった。県警飛騨署によると、クマは体長約1.5メートルの雄で、約1時間後に猟友会メンバーにより射殺された。同署によると、クマは開放された正面扉から室内に侵入。扉を閉めて閉じ込めると、興奮して窓ガラスをたたいたり、テーブルをひっくり返したりして暴れたという。同社は「室内はめちゃめちゃ。壁にもつめ跡が残り、パソコンや併設の展示室の作品も被害に遭った。しばらく作業ができない」と話している。
(クマ大量出没で対策会議:福井)
今秋、クマの大量出没が懸念されていることを受け、小浜市は5日、県や県警、猟友会などと協力して「ツキノワグマ出没対策会議」を発足した。同市が外部も巻き込んでクマの対策機関を設けるのは初めて。今年は山中で餌となるドングリなどが不作で、クマが大量出没した06年の状況に近い。同市でも今年度に入って27件(昨年同期4件)の目撃情報が寄せられている。会議では、人的被害の予想される場合の対応について、手順や必要な連絡先の情報を出席者で共有した。出席した猟友会員から、「長年猟をしているが、初めてクマがシカを食べているところを目の当たりにした」との生々しい証言もあった。井上崇・市農林水産課長は、「蜂の巣や収穫予定のない柿、クリの実はクマを誘引するので、早めに撤去する必要がある。山に近づくときは音を出し、接近をクマに知らせてほしい」と注意を呼びかけていた。
(3人がサルにかまれけが:静岡)
富士宮市東部地区で相次いでいるサル被害、富士市で6日午後5時までに6歳の男の子を含む3人がかまれけがをした。いずれもけがは軽い。被害が出た近くの保育園では運動会の練習場所を急きょ室内に変更するなどした。
(キジ200羽、一斉に解き放つ:佐賀)
野生鳥獣の保護・繁殖を願い、NPO法人「県射撃と狩猟振興会」(渡島一三会長、60人)は6日、ニホンキジのつがい計200羽を鹿島市など県内4カ所で放鳥した。11月15日の狩猟解禁日を前に、県の委託を受けて毎年実施。鹿島市、嬉野市、白石町、太良町の鳥獣保護区で、若鳥50羽ずつを放った。このうち鹿島市の放鳥は、祐徳稲荷神社近くで実施。鳥獣保護員が立ち会い、同会メンバーらがコンテナのふたを開けると、生後150日前後になるキジが羽音を響かせて一斉に野山へ飛び立った。同振興会の伊東主夫事務局長は「毎年放鳥しているが、キジの数は減少している。タヌキやカラスなどの天敵から逃れ無事に増えてほしい」と話した。今回分を含め、1987年からの延べ放鳥数は1万900羽になるという。

TOPへ

10/6
(クマ出没急増、今年度416件2人けが:宮城)
ツキノワグマの出没が急増している。クマは冬眠前の11月中旬ごろまで活動するといい、県によると、今年度の出没件数は08年度の428件を超える勢いで、このままのペースでは異常に多かった06年度に次ぐ出没件数になるとみられる。農作物被害も深刻で被害額は09年度の2倍に増える見通し。けが人も2人出た。専門家は「今年はブナの実が凶作だったため、餌を求めて人里に下りている」と指摘する。秋はクマが“食いだめ”する季節で食欲が旺盛になるため、県は注意を呼び掛けている。「定義(じょうぎ)山」として親しまれる仙台市青葉区大倉の西方寺。この秋は寺のクリ林が狙われている。「クマは大きく実ったものから食べていく。せっかく手入れして育てても我々はクマのおこぼれしかいただけない」。寺の相談役、庄司透さん(63)は苦笑する。クリ拾いを楽しみにしている参拝客も多く、寺は市に対策を依頼した。県自然保護課によると、今年度のツキノワグマ出没件数は416件(1日現在)で、早くも08年度の428件を超える勢いで増えている。夏から晩秋にかけてツキノワグマの活動は活発になることから、8月に132件、9月に101件の目撃情報が寄せられた。人里に下りたクマは、家畜飼料のトウモロコシや野菜、果物を食い荒らすことが多い。県農産園芸環境課によると、目撃情報が670件あった06年度の農作物被害額は2995万円に上った。例年はイノシシの被害が目立つが、06年度はクマ被害がイノシシ、サル、シカを抑え最も大きかった。今年度のクマの被害も深刻で、09年度の被害額402万円の「2倍近くまで増えるかもしれない」(同課)という。農作物だけでなく、人に危害を加える恐れもある。今年度は9月に仙台市青葉区作並と加美町で男女計2人が人里でクマに遭遇し、つめでひっかかれ軽傷を負った。人身被害は07年度の0人、08、09両年度の1人を既に上回っている。クマの主食はたんぱく質や脂肪が豊富なブナの実。独立行政法人・森林総合研究所東北支所(盛岡市)の研究によると、人里でのクマの出没数はブナの実の豊凶作と関連しており、凶作の年は多くなる。大西尚樹主任研究員(動物生態学)は「今年度は東北全域で凶作だったためクマの出没が増えた」と分析している。県自然保護課によると、今年の凶作には記録的な猛暑の影響もあるという。大西氏によると、ツキノワグマは「本来は臆病(おくびょう)な動物」。北海道のヒグマが肉食に近い雑食であるのに対し、ツキノワグマは草食に近い。遭遇した場合は、無理に追い払おうとするのではなく、背中を向けずにゆっくり後ずさりする方法が安全という。また、ガソリンや灯油のにおいはクマを引き寄せるため、取り扱いには注意が必要という。
(羽咋・旧射撃場鉛汚染、土壌処理にメド:石川)
鉛汚染のため閉鎖された羽咋市旧散弾銃射撃場で、周辺住民が長年求めてきた土壌処理対策が本格的に始まった。国の緊急雇用創出交付金事業から2年間で約2億8千万円の予算が出ることになり、市も1億5千万円をかけて汚染された汚染土の搬出処分をする。発覚から7年、懸案解決のメドは立ったが、財政への影響など市が支払うツケは大きい。志賀町と境を接する同市滝谷町。一般の人は立ち入り禁止となっている旧射撃場では、作業員10人ほどが散弾に使われた鉛玉の回収や選別作業に汗を流していた。旧射撃場は1980年、91年の石川国体に向けて開設。約6万4千平方メートルの敷地にクレー射撃の「トラップ」「スキート」2種目の射場があった。2003年、市は「敷地内の排水から国の環境基準(1リットルあたり0・01ミリグラム以下)の24倍の鉛が検出された」と公表。射撃に使った鉛玉が溶け出したとみられた。ただ、敷地の下流にある志賀町坪野地区の農業用水などは基準値以下だった。射撃場は07年度末で閉鎖された。市はその後、水路の出口に汚染浄化施設を設置するなどの対策を講じる一方、鉛の土壌への浸透具合などを調査し対策を検討。09年度から国の緊急雇用交付金約1700万円を使って、「人海戦術」で鉛玉などの回収を始めた。9月市議会では「大幅に前進する対策」(環境安全課)として汚染土の処分費に市費7572万円(今年度分)を充てる予算を可決した。汚染された土を深さ約30センチまで掘り、秋田、新潟両県に運んで埋め立てやセメント原料にリサイクルするという。また、鉛玉などを回収する緊急雇用交付金は今秋、当初予定より9500万円増額された。備後(びんご)克則・市環境安全課長は「これで鉛玉の回収が本格的に進み、汚染土の処分と合わせ、住民の不安が大幅に解消できると思う」と話す。一方、約40戸が稲作などをする坪野地区では、発覚以来、鉛と汚染土の完全撤去をたびたび要請してきた。区長の坂井恵輔さん(57)は工事開始を歓迎しながら、「計画通りに2年間できちんとやってほしい」とする。約1億5千万円の市費投入は赤字が続く市財政にとっては大きな負担だ。また、汚染土の撤去が終わっても、なお汚染を除去しきれない17%は立ち入り禁止区域として残り、環境調査などのため借地料も払い続けなければならないという。
(キノコ採り男性、クマに襲われけが:福島)
5日午後1時ごろ、西会津町野沢字四岐地内の山林でキノコ採りをしていた同町野沢の無職の男性(58)がクマに襲われ、頭と右手に軽いけがをした。男性は会津若松市の病院で手当てを受けた。喜多方署は現場付近で警戒・広報活動を実施した。
(キノコ採り男性がクマに襲われ重傷:青森)
4日午前11時20分ごろ、平川市碇ケ関の山中で、キノコ採りに来ていた黒石市の男性(58)がクマに襲われた。男性は足や手などをかまれ、右手の指を骨折するなど重傷。黒石署によると、男性は午前11時ごろに1人で入山。襲われた後は、自力で下山し通行人に助けを求めたという。現場は国道7号の湯ノ沢橋から南西約2キロの山中。
(市街地のクマ「撃ちたくない」:石川)
石川県は5日、県内でツキノワグマ出没が多発していることを受け、2006(平成18)年以来、4年ぶりにクマ出没の「警戒情報」を出した。今年は市街地への出没が目立ち、今後も出てくると予想される一方、駆除に当たる県猟友会からは、会員の高齢化の問題があり「市街地での発砲は不安がある」との声が漏れる。同日、県庁で開かれた緊急対策会議は、県警や関係市町、県猟友会から約30人が出席。中村義孝県自然保護課長が、県内では11月中旬までクマの出没が続くとの見方を示し、人身被害防止を要請した。県によると、県内では今年1月から10月4日まで140件のクマ目撃情報があり、過去5年間の同期比では06年の155件に次いで多い。金沢市では今月、公園内で男性がクマに襲われ重傷を負う例も起きている。会議で猟友会側が指摘したのは会員の高齢化。今年4月現在の会員数は679人で、1978(昭和53)年の2669人から約75%減少した。このうち、50歳以上が約8割を占める。秋田外喜雄副会長は「年を取って反射神経が鈍った。なるべくなら市街地で発砲したくない」と理解を求めた。市街地での発砲は流れ弾の危険がある。県などによると、狩猟法は公道上での狩りを禁じているが、人に危険が及ぶ場合は緊急避難的に駆除が行われているという。猟友会員が市街地でクマを駆除できない場合、麻酔銃を使い捕獲するが、麻酔銃の取り扱い資格を持つ県担当者は県自然保護センター(白山市)といしかわ動物園(能美市)に計5人しかいない。上馬康生同センター次長は「市街地に同時多発的に出没されたら対応できない。早急に職員一人が麻酔銃を使用できるようにしたい」と話した。
(餌不作、クマ遭遇ご用心:東北)
東北でクマの目撃情報が異常なペースで多発している。各県などによると、集計を終えている1~8月の届け出は計1442件に達し、既に昨年1年間の計1174件を突破。人里への出没はブナの実などの餌不足が原因とみられている。秋はクマが冬眠前の餌探しで動きを活発化させるため、専門家らは警戒を呼び掛けている。各県などによると、目撃情報の件数はグラフの通り。青森を除く各県で既に昨年1年間を上回り、岩手、宮城、秋田の3県で全体の8割近くを占める。出没場所は山のほか、人里や市街地も少なくない。盛岡市では7~8月、市動物公園にクマが現れ、3日間の休園に追い込まれたほか、同市北部の住宅街の民家の敷地などでも目撃された。仙台市西部でも7月、出没情報が相次ぎ、中には市秋保総合支所駐車場での目撃情報もあった。人身被害も相次いでいる。喜多方市の男性=当時(70)=は5月、同市の山林で山菜採り中に襲われ死亡。岩手県では1~8月で男女計12人が重軽傷を負った。東北6県でのクマによる死傷者数は1~8月で、計24人に上った。東北では8月末までに各県が前年同期とほぼ同数の計約440頭を有害捕獲しているが、9月に入ってもクマの目撃や、クマに襲われる被害は後を絶たない。福島県磐梯町の役場では27日、クマが玄関側面のガラスを突き破って逃げる騒ぎがあった。キノコ採りや農作業中の人がクマに襲われ、負傷する事故も各県で発生している。森林総合研究所(茨城県つくば市)の大井徹・鳥獣生態研究室長は「ドングリなどの餌不作が関係している可能性がある。食べ物が少ないと広範囲で行動し、里に下りることも多くなる」と分析する。東北森林管理局が8月に発表した福島県を除く東北5県のブナの結実予測では、秋田は「皆無」。青森、岩手、山形も「凶作」と芳しくなく、宮城は「並作」だった。元秋田県職員でNPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長によると、10月は大型のクマが出没する時期で、襲われた場合の被害は重傷になりやすいという。クマは警戒心が強いとされ、専門家や各県警は対策として(1)入山時は鈴やラジオなど音の出る物を携行し、自分の存在をクマに知らせる(2)遭遇したら大声を出さず、背中を見せないで離れる(3)食べ残しは持ち帰る(4)住宅の周囲に餌になりそうな生ごみを置かず、農作物は残さず収穫する―などを挙げている。
(クマの目撃件数過去最高:京都)
府は5日の府議会農林環境常任委員会で、今年4月から9月までのクマ(ツキノワグマ)の目撃件数が府北部を中心に919件にのぼり、これまで最高だった平成16年度の718件をすでに上回っていることを明らかにした。山の中でエサとなるドングリ類の不作が原因で、エサを求めて人里に出没しているとみられ、府では市町村にパンフレットを配布するなどして注意を呼びかけている。府によると今年はドングリ類が非常に不作という。ドングリ類の豊作と不作は隔年ごとに起きており、最近では、偶数年が不作の傾向。クマの目撃件数も、平成16年度、18年度、20年度が増えている。919件は4月から9月2日までの目撃件数。北部の丹後広域振興局管内の目撃件数がほぼ半数を占め、昨年度1年間の230件のほぼ4倍となる大幅増。府内のクマはDNA解析によって大きく2つの個体群に区別され、推定生息頭数は約300頭。由良川より西側の地域に生息するのが丹後個体群(約120頭)で、東側が丹波個体群(約180頭)。推定頭数に比べて目撃件数が多いのは、同じ個体が何度も目撃されていることが考えられるという。クマは府のレッドデータブックでは絶滅寸前種とされ、14年度からは特定鳥獣保護管理計画で、狩猟による捕獲が禁止されている。来年度には、その第2期の計画が終了することから、府ではこれまでの調査データをもとに計画の見直しを検討しているが、生息頭数の大幅な増加などがないかぎり、狩猟を解禁することはないとみられている。府では、クマがいる可能性のある山に入る場合は笛やラジオなど音の出るものを持ち歩き、もし出合った場合でもクマを興奮させずに、背中をみせずにそっと後ずさりして離れるような対応が必要としている。
(ロケット花火で宿敵サル撃退:滋賀)
滋賀県東近江市永源寺相谷町の住民が「ロケット花火」を使って、出没するサルを追い払う取り組みを2年間以上続けている。その結果、サルの行動域が集落側から山側に変化したことが民間調査会社の調査で分かった。サルを見かけたら住民が協力して一斉に追いかけ回す地道な活動が実を結んだという。取り組んだのは住民や市、県による永源寺東部地区鳥獣害対策協議会。相谷町には永源寺H群と呼ばれる40~100匹のサルの群れが出没し、瓦をはがしたり、畑の野菜を食い荒らしたりしていた。サルの行動域を調べるため、協議会は2008年1月から民間調査会社に依頼し、群れの2頭に発信器を付けて位置測定を始めた。ロケット花火の対策は同年5月から始めた。花火の音を聞けば周囲の人も駆けつけ、複数で追い回す。さらに必ず燃えかすを拾い、サルに近づいて徹底的に追い払った。調査会社のデータでは、最初の年度と比べ2009年秋は行動域が約2キロ山側に移動した。今若羊治協議会会長(57)は「だれでもできる簡単な方法。頻繁に行うことで出没回数が減った」と話す。市農林水産課によると、ロケット花火を使うのは一般的だが、相谷町は集落内に田畑が密集し、サルの出没地点が集中していたことや、サルが行動する日中にいる高齢者が積極的に参加したことで効果を挙げたという。同課の小泉和也主幹は「住民が継続して取り組んだことが大きい。追い払いを定着させ、サルに来てはいけない場所だと覚えさせることが重要だ」としている。
(キジ120羽を放鳥:熊本)
数が減っている国鳥・キジを保護、増殖しようと、県や県猟友会が、阿蘇地区で120羽を放鳥した。県猟友会小国支部員によると、風倒木被害で木材価格が下がり、山の手入れが十分に行き届かなくなった結果、キツネやタヌキなどが増え、キジが食べられることが目立つようになったという。放鳥は地区内の鳥獣保護区13か所で行い、阿蘇市乙姫の原野では、あそひかり幼稚園の園児10人が生後約半年のキジを1羽ずつ抱き、合図とともに一斉に放った。

TOPへ

10/5
(クマに襲われ男性けが:京都)
4日午後7時ごろ、京都府舞鶴市の与保呂川に架かる観音橋の上で、犬の散歩をしていた近くに住む男性(50)がクマに襲われ、手の甲や脇腹に軽いけがを負った。舞鶴署によると、クマは体長約1・5メートルで、男性が逃げようとしたところを襲った。その後、上流へ向かうクマの目撃情報が付近住民から複数あったという。同署によると、現場付近には住宅街や畑があったが、民家や畑が荒らされる被害はなかった。
(逃げるシカ、追う勢子:宮城)
宮城県石巻市の金華山で3日、秋の風物詩、シカの角切りがあった。必死に逃げ回る雄シカの角に縄を掛け、勢子(せこ)が力ずくで押さえ込む勇壮な行事に観光客が拍手を送った。地元の鹿友華角(ろくゆうかかく)会の会員約20人が勢子を務めた。赤い旗でシカを追い立て角切り場に誘導。走り回るシカの角に「十字投げ縄」を絡ませ、数人掛かりで横倒しにして取り押さえた。目隠ししたシカに水を飲ませて落ち着かせた後、神職がのこぎりで角を落とし、山に戻した。素手でシカを捕まえる勢子もいて、ひときわ大きな歓声が上がった。同日は計11頭の角を切った。角切りは発情期を迎えた雄シカの角が鋭くなるため、金華山黄金山神社の参拝客の安全を確保するため1963年に始まった。10日も午前10時と午後1時の2回、角切りがある。雨天中止。
(モンキードッグ、奔走:青森)
下北地域で3頭目となる「モンキードッグ」が4日、活動を始めた。サルによる農作物の食害が急増している大間町と佐井村を中心に活躍する。むつ市など下北地域の4市町村は今年3月に3頭目の購入を決め、日本警察犬協会が訓練してきた。新メンバーはジャーマンシェパード種でメスの2歳犬「クロ」=写真=。人里に近づいたサルを山に追い上げる。モンキードッグは、むつ市が2008年度に2頭を購入。導入した同市脇野沢地区では、09年度の被害金額が前年度より58%も減少し、効果をあげた。一方、耕作放棄地の増えた風間浦村を除き、大間町と佐井村では大幅に増加し、「クロ」はこれら地域で奔走する。
(ぶどう園で食害、イノシシ跳ぶ?:長野)
埴科郡坂城町のブドウ園で収穫前のブドウが食い荒らされ、所有者の男性(57)が足跡などからイノシシに疑いの目を向けている。県内の他の地域でもここ数年、イノシシによるとみられるブドウの食害が報告されている。ただ、食べているところは目撃されておらず、棚のブドウをイノシシが食べられるかどうかは専門家の見方も慎重で、ブドウ農家の新たな「敵」かどうかまだはっきりしてない。坂城町の男性は山沿いにある約10アールの畑で巨峰とナガノパープルを栽培。3年ほど前から被害を受け始め、今夏は毎日40房ほどなくなる日が1週間も続いた。ぶら下がったブドウの実の高さは地面から1・4メートルほど。男性は「枝を引きちぎられ、落ちた袋付きのブドウが食べられた」と悔しがる。男性によると、畑にはイノシシの足跡や地面を掘った跡があったことから疑った。これまでハクビシンによる被害はあったが、ブドウの皮を食べ残すのが特徴で、現場に皮はなかったという。8月に12万円かけて電気柵を設置したところ、被害は止まった。ほかにも、ブドウが特産の須坂市が「高さ1・3~1・4メートルと低く、山際にあるブドウ棚がイノシシによるとみられる被害を受けたとの報告が毎年数件ある」(農林課)、JA全農長野が「県内でイノシシがブドウを食べる被害があるという話は聞いている」とする。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔・専門研究員は「イノシシがブドウを食べるという話は聞いたことがない」とするが、イノシシは助走なしで高さ1メートル以上の柵を跳び越えると指摘。立ち上がれば1メートル以上の高さに口が届くとし、ブドウを食べることは不可能ではないとの見方だ。これに対し、県農業技術課は「イノシシはジャンプしながら物を取ったり、後ろ脚で立っていたりすることはできない。ブドウを食べることもあり得るが、生態から考えると難しい」と話している。

TOPへ

10/4
(クレー射撃協会、選挙やり直し)
役員選挙をめぐる混乱が続く日本クレー射撃協会は、JOC=日本オリンピック委員会が示した手順に従って選挙のやり直しを行うことになりました。日本クレー射撃協会は、去年3月の役員選挙をめぐって、新執行部と旧執行部が対立し、JOCが仲裁に当たってきました。そして、1日の協議で、JOCは、▽公平性を保つため、新旧執行部とJOCで役員選挙の投票権を持つ正会員を選び直す、▽そのうえで役員の候補者を決める、▽さらに、役員には必ずJOCの関係者か外部の有識者を加える、と提案しました。この提案について、旧執行部と、役員選挙のやり直しに難色を示していた新執行部も、おおむね受け入れ、日本クレー射撃協会は、JOCの示した手順に従って正常化を目指すことになりました。しかし、正会員や役員候補の選考の基準など細部については決まっていないため、混乱がこれで解決するかどうかは不透明です。
(JOC、クレー選手派遣。内紛解決仲裁案、大筋同意)
役員人事をめぐって日本クレー射撃協会の新旧執行部が対立する内紛のためクレー射撃の広州アジア大会選手派遣が認められていなかった問題で、日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之専務理事は1日、女子トラップの世界ランク上位の2選手をJOCが選んで派遣すると明かした。中山由起枝と鈴慶子(ともに日立建機)になる。アジア大会代表は通常、国内統括競技団体が選手を選考してJOCに推薦するが、日本協会が混乱しているためJOCが直接選んだ。この日、JOCは文部科学省や新旧執行部と協議し、JOCが提示した仲裁案に両執行部から大筋で同意を得た。混乱解決の手順では、日本協会の正会員や役員候補者選考委員を新たに選んだ上で総会を開いて会長、副会長ら執行部を選任する。正常化までは、両執行部の代表各1人とJOC関係者、同協会職員の4者で協会運営に当たる。2009年3月から続く混乱を収められるかどうかは不透明だ。新執行部の福城一信専務理事は「微調整が残っており、すんなりいくことはないだろう」と話した。
(アジア大会にクレー選手、協会内紛でも選手救済)
日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之専務理事は1日、アジア大会(11月、中国・広州)にクレー射撃の代表選手を派遣する考えを明らかにした。日本クレー射撃協会で役員人事をめぐって新旧執行部が対立しているため、これまで派遣を認めていなかったが、「頑張っている選手を救済したい」と話した。世界ランキングを基に、女子トラップで2人程度選ぶ方針。この日は新旧執行部とJOCなどの代表者が東京都内で協会正常化に向けて協議し、JOCの仲裁案に両執行部が大筋で同意した。仲裁案では、両執行部から各1人、JOCから1人を選び、事務局員1人を加えて当面の運営に当たり、第三者を含む役員選考委員会を設置して次の総会で役員を選び直す。新執行部側に役員選考委の人選の手順などで異論もあり、さらにJOCが調整する。
(カモ猟解禁:北海道)
狩猟が全道で解禁となり、管内各地でも、ハンターが早朝から山野に入って獲物を求めていた。猟期は来年1月31日まで。解禁されたのは、カモなどの鳥類29種とエゾシカを除く獣類20種。このうち豊頃町幌岡の沼では、夜明け前から約20人のハンターが待機し、午前5時24分の日の出とともに「パンッ、パンッ」と上空のカモを目がけて乾いた銃声を響かせた。毎年解禁日に訪れるという帯広市内の男性(68)は「水田が減りカモも少なくなったが毎年この日を楽しみにしている」と話し、マガモのメスを仕留めた同市内の男性(76)は「すき焼きやそばのだしにして食べたい」と笑顔で話していた。
(クマ襲撃、65歳男性負傷:石川)
2日午前9時頃、金沢市大桑町の犀川緑地で、市内の自営業男性(65)が水飲み場でクマに襲われ、右頭部や右肩、腕をかまれて負傷した。命に別条はないという。通報を受けた金沢中署や県猟友会が周辺を捜索したが、クマは発見できなかった。緑地は住宅街に隣接し、子どもの遊び場や市民のジョギングコースとなっており、住民たちは不安そうに捜索を見守っていた。同署の発表によると、男性はジョギングに向かう途中で、「クマは上流に逃げた」と話しているという。男性とよく散歩ですれ違うという60歳代の無職男性は「道路に座り込んで放心状態だった。傷口を抑えていた白いタオルが真っ赤に染まっていた」と男性の安否を気遣っていた。同署には、付近の住民から、計4件のクマの目撃情報が寄せられた。県猟友会によると、現場に残された足跡から、クマは親子連れの可能性があるという。現場は金沢市役所から南東約2・5キロの犀川左岸の公園。戸建て住宅が隣接し、近くには県営団地もある。同署では、緑地周辺を立ち入り禁止とし、警察官延べ66人と市職員、猟友会員らが緑地内や中州の茂みを捜索した。対岸の市立城南中では同日、授業参観が行われており、学校側は、生徒や保護者に外に出ないように伝え、参観終了後に生徒は一部集団下校した。近くに住む主婦村田和子さん(56)は「35年間住んでいるが(クマが出るのは)初めて。散歩が好きで今日も緑地を歩こうと思っていたけど、これからうかうか歩いていられない」と不安げな表情で話していた。金沢市内では夏頃から、クマの出没が相次いでいる。7月には北陽台で散歩中の70歳代の女性がクマに襲われ、顔をひっかかれて重傷を負った。9月30日には中山町で、木の伐採作業調査に来ていた男性会社員が襲われ、左足に軽傷を負った。同月にはほかにも、市街地付近に出没したクマ2匹が、麻酔銃で捕獲されている。県自然保護課によると、今年はエサとなるブナが凶作で、食べ物を求めて人里、里山にやってくるクマと遭遇する危険が高いという。県内では2006年、08年もブナが不作で、クマが大量出没している。クマは早朝や夕方に活動が活発となるため、過去にクマが出没した地域やその周辺では、外出時には、鈴やラジオを持ち歩き、人の存在を気づかせることが重要となる。同課によると、「クマを発見した場合、後ずさりしながら遠くに離れることが基本」といい、逃げられないほど接近してしまった場合には、「うつぶせにうずくまり、首筋を守ることが有効」としている。
(ホンシュウジカ、北限の地で急増:岩手)
ホンシュウジカが、生息北限とされる岩手・北上山地で急増し、生息域が拡大している。地球温暖化や農林業の衰退、集落の高齢化などが主な要因とみられ、生態系への影響や農業被害など、住民生活が脅かされている。専門家は「シカ増加の原因は人間が作っている」と指摘。生産拠点を守ることと野生動物の生息地確保の両立が課題となっている。東の空が白み始め、シカの姿が徐々に浮き彫りになった。数十頭の群れが斜面を覆い、一心不乱に牧草を食(は)んでいる。まるでシカ牧場だ。日が高くなった午前8時、シカたちは林に消えた。遠野市営笛吹牧場。釜石市と接する標高約900メートルの山中を開拓した約90ヘクタールの牧草地はシカの食害に耐えかね06年に耕作放棄した。周囲の牧場でも被害は急増中だ。酪農家の菊池加正さん(60)は「15年程前から被害が出始め、ここ数年はあちこちの牧場が荒らされ、死活問題」と訴える。同市土淵町米通地区は集落全体を高さ1・5メートルの電気柵で囲んだ。今年春まで3年かけ住民総出で作ったが、どこからかシカが入り込む。田植え直後に苗を食べられた米通三吉さん(59)は「先祖代々の土地を守りたいが、電気柵の設置しかできない。いずれ農家は限界だよ」と窮状を訴える。「予想をはるかに超えた分布の拡大。(行政の)管理地域の外側で爆発的な増加が起きた」盛岡市で9月9日に開かれた県シカ保護管理検討委員会で、三浦慎悟委員長(早稲田大教授)が率直にシカの急増を認めた。ホンシュウジカはかつて、北上山地南部の五葉山が生息北限だった。県は周辺4市町を個体数調整地区に指定し、地区内の適正頭数を2000頭と設定している。今年3月時点での生息数を4000頭と推定。今後の年間捕獲目標をメス800頭を含む1400頭と決めた。だが、「北限」より北の遠野市は、農業被害が県内最多にもかかわらず調整地区外のため、実態は不明だ。県全体で、農業被害額(09年度)は約1億5400万円で07年度の3倍増。電気柵設置などの対策も、増加のスピードに追いつかない。農林水産省によると、シカによる農業被害は全国で拡大傾向にあり、鳥獣類で最大の約58億(08年度)に上っている。個体数増加の背景には、温暖化が指摘される。北里大学獣医学部(青森県十和田市)の岡田あゆみ講師(野生動物学)は「シカは餌が減る冬に最も多く死ぬが、暖冬と少雪で死亡率が低下した」と指摘。「青森県内でもシカの目撃情報が増加している」と話す。相次ぐ被害は農家の生産意欲を奪う。北上山地では70年代から山中に牧場を造成した。だが、道路沿いの下草や牧草はシカの餌場になり、シカが繁殖。一部の牧場は耕作放棄した。里山集落は野生動物に対する最前線だが、今、対峙(たいじ)する力を失いつつある。
(ニホンジカ駆除、ハンターに捕獲報酬支払い:滋賀)
農作物などに大きな被害を及ぼしているニホンジカについて、県は、駆除促進を目指し、11月中旬から3月中旬の狩猟期間に合わせ、捕獲したハンターに報酬金を支払ってもらうため、県内19市町を対象にした助成制度を検討していることが1日、わかった。助成額は未定だが、今年3月末までに制度創設を目指す。シカは近年、個体数が全国的に増加。農作物被害額は野生鳥獣のうち最大で、成果が注目される。この日開かれた県議会一般質問で、県側が明らかにした。県自然環境保全課によると、県内では推定約2万9千頭のニホンジカが生息。平成21年度には約7200頭を捕獲したが、イネを食い荒らされるなど農作物の被害が相次ぎ、被害額でみると平成21年度で年間約9600万円にのぼる。また、農林水産省によると、全国の被害額は20年度に前年度までトップだったイノシシを抜き、最も多くなっている。県が来年3月末までに創設を検討しているのは、助成を受けた市町が、狩猟期間中、シカを捕獲したハンターに報酬金を支払う制度。報酬金の額は各市町に決めてもらう。シカの捕獲数は、猟師1人あたり5頭(うちオスは1頭)までと定められているが、この制限も見直しを検討する。これまで県内では、福井県や京都府と接し、山間部が多い高島市が20年度から3年間で計2100万円の環境省の支援を受けて、狩猟期間内にシカを捕獲したハンター1人あたり報酬金1万円を支給。しかし、来年3月末に切れることから、県が支援を引き継ぎ、合わせて県内全市町に拡大することを目指した。県によると、高島市が報酬金を始める前の19年度には803頭だった大津市北部と高島市を含んだ湖西地域の捕獲数は、開始後の20年度には2520頭となり、他の地域と比べ急激に増加した。県はこれまで、狩猟期間中の報酬金の支援には否定的だったが、高島市が国の支援を受けて以降、捕獲数を伸ばしたことから、支援に前向きな姿勢に転じた。
(クマ対策「人とどっちが大事?」、住民に危機感:石川)
夏以降、山間部だけでなく住宅地でもクマの出没が相次いでいることを受け、金沢市は1日、金沢市役所で県や県警、猟友会、地元住民と合同の対策情報連絡会を開いた。連絡会では4年ぶりに市独自の「クマ注意報」を発令したことなどの対応が示された一方、山間部の住民は「クマの個体数を減らすしかないやろ」と、人が襲われた例を指摘し危機感をあらわにした。市の「クマ注意報」は、同市内で1日4回以上の目撃情報があった場合などが発令の判断基準となる。今年度は、9月30日現在の目撃情報が昨年度に比べ22件増の57件であることに加え、9月に住宅街でクマ2頭が捕獲され、人身被害が2件確認されたことから発令した。連絡会で市が示した市民への注意喚起策は、クマが目撃された地域の27小中学校と市内の全小中学校に、クマと遭遇した場合の対処法をまとめた安全チラシを配ることや、下校時のパトロール強化など。人家付近のカキやクリを早めに収穫をすることや、生ごみを放置しないことなど「クマと遭遇しない方法」の周知も図るとした。理解を求める市側に対し、住民が「人の命とどっちが大事なんだ」「クマがすぐそこにおるんやぞ」と詰め寄る場面があった。7月には、女性が襲われ重傷を負っており、住宅街で捕獲したクマを山間部に放すことに抵抗を感じる声も聞かれた。住民の意見に対し、市は「麻酔で捕獲した獣は駆除することは法で禁止されている」と説明した上で、今後は住宅街で捕獲されたクマは引き取り先の施設を探すとした。
(ニホンジカ、長野県と共同で1200頭捕獲へ:山梨)
シカによる農作物被害に悩む県は来年2~3月、初めて長野県と共同で、県境に生息するニホンジカの捕獲に乗り出す方針を決めた。9月定例県議会に提出した一般会計補正予算案に約1500万円を計上し、1200頭を捕獲する予定だ。県みどり自然課によると、北岳、仙丈ケ岳など南アルプス山系や八ケ岳などの長野県境で、両県の猟友会員らが山頂に向かってシカを追い詰め、山頂付近でまとめて捕獲する作戦。銃による狩猟のほか、餌で囲いの中におびき寄せて捕獲する「囲いわな」や、ワイヤを使う「くくりわな」も導入する。シカによる山梨県内の農作物被害額は統計を取り始めた05年以降増え続け、08年は約2800万円。捕獲頭数も増え続けているが、生息頭数がそれ以上に増えているためとみられる。ネットや柵などで農地を囲っても「シカの跳躍力は高く、効果がない場合も多い」(同課)という。県森林総合研究所によると、南アルプス山系でのシカの食害は、環境省の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている高山植物のミヤマハナシノブやタカネマンテマなどにも確認されている。また、両県での共同捕獲に踏み切った背景には、特に長野県側の深刻なシカの獣害が挙げられる。長野県森林づくり推進課によると、シカによる農林業被害額はここ数年、7億円前後で推移。柵やわな、狩猟の効果も小さいという。特に山梨と接する南牧村、川上村など南佐久地域で生産が盛んなレタスなど高原野菜に被害が集中しており、09年度の農作物被害は、県全体の約4割に当たる2億6000万円だった。しかし、森林の葉が落ちて狩猟による捕獲が容易になる冬季には、長野側のシカは比較的温暖な山梨側に越境してしまうことが長野県の調査で判明。このため、共同での捕獲実施を山梨側に打診していた。山梨県みどり自然課は「両県で力を合わせ、県境を越えて移動するシカの被害を何とか食い止めたい」と話している。
(クマ?に襲われ、女性けが:山口)
2日午前6時半ごろ、岩国市本郷町本郷、無職国時晶子さん(69)が自宅の敷地内の納屋に向かう途中、大型の動物に右の太ももをかまれ、2~3週間のけがをした。岩国署によると、国時さんは「突然、70~80センチの黒い動物が出てきてかまれた」と話しており、署はクマの可能性が高いとみている。動物は山中へと逃げていったという。これを受け、県自然保護課は2日、本郷地区にクマ出没警報を出した。現場近くに箱わなを置き、県警や地元猟友会によるパトロールを強化。防災無線やチラシで住民に注意を呼びかける。警報は1日にも、周南市向道地区に発令したばかりで今年度2回目。県によると、2007年に制度導入後、発令したのは08年の1度だけだった。
(有害鳥獣から農作物守って、市に捕獲用おり寄贈:栃木)
有害鳥獣による農作物被害を防ごうと、佐野農業協同組合(JA佐野)は一日、佐野市にハクビシン捕獲用のおり五十基とイノシシを捕獲するくくりわな用ワイヤ十巻き(一キロメートル相当)を寄贈した。同市では、中山間地のイノシシ被害に加え、一、二年前からハクビシンによる被害が市内全域で増加中。ハクビシンは、まちなかにも出没し、ビニールハウス内のイチゴやトマトなどを食べ荒らしている。市はこれまで捕獲用のおり十八基を農家に貸し出していたが、需要に追いついていなかった。寄贈されたおりはJAなどを通して新たに貸し出し、ワイヤは地元猟友会のわな作りに利用してもらう。市役所を訪れたJA佐野の君田国雄代表理事組合長は「少しでも被害を減らせれば」と思いを述べた。岡部正英市長は「市もできる限り協力したい」と話した。
(早くも昨年度の5倍、クマ14頭目を捕獲:京都)
クマの出没が多い。今年は夏場の猛暑で、山に食べ物が少ない影響か、里へ下りてくる数が多く、1日には福知山市夜久野高原で推定10歳のメスが捕獲された。体重は61・5キロあった。市内で今年度14頭目になる。地元の要請を受けて有害鳥獣駆除隊が府緑化センター裏の宝山に、ドラム缶型の檻を9月6日から設置。近くの栗園で被害が出ていることから30日に移設し、シカの脚を入れておいたところ、その日の夜に捕まった。連絡を受けた野生動物保護管理事務所の獣医らが麻酔を注射しておとなしくさせ、以前に捕獲されたことのあるクマかどうかを確認。識別タグを付けておらず、初めて捕獲されたクマだったことから、離れた山へ運び、トウガラシのスプレーを鼻先に吹き付け、花火を鳴らして「人間の住む地域へ出ると怖い」と教えて放す学習放獣をした。被害に遭った栗園は約50アール。周囲には民家が点在し、園地は鋼線のフェンスで囲い、昨年まではクマに侵入されることはなかったが、今年は栗が実りだしてから被害を受けるようになった。落ちた栗を食べるのではなく、枝を折り、木によっては幹からへし折って実を食い散らす。1本や2本でなく、園内のそこここで木が折られている。栽培をしている水坂の夜久ちか子さん(82)は「草も生やさないよう一生懸命に世話をしてきたのに、こんな無残に折られて」と肩をふるわす。クマが入った檻を遠巻きに見守っていた近隣の人たちは「都会の人や学者さんたちは、すぐに動物保護だとか言うけど、被害の現場を見て言ってほしい」「今度つかまったクマだって、どうせ初犯で放獣される。放さず捕殺させてくれればいいのに」などと口々に恨みの声をもらしていた。市内では5月と8月に2頭ずつ、9月は1カ月だけで9頭が捕獲された。中には体重が95キロあるオスもいた。以前に捕獲されたことのあることを示すタグ付きが4頭。薬殺された。昨年度は年間で3頭、一昨年度は6頭の捕獲だった。目撃例も今年は異様に多い。昨年度は16件、一昨年度はだったが、今年度はすでに85件を数える。目撃情報とは別に、痕跡も36件見つかっている。例年11月までは目撃情報が続き、12月、1月になって目撃される年もある。
(尾瀬でシカ増加顕著:群馬)
日本オオカミ協会が群馬・尾瀬ケ原で実施したシカの生息調査結果が、2日までにまとまった。2日間の調査で計40頭の生息を確認、増加傾向が顕著なことが分かった。調査を主導した同協会副会長の小金沢正昭宇都宮大農学部教授は「尾瀬ケ原は普通にシカのいる山に変わっている。植生がゆがめられ、事態は深刻化している」と話している。同協会は、シカの食害などで荒廃が進む森林復元の決め手として、国内では絶滅したオオカミ再導入を提言。調査は、国への要望活動を進めるに当たり、会員らにシカの生息数増加を実感してもらうため初めて主催した。9月4日と11日、同協会会員や尾瀬高生徒など延べ約30人が参加。いずれも尾瀬ケ原の木道約6キロのルートで、午後7~11時ごろまで実施した。ライトセンサスと呼ばれる手法で夜間、光を当ててシカの目をカウント。その結果、4日は27頭、11日は13頭を確認した。小金沢教授が1997年以降、同様の手法で行ってきた調査では、2000年ごろまでは1回2~6頭、01~05年は同5~10頭程度だった。時季の違いなどもあり単純に比較はできないが「増加傾向は実感できた。生息範囲は広がり、群れも大きくなっている」(小金沢教授)という。環境省の推定では、尾瀬のニホンジカ生息数平均値は2008年に約300頭に上り、10年前の約3倍となっている。今回の調査はその推計を裏付ける形となった。小金沢教授は「今回の調査は初歩的な手法だが、奥日光と一体的にシカが分布する尾瀬ケ原の実態を多くの人に知ってもらうために続けたい。ハンターによる駆除に過度な期待はできないので、オオカミ再導入の賛同者を増やし国を動かしていきたい」としている。
(動物嫌がるトウガラシで“バリア”:京都)
シカやイノシシなどの鳥獣被害を防ぐため、府は動物が嫌うトウガラシやシソなどの農作物を山林と集落の境で栽培し、田畑への侵入を防ぐ対策にこの秋から乗り出す。トウガラシなどは新たな特産品としての利用を見込んでおり、「一石二鳥」を狙う取り組みだ。これまでは獣害対策として防護柵の設置を進めてきたが、サルが飛び越えたり、クマが壊したりするケースがある。そこで着目したのが、野生鳥獣が食べたがらないトウガラシやシソなどの「忌避作物」だ。滋賀県農業技術振興センターなどの研究では鳥獣被害を受けにくいことが実証されており、府内で実践することにした。計画では、集落を防護柵で囲い込むと同時に、柵の外側では動物が好まないシソやコンニャクイモを栽培して野生鳥獣が近寄りにくくする。さらに柵の内側には背が高く育つトウガラシを植え、柵の外から田畑や果樹園を見えにくくする目隠しの役割を持たせる。栽培した忌避作物は、特産品として農家が販売する。府は事業費として6千万円を9月補正予算案に計上。対策を実施する農家に費用の半額を助成する。今年は国の獣害対策費が削減されたことに加え、夏の猛暑のため有害鳥獣の駆除作業が進まず、各地で農作物被害が目立っていた。府森林保全課は「野生鳥獣対策の新たな成功モデルにできれば」と効果を期待している。
(鳥獣管理士、17人の修了式:栃木)
鳥獣害対策の地域のリーダーを育てるため、宇都宮大農学部付属里山科学センターが県と共同で開講している「里山野生鳥獣管理技術者養成プログラム」1期生17人の修了式が30日、同大学で行われた。17人はサルやイノシシ、シカなどによる被害対策を担う「鳥獣管理士」資格を取得した。大学が自治体と協力して鳥獣被害の専門家を養成するのは全国初の取り組みで、17人は会社員や自治体職員、農家などさまざま。鳥獣の生態や被害実態などについて、1年間かけて理論と実践の両面から学んできた。養成プログラムは昨年10月から5年間で管理士60人を育成し、鳥獣害対策の知識・技術普及を進める全国モデルを目指している。修了式で答辞を読んだ小山市の会社員、合田浩二さん(63)は小山市、野木町全域で外来動物のアライグマの生息状況調査を行い、不明瞭(めいりょう)なものも含めて55%の地域でつめ跡を確認。アライグマが埼玉県・茨城県などから侵入し県内でも繁殖している可能性が高いという。合田さんは「実習では(獣害に対する)農家の嘆きやあきらめがひしひしと伝わってきた。学んできたことを生かしていきたい」と話した。
(耕作放棄地モー安心?、ウシ放牧で“一石三鳥”:滋賀)
耕作放棄地の雑草をウシに食べさせて手入れし、イノシシなどから周辺農地の被害を防ぐとともに、景観づくりにも役立てる“一石三鳥”の取り組みが、県内で広がっている。県が平成13年度から各地で実施しているが、昨年度からは、市町や自治会にも広げるため、期間限定で、ウシや設備を無償貸与する試みを始めた。今年度は、彦根市と、市内の西清崎町自治会が貸与されたウシを使い効果があるか検証している。県内では近年、農家の高齢化や、イノシシなどによる獣害で、農地の耕作放棄地が拡大。農地は2~3年間手入れをしていないと、雑草だけでなく潅木(かんぼく)などが茂り、元の農地に戻すには大変な手間が必要となる。そこで、県は13年度から、耕作放棄地で、3つの目的をねらったウシの放牧を開始した。県によると、まず、ウシが雑草を食べることで土地が荒れることを防ぐ。さらに、農作物被害が深刻になっているイノシシやサルなど野生動物が、身を隠すことができる茂みを減らすことにもつながり、周辺の農地がこうした動物の被害を受けないようになる。こうなれば、景観保護にもつながり、一部では、ウシを見学しようと、サイクリングイベントのコースにもなっている。すでに各地で成果を上げているが、期間限定のウシなどの無償貸与では初年度の昨年度、長浜市、彦根市、竜王町の3カ所の耕作放棄地で放牧が行われた。今年度は、先月24日から今月8日までの日程で、無償貸与を行っており、今回名乗りをあげた彦根市と市内の西清崎町自治会が、町内の農家が所有する約40アールの休耕田に、貸し出しを受けた和牛2頭を放牧している。周囲にはウシが逃げ出さないよう電気さくを設置。ウシ1頭が10日で約10アールの雑草を食べるうえ、体重の重いウシが歩き回ることで除草の効果もあり、約2週間の期間で農地が整備されるという。市は本格的に導入するかどうかはまだ決めておらず、貸与期間終了後、ウシの調達をどうするのかも課題だが、市農林水産課の担当者は「放牧は思ったより手間がかからず、地元でも好評。今後も協力してもらえる農家を増やしていきたい」と話している。
(ウリ坊5頭、電車にはねられ?死亡:兵庫)
1日午後8時40分頃、兵庫県赤穂市高野のJR赤穂線坂越―西相生間で、播州赤穂発米原行き新快速電車(8両、乗客約40人)の運転士が、「ドン」という音に気づいて急停車し、線路内で子どものイノシシとみられる5頭の死骸(しがい)を見つけた。JR西日本の発表によると、けが人はなく、車両にも異常はなかった。電車は現場に19分間停車。上下6本が最大48分遅れ、計約500人に影響した。
(クマ目撃相次ぐ:富山)
4日未明から朝にかけて魚津市と滑川市のJR北陸線に近い平野部でクマの出没が相次ぎました。魚津警察署によりますと、魚津市住吉で4日午前2時半すぎ、車で牛乳配達をしていた男性が親子とみられるクマ2頭が道路を横切って住吉公園に入っていくのを目撃しました。警察ではパトカーを出動させるなどして現場周辺で警戒を呼びかけています。住吉公園はJR北陸線や海岸に近い住宅街にある公園で、直線で200メートル程離れた所には住吉小学校もあります。住吉小学校では4日朝、メールや電話で保護者に連絡し、車での登校を呼びかけたほか、教職員が通学路を巡回パトロールしました。また、滑川市でも4日午前7時50分ごろ、JR北陸線近くの四ツ屋地区で民家の庭の木で親子のクマ3頭が目撃され、その後、市の有害鳥獣捕獲隊員によって射殺されたということです。
(クマ出没防止へ“ドングリ作戦”:石川)
県内の住宅街などでクマ出没が相次いでいることを受け、自然保護団体「日本熊森協会」県支部が、クマの餌となるドングリを山奥に運ぶ活動に取り組んでいる。クマが人里に近づく原因とみられる山中の餌不足解消を試みる取り組みだが、支部は「多くの人に協力してほしい」と呼び掛けている。九月末から、能美市の辰口運動公園や和田山・末寺山史跡公園でドングリ集めを開始。三日も、会員ら十五人が両公園で実を拾い集めた。これまでに集まったのは百三十キロ以上。近く同市内の山奥に置いてくる予定だが「ドングリを届けるのは、あくまで緊急措置」と三井明美支部長=小松市有明町=は話す。支部によると、クマの市街地出没が増えたのは、ナラ枯れやブナの実の凶作などで、クマの餌が減ったことが原因とみられる。支部は、餌となる木の実を付ける木の植林など「抜本的な対策が必要」としている。三井支部長は「人里に現れたクマを駆除するだけでは、問題の解決にはならない」という。緊急措置とはいえ、有効な手段と考えるドングリ集めへの協力を求めている。
(乗用車とクマが接触:富山)
3日午後8時10分頃、魚津市大海寺新の農道を直進していた同市、男性会社員(23)の乗用車が、左から横断して来たクマと接触した。男性と助手席の同市の女性会社員(22)にけがはなかった。クマは脇の茂みに姿を消した。魚津署の発表によると、男性は慌ててハンドルを右に切ったがよけきれなかった。クマは成獣とみられ、同署がパトカーで注意を呼びかけている。市内では同日午後7時45分頃にも、約3キロ北の東山地区でクマ1頭が目撃されている。
(クマ1頭捕獲、県が殺処分:山口)
県は2日、岩国市錦町深川の民家近くで、ツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。同町宇佐周辺では6頭目の捕獲となり、地元住民の不安が強いとして殺処分された。午前6時半ごろ、箱わなにかかっているのを市職員が見つけた。オスの成獣で体長125センチ、体重34キロだった。県内での今シーズンの捕獲は21頭目。
(公園、クマ出没で閉鎖:福井)
福井県勝山市の長尾山総合公園(かつやま恐竜の森)で9月中旬以降、クマが複数回目撃され、痕跡も多く見つかっていることから、公園を管理するNPO法人・恐竜のまち勝山応援隊は、森に近い「ティラノサウルス広場」と「森の休憩所」を閉鎖した。同NPOはバーベキュー施設の予約者に事情を説明し、すべてキャンセルとした。県立恐竜博物館への入館、恐竜化石発掘体験はできる。NPOによると、9月18日午前8時半ごろ、散歩中の市民が、ティラノサウルス広場を歩いているクマを目撃。別の日にもパトロール中のNPO職員が、公園内の森の中で複数回目撃した。クマが枝を折ったとみられる場所もあることから、18日以降、市民や観光客の安全のため立ち入り禁止にしている。解除する見通しは立っていない。上田秋光理事長は「これからが(観光に)一番いい時期を迎えるのに残念だが、どうしようもない」と話している。
(8日ぶりにサル被害:静岡)
3日富士宮市でサルにかまれるなどして女性2人が軽いけがをした。サルによるけが人が出たのは8日ぶり。警察などによると3日午前11時45分ごろ、富士宮市小泉の住宅で、食事の用意をしていた23歳の女性がサルに足をかまれ軽いけがをした。県内でサルによるけが人が出たのは8日ぶり。また午後1時前にも、そこから約800メートル離れた住宅で、50歳の女性が家に侵入してきたサルに肩をひっかかれ軽いけがをした。サルによるけが人はこれで103人となった。
(サル、2時間半の逃走の末捕獲:山口)
30日午前9時半ごろ、下関市田中町に1頭のサルが現れた。通報で警察官や市役所職員らが駆けつけ、約2時間半の逃走の末に捕獲された。市中心部の市役所一帯は一時騒然となった。市農林整備課によると、通行人が下関署に通報、連絡を受けた市有害鳥獣対策室の職員が市役所付近を捜索。すると、赤間町の空き倉庫に向かって犬がほえ出し、倉庫に近付くとサルが“潜伏”していた。爆竹でおびき寄せるなどいろいろと試みたが、最終的には手網で捕まえた。オスで8歳前後。体長は約50センチ。飼いザルか野生ザルかは不明。オリに入れられたサルは見物人からバナナなどをもらって食べ、落ち着いた表情。たちまち人気者になっていた。

TOPへ

10/1
(クマに襲われ、男性両足けが:石川)
30日午前9時ごろ、金沢市中山町の山中で、富山県南砺市の会社員男性(52)がクマに襲われ、両足を引っかかれて軽傷を負った。クマは約5時間半後、警戒していた地元猟友会員に射殺された。金沢中署によると、クマは体長約120センチ、体重約90キロの成獣。男性は同僚3人と、電力会社の送電線用鉄塔付近で、木の伐採作業の調査をしていたところを襲われたという。また、同日午後1時20分ごろ、白山市白峰の民家付近でクマが発見され、地元猟友会員が射殺した。
(道路標識に猟銃の弾痕:北海道)
浦幌町炭山の旧浦幌炭鉱市街地跡付近の道道音別浦幌線と林道で29日、道路沿いの標識や看板に猟銃の弾痕とみられる穴が多数見つかった。池田署が器物損壊の疑いで調べている。現場は冬季などはシカを撃つハンターがいる一方、炭鉱跡の見学などで一般の人たちも多数訪れる場所。穴が開けられた時期は不明。入林承認申請書を受け付ける十勝総合振興局森林室は「改めてルール順守と安全確認を呼び掛けたい」としている。同日朝、近くを通った釣り人が穴を発見し、池田署に通報した。同署によると、弾痕らしい穴が開いているのは道道沿いの警戒標識7枚とその奥の林道の看板2枚の計9枚で、約1.5キロの範囲に集中している。猟銃による可能性が高く、ライフルと散弾銃の弾痕ではないかとみて調べている。同署は「時期は判断がつかないが、流れ弾にしては数が多い。故意に猟銃で撃った可能性が高く、悪質」とし、今後、目撃情報などを集めて調べることにしている。穴を開けられた標識の中には、環境教育などに使われる「道有林みらいの森」のあずまやや遊歩道から、30メートルほどしか離れていないものも。炭鉱跡見学の駐車場となる、道道と林道のT字路付近の看板にも多数穴が開いている。同炭鉱跡を含む付近の道有林は、一山越えた場所にある留真温泉と並び、観光や歴史教育の貴重な資源として官民で活用が検討されている。関係者は「狩猟シーズンに撃ったとしても、人がいないとは限らない。ルール、マナーは順守してほしい」と訴えている。浦幌を含む十勝管内の今季のエゾシカ狩猟期間は10月23日〜来年3月27日(豊頃町を除く)。
(ホンシュウジカ、牡鹿半島でも増加:宮城)
ホンシュウジカが、生息北限とされる岩手・北上山地で急増し、生息域が拡大している。宮城県内では牡鹿半島での増加が目立つ。地球温暖化や農林業の衰退、集落の高齢化などが主な要因とみられ、生態系への影響や農業被害だけではなく、交通事故などで住民生活が脅かされている。専門家は「シカ増加の原因は人間が作っている」と指摘。生産拠点を守ることと野生動物の生息地の確保の両立を主張するが、対応は難しそうだ。 「予想をはるかに超えた分布の拡大。(行政の)管理地域の外側で爆発的な増加が起きた」盛岡市で9月9日に開かれた岩手県シカ保護管理検討委員会で、三浦慎悟委員長(早稲田大教授)が率直にシカの急増を認めた。ホンシュウジカはかつて、北上山地南部の五葉山が生息北限だった。岩手県は周辺4市町を個体数調整地区に指定し、地区内の適正頭数を2000頭と設定している。県は今年3月時点での生息数を4000頭と推定。今後の年間捕獲目標をメス800頭を含む1400頭と決めた。だが、「北限」より北の遠野市は、農業被害が県内最多にもかかわらず調整地区外のため、実態は不明だ。宮城県で増加しているエリアは牡鹿半島で、「生息数は不明だが、確実に増えている」(県自然保護課)状況だ。シカに衝突する交通事故が多発し、09年度の石巻市の発生件数は95件で、08年度の24件の約4倍。車が破損するなどの被害額は2850万円で、農業被害の1900万円を上回る。県は08年以降、年間捕獲目標を新設し、目標を1000頭としてきた。だが、来年以降は1500頭に引き上げる方針だ。一方、シカの増加が深刻な岩手県の農業被害額(09年度)は約1億5400万円で07年度の3倍増。耕作地周辺に電気柵を設置するなど対策を取っているが、増加のスピードに追いつかない。農林水産省によると、シカによる農業被害は北海道(エゾシカ)を中心に全国で拡大傾向にあり、鳥獣類で最大の約58億(08年度)に上っている。個体数増加の背景には、温暖化が指摘される。北里大学獣医学部(青森県十和田市)の岡田あゆみ講師(野生動物学)は「シカは餌が減る冬に最も多く死ぬが、暖冬と少雪で死亡率が低下した」と指摘。「青森県内でもシカの目撃情報が増加している」と話す。相次ぐ被害は農家の生産意欲を奪う。北上山地では70年代から山中に牧場を造成した。だが、道路沿いの下草や牧草はシカの餌場になり、シカが繁殖。一部の牧場は耕作放棄した。里山集落は野生動物に対する最前線だが、今、対峙(たいじ)する力を失いつつある。宮城県内でも対岸の火事ではない。気仙沼市では岩手県から南下したと見られるシカも現れ、将来、牡鹿半島の群れと一体化する可能性もあり広域的な対策が求められている。
(里山でシカ被害拡大:宮城)
東の空が白み始め、シカの姿が徐々に浮き彫りになった。数十頭の群れが斜面を覆い、一心不乱に牧草を食(は)んでいる。まるでシカ牧場だ。日が高くなった午前8時、シカたちは林に消えた。岩手県の遠野市営笛吹牧場。釜石市と接する標高約900メートルの山中を開拓した約90ヘクタールの牧草地はシカの食害に耐えかね06年に耕作放棄した。周囲の牧場でも被害は急増中だ。酪農家の菊池加正さん(60)は「15年程前から被害が出始め、ここ数年はあちこちの牧場が荒らされ、死活問題」と訴える。集落全体を電気柵で囲んだ地区に行き当たった。舗装道路の行き止まりにある同市土淵町米通地区。林との境に高さ1・5メートルの柵を張り巡らせてある。「とにかく大変なことになっているから見てほしい」。水田を見回っていた米通三吉さん(59)が窮状を訴える。柵は今年春まで3年かけ住民総出で作ったが、どこからかシカが入り込むという。田植え直後、苗を食べられた。「3割ぐらいやられた。シカはかわいいけど、被害は困る」岩手県は遠野市にシカがいない前提でシカ保護管理計画を立てている。「県職員は誰もここまで見に来ない。机上の空論じゃないか」。米通さんは集落を見下ろす高台でつぶやいた。「先祖代々の土地を守りたいが、農民には電気柵の設置しかできない。いずれ農家は限界だよ」
(捕獲したクマ、動物園へ:石川)
29日午前6時50分ごろ、金沢市涌波4で「クマを見た」と付近住民から通報があった。金沢中署や市など計45人で付近を捜索したところ、同11時半ごろ、同市大桑町の辰巳用水沿いにいるのを発見。約1時間半後、木に登っているところを、いしかわ動物園(能美市)の獣医が麻酔銃を打って捕獲した。ツキノワグマで体長約90センチ、体重約40キロの雄。推定1歳半という。市森林再生課によると、クマが市街地へ降りて来たのは15日に続き、今年度2回目。昨年度は1度もなかった。捕獲したクマを山に放すと再び市街地へ来て被害が発生する可能性もあると判断。県外の動物園に引き取られる予定。今年はクマの餌になる木の実の凶作が見込まれることから、県は2年ぶりの出没注意情報を出し、安全対策の徹底を呼びかけている。県は「冬にかけ、餌の豊富な里山に来るクマが増える恐れがある」として、カキやクリの早めの収穫▽生ゴミの撤去▽草の刈り取り▽登山時の鈴の携行--などを促している。
(ツキノワグマ保護か処分か、被害農家は放獣方針に反発:山口)
保護か、不安の一掃か――。出没が相次ぐツキノワグマへの対応に、県が苦慮している。絶滅の恐れがあるとして保護策を進めてきたが、今年は猛暑などの影響で人里近くに頻繁に現れ、梨が食われるなど実害も出ている。住民の不安は募り、県は殺処分の新基準を設けた。目撃情報が多発する周南市鹿野地区。今夏、所有する40アールほどの梨園が20回近く襲われたという男性(78)は「こんな被害は初めてだ」と嘆く。食害は1千個を下らず、毎年8~9月に開いてきた観光農園も自粛した。市の担当者は「住民の不安の高まりは深刻だ」と漏らす。4月以降、県や市に約170件の出没情報が寄せられている。ここ5年で最多だった2008年度(年153件)をすでに上回った。ツキノワグマは、国のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」として記載され、西中国地域は狩猟禁止区域に指定されている。そのため、県は02年4月に保護管理計画を策定。生息数を守る対策を続け、ワナを仕掛けるのにも、県が食害状況などを調査して許可する仕組みをつくった。保護策の一つとして始められたのが、捕獲後に唐辛子の主成分が入ったスプレーを鼻に噴射して、奥深い山中に放つ「学習放獣」。クマの習性を利用して再び人里に戻るのを防ぐ手法で、県は00年度に本格導入。08年9月には、学習放獣を前提にワナを仕掛ける許可を出すよう運用方針を改めた。学習放獣は、県内で05~07年度で4頭だったが、08年度以降、19頭になった。だが、被害を受けた農家らにとって、クマを山中に戻すことへの反発は強い。鹿野地区の男性も「生活がかかっている。せっかく捕まえたのになぜ逃がすのか」と憤る。男性の集落では9月4日、4頭目の成獣が捕獲された。これを受け、県は新たな方針を出さざるを得なくなった。これまでは、同じクマが2度捕獲された場合のみ殺処分にしていたが、「特定の地区で連続して捕獲された場合」も殺処分できるようにした。県自然保護課の担当者は「保護一辺倒では住民の理解を得るのは難しい。柔軟な対応をした」と打ち明ける。今年度の殺処分は9頭に上り、05年度からの5年分と並んだ。ただ、保護を巡る議論も、人に被害が及べば吹き飛ぶ。5月に男性が指を切断するなど、けが人が2人出た広島県では、今年度捕獲された45頭のうち放獣は1頭だけだ。クマの好物の栗が実る時期を迎え、山口県自然保護課の山本富夫主幹は「人的被害の防止は最優先課題。注意喚起したい」と警戒感を強める。
(ニホンジカ捕獲でタッグ:山梨)
ニホンジカの食害対策に取り組んでいる県は30日、今年度中にも長野県と共同で捕獲に乗り出す方針を示した。また、効果的に捕獲するため、新たに「囲いわな」や「くくりわな」を取り入れることも決めた。県によると、ニホンジカの今年度の捕獲目標は5800頭。行動範囲の広いニホンジカを捕獲するためには、被害や生息の状況について隣接都県と情報を共有することが必要で、これまで東京都とは共同捕獲を実施してきた。長野県とも協力し、ニホンジカが県境を越えて逃げることを防ぐという。標高の高い場所では、さくの中などにシカを捕らえる「囲いわな」を、夜間に多く出没する牧草地周辺にはロープやワイヤで脚を締める「くくりわな」を導入。年内から仕掛けて、効果をみる。県は9月、庁内の関係部局や市町村、猟友会などで構成する「野生鳥獣被害対策連絡協議会」を設置し、連携を強めている。
(子グマ、はねられ死ぬ:山形)
28日午後10時10分ごろ、米沢市口田沢の国道121号で、福島県伊達市の男性(50)が運転する大型トラックが、道路東側の水田から西側の山に向かい道路を渡ろうとしたクマをはねた。クマは全身を強く打ち即死した。米沢署によると、クマは体長約60センチの子グマ。別の子グマと、体長約1メートルで成獣とみられるクマの3頭が1列で道路を渡ろうとして、一番後ろのクマをはねたという。親子とみられる。残る2頭は西側の山に逃げた。周囲には民家も数軒あるため、同署は警戒を呼び掛けている。
(シカ食害の防護柵に損傷:長野)
シカによる高山植物の食害が深刻化する霧ケ峰の八島ケ原湿原(諏訪市、諏訪郡下諏訪町)に8月下旬に設置した防護柵の内側で、9月に入りニホンジカ2頭の死骸が見つかった。設置した霧ケ峰自然環境保全協議会は30日、付近で柵の金網にゆがみや断裂など20カ所余の損傷があることも確認。近くの森林帯から柵を迂回して湿原内に入るシカが多いためとみられ、想像以上に活発な活動に、さらなる対策が迫られている。柵は湿原の北東部分の約2キロにわたって設けてある。八島ビジターセンターあざみ館(下諏訪町)によると、5日に湿原北側の柵で、縦約17センチ、横約14センチの編み目に首を突っ込んで死んでいる雄ジカを巡回中の協議会員が発見。29日には観光客の男性が湿原東側のキャンプ場近くで、柵沿いに倒れている雄ジカを見つけた。30日、協議会員がキャンプ場付近を巡回し、高さ約2メートルの金網を支える鉄くいが数カ所で傾いているのを確認。網は所々で下に引っ張ったように上部がへこみ、断裂したり、ほどけたりしていた。柵の両側には細長く土がむき出しになった「シカ道」ができていた。同協議会事務局の県諏訪地方事務所環境課は、死んだシカは夜間に湿原内で採食した後、ねぐらにしている森林帯に戻れなくなった可能性があると推測。柵の損傷原因は、シカが衝突したほか、体が網に絡まって暴れたり、飛び越えようと金網をたたいたことなどが考えられるという。金網は景観に配慮し、黒茶色に塗装。メーカーによると「イノシシ対策用でもあり、かなり丈夫。ゆがみの報告はよくあるが、人為的に壊す以外に断裂の報告はまれ」と驚く。協議会も、補修の必要はないとの説明を受けていた。防護柵設置は2年計画で、来年度、南西部分の約2キロに張って外周約4キロを囲んで完成する。同課は「柵の破損やシカの死は想定していなかった」といい、損傷部分は当面、金網の補修と鉄くいの増設による補強で対処する方針。完成までの対策については「今後検討する」としている。
(有害鳥獣の処理施設:福井)
県は30日の9月県議会の予算特別委員会で、核燃料税収入の嶺南連携事業枠を使い、嶺南6市町が若狭町にシカなどの有害鳥獣を処理する施設を整備する計画を明らかにした。来秋に焼却施設を整備し、その後に食肉加工施設を整備する方針という。有害鳥獣の処理と利活用を嶺南6市町でつくる嶺南連携事業推進協議会が検討していた。用地は同町海士坂を予定しており、予算枠は約3億5千万円を確保している。
(市中心部にサル:山口)
30日午前、下関市中心部にサルが現れ、市職員が捕獲作戦を繰り広げた。約2時間後、騒ぎを聞きつけて集まった大勢の市民の前でサルは取り押さえられた。午前9時45分頃、田中町で、サルが路上を歩いていると、110番があった。市有害鳥獣対策室の職員が駆け付けたところ、赤間町の屋内駐車場に逃げ込んでいたため、シャッターを下ろして閉じ込めた。爆竹を鳴らして外にしかけたオリに追い込もうとしたが失敗。棒で外に追い出し、網をかぶせて捕まえた。この騒ぎに現場付近は騒然となった。汐入町の岡野吉江さん(67)は「こんな町中でサルを見たのは初めて」と驚いていた。対策室によると、体長約50センチのニホンザルの雄で、8歳前後の成獣とみられる。ペットの可能性もあるため、市で保護するが、飼い主が現れなければ山奥に放すという。数日前に、市中心部でサルの目撃情報があり、市教委は小中学校などに注意を促していた。
(3匹目モンキードッグを引き渡し:青森)
下北半島のニホンザルによる農作物被害を食い止める役割を担う3匹目の「モンキードッグ」が30日、サル被害対策にあたっている「下北半島のニホンザル被害対策市町村等連絡会議」(委員長・五十洲和彦風間浦村産業建設課長)に引き渡された。10月から主に大間、風間浦、佐井の3町村内で活動する。

TOPへ