<射撃ニュース10月>

10/24
(エゾシカ猟解禁:北海道)
道東地域のエゾシカ猟が23日解禁された。これに合わせて釧路総合振興局と道警釧路方面本部、釧路警察署は同日、ワシ類の鉛中毒と狩猟による事故防止のため国道44号沿い釧路町別保公園駐車場で「特別検問」を行った。検問は、ハンターが猟場に向かう日の出前の午前4時30分から行われ、警察官がハンターの銃の所持許可証や銃器を確認。振興局の職員が狩猟者登録証や銃弾の種類を確認するとともに、死骸回収用の袋を配布して鉛弾使用禁止や事故防止を啓発した。今年度の猟期は、釧根管内など東部が原則11年3月27日までだが、浜中町の一部と根室管内は同1月末まで、釧路市阿寒町が同2月末まで。
(シカ猟の銃暴発、女性負傷:北海道)
24日午前6時ごろ、北海道むかわ町穂別稲里の町道に止めた車内で、札幌市北区北25条西13丁目、会社員増田純一さん(61)がライフル銃を誤って暴発させ、同乗の同市南区真駒内緑町、無職半沢由美子さん(57)が右足を負傷。苫小牧署によると、2人はエゾシカ猟に来ていた。運転席で増田さんが弾を装てんしたところ暴発し、助手席の半沢さんに当たった。苫小牧署が業務上過失傷害などの疑いで話を聴いている。
(84歳クマに襲われ大けが:福井)
24日午前8時ごろ、勝山市村岡町黒原の仲乃橋付近の農地で、畑仕事をしていた近くの男性(84)がクマに襲われ、顔に大けがを負った。男性は福井市内の病院に運ばれたが、意識ははっきりしているという。襲われた男性は近くの住宅に助けを求め、住民が勝山署に通報、市消防署や市役所にも連絡された。猟友会員と市職員が周辺を捜索したところ午後2時ごろ、同集落内の民家庭にいる子グマを住民が見つけ、猟友会の捕獲隊員が射殺した。子グマは体長約50センチ。男性を襲ったクマとの関連は不明だが、クルミの木から突然下りてきたため、逃走されると危険だと判断したという。男性に救助を求められた近所の女性は「おーい、おーい助けてくれ、という声で外へ出たら、顔を手で押さえ、ズボンに血が付いたおじいさんがいた。怖いし、気が動転して、(男性の)自宅と警察に電話するのに番号の数字がよく見えなかった」と話していた。現場は12日にクマが玄関先に侵入し、女性看護師に重傷を負わせた野向町聖丸の高齢者介護施設から南へ1キロほど。野向町から村岡町にかけてはこのところ、滝波川沿いの一帯でクマの目撃が相次いでいた。市は地域住民に防災無線や広報車で注意を喚起している。 一方、大野市の民家近くで24日、クマの出没が相次ぎ、2頭を射殺、2頭を捕獲し奥山に放獣した。24日午前7時45分ごろ、同市蕨生の草むらに親子らしい2頭がいるのを市職員と猟友会の捕獲隊員計40人が見つけ、親グマを射殺した。現場が老人福祉施設に隣接し、人に危害を加える恐れがあったためとしている。親グマは体長約120センチ、体重約50キロ。体長約40センチの子グマは捕獲し市内の奥山に放獣した。同日午前9時半ごろには同市下唯野の民家の庭の杉の木に登っている1頭を射殺した。体長約100センチ、体重約40キロだった。同市下麻生嶋では同日午前7時35分ごろ、捕獲おりに1頭が入っているのを確認。体長約110センチ、体重約60キロで、市内の奥山に放獣した。
(クマに襲われ男性大けが:兵庫)
24日朝、兵庫県北部の朝来市で、自宅近くを1人で散歩していた男性がクマに襲われ、頭に大けがをしました。クマは逃げていなくなったということで、警察などが住民に警戒を呼びかけています。24日午前5時半ごろ、兵庫県朝来市の山沿いの道路で、近くに住む58歳の男性が1人で散歩していたところ、突然、体長1メートルほどのクマに襲われました。男性はクマともみ合いになり、およそ5メートル下にある道路沿いを流れる川に転落し、クマはそのまま川の上流の方に逃げていなくなったということです。男性は、自力で自宅に戻ったあと、救急車で病院に運ばれ手当てを受けていますが、頭に長さおよそ20センチの傷を負い、重傷です。現場のすぐ近くには住宅街があることから、警察や地元の猟友会などがクマの行方を追うとともに、住民に警戒するよう呼びかけています。朝来市内では、今月に入って23日までに、クマの目撃情報が7件寄せられていました。男性がクマに襲われた現場の近くに住む70歳の女性は「市の広報でクマが多いということは聞いていましたが、近所で人が襲われたと聞くと怖いです」と話していました。また、地元の民生委員の大橋正さん(69)によりますと、集落には、クマが食べたとみられるカキの食べかすが落ちていたということで「近くにある柿の木から実を取って、住宅の間を通ってきたのではないか。人が襲われたとなると、なるべく家の中にいるようにしなくてはならない」と話していました。
(出没していたクマ捕獲:新潟)
三条市は24日午前5時50分ころ、三条市下飯田地内で出没していたクマを同所に設置した箱わなで捕獲、新潟県猟友会三条支部下田分会が射殺して駆除した。捕獲したクマは体長133センチ、体高73センチ、体重120キロのオス。クマはおりから逃げようとして箱わなの鉄棒をかんだり、足でひきちぎろうとしたようで、口の周りや足のつめと、おりのあちこに血が残っていた。また、縦の丸い鉄棒の1カ所はちぎれており、クマの破壊力のすごさを象徴していた。
(民家にクマ侵入:秋田)
23日午後7時5分ごろ、仙北市西木町上桧木内字寺村の男性会社員(66)方にクマが侵入した。当時は家族3人が台所で食事をしていたが、全員外に逃げ出し無事だった。仙北署によると、玄関近くの1階廊下の窓ガラスが割れる音に家人が気付き、台所から見たところ、クマが廊下を歩いているのが見えた。110番通報した後、3人とも外に出て、敷地内に止めてあった車の中に逃げ込んだ。同署員が駆け付け、地元猟友会のメンバーと計13人で家の中を調べたが、既にクマはいなかった。廊下に面した別の窓ガラスが割れており、クマはそこから逃げたとみられる。
(ツキノワグマ捕獲:山口)
23日午前6時半ごろ、岩国市錦町須川で、ツキノワグマ1頭が箱わなに入っているのを、見回り中の同市職員と猟友会員がみつけた。錦町では8月25日以降、12頭が相次いで捕獲され、地元の不安が強いため、殺処分とした。山口県自然保護課によると、捕獲したのはオスの成獣で、体長130センチ、体重65キロ。集落近くのクリ林で、クリが食べられるなどされていたことから、22日にわなを置いていた。本年度の県内の捕獲は29頭目。
(団地にイノシシ、5人を襲う:広島)
広島市の住宅団地に24日午前7時すぎ、体長およそ1メートルのイノシシが現れました。イノシシは男女5人を次々にかむなどし、4人が救急車で運ばれました。逃走したイノシシは800メートル離れた公園に入り込んだところ、祭りの準備をしていた住民らに作業用の道具などで取り押さえられ、地元の猟友会が処分しました。
(路上にイノシシ出現:愛媛)
23日午前7時20分ごろ、松前町東古泉の国道56号で、乗用車の男性(66)が路上にいるイノシシを発見した。伊予署などによると、イノシシは停車した乗用車のバンパーに突進して衝突した後、西に逃走。約1時間40分後、同町筒井の防波堤消波ブロックのすき間に逃げ込んでいるところを地元猟友会員が手製のやりで仕留めた。けが人はなかった。松前町役場の話では体長約1メートル、体重約70キロのメスだった。同署などによると、22日夜にも松山市南部の重信川周辺でイノシシが出没し注意していたという。近所の男性(69)は「全国でクマやイノシシが出没していると聞いていたが、まさか近所で出てくるとは思わなかった」と驚いた様子で話していた。
(猟友会員減少続く、銃刀法改正影響:石川)
全国各地でクマの出没が相次ぐ中、捕獲や駆除の役割を担う猟友会の会員減少が止まらない。銃刀法改正など担い手不足に拍車をかける新たな要因も指摘され、県猟友会の関係者からは「八方ふさがり」とあきらめの声も。クマ出没時の対応を各支部の会員らに一任している行政にも待ったなしの課題だ。県猟友会によると、一九七八(昭和五十三)年に二千六百六十九人いた会員は減少を続け、昨年度は六百七十九人。ピーク時の四分の一近くまで落ち込んだ。ある会員は「どうもこうもない。社会現象や」と話す。県猟友会能美小松支部は会員は百十三人いるが、銃を所持できるのは半数程度。その中の十九人で、能美、小松、川北の二市一町の捕獲要請に対応しているが、会員のサラリーマン化が進み、緊急時に出動できるのは六、七人という。こうした中、会員減少を加速させると懸念されているのが、昨年施行された改正銃刀法だ。許可更新時の技能講習、精神科医の診断書添付など、所持要件が厳格化された。県猟友会によると、最近では網やわなを専門とする会員の比率が増加。県全体での会員の平均年齢も六十歳を超え、支部の会員は「あと十年もすれば、われわれが絶滅してしまう」と頭を抱える。県自然保護課は「差し迫った課題。狩猟免許試験の回数を増やすなどの対策はしているが、野生動物とのすみ分けのための里山づくりなど包括的な対策をしていきたい」としている。

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10/23
(クマに襲われ63歳男性けが:秋田)
22日午後4時15分ごろ、北秋田市阿仁根子の山中でキノコ採りをしていた同市の団体職員の男性(63)が、クマに右足をかまれたり胸を引っかかれて軽いけがをした。北秋田署によると、男性がキノコ採りをしていて顔を上げると前に成獣のクマ2匹と子グマ1匹が前におり、3匹と目が合った直後に子グマが男性に襲いかかった。その後子グマは男性から離れ、男性は自力で下山して自宅から119番した。同署の調べでは、現場は林道から約2キロ入った山林内。同署は近くの根子集落にパトカーを出して警戒し注意を呼びかけている。
(クマ出没、2頭射殺:福島)
今月18日、住宅地に3頭のクマが現れた福島県西会津町で23日朝、再び親子グマ3頭が民家の近くに出没。2頭が射殺されました。福島県西会津町では、今月18日から19日の未明にかけて、住宅地の柿の木の上でクマ3頭が目撃され、その後、住宅街に逃げ込む騒ぎがありました。クマは林の中へ逃げていて、町では警戒を続けていましたが、23日午前6時すぎに、先日の現場からおよそ3キロ離れた民家近くの柿の木で、再び親子のクマがいるのを近所の人が目撃しました。警察や役場職員などが駆けつけたところ、親子のクマ2頭を発見。地元の猟友会が、午前9時40分頃、木の上にいた2頭を射殺しました。町によりますと、射殺されたクマは、大きさなどから先日とは違うクマの可能性が高いということです。町では「近くに民家があり、安全確保のためにやむを得ず射殺した」と話しています。
(クマ、車に衝突と箱わなに1頭:新潟)
22日午前2時半ごろ、村上市岩石の県道で、近くの男性(53)が運転する乗用車が、左側の草むらから飛び出してきたツキノワグマ1頭と衝突した。村上署によると、男性にけがはなく、車は前方のバンパー部分が少しへこんだ。クマはそのまま逃げた。また、三条署によると、同5時45分ごろ、三条市南中に市が設置していた箱わなに雄のクマ1頭がかかっているのを見回り中の地元猟友会員が見つけた。クマは体長1・3メートル、体重約120キロで、射殺された。市農林課によると、同地区ではクマの目撃が相次いだことから、夏前から計6カ所にわなを設置。これまで9月22日と10月17日にも各1頭が捕獲されている。【
(イノシシ捕獲おりにクマ2頭:岐阜)
22日午前7時15分ごろ、揖斐郡揖斐川町市場の山中に町が仕掛けたイノシシ捕獲用のおりに、クマ2頭が入っていると、近くの住民から猟友会員を通じて町役場に連絡があった。クマは猟友会員によって殺処分された。けが人はなかった。同町によると、クマは体長約150センチと60センチの雌2頭で、親子とみられる。おりが設置されていたのは、山すその農道沿いで、約100メートル離れた所には民家もある。同町によると、9月中旬以降、町内各所で十数件のクマの目撃情報があり、住民に注意を呼び掛けている。
(クマの相次ぐ出没受け、マラソン大会中止:新潟)
新潟県新発田市は22日、相次ぐクマ出没を受けて、11月3日の「第8回真木山(まきやま)リレーマラソン大会」を中止すると発表した。今後も出没する可能性が高いとみて、参加者と大会関係者の安全確保のため。市内の参加者259人には21日付で中止の通知書を郵送した。市によると、真木山(標高約60メートル)の周囲を1周するコース(約11キロ)の周辺で13~22日、延べ5頭のツキノワグマが目撃された。
(クマの目撃情報多数、金山跡めぐり中止:岩手)
三陸鉄道は22日、「クマの目撃情報が多数あり、危険だ」として、大船渡市三陸町の南リアス線甫嶺(ほれい)駅を起点に11月3日に予定していたハイキング「金山跡めぐり」を中止すると発表した。甫嶺駅からバスで出発し、途中から歩いて山に分け入るコースで、20人弱の申し込みがあった。しかし、ガイドを依頼していた地元の研究者らから「金山跡周辺の上甫嶺地区でクマが目撃された」との情報が相次いで寄せられた。三鉄の担当者は「参加者の安全を考慮した。クマの出没でイベントを中止したのは初めて」と話している。
(クマ対策マニュアル作成計画:山形)
県は、クマによる人への被害が相次いでいる事態を受け、クマの撃退・駆除に関する対策マニュアル作りに乗り出す。猟友会が銃を使えない市街地などで迅速に発砲許可を得るための手続きや捕獲する場合のクマの追い込み方など、緊急時の意思決定や判断のあり方を明確にするのが狙いで、麻酔銃を扱える獣医師との連携も強化する。撃退・駆除に関する詳細なマニュアルはこれまではなく、県は「常識が通じない事態が起きており、人命第一で対処するための基準が必要」としている。猟銃を使ったクマの駆除は、鳥獣保護法により、住居が集合している地域や、人、建物、乗り物などに弾丸が届く恐れがある場所では禁じられている。14日早朝に長井市立長井北中学校にクマが侵入した際は、猟友会が現場にいた警察官の許可を得て、緊急避難的に校内で発砲、駆除した。県は、市街地などでクマを取り逃がせば人的被害が想定されるケースについて、警察への連絡で発砲許可を得ることができるかなど、意思決定や許可の手順を明確にするなどして、緊急時の例外措置をマニュアルに盛り込みたい考え。警察が到着するまでの時間稼ぎや、住宅密集地と逆方向に誘導する方法なども、ケースバイケースでまとめたいとしている。また21日に飯豊町椿の民家近くの木に登った親子3頭のクマの撃退では、当初、麻酔銃の使用も検討されたが、扱いに詳しい獣医師と連携が取れなかった上、住宅地での銃器使用に警察が難色を示したため、県置賜総合支庁の職員が吹き矢で対応することになった。麻酔の量が足らず、矢は命中したのに効果がなく、クマは山に逃げ帰ったが、地元住民からは「安全のために捕獲すべきだった」との声も上がった。このため県は「麻酔の量や麻酔銃に詳しい獣医師との連携を密にしたい」としている。クマ対策のマニュアルは、環境省が作成したものがあるが、住宅密集地での銃による撃退・駆除など、細かい対応に関する記述はない。県は、今年の“異常事態”での対応を検証し、マニュアル作りに生かしていく方針。県内でのクマの捕獲は、「ツキノワグマ保護管理計画」により年度ごとに上限数が決まっており、今年度は上限数218頭に対し、18日までに163頭が捕獲された。県は、人や民家への被害が続く場合は、来年度の捕獲枠の一部を前倒しして上限数を拡大する方針を決めている。
(またクマ捕獲、県内では1週間連続:鳥取)
鳥取県では、22日もツキノワグマが捕獲されました。県内では1週間続けて毎日、クマが捕獲されています。22日に捕獲されたクマは、鳥取市の人里近くに仕掛けられたイノシシ用の罠にかかっていました。このクマは体重が48キロのツキノワグマで、大人とみられ、県の職員が麻酔銃で眠らせ、マイクロチップを埋め込んだ後、山奥に返されました。罠から200メートル程の場所には住宅がありましたが、クマによる被害はありませんでした。鳥取県では21日だけで6頭が捕獲されていて、22日までの1週間は毎日、クマが捕獲され続けています。
(シカきょうから一斉駆除:徳島)
樹木の皮や農作物を食べて深刻な被害をもたらすニホンジカの頭数削減のため、県は23日から、県南西部の山間地で銃を使った一斉駆除を行う。有害鳥獣への大規模な駆除は初めて。県は期間中の山林への立ち入りについて注意を呼びかけている。31日まで実施する。県によると、ニホンジカは県内の山間部に1万2570頭(2006年度)が生息しており、稲やスダチの葉を食い荒らすなど農作物への被害額は昨年度2900万円に上り、04年度の290万円から10倍に増えているという。実施されるのは、吉野川、美馬、三好市と、勝浦、上勝、佐那河内、神山、那賀、牟岐、美波、海陽、つるぎ、東みよし町の13市町村の里山で、猟友会のメンバーのべ約730人が参加。予定している2回目(3月19~27日)と併せて、計300頭の駆除を目標としている。県は「入山をする際は捕獲者から見て分かりやすい服装を心がけ、特に土日の山林の立ち入りは注意して」と呼びかけている。
(住宅街のシカを捕獲:北海道)
札幌市内の住宅街にエゾシカが迷い込みました。エゾシカは警察などが追い詰めて午後になって麻酔銃で眠らせて捕獲しました。札幌市手稲区の住宅街に動物を捕獲する道具を持った人の姿。きょう、手稲区の住宅街に野生のエゾシカが出没しました。住宅街近くの林でシカを探していると。「いたいたいたいた!目の前にいる」シカが茂みの中で、じっとしています。このまま捕獲すれば一件落着というところでしたが、シカはこちらに向かってゆっくりと歩き出し・・・。シカは再び動き出し、住宅のある方向に走っていきます。いったんは姿を見失うものの、その後、近くの駐車場にいるのが発見されました。捕獲のため、獣医が麻酔銃を持って入っていきます。しかし、ここから思わぬ長期戦に・・・。「シカを駐車場に追い込んでから1時間以上が経過しました。これまでに麻酔を7本打ち込んでいますが、未だシカは立っているということです」結局、この7本目が効いて、10分後、ついにシカを捕獲しました。シカは体長1.5メートルの雄で山に戻す予定ですが衰弱しているためいったん酪農学園大学に運ばれるということです。
(イノシシがウミガメ卵捕食:沖縄)
西表島南岸の2カ所の砂浜で、リュウキュウイノシシが、レッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)Ⅱ類に分類されるアオウミガメの「産卵巣」を掘り返して卵を食べている事が、このほど初めて自動撮影で確認された。砂浜はいずれも重要な産卵地で、産卵巣の3分の2以上が被害に遭ったとみられる。専門家は「ウミガメ保護の観点からいえば大問題だが、イノシシも在来種で、簡単に『悪者』にできない」と指摘。生態系保全のために、さらに詳しい調査が必要としている。日本ウミガメ協議会付属黒島研究所と琉球大学海洋自然科学科伊澤研究室の共同調査で分かった。卵の捕食が確認されたのは、西表石垣国立公園内の「サザレ浜」と「ウブ浜」。八重山諸島全体の産卵巣数の3~4割が両砂浜に集中しているという。両砂浜で確認された産卵跡数計92カ所のうち、60カ所が捕食されていた。アオウミガメは毎年5~8月に上陸し、産卵巣に100個程度の卵を産むが、荒らされた場所では、すべて食べられていたという。砂浜の表面から産卵巣内の卵までは約60センチ。同研究所の亀田和成研究員は「人間でも掘るのは大変だが、イノシシはブルドーザーのように、掘って砂を押しのけて、また掘って…と行動していた。6~8月によく現れており、この時期に卵が食べられると学習している」と指摘する。同研究所は1999年以降、同地域でウミガメの上陸調査を実施。2007年から産卵巣が掘り返され、卵が捕食される被害が続いていたため今年4月、海洋博覧会記念公園管理財団の助成を受け調査を開始。伊澤研究室が持っていたイリオモテヤマネコの自動撮影技術を応用して確認した。亀田研究員は、これまで県内外でアライグマやイタチによる捕食例があるとし、「外来種なら駆除となるかもしれないが、在来種なので『自然の摂理』とも言える」と詳しい調査が必要としている。環境省西表自然保護官事務所も「ウミガメの生息に影響が出るとなれば、何らかの対策が必要だが、生態系の流れを崩すこともありうる。いろんな知見が必要で、研究の成果を受けて判断したい」としている。沖縄こどもの国のイノシシ飼育員・吉岡由恵さん イノシシは雑食で何でも食べる。園内でも鼻を使って穴を掘り、ミミズなどを食べたりしている。普段は山の中でエサを探すのだろうが、何かの拍子に浜でウミガメの卵を食べ、味を覚えてしまった可能性がある。
(住宅地にイノシシ出没、捕獲に至らず:和歌山)
和歌山市善明寺の住宅地にイノシシが出没し、住民を困らせている。住民らによると、イノシシは約1カ月前からしばしば姿を見せていて、農作物を荒らされた畑もある。19日には風呂をわかそうと家の外に出た主婦(63)が右足をかまれたため、自治会関係者が22日も周辺で警戒。正午過ぎ、イノシシを見つけ、警察に通報した。しかし、駆けつけた警察官らが網で捕獲しようとするとイノシシは高さ約90センチのブロック塀を飛び越え、山の中へと逃げていった。足をかまれた主婦は軽傷で済んだが「近くには子どもも多いし、早く捕まって欲しい」と話した。
(県立射撃場整備庁内検討委員会が初会合:山梨)
県は22日、県立射撃場整備庁内検討委員会(委員長・平出亘知事政策局長)の初会合を開き、甲州市塩山上小田原に建設を予定してきた県立クレー射撃場計画の抜本的な再検討に着手した。県は計画の白紙撤回も含めて検討する方針だが、シカなどの有害鳥獣駆除を担う県猟友会は射撃場建設を求めている。射撃場なしでも有害鳥獣駆除を継続できるかどうかが、最大の焦点となっている。県立射撃場が再検討に追い込まれたのは、整備費が当初見込みの約16億円から約22億6000万円へとふくれあがったことが最大の要因だ。この日の会合では、建設する場合でも、整備費は「15億円前後」にとどめるという当初の方針が再確認された。会合の出席者によると、シカなどによる有害鳥獣被害の現状や、公表されていない複数の候補地が「参考」として紹介されたという。検討委は今後、有識者や猟友会などのヒアリングも行う。来秋をめどに知事に意見具申し、知事が最終決断する予定だ。横内知事は従来、県立射撃場を整備する理由に「クレー射撃競技の振興」を挙げていた。だが、県クレー射撃協会の会員数が100人を下回っているため、次第に有害鳥獣駆除が理由に挙げられるようになった。県内のサルやシカ、イノシシなど有害鳥獣による農作物への被害は減少傾向にあり、昨年度は1億8900万円。ただ、シカ食害のみ増加傾向で、県は今年度の猟銃によるシカの駆除目標数を1000頭から1200頭に拡大した。駆除は県の委託を受けた猟友会のメンバーが行う。読売新聞が県猟友会の6支部に取材したところ、いずれも「県立射撃場の整備は、練習環境維持のため必要」と回答した。県内には民間射撃場が4か所あるが、規模が小さく、猟に使う大口径の銃弾は使えない。現在、猟友会のメンバーは長野県辰野町、静岡県富士宮市、同県裾野市など県外の射撃場で練習しているという。県猟友会峡中支部の藤巻光美支部長は「会員の高齢化が進み、県外での練習は負担が大きい」と話す。また、昨年12月に銃刀法が改正され、猟銃所持の免許更新に実射試験が必要となり、練習の必要性が増したという。一方、和歌山県では、用地確保の失敗で、今年5月、射撃場計画が白紙になった。だが、同県農業環境保全室によると、公立の射撃場がなくても県外の射撃場で対応できているという。山梨県では、今年度からシカに対するわなの実証実験を開始し、猟銃以外の駆除方法を模索している。また、県外の射撃場を使う際の交通費や施設利用料を県が補助するなどの措置も検討する。県幹部は「時間をかけて、有害鳥獣駆除とどう両立させるかを検討する」と話す。

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10/22
(猟師不足、狭まる包囲網:佐賀)
イノシシなどの有害鳥獣による農作物被害が続き、猟師の必要性が高まるなか、全国で猟師不足が深刻化している。県内でも猟友会員は減少。銃規制の強化に加え、散弾の鉛による環境への悪影響の懸念から県内の射撃場の閉鎖が検討されるなど、取り巻く状況は厳しい。県猟友会によると、県内の会員は今月21日現在1065人で、このうち猟銃を撃てる「第一種銃猟免許」の所有者は573人。前年に比べて約70人減り、減少傾向にある。減少理由を、同会は「高齢化に加え、銃刀法が厳しくなったことで免許を手放す人が増えている」と分析する。2007年に長崎県佐世保市で起きた散弾銃乱射事件を受け、改正された銃刀法が昨年末に施行。弾と銃を別々の建物に保管することや、免許更新時に75歳以上は認知症の検査を受けることなどの条件が追加された。このほか改正銃刀法は、3年に1度の免許更新の際に実技を伴う技能講習を義務づけた。しかし、佐賀、鳥栖、伊万里の県内3カ所の射撃場のうち1カ所が閉鎖を検討するなど、猟銃所持者を取り巻く環境は厳しさを増している。1984年にオープンした伊万里市散弾銃射撃場は、管理する市が閉鎖の意向を示している。放置された弾の鉛が土砂や水に流出する心配があるとして、周辺住民から閉鎖を求める声が上がったためだ。塚部芳和市長もいったんは来年3月までの閉鎖を明言したが、今年3月の市議会では「慎重に考えたい」とトーンダウン。「伊万里市はイノシシが非常に多く、駆除をしなければならない。法改正で、有害鳥獣従事者は射撃場での訓練が必要」とした。市散弾銃射撃場のクレー射撃の練習をしていた有田町の男性(65)は、町やJAの依頼を受け、イノシシの駆除を行っている。男性は「伊万里市の射撃場が閉鎖されると、佐賀市まで行かなければならず遠くて不便だ」と話す。県生産者支援課によると、イノシシによる農作物被害は昨年度1億8600万円で、電気柵(さく)の設置や耕作放棄地の整備などの対策を講じ、02年度の4億1700万円をピークに減少傾向にあるという。同課の担当者は「農作物被害を減らすのに特効薬はなく、複合的に取り組むしかない。イノシシが田畑を荒らすと捕獲せざるを得ず、銃の狩猟免許を持つ人が減る現状は、農業者にとっても深刻な問題だ」と話している。
(クマ駆除に“黄色信号”:富山)
クマの出没が頻発する中、駆除の役割を担う猟友会の会員が減り続けている。銃刀法改正で猟銃所持の条件が厳しくなり、減少が加速することも予想される。富山県猟友会から「このままいけば将来的に、駆除の要請に対応しきれなくなる」との悲鳴も上がっている。県猟友会によると、昨年度の会員数は七百六十七人。一九七八年の二千百五十七人をピークに減り続け、当時の三分の一程度に落ち込んだ。六十歳以上の会員が六割を超え、高齢化も進む。新規会員の多くは、農産物を食い荒らすイノシシ対策のわな猟が対象。猟銃の新規所持は、ごくわずかという。事務局は「趣味が多様化し、若い人が狩猟に興味を持たない」と説明する。さらに、二〇〇七年の長崎県佐世保市のスポーツクラブ散弾銃乱射事件を受け、銃刀法が改正され、昨年十二月から猟銃の所持要件が厳格化。所持許可の更新時に技能講習や精神科医の診断書添付、高齢者には認知症検査も義務付けられた。県猟友会の石黒信二事務局長は「高齢の会員は、煩雑な手続きを嫌う。更新しない人が増え、今から二、三年で会員は急激に減るだろう」と推測する。県内でクマ出没が特に多い南砺市では、土壌の鉛汚染で閉鎖されていた県福光射撃場のクレー射撃場が今月六日、有害鳥獣駆除の訓練施設として、市に移管されて再開した。石黒事務局長は「これまでは県外まで行って、練習しなければならなかったので助かる」とする一方、「新規会員の人手の確保策が求められている」と訴えている。
(狩猟期間の1カ月延長を決定:長野)
県特定鳥獣保護管理検討委員会は21日、長野市内で開き、今季のニホンジカとイノシシの狩猟期間を後半で1カ月延長し、11月15日~来年3月15日までにすると決めた。捕獲を進める狙いで、延長はニホンジカが3年連続、イノシシが2年連続。ともに延長期間中は銃の使用を原則禁止し、「わな・おり」の猟に限定する。
(知床シカ捕獲、公道から銃も:北海道)
世界自然遺産の北海道・知床で増え過ぎたエゾシカ対策として、公道をトラックで往復しながら、道路わきの斜面に出てきたエゾシカを銃で撃つ新たな捕獲方法を、環境省が検討していることが21日、わかった。同日、北海道釧路市で開かれた「知床世界自然遺産地域科学委員会」のエゾシカ・陸上生態系ワーキンググループで提案し、了承された。公道上から発砲して捕獲するには、環境相または都道府県知事の許可を得なければならず、道路の通行禁止措置なども必要になる。このため、環境省は道路管理者の道や道警など関係機関と協議し、捕獲方法を検討する。同省釧路自然環境事務所によると、新方法は運転席の天井に射撃台を付けたトラックの荷台に、射手と記録係が乗車。道道沿いに設けた餌場を巡回しながら、エゾシカを捕獲していく。知床半島の東側、北海道羅臼町のルサ~相泊地区(約8キロ)で検討している。知床半島には現在、1万頭以上のエゾシカが生息しているとみられ、生態系への影響が心配されている。同省は囲いわななども含め様々な捕獲方法を試しながら効果を検証していく。
(知床に加え、別地区でも捕獲を試行:北海道)
知床半島に生息するエゾシカの適正管理に取り組む、知床世界自然遺産地域科学委員会のワーキンググループ会合が21日、釧路市内で開かれた。今冬のシカ捕獲は、知床岬地区に加え、新たに「ルサ・相泊地区」でも試行することを決めた。ルサ・相泊地区では来年3月までに、餌付けを利用して確実に狙撃する「シャープシューティング」的手法や、囲いわなによる猟を実験的に実施。道路脇に出てきたシカを路上から撃つ「流し猟」についても、関係機関と法的問題などを協議しながら実現の可能性を探る。シカの越冬地となっている知床岬では07年度から毎冬、狩猟による「密度操作実験」が行われ、当初推定で480頭とされた越冬数を3年間でほぼ半減させた。
(エゾシカ、中学校校舎内に:北海道)
釧路市の中心市街地で21日午前、雄のエゾシカが現れ、一時は中学校の校舎内に逃げ込む騒ぎとなった。市などによると、同日午前7時すぎ、中心街を流れる釧路川の幣舞(ぬさまい)橋下で、体長2メートルほどの雄のエゾシカ1頭が泳いでいるのを市民が発見。シカは約1キロ上流の旭橋付近で上陸後、対岸へ泳いで逃げた。その後、シカは同9時50分ごろ、2キロほど東の同市立青陵中学校グラウンドに出現。中庭に逃げ込んだ後、校舎1階の窓ガラスを突き破って廊下に侵入。十数分後、別の窓ガラスを割って外へ逃げ、姿を消した。当時、1階では1年生37人が授業中だったが、けが人はなかった。周辺にシカの生息地がある釧路市内では、市街地へのシカ出没はたびたびあるが、建物内への侵入は珍しいという。
(中心街にクマ、夜の住宅庭で駆除:富山)
クマの出没が相次ぐ魚津市で21日午後9時ごろ、雄グマの成獣1頭がJR魚津駅そばの市役所前公園付近に現れた。約1時間半後、逃げ込んだ近くの民家の庭先で銃で駆除された。けが人はいなかった。同市では20日未明に海岸線沿いの茂みにクマ1頭が入り込み、21日夕に警戒態勢を解いたばかり。同じクマかどうかは判別できないが、中心街での出没に市民は不安を募らせている。21日午後9時ごろ、魚津市役所前公園近くにクマがいると市消防本部に通報があった。その後、タクシー運転手が、JR魚津駅から山側に伸びる道路を横切って魚津商工会議所ビル前の駐車場に入り込むクマを目撃した。約15分後には駐車場近くの民家の庭にいるのを住民が見つけ、110番した。駆け付けた魚津署員や消防署員が民家の周囲を通行止めにして車両などで封鎖。市対策本部は、周囲が住宅街で駅前の飲食店街にも近いため、住民らに危害が及ぶ恐れがあると判断。日没後や住宅地での発砲は禁じられているが、県に連絡した上で刑法の規定に基づく緊急避難措置として銃による駆除を決めた。消防の救助工作車の上から塀越しにクマの位置を確認。市有害鳥獣捕獲隊員4人が庭に入り、同10時半すぎ、クマに向けて3発を発砲した。駆除されたクマは体長約130センチ、体重130キロで推定年齢は5歳。同市ではこのほか、同日午前6時40分ごろ、12日に男性が襲われ重傷を負った印田の現場から約150メートル離れたリンゴ畑に雌グマが現れ、約1時間20分後に近くの茂みで駆除された。クマは体長134センチ、体重100キロ。男性を襲ったクマかどうかは不明。
(クマ射殺:富山)
富山県内は22日も県東部の山沿いを中心にクマの出没が相次いでいて入善町では22日朝、わなにかかった成獣のクマが射殺されました。入善町によりますと22日午前6時40分ごろ、入善町舟見で、パトロール中の有害鳥獣捕獲隊員が成獣のクマがわなにかかっているのを見つけ、その後、射殺しました。クマは体長およそ1メートル20センチ、体重およそ70キロでした。また、魚津市大光寺では22日午前6時半頃、67歳の男性が自宅横の畑の柿の木が折れていることに気付いて、周りを見渡したところ成獣のクマが逃げていくのを目撃しました。現場はアピタ魚津店の近くでクマは北側の国道8号線の方向に逃げたということです。午前7時半ごろにはその200メートルほど北側でクマが目撃されていて警察や猟友会が付近をパトロールして警戒にあたっています。魚津市では21日夜、JR魚津駅に近い市街地に成獣のクマが現れ、市の有害鳥獣捕獲隊員によって射殺されています。また、朝日町では境地区で22日午前6時頃、県道を歩くクマの姿が目撃されたほか、元屋敷地区で子グマ1頭がわなで捕獲されました。この子グマは21日目撃された子グマ2頭のうちの1頭とみられ、21日の夕方から夜にかけてわなに入ったとみられます。朝日町ではもう1頭を捕獲し、2頭一緒に奥山に返したいとしています。
(クマの捕獲・射殺、相次ぐ:岐阜)
県内では21日もクマの目撃や捕獲、射殺事例が相次いだ。21日午前5時50分ごろ、関ケ原町関ケ原の山すそに仕掛けてあったイノシシ捕獲用の鉄製オリ(縦、横各1メートル、奥行き1・5メートル)にツキノワグマが入っているのを見回りに訪れた猟友会員が見つけ、町の許可を得て射殺処分した。関ケ原町や垂井署によると、体長1・5メートル、体重90キロ、6歳くらいのオス。現場は旧関ケ原北小学校の北西約300メートル。民家から約400メートル離れている。同町での今年のクマの捕獲は今月11日に続き2頭目。同日午前8時15分ごろ、七宗町神渕のドライブウエー施設「こぶしの里」付近の県道で目撃されたクマは約2時間後、県道脇のり面にある松の木(高さ約7メートル)から下りてきたところを射殺された。加茂署によると、体長約60センチ、1歳程度のメスだった。同署管内では、八百津町八百津の八百津森林組合の駐車場でも同日午後4時ごろ、木に登っているクマを同組合職員が見つけた。子グマとみられ、その後逃げたという。
(ツキノワグマ1頭を捕獲:新潟)
17日に三条市鹿峠でクマが捕獲されてから5日後の22日、今度は同市南中でクマ1頭が捕獲された。三条市内ではことしに入って9月17日に北五百川で初めて捕獲されてからこれで3頭目のクマ捕獲となった。今回、クマがかかったのは、2日前の20日に南中のカキの木そばに設置した箱わな。22日午前5時45分、ツキノワグマがかかっているのを新潟県猟友会三条支部下田分会の会員が発見、射殺した。捕まったのは体長132センチ、体高75センチ、体重120キロのオスのツキノワグマ。冬眠に備えて里でたらふくえさを食べたのか、まるまると太っていた。この秋の全国的なクマの異常出没は下田地区でも同様、今も続いている。4年前の平成18年にもクマが異常出没し、社会的な影響が出た。ことしは幸い、人に被害は出ていない。21日までの出没情報も4年前を大きく上回り、下田地区71件、三条地区2件の73件にのぼっている。全国的には家の中にクマが侵入して襲われるケースがあったため、下田地区でも1階では寝ずに2階で寝るようにしている家もある。三条地区に近い藤平工業団地でも出没情報があり、クマが3頭くらい捕まっても依然として危険な状態が続いていることに変わりはなく、さらに里へ下りてくる傾向もあって一段と警戒が必要だ。三条市でも注意喚起、わなの設置、広報など。ひと通りの対策を行っているだけに、今のところはこれを継続する以外に打つ手はない。ただ、カキの実がクマのメーンターゲットになっているようだが、昔の名残で大半の家の敷地には、今は食べも収穫もしなくなったカキの木があり、カキの実を取る、木を切るなどの対策も呼びかけている。
(クマ、ワゴン車衝突:宮城)
20日午後7時半ごろ、宮城県村田町足立の山形自動車道上り線で、多賀城市の会社員男性(26)のワゴン車がクマと衝突、男性にけがはなかった。クマは現場で死んだ。県警高速隊によると、クマは体長約160センチ、体重約130キロ。成獣とみられる。ワゴン車は走行中、左から横断してきたクマとぶつかったという。県内の高速道路では今年、クマと車の衝突事故が5件あり、昨年1年間の2件を上回った。
(住宅でクマ目撃、柿の木に登る:新潟)
21日午後9時半ごろ、新潟県阿賀町黒岩の住宅の庭にある柿の木(高さ約10メートル)にクマが登っているのを隣に住む男性が見つけ、津川署に通報した。署員が駆け付けたが、既に姿はなかった。同日午前にも近くの阿賀野川でクマが泳いでいるのを釣り人が目撃していた。津川署は周辺をパトロールし、阿賀町は住民に警戒を呼び掛けている。津川署によると、住宅の木の幹にはクマのつめあととみられる傷が複数あった。現場は阿賀町役場から西北西に約6キロの山と阿賀野川に囲まれた集落。
(クマ9頭を相次ぎ捕獲し山へ:鳥取)
鳥取県で、20日から21日にかけてツキノワグマ9頭が相次いで捕獲されました。県では21日朝から、捕獲したクマを山に戻す作業を行いました。捕獲されたツキノワグマは、いずれも鳥取県八頭町や岩美町の人里近くに仕掛けられた罠にかかっていました。捕獲された9頭のうち、少なくとも2頭は子グマでした。県では、捕まえたクマに個体識別用のマイクロチップを埋め込み、山奥に返す作業を続けています。鳥取県では今月だけで26頭が捕獲されています。
(クマ2頭が射殺される:岐阜)
クマの目撃情報が今年に入って去年の倍以上の540件に上っている岐阜県で21日、2頭が射殺された。警察によると、21日午前10時前、七宗町神渕でクマ1頭が道路を歩いていると通報があった。警察や役場職員約10人が付近を警戒していたところ、松の木によじ登っているのを発見した。クマは約30分後に木から下りたが、住宅地の方向へ向かったため射殺された。クマは体長約60センチの雌の子グマだった。また、関ヶ原町でも21日朝、ワナに体長1.4メートルのクマ1頭がかかった。近くに住宅地があったため、クマは射殺された。
(クマ捕殺は是か非か、絶滅危惧に自治体「安全第一」:岐阜)
関ケ原町関ケ原の山林で21日早朝、イノシシ捕獲用の鉄製箱おりに入ったツキノワグマ1頭が猟銃で殺処分された。同町では、12日にも箱おりに掛かったクマ1頭が殺処分されており、4月以降に県内で捕殺したクマは昨年度1年間の3倍以上となる145頭にも達した。わな猟は全国的に増えており、NPO関係者らからは、無差別な捕獲によるクマの絶滅を危惧(きぐ)する声が出ている。垂井署によると、クマは体長約1・4メートル、体重約90キロの雄で、同町が設置した箱おりに入っていた。現場から半径約400メートルに民家はないが、近くに林道が通っている。町は農作物を守る有害鳥獣駆除のため、町全域の山林に約50基の箱わなを設置。クマの殺処分については「放す場所が確保できないのが一番の理由。林道に近いので、安全を第一に考えた」と説明している。大日本猟友会によると、猟銃を持つハンターが高齢化で減少する一方、手軽なわな猟は農家を中心に手がける人が増加。同会だけでも、わな猟の有資格者は3月末で約1万8000人と、10年前に比べ3倍近く増えている。11月15日には狩猟が解禁される。狩猟ではツキノワグマに対してのわなの使用は禁止されているが、全国でクマが多数出没する中、わなにかかってしまう事故が懸念されている。県地球環境課の担当者は「放獣で地元の理解が得られることは少ない。おりから出す時にも危険が伴う」と放獣の難しさを指摘。わなにかかるクマを減らす対策として、上部にクマ用の脱出穴を開けたおりの普及を進めている。クマ対策に取り組むNPO法人「ピッキオ」(長野県軽井沢町)は「クマの捕獲や駆除の対策だけでなく、生息数の調査や駆除の影響などの実態把握が必要」と注文。「全国的な駆除活動は、急激な生息数減少につながる可能性がある」と話している。
(イノシシ被害、ミカン農家ら頭悩ます:和歌山)
和歌山県の紀南地方で温州ミカンの収穫が始まっているが、田辺市上秋津ではミカンがイノシシに食べられたり、枝が折られたりするなどの被害が出ている。イノシシは山奥から出てくるのではなく、ミカン畑周辺にすみ着いて荒らされるといい、被害に農家らが頭を悩ませている。地元の農家、原和男さん(69)のミカン畑では、9月末ごろから被害が出始めた。畑の木は、あちらこちらで枝が折れ、地面にはミカンの皮が散乱している。石垣が壊されたり、土が掘り返されたりもしている。木の1・5メートルほどの高さのところでもミカンが食べられた痕跡がある。イノシシは実を食べるため、木にのしかかって枝を折るのだという。原さんは対策のため、今年初めて梅の収穫の時に使うネットをミカン畑の周囲に張り巡らせた。これまでも被害はあったが、年々目立ち始めたといい「枝を折られると修復には2、3年はかかるし、木のバランスが崩れてミカンの品質にも影響が出る」と嘆く。周辺のミカン畑でも農家が電気柵を張ったり、木の柵を作ったりとそれぞれに対策をしている。同市上秋津の森山薫博さん(57)のミカン畑では5年ほど前から延長約3キロにわたって電気柵を設置している。「ミカンの被害ではイノシシが一番多いのではないか。ここ1、2年ぐらいは増えてきている」という。地元で有害捕獲に携わる農家の男性(67)は「イノシシは山奥から出てくるのではなく、この辺りで繁殖して、ここが『ふるさと』になっている。一晩で150個ほど食べられたこともあった」と話す。以前は夜間に行動して作物を荒らしていたが、最近は昼間でも行動して荒らすという。原さんの畑では、ネットを張った後は被害は収まっているようだが、原さんは「ネットをくぐったり、すきを見つければすぐ入ってくるだろう。被害に遭うのは温州ミカンだけでなく、ポンカンや清見など年間を通して旬のかんきつ類が被害に遭う」と心配は絶えない。ふるさと自然公園センター(同市稲成町)の鈴木和男さん(53)によると、ミカンの食害はイノシシのほか、タヌキやサルなどもあるが、太い枝を折っているような場合は、イノシシと考えて間違いないだろうという。田辺市農業振興課のまとめでは、2009年度のイノシシによる農作物への被害金額は約760万円。イノシシの有害捕獲数は今年4月から9月末までの間に351匹で、昨年同期の305匹を上回った。上秋津や同市上芳養などでミカンへの被害が目立っており、有害捕獲に力を入れていることもあり、捕獲数は増えているという。
(イノシシ、海を渡って来た?:三重)
鳥羽市の離島の答志島で今夏、これまでいないとされていたイノシシの被害が初めて確認された。刈り取り間近の稲田が荒らされていたうえ、複数の足跡が残されていた。被害の届け出を受けた市は島内2カ所に捕獲ワナを仕掛けたが、捕まえるまでには至っていない。島民らは「イノシシが餌を求めて海を泳いで渡って来たのか」と驚いている。イノシシ被害が確認されたのは、島の西側に位置する桃取地区。市農水商工課によると、稲田への被害は8月中旬にあった。同地区は14戸の兼業農家が1・4ヘクタールの田を耕作しており、うち2戸の稲田が荒らされていた。イノシシは稲穂がたわわに実った中をジグザグに歩き回って倒し、一部は食い荒らしていた。調査に同行した猟友会員がイノシシの足跡と確認し、異なった足跡から2頭以上いると推測された。いずれも成長したイノシシらしい。一部の畑では牙で掘り起こしたような跡も見つかった。同課は8月中下旬に、同地区の奈佐の浜と長者ケ浜の2カ所に捕獲ワナ(縦横90センチ、高さ175センチ)を設置した。中に米ぬかなどの餌を置いて捕獲を試みているが、いまだに捕獲されていない。これまでに▽イノシシが子供のウリ坊を連れて歩いていたのを目撃した▽イノシシらしき動物が海を泳いでいるのを見た--などの目撃証言があり、島民らを困惑させている。答志島は鳥羽市の4離島のうち最大の島で面積は約7平方キロ、周囲26キロ。2600人余の島民が住んでいる。大半は森に覆われており、島の最高地点の宮谷峠は標高167メートル。漁業が主産業だが、桃取地区は平たんなところがあり、農業も営まれている。市農水商工課の城山幸一課長は「これまで答志島ではイノシシの被害の報告は一切なかった。桃取地区から本土の小浜町とは1キロ余りしか離れていないので、そこから泳いで渡って来たのだろうか。島内に潜んでいる可能性が強く、捕獲に努めたい」と話している。市内ではイノシシによる食害が多数報告されており、餌を求めて答志島に渡った可能性が指摘されている。
(サル撃退へ家庭犬訓練:山口)
サルによる農作物被害が増えているため、萩阿武地域鳥獣被害防止対策協議会(会長、金子栄一・阿武萩森林組合長)は、家庭犬を訓練して里に降りてきたサルを山へ追い払う「モンキードッグ」の養成を始めた。萩市内のダイコン、サツマイモなどの農作物被害は07、08年度にそれぞれ2700万円で、09年度は3000万円と増加。20~30頭の群れで来ることも多い。ロケット花火や電気ネットで侵入防止を図っているが決定打とはいかず、各地域にいる家庭犬の手も借りることにした。イノシシやシカにも効果が期待されている。訓練は17日から萩市川上の明神島運動公園で始まった。萩警察犬訓練所の中村明子訓練士が指導役となって、4カ月間(毎週土曜か日曜日)訓練。成果テストに合格した犬は、4回にわたって山に放し、呼び寄せる実地訓練を実施。適性と認められれば「モンキードッグ」として認定される。今回は10頭が参加した。協議会事務局で市農政課の大谷聡係長は「地域に訓練された犬がいると、被害も減るのではと期待している」と話した。
(猿が出没:大分)
大分市郊外の住宅地で複数のサルが頻繁に現れ、子どもやイヌが襲われる被害が相次いでいます。近くの小学校では、集団登校を行うなど被害防止を図っています。サルが現れているのは、大分市戸次地区のけやき台などの住宅地です。大分市によりますと、サルは複数いるとみられ、明け方や夕方を中心に頻繁に出没しているということです。これまでにサルに追いかけられ小学生やお年寄りがケガをする被害が3件寄せられています。またイヌがサルに襲われる被害も相次いでいます。こうした状況を受けて、戸次小学校ではサルが出没する地区に住む児童、およそ20人の集団登校を、今週から行っています。大分市では、周辺住民にサルに遭遇した場合の注意点を書いたチラシを配布しました。また、サルを捕獲するためのワナを周辺5箇所に設置していますが、「敵もさるもの」これまでのところ効果はありません。

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10/21
(クレー射撃協会役員人事、一転して仲裁案に同意せず)
役員人事をめぐって日本クレー射撃協会の新旧執行部が対立する問題で、日本オリンピック委員会(JOC)が両執行部から大筋で同意を得た仲裁案について、新執行部から一転して同意できないとする回答書が提出されたことが20日、分かった。JOC幹部は再協議に応じるか明言を避けたが、広州アジア大会に2選手を派遣することに影響はないとしている。回答書によると、旧執行部との訴訟の中断や、JOCが提示した新役員の選任方法の2点を原則として同意できないと主張。さらに正常化まで両執行部の代表各1人とJOC関係者、同協会職員の4者で協会運営に当たるとして大筋同意した件についても、協議の継続を要求した。
(小学校近くにクマ3頭:山形)
21日午前6時10分ごろ、飯豊町椿の民家で、敷地内にある杉の枝が折れる音がしたと、この家に住む男性会社員(60)が長井署飯豊駐在所に通報した。木の上に親子とみられるクマ3頭がいるのが確認された。地元猟友会が親グマに吹き矢で麻酔を打ったが、2頭の子グマとともに逃走した。現場近くには飯豊二小(原田栄蔵校長、87人)があり、全児童が登校を見合わせ、付近の7世帯約20人が避難した。けが人などの被害は出ていない。長井署や同町によると、通報で駆け付けた同署員が杉の木にいる親と子とみられる2頭を発見した。駆け付けた猟友会などが午前10時40分、捕獲作業を開始し、高所作業車で近づいたところ、さらに子グマ1頭がいることが分かった。猟友会は吹き矢で親グマに麻酔を打ち2発が命中したものの、午前11時ごろ、3頭とも木から下りて逃走した。現場から約50メートル南側にある飯豊二小は、連絡網で全校児童に自宅待機するよう伝えたほか、担任教諭が各児童宅に電話をし「外に出ないで家の中で過ごすように」と注意を促した。町は午前8時半に、上野地区に避難勧告を出し、同9時ごろから住民たちが次々と椿上野公民館に駆け付けた。長井署は現場周辺を立ち入り禁止とし、パトカーで警戒を呼び掛けた。
(シカ高速道に侵入、3時間通行止め:北海道)
20日午前10時半ごろ、札幌市西区の札樽道の札幌西インターチェンジ(IC)付近にシカがいるのを、車で通過した男性が見つけ110番した。道警高速隊や市などから約30人が出動し、約3時間後に捕獲。この騒ぎで札樽道は銭函-新川IC間が約3時間15分、通行止めとなった。市によると、侵入したのは体長約1・5メートルの雄のエゾシカ(推定4歳)。札幌西ICの出口から侵入したとみられ、札樽道上を約1キロにわたり逃げ回った。市街地のため麻酔銃が使えず、市の依頼で駆け付けた獣医が弓を使って麻酔針を放ち、捕獲に成功。市内の山林で放す予定だったが、午後4時ごろに衰弱のため死んだという。
(2頭のクマ駆除:新潟)
魚津市では20日夜から21日朝にかけてクマの目撃が相次ぎ、2頭が射殺されました。21日午前6時40分頃、魚津市印田で、リンゴ園の中をクマ1頭が歩いているのを近所の人が目撃しました。地元の猟友会のメンバーなどが駆けつけて、付近の茂みの中にひそんでいたクマを、爆竹を鳴らして追い出そうとしたところ、人に向かってきたため午前8時頃に射殺しました。射殺されたクマは体長1メートル30センチ余り、体重およそ100キロのメスの成獣でした。また20日午後7時45分頃には魚津市石垣の民家で、カキの木に登っているクマ1頭が目撃され、およそ1時間後に射殺されました。一方、20日クマが目撃された魚津市の海岸近くでは、クマがひそんでいる可能性があるありそドームそばの茂み周辺で、夜通し警戒が続けられましたが、クマは姿を見せませんでした。魚津市は、この茂みには既にひそんでいないとして午前8時半に警戒を解除しました。魚津市ではこのほかにも各地でクマの目撃が相次いでいます。市や警察では、付近の住民に注意を呼びかけています。
(商店街にクマふらり、山に逃げ被害なし:兵庫)
20日午後4時15分ごろ、兵庫県香美町村岡区村岡の民家でクマ1頭が柿の木に登っているのを近くの住民が発見し、同町村岡地域局などに届け出た。クマは近くの宝樹保育園に入るなど商店街を歩き回り、約3時間後に山へ逃げ込んだ。園児や住民らは避難しており、けが人はなかった。現場は住宅が立ち並び、近くに保育園や福祉施設がある商店街。出没情報を受けて町職員や警察、猟友会のメンバーら約20人が出動し、住民に避難を呼び掛けるとともにクマを山に追い込んだ。クマは体長約1・5メートル。移動しながら民家の庭で柿の木に登り、柿の実を食べるなど人間を恐れる様子はなかった。地元住民らによると、付近では昨日からクマの目撃情報が相次いでおり、朝方にもクマの親子が歩いていたとの情報が寄せられているという。近くの無職、大林一司さん(73)は「自宅近くで間近に遭遇してとても怖かった。早く捕まえるなどクマ対策を急いでほしい」と話していた。
(熊に襲われ男性けが:群馬)
20日午後1時45分ごろ、昭和村糸井の竹林で、近くの造園業加藤久夫さん(67)が熊に襲われ、顔にけがをした。沼田署の発表によると、加藤さんは仕事に使う竹の下見のため竹林にいて、熊に出くわし、顔を殴られたという。熊の大きさなどははっきりしないという。加藤さんは現場から約300メートル先にいた妻(66)の待つ車に自力で向かい、妻の運転で病院に運ばれた。病院が119番通報した。県警では、猟友会に熊の駆除を依頼し、村内の小中学校に連絡。住民には防災無線で警戒を呼びかけた。
(人家近くクマ痕跡次々:神奈川)
伊勢原市の人家近くでクマのつめ跡などが今月に入って相次いで確認され、市は注意を呼びかけている。クマの痕跡が見つかったのは、丹沢のふもとにある子易地区と大山地区。4日に子易地区の林道で50~60センチの小グマが目撃されたのを始め、19日までに柿畑などで柿を食い荒らした跡やつめ跡、ふんなどが7件見つかった。9月27日には隣接する秦野市の登山道でクマが目撃されている。市内に丹沢山塊を抱える伊勢原市では、2006年に4件、07~09年には各年2件の目撃情報が寄せられている。つめ跡などの痕跡確認は06~09年が各年0~2件で、今年の7件は突出して多い。市環境保全課によると、今年はこれまでになく人家や市街地に近い場所で見つかっているという。近いところでは人家から10メートルの場所だった。市は発見場所に近い3小学校でクマよけの鈴を18日に配布。20日には猟友会会員らがクマを人里に近づけぬように発見場所付近で空砲を撃った。同課は付近の住民に「戸外に生ゴミなどを出したままにしないこと、不用になった柿は取ってしまうこと」と注意を呼びかけている。
(クマ3頭出没、2頭射殺:京都)
20日午後3時すぎ、京丹波町実勢で住民がクマ3頭を見つけ、町役場に通報した。クマは山に逃げたが、午後5時すぎ、同町の猟友会員らが見つけて、うち2頭を射殺した。けが人はいなかった。町役場などによると、現場は公民館に近い小高い丘付近。クマは、体長120センチほどの親グマと、子グマ2頭。親グマと子グマの各1頭は射殺されたが、子グマ1頭は茂みに逃げ込んだという。一方、午前6時半ごろ、福知山市和久市の住宅地に近い由良川の河原にクマが現れた。駆けつけた警察官が体長約1メートルのクマを確認したが、後に、山へ逃げた。
(「寝てたらバリバリ」住宅にクマ:山梨)
20日朝、富士河口湖町の勝山と精進の両地区で、体長1メートルほどのクマが相次いで目撃された。勝山地区では住宅の窓ガラスがクマに割られる被害を受けた。家にいた人にけがはなかった。富士吉田署や町、地元猟友会はクマの行方を追い、学校や住民に警戒を呼びかけている。同署によると、午前8時半から約15分間に同町勝山の「富士ビューホテル」周辺の少なくとも3カ所で確認された。窓ガラスを割られたのはホテル近くの倉沢玉江さん(80)方。同8時半ごろ倉沢さんが休んでいると「バリバリと大きな音がした。飼っている犬が変なほえ方をしていた。音の方に行くと窓ガラスが割れていた」という。地上約1.3メートルの窓ガラスの下部が割れていた。玄関付近に子どもの手のひらほどのクマと見られる足跡が複数あった。同ホテルでは従業員3人が約1時間、敷地内で警戒した。町農林課によると、勝山地区から約15キロ離れた精進地区でも、クマ1頭が目撃された。
(クマ捕獲:山口)
県は19日、山口市徳地野谷の山中に設置された箱わなにツキノワグマ1頭がかかり、山奥に放獣したと発表した。クマの捕獲は今シーズン26頭目。自然保護課によると、午前7時ごろ、民家から約100メートル離れたイノシシ捕獲用の箱わなにクマが入っているのを猟友会の会員が発見した。オスの成獣で、体長140センチ、体重92キロだった。
(捕獲のツキノワグマが逃走:和歌山)
21日午前7時ごろ、和歌山県九度山町北又の畑で、イノシシ捕獲用のわなにツキノワグマが掛かっているのを近くの男性(80)が見つけた。同町駐在の警察官らが現場に駆け付けたが、約2時間半後にわなを壊して逃げ出した。付近の集落には民家が数軒あり、町や県が警戒を呼び掛けている。県自然環境室などによると、クマは体長約1メートルの雄で、箱型のわな(縦90センチ、横90センチ、奥行き180センチ)の中にいた。鉄製の格子が左右に広げられており、力ずくで逃げ出したとみられる。
(イノシシ用水路に転落、捕獲し山に返す)
20日午前6時半ごろ、村上市荒島の用水路にイノシシが転落していると、近所の男性(50)から110番通報があった。駆けつけた村上署員や市の職員、獣医らが網や麻酔薬を使って、同9時半ごろ、イノシシを捕獲し、山に逃がした。けが人はいなかった。同署によると、イノシシは体長約130センチで、体重40~50キロの雌。
(特急、相次ぎ3頭はねる:三重)
三重県大台町で20日夜、JR紀勢線の特急列車がイノシシとシカ計3頭を相次いではねる事故があった。発表によると、午後9時15分頃、町内の栃原―川添駅間で、名古屋発新宮行きの特急列車「ワイドビュー南紀」(4両)がイノシシをはねた。同列車は11分間、その場に停車し、車両の安全を点検して運転を再開。しかし13分後、数キロ先の三瀬谷―滝原駅間で今度はシカと衝突。さらに41分後には、同県紀北町の船津駅構内で別のシカもはねた。いずれも乗員と乗客計約60人にけがはなかった。紀勢線では昨年6月、同じ列車がシカ2頭を相次いではねる事故があったが、JR東海の担当者は「別の種類の動物が立て続けにはねられるなんて……」と驚いていた。
(鶯塚古墳、イノシシ荒らす:奈良)
奈良市の若草山山頂(342メートル)にある前方後円墳・鶯塚(うぐいすづか)古墳(国史跡)で、周囲の斜面が広範囲にわたって掘り返され、土中にあった葺石(ふきいし)や埴輪(はにわ)片が散乱する被害が出ていたことがわかった。県は、イノシシが地中のミミズなどを食べるために掘ったとみており、埴輪片などを回収し、対策を検討している。奈良公園管理事務所の職員が今月8日、確認した。古墳の斜面に深さ約10~15センチの穴があき、コンテナ6箱分の埴輪片、拳大~直径30センチ大の石が散乱していた。同古墳は4世紀末頃の造営で、清少納言の随筆「枕草子」に登場する「うぐいすの陵(みささぎ)」と伝えられる。同事務所は「猛暑で山中の餌が不足したのだろうか。観光客に人気の眺望スポットに柵を設けるのは無粋なので、別の対応を検討したい」としている。

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10/20
(クマ出没、5世帯避難:富山)
19日に富山県朝日町で、親子とみられる3頭のクマの目撃が相次ぎ、近くに住む住民5世帯13人が町の施設に避難して一夜を過ごしました。19日、富山県朝日町元屋敷で、クマの目撃情報が4件相次ぎました。警察などによりますと、目撃されたのは親グマ1頭と子グマ2頭の3頭で、19日夜9時ごろ、柿の木のある畑で目撃されたのを最後に姿が見えなくなったということです。このため朝日町は、クマが目撃された付近の住民5世帯13人に避難を呼びかけ、住民は町の老人福祉センターに避難して一夜を過ごしました。19日朝になって町や警察が付近をパトロールしたところ、クマは別の場所に移動したとみられることから、住民は午前9時すぎに自宅に帰るなどしました。避難していた住民は「きのうはクマを何度も目撃しました。ガラス戸を割って入られるかもしれないと思いとても怖かった」と話していました。朝日町や警察などは、引き続きクマに十分注意するよう住民に呼びかけています。
(クマ、トレーラーと衝突し死ぬ:長野)
18日午後7時25分ごろ、大町市平の国道148号で、富山県滑川市の男性運転手(49)運転の大型トレーラーが、道路を横切ろうとしていたツキノワグマに衝突した。クマは死に、運転手にはけがはなかった。大町署によると、クマはオスの成獣で、体長約150センチ、体重約100キロ。現場周辺はクマが生息しているとされる山林で、市街地からは離れているという。
(クマ、おり破り脱走:石川)
小松市で今月上旬、市所有のおりで捕獲された成獣のクマが、おりを壊して逃げ出していたことが、19日までに関係者への取材で分かった。石川県猟友会によると、県内で初めてのケースで、おりの老朽化が原因とみられる。県内でクマの出没が多発する中、同様のケースが再発すれば人身被害が起きる可能性もあるとして、猟友会関係者はおりの点検の徹底を呼び掛けている。小松市などによると、今月8日夕方、同市鵜川町の遊泉寺銅山跡の遊歩道近くに仕掛けたおりにクマが入っているのを、住民が見つけて市に通報した。猟友会員が駆け付けた時は既に薄暗く、周囲に小グマもいたため、危険が大きいと判断。会員が翌日早朝に再び現地に行くと、ドラム缶を加工したおりに直径約30センチの穴が開けられ、クマの姿はなかったという。つめで引っかいて開けた穴から逃げ出したとみられる。おりはドラム缶を2本つなげ、餌入りの缶をクマが動かすと入り口が閉まって出られなくなる仕組み。金属製で破られた側面は厚さ5ミリあるが、クマがつめで何度もひっかき穴を開けたとみられる。小松市が所有している20個以上のおりのうち、今回のおりは最も古く10年以上前に作られたため、さびで腐食が進んでいたとみられる。市は毎年、おりを目視で確認して定期的に更新しているが、このおりは外見上は問題なかったという。小松市内では19日までに、クマの出没が昨年度の3倍近い55件確認された。同日午前7時ごろには、木場町の国道8号バイパス木場IC(インターチェンジ)付近、午後7時10分ごろは那谷町内で目撃情報があった。15日から特別警戒態勢を敷いて学校などへの情報伝達を強化している。県猟友会能美小松支部は「再発防止に努めたい」、小松市は「人に被害がなくて良かった。おりの点検を強化したい」(農林水産課)とした。
(住宅地にクマ出没:山梨)
20日午前8時半ごろ、山梨県富士河口湖町の住宅地でクマが出たと、住民から119番があった。県警や地元の猟友会などが捜索に当たっている。現場は河口湖畔の富士ビューホテルの近く。地元住民や学校関係者、ホテルの宿泊客らに注意を呼び掛けている。県警などによると、住宅の窓ガラス1枚が割られた。3件の目撃情報が寄せられ、クマの体長は1メートル前後とみられる。
(クマの目撃情報相次ぐ、市職員ら夜通し警戒:滋賀)
長浜市内で19日朝、郊外の住宅地でクマが目撃され、午後には山すその集落でも目撃された。集落内の空き家に潜んでいる恐れもあり、市は空き家の敷地に捕獲おりを仕掛けて、市職員や長浜署員らが夜通しの警戒を続る。市や長浜署によると、19日午前5時55分ごろ、長浜市泉町の住宅地でごみをあさっていたクマが目撃され、30分後には約200メートル北の国友町のトウモロコシ畑にいるクマが目撃された。クマは国友町の住宅街を抜けて約400メートル北の姉川の土手沿いの茂みに姿を消したという。今秋は、市内でクマの目撃が相次ぐが、北陸自動車道を越えて西側の住宅地での目撃は初めて。同日午後3時40分ごろ、国友町から姉川沿い約5キロ東の、同市今荘町の空き家敷地でも目撃された。敷地内には空き住宅や倉庫など複数の建物があり、クマが入り込んでいる可能性もある。市はハチミツやドングリを入れた捕獲おりを仕掛けた。市は、クマが目撃された地域に防災無線で出没を知らせて警戒を呼び掛け、長浜署と協力し、職員がパトロールを続けるなどした。県湖北森林整備事務所によると、今年4月から19日現在、長浜市内では6頭のクマが捕獲され、うち1頭は殺処分されている。
(特急列車とクマ?衝突:滋賀)
19日午後7時55分ごろ、滋賀県長浜市西浅井町余のJR北陸線近江塩津-新疋田間で、大阪発富山行きの特急サンダーバード39号がクマとみられる動物に衝突した。車両点検のため現場に約35分停車。乗客約400人にけがはなかったが、後続列車に遅れが出て約2千人に影響した。JR西日本によると、運転士が「ドン」という音を聞いて停車。クマのような動物が車両後方の線路脇に横たわっていたという。
(犬使いシカ追い払い:北海道)
急増するエゾシカの対策として、東京農大の研究グループがオホーツク管内美幌町の美幌峠牧場で、犬を使ったシカの追い払いなどの実験を行っている。道外では野生猿対策に犬が使われており、シカでも同様の効果が得られるか確認するのが目的で、道内初の試みだ。実験は美幌町などでつくる美幌町鳥獣被害防止対策協議会が、東農大生物資源開発研究所(網走)に委託した。同町では約10年前から農作物被害が増加傾向にあり、昨年度の被害額は約6千万円に上った。ハンターの高齢化が進み、防護柵設置は多額の費用がかかることから、安く安全で効果的な対策として犬に着目。昨年末から準備を進めてきた。実験場所には周囲が森で連日700頭以上のシカが出入りしている美幌峠牧場を選定。実験は18日から行われ牧羊犬の育成で知られる十勝管内池田町の牧場経営、安西浩さん(43)らが計5匹の犬を使って協力している。実験は21日までで、エサを求めて集まったシカを追い払ったり、捕獲わなの設置を想定した斜面に群れをうまく追い込めるかなど計13回、犬を放す計画だ。
(住宅街にサル出没:大分)
20日朝、大分市の住宅街にサルが出没し、子供たちが集団登校を行うなど地元では警戒を強めている。サルは8月ごろから頻繁に目撃されていて、住民や犬がかまれるなどの被害が出ている。最近になって出没する頻度が増えてきたため、子供たちは18日から集団登校を行っている。サルは複数出没しているとみられ、市や自治会などが協力してワナを仕掛けたり、パトロールをしたりして警戒を強めている。

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10/19
(イノシシ駆除1頭5000円、町民に奨励金支給:宮城)
農作物被害が相次いでいるイノシシの駆除対策で、宮城県山元町は今シーズンから、狩猟を許可された町民が捕獲・駆除した場合に1頭当たり5000円の奨励金を支給する。新たな狩猟免許取得者のすそ野を広げ、対策を強化するのが狙い。15日開かれた町議会臨時会で、奨励金を含む897万円を追加する本年度一般会計補正予算案が可決された。個人を対象にした捕獲奨励金の支給は県内の市町村で初めて。同町の農作物被害は2008年ごろまでは、丸森町や角田市と境を接する町南西部の山間地域が中心だったが、その後範囲が拡大。町西部全域のほか、町中心部を南北に走る国道6号を越えて東部にまで及んでいる。町によると、ジャガイモやサトイモなどの畑作物が荒らされているほか、今年は刈り取り直前の水稲を踏み荒らされる例が目立ち、被害の届け出が増加。09年度に確認されたイノシシによる被害額は174万円だが、本年度は大幅に増える可能性があるという。被害範囲が拡大する一方で、駆除を担う狩猟者は高齢化で減少。町内には猟友会に加盟する会員が35人いる一方で、町が年間を通じて委託してきた駆除隊に参加する人は数人しかいない。奨励金の支給は、狩猟免許を持つ町民が11月15日から来年3月15日までの狩猟期間内に、町内でわなや銃器で捕獲・駆除した場合に限る。捕獲場所を明記した地図、イノシシの尾を町に提出して申請する。町内ではここ数年、駆除隊員により約20頭、猟友会会員ら個人による狩猟で約80頭の計100頭が駆除・捕獲されている。本年度は捕獲目標を倍増させ200頭とし、町は奨励金に支出する100万円を補正予算に組み込んだ。町産業振興課は「狩猟は経費が掛かるため、若い世代から敬遠されがちだ。個人への奨励金支給で負担を軽くし、新たな免許取得者を発掘して被害防止に努めたい」と話している。
(かみつきザルで13人けが:岩手)
北上市和賀町岩崎新田で6日から14日にかけ、野生のニホンザルが相次いで人を襲い、13人がけがをした。市と地元猟友会が14日午後1時15分ごろ、サルを発見し、駆除した。市によると、サルはメスの成獣で、体長約60センチ。6日以降、人を襲っていたサルとみられる。同地区では14日午前、サルが牛舎内で作業中の20代男性2人が背中やももをかみ、軽いけがを負わせて逃走。周辺をパトロールしていた市と猟友会が約30メートル北の林でサルを発見した。歯をむき出すなどして威嚇してきたため、猟友会員が射殺したという。地区には複数の温泉施設もあり、市は花火で追い払ったり、わなを仕掛けたりしていた。市生活環境課は「紅葉シーズンで観光客も増える時期。危険で駆除もやむを得なかった」と話している。
(200発実弾入りバッグ紛失、慶応大射撃部員が電車置き忘れか:埼玉)
慶応大は15日、同大射撃部の男子部員(20)が埼玉県で11日にあった競技会の帰宅途中、電車内に実弾200~250発入りのかばんを置き忘れ、紛失したと発表した。部員から届け出を受けた県警小川署が実弾の行方を捜している。同大によると、かばんは直径30センチ、長さ約80センチで、円柱型のスポーツバッグ。色は黒と黄色という。中には、22口径ライフルの実弾50個入りの箱が4、5箱あったという。男子部員は11日、埼玉県長瀞町で開かれた全日本学生ライフル射撃選手権大会に参加。帰宅途中の午後4時20分すぎ、寄居駅(寄居町)で東武東上線に乗り換え、網棚に実弾入りバッグを置いたが、15分後に小川町駅で別の電車に乗り換えた際、そのまま置き忘れたという。
(中国大使館にライフルの“実弾”:東京)
東京・港区の中国大使館に8日、ライフルの実弾のようなものが届いていたことがわかった。警視庁は脅迫の疑いもあるとみて調べている。警視庁によると、8日正午ごろ、港区元麻布にある中国大使館あてに郵送された封筒に、ライフルの実弾のようなものが1つ入っていたという。大使館員が気付き、警察署に通報した。警視庁が調べたところ、実弾のようなもののほかに、中国に抗議するような内容の文書も入っていた。警視庁は脅迫の疑いもあるとみて、送り主などについて詳しく調べている。
(クマの被害者数、昨年度上回る)
人がクマに襲われる被害が各地で相次いでいますが、今年の4月から先月までにクマに襲われた人は全国で84人に上り、すでに昨年度1年間をおよそ30%上回っていることがわかりました。今年は山に木の実が少なく、餌を求めるクマの行動範囲が広がり、人と接触する機会が増えていることが原因とみられ、各都道府県で注意を呼びかけています。
(クマに襲われ3人重軽傷、中学校内で射殺:山形)
山形県長井市で14日朝、男性3人が自宅玄関先や中学校内などで相次いでクマに襲われ、重軽傷を負った。クマは中学校の校舎に入り込み、地元猟友会に射殺された。県警長井署などによると、同市中道1丁目の無職渡部達二さん(74)が午前6時25分ごろ、自宅玄関先でクマと鉢合わせし、左足をひっかかれて軽傷を負った。クマは約5分後、約500メートル離れた同市新町の畑で県の嘱託職員梅津忠さん(61)を襲い、さらに約10分後、約1キロ離れた同市成田の市立長井北中学校の校舎に入り込み、清掃をしていた同校用務員丸山和夫さん(59)を襲った。梅津さんは両腕の骨が折れるなどの大けが、丸山さんも左足に軽傷を負った。クマは午前7時50分ごろ、校舎内で地元猟友会のメンバーに射殺された。同署によると、クマは体長約1.5メートルのオス。丸山さんによると、校舎の玄関先でクマに気付き、ガラス戸を閉めたが、クマはガラス戸を壊して体当たりしてきたという。丸山さんは「一瞬のことで驚いた。倒され、足でけったりして抵抗したら、廊下の奥に走っていった。生徒の登校前でよかった」と話した。
(クマ捕獲数増加検討へ:山形)
山形県内でクマの被害や目撃が相次いでいるのを受けて山形県が14日、緊急の対策会議を開き、クマが人里や市街地にやってこないよう、クマの捕獲数を増やすことも検討していく方針を確認しました。緊急の対策会議には関係する部局の担当者およそ30人が出席し、まず、山形県内ではことし4月からこれまでに156頭のクマを捕獲したことが報告されました。山形県が2年前に定めたクマの保護計画では、今年度捕獲できるのは218頭までで、今後も人への被害が相次いだ場合には来年度分の捕獲数を充てて捕獲数を増やすことも検討するとしています。そのほかの対策としては、クマが近づかないように必要がない農作物は速やかに捨てるよう呼びかけるとか、クマの目撃情報を住民にいち早く伝えるため、報道機関への情報提供を速やかにすべきだなどの意見が出されました。人里に出てくるクマが増えていることについて、山形県みどり自然課の大隅尚行課長は「ことしは雪解けが遅かったため、山菜が早く芽を出す人里近くに降りてきたクマがそのまま居ついてしまったとか、この夏の猛暑で標高の高いところの沢の水が少なくなり、クマが水を求めて降りて来たといった見方を研究者は示している。クマが市街地に寄りつかないような取り組みを進めたい」と話していました。
(またクマ、住民「もうこりごり」:石川)
18日午前7時ごろ、金沢市水淵町の山林に設置されていたクマ捕獲用のおりに、成獣の雄のクマ1頭が掛かっているのを地元住民が見つけ、約3時間後、石川県猟友会金沢支部員が駆除した。同町周辺では数日前からクマの出没が相次いでおり、住民は「一体いつまで恐ろしい思いをしなくてはいけないのか」と不安の声を漏らした。クマは体長約135センチ、体重100キロを超える推定7歳のツキノワグマ。猟友会員が2日前に同町の民家から約500メートル離れた山林に設置したおりに掛かった。周辺では、カキやクリが食い荒らされたり、民家の庭先に出没して住民を脅かすなどの被害が出ており、地元住民が市に捕獲を要請した。2週間前からカキの木約20本を折られるなどの被害に遭っていた中西時雄さん(80)は「ようやく安心して農作業ができる」と胸をなで下ろす一方、「もうクマはこりごり」とうんざりした様子だった。現場では金沢市が猟友会にクマの処分を求めた。市側は先月市内でクマ2頭が麻酔銃で捕獲された際には、子グマであることなどを考慮し、施設への譲渡と放獣を決断した。今回は体重100キロを超える成獣であるため、今後の人的被害を防ぐために駆除を選択した。また、クマは鉄製のおりを何度もかんでほとんどの歯が欠損したため、放獣してもクマが自然界で生息できないと判断したという。
(クマがゴルフ場に現れ、猟友会が射殺:石川)
16日午前11時ごろ、石川県加賀市小坂町の山代ゴルフ倶楽部(くらぶ)で、コース内の木に登っている子グマ(体長約60センチ)をキャディーが発見した。倶楽部から連絡を受けた地元の猟友会メンバーが駆けつけ、子グマを射殺した。当時はゴルフ場全体で約180人がプレー中で、近くの客がプレーを一時中断したが、けが人はなかった。
(クマが車と衝突死:石川)
17日午前5時20分ごろ、金沢市不動寺町の北陸道下り線を通行中の運転手から「黒いクマのような動物が道路上に倒れている」と110番通報があった。県警高速隊が駆けつけたところ、体長約120センチのツキノワグマが既に死んでいた。付近に残されていた部品から、高速隊は車高の高い大型車にはねられたとみている。現場は不動寺パーキングエリア付近で片側2車線道路。高速隊はシカやタヌキだけでなくクマとの衝突も注意するよう北陸道利用者に呼びかけている。
(海岸にクマ、釣りの男性襲われ軽傷:富山)
19日、富山市の海岸で釣りをしていた男性(36)がクマに襲われ、軽いケガをした。19日午前4時半ごろ、富山市海岸通の海岸で釣りをしていた富山市の男性が突然クマに襲われ、後ろから引っかかれた。男性は右腕などにケガをして、病院で手当てを受けている。近くで見つかった足跡の大きさから、男性を襲ったのはクマの成獣とみられ、警察と猟友会が捜索しているが、まだ見つかっていない。現場に近い大広田小学校と浜黒崎小学校では、児童が保護者に車で送られて登校した。市や警察は、付近の住民に注意を呼びかけている。
(クマ出没相次ぐ:富山)
県内で17日、ツキノワグマの出没が相次いだ。滑川市では親子グマ2頭の親グマを射殺し子グマを捕獲、魚津市でもワナにかかった成獣1頭を射殺した。いずれもけが人はなかった。同日午前5時35分頃、滑川市上梅沢の畑にクマ2頭がいるのを付近住民が目撃し、110番した。滑川署員や市職員らが出動し、同9時40分頃、約300メートル離れたヤブの中で、市有害鳥獣捕獲隊員が親グマ(体長98センチ、体重約60キロ)を射殺。子グマ(同64センチ、同約11キロ)を麻酔銃で眠らせた。現場は国道8号から約300メートルの住宅地で、市は「人命に危険があると判断した」と駆除の理由を説明。子グマの受け入れ施設を探している。魚津市でも午後4時45分頃、同市宮津の茂みに設置したワナにかかった雌の成獣1頭(体長約1メートル30、体重約100キロ)を捕獲隊員が射殺した。同市では16日午後11時半頃~17日午後5時10分頃までの間に、クマが6回目撃された。また、黒部市や富山、砺波、小矢部各市でもクマやそのフンなどの痕跡情報が寄せられており、警察や消防が注意を呼びかけている。
(クマ2頭射殺:富山)
黒部市内で13日朝から14日朝にかけ、ツキノワグマが相次いで射殺された。県内ではクマが多数出没し、魚津市では男性がクマに襲われる被害も出たため、市の有害鳥獣捕獲隊が警戒を強めていた。黒部市によると13日午前6時50分ごろ、捕獲隊員が同市宇奈月町明日(あけび)の農道をパトロール中、農道に現れたクマが向かって来たため銃で射殺した。クマは雄で、体長130センチ、体重は140キロだった。14日午前6時20分ごろには、同市宮野に仕掛けていたおりにクマがかかっているのを住民が発見し、通報した。近くには民家や宮野運動公園があるため、クマはその場で射殺された。雌で体長110センチ、体重は60キロだった。
(クマの出没相次ぐ:富山)
県内でクマの出没が相次ぐ中、富山市の大沢野地区では、15日朝、総合運動公園付近でクマが目撃されました。現場は中学校などにも近く、警察や地元の猟友会が警戒を続けています。富山南警察署によりますと、15日午前7時前、富山市上大久保の田んぼでクマ1頭を目撃したと住民から連絡が入り、その後1時間ほどして成獣とみられるクマが、近くにある大沢野総合運動公園周辺の茂みに潜んでいることが分かりました。警察や地元の猟友会のメンバーなどが、クマを駆除するために茂みの周辺で警戒にあたっていますが、その後クマは見つかっていません。公園のそばには大沢野中学校があり、15日朝は教職員が外に出て生徒の登校を見守ったほか、1階の戸締りを徹底したということです。また、クマがまだ見つかっていないため、15日は午後の授業を打ち切り、集団下校することを決めました。一方、富山市や警察では周辺の住宅などにクマに注意するよう呼びかけています。また、今月12日にクマに襲われて2人がけがをした魚津市では15日午前2時ごろ、北陸自動車道下り線の有磯海サービスエリア駐車場で親子のクマ2頭が目撃されるなど、湯上地区と宮津地区で未明から午前にかけてクマの目撃が4件相次ぎました。一方、高岡市滝でも、15日午前6時前、養護老人ホーム「高岡市長生寮」のそばで子グマが目撃されるなど、県内は15日もクマの出没が相次いでいます。
(タクシーにクマ衝突:富山)
15日午後5時45分ごろ、富山県魚津市大光寺の国道8号で、走行中のタクシーにクマがぶつかった。クマはそのまま逃げ、女性運転手(58)にけがはなかった。魚津署によると、親子とみられる2頭が道を渡ろうとして、いずれかが衝突したという。現場に近い北陸自動車道の有磯海サービスエリアでも15日未明、クマ2頭が目撃されていた。同市ではクマの出没が相次いでおり、15日朝には仕掛けたおりに、生後約5年の雌のクマが入り、市は殺処分した。12日には農作業中の男性2人がクマに襲われ、けがをしている。
(ツキノワグマ1頭捕獲:福井)
敦賀市で14日、ツキノワグマ1頭が捕獲され、クマの目撃と痕跡の確認も1件ずつあった。いずれも山間部や山すそで、市は「山際に住む人は、なるべく夜間や早朝の外出は控えて」などと注意を呼び掛けている。同日午前9時ごろ、同市小河の山中で、イノシシなど有害獣捕獲用のおりにクマ1頭が入っているのを地元の猟友会員が見つけた。クマは雄で体長120センチ、体重49キロの成獣。おりは人家から約150メートル離れた所に設置されていたが、市は捕獲と放獣を決め、麻酔銃で眠らせた後、夕方、十数キロ西南の山奥に放した。また、午前5時45分ごろ、同市井川の神社の敷地で、散歩中の男性がクマ1頭を目撃。現場は井川地区の集落内で山際。咸新小学校から北東約70メートルの場所だった。正午ごろには、この神社から西南へ約600メートル離れた同市高野の温泉施設「リラポート」近くの山中でも、クマ1頭の痕跡が見つかった。井川と高野は同じクマの可能性もある。
(子グマ?出没、新聞販売所従業員がかまれる:福井)
17日午前5時50分ごろ、福井県坂井市丸岡町油為頭(あぶらためとう)の集落で、新聞販売所従業員の50代男性が体長約50センチのクマに出くわし、左ひざをかまれた。ズボンは破れたが、男性にけがはなかった。クマは男性を襲った後、そのまま逃げ去ったことから、坂井署や地元の猟友会などが周辺をパトロールして注意を呼びかけている。坂井市によると、周辺では数日前から親子2頭のクマの目撃情報が相次いでいた。男性を襲ったのはその子グマとみられている。また、同県鯖江市河和田町でも17日午前3時40分ごろ、民家の庭で柿の実を食べるクマ1頭が目撃された。周辺の住人にけがはないという。
(ツキノワグマ1頭を捕獲:新潟)
クマの出没が相次いでいる三条市下田地区の鹿峠に仕掛けた箱わなで17日早朝、オスのツキノワグマ1頭が捕獲されているのがわかった。体長145センチ、体高70センチ、体重110キロのおとなになったツキノワクマ。三条市が三条猟友下田支部(神田俊一支部長)に依頼して下田地区4カ所に仕掛けた、ハチミツをえさにした箱形の鉄のおりのわなのうち、鹿峠の秀翁寺裏手に設置したわなにかかった。同支部は毎日、朝夕におりを確認しており、17日午前5時50分にクマが捕獲されているのを発見。生きた状態では暴れて危険なので、すぐに銃器で駆除した。市経済部農林課でも担当職員を下田サービスセンターに招集し、対応した。4日前の13日に三条市立飯田小学校そばにクマが現れて騒ぎになったが、このわなと飯田小は直線で1キロ余りしかなく、同じクマの可能性があるが、そうとも言い切れない。1頭が捕獲されたのは何よりだが、だからといって安全になったわけではない。下田地区ではことしに入って16日までに42件のクマの目撃、出没情報がある。親子で行動していたという情報もあり、総合すると複数のクマが出没しているとみて間違いなく、言い換えればまだ1頭が捕獲された「だけ」に過ぎない。市では下田地区で平日なら朝、昼、晩と3回、防災無線を使ってクマへの注意を呼びかける放送を行っており、クマ出没の危険性が高いところには看板を設置、地区内にはちらしも配布したばかり。前日16日は県消防防災ヘリコプターが三条市下田地区の上空でも住民にツキノワグマへの注意喚起を行っているものの、そうした声はクマには届かない。この日朝は、ほかにも駒込下、院内、田屋からクマの足跡やつめあとを見つけたという情報があり、警戒体制にある民家の近くに姿を現している。
(親子のクマ3頭射殺:新潟)
18日午前11時ごろ、新潟県阿賀町細越の田んぼに子グマがいるのを住民が見つけた。津川署員が駆け付けると子グマは山に逃げたが、同日午後1時ごろ、親子のクマ3頭が再び出没。約20分後、地元猟友会のメンバーが3頭とも射殺した。津川署によると、親グマは体長約110センチ、子グマ2頭はともに約50センチだった。現場から約300メートル先に民家があった。
(クマが小学校近くに出没:新潟)
15日午前6時ごろ、南魚沼市五郎丸で、ツキノワグマ2頭が木に登ってカキを食べているのを近くの住民が見つけ、南魚沼署へ通報した。同署は同市役所に連絡し、周辺の住民に注意を呼びかける一方、地元の猟友会会員とともに捜索した。間もなく、同市立中之島小学校から約500メートル離れた水田で、同校の方角に向かって移動しているのを発見。「放置すると、児童に危険が及ぶおそれがある」として2頭を射殺した。2頭は親子連れとみられ、親クマは体長約1・4メートル、体重約50キロの雌、子グマは体長約87センチ、体重約20キロの雄だった。地元猟友会の林邦隆さん(60)は「できるだけクマを山へ帰すようにしているが、今回は小学校の近くで、児童への危害を未然に防ぐためやむなく射殺した」と話した。
(クマに襲われ負傷:新潟)
15日午後2時40分ごろ、村上市中原の林の中で栗拾いをしていた女性(77)から「男性が熊に襲われ、けがをした」と119番通報があった。同市消防本部と村上署によると、負傷したのは同市堀片、無職長谷川博治さん(80)で、頭に熊のツメによる傷を負い、同市内の病院に搬送された。意識はあるという。同署や県によると、現場はかつて観光栗園=廃業=だった場所。長谷川さんは妻と知人の3人で栗拾いに来ていた。2人と離れ、1人で栗を探していたところ、熊に襲われたらしい。通報した女性が、林の中で倒れていた長谷川さんに声をかけたところ、長谷川さんは「熊にやられた」と話していたという。熊は現場から北東方向に逃げたとみられる。同署は、現場が人家から約300メートルしか離れていないため、パトカーを派遣、「熊が出没しているので外出を控えるように」と呼びかけた。市役所朝日支所も防災行政無線などを通じて注意を促した。県内では連日、えさを求めた熊が学校や民家などの近くで目撃されている。県によると、10月は15日現在、計100件に上っている。今年5月には上越市と阿賀野市で山菜採りの男性が熊に襲われて計3人がけがを負っており、今年に入ってからのけが人は4人となった。県は15日、市町村に対し、住民に注意を呼びかけるよう指示した。村上市では11日、中心部に近い同市大欠(おおがけ)の住宅街で3頭の親子のツキノワグマが目撃され、このうち母熊と子熊の2頭が猟友会によって射殺され、子熊1頭が逃げている。
(クマ駆除銃制限の解除要望へ:北信越)
北信越5県の市で構成する北信越市長会の総会が15日、大野市の大野有終会館で開かれた。全国的にクマなどによる被害が相次いでいることを受け、銃による緊急駆除の際、銃使用場所の制限を解除できるように法改正を行うべきなどとする国への要望を盛り込んだ議案を採択した。鳥獣保護法は住居が集合している地域での銃による狩猟を禁じている。人命にかかわるような場合のこうした場所での銃による害獣駆除は緊急避難と解釈されるが、厳密には同法に反している。議案によると、現状では有害鳥獣駆除の目的が達成できないとし、有害鳥獣駆除目的の銃の使用場所については、状況に応じて制限を解除できるようにすることが必要だとしている。原案に含まれていなかったが、14日に開いた分科会で提案があり、急遽(きゅうきょ)追加されたという。
(住宅街のカキの木にクマ3頭:福島)
18日午後5時40分ごろ西会津町野沢の住宅街で、近くに住む男性がクマを目撃した。連絡を受けた町職員がカキの木に登っているクマ3頭を発見し喜多方署に通報した。同署と西会津消防署は現場付近の道路を封鎖し約10人態勢でクマの動きを監視した。地元の猟友会員らも駆け付けたが、危険性などを考慮し捕獲を断念。距離を置いてクマが降りるのを見守り、クマは未明、逃走した。同署はパトカーで発見場所付近の住民に「家の外に出ないでください」などと広報、町の防災無線でも警戒を呼び掛けた。町は6日、「クマ出没警報」を発令している。
(クマが車と衝突:福島)
16日午後9時ごろ、喜多方市熱塩加納町熱塩の県道で、男性(20)の乗用車がクマと衝突した。車の右前部が破損したが、男性と助手席の女性にけがはなかった。クマはそのまま逃げた。通報を受けた喜多方署によると、クマの体長は約130センチ。道路の右側から飛び出してきたという。同署はパトカーで現場付近を警戒した。
(ツキノワグマ、広がる目撃地域:愛知)
ツキノワグマの目撃や痕跡発見が相次いでいる豊田市で18日朝、ツキノワグマ2頭が別々のイノシシ捕獲用おりに入り、うち1頭が射殺された。市内では今回を含め今夏からの目撃例などは24件にのぼり、過去最多だった06年度の20件を上回った。目撃地域が次第に広がっており、市は注意を呼びかけている。市によると、同市大ケ蔵連町の山中で18日午前7時ごろ、イノシシ捕獲おりにクマが入っているのを住民が見つけた。クマが暴れ、おりがもたず危険として、猟友会員が射殺した。オスで全長1・65メートル、推定体重80キロだった。この1時間前、同市北一色町でもイノシシ用捕獲おりにクマが入っているのが見つかった。いったん現場を離れ、約3時間後に戻ったところ、クマは逃げていた。おりの上部の溶接部分を壊して逃げたらしい。市内では8月8日以来、クマや、クマがクリを食べた跡「クマ棚」の目撃が続出。人が襲われたケースはないが、15日夜には乗用車がクマと衝突する事故が2件発生している。出没情報は当初、市北東部の稲武地区が多かったが、小原、足助、藤岡地区などへ拡大している。イノシシによる被害がひどい豊田市内では、約1000基のおりが設置され、中にはコメぬかが入れてある。2頭のクマはぬか目当てに入ったとみられる。一方でクマ用のおりも、稲武地区に2基設置されている。市は、クマが冬眠するまで間があるとして、市広報車で住民に注意を呼びかける一方、クマ用おりの増設も検討している。クマが射殺された地域の住民らによると、今年はドングリなどが不作な年にあたるうえ、今夏の猛暑でエサが少ないため人家近くに出没しているらしい。県自然環境課によると、県内ではツキノワグマは頭数が少なく絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。豊田以外の今年の目撃情報は13日現在、設楽町と豊根村で計12件。設楽町では6月に1頭が捕獲された。県に記録が残る04年度以降の県内での目撃情報は06年度の37件が最多。今年は現時点で06年度にほぼ並び、過去最多の目撃件数になりそうだ。県内でのクマ射殺例は昨年10月の豊根村以来。市内では合併前の旧稲武町で02年5月に1頭が射殺されている。
(ツキノワグマと自動車接触2件:愛知)
豊田市足助地区でツキノワグマと車の接触が2件あったと16日、同市が発表した。市によると、同市桑田和町の県道を15日午後7時20分ごろに走っていた車の前をツキノワグマが横切り、バンパーにぶつかった。約20分後、東に3キロほど離れた同市川面町の同じ県道で、ツキノワグマが道路に飛び出し、走行中の車が急停車後、クラクションを鳴らしたところ、クマは車に向かってきてバンパーにぶつかり、逃げたという。ツキノワグマの目撃や痕跡は稲武地区などで相次いでいるが、より南でも目撃されるようになってきており、市環境政策課は「市内で広く注意が必要になってきた」と話している。
(クマに襲われ、2人けが:京都)
16日午後4時15分ごろ、福知山市拝師の荻野貢さん(81)宅で、荻野さんがクマに頭をひっかかれた。クマは逃げる途中、近くにいた隣家の小林昌子さん(77)に背後から体当たりしたため、小林さんがひざなどに軽傷を負った。福知山署によると、クマは体長約1メートル。小林さんを襲った後、近くの山へ逃げたという。石川県加賀市小坂町でも午前11時ごろ、山代ゴルフ倶楽部(くらぶ)のコース内で木に登っているクマをキャディーの女性が見つけた。市によると、クマは体長約80センチで、推定2歳のオスのツキノワグマ。地元の猟友会員らが約1時間後に射殺した。当時、ゴルフ場では約350人がプレーしていたが、けが人はいなかった。同夜には、ゴルフ場の北約700メートルの民家裏に体長約1メートルのクマがいるのを住民が見つけ、110番通報した。福井県大野市不動堂地区でも16日午前2時50分ごろ、山に登っていくクマが目撃された。富嶋地区と松丸地区でも同日、クマのふんや木についたツメ跡が見つかった。
(車にひかれたクマが大暴れ:京都)
車の下敷きになったツキノワグマが大暴れです。京都府舞鶴市で14日夜、46歳の女性が車を運転していたところ、突然、体長約1.4メートルのツキノワグマが現れて衝突しました。市の担当者:「即死ではなくて、タイヤの中に巻き込まれた状態で、まだ暴れる力があった」。クマは車の下敷きになり、暴れたため、女性は警察に通報。現場に警察官と猟友会のメンバーが駆けつけ、クマは殺処分されました。女性にけがはありませんでした。
(クマが物置に侵入:長野)
14日午前9時過ぎ、信濃町平岡の農家の物置の隅にクマがいるのを住民の男性(70)が発見した。男性は物置の入り口を閉めてクマを閉じ込め、同町に通報。周囲は民家が密集した集落で、クマが人に危害を加える恐れがあったため、地元猟友会が間もなく射殺した。長野地方事務所によると、見つかったのはツキノワグマの8歳の雄で体長1・5メートル、体重105キロ。男性宅は山林から約1キロ離れた平地にあり、物置には米袋約100個が保管してあり、クマが触った形跡があったという。クマは物置2階の通気用の窓から侵入したとみられる。
(小学校付近にヒグマ親子:北海道)
授業中だった斜里町内の小学校のすぐ近くに、親子のヒグマが現れた。けが人はなく、2頭のヒグマは射殺された。学校周辺にはパトカーや町の広報車も出るなど、一時は物々しい雰囲気となった。18日午前11時過ぎ、斜里町朝日町の町立朝日小学校(高藤和明校長、児童数199人)の校舎東側の土手にヒグマ3頭を目撃したとの通報が同校から町教育委員会にあった。斜里署や町職員ら計約40人が付近を捜索した結果、現場から約400メートル離れた知床博物館裏手で地元猟友会のハンターが2頭を射殺した。同校では1頭が見つかっていないとして、保護者に緊急連絡をして放課後の付き添いや集団下校を指示した。捕獲したヒグマを調べた知床財団によると、2頭ともメスで、親グマは体長144センチ、体重139キロ、推定年齢は15歳以上だった。子グマは体長111センチ、体重64キロで推定年齢は1歳だった。親グマの両耳には、生態調査用に2007年に捕獲して取り付けられたタグがあり、普段は知床五湖周辺の国立公園内で生息していたことが確認された。同財団の増田泰・事務局次長は「斜里町市街地で捕獲されたケースは初めて聞いた。学校で見つかった以降の複数の目撃情報は2頭だけなので、他にはいないと考えられる。通常メスの親子はあまり移動しないが、海岸林沿いに30~40キロ移動するケースはあり得る。なぜ市街地まで出没したかはなぞです」と話している。
(クマ、25頭目も学習放獣:山口)
県は18日、周南市大道理でメスのツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。イノシシ用の箱わなに掛かっているのを地元の猟友会の会員が見つけた。唐辛子スプレーをかけて山奥に放した。全長115センチ、体重44キロ。今年度の捕獲は25頭目。
(自動車道をクマ横断:山形)
16日午前11時45分ごろ、鶴岡市越中山で山形自動車道を横断するクマを目撃したと、走行中の男性会社員(25)が110番通報した。鶴岡署によると、庄内あさひインターチェンジ付近で、鶴岡の市街地方面に向かって走行中、右側から高速道を横断するクマを目撃した。現場から約500メートル西側には、赤川を挟んで熊出集落がある。県警高速交通隊鶴岡分駐隊は「サルがフェンスに登っているのは見かけたことがあるが、高速道路上でクマを目撃したという話は聞いたことがない」としている。
(紅葉撮影の男性がクマに襲われ重傷:群馬)
17日午後4時半ごろ、草津町の白根山(標高2160メートル)の遊歩道で、紅葉の写真撮影に来ていた埼玉県飯能市の不動産会社社長の男性(69)がクマに襲われ、足などに1カ月の重傷を負った。長野原署によると、クマは体長約1メートル。標高約2000メートルの遊歩道脇の茂みから現れ、男性の左足に数回かみついた。男性が倒れると、覆いかぶさって顔や手をひっかいた。男性が、手にした石で数回殴ると逃げていったという。男性は西に約100メートル離れた休憩所「白根レストハウス」に自力で歩き、助けを求めた。草津町によると、現場は見晴らしが良く、紅葉の撮影スポットとして人気が高いという。
(クマの餌不足解消に協力して:群馬)
人里でクマの出没が相次いでいることを受け、自然保護団体「日本熊森協会県支部」(川嵜實支部長)はクマの餌となるドングリを集め、山林にまく活動を行う。ドングリがなるミズナラなどの木は市街地周辺にも多くあり、一般市民が拾ったドングリを16日から、郵送(着払いも可)などで受け付ける。クマの餌不足を解消し、人への被害軽減を図る試みで、川嵜支部長は「クマの生態を守るためドングリ集めに協力して」と呼び掛けている。同支部と県によると、今年は春先の低温や夏の猛暑の影響で、ブナやミズナラになるドングリが不作になっている。このため、クマは餌を求めて人里まで活動範囲を広げており、8月末までに市町村から県に寄せられたクマの目撃情報は221件(前年同期53件)に。捕獲数は120頭に達し、09年度1年間の79頭を既に大きく上回っている。けが人も相次ぎ、県内では7月から10月にかけて7人がクマに襲われ負傷している。同支部は08年にも「ドングリまき」を行ったが、今年は餌不足が顕著なため、一般市民からも拾ったドングリを集めることにした。ドングリはクマの出没が多く見られるみなかみ町や片品村などの山林にまく。
(アライグマ騒動:和歌山)
全国的にヒグマやツキノワグマの出没が相次いでいる中、市内塩屋町北塩屋の民家密集地でも19日朝、"クマ騒動"があった。同地の田中守さん(55)宅で、午前9時半ごろ、飼い犬を散歩に行こうとした家族が、庭に植えているマキの木に黒い物体があるのを発見。「タヌキか、イタチ?」と思いながら目を凝らしてよく見ると、とがった鼻と長いしっぽが特徴のアライグマと分かり、市役所に通報した。農林水産課職員と近所の男性も協力して追っ払い作戦を展開。鋭いツメがあるため、うかつに捕まえることはできず、物干し竿で威嚇して木から下ろすと、今度は近所の民家敷地に逃げ込み、最後は捕獲しようとする職員らの足元を縫って逃走した。田中さんは「近所の畑でも農作物被害が出ていると聞いていましたが、自分の庭に来るとは」とびっくり。市役所職員は「アライグマは市内全域で出没しており、民家に迷い込むこともあるので注意してほしい」と啓発。捕獲に協力した近所の男性は「ツキノワグマだったらどうしようもない。アライグマでよかった」とケガ人や被害がなかったことに胸をなで下ろしていた。
(「絶滅」のニホンジカ見つかる:山形)
本県では大正中期に絶滅したはずのニホンジカが、村山市内で見つかった。17日午後6時半ごろ、同市のJR奥羽本線村山-袖崎間で下り普通列車が線路内に入ってきた動物と衝突し、緊急停止。その死骸(しがい)の写真を18日、専門家が確認したところ、ニホンジカだったことが分かった。宮城など隣県では生息数が増える中、同市では昨年も出没したとみられる事案があり、関係者は「迷い込んできたのでは」「テリトリーが広がっているのかも」と関心を寄せている。写真を確認したのは、山形大の伊藤健雄名誉教授。「カモシカとは角の形状、体格が違う。間違いなくこれはニホンジカだ」と断言。角の状態から2、3歳のオスとみられる。オスはこの時季から繁殖期を迎え、メスを求めて行動範囲を広げるという。伊藤名誉教授によると、かつてニホンジカは本州全域と九州に生息。カモシカに比べて脚が細く雪に弱い。雪深い地域では冬場、雪の少ない人里近くまで下りてきたという。明治期以降、より精度が高い銃が猟師の間で普及し、人里近くでは格好の標的となり、特に北日本の日本海側で生息数が減少。本県では大正中期までに絶滅したとされる。一方、比較的雪が少ない太平洋側では近年、生息数の増加が目立つ。天敵のオオカミが絶滅、ハンターも減っているためという。岩手県・三陸海岸に近い五葉山の生息数は、この30年で3倍の3000頭になったと推測され、宮城県・牡鹿半島でも1000頭以上いるという。これに伴い、絶滅した地域での生息も確認されるようになった。その一つが福島県で、栃木県からニホンジカが流入し、尾瀬国立公園の高山植物などの食害が深刻化しているという。村山市で列車とぶつかった場所は、JR東日本山形支店によると袖崎駅から南約3キロ地点。東側を国道13号が走るが、東西には山に連なる丘陵がある。伊藤名誉教授は「宮城、福島などから迷い込んだ可能性が高いが、そうだとすればほかに目撃情報があっていい。どこかで飼われていたのが逃げ出したケースも考えられる」と指摘する。一方、村山市教育委員会の関係者によると、昨年10月、同市の国道13号でもニホンジカとみられる動物が車と衝突する事案があったという。既に同市が行動エリアに入ったとの見方をする人もいる。
(エゾシカの生息調査、166カ所で始まる:北海道)
エゾシカの個体数の変動を調べる「エゾシカライトセンサス」が今年も道内166カ所で始まった。シカの生息密度が高く、モデル地域7カ所の一つに指定されている白糠町では13日夜から3日間の調査に着手し、初日は、昨年の303頭を下回る173頭の確認にとどまった。道が92年から実施している調査で、白糠町では道立総合研究機構環境科学研究センターや地元猟友会などの計9人が現地入り。例年通り同町中茶路の牧畜地域(17・2キロ)と新縫別の森林地域(10キロ)の2コースに分かれて調査に当たった。中茶路では小雨模様の中、調査車両が強力なライトで道路脇の畑や茂みを照らしながら走行。シカ発見の度に一時停車やバックを繰り返し、頭数や性別などをチェックした。初日は約2時間の調査で、中茶路は昨年より161頭少ない78頭、逆に新縫別では34頭増の95頭を確認した。同センター道東地区野生生物室の稲富佳洋研究員は「道東地域では昨年、雌ジカの捕獲数が過去最高だったので、その影響で頭数が減少した可能性はある」としつつも、「過小評価の可能性もあり、他の地域の結果を見ながら全体を評価したい」と話した。
(国有林でシカ捕獲→食害に歯止め:北海道)
エゾシカの食害に歯止めをかけるとともに、シカ肉加工事業の振興を図ろうと、十勝管内新得町の国有林内で国と町、地元でエゾシカの食肉加工などを手掛ける農業生産法人の3者が協力し、エゾシカの捕獲を始める。官民が協力してエゾシカ捕獲から食肉販売までを一貫して推し進める取り組みは道内で初めて。町内の国有林を管理する十勝西部森林管理署東大雪支署と新得町、町内トムラウシ地区で養鹿(ようろく)とエゾシカの解体処理、食肉販売を行う農業生産法人ドリームヒル・トムラウシが15日、同地区周辺の国有林内8ヘクタールで、移動式囲いわなを使った捕獲活動を円滑に進めるための協定を結んだ。これにより町とドリームヒルは通年で、協定域内の数カ所にわなを設置できるようになる。ドリームヒルは11月中旬をめどに移動式囲いわなを設置し、捕獲したエゾシカを食肉処理して販売する。民間業者が国有林内にエゾシカ用のわなを設置するのは初めてで、将来的に年間千頭の捕獲を目指す。トムラウシ地区周辺の国有林はエゾシカの大生息地となっており、森林だけでなく、町内の農地の食害も深刻化している。ハンターの銃器による駆除や狩猟では効果に限界があるとして、今回の協定が結ばれた。移動式囲いわなは、立木を利用してビニール製フェンスを張った簡易なもので、伐採は不要。周囲約500メートルのフェンス内に牧草などの誘引飼料をまいて群れをおびき寄せ、遠隔操作で入り口のゲートを閉じて生け捕る。固定式と異なり、シカがわなの場所を学習する前に随時移動できる。
(ヤクシカ捕獲へ協定:鹿児島)
世界自然遺産の屋久島で、増え続けるヤクシカによる食害が深刻化している問題で、屋久島町や林野庁屋久島森林管理署、地元猟友会が13日、国有林内でヤクシカを捕獲・駆除する協定を締結した。管理署によると、島内の国有林は、島の8割にあたる約3万8000ヘクタール。ヤクシカは推定1万2000~1万6000頭生息しており、毎年2000頭以上増えているとみられる。協定では、国有林内のシカについて、管理署が町に有害鳥獣として捕獲を申請。町から指示を受けて猟友会が捕獲する。年間50頭程度の捕獲・駆除を見込んでいるという。従来は管理署職員がわなを仕掛けてシカを捕獲。年間30頭程度だったが、今年度は9月末までに180頭に急増しているという。管理署は「協定によってさらに効果的な捕獲が可能になり、植物への被害軽減につながる」と期待している。
(列車とイノシシが衝突:福井)
17日午後9時20分ごろ、福井県南越前町のJR北陸線湯尾-南条間で、敦賀発福井行きの下り普通列車(2両編成)がイノシシと衝突した。普通列車は現場に約15分間、停車、乗客約20人にけがはなかった。JR西日本によると、この衝突の影響で、後続が一時、運転を見合わせ、上下線の特急5本と普通4本が最大で約1時間10分遅れ、約2千人に影響が出た。
(イノシシが用水路転落、住民らが救出:新潟)
新潟・魚沼市で17日朝、イノシシが用水路に落ちているのが見つかり、地元住民や警察官による救出作業が行われた。魚沼市で17日午前9時前、イノシシが用水路に落ちて上がれなくなっているところを近所の人が見つけた。イノシシは体重約100キロの雌で、地元の人たちがアルミ製の農業用資材で足場を作って救出した。イノシシは威嚇するような動きをした後、山の中へ消えていった。雪国・新潟県では、足が短いイノシシは雪に埋まって移動できなくなるため繁殖できないとされてきたが、近年は出没が相次いでいる。
(イノシシ上陸?痕跡や目撃情報相次ぐ:長崎)
イノシシはいないとされている壱岐市で、夏ごろから痕跡や目撃情報が相次ぎ、農業関係者や行政が調査に乗り出すなど警戒を強めている。JA壱岐市や市、県などでつくる壱岐地域鳥獣被害防止対策協議会によると、最初の目撃情報は6月。市南部の郷ノ浦町初山東触の海岸で釣りをしていた人が「イノシシのような動物が海から上がってきた」と交番に通報した。8月31日には近くの水田で、足跡や地面に体をこすりつけた跡などが見つかった。9月までに同様の報告が市南部に集中して3件寄せられているという。壱岐にはイノシシと同じ偶蹄(ぐうてい)目のシカがいるが、見つかった足跡はシカとは特徴が異なるという。ただ、今のところ確証は得られていない。昨年度の県内のイノシシによる農業被害額は約1億9千万円。同市内では過去、イノシシ被害は報告されていないが、協議会はチラシで情報提供を呼び掛けているほか、わなによる駆除の準備も始めた。「いるという前提で対策を立てている。被害が拡大する前に捕まえたい」としている。中央農業総合研究センター(茨城県つくば市)鳥獣害研究サブチームの仲谷淳上席研究員によると、自分から海を渡るとは考えにくいが、追い掛けられるなどして海に落ち流れ着いた可能性はあるという。最近、佐賀県の伊万里湾で泳ぐイノシシの映像が撮影された。ただ壱岐と本土は最短でも20キロあり、上陸が相次ぐ可能性は低そうだ。仲谷さんは「自然に入ってきたのならば自然保護の観点から駆除については議論が必要」と指摘した上で「駆除するのならば、繁殖力が強いので被害が拡大しないうちに早めの対処が必要だ」としている。仲谷さんによると、イノシシなど大型の哺乳(ほにゅう)類は昔から狩猟の対象になり、小さな島などでは生存しにくく鹿児島県の屋久島などにもイノシシはいないという。県内では対馬や上五島ではイノシシが確認されている。
(イノシシが海を渡る:長崎)
長崎・伊万里湾で11日、イノシシが海を泳いで渡っている、珍しい光景が撮影された。佐賀県の唐津海上保安部の巡視艇乗組員が発見し、撮影したもので、体長約50センチのイノシシが鼻を突き出す姿勢で悠々と泳いでいる様子が映っている。発見から10分後に上陸したということで、岸から岸まで泳いだとすれば、その距離は2.5キロにもなるという。
(イノシシ繁殖お手上げ!?:京都)
太平洋戦争中に「東洋一の弾薬庫」と言われた陸上自衛隊祝園(ほうぞの)弾薬支処(京田辺市、京都府精華町)の山林でイノシシが繁殖し、周辺の田畑の農作物に被害が及んでいる。敷地内は火気の使用が厳しく制限されているために猟銃を使った一斉駆除ができず、関係者は対策に頭を悩ませている。京田辺市と精華町にまたがる祝園弾薬支処は約470ヘクタールあり、旧日本陸軍が弾薬庫として建設した。主要な弾薬保管施設は地下にあるといわれ、地表の大部分は山林が広がる。支処を含む京田辺市・精華町では近年までイノシシは生息していなかったが、4年前に初めて被害が確認された。以後、支処に近い集落の田んぼで稲穂がかじられたり、あぜが壊されたりする被害が急増した。昨年は作付面積の3割以上被害を受けた水田だけで約240アールに上った。両市町によると、相当な数のイノシシが昼間は支処内の山林で過ごし、夜になると山を下りて田畑を荒らしに来るという。支処の職員が狩猟免許を取得して敷地内にオリ式のわなを設置し、昨年11月からこれまでに57匹を捕獲している。しかし稲刈り期の10月に入っても周辺の集落では被害が相次いでおり「今年も昨年と同規模の被害」(精華町)が出ている。京田辺市農政課は「成獣はオリに対する警戒心が強く、ほとんどかからない。ねぐらとなっている支処内で猟犬を使って猟銃で捕獲しないと根絶は難しい」と話す。祝園弾薬支処は敷地内で銃器を含む火気の使用が禁止されているため、今後もオリによる捕獲を続けていくという。広報担当者は「支処も地面がほじくり返されたり、竹林のタケノコが食べ尽くされたりして、困っている。鉄砲が撃てたら解決は早いがそれができないので…」と困惑している。
(鳥獣対策強化、住民に協力呼び掛け:静岡)
静岡県東部の6市町で100人を超える住人を襲い、10日に三島市で捕獲された暴れザルに農作物を食い荒らす“余罪”があったことが分かった。暴れザルだけでなく、県内ではここ数年、サルやイノシシ、シカなどによる農作物被害も拡大していることから、県は新たに10月を「鳥獣被害対策強化月間」に定め、パンフレットを配布するなどして対策に乗り出した。裾野市農林振興室の調べでは、暴れザルは今年7月、裾野市内で、農家のトウモロコシ、落花生を食べ荒らした疑いが持たれている。同振興室によれば、同市内での目撃情報と、農作物被害があった日時や畑の場所がほぼ一致。また、サルが富士宮市などに移動すると、裾野市での農作物被害はパタリとやんだという。同振興室は、三島市で捕獲された暴れザルの歯形と照合するなどの作業は行わないものの、問題のサルの“犯行”と断定している。一方、三島市の施設に収容されているサルは“黙秘”しているとみられるが、三島市はサルの“余罪”判明に「特別なサルとは考えてません」と話している。県内では今年、サルによる被害がクローズアップされたが、近年は野生動物による農作物の被害が深刻化している。県農山村共生課によると、ここ数年、温暖化、畑への見回り回数の減少、里山の管理者が減ったことから、サルのみらず、イノシシ、シカの生息範囲も拡大。越冬する頭数も増え、暴れザルのように市中に出没するケースが多発しているという。農作物の被害額は平成21年度が前年比33・6%増の5億3675万円。17年度比では2・5倍程度に上った。被害を重くみた同課は、強化月間を前に「農作物の鳥獣被害を防ぐには」と題したパンフレットを作成。各市町、農協に5万冊配布し、生ごみ管理の徹底などを呼び掛けている。同課は「農家以外にも、近隣の住民の協力も不可欠」と話す。裾野市では、一度限りの支援策として、農産物被害を防ぐ防護柵の設置にかかる費用を4万5千円を上限に半額を支援してきたが、4月から年1回ならば何度も申請できる方式に変更し、被害対策に本腰を入れ始めた。また猟友会やサル捕獲者に対し、5万円の懸賞金を渡す制度もすでに作っている。その一方で、鳥獣を地域資源として有効活用する動きも出てきた。今月27日には、県が中心となり「獣肉利用研究会」が発足。シカ肉の商品化の取り組んだり、イノシシを使った試食会も合わせて実施し、活用の在り方を探る試みがスタートする。ただ、どうして鳥獣が増えているかの解明は依然できておらず、いずれの方策も抜本的な解決にはつながらないとの見方も。今後も、鳥獣との知恵比べが続くこととなりそうだ。
(獣害防護ネット、新型導入:栃木)
鹿沼市の上板荷生産森林組合(福田弘之組合長)のスギ林で試験的に、生分解される獣害防護ネットが県内で初めて導入され、巻き付ける作業が進められている。これまでのプラスチック素材と異なり、サトウキビを原料とし、7~10年で自然に分解され、間伐時に外す手間が省ける上に、環境にも優しい。福田組合長は「効果を見極めて、順次、使用を拡大していく」と話している。作業は今月15日に始まり、18日に報道機関に公開された。組合は271ヘクタールの山林を所有。近くまでシカの被害が報告されているため、9区山林の4・3ヘクタールに植えられている約3000本の樹齢74年のスギにネットを巻いている。作業は3人1組で請け負った市森林組合職員が、ネットを根本から1~1・5メートルの高さに次々と巻き付けていった。鹿沼市の森林面積は1万8700ヘクタール。3年前からシカやクマ、イノシシによる被害が広がり、年間100ヘクタールに達する。組合によると、シカは角でクマはツメでスギの樹皮をはぎ、ヤニが出る前の甘い樹液を好むという。被害に遭ったスギは枯れて、売れなくなることから、15年前から福井市の環境農林資材メーカー「グリーンコップ」(長谷川雅雄社長)とプラスチック製防護ネットを開発し、使ってきた。しかし、使用後はごみとなる上、間伐時に外す手間が必要なことから、3年前から自然に分解される素材での開発に取り組んできた。完成したネットは紫外線や水で7~10年後に分解され、ごみとならない。軽くて柔軟性があり樹木の成長を妨げずに、耐久性もあるという。長谷川社長は「せっかく育てた財産のスギなどの保全につながり、獣害による斜面崩落などの災害も防げる」と話す。
(キジとヤマドリ放鳥:福島)
県北地方振興局は13日、二本松・本宮・大玉の各市村でキジとヤマドリを放鳥した。二本松市役所に関係者約10人が集合し、それぞれキジ80羽、ヤマドリ8羽の配分を受けた。このうち、放鳥場所となった二本松市永田、原セなどでは、担当者がダンボールのふたを開けるとキジなどが勢い良く羽ばたき、飛んでいった。一部のキジには足輪を付け、生息状況などを調査する。
(キジ40羽放鳥:滋賀)
県の愛鳥モデル校になっている近江八幡市立島小の3年生16人が13日、学校近くの田んぼで生後半年になるキジの幼鳥40羽を放した。児童たちは市職員からキジを手渡されると「あったかい」「可愛い」と歓声。「一、二の三」の合図で、琵琶湖鳥獣保護区に指定されている奥島山に向けて一斉に放した。暴れるキジに驚き、思わず放してしまう児童もいたが、元気よく飛び立つキジを笑顔で見送った。茶谷雅さん(9)は「最初は怖かったが、あったかくて気持ち良かった。元気に育ってくれるといいな」と話していた。放鳥されたキジは甲賀市のキジ養殖場で養殖された幼鳥。奥島山など鳥獣の生息地に囲まれた同校は、80年ごろから毎年キジの放鳥を行い、増殖に一役買っている。【
(ウトナイ湖に渡り鳥飛来、発進:北海道)
苫小牧市のウトナイ湖に、南へ向かう渡り鳥が続々と集まり、羽を休めている。日本で越冬するためシベリア方面からやって来た。間もなくにぎわいのピークを迎える。ウトナイ湖は、ラムサール条約登録湿地。南下ルートの中継地になっていて、9月に入ってからガン・カモ類が姿を見せ始め、10月7日には「冬の使者」オオハクチョウも到着した。水鳥たちは日ごとに数を増している。日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリによると、11日には3000羽以上の天然記念物マガンやヒシクイが観察された。越冬地は宮城県など本州方面。長い旅の疲れを癒やすために立ち寄った。再びV字の編隊を組んで旅立つウトナイ湖の秋の光景が連日続いている。湖面に広がる水鳥の鳴き声に誘われるように、純白の衣をまとったハクチョウたちの群れも集結。野生の命のにぎわいは、11月中旬ごろまで続く。
(カラスの置き石被害相次ぐ:岩手)
本県のJR東日本の線路で、カラスのいたずらによるとみられる置き石が相次ぎ、緊急停車するなど運行に支障を来したケースが約半年で18件あったと、JR東日本盛岡支社が17日、明らかにした。同支社は「例年を上回るペース」と指摘。線路に近づけない防止策は一定の成果を上げているが、別の区間で新たな置き石が見つかっており、JRとカラスの知恵比べが続きそうだ。置かれた石は多くが直径約3センチ。けが人が出るなどの事故には至っていないが、置き石をはねた際は緊急停車して安全確認することが義務付けられているため、18件では5~20分遅れ、最大で後続5本に影響が出たケースもあった。多く発生しているのは田園が広がる盛岡市以南の東北線の花巻空港-油島間。人が線路内に近づけない場所がほとんどで、運転士のカラス目撃情報や、現場に残された足跡・ふんなどから同支社と県警は「カラスの犯行」とほぼ断定した。同支社によると、コメの収穫時期を迎えた9月中旬以降に急増。18件のうち10件と集中しており、積雪が始まる12月中旬まで警戒が必要だ。防止策として同支社は10月26日にカラスのねぐらがある石鳥谷-花巻空港間にセンサー2台を導入。設置区間(100メートル)で侵入を感知すると、カラスが仲間に危険を知らせる鳴き声をスピーカーで流し追い払う仕組みだ。別の区間では①実物大のカラスの模型を5メートル間隔で逆さにつるす②光を反射する金属製風車や鏡を設置③黄色やオレンジ色のネットを張る-などの対策を実施している。同支社保線課の高瀬力男副課長は「手ごわい相手だが、線路は怖い場所だと学習させたい」と話した。

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