<射撃ニュース11月>

11/14
(クマに襲われ、女性重傷:新潟)
14日午前7時前、胎内市黒川で畑作業をしていた同所の女性(70)がクマに襲われ、頭などに重傷を負った。胎内署によると、江端さんを襲ったとみられるクマは体長約120センチで、同所の胎内市役所黒川庁舎近くの路上で地元の猟友会のメンバーが捕殺した。14日はこのほか、見附市明晶町の林道でも住民がクマ1頭を目撃し、見附署などが周辺住民に警戒を呼び掛けた。
(行政・住民VS保護団体、対立7時間:愛知)
愛知県瀬戸市片草町の山林で十三日、おりにかかったツキノワグマの殺処分を決めた行政、地元住民と、処分を阻止しようとする自然保護団体「日本熊森協会」(兵庫県西宮市)が七時間にわたって対立。話し合いは平行線のまま、結局クマは瀬戸市に依頼された猟友会の会員に射殺された。市環境課によると、クマは九日、イノシシ用のおりの中で発見された。最初は殺さずに放すことを検討し、保護を訴える協会とも協議した。他県に移送を打診したものの受け入れを拒否され、住民の不安も高まったことから、十二日に殺処分を決めた。十三日午前七時ごろから現地で、協会の会員と、市・県の職員、住民が“にらみ合い”。「クマはおとなしく、人と共存できる」と主張する協会側と、「ここは私たちの生活の場」「けがをしたら誰が補償するのか」と住民たち。午後二時ごろ、クマは殺処分されたが、市環境課の高木啓次課長は「放つのが基本だが万策尽きた」と苦渋の表情だった。
(イノシシ、陸自駐屯地でまた捕獲:福岡)
13日午前7時25分ごろ、小倉南区北方5の陸上自衛隊小倉駐屯地で、イノシシが正門から入ってくるのを陸自隊員が発見。約40人で捜索し、約1時間半後、災害派遣などで使用する網で捕獲した。けが人はなかった。駐屯地によると、メスの成獣(体長約80センチ)で、猟友会に引き渡された。3日にも別のイノシシが同駐屯地に逃げ込み、隊員たちに取り押さえられる騒ぎがあった。
(シカを一網打尽に、新型捕獲装置を設置:兵庫)
シカの農作物被害が大きい篠山市川阪に13日、兵庫県が開発した新型捕獲装置が設置された。夜間、エサでシカをおびき寄せ、ボタン操作で網を落下させて捕獲する。実験用を除き、丹波地域では初の設置。1度に10数頭を捕まえた例もあり、住民は「地域のチームワークを生かし、一網打尽にしたい」と意気込む。川阪など4集落からなる西紀北小学校区は、市最北部に位置し、シカの出没が相次ぐ。10月に県などが調査したところ、夜間に約70頭が確認された。県は本年度、西播磨など県内各地に新型装置を貸し出している。被害が大きく、住民の対策意識が高いとして、丹波地域で第1号となった。設置場所の休耕田には、地元の「草山鹿柵検討委員会」のメンバーら約25人と県職員が集まり、装置を組み立てた。大きさは縦18メートル、横18メートル、高さ3メートル。既に野菜くずなどで餌付けを始めており、今後、様子を見ながら捕獲日を決定。当日は市猟友会が近くの民家に待機し、赤外線カメラでシカの集まり具合を見て網を落下させる。同委員会の谷掛弥市委員長(66)は「力を合わせて対策することで住民の団結も強まる。地域全体で取り組みたい」と話した。

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11/13
(イノシシ小学校に乱入、男児ら5人が軽傷:大阪)
13日午前7時ごろから同25分ごろにかけ、大阪府泉南市樽井の市立樽井小学校などにイノシシが現れ、大人や小学生に体当たりするなどで男児2人を含む5人に打撲などのけがを負わせた。いずれも軽傷。午前8時ごろには約1キロ南西の大阪府阪南市尾崎町の南海本線でイノシシが電車にはねられて死んだ。体長約1メートル、体重30~40キロで府警泉南署はこのイノシシとみている。泉南署によると、イノシシは空き地にいた男性(68)の手や足にかみつき、女性(62)に体当たりして逃げた。約700~800メートル東の畑でも男性(71)に体当たり。さらに、樽井小のグラウンドでは計30~40人で野球の練習をしていた児童のうち、いずれも11歳の男児にぶつかり腕や足にけがをさせた。現れたのは住宅街でイノシシの出没はこれまでないという。
(男性がクマにかまれけが:石川)
13日午前11時ごろ、金沢市東長江町の山林で、近くの実家に帰省して山芋掘りをしていた大阪市平野区の会社員の男性(50)が、茂みの中から飛び出してきたクマに右腕をかまれた。男性は持っていた棒で追い払い、クマは山中へ逃げた。男性は右腕を10針縫うけが。金沢東署によると、クマは体長1メートル弱。同署は地元猟友会と行方を捜すとともに、付近の住民に警戒を呼びかけている。
(クマに襲われ女性けが:富山)
13日午前10時45分ごろ、富山市中布目、無職、永森梅さん(89)が自宅庭でクマに襲われた。永森さんは顔や肩などにけがを負い、病院に搬送されたが、命に別条はないという。クマは付近の資材倉庫に逃げ込み、約1時間半後、地元猟友会のメンバーが射殺した。富山南署によると、クマはツキノワグマの成獣とみられ、永森さんは庭で掃除をしていた際、突然、背後から襲われた。通報を受けた同署や猟友会が逃げたクマを捜していた。
(3年前に解放したクマ捕獲、同じおりで3日連続:滋賀)
12日午前6時20分ごろ、米原市上板並で、住宅近くの山すそに設置した捕獲用おりにクマが入っているのを、巡回していた県猟友会米原支部のメンバーが見つけた。米原市は県と協議し、成獣で危険として射殺した。クマは体長1.1メートルのオス。耳に付いていたタグから3年前の7月に旧湖北町(現長浜市)で捕獲され、放たれたクマと分かった。この集落では、7日に女性(79)が子連れのクマに襲われて負傷。10日から3日連続で同じおりにクマがかかっており、市や米原署は警戒を強めている。
(クマに襲われ登山客軽傷:山梨)
13日午前8時10分ごろ、山梨県笛吹市芦川町の節刀ケ岳(1736メートル)で登山中だった東京都羽村市羽加美3丁目、会社員福島順二さん(55)がクマに襲われ、右手に軽傷を負った。笛吹署によると、福島さんが登山道のない場所を歩いていた際、クマが突然現れ、引っかかれるなどした。すぐに逃げて下山し、笛吹署に通報した。
(クマ捕獲、猟期中自粛を:岐阜)
県内でツキノワグマの捕殺が相次いでいることを受け、県が猟友会に対し、狩猟期間中のクマの捕獲自粛を求めていることが分かった。本年度の捕獲数は205頭(11日現在)で、県が特定鳥獣保護管理計画で定める上限109頭の約2倍にも達している。県内のクマの推定生息数は約1300頭とされ、県は「予想を超える数の捕殺が続いている。クマの減少を食い止めるために自粛を依頼した」と話している。猟期は15日から来年2月15日までの3カ月間。イノシシは、本年度から5カ年の特例で1カ月期間が延長されるが、箱わなはクマの脱出口を設けたものに限定される。県は今月4日付で、県猟友会にクマ捕獲の自粛を要請。猟期前の講習会でも、会員に協力を求めている。本年度に捕獲されたクマは、大部分が9月以降に出てきた。農作物の被害を防ぐイノシシ用の箱わなにかかったクマが多く、ドングリなど山の食べ物が少ないことが原因の1つとみられる。クマ205頭のうち、放獣したのはわずか12頭。残りは飼育施設に引き取られた1頭を除き、すべて射殺された。県内の推定生息数のほぼ6分の1にも達する捕殺に、環境団体からは「このままだと絶滅する」との声が出ている。県は捕殺以外の対応を基本方針としているが、実際にクマを捕獲する市町村は放獣先の確保や費用の問題などから、放獣したくてもできないのが現状。また、県から市町村への有害鳥獣の捕獲許可の権限移譲が進んでおり、6月の殺処分が11月に入っても報告されていない例があった。放獣のためのシステムが整わず、対応が市町村任せになっていることが、大量捕殺につながっているようだ。県によると、今年9月にあったクマ対策の検討会では、多くの市町村から放獣先の確保を要望する声が上がった。現在は、国有林での放獣に向けて国との協議を進めているという。
(イノシシ繁殖猛スピード、駆除10年で300倍:石川)
石川県内で今年4月から10月までに、イノシシの駆除数が557頭と、7カ月ですでに過去最多となっていることが12日、分かった。駆除数は2001(平成13)年度の2頭から300倍を超えるのは確実で、県は「生息域の拡大と、個体数が驚異的なスピードで増えているのが原因」(自然保護課)とみる。同日は白山市の中心部でイノシシが目撃され、県は昨年度に続いて今月15日からの狩猟期間を延長するなど、警戒を強めている。県によると、狩猟を除く「有害駆除数」は、おりなどのわなにかかった頭数。01年度の2頭から07年度を除いて増え続け、今年度は5カ月を残して昨年度(307頭)の倍に迫る。イノシシによる農作物の被害も、今年1月から8月までで1908万円と前年同期比で2.9倍、被害面積は1885アールと同2倍に達し、いずれも過去最大となっている。市町別の駆除数は、加賀市が230頭と最多で、小松市(213頭)、能美市(49頭)が続く。白山、金沢両市と津幡町でも駆除されている。イノシシは雪に弱く、かつて日本海側で生息する北限は福井県とされていた。しかし、1999年に旧山中町(現加賀市)で農作物被害が初確認されて以来、範囲は拡大し、今年8月には珠洲市でも生息が確認された。県によると、降雪量が減ったことに加え、耕作放棄地の増加でイノシシの隠れる場所や植物の根など餌も豊富にあることで、幼いイノシシでも容易に越冬し生息できるようになったという。県は昨年度から、11月15日からのイノシシ狩猟期間を従来の2月15日までから3月末までに延長しており、今年度も延長することを決めた。県は「農地をイノシシのえさ場にさせないことが大切。放棄した耕作地を手入れする必要がある」としている。石川県内の狩猟が15日の日の出から解禁される。狩猟期間は例年通り来年2月15日まで。ツキノワグマは11日現在で50頭が駆除され、年間の狩猟上限である70頭に迫り、県は「狩猟自粛は現段階で求めないが、状況を見ながら判断したい」(自然保護課)としている。狩猟できるのはオスキジやオスヤマドリ、マガモなど鳥類29種、イノシシやキツネなど獣類20種。バンとクロガモは県内全域で捕獲禁止となる。クマは特定鳥獣保護管理計画に基づき、個体数を維持できる適切な駆除数を推定生息数の1割に当たる70頭としている。県内の狩猟者登録は10月末現在で893人。県は県警、猟友会、鳥獣保護員らと連携してパトロールを行い、違反を取り締まる。
(「鳥獣管理士」1期生が誕生:静岡)
今夏に静岡で暴れたかみつきザル、各地で農作物を食い荒らすイノシシやシカ。こうした動物対策の専門家「鳥獣管理士」が全国で初めて、栃木県の宇都宮大で17人誕生した。1期生の一人で同県小山市の会社員、合田浩二さん(63)は「学んだことを生かしたい」。国の助成を受けて同大と県が進める技術者養成プログラムで、09年10月から1年間学び認定を受けた。全国展開を目指す栃木発の新資格だ。被害地の住民らは独学で対策を取っているのが実情。現場ごとに原因を探る「集落診断」の手法や電気柵の設置法など「理論と実践」を学んだ合田さんらは今後、ボランティアで集落ぐるみの対策を指導する。福島からの参加者もいた1期生は、被害に悩む農家や自治体職員ら。「支え合う仲間が何よりの成果」と合田さん。修了研究ではアライグマが県内で急増し被害の可能性が高いことを突き止めた。「被害農家の話を聞き、嘆きやあきらめが伝わってきた。地域自らが動くことが大事」と決意を語る。
(県内の民間初、麻酔銃資格:山梨)
NPO法人獣害対策支援センター(富士吉田市)の職員山本圭介さん(28)=早川町在住=が、県内の民間では初となる麻酔銃を扱える資格を取得した。猿の行動調査での捕獲効率のアップや、野生動物が市街地に出没した際の対応など、獣害対策に活用していく。麻酔銃の扱いには銃の資格のほかに、「麻薬研究者」と呼ばれる資格が必要。資格取得のためには、麻薬を扱う目的とその研究内容が審査される。山本さんは8月ごろから研究計画を作成。厳しい審査をクリアし、峡南保健所から10月中旬に資格を取得した。これまで山本さんは主に早川町内で、わなに掛かった猿に発信器を取り付け、猿の生態や行動パターンを把握し、猿害対策に生かす取り組みなどをしてきた。今回、猿をはじめとする獣害対策とその調査のために、麻酔銃の資格を取得した。山本さんによると麻酔銃を使用することで、調査のための捕獲効率の向上や、猿の損傷を最小限に抑えられるほか、緊急時にも対応できるなど、利点が多いという。動物の調査が進み行動パターンなどが解明できれば、獣害対策が進展する可能性があるという。これまで県内で麻酔銃を所持しているのは、県環境科学研究所で1丁、甲府市立動物園で2丁の計3丁。今回の山本さんで4丁目となる。また、市街地にクマなどの野生動物が出没したなどの際は、市町村からの要請があれば出動するという。麻酔銃を使うことで、捕獲作業がこれまでに比べて容易になるという。一方で、山本さんは「麻酔銃を使ったからといっても、動きが止まるまではタイムラグがある。また動物の種類や個体差、興奮度合いによっても効き目に差があるので、注意が必要」と話す。山本さんは「獣害対策は各自治体、行政、民間などが一丸となって取り組まなければ効果は出てこない」と指摘し、「緊急時に対応できるよう、自治体のネットワークを構築しておく必要があるのでは」と話している。
(増える鳥獣被害、進む猟離れ:長野)
ニホンジカやイノシシなど、野生鳥獣による農作物や環境への被害が深刻さを増す一方で、狩猟の担い手である猟師が、高齢化や「猟離れ」で減少の一途をたどっている。代替策として銃を持たない農家向けにわな猟を普及させたり、捕獲した肉を使ったジビエ料理で一般の理解を広げようとする動きも出ている。今年の狩猟が解禁される15日を前に、現場を支える人たちに会った。「昔は山に行けば必ず仲間がいて『あっちにシカがいた』などと情報交換していた。今は山に行っても、人に会わないね」長野市猟友会に所属する猟師、宮川仁司さん(54)は、ハンターの減少を肌で感じている。猟師歴は約30年。その間に県内の猟師はほぼ4分の1に減った。近年、銃を所持するためのハードルが上がり、「講習や免許の書き換え、精神鑑定書の提出など面倒な手続きが増え、ベテランの高齢者が敬遠する」と明かす。シカやイノシシなどの大型獣は仕留めた後の処理も重労働で、猟離れを加速させている。対照的に、ニホンジカは数年前から明らかに増えたといい、かつては少なかった北信地域でも多く見るようになった。宮川さんの1シーズンの狩猟はシカ30頭、イノシシ15頭。宮川さんが行う猟は主に2種類で、複数による「巻き狩り猟」と、単独の「忍び猟」だ。巻き狩り猟は4人が一定の間隔で並び、尾根からシカのいるササ原へ静かに下りる。シカは昼間、ササが深く、首を上げれば周囲が見渡せる所で休む。100~200メートルまで近づき、首か肩を狙う。忍び猟は1人で同じように行う。いずれもシカが首を上げた瞬間を仕留めるには、熟練が必要。売り物にするには、仕留めた直後の血抜きや内臓処理などの技術も習得しなければならない。猟師の減少もあって県は、農家などに自衛のわな猟を普及させようと力を入れる。免許の取得が比較的簡単で、わな自体も銃に比べれば安あがりで済む。畑の周りや動物の通り道に直径12センチのワイヤ製のわなをしかけ、踏んだ動物の足にワイヤが巻き付く仕組みだ。県は初のわな猟講習会を、11月から来年2月にかけて地方事務所ごとに開く。一方、野生の肉を使った「ジビエ料理」を通じて、猟に理解を深めようという動きもある。茅野市蓼科高原のレストラン「エスポワール」の藤木徳彦シェフは「ジビエ料理の神髄は命に感謝し、増え過ぎた分を無駄なく食べること」だと話す。観光イベントで自身が監修する料理にも、積極的にジビエを取り入れているという。藤木さんはジビエの普及が進まない理由を、(1)肉の処理業者が少ない(2)おいしさを体験できる場所がない(3)イメージで敬遠される--と指摘。山で肉を処理する専用車を自治体が導入し、学校給食などに出すことも提案する。藤木さんは「牛や豚にはない栄養価などの魅力もある。国は都市部での需要拡大や輸出も検討しており、県もその流れに乗って積極的に売り出す必要がある」と強調した。野生鳥獣による県内の農林業の被害額は09年度、16億426万円に上り、06年度以降、高い水準で推移している。特に近年急激に繁殖して捕獲数が急増したニホンジカの被害は7億957万円(09年度)で、約4割を占める。貴重な高山植物への被害など数値化できない部分も考えれば、損失は甚大と言える。県野生鳥獣対策室によると、農林業や人に被害を及ぼす可能性があるのはツキノワグマ、ニホンジカ、イノシシなど23種。長野市農業委員会の大谷幸男会長は「シカはリンゴの花芽を広範囲に食べるなど、被害が大きい。イノシシは田んぼやソバ畑で転げ回り、ほとんど収穫できなくなってしまう」と憤る。特に被害の大きいイノシシやニホンザルなど5種は、県が保護管理計画で捕獲頭数の目標を定めている。例えば、ニホンジカの捕獲目標は年8300頭。特に子どもを産む雌に重点(5500頭)を置き、狩猟期間の1日あたりに設けていた雌の捕獲制限は、06年度に撤廃した。同室の担当者は「シカは繁殖力が強く、毎年ほぼ確実に子供を産む。その子供は1~2年後には出産可能になる」と説明する。08、09の両年度、雌の捕獲頭数は目標を超えた。一方、猟師の高齢化や登録人数の減少は、県内でも顕著だ。猟師は1976年度に2万5000人超を数えたが、08年度は約6200人とほぼ4分の1になった。60歳以上が全体に占める割合も7・2%(76年度)から58・1%(08年度)に。県は新規のハンター確保策やベテランに保険料などの軽減を図る補助金も導入しているが、減少傾向に歯止めはかかっていない。さらに、野生鳥獣を捕獲した後の課題もある。捕獲されたニホンジカのうち、ジビエなどの食肉として流通するのはわずか10%に過ぎず、残りの多くは死体をそのまま山に埋めるなど、破棄・処分されている。
(警部補がトイレに拳銃置き忘れ:東京)
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の警備をしていた警視庁高尾署警備課の男性警部補(59)が、東京都港区の飲食店のトイレ個室内に、実弾5発入りの回転式拳銃をホルダーとベルトごと置き忘れ、店が別の警察官に届けていたことが11日、分かった。警視庁は処分を検討している。警視庁によると、警部補は11日午前からスーツ姿で勤務。昼ごろ同僚と飲食店に食事に入ったという。

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11/12
(市街地にイノシシ、駆除の猟友会会長が負傷:香川)
11日午前6時20分ごろ、丸亀市新田町にイノシシが現れ、市街地を逃げ回った。約2時間半後、丸亀猟友会の会長(79)が駆除したが、会長は右足にけがをした。 丸亀署によると、イノシシは同市内を逃げ回った後民家の敷地に入り込み、駆除された。イノシシはオスで体長約110センチという。会長は「丸亀の市街地に現れたのは初めてではないか」と驚いていた。
(捕獲の子グマ逃走:新潟)
魚沼市は11日、市で捕獲し、イノシシ用のオリで保護していた子グマ(体長約40センチ、体重約5キロ)が逃げ出した、と小出署に届け出た。市などによると、子グマは8日朝、魚沼市吉田の山すそに仕掛けたドラム缶のわなにかかった。生後7カ月ほどで幼く、猟友会からは「殺せない」と言われた。山に帰しても冬を越せないだろうと、来年3月まで保護することに。とりあえず猟友会メンバーに預け、イノシシ捕獲用のオリ(幅1メートル、奥行き2メートル、高さ1メートル)で保護した。だがオリの天窓のカギをかけ忘れ、子グマは9日夜から10日朝にかけていなくなったという。山に戻ったとも考えられるが、小出署は付近住民に注意を呼びかけている。
(鶏舎で熊被害、5晩で計50羽:長野)
伊那市吹上にある農業男性(40)所有の鶏舎が11日未明、熊に荒らされた。見張っていた男性が声を上げたところ熊は逃げ、けが人はなかった。この鶏舎は6日夜から毎晩襲われて鶏計約50羽が殺されており、いずれも熊の仕業とみられる。市によると、男性は1棟15平方メートルほどの木造鶏舎8棟で約400羽を飼育。このうち3棟で囲い板の一部がはがされ、一晩に10羽ほどずつ内臓やももを食われて殺された。男性は「キツネの仕業と思っていた」といい、10日夜から近くに止めた乗用車内で見張った。11日午前2時ごろに飼い犬が激しくほえたため、車外に出て鶏舎の敷地を囲う柵の外から懐中電灯で照らしながら「こらっ」と叫んだところ、熊が柵の手前まで突進してきた。男性は車内に避難し、熊は柵を越えて山林に逃げたという。男性は「黒い影が目の前に来て腰が抜ける思いだった」。朝になって市に通報し、猟友会員が近くの畑に捕獲用のおりを設置した。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔専門研究員は県内で熊が鶏を襲うケースは珍しいとし、「餌がある間は同じ場所に定着するので、また現れる可能性がある」と話している。
(クマ捕獲、近くで親?目撃:滋賀)
米原市は11日、米原市上板並に仕掛けたクマ用のわなで子グマを捕獲し、山中に放したと発表した。近くでは親とみられるクマも目撃された。10日には今回と同じわなで成獣のクマ1頭を捕獲、殺処分している。7日には近くで、女性がクマに襲われ負傷しており、市や米原署は警戒を呼びかけている。市によると、捕獲されたのはツキノワグマの子グマ。推定1歳で、体長約50センチ。11日早朝、猟友会のメンバーがわなにはまっているのを確認し、山中に放した。メンバーはその場で親とみられるクマを目撃した。近くでは7日午後5時ごろ、無職女性(79)が、親子とみられる3頭に遭遇し、うち1頭に襲われ、負傷している。
(わなでエゾシカ駆除検討:北海道)
エゾシカが家庭菜園や農地などを荒らす食害が、市内で相次いでいる。市に寄せられた食害に関する相談は、2006年度の4件から昨年度は28件と大幅に増え、今年もすでに17件に上っている。市は猟銃による駆除に加え、わなを使った駆除の検討を始めた。千歳町の坂本敏夫さん(74)は今年6月、自宅前の家庭菜園に高さ約2メートルのナイロン製ネットを張り巡らせた。2年ほど前からシカが急激に増え、昨年はカボチャや大豆を食い荒らされた。ネット設置で被害は減ったが「今年もカボチャが食われた」。同町の佐々木義己さん(80)も、豆類やカボチャ、トウモロコシ、キュウリがシカの食害で「全滅状態になった」。10頭近い群れがネットを乗り越え、家庭菜園に入り込んだこともあった。市によると、シカの食害に関する相談は、森林に近い登別温泉町やカルルス町など特定地域だけでなく、「市内のほぼ全域からきている」のが昨年からの特徴という。日中に住宅街を歩く姿も目撃されている。本年度の相談件数17件のうち、農業者からの相談は3件あり「牧草を食べられた」といった被害もあった。市は駆除を委託する猟友会にパトロールを要請している。ただ、ハンター不足で駆除の大幅増は望めず、市観光経済部は「わなを使った駆除方法が数種類あるので、猟友会と相談して効果的な方法を選びたい」としている。胆振総合振興局によると、温暖化などで冬に餓死するシカの数が減り、シカの頭数が増えていることで食害も増加しているという。シカの食害による09年度の農業被害は、西胆振6市町で前年度比725万円増の2488万円に上っている。
(イノシシ3頭、車にはねられ死ぬ:栃木)
11日、栃木県那須烏山市で、山林から飛び出してきたイノシシ3頭が乗用車にはねられ、死にました。11日午後6時ごろ、栃木県那須烏山市の国道で、45歳の女性が運転する乗用車の前に山林から突然、イノシシ3頭が飛び出し、そのまま車にひかれました。この事故でイノシシ3頭は死にましたが、乗用車を運転していた女性にけがはありませんでした。警察によりますと、現場はゆるやかな坂の直線道路で、周りは山に囲まれており、3頭のイノシシはいずれも全長60センチぐらいだったということです。
(ブナの結実「皆無」、クマ出没多発に影響か:東北)
福島を除く東北5県で今季、ブナの実の結実状況が「皆無」となったことが東北森林管理局の調査で分かった。ブナの実はクマが冬眠する前の餌となっており、東北で多発しているクマの出没にも影響を与えているとみられる。調査は10月、管内の5県計145カ所で、目視で実施した。その結果、全域で結実が20%未満の「皆無」と判定された。5県とも「皆無」となったのは2001、06年度の調査に続き3回目。管理局の担当者は不作の理由として「ブナの実は5~7年のサイクルで豊作、凶作を繰り返す。今回もその一環とみられるが、今夏の猛暑など、異常気象との因果関係も否定できない」と分析している。ブナの実の不作とクマ出没の因果関係は「はっきりと分からない」としているが、同様に不作だった01年度は秋田、06年度は宮城でクマの目撃情報が過去最多だった。本年度のクマの出没件数は、山形が239件(4日現在)で01年度以降で最も多く、宮城は489件(10日現在)で、06年度に次ぎ2番目に多い。
(クマ狩猟、自粛を:香川)
15日のクマの狩猟解禁を控え、県が猟友会に狩猟自粛を要請している。相次ぐクマの出没を受け、駆除した頭数が捕獲可能な頭数の上限を超えてしまったためだ。ハンターからは落胆の声も出ているが、猟友会は受け入れる方針だ。県自然保護課によると、ツキノワグマの絶滅防止が目的の「県ツキノワグマ保護管理計画」では、捕獲頭数の上限は年間88頭とされている。だが今年は9月以降、クマの出没が相次いだため「有害鳥獣の駆除」として既に147頭(10日現在)を捕殺。そのため県は先月28日、県猟友会に狩猟期間(今月15日から3カ月間)中の狩猟自粛を要請した。同課の車司課長は「駆除に協力しているのに趣味の狩猟ができず、割に合わない思いがあるのは分かる」とハンターを気遣いつつ「ツキノワグマの個体数維持にも協力してほしい」と呼びかける。県猟友会の石黒信二事務局長は「全面的に受け入れる」としている。しかし高齢化でハンターの人数が減る中「クマを捕りたくて免許を取る人もいる。新たな登録手続きが終わったばかりなのに……」と話す。一方、県内でクマを目撃したり、痕跡を確認して通報された件数は、10日までに1024件に上り、06年の年間件数922件を超えて過去最多を更新したことが分かった。南砺市では10日午後3時35分ごろ、柿の木を伐採していた同市の会社役員、出島武晴さん(54)がクマに右足をかまれ軽傷を負った。出島さんはクマが近所に現れないよう柿の木を伐採していたところだった。
(春熊猟を試験的に実施へ:長野)
県特定鳥獣保護管理検討委員会のツキノワグマ部会は11日、猟期(11月15日~2月15日)が終わった後の「春熊猟」を、来春は北安曇郡小谷村で試験的に認めることを決めた。豪雪地帯の同村では猟期中に熊を捕るのが難しいとし、被害予防のために春熊猟で個体数を調整したいとの村の要望に応じた。比較的容易とされる春熊猟は乱獲につながるとの恐れから、県内では2002年度から下水内郡栄村を除いて禁じている。全国的にも禁止しているところが多く、部会では「実態をしっかり調査しながらの猟が大切」といった指摘が出た。小谷村観光振興課によると、春熊猟が禁止された02年以降、村内で狩猟により捕獲された熊はゼロ。一方、里に出没する熊が目立つようになり、06年に人が襲われた事故が2件あったほか、今年は民家のガラスが割られる被害が1件発生した。このため、春熊猟復活を求める声が多かったといい、同課は「人間を恐れる経験をし、熊が里に出てこないようにしたい」とする。村は来春の試験的な春熊猟を経て、12~16年度の春熊猟実施を計画。来春も冬眠中の熊や親子の熊は狙わず、雄を対象にする考えだ。生息数調査を続けて捕獲頭数を判断する方針で、同課は「一けた程度になる」としている。長野市で開いたこの日の部会で、委員8人から反対意見はなかった。岸元良輔・県環境保全研究所専門研究員は「再開はやむを得ない。村は猟による個体数調整だと強く主張する必要がある」と強調した。県によると、栄村での春熊猟による捕獲頭数は09年度3頭、本年度2頭。岸元研究員は「小谷村の来春の春熊猟も数頭に制限すべきだ」とした。大北猟友会中土支部の下原徳明支部長(71)は「積雪で狩猟期間が限られるため、小谷ではかつて、春熊猟が実質的な個体調整として機能していた。猟を通じて熊との共生を進めたい」と話している。
(サル追い払う「モンキードッグ」育成へ:兵庫)
深刻化するサルの農作物被害を軽減しようと、篠山市は11日、サルを追い払う「篠山モンキードッグ」の育成に乗り出した。被害がある集落で飼われている犬5匹が、飼い主とともに来年3月まで15回の訓練を受け、卒業試験に合格すれば認定される。県内では香美町、神河町に続く3例目の試みで、丹波地域では初。市は「犬が本来持つ、追いかける習性を利用したい」と期待を込める。市やJAでつくる「市有害鳥獣対策推進協議会」が、農水省の補助を受けて行う。先進地の香美町などでは、追い払い犬がいる集落ではサルが出なくなったといい、導入を決めた。市内には4群、約150匹のニホンザルが生息。同協議会は昨年11月、被害がある86集落の住民らを集めて説明会を開き、飼い犬を追い払い犬にしたい人を募集。適性検査に受かった3~5歳の5匹を選んだ。訓練は、同市日置の城東多目的グラウンドで、阪神警察犬訓育所(神戸市)の板垣実所長(37)が実施。4匹が参加した初回は「お座り」や「待て」など基本動作を学ばせた。板垣さんは「一番大事なのは、呼んで戻ってくること」と指摘。「言うことを聞かないのは飼い主を見ていないから。遊んでやる感覚で、できたらほめるを続けて」と話した。4匹は最初、落ち着かない様子だったが、少しずつ命令を聞き入れるように変化。3歳の「リク」と参加した同市藤坂、農業の男性(73)は「クリや黒豆の被害があるので、頑張って地域の役に立ちたい」と話した。認定されれば来年4月から、地元の集落に限って追い払いを行う。

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11/11
(79歳男性、なたでイノシシしとめる:香川)
香川県丸亀市で、民家の庭先に逃げ込んだ体長1メートルを超えるイノシシと79歳の男性が格闘になりました。男性はイノシシの牙でけがをしましたが、持っていた“なた”でこのイノシシをしとめました。「わしに向かって飛び掛ってきたけんな。そんでなたで刺したんやけどな」(丸亀猟友会・岩崎寿義さん)11日午前6時20分ごろ、香川県丸亀市の田んぼにイノシシがいると警察に通報がありました。警察がイノシシの行方を追いましたが、イノシシは丸亀市内の住宅地などをおよそ1時間逃げ回った後、民家の庭先に逃げ込みました。「イノシシが木を乗り越えてびっくりした。こんな所で野生のイノシシを見るなんて」(イノシシが逃げ込んだ家の人)連絡を受けた岩崎寿義さん(79)がイノシシを捕獲しようとして格闘となり、最後は持っていたなたでしとめました。岩崎さんもイノシシの牙で足に軽いけがをしました。「みんなにけがさせなんでよかったと思って。このぐらいの傷は大したことはない」(丸亀猟友会・岩崎寿義さん)イノシシはオスで体長1メートル10センチ、3~4歳くらいとみられています。
(ニワトリ10羽クマに襲われる:福島)
10日午前6時ごろ、喜多方市慶徳町豊岡の農業小山喜男さん(61)から「自宅のニワトリの飼育小屋にクマがいる」と喜多方署に通報があった。署員が到着した後、体長約100センチのクマが小屋から北側の山へ逃げた。同署と小山さんによると、午前5時45分ごろに小山さんの妻(57)が小屋でニワトリが重なるような状態で死んでいるのを発見した。小山さんが懐中電灯で照らすとニワトリのそばにクマが座っていたという。小屋は施錠されており、クマはカギを壊して侵入したとみられる。
(ガンやカモ、調査開始以来最高の19万羽:宮城)
県は10日、県内に飛来しているガンやカモ、白鳥の生息数調査を行い、過去最高の19万羽と発表した。調査開始以来最高の生息数で、渡り鳥の住みよい自然が残ることを示す結果となった。県は同日、水鳥が生息するのに重要な湿地としてラムサール条約に登録されている伊豆沼・内沼(登米市、栗原市)や蕪栗沼(大崎市)など約480か所で渡り鳥の生息数を調査した。調査の結果、生息数は計19万448羽で、昨年同期から7657羽増。最も多いのはガンの14万9423羽で、カモの3万6517羽が続いた。ガンの飛来数は、都市化により他県では減り、本県は国内の8~9割を占めている。10年前の2・5倍になり、蕪栗沼周辺ではガンに生息地を提供しようと、冬も田に水を張る「ふゆみずたんぼ」も行われている。一方、約5年前から、春先に大崎市で麦がガンに食べられる被害も出ている。県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎主任研究員は「今年は(ガンが)16万羽になる推測もあったが、14万羽台で頭打ちになった可能性もある」としている。
(イノシシとシカの捕獲数過去最高:愛媛)
県特定鳥獣適正管理検討委員会(会長・石川和男松山東雲女子大名誉教授、5人)の会合が10日、松山市三番町4丁目の県林業会館であり、農林業に深刻な被害を与えているイノシシとニホンジカの効果的な捕獲強化策について意見交換した。事務局の県自然保護課が、2009年度の県内捕獲頭数はイノシシ1万1640頭(前年度比720頭増)、ニホンジカ2335頭(635頭増)でいずれも過去最高と報告。捕獲頭数が増加傾向の一方で被害額はイノシシ約2億円、ニホンジカ約2000万円と減少しておらず、捕獲増加に向け委員から、イノシシ用箱わなの貸し出し促進▽ボランティア狩猟者の確保▽子ジカの集中的捕獲▽雌ジカ捕獲への報奨金増額―などを求める意見があった。県は11年度、イノシシとニホンジカの捕獲目標などを盛り込む次期の適正管理計画(12~16年度)を策定予定。委員会で内容を協議する。
(高速道路にイノシシ出没、衝突事故昨年上回る:佐賀)
佐賀県内の高速道路にイノシシが出没し、交通事故が増えている。10日未明、神埼郡吉野ケ里町の長崎自動車道東脊振インターチェンジ近くで乗用車がイノシシと衝突。今年の発生件数は9件となり、昨年1年間の8件を上回った。県警高速隊によると、多く出没している地域は、長崎自動車道の中原バス停-山浦パーキングエリア間や金立サービスエリア付近など。衝突事故は、いずれも夜間に起きている。衝突による死者は出ていないが、飛び出してきたイノシシを避けようと急ハンドルを切り、中央分離帯にぶつかった事故も1件あった。同隊は「一歩間違えれば大惨事につながる」と話す。道路を管理する西日本高速道路九州支社佐賀高速道路事務所は、フェンスを設置するなどして侵入を防いでいる。しかし、事故現場近くでは、フェンスをこじ開けた跡や、イノシシが掘ったとみられる穴が見つかっている。 同社は出没地区を優先し、フェンスの強度を上げるための金網を併設。また、穴を掘られないようフェンスと土の境目にゴム製マットを敷いたり、イノシシが嫌がるとされる青色のライトを付けるなど対策を進めている。県警高速隊では、山際ののり面に接する路線では、走行速度を落とすなどして注意するよう呼び掛けている。
(クマ射殺、先走る是非論:福井)
この秋、人里に出没するクマが相次ぐ。人を襲ったクマの射殺に対し、動物愛護団体などから抗議が集まり、地元は困惑している。抗議や批判の背後には、クマの絶滅が近いかのような意識も透けてみえる。だが、実際にはクマの生息数調査は進んでおらず、実態が見えないまま射殺の是非論だけが先走っている。「なぜ射殺したのか。クマに非はない」「福祉施設なのに、動物に優しくできない人が人に優しくできるのか」10月に女性看護師がクマに襲われた勝山市のデイケア施設に届いた手紙だ。クマは一晩施設内にとどまり、その後市の依頼を受けた地元猟友会員によって射殺された。九州から出された手紙の主は匿名。文字や書き方から中高年の女性と見られた。施設の池端定男デイケア長は「いろんな意見があるのはわかる。でも我々が射殺したわけでもなく、なぜこんな手紙が来たのか」と複雑な表情を見せた。勝山市にも、メールと市のホームページへの書き込みだけで抗議が約50件。電話も数多くあったという。麻酔銃を使うべきだという対処法への批判から、「女性が不用心だったのが悪い」といった心ない言葉もあった。大野市でも昨年、市中心部の公園でクマを射殺した際、公園なのに山中で殺したと勘違いして批判するメールが動物愛護団体などから届いた。両市とも多くが東京や大阪などといった都市部から発信されていたという。ただクマと隣り合わせに住む地元では、やむを得ない手段として射殺を容認する声が多い。勝山市の男性(77)は自宅近くでよくクマを見るといい、「解決策として射殺はやむを得ないのでは」。同市の農業の男性(65)も「クマを見るのは日常茶飯事。家の近くでびっくりするし、射殺でも解決出来る方がよい」と理解を示す。「クマを保護せよという主張と、人命も含めた危害を訴える住民とのせめぎ合いは30年以上続いてきた」NPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長(62)の観察だ。近年は特にクマは絶滅が近いとする主張が強くなり、日常的にクマの被害を肌で感じる住民への共感を欠く傾向が強まっていると指摘する。クマが大量に出没した2004年、県は捕獲に関する指針を定めた。指針では、ドラム缶式のオリで捕獲して奥山に返すのが基本。「奥山放獣」と呼ばれる手法だ。射殺は街中や集落内に現れた場合や、民家に侵入するなど人身に危害を及ぼすおそれがある場合などに限定している。麻酔銃を使えばよいという意見も多いが、県鳥獣害対策室によると麻酔銃の所持・使用は登録制で、現在県自然保護センター(大野市)の職員しか使えない。時間をあけて複数回撃たないと麻酔は効かず、人に危害が及ぶ緊急時には射殺を選ぶしかない。勝山市の親泊安次農林部長は「殺したくて殺しているわけでは決してない。やむを得ない場合だけだ」と話した。射殺に基準を設けていても、自治体には批判が集まる。そこにはクマが絶滅に近いという主張が強くにじむ。だが、実際には正確な生息数の把握は出来ていない。県鳥獣害対策室は07、08の両年にクマの生態を調査した。ハチミツを置いた場所の周囲を有刺鉄線で囲い、そこを通過したクマの毛を採取してDNA鑑定することで生息数を推定する「ヘアトラップ」という手法を使用。25平方キロに仕掛けた25個のトラップを1カ所とし、県内4カ所で3~4カ月かけて調査した。結果、県内には少なくとも850頭がいると推定されたが、その後の増減をみるデータはない。担当者は「本当は調査をもっとやりたいが、DNA鑑定には多額の費用が必要で財政的に厳しい」と現状把握の難しさを認める。日本ツキノワグマ研究所の米田理事長は、クマを山中で放つ「奥山放獣」を全国に先駆けて始めた人だ。「抗議も射殺も、問題を解決するわけではない。クマの正確な生態把握を進め、科学的な立場で議論すれば不毛な対立はなくなるはずだ」と指摘した。

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11/10
(イノシシ民家に、住民が背骨折る:栃木)
9日午前9時半ごろ、鹿沼市上田町、無職、原孝さん(68)方にイノシシが侵入、花の世話をしていた原さんを押し倒し、右手などにかみついた。原さんは右人さし指や背骨を折る重傷。イノシシはそのまま逃げた。イノシシの行方が分からないため、鹿沼署は同日午後、付近小学校の下校時間帯に、通学路の警戒活動を行った。同署によると、鹿沼市内では8日夜、現場近くの今宮神社付近で体長約1メートルのイノシシが目撃されていたという。現場はJR鹿沼駅から西に約1・3キロ離れた商店街にある。
(男性がクマに襲われけが:富山)
10日午後、南砺市の平地区で、54歳の男性が、自宅そばでクマに襲われてけがをしました。命に別状はないということです。今年県内でクマに襲われてけがをした人はこれで8人になりました。警察や南砺市平行政センターによりますとクマに襲われたのは南砺市大島の建設会社社長出島武晴さん(54)です。出島さんは10日午後3時半すぎ、クマを寄せ付けないようにと自宅の裏手にあるカキの木をチェーンソーで伐採していたところ、クマが現れて右足をかまれました。出島さんは病院で手当てを受けていて、命に別状はないということです。出島さんを襲ったのは成獣のクマとみられ、近くのやぶを通って国道156号線側に逃げていったということで地元の猟友会が捜索しましたがクマは見つかっていません。南砺市では、先月30日にも下梨で73歳の男性が自宅の玄関先でクマに襲われけがをしていて、カキの木の伐採が進められていた中での被害でした。今年に入り県内でクマに襲われてけがをした人はこれで8人目です。
(学校近くにクマ、麻酔銃で捕獲:福島)
9日午前6時半ごろ、西会津町野沢字下小屋上乙地内の長谷川河川敷小森橋北側に体長約60cmの子グマがいるのを住民が目撃した。連絡を受けた町は喜多方署に通報、県の捕獲許可を得て町有害鳥獣捕獲隊5人に出動を依頼。午前10時50分ごろ隊員が麻酔銃を使って眠らせ、約15km離れた山中に放した。現場には8日にも子グマが現れており、同一のクマとみられる。付近に餌となるような木の実があったため繰り返し現れる恐れがあると判断し麻酔銃を使った。町は10月23日に住宅地に現れたクマの親子2頭を射殺している。今回麻酔銃を使った理由について、「単独の小さな子グマで、住民に危険が迫っていたわけではなかったため」(農林振興課)としている。現場は野沢小の北側約150m。連日のクマの出没を受け、同校は9日も教職員が付き添い児童を集団下校させた。
(ツキノワグマ1頭を殺処分:滋賀)
滋賀県米原市は10日、捕獲用のおりにかかったツキノワグマ1頭を殺処分したと発表した。市によると、体長約1メートルの雄。午前6時10分ごろ、同市上板並に設置したおりにかかっているところを猟友会メンバーが見つけた。7日にすぐ近くで女性(79)がクマに襲われたが、同じクマかどうかは不明。
(クマ捕獲、殺処分:岐阜)
9日午前6時25分ごろ、関ケ原町関ケ原の山すそに仕掛けてあったイノシシ捕獲用の鉄製オリ(縦、横1メートル、奥行き1・5メートル)の中にツキノワグマが入っているのを見回りの猟友会員が見つけた。同町や垂井署によると、クマは体長約1・3メートル、体重80~90キロ、4~5歳の雄。町は県などへ連絡し、射殺処分した。現場は伊吹山ドライブウェイ料金所から北東へ約180メートル。民家から約100メートル離れた林道わき。同町でのクマの捕獲は今年に入って5頭目。うち子グマを除く4頭は射殺処分した。
(イノシシ用わなにクマかかる:神奈川)
伊勢原市は9日、同市上粕屋に設置したイノシシ用のわなに雌のツキノワグマ1頭(体長102センチ、体重33キロ)がかかり、丹沢山中の鳥獣保護区に放した、と発表した。市によると、8日午前6時過ぎ、ミカン畑内のイノシシ用捕獲わな(長さ約2メートル、幅約1メートル、高さ約1メートル)にクマが入っているのを付近の住民が見つけ届けた。市は麻酔注射後、個体識別用の標識を付け、同日午後5時20分に放した。クマが捕獲された付近には住宅が点在している。これまで、イノシシによる農作物被害が報告されていたため、9月上旬にわな15基を市の許可で設置していた。しかし、同所周辺ではクマの目撃情報はなかったという。同市では4日、子易地区で雄のツキノワグマ1頭が捕獲されたばかり。
(捕獲したクマが逃走:岡山)
美作市古町で10日、山のふもとの田に置かれた有害鳥獣用のわなにツキノワグマがかかった。耳に県の個体管理用タグが付いており、2度目の捕獲が判明。県は周囲に民家があり、現場が小学生の通学路に当たることから、殺処分を試みたがクマは地面に穴を掘り逃走した。
(軽乗用車がクマと衝突:福島)
9日午前6時ごろ喜多方市山都町三津合字下ノ台地内の県道で、市内の30代男性の軽乗用車の右側前部に体長約120cmのクマが衝突した。車のフロントガラスと右側面が破損したが男性にけがはなかった。クマは逃げ去った。通報を受けた喜多方署は現場付近で警戒と広報活動を実施、市山都総合支所は防災無線で住民に注意を呼び掛けた。
(電波発信器を活用、クマ接近住民に警報:鳥取)
ツキノワグマの出没が多発しているのを受け、県はクマに装着した電波発信器を活用し、人里への接近を自動的に感知して住民に知らせる警戒システムを整備する方針を決めた。来年5月からモデル地区1か所で2年をかけて実験し、2013年度からの普及を目指す。県公園自然課によると、同様の仕組みでサルの接近を知らせる例はあるが、クマでは全国初という。県は、02年度から捕獲したクマに発信器をつけて山に放し、調査員が追跡調査している。現在は40頭を追っているが、位置を特定するには、調査員が山中を移動して複数個所で電波を受信、分析する必要があり、24時間監視できないことも課題だ。新システムでは、集落の公民館などに受信器を置き、電波を常時監視。クマが接近した場合、回転灯や携帯メール、防災無線などで住民に知らせることを想定している。夜間の出没も多いため、通知方法は住民らと協議して決める。事業費は、機材代など2年間で約766万円を予定。今年度中に実験の準備に取りかかるため、11月補正予算案に盛り込む考えだ。市町村が独自にシステムを導入する場合、県が助成することも検討する。クマの出没に悩まされてきた住民からは、新たなシステムに期待の声が上がる。近所の保育所近くでクマが捕獲されたという八頭町安井宿の農業尾崎洋子さん(62)は「クマの保護と、人間の安全確保の両立に役立つのでは」。一方、鳥取市用瀬町、主婦新免さよ子さん(80)は「人への被害は防げても、農作物へのダメージは減らないのでは。クマを近づけない方策も考えてほしい」と話している。県内では9日も八頭町や智頭町、鳥取市用瀬町、同国府町で計9頭が捕獲され、3頭が殺処分された。今年の捕獲数は99頭となった。
(120キロ北上、山形のサル捕獲:秋田)
今月7日、秋田市の大森山動物園のサル山に野生のニホンザルが入り込み、その後捕獲されました。首についていた発信器などから、このサルは以前は山形県尾花沢市にいたオスザルだったことがわかりました。
(黄色ネットでカラスを兵糧攻め:青森)
弘前市中心部で問題となっているカラスのふん公害について検討する第2回市カラス対策連絡協議会が9日、弘前消防本部で開かれた。市内ごみ集積所のネットをすべてカラスよけ効果のある黄色防鳥ネットに切り替えるなど今後の具体的な対策を決めたが、出席者からは「これから新幹線で観光客が来るのにカラスでイメージが悪くなってしまう」と、早期決着へ捕獲を求める意見もあった。市内のカラスの個体数は季節で異なるが、県外から渡ってくるカラスもいるため、4000羽近くになる時期もあるという。主に弘前公園南側をねぐらとし、夜明けとともに四方に散らばっていく。協議会は行政と学識経験者、町会代表者、商業関係者ら約30人が出席。事務局の市環境保全課が8月に市内4カ所で行った座談会で市民から寄せられた意見、要望を報告し、それらを踏まえた今後の対策を説明した。対策は一部町会のごみ集積所で現在使用の黄色防鳥ネットを、年度内に市内全域に広め使用することとし、まずはカラスが餌取りできない状況に追い込んで個体数を減らす。また高層ビル屋上にテグスを張るよう所有者に協力を求めていく。出席者からは早期捕獲を求める声もあり、「新幹線で観光客が来る前に行動を起こさなければならない」などと切迫した意見も出たが、事務局側は「市民の声が大きければ取り組むが、座談会などでは少なかった」として、現時点で行わない考えを示した。協議会の今年度開催は今回が最後で、協議会座長の野悟弘前環境管理協同組合理事長は「絶大な効果のある対策はまだないが、できることから始めたい。カラスは害鳥であるが、益鳥でもある。共存する方向で進めたい」と語った。
(近代五種、射撃の銃を変更へ)
日本近代五種・バイアスロン連合は10日、2011年から5種目の一つ、射撃で使う銃が従来のエアピストルから所持などで法規制の少ないレーザーピストルに変更されると発表した。ラトビアでこのほど開かれた国際近代五種連合(UIPM)の総会で決まった。加盟各国に厳しい銃規制がある中、若手の参加機会を増やし、競技者の底辺を拡大するのが狙い。日本連合によると、UIPM公認のレーザーピストル製造は欧州の1社に限られることから、選手への供給不足も予想されるため、11年は従来のエアピストルによる大会も並行して行われる。同年5月に中国で開かれる予定のロンドン五輪アジア予選会はエアピストルで争われ、12年ロンドン五輪はレーザーピストルで実施される見通しだ。近代五種は1人が一日に射撃、フェンシング、水泳、馬術、ランニングの5種目を行う。1912年ストックホルム五輪から正式競技になり、00年シドニー五輪からは女子も加わった。

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(クマ6頭捕獲、2頭殺処分:鳥取)
9日午前6時半ごろ、鳥取県八頭町や智頭町など5カ所に設置されたわなに、ツキノワグマ6頭がかかっているのを地元の人が見つけた。このうち八頭町内で捕獲された2頭が殺処分された。八頭町によると、同町ではクマによる柿などの被害が増え、集落近くのおりなどで捕獲されたクマは全頭殺処分する緊急対策を4日から行っている。県公園自然課によると、今年に入って捕獲されたクマは今回を含めて96頭。うち27頭が殺処分されている。
(イノシシに襲われた男性、転倒し背骨骨折:栃木)
9日午前9時半ごろ、栃木県鹿沼市で、植木の手入れをしていた68歳の男性が突然、イノシシに襲われました。男性は手などをかまれ、転倒した際に背骨を折るなど重傷です。「ガサガサという音がして、ふつう猫とかは来るんですが、猫なんていう大きさではなくて、まさかイノシシとは思わないから・・・」(イノシシを目撃した人)イノシシはそのまま逃げ、警察が付近を捜索しています。現場は市街地ですが、8日夜からイノシシの目撃情報が寄せられていたということです。
(雑木林に親子グマ:長野)
8日午前7時ごろ、松川村神戸地区の住民から「2頭のクマが田んぼを歩いている」と村に通報があった。村職員が確認に向かったところ、同地区の雑木林近くで親子のツキノワグマを発見。林の中に逃げ込んだが、県クマ対策員が親グマを射殺し、子グマを麻酔銃で捕獲した。けが人はなかった。親グマは体長120センチの雌で4歳ぐらい、子グマは65センチの雌で1歳未満とみられる。子グマは捕獲後、山中に放された。現場は村営温泉施設「すずむし荘」南方の雑木林で、近くには民家もある。県北安曇地方事務所や大町署によると、親グマは緊急措置として午後零時半ごろ射殺。一緒にいた子グマは木の上に逃げ、枝を切ったり放水したりして木から振り落とし、午後3時25分ごろ、麻酔銃で眠らせた。
(放したクマ、戻ってきた:岡山)
ツキノワグマの出没が相次ぐ中、捕まえたクマを山に返す県の方針に地元が不安を募らせている。美作市で7日に5頭が捕獲され、同市と奈義、勝央、西粟倉の3町村が8日、石井正弘知事に「人的被害が発生する恐れがあり、山に放さないなど抜本的な対策を」と求めた。美作市内では、10月に入って捕獲柵(さく)にかかるクマが急増。旧東粟倉村や大原、勝田、美作町などが中心で、11月以降も3日に3頭、7日に5頭(親子クマが2組4頭、大人1頭)が捕獲された。県内では今年度、7日までに少なくとも27頭が捕獲され、2009年度(2頭)に比べ大幅に増えている。しかし、ツキノワグマは東中国(兵庫北西部、鳥取東部、岡山東部)で推定200頭前後しか生息せず、環境省のレッドデータブックで「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。このため県は、原則として個体管理用のタグを付け、唐辛子スプレーなどで人が怖いことを教えた上で山に放してきた。ところが1日、奈義町馬桑で、タグを付けたクマが捕まった。10月12日に同町内で捕獲された個体で、「兵庫県で(再捕獲の)例はあるが、県内では聞いたことがない」(県自然環境課)という。このため美作市などは要望書で「山林作業や農作業に不自由をきたし、このままでは人的被害は時間の問題。保護の場合まず1カ所にまとめるなど、山に放さないことを要望する」と求めており、安東美孝・美作市長は「住民にとって切実な問題。県には抜本的な対応をお願いしたい」と話している。
(クマ頻出に“共存”断念?:鳥取)
ツキノワグマの出没が頻発していることを受け、県内捕獲の6割を占める八頭町は、捕獲したクマを原則殺処分する方針に改めた。人間への恐怖心を植え付けて放す「学習放獣」を進める県の「保護管理計画」は頓挫した格好。果樹や人身への被害を訴えて住民は殺処分に賛成しているが、自然保護団体からは「保護計画がなし崩しになる」と懸念する声も。「共存」を巡って県は模索している。県は07年10月、県内全域を対象に12年3月までの保護管理計画を策定。クマ出没時は(1)唐辛子のスプレーをかけるなどして学習放獣を実施(2)再び集落周辺に出没した場合と、市街地や人家に侵入するなど緊急対策が必要な場合は殺処分--と定めた。しかし、今年は計画策定時の想定を上回るクマが出没。襲われた男性が死亡する事故も起きた。県公園自然課によると、今年度の捕獲は90頭。うち57頭を占める八頭町では、「どうにかしてくれ」という町民の声が高まり、町は緊急対策本部を設置した。今月15日までを「緊急期間」とし、住宅地や農地から200メートル以内の箱わなで捕獲したクマは、原則殺処分にすることにした。方針に基づいて17頭が殺処分された。町の担当者は「集落周辺に出没しているのは、一度学習放獣したクマではなく、新たに出没したクマがほとんど。殺処分で個体数を減らさないと人身被害を防げなくなる」と話す。町はもともと「学習放獣を進める計画では、緊急事態に対応できない」と県の計画に反対してきた。担当者は「県の計画通りに対応していては、人命ではなくクマの命しか守れない」と批判する。県が計画を押し通せない背景に財政事情もある。学習放獣は、クマに取り付ける発信器や輸送費など1頭あたり約20万円もの費用が必要。今年度予算の10頭分は7月までに使い切り、補正予算や予備費などで対応してきた。一方、県には「殺したら可哀そう」という声も数件寄せられた。また「日本熊森(くまもり)協会」は「山にエサがあれば人里に出てこない」と主張し、山にエサを置くよう県に訴えている。殺処分の方針について同協会スタッフは「安易な殺処分を許すと、クマは殺してもいいという状況になってしまう。殺さざるを得ない状況なのか、実態を調べる」と話す。平井伸治知事は10月、「捕殺も含め柔軟に対応する」と軌道修正。県公園自然課の西信介副主幹は「クマは野性のクマとして生きていかなければならず、エサを置いて人間に慣れても危険。実態を調査しながら計画見直しを進めたい」と話している。
(サルの群れが人を威嚇、爆竹に動じず:秋田)
藤里町では近年、ニホンザルが市街地の民家近くに出没するケースが相次いでいる。7日夕には、8匹ほどの群れが藤琴字馬坂の民家の庭で柿を食い荒らしていた。バス路線で、車の通りも多い県道沿い。町役場から2キロ足らず。空き家の民家軒先の柿の木に、体高約80センチ、群れの中で最も大きい“ボス”が登り、柿をかじっていた。木の下には小ザルが群がり、ボスが落とす実を食べている。写真を撮ろうと近づくと、サルたちは民家後の杉林に駆け込んだが、立ち去る様子はない。下草や葉の陰、屋根の上から様子をうかがっていた。やがて業を煮やしたのか、ボスが杉の木に登り、四肢で枝をつかんで揺さぶって音を立て、「グオ、グオ」と叫んで威嚇した。県道の反対側の畑にいた女性は「人間を怖がらない。ただ、県道を渡っては来ない」。近くで七面鳥を飼う男性が追い上げ用の爆竹を鳴らしたが、火薬のにおいが漂ってもサルたちは動じない。食い散らかされた大量の柿を見た近所の男性は「堅くて渋いだろうに。よほど食い物がないのだな」と話した。
(釣り人警戒?ヒシクイ激減:宮城)
ラムサール条約登録湿地の化女沼(宮城県大崎市古川)で、条約登録の要因となったヒシクイの数が激減していることが8日、分かった。同日開かれた大崎市化女沼湿地保全活用検討会で専門家が報告した。ヒシクイがねぐらにする湖面の近くで釣りをする人が後を絶たず、警戒心の強さから別の沼へ移動している可能性があるという。化女沼で水鳥の観察を続けている「雁(がん)の里親友の会」(大崎市)の池内俊雄事務局長によると、昨冬のヒシクイの飛来数は多い日で2800羽。ピークだった2002年冬季(最大6700羽)の半分以下に落ち込んだ。減少の要因として、池内さんがまず挙げるのは釣り人の存在だ。化女沼はブラックバスなど外来魚が多く生息し、自由に釣りができる。ヒシクイのねぐらは陸に近く、「餌場から戻る夕暮れ時に釣り人がいれば、近寄らないだろう」とみる。化女沼は東北自動車道長者原スマートインターチェンジから数分の場所にある。地元住民は「週末は車が何台も停車し、早朝や夕暮れに釣りをする人を見掛ける」と証言する。地球温暖化に伴い、従来は中継地だった秋田県でも越冬できるようになるなど、飛来地が分散したり、治水ダムでもある化女沼の水位上昇でねぐらが水没したりした影響もあるとみられる。化女沼は08年にヒシクイの国内有数の越冬地としてラムサール条約に登録された。池内さんは「釣り人がすべての原因ではないが、ラムサール湿地だということを何らかの方法で周知していく必要がある」と指摘する。

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11/8
(クマ大量出没、共生の在り方考える時機)
この秋、全国でツキノワグマの被害が相次いだ。出没情報の異常な多さに加え、今年は人里まで下りてきて、けが人が出るなどトラブルが絶えなかった。元来おとなしい野生動物のクマと人との衝突は、お互いにとって不幸である。ドングリが凶作といい、山の餌不足が直接の原因とされる。クマが生息する奥山と人里の間で緩衝地帯の役割を果たしてきた里山の荒廃を遠因に挙げる専門家も多い。大勢の人にかみついてけがをさせた静岡県のサルのケースも同様で、野生動物との向き合い方、共生の在り方を真剣に考えねばならない時機に来ている。環境省によると、今年4~9月に全国で捕殺されたクマは2000頭余り(ヒグマを含む)。10月に入ってもハイペースで、前回大量出没した2006年度の4600頭に次ぐとみられる。クマによる死者・負傷者は84人で、こちらも06年度の150人に迫る。東北でも連日、出没情報が相次ぎ、福島県西会津町では民家近くの柿の木に登っているのが見つかり、住民に被害が出る恐れがあったため射殺。長井市では中学校校舎に侵入し、職員にけがを負わせる騒ぎがあった。環境省が全国に照会したところ、秋田、山形、長野など14府県で、クマの餌になるブナやミズナラ、コナラの実が凶作だったという。夏の猛暑に加え、樹木ごとの凶作の周期が重なったためらしい。06年も不作だったから、餌不足との因果関係は間違いないのだろう。ただ、本来山奥にすむクマが人里まで下りてくるのは、人と動物の生活圏のバランスが崩れているからにほかならない。里山は炭焼きやキノコ採りなどに利用されてきたが、最近は過疎化で間伐などの手入れが行き届かなくなったため、クマが移動しやすくなっているとされる。里山からさらに下り、集落や農地で果樹、家畜飼料、残飯などの味をしめたクマが、何度も舞い戻るのだともいわれる。各地で電気柵や、牛を放牧する「カウベルト」などで侵入を防ぐ対策が取られている。捕獲して奥山に連れ戻す際に唐辛子スプレーを浴びせて「お仕置き」をする学習放獣も効果的とされる。だが、いずれも対症療法であり、やはり里山の自然環境回復に向けた息の長い取り組みが欠かせない。昔からクマは豊かな森のシンボルとされてきた。しかし、国内では九州で絶滅、四国や紀伊半島などで絶滅寸前とされ、森林環境の悪化により生息地域は年々狭まっていくと予想される。人や農作物に被害が出た地域では「駆除すべきだ」との声が強まるが、大量出没の地域であっても個体数が増えているとは限らず、保護を優先したい。
(エゾシカ対策、可能な方法を探りつつ:北海道)
生態系のバランスが狂うとどうなるか。増えすぎたエゾシカによる農作物や森林の食害をみるにつけ、そんな不安が膨らむ。道がまとめたエゾシカの農林業被害は昨年度、50億8千万円で、前年度を25・6%上回った。野生鳥獣による被害総額59億円の大半を占めている。被害を防ぐにはどんな方法があるのか。道は参考情報を提供して対策を積極的にリードしてほしい。農家は、くくりわなや電気柵などの設置で自衛に努めてきた。林業関係者は、幹に金属板や網を巻き付ける措置を取っている。だが、いずれも費用がかかる。例えば、くくりわなは一個数千円から2万円以上、網は安いプラスチック製でも一枚5千円という。費用対効果を考え、迷っている農家も多いのではないか。釧路市で阿寒湖周辺の森林を管理している前田一歩園財団は、給餌作戦で成果を挙げている。冬場にビートの搾りかすを与えて食害を防ぐ。一冬約500万円で、それまでの年間被害5千万~1億円より大幅に安い。だが個人にそんな余裕はないだろう。やはり道内全体で生息数の抑制に取り組まなければならない。道の推計では、昨年度は64万頭と前年度から12万頭増加した。自然増加率は21%というから、今年は77万頭を超えた可能性がある。これに対し昨年度は9万2千頭を捕獲した。増勢を止めるには13万4千頭の捕獲が必要だった。食肉利用に活路を見いだす動きは高まってきたが、昨年度は1万2千頭で捕獲数の13%にとどまる。ハンターの減少も進む。30年ほど前は2万人を超えていたのに、今は8400人に満たない。海外にヒントはないか。ドイツではハンター資格を持つ公務員「森林官」がシカを間引きしている。米国には民間企業に捕獲を委託しているケースがあるという。また、イエローストン国立公園では天敵のオオカミを放した。ただ、いずれも導入には法整備が要る。データや知見に基づく議論抜きには踏み出せない。開拓期以降、エゾシカは2度、絶滅近くまで激減したことがあった。どちらも記録的な大雪で身動きできなくなったためだが、そんな可能性は地球温暖化で薄れている。エゾシカ過密の原因は、温暖化に加えてエゾオオカミの絶滅といわれる。ともに人間の責任である。一つで済む対策は想定しにくい。考えられる最善の策をいくつも組み合わせ、小さな成果を積み重ねていくしかないのではないか。

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11/7
(役員信任の総会議事録提出、クレー射撃協会)
役員人事をめぐって新旧執行部が対立している日本クレー射撃協会は5日、管轄官庁の文部科学省に対し、新執行部の役員を改めて信任した3日の臨時総会の議事録などを提出した。新執行部は11日に福城一信専務理事らが再び同省に出向き、正当性を訴える。福城専務理事は「資料を提出し、担当官の方には非常に常識的に対応していただいた。文科省には、ちゃんとした判断をしていただきたい」と述べた。信任投票に使った投票用紙、出席者の署名や会議の写真なども合わせて提出した。文科省から混乱解決の仲裁を要請されていた日本オリンピック委員会(JOC)は、新執行部の反発で断念。役割を返上し、今後の判断を文科省に委ねている。
(クマが麻酔から覚め、立ち会いの警官が5発発砲:山口)
5日午前10時ごろ、山口市阿東徳佐下の林道で、捕獲したクマが麻酔から目覚め、40代の男性獣医師に飛びかかろうとしたため、立ち会っていた山口署の男性巡査部長(52)が拳銃で5発発砲、猟友会の会員が射殺した。ツキノワグマのオスで97キロの成獣だった。県によると、オリに捕獲されたクマを計量するため、獣医師が麻酔を打って外に出し、寝かせていた。しかし動かなくなって約10分後、クマが目覚めて山へ歩き始めた。ところが登り切れず、向きを変えて獣医師に向かってきたという。当時、周囲には県職員ら12人がいたが、けが人はなかった。県内で捕獲されたのは42頭目。
(ツキノワグマに襲われ79歳の女性軽傷:滋賀)
7日午後5時ごろ、滋賀県米原市上板並の無職女性(79)が、自宅すぐ裏のプレハブ小屋に行こうとしたところ、親子とみられるツキノワグマ3頭と遭遇。女性は母グマとみられる1頭に襲われ、右腕や顔に軽傷を負った。米原署によると、女性を襲ったクマは体長約80センチ。自宅へ逃げ帰ると3頭は立ち去ったという。米原署員や市職員らが付近の住民に注意を呼びかけるとともに警戒に当たっている。米原市によると、現場付近では9月ごろからクマの目撃情報が多数寄せられていたという。現場は伊吹山系近くの住宅地。
(鼻先に“パンチ”、クマ退散:山形)
6日午後1時20分ごろ、村山市白鳥の雑木林でキノコ採りをしていた近くの自営業相沢義弘さん(68)が、体長約1メートルのクマに襲われ、右手に軽いけがをした。村山署や相沢さんによると、相沢さんは午後1時ごろから雑木林に入り、キノコを採っていると右後方から音がしたため、振り返るとクマが突進してきた。クマともみ合っている最中、振り払った左手がクマの鼻に当たったところ、クマは一緒にいた子どもとみられるクマと北側の最上川方向に逃げたという。家に帰った相沢さんが同署に届け出た。相沢さんは襲われた際にかみつかれたものの、衣服の上から牙がかすっただけで、軽傷だった。相沢さんは「あんなところにクマがいるとは。びっくりした」と話し、「無事に逃げられて良かった」とほっとした様子だった。現場の東側約30メートルには「しろとりだちょう村」があり、同所を運営する建設会社「中里工業」(同市白鳥)の中里安夫社長(67)は「土日祝日はダチョウを見に来る親子連れが多いため、心配だ」と話す。また、西側には道路の工事現場や果樹地帯があり、作業をしていた近くの農業男性(68)は「これからリンゴの収穫時期。手伝いの人も来るため不安だ」と表情を曇らせた。北村山猟友会村山分会の鈴木勇二分会長は「10日ぐらい前に白鳥近くの長島地区で親子のクマの目撃情報があった。そのクマではないか」と話していた。同署は現場周辺をパトロールし、注意を呼び掛けた。村山市役所環境課も現場近くの畑と「しろとりだちょう村」の2カ所に注意喚起の看板を設置した。
(狩猟自粛、要請せず:山形)
相次ぐ出没被害対策で、ツキノワグマの捕獲数が県の保護計画で定められた上限数に迫っている問題で、県は5日、検討委員会を開き、15日からの狩猟解禁に際しては、狩猟自粛の要請をしない方針を確認した。解禁までに害獣駆除されるクマの数が、捕獲数上限の218頭に達しない見込みであるためだ。ただ、上限を超えれば、保護管理計画に沿って自粛を要請する方向だという。県の保護管理計画は、「猟や有害捕獲を合わせた総捕獲数を生息数の12%以下に抑えるように努める」とする環境省のマニュアルに基づいてつくられているが、今秋は被害が相次ぎ、捕獲枠への疑問も一部で出ていた。県によると、捕獲数は4日現在、191頭で、目撃情報は10月末時点で統計を始めた2001年以降で最多となる227件。ただ、捕獲数は上限まで27頭分の余裕がある。保護と被害対策の狭間で、放獣数を増やすことも検討されたが、「放獣先の住民からの理解が得にくく、難しい」という意見もあった。県は放獣するクマには電波発信器をつけ、放獣の効果について実態を調査したいとしている。クマの捕獲数上限は、約1500頭と見込まれる県内生息数に自然増加分を推計した数から決めているが、推定の生息数が実態通りなのか疑問の声が上がり、調査個所や回数を見直し、生息数調査の精度をあげていく必要があるという意見も出た。
(蔵に入ったクマ射殺、漬物かじる?:秋田)
7日午前8時ごろ、秋田県大仙市協和荒川の住宅の蔵にクマがいるのを住民が見つけ、大仙市協和支所に通報した。地元猟友会メンバーが約1時間後に蔵から出てきたクマを射殺した。秋田県警大仙署によると、体長約60センチの子グマ。蔵の中のたるに入っていた漬物にかじられた跡があった。住民の女性(58)は「こんなことは初めてで、びっくりした。よほどおなかがすいていたのか」と話した。親グマも民家周辺にいる可能性があるとして、大仙署などが注意を呼び掛けている。
(市街地にクマ出没、通報から4時間後捕獲:長野)
6日午前6時ごろ、松本市高宮東の路上でクマを目撃した、と近くの住民が110番通報した。松本署員や市職員、地元消防団員ら総勢70人が捜索にああたり、同10時ごろ、高宮南の民家敷地内でツキノワグマを発見、県が委託したクマ対策員が麻酔銃を撃ち捕獲した。けが人はなかった。捕獲したクマは体長125センチ、体重62キロで、3~4歳の雄。県松本地方事務所によると、クマは捕獲後すぐに山中に放された。現場は、JR南松本駅から約1キロ西方の住宅街。署員らが民家を取り囲み、近くの道路を封鎖するなど一時騒然となった。近くの開明小学校は、同日予定していた授業参観を急きょ中止した。同地方事務所によると、クマは高宮東の大型店などが立ち並ぶ一角に出没。午前6時半ごろには、約600メートル南方の開明小学校付近で目撃された。校庭にはクマとみられる足跡が残っていた。午前9時ごろ、同校から400メートルほど離れた民家敷地内に潜んでいたところ見つかった。
(畜産農家でツキノワグマ捕獲:神奈川)
神奈川・秦野(はだの)市の畜産農家で、ツキノワグマが捕獲された。捕獲されたのは、体長およそ140cm、体重68kgの大人のオスで、ハチミツなどを入れたドラム缶のわなにかかっていたという。発見者は「クマはかなり興奮していたよ。入ったの(わなのおり)をひっくり返すような勢いで、暴れてたね」と話した。神奈川県は、再び人里に現れないようスプレーをかけるなどして、クマを山に放した。
(クマを捕獲:滋賀)
6日正午ごろ、長浜市南池町の竹やぶに仕掛けられたおりの中に、クマ1頭がいるのを巡回中の市職員が見つけた。同市農林水産課によると、体長1・4メートル、体重91キロの雄のツキノワグマで、麻酔が覚めた後、山に帰した。
(クマ1頭捕殺:新潟)
三条署の発表では、7日午前6時22分ころ、三条市から同署にクマ1頭を捕獲したと連絡があった。連絡では、この日午前6時20分ころ、三条市上大浦地内に設置していた箱わなに、体長約1.3メートル、体重140キロのオスのクマ1頭が入り、銃器で捕殺した。
(クマ、はねられ死ぬ:滋賀)
4日午後7時ごろ、長浜市余呉町東野の北陸自動車道上り線で、道路を横切ろうとした子グマ(体長約30センチ)が大型トラックにはねられた。子グマは即死、運転手の男性(26)にけがはなかった。県警高速隊などは付近に親グマがいる可能性があるとして周辺住民らに注意を呼びかけた。
(クマ、男性襲われ軽傷:福島)
4日午前7時ごろ、金山町大志の山林で、近くの農業男性(79)がクマに襲われ、頭と左ひざをひっかかれて軽傷を負った。会津坂下署によると、男性は只見川近くで1人でキリの冬支度中、後ろから突然襲われたという。
(ツキノワグマの親子を捕獲:和歌山)
和歌山県に入った連絡によりますと、けさ(7日)九度山町丹生川(にゅうがわ)地区でわなにかかったツキノワグマが見つかったほか、近くに子グマも見つかり2頭とも保護されました。きょう(7日)午前8時半頃、地元の住民がイノシシ猟のために仕掛けたわなにクマがかかっているのを見つけ、九度山町役場に通報しました。見つかったのは全長120センチ、体重45キロ、推定年齢8歳のメスのツキノワグマです。また近くの木の上には、全長78センチ、体重12.1キロ、推定年齢0歳のメスの子グマがいるのも見つかり、2頭とも保護されました。親子ともケガなどはなく、午後5時半頃、山奥に放しました。ツキノワグマを巡っては今年6月に日高川町で、先月10日には印南町でそれぞれ捕獲されたほか、先月21日には九度山町の北又(きたまた)地区で捕獲されたあと逃げ出していますが、今回のツキノワグマとは体格などが違うため別のクマとみられます。紀伊半島のツキノワグマの生息数はおよそ180頭で、和歌山県内にはおよそ20頭いると推定されています。絶滅の恐れのある動物として三重と奈良、和歌山では狩猟が禁止されています。
(イノシシ射殺:群馬)
6日午前9時10分ごろ、高崎市三ツ寺町の県道近くにイノシシ1頭がいるのを近くの住民が発見、110番通報した。高崎署員や市職員らが付近でイノシシを見つけたが、近くの唐沢川に逃げ込んだ。約2時間後に町内の民家敷地に入ったため、地元の猟友会員が射殺した。同署によると、イノシシは体長約130センチ、重さ80キロのメス。イノシシによって民家敷地のフェンス計4枚が壊されたが、けが人はなかった。
(男性が熊に襲われる:長野)
伊那市ますみヶ丘で5日、男性が熊に襲われました。男性は、頭と腕に軽い傷を負いましたが命に別状はありません。 男性が熊に襲われたのは、伊那市のますみヶ丘公民館南西のスギ林です。襲われた男性は73歳で、宮城県からますみヶ丘の親戚の家に泊まりに来ていました。今朝6時ころ、親戚宅から15mほど離れたスギ林を歩いていたところ、突然繁みの中から熊が現れ襲いかかってきたという事です。この男性によりますと、熊は立った状態で160センチメートルほどあったという事です。熊を振りはらった後男性は、親戚宅に助けを求めました。伊那市内での人身被害は、平成20年9月に西箕輪与地でキノコ採りの男性が襲われて以来となります。今回の被害を受け伊那市では、ますみヶ丘など西部地域に回覧を出したほか、安心安全メールで注意を呼び掛けました。また、伊那猟友会に対して、協力を要請していきたいとしています。市内のクマの目撃情報は、今年4月26日から11月1日までに58件あり、このうち、ますみヶ丘では14件となっています。ますみヶ丘にある伊那西小学校では、8月31日から各家庭で児童を送り迎えし、対応できない家庭のために下校バスを運行する対応をとっています。学校ではこの対応を来週も継続するということです。
(クマのすみか守れ、熊森協会:埼玉)
自然保護団体「日本熊森協会」(本部・兵庫県西宮市、森山まり子会長)の県支部が6日、さいたま市で結成大会を開いた。森林再生や、クマを捕殺しないよう、自治体や猟友会に働きかける考えだ。県支部によると、同協会は1997年に発足し、会員は全国で約2万6千人。うち県内は約600人。数年前、小鹿野町の人里でクマの目撃が相次いだことから、活動強化が必要と考えた人を中心に、10月に県支部が発足した。今後、私有林の間伐を手伝ったり、エサになる実をつける広葉樹を植えたりする。協会を母体にしたNPO法人「奥山保全トラスト」(理事長=四元忠博・元埼玉大教授)と自然林の買い上げ運動も進める予定だ。県によると、県内のツキノワグマは約100頭。高岡勲支部長(70)は「人工林が手入れされず山が荒廃し、クマが追いつめられている事実を多くの人に知ってほしい」と話している。
(シカと衝突多発:北海道)
ここ1年余りに、道道支笏湖公園線で16件のエゾシカと車の衝突が起きていることが、札幌建設管理部千歳出張所の調べで分かった。千歳市内の道道で26件確認され、支笏湖公園線が突出している。うち13件は市街地から8~16キロの区間という。道路パトロール(2009年8月~10年10月)の鳥獣死骸(しがい)処理数から推計した。支笏湖公園線は、千歳市錦町の国道36号―同市水明郷の国道453号間20.7キロ。このうち、国道36号から10~11キロ区間の東烏柵舞バス停がある藤の沢林道入り口周辺の発生が5件と最も多かった。千歳市蘭越からの急カーブが続く坂を抜けた王子製紙第4発電所周辺の8~9キロ区間と、王子製紙第3発電所を過ぎた14~16キロ区間で各4件。1、5、11月に3件ずつ発生している。泉沢向陽台と新千歳空港を結ぶ泉沢新千歳空港線(8.6キロ)も7件と多い。道央自動車道の空港側周辺で4件、道道千歳空港線との交点周辺で3件。10、11月(5件)に集中している。秋から冬にかけて多いのは、エゾシカが集団で移動するため。「遠目に1匹が道路を渡ったので、安心してそのまま進んだら後続が次々に飛び出して来た」と衝突経験のある会社員(53)。ガードレールの設置や道路沿いの木の茂りなどから、ほぼ同じ場所を横切ろうとしているらしい。死骸処理数だから、けがで逃げたケースは含まれていない。実際の交通事故の発生はまだまだ多い、とも。千歳出張所は、危険個所を知らせる標識などを設置して、注意を呼び掛けている。
(イノシシ、シカ“輪禍”多発:新潟)
クマの目撃情報が全国的に多発する中、道路を横断中に車にはねられて死ぬ動物も目立っている。国交省高田河川国道事務所管内の新潟県上越、糸魚川市などでは秋から初冬にかけて多く、今秋は9月1日から10月26日までに52件の“輪禍”が発生。中でもここ数年なかったイノシシ、ニホンジカといった大型動物が5頭も犠牲になっている。同事務所によると、イノシシは9月20日と今月23日に上越市内の国道8号で、ニホンジカは今月2、22、24日に上越市内と妙高市内の国道8号、18号で、それぞれ夜間、事故に遭った。事故に遭う動物は、平成21年度までの5年間ではタヌキが最も多く、全体の55・0%。次いで、ネコ19・3%、3位がカラスの11・6%で、上位3種で9割近くを占める(同事務所管内)。イヌも2・7%おり、5位だった。このほか、キツネやイタチ、テン、アナグマ、ノウサギ、リスといったほ乳類からタカやトビ、キジ、フクロウ、カモメなどの鳥類やは虫類のヘビも車にひかれて見つかっている。動物が死んで見つかるケースは同事務所管内では秋が多い。タヌキの場合、21年度までの7年間の月別平均では、10月18・8%▽9月13・7%▽11月10・4%-の順で多く、12月も9%を超えている。理由について、同事務所の池部淑夫道路管理第1課長は「積雪を前に、いっぱい食べて栄養をつけるため、餌を求めて積極的に移動しているのではないか」とみている。妙高市内では昨年より1週間早く26日に初雪があり、同事務所も国道18号に凍結防止剤を散布。山岳部などでは11月とともに降雪が増え、根雪になっていくと、餌を求める動物たちの移動がさらに活発化する可能性もある。同事務所は“事故多発地帯”などでは看板を立て、動物の横断に注意を呼びかけているが、池部課長は「大型動物がこれだけ車にひかれて死ぬのは異例。事故は夜間に多く、制限速度を守って安全運転をしてほしい。大型動物をはねた人からの通報は少ないが、死がいをそのままにしておくと後続車が危険なので、必ず通報してほしい」と話している。
(有害獣捕獲技術を向上:宮崎)
農林作物に深刻な被害を与えているシカ、イノシシ、サルなどの有害獣の捕獲技術を高める研修会が、高千穂町上野の山中で3日あった。西臼杵郡内の狩猟関係者約70人が参加。効率的な箱わなやくくりわなの設置方法を学んだ。西臼杵支庁や3町などの関係機関でつくる西臼杵地域鳥獣害被害対策特命チームの主催。同チームによると、郡内では年々被害が増大。本年度は初めて高千穂町で狩猟免許試験を実施したところ、例年の2倍以上に当たる53人が新規免許を取得するなど、対策への関心や必要性は強まっているという。
(イノシシ対策出張講座:兵庫)
登山客がイノシシに襲われる被害が相次いでいる神戸市で、「イノシシ対策」の出張講座が開かれました。「絶対にイノシシなどの野生動物に食べものを与えない」(神戸市役所・岩本俊輔さん)神戸市職員による出張講座が開かれたのは六甲山上にあるYMCA。子どもたちを連れて山に入る学校の先生や、登山愛好家らが集まりました。六甲山一帯では今年9月ごろから登山客がイノシシに襲われる被害が相次いでいて、神戸市などが看板を立てるなど注意を呼びかけています。紅葉のシーズンに入り登山客がピークを迎えるため、注意喚起を徹底しようとこの出張講座を開きました。「ゴミを出さないとか、日常のことからちゃんとしないといけないなと」(参加した人)イノシシを見かけた場合、「刺激をしないで慌てずにその場から離れる」といった対処法が確認されました。
(クマ・フォーラム:北海道)
ヒグマ対策などを考える「ヒグマ・フォーラム2010」が6日、根室管内標津町生涯学習センターで開かれた。ヒグマの会(事務局・札幌)の主催で、研究者や自治体の担当者ら約120人が参加。衛星利用測位システム(GPS)を使ったヒグマの追跡調査を昨年から行っている同町のNPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖理事長ら5人が講演した。藤本理事長は「今年、民家に近づくヒグマを初めて爆竹で追い払った」と、追跡調査の成果を報告。同センターと共同研究を行っている北大大学院の坪田敏男教授は「ヒグマは行動範囲が広く、個体によってそれぞれ特徴的な移動の仕方をする」と指摘した。パネル討論ではクマの位置情報の一般への提供方法などについて話し合った。
(町職員、銃不正所持容疑:和歌山)
愛知県豊橋市のミリタリーショップをめぐる銃部品の不正輸入事件に絡み、愛知県警が和歌山県紀美野町役場の課長補佐の男を銃刀法違反(所持)の疑いで逮捕していたことが、県警への取材でわかった。男の自宅から改造拳銃とみられる10丁余を押収したという。捜査関係者によると、男は10月、改造拳銃1丁を自宅に隠し持っていた疑いが持たれている。県警は容疑分とは別に押収した改造拳銃とみられる10丁余の発射能力などを鑑定するとともに、不正輸入された部品などが使われていなかったかについても調べる。不正輸入事件では、ミリタリーショップ経営者ら3人が外為法違反(無承認輸入)の疑いで7月に逮捕されたが、名古屋地検は8月、いずれも処分保留で釈放。在宅で捜査を続けている。
(野生のサル捕獲:福岡)
大野城市山田の西鉄自動車学校で5日午後0時40分ごろ、野生のサルが現れ、通報を受けた市や保健所などが約1時間半後に捕獲した。けが人はいなかった。学校職員によると、サルは最初、駐車場に姿を見せて、その後、校内の階段を3階まで駆け上がり、ドアの開いていた空き教室に侵入。職員が逃げないようにドアを閉めて閉じ込めたという。体長は約40センチだった。同市では10月16日に同自動車学校近くでサルの目撃情報が3件あった。筑紫野署によると、このときのサルは体長約70センチで、捕獲されたサルと同一かどうかは不明。同市はホームページ上で、サルを見かけた際には「目を合わせない」「刺激しない」などの注意を呼び掛けている。
(カラスの仕業?線路に石:愛知)
5日午前10時10分ごろ、愛知県幸田町坂崎のJR東海道線で、異物をひいたような大きな音がしたため、豊橋発大垣行きの列車が緊急停車。運転士が降りて確認すると、付近に砕けた石が落ちていた。現場を実況見分した岡崎署員は「近くに20羽近いカラスがいたから、カラスの仕業では」と話している。同署によると、3分前に列車が通過した際には異常がなく、周囲は田んぼで人が立ち入ったという目撃情報もなかった。線路に残った跡から、2~3センチ大の石が置かれたとみられる。列車は約30分間停車、乗客約150人にけがはなかった。
(野生動物の被害なんで?温暖化で生息域拡大、里山荒廃も影響)
「今年はクマが市街地にまで出てくるなど大出没しています。シカやイノシシといった野生動物が農作物へ与える被害も大きいと聞きました。野生動物が人里に出てくるようになったのはなぜなのでしょうか」農林水産省によると、野生鳥獣の農作物への被害金額は毎年200億円程度に上る。被害の7割が獣によるもので、このうち9割がイノシシ、シカ、サルだ。環境省野生生物課の担当者は「野生生物の生息域が拡大しているのが原因だ」と指摘する。同省生物多様性センターの調査では、昭和53年と平成15年を比較すると生息域はニホンジカで約1・7倍、イノシシで約1・3倍、サルで約1・4倍に広がっているという。「温暖化と農山村の環境の変化が原因だ」信州大学農学部の竹田謙一准教授(39)はこう説明する。イノシシやシカは、積雪が深いと動けなくなってエサにありつけず、病弱な個体は死んでしまう。しかし温暖化が進み雪が少なくなったことで、越冬できずに死ぬケースが少なくなったという。南アルプスの仙丈ケ岳(3033メートル)の山小屋「仙丈小屋」の管理人、宮下隆英さん(59)は「昔はニホンジカは2000メートルくらいまでしかいなかったのに、今は3000メートルで見かけることもある。ニホンジカが活動していた1000メートルから1500メートルあたりで雪が少なくなった」と話す。ニホンジカの活動範囲が広がったため、高山植物のお花畑は踏み荒らされて壊滅的な状態になっているという。一方、農村の高齢化が進んだことで里山が荒廃。農水省によると耕作放棄地の面積は昭和60年までは約13万ヘクタールと横ばいで推移していたのが、平成17年には約38・6万ヘクタールと20年で3倍にまで拡大した。放置された果樹は実がなったままで、野生動物にとっては食べ放題で栄養もたっぷり。荒れた藪に身を隠し、人里まで下りることができるようになったという。「森の収容能力が限界に近くなっているのではないか。野生動物を一定の個体数に保つべきだったのに、保護するだけになってしまい、狩猟者も減った」狩猟文化に詳しい東北芸術工科大の田口洋美教授(53)=環境学=はそう解説する。全国組織「大日本猟友会」では、散弾銃などを扱える狩猟の第1種免許を持った会員数が一時、40万人を越えていたのが平成21年度で約9万9000人に激減した。今年は森でクマのエサとなるドングリの実が不作となり、市街地によく出没していると言われているが、田口教授は「地域の伝統として狩猟をやる人が減った。山で狩猟することで、ここまでは人間の縄張りだと示していたのが分かりにくくなった」と話す。市街地に住み着いた野生動物もいる。環境省の特定外来生物に指定されているアライグマだ。アニメの「あらいぐまラスカル」の影響でペットとして飼育されるようになったが、飼い切れずに捨てられたり逃げたりして野生化。繁殖して全国に広がったとされている。アライグマの生態に詳しい北海道大の池田透教授(52)=保全生態学=は「幼いころは人なつっこくても、成長すると性格が変わって凶暴な側面を持つようになる。ペットには適さない動物なんです」。アメリカでは猟犬が、アライグマに返り討ちにあうこともあるという。鎌倉市では民家の天井に棲みついて出産した例も報告されている。糞(ふん)尿からわいたノミやダニで住民が皮膚病になったほか、畑や家庭菜園を荒らす被害がある。市では捕獲用のおりを貸し出しているが、同市環境保全課は「自然に繁殖している分は捕獲できていると思うが、減ったという感触はないですね」と頭を抱える。野生動物の被害を防ぐにはどうすればよいのか。森林総合研究所鳥獣生態研究室の大井徹室長(52)は「バイオマス資源生産など里山で利益を生みながら人を集め、農山村を活性化するべきだ」と話し、野性動物の行動をコントロールするためにも専門家の配置の必要性を訴える。自身も狩猟免許を持つ田口教授は「今の自然科学は万能ではない。地域の猟師など、野生動物とかかわってきた人の経験値を重視し、耳を傾けるべきだ」と話している。
(増える害獣、減るハンター)
イノシシやシカなどによる農作物への被害が後を絶たない中、自治体がハンターの確保に頭を悩ませている。狩猟免許試験受験者への補助金を出したり、試験回数を増やしたりしているが、減少に歯止めがかからず、市町村が招集する有害鳥獣捕獲隊の編成にも支障が出ている。環境省によると、全国の狩猟者登録証交付件数は2008年度は約15万2000件と1998年度に比べて約5万件減少した。背景には山間部の過疎化や、農閑期に狩猟を行う農家の高齢化などがあり、長崎県佐世保市で07年に起きた銃乱射事件以降、銃規制の強化などで猟銃を手放す人も増えているという。一方、害獣による08年度の農作物の被害額は約199億円に上り、前年比約14億円増加(農林水産省調べ)。イノシシやクマが住民を襲うケースも頻発している。このため、熊本県では今年度、試験回数を年3回から5回に増やし、試験日程も2日間から1日に短縮。山口、大分県も試験回数を増やしたほか、福岡県は05年度から休日に試験を実施している。熊本県天草市では09年度から、受験費用を合格者に限り1万円まで補助。山口県周南市や大分県中津市などでも、申請手数料などを補助している。しかし、山口県では試験回数を増やした09年度の受験申請者数は前年に比べ43人増の235人となったが、今年度は172人にまで落ち込んだ。天草市でも、補助金の支給を始めた09年度は、試験合格者数が前年度より62人増え96人となったが、今年度の合格者は10月末現在、わずか4人に激減している。天草市では農家などから駆除要請があった場合、地区ごとに捕獲隊を編成しているが、地区によっては2、3人しか集まらず、20~30キロ離れた別の地区の協力を求めることもあるという。大分県椎茸農協(大分市)の久々宮栄次さん(62)は「シカやサルによる被害は年々拡大している。県などに毎年駆除を要請しているが、本格的な捕獲作業を行ってもらえず、シイタケ栽培をやめていく仲間もいる」と話している。財団法人・自然環境研究センター(東京都)の常田邦彦・研究主幹は「耕作放棄地の増加もあって人里に下りてくるイノシシやシカが急増している。職業的に狩猟にかかわる人を増やすなどし、計画的に駆除に当たる必要がある」と指摘している。
(カラスの寿命は16年?)
北海道根室市郊外でハシボソガラスの死骸(しがい)が回収され、装着された足輪から16年2カ月も生きていたことが判明。国内長寿記録を約7カ月更新した。足輪は、道環境科学研究センター(札幌市北区)の玉田克己主査(44)が同市で生後間もないヒナに装着。環境省の委託を受けて標識調査を行っている山階鳥類研究所(千葉県)が確認した。野生動物は寿命が解明されていない種が多く、カラスも「寿命は5~10年」と言われてきた。都会に多いハシブトガラスの長寿記録も16年4カ月。これも玉田さんが着けた足輪で、「16年くらいがカラスの寿命なのかも」。

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11/5
(クマに襲われ男性軽傷:福井)
5日午前6時50分ごろ、福井県勝山市上高島の男性(67)が自宅裏の畑で農作業中、背後から突然クマに襲われた。男性は左肩をひっかかれ、軽傷を負った。市によると、男性は襲われた後、親子2頭のクマが逃げるのを目撃。市職員や猟友会が付近を捜索している。
(クマが出没、麻酔銃で無事捕獲:福島)
東北地方有数の温泉街として知られる福島市の飯坂温泉に5日未明、クマが現れ、大捕物の末に捕獲された。警察によると、5日午前0時ごろ、クマが駅前を歩いていると通報があった。クマは、住宅の外階段で寝ているところを発見され、麻酔銃が撃ち込まれた。結局、5発の麻酔銃が撃たれて捕らえられた。捕獲されたのは、体長1.4メートル、体重100kgの雌で、4日前から目撃されていたクマとみられている。クマは5日、山に帰されるという。
(クマ捕獲、体重100キロ超:神奈川)
足を縛られたまま目隠しをされ、ぐったりと横たわる大きなクマ。神奈川県伊勢原市では先月から民家の周辺でクマの目撃情報などが相次ぎ、県の委託業者が捕獲用のわなを仕掛けたところ、4日午前、オスのツキノワグマが捕獲されました。麻酔銃で眠らせたあと、わなから引きずり出されたクマの体長は、およそ1.5メートル。体重はゆうに100キロを超えるクマでした。捕獲されたクマは、その後、二度と民家に近づくことのないよう爆竹で脅され、再び山に戻されたということです。
(クマ1日で6頭捕獲、緊急対策本部設置:鳥取)
ツキノワグマの目撃と捕獲が相次いでいる八頭町は4日、町役場で2回目の緊急対策本部設置会議を開いた。出没が相次いだのを受け、10月22~31日に実施した初の緊急対策を継続させ、町全域を対象に箱わなで捕獲された個体を殺処分する方針を確認した。期限は15日までとしたが、この日町内3カ所で一挙に計6頭が捕獲され、対策方針に基づき殺処分したが、一日で過去最多の処分頭数となった。会議には町と県、猟友会、警察、JAから関係者約20人が出席。冒頭で同町から、前回の対策期間中の状況が説明された。期間中に捕獲されたクマは9頭おり、このうち7頭を殺処分したほか、各捕獲場所についての説明では、同じ場所で別のクマがわなにかかるケースもあった。10月30日に捕獲された子グマを約25キロ離れた場所に放したところ、11月3日に同じ集落に姿を現した例など、目撃情報は今月に入ってからも10月後半同様に多数寄せられている。町内全域でクマの目撃が相次いでいることから、殺処分をしても「頭数が減っているという感覚が持てない」との報告もあった。出席者からは「捕獲後の対処以外に、目撃時に追い払うための効果的な方法がないか」「防災無線で町全体に音を一定間隔、一定時間流してはどうか」といった質問や案が上がり、意見を交わした。
(クマ3頭捕獲:岡山)
クマの出没が相次ぐ美作市で、3日早朝、親クマ2頭と子グマ1頭のツキノワグマが捕獲された。同市では10月29日もクマ2頭が捕獲されており、県は「クマを見たら、最寄りの行政機関に連絡を」と呼びかけている。捕獲は、同市真殿(旧勝田町)で推定6歳のメス(体長115センチ、体重約50キロ)で、右手(旧勝田町)は推定7歳のオス(体長140センチ、体重約90キロ)。また、宮本(旧大原町)は1歳未満のオス(体長58センチ、体重約5キロ)が、いずれも山林に仕掛けていたイノシシなどの有害鳥獣駆除用のおりに入っているのを住民が見つけ、市に通報した。3頭は花火の音で人里の恐ろしさを学習させ、個体識別札をつけて中国山地の奥山に放した。県によると、今年の県内のクマの捕獲件数は21件に上り、昨年の約10倍という。
(サル捕獲騒動:青森)
平川市で3、4日、サルの目撃情報が相次いだ。市は4日に捕獲を試みたが、サルは追跡の網を振り切り逃走。平賀地区中心部にまだ潜伏している可能性があり、市は「目撃したら知らせてほしい」と呼び掛けている。市によると、サルは3日の日中、比較的山に近い尾崎、町居、平田森の各所で住民らに目撃された。4日午前10時ごろに荒田、同10時30分ごろには大光寺からそれぞれ目撃情報が寄せられた。このため市農林課などが捕獲に乗りだしたが、電線や民家の屋根を逃げ回るサルに苦戦。昼ごろに大光寺の民家の庭で見失い、同日中の捕獲を断念した。市総務課は「恐らく大人のサル。民家の小屋に隠れている可能性もあるが、目撃してもうかつに接近せず、すぐ教えてほしい」としている。

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11/4
(新執行部を再信任、正当性を強調)
役員人事をめぐり新旧執行部が対立している日本クレー射撃協会は3日、東京都内で臨時総会を開き、平井一三会長ら新執行部を投票で再度信任した。結果を5日に文部科学省へ報告し、新執行部の正当性を訴える。文科省の対応次第では法的手段も辞さない構えで、福城一信専務理事は「われわれはスポーツ団体として自立しており、どこかに有効性を認めてもらいたい」と語った。文科省は内紛の仲裁を日本オリンピック委員会(JOC)に要請したが、新執行部側が収拾案に反発し、この日総会を開いた。JOCは仲裁を断念している。総会は定足数を上回る35人(委任含む)が出席し、成立した。
(猿撃退しようと花火発射し全焼:山梨)
3日午前7時10分頃、北杜市須玉町比志の無職小林節子さん(76)方の鉄骨平屋建て物置小屋から出火し、約65平方メートルを全焼した。小屋の中にあった耕運機や稲刈り機も燃えた。北杜署の発表では、小林さんが、小屋の屋根などに乗っていた野生のサル20~30匹の群れを撃退しようと、鳥獣被害対策用の6連発ロケット花火を発射したところ、火の粉が小屋のワラなどに燃え移ったという。小林さんは「追い払うのに夢中で、気づいたら燃え広がっていた。サルが許せない」と話しているという。
(クマに襲われ男性けが:福島)
4日午前7時ごろ、福島県金山町大志の山林で、木の雪囲い作業をしていた近くに住む男性(79)がクマに襲われ、頭などに軽いけがをした。会津坂下署によると、男性は背後から突然クマに襲われ、自力で逃げたという。同署は周辺の住民に注意を呼び掛けている。
(民家にクマ、射殺せず放獣:三重)
3日午後5時ごろ、三重県大台町小滝の無職向井妙さん(77)方にクマ1頭が入り込んでいるのを、帰宅した向井さんが発見、町役場宮川総合支所に通報した。猟友会員らが玄関先におりを設置し、ハチミツでおびき出して約3時間後に捕獲した。向井さんにけがはなかった。町によると、クマは雌のツキノワグマの成獣。体長1メートル、体重27キロでやせていた。浴室窓から侵入したとみられ、台所にあったクリや野菜などがすべて食べられていた。向井さんはクマと1メートルほどの距離で鉢合わせたが、満腹だったからか、襲ってこなかったという。紀伊山地のツキノワグマは、環境省から絶滅の恐れがある個体群に指定され、殺処分できないため、町は現場から30キロ離れた町有林にクマを放した。同町では、今年6~10月に7件のクマの目撃や痕跡の情報が寄せられている。現場は、紀勢自動車道大宮大台インターから西に15キロの山間地。
(クマ捕獲:新潟)
4日早朝、三条市下田地区で体重約160キロもある大きなクマが捕獲された。三条署の発表では、午前6時25分ころに三条市経済部農林課から三条署にクマが捕獲されたと連絡があった。農林課によると、6時24分ころに三条市田屋地内に設置していた箱わなに体長約1.6メートル、体重約160キロのオスのクマ1頭がかかり、射殺した。これまで三条市内で捕まったクマは大きくても120キロていど。160キロにもなるのは、ツキノワグマのなかでも相当に大きい方と言う。
(飼い犬守ろうとイノシシと格闘:香川)
4日午前6時5分頃、香川県東かがわ市三本松の土木作業員の男性(47)方の車庫前で、飼い犬がイノシシ(体長約1メートル)に向かってほえているのを、男性が見つけた。男性は枝切りばさみでたたくなどしたが追い払えず、イノシシにまたがって押さえつけた。約20分後、車が近づいてきたため、男性が手を緩めるとイノシシは逃げた。男性は両ひざなどに約10日間のけが。犬は無事だった。通報を受けた東かがわ署や地元の猟友会などが、イノシシを捜している。男性は「犬は7、8年前、生まれた時から飼っていたので、守りたかった。周囲にも被害が出ると思って夢中だった」と話していた。現場は、山に隣接した住宅地で、半径約2キロには高校や小学校がある。
(イノシシ騒動、7時間半後捕獲:福岡)
3日午前9時ごろ、北九州市小倉南区湯川新町2丁目で「イノシシが徘徊(はいかい)している」と、住民から110番があった。イノシシは1匹で、小倉南署は捕獲のため署員約10人を出動させたがイノシシは市街地を逃げ回った。約7時間半後の午後4時半すぎ、同区北方5丁目の陸上自衛隊小倉駐屯地で自衛隊員に捕獲され、地元の猟友会に引き渡された。けが人はなかった。同署によると、イノシシは体長約80センチ。市街地を歩き回った後、北九州市立大学のグラウンドに入ってきたところを、野球をしていた大学生が捕まえようとしたが失敗。イノシシは近くの小倉駐屯地に逃げ込み、隊員約30人が約2時間かけて敷地の南端に追い込み、捕獲用の網で捕らえた。現場は商店や住宅が密集しており、北九州モノレールや北九州都市高速の近く。同市では小倉北区でも、イノシシ十数匹が公園に出没しており、専門家は餌づけをしないように指摘している。
(津軽初のモンキードッグ:青森)
鯵ケ沢町鳥獣被害防止対策協議会(会長・東條昭彦町長)が本年度、サルによる農作物被害対策として養成した「モンキードッグ」1頭が約5カ月の訓練を終え、いよいよデビューする。2日、町スポーツセンターで引き渡し式が行われ、北海道犬の「クウ」(雄、2歳)に認定証が交付された。津軽地区でのモンキードッグ導入は同町が初めて。
(カラスの撃退は、カラスの鳴き声で:岩手)
線路に置き石をする「黒い集団」に悩まされているJR東日本盛岡支社は、カラスの鳴き声が発生する装置を線路脇の電柱に設けて追い払う試みを始めた。カラスとの知恵比べは毎年続いており、これが4度目の撃退策。東北本線の花巻空港―石鳥谷間に二つ取りつけ、効果を見ている。線路脇の約50メートル離れた電柱に取り付けられたセンサーが、線路を含む半径30メートル内にカラスがやってくるのを検知すると、大きなカラスの鳴き声が約3分間鳴る仕組みだ。センサーを設置したところは、カラスが好む稲などがある田園地帯。本物のカラスによく似た鳴き声で「カアー、カアー」と電子音が鳴り響くと、カラスたちは騒ぎ出して落ち着きがなくなり、一斉に上空に飛び立っていった。別名は「七つの子」作戦だ。「烏(からす)なぜ啼(な)くの烏は山に……」と歌詞が続く同曲。同支社の担当者は「歌詞にあるように、『かわいい七つの子が待っている。ここは危険だから早く帰りなさい』とスピーカーから鳴る音が知らせているんです」と話している。カラスの置き石は、カラスが線路の石をいったんレールの上に置いて、できたくぼみに稲などの好物を隠す行動の中で起きるとされる。カラスの置き石で脱線する恐れはないが、運転手が異音に気づいて急ブレーキをかけることがある。置き石は今年4月から10月26日までに20件あった。置き石対策は、カラーシートを線路に敷いたり、小さな風車を置いたりしてきた。昨年はカラスの死体模型を設けたが、時間がたつと見破られ、なかなか決め手がない。村上卓男・同支社設備部長は「今回こそ線路は嫌なところと覚えてもらえそう。100点満点です」と話す。12月上旬まで試し、来年度以降の運用をめざしている。
(イノシシ除けにトウガラシ:福岡)
田畑を荒らす有害鳥獣対策として、福岡県みやこ町犀川下高屋で甘長トウガラシを試験栽培したところ、一緒に育てたレタスともども被害を免れた。町は、有害鳥獣への効果が実証されたとして生産拡大を検討している。町では、山間部を中心にイノシシやシカによる農作物の食害が多発。農家は、電気が流れる柵や作物を覆うネットを使って対策を講じている。町は設備費の一部を助成しており、今年度の申請は10月時点で22件(助成額約300万円)あり、昨年度の18件(同約200万円)を上回っている。町農政課の職員が8月、「有害鳥獣はトウガラシを食べない」との話を耳にし、ソバの新芽が被害に遭った犀川下高屋の進弘さん(70)に頼んで同月下旬からソバを育てていた畑(3アール)で試験栽培を始めた。甘長トウガラシは食害もなく、順調に生育し、今月15日から収穫が始まった。一緒に栽培したレタスも無事だった。畑の周辺には足跡が残っており、イノシシやシカが甘長トウガラシに近づかないことが実証された。進さんの妻、利栄さん(66)は「効果にびっくり。もっとたくさん育てればよかった」と驚いている。種苗販売のタキイ種苗福岡支店によると、イノシシやシカは、トウガラシ類に含まれるカプサイシンという成分を嫌がる傾向があるという。甘長トウガラシは長さ約15センチ、重さ約30グラム。辛みや苦みが少なく、ビタミンA、Cを豊富に含んでいる。町は「食感が良く人気もあるので特産品に育てられれば」と食害対策と特産品作りの一石二鳥も期待している。

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11/3
(JOCがクレー協会の仲裁断念、文科省に)
日本オリンピック委員会(JOC)は2日、東京都内で理事会を開き、日本クレー射撃協会の内紛について仲裁を断念し、同協会を管轄する文部科学省に今後の判断を委ねたことを報告した。12日に開幕するアジア大会(中国・広州)の競技には、女子2選手と役員1人を派遣する。理事会に先立って報告事項を文科省に伝えた市原則之専務理事は、「日本クレー射撃協会は競技団体として正常な状態ではない。JOCの理念と合っていない」と苦言を呈した。JOCは同協会に対し選手強化交付金の支給を差し止めるなど、加盟団体としての権利を留保。正常化するまでこの措置は継続する。役員人事をめぐり新旧執行部が対立する日本クレー射撃協会は3日に理事会と臨時総会を開き、JOCの仲裁を「介入」として反発した新執行部の信任を問う。
(「クマ撃ちで金儲け」はウソ、実態は「命がけのボランティア」)
街中に出てきて人を襲うクマを駆除する猟友会に対し、「クマを殺すな」といった立場から様々な批判が出ているが、猟友会ではクマの駆除は命がけの仕事、手当も少額でほとんどボランティア状態、もっと実態を知ってほしいと反発している。実際、2010年10月31日には、猟友会のハンターが襲われた。また、「猟友会はクマ肉を売って儲けているのではないか」と疑いを持つ人もいるが、肉も毛皮も売れることは殆どないという。10月31日午前、長野県の大町市平の神社にクマがいると住民から市役に通報があった。 市職員や大町署員、地元猟友会らが周囲を捜索。雑木林に潜むクマが見つけた猟友会の男性(63)が発砲したところ、クマはひるまず襲ってきた。男性は両腕を引っかかれたり噛まれたりして軽い怪我をした。県によると100キロもある、特別大きなツキノワグマで、最初の発砲で弾は当たったが、倒れないでそのまま向かってきたのだという。大日本猟友会によると、クマの駆除にはたとえ銃を持っていたとしても常に危険を伴う。非常に頭のいい動物で、ハンターを待ち伏せして後ろから襲うこともあるのだそうだ。特にヒグマの出る北海道ではこの5~6年で猟友会のハンター2人が死亡、大けがをする人も毎年のように出ている。北海道猟友会によると、ヒグマは体重が300キロぐらいの個体もおり、数発で仕留めきれなかった場合はベテランのハンターでも逆襲されて死亡することがある。「遠くから見ると可愛いかも知れませんが、人間は顔を叩かれただけでも、首がちぎれたり、下あごを持っていかれます」と語る。さらに、「射殺しないで麻酔銃で撃てばいいというけど、空想の話でしかない」。麻酔の量が多すぎるとクマが死んでしまうし、適量だったとしても動けなくなるまで10分程度かかる。麻酔銃の射程距離は30メートル程度。ヒグマは時速40キロで走ることが出来るので、麻酔が効く前に、数秒でハンターのところにやってきて襲われてしまう。命がけの仕事にも関わらず報酬は雀の涙だ。北海道の自然環境課によると、市町村によってマチマチだが、ハンターへの手当は通学路や畑を朝晩見回りして1日千円という地域もある。しかもガソリン代は出ず、1日で500円以上になることも。一頭仕留めたら1~3万円の手当がでるところもあるそうだが、1人で年間何頭も仕留められるものではないので、ボランティアのようなものだ。一方で、自然保護団体のブログには「有害捕殺が増えているのは、クマノイは80万円、肉10万円、毛皮は10万円で売れるから」と書いてあるものもある。ニュース記事「『クマを殺さないで!』批判殺到 猟友会『現実分かっているか』と反発」にも同様のコメントが寄せられた。駆除したクマの死骸をどうするかは県によって異なるが、長野県では、自家消費するのはいいものの、売ってはいけないことになっている。北海道では、胃や歯などは生態系の分析のために県に献体しなければいけない。それ以外の部分については「有効活用してください」と市町村に伝えている。しかしハンターに回ってきても、殆ど商品価値がないという。肉はクセがあるので買い手はつかず、300キロの巨体でも売れるのは10キロ程度、子どもの小遣い程度にしかならない。漢方で使われる胆嚢も、中国産が出回っている現在では買ってくれる製薬会社もない。数十万円する毛皮やはく製もかつては社会的ステータスとして富裕層にもてはやされたが、20年ほど前からは県に「引き取ってくれ」と問い合わせが来るほど不人気だという。中華料理に使われる「クマの右手」も、北海道の担当者は「売れたと言うことは聞いたことがないですね」ということだった。「クマの駆除を行っているのは市町村で、猟友会は『従事者』。少ない手当で、お願いベースでやってもらっているというのが現状なのに、『クマの肉が売れるから』という神話みたいなことを言われるとハンターの方々のやる気が削がれてしまいます」と話している。大日本猟友会も「猟友会会員は昭和の時代には40万人いたが、今は10万人しかいません。みな、人命と農林被害防止のためにやっています。儲かるなら、会員ももっと増えていますよ」ということだった。
(銃規制に高齢化、猟友会苦慮:富山)
富山県内でクマの出没が多発する中、鳥獣駆除などを担う県猟友会が会員の確保に苦労している。猟銃使用禁止区域の拡大に加え、銃刀法改正で猟銃所持の規制が強化され、活動を続けることが困難になっている会員が少なくない。会員数の減少や高齢化にも歯止めがかからない現状で、相次ぐ自治体からの出動要請の対応に苦慮している。県自然保護課によると、県内で猟銃の使用を認めない「特定猟具使用禁止区域」は2006年度末時点で56カ所、約3万4510ヘクタール。宅地化の進展などに伴い禁止区域は年々広がり、富山市では約8500ヘクタールに及ぶ。狩猟歴四十数年で上市町有害鳥獣捕獲隊長を務める大文字紘さん(70)は「昔は町のすぐ近くで狩猟ができたが、今は工場や民家が増え、銃を撃てる場所がどんどん限られている」と話す。身近な場所で活動できる機会が減った結果、若い世代の狩猟離れが進み、猟友会員の減少につながったとしている。09年12月の銃刀法改正も猟友会の活動に影響を及ぼしている。県猟友会によると、法改正後、銃所持の規制が強化されたことを理由に退会する人も多く、1970年代後半に2千人を超えた会員数は09年度には767人に減少した。各自治体は、地元の猟友会員らを有害鳥獣捕獲隊員に委嘱し、鳥獣の目撃情報が入ると出動させている。クマの大量出没が続く今年は、魚津市が10月中のほぼ毎日、出動を要請するなど、猟友会員の負担は増している。こうした中、上市町は4月、町職員で「上市町有害鳥獣捕獲特別隊」を発足させ、将来的に捕獲隊員として育成することを目指している。大文字さんは「今後は猟友会の役割の一部を公務員が担うしかないのではないか」と指摘する。県猟友会は、有害鳥獣捕獲隊員の確保に向け、各自治体に狩猟免許を持つ職員の確保を求めており、小林忠行会長(67)は「さまざまな対策を講じ、猟友会の若返りを図りたい」としている。猟銃免許を更新する際、技能講習の受講が義務付けられた。このほか、精神疾患の有無を証明する専門医による診断や、75歳以上は認知症検査の受診が免許更新の条件になった。
(クマに襲われキノコ採りの男性がけが:島根)
2日正午ごろ、島根県飯南町都加賀の林で、キノコ採りをしていた同県雲南市掛合町の男性(44)がクマに襲われ、右腕をかまれ、顔面を引っかかれるけがを負った。命に別条はない。雲南署によると、男性は午前中から1人でキノコ採りに来ていた。自分で車を運転して病院に行き治療を受けた。同署は周辺のパトロールを強化し、注意を呼びかけている。
(列車がクマに衝突:福島)
2日午後7時ごろ、福島県喜多方市山都町小舟寺のJR磐越西線山都-喜多方間で、会津若松発新津行きの普通列車がクマに衝突した。乗客乗員約100人にけがはなかった。上下線2本が約15分遅れた。県警喜多方署がパトカーを出動させ、現場周辺でクマ出没に警戒するよう呼びかけた。

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11/2
(カモ類の狩猟解禁:山形)
県内でカモ類の狩猟が1日、解禁され、日の出を合図に猟場の河川敷には銃声が響き渡った。山形市船町の須川河川敷にはこの日、早朝からハンターが繰り出し、「そっちに行ったぞ」などと声を掛け合いながら、上空を飛び交うカモに狙いを定めた。水辺で休むカモの姿はほとんど確認できず、ハンターによると数は例年よりかなり少ないという。山形市切畑、無職鑓水新作さん(67)は「久々の猟を心待ちにしていた。寒くなればカモも増えると思う」と期待していた。県警は狩猟解禁に合わせ、猟場外での散弾銃の発砲や事故などがないよう一斉取り締まりを行った。キジやノウサギといった鳥獣類の解禁日は15日。期間はカモ類が来年1月31日まで、鳥獣類が同2月15日まで。
(住宅地にクマ、小学校近く一時騒然:長野)
1日正午ごろ、大町市大町の民家で「クマがいる」と近くの女性が110番し、大町署員や市役所職員らが駆け付け、地元の猟友会員が民家の軒下にいたクマを射殺した。けが人はなかった。現場は小学校も近い住宅地で、同市は市教委を通じて児童らが校舎外に出ないよう一時指示する騒ぎになった。山からは離れており、関係者は「こんな所まで来るとは」と驚いている。同署や市農林水産課によると、クマは体長約155センチの雄。女性が見つけた時は、家と家の間の塀や通路で休んでいる様子だったという。民家の北東約200メートルには大町北小学校があり、同校東側に広がるリンゴ畑や水田には、このクマのものとみられる食べた跡や大きな足跡が残っていたという。大町市内では10月31日、今回の現場から約800メートル北の雑木林で猟友会の男性(63)がクマに腕をかまれる被害が起きたばかり。市は引き続き警戒を呼び掛けている。
(クマ被害住民に注意呼びかけ:富山)
1日73歳の男性がクマに襲われけがをした魚津市では、クマはまだ見つかっておらず警察などが注意を呼びかけています。魚津警察署によりますと1日午後4時半ごろ、魚津市長引野の山あいで1人でギンナンを拾いに来ていた黒部市笠破の73歳の無職の男性がクマに襲われました。男性は右目の下から右腕にかけてをひっかかれるなど全治2~3週間のけがをしました。これを受け2日は午前6時半から警察や消防、猟友会などが出て付近を警戒するとともに住民に注意を呼びかけました。現場からおよそ700メートル離れた西布施小学校では、2日児童が保護者の車で登校し屋外での活動も自粛します。このほか魚津市では2日未明から朝にかけて大海寺新と上野で成獣と見られるクマが目撃され警察が注意を呼びかけています。
(クマ3頭、爆竹で追い払う:滋賀)
1日午後4時40分ごろ、高島市新旭町安井川の安井川団地近くの神社境内で、団地に住む小学生から「3頭クマがいた」と110番があった。高島署員が駆けつけると、境内で徘徊(はいかい)しているクマ3頭を発見。署員や地元猟友会メンバーが爆竹でクマを追い払った。高島署によると、親グマ1頭、子グマ2頭とみられる。
(クマ捕獲数が上限に近づく:山形)
県内でクマの捕獲が相次ぎ、県ツキノワグマ保護管理計画に基づき定めた2010年度の捕獲数上限に近づいているため、県は1日、上限に達した後の捕獲許可要件や狩猟抑制の是非などについて早急に検討する方針を明らかにした。また、市街地にクマが出没した際に迅速に対応するため、マニュアルを策定する考えも示した。同日開かれた県議会運営委員会で、佐藤和志生活環境部長が説明した。県みどり自然課によると、県が生息数から自然増加分を推計して決めた10年度の捕獲数上限は218頭。10月29日現在、捕獲数は184頭に達しており、11月15日から始まる狩猟期間を前に上限を超えそうな勢いだ。09年度の捕獲数上限は205頭で、捕獲数は126頭だった。このうち、狩猟が21頭で「毎年、狩猟期間で20頭ほどのクマが捕獲される」(同課)という。隣県の秋田や宮城、新潟では捕獲数の上限を超えたため、既に狩猟の自粛を要請しており、大隅尚行課長は「自粛を要請する方向で考えているが、有識者の意見も聴きたい。もちろん、人身被害の恐れがある際は(上限を超えても)やむを得ない」としている。一方、県の捕獲許可は市街地の捕獲を想定していないため、自宅や学校に入り込んだケースには対応しきれていない。佐藤部長は委員会で「捕殺せずに山に返すのが基本。誰が(捕殺の)最終判断を下すのか臨機応変に考える必要がある。共通認識を持つためにマニュアルを策定したい」と説明。大隅課長は「捕殺に関しては抗議の電話もあった。まずは情報の伝達ルートを一元化するとともに、誰がどのように対応するのか定めたい」と話している。県は有識者で組織する県特定鳥獣保護管理検討委員会を5日に開催する予定で、この中で捕獲数やマニュアル策定について意見を聴くことにしている。
(クマ管理計画、射殺せずに「放獣」:宮城)
県は1日、ツキノワグマ保護管理計画を初めて策定した。人間とクマの共存を目指し、個体数を維持しながら人身・農産物被害の軽減を図る。計画では、捕獲後に射殺していた従来の方法を改め、「人里は危険」と学習させたうえで、再び森に返す「学習放獣」を実施する。計画実施期間は11年度まで。県の08年度調査によると、県内に生息するツキノワグマは約630頭。計画では、駆除と狩猟を合わせた捕獲数の上限を毎年度50頭に定めた。クマの繁殖力は低いとして、「人里とクマの生息域の『すみ分け』を徹底する方法で被害を食い止める」(県自然保護課)という。放獣は、クマをわなで鉄製のおりに閉じこめて捕獲。唐辛子の成分を含んだスプレーを顔に吹きかけて森に返し、再び人里に近寄らせないようにする。耳には標識を付け、再び人里に下りてきた場合は射殺する方針。ただ、計画実施には大きな障害がある。同課によると、クマをわなから放す際には暴れないように麻酔銃で眠らせる作業が必要だが、県内で麻酔銃の所持と使用の許可証を持っているのは1人。「麻酔銃を扱う人員の態勢を整えない限り放獣の実施は難しい」という。このため、今年度は従来通り捕殺が続くとみられる。県内では09年度に駆除と狩猟を合わせ48頭を捕獲。今年度はブナの実が不作のため、代わりの餌を求めてクマが人里に下りるケースが相次いでおり、10月末までに62頭を駆除した。
(クマ対策、余った柿をジャムに:福井)
鯖江市はクマ対策の一環で、住民が自宅の庭先などから柿の実を収穫したものの、家庭で消費しきれない余剰分を収集し、食材や加工品として有効利用する対策に乗り出した。市ではクマが集落に近づくのを防ぐため、好物とされる柿の実を枝に残さないよう山ぎわの住民に自衛策を呼び掛けている。しかし一度に収穫しすぎて、家庭で処理しきれない量が残っているとの苦情が市に寄せられたため、「特産づくり応援室」を窓口にして、相談を受けた集落やグループを対象に10月末から収集を始めた。市に回収を依頼した同市新町の福岡幸子(ゆきこ)さん(71)は「例年より20日ほど早く収穫したので、小ぶりで親せきにも分けられない。何かの食材に役立ててもらえたら」と話した。市は回収した柿は同市河和田地区の女性グループ「うるしの里いきいき協議会」に持ち込むなど、市民団体と連携し、ジャムや柿酢などの加工方法を研究していく。

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11/1
(発砲に逆襲、クマが猟友会員襲う:長野)
31日午後0時40分すぎ、大町市平西原の雑木林で、熊の緊急駆除に出向いていた同市平の猟友会の男性(63)が熊に両腕をかまれたり引っかかれたりし、軽いけがをした。大町署によると、体長約1・5メートルの雄のツキノワグマで、別の猟友会員がその場で射殺した。同日午前10時30分ごろ、住民から熊の目撃情報があり、猟友会員や市職員、同署員らが付近を捜索。男性が雑木林に潜んでいる熊を見つけて発砲したところ、襲いかかってきたという。現場は、近くの山から約1キロ離れた田園地帯で神社の森や民家が点在している。住民の男性(71)によると、最近、何度か熊が目撃されていたといい、「林内の栗の木を狙っていたのではないか」と話していた。
(玄関前で男性がクマに襲われ大けが:富山)
31日夜、南砺市平地域の住宅の玄関前で、この家の73歳の男性が成獣のクマに襲われて顔などに大けがをしました。南砺警察署によりますと、31日午後7時45分ごろ、南砺市下梨の無職、中川與志一さん(73)宅の玄関前で中川さんが成獣のクマに背後から襲われました。中川さんは顔などを引っかかれ、額や口、肩などに大けがをしました。中川さんは妻と帰宅したところで、妻にけがはありませんでした。クマはその後、玄関から家に侵入し、トイレの網戸をやぶって外に逃げたとみられます。警察や消防、猟友会では、現場周辺をパトロールして警戒にあたっていますが、逃げたクマは見つかっていません。この影響で1日は、現場近くの平みどり保育園が休園となり、平小学校では児童がスクールバスや保護者の車で登校しました。
(民家の敷地にクマ出没、29歳の男性が襲われ軽傷:福井)
クマの被害が全国で相次ぐ中、31日も福井・勝山市で、29歳の男性がクマに襲われた。福井・勝山市で、民家の敷地にクマが出没した。1歳の長男を抱いていた29歳の父親が背後から襲われ、太ももや足首をかまれた。被害者の父親は「太ももの方が、ズボンも破けて、牙が刺さったような感じかな」と話した。男性は軽傷で、転倒したはずみで長男も地面に落ち、頭にすり傷を負った。クマはその後、猟友会に射殺された。
(住宅街で熊射殺:長野)
1日午前11時55分ごろ、大町市大原町の住宅街にある民家の裏で、この家の主婦(51)が熊と鉢合わせした。駆けつけた猟友会員らが約30分後に熊を射殺し、けが人はなかった。市職員によると、雄のツキノワグマで体長約160センチの成獣だった。主婦によると、物干しに洗濯物を掛けようとしたところ、突然、「ガー」という声がして黒い物体が目の前に現れた。自宅に逃げ込んで2階から確認すると、熊は住宅と住宅の間の狭い空間にとどまり、時折まどろんでいる様子だったという。主婦は遭遇から1時間余たっても「今でも足が震えている感じ」と話していた。市職員は「この時期としてはかなりやせている印象。冬ごもり前で脂を蓄えていなければいけないのだが…、やはり山に餌がないのでは」と話していた。現場は大町北小学校から直線で100メートル余で、山からも離れた場所。同市では31日にも北に約1キロ離れた雑木林で熊が射殺された。その際、猟友会員の男性が腕をかまれたりして軽傷を負った。
(寺の本堂に侵入の子グマ射殺:滋賀)
滋賀県長浜市は1日、同市木之本町古橋の竜泉寺の本堂に侵入したクマ1頭を、地元猟友会のメンバーが射殺したと発表した。市によると体長約80センチで、1歳半ぐらいの雄のツキノワグマ。けが人はなかった。10月31日午後8時15分ごろ、近くの住民が本堂内に入るクマを目撃し、市に連絡。警察官が現地を監視し、夜明けを待って1日午前7時ごろ捕獲を試みたが暴れたため、猟友会メンバーが約1時間後に射殺した。
(クマが民家の近くに出没・射殺:愛知)
10月30日午後11時半ごろ、豊田市御船町山ノ神で、ツキノワグマ1頭がイノシシ用のおりに入っているのを猟友会員が見つけた。市は31日午後0時43分に射殺した。市内でのクマ射殺は今季3頭目。市によると、クマは3歳前後のオスで、体長127センチ、体重約70キロ。おりの中で暴れて牙でおりの一部を壊したため、逃げ出す可能性が高いとみて、南西約50メートルに民家があるため射殺した。市内では10月18日、クマがイノシシ用のおりから逃げている。
(クマ射殺、男性襲ったクマか:新潟)
湯沢町神立の無職男性(74)が10月30日にクマに襲われ全治2週間のけがを負った現場近くで、31日午前6時30分ごろ、おりに雌のクマ(体長約1・1メートル)が捕獲されているのを、同町猟友会のメンバーが発見。クマは約20分後に射殺された。湯沢町によると、おりを設置したのは男性が襲われた現場から約500メートルの山林。男性を襲ったクマの可能性があるという。
(クマがお寺のチャボ小屋襲う:福島)
31日午前7時20分ごろ、喜多方市慶徳町豊岡字今町の慶徳寺で、住職の佐藤和正さん(67)がチャボの飼育小屋に入った体長約100センチのクマ1頭を目撃した。クマは佐藤さんが喜多方署に通報しようと家へ戻った際に逃げた。同署と佐藤さんによると、餌を与えに行った佐藤さんが小屋をのぞくとチャボが大量に死んでいた。奥を見るとクマが立ち上がり金網を引っかいていたという。金網は2カ所破られており、クマはそこから侵入したとみられる。クマが暴れる様子は、寺に宿泊した観光客が映像に収めていた。死んでいたのは佐藤さんが飼育していたチャボ約50羽のうち30羽以上。佐藤さんは「クマを見た時は目を疑った。まさか鳥まで食べるとは思わなかった」とショックを受けた様子だった。寺は県道から細い道を入った場所に位置し、周囲に住宅はほとんどない。約300メートル離れた場所に慶徳小がある。同署は市役所に連絡し、現場付近の警戒と広報活動を行った。
(住宅街にイノシシ退治、銃使わず追跡4時間:大分)
大分市東部の住宅街にある公園に30日朝、体長1メートルのオスのイノシシ1頭が現れた。市の要請で猟友会会員が出動し、町はずれの工場や林を逃げ回る相手を約4時間かけて追いつめ、田んぼで猟犬がかみついたところを鉄パイプでたたいてしとめた。けが人や建物などへの被害はなかった。住宅が近く猟銃が使えないなかでのスピード解決に、猟友会の60~70代の男性9人はほっとした様子だった。高さ2メートルを超すヨシのやぶで、猟犬の鳴き声とガサガサっと揺れる位置が徐々に近づいてくる。「おい、こっちこっち」。やぶのふちで中をにらむ市猟友会坂ノ市支部のメンバーの顔に緊張が走る。手に持つ道具は鉄パイプ、竹やり、ナイフと様々。ゆがんだ鉄パイプを握る一人は「さっき近くで拾ってきた」。イノシシは午前7時ごろ、坂ノ市公民館隣の公園に出没。朝からカラス駆除に出ていた同支部9人は約1時間半後に駆けつけた。近くの工場の敷地に入り込み、猟友会に3度追いつめられたが朽ちたフェンスの金網を破って脱出。裏の林に逃げ込んだ。「体がもたん」。メンバーの一人は少し苦しそうに座り込んだ。来月半ばに大動脈剥離(はく・り)の手術が控えているという。同支部の藤野幸一さん(67)によると同支部の会員は二十数人でピーク時の半分ほど。「猟師が減るからイノシシが増える。昨年も近くの駅で出ている」と話す。林の中に猟犬2匹を投入。追いつめられたイノシシは、田んぼを挟んで約200メートル離れたヨシのやぶに。猟犬をさらに2匹追加した。犬に追われたイノシシは林とやぶを1往復半。正午過ぎ、やぶから飛び出したところを猟犬2匹がかみつき、すかさず藤野さんが鉄パイプで一撃を加えた。この騒動でパトカー3台が出動し、警察官延べ8人が協力した。
(捕獲の子グマ、施設に引き取られる:岐阜)
関ケ原町の山林で26日に捕獲された子どものツキノワグマが29日、県内の飼育施設に引き取られたことが分かった。町はこれまで県などと協議し、子グマを山に帰す可能性も探っていたが実現しなかった。浅井健太郎町長は「町内での放獣場所の確保は、自治体単独では不可能。人的被害の抑止を最優先した結果だった」と説明。今後クマを捕獲した場合も保護可能な子グマは放獣先や引き取り先を探すが、成獣は殺処分する方針とした。日本熊森協会は町の対応を問題の先送りと批判。「イノシシ用箱おりでクマを捕獲した場合はその場で放獣するのが原則で、鳥獣保護法に抵触している。放獣先の整備に加え、クマが脱出可能なおりの普及を進めるべきだ」としている。町によると町内には約50の有害鳥獣駆除用のわなが仕掛けられ、そのうち約10基が今回と同タイプの箱おり。いずれもイノシシやシカ用でクマが脱出できない形式となっており、今月も既に2頭のクマが捕獲され、殺処分されている。
(イノシシ、シカ猟解禁:和歌山)
和歌山県内で1日、イノシシとシカの狩猟が解禁された。来年3月15日まで。西牟婁振興局によると、平日で前日があいにくの雨だったため、管内の出猟者は正午現在、昨年に比べて67人少ない22人で、猟果はなかった。西牟婁振興局管内(田辺市―すさみ町)では午前6時ごろ、市や町の職員、警察署員、県猟友会員、鳥獣保護員の39人が9班に分かれてパトロールを開始した。旧田辺市内では上芳養、秋津川、長野などを見回り、狩猟許可証を持っているか、わなに張ってあるか、周囲の安全に気を付けて狩猟をしているかを確認した。県猟友会西牟婁支部の大川敏彦支部長は「前日雨が降ったため、朝にイノシシは動かないだろうし、ハンターも少ない」と話した。県農業環境保全室によると、昨年のイノシシによる農作物被害は約1億3100万円、シカが約4600万円。田辺市の、今シーズンの狩猟登録者数(10月末現在)は、わな169件、銃器241件だった。銃器はここ数年で3割以上減っているが、わなは農家の登録が多くなっている。市農業振興課によると、銃器の狩猟登録者数は、2005年(352件)にわなの3倍ほどあったが、ハンターの高齢化や扱いの難しさなどから年々減少している。一方、わなは「農地は自分で守る」と、ここ数年、農家の間で免許取得が積極的に行われるようになった。05年の狩猟登録者数は128件だったが、07年には180件となり、その後は170件前後の高水準で推移している。イノシシの捕獲数は05年度から千匹を超えており、特に有害捕獲によるものが増えている。シカの捕獲は05年度に622匹だったものが07年度に千匹を超え、09年度は1121匹で最多となった。
(電車がイノシシと衝突し?ダイヤ乱れ:和歌山)
31日昼まえ、和歌山市のJR阪和線で電車がイノシシに衝突したと見られる事故があり、ダイヤが乱れました。JR西日本によりますと、きょう(31日)午前11時半すぎ、和歌山市谷のJR阪和線、山中渓駅と紀伊駅の間を走っていた下り普通電車の運転士から「イノシシと衝突し、停車した」と新大阪総合司令所に連絡がありました。乗客にケガはなく、車両にも異常がなかったためまもなく運転を再開しました。後続の電車が現場付近を確認しましたがイノシシの姿は見あたらず逃げたものとみられます。この影響で阪和線は上下4本が部分運休し、あわせて9本が最大24分遅れておよそ2000人に影響しました。

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