<射撃ニュース11月>

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(クマ、民家に侵入:新潟)
29日午前6時頃、南魚沼市早川の無職原沢輝雄さん(82)方の台所にクマ(体長約1メートル)が侵入した。クマは数分間、その場で歩き回り、原沢さんが大声を上げると、数センチほど開いていた窓から外に飛び出して逃げた。原沢さんにけがはなかった。南魚沼署によると、無施錠の勝手口が開いており、クマはここから家に入ったとみられる。現場は、田んぼが広がる中に住宅が並ぶ農村地帯で、同署などで付近住民らに警戒を呼びかけている。原沢さんは「台所にいたら、裏口でゴソゴソ音がして、何かと思ったら、いきなり熊が入ってきた。この周辺で熊がうろつく姿は、これまで見たことがないのに」と驚いていた。
(ごみや食べ物の保管厳重に、クマによる事故多発で:兵庫)
ツキノワグマの目撃が相次ぐ中、但馬では本年度、住民がクマに襲われる事件が4件と多発している。記録の残る最近10年では圧倒的に多く、いずれも民家や集落近くの道路など人里で発生。人口の多い地域でも依然、目撃が相次いでおり、関係機関は「少なくとも冬眠に入る12月中旬まで、クマを引き寄せかねない生ごみなどの管理を徹底してほしい」と呼びかけている。8月上旬、香美町小代区大谷の牛舎で男性が襲われたのをはじめ、9月には豊岡市三宅、10月には朝来市山口で、いずれも早朝、道路などで男性がクマに遭遇してけがをした。11月26日には豊岡市日高町万場の小屋に侵入したクマに男性が頭をかまれ、重傷を負っている。県自然環境課によると、2001年~09年に県内で起きたクマによる人身事故は計7件。最も目撃の多かった04年度でも2件と、各年度では0~2件だった。7件中5件が山中で起きており、集落近くでの被害は少ない。目撃情報は10月をピークに減少しているというが、集落近くでも依然、姿が見られている。再度、クマの目撃情報が寄せられた豊岡市日高町万場や、香美町香住区三谷では29日、捕獲用のおりが設置された。香住区の中心部の山でも数日前に目撃情報があり、捕獲用のおりが設置されている。県森林動物研究センター(丹波市)が、捕殺されたクマを調べたところ、カキやクリをはじめ、クルミやギンナンなど、人里で木の実を食べていた形跡があるという。担当者は「人里へ出るのは、賢く経験のある成獣。どこに食べ物があるか熟知している可能性が高い」と分析。県豊岡農林水産振興事務所などは「最近は、生ごみをあさっている事例も多い。クマを引きつけるごみや食べ物などの保管を厳重にしてほしい」と訴えている。
(ワカサギを食べる水鳥カワアイサ、被害拡大を懸念:長野)
冬季の諏訪湖に飛来する水鳥カワアイサが近年、急増している。環境省と都道府県が毎冬行うカモ類などの生息調査によると、全国8千カ所以上の調査地点のうち、諏訪湖の生息確認数は昨季まで4季連続の最多。昨季は1746羽を確認し、全体の27%に上った。湖に潜って特産のワカサギを捕食するため、飛来の本格化を前に漁業関係者は被害の拡大を懸念している。調査は1月中旬に全国各地の湖沼や河川で実施。同省生物多様性センター(山梨県富士吉田市)と県諏訪地方事務所林務課によると、諏訪湖のカワアイサは1990年代後半から2003年まで0~300羽前後で推移していたが、その後増え、05年には1千羽超。調査日に全面結氷した06年は水鳥が着水できず少なかったが、08年には2300羽を上回った=グラフ。同センターによると、全国的にもカワアイサの確認数は増加傾向にある。同地事所林務課は、その中でも「諏訪湖に飛来する比率は明らかに高くなっている」と指摘する。県環境保全研究所(長野市)の堀田昌伸主任研究員は「他の飛来地の環境変化にも左右される」とした上で、諏訪湖特有の事情に結氷の期間と範囲の減少を挙げる。地球温暖化で氷が張りにくいため「餌場になりやすくなっている」とみる。湖の浄化による透明度上昇も、捕食をしやすくしている一因という。さらに、95年に諏訪湖が銃猟禁止区域=現・特定猟具使用禁止区域(銃猟)=に指定されたことも要因と指摘。カワアイサの捕獲は鳥獣保護法で原則禁止だが、銃猟が全面禁止となる前は「他の鳥を撃つ音に驚き、湖に近づかなかったのではないか」と推測する。諏訪湖漁業協同組合(諏訪市)の藤森貫治組合長は、カワアイサが飛び立つ際に吐き出した内容物から、ワカサギを1日に300~400匹捕食すると推計。07年度から湖上に爆音機を載せた舟を出すなど追い払いを続けるが「一時的な応急処置。県には有害鳥獣の指定など対策を急いでほしい」と訴える。一方、日本野鳥の会諏訪会長の林正敏さん(66)=岡谷市川岸東=は「地球全体で見ればカワアイサは個体数の少ないカモ類」と指摘。生物の多様性という観点から「保護していかなければいけない水鳥でもある」と話している。
(鳥インフルのニワトリの処分へ:島根)
島根県安来市の養鶏場でニワトリがまとまって死んでいるのが見つかり、検査の結果、鳥インフルエンザのウイルスが検出されました。島根県は、感染の拡大を防ぐため、この養鶏場の2万3000羽余りのニワトリすべてを処分する準備を30日から始めることにしています。農林水産省や島根県によりますと29日朝、島根県安来市の養鶏場で、ニワトリが5羽まとまって死んでいるのが見つかり、島根県が検査したところ、「H5型」の鳥インフルエンザのウイルスが検出されました。島根県は、ウイルスの検体を茨城県つくば市にある動物衛生研究所に送り、ウイルスの毒性を調べることにしていて、詳しい結果が判明するのは、早ければ来月1日の夜になる見通しです。島根県は、感染の拡大を防ぐため、国の指針に基づいてこの養鶏場のニワトリ2万3300羽すべてを処分するとして、30日から準備を始めることにしています。また、養鶏場から半径10キロ以内にある島根県と鳥取県の4つの養鶏場について、ニワトリや卵の移動を制限するなどの措置を取ることにしています。農林水産省では29日夜、鹿野農林水産大臣を本部長とする緊急の対策本部を開き、島根県を支援するため、感染症の専門家など5人の獣医師を現地に派遣することを決めました。対策本部のあと、鹿野大臣は「感染の拡大をいかに防ぐか、万全を期していきたい」と述べ、鳥インフルエンザの早期の封じ込めに全力を尽くす考えを示しました。鳥インフルエンザに詳しい鳥取大学農学部の大槻公一特任教授は「鳥インフルエンザウイルスは、カモなどの野鳥によって運ばれ、人の靴の底や衣服などに付着して養鶏場に入り込んだ疑いがある。周辺では、人や車両の不必要な出入りを制限し、消毒を徹底するとともに、死んだ野鳥などを見つけたときは決して触らず、最寄りの自治体に連絡してほしい」と話しています。

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(イノシシ市街地に、ホテル裏庭で射殺:静岡)
27日午後3時20分ごろ、西伊豆町仁科で「町中をイノシシが走り回っている」と110番があった。駆けつけた警察官が住宅街でイノシシを確認。イノシシは国道を約500メートル走って、ホテル敷地内に入った。応援要請を受けた猟友会員が約20分後にホテル裏庭で被害防止のため射殺した。けが人はなかった。松崎署によると、イノシシはメスで体長約1・2メートル、体重約60キロ。現場は幼稚園や老人ホームがある住宅街。
(男性襲い重傷負わせたクマが殺処分:兵庫)
兵庫県豊岡市で26日、84歳の男性が自宅に隣接する小屋でクマに襲われて重傷を負い、27日朝に地元の猟友会がこのクマを射殺しました。26日午後4時ごろ、豊岡市日高町で、小屋に干し柿をしまおうとした田中季治さんが中にいたクマに襲われ、鼻の骨を折るなどの大けがをしました。その後もクマは小屋の中にいて、27日午前6時ごろから県や市のほか、猟友会が対応にあたりました。当初は爆竹で追い出し、クマを山へ返そうとしましたが効果がなく、中に入ってクマを殺処分したということです。兵庫県の担当者:「猟友会が中に確認に入ったところ、クマが襲ってきたので、緊急避難的に射殺した」。クマは体長170センチ、重さ80キロから100キロほどの雄のツキノワグマで、過去7回捕獲されていましたが、県の規定で殺処分されていなかったということです。
(クマに襲われ男性重傷:山形)
27日午後1時20分ごろ、寒河江市白岩の「葉山」で、キノコ採りをしていた天童市泉町2、建設業、高橋隆さん(62)がクマに襲われた。高橋さんは頭と両足を引っ掛かれ、右手の骨を折る重傷を負ったとみられる。寒河江署によると、高橋さんは近くの別荘に駆け込み、助けを求めた。高橋さんは午前9時ごろに自宅を出発し、1人で山に入っていた。
(イノシシにかまれ夫婦けが:山口)
27日午後1時半ごろ、山口県光市丸山町の男性(67)宅の庭で、男性と妻(59)がイノシシに足をかまれ、軽傷を負った。光署によると、イノシシは体長約1メートル、体重約35キロの雄。付近にいた猟師2人の猟犬2頭が男性宅の庭でほえたため、男性と妻が様子を見に外に出たところ、かまれた。イノシシは駆けつけた猟師に射殺された。
(「特急しなの」にイノシシが衝突:長野)
26日午後5時ごろ、長野県南木曽町のJR中央線で、名古屋発長野行きの特急ワイドビューしなの19号が線路内にいたイノシシと衝突、急停車した。乗客約180人にけがはなかった。JR東海広報部によると、衝突後の車両点検で異常がないことを確認し運転を再開。この特急が15分、後続の普通列車が24分遅れ、計240人に影響が出た。
(クマが米食い荒らす:山形)
27日午後11時50分頃、飯豊町上原の農業男性(82)が、自宅物置小屋から出てくるクマ1頭を目撃し、長井署に通報した。発表によると、クマは体長約1メートル。自宅北側の小屋から物音がしたため、男性が確認に行ったところ、クマと鉢合わせた。クマは山へ走り去り、男性にけがはなかったが、小屋の中にあった米が食い荒らされていた。現場は飯豊連峰沿いの集落地帯。同署で注意を呼びかけている。
(クマと車が接触:富山)
27日早朝、魚津市でクマと乗用車が接触しました。車を運転していた男性にケガはなく、クマは逃げたため、警察と市役所が住民に注意を呼びかけています。魚津警察署によりますと27日午前5時半過ぎ、魚津市小川寺の県道で57歳の男性が軽自動車を運転していたところ、右から現れたクマと接触しました。クマは成獣とみられ、そのまま山の中へ逃げていったということです。車を運転していた男性にケガはありませんでした。連絡を受けた魚津警察署と魚津市役所が現場付近をパトロールして住民に注意を呼びかけています。
(豚逃走、イノシシと交雑?:沖縄)
国頭村安田の牧場から豚が逃げ、周辺の農家に被害を与えている問題で、同村と県北部福祉保健所、県北部家畜保健衛生所、経営者の4者は26日、柵の外に出ていた母豚95頭のうち80頭を中に戻した。体にイノシシのような模様がある子豚が牧場で確認され、逃走した豚が野生のイノシシと交雑している可能性が高まった。村などは経営者に自主的な対策を求めていたが、改善されないため行政側が協力した。残りの豚は経営者に戻させ、週明けに状況を確認する。豚を閉じ込めて農業被害やイノシシとの交雑を防ぎ、今後、計画的な繁殖や赤土対策などを指導していく予定だ。県北部福祉保健所は経営者に対し、牧場内に捨てられている死んだ豚の適切な処理や排泄(はいせつ)物の流出防止の指導注意も行った。
(「サル追っ払い隊」出陣:和歌山)
印南町は26日、野生ザルによる農作物被害を防ごうと、銃の狩猟免許を持った臨時職員2人でつくる「サル追っ払い隊」を発足させた。来年3月末までの試験的な導入で、被害の多い中山間地域を週3日パトロールしながら、サル被害の軽減に努める。町は「鳥獣害に苦しんでいる農家を応援できれば」としている。町産業課によると、鳥獣による農作物被害は近年、イノシシ、シカ、サルともに増加傾向にある。イノシシ、シカによる被害はネットを張ることなどによってある程度は防御できるのに対し、木を伝うなどして侵入することがあるサルによる被害は防ぐことが難しく、人が定期的にパトロールをすることで被害を軽減しようと考えた。事業費は115万円で、県の緊急雇用創出事業を活用。ハローワークを通じ、銃の狩猟免許を持ち、町内の地理に詳しい人を募集したところ、2人から応募があり、臨時職員として採用した。基本的に月、水、金の週3日、町内でサル被害が多い稲原地区と切目川地区を車で巡回し、サルを発見した際は威嚇射撃を行うなどして追い払うという。追っ払い隊の出発式が26日、町役場前であり、玄素彰人町長が隊員を激励。玄素町長は「農業立町である印南町にとってつらいのは、鳥獣害によって農家の意欲が低下すること。サル追っ払い隊が活動をすることで、農家の方々が鳥獣害に負けずに自分たちも頑張ろうという気持ちになってくれたら」。隊員の前田芳孝さん(62)=印南町南谷=も「農家にとって鳥獣害は深刻。サルを発見次第、追っ払ったり、駆除したりしていきたい」と話した。活動期間は来年3月末までとしているが、町は、効果があれば4月以降も継続する考え。期間中、住民から、サルの出没情報を受け付けている。
(改造拳銃を所持、職員を懲戒免職:和歌山)
紀美野町は26日、改造拳銃を自宅に隠し持っていたとして銃刀法違反(所持)の疑いで逮捕、起訴された水道課課長補佐(52)を懲戒免職処分にしたと発表した。処分は25日付。愛知県豊橋市の軍用品店の銃部品の不正輸入事件にからみ、自宅に改造拳銃1丁を持っていた疑いで愛知県警に10月21日に逮捕された。名古屋地検が今月11日に同法違反の罪で起訴した。小川裕康副町長らでつくる町職員懲戒審査委員会が12日に課長補佐に接見し事情を聴いたところ、改造拳銃を持っていたことを認めたという。寺本光嘉町長は「銃刀法違反は非常に重い反社会的犯罪。任命権者としての責任を痛感している」とのコメントを出した。町は課長補佐の実名を公表しなかった。総務課の担当者は「町の規定では非公開が原則」と説明している。
(クマ出没時どうする?県が新指針検討:山梨)
県は人間の近くに出没したツキノワグマへの対応を分かりやすく記した指針作りに向け、検討を始めた。全国的な傾向と同様、県内でも今年のクマ目撃数は10月末までに134件と昨年同期の3倍に。出没増加は奥山の森林崩壊など生態系の変化と関係があるとみられ、クマと人との頻繁な遭遇は来春以降も続く可能性がある。クマ対策の一線に立つ市町村からは「はっきりした指針がほしい」との要望が強まっていた。10日に県庁で開かれたツキノワグマの保護管理検討会で、専門家や市町村代表が指針を充実させる必要性を、意見や要望としてあげた。市町村側には、捕獲したクマの扱いに対する困惑が強い。県は絶滅の可能性があるクマを再び奥山に放す放獣を原則的に指導しているが、複数回捕獲されるクマをどうするかという問題が今年になって浮上してきた。7月には富士吉田市で、一度捕獲されたクマが放獣後に市街地に戻り、ホテルの敷地に一晩立てこもった。このクマは再び捕獲後に放獣されたが、長野県などでは2回目に捕獲されたクマは「放獣しても人里に戻る可能性が高い」と、殺処分している。「人を怖がらないクマ」も人に危害を及ぼす場合がある。県は「住民の安全を守ることを重視し、他県の例も参考にしながら扱いを決めたい」(みどり自然課)としている。また放獣の具体的な手続きを一任された形の市町村の担当者には「スムーズに放獣できる態勢を県が中心になって整えてほしい」(笛吹市)という意見が強い。今年になって県内では放獣を受け持つNPO「山梨ツキノワグマレスキュー」(北杜市)が誕生し、民間人で捕獲に使う麻酔銃使用の資格を取る人も出てきた。県ではこうした人・組織とも連携した放獣態勢を、新指針作りで検討していく。市街地にクマが出た場合の対応も「あまり想定していなかったケース」(同課)で、明文化が必要とみられる。住民の安全が脅かされる場合の猟友会員の猟銃使用は、市街地では警察官の依頼に基づいてようやく発射できる。山から追われる形で市街地に出てくるクマの増加が予想される中で、県猟友会などは「県と県警がもっと緊密に協議してほしい」としている。
(アライグマ捕獲おり100基補充、市が貸し出し:和歌山)
田辺市は、特定外来生物のアライグマを捕獲するおりを100基補充した。貸し出し中の150基では足りなくなったため。市は2009年度、貸し出し用の捕獲おりでアライグマを200匹捕獲し、10年度も10月末で128匹に上る。市農業振興課によると、市内の三栖や上芳養、秋津の地域でアライグマによるミカンや柿などの農作物被害が続いているという。アライグマは市街地にも出没しており、市は農作物被害に加え、生活環境被害でも捕獲おりを設置している。補充したおりは、幅25センチ、奥行き66センチ、高さ27センチ。おりの中にパンやリンゴなどを入れて誘い込む仕掛けになっている。市のアライグマ捕獲は有害鳥獣の駆除として01年10月から始め、03年から捕獲おりを無料で貸し出している。この数年、慢性的な不足状態になっていた。
(イノシシ捕獲急増:愛知)
ツキノワグマの出没が増えている豊田市でイノシシの出没も例年に増して多く、市は来年度に予定していたイノシシ捕獲用のおりの設置を前倒しするなど対応に追われている。従来は市北東部の中山間地の農地で被害が多かったが、最近は市街地の団地近くや民家の裏にも姿を見せている。農作物被害に加え、田のあぜなどを掘り起こす被害も出ている。市によると、有害鳥獣として捕獲されるイノシシは年々、増え続けている。今年10月末現在の捕獲数は1686頭で、既に、県内市町村で最多だった昨年度1年間の956頭をはるかに上回った。おりは現在、約980基が設置されている。地域の要望などで設けているが、捕獲しても捕獲しても切りがない状態だ。イノシシの増加は全国的な傾向だが、豊田ではイノシシと野生化したイノブタの交配も目立つという。県の特定鳥獣保護管理検討会のメンバー、織田銑一・岡山理科大教授によると、野生のイノシシは年間4~5頭を出産するが、交配したイノシシが10頭の子イノシシを引き連れている姿が目撃されており、交配により多産化が進んでいる可能性が高い。市は今年度、おりや侵入防止柵の設置などの鳥獣被害防止施設費として約4000万円の予算を計上し、イノシシ用にはおり54基を新設した。入札の差額や設置方法の見直しなどで約1000万円の予算が浮いたため、市は来年度予算で対応する予定だったイノシシ用おりの一部57基を今年度末までに前倒しで設置することを決めた。一方、市内のツキノワグマの出没は24日現在、50頭にのぼる。県内でのクマ射殺は豊田市での4頭に加え瀬戸市で1頭。いずれもイノシシ用のおりに入ったため、危険などとして射殺せざるを得なかったケースだ。長野県などではクマが入っても出ていくように、イノシシのおりの天井中央に穴を開けたおりも設置されている。市ではこうしたおりの設置について「今後、検討したい」と話している。
(腹ぺこクマ来ないで!放置の柿「青年団」が収穫:東京)
餌に困ったクマが、柿を目当てに人里に来るのを防ごうと、東京都奥多摩町小河内地域のボランティア団体「森の青年団」(岡部茂幸団長、25人)は27日、同町の峰谷下り地区で、収穫されずに放置されている柿の実を収穫した。団員らは、高さ約20メートルの柿の木に登り、先割れの竹ざおを使うなどして、実をもぎ取った。同地区には多くの柿の木があるが、過疎や高齢化で放置され、柿の実目当てのクマやサルが出没。今月には、民家近くの柿の木周辺やワサビ田などで、クマの出没が7件確認された。同町全体では、6月から今月25日までに寄せられたクマの目撃情報は19件。昨年は4~7月に9件で、7月以降はゼロだった。異変について、青年団員の酒井卓真さんは「猛暑の影響なのか、山の中の餌となるドングリが、大きくなる前に落ちてしまっているため」と解説する。
(ツキノワグマ、絶滅寸前も殺処分40頭:京都)
全国的にツキノワグマの出没が相次いだ今年、京都府内で捕殺されたクマが40頭に上り、府が絶滅寸前種として保護のために設けた捕殺上限数を丹後地域で初めて上回ったことが、26日までに分かった。人里に下りるクマの急増が原因で、府は「捕獲数が異常に増えた。長い視点で個体数と人身安全のバランスを両立させたい」としている。府では、保護管理計画に基づき、クマが捕獲された場合、1度目はクマの嫌うスプレーで人間の怖さを教えて山へ放し、2度目の捕獲で「人慣れした」と判断して殺処分している。同じ集落に何度も現れる場合は、1度目でも殺処分する。40頭の内訳は、与謝野町が16頭で最多。次いで京丹後市が7頭、福知山市と舞鶴市が5頭、京丹波町と南丹市が3頭、綾部市が1頭だった。過去の捕殺数は、狩猟捕獲が禁止された02年以降、04年の12頭が最多で例年は0~8頭。府は例年1~23頭だった捕獲数が今年は88頭(26日現在、誤捕獲の49頭を除く)に上ったため、捕殺数も増加したとしている。由良川以西に生息する丹後個体群では、保護管理計画で定めた今年の年間捕殺上限数(18頭)を上回る30頭を捕殺した。上限数を上回るのは初めてで、府森林保全課は「一度に捕殺しすぎるのは好ましくないが、人身事故も発生しており、やむを得ないと判断した。計画期間内(5年間)で捕殺数を調整し、保護に努めたい」としている。滋賀県内での本年度の殺処分は9頭で、捕殺上限数の20頭を下回っているが、2005年度以降で最多となっている。県は15日に解禁になった狩猟での捕殺状況も慎重に見守っている。クマは冬眠準備のため現在は山奥に戻っているとみられるが、県は「捕獲後もやむを得ない場合を除いて基本的に放獣し、保護につなげたい」(自然環境保全課)としている。
(法改正などで猟師が減少、イノシシ捕獲数は3倍に:和歌山)
11月に入り、県内はイノシシなどの本格的な狩猟シーズンに入った。近年、イノシシによる農作物被害は減らない一方で、猟師は年々減少しているという。紀の川市のある猟師は「今後、組織を維持できるか心配だ」とため息交じりに話す。猟師減少の要因は、高齢化や娯楽多様化による若者離れのほかに、猟銃所持に関する法改正も関係しているという。県は「現場をよく知っている猟師は有害獣捕獲の受け皿であり、減少は問題」と話している。昔は「イノシシ狩猟」といえば趣味の側面が強かった。しかし近年では、有害獣駆除の担い手として大きな役割を持つ。県が発表した県内の野生鳥獣による農作物被害金額は、昨年度2億7850円。その中でも、イノシシによる被害は一番多い1億3188万(全体の47%)に上る。紀の川と岩出の2市を合わせた那賀振興局管内の有害鳥獣としてのイノシシ捕獲頭数は、ことし4月から9月までで243頭、昨年の81頭から約3倍に膨れ上がった。イノシシについて詳しい県畜産試験場=すさみ町=の職員によると、イノシシ捕獲が増えた背景には「全国的に山里から住みやすくなった人里近くにまで生息範囲が広がっている。イノシシは毎年、冬の繁殖期に4、5頭を産み、2、3頭が生き残るとされている。捕獲しないとこれから増える一方」と話す。猟師が減っている一つの要因に、平成19年に長崎県佐世保市で発生した散弾銃乱発事件を受け規正が強化された同21年1月の銃刀法改正がある。同改正では、3年ごとの猟銃所持免許更新時に、これまで義務付けられていなかった射撃技能講習が加えられた。一定以上の射的点数(25発中2、3発)をクリアしないと更新時に必要な「講習修了証」が受けられない仕組みだ。猟師の高齢化で、修了できない人や、更新を受けることすらしない人が出ると予想されている。同法改正前の免許取得者には、1回目更新時の射的講習が免除されるため、平成24年以降から猟師の減少が急激に進むのではないかと推測される。しかし、現在でも猟師の減少はあらわだ。岩出署生活安全課によると、ことし管内新規免許取得者が3人の一方で、辞める人が23人もいたという。同課は「管内猟師は現在約250人。その多くは60歳前後かそれ以上と高齢化しており、4年後には100人ほどになる可能性もある」とする一方で「近年猟銃を使った事件が多発したため、法改正は仕方のないこと。モラルの向上を啓発していきたい」と話している。
(イノシシ・シカ肉、地域振興の目玉に)
里山にイノシシやシカが出没して農作物や果樹を食い荒らす被害が後を絶たない。その被害額は全国で年間約200億円に上る。農林水産省は11年度概算要求で有害鳥獣対策として、駆除したイノシシやシカを食肉として加工する施設の建設費の補助などに113億円を計上した。厄介ものを地域振興に生かすことができるのか。東京都目黒区のフランス料理店「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」では、鮮やかな赤身のエゾシカ肉を使った「タルタルステーキ」と、血に生クリームや野菜を混ぜて固めた「イノシシの血のブーダンノワール」などがメニューに並ぶ。タルタルステーキは卵の黄身やトマトにマスタードをあえたソースをかけてさっぱりとした味わいがある。ブーダンノワールはリンゴとカカオのピューレを加えた濃厚な味が特徴だ。シェフの神谷英生さんは「シカ肉は鉄分が多く、貧血予防が期待できる。イノシシの血には家畜のブタに衛生管理上投与される抗生物質の臭みや濁りがない」と話す。食材として捕獲されたイノシシ、シカ、カモなど野生の鳥獣はジビエと呼ばれる。冬に備えて栄養を蓄えるため、今ごろが旬になる。神谷さんによると、質のよい肉を安定供給する食肉加工業者が増え、ジビエ料理を提供するレストランは最近増えているという。エゾシカ肉を専門に加工、流通する食肉解体処理会社「エレゾ・マルシェ・ジャポン」(北海道帯広市)は、徹底した衛生管理と発注側のニーズに応えるサービスで業績を伸ばしている。地元のハンターと04年度から始めたエゾシカの出荷は、09年度に500頭まで伸びた。シカ肉は雄より雌のほうが軟らかく、特に2~3歳の雌はしっとりとしてうまみがある。地元ハンターに会員登録してもらい、レストランからの注文に応じて年齢や性別を選んで捕獲することで取引先を開拓した。同社の運営会社であるエレゾ社の佐々木章太社長は「多くのハンターは角が採れ、体格のいい高齢の雄を狙いがちだが、肉質が硬く流通に向かなかった。ところが、エゾシカ肉も上手に加工すれば高値での取引が可能でハンターの意識が変わった。スーパーや百貨店を通じて家庭に届けたい」と意気込む。農水省は、国産ジビエ普及の動きを有害鳥獣対策につなげようと、11年度概算要求に食肉加工施設の新規建設費だけでなく、既存の施設に冷蔵庫や加工場を増設する費用も補助対象とする予算を要求した。安全で質の高いジビエを流通させ、ハンターや農家の高齢化で伸び悩む有害鳥獣対策に弾みをつけたい考えだ。京都府京丹後市は来月から、わなにイノシシがかかれば、ハンターの携帯電話に画像付き情報が送られるシステム100台を導入する。今年5月に完成した食肉加工施設で扱うイノシシ肉の品質や流通量の確保が狙いだ。同市農林整備課の小西晋哉さんは「わなにかかったイノシシは、暴れて身を痛める。早く処理したほうが肉質が保たれ、結果的に流通量が増える。わなの見回りはハンターの負担だった」と説明する。人材育成で鳥獣害による農作物被害に取り組む動きもある。宇都宮大里山科学センターは09年度から、鳥獣害を防ぐとともに、その有効活用を図るため、社会人を対象にした鳥獣管理士認定制度を始めた。受講生は1年間、野生鳥獣の生態や里山の環境保全機能、鳥獣害対策法などを学び、修了時に鳥獣管理士に認定される。10月には第1期生17人が認定を受けた。茅野甚治郎センター長は「鳥獣管理士の連携が、被害対策に加え、質と量が課題の獣肉の利活用に役立つ」と期待する。一方、野生のジビエが食肉として安定流通するには、解体技術や衛生的な管理、流通体制の整備など課題は多い。散弾銃で弾がめり込んだ部分は使えず、解体時に内臓を傷つければ臭みや感染症対策のため廃棄せざるを得ない。イノシシ肉の流通に詳しい小寺祐二・宇都宮大特任助教は「黒字を出せる経営戦略を練らないと、補助金頼みではいずれ行き詰まる。全体重のうち食肉に回すことができる部位は良くても5割程度だ。衛生的で歩留まりのいい解体技術の普及なしに食肉加工施設を用意しても、有害鳥獣の駆除につながりにくい」と指摘する。
(イノシシ、市街地出没多発:香川)
人里に現れる野生動物が全国で相次ぐ中、県内でも市街地へのイノシシの出没が多発している。この20年間で、山にドングリがなる木が多くなり、耕作放棄地も増えたことから、1989年度はゼロだった捕獲数が、2009年度は狩猟を含めて4066頭に。今年度は、民家に侵入して暴れるなど被害も深刻化している。県は05年度から狩猟期間を延ばすなどしているが、イノシシの増加を止めることは簡単ではなく、対応に頭を悩ませている。各市町の集計によると、今年度、今月15日からの狩猟期間以前に、1400頭以上のイノシシが捕獲され、前年度同期比の1・2倍にのぼっている。今月に入って特に人家近くでの出没が目立ち、東かがわ市と丸亀市では、襲われた男性2人がけがをした。坂出市の観光園「五色台ビジターセンター」でも芝生を掘り返されるなどし、散策道の一部を閉鎖した。わなにかかるイノシシも多い。狩猟免許を持つさぬき市大川町の多田正一さん(60)は「『仕留めてくれ』という電話が1日に何本もかかってくる。対応しきれず、断ることも多い」と話す。県によると、猟師が駆けつけてくれるまで、2時間待ちというケースもあるという。県内では、以前は徳島、愛媛両県との県境付近に生息しているだけだったが、約20年前から急増。捕獲数は95年度に100頭を超え、00年度には1000頭を突破。農作物の被害額も05年度には約1億2500万円に上った。急増の一因に考えられているのは、餌となるドングリの増加。県みどり保全課によると、県内では50年代まで、山で枯れ落ちた枝などを近隣住民が燃料用に回収していたため、土がやせ、生育力が強いマツの林がほとんどだった。だが、ガスの普及で枝が拾われなくなり、土が肥え、クヌギなどが増えていったという。同課は、昨年ドングリが多くなり、イノシシの子どもがたくさん育ったのではないかとみている。手入れされなくなった田畑も影響している。農林水産省の調査によると、県内の耕作放棄地は05年度に4755ヘクタールで、15年前の1・2倍になった。放棄地で野菜や果物が自生し、人が近づかないため格好の餌場となっているという。捕獲数の増加を受け、県は05年度、3か月間だったイノシシの狩猟期間を、さらに1か月長くした。また、同時に取る必要があった網、わな猟の狩猟免許も、単独でも交付するようにし、取得者を増やした。国補助金を活用して耕作放棄地の再生にも力を入れる。だが、県内の農業従事者の高齢化率は05年度に69・3%で、全国平均(57・4%)を大きく上回り、今後ハンターの不足や、放棄地の増加はさらに深刻になることが予想される。県は来年度、被害対策などを定めた「県イノシシ適正管理計画」を見直す予定で、「対策を仕切り直し、増加を食い止めたい」としている。
(シカ駆除増へ処理場を整備:徳島)
美馬市は、有害鳥獣として駆除したシカを解体するための処理場を同市木屋平川井の木屋平中学校旧寄宿舎に整備する。シカ肉の利用を促進することで、食害対策としてシカの駆除数を増やす。旧寄宿舎の有効活用も図る。30日開会の市議会12月定例会に提出する補正予算案に事業費585万円を計上する。処理場は、旧寄宿舎(鉄筋3階建て延べ約1320平方メートル)の1階部分に整備。解体室と食肉処理室を設け、本年度内の稼働を目指す。シカの解体処理場は那賀町に次いで県内2カ所目。運営は木屋平猟友会に委託。解体した後のシカ肉は、地域の料理店などに販売する。今後、猟友会の会員が、解体処理に必要な食肉処理業などの資格取得を目指す。市木屋平総合支所などによると、ほかの地区と同様、木屋平地区でもシカの食害は深刻化。2009年度は地区内で60頭を駆除したが、被害拡大に歯止めが掛からないという。シカ肉が販売できるようになれば駆除数増加につながるとして、猟友会から処理場整備を求める声が上がっていた。木屋平中の旧寄宿舎「木屋平寮」は、遠距離通学者対策として1975年に開設。入寮者の減少により2007年に閉鎖された後は、活用されていない。今後、県教委に対し、寮の廃止手続きが進められる。
(シカ肉、柔らかくくせもない:奈良)
シカの害に手を焼いている天川村で27日、肉を味わい、付き合い方も考える「シカと森と人の関わりを考える集い」(同村、奈良教育大共催)が開かれた。「ほほえみポート天川」に村民、学生ら約120人が集まり、村内捕獲のシカを使ったイタリア料理店のシェフ、塚本栄三さん(51)の料理を試食した。メニューは煮込み、薫製、肉巻きなど5種類。塚本さんによるとシカ肉は「野生動物の滋味がある。煮込みは牛なら3、4時間のところを2時間にしないと味が出てしまう。部位によって固さが違い区別が必要」。カロリーは牛、豚の3分の1、たんぱく質は2倍、鉄分は3倍という。奈良教育大4年、大塚麻実さんは「柔らかくくせも気にならない。前に食べた時は固く、おいしく食べるには手間が必要な肉なのでは」と話していた。試食後、横浜国大の酒井暁子准教授らが講演し、環境を守りながらシカと付き合う方法を話し合った。
(「クマの食事代に」と13万円、市に女性が寄付:岡山)
ツキノワグマの出没が相次ぐ岡山県美作(みまさか)市に、県内の85歳の女性から「クマの食事代に」と13万円の小切手が届いた。市は25日、女性の意向をくんで、クマが食べるドングリがなるブナ科の苗木を購入して植樹することにした。女性から、最初の手紙が届いたのは15日。「冬眠できないで命をかけて下山する熊達を助けてあげてください。無策の地方自治体の責任を熊に押しつけないでください。雄大な中国山脈を広葉樹林の美しい熊の山に育てていただきたい」とつづられていた。美作市は副市長名で、農林業や人への被害の恐れがあることなどを説明する返事を出した。すると女性から23日、書留で小切手が送られてきたという。苗木は12月初旬、市幹部が市有地の林に植える。安東美孝市長は「今年、山を下りてきているクマには間に合わないが、女性の意思を尊重したい」と話す。岡山県内でのクマの出没件数は昨年度の6倍を超える179件にのぼり、うち美作市が129件を占める。捕獲件数も県内57件中、美作市が44件と最多。県は、地元の要望を受け、同じクマが2度捕獲された場合は殺処分する対策を始めている。
(「熊野きじ」売り出しへ生産組合設立:和歌山)
高麗キジとシベリア地方のキジを交配させたキジを和歌山県田辺市特産の「熊野きじ」として売り出そうと、有志らで生産組合をつくり市内で飼育する計画を進めている。市も飼育場整備に650万円を助成する方針で12月定例会に提案する。「熊野きじ」は、白浜町に住む川辺真二さん(66)が同市中辺路町近露で550羽を飼育している。川辺さんは2002年、知人からシベリア地方のキジの卵を譲り受け、ふ化させたキジと従来から飼育していた高麗キジと交配させた。生まれた紫色のキジを「熊野きじ」と名付け、加工販売している。計画では、川辺さんら5人で12月に生産組合を発足させ、市内に新たに5千羽飼育する飼育場を建設する。熊野きじの肉はあっさりとした味で、卵は濃厚な味という。川辺さんは「熊野の特産品として売り出していきたい」と話している。市は、地域資源を活用した山村振興のための施設整備に助成する県の山村地域力再生事業費補助金を活用し、650万円を助成する。

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