<射撃ニュース12月>

12/10
(衣料品店2階に180キロのクマ:宮城)
9日午前10時40分ごろ、川崎町前川の衣料品店「トータルファッションおおくぼ」の2階にクマが侵入し、30分後、猟友会に射殺された。大河原署によると、クマは体長150センチ、体重約180キロで7~8歳と見られる。人に被害はなかった。クマは飲食店や美容室が並ぶ町役場近くに出没。衣料品店は棚が倒され、マネキンが壊されていた。店長の大久保雄一さん(63)は「あんな大きいのは初めて見た。逃げるので精いっぱいだった」と振り返った。クマを射殺・解体した猟友会の大宮喜久江さん(60)は「胃の中はカキだけだった。かわいそうだが、町に入ってきたら仕方ない」。県自然保護課によると、今年度の県内でのクマの出没件数は9日時点で535件と、前年度の約2倍になっている。担当者は「夏の猛暑の影響でえさが少なく、人里に下りてきたのでは」とクマ出没増加の原因を語った。
(クマに作業員が襲われ重傷:秋田)
9日午後0時半ごろ、北秋田市森吉桐内沢の国有林で、同市阿仁笑内(おかしない)笑内、臨時作業員、中嶋清蔵さん(70)がクマに襲われ、頭に重傷を負った。秋田県警北秋田署によると、中嶋さんが杉の生育状況や本数などの調査中に体長約1.3メートルのクマが現れ、逃げようとして後ろから頭をかまれたらしい。
(クマ出没、やっと終息?:富山)
ツキノワグマの大量出没で、12月に寄せられた出没情報は9日までに6件にとどまった。県は3段階に分かれた地域区分のうち、人間活動に最も近い被害防止地域「ゾーン3」の出没がほぼなくなり、個体の捕殺も12月初旬を最後になくなったことから、事実上の終息宣言をしている。県自然保護課によると、県内での出没情報は、11月に入ってペースがやや鈍化したものの、11月中旬に魚津市内でクマに襲われてけが人が出るなどしていた。だが、12月初旬以降は出没情報も激減しており、1日平均で1件以下に落ち着いているという。「例年では12月の1週目~2週目で冬眠のためにクマの行動域は狭まる。今年は大量出没していたが、逆にエサが少ない分、冬眠も早くなっている可能性があり、例年並みに落ち着いてきているのではないか」と同課。一方、12月9日現在で、今年のクマの捕殺数は174頭に上っていることが分かった。県内の生息数は推定値で740頭とされ、県の保護管理計画では年間の捕獲上限の目安は計88頭(生息数の12%程度)になっている。今年の捕殺数はすでに上限の2倍の176頭にほぼ匹敵しており、来年以降の2年間の保護管理計画への影響が懸念されている。
(有害鳥獣が増加:和歌山)
みなべ町でことし1月から11月末までに捕獲された有害鳥獣(イノシシ、サル、シカ、アライグマ)の頭数が前年に比べ、大幅に増えていることが分かった。イノシシの捕獲頭数では266頭で、前年よりちょうど100頭増えている。農作物にも大きな影響が出ており、小谷芳正町長は「来年度予算で狩猟免許の補助も検討したい」と対策を進めている。ことし11月末現在の有害鳥獣の捕獲数をみると、イノシシが266頭(昨年166頭)、サルが42頭(同18頭)、シカが74頭(同62頭)、アライグマが91頭(同115頭)で、アライグマを除いて前年よりも増えている。特にイノシシやシカは大幅な増加。平成18年の捕獲数と比較すると、イノシシは81頭から266頭と3倍以上に跳ね上がり、シカも31頭から74頭と2倍以上にもなっている。町では「近年は個体数が増加しているようだ。捕獲数以上に増えているとみられる」と話し、増加の要因について県は「狩猟者が昔より少なくなっていることもある。イノシシでみると近年は民家近くまで出没し、人間が食べる栄養価の高い食べ物を食べているため死亡率が低下しているともいわれている」と説明している。農業被害も多発しており、「梅の苗を植えてもシカに食べられた」、「収穫前の稲がイノシシに倒された」、「以前は山間部だけだったが、近年は海岸部でもイノシシが出没するようになった」などという声も聞かれる。町は農作物を守るため、捕獲したイノシシ、シカに対して1万円、サルに2万円、アライグマに3000円の補助金を出しているが、本年度は当初に予定していた278万円の予算を上回り、今議会の補正で192万3000円を追加し上程した。
(イノシシ駆除集中的に実施:香川)
イノシシによる農業被害が続く香川県三豊市はこのほど、地元猟友会とイノシシ対策を協議し、被害発生時の優先的な駆除などの協力体制を確認し合った。同市では、イノシシが田や果樹園を荒らす農業被害が年々増加。それと同時に捕獲数も増え、猟期外の4月1日から11月14日に市の許可を得た猟友会が捕獲した数は、昨年度146頭から本年度252頭と約1・7倍に拡大している。また、先月にはイノシシが絡む交通事故や民家を荒らす被害も発生している。先月15日から猟が解禁となったが、依然、イノシシ被害が目立つことから市は猟友会に協力を依頼。この日は市役所で市内の猟友会2団体の代表と市職員が効果的なわなの選定を話し合い、時期を決めた集中的な駆除をすることを決めた。 市は、駆除経費に対する助成も検討することにしている。
(山に生きる、猟師は今)
「山を歩くのが年々きつくなっている。私もあと2、3年かな」。県猟友会長の阿部多一さん(78)が苦笑した。狩猟歴約50年。その間に県内の猟師は4分の1以下に減った。阿部さんが所属する相馬支部会員は現在約90人。ほとんどが還暦を越えている。「わざわざ山に入るほど、若い人は魅力を感じない。銃規制が厳しくなり、手続きが面倒でやめてしまうベテランも増えた」という。狩猟免許は、わなや銃など4種類あり、都道府県の試験に合格すると取得できる。20年前まで銃を中心に保持者が1万人を超えていたが、現在は半分以下。県猟友会員は76年の1万6871人をピークに、今年4月には3792人に減少。半数が60歳以上で、50代も含めれば9割を超す。昨年12月施行の改正銃刀法では、銃の狩猟免許を持つ人に、猟期前の射撃場での技能講習▽免許更新時の精神保健指定医らの診断書提出▽75歳以上の認知機能検査--などが新たに義務づけられた。「なぜ生き物を殺すのか」「命を大切にしろ」--。福島市にある県猟友会の事務所には、動物保護団体の抗議がよく来る。5分置きに延々と電話を掛けてきた団体もあり、猟師の自宅に直接掛かることもある。猟に嫌気が差す人もおり、同会は「こんな時代に猟師になりたい人はいない」と嘆く。阿部さんは「山や動物のお陰で猟師は生かされている。放鳥や山の手入れをしながら恵みを頂いてきた。命の大切さは人一倍分かっている。理解されないけどね」と話した。猟師の減少と反比例し、イノシシやサルの食害など県内農作物の鳥獣被害は90年代から増加。イノシシが地面で体に泥をつける「ぬたうち」で、作物の踏み倒しや田畑の破壊も多い。県のまとめでは、08年度の被害は300ヘクタール以上、1億8180万円に達した。福島市ではサルによる果樹被害が深刻だ。同市郊外では毎年1割近く増えていると言われ、現在は2000~3000頭いるとみられる。市は07年、捕獲計画を策定し、頭数抑制に乗り出した。捕獲作業を担う「被害対策専門員」の猟師(73)は毎日車で100キロ以上を走り、山中に設置した40カ所のわなを回る。「いくら捕まえてもきりがない。休みは元日だけ。捕獲後に山に戻せば農家から責められ、殺せば愛護団体から怒鳴られる。報われない」と肩を落とす。尾瀬ではシカが95年の初確認以降増え、現在は推計300頭。木の皮がはがされたり、高山植物が食べられたりして湿原などへのダメージが深刻化。阿武隈山系では、生息域が南部中心だったイノシシが北部でも見られ、いないとされたクマも目撃されるようになった。生態系のバランスが崩れ、自然環境への影響も出ている。県循環型農業課は「鳥獣被害の増加原因は、自然林の減少などさまざまだが、猟師の減少も大きな要因。このままでは農業も自然も取り返しがつかなくなる」と懸念する。
(野鳥からの感染の可能性、鳥インフル専門家検討会)
検討会では12月2日の現地調査で確認された事項が報告された。発生農場については▽農場主、経営者に発生国への渡航歴はないこと、▽鶏舎の防鳥ネットは一部が破れたり編み目サイズが比較的大きかったこと、▽発生当初に鶏舎内に小型の野鳥が侵入していたことなどが確認された。また、農場周辺の環境については▽中海に近接しその周辺はもっとも水鳥が多く集まりやすい場所であること、▽今回の発生時期が中海への渡り鳥飛来時期に一致していたことなど確認された。こうした現地調査結果に加え、今回分離されたウイルスが今年10月に北海道の野生のカモから分離されたウイルスと極めて近いことが判明していることから、検討会では渡り鳥によって中海など発生農場周辺にウイルスが運ばれ、それが野鳥や野生動物などによって鶏舎内に侵入した可能性があるとした。検討会は引き続き感染源と感染ルートについて調査を進める。

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12/9
(「金メダルどれだけ重いか」中山、協会正常化求める)
中国の広州で11月に開催されたアジア大会のクレー射撃女子トラップで日本女子初の金メダルを獲得した中山由起枝(日立建機)の祝勝会が8日、東京都内で開かれた。日本クレー射撃協会が内紛状態にあるため、日本オリンピック委員会(JOC)が女子2選手のみを直接推薦し派遣。異例の事態の中で優勝した中山は、「納得できない選手選考や競技に集中できない状況が続いている。この金メダルがどれだけ重いか分かってもらえれば幸い。協会がいい方向に行くよう切に願っている」と訴えた。祝勝会を主催した新執行部の福城一信専務理事は「選手にとばっちりを与えてしまい、申し訳ない」と述べた。日本協会は麻生太郎前会長(元首相)を支持する旧執行部と、平井一三会長の新執行部が対立。祝勝会は新執行部が開催し、民主党の小沢一郎元代表の祝辞が読み上げられ、同じく民主党の北神圭朗氏が出席するなど反麻生色を強く出した。新執行部によると、JOC関係者は招待を断った。
(アジア大会「金」の中山の祝勝会、内紛の協会に苦言も)
新旧執行部の対立で内紛状態にある日本クレー射撃協会は8日、広州アジア大会のトラップ女子で金メダルを獲得した中山由起枝(日立建機)の祝勝会を東京都内で開いた。同協会は日本オリンピック委員会(JOC)から加盟団体の資格を留保されており、中山は協会派遣ではなく、JOC派遣という異例の形で大会に出場した。中山は「明るい話題を持ち帰るには、銀や銅ではいけなかった。プレッシャーがあった」と吐露した。JOCから同協会への強化費は支払われておらず、今年5、6月の海外遠征は所属先が負担したという。この日、協会から報奨金150万円を渡された中山は「執行部の新旧は選手に関係ない。競技に専念できる環境を作って」とチクリ。新執行部の平井一三会長は「十分なことをしてあげられず、迷惑を掛けた。この金メダルには重みがある」と平謝りだった。
(拳銃暴発しロッカー貫通、12月で2件目:愛知)
8日午前9時ごろ、名古屋市熱田区伝馬1丁目の愛知県警自動車警ら隊庁舎で、拳銃の保管作業をしていた地域総務課の男性巡査部長(44)が拳銃を暴発させた。弾は金属製ロッカーを貫通したが、けが人はなかった。県警は銃の取り扱い方法が適正だったか、原因を調べている。県警での拳銃暴発は稲沢署での事案に続き、12月に入って2件目。同課の福手憲彦次長は「暴発事案を重ねて発生させ、誠に遺憾。取り扱いや保管・管理について、更に徹底を図る」と話した。同課によると、巡査部長は24時間勤務を終え、上司や同僚4人と一緒に、庁舎3階にある体育場兼更衣室のロッカー前で、銃の弾倉を開くボタンを押して、弾を抜こうとしたという。巡査部長は、職務質問方法などの指導を担当していた。
(サルに引っかかれ中学生けが:愛知)
岡崎市は7日、額田地区の中学校の2年生の男子生徒が、サルに左足のひざを引っかかれて軽いけがをしたと発表した。同市によると、6日午前9時ごろ、生徒が同市宮崎町のバス停でバスを待っていたところ、突然サルが背中に乗り、振り払おうとした際に引っかかれたという。同市は岡崎猟友会に協力を依頼し、捕獲に向けた檻(おり)を設置したほか、防災行政無線で地域住民に注意を呼びかけるという。
(陸前高田市議会12月定例会:岩手)
佐藤信一議員は年々増加している農林業への鳥獣被害対策について質問。細川文規農林水産部長は「シカやサル、イノシシなどによる被害は全国各地で増加傾向にあり、対策に苦慮しているところ。本市ではシカ対策に防護網を設置するなどしているが、有害捕獲の中心となる猟友会会員の減少と高齢化により、狩猟者の確保が大きな課題となっている」と説明。さらに、「本年度はハクビシン対策として高田猟友会に委託して有害駆除したところ、10月までの4カ月間でアナグマやタヌキを含め157頭捕獲した。今後も防護網設置と合わせて対策を講じていきたい」と答えた。
(鳥獣害軽減めざして、ハンター増員対策費:和歌山)
仁坂知事は8日の県議会で、農作物の鳥獣害軽減をめざし、高齢化などで減少する狩猟者(ハンター)を増やすための対策費を来年度予算に盛り込む方針を明らかにした。一般質問では、商業ベースにのらない高齢者の家庭菜園の農作物も被害を受けていることを指摘。仁坂知事は「有害鳥獣捕獲と防護策設置支援の両面から取り組んできたが、被害は減らず、現場から深刻な声があがっている。このため、県として『守る』から『減らす』に方針転換した」と説明。そのうえで、「最近は銃の所持規制が厳しくなり、(ハンターの)後継者難もある。抜本的に強化をはかる必要がある」とし、来年度予算に対策費を組み込む方針であることを示した。
(カラスが乳房攻撃、乳牛死ぬ:岡山)
乳牛が乳房周辺をカラスに攻撃され、死ぬ被害が県内で起きていることが、8日の県議会一般質問で取り上げられた。今年は少なくとも5頭が失血死しており、県は県民局単位でのカラス一斉捕獲といった対策の検討を始めた。11月末に県が市町村に行った今年の鳥獣被害の聞き取り調査で、勝央町で4頭、奈義町で1頭の被害を確認。いずれも乳房近くの静脈がつつかれ、破れていた。おかやま酪農業協同組合(津山市)によると、従来も牛の飼料のトウモロコシを狙って牛舎に入り込んだり、牛の背中をつついてけがをさせる例はあったが、失血死の報告はここ1〜2年という。同組合は「カラスが増えているのが原因ではないか」とみる。カラスは好奇心旺盛で気になるものがあるとつつく習性を持っているといい、東京大総合研究博物館の松原始特任助教(動物行動学)は「あるカラスが始めた行為を、ほかもまねをしている可能性がある。牛舎に入らないように防鳥ネットを張るといった対策が必要」と話している。同様のカラス被害は北海道でも起き、酪農家は乳房周辺を布で覆うといった対策を講じているという。

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12/8
(警官、妻に腹を立て「32口径の拳銃撃った」:大阪)
自宅で違法に拳銃と実弾を隠し持っていたとして、銃刀法違反容疑(加重所持)の疑いで逮捕された大阪府警箕面署巡査部長の池田周史容疑者(48)=同府茨木市=が「家族の前で32口径の拳銃を撃った」と供述していることが7日、大阪府警への取材で分かった。呼びかけても応じなかった妻に腹をたて、妻と娘2人の前でテレビ台に向けて発砲したという。府警は自宅の家宅捜索を続け、供述の裏付けや拳銃の入手経緯を調べる方針。監察室によると、これまでに自宅から真正とみられる拳銃4丁と実弾約200発を押収。池田容疑者は「22、32、38口径の回転式拳銃と古式銃を亡くなった実父から遺品として譲り受けた」と供述しており、府警は鑑定を進める。
(自宅から多数の銃を押収、警官の銃刀法違反事件:大阪)
大阪府警箕面署の巡査部長、池田周史(ちかし)容疑者(48)が銃刀法違反(加重所持)容疑で逮捕された事件で、府警は6、7の両日、大阪府茨木市の池田容疑者宅を捜索。拳銃4丁とモデルガン40丁、多数の実弾とみられるものを押収した。また、池田容疑者が「モデルガン6丁を改造した。改造銃で空き缶などを撃ったこともある」と供述していることも判明。府警は押収品を鑑定し、実弾の発射能力などを調べる。府警によると、拳銃とみられる4丁は1階自室の机の引き出しから発見。一部は実弾が装填(そうてん)されていた。モデルガンは物入れにあった。
(猟友会、広域捕獲隊を発足:栃木)
県内でクマやイノシシなどによる農作物被害が増加する中、県と県猟友会は地域の枠にとらわれず市町の要請に応じて駆除活動に取り組む「広域捕獲隊」を発足させた。猟友会の会員数が減少を続け、今後支部単独で有害鳥獣駆除の要請に応えられないことが予想され、同隊の編成に踏み切った。10月下旬、県北地域で猟友会の男性会員2人が忙しく軽トラを走らせ出没しているクマを捕獲するため仕掛けたわなを確認して回った。2人とも60代以上。今年はクマやイノシシの出没が多く自治体からの要請で1日に4、5回出動したことも。しかし、平日集まれるのは数人で自営業者らに限られた。会員の減少や高齢化などが理由だ。かつてはこの地域で、散弾銃などを扱える狩猟第1種免許を所持する会員数が約300人を超えたが、いまは約50人までに減少した。男性の一人は「このまま会員が減少すれば、適正な駆除活動ができなくなってしまう」と嘆いた。県猟友会会員数はここ10年で約10%ずつ減り続け平成21(2009)年度で約2750人と昭和53(1978)年のピーク時と比べて5分1以下にまで減少している。平成21年度の各支部別会員数をみても前年度に比べ22支部のうち、20支部で減少。日光、小山の両支部では前年比で20人以上の減少となった。一方で野生鳥獣による農作物被害は年々増加、イノシシだけでも被害は1億円台に上り深刻化している。県猟友会事務局などによると、高齢化や若者の趣味の多様化に加え、銃規制が強化されたことなどが会員数の減少に拍車をかけている。特に、第1種免許所持者は激減、銃の更新などの手続きが複雑化し免許を手放すケースも相次いでいるという。また支部ごとの会員数の偏りもあり、第1種免許については所持者が十数人という支部も。広域捕獲隊は自治体などからの要請に対し支部が対応できない場合に県猟友会が隊を出動させ有害鳥獣の捕獲や駆除にあたる。隊員は各支部推薦の39人。第1種銃猟とわな猟の免許を所持し、狩猟経験10年以上-のベテランらで構成する。すでに研修会なども行われており来年度から活動を開始する方針。県猟友会は「野生鳥獣の生息範囲は年々広がり複数の市町にまたがり各支部単位の効果的な捕獲が困難になっている。広域捕獲隊で広域的な捕獲活動を進め地域に貢献したい」と話している。
(シカ誘導し一網打尽、大型捕獲網装置を考案:福井)
夜間にシカをおびき寄せ一網打尽にする大型捕獲網装置が、小浜市で考案された。考案した地元猟友会員は、少人数で簡単に設置でき、生息密度の高い地域への移動が可能で捕獲率が高いという。シカの農産物被害で悩む農家が多く、「救世主になるのでは」と期待されている。考案者は、県猟友会小浜支部会員で専業農家の山本益弘さんと上見良一さん。効率的で安全な捕獲方法の講習を聴き、兵庫県森林動物研究センターの捕獲方法を視察するなどして模索。その結果、捕獲網(縦17メートル、横22メートル)を高さ3メートルの支柱計16本にかけ固定し、その中にトマトなどのエサを置き誘導、網を落下させて捕獲する案が浮かび上がった。支柱と網は磁石でつなぎ止め、通電すると磁力がなくなり外れる仕組みで、夜間に暗視カメラを設置して監視、シカが入ったのを確認して通電する。設置費は約100万円という。8月から7回の実験で、最高10頭を捕獲、平均して4、5頭と効果は上々。実験は継続中で、市は「夜間に捕獲する画期的な方法」と評価、普及に向け支援を検討している。小浜市の鳥獣による被害は、農作物で1740万円(平成20年度)で、このうちシカが818万円と全体の約47%を占めている。
(シカ駆除ネット、遠隔操作で捕獲:奈良)
県南部などで森林被害をもたらしているシカを駆除しようと、県は、新型の捕獲装置「ドロップネット」を10基導入する。9日に追加提出する一般会計補正予算案に1千万円を計上した。森林整備課によると、県南部では木の皮や生えたばかりの芽をえさとするシカの食害で、年間100~200ヘクタールの森林で木が枯れるなどの被害が出ている。県は年間8千頭の駆除を目標にしているが、狩猟者の高齢化などで3千頭余りしか駆除できていないため、兵庫県の研究機関が開発したネットの導入を決めた。ネットは18~24メートル四方の網を3メートルほどの高さに固定。その下にえさを置いてシカをおびき寄せ、遠隔操作でネットを落として捕獲する。補正予算案が可決され次第、五條市や吉野町など食害が深刻な地域10カ所で仕掛け始めるという。担当者は「効率の良いネットで捕獲数を増やしたい」と話す。補正予算案は総額43億6667万円。国道169号高取バイパスなどの道路改良事業(11億615万円)▽奈良公園の園路整備(1億6630万円)▽佐藤薬品スタジアムのメーンスタンド改修など(7800万円)も盛り込んでいる。
(イノシシの害を食い止めろ!檻を作る研修会を開催:静岡)
深刻化するイノシシによる農作物の被害を食い止めようと森町有害鳥獣対策協議会と森町経営者会は、イノシシ捕獲用の竹製檻(おり)を作る研修会を開いた。全国各地でイノシシによる農作物の被害が拡大する中、今年の森町のイノシシの捕獲数は、前年から約2倍増えて182頭に上っている。研修会には、地元の農業関係者ら約70人が参加した。竹や間伐材を利用し、イノシシ被害対策に効果がある捕獲檻を考案した愛知県岡崎市岡崎猟友会の成瀬勇夫さんを講師に招いた。参加者たちは、成瀬さんのアドバイスを受けながら竹を組み、高さ2・5メートル、幅1・7メートル、奥行き2・5メートルの大きな檻を製作した。檻の耐用年数は4、5年といい、「経費も安く済むので、設置を検討したい」と話す参加者もいた。
(野生のイノシシが肉屋を襲撃、そのままソーセージに加工される:ドイツ)
ドイツの小さな町・グレンツハウゼンで6日、周辺の森を徘徊していた重さ130キログラムの野生イノシシが肉屋を襲い、5000ユーロ(約55万円)の被害が発生した。海外ニュースサイト「digitalspy」はこの騒動を大々的に報じており、凄まじいイノシシの攻撃を写真付きで伝えている。肉屋の主人ライナーさんは「あんにゃろうめ!イノシシが急に押しかけてきたので、俺はお客さんを外に逃がしたんだ。イノシシは1時間くらい店の中を引っ掻き回しやがった!あんにゃろう!猟師が銃で撃って何とか助かったけど、そのままソーセージらしてやったぜ。ギャハ!」と話をしている。なお、野生動物の被害は保険適用外のようで、かなり痛い出費となってしまったようだ。しかし、主人も言っているようにこのイノシシはそのままソーセージや他の肉に加工され、ポークグーラッシュ(ハンガリー風シチュー)は13ユーロ、肉そのものは1キログラム22ユーロで販売されたという。損害金額の5000ユーロには遠く及ばないが、少しは修繕費のタシになったようだ。

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12/6
(クマに襲われ、狩猟中の男性が重傷:北海道)
5日正午ごろ、上川管内上川町東雲の別取山付近の山中で、旭川市錦町12、無職福士雅憲さん(60)がクマに襲われ、顔面陥没骨折、左手小指切断などの重傷を負った。旭川東署によると、福士さんは午前7時ごろ、息子(32)とエゾシカ猟のため入山。クマと遭遇したためライフル銃で撃ったが、傷を負ったクマが福士さんに襲いかかったという。息子がクマを射殺し、携帯電話で知人を通じて110番通報した。クマは体長2メートルの雄で、息子にけがはなかった。
(イノシシ北上、岩手県境到達か:宮城)
イノシシの北上が岩手県境に達している懸念が強まっている。県内最北の栗原市が今年10月にイノシシによる農業被害を初めて県に報告、岩手県最南の一関市ではすでに有害鳥獣としてイノシシの駆除申請が出され、許可された実績があるからだ。栗原市がイノシシの農業被害を報告したのは宮城県が北部地域の自治体関係者らを招いて今年10月に開いたイノシシ対策に関する打ち合わせ会議。9月の県特定鳥獣保護管理計画検討・評価委員会イノシシ部会で、それまで仙台市が北限とされてきたイノシシの生息域が加美町まで北上した可能性が指摘されたのを受けて初めて開かれた。会議には県から自然保護課や農産園芸環境課、地方出先機関の担当職員、栗原市▽大崎市▽岩沼市▽大和町▽大郷町▽富谷町▽色麻町▽加美町▽大衡村-の9市町村の担当職員らが出席し、イノシシについて現状報告があり、今後の対応策について意見を交換した。仙台より北の自治体は岩沼市を除く8市町村。こののうち7市町(大衡村を除く)で複数のイノシシの目撃情報があったと報告。昨年、イノシシによる農業被害が初めて確認された大和町は今年も水稲とジャガイモで広さ200~300平方メートルにわたり被害があったことを明らかにした。栗原市の担当者は2、3年前からイノシシの目撃情報があり、今年7月に同市西部の文字地区でビデオ撮影されたジャガイモ畑ともち米のほ場の被害状況が県と協議した結果、イノシシによるものとほぼ断定されたことを報告、農業被害の拡大に懸念を示した。県境を接する岩手県一関市の農地林務課によると、奥羽山脈沿いの市西部の水田でイノシシの踏み荒らしの農業被害で平成21年度は県に有害鳥獣駆除を5件申請。今年度から権限委譲で許可申請を受ける立場になり、春先に3件の申請を許可した。ただ、これまでに捕獲実績はなく、イノシシの本格的な県境を越えた北上には慎重な見方だ。川名一彦自然保護課長は今回の打ち合わせ会議を受けて「イノシシは予想以上に北上をしているようだ。イノシシによる農業被害は深刻なだけに関係市町村と協力して実効性ある対策を考えたい」としている。
(ニホンザルを山へ「追い上げ」:宮城)
仙台市は、ニホンザルの群れを人里から遠ざける今冬の「追い上げ」を行っている。農作物や人家への被害を防ぐために秋保地区などで年2回、大規模に行っている対策で、今年は1~8日までに4回実施する。今年の市内の農作物への被害件数(4月~9月末)は93件で、農家は頭を抱えている。市は、ニホンザルの群れを威嚇して行動範囲を狭めることで、人と野生動物の共生を図ろうとしている。 「バン、バン、バン」。銃声に似せた花火の音が1日午前、仙台市太白区秋保町馬場の山中に響いた。ニホンザルの群れを威嚇して目的域に誘導する「追い上げ」だ。野生のサルから農作物を守る活動の一端を見ようと追い上げに同行した。午前の追い上げ対象になったのは、秋保地区の人里近くに生息する二つの群れのうち、「秋保大滝B」と名付けられた群れ。10頭(今年8月末現在)で行動しており、以前捕獲した2頭の首に発信機を取り付けているという。追い上げを実施するのは、市職員のほか、市から委託された宮城・野生動物保護管理センターの職員、猟友会のメンバーら計26人だ。早朝、ふもとで発信機の位置を探知機で確認し、群れがいる場所を予測。地形や群れの行動の特性などを考慮し、計画を策定した。午前10時、役割ごとに数人ずつに分かれ、それぞれ山に入った。高さ約2メートルの枯れ木をかき分けながら山の奥に進んでいく。植物のとげが体に刺さり、痛い。探知機を空にかざしながら進んでいく。「ピッピッピッ」。発信機に近づくと音は大きくなる。職員の一人が、群れがいると思われる位置を地形図に書き込んでいく。無線で各ポイントにいる担当者と連絡を取りながら群れの誘導方向を検討する。方向が決まると数カ所のポイントで花火の音で脅しながら山奥に群れを誘導していく。人里に近いポイントには、猟友会のメンバーが待機。ニホンザルが人里に逃げ込むのを防ぐのが役目だ。ニホンザルが出てきた場合は空砲などで威嚇することもあるという。約1時間、ポイントを変えながら花火音を鳴らしていくと、群れは約2キロ山奥へ移動していた。追い上げに10年間携わっている同センターの宇野壮春代表(31)は「追い上げは継続しなければならない。調査、分析を積み重ねて地域によって異なる対策を見つけている」と話した。数時間の同行だったが、野生動物の行動をコントロールする難しさを感じた。野生動物による農作物の被害は、イノシシやクマでも目立っている。県自然保護課によると、今年は春先の低温と夏の猛暑で、クマなどの餌になるブナの結実が皆無で、野生動物が人里に下りてくる原因になっているという。また、最近は地球温暖化の影響で積雪が減り、シカやイノシシなどの行動範囲が広がったことも影響しているとみられる。イノシシは、農作物の根まで掘り起こすため被害が大きい。これまで丸森、白石、角田地区の被害が多かったが、最近は大河原など周辺地域にも被害が広がっているという。同課では「被害が大きかった地域で捕獲や対策が進んだことで、他の地域に被害が移っているとみている。今後は県北に拡大していくのではないか」としている。クマは人里に下りると、家畜飼料のトウモロコシや野菜、果物を食い荒らす。農作物だけではなく、人にも危害を加える恐れもある。専門家によると、ブナの実が凶作の年はクマの出没件数は増えるという。今年は夏から秋にかけて、県内では毎月100件を超える目撃情報が寄せられた。目撃情報が670件あった06年度の農作物被害額は2995万円に上っており、今年度も被害拡大が懸念されている。
(熊に襲われ女性軽傷:福井)
3日午前6時半ごろ、鯖江市大野町の女性会社員(39)が自宅の畑で、突然竹やぶの中から現れたクマに襲われ、頭をひっかかれた。女性は病院へ運ばれたが、頭や右手などに軽傷。通報を受けた同市の職員らが現場付近を調べたところ、親子のクマの足跡を確認した。同市では、米ぬかや生ごみなどのあるコンポストに誘われて出てきたとみている。女性の家族が数日前にコンポストが荒らされているのに気づき、2日夜には親子のクマ3頭を目撃していたという。同市は、職員や地元猟友会員らによるパトロールを行い、捕獲用おり3台を設置するとともに、片上小学校、片上地区の住民に注意を呼びかけた。現場はJR北陸線北鯖江駅から西へ約3キロ離れた集落。県内で4月以降のクマによる被害は7件8人となった。
(クマ雄1頭、殺処分:山口)
県は4日、周南市馬神の空き屋の近くで、雄のツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。住民への被害防止のために殺処分された。県自然保護課によると、午前7時ごろ、わなにかかっているのを猟友会員らが見つけた。今年度のクマの捕獲は56頭目。うち36頭を殺処分した。
(名産ミカンがイノシシ被害:広島)
広島県内有数のミカン産地の呉市豊町で、イノシシの被害が収穫予定量の約1割に達している。JA広島ゆたかによると、農家の高齢化で防護柵などを十分手入れできず、夏の猛暑による餌不足も重なったという。果樹が折られるケースもあり農家の悩みは深い。豊町沖友で11月下旬、イノシシが侵入した畑で1本の木の果実が食い尽くされ、8本の枝のうち4本を折られた。石垣の一部も崩れた。畑の持ち主で同JAの楠律夫代表理事常務(61)は「木がやられると回復に数年かかる」と唇をかんだ。豊町では2000年ごろから被害が発生。03年、農家の約7割が共同で山あいの畑に防護柵を作った。鉄製で高さ約1メートル、延長約35キロ。高地の畑はさらに個別に囲い、補修も毎年続けてきた。ただ、1カ所でも柵が破られると多くの畑が被害に遭う。広島大大学院生物圏科学研究科の谷田創教授は「農家が軒並み高齢化し、傾斜地で体力が必要な柵の点検などに手が届かなくなっている」と現状を分析する。今夏は記録的な猛暑も重なった。「山頂近くは水も食べ物も少なく、水分があり栄養価も高いミカンは格好の餌になる」と楠代表理事常務。人里近くの畑でも8月ごろから青い果実が狙われ、出荷直前の9月に急増した。農家は9月から11月末までに、新たに平地の畑用に延長18キロ分の防護柵を設置した。しかし、すべての畑を囲うのは難しく、例年は出荷量の数パーセントにとどまる被害が約1割に拡大したという。
(海賊イノシシ、島泣かす)
瀬戸内海の島々に近年、イノシシが海を泳いで渡り、海賊のように荒らし回っている。ミカンの木の根を掘って枯らしたり、サツマイモ畑を全滅させたり。高齢化が進む島の農家の被害は深刻だ。昨年11月下旬、愛媛県今治市の大島近くの海で、釣り船の船長、赤松美佐男さん(42)=広島県尾道市=は、思わぬ光景を目にした。海面にとがった鼻先を突き出してスイスイと泳ぐ3頭のイノシシ。釣り船を始めて十数年、海を渡るイノシシは初めてだ。網でつかまえようと追うと、巧みにターンしてかわされた。数百メートル離れた大島の浜へ上陸すると、山の中へ姿を消した。「泳ぎはものすごく達者だった」と赤松さん。今治市によると、大島では5年ほど前からイノシシが出現し、特産の温州ミカンなど果樹の枝を折ったり、実を食べたりする農作物被害が出始めた。昨年度のかんきつ類の被害額は約300万円。この5年で3倍に増えた。駆除した頭数も、2005年度に7頭だったのが、今年度は10月までで81頭を数えた。近くの大三島でも昨年度、かんきつ類に約1千万円の被害が出た。全長1万メートルを超す防護柵で集落を囲った地域もある。被害は、瀬戸内海の東側でも出始めた。香川県の小豆島では昨年、初めてイノシシを捕獲した。今年に入ってオリーブ畑が掘り返されたり、タケノコが食べられたりする被害が増え始めた。小豆島の西約10キロの香川県直島町の直島では今春から秋にかけ7件の目撃情報が相次いだ。町は今月中にも箱ワナによる捕獲に乗り出す。島はどこも高齢化が進んでいて、対応に悩んでいる。人口600人ほどで、65歳以上が65%に達する尾道市の百島(ももしま)。一人暮らしの女性(83)は今年、ミカンの木9本のうち2本の根元を春先から繰り返し掘られ、枯らされた。「甘いミカンが一番たくさんなる木じゃった。他の木もイノシシやカラスに一つ残らずミカンを食べられ、涙が出た」島ではこの夏、60~70代の有志十数人が駆除班を結成し、約30カ所にワナを仕掛けたが、捕獲できたのはまだ数頭。区長の一人、旗手(はたて)牧雄さん(72)は「怖がって農業をやめようかというお年寄りも多い。これ以上増えたら、島はどうなるのか」と話す。尾道市の担当者は「島の過疎化や高齢化が進んで山が荒れ、耕作放棄地も増えた。絶好のすみかになっているのではないか」と指摘する。イノシシたちはいったい、どこからやってきたのか。1980年ごろからイノシシが出没していた広島県大崎上島町の大崎上島では、「本州側から泳いで渡ってきた」「飼育されていたのが野生化した」などの諸説があるという。瀬戸内しまなみ海道の橋で結ばれている島々では、港や海岸に泳ぎ着くイノシシの目撃情報が多い。今治市の担当者は「最も広島県寄りの島から被害が始まったことなどから、広島から海を渡ってきたと考えている」と話す。小豆島では、島の南側の海を泳ぐイノシシがよく目撃されている。対岸の四国側の岬から島の南端まで最短で約6キロで、四国から渡ってきた可能性も考えられるという。
(ツキノワグマ初めて捕獲、えさ求めて移動?:山口)
これまで萩市の佐々並や明木地区が生息域の西端だと考えられていたツキノワグマが、そこからさらに西に15~20キロ離れた美祢市秋芳町嘉万で見つかった。県は、えさ不足のため、本来の生息域を離れた地域まで移動してきた可能性があるとみている。県によると、1日午後4時ごろ、イノシシ用のわなに雌の成獣がかかっていた。県や美祢市が協議し、県西部に生息域を広げてしまわないよう、猟友会員が2日、射殺した。
(サル食害“里守り犬”が解決:山梨)
富士川町は農作物の食害を防ぐため、サルやシカを追い払う「里守り犬」の育成を進めている。同町の平林、穂積の両地区で活動する予定で、町は「犬猿の仲」とされる犬の活躍に期待を寄せている。町農林振興課によると、訓練を受けているのは甲斐犬3匹と雑種1匹の計4匹。訓練後は町内でサルによる農作物の被害が出ている平林、穂積の両地区で活動する。町では今後、サルに着けた発信機の電波を受信する専用施設を両地区に設置。電波の受信エリアにサルが侵入した場合に里守り犬が出動し、サルを追い払う。犬は町内のブリーダーから購入し、両地区の住民に飼育を委託。訓練は昨年7月からスタート。月2~3回、NPO法人地域交流センター(東京)からインストラクターを招き、両地区の空き地や駐車場で訓練を行っている。訓練は本年度中にも終了する見通し。同課は「できるだけ早く犬による追い払いを行い、農作物の被害を防いでいきたい」としている。県農業技術課によると、県内で里守り犬を導入しているのは、北杜、南アルプス、富士吉田の3市と同町、鳴沢村の5市町村。同課は「追い払うことでサルが里に寄りづらくなるという効果が報告されている。国の交付金を活用しながら、対策を強化していきたい」としている。
(クマの餌へクヌギなど植樹:寄付金で苗木購入:岡山)
岡山県北部などで餌不足が要因とみられるツキノワグマの人里への出没が相次ぐ中、美作市は5日、同市久賀の山中で、クマの餌確保へ初の植樹を行い、ドングリを付ける広葉樹のコナラ、クヌギの苗木200本を植えた。市は年明けにもクマ保護の基金を創設し、継続的に植樹を行う。苗木は「クマ保護に役立てて」と11月、同県久米南町の女性(85)が小切手で市に寄付した13万円で購入した。植樹場所は市と同県奈義町境の標高約400メートルに広がる市有林内で、市職員と市議の計約50人が参加。斜面に深さ20センチほどの穴を掘って苗木を植え、シカに食べられないように、周囲をネットで囲った。実がなるには7〜8年掛かるというが、植樹に参加した安東美孝市長は「来年以降も息長く続け、野生動物との共生を目指したい」と話した。市には1日にも、大阪府の女性からクマ保護の名目で10万円が現金書留で届いたほか、寄付を希望する電話も2件あり、市は寄付金を基金に充てる考え。
(新くくり罠を開発:長野)
伊那市美篶の機械機器製造業藤沢精機は、シカやイノシシなどの有害鳥獣捕獲用として、従来のものに比べ設置が簡単なくくり罠「アニマルヒット」を開発しました。藤沢精機が開発したくくり罠は、3種類で、使用する人の熟練度などにより使い分けます。くくり罠は、一般的にバネを含んでいる本体部分と、動物の足をつかむワイヤーを固定しておく仕掛け部とに分かれていて、罠を踏んだ動物がワイヤーにかかり身動きできなくなるしかけです。藤沢精機は、12年間、捕獲用のオリを製造販売してきましたが、くくり罠が注目され、ニーズが高まってきたことから、猟友会のメンバーからの助言や要望を取り入れて今年の初めから開発に着手し、製品化に成功しました。今回藤沢精機が開発したくくり罠は、あらかじめ別の場所でバネを圧縮しておけるプリセット機能が本体部分にとりつけられている点、仕掛け部が薄型で、地面を深く掘らなくても設置ができる点の2点が改良されています。藤沢精機では、特許庁に実用新案登録し、すでに県外からの問い合わせもあるということです。高遠町猟友会の伊藤功一さん。新しいくくり罠の開発に一役買いました。掘らずに設置できる点は、土が凍る冬場で特に有効だと話します。高遠町猟友会では、約30人の会員がいますが、現在9割以上がくくり罠による捕獲を行っています。高齢化が進む中、安全で効率的な捕獲の方法が求められています。簡単に設置できるくくり罠を開発した藤沢精機の保科社長は、「従来のくくり罠を研究し、さらに安全で簡単なものが開発できた」と話しています。この新型のくくり罠「アニマルヒット」は、すべてのタイプが8,000円で販売されます。
(クマ本当は何頭?実は不明のまま対策:秋田)
ひんぱんに人里に現れて人や農作物に被害を与えたクマが、冬眠シーズンを迎えた。大量出没の理由がさまざまに語られたが、そもそも生息数もよくわかっていない実態がある。県内では猟師による目視調査をしているが、調査方法を見直す自治体が増えている。「大物(オス5歳)」「子連れ(メス4歳)」「(胸の)月の輪がない」。秋田県から委託された猟友会員が地図を片手に山歩きをしながら、見つけたクマの特徴を書き込む。毛やツメ跡など実際に見た結果をもとに生息数を推計する目視調査だ。毎年4、5月ごろ、残雪の時期に行う。くっきり残る足跡や白と黒の色の対比からクマを見つけやすいためだ。県内を約600区画に分け、そのうち180区画で調べている。県自然保護課は、県内の生息数は2000年に入ってから800~1100頭程度で推移し、今年度は1052頭と推計している。だが、1頭のクマが複数区画で発見されて複数頭に数えられたり、見逃したりすることもあり、正確とはいえない。さらに、県の担当者は「猟友会員の高齢化や減少が目立ち、今後も継続できるかはわからない」と話す。加えて、クマは単独か母子で夜間に広い範囲で動くことが多いため、数を把握しにくい。数年に1度しか調査しない自治体も多く、「絶滅をおそれ、実際よりも少なめに見積もってきたのが実情」(環境省の担当者)だ。このため、最近はより科学的な「ヘアトラップ」法や顔識別法が試みられている。ヘアトラップ法は10県超で実施し、長野県は「1300~2500頭」としていた生息数を、この調査で「1900~3700頭」に改めた。このほか、兵庫県は07年に立ち上げた「森林動物研究センター」に、一般公募による研究員6人と庁内公募の専門員5人を置いた。知識のある職員が長期的に保護や被害対応に取り組むのが目的だ。一度捕まえたクマに印をつけて山に放し、再捕獲される割合で推計する「標識再捕獲法」を実施。100頭前後としていた生息数を見直した。また、「行動範囲の広いクマに県境は関係ない」と、島根、広島、山口の3県は合同で調べている。
(免許所持者維持へ、県が講習・試験数増:大分)
1976年度に9千人を超えていた県内の狩猟免許の所持者数が近年は5千人台で低迷している。同時に高齢化も進んだ。県は農作物や林業への被害を減らすため、有害鳥獣の捕獲数を維持しようと免許の講習会や試験の回数を増やすなどしている。県森との共生推進室によると、狩猟免許の所持者は1976年度は9370人だった。年々減少し98年度に5605人と5千人台に。09年度は5094人にまで減った。特に火薬銃を使って捕獲できる第一種銃猟免許の所持者は76年度の8567人から09年度は2634人にまで減少した。このため県は07年度から、県猟友会が主催する狩猟免許の初心者講習会の経費を年25万円補助。講習会の開催回数を08年度の4回から今年度は7回に増やした。8~10月の平日だった免許試験を土日に開くと共に回数も1回増やして3回とした。その効果もあり、76年度から徐々に増加傾向にあった網・わな猟の免許所持者数は、昨年度は2418人となり、一種免許所持者数に迫っている。県は「捕獲数を増やすためには、免許所持者数を維持しなければ。若い人や農家にも免許を持つ人が増えてほしい」と話している。県によると、イノシシが作物を掘り返したりシカが木の皮をはがしたりする有害鳥獣による被害金額は99年度で約4億5千万円。その後、2000年の約5億4600万円をピークに徐々に減りつつあるが、毎年数億円あまりの被害が発生し、09年度は約3億1300万円だった。県や市町村、農家は、電流が流れるさくやネットを畑の周りに整備するなどしている。だが例えばシカの跳躍力にはかなわず、それだけで被害をなくすのは難しいのが現状だ。県は「有害鳥獣を元から減らすためには、予防と捕獲を同時に進めなければならない」と話す。杵築市山香町内河野の食肉加工所「山香アグリ」を訪ねた。臭みのないジビエ(野生の鳥獣肉)を提供して消費拡大につなげようと代表の鶴成宏さん(67)が2009年4月、県から補助約2千万円を受けて設立。イノシシやシカの捕獲、解体、販売を一手に請け負う。ほかの猟師が捕獲した有害獣の解体を引き受けることもあり、年約500頭を食肉に加工している。鶴成さんは猟銃を使う一種とわな猟の狩猟免許を持つが、販売する獣肉はすべてわな猟でとらえたもの。「わなでとらえてすぐに血抜きすれば、肉の臭みが全くなく、軟らかい肉になる」と話す。県によると、イノシシとシカのモモ肉は牛や豚に比べて高たんぱく低脂肪でコラーゲンや鉄分も多く含まれるという。鶴成さんは「女性にはぴったりの食材」と太鼓判を押す。しっかりした販路はまだできておらず、大分市や別府市のホテル、県内の物産店などに出荷している。イノシシとシカのモモ肉スライスは小売価格100グラム500円程度。山香アグリは今秋、大分市のショッピングセンターで開かれた地産地消フェアで、里芋やニンジンなどとイノシシ肉をみそで煮込んだシシ鍋500人分を無料で振る舞った。約40分でなくなる人気ぶりで、大分市の主婦(60)は「イノシシ肉は硬いイメージだったけど、軟らかくておいしい。臭みも全くない」。県はイノシシとシカの肉を使ったコロッケやワイン煮、カレーなどのレシピを作成し、県のホームページで公開している。鶴成さんは「もっと多くの人にジビエ料理のおいしさを知ってもらい、農業を守るためにも消費と捕獲を進めたい」と話している。
(エゾシカ肉を通年で販売:北海道)
札幌の自然食品専門店「まほろば」がエゾシカ肉の通年販売を始め、4日は本店(西区西野5の3)で試食キャンペーンを行った。社団法人エゾシカ協会(札幌)によると、札幌市内でシカ肉を販売する店はまだ極めて少ないという。本店と厚別店(厚別区厚別中央1の3)で3日から、いずれも冷凍で5枚入り250グラム(1470円)と、しゃぶしゃぶ用薄切り180グラム(670円)の販売を始めた。毎月第4火曜日には割引も予定している。宮下周平社長は「シカ肉は天然のもので安全。ほかの商店やスーパーにも扱いを広げる突破口に」と語る。

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(銃砲店一斉ストへ、厳格化で売り上げ減:東京)
「東京都銃砲火薬商保安協会」(渡辺千修会長)に加盟する都内の銃砲店全18店が4~5日の2日間、一斉休業する。猟銃の所持要件が厳格化された改正銃刀法が昨年12月4日に施行された影響で売り上げが激減した苦境を訴えるためで、全国の同種団体がストライキをするのは初めて。協会は「有害鳥獣の駆除などに必要な銃まで持ちにくくなっている」と主張するが、識者からは「業界は規模を縮小すべきだ」との指摘も出ている。18店は4日朝、「ストライキ決行中」と書いた紙を張り出す。全店で売り上げが半分以上減ったといい、小沢公彦理事(62)は「客には申し訳ないが、やむを得ないと判断した」と話す。法改正のきっかけは07年12月に長崎県佐世保市のスポーツクラブで起きた散弾銃乱射事件。1人が死亡、6人が重軽傷を負った。改正法は、猟銃の所持要件に精神科医など専門医の診断書添付や、射撃場での技能講習を3年に1回の更新時に義務付けた。協会は「手続きが面倒で銃を手放した人も多い」と指摘し、有害鳥獣の駆除を行う猟友会の会員が減る懸念を示す。警察庁によると、銃の所持者はそもそも、法改正前から高齢化の影響で減少。09年は14万人で、ピークだった80年の約4分の1になったが、大日本猟友会(佐々木洋平会長)は「法改正の影響で、昨年に比べ(狩猟者の)会員が1割減るだろう」と流れの加速を予測する。一方で、規制強化に賛成する首都大学東京法科大学院の前田雅英教授(刑法)は「『国民の安全』との比較考量では、業界の利益は優先されにくい。業界は規模を縮小すべきではないか」と話している。
(公園トイレで散弾銃見つかる:東京)
東京都江東区亀戸の亀戸駅前広場公園の男子トイレで散弾銃1丁が見つかっていたことが3日、警視庁捜査3課への取材で分かった。同課によると、散弾銃の製造番号が、江戸川区内の民家で11月に盗まれた3丁のうちの1丁と一致、使用された形跡はなかった。同課は窃盗事件として捜査しており、残り2丁の行方を追っている。同課の調べでは、11月27日午後2時~5時ごろ、江戸川区に住む70代の会社役員の男性方で、ロッカー内で保管していたケース入りの狩猟用散弾銃3丁と現金約40万円が盗まれた。無施錠の勝手口から侵入され、ロッカーは自宅内にあった鍵で開けられていたという。男性は妻と90代の母親の3人暮らし。男性夫婦は外出中で、1階にいた母親は気付かなかったという。男性は銃所持の許可を受けており、保管方法に問題はなかったという。別の場所で保管していた実弾は無事だった。同課によると、亀戸駅前広場公園の男子トイレ内で2日午後、利用者がケースに入った猟銃を発見、近くの交番に届け出た。
(シカ衝突で車両保険4億円:北海道)
道東地方で、エゾシカと車の衝突による事故の車両保険支払額が、年間4億円以上になる見込みであることが、日本損害保険協会北海道支部の調べでわかった。車両保険に加入していない車の衝突事故もかなりにのぼると予想され、実際の事故被害額は、さらに多いとみられる。損保協会道支部の調査は、道東4地区(オホーツク、十勝、釧路、根室)に生息するエゾシカが車と衝突した事故を対象に、加盟13社の車両保険支払額を調べた。その結果、今年8、9月の2か月だけで171件、6732万円に上った。これをもとに、年間の車両保険支払件数・支払額を試算すると、1049件、4億1300万円に上るという。同支部は、道東地方でエゾシカと車の衝突事故の報告が増えてきていることから、初めて調査を実施した。同支部では「車両保険に加入していない場合は、報告が上がってこない。実際の被害額はもっと多い可能性が高く、10月の繁殖期には事故件数が増えるとの話もある。継続調査を行って統計の精度を高めていきたい」(広報担当)としている。今回の調査結果は、同支部のエゾシカ事故対策に生かされるほか、道が設けている「エゾシカ対策協議会」や北海道開発局など道路関係者、北海道大学など研究機関にも伝えられるという。エゾシカと車両の衝突について調べている「北海道開発技術センター」(札幌市中央区)によると、事故の被害報告は、道東地区だけでなく、最近では日高地方などからも寄せられるようになっている。シカの死骸回収件数は、道内の国道だけで年間1200件以上に及ぶという。バンパーなど車前方部やボンネット、側方部の破損が目立つ。同センターは、夜間の山間部ではスピードを落として走行することをドライバーに勧めたうえで、「アスファルトの路上ではシカのひづめの引っかかりが悪く、逃げようとしてかえって転んでしまうケースもある。シカが危険を避けて行動することをあてにせず、自ら衝突のリスクを軽減する対策を講じる必要がある」(野呂美紗子研究員)としている。
(イノシシ、市街地大暴れ:香川)
2日午前8時半ごろ、香川県丸亀市郡家町で、近くに住む無職男性(74)が散歩中、イノシシに襲われた。男性は両足や右腕をかまれるなどし、太ももを切るなどのけがを負い、市内の病院に搬送された。イノシシは直前の午前8時20分ごろにも、自転車で登校中の県立高校2年の男子生徒(16)にぶつかるなどした。はずみで男子生徒は路上に転倒し、軽いけが。また、男性が襲われた約50分後の午前9時20分ごろ、同市に隣接する同県まんのう町羽間の水路で、工事作業中の土木作業員の男性(27)が同一とみられるイノシシに突進され、指に軽傷を負った。イノシシは体長約1メートルで、丸亀市の現場周辺では午前7時半ごろから複数の目撃があった。警察や地元の猟友会が行方を追うとともに、住民らに注意を呼びかけている。
(イノシシ対策で捕獲ワナ初購入へ:香川)
田畑や市街地に出没が相次ぐイノシシ対策として、東かがわ市は、捕獲用のワナを初めて購入することを決めた。6日開会の市議会に、15台分の費用150万円を盛り込んだ補正予算案を提案する。市経済課によると、今年は農家から「田畑を荒らされた」などの声が例年より多いことから、駆除のため導入に踏み切ったという。購入するワナはおりの形をしており、中に餌などを置いてイノシシが入ると扉が閉まって出られなくなる仕組み。使用には狩猟免許が必要なため、地元の猟友会などに貸し出すことを検討しているという。市は「今年は特に被害がひどい。猟友会と協力し、ワナを使って少しでも被害を減らしたい」としている。
(鳥インフルエンザ、野鳥・ペットにも警戒:鳥取)
高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる鶏が島根県安来市で見つかった問題で、野鳥やペットの鳥への警戒も高まっている。環境省は、死んだ野鳥の監視態勢を県西部で強めるよう県に通知。県は鳥の死体に注意するよう猟友会などに呼び掛けた。一方、専門家は野鳥が感染する可能性は低いと指摘しており、野鳥やペットはあまり神経質になる必要はなさそうだ。野鳥の死体の通報を受けても、県はすべてを調査するわけではない。環境省は、感染リスクが高い野鳥をリストアップ。カイツブリ▽ウ▽サギ▽カモ▽タカ▽ハヤブサ▽クイナ▽カモメ▽フクロウ▽カラスの10科33種だ。県は、死んだ野鳥が1羽の場合、このリストの野鳥ならウイルスの保有状況を調べる。11月30日にはサギとツグミの死体を見つけたと通報があり、サギのみ簡易検査を実施し陰性を確認した。鳥インフルエンザに詳しい鳥取大農学部の伊藤寿啓教授(獣医公衆衛生学)は「ウイルスの感染力は弱く、野鳥に感染する確率は非常に低い」と指摘。県の担当者も「野鳥の死体があったら通報してほしいが、必ずしも感染しているわけではないので冷静に対応してほしい」と話している。ペットはこうした高リスク鳥のリストがない。県は、一度に複数死んだ、続けて死んだといった異常な場合は通報するよう呼び掛けている。米子市内の小学校から30日、インコ2羽が死んでいると通報があり、県は念のため簡易検査を行って陰性を確認している。
(県内で初のハクビシン捕獲:鳥取)
東南アジアに多く生息しているネコ目ジャコウネコ科のハクビシンが11月30日、若桜町で捕獲された。県内で初めて捕獲された珍獣だが、農作物を荒らす“招かざる客”。即日殺処分された。県立博物館がはく製か骨格標本として保存する。若桜駅近くに仕掛けていたヌートリア用のわなにかかっているのを30日朝、地元猟友会の猟師がみつけて町役場に届けた。県に照会してハクビシンと確認したという。

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12/2
(シカの捕獲に陸自が協力…ただし“後方支援”)
エゾシカの捕獲対策で、陸上自衛隊が協力に乗り出すことになった。自衛隊法上、鳥獣の捕獲に自衛隊が銃器を使用することはできないため、シカ生息地の確認や捕獲後のシカの集積場所造りなど“後方支援”にとどまるとみられ、協議している北海道と陸自北部方面総監部(札幌市)は近く基本合意する見込み。陸自が野生動物対策に協力するのは、全国でも珍しい。エゾシカによる農林業被害は全道で50億円に上り、道などの今年度の捕獲数は計11万5000頭と見込まれる。陸自の協力が検討されているのはこのうち、道東・白糠町での捕獲対策。釧路総合振興局などによると、同町では、エゾシカによる農林業被害は年間1億2000万円に上り、同町は今年度の捕獲目標を約3000頭としていることから、陸自の協力対象地として浮上したという。陸自の協力は、ハンターらの捕獲作業を能率的に行うため、ヘリコプターでエゾシカの生息地を確認したり、捕獲したエゾシカの死骸の一時集積所を設置したりするなどの支援に限られる見込み。道は現在、陸自との基本合意に向けて調整中で、すでに同町や地元ハンターの了解を得ているという。自衛隊法には、「災害派遣」など、自衛隊出動に関する条文があり、京都府で2004年に鳥インフルエンザ感染が拡大した際には、同法の「防疫事業」の規定を使って陸自が出動。今年、口蹄疫(こうていえき)被害が拡大した宮崎県にも出動している。しかし、同法上、自衛隊が銃器を用いて直接、鳥獣を捕獲することは不可能。同総監部は「シビリアンコントロール(文民統制)によって武器使用は制限されており、国民の理解が必要。また、自衛隊に鳥獣捕獲のノウハウがなく、安全性確保が難しいため」と説明した上で、「法の枠組みの中で、可能な協力を行いたい」としている。
(お騒がせザル“御用”:青森)
8月下旬から青森市内各地に出没し、畑の野菜や果物を食べ荒らしていたニホンザルが、目撃情報から3カ月を経て、ついに“御用”となった。サルは11月27日午後、同市高田朝日山に設置されたおりにかかった。市環境政策課によると、サルは大人のメスで人に慣れており、ペットとして飼われていた可能性が高いという。市は、飼い主が見つかるまで合浦公園のサル舎で保護している。
(街中にサル出没、国道横切りパトカーも出動:福岡)
1日午前10時45分ごろ、北九州市小倉北区竪町2丁目の北九州卸商センター協同組合の駐車場に「大型のサルがいる」と110番通報があった。小倉北署員らが駆けつけて追跡したが、約1時間半後に最初の発見場所から東へ直線で約3キロの地点で見失った。けが人などの被害はなかった。同署によると、野生のニホンザルとみられ、体長は70~80センチ程度。パトカー3台と署員12人、市職員4人で手分けして追いかけた。サルは旦過市場の屋根を伝い、車をくぐり抜けて国道3号を横切り、人通りも多い市街地を駆け抜けて消えていったという。市立西小倉小学校には午前11時40分ごろに出没。屋外での体育の授業後、校舎に戻る1年生の担任や児童が体育館の屋根を下りてくるのを目撃した。校内放送で児童を校舎から出さないよう指示し、玄関や窓をすべて閉め、児童たちは全員が集団下校した。宗岡昭弘校長は「体格はボス猿のように大きかった。落ち着いた様子だったが、人間を避けるように逃げていった」と話していた。
(イノシシ被害、493件で最多更新:福岡)
今年4月以降、イノシシに関して北九州市に寄せられた相談件数が10月末までに計493件に上っていることが分かった。片山憲一・市産業経済局長が30日の本会議で明らかにした。大石正信議員(共産)の質問に答えた。市によると、05年度以降では最も多かった08年度(461件)を既に上回っており、片山局長は「稲や野菜、果樹菜園などが被害を受けている。抜本的な方策を取る時期に来ている」と述べた。
(鶏舎の金網に野鳥入れる穴が2カ所:島根)
島根県安来市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザに感染した鶏が見つかった問題で、農林水産省は1日、死んだ鶏が見つかった鶏舎の金網の少なくとも2カ所で穴が開き、小型の野鳥が侵入できる状態になっていたと明らかにした。ウイルスが小型の野鳥によってもたらされた可能性がさらに高まった。1日に現地入りした専門家による「疫学調査チーム」が確認した。農水省は同日、全都道府県に鶏舎の防鳥ネットなどに穴がないか立ち入って確認するよう通知した。農水省によると、死んだ鶏が見つかった鶏舎の金網の網目は六角形で、直径約3センチ。疫学調査チームの委員が調べたところ、少なくとも2カ所でゆがんで広がり、スズメなどの小型の野鳥が入り込める大きさになっていたという。農水省は、鳥インフルに感染したカモなどの渡り鳥のふんなどに接触した小型の野鳥などが、この穴を通じて鶏舎内部に入り、ウイルスを鶏に付着させた可能性があるとみている。疫学調査チームは、網目が破れる前の通常の段階でも野鳥が通り抜けることができなかったか調べる方針。通常の鶏舎では、金網の外側をより網目の細かい防鳥ネットで覆うが、この鶏舎にはネットが一部しかかけられていなかったという。業界団体の自主基準で防鳥ネットの網目の大きさは直径2センチ以下。家畜伝染病予防法施行規則の基準では「ネットその他の設備を設けることでネズミ、野鳥等の野生動物の侵入の防止に努めること」とされており、島根県は施設に不備がなかったか調べている。

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12/1
(ライフル1丁紛失、佐久穂町で届け出:長野)
29日午後9時ころ、南佐久郡佐久穂町の男性公務員(57)が、「ライフル銃1丁が見つからない」と佐久署に届け出た。同署によると、男性は28日、同町内に狩猟に出掛け、同日午後2時ころ帰宅。軽トラックの荷台に置いたままにしていた銃がなくなっていることに29日午前6時ころ気付いたという。自分で捜したが見つからず、同署に届けた。弾は入っておらず、オレンジ色迷彩柄の布製カバーに入っているという。
(能登島にイノシシ、県猟友会が初の駆除:石川)
能登島でイノシシが初めて駆除されたことが、30日までの七尾市の調べで分かった。駆除された雌の幼獣1頭のほかに親子3頭がまだ島内にいるとみられ、同市東部の崎山半島から海を渡り、能登島にたどり着いた可能性が高い。市は今後、イノシシが島内で繁殖し、農地などで被害が発生する恐れがあるとして住民に警戒を求めている。市によると、イノシシは島内に住む県猟友会員の男性(50)が狩猟解禁日の11月15日、能登島長崎町の山あいの耕作放棄地で親子でいるところを散弾銃で仕留めた。能登島では昨年4月下旬、崎山半島の対岸にあたる野崎地区で雄とみられる成獣1頭が初めて目撃された。今年11月10日には野崎地区から約3キロ北に離れた祖母ケ浦地区で親子とみられる4頭とその足跡を市職員や通行人が確認した。今回、イノシシが駆除された長崎町や目撃地点である野崎、祖母ケ浦はいずれも同じ島東部の海岸沿いにあたる。市は崎山半島に生息するイノシシが約1キロの海を泳いで能登島に渡ったとみており、「今後、イノシシによる被害が発生する恐れがある」(農林水産課)としている。イノシシ狩猟は来年3月末まで続く。
(クマが玄米食い荒らす:山形)
飯豊町上原、農業伊藤寛さん(82)から、物置小屋の米がクマに食い荒らされたと30日、長井署に届け出があった。伊藤さん方では、27日夜にも玄米が食い荒らされる被害に遭ったばかり。同署によると、30日午前6時ごろ、伊藤さんが小屋に行ったところ、出入り口のドアにクマの爪痕があり、中に積んでいた玄米30キロ入り袋のうちの一つが荒らされていたという。現場は中津川小中のすぐ近く。同署は最初の被害があった翌日の28日夕、クマが近くに潜んでいることも想定し、クマよけ花火を使用したほか、パトカーを現場に張り付け、29日朝まで警戒していた。同署や地元猟友会は、相次ぐ被害に周囲の警戒をさらに強化し、住民に注意を呼び掛けている。
(ハクビシン、県内初捕獲:鳥取)
若桜町若桜で30日、ジャコウネコ科の哺乳類・ハクビシンが捕獲された。主に中国や東南アジアに生息。国内でも農作物を食い荒らす被害が相次いでいるが、県生産振興課によると、県内では被害報告はなく捕獲されたのも初めてという。体長約50センチ。この日朝、若桜猟友会長の戸井史朗さん(60)が、若桜鉄道若桜駅近くの空き地に設置していたおりに掛かっているのを見つけ、町に連絡した。おりはネズミの仲間で外来種のヌートリアの駆除用だった。ハクビシンは外来種か在来種かは不明。手足や頭が黒く、鼻筋に通る白い線から「白鼻心(はくびしん)」の名がついた。戸井さんは「約30年猟をしているが、初めて見てびっくりした。民家近くで捕まるとは」と話していた。
(鳥インフル、渡り鳥が媒介か)
島根県安来市の養鶏農家で高病原性鳥インフルエンザの疑いで死んだ鶏が見つかった問題で、農林水産省は30日夜、専門家らによる「家禽(かきん)疾病小委員会」を緊急招集し、感染経路の究明に当たる疫学調査チームを近く現地派遣することを決めた。喜田宏委員長(北大大学院教授)は終了後の記者会見で、個人的見解として、渡り鳥が感染を媒介した可能性に言及した。10月に北海道で、野生のカモのふんから強毒型のウイルスが検出されており、これとの関連性などを調べるという。喜田委員長はまた、安来市の発生農場の半径10キロ圏にある他の4カ所の養鶏農場では、目に見える異常は確認されていないことを明らかにした。
(有害鳥獣被害防止特区、伊那市が実施見合わせ:長野)
伊那市は、導入を検討してきた有害鳥獣被害防止特区(わな免許特区)の実施を見合わせることを30日、発表しました。有害鳥獣被害防止特区は、わな免許を持っていない人が免許所持者の指導を受けてわな設置に携わるというものです。伊那市は、市議会9月定例会後に導入を検討し、10月上旬に内閣府に申請しました。内閣府から30日付けで認可予定との連絡がありましたが、市は実施を見合わせるということです。理由として、特区導入を市内猟友会などと検討した結果、狩猟免許取得に意欲のある人が免許を取らなくなるなど、結果として有害鳥獣対策が衰退する心配があり、まだ検討すべきことが多いことを挙げています。また、環境省でわな免許特区の全国的な展開を検討しているとの情報も入っていることから、市では今後、国などの動きを注視していきたいとしています。
(イノシシ対策マニュアル作製:広島)
イノシシに農作物を荒らされる被害の増加を受け、福山市は30日、人里に近付けない方法などを解説する対策マニュアルを5千部作製した。無料で配布する。A4判カラーで7ページ。(1)餌を与えない(2)農作物の破片や虫付きの野菜などを放置しない(3)生ごみのごみ出し方法を守る(4)耕作放棄地など隠れ場所や逃げ場所を作らない―などの対策を勧めている。トタンや電気柵で農地への侵入を防ぐ方法も説明している。市によると、2010年度の10月末現在の捕獲数は923頭。09年度の年間775頭を超えた。農作物の被害件数も262件に上っている。市東部の蔵王山ふもとの住宅街や市南部のグリーンライン(県道後山公園洗谷線)周辺などでの出没が目立つ。市街地でも目撃例が相次いでいる。マニュアルは市役所や各支所、JA福山市各支店に置く。
(わな猟・囲い網、シカやイノシシ防御策あの手この手:三重)
県内でも、シカやイノシシから田畑や森林を守る取り組みが進む。松阪市飯高町では住民自らわな猟免許を取得して駆除数を増やした。大台町の宮川森林組合ではパッチディフェンス(PD)と呼ばれる四角の囲いを設置し、広葉樹やスギ、ヒノキなどの苗木の食害はゼロになった。松阪市飯高町では、わなの捕獲免許を昨年は7人、今年は6人が取得し、2年間で飯高町内の免許所持者は2倍の28人に増えた。わなでの駆除は数えるほどだったが、1年間で130頭以上を捕獲した。「シカはネットを跳び越え、イノシシはもぐり込んでくるんや」松阪市飯高町乙栗子地区の獣害対策協議会長、松田進一さん(68)は顔をしかめる。66戸の集落で、40人ほどが10ヘクタールの田畑を耕作するが、猟をする人が減り、防護さくやネットも効果なし。昨年は、田植え後1カ月で国道沿いの田まで苗が食べられ、全滅状態の田もあった。「手をこまぬいてはおれない」と、松田さんは昨年、わな免許を取得。約7万円で買った「くくりわな」1丁と箱わな(オリ)1基、知人から借りた箱わな1基を昨年11月から仕掛け、今年4月までにシカ18頭がかかった。宮川森林組合は2007年11月、PDを導入。苗木をシカに食べられないようにするため、高さ1.8メートルの網を約10メートル四方に張り巡らせて、一定の範囲を囲う。大台町薗の「水土里の森」は、宮川用水土地改良区が育てる森だ。1年前、60センチの苗木を植えた周辺にPDを設置したところ、被害はなく、1.5メートルに成長した。3年前に最初にPDを導入した同町唐櫃(からと)の「富士通中部システムズの森」では、ウリハダカエデやカツラ、ウワミズザクラなどが3~5メートルほどに成長している。これまでのシカ対策は、広大な外周を金網などで囲う方法と、苗木1本ごとに筒状のフェンスで覆う方法しかなかった。だが、いずれも失敗が多く、5ヘクタールに植えたスギ、ヒノキ2万5千本が全滅したこともある。頭を悩ませていた宮川森林組合主任の岡本宏之さん(39)は、NPO法人森林再生支援センター(京都市)がPDの有効性を訴えているのを知り、指導を受けた。森としては、宮川森林組合が初めて本格的に導入した。シカの跳躍力は2.5メートルで、PDは越えそうだが、侵入しない。岡本さんは「130~140度しかないシカの視野からは『囲われている』と思わせる大きさ。助走距離もない」と話す。森林組合のPDの森は、現在10ヘクタール。シカの個体数を管理しながら、成長した木から種がこぼれ、PD内外で若い木が育つ「異齢林」をめざす。
(プロペラで威嚇してカラス撃退:栃木)
栃木県鹿沼市に生産拠点を置く精密バネ製造の鎌田スプリング(さいたま市、鎌田敏也社長)はバネの不規則な動きを利用してカラスを撃退するグッズ「いやがらす」の改良型を発売した。らせん状のバネのみの従来品に円盤状のプロペラを加え、カラスが警戒感を強めるようにした。年明けからホームセンターでの取り扱いが始まる見通しで、販路をさらに拡大する。

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