<射撃ニュース12月>

12/16
(わな免許講習会の費用補助:滋賀)
ニホンジカやイノシシなどの獣害に悩む東近江市が、わな免許取得者の養成に力を入れている。昨年は20人、今年は13人が新たに免許を取得し、大きな戦力になっている。田畑や森を荒らすシカやイノシシの捕獲には、これまでハンターの力を借りてきたが、最近はハンターの減少が進み、わな免許取得者がとって代わりつつある。わなを使って野生獣を捕獲する場合には、ハンター同様、わな免許が必須。県琵琶湖環境部によると、わな免許の取得者は昨年度111人、今年度は131人と、10年前の倍以上。東近江市では昨年から、県の猟友会が主催する狩猟免許予備講習会の費用を市が補助。おかげで免許取得者が増えている。同市では、今年はニホンジカ800頭、イノシシ250頭の捕獲目標を立て、11月末までにニホンジカ677頭、イノシシ190頭を捕獲した。わなによるニホンジカの捕獲率は17%(118頭)、イノシシでは69%(132頭)に上る。このうち、ニホンジカ45頭とイノシシ29頭が昨年わなの免許を取得した初心者の猟師によるもので、90キロもの大物のイノシシも仕留めた人もいるという。東近江市農林水産課では「銃器と違って個体をじかに捕獲できるのがわなの利点。わな免許取得者を増やし、有害獣の駆除に積極的に当たっていきたい」としている。
(イノシシ対策、助成が成果:栃木)
イノシシによる農作物の被害が全国的に拡大する中、町は被害対策として電気柵などを設置する農家に対する補助制度を導入し、被害額、被害面積の減少に成果を上げている。2009年度の被害額は約1200万円で、前年度比約16%減、被害面積は9・6ヘクタールで同約35%減とそれぞれ減少した。本年度も補助申請が相次ぎ、12月定例町議会で20万円の補正予算を組み対応している。町は、07年度から「町イノシシ被害防止対策事業費補助交付金」制度を導入。農家が10アール以上の農地に5万円以上のイノシシ被害防止対策として電気柵やセンサーライト、防鳥獣ネットなどを設置した場合、10万円を上限に半額を補助している。イノシシの農作物被害は年々増加傾向にあったが、制度の普及と有害駆除などにより、09年度は被害額、被害面積ともに減少した。本年度、わななどによるイノシシの捕獲頭数は117頭(11月14日現在)に上っている。本年度も補助金申請が相次いでいる。町は、本年度当初予算で「イノシシ被害防止対策事業補助金」として100万円を計上、9月定例町議会で30万円、12月定例町議会で20万円を補正し、総額150万円になった。10月末までに23人が補助金を申請している。山本の農業柳文男さん(62)は「飼料用のトウモロコシがイノシシ被害に遭い、大きな損害を受けた。町の補助で防止対策を施すことができ、助かっている」と話している。
(食害被害深刻、年間7億円以上:長野)
県の野生鳥獣被害対策本部(本部長・和田恭良副知事)は15日、農林業に対する被害が深刻になっているニホンジカの被害対策について協議した。これまでは捕獲目標を雄と雌を合わせた捕獲数としていたが、繁殖数を管理しやすくするため雌の捕獲目標を中心に設定することなどを柱とした方針案を決めた。県環境審議会で策定作業中の第3期ニホンジカの特定鳥獣保護管理計画(平成23~27年度)答申に盛り込まれる。県内農林業の野生鳥獣による被害額は21年度で16億426万円。このうちシカによる被害が44%を占め、7億957万円にのぼる。特に佐久地域での野菜への食害、伊那谷で発生している造林木への食害が中心で、被害地域は拡大傾向にある。現在の第2期計画(18~22年度)の捕獲目標は年間8300頭で、このうち雌の捕獲目標は5500頭。21年度の全捕獲数は1万8708頭でこのうち雌は1万312頭、20年度は1万4674頭で雌は7956頭と目標を達成したが、18、19年度は雌の捕獲目標を達成できなかった。個体数を管理するためには繁殖能力の旺盛な雌の個体数を調整することがカギとなることから、第3期計画では雌の捕獲目標を中心に定めて個体数管理を行っていく。また2期計画から引き続き狩猟における雌の捕獲制限を解除する方針だ。このほか対策ではニホンジカの被害が南アルプス地域や八ケ岳地域などで甚大となっているため、山梨県や静岡県などの隣接県との連携を強化。連絡調整会議を通じた情報交換や捕獲対策の検討、シカの行動調査、一斉捕獲などに取り組む。また、今年度から行っているワナの狩猟期間延長なども実施。新規狩猟者の確保や狩猟者の育成についても推進し、集落が主体となった被害対策を行っていく方針だ。

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12/15
(佐世保・散弾銃乱射きょう3年、「先台」預け率が低下:長崎)
佐世保市名切町のスポーツクラブ、ルネサンス佐世保で男が散弾銃を乱射し8人が死傷した事件から14日で3年。県警は事件後、散弾銃の使用に不可欠な部品「先台(さきだい)」を警察に預けるよう指導を強化。預け率は一時上昇したが、その後低下し任意提出の限界がうかがわれる。昨年12月、改正銃刀法が施行され規制が強まったが、銃や先台などの保管は個人財産の観点から本人任せとなっており、銃を使った事件の根本的な予防策は見当たらない。県警は従来、冬から春先の猟期以外の期間、先台を預けるよう指導してきたが、事件を機にさらに徹底。銃所持の許可更新時などに、警察に保管を委ねるよう強く指導している。だが、県内の散弾銃の総数のうち先台を預けている割合は、事件が起きた2007年は12・5%(1918丁中239丁)だったが、08年は22・2%に急上昇。しかし、09年は20・4%、10年16・5%(いずれも4月時点)と低下傾向にある。県警生活環境課は08年の上昇について「所持者の安全管理意識が高まったため」とする。だが、イノシシなどによる農作物被害が近年相次いでおり、増加する駆除要請に即応するため先台を預けず、手元に置いておく人が増えたという。改正銃刀法では、銃所持の許可・更新の申請時に「過去にストーカー行為をしていないか」などの欠格要件を加え、精神科医などの診断書添付の義務付けなども盛り込まれた。だが、銃や先台の保管は「本人任せ」が実情だ。その隙を突くように今年1月、大阪府羽曳野市で佐世保の事件と同様、自宅で保管していたとされる猟銃を使った殺人事件が発生。県警幹部や猟友会関係者は「完全に防ぐには銃を持たせない以外にない」と困惑気味だ。そうした中、所持者の不審な言動に関する公安委員会への申し出制度が昨年6月創設された。県内の通報実績は今のところないが、佐世保の事件では馬込政義元容疑者=当時(37)、自殺=の不審な行動を付近住民が通報したが未然防止できなかったことから、県警生活環境課は「不適格者に所持させないよう、できるだけ多くの情報を提供してほしい」と呼び掛けている。銃器犯罪の根絶に向け啓発活動をしているストップ・ガン・キャラバン隊(福岡市)の砂田向壱代表は「銃規制だけでなく、子どものうちから銃は武器と認識させ事件を起こさない教育、銃を使ったシーンがあるテレビやゲームの規制も必要だ」と指摘する。
(狩猟免許取得に補助金:和歌山)
和歌山県みなべ町議会の12月定例会は14日、一般質問が行われ、4議員が農作物への鳥獣被害について質問。対策を求める議員に対し小谷芳正町長は、被害を受けている農業者が鳥獣を捕獲することが有効であるとして、狩猟免許取得にかかる費用に対する補助金を新年度予算に組み入れる考えを示した。トップに質問に立った天野仁議員(無)は町の主要産物である梅へのシカによる食害のほか、イノシシによる農作物への被害の状況などを示した上で「農家が困り果てている。町が狩猟免許取得をあっせんし、助成をすることを考えてほしい」と述べた。これに対し小谷町長は、昨年、シイやカシの実が豊作だったことから、今年は鳥獣の個体数が増えていると専門家が見ていることなどを説明した上で「対策としては、追い払うのではなく捕獲するのがよいと考える。個体数を減らすため、農家自らがわなの免許を取得し、自分の畑に仕掛けてもらうのがよいと思う」と答弁。さらに「狩猟免許取得については現在、町村が4分の1以上補助すれば県が2分の1補助する制度があるが、新年度から取得にかかる費用の2分の1を町が補助したい」と述べた。補助の対象となるのは、免許取得の際に必要となる講習会の受講料と試験料など計1万5200円。町と県が2分の1ずつ補助するため、取得者は自己負担しなくて済む。同町の鳥獣(イノシシ、サル、シカ、アライグマ)による農作物への被害金額と捕獲数は、2006年度が1083万4千円・196頭、07年度が667万1千円・227頭、08年度が351万7千円・271頭、09年度が375万3千円・361頭。10年度はこれまでに473頭が捕獲されている。
(シカ・イノシシ食害深刻、狩猟期間延長へ:三重)
ニホンジカとイノシシによる深刻な農林業の被害を受け、県は13日の県議会生活文化環境森林常任委員会で、今年度と来年度の狩猟期間をそれぞれ1か月延長する方針を明らかにした。増加する生息数と農林業の被害を減らすため、鳥獣保護法に基づく、ニホンジカを対象にした第2期(来年度まで)の特定鳥獣保護管理計画を一部変更するとともに、イノシシの同計画を新たに策定する。県環境森林部によると、県内のニホンジカの推定生息数は今年度、約7万7000頭。2007年度からの第2期計画では、策定時の約5万3000頭から約2万4000頭に減少すると予測していたが、現状は、逆に大幅増加している。ニホンジカが原因の農林業被害は昨年度約3億4000万円。狩猟と、市町などの許可を得ての有害捕獲を合わせると約1万1000頭で、年々増えているという。一方、イノシシの生息数は明確にわからないが、捕獲頭数は増加傾向にあり、昨年度は約7400頭。農作物が約1億5000万円の被害を受けた。狩猟期間は同法に基づき、11月15日から翌年2月15日と規定している。しかし、生息数や被害状況が増えている現状を踏まえ、県は捕獲頭数を増やすため、3月15日まで1か月延長する方針を決めた。狩猟期間の延長について、県は15日に市町や猟友会、野鳥・自然の保護団体などを対象にした公聴会を開くとともに、21日には県自然環境保全審議会に諮問する。同部自然環境室の尾崎重徳室長は「狩猟期間の延長によって捕獲頭数が増えることを期待している。農林業への被害減少につなげたい」としている。
(秋篠宮ご夫妻、伝統的なカモ猟を案内:千葉)
秋篠宮ご夫妻は14日、宮内庁が駐日大使らを「新浜鴨場(しんはまかもば)」(千葉県市川市)に招いた接待で、案内役を務められた。鴨場での外交団の接待は、「埼玉鴨場」(埼玉県越谷市)と合わせて年に5回ほど行われている。この日は、あいにくの雨だったが、モンゴルやアイルランドなどの大使らが参加。おとりのアヒルに誘われて堀に集まったカモを、手持ちの網で捕らえる伝統的な猟を体験した後、鴨場の職員が捕獲したカモを放鳥する様子を、ご夫妻と一緒に見た。
(かみつきザル有害捕獲:岩手)
住田町上有住の中沢地域で11日から12日にかけて、住民がニホンザルにかまれる被害が相次ぎ、町などでは13日に有害捕獲を行って被害の拡大を防いだ。五葉山(1351㍍)ふもとの同地域。日中は一定の通行量がある県道釜石住田線に近く民家もまとまってあるが、住民によると今年の春ごろから1頭のサルがたびたび目撃されるようになったという。最近ではカキの実を食べる姿が連日目撃されていたが、畑の農作物への目立った被害はなかったという。民家の敷地まで入ってくることもあり、「人になれているようだった」という。11日夕方から12日午前中にかけて70歳代前後の女性数人がこれと同じものとみられるサルに相次いでかみつかれた。庭や畑での作業中、または道路を歩いている際に襲われたといい、中には通院するほどのけがを負わされた人も。12日の午前中に被害に遭ったという2人は、「道路を歩いていたらいつの間にか後ろに来ていて、ふくらはぎをかまれた」「玄関の近くまで来たので追い払おうとしたが、向かってきて4回もかまれた」などと振り返る。これまで周辺でサルに襲われるケースはなかったといい、「群れからはぐれたのか、誰かが放していったのか、とにかく困った」と顔を曇らせていた。11日に連絡を受けた町では、現地調査などのうえ有害捕獲の方針を決定し、13日から高田猟友会員らが現地に入り有害捕獲を実施。同日中に銃で駆除した。体長約50㌢、体重約7㌔のメスだった。被害が確認されてから周辺住民たちは、外に出かける際は追い払い用の棒を持っていく、屋内に入られないよう戸締まりを厳重にする、といった対応を互いに呼びかけ合い警戒を続けていたといい、知らせにほっとした表情を見せていた。
(イノシシ1頭捕獲:岡山)
14日午後0時20分ごろ、岡山市南区片岡の果樹園で、イノシシ1頭がわなにかかっているのを、管理人男性=同市=が見つけ110番した。同所など灘崎地区では12日、男性2人がイノシシに襲われてけがをしており、市は警戒を強めている。体長1・1メートル、推定2歳の雌で、猟友会が殺処分した。現場を訪れた市南区役所職員によると、大きさなどから2人を襲ったイノシシとは異なるという。同区役所によると、今年3月〜11月中旬に同地区で捕獲されたイノシシは67頭。前年同期(38頭)に比べ1・7倍に増えている。同農林水産振興課は「当分の間、町内会と連携して児童の登下校の見守り活動を行うなどしたい」としている。
(理容店にイノシシ飛び込む:広島)
三原市宗郷の理容店に11日朝、イノシシがドアのガラスを突き破って飛び込んだ。市教委は13日、近くの田野浦小に登下校時の児童の安全確保を指導。早速教諭が周辺の見回りを始めた。被害を受けたのは津田幸男さん(45)経営の理容店。津田さんによると11日午前10時40分ごろ、体長約70センチのイノシシが飛び込んだ。ドア近くの棚にぶつかって、10秒ほどで逃げたという。当時、1人で店内にいた津田さんにけがはなかった。津田さんは「突然すごい音がした。イノシシが去るまでとても長い時間に感じた」と振り返った。一帯はJR三原駅から南西約2キロの住宅街。三原署によるとほぼ同時刻ごろ、住民から「イノシシが出た」と110番があった。署員や市職員、猟友会メンバーが付近を約1時間探したが見つからなかった。市によると住民の目撃情報から、近くの山に逃げた可能性が高いという。市教委は13日、理容店から約100メートル離れた田野浦小へ連絡。同小の教諭は、下校時に学区内の山沿いを見回った。今後も登下校時に続ける。市農林水産課は「日中の住宅街にイノシシが出没するのは珍しい。見つけたら近寄らず、すぐに通報してほしい」と呼び掛けている。
(ツキノワグマ捕獲、山奥へ放す:和歌山)
有田川町の粟生地区で13日午後9時10分ごろにツキノワグマが捕獲されたと県が14日発表した。県がクマの捕獲用にドラム缶を改造して設置したオリにかかった。県自然環境室によると、クマは体長133センチ、体重55キロで、推定15歳のオス。麻酔で眠らせて山の奥に運び、同日午後3時半ごろに放した。再び人里に下りないよう、目が覚めるころに爆竹などの大きな音で怖がらせたという。同室によると、2000~09年度の10年間で県内のクマの捕獲頭数は4頭だったが、今年度だけで捕獲は7頭目(うち1頭は逃走)。目撃情報も相次いでいることから、県は延べ12カ所に捕獲用のわなを仕掛けていた。捕獲したクマには耳にタグを付けており、同じクマが再び人里で捕獲された場合は、常習性が疑われることから銃殺も検討するという。
(クマ1頭殺処分:福井)
14日午前6時ごろ、鯖江市大野町の山際に設置したオリにツキノワグマのメス1頭が入っているのを市の捕獲隊が見つけた。市職員が確認後、午前9時過ぎに殺処分した。市は12日に捕獲した子グマの母親と推測している。捕獲したクマは体長約125センチ、体重約80キロ。捕獲する約3時間前に近くの畑に設置したカメラにクマの姿が映っていた。
(伊万里射撃場閉鎖を明言:佐賀)
伊万里市の塚部芳和市長は14日の市議会一般質問で、同市大川内町にある市散弾銃射撃場の閉鎖を明言、鉛弾除去に約3億円が必要と試算していることを明らかにした。下平美代議員の質問に答えた。同射撃場は1984年に腰岳の南東斜面に開設、昨年度末までに約4万人が利用している。しかし、鉛弾はこれまで一度も除去しておらず、2004年に行った土壌検査では、土壌汚染対策法の基準値(1キロ・グラム当たり150ミリ・グラム)の約17倍、2520ミリ・グラムもの鉛を検出した。塚部市長は昨年の3月議会で、10年度末をめどに射撃場を閉鎖すると答弁したが、今年の3月議会で「いましばらく慎重に考えさせていただきたい」とトーンダウン。この日の一般質問では「閉鎖の方向は変わっていない」としながらも、時期については「鉛弾除去の対策を講じたうえで判断させていただきたい」と述べた。下平議員は「まず閉鎖して対策を講じるべき」と重ねて要請した。市教委体育保健課は、射撃場には約50トンの鉛が堆積していると推計している。鉛の健康被害について、環境省の「射撃場に係る鉛汚染調査・対策ガイドライン」は、食欲不振、貧血、腕や足の筋肉の虚弱などをあげ、発がん性にも言及している。
(獣肉の食用拡大期待、農林業被害軽減:福井)
農林業の鳥獣害対策で捕獲されたイノシシやシカの食用を広めようと、県は捕獲から解体処理、食肉の流通までの衛生管理や品質確保に関するガイドラインをまとめた。獣肉の食文化を定着させることで有害獣の捕獲を後押しし、被害軽減を図りたい考えだ。イノシシやシカの食肉処理方法は法令で規制されていないため、牛や豚など家畜を対象にした「と畜場法」を参考に、衛生的で安全な食肉を流通させるのに必要な留意事項を提示。腹部に被弾した個体は食肉にしないことや処理器具の消毒の徹底、調理時の十分な加熱などを挙げている。食肉のトレーサビリティ(流通履歴)確保のため、処理業者は捕獲者から伝えられた捕獲日時や場所、方法などの記録を2年以上保管するよう要請。食品衛生法などに基づく商品表示方法も示し、猟友会などに配布した。県農林水産振興課によると、県内で狩猟や有害駆除で捕獲される野生動物は増加傾向にあり、2009年度はイノシシが7789頭、シカが5606頭に上った。ただ、食肉にほとんど利用されず、大半が埋設、焼却処分されている。県内には獣肉を扱う料理店が10軒ほどあるが、県の担当者は「一般にほとんど流通していない」と説明。地域で獣肉料理を開発する動きも広まりつつあり、「獣肉に身近に親しめる環境を整えたい」と話している。今後、県内の獣肉の販売店や料理店を紹介するパンフレットも作製。掲載希望店を来年1月19日まで募集している。
(イノシシ解体処理施設を整備:愛知)
農作物を食い荒らすイノシシの駆除が急増しているため、今治市・大三島の農家や猟友会が、同島の旧学校給食センターの一部をイノシシ解体処理施設として整備した。13日にはイノシシの豊富な捕獲歴を持つ猟師を招き、解体の研修を実施。県によると、駆除されたイノシシの処理施設を民間主体で整備するのは県内では初めてといい、関係者は「駆除後の処理に困らずに済む」と施設の役割に期待している。県内で昨年度に有害駆除されたイノシシは4944頭で、10年前の3倍以上。今治市内でも、今年度は昨年の2倍となる601頭が駆除され、農作物被害額は2008年度で4700万円に上った。県によると、増加している耕作放棄地がイノシシにとって餌場となっていることなどが、増加の理由という。この数年は、島嶼(とうしょ)部で著しく増加。市内にはイノシシの解体処理施設がなく、イノシシを捕獲した農家は自宅の軒先などで解体してきたが、処理が追いつかないために捕獲頭数を抑える必要があった。このため、大三島でミカンなどを栽培し、3年前からイノシシの被害を受け始めた渡辺秀典さん(33)が、「安心してイノシシを捕獲できる環境を作ろう」と大三島や伯方島の農家、猟友会員らに解体処理施設の整備を提案した。今年6月に13人で「しまなみイノシシ活用隊」を結成し、食肉処理業の営業許可を保健所から取得。市の施設を借り受け、県の補助を含む約200万円で37平方メートルの処理施設を完成させた。解体処理は同隊の会員自らが行い、会員以外の持ち込みも可能。解体後のイノシシ肉は食肉業者などに販売し、売り上げはイノシシを持ち込んだ人に分配される。渡辺さんは「施設の運営が軌道に乗ることで、農家が農業に打ち込める環境を取り戻したい」と話している。
(農区の有害鳥獣捕獲柵、狩猟期間中も1基認める:京都)
シカやイノシシなどの有害鳥獣被害が目立つなか、福知山市は今秋から、農区保有の捕獲柵を1基のみ、狩猟期にも使用することを認める対応を始めた。13日に再開した市議会12月定例会本会議の一般質問で、市側が答えた。一般質問で議員が「農区保有の捕獲おりの有効活用」について質問。「農区保有の捕獲おりは、駆除期間のみ使用が認められ、狩猟期は禁止される。1年中使用できるよう、狩猟期には猟師に貸し出せば、福知山初の新しい駆除システムとして歓迎される」と提案した。これに対し、衣川政明農林商工部長は「有害鳥獣駆除は農林作物被害防止のための捕獲で、狩猟者が趣味や実益などで行う狩猟目的とは区分している。農区保有のおりは補助事業を活用して設置されたものが多く、狩猟目的の活用は考えていない」と説明。しかし、今年度から「狩猟期に被害防止目的で、農区所有の捕獲柵の中から1農区1基の捕獲許可を出すことにした。これを活用してほしい」と答え、理解を求めた。林業振興課によると、許可しているのは、農区が所有する、天井がなく移動できない捕獲柵。1日現在で44基の許可を出している。同課は「これまでは狩猟期間中の捕獲柵の使用はできなかった。今回の措置は試行的なもので、効果やメリット、デメリットなどを総合的に判断し、今後についても検討していきたい」としている。
(神馬に豊猟願う「鉄砲祭り」:埼玉)
小鹿野町飯田の八幡神社冬祭りで12日夕、県無形民俗文化財「鉄砲祭り」が行われた=写真。参道を駆け抜ける神馬の頭上目がけて空砲を放つ勇ましいもの。江戸時代に、猟師たちが火薬の威力を試すため始めたともいわれ、豊猟祈願の付け行事として伝わった。散弾銃を持った地元のハンター、川越市の火縄銃愛好団体の各20人が愛銃を持って参加した。午後4時、氏子ふんする格式10万石の大名行列に続いて、幣束を背負った神馬2頭が氏子に引かれ参道を駆け抜けると、参道両側に待ち構えたハンターらが、神馬の頭上目がけ空砲を撃ち放った。境内はごう音が響き渡り、硝煙の白い煙に包まれた。境内に詰め掛けた大勢の見物客は、豪快な祭りに寒さを忘れていた。

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12/13
(白昼のイノシシ大暴れ、校庭侵入・店ガラス割る:栃木)
栃木県佐野市の中心街で10日昼頃、体長約1メートルのイノシシが出没した。授業中の中学校の敷地に侵入したり、店舗の窓ガラスを割ったりするなど大暴れ。幸いけが人はなかった。警察や市職員など約25人は手分けして行方を追っているが“暴漢”は逃走を続けている。午前11時半頃、同市植下町の市立南中学校で東側のフェンス脇を伝い校庭に侵入した。当時校庭では1年生約70人が授業を行っており、イノシシが生徒の側を向いたことから危険を感じた教員が校舎内に避難させた。授業をしていた高野宣子教諭(42)は「猪突猛進と言う言葉があるように、生徒の方に突進してきたら大変だと思い避難させた。けが人が出なくて良かった」と話した。西側のフェンスから脱出し約400メートル南西の精米店の出入り口の窓ガラスを割って侵入し、再び逃走した。精米店の男性(61)は「車が間違えて突っ込んだのかと思った。ここに約35年住んでいるが、イノシシなんて見たことなかった」と驚いていた。現場は市役所から約2キロ南の住宅地。同市農山村振興課によると、イノシシは現場付近から約1・2キロ離れたやぶから出没し、約1キロ離れた秋山川の河川敷に向かったと考えられる。同市内では8日にも、大型トラックと衝突した。同課によると、市街地にイノシシが出没するのは珍しいという。市内で捕獲されたイノシシの数は2005年度は305頭だったのに対し、09年度は1432頭と約4・7倍に増え、今年度も4月から9月までの半年で既に680頭が捕獲されている。野生鳥獣の管理保護を行っている県自然環境課は「荒れた里山や耕作放棄地が身を隠せるエサ場になり、住みやすい環境で数が増大していると思われる。河川敷など茂みを伝って下流の市街地にも出没するようになったのでは」と話している。
(イノシシに襲われ男性2人が軽いけが:岡山)
12日午前8時40分ごろ、岡山市南区迫川の宮川で「イノシシに襲われ、人が落ちた」と近所の男性から119番があった。岡山市消防局によると、近所に住む60代と70代の男性2人がイノシシに蹴られたり、川に転落し、軽いけが。イノシシはそのまま山へ逃げた。目撃した人などの話では、イノシシは体長約1・5メートル。2人が路上で立ち話をしており、突然、イノシシに襲われたという。現場はJR迫川駅の南約200メートルの住宅街。
(暴れザル、高齢者襲い車威嚇:鹿児島)
曽於市財部でサルによる被害が相次ぎ、市職員や曽於警察署員らが捕獲に奮闘している。1日には高齢女性が襲われ、足など3カ所をかまれた。通行中の車に飛びかかるケースもあり、事故が懸念されることから捕獲を急いでいる。サルが出没するのはJR日豊線大隅大川原駅-北俣駅間の山沿いの集落。住民によると、例年現れるサルはおとなしいが、今年は1匹だけが凶暴。高齢者を威嚇したり、車をかじることもある。けがをしたのは上野ミヨさん(73)。散歩していたところ、車を威嚇していたサルが突然飛びかかってきたという。上野さんは「死ぬかと思った。子どもたちが襲われたらと心配」と話した。市は3日、曽於署や猟友会を交えて対策を協議。餌場とみられるとうもろこし畑にわなを仕掛けた。6日からは市財部支所職員ら十数人を連日動員し、林政係の國武次宏さん(46)を中心に捕獲作戦を展開している。サルは住宅地に現れては山に逃げ込み、職員らをほんろう。山中まで追いかけて包囲したりしているが、10日現在捕まっていない。近くの財部北小学校では、サルを刺激しないよう児童に注意を促している。サルは捕獲後、人里離れた山奥に放たれる。
(クレー射撃場建設再浮上:和歌山)
県は、2009年秋に建設事業費を議会可決しながら計画を断念したクレー射撃場について、再び建設に向けた検討を始めた。鳥獣害被害が深刻化する中、猟銃所持者の訓練施設としての必要性が高まり、当初建設を予定していた湯浅町以外も含めて、用地探しなどを行っている。15年の「紀の国わかやま国体」の会場も兼ねたクレー射撃場の建設は、昨年の9月議会で建設事業費5億5000万円を含む一般会計補正予算案が可決したが、その後、新たな用地買収の必要性や工期の長期化が判明。鳥獣害被害対策としての国の補助金3億円が得られる10年度末までの工事完了が難しい見通しとなったため、建設を断念した。だが、県内では、イノシシやシカなどの野生動物による農作物被害が年間約3億円にも上り、被害防止のためのハンターの訓練施設整備が急務。県クレー射撃協会からの要望もあって、県は再び建設に向けて協議を始めた。仁坂知事は「前向きに検討する。鳥獣害の状況を見ると、検討せざるを得ない」と説明している。当初、湯浅町内で建設を予定していたが、地元同意が取り付けたかどうかを巡って町と県の意見は対立しており、同町での建設は困難とみられる。県農業生産局は、「建設候補地は白紙状態」としている。
(アライグマの被害防止策伝授:広島)
農作物などを食い荒らす外来生物のアライグマの捕獲方法などを学ぶ講習会が11日、三次市吉舎町安田地区であった。地元で被害防止策を指導できる人材を育成するため、市と広島県が初めて企画した。住民や猟友会メンバー、市職員たち約60人が参加した。アライグマの生態に詳しい兵庫県立大の阿部豪特任助教が講師を務めた。安田小体育館の講習で阿部特任助教は、アライグマは繁殖力が強く、川沿いに移動する特徴などを解説。防除には電気柵が有効であることなどを話した。続いて野外実習で近くの神社などを訪れ、柱などにアライグマがひっかいた爪痕があることを確認した。阿部特任助教は、毛が残っていれば現在も生息している可能性があるとして「そういう場所にわなを仕掛けるのが効果的」と助言した。
(鉄砲まつり、安全を祈る:埼玉)
神馬の頭上目がけて散弾銃などで空砲を撃ちかける小鹿野町飯田の「鉄砲まつり」が十一日夕、上飯田屋台の「三番叟(さんばそう)」奉納で始まった。鎮守の八幡神社例大祭で、十二日午後四時から銃火奉納「お立ち」が行われる。神社周辺では笠鉾(かさほこ)と屋台各一台が、屋台ばやしもにぎやかに引き回された。上飯田屋台の三番叟は江戸時代から明治初年まで続いた造り酒屋「八井」の当主が代々伝えてきた。踊ったのは県立大滝げんきプラザ所長猪野知さん(55)。昔ながらの衣装を着た猪野さんは、四方を清め笛と太鼓のはやしで踊り、祭りのにぎわいと安全を祈った。見物客には昔からのしきたりで、「八井」からお神酒が振る舞われた。
(「熊野きじ」に質問相次ぐ:和歌山)
和歌山県田辺市が12月市議会に補正予算案で提案した「熊野きじ」飼育場整備の補助事業をめぐり、10日開催の市議会の産業建設委員会(中本賢治委員長、9人)で、市議から提案内容を疑問視する質問が相次いだ。高麗キジとシベリア地方のキジを交配させたキジを、熊野の特産品として生産加工販売する生産組合が、同市上野の休耕地に飼育場を整備するにあたり、県の補助事業を使って市が組合に山村振興事業として650万円を助成する。各議員から「山村振興としているが畜産振興ではないのか。計上費目がおかしい」「当初予算ではなく補正である緊急性があるのか」「熊野のブランド性に合うのか」などといった質問が出た。これに対し、市は山村地域の振興を図る事業として位置付けたことや、現在、同市中辺路町近露にあるキジの飼育場は土地所有者に土地と施設を返却し新たな整備が必要なこと、熊野の地名が持つPR力などを説明した。また、同市上野の地元で施設整備の受け入れがまとまっているのかという質問が出たのに対し、市は「地元は賛成も反対もしていない状況」と説明。議員から「それで地域の振興策と言えるのか」と疑問視する意見が出て紛糾する場面もあったが、最終的に「組合の熱意をくみ成功につなげてほしい」と予算を認めた。キジの生産組合は今後、同市上野に鶏舎を整備してキジ5千羽を飼育する計画という。

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