<射撃ニュース2月>

2/13
(散弾銃の弾が当たり、男性けが:鹿児島)
11日午前11時10分ごろ、姶良町木津志の山中で同町西宮島町、農業、吉永照男さん(62)が発砲した散弾銃の弾の一部が、約60メートル先にいた鹿児島市武岡5の男性会社員(60)に当たり、腕や脇腹を負傷した。加治木署は業務上過失傷害容疑で吉永さんから状況などを聴いている。同署によると、吉永さんは有害鳥獣駆除の目的で一人で狩猟中に猿を見つけ、散弾1発を発砲したという。男性は、シイタケの原木採取に向かう途中だった。
(無資格狩猟、市職員ら書類送検:長崎)
長崎県対馬市のし尿処理施設所長(51)が、無資格で山林にわなを仕掛け獲物を公務中に施設内で解体、死骸(しがい)を捨てていたとされる問題で、同県警は12日、鳥獣保護法違反と廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、所長を長崎地検厳原支部に書類送検した。鳥獣保護法違反の疑いで獲物を譲り受けた市内の農業男性(78)も書類送検した。所長の送検容疑は、昨年6月と10月、職場近くの山林に動物の足を挟んで捕らえるわなを仕掛け、シカ2頭を捕獲して男性に譲渡したほか、知人からもらった別のシカとイノシシを解体し死骸を職場近くの山林に捨てた疑い。県警によると、2人とも容疑を認めているという。
(鳥獣被害、対策に本腰:宮崎)
中山間地域を悩ます鳥獣被害の低減に向け、県が本腰を入れる。来年度当初予算案では新規3、改善3の事業が組まれ、予算は総額約2億9千万円。東国原英夫知事は「専門家を招聘(しょうへい)して新たな政策展開をしていく」と強調した。土地面積の4分の3を森林が覆う県内では近年、シカやイノシシ、サルによる食害が急増している。自然環境課によると、2008年度の被害額は2億7千万円で前年より約2割増。約1億5千万円だった05年度以降、増加傾向にある。「知事が地方を回るたびに(地元から)対策を頼まれていた」と同課の担当者。ただ被害額2億7千万円に対して、今回投じられる予算はそれを上回る計2億9千万円。環境森林部の吉瀬和明部長は「適正な頭数になれば毎年の被害は減っていく。新年度はそれなりに金をかけるが長い目で見ればそれなりにペイする」と話している。
(実弾?入り封筒、首相官邸と小沢事務所に:東京)
東京都千代田区の首相官邸と小沢一郎民主党幹事長の事務所に12日、ライフル銃の実弾とみられる金属が入った封筒が郵送された。いずれも東京23区内から投函(とうかん)されていた。警視庁麹町署は、火薬類取締法違反容疑で捜査するとともに、昨年12月以降5件あった同様の事件との関連を調べている。麹町署によると、同日午前10時25分ごろ、鳩山由紀夫首相あての不審な封筒が届いているのに官邸職員が気付き、同署に届け出た。中には、鳩山首相の顔写真と実弾とみられる金属1個を張り付けた紙1枚が入っていた。また、衆院第1議員会館の小沢幹事長の事務所には同11時ごろ、小沢幹事長あての不審な封筒が届いた。中には白い紙にくるまれた実弾とみられる金属が1個入っていた。
(エゾシカ肉続々製品化:北海道)
宗谷管内豊富町の建設業者が立ち上げたシカ肉加工品の製造販売会社、(株)サロベツベニソンが地域の農業関係者の注目を集めている。2007年からエゾシカの肉を缶詰やハム、ソーセージ、シカ肉ジンギスカンなどに加工し、販売網を拡大。エゾシカによる農業被害が全道的に拡大する中で、捕獲したエゾシカを食用で販売する取り組みに期待の声が高まっている。同社は建設業や石材販売を手掛ける(株)大建産業が、農家から町にエゾシカの農業被害対策を求める要望が出たことをきっかけに設立。試行錯誤を重ね、4種類のシカ肉加工商品を開発している。08年4月には、50代から70代の世代には懐かしいクジラ缶のような味に煮込んだ「えぞ鹿(しか)の角煮」を製品化。同年11月には、酸味を効かせ、サンチュ(包菜)などで包んで食べるとおいしい女性向きの商品「えぞ鹿のジンギスカン」も開発した。09年4月には、若者向けにギョウジャニンニクなどを練り込んだ「サロベツもみじソーセージ」や「サロベツもみじハム」などを商品化している。いずれも低カロリーでたんぱく質や鉄分が豊富なヘルシー食品で、同社のホームページを通したネット通販や、JA北宗谷のAコープ豊富店などで販売している。

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2/12
(捕獲イノシシ買います:宮城)
イノシシに農作物を食い荒らされる被害を減らそうと、捕獲したイノシシの肉を買い取る組合を宮城県丸森町の農家らが設立した。町内に店舗を構え、27日に食肉処理や精肉販売を始める。飼育用を除き、野生のイノシシ肉が一般の流通ルートで取引されるのは珍しく、肉を有効活用することで捕獲を促す狙いがある。「丸森自然猪利用組合」は、稲作農家ら7人が昨年11月に計300万円を出資して設立した。一条功代表(59)は「駆除用の電気柵を設置するなどの対策を講じてもなかなか効果が見えない。捕獲数を増やすのが最適と考えた」と、組合設立の理由を説明する。捕らえたイノシシの肉を駆除隊員らが家庭で調理して食べることはこれまでもあったが、食品衛生法上、個人で販売するのは難しい。「捕獲しても処理に困った」という声が多かったという。組合は町役場近くの同町花田に木造2階の空き店舗を借り、食肉処理場と販売店を兼ねた「いのしし館」をオープンさせる。県仙南保健所から先月、営業許可を取った。持ち込めるのは狩猟資格取得者などに限られるが、月齢に関係なく1キロ600〜700円で買い取る。体重40キロのイノシシの場合、骨や皮などを除去すると1万5000円程度になるという。精肉以外の加工品も取り扱う。みやぎ仙南農協(柴田町)の子会社の加工連(角田市)に製造を委託し、ソーセージやサラミなどを作る計画だ。イノシシの生息域は約30年前までは丸森町が北限とされていたが、近年は北上し、仙台市などでも農作物被害が確認されている。
(猟銃・刀剣所持状況、大阪市が全職員4万人対象に調査:大阪)
大阪府羽曳野市の居酒屋で1月に大阪市環境局職員(当時49)がライフル銃を発砲して義母ら3人を射殺し、自殺した事件を受け、大阪市は全職員約4万人に対し、猟銃や刀剣の所持状況の調査を今月から始めた。市担当者は「職務外で所持しているものだが、事件の再発防止に向けて把握しておく必要がある」としている。調査項目は、猟銃や刀剣の所持の有無と、所持している場合、公安委員会で所持の許可を受けた時期と所持の理由。職場の人事担当を通じ、19日までに自主申告してもらう。市には事件発生後、複数の市民から「職員の猟銃の所持状況を調査すべきではないか」との声が寄せられていたという。事件で使用された狩猟用のライフル銃は昨年6月、職員が所持許可を大阪府公安委員会で更新。更新に伴って職員の上司が羽曳野署から聞き取り調査を受けたが、「問題ない」と答えていた。
(奈良公園、鹿トラブルに相談室:奈良)
平城遷都1300年を迎え、観光客増を見込む奈良県は4月から、奈良公園(奈良市)に住む天然記念物の鹿のトラブルに対応する「シカ相談室」を設ける。鹿は奈良観光の目玉の一つだが、「子どもが角で突かれた」などといった観光客の苦情を受ける窓口がなかった。県は「せっかく奈良に来てくれた人が、不快なまま帰ることがないようにしたい」としている。鹿は春日大社(同市)の神鹿(しんろく)として手厚く保護されてきた。現在、公園一帯に約1100頭が生息。観光客らが鹿せんべいを与えるなど親しまれているが、トラブルも増えている。鹿を保護している財団法人「奈良の鹿愛護会」には「鹿に押されて転倒した」「1万円札を食べられた」など年間約20件の相談が寄せられている。届け出のないトラブルも多いとみられるが、鹿は野生動物で管理者や所有者はおらず、愛護会では対応できなかった。県の計画では、相談室に職員を常駐させ、電話で鹿について苦情や相談を受ける。必要な場合は現場に出動も。観光客がけがをした場合には、病院に送迎することも検討する。また、鹿に攻撃されるのは、習性を知らない観光客が子連れや発情期の鹿に近づくことなどが原因のケースが多く、愛護会やボランティアと連携して啓発活動も行う。
(イノシシ捕獲報奨金効果:栃木)
イノシシによる農作物被害が増加している鹿沼市が、イノシシの捕獲者に1頭3000円の報奨金を支払い始めたところ、捕獲数が大幅に増加したことが分かった。捕獲数が増えれば被害減少につながるとみられるが、専門家からは「イノシシは繁殖力が強いため、捕獲だけでは被害は減らせない」との指摘も出ている。同市のイノシシによる農作物被害は、2006年度には477万円だったが、08年度は1232万円と約2・6倍に拡大した。このため報奨金の半額を県が補助する事業を使い、狩猟の免許を持った人などを対象に、捕獲したイノシシの尾と証明写真を持ってくれば報奨金を支払う制度を導入した。すると導入後の昨年10月からの3か月間で前年度1年間の捕獲数(132頭)を上回る181頭が捕まった。同市林政課は「こんなに捕まるとは思わなかった。報奨金で捕獲者の意欲があがったのでは」とみている。しかし宇都宮大学農学部の小金沢正昭教授は「報奨金は捕獲者のやる気を上げる意味では有効だが、それだけでは不十分だ」と指摘する。イノシシは年平均4頭、最大12頭の子供を産むとされ、捕獲数が増加数に追いつくことはないからだ。小金沢教授は「捕獲するだけではなく、電気柵などを張り巡らせて田畑への侵入を防ぐ必要もある」と話している。
(国道でイノシシとトラック衝突:長野)
11日午前7時40分ごろ、安曇野市豊科の国道147号で「イノシシをはねた」と、埼玉県飯能市の運転手男性(29)から110番通報があった。現場は市役所本庁舎やJR大糸線豊科駅に近い中心市街地。安曇野署によると、イノシシは道路沿いに並ぶ民家の間から飛び出し、男性の大型トラックの左前部と衝突、同署員が駆け付けた時には死んでいた。男性と同乗の女性にけがはなかった。同署によると、イノシシは体長約120センチ、体重約80キロで性別不明。事故直前に現場近くの住民から目撃情報が1件寄せられたが、それ以前に現場付近での目撃情報や田畑の被害届はなかったという。市産業建設課によると、現場から約2キロの民家周辺で10日、「イノシシを見た」との情報が1件、住民から寄せられていた。同課職員は「市街地にイノシシが出たというのは聞いたことがない」という。
(白鳥元気に仲間の元へ:宮城)
昨年暮れに塩釜神社近くの路上で保護され、多賀城市にあるNPO法人・みやぎ野生動物保護センターで治療を受けていた白鳥が11日、元気になってセンター近くの砂押川に放たれた。保護から約50日。川に飛び込むと周りをキョロキョロ見ながら泳ぎだし、しばらくすると仲間の群れに交じっていった。獣医師でセンター理事長の我妻弘義さん(70)によると、運び込まれた時はヨタヨタしており、食欲もなかった。釣りのオモリなどをのみ込んだための鉛中毒と分かり「病状はかなり重かった」と我妻さん。「ラピス」と名付け、解毒剤などを投与。ボランティアがやる餌を食べるようになって体力も回復し、1月初めに保護された別の1羽とともに自然にかえした。砂押川ではカモの群れや50羽ほどの白鳥が羽を休め、3月中旬には北に帰る。仲間と水浴びする姿を見ながら、我妻さんは「それまでに筋力をつけて、無事に帰ってほしい」と話した。2006年8月に開設されたセンターには、年に約200の野生動物が運び込まれる。治療やリハビリにあたっているが、募金や寄付で運営されており協力を呼びかけている。
(今冬の渡り鳥飛来、ガン3倍、カモ1.3倍に:新潟)
県内を今冬訪れた渡り鳥は、ガン類が昨冬の約3倍、カモ類は約1・3倍に増加していることが県の調査で分かった。ハクチョウ類は減少しており、県環境企画課は「全体としては平年並みの飛来数」としている。調査は1970年から毎年実施され、今回は1月10日に湖沼や海岸など県内22地点で行われた。県のまとめによると、ガン類は福島潟(新潟市北区)で4559羽、朝日池・鵜の池(上越市)で2987羽など、県内6か所で計8247羽を観察。飛来数が2723羽にとどまった昨冬から大幅増となった。カモ類は、鳥屋野潟・清五郎潟(新潟市中央区)や信濃川の与板橋〜分水堰(長岡市)を中心に、20か所で計10万8048羽を確認。ハクチョウ類は、瓢湖(阿賀野市)で約6%減の3440羽、佐潟(新潟市西区)で約50%増の3259羽など計1万5768羽が観察され、昨冬の1万6890羽をやや下回った。種類別でみると、ガン類はヒシクイとマガンが大半を占め、カモ類はマガモ、小ガモが多かった。ハクチョウ類ではコハクチョウが約9割に達した。
(クマの手、約450個押収:ロシア)
ロシア連邦保安局は11日、ロシア極東ハバロフスク地方とユダヤ自治州の境界付近での8日の検問で、トラックから密猟品とみられる447個の「クマの手」(計515キロ)を発見、押収し、ロシア人3人と中国人1人を拘束したと明らかにした。クマの手は中華料理の高級食材として知られ、同保安局は中国向けの密輸品とみて4人を取り調べている。クマの手は昨年に沿海地方でも約300個が押収されており、治安当局はタイガ(針葉樹林帯)での密猟が失業者らの収入源になっているとみて警戒を強めているという。

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2/11
(JOC主導で役選やり直し)
役員人事をめぐり新旧執行部が対立する日本クレー射撃協会の内紛問題で、日本オリンピック委員会(JOC)が混乱の解決策として、人事を白紙に戻し、すべての役員をJOC主導で選び直す手順を提案したことが10日、分かった。手順は(1)各都道府県協会代表の正会員をJOCが審査して承認(2)JOCが設置する委員会で役員候補者を選考(3)正会員による総会で承認された役員で理事会を開催し、会長や副会長を互選―となっている。同協会は昨年3月の総会で麻生太郎会長の再選を支持する執行部と反対勢力が対立し、新会長を独自に選んだ新執行部と旧執行部が訴訟で争う問題に発展。文科省の要請を受けてJOCが事態解決へ乗り出していた。JOCは問題が解決しない場合、11月のアジア大会(中国・広州)への派遣が危ぶまれると警告している。
(自動車販売会社発砲、地裁で初公判:鹿児島)
自動車販売会社に発砲し、建造物損壊と銃刀法違反(所持)の罪に問われた、住所不定、無職の太信被告(34)の初公判が10日、鹿児島地裁(平島正道裁判官)であり、太被告は起訴内容を認めた。起訴状によると、太被告は05年2月28日午前1時ごろ、散弾銃を所持し、同市東開町の自動車販売会社の事務所に向け2発を発砲して、壁や天井を破損させた、とされる。検察側は冒頭陳述で、太被告は、住所不定、無職の村健作被告(35)=同罪で起訴=に車の運転を頼み、数日前から山中で散弾銃を試し撃ちをした。散弾銃は犯行後に村被告がフェリーから海に捨てた、と指摘した。
(病院長を脅迫容疑で男逮捕:和歌山)
治療を受けた病院の院長に銃弾のようなものを送りつけたとして、新宮署は9日、新宮市相筋2、無職、下川富三容疑者(59)を脅迫容疑で逮捕した。逮捕容疑は、同日夕、同市立医療センターの三木一仁院長(60)の同市内の自宅郵便受けに、散弾銃の実包のようなもの1個と治療内容などへの抗議文書1枚を入れた封筒を投げ入れ、脅迫したとされる。同署によると、下川容疑者は以前、同センターで目の治療を受け、治療後の目の症状をめぐって話し合いを続けていた。逮捕容疑を認めている。
(「おサル110番」存続危機:徳島)
農作物を荒らすニホンザルを追い払うため、牟岐町が2003年に県内で初めて開設した「おサル110番」が、存続の危機に立っている。学習能力の高いサルが発砲から逃れる知恵を付け、住民からの通報が減ったため。町は3月に来年度も継続するかどうかを決める。町によると、110番はサルによる稲作被害が増える7〜10月末に町役場内に開設される。通報があれば、町職員が町猟友会に依頼。猟友会会員が現地に急行し、発砲による威嚇や駆除を行う。通報数は開設された03年の43件から増え続け、07年には129件に。しかし、08年からは80件台に落ち込んでいる。一方、駆除数は03、04年は41匹だったが年々減少。06年には20匹、09年は15匹だった。町猟友会によると、何度も発砲されるうちに、サルが会員の気配や車の音などに敏感になった。会員が近づけば、素早く猟銃の射程距離外に逃げ出してしまう。さらに、木の上に見張り役を置いたり、撃たれないよう身を伏せて食べたり対策を講じている。ほかにも、山に逃げた後も木陰から会員が帰るのを確認して出て来ることもしばしばで、サルの学習能力の高さに手を焼いている。
(JR飯田線でシカと衝突4年で5倍:長野)
長野、静岡県境の山あいを走るJR飯田線(辰野−豊橋間195・7キロ、全94駅)で、走行列車とシカがぶつかる事故が本年度52件(9日現在)発生し、4年前の5倍以上になっていることが分かった。飯田下伊那地域でシカが急増しているのに伴う傾向とみられ、食害にとどまらず社会生活への影響を広げている格好。乗客の安全を守り、運行の遅れや車体の故障を防ぐため、JR東海はシカとの衝突を避ける対策の検討を始めた。同社広報部によると、2005年度に10件だった飯田線での列車とシカの衝突は、06年度に30件、08年度には50件に増加。本年度は05年度以降最多を記録し、4日に下伊那郡泰阜村内で上り特急「ワイドビュー伊那路」とぶつかった事故で52件に達した。

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2/10
(猟銃所持「不適格」通報、半年でわずか20件)
銃刀法に基づき、猟銃所持が不適格と思われる人物について公安委員会に通報する「申し出制度(不適格通報)」の利用が、昨年6月の導入から半年間で、全国で20件にとどまることが、警察庁の調査でわかった。同庁によると、銃刀法は、2007年に長崎県佐世保市で起きた散弾銃乱射事件を受けて改正された。同12月には、アルコール・薬物中毒者、住所不定者に限られていた「欠格事由」に、配偶者への暴力(DV)やストーカー行為などを追加するなど厳格化された。しかし、昨年6〜11月末までの不適格通報は20件で、うち許可取り消しが2件、警察が一時的に保管したケースが2件。定期更新時の取り消しの年平均181件(04〜08年)に比べ、ごく少数だった。
(銃4丁手作り容疑、66歳逮捕:大阪)
自作の拳銃4丁を持っていたとして、大阪府警は9日、同府富田林市梅の里1丁目、無職山崎昭容疑者(66)を銃刀法違反(拳銃複数所持)の疑いで逮捕し、大阪地検が同日起訴した、と発表した。府警は、手作りの弾丸22発も自宅から押収したという。山崎容疑者は「庭で試射して、雑誌を貫通させた。改造拳銃が好きだった」などと供述しているという。捜査4課によると、米国から送られた山崎容疑者あての荷物に本物の銃の弾倉2個が入っていたことが分かり、同課などが昨年12月10日、関税法違反容疑で山崎容疑者宅を捜索。この際、保管ケースに入っている拳銃4丁を見つけ、鑑定の結果から殺傷能力があると判断したという。山崎容疑者は「西部劇のカウボーイにあこがれて拳銃に興味を持った」と供述し、35年ほど前からモデルガンを改造し、早撃ち大会に参加。2007年ごろからはモデルガンやエアガンの銃身に特注した鉄管を入れたり、本物の銃の弾倉をつけたりして銃を作るようになったという。同課は、山崎容疑者が08年ごろから本物の銃の弾倉計11個を海外から密輸したことを確認した、と説明。自宅からは銃の部品も多数見つかったとしている。弾丸は空の薬莢(やっきょう)に手で火薬を詰めたものとみられ、「他人に頼み、作ってもらった」と供述しているという。
(防災対策追加で事業費7億増:山梨)
甲州市塩山上小田原への県立射撃場移転計画で、計画地に土石流発生の恐れがある危険個所が含まれていることが、県教委の調査で分かった。砂防えん堤の拡充など防災対策を追加しなければならず、総事業費は当初計画より4割増の26億円に膨らむ見通し。コスト縮減に向け、県教委は計画を抜本的に見直す方針で、目標としてきた2012年度移転がずれ込む可能性が高くなっている。県は整備コストが縮減できることを理由に、別の場所から同計画地への移転を決めた経緯があり、県の見通しの甘さを指摘する声が上がっている。県は射撃場本体工事に16億円、取り付け道路となる林道整備に3億円かかり、総事業費は計19億円に上ると試算。しかし、えん堤の拡充など防災対策の増強に7億円が必要となり、総事業費は26億円まで膨らむ見込みだ。県は当初、韮崎市穂坂町の県有地への移転を計画したが、事業費が約30億円に上ることから移転場所を再検討。射撃に適した施設の建設が可能な上、建設コストが韮崎の半分程度に抑えられるとして「適地」と判断し、2007年に甲州への移転を決めた経緯がある。県教委は現計画のまま、防災工事を追加した場合、韮崎の事業費とほとんど変わらず、これまでの説明と整合性が取れないことから、大幅な計画見直しが必要と判断した。射場の面数削減も含めて設計を再検討する予定で、「アジア大会が開催できる」と説明してきた規模から大きく縮小される可能性もある。横内正明知事は「コスト削減ができるという見通しが立った段階で、補正予算に必要な事業費を計上したい」と説明。当初スケジュール通り建設が進められるかについて明言を避けているが、庁内からは「予定した11年度末の完成には間に合わない」との声も上がり始めた。
(イノシシ被害が40倍に:富山)
県は、二〇〇九年の鳥獣類による農作物被害状況を発表した。イノシシの被害額が三千四百五十八万円(前年比六百三十五万円増)の大幅増で、〇五年の八十九万円から四年で約四十倍に増加した。被害総額は一億四千六百二十六万円(同四百六十五万円増)で、〇二年に次ぐ多さ。昨年トップだったカラスは前年より千百万円減の二千七百十五万円。捕獲やパトロール強化の効果とみられる。イノシシ被害の増加について、県農産食品課は「個体数の増加に加え、生息する里山の荒廃や耕作放棄地の拡大で、山から田畑に出てきて農作物を食べたため」としている。県は国の交付金などを活用しながら、捕獲機材の整備や被害防止の研修会の拡充などの対策に取り組む。
(捕獲野生鳥獣の利活用研修会:長野)
野生鳥獣による被害対策の一環で捕獲した、シカやイノシシなどの利活用について考える研修会が9日、南箕輪村の信州大学農学部で開かれた。会場には自治体の職員や猟友会のメンバーなどおよそ200人が集まった。研修会は、捕獲した野生鳥獣の利活用について、知識と実践技術を身につけてもらおうと、信大農学部が開いた。9日は主にシカの個体数調整に焦点を当て、専門家が講義した。岐阜大学の鈴木正嗣教授は「日本ではシカを食べる概念がない。これを改善すれば、シカの経済的価値も高まり、個体数の減少、また地域振興につながる」と説明していた。また北海道・酪農学園大学の伊吾田(いごた)宏正助教授はシカの生態について説明した。伊吾田さんによると、シカの死亡原因の約7割が狩猟によるもので、自然死は極めて少ないという。伊吾田さんは「シカは人為的に個体数を調整しない限り増え続ける。積極的に調整していくことが必要」と呼びかけていた。信大農学部では、野生鳥獣の個体数調整の必要性を、地域の人たちにも広く知ってもらいたいとして、来週はシカやイノシシの肉や皮の活用実技研修会を開く。
(中山間地でサンショウやユーカリ、鳥獣被害対策で注目:長野)
上伊那地方の中山間地で、野生鳥獣による被害を防ぎながら収入も確保しようと、被害に遭いにくいとされるサンショウやユーカリを栽培する試みが広がっている。味や香りに刺激があり、葉にとげがあるといった特性をシカやイノシシが避ける傾向があるらしい。効果が証明されているわけではないが、営農組合や農協による取り組みも始まっている。
(イノシシ撃退に激辛大作戦:愛知)
瀬戸市の定光寺自然休養林に隣接する川平町の民家で、イノシシ被害が多発している。同市での被害はこれまで北東山間部が中心だったが、西へ範囲が広がった形だ。しかし捕獲するためのわなが不足。市や尾張旭市、県などでつくる瀬戸旭地区農業改良推進協議会は9日、撃退用のロープを張ったりシートをつるしたりする実験をした。川平町の大脇正夫さん(65)によると、2、3年前から一帯で被害が出始め、今冬は毎日のように出没。体長70〜80センチのイノシシが夜、玄関近くにまで接近し、えさになるミミズを探して畑や庭を掘り返す。墓地も荒らされた。大脇さんは「山にえさがないのかもしれないが、人に被害が出ては困る」と不安がる。瀬戸市内の駆除は、ここ3年間で7頭から85頭に増えた。農作物被害も増え、2008年度の被害額は60万3000円。「農家が申告しない例もある」(市産業課)ため実際の被害はもっと多そうだ。県自然環境課は「県内で増えた理由ははっきりしないが、栄養が豊富で年に2回産むようになったとも聞いた」という。現場は鳥獣保護法に基づく「定光寺鳥獣保護区」で、国指定特別天然記念物ニホンカモシカも生息。イノシシの駆除はできるが、けがをさせるわなや猟銃は使えない。市や農事組合などでつくる市鳥獣害対策連絡協議会はけがをしない「箱わな」を所有しているが、ほかの地域で使用中だ。そこで、市から依頼を受けた瀬戸旭地区農業改良推進協議会が、駆除効果があるとされるトウガラシ成分を染み込ませたロープやシートを、民家周辺に張ってみることにした。市産業課は「捕獲が第一だが、箱わなが足りない。効果があれば、箱わなが設置できるまでのつなぎとして、農家に紹介したい」と期待を寄せていた。
(ヤギの食性利用してイノシシ被害対策:大分)
玖珠町鳥獣被害対策協議会は、1月からヤギを活用してイノシシのすみかとなるやぶをなくす事業に取り組んでいる。農林水産省の鳥獣害防止総合支援事業の一環で先月18日から実施。町内岩室の農業梶原岩治さん(78)が町内帆足に所有する耕作放棄地約200アールで、ヤギ2匹を使って生い茂ったササなどを食べさせている。周囲に電気柵を設置し、ヤギが野犬に襲われないような対策も取っている。ヤギの借り料や電気柵の設置費用は国からの補助金。梶原さん方での事業は3月末までの予定になっている。現地を訪れた梶原さんは「よく食べている。かわいいし、また頼みたい」と話した。協議会では「耕作放棄地は増えており、イノシシがすみかにしたり、通り道にして隣接する田んぼなどを荒らしている。ヤギはあと2匹おり、要望があれば貸し出したい」としている。

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(イノシシに襲われ2人けが:新潟)
8日午前11時50分ごろ、新潟県糸魚川市和泉の県道で、80代と60代の男性2人がイノシシに襲われた。県警によると、2人とも足などをかまれ病院に搬送されたが、命に別条はない。地元消防によると、いずれも軽傷とみられる。イノシシは体長約1・2メートル。直後に近くの猟友会メンバーに射殺された。男性2人はそれぞれ自宅前で除雪作業をしていたところ、相次いで襲われた。現場はJR糸魚川駅から南に約10キロの山間部。
(農作物被害、イノシシによる被害最大に:富山)
去年、県内で起きた鳥獣による農作物被害のうち、イノシシによる被害額はおよそ3千400万円で、鳥獣の中で最も大きくなったことが分かりました。県農林水産部のまとめによりますと、去年、県内で起きた鳥獣による農作物被害額は、1億4626万円で、調査を始めた平成11年以降では平成14年の1億4764万に次ぐ金額となりました。鳥獣の種類別ではイノシシによる被害額が前の年よりも600万円程多い3458万円となり、最も大きくなりました。イノシシによる被害額は平成17年には89万円でしたが、その後急増していてわずか4年間で40倍程になったことになります。被害はほとんどがイネを踏み荒らして生じたものだということです。背景には暖冬による影響もあるとみられ、県や市町村では電気柵を設置するなどして被害対策を進めることにしています。
(越冬カラス「フン害」拡大:愛媛)
中国大陸から越冬のため渡ってきて、松山市の繁華街で住民を悩ませているミヤマガラスの「フン害」が、例年あまり見られなかった地域に拡大している。日本野鳥の会県支部も「飛来数は大きく変わっていないが、周辺部に広がって移動している」と指摘する。新たに被害が出ているビルのオーナーらからは、防止具などを扱う業者への依頼が急増。不況で経費削減に努める中、思わぬフン害に頭を痛めている。
(厄介者イノシシ特産品に“変身”:島根)
年間約1万頭のイノシシが捕獲される島根県。生息する地域は県内のほぼ全域にひろがり、農作物の被害も深刻だ。中山間地域では「害獣」であるイノシシの肉を特産品にしようと、解体施設の整備やブランド化の取り組みが進んでいる。これまでに約20頭を解体した。施設に備えた機械で肉をスライスし、真空パックして出荷。町民から公募した「やくも猪舞(ししま)い」というブランド名で販売し、町内外のイベントでPRしている。県鳥獣対策室によると、県内では松江・出雲地域の中心部と隠岐諸島を除く県内全域でイノシシの生息が確認され、生息地域は徐々に広がっている。山間地を中心にイネが踏み荒らされるなど農作物の被害が相次ぎ、県がまとめた08年の被害額は約4700万円にのぼる。
(蒲田署で銃弾紛失?:東京)
警視庁蒲田署が管理している拳銃の銃弾数が帳簿上の数より5発少なくなっていることがわかった。同署は銃弾がなくなった可能性もあるとみて調査している。同署幹部によると、同署警務課の担当者が先月26日、帳簿と、金庫の中の銃弾数を照合して気付いた。拳銃を携帯する署員は通常、帰宅時などに銃と銃弾を保管庫に返却し、担当者が確認して帳簿に記載するという。
(全国の鉄砲隊集合!:滋賀)
全国各地の火縄銃の砲術を伝える鉄砲隊など23団体を集めた「全国古式砲術鉄砲サミットIN彦根」が、3月20、21の両日、彦根市で開かれる。井伊直弼と開国150年祭実行委員会の主催行事。パネルディスカッションで、砲術の保存と課題について話し合うほか、各鉄砲隊が火縄銃の演武を披露し、会場に轟音を響かせる。

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(野良カンガルーの足跡?:宮城)
昨年秋から謎の“野良カンガルー”の目撃情報が相次ぎ、騒動になっている宮城県大崎市の真山地区で、地元住民が問題の動物が付けた可能性もある足跡の写真撮影に成功したことが7日、分かった。初の“物証”の登場で、地元のフィーバーは過熱。既に発売中のカンガルー酒に続き、「カンガルーまんじゅう」「カンガルーせんべい」など“キャラクターグッズ”の発売も検討し始めた。東北の農村で巻き起こっているカンガルー騒動で、謎の動物の足跡?が写真に収められていたことが明らかになった。撮影者は、同地区に住む大崎市会議員の笠森健一さん(58)と妻の君子さん(57)。昨年12月27日、折しも、遅めの初積雪があった翌日のこと。雪の上には、くっきりと数本に分かれた指を持つ動物の足跡が残されていた。
(山の恵み:宮城)
「クマそば」は具の肉だけでなく汁のだしもクマの骨から取る。脂が浮いた汁は、まったりとし、最後の汁をすする段になっても舌がやけどしそうなまで熱かった。そばは、マタギの千葉清さん(71)が栗駒山のふもとで開く店の名物料理だ。山は08年6月の岩手・宮城内陸地震で地滑りなどの被害に遭った。山の様相は変わり、マタギだけが知るえさ場も、獣道も一変した。だが、獣たちの異変は地震前から生じていた。千葉さんは「昔に比べてクマは増えている」と話す。「自然の豊かさが戻ってきたのですか」と聞くと、首をかしげた。山の幸が豊かな年にもクマはえさを求めて里近くに姿を見せるようになり、成獣になっても体が小さくなったという。頭数が増え縄張りが狭くなったためではないかと指摘する。
(イノシシ撃退、LEDが好評:鹿児島)
JA南さつまが共同開発したイノシシ撃退用の発光ダイオード(LED)ライト「ピカちゃん」が、農作物被害の防止に成果を挙げている。販売開始から1年で2500個を売り上げ、利用者からは「被害がなくなり、とても助かった」「今後もイノシシ対策に活用していきたい」といった声が届いている。JAと日本計器鹿児島製作所が開発した。高さ9センチ、直径7.4センチのプラスチック容器に青色LED6個を装備し、夜間だけ自動的に点滅する。特徴は、LEDを不規則に光らせるプログラムを開発した点だ。イノシシの学習能力を低下させることができたという。南さつま市坊津町にある玉川大学農学部の農場では「イノシシ被害に悩まされていたが、ピカちゃん設置後、ほとんど被害はなくなった」(清川一真技術職員)と効果を実感している。
(命がけのイノシシ猟に密着:岐阜)
「出たぞ。出たぞ。待ち場は注意!」。無線機から勢子(せこ)の声が飛んだ。遠くで聞こえる猟犬の声。猟銃を手にした男たちは、息を殺して身じろぎもしない。ここは揖斐川町谷汲。深い雪が残る山に入り、命がけのイノシシ猟に密着した。出猟したのは、猟を取り仕切る勢子の山本政行さん(63)はじめ、佐藤了介さん(73)、宮嶋義明さん(62)ら計10人。狩猟歴30年以上のベテランがそろい、今猟期も20頭以上のシシを仕留めている。左官業、造園業、建築塗装業など仕事はさまざま。「みんな、この時期は仕事より山だ」。佐藤さんが笑った。この日は10匹の猟犬を使った。山本さんら勢子2人が足跡でシシの居場所を見切り、猟犬が追跡する。あとは犬がシシの足を止めるか、獣道の待ち場で撃つかだ。午前中の猟は、ニホンカモシカが出ただけで不発。午後に期待がかかった。狭い林道を走り、たどり着いた猟場。谷の斜面を調べた山本さんは「モノ(獲物)はいる」と断言した。勢子が犬を連れて山を登り、他の仲間は待ち場に散る。誤射を防ぐオレンジ色のベストと帽子。金子昇さん(58)は、自動式散弾銃を構えて木の陰に隠れた。追われたイノシシは、人も襲う。2006年1月には、垂井町で猟をしていた男性(70)が牙で足を刺され、出血多量で死亡した。同様の事故は全国で起きている。撃ち損じたら命が危ない。険しい山を見上げ、どんな小さな物音にも耳をすませる。寒い。吐息が白い。「シシが行ったぞ!」。30分後、勢子から連絡。待ち場の空気がピンと張りつめる。猟犬の鳴き声もする。どっど、どっどと突っ走るシシの姿が目に浮かぶ。さらに5分。鋭い銃声が1発。また2発。すぐに無線連絡。「撃ったぞ。大物だ」。勢子の声が弾む。険しい山をはい上ると、体長約1・5メートル。体重100キロを超す雄イノシシが倒れていた。山本さんによると、突然現れたシシは猟犬と闘って振り切り、勢子2人に向かってきた。5メートル足らずの至近距離。「こっちがやられるところだった」と山本さん。猟犬2匹が、シシの牙で首とあごをえぐられている。血だらけになった犬は、それでもひるまない。6人がかりでシシを下ろす途中も、ずっと離れようとしない。今猟期一番の大物に、仲間の表情は明るい。同町内の猟師小屋でシシを解体する間、猟の話が盛り上がる。「待ち場に来ると思ったのに、勢子が撃っちまうんだから…」。笑い声が起こる。シシに捨てるところはない。肉は全員で公平に分配し、骨は猟犬に与えるためにとっておく。「獲物を粗末にしたら罰があたるぞ」。佐藤さんが声に力を込めた。「なんで猟をやるかって。やっぱりシシを待つ時の緊張感と、猟の迫力だろうな。助け合える仲間もいるし」と、ある男性。大物猟は、猟銃の安全な取り扱いだけでなく、仲間同士の信頼関係がないと危険を招く。猟を通して生まれる連帯感と、温かい人間関係も魅力のひとつなのだろう。大きなたき火にあたるうち、山里はすっかり暗くなった。冷たい月の光に、凍りついた山の雪がほの白く浮かんだ。
(もシカしてシロ:兵庫)
上郡町光都の丘陵地帯に出没する野生の真っ白いシカが地元の話題になっている。深夜に歩き回ることが多いため目撃者は少ないが、地元でお好み焼き店を経営する杉本俊博さん(60)が見事に写真撮影に成功した。昨年10月、住宅地近くに出没した群の中にいた姿を撮影した。当時はまだ子ジカだったことから、昨春生まれたとみられる。杉本さんはカメラ歴40年。昨年9月に初めて白シカを目撃して以来、いつでも撮影できるようにカメラを常時携帯し、見つけるたびにシャッターを切ろうとしたが、逃げ足が速いため撮影まで約1カ月間かかった。杉本さんは「約30メートルの至近距離で撮影できた時は感動した。成長をそっと見守りたい」と話している。県立森林動物研究センターの横山真弓・主任研究員は「毛根細胞の色素が欠乏した突然変異(アルビノ)だろうが、珍しい」とみている。「神の使い」とも言われる白シカ−−。県の依頼でシカの駆除もするという県猟友会上郡支部の岡本博久さんは「現在、目撃されているのは禁猟区内だ。もし、私が猟中に白いシカに出会っても銃の引き金は引けないだろう」と語った。
(牛の放牧で除草:熊本)
畜産技術の改良などに取り組む独立行政法人「家畜改良センター」の熊本牧場(玉名市横島町)では、牛の旺盛な食欲を耕作放棄地対策に生かそうと、農家に牛の放牧による除草を指導、助言し、成果を上げている。和水町久井原の農家では、水田跡の65アールで雑草が伸び放題となり、2006年に熊本牧場の指導を受けて牛2頭を放牧した。10〜15アールの草を3週間のペースで食べ、荒れ果てた畑は見違えるようになった。現在は6頭に増やし、放牧面積も170アールに拡大している。熊本牧場によると、放牧によって、〈1〉雑草が減り農地へ復元しやすくなる〈2〉病害虫や鳥獣害が減る〈3〉飼料や飼育舎が不要で、酪農家のコスト削減、家畜のストレス低減につながる――などのメリットがあるという。取り組みは今年で5年目を迎え、県北部を中心に15か所で実施している。全国からも注目を集め、和水町の放牧地には毎週のように県内外からの視察が相次いでいる。熊本牧場では、牛やヤギの導入の仕方、放牧地を囲う柵の設置方法など、具体的な取り組みの進め方を説明したパンフレットを作成し、視察に訪れた人に配布して普及に力を入れている。熊本牧場(0968・84・3660)は「耕作放棄地は景観を損ね、病害虫の発生源となって生活環境にも悪影響を与える。放牧に対しては、『土地の境界が荒らされる』と心配する声もあるが、柵を設置するなど十分管理しており、周囲の理解、協力を得ながら拡大していきたい」と話している。県によると、県内の耕作放棄地は現在8720ヘクタール。農家の後継者不足や高齢化などで増加傾向にあり、国、県とも助成措置を講じて解消のための対策を取っているが追いつかないのが現状だ。放棄地の増加に伴い、鳥獣害も拡大。最近では、人里近くの放棄されたミカン園などがイノシシの格好のすみかとなり、畑を荒らすケースが絶えない。県がまとめたイノシシによる農作物被害は08年度で3億5300万円と、04年度の2倍近くになっている。1月下旬には、熊本市の市街地でイノシシが目撃され、パトカーが警戒に出動する騒ぎもあった。市は、猟友会の協力を得て年間170匹程度を駆除しているが、減る気配はないといい、対策が急務となっている。
(各地で猿被害:三重)
四日市市内の各地で、猿の群れが相次いで出没し、農作物を食い荒らしている。市の調査で、昨年末ごろから市内を東に向かって進んでいることも判明。農家の人たちは日々、対策に頭を悩ませている。八王子町の四郷高校南側の丘陵地には5日早朝、30匹以上の群れで現れた。畑でダイコンや白菜などを食べ始めたため、農家の人はロケット花火や爆竹で威嚇して追い払った。それでも、退散は一時的。しばらくすると、人の気配をうかがいながら畑に戻り、またほお張り始めた。農家の人によると、昨秋から周辺に住み着き、柿やミカンなどを食べ、年明けから冬野菜をほぼ食べ尽くした。さらに、春の収穫前のタマネギも、根っこまでかじられ、被害はなくならないという。

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(生物多様化と生態系の維持にオオカミ導入を:アメリカ)
米国の生物多様化を守り、生態系を維持するために、管理が可能な頭数のオオカミを導入すべきだとする研究内容を、米国立公園局の職員が専門誌バイオサイエンスの2月号で発表した。研究によると、北米の各地では食物連鎖の頂点であるオオカミなどがいないため、エルクやシカといった草食動物が増加する一方だと指摘。管理が可能な少数のオオカミを導入することで、草食動物の個体数がコントロールでき、ひいては植物の多様性も保たれると主張している。同様の研究はこれまでにも出されており、オオカミを導入することで草食動物の個体群をコントロールできただけではなく、オオカミを見ようと観光客が訪れ、経済効果が現れた例もあるという。一方で、オオカミが増えた場合に管理できないという可能性もある。1960年にアラスカ州コロネーション島で、シカの個体数を管理するためオオカミ4頭が導入されたが、まもなくオオカミの個体数が増加し管理できなくったことがある。今回の研究を発表した研究者らは、オオカミの生息範囲を制限するため、物理的、電流フェンスの設置などを提案。また、個体の管理も可能だと主張している。
(カモ類は大幅に増加:北海道)
環境省の2009年度ガンカモ科鳥類生息調査結果がまとまった。千歳市内では、前年度に比べオオハクチョウがほぼ同数、カモ類は大幅に増加した。渡り鳥として国内に飛来するガンカモの生息実態を調べ、保護に役立てようと、毎年この時期に行われている。千歳市内の調査は北海道猟友会千歳支部(井上正雄支部長)が担当。1月11日と13日に、千歳川流域の東雲町から釜加にかけての3地点と、第14号幹線排水路の計4地点で行った。まとめによると、ハクチョウ類はオオハクチョウのみで、千歳川の日の出橋―根志越間で63羽、14号排水路で167羽の計230羽を確認した。前年の調査より6羽多かった。カモ類はマガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロなど6種類で、千歳川での確認数は592羽、14号排水路で314羽の計906羽。最も多いマガモで492羽、次いでヒドリガモの221羽だった。カモは前年度の583羽に比べ300羽余り増えた。
(雑草駆除、ヤギにお任せ:兵庫)
遊休農地の雑草駆除をヤギに担ってもらおうと、南あわじ市は農家にヤギを貸し出す事業に取り組んでいる。雑草を食べ続けるため、利用している農家には「草取りの労力が軽減できる」と好評。同市農林振興課は「遊休農地の管理が簡単なので、将来の農地再開につながれば」と期待している。兵庫県農業経営課によると、同市内の遊休農地は2005年時点で238ヘクタール(農地の6・4%)。淡路市の520ヘクタール(同20・9%)に比べれば少ないが、2000年よりも46ヘクタール増えているため、市が対策を検討していた。県の遊休農地活用総合対策事業を活用。京都府のヤギ農園から雌の親ヤギと雄の子ヤギを計5万4千円で昨年11月に購入し、小屋などを含む初期費用の半額が補助された。現在は2軒の農家に無料で貸し出している。子ヤギを借りたのは約500平方メートルの遊休農地を持つ同市市福永の農家。これまでは年に3、4回、機械で雑草を刈っていたが、ヤギは2カ月足らずでほとんど食べ尽くしたという。温厚で人なつっこいザーネン種のため、地元の児童や園児らにも人気という。同市倭文土井で約3千平方メートルの遊休地を管理する農家は親ヤギを借りた上で、さらに2頭を購入。この農家の男性(74)は「ヤギのふん尿で作ったたい肥を周辺の山の獣道にまくと、イノシシの姿を見かける回数が減った」と、獣害対策への効果にも期待する。同市農林振興課は「除草などの効果が挙がれば、各農家にヤギの購入を勧めたい」としている。

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(列車とイノシシ衝突:福岡)
3日午後8時ごろ、福岡市西区のJR筑肥線下山門‐今宿間で、西唐津発福岡空港行きの普通列車が、イノシシと衝突した。乗客400人にけがはなかった。JR九州によると、事故の影響で、上下線2本が運休、6本で最大30分遅れ、約1500人に影響が出た。

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(ニホンカモシカに襲われ夫婦けが:福島)
2日午前2時ごろ、喜多方市岩月町入田付の民家で、飼い犬がほえて外で物音がしたため、この家に住む男性(76)が様子を見に玄関から外に出たところ、飛びかかってきたニホンカモシカの角で脚を刺された。さらに、出てきた妻(73)も襲われた。男性は両手両脚をけがするなどの重傷とみられ、妻は右足に軽傷を負った。同市教委によると、最近は人里に姿を現すカモシカが増えているとみられるが、「人を襲ったケースは聞いたことがない」と驚いている。喜多方署や同市教委文化課などによると、カモシカは2人を襲った後、民家の中に入った。国の特別天然記念物のため、捕獲資格がある福島市の男性が県の連絡で駆け付け、麻酔銃を撃って同日午前11時過ぎに保護した。全長1・6メートルのオスで、10歳以上とみられる。同日午後2時過ぎに、市内の山に帰した。同課によると、最近はカモシカによる農作物被害も確認され、1月上旬には民家の庭先で死がいが見つかったという。同課は「特別天然記念物として保護されているため生息数が増え、山を下りるケースが多くなっているかもしれない。本来はおとなしい性格なのに……」と困惑した様子だった。
(軽トラ荷台に放置の散弾銃暴発、警官が誤って引き金:岡山)
2日午後5時15分ごろ、岡山県美咲町両山寺の駐車場で、県警美咲署生活安全課の男性警部補(53)が、軽トラックの荷台に放置されていた散弾銃1丁を調べている最中に誤って暴発させた。弾は13メートル離れた公衆トイレのコンクリート壁に当たった。けが人はなかった。県警は銃の所有者で狩猟に来ていた同県吉備中央町の農業の男性(78)から銃刀法違反(保管義務違反)の疑いで事情を聴いている。県警によると、別の署員が巡回中に放置された銃を発見。警部補らが現場に駆けつけて所有者から事情聴取し、銃に込められた弾2発の有無を確認しようとしたところ、引き金に指がかかり、1発を発射した。現場は山頂付近で、署員数人と男性以外に人はいなかったという。同署の吉国晃次長は「お騒がせして大変申し訳ない。いま一度、署員の銃の扱い方を見直し、厳しく指導して再発防止に努めたい」としている。
(不登校中3孫に猟銃突きつけ逮捕:兵庫)
自宅で中学3年の孫に散弾銃を突きつけたとして、洲本署は1日、洲本市安乎町平安浦の農業、工藤雅平容疑者(76)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。発表によると、工藤容疑者は同日午後1時50分ごろ、自宅2階で同居する孫の男子生徒(15)に「学校に行くのが嫌だったら、一緒に死のうか」と言って散弾銃を突きつけた疑いが持たれている。男子生徒が部屋から逃げて110番通報し、同容疑者は駆けつけた署員に逮捕された。同署によると、男子生徒はこの日、学校を休んで自宅にいた。最近は休みがちだったという。散弾銃には実弾は入ってなかった。同容疑者は銃の保有許可を受けており、普段は別棟のロッカーに保管していたとみられる。工藤容疑者宅は本人夫婦と息子夫婦、孫3人の7人家族。銃を突きつけた動機をくわしく調べている。
(エゾシカ被害急増で「駆除のプロ」育成:北海道)
エゾシカによる農業被害の拡大を受け、北海道は2010年度からシカの駆除専門の人材育成に乗り出す。群れごと駆除する米国仕込みの狩猟法を1年かけて検証し、2、3年目で研修会などで技術を普及させる構想だ。群れのおびき出しから射撃、肉処理施設までの迅速な運搬などをこなす専門チームを組織。冬季の狩猟に加え、市町村からの有害獣駆除の依頼も受託し、通年で活動する体制を整える方針だ。道によると、エゾシカの生息数は09年3月で推定52万頭以上だったが、出産ピーク後の今年6月には62万頭を超えるとみられる。エゾシカによる08年度の農作物被害額は、前年度を8億円程度上回る約40億円に上る。
(普通列車がシカと衝突:熊本)
今日午前6時ごろ八代市坂本町のJR肥薩線で、八代発―人吉行きの1両編成の普通列車がシカと衝突しました。事故のあと男性運転士(51)が現場を確認しようと列車から降りたところ、誤って約4メートル下の線路脇の側溝に転落し、足の骨を折る重傷を負いました。列車に乗客はいませんでした。この事故の影響で上下線合わせて4本に最大で約1時間の遅れ、約100人に影響が出たということです。JR九州によりますと、肥薩線ではシカとの衝突事故が年々増加、昨年度は過去最高の166件の事故が発生しているということです。
(迷いイノシシ、食用に男性引き取り:大阪)
堺市美原区で先月、捕獲された子供のイノシシ(体長約1メートル)が、泉南市内の自営業の男性に引き取られた。市は当初、自然に帰す予定だったが、受け入れ先が見つからなかった。市によると、男性はイノシシを育てて食用にするという。市では当初、鳥獣保護区などで放す予定だったが、相談した府から難色を示されたうえ、農作物への被害の恐れもあることから断念。ただ一人、引き取りを申し出た男性に1日、引き渡した。市環境局では「もともと狩猟の対象であり、周囲に民家がない竹やぶのような所でオリに入れて飼うということなので引き取ってもらった」と話している。
(住宅地にサル出没:熊本)
熊本市街地にサルが出没し県警などは注意を呼び掛けています。きょう午前10時45分ごろ熊本市の本山に「猿がいる」と近所の人から警察へ通報がありました。数日前から、警察や熊本市の動物愛護センターには先月26日からきょうまでに熊本市南部を中心に保育園や中学校周辺でのサルの目撃情報が寄せられていました。猿の目撃情報を受けて現場近くの向山小学校では校内放送で注意を呼び掛け下校の際には保護者や担任の先生が児童らに付き添いました。ところで、今のところこのサルが人にケガをさせたという情報はないものの、現状では県などの許可がなければ捕獲はできないということです。
(住宅街で“大捕物”:長崎)
2日午後3時10分ごろ、「サルがいる」と長崎署に通報があり、長崎市桶屋町近辺で署員や市職員らが捕物騒ぎに追われた。目撃者などによると、サルは体長約60〜70センチ。同町の光永寺近くの民家の屋根に悠々と座り、集まった警察官らが付近の道路を取り囲んだ。屋根から屋根へ、そしてイチョウの木などにも飛び移るなどしながら約20分後には同市麹屋町に移動。警察官らが「サルがいるから注意して」と呼び掛けたという。警察官らの追い立てを受け、サルは風頭公園のふもとの山に消えていった。ランタンフェスティバルに向け、配線工事をしていた電気通信業の男性(53)は「悠然としていた。次は亀山社中にでも行くのかな」と話した。
(絶滅危惧指定のトモエガモ、3年ぶり飛来:愛知)
設楽町田峯の寒狭川河畔に地元住民らが整備した「オシドリの里」で、環境省や県が「絶滅の危険性が増大している種」としてレッドデータブック絶滅危惧(きぐ)2類に指定したトモエガモの飛来が確認された。10年以上にわたり同所で野鳥観察や観察小屋の整備などに取り組む岡崎市東河原町の会社員小池賢二さん(58)によると、飛来の確認は3年ぶり。先月31日、羽を休めている雄1羽を見つけ写真に収めた。県作成のレッドデータブックによると、トモエガモは全長約40センチの小型のカモで、東アジア特産の希少種。雄は顔に勾玉(まがたま)様のともえ模様があるのが特徴。シベリアで繁殖し、韓国や日本などで越冬する。かつては県内の池などで多く見られた。個体数の減少理由は不明という。小池さんは「今月いっぱいは見られる可能性がある。運が良ければですが」と話している。

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(鳥獣害で実態調査、失業対策と両立:岡山)
岡山県倉敷市は、失業者18人を「鳥獣被害調査員」として緊急雇用して、本格的な鳥獣害対策に乗り出した。農家への被害調査やおりの見回り、耕作放棄地などの調査で、桃など全国有数の特産品を抱える市内農業をイノシシの被害から守っていく。緊急雇用された調査員は「久しぶりの仕事は充実している。農家の力になれれば」と意欲を見せている。事業は岡山市の「エイト日本技術開発」が倉敷市から請け負う。調査員は24〜60歳。活動は1〜3月で、地区の農業土木員や猟友会と連携しながら進める。
(韮崎射撃場周辺で水質調査:山梨)
県立韮崎射撃場(昨年7月閉鎖)から飛散した鉛弾が隣接する釜無川河川敷に放置されている問題で、県教委は1日、施設周辺の地下水の鉛濃度を調べる方針を固めた。県教委が周辺の地下水の水質調査を行うのは初めて。放置された鉛弾をめぐっては、県教委はこれまで地下水調査に消極的な姿勢を示していたが、健康被害を不安視する一部市民団体などの指摘を受け、方針転換した。地下水の水質調査は同施設の周辺約80メートル以内で実施。数カ所を掘削して地下水の鉛濃度を調べる。施設内や河川敷の一部に残っているクレー(素焼き皿)の破片などの清掃作業も実施。県教委は来年度当初予算案に関連する費用を計上する方針。同施設の鉛弾をめぐっては、「県立射撃場建設を考える市民の会」が健康被害が出る恐れがあるなどと指摘。県教委は釜無川で実施している表流水調査で鉛濃度が基準値を大幅に下回っていることから、地下水調査についても「必要がない」としていた。しかし、横内正明知事が昨年12月の定例会見で「調査も含め、どうするか担当の部局に検討させたい」と発言。これを受け、庁内で対応を検討してきた。県教委によると、同射撃場は1966年にオープン。98年に2回、河川敷や施設内で飛散した鉛弾などの回収作業を行い、計690トンを回収。その後、10年以上、河川敷で回収作業を行っていない。
(県立射撃場、移転整備費の計上見送り:山梨)
甲州市塩山上小田原への県立射撃場移転計画で、県は1日までに、2010年度当初予算案への整備費計上を見送る方針を固めた。県教委は施設整備費の総額が10年度当初予算案分も含めて19億円に上る見通しを示したが、予算編成に当たる県が「さらなるコスト削減が必要」と判断した。県教委は11年度末の完成を目指していたが、予算の計上先送りで計画に遅れが生じる可能性が出てきた。横内正明知事は07年8月の記者会見で、これまで射撃場の移転候補地だった韮崎市穂坂町三之蔵の県有地に比べ、甲州市の予定地は整備費が半分の15億円程度に抑えられるとの見通しを示していた。施設整備に向け、県は09年度6月補正予算に約7億円を計上しており、施設周辺の林道整備を含め残りの事業費を加えると、予算総額が想定の15億円を上回る約19億円に上ることから、計画の見直しを決めたとみられる。甲州市の県立射撃場建設予定地では、昨年12月から土砂流出対策の防災施設ダムや進入路の建設工事を始める予定だったが、県は計画の見直しが想定されることから着手を先送り。09年度分の事業費約7億円についても、2月補正予算案で減額する方針。県教委幹部は「射撃場の必要性、現在の建設予定地に整備する方針に変わりはない。十分な防災対策を確保しながらコスト削減を図る」としている。
(被害4億円超、シカ捕獲3万頭目標:兵庫)
県内でシカによる農作物や森林などの被害額が2008年度は4億2600万円に上り、4年ぶりに4億円を超えたことが県の調査でわかった。01年度をピークに減少傾向だった食害は07年度以降、増加に転じ、県は今年度から狩猟期間を2週間延ばしたり、1日の狩猟頭数の制限をなくしたりするなど対策強化に乗り出した。来年度は捕獲頭数の目標を従来の1・5倍にあたる3万頭に増やし、ハンターに特別報奨金の支給を検討するなど被害防止に躍起だ。県自然環境課によると、被害額は01年度は6億円だったが、畑に防護柵を設置するなどした結果、06年度は3億5900万円に減少。しかし、07年度は3億6900万円となり、08年度は4億円を超えた。中でも豊岡市、養父市、佐用町などの農作物の被害額は2000万円を超えた。捕獲頭数は08年度で1万9744頭と、01年度に比べて約1万頭増えている。被害が増える背景には、〈1〉暖冬で雪が少ないため、行動範囲が拡大〈2〉餌に困らず、シカの生育状況がよい――などが推測される。但馬南部を中心に少なくとも5万頭前後が生息しているとみられ、近年は但馬北部、西播磨、丹波で目撃数が増えているという。対策として県は今年度、淡路島を除き、11月15日に始まる狩猟期間の期限を、これまでの2月末から3月15日に延長。1日2頭までだった狩猟頭数の制限も撤廃した。来年度は、年間捕獲頭数の目標を従来の2万頭から、3万頭に変更。県は目標達成のため、捕獲頭数に応じて報奨金を支払う制度の創設を目指す。また、狩猟期以外でも猟友会などに依頼して駆除頭数を増やす。県森林動物研究センター(丹波市)が開発した一度に多数のシカを捕獲できる、18メートル四方の巨大な網を使ったワナを導入するなど、新たな対策も講じる方針だ。一方、シカ肉は需要が少ないため、販売ルートが確立しておらず、ハンターにあまり人気がないという。需要を増やすため、飲食店へのPRや衛生面の注意点などをまとめたガイドラインの作成も進めていく。
(イノシシ被害防止へ、有害鳥獣対策講演:香川)
イノシシやサル、シカなどによる被害が拡大している小豆島でこのほど、有害鳥獣被害対策講演会があり、土庄、小豆島両町の関係者や農業従事者ら約170人が専門家の講演を通じ、野生動物の生態や有効的な対策について理解を深めた。土庄町鳥獣害対策協議会(会長・岡田土庄町長)、小豆島町鳥獣被害防止対策協議会(会長・坂下小豆島町長)が、近畿中国四国農業研究センター(島根県)の主任研究員江口祐輔さん、上田弘則さんらを招き土庄町内で開催した。江口さんはイノシシについて、「猪突(ちょとつ)猛進」ではなく、山からでる場合は必ずいったん止まって周囲を確認するほど警戒心が強いことや、忌避剤が逆に誘因になっていることなど誤解が多い生態を映像で紹介。対策として、餌付け行為となっている落下果実や墓への供え物の放置をやめることや、ネットやトタン、電気柵などを組み合わせた効果的な柵の必要性を強調。被害を起こす個体の捕獲に重点を置くことなど、駆除一辺倒ではなく▽イノシシがいやがる環境作り▽田畑を効果的に囲う▽適切な駆除―の3点を地域で協力してバランスよく行うことが大切と呼び掛けた。また、翌日には県猟友会さぬき北支部の野崎正博支部長を招き、イノシシ用わなの組み立てと設置の仕方について講習会を行った。
(モンキードッグで農水大臣賞:長野)
サルの農作物被害を防ぐため、全国に先駆けて「モンキードッグ」を導入した大町市が、鳥獣被害対策優良活動表彰で初の農林水産大臣賞を受賞することが決まった。9日、東京都内で表彰式がある。同省は野生鳥獣による農林水産被害が全国的に広がっていることから、今回、対策に取り組み、被害防止に貢献している人や団体を表彰し、取り組みを広く紹介することになった。大町市の授賞理由は、モンキードッグの先駆的な取り組みなど地域が一体となった総合的対策。サルに発信器を着け、行動域を監視するとともに、農家の犬を訓練してサルの追い払いを実施している。2005年からこれまでに22頭を育成した。各地の自治体などの視察が絶えず、モンキードッグは全国的な広がりを見せている。また、06年にツキノワグマが異常に多く出没したのをきっかけに、間伐ややぶの刈り払いで里山を整備し、人里との緩衝帯をつくっている。自治会を中心に、サルの生態の学習会や放置されたカキの実の収穫、また、サルにつけた発信器の電波を受信すると集落のサイレンが鳴って追い払うしくみ作りなど、地域ぐるみでの総合的な活動が評価された。降籏和幸・市産業観光部長は「今後とも地域に呼びかけて複合的な対策を続けていきたい」と話している。

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(猟銃暴発、犯人隠避で書類送検:福島)
昨年4月の猟銃検査の暴発事故で県警は29日、この事故を隠し、必要な捜査もしなかったとして犯人隠避容疑で福島地検に書類送検した警部補の係長(53)を停職3カ月にするなど、浪江署員9人を処分した。また、係長は別の容疑でも書類送検され、同日付で依願退職した。県警監察課によると、他には別の警部補(56)を減給6カ月、巡査長(31)を戒告、巡査部長ら他の4人(26〜60歳)を本部長訓戒とした。また、同署長を本部長厳重口頭注意、担当課長を本部長訓戒とした。同課によると、検査の責任者だった係長は、事故を報告しないことを提案し、その場にいた署員も同意したという。係長は「部下をかばいたかった」と話しているという。昨年10月上旬、暴発に関して通報があり、発覚した。このほか、係長は別の事件捜査で作成した供述調書を書き換えたなどとして、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いでも同地検に書類送検された。容疑は昨年1月、風適法で摘発した店の女性従業員を取り調べ、作成した供述調書に誤字や脱字があったため、勝手に一部を書き換えるなどしたとしている。一方、猟銃検査で暴発があったと正しく報告しなかったとする虚偽公文書作成容疑では書類送検されていない。
(羽曳野のライフル発砲、猟銃管理の徹底を:滋賀)
大阪府内で今月12日、ライフル銃の乱射で3人が死亡した事件を受け、県警生活環境課と県銃砲安全協会などは29日、大津市粟津町のJR石山駅で啓発活動を実施した。マスコットキャラクターのけいたくんと警察職員ら約30人がライフル銃などの管理徹底を呼び掛けた。同課によると、県内の猟銃所持者は1216人(1月13日時点)で、銃刀法に基づき計2666丁が管理されている。所持には県公安委員会の許可が必要で、犯罪歴(禁固刑以上)やストーカー行為、夫婦間暴力で警告を受けた欠格事由の対象者には認められない。同課は「市民の安全を守れるよう、許可申請者は厳格に調査したい」と話している。
(市街地にイノシシ3頭出没:長野)
長野市北部の住宅地で30日、少なくとも3頭のイノシシが出没、門扉やガラス戸などを壊す被害を出し、長野中央署や市などが追跡する騒動になった。市危機管理防災課によると、2頭は捕獲したが、1頭は山林へ逃げた。けが人は報告されていないが、かみつかれそうになった人も。3頭も住宅地に現れることは珍しいといい、市周辺部の里山でイノシシが増えている影響を指摘する声が出ている。同署によると、同日午前11時50分ごろ、長野市湯谷の住民から「2頭のイノシシがいる」と通報があった。市や県などの情報を総合すると、湯谷団地、吉田、稲田、富竹で、門扉の一部を壊す、建物のガラス戸を割る、車と接触する−などの被害があった=地図。1頭は午後1時ごろ、三輪のドラッグストア脇の側溝で捕獲、もう1頭は午後2時すぎに柳原の民家近くで捕獲された。別の1頭は午後4時ごろまでに上水内郡飯綱町境に近い同市吉(よし)の山林へ逃げ去り、見失った。市によると、捕獲されたのは雄と雌で、ともに体長約1メートル、体重40〜50キロ。殺処分された。市はイノシシを追跡中、三輪や吉田では防災無線を通じて注意を呼び掛けた。柳原の男性(80)は午後1時半ごろ、庭木の剪定(せんてい)をしようと出た自宅庭にイノシシがいた。「2、3メートル先から、まさに猪突(ちょとつ)猛進で向かってきた」。ズボンにかみついたため、持っていた剪定用のこぎりでとっさにイノシシの頭を打つと、離れたという。柳原の捕獲作業を手伝った近くの長野市議、中野清史さん(59)は、国道18号に近い住宅地で近くには幼稚園もあるため、「過去に近所でイノシシが出たとは聞いたことがない」と驚いていた。市猟友会連絡協議会の小山英雄会長(70)は「3頭も住宅地に出没するのは珍しい」と指摘。繁殖力が強いとし、「市周辺部で野生の個体が増えて、山だけにいられなくなったのでは」とみている。
(アライグマの防除実施計画まとまる:香川)
野生化したアライグマを駆除して農業被害をなくそうと、高松市は外来生物法に基づく「防除実施計画」を策定した。計画期間は来年3月末まで。集中的に捕獲することで、市域からの完全駆除を目指す。市では近年、牟礼・庵治地区を中心にアライグマによる農業被害が拡大。ブドウやスイカ、カキなどがよく狙われ、推計被害額は2007年度が100万円、08年度は213万円。中心市街地でも被害や目撃情報が寄せられている。計画によると、地域事情を熟知した住民を「防除従事者」として登録し、被害があった個所などで徹底して捕獲を行う。原則として「箱わな」を使い、殺処分した後で市のごみ焼却施設で処理する。従事者の選定や事前講習などを経て、今年4月をめどに本格的な捕獲に着手する予定。狩猟免許(わな猟)がなくても、行政が実施する講習会に参加すると従事者になれるのが今計画の特徴。市農林水産課では「多くの地域住民に従事者となってもらい、徹底的な駆除を行いたい」としている。アライグマは北米原産。日本では1970年代にテレビアニメの影響でペットとして人気が出た。しかし、気性は荒く、手に負えなくなった飼い主が野山に放したり、逃亡して野生化したとみられる。生態系に悪影響を及ぼしたり農作物に被害を与えるとして、環境省が「特定外来生物」に指定して駆除に努めている。
(積雪突いて狩猟「巻き狩り」:福井)
県猟友会大野支部は31日、農林業被害を多発させているイノシシやシカを射止めるため、大野市の荒島岳山腹で大規模な狩猟「巻き狩り」を実施し、猟師35人が参加した。巻き狩りは、勢子(せこ)が四方から包囲の輪を少しずつ縮めて獣を追い込み、逃げ道となる沢筋や尾根筋に数十メートル〜200メートル間隔で配置された射手がライフル銃や散弾銃でねらい撃ちにする組織的な狩猟方法だ。同支部が毎年1回、イノシシの猟期(11月15日〜2月15日)の終盤で、イノシシの逃げ足が積雪で鈍るこの時期に実施している。大野市では、昨秋は特にイノシシの被害が多発。同支部員がオリを仕掛け、1月30日までに例年の倍ほどの27頭を捕獲した。この日の巻き狩りには、同支部員60人のうち35人が参加。勢子役約20人は四方に散り、射手役は2班に分かれてかんじきをはき、互いに無線で連絡を取りながら、雪面のあちらこちらに残るイノシシやシカの足跡を追うように山に分け入った。宮坂政雄副支部長は「連絡を密にして、1、2頭は仕留めたい」と意気込んでいた。
(ヒグマ対策専従班を編成:北海道)
根室市は、本来生息しない市街地東部地域に迷い込み、今も冬眠せずに痕跡を残しているヒグマの問題で、猟友会による「ヒグマ対策専従班」を編成、発見時の射殺処分を確認したほか、市職員の巡回強化と、改めて周辺住民や保護者に登下校時の注意喚起を決めた。ヒグマの痕跡は、足跡やふんが年明けの5日、7日、22日に、いずれも桂木地区で発見されている。冬眠せずに活動している状況で、しかも民家近くとあって、餌を求めてさまよっているとなれば「非常に危険な状況」(市教委)が指摘されている。専従班は痕跡が確認しやすい降雪直後に、桂木地区周辺の山中を探索する。同所は銃の使用も可能なことから、発見時は「射殺処分」とすることも決めた。
(シカ捕獲目標3万頭に拡大:兵庫)
シカによる農林業被害の深刻化に対応し、県は2010年度、ハンターや猟友会などによるシカ捕獲目標頭数を、09年度の2万頭から3万頭に増やす方針を固めた。捕獲頭数に応じてハンターに報償費を支給するほか、県森林動物研究センターが開発した大量捕獲わなを実用化し、頭数の「適正管理」を徹底する。県によると、07年度末時点の県内のシカ生息数は、本州部4万2000〜6万頭、淡路島1300〜2400頭で、自然繁殖が続いているという。08年のシカによる農業被害は1億8707万円、林業被害は2億3947万円に上った。被害額は01年の計約6億円をピークに一時減少したが、07年から再び増加に転じていた。県は「シカ保護管理計画」を策定し、捕獲数を毎年拡大。07年度は1万6241頭、08年度は1万9744頭を捕獲し、09〜11年度の捕獲目標は計6万頭としていた。11月から3月までの狩猟期間には、前年度より多くのシカを捕獲したハンターに報償費を支給するほか、狩猟期間外(4〜7月)の地元ハンターによる「個体群管理事業」にも、市町別捕獲目標頭数を上回った捕獲について報償費を出す。同センターが開発したわなは、18メートル四方に網を仕掛け、入り込んだシカの群れを一気に捕らえるもので、地元の農家などに使い方を指導して普及を目指す。また、従来の箱わなも増やす。
(1日から「エゾシカ料理まつり」:北海道)
道やエゾシカ協会などは、1日〜15日まで、エゾシカ肉のさまざまな食べ方を提案する「2010エゾシカ料理まつり in 札幌」を開く。ヨーロッパでは、狩猟で捕獲された鳥獣の肉は「ジビエ」と呼ばれ、広く食されている。中でもシカ肉は高タンパクで低脂質、鉄分やミネラルを多く含む健康的な高級食材として人気を博している。「料理まつり」は道内で増殖するエゾシカの食材としての利用価値を高める目的で、08年にスタートした。3回目を迎える今回は、札幌・小樽・江別市内の計34店が参加し、期間中、エゾシカ協会が推奨する肉を使用した多彩なメニューが味わえる。
(イノシシ被害対策で地域新聞:広島)
呉市豊町でイノシシ被害対策の研究を続ける広島大大学院生の2人が、出没傾向などをまとめた「イノシシ新聞」を地域で発行している。フィールドワークの一方、現地の悩みに応える情報を還元する試み。新聞を通した住民との交流で新情報や課題が見つかるなどの効果も出ている。生物圏科学研究科、谷田創教授研究室の坂本逸志さん(24)と林瑛子さん(23)。島の有害鳥獣対策として市が300万円で研究を誘致し、昨年5月から温度に反応するセンサーカメラを使った行動調査、足跡やふんの痕跡などを調べている。2人は週1回、カメラのデータ回収や電池交換のため島へ入り、調査結果を7〜4ページの新聞にまとめる。9月に第1号、12月に2号を作成。JAや農家、猟師に原本の十数部を渡し、コピーなどで広めてもらっている。紙面ではイノシシが写った日をカレンダーに記して時間帯や天候との関連を分析し、猟師や市から提供される胃の内容物から食べ物の好みや地域性を検証。地元の経験則だった「雨の後出没する」などが当てはまらない結果も載せている。
(世界遺産・宮島でサルの捕獲作戦:広島)
広島・廿日市市の世界遺産・宮島で29日、サルの捕獲作戦が行われた。もともとは観光の目玉として飼い始めたサルが野生化し、農作物を食い荒らしているという。リンゴや大豆など、サルの好物をまいて、おりの中へおびき寄せ、作戦通りたくさんのサルがおりの中へと入っていった。扉が閉められると、突然逃げ場を失って暴れ回るサルや、団子状態で金網にぶら下がるサルもいた。宮島に生息する野生のサルおよそ160匹のうち、29日に捕獲されたのは61匹だった。麻酔でぐったりさせ、1匹ずつ木箱の中に入れられた。捕獲を担当した日本モンキーセンターの加藤 章園長は「ボスですとか、メス頭、長老クラスですね。中核になる部分がみんな入っていますので」と話した。捕獲されたサルは30日、愛知・犬山市の日本モンキーセンターに運ばれ、新しく作られたサル山に放されるという。
(キジ料理自慢の味提供:岐阜)
キジ料理の特産化に取り組む郡上地域活性化協議会の「創作料理発表会」が郡上市大和町の道の駅古今伝授の里やまと内のレストランで開かれ、一般公募した市内外の30人が、市内11店の自慢の味を試食した。同協議会は低脂肪、高タンパクで、飼育が比較的容易なキジを郡上の新たな食材として着目。昨年度から国の「地方の元気再生事業」の補助を受け、飼育から料理としての提供までの一貫システム構築を目指している。発表会は協力する郡上調理師会が本年度3回開催した講習会の集大成として開催。定番の鍋をはじめ釜飯などの和食、中華、フレンチ、イタリアンなどキジの素材を生かして工夫した逸品が並び、参加者は「あっさりしておいしい」などと舌鼓を打ち、アンケート用紙に記入していた。発表したキジ料理は今後、3月までの冬期間、各店で味わえる。同協議会は今年は昨年の2〜3倍の1500〜2千羽のキジを飼育する計画。
(鷹匠少女に依頼殺到:佐賀)
女子中学生の鷹匠(たかじょう)が、タカとともに各地を飛び回っている。佐賀県武雄市の石橋美里さん(15)。笛の合図でタカを自在に操り、ハトやカラスを追い払う。害鳥に悩む九州や四国のごみ処分場や大学から、依頼が相次いでいる。「ピピッ」。笛で合図すると、田んぼを低空飛行していたタカが翼をはたたき、革手袋をはめた美里さんの左手へ舞い降りた。タカの名は、桃太郎。ハリスホークという種類の4歳のオスだ。「きずなみたいなのがあって、私に戻ってくるんです」子どものころから、大空を自由に飛び回る鳥の姿にあこがれていた。小学2年のとき、父親の秀敏さん(43)にねだってハヤブサを飼ったのが始まりで、今では家の庭にあるビニールハウスでタカとハヤブサを2羽ずつ飼う。鷹匠の技術は独学で身につけた。タカ狩りの伝統のある英国の文献やビデオを秀敏さんが知人から譲り受け、美里さんがほとんど1人で学んだ。一番苦労したのは、飼い始めの頃のエサやりだ。「このときに上下関係をしっかりと作れば、どんな訓練もうまくいく」。一方で、ひとりっ子の美里さんは、タカやハヤブサを弟のようにかわいがってきた。5年前からは、タカを神様としてまつる同県唐津市の諏訪神社の秋季例大祭に、タカの飛行を奉納している。害鳥に悩む各地から「出動依頼」が次々に入る。カラスの被害を受ける四国のごみ処分場やハトの糞(ふん)害に悲鳴を上げる福岡市の大学など、昨年は九州を中心に約30回出向いて、タカを飛ばした。実費をもらいながらの活動だ。「継続的にやれば、タカが飛んだ場所は生態系が変わる。原始的だが、効果も大きい」と秀敏さん。航空機のエンジンに鳥が衝突する「バードストライク」の予防にと、佐賀空港でタカを飛ばすテストをしたこともあるという。通常の害鳥駆除では、鳥を銃で撃ったり、わなで捕獲したりする。だが、タカは飛ばすだけで一定の効果が出る。美里さんは、自身の活動の意義を「無駄に命を落とさずに済む」と話す。その一方、自分が飼うタカの命は、エサとして与えるヒヨコの命に支えられている。「いつも命に感謝しています」現在中学3年生で、受験シーズンのまっただ中。毎晩午後10時ごろに塾から帰ると、タカの体重をはかり、健康状態を確かめてエサをやる。春からは高校生。タカを扱える獣医師への夢を温めている。
(「カラスのフン害に憤慨」被害者の会結成へ:青森)
青森県弘前市中心部で長年問題となっているカラスによる被害を考える「カラスのフン害に憤慨する会」が31日、市内で開かれた。弘前商工会議所が主催し、商店主や住民ら約90人が参加。近く被害者の会を結成し、市や市議会に駆除を求めることを確認した。商議所が実施した市民アンケート(回答者254人)の結果が紹介された。7割がふん害やごみの食い散らかしなどを経験し、9割が被害を目撃したという。被害報告では、カラスがねぐらとする弘前公園周辺の観光施設関係者や住民、商店主らが「大量の水を使う歩道掃除が毎朝欠かせない」「夕方は大群が飛び、外を歩けない」「市と住民が一丸となった対策が必要だ」などと訴えた。12月の東北新幹線新青森駅開業や来年の弘前城築城400年祭を控え、弘前のイメージダウンを心配する意見も出された。参加者は被害者の会結成を申し合わせ、市民に参加を募ることを決めた。市に対策を求め、署名活動を展開するという。市によると、カラス被害は1983年ごろに問題化し、昨年の調査では約2700羽が市街地で確認された。市は2007年度、弘前公園に投光器を設置して締め出しに成功したが、被害が近隣に及んだことから中止となった。09年度は生態調査とごみ対策に取り組み、防鳥ネットを町内会に貸し出している。

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