<射撃ニュース2月>

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(男性が散弾銃紛失、届け出:島根)
25日午前9時ごろ、大田市久利町の男性(70)が所有していた散弾銃を紛失したと、大田署に届け出た。同署によると、男性は23日午後0時ごろから、猿の駆除のため同市仁摩町の山林に散弾銃を持って入った。この時は散弾銃を使用しなかったが、その後、散弾銃の所在が分からなくなったという。銃は単身タイプでケース入り、実弾は装てんされていなかったという。
(中日ネルソン、銃刀法違反容疑:沖縄)
那覇空港で実弾1発を所持していたとして、沖縄県警豊見城署は26日、プロ野球中日ドラゴンズ投手、マキシモ・ネルソン容疑者(27)=ドミニカ共和国=を銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。逮捕容疑は26日午前10時40分ごろ、那覇空港国内線ターミナルで、バッグの中に実弾1発(口径9ミリ、全長3センチ)を所持したとしている。ネルソン投手は名古屋行き航空機に乗るため搭乗カウンターでバッグを預け、機内に運び込む前のエックス線検査で職員が見つけた。ネルソン投手は「帰国した時、護身用に拳銃と弾を持ち歩いていた。日本に戻る前に取り出したはずが1発残ったのではないか」と話しているという。ネルソン容疑者の逮捕を受け、中日の西脇紀人球団代表は「責任の重さを痛感しています」とコメント。解雇も含めた重い処分を検討する考えを示した。ネルソン容疑者は08年に中日に入団。2シーズンで通算1勝3敗1セーブ。
(エゾシカの生態や生育状況を講演:北海道)
1990年代から急激に個体数を増加させ、道内で列車や自動車との衝突事故、多大な農林業被害を引き起こしているエゾシカ。年間7〜8万頭が狩猟や有害駆除によって仕留められているものの、ハンターの減少や暖冬などを要因に、個体数は増える一方だ。93年に北海道東部で約20万頭とされたエゾシカは、昨年3月時点で52万頭以上と推定されている。札幌市博物館活動センターは、28日、札幌エルプラザ(北区北8条西3丁目)で、博物館フォーラム「エゾシカを知ろう」を開く。フォーラムは、宮木雅美酪農大学教授ら4人が講演。それぞれがエゾシカの生態や狩猟による個体数管理の事例、森林への影響などを交え、エゾシカが増加した背景や現状、今後の課題などを語る。講演後は来場者との質疑応答も行う。
(クマハギ被害調査:青森)
下北地域県民局林業振興課は26日、むつ市役所で、クマがスギなどの樹皮をはぐ「クマハギ」の被害対策調査報告会を開いた。調査は2008年5月〜11月、下北半島の東通村と大間町を除く9地点で実施。被害率は10〜90%と場所によって大きく異なったが、被害発生自体はここ数年で急速に増加していることが明らかになった。

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(イノシシ、買い取り駆除:宮城)
イノシシによる農作物への被害を減らそうと、県内で初めてイノシシの買い取り・販売を行う「いのしし館」が27日に丸森町にオープンする。県内の被害は急増しており、買い取りで駆除を促す。いのしし館は同町の農業関係者ら7人で作る「丸森町自然猪利用組合」が運営する。持ち込まれるイノシシの食べられる部分を1キロ・グラムあたり600〜700円で買い取る。大人のイノシシなら1頭約1万5000円になる。解体し、精肉やウインナーなどに加工して一般の人に販売する。これまでイノシシの駆除には、猟友会の有志で作る駆除隊や農家らがわなを仕掛けるなどしてきたが、イノシシのような野生の動物を処理・販売するには食品衛生法などで定める資格や対応方法などが必要で、これまで自ら調理するしかなかった。そこで組合が昨年12月、イノシシ肉を販売する資格を取得するなどして、買い取りに乗り出した。県農産園芸環境課によると、県内のイノシシによる農作物被害額は2001年度の511万円から08年度には3930万円に急増。09年度は4000万円を超えるとみられる。耕作放棄地の増加や地球温暖化の影響から生息地域が北上したのが原因とみられ、被害地域も県南から仙台市内へと広がっているという。組合の一條功代表は「農作物を守りつつ、イノシシを丸森の特産物として売り出していきたい」と話している。
(松山空港の滑走路にイノシシ侵入:愛媛)
25日午前7時ごろ、松山市南吉田町の松山空港にイノシシ1頭が侵入したのを滑走路にいた工事業者の男性が発見し、空港事務所に通報した。職員約10人が車を使ってイノシシを囲い込んで、南側のゲートから外に追い出そうとしたが、イノシシは逃げ回り、滑走路や誘導路にも入った。イノシシは午前11時半ごろ、愛媛県猟友会松山支部のメンバーが銃で射殺。イノシシは体長約75センチ、体重約12キロのメスだったという。この影響で、名古屋発の到着便が管制官の指示で着陸をやり直し、6分遅れで到着。伊丹へ向かう2便にも遅れが出た。この日は、羽田空港の濃霧による視界不良で大幅にダイヤが乱れ、松山空港の関係者は「朝からトラブル続きの一日だった」と困惑していた。
(農作物鳥獣被害1億4626万円:富山)
2009年の鳥獣による農作物被害額が1億4626万円に上り、統計を取り始めた1999年以降では2002年に次いで2番目に多かったことがわかった。県が24日、県議会農林水産委員会に報告した。特にイノシシ被害は前年比約600万円増の3458万円と、種類別ではカラスを抜いて1位となったため、県は対策に力を入れる方針だ。イノシシ被害は増加傾向にあり、4年前と比べて38倍。ニホンザルが2853万円で続くが、これまで最も多い傾向にあったカラスは1000万円以上減って2715万円となった。県農産食品課は、暖冬傾向でイノシシが生息しやすくなり、個体数が増えていることや、撃退効果の高い電気柵の普及などで、石川や岐阜、新潟の近隣県から県内に流入していることが原因と分析。一方、カラスは、自治体が空気銃によるパトロールや捕獲などに力を入れたことから、被害が減ったとみている。県は昨年、イノシシ用の電気柵を前年比5倍以上の44基に増設したが、今年も電気柵や捕獲オリを増やして「万里の長城」(農産食品課)を築くほか、イノシシ対策に絞った研修会を開くことにしている。
(進むシカ食害、荒れる研究林:京都)
京都大学の芦生(あしう)研究林(南丹市美山町、4186ヘクタール)で進むシカ食害対策について話し合う、芦生地域有害鳥獣対策協議会が23日、美山文化ホールで開かれた。下草や若木の樹皮などが食い荒らされる被害は深刻で、2010年度も研究林内でシカの捕獲を進めることなどを決めた。協議会で報告された研究林での捕獲実績は、2月15日までに6頭。08年度は9頭だった。地元の人は、今冬は雪が少なく、シカが動きやすかったので捕獲数が少ないとみている。京大関係者は、シカの生息数は1平方キロ当たり芦生は3〜6頭で、他の地域に比べ少ないが、えさが少ないので植生への影響は大きいと指摘。「データが無く想像だが、研究林の植生は回復できない所に来ているのではないか」との意見も出た。研究林や周辺で活動する地元の猟友会員は「研究林のシカは少なくなっているようだが、09年度は周辺を含めると約40頭、08年度は約70頭捕獲している」と指摘。銃に加えてわなを使った捕獲や、研究林に狩猟免許を持つ人を配置すべきではとの意見も出た。府南丹広域振興局は10年度、全地球測位システム(GPS)を使った首輪2台を使ったシカの行動調査や、関心を高めるための「芦生の森再生セミナー」を開く予定という。同研究林は下草やササが、シカに食べられ植生が荒廃していることから、08年度に初めて有害鳥獣の駆除がスタート。09年度には同協議会が発足し、地元猟友会を中心にシカの捕獲を進めている。
(発砲事件でカラス、ハト駆除中止に:福岡)
大川大木猟友会大木支部(中島征行代表)は23日、大木町全域で28日に予定していたカラス、ハトの駆除の中止を決めた。同町では20日、元警察官の男性(69)が男に拳銃で足を撃たれて重傷を負う事件が発生し、犯人が捕まっていないため、同支部は「町民の銃に対する不安が大きい」と判断した。同支部は、町から委託を受けて年4回、農作物を荒らす害鳥の駆除を行っている。中島代表は「児童を中心に、銃を怖がっている人が多い中、駆除をするのは適当でないと判断した。早急に事件が解決してほしい」と話している。
(イノシシ隠れ場の茂み間伐:兵庫)
深刻化する野生のシカ、イノシシ(イノブタ)による農林業被害に対し、県は新年度、淡路島内で“防衛策”の拡充に乗り出す。田畑への侵入防止柵を延長、洲本市で人と獣の「棲(す)み分けゾーン」を整備するほか、島内を含む全県域で狩猟期間中のシカ捕獲に報償金制度を新設。多角的な取り組みで、食害や耕地を荒らされるなどの被害の軽減を目指す。県洲本農林水産振興事務所によると、島内に張り巡らされた侵入防止柵は総延長47キロ。これをさらに延伸するとともに、南あわじ市神代社家地区で県森林動物研究センター(丹波市)などが続ける<人畜共生>への技術指導を、他の地域にも普及させる。棲み分けゾーンは、洲本市五色町広石中で計画。島内では初の試みで、近年増えているイノシシが隠れ場とする田畑に近い藪(やぶ)や茂みを間伐、見通しを良くして身を隠しにくい環境を作り、耕地から遠ざける狙いだ。10〜30メートルの幅で約30ヘクタールにわたって実施し、2011年度中に整備を終える予定という。シカ捕獲報償金1頭あたり2500円 シカについては、銃や罠(わな)による狩猟期間(11月15日〜3月15日)中の捕獲に、現在は出していない報償金を支給。肉などへのニーズが低いシカは敬遠する狩猟者が多く、「少しでも意欲を高めて頭数減少につなげたい」と、1頭あたり2500円前後(申請方式)を予定。県外から来る狩猟者も対象に、年間4000頭を見込む。県の統計では、2008年度中の島内の農林被害はシカが約4700万円、イノシシが約3400万円。捕獲数(狩猟を除く)はシカ469頭、イノシシ1080頭という。
(小学校にイノシシ突進:茨城)
25日午前10時50分頃、茨城県笠間市下郷の市立岩間第一小学校で、イノシシ1頭が校舎のガラス戸に突進し、同校が110番した。イノシシはグラウンドを約5分間走り回り、周辺の住宅地に逃げた。児童らにけがはなかった。同市内では先月17日にも、学校から約4キロ離れた水田で男性がイノシシに襲われて重傷を負っており、笠間署で注意を呼びかけていた。同校によると、同校4年2組の児童が休み時間に校庭に出ようとしたところ、1階の中庭出入り口のガラス戸にイノシシが突進。ガラスはひびが入り、周りにガラス片が飛び散った。イノシシの血痕と見られるものも残っていたという。猟友会のメンバーらが駆けつけるなどして一時騒然となり、「怖いよ」と泣き出す女児もいた。同校は6時間目のクラブ活動を中止し、集団下校させた。同県警笠間署によると、イノシシの体長は約60センチで、目撃情報から約1メートル20の高さのフェンスを越え、敷地内に侵入したとみられる。
(キジ220羽放鳥:三重)
野生鳥獣の保護と繁殖を目的に、県猟友会は24日、鳥獣保護区に指定されている県南部の松阪、尾鷲市、大台、紀北町の計11か所で国鳥の日本キジ220羽を放鳥した。県環境森林部が毎年、県猟友会に委託している放鳥事業。この日は、熊野市の財団法人「紀和町ふるさと公社」から仕入れた成鳥のオスとメス各110羽を放った。オスには生態調査のため、管理番号を記した足環が取り付けられ、狩猟期間中(11月15日〜翌年2月15日)に、行動範囲が把握できるようになっている。
(尾瀬のシカ「予察捕獲」を実施へ:福島)
尾瀬国立公園のニホンジカによる高山植物被害を抑制するため、県は被害発生を予測し有害鳥獣捕獲ができるよう鳥獣保護事業計画を変更する方針を固めた。現行計画では県が地元町村から捕獲許可申請を受けた場合、シカによる具体的な被害を確認した後、有害鳥獣として許可する「事後対応」となっている。今回の変更で被害が確認されなくても捕獲できる「予察捕獲」を実施する。計画変更に伴い、県は過去の被害発生状況、加害鳥獣の動向を踏まえ、被害の発生時期や内容を記した予察表を作る。被害をあらかじめ予測した上で、地元の檜枝岐村、南会津町から受ける申請を許可する。町村は地元の猟友会などと連携し、主にわなを使い捕獲する。捕獲許可数量は県の基準に基づき100頭。平成20年度の捕獲実績は11頭だった。阿武隈川東のイノシシも対象鳥獣保護事業計画の変更では、阿武隈川以東のイノシシも予察捕獲の対象にし、農業被害を抑える。県カワウ保護管理計画も変更する方針。
(有害獣駆除のシカの尾に8千円:北海道)
エゾシカの食害多発で伊達市が、狩猟期間中の昨年12月から今年3月まで道内で唯一、有害鳥獣駆除の許可を道から受け、駆除したシカの尾と交換に1頭8千円の委託料を支払う制度にしたところ、持ち込みが急増し、22日の臨時市議会で「市の確認方法に問題がある」との議論になった。同市では有害駆除は通常4〜10月に行われ、定額制で道猟友会伊達支部に委託してきた。今回の駆除は伊達支部伊達分会のハンター28人を対象に、尾を市に提出すると8千円を支払う方式とした。その結果、昨年春から7カ月間の駆除数は68頭だったが、12月と1月で100頭に上った。市議会では複数の市議が「(狩猟期で報奨金が出ない)市外で捕獲したシカを申請するなど不正の疑いを指摘する声がある。市の不正防止策は甘い」などと指摘、市がシカの死骸(しがい)を確認するよう求めた。道によると、駆除の確認方法として「尾や耳を持ち込むのは珍しくない」という。
(捕獲シカで猟師料理:宮崎)
繁殖したシカの被害に悩む県北で、シカ肉の消費拡大を図ろうと「猟師のおもてなし料理」の試食会が21日開かれた。いくらシカを捕獲してもシカ肉が思うように売れないための「苦肉の策」だ。催したのは、延岡地区猟友会北川支部(矢野晴美支部長、60人)と北川町商工会プロジェクト室。延岡市内の飲食店主ら7人を集めて「夕府村ほたるの宿」で開いた。狩猟関係者によると最近、同市北川町では繁殖したシカが町中にも出没している。網で畑を囲わなければ野菜が作れず、国道ではシカが車にはねられる事故が多発している。県のシカ捕獲促進事業(1頭の報酬8000円)では、昨年9月から今年3月末までの本シーズン中に250頭が割り当てられた。だが15日までにすでに432頭を捕獲、今は無報酬のボランティアで捕獲している。しかしシカ肉の販路がなく、隣近所や知人に配るほか、残りは犬のエサにしている。このため各飲食店がシカ肉の創作料理を完成させるまで、商工会が肉を無料で飲食店に提供し「猟師料理」を開発することになった。
(小沢・民主幹事長らに銃弾?:東京)
東京都中央区銀座8の日本郵便銀座支店で銃弾とみられる金属が入った民主党の小沢一郎幹事長と最高検の伊藤鉄男次長検事あての封筒が見つかっていたことが分かった。いずれも22日付消印で同支店管内で投函(とうかん)されたとみられる。警視庁が脅迫や火薬類取締法違反容疑で捜査している。小沢氏あての封筒は23日午前10時20分ごろ、郵便物の仕分け作業をしていた職員が発見し、築地署に届け出た。中にはライフルの実弾とみられる金属1個と小沢氏を批判する記事の見出し部分を切り張りしたはがき1枚が入っていた。あて先は小沢氏の自宅だった。伊藤次長検事あての封筒は、24日午前9時ごろに仕分け作業中の職員が発見。封筒には銃弾のような金属1個と「なぜ小沢を逮捕しないのか」などと文字が切り張りされたはがきが1枚入っていた。
(シカ食害深刻:徳島)
徳島、高知両県にまたがる三嶺など剣山山系を中心に、四国山地で深刻化するシカの食害問題。この対策に、高知県は2010年度当初予算案に1億円以上を計上しているが、徳島県は1500万円ほど。徳島県内の森林保護団体関係者は、県の対策の遅れに危機感を募らせ、「このままでは被害の拡大が止まらない。もっと力を入れるべきだ」と訴えている。徳島県のシカの食害対策は、08年度は個体数調査に125万円。09年度は、剣山での個体数調整や食害を防ぐ樹木ガードの設置費など計875万円にとどまっている。県はシカの食害対策を、市町村単独の有害鳥獣捕獲事業に委ねているのが実情。ただ、この事業の捕獲対象はシカ以外の動物も含まれており、「シカの対策としては不十分」(県内の森林保護団体)。一方、高知県は08年度に対策を強化。シカに特化した市町村の有害鳥獣捕獲事業への半額補助、狩猟期のシカ捕獲報償金(雌1万円、雄5千円)制度をスタートさせ、対策費は9738万円に上った。09年度はシカの捕獲目標を倍増したのに伴い、対策費も1億364万円に増額。10年度は三嶺での囲いわなを拡充するため、14%増の1億1800万円を計上する。被害が急速に拡大する中、徳島県は10年度に三嶺では初めて、樹木ガードや防護柵を設けるなどの対策費を約1500万円に増やす方針。ただ、徳島、高知両県の取り組みの差は歴然。08年度の駆除頭数は、高知県の8395頭(前年度比78%増)に対し、徳島県は半分以下の3123頭だった。食害状況の調査を進める三嶺の自然を守る会の暮石洋理事長は「徳島県は認識が不足している。早く手を打たないと大変なことになる」と指摘する。徳島県自然環境課の竹原千裕課長は「被害が拡大するシカの食害問題には危機感を覚える。高知は独自の積極的な駆除を推進して効果を上げているようだ。本県も猟銃捕獲などを検討したい」と話す。
(獣害対策で講演会:群馬)
増加傾向にあるイノシシやサル、ハクビシンなどによる農作物被害を防ごうと、沼田市は三月五日午後一時半から、同市中心商店街の大型商業ビル「グリーンベル21」四階特設会場で「獣害対策講演会」を開く。入場無料。当日は、農業・食品産業技術総合研究機構の近畿中国四国農業研究センターで鳥獣害研究チーム長を務める井上雅央氏が「これならできる獣害対策」と題して講演。動物の習性について学ぶことの重要性などを訴える。カラスやスズメなどの鳥も含めた利根沼田地区の二〇〇八年度の鳥獣害被害は、トウモロコシやブドウ、リンゴなど被害面積六十六ヘクタールで被害額は約四千万円。クマやシカによる被害も目立つ。市農政課は「獣害対策は行政だけでは限界があり、地域住民の協力が不可欠」として、初めて今回の講演会を企画した。
(シカ2頭がトンネルに侵入:北海道)
23日午前10時ごろ、上川管内南富良野町のJR根室線金山−東鹿越(しかごえ)駅間の空知トンネル(約2・3キロ)内にエゾシカ2頭が侵入し、富良野発帯広行き快速列車(1両編成、乗客8人)が約1時間遅れた。シカは当初トンネルの約3キロ手前にいたが、辺りが雪の壁のため、列車に追われてトンネル内にまっしぐら。しかし、シカは走り疲れたのか、たびたび線路上にへたり込んだ。運転士が警笛を鳴らすと再び走り出すが、何度も停車を余儀なくされた。シカはトンネルから出た後、雪原へ無事脱出。JR北海道は「駅名のように、シカはよく線路を越えているが、トンネル越えはめったにない」と困惑気味だった。
(カモシカ対策県策定へ:富山)
県内で保護動物の特別天然記念物・カモシカによる農作物被害が相次ぎ、農家などが対策を立てられずに困っているのを受け、県は対策マニュアルを策定することにした。マニュアルは500部程度作成し、4月に配布予定。写真やイラストを盛り込み、昼間に行動することや、好奇心が強く、人がいても逃げないなど、生態の基礎知識を明記。足跡や食跡の見分け方も盛り込む。畑に近づいたら、殺したり傷つけたりすることはできず、石や泥、ロケット花火で追い払うことや電気柵などで防護することが有効と解説している。柵の種類や価格、設置手順も写真などでわかりやすく紹介する。カモシカは県獣に指定されて、県民にはなじみの深い動物。かつては乱獲で生息数が激減し、「幻の動物」と呼ばれたが、1925年に捕獲が禁止されたほか、55年には特別天然記念物に指定され、個体数が増加してきた。県内では78年の調査開始以降、生息域は拡大傾向にあり、東部で特に生息密度が高い。昨年は、JR富山駅や富山市婦中町地区の住宅街などに相次いで出没して騒動となったほか、高速道路ではねられる事故も続いている。一昨年には、舟橋村立図書館にニホンカモシカが迷い込んだ逸話が人気絵本となるなど、カモシカが人里に迷い込む事例が目立っている。しかし、これに伴い、農作物の食害も増加しており、野菜や芋類が特に多いほか、和紙の原料のコウゾにも被害が出ている。県内の農作物被害額は、1999年に217万円だったが、05年には1349万円と約6倍に増加。09年は987万円で、イノシシやニホンザル、カラスなどに次ぎ、5番目に被害が多かった。しかし、カモシカを捕獲するには文化庁の許可が必要のため、農家や自治体からは「どう対応すればいいかわからない」との声が上がっていた。
(アライグマ、ヌートリア大暴れ:兵庫)
外来生物法で特定外来生物に指定されているアライグマとヌートリアによる兵庫県内の農業被害が2007、08年度、2年連続で1億円を突破した。いずれも全国ワースト1で、被害を受けた農家では転作する動きもあるという。ほかの動物に対する危害も深刻になっており、防除計画をつくる自治体が目立つが、決め手に欠けているのが実情だ。兵庫県森林動物研究センター(丹波市)によると、08年度の県内の農業被害はアライグマが約6500万円、ヌートリアが約4200万円で、獣類による被害としてはシカとイノシシに次ぐ3、4位を占める。農林水産省鳥獣被害対策室によると、いずれも県内の被害は増加傾向にあり、アライグマは3年連続で全国ワースト1、ヌートリアも記録の残る範囲では6年連続で全国最多となった。兵庫の被害が際立っている理由は判然としないが、同センターは「県外に比べ、自治体がきっちり数字を把握しているからではないか」とする。農家の作付けにも影響している。スイカやイチゴはアライグマの好物で、せっかく実っても食べられてしまうため、食べられにくい根菜類などに転作する場合もある。同センター森林動物専門員の小林敏郎さんは「生態系への被害も甚大」と指摘。天敵がおらず、繁殖力も強く、在来の動物を駆逐する恐れがあると強調する。捕獲されたアライグマの胃の内容物から、絶滅危惧(きぐ)種に指定されるような希少な両生類が見つかった報告例もあるという。外来生物法では、防除計画が国の確認・認定を受けると、捕獲処分については自治体の判断に任せられるようになった。このため県内では、アライグマについて36市町、ヌートリアは26市町が防除計画をつくった。わなの技術向上を狙って研修会を開く自治体のほか、国も鳥獣被害防止特措法で取り組みを支援するなどしている。しかし、同センターは「捕獲が繁殖力に追いつかないのが現状」としている。
(カラス追い出し実験へ:富山)
高岡市は三月一〜五日、高岡古城公園でカラス追い出し対策の実証実験をする。市花と緑の課によると、同公園には日没前後に夏季は約三千五百羽、冬季は千五百羽のカラスが集まる。周辺の商店街、住宅街はごみをあさられたり、鳴き声や大量のふんに悩まされている。市はごみ集積場へのネット設置などの対策を講じているが、抜本的な解決にはなっていない。実験は期間中の毎日午後六〜十時、公園内でカラスがねぐらにしている木に向け、懐中電灯の光を当て効果を検証する。市は市内の自治会長六百五十人を対象に地域でのカラス被害や生息実態のアンケートもしている。カラス対策関連の事業費は千二百万円。同種の実験は富山市に次いで県内二例目になる。富山市の実験は、昨年九月〜今年二月上旬に富山城址公園と県庁前公園周辺で行い、六千四百羽が六千百羽に減ったという。

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(狩猟免許に支援金:富山)
中能登町は新年度、イノシシによる農地被害を未然に食い止めるため、減少を続ける町内の狩猟者の育成を支援する。有害鳥獣捕獲隊に入隊することを条件に、銃猟やわな猟の免許取得の費用の一部を助成する計画で、町によると県内自治体では初の試みという。町当初予算案に狩猟免許取得支援助成金として15万円を計上した。町民が対象で、第1種銃猟免許取得希望者に3万円、わな猟免許取得希望者に1万円を支給する。町によると、現在までに町内ではイノシシによる農地被害は確認されていないものの、石動山周辺には足跡が残り、石動山系北側の七尾市内では既にイノシシの食害が広がっている。一方、有害鳥獣駆除にたずさわる県猟友会七尾鹿島支部の会員は20年前の約150人から、現在は50人に減少。高齢化が進んでいる上、実際に狩猟をしているのは40人で、うち町民は10人という。免許取得の手数料と狩猟税を合わせた金額の半額程度を町が助成することになり、「有害鳥獣対策に力を貸してくれる町民を募りたい」(農林課)としている。
(イノシシ駆除、本腰:栃木)
鹿沼市でイノシシの被害が急増している。市内の農業被害額は過去3年間で3倍に。ヤマツツジの名所として知られる城山公園(同市口粟野)では木の根元をイノシシに掘り荒らされる被害が出た。市では捕獲したイノシシ1頭あたりの報奨金を今年4月から増額するなどして駆除の増加をねらう。市内のイノシシによる農作物被害額は急増している。市林政課によると2006年度に474万円、07年度に920万円、08年度に1232万円。里山での被害が増えたため、と同課はみる。このため、市は緊急対策に躍起だ。昨年12月に同公園内に3カ所の箱わなを設置。同10月に始めた報奨金制度では、捕獲許可を受けた人を対象に、切り取った尾と証明写真を提出すると、1頭につき3千円を払っている。昨年10月から今年1月末までの4カ月間で、捕獲数は234頭。年間捕獲数が08年度の287頭を上回るのは確実といい、「制度の効果が出た」(同課)。さらなる効果を、と10年度当初予算案では100万円を計上、1頭あたり5千円ほどにアップさせる予定だ。県自然環境課によると、イノシシ被害は従来、茂木町など県東部で多かったが、10年ほど前から県西部でも目立つようになった。県全体の農作物被害額は05年の約2100万円から08年の約1億1千万円に。このため、県も10年度当初予算で「イノシシ捕獲促進強化事業費」として、各市町が駆除従事者に払う日当や報奨金を増額できるよう、今年度より約360万円多い1664万円を計上した。
(県議と農業士が鳥獣対策で懇談:和歌山)
日高郡市選出の4県議と地元農業士との意見交換会が18日に市内日高農業共済会館で開かれ、農作物の鳥獣害対策について話し合った。県議側は農業士から深刻な被害状況を聞きながら、「行政職員でハンターを採用してはどうか」「有害鳥獣捕獲の報奨金をアップしよう」などとさまざまなアイデアを出し「全力で取り組みたい」と約束した。冨安民浩議長、坂本登副議長、中村裕一・花田健吉県議と各市町の農業士15人が出席。農業士からは「イノシシ、シカ、サルなどが農作物を食い荒らす被害の対策に10年ぐらい前から取り組んでいる。これまでウン千万円はつぎこんで、田畑にフェンスや捕獲オリを設置しているが、根本的に頭数が減らない。資金的にも技術的にも限界にきている」「猟友会では趣味で捕獲している人が多く、私たち農業者が取り組む鳥獣害対策としての捕獲とは意識的にズレがある」「鳥獣害対策のモデル事業として県に資金援助と技術指導をお願いしたい」など、深刻な状況の説明や要望があった。これを受けて冨安議長は「もはや従来の方法の対策では難しい。何か思い切ったことをしなければ鳥獣害は減らないだろう。動物愛護団体から反対の声があるかもしれないが、例えば毒を使える制度の制定など、一網打尽にするぐらいのことをしなければいけない」と対策に意欲をみせた。坂本副議長らも「農業を守るため頑張りたい」と約束。具体的なアイデアとしては「行政では土木の技術者を採用している。そういった意味で鳥獣害対策は農業の大きな問題なのだから、専門的に捕獲するためのハンターを採用してはどうか。たしか高知県でその取り組みをしていた」「とりあえず期間限定で、有害鳥獣報奨金をアップしてみてはどうか。いまは1頭につき数千円だが、これを10万円にでもすればもっと捕獲が増えるだろう。県で予算を取れるのではないか」「まず生息数を把握して、頭数をどこまで減らすのか数値目標を立てるべき」などが出され、今後県に働きかけていくとした。最後に中村県議が「今度、二階俊博代議士ともこういった機会を持ち、国にも対策を求めていこう」と述べた。
(鷹匠の情熱、DVDに記録:山形)
クマタカやイヌワシを使って猟をする国内唯一の鷹匠(たかじょう)として知られる松原英俊さん(59)=鶴岡市田麦俣=の活動を記録したDVD「出羽ノ鷹狩」が発売された。雪原を舞台にした訓練の様子、鷹狩りに対する松原さんの情熱などを収めた作品になっている。松原さんは、師匠である鷹匠・故沓沢朝治さん(真室川町出身)の生き方に感動し、24歳で沓沢さんの下に弟子入り。一年ほどかけてタカとの接し方など基礎を学び、真室川町北西部の山奥でタカと向き合いながら8年間の修行を積んだ。その後、月山中腹の田麦俣に移り住み、現在はイヌワシ1羽、クマタカ3羽を育てながら鷹狩りを続けている。鷹狩りは日本古来の狩猟文化。クマタカを使った狩猟を続けている松原さんの生き方を映像に残したいと、映像会社「エデュエンス・フィールド・プロダクション」(札幌市)が取材を依頼し、5年ほどかけて松原さんの活動を撮影。1時間20分の作品に集約した。幼鳥のころは光に反応して警戒心を強めるクマタカを暗闇の中で飼ってなつかせたり、自然環境に適応させながら捕食を訓練するため絶食で空腹状態にして野に放ち、戻ってくると鶏肉の切り身を与える様子などを収めている。鷹狩りの歴史的な背景について専門家へのインタビューなども織り交ぜた。松原さんは「自然の中に身を置いて、タカとともに生きていく素晴らしさを多くの人に伝えたい」と話している。
(伝統「坂網猟」を体験:石川)
ラムサール条約登録湿地の「片野鴨池」(加賀市片野町)に伝わる伝統的なカモ猟法「坂網猟」を体験するイベントが20日開かれ、地元の小中学生ら約30人が参加した。片野鴨池はマガモやトモエガモの飛来地として知られる。坂網猟は江戸時代から続く猟法で、周辺の丘でカモが池を飛び立つのを待ち、頭上を通過する瞬間、木枠に網をかけた「坂網」を放り投げて捕らえる。この日は地元猟師が、カモを待ちかまえる丘の「構え場」で指導。子供たちは見よう見まねで投げた坂網で、カモに見立てた人形を器用に捕まえていた。また、「風の向きで網を構える場所を変える」「破れても大丈夫なように、1回の猟で何枚もの網を用意する」という猟師の解説に、興味深そうに耳を傾けていた。加賀市立黒崎小学校5年の小谷光世君(11)は「猟師の人は空高くに投げた網で、剛速球のように飛んでくるカモを捕まえられるから本当にすごい」と、伝統の技術に感服した様子だった。
(野生鳥獣の食害深刻化:群馬)
県内の野生鳥獣の生息状況や食害の実態などの研究報告会が21日、県立自然史博物館(富岡市)で開かれた。作物などが食い荒らされる被害は深刻化している。定員100人の会場には約140人が詰め掛け、関心の高さを物語っていた。報告会は県の主催で、対象動物ごとに、県や被害の多い沼田市、太田市のほか、自然環境研究センター(東京)などの担当者が研究・調査の結果を説明した。ニッコウキスゲなど植物に被害を及ぼしている赤城山のシカについて、同センターの研究者が「土壌崩壊につながるほど危険なレベルに達している可能性がある」という見方を紹介。くくりわなを用いた継続的な捕獲の必要性を説いた。イノシシ対策では、太田市の担当者が住民参加型の対策の重要性を訴えた。沼田市は、サル対策で2009年度から市民の携帯電話を使ったサルの位置情報の伝達システムを披露。「費用がかからない」というメリットがあり、今月1日現在で56人が登録しているという。中之条町四万地区などで観光客や登山者がヤマビルに血を吸われる被害が出ているのも、宿主となるシカなどの野生動物の急増でヤマビルの生息地域が拡大している可能性がある、との指摘が出た。県は、新年度当初予算案に鳥獣被害対策費1億3400万円を盛り込み、対策を強化する。新たに発足予定の県鳥獣被害対策支援センターと連携する日本獣医生命科学大学(東京)の時田昇臣講師は「(報告は)県内の状況がよく整理されていた。センターの取り組みにも役立つ内容だ」と手がかりを得た様子だった。
(特産のキジ肉PR:愛媛)
特産のキジ肉をPRしようと、鬼北町奈良の成川渓谷休養センターで21日、「きじ鍋まつり」があった。町内外から多くの人が訪れ、きじ鍋、きじ飯など鬼北の味を堪能した。同町は1992年からキジの養殖に取り組んでおり、「まつり」はキジ肉の消費拡大につなげようと町が昨年から開いている。鍋などは養殖業者のきじ生産者部会(程内覚会長、8人)メンバーらが調理。一杯200円のきじ鍋ときじ飯は各600食限定とあって、長い行列ができる人気ぶりだった。休養センターのレストランではキジ肉を使った丼とカルパッチョのセットなども登場。きじ鍋セットと具材となる地元産野菜の売り場もにぎわった。
(カモ激減1/100:山形)
日本一のハクチョウ飛来地として知られる最上川スワンパーク(酒田市)で、ハクチョウへの餌付けをやめた2008年度冬以降、同所を訪れるカモ類の数が激減していることが18日、県のまとめで分かった。当のハクチョウ飛来数はほぼ変わらない一方、カモ類は約100分の1に減少。関係者は、「酒田に行ってもエサはないぞと、カモの世界で周知されたのでは」と推測している。県が発表した09年度ガンカモ類(ハクチョウ類、ガン類、カモ類)生息調査結果は、1月9〜17日、河川や湖沼など県内368地点で実施。カモ類が7万4785羽(前年度10万3022羽=27%減)で最も多く、次いでハクチョウ類が1万3060羽(同1万6035羽=19%減)だった。カモに顕著な“異変”が起きているのが「最上川スワンパーク」。人を介した鳥インフルエンザの感染拡大を懸念し、08年度冬から餌付けを禁止している。前年度に3万2310羽だった飛来数は1万5800羽に半減。迎えた09年度は380羽しか飛来せず、わずか二冬でぱったりと姿を消したことになる。一方、ハクチョウは、影響が懸念された08年度冬に9900羽(前年度比700羽増)が飛来。今冬も9700羽が訪れ、飛来数に大きな減少はない。40年以上スワンパークで餌付けを続けていた「酒田市白鳥を愛する会」の池田昭三会長(81)は、「ハクチョウは過ごしやすいから酒田に来ていたが、カモは餌付けのエサが目当てだったのだろう」と苦笑する。県みどり自然課は、「カモ類の数は全県的に減っているが、関連は分からない」と話している。

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2/19
(銃刀法違反で元巡査を書類送検:埼玉)
殺傷能力があるとして所持が禁止されている「準空気銃」にあたるエアガン2丁を所有していたとして、県警が県北部の警察署に勤務していた元巡査(26)を銃刀法違反容疑でさいたま地検に書類送検していたことが分かった。送検は1月25日付で、県警監察官室は同日付で元巡査を本部長訓戒処分とし、元巡査は依願退職した。その後、元巡査は同月28日付で起訴猶予処分とされた。県警監察官室によると、元巡査の送検容疑は07年2月〜昨年9月、準空気銃に当たるエアガン2丁を自宅で所有していたとしている。元巡査は「以前からサバイバルゲームなどが趣味で15丁ほどエアガンを持っていた。法規制は知っていたが、まさか自分のものが該当するとは思わなかった」と説明したという。「準空気銃」は06年2月の法改正後は所持が禁止されている。
(シカ、日中の市街地に:岩手)
釜石市鈴子町の甲子川河川敷で17日正午過ぎ、ホンシュウジカが草をはむ姿が目撃された。生息地の五葉山に近い同市でシカは度々見られるが、日中、市街地まで現れるのは珍しい。新日鉄釜石製鉄所東門前の甲子川右岸。約200メートル上流には、交通量が多い大渡橋がある。上に架かる三陸鉄道南リアス線の鉄橋が屋根となってそこだけ雪がなく、シカは悠然と草をはんでいた。通りかかったドライバーらは「こんな時間に、こんな場所まで」と驚いていた。
(イノシシを禁止区域内で猟銃使い駆除:静岡)
伊豆の国市は19日から、特定猟具(銃)使用禁止区域に指定されている同市韮山地区の平山で、猟銃によるイノシシ駆除を例外的に実施する。数年前から、農作物への被害や住宅地での出没が報告されているほか、人に危害を加える恐れがあるため。周辺に住宅地や公共施設があることから、市は注意を呼び掛けている。同市によると、韮山猟友会の会員が19日を皮切りに、26日、3月5日、12日の毎週金曜、午前8時〜正午に実施する。近くにある市立韮山中学校や県立韮山高校には、イノシシの捕獲を行っている間、屋外での活動を控えてもらうという。市農業振興課は「山には10頭ぐらいのイノシシがすんでいると聞いている。安全を第一に実施し、少しでもイノシシが捕獲され被害が軽減されればいい」と話している。
(鳥獣被害対策センター発足へ:群馬)
イノシシなどの野生動物が農作物を荒らす被害が深刻化している。最近10年間で1億円以上も被害額が増え、前橋市など都市部ではハクビシンによる被害も出始めている。山間部と都市部の両方向から危機が差し迫る状況に、群馬県は4月に鳥獣被害対策支援センターを発足し、抜本的な対策に乗り出す。県技術支援課などによると、農作物被害は平成11年度に2億4698万円を記録。その後上下を繰り返しながらも増加をたどり、18年度には3億円を超えた。被害地域も大幅に拡大している。9年ごろには藤岡市や安中市などの山間部に集中していたイノシシの被害は、19年には県内ほぼ全域にまで広がった。都市部では、さらなる異変も。5年には捕獲数がゼロだったハクビシンが、18年には141頭、19年に243頭となり、20年は413頭に。ここ3年は倍増ペースで、同課は「ハクビシンは天敵がいない。増加の勢いはけた違い。前橋市でも、イチゴ畑を荒らすなどの被害が確認されている」と警鐘を鳴らす。野生動物の被害が拡大している背景には、動物の隠れみのとなる休耕地の増加による生息域の拡大に加え、捕獲が思うように伸びていない現状がある。同課によると、県に狩猟登録した県内の猟銃免許取得者は、平成元年には4856人いたが、20年には3千人を割り込んだ。また、足並みがそろわない各自治体による対策も、全体としての問題解決を先送りする結果となっている。県北のある自治体では平成7年、シカから農作物を守るため、畑の周囲や生息地境界に約2メートルのさくを町単位で張り巡らせての対応を始めた。その後、エリア内のシカ被害は減ったが、周辺地域の被害が急増。同課では、シカが移動しただけで、全体の被害は減っていないと指摘する。こうした実情に、県全体としての統一的な取り組みが必要として、県は4月、鳥獣被害対策支援センターを立ち上げることを決定。22年度予算案に約1億3400万円を計上した。日本獣医生命科学大(東京都)と共同で動物の生息数や行動範囲の研究を進め、広域での連携策を検討。また、被害をもたらす動物を捕獲する態勢づくりも進めるという。同課では「現状では都市圏中心部で野生動物の被害が生じるのは時間の問題。交通事故などのおそれも出てくる。県全体での妙案を考える時期にきている」と話している。

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2/18
(東京地検に銃弾郵送か:東京)
東京・霞が関の東京地検に銃弾のようなものが入った郵便物が届いていたことが17日、警視庁丸の内署への取材で分かった。同署は脅迫容疑で捜査している。丸の内署によると、郵便物は封筒で、消印は今月10日付。銃弾のようなものは、ライフル銃用の弾頭部分とみられ、火薬や薬きょうはなかった。同封の文書には、東京地検が小沢一郎民主党幹事長を逮捕するよう求め、今後、火薬入りの実弾を郵送する趣旨の内容が書かれていた。封筒には、東京地検の所在地の住所と「東京地検へ」との記載があり、差出人の名前はなかった。12日に地検の職員が開封し、同署に届けた。小沢幹事長をめぐっては、昨年末から事務所などに銃弾のようなものが6回送られ、首相官邸にも首相あてに同様の郵便物が2回届き、警視庁が脅迫容疑などで捜査している。
(山火事のにおいで猿よけ:宮崎)
農作物や家庭菜園への猿による被害を防ごうと、宮崎市橘通東5の農業資材販売業、吉岡清信さん(61)が、野生動物が嫌う山火事に似たにおいが特徴の液体を開発した。発明協会県支部(宮崎市)などに類似品がないかを確認し、「スメルガン」の商品名で本格的な発売を目指す。対策に悩む自治体も関心を寄せており、吉岡さんは「早い時期に商品化したい」と意気込んでいる。液体は、ニンニクやたばこの灰などに、一般家庭でも入手できるある物質をポリタンクで水に浸して抽出する。この物質は企業秘密として明らかにしていないが、数年間かけて調合した液体には、火事現場の後にいるような強烈な焦げ臭さがある。吉岡さんは営業で県内の農家を回る中、防護柵の整備や猿に発信器を付けるといった対策では防げないほど、深刻な被害の現状を知った。防止策を模索していたところ、「野生動物はにおいで山火事に気付いて逃げる」と聞いたことを思い出し、文献で猿が嫌がる物質を研究。身の回りで探し、約5年かけて、においを再現することに成功した。液体は、噴霧器で畑の周辺に週1回程度まいて使用する。昨年12月下旬に家庭農園のミカンが被害を受けた同市浮田の坂本光男さん(67)は約1か月試してみたが、これまでのところ被害は出ていない。「2、3年前から被害が続いていたが、不思議だ」と驚いている。
(シカ食害対策検討:鹿児島)
霧島地域でシカによる農作物や森林への食害が相次いでいることを受けて、九州森林管理局(熊本市)は16日、対策会議を湧水町のいきいきセンターくりの郷で開いた。鹿児島、宮崎県境の自治体関係者らが、被害の現状を報告し、対策を話し合った。広域で情報や意見を交わし、効果的な対策を講じようと初めて開いた。両県と、霧島、都城など4市2町の担当者、猟友会メンバーら計約50人が参加。会議では、今年度から始まった生息調査で、ふんの数から1平方キロ・メートル当たりの個体数を割り出したところ、適正頭数(1〜10頭)の20倍に当たる200頭が生息している地点が確認されたことなどを報告した。参加者からは「猟友会員は高齢化しており、銃よりも、わなを使った効果的な駆除システムを作るべき」「捕獲後の肉の活用について検討を始めたい」などの意見が出た。
(小学校にヤマモモやカキなどを植樹:三重)
野鳥がやって来る環境づくりに役立てようと、名張市猟友会(中嶋有示会長)は2月17日、同市の薦原小学校と百合が丘小学校で、児童らとともに、実のなるヤマモモやザクロ、カキなどの木を校庭に植えた。この植樹は、三重県猟友会が1983年から県内で行っている社会貢献事業の一つで、名張市内では初めての実施。野鳥の餌場を増やし、子どもたちに少しでも野生生物とふれあってもらおうと、毎年県内の小学校に木を提供しているという。
(イノシシの穴埋め募集:栃木)
ツツジの名所を荒らすイノシシが掘った穴を埋め戻し、汗をかいた後はイノシシ鍋に舌鼓――。鹿沼市口粟野の城山公園で21日、「穴埋めボランティア」として作業してくれる人を市が募っている。公園には2万株のツツジがある。見頃を迎える4月下旬から5月上旬ごろには県内外から観光客が訪れ、2008年は6千人にのぼった。イノシシがツツジの根元を掘り返す被害は03年ごろから目立ち始めた。市職員らが手作業で埋め戻していたが、今年度は例年になく被害が拡大し、穴は650カ所に及ぶ。大きいものは直径、深さとも1メートルほど。園内の道路は狭い上、斜面に開いている穴も多いため、機械による作業ができないという。そこでボランティアを募ることにした。当日の作業は午前9時から正午まで。終了後、イノシシ鍋などの食事が振る舞われる予定。

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2/17
(散弾の一部が男性に当たり軽傷:鹿児島)
14日午後1時20分ごろ、錦江町田代麓の山中で狩猟中の鹿屋市吾平町上名、自動車整備業、丸山陸奥男さん(62)が発射した猟銃の散弾の一部が、近くにいた狩猟仲間の男性(77)に当たった。男性は首や鼻に約10日の軽いけが。錦江署は、周囲の確認不足とみて、業務上過失傷害容疑で調べている。同署によると、丸山さんらは3人でキジ猟をしていたという。丸山さんがキジを発見したため発射したところ、20〜30メートル先にいた男性に当たった。
(増えずぎたエゾシカに"包囲網":北海道)
道内で年間約40億円の農林業被害を及ぼしているエゾシカ。道はエゾシカの増殖に歯止めをかけるため、来月下旬にも、国や道内自治体などと連携して「全道エゾシカ対策協議会」(通称・エゾシカ包囲網会議)を立ち上げ、全道規模での個体数管理に乗り出す。エゾシカは明治初期の乱獲と豪雪によって一度は絶滅の危機に瀕したが、天敵だったエゾオオカミが絶滅したことなどで北海道東部を中心に次第に個体数を回復させた。1990年代に入ると急増し、農林業被害を及ぼす"厄介モノ"として害獣駆除の対象となった。93年に北海道東部で約20万頭とされていた生息数は、昨年3月時点で52万頭以上と推定されている。道は98年度から、エゾシカの個体数を減少させるべく、メスジカの狩猟解禁やハンターによる有害駆除に取り組んできた。近年は年間7〜8万頭が捕獲されているものの、繁殖力の高いエゾシカは、ハンターの減少や暖冬などを要因に増加の一途を辿り、生息域を全道に拡大している。道自然環境課野生鳥獣グループは「現在のエゾシカ対策で道が取り組めるのは狩猟の規制緩和のみ。有害駆除は各市町村の役割で、国立公園は環境省、農地は農水省が担当するなど縦割りの弊害がある。このままでは増え続けるエゾシカに対抗できない。エゾシカ包囲網会議を立ち上げることによって、より効果的な対策を講じることができるはずだ」と話す。エゾシカ包囲網会議の目標は、狩猟と有害駆除に加えて、専門家チームによる新たな捕獲方法を確立し、将来的に年間13万頭のエゾシカを駆除すること。道は来年度から、環境省などと連携して、新捕獲技術の実証試験を開始する。実証試験はエゾシカを餌でおびき寄せ、複数頭を一気に駆除する「シャープ・シューティング」という手法。米国のNPO団体などが実際に導入し効果を上げているという。この手法はエゾシカを捜索する手間が省けるなどのメリットがある。ただ、欧米での「シャープ・シューティング」は、夜間にサイレンサー(消音器)を使用して行っており、夜間駆除とサイレンサー使用がいずれも法律で禁止されている日本では効果が出るかはわからない。実証実験では、害獣除けの爆音器などで銃声に慣らせながらエゾシカを餌付けする予定だ。
(NYの都心部に野生のコヨーテ:アメリカ)
野生のコヨーテが今冬、およそ似つかわしくない大都会ニューヨークの中心部に出没し、住民を驚かせている。郊外の森からエサを求めて流れついたらしい。コヨーテはイヌ科の動物で、外見はオオカミに似ている。まれに民家や牧場に忍び込み、ペットや家畜を襲う。昨年10月末、カナダの国立公園でハイキング中の女性歌手(当時19)が2頭のコヨーテに全身をかまれ、死亡した。この事件が大きく報じられ、凶暴な動物というイメージが米国でも広まっていた。ニューヨークで最初に目撃されたのは、その翌月。市内クイーンズ区の住宅街駐車場に1頭が現れた。住民が警察に通報し、市保健当局が捕獲に乗り出す騒ぎになった。ニューヨーク市公園管理局のサラ・オークワンさん(40)は「郊外の森で仲間が増えすぎ、群れを離れて線路伝いに都会へ来ているようだ。主なエサはネズミや鳥だが、残飯も食べる。エサを与えたりしないでほしい」と注意を呼びかけている。

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(住宅付近で猟銃発砲容疑:兵庫)
相生市内の住宅地付近で猟銃を発砲したとして、兵庫県警生活環境課と相生署は15日、銃刀法違反容疑などで、同市大谷町、無職田中正和容疑者(63)を逮捕した。逮捕容疑は1月24日、同市矢野町能下で、猟銃が禁止されているにもかかわらず、シカを捕獲する目的で住居地区に向かって散弾2発を発射した疑い。同課などの調べに対し、「住居に向けて撃っていない」などと容疑を否認しているという。同課などによると、田中容疑者は県猟友会相生支部長。この日は知人らと狩猟に出掛けていたという。
(シカ肉持ち帰る途中滑落死:群馬)
15日午前10時ごろ、群馬県沼田市利根町穴原の山林で、近くに住む農業田辺幸夫さん(76)が約10メートル滑落した。同行していた友人の男性(62)が119番し、病院に搬送されたが、全身を強く打っており死亡が確認された。沼田署によると、現場は約50度の急斜面で、積雪3センチだった。この男性が14日に地元猟友会員らと5人でシカを仕留めた。男性に誘われた田辺さんは15日朝、入山してシカを解体しリュックサックに詰めて帰宅するため斜面を登っている途中に滑落した。同署が原因を調べている。
(イノシシにかまれた69歳女性けが:京都)
15日午後5時半ごろ、京都府綾部市上原町の府道を歩いていた近くに住む女性(69)が、道沿いの山中から飛び出してきたイノシシにかみつかれた。女性は右の太ももと左手の親指をかまれ、病院に運ばれた。綾部署によるとイノシシは体長1メートル超、体重100キロ超の雄。女性をかんだ後、おとなしくなった。けがをしていたという。綾部市が地元の猟友会の会員に依頼し、殺処分にした。女性は当時、近くに出掛けて自宅に戻る途中で、襲われたのは自宅前だった。市農林課によると、周辺ではイノシシが人に危害を加えた例はほとんどないという。
(甲州・新射撃場、計画の見直し:山梨)
甲州市塩山上小田原への県立射撃場移転計画で同市議会は15日、議員全員協議会を開き、防災対策の追加で総事業費が当初計画より約7億円膨らむ見通しとなり、計画を見直すことになった問題について、県教委から経緯の説明を受けた。市議からは「対策は万全だと説明を受けていたのに、事実は違う」と見通しの甘さの追及や、「国際大会ができるという計画通りの規模で建設できるのか」と規模縮小を懸念する声が上がった。協議会には全市議18人が出席。市議会からの要請を受け、県教委の藤原一治理事、県スポーツ健康課の相原繁博課長ら6人が市役所を訪れ、計画地に土石流発生の恐れがある危険個所が含まれるため、防災対策を講じると、総事業費が増加する経緯を説明した。19億円の総事業費は26億円まで増加する見込み。市議からは「県教委の不誠意な仕事の進め方のために住民は振り回されている」、「施設は国際大会ができる規模なので地域活性化になると市民に説明してきた。総事業費を抑えるために、事業規模を縮小するなら、市民の賛同は得られないかもしれない」など計画見直しに不満が相次いだ。県教委は「安全対策はしっかりと行う上で、総事業費を抑えるために、工法の見直しなどコスト削減を図りたい。施設の規模については今後検討していく」などと回答した。建設地を別の場所へ移すことはあるのかという質問には、「建設は甲州市で進めたい」とした。相原課長は「今後、地元住民に対する説明会を開き、計画見直しへの理解を得ていきたい」と話した。
(ソルガムがニホンジカ食害に有効:長野)
県畜産試験場(塩尻市)が15日、イネ科飼料作物のソルガムがニホンジカの食害に遭いにくいとの研究成果を、県農業試験場(須坂市)で開いた検討会で報告した。シカの体内に入ると毒素に変化する物質が生育初期段階の茎や葉に含まれていることなどが要因と考えられるとして「現場で試す価値のある技術」として近く公表する方針だ。県農業試験場によると、ソルガムはアフリカ原産。九州を中心に全国の計1万8800ha(08年度)で栽培されており、県内では176ha(同)。
(ジビエ活用技術研修会:長野)
野生鳥獣被害をもたらす鹿やイノシシ等の捕獲や、肉の活用について学ぶ研修会が15日、南箕輪村の信州大学農学部で開かれた。研修会は、野生鳥獣対策の先進地に学ぼうと開かれ、県内外の自治体の関係者や大学生ら20人が参加した。研修会は3日間の予定で行われ、初日は、罠を使った捕獲方法の説明や肉の活用事例について発表が行われた。罠の説明では、上伊那猟友会のメンバーが、括り罠の取扱方法や仕掛けのコツについて説明していた。メンバーは、「仕掛ける前に水につける、運ぶ時は素手で触らないなど人の匂いをつけないことが大切」と話していた。このほか、県猟友会が国からの補助を受け導入したコンピューターを使った模擬銃の体験も行われた。コーディネーターの信州大学農学部の竹田謙一准教授は「命あるもの、貴重な食資源として認識し、有効な活用方法を見つけていきたい」と話していた。研修会は17日まで行われ、今後、捕獲現場の見学や調理実習などが予定されている。
(鳥獣被害、あの手この手で知恵絞る:愛知)
農作物に対する鳥獣被害が三河地方に広がっている。野生動物が多く生息する山間部では長年の尽きない悩みだが、海に面した田原市でも数年前から米やトウモロコシなどが食害に。各市町村とも対策にあれこれ知恵を絞り、中には動物たちとの共生を図る試みも。多くの作物で栽培が始まる春を控え、各地の状況を取材した。設楽町西納庫の原田哲男さん(63)は朝、踏みつけられぐちゃぐちゃになった田を見て落胆した。一度口に入れて吐き捨てたとみられる米がちらほら。異臭も漂う。「イノシシに間違いない。あいつらのにおいは脱穀後も残る。臭くて商品にならないよ」。岡崎市駒立地区の岡田益夫さん(58)の畑では収穫期の夏になると、サルが毎年50頭もの群れでやって来る。被害額は年間数十万円にも及ぶと嘆く。各市町村に被害状況を尋ねたところ、稲武地区などの山間地を抱える豊田市では、被害額が約7972万円(2008年)にも上った。奥三河の新城市は約850万円(08年度)、豊根村は約1500万円など。被害額は算出していないが、三方を海に囲まれた田原市でも拡大。駆除したイノシシは83頭(同)で前年度の6頭を大幅に上回った。人への被害報告も。岡崎市桑原町では08年3月、部活動の練習に向かっていた女子中学生がサルに足をひっかかれて軽傷を負った。自治体主体で対策を施したり、補助金を拠出したりと手法はそれぞれだが、多くの自治体で取り組むのが電気柵の設置だ。ただ農家からは「2メートルはジャンプするシカやサルには効かない」「イノシシは排水路から入ってくる。電気柵があった場合、田から出られなくなって余計に暴れる」と万能とは言えない。岡崎市などは追い払いのために空気銃の貸し出しをするが、「イタチごっこでしかない」との声もあり、決め手に欠ける。多くの人が頭を抱える中、これまでにない手法が生まれつつある。豊川市はトウガラシの成分を含んだ「激辛ネット」など3種類の防護柵を考案し、試行中。最も効果的なものを市全域に広げる考えだ。豊田市では昨年12月、農家らを対象にイノシシを捕獲する竹おりの製作の講習会を開催した。サル対策として、特別に訓練を受けた犬「モンキードッグ」導入を検討する自治体もある。大半の対策は、イノシシなどを追い払ったり捕獲するのが目的だが、動物たちと共生を図りながら被害を減らす新たな取り組みも進んでいる。県森林組合連合会は設楽町津具の森林1ヘクタールで、動物の餌となる木の実をつける広葉樹の植栽を本年度から始めた。村松幹彦会長は「木材価格の良かった時代にスギやヒノキなど針葉樹を無計画に植えた結果、森から餌がなくなった。鳥獣被害の根本は餌不足」と指摘。「動物と争うのではなく、一緒に生きることを考えていかないと」。さて、効果のほどは?。村松会長は「じっくり時間をかけて取り組みたい」と力を込めた。

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(イノシシ農作物被害急増:宮城)
仙台市内でイノシシによる農業被害が急増している。付近に生息するイノシシが大量に繁殖したとみられ、被害額は5年前に比べて約200倍。市や農家は、田畑を柵で囲ったり、ワナをしかけたりして対応に苦慮している。市によると、以前はイノシシによる農業被害は県南がほとんどで、2003年度の市内の被害は11件、2万円だった。06年度頃から増え始め、08年度は210件、487万円に上った。今年度も12月までに383件、446万円に達した。地区別では、青葉区の大倉・愛子地区、太白区の秋保地区など市西部の山間部に集中している。水田に加え、ジャガイモやカボチャの畑が荒らされている。市などの依頼で猟友会はワナを仕掛けるなどしているが、捕獲頭数は08年度が11頭、09年度が23頭。大倉地区では農家の組合が水田4か所を計約10キロの柵で囲い、被害を減らすことに成功した。市農業振興課は、「雪の量が減り、土中の虫などを採りやすくなったことで、イノシシが冬を越しやすくなった。効率的に捕獲できるワナも検討し、被害を減らしたい」と話している。
(警察署内で拳銃奪い発砲:東京)
13日午前1時ごろ、東京都世田谷区の警視庁玉川署2階の留置事務室内で、傷害事件の容疑者の男が近くにいた警察官の拳銃を奪って2発発砲した。うち1発がこの警察官の左腕に当たり、負傷。生命に別条はない。同署は殺人未遂の疑いで男を現行犯逮捕した。玉川署によると、男は住所不定、無職福盛一也容疑者(43)。負傷したのは同署刑事組織犯罪対策課の男性巡査部長(35)で銃器薬物対策の捜査員。1発は床に当たった。福盛容疑者は別の傷害事件で12日夜に現行犯逮捕され、同署で取り調べを受け、拘置される前だった。酒に酔っており、取調室にいた時から暴れていたため、留置事務室には署員計6人が同行していた。留置事務室でも暴れたため、巡査部長らが取り押さえようとしてもみ合いになった際、右腰に付けていたホルダーのボタンを外し拳銃を奪った。福盛容疑者はつりひもが付いたまま数十センチの至近距離から発砲。左側にいた別の男性巡査部長(32)が取り押さえた。同容疑者は手錠を掛けられたままで腰縄も付いた状態だった。拳銃には安全装置がなく、弾が5発装てんされていた。
(捕獲動物で「ジビエ」料理:和歌山)
野生のイノシシやシカなどによる農作物の鳥獣被害に悩む日高川町は、猟友会が捕獲した鳥獣の肉を解体して商品加工ができる獣肉解体処理施設を建設中で、10年度中に利用を始める。町内の産品販売所や観光施設などで販売したり、野生動物を使った「ジビエ」料理としての提供を考えている。自治体が同施設を建設し、管理運営するのは県内では初めてという。鳥獣害対策と観光活性化の一石二鳥に期待が高まっている。国の経済危機対策交付金事業として取り組む。計画では、解体処理施設を同町中津地区の道の駅「SanPin中津」の向かいに新たに建設。また、美山地区の現在、閉鎖されている猪谷水辺公園内にあるレストラン棟内部を改装し、解体処理施設に利用する予定。費用は約2500万円を見込んでいる。同町によると、同様施設はここ数年、北海道など全国で建設されている。だが、どこも販売先が少ないことなどが消費拡大のネックになっているという。
(シカ食害「集落ぐるみ対策を」:兵庫)
農作物を食い荒らす野生のシカの駆除方法を考える「中・西播磨地域シカ被害対策セミナー」が14日、たつの市新宮町平野の市立新宮ふれあい福祉会館で開かれた。餌になる食べ物を減らすなど地道な対策のほか、コンピューター制御で自動捕獲する最新システムも紹介された。西播磨、中播磨両県民局の主催で農業、林業関係者約250人が参加した。県内の野生動物による農林業被害は年間約9億円で、シカが5割弱を占める。県は捕獲目標を年2万頭から3万頭に増やす方針だが、狩猟免許所持者が少ないなど難しい面もあるという。セミナーでは、県森林動物研究センター(丹波市)の専門員らが、畑に捨てられたくず野菜や、稲刈りの後に生えるひこばえなどがシカの好む餌になる、と強調。防護柵の設置や猟友会の協力での狩猟・捕獲など集落ぐるみでの取り組みが必要だと解説した。また、コンピューターがシカの姿を分析し、一定頭数以上が中に入った場合に網を掛ける装置の開発状況を報告。職員が張り込んでスイッチを押し、一網打尽で8〜12頭を捕獲した暗視カメラの映像も公開され、客席から驚きの声が上がった。質疑応答では「シカの被害で毎日泣かされているが、捕獲制限が厳しいのが悔しい。鳥獣保護法を改正してほしい」(佐用町の男性)など切実な声が上がっていた。
(モンキードッグが一定効果:長野)
大町市が今月、農林水産省が本年度創設した鳥獣被害対策優良活動表彰で農林水産大臣賞を受けた。ニホンザルによる農作物被害が深刻な中、全国に先駆けて2005年度に導入したモンキードッグ事業をはじめ、地域が一体となった被害防止活動が評価された。その取り組みと成果を探ってみた。モンキードッグは、被害が多い集落の飼い犬を5カ月間訓練し、農地に出没したサルを追い払う試み。市が訓練費用の8割を負担している。「犬猿の仲というぐらいだから効果があるのでは」。こんな冗談めいた話から生まれた。現在市内各地で約20匹が活動している。市によると、モンキードッグを導入した地域では、40〜50匹の群れで出没したサルが、導入2カ月以降、ほとんど出没が確認されていない。被害を及ぼすサルの群れには発信機が取り付けられ、モンキードッグを避けるように移動経路が変化したことが分かった。市ではさらに、被害集落の住民に委託する「協力員」に、出没したサルを威嚇するロケット花火を渡し、地域ぐるみで追い払う取り組みも進める。さまざまな対策を講じているが、課題は多い。モンキードッグは導入地域から少し離れると効果がなく、里に「餌」があると知っているサルは、緩衝帯も気にせず出没を繰り返す。一連の対策は一定の抑止効果はあるとみられるが、市内全体の農作物被害は減少しておらず、08年度の被害額は2000万円に上った。「出没を防ぐ特効薬なんてない。効果があると思われる対策を複合的にやっていくしかない」と市農林水産課の矢口亨主任。サルとの知恵比べはまだまだ続きそうだ。

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