<射撃ニュース4月>

4/30
(道の駅にカモシカ出没:静岡)
29日正午ごろ、掛川市の道の駅掛川下り駐車場付近で、国の特別天然記念物ニホンカモシカ1頭が出没した。県や市職員、掛川署員、地元猟友会員ら約30人が出動する“大捕物”の末、約5時間後に捕獲した。市によると、出没したニホンカモシカは体長約1メートル。左前足を引きずり、けがをしている様子だった。道の駅掛川の利用者が「カモシカがいる」と管理者を通じて消防に連絡した。ニホンカモシカは天然記念物のため、関係者が慎重な捕獲方法を協議し“にらみ合い”は約4時間に及び、猟友会員が縄をかけようとしたが、失敗。付近の茶畑や田んぼを1時間近く逃げ回ったが、住宅の門に衝突したところを署員らが取り押さえた。市によると、山間部でのニホンカモシカの目撃情報が寄せられることはあるが、住宅付近への出没は珍しいという。捕獲したニホンカモシカは猟友会員が市内の鳥獣保護区の山に放した。
(カラスの勝手、停電原因に:秋田)
カラスの繁殖期を迎え、東北電力秋田支店が警戒を強めている。県内では例年、電柱上に作られた巣が原因の停電が5、6件発生しているためだ。県民生活にも影響が出るだけに、同支店は「巣は3月中旬から6月下旬にかけて作られる。見つけたら連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。同支店によると、カラスの巣作りに使われた針金やハンガーなどが電線に触れたことによる停電は昨年6件発生。湯沢市や由利本荘市など6市町の計4063戸に影響が出た。停電を未然に防ぐため、同支店の職員らが県内を巡回。電柱上などに巣を見つけ次第、高所作業車で取り除いている。昨年は1130個の巣を撤去した。しかし、県内には約31万本もの電柱がある上、カラスはわずか1日で巣を作ることもあるため、いたちごっこを繰り返しているのが実情。同支店も「カラスは学習能力がある。完全な対策は今のところない」と頭を悩ませている。
(日本一の鉄砲資料館アピール:愛知)
全国有数の火縄銃コレクションで有名な設楽原歴史資料館(新城市)が29日、リニューアルオープンした。これまで個人から借りていた展示品を市が購入したことを機に、展示内容などを一新した。購入の是非について市議会が紛糾した経緯もあり、今後、市の所有となった火縄銃をどう活用していくかが注目される。コレクションの持ち主が売却の意志を示したことから、市では資料の散逸を防ぐためとして、今年2月、火縄銃と周辺小物などを合わせて4200万円で購入。これをきっかけとしてこのほど、「見やすく、分かりやすく、楽しくなる展示」をキーワードに展示方法を一新した。展示されている古式銃は121点で、常設では日本最大規模を誇る。製造地、流派、大きさなどで分けるなど展示方法も工夫した。展示資料の解説書を使って、展示物の付いている番号と同じ番号のQRコードを携帯電話で読み取ると、より詳しい説明を読むことができる仕組みも取り入れた。コレクションの購入をめぐっては昨年12月市議会で、その妥当性が議論の的になった。金額の大きさなどを問題視する議員らの攻勢を何とかかわして購入にこぎつけただけに、リニューアルの日を迎えて市の関係者らは感慨もひとしおの様子。市議会で集中砲火を浴びた和田守功教育長は「『日本一の火縄銃』を前面に打ち出して、今後はいろいろなイベントも企画していきたい」と意気込む。

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4/29
(シカとの衝突事故急増:北海道)
ゴールデンウイークを目前に車での移動が増える行楽シーズンを迎えて、中標津警察署は管内4町でエゾシカとの衝突交通事故が今月急増しており、ドライバーに注意を呼び掛けている。同署管内4町での2009年1年間のシカとの衝突事故認知は120件。さいわい人身事故は発生していないが、車は大破し大損害という場合が多い。今年は4月に入ってから27日まで7件の届け出があり、24日から26日までは3日間連続で発生した。場所は標津町の国道272号、別海町の道道根中線、羅臼町の国道335号と主要道路ばかり。発生時間帯は薄暮から夜の時間帯だ。

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4/28
(猟友会と連携強化へ、有害鳥獣対策“頼みの綱”:静岡)
県は本年度、自然植生や農林業に深刻な被害を及ぼす有害鳥獣の対策に向け、猟友会との連携を強化する。山を知り尽くした猟友会の知識や経験は行政にとっての“頼みの綱”。高齢化が進み猟友会の会員数は減り続けているが、県自然保護課は「捕獲活動や調査への支援をお願いするばかりでなく、新規会員を呼び込む施策にも連携して臨みたい」と力を込める。県猟友会の会員数は1970年の約1万7千人をピークに減少の一途。2009年は約3800人に減った。有害鳥獣駆除のために出動した時の少ない報酬を嘆く会員も多く、会員減の要因の一つとも言われる。伊藤政夫会長は「片道数時間かけて現場に向かう時も捕獲なしでは無料ボランティア。山や住民のためなら仕方ないが」と漏らす。県は現在、イノシシの猟期延長に向けた準備を進めるなど対策に本腰を入れている。伊豆地方で行うシカの管理捕獲の期間や頭数の目標も本年度は倍増させたため、地元猟友会への協力要請が一層多くなる。大型獣や希少生物の生態調査、保護活動も強化する方針で「山の隅々まで知り尽くす猟友会からの情報は何より信ぴょう性が高い」(同課)と期待は大きい。「狩猟は趣味の延長だろう」といった批判も一部から受けてきた猟友会。伊藤会長は「社会貢献を目指す会のイメージアップにもつながる。要請があれば喜んで手を貸す」と話す。県猟友会は入会金や年会費を09年度から値下げするなど、新会員の獲得に向けて試行錯誤を重ねている。県も年1回開いていた狩猟免許試験を09年度から2回に増やした。10年度も県内6会場で行う予定で、わな設置講習会なども県猟友会と連携した形で計画している。<県猟友会>1924年に設立し、60年に社団法人化。県内各地に13支部ある。警察の所持許可を受けた猟銃を使って狩猟期間中に猟を行うとともに、県や市町などの要請を受けて有害鳥獣の駆除に当たる。出動時の報酬額は依頼主によって異なり、県の場合は捕獲1頭に付き約7千円。捕獲できない際の報酬はない。山村部の過疎化や趣味の多様化、銃器規制の強化によって会員の減少と高齢化が進み、平均年齢は現在62歳を超えている。
(アライグマ生息、16市町村:山梨)
県内で、野生アライグマの生息が確認された地域が16市町村に上っていることが27日分かった。農作物被害や生態系への影響が懸念されることから、県は、県アライグマ防除実施計画で16市町村を重点対応地域に指定し、わなを使った防除対策に乗り出す。県みどり自然課によると、アライグマは2005年に特定外来生物に指定され、飼育や輸入が原則禁じられた。雑食で繁殖力が強く、県内ではここ数年、目撃情報や捕獲頭数が増加。農作物被害は報告されていないが、甲府市などでは家屋侵入によるふん尿被害が発生している。痕跡を含む目撃情報は09年度に85件と、前年度比8割増となった。有害鳥獣として捕獲された頭数も3・3倍の10頭と初めて二けたに達した。生息が確認され、既に定着しているとされたのは、甲府、富士吉田、都留、山梨、大月、北杜、甲斐、笛吹、上野原、市川三郷、早川、身延、富士川、富士河口湖、鳴沢、道志の16市町村。目撃情報がほとんどない韮崎、南アルプス、甲州など11市町村は「要注意地域」としている。県の防除計画案では、捕獲頭数を設定せず、「野外からの完全排除」を目標に掲げている。箱の中に入って餌を取ると入り口が閉まる「はこわな」を使い、市町村が猟友会員らで捕獲班を編成して駆除を進める。県は捕獲従事者のための講習会を開いたり、生息状況のモニタリングを行う。県は計画案に対する意見を受け付けた後、県環境保全審議会にはかって計画を決定。市町村や関係機関とともにアライグマ対策連絡協議会を設置し、夏ごろから計画に沿って防除を行う。
(野生鳥獣から農林水産守る:和歌山)
イノシシやシカなど野生鳥獣から農林水産被害を防ぐ日高川町の「環境警備隊」が正式発足、27日に出発式が同町役場であった。10月末まで鳥獣の駆除や捕獲、被害調査などに取り組む。昨年9月から約1カ月間、町猟友会メンバーが試験的に活動。町のアンケート調査に各区長の約7割が「効果があった」と回答し、正式発足につながった。隊員は試行時の6人から12人に増員。おりの使用や大勢で鳥獣を追い込んでいく「まき狩り」も、新たに始める。玉置俊久・同町長は「町民の評価は高く、全国的にも注目されている。実際にサルは警備隊を見るだけで逃げ出し、被害も少なくなっている。猟銃を扱うので、安全面に十分気を付け警備にあたってほしい」と話している。
(普及目指しPR強化、イノシシやシカ肉:和歌山)
農林業の獣害を軽減し地域振興につなげようと、和歌山県は捕獲したイノシシやシカの肉を使った「ジビエ料理」の普及を目指している。障害は「姿」や「におい」など野生動物への先入観。県畜産課は「欧州では高級食材で、好まれている。いかに一口目を食べてもらえるか。PRを強化したい」と話している。那賀振興局や料理店でつくるジビエ料理実行委員会は、昨年12月から今年2月末まで岩出市内のイタリア料理店3店で、イノシシ肉のフェアを開き、ジビエ料理を注文した人にアンケートした。回答した142人のうち、8割超の116人が以前に何らかのイノシシ料理を食べたことがあった。裏を返せば「未体験の人は手を出しにくい食材」(担当者)といえる。実際、フェアを知らなかった来店客にジビエ料理を勧めても、牛肉料理を選択する人がほとんどだった。ジビエ料理を食べない主な理由は「イノシシの姿を想像してしまう」「獣臭さがある(と思う)」。特に女性に抵抗感が強いという。「におい」は個体差もあるが、血抜きなどの食肉処理方法に左右される。県は衛生ガイドラインを作成して安全管理とともに指導している。家庭での利用も鍵を握る。イノシシ肉を食べたことのある人は「ボタン鍋」が大半。家庭で普及すれば、多様な料理が生まれる可能性がある。県はチャーシューやソーセージなど使用しやすい加工品開発を支援する。低カロリー、低脂肪の「ヘルシーさ」は半数以上が認知しており、「下地はある」とみている。県畜産課は「都会でジビエの認知は高まっている。観光と連携して、ツアーの食事の一品に加えてもらえる仕掛けをしたい。試食会などで地元への普及にも努める」と話している。県が把握しているイノシシやシカの肉を取り扱う料理店や精肉店は約40店。紀南では10店ほどしかない。これらの拡大も欠かせない。県によると、2008年度の野生動物による農作物被害は3億3千万円。イノシシが約1億6千万円で最も多い。
(イノシシ防護柵設置へ補助金:岡山)
笠岡市は、イノシシなどから農作物を守る鳥獣被害防止計画を初めて策定し、防護柵を設置する農家への補助金交付を決めた。1戸でも申請できるのが特徴で、小規模な柵の設置に補助して普及を図り、被害防止につなげる。計画では、本年度は181万2500円の予算を確保し、トタン柵、金網、電気柵、網について各5千メートル分を想定。設置費の半額を補助する。策定中の手続き要項がまとまり次第、申請を受け付ける。市によると、防護柵設置に対しては国、岡山県の補助があるが、3戸以上による大規模な設備でないと認められないため、市内の農家からの申請はほとんどなかった、という。小寺隆雄市農政水産課長は「気軽に申請していただき、安心して農業に取り組んでほしい」と話している。

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4/27
(サルの目撃情報相次ぐ:愛知)
25日午前から26日午前にかけて、名古屋市緑、天白両区でサルの目撃情報が相次ぎ、両区役所や警察、東山動植物園などの職員が出動する騒ぎになっている。いずれも同じサルと見られるが被害の報告はなく、市は「サルを見かけても何もせず、区役所や警察に連絡してほしい」と呼び掛けている。緑区などによると、サルは体長約60センチで性別不明。最初の目撃情報は25日午前11時半ごろで、住民が緑区大高町を歩いているサルを見つけた。午後4時ごろには、この場所から約600メートル北西の大高城址で、翌26日午前6時40分ごろには同区鳴海町の鳴海小学校付近の電柱にサルがいるのを住民が見つけ、警察などに連絡した。サルはさらに北上して天白区に入り、同日午後3時まで相生山緑地内で何度も目撃された。両区役所や保健所、警察などは午後4時から対応を協議。巡回を強化し、周辺住民に注意を呼び掛けるとともに、緑地の入り口にも注意を促す掲示をすることを決めた。
(カモの悲劇、繰り返さぬ:栃木)
小山市羽川の大沼にすみ、オシドリとのカップルが話題になったカモが交通事故に遭った現場に26日、市が注意を促す看板を立てた。看板の大きさは縦135センチ、横60センチ。「カモの横断にご注意下さい!」の下に、カモたちが黄旗を掲げて横断する絵が描かれている。現場は大沼の北側を通る市道沿いで、事故があった19日からは小さな花束も供えられている。「大沼に親しむ会」会員で、カモたちの世話をしている赤荻武さん(77)は、事故直後に現場に来て死んだカモを運んだ。「カモもかわいそうだが、はねた運転手もつらいでしょう。看板が注意喚起になれば」と話した。

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4/26
(銃許可を協会に丸投げ、14人懲戒処分:鹿児島)
鹿児島県公安委員会が発行する猟銃などの銃砲所持許可証を、旧加治木署(現姶良署)内にある西姶良銃砲保安協会職員が14年間にわたって無断で発行していたことが21日分かった。鹿児島県警は同日、業務を協会職員に任せていた当時の加治木署生活安全刑事課長代理(58)を停職1カ月にしたのをはじめ、計14人を懲戒処分にした。このほか、計10人を本部長訓戒などの処分にした。処分人数は過去最多。許可業務は、課長代理と担当係が行い、署長の決裁を受けて許可証を発行する。ところが同署では、本来補助業務しかできない保安協会の30歳代の女性職員に任せきりにしていた。県警によると、署長決裁など正規の手続きをせずに許可証発行や更新、銃の追加登録がされたのは、1994〜2007年度の434件。この間、新たに17人が許可を受けたが、県警はその後の調査で銃所持の欠格事由に該当する人はいなかったとしている。許可証の不正発行は08年5月、県警本部職員が登録者のデータを照会システムに入力する際、同署に重複する登録番号があったことから発覚。県警が調査していた。女性職員は4月16日付で依願退職。県警は無断で許可証を発行したり、許可期限を延長した行為が、有印公文書偽造にあたるとみて捜査している。長嶋良警務部長は「厳格な運用が求められる業務で不適切な行為があり、県民に申し訳ない。業務管理を徹底したい」と謝罪した。処分の内訳は、停職1人、減給4人、戒告9人、本部長訓戒4人、本部長注意5人、所属長注意1人。
(エゾシカ対策のプロ育成へ:北海道)
酪農学園大学(江別市)は今年度、エゾシカ対策でプロのハンター養成や捕獲計画などを総合的に進める「狩猟管理学研究室」を新設した。ゼミ在籍の学生らを野生生物の専門家に育てる一方、道内市町村や森林組合、JAなどに呼び掛け、保護管理に通じるなど優秀な人材を増やしていく。国内の大学で、この種の講座が設けられるのは珍しいという。同大は、衛星利用測位システム(GPS)受信機を付けた首輪をシカに装着、生態調査に力を入れてきた。しかし、生息数の増加が止まらず、農林業被害額は年間40億円を超すなど危機的状況が続いている。
(シカの角を活用、猟師と職人が土産物製作:兵庫)
狩猟や農林業被害防止で駆除されたシカの角を有効活用しようと、丹波市内の猟師と木工職人が協力し、フクロウの置物やストラップを製作している。シカによる農作物被害の増加に伴い、ここ数年、兵庫県内では駆除数が増加している。ところが、装飾品として人気があった角の売り上げは激減しており、活用方法の模索が続いている。2人は「角の加工品を丹波らしい土産物に育てたい」と意気込んでいる。同市猟友会の井上正勝さん=丹波市市島町=と、木工職人の荻野靖夫さん=同市山南町。シカの角でキーホルダー作りに取り組んでいた井上さんが、フリーマーケットで木工細工を売っていた荻野さんと出会い、意気投合。角を使った土産物作りを持ち掛けた。売り出したフクロウは、荻野さんが木の枝で作っていた置物をアレンジし、素材をシカの角に換えた。5歳前後の雄ジカの角を輪切りにした上、ドリルで空けた穴にビーズの目を入れる。大きさは2〜3センチほどで、付け根や枝分かれした部分などを利用し、1羽1羽異なる形に仕上げた。値段はストラップが350円〜600円、置物が500円〜1千円程度。県内のシカによる農林業被害は07年度から増加に転じ、08年度は約4億3千万円で全国4位。井上さんは「シカの角を有効に使うため、今後もかわいい商品を作っていきたい」と話している。同市などで開かれるイベントやフリーマーケットで扱うほか、荻野さんの工房でも販売している。
(サル御用:静岡)
富士宮市内の住宅地に出没して民家の果物を盗むなどしていたサルが、22日捕まった。同市舞々木町の民家の居間に入り込んでいたところを見つかり、部屋に閉じこめられた。富士宮署員と市職員らが網で捕獲後、市北部の山間部に放された。捕まったサルは体長50センチほど。7日ごろから、市内の浅間大社を中心に半径3キロ前後の範囲に出没していた。捕獲現場となった民家には、9日も侵入して逃げていた。隣の富士市北松野の住宅地でも9日、3年ほど前から民家を荒らしていたサルが捕獲されたばかり。
(電柱のカラスの巣、撤去作業:富山)
停電を防ぐため、電柱のカラスの巣を撤去する作業がピークを迎えていて北陸電力は26日、作業の様子を報道陣に公開しました。この撤去作業は、カラスが巣を作る2月下旬から5月下旬に合わせて、北陸電力が行っていて、今、ピークを迎えています。作業が公開されたのは富山市水橋入部町の電柱で、先月半ばに巣が見つかりましたが、その後、カラスの姿が見られなくなったため、26日、撤去となりました。電線には6600ボルトの高い電圧の電気が流れていて、電気を通したまま作業をするため、作業員は電気を通さない絶縁作業服や手袋を身に着けるなどして安全を確保し、車や人が電線の下にいないのを確認して、巣を一気に撤去しました。北陸電力によりますと、カラスの巣による停電の被害は昨年度、県内で4件発生していて、およそ3千800個の巣を撤去したということです。

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4/25
(エゾシカ食害、10年ぶり40億円台に:北海道)
エゾシカの食害による2008年度の農林業被害額が、10年ぶりに40億円台に達したことが23日、北海道の調査で分かった。これを受け、道は7万頭前後だった年間の捕獲頭数を13万頭にし、群れごと捕獲する新たな駆除法を導入することを明らかにした。道によると、農作物を食べられたり、樹皮をはがされたりする被害額は1990年度に20億2800万円だったが、96年度には50億500万円に達した。その後、シカの防護柵を設置するなどの対策が功を奏し、04年度には27億9100万円まで減少したが、その後は生息域の拡大などで増加に転じ、08年度は40億4500万円となった。当初の被害は釧路や十勝など道東が中心だったが、ここ数年は日高や上川でも被害が急増している。08年度の被害は、釧路が9億3400万円で最も多く、次いで日高(7億7300万円)、十勝(5億5500万円)、網走(5億4400万円)、上川(同)と続く。地元からは「食害というより災害。北海道が食いつぶされる」と悲鳴が上がっている。一方、捕獲数は99〜08年の10年間、6万〜8万頭前後で推移してきた。しかし、被害が増加傾向にあるため、道自然環境課は、目標を13万頭程度に設定し、捕獲効率を上げる新たな駆除方法を導入する。従来はハンターがシカを探して射撃していたが、逆にシカを特定の場所にエサでおびき寄せ、群れごと駆除する。今年度は道内3か所でモデル事業を開始し、道は「シカを探す労力が削減できる」と期待する。また、捕獲専門家の養成や食害調査を実施するほか、夜間の捕獲を禁止している鳥獣保護法の改正などを国に要望する。27日に、猟友会やNPOなどとともに、「エゾシカネットワーク」を設立し、計画的な捕獲態勢を構築する予定だ。

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4/24
(クレー射撃、鈴がW杯2位)
クレー射撃のワールドカップ(W杯)は23日、北京で行われ、女子トラップの鈴慶子(日立建機)が90点で2位に入った。北京五輪4位の中山由起枝(日立建機)は6選手による決勝に進めず、14位だった。井上恵(ナスタジャパン)は21位。
(ハクビシン猛威:長野)
でここ数年、ハクビシンやアライグマの出没が目立ってきた。電気柵のすき間から侵入して農作物を荒らしたり、民家の屋根裏にすみ着いてふん尿で家人を悩ましたりといった被害も広がってきている。県は、今後も被害が拡大する可能性があるとして、本年度から対策に乗り出す。県農業技術課によると、ハクビシンとアライグマはともに体長50センチほど。木登りが得意で10センチ程度のすき間もくぐり抜ける。ハクビシンはかつて県南でしか確認されなかったが、現在は県内全域に生息。アライグマは北佐久郡軽井沢町や木曽郡南木曽町などで捕獲されているほか、目撃情報も広がっている。ともに雑食性でブドウやトウモロコシが好物。県内の2008年度のハクビシンによる農業被害額は約3800万円で、03年度の2倍になった=グラフ。アライグマによる被害は確認されていないが、県農業技術課は「ハクビシンの被害と見分けるのが難しく、既に被害が出ている可能性は十分ある」とする。どちらも市街地で生息できる。松本市では住宅に侵入したハクビシンに関する相談が09年度に22件あり、4件のカラスやニホンジカに比べ突出。両者ともタヌキの幼獣やテンを捕食するため、生態系への影響が心配される。アライグマは人間に感染症をうつす危険性も指摘されている。野生動物の研究者でつくるワイルドライフコミュニティ研究所(軽井沢町)の福江佑子・主任研究員は「身近に生息していることすら知らない人が多い」と指摘。農業被害をもたらしていると認識されず、積極的な駆除につながらないのが実情だ。こうした状況を受けて県は本年度、市町村担当者や農業関係者向けの研修会や被害対策の検討会議の開催を計画。生態や被害対策を記したパンフレットも作る方針だ。福江主任研究員によると、最近はハクビシンのような中型獣用の電気柵も開発されており、箱型のわなによる捕獲と組み合わせた対策が効果的という。「移動が広範囲に及ぶので、広域で連携しながら対策を講じていくことが欠かせない」とする。
(鳥獣害対策などで連携:栃木)
佐野市と東京農工大は23日、鳥獣被害対策や農林業の振興を目的とする「地域連携に関する協定書」を締結した。唐沢山に演習林を保有する同大は森林教室などを通じて大学生と地元小学生やボランティア団体と交流を重ねてきた。現場での研究教育の充実を目指す大学側と、深刻化するイノシシなど獣害に頭を悩ませる市の思惑が一致した格好だ。同日、市役所で行われた調印式では、岡部正英市長と同大農学部の島田順教授が協定書を交換。岡部市長が「市の地域振興に貢献していただき、感謝している。農工大の人材育成にも有益だと思う」とあいさつしたのに対し、島田教授は「佐野市には長年お世話になってきた。互いに密に連携を取り合い、地域が抱える課題を解決していきましょう」などと話した。市は今後、同大の技術や専門知識の提供を受けて鳥獣の生態解明や、検討中のイノシシの食肉処理化に向けて調査を進める。森林管理や果樹栽培など農政分野全般でも連携を深めていく方針。市政策調整課の担当者は「共同事業や共同研究を展開できれば理想的。当面は農林業が中心となるが、いずれは工学分野でも連携を取っていきたい」としている。
(おいしく獣害防止:三重)
閉校になった小学校の校舎を利用して特産品販売などをする大紀町野原の「野原工房げんき村」で、地元でとれたシカ肉のコロッケとイノシシ肉の丼が人気を集めている。地元住民らでつくる「野原村元気づくり協議会」が運営。人気を呼ぶのは、シカ肉入りの「しかちゃんコロッケ」と、イノシシ肉入りの「ボタン丼」だ。肉は鮮度が良いため臭みがなく、筋をきちんと取ってあって柔らかい。コロッケの方はジャガイモとカボチャ入りの2種類があり、1パック(3個入り)120円。ボタン丼は、しょうゆ、酒、みりんで糸こんにゃくやネギと甘辛く煮込んであって300円。いずれも毎週土曜日に午前10時から300食ほど販売し、元教室を利用した食堂で、その場でも食べられる。毎週5キロ使う肉は食肉販売の資格を持つ猟師が協議会へ無償で卸している。肉を確保するため、猟友会員も積極的にイノシシやシカを捕るようになり、獣害に苦しむ町内の他地域でも猟をして肉を確保することを検討。獣害防止にもつながり、一石二鳥だ。
(クマはぎの被害拡大:栃木)
ツキノワグマが樹皮をはぎ取り木を枯らしてしまう「クマはぎ」の被害が栃木県北部の国有林で拡大しており、林野庁の塩那森林管理署(大田原市)が実態調査に乗り出した。同署によると、被害は4〜6月ごろにかけて発生。主にヒノキや杉などの木がかじられて樹皮が大きくはがされる。クマが皮を食べたり樹液をなめたりするためといわれるが、実態はまだ解明されていない。同署管轄の国有林では平成14年ごろから被害が年々増加。塩谷町から矢板市、那須塩原市(旧塩原町)にかけての高原山系の人工林で被害が目立つという。このため、同署では昨年10月から調査を開始。モデル地区4カ所で5カ年計画で、被害の実態や原因の解明を進める。同署では樹皮をプラスチックテープで保護するなどの対策を講じてきたが、田中昌之署長は「調査結果を受けて、新たな対策を見つけたい」としている。
(「猿害」対策へ動くトラ人形:愛知)
愛知県岡崎市は、サルが農作物を食い荒らす「猿害」対策の一環として、動くトラのぬいぐるみを使った実証実験を始めた。ぬいぐるみを風力と太陽電池による補助動力で動くようにした。
(キジ卵かけご飯を新販売:北海道)
知的障害者就労継続事業所「ワークつかさ」(岩見沢市日の出町)の食堂「喜地丸燻(きじまるくん)」で、通所者が飼育するキジの卵を使った新メニュー「釜炊きご飯キジ玉定食」が24日から登場する。卵かけご飯がブームとなる中で「キジの卵かけご飯を食べたい」という声にこたえた。ワークつかさでは、肉を出荷するため約600羽のキジを飼育。キジの産卵期は3月下旬から7月下旬で、現在は1日100個前後だが、ピーク時は200〜300個とれる。ニワトリの卵よりも一回り小さく、黄身が大きく味が濃厚なのが特徴で、24日から喜地丸燻で1個40円で販売する。定食の目玉・卵かけご飯は、卵2個をかき混ぜ、目の前の一合釜で炊いた岩見沢産「ななつぼし」にかける。卵焼き2個とキジ肉入りのみそ汁、つくだ煮などが付いて600円。産卵が終わる7月下旬までの期間限定。ワークつかさの荒木朋子係長補佐は「注文を受けてからごはんを炊くので20分程度要しますが、ほくほくご飯の食感は最高です」と話している。喜地丸燻ではこのほか、同じく期間限定の「キジ親子丼」(750円)などキジ肉料理も多数ある。

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4/23
(協会内紛クレーの国体実施は6月中に結論)
役員人事をめぐって新旧執行部が対立している日本クレー射撃協会の内紛問題で、日本体協の泉正文国体委員長は22日の国体委員会で、今秋の千葉国体で競技を実施するかどうかについて「会場地の準備も進んでおり、決定を先延ばしにすると大変な影響を与えかねない」と話し、6月中をめどに結論を出す考えを示した。同委員会では杉山茂委員から「天皇杯、皇后杯の得点に入らない公開競技で実施してはどうか」と正式競技からの格下げ案も提示された。日本体協は昨年の国体で、クレー射撃協会から大会運営を妨げないという誓約書を提出させ、特例で実施を認めた。泉委員長は「昨年と状況が変わらず、じくじたる思い。格下げ案なども含めて検討する」と語った。
(猟銃が暴発か、アルバイト男性死亡:福井)
22日午後6時15分ごろ、福井県大野市吉野町のアルバイト男性(24)が自宅で頭から血を流して倒れているのを家族が発見、119番した。救急隊員が駆け付けたが、男性は既に死亡していた。大野署によると、男性は猟銃の近くにあおむけに倒れていた。銃の手入れ道具が部屋に広げてあったことから、同署は銃を手入れ中に暴発した可能性が高いとみて調べている。
(テレビ朝日に銃弾?脅迫文に「反日放送やめろ」:東京)
テレビ朝日(東京都港区)に、散弾銃の銃弾のようなものと脅迫文が入った封筒が郵送されていたことが23日、警視庁麻布署への取材で分かった。同署は脅迫容疑で捜査。テレビ朝日では1月にも銃弾が送りつけられる事件が発生しており、関連を調べている。同署の調べによると、20日午前11時ごろ、テレビ朝日の集配センターで不審な郵便物が見つかり、社員が封筒を開けて確認したところ、長さ5、6センチの散弾銃の弾丸のようなものと、脅迫文が入っていた。同署によると、脅迫文は1枚で、手書きで「反日放送をやめろ」「中国・北朝鮮を支援するような発言をやめろ」という趣旨の文言が書かれていたほか、特定の番組を批判していたという。封筒のあて名には「テレビ朝日御中」と書かれており、差出人は記入されていなかった。消印は19日だが、局名は不鮮明で確認できないという。
(イノシシの捕獲数半減:兵庫)
丹波地域の狩猟登録者が2009年11月〜10年2月の狩猟期に捕獲したイノシシの数が、例年の半数程度にとどまる見込みであることが21日、分かった。関係者は「山のエサが豊富で、イノシシが山すそまで降りてこなかった」と分析。09年度は、天候不順によりマツタケや丹波大納言小豆、ヤマノイモなどが不作。ぼたん鍋の材料となるイノシシも不猟で、丹波地域の味覚には厳しいシーズンとなったようだ。丹波県民局丹波農林振興事務所によると、09年度狩猟期(09年11月15日〜10年2月15日)で、篠山、丹波両市に住む狩猟登録者が捕獲したのは248頭。多くが丹波地域で捕獲された。捕獲数が未申請の登録者もおり、やや増える可能性はあるが、08年度の622頭と比べると大幅減。05年度〜08年度の平均478頭と比べても、ほぼ半減する見込みだ。捕獲数は例年増減が激しく、同事務所は「なぜ減ったのかは分析していない」とする。ただ、山奥に入り込み、犬で追い込む銃による猟より、山すそで行うわな猟で不猟が目立った。篠山市猟友会の古屋定繁会長(71)は「イノシシはいるが、ドングリなどのエサが豊富で、山すそまで降りてこなかった。銃はそうでもないが、わな猟ではまったく捕れなかった」と振り返る。食肉業界にも波紋は広がった。同市乾新町の食肉販売業「おゝみや」の大見春樹社長(57)は「特に昨年11月から12月の前半は心配するぐらい手に入らなかった。丹波、但馬、山陰とどの猟場でも少なかった」と指摘。ただ、山のエサが豊富なためか、脂の乗った良質のイノシシが多かったという。景気悪化もあり、「需要に追いつかないほどではなかった」と話す。県自然環境課によると、捕獲頭数はまだ集計中だが、県内全域でも「例年より少なくなるという感覚はある」という。県森林動物研究センター(丹波市)は「不猟の原因は分からないが、昨年はドングリが大豊作の年だったことは確か」とする。昨年8月の豪雨や、9〜10月の日照りなど、天候不順が影響した可能性も。ただ、捕獲数が少ない翌年度は豊猟となるデータもあり、関係者は「来シーズンこそは」と期待を込める。
(アライグマ被害が急増:群馬)
県内で野生化したアライグマによる農作物被害が急増している。県は今年2〜3月、目撃情報の多い高崎、安中両市内で「集中捕獲」を初めて実施し、約2か月間で19匹を捕まえた。山間部に生息するイノシシやシカなどとは異なり、一般民家の屋根裏などに住みつくため、都市部で生息域が拡大しつつある。県技術支援課のまとめでは、アライグマによるとみられるナシやトウモロコシなどの農作物被害は、2007年度の3万円に対し、翌08年度は197万円に膨れあがった。雑食性のため、今後、様々な農作物に被害が広がる可能性があるという。アライグマは元々北米を中心に生息している。同課などによると、日本には、1970年代のテレビアニメで登場して以降、主にペットとして輸入された。しかし、気性が荒いため成長するにつれて飼育放棄するケースが相次いだという。現在は、外来生物法で特定外来生物に指定され、捕獲対象となっている。県内の生息状況は調査中。ただ、県自然環境課によると、イノシシなどの目立つ動物とは異なり、人目に触れる機会があまりない。また、一度に4〜5匹出産するため、急激に増える可能性があるという。さらに、アライグマは民家の屋根裏などに住みつく習性があるため、同課の担当者は「過去に見られなかった都市型の被害が増えるのでは」と懸念している。県は、農業従事者にワナ設置の免許取得を呼びかけるなど、被害の未然防止に努めている。
(ニホンジカ食害、防止の指針を:長野)
県は22日、県環境審議会(会長・藤縄克之信州大工学部教授)に対し、農林業や自然環境への被害が深刻なニホンジカの食害などを防ぐ指針を定める「第3期特定鳥獣保護管理計画」について諮問した。第2期の計画が今年度末で終了するためで、これまでの成果や課題を振り返った上で調査・分析などを行う委員会を設置し、11年3月末に答申する見通し。この日は委員から「県内で最も深刻な問題。実効性のある策が必要だ」「駆除したシカ肉の有効な活用法も考えてほしい」などの意見も出た。県野生鳥獣対策室などによると、同計画は01年に第1期が策定され、被害の防除対策を講じ、被害の軽減や適正な個体数を保つための捕獲などを推進する。第2期計画は、個体数6万2000頭(06年時点)を半減させることが目標だ。08年度現在の農林業への被害額は7億600万円で、捕獲頭数は1万4674頭。メスの捕獲数については、目標の5500頭を08、09両年度に上回っており、同室は今後の被害額や個体数の変化を注視する。塩原豊室長は「ニホンジカは大型なので、捕獲技術を地域に普及させることも必要だ」と指摘した。また県はこの日、希少野生動植物保護回復事業計画▽生物多様性地域戦略▽県廃棄物処理計画(第3期)の策定も諮問。これらも委員会を設置し、来年3月めどに答申する方針が確認された。
(アライグマとヌートリア、県内で初確認:山口)
生態系に悪影響を及ぼす特定外来生物に指定されているアライグマとヌートリアが昨年、県内で交通事故に遭って死んでいるのが見つかった。いずれも野生化したとみられ、県内では初めての確認という。アライグマの目撃情報は昨年6月以降、萩市で9件寄せられており、県は地域ぐるみでの捕獲対策を進めるため、関係者を集めた対策会を開く。県によると、アライグマは昨年8月に萩市椿東、ヌートリアは同10月に旧阿東町蔵目喜のいずれも県道で1体ずつを発見。野生のアライグマは鳥取、島根両県で生息が確認されており、ヌートリアも広島県まで生息圏を拡大させている。アライグマは北米原産でペットとして移入され、春に4〜6匹を出産。雑食性で果実や養魚、養鶏などに食害の出る恐れがあり、ふん尿といった被害も各地で確認されている。ヌートリアは南米原産で毛皮として国内に入った。繁殖力は強く、年2、3回、1回あたり6、7匹を出産する。イネや根菜類に食害の出る恐れがある。自然保護課は「いずれも県内で繁殖の可能性が高い。放置すると被害が拡大するので早めに対策を取りたい」とする。
(小豆島沖の瀬戸内海を泳ぐイノシシ:香川)
第6管区海上保安本部(広島市南区)は22日、管内の巡視艇が香川県・小豆島沖の瀬戸内海で泳ぐイノシシを撮影したと発表した。同本部によると、21日午前11時頃、小豆島海上保安署の巡視艇が、池田港(香川県小豆島町)の南約4キロ沖で、体長約1・2メートルのイノシシ1頭を発見。艇から監視した約2時間、犬かきのように脚を動かし、南西へ泳いで行った。山口県の周南市徳山動物園によると、海を泳ぐイノシシが見つかるのは珍しい。人が歩く程度の速さだったといい、同本部は「海では猪突(ちょとつ)猛進といかなかったか」。
(山形市内で最大1050戸が停電:山形)
22日午前10時10分ごろ、山形市の高堂1丁目、同2丁目などで、最大1050戸が停電した。約1時間10分後に全面復旧した。東北電力山形営業所によると、停電したのは同市高堂1丁目、同2丁目、南館、あかねケ丘、上町、飯沢の各一部。一部の信号機も消えたため、山形署員が交通整理に当たった。停電が起きた地区内の電柱上にカラスの巣があったことから、同営業所が関連を調べている。

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4/22
(猟銃許可丸投げ14年、鹿児島県警が協会職員に:鹿児島)
鹿児島県警は21日、旧加治木署(現・姶良(あいら)署)が、内規に反して猟銃所持の許可業務を14年間にわたって権限のない銃砲保安協会の女性職員に丸投げしてきたとして、歴代の担当警察官のうち14人を停職などの懲戒処分、10人を本部長訓戒などにした。発表によると、猟銃、空気銃の所持は銃刀法によって厳しく規定されている。新規の申請や更新の手続きの際は、県警の内規で警察官が保管状況や犯罪歴、病気の有無などの調査をして、所持許可証を交付するかどうかの判断をすることになっている。しかし、同署生活安全刑事課の担当者は「他の業務が忙しい」などの理由で、1994年3月〜2008年3月、補助業務しか認められていない署内にある西姶良銃砲保安協会の女性職員に許可業務を一任。女性職員は署長の決裁印を無断で使うなどして書類を偽造し、所持許可証を不正に交付していた。同署は記録が残っている04〜07年度に606件を許可していたが、そのうち新規の申請14件を含む369件が不正な処理だった。07年12月に長崎県佐世保市で起きた猟銃乱射事件を受け、県警が許可業務の確認作業を進めたところ、不正が発覚した。女性は「処理できずにやってしまった」と話しているという。県警は新規の申請については本部の決裁を必要とし、銃砲保安協会を警察署外に置くなどの再発防止策を取ることを決めた。女性職員については、近く有印公文書偽造などの容疑で立件する方針。
(警警部補、改造銃所持容疑で警視庁逮捕:福岡)
殺傷能力のある違法な改造モデルガンを所持していたとして、警視庁は21日、福岡県警捜査1課警部補の岡田好典容疑者(46)(福岡県宗像市ひかりヶ丘7)を銃刀法違反(所持)の疑いで逮捕した。同庁幹部によると、岡田容疑者は「違法とは知っていた」と容疑を認めているという。発表によると、岡田容疑者は4月15日午前8時25分頃、自宅リビングに改造モデルガン1丁を木箱に入れて所持した疑い。愛好家の間で人気が高い米国製「ミリタリーアンドポリス」と呼ばれる拳銃を模造したモデルガンで、実弾を発射できるよう改造されており、拳銃と同様の殺傷能力があったという。岡田容疑者はインターネット上のブログに改造モデルガンの写真を掲載。同庁の捜査員がサイバーパトロールで発見した。15日に自宅を捜索したところ、逮捕容疑のモデルガンとは異なる複数のモデルガンも見つかったといい、同庁で入手経路を調べている。岡田容疑者は1982年9月の採用。警察署で盗犯係など刑事捜査を担当し、2004年3月から殺人や強盗などを担当する県警本部の捜査1課に配属された。06年3月に警部補に昇任し、現在は主に火災や放火事件を担当していた。殺人事件の捜査などで本部長表彰を6回受けている。今年に入って福岡県警の警察官の逮捕は4人目。
(クマ出没、小中学校に警戒通知:群馬)
沼田市下発知町の民家に近い畑で二十日にクマの目撃情報があり、市教育委員会学校教育課が通学区域にある池田小学校と池田中学校に警戒するよう文書で通知したことが二十一日、分かった。文書では児童・生徒の集団登下校やクマよけの鈴の携帯などを呼び掛けている。学校側は児童・生徒を通じ、保護者に連絡した。市教委がクマ対策で注意を喚起する文書を小中学校に通知したのは本年度初めて。
(古式銃も70万から、差し押さえ品ネット公売:北海道)
北海道が、道税の滞納者から差し押さえた物品のインターネット公売には、約150年前に米国で製造された古式銃や、大正初期に発行された書籍「姓名学」などが公開されている。道は、ネットオークション最大手・ヤフーの「官公庁オークション」を通じ、5年前からネット公売を定期的に実施。今回出品したのは43点で、古式銃は東京都教育委員会で「美術品」の登録を受けている。銃刀法に抵触する心配はない。公売の最低価格は70万円と設定。また、「姓名学」(1914年発行)は同300円。道は「徳川家康などを例に人名の画数を分析している。興味のある方にお薦め」とPR。人気アイドルグループのDVDや乗用車の冬用ワイパーブレードも最低価格100円で公開し、燃料油などが海や川に流出した際の中和剤の油処理剤も。苦しい道財政の足しに、値が付く物は何でも売るという姿勢が表れている。道税の滞納額は累積221億円(2008年度末時点)。過去29回のネット公売の売り上げは2840万円とわずかだが、道税務課は「『逃げ得』を許さないためにも、地道に積み上げたい」としている。
(駆除した有害獣、ペロリ:福岡)
野生のイノシシやシカの肉を処理する有害鳥獣加工施設が、みやこ町で今月から本格稼働した。駆除を進めることで農業被害を防ぐとともに、その肉を食肉として有効利用しようという一石二鳥を狙った取り組みだ。肉は同町犀川生立の農林産物直売所「よってこ四季犀館(し・き・さい・かん)」で販売している。野生鳥獣肉を使ったジビエ料理の人気が高まる中、「厄介者をおいしく退治」というわけだ。加工施設は、町が国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を使い、約3500万円をかけて犀川支所の敷地内に建てた。木造平屋で約70平方メートル。洗浄室や解体処理室、製品加工包装室、冷蔵庫などを備える。年間の処理能力はイノシシ、シカ合わせて240頭という。加工施設への持ち込みは、みやこ町在住者で狩猟者登録をしている人に限られる。買い取り価格は季節や、オスかメスかなどによって異なるが、1キロ当たりイノシシは500〜千円、シカは100〜200円。年間処理目標はイノシシ100頭、シカ50頭としている。解体処理は犀川猟友会員の協力を得て、イノシシ、シカともヒレ、背ロース、肩ロース、バラ、モモ、肩の6種類に加工する。販売価格は1キロ当たり、イノシシが2千〜4千円、シカが2千〜5千円。買い取り・販売価格とも肉質によって変動するという。四季犀館では、消費者が買いやすいようにブロック肉をスライスして冷凍し、300グラム入りで600〜900円ほどで販売している。町では、今年度中に町の直売所やJA福岡みやこの直売所でも冷凍施設を整えてもらい、販売していく予定という。町農政課によると、鳥獣によるイモ類やタケノコ、イネなど農作物の被害は年間約1500万円に上る。20日までに加工処理したのはイノシシ5頭、シカ2頭だが、「駆除とともに、食肉の販売も軌道に乗せていきたい」としている。
(林伐採で獣害激減:滋賀)
耕作地周辺の鬱蒼(うっそう)とした林を伐採して農作物への獣被害を食い止める取り組みが、東近江市愛東外町と永源寺高野町で功を奏している。野生動物の隠れ場所を減らし、サルなどを追い払うモンキードッグの効果も高める試みだ。サルの被害が深刻だった愛東外町におけるブドウなど果樹園の被害額は、2007年度の50万円から、09年度には20万円と半減。サルの年間出没日数も07年度には約200日だったが、09年度には月数回にまで減ったという。地元の愛東外町農地管理組合と永源寺高野町自治会は07年4月から08年3月まで、両町の田畑の周りを生い茂る竹林など4カ所計6ヘクタールを伐採した。下草が育たないように、現在は手入れした区域の一部に柵を巡らして3頭のヤギを放牧。訓練を終えたモンキードッグも今年から両町に2頭ずつ本格的に導入され、動物の追い払いに一役買っている。住民らがサルなどを見かけた際に携帯電話で連絡を受け、飼っているドッグで対応するという地元農家の植田義雄さん(69)は「かつては民家の屋根にもサルが現れたが、最近はあまり見られなくなった」と話している。被害が減っていることについて、市農林水産課は「ヤギの飼育のために住民らが定期的に訪れることで、サルやシカなど警戒心の強い野生動物を遠ざけている。加えて、竹林などの整備でモンキードッグがサルを追い掛けることができるようになったのも要因に挙げられるのでは」とみている。

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4/21
(11月のアジア大会、選手数は過去最大規模に)
日本オリンピック委員会(JOC)は20日の強化担当理事会で、11月のアジア大会(広州=中国)に派遣する選手数が1994年広島大会の678人を上回り、史上最大規模になることを報告した。JOCは3月に個別折衝を終えた加盟競技団体に対し、すでに計680人の派遣の内示を出した。広州アジア大会は前回から3増の42競技で、50増の473種目を実施する。新たに実施される囲碁、ローラースポーツ、クリケットについては今後の折衝で派遣するかどうかを含めて決める。役員人事をめぐる内紛が続くクレー射撃は、派遣しないことも検討している。
(無許可所持の散弾銃譲渡、容疑で男逮捕:大阪)
大阪府泉佐野市の喫茶店経営者が散弾銃を無許可で店に飾ったとして逮捕された事件で、府警保安課などは20日、無許可で散弾銃を所持し、経営者に譲り渡したとして、銃刀法違反の疑いで、同市日根野のゴルフ場経営、久堀道廣容疑者(61)を逮捕した。府警によると、久堀容疑者は喫茶店の常連客。調べに対し「銃は亡くなった知人から預かり、処分に困っていた。経営者が愛好家だと知り、店内に飾るだけならいいと思った」と供述しているという。
(シカ捕獲に成功、獣害対策でわな設置:滋賀)
シカやイノシシによる農作物の被害が深刻な米原市で、市やJAレーク伊吹などでつくる市鳥獣被害防止対策協議会が実験的に同市柏原に設けた「囲いわな」で、シカが初めて捕獲された。わなは200平方メートルの土地を高さ3・5メートルのネットで囲み、中の餌に向かうとロープに引っかかり入り口が閉まる。牧草を固めたものや、ビール製造過程で出る麦の搾りかすの餌を用意し、昨年10月から野瀬山ふもとの市有地に置いていた。見回りに来た市職員が今月14日、子ジカ1頭を含むメス6頭が入っているのを確認。県猟友会米原支部(中川辰也支部長)の協力で捕獲した。昨年末にもシカがわなにかかったが、ネットを飛び越えたり、くぐったりして逃走し、ネットの強度と高さを改善していた。市農林振興課の日下部賢孝さんは「次はイノシシも合わせて捕獲できるよう、金網などで強度を増して実験したい」と話した。市内では、昨年4月〜10月末に1万3707平方メートルの田畑で計1687キロの農作物が被害を受けた。
(駆除の鹿肉美味に感動:和歌山)
有害鳥獣として駆除された鹿の有効利用を目指し、鹿肉のソーセージ、サラミの試食会が20日、田辺市の上秋津農村環境改善センターで行われた。同市内の鹿による農作物の被害は2008年度、1312万円。県猟友会の会員らが年約1000頭を駆除しているが、ほとんどは埋設処分されている。市はこれらの活用策を検討しようと、市内でハム、ソーセージ工房を営むベルナー・シンドラーさん(51)に試作を依頼していた。真砂充敏市長は「豚肉と全く遜色(そんしょく)がない。鹿肉でこんな食品ができるとは思っていなかった。販売方法をうまく考えればヘルシーな食品として売れるのでは」と話していた。
(ライフル掲げ銃規制強化に反対:アメリカ)
米首都ワシントンと隣接するバージニア州で19日、銃規制強化に反対する集会が開かれ、ライフル銃などを持って集まった参加者らが、武器保有は米国憲法修正第2条に定められた権利だと訴えた。米国では、医療保険改革法の成立などをめぐって保守層が反発を強めている。オバマ大統領や与党民主党が銃規制強化の法案を提出したわけではないが、これまでの流れの中で、銃を持つ権利が取り上げられるのではないかとの懸念が高まった。集会の参加者はほぼ全員が男性。銃所有者団体のラリー・プラット会長は「われわれは戦争をしている。彼らが狙っているのはわれわれの自由、金、子供、財産だ。彼らは社会主義者の集団であり、すべてを狙っている」と演説し、ポール・ブラウン下院議員(共和党)も「われわれは抑圧と社会主義に対して宣戦布告しなければならない。それをやるのはあなた方だ」と呼び掛けた。一方、バージニア州で開かれた集会には、ライフル銃などの武器を背中にくくり付けた参加者が集まり、「私の権利は神から与えられたもの。政府からではない」などのスローガンを掲げて気勢を上げた。参加者の1人は「われわれの役目はたまたま指導者になった人物に従うことではなく、憲法と共和制を守ることだ」と話した。首都ワシントンのあるコロンビア特別区では銃火器を公然と持ち歩くことを禁じているが、バージニア州では禁じていないため、この場所を集会の会場に選んだという。4月19日は、植民地時代の米国で英国が米入植者の物資を接収しようとしたことに端を発する「レキシントン・コンコードの戦い」の記念日。この戦いが米独立戦争のきっかけとなった。また、この日は1995年に起きたオクラホマシティ連邦政府ビル爆破テロ事件から15年目に当たっている。
(輪禍のカモ、はく製に:栃木)
小山市の大沼に生息し、オシドリ(オス)とのカップルで話題になりながら交通事故で死んだカモ(メス)について、同市は20日、剥製(はくせい)にして市立博物館に保存することを決めた。地元の催しなどでオシドリとの逸話を紹介するという。カモは19日夕方の事故後、すぐに市役所に運ばれ、冷凍保存された。死因は内出血で外傷はなく、同市は剥製にできると判断した。当面は保存設備のある博物館に置くが、来年2月には大沼近くの市立桑公民館の公民館まつりで剥製を展示する予定だ。同公民館の黒須恵美子館長は「2羽の写真も展示して大沼の宝だったことを知ってもらうとともに、命の大切さや交通事故の怖さを訴えたい」と話す。残されたオシドリは、カモの死の直後に大沼を飛び立ったが、19日夜に舞い戻り、20日も大沼上空を何度か旋回する姿が見られた。近くの人たちは「カモの死が信じられず、愛妻を捜しているのでしょう」と案じていた。
(カラスの巣が原因で停電、藤沢で2200世帯:神奈川)
20日午後6時ごろ、神奈川県藤沢市の湘南台、高倉などの4地区で停電があった。約2200世帯が停電し、約1時間後の6時55分ごろ復旧した。停電の影響によるけが人などはいないという。東京電力が原因を調べたところ、原因はカラスの巣だった。営巣期のカラスが湘南台の電柱に作った巣に使われた金属製のハンガーが電線に接触してショートが起きていた。このため、変電所で安全装置が作動し、送電が止まったという。藤沢北署によると、停電の影響で市内8カ所の交差点で信号が消え、同署の署員が誘導灯で交通整理を行った。東京電力は「事故につながる可能性がある鳥の巣を取り除き、安全確保に努めたい」としている。
(停電の原因カラスの巣を撤去:福井)
北陸電力福井支店はこのほど、福井市で電柱に作られたカラスの巣の撤去作業を報道陣に公開した。針金やハンガーなど金属製の巣の材料が電線に触れ、毎年数回の停電が県内で発生しているため。公開されたのは、同市春日2の約12メートルの電柱にあった直径約40センチの巣の撤去。絶縁上衣やゴム製の手袋を付けた作業員2人が高所作業車に乗り、電線にゴム管や絶縁カバーを巻いて、除去した。同支店によると、カラスの営巣は2月下旬から6月上旬がシーズン。県内での撤去件数は06年度から毎年3000件を超える。餌場となるごみ捨て場が近くにある団地や新興住宅地などの電柱でよく見られるという。動物の生態に詳しい県自然保護センターの水谷瑞希・企画主査は「カラスは木に巣を作る習性があり、街中で利用できる場所として電柱に営巣する。ごみの管理を徹底して餌場とならないようにするなど、人間の側が行動することが大事」と話している。

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(猟銃暴発か、射撃訓練場で歯科医死亡:静岡)
19日午後2時45分頃、静岡県富士市岩本の射撃訓練場「富士国際岩本山射撃場」で、島田市大津通、歯科医師赤堀泰さん(51)があおむけに倒れて死亡しているのを、練習のため訪れた三島市の男性が発見した。富士署の発表によると、赤堀さんは猟銃の手入れをする「手入室」の中で、左胸から血を流して倒れていた。左胸から猟銃の弾が1発見つかり、赤堀さんの近くにある手入れ用のカウンター付近に赤堀さんの猟銃が置かれてあった。弾は赤堀さんの猟銃から発射されたものと判明した。猟銃はシカ猟などに使う散弾銃で、全長約110センチ。赤堀さんは1人で射撃場を訪れ、1人で射撃をしていたという。同署は銃が暴発した可能性などを含め、詳しい状況を調べている。
(シカの食害対策に超音波:長野)
南牧村は、シカによる食害対策で、シカの嫌がる超音波を出す機器を試験的に導入する農家への補助を始めた。この春から1年かけて効果を検証し、結果によっては来年度から本格的な利用につなげる予定だ。県内での設置は現在のところ同村だけ。機器は縦横約25cm、奥行き約40cm。スピーカーが4個付けてあり、シカが嫌う周波数を、音域などを変えながら断続的に流す。50〜80m先まで届く。
(カラスの巣撤去本格化:宮城)
電線に接触して停電を引き起こすカラスの巣の撤去が、宮城県内で本格化している。作業に当たる東北電力は、巣の情報提供を呼び掛けている。カラスは例年3〜5月、電柱の上に枯れ枝や金属製のハンガーなどを編んで巣を作る。県内でカラスの巣が原因となった停電は昨年度8件で、巣の撤去数は約2000個に上った。県内の全10営業所で例年最も撤去数が多い石巻営業所は7日、担当社員が4班に分かれて作業に当たった。営巣を妨げる仕掛けを昨春に設置したばかりの電柱にも巣が作られており、社員は高所作業車で素早く撤去した。同営業所は「一日もあれば営巣してしまうカラスが多く、いたちごっこが続いている。巣を見つけ次第、すぐに通報してほしい」と話している。

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4/19
(活性化へ若者奔走、田舎暮らしの「技」伝授:岐阜)
「ずっと暮らし続けられる郡上をつくる」。これがNPO法人メタセコイアの森の仲間たち=郡上市八幡町=が掲げる理念。そのために何をすべきか。郡上に住みたいと望むファンをつくり、その人たちが生活するための仕事をつくり、得た収入を地域内で使う経済循環をつくる。地域の活力づくりに全身でぶつかる若者たちがいる。2000(平成12)年の設立以来、郡上ファンへの第一歩と位置付ける自然体験支援を続けてきた同NPOは10年目を迎えた昨年、新たに農業交流事業部を立ち上げた。目的は郡上で生活できる人材の育成。農業や狩猟など、田舎暮らしに役立つ技術を若い人たちに伝授する。現在は、農業体験イベントを企画する傍ら、スタッフの永吉剛さん(27)と籾山雄太さん(27)が地元の達人に弟子入りし、田畑づくりやわな猟を学んでいる。「若い人が郡上に住むには仕事が必要。ただ雇用を待つのではなく、まずはできる仕事を増やそうと考えた」。新事業への思い入れを語る代表理事の興膳健太さん(27)は九州一の都市福岡市出身。さらに神戸市出身の永吉さん、籾山さんも含め、全員20代という若きスタッフの大半が郡上市外の出身者という。スタッフ自らも、移住者として田舎で生きる術を模索しながら、志ある若者の流入による地域活性化を目指して奔走している。「自分も郡上に来て初めて畑仕事のおもしろさを知った。若い人のなかにも、田舎暮らしを新鮮でかっこいいと感じる人がたくさんいるはず。田舎の魅力を伝えたい」と永吉さん。三つ目の課題である経済循環にも地道に取り組み続ける。その手段は地域通貨の発行。スタッフの給料やボランティアへの謝礼の一部を郡上市内の協力店でのみ使用できる地域通貨で支払っている。発行開始から9年を経て協力店は60店舗を超えた。興膳さんは言う。「地域経済が活性化すれば仕事も生まれる。外から力を取り込むことも重要だが、何より地域そのものが元気にならなければ」。外から来た若者たちのパワーが地域の活性剤になりつつある。
(岐阜市北西端に珍客:岐阜)
岐阜市内で、目撃例の少なかったニホンカモシカ(国の特別天然記念物)やニホンザルの姿が今春、カメラに収められた。関係者は「生息域が広がっているのではないか」とみている。撮影したのは、岐阜市の自然環境調査員を務める梶浦敬一さん(67)。いずれも場所は岐阜市北西端の地域で、「隣り合う本巣市から山づたいに市境を越えて来た」とみられる。ニホンザルが現れたのは今月4日正午ごろ。岐阜市雛倉で地元住民がお祭りの準備をしていると、体長1メートルほどの1匹がいて、留守になった民家の軒先に干してある新タマネギを食べていた。その場にいた梶浦さんたちが追いかけたところ、タマネギをほおばりながら、高さ約1・5メートルのブロック塀をよじ登り、近くの山の方へ逃げていった。周辺にいたのは計10匹近くを数え、群れで行動していたとみられる。一方、3月16日には岐阜市外山の県道脇に、立派な2本の角の生えたニホンカモシカが現れた。のり面の枯れ草の中から顔を出すと、約10分間、じーっと梶浦さんの方を見つめた後、近くの山の方へ走り去ったという。2000年に岐阜市が実施した環境実態調査では、この2種の目撃例はほとんどなかった。しかし、梶浦さんによると、ここ2、3年間に市内ではニホンザルは長良地区、ニホンカモシカは岐阜大学(岐阜市柳戸)周辺でそれぞれ目撃されたこともあるという。特にニホンザルについては、これまで目撃された「離れザル」だけでなく、群れの目撃例も出てきた。岐阜市農林園芸課の担当者も「ニホンザルやニホンカモシカの目撃通報は年々増えている」と話す。特に近年、サルによる農作物への被害も報告されていることから、被害の多いイノシシやヌートリアに加えて対策に乗り出すことも検討している。動物の生態に詳しい岐阜大学の鈴木正嗣教授は「サルやカモシカの目撃が増えているのは全国的な傾向。生息域が広がっている可能性はある。一般的に言われるのは、自然が少なくなったため人里に下りて来たということ。ただ、ここ数年、岐阜市で急激な環境の変化があったとは考えにくい。逆に環境が良くなって個体数が増えたことが原因になっているのかもしれない」と話している。

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(エゾシカ食害から生態系守れ:北海道)
エゾシカの食害が深刻化し、生態系への影響も懸念される中で、道は4月下旬に「エゾシカネットワーク(仮称)」を設立、総合的な対策に乗り出す。NPOや大学の専門機関も加わる初の試み。エゾシカの個体数管理や食害を受ける高山植物の保護などを図る。道のほか、関係市町村、野生動植物の生態などを調査する札幌のNPO法人「EnVision」、肉や皮の有効活用に取り組むエゾシカ協会、酪農学園大など計11団体で構成する。これまでは、狩猟期間の設定などは道がする一方、有害駆除は市町村が担うなど対応が分かれていたが、ネットワークで連携しながら対策を講ずる。対策としては《1》エゾシカの効率的な捕獲技術の確立《2》保護管理を担う人材育成《3》高山植物の被害対策−などが柱。定期的な会合を開いて具体化し、実行していく。予算は国の補助金などを充てる。当面、捕獲効率を高めるため、餌付けで特定の場所におびき寄せて銃で捕獲する「シャープシューティング法」の実験に取り組む。夕張岳(1668メートル)で食害により絶滅の恐れがある高山植物を保護するため、植生地を電気を通した柵で囲うなどの対策を講ずる。
(エゾシカ肉使い「阿寒やきとり丼」:北海道)
釧路市阿寒産のエゾシカ肉を使った「阿寒やきとり丼」が17日から、阿寒地区のレストランなどで販売される。16日には阿寒湖温泉のホテルで発表会が開かれた。シカ肉を「焼き」と「揚げ」、そぼろ状にしてレタスで包んだ3種類のくしを乗せた丼物。汁物とギョウジャニンニクを使った総菜が付き千円未満で提供する。発表会では「臭みがなく食べやすい」「肉がとてもやわらかい」と好評で、協議会の小林一之会長は「阿寒湖の昼食はやきとり丼、と言われるように広めたい」と話している。
(駆除したイノシシ、解体2時間がかり:三重)
山林が多い東紀州地域では、鳥獣による農業被害が深刻だ。各市町では報償費を払うなどして、地元猟友会員らに駆除を依頼しているが、捕らえた動物はどうなるのか。駆除した動物をきちんと処理するのは人間の責任のはず。大紀町の猟師がイノシシを解体する現場を15日に訪ね、自分でも体験した。記者が訪れたのは、大紀町野原の猟師中村武さん(67)の自宅。解体に当たったのは、中村さんと先輩の津田正二さん(86)に、記者の3人。イノシシは13日、大紀町野原の山際に仕掛けられたおりにかかっていた。体長1メートル弱、体重60キロほどの雌。4歳ほどという。解体は、ロープで梁(はり)につるされたイノシシを作業台に載せて始める。イノシシは中村さんが半日清流に漬けて血抜きをし、内臓を取り除いてある。毛が太くて硬く、軍手の上からもチクチクする。腹に入れた切り込み部分から見ると、皮と身の間に2センチほどの真っ白な脂肪がある。この季節にしては太っている方だそうだ。記者は後ろ足のつま先に刃渡り15センチほどのナイフの先を立て、皮をはぎ始める。どんどんはいでいく津田さんをお手本にしようとするが、脂で刃が滑り、皮の方に脂がたくさん残ってしまう。脂はうま味だから、本当は肉に残すべきなのだ。また、刃が滑ると、皮に穴を開け、肉に毛が着いてしまう。断面もギザギザだ。1時間ほどでやっと皮をはげた。首にナイフを入れ、肉を骨からはがす。ヒレ、あばら骨の近くのばら肉、背中のロース。2時間でようやく大まかに解体できた。イノシシが重く、動かさないよう押さえるため疲労を感じた。中村さんは「手間の割に肉は売ってもお金にならないが、解体して食べなければ動物が報われない」と話す。地域の猟師は年1回動物の供養をする。「大事に食べてな」とロースをいただき、焼いて食べた。思ったよりにおいもなく、おいしかった。農作物を食べるとはいえ、相手は生き物。駆除した後の扱い方が問われると実感した。
(鳥獣害被害が深刻化、地域対策あの手この手)
福井県勝山市の県立恐竜博物館で先月二十二日、開かれた三重や福井、滋賀、岐阜の四県でつくる「日本まんなか共和国」知事サミットで、「鳥獣害に強い意識づくりが重要」と述べた野呂昭彦知事。三重県が平成二十年度の一年間で、サルの獣害被害額が全国一位(約一億五千万円)だったことを明かした。県農水商工部農山漁村室獣害対策グループによると、シカは全国六位(約一億二千万円)、イノシシは同十七位(約一億二千万円)、鳥獣害総合は同十三位(約四億三千万円)と、農作物への被害が深刻化している。これをバネに、地域ぐるみの活動や、まちおこしにつなげた取り組み、「犬猿の仲」を利用した対策を追った。県農業研究所経営・植物工学研究課の山端直人主任研究員によると、県内の全二千二百集落のうち、三分の一に当たる約七百集落が何らかの鳥獣害に遭っているという。「県内でサルは百群れいるとされ、一群れ平均五十、六十頭にもなる。防げる集落を増やさなければ」と現状を語る。「昔はいなかったのに、六、七年前からサルやイノシシが急に増えた」と話すのは、松阪市広瀬町自治会の鎌倉光次会長(61)。同町ほぼ全域で、育てた野菜や稲がかじられるなど、荒らされたという。「見掛けたら、とにかく電話してほしい」と鎌倉会長に連絡先を集約。同町営農組合主体の「追っ払い隊」が警戒に当たっている。地元有志らは平成二十年から国の交付金などを活用。防護用の金網(高さ約百五十センチ)を購入し、複雑な地形に合わせて設置。目標の四千メートルまであと半分となった。隣の同市茅原町とも獣害情報を共有し、「連絡し合うことが当たり前になった」と手応えを見せる。

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(シカ肉でカネ儲けはできるのか?精力抜群、女性も“その気に”)
奈良公園の雌ジカがボーガンの矢で射抜かれた事件で、奈良県警に文化財保護法違反容疑で逮捕された三重県津市のラーメン店経営、稲垣銀次郎容疑者(39)は「シカを売れば金になると聞いた」と供述した。実際、専門家はシカ肉を「とろけるぐらいうまいし、男女ともに精力が付く」と絶賛する。だが、食肉業者は「一般人がシカ肉で儲けようと思うのは、とんだ勘違いだ」という。「シカ肉の味は雌雄と年齢で大きな差がある」と語るのは、海外で狩猟経験が豊富な作家、小峯隆生氏(50)。「一番うまいのは雌の子ジカ。これは本当においしくて、とろけます。次に雄の子ジカ、雌の3歳まで、雄の2歳までの順で、それを超えると肉が硬くてまずい」と力説する。「海外ではワイルドミート、つまり野生の肉が好まれる。男性だけでなく、女性が食べても“その気”になるといわれています」。シカ肉の精力はものすごいらしい。小峯氏は続けて「木の皮や笹など、まずい物を食べたシカは肉もまずい。牛がいる牧場の近くに住み、牧草を食べたシカが一番おいしい。鹿せんべいを食べて家畜状態となった奈良公園のシカも非常にうまいと想像できる」と指摘する。また、「日本では法的に問題だが、肉へのダメージを考えると猟銃より弓を使うほうがいい。ただし、野生のシカを弓で捕らえるには、ランボー並みの戦術が必要」とも。ボーガン片手に鹿せんべいを使ってシカをおびき寄せた稲垣容疑者は、うまいシカ肉についてある程度の知識があった可能性もある。シカ肉の流通には公的な統計がない。ただ、天然のシカ肉を加工・販売する丹波姫もみじ(兵庫県丹波市)の柳川瀬正夫社長(61)は「かつては猟師が知り合いに無料で配っていたが、いまは自治体が民宿や料理店に卸すケースが増えた。フレンチやイタリアン以外の店でも出すようになった」という。東京都奥多摩町では町役場が保健所やハンターと協力して、解体処理施設を建設。「町おこしの一環で町内の旅館や民宿に卸している」(担当者)という。卸値はロースが1キロ当たり5000円、上モモは同4000円、バラが同2000円と安くはない。柳川瀬社長は「丹波のシカは体重が40キロぐらい。そのうち食肉になるのは13−14キロで、ロースは1キロ、もも肉は3−4キロ取れる。それ以外もおいしく食べられるが、一般の人は調理方法を知らない。衛生管理がきちんとした施設があって初めて高い肉になる。今回の事件は短絡的で、勘違いしていますね」と言う。小峯氏も「仕留めた直後、伏せの姿勢にして血抜きをし、内臓を出して皮をはぎ、一晩逆さ吊りにして寝かせる『エイジング』が必要。温度も0−5度のチルド状態に保つ必要がある」といい、ちゃんとシカ肉を食べられるようにするのは、けっこう大変なのだ。
(狩猟期間中の検挙、前年比減の4件:栃木)
県警生活環境課は、09年11月15日〜10年2月15日(一部地域は2月末、3月15日まで)の狩猟期間中の検挙件数を発表した。業務上過失傷害と銃刀法違反容疑で計4件7人を書類送検し、いずれも前年比で4件1人減少した。検挙の内訳は、昨年12月、鹿沼市の男(68)が大田原市内でキジ狩り中に、狩猟仲間のまぶたに散弾を命中させ、1週間のけがをさせた業務上過失傷害が1件。銃刀法違反容疑では今年1月、那須塩原市の男(71)が、散弾銃に実包を装てんしたまま所持許可の更新申請に那須塩原署を訪れ、「所持の態様」違反で検挙。また鹿沼市内の河川敷で飼育していたイノシシ6頭を射殺した事件など、計2件5人を「発射制限」違反で書類送検した。同課によると、獲物の減少傾向に加え、猟銃所持者の高齢化や若い世代の所持許可申請者も減少しているといい、10年2月末時点で県内の所持許可者数は5272人で、09年2月末から262人(約7%)減少した。こうした傾向も、検挙事案減少の背景にあると分析している。
(稚アユの天敵、捕獲・買い取りで対策:富山)
稚アユの放流が始まる4月下旬に向け、神通川水系の漁業を管理する富山漁業協同組合が、アユを食べて漁業被害を及ぼす水鳥「カワウ」の対策を開始した。同川流域の猟友会が狩猟できるよう、有害鳥獣捕獲申請を県などに提出。捕獲されたカワウを1羽当たり8000円で買い取り、漁業被害を抑えるのが狙いだ。カワウはペリカン目ウ科に属する黒色の鳥。体長約80センチで2〜3分の潜水が可能だ。同組合によると、これまで捕獲した中には58匹の稚アユを食べていたカワウもいた。放置していると、漁業被害は1億6000万円にも上るという。そのため、同組合は99年から捕獲したカワウの買い取りを開始。昨年は343羽を捕獲し、買い取り開始以降、04年の365羽に次いで2番目に多かった。しかし県自然保護課によると、県内5カ所の観測地で調査した個体数は05年以降、毎年800羽前後で変化はない。東秀一・同組合参事は「神通川に寄りつかせないよう、目先の個体数を減らすしかない」と話し、花火による威嚇などもしている。
(猟銃安全指導委員、64人に委嘱状交付:兵庫)
猟銃の安全使用や事故防止を啓発する「猟銃安全指導委員」の委嘱式が15日、神戸市中央区の県警本部であり、県内の64人に委嘱状が交付された。県内で計73人が委嘱される予定で、各地域で猟銃所持者への助言や狩猟区域の巡回などを行う。指導委員の制度は長崎県佐世保市のスポーツクラブで07年に起きた散弾銃乱射事件などを受けた改正銃刀法で新設された。10年以上猟銃を所持していることなどが委員の条件で、委嘱期間は2年間。県警生活環境課によると、猟銃の所持許可者による銃刀法違反事件は県内で08年度に11件、09年度に7件発生。今年1月には、姫路市内で狩猟中に流れ弾が当たって男性がけがをする事故もあり、同課の甚田郁雄課長は「猟銃の使用マナーが悪くなってきている。ルールを厳守して有害鳥獣駆除の期待に応えてもらいたい」と話した。
(サル出没で住民困惑:京都)
八幡市の男山ふもとの市街地にニホンザルが頻繁に出没し、住民や行政が対策に頭を悩ませている。昨秋から姿を見せ始め、畑を荒らすなどの被害が出ているが、有効な対策はとれていないのが実情だ。初めて市に目撃情報が寄せられたのは昨年9月。以来、男山周辺の民家や公園、社寺などに現れるようになり、報告があっただけで40回以上目撃されている。同一の雄ザルとみられるが、体長1メートルほどと大きく、あまり人を避けないため、市環境保全課は「どこかで飼われていたのではないか」とみている。今のところけが人は出ていないという。しかし、畑でダイコンを食べたり、青果店の店先の野菜をとるなどの被害が報告されている。キャベツ畑が荒らされた神応寺は、市から野犬用おりを借り、一時期仕掛けたが捕まらなかった。大木祖浄住職は「1月は毎日のように現れて大変だった。戸を開けっ放しにできない。早く捕まってほしい」と気をもむ。通報の度に市職員が網を持って現場に向かっているが、捕獲は難航。市は広報紙や掲示板などで市民に注意を呼び掛けている。市環境保全課は「これほど長くサルが街中に出没するのは初めて。府と協力して麻酔銃での捕獲も検討する必要があるかもしれない」としている。
(ぬいぐるみトラでサル撃退:愛知)
農作物を食い荒らす野生ザルの被害が続いている岡崎市大幡町で15日、動くぬいぐるみのトラがサルを威嚇する装置が設置された。トラの威を借りてサル知恵に勝つことができるのかどうか。地元の農家の人たちは、サルの賢さに一抹の不安を抱きながらも、新しい装置に期待を寄せている。装置は高さ約2メートル。風力と太陽光発電で全長約1メートルのぬいぐるみのトラが前脚を動かすほか、「ガォーッ」とほえ、目から青い光を放ってサルを脅す仕掛け。同市東部の山間部にある大幡町では、3年ほど前からサルが増え、今では100頭以上の群れが米やダイコン、ニンジンなどを食い荒らしている。農作物に網をかぶせるなどして防いでいるが、被害は後を絶たない。同市内では昨年度、推定約2000万円のサルの被害があり、同町周辺では約90万円に達したという。地元の人が2年前、トラのぬいぐるみを畑に置くだけで効果があった、という記述をインターネットで見つけ、試してみた。1年目はサルの姿を見かけなくなったが、動かないトラにサルが気付いたのか、姿を見せ始めたという。このため、町総代の本多勝佳さん(66)が地元に工場のある自動車部品メーカーのアイシン・エィ・ダブリュに相談を持ちかけ、安城市にある同社ものづくりセンターの池田重晴センター長らが、からくり人形の技術を応用し、アルミの廃材などを使って装置を作った。材料費などはアイシン側が負担した。装置はこの日早速、農業佐野馨さん(80)の畑に設置された。サツマイモの種イモを食べられたばかりという佐野さんは、「毎日記録をつけて効果を試したい」と期待を寄せ、本多さんも「動くトラならサルが寄りつかない」と自信を深めている。
(カラスの巣、電柱に年4000個:石川)
電柱の上に作られたカラスの巣の撤去に、北陸電力が手を焼いている。巣は停電の原因になるため、繁殖期のこの時期は、社員が毎日電柱を巡視。営巣の防止策も取っているが効果は薄く、県内での昨年の撤去数は約4千個と、10年前の1・7倍に増えた。担当者は「地道に撤去を続けるしかない」とあきらめ顔だ。金沢市横川6丁目の住宅街で13日、北電石川支店の社員2人が高所作業車に乗り込んだ。狙いは電柱の最上部、地上約12メートルに作られたカラスの巣だ。直径30センチほどの巣の中をのぞくと、緑色の卵が三つ――。こうした巣の撤去のため、同支店では昨年1年間でのべ575人を投入した。カラスは本来、木の上に巣を作るが、近年は電柱の上に作るケースが増えている。理由について北電は「住宅地はゴミなどえさが多く、カラスにとって住みやすい。その近くに巣を作る動きが年々進んでいるのでは」とみる。問題は、巣の材料に枯れ枝のほか、針金やハンガーなどの金属が使われることだ。金属が送電線に触れれば停電の原因になる。実際に県内では昨年、カラスの巣による停電が5件起きた。1回の停電で、多いと2千〜3千戸に被害が出ることもあるという。繁殖期の3〜5月には、北電社員が毎日管内を巡回。停電を起こすおそれのある巣を見つけた場合、すぐに撤去する。ただ、撤去してもカラスは別の電柱に再び巣を作るため、材料に金属が少なく、停電の危険性が低い巣はすぐには撤去しない。卵が5個ほど産まれ、繁殖の終了を確認した段階で撤去するという。北電もこれまで巣作りを黙って見過ごしてきたわけではない。電柱にカラスが嫌う針山や釣り糸、風車をつけるなど、様々な予防策を講じてきた。だが、「カラスは賢いので、すぐに慣れたり、効果がなくなったりしてしまう」(同支店)というのが実態。今後もカラスとの「いたちごっこ」は続きそうだ。
(天井裏のタヌキ?撃退で手品のピストル鳴らし住宅焦がす:長野)
15日午後7時ごろ、長野市浅川の岡沢弘耀(ひろあき)さん(73)宅で、天井裏に侵入したタヌキとみられる小動物を追い出そうと、岡沢さんが天井の穴から殺虫剤を噴霧し、おもちゃのピストルを鳴らすと、突然、穴から青白い炎が噴き出した。消防車が出動するなどしたが、火はすぐ消え、けが人はなかった。岡沢さん宅では以前から、天井裏に動物が入り込むことがあった。岡沢さんは天井の隅の方に開いた直径5センチほどの穴から殺虫剤を噴霧した後、趣味の手品で使うピストルを鳴らす「撃退法」を思い付いたという。岡沢さんは「何度か同じ方法でやってきたので、引火するとは思わなかった」。出火後、穴からホースを差し込んで水をまき、断熱材を焦がした程度で済んだ。同市消防局中央消防署によると、このピストルはごく微量の火薬を使う。殺虫剤に含まれるガスは可燃性で、少しの火花でも引火するという。

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