<射撃ニュース5月>

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(新執行部の総会は無効、JOCがクレー協会に通告)
日本クレー射撃協会の役員人事をめぐる内紛問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は13日までに協会運営を進めている新執行部に対し、2010年度の事業計画や予算を承認した3月30日の総会と、14日に開催予定の総会での決定を認めないと通告した。この問題をめぐっては文部科学省がJOCに仲裁を求めているが、新執行部は「JOCの仲裁は公正さを欠いている」として拒否している。
(登山男性クマに襲われけが:栃木)
13日午後2時5分ごろ、日光市細尾町と足尾町の境付近の薬師岳頂上近くで、埼玉県所沢市東所沢1丁目、保険代理業森田準之助さん(78)がクマに右太ももをかまれ、10日間のけがをした。日光署の調べによると、森田さんはハイキンググループ18人で細尾峠から薬師岳に向かったが、頂上手前で登山をやめ、ほかの女性2人と引き返した。女性2人は先に行き、襲われた時は森田さん1人で写真撮影をしていた。一緒にいた子グマ2頭も襲ってきたが、森田さんがけったところ、3頭とも茂みの中に逃げ去ったという。森田さんは歩ける状態で、自ら携帯電話で119番した。県自然環境課によると、クマによる県内での人的被害は、昨年8月に日光市足尾町の山林で、キノコ採りの男性が襲われて以来。
(拳銃など41丁所持、個人での押収最多:広島)
広島県警が今年2月、大量の拳銃や実弾を隠し持っていたとして銃刀法違反容疑で逮捕した男から押収した拳銃の数が、警察が個人から押収した中で過去最多に並ぶことが、警察庁への取材で分かった。男はガンマニアで、拳銃10丁や旧日本軍の小銃1丁、大量のモデルガンなど計41丁を押収され、拳銃10丁については既に起訴された。捜査関係者によると、拳銃を含む34丁の所持が同法に違反するといい、個人の銃刀法違反では異例の大規模事件となった。広島市南区黄金山町の清掃会社員、中川俊夫被告(65)=公判中。拳銃10丁や実弾数百発を自宅や勤務先倉庫で所持していたとして逮捕、起訴された。拳銃10丁と小銃1丁が実射可能で、地検は小銃についても近く起訴する方針。他は、模造拳銃10丁▽小銃のようなもの8丁▽機関銃のようなもの3丁▽拳銃部品2丁▽モデルガン7丁の計30丁。いずれも実射できないが、本物を加工したものや本物の部品などが多く、モデルガン以外の23丁は同法違反に当たるという。県警はこれらの所持についても追送検する方針だ。中川被告は広島地裁の公判で「発砲したことはない。実射できるかどうか分からなかった」と述べ、趣味で収集していたと弁明。銃は衝撃吸収用のケースに入れて丁重に保管していたという。警察庁などによると、三重県警が08年4月、同法違反容疑で逮捕した医師から拳銃8丁と実射できるモデルガン(拳銃と勘定)2丁を押収したのが、これまで個人から押収した拳銃の最多。大量押収は暴力団の捜査などに限られるという。取材に対し、弁護人は「大阪市内のガンショップ(既に廃業)などで購入した」と説明している。一方、ある銃砲店は「日本で拳銃を所持するなら、違法に国内に持ち込んだものか、盗品」と指摘。また、銃器評論家の津田哲也さんは「90年代半ばまで、銃の主要部品を所持することは合法だった。部品を組み立てるという形での所持はできた」としている。
(鳥獣被害防止へ防護柵に補助:岡山)
笠岡市はイノシシやヌートリアなどから農作物を保護しようと策定した「鳥獣被害防止計画」(2013年度まで)で、農家が防護柵や金網を設けた際、これまでは自己負担だった設置費の半額を上限に、1戸からでも補助する方針を示した。防護柵の普及を促進することで、農作物被害を2割減らすことを目標にしている。対象鳥獣はイノシシ、ヌートリア、ハシブトガラス、ハシボソガラスの4種。それらの08年度の被害は市が把握しているだけで730万円、370ヘクタールに上る。これまでは地元猟友会による捕獲・駆除が対策の中心だった。国や県も防護柵の設置補助を行っているが、3戸以上の申し込みを条件としているため、集落の足並みをそろえるのが難しく、農家から1戸でも利用できる制度の要望が上がっていた。計画では、1年ごとにトタン柵、金網、電気柵、網をそれぞれ5キロ分整備する。10年度の事業費は181万円。交付要綱を制定後、5月中には申請を受け付ける。
(ミズバショウ群生地、シカ食害で壊滅状態:栃木)
日光市指定天然記念物でもある野門のミズバショウ自生地が、シカ食害などにより無残な姿となっている。かつて一面を白で埋めた群生はほぼ壊滅状態。電気柵の効果もなく、自治会などで苗を植え再生を試みたが成功しなかった。地元では「金網などでシカを防げば再生可能」との声もあるが、わずか11世帯の自治会は財力に乏しく、根本策もままならない状況だ。野門は川俣地区の手前から山あいに入った場所にある。自生地は集落最奥部の駐車場から、さらに山道をしばらく登った所の湿地帯。民宿が集まる集落にとって、貴重な観光資源となっていた。だが、万単位で自生していたという株が20年余り前から減り始めた。シカ食害と分からず対策も後手に。10年ほど前に電気柵を設けたが効果はなく、水量の減少とスゲの繁茂も加わって状況は悪化した。自治会と旧栗山村で苗を植え、再生を試みたこともあった。だが一面に生えたスゲは、人力で取り除くには手に負えない状態。ここ5〜6年は訪れる人もあまりいなくなった。旅館業大類和四さん(81)は「聞かれたら『行っても仕方ない』と言わざるを得ない」と残念そうだが「シカを防げば何とかなる」。高山待男自治会長も「重機などでスゲを除去できれば、苗の手配は可能だし奉仕作業は十分できる」と行政の対応にも期待を寄せる。市教委も状況については認識しており「まずは地元がどうしていくか、ということが重要。助成制度もあるため、その後のメンテナンスが担保されるのであれば、お手伝いすることもあり得る」としている。

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5/12
(国体でクレー実施へ、役員の誓約書必要)
新旧執行部の対立で内紛が長期化する日本クレー射撃協会の問題について12日、日本体協の理事会で泉正文国体委員長が、今秋の千葉国体でクレー射撃を除外せずに実施する方針を明らかにした。昨年の新潟国体同様、大会運営を妨げないという趣旨の誓約書を協会役員に提出させる。泉委員長は「千葉県では会場地の準備も進んでいる。内紛は選手には直接関係のない事柄で、競技の場を提供すべきだとの意見も出ている」と説明した。6月中には新旧執行部に誓約書の提出を求める考えという。誓約書には、都道府県の予選会やブロック大会を支障なく実施することや、新旧執行部の役員は国体競技会役員として参加できないことなどが盛り込まれる。
(クレー協会の混乱で、JOCが文科省と次善策を協議へ)
日本オリンピック委員会(JOC)の市原則之専務理事は11日の総務常任委員会で、役員人事をめぐって新旧執行部の対立が続いている日本クレー射撃協会について、「解決の見通しは立っていない」と報告した。その上で、「文部科学省の鈴木寛副大臣に経過を報告し、次善の策をとりたい」とした。JOCは2月以降、新旧執行部に対し、クレー射撃協会が新法人を設立し、新たな評議員、理事を選出するよう提案。市原専務理事は「JOCは関与すべきでないと新執行部が反発し、(3月に)総会なるものを開く事態となり、大変遺憾だ」と強調。「アジア大会や千葉国体があり、選手に影響が出ないよう何らかの方法をとる」と述べた。
(クマに襲われ男性大けが:山形)
11日午前11時50分ごろ、河北町岩木の山林でクマに襲われたと、同町谷地中央5丁目、無職佐藤幸男さん(78)が西村山広域消防本部河北分署に助けを求めた。佐藤さんはつめで顔を引っかかれるなどの大けがをし、山形市の県立中央病院に搬送された。県警地域課によると、今年県内でクマに襲われ、けがをする被害は初めて。寒河江署の調べでは、佐藤さんは同日午前8時半ごろ、1人で山菜採りに行くため車で自宅を出発。途中、林道に車を止め、その後は歩いて山に入り、クマに襲われたとみられる。佐藤さんはすぐに車まで戻り、自力で運転して救助を求めた。携帯電話は持っていなかったという。佐藤さんは襲われた現場について、救助を求めた河北分署員に「ため池から約500メートル山奥」と話していたといい、引竜湖第2溜池か第1溜池付近とみられる。第2溜池の約500メートル東にはキャンプ場や引竜山荘があり、さらに集落までは2.5キロほどしか離れていない。佐藤さんは今月に入って数回、山菜採りで同じ山に入っていた。県猟友会西村山支部河北分会の渡部博美会長(70)は「ここ何年かは岩木山でのクマの目撃情報はなかったが今年はこれで2度目。今月10日には第1溜池付近でクマを見つけた人がいた」と話していた。事故を受けて、町は岩木山の林道沿い6カ所に注意を呼び掛ける看板を設置。寒河江署もパトロールを強化し広報活動を行った。
(イノシシ西日本から富山へ:富山)
生物の多様性について学ぶ市民講座が12日、富山市で開かれ、生態系の変化に伴って、西日本から多くのイノシシが富山県に侵入してきていることなどが報告されました。今年は、国連が定めた「国際生物多様性年」です。環境や生態系への関心が高まる中、12日、富山市民プラザで生物の多様性について学ぶ富山市民大学の講座が開かれました。講師の富山大学の山崎裕治准教授は、県内で急増しているイノシシを取り上げ、「県内のイノシシのDNAを鑑定した結果、多くは、西日本から侵入してきていることが分かった」と報告しました。山崎准教授は今は恐竜が絶滅した時代と同じ勢いで、地球上から生物が消えていると指摘し、「生態系を守るために、地球規模と地域規模の両方の視点を持ち、何ができるか考えて欲しい」と受講者に訴えました。
(野鳥大量死、寒暖差に耐えられず?:山形)
山形・秋田県境の鳥海山(2236メートル)に登山中、雪面で野鳥の死骸(しがい)が転々と転がっているのを見つけた。確認しただけでも30羽近くで、ほとんどが夏鳥だった。写真を専門家に見てもらったところ、4月下旬から5月上旬にかけての寒暖差に、渡りの季節を迎えた夏鳥たちが対応できず死んだのではとの推測が示された。死骸は5日、山頂から西側の日本海側に派生する尾根筋の斜面で見つけた。山形側の大平登山口と秋田側の鉾立登山口が交差するあたりの愛宕坂から7合目の御浜にかけての範囲。ルート沿いのあちこちに落ちていた。コマドリ、アオジ、ヤブサメ、ノゴマ、ウグイスの仲間といった夏鳥がほとんどで、冬鳥のアトリも数羽交じっていた。写真を鑑定した酒田市の環境省・猛禽類(もうきんるい)保護センターの村田野人・自然保護専門員は「陸鳥が鳥インフルエンザにかかるとは考えづらい。例えばノゴマは北海道に渡る途中だったのではないか」。酒田市のNPO猛禽類保護ネットワークの伊藤智樹事務局長や八幡山岳会の佐藤巧朗会員も「上昇気流で上空に運ばれ激しい温度差に耐えられなかったのだろう」と推測。日本海から突き上げる独立峰の鳥海山は気象変化が激しく、野鳥の死骸が落ちていることはこれまでもあった。伊藤事務局長も山頂付近で10年以上前に20羽ほどカモの死骸を見たというが、やはり大量の死骸は珍しいと驚く。山形地方気象台は4月下旬から5月上旬にかけての庄内地方は「寒暖の変動が顕著だった」と説明しており、小さな夏鳥には厳しい季節だったようだ。
(カラス対策最終局面か:東京)
約1万9000羽−。これは東京都内の平成21年度のカラスの生息数だ。13年度には、「カラスの鳴かぬ日はあれど…」ということわざが死語と思えるほどの約3万6000羽もいたが、地道な駆除が功を奏し、ほぼ半減した。だが都の目標は昭和60年の生息数である約7000羽。都は今年度、都内のカラスの大規模営巣地36カ所で巣の一斉撤去に乗り出す方針を打ち出し、一気に片をつける意向だ。カラスは電柱に巣をつくって停電の原因になったり、ゴミを荒らしたりする厄介者。都が本格的な駆除に乗り出したのは13年度のことだった。この当時、都民から都に寄せられる苦情件数は年間3700件を超え、石原慎太郎知事の号令で全庁的なプロジェクトチームを結成。公園や神社などカラスの集まる場所に捕獲用のワナを仕掛けるほか、ゴミ置き場にネットを整備して“兵糧攻め”にするなどの対策を取ってきた。年間の1万羽以上捕獲し続け、生息数は13年度の約3万6000羽から18年度には1万7000羽にまで減少。都に寄せられる苦情件数もピーク時の85%減となる548件になった。ところが、19、20年度は、老朽化したワナを撤去したため2万1000羽まで増え、カラス対策は一瞬たりとも気を抜けないことを如実に表した。まき直しを図った21年度は前年度比4割増の1万7000羽を捕獲したが、生息数は前年度比約2000羽減にとどまった。長引くカラスとの戦いに終止符を打とうと、都は今年度から、ワナを増やすだけでなく、代々木公園(渋谷区)や水元公園(葛飾区)、多摩動物公園(日野市)などの大規模営巣地36カ所で巣の一掃を図る方針を打ち出した。春から夏にかけた繁殖期に狙いを定め、2回にわたり巣の撤去作業を行うという。一方、都のこうした強硬手段に、カラスの生態に詳しい宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授は「今は被害件数が減っている。カラスがかわいそう」とし、「人とカラスが共存できるレベルをしっかり検証すべきだ」と警鐘をならす。都会に住む同士である人間とカラス。今回の対策で、互いが共存できる社会に近づくのか、模索は今後も続きそうだ。
(カラスの巣で停電:秋田)
繁殖期を迎えたカラスが巣作りに励む春、巣が原因の停電が県内で毎年5件以上起きている。電柱上に木の枝とともに持ち込んだ鉄線や針金が電線に触れてしまうのだ。東北電力では、毎日巣を撤去しているが、カラスは1日もあれば作り直せるため、いたちごっこの状態。「完全な対策はないのが現状」と頭を悩ませている。東北電力秋田営業所配電技術サービス課の技術長小林清彦さん(47)は、毎年この季節は気が重い。営業所のコンピューターに停電を示す表示が点滅すると、「またカラスの仕業か」と不安になる。営巣情報は市民や電気業者から毎日10〜20件ほど寄せられ、その都度撤去や周辺のパトロールを行う。対応に追われ、「毎年のことですが、大変です」とため息をつく。同営業所では、管内の秋田、男鹿など7市町村で毎日10個以上巣を撤去している。また、風車や、針山に似たカラスよけの障害物を設置している電柱もある。それでも、撤去した場所とほぼ同じ所に5、6回続けて巣を作られたり、障害物のすぐ隣に作られたりすることがあるという。カラスの巣が原因の停電は、県内では昨年4〜5月に由利本荘市や羽後町など6か所計4063戸で発生した。今年はまだないが、小林さんは「撤去した巣は約1000個に上っており、営巣は減ったわけではない」と警戒する。寄せられた情報をもとに巡回し、巣を見つければ撤去するという地道な作業が続く。小林さんは「停電を防ぐため、カラスの巣を発見したらぜひご一報いただきたい」と呼びかける。
(カラスの巣で200戸停電:富山)
11日夜、富山市大泉地区を中心に約200戸が1時間にわたって停電しました。原因は電柱のカラスの巣でした。北陸電力によりますと、11日午後9時ごろから富山市大泉地区を中心に約200戸が停電し、1時間後に復旧しました。電柱の上にカラスが作った巣が原因でショートしたということです。北陸電力によりますと、カラスの巣による停電は昨年度、富山県内で4件発生しています。カラスが巣を作る2月下旬から5月下旬に合わせて、北陸電力では毎年、カラスの巣の撤去を行っていて、昨年度は約3800個の巣を撤去したということです。
(アオサギの集団営巣地29カ所:長野)
養魚場での魚の捕食が問題になっているアオサギの集団営巣地が県内に29カ所あることが、県環境保全研究所(長野市)の調査で11日までに分かった。堀田昌伸主任研究員らのグループが2007年3月〜09年5月、日本野鳥の会会員による目撃情報などを基に各地を訪ね、樹上の巣を目視で数えた。同研究所によると、全県が対象のアオサギの生息調査は初めて。千曲川、天竜川、犀川沿いを中心に生息域を拡大しているとみられる。調査によると、29の集団営巣地に計718個の巣を確認した。最も多かったのは安曇野市穂高の134個で、次いで千曲市雨宮の129個、佐久市中込の63個など。上水内郡信濃町の野尻湖周辺や飯山市常盤周辺でも50個を超える巣が確認された=地図。アオサギは体長1メートル前後で、日本に分布するサギ類の中で最も大きい。河川や水田で魚やカエルなどを食べるが、近年は養魚場でニジマスやコイなどを食べる被害が目立つ。県農政部園芸畜産課によると、08年度、アオサギやゴイサギなどサギ類に食べられた養魚場の魚の量は16・9トン、被害額は約2千万円に及ぶ。県野生鳥獣対策室は昨年9月〜今年1月に、県内全市町村や各地の漁業協同組合などを対象にアンケートを実施。サギ類による漁業被害や騒音、樹木の枯死などの被害は、78市町村のうち52・6%の41市町村、漁協は30団体のうち76・7%の23団体から報告があった。同対策室によると、アオサギの営巣地は1980年代までは県北部に数カ所あった程度とみられる。増加の原因は詳しく分かっていないが、被害地で追い払うと周辺地域に分散する−といった事例が確認されているという。堀田さんは「アオサギは全国で増加傾向にあり、県内で抑制対策をしても、他県から移ってくる可能性が高い。隣接県などと連携した取り組みが必要だ」と指摘している。
(鶴岡公園、今度はサギ:山形)
鶴岡市中心部の寺社林から閉め出されたサギたちが、鶴岡公園に集まり出した。300羽以上いるため、コロニー(集団営巣地)ができれば強烈なにおいと鳴き声が周辺一帯に広がりかねない。市都市計画課は目玉風船の設置など対策に乗り出す。鶴岡公園にある荘内神社の裏手、内堀に面した杉林には高さ30メートル前後の杉が40本以上ある。樹冠には数羽ずつゴイサギ=写真=や大型のアオサギがとまり、50羽近い群れが上空を飛ぶことも。公園内の御城稲荷神社境内の杉にもサギの姿が見える。杉の幹を棒でたたくと、サギは飛び立つが、すぐに舞い戻る。巣材の小枝を運ぶのもいる。公園にはカラスのねぐらがあり、近隣住民はふんや鳴き声に悩まされてきた。昨年秋に稲荷神社の高木が大量伐採され、カラスは激減したが、残った木にサギが集まってきた。住民の一人は「カラスが減ったと思ったら、今度はサギだ」とうんざりしていた。昨年、サギの被害に遭った同市睦町の常念寺(渡辺成就住職)では10日、市環境課の職員が杉の木に目玉風船を3個設置し、テグス(釣り糸)を張り巡らすなどした。アオサギやゴイサギのコロニーができた昨年夏、「ウワオーッ」と叫ぶような鳴き声が夜通し続き、住民は眠れなくなった。入院する人まで出たため、寺は大木を17本伐採し、数十本の幹を途中で切らざるを得なかった。今年は町内会も協力して2月下旬から警戒態勢を敷いた。市環境課も「これ以上の樹木伐採は防ごう」とコロニー防止に乗り出し、鳥が嫌うテグスを高木に張ったり、目玉風船を巣の近くに置いたりする対策も編み出した。営巣時期が早いアオサギは「ほぼ追い払った模様」だが、ゴイサギの営巣はこれから本格化する。10日午後、市環境課職員が鶴岡公園の稲荷神社でロケット花火を使ってサギを脅すと、50羽近くが飛び立った。公園を担当する都市計画課は11日、出羽庄内森林組合の専門家と現地を視察し、対策を検討した。目玉風船の設置や巣の撤去を今週中にも始める予定だ。必死でコロニーを探すサギたちと、それを阻止しようとする人間とのせめぎ合いが正念場を迎える。

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5/11
(シカ捕獲、制限緩和を:岡山)
シカによる農作物被害に悩む美作市が、猟期中の捕獲頭数の制限緩和を県に求めることになった。兵庫県が2009年度猟期から頭数制限を撤廃し、岡山県側に逃れるシカが増える恐れがあるためという。県市長会が、13日に石井正弘知事に手渡す10項目の要望書に盛り込む。県が07年に決めたシカ保護管理計画(対象エリアは備前、美作両県民局管内の6市6町1村)によると、猟期は11月15日〜2月末で、1人当たり1日にオス1頭、メス2頭までと制限している。ところが、兵庫県が09年度猟期から、1人2頭の捕獲制限を撤廃。07年度の被害が3億7千万円と、鳥獣被害で最大だったためという。このため岡山県市長会議で「岡山側に逃げるシカが増えている」との声が上がっていた。県自然環境課の調べでは、被害は00年度7200万円から減少傾向にあったが、06年度以降は増減を繰り返し、08年度は3900万円。中でも美作市が大きいという。美作市農業振興課によると、08年度は猟期中に788頭、有害野生獣として許可された猟期外の捕獲が1063頭あった。それでも被害は続き、特に、作州黒と呼ばれる黒豆や大豆、田植え直後の水稲の被害が目立つという。県市長会の要望には、このほか09年度から廃止された野猿捕獲補助金の復活も盛り込まれた。
(イノシシ・シカ肉の加工施設完成式:京都)
食害対策で駆除したイノシシとシカを食肉加工する施設「京たんご ぼたん・もみじ比治の里」の完成式が10日、京都府京丹後市久美浜町佐野であった。猟友会や行政関係者ら約50人が、農作物を荒らす「厄介者」を新たな特産品として売り出す拠点の誕生を祝った。イノシシとシカの両方に対応した公的加工施設は府内で初めて。京丹後市は作物被害防止のため地元猟友会に委託して年約2千頭を駆除しており、埋設処分などの負担軽減と地域資源の有効活用のため約8600万円を投じて施設整備した。式で中山泰市長は「丹後という食の宝庫にジビエ(野生鳥獣)が本格的に加わった」とあいさつし、業務を委託する中郡猟友会会長らとテープカット。施設見学に続き、シカ肉のたたき、ぼたん鍋などの試食が行われた。同施設は同猟友会員2人が常駐し、駆除で持ち込まれた獣肉を精肉処理後、冷凍して施設内や市内の直売所などで販売する。年間の処理量と販売額はイノシシ肉が3・2トンで670万円、シカ肉が1・3トンで270万円を見込んでいる。
(全国最長防護柵ぐるり137キロ:島根)
島根県出雲市は、総延長137キロのシカの防護柵を完成させた。農水省によると100キロ以上の防護柵は全国最長。金属製で高さは1.8メートル。既存の柵をつないだり延長して長い柵となった。同市はニホンジカの捕獲禁止区域で、住民から対策を求める切実な要望があった。柵を設置したのは、同市の弥山山地周辺の9集落。周辺地域は1995年から2000年に掛けて柵を設けたが、集落への侵入を十分に防げなかった。柵の整備として昨年の補正予算で8700万円を組んだ。
(全国ガンカモ一斉調査結果暫定値を公表)
環境省は平成21年度のガンカモ科鳥類(ガン・カモ・ハクチョウ類)の冬期の生息状況調査「全国ガンカモ一斉調査」の結果を暫定値としてまとめ、平成22年4月30日に公表した。この調査は、日本に渡来するガンカモ科鳥類の冬期の生息状況の把握を目的として、昭和45年から全国的に調査日を定めて、一斉に実施しているもので、平成21年度は第41回目の調査実施となり、平成22年1月10日を中心に全国約9,000地点の湖沼などで約4千人の協力を得て調査が実施された。公表内容によると、今回は約9,000地点中約6,000地点でガンカモ科鳥類が観察された。このうちハクチョウ類が観察されたのは、約600地点、ガン類が観察されたのは約100地点、カモ類が観察されたのは約6,000地点。観察された個体総数は、ハクチョウ類が約6万8,000羽、ガン類約17万3,000羽、カモ類約172万7,000羽であった。過去10年間の調査結果の推移を見ると、全国におけるガンカモ類合計の観察数に大きな変化は見られなかった。

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(散弾銃の2発発見、所有者が狩猟中に紛失?:佐賀)
08年5月と10月に鳥栖市内で散弾銃の未使用実弾2発が見つかり、鳥栖署に届けられていたことが分かった。いずれも狩猟用で、同署はハンターが狩猟中に落としたと判断。今年3月にホームページで遺失物の公告を出したが、所有者はまだ分かっていない。県警は銃の所有者に対して銃や弾の適正な保管の徹底を呼びかけている。同署によると、08年5月1日、同市内の国道沿いののり面に散弾銃の実弾1発が落ちているのを清掃員が発見。また、同年10月2日には市内の倉庫施設の敷地内で1発が落ちているのが見つかった。落ちていた場所が狩猟区域であることなどから、銃の所持者が誤って落とした可能性が高いと判断した。銃刀法では、誤って落とした場合は同法違反には当たらないが、県警は「銃弾の悪用や子供の誤飲などの可能性がある」として「厳正な管理を」と呼び掛けている。県猟友会の担当者は「銃を持つ人の不注意が地域の不安を招くことを忘れずに、管理を徹底していきたい」と話していた。
(銃やナイフ所持者の挙動不審「申し出」全国22件、県内2件:徳島)
銃やナイフを持つ人の挙動を不審だと感じた家族や住民から、最寄りの警察署などに情報提供してもらうのが「申出制度」。銃刀法改正で昨年6月に導入されたが今年3月までに全国で申し出があった件数は、わずか22件。凶悪な銃刀犯罪を防ぐには県民からの情報提供が不可欠として、県警は「情報提供者が誰かは公表しない。安心して積極的に相談を」と呼びかけている。制度は、2007年12月に長崎県佐世保市のスポーツクラブで、無職男(当時37歳)が散弾銃を乱射、女性従業員ら2人が死亡した事件を受けて国が創設。この男が許可を受けて散弾銃を所持し、不安を感じた周辺住民が何度も警察に許可取り消しを求めていた――などから、銃やナイフを持つ挙動不審者について、周辺から情報を提供してもらい、警察の適切な対応につなげることを目指した。申し出できるのは、同居人、近所の人、同僚のいずれか。情報を受けた警察は、調査して公安委員会に報告する。実弾の保管を火薬店に委託するよう行政指導したり、銃やナイフの提出を命じたりすることもある。しかし、県警によると、全国的に申し出が少なく、県内でも昨年6、7両月に1件ずつの申し出があっただけ。県警が所持者にナイフなどを廃棄させたが、もう1件は事実を確認できなかったという。申し出が少ない理由について、県警は「PRが足りなかったうえ、誰が通報したか銃や刀の所持者に伝わって暴力被害を受けるのを心配したのでは」とみる。今年4月末で、県内の銃やナイフの許可件数は計3465件で、許可人数は1943人。県警生活環境課の住友正治課長補佐は「早期の情報があれば事件を防げるので、対応が後手に回らないようにしたい。所持者の不審な様子を見かけたり、感じたら近くの警察署に相談へ」と話している。
(クマに襲われ男女2人がけが:秋田)
秋田県内で6日、男女2人が相次いでクマに襲われた。大仙署によると、同日午前4時50分ごろ、大仙市横堀の自宅裏で、農作業中の女性がクマに襲われ、顔をつめでひっかかれた。さらに同6時半ごろ、約4・5キロ離れた美郷町の自宅裏口から出た男性(58)が、クマに顔などをかまれた。いずれも軽傷。男性らを襲ったとみられるクマは午前7時15分ごろ、地元猟友会が男性の自宅近くで射殺した。クマは体長約135センチ、体重約93キロだった。
(山間部で親子連れのクマを目撃:富山)
8日午前、小矢部市の山間部で山菜取りをしていた女性が親子連れと見られるクマ3頭を目撃し、警察に届け出ました。この付近では3月にもクマの目撃情報があり、小矢部市では注意を呼びかけています。小矢部市役所によりますと8日午前8時ころ、小矢部市菅ケ原の山間部で山菜取りをしていた女性が、親子連れらしいクマ3頭が林道を横切るのを目撃し、警察に届け出ました。クマは親がおよそ1メートル、子どもが80センチほどと見られ、猟友会が調べたところ足跡も見つかったということです。クマが目撃された場所からおよそ600メートル離れた場所には民家があるほか、3月31日には、およそ500メートル離れた場所でもクマの目撃情報が寄せられていて、小矢部市では広報車を出すなどして注意を呼びかけています。
(クマ目撃相次ぐ:山形)
5日、尾花沢市毒沢でクマ1頭を目撃したと、車で通り掛かった男性から尾花沢署に通報があった。同署によると、クマは体長約1メートルで、国道13号の猿羽根トンネル南側入り口の上を東に向かって歩いていたという。同署はパトカーなどで付近の住民に警戒を呼び掛けている。米沢市赤崩の市道では、車で通行中の市内の男性が子グマを目撃したと米沢署に通報した。同署によると、現場は関根小赤崩分校から約900メートル北側。男性が北進中、右側の杉林から道路に向かってくる子グマ1頭を見つけた。クマは杉林の中に引き返していったという。同署は付近のパトロールを強化し、注意を呼び掛けている。また朝日町大暮山でクマ1頭を目撃したと、近くに住む男性(70)が寒河江署に届け出た。同署によると、男性が農作業中、大暮山公民館から約200メートル北西の原野で体長約1.5メートルのクマを見つけた。クマは山の方向に逃げていったという。民家が近いことから同署は付近をパトロールし、注意を呼び掛けている。
(クマ出没、巣箱に被害:和歌山)
田辺市の富里地域(旧大塔村)で、ミツバチの巣箱がツキノワグマに荒らされる被害が相次いでいる。巣箱近くには大きなクマのつめ跡やふんがあり、市大塔行政局は「山菜採りやアマゴ釣りなど、山に入る時は音の鳴る物を身に着けて注意してほしい」と呼び掛けている。市によると、4日、同市下川上で巣箱が荒らされていると連絡があった。3個の巣箱が壊され、中のみつが食べられていた。近くでクマのふんが確認された。その日にはハンターがクマらしき動物を現場近くで目撃している。4月上旬には古座川町松根で巣箱が壊されたという情報があったという。5日には県鳥獣保護員の峯巌楠さん(58)=同市下川下=が同市和田の市道に巣箱が転がっているのを見つけ、持ち主で近くに住む白川尚武さん(65)に連絡した。白川さんはすぐに設置し直したが、6日朝には巣箱2箱が壊されみつが食べられていた。近くの木にはつめ跡が残っていた。白川さんによると、昨年も6月にクマに4個の巣箱が荒らされ、夜に花火で追い払いに行ったという。「近くに民家もあるので、気持ち悪い」と驚いている。今回巣箱が荒らされた現場から1キロほどの所に民家があり、市は注意を呼び掛ける看板を設置し、地元小学校やキャンプ場などに連絡して、警戒を強めている。
(ヤクシカ捕獲目標700頭:鹿児島)
農林業や生態系への被害が拡大している屋久島のヤクシカ対策について、関係機関の考え方や計画を情報共有する「屋久島町野生動物保護管理ミーティング」が4月27日、町役場であり、2010年度の各機関の捕獲目標の合計が700頭になることを確認した。同ミーティングは町、県、環境省、林野庁をはじめ、大学の研究者や地元の自然保護団体、猟友会などで構成する。会では、各機関が10年度のヤクシカの捕獲計画などを発表。700頭の内訳は(1)環境省が町と合同で進める生態系保護を目的としたモデル事業で300頭(2)林野庁が国有林内での野生鳥獣との共存に向けた環境整備調査で100頭(3)町単独の農林業被害対策で300頭−となっている。町は、新たに1頭につき5000円の補助金を設定したことを報告。また、ヤクシカによる農作物被害額の算定基準を再検討することを確認した。
(「囲いわな」開発へ:高知)
シカの食害による農林業被害が深刻化する中、四国森林管理局(高知市)は今年度、シカを効率的に捕獲するため、おりの形をした「囲いわな」の開発に乗り出した。簡単に設置できて費用がかからず、民間でも使いやすいものにしようと、4月から嶺北地区の山中で試験を進めている。囲いわなは4・5メートル四方、高さ2メートルの金属製。入り口が1カ所のものと2カ所のものを1基ずつ作った。製作費は1基約5万円。4月から8月にかけ、入り口を設ける位置や全体の構造を変えながら、どれだけのシカがわなの中に入るかを試験し、9〜10月に実際に捕獲する。同局は先月下旬、本山町の四国森林管理局嶺北森林管理署で、関係者向けの説明会を開いた。高知県や徳島県、地元の大豊町や本山町の担当者、猟友会長らが出席した。同局の担当者が、大豊町の標高約1200メートルの国有林内の緩やかな斜面に囲いわなを設置したことを報告。赤外線カメラで状況を撮影していることや、現在はシカがわなに入っても入り口を閉めない形で試験していることなどを説明した。同局森林技術センターの三重野信所長によると、シカを捕らえるのに使われているのは主に「くくりわな」で、カモシカやツキノワグマなど他の動物がかかる恐れがあるという。鉄砲による捕獲は狩猟者が高齢化し、担い手が確保しづらくなっている。一方、囲いわなは期待通りの効果が出ない場合も多いが、安全性が高いのが利点という。三重野所長は「鉄製パネルをねじ止めでつないだだけの囲いわななど、より安価で簡単に場所を移せる囲いわなも開発したい」と話している。
(ニホンジカの群れ、狩川の中州に出没:神奈川)
小田原市新屋を流れる狩川の中州に5日、ニホンジカの群れが姿を現した。きょうだいとみられる。市環境保護課は、両岸の住宅地にシカが入り込まないように監視する方針。市職員が同日午前7時半ごろ、「狩川の山道橋上流の中州にシカ5頭がいる」と同課に連絡した。同課職員2人が現場で4頭を確認。雄1頭、メス3頭で、いずれも2歳前後と推定できるため、「きょうだいのようだ」と同課。1頭は逃げたらしい。職員が監視していたところ、4頭は同日午後2時半、約3キロ下流にある同市扇町の中州辺りで姿をくらましたという。酒匂川でひんぱんに目撃されているシカとは個体が異なるとみられることから、同課は「丹沢から新たに下りてきたのではないか」と推測する。中州から住宅街に入り込むと交通事故などの原因になりかねないため、同課は当面、監視を継続する方針。狩川では2008年4月にも3頭のシカが目撃されている。
(シカ急増、保護地域追われるニホンカモシカ)
三重、奈良、和歌山県にまたがる紀伊山地の「カモシカ保護地域」で、国の特別天然記念物・ニホンカモシカの生息密度が1平方キロあたり0・4頭となり、全国の13保護地域で最低水準に落ち込んだことが、3県教委のまとめた特別調査報告書で明らかになった。紀伊山地の生息密度が低下したのは1986年度の調査開始以来初めて。専門家は「代わってニホンジカの生息密度が大幅に増加しており、ニホンカモシカが保護地域外のふもとに追いやられている」としている。ニホンカモシカの保護地域は青森県の下北半島から紀伊半島まで13か所に設定されている。紀伊山地の保護地域は、三重県大台町や奈良県十津川村など3県の17市町村にまたがる795平方キロで、89年に設定された。全国の保護地域で最も南に位置している。3県教委は86年度から8年に1度、特別調査を実施しており、2008年度から09年度にかけて4回目の調査を実施した。調査は「区画法」で、調査員が一斉に保護地域を歩いて調べ、目撃したニホンカモシカの数から生息数を推定した。その結果、1平方キロあたりの生息密度は0・4頭にとどまり、過去3回の0・6頭を下回った。保護地域内の生息頭数は約400頭とみられ、前回の700頭から大きく減少した。一方、ニホンジカは前回の1平方キロあたり2・9頭から4・1頭に大幅に増えた。ニホンカモシカとニホンジカは、冬場に針葉樹の葉を食べるなど食性の重なる部分が多く、調査員らは「ニホンカモシカが保護地域から追いやられている可能性がある」という。今回の調査では、津市や名張市までニホンカモシカの分布範囲が広がっていることも分かった。ニホンジカの保護地域への進出は、全国的な傾向で、滋賀県から岐阜、福井県、京都府にまたがる伊吹・比良山地でも、現在取りまとめている昨年度調査では、ニホンジカが増加し、ニホンカモシカが大幅に減少しているという。今回の紀伊山地の調査を指導した冨田靖男・元三重県立博物館長は「温暖化などの影響で、本来は寒さに弱いニホンジカが保護地域で増加し、ニホンカモシカがエサ不足に陥っている」としたうえで、「適切な計画を立ててニホンジカの個体数を管理し、間伐などを通してエサになる草や木の葉の生育を促すなど、ニホンカモシカの生息環境を改善する必要がある」と指摘している。

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(子イノシシ捕獲:福岡)
直方市上新入の新入小学校(桑木てるみ校長)近くで、地元の直鞍猟友会が仕掛けたわなに、体重約25キロのイノシシがかかっているのが4日、見つかった。同校では2月末ごろから大小2匹のイノシシが出没し、花壇を荒らされるなどの被害が出ていた。同校は4月、「放課後によく出没しており、児童に被害が出るかもしれない」と市役所に相談。隣りには保育園もあるため、市役所が猟友会に捕獲を依頼していた。箱形のわなは同校から約100メートル離れた竹林に設置。かかったイノシシは生後5カ月程度の子どもとみられる。親と思われるもう1匹が近くにいる可能性が高いことから、猟友会と学校が警戒を続けるという。

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(カラスvs.東北電力:宮城)
「カラス停電」に東北電力が悩まされている。昨年、カラスが電柱のてっぺんにつくった巣が原因で起きた停電は県内だけで9件。今年もすでに2件起きた。東北電はパトロールを強化したり、カラスよけを置いたりしているが、実のところは防ぐ決め手がない。カラスの繁殖期が終わる6月ごろまで、カラスとのいたちごっこが続きそうだ。4月22日午後8時半ごろ、石巻市渡波で1462戸が突然停電した。東北電石巻営業所の職員が調べると、地上10メートル余りの電柱の最上部に直径60センチほどのカラスの巣がみつかった。最近の巣には、木の枝ばかりでなく、どこからか拾ってきた針金やハンガーなどの金属もよく使われる。それが電線に接触し、ショートしたのが原因らしい。高所作業車で撤去し、約1時間後にようやく復旧した。カラスの巣作りが始まるのは繁殖期を迎える3月ごろ。木の上に巣を作るのが一般的だが、住宅地は生ゴミなどのえさも多く、その近くに立つ電柱は安定性も高い。カラスにとって「食住」の面で好都合らしい。県内の電柱では毎年約2千個の巣が確認され、撤去されている。それでも除去しきれない巣がショートしてしまう。昨年起きた県内の「カラス停電」は、石巻市が最多の4件。仙台市、大崎市、気仙沼市などでも起きた。東北電は、電柱に風車や反射シールなどカラスの巣作りを防ぐ器具を取り付けたり、カラスよけの薬剤を塗ったり様々な方法で対策を施している。しかし、設置直後は効果があっても、知能が高いとされるカラスたちはすぐに慣れてしまうらしく、得策がないのが現状だ。社員らはこの時期、週2回は巡回。巣をみつけては撤去する。ところが、カラスは再び同じ場所で巣作りする習性があるらしく、まさにいたちごっこだ。昨年は、春の繁殖期だけで社員延べ1千人を投入したが、停電を防ぎきれなかった。東北電石巻営業所の佐藤清治・配電技術サービス課長は「私たちのパトロールだけで停電を防ぐのは限界がある。もし、カラスが電柱に巣作りしているのを見つけたら、停電防止のためにもすぐに一報をいただきたい」と呼びかけている。
(クマに襲われ、山菜採りの2人けが:新潟)
1日午後2時ごろ、新潟県阿賀野市の山林で、山菜採りをしていた同市の自営業上田芳克さん(60)と同市の会社員遠藤栄一さん(60)が相次いでクマに襲われた。上田さんが両手首に、遠藤さんが右脚に軽いけが。阿賀野署によると、2人は別々に山菜採りに来ていた。上田さんは「下山途中、子連れのクマに襲われた」と話している。襲ったのが同じクマかは不明。
(携帯販売店に薬きょう?:東京)
東京都江東区大島の携帯電話販売店「ソフトバンク西大島店」に先月30日、拳銃の薬きょうのようなものが郵送されていたことが4日、警視庁城東署への取材で分かった。同署は脅迫容疑で調べている。同署によると、届いたのは長さ約2.5〜3センチの円筒形の金属一つで、火薬や弾頭は付いていなかった。縦約23センチ、横12センチの封筒に入っており、封筒には店の住所と店長の名前がワープロで書かれていた。消印は4月28日付で、都内で投函(とうかん)されたとみられる。
(ヒグマ出没情報相次ぐ:北海道)
5月に入り、釧路、根室地方ではヒグマの目撃や足跡発見の情報が相次ぎ、警察や自治体では山菜採りに山林へ入る人などに注意を呼び掛けている。2日早朝JR花咲線の別保―上尾幌間でクマ1頭を運転士が目撃、同日夕には、根室市牧の内で山菜採りに来ていた男性が牧草地の雪面のヒグマの足跡5つを見つけた。さらに同時刻ごろ、羅臼町礼文町の羅臼国後展望塔で、観光客10数人が北に約100b離れた山の斜面に、ヒグマ1頭と子グマ2頭を発見。同展望塔の管理人を通じて中標津署に通報した。目撃場所から民家までの距離は約200bだった。いずれも人や家畜などに被害は出ていない。
(狙撃の最長記録更新、その距離2,475m:イギリス)
これまで狙撃の最長記録はカナダ軍のRob Furlongがアフガニスタンで2002年3月に達成した2,430mだった。この狙撃はMcMillan TAC-50という50口径ライフルで達成されたもので、雑誌やWebでも盛んに話題になったので知っている人も多いと思う。しかし2009年にこの記録を塗り替える長距離狙撃が達成されていたことが5月2日に報道された。この記録的な狙撃はイギリス軍の近衛騎兵隊のCraig Harrisonが2009年11月にアフガニスタンで行った。その距離は2,474mで、 PKMを撃つタリバン2名の狙撃に成功している。彼が使用したのは.338ラプア・マグナムを使うAccuracy International社のL115A3ライフルだ。この銃にはSchmidt & Bender社製の5-25x56 PMII LPスコープがつけられており、狙撃の際にはバイポッド(二脚)が使われた。.338ラプア・マグナムを使うこのライフルは長距離狙撃用だが、2,475mは普通この銃で狙う距離ではない。射手のCraig Harrisonは無風で穏やかな気候、視界のよさといった狙撃に最適の状況であったことに言及している。また、L115A3ライフルの製造会社、Accuracy International社のTom Irwinは、(L115A3は)1,500mを越える距離でも正確だが、その距離では運も大事であるとしている。
(ラッコの食害でウニ漁打撃:北海道)
北海道根室市でラッコによる深刻なウニの食害が発生し、漁業関係者が頭を抱えている。ラッコは法律で駆除や捕獲が禁止されており、防ぐ手だてはないのが現状。しぐさが愛らしく観光客や地元の人気者だが、被害は3千万円を超え、関係者は「いたずラッコ、なんてしゃれていられない」と悲鳴を上げている。根室市の北に広がるオホーツク海。ウニ漁が始まった3月上旬、歯舞漁協の漁師が海底にウニが見当たらない異変に気付いた。潜水調査で、食い荒らされたウニの殻がまとまって見つかった。漁協は専門家に殻の分析を依頼。歯の痕跡や割れ方から、結論は「ラッコの仕業」。7カ所ある漁場のうち3カ所で食害が確認され、被害は計約18トン(約3100万円)に上ることも判明した。年間漁獲高約3億円のうち1割強が食い尽くされる事態に、漁協の森山繁参事は「約40年続く漁でこんなことは初めて」と嘆く。昨年2〜5月、釧路市の釧路川に居着いて一躍人気者になった「クーちゃん」。その後、根室市の納沙布岬で、よく似たラッコがほかの数頭と姿を見せるように。釧路川と同様、岬にも写真愛好家らが集まり、根室市観光協会などは「経済効果は推し量れない」とほくほく顔だった。「根室市歴史と自然の資料館」の近藤憲久学芸主査によると、岬の東に位置する北方領土・歯舞群島のハルカリモシリ島は繁殖地の一つ。「ウニやカニなどを1日に約12キロたいらげる大食漢。釧路川や岬にもエサを求めて来たのではないか」。岬は漁場からわずか数キロ。現れた群れは間違いなく食害の“容疑者”だ。ラッコは江戸〜明治時代に毛皮を採るため乱獲された経緯から「臘虎(らっこ)膃肭獣(おっとせい)猟獲取締法」で駆除や捕獲が禁止され、現在も環境省が指定する「絶滅危惧種」。漁場から締め出すのは不可能だ。漁協は3月下旬、道などに陳情を行い、根室市も4月26日に被害防止対策協議会を設立した。だが具体策は見えないままだ。「ラッコが見られなくなると痛い」(同市観光協会)との声もあるが、今月20日までの漁期はもう終盤。森山参事は「今もウニが食べられていないか気が気でない。漁業者だけ我慢させられるのは理不尽だ」といら立ちを募らせている。
(都会のカラス、この10年で半減。苦情件数はピーク時の15%に激減:東京)
「そういや最近カラスを見なくなった…」東京に住んでいる人の中に、そう感じている人は多いだろう。事実、都内全域におけるカラスの生息数はおよそ10年前と比べて半数にまで減っている。これは東京都環境局が先月末に明らかにしたもの。都では増えすぎたカラスから生じる様々な被害を防ぐため、平成13年度に都市部を中心にカラス対策プロジェクトを発足。都営の公園など都内各地にトラップを仕掛けて成鳥を捕獲した結果、平成13年度時点では都内でおよそ3万6千羽確認できたカラスの生息数が、プロジェクト始動から5年でおよそ1万7千羽にまで減少させることに成功した。その後、平成20年頃にかけて微増し続けたものの、平成21年度にはトラップを大幅に増加。捕獲数はおよそ4600羽と、前年度に比べ4割増加した。さらに今年度はトラップの増加に加えて、新たにカラスの大規模なねぐらとされる36箇所で巣の撤去を行うことを明らかにした。こうした地道な「駆除」の甲斐があってか、東京都に寄せられるカラスに関する相談件数も激減しているという。都の発表によると、ピーク時の平成13年度にはおよそ3800件 あったものが、昨年度はその2割にも満たない、約540件となっている。都では今後もごみ対策として防鳥かごの利用を促進するなどして、さらなるカラス対策を進めていきたいとしている。一方、カラスによる新たな被害として近年急増しているのが、停電だ。先月9日に東京・足立区で、およそ2700世帯が1時間にわたって停電するという事故が発生したが、その原因は巣作り中のカラスの電線への接触だとみられている。この1ヶ月に発生した主要な事例だけを見ても、11日に山口・岩国市で2900世帯、20日に神奈川・藤沢市で2200世帯、22日に山形市で1000世帯が一時停電となった。中には道路の信号機などが全て消灯してしまい、警察官が交通整理にあたる場面もあったという。いずれのケースも大きな事故が発生しなかったのが幸いだ。カラスは針金製ハンガーなどの金属を巣の材料にするため、こうした金属が電線に触れることでショートし、停電してしまうのだという。東京電力など各地の電力会社は、毎年カラスの繁殖期にあたる3月から5月頃にかけて、一県あたり2000個から3000個のカラスの巣を撤去しているという。しかし、カラスの営巣はわずか一日で出来てしまうため、撤去してはまた営巣…のいたちごっこが続いているのが実情だ。生活の大部分で電力が欠かせない現代人にとって、この事態を「カラスの勝手でしょ」と看過するわけにはいかない。しかし、元々は木など高い所へ巣を作る習慣のあるカラスが、人の住む町へ出て電柱に営巣しているということは、それだけ木や森が減っているということでもある。
(最後のまたぎ、引き継ぎたい伝統:新潟)
くしにごはんをつけて炭火で焼き、みそをつけて食べる「やろもち」。新発田市赤谷地域の伝統料理だ。昨年11月には、滝谷新田集落で、やろもち作り体験教室が初めて開かれた。もとは、山で狩りを営む「またぎ」の携帯食だった。同集落の佐久間新さん(77)は「昔はどの家でも、秋から冬にかけて作っていた」と話すが、今も作っているのは数軒だけになった。赤谷はかつて、県内では旧朝日村(村上市)の三面(みおもて)とともに知られた、またぎの村だった。佐久間さんは赤谷で「最後のまたぎ」だ。10歳のころから祖父に連れられ、山に入った。赤谷では、15歳になると大人たちとともに飯豊山に入る儀式があり、クマ狩りができることが、一人前と認められるあかしだった。ワラやアシで作った小屋で仲間と寝泊まりしながら、山に1週間ほどこもった。「またぎは信仰心の一つの表れ」と佐久間さん。山に入る前と無事下山したときには必ず神社に参拝し、捕らえたクマの毛皮は村人に分け与える、そんな祖父や父親の背中を見ながら、またぎの流儀を体得した。山の神様は醜い顔をした女性とされ、形が醜悪な硬骨魚オコゼの干物をお供えすると「自分より醜いものがいた」と気をよくして、クマを授けてくれるという。また、山では人間界の言葉を交わすことが禁じられ、またぎ言葉で会話しなければならない。「山の神を信じる者たちが、おきてを守りながら狩りをするのがまたぎ。今、そういう心得を持ったハンターはいないのではないか」。祖父が会長を務めていたころは100人を数えた赤谷猟友会の会員も、今は約10人。そのうち、またぎの作法と言葉を使えるのは佐久間さん一人になった。佐久間さんは「何百年と続いてきた赤谷の伝統を守りたい」との思いで山に入る。「ここに生まれた以上は、この文化を守る使命がある」。今は会社勤めだが、狩猟もする長男(53)が、伝統を引き継いでくれることを願っている。

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(入猟者増も頭数は減:岩手)
大船渡市の三陸地区五葉山猟区管理協会(会長・甘竹勝郎大船渡市長)は平成21年度の猟区実績をまとめた。入猟したハンター数は地元住民らが増えたことで、5年ぶりに増加に転じた。一方で、捕獲頭数は前年よりも下回った。猟区実績は28日に開かれた同協会の第1回運営会議で示された。会議には行政、猟友会、猟区内の地域関係者らで構成する委員と市担当者ら約20人が出席。21年度収支決算と22年度予算を審議し、原案通り承認した。21年度猟区実績によると、狩猟はシカの入猟者が452人で、捕獲頭数は210頭(オス68頭、メス142頭)。トリは49人で捕獲数は21羽(キジ16羽、ヤマドリ5羽)だった。シカ入猟者は、グループ数は47団体で前年度比2団体増え、ハンター数も8人増加。一方で狩猟頭数はオスが13頭、メスが14頭それぞれ減少した。事務局によると、入猟数が増加したのは16年度以来5年ぶりで、地元住民が目立ったという。ただ、1400人近くが入っていた4年度に比べると、3分の1程度に落ち込んでいる。入猟者数減少によって同協会の収入となる入猟承認料も減っており、防護網配布など地域還元℃幕ニを見送っている。出席者からは運営面の見直しを提案する声もあった。猟区では20年度から従来よりも2週間狩猟時期を延ばし、11月1日から3月15日までとなっている。11月、3月の猟期設定は珍しいといい、猟区内でのシカ農作物被害への対策要望も根強い中、対外的なPR充実の必要性も指摘されている。
(「おとなしい奈良のシカ狙った」、"矢ジカ"男女を起訴:奈良)
奈良市の奈良公園で3月、国の天然記念物のシカがボーガン(洋弓銃)で撃たれて死んだ事件で、奈良地検は30日、ラーメン店経営、稲垣銀次郎容疑者(39)=津市芸濃(げいのう)町椋本=と、飲食店員、伊達恵(めぐみ)容疑者(37)=三重県亀山市みずほ台=を文化財保護法違反の罪で起訴した。捜査関係者によると、稲垣容疑者は「2月ごろに海外でボーガンを買い、三重や滋賀で(野生の)シカ狩りを始めた。うまくいかなかったので、おとなしい奈良公園のシカを狙った」などと供述しているという。
(エゾシカ被害40億円超:北海道)
エゾシカによる被害が道内で深刻化している。道のまとめでは、2008年度の農林業被害は10年ぶりに40億円を突破した。防護さくを整備し、猟期を延長する対策をとっているが、捕獲はなかなか進まず、最近では、高山植物を食べる被害も目立っている。道などは今年度から、捕獲の専門家による計画的駆除を進めるなど全道的な対策に乗り出す。道によると、道内のエゾシカは推定52万頭で、毎年2万頭増加している。そのエゾシカによる08年度の農林業被害は約40億4500万円。旧支庁別では、旧釧路支庁が最多で約9億3千万円。旧日高支庁が約7億7千万円、旧十勝支庁が約5億6千万円と続く。市町村別では、標茶町が約2億9千万円など、12市町村で被害額が1億円を超える。農林業被害は、約15億円だった89年度以降は年々増え、96年度は50億円超に達した。そのため、道などは道東を中心に防護さくを約3千キロにわたって整備、猟期も延長するなどし、02年度以降は20億円台まで下がっていた。しかし、78年に2万人を超えた狩猟者は1万人を割り込んだほか、エゾシカも昼間は人目につく場所に出てこなくなったり、捕獲されない鳥獣保護区に逃げ込んだりして、捕獲数はここ10年、6万〜7万頭で推移。目標の13万頭の約半分だ。特にメスの捕獲数は3万〜4万頭で、頭数を減らせると推測される7万6千頭に遠く及ばないのが現状だ。最近では、知床半島のシレトコスミレや、夕張岳のイワイチョウ、シナノキンバイなどの高山植物が食べられる被害も顕著になっている。このため、道は4月下旬、大学やNPOなどと連携して「エゾシカネットワーク」を設立。5月には「エゾシカ包囲網会議」を立ち上げ、全道的な対策を講ずる。目玉は、欧米をモデルにした捕獲の専門家による計画的駆除だ。捕獲のための射撃タワーを設置し、餌付けをして森林からエゾシカをおびきよせる。捕獲したエゾシカは食肉処理施設に運び、有効活用する。狩猟者の人材育成にも力を入れる予定だ。道などはオスとメスを合わせて新たに4万頭を捕獲し、必要捕獲数の達成を目指す。
(獣害防止ネット盗難相次ぐ:和歌山)
田辺市龍神村にある県の「企業の森」事業などの植栽地で今年に入り、植えた苗木をシカなどから守るための獣害防止ネットの一部が盗まれる被害が相次いでいる。ネットを管理している龍神村森林組合(栗原秀嘉組合長、龍神村東)が修復してもまた盗まれ、担当者は「いたちごっこだ。せっかく植えた苗がシカなどに食べられてしまうのでやめてもらいたい」と憤っている。森林組合によると、ネットは企業などがボランティアで森林保全活動をする県の「企業の森」事業の参加団体や、スギやヒノキの造成を行う団体から委託を受けて森林組合が設置と管理をしている。植栽地を取り囲むように2.5〜4メートルの間隔で支柱を立て、ネットをロープを使って張り巡らせている。今年に入ってから、ネットやロープが持ち去られる被害が相次いでおり、今月28日には龍神村宮代にある独立行政法人森林総合研究所(川崎市)のスギとヒノキの植栽地で、林道沿いにあるネットの上半分が4メートルにわたって切り取られ、なくなっているのが見つかった。この植栽地では今年に入り2回目という。27日午後には、龍神村甲斐ノ川にあるNEXCO(ネクスコ)西日本グループの「つなぎの森」で、市道脇にあるネットの上部のロープが約22メートルにわたって盗まれ、ネットがたるんだ状態になっているのが見つかった。同日の朝、森林組合の職員がこの場所を通った際には異常はなかったことから、犯行は日中に行われたとみられる。この植栽地では今年に入って3回目という。いずれの植栽地も、森林組合が見つけ次第修復している。森林組合の担当者は「何の目的か、さっぱり分からない。ネットやロープ自体はそれほど高価なものではないが、ネットにすき間ができることでシカなどが植栽地に入り込み、せっかく植えた木の苗が食べられてしまう。今後、パトロールを検討していく必要がある。不審な人を見つけた際には森林組合に連絡していただけたら」と話している。
(バードストライク回避へ、衝突鳥のDNA鑑定:北海道)
野鳥が航空機のエンジンに吸い込まれるバードストライク対策として、国土交通省は、航空機に衝突した野鳥のDNA鑑定を、新千歳空港など8空港で行っている。ぶつかる例の多い野鳥の種類を知るのが狙い。新千歳空港事務所は「種類が分かれば、効果的な対策が検討できる」と期待している。国交省によると、2009年中に航空会社から報告されたバードストライクは国内81空港と航空路上を合わせ1617件に上っている。衝突した鳥の種類は、ツバメ(11%)やスズメ(9%)が多いとされているものの、6割以上が不明という。事故に遭う鳥の種類が分かれば、習性を利用した効果的な対策がとれると考えた。航空会社の協力を得て、2月から国管理の空港で調査を始めた。機体の残留物を提出してもらい、専門機関でDNA鑑定している。新千歳空港でもバードストライクは多く、2005年に32回。09年は43回報告されている。民間機の離着陸1万回当たり3.63回の計算(過去5年間の平均)。06年5月に起きた北海道国際航空(エア・ドゥ)機では、右主翼外板に穴が開くほどだった。新千歳空港では、常時見られるトビとカラスをはじめ、春と秋に大挙して飛来するカモに向けて、空砲を撃ち、花火や傷付いた野鳥の鳴き声の録音を流したりしているものの、すべてを追い払うのは無理という。
(野生ザル動物園侵入、メス11頭にボコボコ:愛知)
名古屋市の東山動植物園で4月30日、雄の野生ザル1頭が、ニホンザル舎に侵入した。同園のサル舎は雌ザルだけ11頭が暮らす「女の園」だが、雌ザルたちは侵入者に猛反撃。追い回された野生ザルは、隣接の獣舎に逃げ込んだところを職員に捕獲された。同園では昨年11月、雌1頭が高さ4メートルの壁を越えて脱出する騒ぎがあり、壁を6メートルに改修。展示を再開したばかりだったが、侵入は防げなかった。当面は園で「保管」するが、雌たちとの相性を見ながら、繁殖も視野にした飼育も検討するという。雌ザル11頭の楽園に侵入した男一匹野生ザルが、あえなく“逮捕”された。東山動植物園によると、野生ザルは午前8時10分、園内敷地からニホンザル舎外壁に上り、舎内に飛び降りた。「男」として受け入れられれば、ボスザルとして君臨できるはずだったが、突然の侵入者に雌ザルたちは激怒。野生ザルを追い回す猛反撃に出た。野生ザルは激しい追撃にたまりかね、逃走を試みたが、舎内から見上げる外壁は高さ6メートルの絶壁。活路が見いだせないまま追い込まれたサル舎裏手の獣舎内で午前8時半、職員に捕獲された。捕獲された野生ザルは頭から尻の体長55センチ、体重は7・4キロ。飼育時に埋め込み義務のあるICチップがなく、野生と断定された。歯の成長状況から年齢は4〜5歳とみられ、人間で言えば中学生くらいにあたる。繁殖力も身につき、生まれた群れを追われ、新しい自分の群れを作るために迷う「はぐれザル」になる時期だという。同園では「放浪の末、雌ばかりの当園のサル舎を見つけ、侵入したのでは」と“動機”を分析。その一方で「脱走は防げるようになったが、侵入は想定外で防げなかった」と話した。野生ザルは、市町村の許可を得て、山に放す「奥山放獣」が基本だ。ただ「人里の味」を覚えたサルは人里に戻るリスクがあり、放獣許可が下りにくいのも現状という。同園では当面は野生ザルを保管し、「雌たちと、金網越しのお見合いを繰り返して警戒を解き、繁殖も視野にした飼育も検討したい」としている。同園の雌ザルの年齢は13〜15歳前後で、人間なら30代後半から40代という「アラフォー」世代。お見合いを通じて警戒が薄れ、野生ザルを「ボス」として受け入れれば、繁殖も可能だ。ただ、昨年11月に高さ4メートルの壁に飛び移って逃走し、1週間捕まらなかった「カッパ」など、「雄ザル顔負け」の高い身体能力を持つ雌もいる。野生の群れでは雌ザルから袋だたきにされた雄ザルが致命傷を負うケースもある。野生ザルは、「ボス」として受け入れられるのか。命がけの攻防になりそうだ。
(餌を与えればクマの被害を防止できる?:アメリカ)
アメリカでのクロクマによる被害を避ける1つの方法は、常識に反して、餌を与えることかもしれないという説がある。アメリカ西部を中心に、クロクマが餌を求めて自動車や民家やキャンプ場に侵入することがよくある。また、クマの生息地に人間が進出することが増えたため、人間とクマが遭遇する機会が増えているという。クロクマに餌を与えると、人間を餌の供給源と見なしてしまうなどの理由で攻撃性を強めると指摘する意見が多い。しかし、クロクマを研究する生物学者リン・ロジャーズ氏は、事はそれほど単純ではなく、人間を襲うなどのクマの迷惑行為は空腹によって引き起こされることがほとんどだと主張する。同氏によれば、干ばつなどクマが餌に困るような状況では、木の実やヒマワリの種、さらには牛脂などの餌を、人間との遭遇が予想される地域から離れた場所に置くことで、クマが人間に遭遇して危害を加えかねない事態を減らせるという。また、「餌を与えることでクマは人間の姿に慣れ、防御行動をあまりとらなくなる。また、人間もクマを見かけることに慣れ、クマの出現を恐れなくなる」。ロジャーズ氏はミネソタ州イーリーにある民間の非営利団体である野生生物研究所に所属し、クロクマに近づいてキスするほど親しくなることで知られる。同氏は2009年5月にネバダ州リノで開催された第10回西部クロクマ・ワークショップで自説を初めて発表し、議論を呼んだ。しかし、クマの行動は予測が難しく、クマに餌をやることでクマと人間の接触の機会が増え、結局は人間とクマの双方に害が及ぶ可能性があるとの指摘もある。ロジャーズ氏の説は、ミネソタ州で行われた長期に及ぶ複数の野外実験が根拠となっている。そのうちの1つは州政府が中心となって行ったプロジェクトで、同氏の研究チームは民家やキャンプ場がある地域の中央に大量の牛脂をはじめとする餌を置いた。実験中、研究メンバーは特に身を隠すことをせず、また、ごみ容器など他にクマを引き付けそうな物も撤去しなかった。この実験を開始したのは1984年だが、それ以前の3年間、被害を与えたことが理由で6頭のクマが地元当局によって殺処分された。しかし、その後の8年間の実験期間中は、自然界で得られるクマの餌が歴史上最も少ない年があったにもかかわらず、殺処分になったクマはわずか1頭だった。ちなみに、餌でクマの注意をそらすことでクマによる被害を防げることが別の研究でも示されているようだ。クマとの共生を推進するカリフォルニア州タホ湖の非営利団体ベアーリーグは、特にひどい干ばつ時に餌不足を補うために餌を与えることがクマの問題行動を減らす上で有効であることを発見した。なお、今回取材した別の複数のクマ研究者は、ベアーリーグの調査もロジャーズ氏の説も査読付きの学術誌に掲載されたものではないと指摘する。ミネソタ州天然資源局でクマ関連のプロジェクトの責任者を務め、1980年代にクマの給餌実験に携わったデイブ・ガーシェリス氏は、餌を与える行為がクロクマの行動を永久的に、しかも悪い方向に変えてしまうと推測する。「今のところクマは野生のままだが、餌を与え続けると、やがてクマの生態や人間への警戒心が変化してしまう」という。また、ネバダ州のハンボルト・トイヤベ国有林でクマを研究する生物学者レイチェル・メイザー氏は、餌を与えてクマの注意をそらすという方法は一時的な解決策に過ぎず、根本的な問題解決にならないとする。「これまでの土地開発には、動物の移動や摂食のパターンを考慮しない極めてお粗末なものが多かった。クマに餌を与えれば短期的に問題が減るのは当然だ。しかし、われわれは何を守りたいのだろうか。種としてのクロクマを守ろうとするなら、生態や生息地、そして自然なままの行動習慣など、クロクマに関するすべてを守るべきだと思う」。冒頭に紹介した研究を率いたロジャーズ氏は、クマに餌をやることは万能薬ではないかもしれないと認めた上で、それでも研究をさらに進める価値があるとしている。

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