<射撃ニュース6月>

6/30
(クマを山に帰す途中逃げ、殺処分:滋賀)
長浜市木之本町石道の神前(しんぜん)神社境内で27日早朝、仕掛けていたドラム缶形のオリに、ツキノワグマ1頭がいるのを猟友会の人が見つけ、県に届けた。獣医や捕獲業者らが吹き矢で麻酔をかけ、山に帰すため、集落から離れた林道まで移動。オリを開けたところ、クマが動き出して逃げたため、ライフル銃で殺処分した。逃げる際、獣医がクマのつめで引っかかれ、右腕に軽いけがをした。県自然環境保全課によると、クマは体長約1・3メートル、体重67キロの雄で推定5~6歳。通常は麻酔をかけて山に戻すが、逃げて住民に危害を与える恐れがあったため、処分したという。同課は「若い雄のクマは行動範囲を広げる時期なので十分注意してほしい」と呼びかけている。
(岩手県議会一般質問)
県南地域で近年、農作物への被害が増えているハクビシンの対策として県は、有害鳥獣の捕獲許可基準を見直し、狩猟経験者以外でも駆除ができるよう環境審議会で検討していく考えを示唆。また、その生態や被害防止などに関する研修会を開催するほか、鳥獣被害防止特別措置法に基づく市町村被害防止計画の作成や、地域が主体となった推進体制の整備、箱わなの導入など、計画に基づく被害防止に向けた取り組みを積極的に支援していく考えを明らかにした。
(猛獣の体臭で農作物守れ:広島)
ライオンやトラの体臭を畑の周囲に漂わせると、野生のニホンザルやシカが近寄らず、農作物の食害防止に効果のあることを、広島大大学院生の渡辺麻気さん(22)らの研究チームが確認した。未知の猛獣のはずだが、渡辺さんは「食物連鎖の頂点に立つ大型肉食獣を怖がる本能があるのではないか」と推測。同じ効果のあるふん尿より衛生的で扱いやすいため、体臭の持続期間を検証しながら将来は実用化につなげたいとしている。研究チームは、広島市安佐動物公園(広島市安佐北区)でライオンやアムールトラの飼育室の床に布を約1週間敷き、体臭を染み込ませた。回収して約20センチ四方に切り、畑を囲むネットに3~5メートル間隔で取り付けるとサルが寄って来なくなり、ニンジンやカボチャなどの食害が激減した。昨年8月から広島県内の農家で実験を継続。今年3月の日本生態学会で結果を発表した。シカによるアジサイの食害に悩まされていた県緑化センター(広島市東区)でも同様の効果がみられた。

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6/29
(猟銃を自宅に放置、容疑の男を逮捕:宮城)
猟銃と実包を自宅に放置したなどとして、宮城県警古川署は28日、銃刀法違反と火薬類取締法違反(いずれも保管基準違反)の疑いで、住居不定、無職、鈴木慶一容疑者(61)を逮捕した。容疑を認めているという。逮捕容疑は、3月9日以降、自宅で施錠できない物置と土間に猟銃と実包二百数十発を置き、基準通りに保管しなかったとしている。鈴木容疑者は家庭内トラブルなどで、3月上旬から行方をくらましていた。妻が同署に相談し、銃と実包が正当に保管されていないことが発覚。美里町内の知人宅で鈴木容疑者を見つけた。
(銃規制違憲、全米に適用:アメリカ)
米連邦最高裁は28日、市民の拳銃所持を禁止したシカゴ市の条例が合憲かどうかが争われた訴訟で、違憲との判断を下し、控訴裁判所に差し戻した。最高裁は2008年にも同様の訴訟で、連邦政府直轄の特別区である首都ワシントンの銃所持規制を違憲としているが、今回はこれを地方自治体の規制にも適用し、全土に拡大させた形だ。判決は憲法上、米国市民には自衛のために銃を所持する権利があることを改めて判示した。9人の判事の判断は5対4の小差だった。多数派意見を書いた保守派のアリト判事は、武器の所持を認めた憲法修正2条は自己防衛のための米国民の権利であり、銃の規制に対しては、連邦政府だけでなく、州政府の権限も制限するとした。下級審はシカゴ市の条例を支持していた。少数派意見を書いたリベラル派のスティーブンズ判事は「地域社会と憲法に有害な判断だ」と批判した。
(猫の胸部に銃弾、狩猟用の空気銃か:石川)
25日朝に内灘町内の動物病院で治療を受けた同町内の無職男性(78)の飼い猫の胸部から銃弾とみられる金属片が見つかったことが28日、津幡署などへの取材で分かった。金属片は猫の右胸のあばら骨1本を砕き、右肺を貫通して左胸部に残っており、大きさや形状などから空気銃の弾丸の可能性が大きい。通報を受けた同署は動物愛護法違反などの疑いがあるとみて調べている。猫は雌の3歳の三毛猫で、名前は「ミキ」。25日午前8時ごろ、右脇腹にけがを負い、自宅庭でうずくまっているところを飼い主が見つけた。治療のため同町内の動物病院に運び込んだところ、エックス線撮影で左胸部に金属片が見つかった。けがの状態から、銃弾が撃ち込まれたとみられたため、獣医師が津幡署に通報した。猫は一命を取り留め、状態が安定してから銃弾を摘出する手術を受ける。獣医師によると、金属製の銃弾は直径約6ミリ、長さ約7.5ミリの鼓のような形をしている。県内の銃砲店によると、鳥などの狩猟用空気銃で直径6.35ミリの銃弾が使われるという。猫が日ごろ自宅近くの公園に行くことが多かったと説明する飼い主の妻(71)は「動物に危害を加えることも許せないが、人間が狙われはしないか心配になる」と話した。治療した獣医師は「金属製の銃弾を撃った人間がいることが恐ろしい。幸い猫が生きていたから発覚したが、死んでいたら分からなかったかもしれない」と憤りを口にした。28日朝に連絡を受けた町教委は町関係課と協議して見回りを実施し、現場付近の小学校に集団下校を指示した。津幡署もパトロールを強化している。
(団地でサル被害続く:広島)
廿日市市の宮園地区や周辺の住宅団地で、ニホンザルの出没が相次いでいる。2006年ごろから、家庭菜園を荒らすなどの被害情報が市に寄せられており、市は侵入を防ぐ柵の設置などの対策を検討している。宮園、陽光台、四季が丘地区の団地で08、09年度ともに20件以上の目撃情報があった。本年度はこれまで11件。屋根や庭を走り回ったり、家庭菜園を荒らしたりするなどの被害があるという。市は、サルが四季が丘地区南の山陽道の高架下を通って団地に侵入し、数十匹で行動しているとみる。今後、近畿中国四国農業研究センター(福山市)の鳥獣害対策の専門家から意見を聞き、対策を決定。侵入路と見られる場所への柵の設置などを検討していく。市はこれまで、花火や爆竹を使い山に追い返すなどの対策を取ってきた。しかし、一時的に姿を消しても数週間程度で再び目撃されるなど、根本的な解決には至っていない。市農林水産課は「人的被害が出る前に対策を急ぎたい」としている。
(“犬猿の仲良し”利用してサル捕獲に成功:茨城)
茨木市の住宅地に昨年から、住み着ついて家庭菜園などを荒らすなどしていたメスのサルが28日、捕獲された。当初、ともに行動していた子供とみられるサルが今年1月に捕獲されてから、民家で飼われている犬をなでるなどの行動を取るようになったといい、市ではその習性を利用して捕獲に成功した。市によると、捕獲されたメスのサルは平成21年2月ごろから、子供とみられるサルとともに同市鮎川地区の住宅街などに出没。家庭菜園の野菜を食べ荒らしたり、小学生を追いかけたりしていた。住民からは「夜に鳴いてうるさい」「窓を開けられない」などの苦情が寄せられたため、市は同年9月から、おりを設置するなどして捕獲に取り組んでいた。捕獲作戦は失敗が続いていたが、子供とみられるサルが今年1月、隣接する高槻市で捕獲されたあと、残ったメスのサルが、同地区の民家で飼われている犬の頭をなでたり、毛繕いをしたりしているとの情報が寄せられるようになった。このため、市では犬を飼っている民家へのサルの移動ルートにおりを設置。餌付けを繰り返して28日に捕獲に成功した。体長約60センチで、犬に慣れているため、人に飼われていた可能性もあるという。市農林課長の小濱邦臣課長は「最初は犬も嫌がっていたようですが、サルが何度も通い詰めて仲良くなったようです」と話しているが、「犬猿の仲にはほど遠い」と不思議がる声も上がっていた。
(民家でアナグマ捕獲:静岡)
28日午後4時ごろ、静岡市葵区羽鳥の主婦鈴木恵子さん(65)方の庭に設置されていた檻(おり)に、体長約60センチのアナグマ1匹が掛かった。鈴木さん宅では26日にも庭の檻に体長30センチほどの子どものアナグマが掛かり、連絡を受けた市職員が28日午後に近くの山に帰したばかり。鈴木さんは「子どもを捜しにきた親ではないか。早く山に帰してあげたい」と困惑気味だ。鈴木さん方の庭では昨年夏以降、芝生に穴を掘られたり、プランターをひっくり返されたりと、アナグマの仕業とみられるいたずらが相次いでいた。近所でも2匹がごみ収集所で生ごみをあさっている姿が確認されていたため、市から檻を借りて昨年秋ごろから捕獲を試みていたという。鈴木さん方は最も近い山から2キロほどの距離にある。被害に遭い困っている一方で「時々、近所でやせこけたサルやキツネを見かける。山に食べ物がなくて人里に下りて来てしまうのか…」とも案じた。
(農作物の鳥獣被害減、報奨金は増加:長野)
イノシシやニホンジカといった野生鳥獣の個体数調整(駆除)に対する飯田市の報奨金が増え続けている。2009年度は約3千万円に上り、合併後の06年度に比べて2・8倍に膨れ上がった。この間に、農作物への被害額は06年度の約6600万円から約1900万円減少したものの、野生鳥獣による被害を防ぐには大きな労力と費用が必要なことを物語っている。
(サルを射撃手に養成:アフガニスタン)
アフガニスタンのイスラム原理主義・反政府組織のタリバンが、サルを射撃手として育成している。軍服で米軍人を識別させ、襲撃させるという。チャイナネットがが報じた。子ザルを捕獲して、ある程度の時間をかけて訓練して「テロリスト」に育てる。武器はロシア製のAK47自動小銃など。サルを射撃手に使うのは、ベトナム戦争時に、米国にあったアイデアという。タリバン幹部には、「西側諸国では動物愛護の考えが強いので、サルが戦闘で傷つけば、アフガン駐留軍の撤退の声が高まる可能性がある」との期待もあるという。

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6/28
(中心市街地に熊出没:岩手)
27日午前5時ごろ、盛岡市鉈屋町の北上川付近で、体長1メートル余りの熊が歩いているのを川で釣りをしていた男性が発見、110番通報した。盛岡猟友会の会員12人が駆けつけ、午前11時ごろに花火などを使って熊を追いつめて駆除した。駆除された熊はオスのツキノワグマで、体長104センチ、体重90キロの成獣だった。盛岡東署員は「山や林のある玉山区と中心部を結ぶ国道455号を通って、市内の現場まで来たとも考えられる」と話した。
(狩猟者不足への対応、有害鳥獣捕獲隊に警察OBや消防団:京都)
京都府は6月の補正予算案で、有害鳥獣の捕獲隊に警察OBや消防団員を勧誘する事業を打ち出した。狩猟者不足に対応するためで、2014年度までに100人を捕獲隊員にする。新規隊員には猟銃を譲渡する。警察OBや消防団員に特定するのは「銃の扱いに慣れていることや、ボランティア精神に優れているから」(府森林保全課)で、全国でも珍しい取り組み。補正予算案で400万円を計上した。府の農作物の鳥獣被害面積は08年、830ヘクタール、被害額は7億4442万円に及ぶ。この事業を生かして捕獲隊員を増やし、被害を減らす狙いだ。
(「牛守るため」ヒグマ捕獲、無罪主張:北海道)
無許可でわなを仕掛けてヒグマを捕獲したとして、鳥獣保護法違反に問われた北海道浜中町、牧畜業三田牧男被告(72)の初公判が28日、釧路簡裁(青木忠儀裁判官)で開かれた。三田被告は起訴事実を「間違いありません」と認めたが、「わなは、牛が行方不明になったり、牧場の外に逃げて事故を起こしかねなかったりしたためで、安全のためやむを得なかった」と無罪を主張。弁護人は「緊急避難で、加罰的違法性はない」と述べた。検察側冒頭陳述などからは、三田被告の牧場に約10年前からヒグマが出没、2007年以降毎年、牛が行方不明になったり、クマに追われて5キロ以上先まで牛が逃げたりしたことなどが明らかにされた。また、三田被告が銃による狩猟許可を持ち、わな猟免許を申請しようとしていたことも明らかになった。起訴状によると、三田被告は道知事の許可を得ず、07年10月頃から09年11月の間、牧場内に箱わな1個を設置し、同月、ヒグマ1頭を捕獲したとされる。

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6/26
(日本クレー射撃協会の内紛問題、JOCが解決案)
日本クレー射撃協会の役員人事をめぐる内紛で、日本オリンピック委員会(JOC)は25日、現執行部が推す平井一三・現会長と旧執行部派が支持する麻生太郎・前会長による決選投票を行う臨時総会を特例で開催する解決案を示した。新旧執行部は今後、対応を検討する。JOC案では、平井会長が選任された09年3月の総会時、議決権を持っていた協会員計47人が投票する。過半数を現執行部派が握るが、JOCの市原則之専務理事は「2人に施政方針演説をしてもらい、判断材料にする」と述べた。JOCは内紛を理由に2年連続で補助金を支給しておらず、現時点でアジア大会(11月、中国・広州)の選手団にも含めていない。
(クレー射撃問題、会長選実施の新案を提示)
役員人事をめぐり新旧執行部が対立する日本クレー射撃協会の内紛問題で、日本オリンピック委員会(JOC)は25日、特例で総会を開いて再度会長選を行う新たな解決案を提示した。先に提示していたJOC主導ですべての役員を選び直す案は、新執行部の反発が強く、取り下げた。JOCの新案では、新執行部が発足した2009年3月29日の総会時の正会員47人が出席して総会を開催。新、旧執行部がそれぞれ擁立した会長候補者が、組織の正常化に向けて方針を示した上で、投票を行うという。両執行部は今後、この案に同意するかどうかを検討する。
(シカ生息範囲、封じ込めろ:宮城)
石巻地域で急増しているニホンジカの対策で県猟友会石巻支部(永松重信支部長)は25日、農作物被害の報告が出ている石巻市河北、桃生両地区で捕獲作戦に乗り出した。北上川右岸で行うのは初めて。川を渡り、生息範囲を広げつつあるシカを封じ込めることができるのか。農家などから対策が後手に回らないよう望む声が出ている。県と石巻市、女川町で組織する牡鹿半島ニホンジカ対策協議会(会長・亀山紘石巻市長)の依頼で、地元ハンター13人が参加。初日は河北地区のうち飯野の山林で捕獲作戦を行った。桃生地区とも接し、シカの出没が多く報告されているという。猟犬を使って山頂からふもとにシカを追い込んで、射手が仕留める方法を採用した。初日は捕獲できなかったが、猟友会は雌のシカ4頭を発見。生息を確認した。27日まで河北地区飯野川北側の山林、桃生地区3カ所、以前実施した稲井地区でも行う。捕獲作戦の指揮を執った永松支部長は「天敵である野犬が少なく、雪も多くない。シカはどんどん内陸部に生息範囲を広げている」とみており、北上川右岸で繁殖が増えれば「一気に石巻全域に拡散する恐れもある」と指摘する。牡鹿半島には現在、推定3000~5000頭のニホンジカが生息。同対策協議会などは2009年度、過去最多の1195頭を捕獲。交通事故、水稲や畑などの農業被害は過去6年間で倍増している。シカの捕獲は春と秋の有害鳥獣駆除期と、11月~翌年2月の狩猟期に県猟友会石巻支部が中心となって実施している。被害が拡大しており、対策の強化が求められそうだ。
(有害鳥獣駆除活動の安全と周知へ:京都)
福知山市猪野々での有害鳥獣駆除活動中の猟銃による死亡事故を受けて23日、緊急対策会議(座長・小西健司副市長)が市民会館35号室で開かれた。農林業にかかわる行政、関係機関に住民も加わって、駆除活動の安全対策と周知方法について意見を交わした。安全対策には地元との連携が欠かせないとして、捕獲目標頭数などを策定する市有害鳥獣対策協議会のメンバーではない自治会長運営委員や農区長も緊急会議に加わった。市や駆除隊が考える安全対策は、駆除出動時の隊員に目立つオレンジ色ベストの着用を徹底させる▽山の進入口に駆除活動中を知らせる垂れ幕や車両に張るステッカーの標示、防災無線や広報車による市民への周知▽駆除隊全班の駆除実施計画情報を地元に提供-などが挙げられた。住民側の出席者からは「山はどこからでも入れる。周知方法は十分とはいえない」「狩猟期に市外からやってくるハンター対策は」などの意見が出た。駆除活動関係者からは「林道の入り口に『駆除実施中』の垂れ幕をするが、シカを追って隊員が散ることがあるので車両用ステッカーが足りない。行政で何とかならないか」との声もあった。市は緊急会議で出た意見を踏まえて、今後の方向性を整理検討するという。
(シカと電車の接触事故500件超える:和歌山)
和歌山県内でニホンジカが増えている影響で、JR紀勢線でのシカと電車の接触事故が年々増加している。2009年度は4年前の約2・5倍となり、500件を超えた。JR西日本和歌山支社は「県内で生息するシカの数が多く、対策をしてもあまり効果が感じられない」と頭を悩ませている。同支社によると、紀勢線でのシカと電車がぶつかる事故は近年急増している。05年度207件、06年度263件、07年度425件、08年度426件、09年度は前年度から2割程度増え、507件に上った。発生場所は見老津(すさみ町)―江住(同)や紀伊田原(串本町)―紀伊浦神(那智勝浦町)を中心とした紀南がほとんどだが、近年、紀中でも目立ち始めたという。同支社では、線路沿いに柵を設置するなど対策をしているが、効果が上がらず「シカの方が一枚上手」と困っている。接触事故が発生すると、後続電車も徐行運転したり、確認のために停車したりして遅れるなどの影響が出る。事故は雨上がりの日に多く、1日に複数回起こることもあるという。一方、狩猟や有害申請で捕獲されたシカの数は、1996年度1600匹から緩やかに増加し、2007年度には4400匹になった。しかし、農作物などの被害は増加の一途にあり、捕獲数は08年度は3700匹、09年度は3400匹と減少傾向にある。県内のシカ生息数は、09年度調査で約3万1千匹と推定されている。県は農業被害の少なかった1994、95年度の8700匹を目標に生息数を減らそうと計画。狩猟や有害駆除についての規制を緩和している。県農業環境保全室は「シカ対策については、目標匹数に近づけるよう、とにかく生息数を減らさなければいけない。有害鳥獣としても、狩猟でもこれまで以上に捕獲してもらえるように進めていきたい」と話している。

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6/25
(シカ街道:長野)
霧ケ峰高原で取材のため、夕方から夜にかけて、諏訪市街地から同高原の間を車で何度か往復した。昼間は観光客の車も多く通る道だが、夜の運転は特に気を使う。道路にシカが出てくるからだ。走行中に突然、ヘッドライトにシカの姿が浮かぶ。「危ない!」。一度は危うく、ぶつかりそうになった。霧ケ峰に限らず、諏訪地方の山道はどこも同様のようだ。八ケ岳のある山小屋の主人は実際にシカと衝突した。「ぶつかると、こっちもダメージを受ける。困ったもんだ」と苦笑いしていた。夜の山道はまるで「シカ街道」のよう。いつまで、こんな状態が続くのか。県諏訪地方事務所によると、08、09年度に管内では狩猟と有害駆除を合わせて年2000頭以上のシカが捕獲された。にもかかわらず、減る気配は感じられない。温暖化などの影響で勢力を増やす彼らを抑えるのは容易ではなさそうだが、対抗できるのは「天敵」となる人間しかいない。
(クマわな捕獲は「正当防衛」、罰金不服:北海道)
ヒグマの被害に遭った自分の牧場にわなを仕掛けてヒグマを捕獲し、鳥獣保護法違反の罪で釧路簡裁から罰金30万円の略式命令を受けた釧路管内浜中町の牧畜業の男性(72)が「処分は不服」として同簡裁に正式裁判を請求し、28日に初公判が開かれる。男性の弁護人は「牛を守るためで刑法の正当防衛に当たる」と主張している。男性は広さ約600ヘクタールの牧場で乳牛150頭を飼育。2007年春から牧場内にヒグマが出没し、乳牛6頭が行方不明になったほか、道路や他の牧場に逃げる被害が相次いだため同年10月、箱わな1個を仕掛けた。箱わなは箱状の鉄製のおりで、中に入った餌を引っ張ると入り口が閉まる。餌を置くことで複数のヒグマをおびき寄せたり、誤って人が入ってしまう危険があるため、道知事発行の免許と設置場所などの許可が必要だ。しかし、男性は免許を取得しないまま09年11月にわなを仕掛け、ヒグマ1頭が掛かっているところを発見した人が厚岸署に通報して発覚。ヒグマはハンターの免許を持っている、この男性が射殺した。同署は今年3月、無免許でわなを仕掛けた行為について男性を書類送検。釧路区検は4月に略式起訴した。男性は「仕掛けたことは認めたが、悪いことをしたつもりはないと主張し続けた。検察から『略式起訴』と言われたが、こんなに高い罰金はおかしい」と話す。男性の弁護人は「実際に被害が起きていたのだから、罰金ではなく注意などの方法もあったのでは」と主張する。
(電力会社、カラス繁殖期大忙し:三重)
電力会社が電柱にかけられるカラスの巣の対応に追われている。四日市市と菰野町などを所管する中部電力四日市営業所では、今季巣の確認は401カ所に上った。営巣は停電の原因ともなりかねないが、卵やひなの無許可の撤去は法律で禁じられており、鳥獣保護の観点から、ひなの巣立ちを待つなど、担当者の粘り強い努力が続いている。同営業所によると、カラスは鳥獣保護法の対象で、営巣し、すんでいる間の撤去は自治体への許可申請が必要だ。カラスは2月から6月にかけて、繁殖と子育てのため、電柱上部の変圧器の周囲に営巣することが多く、巣に使用した針金製ハンガーなどがショートを起こすこともあり、今年は営巣が原因とみられる停電が2件発生している。このため、同営業所はパトロールで早期発見に力を入れ、巣の状況を一つ一つ点検している。巣の位置などから支障があると判断した場合は手続きを経て早急に撤去するが、安全と確認できれば住民に周知するため、電柱下部に「カラスの巣残置中」の表示をし、ひなの巣立ちが終わる6月末ごろまで観察を続けることになる。今季は今月22日までに277カ所で撤去を終え、124カ所で観察中。7月下旬にはすべてを撤去する計画だ。同営業所の男性社員は「カラスは賢く、営巣と撤去のいたちごっこを繰り返し、苦労は多いが、愛護の気持ちを忘れないようにしている」と話している。

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6/24
(「殺してやる」散弾銃発砲し脅す:愛知)
知人に散弾銃を突きつけ、脅すために発砲したとして愛媛県警宇和島署は22日、同県松野町豊岡の大工、関本昭二容疑者(56)を暴力行為等処罰法違反容疑で逮捕した。発表によると、関本容疑者は6月上旬の夕方、近くの建築業の男性(54)方の庭先で、男性に散弾銃を突きつけて「殺してやる」などと言い、男性の目の前で山の方角に向けて1発発射した疑い。男性にけがはなかった。関本容疑者の飼っている猟犬が男性の敷地内に入り込むことがあり、以前からトラブルになっていたという。事件直前、泡を吹きながら外から戻ってきた猟犬が死に、関本容疑者は犬が男性に毒殺されたと思って銃を持ち出したと供述。「こらしめてやろうと思ってやった」などと容疑を認めているという。
(模造ライフル弾入り封筒、国土交通相あてに)
22日午前9時頃、東京都千代田区霞が関の国土交通省で、配達された郵便物の中に、ライフル弾のような金属片が入った封筒があるのを同省職員が発見し、警視庁麹町署に通報した。同署幹部によると、金属片に火薬は装てんされておらず、ライフル弾の模造品とみられる。封筒は前原国土交通相あてで、脅迫文などは入っていなかったという。同署は悪質ないたずらとみて調べている。
(シカ肉販売代金、駆除奨励金に上乗せ:長野)
伊那市の白鳥孝市長は23日の市議会6月定例会一般質問で、農作物被害が深刻化しているニホンジカの捕獲促進に向け、ペットフード用にシカ肉を売って得た金額を、狩猟者への有害鳥獣駆除奨励金に上乗せする方針を示した。市耕地林務課によると、市は駆除したシカ1頭につき4千円の奨励金を支払っており、昨年度は455頭分の計182万円を支出。一方、2007年度から神奈川県内の加工業者とドッグフードを試作し、50グラム800円程度で販売できそうだと分かったという。
(ヌートリアの食害相次ぐ:広島)
広島市安佐北区と佐伯区で、水辺に生息する外来の大型ネズミ、ヌートリアによる農作物被害が相次いでいる。両区役所は農家を対象に開く農事相談会で生態や防除法を説明、注意を呼び掛けている。安佐北区白木町の農業河野冨士枝さん(71)は5月下旬、約3千平方メートルの水田で苗が食い荒らされているのを見つけた。シカ用ネットを設置していたため「鳥の仕業と思った」。鳥対策のテグスを張ったが、被害は続いた。区農林課に相談したところ、そばに川があることや足跡などからヌートリアの被害と分かった。ネットと地面のすき間から入ったとみられ、金具で固定してすき間をなくすと被害がなくなった。2009年度に安佐北、佐伯区農林課に寄せられた被害相談は計24件。前年度の計9件から大幅に増えた。市森林課によると、09年度に市内での狩猟、捕獲数は22匹で、場所はいずれも安佐北区と佐伯区だった。前年度より17匹増えている。本年度の被害は21日現在で計7件。葉が柔らかい若苗や夏野菜を好むため、8月にかけて被害がさらに増える可能性があるとして、両区の農林課は警戒を強めている。
(イノシシが特急に衝突:長崎)
22日午後10時55分ごろ、JR佐世保線のJR有田駅(佐賀県有田町)とJR三河内駅(佐世保市三川内本町)間を走行中の博多発佐世保行き特急(5両編成)に、線路内にいたイノシシが衝突。列車は現場に約1時間半停車した。客は乗っておらず、けが人はいなかった。JR九州によると、イノシシとぶつかった衝撃で車両のブレーキの部品が壊れ、一時運行不能になった。現場で修理後、運行再開した。イノシシは車輪に巻き込まれ死んでいた。下りの特急、普通列車計4本が最大で約1時間50分遅れ、約80人に影響した。
(逃走手負いグマ駆除:北海道)
21日午前6時ごろ、十勝管内足寄町内上螺湾(らわん)の狩猟業高島博則さん(63)宅にヒグマが現れた。高島さんがライフルで発砲し、肩とあごに命中したが、クマは逃走。同日午後0時20分ごろ、約2キロ離れた沢で高島さんらが発見し、駆除した。現場は北海道遺産ラワンブキが自生する螺湾川の近く。町は「周辺はクマの生息地。今後も注意が必要」と呼びかけている。クマは体長2メートル、重さ約250キロの大型のオス。自宅にいた高島さんは、飼い犬の鳴き声でクマに気付き、30メートルの距離で発砲。クマは倒れたが、起き上がって逃げた。ハンター仲間と2人でクマを追跡し、自宅から約2キロ東のクオナイ沢支流で駆除した。高島さんは「ラワンブキの収穫期で、周辺の沢にも山菜採りの人が入る。手負いグマを一刻も早く駆除する必要があった」と語る。ラワンブキは2メートル以上あり人間の姿が隠れるだけに、不意にクマと出合う危険もある。ラワンブキ自生地が点在する螺湾川沿いはクマの出没が多く、町によると、上螺湾地区だけで昨年5頭を駆除した。また現場から3キロ北の上足寄地区でも昨年秋、クマによるビートなどの食害が深刻化した。
(芝公園でカラスの巣を撤去:東京)
都内では増え過ぎたカラスによる被害が後を絶ちません。そのカラス対策の一環として東京都はきょう、公園にあるカラスの巣の撤去作業を行いました。都では9年前から区市町村と連携して捕獲やごみ対策などカラスの増加防止に取り組んできました。そのため、生息数は対策スタート時に比べおよそ半数に減少しました。しかし騒音や威嚇などの被害が後を絶たないことから、繁殖期であるこの時期に都内36ヵ所で初めて大規模な巣の撤去に踏み切りました。きょうはネズミやシロアリの害虫駆除を専門とする業者が網と棒を使ってまずひなを捕獲し、30分ほどで巣を撤去しました。この後、捕獲されたひなは焼却施設に送られてしまいますが、このようなことをなくすためにもえさとなる家庭のごみ捨てのルールを守ることが重要だといいます。都・環境局の竹内高広さんは「市街地ではカラスはごみを取りやすい環境にあるので、ごみを取られないようにごみ出しのルールをしっかり守ってもらいたい」と話しています。巣の撤去作業は来月末まで行われるということです。
(アユ・コイを大食い、カワウに大迷惑)
1970年代に約3千羽まで減り絶滅の心配さえあった日本のカワウが80年代に入って増加に転じ、全国内水面漁業協同組合連合会(全内)の推計では既に10万羽を突破したとみられている。個体数の増加や生息域の拡大に伴って全国の河川や湖沼でアユやニシキゴイを食べてしまう漁業被害も深刻化。効果的な対策は確立されておらず、関係者を悩ませている。カワウはペリカン目ウ科の大型魚食性水鳥。潜水して魚を捕まえ、成鳥では1回に約500グラム分の魚を食べる。全内の調査では93年に全国で9億円だった推定被害額は年々増加、06年には約8倍の73億円に達した。多く食べられているのはウグイなどコイ科の魚だが、被害額が大きいのはアユ。放流してもカワウに食べられるアユが増え、遊漁者が減少。各地の内水面漁協に入る遊漁券料が減る傾向にあるという。琵琶湖を抱える滋賀県には国内最大の営巣地があり、09年春には約3万2千羽が確認された。カワウは季節によって移動するが、滋賀に滞在する3~9月の7カ月間に琵琶湖で食べた量は、アユを中心に約2400トン(同県水産課の試算)。琵琶湖の年間漁獲量は約1800トンだから、人間が取る量よりはるかに多くをカワウが食べていることになる。琵琶湖での年間推計被害額は約17億円に達し、全内の橋本啓芳専務は「漁業者にとっては死活問題」と話す。新潟県では養殖中のニシキゴイが被害に遭うケースが頻発しており、長岡技術科学大の山本麻希助教と同県内水面試験場の調査では、05年からの3年間に少なくとも約7万3500匹のニシキゴイがカワウに食べられたという。環境省野生生物課によると、カワウは古くから日本に数多くいた。しかし60年代以降の河川改修や海岸埋め立て、有害化学物質の影響で減少し、71年には全国で3千羽以下に減った。その後、(1)有害化学物質が規制された(2)河川改修で魚が隠れる場所がなくなり、カワウが魚を捕りやすくなった――などで80年代から急増に転じたという。被害の拡大を受け、07年に国はカワウを鳥獣保護法の狩猟鳥獣に指定。関係者は猟銃で駆除する一方、ロケット花火で追い払うなどの努力を続けたが、営巣地から追い払われたカワウが別の地域に移動、生息域を拡大してしまう悪循環も起きている。

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6/22
(野生鳥獣被害3年連続減少:栃木)
県内の昨年度の野生鳥獣による農作物被害は3億9100万円で、3年連続で減少したことが、県農村振興課のまとめで分かった。近年、被害額の4分の1程度を占めるイノシシによる被害が減ったことが大きな要因。同課は市町と連携し、防護柵の設置などを地域ぐるみで行うように、呼びかけていく方針だ。同課によると、昨年度のイノシシによる農作物被害は2年連続減少の1億100万円で、ピーク時は2007年度の1億3800万円。畑の周辺に放置された野菜や果樹の撤去や、定期的な草刈りをすることで隠れ場所をなくすといった防御対策が進んだためとみられる。ただ、サルの被害は前年度比1・9倍の1300万円、シカも同1・4倍の4400万円になった。原因ははっきりしないが、県は市町などと連携し、農家に対して各地域で出没する動物に合わせた対策を取るように要望している。被害に遭った農作物別では、稲が1億9100万円で最も多く、野菜(6900万円)、果樹(5900万円)と続いた。果樹や稲ではスズメによる被害も目立ったという。県は宇都宮大と連携し、「里山野生鳥獣管理技術者」の養成など対策を進めているが、同課は「地域ぐるみでの取り組みが大きな効果を発揮する。各農家でも動物の習性に応じた対策を取ってほしい」と話している。

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6/21
(ヒグマ、知床に雌150頭:北海道)
世界自然遺産・知床に生息するヒグマの雌(1歳以上)は推定で150頭に上ることが、野生生物の調査研究を行う知床財団の調査で分かった。科学的データに基づき知床のヒグマの推定生息数が示されたのは初めてで、知床が世界有数のヒグマの生息地であることが裏付けられた形だ。同財団が85~09年に死んだと確認したヒグマの雌(395頭)や、同財団が追跡調査している12~13頭の90~09年の出生数などから、知床(約1000平方キロ)での生息数を試算した。
(手負いクマ逃走:北海道)
21日午前6時ごろ、十勝管内足寄町上螺湾の狩猟業高島博則さん(63)が、自宅近くに現れたヒグマにライフルで発砲。肩に命中したが、クマは付近の沢に逃げた。地元ハンター数人が周辺を捜索している。本別署によると、クマは体長2メートルを超す大型のオス。現場は町の中心部の東約30キロの酪農地帯で民家が数軒あり、一帯は収穫時期を迎えているラワンブキの自生地。約4キロ北に国道がある。
(外来種問題、行政の対応遅れで駆除実績少なく)
もともと日本にいなかったのに、人間が持ち込んだ生物のために各地で生態系が悪化している。外来種問題は10月の国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)でも主要テーマの一つだ。在来種を外来種から守るための外来生物法は施行から5年を迎えた。だが実効性にはさまざまな課題がある。東京の国立科学博物館新宿分館に、長崎県福江島(五島市)から運ばれたクリハラリス200匹余りが並べられていた。アジアから持ち込まれた外来種で、在来種のニホンリスの生息を脅かしている。動物研究部の川田伸一郎研究員は「毎月送られてきて1000匹近くになった。標本として保存し、根絶に役立てたい」と話す。昨年9月、別の外来種であるアライグマの分布は東京都心の皇居に及んだ。都内では昨年度、139匹が捕獲されたが、自然が残る多摩地区に集中し、都心で初の確認となった。北米原産で、ペットとして80年ごろから年間約1500匹輸入されてきた。その一部は飼育できずに逃亡。野外で定着し、すべての都道府県で確認されている。ニホンイシガメなど希少種を餌にし、全国の農林水産被害は08年度で1億9600万円に上る。さらにアライグマが持つ回虫が口に入ると、中枢神経障害の原因にもなる。外来種による影響を抑えようと、外来生物法が施行されたが、実際の行政の対応は遅れている。例えば、皇居のアライグマの駆除は外来生物法ではなく、「有害鳥獣」として鳥獣保護法に基づいて実施された。外来生物法に基づいて駆除するには具体的で長期的な防除法などを記した「防除計画」を策定しなければならないが、都は策定していない。都の担当者は「生態系影響の調査が難しく、被害が分からない状況で、防除計画を策定するには手間がかかる」と語る。今年3月末現在、国の認定を受ける防除計画を策定したのは自治体やNGOなど約300団体と少ない。06年度で、同法に基づいて駆除された野生生物はクリハラリスを筆頭に5種類の計1万8759匹にすぎない。環境省外来生物対策室は「まずは(鳥獣保護法など)可能な制度を利用して駆除していきたい」と説明する。

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6/20
(千葉国体でクレー射撃実施へ)
日本体育協会は18日、東京都内で国体委員会を開き、今年の千葉国体でクレー射撃を実施する方針を決め、同県外からの競技役員数を32人とすることを承認した。日本クレー射撃協会は役員人事をめぐり内紛状態にあるが、泉正文国体委員長は「7月中に問題が解決する方向で動いている」と語った。また、2013年の第68回国体の開催地に東京都を決定。東京での開催は1959年以来で、会期は9月28日から10月8日まで。この国体から、参加する監督に公認指導者資格を義務付けることも承認した。15年の第70回国体は和歌山県での開催が内定した。
(銃刀所持の不適格者通報制度、導入1年申し出2件:徳島)
銃やナイフを持っている人の言動などから、所持が不適格と思われる場合に、家族らが都道府県公安委員会に通報する「申し出制度」の徳島県内の利用が、昨年6月の導入から1年間で2件にとどまっている。今年1月には大阪府で猟銃乱射事件が起きており、県警は、凶悪事件防止に向けて制度の積極的な利用を呼び掛けている。申し出制度は、2007年の長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件を受けた銃刀法改正でつくられた。猟銃などの所持者に対し、家族や住民から「他人を傷つける恐れがある」といった情報があれば、県警が調べ、報告を受けた県公安委員会が所持の許可取り消しなどをする。県警生活環境課によると、これまでに寄せられた申し出は昨年6月の2件だけ。調査の結果、1件は問題のない事例と判断されたが、もう1件は所有者の酒癖に問題があるとして、最寄りの警察署員が申し出の翌日にナイフなどを廃棄させた。利用が低調なのは、制度自体が知られていないことが主な要因。同課は「申し出た人が特定されるのを懸念している面もあるのではないか」とみている。県内の5月末時点の銃砲刀剣類の所持許可件数は3420件(1914人)。同課の住友正治課長補佐は「申し立てた人が誰か分からないよう柔軟に対応するので、所持者の行動が不審だと思えば、すぐに近くの警察署に相談してほしい」と話している。
(二条城でアライグマ捕獲:京都)
京都や奈良で野生化したアライグマが文化財を傷つける被害が相次いでいますが、世界遺産に登録されている京都市の二条城で、捕獲用のわなにアライグマがかかっているのが初めて見つかりました。京都市中京区にある二条城では、ことし3月、国宝の「二の丸御殿」にある将軍の居間「白書院」の柱などおよそ50か所に、アライグマのつめあととみられる傷が見つかり、城を管理する京都市は捕獲用のわなを8か所に仕掛けていました。京都市によりますと、この3か月余りの間にイタチやネコ、それにカラスなどが捕獲されましたが、18日朝、「二の丸御殿」の縁側に仕掛けたわなにアライグマがかかっているのが見つかりました。二条城でアライグマが捕獲されたのは初めてだということです。アライグマは体長60センチほどで、京都市は処分するとともに、ほかにもアライグマが生息しているとみて、引き続き捕獲を進めることにしています。京都市の元離宮二条城事務所の島崎俊樹次長は「3月から捕獲作戦に取り組んでいたが、やっとアライグマが捕まってまずは一安心した。1頭とは限らないので、油断せずにこれからもわなを仕掛けていきたい」と話しています。
(鹿にボウガン男、懲役6月の実刑判決:奈良)
国の天然記念物に指定されている「奈良の鹿」をボウガンで撃って死なせたとして、文化財保護法違反(天然記念物き損)に問われた飲食店経営稲垣銀次郎被告(40)(津市)ら2人の判決が18日、奈良地裁であった。畑口泰成裁判官は「鹿肉を売るという利欲的な動機で犯行は悪質。地域社会に大きな不安を与えた」などとして、稲垣被告に懲役6月(求刑・懲役10月)の実刑判決を言い渡した。ともに起訴された無職伊達恵被告(37)(三重県亀山市)については、「従属的で反省している」とし、懲役6月、執行猶予3年(同6月)とした。判決では、2人は3月12日深夜から13日未明にかけ、奈良市の春日大社境内で、雌鹿1頭をボウガンで撃ち、死なせた。
(サル被害対策で研修会:山口)
岩国市北部地区のサル被害対策研修会が20日、同市美和町であり、山口県農林総合技術センターの小枝登専門研究員(49)が現地調査とともに対策について講演した。市の2009年度の農作物被害は約350万円にのぼる。被害の拡大を防ごうと、市や県、地元猟友会などでつくる対策協議会と市北部地域の4自治会連合会が開いた。現地調査では、二ツ野、瀬戸ノ内地区を巡り、サル被害防止用のネットと電気柵で囲まれた畑をチェック。ネットが外れた畑では、サルに引き抜かれ、かじられたとみられるタマネギやジャガイモを確認した。住民からサルの出没状況も聞き取った。約100人が参加した講演会では、小枝専門研究員が「生ゴミや取り残した作物を畑に放置するのはサルの餌付けと同じ」と指摘した。
(イノシシ害に新兵器:千葉)
イノシシの農作物被害に対応し、千葉県長柄町が竹や間伐材で作ったイノシシの捕獲おりの導入を検討している。これまでの金属製おりに比べると値段は10分の1以下で、材料も身近で手に入るなど、いいことずくめ。しかし、おりの設置は簡単でも、イノシシ捕獲の鍵は、設置後の管理にある。イノシシとの知恵比べに勝つか、負けるか、それが成否の分かれ目という。県農村振興課によると、昨年度のイノシシによる県内農作物被害総額は約1億6500万円で、ここ数年、ほぼ同額。長柄町のイノシシ被害は、周辺自治体に比べて少ないが、イノシシの目撃が増えている。イノシシは繁殖力が強く、あっという間に増加して、被害が拡大することが考えられ、そこで町は金属製のおりを購入して対応してきた。しかし、これまでのところ成果はゼロ。設置したおりでは1頭もイノシシが捕獲できなかったという。そんな時、竹と間伐材のおりで成果を上げる愛知県岡崎市の取り組みを町農林業振興協議会の関係者が知り、3月末に考案者の岡崎猟友会の成瀬勇夫氏を招いた研修会を開催した。おりは、高さ120センチほど。直径8~12センチの太めの竹などが材料だ。研修会では、おりの作り方だけでなく、おびき寄せるための餌のまき方など、おりの使い方の指導も受けた。成瀬氏によると、おりに餌を入れて待つのではなく、おりの近くに米ぬかなどをまいて、ゆっくりとおりに引き寄せるのがポイント。イノシシは想像以上に賢く、そこまでしないと捕獲できない。捕獲に必要なのは「管理6割」「おり2割」で残りが「場所」。製作費は7千円前後。約10万円の金属製おりより格段に安い。作り方も簡単で町は試験設置で成果を確認した後、普及を目指す。

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6/18
(シカ被害で農家自衛策、わな免許一挙に増:北海道)
エゾシカによる農業被害が深刻化している北海道で、わなの免許を取得する農家が増えている。道によると「わな猟免許」の取得者は、2009年度は391人と07年度(119人)の3.3倍に増加した。シカが急増している北海道の西部で、稲作農家らが自衛策に乗り出した。背景には国の鳥獣害予算の大幅減で、侵入防止柵の設置が困難という状況も見え隠れする。空知地域の沼田町で水稲34ヘクタールをはじめ麦など計47ヘクタールを経営する矢内真也さん(36)は、田植え直後の6月上旬、水田脇を流れる沢の側にくくりわなを設置した。「シカは植えたばかりの稲が好き。免許の講習でシカは沢伝いに山から出てくると知った」という。
(迷子クジャク2羽保護:千葉)
東金署は14日、管内で雄と雌のクジャク2羽が捕獲されたと発表した。同署によると、クジャクは雌が体長約80センチ、雄が約150センチ。10日午前10時50分ごろ、九十九里町真亀の真亀川の土手で2羽のクジャクを男性が発見。男性は雄に逃げられ、雌のみを捕獲して同署に通報した。13日午後6時20分ごろには、大網白里町下ケ傍示の水田の中に「キジのようなものがいる」と通報があった。消防隊員と警察署員が駆け付け、雄のクジャクを捕らえた。同署管内ではクジャクが逃げたという通報はないが、同署は「野生でクジャクがいるとは考えにくい。心当たりの人は連絡してほしい」と情報を求めている。

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