<射撃ニュース7月>

7/16
(カラス駆除の散弾が民家に、町議が発射か:三重)
三重県度会町で5月、地元の猟友会メンバーとしてカラスなどの駆除に当たっていた同町町議(76)が発射したとみられる散弾が民家に当たり、窓ガラスや雨戸を破損する事故があったことが15日、伊勢署などへの取材で分かった。同署は町議が銃を誤って撃ったとみて、銃刀法違反の疑いで調べている。伊勢署などによると、町議は5月9日午前、町の委託を受けた猟友会のメンバー約50人とカラスなどの駆除作業に参加。民家の近くで散弾銃2発を発射し、散弾の一部が当たったとみられる。住民は留守で、けが人はなかった。町議は今月12日、町議会に「一身上の都合」として辞職願を提出し、13日に受理された。
(イノシシ猛進止まらず:宮城)
仙台市で西部を中心にイノシシによる農作物被害の拡大に歯止めがかからない。2009年度、市に報告があった被害数は413件。過去最多だった08年度の約2倍に達し、被害面積も広がった。春先の被害は少なかったものの、好物とされるコメの被害が急増し始める7月に入り、市や農家は不安を募らせている。4、5月の市内の被害件数は28件。前年同期比で3分の1と落ち着いている。ただ、市は「春先の低温で農作物の生育状況が遅れたことが影響したのではないか」と見て、警戒を緩めていない。09年度の被害額は446万3595円。被害面積は前年度から1.4ヘクタール増の約7.6ヘクタール。市は11年度までに被害面積を4.9ヘクタールに減らす計画だが、逆に大幅増になった。市は本年度、捕獲したイノシシ1頭当たり5000円を支給する報奨金制度を初めて導入した。制度の適用になりそうな捕獲がこれまでに6頭分。民間の協力を得て捕獲方法の研究も進めるが、繁殖力が高い動物だけに効果は未知数。市の担当者も「抜本的な対策ではない」と認める。農家側も危機感を強め、対応に躍起だ。青葉区大倉の大原地区では6月下旬、隣の下倉地区と合同で高さ1メートルの防護柵の設置作業を始めた。約1カ月かけ、6.8キロに渡って張り巡らせる。費用は国と市の補助を受け、地域で負担した。大原地区ではここ数年、水田に加え、春にタケノコを狙われ、仙台七夕まつりに使う竹林が荒らされている。地元町内会長の北村博さん(79)は「被害をくい止めようと3年前から話し合いを重ね、設置にこぎつけた」と効果に期待する。防護柵は有効な対策の1つで、市内では昨年42カ所、延長計24.5キロが設置された。市が目標とする「10カ所、総延長15キロ」を上回ったが、農家がばらばらに設置するケースが多く、まだ十分な効果は発揮していない。市農政企画課は「イノシシ対策は、個別農家の取り組みでは効果が薄い。大原地区のように地域で農作物を守るという意識を高めてほしい」と呼び掛ける。
(シカ捕獲数、1万8700頭で過去最多:長野)
県内で2009年度に農林業被害対策や狩猟で捕獲されたニホンジカは前年度比27・5%増の1万8708頭=グラフ=となり、過去最多だったことが15日、県林務部の調べで分かった。同部は被害に悩む農家らが、銃より手軽なわなを使った捕獲を自衛手段として進めていることや生息域の拡大が増加につながったとみている。雌は前年度比29・6%増の1万312頭、雄は25・0%増の8396頭を捕獲した。全体の捕獲数は、県が第2期特定鳥獣保護管理計画(06~10年度)で定めた年間目標数8300頭の2・3倍。雌の捕獲数も目標とする5500頭の1・9倍だった。捕獲の内訳は、市町村などが被害対策として行う個体数調整(駆除)が34・3%増の1万2793頭、狩猟は14・9%増の5915頭。09年度は、銃猟の狩猟登録者数は前年度に比べて減ったが、わな猟の登録者は1割余り増えた。県が08年度からわなに限って狩猟期間を1カ月延長したこともあって、わなによる捕獲数が全体を押し上げたとみられる。同部によると、シカの農林業被害は南アルプス一帯が中心だったが、近年は県内各地に拡大。特に、八ケ岳周辺の高原野菜産地で農業被害が増えており、08年度の農業被害3億8200万円は前年度比29・4%増だった。捕獲数増加の背景には、シカの生息数や生息域の拡大も影響しているようだ。県は09年度の被害額を集計中だが、さらに増えている可能性が高いという。シカの捕獲数は増加が止まらず、同部は「被害も治まっていない。適正なシカの捕獲に努めたい」としている。県は本年度、かなり増えているとみられるニホンジカの生息数を推計する調査をし、新たな捕獲目標を盛った来年度から5年間の計画を策定する方針だ。
(ロケット花火でサル撃退:岐阜)
サルやイノシシなどによる農作物被害が深刻化している下呂市は、今月から有害鳥獣追い払い隊を結成して地域のパトロールを実施している。20人の隊員が2人一組になり、音の出るロケット花火を使用して人里に姿を見せるサルを追い払っており、成果が期待される。追い払い隊は昨年、サルによる農作物被害が多い馬瀬地域が5カ月間実施したところ有害鳥獣の出没が減ったため、緊急雇用創出事業として全市(5地域)に広げたもの。同市内の有害鳥獣捕獲駆除は、04年度にイノシシ171匹、サル129匹だったが、09年度にはイノシシ337匹、サル268匹と倍以上に増えた。民家の庭先までサルが出没し、家庭用のキュウリやナス、ダイコンなどを食べられる被害が多い馬瀬地区では、約10年前まで17カ所あった道路沿いの野菜無人販売所が、野菜が被害に遭って3カ所に激減した。「サルは家人が出かけると、どこからともなく現れ、誰もいない間に畑を荒らしていく」と同市馬瀬振興事務所の小林寿・馬瀬地域振興課長(53)。「収穫直前に被害に遭って気を落とし、『荒らされるくらいなら作るのをやめる』という住民が多い」といい、「出荷される野菜ではないので、具体的な被害額は分からない」と困り顔で話す。パトロールは隊員が2人一組で1日8時間行い、軽トラックに乗って1日おきに地域を巡回。サルを見つけると「ヒュー」という音の出るロケット花火に点火して追い払い、出没場所を地図に記録している。夜間に出没するイノシシやシカは、柵(さく)などで対応。活動は11月末まで続けられる。
(事業仕分けで鳥獣被害対策に影:福井)
県内農村部でシカやイノシシの侵入を防ぐフェンスの設置が、計画よりも大幅な距離短縮を迫られている。昨秋の事業仕分けで、財源となる国から県への本年度交付金が、要望額の約3割にとどまったためで、市町の担当者からは「もっと現場を見てほしい」との声も上がっている。フェンス設置に活用されているのは、国の鳥獣被害防止総合対策交付金。県は本年度、ハード整備分2億4000万円を要望していたが、5月に内示されたのは7400万円。「被害が大きく拡大している」(県農林水産振興課)として、昨年度の交付額8400万円からの大幅増を訴えたが、逆に減額された。県は交付金で小浜市などの嶺南地方を中心に、計73キロのフェンス設置を計画していたが、本年度中に実際に取り付けられるのは半分以下の「30キロ程度になりそう」(同課)という。本年度の総合対策交付金(ソフト、ハード両事業分)は、全国枠で昨年度より5億円少ない23億円。シカの食害に悩む小浜市の担当者は「交付金の不足分を市で賄うのは財政的に厳しい」とした上で「鳥獣被害は原因がつかめず、自然災害ともいえる。県域を越えた侵入もある。国は責任を持ってやってもらいたい」と訴えている。

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7/15
(知床のエゾシカ駆除、本年度から環境省)
環境省は、シカの食害で損なわれた植生の回復を図るため、世界自然遺産の知床国立公園と尾瀬国立公園(福島、新潟など4県)の2カ所で、シカの駆除に着手する。今年4月に施行された改正自然公園法に基づく生態系維持回復事業の、国内初のケース。21日の中央環境審議会自然公園小委員会に諮問、即日答申を得る予定で、知床では降雪期前には事業に着手する見通し。
(環境省2職員、ヒグマに遭遇:北海道)
知床半島先端部で国立公園の巡視を続けていた環境省職員2人が13日朝、羅臼町相泊から岬へ約5キロのトッカリ瀬(通称)でヒグマと遭遇し、1人が逃げる際に軽傷を負った。近くには有人の番屋もあることから、このヒグマは同日午後、同町の猟友会などが現場近くで駆除し、14日夕までに死骸(しがい)を船で回収した。環境省は当分の間、知床岬方面のトレッキングの自粛を呼びかけている。同省ウトロ自然保護官事務所によると、遭遇したのはオスの成獣で、衰弱してけがをしていた。「オス同士の争いでケガを負い、興奮状態にあったことから人に接近した極めてまれなケース」という。ヒグマは岩陰から走ってきて、職員2人の3~4メートル手前まで接近。1人は後ずさりする際に転倒し、腰や足に打撲やすり傷を負った。逃げる際にザックを残したが、ヒグマはザックをかみ、振り回した後に立ち去ったという。
(イノシシ走る住宅地:兵庫)
13日朝から昼にかけ、兵庫県西宮市の夙川河川敷などでイノシシの目撃情報が相次ぎ、西宮署員や市職員らが追い掛ける騒ぎになった。午前9時10分頃、西宮市の夙川河川敷で「イノシシが歩いている」と110番があり、署員が阪急苦楽園口駅東側付近で発見。市農政課職員や猟友会のメンバーらが駆けつけ、同市南越木岩町の夙川公園付近で捕獲した。午後0時10分頃には西約1・1キロの同市老松町の路上で、「イノシシがいる」と110番。同課職員らが捜したが、見つからなかった。同課によると、最初の現場で発見されたイノシシは3歳ぐらいのオスで、体重約45キロ。同課の担当者は「甲山以南でもイノシシはよく目撃されるが、市街地で今回のような事態は珍しい」と話している。午前9時30分頃に同市大井手町の夙川沿いで見かけたという近くに住む男性(77)は「イノシシがめったにこない場所なので、犬かと思った。こんな住宅地で恐ろしい」と話していた。
(サル撃退犬、飼い主求む:岩手)
県内第1号のモンキードッグが、釜石市で「現場復帰」する日を待っている。市の事業で購入され、農作物を荒らすサルを追い払う訓練を受けた犬のアンセルは、現在釜石保健所に保護されている。飼い主が飼育できなくなったため、先月中旬に引き取られてから休職中。市は再びアンセルに能力を発揮してもらおうと、市内で新しい飼い主を探している。ラブラドルレトリバーのアンセルは5歳の雄。農作物被害をもたらすサルを山に追い払うモンキードッグの調教を受けた。同市甲子町の大橋地区や唄貝地区でのサル被害を受け、市は2006年度にモンキードッグ事業を導入した。調教費を含めた約42万6千円でアンセルを購入。半年間の調教を経て、07年3月に同市甲子町の大橋地区の市民に譲渡された。アンセルは飼い主とサル被害のある地域を歩き、ほえてサルを警戒。市役所からの連絡を受けて3回出動し、サルを追い掛けて山に追い払ったこともあった。しかし飼い主の家族が入院して世話が困難になったため、6月14日に釜石保健所動物管理センターに引き取られた。市は地元の町内会や猟友会を通じて、モンキードッグとして飼うことができる市民を探している。市水産農林課の千葉博之農林振興係長は「できることならモンキードッグとして、市民に飼ってもらえるのが一番。アンセルの役割を果たしてあげたい」と強調する。市はモンキードッグとしての飼い主が見つからない場合は、普通の飼い犬として公募も検討するという。問い合わせは市水産農林課(0193・22・2111)へ。
(クマに襲われ70歳重傷:群馬)
14日午前5時40分頃、みどり市東町草木の草木湖畔の雑木林で、散歩していた同市東町沢入の無職金子栄さん(70)がクマ(体長約1メートル)に襲われた。金子さんは持っていた鎌で抵抗したが、左手をかまれるなどして、手首を骨折する重傷。クマは山に逃げた。金子さんは自力で約3キロ先の自宅に戻り、妻(69)が119番した。大間々署の発表によると、現場は湖の東で、草木橋から上流に約300メートル離れた地点。金子さんは散歩中にキノコを探そうと、道路から湖側に土手を約3メートル下った所でクマに出合った。みどり市は同日午前、「熊出没注意」「熊注意」と書かれた看板を現場付近の県道脇に計4枚設置した。市の担当者は「近年、クマに襲われたという被害は聞いていなかった。対策を検討していきたい」と話している。襲われた直後の金子さんを見たという、近くの無職高草木セツさん(80)は「顔とシャツが血だらけで、左腕はえぐられていた。(金子さんは)興奮した様子で『クマにやられちゃったよ』と話していた。私も散歩をしているので、今後は注意して歩きたい」と心配そうに話していた。
(サル追い払い説明会を開催:京都)
サルによる農業被害などに悩む伊根町が、全町を上げた対策に乗り出している。追い払い用の花火の配布などを通じて「サルにとって居心地の悪い集落」づくりを目指し、全32集落での追い払い方法の説明会も始めている。同町地域整備課によると、町内の農家はハウス栽培が主で、サルによる農業被害額は年間30万円程度にとどまるが、「自家用野菜や家庭菜園の被害は相当ある」(農林係)という。家の中を荒らす被害も報告されており、今春から各集落に追い払い用のロケット花火を配布するなど対策を強めている。説明会は6月下旬から始め、「対策の要(かなめ)」として期待される主婦やお年寄りが参加しやすいように全集落で開催することにした。10カ所目となる6日の泊公民館では、町民9人が参加した。町職員が追い払い活動の先進事例をビデオなどで紹介し、「食べられても平気な空き家のカキでも、放置すればサルたちの繁殖力が強まる。サルを見たら、見過ごさずに追い払ってほしい」と呼び掛けた。

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7/14
(学食にシカ、イノシシ肉を:京都)
駆除されたシカやイノシシを有効活用するため、京都府立大・府立医大生協と京丹後市が協力して、学生食堂で提供するメニュー作りを進めている。シカやイノシシは西洋ではジビエ(狩猟肉)と言われ、高級食材の一つ。農作物を荒らす「厄介者」を地域振興に役立てようとする取り組みで、担当者は「おいしく食べて、農作物や森林保護について考えてほしい」と話している。京丹後市はイノシシやシカによる農作物被害が年間約七千万円にのぼり、年間2千頭以上を駆除している。対策の一環として今年5月、駆除動物の生肉処理施設を造り、シカとイノシシ肉の安定供給と販路開拓を目指している。府立医大生協は、米の仕入れで京丹後市と交流があり、被害を知って協力を申し出たという。6月末には府立医大の学食で試食会が開かれ、学生や職員約30人が、シカ肉のグリーンカレーやオムレツ、イノシシ肉のカレー炒(いた)めなどを味わった。看護学科3年の内山はる菜さん(21)は「被害がこんなに深刻なんて知らなかった。臭みもなくヘルシーでおいしく、食べることで貢献していきたい」と話す。生協では、試食会を通じて学生の反応を確かめ、秋ごろに新メニューとして出す予定。期間限定ではなく、通年の提供を目指すという。
(シカ食害で駆除に本腰:静岡)
静岡県が伊豆地域のシカの食害増加を受け、駆除に本腰を入れ始めたことが13日、分かった。県の調べによると、同地域でのニホンジカ管理捕獲数は6月末までの3カ月間で、昨年度の年間捕獲数と同じ1千頭に達した。現在、約2万頭(平成20年当初)が生息するとみられているが、県は市町、狩猟者などと協力し、23年度末までに1万頭まで減らす計画だ。伊豆地域では、ワサビ、シイタケなどの農作物、スズタケ、ミヤマクマザサ、リョウブ、ヒノキなどの竹、笹、樹木の葉や幹がそれぞれ食い荒らされるなどの被害を受けている。県自然保護課によると、農家に深刻な影響を及ぼしているほか、木も用材としての価値が低下するうえ、被害が重い場合は枯死することもあるという。同課では特に、「森林が枯れて、地肌がむき出しになると、土砂崩落につながるおそれもある」ことを問題視しており、シカ駆除に本腰を入れることを決めた。県として年1千頭程度だった年間捕獲数を2倍に増やす。加えて、地元の猟友会や伊豆、伊豆の国、下田などの6市6町などとも協力。これまで活動していなかった7~9月にも捕獲を実施し、これまで年4千頭台だった駆除頭数を今年度は一気に6千200頭まで増やすことにしている。ただ、23年度末に1万頭まで減らす県の計画を実行するためには、年間の削減頭数を7千頭まで高める必要があるという。同課では「予算との兼ね合いもあるが、早期に減らさないと、事態がさらに深刻になりかねない」と話している。このほか、県下では富士山麓(さんろく)でも、1万頭以上が生息しているとみられ、牧草地への被害、自動車事故などが目立ってきているという。
(鳥獣被害で対策シンポジウム:愛知)
年々広がる鳥獣による農作物被害対策について考える、農水省東海農政局など主催「農作物獣害対策シンポジウム」は30日午後1時30分から、豊川市伊奈町、小坂井文化会館(フロイデンホール)で開く。同市の音羽地域では、ニホンシカによる稲作被害が深刻化しており、イノシシの被害もとどまるところを知らない。東海3県下から関係者が一堂に会し、有効な駆除方法などについて情報を持ち寄り、論議する。豊川市では、鳥獣被害額が1230万円(07年度)にも達し、深刻化の一途。「音羽米」の産地として知られる音羽地域では、特に長沢地区で小野博史さんらが中心となって長沢有害獣類駆除組合を設立し、駆除に当たっている。ニホンシカの駆除数は全市の7、8割を占める。シンポでは、小野さんが豊川市鳥獣被害防止対策協議会を代表し、取り組みなどについて報告する。ほか、愛知県新城設楽農林水産事務所農業改良普及課新城駐在室の小出哲哉主任専門員が県内全体のシカ、イノシシの対策事例について報告。岐阜大学の鈴木正嗣教授がコーディネーターとなってパネルディスカッションも行う。2部では、被害防止対策と生物多様性について考える。
(カラスが接触、4268戸停電:福島)
12日午後8時ごろから同9時ごろにかけて、福島市渡利で最大4268戸が停電した。東北電力福島営業所によると、市内渡利字岩崎町の電柱の上にあった配電設備にカラスが接触、設備がショートしたのが原因とみられる。

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7/13
(シカ駆除、国として初の実施へ)
環境省は4月に施行された改正自然公園法に基づき、シカの食害から生態系を保全するため、知床国立公園(北海道)と尾瀬国立公園(福島・栃木・群馬・新潟)で、生態系の維持回復事業を実施することを決めた。国立公園内で湿原や高山の貴重な植物を守るため、シカの駆除を国の施策として実施するのは初めて。国立公園では近年、シカによる食害で高山植物群のお花畑が消失したり、自然林が傷む被害が深刻化している。このため、多様性に富む貴重な自然を保護するという今回の自然公園法改正を受け、主にシカ対策を念頭に、国が生態系を維持し、被害を回復させる計画を作った。世界遺産委員会が「生態系保全の観点からエゾシカ対策が重要」と指摘した知床国立公園では、今年度から5年間、エゾシカの生息数を調べるほか、銃やわなによる駆除を一部の地域で実施したり、植生を守る柵を設置する。また、植生被害を回復させる実証試験にも着手する。北海道庁によると、知床も含む北海道東部のエゾシカの生息数は、93年度末の20万頭が、08年度末には26万頭に増えたと推定されている。尾瀬国立公園でも今年度から4年間、湿原の生態系やブナなどの原生林を守るためにニホンジカの捕獲や侵入防止柵の設置、樹皮を保護する網の取り付けなどを行う。環境省によると、生息数は98年の調査と比べて09年には3倍以上に急増したという。

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7/12
(サル駆除中、散弾でけが:宮崎)
10日午前9時ごろ、宮崎県都城市高城町有水で、狩猟中だった近くの農業吉田清公(きよとも)さん(62)が銃で発射した散弾1発が、同じ猟友会で狩猟中の自営業男性(63)の左ひざに当たった。男性は10日間のけが。都城署によると、吉田さんたちは同日午前8時半ごろから、6人でサルの駆除をしていた。サルが飛び出してきたため吉田さんが1回発射。散弾の一部が左斜め前方約70-80メートルの距離にいた男性に当たったという。
(民主候補の街頭演説に拳銃男:福岡)
福岡県警中央署は10日、同県久留米市津福本町、無職高瀬正二郎容疑者(71)を銃刀法違反(所持)容疑で現行犯逮捕した。発表によると、高瀬容疑者は同日午後6時頃、福岡市中央区天神2の商業施設前の路上で、自動式拳銃1丁と実弾十数発を所持していた疑い。実弾は紙袋に入れ、銃には装てんしていなかったという。現場では、参院選福岡選挙区に立候補している民主党現職・大久保勉候補(49)の街頭演説会が行われていた。陣営幹部によると、拳銃を持った高瀬容疑者に陣営関係者が気づき、騒ぎにならないようにタオルで銃を隠しながらその場から連れ出し、取り押さえた。約200人の聴衆にけがはなかった。「脅かすつもりで、撃つ気はなかった」と話していたという。演説会終了後、パトカーが駆けつけ、現場は一時、騒然とした。

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7/9
(ハチミツに誘われて公園に出没の熊、捕まる:岩手)
盛岡市の市動物公園で5日夕に野生の熊が目撃され、同園が行方を追っていたが、捜索3日目の8日、園内に設置したわなに引っかかっているのが見つかった。熊は山林に戻され、同園は9日から通常通りの営業を再開する。捕獲されたのは体長124センチ、体重53キロで、オスのツキノワグマ。年齢が5~6歳と見られるという。同園は6日から地元猟友会の協力を得て捜していた。園内で熊の足跡などが見つかったため、7日に目撃場所周辺の3カ所にわなを設置した。わなの中にはトレーに入れたハチミツとハチの巣。これらに触れると扉が自動的に閉まる仕組み。おびき寄せるために使われたのは、日本ミツバチの蜜。地元猟友会では「西洋ミツバチよりも香りが強い」と熊の捕獲に使っているという。玉川大学のミツバチ科学研究センターの中村純教授は「熊にとってはかぎ慣れた日本ミツバチの蜜のにおいの方がぴんとくるのでしょう」と話す。捕獲後に麻酔で眠らされた熊は8日午後、盛岡市内の山林に放たれた。田中光洋園長(61)は「エサを探して迷い込んだのだろう。猟友会の対策が当たり、感謝している」と話した。
(クマ出没で新嵐山キャンプ場閉鎖:北海道)
「めむろ新嵐山オートキャンプ場」の近くで親子グマの足跡が発見されたのを受け、同キャンプ場を経営するめむろ新嵐山(社長・宮西義憲芽室町長)は今季の営業を打ち切ることを決め、6日、同キャンプ場を閉鎖した。同キャンプ場周辺では先月から今月にかけて、クマの出没が相次いでおり、「人命を最優先したい」と判断した。同キャンプ場は7、8月が利用のピークで、昨季は3200人が利用。勝毎花火大会が開かれる8月13日は例年、オートキャンプ場(25台収容)、バンガロー(5棟)、キャンプサイト(75張)がすべて満杯になる。同社の相馬光明支配人は「例年、クマはこの時期、山にこもるが、今年は異例な状態。営業打ち切りは経営的に痛手だが、やむを得ない」としている。同キャンプ場は、6月5日に帯広市広野で山菜採りの女性がクマに襲撃され、亡くなった事故を受け、同6日から11日まで臨時閉鎖し、さらに同30日まで閉鎖を延長。周辺に電気牧柵を設け、夜警警備員1人を配置し、1日から営業を再開していた。今季は10月末までの営業を予定していた。
(なぜクマは人里に?:山形)
クマが人里へ下りてきたのはなぜか。伝統的狩猟(マタギ)の継承を目指す「ブナ林と狩人の会 マタギサミットin朝日町」が3日、朝日町の創遊館で開かれた=写真。各地の狩猟者や研究者ら約150人が参加、森林や野生動物の現状などについて議論した。マタギサミットは、新潟県村上市・三面(み・おもて)や秋田県・旧阿仁町、長野県栄村・秋山郷などの狩猟文化を研究してきた東北芸術工科大の田口洋美教授が呼びかけ、1990年から毎年開かれてきた。今回は、先端の研究成果を踏まえ、現場をよく知る狩猟者と森の中で何が起きているかを考えた。遺伝学が専門の山形大理学部の玉手英利教授は、環境省の「日本の動物分布図」では県内にいないシカやイノシシが最近、相次いで見付かったことを取りあげた。庄内と内陸で確認された若い雄のシカ計2頭は、遺伝子から屋久島産、静岡産と分かり、人間が持ち込んだ可能性が高い。福島や宮城で増えているイノシシも県内で北上しつつある。玉手教授は「サルやカモシカも増えた。県内でシカもじわじわと増え、東北南部で拡大中の外来種アメリカミンクもいずれ来る。広域的な情報の交換が必要だ」という。森林総合研究所(茨城県つくば市)の中下留美子研究員は、クマの体毛に含まれる炭素や窒素の安定同位体の分析から、山の食べ物や人間の残飯など何を食べたか追跡できると説明した。県森林研究研修センターの斉藤正一・森林環境部長は、今春のように雪解けが遅い年は、クマの目撃件数が増え、秋の出没も増えると指摘。ブナの葉枯れやナラ枯れの対策が必要で、「森林には定期的な伐採が大事。切って更新させることで様々な植物も生え、クマやサルのエサにもなる」と語った。狩猟者はどう見ているか。北海道西興部村の大澤安廣さんは「昔はヒグマを1頭捕れば半年食えた。去年は6頭、村から報奨金が2万円出ても燃料代や解体処理にも足りない。シカと同じで山にエサがないから里に出る」と発言。旧阿仁町の松橋吉太郎さんも「クマを捕って50年以上になるが、平成に入ってクマが倍以上に増えた。山に入った人間の捨てたゴミを食べて、その味を覚えたクマが人里に下りて来る」と訴えた。人里への接近は全国共通らしい。「昔はひと山越えたのに、いまはすぐ目の前の山にクマがいる」(長野県・秋山郷)、「増えたから出てくるのでないか。家から4キロで、『いた、いた』。昔は朝日連峰に入らないと見られなかった」(鶴岡市大鳥)。クマが里に下りる理由について、田口教授は「高齢化してやせた森林には病害虫が増え、ブナやナラの実の豊凶や積雪量も影響している。森林と野生動物の新しい関係を作らないと手遅れになる。若い人たちの生き方、選択にもかかわる問題だ」と語った。

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7/7
(モンキードッグ7匹認定:三重)
サルやシカなど農作物を荒らす動物を追い払う「モンキードッグ」の認定式が6日、南伊勢町五ケ所浦の町民文化会館であり、訓練を受けた7匹が認定を受けた。“犬猿の仲効果”で、田畑への被害防止が期待される。町によると、町内では2008年度、ミカン畑や水田など計約18ヘクタールで7643万円相当の農作物が、サルやシカ、イノシシの被害に遭った。獣害対策としてモンキードッグを放す試みは、近年各地で広がっていて、県によると、県内でも同町を含め8市町が取り組んでいる。町や農業者、猟友会関係者らでつくる町鳥獣害防止総合対策協議会が、訓練を受ける犬と飼い主を募り、9組が応募。2月から計8回、町内で阪神警察犬訓育所(神戸市)の板垣実所長から、しつけの指導を受け、7匹が“卒業”を果たした。認定式には、6匹が参加。小山巧町長が飼い主に認定書を授与し、犬には専用のバンダナを贈った。同町泉の農業田畑由美さん(39)と、ラブラドールの「ティント」(雄、7歳)が、代表で「待て」など練習の成果を披露した。7匹はそれぞれ、飼い主の田畑などを害獣から守る。主にミカンを育てている同町船越の農業高野谷政秋さん(78)は「ミカンも田んぼも、何でもやられる。頑張ってもらわないと」と、認定を受けた雑種の「ボス」(雄、3歳)の活躍に期待。水田が被害に遭うという田畑さんは「サルが群れでやってくると、一晩で水田が全部だめになる。あらゆる手段で、できることをしていかないと」と話していた。
(ニホンザル保護管理専門員養成へ:青森)
下北の4市町村などでつくる「下北半島のニホンザル被害対策市町村等連絡会議」(委員長・五十洲和彦風間浦村産業建設課長)は6日、風間浦村公民館で会議を開き、専門的にサルの保護と被害対策に取り組む人材を確保するため、「ニホンザル保護管理専門員」を養成することを決めた。大間、風間浦、佐井3町村の緊急雇用創出対策事業として受託する。

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(シカの死骸が衝突事故につながり7人死傷:徳島)
5日午前7時50分ごろ、徳島県牟岐町の国道55号で、徳島バス(徳島市)運行の高知県室戸市から大阪市に向かう高速バスが対向のトラックと衝突し、乗客の大阪市大正区、中村美佐子さん(62)が頭を打ち死亡した。ほかの乗客5人とトラックの運転手の計6人は軽傷。バスの運転手にけがはなかった。徳島県警牟岐署は同日、自動車運転過失致死傷の疑いで、トラックを運転していた同県吉野川市、会社員小林和也容疑者(30)を逮捕した。逮捕容疑は、対向車線でバスに衝突し、トラックの荷台に設置されていたクレーンのアームがバスの右側の窓を直撃。6人を死傷させた疑い。同署によると、現場は片側1車線の直線。事故当時、道路上にあったシカの死骸(しがい)を避けようとして数台の車が前につかえていた。小林容疑者は「気付くと前にトラックがあり、ブレーキを踏んだが、反対車線にはみ出した。大変なことをしてしまった」と供述している。徳島バスによると、バスは午前6時15分に室戸市を出発、正午すぎに南海なんば(大阪市)に到着予定だった。
(内紛で揺れる中、ア大会参加を想定し予選会)
役員人事をめぐり新旧執行部の内紛問題に揺れる日本クレー射撃協会が、広州アジア大会への選手派遣を認められた場合を想定し、夏季本部公式大会(10、11日・愛知県)をアジア大会の予選会とすることが5日、分かった。内紛の仲裁に乗り出している日本オリンピック委員会(JOC)はクレー射撃の選手を派遣するか結論を出していない。同協会は「ア大会参加の保証は得られていない」とした上で全国に予選会実施を通知。トラップ男子、スキート男女の各種目上位3人を候補選手とし、トラップ女子は北京五輪4位の中山由起枝(日立建機)ら日本代表の上位3人が固まっているため予選を実施しないという。前回のドーハアジア大会は男子4、女子4の計8人が代表となった。
(動物園にクマ出没:岩手)
盛岡市は5日、市動物公園でクマが出没したため、6日を臨時休園にすると発表した。クマによる臨時休園は約10年ぶりという。市公園みどり課によると、5日午後6時ごろ、職員が管理事務所近くにクマがうろついているのを発見したが、間もなく逃げ去ったという。閉園後で客はいなかった。市は安全確認のため6日の休園を決め、団体予約先には電話で連絡した。動物公園はJR盛岡駅から東に約5キロ離れた市郊外の通称岩山(約340メートル)にある。
(猟友会要望、射撃場予定地「韮崎へ」:山梨)
甲州市塩山上小田原に建設予定の新県立クレー射撃場について、峡北猟友会のメンバーらが5日、横内知事と松土清・県教育長あてに当初の建設予定地だった韮崎市穂坂町三之蔵に建設するよう求める要望書を近隣住民ら約1200人分の署名を添えて提出した。新射撃場の建設予定地は当初、韮崎市に計画されたが、建設費が約31億円と見込まれ、高すぎるとの判断から2007年に甲州市へ変更された。だが、甲州市でも建設費が当初計画の約1・5倍の約23億円かかることが判明し、県は費用を抑制する方針だ。要望書では、甲州市の予定地について、「高地にあるため、冬には降雪による競技場閉鎖、雨が降ると霧が発生し安全上から使用できず、道路事情などを考えても大変不便」と指摘。韮崎市の用地については、「韮崎インターから6~7分で、他県から競技に参加する選手も天候に左右されず、射撃競技ができる一番利用しやすい場所になるはず」と利点を強調している。この日、同猟友会メンバーらは、要望書を手渡した県スポーツ健康課の相原繁博課長に「甲州市で打ち出したコスト削減がなぜ韮崎で行われなかったのか」と詰め寄った。これに対し、相原課長は「韮崎市の予定地では、甲州市より造成工事の土が1・5倍も必要。韮崎の方が安くなることはあり得ない。移転の決断は非常に重い。韮崎へ戻す選択肢はない」と説明した。
(サル撃退専用花火を開発:三重)
サルによる農作物被害が全国1位の三重県で、業者がサル撃退花火を開発した。1人でも退治でき、過疎の山村で活躍が期待されている。花火は長さ約40センチ、直径2センチで5連発できる。単発のロケット花火に慣れたサルは木に登り様子を伺うだけだが、連発することで山林まで戻せるという。県農業研究所の山端直人主任研究員は「集落が怖い地域だと学習させることができる製品」と評価。ホルダー付きでお年寄りも安全に使えるという。
(堺の1400世帯停電、原因はカラスの接触:大阪)
4日午前7時15分頃、堺市中、東両区の計約1400世帯で停電が発生し、約1時間後に復旧した。関西電力南大阪営業所によると、同市中区福田にある電柱の配電設備にカラスが接触、感電したのが原因。カラスが同設備に引っかかっていたため、取り除いたうえで、送電を再開した。停電した地域を管轄する西堺、黒山両署によると、停電による交通などへの影響はなかったという。

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(別荘で銃弾見つかる:滋賀)
高島市マキノ町の別荘で6月下旬、銃弾のような跡が見つかり、県警が室内から銃弾1発を押収していたことが、所有者の話で分かった。別荘は半年以上不在でけが人はいなかった。近くが狩猟場となっており、県警は狩猟の流れ弾が当たったのではないかとみて調べている。所有者は、京都府内に住む60代の男性ら2人。この男性によると、共同所有者が6月下旬、別荘を訪れたとき、雨戸に小さな穴を1カ所発見。銃弾跡に似ていたため室内を点検した。窓ガラスやふすまなどに貫通した跡があり、収納箱の中で銃弾1発が見つかったため県警に通報、捜査員が銃弾1発を持ち帰ったという。この別荘は昨年11月から使われていなかった。県警などによると、近くでは猟銃によるシカやイノシシなどの有害駆除を実施、また秋から春にかけては狩猟が行われているという。
(エゾシカ被害過去最多:北海道)
上川管内でも急増しているエゾシカ被害で、昨年度の農林業被害が前年度比13%増の約6億1700万円となり、初めて6億円を突破したことが、上川総合振興局のまとめ(速報値)で1日、分かった。同局は同日、管内関係機関による対策連絡協議会を発足させ、被害防止に向けた情報や意見の交換を始めた。被害が最も大きかったのは富良野市で、前年度より9%減ったものの約2億4700万円。また美瑛町が約7700万円と同31%増。このほか士別市が同2・1倍の約6100万円、下川町が同32%増の約4700万円、美深町が同7・3倍の約2800万円などとなった。被害作物はスイートコーン、にんじん・大根、牧草、小麦、ビート、水稲、ばれいしょ、かぼちゃ、大豆の順で割合が高く、農作物がまんべんなく食べられている状況がうかがえる。この日発足した協議会は、市町村や国機関、猟友会、旭山動物園、交通機関、警察、大学演習林機関などで構成。同局で初会合を開き、窪田毅局長は「農林被害に加え、交通障害など市民生活にも影響は及び、もはや災害」とシカ対策への協力を呼びかけた。各メンバーからは「シカ被害で離農した農家もいる」(占冠村)、「非常事態宣言すべきだ」(富良野市)との危機感があらためて示されたほか、「(シカの)処理場を道で造ってほしい」(道猟友会旭川支部)、「もっと現場の声を聞くべきだ」(道猟友会名寄支部)など、行政への要望や、その姿勢をただす声もあった。
(クマに襲われ負傷:青森)
3日午前10時ごろ、深浦町岩崎の白神岳登山道のマテ山コースと十二湖コースの分岐点付近で、登山に来ていた岩手県奥州市江刺区、会社員中村晴興さん(37)がクマに襲われ負傷した。中村さんは自力下山し、救急車で能代市内の病院に運ばれた。左ほお、左手首、左足に裂傷を負ったが、命に別条はないという。同町は猟友会に出動を要請するとともに、登山道入り口にポスターを掲示して注意を呼び掛けている。鯵ケ沢署によると、中村さんは同日午前6時ごろ、白神岳登山のため1人で入山した。同8時50分ごろ山頂に着き、同9時50分ごろに下山を開始。同10時ごろ、分岐点付近で前方の笹やぶから出て来た体長約1メートルのクマに手でほおと足を傷付けられ、手首をかまれたという。中村さんはクマの足をけるなどして抵抗し、現場から自力下山。草刈りをしていた深浦町職員に助けを求め、職員が消防署に通報して救助された。同町の通称・小箱峰林道付近では昨年5月、クマを駆除するため1人で入山した男性=当時(65)=が遺体で発見された。顔や手足にかまれたような跡が複数あったことから、クマに襲われたとみられている。
(「ハクビシン」など小動物の駆除に力:長野)
伊那市有害鳥獣対策協議会は、2日総会を開き、今年度は、ニホンジカやイノシシに加え、ハクビシンなどの小動物の駆除に力を入れていくことを確認した。総会には、協議会を構成している伊那市やJA、猟友会など関係する団体の代表者らが出席し、今年度の事業計画などを決めた。白鳥孝市長は、「有害鳥獣被害は、農家の耕作地放棄など意欲の低下につながると心配している。戦いを続けていかなくてはならない」とあいさつした。今年度は、市民や猟友会から要望が多かったハクビシンなどの小動物駆除を充実させる。捕獲する檻やくくりわなを200個協議会で購入し、猟友会を通じて貸し出す予定で、市内全域で駆除を進める。協議会では、ハクビシンなどの小動物の捕獲奨励金を新たに設け、1頭あたり1,500円を交付する。また、顕著な被害は報告されていないが、今のうちに手を打っておこうと、中央アルプスの山麓、西山地域での捕獲に初めて取り組む。報告によると、有害鳥獣による21年度の農作物への被害は、290トンで20年度に比べて78トン増え、被害額は、4,100万円に上った。捕獲量は、ニホンジカが595頭、イノシシは182頭、ニホンザルが94匹などとなっていて、いずれも前の年を上回っている。被害をもたらす鳥獣は、シカ、イノシシ、ハクビシンの順となっている。委員からは、平成21年度、6,000万円をかけた防護策の整備事業について、効果の検証を求める意見もあった。

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(空気銃で猫撃った容疑で61歳逮捕:石川)
内灘町でけがをした飼い猫の体内から金属製の銃弾が見つかった事件で、津幡署は1日、同町大清台、会社員本忠雄容疑者(61)を銃刀法違反(発射制限違反)と動物愛護法違反の疑いで逮捕したと発表した。逮捕は6月30日。発表などによると、本容疑者は同月24日午後11時頃、自宅近くの駐車場で、同所の無職氷見山秀夫さん(78)の飼い猫に、県公安委員会から許可を得ている競技目的以外で空気銃を発砲し、傷を負わせた疑い。調べに対し、「日頃から(発砲した)猫に敷地内に入られたり車の上に乗られたりして、腹が立っていた」と供述しているという。氷見山さんは25日午前8時頃、自宅2階の寝室で、メスの三毛猫「ミケ」がぐったりとしているのを発見。銃弾で肺などを損傷していたが命は取り留め、手術を受けて現在は回復に向かっているという。
(山村は獣による農作物や苗木荒らしに…:奈良)
近年、山村は獣による農作物や苗木荒らしに悩んでいる。畑などの防護法を見るとどの獣かが分かる。トタン板をめぐらしてあればイノシシ、高い網やさくならシカ、上まで網で覆ってあればサルだ。先日、天川村のシイタケ栽培農家で乾燥シイタケを分けてもらった時、びっくりするような話を聞いた。この農家の天敵はサル。ほだ木から出たばかりの芽を摘まれるため、バレーボールのネットほどの目の網で覆っていた。ところが、中で干していた柿を親子のサルが狙い、目をくぐれる子だけが中に入って外の親にちぎった柿を渡していたという。目撃した奥さんは「本当に賢い。親孝行や」と驚嘆していた。

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(「絶滅種」ニホンジカ保護、岩手から越境か:秋田)
秋田県版レッドデータブックで「絶滅種」に指定されているニホンジカ1頭が29日、仙北市西木町小山田地区で衰弱した状態で見つかり、県鳥獣保護センター(五城目町)に保護された。前夜に秋田内陸縦貫鉄道の列車にはねられて負傷したとみられる。県にはここ数年、死亡個体の報告例や目撃例が寄せられており、生息域を拡大させている岩手県の個体が越境してきた可能性が指摘されている。秋田内陸縦貫鉄道によると、28日午後9時半ごろに下り列車(1両編成、乗客なし)が時速約60キロで八津駅の北約600メートル付近を走行中、異物と接触。緊急停止して運転士が車外を点検したところ、ニホンカモシカのような動物が線路脇に横たわっているのを確認した。翌朝、連絡を受けた市職員が現地を訪れた結果、カモシカでないことが判明。負傷してほとんど歩けなかったが生きていたため、午後に同センターの職員ら9人がネットで捕獲した。いったん秋田市の大森山動物園に運んで状態を確認したところ、出血はなかったものの内臓などの損傷が激しく、「重篤な状態」(同園)だった。シカは若い雄で、体長約1・5メートル、体重60キロ余。同センターで保護しているが、「搬送を終えた時点で、捕獲時よりもかなり衰弱していた」という。
(猿害「激甚地」を支援:京都)
京都府は、猿による農作物被害が深刻な地域を「サル激甚被害地」に指定し、防除のための特別支援を始める。猿を追い払うモンキードッグの養成や、猿の群れの接近を知らせる警報システムの導入にかかる費用を半額補助する。残りは市町村を含め地元負担。効果的な追い払い資材の作り方研修会も開く。6月の補正予算案で700万円を要求した。今年度は4地域を激甚被害地に指定する。
(カラス対策へ陳情書:青森)
弘前市の「カラス被害に憤慨する会」(高松宏之会長)は30日、カラスの個体数減少対策を求める陳情書を5758人の署名簿とともに同市に提出した。受け取った葛西憲之市長は、カラス対策を検討する連絡協議会を7月中に発足させる方針を明らかにした。同会は1月末に開いた「カラスのフン害に憤慨する会」の集会決議を受けて組織され、2月19日に市長と市議会議長あてに陳情書を提出。その後も3月末から5月末まで署名活動を行い、賛同者が5000人を超えた。同日、市長室を訪れた高松会長と今薫副会長に対し、葛西市長は「一歩踏み込んだ形で検討していきたい。ただ行政だけでは解決できない問題。一緒にやりましょう」と述べ官民による協議会を立ち上げる考えを示した。高松会長は「新幹線開業で観光客が相当来る。市と市民が一緒になって取り組んでいるという姿勢を見せることが大切だと思う。市長の応対からは一緒にやろうという姿勢が見え、(協議会発足も含め)大きな前進だ」と話した。

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