<射撃ニュース7月>

7/30
(ヤギ5匹、住宅街での大捕物:岐阜)
29日朝、岐阜市芥見の住宅街にヤギ5匹が現れ、警察官ら16人が2時間にわたって追い回す大捕物になった。岐阜県警岐阜中署が5匹を拾得物として保護。夜になってペットとしてヤギを飼っていた所有者が判明し、引き渡された。「メーメー」。午前5時ごろ、萩野十三子さん(36)が鳴き声に気付き、自宅窓から外を見ると5匹のヤギが屋根付き駐車場で雨宿りをしていた。夫の貴志郎さん(33)が110番通報した。駆けつけた岐阜中署員が駐車場のさくを閉めて飼い主捜しへ。ところが、同11時半ごろ、角でさくを押し開け、近くの草むらへ脱走。警察官や猟友会会員らが捕まえようとしたが、1匹は動きが素早く捕獲は難航。同署によると、飼い主は現場から約1.5キロ離れた同県各務原市の土建業の男性(60)。ヤギ8匹をペットにしており、5匹が逃げたことに気づかなかったという。
(農林業の鳥獣被害、16億400万円:長野)
県内農林業の2009年度の鳥獣被害額が前年度比2・1%減の16億400万円になったことが29日、県林務部のまとめで分かった。2年連続の減少=グラフ=で、同部は「被害の深刻な場所で対策が進み、防止効果が表れつつある」(野生鳥獣対策室)と分析する。県庁で同日開いた「野生鳥獣被害対策本部」で同部が報告。農業被害は前年度比1・3%減の9億6700万円、林業被害は3・4%減の6億3700万円と、いずれも2年連続で減少した。鳥獣別の被害では、全体の4割余を占めるニホンジカ被害が0・5%増の7億900万円となり、2年連続で増えた。ニホンジカに次いで多い熊は19・3%減の1億8900万円。イノシシが7・8%減の1億5700万円、猿が2・9%減の1億1800万円で続いた。一方、中型動物など「その他獣類」は11・8%増の2億1400万円。ハクビシンやネズミの被害が多く寄せられるようになり、広範な被害対策の必要性が浮き彫りになった。10広域別では、下伊那が4億5100万円で最多だったが、前年度比4・4%減。林業で木にテープを巻いて熊やシカの皮はぎ被害を防ぐ対策の効果が出た。下伊那に次ぐ佐久は13・3%増の2億7800万円、上伊那は6・5%増の1億8700万円だった。
(耕作放棄地、牛が救う:山梨)
耕作放棄地に肉牛を放ち、生い茂る雑草を食べさせる事業を、県が始めた。荒れた土地を農地に戻すことが目的で、えさ代をかけずに牛を育てることもできる「一挙両得」を狙う。効果があれば、畜産農家が希望する人に牛を貸し出す仕組み作りを本格化させる。緑の葉がうっそうと茂る甲府市右左口町の一画。かつて果樹農園や桑畑だったが、10年以上放置されたこの土地に27日、県立八ケ岳牧場の牛2頭が放牧された。1頭が一日に40~50キロの草を食べる。「人の手で整備したら、機械も金も時間も必要」と県西部家畜保健衛生所の桜井和巳所長は話す。景観を保ち、イノシシやシカの食害を減らす効果も期待できるという。この土地の所有者は、退職後に農業をするため、事業に参加した。周囲には、牛が逃げないように太陽光発電を利用した電気が流れる線がはられ、飲み水や牛の健康状態を定期的に確認するだけでよい。この日は、山梨市牧丘町北原地区にも2頭が放たれた。いずれも妊娠している繁殖用の雌牛だ。今回の放牧は10月下旬までの予定。桜井所長は「多くの人に放牧の効果を知ってもらい、農地の再生につなげたい」と話す。農家の担い手不足や高齢化で、県内の耕作放棄地は2005年時点で約3250ヘクタールに上る。県内の農地の約15%を占め、全国でも2番目に高い割合。「レンタル牛」は2010年度から2年間、県のモデル事業として実施する。取り組みが進むように無償で牛を貸し出す。事業が成功し、態勢が整えば、耕作放棄地を解消したい土地に一般の畜産農家の牛を貸し出す「レンタル牛バンク」を、13年度からスタートさせる計画だ。
(カモの親子名神高速を横断、一時50キロ制限:京都)
カルガモとみられる親子が京都市内の名神高速道路を歩いているのが見つかった。親ガモは飛び去り、子ガモが取り残された。京都府警が付近を一時50キロに速度規制し、子ガモは無事保護された。府警などによると、23日午後6時15分ごろ、通りがかった運転手から110番通報があった。カモの親子がいたのは、下り線の京都南インターチェンジ(京都市伏見区)から大阪方面に約600メートルの路肩付近。西日本高速道路の子会社のパトロール隊が駆けつけ、約11メートルの道路を横切って中央分離帯までよちよち歩いていた子ガモを捕まえた。緊張して震えていたという。小動物の保護活動をしている府警OBの有城覚(ありしろ・さとる)さん(66)が引き取った。「水辺への移動中に迷い込んだのではないか。元気にえさを食べています」。

TOPへ

7/29
(クマに男性襲われる:群馬)
二十八日午後四時ごろ、沼田市利根町大楊の国有林で、市内の男性会社員(68)がクマに襲われ、頭や胸などに重傷を負った。沼田署によると、男性は会社の同僚三人と木材の伐採作業を終え、帰る途中にクマと遭遇した。男性は携帯電話で会社の社長を通じて一一九番した。市農政課によると、今年はツキノワグマが多く出没、この日も合併前の旧沼田市域の北部で目撃情報が寄せられていた。
(クマにお仕置き・釈放:山梨)
富士吉田市のホテル敷地内の木に27日夕方から登ったままになっていたツキノワグマ1頭は、28日午前5時すぎに捕獲された。一晩続いたクマの捕獲劇に、ホテル側は「お客さんに危害がなかったのは何より」とほっとした表情をみせた。人を警戒する野生動物のはずだが、10日余り前に市街地で捕獲され、奥山に放されたクマが人里に舞い戻ってきた珍しい例だった。ホテルは富士急ハイランドに隣接する「ハイランドリゾートホテル&スパ」(同市新西原)。観光シーズンとあって、27日夜は約200人が宿泊していた。クマはチャペル横にあるヒマラヤスギの地上8メートル付近で一晩中座り込んでいたが、高所作業車から麻酔薬を入れた吹き矢を2回打たれて捕まった。3~4歳の雄、体長80センチ、体重37キロのこのクマは15日に富士河口湖町船津の天上山にかけられたワナに捕まり、全地球測位システム(GPS)発信機をつけられて16日、三ツ峠山の人が立ち入りにくい地域に放された。だがそこから直線距離で10キロ近く離れた同市内で27日午後に姿が目撃された。捕獲に動いた同市や富士吉田署、地元猟友会を翻弄(ほん・ろう)する形でホテル敷地に逃げ込んでしまった。ホテル沿いの国道139号を閉鎖する事態にもなったため、同市農林課によれば一時は射殺も検討。だが半径200メートル以内にホテルなど大勢の人が出入りする場所があるため断念した。クマの登った木の周りにネットを張って、約40人が徹夜で張り番をした。吹き矢を打った県環境科学研究所(同市)の吉田洋研究員によれば、クマは麻酔をかけられた後、ドラム缶ワナの中で寝息を立てて眠っていた。学生時代からクマの生態を研究している吉田さんは「こんなクマは初めて」と話す。捕まった後も人里を恐れない行動は「神経の太さ」とも関係があるようだ。ただ「人を恐れないクマの発生は警戒する必要がある」としている。人に危害が及ぶ危険性が高まるため、クマの元々のすみかである奥山の生態系の変化などに注意する必要があるという。「今回は人もクマも無事でよかったです」と吉田さんは語った。クマは眠りから覚めた後、間近で爆竹を3回鳴らされ、唐辛子入りスプレーをかけられた。「人の怖さ」をたっぷり教え込まれ、午前10時ごろに野生動物の暮らす富士山3合目付近で放された。GPS発信機の表示によれば一目散に奥山に入っていったという。
(クマ目撃件数急増:滋賀)
今年4月以降県内で目撃されたツキノワグマの頭数は28頭で、「大量出没年」とされた平成18年度同時期の13頭をはるかに上回っていたことが28日、県のまとめでわかった。春先の天候不順でエサが少なくなっていることなどが原因とみられる。27日には大津市内で男性作業員が襲われ、軽傷を負う事件も起きており、県では山間部に近い住宅地などでは警戒するよう呼びかけている。県によると、18年度の1年間で目撃されたクマは229頭で、計4人が襲われけがをした。今年のペース増加は、昨年秋、ブナ、ナラのどんぐりなど山間部のエサが豊富で、食物を摂取しない冬眠中に死ぬ頭数が少なかった一方、春以降は逆に天候不順でエサが減ったため、集落の近くに出没しているとみられるという。さらに6~7月は子グマが独立するほか、若いクマが縄張りを広げるなどするため、活動が活発になる時期に重なり、人里近くまで活動範囲を広げているとみられる。
(トウモロコシ数百本、クマが食い荒らす:秋田)
28日午前6時ごろ、鹿角市十和田末広の畑で、トウモロコシ約100本が踏みつぶされたり、食べられたりしているのを畑を所有する女性(66)が見つけ、鹿角署に通報した。近くに熊の足跡が残っていたという。27日には大館市川口の畑で約120本、同市比内町笹館の西館保育園近くの畑で園児が育てていたトウモロコシ約10本が被害に遭った。黒田辰子園長の話では、園児たちは5月末に祖父母らと一緒に苗を植え、草むしりなどをしてきた。「食べられちゃった」とがっかりしているという。大館署によると、いずれも近くに熊の足跡があったという。
(シカ食害が過去最高:広島)
ニホンジカによる広島県内の農作物被害額が2009年度、記録が残る1991年度以降で最大の7700万円に達したことが分かった。県は、民家や農地との緩衝帯の役目を果たしてきた里山が荒廃しているうえ、暖冬傾向で冬場に死ぬ数が減り、頭数が増加したことも一因とみている。県農業技術課の調べでは、00~07年度のシカの食害による被害額は、2千万~3千万円台で推移。08年度に5700万円まで拡大し、09年度は7700万円になった。市町別の被害額は、安芸高田市が3500万円と最も多く、東広島市が1400万円、広島市が1100万円と続く。特に東広島市では、08年度の600万円から2・3倍に急増した。全域で水稲の被害が目立つという。シカは広島市安佐北区、東広島市、安芸高田市にまたがる白木山系や竹原市一帯に多く分布する。山すそに民家や農地が広がる地域だ。02年度の県の調査で9754頭だった県内の推定生息数は、07年度は2万2567頭に増えた。県自然環境課は「高齢化で里山の手入れができなくなり、シカが人里に下りやすくなった。暖冬で死ぬ数も減り、繁殖が進んだ」と分析する。暖冬で冬場に餌が確保しやすくなり、体力の消耗も少なくなったのが要因とみられる。
(シカの食害対策へ部会設置:鹿児島)
屋久島世界遺産地域科学委員会は28日、鹿児島市で本年度1回目の会合を開き、屋久島の世界遺産地域(約1万ヘクタール)で深刻なヤクシカの食害対策を協議する作業部会を設置した。同委員5人と外部専門家3人の計8人で構成。適正な密度・個体数の目標を設定し、捕獲法や植生回復について検討する。同委員会によると、島内のヤクシカの推定生息数は約1万2000~1万6000頭。世界遺産地域では、西部が特に多く、被害がより深刻だという。作業部会は9月以降、生息数や被害の現状を確認し、対策を検討。同委員会は、ユネスコ世界遺産委員会で屋久島の保全状況を報告する2012年を目標に、環境省などが改定作業中の世界遺産地域管理計画に対策を盛り込む。同委員会は、屋久島世界遺産地域の適正な管理に科学的な助言を得るため、環境省や林野庁などが2009年度設置。大学教授ら14人で構成する。
(オオカミ復活でシカ駆除を)
森を荒らすまでに増えたシカを捕食してもらい、生態系の回復につなげようと、NPO法人日本オオカミ協会が、100年前に絶滅したオオカミの復活を提唱している。今年から国への要望を募る初の全国署名も始めており、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で焦点となる生態系保護の論議へ一石を投じそうだ。国内で絶滅が確認されたニホンオオカミやエゾオオカミは、北半球に広く生息するハイイロオオカミの一種。協会は、シカ被害に悩む地域の理解を得た上で、中国やシベリアから10頭ほどの群れ単位で移入し、森へ放すことを目指している。シカ被害は、各地で深刻化。人里付近に出没して作物を食べたり、植林した木の表皮をはいで枯らしたりする農林業被害が続出。三重県と奈良県にまたがる大台ケ原や、群馬県などの尾瀬をはじめ、自然公園でも希少植物の群落が掘り起こされ、天然林が一面立ち枯れするなど、生態系の荒廃をもたらす。シカの増加は、温暖化で越冬しやすくなったほか、狩猟者が高齢化して減ったことなどが影響している。同協会では、これらに加え「森の食物連鎖の頂点にいるオオカミがいなくなり、生態系にひずみがでている」と話す。日本同様にオオカミが絶滅した米国では1990年代に、オオカミを復活させている。カナダから運んだ60頭余をイエローストン国立公園へ放つと、新芽や水辺の植物を食い荒らして異常繁殖していたシカが激減。野生化したオオカミは一部でウシやヒツジなどの家畜も襲うものの、シカに食い荒らされていた水辺の木々を食物にするビーバーなどが増え、森の多様性がよみがえった。海外での実践例を基に、協会の丸山直樹会長(67)は「狩猟でシカの数を調整しようとしても、山奥での狩猟は難しく、オオカミによる自然調節に委ねるべきではないか。国が繁殖させるトキやコウノトリと同じように、オオカミを位置付けるべきだ」と提案する。ただ実効性には疑問の声も上がる。財団法人自然環境研究センター(東京都)で、シカ対策を手掛ける常田邦彦研究主幹は「爆発的に増えたシカを、オオカミだけで減らすのは無理がある。米国の例は、あくまで自然復元が目的で、エリアも広大。自然の多くが開発で分断された日本では、家畜や人への危害を加えるおそれも増し、オオカミ管理は容易ではない」と指摘する。
(クマが運転?車40メートル暴走:アメリカ)
米コロラド州でクマが無人の車に入り込んでクラクションを鳴らし、車を約40メートル走らせて茂みの中に突っ込む騒動があった。クマは車中にあった食べ物を狙い侵入、体がシフトレバーに当たってニュートラルの位置になり、坂道をバックで走行したとみられる。車は2008年型のトヨタ・カローラ。持ち主のベン・ストーリー君(17)によると、車内後部座席に、ピーナツバターのサンドイッチなどの甘い物を残していたため、クマがそれを食べようとして車に乗り込んだ可能性が高いという。車のカギはかけておらず、コロラド州野生動物局の担当者は「クマは賢いので、この辺では食べ物を求めて無人の家に入ることもある。よくある話です」とコメントしている。茂みに突っ込んだ後、車のドアが開かなくなり、クマは車内にしばらく閉じ込められるハメに。あまりの不運に激怒したのか、それとも出口を探して暴れたのか、窓は割られシートはボロボロ、しかも“フン”までされていた。保険会社は損害額を見積もるため事故の調査を始めたが、車は全損状態という。通報を受けた警察が危険を避けるため、離れた所からロープで車のドアを開けると、クマは森の中へと逃亡したという。
(クマに襲われたカナダ人女性、「死んだふり」で命拾い:アメリカ)
イエローストーン国立公園にも近い米モンタナ州ギャラティンのキャンプ場で28日未明、男女3人が野生のクマに襲われたが、そのうちの1人は「死んだふり」をして命拾いした。1人が死亡した今回のクマ襲撃で助かったのは、カナダからの旅行者デブ・フリールさん(58)。テント内で就寝中、クマにかまれて目が覚めたという。搬送された病院のベッドで電話取材に応じ、恐怖心と戦いながら危機を切り抜けた当時の様子を語った。最初は「一瞬のうちにクマの歯が腕に食い込むのを感じ、骨が折れたのが聞こえた。悲鳴を上げたが、それがクマを怒らせたらしく、さらに歯を食い込ませてきた」という。「それで死んだふりをしようと決めた。ぬいぐるみ人形のように、すべての筋肉をだらりとさせた」と話した。パニックと戦いながら落ち着きを失わなかったことが、生死を分けるカギだったようだ。フリールさんは、体をリラックスさせるとクマのあごからも力が抜けるのが分かり、間もなく「自分を離して歩き去った」と説明。その試練は35─40秒間の出来事で、隣のテントで寝ていた夫でさえ気づかなかったという。初めて訪れた地で遭った災難だったが、キャンプの経験が豊富なフリールさんは「クマを恐れてはいない。敬意を持っている」と語っている。

TOPへ

7/28
(跳ねた散弾が当たり軽傷:長崎)
27日午前8時半ごろ、長崎県松浦市福島町の県道で、タヌキのような動物を駆除するため、地元猟友会の男性(77)が散弾銃を2発撃った際、鉛製の散弾の一部が側溝のふたで跳ね返り、近くにいた70代の夫婦に当たった。2人は2週間のけが。松浦署によると、動物をふた付きの側溝に追い込み、ふたに開いている穴に向けて散弾銃を撃ち込んだという。夫婦は駆除を手伝うため、棒でつつくなどして動物を猟友会の男性に近づけようとしていた。夫(73)は約9メートル、妻(72)は約5メートル離れた場所にいたという。動物は逃げたため、種類は分かっていない。
(銃刀法違反容疑で男2人逮捕:香川)
丸亀署は27日、銃刀法違反(空気銃の不法所持)の疑いで、香川県丸亀市飯山町東坂元、会社役員山下康三(56)と高松市国分寺町福家、無職田村俊介(48)の両容疑者を逮捕した。2人の逮捕容疑は7月5日午後2時45分ごろ、県公安委員会の許可を受けずに、丸亀市内の路上でそれぞれ空気銃を所持していた疑い。同署が銃の入手経路などを調べる。
(富士急ハイランド付近のクマ、吹き矢命中し捕獲:山梨)
絶叫マシンで人気の山梨県の「富士急ハイランド」のホテルの敷地内に体長1メートルのクマが現れました。クマは追われて木に登り、高さ10メートルほどの枝に一晩中居座り続けましたが、最後は職員が作業車に乗って麻酔のついた吹き矢を命中させて捕獲しました。27日午後4時ごろ、富士吉田市の富士急ハイランドのホテルの敷地内で、木に登ったまま降りてこないクマが見つかりました。市によると、クマは体長約1メートルの雄のツキノワグマで、2週間前に付近の山で捕獲され、生態調査のための発信機をつけて山に戻されていました。山梨県環境科学研究所・吉田洋研究員:「(Q.途中の目撃情報は)道路を歩いているとか、屋根のあたりにいるとか」「戻ってきても不思議ではないですが、市街地に入ってくるのは異例です」夜になってもクマは木から降りず、28日午前5時ごろ、県の研究員が麻酔のついた吹き矢で眠らせて捕獲しました。クマは再び富士山に戻されたということです。
(白昼の住宅団地でイノシシ大捕物:鹿児島)
26日午前11時40分ごろ、鹿児島市武岡5丁目の市営住宅住民から「団地内にイノシシがいる」と110番通報があった。鹿児島西署員が出動、付近住民らと協力し、約1時間後に無事捕獲した。イノシシは同日午後、市内の山に返した。イノシシはメスで体長約90センチ。署員が、不審者を取り押さえる時に使う「さすまた」で捕獲を試みたがするりとかわされ、団地の敷地内を逃げ回った。最後は住民ら15人が路地に追い込み、ごみ置き場のネットを使って「御用」となった。捕獲作業に加わった近くの無職高橋正幸さん(74)は「人慣れしていて、おとなしかった。今は夏休みで子どもが多い。牙があるオスでなくて良かった」と話した。
(ツキノワグマに襲われ男性けが:滋賀)
27日午後1時ごろ、大津市和邇北浜の山林で、林道整備作業をしていた男性作業員(50)が、ツキノワグマに襲われ、胸や両手に軽傷を負った。県によると、クマは体長約1・6メートル。男性はクマにひっかかれたが、頭をたたくと山中に逃げたという。また同日午後5時ごろには、長浜市法楽寺町で、体長約1メートルのツキノワグマ1頭と、体長約40センチの子グマ2頭が農道をわたり山林に入っていくのを、住民が見つけ市に通報した。県によると、今年4月から今月27日までの県内のクマ目撃頭数は、今回を含めて28頭。
(クマ、相次ぎ農作物食い荒らす:秋田)
スイカが食い荒らされたのは羽後町床舞の畑です。26日、収穫前のスイカ5個が割られて、果肉が食べられているのが見つかりました。スイカに残された爪痕から、クマが畑に侵入したものとみられます。畑にはタヌキの侵入を防ぐため、高さ1メートルほどの柵が設置されていました。しかし一部が押し倒され、鉄製のパイプも折り曲げられてしまっていました。この畑では去年8月にも収穫前のスイカおよそ30玉が食い荒らされたほか、授粉用のミツバチの巣箱も破壊されていたといいます。一方、大館市の畑では27日午前5時ころ、収穫前のトウモロコシがクマに食い荒らされているのが見つかりました。被害は3か所の畑で合わせて120本余りにのぼっています。農家の人の話しによりますと、現場の畑には2種類の足跡が残されていて、親子でトウモロコシを食べに来たのではないかと見られています。現場は国道沿いの畑で民家もあることから、警察で警戒を呼びかけています。
(イノシシ対策に牛放牧:山口)
サルやイノシシによる農作物被害を防ごうと、山口市仁保地区の農家などでつくる仁保地区鳥獣被害対策協議会は27日、地元の耕作放棄地に肉用牛2頭を放牧した。牛が山際の草を食べることで見通しの良い緩衝エリアができ、サルやイノシシが侵入しにくくなる効果を狙う。耕作放棄地で牛を育てる「山口型放牧」を鳥獣被害対策に活用する試みで、今年で3年目。牛は山口県農林総合技術センターから借り受け、水稲や夏野菜の収穫が終わる10月まで耕作放棄地を移動しながら放牧を続ける。協議会長を務める地元の農業山本道歩さん(76)は「この2年間、牛がいる間はサルが出ていない。今回もサルやイノシシの被害が減ってくれれば」と期待する。県農林総合技術センターによると、2009年度の仁保地区のサルによる農作物被害は約30万円。放牧などの対策により04年度比で約10分の1という。
(電気柵でエゾシカ撃退:北海道)
絶滅の恐れがある高山植物などをエゾシカの食害から守るため、夕張市と上川管内南富良野町にまたがる夕張岳(1668メートル)に電気柵を設ける対策の概要が固まった。太陽光発電を使い、8~9合目(1400~1500メートル)にある2カ所の群落をそれぞれ囲ってシカを追い払う。道などが8月中にも設置する。道や大学教授らで4月に発足した「エゾシカネットワーク」が設置を検討していた。二つの群落は広さ1ヘクタール弱と300平方メートル程度。絶滅危惧(きぐ)種に指定され、6~7月にピンク色の花が咲くユウバリコザクラやユウバリソウ、タカネエゾムギなどが自生しており、国の天然記念物になっている。電気柵は高さ1メートル60~70センチの支柱を5メートル程度の間隔で設置し、電流を通すステンレス製の5本のワイヤでつなぐ。ソーラーパネルで発電した電気を蓄電し、夜間でもシカがワイヤに触れると電流が流れ、ショックを与える仕組み。柵の総延長は2カ所で500メートル余り。資材費用は約80万円で、半額の40万円を国の補助金でまかなう。道によると、栃木県日光白根山で高山植物のシラネアオイをニホンジカの食害から守るため電気柵が設置されているが、道内では初の取り組みという。道は「1~2年成果を見守り、効果があれば、高山植物が被害にあっている他地域にも手法や技術を広めたい」(環境生活部)としている。
(獣害対策のフェンス130キロへ:三重)
三重県伊賀市で、シカやイノシシの農作物被害を防ぐため、総延長130キロのフェンスを張り巡らせる計画が進んでいる。山と里の境目を隔てる工事の現場では、限られた予算の中でできるだけ長いフェンスを設置しようと、住民が自ら汗を流す。今年度中には、獣害が深刻な地区のほぼすべてを柵で囲える見込みだ。荒れた山と隣接する農地が多い比自岐(ひじき)地区では、7月から連日、30人が5班に分かれて水田を囲むように高さ2メートルのフェンスを次々と立てていく。農家約120戸が合計140ヘクタールを耕す同地区ではこれまでに合計16キロが完成した。フェンス1メートル当たりのコストは1700円。
(マネキンかかしでカラス撃退:三重)
伊賀市木興町の大豆畑に、マネキン人形をリサイクルした“マネキンかかし”が登場した。同町内の大豆畑には計約50体以上のかかしが林立し、通り掛かりの人たちの目を引いている。マネキン人形は、同町内の農家が洋品店などで不用になったマネキン人形を譲り受け、リサイクルのセーターやズボンなどを着せている。同町の農家は減反対策として、大豆栽培をしており、大豆の芽が出始める時期を前に、かかしを備え付け、カラスやハト、スズメなどの被害を最小限に抑えようとしている。マネキンだけにかかしは端正な顔立ち。「面食いのカラスやスズメが寄ってくるのでは」と苦笑する人もいた。

TOPへ

7/27
(銃部品密輸事件、3人逮捕:愛知)
銃愛好家グループによる銃部品の密輸事件で、愛知県警薬物銃器対策課と中村署、警視庁などは26日、外為法違反の疑いで同県豊橋市西口町、ミリタリーショップ経営、坂柳芳隆容疑者(61)ら3人を逮捕したと発表した。県警は、同グループが小銃などの部品を組み立てて、完成品を全国の愛好家らに販売したとみて調べる。逮捕はほかに、静岡県湖西市新所、同店店員で坂柳容疑者の次女荒木留衣(34)、愛媛県西条市小松町、同市消防本部職員越智盛久(46)の両容疑者。逮捕容疑では、3人は共謀の上、昨年9月、機関銃の連続発射のための部品(オペレーティングロッド)1個を、国の承認を得ずに米国から国際郵便で輸入したとされる。容疑について、坂柳容疑者は「たくさん輸入したので、どのことなのか分からない」、荒木容疑者は「父に言われてやっただけで悪いこととは知らなかった」と供述し、越智容疑者は認めている。県警によると、坂柳、越智両容疑者は銃の愛好家同士で、インターネットを通じて知り合い、越智容疑者が米国側に部品を注文する役割だった。郵便小包のあて先は坂柳容疑者で、箱の品名は「ギフト」となっていた。県警は昨年5月、名古屋税関から「(坂柳容疑者が)小銃の部品のようなものを大量に輸入している」と情報を受け捜査を始めた。県警によると、坂柳容疑者は豊橋市内で20年以上前からミリタリーショップを経営。一昨年2月から小銃の引き金やばねなど、各種部品を輸入していたとみられるという。県警などは同日、全国で数十カ所の関係先を家宅捜索。一部では銃のようなものも押収しており、殺傷能力などについて鑑定する。
(家宅捜索先の男性が拳銃自殺か:東京)
26日午前9時ごろ、東京都町田市野津田町の民家で、警視庁組織犯罪対策5課の捜査員が家宅捜索に入ろうとした際、2階で「パーン」という音がし、住人の会社員の男性(43)が血を流して倒れているが見つかった。男性は病院に運ばれたが、間もなく死亡が確認された。警視庁によると、男性のそばには改造銃のようなものがあり、頭を撃って自殺を図ったとみられる。
(クマ目撃26%増、春の低温が影響か:北海道)
道内でのヒグマの目撃件数が、今年1~4月は前年同期比で3割減だったのに対し、5月以降(7月20日現在)は同26%増の293件と急増していることが、道警のまとめで分かった。専門家は春の低温の影響を指摘している。人が襲われて死亡する事故も2件発生しており、道警は注意を呼びかけている。道警によると、ヒグマの目撃件数は1~4月が同36%減の42件。5月以降の増加の影響で、20日までの今年の累計は335件、同12%増となっている。2006~09年の目撃件数と比較すると、1~4月の目撃件数は過去4年間の平均の54件を下回ったが、5~7月では、平均の248件を大幅に上回っており、例年に比較しても今年のヒグマの出没時期は遅い。5月下旬には、胆振管内むかわ町で山菜採り中の男性(73)が襲われて死亡、6月上旬にも帯広市で女性(66)が襲われて亡くなった。
(カラス対策に一丸:青森)
弘前市中心部で問題となっているカラスのふん公害について検討する市カラス対策連絡協議会が26日、弘前文化センターで開かれた。市の調査では市内には推定2500羽から2700羽のカラスがいるとみられ、市街地のねぐらを転々と移動している。協議会ではカラスの生態や対策について意見を交換。市は8月下旬に被害の多い町会と意見を交わし、10月以降に開く2回目の協議会で関係者が一丸となって解決策を検討する。協議会の開催は6年ぶり。行政と学識経験者、市中心部の町会代表者、商業関係者ら約30人が出席した。会議では市のカラス対策の経緯や2009年と10年の冬期間に行ったねぐら調査の結果を報告した。ねぐら調査では09年にはカラス2700羽、10年には2500~2700羽を確認した。カラスの集団は09年1~3月の調査では鍛冶町から市立病院周辺、弘前大学周辺などを移動。同年10月から翌年3月中旬にかけて行った調査では、弘前公園東側から弘前大学医学部附属病院周辺へと移動するなど、ねぐらは市街地にあると推測されるが、その動向には規則性が見られない。ただ、夕方に農村部から市街地に移動してねぐらで過ごし、朝になると市街地やごみの収集所、農村部に移動するパターンは変わらないとの調査結果が報告された。会議ではひろさき環境パートナーシップ21自然環境グループリーダーの村田孝嗣さんが「カラスの繁殖場所は津軽広域にわたっている。冬ねぐらといって冬期間に集団化する」とカラスの生態を解説した。また、弘前大学農学生命科学部の城田安幸准教授は「東京都で大規模な捕獲・駆除を行ったが、他地域から別のカラスが移動して効果が薄かった」とし「カラスを移動させるにはレーザービームが有効だが、最終的な落ち着き先の確保が課題」と指摘した。百石町振興会の今薫会長は観光へのマイナスを懸念。「市中心部にカラスが居にくくなる状況をつくることが必要。商業者をはじめ産官民が一緒になって対策を講じる必要がある」と話し、カラス被害に憤慨する会の高松宏之会長も「駆除・捕獲は教育の面からも難しいと思うが、できることから各町会が協力し合い、具体的な行動を起こす必要がある」とした。協議会座長の野悟弘前環境管理協同組合理事長は「被害に遭っている状況を最大限軽減するため、民間と行政が共にできることを考えたい」と話した。

TOPへ

7/26
(ヒトデで猿を退治できるか:京都)
農家が野生の猿に農作物などが荒らされる被害に悩む京都府宇治田原町は23日、同町奥山田の畑2か所で、猿などが嫌うにおいを発する、ヒトデを原料にした忌避剤の利用に向けた実験を始めた。半年ほど様子を観察し、効果が認められれば、全町で導入することを検討する。町によると、町内には2グループ計約120匹の猿がいるとみられ、農作物の被害は2009年度、柿やシイタケ、芋、タマネギなどで160万円に上り、鳥類と並び、シカに次いで多い。人家に侵入され、仏壇の供え物を盗まれるなど統計に表れない被害もあり、実態はより深刻という。これまで、町や住民らは、オリの設置、爆竹を使って追い払う、畑を網で覆うなどの対策をとってきたが、猿は追い払う人がいなくなれば荒らしに訪れ、網は傷んだところを破るなどし、対策は難しいという。忌避剤は、ヒトデを塩抜きして乾燥、粉砕したもので、魚介類の干物のようなきついにおいがする。取り扱い業者によると、すでに各地で使われており、シカやイノシシ、カラス、ゴキブリなどに対し、効果があったという。原料は自然の素材なので土壌汚染の心配はないとしている。実験は、久御山町内の業者が、忌避剤の無償提供を宇治田原町に申し出て実現した。この日は、役場職員や業者ら約10人が、畑を網で覆ったハウス、露天の畑の2か所で、忌避剤約80キロを布袋に入れてつり下げたり、周辺にまいたりした。同町産業振興課は「猿はほかの動物に比べて頭がよく、対策に悩んでいたが、忌避剤で畑に寄りつかなくなるのを期待する」としている。
(大規模な囲いわな設置、シカ大量捕獲へ:和歌山)
和歌山県古座川町鳥獣害防止対策協議会(広畑幹朗会長)は、食害をもたらすシカを大量捕獲できないかと、同町三尾川に大規模な囲いわなを設置し、試している。同協議会は「なんとか成功させ、町内に普及させたい」と話している。同町内では以前から水稲や野菜、ユズ、シキミなどがシカの食害に遭っている。同協議会が2009年度に町内でシカの生息調査をした結果、農作物に被害が出るとされる匹数が居たことなどから、大量に捕獲する方法を検討することになった。兵庫県森林動物研究センターが作成したわなを参考に、縦16メートル、横16メートル、高さ2メートルの囲いわなを作った。直径3~4センチの支柱を12本設置してシカネットを張ったもので、シカが中に入れば、ロープを引っ張って入り口上部の丸太を落とし、閉じ込める仕組みになっている。6月、同協議会や県猟友会東牟婁支部古座川分会、町役場などから15人が参加し、同町三尾川の上田卓男さん(79)宅の敷地内に設置。猟友会の会員が餌付けのため、2日に1回のペースでカズラの葉やササの新芽、ぬかなどをわなの中に置いている。いまのところ、食べた形跡はあるが、確認に行った時にわなの中にシカが居たことがなく、捕獲できていないという。上田さんによると、網を張ったり電気柵を設置したりしてもシカに侵入され、柿やナシ、サクラ、梅などが被害に遭っている。苦労して50年ほど育てたヒノキも皮をはがれ、商品価値がなくなるなどしており「敷地内で多い時には、一晩に15~20匹シカを見た。警戒心が強いため、わなの近くまで来てもなかなか入らない。試作がうまくいってほしい」と話している。同協議会事務局の町産業振興課は「一度にたくさん捕獲できれば効率が良い。簡易に設置できるので、うまくいけば町内に普及させたい。地域ぐるみで行えば、対策を推進するきっかけにもなるし、協力することで費用も安く済むと思う」と話している。町は本年度から、有害鳥獣駆除でシカを捕獲すれば、1匹につき、銃器による捕獲で報償金1万円、わなによる捕獲で6千円を支給している。
(用水路に落ちたシカ、救出失敗:北海道)
北海道ではシカが用水路に落ちて上がれなくなり、消防隊が駆けつける一幕がありました。田んぼの用水路の中を泳ぎまわるのは雄のエゾシカ。誤って水の中に落ちたのか、自力ではい上がろうとしますが、ひづめが滑ってうまくいきません。農作業をしていた人たちも心配そうに見守りますが、シカはどんどん下流に流されていきます。消防隊が救助を試みますが、シカは警戒して投げたロープを外してしまいます。2時間半以上たってシカは引き揚げられたものの、救助の途中で死んでしまったということです。
(ジビエ工房に各地から視察殺到:北海道)
日高川町が5月末に船津地内に開所した有害鳥獣食肉処理加工施設「ジビエ工房 紀州」に、県内外からの視察が殺到している。狩猟グループらが捕獲したイノシシやシカの肉を食用として利用するために解体処理、加工する施設で、農作物被害が深刻な鳥獣害対策への切り札的事業。行政主導のこのような施設は全国的に珍しく、鳥獣害対策に頭を悩ませる他の中山間地域から期待と注目を集めている。農家の生活基盤を揺るがし、労働意欲までも奪ってしまう農作物への鳥獣被害は、全国の多くの地域で深刻な問題となっている。各自治体ともさまざまな対策を講じているものの、期待しているほどの効果は得られておらず、頭を悩ませている状況。そんな現状の打開策を模索する上で、わらにもすがる思いで日高川町まで足を運んでいる。これまで視察には、同様の施設開設を控える田辺市を皮切りに、すさみ町議会、那智勝浦町農業委員会が訪問。22日には初めて県外から、京都の宇治田原町議会総務産業常任委員会が訪れた。同町は府内南に位置する中山間地域の町で、宇治茶の産地として有名。鳥獣による被害が深刻で、特にシカについては茶葉の新芽を食べることから主幹産業を脅かす問題となっており、シカネットや電柵を設けているが効果は上がっていないという。この日委員らはジビエ料理を味わったあと、施設を見学。各種機器を取りそろえた各室を見て回り、前処理室では獣肉の取り扱いに詳しい北岡悟さんがシカを使って獣肉の処理方法や衛生管理上の注意点など説明。続いて町職員が施設開所に至るまでの経緯と取り組みを紹介した。委員らは、現状の打開につながればと説明を熱心に聞き入り、食肉としての流通の問題や他の鳥獣害対策、獣肉の取り扱い方などで質問した。今西久美子委員長は「被害が拡大しており、何とかしたいという思いから訪れたが、いい取り組み。狩猟者数が少ないわが町では難しいかも知れないが、可能であれば執行部へ提案してみたい」と話していた。今後も28日に有田川町議会、29日に広島県安芸高田市議会、来月には兵庫県三田市議会をはじめ、福井県の嶺南広域行政組合などが訪れることになっており、鳥獣害対策先進地として注目されている。間もなく猪谷の施設も開所するが、取り組みはスタートしたばかり。獣肉は現在、町内の産品所で販売しているが、将来的には温泉宿泊施設で地元特産料理として利用客に提供するほか、近年高級ジビエ料理として人気が高まっていることから町外のホテルでの需要も視野に入れている。需要の促進と販売ルートの確立、それに見合うだけの獣肉が確保できるかどうかが今後の課題で、県内外から取り組みの成果に期待が集まっている。
(ライフル射撃協会、警察庁に規制緩和を要望へ)
日本ライフル射撃協会は24日の理事会で、昨年12月に施行された改正銃刀法の影響で高校生の競技者が部活動で空気銃を撃つために新たな資格手続きが必要になったことを受け、規制緩和を求めて警察庁に要望書を出す方針をまとめた。全国で銃を使った事件が相次ぎ、改正銃刀法では14歳以上18歳未満の年少者に対する空気銃の許可要件が厳格化され、高校の競技会にも影を落としている。日本協会の三野卓哉事務局長は「高校の部活動から現場の声を反映させた要望を警察庁に伝えたい」と話した。
(クマに襲撃され、73歳女性けが:石川)
23日午前6時半ごろ、金沢市北陽台2の市道で、同市薬師町の女性(73)が倒れているのを、通りかかった男性が発見、119番通報した。女性は「クマに顔をたたかれた」と説明。頭部から左のほおにかけ引っかかれたような傷を負うなど重傷とみられる。金沢東署の調べによると、女性はジョギングをしていたら、突然、クマが現れ、襲われたという。クマは直後に逃げたという。大きさや性別は不明。地元の猟友会と協力し付近を捜索している。現場はJR金沢駅から東に約5キロの山間部にある新興住宅地。最近、周辺では、たびたびクマの目撃情報があるという。
(クマに襲われ男性けが:鳥取)
23日午前4時40分ごろ、鳥取県若桜町つく米の民家近くで、新聞配達をしていた同町若桜、横山勝美さん(64)がクマに襲われ、左腕と顔にけがを負った。病院に搬送されたが命に別条はないという。郡家署によると、横山さんが歩いて配達する途中、民家の裏から出てきた体長約80センチのクマに遭遇。クマは覆いかぶさるように襲ってきて、倒れた横山さんの顔を前脚で殴ったという。横山さんが大声を上げて暴れるようなしぐさをすると、クマは民家裏の林へ逃げた。近くの氷ノ山自然ふれあい館「響の森」では被害情報を受け、館内掲示板などで注意を呼び掛けた。スタッフの岡田珠美さんは「この付近はクマの生息地。夕暮れから早朝にかけて遭遇しやすいので、鈴やラジオなど音が出る物を携帯してほしい」と話している。県公園自然課によると、クマが人を襲う被害は2004年に旧八東町と旧船岡町で発生して以来6年ぶり。若桜町は、防災無線で町内全世帯に注意を呼び掛けたほか、猟友会若桜支部がおりを仕掛けて捕獲する準備を進めているという。
(登山道にクマ、襲われてけが:山梨)
25日午後0時50分ごろ、上野原市川合の高柄山の登山道で、1人で登山に来ていた埼玉県所沢市東所沢3丁目、アルバイト池田和峰さん(39)がクマに襲われた。池田さんは右腕や左ほおをかまれたり引っかかれたりして、病院で治療を受けた。上野原署によると、襲ったクマは体長約150センチ、体重約80キロ。池田さんが大声を出すと、山の中に逃げていったという。同署は防災無線で住民に注意を呼びかけた。上野原市は26日、看板を登山道に設置して登山客に注意を促すという。
(「シカやサルに荒らされ、農業やっていけない」:京都)
府内の農林業者や府職員、研究者らが17日、農業に深刻な被害を与えている有害鳥獣問題について考えようと「京都府有害鳥獣問題研究会」を設立しました。京都市中京区で設立総会が開かれ、各地の有害鳥獣被害の実態が出されました。代表に選ばれた上島裕氏(NPO法人やましろ里山の会顧問)は、「シカやサルなどが田畑を荒らし、京都府内で約7億円もの損害が生まれるなど深刻な状況です。イノシシや熊も各地で出没し、農作物被害だけでなく、人命に関わる問題となっています。よく研究し、鳥獣被害対策を考えていきたい」と述べました。府職員として10年以上鳥獣対策を現場で担当してきた、同会事務局長の安井昭夫氏(林業経営者)は、「京都府では近年、鳥獣被害額が大幅に増えている。このままでは農林業などを含めた地域の崩壊につながりかねない。多くの農林業者や研究者と、現状と課題解決にむけて活動していこう」と呼びかけ、調査研究の交流やフィールドワークを行うことなどの活動方針を提案しました。参加者からは、「これだけ田畑を荒らされたら農業はやっていけない」「シカは3メートルの網を乗り越え、猿は少しの隙間があれば畑に入ってくる。行政の支援や対応策を交流したい」「駆除したシカの処分にお金がかかりすぎる。シカ肉を売るルートや安定供給を検討すべき」などの意見が出されました。設立総会では、上島氏とともに奥村英一氏(元京都府農業総合研究所所長)を代表に選出しました。日本共産党の府議、市・町会議員らが参加しました。
(サルの被害、農作物荒らし全国トップ:三重)
ニホンザルが農作物を食い荒らす被害が、三重県で深刻だ。年間の被害額は1億5000万円に上り、全国トップ。南北に山々が連なって農地とサルの生息地の接する面が長いからだと推測される。高齢者が大半を占める山間地の集落では撃退策も功を奏さず、打つ手がない状況だ。「コメも野菜も全部やられちまう」。津市の市街地から車で20分ほどの片田地区で農業を営む丹生田(にうた)高雄さん(64)は「顔も見たくない」とサルを敵視する。コメや野菜、果樹を食い荒らす。「10年前まではサルが山から下りて来ることなんてなかった」。地区の獣害対策のリーダーとして「サルが出たぞ」の声を聞くたびに、エアガンやロケット花火を抱えて家を飛び出すが、お手上げ状態だ。農林水産省によると、2008年度の全国のサルの農作物被害は15億4000万円で、三重県はその1割。愛知県3800万円、岐阜県5400万円と比べて突出している。全国的に被害は減少傾向なのに三重県は06年度1億円、07年度1億2000万円と増える一方だ。三重県だけ被害が大きい理由ははっきりしない。県の調査では現在、50匹前後の群れが約130グループいるとされるが、隣接県との行き来は自由だし、群れの行動の実態は把握できず、三重県だけサルが多いとは言い切れない。地理的な要因として、県内には鈴鹿山脈と大台山系があり、長々と続く山ろくには古くからの農業集落が点在する。その高齢化に伴う集落機能の低下が顕著なことから、「人間との緊張関係がなくなったことが最大の原因」(県農山漁村室の担当者)と見るのが一般的だ。三重県は09年度から集落ぐるみの「追い払い作戦」に乗り出した。農家を中心とする対策協議会を各市町につくり、その担当者が各集落で防護柵の設置などを指導する。しかし、成果は上がっていない。そんな中、民主政権は10年度、年間28億円規模だった国の鳥獣被害防止総合対策を「事業仕分け」して2割カットした。「地域の実情を踏まえ、地方に任せるべきだ」との理由だ。三重県は国費で09年度、2億5000万円の対策事業を実施したが、10年度は約3割減らされた。三重県の担当者は「苦労して育てた野菜を収穫直前に奪われることが続けば、農家は気力を失う。獣害が原因で耕作を放棄した農家も出ている」と国の理解のなさを嘆く。三重大人文学部(地域社会学)の武笠俊一教授は「高齢者ばかりの集落にサル害対策を取る余裕はなく、サルに荒らされて農地を捨てる人が増えれば、さらにサルが出るという悪循環に陥った」と指摘。その上で「山間部の農地を集約化し、若手の担い手に任せるのも一つの解決策だ」と提案するが、「だれが担い手になるのかなど現実には簡単でない」と言い、明るい見通しを示せない。

TOPへ

7/23
(世界選手権代表に中山ら)
日本クレー射撃協会は22日、ドイツのミュンヘンで29日に開幕する世界射撃選手権の代表に、北京五輪トラップ女子4位の中山由起枝(日立建機)ら男女6人が決まったと発表した。ロンドン五輪出場枠が懸かる最初の大会でライフル、ピストルの各種目も行われる。クレーの同五輪出場枠は男子13、女子6が今大会で決まる。代表は次の通り。【男子】▽トラップ 柿原康晴(コーエーテクモホールディング)【女子】▽トラップ 井上恵(ナスタジャパン)鈴慶子、中山由起枝(以上日立建機)▽スキート 石原奈央子(古峯神社)▽ランニングターゲット(非五輪種目)大須賀珠実(大妻女大)。五輪種目の男子スキートと同ダブルトラップには選手を派遣しない。
(ライフルなどで中学3年生認める方針)
日本体育協会(日体協)は22日、東京都内で国体検討小委員会を開き、国体改革の一環として1988年から一部競技・種目で参加が認められるようになった中学3年生について、出場できる競技を拡大する方針を決めた。まず来年の第66回大会(山口県)でライフル射撃と空手を対象に準備を進める。泉正文国体委員長は「ライフルは銃刀法などがあり難しい点もあるが何とかクリアしていきたい」と語った。2012年の第67回冬季大会(岐阜、愛知両県)では、スケートのスピードとショートトラックで拡大を検討する。また、14年の第69回大会(長崎県)でトライアスロンの公開競技としての実施を認めることとした。
(ツキノワグマ天橋立を縦断、4時間後に捕獲:京都)
宮津市の名勝・天橋立の南側にある文珠地区で22日早朝、ツキノワグマが目撃され、約4時間後に天橋立の北側の同市江尻で捕獲された。クマが全長約3・2キロある天橋立を駆け抜けたとみられ、府の担当者も「聞いたことがない」と驚いている。府丹後広域振興局によると、22日午前7時ごろ、宮津市文珠の駐車場にクマがいるとの通報があった。府職員らが駆けつけたが、クマの姿は見つからなかった。2時間後、天橋立を散策中の人から「クマに追い抜かれた」との情報が入り、午前9時半には、別の通報で北側の江尻地区の民家の庭先で休んでいる体長約1・3メートル、体重約40キロのオスのツキノワグマを発見。府の委託を受けた業者が麻酔銃で眠らせ、市内の山中へ放したという。同振興局森づくり推進室によると、今年は丹後地域でクマの目撃情報が多く、すでに昨年度の138件に迫る約120件の通報があるという。同室は「クマが人込みのある天橋立に出るのは珍しいが、見かけたらすぐに役所などに通報してほしい」と呼び掛けている。
(「シカ肉」づくしの町:兵庫)
兵庫県中部に位置する多可町。人口2万5千人あまりの山間にある町で、とてもユニークな取り組みが行われていると聞いた。その内容は「シカ肉」でさまざまなグルメが開発されているというもの。もともとシカ肉は、カロリーが低くてたんぱく質が豊富、脂身も少ないというヘルシーな食べ物だが、多可町のシカ肉はただのシカ肉ではない。多可町ではここ数年、農作物や樹木の芽などに深刻な被害を与える野生のシカが増えたため、捕獲して処分されていた。だが、処分するだけではもったいない、そのシカを食肉に活用できないかという動きが町内で広がり、町と住民が力を合わせて開発に取り掛かったという。町産業振興課によると、町内でシカ肉が食べられる施設ができたり、シカ肉の料理教室が開かれたりした結果、ここ1、2年でシカ肉への知名度がアップしたそうだ。例えば、町内にあるカフェ「ふれっしゅあぐり館」(http://fresh-aguri.net)では、シカ肉を使ったパスタ「シカリタン」(700円)、ピザ(750円)、パイ(400円)、クラムチャウダー(400円)など、ありとあらゆるシカ肉グルメが存分に味わえる。また、ラベンダーパーク多可(http://www.lavender-park.jp/)では「鹿肉カレー」(780円)を販売していてとても好評だという。しかも多可町では今、シカ肉を使ったソーセージの商品化も目指していて、できれば2010年中に販売をスタートさせたいとのことだ。最近、ご当地グルメが全国各地で人気を博している。多可町のシカ肉もはたして関西、さらに全国区のグルメになれるかどうか。そして、このシカ肉が気になったグルメ通は、ぜひ多可町に足を運んで味わって欲しい。

TOPへ

7/22
(増え続けるエゾシカ、推定生息数は過去最多の64万頭:北海道)
1990年代から道東を中心に増え続けるエゾシカは、生息域を道央や道北にも拡大させ、深刻な農林業被害を及ぼし、自動車や列車との衝突事故を引き起こす「害獣」となった。繁殖力が強く、自然増加率は年21%。エゾオオカミの絶滅後は天敵がいない。エゾシカは、狩猟や市町村の捕獲によって駆除される一方、シカ肉の食材利用は進まず、ハンターの減少もあって、生息数は増加の一途をたどっている。道の自然環境課によると、「ライトセンサス調査」(森林にライトを当て反射したエゾシカの目から頭数を推計)などを用いた2008年度のエゾシカの推定生息数は、全道で52万頭以上だった。08年度は8万2900頭を捕獲したが、このうちメスジカは4万8200頭にとどまった。繁殖が進んだ09年度は推定生息数が過去最多の64万頭以上に急増した。09年度の推定生息数は、道東部地域(オホーツク・十勝・釧路・根室管内)が32万頭。道西部地域(空知・上川・宗谷・胆振・石狩・留萌・日高管内)は東部と同水準かそれ以上と推定された。道南部地域(渡島・檜山・後志管内)は、ライトセンサス調査のデータ蓄積が乏しく、生息数を推定するには至っていない。09年度のエゾシカ捕獲数は、過去最多の約9万2000頭にのぼった。しかし、メスジカの捕獲数は、目標の7万6000頭以上を大幅に下回る約5万6000頭(東部約3万6000頭、西部約2万頭)だった。道自然環境課は「西部にはハンターがいない地域もあるため、東部に比べると増加のスピードが早い。エゾシカの総個体数を減らすには、今年度は東部と西部で最低でも4万頭ずつ、全道で8万頭以上のメスジカを捕獲しなければならない」と説明する。道は今年5月、全道規模で個体数の減少を目指す「全道エゾシカ対策協議会(通称・エゾシカ包囲網会議)」を設立。国や市町村、民間団体と連携し、捕獲技術の確立やハンターの育成、シカ肉の有効活用などについて検討を進めている。
(3頭のクマに襲われ女性がケガ:岩手)
21日、久慈市山形町で草とりをしていた女性が3頭のクマに襲われ、頭や顔などを引っかかれけがをしました。きょう午前5時半頃、久慈市山形町小国で自宅敷地内の畑で草とりをしていた70歳の女性が、突然現れた3頭のクマに襲われました。女性は頭や顔、腕などをクマに引っかかれ、近くに住む娘の家に逃げて助けを求め、娘が119番通報しました。女性は、久慈市内の病院で手当てを受けていますが、命に別状はないということです。3頭のクマは女性を襲ったあと逃げており、久慈市では防災無線を通じて住民に注意を呼び掛けています。
(工事現場に散弾銃の弾痕:東京)
22日午前3時25分ごろ、東京都板橋区清水町の建設工事現場で、散歩中の40代の男性が「発砲音が聞こえた」と110番した。駆けつけた警視庁志村署員が、外周を覆った金属製の板に、散弾銃の弾痕を発見した。けが人や争ったような形跡はなく、同署は器物損壊容疑などで調べている。志村署によると、弾痕は直径70~80センチの範囲で2カ所あり、薬きょうの破片のようなものがあった。()
(イノシシ・シカ肉料理試食、好評なら給食に:大分)
大分県中津市本耶馬渓町の本耶馬渓中で21日、田畑を荒らす有害動物として捕獲されたイノシシとシカの肉を使った料理の試食会が開かれた。市学校給食課は、アンケートをして好評なら、10月から給食メニューに加えたいとしている。市内では昨年度、イノシシ1148頭、シカ1205頭が捕獲された。市は、同市耶馬渓町にある民間の獣肉処理・加工施設に約1000万円の補助金を出して拡充。7月上旬から猟友会員らで作る組合が運営を請け負い、「猪鹿(ちょろく)」としてオープンした。捕獲したイノシシとシカはこれまで大半が処分されていたが、地域の資源として有効利用する。試食会で、猪鹿の大江眞郷組合長は「東京や福岡での販売拡大を目指しているが、まずは、地産地消の食材になることをアピールしたい」とあいさつ。試食会には保護者や住民、給食の調理担当者ら約150人が参加。猪鹿が提供した食材で作られたカレー、ハンバーグ、ウインナーなど5品目を食べ、感想と改善すべき点をアンケート用紙に記入していた。
(秋田道にクマの死がい:秋田)
20日夜、秋田自動車道の山内パーキングエリアの近くで、体長1メートルほどのクマが死んでいるのが見つかりました。車と衝突したものとみられています。クマの死がいが見つかったのは、横手市山内の秋田自動車道上り線です。県警高速隊によりますと、20日夜10時半過ぎに道路をパトロールしていたネクスコ東日本の職員が体長1mほどのクマが横たわっているのを見つけました。クマは走行車線の内側に倒れていて、警察では走行中の車と衝突したと見ています。クマの死がいは路肩で回収されたため、通行に影響は出ませんでした。県内ではおとといも秋田自動車道で、クマと車が衝突する事故がありネクスコ東日本が走行に注意を呼び掛けています。
(ツキノワグマ被害多発)
山菜採りなどで山に入った人がツキノワグマに襲われる被害が増えている。朝日新聞のまとめでは5、6月だけでツキノワグマがいない北海道、沖縄を除く全国で1人が死亡、22人がけがをした。攻撃性の高い若い熊が増えているとみられ、登山ブームで中高年の入山者が増えていることも背景にある。専門家は熊が冬眠する11月ごろまで注意するよう呼びかけている。福島県喜多方市の山林で5月30日午後、前日から山菜採りに出かけ、行方不明になっていた同市の男性(当時70)が、仰向けに倒れて死亡しているのが見つかった。遺体にはツメで引っかかれたような跡があり、県警は熊に襲われたとみている。県内での熊による死者は2003年以来7年ぶりという。このほか5月30日には秋田県の山林で男性(同56)が山菜採り中に頭や右腕をかまれ1カ月のけが▽同22日に岩手県内の別々の場所で男性(同30)と女性(同62)が襲われて重軽傷――などの被害が報告されている。環境省は04年度以降、全国のツキノワグマの人身被害(けが、死亡)を集計。熊が多数出没した04年4月~05年3月の109人と、06年4月~07年3月の145人以外は年50人前後だ。朝日新聞のまとめでは、今年は5月に18人が死傷、6月は5人がけがをした。福島県警によると、今年の福島県内での熊の目撃情報は7月8日現在で74件という。09年1年間は119件だった。1992年から全国の被害事例を集めるNPO法人日本ツキノワグマ研究所(広島県)の米田(まいた)一彦理事長は「5月だけで被害が10人を超えるのは異例」と話す。被害増加の原因について「今年は攻撃性が高い若い熊が増えているのではないか」と指摘する。ツキノワグマは12月ごろに冬眠し、翌年2月ごろ出産するのが一般的だ。子熊は母熊から「野生化訓練」を受け、翌々年の春から夏に独り立ちする。米田さんによると、2~3歳ぐらいの若い熊は生活拠点が定まらず広い範囲を移動する上、特にオスの熊は他のオスを過度に警戒するため攻撃的になり、人身被害につながりやすいという。森林総合研究所(茨城県)の大井徹・鳥獣生態研究室長は「04、06年の大量出没の時に熊が人里近辺に定着し、人との危険な遭遇が増えた可能性がある」と指摘する。独立行政法人の国立登山研修所(富山県)によると、全国の60歳以上の推計登山人口は06年に約3万4千人で、91年の約1.5倍になった。5、6月に死傷した23人の年齢構成も高齢層に集中しており、70代8人▽60代10人▽50代3人▽30代1人▽年齢非公開1人、だった。同研修所の専門職、東秀訓さんは「ハイキングや登山、山菜採りなどを楽しむ高齢者は熊の危険性を認識し、恐れを持って入山してほしい」。米田さんは「秋以降にドングリなどの不作が重なれば、さらに被害が増える可能性がある」と警鐘を鳴らしている。

TOPへ

7/21
(シカの被害対策や食肉利用進める:兵庫)
兵庫県は、シカについて農林業被害対策と資源利用を進めるため、県庁の関連部署や研究機関による連絡会議を設立した。「捕獲拡大」「被害防止」「肉・皮の活用」で3部会を設置、テーマ別に総がかりで課題を洗い出して解決策を模索する。被害現場の現状を把握するため、各出先機関に市町やJA、猟友会などで組織する地域連絡会議も設けた。野生動物問題で、県が部署や機関を越えた協力体制を構築するのは全国でも珍しい。同県でシカによる農作物の被害額は1億8700万円(2008年度)と、全国で4番目に大きい。被害軽減に向けて県は今年度から、シカの捕獲頭数の目標を2万頭から3万頭に変更した。ただ、狩猟者不足が課題となっている。
(サル撃退へヒトデ忌避剤:京都)
サルによる農作物被害が深刻化している宇治田原町で、ヒトデを使った忌避剤でサルを撃退する実験を、町などが計画している。乾燥させたヒトデから出る強い臭気をサルがどれほど嫌うのか試すという。ロケット花火やエアガンなどこれまで数々の作戦を繰り出すも決め手を欠いてきただけに、町は「今度こそ決着をつけたい」と執念を燃やしている。サルによる町の農作物被害は昨年度で約3トン。カキやイモ、トウモロコシなどが収穫間際に食い荒らされるケースが目立つ。民家に侵入して室内を荒らしたり、屋根瓦をめくるなどの被害も出ている。町内に出没するサルは二つの群れで計約120頭。農家では畑の周囲を網で囲うなどの対策を講じているが、歯で網を食いちぎったり地面を掘って畑に進入するなど手口はエスカレートしている。町は、エアガンや大音響の火薬銃で装備した「サル追い払いチーム」を職員で結成したり、捕獲オリを設置するなどさまざまな手を打ってきたが、決定的な効果は得られていない。ヒトデの忌避剤は、乾燥させて砕いたヒトデを畑の周囲にまいたり、布袋に入れて木につるして使用する。煮干しのような魚介類のにおいを強く放つのが特徴。サルへの効果はまだ実証されていないが、「ハトやシカには効果が出ていると聞く」(同町)。忌避剤を販売する久御山町の業者から無償提供の申し出があり、町が共同で実験に取り組むことにした。今月23日に奥山田地区の2カ所で実施する予定。町産業振興課は「宇治田原のサルは、これまで数々の対策に経験と学習を重ねてきており、人間で言えば特進クラス。一筋縄ではいかないが、なんとか効果を得たい」としている。
(野生動物は「唐辛子スプレーで撃退」、国連がアドバイス)
国連食糧農業機関(FAO)は、農作物を食い荒らす野生動物の対策として、唐辛子スプレーや蛇を使ったわななどの使用を勧めている。FAOはウェブサイトで19日、野生動物を殺さずに撃退する方法を紹介。野生のゾウには唐辛子のかたまりをプラスチックの銃で発射したり、ヒヒにはパンの中に蛇を入れたわなを仕掛けたりすることが有効だと説明した。また監視役としてロバを置くことも野生動物を追いやる効果があるという。人口が増加しているアフリカを中心とした地域では、野生動物が農作物を食い荒らす被害が深刻化しており、農家が動物を銃などで殺すケースが相次いでいる。一方でFAOは、カバやゾウなどの動物は攻撃的な性格であるため、予備対策として銃を用意することも賢明だと指摘した。

TOPへ

7/20
(住宅地に熊、追跡して射殺:長野)
18日午前6時ごろ、塩尻市広丘郷原の民家の庭で、柿の木にツキノワグマが登っているのをこの家の人が見つけ、塩尻署に連絡した。同署員や市職員、猟友会らが逃げたツキノワグマを追跡し、約2時間半後に数十メートル離れた林の中で射殺した。けが人や農作物などへの被害はなかった。市によると、熊は体長約140センチ、体重約50キロの雌で3~4歳とみられる。現場は旧善光寺街道沿いでかつての宿場町で現在は住宅地。
(クマ捕獲:岐阜)
18日午後2時40分頃、中津川市付知町の付知峡にある飲食店倉庫で、体長約1メートルの2歳ぐらいのオスのツキノワグマ1頭が、油かすを食べているのを男性従業員が発見した。男性従業員が倉庫からクマが出られないよう、木片やロープでバリケードを作った。クマは間もなく寝入った。同日午後5時25分頃に男性獣医師が吹き矢で麻酔をかけ、猟友会や中津川署員らが10人ががかりで捕獲し、近くの夕森山に逃がした。店の近くには観光客がいたが、けが人はなかった。
(自動車道で乗用車とクマ衝突:秋田)
19日午後5時40分ごろ、秋田市外旭川字万治沢の秋田自動車道下り線で、男鹿市の男性(39)が運転する乗用車とクマが衝突した。クマは近くの山林に逃げ込み、男性と同乗していた家族3人にけがはなかった。県警高速隊によると、現場は秋田北インターチェンジ(IC)から約2キロ。男性が秋田中央ICから秋田北IC方向に運転中、左側路肩から体長約1メートルのクマが飛び出し、前部左側ではねた。バンパーやボンネットなどを破損した。また同日午後1時35分ごろ、秋田市泉字五庵山にある平和公園の中央広場付近でクマが歩いているのを、車で通行中の男性が目撃した。秋田東署によると、クマは東側斜面のやぶを下りていった。同日午後5時ごろには、同市下北手宝川字姥ヶ沢の県道でもクマが目撃された。民家から約800メートル。
(クマ襲撃受け観光リフト運休:島根)
島根県津和野町後田の津和野城跡登山口近くで17日、観光客の男性(53)がクマに襲われて軽いけがをした事態を受け、同町は18日、ふもとと城跡を結ぶ町営観光リフトの運行を安全が確保されるまで見合わせることを決めた。町は同日朝、猟友会にクマの捕獲を要請。リフトの運休も決め、乗り場付近に入山禁止を知らせる文書を掲示した。登山口に近い太皷谷稲成神社にも警戒を呼び掛けた。観光リフトの年間利用者は約1万4千人。夏休みと紅葉シーズンが最も多く、月間約2千人の利用がある。城下町の風情を残し、多くの観光客が訪れる殿町通りは、クマの出没地点から1キロ以上離れた町中心部にあり、クマの被害は考えにくい。町商工観光課の山岡浩二課長は「観光地津和野のイメージ悪化が心配。クマの早期捕獲が一番だが、事態が長引けば、かき入れ時の秋までに入山者の安全対策をまとめたい」と話している。
(LEDでイノシシ撃退:兵庫)
雑貨製造販売のタイショー産業(豊岡市)は、イノシシによる農産物の被害を減らすため、侵入防止用の発光ダイオード(LED)商品の生産販売を始めた。兵庫県内ではJA(農協)の各店が取り扱っており、但馬をはじめ、淡路地域などの利用者から「被害が少なくなった」と一定の評価を得ているという。「いのしし防止LED通せんぼ」。イノシシが青系統の色に反応し、警戒するとされる習性に着目、開発に着手した。100個の青色LEDを取り付けたコード(長さ約10メートル)を伸ばし、田畑の周囲に設置する。センサーでイノシシが人里に出没しやすい夜間のみ自動点灯し、電飾のように七つの点滅パターンを切り替えて侵入を防ぐ。太陽電池を使っており、電池交換の必要はない。野生動物の侵入防止策では、電気柵の設置が有効とされるが、新商品は手軽に設けられて管理負担が少なく、景観を損なわないことが特長。小規模の田畑や公園など、電気柵の設置には向かない場所での需要を見込む。同社の中西泰社長が、自宅の庭や知人の田畑などで実証実験を続けた結果、侵入被害がなくなったという。中西社長は「イノシシの慣れもあり、万全の対策とはいえないが、利用を農繁期に限るなどしてもらえれば、一定の効果はあるはず」と話している。1セット9800円。県内各JAで受け付けている。

TOPへ