<射撃ニュース9月>

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(退会処分なら法的措置、新執行部が方針確認)
役員人事をめぐって新旧執行部が対立している日本クレー射撃協会の新執行部は29日、東京都内で平井一三会長、福城一信専務理事らによる役員会議を開き、日本オリンピック委員会(JOC)から退会処分を受けた場合、法的手段で対抗する方針を改めて確認した。両執行部とJOC、文部科学省は10月1日に協議会を開いて今後の打開策を検討する。JOCは、対立する人物を除外した形で両執行部双方から1人ずつを選出し、日本協会を運営していくことを求める予定。福城専務理事は「1人ずつでの運営は不可能。理不尽なことを言われても応じられない。退会処分になれば即、法的措置を取る」と語った。協議会で混乱打開に前進がなかった場合、JOCは退会処分を11月の理事会で検討する見込み。
(「わな猟」「網猟」保持者は4倍、農家は自衛:福島)
農作物を荒らすイノシシやクマを銃で駆除する銃猟免許保持者が90年代以降半減する一方、「わな猟」と「網猟」の免許の保持者が4倍に増えている。大半が猟の経験がない農家とみられ、県自然保護課は「有害鳥獣被害が増えているのに、猟友会員の高齢化や減少で駆除が追いつかない。農家が自衛に迫られている」と分析している。県のまとめでは、県内農作物の鳥獣被害は90年代から増加。08年の被害は300ヘクタール以上で1億8180万円に達した。鳥獣保護法に基づく狩猟免許には網、わな、第1種銃、第2種銃(空気銃)の四つがあり、都道府県の試験に合格すると取得できる。銃猟免許の保持者は08年で、第1種4671人、第2種140人で20年前の半分以下。銃猟中心の県猟友会の会員も76年の1万6871人をピークに現在は3792人に減少。うち半数近くが60歳以上という。昨年12月施行の改正銃刀法で、猟のシーズン前に技能講習の受講が義務づけられるなど規制が強化され、さらに減少すると心配されている。同会は「年もとったし手続きは複雑になったしで、免許を返上する人も多い。数年以内に会員は半減するのでは」と懸念する。一方、わなと網は、両免許が一体だった92年の計364人から、08年にわな961人、網495人の計1456人と4倍になった。餌でおびき寄せる「箱わな」、獣の通り道に仕掛けてワイヤで縛る「くくりわな」などがあり、管理が簡単で費用も安く、農家の高齢者も扱いやすい。05年に計47人だったわなと網の受験者は、09年に176人に急増。県は08年から、試験の回数を年2回から3回に増やし、今年は2回目までで177人と既に昨年を上回っている。合格率は9割前後という。県と同会は、銃猟の免許保持者を増やしたいと考え、未取得者や初心者向けの講習会を開催しているが効果は表れていない。同課は「わな猟免許の取得者が増えているのは心強いが、有害鳥獣対策には銃も必要で、互いに補完し合うのが理想。このままでは農作物の被害がさらに増える恐れがある」と話している。
(市街地にまたクマ:石川)
29日午前6時50分頃、金沢市涌波の辰巳用水遊歩道で、住民がクマを目撃、110番した。同市内の住宅地近くにクマが出没したのは、今月2度目。今回も家屋が近く猟銃が使えず、麻酔銃で眠らせた後、捕獲された。通報を受け、金沢中署員や市職員、猟友会員らが捜索したところ、約4時間半後に、最初に目撃された地点から約1キロ離れた同遊歩道近くでクマを発見。午後0時50分頃、林の中の木に登ったクマを、いしかわ動物園(能美市徳山町)の獣医師が麻酔銃で眠らせ、捕獲した。同署や金沢市森林再生課によると、捕獲されたのは雄のツキノワグマで、体長約90センチ、推定1歳半の子グマ。28日に同市末町などで目撃されたクマと同一とみられる。近くに住む、無職今村吉行さん(66)は「小学校が近く、子どもが多い。山が近い住宅地なので、また出るかもしれない。心配だ」と話していた。市は麻酔銃を所有していないため、今回も県自然保護課に応援を要請。前回対応した県自然保護センターの職員は不在で、猛獣を診療する時に使う麻酔銃を所有している同動物園の獣医師が派遣された。市内では、15日にも東長江町の住宅街に雄の子グマが現れ、麻酔銃で捕獲された。相次ぐ出没を受け、市は来月初旬、市街地での野生動物への対応を協議し、市として麻酔銃の所有を検討するという。捕獲されたクマは山に放しても、また平野部に下りてくる可能性があるため、県内外の動物園など引き取り施設を探すという。

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9/29
(射撃場全体の閉鎖を:秋田)
散弾に含まれる鉛による土壌汚染が問題となっている県立総合射撃場(由利本荘市岩城道川)内のクレー射撃場の在り方について話し合う住民集会が27日、市岩城総合支所で開かれ、クレー射撃場にとどまらずライフル射撃場を含む総合射撃場全体の閉鎖を県に求めることを決めた。10月中に県へ意見書として提出する。クレー射撃場の今後を模索するため住民側に意見集約を要請した県にとっては、思わぬ展開になった。集会には約40人が出席。これまで意見集約に当たってきた住民側事務局から「いかなる対策を講じても鉛による悪影響が出ないと断言できない以上、再開はあり得ない」としてクレー射撃場の閉鎖が提案された。これに対し出席者から「ライフル射撃の着弾地にも鉛はあるはず。閉鎖対象をクレー射撃場だけにするべきではない」とする発言があり、採決の結果、総合射撃場全体の閉鎖を求めることにした。承認された意見書案では、県が現在実施している汚染土壌回収後の速やかな閉鎖、施設撤去とともに、閉鎖後も定期的な水質検査と結果の公表を求めるとしている。射撃場周辺の自治会長らでつくる鉛害対策特別委員会の長谷部鋼次会長は「住民の声はややもすれば『参考意見』とされがちだが、譲れない線であることを示していく」と話している。
(県立射撃場再開地域振興に期待:神奈川)
県議会第3回定例会は28日、本会議を行い、高山松太郎(自民、伊勢原市)、塩坂源一郎(みんな、横浜市港南区)、長谷川久美子(市民、相模原市南区)の3氏が一般質問に立った。3氏は、文化財の保護、海水浴場のたばこ対策、不正経理問題などについて質問。藤井良一教育長は、休場中の県立伊勢原射撃場が再開した後の地域振興策について、「多くの人が参加できるビームライフル体験教室の開催や、地元の物産を使用した食事の提供・販売などの(指定管理者への申請者からの)提案を期待している」と述べた。
(クマにかまれ70歳女性けが:島根)
28日午前7時ごろ、邑南町日貫の町道で散歩をしていた近くの女性(70)が2頭のクマと出あい、1頭に頭や腕をかまれた。女性の届けを受けた川本署員が現場付近で体長約1メートルのクマを目撃し、パトロールを強めている。女性は命に別条ないという。町農林振興課によると、クマの目撃情報やイノシシわなにクマがかかることが増えているという。町は防災無線などを通して、町民や学校に注意を呼びかけた。
(クマと衝突、車へこむ:山形)
27日午前10時35分ごろ、上山市永野の県道で、東京都品川区の男性会社員(32)の乗用車が、道路西側の水田からはい上がって来たツキノワグマと衝突した。上山署によると、乗用車のバンパーが少しへこんだが、会社員と同乗の妻にけがはなかった。クマはそのまま道路を横断し東側の森に入った。クマは体長約1・5メートルで、子供とみられる体長約1メートルのクマを連れていたという。現場は蔵王エコーライン入り口まで約4・5キロの地点。県警地域課によると、県内でのクマの目撃は今年に入り121件目、昨年同時期の58件と比べ倍増している。冬眠に入るまでは出没は多くなるのではないかという。上山市は付近にクマの出没への注意を呼びかける看板を立てるという。
(野生動物注意!県が初の警報発令:兵庫)
クマやイノシシ、サルなど野生動物の人里への出没が急増していることから、県は27日、「野生動物の出没に関する警報」を初めて発令した。県内では、クマの目撃件数が過去最多を更新したほか、イノシシに襲われる被害が各地で相次いでいる。今年は野生動物の食料となる木の実が2年ぶりの凶作となり、秋の実りのシーズンの本格化で野生動物による被害が多発する可能性が極めて高く、県は警戒を強めている。県内のクマの目撃件数は、8月末現在で378件と01年度以降、同時期で過去最多を更新。9月も100件以上の報告が寄せられている。またイノシシも、神戸市東灘区の六甲山中で今月に入り少なくとも7件12人が襲われ、市もイノシシの駆除に乗り出すなど、野生動物の出没が「とどまるところを知らない状況」(県自然環境課)が続いている。野生動物が人里に下りている最大の原因は、山林の食料不足だ。コナラやブナ、カシ、シイなど木の実が2年ぶりに凶作。クマが熟していない青い柿の実を食べている様子も見られ、食料不足は深刻さを増している。特に柿の実は収穫されないまま放置されるケースが多く、今月18日に豊岡市で男性がクマに襲われた際にも、近くの柿の木にクマが食べた跡が残されていた。今後、秋本番を迎え、クリ拾いやキノコ狩りで山中に入る機会も多くなり、冬眠を前に食料を求めるクマなどと遭遇する機会は極めて高くなる。特に、クリやキノコを採る時は腰をかがめるため、クマなどが近づいても気づかないことが多いという。県は(1)山中には明るい時に入り、ラジオなど音の出るものを携行する(2)柿の実は早めに収穫するか伐採する(3)生ゴミは屋外に放置しない--ことを徹底するよう求めている。
(11月中旬までクマ注意、県が2度目発令:富山)
県は二十八日、この秋二回目の「ツキノワグマ出没注意情報」を発令し、クマが出没しやすい状態は十一月中旬まで続く可能性が高く、平野部への出没も予想されるとした。県自然保護課によると、主食のブナやミズナラの実のなり方が悪いため、クマが行動範囲を拡大しているという。住宅や車庫、倉庫などの戸締まりの徹底や、自宅近くで利用する予定のない果樹の実を早めに取り除き生ごみを処分するなどしてクマが近づくのを防ぐよう注意を呼びかけている。同課によると、今年に入り百九十八件(二十七日現在)の目撃情報が寄せられている。十日には魚津市黒沢の民家の車庫にクマが逃げ込み、騒ぎとなった。二十八日午後五時二十分ごろ、魚津市宮津の新川広域農道で、クマ四頭が道路を横切るのを、車で通り掛かった男性会社員(38)が目撃した。魚津署によると、クマは、親グマ一頭と子グマ三頭。同日午前六時ごろには、上市町広野の富山中部広域農道でも、クマを近くの男性(58)が見つけた。上市署によると、クマは体長約一三〇センチ。
(クマ目撃、春から急増:和歌山)
和歌山県内でツキノワグマの目撃情報が今夏から急増している。本年度は8月までに目撃情報が26件あり、近年で最も多かった2008年度(23件)をすでに上回った。県自然環境室は「秋の行楽シーズンを迎えており、山に入る場合は十分注意してほしい」と呼び掛けている。本年度は、8月までに田辺市で12件の目撃情報があり、うち11件が龍神村だった。次いでみなべ町と日高川町の4件、有田川町2件、かつらぎ町と高野町、古座川町、北山村で1件となっている。9月に入ってからも田辺市と高野町で計2件の目撃があり、田辺市ではその姿が撮影された。過去のデータによると、06年度には県内で20件の目撃情報があった。07年度は9件に減ったが、08年度は23件と増加した。09年度は4件だった。市町村別でみると、本年度8月までの過去5年間では田辺市(23件)が最も多く、次いで日高川町(18件)だった。中でも隣接する龍神村(田辺市)と旧美山村(日高川町)の地域で32件の報告があり、全体(82件)の4割近くを占めている。県自然環境室は「クマの目撃は年によって差が激しく、多い年は山に餌が少ない可能性がある」と分析している。これからキノコ採りや行楽で山に入る機会が増えることから、鈴やラジオなどを鳴らして自分の存在をクマに知らせ、ふんやつめ跡などのクマの痕跡を見つけた場合は引き返すなどして身を守るよう、呼び掛けている。
(ドングリ不作でクマ出没に注意:滋賀)
滋賀県はこのほど、奥山のドングリが不作のため、今年の秋は人家近くへのクマの出没が多くなるとの予測を発表した。9月上旬までのクマの出没件数は過去最多のペースで推移しており、注意を呼び掛けている。県は9月9~15日に高島市の旧朽木村や長浜市の旧余呉町など、両市の山中5地点でブナ、ミズナラ、コナラの実のなり具合を調査。ブナ、コナラは凶作、ミズナラは不作と判定した。クマは秋になると冬ごもりに向けて多くのエサを求める習性がある。山のドングリが少ないと、人里にエサを求めて出没する可能性が高いという。県内のクマの出没件数は4月から9月9日までで67件。統計を取り始めた2004年以降、最多となっている。昨年1年間の約3倍で、今年に入って10頭のクマが捕獲されている。県自然環境保全課は「人家近くへの出没を避けるため、カキの実を早めに収穫し、生ゴミを放置しないことを心がけてほしい。クマは本来、臆病(おくびょう)な動物なので、山に入る際はすずを携帯して歩き、存在をアピールしてほしい」としている。
(クマ活動期500円植生保護期250円、知床の「遊歩道」手数料:北海道)
世界自然遺産・知床の知床五湖(オホーツク管内斜里町)の利用について環境省や町、地元住民が話し合う「知床五湖の利用のあり方協議会」が28日、同町ウトロの知床世界遺産センターで開かれ、来春から遊歩道への立ち入り時に利用者が負担する手数料について、時期によって大人500円と250円にすることで大筋合意した。10月上旬にも正式決定される見通し。席上、環境省は、ヒグマ活動期(5月10日~7月31日)を大人500円、12歳未満250円、植生保護期(8月1日~10月20日)は大人250円、12歳未満100円とする修正案を提示した。これに対し、協議会を構成する知床ガイド協議会など10機関が合意。知床斜里町観光協会と知床民宿協会の2団体は態度を保留したが、前向きに検討し、10月5日をめどに回答するとした。正式決定後は、業務を行う指定認定機関を公募するなど、来春からの新制度の導入に向けて手続きを進める。
(駆除シカ肉加工施設、10月から運用スタート:徳島)
シカの食害対策として那賀町と高知県香美市でつくる「阿佐地域鳥獣害防止広域対策協議会」は10月から、同町木頭に建設を進めていたシカ肉加工施設の運用を始める。有害鳥獣として駆除したシカを食肉として有効活用する。シカ肉加工施設は、国道193号沿いに建設したプレハブ平屋約12・5平方メートル。町の第三セクター・四季美谷温泉(同町横谷)が委託を受けて運営する。加工するのは、食品衛生上の問題から駆除後1時間以内のシカ。22~23キロのシカ1頭から8キロの食肉が取れ、部位ごとに真空パックして冷凍保存する。加工は1頭ずつで、1日最大2頭まで。年間100頭の加工を目指している。シカは町内の捕獲班から1頭4000円前後で買い取る。加工した肉は、町内の温泉施設や飲食店に卸す予定。需要を調べて、町内の他地区にも建設するかどうかを含めて検討する。四季美谷温泉では加工施設の運用開始に合わせて、シカ肉料理を試作中。平井滋支配人は「新ブランドとして売り出し、町の名物料理に育ってくれれば」と期待している。

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9/28
(クレー協会「退会相当」も)
日本オリンピック委員会(JOC)は27日、東京都内で加盟団体審査委員会を開き、役員人事をめぐり新旧執行部が対立している日本クレー射撃協会について、両執行部がJOC仲裁案に同意しなかった場合、理事会に「退会処分相当」として答申するなど強硬策を講じる方針を決めた。協議会は10月1日にJOC、文部科学省と両執行部で開催。JOCは仲裁案として、当面は対立する人物を除外して日本協会を運営することなどを求める予定。なお、JOCは11月のアジア大会(中国・広州)へのクレー射撃選手派遣も現時点で認めていない。
(10月1日が同意の最終期限、内紛長期化のクレー射撃)
役員人事をめぐって新旧執行部が対立する日本クレー射撃協会の内紛問題で、日本オリンピック委員会(JOC)の加盟団体審査委員会は27日、JOCの仲裁案に新旧執行部が10月1日の協議で同意しなければ、同協会を「退会処分相当」とする答申を11月2日のJOC理事会に提出する方針を決めた。10月1日の協議はJOC、文科省、新旧執行部が参加して行われる。仲裁案への同意は当初は10日が期限だったが、新執行部がJOCの解決手順を尊重しながらも協議の継続を訴えた。そのため14日のJOC理事会では「退会処分相当」とする提案を見送った。
(琵琶湖、カワウ駆除に鉛弾:滋賀)
国内最大規模のカワウの集団営巣地がある滋賀県の琵琶湖で、県が昨年4月から規制している鉛散弾が使われた跡が多数見つかった。増え過ぎたカワウを駆除して生態系を保全する目的にもかかわらず、鉛散弾は水鳥などの鉛中毒の原因になり環境汚染につながりかねない実態。県の鉛弾使用規制は努力義務で罰則はなく、県自然環境保全課は「問題だと思うが、非鉛弾は鉛の数倍の値段で、狩猟者や補助金を出す県にとってもコストが増え、使用禁止へ踏み込めない」と及び腰だ。鉛散弾の空薬きょうが見つかったのは、営巣地のある長浜市の竹生島や近江八幡市の伊崎半島。狩猟関係者によると今月、竹生島で狩猟用1個、伊崎半島で狩猟用11個と、本来は射撃競技に使うはずの6個を確認した。金属部の腐食状態から「規制後の最近に使われた可能性が高い」と指摘。鉛か非鉛かは判然としない空薬きょうも至るところにあった。水鳥は餌の消化を助けるため小石などを飲み込む習性があり、鉛散弾を誤飲して中毒になると死ぬケースも多い。欧米などでは鉛弾の使用を禁止し、狩猟者は鉄や合金製の散弾を使っている。国内では北海道がすべての狩猟で禁止、宮城県でも主要な河川や水辺で禁止している。滋賀県は6年前から、カワウの増加で漁業やふんによる森林被害が深刻となり、営巣地での銃器駆除を開始。適正な生息数を4000羽と見積もるが、実態は3万~4万羽が生息している。駆除は、県などの補助金を受けて県漁連などが県猟友会に委託して実施。県のカワウに関する保護管理計画の資料では「捕獲には非鉛弾を用いている」と説明している。伊崎半島で見つかった鉛散弾の空薬きょうについて、県猟友会は「猟友会が撃ったものではない」というが、県中部森林整備事務所は「薬きょうがあった場所に入るには事務所の許可が必要で、一般人が入ることは考えられない」と話す。琵琶湖は鳥獣保護区で狩猟禁止。県に狩猟登録がある人にだけカワウ駆除が認められている。
(クマが役場のガラス割る:福島)
27日午前、福島県磐梯町の町役場に、体長およそ50センチのクマが侵入し、玄関のガラスを割って逃げました。職員などにけがはありませんでした。町では住民に対してクマの出没に警戒するよう呼びかけています。27日午前11時ごろ、福島県磐梯町の町役場で、入り口の自動ドアからクマが入って来るのを女性職員が見つけました。玄関には、外からの風が入らないよう自動ドアが2つあり、クマは2つめの自動ドアにぶつかったあと引き返し、玄関のガラスを突き破って走って逃げたということです。職員などにけがはありませんでした。町役場によりますと、クマは体長が50センチくらいで、子グマとみられるということです。町では、警察官や地元の猟友会のメンバーとともにクマを探しましたが、見つからず、役場近くの小学校は集団下校したということです。磐梯町では、先月も役場近くでクマが確認されていて、町では住民に対してクマの出没に警戒するよう呼びかけています。
(乗用車がクマに衝突:山形)
27日午前10時半ごろ、山形県上山市の県道で、東京都品川区に住む男性会社員(32)の乗用車が道を横切っていたクマにぶつかった。バンパーがへこんだだけで、男性と同乗の妻にけがはなかった。県警上山署によると、クマは体長約1・5メートルのツキノワグマで、衝突後、子グマとみられる別のクマと山へ逃げた。夫婦はドライブ中だった。山形県によると、今年の同県でのクマ目撃情報は121件で、例年の2倍以上。クマが餌とするブナやナラの実が不作で、県担当者は「餌探しで人里に近づいているのではないか」と話している。
(イノシシ被害防止用電気柵、設置補助申請が最多:群馬)
イノシシなどの鳥獣被害から農作物を守る電気柵の補助申請が本年度、過去最多の361件だったことが分かった。市は当初予算で昨年度の補助実績とほぼ同じ250件分、600万円を確保していたが、不足分120万円を9月補正予算案に計上。27日の市議会本会議で可決された。電気柵は2006年度から、市有害鳥獣被害対策協議会に安足農業共済組合と共同で補助金を交付し、設置を推進している。市農政課によると、イノシシの捕獲数が多かった翌年度は電気柵の申請が多い傾向にある。昨年度の捕獲数は前年度の2・6倍に当たる1432頭(猟期を除く)で、過去最多を記録。市は予算枠で申請を打ち切らず、すべてに補助を行う方針で、21日の市議会経済文教常任委員会で可決された。補助しているのはソーラーではなく電池式の電気柵で、農家は4分の1程度の負担ですむという。申請は山間地である旧田沼町の新合、飛駒地区が特に多いが、近年は足利市境の赤見地区からも増えているという。一方、イノシシの捕獲頭数は第1四半期(4~6月)が335頭で、前年同期の1・3倍に増えており、イノシシが増加傾向にあることがうかがえる。市農政課は「イノシシは捕獲すると防衛本能で繁殖力が増し、かえって増えると聞く。捕獲は最終手段だが、根本的な対策が見いだせない中、被害で困っている農家には電気柵の設置補助などで支援していきたい」としている。
(サル、市全区を縦断:神奈川)
川崎市麻生区の住宅街で二十七日、野生のサルが目撃された。今月の出没地点は市内全七区に広がった。すべてニホンザルで“同一人物”とみられる。最初に川崎区で目撃されてから、細長い川崎市を一路北西に向かっている「はぐれザル」。その足取りをたどった。市健康安全室によると、二十七日午前八時ごろ、麻生区百合丘三の公園をサルが横切っているのを住民が見つけ、市に連絡。午後にも近くの別の公園で目撃された。県内では八月二十日、相模原市南区で最初に見つかり、座間市や横浜市北部でも。目撃した横浜市職員によると、サルは大人のオスだった。川崎市で最初に姿を見せたのは九月三日。JR八丁畷駅(川崎区)近くで目撃され、幸区内を歩き回った後、六日から十日にかけて横浜市港北区に出没。しかし、すぐに川崎市に戻ったようで、十一日には中原区井田などに現れた。目撃情報の多くは、午前中、住宅街をスタスタ走り回っているというもの。「夜間は木の上などで休み、気温の低いうちに住宅地に出て移動している」と推測するのは県自然環境保全課。「サルは雨にぬれるのを嫌うので、葉の茂った木の枝に座って休む。公園や寺社の木でもいい」九件も目撃情報が寄せられた幸区には夢見ケ崎動物公園があり、北部には農地や雑木林が残っている。サルが市域を出ないのは、ねぐらに適した緑地が多いからとも考えられる。オスのニホンザルはある程度の年齢に達すると群れを離れ、別の集団を探す習性がある。同課は「今回のサルも、県央の生息域から出て群れを探している最中ではないか」とみている。「市民がかまれたりしたら大変。しかし、人間に危害を加えていないサルを捕獲するというのも…」。同市のある区長は、困り果てた様子。川崎市内の動物愛護の専門家によれば、そもそもサルの捕獲は容易でないという。「すばしこいから網での捕獲は困難。射程の短い吹き矢も有効じゃない。市街地で麻酔銃を使うわけにもいかない」。こう言って専門家はため息をついた。「結局、出ていってくれるのを待つしかないんですよね」。
(高級車窃盗容疑で4人逮捕:愛知)
トヨタ製四輪駆動車「ランドクルーザー」を盗むなどしたとして、愛知県警はブラジル国籍の男4人を盗みの疑いで逮捕し、共犯容疑で同国籍の30代の男の逮捕状を取った。捜査関係者が明らかにした。盗んだ車は関東地方のヤードと呼ばれる自動車の解体・保管場所に運び込んでいた。県警は、被害が同県と静岡県を中心に少なくとも70台、1億円に上るとみている。ヤードは全国に約1400カ所あり、一部からは違法薬物や銃が見つかるなど、犯罪の温床になっている。県警はヤードが盗難車の不正輸出の拠点になっているとみて実態解明を進める。捜査関係者によると、逮捕されたのは、名古屋市南区豊2丁目、無職アサクラ・ラザロ・エンリケ・ダ・シルバ被告(28)=公判中=ら4人。容疑は2009年9~11月、愛知県刈谷、安城、豊田市でランドクルーザーなど8台とゴルフバッグなど計約1600万円相当を盗んだというもの。共犯容疑がもたれている男は、行方がわかっていないという。08年秋ごろから、2~4人で愛知、静岡、岐阜県の住宅街や月決め駐車場でランドクルーザーなどを物色。盗んだ車はナンバープレートを付け替えて、関東のヤードまで高速道路などを運転して運んでいたという。捜査関係者の話では、アサクラ被告は調べに「仲間と約100台を盗んだ」と供述。別のメンバーは「ヤードに車1台を持って行くと数十万円を手にできた」と話したという。県警が被害を裏付けた70台余の中には、電子式ロック装置(イモビライザー)が解除されたものもあったという。ヤードは、数年前から全国各地の港に近い山間部や空き地に造られるようになった。約1100カ所は外国人グループの活動拠点になっているとされ、盗難車が見つかる事例も相次いだことから、警察庁が実態把握を指示。各都道府県警は今年6月、約440カ所を一斉に家宅捜索や立ち入り検査した。
(マガン、お帰りなさい:島根)
カモ科の渡り鳥・マガン(天然記念物)が今シーズンも越冬のため宍道湖西岸に飛来し、水辺で羽繕いをするなど愛嬌(あいきょう)たっぷりの姿で、愛好家らの目を楽しませている。例年9月下旬~翌3月中旬にかけ、シベリアなど大陸北部から飛来。今年1月には約4200羽の飛来が確認された。昨年まで4年連続で9月27日にシーズン初の飛来を確認。今シーズンは、26日午後4時頃、出雲市灘分町の斐伊川河口で、野鳥観察中の出雲大社禰宜(ねぎ)・千家国麿さん(37)が成鳥2羽を見つけた。千家さんは「猛暑などもあり、渡りがいつになるか気がかりだったが、ほぼ例年どおりで一安心」と話している。ホシザキグリーン財団が渡り鳥の初飛来日を予想するクイズを実施中で、マガンは応募103人中、11人が的中した。

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9/27
(クマ出没増、目撃情報390件:宮城)
宮城県内でツキノワグマの異常出没が増えている。4月以降、県に寄せられた目撃情報は400件近くで、既に前年度の件数を上回った。24日には加美町で男性がクマに襲われてけがをした。県は農作業者や登山者に注意を呼び掛けている。24日午後3時半ごろ、加美町鹿原田谷地の「加美町荒沢自然館」の管理人男性(72)が、自然館から約300メートル離れた遊歩道周辺でクマに襲われ、顔をひっかかれるなどのけがをした。自然館によると、男性の命に別条はないという。現場は薬莱山から南西に約3キロの地点。クマは突然、林の中から襲い掛かってきたという。周辺では最近、クマがクリの実を食べに訪れた痕跡が頻繁に見られていた。4月以降、クマに遭遇して負傷したのはこれで2人目。有害捕獲されたクマは9頭。県によると本年度、24日までに寄せられたツキノワグマの出没情報は390件で、前年度1年間の299件を大きく上回っている。クマの餌となるドングリやクリが不作とみられ、餌を求めて人里まで下りてきていることが原因という。県は、キャンプ場や山林での生ごみの持ち帰りのほか、農家などに対し果樹を放置せずに早めに収穫することを呼び掛けている。県地方振興事務所別の出没件数(17日現在)が最も多いのは、栗原の140件。次いで仙台93件、大河原87件、大崎31件、気仙沼19件で、石巻、登米はゼロとなっている。
(農作物、クマ被害多発:秋田)
クマに農作物を荒らされる被害が多発している。今年、県内で報告された被害件数は、今月20日までに295件に上り、昨年1年間の254件を上回った。今後も果樹の収穫期は続くため、クマの出没も増えるとみられ、県は注意を呼びかけている。県内25市町村に聞いたところ、17市町村が被害報告があったと回答した。最も件数が多かったのは鹿角市で、トウモロコシ、ナシ、リンゴ、モモなど91件に上り、昨年1年間の77件を上回った。同市花輪の農業、浅石甚太郎さん(74)は今月3日、収穫を目前に控えたナシ約1000個とリンゴ約600個が食べられているのを見つけた。いずれの木にもクマが登った形跡があり、ナシは無残にも木の枝が折られていた。被害額は約1万5000円だが、折られた枝に再び実がなるまで3年かかるといい、浅石さんは「来年、再来年も打撃を受けるので痛い」と嘆く。県自然保護課は、農作物被害が増加している理由について「5月の低温で、クマが食べるブナの実がかなり少なかったためではないか」と分析する。クマの目撃も多発している。県警のまとめでは、今年は今月18日までに369件で、昨年1年間の269件を大きく上回っている。目撃と農作物被害の件数は比例するといわれ、県自然保護課は「被害を防ぐには、クマが隠れやすい雑木などを刈り、里に下りて来ないようにすることが必要。熟れた果樹などは早めの収穫を」と呼びかけている。昨年はクマによる農産物被害として単価の高いリンゴ、ブドウ、蜂蜜なども報告され、県によると、被害総額は全体で約1930万円。2008年の約750万円、07年の約1050万円を大きく上回った。独自の対策に乗り出す自治体もある。鹿角市は今年から、クマよけに畑の周囲に張り巡らす電気柵を導入する農家に、費用の3分の1(上限4万円)を助成することを決め、これまでに24か所に設置された。電気柵は、クマが接触するとポールの間を結ぶワイヤに高圧の電気が流れる仕組み。20~30アールの畑に設置した場合、約15万円の費用がかかるが効果はてきめんで、設置した農家の柵の外にクマの足跡はあったが、畑の中にはなかったという。また、昨年、リンゴやブドウなど36件の被害があった横手市は、クマを捕獲するオリを新たに3基購入。昨年、農作物被害22件、人的被害4件が報告された仙北市では、地元猟友会の会員が減っている現状を踏まえ、市職員にクマの捕獲に必要な免許を公費で取得させることも検討している。
(クマ出没ご注意、えさのブナの実不作:石川)
県内でツキノワグマの出没が増え、金沢市では住宅地に出没する騒動があった。今年はクマのえさとなるブナの実のつき方が悪いことから、食べ物を求めて、人家周辺に下りてくる恐れもある。県はクマが冬眠する12月ごろまで注意するよう呼びかけている。15日午前10時35分ごろ、金沢市東長江、御所両町を流れる金腐(かなくさり)川沿いで「クマが歩いている」と通行人男性から110番通報があった。現場は近くに幼稚園などがある住宅地。道路を通行止めにするなど、一時騒然とした。クマは民家の裏にあるカキを食べるなどしていたが、約4時間後に県白山自然保護センターの職員らが麻酔銃で捕獲した。同センターなどによると、クマは雄のツキノワグマで体長70センチ、重さ約30キロの子グマ。8月ごろから卯辰山付近で親子グマが目撃されており、その子グマが下りてきた可能性がある。このほか、加賀市内でも20~21日、クマの出没が相次いだ。20日夜には加賀市熊坂町で、民家の外壁をひっかいているクマが目撃された。その翌日の夜にも、同市山中温泉の民家でクマがカキの木に登っていたという。県自然保護課によると、県内の今年の出没情報は88件(前年同期比40件増)。目撃件数は3年連続で金沢市が一番多く、39件(同17件増)という。増加している原因について同課は「記録的な猛暑で、クマのえさとなる山の実りが少なくなったからではないか」と分析する。秋、ツキノワグマはブナの実を主食にしている。同課はブナ科の木の実のつき具合を県内で調査。ミズナラやコナラは「並」だったが、ブナは「凶作」だった。3種類すべてが凶作だった2004年、出没情報は年間で1006件に上っている。ブナが凶作、ミズナラが一部凶作だった06年は10月だけで161件、年間300件を超えた。04年は5人、06年には4人がクマに襲われる被害にあった。今年7月には、金沢市の山あいで女性がクマに襲われて重傷を負っている。県は22日、調査結果を受けて2年ぶりにクマの出没注意情報を発令し、市町担当者を集めた連絡会議を開いた。県自然保護課は「住宅街にクマが出てきた例もあり、これからも注意が必要。クマの危険性を認識し、自衛策をとってほしい」と呼びかける。10月以降、冬眠の準備をするクマがえさを探しに人里へ出没する可能性が高まるため、県は各市町の担当者にクマへの警戒対応策を周知。えさとなるカキやクリなどを早めに収穫することや、生ゴミを放置しないこと、キノコ採りなどで山に入る際は、鈴やラジオなどを鳴らしてクマを避けることなどを促している。<もし遭遇したら>静かにその場を立ち去る。クマは逃げるものを追う習性があるので、背を向けて逃げてはいけない。動物の死骸(しがい)を食べることがあるので、死んだふりをするのは危険。<近づいてきたら>ザックなどの持ち物をひとつずつ置いて、クマの注意をそらしながらゆっくりと後退する。クマが離れても、持ち物を回収してはならない。<子グマを見たら>かわいくても、近寄ってはだめ。親グマが近くにいる可能性が高い。子グマを守ろうと攻撃してくることがある。
(観光地クマに困った:群馬)
県内でクマの被害や目撃情報が増えており、山間部の観光地でイベントを取りやめるなどの影響が出ている。来年夏に県やJRなどが連携して行う一大観光PRイベント「群馬デスティネーションキャンペーン(DC)」を控え、関係者は風評被害を防ごうと対策に追われている。約五百年の歴史がある四万温泉(中之条町)では、今月六日に温泉街近くにクマが出没。それまで週に二日、宿泊客にちょうちんを貸して夕闇の街を散策してもらうDCの事前イベント「ちょうちんウオーク」や星を眺める会などを開いていたが、中止に追い込まれた。クマは十一日に捕獲されたが、自然名所への遊歩道三カ所は今も通行禁止のまま。四万温泉協会は温泉街周辺の登山道など十カ所で大型の爆竹を鳴らすなど、クマが近づかないように気を配る。同協会の担当者は「今後の風評被害が心配。地道な対策をするしかない」と漏らす。県立ぐんま天文台(高山村)でも、三日に近くの林道でクマが目撃された。職員たちは来場者の駐車場から天文台までの遊歩道周辺の見回りや、クマよけの鈴を遊歩道の出入り口に置くなど対策に追われた。県自然環境課によると、県内で七月から今月二十四日までにクマに人が襲われてけがをしたケースは、沼田市や桐生市などで六件。目撃情報は四月~八月末に百四件と、昨年同期比の約二倍に上っている。市街地近くの目撃例も目立つ。県林業試験場によると、今秋は沼田市以北で、クマが好むブナの実が大凶作の見込み。ほかの木の実も不作の場合、エサを求めてクマが人里近くに現れる恐れもある。今夏は各地でDCの事前イベントが多く開かれており、中之条町経済産業課の担当者は「温泉街では月見などの野外イベントを企画したいが、どこに出るか分からないクマは非常に困る」。DCの準備を進める県観光物産課の担当者は「獣害情報があれば今後も市町村と連絡を密に取り、対策を取っていきたい」と話している。
(ヒグマ、50日間360キロ往来:北海道)
知床半島の付け根、標津町のNPO法人「南知床ヒグマ情報センター」(藤本靖理事長)が取り組んでいる携帯端末の全地球測位システム(GPS)機能を利用したヒグマの行動追跡調査で、若いオスグマが2か月足らずの間に直線距離で約63キロの間を約360キロも歩き回ったことがわかった。ヒグマの位置情報をリアルタイムで把握できる全国初の調査ならではの成果。この間、キャンプ場に近づいたヒグマを事前に察知して事故を未然に防止するなど、ヒグマと人間の共存のあり方にも一石を投じた。調査は、ヒグマ事故の未然防止を目指して足跡調査や自動カメラでの個体識別に取り組んできた同センターが、北大大学院の研究チーム、NTTドコモ北海道支社との共同プロジェクトとして着手。昨年はヒグマ3頭を生体捕獲して標津町から斜里町、羅臼町までの移動を確認。標津のクマは知床と行き来しているという仮説を実証した。今年は6月11日に体重約150キロの若いオスグマを捕獲。赤い首輪に発信器を着けたクマは最初は羅臼町境の標津町北部まで移動した後、海岸線近くの防風林沿いに南下して別海町の風蓮湖近くまで行き、また北上するなど、電池が切れる8月2日までに約360キロを歩いた。国道244号沿いの民家のすぐ近くを移動したが、目撃情報は14回しかなかった。共同研究者の坪田敏男北大教授は「若いオスグマは長距離移動すると言われてきたが、リアルタイムでの行動把握は、極めて貴重な記録」と話す。GPS端末へは通常、1日4回電話をかけ、その位置情報をパソコンに落とす。これを同センターと北大研究室で把握。北大は行動分析を担当し、同センターは人家に近づくなど危険と感じたときは追い払いをしたり、町民や釣り人に注意を呼びかけたりしてきた。7月3日、発信器を着けたヒグマが潮干狩り客でにぎわう尾岱沼ふれあいキャンプ場に近づいた。同センターはスタッフを現地に派遣。緊急時は何回でも電話をかければ、ヒグマの位置が瞬時にわかるため、リアルタイムでヒグマの位置を確認しながら、キャンプ場管理人らと爆竹などで追い払った。位置情報でヒグマがキャンプ場から遠ざかったことを確認、キャンプ場を閉鎖することなしに、人間もヒグマも安全が確保された。このとき、送受信を多く行ったため、3カ月以上持つはずの電池が8月2日に切れてしまったが、その後も赤い首輪が役立った。8月4日、赤い首輪が着いたヒグマが町道を横断するのが目撃され、「サーモン科学館の方に向かっている」と住民が通報。科学館前の標津サーモンパーク広場では同7、8日に町民祭りがあり、同センターのスタッフ7人がサーモンパークに近づかせないように標津川沿いに防御ラインを敷いて車から監視。遠ざかるヒグマを確認し、町民まつりも無事に開かれた。調査開始から2年目。今年は4頭の捕獲で目標の10頭には届かず、装着電池の寿命をもっと長くできないかなど、課題も多い。藤本理事長は「調査は継続が命。ヒグマとの共存をはかるためには確かなデータが必要。多くのデータを蓄積し、近隣市町とも連携して取り組んでゆきたい」と話している。同センターは今年から、把握したヒグマの位置情報や町民からの目撃情報などをもとにした「ヒグマ情報」の携帯メール送信も始めた。
(酵素加え熟成、シカ肉うまみアップ:兵庫)
兵庫県立大環境人間学部と同大学自然・環境科学研究所が、シカ肉の味を良くする技術を開発した。アワやヒエなどから作った酵素を加えて熟成させたところ、肉質が軟らかくなって食べやすくなり、栄養性も向上した。シカによる農作物の被害は各地で深刻化しているが、これまでは駆除してもほとんどが埋設処分されていただけに、今後、特産品としての活用が期待されそうだ。研究所によると、シカのモモ肉に「多穀麹(こうじ)」と呼ばれる酵素を添加して数日間熟成させたところ、肉質が軟らかくなり、うまみが増した。また、疲労回復などの効果があるとされるアミノ酸量は5倍となり、熟成前にはなかった抗ストレス作用があると注目されているアミノ酸の一種「ギャバ」も生成されていた。県内のニホンジカは、ここ10年ほどで急増し、「イノシシを追いやるほどの勢い」(県自然環境課)で生息域を拡大しているという。但馬南部や西播磨などを中心に現在、約14万頭が生息していると推定され、稲を食べたり、田んぼを踏み荒らしたりするなどの農作物被害は159・8ヘクタール(2008年)に及んでいる。県内で捕獲されるシカは、年間約2万頭。しかし、シカ肉は脂肪分が低いうえ、パサパサして独特の臭みもあるため、ボタン鍋などで調理されるイノシシ肉と違い、大半が埋められていた。研究にかかわった同大学環境人間学部の吉村美紀教授(食品栄養学)は「軟らかくて食べやすく、ハンバーグやソーセージなど加工食品への活用が期待できる。シカ肉はたんぱく質が多く脂質が低いので、健康志向が高い現代人にぴったりの食品だ」と話している。
(ニホンジカ、イノシシを食材活用促進:福井)
野生のニホンジカとイノシシを食材として活用を促進しようと、県はシカなどの肉の取り扱い方法を記載したガイドラインを作成している。11月までに完成させる。捕獲された獣類を、食肉として流通させることで“自然資源”の有効活用を図るとともに、獣類の農作物などへの被害を軽減させる考えだ。県鳥獣害対策室によると、牛などの家畜は法律で適正な処理方法が規定されているが、野生動物については法規制がない。これらを扱う食肉加工施設は県内では、嶺南で本格的な施設が2011年度に稼働する予定だが、現在は個人やグループで実施しているところが数カ所ある程度。まず指針を定めて野生動物を流通させるための基礎を整える。県は今年4月、食肉としての普及施策やガイドラインを検討する部局横断プロジェクトチームを設置。食肉として扱うための殺処分や解体の方法などを取りまとめている。完成したガイドラインは冊子にまとめて狩猟関係者らに配布する。県は、人里に出没し農作物に被害を与える獣類が年々増えていることなどから、ニホンジカとイノシシそれぞれの県特定鳥獣保護管理計画を変更・策定する作業中で、いずれも従来の狩猟期間を1カ月間延長するなど捕獲数を伸ばす措置を講じる。2009年度の捕獲実績はニホンジカが5606頭、イノシシが7789頭だった。
(シカの行動GPS探査:徳島)
徳島と高知県境にまたがる三嶺など剣山山系で深刻化するニホンジカの食害問題で、徳島大学と県が衛星利用測位システム(GPS)装置を使ってシカの行動パターンを探っている。冬場に頂上付近から低地へ移動するなど予想以上に移動距離の長いシカも確認された。調査結果を季節に応じた効率的な駆除に役立てたいとしている。剣山山系でのシカの食害対策は、これまで防護ネットの設置などが主だった。季節移動や分布状況を正確に把握し駆除策を打ち出そうと、徳島大大学院ソシオテクノサイエンス研究部の鎌田磨人教授のグループと県西部県民局の森一生(かずお)課長補佐が2007年から連携し、準備を進めてきた。09年6~8月には、剣山山中で毎月1頭ずつ計3頭のシカを捕獲。それぞれの首に、緯度や経度などの位置情報を蓄積できるGPS装置を取り付け、再び山に放した。タイマーなどで1年後に自動的に外れるように設定し、今年6、7月と9月に、山中に落ちていた計3個を回収した。蓄積された情報によると、6月に捕獲されたシカは年間の大半を山頂付近の約1キロの範囲で過ごし、冬場は三好市東祖谷の名頃ダム周辺に移動していることが分かった。積雪の多い山頂付近を避け、低地に下りたとみられ、移動距離は最大で約10キロに及んだ。7、8月に捕獲されたシカの行動範囲は山頂から中腹周辺に限られ、移動距離は最大で約2キロだった。森課長補佐は「シカの行動範囲は一般的に2キロ前後だといわれる。剣山系のシカに冬場低地に下りるような特性があることが分かれば、食害対策につなげることができる」と話している。剣山のシカは年々増え続け、1平方キロ当たりの生息密度は08年度26頭、09年度38頭となっている。
(モンキードッグに、新しい飼い主:岩手)
釜石市内で「休職中」だった県内第1号モンキードッグに、新しい飼い主が見つかった。農作物を荒らすサルを追い払う訓練を受けた犬のアンセルは、約2カ月釜石保健所に保護されていた。市ではモンキードッグとして飼える市民を探したが見つからず、自宅周辺にサルが出没する市内の男性が先月下旬に引き取った。一般の飼い犬として、新生活を送っている。ラブラドルレトリバーのアンセルは5歳の雄。同市甲子町の農業、佐野安弘さん(69)が新しい飼い主として、8月26日に引き取った。佐野さんはアンセルと被害を受けた場所へ出動はできないが、犬の飼育経験が豊富で、自宅裏の山などにサルが出没することが譲渡の決め手になった。アンセルは2006年度に市の事業で購入して訓練を受け、サル被害のある地域に住む市民に譲渡された。市役所からの連絡で出動し、サルを山に追い払ったこともあった。しかし飼い主が飼育困難な状況となり、今年6月中旬に釜石保健所動物管理センターで保護。市ではモンキードッグとして飼える市民を探していた。市役所には市内外から5件の連絡があったが、すべて「一般的な飼い犬としてほしい」というものだった。アンセルは最初夜にほえたりしたが、次第に落ち着いてきた。毎日朝夕、アンセルと散歩に出掛ける佐野さんは「アンセルが来てから、サルが近づいてこない。おとなしく人なつっこい性格で、すっかり慣れてくれたようだ」と目を細める。
(モンキードッグの訓練順調:青森)
10月1日、下北半島に新しいモンキードッグがデビューする。雌のジャーマンシェパードで、名前は「クロ」(2歳)。「勤務地」となる大間、佐井、風間浦の3町村で訓練に励んでいる。モンキードッグの仕事は、国の天然記念物「北限のサル」による農作物や人への被害をなくすため、耕作地の近くに下りてきたサルを山に追い上げること。むつ市が2008年夏にゴン太、はなの2頭を導入しており、今後はクロを加えた3頭体制で広域的に下北の農作物を守る。

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(ツキノワグマ出没注意:宮城)
県に寄せられるツキノワグマの出没報告が例年になく多い。4月からの累計は344件(11日現在)で、クマが異常出没した平成18年度の同時期の270件を大きく上回った。その要因の一つにクマが大好物にしているブナの実の凶作が浮上している。ツキノワグマの出没とブナの実の関係については、ブナの実が大豊作(5~7年周期)になった翌年にクマが多く出没することが分かっている。18年はブナの実が豊作だった17年の翌年に当たり、年間で平均50頭前後で推移している捕獲頭数(狩猟・有害駆除)が18年度は4倍以上の216頭に達した。冬眠中に出産するツキノワグマのメスは秋に十分な栄養をとらないと子を宿さないとされる。栄養豊富なブナの実が豊作だった17年はメスが十分な栄養をとった結果、個体数が増えたことが考えられる。しかし、ブナの実は2年連続で豊作になることはなく、凶作だった18年はエサ不足でクマが人里に現れたわけだ。ブナの実の開花と結実状況を毎年調べている東北森林管理局は、結実が70%以上を豊作▽40%~70%未満を並作▽20%~40%未満を凶作▽20%未満を皆無-と分類している。宮城県内のブナは17年が豊作(86%)▽18年が皆無(4%)▽19年が凶作(26%)▽20年が凶作(34%)▽21年が並作(40%)-だった。22年は開花段階で64%の並作の予想だった。ところが、県内調査を担当する宮城北部と仙台の両森林管理署は「予想よりも実がなっていない。凶作の可能性もある」と口をそろえる。森林総合研究所(茨城県つくば市)は「この夏の高温で虫が大量に発生して結実前にブナの花が食べられてしまったことも考えられる」と指摘する。県内のブナの実は18年の皆無を底に21年まで増え続け、森林総合研究所は「18年に激減したクマの個体数がある程度まで回復していることも考えられる」としている。今年はクマが異常出没した18年に近い状況にある可能性も高い。仙台市青葉区作並では10日、53歳の女性がクマに襲われて軽傷を負った。この秋は一層の注意が必要だ。
(イノシシ避けようと?正面衝突で女性死亡:広島)
24日午後6時半ごろ、広島県庄原市東城町川鳥の国道314号で、会社員、西川ちひろさん(43)=同市東城町森=の軽乗用車と、大学生、小谷香龍さん(23)=松江市西川津町=の乗用車が正面衝突した。西川さんは頭を強く打ち間もなく死亡。小谷さんの車には、同じ大学の19~23歳の男性計4人が乗っていたが、いずれも打撲などの軽傷。庄原署などによると、現場はセンターラインのある片側1車線の道路。西川さん側から見て上り坂の緩やかな右カーブになっていた。路上にイノシシとみられる動物の死骸があり、西川さんが避けようとハンドルを切った際に、反対車線にはみ出したとみられる。
(イノシシ捕獲、登山客襲撃の「容疑者」?:兵庫)
イノシシが登山客を襲う被害が相次いでいた神戸市東灘区の六甲山で、地元猟友会が24日、体長約1メートルの雄のイノシシ1頭を捕獲し殺処分した。イノシシは鳥獣保護法の保護動物で原則は捕獲できないが、市は、左耳の上部が欠けているなどの目撃情報から登山客を襲っていたのは1頭とみて、駆除対象の有害鳥獣に指定、猟友会に捕獲を依頼した。市は捕獲されたイノシシが騒動を起こしたイノシシかどうかは確証がなく不明としているが、特徴が似ており、当面の捕獲は見送る。新たな被害が出た場合、再度捕獲を検討。登山時の注意は引き続き呼び掛けている。
(“男性襲撃”のクマ捕獲、殺処分:京都)
住民がクマに襲われる被害が相次いでいる京都・与謝野町で24日未明、ワナにクマ1頭がかかっているのが見つかった。24日午前0時ごろ、与謝野町の住民が、クマ捕獲のために仕掛けていたドラム缶の扉が閉まる音を聞いた。24日朝、町役場の職員が確認したところ、ツキノワグマ1頭が捕獲されていた。地元の猟友会によると、捕獲されたのは10歳くらいのメスのツキノワグマで、今月13日に町内で85歳の男性を襲ったクマとみられている。与謝野町で捕獲されたクマは今月18日に続いてこれで2頭目で、再び人を襲う恐れがあるとして殺処分された。
(クマ殺処分:山口)
県は24日、岩国市錦町宇佐の養豚場でツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。同じ養豚場で8日以降5頭目の捕獲になり、地元の不安が強いため殺処分された。自然保護課によると、同日午前6時半ごろ、敷地内の箱わなにかかっているのを市職員らが見つけた。メスの成獣で体長130センチ、体重85キロ。今シーズン19頭目の捕獲となった。
(クマ駆除、今年3頭目:石川)
24日午前11時ごろ、宝達志水町の宝達山中腹で、雄のツキノワグマ1頭がおりにかかっているのを石川県猟友会羽咋支部の会員が見つけた。クマは駆除された。今年、同町内でクマが駆除されたのは7月と8月に続いて3例目。県は22日に餌不足を理由にクマの出没注意情報を発令しており、今回見つかったクマの胃の中には、おりの中にあったハチミツしかなかった。クマは同町原の集落から1キロほど離れた山間部に個体数調整のため県の許可を得て仕掛けられたおりにかかっていた。体長は約110センチだった。宝達志水町では7月16日に今回と同じ場所で、8月29日には同じ中腹の平床で、クマが1頭ずつおりにかかっていた。同町でクマが駆除されたのは昨年5月に下石の集落近く出没した際が初めてで、今年の多さについて町は「餌不足の影響ではないか」とみている。県によると、クマの餌となる木の実の付き具合は、同町ではミズナラとブナが凶作で、コナラが並作となっている。
(線路にクマの死骸:長野)
24日午前6時ごろ、JR中央西線の木曽福島-上松駅間で、上り回送電車の運転士が、下りの線路上にクマの死骸(しがい)があるのを見つけた。撤去作業のため、下り普通電車2本が最大1時間11分遅れ、約70人に影響した。JR東日本によると、23日の上り最終電車の運転士が「午後10時40分ごろ、小動物に接触したかもしれない」と話しているという。この日の運行に影響はなかった。12日午後9時15分ごろにも、木曽福島-原野駅間で、下り特急電車「しなの」がクマをはね、後続電車を含む2本が最大35分遅れた。運転士が線路にクマ3頭がいるのを発見、ブレーキをかけたが間に合わず、1頭が線路脇で死んだという。今年は大町市が初の「クマ出没警戒警報」を出すなど、人里での目撃や被害が多発。猛暑による餌不足が原因とみられる。県野生鳥獣対策課によると8月末現在、木曽地域はクマの目撃が315件(前年同期比91件増)▽農業被害が14件▽人的被害が2件発生。県内全体では目撃が1219件(同388件増)▽農業被害は481件▽人的被害は8件が発生しているという。
(ツキノワグマの目撃2・7倍:広島)
中国地方でツキノワグマの目撃件数が増えている。広島県内では本年度、8月末までに320件で、昨年同期(120件)の約2・7倍。今夏の猛暑の影響で餌が不足して人里に出没するケースが多いとみられる。冬眠を控えたクマは活動を活発化させるため、自治体や専門家は行楽客にも注意を呼び掛けている。安芸高田市美土里町では今月16日、わなに4歳くらいの雄がかかった。民家まで約100メートル。畑を荒らされた近くの男性(67)は「高齢者が多い地域。遭遇してもすぐに逃げられるか…本当に怖い」とおびえる。目撃件数は山口県内では16日までに127件で、岡山は49件。鳥取は22日までに79件あり、島根は8月末で309件だった。いずれも前年の1・8~2・6倍になっている。広島県内の捕獲数は今月22日までに38頭。2009年度は1年間に4頭、08年度は42頭だった。廿日市市の環境保護団体「広島フィールドミュージアム」の金井塚務代表は「猛暑で、コナラやミズナラの生育が悪く、若いクマを中心に餌を求めて集落まで近づいている。山菜採りなどの際に、遭遇する可能性がある」と注意を促す。広島県によると、広島、山口、島根の3県にまたがる西中国山地には300~740頭のクマが生息しているという。
(イノシシ農被害減へ狩猟期間延長:福井)
深刻な農業被害をもたらしているイノシシの生息数を調整するため、福井県は24日、狩猟期間を法定の3カ月間より1カ月長くすることなどを柱とした保護管理計画を決めた。狩猟解禁日の11月15日から実施し、5年間で農業被害の面積を2009年より3分の1以上減らすことを目標にしている。県環境審議会野生生物部会が県民会館で開かれ、特定鳥獣保護管理計画を承認した。県内の有害獣の農作物被害は09年に419ヘクタールあり、うち約7割に当たる291ヘクタールがイノシシによるものだった。これを受け、計画では鳥獣保護法施行規則で11月15日~2月15日とされている狩猟期間を3月15日まで延長。過去最多の捕獲数だった09年の数(約7800頭)を維持し、農業被害を2015年に200ヘクタール以下にすることとした。被害面積の約2割を占めるニホンジカについては、08年に策定した特定鳥獣保護管理計画を変更。特に被害が深刻な嶺南の捕獲目標を年間4千頭から6千頭以上に引き上げたほか、嶺北でも「被害拡大が懸念される」として、これまで1人1日2頭に制限していた狩猟数を嶺南並みの5頭に増やした。狩猟期間もイノシシと同様に1カ月間延長。イノシシ、ニホンジカとも、延長期間中は入山者の安全を考慮し、銃は使わずにわな猟のみとする。このほか審議会では、狩猟が禁止される鳥獣保護区に大野市南部の姥ケ岳と、勝山市東部の小原地区を新たに指定することを承認した。期間はともに11月1日から20年間。これで同保護区は県内に47カ所となる。
(大量の拳銃所持男に懲役4年:広島)
個人で大量の拳銃を所持していたとして、銃刀法違反(加重所持)などの罪に問われた南区黄金山町、会社員、中川俊夫被告(66)の判決が24日、広島地裁であった。芦高源裁判長は「個人の所持としてはまれに見るほど極めて多数。厳しい態度で臨むべき」として懲役4年(求刑・同7年)を言い渡した。芦高裁判長は「被告はもっぱら個人的嗜好(しこう)から銃器類を収集していたに過ぎない」としながらも、「危険な銃器類が社会に拡散する恐れがあった」とした。押収した拳銃10丁▽小銃1丁▽模造拳銃12丁▽実弾233発▽空包83発▽銃用雷管151個は没収した。判決などによると、中川被告は今年2月、自宅と西区の勤務先建物に、拳銃10丁や実弾233発などを隠し持っていた。
(九州で「絶滅」したクマ、有力目撃情報6件:宮崎)
昭和62年に大分県でツキノワグマが捕獲された後、絶滅したとされる九州のクマについて、平成12年から10年間で6件の有力な目撃情報があることが宮崎県高千穂町の写真家、栗原智昭さんの調査で分かった。日本哺乳類学会の学会誌12月号に発表される。栗原さんは、九州各地から寄せられた数十件のクマとみられる動物の目撃情報について、科学的な信頼性が高いものに絞って集計した。この結果、有力な情報はいずれも宮崎県内の6件で、うち2件は親子連れだった。21年1月には、宮崎県高千穂町の山林でイノシシ用のわなにかかり、猟師が現場を離れた間にいなくなってしまったとの目撃情報があった。栗原さんは「九州でクマが生き残っている可能性がある。専門家による継続的な調査や保護・被害予防に向けた対策を行う必要がある」と話している。
(イノシシ対策室、県内初めて設置:長崎)
佐世保市は24日、県内初となるイノシシ対策室(有害鳥獣対策室)と総合教育センターを新設する機構改革と人事異動(計44人)を発表した。発令は10月1日。イノシシ対策室は、農業畜産課に配属していた有害鳥獣専門の職員3人を4人に拡充し、イノシシやアナグマなど有害鳥獣の防護策や捕獲、住民相談などの対応策も強化する。市内のイノシシによる農業被害額は00年度から急増し、04年度は過去最高の約1億1200万円を記録。一時沈静化したが、08年度は約7千万円に上っている。

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(牡鹿半島で依然過密、250頭捕獲始まる:宮城)
牡鹿半島や石巻市稲井、河北地区のニホンシカの生息数調査を行っていた「牡鹿半島ニホンシカ対策協議会」(会長・亀山紘石巻市長)は、牡鹿半島地域の生息数が依然として過密状態であるとの調査結果を公表した。調査は夜間に道路沿いから山林にライトを照らし、明かりに反射したシカの目で頭数を目視計測するライトセンサス法で行った。今回は牡鹿半島部のほか、住民から目撃情報が寄せられている石巻市稲井と雄勝、河北地区に調査範囲を拡大。今月13~14の2日間実施した。この結果、牡鹿半島以外の地域では1頭も確認されなかったが、牡鹿半島の計13地点でオス27頭、メス147頭、子26頭の計200頭を確認。ほぼ全域で1平方キロ当たりの適正生息数(10頭以下)をオーバーした。特に半島先端地域では18倍を超える超過密状態だった。同協議会では、県の保護管理計画に基づき09年度は08年度を上回る計1195頭を捕獲。今年も15日から11月10日まで計250頭の捕獲目標に2回目の有害鳥獣捕獲が始まった。石巻市産業部農林課によると、牡鹿半島部のシカの生息数は前年とほぼ同じだが「生息地域に大きな変化が見られるのが今年の特徴」という。また、例年と比べ農作物の被害やシカの交通事故も少ないといい、関係者は「夏の暑さが影響して人里にシカが下りてこなかったのかもしれない」と推測。秋から冬場にかけての被害拡大を警戒している。
(クマに襲われ男性けが:岐阜)
23日午後4時50分ごろ、中津川市中津川の前山の西側山すそで、「クマに襲われた」と、同所の無職男性(74)から119番通報があった。男性は顔や左手などをクマにつめで引っかかれたりかまれたりしたが、軽傷のもよう。中津川署によると、現場は市役所から東北東へ約2キロで、近くに住宅地もある同山山道入り口付近。クマは体長約1.5メートルで、山の中へ逃げていったらしい。男性は犬の散歩中だった。このため市職員らが現場を中心にパトロールを行い、地元住民に注意を呼び掛けた。24日には地元猟友会が現場の山に入ってクマを捜す予定。
(エゾシカ駆除最多、本年度道内5万5千頭:北海道)
道内の市町村が農地での食害を防ぐため行っているエゾシカの有害駆除頭数が本年度、過去最多の5万5千頭に達する見込みであることが、道のまとめで分かった。道は、市町村が補正予算を組んで駆除を行う場合に事業費の半額を補助する緊急対策の効果が大きいとみている。ただ、狩猟分を含めても、増加を食い止めるための適正捕獲頭数には届かず、道は対策の一層の強化を検討する考えだ。道によると、エゾシカの駆除頭数は年々増えている。道は緊急対策に基づく補助の申請件数などから、各市町村の本年度の駆除目標を調べたところ、総計で前年度の3万5千頭より2万頭多くなった。駆除の大部分は例年4~10月で、各自治体の駆除が順調に進んでいるため、本年度の駆除頭数を5万5千頭と見込んでいる。
(里山守る「鳥獣管理士」、宇都宮大が新資格:栃木)
イノシシやシカなどが田畑を荒らす鳥獣被害の深刻化を受け、宇都宮大農学部(宇都宮市)が新しい資格「鳥獣管理士」を作った。電気柵の設置法や、獣を寄せ付けない集落作りを地域にアドバイスする技能者を認定する。国内初の本格的な認定制度で、全国の自治体・農協職員などに鳥獣対策の専門家を増やし、被害を減らすのが狙いだ。同大は昨年10月、自治体職員や農林業関係者らを対象にした「地域鳥獣管理専門員養成コース」を設置した。資格は、同大が設立した任意団体「鳥獣管理技術協会」(会長=茅野甚治郎・同大農学部長)が授与する。大学で1年以上学ぶ全国初のプログラムで、1期生は県内外から39人が受講するなど反響は大きかった。今月30日には、同コースで120時間以上学んだ修了者14人を準1級と認定。120時間未満でも1年間学んだ3人は2級と認め、それぞれ認定証を授与する。準1級の取得者が、3年程度の現場経験を積めば1級と認定される。
(リスによる食害防げ:熊本)
離島を除き、九州では熊本・宇土半島でしか生息が確認されていない特定外来生物「クリハラリス」(通称・タイワンリス)の生息域が拡大していることが県などの調べでわかった。放置しておけば倍増し、農業被害が深刻化する恐れがあり、県は大型わなを仕掛けるなど対策に本腰を入れ始めた。「手間暇かけた作物がリスに食べられ、悔しい」。約50アールのブドウ園を経営する宇城市三角町の農家沢下龍一さん(79)は、クリハラリスによる食害に厳しい表情を見せた。5年ほど前から、収穫前の7月上旬になると、色づき始めた実がリスに食べられるようになった。被害額は年間数万円だが、市内全体のブドウ農家でみると、昨年は約70万円に上った。「今のうちに繁殖を食い止めなければ、取り返しのつかないことになる」。沢下さんは不安そうに話す。国内でのクリハラリスの生息実態はよくわかっていない。被害の多い神奈川県では、1950年代に鎌倉市で初めて野生化が確認された。同県の農業被害額は昨年度が384万円。年間約2600匹を捕獲しているが、同県は「これは氷山の一角。もっと多く生息しているはず」としている。熊本県では08年11月、宇土半島西端の宇城市三角町で熊本西高生物部がクリハラリスの死体を見つけ、存在が確認された。県などによると、昨夏の調査では、生息域は三角町西部を中心とした約20平方キロ・メートルの範囲だった。ところが、今年5月には北東側の宇土市網田地区でも目撃情報や被害の報告があり、東側に約10平方キロ・メートル広がっていると推定された。宇城、宇土両市は今年度に入り、約1500匹を捕獲した。しかし、森林総合研究所九州支所(熊本市)の安田雅俊主任研究員(41)によると、生息数は推定で6000~8500匹。捕獲した個体の胎児数などを調べた結果、2年間で2倍になる可能性もあるという。県は5月、両市などと連絡協議会を設立。年間1800匹以上捕獲すれば増殖は防げると判断し、県職員や地元の猟友会員ら約10人が今月上旬、宇土市の山中に一度に約10匹を捕獲できる鉄製のわな(縦横各1・8メートル、高さ2・1メートル)を設置した。半島に住む約1万戸に情報提供を呼びかけるパンフレットも配布した。県宇城地域振興局の中薗育一郎・林務課長は「両市などと連携し、根絶に向けて努力をしていきたい」と話している。
(有害鳥獣捕獲ボランティア隊を結成:大分)
佐伯市は有害鳥獣捕獲ボランティア隊(黒木隆典隊長、42人)を結成した。農地を荒らすイノシシやシカを「わな」で捕まえ、被害を減らすことが目的。市内の被害総額は年間約4千万円に上る一方、狩猟者数は減少傾向にある。猟銃による狩猟者と協力し、生息頭数の抑え込みも目指す。隊員は主に農業従事者。旧市町村を単位とした9支部を組織し、支部ごとに被害地を把握。市猟友会と捕獲計画を擦り合わせて活動する。隊員はわなの狩猟免許を取得。市は取得費用(3万200円)の3分の2ほどを助成する。使用する「くくりわな」は5基を貸し出す。市役所で設立式を開き、塩月厚信副市長が隊員に委嘱状を手渡して激励。黒木隊長が「鳥獣害は農業者の耕作意欲の低下につながっている。自分たちの手で田畑を守りたい」と決意を述べた。隊員は免許取得試験をクリアした後、11月から本格的に活動を始める。同市によると、捕獲報奨金制度を拡充させた2009年度のシカの捕獲頭数は9505頭。前年度と比べ倍増した。関係者は「猟銃を使えない民家近くではわなが威力を発揮する。一頭でも多く駆除し、被害を防ぎたい」と期待を寄せている。
(“襲撃”イノシシ、神戸市が駆除へ:兵庫)
六甲山中で登山者がイノシシに相次いで襲われている問題で、神戸市が21日、イノシシを捕獲して駆除する方針を決めたことが、市への取材で分かった。被害は、「ロックガーデン」や「風吹岩」を経て、六甲山頂へ登る神戸と芦屋の市境に近い登山コースで多発。東灘署によると、今月、食べ物を狙ったイノシシに荷物を奪われたり、手をかみつかれたりする被害が7件起きている。神戸市は、昨秋冬も十数件の被害を把握し、注意看板を設置してきた。市によると、野生のイノシシは、鳥獣保護法上の保護動物で、原則捕獲できない。しかし、多くの登山者を傷つけ、大けがにもつながりかねず、駆除可能な「有害鳥獣」にあたると判断した。人への危害を理由にした山中での捕獲は珍しいという。市は、当日の入山規制など登山者の安全策なども地元猟友会と協議し、数頭を捕る方針。捕獲はかご形のわな設置が一般的だが、市は「山中では難しい。やりや麻酔銃の使用も検討し、できるだけ早く実施したい」としている。
(津江漁協の処分見送り:大分)
日田市の津江漁協が国の補助金約165万円を不正受給していた問題で、県内水面漁業協同組合連合会(三浦渉会長)が21日、大分市で緊急組合長会議を開き、善後策を協議した。同漁協の処分見送りを確認し、年内に再発防止策をまとめることにした。加盟する全15漁協の組合長や代理人が出席した。不正受給は、8月に津江漁協の当時の組合長が遊漁券を買っていない釣り客に散弾銃を突きつけて逮捕された事件をきっかけに発覚し、すでに全額返還した。前組合長は銃刀法違反罪などで起訴され、大分地裁日田支部が今月17日、懲役1年2カ月、執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)の有罪判決を言い渡した。組合長会議では、8日付で津江漁協の新組合長に就いた永瀬宝氏が不正を謝罪して穏便な対処を求め、各組合長から「今回は初めての事態。寛大な措置を」といった意見が出た。再発防止策として補助事業の申請書類のチェック体制確立や不正防止のマニュアル作りが提案された。津江漁協は2007~09年度、緊急・広域外来魚等対策事業で添付書類を偽装して国の補助金を不正受給した。
(お騒がせのサル?オス1匹捕獲:福島)
12日から郡山市の民家や学校付近でサルが出没していた問題で、市は22日、市内田村町守山字扉田の山林でサル1匹を捕獲したと発表した。サルは大玉村の県鳥獣保護センターで保護されている。体調など様子を見て山林への放獣を検討するという。市によると、22日午後1時ごろ、市に目撃情報が入った。市職員らが出動し山林でサルを確認。同3時ごろ、県の協力を受け、麻酔銃を撃ってサルを捕獲した。サルは大人の雄で、体長56センチ、体重9・6キロ。各地で目撃されたのと同一のサルとみられる。
(狩猟者、高齢化や規制で激減:茨城)
県内でイノシシなど有害鳥獣の駆除を担う狩猟者が減り続けている。2009年度の散弾銃などを取り扱える登録者は4744人で、10年前に比べ4割以上減った。ハンターの高齢化や法改正による規制強化が要因とみられる。県や猟友会は狩猟免許の所持者を増やすため、試験日を日曜日にしたり講習会を開いたりしているが、減少傾向に歯止めがかからない。自治体関係者は「このまま減り続ければ、有害鳥獣の捕獲に影響が出る」と懸念している。県環境政策課によると、散弾銃やライフル銃を扱う「第1種銃猟免許」の登録者は99年度に8187人だったが、その後は減少が続き、09年度は初めて5千人を割り込んだ。08年度の登録者を年代別にみると、60歳以上が61・7%を占め、50歳代が26・9%、40歳代は7・3%、30歳代は3・4%、20歳代はわずか0・8%となっており、高齢化が顕著だ。長崎県佐世保市の散弾銃乱射事件などをきっかけに、銃刀法が改正され、昨年12月から所持の許可要件が厳格化されたことも影響している。許可を受けるには(1)精神保健指定医らの診断書提出(2)射撃場での技能講習過程の修了(3)75歳以上は認知機能検査-などが必要となった。同課は猟銃免許試験の受験者を増やそうと、05年度から年3回の試験のうち1回は日曜日に実施。今年度から2回に増やした。しかし、今年度の受験総数は125人にとどまり前年度より24人減った。県猟友会も合格率を高めるため、試験前に講習会を開くなどしているが、減少傾向は止まらない。県猟友会は「鉄砲を担いで山に入るのは体力的にきつい。手続きが面倒だと免許の更新をあきらめる人も出ており、若い人に勧めにくくなった」と説明する。県イノシシ保護計画によると、昨年度のイノシシ捕獲は、2929頭(前年度比469頭増)。農林作物被害面積は51ヘクタール(同19ヘクタール増)で、被害額も6742万円(同2342万円増)となった。大子町農林課は「捕獲しなければ、被害はもっと広がる。現在、駆除隊は1班10人の4班体制をお願いしているが、うち1班は1人欠けている状態。高齢化も進み、5年後、10年後は駆除隊が編成できるか心配」と話す。県猟友会大子町支部の藤田佳弘支部長(74)は「昭和40年代には免許所持者は町だけで500人近くいた。今は81人に減り、70歳前後が中心。駆除や狩猟は免許を持ったらすぐにできるものではない。このままではノウハウが途絶えてしまう」と嘆いた。県は比較的危険が少ない「わな猟」免許の普及に努めているが、昨年度の登録者は475人にとどまっている。
(クマ捕獲:石川)
加賀市熊坂町の民家敷地にクマが出没した騒動で、22日午前7時頃、同所に設置したオリにクマが入っているのを県猟友会加賀支部の会員が確認した。加賀市農林水産課によると、捕獲されたのは体長1メートル、体重50キロの大人のツキノワグマで、その後殺処分された。民家で目撃された情報などから同一のクマとみられる。
(クマ注意報、県が発令:石川)
石川県内で今秋、ツキノワグマの餌である木の実の付き具合が例年より悪いことが、県の22日までの調査で分かった。県は「餌が豊富な人里への出没が多くなる可能性が大きい」(自然保護課)として同日、出没注意情報を発令し、市町担当者を集めた連絡会議を開いた。注意情報の発令は2年ぶりとなる。県は8月下旬から9月上旬にかけ、金沢、小松、白山、加賀、能美、津幡、宝達志水の各市町で木の実の付き具合を調査した。「大豊作」「豊作」「並作」「凶作」「大凶作」の5段階で分類した結果、ブナは10カ所で凶作、11カ所で大凶作となり、ミズナラとコナラは場所によってばらつきがあったが、全体として並作と予測された。今年の県内の目撃情報は21日現在、前年同期比39件増の87件。金沢市では7月に女性がクマに襲われ重傷を負い、今月15日には住宅街に現れたクマを麻酔銃で捕獲した。県は▽餌となるカキやクリなどは早めに収穫する▽外出する場合は鈴やラジオを携帯する▽クマが隠れやすい草むらなどの刈り取りを行う―ことなどの対策を呼び掛けている。
(シカ捕獲頭数制限を撤廃:和歌山)
県は今年度の狩猟期から、シカの捕獲頭数制限の撤廃に踏み切る。シカによる農業被害の拡大を受けての措置で、現在、県内で生息する推計約3万1千頭を15年前の約8700頭まで減らしたい考えだ。全国では兵庫、高知、熊本、大分の各県で捕獲制限が撤廃されており、和歌山県もそれに次ぐ形となった。県農業環境保全室によると、戦前から終戦直後までの乱獲でシカの生息数が激減。1947年から国が雌の捕獲を禁止、「一人あたり1日雄1頭まで」と制限した。他方、森林では雑木林を伐採して杉やヒノキの植林が進められ、下草が生えるなどして格好のえさ場が広がった。2歳以上の雌はほぼ毎年妊娠することから、シカの生息数は急増していったという。シカの頭数増は各地で農家に被害をもたらした。県内でも最近、拡大が目立つようになった。同室のまとめでは、野菜や果実の食害、水田の踏み荒らしなどシカによる農業被害額は2001年度が約2千万円だったが、増加傾向は収まらず、09年度は約4600万円と2倍以上に跳ね上がった。内訳をみると、果樹王国だけあって、ミカンや梅などの果樹の被害が約7割を占める。果実ではなく、葉や幹を食べることで樹木自体を傷めさせるという。被害が拡大するにつれ、農家の生産意欲の減退なども深刻な問題になってきている。生息数を減らすため、国は07年度から「一人あたり1日1頭まで」とし、禁じてきた雌の捕獲も認めるようになった。県も08年度から雌を重点的に捕獲するとした「ニホンジカ保護管理計画」を策定。「一人あたり1日2頭(雌2頭あるいは雌雄各1頭ずつ)」と捕獲制限を緩和した。狩猟期間も11月1日~翌年3月15日(従来11月15日~翌年2月15日)に延長した。狩猟によるシカの捕獲頭数は01年度は1483頭だったが、09年度には3674頭まで増えた。同室は「生息数自体が伸びているため、捕獲頭数も増えたと考えられる」と分析。しかし農業被害に歯止めがかからないため、今回、捕獲制限の撤廃を決めた。とはいえ、捕獲制限の撤廃だけで目標生息数(8700頭)を達成できるかどうかは不確定だ。県の狩猟者登録者数が減少傾向にあるためで、09年度の同登録者数は3491人で、01年度と比べると221人の減。しかも「60歳以上の方のウエートが大きい」(同室)と、高齢化も懸念される。目標達成には狩猟者の育成は欠かせず、仁坂吉伸知事は「後継者の養成も積極的に手伝っていかなければならない」と話し、研修費用の負担ができないかなど、来年度の政策を検討する考えだ。
(増えるヒグマの捕獲、道内で例年の1.5倍:北海道)
道内のヒグマの捕獲数が、4~8月で302頭になった。平年の約1.5倍という。市街地や集落の近くに現れるケースが増えているためだ。人を恐れない若グマが目立つようになったという専門家の指摘もあり、東胆振地域でも出没情報は例年より多い。秋はヒグマの行動が活発になる。道は、山菜採りを楽しむ人たちに注意を呼び掛けている。道自然環境課によると、日高、十勝、渡島、桧山、上川地方で多い。いつもの年だと、200頭程度、とも。ヒグマの捕獲は昨年も多かった。年間627頭。過去30年間で最多だ。今年もほぼ同じペースで、8月中旬には白老町でも牧場に出没した1頭が捕獲されている。9月に入ってからも、道内で40頭を超えている。道自然環境課課によると、捕獲されたヒグマの約7割が若い雄。行動範囲が広く、好奇心も強いため、市街地や集落付近に出没しているらしい。東胆振を含め目撃情報も多い。のぼりべつクマ牧場ヒグマ博物館の前田菜穂子学芸員は「春先の雪解けの遅さや低温など今年の気象が影響しているのでは」と推測。「山林で餌が十分に取れず、餌を求めて人里付近で長く居座ったため、捕獲増につながったのではないか。夏の異常な暑さも山の餌条件に影響を与えているのかもしれない」と話す。秋は餌を求めてさらに歩き回り、人と遭遇する機会が増える。このため、道は10月末までを「ヒグマ注意特別月間」とし、「山菜採りなどで山林に入る時は鈴など鳴り物を持参し、十分に注意してほしい」と呼び掛けている。春にむかわ町穂別と帯広市で、山菜採り中に襲われて死亡する事故も起きている。前田学芸員は「人里に寄せ付けないよう対策も必要。まずは、餌になるような農作物や生ごみなどの管理が重要だ」と指摘している。
(サル包囲網するり:静岡)
県東部で被害者が相次いでいる「かみつきザル」。先月22日に三島市で最初の被害者が出て1カ月以上たっても被害が収まる気配がない。出没は5市1町に及び、被害者は100人の大台に達した。各自治体は捕獲作戦を進めているが、動きの素早いサルを捕まえるのは「きわめて困難」で、決め手を欠いているのが実情。サルとの戦いは長期戦の様相を見せてきた。22日に、富士宮市で100人目の被害者が出た翌日の23日にも、同市でこのサルが目撃された。午後2時ごろ、同市馬見塚地区の民家に侵入したが逃げ出した。さらに午後4時ごろ、近くの上条地区で目撃された。サルは最初の被害者が出た三島市沢地地区から、北西方向に移動。直線で約34キロ動いたことになる。被害者は三島市56人、裾野市31人、沼津市6人、長泉町5人、富士宮市2人の計100人。富士市では目撃情報はあるが、被害者は出ていない。各市に寄せられた目撃情報などによると、人を襲っているのは4~6歳ぐらいの若いサルと見られる。2匹同時の目撃例もあったが、被害が同時に発生したことがないことから、暴れているのは1匹とみられている。ちゅうちょなく人に近づいてかみついたり、サルが知らないまんじゅうなどを食べたりしていることなどから、飼われていたサルの可能性が高い。現在、目撃情報のあった各自治体では、麻酔銃を持った捕獲員を巡回させたり、わなを仕掛けたりして捕獲作戦をい展開しているが、ことごとく失敗している。各自治体は情報交換を密にして、住民にホームぺージでこまめにサルの出没情報を提供している。出没地域には防災無線を通して、玄関や窓の戸締まりをきちんとすることや、餌になるものを庭先などに放置しないことなどを徹底させ、新しい被害者を出さないように力を注いでいる。富士市は、今年4月、人がいない家に侵入して食べ物を食べるなどの被害を出していたサル1匹を、箱わなで捕獲した経験がある。しかし、わなを設置してから1年3カ月もかかった。同市環境保全課は「前回のケースは、全く移動しないサルだった。今度のかみつきザルのように移動するサルだと、さらに難しくなる」と頭を抱える。沼津市の栗原裕康市長も「人間ではかなわない敏捷(びんしょう)さ。長期戦を覚悟している」と話す。県内の野生動物に詳しい県森林・林業研究センター(浜松市)の大橋正孝上席研究員は「サルの捕獲はきわめて困難で、偶然、建物に入ったところを閉じこめるか、地道にわなを仕掛けていくしかない」という。特に目立つのが、早朝にお年寄りの女性がかまれるケース。大橋さんは「出没地域になったら、住民の人たちも、朝など危ない時間は外で作業しないなど認識を高めることが必要。作業する際は絶えず周囲に気を配る、子どもの登下校の際は、大人の男性についてもらうなどの対応も必要」と話す。ただし、いきなりかみついてくる今回のサルは「かなり特殊ケース」。野生のサルはむやみに人を襲ってこないため、畑などに人が近づかなくなるとかえって、農作物被害がひどくなる可能性もある。また、捕獲したあとのサルの扱いも慎重に検討する必要があると大橋さんは指摘する。「人に慣れている今回のサルは、飼われていて、大きくなったからと捨てられた可能性が高いと思う。ある意味『被害者』ともいえますから」
(カラス2羽、ラッシュの電車50分止める:福岡)
22日午前7時5分ごろ、西鉄天神大牟田線の高宮-春日原間で信号機が点灯しなくなるトラブルが発生、西鉄福岡(天神)-西鉄二日市間で上下線ともすべての電車がストップした。約50分後の同56分に復旧したが、ラッシュ時のダイヤが大幅に乱れ、通勤・通学の足に大きな影響が出た。西鉄によると、春日原駅近くの春日原変電所で、信号用の送電線にカラス2羽が接触してショートし、送電できなくなったのが原因。1羽なら死がいが落下して再び通電するが、たまたま2羽が絡まって送電線に引っかかり、ショート状態が続いたという。このトラブルで、雑餉隈-白木原間を走行していた普通電車2本が運行再開まで乗客計約620人を乗せたまま立ち往生。西鉄二日市-大牟田間は折り返し運転を行った。踏切の遮断機も動かなくなったため、西鉄社員と警察官が一部の遮断機を手動で上げ下げし、車両と電車を通した。県警によると、一部で交通渋滞が発生したという。
(カラスのふん害深刻、追い払いへ新作戦:富山)
高岡大仏前にある高岡市の坂下町商店街でカラスのふん被害が深刻になり、住民らは電線工事による追い払い対策に乗り出した。アーケードを撤去して大仏を見えやすくしたところ、電線に止まるカラスのふんが直接商店前に落下するようになったためで、商店街再生を狙った景観整備事業が招いた思わぬ事態に、住民らは対応に苦慮している。坂下町商店街では維持管理費の問題もあって、1972(昭和47)年に設置されたアーケードを昨年4月までに取り壊した。これにより、国道156号から高岡大仏がすっきり見えるようになった。その後、商店街の電線のうち、通りをまたぐものは撤去し、今年4月までに景観整備を完了させた。ところが、今年5月ごろから、2階建て商店の周辺を中心にカラスのふんや羽が歩道を汚すのが目立つようになった。商店街で月2回開かれる「たかおか朝市」の来場者からも臭いを指摘する声が聞かれた。そこで、住民が掃除したり、市に依頼して放水による清掃も行ったが、ふんが再び落ちると歩道が汚れるため、抜本的な対策にはならなかった。今度はカラスが電線に止まりにくくする工事を施すことにした。工事では電線の上約10センチに細い線を張ることで、カラスが足で電線をつかみにくくする。すでに約50メートルにわたり設置され、カラスが近づかなくなるなど一定の効果が出ている。10月中旬までに商店街全体の約350メートルで整備を計画する。カラスは利口で、電線の追い払い対策は一時的なものにすぎないとの指摘もある。住民らで組織する坂下町通り景観形成委員会の酒井敏行委員長は「高岡大仏の参道として、観光客が気持ちよく歩ける通りにしたい」と話している。
(猟銃免許取得に補助金:和歌山)
イノシシやサルなど鳥獣による農作物への被害が深刻になっている印南町は、新たに免許を取得し猟銃を購入する人を対象に、費用の一部を補助することを決めた。県内では初の試み。増加傾向の鳥獣に対し、猟銃免許所持者は高齢化が進む。鳥獣被害に頭を悩ましている他の自治体から注目を集めそうだ。免許取得などに関する手数料計7万6400円を全額、猟銃や保管用ロッカーは半額を補助する。補助の合計額の上限は25万1400円だが、自己負担がほとんどなくなると見込んでいる。町によると、猟銃免許の新規取得費用は、公安委員会へ支払う猟銃等講習会手数料=6800円▽射撃場での講習実射費=4万3900円▽猟銃所持許可申請手数料=1万500円--と、県知事に支払う猟銃免許試験手数料と講習会費用(1万5200円)の計7万6400円。また、猟銃は新品25万~30万円、中古10万~15万円程度で、猟銃と弾を別々に保管するロッカーは約5万円という。イノシシやシカ、サル、アライグマ、カラスなどによる同町の鳥獣被害は、農業施設も含め07年度で約3000万~4000万円にのぼる。09年度の捕獲数は222匹(頭、羽)で、91匹だった04年度の倍以上になった。最近はサルなどを中心に、従来の山間部にとどまらず、海岸部まで出没するという。一方、町内の猟銃免許と猟銃所持者は計35人で、40歳以下は4人、50~65歳以下が15人、65歳超が16人。銃刀法改正で免許取得や猟銃の所持が厳しくなったことに加え、費用が高額なことが若者の猟銃離れの原因の一つと考え、補助を決めた。9月定例町議会には、3人分にあたる約75万円を計上、可決された。また、イノシシやシカなどと比べサルの防除は難しいため、県緊急雇用創出事業費を活用し、鳥獣被害防止対策事業(130万円)として猟銃免許所持者による巡回や駆除などを実施する。湯川和幸・町産業課副課長は「今後、さらに鳥獣が増えていくことが予想され、人的被害が出ないかも心配している。将来を見据え、今から若い猟銃免許保持者を増やしていきたい。他の自治体との連携も深め、対策を立てたい」と話している。
(クマ出没警報:長野)
夏の終わりごろから、各地でツキノワグマの出没例や目撃情報が相次いでいる。人身被害も起きた大町市では、初の「クマ出没警戒警報」を発令して注意を呼びかけている。こういう警報を自治体が出す時代になったのだと、つくづく感じる。近年では06年に全国的なクマの大量出没があり、県内では有害駆除と狩猟を合わせて約550頭が捕殺された。クマが大町市街地に現れたり、幹線道路が走る安曇野の平野部を東西に横断するなど、常識外れ(?)な行動に出る事例もあったことが記憶に新しい。今年はどうか分からないが、警戒は必要だろう。伊那谷を拠点に活動する写真家、宮崎学さんは近著「となりのツキノワグマ」で、今の山野は野生動物の絶好のすみかになっていると指摘。中央アルプス山ろくで撮影した多数の写真を示して「クマはとてつもなく増えている」と報告している。ニホンジカなどと同様、クマも私たちのすぐ隣に暮らす存在になったようだ。
(捕らえたクマ、山に返します:山梨)
捕まえたクマを山へ返します-。今年、ツキノワグマの目撃情報が相次ぐ山梨県内で、有志がNPO法人「山梨ツキノワグマレスキュー」を発足させた。ツキノワグマの個体数が減っているため、県などは捕獲したクマは山に返すよう促しているが、市町村は放獣ノウハウのある野生動物の研究者と連絡できない場合、二次被害を恐れる住民の声もあり殺処分することがある。NPOは、円滑に放獣できるよう行政から連絡を受けて現場に向かい、二度と人里に近づかないよう「お仕置き」をして山に放つ。自治体には畑への電気柵設置も働き掛け、人とクマの共生を幅広くアピールする。16日に設立したNPOのメンバーは、代表理事を務める北杜市の清水邦彦さん(55)ら、県内の自営業者や定年退職者15人。「クマは保護されるべきだ」と考えるが、放獣する専門家がいない場合、捕獲後に殺処分されることを知り、専門知識を身に付けて放獣しようと団体をつくった。県や市町村の放獣要請に対し、連絡を受けた清水さんらは現場に急行できるメンバーを手配、必要に応じて獣医師から指導を受けた麻酔措置、唐辛子のスプレーなどをかけるお仕置きをした上で、人里から離れた山に放つ。「放獣は根本的な問題解決にならない。クマが里に下りてこない環境をつくる活動もしたい」と清水さん。クマが農作物を荒らすことがないよう、行政には畑に電気柵を設けるよう働き掛けていく。県内のツキノワグマは2000年時点の推計で、約400頭とされる。将来的に絶滅する恐れもあり、県は捕獲数を制限する保護管理指針を定め、市町村には捕獲した場合は可能な限り放獣するよう促している。危険が伴う放獣は現在、ノウハウのある研究者に依頼している。捕獲後の措置では、さまざまな意見がある。市町村に対し、農作物被害に遭った農家は「クマを放せば、また畑に来て荒らすかもしれない」と二次被害を恐れて処分を求め、保護団体は「クマを山に返してほしい」と要望するという。今年、イノシシのおりで4頭が捕獲された甲州市。先月、おりにかかったクマは県環境科学研究所の研究員が駆け付けるのを待って放獣したが、それ以前の3頭は研究員と連絡が取れず、クマが暴れて鉄格子のおりを壊す可能性があったため、殺処分した。市産業振興課はNPOの誕生について、「専門組織があれば県の要請通り、捕獲後に放獣できるようになる」と期待。ただ農家などの思いを考えると「捕獲=放獣」に複雑な心境もあるという。県みどり自然課によると、例年のクマの目撃は年間50~60件だが、今年は8月末までに99件と多い。「これから冬眠準備期に入り、多くの餌を食べようと行動範囲が広がる」(同課)ため、目撃情報の増加が予想される。登山やキノコ狩りなどで山に入る機会が多いことから、同課は「鈴を付けるなどして行動してほしい」と呼び掛けている。
(獣の食害減に期待、水稲「シシクワズ」:兵庫)
イノシシなどの獣害に強いとされる水稲「シシクワズ」。丹波農業改良普及センターが今年、丹波市市島町下竹田の田んぼで、別の品種と隣り合わせに植えて被害を比べたところ、食害が10分の1程度にとどまっていることが分かった。山すその田んぼは放棄されることが多く、被害に悩む地域の新たな作物として期待が高まっている。シシクワズは滋賀県の在来種で、稲穂の先の毛が長いのが特徴。1955年ごろに栽培が途絶えたが、名前の通りイノシシなどの被害を受けにくい品種として見直され、同県では約3年前から栽培が再開されている。比較実験は県内では初めてで、5・6アールの田んぼに、シシクワズと飼料用品種の「たちすがた」を植えた。通常は稲を刈り取る時期まで設置する電気柵を、穂が出始めた8月中旬に撤去。8月末から、侵入による稲の踏み倒しと食害を6回にわたって調査した結果、たちすがたのほぼすべての穂に食べられた痕跡があったのに対し、シシクワズの穂には約10%しか食害は見られなかった。また、たちすがたの約半数が踏み倒されたが、シシクワズはほとんど無事だったという。同センターは「一般的な主食米に比べて食味が劣るため、牛の飼料用としての可能性を探りたい」とする。飼料用米は、本年度から始まった戸別所得補償モデル対策で戦略作物に位置づけられ、10アール当たりの補助金は8万円。一般的な農家では昨年よりも6万7千円増えた。丹波地域の栽培面積は昨年より約15ヘクタール多い約25ヘクタールになっている。三浦豊彦主幹(50)は「山の近くの田んぼは獣の被害が多い。飼料米の栽培を耕作放棄地の解消につなげたい」と話した。

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9/20
(イノシシが六甲山登山客襲う、9月で6件目:兵庫)
20日午前10時10分ごろ、神戸市東灘区本山町田辺の六甲山で、登山中だった兵庫県西宮市の無職の男性(69)が「イノシシに襲われた」と自宅に連絡、家族が119番した。男性は手をかまれたが、軽いけが。兵庫県警東灘署によると、同区内の六甲山で登山客らがイノシシに襲われたのは9月に入り6件目。いずれも襲ったイノシシが捕獲されたとの情報は入っていない。同署によると、1人で登山道を歩いていた際、前から走ってきたイノシシに襲われた。近くには小学生とみられる十数人の集団がいたが、けが人はなかった。
(県東部のサル被害、富士市でも目撃:静岡)
県東部でサルが頻繁に出没、人がかまれるなどの被害が続発している問題で、19日朝、沼津市内で女性が引っかかれ、一連の被害者は98人に達した。また、同日昼前から夕刻にかけて富士市内でサルの目撃情報が相次ぎ、サルがさらに行動範囲を広げたとみて、同市は戸締まりなど注意を呼びかけている。サルによる被害者は8月22日以降、三島、裾野、沼津市と長泉町で発生。今月15日までに96人に上り、17、19両日にも沼津市内で1人ずつが被害に遭った。沼津市によると、17日午後3時過ぎ、同市東椎路の住宅で、机で勉強していた小学4年の女子児童が、網戸を開けて侵入したサルに左の太ももを引っかかれた。また、19日午前7時ごろ、同市井出で自宅にいた20歳の女性が、網戸を開けて入ったサルに左腕をひっかかれた。この日は同5時から、市職員24人が6班に分かれて巡回していた。市は侵入方法などから、これまで人を襲ったサルと同じ個体とみている。富士市では同日、職員15人が休日出勤し、巡回したり防災無線で注意を呼びかけた。市によると、同日午前11時ごろ、同市西船津の東小学校北側で目撃されたのを含めて、午後7時までに東部地区で6件の目撃情報があった。
(サル、住宅街に出没:福岡)
小倉南区や小倉北区で19日、猿の目撃情報が相次いだ。小倉南署によると、けが人など実害はないという。同署は「目撃した場合は大声を上げるなど刺激しないでほしい」と注意を呼び掛けている。調べでは、目撃されたのは小倉南区石田南の志井公園や小倉北区霧ケ丘の住宅街など8カ所で、半径約1・7キロに集中していた。うち7カ所は小倉南区だった。いずれも1匹で、同一の猿とみられる。
(カラス原因で列車運休や遅れ:福島)
19日午前5時55分ごろ、郡山市のJR郡山駅構内で停電のため信号機の表示が切り替わらなくなり、東北線など一部の列車に運休や遅れが出た。JR東日本福島支店によると、待機中の車両のパンタグラフにカラスがぶつかり、漏電したのが原因とみられる。同支店によると、東北線は普通列車の上下線各一本が運休、寝台特急2本を含む5本が遅れた。水郡線は上下線各1本、磐越西線は下り線1本が遅れ、全体で約1200人に影響が出た。

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9/19
(牡鹿半島のシカ捕獲1500頭に上げ:宮城)
ニホンジカ急増に伴う牡鹿半島の農作物被害拡大に対応するため、宮城県は、捕獲頭数の目標を現在の年間1000頭から1500頭に引き上げるなど、県の保護管理計画(2008年11月~12年3月)を大幅に改定した。11月から適用する。同計画は牡鹿半島内のニホンジカの頭数を1000頭以下にすることと、生息域拡大の阻止を目指している。改定計画では2010、11の各年度、年間捕獲目標を最低でも1500頭に設定。狩猟者1人当たりの狩猟頭数も増やし、1日当たり「メス2頭」か「オス1頭+メス1頭」から、メスは無制限(オスは1頭)とした。県によると、県内のニホンジカの年間捕獲数は記録がある1969年以降、09年度が1562頭(うち牡鹿半島は1484頭)で最多。531頭だった06年度の約3倍に達している。農作物被害額は、統計を取り始めた93年度以降、09年度が1688万円で過去最多。被害量は578.6トンで、08年度(586.5トン)に次いで多かった。シカと車が衝突する交通事故も増加。牡鹿半島ニホンジカ対策協議会によると、石巻市と女川町の09年度の被害件数は112件で、08年度の2倍超に上った。
(クマ出没、男性襲われけが:青森)
18日午前8時半頃、田子町遠瀬の国有林で、草刈りをしていた同町の作業員男性(64)が体長約1メートルのクマに襲われ、けがをした。三戸署によると、男性は同僚3人と国有林に入り、作業を始めようとしていたところ、突然クマがぶつかって来て転倒、直後に左手の薬指をかまれた。クマはそのまま立ち去り、他の作業員は100~150メートルほど離れていて、クマには気づかなかったという。同署と田子町役場は、防災無線やパトカーを使って、注意を呼びかけている。
(女性襲撃の?クマ捕まる:京都)
与謝野町は18日、クマ1頭を捕獲したと発表した。捕獲場所は、今月14日に同町の女性(76)がクマに襲われてケガをした場所から北へ約100メートルのところで、同町は「同じクマである可能性が高い」としている。同町によると、クマは全長117センチ、体重55キロのメスの成獣。17日午後8時半ごろ、同町石川の川上地区に仕掛けてあったエサ入りのオリで捕獲されたという。
(高校生、有害鳥獣捕獲檻を寄贈:群馬)
利根沼田地区で、サルによる農作物被害が増える中、沼田市の県立利根実業高校・機械システム科の生徒五人が二基の有害鳥獣捕獲用檻(おり)を作り、沼田市猟友会に寄贈した。主にサルやハクビシンを対象にした捕獲檻で、同猟友会や市農政課は「大切に使いたい」と感謝している。檻は鉄製で横約一メートル、奥行き約一・三メートル、高さ約一メートル。課題研究の授業として、「地域の抱える問題を理解し、地域貢献の精神を育成する」ことを目的に三年生五人が完成させた。十七日に同校の自動車実習棟で贈呈式が行われ、二基のうち一基は同市佐山町の山林に設置された。もう一基はサルなど有害鳥獣が新たに出没した場合に備えておくという。檻は中に置いたリンゴなどに触れると、扉が下りる仕組み。設置場所は、みなかみ町月夜野地区と同市北部の池田地区を結ぶサル群の移動ルートで、周辺には既に複数の檻が仕掛けられている。現場には機械システム科のほか、農業系の生徒たちも同行。猟友会のメンバーから有害鳥獣による被害状況の説明を受けた。
(カアーじゃなく「オハヨー」:福井)
福井市の中心部に「オハヨー」と話すカラスが出没し、ひそかに街の人気者となっている。生ゴミをあさったり、人を襲ったりして都会では厄介者扱いされるカラスだが、ここでは「朝から癒やされる」という声もあり、汚名を返上している。県庁や県警本部がある福井城跡の石垣や福井市役所隣の公園など、JR福井駅前の一帯に数年前から現れた。甲高い声で何度も「オハヨー」と繰り返すのが特徴で、思わず足を止めて声の主を探す通行人も。昼や夕方でも「オハヨー」と言うのはご愛嬌(あいきょう)。個体の見分けがつかないため、複数のカラスがしゃべっていることも考えられるという。夕方になると南西にある山の方向へ帰っていく。県警総務課広報係長の海原恵子さん(39)は「初めて聞いた時は耳を疑った。今では朝出合うと『今日も頑張ろう』という気持ちになり、癒やされる。県警ではすっかり人気者です」。近くの福井中央郵便局の女性職員(51)は「九官鳥かと思ったが、カラスなので驚いた。午前中の静かな時間に鳴いていることが多く、局内でも話題です」という。動物の生態に詳しい県自然保護センター企画主査の水谷瑞希さんによると、種類はハシボソガラスかハシブトガラスのいずれかとみられ、「カラスは人間の声帯にあたる鳴管(めいかん)が発達していて、複雑な発声をする。学習能力が高く、何かのきっかけで人間の声を覚えた可能性が高い」と分析する。

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9/18
(3人が軽傷の猿を捕獲:岩手)
17日、金ヶ崎町永沢の住宅に猿が出没し、住民3人が手や足をかまれるなどして軽傷を負った。地元猟友会のメンバーら約10人が出動する騒ぎとなり、近くの物置でこの猿を捕獲した。最初に猿に襲われたのは、農業阿部昭司さん(73)。阿部さんは午前7時40分頃、自宅の縁側近くで、家の方を見ている猿に気づき、逃げようとしたが、左手の親指をかまれた。連絡を受けて様子を見に来た近くの農業阿部中さん(63)も左ひざの裏側をかまれた。さらに夕方には、草刈り作業をしていた男性(54)が背中をひっかかれ、軽傷を負いながらも、近くの物置に猿を閉じこめた。捕獲された猿の体長は約80センチで、オスのニホンザルとみられる。町によると、付近では11日から、猿にかみつかれるなどの被害が続出、17日までに計18人が軽傷を負った。町農政課の石川孝課長は「複数いたという目撃情報もあり、安心できない」と警戒を呼びかけている。
(熊に襲われ男性けが:兵庫)
兵庫県豊岡市で農作業をしていた男性が熊に襲われ、顔に軽い怪我をしました。付近には連日熊の出没が相次いでいて、県や市が注意を呼びかけていました。兵庫県警によりますと、18日朝6時前、豊岡市三宅の田んぼで農作業をしていた71歳の男性に突然熊が襲い掛かったということです。男性は近くの民家に駆け込みましたが、右のこめかみあたりに4センチほどの引っかき傷を負いました。熊は逃げていてまだ捕まっていません。付近では今月9日に体重90キロの熊が捕獲されたばかりで、ここ数日の間にも連続して熊の目撃情報が相次いでいたため、県と市、地元の猟友会が連携してパトロールを行い注意喚起していました。
(クマ目撃、最多更新378件:兵庫)
例年に比べて急増していた県内のツキノワグマの目撃件数が、8月に入ってもさらに加速して増えている。今年度の目撃件数は8月末現在で378件で、同時期で比べると比較可能な01年度以降、過去最多を更新。8月だけで226件の目撃情報があり、昨年度1年間の目撃件数(181件)を超えている。県の調査で、木の実が2年ぶりに凶作となることも判明し、食料不足でクマのみならず、シカやイノシシなど野生動物による農林業への被害が拡大する恐れもある。県森林動物研究センターによると、7月末時点でも過去最多だったクマの目撃件数は、8月に入っても勢いが衰えていない。クマの目撃件数は、実りの秋の9月以降に急増しているため、このままでは過去最多だった04年度の985件を抜き、初めて1000件を超える見通しだ。特に、同センターが今月7~16日に県内各地で調査したところ、クマの食料となるコナラやブナ、ミズナラにほとんど実がなっておらず、2年ぶりの凶作が確定的となっている。クマは冬眠に向けて大量の食料が必要なため、食料不足で、人里まで下りてくる可能性が極めて高い。さらに、今年はカシやシイなどの実も不作が見込まれ、イノシシやサル、シカなどが少ない食料に集中することも予想される。そのため、クマを含めた野生動物の生存競争が激化し、畑や果樹園などを荒らす恐れも否定できなくなっている。県自然環境課によると、野生生物による農林業への被害額は、09年度8億4227万円だったが、木の実の凶作でクマが大量に目撃された08年度は8億9815万円と、約5600万円増えている。クマだけの被害に絞ってみても、09年度は205万円だったのが、08年度は1026万円と5倍に膨らんでいる。県は野生生物による農林業被害を抑えるため、今年度の当初予算を組み替え、シカの捕獲対策に1億4262万円、サルには468万円などを充て、緊急対策を進めている。
(イノシシが連続して女性を襲撃:兵庫)
神戸市東灘区の六甲山で18日、登山者がイノシシに襲われる被害が相次いだ。このうち1人は指をかまれて軽傷。13日にも近くでイノシシに体当たりされた2人が負傷しており、東灘署などは注意を呼びかけている。同署によると、18日午後0時35分ごろ、登山中の男性(26)から「一緒にいた女性がイノシシにかまれてけがをした」と110番があった。女性(30)は右手の中指の付け根をかまれた上、持っていたリュックサックを奪われた。その後リュックは見つかったが、入れてあったパンなどがなくなっていた。イノシシは体長約1メートル。女性が座って休憩していたところ、後ろから襲われたという。また、午前11時ごろにも、女性(79)から「イノシシにかばんを奪われた」と110番があった。この女性は他にもイノシシに威嚇されている登山者を目撃したという。
(ヒグマ捕獲最多ペース:北海道)
今秋、ヒグマにご用心――。ヒグマ捕獲数が今年すでに300頭を超え、この20年では最も多くなっている。市街地や集落周辺に出没するケースも目立つという。紅葉見物など本格的な秋の行楽期を迎え、道では「野山では単独ではなく集団で行動を」「鈴など鳴り物を携行して」などと注意を呼びかけている。道南の道猟友会の会員はこの夏、多い時で1日3回のヒグマ駆除の出動要請があった。農家の人が早朝、畑に出ると、スイカなどの農作物がごっそり荒らされ、周辺にはヒグマの足跡が残されていたという。会員は「どうせ(クマに)やられるから、と今年からスイートコーン作りをやめた、という農家もあった」と話す。道自然環境課によると、道内で4月~8月末までに捕獲されたヒグマは渡島、檜山や十勝、網走地域を中心に302頭。春グマ駆除を中止した1990年以降では最多となる627頭が捕獲された昨年の8月末時点は301頭で、「今年もほぼ同数のハイペース」(道)という。ハンターの話や住民の目撃情報などから、近年は十数年前と比べ、市街地や集落周辺にまでヒグマが出没しているという。ベテランハンターが「こんなところまで」と驚くような住宅地周辺でもヒグマの足跡が見つかっている。道は、道内に研究林を持つ大学や林業試験場などへ実施したブナなどの「実なり」の豊凶についてのアンケート結果を踏まえ、今秋のヒグマ出没に関して、全道的には「例年並み」と予想している。だが、渡島半島の一部でブナが凶作、十勝地域の一部でもミズナラが凶作というデータが出ており、両地域では「ヒグマの出没が増える可能性がある」としている。秋のヒグマは好物のヤマブドウなどのエサを求めて活発に動き回っている。クマはにおいにも敏感なことから、道自然環境課では「においの強い食べ物やジュースなどはヒグマを引き寄せる危険がある。野山では十分気をつけて」としている。
(スズメ、少子化?餌不足?)
都市部を中心に一つがいのスズメの育てるヒナの数が減っている可能性があることが、三上修・岩手医科大助教(生態学)やNPO法人「バードリサーチ」の全国調査で分かった。近年、スズメが減少していると言われているが、研究チームは「少子化が一因かもしれない」と指摘する。千葉県船橋市の東邦大で18日始まった日本鳥学会で発表した。スズメの数は、農作物の被害面積や駆除・捕獲される数が減少傾向にあることなどから、「減っている」と考えられている。しかし、その原因については、「営巣場所が減った」「餌場が減った」「カラスが増えた」など諸説ある。三上さんらは商業地、住宅地、農地で繁殖成績を調べ、環境特性と絡めて減少要因を推測しようと、バードリサーチを通じ全国の愛鳥家らに一つがいが何羽のヒナを連れているか調査を呼びかけた。今春の繁殖期に集まったつがい346組のデータを分析したところ、商業地で平均1・41羽だったのに対し、住宅地1・79羽、農地2・03羽と、都市部ほど繁殖成績が悪かった。過去に同種の調査をした例はないが、愛鳥家らの「30~40年前には4、5羽のヒナを連れた親スズメは珍しくなかった」といった体験談などから、研究チームは「昔より一つがい当たりのヒナの数が減っている可能性がある」と推測する。三上さんは「特に商業地のヒナの数では、全体の生息数を維持できないだろう。餌場が遠かったり、巣を作る材料が少ないなど、繁殖環境が悪いのが少子化の原因ではないか。今後、産卵数やふ化率、巣立ち後の生存率なども調べ、繁殖のどの段階で減っているのか解明したい」と話す。
(山口国体のライフル競技、中学3年生も出場可能に)
日本ライフル射撃協会は18日の理事会で、来年の山口国体から少年で実施されるエアライフルなど3種目の参加資格を中学3年生まで広げることを決めた。従来は高校生だけだった。日本体協はジュニア育成のため、各競技で中学3年生の参加を促している。

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9/17
(オリに入った熊に襲われ大けが、仲間の弾も腕に:岐阜)
17日午前8時50分頃、岐阜県飛騨市古川町高野光専寺の山林で、近くの農業岡田善蔵さん(69)が、イノシシを捕獲するための鉄製オリ(高さと幅各約1メートル、奥行き約2メートル)に入っていた熊を放そうとして、熊に頭などをかまれて大けがをした。熊は射殺された。飛騨市の発表によると、熊は体長約1メートル70、重さ約120キロの10歳の雄。岡田さんが同日午前7時頃、熊が入っているのに気がついて市に連絡。市職員1人と岡田さんら計4人が逃がそうと扉を開けたところ、熊が襲ってきたという。猟友会員(71)がライフル銃を撃って命中させたが、熊が岡田さんから離れないため、さらに発砲、熊を貫通した後の弾が、岡田さんの左腕にも当たったという。オリは先月21日、地元の猟友会に委託し、設置した。8月には隣の同県高山市でもイノシシ捕獲用のオリに入っていた熊を逃がそうとした市職員が襲われて、大けがしている。
(サル注意!岩手で1週間に17人が被害)
17日午前7時40分ごろ、岩手県金ケ崎町の民家の庭先で、この家に住む農業の男性(73)と、近くに住む親戚で農業の男性(63)が野生とみられるサルにかまれ、ともに軽傷を負った。町によると、11日以降、2人を含め17人がサルにかまれたり、ひっかかれたりして軽傷。襲ったサルは1匹とみられるが、2、3匹が一緒にいるのを目撃した人もいるという。町と警察がパトロールを強化している。県警水沢署によると、犬がほえるので男性が外に出ると、縁側の窓ガラス越しに室内をのぞき込んでいるサルを見つけた。玄関から家に入る際、突然サルに左手の親指をかまれたという。連絡を受けて駆け付けた親戚も足をかまれた。
(クマ異常事態、わずか1カ月間で14頭捕獲:岐阜)
中津川市と恵那市で、4年前に15頭捕獲されて以来、昨年度まで捕獲例のなかったツキノワグマが、今年は8月13日から今月14日までのわずか1カ月間で計14頭も捕獲される異常事態となっている。目撃情報も15日までに55件と例年をはるかにしのぐ件数となっており、両市は、秋の行楽シーズンに向けて観光客や地元住民らに注意を呼びかけている。中津川市では、8月13日に付知町下浦で体長1メートルほどのオスの成獣を捕獲したのをはじめ、川上や中津川、福岡、神坂などで今月10日までに計9頭が捕獲された。中でも8月27日に中津川で捕獲されたツキノワグマは体長150センチもある“大物”で、いずれも殺処分された。目撃情報は連日のようにあり、15日までに計40件に上った。特に加子母で10件、付知町で7件と、キャンプ場などがある行楽地で目撃が多発している。恵那市では計5頭を捕獲。愛知県や中津川市との境界近くの山里が多く、ハチミツ農家が襲われたり、ドライブインから約100メートル地点や民家から200メートルほどの場所で捕獲されるなど、人的被害の危険性が懸念される。明智町東方小杉では、オリを破って逃げ出したケースもあった。大半はイノシシの有害駆除用オリに入って捕獲された。目撃情報も今年度は急増、8月末までに5件、15日までの半月で10件の目撃情報が寄せられている。今年はドングリなど木の実が不作なために食べ物を求めて人里近くに出現しているとみられる。両市はクマのオリを設置したほか、県と猟友会との緊急対策会議を開いて駆除隊を編成するなど、人的被害を防ぐ緊急対応に取り組んでいる。さらにチラシや防災無線を通じて▽山菜採りなどに出かける場合は、鈴やラジオなど音の出る物を身に着ける▽単独で山に入らない▽クマに味を覚えさせないためキャンプの残飯などは持ち帰る▽もしクマに出合ったら刺激せず、クマから目を離さず静かにその場を立ち去る--などの注意を呼びかけている。
(ドングリ大凶作、クマ大量出没の恐れ:滋賀)
秋のツキノワグマ出没シーズンを前に、クマの餌になるドングリが、県内の山林では07年に調査を始めて以来の大凶作になっていることが分かった。県によると、ブナ、ミズナラ、コナラともほとんど実がない「凶作」状態。県自然環境保全課は「クマだけでなく、イノシシやサルも空腹で人里に下りてくる可能性がある」と注意を呼びかけている。調査は今月、クマの個体群が生息する長浜市余呉町や高島市朽木など5カ所で実施。木ごとの実のつき具合を5段階で評価したが、ほぼすべての木が最低の「全くなっていない」か次に低い「一部についている」レベルだった。ドングリは2年おきに豊凶作を繰り返しており、クマ被害が相次いだ04、06年も全国的に凶作だった。県によると、県内全体では最後にクマが捕獲された9日までの目撃情報は58頭だが、福井県・京都府との境に400~800頭ほどの個体群が広がる高島市では、10日以降も計9頭の目撃情報が相次いでいる。出現ペースは昨年の3~4倍で、民家の軒先のハチの巣を狙ったり、木の柿を食べたりと空腹な様子がうかがえるという。先月31日には同市マキノ町の民家で鳥小屋が襲われ、ニワトリ1羽と餌の配合飼料が食べられる被害も出た。一方、ツキノワグマは県の希少種に指定されており、捕獲した場合は原則放獣している。同市農林振興課は「住民からは『怖いから殺して』という声が多い。住民の気持ちが分かるだけに、板ばさみが苦しい」と頭を悩ませている。
(サル被害に捕獲オリ:青森)
青森市は野生のサルによる被害を受けて月見野霊園近くに捕獲用オリを設置した。幸畑や戸山地区を中心にサルの目撃情報が21件相次いでいる。駒込地区では無人販売の野菜が食い荒らされる被害があった。17日オリの設置場所近くに姿を見せたが山に逃げ込んだ。
(サルが住宅街に、警察が注意喚起:香川)
高松市南東部の住宅街にサルが現れ、付近住民から警察への通報が相次いでいる。警察では、住民らが襲われないよう、注意を呼び掛けている。同市前田東町の住民から10日に通報があり、16日までに約5キロ離れた同市東山崎町や由良町などから10件の通報が高松東、高松南両署にあった。署員らが網を持って出動、捕獲しようとするが、サルは民家の塀や屋根に登って逃げている。15日、東山崎町では、屋根のソーラーパネルに映る自分の姿に驚いたり、クモの巣を両手で払う姿も。目撃されているのは同一の体長約60~70センチのニホンザルとみられる。人や農作物に被害は出ていないという。土庄町の銚子渓自然動物園「おさるの国」の飼育係、西尾昭弘さん(55)は「若いオスのサルではないか。秋口に繁殖期を迎えた5~7歳のオスは群れを出る。その時、誤って山から下りてきたのでは」と話している。

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(土壌から基準値超の鉛、休場中の伊勢原射撃場から検出:神奈川)
県は15日、鉛汚染対策のために休場中で、2011年8月の再開に向け改修工事を進めてきた県立伊勢原射撃場の土壌で、環境基準を上回る鉛が検出されたと発表した。溶出量ベースで、基準値の22倍の鉛が検出。今回の鉛検出に伴う対応により、再開時期が遅れることは確実になったという。同射撃場は、鉛弾による環境汚染の未然防止のため2002年4月から休場。04~06年度、鉛弾や鉛を含んだ土壌の除去作業を行った。11年度の再開に向け、全弾回収型施設への改修工事を進めてきた。今回、基準値を超える鉛が出たのは、クレー射撃を撃つ地点(射座)。地表面はコンクリートで覆われており、鉛弾が土に直接触れたり、落ちたりする場所ではないので、04~06年度の除去工事の対象ではなかった。射座の土壌調査は、改修工事の一環で騒音防止を目的として射座を覆う工事を行うために、コンクリートをはがして8月上旬に実施。溶出量ベースの環境基準は1リットル当たり0・01ミリグラム以下だが、最大で0・22ミリグラムが検出された。含有量ベースの基準値は、1キログラム当たり150ミリグラム以下だが、270ミリグラムが検出された。今後は、土壌が汚染されている地点の詳細調査を実施して汚染された土壌の量を確認。シートなどで飛散防止をし、基準値を超えた全量を処分・搬出していく。射撃場内の観測用井戸の地下水は、鉛の地下水環境基準値を下回っていたという。
(猟銃購入、町が補助金:和歌山)
田畑を荒らすイノシシやサル、シカを駆除するハンターを増やそうと、和歌山県印南町が、新たに猟銃所持の許可を取得して銃を購入する町民に補助金を出すことを決めた。鳥獣被害が増える一方でハンターが高齢化しているため。農水省の担当者は「自治体が猟銃の購入費を直接補助するのは全国でも聞いたことがない」と話している。町議会が15日、関連予算案を可決した。射撃場での実技講習など猟銃所持の手続きにかかる費用(7万6400円)は全額補助。猟銃1丁と保管庫の購入費の半額(上限計17万5千円)を補助する。
(イノシシ被害減らせ:福島)
イノシシによる農作物への被害を減らすため、県は被害防除対策や捕獲方法を盛り込んだ「イノシシ保護管理計画」案をまとめた。具体的な生息数の目標値は定めないが、狩猟期間を延長し、わなの使用制限を一部解除するなど、捕獲数の増加を図る。今後、県民からのパブリックコメントや県自然環境保全審議会の審議を踏まえ、10月中に計画を策定する。県内のイノシシの生息状況は、近年まで阿武隈川以東に限られていたが、2004年の調査で初めて同川以西でも局所的に生息が報告された。捕獲頭数も1994年頃から増加傾向となり、2008年度には10年前の約3倍にあたる約2800頭を捕獲した。県は、08年度の生息数を最低でも約2万頭と推定している。生息数の増加に伴い、農作物の被害も中山間地を中心に深刻化。稲やイモ類、トウモロコシなどの飼料作物を中心に、被害額は1999年度以降おおむね年間5000万~1億円の間で推移しており、最も多かった2003年度には約3億円に達した。保護管理計画では、生息数の目標値を設定するのが一般的だが、イノシシは個体数の変動が激しく、データが不足している。このため、今回の計画案では目標値を定めず、生息数の多い阿武隈川以東では「個体数を低密度で管理」「農業被害を低減」、以西では「生息地域の縮小」「農業被害の防止」を長期的目標に掲げた。また、計画案では、これらの目標達成のための対策として、▽農地にイノシシを寄せ付けないための里山林の整備や耕作放棄地の解消▽侵入防止柵の設置▽捕獲による個体数の低下――を組み合わせて実施することが必要とした。捕獲については、県の試算で現在の2倍以上の数を捕獲しても保護管理上問題はないとされることから、各市町村の個体数調整捕獲に上限を設けず、狩猟期間の終了時期(2月15日)を1か月延長する。また、これまでツキノワグマとの錯誤捕獲を避けるため直径を12センチ以下に規制していたくくりわなについて、阿武隈川以東に限り規制を解除する。県自然保護課は「現状はイノシシが増えすぎており、農業被害の抑制に実効性がある計画を策定したい」としている。
(クマに襲われケガ:青森)
15日午後4時ごろ平川市碇ヶ関久吉の山でキノコ採りの男性がクマに襲われた。近くの74歳になる男性で林道に入ったところクマに遭遇し頭や腕にケガをした。自力で自宅に戻り命に別状はないという。警察は現場付近をパトロールし警戒を呼びかけている。
(静岡県東部のサル被害100人目前:静岡)
サルが住民を襲い、かみつくなどという被害が静岡県東部で続いている。初めて届け出があった8月22日以降、15日までに三島市と近隣の沼津市、裾野市、長泉町の4市町で計96人が被害に遭い、間もなく100人に達しそうな勢いだ。自治体は大規模な捕獲作戦を展開してきたが、空振り続き。中でも三島市は20万円の懸賞金までつけ、「お尋ね者」となったサルとの知恵比べが続いている。「サルに網戸を開けられないように粘着テープで留めた。万が一に備え、竹刀も玄関に用意した」。三島市沢地の神山曙美さん(68)はそう話す。神山さん方では8月23日、母屋と離れで2度、サルが網戸を開け、侵入された。仏壇のお供え物を取られただけで済んだが、なおも不安を感じている。被害者の7割は女性で、引っかかれるよりも、かまれるケースが目立つ。負傷者が56人と最多の三島市によると、うち49人はかみつかれたという。同市加茂の女性(60)は今月7日朝、自宅で左足をかまれ、病院で破傷風予防の注射を受けた。ふくらはぎの白いガーゼが痛々しい。「台所で朝食の支度をしていたら後ろからやられた。網戸を開けて入ってきたと思う。早く捕まえて」。サルは箱根連山などに生息。1日に20キロ移動することもある。三島市は8日早朝から約210人体制で捕獲を目指したが、包囲網を突破されたという。1~3日は民間の「野生動物保護管理事務所」(東京都)がサルを見つけたものの、住宅地だったことなどから麻酔銃は使えず、逃げられた。三島市の懸賞金20万円は、家などに閉じ込めた場合に支払われる。「捕獲すれば50万円」のアイデアもあったが、鳥獣保護法は許可のない一般市民の捕獲を禁じているため「閉じ込め」に落ち着いた。小池政臣市長は「懸賞金は奇抜かもしれないが、サルは俊敏で頭もいい。市民の協力を得たい」と話す。これほどの被害を引き起こしているサルについて、三島市は被害が同時多発的には起きていないことから「単独犯」とみている。捕獲作戦に参加した野生動物保護管理事務所の岡野美佐夫・調査解析部長(50)は「家に侵入し、バナナや菓子を食べたとの情報もある。人に飼われていた可能性がある」と指摘する。日本モンキーセンター(愛知県)の加藤章園長(54)は、入手したサルの画像やかみ傷から「5歳前後のオスだろう」と推測する。犬歯が生え変わり、成獣になりかけの年齢で、力を誇示したがる傾向が強い。「群れで生活するサルは相手が自分より強いかどうかを瞬時に判別するため、年配の女性が比較的狙われやすい」と話す。一方、過去、サルが人を襲っても長くて1週間から10日ほどで、これほど長期にわたって市街地にとどまり、人を襲い続けたケースは珍しい。加藤園長は「追い込まれてから反撃するのではなく、わざわざかみつきに行くパターンが目立つ。自分より体が大きい人間がおびえる様子に、楽しみを覚えてしまったのではないか。早く山に戻ってくれるといいのだが」と話した。
(住宅地にクマ、通行止めなど騒然:石川)
15日午前10時35分頃、金沢市東長江町の住宅街に雄の子グマが出没した。歩道や住宅近くの畑を歩き回るなどしたが、麻酔銃で捕獲され、けが人はいなかった。一方で、クマを捕獲する麻酔銃が現場に届くまでに約4時間かかった。「早く捕獲して」「まだ銃は来ないのか」と住民から不安の声が上がるなど、住宅地のクマ対策に課題を残した。<猟銃の発砲できず>クマが出没した地域は、住宅密集地で、市立夕日寺小や星稜女子短大など学校も多い。付近の畑を歩き回ったクマは、歩道を通って金腐川の河川敷に向かい、民家の裏にある木に登ってカキを食べたり、クリの木を登ったりしていた。住宅街では猟銃を発砲できないため、市は午後0時半頃、野生動物捕獲用の麻酔銃を備える県白山自然保護センター(白山市木滑)に協力を要請。銃が届くまで、盾を持った金沢東署員、市や県の職員ら約50人が、クマの周りを取り囲み、住民に危害を加えないよう警戒した。午後2時半頃、麻酔銃を取り扱う資格を持つ県職員が現場に到着。クリの木に登っているクマに2発発砲し、1発が命中し、捕獲された。同署によると、クマは体長約70センチ、重さ約30キロの子グマで、犀川上流の山奥に放された。県自然保護課によると、今年の県内のクマ目撃件数は、前年同期比33件増の81件(14日現在)。目撃件数は、3年連続で金沢市が一番多く、39件(同)という。今年は子グマが多く目撃されており、市森林再生課によると「7月以降は、親離れした若いクマが初めて単独行動する時期。経験の浅いクマが誤って山から下りることがある」という。同課によると、山林近くでクマが現れた場合、猟友会員が山へ追い返すことも可能だ。しかし、今回の出没は住宅地。市には捕獲用の麻酔銃もなく、銃を取り扱える資格を持った職員もいないため、県に要請し、同センターから銃を持ってくる以外に方法がなかったという。<県の麻酔銃は1丁>県自然保護課によると、県が保有する野生動物捕獲用の麻酔銃は、同センターにある1丁のみ。使用には、銃の免許と麻酔薬を取り扱える資格が必要で、現場に駆けつけた同センターの職員が資格を持っている。通報から捕獲まで約4時間かかったことについて、市森林再生課は「今後は県に頼まず、市でも麻酔銃の取り扱いができないか、検討していきたい」としている。
(クマの出没跡相次ぐ:)
豊田市北東部の中山間地、稲武地区で14日午後、ツキノワグマがクリの木に登ったつめ跡などが見つかった。同地区では8月8日、9月5日にもクマの足跡が発見されている。市は15日、市稲武支所で緊急の対応会議を開き、地区の全939戸への注意チラシ配布、小中学生が登下校時に使う鈴などの鳴り物の準備、注意看板の設置を決めた。14日は、支所から4・5キロ離れた同市押山町の山林内にあるクリ畑で、クリの枝が5本折れ、高さ約3メートルの所に、クリなどを食べるために枝を折って巣のように集めたクマ棚があった。14日午後4時ごろ、住民がクリを採りに行って見つけた。この住民は14日午前2時ごろ、枝が折れる音を聞いたという。対応会議には市、地元猟友会、豊田署御所貝津駐在所、稲武小、稲武中などから11人が出席。周囲にクリが残っているため再びクマが出る可能性があると指摘された。子どもの登下校時のパトロールや、捕獲用のオリの設置準備なども決めた。
(熊の目撃例相次ぐ:長野)
熊の目撃例が続いている大町市が15日、初のクマ出没警戒警報を発令した。14日夕には男性が熊に引っかかれて軽いけがを負う事故があり、高瀬川沿いに新たに捕獲おりを設置。通学区に当たる大町南小学校は念のため子どもたちを集団下校とした。「全県で被害が相次いだ2006年ほどではないが、先んじて対策を講じたい」。15日朝、市役所で記者会見した牛越徹市長は警報発令の趣旨をそう語った。市内での熊の目撃は8月が20件(前年13件)、9月は14日現在23件(同0件)と例年に比べて多く、中には中心街に近い大町西小学校近くで見つかる例もあった。いずれも軽傷ながら、8月3日に立山黒部アルペンルートの扇沢で名古屋市の60代男性が、今月14日は常盤泉の高瀬川沿いのマレットゴルフ場で70代男性が熊に引っかかれた。市が今回定めた内規によると、警戒警報は、人身被害の発生、民家近くへの頻繁な出没、連続3日以上の同一地域での出没、1日3カ所以上の出没-を基準に発令し、1週間で解除する。今後、防災行政無線による広報、パトロール、必要に応じた子どもの集団登校などを強化するという。市は既に市内5カ所に捕獲おりを仕掛け、8月以降7頭を捕獲し、殺処分している。15日には、前日夕に人身事故があった場所に近い高瀬川左岸に大北地区猟友会メンバーらがおりを設置した。10日に体長130センチ、5歳程度とみられる雌熊が捕獲された場所だ。すぐ隣でリンゴを栽培している諸川雅孝さん(67)も「複数の熊が出てきているらしい。まだ近くにいるかも」と作業に加わった。北安曇地方事務所によると、大北地方の14日までの目撃件数は93件で、23頭を補殺し、1頭を学習放獣した。県の保護管理計画上、この地方の捕獲上限は15頭だが、「今年は人家近くまで数多く出没しており補殺もやむを得ない」(林務課)としている。
(イノシシ出没、警戒呼び掛け:熊本)
熊本市西部で昨年末以降、イノシシの目撃が相次いでいる。これまでほとんど例のなかった井芹川の東での目撃が大半。住宅街に近いことから、市は警戒を呼びかけている。市動物愛護センターによると、市西部の目撃情報はこれまで、イノシシが生息する金峰山に近い井芹川の西で年数回あった程度。ところが、目撃が頻発するようになった昨年12月から今月15日まで、計25回の情報が同センターに寄せられた。うち井芹川の西での目撃は昨年12月の島崎5丁目の5回だけ。以降はすべて井芹川の東での目撃だった。最も多いのは春日6丁目の万日山一帯で、今年2~5月、17回の目撃情報があった。今月も14日に横手1丁目、15日に春日4丁目と、いずれも花岡山一帯で連続して目撃され、同センターは情報が寄せられるたび、付近の小学校などに警戒を促すチラシを配っている。目撃されたのが同じイノシシかどうか不明だが、共通しているのは成長段階の若いイノシシとみられる点。熊本市立熊本博物館の清水稔学芸員は「若いイノシシが居場所を見つけてさまよっている可能性もある」と指摘。井芹川の東まで出没するようになった背景については「温暖化の影響で越冬できずに死ぬ赤ちゃんが減り、金峰山の個体数がかなり増えている可能性もある」としている。市は猟友会の協力を得て目撃されたイノシシの捕獲に取り組んでいるものの、住宅街の近くで猟銃を使えないこともあり、難しいという。今のところけが人はないが、同センターは「イノシシを見かけても興奮させないで。エサとなる生ゴミなどを屋外に放置しないことも大切」と話している。

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