<射撃ニュース10月>

10/12
(特急とヒグマが衝突:北海道)
10日午後6時10分ごろ、JR石勝線のオサワ信号場=むかわ町穂別長和=で、札幌発帯広行きの特急スーパーとかち7号がヒグマと衝突した。列車は安全確認後、34分遅れで運転を再開した。乗客232人と乗員にけがはなかった。この事故の影響で、特急列車5本に最大2時間27分の遅れが出た。JR北海道によると、今年のヒグマと列車の衝突事故は15件に上り、昨年同期(8件)に比べ2倍近い多さとなっている。
(ヒグマ1頭箱わなで捕獲:北海道)
浦河町上杵臼の杵臼海辺線近くの採草地に仕掛けた箱わなに10日、雄のヒグマ1頭がかかっているのが見つかった。現地では、8月末からヒグマの目撃情報が相次いでいた。箱わなを仕掛けていた北海道猟友会浦河分区事務局の日田宣光さん(74)によると、ヒグマは体長約140センチ、体重120キロ、推定3歳。付近では他にもヒグマの目撃情報があり、引き続き住民に注意を呼び掛けている。
(火薬の臭いでクマ対策:北海道)
北海道の札幌市や千歳市などの住宅街でクマの出没が相次いでいることを受けて、千歳市に隣接する苫小牧市の森の近くで、地元の猟友会のメンバーが爆竹を鳴らして、クマが嫌う火薬の臭いをつける対策を行いました。11日は、苫小牧市東部の美沢地区にある飼料用のとうもろこしの畑に、猟銃を持った地元の猟友会のメンバー4人が集まりました。4人は付近をパトロールして、クマの足跡や食い荒らされたとうもろこしを確認したあと、森の近くで空砲を放ったり、爆竹を鳴らしたりしました。クマは嗅覚が敏感なため、爆竹などを鳴らすと火薬の臭いを警戒して、畑に近づきにくくなるということです。苫小牧市内の畑では、3年前から毎年8月に地元の猟友会がパトロールを行っていますが、ことしは札幌市や千歳市などの住宅街でクマの出没が相次いでいるため、11日から急きょ再開したということです。北海道猟友会苫小牧支部の荒木義信支部長は「苫小牧市内でもクマが出没するおそれがあるので、あと1か月は注意してほしい」と話していました。パトロールは来月上旬まで毎週1回行われます。
(ヒグマ防除活動開始:北海道)
苫小牧市は11日、札幌や千歳の住宅街でヒグマの出没が相次いだことを受け、市街地へのヒグマの侵入や農作物被害を防ぐ活動を始めた。道猟友会苫小牧支部のメンバーでつくる市ヒグマ防除隊の隊員が、ヒグマによる食害が確認された市内美沢のデントコーン畑を巡回。周辺で猟銃の空砲を撃ち、爆竹を鳴らすなど威嚇した。11月上旬まで週1回、隊員が2人1組でパトロールを実施する。毎年8月に1カ月間、防除活動を行っているが、千歳や札幌で市街地への出没が増えているため、緊急対策として再開した。植苗、美沢、柏原、弁天などヒグマが現れやすい場所で、空砲の射撃音を響かせたり、爆竹でクマが嫌う火薬の臭いを付ける活動を展開する。今年はヒグマの餌となるドングリなど木の実のなりが悪く、食べ物を探して人里に近づく個体が多いとされる。この日、防除隊がパトロールした市内美沢では、畑のデントコーンを食い荒らしたり、足跡、ふんなど出没の痕が見つかった。隊員は猟銃を手に痕跡を丹念に調べ、ヒグマの行動を予測。出没地点となりそうな木が茂る丘に向かい、「バンバンバン」と散弾銃の空砲を撃ち、爆竹を鳴らした。防除活動に参加した荒木義信隊長は、「家畜などに被害が出るのが心配。ヒグマと人間が共存できるようにパトロールをしたい」と話した。
(デヴィ夫人、猟友会の“クマ射殺”に激怒)
デヴィ夫人のブログ記事が、ネット上で波紋を呼んでいる。私は毎年、ツキノワグマやヒグマがこのようにして射殺されることに怒りを覚え心を痛めている。毎年45頭位の熊が射殺処分にあい、命を落としている。これでは日本にいる熊たちは壊滅してしまう。人間や動物が共生してこそ、自然環境が保たれるのに、実に可哀相だ。一番良い方法は、射殺ではなく、有志ある人達が、山に行って沢山の餌をばらまいてくることではないだろうか。そうすれば、山をおりてくることもなく、お腹一杯になり、体に十分な脂肪をつけて春までゆっくり冬眠できる。里におりてきて、人を襲うような事故も起きなくてすむ。なぜ人はこのようなことを可哀相な恵まれない動物達に心をかけてあげることができないのだろうか?”デヴィ夫人の歯に衣着せぬ物言いは「痛快」「心が洗われる」などと評されることもあるが、今回のブログ記事を受けて、ネットユーザーの間では「現場近くに住ませれば『すぐに殺せ捜索隊を出してでも小熊も殺せ』となる人」「原発爆発してすぐに日本から逃げた奴が言う台詞か?」「動物の命が可哀想っていうが、例えば人間は毎日100人も自殺してるんだがそれには何も言わないし。人の根本がどっか狂ってるとしか思えない。」など、批判が噴出している。
(イノシシ肉で基準値超え、栃木で3頭目)
栃木県は11日、同県茂木町で捕獲した野生イノシシの肉から、食肉の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える同689ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。栃木県で野生イノシシの肉が基準値を上回ったのは矢板市、那須町に続き3頭目。県は3市町周辺で捕獲したイノシシについて、食用の自粛を呼び掛ける。県によると、イノシシは猟友会が有害鳥獣駆除のため9月22日に捕獲。食肉処理施設がある同県那珂川町が食用の可否を判断するため検査した。
(イノシシ出没、ドアガラス破る:香川)
11日午前零時10分ごろ、善通寺市生野本町の県土地改良事業団体連合会仲多度支所で、イノシシが玄関ドアのガラスを破って侵入するのを善通寺署員らが見つけた。約35分後に屋外へ出てきたところを捕まえようとしたが、西の方向へ逃げた。同署によると、同支所から東約500メートルの尽誠学園高校前の県道で「イノシシを見た」との通報があり、署員が付近で警戒していたという。支所は無人で、けが人はなかった。イノシシ侵入直後に支所へ駆け付けた職員の西川隆晴さん(52)は、「体長1メートルほどで、室内を走り回り、何度も壁にぶつかっていた」と話した。イノシシが去った後の室内は、床や壁に血が飛び散り、椅子やキャビネットが倒れていた。現場はJR善通寺駅の南約500メートルで、農地や住宅が混在する地域。このため市教委は、児童や生徒らを集団で下校させるよう市内の全小中学校、幼稚園18校に指示した。
(用水内でシカ捕獲:石川)
十一日午前七時ごろ、能美市宮竹町の深さ約一・五メートルの上郷用水内でオスのシカが出られなくなっているのを住民が見つけ市に通報した。市は用水を管理する宮竹用水土地改良区の職員に水量を少なくするよう要請。水深を五○センチから一〇センチまで下げた後、麻酔銃で眠らせて同日午後一時ごろ捕まえ、市内の山林に放った。シカは体長約一・五メートルで、角の長さは約四十センチ。住民が目撃した当初は用水の中をうろついていたが、次第に衰弱して立ち尽くすようになったという。今年四月から市内の哺乳類の生態調査をしている同市博物館によると、市内でオスのシカが捕獲されたのは初めて。山間部で定着している可能性もあるという。
(鳥獣害対策、千人態勢で県内一斉捕獲:大分)
県は鳥獣害対策の一環として、16日にイノシシ、シカの“県内一斉捕獲”を実施する。姫島村を除く県内17市町と各猟友会が協力し、実施日を合わせて各地で駆除に取り組む。猟師に追われたイノシシ、シカの逃げ先をなくし、駆除の効率を高めるのが狙い。今回が初の試みで、県は「県単位の一斉捕獲は他県でも例がないのでは」としている。各市町が出す有害鳥獣捕獲許可に基づき、猟友会員が実施する。全体で約千人の参加を呼び掛ける。猟場は通常の狩猟などと同じ範囲。目標頭数は「最低でも100頭以上」(県森との共生推進室)としている。当日は県境を越えた有害鳥獣捕獲で連携している九州の「3県合同」(大分、福岡、熊本)と「4県合同」(大分、熊本、宮崎、鹿児島)がともに県境沿いで一斉捕獲を計画。大分の各市町もそれに合わせて実施することにした。キノコ狩りや山菜採りなどで入山を予定している人は注意が必要。安全面の配慮から、入山する際はなるべく目立つ色の格好をするよう求めている。県森との共生推進室によると、県内の農林産物の鳥獣被害額(2010年度)は3億4600万円。うち約8割はイノシシとシカによる被害だった。県は今年8月、小風茂副知事を本部長とする鳥獣被害対策本部を発足させ、関係機関を挙げて対策を講じている。三ケ田雅敏室長は「一斉捕獲で効果を上げ、被害の軽減につなげたい」と話している。
(猿に襲われる被害相次ぐ:山口)
下関市の中国自動車道小月インターチェンジ(IC)周辺で、住民が猿に襲われる被害が相次いでいる。9月以降、6人が襲われ、5人が軽傷を負っており、市は「遭遇しても近寄らないようにしてほしい」と注意を呼びかけている。長府署や市によると、9月2日、下関市吉田で高齢の女性が散歩中に体長約60センチの猿に襲われ、右手をかまれた。以降、同6日、10月3、8日と被害が続き、10日明け方には、同市王司神田の市道で、女性(64)が体長50センチほどの猿に手足3か所をかまれた。同日夕方には、すぐ近くの同市赤池町で、同じぐらいの大きさの猿に女性(63)が襲われ、ズボンの裾をかまれた。相次ぐ被害に王司神田の女性(88)は「5、6年前に猿を見たことはあるが、襲われたという話は聞いたことがない」と驚いていた。市有害鳥獣対策室は「餌を求めて複数の猿が人里に来ている可能性がある」とみて、小月地区にわなを仕掛けたほか、猟友会の協力を得て捕獲に向けた取り組みを進めている。長府署もパトロールで警戒するとともに、被害情報を学校に通知するなどして注意を喚起している。
(サル、住宅地で目撃相次ぐ:茨城)
鹿嶋市内の住宅地でサルが出没し、市役所や鹿嶋警察署などに目撃情報が相次いで寄せられている。市はホームページなどで注意を呼び掛けている。市環境課によると、最初に目撃されたのは9日正午ごろ。同市緑ケ岡の住宅地でサルを見かけた人が鹿嶋署に通報。駆けつけた署員が確認している。10日午前8時ごろと約30分後には、市役所近くの同市平井と鉢形周辺で出没。11日午前8時半ごろには、同市平井の住宅地で、民家に植えている柿を食べていたという情報が寄せられた。いずれも1匹でニホンザルとみられる。被害情報はないという。市内では、09、10年にもニホンザルが複数回目撃され、通学途中の小学生や女性がかまれたり威嚇されるなどの被害があった。10年3月に1匹が捕獲され、石岡市の東筑波ユートピアに預けられた。市はホームページに目撃情報を掲載。サルに近寄らない▽目を合わせない▽大きな声を出して脅かさない▽エサを見せたり与えない▽戸締まりを徹底して家への侵入を防ぐ、など注意を呼び掛けている。また、サルが出没している周辺の小中学校に対し、集団で登下校をするよう要請するなどの対策を取った。市環境課は、サルの種類の特定を急ぎ、ニホンザルと確認できた場合には、県に対して捕獲許可の申請をする準備を進めている。市環境課は「昨年捕獲されたサルは東北地方で生息しているらしい。今回目撃されているサルも車で移動してきた可能性が高いのでは」と話している。
(大量出没、可能性低い:福井)
ツキノワグマが餌とするドングリが今年は豊作で、昨年のようにクマが大量に出没する可能性は低いことが、県自然保護センターなどの調査で分かった。奥山では特にブナが豊作で、ミズナラも例年より多く実っているという。ただ、出没しないわけではないため、同センターは注意を促している。ブナとミズナラが凶作の年は、クマが人里に大量出没する傾向がある。県内のツキノワグマの出没を予測するため、クマが冬眠に向けて栄養を蓄え始める直前の8月中旬~9月上旬に、ブナ科が全体の50%を占める山林を調べた。10地点でブナ計200本、15地点でミズナラ計272本をサンプル調査したところ、ブナは84%、ミズナラは25・7%の木で十分に実がなっていた。実の量は、ブナが05年の調査開始以来最大規模で、ミズナラは2番目に多かった。県内では、06年度にクマが大量に現れて246頭が捕獲され、昨年度は勝山市のデイケア施設に侵入したクマが女性看護師に3週間のけがをさせ、154頭が捕まった。いずれの年も、ブナとミズナラが凶作だった。県によると、県内にクマは約850頭が生息している。出没のピークは11月ごろまで。調査した同センターの水谷瑞希・企画主査は「奥山に十分な餌があり大量出没の可能性は低い」と話す一方で、「出没しないわけではないので、例年同様、生ゴミなどクマを引き寄せる物をきちんと管理し、餌場に近づかないようにするなど注意を続けてほしい」と呼びかけている。
(ツキノワグマ出没予測、今秋は少なめ:長野)
県がまとめた今秋の「ツキノワグマの出没予測」によると、餌になるドングリ類の結実状況が「並作下~並作上」と見られ、10年度や06年度のような大量出没はないと推測した。しかし、木曽地域など一部では「結実状況が悪く、餌を求めて人家近い場所に出てくることが考えられる」と県野生鳥獣対策室は注意を呼び掛けている。クマの出没と関係が深いドングリ類の11年度の実のなり具合を調べた「堅果類(ドングリ類)の豊凶(ほうきょう)調査」では、コナラ「並作下~並作」(10年度「凶作~並作」)▽ブナ「並作上」(同「凶作」)▽クリ「並作」(同「並作」)。県内のほとんどが「並作」で大量出没の恐れは少ないが、木曽地域はミズナラやコナラが少なめで、出没に注意が必要という。対策室によると、8月末のクマの出没目撃情報は前年度よりも382件少ない837件。けが人は9月末までに同9人少ない3人にとどまった。ツキノワグマは冬眠に備えて秋にドングリを多量に食べる習性があり、ドングリが不作だと、餌を求めて人里に出没する傾向がある。
(有害鳥獣対策の強化を:栃木)
市農業委員会(菊地栄太郎会長)は11日、有害鳥獣対策や食の安心安全を周知する対応などを求める建議・要請書を大豆生田実市長に提出した。菊地会長ら5人が、イノシシやシカといった有害鳥獣の被害防止策の強化や市域を越えた連携、新規就農者の育成対策などを、市の農業政策や来年度予算に反映するよう要望した。また福島第1原発事故による風評被害を受け、モニタリング調査などをもとに農畜産物の安全性を市内外に周知したり、小中学校の給食の安全性を呼び掛けたりする施策の推進も盛り込まれた。農業委員から「市の農作物が安全ということが浸透されていない」「新規就農者を確保するため、国や県が行っている研修者受け入れ農家への助成を市独自で上乗せできないか」といった意見が出され、大豆生田市長は「風評被害や担い手育成、ブランド価値の向上などの対策は市で取り組めることも多い。今後、具体的に検討していきたい」と応えた。同委員会はこれまで国や県に対して建議・要請を行ってきたが、より直接的な効果が見込めるとして今回初めて市に提出することにした。菊地会長は「農家の抱える問題を根気強く訴え、改善を求めていきたい」と話した。
(高速道、動物接触事故が多発:大分)
県内の高速道路で、走行中の車が動物と接触する事故が相次いでいる。「秋から冬にかけてはシカやイノシシが繁殖期を迎え、動きが活発になる時季」(県)のため、接触事故は増える傾向。大事故につながる恐れもあり、県警高速道路交通警察隊はスピードの出し過ぎ、脇見運転への注意を呼び掛けている。同隊によると、今年は9月末までに17件(昨年同期は16件)の接触事故が起きている。内訳は▽シカ11件▽イノシシ3件▽タヌキ2件▽不明1件。特に9月には6件発生。宇佐別府道路の院内インターチェンジ(IC)付近、大分自動車道の大分―別府間、東九州自動車道の大分宮河内―臼杵間で、相次いでシカなどとぶつかった。昨年は9~12月の4カ月間に16件発生しており、年間件数(27件)の半数以上を占めた。県森との共生推進室の高宮立身・鳥獣害対策専門指導員は「秋はシカの繁殖期で、冬はイノシシの繁殖期。普段は警戒心が強い野生動物も、子孫を残すために動き回る」と背景を説明する。県内では、動物との接触が原因となる人身事故は少なくとも昨年以降起きていないが、一般道では昨年2月、豊肥地区の市道で、50代男性の車が、飛び出してきたイタチをよけようとして道路脇の柱に衝突して大破、足の骨を折る事故が起きている。今年10月3日には宇佐市の宇佐別府道路で、乗用車がシカと衝突。運転していた男性が路側帯に車を止め、はねたシカを車のトランクに積み、近くのICまで運んだ上で警察に通報するというケースもあった。同隊は「自ら回収すると、後続車に追突されるなど危険。動物をはねた場合は、非常駐車帯など安全な場所に車を止め、ハザードランプを点灯、三角表示板を設置してから警察に通報してほしい」と適切な対応を呼び掛けている。
(獣害防げ「集落点検」:滋賀)
イノシシやシカ、サルなどの野生動物に田畑の農作物を食い荒らされる被害が県内各地で年々深刻化している。猟銃による駆除や、電気柵で侵入を防ぐなど様々な「獣害対策」が講じられるなか、動物の行動パターンなど踏まえた「集落環境点検」と呼ばれる手法が効果を上げつつある。多賀町は2008年度から3年間、国の補助事業で約1億5千万円かけ、町内7地区に延長12キロの電気柵を設置した。今年度はさらに3億円をかけて3地区に計20キロを新設する予定だ。だが、硬い毛に覆われたイノシシは鼻以外は感電しにくく、柵の下の土を掘って田畑に侵入する。このため、穴を鉄棒でふさぐなどの補修が必要だ。また、被害額が基準に達しない場合は、電気柵の設置に補助が出ないこともあるという。そこで、多賀町が取り入れたのが集落環境点検だ。地域ぐるみで動物の侵入路や被害作物などを調べ、不要な果樹を切ったり田畑近くの茂みを刈って隠れ場所をなくしたりと、きめ細かい対策でエサにありつける状況をなくす手法だ。今年度は同町一円の一円憲一さん(64)ら6人を新たに臨時雇用し、14地区で基礎データを集めている。一円さんによると、かつては集落に野生動物が近づくことはなかったという。「針葉樹ばかり植林されて、エサになる木の実が減ったうえ、林業の衰退で山に人が入らなくなり、動物が里に出やすくなった」とし、獣害は「人災」の側面もあるとみている。県湖東農業農村振興事務所などによると、集落環境点検では、ポイントとなる動物の特性がある。早場米の収穫後は稲の切り株からヒコバエが生え、シカとイノシシのエサになる。また、庭先の柿やナンテンは、サルが好んで食べるという。電気柵や集落環境点検などの対策の結果、多賀町では鳥獣害の被害額が09年度の5225万円から、10年度は4267万円に減った。また、彦根市の鳥居本地区や荒神山地区、甲良町、愛荘町など被害の多い周辺地域と「湖東獣害対策地域協議会」をつくり、連携して柵の設置などを進めている。獣害対策に詳しい県立大環境科学部の野間直彦講師によると、獣害に特効薬はなく、複数の対策を組み合わせることが必要だという。「植林した山は間伐をして明るくし、エサになる下草が生えるようにする。山と集落との間に緩衝帯をつくって牛や羊などを放牧したり、山菜を栽培したりするのもいい」と話している。
(動物との衝突も回避、ボルボが開発中の安全技術:スウェーデン)
スウェーデンの自動車大手ボルボは、路上に飛び出した動物をドライバーがひいてしまうといった事故を避けられる新しい安全システムを開発している。ワシントン・ポストによると、このシステムは、レーダー・センサーと赤外線カメラを使って近くに動物がいる時にはドライバーに知らせ、衝突しそうになるとブレーキを自動的に作動させる仕組みで、数年以内にスポーツ多目的車(SUV)「XC90」などに搭載される予定。自動車保険大手ステイト・ファームによると、米国では今年6月末までの1年間に、車とシカとの衝突事故が109万件発生し、被害総額は約35億ドルに上った。全般的に車の安全性が向上した結果、国内の交通事故死は2005年以降25%減少しているが、ボルボは業界でも際立つ安全システムの構築を目指している。カメラやレーダーを使って事故を未然に防ぐ機能はアクティブ・セーフティと呼ばれ、10年ほど前からBMWやメルセデスといった高級ブランドで登場し、最近は大衆モデルにも広がっている。ステファン・ジャコビー最高経営責任者(CEO)は「当社は現在アクティブ・セーフティ分野のリーダーで、今後もリーダーであり続けたいと考えている。これは、20年までに販売を80万台に倍増し、同時にボルボ車による死亡事故をゼロにするという目標を達成する上で非常に重要」と話している。ただし、最新技術は高価で、ボルボは高い値段に見合う内容の技術を提供し続ける必要がある。同社は昨年、前方に人がいた場合自動的にブレーキを作動させるシステムを業界で初めて開発した。車線はみ出し警報装置などの安全パッケージが付いた同社のセダン「S60」は、車両価格3万1150ドルのうち最新安全システムの値段が2100ドルを占めている。アクティブ・セーフティ市場は年に30%以上のペースで成長しており、15年には15億ドル規模に達する可能性が高い。これに対しエアバッグやシートベルトなど事故発生後の被害を最小限に食い止めるパッシブ・セーフティ市場の伸びは年4~6%にとどまっている。

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10/10
(ヒグマ射殺、胃空っぽ:北海道)
札幌市中心部などでヒグマの目撃情報が相次ぐ中、隣接する北海道恵庭市の山林で6日射殺されたクマの解体に当たった猟友会メンバーが9日、毎日新聞の取材に「冬眠前に脂肪を蓄える時期なのに、胃の中が空っぽだった」と状況を説明した。主食のドングリが不作で、餌を求めて移動するうちに山を下りて来たとみられるという。解体をしたのは札幌猟友会員で恵庭市議の庄田洋さん(57)。体重約140キロの雄で、胃が細くなり、胆のうが大きくなっているなど冬眠に入る兆候があったが、胃の中には全く食べ物がなく、脂肪もほとんど付いていなかった。通常はこの時期に穀物などを一番よく食べ、脂肪の厚さは2センチ以上あるという。今年はドングリが全道的に不作で、道は6年ぶりに「ヒグマ出没警報」を出している。庄田さんは「最近は林の伐採でドングリやコクワなどの好物が山奥より住宅地近くに多くなっており、餌場までの通り道に住宅地が入っている可能性がある」と指摘。ごみを荒らした形跡などがないことから、ヒグマが市街地に餌を探しに来たとの見方には否定的だ。9日も札幌市西区の公園近くの山林や千歳市の道道で、ヒグマらしき目撃情報があり、各市や警察が警戒を呼び掛けている。
(クマに襲われ男性けが:秋田)
10日朝早く、仙北市田沢湖の雑木林で65歳の男性がクマに襲われ、顔や頭にけがをしました。けがをしたのは、仙北市田沢湖岡崎の無職 齋藤明美さん65歳です。仙北警察署の調べによりますと、齋藤さんは10日午前6時40分ごろ仙北市田沢湖神代の雑木林で体長およそ1メートル50センチのクマに襲われました。齋藤さんは顔や頭をひっかかれて病院で手当てを受けましたが、命に別状はないということです。現場から50メートルほどのところに民家があるため、警察で注意を呼びかけています。
(ヒグマ目撃相次ぐ:北海道)
8日夜、苫小牧市東部の2カ所で相次いでヒグマが目撃された。苫小牧署によると、同日午後10時5分ごろ、市内静川の北海道石油協同備蓄正門前の市道で女性ドライバーがヒグマを目撃した。その45分後、市内沼ノ端134の道道上厚真苫小牧線で信号待ちをしていた別の女性ドライバーがヒグマとみられる動物を目撃し、同署に通報した。一方、10日午前6時20分ごろ、白老町石山の町道で、車を運転中の女性が道路を横断する体長約2メートルのヒグマを目撃し、同署が警戒に当たった。また、9日午前11時ごろ、千歳市水明郷の道道支笏湖公園線を走行中のドライバーから、道路を横断するヒグマ1頭を目撃したと110番通報があった。千歳署によると、現場は水明郷パーキングから約1キロ支笏湖寄り。ヒグマは体長約1.5メートルという。同署は、付近でキノコ採りをする人たちにヒグマの出没を知らせ、注意するよう呼び掛けた。9日午前9時30分ごろ、安平町早来緑丘の山林で、エゾシカ駆除で入林していた道猟友会苫小牧支部安平部会の男性ハンター(75)が、シカを食べているヒグマを発見し、射殺した。苫小牧署によると、ヒグマの体長は約2メートル、体重は約300キロの雄。現場は民家から約2キロ離れた地点。9日午後5時45分ごろ、JR千歳線の沼ノ端―植苗駅間で、苫小牧発ほしみ行きの普通列車がヒグマと衝突した。列車は衝突した地点を400メートルほど通り過ぎて停止し、車両点検などした後、14分遅れで運転を再開した。乗客80人と乗員にけがはなかった。その15分後、現場近くを走る室蘭線の貨物列車の運転士が千歳線内で、普通列車と衝突したとみられるヒグマの死骸を発見した。
(シカとの衝突防止で道路診断:北海道)
9月下旬に釧路市阿寒町の道道で発生した死亡交通事故に伴い、道警釧路方面本部や釧路署、道の担当者らによる道路診断が6日現地で行われ、防止策などを話し合った。この事故は9月27日午後6時前、道道徹別原野釧路線で原付バイクが転倒し、運転していた無職男性(当時81歳)が死亡した。バイクの前かごにシカの体毛が付着していたことから、エゾシカとの衝突が事故原因とみられている。診断では市が死亡事故現場を知らせる看板を設置したことを報告したほか、当面は動物との衝突事故防止の広報・啓発を強化するなどの対応策を決めた。同署は「これからはエゾシカの出没多発期を迎えるため、速度を抑えめに」と注意を呼び掛けている。
(イノシシ被害急増、セシウムで狩猟者減り:茨城)
献上柿の産地として知られる石岡市八郷地区で、イノシシに柿を食べられるなどの被害が広がっている。例年なら県猟友会がイノシシを食用も兼ねて駆除しているが、今年はイノシシから暫定規制値を超える放射性セシウムが出たため、狩猟を控えている。農家は「このままでは被害が増える一方だ」と頭を痛める。
八郷地区には六十三戸の柿農家があり、収穫量は年間約千トンと市町村別で関東一を誇る。十一月中旬に八郷柿振興協議会が柿を審査し、品質の良いものを皇室へ献上している。県農政課によると、同市はイノシシによる農産物の被害額(二〇〇九年度)は県内で水戸市、笠間市に次ぎ三番目。稲や柿、クリなどの被害が大きい。このため県猟友会が毎年駆除し、親族らに肉を配っている。石岡市八郷商工会と協力して町おこしで「しし鍋」も販売。脂肪が少なく、コリコリした歯応えが好評でファンも多い。市の祭りでも振る舞われる。しかし先月、水戸市など県内四市で暫定規制値(一キロ当たり五〇〇ベクレル)を超える放射性セシウムが出たことで、県はイノシシ肉を放射性物質の検査なしで食べることを自粛するよう、関係者に要請した。県猟友会によると、「捕獲しても家族や知り合いに分けることができない」と、毎年登録が必要な狩猟免許の申請をやめる人が増えているという。今月初めに申請の受け付けが終了した北茨城、高萩地区など十四支部(県内四十二支部)では申請数が八百七十九人と前年より二割以上減少した。八郷猟友会会長の鈴木哲夫さん(68)は「毎年高齢化で登録者数が少なくなっていたがセシウムで、さらに減った」と憂慮する。柿はこれから収穫の最盛期を迎え、来月にかけてさらに被害が広がるとみられる。献上柿の畑をイノシシに荒らされた石岡市の農家鈴木秀夫さん(64)は「太い枝を折られると元通りになるのに五年以上かかる。(電気ショックを与える)電柵などの対策はしているが、飛び越えられたりすると防ぐのに限界がある。捕獲しないと被害はなくならない」と困り顔だ。県は今後の登録者状況を見て対策を検討するという。
(アライグマ捕獲を強化:島根)
島根県内で特定外来種・アライグマによる農作物被害などが集中している益田市内で、同県と同市が「捕獲作戦」を強化している。家屋への侵入例も発生しており、箱形のわなの設置数を倍増させた上で、発信機を使った行動調査も開始。繁殖力が強いだけに、被害の拡大を食い止めるには、ここ数年が勝負とし、対策に力を注いでいる。「単価の高いシャインマスカットを狙って食べる。タヌキやイノシシより難敵だ」-。益田市喜阿弥町の農業、竹内徳重さん(78)は、丹精込めて栽培したブドウを食い荒らすアライグマに近年、手を焼く。2010年の被害額は約20万円。猟師免許を生かし、捕獲した数は16匹に上った。11年は1匹にとどまるものの、「油断できない」と語る。県西部農林振興センターによると、アライグマの捕獲、被害が報告されているのは県内で益田市のみ。しかも、09年度に24匹だった捕獲数は、10年度には67匹に急増した。理由は不明ながら、一大繁殖地となっている。さらに、納屋の引き戸を開け、置いてあったペットフードを食べるなど、家屋への侵入被害も発生するようになった。このため、市は10年度に30個を購入し、狩猟免許の所有者に設置、捕獲を委託したばかりの箱形のわなを、11年度に入って30個追加。県西部農林振興センター益田事務所も生態や行動の調査を目的に、6月から県中山間地域研究センター(飯南町)と共同で、捕獲した1匹に電波発信機を装着した首輪をはめ、放った。アライグマは生後10カ月ごろから交尾し、一度に3~4匹を産むことから、市農林課の担当者は「2~3年以内に、どれだけ捕獲できるかが鍵。でなければ、手遅れになる」と強調。兵庫県内では人がかまれる被害も出ており、警戒を強める。隣接する浜田市内での目撃情報も増えており、生息域が広がっている可能性も浮上。県などは引き続き、情報提供を呼び掛けている。
(列車にイノシシ衝突:静岡)
9日午後8時ごろ、焼津市のJR東海道線用宗―焼津駅間で、沼津駅発浜松駅行き下り普通列車にイノシシが衝突し、列車は約15分遅れた。後続の列車の乗務員が、安全確認時にイノシシの死骸を発見し、線路外へ撤去した。JR東海静岡支社によると、下り列車計5本に最大41分の遅れがあり、約1600人に影響が出た。

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10/9
(札幌市西区にまたクマ:北海道)
8日午後10時35分ごろ、札幌市西区西野3の9の西野ひよこ公園内で、クマ1頭が立ち上がり、園内の木に前脚を掛けてじゃれているのを、バスで帰宅途中の女子高校生2人が目撃し、110番通報した。通報を受けてパトカーが現場に駆け付けた時には、クマの姿は既になかった。現場は住宅街の一角。クマの体長は約2メートルあったという。
(札幌市でまたクマ目撃、公園入り口を閉鎖:北海道)
札幌市内でクマの目撃が相次いでいる。7日も市内の公園で体長約1メートルのクマが目撃され、札幌市は公園の入り口を閉鎖し、警戒している。  クマが目撃されたのは、札幌市中央区の「旭山記念公園」。7日午後6時過ぎ、中学生が体長約1メートルのクマ1頭を目撃したという。このため、市は7日夜から旭山記念公園への入り口5か所を閉鎖し、ハンターらによる警戒が続いている。  さらに、8日未明には札幌市中央区南20条西10丁目でクマの目撃情報があった。警察と市などが確認したが、クマの足跡などは見つかっていないという。
(クマ出没の札幌中心部、警戒でイベント中止:北海道)
クマの出没情報が相次ぐ札幌市中心部。7日夜の目撃情報で閉鎖された旭山記念公園(中央区)では8日、道猟友会札幌支部のハンター4人がクマを捜索、市の職員もフンや足跡などを探した。「クマのフンがあった」「クマが走っている」との情報は8日も市に寄せられたが、不確実なものもあり、市は「警戒は必要だが、冷静な対応も大切」としている。3連休の初日で、例年なら家族連れでにぎわう旭山記念公園は、入り口ゲートが閉められ、ゲートは黄色い立ち入り禁止のロープが巻かれた。「立入禁止」の札もかけられ、辺りは静まり返っていた。10日に予定していた子ども向けの自然体験イベント「旭山森のフェスティバル2011」も中止になった。
(ヒグマ防除再開:北海道)
札幌や千歳の市街地にヒグマの出没が続いていることを受け、苫小牧市は11日からクマが街に入り込まないよう防除活動を展開する。過去に出没したり、痕跡が見つかった十数カ所に、市ヒグマ防除隊が空砲や爆竹で火薬の臭いを付け、ヒグマの行動抑制を図る。11月上旬まで週1回行う予定で、市環境生活課は「できる限りの対策を講じたい」としている。市は、市内のヒグマ出没情報を踏まえ、3年前から毎年8月、週2回のペースで防除活動やパトロールをしている。今年は6月に市内新開町など商業・住宅地域にヒグマが現れた他、最近になって千歳、札幌の市街地での出没が相次いでいることから、緊急対策としてパトロールと防除活動を再開することにした。具体的には、市ヒグマ防除隊のハンターが2人1組で出動し、過去の出没状況などを参考にしながら、市街地付近の森林などをパトロール。ヒグマが現れやすい場所に爆竹で火薬の臭いを付け、街に入ってこないようにする。市は、キノコ狩りで山林に入る人に「厳重な注意が必要」と強調。「クマは嗅覚(きゅうかく)が鋭い。捨てた残飯などを食べると味をしめ、人里に出るきっかけになる可能性がある」とし、食品の残りなどは必ず持ち帰るよう呼び掛けている。
(イノシシと衝突?79歳女性、転倒骨折:兵庫)
7日午後6時半ごろ、神戸市中央区生田町の路上で、近くに住む無職の女性(79)が徒歩で帰宅中に転倒した。女性は左足骨折の重傷。女性が転倒直後にイノシシ1匹を目撃していることから、葺合署は女性がイノシシと衝突して転倒した可能性もあるとみている。同署によると、女性は転倒後に自力で起きあがり帰宅。翌8日になっても足の痛みが引かないため、同市内の病院で診察を受けたところ、骨折が判明した。その後、同市消防局を通じて同署に連絡が入った。現場はJR新神戸駅から南に約300メートルの住宅街。
(玄関先に体長80センチのクマ:秋田)
9日午前7時10分ごろ、仙北市田沢湖田沢の別荘の玄関先にクマが現れた、と別荘に滞在中の男性(73)=秋田市=が仙北署に通報した。男性が大声を上げるとクマは逃げ去ったという。男性は妻と息子夫婦、孫2人の計6人で滞在していた。朝食中、窓の外に黒っぽい動物が動くのが見えたため玄関に行ったところ、開いていた引き戸からクマが入ってこようとしていた。クマは体長約80センチとみられる。別荘は国道341号のバス停(先達)から北東約800メートルの山林内。計10棟の別荘が建ち、うち4棟に滞在者がいた。同署がパトカーで付近に警戒を呼び掛けている。
(サルにかまれるけが:山口)
8日午後1時15分ごろ、下関市小月町の市道で、近くの主婦(37)がサルに左足をかまれ、軽いけがをした。長府署によると、サルは体長約60センチ。突然現れ、女児を抱いて散歩していた主婦の左足首1カ所をかみ、逃げたという。同署は警戒のためパトカー2台を現場付近に出動させた。管内では3日にも80歳代の無職女性がサルに右足をかまれている。
(カワウ1千羽超、漁業被害54トンに:山形)
水に潜って魚を食べる「カワウ」の数が去年、県内で初めて1千羽を超え、漁業被害は、河川の全漁獲量のおよそ半数に当たる54トンに上ったことが漁協の試算で明らかになった。潜水能力に優れ1日におよそ500グラムの川魚を食べるとされる野鳥のカワウ。県内では10年ほど前に営巣地が確認され飛来数は年々増加、2002年は395羽だったが、去年10月の調査では1492羽に激増している。県内各漁協の巡回指導員を集めたきょうの研修会では、カワウによるアユやコイなどの漁業被害の試算が初めて示され、去年から今年にかけての食害は、河川での全漁獲量112トンのおよそ半数に当たる54トンに上ったことが報告された。今後の対策について講演した長岡技術科学大学の山本麻希理学博士は、銃による駆除や巣の撤去が、かえって「ねぐら」を分散させ、被害を拡大させている実態などを報告し、無計画な駆除の危険性を指摘した。各漁協ではあさってに行う一斉調査や、ロケット花火での「追い払い」などを通して個体数の増減や営巣地の分布の把握に努め、今後の駆除や繁殖抑制に役立てることにしている。
(シカ用水路に落ち出られず:長野)
長野市篠ノ井小松原でニホンジカが農業用水路に落ちて出られなくなり、6日、県職員や猟友会員らが捕獲して近くの山に放した。体長1メートルほどの雄で、近くの住民によると1日夜から水路内をうろうろしていたという。用水路は幅と深さがともに約2メートル。水深は約70センチ。付近は山に近く、果樹園と住宅が混在する地域で「5年ほど前から年1、2回は用水路に落ちた鹿を捕獲している」(長野市森林整備課)という。用水路沿いにある酒造店社長の飯田基(もとい)さん(63)は、1日午後10時ごろに事務所裏を流れる用水路で鹿を発見、「明るくなると上流へ移動していなくなり、暗くなると戻ることを繰り返していた」。6日は朝になっても事務所裏にいたので県に連絡した。県職員らは、下流へと逃げた鹿を約30分追いかけワイヤ製の捕獲器で捕まえた。撮影した近くの遠山達雄さん(73)は「リンゴの樹皮などを食べる被害を出す鹿の増加を実感した」と話していた。
(鳥獣被害減へ「戦う集落」:大分)
住民と行政、猟友会が共同で鳥獣被害対策を実施する県のモデル事業「戦う集落」の取り組みが佐伯市大越で始まった。田畑を荒らすイノシシやシカなどによる被害を減らすため、重点的に防護柵を設置し、捕獲を強化する。地域ぐるみで有害鳥獣を集落に呼び寄せない環境づくりにも力を入れる。これまで各自が防護ネットの設置などに取り組んできたが効果はいまひとつ。足並みをそろえた対応をしていくことで根本的な解決を目指す。延長約11・2キロの金属柵(高さ1・8メートル)で耕地を囲み、侵入を防止。猟友会と出没場所などの情報を共有して効率的な駆除を進め、鳥獣の呼び寄せにつながる耕作放棄地の草刈りなどを徹底する。柵の設置費用約5千万円は住民の負担と国の交付金を活用。工事は昨年度から始め、進捗(しんちょく)率は57%。来年度内の完成を目指している。第1回の会議をグリーンピア大越で開き、県南部振興局職員が事業内容を説明。松本新示区長は「水稲の被害が多く、穂を食べられてしまう。いろいろ対策をしてきたが、よい決め手がなかった。被害ゼロを目指したい」と話した。同地区は山間部に位置する29世帯・61人(2010年6月時点)で小規模集落の一つ。耕地は主に水田で大越川沿いに計14ヘクタールが点在している。
(サルに食害させません:愛知)
野生のニホンザルによる農作物被害を防ごうと、東栄町は7日から、サルを追い払う特別な訓練を受けた犬「モンキードッグ」を北設楽郡内で初めて導入した。これまで有効な対策がなかっただけに、住民や町の担当者は犬の活躍に期待を寄せる。モンキードッグは、集落に出没したサルを山へ追い返すよう訓練された犬。サルの気配やにおいを感じると、ほえたり追い立てたりすることで山奥に追い返す。東北地方などで導入する動きが広がっていて、繰り返しサルを追い返すことで出没回数が減少するといわれている。東栄町の山あいではイノシシ、ニホンザル、ニホンジカなどによる農作物被害が深刻化。町は県や地元のJAと協力し、イノシシ侵入防止用電気柵の設置に対する補助や防護資材の配布、猟友会による捕獲などを行ってきたが、どれも決定打とはならなかった。新城市、設楽町、東栄町、豊根村と県、JA愛知東でつくる「新城北設広域鳥獣害対策協議会」で新たな対策を模索してきた。モンキードッグは豊橋警察犬訓練所で訓練を受けたボーダーコリーの「ブルー」(メス、2歳)。サルによる被害が多く発生している小林地区に導入される。普段は集落の農家で飼われるという。昨年度、同町の野生動物による農作物被害額は推定1700万円。最多はイノシシの約900万円で、サルは約500万円。
(伝染病予防にカラス調査:北海道)
道立総合研究機構畜産試験場(新得町)は、今秋から家畜の伝染病予防に役立てるため、新得町周辺でカラスの行動調査を始めた。調査対象のカラスは羽や足首に標識が付いており、同試験場は住民から目撃情報を集めている。来年度以降は、衛星利用測位システム(GPS)の発信機を取り付けた調査も実施する予定だ。カラスによる媒介は、家畜伝染病の感染ルートの一つとみられる。畜産試の2008~10年の調査では、十勝管内の酪農地帯で捕獲されたカラス約100羽の7%が、牛などに食中毒を引き起こすサルモネラ菌を保菌していた。行動調査は、8月下旬に新得町内4カ所で捕獲したカラス10羽に、青色の記号タグや足輪を付けて放し、目撃情報から移動範囲やパターンを調べている。カラスは1日に数十キロ移動した例もあり、畜産試家畜衛生グループの藤井啓研究職員は「酪農地帯のカラスの動きをつかみたい」と協力を呼びかけている。
(新型の鳥獣対策システムを公開:長野)
金属加工、産業機械製造などの野村ユニソン(茅野市)は7日、開発中の新型鳥獣対策システムの試作機を公開した。一定の空間内に入った鳥獣を複数のワイヤにつながれたプレートが追い掛け、脅かして追い払う仕組み。諏訪市で13~15日に開く工業展「諏訪圏工業メッセ」で展示する。「追い掛けられると逃げる」野生動物の性質に着目した、独創性の高いシステムだ。今後実用化に向けて、さらに研究を重ねる。県内各地で鹿や猿、イノシシなどによる農作物や森林の食い荒らしが広がる中、農村部での活用を想定。特に、野生動物を追い払うための電気柵が設置しにくい川や谷など「隙間空間」への設置を見込んでいる。試作機は、高さ、幅とも2メートルほどの空間を、4本のワイヤにつながれたプレートが移動。ステージの上を動くおもちゃのネズミをセンサーで感知し、プレートが追い掛ける。今後はワイヤを8本に増やし、プレートなど移動物体が立体空間を動いて動物を本格的に「追える」ようにする計画という。複数のワイヤを協調して制御する技術は、同社が手掛ける産業用ロボットのノウハウを応用した。菊池一也・商品開発部長は「ワイヤの支柱を立てれば設置できるので、足場の悪い場所にも対応できる」と特長を説明。自然界にとどまらず「荷物の搬送やゲーム機の市場でも用途が見込めるのではないか」としている。同社は鳥獣対策システムの他に、水道凍結防止帯用の節電装置シリーズで工場向けに開発した新製品、開発中の金属加工装置や太陽電池関連装置も、諏訪圏工業メッセに出展する。

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10/7
(イノシシ肉などから微量のセシウム:宮城)
宮城県は5日、野生鳥獣の肉の放射性物質測定結果を発表した。ニホンジカとキジ、イノシシの肉からそれぞれ微量の放射性セシウムが検出された。ニホンジカは2日に女川町高白浜で捕獲。放射性セシウム(国の暫定基準値1キログラム当たり500ベクレル)が19ベクレル検出された。キジは9月28日に登米市登米町、同29日に白石市福岡で捕獲。登米市の検体から6ベクレル、白石市の検体から17ベクレルが検出された。イノシシは県猟友会が仙台市泉区で同18日に有害捕獲した肉を検査。67ベクレルが検出された。県は、8月に角田市で捕獲されたイノシシの肉から基準の4倍の放射性セシウムが検出されて以降、野生鳥獣を食べないよう呼び掛けている。
(イノシシから農地守れ、被害北上中:宮城)
イノシシに荒らされる農地が北へ北へと広がり、大崎市でも昨年度から被害が目立つようになった。対策として市は、イノシシ除(よ)けのソーラー電気柵を今秋から無料で貸し出し、農家が使い始めている。柵は、約5メートルおきにポールを立て、電流が走るワイヤを2~3段にわたって張り巡らす仕組み。電源には太陽光を使用している。最初に設置したのは、岩出山保土沢の水田でひとめぼれを作っている氏家政行さん(73)。札幌市に本社があるメーカーの指導を受けて、田の周囲に巡らした。設置する約1週間前の8月下旬、イノシシが入り、約40平方メートルにわたって稲を倒した。「初めてのことだった。稲穂が土にめり込んでしまった」と氏家さん。9月8日に設置してからはイノシシが来ず、被害部分を除いて9月下旬に稲刈りをした。大崎市は昨年度初めて、田畑計2アールにわたってイノシシの被害を受けた。今年度は市によると、4日までに3カ所の田で計370平方メートルに及んでいる。このため、市はイノシシとクマ、サル用の柵を購入し、被害農家に3月末まで貸している。9月6日から申し込みを受け付け、イノシシとクマ用計6セットが使われている。県農産園芸環境課によれば、県内のイノシシ被害は統計をとり始めた1991年度に丸森町ですでに出ていた。2003年度に仙台市で報告され始めた。統計には加えていないものの、大崎市の北隣の栗原市でも昨年度から稲が踏み倒されている。被害が北に進むに伴って県の被害面積は04年度以来増え続け、昨年度は54ヘクタールに広がった。被害北上の理由について同課は、深い雪中で動くのを嫌うイノシシが温暖化の影響で北の方でも活動するようになったこと、休耕地や耕作放棄地が増えて山林との境界があいまいになった農地に出没しやすくなったことを挙げている。県は今年度、農地に隣接し、イノシシが身を隠しやすいやぶを切り払って「緩衝帯」を作ることで、農地を襲うイノシシ害を減らそうという事業を進める予定だったが、東日本大震災からの復興費用を捻出するために中止になる見込みだ。県によると、農地の周りの草を刈り、10メートルほど見通せるようにすることで、警戒心の強いイノシシは農地に近づきにくくなるという。今年は県内3カ所ほどを選んでモデル地区として実施し、効果を確認する予定だった。県の担当者は「草刈りしてできた『緩衝帯』は市民農園にしたり、牛やヤギを放したりと、いろいろな使い方もできると思ったのだが……。国の予算を使ってなんとか実施できるようにしたい」と話している。
(津波流失の猟銃18丁不明:福島)
東京電力福島第一原発から半径20キロの警戒区域に残されている猟銃の保管問題で、津波で流失した区域内の猟銃(空気銃など含む)は26丁あり、このうち18丁が見つかっていないことが県警の調査で分かった。区域外の沿岸部でも30丁が流失し19丁が未発見となっている。県警はいずれも海水に漬かり直接使用できる状態ではないとみている。県警によると、津波で流失した猟銃は沿岸部のいわき、相馬、南相馬、大熊、浪江、新地の6市町で計56丁で、このうち37丁が見つかっていない。ただ、捜索などで発見された19丁は塩分の影響でさびて引き金が動かず、未発見の猟銃も特殊な加工をしない限り使用できる状態ではないと判断している。警戒区域内の許可猟銃は566丁あったが、県警が6月に調査したところ、467丁は区域内の民家や銃砲店などに残されていることが判明した。盗難の恐れがあるとして一時帰宅の住民や地元猟友会などに持ち出しを要請し465丁を回収している。残る2丁も10月5日に回収した。
(猟友会代表を書類送検:滋賀)
木之本署が業務上横領の疑いで長浜市木之本町、同町猟友会代表の男性(64)を9月30日に書類送検したことが、捜査関係者への取材で分かった。同猟友会に所属していた同町の電子機器製造業小沢幸司さん(64)ら3人の告発で捜査を進めていた。告発状によると、男性は2000~09年に、狩猟者の育成や会員の研修のために使う活動費補助金を合併前の旧木之本町から毎年8万~6万8000円の交付を受け、10年間で総額73万4000円を私的流用したとされる。補助金は個人名義の口座に振り込まれた。小沢さんらによると、同猟友会は、会議を開いたり、有害鳥獣駆除の一斉駆除の呼び掛けもしておらず、会としての実態はなかった。会の収支予算書には、会費を1人当たり3000円徴収したことが記されているが、小沢さんは「所属当時、会費を払った覚えはない」と話す。猟友会代表の男性は本紙の取材に対し、「補助金は会員に渡した狩猟用帽子の購入費や、狩猟後の慰労会などに使った」と説明している。社団法人県猟友会には木之本町を含む旧伊香郡をエリアとする伊香支部があるが、任意団体の木之本町猟友会は別組織。2010年1月に、旧木之本町が長浜市に合併し、補助金はなくなった。
(ヒグマが民家の玄関ガラス割る:北海道)
千歳市内の住宅街でヒグマの出没が依然、続いている。4日夜には千歳市大和の民家で玄関のガラスがヒグマに割られ、地域住民に衝撃が走った。事態を重視した千歳市は5日午前、これまでの「警戒本部」を「対策本部」に格上げした。4日午後8時56分ごろ、千歳市大和3、福祉施設職員男性(63)宅の玄関前に座り込んでいるヒグマを車で通りがかった女性が発見し、110番通報した。千歳署によるとヒグマは体長約2メートル。風除室の引き戸ガラス(縦2メートル、横1メートル、厚さ約4ミリ)1枚を割って、石狩森林管理署がある北西方向(桂木1)の山林に逃げたという。男性は仕事で不在だったと言い「自宅には妻がいたが『ものすごい音を聞いて怖くて外に出られなかった。愛犬がほえて室内を走り回った』と聞いた」と話し、「シカはよく見るが(ヒグマは)ここに13年住んでいて初めて」と驚く。同署と市、市クマ防除隊も出動し警戒中。広報で住民にヒグマ出没を周知し注意を呼び掛けている。ガラスからヒグマの体毛が見付かり、市は3日に北斗1など各地で目撃されたヒグマとの関連を調べる方針だ。被害に遭った大和の民家は、3日未明の春日町3の目撃現場からは約1.2キロ、緑小学校からは約800メートル離れた閑静な住宅街。周辺には、民家や市営住宅、老人福祉施設などがあり、後背地には山林が広がる。朝晩、犬の散歩をするという大和の近所の女性(51)は「キツネは見掛けるが、ヒグマと聞いて驚いている。予防策がない」と不安な表情を見せた。大和地区は緑小学校の校区。地域の見守り隊や教職員たちは5日朝、集団登校する児童たちを見守った。この他、同日朝には、自由ヶ丘の住宅街に近い北信濃の防衛省敷地内でも、ヒグマが木の幹を爪でかいた跡を市クマ防除隊が確認。市では同日午前10時、これまでの警戒本部を対策本部に切り替え、会議を開いて捕獲おりの設置の検討も開始した。
(ヒグマ捕獲へ鉄製のおり、陸自大演習場2カ所に:北海道)
千歳市内の住宅街にヒグマが相次いで出没している問題で、千歳市は7日午前、ヒグマの通り道とされる陸上自衛隊の北海道大演習場千歳地区内2カ所に、ヒグマ捕獲用のおりを設置した。また、4日から早朝と夜間の1日2回、北信濃から大和方面にかけた地域で猟友会員とともにパトロールを継続し、警戒している。おりは長さ約2メートル、高さと幅が約1メートルの頑丈な鉄製。内部に餌の蜂蜜を仕掛けてヒグマをおびき寄せ、蜂蜜に触れると仕掛けが反応して入り口が閉まり、ヒグマを閉じ込める仕組みだ。市によると、目撃現場に近い演習場内で親子とみられるヒグマの足跡が発見されている。先月も演習中の自衛官がヒグマを目撃しており、市は演習場から住宅街へとヒグマが出入りしている可能性が強いと推測。演習場内におりを設置を決めた。設置の際は山口市長も現時を視察した。今後は猟友会が定期的に巡回し、ヒグマが捕獲されていないか調べる。6日午後2時30分ごろ、恵庭市盤尻無番地の山林でクマを目撃した同市柏木町在住の自営業、力弓忠さん(67)がヒグマ1頭を捕獲した。力弓さんは札幌猟友会所属のハンター歴28年のベテラン。力弓さんは前日の目撃情報を聞き、6日午前6時すぎに1人で目撃現場に出掛け、情報にあったと思われるヒグマを発見したが、見失った。午後再び盤尻に出掛け、市営牧場のキロ手前でヒグマを目撃。150メートル離れた車の屋根からライフルで射止めた。ヒグマは体長2.25メートル、体重約100~120キロ、体高1メートルの雄で推定3歳。朝に出合ったヒグマより一回り小さいという。
(クマ目撃相次ぎ警戒続く:北海道)
クマの目撃情報が相次いでいる札幌市では、6日夜も市街地の住宅などで新たに3件の目撃情報が寄せられ、近くの小学校では、6日に続いて、保護者が引率するか複数の子どもたちで登校させるなど警戒が続いています。このうち札幌市中央区では、6日午後10時前、住宅の庭先に体長1メートルくらいのクマがいるという通報が警察に寄せられました。クマが目撃された住宅は札幌市の市街地で、近くにある伏見小学校では6日に続いて、保護者が引率するか、複数の子どもたちでまとまって登校するよう対策を取りました。伏見小学校の樋口章平教頭は「特に低学年の児童に危機感をもってもらえるようにしたい。あすから連休に入るので、一人で出歩かないようにしてもらいたい」と話していました。また、子どもを送りに来た母親は「子どもが通う学校の校区内でクマが出るなんて驚きました。安全が確認されるまでは外で遊ばせたくないです」と心配そうに話していました。札幌市では、6日夜も新たに3件のクマの目撃情報が寄せられるなど、6日から市街地の住宅などでクマの目撃が11件相次いでいます。このため7日朝は、市内の18の小中学校が教員や保護者が通学路に立つなどの対応を取ったほか、市や警察がパトロールをするなど警戒が続いています。
(ヒグマ1頭射殺:北海道)
6日午後2時半ごろ、恵庭市盤尻の山林内で、市内在住のハンターの男性(67)がオスのヒグマ1頭を発見し、射殺した。男性はクマ狩猟のために山に入っていたという。千歳署によると、ヒグマは体重約100キロ、体長約2・2メートルで3歳くらい。付近では5日午前11時ごろにヒグマが目撃されていた。2~4日に隣接する千歳市の住宅地で相次ぐ目撃情報があったクマと同一かどうかは不明という。
(住宅地でエゾシカ出没相次ぐ:北海道)
道央圏全体でアーバン・ディア(都会のシカ)問題が広がりを見せる中、市内住宅地でのエゾシカ出没が続いている。市に寄せられた目撃情報は、昨年1年間で5件だったのに対し、今年は10月3日時点ですでに9件。道央での生息数の急増が背景にあるとみられ、住宅地では危険防止のため、銃や吹き矢による捕獲ができず、市環境課は「緑地に誘導する追い立てしか有効な対策がない」と嘆いている。同課によると、春以降のシカ目撃情報は大麻地区1件、野幌地区4件、江別地区4件。このうち、5件は住宅地付近での目撃。酪農大前の国道12号で夜間に車と衝突したケースもあった。目撃の時期別では6月が5件、8月2件、9月2件。9月18日には、野幌若葉町の住宅地で雌の成獣1頭が確認され、同町内の小田島実さん(85)は自宅庭を30分ほど動き回るシカを目撃。小田島さんは「初めてシカが町内を歩いている姿を見た。異様な光景だった」と話す。このシカは、市と江別署が協力して緑地に誘導したが、その途中でシカが興奮して、車と衝突しそうになる危ない場面もあったという。同課によると、シカは人間が過度に刺激を与えれば興奮するため「大きな声を出したり、追いかけたりせず、すぐに市や警察に連絡してほしい」と注意を呼びかける。酪農学園大の赤坂猛教授(生物多様性保全学)によると、市街地でのシカ出没が増えている理由について、エサは冬場まで緑地に潤沢にあるため、エサを求めて来るわけではないとした上で、「防風林、鉄道林などの緑地をつたって迷い込んできた可能性がある」と話している。
(エゾシカ猟、釧路など3カ所に支援拠点:北海道)
道は、1日に解禁したエゾシカ猟を行うハンターを支援する拠点「現地シカ・ステーション」を今月下旬にも、農林業被害が深刻な釧路、根室、日高各管内に1カ所ずつ設置する。シカの出没情報を提供したり、捕獲したシカの搬出を手伝うことによってハンターの負担を軽減し、捕獲数の増加につなげる。
(団地にサル、捕獲作戦失敗:佐賀)
佐賀市鍋島町付近に野生とみられるサルが出没している。県や市の職員、警察、消防が捕獲に乗り出した。サルは今月1日に、同市鍋島町蛎久岸川の林檎(りんご)の木保育園付近で発見されてから、佐賀大学医学部、鍋島幼稚園付近などで目撃情報が相次いでいた。4日午前8時ごろ、佐賀署に「鍋島の江頭団地にサルがいる」と110番通報があった。同署員などが捕獲に向かうとサルは逃走。近くの事務所兼住宅の外壁と内壁の隙間に入り込み、立てこもった。
(市街地にサル:岩手)
盛岡市で6日、サルの目撃情報が相次いだ。学校近くなど市街地にも姿を見せており、市などは注意を呼び掛けている。市環境企画課によると同市北山2丁目の北山トンネル付近、国道4号付近、浅岸地区で電線を伝う姿など、同日朝から午後3時ごろまでに3件の目撃情報が寄せられた。同市浅岸2丁目の自営業吉田玉吉さん(74)は「近くに寄ったら威嚇してきた。体長は約1メートルで雄のようだった」と語った。上田小(坂本行雄校長、児童393人)は教諭が児童の下校に付き添った。同課によるとサルは米内川上流の山林に去ったとみられる。
(はぐれザル?小学校に出没:広島)
5日午前6時40分ごろ、広島市東区牛田旭1丁目の牛田小グラウンドにサル1匹がいるのを近くの住民が見つけ110番した。20分後、約百メートル南の牛田本町3丁目の住宅街でも目撃された。広島東署は周辺を巡回し、同小は児童や保護者に注意を呼び掛けている。牛田本町で車を運転中に目撃した女性(43)によると、サルは体長60~70センチ。午前7時ごろ、約1メートル前方を横切ったという。牛田周辺では4日夕にも目撃情報があった。市森林課は「群れから離れたのだろう。襲われる恐れがあるので、刺激せず連絡を」としている。
(サル出没注意:千葉)
松戸市は4日、市内でサルの目撃情報が数件寄せられたと発表した。人に危害を加えたとの情報はないものの、市は「すぐやる課」の職員らがパトロールし、市民に注意を呼び掛けている。サルの目撃については、2日午前6時半ごろに柏市の「北柏ふるさと公園」で見たとの情報が市民からあり、翌3日午前6時半ごろには流山市向小金の市民が自宅近くで発見し、流山警察署に通報。同10時ごろに再び、向小金の別の住民から通報があったが、その後は同市内での目撃情報は途絶えていた。
(クマ出没、今年も:京都)
丹後半島でクマの目撃が相次いでいる。全国的に急増した昨年よりは少ないものの、2年前の倍近いペースだ。えさを求めてか、宮津市ではこれまで姿を見せなかった漁村にも現れた。これから冬ごもりの季節を迎えるとあって、行政機関は注意を呼びかけている。若狭湾に突き出た宮津市の栗田(くんだ)半島。東側で漁港がある小田宿野(おだしゅくの)地区で9月28日早朝、民家近くのカキの木にクマの爪痕があると市に連絡があった。これに先立つ同22、23日には、半島西側で漁港に面する田井地区でクマの目撃が相次ぎ、「屋外にある魚の保管用冷蔵庫を開けていた」「海沿いの道路を歩いていた」などの情報が市に入った。市は急きょ「クマ出没」の看板を集落に立てた。小田宿野地区の70代の主婦は「子どもが神社で遊んでいたらクマが現れたと聞いた。怖い」とおびえる。市によると、今年は4月から目撃情報が入り、9月29日までに46件が寄せられた。昨年は9月末までに119件あったが、目撃地点の大半は山間部の上宮津地区。今年は沿岸部の栗田半島が約半数を占める。市の担当者は「クマは臭いのきついものに近寄る習性がある。魚の臭いに引き寄せられているのでは」と話す。府丹後広域振興局によると、丹後地区2市2町でのクマの目撃情報は9月20日現在195件。昨年同時期の525件には及ばないが、2年前の98件の2倍近くだ。クマは丹後半島に約120頭が生息しているとみられ、ナシなど果樹の収穫がピークになる今後、冬ごもりの準備が始まる。振興局は「生ごみや農作物の廃棄物を屋外に置くと、クマが集落に寄ってきやすい。片付けるようにしてほしい」と呼びかけている。クマの出没に備え、舞鶴市は今月から、市民向けにクマよけのベルとスプレーの無料貸し出しを始めた。昨年の出没多発を受けた初めての試みだ。市内でのクマの目撃情報は、昨年は4月1日~10月5日に131件。今年の同期間は67件だが、えさが乏しくなる冬場に向けて増える恐れがある。このため市は、人間の接近を知らせるベル40個、クマの顔に噴射するトウガラシ成分入りのスプレー3本を用意した。貸し出すのは市内在住か在勤の人。ハイキングや山で作業する際などに5日間借りられる。
(イノシシ食害、県全域に拡大:石川)
石川県内のイノシシの捕獲数が、十年間で十倍以上に増えたことが分かった。奥能登でも初めて、農作物被害を確認。被害が県内全域に広がったとして、県は四日、捕獲数を増やすため、鳥獣保護計画の一部を変更する方針などを決めた。来月から狩猟シーズンとなるが、まさに猪突(ちょとつ)猛進の勢いで広がる被害を食い止められるか。
県が確認した被害は約十年前まで、南加賀地区だけだったが、年々北上し昨年初めて最北端の珠洲市に拡大。県担当者は「こんなに早く広がるとは」と驚きを隠さない。有害駆除と狩猟による捕獲数はここ三年で急増し、昨年度は二千三百十四頭に。水稲を中心に農作物被害額も昨年、過去最高の約三千七百万円に上った。生息個体数の推定は難しいが「増加は間違いない」(県森林環境課)という。イノシシは一回で四~七頭産む「多産性」で移動も速い。耕作放棄地の増加で活動範囲は広がり、積雪が減って捕獲されにくくなったことなども背景にあるとみられている。県は四日、県環境審議会自然共生部会で、個体数の基準などを定めた第十次鳥獣保護計画を一部変更する方針を決めた。珠洲市若山町周辺の鳥獣保護区の見直し期間を二十年から十年に短縮。昨年度からの被害発生で、長期指定を不安視する声に配慮した。被害の目立つ金沢市山間部の古屋谷町周辺では、休猟区指定を外す。県は一昨年度から、狩猟期間(十一月十五日~二月十五日)をイノシシのみ三月末まで延長し、本年度も継続する。また、昨年度から狩猟免許試験回数を二回から三回に増やし、合格数は約二割増えた。一定の成果を挙げたとはいえ、県猟友会の岡川純一郎会長は「会員は高齢者が多く辞める人も多い。狩猟できる人を増やすスピードを上げないと間に合わない」と危機感を強めている。富山県内のイノシシの捕獲数も二〇一〇年度、七百四十五頭と〇九年度(三百二十五頭)より大幅に増えたが、一一年度は八月末で四十四頭にとどまる。〇七~一〇年の農作物の被害金額のうち、稲の被害は91%を占めた。
(カモ肉、宮城県産を青森県産と偽装:青森)
10~11年に宮城県産のカモを青森県産と偽って表示し販売したとして、東北農政局は6日、加工販売を手掛ける「ジャパンフォアグラ」(青森市、桑原孝好社長)に対し、JAS法に基づく適正表示を指示した。原因の究明と再発防止策を報告書にまとめ、11月7日までに提出するよう求めている。農政局によると、同社は10年6月1日~11年5月31日、宮城、青森両県産が交じったカモ肉約15・6トンを青森県産と表示して販売。また、カモ肉の加工品約11トンも同様に販売した。いずれも宮城県産を15%以上使っていたとみられる。同社によると、不適正表示は02年ごろに始まった。佐藤佳之社長室長は「不適正と分かっていたが、表示を分ける手間を惜しんだ。怠慢だった。消費者と取引先におわびしたい」と話した。同社はフランス原産種のカモ肉販売で国内最大手。県内で農場7カ所と食肉処理場を運営。宮城県内の農場1カ所は5月に閉鎖し、不適正表示も中止した。
(「ジビエ計画」本格始動:愛知)
農作物を食い荒らすシカなどの害獣を「ジビエ(野生の鳥獣)料理」として活用する計画を進める愛知県が、8日から初のジビエ商品を売り出す。被害が増える実りの秋を迎え、捕獲作業も本格化している。4日朝、愛知県岡崎市の山中にあるNPO法人「中部猟踊会」の小屋に地域の人から連絡が入った。「ワナにイノシシがかかってるよ」。理事長の日浅一さん(66)がロープを片手に仲間とトラックに乗り込み、現場に向かうと、体重50キロほどのイノシシがオリに向かって突進を繰り返し、「ガシャン、ガシャン」と激しい音を響かせていた。日浅さんはオリのすき間からロープを投げ、イノシシの足にかけると、慎重にたぐり寄せた。一帯は15年ほど前からイノシシやシカによる農作物の被害に悩まされ始めた。猟師は高齢化が進み、思うように捕獲が進まないため、「銃を使わなくても済む方法を」と周囲に約50のオリを置いている。地域住民から依頼があるたび、米ぬかなどのエサを置いて捕獲。10年前は年間約100頭だったが、今年は400頭に達しているという。

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10/4
(狩猟解禁、食用に備え:岩手)
狩猟解禁(11月15日)を前に県は3日、有害捕獲したクマとシカ計8頭の放射性セシウム検査を行い、最大で250ベクレルが検出されたと発表した。県自然保護課によると、サンプルは9月2~14日までに盛岡、岩手、二戸、奥州の4市町で捕獲したツキノワグマと、同15~18日までに捕獲したニホンジカでそれぞれ4頭ずつ。1・4~250ベクレルの放射性セシウムが検出されたが、いずれも食品衛生法の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を下回ったという。今後も10月中にクマとシカ計5頭を検査する予定。同課は「狩猟で食用とされる可能性があるので、安全性を判断する目安として情報提供した」と話している。
(サル出没:千葉)
流山市の閑静な住宅街にサルが出没した。付近の学校では集団下校をするなど警戒している。  3日午前9時頃、流山市でサルが出没したという情報が住民から警察などに寄せられた。サルは1匹で、体長約1メートルのがっちりとした体形だったという。  警察によると、周辺では先月30日からサルの目撃情報が寄せられており、隣の柏市でも目撃されている。  近くの小学校では、低学年の児童を集団下校させるなど、警戒にあたっている。
(鉛除去目的のソバ収穫:佐賀)
伊万里市大川内町の市営散弾銃射撃場(休止中)に隣接し、環境汚染対策法の基準を超える鉛が検出された休耕田で、市民グループ「いのちの会・伊万里」(下平美代代表)などが2日、鉛の除去を目的に植えたソバを収穫した。今後、ソバが鉛を吸収したかどうかを検査する。同会によると、ソバには鉛を土壌から吸い上げる効果があるといい、地権者の了解を得て、8月初旬に植えた。この日は、地元の青年でつくるボランティアグループ「大川内とんごの会」の応援を受け、約20人がソバを刈り取った。市は鉛対策を講じる方針で、本年度中に周辺のクレー(陶器製の的)を撤去。鉛については対策法を検討している。
(サル被害拡大、素早く賢く捕獲困難:栃木)
佐野市北部で野生ニホンザルによる農作物被害が深刻化している。イノシシやシカに比べ、動きが素早い上に知能も発達していることから、捕獲は難しく、農家は手を焼いている状況だ。専門家はサルを集落に寄せ付けない取り組みを推奨するが、効果的な運用には住民の意思統一や連動した動きが肝心とされ、過疎化や高齢化に直面する地域の底力が試される。9月4日、下秋山地区公民館。市主催で初めてサルに特化した研修会が開かれた。参加者は農林業を営む“被害者”約60人。柵の改善点やサルの移動ルートを指摘する実習も行われた。畑の点検を受けた農業萱原洋さん(66)は「一通りの対策はしてきたが、被害はひどくなる一方」と嘆く。県によると、サルによる農作物被害は日光と那須塩原市に集中しているが、近年は両毛地域の山間部でも生息域が拡大し、被害が目立ち始めている。市が把握する野ザル出没の最南端は閑馬町の新合郵便局。8月22日から4日連続で、子ザルが屋根に登ったり窓にぶつかった。「サルの捕獲に関しては、正直お手上げ」。県猟友会安蘇支部の人見利康支部長(74)は打ち明ける。ワナの効果はほとんどなく、銃撃には相当の腕が要る。ハンターの減少や高齢化に加え、人家周辺の銃猟が法で制限されており、集落に下りたサルの銃駆除は極めて難しい状況だ。一方、捕獲しやすい個体が被害を出す個体とは限らないとして、捕獲に顕著な効果はないとの指摘もある。サルの生態に詳しい宇都宮大農学部付属里山科学センターの江成広斗特任助教(31)は、「不用意な発砲は群れを分裂させ、被害が拡大する恐れもある」と安易な銃撃を控えるよう訴える。江成助教が提唱するのは、地域全体でサルが逃げ隠れするやぶや低木を刈ることに加え、ロケット花火を使った追い払いだ。「サルが恐れるのは花火ではなく、天敵である人間」。出没したら花火を打ち、その音を合図に人間が大勢が集まるようにして、集落は危険と学習させることが重要だという。青森県西目屋村では、年間1千万円規模の被害が、こうした対策を続けたことで数十万円程度まで減ったとされる。県モデル集落として獣害対策を進める下秋山地区では、東京農工大などの支援を受けながら、サルの侵入防止も期待できる改良柵を設けるなど、住民らが知恵を出し合う。同地区の松島一夫町会長(63)は「住民の結束は固くなっている。地域ぐるみで花火の追い払いにも取り組みたい」と意気込む。過疎化や高齢化が耕作放棄地を拡大させ、それに伴い深刻化する獣害が営農意欲の低下を招く。手ごわいサルの“攻勢”は、こうした負の連鎖を広げかねず、集落防衛を懸けた住民らの模索が続く。
(園児たちがキジを放鳥:熊本)
阿蘇地域で4日、幼稚園の園児たちがキジを放鳥しました。このキジの放鳥は狩猟期間に捕獲で減少する野鳥のキジを増やそうと例年、県と猟友会が実施しています。今日は阿蘇市をはじめ、南阿蘇村、それに小国町など13か所の鳥獣保護区に球磨郡多良木町にある県指定のキジふ化場で、今年4月下旬から5月上旬にかけて生まれた120羽が放されました。阿蘇市保護区の原野では阿蘇地域振興局の職員と猟友会の人たちが立ち会う中、あそひかり幼稚園の園児14人が参加して20羽を原野に放しました。今年の県内のキジの放鳥は今日の阿蘇を含め、今月27日までに県内11地域で1.200羽が放されます。

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10/3
(エゾシカ猟3週間前倒しで解禁、15万7000頭目標に:北海道)
今年度のエゾシカ猟が1日、道東・道北など道内123市町村で解禁された。推計約65万頭といわれる生息数の激増と、50億円超という農林業被害を受け、今回は解禁日を約3週間前倒しし、捕獲頭数の一層の拡大を目指す。この日の道東は時折激しい雨と風に見舞われるあいにくの天気。釧路市阿寒町の藤原良信さん(79)は、同日午前7時ごろから阿寒町、鶴居村、白糠町の山林を約7時間かけて車で回ったが、1頭も捕獲できず、シカを発見し銃を構えたのもわずかに2回だけ。「ハンター歴40年でこんなのは初めて」とこぼしながらも、「今は発情期の初めで、大きな群れで1カ所に集まっている。日がたって群れが分散しないとシカに出合うのは難しいかもしれない」と話した。猟期は一部を除いて来年3月25日まで。道内では昨年度、過去最高の約10万9000頭を捕獲したが、生息数の拡大に追いつかない。道は今年度、猟期の延長のほか、1日1頭だった雄の捕獲数を今月と来月に限り撤廃。環境省も羅臼町で道道からの駆除を試行し、トータルで昨年度の1・5倍の15万7000頭捕獲を目指す。
(キノコ採り男性、クマに襲われけが:秋田)
2日午前10時10分ごろ、鹿角市十和田大湯の山林で、キノコ採りをしていた小坂町小坂の男性(70)が、クマに顔や左肩などを引っかかれ、けがをした。鹿角署などによると、男性は同日午前9時40分ごろから弟と山に入り、1人でいたところ親子連れのクマ3頭と鉢合わせし、親グマに襲われた。男性は市内の病院へ運ばれたが、命に別条はないという。
(住宅街でヒグマ目撃相次ぐ:北海道)
2日夕方から3日未明にかけて、千歳市の青葉公園や春日町3、北斗1の住宅街でヒグマの目撃情報が相次いだ。千歳署と市は目撃現場付近をパトロールして警戒、市民に注意を呼び掛けている。2日午後5時10分ごろ、青葉公園内おはよう橋付近でジョギングをしていた同市桂木4の男子高校生(18)が、進行方向の歩道の端にいるヒグマ1頭を発見。同署に110番通報した。同署によると、クマの体長は約2メートル。現場はおはよう橋から青葉公園につながる上り坂付近。同署員と市職員、市クマ防除隊員が出動。付近をパトロールしたが、日没で足取りはつかめなかった。3日午前3時15分ごろには、春日町3の路上で同署員が緑町方向へ移動するヒグマを目撃。同3時35分ごろには北斗1の紫明女子学院の柵を乗り越え、グラウンド方向に移動するヒグマを新聞配達員が目撃した。いずれも1頭で体長は1.5~2メートルで、3~4歳とみられる。同署と市では同一のクマとみて付近をパトロール。早朝の巡回で住民に注意を促した。目撃現場に近い緑小学校(伊藤祐二校長)では登校時に通学路に教職員を立たせ、車での巡回で警戒した。市は「クマ出没」看板を設置し、ホームページで市民に注意を呼び掛ける。
(住宅街、クマ出没:北海道)
札幌市南区の住宅街近くで2日夜、ヒグマが3度にわたって目撃され、札幌南署や同区役所は3日、付近のパトロールを行う一方、住民に注意を呼びかけている。現場に近い南が丘と藻岩の市立中2校は同日午後、生徒を集団下校させることを決めた。同署や同市によると、最初にヒグマが目撃されたのは、2日午後6時40分頃。同区川沿の藻岩神社駐車場で、体長約1メートルのヒグマ1頭が山林に逃げるのを、神社脇市道を車で通行した女性が目撃、110番した。さらに、神社の南約1キロ先にある同区南沢の東海大四高校付近からも目撃通報があり、現場を捜索中の同署員が同10時20分頃、同校前の路上から、やぶに入るヒグマを目撃したという。現場は市営地下鉄真駒内駅の西約3キロで、それぞれ住宅街に近い。同校近くに住む無職斗内雪男さん(71)は「ヒグマの目撃は最近20年間で初めて聞いた。これからは注意しないと」と驚いた様子だった。
(釧路でクレー射撃大会:北海道)
クレー射撃場のHAP’1釧路総合射撃場(釧路市新野29)は2日、同射撃場で設立10周年を記念した大会を開催した。同大会には、2007年W杯韓国大会で優勝、08年の北京五輪で4位入賞した中山由起枝選手(32)を始め、全国から五輪や国体選手らトップシューターが参加し、地元選手とともに汗を流した。同射撃場は、クレー射撃の元国体選手で、埼玉県クレー射撃協会前会長の峯岸俊オーナー(72)が2000年にオープンした。この日は全道、全国からクレー射撃の選手や愛好者約50人が詰めかけトラップ競技に挑んだ。
(列車と動物衝突多発:徳島)
JR牟岐線で、列車がシカやイノシシと衝突するトラブルが相次いでいる。JR四国管内の全発生件数の3分の1以上を占め、特に海部郡内で多発。これまでに乗客にけがなどはないものの、車両が損傷して運行ダイヤに乱れが出たケースも。車両が故障すれば運休となる恐れもあり、同社は衝突を避けるため、海部郡内の一部区間で1日から徐行運転をしている。JR四国によると、列車がシカやイノシシと衝突するトラブルは2006年ごろから増加。線路内で死骸を処理したケースは、統計を取り始めた05年度は管内全域で36件だったが、10年度は151件と5年間で4倍以上に急増。11年度も調査を終えた6月17日までで42件に達し、過去最多を更新する勢いだ。このうち牟岐線の05~11年度の累計件数は231件で、管内全体643件の36%。05年度の21件から09年度は48件に増えており、10年度は34件と前年を下回ったが、11年度は6月17日で既に16件に達している。原因として考えられるのが、山に餌が少なくなり、動物が人里近くまで下りてくるようになったこと。海部郡内での農作物の被害報告額は、徳島県のまとめでは05年度から10年度にかけてイノシシが約4倍、シカが約19倍に拡大した。車両の損傷など運行に影響が出るケースも少なくない。列車に遅れが出たのは牟岐線の23件など四国全体で99件(平均24分)に及び、他県では故障による運休が3件出ている。夜に衝突するケースが多く、同社は「夜は乗客の代替輸送や応急処置が難しく、影響が大きい」と頭を痛める。このため同社は1日から、海部郡内の牟岐線の一部で午後8時以降、特急も含めて通常の時速60~75キロを45キロ以下に減速している。区間は山河内-辺川間、辺川-牟岐間、鯖瀬-浅川間のうち各数百メートル。減速する区間が短いため運行ダイヤに変更はない。JR四国は「一定期間実施して効果を調べ、さらに対策を考えたい」としている。
(キジ・クジャク64羽を駆除:沖縄)
石垣市(中山義隆市長)と沖縄県猟友会八重山支部(新城寛信支部長)は2日、万勢岳周辺など島内3カ所でキジ・クジャクの一斉駆除を実施。キジ47羽、クジャク17羽の計64羽を駆除した。一斉駆除は、外来種のキジ・クジャクによるパインや野菜類への被害が拡大しているのを受け、一斉駆除で生息数を効果的に減らし、農産物への被害軽減や生態系保護を図るのが目的で今回、初めて行なわれた。今回の駆除には同支部の会員41人が参加。午前7時から午後5時まで▽万勢岳周辺▽底原ダム東▽屋良部半島-の3カ所で、銃器を使い駆除活動を行った。駆除を終え、漢那政弘副市長は「今回の駆除を検証し、時間や場所、時期などを検討しながら、継続する方向で考えたい。事故なく終えることができて良かった」と話した。
(技術向上へ「わな猟」初心者研修会:栃木)
狩猟者の技術向上を図ろうと、「わな猟初心者研修会」が鹿沼市粟野のコミュニティーセンターで開かれた。わなの捕獲を促進するとともにトラブルや事故の防止に向け、県などが主催した。猟免許を取得して3~4年の狩猟者約30人が参加し、わな猟の設置実習や安全対策、マナーなどを学んだ。研修会で、講師の県猟友会那須北支部那須班長の大越良平さんは、日光市の野生シカの放射性セシウム問題に触れ「猟をして食べられないと意味がないようなことが報道されたが、有害獣を捕獲し農作物被害を食い止めるのが大きな目的であるのを忘れないでほしい」と強調した。
(JR小樽駅で送電トラブル、カラスが接触か:北海道)
2日午後1時50分ごろ、JR函館線の小樽駅構内で、列車への送電が一時止まるトラブルがあった。小樽発新千歳空港行きなど快速エアポート2本が運休し、乗客335人に影響が出た。JR北海道によると、駅構内の電車の屋上でカラスが死んでいたため、カラスが架線に接触し、送電が止まったとみて詳しい原因を調べている。
(ウトナイ湖、渡り鳥の季節:北海道)
苫小牧市のラムサール条約登録湿地ウトナイ湖に、日本で越冬する南下の渡り鳥が続々と飛来している。国の天然記念物マガンやヒシクイをはじめ、コハクチョウも姿を現し、ウトナイ湖の秋本番を告げている。渡り中継地として知られる同湖には9月中旬からコガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、オナガガモなどカモ類が次々に飛来。シベリア方面からの南下ルートで渡ってきた水鳥がウトナイ湖に立ち寄り、羽を休めながら次の中継地へ向かうエネルギーを蓄えている。日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリによると、秋の渡りを象徴するヒシクイの初認は9月17日。マガンは同23日に第一陣が到着。その後、日ごと数を増している。同湖で長旅の疲れを癒した後、V字の編隊を組んで、東北地方など本州の越冬地へ再び飛び去る光景が連日繰り広げられている。冬の使者コハクチョウも登場。ゆうふつ原野自然情報センターの村井雅之さんによると、1日にウトナイ湖に注ぐ美々川河口付近の水面で成鳥23羽、幼鳥3羽を今季初めて確認したという。間もなくオオハクチョウも姿を見せる。秋の渡りはこれから本格化し、11月にかけてピークを迎える。水鳥たちの躍動の季節に合わせ、今月30日にウトナイ湖野生鳥獣保護センターで、ラムサール条約湿地登録20周年を記念した市主催の探鳥会や講演会が予定されている。
(カラスは数が分かります:栃木)
カラスの生態研究を続けている宇都宮大農学部の杉田昭栄教授(動物形態学)らのグループが、餌を使った実験でカラスが数の大小を認識できることを解明したことが3日、分かった。同日までに動物行動学の国際誌に掲載された。杉田教授によると、カラスの数の認識力を解明したのは世界初で、「数について人間と同じような思考を持っている可能性がある」と指摘している。2003年から杉田教授と学生らが研究を重ねてきた。昨年はカラスが男女の顔を見分けられるとの研究結果を発表しており、杉田教授は「まだ見ぬ知能を引き出していきたい。いろいろなことができると思う」と話している。

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10/1
(イノシシ猟誤射、禁錮1年6月求刑:山口)
萩市でイノシシ猟中に仲間の男性を誤射し死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われている萩市川島の無職、岡崎照男被告(68)の初公判が29日、山口地裁(長倉哲夫裁判官)であった。岡崎被告は起訴内容について「間違いありません」と認め、検察側は禁錮1年6月(猟銃没収)を求刑。弁護側は執行猶予を求めて結審した。判決は10月18日。起訴状によると、岡崎被告は今年1月19日午後2時ごろ、同市川上の山中で、イノシシの追い出し役だった宇田川敏夫さん(当時65歳)をイノシシと誤認。安全確認を怠り、散弾銃を発射し、宇田川さんを死亡させたとしている。検察側は論告で、「獲物確認という、あまりにも基本的な注意を怠っており、過失は重大」と指摘。弁護側は「被告人は反省、悔恨している。今後は銃を所持せず、猟銃免許の更新もしない」と主張した。
(有害鳥獣を焼却、埋設負担の解消へ:福井)
福井県嶺南地域の6市町が、農業被害を防ぐために捕獲した鹿やイノシシを焼却処理する県内初の専用施設を若狭町に建設し、今年度内の完成を目指す。有害獣の捕獲頭数が増える中、埋設処理だけでは対応できず、環境面の問題もあるため、埋設から焼却にシフトする。農水省は専用施設について「全国的にも珍しい動きではないか」(鳥獣災害対策室)と話す。
(シカ抑制策にオオカミ活用構想:長野)
オオカミの研究者らでつくる一般社団法人「日本オオカミ協会」(東京)は10月8日、シンポジウム「ドイツに見るオオカミとの共生―復活オオカミでシカをコントロール」を松本市で開く。深刻な農林業被害をもたらすシカなどの抑制策として、国内で絶滅したオオカミを海外から導入して共存する構想を考える。かつて日本各地に生息していたオオカミは、1905(明治38)年の捕獲例を最後に確認されず、国内で絶滅したとされる。同協会は、中国などに生息するハイイロオオカミは日本のオオカミと同種なため導入できるとし、シカなどの捕食者にする方法を探っており、関心を示す自治体も出てきている。シンポは10月から北海道、東京都などで連続開催する5回目。ドイツの環境団体「自然・生物多様性保護連合」の自然保護戦略企画担当を務めるマグヌス・ベッセルさんが、1970年代からオオカミの保護策を採っている欧州で、オオカミと住民がどう共生しているかをテーマに話す。宇都宮大農学部の小金沢正昭教授も「日本におけるオオカミ復活の必要性と課題」と題して話す。県内のシカ被害についての報告もある。同協会長の丸山直樹・東京農業大名誉教授(68)は「色眼鏡をかけることなく、オオカミの姿を正しく知ってほしい」と話している。
(3県連携、有害鳥獣捕獲)
イノシシやニホンジカなど有害鳥獣による農作物被害を広く知ってもらうため、県は10月を「鳥獣害防止対策強調月間」と定め、1日から高知、徳島両県と連携した捕獲に初めて乗り出す。昨年度、有害鳥獣による県内農作物の被害額は過去10年で2番目に多い4億3588万円(前年度比38・4%増)で、高知県などでもニホンジカを中心とする被害が増加。四国は県境に山間部が広がるが、鳥獣保護法では、捕獲は市町村長の許可に基づいて当該自治体内でしか行えないため、今年5月、高知県の尾崎正直知事が中村知事に実施時期を合わせた一斉捕獲を打診していた。県は、各市町から実施地区の要望を聞き取り、猟友会に協力を要請。10月からは作物が実る季節を迎えることもあり、11月15日の猟期が始まる前に、捕獲許可を取得して集中的に駆除を行うことになった。各県にまたがって捕獲を目指すのはニホンジカ。10月は西予市など南予5市町と、四万十町などの高知県内4市町で実施する。四国中央市と徳島県三好市、高知県大豊、本山両町での捕獲は、11月15日から1か月間行う。また、県単独でもイノシシとニホンジカの集中捕獲を今月中に実施。1、2日に県農林水産研究所(松山市)などで開かれる農林水産参観デーで鳥獣防護柵や箱わなを展示する予定で、県担い手・農地保全対策室は「鳥獣害は農家の生産意欲をそぐことにもつながる。効果的な対策を講じて被害を食い止めたい」としている。
(ドングリ今年も凶作、クマ被害注意喚起:兵庫)
兵庫県森林動物研究センター(丹波市)は、今年秋のドングリ類の豊凶を調査し、総じて「凶作」とする結果をまとめた。「大凶作」だった昨年秋はツキノワグマの出没が相次ぎ、目撃・痕跡情報は2001年度以降で最多を記録した。今年も県内で2件の人身事故が起きており、同センターは注意を呼び掛けている。豊凶調査は2007年に始まり、ブナ、コナラ、ミズナラについて、計242地点で調査。実の付き具合を4段階で評価し、豊凶を決めている。県内は近年、豊作と凶作を隔年で繰り返していたが、2年連続で凶作の可能性が高まった。同センターによると、ブナは豊作だが、クマやイノシシが好んで食べるコナラの凶作が響いたという。9月末現在、クマの目撃・痕跡件数は昨年の4分の1にとどまるが、人身被害は2件(昨年4件)発生。6月に新温泉町で渓流釣りの男性がクマにかまれて重傷を負ったほか、7月にはワナを点検していた猟友会の男性が襲われ軽傷を負った。同センターの稲葉一明森林動物専門員(52)は「山に入るときはラジオや鈴を携帯するなど注意をしてほしい」と話している。
(クマ出没、今年も要注意:新潟)
冬眠を控えたツキノワグマが、エサを求めて人里周辺に出没する危険性が最も高まる時期になった。県内のクマ目撃情報が4年ぶりに1000件を超えた昨年度は、そのほぼ半数が10月に集中しただけに、今年も緊張感につつまれる。県によると、今年はクマの好物であるブナの実が「豊作」で、クマが頻繁に人里に出没する恐れは少なそうだ。しかし、「残飯の味」を覚えたクマが再び人里に接近する可能性は否定できず、県は改めて注意を喚起している。ツキノワグマの栄養源となるブナなど5種類の木の実の状況について、県が280地点で調べたところ、クマが最も好むブナの実は一部で例外はあったものの、対象とした2037本のうち70%弱が豊作で全体として「おおむね豊作」だった。昨年は調査をしていなかったが、専門家によると県内の木の実は凶作で、これが人里周辺へのクマの頻繁な出没につながったという。目撃情報は昨年10月に592件、平成22年度内で1229件寄せられ、21年度の136件から10倍近くに膨らんだ。人が襲われる被害も10件11人に達し、452頭が捕獲・殺処分された。一方、今年度の目撃情報は9月27日までで162件と、22年度上半期(4~9月)の300件に比べてほぼ半減した。ただ、けが人などの被害が2件3人あり、気が抜けない状況は続く。県内に生息するクマは推定約1100頭弱。県は「生息数の12%以下」とする国の捕獲指針に基づき、捕獲・殺処分の上限を年128頭に決めた。今後、各地域振興局の「被害防止対策チーム」を通じて、クマが人里に出てこないように山と人里の間に広がる放置森林の伐採、未収穫の果実・野菜を早期処理するよう呼びかけていく。県県民生活・環境部の田海直樹参事は「クマは頭がいい。油断しないで対策を進めてほしい」と話している。
(名物ぼたん鍋、セシウム禍)
東北や北関東でイノシシやシカなど野生動物に放射性セシウムの汚染が広がり、国が摂取制限などの規制の検討を始めた。森林の除染は方法が確立しておらず、今後の課題。有害鳥獣として駆除したイノシシの肉を観光資源として活用している自治体もあり、関係者は不安を募らせている。イノシシやシカの汚染が確認されたのは栃木、茨城、宮城、福島各県の一部自治体。有害駆除で捕獲した個体の検査で分かった。駆除されたイノシシは、市町村が許可すれば自家用として食用にすることができるが、各県は摂取を控え、食用にする場合は事前の検査を求めている。「イノシシは地表の草や木の実などを食べる。放射能の影響は予想していたが、これほど汚染されているとは思わなかった」と栃木県の担当者。同県では矢板市、那須町、塩谷町で、シカと合わせて七頭で規制値(一キログラム当たり五〇〇ベクレル)を超える同五四五~一一八五ベクレルが検出された。同県那珂川町は二年前に町営のイノシシ用の食肉処理場を設置し、駆除したイノシシの肉を地域活性化に利用し始めたばかり。同町など県内七市町と、近接する茨城県の六市町からイノシシを受け入れ、肉を「八溝(やみぞ)ししまる」と名付けて、温泉郷や飲食店、加工店に卸してきた。那珂川町の担当者は「今は全頭検査で安全性を確認して提供しているが、風評被害もあり、注文は減っている」と嘆く。十一月十五日に狩猟解禁となるが、同県担当者は「食べられないと、狩猟者が減り、有害鳥獣が増えるのでは…」と話す。日立、土浦、高萩の各市でイノシシの汚染が確認された茨城県では、石岡市が以前からイノシシ肉で有名。市の祭りではイノシシ鍋などがふるまわれてきた。同市担当者は「市内のイノシシは規制値を超えていないが、今年は市の祭りでイノシシ肉は提供しない。観光の目玉だったのに」と残念そうに話した。福島、二本松両市でイノシシの汚染が確認された福島県は、狩猟解禁までにキジ、ヤマドリなどに検査対象を広げる。同県担当者は「野生動物がすむ森林の除染は難しい。汚染はいつまで続くのか」と話した。

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