<射撃ニュース8月>

8/12
(クマに襲われ男性重傷:群馬)
9日午後3時ごろ、嬬恋村田代の湯尻川の河原で、付近のガソリンスタンドの男性店員(29)がクマに襲われた。男性は顔や両腕をひっかかれ、長野県佐久市内の病院に運ばれた。男性は全治1カ月の重傷。県自然環境課によると、県内でクマに襲われけがを負ったケースは今年初めて。長野原署によると、男性は湯尻川の河原に涼みに来ていたところ、笹林から突然出てきたクマに襲われた。男性は現場から10メートルほど離れた職場まで自力で逃げ、家族が110番通報した。男性は顔や両腕から出血していたという。県自然環境課は「この時期はクマが食料を求め、人里や畑に下りてくる。山に入る際はクマよけの鈴をつけ、クマと遭遇した場合はクマから目を離さず、ゆっくりとその場を離れてほしい」と注意を呼びかけている。
(クマが電動ドア開ける?:青森)
9日午前10時25分ごろ、佐井村佐井糠森の佐井中学校敷地内にクマ1頭がいるのを橋本章悦校長(55)ら複数の職員や部活動中の生徒が目撃した。連絡を受けた村役場や大間署が警戒を呼び掛けた。同校などによると、付近ではここ数日、連日のようにクマが目撃されていたが、中学校の敷地内に入り込んだ例は最近数年でも聞いたことがないという。村関係者も「住宅地の中心部にまで出てきており、異常事態だ」と驚いている。同校は夏休み期間中。この日は部活動などで約50人の生徒が登校しており、同校はスクールバスで生徒を帰宅させた。橋本校長によると、正面玄関付近で大きな物音が複数回したため見回りに行ったところ、正面玄関が開いており、逃げていくクマの後ろ姿を目撃した。正面玄関は押しボタンで開閉する電動式のドアだったが、クマが押した形跡があったという。付近では4日に飼い犬がクマに襲われており、地元の猟友会が学校付近をパトロール中。クマの通り道とみられる場所に捕獲用のわなを仕掛けている。
(植物群落にクマ、一部閉鎖し巡回強化:秋田)
大館市の長走風穴高山植物群落(国指定天然記念物)付近で9日、クマの目撃情報が相次いだ。市は10日から当分の間、群落指定地の一部を閉鎖する。市によると、目撃されたの午後1時ごろと同2時20分ごろの2回。それぞれ国道7号沿いの風穴館の駐車場付近と、山腹の高山植物群落1号指定地の付近に子グマがいるのを来場者が発見した。当時は50人ほどがおり、すぐ近くで写真を撮影する人もいた。このため、市は2カ所ある高山植物群落のうち、標高240メートル付近の2号指定地を当分閉鎖することを決めた。170メートル付近の1号指定地周辺は監視員を増やし巡回を強化する。
(縫いぐるみ?テーブルに本物のクマ:秋田)
あれ、縫いぐるみ?10日午前9時55分ごろ、鹿角市八幡平字熊沢国有林の大沼近くのあずまやで、高さ約80センチの木製テーブルの上に子グマとみられる体長70〜80センチのクマが座っているのを観光客の男性が見つけ、近くの八幡平ビジターセンターを通じ鹿角署に届けた。男性は大沼キャンプ場から同センターに向かう途中で、「縫いぐるみかと思ったら動いたのでびっくりした」と同センター職員に話した。クマは間もなく大沼方向へ歩き去ったという。大沼周辺では今月に入り、連日のようにクマが目撃されている。環境省鹿角自然保護官事務所が看板を設置するなど注意を呼び掛けている。
(トウモロコシ畑でクマ被害:秋田)
鹿角市の畑でトウモロコシおよそ145本が食い荒らされているのが見つかりました。現場にはクマのものと思われる足跡が残されていて警察で付近住民に注意を呼びかけています。クマと見られる被害があったのは鹿角市十和田末広の畑です。鹿角警察署の調べによりますと所有者の男性が自宅から10メートルほどの場所にある畑でトウモロコシおよそ145本が踏みつぶされたり食い荒らされたりしているのを見つけました。畑には、クマのものと見られる足跡が残されていたということです。現場は30軒あまりの集落で、警察で付近をパトロールして住民に注意を呼びかけています。この集落では5年ほど前から毎年クマによるものと見られる畑の被害が相次いでいます。
(南アルプスのニホンジカ捕殺、初の連携決定 )
長野、山梨両県や各地元猟友会は10日、ニホンジカによる高山植物の食害や踏み荒らしが深刻な南アルプスの北部で、初めて連携して捕殺に取り組むと決めた。山梨県が2009年度から、環境省は昨年度から山梨側で捕殺を始めたが、シカが長野側に逃げ込むと手が出せない。本年度から長野県も捕殺を始めるのに合わせ、協力することにした。この日、南ア林道の県境の北沢峠にある長衛荘で開いた会議で合意した。具体的には、両県の猟友会員が互いに相手側の県から捕殺の許可を受け、同峠付近で県境を越えて活動できるようにする。今年は同林道バスの営業が終わる11月中旬から本格的な降雪前まで取り組み、来年度はバスが6月に同峠までの運行を始める前の実施を検討する。これらの時期に山梨側では、山梨県や環境省の委託を受けた峡中地区猟友会員が林道を車で移動しながらシカを撃っている。会議で同会は輪番による入山を提案。上伊那猟友会も「地形が険しく、両県で同時にシカを追い立てる方法は難しい」と了承した。信大農学部の調査では、シカは北沢峠付近を経て稜線(りょうせん)や同林道沿いなどを移動している。同省は5~6月、山梨側で計約40頭を捕殺した。県境を越えたシカ対策は、南佐久郡川上村と南牧村、両村と接する山梨県北杜市で3月、それぞれの地元猟友会が同じ日に出動。長野県は飯田下伊那地方でも県境付近で愛知、静岡両県との連携を探っている。
(西表、鳥獣保護区拡大へ:沖縄)
希少な野生生物の保護区域を広げようと、環境省那覇自然環境事務所は9日、石垣市八島町の国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターで、国指定の西表鳥獣保護区と同特別保護地区の区域拡大についての公聴会を開いた。県や竹富町、八重山森林組合や県猟友会ら関係機関の代表6人が特別保護地区9999ヘクタールを含む、鳥獣保護区1万218ヘクタールを新たに指定しようとする同省の計画案に全会一致で賛成した。中央環境審議会(東京)が公聴会の結果を踏まえ審議し、編入が適当となれば、いずれも11月1日から区域拡大となる。存続期間は2031年10月31日まで20年間。今回、編入が計画されているのは島東部の古見岳~金山一帯や、島中心部から南側海岸部にかけての仲間山~南風見岳一帯、崎山半島の南部など。近年の調査により、イリオモテヤマネコやカンムリワシ、キンバトなど、絶滅が危ぶまれている野生動物の生息が確認されたという。同省は鳥獣保護区の保護に関する指針として(1)適切な管理(2)モニタリング調査を通じた生息状況の把握(3)鳥獣の生息環境を脅かすような行為を防止するための巡視や、関係機関と連携した普及啓発活動―を示している。特別保護地区は鳥獣保護区の区域内に指定され、建築や埋め立て、伐採などの行為が制限される。
(日高川町でシカ肉格安販売:北海道)
有害獣対策の一環としてジビエの町づくりを進めている日高川町は、 船津と初湯川の両産品販売所で格安価格でのシカ肉販売を開始した。 これまで100㌘平均500円だったところが280円。 狩猟者らが捕獲したシカ肉を町の財団法人ふるさと振興公社が買い取り、 多くの量を確保できるようになったためこの価格での提供が実現した。「シチュー・カレー用」「焼き肉・カレー用」の用途別に販売。 ともに1パック400㌘、1120円。火を通しやすいようスライス肉でシチュー用は薄切り、 焼き肉用は厚切りとなっている。シカは低カロリー、低脂肪、高タンパクで鉄分などのミネラルが豊富。昔から「夏のシカ、冬のイノシシ」などと言われるようにこの時期旬の食材で、公社では「カロリーが気になる方でも安心して食べられます。とてもおいしいですよ。 ぜひ一度お買い求めください」と呼びかけている。
(羊の力で農地再生を:長野)
小県郡青木村当郷(とうごう)の管社(かんじゃ)地区全11戸でつくる「管社里山ひつじ会」が、荒廃農地を再生させようと、羊の放牧に取り組んでいる。羊が草を食べてくれれば再生につながる上、畑を荒らすシカやイノシシが寄り付かなくなる―と考えて始め、効果も表れつつある。近くの子檀嶺(こまゆみ)岳(1223メートル)の登山者が増えているため、のどかな風景を楽しんでもらおうという狙いもある。水田や畑が広がる同地区は、農業者の高齢化や後継者不足で荒廃地が増え、シカやイノシシ、タヌキなどの獣害にも悩まされていた。これらの課題全般に取り組むため昨年10月、「ひつじ会」を結成し、羊を飼ってみることにした。ことし5月、地区の外周に延長約1キロの害獣除けの柵を設置し、ブドウ棚の撤去や雑木の伐採をして、放牧地を準備した。長野市信州新町の農家や信大農学部などからサフォーク種の9頭を買い、6月に飼育を開始。約1ヘクタールに羊を囲む新たな柵も設けた。購入先の農家から助言を受けながら、交代で餌などの世話をしている。同会代表の農業北村政巳さん(79)によると、地区内では多数のタヌキが目撃されてきたが、羊を飼い始めてからはほとんど見えなくなった。畑にシカやイノシシが入った形跡もなく、「羊の効果ではないか」とみている。「ここをスイスのような風景にして、将来子どもが動物と触れ合う場にもなればうれしい」と北村さん。会員の農業小林憲二さん(67)は「地域で一つの目標に向かいつながりを深めたい」と話す。羊肉を特産品にする意見もあるが、まずは頭数を増やして効果を確認していくという。本年度の事業費は300万円余。うち約200万円に県の地域発元気づくり支援金を活用している。村は本年度、管社地区にあるバス停留所と周辺に待合室、登山客向け駐車場、休憩所を備えた「子檀嶺トレッキングステーション」を設ける計画で、一般会計6月補正予算に475万円余を計上した。

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8/8
(イノシシ、85歳襲う:長崎)
6日午前8時20分ごろ、佐世保市小佐々町楠泊の女性(85)から「イノシシに襲われた」と110番通報があった。江迎署員が女性宅に駆け付けると、女性は腕や右脚のつけ根にかまれたような傷があり、出血性ショックの状態だったため、ドクターヘリで市内の病院に搬送した。命に別条はないという。同署によると、女性宅裏の畑にあった害獣侵入防止用の網に、イノシシの毛がついていた。同署は網に絡まったイノシシを女性が外そうとして、かまれたと見ている。女性宅は山の近くで民家が点在する集落にある。北松地区では近年イノシシ被害が急増。同署は「突進してくることはあるが、かみつかれるのは珍しい」としている。
(トウモロコシ食害、畑にクマの足跡:秋田)
7日午前4時半ごろ、鹿角市花輪字古館で、畑のトウモロコシ約30本が倒され、食い荒らされているのを近所の女性(60)が見つけ、鹿角署に届け出た。畑にはクマとみられる長さ約20センチの足跡が3、4個残っていた。同署によると、女性はかじったような跡があるトウモロコシが自宅前に落ちているのに気付き、約10メートル離れた畑に行ってみると、収穫間近のトウモロコシが散乱していた。現場は郊外の集落の一角で、畑は市内の女性(70)の所有。一方、同日午後3時25分ごろ、秋田市上北手古野字深田沢の民家敷地内にクマが出没。小坂町上向の県道でも同0時35分ごろに目撃された。
(クマに襲われ男性重傷:広島)
6日午後1時ごろ、広島県北広島町東八幡原の町芸北高原の自然館そばの路上で、広島市南区の男性(64)が熊に襲われ、重傷を負った。助けを求められた同館職員が、119番した。北広島町役場などによると、男性は同館周辺を散策中に背後から襲われ、右脚のふくらはぎなどに重傷を負った。男性は襲われた際、近くに別の小さい熊1頭がいるのを目撃。2頭はツキノワグマとみられ、山中に逃げたという。
(ホッキョクグマが襲撃、英高校生ら5人死傷:ノルウェー)
先月、爆弾テロと銃乱射で70人以上が死亡する事件があったばかりのノルウェーで、今度はホッキョクグマによる“虐殺事件”が起きた。北極圏にあるスバルバル諸島の氷河でキャンプ中だった英国の高校生らが5日(日本時間同日)、1頭のホッキョクグマに襲われ、17歳の高校生が死亡、16~27歳の4人が重傷を負った。少年らは、英国で高校生を対象に行われている「探検集団」の参加者。今回は13人が参加し、氷河付近にテント4張を設営し、氷河や野生動物の観察を続けていた。7月27日には約1・6キロ離れた氷河の上にホッキョクグマがいるのを発見。その様子を参加者がブログに書いていた。だが、今月5日午前7時25分ごろ、巨大なホッキョクグマがテントの1つを破って襲いかかった。中では3人が寝ており、英国のエリート高校イートン校に在籍していた少年が死亡、他の2人も負傷した。襲撃に気付いた29歳と27歳の2人の引率者が、格闘中に重傷を負いながらもクマを射殺した。ホッキョクグマの行動圏でキャンプする場合、通常はテント周囲に電気を流したワイヤなどのクマよけの仕掛けを設置する。今回も仕掛けがあったと生存者は証言しているが、仕掛けが作動しなかったか、怒り狂ったクマがテントを狙った可能性が指摘されている。
(繁殖に追いつかぬクジャク駆除:沖縄)
黒島で、竹富町と環境省のインドクジャク駆除が計画されている。旺盛な食欲と繁殖力を持つクジャクは郡内全島に生息域を広げ、在来の小動物を捕食、同時に米や野菜類の被害を広げている。駆除は新城島に次ぐものだが、食害が年々深刻さを増しているだけに、早期実施を望みたい。ただ、クジャクは神経質で警戒心が強く、従来型の仕掛けワナでは心もとない。島で開かれた住民説明会でも、効果を疑問視する声があったと聞く。確かに郡内で最初にクジャクが持ち込まれた小浜島では、相当数を捕獲している。ワナを仕掛け、猟友会員も動員するなどあの手この手で駆除に取り組んでいる。しかし取り尽くせない。小さな島であり、繁殖を抑えるという一定の効果はありそうだが、小浜や新城島の事例を見ても箱ワナ主体の手法だと、完全駆除までは厳しい道のりになるだろう。インドクジャクは1979年ごろ、小浜島のリゾートホテルが観賞用に約200羽を導入、これが郡内各地に広がった。オオヒキガエルが製糖関係者によって持ち込まれたように、生態を十分に把握しないまま移入されたのが最大の要因だ。クジャクの旺盛な繁殖力は、実は八重山に移入される前に本島地区で問題化していた。あまりの増え方に導入した飼育農家が悲鳴をあげ、商用・食用としても伸びずに多くが無料で処分された。郡内で爆発的に生息域が広がったのは、外来生物に対する意識が薄く、見た目重視で安易に取り扱われたためである。クジャクのオスは確かに美しい。羽を広げるとカラフルで、人を癒やす効果もある。ところが自然豊かな八重山では天敵もおらず、エサはふんだんにある。生息環境に適合し、さらに子どもたちへの情操教育用として学校に次々と寄付された。それが飼育中、台風などで小屋から逃げ出して野生化したという経緯がある。さらに駆除への取り組みが遅く、山の多い石垣島などで極めて深刻な状況に陥っている。というのは新城島ではトカゲ類など在来の小動物がクジャクに捕食され、いまではほとんど見かけられない。このため、環境省は2006年度から猟友会に依頼して銃による駆除作業を行い、昨年度は11回も実施した。しかし完全に駆除するまでには至っていない。それだけ駆除は難しいということである。山岳部の多い石垣島や西表島だと、さらにそれは困難を要する。現在、石垣市内では各地でクジャクが確認され、旺盛な食欲で動植物を食べ続けているのである。私たちはクジャクやオオヒキガエルなど外来生物の影響を、体験を通して学んだ。貴重な自然をこれ以上失わせてはならない。それにはまずクジャクを徹底的に駆除し、外来生物の持ち込みをチェックする態勢を作り上げることだ。だが従来の取り組みだと、気の遠くなるような歳月がかかりそうで、もっと効率的な手法を見いださなければならない。そこで提案だが、捕獲したクジャクの買い上げ制度を設けられないのだろうか。捕獲にはワナを仕掛けるための免許が必要で、安全対策など課題もあるが、有償だとその効果も大きなものがあるだろう。ぜひ関係機関で検討してほしいものだ。
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8/6
(銃6丁警戒区域で盗難:福島)
東京電力福島第一原発から半径20キロ圏内の富岡町の銃砲店から散弾銃5丁と空気銃1丁が盗まれたと同店経営者が5日、県警に届け出た。実弾は盗まれていなかった。県警は窃盗容疑で捜査している。県警によると、経営者が6月15日ごろに一時帰宅した際、銃は保管されていたことから県警は同日以降に盗まれたとみている。経営者は今月5日、許可を得て一時帰宅した。銃の保管庫は格子状の電動シャッターで、工具類で壊されたような跡があった。盗まれた散弾銃のうち3丁は所持者からの委託を受けて店が保管していた。他の散弾銃2丁と空気銃は販売予定の銃だったという。県警は銃所持者に一時帰宅してもらい、自分で保管できない猟銃などの回収を促している。
(クマに襲われ女性がけが:秋田)
6日朝、秋田市で59歳の女性がクマに襲われ顔にけがをしました。秋田東警察署の調べによりますと午前7時ごろ秋田市添川の農事組合法人、秋田家禽の敷地内で59歳の女性従業員がクマに襲われました。女性従業員は事務室からおよそ100メートル離れた鶏卵の選別所に向かう途中、山の中から出てきたクマの親子と遭遇したもので、顔にけがをして病院で手当てを受けています。
(クマ微増で処分も増やす方針)
広島、山口、島根の3県でつくる西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会は5日、松江市で会合を開き、本年度で期限切れとなる保護管理計画の改訂作業をスタートさせた。3県の生息数を450~1290頭と推定し、微増傾向にあると判断。農業被害の広がりに対応し、処分頭数を引き上げる方針を確認した。保護管理計画は、クマの生態保護と住民の安全の両立を目指し、処分頭数や方法を定めている。この日の会合では、3県がまとめた2012年度から5年間の計画改定案の素案が示された。素案では、09~10年度の調査を基に、クマの生息数に加え、生息分布も拡大していると分析。分布の範囲は約7700平方キロと、04~05年度調査より700平方キロ拡大した。10年度のクマの捕獲数は3県で計318頭と過去最多となった。クマに襲われ8人が負傷し、農作物の被害は計2600万円に上った。このため素案では、処分すべき頭数の目安を年間52頭から78頭に引き上げることを盛り込んだ。
(モンキードッグ新たに3匹導入:青森)
下北地域4市町村などによる「下北半島のニホンザル被害対策市町村等連絡会議」は5日、ニホンザルの農作物食害防止対策にあたる犬「モンキードッグ」を新たに3匹導入、同会議の犬は4匹になった。むつ市が脇野沢地区に導入済みの2匹も含め計6匹となることで、各地で連携して複数の犬でサルを山奥深くに追い払うことが可能になり、同会議は農作物食害の減少につながるとみている。
(ウミガラス7羽巣立つ:北海道)
環境省は5日、北海道・天売島(羽幌町)で、絶滅危惧種のウミガラス(オロロン鳥)のヒナ7羽が巣立ったと発表した。巣立ちが確認されたのは3年ぶり。同省は5月から天敵のカモメやカラスをエアライフルで捕獲したことが成果につながったとみている。同省の発表では、島の岸壁の6か所で7月に入って7羽のヒナが誕生し、今月2日に無事に巣立ったことが確認されたという。環境省や羽幌町は1992年から「デコイ」と呼ばれる鳥の模型を設置し、群れの誘引策を続けてきた。毎年20羽程度が飛来するようになったが、孵化(ふか)してもカモメなどに卵やヒナを食べられ、うまく育たなかった。このため、今年は猟友会に協力を求め、オオセグロカモメ約100羽、ハシブトガラス40羽を駆除していた。同省の渡辺雄児・羽幌自然保護官は「エアライフルがうまくいったとみられる。4、5年はこの対策を続け、群れの復活を目指す」と話した。

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8/5
(エゾシカ15万7000頭捕獲へ:北海道)
生息数の増加で農業などへの被害が増えているエゾシカの捕獲対策を話し合うため、道や猟友会などでつくる「全道エゾシカ対策協議会」(会長・多田健一郎副知事)が1日、札幌市で開かれた。道は今年度、狩猟期間の延長や雄の捕獲数の制限緩和などを実施し、昨年度の約1・5倍の15万7000頭の捕獲を目指すことを明らかにした。昨年度のエゾシカの捕獲数(速報値)は過去最多の約10万9000頭を記録。しかし、全体の個体数を減らすのに最低限必要とされる約13万4000頭には届かず、生息数の推計は約65万頭と09年度より約1万頭増えたとみられる。このため、道は昨年度まで10月23日~3月27日だった狩猟期間を、今年度は10月1日からとし、開始日を22日早める。また、これまで雌の捕獲を優先するため、雄は1人1日1頭と限っていた狩猟制限について、10~11月は無制限とし、雌、雄問わず全体として捕獲数を確保していくことにした。道エゾシカ対策室は「狩猟の条件緩和に加え、捕獲後のシカの処理などについても支援を強化し、捕獲頭数増につなげたい」と話している。
(子ジカ殴り殺される:岐阜)
3日午前9時20分ごろ、岐阜県美濃市泉町の小倉公園の管理人から「シカがけがをしている」と同市役所を通じて関署に通報があった。署員が駆けつけると、園内の小動物園で体長約70センチのシカ(メス・5歳)が頭から血を流して倒れており、間もなく死んだ。署は器物損壊容疑で調べている。署や市によると、水飲み用鍋(直径50センチ)の裏側や壁に血痕が付着していたという。同じ飼育場にいた親ジカ(メス・10歳)の首にも切り傷があった。飼育場を囲うフェンス(高さ1.8メートル)は施錠されており、何者かが夜間に柵を越えて侵入し、鍋でシカを殴ったとみられる。園内では今春以降、サル小屋やウサギ小屋に外部から金属製の側溝のふたや手持ち花火などが投げ込まれる被害が相次いでいて、市は警察にパトロールの強化を依頼していたという。
(クマに遭遇、男性が顔にけが:兵庫)
31日午前9時ごろ、養父市八鹿町米里の山中を歩いていた同市内の自営業の男性(64)がクマと遭遇、顔などをひっかかれ、軽いけがを負った。養父署によると、体長1メートルの子グマ。男性は県猟友会員で、別の会員と2人でシカを駆除するわなを点検するために山道を歩いていたところ、突然やぶの中から飛び出してきた。一帯はクマの生息域で、同署は付近住民に注意を呼びかけている。
(伊万里市営射撃場、事実上閉鎖へ:佐賀)
土壌汚染対策法の基準を超える鉛が検出されたため、休止中の伊万里市営散弾銃射撃場(佐賀県伊万里市大川内町)について、塚部芳和市長は1日、会見で「あらためて再開という考えは持ってない」として、事実上閉鎖する方針を示した。射撃場をめぐっては6月、市の調査で隣接する休耕田から基準値を最大13倍上回る鉛を検出。市は7月9日から営業を休止し、場内外で鉛やクレー(陶器製の的)などの回収を計画している。鉛の回収や鉛飛散防止対策には膨大な費用がかかるため、市長は「休止が再開につながることはない」と述べた。射撃場は1984年に開設。鉛弾を回収したことはなく、場内には57トン以上が堆積しているとみられ、市は鉛の回収費を約3億円と見積もっている。
(クマ注意!!出没多発:北海道)
ヒグマの出没が相次いでいる。昨秋はえさのドングリが豊作で、今春に子熊がたくさん生まれたことが背景にあるようだ。道は対策を促す異例の通知を出し、住民には出没情報の確認など警戒を呼びかけている。12日朝、浜頓別町役場のすぐそばで4、5歳の若い雄熊が見つかり、駆除された。体重100キロ。近くには小学校や高校もあり、町職員が通学路を警戒する態勢を取った。現場は周囲数キロに渡って山間地がない。町によると、「こんなところにヒグマが出るのは初めて」と地元の猟友会も驚いていたという。積丹町では21日、今春出産した雌熊が市街地そばの牧草地で駆除された。26日には美唄市の住宅街を横切った熊を猟友会員が駆除。札幌市でも6月以降に出没が相次ぎ、6月6日には住宅が立ち並ぶ南区石山の国道で目撃された。道によると、今年度の駆除数は28日現在で155頭。春熊駆除をやめた1990年以降では最も多かった2009年度の649頭に並ぶペースだ。道警によると、目撃通報は1月から26日までに424件に上る。道によると、目撃や駆除が増えたのは、ドングリが豊作で子熊がたくさん生まれた可能性があるため。さらに、ヒグマの活動が例年になく活発化していることが市街地への出没につながっていると、道自然環境課の幌村幸司主査は指摘する。出産した年に雌は妊娠できない。妊娠できない多くの雌を追い回して、成熟した雄の行動が活発になり、雌や若い雄が成熟した雄に追われる形で人里に出没しているのではないかと幌村さんは推測する。お盆ぐらいまでは繁殖期が続き、注意が必要だという。道は20日、出没情報を住民に提供して事故防止を図るよう市町村に通知した。さらに27日、「市街地やその近辺、過去に駆除が確認されていない地点での出没が目立つ」として、さらに警戒を強めるよう追加して通知した。夏休みに入り、屋外のレジャーを楽しむ機会も多くなる。どういった対策をとればいいのか。「まずはヒグマに遭遇しないこと。出かける前に市町村に問い合わせて、出没情報がある所には立ち入らないようにすべきです」と幌村さん。野外では鈴やラジオなど音の出るものを携帯したり、野山での単独行動や日没後と早朝の行動を避けたりするよう呼びかけている。
(エゾシカの狩猟、活用学ぶ:北海道)
西興部村猟区管理協会は7月29日から31日にかけ、2泊3日の一般向けエゾシカ猟見学ツアーを初開催した。道内でエゾシカが増えている中で、狩猟の魅力や駆除したシカの活用を広めることが狙いだ。ツアーには村民をはじめ、道内外から10人が参加。狩猟見学に加え、エゾシカの農業被害についての講義、シカ肉でのバーベキュー、シカ革での携帯電話のストラップ作りにも取り組んだ。参加者は30日、同会のエゾシカ猟に同行し、猟を見学。牧草地にいたシカをハンターが銃で撃つ様子を車から観察した。しとめたシカをソリで運び、「首や頭を撃つと良質な食肉をとれる」などという説明に聞き入った。食肉にするための解体作業も体験した。動物による農業被害について興味があり、埼玉県から参加した自営業宮原元美さん(32)は、「ストラップや生ハムにまで幅広い活用法があることに驚いた」と話していた。(
(護送中、シカに気を取られトラックに衝突:北海道)
中標津署は4日、容疑者の女(40)を護送中の警察車両が対向車線のトラックに衝突し、容疑者が首を捻挫する軽傷を負ったと発表した。同署によると、運転していた男性警察官(39)は「道路脇にいたシカに気を取られ、対向車線にはみ出してしまった」と話しているという。事故は3日午後1時半ごろ、別海町上春別の国道272号で発生。釧路市から同署に容疑者を護送中の警察車両が対向車線にはみ出し、トラック右側面に衝突。衝突を避けようとしたトラックが路外に落ちて横転した。トラックの運転手らにけがはなかった。道警釧路方面本部は「護送中なので、より慎重に運転しなければいけなかった。今後起きないように指導を徹底する」としている。
(エゾシカ、肥料に活用:北海道)
酪農学園大学など道内の大学や研究機関、自治体が連携し、今秋をメドにエゾシカを肥料などに活用する実証試験に乗り出す。道産食材として消費拡大を目指す動きに加え、資源としても有効利用できるようにし、駆除強化に弾みをつける。生息頭数が増え深刻化している農林業、希少植物の生態系の被害を抑えるのに役立てる考えだ。「エゾシカ・プロジェクト」には北海道大学、帯広畜産大学と道立総合研究機構(道総研)が参加。酪農学園大と地域活性化の協定を結んでいる別海、浜中、標茶の道東の3町や西興部、占冠の2村も加わる。国の補助金を利用するなどして、3年後の実用化を目指す。酪農学園大は食肉加工された家畜の骨を炭化させ、肥料成分のリンを効率的に抜き出す手法をすでに開発。こうした家畜の骨は産業廃棄物として処分されているが、開発した専用の炉でセ氏1000度の高温で30分かけて骨を炭化させると、骨に含まれるリンが水に溶けやすい形で残る。実証試験では1日当たり数十頭の処理を計画。現在の専用の焼却炉は小型で処理能力が十分でないため、他の大学や道総研、自治体と連携をとりながら、さらに規模の大きな炉を開発し、実用化する計画だ。酪農学園大によると、米国などでBSE(牛海綿状脳症)の症状に似たCWD(慢性消耗病)に野生のシカがかかった事例が報告されている。道内では確認されていないが、こうした処理によって安全に肥料として畑に散布できることも併せて調べる。またエゾシカを栄養価の高い道産食材として消費する動きも広がっている。肉の品質を保つうえで捕獲したら早期に血抜きをするなどの処理が欠かせない。必要な装備を持ち林道で小回りが利くワンボックス型の1次処理車を開発する。道の調査によるとエゾシカは増え続け、道内で60万頭超が生息していると推測されている。牧草を中心に農林業被害は深刻で、2009年度は最悪の50億8200万円に上った。1996年度の50億500万円をピークに減少傾向にあったが、05年度から再び増加に転じている。
(鳥獣被害減ってはいるが…:長野)
県内で確認された2010年度の野生鳥獣による農林業被害額は14億9000万円で、前年度から7%減少したことが県野生鳥獣対策室のまとめで分かった。前年度を下回るのは3年連続。しかし、ニホンジカの被害は5億円を超え、イノシシやニホンザルの被害が増えており、対策室は防護柵の設置拡大など被害防止対策を強化する方針だ。主な鳥獣別の被害額は、ニホンジカが5億4300万円(前年度比23%減)で全体の36%を占める。次いでイノシシ2億600万円(同32%増)、ツキノワグマ1億7600万円(同7%減)、ニホンザルが1億4200万円(同20%増)-など。対策室は、ニホンジカ被害は防護柵の設置場所を増やしたことで減少したものの、被害地域は南信から東北信にも拡大しつつあると指摘。イノシシ被害はこれまで被害が少なかった北信地域で増加が目立ち、降雪量が少なくなって繁殖しやすくなり、捕獲が追いつかないことも背景にあるとみている。県が2日に開いた野生鳥獣被害対策本部会議では、各地の取り組み状況が報告された。07~10年度の4年間で、農地全域に防護柵を張った川上村では被害額が8割減少し、集落ごとに防護柵を設けた上田市でも効果があったという。ただ、多くの地域で防護柵の維持管理負担をめぐって地域がまとまらず、設置が進まないといった現状も問題点として挙がった。対策室は防護柵の設置を進めるほか、銃の狩猟登録者が高齢化などで減っているため、比較的参入しやすいわな猟を若い世代や農家などに働き掛けていく考えだ。
(鳥獣被害24億5736万円)
中国地方5県の野生鳥獣による2010年度の被害額(島根は10年の被害額)は計24億5736万円で、09年度から24・6%増えたことが、各県のまとめで分かった。過去10年では02年度に次いで多い。各県は対策の予算確保に頭を悩ませている。5県で最も被害額が多かったのは広島の8億4837万円で、前年度から26・9%増。統計の残る1991年度以降で最高だった。山口8億132万円(前年度比11・1%増)▽岡山4億6667万円(同22・6%増)▽鳥取1億9553万円(同42・7%増)―と続く。暦年ベースで集計している島根の10年の被害額は1億4547万円(前年比121・7%増)で倍を超えた。被害の内訳は、5県とも水稲や果物を食い荒らすイノシシによる食害が最も多く、総額に占める割合は広島67・6%▽島根49・3%▽山口46・3%▽鳥取39・0%▽岡山38・1%。広島と岡山では、単価の高い果樹を好むヒヨドリやカラスなど鳥類の食害も目立った。クマの被害は山口で前年度の4倍。島根は過去10年で最高となった。鳥取ではシカが造林木を食い荒らす被害が6年連続で増えた。
(鳥獣被害、対策強化:大分)
イノシシやシカの農林業被害に悩む県は1日、対策強化のため鳥獣被害対策本部を設置した。県庁での初会合には農業団体も参加。林業中心だった被害対策を、農業でも手厚くし、5年後の被害額を現在の約6割程度の2億円以下に抑えることを目指す。県内被害は00年度の5億4600万円をピークに、03年度まで約5億円で推移。07年度に県庁と各振興局にプロジェクトチームを発足し、▽集落環境整備▽予防▽捕獲▽獣肉活用--に取り組み、10年度には約3億4600万円まで減った。イノシシとシカの捕獲数も過去最高の計4万9829頭を記録した。しかし、同年度の被害内訳は農業2億4500万円、林業7600万円。県と市町村、農業団体の連携不足、集落の団結力の温度差もあり、農業での立ち遅れが顕著だった。対策本部の下には各振興局に現地対策本部を設置。まずは加害獣がどう農場に出没するかを熟知し、集落周辺を餌場にしない対策に入る。
(箱わな講習会に60人:和歌山)
日高川町で3日、県の箱わな講習会が開かれ、日高地方の免許取得2年以内の人や県農作物鳥獣害アドバイザーら約60人が参加して学んだ。南山スポーツ公園内で行われた現地研修では、講師を務めた社団法人栃木県猟友会足利和支部の須永重夫さんが技術の基礎知識、設置の基本事項、えさの仕掛け方を説明。イノシシに対する設置について「人のこないようなところは逆に警戒される。青々としている木がある薄暗いところが最適。また、きれいなところを歩きたがるので、箱わなの中や入り口はきれいにしておいて」とし、「えさは酒の入ったものを好みます。置く位置は中央より隅の方が効果的」とアドバイスした。参加者は熱心に質問したり、メモを取って勉強。農村環境改善センターで座学もあり、知識を深めた。
(豚の放牧、循環型で一石?鳥の効果:長野)
長野県山ノ内町で、農作物の鳥獣被害を防ぎながら、耕作放棄地を復活させようという取り組みが進められている。重責を担うのは、放し飼いにされた豚たち。取り組みは、循環型の農業の実現に向け、期待されている。中山間地の農地では、シカやイノシシ、サルなどが農作物を食い荒らす被害が相次ぎ、農家の高齢化も加わって耕作放棄地が激増。同町夜間瀬の横倉地区でも、斜面にある山際の田畑で耕作放棄地が目立っていた。2009年、同地区の町議の小淵茂昭さんらは、農畜産物の加工販売などを行う県農協直販(長野市)に相談し、住民でつくる横倉環境整備組合で豚の放牧を決めた。豚は牛や羊と違い、雑草を根や茎まで掘り起こして食べ、再び生えにくくする。さらに、傾斜地でも問題なく飼うことができる。また、害獣が豚のにおいを嫌うのではないかと期待された。09、10年度に45~50頭を試験放牧すると、においや、群れて行動する威圧感などでイノシシなどが近づかなくなることが実証された。雑草が生い茂った農地はグラウンドのようにきれいになった。また、落果などで出荷できないリンゴを、1頭あたり5000個食べたことやストレスがない環境で育ったことなどから、軟らかくおいしい肉になった。今年度は6月から、田んぼだった耕作放棄地2か所計50アールを柵で囲い、50頭を放牧。豚を県農協直販から借り受け、11月まで放す。肉の臭さをなくすため、生えている草だけでなく、食品工場で出た残りかすを乾燥させた飼料や米ぬかなどを与えている。1か所の耕作放棄地には3年間放牧して完全に雑草をなくし、再び耕作を行えるようにする。においや排せつ物に対する苦情への対応や、飼育数が少ないと採算ベースには合わないなどの課題は残る。それでも、小淵さんは「いずれは学校給食の食べ残しなどで育った豚の肉を再び給食に出すといった、循環型農業による地産地消を目指したい」と意気込んでいる。
(獣害防止柵整備、国の交付金獲得:京都)
シカやイノシシなど野生鳥獣による農作物被害を防ぐため、京都府は被害が出ている集落の周囲に張り巡らす金網や鉄筋の格子柵を本年度当初計画より2倍以上延長し660キロにする。国の交付金を新たに獲得できたためで、市町村から要望があったエリアをほぼカバーできる見通しだ。今秋までに設置を目指す。各農家は田畑にネットや電気柵を張るなど対策を取っているが、飛び越えたり、破るなど被害が収まらない。2008年度には府内の被害額が7億4千万円とピークに達し、10年度も7億円近い被害が出た。このため、府は集落の山際に金網や鉄筋を格子状にした頑丈な柵(高さ1・8~2・0メートル)を張り巡らし、集落への侵入そのものを防ごうと計画。柵は地域全体で維持管理し、農家による個別作業の必要がなくなるため、2010年度から一部集落で設置を始めた。本年度から3カ年計画で17市町村から要望があった660キロのうち、250キロの設置を予定しているが、5月に国の交付金3億1600万円を新たに得たため、410キロを追加することにした。3カ年計画も前倒しし、今秋の収穫期までに整備を終える方針だ。府は「660キロで被害地を100%カバーできたわけではない。ほかに取り付けたいという集落があれば、なるべく対応していきたいと考えており、国にも関連予算の拡充を要望している」としている。
(小動物の輪禍被害急増:沖縄)
「エコドライブ石垣島・ストップ!ザ・ロードキル夏季キャンペーン」が、8月5日から市内で始まるが、小動物の交通事故被害調査を行っている辻環境文化研究所によると、観光客の増加に伴い、7月の輪禍被害も36件と、大幅に増えていることが分かった。その約半数はシロハラクイナだが、国の天然記念物・セマルハコガメや在来の希少種・ヤエヤマイシガメなども4件の被害が確認されている。「ロードキル調査」は、同研究所が市のふるさと納税基金活用事業で昨年9月から実施している。調査は毎朝・夕の2回、島を巡回して行われているが、観光のトップシーズンを迎えたこともあって、小動物の被害が目立って増えている。特に学校の夏休み入り以降は、1日3~4件ペースで確認されている。その種類はクイナを中心にカラスやバン、キジ、カモなどの鳥類やハブ、ヘビ、カメなど。その場所は名蔵~崎枝、名蔵獅子森~石垣島製糖間に集中しているという。特に名蔵では、天然記念物のセマルハコガメが連続して車に踏みつぶされており、個体数が激減している在来種のヤエヤマイシガメの被害もあった。小動物のロードキルは、大半がスピードの出し過ぎによるもので、このため5日には、同研究所や市、市教育委員会関係者が広報車出発式を行い、15日までの日程で夏季キャンペーンを繰り広げる。
(外来種の駆除をボランティアで:東京)
関東森林管理局や小笠原諸島森林生態系保全センターなどは11月、同諸島固有の生態系維持に向け、市民ボランティアによる作業を実施する。これまで大陸と陸続きになったことがない小笠原は希少な生態系が評価され、6月、世界自然遺産の登録が決まった。ただ、外来植物の繁茂も問題になっていることから、一般市民にも外来種駆除作業に参加してもらう。駆除するのは母島で繁茂する樹木、アカギ。1905年ごろ沖縄などから持ち込まれ、まきとして使用されていた。天然記念物、アカガシラカラスバトが食べる実がなる在来種、シマホルトを駆逐することから鳥類への影響も懸念されている。ボランティア30人を募集。参加者は小さいアカギを引っこ抜いたり、折ったりする作業に従事する。11月8日に東京・竹芝桟橋を出発し、船内で一泊した後、母島へ到着。10日は1日かけてボランティア活動する。翌日自由行動をとった後、12日に母島をたつ日程だ。参加費は8万5000~9万4000円程度で船賃、宿泊費、食事代が含まれる。

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(盗んだ散弾銃で脅す、男を容疑で逮捕:広島)
29日午後2時半ごろ、庄原市本村町の「備後本村郵便局」に散弾銃を持った男が押し入り、局員らに銃を突きつけて「金を出せ」と脅した。男性局長(48)が現金約100万円を渡し、男がひるんだすきに銃を取り上げて、女性局員らと押さえつけて通報。駆け付けた庄原署員が、強盗容疑で現行犯逮捕した。男は同市西城町西城、木工業、秋山健二容疑者(53)。今月7日から27日までに同町中迫の会社員男性(64)方からなくなった散弾銃についても、盗んだことを認めており、手口などを追及している。散弾銃に弾は装てんされていなかった。郵便局には女性2人を含む局員3人と女性客1人がいた。けが人はなかった。
(イノシシにかまれ女性軽傷:兵庫)
29日午後8時45分ごろ、神戸市中央区加納町の路上で「イノシシに襲われた」と女性から110番通報があった。兵庫県警生田署員が駆けつけたところ、路上にいた近くの会社員の女性(45)が左足などをかまれており、軽傷。イノシシは、女性からインスタントラーメンの入ったレジ袋を奪い、逃げたという。同署によると、女性は近くのスーパーから徒歩で帰宅する途中だった。同市内では5月末にもイノシシが暴れ、男女4人が軽傷を負っていた。
(シカ猟の期間を延長、捕獲制限を緩和:山梨)
県は25日までに、農林業での食害が深刻化しているニホンジカについて、県内生息数を抑制する保護管理計画の次期計画(2012~16年度)の骨子案を固めた。生息数を最終年度に現状の約8分の1に当たる4700頭まで減らす目標を設定。狩猟期間の延長や捕獲頭数制限の緩和などを検討し、計画に盛り込む。県みどり自然課によると、県内のニホンジカ推定生息数は3万6千頭程度。次期計画では、県内の適正生息数を現行計画と同じ4700頭とし、計画最終年度に適正生息数に近づける。ニホンジカの狩猟期間は11月15日~翌年2月15日だが、県は06年度から1カ月の延長を実施。捕獲に効果が出ているとして、次期計画では銃猟や、わな猟など狩猟方法を限定した上で、延長期間の拡大を検討する。一人1日2頭の狩猟制限も緩和する方向で協議する。囲いわななど新しい効率的な捕獲手法の採用も考える。狩猟免許所持者の減少や高齢化対策として、狩猟初心者への講習などを行い、管理捕獲の担い手育成に取り組む方針も盛り込む。骨子案は25日、甲府・県民会館で開いたニホンジカ保護管理検討会で県が提示した。委員からは「技術向上だけでなく狩猟者数を増やす方策が必要」「捕獲したシカの有効利用も計画に明記すべきだ」などの意見が出た。検討会での議論を継続し、本年度中に次期計画を策定する。一方、この日の検討会では本年度のニホンジカの管理捕獲計画を承認した。市町村と県による管理捕獲頭数を昨年度実績の3064頭から4500頭に拡大し、狩猟と合わせた捕獲頭数を7600頭に設定した。
(捕獲制限撤廃シカない:徳島)
県は、増え続けるニホンジカの狩猟期間(11月15日~2月15日)を1か月間延長し、1日当たりの捕獲頭数の制限をなくすなど、保護管理計画を10月に変更する。個体数を減らすことで、農林業被害を抑えるのが狙い。県は今シーズンから、狩猟グループに日当を支払い鹿を駆除してもらう捕獲促進プロジェクトも始める。県によると、県内の生息数は約1万3000頭と推定されている。那賀町などの那賀川地域が5100頭(1平方キロ当たり6・3頭)、海部郡内が4050頭(同9頭)、徳島市や小松島市、名西郡など吉野川南東地域が2000頭(同6・1頭)、つるぎ町や美馬市など吉野川南西地域が1600頭(同2・5頭)、鳴門市や阿波市など吉野川北部地域が20頭(同0・09頭)で、地域差がある。剣山周辺では、キレンゲショウマやヒロハツリバナなど希少植物やウラジロモミなどの樹皮が食べられる被害が問題になっている。水稲やユズ、スダチなど農林業への被害額は、2008年度が2600万円、09年度が2900万円、10年度が4700万円と急増している。県では、毎年3800頭の捕獲を目指し、県内での生息数を8100頭にすることを目標にしているが、達成できていないという。原因として、狩猟者の高齢化や、温暖化で雪が降る年が減少し、生まれたばかりの鹿の死亡率が減っていることなどが考えられるという。そのため、県は管理計画で、那賀川、海部郡の両地域に加え、吉野川南東、南西の両地域の猟期の終了日を3月15日に1か月遅らせた。吉野川北部地域以外の4地域で、1日あたり雌2頭または、雌1頭雄1頭などとしていた捕獲頭数の制限を撤廃した。更に県は、14市町で、鹿の狩猟グループに1人当たり7000円の日当を支払う。捕獲促進プロジェクトの事業費は3000万円。県自然環境課では「ニホンジカの安定的な生息水準を確保しつつ、鹿と人との調和的な共存を目指す」としている。
(イノシシ被害に忌避資材効果なし:和歌山)
和歌山県果樹試験場(有田川町)は、テンダイウヤクや木酢液など、以前から言い伝えられているイノシシに対する忌避資材の効果を調べたところ、いずれも効果がないことが分かった。試験場は「対策に“特効薬”はない。柵の設置や捕獲など地道な対策が大事」と呼び掛けている。今回調査したのは、テンダイウヤク、サンショウ青果粉砕物、辛み成分のアリルイソチオシアネート、ヒトデを発酵させたヒトデサポニン、トウガラシエキスと木酢液、石灰硫黄合剤、ホームセンターなどで売られている点滅ライトの計7パターン。果実を取り囲むように植えたり、近くに設置したり果実に塗布したりした。それぞれを試験場構内に設置、イノシシの出没から果実を食べ終わるまでの経過時間を比較した。点滅ライトは一時的な効果はあったものの、すぐに慣れてしまい継続しなかった。そのほか6パターンは36分以内に果実を食べ終えた。担当者は、人慣れ度合いで多少の誤差はあるが、これらの資材については忌避効果はまったくないと判断した。また、イノシシは体に付いたダニを落とすため、刺激物を体に擦り付ける習性がある。そのため、強い刺激臭のあるクレオソートや猛獣のふん尿は逆効果と言われている。試験場では、適切な柵の設置▽廃棄農作物やタケノコなど餌源除去▽農作物の味を覚えた個体の捕獲▽ヤブの刈り払いなど、イノシシの居心地を悪くする環境整備を薦めている。
(「箱ワナで捕獲を」クジャク駆除で説明会:沖縄)
竹富町役場と環境省石垣自然保護官事務所のインドクジャク駆除対策検討会が26日夜、黒島芸能館で開かれた。同島内ではクジャクが繁殖し、畜産業に大きな被害を広げており、町は地域の合意を得て9月補正予算案に箱ワナ2器の設置費用を計上し、来年度以降、国庫補助を受けてワナを増設する方針。説明会には公民館や黒島畜産組合の役員らが出席し、駆除方法を検討。席上、町企画財政課は銃による駆除は危険度が高く、大規模な安全対策が必要となるため、箱ワナでの駆除を提案した。また、箱ワナ免許保持者が島内にいるため、承諾が得られれば協議会を立ち上げ、試験的に駆除事業を実施。新年度で国庫補助事業を導入し、ワナ増設と免許講習会への参加費助成を行う考えを示した。勝連松一課長は「行政の力だけで駆除は難しく、地域の協力が不可欠だ。畜産組合員も会員に入っていただき、連絡体制を構築することで箱ワナを設置・運用することができる」と協力を求めた。一方、住民側からは箱ワナの有効性を疑問視する声もあったが、同課では小浜島での事例を説明、「30カ所の設置で年間約150羽前後の実績がある」と説明した。ただ小浜島で箱ワナによるクジャク駆除を行っている事業所は「一定の効果はある」としながらも「待ちの手法で根絶はできない。猟銃での駆除、卵の採取などで根絶できるという意見も出されている」と根絶の難しさを話した。
(クマ生態解明へ首輪GPS:岩手)
岩手大は31日、ツキノワグマの生態や移動状況を調べる学術研究として遠野市の山奥にクマを放獣した。同大と数理設計研究所(本社群馬県)が共同開発した衛星利用測位システム(GPS)発信機を首輪に取り付け、今後は首輪を回収しなくてもパソコンや携帯電話で常に行動状況を確認できるようになる。詳しい生態解明へ成果が期待される。岩手大農学部の青井俊樹教授と学生、数理設計研究所東北研究室の高橋広和室長、辻本恒徳獣医師らが参加。同市上郷町の農業男性(70)が捕獲したクマを山奥まで運び、麻酔で眠らせて詳細な個体調査を行った。クマは雄で体長149・5センチ、体重78・5キロ。20歳以上の高齢とみられ、虫歯で多くの歯がなくなっていた。発信機付きの首輪を取り付け、意識を覚醒させた後に山へ放った。青井教授は「今回の放獣によって、詳細で継続的な調査ができるようになった。クマと人が共存していけるように研究を進めていきたい」と話す。
(猿被害防止へ地域連携:神奈川)
南足柄市沼田の森と水の公園で7月22日、同市野猿対策協議会、行政担当者、有志の猿追い隊、自治会関係者らが集まり、猿追い作業の説明会が開かれた。同地区では毎年、猟友会と連携して農作物被害などの未然防止に取り組んでいる。今年は7月16日頃から猿が目撃されていた。説明会では、参加者に自動式のエアガンや猿の位置を把握する受信機、連発式の花火などの使い方が説明された。その後、午前中から猿追い作業をしていた猟友会に合流し、実際に道具の使用方法などのレクチャーが行われた。南足柄市の岩原地区、沼田地区、三竹地区では毎年7月中旬から9月下旬にかけて、野生の猿の群れが出没している。この群れは箱根町湯本、小田原市入生田などに定住している「S群」と呼ばれる20頭ほどの群れで、今年は子猿も目撃されている。とうもろこしやサツマイモなどのエサを求めて、この時期になると南足柄市方面へ移動してくるという。野猿対策協議会の事務局を務めるJA岡本支店の臼井範雄支店長は「以前は大きな音で追い払う爆音機などで対処していたが最近では猿が人に慣れてきていて、人に対する恐怖心、警戒心が薄れてきており、生息域が農地や住宅地に接近しています。農作物への被害の他にも、民家へ侵入し食べ物を狙うケースなども発生しています。猿に遭遇した場合、エサなどは決して与えず、むやみな接触を避け、すぐに県や市の窓口、JAの支店などに連絡をして下さい」と話す。
(イノシシ大量死、原因は藻類?:フランス)
フランス北西部ブルターニュ地方の海岸で最近、イノシシの死骸が多数見つかった。死因は不明だが、大量発生した藻類が腐敗し有害な硫化水素を放出したとの見方もあり、住民らの間に不安が広がっている。英仏海峡に面したコートダルモール県では7月26日、数カ所で計18頭のイノシシの死骸が浜辺に打ち上げられたり海に浮いたりしているのが見つかった。AFP通信によれば、一帯で見つかった死骸は7月だけで30頭を超え、地元研究機関が死因の調査に当たっている。ブルターニュ地方の海では、1970年代から藻類がしばしば大量発生。地元町長はルモンド紙に、町内でかつてイヌやウマが同様の状態で死んだとし、「ほぼ確実に硫化水素が原因だ」と主張する。ただ、今年除去された藻類の量は昨年並みで、多数のイノシシの死との因果関係ははっきりしない。
(イノシシ問題、家畜やペット襲う:アメリカ)
米ニューヨーク州で野生のイノシシが農地を荒らし、家畜やペットを襲っているとして、専門家が警告を発している。ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学のポール・カーティス教授によると、元々はハンティングなどを目的に繁殖されたイノシシが逃げ出して野性化し、現在200─300匹が生息しているという。ニューヨーク州に生息するイノシシの具体的な数は分かっていないものの、米農務省(USDA)の報告書は、同州3つの郡で繁殖しており、一度に4─6頭の子どもを産むとしている。ニューヨーク州サリバン郡ロングエディーで農業を営む男性は、過去3年間で15─20頭のイノシシを射殺したとコメントしている。同州当局から助成金を受けたUSDAは昨年、イノシシの生息数を管理する取り組みに着手。USDAの報告書によると、これまでに27匹が捕獲または射殺され、病気などを調べるための検査が行われた。人が襲われたという報告はこれまでないものの、専門家によるとイノシシは非常に凶暴になる可能性があり、カーティス教授は「(イノシシが)人を襲う可能性は常にある」と述べた。

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