<射撃ニュース10月>

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(県庁近くでクマ射殺:長野)
5日午後4時20分ごろ、長野市の長野県庁近くの裾花川河川敷で、猟友会会員がクマ1頭を射殺した。同日早朝からJR長野駅ホームなど市街地で目撃情報が相次いだクマとみられる。長野県によると体長約1・3メートル、体重約90キロの雄のツキノワグマ。同日朝の通報では、クマが2頭いた可能性もあり、県警や消防が引き続き警戒している。長野市教育委員会によると、裾花川周辺の小学校では登下校に合わせて教員らが通学路に出て児童の安全確保。下校時間を繰り上げた小学校もあった。
(クマに襲われ65歳男性けが:岩手)
8日午前5時半ごろ、花巻市南川原町の豊沢川河川敷で、市内の男性(65)がクマに襲われ、左まぶたや鼻を切るけがをした。花巻署によると、男性は鮎釣りに訪れ、岸辺でパンを食べていたところ、背後から成獣とみられるクマに襲われたという。男性は川を渡り、対岸に逃げた。現場は市の中心地から1キロほどで、河川敷は散歩コースになっている。同署はパトカーで周辺を回り注意を呼びかけているが、その後の目撃情報はないという。
(キノコ採りの男性、クマに襲われ軽傷:群馬)
15日午後3時半ごろ、沼田市佐山町の山林でキノコ採りをしていた桐生市の男性(54)がクマに襲われ、右ヒジをかまれるなどの軽傷を負った。沼田署によると、クマは体長1・5メートル、体重100キロ程度とみられるという。
(クマに襲われ重傷:栃木)
13日午前5時35分ごろ、矢板市長井の牧場で、男性従業員(58)=宇都宮市駒生町=がクマに襲われた。男性はかまれるなどし、あばら骨を折るなどの重傷。矢板署の調べでは、男性は同牧場に出勤し、出入り口の扉を開けようとした際に襲われた。クマは体長約1・5メートル。同署は付近のパトロールを行うなど注意を呼びかけている。
(クマに襲われ男性けが:秋田)
12日午前6時ごろ、秋田県大仙市太田町の斉内川の堤防を散歩していた市内の男性(61)が体長約1メートルのクマに頭や手足をかまれたり、ひっかかれたりして軽傷を負った。大仙署によると、堤防近くの雑木林からクマが現れ、驚いた男性があおむけに倒れたところを襲われた。クマは雑木林に逃げたという。
(クマ出没本格化か、男性かまれけが:石川)
11日午前11時55分ごろ、小松市立明寺(りゅうみょうじ)町の八幡神社裏約300メートルの里山で、キノコ採りに来ていた市内の男性(70)が体長約1メートルのクマに頭や右脇腹をかまれ、けがをした。命に別条はない。石川県内のクマによる人身被害は今秋、初めて。今年は残暑が続いたことから、クマが冬眠に備え活動を活発化する時期が遅れている可能性があり、県は「今後、大量出没の恐れがある」として、警戒を呼び掛けている。小松市によると、男性は自力で下山して付近住民に助けを求め、小松市民病院に運ばれた。衣服は血だらけだった。クマは男性を襲った後、山中に逃げた。現場は、国道360号近くの能美市境に位置する中山間地。県猟友会能美小松支部のメンバーや市職員、小松署員計14人が現場周辺を捜索。足跡を確認したが、見つからなかったため、付近に捕獲用のおりを設置した。市と市教委は立明寺町など地元5町内会と中海、国府、東陵の各小、中海、国府の両中、小松市立高の6校に出没情報を伝えるとともに、防災無線で市内全域に注意を呼び掛けた。小松市内では今年、クマの目撃情報が28件あり、昨年同期比で4倍以上となっている。人身被害が出たのは2004(平成16)年以来8年ぶり。秋田外喜雄支部長は「奥山にドングリはほとんどなく、空腹のクマがカキを食べに民家横まで来ることも考えられる。カキを収穫することが被害防止のために重要」と話した。被害は、小松市がクマ対策のため、道路沿いの雑木林を伐採して緩衝帯を整備する直前に起きた。クマは雑木林ややぶなどに身を隠しながら移動する習性があり、緩衝帯を越えて移動することは少ない。このため、市は今月末までに那谷町-滝ケ原町の沿線幅10メートル、延長1270メートルで伐採する予定だった。今年、県内のクマ目撃情報は8月末時点で83件と、昨年1年間の60件、大量出没した2010年同期の78件を上回った。餌調査でも木の実が例年より少なく、標高が高いほど凶作との結果が出ていた。このため、県は大量出没する可能性があるとして、9月6日に2年ぶりの注意情報を出した。しかし、9月の目撃情報は10年48件の3分の1以下となる14件で、毎年出没のピークとなる10月は10日現在で4件のみとなっていた。県は、目撃情報が少ない理由について、残暑が長引いた影響で、クマが冬眠準備のために餌を大量に食べ始める時期が遅れている可能性があると指摘。「暖かい日が続いていて山中にとどまっているクマが多いとみられ、今後、市街地近くに出没しても不思議ではない」(自然環境課)と注意を呼び掛けている。7月に野田山墓地で男性がクマに襲われた金沢市では10日現在、44件の目撃・痕跡情報があり、すでに昨年1年間の24件を上回っている。市は出没した周辺町会に、鈴を携帯することなどを記したチラシを約3300枚配布するなどして警戒を促している。県猟友会金沢支部によると、湯涌地区では、民家の庭にあるカキやクリが食い荒らされる被害が確認されており、同支部は5カ所に捕獲用のおりを設置した。広村靖男副支部長は「生ごみをしっかり処理するなどクマを寄せ付けない工夫が必要だ」と話した。
(クマに襲われ2人けが:福島)
9日午前11時ごろ、福島県只見町十島の山林で、キノコ採りに来ていた只見町の農業若林慶次さん(79)と、弟で福岡県太宰府市の無職甚八さん(74)がクマに襲われた。福島県警南会津署によると、2人とも頭をかまれるなどしてけがを負い、慶次さんは重傷。下山中に慶次さんが背後からクマに襲われ、引き離した甚八さんもかまれた。クマは体長約60センチで山中に逃げた。福島県では、9月26日に喜多方市で畑仕事をしていた女性(82)がクマに襲われ死亡。9月30日にも同市の山中で男性が左腕をかまれてけがをした。
(民家にクマ、2人襲われてけが:新潟)
6日午前6時半すぎ、上越市西松野木で、小山トヨ子さん(81)が自宅敷地に現れたクマ(体長約1メートル)に襲われ、顔などに全治3週間のけがを負った。クマは約300メートル離れた会社員浅野信介さん(55)方の敷地に移り、外に出ていた浅野さんは右腕をかまれ、2週間のけが。上越署や近所の人によると、クマは集落を抜け、南方の別所川沿いのヤブへ逃げたという。現場は水田が広がる地域の集落の一角。周辺は平地で、クマが生息するとみられる山からは5、6キロ離れている。浅野さんによると、自宅裏にいたところ、隣家の小屋の裏側から「ウーウー」とうめき声が聞こえ、突然、クマが出てきた。20メートルほど逃げたが、転倒してしまい、クマが乗りかかってきた。「のどや顔をかまれないように、クマののどや口を必死に右手で押さえた」。胸などもひっかかれ、投げ飛ばそうとしたが、重くてできなかったという。母親(84)が近くにあった鉄の棒でたたいても、ひっかき続けたという。近くの畑にいた男性(75)が鉄の棒で二度ほどたたくと、ようやく逃げた。浅野さんは「死ぬかと思った」と話し、110番通報した妻の美枝子さん(54)は「びっくりというより、怒りを感じる」と話していた。同署によると、小山さんは玄関の外に出たところ、クマと遭遇した。ホースを振り回して追い返そうとしたが、突進してきたクマにのしかかられたという。同市中通町の自宅から駆けつけた長男の一仁さん(50)は「こんな所でクマが出るなんて」と驚きを隠しきれない様子だった。同市でのクマの目撃は、昨年度の20件を超える23件目となり、人が襲われたのは一昨年以来。同署や市、猟友会などは逃げたクマを捜索する一方、周辺の住民に注意を呼びかけている。6日午後3時ごろ、村上市高根の松ノ木平の山中で、栗拾いに来ていた新潟市西区の60代男性がクマ(体長約1メートル)に襲われた。頭をひっかかれたうえ、左手首と右足をかまれるけがを負った。自力でクマから逃げた後、車で約6キロ離れた集落まで戻り、119番通報した。村上署によると、10日間の入院が必要になるという。
(またクマが人襲う:新潟)
6日午後3時ごろ、新潟県村上市高根の集落から約6キロ先の山中で、クリ拾いをしていた60代男性=新潟市西区=が、クマに襲われた。男性は頭を引っかかれ出血したほか、右太ももや左手首をかまれるけがを負った。命に別条はないという。村上署によると、クマは体長約1メートル。男性の妹も一緒に山にいたが、けがはなかった。新潟県では6日午前も上越市西松野木でクマが出て2人がけがをした。
(民家に閉じ込めクマ捕獲:北海道)
1日午前10時半ごろ、渡島管内松前町福山の住宅の物置にクマが侵入しているのを住人の男性(64)が見つけ、松前署に通報した。約2時間半後に捕獲され、けが人はなかった。2階にいた男性の妻(56)が「ガサガサ」という音を聞き、男性が物置内を見たところ、体長約1・5メートルのクマがいたという。男性は物置にクマを閉じ込め、同署に通報。ハンターが麻酔銃で捕獲後、殺処分した。
(国道に出てきたクマ、車4台にはねられる:福島)
4日午後6時10分頃、福島市荒井の国道115号にクマが出て、ワゴン車など4台と衝突した。クマはその場で死に、けが人はなかった。福島署の発表によると、ワゴン車が歩いてきたクマと衝突。クマは後続の車に次々とはねられた。
(クマ射殺:新潟)
13日午前10時半すぎ、五泉市赤海の東公園近くの早出川で、クマ1頭が左岸から右岸へ渡っているのを近くにいた男性が目撃し、同市へ通報した。五泉署によると、体長は約1メートル。やぶの中へ入っていったという。同署や市が付近を警戒し、注意を呼び掛けている。また、13日午前9時ごろ、加茂市下土倉でクマ1頭が捕獲用のおりに掛かっているのを地元猟友会員が発見した。間もなく射殺した。加茂署によると、クマは雄で体長約140センチ。おりは今春から設置していた。
(クマと車が国道で衝突:北海道)
10日午前3時半ごろ、札幌市南区真駒内泉町1の国道で、同市手稲区の会社員の男性(43)の乗用車とクマが衝突。車の右側のヘッドライトが壊れ、右側の車体の一部もへこんだ。男性にけがはなかった。札幌南署によると、クマは体長約1・5メートル。国道を東から西に横断する際に衝突し、ボンネットに乗り上げた後、真駒内川の方向に走り去ったという。現場は南区役所や市立真駒内中から西に約200メートルの住宅街で、同校は同日朝、生徒を集団で登校させた。同署は、クマが近くにとどまっている恐れもあるとして注意を呼びかけている。
(イノシシ突進、女性重傷:長野)
県内各地で15日、イノシシやクマの目撃情報が相次ぎ、安曇野市の市街地では女性1人がイノシシに突進されて重傷を負い、松本市の山中ではキノコ採りの男性がクマに襲われてけがをした。同日午前7時10分頃、安曇野市豊科南穂高、無職斉藤幸子さん(67)が自宅近くの畑で野菜を収穫していたところ、突然、イノシシが現れた。斉藤さんは、突進してきたイノシシに右太ももを牙で突かれて重傷を負った。斉藤さんは家族に助けを求めて病院に運ばれ、命に別条はない。現場は、長野道安曇野インターチェンジから西に約500メートルの飲食店などが並ぶ一角。近くの男性は「この周辺でイノシシが出たという話を聞いたことがなかったので、驚いている」と話していた。安曇野署や市には同日午前6時過ぎから、JR南豊科駅付近や、豊科南中学校付近などでイノシシの目撃情報が計6件寄せられた。午前7時半頃には、斉藤さん方から北に約2キロ離れたドライブイン「安曇野スイス村」付近で体長約1・5メートルのイノシシが車と接触する事故が起きた。車はパンクしたが、けが人はなかった。同署や地元猟友会などが付近を捜索したが、イノシシは見つかっていない。市は防災行政無線を使って住民に警戒を呼びかけた。市教育委は、下校時に注意するよう市内の全小中学校17校に連絡。現場に近い豊科南小、豊科北小の2校は児童が集団下校した。市によると、豊科地区でのイノシシの目撃は2年前にあっただけで、市街地での目撃は珍しいという。佐久市では15日午前6時頃から夕方にかけて、市中心部のJR岩村田駅南側約3キロの範囲でイノシシが相次いで目撃された。けが人はなかった。足跡などから体重約50キロの成獣とみられる。佐久署などによると、同日午前6時頃、佐久市子ども未来館近くで1頭を住民が見つけ、同署に通報。午前10時頃までの間に、岩村田駅付近や若宮八幡神社、一本柳交差点の近くで相次いで目撃された。夕方にも同交差点付近の畑などで1頭が見つかり、同署員や佐久市職員らが捜索したが、捕獲はできなかった。佐久署員がパトカーで巡回し、市は防災行政無線で外出を控えるよう注意を呼びかけた。一方、同日午後1時30分頃には、松本市安曇の山林で、キノコ採りをしていた同市の男性(70)が体長約1・5メートルのクマに襲われ、顔にけがをした。松本署によると、男性は自ら119番して病院に運ばれた。クマは山中に逃げた。また、午後6時過ぎ、上田市真田町傍陽の県道を車で通りかかった男性から「クマを見かけた」と110番があった。山間部で周辺に民家はないが、上田署や上田市が警戒にあたった。同署や市によると、クマは1頭で、体長1・5メートル前後とみられる。現場は、上田市と長野市を結ぶ県道沿いのチェーン着脱所近く。
(クマ、花火で追い払い:神奈川)
子易地区のミカン畑で9月29日、149cm・86kgのオスのツキノワグマが捕獲された。丹沢の生息数が少ないことから、このクマはスプレーを吹きかけるなどして人が恐いことを学習させた後、山中に放たれた。9月以降、クマの痕跡発見の情報や目撃情報が相次ぐなか起こった今回の捕獲騒動。これらをうけて市環境保全課と農政課では現在、関係機関と協力しながら、子易地区を中心に巡回パトロールを連日実施している。市職員たちは出没情報があった畑や森をまわり、花火を使ったクマの追い払いを行っている。花火は打ち上がると猟銃を打ったような大きな爆発音が鳴り、これにより人里付近まで来たクマを山へ追い返すという。10月1日のパトロールに参加した環境保全課の齋藤浩人課長は「早朝や夜間の一人歩きを控えるなど、細心の注意を払ってください」と話している。
(クマ捕獲区市全域に:石川)
金沢市は、猟友会の捕獲隊に許可するクマの捕獲区域を11月から初めて市内全域に拡大する方針を固めた。クマの出没増加を受け、県の許可が必要だった市西部の市街地も捕獲区域に加えることで、迅速な対応を可能にする。週明けに県に申請し、県も認める見通しだ。市森林再生課や県自然環境課によると、区域内では県から市にクマの捕獲許可の権限が移譲されており、クマの被害が想定される場合、市は独断で捕獲隊に捕獲許可を出せる。一方、区域外では県に文書で許可を求める必要があり、「土、日曜などは時間がかかり、緊急時に対応が遅れる可能性があった」という。市は従来、市街地や海側への出没は想定しておらず、捕獲区域を市中心部の香林坊や武蔵町より東部の山側に設定していた。しかし、県が9月、ブナの凶作によるクマ出没注意情報を発令し、全国的にもJR長野駅ホームなど中心市街地での目撃が相次いだことを受け、方針を転換。「365日どこでもすぐに対応できるよう」拡大申請を決めた。県は「人が襲われている時に行政として手がつけられないという事態をなくす」と許可を出す見込み。県猟友会金沢支部の奥村勝幸支部長(65)は、「範囲が広がれば、今までなかった義務や責任が生じる。きちんと対応できる人材を育てたい」と話す。金沢市内の今年の目撃情報は11日までに45件で、昨年1年間の24件を上回っており、7月には同市野田町の野田山墓地で散歩中の男性がクマに襲われた。市街地では、一昨年にも北陽台や、西大桑町の犀川緑地で、ジョギング中の男女が重傷を負う被害が出ている。
(県道でクマか:石川)
七尾市千野町で11日夕、クマらしき動物の目撃情報が同市に寄せられた。同市は近くの保育所や小、中学校に注意喚起を呼びかけた。同市によると、11日朝と夕の2回、山中の県道でクマらしき動物を目撃したとの情報が寄せられた。12日は教員らが通学路で児童らの登校を見守ったほか、七尾署員も登下校時を中心に、パトカーで付近を巡回した。市農林水産課によると、クマの目撃情報は昨年はゼロだったが、今年は計5件寄せられているという。目撃された場所は、クマが生息する山深い場所ではなく、比較的標高の低い所で、同課は「同じクマがうろついている可能性も考えられる」としている。
(クマ出没、付近の小学校では警戒:石川)
15日早朝、金沢市の竹林でクマが出没しました。付近の小学校では、集団下校し、保護者も迎えにくるなど警戒を強めています。15日、午前6時半ごろ、金沢市三小牛町で、体長60センチ前後の子グマが出没しました。警察や猟友会が付近を捜索しましたが、発見には至りませんでした。クマが出没した現場近くの内川小学校では、児童がクマよけの鈴を鳴らし、集団下校しました。今年はクマの目撃情報が相次いだため、内川小学校では例年よりも早く、7月から児童に熊よけの鈴を携帯させ、警戒を強めています。
(霧降高原でクマ目撃:栃木)
14日午前11時30分ごろ、日光市所野、霧降高原の県道栗山日光線でツーリング中の男性が、道路を横断するクマ1頭を目撃した。日光署によると、クマは子グマとみられ、山林内に入って行ったという。現場付近には別荘が点在し、ハイカーなどもいることから同署や市、関係団体が連携して注意を呼び掛けている。
(餌凶作で人里へ「クマ注意報」:福井)
勝山市など嶺北地方を中心にツキノワグマの人里への出没が相次いでいる。県自然環境課によると、9月中に県に寄せられたクマ出没・目撃情報は31件で、昨年同期の3倍。県内の山間部では今年、ブナのドングリが凶作で、クマが餌を求めて行動範囲を広げているとみられる。けが人や大規模な農作物被害は報告されていないが、県はクマの生息範囲に近づかないよう注意を呼びかけている。同課によると、市町別では勝山市が22件で最多。敦賀、あわら、坂井市が各2件で、大野市、美浜、永平寺町が各1件。勝山市では2頭が捕獲され、山に戻されている。10月に入っても「早朝、県道を子グマが歩いていた」(4日、勝山市)、「車庫の前にフンがあった」(8日、同市)、「新興住宅地の自宅庭で主婦が子グマを目撃」(10日、永平寺町)などの報告が相次ぎ、福井市や若狭町からも情報が寄せられた。人里への出没件数は山のドングリの着果状況にほぼ比例する。主な餌のブナ、ミズナラのドングリが凶作だった2010年の9~12月、721件の目撃情報があった。逆にこれらが豊作だった09年の同期間の目撃情報は13件だった。県は今年8月中旬~9月上旬、47地点で4種の広葉樹の着果状況を調査。ブナはほとんど実がならない凶作で、ミズナラ、コナラ、クリは着果率が26~50%未満で、「豊作」に次ぐ「並作」だった。ブナは標高600メートル程度の場所で繁茂し、コナラ、クリは標高が低く人里に近い場所に分布する。県は、ブナを餌にできないクマが、コナラやクリを探すため人里近くに移動していると推測。9月中旬には、市町や県警、猟友会などの担当者を集めて「ツキノワグマ出没対策連絡会」を開き、▽柿や栗の実を早めに収穫する▽生ゴミを外に置かない▽倉庫や家の戸締まりを徹底する――などの対策を周知するよう呼びかけた。県の担当者は「出没数は2年前ほどではないが、雪が積もってクマが冬眠するまでは油断できない」と話している。
(小学校近くでクマの足跡:新潟)
3日朝、三条市中野原地内の三条市立笹岡小学校近くでクマの足跡が見つかり、三条署と三条市では付近住民に注意を呼びかけている。笹岡小から裏の楢山川方向へ100メートルほど入った畑で、午前10時ころに畑の所有者が前日にはなかったクマの足跡を見つけた。足跡は15センチで推定される体重は100キロ。三条署は下田庁舎で三条市と会議を開き、付近でクマ出没に注意を呼びかける広報やちらしの配布を行うことしにした。三条署ではパトカーで赤色灯をつけて付近のパトロールを行っており、地元猟友会では午後2時から捕獲用のおりを設置してクマによる被害防止対策を行っている。とくに小学校に近いことから警戒を強めている。9月28日に加茂市でクリ拾いの女性がクマに襲われている。三条市では被害はないものの、9月24日に棚鱗地内でクマ1頭を捕獲するなど、9月に入ってクマの出没情報が相次いでいる。
(クマ〝厳戒〟の登校:新潟)
クマに襲われ住民2人がけがをした上越市西松野木の現場から約1キロ離れた三郷小学校は9日朝、児童の集団登校に教職員を同行させて警戒に当たった。児童はランドセルなどにクマよけの鈴を付けて登校した。児童数54人の同校は普段から集団登校を行っているが、6日のクマ襲撃を受けて対応を協議。9、10の両日は教職員が登下校に同行することを決め、保護者にも見守りの協力を要請した。
(クマ目撃:新潟)
15日午前9時すぎ、阿賀野市湯沢の集落内にある神社で、クマを目撃したと、住民が市に通報した。同日正午ごろにも、同じ集落内のゴミ集積場近くを歩くクマを住民が目撃し、市に通報した。阿賀野署によると、現場は国道290号沿いの集落。目撃されたのはいずれも1頭で、体長約1~1・4メートルだったという。目撃されたクマが同一であるかどうかは不明。
(クマ目撃:新潟)
阿賀町では午前5時半ごろ、同町九島の田んぼでクマ1頭が山に入るのを目撃したと、農作業をしていた男性が110番通報した。津川署によると、体長は約1メートル。現場は民家まで約400メートル。長岡市では午前8時半前、栃尾地域の同市熊袋の県道をクマ1頭が横切るのを車で通り掛かった男性が目撃し、110番通報した。長岡署によると、体長は約1メートル。現場は民家まで約100メートル。
(クマ目撃:新潟)
10日午前7時ごろ、上越市南城町3でクマらしき動物を目撃したと、車で通り掛かった男性から上越署に通報があった。現場は高田公園に近く、市の中心部に位置する。地元の猟友会などが近隣をパトロールしている。同署によると、体長は約1メートル。動物は住宅が密集する南の方向へ逃げていったという。同日正午現在、同署と市に対し他に目撃情報は寄せられていない。
(クマ目撃:新潟)
県内は8日も、上中越各地でクマの目撃情報が相次ぎ、県警や自治体が注意を呼び掛けている。8日午前5時ごろ、上越市下新町の国道18号をクマ1頭が横切るのを車で通りかかった女性が目撃し、市に通報した。クマは体長約1メートル。市によると、国道脇の同市樋場にある商業施設方向に逃げた。午後2時前にも、同市清里区梨平の市道脇に体長約1メートルのクマがいるのを近くに住む男性が目撃し、上越署に通報した。クマは近くの林に逃げた。また、同日午前8時ごろ、魚沼市四日町のJR小出駅付近に体長約1メートルのクマがいるのを路線バスの男性運転手が見つけ、小出署に通報した。同署によると、クマはその後、駅前の山の斜面を走り去ったという。同日午後7時半ごろには、長岡市小向の民家の裏の柿の木にクマ1頭が登っているのを住人が目撃し、長岡署東谷駐在所に通報した。同署によると、クマは体長約1メートル。午後9時すぎに山の方に向かっていったという。
(クマ目撃:新潟)
県内は7日も各地でクマの目撃情報が相次ぎ、県警や自治体では住民に注意を呼び掛け、警戒を続けている。6日に住民がクマに襲われた上越市では7日午前6時すぎ、同市清里区上田島の市道をクマが横切るのを地元の消防団員が目撃し、市役所に通報した。クマは林の方へ逃げたという。6日に住民が襲われた同市西松野木の現場からは約4キロで、消防団員は警戒活動中だった。市によると、体長は約1メートル。目撃現場から約300メートルの距離に民家がある。また、妙高市杉野沢でも7日午前6時すぎ、県道をクマが横切るのを住民が目撃し、110番通報した。妙高署によると、体長は約1メートル。約20メートルの距離に民家がある。長岡市上樫出の工業団地でも午前1時半すぎ、クマを目撃したと、住民が長岡署に通報した。同署によると、体長は約1・5メートル。
(ツキノワグマ、目撃や痕跡発見が前年の4倍以上に:富山)
県内で先月、ツキノワグマを目撃したり、痕跡が発見された件数は69件と、前年の4倍以上に増加している。餌となる木の実は豊作と凶作を1年ごとに繰り返す傾向にあり、今年は凶作年にあたるという。前回の凶作年の10年にはクマに襲われてけがした人が10人に上った。県自然保護課は「冬眠の時期まで引き続き注意が必要」と呼びかけている。小矢部市安楽寺の女性(63)は洗濯物を干すため家の外に出た今月8日昼、車庫付近に成獣のクマがいるのを目撃。クマはそのまま立ち去ったが、女性は「突進してきたらどうしようと立ちすくんで声も出なかった」と恐怖を語る。同課によると、クマの餌となるカキやクリを早めに収穫したり、残飯などの臭いを出さない工夫が有効だという。遭遇したらゆっくりと後ずさりし、クマの気がそれるのを待つしかない。地域ぐるみで対策を実施しているところもある。富山市東福沢の市立福沢小学校(頭川稔校長、児童36人)では毎年、校庭にクマが侵入したとの想定で児童を校舎の2階に集める避難訓練を実施。10年11月にクマが校庭に侵入したときも訓練通りに行動し、被害はなかった。今年は例年より2週間ほど早めて9月中旬に行うなど警戒を強めている。また、児童にクマよけの鈴をランドセルに装着するよう指導。さらに登校時には地域住民による見守り活動も。福沢校区安全パトロール隊の谷口洋彌隊長(69)は「クマは朝に出ることが多い。万が一出くわすことがあったら、大人がいることが重要」と話している。
(クマ情報:富山)
13日午後5時35分ごろ、氷見市早借の県道で、体長約80センチのクマが道路を横切り山の中へ入っていくのを地元住民が目撃し、氷見署に通報した。14日朝、市と同署が現場を調べたところ、現場周辺で獣が通過したとみられる痕跡が見つかった。現場は中山間地で近くに集落がある。市は周辺住民に注意を呼び掛けている。
(クマ情報:富山)
12日午前7時40分ごろ、南砺市利賀村高沼の国道471号の路肩に成獣とみられるクマ1頭がいるのを、車で通り掛かった男性が見つけ、利賀行政センターに届けた。現場は道の駅利賀の近く。早朝で人はいなかった。クマは山の斜面を利賀川方向へ下って行ったという。同センターは地元猟友会などに連絡した。
(クマ情報:富山)
11日午前6時半ごろ、黒部市前沢の住宅団地「前沢パークタウン」近くの工事中の道路を、体長約1メートルのクマ1頭が横切るのを、散歩していた団地の住民が見つけ、黒部消防署に知らせた。市有害鳥獣捕獲隊員や市職員、黒部署員らが周辺をパトロールした。
(クマ情報:富山)
黒部市と立山町で10日、それぞれクマ1頭が目撃された。黒部市宇奈月町内山の県道では午前8時20分ごろ、体長約1メートルのクマが道路を横切り斜面を駆け上がっていくのを、車で通り掛かった男性が見つけ、勤務先を通じて市に知らせた。午後1時20分ごろには、立山町目桑の民家前の町道で、子グマ1頭が歩いているのを同町内の男性が見つけ、町に連絡した。さらに午後4時ごろには、魚津市小川寺の民家裏の畑にクマの足跡と、カキの木が折られた痕跡があるのを住民が見つけた。
(クマ情報:富山)
8日、小矢部、富山両市でクマの目撃が2件あった。午後0時5分ごろ、小矢部市安楽寺の住宅そばに成獣とみられるクマ1頭がいるのを家人の女性が目撃した。クマは、住宅の隣にある南谷公民館の横を通り、山の中へ入っていった。現場は国道8号小矢部トンネル近くの中山間地で、数十軒の集落がある。午前10時55分ごろには、富山市片掛(細入)の国道41号の上に架かる陸橋に、成獣とみられるクマ1頭が歩いているのを、車で通り掛かった男性が目撃し、富山南署に連絡した。
(クマ情報:富山)
4日午後3時ごろ、南砺市才川七(福光)の市道で、子グマ1頭が道路を横切るのを、車で通り掛かった男性が見つけ、南砺署に通報した。現場はイオックス・アローザスキー場の近くで、クマは山の方へ姿を消した。同署は周辺をパトロールした。
(クマ情報:富山)
県内4市町で2日から3日にかけてクマやクマの痕跡が相次いで発見された。各市町の有害鳥獣捕獲員や職員らが周辺をパトロールした。3日午後5時5分ごろ、黒部市前沢の住宅団地・前沢パークタウン周辺で、体長1メートルほどのクマ1頭が山林の斜面を駆け上がるのをこの団地に住む児童が目撃し、保護者が黒部署に知らせた。入善町舟見では同日午前8時半ごろ、民家脇の畑で成獣とみられるクマの足跡を住民が見つけて町に連絡。魚津市では同11時55分ごろ、桃山運動公園の木の幹にクマのものとみられる爪痕が付いているのを、公園管理事務所の職員が見つけ、市に知らせた。砺波市は同日、同市井栗谷の栴檀神社から東へ300メートルの柿の木2本にクマの爪痕が見つかったと発表した。近くで農作業をしていた男性が2日夕に発見、市に連絡した。
(クマ情報:富山)
2日午後2時10分ごろ、南砺市利賀村北原の山林で、成獣とみられるクマ1頭が斜面を歩き回っているのを、近くの長崎大橋を車で通り掛かった男性が目撃し、市利賀行政センターに連絡した。市によると付近に民家はなく、クマは斜面を登り姿が見えなくなった。
(クマ情報:富山)
2日午前6時15分ごろ、富山市山田中瀬の農道で付近住民が成獣とみられるクマ1頭を目撃した。猟友会や市職員がパトロールしたが、痕跡は発見できなかった。
(クマ情報:富山)
30日午前6時20分ごろ、富山市岡田(大山)で、柿の木に登っている子グマを地域住民が発見。大山行政センターに連絡した。地元猟友会と市職員が現場付近をパトロールした。
(クマ情報:富山)
26日午後5時半ごろ、南砺市利賀村栗当の国道471号をクマ1頭が横断するのを車で通り掛かった男性が見つけ、27日、利賀行政センターに届けた。市は地元猟友会などに連絡した。
(クマ情報:富山)
25日午前9時50分ごろ、南砺市小又(福光)の県道で、成獣とみられるクマ1頭が道路を横切るのを、車で通り掛かった女性が目撃し、南砺署に届け出た。市は周辺自治会に注意を呼び掛けた。
(クマ情報:富山)
(クマ、出没は「例年並み」:北海道)
北海道は2日、今秋のヒグマの出没は「例年並み」とする予想を発表した。ただ、今年は早い時期から市街地などで目撃が相次ぎ、道自然環境課は注意を呼び掛けている。クマの餌となるドングリなど山の木の実の出来具合で予想。不作ほど餌を求めて農地や集落に現れるとされる。道は毎年8〜9月、大学や林業試験場などに生育状況をアンケート調査しており、今年は▽ミズナラ「豊作〜並」▽ブナ「凶作」▽ヤマブドウ「並」▽サルナシ「並〜不作」−−だった。木の実が不作で大量出没が懸念された11年秋は、予想を始めた05年以降で最多の320頭が捕獲された。今年は100〜200頭と見られるが、7月から札幌市の市街地などで頻繁に目撃されている。同課は「豊作や凶作に関係なく出てくる“問題グマ”が増えている。クマを寄せ付ける生ゴミなどはきちんと管理してほしい」と話している。
(クマ人身被害、過去10年で最多:岩手)
県内でツキノワグマによる人身被害が相次いでいる。県によると本年度(11日現在)は既に、この10年で最多の17件発生。うち半数以上の9件が山中でなく、人里で起きている。木の実の不作による山の餌不足が要因とみられるが、専門家からは「集落の過疎化で昔より人里に出没しやすくなった」「ハンターが減り、クマが人を恐れなくなった」と環境や習性の変化を指摘する声も。被害増加の深層には、人間の生活と不可分の複合的な問題が横たわる。今年は各地でクマの出没が多発している。県によると、4月から8月末までに1718件。昨年途中から調査方法が変わり比較はできないが、各市町村は「例年より多い」と口をそろえ、原因を山の餌不足とみる。奥州市の猟友会によると、発見されるクマが痩せ気味だという。東北森林管理局が7月末に発表した本県の今年のブナの結実予測は「皆無」。県ツキノワグマ保護管理検討委員会の由井正敏委員長は「山の木の実の不作が大きい」と出没が多い要因を推測する。一方、近年、山間地の環境変化やクマの習性が変わってきている点も重視。「人を恐れないクマは〝新世代〟とも呼ばれる。(クマを呼び寄せないように)廃果を捨てない、やぶの刈り払いをするなど集落周辺の環境整備が大事」と訴える。
(クマ出没多発、民家にも侵入:栃木)
県内でクマの出没が目立っている。県自然環境課によると、4月から9月までに46頭を捕獲。ここ数年で最多となる年間56頭を捕獲した2年前に迫る勢いだ。日光市足尾町では、家の中にまでクマが侵入しており、地域全体で警戒を強めている。目撃情報が相次ぐ同町上間藤地区を訪ねた。家々の戸口に「害獣が出るため玄関と窓のカギを閉めています。ご用の方は呼び鈴を鳴らしてください」との紙が張られていた。住民の男性(71)は「サルが増えて警戒している」と説明したうえで、「しかし、今恐れているのはクマ。ここに住んで70年になるが、クマが出たのは初めて。それもこんなに頻発するなんて」と話した。山のすぐ近くに住む女性(77)は9月12日の深夜、「ガタガタ」という物音で目を覚ました。すると台所にクマがいた。「(身長150センチの)私ほどのクマが背を向けて座り、ひっくり返した油揚げを食べていた」。女性はすぐに日光署に通報。クマは逃げたという。台所の窓枠にくぎで打ち付けて固定していた換気扇が壊されており、クマはそこから侵入したようだ。女性の家にはさらに2日間続けてクマが侵入。「物音がするたびに目が覚める。怖くて眠れなかった」と振り返った。別の女性(90)は、クマにごみ箱を荒らされた。木製の柵(高さ約1メートル)の内側に置いていたが、家の外まで引きずり出されていた。「重さもあり、サルにはできない」と話した。地域では猟友会の協力を得て、クマが通ったと思われる場所に捕獲用のオリを設置したほか、自治会の役員の見回りや、「生ごみは前日に出さないように」と呼びかける町内放送を繰り返すなど、警戒を強めている。県内に生息するのはツキノワグマだ。積極的に人を襲うことはないというが、人と突然遭遇した場合には防御行為として攻撃することもあるという。隣県の福島県では今夏、農作業中の女性(82)がツキノワグマに襲われて死亡した。日光署によると、目撃情報は夜間から明け方にかけてに集中しているという。同署は就寝時の施錠、風鈴など音の鳴るものの設置などを呼びかけている。さらに、一度狙われた民家の近辺は、食糧があると学習したクマが再度狙うこともあり、警戒が必要だという。年間56頭を捕獲した2010年度は山の木の実の不作が出没の原因とされたが、宇都宮大の小金沢正昭教授(野生鳥獣管理学)によると、今年はブナやミズナラといった食糧は比較的多く、出没増加の原因ははっきりしないという。県内のクマは12月には冬眠に入るが、ここしばらくは活動が続く可能性があるという。
(クマ防止電気柵で地区グルリ:広島)
三次市君田町茂田(もだ)地区で、茂田自治区と、NPO法人の生物多様性研究所あーすわーむ(長野県)が、ツキノワグマの集落への侵入を防ぐ電気柵を新たに張った。初実施した昨年に一定の効果が確認されたことから、設置範囲を広げた。山に囲まれた同地区は集落の周りをイノシシ対策の柵(高さ1・2メートル)で囲んでいる。それをベースに昨年秋、集落北側部分約220メートルに電気柵を設けた。昨年はこの部分からの侵入は防げたため、電気柵を東側に約400メートル延長。さらに集落西側の約300メートルにも新設した。住民とあーすわーむ会員たち計10人がこのほど作業した。作業は、約2・5メートル間隔のイノシシ柵の鉄製ポールの上に、通電しない長さ33センチのポールを追加。柵をよじ登ろうとした熊の鼻先が触れるよう、イノシシ柵の上部から約20センチの位置に通電用の線を横に張り渡した。茂田地区には、柿の実を目当てに出没する熊が多く、実が熟す前に電気柵を張った。線は出没しなくなる12月初めまで設置する。同地区では熊が柿の木に登れないよう幹にトタンを巻く住民もいる。小田勝久区長(68)は「効果をみて、柵やトタン巻きなど対策の組み合わせを考えたい」と話している。
(市街地に出没するクマをテーマにシンポジウム:長野)
長野県環境保全研究所と日本クマネットワーク(東京)は、20日午後1時半から長野市北郷の同研究所飯綱庁舎で公開シンポジウム「山のクマ・里のクマ~信州におけるツキノワグマの生態学」を開く。今月5日にJR長野駅など長野市の中心市街地でクマが出没したのをはじめ、今年の県内は例年を大きく上回って1千件を超える目撃情報がある。シンポジウムは、山と里地を利用するクマ▽人里に出没するクマ▽山里とクマの関係-の3部構成で、それぞれのエリアに出没するクマに焦点を当てて考察する。大学や県などの研究機関、NPO法人の研究者らが調査、研究結果を発表し、意見交換する。
(「北海道のクマに食性個体差」を報告:北海道)
北方領土とのビザなし専門家交流で、生態学と考古学の日露の専門家が最終日の7日、根室市で記者会見した。ヒグマの食べ物について、NPO法人「北の海の動物センター」(網走市)の大泰司(おおたいし)紀之会長は「国後島では季節ごとにどのクマも同じものを食べているが、北海道では農作物も食べるクマもいてばらばら」と指摘した。今回は3日から道内で行われていた。釧路市で5日にあった情報交換の場では、佐藤善和・日大准教授が国後島で10年に行った調査を報告。ヒグマの毛に含まれる窒素と炭素の同位体を調べ、どれも春は植物、夏から秋はシロザケやカラフトマス、冬眠前は木の実を食べていることが判明し、北海道は個体ごとに差があったことを明らかにしていた。また会見で、択捉島では市街地にヒグマが近づかないよう、郊外に水産廃棄物を野積みしておびき寄せる実験が2年ほど前から行われていることも明らかにされた。考古学では、南クリル地区(国後島と色丹島)の文化財行政を担うガリーナ・グルシコワ観光文化課長が「日本、四島、サハリンには同じような文化遺産がある。これらを一体として世界遺産を目指すのが良い」と提案した。
(気温上昇、市街地でクマ出没、冬眠前エサ不足「全国で起こり得る」)
市街地近くでクマの出没が相次いでいる。5日には長野市中心部など各地でクマが目撃されており、複数の住民がけがを負う被害も発生。近年、出没が増えているとされる背景として、専門家は毎年のように続く猛暑や冬眠に必要なエサ不足を挙げており、「全国、どこでも起こり得る」と警鐘を鳴らしている。「クマは暑さが苦手で、川に入りたがる。川沿いに行動範囲が広がり、市街地に出てきたのではないか」と指摘するのは、日本ツキノワグマ研究所(広島県廿日市市)の米田一彦理事長。米田理事長によると平成13、16、18、22年はクマの出没が多数、確認されているが、いずれも気温の高さと連動しているという。以前は昭和45年と61年が「大量出没」の年として知られているが、米田理事長は「温暖化の影響で、その頻度は高まってきた」と分析する。クマは通常、600メートル以上の山に生息しているとされるが、気温が30度を超えると、腹部を土につけたり、川などの水で冷やそうとする行動に出るという。このため米田理事長は「近くに山と川があれば、どこの都市でも起こり得る」と指摘する。実際、5日に長野市中心街に出没したクマは、県庁近くの河川敷にいるところを猟友会会員が射殺している。これに加え、冬眠に備えてクマが体内にエネルギーを蓄えるため、10月は大量のエサを必要とする時期でもある。今年は全国的にクマの主なエサとなるブナが凶作。米田理事長は「暑さとエサ不足が重なったことが出没の要因。クマが冬眠に入る12月中旬までは注意が必要だ」と話した。クマによる被害を食い止めようと、すでに関係機関で連絡会議を開くなどの対応を始めた自治体もある。
(空腹クマ出没注意、全国の人里で目撃急増)
人里近くに出没するクマが全国で急増している。東北では今春以降、前年の2倍以上のペースで目撃されており、関東でも群馬などで多い。この秋は餌になるブナの実の生育が悪く、さらに出没が増える懸念もある。自治体などは対策に動き出したが決定打はなく、注意を呼び掛けている。前橋市の畜産農家、中沢真一郎さん(52)は8月、牛の餌にするトウモロコシの畑で、大型のクマが腹ばいになって実を食べているのを目撃した。「視界の端に入った途端、走って引き返した。怖くて直視できなかった」と振り返る。トウモロコシを食べられたり、倒されたりする被害は、イノシシによるものも合わせ、昨年の2倍の約1ヘクタールに広がったという。環境省によると、4~8月のクマの目撃件数は全国で8382件(暫定値)。前年同期は5150件で60%増。東北6県は前年同期の1618件から3680件に急増。関東では群馬県で540件が目撃され、東京都でも昨年の8件から17件に増えている。出没が増えた理由について、森林総合研究所(茨城県つくば市)の鳥獣生態研究室長、大井徹さん(54)は「餌になる草や木の芽、昆虫の繁殖の状況が関係するのではないか」と分析するものの「はっきりした理由は分からない」という。クマが冬眠に備え食料を蓄える秋は、例年でも人里への出没が増える。さらに関係者が懸念するのが餌になるブナの実の不作。林野庁東北森林管理局は7月に「今秋は大凶作」と予測し、特に岩手、山形両県は2006年、秋田は10年以来の「皆無」と見込む。環境省の鳥獣保護業務室は「出没数が多かった10年と似た状況。今後いっそう注意が必要」と指摘する。8月までに昨年の2倍以上の296件が目撃された山形県は、過去5年間の出没件数をホームページに掲載し「今年は特に出没が多いので注意してほしい」(県みどり自然課)と呼び掛けている。8月に目撃された神奈川県秦野市は、出没した場合の児童の下校方法などを検討する。出没を防ぐ決定策はない。兵庫県森林動物研究センター(丹波市)の森林動物専門員、稲葉一明さん(53)は「クマは本来、臆病な動物。山や森林を歩くときは鈴やラジオなど音の出る物を身につけて自分の存在を知らせるなどし、もし遭遇しても大声を出さずに冷静にその場から離れてほしい」と話している。

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10/15
(内紛の日本クレー射撃協会、元職員が不当解雇で提訴)
役員人事をめぐる内紛に揺れた日本クレー射撃協会(麻生太郎会長)の元職員3人が、不当に解雇されたとして、解雇の撤回と損害賠償を求め、同協会を相手に東京地裁に提訴したことが10日、分かった。同協会は紛糾した2009年3月の総会で行われた役員改選の有効性を争った裁判が今春に終結し、約3年にわたり協会を運営した執行部が無効と判断された。元職員はその後の5月に協会役員から口頭で解雇を通告され、文書で撤回を求めたが、「雇用契約が不存在」などと回答された。解雇通告された1人は20年以上も勤めたベテラン職員で、2人は無効と判断された執行部時代に採用された。
(イノシシ頭数不備や虚偽、猟友会に返還請求:兵庫)
三田市の有馬富士公園周辺で、県猟友会三田支部が2010年度に有害鳥獣として捕獲されたイノシシのうち、45頭分の報償費申請で書類に不備があったり、虚偽の報告がされたりした可能性があることが市の調査でわかった。市は11日、支部に支払った報償費のうち45万円を今月末までに返還するよう求めた。市によると、今年3月下旬に市民から市監査委員へ住民監査請求があり、調査を始めた。支部は10年度のオリによるイノシシの捕獲実績を147頭と報告。アライグマやシカなどの他の鳥獣分も含め、11年4月に市から有害鳥獣活動報償費として275万5千円を受け取った。しかし、監査のほか、弁護士と元警察官を加えた外部調査員による調査会議の調べで、10年6月上旬から翌年1月下旬までの間にオリで捕獲されたイノシシ45頭分の報償費の申請書類に不備があることが判明。添付写真でオリの番号がずれていたり、他の写真が流用されたりしていることなどがわかったという。また、捕獲許可頭数を超えないように、捕獲頭数が多かった10年8月の頭数の一部を、翌月にずらす虚偽の報告をしていたという。さらに、捕獲後は、鳥獣保護法に定められた「埋設または焼却」の処置をしなければならないが、会員のオリ捕獲担当の1人が猟犬のえさにするため自宅へ持ち帰っていたという。市はこれらが鳥獣保護法違反にあたる可能性が高いとみて、刑事告発することも検討している。また、適正な報償費の運用をするため、要綱や要領などを整備し、実績確認の強化を図るとしている。県猟友会三田支部の乾福治支部長は「報告に不具合があったのは間違いないが、故意ではない。返還請求には応じる」と話している。
(飛び出したシカを避けようとして多重衝突:三重)
6日午前0時50分ごろ、三重県松阪市内の伊勢自動車道下り線で、本線上を歩いていたシカを避けようとした車が中央分離帯などに衝突。避けきれなかった後続車も巻き込まれ、車両5台が関係する多重衝突に発展した。この事故で3人が重軽傷を負っている。三重県警・高速隊によると、現場は松阪市笹川町付近で片側2車線の直線区間。シカは本線上を歩いていたとみられるが、これを避けようとした乗用車2台が中央分離帯と道路左側のガードレールに衝突。うち1台は本線を塞ぐ状態で停止したが、そこに後ろから進行してきた3台が避けきれぬまま衝突した。この事故で追突してきた車を運転していた兵庫県西宮市内に在住する65歳の男性が足を骨折する重傷。最初に事故を起こした車を運転していた愛知県刈谷市内に在住する20歳の男性と、一番最後に追突した車を運転していた桑名市内に在住する32歳の男性が打撲などの軽傷を負った。シカは弾き飛ばされたことが原因で死んだという。警察では当事者から事情を聞き、事故発生の経緯を詳しく調べている。
(「ヒグマ衝突」実はシカ:北海道)
札幌市南区真駒内泉町の国道453号で10日未明、「ヒグマと衝突した」として、近隣の小中学校で集団登下校が行われるなど周辺の住宅街が一時、緊迫した交通事故で、乗用車前部に残っていた毛を同市が調べた結果、エゾシカの体毛と判明した。札幌南署は、現場付近が薄暗かったため、乗用車の会社員男性(43)が見間違えたとみている。8月以降、同区の住宅街では、クマの出没が相次いでいるだけに、関係者は胸をなで下ろした。同市によると、体毛は衝突した車の前部に残っており、同署が採取し、野生生物を調査・研究している市内のNPO法人「EnVision環境保全事務所」に南区が鑑定を依頼。その結果、エゾシカの体毛とわかった。児童らを集団下校させた真駒内桜山小の村田仁司教頭は「クマでなくてよかった」とほっとした様子だった。同市南区の吉田尚樹・地域安全担当係長は「ヒグマの出没が相次いでおり、今後も気を抜かずに警戒したい」と話していた。同署などによると、事故は10日午前3時半頃に発生。男性の車が道路を横切る動物と衝突し、動物はボンネットに乗り上げて、そのまま道路脇の真駒内川河川敷に逃げた。事故で車の右前部ライトが壊れたが、男性にけがはなく、男性は近くの同署真駒内団地交番に事故を届け出た。
(長野駅でクマ目撃、猟友会員が射殺:長野)
5日午前6時10分ごろ、長野市のJR長野駅の在来線ホームに熊1頭がいるのをJR東日本社員が見つけた。熊はすぐに逃げたが、約10時間後の午後4時20分ごろ、駅から北西約1キロの市街地を流れる裾花(すそばな)川沿いで警察官らが発見、猟友会員が射殺した。4〜5歳の雄のツキノワグマで体長約1.3メートル、体重約85〜90キロ。けが人はなかった。裾花川沿いで別の1頭の目撃情報もあり、県警は警戒を続けている。JR東日本長野支社によると、熊は7番線ホーム北側の端にいた。社員が駅事務所に報告に向かう間に姿を消したという。当時、利用客はいなかったが、隣の6番線には直前まで列車が止まっていた。長野駅の北約600メートルの市中心部の路上では同日午前4時50分ごろ、「熊のようなものがいる」と通行人が110番していた。県警などが捜索中の午後2時15分ごろ、同市安茂里の住民から「熊がいる」と110番があり、裾花川沿いで熊が見つかった。県によると、県内での8月末現在の熊の出没・目撃情報は1079件だが、市街地では珍しいという。けが人は9月26日現在で2人出ている。長野市の茶臼山動物園の獣医、佐藤直也さん(24)は「森を手入れする人が減って生態系のバランスが崩れ、えさが減っているが、秋はえさが豊富にある。なぜ市街地に下りてきたのか分からない」と話した。最も近い生息地でも長野駅から西へ約1〜2キロ離れているという。
(クマに襲われ男性骨折:栃木)
13日午前5時35分ごろ、矢板市長井の牧場で、出勤してきた宇都宮市駒生町、男性従業員(58)がクマに襲われ、肋骨を折るなどのけがを負った。男性は命に別条はないが、治療のため入院した。クマはそのまま逃げ、矢板署は周辺に注意を呼び掛けている。また、同市は県猟友会矢板支部と捕獲に向けて協議し、わなを仕掛けることも検討している。県内では夏以降、同市や那須塩原市、日光市など県北部を中心にクマの目撃、捕獲が相次いでいるが、人的被害は初めて。矢板署によると、男性は牧場出入り口の鉄製門扉を開けようとした際、クマに襲われた。胸に複数のかまれた跡や左手に引っかき傷があり、左胸の肋骨を数カ所骨折していた。クマは体長約1・5メートルで、牛舎の中で牛のえさを食べていたとみられる。男性は自家用車で牧場の事務所に行き、同僚に電話連絡。同僚が119番した。現場は矢板市役所から北西に約6キロの林道沿い。寺山ダム西方の山深い場所で、クマの生息地となっている。国が指定廃棄物の最終処分場候補地として選定した同市塩田の国有林の北側に当たる。
(61歳男性がクマに襲われる:秋田)
12日午前6時ごろ、大仙市太田町斉内の斉内川沿いを歩いていた同市内の男性(61)が、川の南側の雑木林から出てきたクマ(体長約1メートル)に襲われた。男性は頭や両手足に全治1週間の軽傷。大仙署によると、クマは男性の約15メートル先に現れ、驚いて転んだ男性にかみついたり、ひっかいたりした。同署や地元猟友会が付近を警戒している。同日、由利本荘市鳥海町才之神の民家の外壁(高さ約0・8メートル、幅約1・5メートル)が壊されているのもみつかった。壁の中にハチの巣があり、由利本荘署はクマの仕業とみて調べている。このほか、大館市本宮でも79歳男性がクリの木の下でクマのふんを見つけ、市役所を通じ大館署に通報した。
(クマにかまれけが:石川)
11日午前11時55分頃、小松市立明寺町の山林で、キノコ採りをしていた同市の男性(70)が、クマに頭や右腹をかまれるけがを負った。市農林水産課によると、男性は自力で下山し、民家に助けを求めた。猟友会メンバーや警察官ら14人が、周辺を約2時間捜索したが、発見できなかったため、捕獲用のオリを設置した。市内でクマによる負傷者が出たのは2004年以来。同課には今年、クマの目撃情報が29件(11日現在)寄せられており、前年同期の7件を上回っている。同課は防災無線などを通じて注意を呼びかけている。
(餌取りに夢中のクマ、鈴にも気づかない可能性:石川)
11日正午頃、小松市立明寺町の神社の裏山で、キノコ採りをしていた男性がクマに襲われ、脇腹や頭をかまれてけがをしました。猟友会などがパトロールを続けていますが、クマはまだ見つかっていません。石川県によりますと、今年のクマの目撃件数は11日までに103件で、去年の2倍となっています。今年はクマの餌となるブナが凶作で県は、ツキノワグマ出没注意情報を発表し注意を呼びかけています。また、襲われた男性はクマよけとしてラジオをつけていましたが冬眠前の今、クマは餌探しに夢中で鈴やラジオの音に気づかないこともあるそうです。
(「お尋ねサル」ついにご用:岐阜)
岐阜県下呂市内で畑を荒らしたり、旅館や民家への侵入を繰り返したりしていた「はぐれサル」が、猟友会員の仕掛けたワナで10日に捕獲された。人にも危害を加えるようになっていた“お尋ね者”は、年齢3~4歳、体重6・8キロのオスで、捕獲の知らせに、地元住民は「ようやく捕まった」と胸をなで下ろしている。サルを捕獲したのは同市小川の猟友会メンバー野村武司さん(61)。サルの通り道に仕掛けた手製の円筒形のワナ(長さ約40センチ)は、中のリンゴや柿を取ると自動でサルの手首が締まる仕組みになっている。同市の森、小川両地区では3年前から、群れを追われたサルが出没し、畑を荒らしたり、民家に侵入して果物や仏壇の供え物を奪ったりなどの被害が頻発。温泉旅館の露天風呂に現れることもあったという。市などによると、被害を受けた民家は約30軒、被害件数は100件を超え、最近では、牙をむいて威嚇したり、女性や子どもに飛びかかったりするなど、人に対しても危険な行動をとるようになっていた。住民から駆除を求める声が出ていたが、住宅地周辺で猟銃が使えず、市は対応に苦慮。昨年度はシルバー人材センターに委託して追い払おうとしたが、失敗に終わったという。このため、市は9月補正予算に約180万円を計上し、猟友会に駆除を委託。森、小川の両地区では、捕獲した人に別途、報奨金を出すことも決めた。猟友会は今月から、2人1組で地域を巡回してサルの移動経路を調べ、野村さんが9日に仕掛けたワナで捕獲に成功した。野村さんは「ワナを作るのに2年前から試行錯誤してきたので、捕まってよかった」と話し、報奨金は個人ではなく、猟友会として受け取る意向だ。一方、同地域には別のサルがいるとの情報もあり、猟友会では、防犯用の「ネットランチャー」を携行して巡回を続けるという。
(増えるシカと列車の衝突事故:長野)
JR東日本長野支社管内で列車とニホンジカとの衝突事故が2011年度、158件に上り、統計を取り始めた2002年度の約3倍に増えたことが30日、分かった。件数は小海線(山梨県内も含む)が半数以上を占め、中央東線でも頻発。10年前にはまれだった篠ノ井線、大糸線、信越線でも近年相次ぐなど全路線で増加傾向だ。専門家は、シカが分布を広げつつ急増している影響で今後も増える恐れがあるとみている。同支社によると、02年度のシカとの衝突事故は52件。その後、06年度に106件と初めて100件を突破し、本年度は、集計されている7月20日までに52件発生しており、昨年度と同ペースという。例年、全事故件数の6~7割を占める小海線では、山梨県との県境付近など南部を中心に発生。02年度の37件から昨年度は3倍近い100件に上った。中央東線の事故発生場所は八ケ岳山麓が多く、02年度の11件から、11年度は33件に急増した。昨年度件数が多かった区間は、小海線では佐久広瀬(南佐久郡南牧村)―佐久海ノ口(同)間の17件、小淵沢(山梨県北杜市)―甲斐小泉(同)間の16件など。中央東線は信濃境(諏訪郡富士見町)―富士見(同)間で7件、小野(上伊那郡辰野町)―塩尻(塩尻市)間でも4件だった。他の路線も、山林内や山際の特定区間で事故が頻発している。信越線は02~05年度0件だったが昨年度は4件。発生は豊野(長野市)―古間(上水内郡信濃町)間に集中している。02年度はゼロだった飯山線は昨年度5件で、戸狩野沢温泉(飯山市)―上桑名川(同)間などで起きている。大糸線は海ノ口(大町市)―簗場(同)、南神城(北安曇郡白馬村)―神城(同)間で、篠ノ井線は松本(松本市)―田沢(安曇野市)、坂北(東筑摩郡筑北村)―聖高原(同郡麻績村)間で多発。JR東海の中央西線でも衝突事故は起きているが、全件数は把握していないという。飯田線(辰野―豊橋)では昨年度計49件の事故があり、他にしなの鉄道でも事故がある。
(2年ぶりシカ捕物帳:宮城)
宮城県石巻市の離島・金華山の鹿山公園で7日、シカの角切りが催された。昨年は東日本大震災や台風の影響で中止となり、2年ぶりの「秋の風物詩」の復活。駆ける雄ジカを勢子(せこ)が捕獲する勇壮な行事に、観光客からは大きな拍手が送られた。勢子を務めたのは同市の鹿友華角(ろくゆうかすみ)会のメンバー約20人。角切り場に放たれたシカの群れを赤い旗を持って追い立てた。逃げるシカの角に縄を絡ませ、数人で取り押さえた。神職がのこぎりで角を切り落とし、野山に戻した。勢子が素手でシカの角をつかんで取り押さえると、見物客から歓声が上がった。角切りは、発情期の雄シカの角が鋭くなるため、金華山黄金山神社が参拝客の安全に配慮して1963年に始めた。例年は2日間実施するが、震災による観光客の減少などで、今年は1日に短縮した。
(冬にシカ捕獲輸送実験:北海道)
道は、道有林内で樹皮などを食い荒らすエゾシカを冬も捕獲し、食肉加工に向けて雪の中で迅速に輸送する方法を模索するため、来年2月から約1カ月間、実証実験を行う。場所は胆振管内むかわ町とオホーツク管内津別町の2カ所。実験後にコストも含めて検証し、実施場所を拡大するかどうかを判断する。山奥にある道有林での冬の捕獲は、雪が深く危険が伴うことなどから敬遠されてきた。だが、農業被害が深刻化し、道有林での樹木被害も区域が1566ヘクタールに拡大し、被害額も年間6千万円にまで増えているため、道は検討する必要があると判断した。シカの有効利用も考え、雪の中での「捕獲から、運搬、食肉加工までの効率的な作業体系を探る」(水産林務部)ことにした。まずは、むかわ、津別両町内にある道有林の中の除雪した林道5キロ区間に、乾燥牧草を置く餌場を10カ所設置。おびき寄せたシカを複数の狩猟者が捕獲し、待機するトラック2台が交互に運搬する。態勢は、地元の猟友会などと連携して、狩猟者4人、捕獲したシカの運搬作業員2人、トラック運転手2人の計8人を1チームにし、それぞれの町で組織する。
(ニホンジカ、雄も捕獲制限撤廃:長野)
北アルプスなど過去生息していなかった場所にニホンジカが進出している問題を受け、県は、今年11月15日の狩猟解禁から、現在の「銃器とわなによる狩猟で1日1人当たり1頭」とする雄の捕獲制限を、北アルプス山麓(さんろく)など生息拡大地域で撤廃することを決めた。県は「雄が先行的に侵入し、それを契機に雌が入って生息数が増えている」と分析している。撤廃するのは北アルプスの他、中央アルプス山麓▽長野、松本、大町3市など49市町村(全域ではない市町村も含む)。県環境審議会が9月13日、雄の捕獲制限を撤廃する答申を出し、県が第3期特定鳥獣保護管理計画を一部変更する。雌の捕獲制限は既に県が06年に県内全域で、銃器とわな猟ともに制限を撤廃している。北アルプスでは明治以降、鹿は生息していないとされてきたが、今年に入り、林野庁中信森林管理署の調査などで生息が確認された。関係機関が連携して対策に乗り出しており、県野生鳥獣対策室は「制限が撤廃されたことで狩猟が進み、鹿の進出勢力が弱まるのではないか」と期待する。一方、既に鹿の生息が多い、関東山地▽八ケ岳▽南アルプス−−の3地域では、銃器での猟は今まで通り「1日1人当たり1頭」とし、わな猟の制限を撤廃する。3地域では毎年、子を産む雌の捕獲に重点を置いており、銃器での雄の捕獲制限は継続する。県は、猟師が高齢化で減っているため、比較的労力をかけないわな猟が進むことを期待している。
(野生獣の放射能汚染を独自調査:栃木)
11月の狩猟解禁を前に、県猟友会日光支部(塚原久夫支部長)は7日までに、ハンターへの情報提供を目的に、今夏市内各地で捕獲、検査した33頭の野生シカ、イノシシ、クマ肉の放射性セシウムの値をまとめた。計測結果は不検出~484ベクレル(1キログラム当たり)。湯西川、三依地区の数値は特に低く、北海道のエゾシカよりも低いシカもいたという。同支部は「狩猟場所選定の参考資料を提供することで、ハンターの狩猟意欲低下を防ぎたい」と話している。政府は昨年12月から、県内全域で捕獲された野生イノシシ、シカ肉の出荷停止を指示している。県内で捕獲されたイノシシ、シカは個別に測定して100ベクレル以下でも流通、販売はできない(那珂川町のイノシシ肉加工施設は制限解除)。また、県環境森林部の8月のモニタリング結果では、日光のシカ2頭が240、320ベクレル、イノシシ1頭が870ベクレルだったとして、自家消費を控えるよう呼び掛けている。自家消費については注意喚起で罰則などはない。これに対し、同支部は「広大な日光市の中の1、2頭では情報量が少なすぎる」として、独自に調査を開始。8~10月に捕獲した33頭(シカ21頭、イノシシ9頭、クマ3頭)の肉を市の放射線量測定室などで検査した。湯西川のシカ2頭は27、42ベクレル、三依では5頭中4頭が100ベクレル以下だったことが分かり、塚原支部長も「地区によってかなり違いがあることがはっきりした」という。2地区のシカの中には、同時に測定した北海道名寄市のエゾシカより数値の低い個体が2頭いたという。また、日光(小倉山)は唯一、不検出だった。イノシシは全般的にシカよりも数値が高く9頭中100ベクレルを下回ったのは大沢の1頭だけだった。こうした動きに対し県自然環境課は「ハンターにとってためになる調査だと思う。が、あくまでも目安。100ベクレル以下の数値が出たからといってすぐに安全宣言できる時期ではない」とし、今後も長期的なモニタリングが必要だ、としている。
(狩猟で駆除したイノシシを供養:京都)
狩猟などで駆除してきたイノシシを弔うため、京都府宮津市の山間部・日ケ谷地区に供養塔が建てられ、8日、建立式が営まれた。同区では年々、サルやイノシシによる作物への被害が深刻化しており、猟友会などが駆除にあたっている。供養塔は建設業土井成人さん(53)と農業荻野雅章さん(62)がイノシシを埋葬している林の一角に建て、台座の上にイノシシ像を置いた。式ではサツマイモなどを供え、僧侶の読経の後、参列者が順に線香をあげて冥福を祈った。土井さんは「被害は痛いが、イノシシも生き物なので心に引っかかっていた。一つの区切りになった」と話した。
(猟友会がガイドのエコツアー:長野)
山や自然をよく知る猟友会の会員に森などを案内してもらうエコツアーが14日、長野県中部の霧ヶ峰高原で行われました。このエコツアーは地元の猟友会の会員を案内役に霧ヶ峰高原の魅力を多くの人に知ってもらおうと開かれ、東京や静岡県などから12人が参加しました。ツアーでは、諏訪猟友会の竹内清さんが、八島ヶ原湿原の西側に広がる草原や森を案内しました。参加者たちが森の中に入るとニホンジカに木の皮を食べられた被害があちこちで確認され、広葉樹が広がる観音沢と呼ばれる一帯では群生したミズナラの木の樹皮が大きくめくれたように食べられていました。竹内さんは、シカが歩く獣道などを示しながらシカの習性や猟について説明していました。ツアーに参加した男性は「シカの食害について詳しいことを知らなかったのでいろいろなことが分かりました」と話していました。
(ライチョウ保護、野生動物対策を:岐阜)
国の天然記念物で絶滅危惧種に指定されているライチョウの保護について研究者や関係者が意見交換する「第13回ライチョウ会議」が13日、岐阜県高山市で開かれ、参加者から「高山帯に侵入した野生動物の対策が必要」との指摘があった。会議では、南アルプスや北アルプスの高山帯にシカなどの野生動物が侵入することで生態系が破壊され、ライチョウの生息に悪影響が出ている事例などが報告された。中村浩志信州大名誉教授(鳥類生態学)は「かつては狩猟者が野生動物の数を抑えていたが、高齢化が進み、動物の数も大幅に増えた。行政が主導して駆除チームを作るべきだ」と指摘した。
(中ア高山帯のカメラにシカ写らず:長野)
中央アルプスの高山帯にニホンジカが進出しているかを調べるため、南信森林管理署(伊那市)が仕掛けたセンサーカメラにシカは写っていなかったことが分かった。ただ、麓で目撃情報は増えており、高山植物への食害や踏み荒らしを警戒してカメラは来年度も設置する方針。一方、同管理署は12日、亜高山帯で生息を確認したシカの捕殺に向けて初めてわなを設置した。カメラは8月末、駒ケ岳(2956メートル)直下の駒飼(こまがい)ノ池(約2700メートル)周辺などに計10台を置き、今月10日に回収。画像を同管理署が確認すると、写っていた動物は猿が大半でキツネも目立った。動物の種類や回数などは今後まとめる。同池付近では昨年夏、植物が広範囲で根元からなくなっているのが確認されており、シカが写るかどうか関係者の関心が集まっていた。わなは、同管理署職員や上伊那郡宮田村猟友会員ら計8人が、いずれも林道沿いの伊勢滝(約1900メートル)付近に9個、北御所登山口北側の標高1600メートル付近に11個を設置。期間は降雪状況を見ながら決める。一帯では6~7月にセンサーカメラでシカが撮影された他、山麓寄りの宮田高原で目撃情報がある。同管理署の菊池洋二・流域管理調整官は「シカが高山帯に上がる前に食い止めたい」と話していた。
(オオカミ復活させ食害防止:山梨)
食害防止へオオカミ復活を-。シカやイノシシなどの野生鳥獣による農林業の食害を防ごうと、日本オオカミ協会(会長・丸山直樹東京農工大名誉教授)が、日本で絶滅したオオカミを外国から“輸入”し、シカなどを捕食させる構想の実現を目指している。人を襲うイメージが持たれがちなオオカミだが、「外国では人に危害を加えた例はほとんどない」と同協会。今年は山梨など3県を活動の重点県と位置付け、構想への賛同者を増やす計画で、14日には南アルプス市内で集会を開く。
(小学校でシカの「入学式」:千葉)
シカの飼育を続けている千葉県習志野市立袖ケ浦西小学校(渡辺岩夫校長、児童300人)で9日、メスのシカ2匹の「入学式」があった。同小は開校翌年の1968年から「飼育を通じ、思いやりの心を育てよう」とシカの飼育を始めた。今年2月、3匹のうち、2匹が病死したため、香取神宮(香取市)から2歳と今春生まれたばかりの計2匹を譲り受けた。全校児童が参加した「入学式」で、渡辺校長が「大事に育てよう」とあいさつ。児童代表の6年、小野莉佳子さん、丸山千里さんが「元気に楽しい学校生活を送りましょう」と歓迎の言葉を述べた。5、6年生が朝夕交代で世話をするほか、週末は住民グループの「西小、鹿の会」が手伝いに入る。
(ジビエ料理の試食宣伝:大分)
県は鳥獣被害防止で捕獲するシカやイノシシの肉を使った「ジビエ料理」を普及するため、7日にサッカーJ2・大分トリニータの試合がある大分市の大分銀行ドームで試食宣伝をする。シカ肉と野菜を炊き込んだコンソメスープ、シカ肉のミートソース、イノシシ肉のウインナー、炊き込みご飯など6品約2千人分を用意。午前10時半から来場者に配布して試食してもらう。県によると、県内では昨年度にシカ約2万8千匹、イノシシ約2万1千匹が捕獲された。イノシシ肉はほぼ有効活用されているが、シカは解体処理に時間を要することなどから埋設処分がほとんどで、活用策が課題になっている。県森との共生推進室は「シカやイノシシの肉は臭みや硬さがあるイメージを持たれるが、今は処理技術が進んで改善されている。県内で扱う飲食店も増えており、おいしさを知ってほしい」としている。

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