<射撃ニュース11月>

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(クレー射撃協会、強化交付金の支給再開要望へ)
日本クレー射撃協会は28日、東京都内で常務理事会を開き、日本オリンピック委員会(JOC)に2009年度から差し止められている選手強化交付金の支給再開を求める文書を提出することを承認した。今月中にJOCに提出する予定。クレー射撃協会は長期にわたって内紛状態が続き、JOCと日本体育協会から資格停止などの処分を受けている。常務理事会は、協会運営の正常化に向けて日体協に提出した改善計画書に基づいて設置され、今回が第1回だった。
(ライフル誤射で登山者重傷、47歳の男逮捕:山梨)
山梨県大月市の山中で女性に猟銃の弾が当たった事件で、大月署は25日、同市賑岡町畑倉、電設工樋川雅元容疑者(47)を業務上過失傷害容疑で逮捕した。発表によると、樋川容疑者は同日午前9時半頃、同市大月町駒橋の山中で、イノシシを射止めようとライフル銃を1発発射。命中しなかった弾が登山中の東京都内の女性(48)の太ももに当たり、重傷を負わせた疑い。
(キャベツ食害が増加、村ぐるみで電気柵整備:群馬)
キャベツの産地として知られる嬬恋村の各農家が、カモシカやイノシシによる食害への自衛策を強化している。猟銃やわなでの捕獲に加え、獣の侵入を防ぐ電気柵の整備、畑に残った作物の片付け徹底などを呼びかけ。同村は「捕獲に頼ってばかりもいられないので、自分の畑は自分で守るという意識を、村ぐるみで高めたい」と強調している。食害の増加に関連があるのは狩猟者の減少だ。県によると狩猟登録者は高齢化などで減り続け、08年から約800人減の3688人。原発事故の影響でイノシシやクマが出荷停止され、狩猟者の減少が進む可能性もある。一方、食害の被害額は増えており、昨年度は対前年度比5%増の5億6021万円に。うち約6割を嬬恋村が占めた。このため、同村は今月9日、県などと共同で研修会を開催。同村は10年度からの7カ年計画で計6億7630万円を投じ、畑を包囲する柵の建設を進めているが、未完成の柵の間からカモシカやシカ、イノシシ、クマなどが侵入し、キャベツを食い荒らす実態が報告された。続けて、県鳥獣被害対策支援センターの担当者が、「電気柵の間隔が広すぎると獣が通り抜けてしまう」「畑にキャベツの葉などを放置すると獣のエサになる」などと細かく注意喚起。電気柵の設置法、わなの仕掛け方の実演も行った。
(鳥獣駆除進まぬ恐れ:徳島)
徳島県内で狩猟者の減少が深刻化しており、県や県猟友会が担い手確保に躍起となっている。娯楽の多様化や銃規制の強化で、県内の狩猟者登録はピーク時の33年前の3分の1に減少。このままでは増え続けるイノシシやシカなどの駆除が進まなくなることが懸念されている。「慌てず肩の力を抜いて」「変な癖が付くとなかなか直らない」。10日、猟銃の初心者を対象にした講習会が徳島市の一宮射撃場で開かれた。参加者13人は指導員の助言を受け、真剣な表情でクレーを撃っていた。神山町の実家のスダチがシカの食害に遭っているという森徹さん(48)=徳島市八万町、会社員=は「基本を教えてもらい感謝している」と話した。講習会は県の狩猟者育成推進事業の一環で、受託した県猟友会が2011年度から行っている。13年1月中旬以降には、狩猟のイメージ向上のため、初の一般向け講演会を開く計画で、鳥獣被害の防止をテーマに専門家に語ってもらう。県によると、県内の狩猟者登録は、1978年度に6577人だったが、2011年度は2270人に減少した。銃猟を行うには銃や弾丸の購入費がかかる上、税金や保険料などで年2万円余が必要。警察の調査も受けるため、娯楽として銃猟を選ぶ人が減っているとみられる。さらに、09年に銃刀法が改正され、3年に1度の所持許可の更新時に射撃の試験に合格することが義務づけられた。有害鳥獣の駆除に従事している人は免除されているものの、今後、出猟の機会が少ない人が所持許可更新を見合わせ、狩猟者の減少が加速する可能性がある。しかし、県内では有害鳥獣による農作物への被害が広がっている。11年度の被害面積は78・4ヘクタールで過去2番目に高い水準となり、市町村の委託を受けるなどして狩猟者が捕獲したニホンジカは6321頭と10年前の4倍近くに増えた。県猟友会の濱口靖徳会長は「狩猟者は森の番人。減ってくれば食害が増える。高齢化も進んでいるので、若い人の参加を願っている」と呼び掛けている。
(野性イノシシなど供養:千葉)
野生動物による作物被害が深刻な鴨川市で、有害鳥獣として駆除された動物の供養祭があった。鏡忍寺(原日透住職)で行われた供養祭には、同市有害鳥獣対策協議会会長の片桐有而市長や市内の捕獲従事者ら関係者が参列して動物たちの冥福を祈り、駆除作業の安全を願った。片桐市長はあいさつで「有害鳥獣も生を受け、それぞれ尽くすべき天分がある。共存共栄を図りたいが、被害は後を絶たず社会問題化し、営農意欲を低下させて耕作放棄地が増加している」と状況を説明した。同市によると、昨年度の被害は稲の49トンを中心に総額1420万円に上った。イノシシによるものが60%を占める。
(クマらしき動物見た:宮崎)
祖母・傾山系で長年、クマの生息調査を続けている宮崎県高千穂町の写真家栗原智昭さん(47)に、クマらしき動物の目撃情報が新たに寄せられていたことが28日、分かった。栗原さんによると、目撃したのは茨城県の40代男性。10月16日朝、九折越(つづらごえ)小屋から5分ほど歩いた豊後大野市緒方町と宮崎県境の尾根(標高1300メートル)で、体長約1メートルの黒い動物を見た。情報を受けて今月中旬、付近を調査した栗原さんは「男性は2分ほど動物を見ていたと言い、見間違えたとは考えにくい」と話す。同山系では日本クマネットワークが6月から10月末までカメラ計46台を仕掛けて調査したが、今回の場所には設置していなかった。国は8月、九州地方の、野生のツキノワグマの絶滅を認定している。
(一射に精神集中、アジアクレー射撃トラップ:群馬)
クレー射撃トラップの第2回アジア選手権が12月6~8日にインドのチャンディーガルで行われ、竹中利明(39)=創造学園大講師=が出場する。競技を始めたのは23歳と遅咲きだが、「優勝を狙いたい」ときっぱり言い切った。トラップ種目は競技者が5つ並んだ射台に立ち、機械から放出されるクレー(直径約11㌢の陶器製の円盤)を打って命中数を競う。1射ごとに射台を移動し、1ラウンド25回を5回(国内大会は4回)繰り返す。竹中は「100枚の皿を撃ち続けるには、技術よりも淡々と競技を続けられる精神力が必要」と話す。大学院で研究を行う一方でクレー射撃を始めた。競技を続けて11年目の2007年には、秋田国体で神奈川県代表として個人初優勝を果たした。同じ年に練習拠点を神奈川から群馬へ移した。本県には県射撃場(安中)、ぐんまジャイアント射撃場(富岡)と、国際大会の規格に適応している射撃場が2つあり、「関東では最高の環境」(竹中)だからだ。専門学校の講師を経験し、現在は大学で教壇に立ちながら国内外の大会に出場している。
(ツバメ「減った」4割)
日本野鳥の会は28日、ツバメの数が過去10年間に全国規模で減少している可能性があるとの分析を発表した。全国の市民や会員を対象にした調査で、数が減ったとの回答は約4割あった。カラスの襲撃やふんを嫌う人間による巣の撤去が主な原因とみられる。調査はインターネットなどを通して5〜10月に実施。すべての都道府県から8402件の回答が寄せられた。それによると、過去10年間のツバメの増減について、39%が「減った」と回答。「増えた」の3%を大きく上回った。「変わらない」「不明」は各29%だった。また、繁殖期での目撃地点6667件を分析すると、環境省の04年調査での分布図と重なり、分布状況は従来と変わっていないとしている。今回とは別に、石川県では200以上の小学校で40年間調査が行われ、目撃数は72年の3万3332羽から11年に1万1708羽に減っている。このため、同会の葉山政治室長は「全国規模で数が減っているのは間違いないだろう」とみて、14年度まで調査を続け、詳細な原因を探る。このほか、チェルノブイリ原発事故後、繁殖率低下などが報告されているため、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響も調べた。福島、宮城両県と全国平均で異常の発生率に差はなかったが、立ち入りが制限されている警戒区域などが含まれていないため、精査が必要という。
(美味シカ料理コンクール:和歌山)
和歌山県日高地方5市町にある生活研究グループでつくる「日高地方生活研究グループ連絡協議会」が、家庭でのシカ肉の消費拡大を目指して行った料理コンクールで、みなべ町の南部川生活研究グループ(芦硲真弓会長)が考案した「鹿肉のつみれ味噌(みそ)鍋」が大賞に選ばれた。試食した参加者からは「抵抗なく食べられ、おいしかった」などと高評価。連絡協事務局の日高振興局は「シカ肉料理を地域の食文化として定着させたい」と話している。生活研究グループは地域の農家でつくる組織で、農村生活の活性化などに取り組んでいる。連絡協はみなべ町や印南町、由良町、日高川町、御坊市のグループが参加している。事務局によると、日高地方ではシカの生息数が増えて農作物への被害も多発しており、それに伴い、多くのシカが捕獲されている。低カロリーで高タンパクなシカ肉を「ジビエ料理」の食材として活用し、観光振興に役立てようという動きが県内で進んでいるが、家庭料理の材料としても普及させたいとして、料理コンクールを開くことになったという。「美味シカ料理コンクール」はシカ肉の利用法などを学ぶ講演会などと合わせ、このほど、由良町で開催。各グループから計24の料理が提案され、出席者112人の投票によって審査した。南部川生活研究グループが作った「鹿肉のつみれ味噌鍋」はシカのミンチ肉にショウガや長芋などを混ぜてつみれにし、味噌味の鍋に仕上げた。参加者からは「簡単に作れそう」「初めてシカ肉を食べたが抵抗なく食べられた」といった声が寄せられ、最多得票だった。次点は印南町生活・営農改善グループ連絡協議会(小田美津子会長)の料理。煮込んだシカ肉と大豆を油で揚げ、調味料を絡めた「豆しかフレンドリ」で「ヘルシー部門優秀賞」に選ばれた。日高振興局農業振興課の担当者は「プロが料理をしてジビエ料理をアピールすることも大事だが、地域の食文化として定着させることも大切。シカ肉というと一般の家庭ではなかなかなじみがないが、簡単に利用できるということが分かれば消費も伸びる。コンクールで披露した料理を活用して、料理教室を開いたり、いろんな機会で提供したりしていただけるようになれば」と話している。その他の入賞作品は次の通り。アイデア部門優秀賞=「チーズ入り鹿ボール」(日高川町生活研究グループ連絡協議会美山支部)▽ユニーク部門優秀賞=「梅シカしぐれ巻き寿司」(印南町生活・営農改善グループ連絡協議会)▽ビューティー部門優秀賞=「シカ肉入り生春巻き」(日高川町生活研究グループ連絡協議会川辺支部)▽会長特別賞=「シカ肉とナスのみそ焼き」(御坊市生活研究グループ)、「シカ肉の梅酒煮」(日高川町生活研究グループ連絡協議会中津支部)、「もみじシチュー」(みなべ町南部生活研究グループ)、「シカ肉の冷しゃぶ」(由良町生活研究グループ)
(新メニューは「キジ水炊き」:北海道)
食肉用のキジを飼育販売している市内の知的障害者就労支援事業所ワークつかさの食堂「喜地丸燻(きじまるくん)」(日の出町)に、12月1日から新メニュー「キジの水炊き」が登場する。具材は、淡泊な味わいのムネと、甘みが強いモモの2種類のキジ肉と、水菜やエノキ、シイタケなど。キジを丸ごと6時間以上煮込んで取ったスープが特徴で、塩こしょうやポン酢など、好みの薬味でいただく。同店にはすでにしょうゆベースの「きじ鍋」があるが、「キジ肉そのものの味を楽しんでもらいたい」と水炊きを考案。白戸浩雅所長(54)は「一番シンプルな食べ方でキジ肉を堪能できる」と来店を呼びかける。1人前800円。忘新年会プランのコースメニューにも選択できる。

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(予選の成績は持ち越さず、五輪種目で変更)
国際射撃連盟は23日、五輪実施種目の競技方法の変更を発表し、今後は予選の成績を決勝に持ち越さず、さらに決勝の成績上位2人によって優勝決定戦を行うことになった。来年のワールドカップ(W杯)などから適用する。連盟は変更の理由を「競技の公平性を保ちながら、より分かりやすくするため」としている。
(イノシシ猟で登山者を誤射、容疑者逮捕:山梨)
25日午前9時50分ごろ、山梨県大月市大月町駒橋の山中で「イノシシ猟をしていた猟友会の仲間が人を撃った」と110番があった。登山道を歩いていた東京都内の女性(48)の左太ももにライフル銃の弾丸1発が当たり、命に別条はないが重傷。県警大月署は同日、猟銃で女性を負傷させたとして、同市賑岡町畑倉の電設作業員、樋川雅元容疑者(47)を業務上過失傷害容疑で逮捕した。県内では今月15日にイノシシ猟が解禁され、樋川容疑者は県東部猟友会大月支部の仲間11人と朝から猟に出ていた。女性は午前7時半ごろから、知人男性と2人で登山中だった。現場周辺は、JR大月駅から近い手軽な登山コースとして、県内外から登山者が訪れる。
(シカ狩りの男性、クマに襲われ軽傷:群馬)
19日午後、群馬県沼田市の山中で狩りをしていた男性がクマに襲われました。男性はライフル銃を発砲してクマを追い払ったということです。
(追われるイノシシ、出くわした男性襲う:静岡)
25日午前11時ごろ、静岡県掛川市平島の山中で、同市の会社員戸塚利弘さん(56)が散歩中にイノシシに右足をかまれ、けがをした。近くに戸塚さんの娘と孫2人がいたが、けがはなかった。掛川署によると、イノシシは体長約140センチ、体重約100キロの雄。付近で地元猟友会の男性3人がイノシシ猟をしており、逃げる途中で戸塚さんに出くわしたとみられる。イノシシは戸塚さんを襲った直後、駆けつけた3人に射殺された。現場は山あいに畑や住宅のある地域。
(イノシシに襲われ男性重傷:神奈川)
23日午前7時半ごろ、箱根町元箱根の路上で、出勤途中の地元の70代男性がイノシシに襲われて胸などに重傷を負った。小田原署によると、車を運転していた男性が前方の路上中央に大人のイノシシを発見。なかなか移動しないため、追い払おうと車を降りたところ向かって来たらしい。同町内ではイノシシの目撃や農作物の被害が今年も相次いでいたが、人が襲われるのは珍しいという。現場は芦ノ湖に近い山林。周辺にはホテルや保養所などの観光施設が点在している。
(クマにかまれて負傷:新潟)
23日午前11時50分頃、新潟県湯沢町土樽の岩原スキー場付近の山中で、近くの農業南雲京司さん(65)が体長約1メートルのクマにかまれ、右足を約4センチ切る軽傷を負った。クマは山へ逃げたという。南魚沼署の発表によると、南雲さんは同日朝から1人できのこ狩りをしていた。南雲さんを襲ったクマは子グマを連れていた。現場は同スキー場のロッジから約1キロしか離れておらず、同署で注意を呼びかけている。
(いわきのイノシシから3万3千ベクレル検出:福島)
県は20日、野生鳥獣の肉に含まれる放射性物質の検査結果を発表した。いわき市のイノシシ1頭から、これまでで最高となる1キロ当たり3万3000ベクレルの放射性セシウムが検出された。浜通りのイノシシの肉は既に、国から出荷制限の指示が出ている。これまでの最高値は、6月に二本松市のイノシシの肉から検出された2万5000ベクレルだった。いわき市のカルガモ1羽から130ベクレル、福島市のマガモ1羽から860ベクレル、檜枝岐村のニホンジカ1頭から190ベクレルの放射性セシウムが検出された。県は同日、カルガモの肉はいわき地区、マガモの肉は県北地区、ニホンジカの肉は南会津地区で自家消費を控えるよう新たに要請した。国は既に中通りと浜通りのイノシシの肉、中通りと会津のツキノワグマの肉、県内全域のヤマドリの肉の出荷制限を指示している。
(捕獲イノシシから1058ベクレル検出:群馬)
県は22日、桐生市で6日に捕獲したイノシシから、1キロ当たり1058ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。4月に新基準値(同100ベクレル)が導入されて以降、旧基準値(同500ベクレル)を上回る野生鳥獣が捕獲されたのは初めて。県によると、このほか12市町村でイノシシやニホンジカ、ツキノワグマの計19検体を捕獲。このうち10検体から新基準値を上回る放射性セシウムが検出され、最高値は前橋市で8月20日に捕獲したニホンジカで同432ベクレルだった。いずれも流通していないという。また、赤城大沼で18日に採取したワカサギからも、同170ベクレルの放射性セシウムを検出され、県は出荷自粛要請を継続した。
(「捕獲隊」県内に続々:長野)
国の規制緩和で今春から、狩猟免許がない人もわなを使ったシカなどの駆除(個体数調整、有害鳥獣駆除)に関われるようになり、県内で集落単位の「捕獲隊」の結成が相次いでいる。県がわなの購入補助などで支援していることもあり、県によると25市町村の36地域で既に結成されたか、年度内に結成予定。免許がない人は「補助者」として、わなの設置や見回りで協力している。10月に4集落で捕獲隊ができた松本市中山地区。20人でつくる埴原(はいばら)南集落の捕獲隊員で、わな猟の免許を持つ小林征也さん(70)と「補助者」の田中稔さん(73)が、集落の外れを巡回していた。作動したのに取り逃がした「くくりわな」を仕掛け直す際、田中さんがワイヤを木に結んで手助けすると、小林さんは「2人だと格段に作業がしやすい」と息をついた。埴原南の捕獲隊が狙うのはシカだ。中山間地域の中山地区では2009年度に集落と山林の間に防護柵を設け、コメ、大根、ニンジン、大豆といった農業被害額が半減。だが、柵のない場所から回り込んでくるシカが悩みの種だった。埴原南では、10年秋から集落を代表して小林さんら3人がわなでシカの駆除を開始。常時仕掛けてあるのは8カ所ほどで、田中さんらも獲物の運搬などで協力してきた。ただ、田中さんは「規制緩和の前は大々的に手伝えず、免許保有者の負担が重かった」と話す。環境省によると、従来、わなの設置や見回り、獲物の運搬などは免許を持つ人しかできなかった。ただ「増えすぎたシカなどを多く捕獲するには、免許保有者だけに頼れない」(環境省鳥獣保護業務室)として、鳥獣の保護などに関する指針を改め、4月から関係法令や猟具の講習を受けた後、免許保有者の監督下であれば免許のない人も従事できるようにした。県内の野生鳥獣による農業被害額は、2011年度は8億5290万円と4年連続で減少。県農業技術課は「各地で防護柵の設置が進んだ効果」とするが、「被害は完全に防げず、被害額の水準は依然高い」とも話す。県は2011~16年度に、県内のシカを推定約10万5千頭から3万5千頭に減らす計画。捕獲隊への期待は大きく、講習会の開催などでも支援している。捕獲隊の駆除対象はシカが多いが、木曽地方では主にイノシシ、安曇野市の北アルプス山麓では猿が対象という。
(クマ目撃:新潟)
26日午前6時半すぎ、上越市中郷区江口の温浴施設「中郷ひばり荘」の前の市道で体長約1メートルのクマを目撃したと、車で通り掛かった女性が市に通報した。市によると、クマは陸上自衛隊関山演習場の方へ逃げたという。現場近くに住宅があり、市は防災無線などで注意を呼び掛けている。
(サル出没、ケーブルで「綱渡り」:岩手)
久慈市の市街地に22日、野生の成獣とみられるサルが出没し、市が防災行政無線を使い注意を呼び掛けた。市によると、同日午前8時ごろ、同市大川目町の国道281号沿いで、近隣住民が電柱などに登っているサルを目撃したという。サルはケーブルを伝って東に移動。近隣住民が携帯電話で写真を撮るのを気にも留めず、マイペースに動き回り同市川貫付近で山側に去った。同日は同市川貫でも同一個体とみられるサルが2度目撃された。
(イノシシやサル、伊豆半島南部で猛威:静岡)
伊豆半島南部で、野生鳥獣による農産物への被害が多発し、地域住民らが悲鳴を上げている。今年は特にイノシシやサルが出没して作物や人家を荒らす例が目立ち、わなや猟銃による駆除数も大きく増加。農家らが自治体に要望書を提出するなど、被害防止の抜本的な対策を求める動きも出てきている。静岡県下田市によると、今年4~10月に箱わなで捕獲されたイノシシは95頭で、2011年度1年間の102頭にほぼ匹敵。賀茂猟友会が銃で仕留めるなどしたイノシシは4~10月で293頭と、すでに11年度の140頭の倍以上となった。収穫前のイモ類などを食い荒らすほか、農地や庭を掘り起こしたり石垣を崩したりする被害が報告されている。同県南伊豆町でも、4~10月に捕獲されたイノシシの頭数は約480頭と、11年度の187頭から急増。西伊豆町や松崎町でも、イノシシによる被害の訴えが増えているという。県などによると、イノシシは1度に5~6頭出産するため、出産数が少ないシカなどに比べて個体が増えやすいという。だが、これまで生息調査が行われておらず、今年の捕獲数急増の理由ははっきりしていない。南伊豆町では、サルも猛威をふるっている。町内の有志6人で今年結成された「野生猿による被害防止の会」(鈴木光雄代表)によると、山間部の一条地区を中心にここ数年、夏から秋にかけて収穫直前のカボチャ、スイカなどの野菜や果物が壊滅的な被害を受けたほか、人家への侵入や屋根上で暴れて物を壊すなどの行動が目立つ。同会の調査によると、町内17地区の141戸で348件の被害が確認された。周辺に生息する複数の群れの仕業とみられており、二手に分かれて一方が人間を引きつける陽動作戦のような行動を取ることもあるという。同会は「このまま放置すれば農家が生産意欲を失い、高齢者が生きがいを失うほか、耕作放棄地の増加にもつながる」として、10月下旬から今月にかけ、町と県に抜本的対策を求める要望書を、それぞれ約1400人分の署名を添えて提出した。鈴木代表らは「従来の被害対策ではもう限界。安心して農業を続けられるように力を貸してほしい」と話している。下田市でも農業委員会(金崎洋一会長)が11月上旬、9月補正予算での上乗せ分も含め、すでに170万円を使い切った有害鳥獣被害対策事業の予算拡大などを市に要望。市は12月補正予算でさらに事業費を追加する予定で、13年度には市有害鳥獣被害対策連絡協議会を設置し、問題解決に本腰を入れる方針だ。
(イノシシ目撃相次ぐ:広島)
福山市中心部で22日未明から朝にかけ、イノシシの目撃情報が相次いだ。周囲は事業所が並ぶ一方で緑地も多く、市は近くに潜んでいる可能性があるとして捜索したが見つかっていない。市内では先月も出没情報があった。市によると、最初の目撃は午前3時50分ごろ、曙町3丁目のデイサービスセンター付近。体長は1メートルほどだったという。約15分後、約450メートル北西にある新聞販売所付近でも目撃された。約1・4キロ東の市緑化センター付近にも現れたという。午前7時半ごろ、曙町2丁目の畑近くにいるのを見た会社員足立周久(かねひさ)さん(41)は「餌を探しているように見えた。人を襲ったら大変」と不安がった。市は周辺の小中学校の下校時間に合わせ、12人が警戒。広報車を使って注意を促した。市内では先月29、30日にもイノシシの目撃情報が相次いだ。市は見掛けた場合、刺激せずに静かに見えない場所に避難するよう呼び掛けている。
(巨大おりでシカ農作物被害防止:岡山)
シカによる農作物などの被害を防ごうと、岡山県奈義町や勝英農協などでつくる町有害鳥獣被害防止対策協議会は、周囲約280メートルに及ぶ巨大捕獲おりを町内に設置した。町によると有害鳥獣の捕獲おりでは県内最大。12月から使用を始める。設置場所は何度も食害に遭っている同町中島東の牧草地(約35アール)。おりは上から見るとヒョウタンのような形で、鉄パイプを2メートル間隔で立て、高さ2・8メートルの鉄製の網を張り巡らせている。進入口6カ所のうち5カ所は、中に入ると出られない構造。もう1カ所は太陽光発電で蓄えた電気で動き、決められた時間に扉が閉まるタイプ。ヒョウタンのくびれに当たる部分近くには2列のカーテン式ネットを設け、入ったシカをおりの奥に追い込む。町と国の助成を受け、約270万円で設置した。同町のシカによる稲や苗木、牧草などの農林被害額は2011年度約1100万円で、09年度の約550万円に比べ倍増している。同対策協は「一度に何頭もの捕獲が期待できる。効果が実証されれば他の場所での導入も検討したい」としている。
(シカ衝突対策、列車あの手この手:長野)
県内各地でニホンジカによる農林業や高山植物への被害が深刻化する中、列車との衝突事故も増加傾向にある。運行各社は、列車の遅れなどの影響を最小限にとどめよう―と、あの手この手の衝突対策を講じている。JR東日本長野支社管内で2011年度に発生したシカとの衝突事故は、統計を取り始めた02年度の約3倍に当たる158件で、本年度も10月末までに約80件発生。県境の山あいを走る中央西線や飯田線を含むJR東海管内でも、05年度の271件から2011年度には512件と、倍近くに増えた。昨年度、100件の衝突事故があった小海線。JR東日本はこれまでに、小海―信濃川上(16・8キロ)や野辺山―小淵沢(23・4キロ)など事故多発区間の線路沿いに、延べ8・6キロにわたって高さ約2メートルの侵入防止柵を設置した。車両にも4年前から通称「シカ笛」を装着、走行中の風を利用しシカが嫌う音を出している。JR東海も、速度を時速40キロに落としたりシカが嫌う猛獣のふん尿をまいたりと、試行錯誤を繰り返してきた。「個体数が増えているせいか、なかなか事故が減らない。踏切など柵のない所から侵入していると思われるが、線路全てに柵を設けるのは難しい」と、JR東日本長野支社小海線営業所の栗原慎一工務科長(51)。沿線の柵設置範囲を毎年拡大しているものの、実効性ある対策が見いだせずに頭を悩ませている。
(シカとの衝突、ここで発生:北海道)
浦河署は20日、管内3町(浦河、様似、えりも)で起きたエゾシカと車の衝突事故の発生場所を示した「鹿事故マップ」を初めて作成し、ホームページ(HP)で公開を始めた。18日現在、今年管内で発生した交通事故420件のうちシカの事故が44件であることから注意を促す狙い。44件のうち国道は28件、道道は12件、町道は4件で、道路脇から飛び出してきたシカとの衝突が9割以上を占める。昨年1年間のシカの事故は46件。マップでは国道のみを表示し、28件の発生場所を赤い点で記した。特に浦河町と十勝管内広尾町を結ぶ国道236号(天馬街道)で多発しており、事故が重なった地点は多発場所として印を付けた。同署はマップの活用を呼び掛けるとともに、「夜間はヘッドライトを遠目にして視界を確保し、1頭を避けても群れでいると意識してほしい」などと求めている。マップは定期的に更新する。
(ヒグマとの衝突事故地点を公開:北海道)
道警釧路方面本部は、ヒグマと車の衝突事故が発生した地点を示した地図を今年も作成し、ホームページ(HP)で公開している。事故は21日までに前年より1件多い7件。年間千件近いエゾシカとの衝突事故と比べると少ないが、釧本は「特に夜間は、クマはエゾシカより見えづらい」とスピードダウンを呼び掛けている。昨年10月には中札内村の道道で、クマを避けようとした車が路外に転落して助手席の女性が死亡する重大事故があった。今年は厚岸町で2件、釧路市、標茶、標津、広尾、音更の5市町で各1件発生。山間部だけでなく、平野部の国道でも発生している。いずれもけが人はなかったが、今年は11月になっても事故が起きていることなどから、マップを更新してあらためて注意を促すことにした。NPO法人南知床・ヒグマ情報センター(標津町)によると、ヒグマの活動は道東では12月中旬ごろまで続くという。同センターの藤本靖理事長は「車にはねられたヒグマが人を襲った例はないが、車を降りて近づくのは危険も予想されるのでやめてほしい」と話している。
(農作物をサルから守れ:京都)
深刻化するニホンザルによる農作物の被害に対応するため、福知山市三和町の川合地域環境保全活動協議会(土佐祐司会長)は25日、加用と台頭地区の畑2カ所に、防護柵を設置した。京都府「命の里事業」の防護柵モデル設備を地区内4カ所に設置することにしたもので、住民らは効果に期待を寄せている。川合地域は、以前からイノシシの被害に悩まされてきたが、8年前に金網柵を張り巡らせたことにより、被害は減少してきた。しかし、ここ数年はニホンザルの群れが畑を荒らすようになった。このため協議会では、サルを追い払うためのロケット花火を自治会に配布したり、サルの行動調査などをしてきた。今回さらに対策を講じることにした。これまでに、川合小学校近くの畑で、ワイヤメッシュ(金網)と電気柵を組み合わせた設備が完成済みで、25日には加用と台頭地区でも設置作業をした。加用地区のものは、通電網を使用した設備で、土佐会長(58)のほか、府農林センターの芝原淳さん(32)ら8人が取り付けに参加。約1・4アールの畑で、支柱を土に刺したり、高さ2メートルの網を畑の周囲に張るなどした。畑の所有者の西山寧是さん(72)は「以前から一般的な網を張って対策に取り組んでいたが、サルはそれを簡単に登って、畑を荒らしていた。今回の設備には、期待しています」と話していた。今後は、他の1カ所にもモデル設備を設置。それぞれを住民たちに見せて対策の参考にしてもらうとともに、要請があれば資材代の補助も含め、援助を検討することにしている。
(カラス知り、被害対策:栃木)
市民を対象とする「カラスシンポジウム」が十七日、宇都宮市で開かれ、群れの中で上位の雄が下位の雄に羽繕いをすることで、近くにいる雌に自分の「優しさ」をアピールしている可能性があることなど興味深い生態が紹介された。カラスの生態を研究している宇都宮大農学部の杉田昭栄教授らが企画し、約百人が参加。杉田氏は「対策に困っている農家の方々などに、いろいろな角度から知ってほしい」と呼び掛けた。慶応大社会学研究科の伊沢栄一特任准教授(動物心理学)らの講演では、鳴き声で仲間を認識したり、他のカラスの行動を見て餌の取り方を学んだりする能力があることが報告された。樋口広芳東大名誉教授は硬いクルミを車道に置き、車を利用して割るカラスの写真を紹介。愛らしい姿に会場から笑いが起きた。会場では、農作物の被害対策や、カラスが媒介する感染症への対策などを説明するポスターなども展示された。
(ジビエ普及なるか?野生鳥獣「食べたい」7割:長野)
イノシシやシカなどの野生鳥獣を材料にした料理全般について、「機会があったら食べたい」と答えた人が約7割に上る一方で、フランスの「ジビエ料理」を知っている人は約半数にとどまることが、長野県松本市のNPO法人「SCOP(スコップ)」のアンケートで分かった。県などは「信州ジビエ研究会」で普及を目指しているが、知名度アップが課題となる結果となった。地域活性化の調査研究を行う同NPOが10月5~22日にインターネットを通じ、全国の男女571人を対象に実施した。調査結果によると、「野生鳥獣の肉を食べたことがある」と答えたのは72・3%で、「とてもおいしい」「ややおいしい」との回答が73・9%に上った。「野生鳥獣の料理を食べる機会があれば食べたい」と答えた人も69・3%。消費者が関心を持ち、味の評価もおおむね高評価だった。鳥獣料理のイメージでは、イノシシ鍋などの「日本の郷土料理」と答えた人が74・2%で最も多く、ジビエの本場の「フランス料理」が8・5%、「フランス以外の外国の料理」が4・9%にとどまり、郷土料理のイメージが先行していた。ジビエ料理を「知っている」と答えた人は51・3%にとどまり、「野生鳥獣を食べる文化を知っている」の89・5%を大きく下回った。ジビエ料理には「高級感」「珍しさ」「おいしい」といったプラスのイメージが持たれていた。同NPOでは「野生鳥獣には一定以上の市場性がある。ジビエ料理はフランス料理としての好印象を市場に浸透させることが必要」と分析している。
(自然環境のあり方考えよう、有害鳥獣研究会が集い:京都)
シカ、サル、イノシシなど野生動物による農業被害問題について研究する京都府有害鳥獣問題研究会は24日、京都市上京区の府職員福利厚生センターで「京都の有害鳥獣問題を考える集い」を開きました。舞鶴市農業委員会の関本長三郎・有害鳥獣対策委員長、松田茅里・美山町漁業共同組合長、北山の自然と文化を守る会の主原憲司幹事、京都府勤労者山岳連盟の中村好夫事務局長らが、それぞれ鳥獣害問題についての研究や体験などを報告しました。関本氏は、舞鶴市内でのサルによる農作物被害が増加している状況を解説し、「駆除についてはさまざまな議論はあるが、農家から数を減らして欲しいという声は増えている。研究会で実態を調査し、広く問題提起していきたい」と述べました。松田氏は、ほ場整備によって起こった土砂の流出など環境変化の状況やカワウの増加で放流した鮎が食べられるなど、美山町の自然環境の変化について報告。主原氏は、地球温暖化により、ナラ枯れなどの要因になる昆虫の北上など劇的な生態系変化が起こっていることを解説し、「ツキノワグマの生態系が脅かされている。有害鳥獣というが、シカやイノシシと、ツキノワグマを同列に扱うべきではない」と語りました。参加者や研究者から「なんでも駆除すれば良いというものではない。農村を守り共存できる方法を探るのが大事」「動物が人間の環境になぜ入ってくるようになったのか。自然や人間の住環境変化をもっと調査すべき」などの意見や議論が行われました。
(女子ハンターが活躍、獣害対策に奔走:東京)
滋賀県の日野町猟友会で、全国でも数少ない20代の女性ハンターが獣害対策に紅一点で活躍している。シカやイノシシによる農作物被害が深刻化する中、若手ハンターの確保は全国的な課題で、「狩猟を同世代に身近にしたい」と話している。齊田(さいだ)由紀子さん(29)=日野町松尾。同町有害鳥獣被害対策協議会の職員として町役場内で働く一方、休日は猟友会員として銃を手に狩猟や有害鳥獣捕獲で野山に入り、農作物を荒らすシカやイノシシを撃つ。「自分が猟をするなんて考えもしなかった」と話す。アパレル店やパン屋で働いてきたが、2009年、対策協議会の求人に応募し職員に。事務仕事と思っていたら、3日目には捕獲したシカの解体を手伝わされた。夕食がのどを通らず辞めようと思ったが「何でも楽しめる性格なので」(齊田さん)思い直した。協議会には、獣害防止柵にかかったり、交通事故に遭ったシカやイノシシを絶命させる要請が農家から入る。齊田さんも業務を担うため、09年にわな、昨年8月に銃の狩猟免許を取り、有害捕獲や猟に出るようになった。県内ではハンターの高齢化が進み、20代は男性を入れても1%未満。齊田さんのように銃で猟をする女性は全国でもまれで、他県から講演の依頼が入る。日野町猟友会の吉澤郁一会長(53)は「若い人が入ると雰囲気が違う」と歓迎する。ハンターは野生生物に精通し、獲物も命に感謝して大切に食べるが、市民には実情が知られておらず誤解も多い。町猟友会はシカ肉の飲食店での有効活用にも取り組んでおり、齊田さんは「インターネットのフェイスブックでも情報発信して、狩猟に興味を持つ人を増やしていきたい」と話す。
(クマとの共生考えるサミット:クマ)
人里へのツキノワグマの出没が全国的に多発している問題で、クマと人間の共生の可能性を探る「クマサミット」が、美作市で開かれ、参加者はクマの生態などについて学んだ。県内でクマの出没件数が最も多い同市と近隣市町村で作る実行委員会が昨年に次いで開催。全国から約20の自治体や猟友会、地元住民など約200人が参加、専門家らが講演した。島根県西部農林振興センターの大谷浩章氏は「クマの生態など正しい知識を持って住民と行政が歩み寄ることが大切」と力説。長野県の野生動物写真家、宮崎学氏は「クマは雑食動物。木の実だけでなく、シカの死骸など相当量の肉を食べているはず。凍結防止剤の塩化カルシウムはシカの栄養食。シカが増えればクマも増える。倒木したままの腐敗した木には幼虫やアリが寄生する。人間が無意識に餌付けをしているようなものだ」と警告した。パネルディスカッションでは講師を務めた専門家と安東美孝市長らが野生動物との共存などを議論。「住民の安全を第一にどこまでクマが減少すれば保護で、どこまで増加すれば捕獲かの基礎データを早急に作るべきだ」などと結んだ。
(シカ肉でジャーキー試作:北海道)
陸別産シカ肉を活用した風味豊かなジャーキーの試作品づくりが、町農畜産物加工研修センターで盛んに行われている。陸別ブランド製品の創出の一環として、製品化を目指している。周囲を森に囲まれた同町では、増え続けるエゾシカに頭を悩ませており、肉の有効活用も課題だ。ただ、すでにシカ肉製品は数多くあり、新たな製品はいかに差別化を打ち出すかが鍵を握る。同町地域ブランド開発推進員の秋庭智也さんは「陸別産シカ肉に、風味をつけるための調味料も池田産赤ワインやオホーツク産天然塩を使うなど工夫している」という。シカ肉本来のうまみを引き出し、固さを取るためには慎重な作業工程が不可欠。肉を下処理し、風味を加え、桜のチップで薫煙し香りを加える。包装までには3日間かかる。同センターの黒田しのぶ主任は「現在はさまざまな風味を試作しており、来年には製品化したい」としている。
(シカ肉カレー販売:長野)
下伊那郡根羽村産のシカ肉を使ったカレーライスが、信大農学部(上伊那郡南箕輪村)の生協食堂のメニューに加わった。里山や遊休農地の活用に向け、村と同学部が2011年3月に結んだ連携協定の一環で、19~22日に提供する。村側はシカ肉の新たな活用策として期待。大学側も、生協食堂でカレーを販売する機会を今後も設けていく予定だ。カレーのルーは、1センチ角のシカ肉や玉ネギ、トマトを赤ワインと一緒に煮込んであり、あっさりとした味が特徴だ。生協食堂では1食350円。4日間で計100食の販売を予定している。初日は用意した約30食が30分ほどで完売。最初に注文した同学部4年の黒米(くろごめ)雄次さん(22)は「肉は軟らかく、臭みはなかった。食材として広がってほしい」と話した。村複合観光施設「ネバーランド」のレストランでもシカ肉のカレーライスを販売している。料理長の〓(森の木が十、下に木)原(くわはら)幸一郎さん(44)が今月2日に生協食堂を訪れて試食会を開き、作り方の指導もした。販売初日に同食堂を訪れた〓(森の木が十、下に木)原さんは「学生たちが喜んで食べてくれた」と笑顔を見せた。連携協定に基づき、同学部はシカの捕獲方法を研究。人工芝を使ってシカをおびき寄せる方法などに取り組んでいる。研究を担う竹田謙一准教授(41)は「シカ肉を通じて食害などにも関心を寄せてほしい」と話していた。
(“シカ”カレー発売:滋賀)
カレー店「CoCo壱番屋」を県内で運営する長浜市南高田町の「アドバンス」は二十日から、県内の十店舗でシカ肉を使ったカレーを売り出す。地元猟友会からシカのもも肉を購入し、新メニューを考案。消費拡大を図ることで、増えすぎたシカ駆除の推進の一助とする。同社は二年前、「近江日野産シカカレー」を発売。現在は計四店舗で「元祖シカカレー」(八百八十円)、鹿カツカレー(同)の二種類を販売している。これまでに、鹿もも肉計二千三百二十六キログラム(約四百頭分)を猟友会から購入した。今回はさらにシカ肉の消費に貢献しようと、新メニューとして「鹿肉の竜田揚げカレー」「鹿肉のクリームシチューカレー」を考案した。これらの「シカカレー」を提供する店も全十店舗に拡大。新メニューの開発着手から販売まで半年がかりで、シカ肉特有のにおいをワインやタマネギなどで消したほか、軟らかい食感になるよう調理方法にも工夫した。
(鹿肉首都圏へ、外食チェーンが本格導入:大分)
外食チェーンの「きちり」(東京)の平川昌紀社長が21日、中津市耶馬渓町のイノシシや鹿肉の処理場「ちょろく」を視察し、系列の食堂「天雲龍」(大江龍馬社長)で「猪お茶しゃぶ」やシシ刺しを試食した。平川社長は「おいしい。臭みもなく肉も軟らかい」と絶賛。12月から本県産の仕入れを3倍にし、女性向けのメニューも新たに作るという。本県は11年度にイノシシ2万1000頭、シカ2万8000頭を駆除、野生の鳥獣肉のジビエ料理もPRし始めたが、緒についたばかり。広瀬勝貞知事が10月、平川社長に会って本格導入を依頼していた。
(イノシシ肉、販路拡大へ取り組み:栃木)
八溝山系で捕獲されたイノシシを購入、加工して「八溝ししまる」ブランドで販売する町は、原発事故による風評被害を挽回しようと、販路拡大に取り組んでいる。イベント参加や飲食店訪問などで県内外の取引先を拡大。宇都宮市のイタリア料理店では今月から4カ月間のフェアが開催されてもおり、町は「長期フェアは初めて。風評被害をバネにブランド定着を図りたい」と期待している。町は農作物被害の減少とイノシシ肉の特産化を図ろうと、2009年4月に加工施設を開設。初年度は137頭搬入で、約140万円の赤字だったが、10年度は202頭で2千円の黒字となった。しかし11年度は、イノシシ肉から100ベクレルを超える放射性セシウムが検出。町は同年10月から全頭検査を実施していたが、同年12月2日に国が出荷停止を指示(同5日解除)したこともあり、風評被害で販売は低迷。180頭搬入でも、348万円の赤字となった。100ベクレル超のイノシシは11年度が81頭、本年度は現在、135頭搬入のうち12頭。これらは全頭廃棄され、安全基準に適合した肉しか流通しないが、これまでに風評被害の影響で購入を止めた地元の旅館や飲食店も出ている。宇都宮市のミラノ食堂では「八溝ししまる」フェアを実施中。ミートソーススパゲティやステーキ、赤ワイン煮など6品をメニューにした。27日には「八溝ししまる」をメーン料理とした「フラメンコの夕べ」も開く。

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(解禁初日、誤射で事故:群馬)
県内の狩猟が15日、一斉に解禁された。県自然環境課によると、確認された入猟者は543人(15日正午現在)。県警や猟友会などの計300人が検問やパトロールし、安全の徹底を呼びかけたが、下仁田町の山林で猟をしていた防衛省職員(53)が同日、ライフル銃で自分の左足親指の付け根部分を誤射し重傷を負う事故があった。狩猟期間は来年2月15日まで。イノシシ、ニホンジカは銃猟、網猟が同28日、わな猟は3月15日まで延長された。ツキノワグマは今年度、有害捕獲数が適正管理計画の捕獲上限頭数(117頭)を大幅に上回る280頭がすでに捕獲されているため自粛を要請した。
(狩猟中クマに突然襲われ大けが:山梨)
身延町で狩猟をしていた男性が突然クマに襲われ大けがをした。南部警察署によると16日午前10時ごろ身延町岩欠の山中で、町内に住む堀田稔彦さん(65)がイノシシの狩猟中突然クマに襲われた。堀田さんは仲間7人とイノシシやシカの猟をしていたが、襲われた時は1人だったという。クマは堀田さんにのしかかり顔や頭をかんだということで、堀田さんは全治2カ月の重傷。警察の聞き取りに対し堀田さんは「クマは120キロくらいで突然襲われたため猟銃などで防御出来なかった」と話しているという。一方、身延町は防災無線などでクマに注意するよう呼び掛けている。
(猟の男性がクマに襲われてけが:群馬)
18日午前、群馬県みなかみ町の山林で、猟に訪れた埼玉県の男性がクマに襲われて足に軽いけがをし、警察などが周辺をパトロールしてクマに注意するよう呼びかけています。18日午前9時半ごろ、群馬県みなかみ町の山林で、猟に訪れていた埼玉県の60歳の男性がクマと遭遇し、逃げようとしたところ右足のふくらはぎをかまれて軽いけがをしました。警察によりますと、クマは体長が1メートルくらいで、男性は警察に通報したあと自力で帰宅したということです。現場は、みなかみ町の資源リサイクルセンターから南に500メートルほど入った山林で、警察は地元の猟友会とともにパトロールを行い、猟などで山に入る際はクマに注意するよう呼びかけています。
(クマ被害相次ぎ3人重軽傷)
山形と青森、群馬の各県で18日、キノコ採取などで山林に入った人が相次ぎクマに襲われ、3人が重軽傷を負った。山形県警鶴岡署によると、午前10時ごろ、同県鶴岡市の雑木林で、同市田代の会社員、菅原茂春さん(58)がキノコ採りから戻る途中、クマ2頭を目撃。このうち体長約1.2メートルの親グマとみられる1頭に襲われ、顔や頭に重傷を負った。2頭は山中に去ったという。このほか各県警によると、青森県新郷村の山中でキノコ採りをしていた同県八戸市の男性(63)がクマに襲われ、顔を引っかかれるなどして軽いけがをした。群馬県みなかみ町の山林では、狩猟をしていた埼玉県の建築業の男性(60)がクマに右脚をかまれ、軽いけがをした。
(ハンター激減、原発影響で獲物食べられず:福島)
東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県内で狩猟離れが深刻化している。野生動物から規制値を超える放射性物質が検出され、捕獲しても食べることができないためだ。野生動物による農作物被害は年間1億円以上に上り、県はイノシシ1頭につき5000円の奨励金を導入するなど、ハンターの確保に乗り出した。11月からの狩猟解禁を前に、県は9種類33個体の野生動物を捕獲し、放射性物質の検査を行った。このうちイノシシとツキノワグマ、ヤマドリの計14個体で、食肉の国の規制値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超えた。県はこれらの動物について出荷を制限し、自家消費も控えるように指導。捕獲しても焼却や土に埋めて処分するしかない。県自然保護課によると、10月末時点の狩猟者登録は3239人。原発事故前の2010年度は4779人が登録しており、2年間で3割以上減った。登録料や猟銃の更新手続きなどで年間2万~5万円かかるといい、県猟友会福島支部の佐久間貞二支部長は「食べられなければ、狩猟の意味がないと考える人が多いのではないか。狩猟技術が途絶えてしまう」と危惧する。
(原発事故でイノシシ急増か:福島)
東京電力福島第1原発事故の影響で、多くの住民が避難を余儀なくされた福島県内では昨年度、狩猟人口が大きく減少、農地を荒らすイノシシなどの急増が懸念されている。野生動物は体内に放射性セシウムを多く取り込んでいることから、捕獲しても食肉として出荷することもできず、事実上、打つ手がない状況だ。県の狩猟登録者数は、高齢化などを背景に毎年200人程度減少する傾向にあったが、事故を受け昨年度は1451人も減り3328人となった。狩猟によるイノシシの捕獲数も昨年度は1938匹と、前年度から約1000匹も減少。一方、毎年1億〜2億円で推移していた野生動物による農業被害は、避難指示区域などで営農できなかった昨年度も約1億1000万円に上った。県猟友会の佐藤仁志事務局長は、登録者が大幅減となったことについて、「捕っても放射性物質の影響で食べられないと思ったり、放射線を警戒して山に入りたくなかったりする人が多い」と説明。避難指示区域内に居住していた約500人の登録者の8割以上が、仮設住宅では猟銃を保管できないなどの理由から「引退」を余儀なくされたことも響いたという。実際、県が昨年度、イノシシのセシウム検査をしたところ、6割以上が当時の国の暫定基準値(1キロ500ベクレル)を超えた。今年度は新規制値(同100ベクレル)が適用され、食べたり出荷したりするのはさらに難しくなっている。狩猟は15日から解禁。県自然保護課は今年度からイノシシ1匹につき5000円の補助金を出す制度を創設し、「個体数調整のためにも狩猟者を確保したい」としているが、狩猟登録者数は「昨年並み」にとどまる見通し。奥羽大(福島県郡山市)の伊原禎雄講師(生態学)は「イノシシは生まれてから2年で出産できる。今何とかしないと、爆発的に増える可能性がある」と指摘している。
(生後10カ月のツキノワグマ捕獲:神奈川)
17日午前9時ごろ、南足柄市千津島のイチジク畑でツキノワグマが捕獲用の檻(おり)に入っているのが見つかった。県によると、今年のクマの捕獲は7頭目。南足柄市では初めてという。1歳未満のオスで、体長約85センチ、体重13キロ。1週間ほど前から近隣の農家の住宅裏などで目撃情報が相次いだため、檻を置いていた。現地は丹沢から離れており、県西地域県政総合センターによると南足柄市内にクマはいないとされていた。母グマの目撃はない。
(ニホンザル捕獲、半年の騒動決着へ:群馬)
館林市内で15日朝、ニホンザル1頭が捕獲された。同市と隣接する邑楽郡内で今年4月から民家や畑などで目撃されていたサルと同一とみられ、半年続いたサル騒動は決着しそうだ。市地球環境課によると、今月4日ごろから同市多々良地区や渡瀬地区などでほぼ毎日、目撃され、同市が学校などに注意を呼びかけていた。同市岡野町の民家庭先に、クリなどの食べ物を置いた捕獲オリを仕掛けていたところ捕まった。サルは今年4月中旬から隣の千代田町や明和町で目撃されるようになり、明和町では畑のジャガイモやトウモロコシなどが被害を受けた。夏から秋にかけても邑楽町や大泉町など邑楽郡全域で目撃された。近年にサルがすみ着いた例はなく、各町ではオリを置いて捕獲作戦を展開していたが、逃げ延びていた。千代田町の担当職員は「同じサルだと思う。今回は大型のオリで捕獲が成功したのかも。捕まって良かった」と話していた。
(体重150キロの巨大イノシシ退治:栃木)
矢板市上伊佐野の山中で体重約150キロ、体長1.8メートルという超大物の雄のイノシシが仕留められた。地元の「高原大物猟クラブ」(木村実代表)のメンバー9人が狩猟解禁の15日、イノシシを発見。猟犬に囲まれてやぶから飛び出したところを銃で仕留めた。30年近く猟を続ける木村代表も「これほどの大物は初めて」。矢板市周辺ではイノシシが増え、畑などを荒らす被害が相次いでおり、メンバーは「これで少しは被害が減らせる」と話した。
(キジ17羽が巣立ち:大分)
大分キヤノンは14日、大分市の大分事業所で地元の小学生と一緒に放鳥をするイベントを開いた。丹生小学校5年生33人が参加。敷地内にある「キヤノンの森」で、従業員が卵をかえして育てたキジ17羽を森に向けて放した。段ボール箱から羽ばたく姿に児童らは歓声を上げ、「元気に大きくなってほしい」と話していた。児童らは大分キヤノンで生産し世界に出荷しているデジタルカメラの仕組みについての説明も受け、カメラが組み立てられている生産現場を見学。自然との調和を掲げて、オオイタサンショウウオの生息池を設けたり、生産工程で出る排水を100%再利用していることなど工場の取り組みも聞いた。
(野生動物、市街地に出没急増:広島)
広島市の市街地でサルやイノシシの出没が相次いでいる。中心部に近い東、南、西の3区で2011年度に捕獲された有害鳥獣は計194匹。5年間で2・5倍に増えた。里山の荒廃や団地開発を背景に、餌を求めて街に下りてくる野生動物。各地で駆除や自衛策に取り組むが、有効な手だては見いだせない。市役所の南東約3・8キロ。南区の黄金山一帯で大小2匹のサルの目撃情報が相次ぐ。「ここのは食うとらんね」。黄金山第2町内会の大原三千男会長(67)は、山頂付近に設けられた調査用の籠をのぞき込んだ。中にはドングリを入れている。サルが出没し始めたのは昨年春。麓の比治山女子中・高の校内に侵入したり、黄金山小の菜園のトマトやキュウリを食い荒らしたり。安芸区の山中の群れから離れたとみられている。南区は地元3町内会の要望を受け、ことし6月に捕獲おりを設置。10月末には移動ルートなどを探る調査に乗り出した。同月にはJR広島駅(南区)付近や、東区戸坂地区でも小さいサルが目撃された。黄金山のサルと同一かどうかは不明だ。市内で捕獲された有害鳥獣は11年度、2559匹。07年度の2・1倍に上った。半数はイノシシ、3割強はシカだ。うち東、南、西の3区は計194匹。全体の7・6%ながら07年度の2・5倍になった。中区での捕獲実績はない。市安佐動物公園(安佐北区)前園長で、市農林水産振興センターの大丸秀士常務理事(60)は「山際の下草を刈って見通しを良くしたり、ごみ出し場に囲いを設けたりするなど地域ぐるみで鳥獣を近付けないことを意識してほしい」と話す。
(カラス急増、被害続々:青森)
八戸市中心街近くにある長者山で、昨冬に続いてカラスの群れが目立つようになった。渡り鳥のミヤマガラスが近年、この辺りをねぐらにし始め、個体数が急増したことが指摘されており、昨冬はふんや騒音の被害が相次いだ。市は17日、八戸野鳥の会(向山満会長)と共同で初めての個体数調査に着手。今後も監視を続けながら、対策を練る構えだ。八戸野鳥の会によると、ミヤマガラスは集団行動をするのが特徴。冬になるとユーラシア大陸から朝鮮半島を経由し、九州地方で越冬するのが通例だったが、10年ほど前からは東北地方でも飛来が確認されるようになった。市内でも、これまでは是川地区周辺に飛来していたが、近年、ハシブトガラスやハシボソガラスが普段ねぐらとしている長者山に集まったことで、同所の個体数が膨れ上がった。また、長者山の〝容量〟が満杯となった影響からか、中心街や吹上など周辺地区の電線などに、あぶれたとみられるカラスが一晩中居座るように。市環境政策課には今年1月、同市長者、吹上、新井田地区の住民らから「カラスのふんがひどい」「夜中も鳴き続けてうるさい」などの苦情や問い合わせが寄せられていた。17日は向山会長ら会員14人が中心街周辺に繰り出し、約2時間にわたって長者山方面へ向かうカラスの数を計測。合わせて5千羽近くの生息を確認した。来年1月には動画を撮影、種別ごとの個体数を推計した上で、有効策を探る。被害に遭った地区では、カラスを居着かせないため、住民がライトの光を当てたり、着地場所にテグスを張ったりしているが、“対症療法”にとどまるのが実情だ。一方、カラスに詳しい同会の麦沢勉さん(56)は「ミヤマガラスは主に落ち穂などを食べ、ごみあさりや人へのいたずらはしない。群れを怖いと思うかもしれないが、むやみに虐げないで」と訴える。さらに「ねぐらに適した場所は、市内にもいろいろある。何とか早く移ってほしい」と話した。
(クマ被害防止探る:岡山)
ツキノワグマの生態を探り、被害の防止策を考えようと、美作文化センター(同市湯郷)で16日、第2回クマサミットが開かれた。全国の自治体や自然保護団体などから約200人(主催者発表)が参加。美作で進められている生態調査の中間報告などがあった。美作市など県内外の15市町村の首長でつくる実行委員会が主催。生態調査は美作市が野生動物写真家の宮崎学さんに委託しており、美作市北部の勝田、大原、東粟倉地区の山間部で調査している。宮崎さんによると、8月下旬から10カ所に無人のデジタルカメラを設置。カメラは動物を感知すると自動で撮影する赤外線センサーを備え、これまでに撮影した約2千枚の写真を分析したところ、大原の滝山、勝田の東谷の2カ所でツキノワグマが写っていたという。宮崎さんは「ツキノワグマは増えていると考えている」としたうえで、市の委託調査が終わる来年4月以降も独自に調査し、生態を明らかにしたいと述べた。
(カラスシンポジウム開催:栃木)
市民を対象とする「カラスシンポジウム」が17日、宇都宮市で開かれ、群れの中で上位の雄が下位の雄に羽繕いをすることで、近くにいる雌に自分の「優しさ」をアピールしている可能性があることなど興味深い生態が紹介された。カラスの生態を研究している宇都宮大農学部の杉田昭栄教授らが企画し、約100人が参加。杉田氏は「対策に困っている農家の方々などに、いろいろな角度から知ってほしい」と呼び掛けた。慶応大社会学研究科の伊沢栄一特任准教授(動物心理学)らの講演では、鳴き声で仲間を認識したり、他のカラスの行動を見て餌の取り方を学んだりする能力があることが報告された。樋口広芳東大名誉教授は硬いクルミを車道に置き、車を利用して割るカラスの写真を紹介。愛らしい姿に会場から笑いが起きた。会場では、農作物の被害対策や、カラスが媒介する感染症への対策などを説明するポスターなども展示された。
(上司に叱られ拳銃取り出す:東京)
上司に叱られたことに立腹し、携帯していた拳銃を警察署内で取り出したとして、警視庁は16日、葛飾署地域課の男性巡査長(31)を戒告処分にしたと発表した。また、この問題を同庁警務部に報告しなかったとして、当時の葛飾署長(56)を警務部長注意とした。巡査長は「銃を抜くことで、積もり積もった怒りを知ってほしかった」と話しているという。同庁によると、巡査長は昨年11月27日午前7時45分ごろ、同署のエレベーターホールで、携帯していた実弾入りの拳銃を正当な理由がないのに取り出した。巡査長は宿直勤務を終え、同署地域課に戻ったところ、上司の男性警部補(59)から、勤務内容を勝手に変えたことを注意され、ふてくされた様子で立ち去った。その後、ホールで「ぶっ殺す」などと言い、拳銃を取り出し数秒間床に向けたが、近くにいた別の上司に一喝され、すぐに戻したという。警視庁の池田克史警務部参事官の話 拳銃取り扱いの基本を逸脱しており、厳正に処分した。
(砲撃訓練による枯れ草火災多発:山梨)
北富士演習場(富士吉田市、山中湖村)で行われている米海兵隊による実弾射撃訓練(沖縄県道104号越え訓練)で、砲撃訓練による枯れ草火災が14日夕から15日にかけて演習場内で相次いだ。りゅう弾砲の着弾時に出火したとみられる。けが人はいない。南関東防衛局によると、14日午後4時45分ごろ、155ミリりゅう弾砲4門を使って砲撃中に出火。演習場内の枯れ草を約1ヘクタール(南北200メートル、東西50メートル)を焼き、翌15日午前7時半ごろ鎮火が確認された。さらに15日午後0時半ごろにもりゅう弾砲の射撃中、14日の火災から南西に約300メートル離れた地点で出火。陸自ヘリと県消防防災ヘリが上空から散水したが鎮火せず日没を迎えた。陸自隊員約200人が周囲の草を刈るなど延焼を防いでいる。米海兵隊は訓練を中断している。北富士演習場での米海兵隊訓練は、沖縄からの訓練本土移転の一環で97年に始まり、今回で11回目。同局によると、ここ5年間は火災の発生はなかったという。訓練は10〜21日の日程(2日間は予備日)。

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