<射撃ニュース4月>

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(捕獲水増し防止、県が尾の提出を義務付け:滋賀)
大津市や東近江市などで判明したシカの駆除事業を巡る捕獲数水増し問題を受け、県鳥獣対策室は今年度から、同事業を実施する全ての市町で捕獲者にシカの尾の提出を義務付けることに決めた。シカと捕獲者を一緒に撮影した写真の提出も求める。県は各市町のシカ駆除事業に対し、雄1頭当たり1万円、雌1頭では1万4000円を補助。各自治体はこの補助金に数千円上乗せして駆除委託料を支払っている。県は昨年度まで、捕獲したシカに自治体ごとの識別番号を記して撮った写真の提出を義務付けていたが、昨年秋に大津市で捕獲数水増し疑惑が浮上。猟友会員2人が2月に詐欺容疑で書類送検された。このため今月からは、根元から切り取った尾の実物と、尾を切られたシカと捕獲者を1枚に収めた写真を提出させることにした。同対策室によると、3月末に県庁で全市町対象の説明会を実施。11年度は12市町がシカ駆除事業を行い、そのうち大津、高島、長浜の3市は既に尾の提出を義務付けている。一方、東近江市など、ごみ焼却施設建設時の地元との協定で動物の遺体を焼けない自治体もあり、現在県と個別に対応を協議している。
(シカをよけようと車同士が衝突、2人死亡:北海道)
13日夜、北海道・根室市の国道で、乗用車と軽乗用車が衝突する事故があり、軽乗用車の男女2人が死亡した。根室市の国道44号で13日午後10時50分過ぎ、東京都の19歳の男子大学生が運転する乗用車が対向車線にはみ出し、前からきた軽乗用車と衝突した。この事故で、軽乗用車に乗っていた男女2人が死亡、男子大学生が軽いケガをした。現場は片側1車線の直線道路で、男子大学生は「シカをよけようとした」と話しているという。警察は、死亡したのは根室管内に住む60歳代の夫婦とみて身元の確認を急ぐとともに、詳しい事故の原因を調べている。
(キジ・クジャク66羽を駆除:沖縄)
石垣市(中山義隆市長)と沖縄県猟友会八重山支部(多良間恵次支部長)は8日、万勢岳周辺などでキジ・クジャクの一斉駆除を実施。キジ39羽、クジャク27羽の計66羽を駆除した。一斉防除は、昨年10月2日に初めて実施して以来2度目。前回はキジ47羽、クジャク17羽の計64羽を駆除している。一斉駆除は、キジ・クジャクの生息数を効果的に減らし、農産物への被害軽減や生態系保護を図る目的がある。駆除には同支部の会員39人が参加。午前7時から午後1時まで、万勢岳周辺などで銃器を使い、駆除活動を行った。今後の一斉防除は、今年6月と8月に予定している。
(害獣減へ「見通し良好」:兵庫)
イノシシによる農作物被害が相次ぐ洲本市五色町広石中地区の里山で、県が、山裾の樹木を帯状に伐採した緩衝帯「バッファーゾーン」を整備した。森林と農地の間に「見通しのいい場所」を設けることで、野生動物の“下山”を阻止して被害を防ぐ。県民緑税を活用した事業の一環で、淡路島内では初の試みだ。同地区では約10年前から、イノシシが山裾の農作物を食べたり、田や畑を荒らす被害が出始めた。4、5年前から頭数が増えて人里に下りてくるようになり、被害が増加。住民らは、田畑の周囲に電気柵を設置するなどして自衛している。そのため、県は約15ヘクタールに同ゾーンを整備。県民緑税を活用し、約2300万円かけて雑木の伐採や枝打ちなどを行った。イノシシなどは姿をさらすのを嫌がる習性があり、同ゾーンを設けて見通しを良くすることで被害防止を図れるという。今後は住民らが管理することになり、同地区の市農業委員澁谷昇さん(64)は「うっそうとしていた山が明るくなり、目撃頭数も減った。皆で協力して金網を張るなどし、完全に人里に下りて来られないようにしたい」と話していた。県洲本農林水産振興事務所の柴原隆・森林林業課課長は「繁殖力が強いイノシシやシカによる被害は、全島で広がっている。今回の整備をきっかけに、『山の手入れ』の大切さを啓発したい」と話す。今月8日には、地元住民ら約60人が完成を記念して「広石森のウオーク」を開催。同ゾーン内にある約1キロの遊歩道を歩き、「山の中に日が差して、ずいぶん明るくなった」などと実感していた。
(シカ?北ア山麓で果樹食害:長野)
松本市梓川地区の北アルプス山麓の果樹園でことし2~3月、リンゴなどの果樹100本以上の樹皮や新芽が、ニホンジカとみられる動物に食べられる被害があったことが13日、分かった。地元猟友会や専門家によると、北ア周辺では長く生息しないとみられていたシカの分布が拡大したもようで、今後の農業被害増を懸念している。被害に遭ったのは同市梓川上野、花見(けみ)地区の山際のリンゴや洋ナシの畑。若木を中心に、高さ1・3メートル程度より下の部分で、樹皮はかじられたように、新芽はかみちぎられたように無くなっている。リンゴ畑50アールを所有する市農業委員の山田忠良さん(68)は2月下旬に畑の一部で被害を発見。地元猟友会員が付近に大量にあるふんなどを見て「シカの仕業だ」と伝えたという。花見地区では住民が2月上旬から農地と山の間を区切る電気柵を張り替えており、一時柵がない状態。おおむね柵ができた3月下旬以降は被害が収まったという。県環境保全研究所(長野市)の岸元良輔・自然環境部長は食害部分などの写真を見て「シカが群れで来て食べた跡だろう」と分析。北ア周辺での果樹百本単位の食害は初めて知った―とし、「北ア周辺でシカが増えているのは確かで、今まで小規模でシカによると認識されていなかった被害もあるのではないか。今後も大きな被害が出ると思う」と危ぶんでいる。13日に現地を見た県松本地方事務所林務課の倉本栄・鳥獣対策専門員も「これだけ多くの被害やふんを残すということは、群れで行動するシカの仕業かもしれない」と推測。「(夜間にサーチライトに反射したシカの目を数える)ライトセンサスなどで、突き止める必要がある」とする。山田さんは「これまで、猿や熊、イノシシの被害に苦労してきたが、シカもあるとは思わなかった」と警戒。被害のあった畑のリンゴは2~3割の減収という。岸元部長は「農家の皆さんには大変だが、すぐに効果が出る対策は柵による防除。さらに、数を増やさない手を打つ必要がある」と指摘する。今月15日に安曇野市猟友会が同市の北ア山麓で予定しているような個体数調整(駆除)を「早め早めに行うべきだ」としている。
(餌を求めて里へクマ?:石川)
金沢市の住宅街などで二〇一〇年に出没が相次ぎ多数の負傷者を出したクマの動向について、石川県は、山間部でクマの餌となるブナなど三種類の木の実の付き方と出没の関連を調べ、凶作の年は餌を求めて人里へ下りるため出没が増えることを裏付けた。一一年の調査から今年は凶作となる可能性が高く、クマの出没が増えるとみて注意を呼び掛ける。県白山自然保護センター(白山市)の野上達也専門研究員(44)らが県自然解説員研究会の協力で加賀市から宝達志水町まで約二十カ所を調査。冬眠を前にしたクマが秋に餌とするブナとミズナラ、コナラの実を調べると、ブナは大豊作、コナラとミズナラは豊作だった。今冬は出没の可能性が低いと予測したが、三百五十三件の大量出没があった一〇年に比べ、最終的な出没は六十件程度で予測通りの結果に。三種類のうち特にブナとミズナラが豊作の年は出没が少ないとあらためて証明された。県内のクマ大量出没は〇四年と〇六年、一〇年。一定範囲のブナやミズナラはほぼ毎年そろって豊作と凶作を繰り返す傾向にあり、いずれも凶作の年に大量出没が起きている。〇八年はブナが凶作だったが、ミズナラが豊作だったため例外になったようだ。野上研究員は、今年はブナもミズナラも凶作の可能性が高いとし「調査を始めるまで詳しくは分からないが、大量出没する可能性は高い」と分析している。一方、出没が少なかった一一年も、金沢市で出没が増えたほか、金沢以北の津幡町やかほく市、宝達志水町で出没が相次いだことを重視。生息範囲が北へ広がり、人が住むエリアに近づいている可能性も高いとして、野上研究員は「金沢以北で調査地点を増やし、住民への注意報発令などにつながる予測精度を上げたい」と強調している。
(クマ目撃情報:北海道)
12日午後1時15分ごろ、札幌市南区定山渓無番地の道道小樽定山渓線で、車を運転していた男性が道路を歩いているクマを目撃し、110番通報した。10分後にも、同様の目撃情報が寄せられた。南署員が付近をパトロールしたが、クマは見つからなかった。目撃されたクマはいずれも体長約1メートルで、子グマではないかとみられている。南区役所は看板を立て、注意を呼びかけている。付近では11日にもクマの目撃情報が寄せられている。
(銃砲一斉検査、所持者へ実施:群馬)
鉄砲による事故を未然に防ぐため、高崎市内の銃砲所持者への一斉検査が、同市の箕郷文化会館で行われている。対象は約400人でライフル銃や散弾銃など約900丁。銃番号や全長などが許可証と照合され、使用実績などに関する面接も行われた。高崎署は「扱い方を一歩間違えれば重大な事故につながるので、日ごろから点検を怠らないでほしい」と呼びかけている。県警生活安全企画課によると、11年度の県内での猟銃や空気銃による事故・違反はゼロ。鉄砲の一斉検査は、4月中に県内すべての市町村の所持者を対象に行われる予定。
(カラス営巣の春、昨年より8日遅く:青森)
カラスも春のお目覚め!?12日午前5時半ごろ、黒石市境松と田舎館村堂野前の市街地で停電が起きた。東北電力弘前営業所で調べたところ、コンクリート製電柱の地上約12メートルの碍子(がいし)周辺に長さ30〜50センチの針金6本が巻き付けられ、金属製器具に触れて地絡(アース)したことが分かった。同営業所はカラスが雪か風で倒壊した農業用ビニールハウスから針金を拝借、巣づくりに用いたと見ている。停電は約2000戸、最大1時間20分に及んだ。同営業所管内でカラスによる停電被害は今年第1号。昨年より8日、一昨年より5日遅い。同営業所は「例年より雪が多い分、巣の材料が不足しているのでは」と推測。電柱上の営巣は毎年4〜5月がピークで、昨年は7月下旬までに232個の巣を除去したという。
(カラスが巣作り、停電31戸:宮崎)
宮崎市で11日朝、青島や熊野など市南部の計5631戸が一時停電した。九州電力宮崎支社によると、停電は午前9時過ぎから約3分間続いた。同支社が調べたところ、カラスが学園木花台地区の電柱上部に巣作りをしたことが原因で、作業員が撤去した。
(シカ被害対策5年目:長野)
南アルプスと霧ケ峰高原で08年度に始まったニホンジカの被害防止対策が、今年度で5年目を迎える。貴重な高山・高原植生を食害や踏み荒らしから守るため、苦労して高地に防護柵を張り巡らした取り組みを、関係団体でつくる協議会は「効果がある」と評価する。だが、シカの数は減っておらず、現地での捕獲作業は容易ではない。柵の維持・管理には低地以上に手間や労力がかかる上、侵入を許す例もあるなど課題を抱える。2月にあった両山域の関係会議で挙げられた成果や課題と、現地の様子を報告する。県や伊那市など11団体でつくる南アルプス食害対策協議会は、高山植物の食害が著しい北部の仙丈ケ岳(3033メートル)で防護柵設置を進めてきた。柵は標高2600〜2700メートルに7カ所設け、延長約950メートル。設置後の植生の回復状況について、信州大農学部の調査チームは「出現種数は年数の経過と共に徐々に増加した」と評価。ただし「回復にはかなり時間がかかる」と指摘し、シカが好まないマルバダケブキなどの特定種が優先して生え「種の均等度が極めて低く、多様性の観点からバランスが非常に悪い」と報告した。協議会は昨年「被害を減らすには現地でのシカ捕獲が必要」と判断。入山者が減った11月に伊那市長谷の南アルプス林道で、くくりワナなどによる捕獲作業を試みた。だが、シカは既に山を下り、捕獲できたのは1頭だけ。市耕地林務課は「捕獲時期の再検討が必要」と説明した。仙丈ケ岳ではシカが夏に標高3000メートル付近まで登るが、地形が険しい高山帯での捕獲作業は難しい。夏〜秋は登山者や林道バス利用の観光客も多く、安全面からも捕獲作業は控えざるを得ない。設置した柵は冬季の風雪で損壊するため、秋に撤去しては翌年初夏に再設置しており、維持にも多大な労力がかかっている。霧ケ峰高原では県など39団体でつくる霧ケ峰自然環境保全協議会が、ニッコウキスゲなどの群落がある草原各所に電気柵や防護ネットを整備。総延長は車山など5地区で13キロに及ぶ。電気柵は効果を上げており、今年度は車山の肩に800メートル分を増設する。国指定天然記念物の八島ケ原湿原(諏訪市・下諏訪町、標高約1600メートル)では昨夏、湿原を囲む約4キロの金属製常設防護柵が完成した。その結果、キリガミネヒオウギアヤメなど固有種が育つ湿原へのシカ侵入は防げると期待されている。しかし、泉山茂之・信州大農学部教授の調査で、今年2月時点で柵内にシカ3頭が侵入していることが判明。くぼ地の飛び越えやすい柵から侵入したらしい。泉山教授は「柵の効果はあるので、侵入箇所のかさ上げが必要」と指摘した。協議会では雪解けを待ってワナを仕掛け、3頭を捕獲する方針。柵のかさ上げなど補修にも取り組む。泉山教授が湿原周辺で捕獲したシカ8頭にGPS(全地球測位システム)付き首輪を付けて放した追跡調査では、夏に湿原に現れるシカは、冬は遠方の低標高地で過ごしていることが分かった。高山・高原に現れるシカは夏と冬で季節的移動をしているとみられ、動向がつかみにくいことも対策を難しくしている。南アルプスのシカ食害は北部の仙丈ケ岳だけではなく、全域に及んでいる。昨年8月半ば、南ア中部の三伏峠(2580メートル)。峠から東の烏帽子岳(2726メートル)に続く尾根の北側(静岡県側)にある草原はシナノキンバイなどが咲くお花畑だったが、食害に遭い、07〜08年に静岡県などが防護柵を設置。柵の周辺ではタカネマツムシソウの青い花が見られた。尾根南側(長野県側)は急な崖。ここでシカとみられる足跡を見つけた。今もシカが登ってくるようだ。烏帽子岳へ向かう登山道の森林限界付近では、ナナカマドの細い幹に真新しい食害跡を見つけた。樹皮が縦に引き裂かれ、シカの仕業とみられる。烏帽子岳周辺はライチョウの生息地でもあり、影響が心配だ。昨年6月、全周を巡る常設防護柵が完成した霧ケ峰の八島ケ原湿原。設置後、シカの侵入は防げるはずだったが、泉山茂之・信州大教授の調査で3頭の侵入が確認された。今年3月上旬、湿原を一望する下諏訪町側の園地を訪れた。積雪は多い所で30センチ以上。周辺でシカの痕跡を探すと、ビーナスライン八島駐車場に近い防護柵の内側で、雪上に点々と続くシカの足跡を見つけた。足跡は柵に沿って続き、シカは出口を探して歩いたとみられる。柵内に侵入しても、出るのは難しいのだろう。近くに樹皮をはがされた低木があった。食害されたようだ。シカの被害を防ぐためには柵の補修などの維持作業と共に、シカが侵入していないか、定期的な見回りも必要のようだ。
(サラ・マクラクラン、商業アザラシ猟反対の手紙をカナダ首相に送る)
サラ・マクラクランが、カナダで毎年行なわれてる商業アザラシ猟に反対する内容の手紙をカナダ首相スティーブン・ハーパーに送りつけていたことが明らかになった。<Toronto Star>によると、彼女は動物保護団体PETAの代表として筆を取ったということで、アザラシ猟を「8トラック・カセットテープ工場みたいに前時代的な産業」と呼び、「アザラシ猟師たちはタバコ農家やアスベスト炭坑労働者達と同じようにその不毛な産業から足を洗う必要があるわ。WTOの貿易規定なんかに応えるために膨大な金額を無駄にしたり、既に有り余っているにも関わらず毛皮のバイヤー達にさらに毛皮を売りつける必要も無いはずよ」と続けた。現在のところその手紙への返答があったとの知らせはない。サラがこの問題について声を上げたのは初めてのことではない。PETAの記録によれば2009年にもテレビ番組のインタビューでサラは「商業アザラシ猟は本当に酷い。生後12日のまだ赤ちゃんアザラシの頭を殴りつけてフックに吊るして氷の上を引きずり回すのよ。あまりに野蛮! 今すぐやめるべきだと思うわ」と発言している。かつて2006年にかのモリッシーも動物保護を主張し、今回のサラと同じようにこの"野蛮な殺戮"に反対。そしてこれが終わるまでカナダではコンサートを行なわないとして、実際にカナダではそれ以来ライブを行なっていないのだが、サラはこの願いが聞き入れられないからと言ってツアーの予定をキャンセルするわけではないようなので、カナダのファンはひと安心だ。

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(ノヤギ駆除、ほぼ完了:東京)
世界自然遺産の小笠原諸島で、貴重な植生を破壊する野生のヤギの駆除が父島を除く全島で完了した。事業を行っている都などでは今後、父島でも駆除を進める一方、我が物顔で歩いていた「ノヤギ」たちとの衝突注意を呼びかける交通標識を変更。絶滅の恐れがある、固有種アカガシラカラスバトの保護を呼びかける新たな絵柄に切り替えている。小笠原諸島のヤギは、食用で人間によって持ち込まれ、放置されたものは野生化して急速に個体数を増やし、ノヤギと呼ばれるまでに増えた。父島では、固有の植物が絶滅してしまったほか、父島の北の聟島(むこじま)列島では、深刻な食害で植物が消えて表土がむき出しになる被害も報告されている。都などは、1997年度から父島、聟島の両列島でハンターや柵への追い込みによるノヤギ駆除を始めた。2003年度に聟島列島で完了、昨年度で父島列島の父島以外の3島で根絶が確認された。残る父島では、10年度から本格的な駆除が始まっており、都などでは、「一部地域では目撃回数は減っている」としている。駆除に合わせて、都は都道にあったノヤギの絵柄の標識を、アカガシラカラスバトに差し替えた。標識は繁殖地に近い4か所に設置され、都の担当者は「音で驚かさないように、ドライバーはゆっくりとした運転を」と呼びかけている。
(北アルプスで初のシカ駆除へ:長野)
北アルプスでは長く生息しないとされてきたニホンジカの目撃例が近年相次いでいる中、安曇野市猟友会は15日、シカの個体数調整(駆除)を安曇野市内の北ア山麓で試験的に実施する。中信森林管理署(松本市)が要請。同管理署の依頼を受けて北アでのシカ駆除は初めて。シカの北ア侵入は、農林業被害の他、高山植物群落が食べられて失われることが懸念されており、同管理署は「個体数を減らすことにより、北アへの侵入を遅らせたい」としている。同管理署が昨年度末にまとめた北アのシカ生息調査では、目撃例や捕獲例が北アの長野県側全域にわたっていることが分かった。南アではシカが目につくようになってわずか10年ほどで高山植物群落が壊滅的な打撃を受けるようになったことから、同管理署は北アについて、植生への影響がまだ表面化していない現段階から駆除が必要と判断。ことし3月に安曇野市猟友会と、松本市、塩尻市、東筑摩郡を範囲とする松塩筑猟友会に協力を要請していた。今月15日の駆除作業は、安曇野市猟友会の会員15~20人が、シカの侵入エリアの一つとみられる同市の三郷、堀金地区の里山で実施する予定。藤原英夫会長は「9日に駆除する山を下見したところ、少なくとも7、8頭の足跡があった。シカの拡大を食い止めるため、協力していきたい」と話している。松塩筑猟友会も今秋以降、松本市梓川の北ア山麓のうち、シカの目撃例の多い地域で駆除に協力する方針だ。
(今年初のクマ目撃情報:石川)
今年に入って初めての目撃情報です。10日午後6時半ごろ能美市徳山町の市道で乗用車を運転していた男性が、道路を横切るクマ1頭を目撃し交番に通報しました。クマは体長1.8メートルから2メートルで、山の方に向かったということです。目撃した場所は、いしかわ動物園に隣接する市道で、警察や猟友会がパトロールしましたが、発見できませんでした。石川県内のクマの目撃情報は今年初めてで、石川県では、今週に入り気温が上がり冬眠から覚めたクマが餌を探しに山を下りてきたとみています。また、県では、この時期のクマの出没は珍しくないとして、山菜採りなど注意を呼び掛けています。なお、去年、石川県で60件の目撃情報がありました。
(クマ、昨年度の出没124件:福井)
クマによる被害防止対策などを協議する「ツキノワグマ出没対策連絡会」が10日、県庁であり、昨年度に県内で確認されたクマの出没状況が報告された。県内13市町や猟友会、県警の担当者ら約30人が出席。県自然環境課によると、昨年度の出没件数は124件で、ツキノワグマが大量出没した10年度の841件から約7分の1に減少した。ドングリやクリなどの豊作が理由とみられるが、件数自体は平年並みという。人的被害はなかった。同課が平成以降の人的被害を分析したところ、3〜7月の遭遇場所は「山菜採り」が約5割を占め、9〜12月は「住宅地周辺」が半数を超えた。県内には約850頭のツキノワグマが生息しているとみられ、春になると冬眠から覚めて活動を開始する。県は被害防止策として、▽山林内では鈴や拍手、ラジオなど大きな音を出して移動する▽クマのいる場所には近づかない−−など注意を呼びかけている。
(イノシシ処理施設が完成:福岡)
糸島市二丈吉井にイノシシ処理加工施設が完成した。本格稼働は今秋、年間処理目標は約100頭という。施設は木造平屋で広さ約54平方メートル。急速冷凍庫や真空包装機などを備え、市鳥獣害防止対策協議会が県や市の助成を受け建設した。総事業費は1263万円。市によると、11年度のイノシシ捕獲数は1070頭。九州大学と連携し肉質分析や加工の研究を進めながらソーセージの製品化に取り組んでおり、13日午前10時からは、同市二丈福井の物産直売所「福ふくの里」で試食会を開く。担当者は「コラーゲンたっぷりで、低カロリー。美容や健康にもいい」という。
(巣の金属ごみが原因?1600世帯停電:兵庫)
兵庫県姫路市と福崎町で11日午前、計約1610世帯が最大約1時間半にわたって停電した。関西電力姫路支店によると、いずれもカラスが電柱に巣を作り、ハンガーなどの金属ごみが配電線に接触、ショートしたとみられるという。同支店などによると、同日午前6時15分頃、同市夢前町で約130世帯が約1時間半停電。約3時間後には同市新在家周辺の約1450世帯が約40分間停電したほか、市道新在家本町3丁目交差点の信号が約1分間消えた。福崎町山崎でも同日午前7時10分頃、約30世帯が約1時間20分にわたって停電した。
(カラスの巣で停電300軒:群馬)
10日午前8時35分ごろ、高崎市高関町と江木町の約300軒で停電が発生した。東京電力群馬支店によると、高関町の電柱上にできたカラスの巣が原因。巣の材料に使われていた金属製の洗濯物干しハンガーが高圧配電線に接触した。約40分後に全面復旧した。同社によると、県内では年4、5回の頻度で同様のケースが原因の停電が発生。同社は巣ができていないか見回りを行い、発見次第撤去している。ただ、巣に卵がある場合などは金属部分だけを取り除き、巣自体はそのまま残すこともあるという。

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(免許更新時の猟銃技能講習を凍結)
猟友会などが狩猟離れにつながると懸念していた、猟銃免許更新時の技能講習が当分の間凍結される。今国会で、野生獣による農作物被害防止の特別措置法が一部改正された。和歌山県内自治体は「ベテラン狩猟者をつなぎ留められる」と胸をなでおろしている。田辺市などによると、通常狩猟者は散弾銃で10~20メートル先のイノシシやシカを撃つ。技能講習は15センチ程度の皿状の標的を狙うクレー射撃。狩猟免許を持つ猟友会の会員は6割が60歳以上で「勝手の違う講習は難しく、銃を手放すベテランが増える」と懸念していた。特措法の改正で、市町村などで設置する鳥獣被害対策実施隊員や被害防止計画に基づいて有害駆除に従事している人が講習の適用除外となる。ただ、高齢の狩猟者が多い現状は変わらないため、根本的な対策が求められている。県内で常設の捕獲隊を設置しているのは有田川町と広川町のみで、新年度の設置を検討している自治体もあるという。今回の改正では「市町村の対策だけで被害防止が困難な場合、知事に必要な措置を要請できる」の項目も加わった。田辺市農業振興課は「有害駆除は市町村の境を越えて獲物を追えない。これについても県全域の視点で解決できれば」と期待している。
(シカ駆除事業で委託料を架空請求:滋賀)
シカの有害鳥獣駆除事業を巡り、県猟友会日野支部の蒲生猟友会所属の70代男性会員(東近江市)らが、甲賀市で捕獲した1頭のシカを使い、別々のシカに見せかけた写真を同市と東近江市に提出し委託料を請求していたことが9日分かった。男性は東近江市の聞き取りに対し、架空請求を認めたという。同市によると、問題のシカは、蒲生猟友会の男性会員の息子で、甲賀支部水口猟友会に所属する男性が昨年4月に捕獲。塗料で記した捕獲番号を洗って再度別の番号を記す要領で両市向けに写真撮影。父親は受け取った写真を東近江市に提出、1頭1万5000円の委託料を請求。息子は別の水口猟友会員の名義を借りて甲賀市に請求した。
(シカ捕殺、通年実施を検討:長野)
南アルプスの高山帯や亜高山帯で植物の食害などが深刻化しているニホンジカの対策で、県上伊那地方事務所は本年度、伊那市長谷と山梨県南アルプス市芦安を結ぶ南ア林道での捕殺を通年で行う方向で猟友会と協議する。昨年度は林道バスが営業を終えた後の11月に始めたが、降雪などで実績はゼロ。山梨県との連携は継続する見通しだ。長野県は昨年度、南ア林道沿いで初めてシカ捕殺を実施。両県の地元猟友会員が互いに県境の北沢峠(2032メートル)を越えて活動できるよう許可を出した。だが、同地事所林務課によると、銃を使うため、登山者や観光客に配慮してバスの営業終了を待った結果、降雪などで入山が困難に。また、寒さで多くのシカが標高の低い場所へ移動した後だったとみられ、成果が上がらなかった。本年度はバスが全区間で運行する6~11月は「くくりわな」を使い、運行期間の前後に銃を使う方向で検討する。活動の場所などはこれから詰める。上伊那猟友会の竹入正一会長(辰野町)は「まずは地元の猟友会と話し合ってもらい、手が足りないなら上伊那(の猟友会)全体で対応したい」としている。南ア林道沿いの長野県側では本年度、環境省も初めてシカを捕殺する方針で、同地事所林務課は「時期や方法を調整したい」と説明。山梨県側と同じ日に猟友会員が出動する取り組みなどは継続する。山梨県みどり自然課によると、同県側では県が2009年度から、同省が10年度から捕殺を実施。昨年度はバス営業期間の前後に計144頭を仕留めた。
(サル追い払いに補助:三重)
松阪市は本年度、サルの追い払いを行う自治会を資材面で支援する事業を始める。昨年度までの国の交付金事業が終わったため、市の財源で事業を実施する。市農林水産課によると、エアガンの購入費の半分を補助する。追い払い隊を結成している自治会が対象。市は本年度当初予算で三十万円を確保した。同時に県農業研究所が考案した動物駆逐用煙火やロケット花火も申請のあった自治会に配布。エアガンとの併用による追い払いを促す。昨年度、国の交付金事業で追い払い資材を購入していたのは、県内で十七市町。県獣害対策課の担当者は「エアガンやロケット花火などによる追い払いは有効。交付金がなくても積極に取り組んでいる好例」と話す。市によると、二〇一〇年度のニホンザルによる県内の農業被害額は一億二千万円。
(イノシシ、発信器で行動調査:和歌山)
和歌山県果樹試験場(有田川町)は、深刻な農作物被害をもたらすイノシシの生態を把握するため、発信器を着けて行動パターンを調査した。その結果、人目に付きやすい日中は、やぶ化した廃果樹園や広葉樹林で過ごしていることが分かった。担当者は「果樹園周辺のやぶを減らすことは、増殖に好適な環境を減らし、被害軽減につながる」と話している。県内でイノシシ対策は進められているものの、被害額は増加傾向にあるのが現状。試験場では、省力的で効率的な追い払い装置の開発を進めており、効率的に装置を活用するため調査した。果樹園での行動調査は全国的にもほとんどされておらず、貴重なデータになるという。調査に使ったイノシシは、果樹試験場構内で2011年3月14日と10月26日に捕獲した雄2匹(1歳・体重25キロと0歳・体重20キロ)。発信器付き首輪を着けて1カ月前後追跡した。1歳個体は日中、果樹試験場近くにある特定のやぶ化したかんきつ類廃園で確認されることが多かった。ここは果実が実り続けている木や、ぬた場もあってイノシシにとって最適の条件が整っていた。一方、0歳個体は試験場周辺の広葉樹林内で日中を過ごしていた。広葉樹林は、主にコナラやヤマザクラ、アカマツなどが自生している明るい林で、林床にはシダ類(コシダ、ウラジロ)が繁茂してやぶ化していた。積み重なったシダ類の葉下にできたトンネル状の獣道を利用し、移動しているのが確認された。このほか、かんきつ園とかんきつ園の境界に細く残された広葉樹林が、イノシシの移動経路になっていることも分かった。かんきつ園に防護柵を設置した上で、それら広葉樹林を断ち切るように柵を作るなど経路を絶つことも効果的だとみている。法眼利幸研究員は「省力で効率的な追い払い装置の開発を進めているが、今後、県内で増えてくると考えられる廃果樹園も含めた耕作放棄地に対しても、獣害の観点から対策を検討する必要がある」と指摘している。
(イノシシ食害防げ、県対策マニュアル:千葉)
県内で生息域を広げているイノシシについて、県は農作物への食害を防ぐための「対策マニュアル」をまとめた。イノシシによる被害が減らず、農作物被害全体に占める割合が増えつつあるのを受け、今回初めて作成した。A5判三十二ページの小冊子五千部を用意し、市町村などに配る。
イノシシは一九七三年から八五年まで捕獲記録がないことなどから、県内ではいったん絶滅したといわれる。八〇年代半ばごろに放逐されたとみられるイノシシが増殖。それでも二〇〇〇年ごろには夷隅地域を中心とした分布にとどまっていた。だが、最近十年間で南房、半島中央部、北総地域に至るまで三十三市町村で生息情報が寄せられるようになった。北部の印西市でも「百頭ほど捕獲されている」(県担当課)という。生息域が広がっているのは、放逐が今も行われているとみられることや、生息数の増加に伴い、餌場に困ったイノシシが移動していることが要因に挙げられている。イノシシの増加で農業被害は深刻化している。一〇年度の県内農作物の鳥獣被害は、計三億六千二百万円余り。その半分ほどの約一億七千七百万円はイノシシによってもたらされ、カラス、サル、ハクビシンといった動物の被害金額より一けた多い。県が作成したマニュアルには、農家や住民が駆除などの対策を講じる際、役立つ事柄を盛り込んだ。五章構成のうち、第一章では「敵を知る」と称して、イノシシの行動パターンや食べ物、身体能力をはじめとする生態を紹介。わなの仕掛け方や誘引えさ選びの参考にできるようになっている。第四章では「おいしく食べるには」と題して、イノシシ肉を有効利用するための料理方法や、解体処理先などを載せ、最終章では、相談機関の連絡先を一覧にしている。
(「クマよけ鈴」が県内小中学校に配布:福井)
クマが冬眠から目覚めるこの季節に向けて、福井市内の学校でクマよけの鈴が配布された。このうち、福井市の東郷小学校では「クマよけ鈴」が配られ、新入学生が早速ランドセルに取り付けていた。県内で昨年目撃されたクマの出没情報は124件で、この中には学校の近くで目撃された例もある。このため福井市では、山沿いの小中学校33の学校の新入生、あわせて729人に鈴を配布し使ってもらうことにしている。一方、福井市の明新小学校では、絵本や紙芝居の読み聞かせ会が開かれた。これは「全国訪問おはなし隊」が、550冊の絵本や紙芝居を積んだキャラバンカーと共に回っているもので、子ども達はスタッフの読むももたろうの紙芝居などを楽しんだ。「全国訪問おはなし隊」は今月いっぱい、県内の小学校や保育園など40カ所を回る予定だ。
(スペイン国王の孫、射撃練習中に自分の足を撃つ)
スペインのフアン・カルロス国王(74)の孫、フェリペ王子(13)が9日、北部ソリアで父親のハイメ・デ・マリチャラル氏と散弾銃の練習中、誤って自分の右足を撃ち、負傷した。王室が10日明らかにした。王子は地元病院で応急手当てを受けた後、首都マドリードの病院に運ばれ、外科手術を施された。10日にソフィア王妃が見舞いに訪れたという。スペインのメディアは、王子のけがは深刻なものではないと伝えている。王位継承順位第5位のフェリペ王子はふだん、2009年にハイメ・デ・マリチャラル氏と離婚した母親のエレナ王女とマドリードで暮らしているが、同氏および妹のビクトリア王女(11)とソリアに数日間滞在していた。フアン・カルロス国王は、1956年3月29日にポルトガルのエストリールで、銃の事故により弟を亡くしている。
(カラシニコフ製造メーカーが4月7日に倒産)
カラシニコフといえば、1947年に誕生したソ連製の歩兵用アサルトライフル「AK-47」のことをさす。設計者はミハイル・カラシニコフ氏。世界最高の銃としても名高く、今も世界の紛争地帯で使われていることはご周知の通りである。そんなカラシニコフを製造するメーカー「Izmash(イズマッシュ)」が4月7日に破産を宣言。AK-47だから4月7日だったのかどうかは定かではないが、事実上の倒産をしたと報じられ、世界中に大きな衝撃を与えている。日本のネットユーザーからは「コピーされまくったからでは?」との声もあがっているが、FPSをはじめとするゲームの世界でもおなじみであったカラシニコフ製造メーカー倒産のニュースに「マジかよ……」と驚きを隠せないようす。

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4/10
(イノシシ、車にはねられる:香川)
9日午後6時半ごろ、香川県坂出市江尻町のさぬき浜街道に犬かイノシシのようなものがうずくまっている、と110番通報があった。急行した坂出署員が中央分離帯にいるイノシシを発見。車道に飛び出さないよう囲い込み、駆け付けた地元の猟友会員が駆除した。同署や県猟友会坂出支部などによると、イノシシは体長約1メートル、体重約25キロのオス。後ろ足2本を骨折して身動きが取れない状態だった。通報から約30分後、現場付近でイノシシをはねたとする男性が同署を訪れた。男性にけがはなかった。現場付近は住宅や商業施設が点在。県猟友会坂出支部の海老名幸一支部長は「この付近にイノシシが現れることは、近年はなかった。一歩間違えれば大事故になっていた」と話している。
(電気柵の見回りでイノシシ害ほぼゼロ:島根)
島根県の中山間地、津和野町堤田集落の住民が、電気柵を1週間に1回、年間通して見回ることで、悩んでいたイノシシ被害を克服した。農家以外の人も一緒になって電気柵維持管理組合を結成し、集落を囲む電気柵の維持管理を15年間続けてきたことが奏功。鳥獣害を撲滅させたことで高齢農家の営農意欲が高まり、耕作放棄地もなくなった。
(いたずらサルにGPS、花火で追い返す作戦:青森)
サルがリンゴの木や実を食い荒らす被害が後を絶たないことから、青森県西目屋村が全地球測位システム(GPS)のついた携帯電話をサルに装着し、群れの行動を把握する新たな対策に乗り出す。GPSの発信する位置情報は村役場のパソコン画面に送信される仕組み。リンゴ園に接近するとパトロール隊へメール連絡し、花火で追い返す計画だが、携帯電話の電源確保が大きな課題となっている。この食害対策に協力するのは、通信会社大手のKDDI(本社・東京)。昨年度に村から打診を受け、携帯電話のほか、GPS電波を受信するシステムを活用することが決まった。計画ではまず群れからあまり離れない雌ザルを捕獲した後、携帯電話を取り付けた首輪を装着して群れに返す。これでGPSから発信される位置情報が、衛星通信を経由して役場のパソコンに表示され、群れの動きを確認できる。携帯電話には雨で不具合が生じないよう防水カバーをつける。群れがリンゴ園や田畑の手前200メートルまで近づくと、村職員やパトロール隊員の携帯電話にメールで位置情報が届くように設定し、突然の襲来に備える。メールを受信した村職員は、村内18か所の防災無線で広報し、隊員が畑の所有者らと花火で山に追い返す計画だ。課題は、携帯電話の電源をどう確保するかだ。村は首輪に太陽電池を組み込む方法を検討している。これまでに太陽電池を研究する大手電機メーカーや大学に協力を求めているが、まだ理解を得られていないのが現状。企業から「野生動物に首輪を付けるのはイメージがよくないのでは」との声もあるなか、村の竹内賢一郎農林係長は「この事業は無用なサルの殺生を減らし、共存を図るための試み」と強調し、首輪は2年で自然に切れる特殊素材を使うなどしてサルに配慮するとしている。村によると、世界自然遺産に登録されている白神山地麓の村周辺には、推定で100匹を超えるサルが生息しているとされ、30~40匹の大きな群れと3~4匹の小さな群れがあわせて8群れほどに分かれて生息しているという。食害は深刻で、村は2007年から11年までの5年間に対策費として約2600万円を計上。それでも、この間のリンゴの食害は約1200万円に上った。これまでに、七面鳥を放し飼いにして威嚇するなどの対策を続けてきたが、抜本的な解決には至っていない。竹内係長は「サルの位置を正確に把握できれば対策も講じやすい。事業を成功させたい」と話している。
(トキの卵、カラスが泥棒:新潟)
環境省は9日、国の特別天然記念物トキ1組(5歳雄、6歳雌)が産卵した卵1個がカラスに持ち去られたと発表した。同省佐渡自然保護官事務所によると、このペアは6日夕、営巣・産卵が確認されたが、7日午前に抱卵を一時中断。巣を空けた際、ハシブトガラスが卵1個を持ち去ったという。このペアは8日に二つ目を産卵し、9日には交代で抱卵している様子が確認された。抱卵中のペアは計5組となった。この2羽は昨年もペアを組み、昨年回収された卵からは有精卵が見つかっている。また、観察が困難で状況が不明だった別の1組(3歳雄、2歳雌)は、営巣・産卵はしたが、抱卵を放棄していたこともわかった。

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4/9
(狩猟登録者9年ぶり増:岡山)
イノシシやシカなどを捕獲する岡山県内の狩猟登録者が2011年度、延べ4288人と10年度比で31人増え、9年ぶりに増加したことが分かった。農業被害の深刻化や県による狩猟免許取得費用の助成制度の新設で、農業者の関心が高まっている。狩猟をするには実技や筆記の試験を経て免許を取得後、実際に狩猟をする場所の都道府県に登録する必要がある。免許は3年ごとの更新制となっている。県のまとめでは、11年度の県内のわな猟登録者は1846人。10年度比9・4%増と大幅に増えた。一方、散弾銃などを使う第1種猟銃登録者は2330人で5・1%減だった。このほか空気銃を使う第2種猟銃は3・1%減の93人、網猟は同数の19人だった。県内の10年の鳥獣による農林水産物被害額は4億6600万円。09年比で8600万円増となっていた。県は10年度、わな猟免許の新規取得者に試験手数料など最大4600円を助成する制度を創設。11年度の新規取得者は315人で、現行の免許制度になった07年度以降で最多だった。

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4/8
(ヒグマ、シカを食う:北海道)
厚岸町の厚岸水鳥観察館付近で5日午後4時30分ごろ、ヒグマ2頭がエゾシカに群がり、むさぼるように食べているところを釧路市文苑2の山口尚弘さんが見つけ、カメラで撮影した。山口さんは浜中町から会社のある釧路市方面に車で戻る途中。国道44号でカラスが異常に群がる光景に異変を感じ、車を停車させ、現場を目撃した。車外に出て仕事用のカメラを構えた。クマとの距離は約50㍍。ヒグマは体長1㍍以上ある子グマに見えたという。クマは、山口さんの視線を感じ、一度近づくようなしぐさを見せ、威嚇したのち、シカを引きずりながら草むらの中に消えていったという。山口さんは「一度、ヒグマと目が合い、野生動物の威圧感を感じた」と振り返った。
(ニホンジカ、北アルプスでの生息確定:長野)
林野庁中信森林管理署が11年度に初めて実施した、北アルプスでの野生ニホンジカの生息調査報告書がこのほど、まとまった。松本市や大町市など5市村で「生息が推測できる」と結論付け、北アでのシカ生息が確定した。「北アにシカは生息していない」との明治からの定説を覆す結果に、国や県には貴重な北アの生態系を守るための対策が求められる。調査は11年7月〜12年2月、北ア山麓(さんろく)の乗鞍岳位ケ原から小谷村風吹までを対象に実施。シカの痕跡やライトの光を照射して姿を確認するライトセンサス、過去10年間の聞き取り調査から生息頭数と地域を推定した。
(イノシシ被害をヤギで防ぐ:長崎)
イノシシによる農作物被害を減らすため、五島列島の無人島で野生化して増えすぎたヤギを活用するプロジェクトが始まった。畑の周囲に草を食べるヤギを放って草地をなくすと、元々警戒心の強いイノシシは身を隠す場所がなくなり、寄りつきにくくなるという。県は島外にヤギを運び出す費用などを農家に補助し、県内全域での普及を目指す。県によると、活用するのは小値賀町の無人島、古路島ころじまと藪路木やぶろき島に生息する小型のヤギ(体高約50センチ、体重20~25キロ)。家畜として飼われていたものが野生化したとみられ、地元では「シバヤギ」と呼ばれている。2島合わせて370~380頭まで増えていると推定される。草木の芽が食い荒らされて地面がむき出しになり、雨が降ると海に土砂が流出するなど環境が悪化。町が駆除に乗り出したこともあるが、うまくいかなかったという。一方、県内のイノシシ被害も深刻。防護柵やわなの設置に加え、畑に近付きにくくするために草を取り除いた「緩衝帯」を畑周辺に設けることが有効とされる。しかし農村の高齢化や過疎化が進んで草刈りが出来ない地域が増加。農産物被害額は、2009年度の約1億9200万円から10年度は約4億円になるなど、増加傾向が続く。そこで、おとなしくて飼いならしやすい上に、気候への順応力もある五島のヤギを使うアイデアが浮上。「島の環境保護」と「農地の被害防止」の一石二鳥の案として期待される。県が昨年10月、佐々町で耕作放棄地で2頭のヤギを使った実証実験を開始。3か月で生い茂っていた雑草を食べ尽くした。畑を囲む防護柵の外側につないでおけば、ヤギが農作物を食べることは防げるという。県は今年度から、希望する集落の農家に対し、ヤギを島から運ぶ輸送費、増えすぎないように去勢手術を行う費用を2頭分まで補助する。上限額は5万円で、予算総額は250万円。飼育方法を指導する事業も始める。県農政課の担当者は「すでに何件か問い合わせがある。5月からスタートさせたい」と話している。
(サル、GPSで把握:青森)
サルがリンゴの木や実を食い荒らす被害が後を絶たないことから、西目屋村が全地球測位システム(GPS)のついた携帯電話をサルに装着し、群れの行動を把握する新たな対策に乗り出す。GPSの発信する位置情報は村役場のパソコン画面に送信される仕組み。リンゴ園に接近するとパトロール隊へメール連絡し、花火で追い返す計画だが、携帯電話の電源確保が大きな課題となっている。この食害対策に協力するのは、通信会社大手のKDDI(本社・東京)。昨年度に村から打診を受け、携帯電話のほか、GPS電波を受信するシステムを活用することが決まった。計画ではまず群れからあまり離れない雌ザルを捕獲した後、携帯電話を取り付けた首輪を装着して群れに返す。これでGPSから発信される位置情報が、衛星通信を経由して役場のパソコンに表示され、群れの動きを確認できる。携帯電話には雨で不具合が生じないよう防水カバーをつける。群れがリンゴ園や田畑の手前200メートルまで近づくと、村職員やパトロール隊員の携帯電話にメールで位置情報が届くように設定し、突然の襲来に備える。メールを受信した村職員は、村内18か所の防災無線で広報し、隊員が畑の所有者らと花火で山に追い返す計画だ。

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4/7
(上告取り下げ、臨時総会請求へ)
新旧執行部の対立が続く日本クレー射撃協会の現執行部は6日に開いた3役会で、同執行部が選任された2009年3月の総会決議の有効性を訴えた最高裁への上告を取り下げるとともに、旧執行部に対し役員を改選する臨時総会の開催を請求することを決めた。協会正常化に向けた動きで、20日前後に行う予定。裁判では一、二審とも決議不存在の確認を求めた旧執行部の訴えが認められた。上告取り下げで現執行部の敗訴が確定するが、旧執行部の役員改選期も過ぎていることから、文部科学省の仲介にも期待し、臨時総会での新執行部選出を求めていく。長引く内紛で同協会は補助金支給を差し止められており、選手強化にも悪影響が出ている。 
(カラス電線に止まれず、ふん害大幅減:佐賀)
電線に止まるカラスのふん害対策が佐賀市で効果を上げている。電線の上に細い線を張ってカラスを止まれなくする簡単な作戦だが、被害は大幅に縮小。ただ、専門工事のため、数十万円の経費がかかり、各地に広げるには資金面が課題となっている。対策は電線の上約10センチに防鳥用の細い線を張る簡単な方法。九州電力佐賀営業所が2003年ごろから試験的に行い、費用は200メートルに対策を施した以前の例で約50万円かかった。資材は安価だが、送電を止めて専門職員が対応するため、高額になる。原則、九電が全額負担。感電防止の器材を外す必要があるなど、手間もかかる。商店街の歩道に落ちるカラスのふん害に悩まされてきた佐賀市水ケ江の北水自治会は昨年12月、同営業所に相談。最初は経費を理由に色よい返事をもらえなかったが、道路の両側ではなく、ふん害がひどい場所に対策範囲を絞り込んで経費を抑える方法を提案。九電も応じ、2月までに片側約200メートルで実施した。田中佐会長は「片側だけでも被害がなくなってありがたい。行政の助成があれば、もっと拡大できるのに」と期待するが、佐賀市環境課は「九電に協力をお願いしたい」と助成には消極的だ。佐賀市の市街地ではカラスが増え、ふん害やごみをあさって汚す被害に頭を痛めており、九電への相談や苦情は月に2桁に達している。九電は「工事をしてもカラスは別の電線に止まるので、ねぐら問題を解決しなければ抜本的な対策にはならない。できるだけ要望には応えたいが、経費の問題もあり、全てには対応できない」としている。
(電柱に作られたカラスの巣、撤去:三重)
中部電力四日市営業所が5日、四日市市寺方町の電柱に作られたカラスの巣の撤去作業を公開した。営業所によると、巣は2月から6月に多く確認されるといい、停電の原因になる。管内では昨年、365カ所で営巣が確認されている。今年も3月10日現在で174カ所に巣が見つかり5件の停電が発生。3月5日に1890戸が50分間停電する影響が出たという。この日撤去されたのは、電柱の高さ約14メートルの所に作られた巣。通電したままのため、作業員は感電しないように保護具を着け、慎重に取り除いた。巣は長径約60センチの楕円(だえん)形で、卵はなかったが、針金も含まれていた。営業所は「巣を見つけたら連絡を。巡視で、停電しないようにしたい」と話していた。
(カラス、烏合の衆じゃなかった)
カラスは鳴き声と姿で仲間を認識しているとの研究結果を、慶応大の伊沢栄一研究員(比較認知脳科学)や近藤紀子研究員(動物行動学)らのグループがまとめた。伊沢研究員は「カラス社会はとりあえず集まっている『烏合の衆』ではない。日常生活で仲間の声と姿を結び付け学習している」と説明。カラスが“他者”の概念を持つことが分かったのは初めてという。実験では、普段から一緒に生活しているハシブトガラス2羽をそれぞれ籠に入れ、網越しに対面させた後、カーテンで仕切って相手を見えなくした。

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4/6
(有害鳥獣処理施設が完成:福井)
嶺南六市町が若狭町海士坂で建設を進めてきた嶺南地域有害鳥獣処理施設の竣工(しゅんこう)式典が四日、同所で開かれ供用が始まった。一日に九百五十キロを処理する焼却炉を備え、年間約五千頭の処理を目指す。処理施設整備は二〇一〇、一一年度に若狭町が主体となり進め、事業費は三億五千七百万円。主な財源に、県の核燃料税交付金と国の鳥獣害防止総合対策交付金を充てている。敷地面積約三千平方メートル、鉄骨二階建て建屋の延べ床面積約三百五十平方メートル。建屋内にはマイナス二〇度の冷凍保管庫や、八五〇度で約五時間稼働する焼却炉を設けている。式典には嶺南の六市町長や地元猟友会役員ら約百人が出席。嶺南地域を代表し河瀬一治敦賀市長が「地域の発展に役立つものと確信しております」と式辞。森下裕若狭町長が経過報告をし、西川一誠知事が祝辞を述べた。テープカットや火入れ式の後、出席者は施設を見学し巨大な焼却炉に見入っていた。敷地内の鳥獣霊碑入魂式もあり、出席者は焼香して祈りをささげた。県農林水産部鳥獣害対策室によると、一一年の嶺南地域の農作物被害額は約二千七百万円。米や麦、梅の被害が多くシカやイノシシ、サルによるとみられる。
(高3鷹匠、県庁周辺のカラス撃退:佐賀)
女子高生鷹匠(たか・じょう)として活躍する県立武雄高校3年の石橋美里さん(17)が4日夕、カラスの被害に悩む県庁周辺で駆除に挑んだところ、見事に追い払うことに成功した。定期的に威嚇することで、周辺に寄りつかなくなる効果が期待できるため、県は今後、検証して駆除作業を正式に依頼するかどうかを決める。県によると、昨年秋から日本野鳥の会県支部に委託し、県内のカラスの実数調査をしたところ、県庁を含む城内公園周辺に多い時で数千羽が集まり、県内で最大のねぐらになっていることが分かった。ゴミをあさったりフンを落としたりするため、周辺住民の苦情が絶えない。そうした実態を古川康知事から聞いた、同じく鷹匠で父親の秀敏さん(45)が、駆除を買って出た。美里さんが、ハリスホークという種類の7歳のオス「桃太郎」を、革手袋をはめた左手に止まらせ、空を観察。ハシブトガラスやハシボソガラスが、ねぐらにしている県庁周辺に集まってくる夕方までじっと待機した。夕方になると、まず、ワシミミズクを従えた秀敏さんが、近くの佐嘉神社にいた大群を県庁横の林まで追いやった。次に林の近くに待機していた美里さんが空に桃太郎を放ち、カラスを威嚇すると、大群はさらに遠くへ飛び去った。1時間ほどの作業を終えた美里さんは「桃ちゃんがよく頑張ってくれた。今後も協力していければ」と手応えを感じた様子。同行した県農林水産商工本部の猿渡政行副本部長も「こんなに効果が出るものか」と驚いた様子だった。県庁周辺に集まるカラスを完全に追い払うには、定期的に作業を繰り返す必要がある。県では今後、佐賀市や専門家と話し合い、十分な効果が見込めるとなれば、正式に依頼するという。

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(獣害防止柵275キロ新設:山梨)
県は、イノシシやサルによる農作物被害の防止柵を、総延長で275キロ・メートルにわたって新設する計画を策定した。2014年度末までに電気柵やネットの新設を終え、農地1200ヘクタール分の被害防止を図る。10年度末までの設置分と合わせると、県内に750キロ・メートルの柵が張り巡らされ、対策が必要な耕地面積の43・1%に当たる3500ヘクタールが守られる態勢となるという。県農政部によると、県全体の耕地面積は2万4900ヘクタール。山際から500メートル以上離れていて被害が想定されない1万6775ヘクタールを除いた8125ヘクタールに柵が必要で、県と市町村が1998年頃から設置を進めてきた。イノシシには高さ1メートル50のネット、サルには高さ2メートルの電気柵、シカには高さ2メートル30の鉄製柵の設置が行われている。10年度末までに、中北地域で88キロ・メートル(対象面積620ヘクタール)、峡東地域で172キロ・メートル(同1073ヘクタール)、峡南地域で107キロ・メートル(同205ヘクタール)、富士・東部地域で108キロ・メートル(同402ヘクタール)が整備済みだ。山中に農地が点在する峡南は、他地域と比較して柵を広範囲に設置して被害を防がなければならない。このため県の計画では、14年度末までに峡南の設置範囲を倍増させて233キロ・メートル(同598ヘクタール)にする。富士・東部も重点的に整備し、183キロ・メートル(同694ヘクタール)に拡大。峡東は桃やブドウの主要産地であることを背景に、早くから設置を進めていたため、193キロ・メートル(同1288ヘクタール)までの増設にとどめ、中北は140キロ・メートル(同920ヘクタール)に増やす。課題は柵では被害を防止できない鳥の対策だ。10年度の鳥獣被害は、被害面積154ヘクタール(被害額1億9000万円)のうち、カラスやハトなどによる被害が27ヘクタール(同3400万円)で、シカの34ヘクタール(同2900万円)と同水準。県農業技術課は「鳥対策は難しいが、県農業技術センターと研究を行っている」としている。

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(幼稚園近くでクマ目撃:新潟)
2日午前2時すぎ、糸魚川市青海の青海幼稚園前の市道でクマ1頭を目撃したと、新聞配送中のトラック運転手が糸魚川署に通報した。同署によると、クマは市道に座りこみ、車が近づくと逃げていったという。現場はJR青海駅の東南約200メートル。民家に近いことから同署などは注意を呼び掛けている。
(ヒグマ出没しやすい環境に:北海道)
道東のヒグマが人里近くに多くなったのは山林の木の実の不作の他、シカの死骸が人里近くにあることや畑に人が減って出没しやすい環境になっていることなど複数の要因があることが、町内で生態調査する専門家の分析で分かった。シカ駆除の残滓(し)や放棄野菜など誘因物の除去も行い、クマにとっての農地周辺の魅力を下げることが必要と呼び掛けている。「浦幌ヒグマ調査会」(佐藤芳雄会長)の活動を指導する佐藤喜和・日大生物資源科学部専任講師(農学博士)が3月27日に町立博物館で開いた講演会で明らかにした。佐藤博士は、1997年に日大、北大の学生、研究者、地元住民と同調査会を立ち上げ、浦幌を中心に道東のヒグマの生態を発信器やDNA分析などで科学的に調査している。浦幌町では昨年、例年の倍近い16頭のヒグマが駆除された。森林伐採や市街地の拡大が急激に進んだ1960〜70年代以上のレベルで、人間とヒグマの生活圏が再び接近し、農業被害も拡大している。原因について佐藤博士は(1)人工的な針葉樹林が増加し山の果実が減った(2)90年代以降、シカの増加で駆除残滓や事故死したシカの死骸が農地や道路付近にも残り、ヒグマの栄養源としてシカの利用割合が増えている(3)農地の機械化、無人化が進み、ヒグマが畑に出没しやすくなった(4)ハンターの減少と高齢化│などを挙げた。一方、毎年駆除しているにもかかわらずヒグマが減らない理由について、ビートやトウモロコシが栽培され、シカも多くヒグマにとって好条件の浦幌付近では、駆除したオスの勢力圏に毎年阿寒方面などから新しいオスが現れ、これらが地元のメスと子を作っているデータも示した。こうしたデータから「駆除だけでは新しいクマを呼び寄せるだけ」として、電気柵や畑の周囲のやぶの刈り取りで出没しにくくすることなどの非致死的被害対策の重要性を呼び掛けた。
(シカなど食害対策防除剤:徳島)
シカやサルなどの食害防止対策に役立てようと、美馬市が木屋平地区の22戸に市販の防除剤を使ってもらい、効果をモニター調査した実験の結果がまとまった。回答した13戸のうち、7戸が「少しは効果があった」としたものの、「十分な効果があった」との回答はゼロ。今後の使用についても消極的な回答が目立った。実験では、オオカミの尿、乾燥ヒトデ、もみ殻抽出液をそれぞれ主原料とした市販の防除剤3種類を使用。いずれか1点を各戸に配布し、昨年9月から2カ月程度畑に設置し、被害状況を観察してもらった。効果の有無などについてアンケートしたところ、13戸のうち「効果が十分あった」はゼロ、「少しあった」が7戸、「なかった」が6戸。「今後も使ってみたいか」との設問では「ぜひ使いたい」「どちらかといえば使いたい」が各1戸、「分からない」と無回答が計4戸だったのに対し、「どちらかといえば使わない」が2戸、「使わない」が5戸に上った。市木屋平総合支所経済建設課によると、防除剤の設置直後はイノシシやサルが寄りつかなくなると評価する声も上がっていたが、防護柵設置や駆除ほどの効果は感じられなかった人がほとんどだという。同課では未回答者にも話を聞いてさらに詳しい調査結果をまとめ、住民に参考としてもらうことにしている。
(シカ肉初の道ハサップ:北海道)
エゾシカの生肉を通年販売する食品卸アイマトン(滝川、岩井政海社長)が、道独自の衛生管理基準「HACCP(ハサップ)に基づく衛生管理導入評価事業」の評価をシカ肉では初めて受けた。同社は釧路市などの食肉処理施設3カ所で処理されたシカ肉を仕入れ、滝川や岩見沢の直営スーパーで販売するほか、東京などの販売会社へ卸している。

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(鉛除去へ再びソバ植え:佐賀)
伊万里市大川内町の市散弾銃射撃場の鉛弾による休耕田汚染問題で、鉛をソバに吸収させる実験に取り組んでいるグループが1日、種まきをした。地元の若者でつくる「大川内とんご会」(23人)メンバーら11人で、実験は昨年秋に続いて2回目。射撃場付近の休耕田からは昨年、土壌汚染対策法の基準の約13倍に当たる鉛が検出された。鉛汚染の拡散を防ぐため、メンバーは昨年夏、鉛を多く吸収するといわれている「信州大そば」を植えた。同10月に刈り取った根や葉を佐賀大で分析したところ、1キロ・グラム当たり、根からは2・37グラム、葉からは1・56グラムの鉛が検出され、効果が確認された。作業は射撃場直下にある棚田の休耕田2か所計約5アールで1時間半にわたって行われ、耕運機やくわで耕した後、手で約1キロの種を丁寧にまいた。同会の副島義門さん(25)は「一帯は山菜の宝庫。食べられるようにしたい」と願った。一緒に実験に取り組む「いのちの会・伊万里」の下平美代代表(85)は「市は鉛弾の回収や土壌の入れ替えを進めていない。早く食物ができる農地に戻してほしい。若者の気持ちも分かって」と訴えていた。ソバは7月頃に収穫した後、佐賀大に鉛吸収の分析を依頼する。
(原発交付金使い18億円獣よけフェンス:福井)
関西電力の原発4基が立地する福井県おおい町は、電源立地地域対策交付金を使い、農作物への獣害対策として鹿やイノシシなどが生息する山間部と、集落との間をフェンスで仕切る工事を始めた。町内の全集落が対象で、総延長約160キロ、総事業費約18億円。ただ、全集落で農作物の被害が出ているわけではない上、被害額は年平均500万円程度で、「無駄遣いでは」との批判もある。フェンスは高さ2メートル。町内63か所の集落を山と遮断するように張り巡らせる。人が山に入れるように、開閉式の扉を所々に設ける。2015年度の完成予定で、11年度は約68キロ分の計7億3300万円を予算化。このうち国の補助などを除いた残りの2億8500万円を交付金でまかなう。同町は、総面積212平方キロのうち90%が山林で、残る平野部で米や麦、ソバなどを栽培。1990年頃から、獣害が出るようになり、町村合併後の2006~10年度の被害は計約2500万円となっている。旧大飯町時代の1994年から、町の補助と農家の負担で集落ごとにトタン板や電気柵を田畑の周囲に設置。ところが、柵を跳び越える鹿もおり、最近も被害は続いている。新たな対策を求める声も強く、町は「耕作を断念した人もいる。交付金を活用し、農業環境を整えたい」とフェンス設置に踏み切った。しかし、被害額の割に費用が莫大ばくだいで、町議の一人は「ある程度有効だろうが、被害のない地域にまで設置する必要があるのか」と話している。
(萱野高原にシカ捕獲罠設置:長野)
箕輪町萱野高原の水芭蕉をニホンジカの食害から守るため、3月31日に箕輪町猟友会がシカ捕獲用の罠を設置しました。この日は猟友会の会員15人が参加して水芭蕉群生地周辺にくくり罠を設置しました。萱野高原管理人の伯耆原尊さんによると、多い時には千株以上の水芭蕉が群生していましたが、ここ数年ニホンジカの食害によりその数は400株まで減少したということです。箕輪町全体でもニホンジカによる被害は増えていて、今年の町内の捕獲予定数は去年よりも20頭以上多い355頭としています。上伊那地方事務所の宮原登林務課長は「ニホンジカの食害は里山だけでなく高山帯でも多く確認され始めている。特に南アルプスが多いが、萱野高原も例外ではない」と話していました。会員らは、シカの通る道沿いの木にワイヤーをくくりつけ、罠を地中に埋めていました。箕輪町猟友会の小林弘人会長は「萱野高原の水芭蕉は町が大々的に行なっている事業。少ない被害で済むように尽力したい」と話していました。水芭蕉は4月から芽を出し始め、4月下旬から5月にかけて花が見頃を迎えるということです。

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