<射撃ニュース4月>

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(事故発生の2日前「夜遅くまで除雪」:秋田)
鹿角市の八幡平クマ牧場で2人の従業員がヒグマに襲われて死亡した事故で、亡くなった従業員は事故が起きる前、牧場では夜遅くまで重機を使って除雪をしていたと家族に話していたことが分かりました。この事故は、4月20日鹿角市の八幡平クマ牧場でヒグマが運動場から逃げ出し、2人の女性従業員が襲われて亡くなったものです。これまでの警察の調べで、運動場の塀内側に雪山が出来ていて、ヒグマはこの雪山を登って塀の外に逃げ出したものと見られています。なぜ雪山が出来ていたのかについてはまだ分かっていませんが、警察では自然現象ではなく、人為的に出来た可能性もあるとみて調べを進めています。亡くなった女性従業員は家族に対して事故が起きる2日前の4月18日、誰かが運動場の周りの除雪を午後10時ごろまで重機を使って行っていたと話していたことが分かりました。この従業員はその翌日は休みで20日に出勤して作業をしていたところ、塀の外に逃げ出したヒグマに襲われています。牧場の中での除雪について、経営者の男性は秋田放送の取材に対して「運動場の中に雪を捨てることはあり得ない。しかし雪をどこに捨てていたのかは確認していない。」と話しています。
(残るクマ27頭の行き先めどは?:秋田)
飼育員が襲われて2人が亡くなる事故があった秋田八幡平クマ牧場は、鹿角地域の観光施設の一つとして知られていた。冬季休業を終えて今月下旬に開園予定だったが、事故を受け、男性経営者(68)は、閉園の意向を示している。牧場には今も27頭のクマが残っているものの、「行き場」のめどは立っていない。事故当時、牧場にはヒグマ、ツキノワグマ、コディアックヒグマの計33頭がいた。うち逃げ出したヒグマ6頭を地元猟友会が射殺。残るクマの内訳については、県も県警も把握できていない。牧場にいた飼育員は3人で、うち2人が死亡した。クマのえさなどは現在、臨時にアルバイトを雇って対応しているという。牧場の飼育状態などをめぐって、県に問題点を指摘してきた動物保護団体「地球生物会議ALIVE」(東京都)に23日、経営者から電話があった。野上ふさ子代表によると、経営者から、「事故後、金銭的なゆとりがない。クマの引き取り先を探してほしい」と頼まれたという。しかし野上さんは取材に、「引き取り先を見つけるのは簡単ではない。経営者、県、私たちで、当面の餌やりなどの対応を話し合うことにした」と話した。5月中に3者で会談する方向で調整しているとしている。県外にあるクマ牧場の担当者は「どの施設も引き取りは難しいと思う」。運搬や飼育に費用がかかり、飼育スペースにも限りがあるためだという。閉園するとしても、「一業者では対応が難しい。県など行政を含めて検討していくしかないだろう」と話した。茨城県の日立市かみね動物園は、県外のクマ牧場から2頭のヒグマを無償で譲り受け、今月から展示を始めた。以前から飼っていたツキノワグマ1頭の施設も含めて約9千万円かけて獣舎を新設。園長は「クマは猛獣。しっかりした獣舎がないと飼育できない」と指摘する。秋田県によると、猛獣であるクマを野山に放すことはできない。県警は業務上過失致死容疑で捜査中で、県は経営者とやりとりできず、牧場内部やクマの状態も未確認だ。このため、引き取り先を探すことができないでいる。他施設などからの「引き受けたい」という申し出もない。県の担当者は「県警の捜査が一段落したら県が引き継ぐ。何ができるか、検討はしている」。経営者は2008年11月、クマを飼う際、県に申請書を提出。この中で、飼えなくなった場合の対処方法を「安楽死」と記した。「でも、クマは生き物。本当に最後の手段だと思っています」と担当者は話した。
(韓国でもクマ脱走、登山客かみつく)
韓国ソウル近郊の京畿道竜仁市にあるクマの飼育場で23日午前、飼われていたツキノワグマ1頭がおりから逃げ出した。クマは同日午後、登山客の女性(52)の足にかみついて軽傷を負わせた後、さらに逃げ、警察官らに射殺された。韓国メディアが伝えた。クマは2歳の雌で、別のおりに移動させる際に逃げた。この飼育場では約100頭のクマがおり、昨年末にもクマが脱走したという。
(ツキノワグマから規制値超セシウム:山形)
県は23日、上山市で捕獲されたツキノワグマから国の食品の新規制値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超える1キロ・グラム当たり110ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。4月に規制値が定められて以降、県内で行われた検査で規制値を超えたのは初めて。県は、県内の猟友会などに対し、ツキノワグマを食べることを自粛するように通知した。県みどり自然課によると、ツキノワグマは18日、宮城県境付近の上山市で捕獲され、県が放射性物質検査を実施した。同課では、「クマは移動範囲が広く、宮城県側から移動してきた可能性がある」としている。
(遠隔操作でシカ捕獲:兵庫)
携帯電話を使って遠隔地からわなを操作し、田畑を荒らすシカを捕獲するシステムを兵庫県森林動物研究センター(同県丹波市)とソフトバンクモバイル(東京都)が共同開発した。これまで捕獲場所近くでわなを操らなければならなかった点を改善。実用化に向けた実験が南あわじ市であった。新システムの基になっているのは、シカの群れに上から網を落として捕獲する装置で、同センターが2009年に手掛けた。これまでは装置から200メートル圏内に設けたモニターを見ながら、シカが網の下に来るのを待って網を落とさなければならなかった。新システムでは網の下にシカが入ると、近くに備え付けた小型カメラが察知。担当者の携帯電話にメールで通知し、担当者が特定の番号を押すと網が落下する。南あわじ市での実験では、山中に縦18メートル、横18メートルの網を仕掛け、約6キロ離れた市役所で関係者らがカメラの映像を見ながら待機。シカが捕獲エリアに入り、通知のメールが届くと携帯電話を使って網を落とし、7頭を捕獲した。同センターによると、南あわじ市のシカの農業被害額は10年度、県内1位の約2800万円に上った。市農林振興課は「農作物を食い荒らすシカに多くの農家が悩まされている。導入を視野に入れたい」とする。実用化に向け、同センターは「シカが網の下に入ったことを認知する技術の精度向上と導入費用の軽減に努めたい」としている。
(クマが飼い犬襲う?:北海道)
22日午前11時ごろ、仁木町尾根内の畑で、雪上にクマの足跡があるのを畑の所有者の農業、堀野茂さん(62)が発見し、余市署に通報した。また、堀野さんが農機具保管小屋の近くで首輪につないで飼っていた雑種犬(雌、4歳)がいなくなっていた。付近に微量の血痕があることから、同署は犬がクマに襲われた可能性があると見て、付近住民に注意を呼びかけている。
(クマ目撃相次ぐ:北海道)
道内各地で22日、ヒグマの目撃情報が3件相次ぎ、地元の警察署などが付近の住民に注意を呼び掛けている。後志管内仁木町では午前11時40分ごろ、銀山3、農業堀野茂さん(62)から、所有する農機具小屋(同町尾根内(おねない))付近にクマの足跡があり、飼っていた犬がいなくなったと、余市署に届け出があった。同署などによると、小屋は堀野さんの自宅から約3キロ離れており、犬は鎖でつないで飼っていた。足跡は雪上にあり、長さ26センチ、幅20センチで、付近に微量の血痕があった。同署は犬がクマに襲われた可能性があるとみて調べている。檜山管内江差町尾山町では午前10時50分ごろ、町道を子グマが横切るのを、軽トラックで農作業へ向かう途中の女性が目撃。ハンターらが捜索し、午後0時10分ごろ、約150メートル離れた場所で射殺した。江差署によると、クマは体長約80センチで2歳の雄とみられる。十勝管内芽室町坂の上11線付近では午前10時半ごろ、農作業中の男性(54)が約150メートル先の山林内にクマがいるのを目撃、帯広署に届け出た。同署によると、体長1・5~2メートルの成獣という。
(相次ぎクマ目撃情報:秋田)
県内で21日、クマの出没が相次いだ。湯沢市では午前11時ごろ、岩崎字千年の雑木林の山際で朝にクマを目撃した人がいると市職員が110番した。湯沢署によると、市職員は目撃情報を得た地元猟友会員から話を聞き通報。クマ目撃は午前8時ごろとみられる。署員が会員と付近を調べた結果、残雪にクマの足跡らしきものがあった。現場は岩崎保育園の東約300メートル。同署がパトカーで注意を呼び掛けるとともに、猟友会が警戒している。秋田市では午後2時50分ごろ、雄和椿川の県立中央公園敷地内のサイクリングロードにクマがいるのを、ランニング中の男鹿市の男性(35)が見つけ110番した。男性は逃げて無事だった。秋田東署によると、サイクリングロードは林の中を通っており、当時は男性一人しかいなかった。国際教養大学まで約2キロ。
(クマ目撃情報相次ぐ:秋田)
22日、鹿角市や横手市などでクマの目撃情報が相次いだ。同日午前10時40分ごろ、鹿角市八幡平の休耕中の畑で、体長約1メートルのクマが歩いているのを同市の男性(65)が目撃した。鹿角署によると、ツキノワグマとみられ、畑から杉林に入っていったという。現場はJR花輪線八幡平駅の北約500メートル。同日午前9時44分ごろには上小阿仁村大林の国道285号沿いでも体長約1メートルのクマが目撃された。同日午後3時半ごろ、横手市山内平野沢の川沿いで体長約50センチの子グマが目撃された。
(クマ目撃:富山)
黒部市宇奈月町でクマの目撃情報です。現在、警察などがパトロールを行っています。黒部市農林整備課によりますと25日午前9時20分ごろ、宇奈月町内山の水神社近くを車で通りかかった男性から「山側の畑でクマ1頭を目撃した」という連絡が黒部警察署に入りました。目撃者によると、クマの体長はおよそ1メートルで出没した畑を歩き回っていたということです。このため警察と黒部市の有害鳥獣捕獲隊員、それに市の職員が現地でパトロールを行なったほか、防災無線で付近住民への注意を呼びかけました。その後クマの目撃情報はありませんが、捕獲隊員が引き続きパトロールを行っています。黒部市でのクマの目撃情報は今年2件目です。
(クマ見つかる:新潟)
24日正午ごろ、上越市名立区西蒲生田の山中でクマ1頭がいるのを目撃したと、山菜採りをしていた女性から市に通報があった。現場は西蒲生田集落から西に約500メートルの地点で、クマの体長は約1メートル。市は、山菜採りで山に入る場合は複数で行き、音の出る物を身に付けるよう注意を促している。
(弘前市、24年ぶりカラス捕獲:青森)
弘前市は23日、7月から市街地のカラスの「有害駆除」に乗り出すことを明らかにした。ごみの食い荒らしやふんなどの苦情が絶えないためで、市街地のカラス捕獲は1988年以来24年ぶり。市の町会や日本野鳥の会弘前支部などでつくる「市カラス対策連絡協議会」で同日報告された。市環境政策課によると、箱形のわな(縦横各約5メートル、高さ約4メートル)を市街地の2カ所に設置。臨時職員3人を雇い、「駆除が生態系に悪影響を与えないか調べるため」として計400羽を捕獲する。同支部などが行った調査では、市内のカラスは今年1月28日に2422羽、2月18日に4415羽いた。同課によると、郊外の農地では毎年約1000羽のカラスが猟銃で駆除されているという。
(クマ対策会議:富山)
富山市で今年最初のクマ対策会議が開かれました。既に山間部でのクマの目撃情報が寄せられていることから、ゴールデンウィーク中の山菜取りなどの際は冬眠明けのクマに注意するよう呼びかけています。24日の会議には富山市内の猟友会や警察などから30人が出席しました。富山市によりますと、クマの主食となるブナやミズナラが豊作だった去年は、クマの出没件数は38件と、大量出没となったおととしの10分の1ほどに減りました。しかし、ブナは豊凶を繰り返す傾向にあるため今年は凶作が予想され、クマの出没も、去年より増える可能性があります。また、去年の豊作の影響で今年は例年よりも子連れのクマが多いと予想されています。今年に入ってから富山市には3件のクマの目撃情報が寄せられていて、市では、山菜取りなどの際は朝や夕方は山に入らない、子グマを見たらそっと立ち去るなど注意を呼びかけています。
(今年の春は親子クマに注意:富山)
今年の春は、子連れのクマに注意です。クマによる人身被害を防ごうと24日、富山市で今年初めてのクマ対策会議が開かれ、子連れのクマに注意するよう呼びかけました。富山市農業共済センターで開かれた会議にはクマ出没地域の代表や猟友会のメンバーらおよそ30人が出席しました。会議では、県の担当者が今年のクマの出没傾向について報告しました。それによりますと、去年秋はクマのエサとなる山の実が豊作だったことから今年の春は、子連れのクマが多いことが予想されます。また猟友会からは、今年は雪解けが遅いため、クマの出没も遅れる傾向にあることが報告されました。富山市でのクマの目撃は23日までに3件ですが、気温が上がると出没が増えるということです。富山市では、大型連休に山菜取りに行く人に対し、子グマの近くには必ず母グマがいるので見かけたらそっと立ち去って欲しいと話しています。
(シカ食害、木々散々:熊本)
九州各地の山林で、急増したニホンジカの食害が深刻だ。県内の山中ではヒノキやスギの表皮が剥がれ、下草は全滅に近いところもある。県は生息域の拡大を防ぐため、シカネットを張るなどの対策をとってきたが「これまでの対策では限界」としており、頭を抱えている。一方で、シカを捕獲する猟友会も高齢化が進み、新たな対策が急務だ。「ほとんどやられているでしょう」長年、シカ猟を続けている錦町の木崎貞典さん(82)と、近くの山林に入ると、上下約1メートルにわたって幹の皮が剥がれているヒノキやスギがあちこちで目立った。「皮の中に『甘皮』という甘い部分がある。シカはこれを好んで食べます」。表皮がまだささくれ立つのはシカに傷つけられて間もない木という。目に付いた直径30~50センチのスギやヒノキは、ほぼすべてが傷ついていた。九州森林管理局(熊本市)によると、九州のシカの生息域はこの25年間で1・5倍以上に拡大した。適正頭数の8倍にあたる約28万頭が生息しているとみている。最近は特に熊本、宮崎の県境や鹿児島県北西部の山中で食害による森林崩壊も発生しており、土砂が流出するなどの事態を招いている。同管理局は、シカが増えすぎた原因について、20世紀には10年に1度程度起きていた大雪が温暖化の影響で減り、シカの大量死がなくなった▽過疎化によって人里までシカが生息範囲を広げた▽2007年までの半世紀、メスジカの狩猟が禁止されてきた――などの原因が絡み合っていると分析する。さらに深刻なのは、県内に約5千人いるとされる狩猟者の高齢化だ。1998年当時、60歳以上が占める割合は42%だったが、10年には66%に増えた。一方、40代までの若手層は29%から11%に減少。30代で猟友会に入った木崎さんは「高齢化が進み、猟友会の会員でも常に山に入れるわけではない」と話す。大きなシカは体重約100キロに達する。ワナにかかったシカが暴れると角が刺さりそうになることもあるという。高齢になるほどその危険性は増す。シカの増加は山の環境にも影響を及ぼす。熊本南部森林管理署の石神智生署長は昨年9月、人吉市の山中で見た光景に驚いた。イタドリやスズタケといったシカが好む植物はなく、シカが嫌う植物だらけだったからだ。下草は勢いよく群生し、葉を好む毛虫がびっしり。石神署長は「放置すればガの大量発生にもつながり、生態系への悪影響は確実」と懸念する。県は10年の推定で3万3千頭とされるシカを、来年までに7千頭まで減らす計画だ。04年以降の捕獲頭数は毎年1万頭以上にのぼっている。本来いなかった地域のシカは全て捕獲する方針で、自然保護課の平井博英課長補佐は「適正頭数になるまで着実に頭数を減らすしかない」と話す。
(カワウ食害防止、続く駆け引き:山梨)
アユ釣りの季節を前に、カワウの食害対策が動き出した。カワウは主に海の近くに生息するが、県内で1990年代から稚アユの食害が顕在化。繁殖抑制策や銃による駆除で被害は減ってきたものの、手を緩めると再び勢力を増す先例があり、川辺での駆け引きはこれからも続きそうだ。日の出直前の13日午前5時12分、桂川を東から来た1羽の黒い鳥が上野原市新田の上空を飛び、西の上流へ向かった。「あれは斥候(せっ・こう)だ」と銃を持つ猟友会員。カワウが群れに先立って飛び、偵察しているように見えたからだ。十数分後、別の1羽が東から西へ。やや上流から「パン、パン」と銃声が響いた。猟友会員への無線連絡によると、弾ははずれたという。数分後、約4キロ上流から今度は「1羽を撃った」と無線が入った。カワウはえさの魚を求め桂川を上流へ飛ぶ。猟友会員らによると、今年1、2月は一日に数十羽から約100羽で、3月から4月上旬は50羽前後。いずれも大半は夕方に東へ戻る。一部は支流の鶴川もさかのぼる。今月初め、桂川漁業協同組合が猟友会に協力を依頼し、銃を使い始めた。13日は結局、飛来する群れが見られず、「警戒してコースを変えたかな」と会員たちは漏らした。ただ、16日以降は十数羽以上の群れが飛ぶ日が多い。23日までに銃撃で捕獲したカワウは17羽になった。桂川漁協は16日から稚アユを放流し、5月20日ごろまでに100万匹を放つ予定。アユ釣りが解禁される6月初めまでのカワウ対策は特に重要だ。大澤良雄参事は「ロケット花火で脅かし追い払っても、周りを飛び回っているだけ。銃で捕獲しないと効果が上がらない」と打ち明ける。狩猟ができる渓谷にカワウが来る桂川では、銃で駆除する。一方、県水産技術センターは、甲府市下曽根町の笛吹川左岸のコロニー(集団繁殖地)で、偽の卵を使う繁殖抑制策を講じている。約350羽が生息するとされるが、住宅地が近く、銃を使えないからだ。12日午前、川辺の林にある下曽根コロニーに、センター職員が訪れ、警戒したカワウが続々と巣から離れた。このすきに職員は釣りざおを使って、小高い樹上にある約30個の巣からカワウの卵約70個を取り出し、同じ数の「擬卵」に置き換えた。一部の巣では、本物の卵にドライアイスをふりかけて、孵化(ふ・か)を防ぐ手法も用いた。こうした繁殖抑制策は2004年から続き、銃による駆除とともに効果が表れ、県内でえさを取るカワウの数は減る傾向だ。センターによると、ピークの06年に500~550羽になったが、現在は2割余り減って約400羽とされる。カワウが捕食した県内の稚アユの被害額は07年、センターの推計で1300万円に上ったが、その後は減る傾向で、昨年の推計は400万円になった。カワウ対策は他県でも、銃に頼る所が少なくない。琵琶湖に大きなコロニーがある滋賀県の場合、08年度に銃の駆除を中止したところ、生息数は同県の調査で08年春の3万7千羽から同年秋に7万4千羽と倍増。09年から銃使用を再開した結果、昨年秋の生息数は約1万1千羽とされる。センターの芦澤晃彦研究員は県東部について「神奈川県の相模湖付近のねぐらから桂川に飛んで来て、アユやウグイを食べる。湖から30キロ離れた所に来ることもある」と説明。「カワウがいる限り、ある程度の対策はやっていかなければならない」と話す。
(公設獣肉処理施設が開所:大分)
日田市が建設を進めていた市内上津江町の「市獣肉処理施設」が完成。23日、開所式と試食会があった。農林作物被害防止で捕獲したイノシシやシカの有効活用が目的。特産品として推進し、地域活性化も目指したいとしている。このような加工処理場の公設は県内で初めて。施設は木造平屋(延べ床面積61平方メートル)。熟成のための冷蔵庫(チルド)や最新式の「高鮮度維持凍結機」、ミートチョップやスライサーなどの機材を備える。総事業費約3460万円(うち県助成1千万円)。地元住民でつくる「獣肉処理施設管理組合」(川津保夫組合長)が指定管理者として運営。イノシシやシカを買い取り、精肉加工して販売する。年間200頭を処理する予定。市上津江振興局で開所式があり、約50人が出席。原田啓介市長が「有効活用で被害対策と地域振興が図られれば。商品開発や販路拡大に頑張りたい」とあいさつ。川津組合長は「(民間流通でなく)公に販売できるようになった。活用したい」と意気込んだ。試食会では、地元の加工グループ「森林木(もりのき)=宇都宮靖子代表」やソーセージ職人らが考案したイノシシ料理約15品が並び、肉のおいしさや調理法をアピール。フードサービス会社の男性(50)は「臭みがなく、おいしい。皮が気になるが工夫次第。メニューに取り入れたい」と話した。市の昨年度の捕獲実績はイノシシ327頭、シカ410匹となっている。
(四万温泉のイノシシ鍋、来年から中止:群馬)
東京電力福島第一原発事故により群馬県内の獣肉や山菜などから放射性セシウムが検出されている問題で、四万温泉協会(中之条町)が、冬の名物として各旅館で提供してきたイノシシ料理「あがしし鍋」を、来年から中止する方針を固めたことが24日、わかった。「あがしし」は、農作物に被害を及ぼすとして駆除された吾妻郡内のイノシシ肉をJAあがつま(本店・東吾妻町)が加工して売り出しているもの。同温泉協会は2010年から、約20軒の旅館でこの肉を使った鍋料理を提供。ボタン、しゃぶしゃぶ、ちゃんこなど旅館独自の味付けで人気を集めてきた。しかし昨年3月の原発事故後、県の調査によると、中之条町内で同6月に捕獲されたイノシシから1キロ・グラムあたり272ベクレルの放射性セシウムを検出。今年に入っても、同郡内のイノシシから32~308ベクレルが出ている。このため、同温泉協会は、あがしし鍋3シーズン目となった今年1~3月は慎重を期して、原発事故前に捕獲、食肉加工して冷凍保存していたイノシシ肉のみを鍋の食材に使用してきた。しかし、同JAは昨年12月末でイノシシの食肉加工を休止しており、国は4月から食品中に含まれる放射性セシウムの新規制値(1キロ・グラムあたり100ベクレル)を導入した。同JAが事故前にストックしていた肉もウインナーやサラミなどに加工すれば、今夏に無くなる見通しで、来年の鍋に使えるめどが立っていないという。同温泉協会の柏原益夫会長は「来年も続けたいが無理だろう。名物になっていただけに残念。新しい名物を開発したい」と話している。
(イノシシ総合対策へ協議会:茨城)
イノシシによる農作物被害を防ごうと、県や市町村、関係団体が結集し、体制整備に乗り出す。これまで本県のイノシシなどの獣害対策は狩猟者による捕獲が中心だったが、捕獲に加え、防護と環境整備にも力を注ぎ総合的な対策を目指す。まずはネットワークを構築しようと、24日に行政や関係団体が協議会を設立。5月には、獣害対策の専門知識を持つ人材を育成する「茨城猪塾」(仮称)を開講する。県によると、県内のイノシシなどによる農業被害は近年、増加の一途。2010年度は、前年比17・9%増の7951万円に上り、5年前に比べ2・4倍にもなった。県は、獣害対策として、県イノシシ保護管理計画に年間捕獲頭数目標を掲げ、捕獲を進めている。ただ、被害防止には捕獲だけでなく、柵などを使った防護、イノシシを引き寄せない環境整備を、総合的に組み合わせることが必要という。県エコ農業推進室によると、こうしたイノシシ対策は、西日本では進んでいるが、本県は「後発」。同室は「地域全体が獣害に強い集落づくりをする必要がある。そのためにアドバイスができる人材育成や関係機関のネットワーク構築が求められる」と説明する。協議会では、まず、県、市町村、関係団体が連携し、専門知識を持つ人材を育成する。県、県北地域を中心としたイノシシが生息する16市町、農業団体が参加し、24日に設立総会を開く。また、5月から「茨城猪塾」(仮称)というユニークな講座も開講。協議会の推薦を受けた行政などの関係者を対象に、計6回、獣害対策の専門家から基礎を学んでもらう。修了者には「鳥獣被害防止推進員」として、地域の被害対策を支援する。このほか、協議会は被害調査や捕獲技術の初心者向け研修会なども行う予定。さらに今後は、協議会のネットワークを生かし、地域の課題を洗い出すとともに、モデル地区を設けるなど、獣害対策の実践に乗り出したい考えだ。
(サル目撃情報3件:新潟)
新潟市北、東、中央の各区で住民に目撃されているサルは24日午前、西区でも目撃された。被害の報告はないが、同日正午現在、サルは捕獲されていない。西区役所には24日正午までに、3件の目撃情報が寄せられた。サルは同日午前7時半すぎに西区五十嵐1の町、午前8時半ごろに同区五十嵐2の町、午前9時ごろに同区五十嵐3の町で、それぞれ1匹目撃された。
(サル目撃相次ぐ:神奈川)
秦野市内の小学校や団地周辺で、サルの目撃情報が相次いでいる。マンションのベランダで目撃されたケースもあり、市は同じニホンザルとみて近づかないよう注意を呼び掛けている。市環境保全課によると、目撃情報があるのは半径2キロ圏内。20日午前8時15分ごろ、市立南が丘小学校周辺の立野台緑地で1頭のサルが歩いているのを小学校の教職員が発見。その後、近くの市立幼稚園前と消防署南分署前の道路を横断している姿がそれぞれ目撃された。21日朝には市立こうぼうふじみ公園(同市曽屋)、22日も午前中に下大槻団地や近くのマンションのベランダ、午後は北矢名地区の住宅街にいたという。けが人は出ていないものの、同課は「群れを離れたサルとみられる。戸締まりを徹底するとともに、近づいたり餌を与えたりしないようにしてほしい」と呼び掛けている。
(停電の原因はカラスの巣:山形)
毎年、春先に繁殖期を迎えるカラス。3月から6月ごろに巣作りの最盛期を迎える。24日午前、中山町の達磨寺で行われていたのは東北電力山形営業所によるカラスの巣の除去作業。東北電力山形営業所発電技術サービス課の佐藤聡技術長は「電線に直接枝が乗っかってしまうと停電しやすい状況になるので巣を除去している」と話す。高さ約12メートルの電柱のてっぺんに作られたカラスの巣。東北電力の作業員が高所作業車に乗り込み、絶縁性の「ヤットコ」と呼ぶ道具を使って、巣を一気に取り除いていく。取り除かれた巣は、直径50センチほどの大きさ。材料には、せん定された果樹などの枝が使われていた。佐藤技術長は「カラスの巣には針金のような金属製のものも使用されている場合もあり、取り外す際には、電線にぶつからないように取らなければならないので、作業の難易度が増する」と語る。23日午前6時前に中山町と山辺町で441世帯が最大で1時間余りが停電したが、原因はカラスの巣。東北電力では、巣を発見するため、週に2、3回のパトロールを行ない、停電事故をなくそうとしている。すでに県内では、ことし2月から先月末までで1072個のカラスの巣が除去された。佐藤技術長は「停電のない電気を送るために、電線の保守などを十分して、お客様に喜ばれるように電気を送電できるように頑張っていく」と話した。カラスの巣の除去作業は繁殖期が終わる6月ごろまで続けられる。
(カラスの巣で停電:愛知)
22日午後0時35分頃、愛知県の愛西市と津島市で、電柱にカラスの巣に使われた木の枝が接触したことによる停電が発生し、約1120世帯に影響が出た。中部電力名古屋支店によると、愛西市宮地町の電柱上部にある変圧器充電部に木の枝数本が引っかかり、雨水によって通電したとみられる。

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(牧場からクマ6頭脱走、女性2人襲われ死亡:秋田)
秋田県鹿角市八幡平の秋田八幡平クマ牧場で20日、6頭のヒグマが飼育施設から逃げ出し、飼育員2人を襲った。襲われたのは69歳と75歳の女性飼育員で、2人とも全身をかまれ死亡した。逃げ出した6頭のヒグマはいずれも駆けつけた地元の猟友会員によって射殺された。秋田八幡平クマ牧場は33頭のクマを飼育していた。夏に一般公開しているが、クマが逃げ出した後に閉鎖された。現場周辺にはバリケードが設置され、当局者は住民や子どもたちに外出しないよう呼び掛けた。現在、警察は施設の安全面に問題がなかったか調べている。また牧場のオーナーにもクマが逃げ出した経緯について尋ねている。女性飼育員がクマに餌を上げている最中に襲われたか否かは明らかになっていない。クマの飼育施設は高さが最大で10メートルほどの塀に囲まれているが、屋根はない。事故当時、雪が塀の上部付近まで積もっており、クマが雪を登って塀の外に逃げ出した可能性もあるという。
(イノシシ無許可捕獲、補助金も不正受給:長崎)
イノシシを無許可で捕獲し、対馬市から捕獲補助金を不正に受けとったとして、対島南署は20日、対馬市豊玉町の男性(54)ら2人を鳥獣保護法違反などの容疑で長崎地検厳原支部に書類送検した。2人とも容疑を認めているという。容疑は、昨年8月中旬ごろから9月上旬までの間、同市同町で犬にかみつかせる方法でイノシシ7頭を捕獲。うち6頭を狩猟免許がある対馬市猟友会員の男性(当時74歳)に譲り、共謀して捕獲補助金6万円をだまし取ったとしている。対馬市では、狩猟免許所持者はイノシシを駆除すると有害鳥獣の捕獲料として1頭につき1万円を給付される。また、イノシシの補助金に絡み、同署は同市美津島町の男性(当時37歳)ら3人を窃盗と詐欺未遂容疑で昨年11月30日に書類送検していたことを発表した。送検容疑は同市厳原町の空き地で、近くの男性が仕掛けたわなにかかっていたイノシシ2頭を盗み、自分で捕獲したかのように装って、捕獲補助金を対馬市から不正受給しようとしたとしている。
(札幌のヒグマ駆除、市役所に抗議60件:北海道)
20日朝、札幌市南区藻岩下の民家近くにいたヒグマ1頭を北海道猟友会のハンターが猟銃で駆除したことに対し、札幌市役所に同日、60件近い抗議が寄せられた。ハンターは午前6時10分ごろ、民家から約20メートル離れた林の中にいるヒグマを発見し、射殺した。その後、同市環境局みどりの活用担当課には「なぜ、発見後すぐに殺したのか」「山に返せば良かったのに」などの抗議の電話が相次いだという。一部の民報テレビ局が、昼のニュースなどで、クマが撃たれて地面を転がる生々しい場面を放映したため、抗議が殺到したとみられる。同課は「人を恐れないクマで、付近に小学校もあることから、危険性が高いと判断し、やむなく駆除した」と駆除に理解を求めるとともに、テレビ局に射殺した場面の放映自粛を要請した。駆除されたクマは解剖の結果、推定2、3歳の雄で体長約135センチ、体重約120キロだった。
(サル住宅街に、4時間後に捕獲:徳島)
藍住町東中富の住宅街に20日午後、体長約50センチのサルが現れ、板野署員や消防隊員らが捕獲を試みた結果、約4時間後に無事捕獲された。板野署や板野東部消防組合などによると、同日午後0時半ごろ、住民から「大きなサルが屋根の上にいる」と110番通報があり、午後1時過ぎから捕獲作業を開始したが、サルは店舗や民家の屋根を伝って逃げ回った。その後、駆けつけた県職員が麻酔の入った吹き矢を放ち、午後5時過ぎ、眠りかけていたところをようやく消防隊員が捕まえた。周辺の住民らにけがなどはなく、サルは近くの山に放された。
(サル出没、注意を呼び掛け:神奈川)
平塚市で18日からサルが出没し、市環境政策課と県湘南地域県政総合センター環境調整課は、小学校、保育園、幼稚園などに情報を提供するなどして注意を呼び掛けている。サルの性別、大きさなど詳細は不明で、現在のところ被害の報告は寄せられていないという。市のホームページで随時、情報を掲載している。市環境政策課によると、サルは18日に西部の上吉沢で目撃され、19日には同じく西部の公所、広川、高村、20日には南部の幸町、袖ケ浜、東部の馬入本町、中堂、中心部の明石町、見附町、西八幡などでも目撃が続いた。市、県は、サルが山に戻るのを見守る方針。市は「サルと出合ったときは、近づかない、大声を出さない、目を見つめない、からかわない、餌をやらないようにしてください」と注意を呼び掛けている。平塚では年に1回程度、サルの出没があるという。
(ニホンジカ捕獲、昨年度大幅増:長野)
食外対策として行なっている南信森林管理署のニホンジカの捕獲頭数は、猟友会に委託した結果、大幅に増えたことが20日わかりました。昨年度捕獲したニホンジカは、南アルプスで797頭、八ヶ岳で379頭、霧ヶ峰で77頭の合わせて1,253頭で、このうち猟友会が捕獲した分は、1,182頭にのぼります。前年度は、猟友会への委託契約がなかったため、職員の捕獲が中心となっていて216頭にとどまっていました。南信森林管理署では、猟友会との委託契約による捕獲が効果的だつたとして、今年度も引き続き実施するとともに、年間を通じて使用でき、効率的で安全なくくりワナの貸し出しによる捕獲を積極的に実施していきたいとしています。
(鳥獣被害対策、各部署が連携:滋賀)
県内の鳥獣害対策について話し合う「県鳥獣被害対策本部員会議」の初会合が18日、県庁であり、琵琶湖環境部や農政水産部の各課長ら約20人が出席した。県は昨年11月、県内のシカの推定生息数を見直し、約2万6000頭(10年秋時点)を4万7000〜6万7000頭に上方修正。シカの捕獲体制などを強化するため今年度から鳥獣対策室を設置し、同会議を開催した。会議では当面取り組む内容として、10年度実績で約9600頭だったシカ捕獲数を12年度は1万3000頭まで増やすことや、例年秋〜冬に3カ月あるイノシシの狩猟期間を1カ月延長することが報告された。今後はニッコウキスゲやユウスゲなど貴重な高山植物がシカに食べられている伊吹山で侵入防止柵を設置したり、人に慣れ農作物に大きな被害を与えているニホンザルの群れを大規模捕獲するモデル事業を予定している。
(有害鳥獣駆除の講習会:長野)
上伊那猟友会は、今年度有害鳥獣駆除を行う猟友会員を対象にした講習会を20日、辰野町の県営総合射撃場で開きました。講習会は、安全かつ効率的に有害鳥獣駆除を行おうと上伊那猟友会が開いたものです。3日に分けて開かれ、最終日の20日は伊那市の会員およそ100人が参加しました。講習会では、銃やワナの取扱方法などの講座が行われた後、散弾銃によるクレー射撃が行われました。クレー射撃は、空中に放たれた直径15センチほどの円盤型の的を打ち抜く技術を競うものです。会員らは、得点を競いながらお互いに射撃の腕を磨いていました。上伊那地域のニホンジカの食害による農業や林業の被害額は、平成17年度がおよそ4,800万円だったのに対し、平成21年度が9,700万円、平成22年度が1億2,000万円となっていて、林業を中心に年々増えています。上伊那猟友会では、有害鳥獣の効率的な捕獲を行おうと、ワナの仕掛ける場所を示した捕獲マップを作成する考えです。上伊那猟友会では今年度、伊那市高遠町の県有林をモデル地域にし、マップを作成する考えです。
(シカ肉「おいしい」購入調査で好印象:北海道)
エゾシカ肉の消費拡大を推進している釧路市とFMくしろは、3月に釧路市内の卸売りスーパーあいちょうで生のシカ肉を試験販売した際に、購入者を対象に実施したアンケート調査の結果をまとめた。まとめによると、シカ肉を「おいしい」とした回答は178件あり、「おいしくない」の9件を大幅に上回った。集計したFMくしろの担当者は「シカ肉に対し、ほぼ好意的な印象を持っている」と話している。
(春に全国的に頻発する停電の原因:鳥取)
16日午前、鳥取市湖山を中心に2千戸あまりが2時間40分に渡って停電したが、原因はカラスの仕業だったようだ。中国電力の担当者が停電の原因と考えるのがカラスの巣だ。その写真を見るとハンガーのようなものが写っていた。中電によると、ハンガー以外にも針金など金属性のものが色々混じり、それが電線に触れてショートしたと分析している。実は、カラスの巣による停電は全国的に頻発していて、特に営巣が盛んなこの時期は注意が必要で、電線にカラスの巣を見つけた場合はすぐに連絡して欲しいと呼びかけている。

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4/20
(クレー射撃協会、倫理委で処分案を検討)
日本体協は18日の理事会で、役員人事をめぐる内紛が長期化している日本クレー射撃協会に対し、加盟団体規定などに基づき、倫理委員会で処分案を検討することを決めた。岡崎助一専務理事は「紛争が3年以上にわたって長期化しており、不適切な協会運営といえる」と説明した。規定で定める処分は退会が最も重く、資格停止、勧告、指導がある。クレー協会は役員改選をめぐる新旧執行部の訴訟で、現執行部が文部科学省の仲介による解決を条件に上告を取り下げる方針を3月に決めた。岡崎専務理事は「執行部の一本化に向けた動きにも期待している。動向を見極めつつ(倫理委で)対応を考えていきたい」と述べた。
(住宅街出没のクマ駆除:北海道)
住宅街にクマが出没しました。クマは20日朝も19日と同じ場所に現れ、猟友会がクマを駆除しました。20日朝は午前4時から警察や猟友会がクマの捜索に入り、19日にクマが目撃された住宅街付近を捜索し、午前6時すぎ、再び現れたクマを駆除しました。クマは大きさが1.5メートルくらいで、19日に住宅のすぐ裏山に現れたクマと同じ個体とみられています。現場は札幌の観光スポット・藻岩山の頂上から南東側のふもとの住宅で、すぐ近くには交通量の多い国道も走っています。現場から1キロ足らずのところには小学校もあり、猟友会などはクマを見つけ次第、駆除する方針でした。
(サル、男女13人にかみつきけが:滋賀)
草津市は18日、市内で13人の男女にかみつくなどしてけがをさせた母親ザルと子ザル2匹を捕獲したと発表した。同市によると、2匹は昨年11月から同市岡本町や山寺町の住宅街や工業団地の駐車場などに出没。母親ザルは体長約50センチで、小学生から高齢者まで計13人の背中に乗ってひっかいたり、足にかみつくなどして軽傷を負わせた。人間に近付いた警戒心の弱い子ザル(体長約30センチ)を守るため、母親ザルが襲ったらしい。山寺町では敬老会がゲートボールをしているところに子ザルが現れ、玉をいじって遊んでいるのを母親が抱きかかえて逃げたこともあったという。同市は山寺町にオリを設置し、今月16日に子ザル、17日に母親ザルを捕獲した。今後は動物園に引き取ってもらうなど殺処分ではない方法を考えているという。
(クマ目撃される:新潟)
18日午前4時ごろ、加茂市上大谷の県道を体長約80センチのクマ1頭が横切るのを、近くの男性が目撃し、市に通報した。現場から約300メートル先には民家があり、市は注意を呼び掛けている。一方、19日午後6時ごろ、上越市名立区車路の名立川右岸にクマ1頭がいるのを目撃したと、通り掛かった男性が市に通報した。市によると、現場は宝田小学校から約50メートル。クマは体長約1メートルで、左岸に渡った後、山の方向に逃げたという。
(イノシシ被害報告:沖縄)
18日に開かれた石垣市病害虫防除協議会で石垣島製糖や市農政経済課などから北西部地区でのイノシシ被害が報告された。昨年定植した夏植えのサトウキビへの被害が出ているという。同地区には猪垣が整備されているが、川をまたぐ猪垣などは、大雨による増水で、破損箇所が多いとか。周辺農家による補修の意見が出されたが、場所が場所だけに農家による補修には限度がありそうだ。
(深刻化するイノシシ被害、駆除方法や生態紹介:千葉)
イノシシによる県内の農作物被害が深刻化する中、県は、駆除などの具体的な手法を紹介する「県イノシシ対策マニュアル」を初めて取りまとめた。後継者不足により農山村集落で十分な対応がとれない現状などを踏まえ、イノシシの生態や被害発生のメカニズムのほか、捕獲や防護柵などの技術的な対策を盛り込み、イノシシ被害に負けない地域づくりを支援する。県内のイノシシは1973~85年までの13年間の捕獲記録がなく、本県ではいったん絶滅したとされていた。しかし、80年代半ばごろから、人為的に野外に放ったとみられる他県のイノシシが夷隅地域など県南部を中心に増殖。最近では印西市や東金市などまで北上し、33市町村で生息が確認されている。県自然保護課は「人が放ったことによる生息数の増加に加え、餌場を探してイノシシが里山を移動していることも増加している要因」と分析している。
(イノシシ食害、サワガニにも:栃木)
市環境政策課がまとめた2011年度版の「市民環境レポーター調査結果報告書」で、サワガニ、ヤマユリといった動植物の生育確認(区域)数が減少し、その原因がイノシシによる食害の疑いが出ていることが分かった。この調査は環境保全意識の啓発などを目的に、1993年度から実施。今回は一般市民から募った小学生を含む市民301人が「環境レポーター」として、身近な生き物40種について昨年4月から1年間調査した。調査方法は市内を1キロ四方(1キロメッシュ)ごとに区切り、そのメッシュ内に調査対象の生き物が生息していたかを確認した。その結果、ヤマユリは、昨年の生育確認数37メッシュに対し、22メッシュに減少。山にはイノシシが掘ったとみられる跡が各地にあり、かなりの数のヤマユリの球根が食べられたという。サワガニは19メッシュから12メッシュに減った。織姫公園など市中心部の山では、昨年あたりから確認数が減少し、イノシシの食害が疑われている。市農務課によると、イノシシによる農作物被害は、ピークだった2006年度から大幅に減少しているが、イノシシは「どこにでもいる状況」(同課)だという。今回の調査では、ヤマユリで「イノシシによる食害が、よく分かる調査になった」が、報告書はメッシュで探した生き物が見つからなかった場所について、再度調査を行うよう求めている。
(停電招くカラスの巣、産卵期迎え中電警戒:三重)
カラスが産卵期を迎え、中部電力は営巣する送電線の鉄塔や電柱の監視に神経をとがらせている。カラスが巣の材料とする金属製のハンガーや針金が電線部分に触れて停電になるケースがあるからだ。今年は巣が原因とみられる停電がすでに5件発生し、昨年は1時間半近く停電する影響も出た。同社では速やかに巣を撤去するため、市民らに情報提供を呼びかけている。カラスの巣作りは2月中旬から5月末とされる。県内では昨年、4033個の巣が見つかり、巣が原因で4件の停電が発生。そのうち5月29日の停電は150世帯で最大79分間に及んだ。同社三重支店は、停電を引き起こす恐れがあった2427個を撤去した。今年は3月5日に巣が原因で四日市市と鈴鹿市で50分間停電し、計1890世帯に影響した。このほかにも県内では4件の停電が起きた。
(日本ジビエ振興協議会、5月に発足)
鹿やイノシシなど国産のジビエを普及・拡大し、中山間地域の農林業や産業を守り地域を活性化するため、「日本ジビエ振興協議会」が5月31日に発足する。ジビエ料理の第一人者・藤木徳彦シェフがオーナーを務めるレストラン「オーベルジュ・エスポワール」(長野県茅野市)や大手旅行会社のJTBなど9社が発起人となり設立。同日はジビエ振興セミナーを開催する。併せて説明会を開き地方自治体や関連企業、個人に向けて参加を呼び掛ける。
(カラスの行動範囲、春が狭く夏から秋は広い)
木の枝やハンガーで作られたカラスの巣が原因で、2010年4月に都内2,700世帯が停電するなど、大きな被害が出ている。この被害を減らすための研究が進んでいる。人間の生活用品も自分たちの巣にしてしまうカラスの知能。そのずる賢さは、このほかにも見られる。巣の中で卵を温める国の特別天然記念物・トキ。親のトキが立ち上がり、巣を離れると、そのすきにカラスが侵入し、温めていた卵を奪うと飛び去った。貴重なトキの卵がカラスに盗まれたのは4月7日で、卵は前日に産んだばかりのものだったという。毎年3月から5月の間はカラスの繁殖シーズン。この時期は、カラスの巣作りをめぐる被害も出ている。東京・足立区で2010年、電柱の上に巣を作っていたカラスが電線に触れ、およそ2,700世帯が停電した。石川県では2011年、カラスの巣が電線を傷つけたために発生したとみられる停電が11件発生している。電力会社が巣の撤去作業を行うなど、カラスの監視を強化している。カラスの巣を撤去した作業員は「(カラスに襲われることは?)時々、これがあるんです。カラスの気が立っていると、襲ってくる。わたしも何回か襲われたことがあります」と語った。厄介なカラスの行動だが、カラスの研究で知られる宇都宮大学農学部の杉田研究室では、カラスの行動解明につながるユニークな実験が行われていた。わなにかかったカラスを捕まえる研究員。捕まえたカラスの背中には、白い箱のようなものが見える。この箱について、宇都宮大学・杉田研究室の竹田 努博士は「散歩とか、山登りなんかで使う、自分が行ったところなどを記録する機械です」と語った。この実験は、世界でもほとんど例がないGPSでカラスの行動を探るというもの。重さ25グラムのGPS装置をカラスに取りつけたあと、カラスを放す。すると、GPS装置が15分置きに、いる位置を記録する。再び、わなにかかったカラスからGPS装置を回収し、そのデータを解析すると、カラスが飛んだ軌跡を地図上で確認することができる。竹田博士は「(これまで)一般的に認識されているのは、朝、カラスが飛んできて、夕方になると、ねぐらに帰って行く。(1日の移動距離は)せいぜい飛んでも10kmだろうと」と語った。ところが、解析されたデータからは、その認識が覆された。長野・飯田市で実験をしたところ、カラスは県をまたいで、往復およそ60kmを1日で移動していたことがわかった。また、繁殖期である春は、卵を育てるため行動範囲が狭く、巣立ちを迎える夏から秋は行動範囲が広くなることも、GPS装置の解析から判明した。これらの研究結果は、カラスや巣の駆除に今後、役立つ可能性があるという。竹田博士は「(カラスの)行動を読み込むことで、好きな場所はどこにあるんだろうとか、カラスは何時ごろに飛んで、何時ごろに動くんだろうということがわかってくれば、対策方法を立てることができるのではと考えている」と語った。

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(補助金効果で目標の3倍、カラスの有害捕獲:和歌山)
2011年度の和歌山県田辺市でのカラスの有害捕獲数は303羽だった。同年度から農作物被害を減らすため、有害捕獲に補助金を設定したことで捕獲数が激増、目標の100羽を大きく上回る結果となった。市は「今後、2、3年続ければ被害をかなり減らせる」と期待している。同市では、11月から翌年4月ごろまで、上芳養や上秋津、三栖地域などでかんきつ類の被害が多く出ている。また、梅畑にまいた肥料を食べたり、接ぎ木のテープをはがしたりするいたずらもあり、農家からは「年中カラスに何か嫌がらせされているようだ」と相談が寄せられていた。被害額は年間400万~500万円に上る。08年度から有害捕獲をハンターに依頼していたが、カラスの賢さから、待ち伏せに時間がかかるなど、年間の捕獲数が数羽程度にとどまっていた。このため、11年度から銃器で1羽千円、わな600円の有害捕獲の補助金を設定した。市は「とにかく、個体数を減らすことで被害を減らしたい」と話している。まだ多くのカラスが園地に飛来しており、本年度も300羽ほどの捕獲を見込んでいる。市内では他の鳥獣による農作物被害も多く、補助金を設定している。イノシシとシカは銃1万5千円(わな6千円)、サルは銃3万円(同1万8千円)、アライグマはわな2千円となっている。
(桜島でイノシシ被害が増加:鹿児島)
イノシシやシカなど有害鳥獣と呼ばれる野生動物による農作物への被害が全国各地で深刻化している。県内でも平成22年度、主なものではイノシシによる被害が1億6000万円、シカが9700万円、サルが4600万円となっており、全体では3億5000万円に上っている。鹿児島市の桜島でもイノシシが農作物を食い荒らす被害がここ数年急増しており、各農家では手製の柵を設置したり、電気が流れる電気柵を設置し、自衛策をとっている。一方、民家の庭先や道路でもイノシシの出没が相次いでいる。桜島駐在所では子どもが被害にあうことを防ごうと、目撃情報が多い地域を地図上に示した「イノシシハザードマップ」を作り、注意を呼び掛けている。有害鳥獣による農作物への被害は全国的にも増えていおり、ワナを作っている鹿児島市の西製作所では、全国の自治体からの注文が急増していると言う。イノシシなどの増加は、過疎化の影響で人里に近い畑が手放された結果、イノシシにとって絶好の隠れ場になっていることなどが大きな原因とみられている。一方で、対策面では、期間が限られている狩猟期間を1年を通して捕獲できるようにしたり、ワナの取り付け免許を取るための受験代の援助なども行われているが、狩猟者の高齢化や後継者不足で、全体の捕獲数が減っているのが実情だという。
(シカを避けようとして正面衝突:北海道)
13日午後10時35分ごろ、北海道根室市内の国道44号を走行中の乗用車が対向車線側へ逸脱。対向車線を順走してきた軽乗用車と正面衝突する事故が起きた。双方のクルマは中破。軽乗用車側の2人が死亡。乗用車の運転者も軽傷を負っている。北海道警・根室署によると、現場は根室市湖南付近で片側1車線の直線区間。乗用車は路上に飛び出してきたエゾシカを避けようと急ハンドルを切ったが、そのまま対向車線側へ逸脱。直後に対向車線を順走してきた軽乗用車と正面衝突した。軽乗用車は道路脇の斜面に転落して中破。乗っていた60歳代の男女は全身を強打して収容先の病院で死亡。乗用車を運転していた東京都世田谷区内に在住する19歳の男性も打撲などの軽傷を負っている。乗用車を運転の男性は帰省中。現場付近では以前からエゾシカが車道に侵入。事故に至るケースが多々あり、防護柵を設置していた。
(計画個体数、5か年87%減目指す:山梨)
県は17日、ニホンジカの個体数を減らす施策などを盛り込んだ「第2期県特定鳥獣保護管理計画」を発表した。狩猟頭数制限の撤廃などを通じ、2012年度からの5か年でニホンジカを87%減らし、4700頭にすることを目指す。シカ肉の消費拡大も推進する方針だ。計画によると、県内のニホンジカは2010年度の推定で3万6110頭に上り、05年度の1万8000頭から倍増している。生息に適さなかった積雪の多い地域などにも広がった。農林業などの被害軽減のため、県が第1期計画を始めたのは05年度。06年度以降、ニホンジカの捕獲頭数は年々増えて10年度末までに計2万2775頭が捕獲された。だが、個体数は減少に転じていない。12年度のニホンジカの県内捕獲目標は、前年度比4500頭増の1万2000頭と設定された。県内の農地面積などから見た「適正生息数」の4700頭に減らすため、第2期計画では16年度までの施策として、一般狩猟者の狩猟頭数制限(1日1人2頭)の撤廃▽ワナによる効率的な捕獲手法の検討――などを挙げている。また、「捕獲したシカは食肉として有効活用する」と明記。捕獲の担い手を増やすにはシカ肉需要を喚起する必要があり、フランス語で野生鳥獣の肉を意味する「ジビエ」料理を県内に普及させることを狙う。県みどり自然課はジビエの調理方法を紹介するシンポジウムを今秋開催する予定だ。長野県茅野市の蓼科高原にあるフランス料理店「エスポワール」では、ニホンジカの肉などを使った冬季限定のジビエ料理が人気だ。同店のオーナーシェフ藤木徳彦さん(40)によると、ジビエ料理振興の先進地とされる長野県ではジビエを出す店は多いものの、シカ肉の需要は低迷している。原因は、価格が高いことと、適切な調理法を知らずにジビエ料理を作った結果、おいしくないメニューが出来上がってしまうことだという。ステーキなどに使えるシカの部位は、1頭当たりわずか約8キロで、残りはスジが多いため捨てられることが多い。食べられる部位の肉の価格は、食肉処理後の段階で黒毛和牛と同じ1キロ当たり4000~4500円という。また、シカ肉の調理は、低温で長時間熱を加えなければ軟らかくならないが、高温で煮込んだ結果、肉が硬くなってしまうことが多い。こうした現状を打破するため、藤木さんが有望と見ているのが首都圏へのジビエ普及活動だ。昨年11月から今年1月末まで、藤木さんが考案したシカ肉のカレーやハヤシライスなどをJRの東京駅と上野駅の飲食店で限定販売したところ、予想を上回る売れ行きを見せた。藤木さんは、シカ肉の特性を生かした調理法を伝える講習会を全国各地で開いている。藤木さんは「シカ肉本来のおいしさを知る人が増えれば需要が増え、捕獲から加工処理施設を経て飲食店や消費者へ届くサイクルがきちんと機能するようになる」と指摘している。
(獣害防止柵を4㎞:群馬)
地域自主戦略交付金事業として獣害防止柵の整備を進めている嬬恋村は本年度、引き続き田代地内で設置工事を推進していくことに加えて、別の場所で新たに総延長28・5㎞の防止柵建設に伴う実施設計業務の委託を実施する。委託の対象箇所は来年度から5カ年かけて建設する。夏秋キャベツの一大産地である同村では、2007年ころから被害金額が急増。長野県側や鹿沢方面からカモシカやイノシシが現れており、10年度は3億2271万円の被害が出ていた。本年度の当初予算には、設置工事費7670万円と設計委託費1050万円を計上している。嬬恋村は、2010年度から田代地内で延長13・5kmにわたり獣害防止柵の設置に着手しており、高さ2mの金網柵を初年度と昨年度ともにL約5kmずつ整備した。本年度については残るL4km程度を第1四半期中にも2分割で発注したい考え。設計は群馬県土地改良事業団体連合会(前橋市)が作成した。同箇所については本年度で完了となる。さらに新規で取り組む箇所は、国道144号の南側が対象。長野県との県境、鳥居峠付近から南側のキャベツ畑を囲むように新田代橋付近まで建設される。県道や村道にかかる部分はふさぐことはできないものの、ほぼ一続きで包囲することになる。総事業費は4億7000万円を見込む。来年度から工事に移り16年度までの事業計画。実施設計は群馬県土地改良事業団連合会が作成するもよう。工事は西側から進行していく見通しだ。同村では現在、カメラなどを設置し動物の動向を観測中。イノシシの被害が多い箇所の把握に努めており、委託の中で地中にイノシシ対策の返し(70㎝程度)を設ける箇所を検討していく予定。同村でも田代地区での被害が最も多く、カモシカの食害だけで1億9209万5000円、イノシシは食害と掘り起こしを合計して1736万3000円に上っている(10年度)。野菜類の定植期と収穫期が狙われている現状で、地元農家からは対処を求める声が一致して挙がっている。県も「ぐんま農業はばたけプラン」で、吾妻管内の鳥獣被害額を10年度の3億6873万円から15年度には2億1700万円まで減少させることを目標に掲げている。被害額のうち87・5%は同村の被害であることから団体営事業として対応し、食い止めていくことになった。
(架線停電で常磐線4本運休、カラス接触か:茨城)
17日午後2時4分ごろ、JR常磐線のひたち野うしく―藤代駅間で架線停電が発生し、土浦―取手駅間の上下線で一時運転を見合わせ、停車した列車や線路の点検を行った。JR水戸支社によると、カラスが架線に接触してショートしたとみている。下りが午後3時2分に、上りが同3時11分に、それぞれ運転を再開した。影響で普通列車上下4本が運休、特急上下6本を含む上下20本に1時間8分〜17分の遅れが出た。
(忌避剤に効果あり、シカの食害に期待:北海道)
道立総合研究機構・林業試験場(美唄市)が、昨年標津町で実施したシカが嫌う成分が入った忌避剤撒布の実験結果をまとめた。それによると、食害を減少させる効果がシカが好む広葉樹4種全ての樹種で確認された。この忌避剤は全卵粉末が主成分で環境への影響が極めて少ない散布剤。道東地域(オホーツク、十勝両管内含む)にはエゾシカが15―35万頭生息すると推定され、農林被害が年々拡大傾向にあり事態は深刻だ。関係者は「道内ではエゾシカの食害に困っている地域が多い。シカ食害の新たな有効打となれば」と期待を寄せている。
(オオカミで獣害防げ、ドイツでの共生の実情紹介:兵庫)
絶滅したオオカミを復活させて獣害を防ごうと「日本オオカミ協会」(丸山直樹会長)が22日午後6時から、西宮市羽衣町の市立夙川公民館でシンポジウム「ドイツに見るオオカミとの共生〜復活オオカミでシカをコントロール」を開催する。「地球の友ドイツ」のマグヌス・ヴェッセル副代表を招き、ドイツでのオオカミと人の共生の実情を紹介する。オオカミは1905年に奈良県で捕獲されて以降絶滅したとされている。同協会では中国に生息するハイイロオオカミを導入して国内でオオカミを復活させることで生態系を再生し、森林で増えるシカやイノシシ、サルなどの獣害を減らすことを考えている。県内でもシカなどによる林野被害は後を絶たない。同協会に所属し、三田市で林業を営む田村正一さん(71)は「シカやイノシシが増え、被害はどんどん広がっている」と警告し「今回のシンポジウムを通じて生態系や森林や樹木を考える一助となれば」と話している。
(銃器多数所持の被告「福岡で需要高いと思った」:福岡)
福岡市西区のマンションで多数の銃器を所持していたとして、銃刀法違反(加重所持)などの罪に問われた鹿児島市、中馬大樹被告(38)の初公判が17日、福岡地裁小倉支部であり、中馬被告は起訴事実を認めた。検察側は「福岡県では発砲事件が多く、銃器の需要が高いと思った」との中馬被告の供述調書を読み上げ、売却目的だったと指摘。懲役15年を求刑し、即日結審した。判決は5月14日。起訴状によると、中馬被告は住所不定、無職菅正知被告(39)(1審で懲役12年の判決を受けて控訴中)と共謀。昨年6月22日、マンションで拳銃10丁と機関銃、自動小銃、散弾銃、ライフル銃各1丁、実弾430発を所持していたとされる。検察側によると、両被告は刑務所で知り合った。中馬被告は菅被告に暴力団の知人が多いと聞き、銃を買い取ってもらおうとマンションに持ち込んだという。

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(エゾシカ、移動車から362頭銃駆除:北海道)
世界自然遺産・知床のエゾシカ対策として、移動する車の荷台から銃で撃つ環境省の駆除実験が15日で終わった。撃ったシカは斜里側と羅臼側で計362頭。斜里側では大雪による飢えのため、道路脇に置いておいたえさにシカがよく集まり、新手法の有効性を確認した。シャープシューティング(SS)と呼ばれる手法で、取り逃がして他のシカに警戒心を与えることを避けるため、小さな集団を対象に全頭を狙い、死骸も後続車がすぐに回収した。環境省が事業委託した知床財団が実務を担当した。斜里側では岩尾別ゲート―知床五湖間の道道・町道(4・6キロ)で、冬季閉鎖中の1月16日~4月15日に計14回(前半4回、後半10回)実施し、雄108頭、雌175頭、0歳26頭の計309頭を駆除した。前半は計43頭で1日あたり10頭余、寄せえさを使った後半は計266頭で1日あたり26頭余だった。知床全体の頭数が増えていることに加え、大雪によるえさ不足により、仕掛けたえさにうまく集まったようだ。羅臼側は北浜―相泊の道道(約8キロ)脇にえさ場を6カ所設けて実施。1月17日~3月27日に計10回通行止めにし、雄25頭、雌23頭、0歳5頭の計53頭を駆除した。羅臼側は雪が深くてシカが斜面を下りられず、えさ場まで行けなかったり、雪崩で実施できない期間があったりして思うように駆除できなかった。環境省釧路自然環境事務所は「積雪が多くて自然のえさが少なかったため、仕掛けたえさに誘引されて効果的だった。羅臼側は例年の積雪だったらもっと駆除できたと思う」と話し、今後の駆除へ手応えを感じている。囲いわなやくくりわな、巻き狩りによる捕獲は一部で継続しており、3月末現在で斜里側(幌別・岩尾別)143頭、羅臼側(ルサ・相泊)で118頭を捕獲した。知床岬の駆除は3月9日にヘリコプターを使って1回実施しただけ。流氷の影響がなくなり次第再開する。
(ニホンジカ駆除、初日は空振り:長野)
安曇野市猟友会は15日、ニホンジカの生息域が広がりつつある同市三郷小倉の北アルプス山麓で、中信森林管理署(松本市)の依頼で初のシカの個体数調整(駆除)を試験的に実施した。この日は猟銃を持った会員17人が里山に入り1頭発見したが逃げられ、捕殺できなかった。シカが増えた南アルプスや八ケ岳の周辺では、農林業被害の他、高山植物の群落が食べられて広範囲で失われているため、生息密度の低いうちに駆除に乗り出した。早朝に同会役員らが下見し、足跡を見つけた三郷小倉の東西1キロ、南北2キロほどの範囲を対象とした。シカを追い立てる「勢子(せこ)」6人が約200メートルおきに東西に並び、「ほーい」と声を上げながら南に歩き、9人が松本市境に近い黒沢川沿いでシカを待ち構えた。勢子が成獣1頭を発見したが、勢子の間を走ってすり抜け、逃げた。同猟友会長の藤原英夫さん(63)は「シカがいることを確認できたので、今秋にも行政と協力し、他地区猟友会と連携して駆除したい。シカが高山に行かないようにしなければいけない」と話した。同管理署は、松塩筑猟友会(事務局・松本市)、大北地区猟友会(同・大町市)にも駆除への協力を要請しており、今後実施の見通しという。
(クマ目撃相次ぐ:山形)
14日午後1時半頃、高畠町二井宿の県道で、車を運転していた会社員男性(46)がクマ1頭を目撃し、南陽署二井宿駐在所に届け出た。同署管内でのクマの目撃は今年に入り初めて。発表によると、クマは体長約1メートルの成獣とみられ、道路脇の牧草地で穴を掘っていたという。男性が車を止め、様子を見ていると、西側の山林に立ち去ったという。現場は民家のない山間部。また、同日午後5時20分頃、酒田市生石の市道付近でも、クマ1頭が目撃された。酒田署の発表によると、クマは体長70センチ~80センチの子グマと見られ、目撃した60歳代の男性が手をたたくと、市道北側の斜面を駆け上がり、山林に入っていったという。現場は集落から東に約800メートル離れた山間部。
(クマ出没、注意呼びかけ:新潟)
15日午前8時半ごろ、妙高市西野谷の市道でクマ1頭を目撃したと、車で通りかかった近くの男性が妙高署に通報した。現場は万内川砂防公園から約1キロの場所で、同署と妙高市では付近住民らに注意を呼び掛けている。
(またクマ目撃、注意呼びかけ:石川)
15日朝、能美市の住宅街の側でクマが目撃された。能美市では10日にもクマが目撃されていて市や警察では注意を呼びかけている。クマが目撃されたのは能美市泉台町東の泉台スポーツセンターにあるグランドゴルフ場。15日午前7時半すぎ、犬の散歩をしていた男性が体長1メートルほどのクマを目撃し警察に通報した。市の職員と地元の猟友会のメンバーが周辺をパトロールしたが発見には至らなかった。能美市では今月10日にもいしかわ動物園近くでクマが目撃されており、警察では注意を呼びかけている。
(タカでカラス駆除、高校生鷹匠へ依頼検討:佐賀)
佐賀県は県庁周辺で増えているカラス駆除を武雄市の「高校生鷹匠(たかじょう)」石橋美里さん(17)=武雄高3年=に依頼することを検討している。4月初めに実施した実験飛行では石橋さんのタカ「桃太郎」が大群を追い払うことに成功、県は迷惑カラスの撃退に期待を寄せている。県が昨年秋にカラスの生息数を調べたところ、県内最大のねぐらがある県庁周辺で約5400羽を確認した。糞(ふん)を落としたり、ごみを荒らしたりするだけでなく、繁殖期の4~6月には人を襲うこともあり、住民から苦情や不安の声が上がっている。郊外や山間部では県の補助を受け、農家や猟友会がカラスを駆除している。しかし、街中では「鉄砲を撃つわけにもいかず、有効な手立てがない」と県生産者支援課。石橋さんの父秀敏さん(45)が古川康知事から悩みを聞き、タカを使った駆除を提案した。実験は4日、カラスがねぐらに集まる夕方に実施。石橋さんが近くの林にいた大群に向けて桃太郎を放つと、無数の黒い影が上空へ散らばった。石橋さんは「月に1度でいいから定期的に威嚇すれば、カラスの数は減っていくはず」と手応えをつかんだ。県は今回の実験結果などを検証し、正式に業務委託するかどうかを決める。また、佐賀空港で年間30~50件起きているバードストライク対策でも協力を受けたい考えで、石橋さんは「人命にかかわる大切な仕事。機会がいただけるなら、ぜひやりたい」と話している。

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