<射撃ニュース6月>

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(山で男性クマに襲われる:青森)
14日午前6時前秋田県境に近い弘前市藍内の長慶峠付近でタケノコ採りに入った男性が子連れのクマに襲われた。弘前市茂森新町2丁目の無職成田光弘さん70歳で顔やひじに軽いけがをした。ことしはクマの目撃が多く警察は入山する人に注意を呼びかけている。
(クマが電柱に登り感電死:福島)
14日午後5時55分ごろ、福島市佐原の18戸で約2時間10分にわたり停電となった。東北電力福島支店によると、高さ10メートルの電柱にクマ1頭が登り、電線に接触して感電死したためとみられる。同支店によると、配電線のシステムで停電が分かり、現場に駆け付けたところ、クマが電柱の上部で死んでいるのを発見した。電柱には支柱があった。停電は午後8時5分に復旧した。14日午後0時45分ごろ、福島市松川町の市道で、車で通行中の会社員男性(50)がクマ1頭を目撃、福島署松川駐在所に届け出た。同署によると、クマは体長約1メートル。市道西側の山林から道路を横断し東側に走り去ったという。
(滑走路脇でクマ目撃:秋田)
14日午後1時35分ごろ、北秋田市脇神の大館能代空港滑走路の東側にクマがいるのを、県大館能代空港管理事務所の男性職員が発見、通報を受けた北秋田署員らが捜索したが見つからなかった。同5時15分着の東京便の運航に影響はなかった。同空港では、5月23日にも滑走路でクマが目撃されている。同事務所によると、立ち入り制限区域内で進入灯の点検をしていた職員が、50メートルほど離れた草むらに体長約1メートルのクマがいるのを発見。車で10分ほど追い掛けたが、クマは直線にして550メートルほど走り、草むらに姿をくらました。最初に見つかったのは滑走路から東へ約250メートルの地点。立ち入り制限区域は有刺鉄線付きフェンス(高さ約2・2メートル)で囲まれている。同事務所が調べたが、穴が開いている箇所などは見つからなかったという。
(クマ出没:栃木)
日光署は14日、日光市内の民家近くの路上で、クマ1頭が目撃されたと発表した。けが人はいなかった。同署によると、14日午前10時半ごろ、日光市山久保の県道で、車を運転していた男性が道路に体長130~140センチのクマがいるのを見つけ、通報した。その後、クマは山の斜面を駆け上がっていったという。現場付近は住宅が点在しているため、同署はパトロールを強化するほか、チラシなどを配り警戒を呼びかけている。
(クマ?またクマ目撃情報:宮崎)
クマの目撃情報が相次いでいる大分・宮崎県境の祖母山で13日、また目撃情報が寄せられた。同日、登山をしていた熊本市内の男性が、9合目付近で、クマらしき黒い動物が4本足で歩いているのを見かけた。豊後大野市農林整備課によると、体長は50~60センチ、体高は40センチほどで、男性は「子グマだと思った」と話しているという。男性は宮崎県高千穂町に通報し、町が同市に連絡した。祖母山では今月上旬、NGO「日本クマネットワーク」のメンバーらが生息調査を実施。クマは見つからなかったが、赤外線カメラを設置しており、1~2カ月後に回収する予定だ。
(めぇ~惑者でイノシシ対策:長崎)
県は本年度から、小値賀町・藪路木島(やぶろぎじま)などのヤギを使って、イノシシによる農作物被害を減らす取り組みを始める。警戒心の強いイノシシは草むらなどに身を隠すため、ヤギに農地周辺の草を食べさせ、イノシシが現れにくい環境にする。本年度は250万円の予算を組み、ヤギの運搬費などを最大50地区に補助する。これだけの多くの地区でヤギを導入するのは全国でも珍しいという。「病気になったヤギの治療はどうすればいい」「飼うときに注意する法的な義務や罰則は」。1日、諫早市であった県などが主催したヤギ導入の研修会。行政関係者や農家など約80人が出席し、専門家が質問に回答していった。イノシシは耕作放棄地増加や狩猟者の減少で生息域が全国で拡大。県農政課によると、県内の農作物被害は2010年度が約4億円で、09年度の約1億9千万円から倍増した。県は、農地を柵で囲う防護▽緩衝帯を整備するすみ分け▽捕獲-の3対策を推進すすめており、06~11年度にできた防護柵は計約5400キロに及んでいる。今回は、この柵の外側でヤギを飼い、雑草を食べさせる。ヤギは食べる草を選ばず、食べる量も1日に約5キロある。比較的小型で扱いやすいこともあり、各地の耕作放棄地や河川敷で除草に活用されている。藪路木島は無人島で半野生化したヤギが増加。草木が食べられ地表がむき出しになり、土が海に流出するという環境悪化が問題になっており、本土に移すことで一石二鳥の効果を狙う。県の補助は、ヤギの運搬費や小屋の整備費など1地区上限5万円。2頭ずつ飼うことを想定し、既に南島原市の上登龍(かみとうりゅう)など30地区ほどが導入を決めているという。1日の研修会に参加した南島原市の農業、松永正征さん(67)は約5年前にヤギを飼い始めた。「除草しなくてよくなった。病気もせずおとなしい」と言う。同市の農業、粟戸(あわと)勝哉さん(61)は「機械で刈りにくい柵の近くも食べてくれるのがいい」と話していた。

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6/14
(クマ、目撃情報相次ぐ:岩手)
大船渡市内の各地でクマの目撃情報が相次いでいる。シカによる農林産物への被害も広がっており、市は注意を呼びかけるとともに猟友会に委託し駆除事業を開始した。クマは今月2日、山間部にある自宅に車で帰宅途中の男性が、市道で発見した。昨年1年間でも30件だった目撃情報が、11日までで、8件を数えている。今のところけが人はいないが、昨春は山菜採りの男性1人が軽傷を負った。市によるとクマはトウモロコシや果物畑を見つけると、人里でも食べ尽くすまで通い続けるという。また、野生のシカもところ構わず悪さをする。「今年は2回もやられてさ」と嘆くのは、三陸町吉浜地区の菊地源吉さん(86)。視線の先にあるのは、3回目の田植えを終えたばかりの稲の苗だ。周りを高さ約2メートルの鉄製防御網で囲ってはいるが、効果は薄い。「飛び越えるのさ。最近は、体当たりで破るこつも覚えた」。高齢化とともに、網とくいを固定するひもの結び目が緩くなるらしい。
(イノシシ被害、水田5カ所荒らされる:岩手)
一関市の山間部で田畑がイノシシに荒らされる被害があり、勝部修市長が13日、現場を視察した。掘り返され苗が倒れた水田もあり、勝部市長は「早急に対策が必要だ」との認識を示した。市の調べでは、イノシシ被害は山中の水田5カ所約50アールで確認。休耕田は4枚が機械で耕したように全体を掘り返され、今季の作付けができなかった。苗を植えた水田も3枚で被害が確認された。
(クマ目撃続く:栃木)
那須塩原署は13日、那須塩原市内の民家近くでクマ1頭が目撃されたと発表した。11日と12日にも市内で目撃されており、同署は同一のクマとみて住民らに警戒を呼びかけている。同署によると、13日午後1時40分ごろ、那須塩原市湯宮で、付近で酪農業を営む住民が牛舎近くの山に体長約2メートルのクマがいるのを見つけ、110番通報した。12日に目撃された同市高林からは約4キロ離れている。
(クマの目撃情報:長野)
12日の朝6時30分頃、伊那市横山で、クマの目撃情報がありました。目撃されたクマは1頭で、場所は伊那市横山のザゼンソウ群生地付近だということです。伊那市によると、今年に入ってからのクマの目撃は初めてだということです。市では、夏場はクマが畑の農作物を求めて人里へ近づきやすい時期になることから、注意を呼びかけています。
(県道をクマが横断、注意を呼び掛け:神奈川)
清川村で12日、クマの目撃情報が厚木署に寄せられた。現在のところ、足跡などは見つからず、被害の報告もないが、村は住民らに注意を呼び掛けている。同署などによると、同日午前7時半ごろ、同村煤ケ谷の県道を横切るのを車で通りがかった女性が目撃し、110番通報した。クマは1頭で、同署や村役場で付近を捜索したが足跡など形跡は見つからなかった。クマは南東方向の山中に向かい、その後は目撃情報がないことなどから、山奥の方へ入った可能性がある。村は防災行政無線や看板を設置するなどして注意喚起し、当面の間、朝夕に職員がパトロールする方針。村によると、クマの目撃情報は、2011年11月に土山峠付近の県道で車と接触して以来。11年度は5件の情報が寄せられた。
(サルの群れ、出没続く:富山)
滑川市山間部の東福寺野自然公園で、サルの群れの出没が相次ぎ、管理事務所は爆竹の 花火を鳴らすなどの対応に追われている。13日の市議会産業厚生建設常任委員会で市が報告した。市青少年婦人研修センター「青雲閣」によると、サルの群れは30匹前後。5月末から 朝夕を中心に現れ始め、▽子どもが追いかけられ、父親が追い払った▽パークゴルフ場で プレー中に球を持ち去られた▽芝生上の排便の後始末が大変―などの問題が起きている。 けが人は出ていない。市によると、危険度の高い子連れのサルも目立ち、「爆竹の効果がなければ、市有害鳥 獣捕獲隊とも協議したい」(農林課)としている。東福寺野自然公園の広さは約15ヘクタール。宿泊研修施設「青雲閣」や芝生広場、パ ークゴルフ場などがある。
(サル出没を確認:神奈川)
先月末から、市内各所でサルの目撃情報が多発しており、市は注意を呼びかけている。緑区内でも、今月3日から5日にかけて、寺山町、新治町、三保町、十日市場町、西八朔町、北八朔町などで出没が確認されている。市環境創造局動物園課では、「丹沢などで群れをつくっているサルのうち、若いオスなどが市内まで移動してくることがある」と話す。また、サルを見かけた際には「エサを与えないように」「近付いて興奮させると危険なので、目を合わせず背中を見せずにその場を離れるように」「家に侵入されないように窓を開けっ放しにしないように」などの注意点をあげている。なお、今月10日現在、市には、人に対して危害を加えたという報告はない。同課では、「鳥獣保護法の規定により、サルをむやみに捕獲することはできないので、危害を加えられたなどした場合には速やかに連絡してほしい」と話している。
(サルの目撃情報:新潟)
12日午前9時前、新潟市西蒲区角田浜の国道上でサル1匹を目撃したと、近くに住む男性が西蒲署に通報した。同署によると、サルは体長約60センチ。民家の屋根に登るなどした後、海岸方向に逃げた。周辺は住宅地で、近くには小学校がある。
(県教委が評価委の結果覆す、伊勢原射撃場の指定管理者:神奈川)
県教育委員会は12日、県立伊勢原射撃場の指定管理者に、外部評価委員会の審査では次点だった県射撃協会を選定したと発表した。県行政改革課によると、評価委の審査結果と異なる団体が選ばれるのは2006年に県が制度を導入して以来、4例目。県教委によると、指定管理者には4団体が応募。学識者や公認会計士ら5人で構成する評価委が4月4日に開かれ、65点と評価された団体が最優秀提案者(1位)になった。射撃協会は60点で2位だったが、採点が厳しいと思われる点があるとして、県教委は「検討の必要あり」と判断。評価委員が「プレゼンテーションの印象がマイナスに影響した」などの認識だったため再評価し、最終的に66点と逆転した。県教委は「指定管理施設も最終的には行政の責任。評価委の審査を踏まえて判断した」としている。県議会定例会に関連議案を提出する。伊勢原射撃場はかながわ・ゆめ国体(1998年)にも使われたが、汚染土壌処理や騒音対策のため休止中。2013年4月の再開を機に、指定管理者による管理に移行する予定。
(「放牧」で鳥獣被害対策実験:山口)
耕作放棄地に牛を放して雑草を食べさせる「山口型放牧」をイノシシやサルの鳥獣被害対策につなげようと、山口県は13日、山口市阿東生雲東分で実証実験を始めた。牛を放した耕作放棄地近くの獣道に固定カメラを設置し、11月まで被害軽減効果を調べる。山口型放牧は、和牛を電気柵内に放して雑草や下草を食べさせ、耕作放棄地の解消につなげる取り組み。見通しの良い緩衝エリアをつくり出すことで野生鳥獣の農地への侵入を防ぐ効果があるといわれ、県が全国に先駆けて取り組んできた。県農林総合技術センター畜産技術部(美祢市)が「レンタカウ」と名付けて牛を無料で貸し出している。実証実験は、農事組合法人志農生(しのぶ)の里(山口市)が管理する2カ所の計1・2ヘクタールで実施する。生体温度に反応して自動的にシャッターを切る赤外線センサーカメラを山林から水田につながる獣道の6カ所に設置。2組4頭の黒毛和種を放牧し、イノシシやサルの個体数の変化を調査する。11月末にカメラを回収してデータを解析。放牧前の1カ月間と比べて個体数が減れば、鳥獣被害の軽減に効果があると判断する。
(駆除技術アップへ県射撃場再開へ:千葉)
千葉県は、鉛害や騒音問題で平成13年から閉鎖している県射撃場(市原市)を再開する方針を決め12日、関連する条例案を6月定例議会に提出した。県内ではイノシシなど有害鳥獣による被害が急増、駆除に協力する猟友会などから技術向上のために射撃場の再開を求める声が高まっていた。県は、鉛害、騒音問題を「クリアした」として25年4月の再開を目指している。県射撃場には屋外のクレー射撃場と屋内のライフル射撃場があり、再開を予定しているのはライフル射撃場。クレー射撃に使用される散弾銃の鉛弾が原因で、付近の排水路から環境基準値の7倍を超える鉛が検出されたため、13年に全施設が使用中止となっていた。一方で県内では、有害鳥獣による農作物被害の増加が深刻化。特に昨年度のイノシシの捕獲数は20年度の2倍以上になる1万3717頭と急増し、被害総額も2億円を超えている。県内には威力の強い大口径のライフル射撃場があるのは県射撃場のみだったため、猟友会などから「技術の維持、向上に不便」との声が強まっていたという。県は、射撃場周辺で鉛の撤去作業などを進め環境基準をクリア。昨年7月には、ライフル射撃場の防音改修工事をすることで地元住民の合意を取り付け、同10月にはクレー射撃場の廃止を正式に決めるなど“障害”を取り除き、施設の設置や管理について定めた条例案をまとめた。県は「これで有害鳥獣の捕獲が進めば」と期待している。
(農作物被害は1億2800万円:徳島)
シカやイノシシなど野生鳥獣による11年度の農作物被害が1億2800万円に上ることが、県のまとめで分かった。前年度と比べ約2700万円(約17%)減少したが、05年度以降では2番目に多い。県は、防護柵設置などの対策に一定の効果があったと分析する一方、「潜在的な被害を含めれば依然、影響は大きい」として更に対策を強化する。県農村振興課によると、動物の種類別で被害額が最大だったのは、シカによる4300万円(対前年度比9%減)。以下、サル3700万円(同3%増)▽イノシシ3600万円(同13%減)−−などと続く。過去10年間の被害額をみると、サルやイノシシによるものが増減を繰り返している一方、シカは年々拡大し、11年度は05年度との比較で10倍超、01年度比では40倍超となる。地域別では、阿南市と那賀町の阿南地区が3600万円、徳島市や神山町などの徳島地区が2900万円、三好市などの三好地区が2100万円と被害額が大きかった。県は今年度のニホンジカの年間捕獲目標数をこれまでの3800頭から6300頭に引き上げ、鳥獣被害対策のモデル地区を定めて対策を進める。
(北アルプス、食害対策で北アルプス追跡調査へ)
北アルプスに生息範囲を広げているニホンジカの食害から高山植物を守るため、環境省は7月にも、シカの追跡調査を初めて実施することを決めた。同省と林野庁、長野、富山、岐阜、新潟の4県などでつくる「中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会」が12日発足し、報告された。北アルプスでは約5年前からシカの目撃が増え、標高2100メートル付近で見たという情報もある。南アルプスでは既に高山植物が食い荒らされる被害が出ており、北アルプスでも対策が急務となっている。同省長野自然環境事務所によると、調査は白馬岳、乗鞍岳、上高地の3地域で実施。シカを1頭ずつ捕獲して全地球測位システム(GPS)装置を首輪で取り付けて放ち、シカが移動する経路を追跡し、北アルプスに侵入するルートや越冬する場所などを把握する。また、3地域の標高2000メートル付近に、各6か所ずつセンサー付きのカメラも設置し、高山帯への接近も監視する。同協議会は調査を基に、今年度中に対策方針を策定する。
(射撃W杯で宮城県警の秋山さん優勝)
ドイツ・ミュンヘンで行われた射撃のワールドカップ(W杯)で、宮城県警機動隊の秋山輝吉警部補(40)が日本人として初めて「ラピッドファイアピストル」の種目で優勝した。秋山さんはロンドン五輪出場を逃しているが、「リオデジャネイロ五輪(2016年)出場に向け、良いスタートが切れた」と次の夢舞台に照準を合わせる。同種目は、25メートル離れた直径10センチの五つの的を狙い、8秒、6秒、4秒の制限時間内で各5発速射する競技。これを2日間で4回繰り返し、計60発、600満点で上位6人が決勝に進む。秋山さんは48人中6位の584点で予選を通過した。決勝は5月25日に行われ、4秒の速射で的の中心部に当たった数を競った。秋山さんは8回40発の射撃で世界タイ記録となる34発を命中させ、初の栄冠に輝いた。射撃は1990年に入校した県警察学校で始めた。栗原市の岩ケ崎高校時代は軟式テニス部に所属し、「手首を固定するのが似ている」と秋山さん。98年の国体と全日本ライフル射撃選手権で優勝し、翌99年から五輪競技種目のラピッドファイアピストルに取り組む。ロンドン五輪は、代表選考を兼ねた昨年のW杯で結果を残せなかった。1月にカタールで開かれたアジア射撃競技選手権も3位に終わり、ロンドン出場枠の2位以内に一歩及ばなかった。この後もランニングで心肺機能を高めて集中力強化につなげるなど、トレーニングを重ねた。ミュンヘンW杯優勝で「他国の選手と技術的な差はほとんどない」と秋山さんは手応えを感じた。現在、県警の後輩への射撃指導に力を入れながら練習に励み、「リオ五輪に出場してメダルを取るため、自信を持って射撃場に立てるよう気持ちを強く持ちたい」と決意を語る。

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6/12
(警官4発発砲、商店街で暴走イノシシ射殺:静岡)
駅前の商店街で、襲いかかってきた暴走イノシシを間一髪で射殺-。9日午前8時10分ごろ、静岡県伊東市猪戸1丁目の商店街で「イノシシが出た」と伊東署に通報があり、交番から駆け付けた男性警部補(32)がイノシシに4発発砲し射殺した。けが人はなかった。現場はJR伊東駅の南東約200メートルのスーパーやパチンコ店などが立ち並ぶ商店街。当時、警部補は駅前交番に1人で勤務していた。通報を受けて警部補は、パトカーに乗車した同署員2人とは別に単独で、通行人らに避難を呼び掛けながら付近を捜索。現場付近の路上でイノシシを発見した。同8時40分ごろ、イノシシが不意に突進してきたため、約50センチの至近距離で続けざまに4発発砲した。全弾がイノシシに命中したもようで、体内や周辺の路上から4発とも見つかった。路上にあった弾はイノシシの体を貫通した後、落ちたとみられるという。周辺に人はいなかった。同署は「通行人らに危険がないことを確認し発砲した。市民の安全確保のため、適正だった」と話している。同署によると、イノシシは体長約130センチ、体高約70センチ、体重約90キロの雄。牙もしっかり生えており、市民に目撃されてから射殺されるまでの間に駐車場の車に追突するなどしたという。
(カモシカ・クマが列車に相次ぎ接触:山形)
JR仙山線で10日夜、山形発仙台行きの上り普通列車(4両)がカモシカに接触し、運転再開後に今度はクマに接触する事故があった。乗客60人にけがはなかった。この列車の仙台到着は同日午後11時50分ごろで、定刻より3時間43分遅れた。接触の影響で、仙山線は上下4本が運休、上下4本が遅れ、計約1000人が影響を受けた。JR東日本仙台支社は「お客さまにご迷惑をお掛けした。同じ列車が立て続けに動物と接触するケースは非常に珍しい」としている。最初のカモシカとの接触は10日午後7時ごろ、山形市の高瀬-山寺間で起きた。JR仙台支社によると、カモシカは接触後、そのまま立ち去ったという。列車はその場で車両点検を行い、接触から約10分後に運転を再開した。列車は続いて、午後7時45分ごろ、仙台市青葉区の作並-熊ケ根間で、今度はクマとぶつかった。クマは車両下で死んでいた。列車が運転を再開したのは午後11時10分ごろで、乗客はこの間、車内で待機し続けた。
(仮設でクマ1頭目撃:岩手)
宮古市西ケ丘1丁目の仮設住宅で9日朝、クマ1頭が目撃され、警察などが注意を呼び掛けている。同日午前6時半ごろ、同市西ケ丘1丁目の西ケ丘団地近隣公園仮設住宅(50戸)敷地内で、仮設居住者が西側の山に走っていくクマ1頭を目撃。宮古署によると、けが人や物的被害はなく、子グマとみられるという。市内では4月以降、3人がクマに襲われており、同署はパトカーで付近を警戒。同市は住民にごみを屋外に出さないよう呼び掛けているほか、出没頻度の確認のため仮設住宅敷地にセンサーカメラ1台を設置。結果を踏まえ、爆竹などでの追い払いを検討する。
(サルにかまれ児童がけが:神奈川)
厚木市は11日、同市飯山地区で児童がサルにかまれる被害にあったと発表した。同地区ではサルの姿が頻繁に目撃されているが、かまれるなどの被害は初めてという。市教育委員会によると、被害があったのは8日午後3時ごろ。2年生の男子児童が下校中、通学路にいたサルに手首をかまれた。出血はなく、かまれた痕だけが残った。医療機関で検査したが異常はないという。市の要請で空砲を撃つなどの追い払いを行った人によると、現場近くには5、6頭の群れがいたという。被害の連絡を受けた小学校は、ちょうど高学年児童の下校時間だったため、教職員が付き添って集団下校を行った。サルは11日にも目撃されたため、市は再び追い払いを行った。当分の間パトロールを続けるという。
(クマ対策、住宅地や夜間も銃使用可能に:富山)
警察庁は11日までにクマが住宅地や夜間に出没した時にも警察官の命令があればハンターが銃を使用できるとする通達を出しました。これは11日開かれた県議会の厚生環境委員会で県が報告しました。県内ではおととしの秋、クマが大量に出没しましたが、鳥獣保護法で住宅地や夜間に銃を使うことが禁止されていて、猟友会が対応に苦慮したことから県などは国に対し、法律の改正を求めてきました。こうした要望を受けて警察庁は今年4月、人の生命・身体の安全を確保するためとして住宅地や夜間でも警察官の命令があればハンターが銃を使用できるとする通達を出しました。県自然保護課は「現場が混乱しないよう県警本部や市町村、猟友会などと連携して手順を確認したい」と話しています。
(猟免許者増え鳥獣被害15%減:山口)
2011年度の山口県内の野生鳥獣による農林業の被害額は、10年度比15・1%減の6億8018万円だった。県が目標としていた「5億円以下」は達成できなかったが、4年ぶりの減少。県は、山に比較的えさが多かったことに加え、支援制度の創設で狩猟免許の合格者数が2・8倍に増えるなど捕獲対策の効果が出たとみている。県農林水産政策課によると、被害額の最大はイノシシで、3億2952万円(10年度比11・2%減)。サル1億5416万円(同17・6%減)▽シカ8609万円(同12・9%増)―と続く。獣類が全体の86%、カラス、ヒヨドリなど鳥類が14%を占めている。上位3位では、シカの被害額だけが増加。下関市など県西部に被害が集中していたが、11年度は新たに山口、山陽小野田市でも確認され、生息エリアが拡大しているとみられる。角で木をこするなど造林木への被害が6割弱を占める。県は捕獲の担い手確保策として、狩猟免許の取得経費の3分の2を補助する制度を11年4月に創設した。10年度168人だった合格者は、11年度463人と大幅に増加。内訳は2万円補助のわな猟の合格者が415人、6万7千円補助の銃が48人だった。県農林水産政策課は「今後、技術がさらに向上し、被害額の抑制につながる」と期待し、被害額5億円以下を引き続き、目標に据える。
(イノシシの仕業?線路に重さ90キロの落石:山口)
8日午前10時30分頃、山口県長門市油谷のJR山陰線伊上―長門粟野駅間で、沿線住民から「線路に石がある」とJR西日本に連絡があった。同社社員が駆けつけたところ、高さ約30センチ、縦約40センチ、横約60センチ、重さ約90キロの石が線路をふさいでいたため、長門市―小串駅間で一時運転を見合わせた。同社によると、線路脇のり面の高さ約30メートル付近に、イノシシが石を掘り起こしたとみられる跡があり、同社はここから落石したとみている。この影響で、上下2本が運休するなどして150人の足が乱れた。JR西日本広報室は「動物による落石はたまにあるが、事故に至らず良かった。検査を徹底して再発防止に努めたい」としている。
(クマ目撃例年の2倍、10日までに76件:山形)
県内でクマの目撃情報が5月末までに50件を数え、過去5年間で見ると、この時期としては2倍以上のペースになっている。6月に入っても10日までに26件の報告があり、最近では最も多かった2010年の年間288件を上回る勢いだ。大雪の影響で餌不足となったクマが、人里近くまで下りてきている可能性があり、県などは注意を呼びかけている。県みどり自然課のまとめによると、今年は4月9日に初めてクマが目撃され、同月に10件、5月に40件の情報が寄せられた。5月末時点の目撃件数を過去5年間で比べると、07年15件、08年5件、09年9件、10、11年が各22件で、今年の突出ぶりが目立つ。地方別では今月10日現在、村山が最も多い31件で、置賜、庄内各20件、最上5件だった。目撃が増えている理由として、同課は「今年は雪が多く、クマの餌となる山菜や木の芽の発育が遅かったため、餌を求めて山を下りてきているのかもしれない」と分析する。山形大の林田光祐教授(森林生態学)は、大雪の影響に加えて、山と人家の境界にある里山に人が入らなくなったことを要因の一つに挙げる。「人を恐れて山にとどまっていたクマが、里山に姿を見せ、人家近くまで下りてくるようになっており、身近な場所での目撃の機会は今後も増えるだろう」と指摘する。今月1日、家族と畑で農作業中にクマ1頭と遭遇し、逃げ込んだ車の中で約3分ほどにらみ合いになったという山形市門伝、自営業杉沼哲良さん(32)は、「祖父母が約40年前から農業を続けてきた場所だが、クマを見たのは初めて」と驚く。鶴岡市では、昨年は6月まで捕獲されなかったクマを、今年は5月末までに8頭捕獲した。これまで人的被害は報告されていないが、自治体は住民への注意喚起に追われている。10日までに10件の目撃報告があった山形市は、毎年春になると、クマの出没地点を中心に、注意を呼びかける看板やのぼりを設置している。今年はすでに手持ちの6枚の看板すべてを使い切り、20本あったのぼりも8本が残るだけとなった。市環境課の職員は「のぼりは今年から用意したが、こんなにすぐなくなるとは思わなかった。クマの出没はこれから本格化するのに」と困惑する。県も7日付で、各市町村に対し、住民に注意喚起を促すよう文書で通知。ホームページ上でも、クマとの遭遇を避けるため、山へ入る時はクマ鈴やラジオなど音の鳴るものを携帯することや、クマの餌となる食べ残しは持ち帰るなどの予防策や対処法などを紹介している。◇仙山線がカモシカはね、さらにクマはねるJR仙山線の山形発仙台行き普通列車(4両編成)が10日午後7時頃から約45分間に、カモシカとクマに相次いで衝突する事故があった。JR山形支店によると、乗客約60人にけがはなかったが、最大で約3時半以上遅れ、上下線4本が運休、約400人に影響が出た。同支店の広報担当は「同一列車が2度、動物にぶつかるのは聞いたことがない」と話している。同支店によると、この列車は同日午後7時頃、山形市の高瀬―山寺駅間を走行中、線路脇から進入してきたカモシカをはね、車両点検を経て約15分後に運転を再開した。同45分頃には仙台市の作並―熊ヶ根駅間でクマとぶつかり、死んだクマの収容や車両点検などのため、運転再開まで約3時間20分かかった。
(クマ目撃26件:福島)
今春以降、福島市内でクマの目撃情報が相次いでいる。県警によると、今年は6日現在で目撃が26件に上り、昨年同期の0件と比べて際立っている。山中以外に同市蓬莱町の市街地でも目撃されるなど、クマの行動に変化が見られるのが特徴だ。県警はパトロールを強化する一方、住民に注意を呼び掛けている。「クマの目撃がありましたので、みんな注意するんだよ」5月22日早朝、同市蓬莱町の住宅街。クマの目撃情報を受け、パトロールを行っていた福島署員が近くの小学校の児童に声をかけた。児童からは「はーい」と大きな声が上がった。同署では蓬莱地区などで目撃情報が多いことから、異例のパトロールを連日行っている。長女(4)が同地区の幼稚園に通う同市蓬莱町、主婦松山貴子さん(31)は「近所でクマが出ることはこれまであまりなかった。小さな子供がいるので、早朝や夜は外出しないようにしています」と不安な表情を見せる。県警総合運用指令課によると、今年、県警に寄せられたクマの目撃件数は県内全体で84件(6月6日現在)と、昨年同期(19件)の約4倍に増加した。5月には同市蓬莱町の幼稚園付近や福島大構内で目撃されるなど、山中以外での目撃が多い。県や福島市は5月18日に緊急の対策会議を開き、出没件数が増えた原因や今後の対応について協議した。市南部での目撃が多いことについて、県自然保護課は、詳細な原因は不明としながらも、「吾妻連峰にすむクマが東北道の福島トンネルの上の山を超えて東側に移動してきている可能性がある」と指摘する。県野生動物専門員の溝口俊夫獣医師も、「農作物などをあさっていないことから、エサを求めて住宅街に来ているわけではない」と分析。「以前に親グマに連れられて市南部に来たことがある子グマが自分の縄張りだと思いこみ、住宅街にも警戒感を持たずに入り込んでいるのだろう」とみている。県警は「クマは音がすれば人間に向かって来ない」として、クマよけの鈴やラジオを携帯することを勧めている。鈴などを持っていない場合でも、「手拍子や声を出すことも効果的」と注意を呼び掛けている。
(カラス、ヘビが原因の停電頻発:岡山)
カラスやヘビが原因の停電が頻発し、電力会社が苦慮している。中国電力岡山支社(岡山市北区内山下)によると、本年度は5月末までの2カ月間にそれぞれ13件ずつ発生し、計約4万2千戸が停電した。両者は、電力会社が長年にわたり対策に追われる“因縁の相手”だが、効果的な策は見つかっていない。同支社によると、カラスやヘビが原因の停電は本年度、5月末までにあった全停電(105件)の約4分の1に上る。カラスによる被害は繁殖期を迎える2〜5月ごろ、ヘビは活動が活発化する5〜7月ごろに多発する。カラスは電柱上に巣を作る際、材料となる木の枝や針金、ハンガーの金属部分が高圧配電線に接触することで漏電して停電。ヘビは、カラスやスズメなどの卵やひなを狙って電柱に上り、電線に触れるという。同支社では、管内(県内と香川・小豆島)で毎年2千個以上のカラスの巣を撤去。カラスが止まれないよう電柱上に傘の骨組みに似た「防巣具」を取り付ける対策も取ってきたが、防巣具の隙間に巧妙に作り直すなど、いたちごっこが続く。ヘビも、嫌う臭いを電柱に塗るなどしたが効果は上がっていない。カラスの巣は2、3日で完成するという。同支社は「作っているのを見かけたら近くの営業所に連絡を」としている。
(北海道犬展覧会獣猟競技会開く:北海道)
天然記念物北海道犬保存会日高支部はこのほど、天然記念物の「北海道犬」の美しさや能力を競う第42回展覧会・第43回獣猟競技会を新冠町の家畜共進会場で開いた。地元をはじめ北見、札幌、横浜などから118頭が出場した。展覧会では生後3カ月の子犬から36カ月以上の成犬の顔つきや歩き方、毛並み、体形などを審査。獣猟競技会は、おりの中にいるヒグマに勇ましくほえて立ち向かう姿を競った。携帯電話のテレビCMで人気を集めたカイ君の孫で生後5カ月の「海児」も登場した。会場からは力強くほえる犬たちに大きな拍手が湧いていた。
(伊万里CATV、ギャラクシー賞優秀賞:佐賀)
伊万里ケーブルテレビ(中原英嗣社長)が伊万里市営散弾銃射撃場の鉛汚染問題をめぐる一連の報道で、放送番組コンテストの最高峰とされる「第49回ギャラクシー賞」(主催・NPO放送批評懇談会)報道活動部門の優秀賞に輝いた。同部門でCATVが優秀賞を受賞するのは全国で初めて。伊万里CATVは昨年3月、市営散弾銃射撃場に隣接する休耕田から、基準を超える鉛が検出されたことをきっかけに、デーリーニュースで1年間にわたり追跡報道。鉛の撤去と射撃場の閉鎖を求める市民グループの活動と、有害鳥獣駆除のために存続を要望する猟友会、議会の議論などを多角的に取材し、市民に問題を提起した。授賞式で審査委員は「一方的な論調や両論併記に陥ることなく丹念に取材。テーマの奥に環境や地域対立、政治とは何かといった問いを感じさせる」と評価した。担当した大鋸あゆり放送部長(40)は「同じ地域に住む自分も、問題の当事者であるとの意識を持って取材した。番組をきっかけに、市民みんなで問題を考えてもらえればうれしい。まだ解決していない問題なので、これからも徹底して取材していく」と話す。同部門には全国のテレビ局から22番組の応募があった。
(北アの3地域で初のシカ追跡:長野)
環境省長野自然環境事務所(長野市)は7月末にも、北アルプスの白馬岳、上高地、乗鞍岳の3地域で、分布を広げているニホンジカの移動経路などを調べる初めての調査に着手する。生け捕りにしたニホンジカに衛星利用測位システム(GPS)の付いた首輪を付ける追跡調査のほか、センサーカメラで通り掛かったシカを撮影する。高山植物を大量に食べたり踏んだりと、自然への影響が懸念されているシカが高山帯や亜高山帯に上がらないようにするための対策に生かしたい考えだ。シカは従来、北アでの生息が確認されていなかったが、近年目撃例や樹皮を食べた例などが増えている。南アルプスではシカのため高山植物群落が壊滅状態になったことから、北アについてことし2月、同事務所や中部森林管理局、長野、岐阜、富山の各県、学識者が初めて検討会を開き、「白馬岳」「上高地~乗鞍岳」を重点的に調査、対策を行う地域に選定。4月には同管理局の依頼で、安曇野市猟友会が山麓で駆除を試みたが、捕獲されなかった。同事務所の管轄下にある同省松本自然環境事務所(松本市)によると、追跡調査は3地域で各1頭ずつ、麻酔銃で眠らせるなどして捕獲、1年~数年間追跡し、夏は餌を、冬はハンターが来ない場所を求めて移動するシカの経路を調べる。センサーカメラは3地域に6台ずつ設置し、どの範囲までシカが入っているかを把握する。北アのシカは生息密度が低いことから、どこで生け捕りが可能か、現在、専門の環境アセス会社に分布調査を依頼している。松本自然環境事務所の有山義昭自然保護官は「GPSとセンサーで、どこで駆除をしたり、侵入防止柵を設置したりすれば良いか、関係機関が判断するのに役立つ調査結果を得たい」と話している。
(深刻シカ害捕獲に知恵:奈良)
遠隔操作網、大人数の狩猟効果 県内でニホンジカが農作物や若木などを食い荒らす被害が拡大し、被害額は2010年度で8400万円と04年度の4300万円の約2倍に増えている。奈良公園で見せる愛らしい姿でなじみの深い動物だが、頭数は適正とされる約7~9倍と推定される一方、駆除にあたるハンターは高齢化で最盛期の約5分の1に激減しており、県や市町村は対策に躍起だ。県西部の山あいに広がる五條市西吉野町永谷(えいたに)地区。西田知勝さん(78)は栽培するユリやハゼ、ナンテンなどが食害に遭ったため、高さ2メートル、延長200メートルのシカよけの柵を自費で作った。それまでは「何を植えてもすぐ食べられてしまい、困り果てていた」という。今年になり、シカ退治の力強い味方が登場した。同じくシカの食害に手を焼く兵庫県が08年に開発した「ドロップネット」だ。高さ約3メートルの金属棒16本で支えた18メートル四方の網の下に餌を置き、カメラで監視。シカが入ると地区の集会所で待機するハンターが遠隔操作で網を落として捕獲する。奈良県は同市や吉野町、天川村など6市町村に順次設置した。既に永谷地区の4頭など3市村で計13頭を捕まえており、6頭を一網打尽にした天川村の担当者は「網を落とすタイミングが合えば一度に何頭も捕獲できる」と自信を見せる。県森林整備課はシカが生態系に悪影響を与えず、人と共存できる県内の適正数を約6700頭と試算し、現在は5~6万頭が生息すると推定する。担当者は「少子高齢化で農地や人工林の手入れが行き届かなくなり、餌が豊富になったためではないか」と話す。県は対策として07年度、ハンター1人につき1日1頭だった捕獲許可を3頭とし、08年度には猟期を3か月から4か月に延長した。06年度に2856頭だった捕獲数は09年度に3554頭に増えた。10年度は有害駆除で捕獲した雌1頭ごとに助成金を出した効果で5561頭と大幅に増えた。一方、猟銃の免許を持つ人は後継者不足でピークの3657人(1970年度)から645人(2011年度)と減り続ける。高齢者が多く、県は「現役を続けている人はさらに少ないのでは。助成金頼みの対策はいずれ行き詰まる」と危惧する。県はドロップネットのほか、ハンター20人が無線で連絡を取り合いながら行う「集中捕獲」を天川、十津川両村で昨年11~12月に6回実施して1回平均3頭を捕獲した。森林整備課の担当者は「少人数で行う猟より効果的な駆除が期待できる」として、今年度から他の自治体でも実施するとしている。
(クマ、那須塩原の民家近くに出没:栃木)
11日午前5時35分頃、那須塩原市鹿野崎で、民家から約10メートルの雑木林にクマ1頭がいるのを近くの男性会社員(59)が発見し、110番した。午後1時過ぎには約1キロ・メートル離れた同市塩野崎の「那須ガーデンアウトレット」近くの牛舎内でも発見された。那須塩原署は警察官8人で現場一帯を捜索するなどしてクマの行方を追う一方、パトカーで呼びかけるなどして地域住民らへ警戒を求めている。クマは午後10時半現在発見されておらず、同署は12日午前7時頃から6人で周囲を警戒する予定。発表によると、クマはいずれも体長1メートル50~2メートルほどだった。今年5月2日にも近くの山林で目撃されているという。目撃された場所のうち、雑木林の現場は別荘分譲地として開発され、住宅が散在している。一方の牛舎の現場はアウトレットから北に約300メートル離れた場所にあり、最寄りの民家からは約50メートルだった。同署は午前6時頃から捜索にあたったほか、付近小中学校の登下校時間帯には通学路で目を光らせた。アウトレットによると、この日は午前10時~午後7時に通常営業。駐車場の警備員に来場客へ注意を呼びかけてもらうなどした。12日も通常営業で、同様の体制で警戒するという。同市は付近の5小中学校に、集団下校への教員の付き添いや、保護者に学校まで迎えに来てもらうよう要請した。雑木林近くに住む女性(45)は「いつもは自転車で市内の高校に通う長男を、今朝は自転車ごと車に乗せて送っていった」と心配していた。
(クマの痕跡見つからず:宮崎)
非政府組織(NGO)「日本クマネットワーク」(JBN、東京)は、大分、宮崎県境の祖母傾山系一帯でツキノワグマの痕跡調査を行い、10日、生息を証明する痕跡は見つからなかったと発表した。JBNは山中に46台のセンサー付きカメラを設置。調査を続ける。JBNによると、9、10日に行った調査で、足跡や爪跡、ふんなどについて有力な情報は得られなかった。カメラは7月下旬ごろに34台を回収し、映像を分析する予定。九州の野生のクマは絶滅したとされるが、昨秋、祖母傾山系での目撃情報が相次いだため、環境省の委託でJBNが調査をした。

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(クレーの中山を五輪派遣へ)
日本オリンピック委員会(JOC)は5日の常務理事会で、クレー射撃女子トラップの中山由起枝(日立建機)をロンドン五輪に派遣する方針を決めた。中山は同種目の五輪出場枠を獲得したが、日本クレー射撃協会がJOCから加盟団体資格を停止されているため、代表として推薦されない状態になっている。このため、JOCが特例を適用することとした。JOCの市原則之専務理事は「中山はアジア大会でも金メダルを獲得しており、選手本位の観点からJOCが派遣する」などと述べた。
(イノシシとクマが基準値超:福島)
県は6日、野生鳥獣の肉の放射性物質検査結果を発表、二本松市のイノシシとツキノワグマから食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出された。新基準値移行後、野生鳥獣の肉が検査されたのは初めて。検出値はイノシシが1キロ当たり310ベクレル、ツキノワグマが同420ベクレル。中通りなどのイノシシとツキノワグマの肉は昨年11月から出荷が停止されている。
(クマ目撃が昨年比3倍:宮城)
県内でクマの目撃情報が異常に多発している。県に寄せられた5月末時点の件数は、昨年同期の3倍超。特に丘陵部にある仙台、名取両市西部の住宅地周辺で、頻繁に出没が確認されている。県は「急増の理由は分からない」と首をかしげ、各自治体に注意を促している。過去5年の目撃情報件数はグラフの通り。仙台、名取両市は昨年同期が計15件だったのに対し、ことしはほぼ2倍の27件に達した。5月25~30日には、住宅地の名取市ゆりが丘や相互台で計4件の目撃情報があった。仙台市青葉区折立5丁目では5月31日と6月1日、体長約1.5メートルのクマが歩いているのを通行人が見つけ、110番した。目撃時間帯は早朝や夕方に集中。名取市相互台小は4日も、集団登下校を実施した。仙台市教委は市折立小の保護者に、午前8時前の登校は避けるよう呼び掛けた。クマの目撃情報は例年、主食のドングリやブナの実が不足し、人里に餌を探しに来る8~10月に集中しており、県自然保護課は「初夏にこれだけ多いのは聞いたことがない」と困惑する。4月以降、県が許可した有害捕獲頭数は3頭。この時期としては過去5年で最も多く、このうち仙台が2頭を占めた。県内のクマの生息数は推計で400~900頭。東北森林管理局の調べでは、昨秋のブナの結実状況は「凶作」で、個体数が大きく増える要素は乏しい。県も「個体数増は考えにくい」とみる。野生生物の生態に詳しい岩手大農学部の青井俊樹教授(野生生物管理学)は「人間に対する警戒心の低い若いクマが動き回っているのではないか」と分析。同一の子グマが複数箇所で目撃される事例は、森林部周辺の住宅街ではよくあるという。青井教授は「6月以降は繁殖期に入り、より広範囲を動き回る恐れもある。住宅地では餌になる農産物や生ごみを屋外に放置しないように」と注意を呼び掛けている。4日正午ごろ、川崎町前川の山林で、近くに住む女性がクマを目撃し、町役場を通じて大河原署に届けた。現場は同町前川小の約200メートル西側で、児童は集団下校や保護者の送迎で帰宅した。大河原署や町によると、クマの体長は約1メートル。女性が自宅裏の山林で寝ているクマを目撃し、連絡を受けた町職員が車で駆け付けたところ、山奥に逃げていったという。
(クマの出没相次ぐ:秋田)
4日午後2時50分ごろ、大館市二井田字上阿久津の米代川河川敷にクマがいるのを、近くの二井田大橋を車で通行中の女性が目撃した。4時20分ごろには、そこから北西約1キロにある同市池内の田んぼでも別の女性がクマを目撃、大館署は同じクマの可能性が高いとみている。付近では先月29日以降、クマの出没が相次ぎ、地元猟友会が警戒に当たっている。二井田大橋から約1キロ東にある上川沿小学校は29日から集団下校を行っており、保護者に車での送迎を呼び掛けている。市消防署は同校の登下校時間に合わせて周辺のパトロールを行っている。4日午前4時45分ごろには同市釈迦内字ヲコハの畑で、午後5時ごろには同市山田字神明岱の市道でもクマが目撃された。
(福祉施設近くにクマ:山形)
5日正午ごろ、山形市長谷堂にある福祉施設・向陽園の建物から30メートルほど離れた空き地にクマ1頭がいるのを近くにいた人が発見した。警察によると、目撃されたのは体長およそ1メートルのクマで、発見された後すぐに近くの河川敷に歩いて向かい草むらの中に姿を消したという。警察によると県内のことしのクマの目撃件数は今月に入っても増えていて、5日現在、59件と去年の同じ時期の倍以上に上り、記録の残る過去5年で最も多くなっている。警察では、クマを目撃した場合はすぐに通報してほしいと呼び掛けている。
(親子グマ3頭目撃:北海道)
5日午前2時20分ごろ、札幌市中央区盤渓の北海道道で、クマの親子計3頭を目撃したと乗用車を運転していた男性から110番があった。すぐに車道脇のやぶに逃げたといい、市などが注意を呼び掛けている。札幌市によると、目撃されたのはエゾヒグマとみられ、親グマ1頭と子グマ2頭。通報を受けて道警などが早朝から巡回したが、その後の目撃情報はなかった。発見現場の周辺で痕跡調査をし、注意喚起の看板を設置する予定。現場は札幌市の中心部から約5キロの山あいで、社会福祉施設や工場などが点在する地域。
(クマ足跡、公園木道を閉鎖:北海道)
春国岱原生野鳥公園内の観察路の木道でヒグマの足跡が見つかり、市農林課は木道を閉鎖し、駐車場からの入り口に看板を設置し観光客らに注意を呼びかけている。足跡が発見されたのは1日午前10時半ごろ。第3砂丘まで通じる木道アカエゾマツコースのうちの、第3砂丘と第2砂丘の中間。春国岱では過去にもヒグマが出没し、木道を閉鎖したことがある。今年、市内でのヒグマの出没は今回が5例目。直近では5月28日に道の駅スワン44ねむろ近くの国道を横断するのが目撃されている。春国岱の第1砂丘の先端部では最近、クジラの死骸が打ち上げられ、オジロワシなどが群れているのが対岸の別海町走古丹側から確認されており、この死骸がヒグマをおびき寄せているとの見方も出ている。
(狩猟免許取得に助成:京都)
木津川市は、増加する有害鳥獣被害の対策として、山城地域で初となる狩猟免許取得者への助成制度をスタートする。「猟友会員が高齢化する中、新たな会員獲得につなげたい」としており、6月定例市議会に提案する2012年度一般会計補正予算案に関連費を盛り込んだ。市内では、旧加茂町の瓶原、当尾地域を中心にサルなどによる農産物被害が報告されている。市農政課によると、11年度のサルとイノシシの駆除個体数は計105で、09年度の20から急増している。一方で、猟友会は市内3支部に計22人が所属。近年人数の増減はないが、65歳以上の会員が13人と半数を超える。今後、駆除のための出動が困難になることも予想され、新たな会員の獲得が課題となっている。今回の制度は、65歳未満で猟友会に入り、有害鳥獣捕獲班員を5年以上務めることが条件。猟銃所持許可と狩猟免許の取得にかかる費用は全額、猟銃や保管庫の購入費用も半額助成する。同様の制度を持つ府内の他の自治体と比べても手厚く、1人あたり全経費の半額を超える約23万円の助成を見込む。市はこのほか、猟友会員による常時パトロールを新たに始めるための費用も補正予算案に盛り込んでおり、可決されれば、いずれも7月から始める予定という。
(駆除のシカ肉をライオンの餌に:長野)
小諸市は、有害鳥獣駆除などで殺処分したシカの肉を市動物園のライオン2頭の餌に活用する取り組みを始めた。動物園の餌代を抑えられるのと同時に、シカの駆除を進める上で大きな課題となっている肉の利用方法の幅が広がり、駆除した市猟友会員が死骸を埋めるための穴を掘る負担も軽減できる。同市では、市猟友会員や市鳥獣専門員の竹下毅さん(35)が連携、有害鳥獣駆除や保護区内での生態系を保つ目的でシカを殺処分している。昨年度の処分頭数は14頭だったが、本年度は既に2カ月余で8頭。竹下さんによると、目に見えて増えており、農作物の食害の報告も増えている。動物園で餌にする場合、死骸を市動物園へ運び、飼育員の佐藤清英さん(40)が解体して冷凍保存。シカ肉約1キロや骨を、通常の餌の馬肉と一緒に与える。馬肉を「補助」する餌の役目で、毎日確保できるかは不明なので、全てシカ肉にすることはしない。同園は、健康管理のために餌を与えない月曜日を除く毎日、ライオン1頭が馬肉約4キロを食べる。馬肉代は1キロ当たり3千~4千円。佐藤さんは「ライオンの体重が少なめで、来年から馬肉の増量を計画していたから、餌として無料のシカ肉は助かる」。この取り組みは、猟友会員の発案。5月上旬から試験的に食べさせ、5日も市内で駆除したシカ肉を与えたが、これまでに特に体調の変化はない。佐藤さんは「便の検査などもして問題がなければ続けていきたい」と話す。動物園にとって今後の課題は、シカ肉を保存する十分な冷凍設備の確保と、解体処理ができる職員の育成という。駆除したシカの死骸処理は、猟友会員にとっては大きな負担。猟友会長の柳沢亮三さん(60)は「埋める穴を他人の土地に掘る必要がある場合は確認も必要」と指摘。今回の取り組みは手間の削減につながると、評価している。竹下さんは「シカも一生懸命生きている。その命を無駄にしたくない」と話す。県野生鳥獣対策室によると、県内のシカの推定頭数は激増し、2010年度は約10万5千頭だが、小諸市のような取り組みは「県内では聞いた事がない」としている。
(駆除シカ肉の利用法:滋賀)
県内で年間約1億7000万円の農作物被害(8割以上がイネ)をもたらし、年1万6000頭の捕獲が必要(県試算)とされるニホンジカ。県や市町は猟友会などに1頭あたり約1〜2万円の助成を出して駆除を委託している。しかし、その後の利用法は手探りだ。「食べればいいのでは」と素朴な疑問もわくが、食肉として流通させるには困難も多いという。シカ猟の実態を取材した。GPS(全地球測位システム)付きの猟犬を放したという無線連絡が、メンバーのイヤホンに流れる。息を潜めて約30分。1人が「足音がする」とささやいた。突然、「ドーン」というごう音が森に響く。駆け付けると肩を撃たれたシカが倒れていた。内臓を取り除くためすぐ腹を割かれ、中からはうっすらと湯気が立ち上っていた。大型連休のある日、日野町猟友会のシカ猟に同行した。同猟友会はシカ肉販売の獣美恵堂(ジビエどう)」(同町)を運営し、フランス料理店やホテル、学校給食など県内や京都、大阪の30店以上に卸している。
(農産物被害止まらず:兵庫)
兵庫県三木市内で、アライグマとイノシシによる農産物被害が増えている。2007年度に比べ、11年度の被害額は約3倍の約1千万円に急増。地元の猟友会などによる捕獲頭数も増えてはいるが、田畑を荒らすのを抑えられていないのが現状だ。市は侵入防止のため、田畑周辺の電気柵設置に補助制度をつくるなど、対策に取り組んでいる。市によると、外来生物のアライグマは、00年に市内での生息が確認された。繁殖力が強く、急速に生息範囲を拡大。ブドウやスイカ、イチゴなどを食い荒らしている。11年度の捕獲頭数は865頭。07年度に比べ364頭増えたが、農作物の被害額は右肩上がりに増加。11年度は、07年度の3倍を超える約700万円になった。イノシシもここ数年で被害が急増し、11年度の捕獲頭数は前年の3倍の30頭に。水稲やブドウなどの被害が目立ち、同年度の被害額は、07年度の3倍近い310万円に上った。市は毎年、アライグマの箱わなを約100基ずつ、イノシシ捕獲用のおりを数基ずつ購入。猟友会の指導を受けた捕獲協力員らに貸し出している。また昨年度には電気柵設置に補助制度を創設。1集落につき最大25万円を市が負担し、これまでに14集落が計22・8キロメートルを設けた。市の支出額は約270万円。市農業振興課は「田畑を守ることと、捕獲で絶対数を減らすことの両面の対策が必要」としている。
(カラス被害相次ぐ:兵庫)
ごみ置き場を荒らすカラスの被害が深刻化している兵庫県伊丹市で、官民が撃退法を模索している。カラスには見えにくいとされる黄色に着目し、ごみを覆うネットの色を変えたり、ごみ置き場を高い板で囲んだりするものの、賢いカラスには効果が長続きしない。市は近く市民らと研究会を開き、新たな一手を考える。「ごみの日には朝5時ごろから鳴き始めて目が覚めてしまう」。そう話すのは、同市広畑自治会長の丸勝彦さん(68)。ごみ袋を破き、車が通れなくなるほどごみをまき散らすこともある。同市は昆陽池公園などカラスが寝床としやすい森が住宅地と密接。市環境クリーンセンターによると、数年前からカラスの被害について市民から苦情が寄せられるようになったという。黄色はカラスの目に見えにくいとされており、2007年度には市内13地区でごみを覆うネットを緑から黄色に変更。一定の効果がみられたため、翌08年度には市内全自治体に計5200枚を配布した。しかし、カラスは学習能力が高い。自治体の代表者を対象としたアンケートでは、09年度は73%が「効果があった」と答えたが、10年度は59%と激減。11年度も58%だった。被害が続いた同市緑ケ丘地区では昨年6月、黄色の合板で四方を囲ったごみ置き場を設置。その中にごみ袋ごと入れて網をかぶせると、カラスはくわえることはできない。効果はみられたが、三谷稠自治会長(69)は「道路上なので、囲いをつくるスペースがないごみ置き場が多い。費用負担も重い」と苦悩する。市は今月中に、市民や行政職員らを集めた研究会を開く。学識専門家に参加してもらうことも検討しており、担当者は「知恵を出し合って撃退法を探りたい」としている。近隣の宝塚市でも山際では被害が深刻。2006年から辛み成分のカプサイシンを含んだネットを貸与している。カラスの生態に詳しい宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授は「カラスは賢い生き物。市民のマナーを高めるとともに、市域を越えて一気に対策に乗り出すなど複合的な取り組みが必要」としている。
(警官から銃奪った疑い:兵庫)
5日午前7時15分ごろ、神戸市西区富士見が丘4丁目の民家で、パトロール中の神戸西署の男性巡査部長(52)が一時、住人の男に拳銃を奪われた。巡査部長はすぐ銃を奪い返し、強盗の疑いで現行犯逮捕した。神戸西署によると、男は無職の増田高幸容疑者(38)。「拳銃がほしかった。手に入れるためには警官を殺すしかないと思った。引き金を引いたが引けなかった」と容疑を認めているという。巡査部長にけがはなかった。増田容疑者は、オートバイでパトロール中の巡査部長を「ガスが漏れている」と呼び止めて自宅に誘い込み、廊下に入ったところで後ろから飛びかかり、革製の拳銃入れを引き裂いて拳銃を奪った疑いがある。

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(女子クレー射撃・中山選手の激励会:茨城)
結城市在住のロンドン五輪クレー射撃女子トラップ競技代表の中山由起枝選手(33)の出場激励会が3日、同市国府町の同市民情報センター多目的ホールで開かれた。中山選手は「残りの2か月出来ることを精いっぱいやり抜き、悔いのない五輪にしたい」と健闘を誓った。会場には恩師や支援者など約250人が集まり、実行委員長の前場文夫市長が「市民の願いをライフルに込めて頑張ってほしい」とあいさつ。まな娘や母校の市立結城中の在校生から花束を受け取った中山選手は「たくさんの方々の声援や支えを五輪では力に変えて、皆さんの声援とともにパフォーマンスしていきたい」と力強く宣言した。父の隆さん(63)は「五輪では1発1発に皆さんへの感謝を込めて撃ってほしい」と話し、中学時代の担任教諭の塚本拓也さん(49)は「自然体で集中して競技を楽しんでほしい」と激励した。
(玄関先にクマ、男性大けが:岩手)
3日夜遅く宮古市で、男性が自宅の玄関先でクマに襲われ大けがをしました。警察で付近の住民に注意を呼びかけています。きのう午後11時半ころ宮古市江繋の団体職員、前川留太郎さん74歳が屋外にあるトイレに行こうと母屋の玄関から出たところ、突然クマに襲われました。前川さんは意識ははっきりしているということですが、頭をかまれるなど大けがをして病院で手当てを受けています。付近の住民は「昼間はみないんだけど夜(クマが)歩いてるんだなと思って」と話していました。現場は山に囲まれた民家が点在する地域で、警察ではパトカーなどで住民に注意を呼びかけています。
(車とクマ衝突、クマはその場で死ぬ:福島)
3日午後7時半頃、福島県国見町山崎の東北道下り線で、仙台市の男性(58)の乗用車がクマ1頭(体長約90センチ)と衝突した。車内の3人にけがはなかった。県警高速隊によると、クマはその場で死んだ。
(クマ目撃情報相次ぐ:宮城)
1日午前6時ごろ、仙台市青葉区折立5のゴミ集積所近くの草むらで、体長約1・5メートルのクマが歩いているのを、散歩中の男性(48)が目撃、近くの交番に通報した。仙台北署員が付近を捜索したがクマは見つからず、男性にけがはなかった。県自然保護課によると、今年度は5月末までに昨年度の約3倍にあたる104件の目撃情報が寄せられており、警察などが引き続き注意を呼びかけている。現場は折立5号公園に近い住宅街。この日は村田町でも目撃情報があった。県警によると、クマは5月31日には現場近くの同区折立4で25、28日には名取市内でそれぞれ目撃されている。同課によると、クマ出没情報は例年4〜11月に寄せられるという。
(クマ目撃情報:宮城)
県内各地でクマ目撃が相次ぐ中、仙台市青葉区折立で1日、前日に続いてクマが目撃され、市はポスターや看板を設置して注意を呼び掛けた。村田町でも同日午後2時頃、道路工事現場で作業中の男性が体長約1メートルのクマを目撃。県は県内の全市町村に対し、耕作放棄地の草を刈ってクマが隠れやすい場所を減らすなどの対策をとるよう求めた。仙台北署によると、クマが目撃されたのは同日午前5時55分頃で、前日に目撃された場所のすぐ近く。団地内のごみ集積所近くの草むらを体長約1・5メートルのクマが歩いているのを散歩中の男性(48)が見つけ、近くの交番に連絡。同署員が周辺を捜索したが、クマの姿はなかったという。
(団地近辺、クマ出没:宮城)
宮城県内でクマの出没が相次いでいる。なぜあちこちに現れるのか。県が把握する4~5月の目撃情報は104件、昨年の3倍に達し、過去最多だ。特に仙台市や周辺の住宅地で多く、住民は不安を募らせる。目撃現場を歩いた。「驚いて、怖くて、腰が抜けそうになった」。5月28日午後10時ごろ、同県富谷町の会社員、太田利明さん(42)、希美子さん(38)夫妻は、信じられない光景をまのあたりにした。いつもとかわらぬ静かな夜だった。突然、家の庭側に取りつけた防犯用の人感センサーライトが光った。見ると、体長1メートル50センチほどのクマがゆっくりと庭を横切って行く。窓ガラス越しに、屋内にいる利明さんたちの姿を見ても動じない。置いてある家庭菜園用の肥料のにおいをかぎ、庭で何かを探すようなそぶりをして去った。その間、1分ほど。夫妻が住む約1500戸の住宅団地は、仙台市中心部から地下鉄とバスで北に約40分。人口が増え続ける「ベッドタウン」だ。クマは、夫妻宅の南側にある崖を登ってきたと思われる。が、崖の下に森はなく、山は東に2キロ近く離れている。では、どこからやってきたのか。「7歳と5歳の娘がクマに出くわしたら大変。団地には子どもが多いので、みんなに警戒してほしい」。夫妻は庭に有刺鉄線を張るなど、対策を考えている。仙台市中心部から西に位置する丘陵部の折立団地(同市青葉区)でも、連日のように目撃されている。31日午前、現場近くの山のふもとで市の職員ら5人がクマの痕跡を探していた。撃退用のトウガラシ成分が入ったスプレーを3本持っている。「クマが通った跡がある。体長は1メートルほどだろう」。職員の1人が指さした場所は、30センチほどの草が半径80センチの範囲でつぶされていた。「1メートルって、子グマですか」。記者の問いかけに、職員はかぶりを振る。「それは大きな間違いだ。1メートルのクマは3~4歳。成獣だ。襲われたら大変だぞ」この職員は、40年ほど地元の猟友会の活動もしているという。市町村が「人的被害が想定される」と判断すれば、捕獲を依頼される。が、基本的に「駆除」はしない。クマが傷つかないようドラム缶でつくったおりのわなを設置し、捕獲したら山奥に逃がす。本州に生息するツキノワグマはめったに人を襲うことはないという。「じっとしているだけでも、だいたいクマが自分から去っていく」。何十回と遭遇した経験があるその職員は話す。クマの出没に、近くの学校なども自衛策を強いられる。5月25~30日に5回の目撃情報があった同県名取市の丘陵地では、近くの小中学校3校が急きょ集団下校にした。仙台市青葉区の折立小学校も1日には、全児童321人が一斉下校した。小学3年生の息子を迎えに来た主婦増田智美さん(36)は「外では遊ばせないつもり。早く騒ぎが治まればいいが……」と話した。県自然保護課によると、県内のクマは400~900頭で、主に西部の山岳地帯に生息するといわれる。そのクマが、なぜ人里に相次いで出没するのか。仙台市八木山動物公園のクマ担当飼育員の高橋信也さん(39)は「丘陵地に新興住宅地が開発され、クマのすむ場所がどんどん狭くなっている。クマのすみかと町との間にあった雑木林がなくなり、林業が衰退したのも原因だ」と話す。ただ、県自然保護課は「今年に限って多い理由は分からない」と話し、調査を進めるという。
(2日続け同じ場所にクマ出没:山形)
2日続けてクマが目撃されたのは南陽市川樋のJR奥羽線の線路上。昨夜7時ごろ、上りの普通列車の運転士が線路上にいるクマ1頭を発見し、警笛を鳴らしたところ西の方に逃げていったという。現場は中川駅から赤湯方面におよそ550メートルの線路上で、30日もほぼ同じ場所でJRの運転士がクマを目撃している。近くには小学校や民家もあることから南陽市は1日、住民に注意を呼び掛ける立て看板を設置した。一方、山形市門伝の富神山で1日午前7時すぎ、斜面にクマ1頭がいるのが目撃された。現場は近くの民家からおよそ150メートルほどの場所で、警察などが注意を呼び掛けている。ことしに入り県内ではクマの目撃が5月末時点で51件と過去最も多くなっている。
(横浜でサル目撃情報相次ぐ:神奈川)
横浜市の住宅街でサルの目撃情報が相次いでいる。約2週間で29件に上り、6歳児童が引っかかれる被害も出た。不安を募らせる住民からは「早く何とかして」との声が寄せられているが、警察や役所は空振りの連続。「サルの動きが読めない」とお手上げ状態だ。「家の前にサルがいたのでびっくりした」。閑静な住宅街が広がる横浜市鶴見区。無職、稲川勝義さん(76)が興奮した様子で振り返る。目撃したのは5月24日午前10時半ごろ。カラスが騒いでいたので窓から見てみると、サルが歩いていた。急いで110番し外に出たが、いなくなっていた。「20年ほど住んでいるが、こんなことは初めて」目撃情報は5月21日、都筑区での目撃を皮切りに港北、神奈川、鶴見区と東京湾に向けて拡大。6月1日までに29件の情報が県警や役所に寄せられている。5月24日には小学1年の男児が小学校で指を引っかかれ軽傷を負ったこともあり、県警は情報が寄せられるたびに捕獲のため現場へ駆け付けているが、姿を確認できないままだ。よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区)の松井桐人さんによると、出没しているのは雄のニホンザルのようだ。生息地は東京都多摩地区や神奈川県西部の丹沢山系、箱根の山間部と距離があるが、群れを離れ、餌を求めてやって来たとみられる。都市でサルが目撃されることは珍しくなく、今年に入って新潟市や岡山市などでも姿を現した。横浜市では以前にも出没し、捕獲して山に戻したことがあるが、「捕まえても戻ってくるだけ」との専門家の指摘もある。市は「餌を与えないで」とホームページで注意を呼び掛けている。
(丹沢ニホンジカ750頭駆除へ:神奈川)
県北西部の丹沢山地で繁殖したニホンジカを減らすため、県は今年度、県独自としては過去最大規模となる約750頭を管理捕獲(駆除)する目標を定め、6日から捕獲に乗り出す。シカが下草を食べることによる植生の衰退や農林業への被害を減らすのが狙いで、県猟友会に加え、県職員として初めて採用したハンターも投入する。県はニホンジカの繁殖に対し、〈1〉頭数管理〈2〉植生回復〈3〉一定の区域から出さない「防除対策」――の3点を柱とした保護管理計画を2003年度から実施している。07年度から4年間では、県と丹沢山地周辺の市町村による駆除、一般のハンターが行う狩猟で年平均1571頭が捕獲されており、丹沢山地に生息するシカは11年末時点で3000~5500頭程度と推計される。県自然環境保全センターは「頭数の抑え込みには成功している」と分析している。しかし、最近は標高の比較的低い地点で植生の回復が進まず、シカによる野菜やイモ類、豆類などの農業被害が08年度以降、増加傾向で10年度は1814万円に上り、懸案となっていた。シカが標高の高い場所に移動していることもあり、県が実施した11年度の捕獲は211頭と目標の400頭を大きく下回り、県は今年度から捕獲態勢を大幅に強化することにした。これまでの捕獲は猟友会に委託して行っていたが、県は今年4月、派遣職員として「ワイルドライフレンジャー」3人を初めて採用した。レンジャーは標高が1300~1600メートルと高い地点での捕獲を担い、標高が比較的低い森林管理区域では猟友会が捕獲を行う。捕獲したシカは体長、体重などを記録したうえで、埋設処分にする。一般ハンターによる狩猟についても、相模原、山北、清川の3市町村が管理する狩猟区を除いて1人1日2頭までの制限をなくし、解禁期間も例年より約2週間延長する予定だ。
(線路のシカよけ、今度は光と音で:北海道)
エゾシカと列車との衝突を防ぐ対策にJR北海道が乗り出して20年近くたつが、増加傾向に歯止めがかからない。特に深刻なのが事故の4割近くが集中する釧路支社の管内だ。その線路沿いに13年ぶりに「新兵器」が導入される。「シカが嫌がる」光や音を出す装置だが、効果はいかに。先月25日午後7時半ごろ、JR千歳線の北広島―上野幌間を走行中の快速列車が急ブレーキをかけた。線路内にシカ1頭がいたためで、間に合わず接触。シカはその後逃げたが、列車は線路の安全確認などで約20分止まり、後続にも10分ほどの遅れが出た。同社によると、こうしたシカとの衝突や回避のために遅れが出た「事故件数」は2004年度に千件を突破。その後も道の推定生息数の増加に伴って増加傾向が続き、11年度は過去最多の2325件となった。このうち、4割近くを占めるのが根室線と釧網線を管轄する釧路支社管内だ。JRのシカ対策は同支社が1993年、車両の先頭部にシカ専用の警報器を取り付けたのが始まりだ。走行中の風で鳴る笛でシカの嫌がる超音波を出すとされたが、目立った効果はなく外された。その後も失敗が繰り返された。翌年に根室線の線路脇2カ所に列車のライトを線路の外に反射させて警戒させようと反射板を設置したが、効果はすぐ薄れた。99年には芳香剤を線路近くにまいたり、せっけんを鉄道林に結んだりしてにおいで追い払おうとした。だが、せっけんをカラスに持ち去られて効果の検証すらできず、これ以降、新たな対策は打っていない。JRが唯一効果があると評価するのが、96年度から設置を進める柵だ。高さ2、3メートルほどとシカが飛び越えられない。ただ、設置費用は1メートル当たり7千円ほどかかり、急斜面で設置が不可能な部分もある。昨年度までに設置したのは約40キロで、このうち釧路支社は35キロ。同支社の総延長(476・6キロ)の7%ほどだ。 同支社は、釧網線遠矢―塘路駅間の釧路湿原周辺などシカの多発ポイントではあらかじめ減速したり、警笛を鳴らしたり、工夫もしているが、技術施設グループの浅田基揮リーダーは「限界がある」と話す。そこで目を付けたのが奈井江町の機器メーカー「太田精器」が開発した装置だ。赤、青、黄、白色の長さ40~50センチの「LED(発光ダイオード)灯」を計7本並べ、この装置から離れた場所に置いたセンサーの近くをシカなどが通ると、装置が10~15秒間点滅。合わせてゾウやオオカミ、銃声などの音が出る。この光と音はともにシカが嫌がるとされ、実証実験をした農場では、シカの食害が減るなどの効果が出ているという。光は120度の角度で200メートル先まで届くといい、柵が設置できない場所でも効果が出る可能性があり、設置費用も1台20万~40万円ほどで柵より安くすむメリットがある。JRは同支社管内に年内にも数台を実験的に設置、効果を検証する。ただ、これまでの対策が失敗続きのため、浅田さんは「長期間、効果があるか慎重に見極めたい」としている。
(エゾシカ対策、捕獲と肉活用の拡大を:北海道)
道がエゾシカ対策室を設置して1年がたった。農業や森林への被害を食い止めるのが一番の狙いだ。警戒心が強く記憶力も良いシカは、捕獲が難しいうえ、旺盛な繁殖力で今や道内で65万頭を数えるまで増えた。昨年は車との事故も2306件と過去最多を記録した。列車との衝突も後を絶たない。安全上も見過ごせなくなった。財政や職員数に余裕がない中で、道が専門部署を新設したのは、こうした状況への強い危機感がある。2016年度までに40万頭以下に減らす―これが目標だ。それには年15万7千頭の捕獲が必要とされる。これまでの最高は10年度の約11万頭だった。初めて10万頭を上回り、取り組みを強めれば結果がついてくる感触を得た。とはいえ、この数では目標に届かない。数字を上積みすべく、11年度は、行政が行う駆除の一環として、初めて通行止めにした公道からの射撃にも踏み出した。環境省や市町村、猟友会などと連携し、餌でおびき寄せての一斉捕獲や車で移動しながら撃つ手法を試みた。一般ハンターによる狩猟の方も、活動しやすいように期間延長や捕獲制限の緩和を図った。だが、11年度も年間目標には届かなかったとみられる。ただ、効果的な方法は見つかりつつあると総括する。今後も実践を強化し、目標に近づけて行ってほしい。課題もまた浮かび上がった。一斉捕獲や移動捕獲を効果的に行うには、一定数のハンターをそろえなくてはならない。捕獲を拡大するためには、そうした方式に習熟したハンターの質と数の確保が欠かせない。そろそろ職業ハンターを制度的に養成する時期に来ているのではないか。シカ肉の活用では、エゾシカ対策室のPRも効いて光明が見えた。「シカの日」の第4火曜日を中心に販売する小売店・飲食店は、道内で200店を超えた。東京のレストランからも引き合いがある。高級部位をランク付けしてブランド化する動きも民間から出てきた。それでも食肉としての利用は12%程度だ。広げられる余地がある。ペットフード向けの需要も最近は出てきた。活用が盛んになれば、捕る側の収入も増す。捕獲数を押し上げるプラスの循環につなげたい。対策が遅れるほど、捕獲必要数が増える。森林が荒廃し、崩れた生態系を取り戻しにくくなる。道をはじめ関係者には、今が正念場と覚悟して臨んでもらいたい。
(シカとの衝突事故増加:北海道)
東胆振でエゾシカと自動車の衝突事故が増えている。シカの移動時期などに当たる今年1~4月に苫小牧署管内(東胆振1市4町)で起きた衝突事故は27件で、昨年同期の1.5倍。シカとの衝突は重大事故を招く恐れもあるため、同署はドライバーに注意を呼び掛けている。同署によると、昨年1年間に管内の道路でシカと車が衝突し、物損事故として扱った件数のうち、春先の事故は1、2月に各3件、3月1件、4月11件。しかし、今年は1、2月にそれぞれ9件、3月は3件、4月も6件発生している。同署などはドライバーに▽シカの急な飛び出しに対応できる速度▽夜間の沿道で光るものを見た時は注意▽数頭の群れで行動するため2頭目、3頭目にも注意―と呼び掛けている。日本損保保険協会北海道支部(札幌)によると、シカとの衝突で壊れた車の修理費は平均39万円に上るという。
(目撃のシカ捕獲、既に殺処分:長野)
5月下旬に長野市青木島町、川中島町一帯で相次いだシカの目撃に関連し、県長野地方事務所林務課と長野南署が、目撃されたのと同一とみられるシカを捕獲していたことが1日、分かった。既に殺処分したという。同署によると、5月30日午後5時半すぎ、自宅の庭にシカがいる―と同市青木島町の住民から110番通報があった。長野地事所林務課職員や同署員ら約10人が縄や網などを使い、40分後に捕獲した。捕獲されたのは雄のニホンジカで体長約1・2メートル、体重約40キロ。一帯では先月26日から30日までに少なくとも5件のシカの目撃情報が寄せられていた。同課は、左の角がなく、前足の爪から出血しているなどの特徴から、同一のシカとみている。
(昨年度、ニホンジカ2,970頭駆除:長野)
伊那市有害鳥獣対策協議会が、昨年度市内で駆除したニホンジカの数は、目標の1,500頭の2倍近くとなる、2,970頭だったことがわかりました。30日開かれた伊那市有害鳥獣対策協議会で、昨年度の駆除実績が報告されました。それによりますと、昨年度、協議会で駆除したニホンジカは、2,970頭で前年度の970頭と比べ、2千頭多くなっています。協議会によりますと、猟友会のくくり罠による捕獲が大幅に伸びたことが要因だという事です。今年度は、2,500頭を駆除する計画で、内訳は、伊那地区700頭、高遠町地区900頭、長谷地区900頭となっています。協議会では、これまで年1回のみの実施だった狩猟免許取得のための講習会を2回に増やし、6月には、罠のみの免許取得のための講習会を初めて開く計画です。
(シカ駆除に外国産オオカミを放つとの提言も:長野)
野生のニホンジカによる農林業被害が相次ぐ長野県内で今年度、効率的な駆除の方法を探る取り組みが本格化している。北アルプスにも生息域が拡大しているため、広域で連携して駆除したり、猟銃に比べ手間のかからないわなでの捕獲を増やしたりする試みが始まった。シカ肉を材料にしたジビエ(野生鳥獣)料理を普及させる動きも加速している。安曇野市猟友会は4月、北アルプスで初めて駆除を試みた。捕獲はできなかったが、会員が1頭を目撃。同会は「この地域での生息が改めて確認できた」とする。こうした状況を受け、環境省は6月、林野庁や北アルプス周辺の長野、富山、岐阜、新潟4県と対策協議会を発足させる。群れの移動情報を共有し、効率よい駆除を目指す。長野県内の野生鳥獣による農林業被害は、年間15億~17億円で、うちシカの食害が4割。2010年度の推計で生息数は10万5000頭に上る。県は今年度の捕獲目標を過去最高の3万5000頭に設定。特に3~6月は、出産期の雌の捕獲を強化している。ただ、猟師の高齢化や後継者不足が進み、県内の猟友会員は現在4755人とピーク時の約4分の1。猟師の負担を減らすため、上伊那猟友会は簡易なわなを自作し、猟に取り入れた。県は今年度、県内10地域で猟友会員らによる広域捕獲隊を編成し、自治体の枠を超えた捕獲に乗り出した。5月28日には、辰野町でわな猟に特化した研修会が開かれ、上伊那猟友会員が各地の猟友会員にわなの仕掛け方や多く捕獲するこつを教えた。秋までに4000頭の捕獲を目指す。県は、農家の協力を得た捕獲隊づくりも支援している。中部森林管理局も昨年度から餌で大型のおりにおびきよせる「囲いわな」を県内に試験設置し、今年度は場所を増やす方針だ。日本オオカミ協会は、食害が深刻な地域で外国産オオカミを放って「撃退」することを提言。4月に約9万5000人分の署名を環境省に提出した丸山直樹会長は「猟師の負担軽減にもなり、生態系も守られる」と話す。一方で「オオカミの増え過ぎと、人や家畜への被害も心配」(環境省)と否定的な見方もある。ジビエ料理を広める動きも活発化している。3月に県内で「信州ジビエ研究会」が発足したのに続き、全国組織「日本ジビエ振興協議会」も5月31日に設立された。シカ肉などの消費拡大と地域の活性化を目指す。同協議会長に就任した茅野市のシェフ藤木徳彦さん(40)は「シカ肉の消費量が増えれば、猟師も採算が取れ、駆除も進む」と話す。シカ肉は低カロリーで鉄分が豊富なため、給食などでの普及を試み、栄養士らへの講習会も開く。
(住宅地にサル2頭迷い込む:三重)
松阪市の三雲地域で一日、二頭のサルが住宅街に迷い込み、市職員らが捕獲しようと追跡する騒動になった。同日午前八時四十分ごろ、三雲地域振興局に、同市甚目町のアパートの住民から「付近に二頭のサルがいる」と通報があった。同九時五十五分には、振興局職員が同市中林町の集会所付近で大小二頭のサルを発見。職員ら十人が空気銃や捕獲網を持って追跡したが、サルは住宅街を逃げ回り、民家の屋根に上るなどして素早く移動。同日午後五時現在、捕獲できていない。サルに襲われるなどした被害やけが人は出ていないが、同振興局は地域の小中学校へ、注意を呼び掛けている。住民らは「早く山に帰って」と、不安そうに眺めていた。
(ジビエ振興協議会発足、異業種連携で販路開拓・人材育成)
日本ジビエ振興協議会が31日、発足した。農作物に被害を与える鹿やイノシシなどの野生鳥獣の肉を地域資源に変えて、農山村で新たな産業や雇用の創出を目指す。野生の鳥獣の利活用に取り組む地方自治体と飲食店・食品企業などの連携を促し、商品開発や販路開拓を支援する。ジビエを切り口にした都市農村交流、人材育成、ジビエ食文化の情報発信にも力を入れる。
(去らぬサル、山に返す:高知)
ニホンザルによる農作物被害に悩む中土佐町矢井賀地区で、須崎市のNPO法人「四国自然史科学研究センター」がサルを山に戻す取り組みに乗り出した。長年の調査データや観察で分かった行動をもとに、効果的な対策の第一弾として、収穫後も木に取り残されたままの果物を撤去した。人の集落はえさ場ではないことをサルに分からせ、共存を図るという。同地区では約15年前からサルが大根やジャガイモなどの農作物を食い荒らす被害が多発。同センターは06年に町の依頼で「サル去るプロジェクト」をスタートさせた。サルを追う犬「モンキードッグ」を導入したり、サル駆除に報奨金を出したりしているが、出没するサルは後を絶たず、自家消費が主な小規模農家にはあきらめが広がっているという。プロジェクトを進める同センター研究員の葦田(あし・だ)恵美子さん(32)によると、地区をはさんで南北に二つの群れがある。頻繁に出没していた南の群れは、報奨金導入などによって昨年6月時点の約60頭から約30頭にまで減ったが、その結果、今度は北の群れが出没するようになったという。葦田さんが注目するのは山にあるえさが少なくなる冬季に同地区で実る柑橘(かん・きつ)類だ。「サルはここでは一年中飢えることがない上、柑橘類は栄養価が高いため繁殖率も高くなり、頭数が増えて被害がまた増える。つまり悪循環に陥っている」と指摘する。このため「サルのえさ場をなくそう」と3月7日に果物狩りを開催。高知大生らがボランティアで参加し、農家の畑に残された収穫後のハッサクの実を取り去った。この畑はサルの出没が目立っていたが、実がなくなったことで現れなくなったという。また5月19日には別の農家の畑で2回目の果物狩りを実施し、甘夏の実を一つ残さず収穫した。「サルは山にえさがないから集落に出てくるのではない。サルが好む果実類の完全収穫が地区全体に広がれば、効果は確実に上がる」と葦田さんは期待する。効果的な対策の第二弾として予定しているのは、集落をサルにとって居心地の悪い場所にするための追い払い。畑などに近寄ろうとするサルを実際に人が追い払ったり、花火などで大きな音をさせて近寄らないようにするという。また、これまで設置されていた電気柵の改良も予定している。ミカン狩りで収穫したハッサクを使い、ジャムとマーマレードを作った。1ビン300円で販売し、サルの被害対策に役立てる。甘夏もジャムとゼリーに加工する予定だ。葦田さんは「サルが人の集落から去り、共存できる地域にしていきたい」と話している。

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(クマ、住宅地に出没:宮城)
名取市と仙台市の住宅地で5月25日以降、クマを目撃したとの情報が連続して市などに寄せられている。県全体の4~5月のクマの出没情報は既に100件を超えており、過去最多のペース。名取市では小学校の通学路で目撃され、集団下校するなどの対応を迫られている。仙台市青葉区折立では31日早朝、東北道仙台宮城インターチェンジ近くで、車を運転中の男性が体長約1・5メートルのクマが道路際の斜面にいるのを目撃。近くに住む主婦川崎あゆみさん(38)は、小学校に通う子どもが家を出た後に学校からのメールで知り、「まさかこんな所にクマが出るとは」と話した。クマの目撃場所のすぐ近くには、市立折立小があるが、震災で校舎が破損し、現在は別の場所に仮設校舎を建てて移っていたため、大きな影響はなかった。同小は保護者にメールで注意を呼び掛けるとともに、放課後には教職員でパトロールを行った。名取市では5月25日から30日にかけて5回、クマが目撃されている。同市ゆりが丘では、25日午前9時50分頃、車を運転中の住民が、市立ゆりが丘小近くの市道を体長70センチ前後のクマがうろついているのを見つけ、同小に連絡。この日は教職員が付き添い、集団で下校した。その後、半径2キロ以内の4か所で、「道路脇からクマが頭を出していた」「バスの回転場付近にクマが歩いていた」などの目撃情報が相次いだ。県自然保護課などによると、4~5月のクマの出没情報は例年、数十件程度だが、今年は既に100件を超えている。冬眠から覚めて間もない4月にも、18件の情報が寄せられた。年間件数では、統計をとり始めた2005年度以降、06年度が670件で最も多かったが、今年はそれを上回るペースだという。動物学が専門の宮城教育大の伊沢紘生・名誉教授(72)は、クマが出没する原因について、〈1〉昨年と一昨年の捕獲数が少なく個体数が増えた〈2〉最近の寒暖の差がクマの餌となる食物の生育に影響した〈3〉原発事故の影響で山菜採りに山に入る人が減り、クマの警戒心が薄れた――ことなどを挙げる。同課は「クマは逃げると追いかけてくる習性がある。万が一、クマに出くわしたら、落ち着いて後ずさりしながら離れた方がいい」とアドバイスする。
(通学路でクマ目撃:秋田)
30日午前、秋田市の県道わきで、体長およそ1メートルほどのクマ1頭が目撃されました。
クマが目撃されたのは、秋田市外旭川の県道横山金足線の道路脇です。30日午前10時20分ごろ、道路脇の法面に体長1メートルほどのクマがいるのを通りがかりのドライバーが目撃しました。その後クマは姿を消していて、秋田臨港警察署で付近住民に注意を呼び掛けています。クマが目撃された場所は、朝夕は高校生などの通学路ともなっています。ことし県内でのクマの目撃情報は、30日までですでに50件を超えています。
(海を泳ぐクマ目撃:島根)
28日午前6時半ごろ、大田市温泉津町の温泉津港で釣りをしていた県外の男性(63)が、海を泳いでいる体長約1メートルのクマを見つけた。大田署によると、クマは陸に上がり、山林に逃げ込んだという。市農林水産課によると、4月からのクマの目撃情報は10件目で、今月上旬も大田町の市道を横切るなど、市街地での発見が相次いでいる。市や署は防災無線で注意するよう求めている。
(イノシシ勢力北進、岩手秋田でも被害)
環境省が生息を確認していない岩手や秋田県などの北東北でイノシシ被害が拡大している。同省によると地球温暖化に加え、高齢化などで狩猟者が減っていることが要因と推測。東京電力福島第1原子力発電所事故により、福島県内で狩猟ができず、本来捕獲されるはずだったイノシシが、各地に拡散していることも追い打ちを掛けたとみられる。鹿や猿などの生息域も拡大しているだけに、対策は待ったなしだ。
(またクマ目撃、1頭が道横断:島根)
浜田署は31日、浜田市でクマの目撃情報があったと発表した。30日午前8時50分ごろ、上府町の市道で、自動車で出勤中の女性が、体長約70センチの1頭が道路を横断しているのを目撃した。人への被害はないという。市内での目撃情報は1~4月が9件、5月は21件と急増しており、注意を呼び掛けている。
(農作物のイノシシ被害防止へ、人材養成に開講:茨城)
イノシシによる深刻な農作物への被害を未然に防ごうと、県は29日、地域住民に指導やアドバイスを行う支援者を育成する「茨城猪(いのしし)塾」を開講した。耕作放棄地の増加や東京電力福島第1原発事故の影響による狩猟者の減少などでイノシシ被害が増える中、各地域で問題点を分析して対策に取り組む人材を育てるのが狙い。10月までに計6回の講座を行い、農地での被害の痕跡調査や防護柵の設置などの実習も行う。県によると、イノシシ被害は年々増加しており、10年度は稲やイモ類、野菜で7951万円あった。塾は、イノシシが生息する16市町や県、農業団体が今年4月設立した「県イノシシ等被害防止対策協議会」(中野一正会長)の事業の一環。被害の背景には、イノシシ数の増加に加え、農作物を田畑に放置したり耕作放棄地が増え、イノシシが農地に近づきやすい環境が増えたことがある。県イノシシ保護管理計画(12〜13年度)では年間捕獲目標数を前期までの計画の500頭増となる3500頭に設定した。猪塾では、西日本などでイノシシ被害防止に取り組んできた中央農業総合研究センター(つくば市)の竹内正彦主任研究員が講師を務める。修了者には「獣害対策サポーター証」が発行される。県農業総合センター(笠間市)で行われた開講式には各市町の担当者など約40人が出席。中野会長は「イノシシ対策は捕獲、防御、イノシシが出ないような環境整備を総合的にやることが必要」と述べた。石岡市の担当者は「放射能の影響で猟師の捕獲も減り、被害を心配して受講した」と話していた。
(イノシシ駆除:山梨)
29日午前11時半ごろ、山梨市七日市場の路上にイノシシがいると同市の男性が市に通報。市職員らがイノシシを捕獲しようとしたところ、イノシシは午後1時ごろ、甲州市塩山上井尻の野菜のビニールハウス内に逃げ込んだ。山梨、甲州両市によると、イノシシは体長約1・1メートル。網を使って捕獲を試みたが捕まらず、被害防止のため猟友会員が射殺した。けが人はなかった。
(子連れイノシシ現る:長野)
平戸市岩の上町で29日、生後数週間とみられる4匹のうり坊を連れたイノシシ(推定約70~80キロ)が出没。警察官や地元猟友会員がうり坊を捕獲した。母親とみられるイノシシは山中に逃げており、平戸署は「姿を見ても近づかないで」と注意を呼び掛けている。イノシシは同日午前8時ごろ、散歩していた久間剛さん(67)が発見。突然、愛犬がほえたため近づくと、4匹のうり坊が側溝(高さ約40センチ)にはまり、上がれなくなっていた。母親とみられるイノシシはそばを離れず威嚇。危険を感じた久間さんは市などに通報した。平戸署員らは側溝に足場を架け逃がそうとしたが失敗。約1時間半後に猟友会員が爆竹を鳴らしイノシシを追い払い、4匹を捕獲した。現場は人家が散在する集落で一時騒然となった。イノシシは猟友会がわなを仕掛け捕獲する方針。久間さんは「おそらく気が立っており、危ないので気を付けなければならない」と話していた。
(ニホンジカ被害拡大、広域圏ごと捕獲隊編成:長野)
県は拡大するニホンジカの農林業被害に対応するため今年度から市町村の垣根を越えて広域駆除に乗り出す。28日には初めてとなる広域捕獲隊編成に向けた研修会を辰野町の県営総合射撃場で開き、捕獲隊に参加する県猟友会の会員ら約100人がくくりわなの作り方や修理方法を学んだ。県野生鳥獣対策室によると、有害鳥獣の捕獲は各猟友会支部や市町村ごとに行われている。しかし、ニホンジカは移動範囲が広く市町村の枠を越えて被害が広がっている上、支部によっては高齢化などによる会員数の減少で捕獲活動に濃淡が生じているのが現状だという。さらに今年度からニホンジカの捕獲目標数が前年度より1万頭増えて3万5千頭になることから、目標数拡大に伴う捕獲者の確保も課題だ。こうしたことから県は、県猟友会に委託して県内10の広域圏ごとに捕獲隊を編成。生息密度が高い地域で機動的にわなによる捕獲活動を行い、4千頭の捕獲を目標に効率的な駆除を目指す。事業費は約6千万円で、国の緊急雇用創出基金事業を活用して人件費などに充てる。研修会では、ニホンジカの被害が著しく広域捕獲やくくりわなの改良に積極的に取り組んでいる上伊那猟友会の会員らが講師になって、ワイヤやスプリングなどを使ってくくりわなの作り方や設置の仕方、踏み板の調整、壊れたときの修理方法などをグループごとに分かれて指導。実際にニホンジカが出没する射撃場周辺で実践的なわなの仕掛け方を学んだ。県猟友会の竹入正一副会長は「昭和50年代の初めには2万人近くいた会員が現在は5千人弱まで減少した。ニホンジカによる被害が増える中で、支部を越えて会員が協力し合う広域連携は絶対必要だ。わなの設置技術などの情報共有も積極的に進めていく必要がある」と、広域捕獲隊の活動に期待を寄せた。
(森の番人育成に力:長野)
飯田市と下伊那郡のハンターで組織する「飯伊連合猟友会」(塩澤久一会長)は、後継者の育成に力を入れている。県内では近年、シカの食害が深刻な問題になっているが、猟銃を扱える会員は年々減少。関係者は「このままでは近い将来、農作物や植林を守る有害鳥獣駆除の要請にこたえることも難しくなる」と、危機感を強めている。同猟友会は七百六十二人の会員を擁しており、県内では最大。会員は主にシカやイノシシを追う大物猟を手がけ、猟期以外にも有害鳥獣駆除を担当。地域の山を知り尽くした“森の番人”として活躍している。しかし、猟銃所持許可に伴う手続きが煩雑、厳格化していることもあり、ハンターは全国的に減少。飯伊連合猟友会の会員も、最盛期の約二千四百人から三分の一以下にまで落ち込んだ。このため、猟友会は後継者育成を目指し、ホームページ上で猟銃所持許可の手続きや、狩猟免許取得までの流れを解説。ハンターを目指す人たちのため、定期的に射撃シミュレーターを使ったクレー射撃体験講座も開いている。努力が実り、二十代の会員も加わったが、平均年齢は六十歳を超えて、高齢化が目立っている。猟友会が二十七日、飯田市大瀬木の飯田国際射撃場で開いた春季射撃大会には、会員約五十人が参加。散弾銃で射出されるクレーを狙うフィールド射撃と、固定した標的を撃つ空気銃の二部門で競った。フィールド射撃では、七十五歳の塩澤会長も射場に立ち、長年猟場で鍛えた腕を披露。次々にクレーを撃破する会員を見ながら「シカは増え続け、駆除が追いつかなくなっている。少しでも新会員を増やすため、狩猟に対する理解を深めてもらう努力をしていきたい」と話していた。
(シカ駆除知恵絞る:長野)
野生のニホンジカによる農林業被害が相次ぐ県内で今年度、効率的な駆除の方法を探る取り組みが本格化している。北アルプスにも生息域が拡大しているため、広域で連携して駆除したり、猟銃に比べ手間のかからないわなでの捕獲を増やしたりする試みが始まった。シカ肉を材料にしたジビエ(野生鳥獣)料理を普及させる動きも加速している。安曇野市猟友会は4月、北アルプスで初めて駆除を試みた。捕獲はできなかったが、会員が1頭を目撃。同会は「この地域での生息が改めて確認できた」とする。こうした状況を受け、環境省は6月、林野庁や北アルプス周辺の長野、富山、岐阜、新潟4県と対策協議会を発足させる。群れの移動情報を共有し、効率よい駆除を目指す。長野県内の野生鳥獣による農林業被害は、年間15億~17億円で、うちシカの食害が4割。2010年度の推計で生息数は10万5000頭に上る。県は今年度の捕獲目標を過去最高の3万5000頭に設定。特に3~6月は、出産期の雌の捕獲を強化している。ただ、猟師の高齢化や後継者不足が進み、県内の猟友会員は現在4755人とピーク時の約4分の1。猟師の負担を減らすため、上伊那猟友会は簡易なわなを自作し、猟に取り入れた。県は今年度、県内10地域で猟友会員らによる広域捕獲隊を編成し、自治体の枠を超えた捕獲に乗り出した。5月28日には、辰野町でわな猟に特化した研修会が開かれ、上伊那猟友会員が各地の猟友会員にわなの仕掛け方や多く捕獲するこつを教えた。秋までに4000頭の捕獲を目指す。県は、農家の協力を得た捕獲隊づくりも支援している。中部森林管理局も昨年度から餌で大型のおりにおびきよせる「囲いわな」を県内に試験設置し、今年度は場所を増やす方針だ。日本オオカミ協会は、食害が深刻な地域で外国産オオカミを放って「撃退」することを提言。4月に約9万5000人分の署名を環境省に提出した丸山直樹会長は「猟師の負担軽減にもなり、生態系も守られる」と話す。一方で「オオカミの増え過ぎと、人や家畜への被害も心配」(環境省)と否定的な見方もある。ジビエ料理を広める動きも活発化している。3月に県内で「信州ジビエ研究会」が発足したのに続き、全国組織「日本ジビエ振興協議会」も5月31日に設立された。シカ肉などの消費拡大と地域の活性化を目指す。同協議会長に就任した茅野市のシェフ藤木徳彦さん(40)は「シカ肉の消費量が増えれば、猟師も採算が取れ、駆除も進む」と話す。シカ肉は低カロリーで鉄分が豊富なため、給食などでの普及を試み、栄養士らへの講習会も開く。
(“ジビエ”普及へ企業・自治体が連携)
社会問題の解決に向け、ビジネスが動き始めています。フランスでは高級食材として知られる「ジビエ」。狩猟で捕獲したシカやクマ、野鳥などの野生動物の肉です。このジビエを日本で広めようと、複数の企業などが新しい組織を立ち上げました。その背景にあるのが、日本の各地で増加している農作物の被害。長野県の岡谷市では、シカの頭数が適正といわれる1万頭に対し、その10倍以上が生息されていると推計されています。耕作放棄地の増加や、ハンターの減少などが要因で、野生動物が農作地へ侵入しやすくなっているのです。また、ハンターの日当が低いばかりか、狩猟したシカ肉も安くしか買い取りません。ジビエ料理が普及し、野生動物が食材として注目されれば、ビジネスとしての可能性が広がると協議会は見ています。実際、この協議会にはキリンビールやJTBが発起人として参加し、自らのビジネスチャンスを作ろうとしています。ジビエに対する関心の高まりを見越してIT企業も動き出しています。NTTPCコミュニケーションズは檻の監視を省力化するために、「みまわり楽太郎」という製品を販売しています。これは檻が閉じると、自動的に携帯電話にメールが送られるというもので、2年間の通信費込みで9万5,000円。NTTPCでは鳥獣被害に悩む自治体などに売り込みたい考えです。
(自宅で火薬製造の男子高校生を書類送検:北海道)
北海道警は30日、黒色火薬を製造して爆発させたなどとして、火薬類取締法違反などの疑いで、日高地方の男子高校生(18)=窃盗容疑で家裁送致=を書類送検した。書類送検容疑は3月3日ごろ、高校から盗んだ薬品を使って自宅で黒色火薬を製造し、鉄パイプに詰めて4月1日、山中で爆発させた疑い。刃渡り約13センチと約10センチのナイフを所持していたことも発覚し、銃刀法違反容疑でも書類送検された。男子高校生は4月、高校から薬品などを盗んだとして、窃盗の疑いで逮捕された。道警は一緒に薬品を盗んだとして、同級生の17歳の男子生徒2人も窃盗容疑で書類送検した。
(集落丸ごとフェンス囲み:愛知)
新城市の中山間地の集落が、ナゴヤドーム1・5個分の広さを丸ごとフェンスで囲み、集落に通じる道路にも扉を取り付けた。田畑を荒らす鹿やイノシシが入り込むのを防ぐためで、夜間は道路の扉が閉じられている。約7ヘクタールの集落をステンレス製のフェンスや扉で取り囲んだのは、新城市役所から北西に約10キロ、同市作手白鳥の西洞地区。同地区に住む5軒と、地区内で耕作をしている2軒が自分たちの手で、昨年12月から今年4月上旬にかけて取り付けた。費用の約310万円は、市を通じて得た国の交付金を充てた。県農業振興課によると、県内では昨年度、岡崎市や豊田市、豊川市などで国の交付金約2億4千万円を使い、鳥獣害対策のフェンスが設置されている。フェンスは高さ1・5~2メートル、総延長1・3キロ。国道301号につながる道路に取り付けられた扉には、「開けた方は、必ず閉めてください」と書かれた看板も立てかけられた。扉は午後8時から翌日の午前6時まで閉じられる。西洞地区は標高約500メートルで、周りは森林。囲いの中には9人が暮らしている。新城市の昨年7~10月の調査では、同地区の周囲には少なくとも10頭のイノシシと3頭の鹿の生息が確認された。同地区で世話役をした小沢竜史(たつふみ)さん(60)によると、例年は7~9月にかけて、イノシシが稲を踏み倒したり、鹿が稲穂を食い荒らしたりする被害が出ている。これまでは、各農家が自分の田畑の周りに電流が流れる柵を取り付けるなどの対策をしてきた。しかし、住民は50代半ばから80代と高齢化している。夜間に毎日、電流のスイッチを入れるのは大変なうえ、電気代のコストもかかった。そのため、「集落を丸ごと守る」発想に転換。道路の扉を交代で開け閉めすることで、互いの負担を軽くすることにしたという。新城市では鳥獣害の被害額が、2011年度は市全体で約2130万円に上り、09年度に比べて1・8倍になった。耕作放棄地が増えて人の手が入らなくなり、動物が侵入しやすくなったのが原因とみられる。小沢さんは「フェンスの設置で、2、3年間は被害を少なくできるのではないか」と期待する。一方で、「鹿やイノシシが慣れてくると、また田畑に入ってくるかもしれない」とも思っており、しばらくは様子を見たいと考えている。
(農作物の鳥獣害6.3%減少:和歌山)
県内の平成23年度の野生鳥獣による農作物の被害額は3億2829万円と、前年度より6・3%減少していたことが30日、わかった。県では「近年、被害が大きくなってきたため、農家が危機感を持って対策と農地管理を行った結果ではないか」とみている。被害金額を項目別で見ると、イノシシが1億7359万円で全体の53%と被害の半数以上を占めた。次いでサルが4745万円(14%)▽シカ3946万円(12%)▽アライグマ3439万円(10%)▽カラス1826万円(6%)-など。被害面積で見るとイノシシ411ヘクタール、次いでシカが210ヘクタールだった。被害対象は果樹が78%で大半を占め、野菜は9%、水稲は8%だった。県全体の被害額は、13年には2億3256万円だったが、14年には3億2429万円と3億円を突破。以降、16年には4億円近い3億9852万円まで増加。近年は3億円前後で推移していた。今回の被害額減少について、県農業環境・鳥獣害対策室では、農家が危機感を持って電気柵(さく)やワイヤメッシュなどの防護柵を整備してきた点を評価。過去には余った農作物を畑に捨てるなど不用意な管理の結果、そうした農作物をエサに野生鳥獣が繁殖する事例もあった。同室は「農地周辺の耕作放棄地を草刈りなどで管理するなど、総合的な対策が進んだ結果、被害額の減少につながったのでは」とみている。
(野生のオオタカを保護:大阪)
絶滅のおそれがある国内希少野生動植物種に指定されている野生のオオタカが、大阪市住吉区の市営住宅で保護された。オオタカは、右足に大けがをしていた。イノシシなどを捕獲する、わなに挟まれたとみられる。保護した男性は「向こうを向いて、ここにつかまっておったから。だーっと鎖がついとった」と話した。オオタカは、動物病院で治療を受けているが、右足は切断しなければならず、左足の爪も欠けている。治療した中津動物病院の中津賞院長は「命は助けられるけど、野外に放せるかというと、なかなか難しい。訓練が必要」と話した。オオタカを自然に帰すかどうかは、回復状況をみて判断するという。
(「カラスに注意して」:神奈川)
鎌倉市環境保全課では、7月頃まで繁殖期が続くカラスに気を付けるように呼びかけている。繁殖期は3月から7月頃までで、特に人への攻撃は4月から6月頃に増える。この時期、カラスは雛や卵を守ろうと過敏になっているため、巣の付近を通ると威嚇や攻撃をしてくる恐れがあるという。雛が巣立つまで約1ヵ月は注意が必要。通常、巣は低いところで10mほどの街路樹や山中の木、電柱などに作る。人の目で確認できるほど大きな巣を作るのは身近な野鳥ではカラスぐらいで、つがいでいることが多いという。飛びながらくちばしで人を突くことはまず無く、足で頭を蹴ってくるという。先月実際に被害を受けた市職員は「後ろから強く殴られたような衝撃だった」と話す。同課では「できる限り巣の撤去や注意喚起をする」と話している。
(佐賀の県鳥カササギ減った?)
佐賀県で「県鳥のカササギを見かけなくなった」との声が出ている。国の天然記念物ながら佐賀市の中心部でも見かけられてきた、県民には親しみ深い鳥。佐賀平野では近年、カラスが急増しており、その影響を懸念する声もある。県は本格的な実態調査に着手し、29日には専門家を集めて対応策を協議する。「カチカチ」という鳴き声からカチガラスとの愛称でも親しまれるカササギ。体長約40センチで羽根から胸にかけて白い部分があるのが特徴だ。佐賀市中心部でもよく見かけられ、1965年に県鳥に指定された。だが、「最近、あまり見かけなくなった」と心配する声が県庁などに寄せられるようになり、県が実態調査に乗り出すことになった。
(「気付かれにくい」くくりわな:長野)
飯島町田切の金属加工業「信英精密」は、2009年に開発した動物捕獲用「くくりわな」を改良し、実用新案登録を出願した。円形の枠の高さが半減して2・5センチに。穴を掘る時間が短くなり、動物が気付きにくくなるという。上伊那猟友会員の伊東征勝社長(67)は「ニホンジカやイノシシなどの捕獲数を増やすのに役立つといい」と話している。枠は塩化ビニール製で、直径は変わらず20センチ。前は、枠の中に置いた底板が動物に踏まれて下がると、底板の外縁に掛けたワイヤが外れて足首を捉える仕組みだった。新しいわなは、底板に付けたばねの力でワイヤが跳ね上がって外れる。仕掛けるために掘る穴が浅く済み、設置時間は15分以下と半減したという。伊東社長は狩猟暦約40年。市販品では動物が逃げてしまうことも多く、独自に開発している。1個6500円の従来品は県内外の自治体などから注文が入った。より簡単に仕掛けられるわなを望む声があったといい、「より使いやすく、捕獲率の高い製品を研究したい」。新しいわなは近く価格を決め、発売する予定。

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