<射撃ニュース6月>

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(クマ目撃相次ぐ、猟友会が1頭射殺:秋田)
26日にクマが出没した横手市の横手公園近くで翌27日もクマの目撃情報が相次いだ。猟友会が出動し同日夕、射殺した。27日は昼すぎに同市根岸町の市道で車を運転中の男性(57)が雑木林の木に登っているクマを発見し110番。その後も目撃情報が相次いだため横手署がパトカーで住民に注意を呼び掛けた。猟友会が射殺したクマは体長約70センチで、子グマとみられる。周辺には横手城南高校や中央公民館などがある。同公民館の佐藤伸夫館長(59)は「近くを歩いていたら、後ろから車で来た人に『クマがいる』と言われた。横を見るとクマが木から下りてきたのでびっくりした」と話した。
(クマ1頭駆除、会社付近をうろうろ:山形)
県内でクマの出没が相次ぐ中、28日、新庄市で集落にほど近い場所に出没したクマ1頭が猟友会によって駆除された。駆除されたのは、オスのツキノワグマの成獣で、推定年齢は4歳、体長が1メートル6センチ、体重およそ50キロだ。警察などによると、クマはけさ5時半すぎ、新庄市仁間【にけん】の田んぼのあぜ道を走り、家具製造会社「大建」の裏手にある林の中に入っていくのが目撃された。その後、いったん姿を消したが、午前11時半ごろ、再び林の付近に現れたことから大建の従業員が、警察に通報した。目撃した従業員は「何気なく周りを見たら黒い物体があったので。いつもと風景違うので、朝の件もあったので、あれ、もしかしてクマかなと思ったら、もそもそ動いたのでやっぱりクマだと工場長に連絡して110番通報した」と当時の状況を話した。クマがいた林は角沢【つのざわ】地区の集落からおよそ500メートルの地点で、警察や県、市の担当者、それに猟友会の会員も出動し、午後0時20分ごろ射殺し、駆除した。県猟友会最上支部新庄分会・松田信行さんは「人家近くだったので、山に行って追い出す予定だったが、クマも興奮状態で、危険でだめだということで、県の許可をいただいてお昼ごろに射殺した」と話した。県などによると今年度のクマの射殺、駆除はこれで3頭目。県内では28日金山町や白鷹町などでもクマの目撃が相次ぎ、警察は引き続き注意を呼びかけている。
(捕獲のクマ、県有林に放獣1頭は殺処分:栃木)
27日早朝、那須塩原市中塩原の民家敷地と同市木綿畑の山林でツキノワグマ各1頭が捕獲された。相次ぐ目撃情報などを受け、地元猟友会が設置した有害鳥獣駆除用のおりに掛かっていた。1頭は市や地元猟友会が板室地区の県有林に放獣、別の1頭は麻酔が切れ暴れるなどしたため殺処分した。那須塩原署や市によると、2頭とも26日深夜から27日早朝までにわなのおりに掛かったとみられる。ともに成獣で中塩原で捕獲されたクマは体長約1メートル、体重約54キロの雌、木綿畑のクマは体長約1・3メートル、体重約63キロの雄。2頭とも麻酔で眠らせたが、中塩原の雌は放獣場所でおりの外に出そうとした際に覚醒。市職員らを追い回すなどしたため、危険と判断し殺処分したという。中塩原の捕獲現場付近の女性(58)は「毎年クマは出るが、ことしは例年に比べ1カ月くらい早い」と心配そうな表情。教師やPTAが通学路を巡回していた高林中の池沢洋教頭は「今後もクマが出ないとも限らず、引き続き生徒の安全確保に努めたい」と話していた。
(クマ、散歩中の男性目撃:秋田)
29日午前6時ごろ、能代市二ツ井町のきみまち阪県立自然公園を散歩していた近くの男性(66)が、公園でクマを目撃したと能代署二ツ井交番に届け出た。同署によると、午前5時半ごろ、公園中腹にある駐車場近くの道路で目撃され、北側の山中に走り去った。体長約1メートルの成獣とみられる。民家まで約100メートル。同署は付近を警戒、付近住民に注意を呼び掛けた。公園に隣接する道の駅ふたつい内の観光案内所の女性職員(53)は「ここ数年目撃情報はなかったが、早朝に散歩に来る人もおり心配」と話した。
(軽井沢のシカ、放射性セシウム基準値超え:長野)
長野県は28日、県東部の軽井沢町で捕獲された野生のニホンジカの肉から国の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える142ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。市場には流通していない。県は軽井沢町と、隣接する佐久市、御代田町にイノシシなども含む野生獣肉の出荷と消費の自粛を要請した。
(クマ出没相次ぐ:栃木)
県北地域を中心に各地でクマの目撃情報が相次いでいる。クマが人里に姿をみせるのは例年より1カ月ほど早く、これまで目撃されなかった地区にも出没するなど行動範囲も拡大しているという。クマに注意するよう看板を立てるなど各地で警戒を強めている。足が震え、クマの恐怖を改めて思い知らされた…」。こう語るのは那須塩原市塩原支所の職員。同市中塩原地区で27日朝、ドラム缶のわなに1頭のクマがかかっているのが見つかり、職員と地元の猟友会が立ち会って獣医が麻酔で眠らせた。山奥に放すため、わなから引きずりだそうとした瞬間に突然目を覚まし職員らを追いかけてきたという。体長約1・2メートル、体重約53キロの雌のツキノワグマ。襲われる寸前で殺処分したという。県内では那須塩原市や日光市、那須町などでクマの目撃が相次いでいる。中でも多いのが那須塩原市。今月11日からほぼ連日、目撃情報があり、その数はざっと20件。すでに例年の目撃件数を上回っている。27日には同市木綿畑地区でも雄のツキノワグマが捕獲された。那須塩原市では毎年、クマの目撃情報や畑が荒らされるなどの被害が出ているが、今年は特別だという。猟友会などによると、例年より早く目撃されており、これまで目撃情報がなかった塩野崎地区などでも確認されている。同地区での目撃は買い物客らでにぎわう那須ガーデンアウトレットの北方約300メートルの雑木林で、周囲には民家や大学などが点在。近くに小学校と中学校もある。このため、小中学校では保護者らが登下校のときに児童生徒を送迎。小学校では児童にクマよけの鈴を配布し、ランドセルにつけるよう指導している。また、同市も注意を呼び掛ける看板を周辺に掲示したほか、わな計18基(高林地区11基、塩原地区7基)を設置。十分な警戒を呼びかけている。今回、雄のクマが捕獲された木綿畑地区は中学校に近く、学校関係者は「正直ホッとしたが、目撃されているのは1頭ではないという情報も…。まだ安心できない」として、引き続き警戒していくという。地元の猟友会関係者は、人里でクマの目撃が相次いでいることについて「イノシシがクマの生息域まで移動していて、本来のクマの餌となるタケノコなどを食べ荒らしている」と指摘した上で、「山で餌が得られないため人里まで下りてきているのだろう」と話している。
(農作物の鳥獣被害、昨年度11%増:栃木)
県農村振興課は27日、2011年度の野生鳥獣による農作物被害額を発表した。前年度比約11%増の2億9122万2000円だったが、ピーク時の06年度(約5億5000万円)から半減した水準を保っており、獣害では比重の大きいイノシシ対策が奏功している。県は「今後も侵入防止のため緩衝地帯をつくるなどの対策を進める」としている。鳥害が9495万5000円(前年度比約8%減)で、獣害が1億9626万7000円(同23%増)。獣害の内訳を種類ごとにみると、イノシシの被害額が最も大きく9656万7000円(49・2%)で半分を占めた。次いでシカ19・9%、ハクビシン17・4%、サル7・1%、クマ3・0%となっており微増の傾向。11年度の特徴としては、ハクビシンが前年度比約1350万円増えたり、被害の痕跡はあっても獣類の特定に至らなかったものも約670万円あった。県によると、イノシシ対策として、電気柵など防護柵の普及や、イノシシが姿を隠しやすい下草を刈って見通しをよくするなど「緩衝地帯」を作る里山林整備などが効果を上げているという。11年度は、宇都宮大が養成する「鳥獣管理士」を塩谷町や那須町に派遣、エサになる落下果樹を片づけたり、耕作放棄地の草刈りなど様々な対策について助言してもらったりしている。また、県自然環境課によると、11年度のイノシシ捕獲数は5746頭(前年度比約7%減)、シカ捕獲数は2376頭(同約11%減)だった。同課は「『原発事故後の放射性物質の影響で、イノシシやシカが食べられないならば捕らない』という声も聞くが、数字上は大きな影響は出ていない」と話した。一方、狩猟者登録証の交付では県内者が2779人で同約6%減だったのに対し、県外者は744人で同約13%と減り方が大きかったことについては、「放射性物質の影響を敬遠したのでは」とみている。
(シカ防護ネット、ロープウエー山頂駅周辺囲む:長野)
諏訪・佐久地方と山梨県の9市町村などでつくる南北八ケ岳保護管理運営協議会は27日、茅野市北山の「北八ケ岳ロープウェイ」の山頂駅(2237メートル)付近に、ニホンジカの進入を防ぐ防護ネットを設置した。八ケ岳連峰の北横岳(2480メートル)と縞枯山(しまがれやま)(2403メートル)の間に広がる溶岩台地「坪庭」の高山植物の食害を防ぐ目的で、同協議会員ら約20人が作業した。坪庭の入り口に当たる同駅を起点と終点に、円形に囲むように約350メートルにわたって設置。長さ約2・7メートルの柱を等間隔に打ち込み、ロープとネットを取り付け、地面に固定した。ロープウエーを運営する北八ケ岳リゾート(茅野市)によると、駅周辺ではキンロバイなどが食い荒らされ、シラビソの樹皮が食べられるなどの被害がこの5、6年の間に目立つようになっているという。同社の板村幸英さん(51)は「これで被害がなくなると思うと安心だが、あくまでも一時的な処置。今後も増えるだろうシカをどうするか、根本的な解決策を考えないといけない」と話していた。
(霧ケ峰のシカ対策、電気柵を低くし二重化実験:長野)
県は28日、諏訪市郊外の霧ケ峰・車山肩で、ニホンジカ対策の電気柵の高さを従来より低くして二重にし、効果を確かめる実験を始めた。霧ケ峰一帯で設置が進む電気柵は高山植物を食害から守る効果がある一方、訪れた観光客らから「景観を損ねる」といった苦情が出ていた。効果が確認されれば、同様の方法を県内の他の観光地に導入することも検討したいとしている。県諏訪地方事務所環境課(諏訪市)によると、電気柵は支柱の高さが150センチ以上で、等間隔に4本の電線を張った物が一般的。実験では高さを110センチに抑えて電線を2本に減らし、さらに約1メートル外側に高さ70センチで電線1本の柵を設けて二重構造にした。この日は県職員ら6人で設置。鳥や植物の撮影に訪れていた埼玉県川越市の男性(66)は「昨年、ニッコウキスゲを撮りに来たが、電線が邪魔だった。この高さなら観賞できる」と話していた。実験は、県が本年度から2年計画で行う「草原環境維持・再生モデル事業」の一環。霧ケ峰の強清水(こわしみず)地区では特定外来生物オオハンゴンソウなどの駆除の時季や方法を探る実験も行う。
(中央アルプスでシカ複数目撃:長野)
ニホンジカの生息数が少ないとされる中央アルプスで南信森林管理署が昨年度から始めた実態調査で、複数の目撃情報が集まったことが28日、分かった。高山植物の食害が深刻化している南アルプスや八ケ岳と比べると目撃数は少ないが、「明らかに生息している証拠」と同署。標高が比較的低い場所で見つかったため、高山帯にいるかどうか調べようと、同署は今夏にセンサーカメラを設置する。調査は同署を管轄する中部森林管理局が主体となり、昨年5月に開始。これまで食害が目立たなかった中ア、北アルプス、御岳山が対象だ。調査によると、昨年5月10日、中ア山系にある陣ケ沢国有林(飯田市)の標高1000メートル付近で、森林官がメス鹿3頭を目撃。山を挟んで向かい側の南木曽国有林(木曽郡南木曽町)でも7~11月に5回にわたり1頭ずつ、合計8頭の目撃情報が集まった。また、御岳山では1頭の捕獲、北アでは計9頭の目撃情報や死体が確認された。中アの鹿をめぐっては、一部の住民有志や研究者が独自に調べを進めていたが、公的機関による本格的な調査は初めて。10頭前後の群れも頻繁に目撃される南アや八ケ岳に比べると数は少ないが、生息域の拡大が裏付けられた。同署は「繁殖しているかどうかは分からない。調査を続けていく」としている。今後は中アでも鹿が高山まで上り、貴重な植物を食べているのかどうか―が焦点の一つになる。同署は7月以降、中ア山系の黒川林道(標高1600~1900メートル)や駒飼ノ池~将棊頭山の登山道(同2700メートル付近)に沿ってセンサーカメラを仕掛け、実態を明らかにしていく方針。
(プレーしてみたい五輪競技、1位は断トツで射撃)
日本コカ・コーラはロンドン五輪開幕まで1カ月となった27日、「プレーしてみたい五輪競技」を調査した結果、1位に射撃(12・77%)、2位にサッカー(7・86%)、3位にバドミントン(7・60%)が入ったと発表した。調査は4月4日から5月1日までインターネット上で実施し、全国の男女約10万人から回答を得た。同社によると、日本ライフル射撃協会は「こんなに断トツの1位とは驚き。日本では射撃を目にする機会も少ないので、やってみたいと思う方が多いのでしょう」とコメントし、金メダル候補に挙がる松田知幸(神奈川県警)への応援を呼び掛けた。

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(改造拳銃所持容疑で高校生逮捕:神奈川)
人を殺傷できる威力がある改造拳銃などを所持したとして、警視庁少年事件課と丸の内署は26日までに、銃刀法違反容疑で、横浜市に住む私立高校3年の男子生徒(17)を逮捕した。同課によると、「サバイバルゲームをしていて、実物に近い拳銃が欲しくなった」と話し、容疑を認めている。生徒は空気圧を強くした規制対象の準空気銃や、本物そっくりに塗装した模造拳銃も所持。これまでに約20丁の模造拳銃をネットオークションで販売したという。逮捕容疑は3月20日、自宅に改造拳銃1丁、準空気銃4丁、模造拳銃2丁を所持した疑い。
(クマ、授業中に校舎壁ひっかく:山形)
25日午前11時45分ごろ、山形県戸沢村名高の村立戸沢小(横山薫校長)の校庭に熊1頭が侵入したのを校舎内にいた女性職員(37)が発見し、110番通報した。当時校庭で児童14人が体育の授業中だったが、全員避難し無事だった。高橋裕之教頭(54)によると、熊は体長約120センチの成獣。校舎南側から学校敷地内に侵入。校庭を縦断し、校舎まで走ってきたという。当時校庭で授業中だった1年生14人は全員が校庭西側にいたため、約70メートル離れた東側を縦断した熊と接触しなかった。熊を発見した女性教諭(31)の判断で、児童らは近くの山形もがみ農協戸沢支店に避難し、けがはなかった。避難した児童らを迎えた同支店職員の矢口圭介さん(32)は「子供たちは大変驚き、びくびくしていた。避難してきた後も校舎の周りを動き回る熊が見えて、声を押し殺していた」と当時の緊迫した様子を語った。高橋教頭によると、他に4年生21人が校外学習からバスで戻ってきたところだったが、熊の姿が見えなくなるまで車内で待機した。校舎内で授業を受けていた残りの児童80人は3階に避難し、熊がいなくなるのを待った。
(クマ「けんか」で淘汰?:秋田)
秋田県鹿角市の「秋田八幡平クマ牧場」(6月1日廃業)で女性従業員2人がヒグマに襲われて死亡した事故で、業務上過失致死容疑で逮捕された元経営者の長崎貞之進容疑者(68)が施設閉鎖後、残ったクマの餌を減らし、抗争させるなどの方法で殺処分する考えだったことが、県が動物愛護法に基づき行った立ち入り検査の報告書で分かった。県によると、長崎容疑者は逮捕前の5月28日、県の立ち入り検査に対し、引き取り先が見つからないクマの殺処分方法について、「(6月以降)餌を3分の1くらいに減らし、抗争による自然淘汰を考えている」と説明。6か所のクマ舎にいる27頭を集約して給餌量を減らし、餌の奪い合いで個体数を減らしていく考えを示し、「最後に残ったクマは2週間くらい絶食させれば動けなくなる」と話したという。
(公園にクマ、散策の男性発見:秋田)
26日午前11時35分ごろ、横手市城山町の横手公園を散策していた山形市の男性(72)が、同公園の秋田神社付近のやぶにクマ1頭がいるのを発見、公園内のレストハウスを通じて110番した。けが人はいなかった。横手署によると、クマは体長約1メートルの成獣とみられ、すぐにやぶの中に逃げて見えなくなった。同公園は横手市街地を見下ろす高台にあり、目撃場所から付近の住宅までは約70メートル。公園内には当時、観光客や釣り人ら20人以上がいたという。近くには横手病院や横手南小学校などもあることから、同署がパトカー4台で注意を呼び掛けた。県警ヘリ「やまどり」も出動したが、クマは見つからなかった。
(住宅街、サル出没注意:千葉)
二十五日午後三時十分ごろ、千葉市若葉区小倉台一の住宅街で、民家の塀の上をサル一匹が歩いているのを、防犯パトロールをしていた男性が発見した。サルは周囲をうろつき午後四時半ごろ、近くにある小倉台公園に逃げた。人への被害などは確認されていない。千葉東署によると、サルは体長五〇~六〇センチ。同署は「見つけても刺激をしないように」と注意を呼び掛けている。
(クマ出没過去10年で最多:兵庫)
県内で5、6月中の熊の出没件数が、過去10年間で最多となっていることが、県森林動物研究センター(丹波市)のまとめでわかった。同センターは「集落に近い場所に出没した場合は、住民同士で情報共有を図って注意してほしい」と呼びかけている。同センターによると、5月の出没件数は40件。2010年度は21件、11年度は33件、02年度から09年度までは11~27件だった。今年は4月の出没件数は昨年より10件少ない7件だったが、5月の連休明けから増え始めたという。地域別では北但地域が最も多い23件で、南但が10件、西播4件、丹波3件だった。6月の出没件数も22日までに計74件に上り、6月としては過去10年間で最多となっている。5、6月の出没件数増加について、同センターの稲葉一明・森林動物専門員は「繁殖期で行動範囲が広くなった雄や親離れした子熊が迷い出ているとみられる」とした上で、「個体数の増加や豪雪による草木の芽吹きがふだんの年より遅れたことが影響しているのではないか」と分析している。一方、今後については、餌となる山のドングリなどの豊凶がまだ分からず、現段階では予測できないという。稲葉専門員は「熊を見たり、痕跡を発見した場合は、対策に生かすためにも行政へ報告してほしい。出没した地域では鈴やラジオの音で存在を知らせるなどの注意を」と話している。11年度当初の県内での熊の推定生息数は506頭。02年から10年間の平均推定自然増加率は11・5%と増加傾向にある。
(御巣鷹の尾根にクマよけの鐘:群馬)
1985年8月12日、日航ジャンボ機が墜落した上野村楢原の「御巣鷹の尾根」。慰霊登山のシーズンを前に、登山道入り口近くにクマよけの鐘が設置された。今年の8月12日までに、スゲノ沢筋や尾根筋の約1キロの区間に計6カ所、設置される。御巣鷹の尾根管理人の黒沢完一さん(69)が廃物利用で手作りした。高さ150センチの鉄の棒に長さ28センチ、直径11センチの鉄製の鐘とハンマーをつり下げた。そばの看板には「熊よけ鐘鳴らしてください」と書いた。2年前の夏の朝。登山道を登っていた黒沢さんは、クマを目撃した。山の斜面を猛スピードで下り、登山道と沢を横切って、再び斜面を駆け上がっていった。日航社員からも、山の斜面での目撃情報を聞いた。「遺族が高齢化して慰霊登山者の数が年々減ると、クマが出やすくなるのでは。万が一にも登山者がクマと遭遇することがないようにしたい」
(訓練中に実弾誤射:福島)
25日午後3時ごろ、福島市蓬莱町の県警察学校の射撃場で、射撃訓練中の県警本部機動捜査隊の女性巡査部長(39)が誤って実弾一発を天井に発射した。けが人はいなかった。実弾は天井から見つかった。県警は当時の訓練手順や拳銃の取り扱い状況の確認を進めている。県警教養課によると、同日は機動捜査隊の射撃訓練日で、隊員合わせて約30人が参加。隊員は実弾による射撃訓練を終え、拳銃使用の状況判断能力を磨く「拳銃使用判断訓練」に臨んでいた。この訓練では実弾を抜くことになっているが、女性巡査部長は実弾を取り出すのを忘れ、威嚇射撃の姿勢で天井に向けて引き金を引いたところ発射したという。通常、射撃訓練を終えた後は訓練の責任者や訓練指導者の立ち会いの下、複数回にわたり実弾が残っていないかを確認する。教養課によると、女性巡査部長は「弾が入っているのを忘れてしまった」などと話しているという。今回の事態は大きな事故につながりかねず、同課は「確認不足による誤射とみられ、再発防止に努める」としている。
(ロンドン五輪出場目前、アルアティヤーの一問一答)
ロンドン五輪にクレー射撃のカタール代表として出場するため、ニュージーランド戦を欠場したカタールワールドラリーチームのナッサー・アルアティヤー。悲願の金メダルを目指す7月30-31日のオリンピック射撃競技を目前に控え、一問一答に応じた。−ロンドン五輪はどれほど重要か?「カタールは、2020年の五輪開催地に立候補している。自分にとっても5回目の五輪出場で、金メダルを獲ることが夢だった。準備は万端だし、母国の後押しをしたい」−5回も五輪に出場を続けるモチベーションはどこにある?「射撃でいい感覚を維持するためにラリーが役立っている。射撃では、常にターゲットとの勝負。ターゲットに命中させなくてはならないし、ひとつもミスはできない」−準備のためにニュージーランド戦を欠場するが、その準備とは?「アクロポリスラリーの10日前、僕はキプロスでトレーニングに参加していた。1週間カタールに戻って、その後はイタリア、フランス、チェコ、そしてオーストリアで合宿を行う。オリンピックの入場行進ではカタールの旗手を務めるので、その準備もしなくてはならない。うれしいよ」ー1日のトレーニングの内容は?「8ー13時は射撃に出かけ、練習と感覚を維持する。午後は体力トレーニング、ランニング、スイミングでコンディションを維持し、自信を高め、強い精神を鍛える」−五輪の前に競技会には参加するか?「大会が3つあるが、簡単な競技で自信を確かめる程度のもの。準備をしている段階でエネルギーを失いたくはないので、感覚をつかむためだけに出場する」−このスポーツで必要なものは?「いい人間であることだね!コーチの言うことをよく聞き、自分自身の準備を慎重に整え、自分に自信を持たなくてはならない」−五輪で勝つ自信は?「五輪には、世界屈指の射撃選手が36人出場する。オリンピックはすごく特別で、以前もいい成績を収めているのでチャンスは大きい。僕も常に全力で戦っている。そうでなくては勝ち上がれないから。それにカタールのオリンピック委員会と、カタールの国民からも応援されているから、みんなのために特別な結果を出したい」
(「野趣楽しんで」ホテルにシカ肉メニュー:兵庫)
兵庫県西脇市西脇の西脇ロイヤルホテルのレストランに、多可町のシカ肉を使ったメニューが登場した。塩麹漬けステーキ、煮込み、南蛮漬けの3品で、低カロリーであっさりした味わいが特長。農作物を食い荒らすシカの肉を有効活用する。同ホテルは「地産地消と害獣駆除に貢献するエコ料理を味わって」とPRする。3品とも肉質を柔らかくする工夫をし、ステーキは塩麹、南蛮漬けは南蛮酢に一晩漬け込んだ。煮込みでは、野菜や牛肉で作ったデミグラスソースを使用。いずれも、シカ肉らしいさっぱりした赤身を堪能できる一方、特有のにおいを少しだけ残した。青山哲総料理長は「せっかく野生動物を食べてもらうので、野趣を味わってほしい」と意図を語る。同町の田畑ではシカの食害が続いており、2011年度は約8・3ヘクタール、約1100万円相当の被害が出た。今年2月、同町加美区市原に町小規模シカ肉処理加工施設が完成。駆除したシカ肉を商品化するめどが付いた。このため、同町が「シカを使ったメニューを開発してほしい」と打診。青山総料理長らがメニューを開発した。ステーキ(約80グラム)と煮込みは各1800円。南蛮漬けは850円。

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(クマに襲われ男性けが:岩手)
22日午前9時ごろ、岩手県一関市大東町の山林で近所に住む無職男性(61)がクマに襲われ、顔や腕にけがをした。負傷の程度は不明。県警千厩署は付近に警戒を呼び掛けている。千厩署によると、襲ったのは成獣のツキノワグマ。男性は1人でフキを採っていた。
(集落跡にシカ出没:宮城)
宮城県石巻市の牡鹿半島に生息するニホンジカが行動範囲を広げている。東日本大震災の津波で、半島沿岸部は多くの家屋が流された。集落があった浜にまで、シカたちは姿を見せている。牡鹿地区の小網倉浜。午後7時前、辺りがまだ明るい時間帯に20頭以上のシカが現れた。数頭ずつの群れで、わが物顔で道路を歩いたり、流失した民家の跡地に茂る草を食べたりしていた。「人影が少なくなり、平地に下りてきているようだ」と市農林課。震災後、群れでの目撃情報が増えたという。鮎川浜で鮮魚店を営む佐藤二十六(ふじむ)さん(61)は4月の早朝に軽自動車で海岸線を走行中、海側から出てきたシカと衝突した。「震災前は集落だった付近。想像もしない所から飛び出してきた」と振り返る。地元自治体などでつくる牡鹿半島ニホンジカ対策協議会が震災前の昨年3月4日に実施した調査によると、生息数は1平方キロ当たり89頭と推定されていた。シカの生態に詳しい石巻専修大の土屋剛教授(動物比較形態学)は「餌となる草があれば、今後も平地に出没するシカは増える」と推測する。
(住宅地近くでクマ出没:宮城)
22日午前7時ごろ、宮城県富谷町一ノ関川又山の富谷町総合運動公園近くの路上で、近くの住民が体長1メートルほどのクマを発見し、大和署に通報した。公園の近くには住宅街もあるため、大和署が捜索したが、発見できなかった。宮城県内では5月末から住宅街などでクマの目撃情報が相次いでいる。
(またクマ目撃:宮城)
23日午前5時半ごろ、宮城県富谷町鷹乃杜4丁目の国道4号で、体長約1メートルのクマが横切っていると通行人から110番があった。同日午前11時20分ごろには、現場から約1500メートル東の成田2丁目公園周辺でもクマを見たとの通報があった。宮城県警大和署は、周辺の住宅地で、パトカーから注意を呼び掛けている。富谷町では20、22両日にも、国道4号の目撃地点から約4キロ北の住宅地でクマが見つかった。
(新幹線、クマ3頭とぶつかり緊急停車:秋田)
23日午後3時45分頃、秋田市河辺神内のJR秋田新幹線の線路で、下り「こまち25号」が親子とみられるクマ3頭とぶつかり、緊急停車した。 JR東日本秋田支社によると、現場は羽後境駅(大仙市協和境)―和田駅(秋田市河辺和田)間。子グマ1頭は車体と線路の間にはさまれ死んでいた。他の2頭はぶつかった後に逃げたとみられる。乗客約200人にけがはなかった。同新幹線は上下5本が最大56分遅れ、約1200人に影響が出た。
(クマの出没相次ぐ:秋田)
県内各地で24日、クマ出没が相次いだ。上小阿仁村仏社字長信田日ノ台では午前8時ごろ、民家裏の樹上でサクランボを食べている1頭を住民(59)が目撃し、同村に依頼された地元猟友会が同9時20分ごろ、駆除した。北秋田署によると、雄で体長約1メートル、推定3歳。小坂町小坂字湯ノ谷地では午前10時20分ごろ、近くの男性(70)が、自宅から約30メートルの草地で1頭を目撃。鹿角署によると、現場には養蜂箱50個が置かれていた。クマは立ち去り、被害はなかった。その他の出没場所と時間は次の通り。▽秋田市太平中関字川原の川原公民館付近(午前6時40分ごろ)▽同市太平八田字藤ノ崎の県道(同9時35分ごろ)▽同市柳田字柳田の水田(午後5時45分ごろ)▽五城目町内川浅見内字谷地田の農道(同5時15分ごろ)▽大館市雪沢字鯰沢の樹海ライン(同9時半ごろ)
(空港にクマ:秋田)
22日午後5時50分頃、秋田市雄和椿川の秋田空港の滑走路につながる周回道路に体長約1メートルのクマ1頭がいるのを管制塔の男性職員(37)が目撃し、空港管理事務所が110番した。クマは高さ2メートルのフェンスを乗り越えて逃げた。飛行機の運航に影響はなかった。
(遭難の警察官を無事救助:山形)
米沢市関の西吾妻山・若女平(わかめだいら)付近で23日、クマに遭遇し遭難した上山市金生東2丁目、山形署地域課員の山口直樹さん(51)は24日午前6時5分、県警ヘリ「がっさん」に救助された。けがはなく、自力で歩けるという。米沢署によると、携帯電話の発信場所を基にがっさんなどが捜索、同5時55分ごろ発見された。山口さんは23日朝、登山開始。昼前に若女平の登山道でクマを見かけ西側の茂みに逃げたところ、道が分からなくなった。一晩動かずに過ごしたという。
(クマ出没のため施設の一般公開を中止:北海道)
苫小牧市高丘の北大苫小牧研究林は、今月上・中旬に林内でヒグマの目撃情報が相次いだことを受け、29日予定の森林資料館と森林記念館の一般公開中止を決めた。同研究林では7~11日にかけて林内の市道付近で子グマの目撃が相次ぎ、現在は林内を抜ける市道を封鎖して立ち入りを禁止している。これに伴い、冬期間を除き毎月最終金曜日に一般公開している森林資料館と森林記念館の開放を、今月は中止することにした。今月末まで林内への立ち入りを禁止し、ヒグマの動向を見極めて安全と判断した後、解除する考え。
(那須塩原にクマ出没:栃木)
24日午前11時20分ごろ、那須塩原市中塩原の箱の森プレイパーク近くの林でクマ1頭が目撃された。那須塩原署は警戒を呼び掛けている。同署によると、箱の森プレイパークの観光客が目撃。体長は約1.2メートルで、同パークの管理棟の北方約100メートルの林にいた。クマは西に向かって立ち去ったという。
(サル出没、夏野菜に被害:兵庫)
兵庫県篠山市、福知山市と接する丹波市東端の春日町野瀬や栢野などで、今月に入りニホンザルの出没が相次いでいる。トウモロコシなど夏野菜が食い荒らされる被害が続出。出没の度に追い払うしかないのが現状で、住民は頭を抱えている。丹波市によると、6月中旬以降、被害報告が30件程度。県森林動物研究センター(丹波市青垣町)などによると、篠山市を拠点とするニホンザル4群計約170匹のうち、60匹以上いる最大の群れの仕業とみられる。群れは1年を通して、篠山市から福知山市にかけての広い範囲をエサを求めて移動。近年は野瀬や栢野一帯も活動範囲に入っており、篠山市と比べてサルの出没が少ない丹波市の中で、数少ない被害地域になっている。野瀬地区の住民によると、6月に入り70匹近くの群れが目撃されたほか、全55戸の大半が畑を荒らされるなどの被害を受けたという。昨年、トウモロコシを大量に盗まれた栢野地区の男性(66)は今年、約1600平方メートルの畑の周囲ほぼ全面をネットで覆う対策を講じた。「費用はすべて自己負担。行政の支援が必要」と訴える。サル対策では丹波市より経験豊富な篠山市だが、担当者は「サルは捕獲に制限があり、共生するほかない。対策の基本は自衛」と手詰まりな実情を明かす。丹波市も「防護柵への補助などは財政上難しい。だが、集落からの要望があれば、対策を学ぶ講習会を開いて協力したい」としている。
(イノシシ対策に「犬」:三重)
鳥羽市堅子町のゴルフ場「鳥羽カントリークラブ(CC)」で犬3匹が飼育され、運営に貢献している。任務は敷地内に侵入を試みるイノシシへの警戒。全18ホールを毎日パトロールし、目を光らせている。鳥羽CCは、地中の虫を食べようとコースの芝を剥がすイノシシに悩まされ、二〇一一年一月までに敷地全体を鉄柵で囲った。ただ、敷地の内と外をつなぐ車道の出入り口二カ所は開けてあり、補完するため犬の活用も決定。順次導入し、三匹になった。いずれも大型犬の雌で紀州犬の花子(二歳)、ホワイトシェパードのエマ(一歳半)、ボルゾイのリリー(五カ月)。敷地内に設けた犬小屋を拠点に「鳥獣対策犬」の肩書で朝夕の各三十分、カートに乗った従業員と一緒に見回る。犬たちは、緑の芝に映える大きな白い体を巡回で誇示し、イノシシをけん制。コース脇で小用を足し、自分たちの臭いを残すことも忘れない。かいあって、導入後は「車道の出入り口付近でイノシシの足跡はあっても敷地の中をうろついた形跡はない」と鳥羽CC。敷地内は開放的な空間のため、三匹は気ままに駆け回った末に池で水浴びしたり、見つけたロストボールで遊び始めたりといった脱線も時折見られるが、担当する従業員の渡辺博行さん(52)は「犬の導入はかなりの効果。頼もしい存在です」と目を細めている。
(カラスの巣最多2109個:徳島)
吉野川下流の市街地や平野部で、停電の原因となる電柱へのカラスの巣作りが増え、四国電力徳島支店の担当者が対応に苦慮している。今年、支店管内(20市町村)で繁殖期に当たる2~5月に見つかった巣は2109個で過去最多。支店では定期的に巡回して巣を除去しているが、とても追いつかず、お手上げの状態だ。徳島支店管内で過去5年間に見つかったカラスの巣は07年1328個、08年1594個、09年1653個、10年1719個、11年1458個。おおむね右肩上がりで増えており、担当者は「巣作りできる木が街中に少なくなっているためではないか」とみている。6月12日には、巣が原因で漏電し、徳島市南矢三町の1547戸が最長で27分間停電した。停電や漏電の被害は毎年数件起きているという。ほとんどの巣が直径40~50センチで、地上から12メートル付近の高圧電線周辺にある各種器具を土台に作られている。住宅地などでは針金やハンガーといった金属類が使われている巣も多く、特に雨の日は金属類がぬれた電線に直接触れることで漏電を引き起こす可能性が高くなる。徳島支店では定期的に巣を丸ごと取り除いているほか、降水確率が40%以上になる日の前日は巡回を強化している。取り除いても次々と作られる場所では、巣を残したまま接触防止用のカバーを電線にかぶせて漏電を防ぐなど、地道な作業が続けられている。支店は巣を発見した場合<フリーダイヤル(0120)564552>への連絡を呼び掛けている。
(カラスが人襲う!?後ろから頭に「蹴り」:大阪)
橋上はパニック映画の世界!? 大阪を流れる淀川にかかり、大阪市旭区と東淀川区を結ぶ菅原城北大橋で、通行する人がカラスに襲われるケースが相次いでいる。帽子を取られたり、頭を蹴られたり…。数は多くないものの、まさに、アルフレド・ヒチコック監督の有名なパニック映画「鳥」を思わせる襲撃行動だ。「近くに巣があり、攻撃的になっているのでは」と分析する専門家は、「カラスがいきなり襲うことはなく、警告の鳴き声を発するなどしているはずなので、子育てが終わる7月ごろまでは気をつけて」と話している。大阪市東淀川区の男性(76)は今月11日午後1時半ごろ、自転車に乗って菅原城北大橋を通りかかった際、突然カラスに頭の上に乗られ、帽子をとられた。近くには別の1羽が飛んでおり、カラスは橋の横から帽子を下に落とすと、2羽とも飛び去った。直後、3羽目のカラスにも頭に乗られそうになり、振り払ったという。このニュースを15日の本紙大阪総合面で紹介したところ、読者からも反響が寄せられた。東大阪市の男性(62)は11日午後1時20分過ぎに大橋を自転車で通りかかり、カラスの襲撃を映像に収めていた。映像は約30秒間。4人が自転車で通っている後方から1羽のカラスが低空飛行で近づき、先頭の女性の頭部をけるようなしぐさをみせている。さらに途中から別の1羽が近くを威嚇するように飛んでいる。撮影前、男性は大橋の上で、自転車に乗ったお年寄りが3羽のカラスに襲われるところを目撃。男性自身も、その後同じ場所で、1羽のカラスに頭をけられたという。その後男性が自転車を止めて橋を見ていたところ、カラスが別の人を襲う場面が展開され、持っていたデジタルカメラで動画撮影した。まさに「連続襲撃」だ。男性によると、カラスは一定の範囲内を通過する人を狙っているように見えたが、無関心のままやり過ごすこともあったという。目撃証言を総合すると、カラスはいずれも体長40~50センチ。山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の平岡考広報主任によると、ハシブトカラスの成鳥とみられるという。「襲撃」行動について平岡主任は「一般にカラスが人をつつくのは近くの巣にヒナがいて、防衛している行為。『家』に侵入した外敵と認識している」と分析する一方、「通常は2羽だが、3羽いたケースは理由がわからない。別の意味があるのかも」とも話す。襲う場合と、襲わない場合があることについては「刺激する色や形など条件があり、『こいつは怖い』と判断した場合、攻撃しているのでないか」とし、「原因が巣であれば、ヒナが飛び去ったら攻撃しなくなるだろう」と話した。環境省鳥獣保護業務室は「都会で人間と近接して生息するカラスが増えている。カラスを含め、有害鳥獣に被害を受けた場合、都道府県の担当窓口に相談してほしい」と話している。

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6/22
(クマ捕獲:和歌山)
和歌山県は19日、ツキノワグマが紀の川市桃山町調月(つかつき)地区の山林で捕獲されたと発表した。同日午前9時40分ごろ、イノシシ用のくくりわなに掛かっていたところを、わなを設置した地元男性が発見した。専門家らが身体計測をした後、山に返した。県自然環境室によると、捕獲されたクマは体長約1・1メートル、体重34・9キロ、推定3~4歳の雄。個体識別用タグから2011年12月に奈良県五条市内で捕獲されたクマと確認した。和歌山県内で本年度のツキノワグマ捕獲は今回が初めて。県ではツキノワグマを「絶滅危惧1類」に分類し保護している。11年度には12月に有田川町でツキノワグマ1頭が捕獲され、山に返している。
(クマ、養蜂箱荒らす:クマ)
十九日午後五時ごろ、群馬県沼田市戸鹿野町の高齢者福祉施設「フラワータウン」付近の畑に置いてあった養蜂(ようほう)箱が荒らされ、周囲にツキノワグマの足跡があったと地元住民から市農林課に通報が寄せられた。同課と県利根沼田環境森林事務所の担当職員が二十日朝に現地調査した結果、七つの養蜂箱のうち約半分が荒らされ、大量のミツバチが飛び回っていた。前日の台風4号による大雨で足跡は消えていたが、通報時に立ち会った地元の猟友会のメンバーがクマの足跡を確認したという。現場は近くに数軒の民家もあり、市南部でクマが出没するような場所ではないことから、市教育委員会は二十日、市内全二十二小中学校に緊急ファクスで情報を通知。通学区域の升形小と沼田南中には電話で登下校に注意するように伝えた。市農林課は、クマが人里に出没した理由について「今年はクマの生息する北部山間部で餌となる木の実が少ないようだ」と説明。市は、外出の際にはクマに自分の存在を知らせる音が出るものを携帯し、クマを見かけたら沼田署か市役所に連絡するよう市民に呼び掛けている。
(クマ出没、警戒を呼び掛け:栃木)
21日午前9時50分ごろ、那須塩原市箕輪付近でクマ1頭が目撃された。さらに、同日午後5時ごろ、同市高林付近でクマ1頭の目撃情報があった。人的被害はない。那須塩原署が警戒を呼び掛けている。同署によると、午前の情報では箕輪付近を車で走行中の住民が体長約1・5メートルのクマを目撃した。午後は道路を南に向かって歩く体長約1・5メートルのクマが目撃されたという。現場は宇都宮共和大那須キャンパスの北西。同署で現場周辺を警戒している。同市内では、11日に共和大付近の鹿野崎、塩野崎、12日には高林、13日は湯宮でクマが目撃されている。
(サルの目撃情報:新潟)
20日午前8時すぎ、新潟市西区五十嵐2の町の海岸保安林でサルを目撃したと住民の男性から新潟西署に通報があった。同10時ごろには、別の住民が同区の五十嵐中学校裏手の保安林で目撃したと同署に通報した。
(銃刀法違反容疑で男5人書類送検:静岡)
県警薬物銃器対策課などは20日、回転式けん銃や模造けん銃などを所持したとして、浜松市などに住む40〜50代の男5人を銃刀法違反容疑で書類送検したと発表した。送検容疑は、今年1〜4月、それぞれ自宅で、所持が禁止されている空気銃や模造けん銃などを所持したとしている。同課などによると、5人はモデルガンなどの収集家でいずれも容疑を認め、「ガンショップやインターネットで買った」と供述しているという。昨年11月、伊東市で改造けん銃を所持したとして整体師の男性収集家を逮捕したことをきっかけに、つながりのある収集家を同課が調べていた。
(林道脇にダイナマイト75本:静岡)
21日午前9時15分ごろ、静岡県富士宮市人穴の林道脇で、台風4号で倒れた木の片付けをしていた近くの男性が「火薬の筒を見つけた」と県警富士宮署に通報した。同署員が駆け付けたところ、破れた段ボール箱からこぼれ出ていたダイナマイト75本を確認し、同署に搬入した。同署によると、ダイナマイトは長さ約13センチ、直径約2.5センチ。起爆装置にあたる雷管のようなものもあった。林道から約1メートル入った茂みの中にあったという。同署は火薬類取締法違反の疑いもあるとみて、所有者などを調べている。発見場所は富士山西麓(せいろく)の朝霧高原と呼ばれる一帯。

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6/20
(2回目御用のツキノワグマ、爆竹で“お仕置き”:和歌山)
19日午前9時40分ごろ、紀の川市桃山町調月(つかつき)の山中で、イノシシ用のわなにツキノワグマがかかっているのをわなの持ち主の男性(65)が発見した。県自然環境室によると、クマは体長約112センチ、体重35キロで、推定3~4歳の若いオス。耳に取り付けられたタグから、昨年12月に奈良県五條市でイノシシ用わなにかかり捕獲された個体とわかった。同室は「2回も捕まる個体は珍しい」としている。県内でのクマの捕獲は今年初めて。同室はクマを県内の山奥へ放獣。再び里に下りてこないよう、爆竹を鳴らして“お仕置き”したという。
(クマ、市内に出没?:山口)
18日正午ごろ、長門市俵山の市道で、近くに住む男性会社員(57)がクマらしい動物を目撃し、長門署俵山駐在所に通報した。同署は周辺のパトロールを強め、付近住民や学校に注意を呼びかけている。県自然保護課は「長門市内でクマの目撃情報は過去に聞いたことがない」と話す。同署などによると、男性会社員が軽トラックを運転中、前方約30メートルを体長約1メートルのクマとみられる動物が右から左に道路を渡り、山中に消えたという。この男性は地元の猟友会のメンバーで、「イノシシではなく、あれは黒光りしたクマ。心臓がバクバクした」など興奮した様子だったという。現場は七重川近くの林道で、南西に約300メートルの所には、約20世帯が住んでいる。警察からの連絡で長門市などが調べたところ、現場近くの斜面にクマのものと見られる足跡が二つ見つかったという。県自然保護課によると、西中国山地のツキノワグマは、萩市明木、佐々並地域を生息地の西限とされていたが、10年12月には美祢市内で捕獲された。同課は「見間違いかどうかわからないが」と前置きしたうえで「恒常的な生息区域ではないことは確かだ」と話している。
(猟友会の会員が減少:北海道)
ヒグマやエゾシカなどの駆除を担っている猟友会の減少が続いている。会員の高齢化に加え、銃規制が強化されたことなどが原因で、北海道猟友会釧路支部(花田實支部長)では、ピーク時の1977年に855人いた会員数は12日現在で204人まで落ち込んだ。今年は釧路・根室地方でヒグマの目撃件数が多発しており、野生動物管理の分野でハンターへの期待が高まっているだけに、会員を取り巻く環境は厳しさを増している。
(県射撃場の再開取り下げを:千葉)
散弾の鉛害や騒音を理由に閉鎖中の県射撃場(市原市)について、県は開会中の6月定例議会に再開に向けた関連議案を提出しているが、これに対し地元5町会長は「(再開に)同意していない」などとして森田健作知事宛てに条例案取り下げと環境対策の地元協議を求める抗議文を18日付で発送した。同射撃場内の水路からは環境基準値の7倍の鉛が検出され、2001年に使用禁止に。堂本暁子知事(当時)は鉛散弾の全撤去や地元同意を得ながらの対応などを基本方針として発表。撤去作業や水質検査などを進めてきた。射撃場の地元・同市富山地区の5町会長が連名で提出した抗議文は「検討資料すら提出されておらず(再開に)同意していない」などとし「地元を無視した暴挙で、強く抗議する」と県の姿勢を非難。
(胸の「月の輪形」自動撮影:福島)
福島県内でクマの目撃例が相次ぐ中、県はツキノワグマの胸の「月の輪形」の斑紋を撮影する新手法で生息数を調べる準備を進めていることが17日、分かった。山林に置いたビデオカメラで自動撮影する方法で、従来の方法より精度の高い調査ができると期待されている。県によると、県内のクマは、主に中央部の奥羽山脈と西部の越後山脈に生息している。生息に適さないとされてきた東部の阿武隈高地でも、近年は目撃例が増えている。従来の調査は、農作物を荒らされた地域などにわなを仕掛け、捕獲した頭数をもとに推定生息数を計算していた。だが、年ごとに食害の程度が異なって捕獲頭数が安定しなかった結果、現在の推定生息数は奥羽、越後の両山脈周辺で「約860~1600頭」と、精度の粗さが否めない。県が今回新たに導入する調査方法は「カメラトラップ」と呼ばれ、野生動物の観察や生息状況の把握などに用いられる。ツキノワグマの場合、山林の木々の間に約150センチの高さで角材を渡し、その中央にハチミツなどおびきよせる餌をセットする。向かい側にビデオカメラを備え、クマが餌に近づくとセンサーが感知して自動撮影する設定にしておく。身長より高い位置に置かれた餌を狙ってクマが二本足で立ち上がり、胸の「月の輪形」の斑紋があらわになった瞬間を映像に収める。斑紋は、人間の指紋のように個体によって異なるため、映り込んだ頭数から地域の推定生息数を割り出すことができる。県は月内にも、会津地方の森林20か所にこのトラップを仕掛ける。目撃情報の相次ぐ福島市は、過去の生息数が少なく、調査に適した森林が少ないなどの理由で、今回は見送られた。県自然保護課は「結果や今後の動向次第では詳しい調査が必要と判断し、調査範囲を広げる可能性もある」としている。ツキノワグマの生態に詳しい早稲田大の東出大志助手(動物生態学)は、「カメラトラップを使った方法は安価、簡便で、高精度の個体識別ができる」と話している。
(クマの目撃情報相次ぐ、ランドセルに鈴付け登下校:栃木)
那須塩原市を中心に、県内で「クマを見た」という目撃情報(もくげきじょうほう)が続いています。けが人は出ていませんが、すぐそばに小学校がある現場(げんば)もあり、地元(じもと)の住民(じゅうみん)や警察(けいさつ)が注意(ちゅうい)を呼びかけています。クマは鈴(すず)の音をいやがるので、ランドセルに鈴をつけて登下校する小学生の姿(すがた)も見られます。それにしてもどうしてこんなにたくさん人の住む場所に出てくるのでしょうか。目撃情報は11日から続いています。那須塩原市を中心に日光市でもありました。人の家の近くを歩いていたということです。地元の警察署(しょ)では、学校の通学路に警官(けいかん)を立たせたり、パトカーからクマに注意するよう呼びかけています。学校も注意しています。クマがすぐ近くで目撃されたのは那須塩原市立青木(あおき)小学校。ここではクマよけの鈴を92人の児童みんなに配りました。先生たちが3個の鈴をひもで通して準備(じゅんび)。それをみんなのランドセルに取り付けました。
(ジビエ、狩猟者対象に研修会:長野)
ニホンジカなどによる農林業被害が深刻となる中、捕獲したシカの肉を使った「ジビエ(野生鳥獣)料理」の普及を目指す「信州ジビエ研究会」は19日、今年度の活動内容を発表した。研究会は3月に発足し、県や飲食業者など県内101の個人・団体が参加。今年度は、会員や県民との意見交換会を年4回実施し、安心して食べられるシカ肉を供給するため、狩猟者を対象とした捕獲研修会も行う。また、消費拡大を目指し、調理師を対象とした調理講習会や首都圏でのイベント開催なども計画した。事業費は400万円。研究会のホームページ(http://www.nagano‐ck.jp/gibier/)も開設し、活動内容やシカ肉を使ったレシピを紹介する。会長のエッセイスト玉村豊男さん(66)は「学校給食や一般家庭でもジビエ料理が親しまれるように普及を目指したい」と意気込んでいた。

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6/19
(釣り人がクマに襲われけが:群馬)
14日午前10時半ごろ、神流町生利の飯島川支流で釣りをしていた埼玉県長瀞町の自営業男性(65)が体長約70センチのクマに襲われた。男性は、右腕に全治3週間のけがを負い、クマは山林に逃げた。周辺では、防災無線やパトロールを強化して警戒にあたっている。藤岡署によると、現場は神流川にかかる「生利大橋」から南に約1・5キロ。男性が川岸で釣りをしていると、子グマ2頭が現れ、そのうちの1頭にひっかかれた。その後、男性は自力で下山し、近くの釣具店に助けを求めたという。
(クマに襲われ男性けが:青森)
弘前市藍内の山中で14日、タケノコ採りをしていた同市茂森新町の男性(70)がクマに襲われ右ほおと右ひじに2週間のけがをした。クマによる人的被害は、今年初めて。弘前署によると、男性は午前5時30分ごろ友人と2人で山に入った。ササの間から体長30センチほどの子グマと体長1メートルほどの親グマが現れ、親グマに顔や腕を爪で引っかかれたという。男性は自力で下山し、市内の病院で治療を受けた。県警によると、クマの目撃件数は今年に入って54件(14日午後5時現在)で昨年同時期の約4倍に達している。クマの生態に詳しい北海道立総合研究機構の間野勉さん(52)によると、1年でクマの個体数が急増することはあり得ないという。「春先の低温で、山菜採りのシーズンが遅れ、本来は一致しないクマの活動時期や場所と重なって、目撃情報が増えているのではないか」と話した。県警は「子グマの近くには親グマがいる可能性が高いので近づかないことや、山に入るときは、クマよけの鈴やラジオを携帯すること」などと注意を呼びかけている。
(車とクマ衝突、けが人なし:新潟)
18日午後2時半すぎ、三条市との境界付近の見附市杉沢町の県道で、ライトバンが路上のクマと衝突したと、運転していた長岡市の自営業男性(60)から110番通報があった。男性にけがはなかった。クマは体長約1メートルで、山の中へ逃げた。同所付近では、5月23日にもクマが目撃されており、見附署などは注意を呼び掛けている。
(仮設住宅にクマ:福島)
17日午前6時50分頃、福島市松川町金沢の仮設住宅敷地内で、避難生活を送る飯舘村の男性(65)がクマ1頭を見つけ、110番した。クマはすぐに山林に立ち去り、けが人はなかった。体長約50センチといい、子グマとみられる。福島署によると、同日午前9時頃にも仮設住宅から南に約200メートル離れた国道4号などで、同じクマとみられる目撃情報が数件寄せられたという。付近では、16日夜にも山側に向かって行くクマが目撃されており、同署が付近の住民に注意を呼びかけている。相次ぐクマの目撃情報に、仮設住宅の住民からは不安の声が上がった。8~11歳の子供3人らと暮らす蒔田春子さん(32)は、「子どもを外で遊ばせるのは怖い」と不安そうに話した。通報した男性は、「刺激しなければ大丈夫だと思うが、山には入らないようにしたい」と話した。
(イノシシ用わなにクマ:滋賀)
15日午前7時半ごろ、東近江市永源寺相谷町で、シカやイノシシを捕獲するためのわなにクマがかかっているのを、わなの設置者が発見し市に連絡。駆けつけた市職員が確認したところ、体長153センチ、体重65キロで、6歳程度のオスのツキノワグマがかかっていた。市はクマをわなから解放し、山林に逃した。永源寺地区では昨年10月にも、イノシシ用のわなでクマが捕獲されている。市は、近隣の小中学校で集団下校や保護者送迎などの対応をとるとともに、山に出かける場合はラジオや鈴を鳴らすよう呼びかけている。
(別荘地でまたクマ:栃木)
18日午後2時45分ごろ、日光市所野の別荘地でクマ1頭が目撃された。人的被害はなかった。日光署が警戒を呼び掛けている。同署によると、住民がクマを目撃した。大きさなどは不明。現場付近は山間部だが別荘地や住宅地が広がっており、17日にも同様の目撃情報があった。
(クマ目撃相次ぐ:神奈川)
厚木市上飯山地区と、隣接する七沢地区でクマの目撃情報があり、市は出没地点に看板=写真=を立てるなどして注意を呼びかけている。市によると、13日午後5時20分頃、上飯山地区で「黒い動物がガードレールを越えて県道を横切った」との情報が、清川村役場に寄せられた。連絡を受けた厚木市と猟友会が14日に現場を調べ、クマが残したとみられる足跡を確認。体長は1メートル程度と推定されるという。さらに15日午前10時45分頃、最初の目撃地点に近い七沢地区で「県道に沿ってクマが北上している」という通報が地元住民から厚木署にあった。市や県の職員らが急行したが、足跡などは見つからなかった。現場は丹沢山系の麓で、近くには、ゴルフ場や「厚木市七沢自然ふれあいセンター」がある。
(サル目撃相次ぐ:神奈川)
小田原市に入った連絡によると、17日から18日にかけて小田原駅周辺の市街地でサルの目撃が相次いだ。出没したのは群れから離れた1~2頭とみられ、目撃情報は計9件に上った。18日午後には、市立城山中学校のプールで水を飲んでいた。市役所近くで庭のジャガイモを食べられる被害も出た。市は19日以降も猟友会に監視活動を依頼、捕獲など対策を行う。
(クマ出没増加:兵庫)
今年5月、兵庫県内でクマの目撃・痕跡情報が増え、県森林動物研究センター(丹波市)には但馬地域を中心に40件が寄せられた。過去10年間の5月は5~33件。今冬に雪が多く、雄が繁殖期の活動に入るのが遅かったためとみられる。6月以降も例年より多く、同センターは登山客らに注意を呼び掛けている。5月の目撃は33件で、7件は足跡などの痕跡。豊岡市が10件と最多で、但馬・西播・丹波地域にまたがっている。集落付近が約3割で、ほかは山中の道路など。現在の方法で調査を始めた2001年以来、最も多い。クマが人里に姿を見せるのは、ドングリなどが凶作だった年の秋が多い。春は木の実の豊凶にかかわらず、雄の活動が活発化し、子グマが親から離れる時期でもあるため、目撃が増えるという。今年は4月が7件と少なかったが、5月中旬から急増。6月に入ってさらに増え、過去10年間は20~66件なのに対し、11日までに既に36件の情報が寄せられている。同センターは「今年は雪が多く、クマの活動が本格化する時期が例年より遅かった可能性がある」と分析している。5月の40件のうち、イノシシ・シカ用のおりに捕まるケースが豊岡市などで3件あった。同センターは「おりを壊すなどして逃げ出したケースもあり、山中で出くわすよりも危険」とする。この季節のクマは人に襲いかかることは少ないというが、「目撃すればすぐに市役所などに届けてほしい」としている。
(交尾期の6月、クマに注意:島根)
島根県内で5月のツキノワグマ目撃情報が110件あり、5月では最近10年で最多だったことが分かった。出雲市や大田市では市街地に出没したケースもあった。交尾期の6月は行動範囲が広がる恐れがあるとして、専門家が注意を呼び掛けている。益田市が38件(前年同月比31件増)で最も多く、浜田市24件(同18件増)、大田市10件(同4件増)、出雲市8件(同6件増)、江津市5件(同5件増)と続く。県によると2003年以降、5月の目撃情報はこれまで07年の67件が最多だった。市街地での行動が目立ち、出雲市では20日から、湖陵町や大社町周辺で目撃情報が相次ぎ、22日朝には高松小(高松町)付近の住宅街に現れた。大田市では28日朝、温泉津港(温泉津町)で、釣りをしていた男性が泳ぐクマを見つけた。目撃されたクマの多くは体長約1メートルで、子グマとみられる。09年は餌となるクリやミズナラの実が豊作で、10年に多数のクマが生まれた可能性があるという。NPO法人日本ツキノワグマ研究所(廿日市市)の米田一彦理事長は「5月は2、3歳の雄のクマは共食いの標的になったり、行動が不安定になったりする時季。元気な子グマが右往左往して里に出てきたのでは」と分析する。これまでクマによる被害報告はないが、米田理事長は「6月は交尾期に入り、さらに攻撃性が高まって、全国的に人が襲われる事故が起こりやすい」という。「安易に山へ行かないのがベスト。山の周辺では鈴を携帯してほしい」と呼び掛けている。
(シカ駆除で情報交換:長野)
従来生息の確認されていなかった北アルプスに分布を広げるニホンジカ対策の現場を担う行政職員や猟友会でつくる「北アルプス山麓ニホンジカ対策連絡会議」が18日発足し、松本市内で第1回会議を開いた。各機関が取り組み始めたシカ駆除は、シカが低密度なため銃による捕獲ができなかった、と報告され、効率的な駆除方法を研究して情報交換する方針を確認した。県や北ア周辺の県内市町村、猟友会などの関係者30人余が出席。県松本地方事務所林務課の倉本栄・鳥獣対策専門員は、安曇野市猟友会が4月中旬、同市で駆除を試みたが捕獲できなかったとして「まだ頭数が少ないため効率が悪い」と指摘。県北安曇地方事務所林務課も大北地区猟友会が4月中旬と5月下旬に各1回、大町市で実施した駆除で「捕獲はゼロ」と報告した。同猟友会の山口智也会長は、「冬は雪があって足跡がたどりやすく、冬に駆除する方がいい。くくりわなと併用すると効率的ではないか」と提案。「わなは熊がかかり、(見回る時の安全性が)懸念される」との意見に対し、県農業試験場は、ミネラル分補給になる食塩でシカを誘引する研究をしていると説明。「今まで熊はあまり来なかった。シカが餌場にする牧草地などで捕獲に応用できるかもしれない」と見込んだ。県野生鳥獣対策室の中村勤室長は捕獲方法について「各地区の関係者で分析し、情報を共有していきたい」と呼び掛けた。関係者は今後、大北、松本の両地区で捕獲方法などを考える会議を開くことにした。各地域のシカの増減を調べるため、市町村と県は今後、夜間にサーチライトに反射するシカの目の数から頭数を数えるライトセンサスや、シカの絡んだ交通事故情報の収集をすることを決定。各猟友会も目撃、捕獲情報を猟のたびに記録することに決めた。
(シカ防護柵設置へ:長野)
八ケ岳連峰の北横岳(2480メートル)と縞枯山(しまがれやま)(2403メートル)の間に広がる溶岩台地「坪庭」の一部で、ニホンジカによる高山植物の食害が深刻化しているため、諏訪・佐久地方と山梨県の9市町村などでつくる南北八ケ岳保護管理運営協議会(会長・柳平千代一茅野市長)が、防護柵を設置することになった。18日、茅野市役所で開いた総会で決めた。新たに柵を設置するのは、坪庭の入り口に当たる「北八ケ岳ロープウェイ」の山頂駅(2237メートル)周辺。ロープウエーを運営する北八ケ岳リゾート(茅野市)によると、被害は駅周辺の草原に集中し、6月下旬から8月にかけて咲くキンロバイやクロユリがここ2、3年の間にほぼ食い荒らされてしまったという。同協議会は、この草原を囲むように全長約350メートルの防護柵を設置する計画。資材費は約90万円で、林野庁の補助金を充てる。27日に茅野市や南信森林管理署の職員らが設置作業をする予定だ。八ケ岳連峰ではこれまで、横岳(2829メートル)から硫黄岳(2760メートル)の稜線(りょうせん)近くで見られるコマクサや、天狗岳(2646メートル)中腹の黒百合平に自生するクロユリなどもニホンジカの食害に遭い、同協議会が防護柵を設置した。協議会は2009年度以降、7カ所で計約2100メートルの防護柵を設けている。
(シカおびき寄せ駆除実験:徳島)
剣山地域ニホンジカ被害対策協議会が15日、美馬市の県西部県民局美馬庁舎で開かれ、一定の場所にシカをおびき寄せて猟銃で狙撃するシャープシューティング(SS)の実証実験結果が県の担当者から報告された。SSの実証実験は、4月4、5日に剣山スキー場(つるぎ町一宇)で四国で初めて実施。県南部県民局の森一生課長補佐は、5頭の群れのうち4日に1頭、5日に4頭を狙撃し、群れの全滅に成功したと説明した。この結果を踏まえて10~11月をめどに再度、同スキー場で実証実験を行い、作業効率など本格導入への課題について検証する意向も示した。会合には国や県、周辺4市町や自然保護団体の関係者ら43人が出席。「剣山山系の希少植物の被害額もまとめる必要がある」などの意見が出された。
(防シカ柵設置:北海道)
全国からの募金で買い取った開拓跡地に原生の森を戻す「100平方メートル運動の森・トラスト」で、町は今月中にも、最後に取得した岩尾別地区の11・92ヘクタールでエゾシカの食害から森を守る柵の建設を始める。知床自然センターに近い立地を生かして、多くの人に森づくりの運動への理解を深めてもらう狙い。1977年に町が始めた100平方メートル運動では、新しく得た土地にはアカエゾマツなどを植えていた。しかし、2010年11月に町が最後に取得した11・92ヘクタールは、同センターがある幌別園地に隣接しており、11年に町の有識者らでつくる専門委員会で、運動の普及啓発の場として活用する方針が承認されていた。計画では、広葉樹の二次林を含むササ原や草地2ヘクタールを全長600メートル、高さ2・4メートルの金網フェンスで囲う。設置費用は785万5千円で、同運動の寄付金から町が積み立てた基金で賄う。柵の中で広葉樹の苗を育てるほか、シカの食害による植生への影響を柵の内外で比較できるようにする。道を整備し、自然センターから歩いて見学もできる。完成は8月中を予定。町が10月に開く「しれとこ森の集い」での見学会も予定している。知床財団で森林再生事業を担当する松林良太さんは「完成したら、多くの人に森づくりの現場を見に来てほしい」と話している。
(イノシシ撃退、牛2頭を放牧:富山)
牛を放牧してイノシシなどによる農作物被害を防ぐカウベルト事業の入牧式は18日、 南砺市小院瀬見の福光里山レクリエーション農園で行われた。関係者や地元の保育園児が 見守る中、雌牛2頭が元気よく野山を駆けた。福光里山カウベルト友好会の山崎秀信会長のあいさつに続き、城端地域の畜産農家で育 った牛2頭が放牧された。うち1頭は妊娠しており、10月の出産が見込まれている。招 かれた西太美、太美山両保育園児は餌やりを体験し、「元気に遊んでね」と声を掛けた。地元住民でつくる福光里山カウベルト友好会が県や市の補助で、農園の隣にカウベルト 約1ヘクタールを設け、一帯に電気柵を張り巡らせた。11月まで放牧する。農園では6年前まで、サツマイモなどの農作物がイノシシに荒らされる被害が出ていた が、カウベルト事業に取り組んで以降は被害がほぼゼロに抑えられている。

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