<射撃ニュース9月>

9/30
(麻生氏、日本クレー射撃協会会長に再選)
役員人事をめぐる内紛に揺れた日本クレー射撃協会は28日、東京都内で臨時総会を開き、元首相の麻生太郎会長(72)を再選した。2009年3月の総会で役員改選が紛糾し、新旧執行部が裁判で争うなど混乱が長期化した同協会は、正常化へ一歩前進した。臨時総会は委任を含めた出席が定足数を満たして成立した。麻生会長の任期は2年で、新役員人事は会長に一任された。協会は日本体協から組織運営で「勧告」処分を受け、10月22日までに改善計画書の提出を求められている。麻生会長は「もう一刻の猶予もない。正常化に向けた第一歩にしたい」とあいさつした。
(クマに襲われ男性負傷:福島)
30日午前9時40分ごろ、福島県喜多方市高郷町の山中で、薬に使う植物を採るために訪れていた同県須賀川市の会社役員の男性(68)が体長約1メートルのクマに左腕をかまれ、骨を折るけがを負った。男性は近くに止めていた車で、約1キロ先の温泉施設まで下山して119番。喜多方署によると、男性はかまで植物を採っていたところ、子グマに気付いた。車に戻ろうとしたところ親とみられるクマに襲われたという。数分間争った後、クマは山中に去った。喜多方市ではクマの目撃が相次ぎ、26日には畑仕事中の女性(82)が襲われ死亡した。
(サルにかまれ93歳女性けが:静岡)
磐田市加茂で二十九日、女性(93)がサルに襲われ、右足首を八針縫うけがを負った。周辺では七月末からサルの目撃が相次いでおり、市環境課は「見つけても刺激しないように」と呼びかけている。同課によると、同日午前七時すぎ、自宅の庭で落ち葉を掃いていた女性が近くにいたサルに気付き、ほうきで追い払おうとしたところ背後から足首をかまれた。けがは軽傷という。サルはそのまま逃走した。周辺では、七月末から約三十件の目撃情報があり、柿などの農作物が荒らされる被害が出ていたが、人を襲ったことはなかった。野生のニホンザルとみられる。市環境課は加茂と一言の二カ所に捕獲機を設置し、注意喚起のビラ四百枚を住民に配った。担当者は「野生のサルはめったに人を襲わない。見かけても近づいたり追い払ったりせずに役所に連絡してほしい」と話している。
(体長1.5メートルのクマ捕獲:新潟)
28日に加茂市で84歳の女性がクマに襲われ大ケガをした現場で、30日朝に1頭のクマが捕獲された。クマが捕獲されたのは加茂市下高柳地区。30日午前7時頃、クマが捕獲用のオリに入っていたのを地元の住民が見つけた。体長1メートル50センチ、体重160キロ程度のオスのツキノワグマだった。この地区では28日に栗拾いをしていた84歳の女性がクマに襲われ、顔を引っかかれるなどの重傷を負った。そのため地元の猟友会などが現場周辺にオリを仕掛けていた。このほかにも30日には、南魚沼市と津南町でもクマが目撃されるなど出没が相次いでいる。
(ツキノワグマ捕獲:神奈川)
県自然環境保全課は29日、伊勢原市子易の住宅近くでツキノワグマ1頭を捕獲したと発表した。県内での捕獲は今年に入って3回目。同課によると、熊は同日午前6時ごろ、県が設置した捕獲用のおりに入っていた。全長149センチ、体重86キロの雄で、熊のいやがるスプレーなどで人が怖いことを学習させた後、丹沢山中に放獣した。丹沢のツキノワグマは約30頭と推計される。
(窓たたくクマ:北海道)
29日午後6時5分ごろ、広尾町野塚本通39の住宅で、ヒグマが台所の窓をたたいているのを家人の女性(56)が目撃し、広尾署に通報した。同署によると、在宅中だった女性が台所方向から物音を聞き、不審に思って窓のカーテンを開けたところ、体長1.5メートル前後のヒグマが家の中をのぞいていた。窓にはヒグマの手跡らしい痕跡が残っていたという。同日午後6時半ごろには、同住宅から約300メートル離れた野塚橋付近の国道336号をヒグマが横断。同署では同じクマとみている。野塚地区ではヒグマ目撃情報が相次ぎ、餌を求めて徘徊(はいかい)を続けているとみられる。住宅庭先のコンポストが荒らされる事例も多発しており、関係者は「当面はコンポストに生ごみを投入するのを自粛してほしい」と呼び掛けている。町は箱わなの増設の検討に入っている。
(クマ目撃すでに30件:長野)
上伊那地方のツキノワグマの里山出没頻度が平年に比べて若干増えていることが、県上伊那地方事務所林務課のまとめで分かった。秋は冬眠前に餌を求めて歩くクマと、キノコ採りに出掛ける人が遭遇しやすい時期。同課は「山はクマの領域。入るときは鈴やラジオを鳴らして歩き、人の存在を知らせて」と注意を呼び掛けている。クマの目撃件数は、8月末時点ですでに昨年1年間分と同数の30件。集落内での目撃情報が微増傾向で、昨年は0件だった箕輪町内が11件と出没場所に変化がみられる。里山に仕掛けたおりで捕獲されたクマは66頭に上り、大量出没が問題化した2006年(79頭)に次ぐ多さ。このうち半数を超える34頭は伊那市内で特に西春近が多い。同課が8月に辰野町~飯島町の9地点(標高640~960メートル)で行ったドングリ類の豊凶調査では、クマの餌となるミズナラやコナラ、クヌギの結実は「少なめ」で、クリは「平年並み」だった。県林務部は、この調査結果を受けて「一定の結実が認められたことから、06年のような大量出没はないと推測される」と予想。ただ、結実量は多くなく、冬の訪れが遅れた場合は10~11月でも出没したため、注意を促している。クマが一度人里の餌を覚えると「出没を繰り返すルートができる」と同課。柿などの果実や野菜、生ごみの適正な処理を訴える。キノコ採りで入山する際には、複数で行動したり、鈴を鳴らすなどして用心するよう求めている。
(クマの出没急増:群馬)
クマの目撃情報が急増している。4月から8月末までの目撃情報は昨年度1年間の約2倍の540件で、過去最多ペース。クマに襲われる被害も昨年度の4倍の4件発生した。ことしは山間部の木の実の作柄が悪く、県は「秋以降も出没増加が見込まれる。音の出るものを携行するなど注意して」と呼び掛けている。県内市町村に寄せられたクマの目撃情報は、統計を取り始めた09年度は122件、10年度は695件、昨年度は251件だった。10年度は8月末までは221件だったが、秋以降に急増した。県林業試験場が利根沼田地域で今月上旬に行った調査では、クマのえさになるブナの実がほとんど実っておらず、大凶作だった。同試験場は「ブナは大豊作の翌年は大凶作になる。昨年大豊作だったので、ことしは大凶作の周期になっている」と分析する。ミズナラやコナラ、クリなどクマの食べるそのほかの木の実も作柄が悪いという。これら堅果類の実りが悪い年はえさが山に少なく、秋以降にクマの人里への出没や人身被害、農作物被害が多くなる傾向がある。
(クマ目撃情報増加:新潟)
長岡市は、栃尾地域を中心に、痕跡を含むクマの出没情報が2011年度同期の倍以上に上っているとして注意を呼び掛けている。市によると27日現在、出没情報は56件。このうち目撃は23件で10年度(21件)、11年度(22件)とほぼ同数だが、足跡や爪跡などの痕跡は33件で10年度(16件)、11年度(5件)より大幅に増えている。地域別では栃尾46件、川口4件、山古志3件、小国2件、長岡1件。餌となるブナなどの実が不作で、人里周辺でも出没しているという。
(クマ目線で食性を撮影:富山)
立山カルデラ砂防博物館の後藤優介学芸員が29日までに、立山に生息する野生のクマに小型ビデオカメラを組み込ませた首輪を付け、“クマ目線”の映像を初めて撮影した。映像にはタケノコをおいしそうに頬張るクマの姿が映るなど、クマの食性をはじめ生態を詳細に分析する貴重な資料として今後の研究に役立てられる。撮影は昨年7月、当時16歳のオスのツキノワグマに首輪を付けて立山カルデラ周辺に放した。首輪には衛星利用測位システム(GPS)アンテナも付け、バッテリーが切れると自動で外れる首輪を後で回収した。4日間で6時間の行動が撮影できた。野生のクマを直接、観察することは困難なため、これまでクマの食性はふんを調べて推定するのが一般的だった。今回の映像では1日に何をいつ何分ほど食べるのかが分かった。植物が中心で約20種類を食べていた。細いススタケは食べ残すことがあるが、太いタケノコは両手で大切に食べていたほか、朽ち木を壊して中のアリを食べたり、ミズバショウの葉を食べる姿なども映っていた。メスとみられるクマを追いかけ回したり、交尾と思われる行動も確認できた。クマにビデオを付けた撮影は初めてで、21日に相模原市で開かれた日本哺乳類学会において「ビデオカメラ付き首輪を用いたツキノワグマの生態解明の試み」として発表された。29日から立山カルデラ砂防博物館で始まった特別展「弥陀ケ原の自然」で映像を10分間に編集して紹介している。今年はクマの主食とされるブナやミズナラなどの実が少なく、10月以降の大量出没が懸念されている。後藤学芸員は「クマは怖いというイメージがあるが、まずはクマのことをよく知ることが大切。今後もクマの生態に基づいて、人とのすみ分けを考えていきたい」と話した。
(クマの生態をよく知って:山形)
学習会は人と自然が共存・共生していくために、クマなどの野生生物について、ただ怖がるだけでなく正しい生態を学んでもらおうと、緑の少年団と山辺町が企画した。28日は、作谷沢小学校の児童12人が参加。山辺町猟友会会長の大内明さんからクマの生態について話を聞いた。大内さんは「子グマは非常に可愛い。ついつい可愛いなって手を出したくなる。しかし絶対近くに寄らないで。必ず近くに親がいる。ばくっととやられる」などと説明した。ことし県に寄せられたクマの目撃情報は9月17日現在、346件と去年の3倍近くになり、山辺町でも9件報告されている。大内さんは「住んでる地域が、クマと一緒のようなところに住んでいるわけでこういう学習が大切」と話していた。続いて、クマを捕獲するおりの見学。おりはドラム缶型と格子型の2種類。クマを捉える仕組みに子どもたちも興味深々だった。子どもたちは「自分の場所をアピールするために、登下校でもつけているクマ鈴を持ち歩くことや、大きな声を出したい」、「僕の近くにも栗がいっぱいなっているので、気をつけて取りたい」などと、感想を語っていた。
(イノシシ対策強化:広島)
耕地を荒らし、夏から秋にかけて出没が増えるイノシシ。県内で捕獲数が突出して多い呉市が今年度から新たな対策に乗り出した。市所有の箱わな、捕獲柵の無償貸し出しを狩猟期間(11月15日~2月末)中も実施し、防御策をまとめた冊子を改訂するなど、「捕獲」と「防御」の両輪で被害抑制に力を入れる考えだ。同市によると、2011年度のイノシシ捕獲数は県内の自治体で最多の3107頭。この10年間、1700~3500頭で推移し、2番目に多い広島市の倍近くに上っている。一方で、イノシシによる11年度の農作物被害は1億1128万円と、県全体の5億100万円の約2割(県農業技術課調べ)を占めており、多数の捕獲が必ずしも被害軽減につながっていない。そこで同市は今年度からイノシシ対策を強化。まずは、狩猟者登録済みの希望者を対象に、狩猟期間以外に実施してきた箱わな、捕獲柵の貸し出しを通年で行い、イノシシの捕獲数をさらに増やすことにした。府中、竹原両市に続く試みという。さらに、「イノシシが近づきにくい街づくり」と題した改訂版冊子(A4判、7ページ)も7000部作成。「人里に食料がある」と学習しないよう、ごみ回収場所への夜間のごみ出しや、山歩き中の食べ物の投棄などの自粛を求め、野菜畑を防護柵で囲うことや、イノシシが身を隠しやすい空き地の草刈りを勧めている。カラー印刷で各項目にイラストを添え、〈1〉よじ登れば2メートルの高さも越える〈2〉鼻で重さ70キロの物を持ち上げる〈3〉嗅覚(きゅうかく)が優れ、海や川を泳いで渡る――などイノシシの特徴も紹介している。冊子は各市民センターなどで配布中。市農林振興課は「捕獲数が多いのは、人里近くにイノシシの餌になるものが多いことも理由。約10年前から急増した島しょ部を含め、地域ぐるみで防御を」と呼びかけている。

TOPへ

9/28
(クレー射撃に「勧告」処分)
役員人事をめぐる内紛が長期化する日本クレー射撃協会に対し、日本体協が組織運営の改善を求める「勧告」処分を通知したことが25日、分かった。10月22日までに改善計画書の提出を求めており、今後の取り組みに改善がなければ、勧告より重い「資格停止」処分が科される。日本体協が昨秋に新設した処分規定は、指導、勧告、資格停止の順に重くなり、最後は退会となる。口頭による「指導」で改善が見られず、国民体育大会の準備、運営などに多大な迷惑をかけたとして、21日付で「勧告」処分となった。体協関係者は「3カ月ごとに書面で報告を求める。執行部の一本化ができなければ、来年の国体は資格停止になる」と述べた。クレー射撃協会は新旧執行部で役員改選の有効性を争った裁判がこの春に終結し、28日に臨時総会を開くが、正常化へのめどは立っていない。
(クマ襲撃か、畑で82歳死亡:福島)
26日午前8時40分頃、福島県喜多方市上三宮町上三宮の畑で、近くに住む農業の女性(82)が倒れているのを近所の人が見つけ119番した。女性は現場で死亡が確認された。同県警喜多方署は女性の首にあった傷痕や畑に残されたクマの足跡から、クマに襲われたとみて調べている。現場はJR喜多方駅から約5キロ北の山あいの農村部。付近では同日午前7時前にクマの目撃情報があり、同署はパトロールやクマ出没への警戒を呼び掛ける広報活動を強化する。近くの住民によると、現場周辺はこれまでクマの目撃例はほとんどなかった。近くの男性(66)は「住宅もたくさんあり、こんな所までクマが出没するとは」と不安そうに話した。現場から南に約350メートル離れた同市立上三宮小では屋外授業を中止し、校舎や体育館の入り口を施錠。児童全員の保護者に迎えに来てもらった。当面、登下校は保護者付き添いで行う。県警総合運用指令課によると、県内での今年のクマの目撃件数は25日時点で359件と、昨年同期(114件)の3倍超。県警は「なるべく一人で外に出る時間をなくし、出る場合はクマ鈴やラジオなどを持ってほしい」としている。
(クマに襲われ女性重傷:新潟)
28日午前7時すぎ、加茂市下高柳の畑で、栗拾いをしていた80歳の女性がクマに襲われ、顔に重傷を負った。加茂署によると、クマは2頭の親子で、親の体長は1メートル以上だったとみられる。
(女性、ヒグマに追い掛けられる:北海道)
26日午後5時5分ごろ、町野塚本通の民家の庭先で、女性が体長1.5メートル前後のヒグマに追い掛けられているのを同宅の住人が見掛け、広尾署に通報した。同署によると、目撃者が家から庭を見ていると、犬を抱いた女性が走り去り、その2、3秒後にクマが追い掛けていたという。女性は犬の散歩中で、自宅に逃げ込みけがはなかった。また、同日午後8時半ごろには、野塚8線の民家の庭で、干していたサンマを物色する体長1メートルほどのヒグマを住人が見つけた。野塚地区では市街地を中心に、21日から今回の2件を含む計6回、ヒグマが目撃され、同署が注意を呼び掛けている。町はハンターに出動要請するとともに、捕獲用の箱わなの設置を検討している。
(サル、万博公園で捕獲:大阪)
21日午後2時40分ごろ、吹田市の万博記念公園で、体長60センチの雄のニホンザルが捕獲された。20日は同市と摂津市の市街地で、猿の目撃情報が相次いでいた。吹田市によると、21日午前8時ごろ、緑地管理業者が公園内の木に登っている猿を発見。府と同市の職員が駆けつけたが、右足をけがしていたため獣医を呼んだ。獣医が麻酔の吹き矢で猿を眠らせてから捕獲した。猿は右足の大腿(だいたい)骨を骨折しており、箕面市内の動物病院で手術を受けた。けがの回復を待って、今後の対応を決める。
(クマ情報:富山)
24日午前9時40分ごろ、砺波市庄川町小牧の林で、クマによって枝が折られたとみられるクリの木を、道路パトロール中の市職員が見つけ、市有害鳥獣捕獲隊員に連絡した。現場にはクマがかじったクリの実があった。市は成獣とみている。現場は集落から約100メートルの庄川沿いの林。市が広報車で住民に注意を呼び掛けた。
(鳥獣害対策、102キロの柵:奈良)
サルやイノシシ、シカの農作物被害を防ごうと、宇陀市が、総延長102キロにわたって電気柵や金網フェンスを張り巡らす計画を進めている。隣接する三重県名張市との共同作戦で、県境を超えて鳥獣害対策に取り組む。計画は2006年から宇陀、名張両市が取り組む鳥獣害防止広域対策協議会の事業の一環。農家が各地区ごとに共同で計画する電気柵など動物の侵入防止柵の設置に、1メートル当たり650~2300円を助成する。総額で1億2959万円にのぼる事業費は国の交付金を充てる。対策協はこれまで、主に野生のニホンザルの被害対策に力を入れてきた。京都大学霊長類研究所の協力で、捕獲したサルに電波発信機を付けて放し、移動する群れを追跡して被害防止に役立ててきた。宇陀側に出没するのは「名張B群」と名付けられた53匹のグループ。3年前からはサルを追い払うために訓練した犬を使った「モンキードッグ」作戦を展開してきた。宇陀市農林課のまとめでは、昨年度の農作物被害はサルの600万円に対して、イノシシは721万円、シカは440万円で、総合的な被害対策に迫られていた。市では3~43戸の農家が計32のグループを作り、9月中に電気柵などの侵入防止柵の設置を終える計画だ。
(クマ目撃、今月すでに65件:新潟)
27日午後1時40分ごろ、津南町結東の国道405号をクマが横切っているのを近くを車で通った人が見つけたと、住民から町役場に連絡が入った。十日町署と同町が付近の住民に注意を呼びかけた。27日午後5時ごろには上越市大島区菖蒲の林道でも3頭が目撃された。26日には新発田市上赤谷と約2キロ離れた同市小戸でクマが目撃された。今月、県に寄せられた、クマやその痕跡を見かけたという情報はすでに65件に達し、昨年9月の18件を大きく上回っている。21日には魚沼市で畑仕事をしていた男性がクマに襲われ、軽いけがを負った。今秋は、クマ目撃が相次いだ2006年度、10年度と同じく、餌となるブナの実が少ないため、多くのクマが人里に出没する恐れがあると心配されていた。専門家は、10月になると、冬眠に向けて餌を求めるクマがさらに増える可能性があるとみて、注意を呼びかけている。
(ササユリ群生地壊滅、イノシシ荒らす:岐阜)
岐阜市椿洞の市畜産センター公園にあるササユリの群生地がイノシシの被害に遭い、壊滅状態になっている。23年前から同公園でササユリの栽培に取り組んできた県ササユリ保護育成会の堀田勝代表(78)=同市上土居=は「1000から2000の株が全て掘り返された。来年の開花は期待できない」と残念がっている。今月18日に同公園を訪れた堀田代表が荒らされているのを発見。群生地の周辺を囲う約300メートルの防護用ネットが2カ所で破られており、ネットの中には土の掘り返された跡がいくつも見つかった。堀田代表は、旧揖斐郡徳山村(現揖斐川町)で採取したササユリの球根を独自の栽培方法で育て、1989年から同公園の南西側の斜面に植え始めた。だがイノシシの被害は年々増加。一時は群生地が壊滅状態となり、2008年以降は群生地周辺をネットで囲うなどの対策を施していた。堀田代表は「初夏には大勢の人がササユリを楽しみに訪れる場所。周囲の協力があればもう一度育てたい」と話している。
(交通量多い市街地に「シカ」:鳥取)
28日午後10時ごろ、鳥取市街地の県道でシカが車にはねられる事故があり鳥取市では注意を呼びかけている。現場は鳥取県庁から2キロ足らずの、交通量の多い「丸山交差点」付近の県道で、警察によると、女性が運転する乗用車の前に飛び出してきたという。近くには久松山系があるが、鳥取市の担当者によると、この付近でのシカの目撃例はなく行動・生息範囲が広がっていることも予想されるため、注意を呼びかけている。
(シカ捕獲へ柵設置:岡山)
美作市は27日、深刻化するニホンジカの農林被害を受け、大量捕獲用の「囲いわな」と呼ばれる大型柵の設置を始めた。年内をめどに旧町村単位で市内6カ所に導入。2013年度に稼働させるシカ、イノシシの食肉処理施設への肉の安定供給にもつなげる。同市で11年度に捕獲されたシカは3591頭で、前年度より1千頭以上増加。イノシシを含めた農林被害額は約5400万円に上っている。シカのわなは、岡山県内では1、2頭捕らえる1・5〜2メートル四方程度が一般的だが、導入したのは幅4メートル、長さ8メートル、高さ2メートル。鉄製で一度に5、6頭捕獲できる。餌を置いておびき寄せ、出入り口の赤外線センサーで頭数を把握し、設定数になると自動的に扉が閉まる仕組み。センサーは1台を持ち回りで使う。この日は市内2カ所に設置した。同市宗掛の山間部では猟友会会員や市職員、製造会社の社員ら約50人が参加。組み立てた後、使用方法を学んだ。大型柵は市が計230万円で5基購入。残る1基とセンサーは県美作県民局が同市と西粟倉村で行う被害防止対策の一環で無償貸与を受けた。同市農業振興課は「効果を検証し、より多く捕獲できるよう工夫したい」としている。
(ニホンジカわなで捕殺へ:長野)
中央アルプスで目撃情報が増えているニホンジカ対策で、南信森林管理署(伊那市)は、上伊那郡宮田村の伊勢滝(標高約1900メートル)周辺などにわなを仕掛け、亜高山帯で初の捕殺に取り組む方針を決めた。植物への食害や踏み荒らしなど被害が広がる前に対策を講じるとともに、シカがかかる程度を確かめ、生息状況を推測する狙いだ。伊勢滝付近では6月、野生動物に詳しい吉田保晴・同郡飯島町飯島小教諭がシカを撮影。山麓寄りの宮田高原でも目撃情報がある。同署は、同高原と伊勢滝方面を結ぶ林道沿いの標高1600メートル付近と同滝周辺、尾根を挟んで南側を通る林道の1650メートル付近の計3カ所に、6月末からセンサーカメラを仕掛けている。このうち、尾根南側の林道で7月13日夜に2回、シカを撮影した。伊勢滝周辺のカメラは画像が消えていたが、復旧を進めている。もう1台にはこれまで、カモシカなどしか写っていないという。わなは、両林道沿いに計30個を仕掛ける方針。県立自然公園内のため、県に設置許可を申請中だ。同署職員らが仕掛けて地元猟友会に見回りを依頼し、降雪状況などをみながら続けていく計画という。同署は駒ケ岳(2956メートル)周辺にもカメラを仕掛け、高山帯までシカが進出しているかを調べている。
(ツキノワグマ、今月18件出没:福井)
ツキノワグマの秋の出没期を迎え、県が注意を呼びかけている。今月の出没件数(目撃と痕跡発見)は24日までに18件に達し、既に昨年9月の10件を上回った。大量出没した10年ほどにはならないとみられるものの、県自然環境課は「冬眠前で活動が活発になる時期を迎えるため、楽観できない」と動向を注視している。今年1月からの出没件数は113件。7月12件、8月16件と推移した。今月の18件のうち、奥越地方(勝山、大野両市)が12件を占める。県が、クマの餌となる4種類の木の実について調査したところ、標高の高い奥山になるブナの実が凶作で、標高の低い里山になるコナラやクリは平年並みだった。このため、クマが餌を求めて里山に出没する可能性があるという。同課は「各集落では、クマの餌となるカキやクリなどは早めに収穫する」「山に入る時は笛、鈴など大きな音を出して移動する」など被害防止のために注意喚起している。
(クマ出没急増、9月だけで65件:京都)
京都府北部でクマの出没が増え始めている。9月24日までの出没件数は401件と昨年の同時期を上回り、特に9月に入って急増している。府は「人家周辺の目撃情報も多く、注意を」と呼び掛ける。府によると、府北部5市2町に寄せられたクマの目撃情報は京丹後市(127件)、福知山市(94件)、与謝野町(64件)の順に多い。昨年の9月末時点での出没件数375件をすでに超えた。クマの出没は隔年に多いとされ、一昨年度は府内の目撃情報が過去最高の1976件に上ったため、府は今後の大幅増を見込み、警戒を強めている。特に丹後2市2町では、9月の出没件数が65件となり、8月の41件から急増。「民家のそばで未熟な柿を食べている」などの情報が相次ぎ、9月前半だけで6頭を捕獲した。府丹後広域振興局は「出没情報を聞いたら、夜間の外出は控えるなど気を付けてほしい」と話している。
(野生鳥獣の農作物への影響、被害額2年ぶり減少:兵庫)
兵庫県内の2011年度の野生鳥獣による農作物の被害額は8億8500万円と、前年度に比べ9・1%減少していたことが県のまとめで分かった。減少は2年ぶり。県自然環境課は「シカの捕獲数が2年連続で3万頭を超したことや、近年、被害が大きくなり農家が危機感を持って防護柵の設置が進んだことなどが要因」とみている。被害額を動物別でみると、シカが4億3600万円で、被害全体の49%を占めた。次いでイノシシが2億5500万円(29%)▽アライグマが6700万円(8%)▽ヌートリアが2500万円(3%)▽サルが900万円(1%)‐など。前年度比では、ヌートリアが11%増となったが、シカが7%減、イノシシが13%減、サルが55%減となった。被害を受けた農作物は、水稲が4割弱を占め、イチゴやタマネギ、黒大豆、サツマイモなどが多い。林業はシカによる被害が大半を占める。県全体の被害額は、1985年度のピーク時には17億3600万円だった。その後は減少傾向となり、近年は8億~9億円で推移。シカの被害額が増えた影響などで、10年度は9億7400万円と6年ぶりに9億円を突破した。11年度の被害額減少について、県自然環境課はまず、シカの捕獲頭数の増加を挙げる。報償金支給や大量捕獲わなの導入効果で、10年度は約3万6700頭、11年度は約3万4800頭と2年連続で大幅に増えた。さらに、電気柵を含めた防護柵の整備が進んでいることも要因という。同課は「シカの生息区域は香美町や上郡町に拡大するなど、全体としては安心できない。ただ、サルが登りにくい防護柵など効果的な対策もあり、被害防止の研究をさらに進めたい」としている。
(ドングリ「豊作」もクマ警戒を:兵庫)
県森林動物センターは9月25日、県内で行ったドングリ類の豊凶調査の結果を「全体としては豊作」と発表した。ドングリ類は豊作の見込みだが、冬眠前のツキノワグマがエサを求めて人里へ出没する可能性もあるとして、登山やキノコ採取などで山に入る時や集落でもクマ被害に遭わないよう注意喚起している。クマの目撃・痕跡情報(9月18日時点)は、丹波地域で9件。県全体で397件。ブナ、ミズナラ、コナラの3種を調査。ブナのみ6段階で一番下の「大凶」で、ミズナラ、ナラは、上から2番めの「豊」。全体も「豊」にした。ただ、地域によってバラつきがあるという。2001年に県の調査開始後、ドングリ類は隔年で豊作、凶作を繰り返しており、本来今年は、クマの出没が多くなる凶作の年だが、本来豊作だった昨年が凶作で、今年が豊作と、これまでとは違った流れになっている。県全体では、5―7月にかけてクマの目撃・痕跡件数は過去最多だったが、大凶作でクマの出没が相次いだ2年前と比べ、8月以降は件数が減っている。同センターは、不要なカキの木の伐採や、実の収穫、果樹園への電気柵の設置、生ごみを屋外に置かない、山に入る際は、ラジオや鈴を携帯する―などの対応を呼びかけている。
(ドングリ豊作なのに、クマ出没昨年より増:兵庫)
ツキノワグマのエサであるドングリ類が今年は豊作であることが、県の調査でわかった。ただ、但馬地域では目撃・痕跡情報が、凶作だった前年より増えている。今後、冬眠前のクマがエサを求めて人里に出て来る恐れがあるとして、県は注意を呼びかけている。県森林動物研究センター(丹波市)が9月6~20日に、県内243地点でドングリの豊凶を調査した。ブナは大凶作だったが、全体の9割以上を占めるコナラとミズナラは豊作だった。県内の目撃・痕跡情報は年度途中の9月18日現在、全体で397件。ドングリ類が大凶作だった2010年度の年間1623件と比べると少ないが、凶作だった昨年度の年間348件を既に上回っている。目撃・痕跡情報が特に多いのが北但馬地域の244件(昨年度年間193件)、南但馬地域の112件(同76件)。丹波地域も9件(同8件)で昨年度を上回る。西播磨地域は27件(同63件)、中播磨地域は5件(同7件)だった。同センターは「里においしいものがあると学習したクマが、山にエサがあっても出没する可能性がある」として、不要な柿の木の伐採や生ゴミを屋外に置かないことなど、注意を呼びかけている。
(クマ「大量出没はない」:長野)
長野県林務部は、今秋のツキノワグマの出没予測をまとめた。クマの餌となるドングリなど堅果類の豊凶調査によると、県内全域で一定の結実が認められたことから「大量出没はない」と予測している。ただ、場所によって結実にばらつきがみられるためふだんは出てこない場所に現れる可能性があるとして注意を呼びかけている。調査地点は里山を中心に119カ所で実施。県内全域に広がるミズナラやコナラはほぼ平年並みからやや少ない結実。北信に多いブナは不作という。今年のクマの目撃は8月末で約1100件に上り、平年の年間出没件数をすでに上回っている。同部は「これから山は実りの季節を迎え、クマが集落に降りてくる回数は減ると思われるが、山に近いところでは用心の上にも用心を重ねてほしい」と呼びかけている。
(クマ大量出没、目撃情報251件:新潟)
新潟県内各地でツキノワグマの“主食”になるブナの実がほとんど結実せず、クマの餌不足が深刻だ。同様にブナが凶作だった平成18、22年度にはクマの目撃・痕跡情報は他の年に比べ5倍前後増え、それぞれ1000件を突破した。大量出没する年の目撃情報は9~11月に多く、10月がピーク。県は今後、クマが大量に出没するとみて、注意を呼びかけている。21日午後5時半ごろ、魚沼市七日市新田の畑で、農作業中の男性(83)がクマに襲われて右腕を引っかかれ、軽傷を負った。今年のクマによる人身被害は2件、2人となった。クマは秋になると、冬眠に備え食いだめをする。ブナ、ミズナラなどのドングリ類が中心だが、クマのすむ山にはブナが多く、ブナの豊・凶作が人里への出没と密接な関係を持つ。県が8月に26市町村、302地点で調べたところ、ブナは1023本のうち78・4%で実がない凶作、17・0%がわずかしか実らない不作と判明した。23年度は7割近くが豊作で、餌を探しに人里に降りるクマは少なく、目撃情報も182件だったが、今年は22日現在、既に251件となり、昨年度を上回っている。ツキノワグマは作物を荒らす有害獣の半面、九州では絶滅が宣言されるなど、希少な大型哺乳類。環境省や県調査に基づく県内の生息数は推定1082頭だが、多発年の18年度に521頭、22年度には452頭が捕獲され、ほとんどが殺処分されている。県は昨年、保護管理計画を策定し、クマの捕獲上限を年間128頭と定めたが、大量出没すると捕獲、殺処分の増加は避けられない。クマを寄せ付けないためには家の周囲に生ごみや農作物を放置せず、山に入るときはラジオや鈴を鳴らすのが効果的。県は今後も、地域振興局単位に設けた対策チームを通じ、市町村などと連携して対策を進める方針だが、一人一人がクマと出合わない工夫も求められている。
(クマ対策で林を伐採:北海道)
クマの目撃が相次いでいる札幌市南区で、クマの通り道とみられる川沿いの林がきのうまでに伐採されました。環境への影響を懸念する声も出ています。橋の上から川を見る男性ー。(男性)「春にはアカシアの木に花が咲いていいところだったんですけど、この環境を見たときに残念ですね」男性が残念そうに眺めていたのは、札幌市南区を流れる北の沢川と中の沢川の合流地点。これまでは、川の流れがほとんど見えないくらい木が生い茂っていましたが今月18日から300メートルにわたり伐採されました。札幌市から依頼を受けた川の周辺を管理する道が伐採しました。(道札幌建設管理部・天井弘志事業課長)「札幌市では非常にクマの出没が多く、札幌市から道にクマのルートを遮断するには明るく開けた空間が非常に効果的と」先月末から、クマの目撃情報が相次いだ南区川沿や真駒内地区。クマは、藻岩山から川伝いに市街地へ降りてきたとみられ林を伐採することで移動ルートを絶つことが目的です。(道札幌建設管理部・天井事業課長)「人命に関わるので早急な対応が必要ということで決断した」(市民)「いいんじゃないですか?人命を考えると。寂しいけど良かった。その半分半分な感じ」伐採の前、河畔には、ニセアカシアやオニグルミなどが生い茂っていました。しかし、道は、自然環境への影響は考慮していませんでした。(札幌市豊平川さけ科学館・有賀望学芸員)「この川はサクラマスの産卵河川。木に覆われていることでストレスなく産卵するサクラマスがいた場所なので(伐採で)その環境が変わってしまった」難しい市街地でのクマ対策を進める一方で、生態系への影響など新たな課題も浮き彫りになっています。
(小学校でヒグマ講習会:北海道)
クマの目撃が相次ぐ札幌市南区の小学校で専門家によるヒグマ講習会が開かれました。ヒグマ講習会は札幌市南区の小学校10校で開かれました。講習会では、ヒグマの生態や、ヒグマに出会った時の対処方法などをクイズを出題したり、ヒグマの毛皮を使いながら専門家が分かりやすく説明しました。札幌市では去年の2倍以上のペースでクマが目撃されていてそのうちおよそ7割が南区で目撃されているということです。
(新世代クマ現る:北海道)
町野塚の住宅地でヒグマの目撃情報が相次いでいる。天候不順でクマの餌となる山の木の実類が管内各地で不作となり、冬眠前の食料を求めて人里に下りてきているとみられる。人を恐れない「新世代クマ」も現れ、関係者は注意を呼び掛けている。野塚市街は104世帯が住む農村集落。21日から27日まで計7回、国道336号や庭先など民家そばでヒグマが相次ぎ目撃された。28日朝は民家庭のコンポストがクマに荒らされているのが見つかっている。野塚小学校では10月1日から登下校時、全校児童20人にスクールバスを利用させることを決めた。クマは1〜1.5メートルほどで、複数が徘徊(はいかい)している可能性もある。今年は薄暮時だけでなく、白昼堂々と出没するクマが多いのも特徴だ。自宅庭でクマを目撃した同市街の男性(81)は「50年住んでいて、これほどクマが出てくるのは初めて。人間を見ても怖がる様子がなく、日中安心して外を出歩けない」と不安がる。里に下りるクマの増加で駆除頭数も今年は9月27日までで20頭と、昨年1年間の17頭をすでに超えた。人里にクマが近づく理由で考えられるのが山の餌不足。冬眠を前に多食期に入ったクマがデントコーンや家庭菜園などに引かれて来る。町内のハンターは「コクワもドングリも実のなりが悪い。クマのフンを見ても木の実を食べた跡がない」と言う。春先の冷温多雨で受粉が進まなかった上、夏場の異常高温も影響した。ヒグマに詳しいベアマウンテン(新得町)の坂出勝飼育園長は、新得などでもドングリ、コクワ、山ブドウが不作と指摘する一方、「新世代クマ」への警戒を呼び掛ける。「ハンター数の減少や高齢化で、猟師や猟犬に追われる経験のないクマが増え、人を怖がらなくなっている。これまでのクマ対策が通用しない個体が出てきた」(坂出飼育園長)。管内ではこれからキノコ狩りが本格シーズンを迎える。町では生ごみを庭に出さないなどの注意を呼び掛ける。坂出飼育園長は「山に入る時は単独行動はせず、ヒグマの生態などにも正しい知識を持ってほしい」としている。
(「音立てず移動」生態学ぶ:富山)
富山南署は27日、富山市内でクマの目撃情報が急増していることを受けて、クマの生態を学ぶ講演会を同署で開き、署員約40人が出動に備えた。大沢野猟友会の浦田啓一会長(69)が「熊の生態について」と題して話した。浦田さんはクマの手のひらには弾力性のある肉球があり、物音を立てずに移動するとし、「特に夜は接近するまで存在に気付かないこともある」と説明。クマの腕力については「たたかれたら頭の半分が吹き飛ぶほどに強力」と注意を促した。富山市森林政策課によると、市内では今年、39件のクマの目撃情報が寄せられており、既に昨年1年間の38件を上回った。今年はクマの主食とされるブナやミズナラが凶作で、10月以降の大量出没が懸念されている。富山南署管内は他の3署に比べてクマの出没が多く、講演を聞いた小竹茂幸巡査長(26)は「人的被害が出る前に対処できるよう、猟友会との連携を一層強めていきたい」と話した。
(リンゴ園、サル対策が「実」結ぶ:新潟)
やっと収穫できる―。サルによる被害で2年間収穫ゼロのままシーズンを終えていた阿賀町鹿瀬の角神リンゴ園が、念入りなサル対策を講じた結果、少ないながらも果実が実り、このほど開園した。新しい経営者になってから、初めてもぎ取り体験が可能な形で秋を迎えた。敷地約3ヘクタールに減農薬で育てたリンゴの木が160本。そのうち約3分の1に実が残った。
(キジ放鳥:熊本)
阿蘇地域の鳥獣保護区で25日、120羽のキジが放たれた。環境悪化などで数が減っていることから、県が猟友会に委託し、1962年から続けているという。今年は計1100羽を順次各地で放鳥していく予定。この日は、12カ所で実施。阿蘇市蔵原の阿蘇みんなの森(高塚鳥獣保護区)では、碧水小の1年生31人がお手伝い。32羽を「元気でね!」と、声をかけながら放した。放鳥されたキジは、多良木町の養殖場で4月に孵化(ふ・か)し飼育されていた。
(カラス対策に、つや消し黒色ワイヤ効果:山梨)
山梨県総合農業技術センターは、カラス対策で極細のつや消し黒色ワイヤを2・5メートル間隔で張ると防鳥効果が高いことを突きとめた。餌をまいた畑で試験した結果、畑への侵入羽数は防鳥対策をしない時の0・4%、光沢のあるワイヤを張った時の4分の1程度だった。同様のワイヤは商品化され、10月に販売が始まる。
(電気棚でクマなど獣害防止:富山)
今年は、山の木の実りが不作で、クマやイノシシの出没が多くなると予想されています。こうした中、朝日町では、住民が力を合わせてその被害をなくそうと取り組んでいます。「イノシシやクマの被害をなくすための切り札がこの電気柵です、8千ボルトの電流が流れていて、動物が触ると電気ショックで撃退するというものです、朝日町ではこの電気柵が、町のほぼ全てに張り巡らされています」住民は、この電気柵をこう呼んでいます。朝日町猟友会顧問、寺田正義さん「ずーっと『万里の長城』みたいに張り巡って、どうにか防御しとるという感じ、今のところ効果が上がっていますから」住民が「万里の長城」と呼ぶ電気柵、町の山際の総延長はおよそ40キロメートル、電気柵はその8割、30キロメートルにわたって設置されています。設置のきっかけは、平成18年のクマの大量出没でした。町中心部の小学校周辺などに出没し、高齢の女性がクマに襲われて重傷を負いました。その後もクマの出没やイノシシの被害が相次ぎ、自治振興会、猟友会、捕獲隊、そして、行政などで作る朝日町有害鳥獣対策協議会は、被害防止の切り札として電気柵の設置を決めました。当時、対策協議会の会長を務めていた蓬沢正二さんです。蓬沢さん「電気柵をやるなら黒部川から境川までやらないと、朝日町は守れませんよという論で出発したわけです」平成21年から設置を始めて4年、資材だけでおよそ1800万円という費用は国、県、町で全額を負担し、地域住民への負担はありませんでした。しかし・・・。蓬沢さん「問題は」「設置した後、メンテナンスというか維持管理をどうするか、予算というのは設置まではありますが、その後、2年、3年、5年、10年後はどうするかということは全然予算は見ていないんですね」電気柵は、草が触れたり支柱が倒れたりすると漏電して効果がなくなるため草刈りや点検が欠かせません。維持・管理を誰がするのか、またそのために見込まれる年間およそ300万円の費用をどう負担するのか、大問題が残っていました。そこで対策協議会がとったのは、山沿いの住民が1世帯当たり年間1200円の費用を負担するというものでした。さらに今年からこのほかの地域からも1世帯当たり年間500円の協力金を集めることで理解を得ました。町全体で電気柵を維持していくシステム。草刈りや点検などは、山沿いの地域の住民が数人ずつのグループに分かれ週1回程度、当番制で担当しています。その効果は?寺田さん「ここにある足跡、田んぼに入った足跡が分かると思いますが」「そこまではイノシシが来ているが、電気柵があるから行けずにこの田んぼは全然、大丈夫、見られたとおり被害なし、ゼロということですね」実った稲を狙ってくるイノシシへ、効果はてきめんでした。佃進さん「去年あたり、おととしかな、そこら中全部、この田んぼと上の田んぼ、全部イノシシにやられて」「全然ないがいちゃ、電気柵のおかげで今年は一つも、イノシシは一つも来ていません」また電気柵での防御だけなくワナを仕掛けてイノシシを捕獲しています。佃さん「これエサ撒いた、コヌカですけど、コヌカを撒いてだんだん近づけていくわけやちゃ」ワナの設置には猟友会のメンバーだけでなく、地元の人も。町ではこれまでに17人がワナの設置に必要な免許を取得しました。現在24か所に設置しています。佃さん「これ引っ張られると、見とられ・・・」【ワナ落ちる】「ガチャン、ガチャン!」イノシシは今年これまでに24頭を捕獲、多い年には30頭をつかまえました。こうした取り組みの結果、イノシシによる農作物への被害は、去年からほぼゼロになりました。朝日町産業課、右井智樹主任「まず地元が自分たちで守らなければならないという意識が、持っている人がかなりいるので、その協力があるからこそ、町も手伝わなければならないということで、町がではなく、地元がやっていただいていると認識しています」しかし残る課題も。高齢化や過疎化が進む中、住民の自主的な取り組みとしていつまで続けていけるのか、小沢さんたちは頭を悩ませています。朝日町有害鳥獣対策協議会、小沢政憲会長「やはりある程度、ボランティアなり外部の力を今後、どういうふうに取り入れていくかということが一番の課題かなと思っている」「住民全体で盛り上がりを見せれば少しずつ解決できるのではと思っている」住民のみなさんが危機感を持って取り組み、行政任せではない独自の体制が出来たといえますね。今年は山の実りが不作で県はクマ出没注意情報を出しています。町中に張った電気柵でクマの出没が防げるのか、試金石の年となります。
(ライト光機、ライフルスコープを増産:長野)
光学機器メーカーのライト光機製作所(諏訪市、岩波雅富社長)は、ライフルスコープの生産を拡大する。加工機や人員を順次増強して基幹部品の生産を増やす。主力の米国市場で人気が高まっていることに対応。さらに、OEM(相手先ブランドによる生産)を通じて年内にも欧州市場に本格進出するなど、欧米市場を開拓する。
(中国大使館に実弾?郵送:東京)
東京都港区の中国大使館に27日午前、ライフル銃の実弾のようなものが入った茶封筒が郵送されていたことが28日、警視庁麻布署への取材でわかった。同署は鑑定を進めるとともに火薬類取締法違反の可能性もあるとみて調べている。同署によると、封筒の裏には手書きで「野田佳彦」と書いてあったという。脅迫文などは見つかっていない。
(弓で鹿射る共和党ライアン候補:アメリカ)
米共和党副大統領候補のポール・ライアン米下院議員は鹿狩りシーズンにはひげを剃らないことで知られている。シェービングクリームの匂いが獲物を警戒させないようにするためだ。鹿の習性を教えてくれる「クオリティー・ホワイトテールズ(オジロ鹿)・ジャーナル」も愛読している。鹿狩りにはライフルだけでなく弓も使う。鹿狩りの趣味は、大統領選のカギを握る中西部諸州の郊外に住む有権者、特に白人男性に期待する共和党正副大統領候補のライアン氏にとって重要性が増している。世論調査では、ロムニー共和党大統領候補は、その他の有権者層では弱いため、郊外に住む白人層から圧倒的な支持を得る必要がある。ところが、実際にはそうなっておらず、ウィスコンシン、アイオワ、オハイオなどの州では共和党コンビはオバマ、バイデンの民主党正副大統領候補に後れを取っているのが現実だ。これら激戦州では狩りを趣味とする人が多く、ライアン氏の鹿狩り好きは有権者に共感を呼びそうだ。オバマ大統領はこれとは正反対で、前回の2008年の大統領選で狩猟はネズミやウサギなどしかしたことがないと語っていた。ライアン氏は、29日にオハイオ州の弓による鹿狩りの解禁に合わせて開催される愛好家の集会で基調演説を行うことになっている。ライアン氏は12歳の時に狩猟を始め、16歳で初めて鹿を仕留めた。彼の選挙区はウィスコンシン州南東部の郊外。ライアン氏がアイオワ州で催した集会に参加した家具セールスマンのシーダー・ラピッズ氏は、「彼は中西部人気質を持っている」と語る。友人によれば、ライアン氏は鹿狩りで時にはライフルを使うが、スポーツの要素がもっと強い弓矢による鹿狩りがお気に入り。弓による鹿狩りでは4メートル近い木の台から獲物を狙うことが多い。鹿は頭がよく鼻が利き、なかなか近づけないので、忍耐を必要とするスポーツだ。狩猟を趣味とする人は年間1500万人で、そのうち約350万人が弓を使うといわれる。愛好家同士の絆は深い。ライアン氏は今では3人の子供がおり、10歳の娘にはクリスマスにライフルを与えた。今週のオハイオ州での遊説中には彼女のため狩猟用の迷彩服を買った。
(しゃっくり止めようとして誤射:アメリカ)
米テキサス州にあるフォートフッド陸軍基地で、兵士が同僚のしゃっくりを止めようとして銃を向けたところ、誤って弾を発射して死亡させる事件があった。当局が26日明らかにした。事件が起きたのは23日夜。パトリック・エドワード・マイヤーズ容疑者(27)は仲間たちとテレビでフットボールを観戦中、アイザック・ヤング上等兵(22)のしゃっくりが止まらなくなったため、驚かせようとして銃口を向けたという。しかし、誤って実弾が発射され、ヤングさんの顔面に当たった。警察によると、マイヤーズ容疑者は銃を撃ったことを認めており、捜査当局に対し、銃には模擬弾を装填したと思っていたと説明している。兵士たちは事件当時、酒を飲んでいたという。ヤングさんは病院に搬送される途中で死亡。マイヤーズ容疑者は過失致死罪で起訴された。

TOPへ

9/24
(イノシシ、田畑に穴:福島)
福島第1原発から20キロ圏とその周辺で、イノシシやサルなどの野生動物が、住民の帰還に暗い影を落としている。特にイノシシは、エサのミミズを求めて田畑に深い穴を掘り散らかし、住宅密集地にも営巣を始めた。農地除染や作付け再開を困難にする恐れもあり市町村は駆除を開始、国も被害調査に乗り出した。「これでは除草、除染しても、耕地として使えない」。8月下旬、避難先から葛尾村に一時帰宅した農家の松本寿夫さん(77)は愕然(がくぜん)とした。自宅の芝が掘り返され、近くの田んぼは穴ぼこだらけだった。背丈ほどもある雑草に覆われた田んぼに分け入ると、深さ10〜20センチ、幅1メートル程度の穴があちこちに。土手も崩れ、さながら原野の様相だ。穴は、イノシシがミミズを探して掘ったり、体についた虫を取り除くために寝転んだりしてできた等身大のものだ。
(住民帰還に備え野生動物調査へ:福島)
原発事故によって立ち入りが制限された福島県の警戒区域では、イノシシなどの野生動物が住宅地周辺に出てきて生息し始めていると見られ、環境省は住民の帰還に備えて調査を行うことを決めました。福島県の警戒区域では、原発事故のあと立ち入りが制限され、イノシシやニホンザルなど野生動物が狩猟などで捕獲されることがなくなりました。このため、これらの野生動物の数が増え、住宅地周辺にまで出てきて生息し始めていると見られ、一時帰宅した住民からは「イノシシのふんがある」とか「ニホンザルの群れを見た」といった情報が県などに相次いで寄せられています。この状態を放置すれば、農作物や住宅などへの被害も予想されるため、環境省は、住民の帰還に備えて来月から警戒区域内で野生動物の生息調査を始めることを決めました。調査は、来年3月まで行われ、野生動物に関する目撃情報のあった場所にセンサー付きのカメラを設置するとともに、担当者が警戒区域に直接入り、動物の行動範囲などを確認するということです。環境省は「警戒区域内の野生動物の動きを明らかにし、住民が帰還したあと安心して生活できるよう効果的な対策につなげたい」としています。
(イノシシ食肉から基準値超セシウム:千葉)
県は十九日、君津市で捕獲されたイノシシの食肉から基準値(一キログラム当たり一〇〇ベクレル)超の放射性セシウムが検出されたと発表した。県内四カ所の全加工処理施設にイノシシ肉の出荷自粛を要請した。三カ月ごとに行っている野生鳥獣の食肉の放射性物質検査でイノシシ六頭、シカ一頭を調べ、五日に捕獲のイノシシ一頭から二一〇ベクレルが測定された。イノシシは行動範囲が広いため、君津市以外で捕獲された個体も自粛要請の対象。県内産イノシシ肉は二〇一一年度、二百五十頭分が流通したという。
(クマに襲われ83歳けが:)
魚沼市七日市新田の薬師スキー場近くの畑で21日午後6時半ごろ、農作業をしていた男性(83)がクマに襲われたと同市役所に連絡が入った。小出署によると、体長60センチほどの子グマと見られ、右腕を引っかかれた男性は軽傷を負った。このほか、22日朝にも糸魚川市小滝のJR小滝駅で親子グマが目撃された。今秋はクマの餌となるブナの実が不作で、冬眠前に餌を求めて人里に出没するクマが増えると見られている。今月に入り、県に寄せられたクマやその痕跡の目撃数は38件で、昨年9月~今年3月までの7カ月間の37件を超えた。子グマの近くには親グマがいることが多いことから県は安易に近づかずに、そっと立ち去るよう注意を呼びかけている。
(車がクマに衝突:滋賀)
22日午前6時半ごろ、米原市弥高の市道で、愛知県一宮市の無職男性(71)が運転する乗用車が、道路を横断していたクマに衝突した。乗用車は前のバンパーが壊れた。クマは近くの竹やぶに逃げた。男性にけがはなかった。県警米原署によると、クマは体長約1・5メートルで成獣とみられる。乗用車の左前方には血痕がついていたという。同署が付近を捜索したが、クマは見つからなかった。パトカーの巡回や市の防災無線で、付近住民に注意を呼びかけている。同署によると、米原市内では、8月に1件、9月に入ってから4件のクマの目撃情報があった。署員の一人は「クマは冬眠の前となる秋に、食糧を求めて人里に現れる」と指摘。今後もさらに出没が増加する可能性もあり、「出会ってしまったときは、クマの目を見ながら、ゆっくり後ずさりしてその場から離れてほしい」と呼びかけている。現場は山間部を通る道路で、両側は山林だが、周辺には民家もある。秋に人里に現れることは珍しくないが、交通事故はあまりなく、同署では今年初めて。同じ署員は「山間部を車で通る際は、クマなどの動物が突然道路に出てくる可能性がある。夜間などはロービームとハイビームをうまく使い分けながら、前をよく見て運転してほしい」と話している。県によると、県内でのクマの出没は、近年、年間100件を超える大量出没の年度と、数十件の年度に分かれている。その分かれ目となるのが、クマの餌であるブナやミズナラなどの実で、山で不作であれば、冬眠を前に人里に降りてくるためとみられている。大量出没の年度には、冬眠前の9~11月の件数が多くなっている。近年の件数では、平成22年度の322件が最多で、次いで18年度の197件、16年度の157件となっている。これに対し、少なかった年度では、17年度が13件と最も低く、19年度46件、20年度35件、21年度21件、23年度42件で、おおむね20~40件台で推移している。大量出没の年度は9~11月が多いのに対し、ほかの年度は4~7月に件数が比較的増えるのが特徴。最多の22年度は9月に42件、10月に120件確認されている。
(鳥獣害捕獲、報償費不足で補正へ:和歌山)
イノシシやシカによる農産物への鳥獣害に悩まされる日高川町は、狩猟免許取得に必要な経費を補助するなど積極的な取り組みを展開。その成果もあり、今年4月から8月までの捕獲数が昨年の同時期に比べて、イノシシが3倍増になるなど激増している。町では当初予算に捕獲報償費3330万円を盛り込んだが、捕獲数の増加で不足することが確実となり、開会中の9月議会に補正予算900万円を計上するなどして対応する方針だ。以前は、侵入防止柵の設置補助など鳥獣から農地を自衛する施策を中心に展開してきたが、個体数の増加に追いつかない状況となり、猟友会や環境警備隊などの捕獲だけに頼らず、農業者自らの積極的な捕獲を促そうと、集落や地域ごとに捕獲オリ(箱ワナ)を貸し出す施策も展開。銃やワナ猟の免許取得に必要な経費を補助するなど各種施策を実施している。各種施策の実施と捕獲に対する気運上昇に伴い、今年度に入って捕獲数は激増。4月から8月までの5カ月間で、イノシシは752頭で昨年同時期(261頭)のほぼ3倍、ニホンジカは862頭で同(516頭)の1・7倍、ニホンザルは115頭で同(79頭)の1・5倍になるなどの実績が出た。町では、銃によるイノシシとニホンジカの捕獲1匹につき1万5000円、ワナに6000円、銃のニホンザル1匹に2万円、ワナ1万円などの報奨金を付与。昨年度の実績から当初予算に3330万円を盛り込んでいたが、すでに8月までの5カ月間で約2420万円となり、このままのペースで捕獲すると、約2300万円程度の予算不足が見込まれる。11月から狩猟期間に入り、有害鳥獣分の捕獲数は減少すると予想され、今回の補正予算には900万円を計上しているが、捕獲数が伸び続ければ報償費が再び足りなくなる可能性も考えられる。有害鳥獣の捕獲数増加に伴い、イノシシやシカを食肉として加工する「ジビエ工房紀州」への搬入数も増加。昨年度は1年間でイノシシとシカの持ち込み頭数は514頭だったが、今年度はすでに450頭にのぼっている。有害鳥獣捕獲数が激増している一方で、鳥獣害による被害は依然として後を絶たないことから、町農林業課では「地域の皆さんの協力も必要。出来るだけ農地に出向いて追い払うなど、有害獣を農地に近づけない、食場や住みかとなる放任農地を減らす、侵入させない防護対策を」と呼びかけている。
(クマ目撃:栃木)
23日午後9時5分ごろ、日光市足尾町の国道122号でクマ1頭が目撃された。付近には住宅が点在しており、日光署は警戒を呼び掛けている。同署によると、クマは体長約1メートル。クマは山林から道路を横切り、ガードレールをくぐって沢に降りたという。
(クマ情報:富山)
24日午前7時10分ごろ、南砺市大鋸屋(城端)の国道304号で、親子とみられるクマ3頭が道路を横切るのを、車で通り掛かった男性が見つけ、市に連絡した。クマは近くの山の方向へ姿を消した。市は周辺自治会に注意を呼び掛けた。
(クマ情報:富山)
21日午前11時55分ごろ、富山市本宮(大山)の住宅近くで、近くの山林にいた子グマ1頭を付近住民が見つけ、富山南署小見駐在所に連絡した。市大山総合行政センターによると、クマはそのまま林へ入っていったという。同署と同市猟友会などが付近をパトロールした。
(クマ情報:富山)
20日午後6時50分ごろ、富山市八尾町城生の市道で、近くの男性が成獣とみられるクマ1頭を目撃し、同市八尾総合行政センターに通報した。同センターによると、クマは市道を横切り里山の方向に逃げた。警察官やセンター職員が付近をパトロールしたが、痕跡は見つからなかった。
(クマ情報:富山)
18日正午ごろ、富山市新町(大山)の県道脇で、クマ2頭がクルミの木に登っているのを、車で通り掛かった人が目撃した。同市大山総合行政センターによると、親子連れとみられる。職員らがパトロールしたところ、近くの柿の木にも爪痕があった。
(相次ぎクマ目撃:福井)
19日午前6時20分ごろ、福井県勝山市松原の勝山浄化センター付近でクマを目撃したとの通報が勝山署にあった。同日朝には上高島の九頭竜川の河原でも足跡を発見。昨年9月の同市のクマの出没(目撃・痕跡)件数は0件だったが、今年は9月に入って11件に上っており、市や同署は注意を呼び掛けている。目撃されたクマは体長1メートルほどの成獣とみられる。市と地元猟友会がパトロールしたところ、センター横の市道の土手に足跡があった。周辺には住宅や保育園などがある。近くの九頭竜川の河原では、17日にもクマの痕跡が確認されている。市内でのクマの出没件数は、9月に入って11件。7月3件、8月は6件で急増している。市林業振興課によると、今年は餌となる奥山のブナの実が不作で、クマが里に下りてくる可能性が高いという。「クマを引き寄せるクリやカキなどの果樹は早めに収穫し、ごみ類も外に出さないでほしい」と呼び掛けている。14日に開かれた県の対策連絡会でも今年は、里山での出没に注意が必要と警戒を求めている。
(住宅街近くでクマ目撃:北海道)
23日未明から夜にかけて札幌市南区、西区、中央区でヒグマの目撃が相次いだ。いずれも住宅地に近く、道警と各区役所は警戒を呼びかけている。南区北ノ沢の道道で午前1時ごろ、車で通りかかった男性が目撃した。体長1・5メートルほどのヒグマで、道路を渡って藻岩山に向かって歩いていったという。午前8時ごろには約5キロ離れた西区小別沢の畑で、トウモロコシが食い荒らされているのが見つかった。成獣と若グマの2頭分の足跡があり、一緒に行動している親子の可能性がある。西区役所は近くの小中学校2校に警戒を呼びかけた。福井野小学校は24日に集団で登下校する。午後5時50分ごろには中央区盤渓のバス会社駐車場近くで、道道を渡るヒグマを目撃したと110番通報があった。西署のパトカーが巡回したが、すでに姿を消していた。
(痩せたヒグマ、知床で相次ぎ出没:北海道)
世界自然遺産の北海道・知床で、痩せたヒグマの目撃情報が相次いでいる。天候不順による餌不足が原因とみられ、北側の斜里町では8月末までで昨年全体の約1.5倍、南側の羅臼町でも既に年間の最多件数を更新した。両肩や腰の骨がゴツゴツと浮かび上がり、手足は細く、犬のよう――。8日朝、カムイワッカの滝近くでマスの定置網を揚げていた斜里町の漁師、古坂彰彦さん(53)は痩せこけたクマの姿に目を疑った。4日には同じように痩せた子グマの死骸が定置網に掛かっていた。古坂さんは「親子かもしれない。哀れなものだ」と話す。ヒグマ対策を担当する知床財団などによると、斜里町での目撃情報は昨年の829件に対し、今年は8月末までで約1300件。1歳程度の痩せたクマが多いという。羅臼町も9月中旬までで約380件に上っている。今年は夏場の餌となるコエゾゼミやハイマツの実が少ない。マスの遡上も遅れ、餌を求めて国道脇のアリの巣などを狙いに来るケースが多いという。今年は山形県や岐阜県でも8月末までのツキノワグマの目撃件数が過去5年間で最多。釣りや山菜採りに来た人が襲われ、けがを負う事故も起きている。日本クマネットワーク代表を務める北海道大の坪田敏男教授は、各地で目撃情報が増えていることについて「北海道ではマスの遡上時期が大きく影響し、本州ではクマの生息域が拡大したことが大きい。ハンターに追われた経験が少なく、人を恐れないクマが全国的に増えているのも要因」としている。
(クマ目撃:新潟)
23日午前9時前、上越市中郷区岡川のゴルフ場のコース内に、体長約1メートルのクマがいるのを、プレー中の男性が目撃し、同区総合事務所に通報した。同区総合事務所によると、クマは林に向かって逃げた。市と上越署が注意を呼び掛けている。
(サル出没:大阪)
吹田市と摂津市で19日から20日にかけ、サル1頭の目撃情報が相次ぎ、両市は小中学校に注意を呼びかけるなど対応に追われた。これまでのところ被害は出ていないという。両市によると、目撃されたのは同じサルとみられ、体長40~50センチのニホンザルと推定されるという。19日は午前に吹田市千里丘北のスーパー駐車場などで目撃され、20日は午前7時15分ごろに同市長野東のマンション駐車場で姿が確認されたのを最初に、隣接の摂津市内で同8時半ごろから10時20分ごろにかけて目撃情報が相次ぎ、その後同10時45分ごろには再び吹田市内で目撃されたという。
(サル出没:神奈川)
平塚市内各所で、今月9日から12日にかけて猿が出没したとの情報が数件、市へ寄せられた。市内を転々とし、隣の大磯町へ移った後、山へ帰って行ったという。情報によると、猿は9日に中堂で目撃されてから、10日の夕方に馬入本町の民家のベランダにいるのを住民が発見。11日の午前9時前には駅南口のバスロータリーにいたとの目撃情報もあった。同日昼前には夕陽ケ丘の民家の塀の上に姿を現し、塀をつたって南の方向へ逃げて行ったという。 さらに、翌12日の午前8時頃には、134号線の虹ヶ浜付近で工事作業中の関係者に目撃され、「猿が大磯町のほうへ移動していったようだ」と、県を通じて連絡が入った。その後、大磯町の長者町付近から山のほうへ向かって行く姿が目撃されたのを最後に、情報は途絶えている。市内では今年1月、4月、7月にも各所で猿が目撃されている。市環境政策課の端山さんは「おそらく離れ猿だろう。もし、猿に出会った時には、安全のためにも気づかないふりをすることが大事」と話していた。
(クマ対策会議:富山)
富山市のクマ対策会議が開かれ、今月下旬から来月中旬ごろがクマ出没のピークとみて、一層注意するよう確認しました。会議では、今年はクマの主食であるドングリなどが不作で、大量出没した2年前と同じ状況であるとして、平野部でもこれからより一層、注意するよう確認しました。また、富山市では、今月18日現在でクマの目撃情報が32件と多く、夏の猛暑でカキの実などが落ちてしまい、日中でもクマが平野部にエサを探しにきていることなどが報告されました。会議では、カキやクリなどの果実を落としたり、生ゴミを早めに処分するなど対策と注意を呼びかけることにしています。
(クマの出没相次ぐ:神奈川)
伊勢原市内で18日から19日にかけてクマの出没情報が相次ぎ、市が注意を呼び掛けている。市環境保全課によると、18日夕方、同市日向の雑木林で子どもとみられるクマ2頭が歩いているのを住民の男性が発見。20日に農協を通じて市に連絡があった。住宅から20メートルぐらいしか離れていない場所だったという。このほか18、19日に、約2キロ離れた同市子易の畑2カ所で、柿の木にクマとみられる爪痕やクマのものとみられるふんが発見されている。市は19日夜、花火による追い払いを実施。さらに、山の近くを歩く場合はラジオや鈴を携行し、音を出すよう呼び掛けている。9日には同市上粕屋のミカン畑でツキノワグマ1頭がイノシシ捕獲用のわなにかかり、丹沢山地奥山の鳥獣保護区内に放された。
(クマ注意、捕獲26頭:鳥取)
県内で今年に入り、ツキノワグマの捕獲が過去最多だった2010年に並ぶペースで推移していることがわかった。今年はクマの餌となるブナの実が大凶作となる見通しで、秋以降、人里近くでの出没が増える恐れも高く、県などが注意を呼びかけている。県公園自然課などによると、環境省のレッドリストで、東中国地域のツキノワグマは「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されており、県内でも保護の対象となっている。この一方で、人を襲ったり、果樹園など農林業に被害を与えたりすることから、県などは特定鳥獣保護管理計画に基づき許可制で殺処分するなど、共生に向けた被害軽減策も講じている。県の調査で、10年末で県内には250~400頭が生息していると推定され、現在ではさらに増えているとみられている。県が統計を取り始めた07年以降、クマの捕獲数は10年の134頭が最多だった。同年8月に鳥取市内の柿畑で男性(82)がクマに襲われて亡くなったことなどを受け、急激に捕獲数が増えたという。今年は5月以降、イノシシ用のわなにかかったが放った12頭を含む26頭(18日現在)が捕獲され、10年の27頭に並ぶ過去最多ペースで推移している。18日現在で7件だった昨年と比べ、3倍以上という。地域別で見ると、18日現在、八頭町が17頭、岩美町が5頭、鳥取市が3頭、若桜町が1頭だった。若桜町赤松地区では、集落に近い果樹園で電気柵を設けても3回以上侵入するクマがおり、同町が「危険性が高い」と判断し、3日に捕獲された。クマの出没が多い背景には、餌不足が影響しているとみられる。鳥取大地域学部の永松大准教授(保全生態学)によると、詳しい生態は判明していないが、夏場に加え、今秋は冬眠に備えて食べるブナの実がほとんどなっていない大凶作で、ミズナラも凶作という。一方で、人里近くに分布するコナラやクリは並作であることから、「山中にたくさん餌がある年と比べ、人里に下りてくる可能性は高い」と見る。県は今後、出没がさらに増える可能性もあるとし、「生息が判明している地域であれば、クマ鈴を付けて避けたり、地域でゴミの管理を徹底したりして、被害に遭わないように注意を」と呼びかけている。
(クマ目撃、過去5年間で最多の715件:北海道)
今年1~8月に道警が認知したヒグマの目撃件数は、前年同期比96件(16%)増の715件となり、過去5年間で最多だったことが18日、道警のまとめで分かった。専門家は猛暑による餌不足や、クマの個体数が増えた可能性などを指摘する。昨年は秋の出没が多かったが、今年は夏場に多発。札幌市内では8月以降、地下鉄駅近くの住宅街にもクマが頻繁に出没しており、道警は注意を呼びかけている。道警によると、今年の月別目撃件数は1~2月がゼロで、3月も同4件(50%)減の4件と冬期間は少なかったが、4月以降増加。4~8月は6月を除く各月で前年を上回っており、最多は7月で同80件(47%)増の251件。8月が同14件(9%)増の177件と続いた。
(実態調査で駆除法検討へ:沖縄)
石垣市議会(伊良皆高信議長)の9月定例会は21日、内野篤、知念辰憲、大石行英の3氏が一般質問に立った。当局側は、キジやクジャクなどの生息実態調査に乗り出すなど、有害鳥獣対策を強化する方針を示した。また、石垣島産パインアップルのブランド化は、不十分な取り組みが露呈した。海洋基本計画での尖閣諸島の位置づけも示された。有害鳥獣対策については新垣隆農水部長は「本年度は前年度の4.1倍の予算878万円の対策費を組み、駆除対策の強化に乗り出している」と報告。生息実態調査やキジ・クジャク捕獲箱120個の設置など対策を紹介した。質問した知念氏はカラス対策も訴え、多宇弘充農政経済課長は「カラスも含め、実態調査をして駆除の有効的な方法を探り、来年度から実施したい」と答弁した。パインのブランド化で市は昨年4月に産地認証マークの商標登録を行った。箱用シールや単品用シール、リーフレットを作成して今年2月から生産者と出荷者に対して使用を認めたが、使用申請はわずか1件。知念氏は「JAの出荷だけで42万個ある。明らかに取り組みが弱いと言わざるを得ない。もっとしっかり取り組むべきだ」と強く要求、新垣部長は「取り組みの弱さは重々反省している。認証マークを浸透させて利活用できるよう、いろんな角度から模索、研究したい」と述べ、立て看板やのぼり旗なども使用して積極的にPRしていく考えを示した。策定中の海洋基本計画については内野氏が尖閣諸島の位置づけを質問。吉村乗勝企画部長は「『尖閣諸島における取り組み』という節を設けて取り扱うことを検討している」と説明。自然環境保全活動、周辺海域の水産資源と海洋資源の調査・要請、安心な漁業活動に伴う必要な施設整備などについて検討を進めているという。大石氏は最終処分場の延命化について資源化率の向上を強く求め、崎山用育市民保健部長は「飲料缶以外の缶類についても分別方法や回収方法を検討して資源化を推進する」と応じた。市の資源化率は20.6%。目標設定を求められた崎山部長は「私の考えとしては30%を検討したい」と答えた。
(動物園で飼育しているニホンジカ1頭がいなくなる:愛知)
愛知・岡崎市の動物園で飼育しているニホンジカ1頭が、22日からいなくなっていることがわかった。おりは3メートルほどもあり、夜間には防犯センサーも作動しているという。失踪したのは、愛知・岡崎市の東公園動物園で飼育されているメスのシカ1頭で、22日午前7時半ごろ、餌をやりに来た飼育員が、シカの姿がないのに気がついた。シカは体長およそ1メートル、体重30kgほどで、年齢は15歳以上と推定される高齢のメスで、目も見えないということで、自力で脱走することは考えにくく、フェンスには穴が開いているような形跡もなかったという。また、鍵はかけられたままで、おりには侵入者を感知するセンサーも設置されているが、センサーが作動した形跡もなかったという。岡崎市動物総合センターの狩野弘生所長は「本当に突然消えてしまったということで、飼育員も非常にショックを受けておりますし、どういった状況で(失踪した)というのが、わからない状況です」と話した。前日の午後2時半には、飼育員が異常がないことを確認しているということで、動物園はシカが何者かに盗まれた可能性もあるとみて、警察に被害届を出した。
(ハバネロでイノシシ退治:佐賀)
太良町大浦の心身障害者授産施設「佐賀西部コロニー」(村井公道理事長)が、トウガラシの一種であるハバネロを使ったイノシシ撃退機を開発した。激辛のハバネロをさらにコショウやおがくずと混ぜて燃やし、煙でイノシシの嗅覚と気管を刺激、忌避効果を期待する。同コロニーは2009年から、地元の高齢者農家に海水ミカン・サツマイモの生産を委託。ところが、収穫期にイノシシの食害が発生し、栽培を断念する農家が出たことから対策に乗り出した。今年5月から開発に着手。イノシシの敏感な嗅覚に目を付け、刺激が強く辛さで有名なハバネロを使った。臭いだけでは慣れてしまう恐れがあるため、煙で喉を痛めさせる効果も見込む。撃退機は「猪キラーマン」と命名。外付けのガスとバッテリーで、本体にセットした混合物500グラムを1~2グラムずつ炎に落として15秒間燃焼、5分間停止の間隔で動かす。煙の及ぶ範囲は周囲約150メートル。本年度は畑に電気柵を設置していない委託農家10世帯に無料で貸し出す。村井理事長は「改良を重ねながら安心して営農できる環境をつくっていきたい」と話した。
(イノシシの足取り途絶える:長崎)
「駄目だ、食べとらんな」「カメラにも写ってない」―。19日夕、壱岐市郷ノ浦町のイモ畑で、イノシシの餌付けのために置いた餌とセンサーカメラを確認した県や市の担当者らは肩を落とした。8月にイノシシの姿が写真でとらえられた壱岐では、関係者が農作物への被害を防ごうと、捕獲に向けて躍起。だが足取りは途絶えており、行方に神経をとがらせている。壱岐は、県内2番目に広い平野がある有数の農業地帯。近年まで、イノシシはいないと考えられていた。だが2010年6月、同市郷ノ浦町の海岸で釣り人が上陸するイノシシらしき動物を目撃。その後、島の南部から東部にかけて足跡などの情報が20件以上寄せられた。市や県、JAでつくる壱岐地域鳥獣被害防止対策協議会(会長・江川常博JA壱岐市農産園芸部長)は、捕獲を試みたが、成果はなかった。今年2月から7月まで足跡などは見つからなかったが、石田町の水田で8月、半年ぶりに足跡を発見。同協議会は近くの山にセンサーカメラを設置したところ、イノシシ1頭の撮影に成功し、関係者は「一歩近づいた」と喜んだ。しかしそれ以降、足跡の情報は再び途絶えた。壱岐では、動物被害の苦い経験がある。01年閉園した民間の「壱岐リス村」(勝本町)から逃げたとみられるタイワンリスが野生化し繁殖。全島で樹木の皮をかじるなどの被害が、11年度までの累計で9千万円に上った。県と市は補助金を出し、1匹800円で引き取り、同年度は約7千匹を捕獲。しかし全滅は困難な状況だ。県農政課によると、イノシシは、ほぼ県内全域に生息。同年度の捕獲数は約4万2千頭で、踏み倒しや食害による被害額は約3億9800万円。被害の半数を水稲が占める。江川会長は「繁殖する前に、何としても捕獲しなければ」と気を引き締める。市農林課の山村俊久課長補佐は「市民からの情報が一番の手掛かり。怪しいと思ったらすぐに連絡をしてほしい」と呼び掛けている。
(木の実で「クマ出没予測」へ:中国地方)
広島、山口、島根の3県がツキノワグマの好むドングリなどの木の実の豊作・凶作調査を本年度から合同で始めた。近年、熊の目撃は山中に木の実が少ない年に増加する傾向にある。そのため、豊凶と出没の相関関係を明らかにする。毎年データを蓄積して熊の大量出没を予測し、住民への注意喚起に役立てる。ツキノワグマが恒常的に分布する中国山地西部の約7700平方キロで調査する。3県が各県域を受け持つ。対象樹種はコナラ、シバグリ、クマノミズキ。島根はブナ、ミズナラも加える。エリアを10キロ四方で約110に区分し、区画ごとに選んだ各樹種3本ずつの調査木を目視で毎年調べる。島根の実務を担当する県中山間地域研究センター(飯南町)によると、目視でカウントした樹上の実の数を基に、落下する実の密度(一定面積内に落ちる実の数)などを推定する。目視調査は各県とも今月内で終える。木の下に網を設けるなどし、実際の落下量や虫食いなど実の状態も9~11月に調べる。3県での近年の熊の目撃件数は2008年度1244件、09年度448件、10年度2466件、11年度813件。隔年で大きく増減している。同センターの沢田誠吾主任研究員は「島根での感覚的な木の実の作況は08年度『凶』、09年度『豊』、10年度『凶』、11年度『並』。山の餌の量が出没と関連しているとみられる」と話す。出没予測は一定のデータのそろう3年程度後からになる見通し。調査は、3県でつくる「西中国山地ツキノワグマ保護管理対策協議会」の科学部会で協議し、実施を決めた。
(ニホンジカ、10年で倍・生息域4倍:千葉)
千葉県内でニホンジカが急増し、生息域は01年の440平方キロから、11年の1772平方キロへ10年間で約4倍に拡大した。かつては山林が多い鴨川市や君津市など房総半島南部でしか生息が確認されていなかったシカが、最近は千葉市のすぐそばにまで迫っている。推定生息数も10年間で約2倍、過去最多の7700頭にまで増大。急激な増加は生物多様性など生態系への影響や農業被害にもつながりかねず、県は対策を迫られている。ニホンジカはかつて絶滅の恐れがあるとされ、1947年、国によりメスの捕獲が制限された。その結果、全国的に繁殖が拡大し、今度は逆に適正頭数を大幅に超過。これを受け、県は04年に保護管理計画を策定し、捕獲により適正頭数の維持を目指してきた。県が11年までに行った調査によると、生息域の南限はこれまでの鴨川市から館山市まで南下。北限では市原市内で南部から千葉市に隣接する北部にまで北上し、生息自治体数は8市町から20市町村に拡大。耕作放棄の畑や山林が増えたことや、温暖化でシカが生息しやすい環境になったことが影響しているとみられている。推定生息数も、11年は01年比約4000頭増と過去最高頭数にまで増殖し、県が生態系保護のために目標に掲げる1000〜1500頭をはるかに超えている。しかし、高齢化でハンターが減少していることなどから11年の捕獲頭数は2670頭にとどまり、捕獲が追いつかないのが現状だ。県はこの異常繁殖に頭を抱えるが、これまで、農業被害が2億円超のイノシシ対策に追われ、被害額が550万円程度のニホンジカ対策は後回しにされてきた。しかし、このままニホンジカの繁殖増を許せば、森の草木や花芽が食べ尽くされるなどの食害で生態系のバランスが崩れる恐れが増大している。こうした危険から、県は、これまで11月〜2月の狩猟期間中に1人20頭までに制限されていた網・わな猟の狩猟規制を1人30頭までに緩和。目標捕獲頭数も昨年より約500頭多い2800頭に設定した。県自然保護課は「新たな農業被害につながる可能性もあるので、捕獲を強化していきたい」と話している。
(シカはミツマタ嫌い?:徳島)
那賀町の木沢林業研究会などは、紙幣の原料となるミツマタがシカの食害防止に役立つかどうかの調査を近く始める。山林でミツマタが食べられずに成長していることに着目し、スギとの混植やミツマタの成分分析で効果を確かめる。成果を今後の植林に生かし、食害に悩まされる林業の活性化につなげる考えだ。主に調査に取り組むのは、研究会と徳島文理大学、県森林林業研究所、町、県の5団体。県の「とくしま集落再生プロジェクト」に採択され、「シカと共生するミツマタの森づくり事業協議会」を設立した。那賀町掛盤の民有林4ヘクタールを試験区に設定し、ミツマタ6千本、スギ500本を植える計画。スギの苗木を単独で植えた場合と、ミツマタで取り囲むように植えた場合とで被害状況を比較する。ミツマタ単独でも植え、シカが雑草を食べて下草刈りの手間が省けるかを確かめる。効果が確認できれば、混植での植樹を増やしていく。徳島文理大では、町内で採取したミツマタの枝や葉に含まれる成分を分析。シカが嫌う物質を突き止め、防護ネットに塗るなどして食害防止に活用する。県内のシカによる食害は近年深刻化。研究会は、紙幣の原料として需要のあるミツマタがシカの食害に遭わないことから、2011年夏ごろから山間部での新たな収入源にしようと栽培に取り組んでいる。研究会の亀井廣吉会長(63)は「2、3年は観察しなければいけないが、うまくいけばミツマタが山間部の救世主になる。シカと共生できる山づくりを進めたい」と話している。
(シカ捕獲にIT駆使:三重)
大台町滝広区で、パソコンや携帯電話などの端末を使って囲いわなを遠隔操作し、ニホンジカを捕獲する実験が始まった。ニホンジカの農業被害に悩む住民たちの負担が軽減されると同時に、確実な捕獲につながると期待されている。囲いわなは区内の休耕田に設置した。八メートル四方で高さは二メートル。ニホンジカは柵沿いに歩く習性があることから、集落の周りに張り巡らされた侵入防止柵の一部を取り除き、おりまで進入路を新設。わなの中に牧草などの餌を用意しておびき寄せる。わなの上部にはカメラを設置。パソコンや多機能携帯電話(スマートフォン)などから二十四時間監視できる。ニホンジカがおりの中に入ったことを確認して端末の画面を操作すると、入り口上部に巻き付けられている扉が閉まる。太陽光パネルとバッテリーが動力だ。システムは、県農業研究所(松阪市)と鳥羽商船高専(鳥羽市)、電子機器設計開発「アイエスイー」(伊勢市)が共同開発した。「まる三重ホカクン」と呼ばれる。今回の実験では、わなの免許を持つ町産業課の中井辰徳さん(30)が操作する。獣害対策に積極的に取り組む滝広区の住民グループ「和(なごみ)会」のメンバーが、おりの見回りなどを担当する。滝広区は六、八月にニホンジカを七頭捕獲したが、依然として四頭が区内に生息するとされる。中井さんは「大量捕獲ではなく、被害を出す個体を確実に捕獲して減らしていきたい」と話した。町や地元猟友会などでつくる町獣害対策協議会は、滝広区のように住民を挙げて獣害対策に取り組む集落で今後、このシステムを導入していく考えだ。
(シカ害対策、これシカない?)
全国各地で深刻化するシカ被害。高知県も例外ではありません。ニホンジカによる農林業被害は2011年度が約1億2400万円で、防御柵の総延長は1939キロで北海道・知床から鹿児島の直線距離に匹敵します。現在高知県内に生息するシカは推計約10万頭。適正生息頭数とされる9200頭の10倍以上に達し、さらに出産で毎年2割増えるといいます。シカ対策は「攻め」と「守り」です。「攻め」とは「捕獲」。県は08年度から1頭につき8千円の報奨金を出すなどの助成制度を整備した結果、07年度の捕獲数4710頭から11年度は1万1364頭と過去最高になりました。しかし、捕獲数も狩猟者の数や年齢を考えると頭打ちは必至とあって、12年度は「守り」つまり、寄せ付けない取り組みも強化することにしました。具体的には鳥獣被害対策専門員のJAへの配置を開始し、被害の実態把握や「鳥獣に強い集落づくり」への助言など機動的に動ける相談員です。シカ対策には、鹿肉を使ったホットドッグ「シカドッグ」が地元で人気になったり、勉強会を開いたりすることで地域活性効果もあるそうですが、やはり、シカとの戦いは続けるシカないようです。
(拳銃譲渡容疑で社長逮捕:北海道)
札幌市東区のスーパーで起きた強盗傷害事件に使われた拳銃を暴力団員に譲り渡したとして、北海道警札幌東署などは21日までに、銃刀法違反(譲り渡し)容疑で愛知県岡崎市緑丘、会社社長鈴木誠容疑者(54)を逮捕した。同署によると、「仲介しただけだ」と容疑を否認している。逮捕容疑は2010年11月中旬ごろ、埼玉県内の高速道路のパーキングエリアで、拳銃1丁と実弾8発を指定暴力団組員の男に40万円で譲渡した疑い。
(交番で拳銃暴発:静岡)
二十三日午前四時ごろ、沼津市浅間町の沼津署本町交番二階休憩室で、当直勤務中だった地域課の男性巡査(21)が拳銃を保管庫に入れる前に取り扱いを練習していたところ、誤って実弾一発が発射された。交番にほかに人はおらず、けが人はなかった。同署によると、休憩室の畳に弾がめり込んでいるのが見つかった。巡査はパトロールから午前三時半ごろ帰り、仮眠のために休憩室に入った。拳銃の撃鉄を引いても発射しなかったケースを想定し、銃を安全に元の状態に戻す練習をしていた。銃は回転式で弾五発が装填(そうてん)されていた。銃の取り扱いは月に一回程度、署の道場などで訓練する機会があり、通常は一人で練習しないという。近所の男性(75)は「音は聞こえなかったけど、怖いので、拳銃はしっかりと扱ってほしい」と不安な表情で話した。荒秀男副署長は「市民に不安を与えて申し訳ない。拳銃の取り扱いの訓練を徹底し、再発防止に努めます」と話した。
(巡査部長が起訴内容認める:愛知)
真正拳銃を隠し持っていたほか、拳銃形の催涙スプレーで並走車の運転手を脅したとして、銃刀法違反(加重所持)や脅迫などの罪に問われた愛知県警運転免許課の巡査部長、遠藤孝被告(50)=岐阜市学園町=の初公判が18日、名古屋地裁(後藤真知子裁判長)であり、遠藤被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は冒頭陳述で「少年時代から銃器に強い興味があり、米国の警察官にあこがれて昨年秋ごろから車を改造して銃を積み込むようになった」と指摘。「速度違反の車を見つるとサイレンを鳴らすなど威嚇をしていたが、被害者には威嚇が効かず、次は催涙スプレーで脅そうと決め犯行に及んだ」と述べた。

TOPへ

9/18
(熊の出没について:宮城)
16日午前8時40分頃、登米市東和総合支所から「付近住民が、午前5時頃会社に出勤途中、水田のあぜ道で立ち上がっていた熊を発見した」旨の通報を受理した。午前9時10分頃、付近のりんご園を確認したところ、つがるリンゴ約100個が食害の被害にあっている状況を確認したもの。熊の捕獲については、宮城県東部地方振興事務所と登米市東和総合支所で検討中である。
(基準超セシウム、シカ肉から検出:岩手)
県は13日、陸前高田市と住田町で捕獲されたシカ計3頭の肉から食品の基準(1キロあたり100ベクレル以下)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。検出値は110~584ベクレル。県内のシカ肉については、7月26日付で国の原子力災害対策本部から出荷制限の指示がでている。県は県南を中心に10月までシカやクマ、鳥類の放射性物質の測定を続ける予定。
(秋田新幹線、子グマをはね到着8分遅れ:秋田)
16日午後1時50分頃、秋田市河辺神内のJR奥羽線羽後境駅―大張野駅間で、下りの秋田新幹線こまち21号が線路上にいたクマ1頭をはねた。乗客らにけがはなかった。列車は車両点検のため近くの和田駅で停車し、秋田駅到着が8分遅れた。秋田東署の発表によると、はねられたのはツキノワグマの子グマ(体長約80センチ)で、線路上で死んでいるのが見つかった。現場近くでは6月にも、秋田新幹線がクマ3頭をはねる事故が起きている。
(渓流釣りの男性、クマに襲われけが:山形)
15日午後0時25分ごろ、米沢市入田沢の「道の駅田沢 なごみの里」近くの鬼面川左岸で、渓流釣りをしていた川西町の男性会社員(53)がクマに頭をひっかかれた。左側頭部から後頭部にかけて切り傷を負い、市内の病院で手当てを受けたが、軽傷という。県内で人がクマに襲われてけがをしたのは今季初めて。米沢署によると、男性は午前11時ごろから上流に向かって移動しながら釣りをしていた。後方から物音がしたため振り返ったところを右前足でひっかかれた。クマは体長約1.7メートルで、その後、川を渡って東側の山中に入っていったという。男性が119番通報し、駆け付けた米沢消防署レスキュー隊員が救助した。男性は25年ほど渓流釣りの経験があり、現場周辺にも何度か訪れていたという。クマ鈴を携帯していた。現場は国道121号に面する道の駅から約100メートル東側で、国道との高低差は50メートルほど。近くに住む自営業男性(56)は「釣りをする人はよく見かけるが、下はクマの縄張りのようになっているところもある。地元の人間でも怖くて近づけない」と話した。
(イノシシわなに子グマ掛かる:栃木)
15日午前11時ごろ、塩谷町下寺島の田んぼ脇のあぜ道で、イノシシ捕獲用のわなにツキノワグマ1頭が掛かっていると、同町役場に届け出があった。矢板署によると、現場近くで親グマとみられるクマも1頭発見。近くに人家があるため、同役場から依頼された地元猟友会が午後3時25分ごろ2頭を射殺した。クマは体長81センチ、体重約20キログラムと、体長108センチ、体重約60キログラム。
(イノシシ、海を渡り被害拡大:三重)
鳥羽市の離島の答志島で、イノシシに菜園や稲田などを荒らされる被害が、全島に拡大していたことが、市農水商工課の調べで分かった。同島のイノシシは3年前、本土から泳いで渡ったとされ、これまでは被害は西側の桃取地区に集中していた。被害が多発しているのは、東側の答志と和具地区にまたがる大畑(おばたけ)。古代の役所跡の隣接地で、島内では比較的平地が多く、イモ畑や菜園などの大半が掘り返されるなどして荒らされた。答志地区西側の大答志では、沢沿いの湿地帯の樹木や雑草が軒並みなぎ倒されていた。ミミズなどを狙って地面を掘り返したらしい。また、島で最初にイノシシが目撃された桃取地区は、引き続き稲田を荒らされる被害が出ているという。同島では、島内で生まれたばかりのウリ坊を引き連れたイノシシ一家が歩いて行く姿を目撃したり、体長1メートルほどの親イノシシを見かけた島民もいるという。市農水商工課は「被害は全島に拡大した」とみている。鳥羽市の離島の答志島で、イノシシに菜園や稲田などを荒らされる被害が、全島に拡大していたことが、市農水商工課の調べで分かった。同島のイノシシは3年前、本土から泳いで渡ったとされ、これまでは被害は西側の桃取地区に集中していた。被害が多発しているのは、東側の答志と和具地区にまたがる大畑(おばたけ)。古代の役所跡の隣接地で、島内では比較的平地が多く、イモ畑や菜園などの大半が掘り返されるなどして荒らされた。答志地区西側の大答志では、沢沿いの湿地帯の樹木や雑草が軒並みなぎ倒されていた。ミミズなどを狙って地面を掘り返したらしい。また、島で最初にイノシシが目撃された桃取地区は、引き続き稲田を荒らされる被害が出ているという。同島では、島内で生まれたばかりのウリ坊を引き連れたイノシシ一家が歩いて行く姿を目撃したり、体長1メートルほどの親イノシシを見かけた島民もいるという。市農水商工課は「被害は全島に拡大した」とみている。
(居座るクマ、知床困惑:北海道)
クマの出没が各地で相次ぐ中、世界自然遺産・知床でも今夏は例年にないほどヒグマが姿を現し、関係者を驚かせている。観光名所の知床五湖は地上遊歩道の閉鎖が続き、8月は終日開放できた日が1日もなかった。13日にもヒグマが出没、地上遊歩道は閉鎖となり、知床財団は警戒を強めている。知床五湖は5月10日~7月31日がヒグマ活動期で、ツアーガイド(有料)の同行が義務づけられている。この間、今年は約7550人がツアーに参加したが、ヒグマとの遭遇回数は57回で、39回のツアーが中止となった。前年度は遭遇が27回、中止が24回だった。夏になるとヒグマは例年、標高の高い山奥に移動することから、地上遊歩道は8月1日からはガイドの同行の必要がない植生保護期(10月20日まで)になる。ところが今夏はヒグマが知床五湖周辺から離れず、8月の地上遊歩道の終日閉鎖は15日間、一時開放が16日間で、終日開放できた日はなかった。昨年8月は、緊急閉鎖が1回あっただけで、終日閉鎖は1日もなかった。今年9月は8日までは終日閉鎖か一時開放といった状況だったが、9日から終日開放できる日が続き、例年に戻るかと思われた。しかし13日午前10時40分ごろヒグマが現れたことから、地上遊歩道は閉鎖となった。知床財団によると、知床五湖周辺では8月に入っても母子グマなど4、5頭が居続けた。高架木道からの目撃も7月ごろからほぼ毎日のようにあり、観光客への慣れもみられるようになったという。ヒグマの目撃件数は知床五湖周辺に限らず激増している。斜里町内での目撃件数は過去最多だった2005年度の857件を大幅に上回り、8月末で1315件。同財団の秋葉圭太さんは「ヒグマの個体数が急激に増加したとは考えにくい。気候の影響があるのかもしれないが、原因はわからない」と話している。
(またクマ出没、通学路警戒呼び掛け:岐阜)
12日午前8時45分ごろ、高山市久々野町久々野の市道沿いで、住民から「クマを目撃した」と、市に連絡があった。市と地元猟友会、高山署などが付近を捜索、1頭を発見したが、クマは山へ逃げた。現場は通学路になっていることから、市は約2キロ区間を通行止めにし、警戒を呼び掛けている。市などによると、現場は市道沿いに民家などが点在し、市道は小学生の通学路。目撃情報は、11日午後5時ごろと、12日午前6時30分ごろにもあった。クマは発見時、市道沿いのクルミの木の上にいたといい、駆け付けた猟友会員が2発発砲。1発が命中してクマは木から落ちたが、そのまま雑木林へと逃げたという。猟友会員や市職員、高山署員ら計約20人が捜索したが、発見できなかった。クマは体長約1メートルで、2~3歳とみられる。市は同日、安全のため小学生をスクールバスで送迎した。市内での今年のクマの目撃情報は8月末現在、171件。前年同期の92件と比べ大幅に増加している。目撃した男性(60)は「クマは木の上でバリバリと大きな音をたてながらクルミを食べていた」と話しており、木にはクマが実を食べる際、枝を折って腰を降ろした跡「熊棚(くまだな)」が多数見られた。市は13日、午前8時30分からパトロールして警戒に当たる。
(クマ3頭の目撃情報:新潟)
16日午前10時22分ころ三条署に三条市北五百川地内でクマを目撃したという通報があった。通報によると、田んぼで作業中に親子と思われる体長約1.6メートル1頭、同約0.8メートル2頭の計3頭を目撃した。目撃された場所から民家までは約30メートルと近接していることから、三条署と三条市では付近住民などに注意を呼びかける広報と警戒活動を行っている。
(クマ3頭目撃:新潟)
15日午前10時半前、三条市北五百川の田んぼで、農作業中の住民がクマ3頭を目撃し、三条署に通報した。クマは山の方向へ逃げていった。同署によると、体長は1頭が約1・6メートル、2頭が約0・8メートル。現場は最寄りの民家から約30メートル。同署と市では住民に警戒を呼び掛けている。
(クマの親子?目撃:群馬)
十三日午前九時ごろ、沼田市柳町の寺久保坂(市道)で、親子とみられるツキノワグマの目撃情報があり、沼田署を通じて市農林課に連絡が寄せられた。現場は、沼田の中心市街地から北へ約五百メートルと極めて近く、そばには寺院や幼稚園、多くの住宅もあるため、市では担当職員が現地調査を行う一方、市の防犯・防災メールで市民に情報を発信。市の広報車で周辺住民に注意を呼び掛けた。同市教育委員会も市内全二十二の小中学校と五つの市立幼稚園に緊急ファクスで連絡。現場に近い沼田北小と沼田小には電話でも伝えた。クマが何頭いたかなど詳しくは分かっていないが、目撃情報によると、二頭以上で、大きさの違いから親子の可能性もある。市によると、今年はクマの生息する北部山間部で餌となる木の実の生育が悪く、トウモロコシなど農作物を求めて続々とクマが山を下りてきているようだ。八月に入ってから連日のようにクマの目撃情報が市に寄せられており、市農林課の担当職員は「今年は例年に比べクマの出没が多い。外出時にはクマよけの鈴などを携帯し、クマを見かけたら警察か市役所に連絡してほしい」と話している。
(クマ情報:富山)
15日午後5時ごろ、高岡市東海老坂の畑で、地元住民がクマのものとみられる足跡を見つけ、高岡署を通じて市に連絡した。市職員が16日、クマの足跡と確認し、周辺をパトロールするとともに、自治会や小中学校、保育園に注意を呼び掛けた。
(クマ情報:富山)
14日午前10時半ごろ、富山市山田沢連の山林で付近住民がクマ1頭を目撃し、市に連絡した。市によると、クマはそのまま山林の中へ消えていったという。市猟友会員らが現地を確認したが、痕跡はなかった。
(クマ出没に注意:山梨)
山梨県内で、クマに人や家畜が襲われるなどの被害が相次いでいる。先月は北杜市などで養鶏場の鶏や果樹が食べられる被害が続出。7月には散歩中の人らが襲われ、重傷を負うなどの被害もあった。本年度の目撃情報は約2倍に急増。餌となるドングリなどが山中で不足しているためとみられ、各市町村は捕獲用のわなを仕掛けたり、ホームページで目撃情報を公開したり、対策に懸命だ。県はキノコ狩りやハイキングなど秋の行楽が本格化するのに合わせ、注意を呼び掛けている。
(クマの目撃情報多発:山梨)
県内で今年度、ツキノワグマの目撃が増えている。8月末現在までの目撃件数は111件と、すでに昨年度の81件を超え、捕獲頭数も昨年度の15頭に迫る13頭に上っている。散歩中にクマに襲われてけがをする事故も発生しており、専門家は注意を呼びかけている。県みどり自然課によると、これまでに人がツキノワグマに襲われたのは3件。5月に甲府市内の山林近くの水田で、水量調整をしていた男性が突然体長約1メートルのクマに襲われ、頭や顔にけが。7月には、北杜市内の大武川沿いの砂利道で犬の散歩をしていた男性▽道志村の林道で散歩中の女性−−が襲われた。男性は頭の骨を折る重傷を負った。県内の自治体などに寄せられた目撃情報は、4月1件▽5月10件▽6月25件▽7月30件と増加。8月は45件だった。場所は甲府市、北杜市、富士吉田市、山梨市、上野原市、身延町など各地に広がっている。
(クマ出没:栃木)
15日午前6時40分ごろ、日光市所野の霧降高原山林で、写真撮影のため歩いていた旅行者が、散歩道から約10メートルの地点でクマ1頭を目撃し、日光署に通報した。クマは体長約1メートル。現場は県道の高原橋バス停から北に約200メートル入った地点で、付近には宿泊施設や別荘が点在している。
(クマ出没、登下校時警戒:兵庫)
13日午前7時ごろ、豊岡市出石町福住の県道を横断するクマを、登校中の出石中学校の男子生徒(12)が目撃した。豊岡南署によると、クマは体長約1メートル。パトカーで巡回して住民に注意を呼びかけている。現場は出石中(同市出石町弘原)の近く。同校は全生徒にクマよけの鈴を配布。教諭が登下校時、現場付近を巡回して警戒する。
(クマに注意、ドングリ少なく出没増える恐れ:岐阜)
ツキノワグマの餌となるドングリが少なく、餌を求めるツキノワグマの出没が県内で増える恐れがあるとして、県は13日、注意喚起を始めた。県によると、標高が高い地域に分布するブナの実が全県で極端に少なく、ミズナラやコナラの実も少ない状態という。クマの目撃情報は今年4月から8月までで282件と、1年間で833件あった2010年度の同時期(234件)より多く、すでに昨年度1年間の242件を超えている。紅葉狩りやキノコ採りなどで山に入る機会が増える時期が近づいていることから、県は、クマの目撃情報を地図で示した「クママップ」をホームページに掲載。入山の際はラジオや鈴など音の出るものを持って行くよう呼びかけている。県清流の国ぎふづくり推進課によると、ブナは豊作と凶作を繰り返しており、今年は凶作の年にあたる。同課では「ツキノワグマが里山の栗や柿などを求めて人家に近付く可能性が高まっている。生ごみや収獲した果物の残りを屋外に放置しないことが大切で、果実は残さず収獲し、不要な木は伐採するなど、ツキノワグマを集落に近づけないよう心がけてほしい」と話している。
(「運動場にクマ、逃げろ」小学校で訓練:富山)
富山市福沢小で13日、クマ対策避難訓練が行われた。休み時間にクマがグラウンドに現れたとの想定で、全校児童36人が校内2階のプレイルームへ避難した。山間部に位置する福沢小は、校下でクマの目撃が相次ぐ。2010年11月には、実際にグラウンドにクマが出没している。避難訓練後、クマの習性などを学ぶ講義が行われ、県自然保護課の間宮寿賴主任が、柿の木に近づかない、目撃例の多い朝夕に気を付けるよう呼び掛けた。間宮さんは今年は木の実が凶作でクマが餌不足となっていることを説明、とりわけ注意するよう促した。4年の吉川万優子さんは「山の中で友達とよく遊ぶので、気を付けたい」と話した。
(クマ大量出没懸念で厳戒:富山)
今秋、富山県内でツキノワグマが大量出没する懸念が高まっている。餌の木の実が凶作なためで、12日も富山など3市で姿や痕跡が相次ぎ確認された。県内のホームセンターは、例年より前倒しでクマ対策商品の特設コーナーを設置し、品切れの店も出始めた。クマ対策訓練を計画する小学校や隠れ場となる茂みの草刈りを自主的に行う自治振興会もある。県は大量出没した2010年に匹敵する恐れもあるとして注意を呼び掛けている。カーマホームセンター富山本郷店(富山市)では、例年より2週間ほど早い9月上旬から、鈴やスプレーなどのクマよけグッズに関する問い合わせが入った。同店では例年より1カ月早い8月末から特設コーナーを設けて対応している。コメリハードアンドグリーン大沢野店(同市)でも、8月からクマの対策グッズが売れ始め、現在は品切れの状態となっている。一方、富山市大山地区の福沢小は、13日に全校児童を対象にクマの出没を想定した避難訓練を行う。10年11月には同校のグラウンドで実際にクマが目撃されていることもあり、西田純子教頭は「危険な場合には、保護者に車での送迎を要請したい」と話す。また、福沢小に近い富山市月岡地区では、月岡校下自治振興会が主体となり、30日に熊野川沿いの約1キロで堤防上の草刈りを行う。中野義博副会長(71)によると、ここ数年、河原は草刈りの効果で見通しはよくなり、クマの目撃情報は寄せられていないが、「個体が確認されれば、消防のパトロールにも協力したい」とする。県内のクマ出没数は県が統計を取り始めた2005年以降、年間最多は10年の1387件、06年の922件と続く。10年は10月だけで685件に達しており、クマの主食と考えられるブナなどが今年も同様に凶作であり、今年も大量出没の可能性がある。県は既にツキノワグマの出没注意報を発令しており、「柿やリンゴなどクマを誘う果実は早めに収穫してほしい」(自然保護課)としている。12日は富山、南砺、魚津市でクマの目撃、痕跡情報が計4件あった。午前8時ごろ、南砺市立野脇の県道近くで、クマがクリや柿の実を食べたとみられる跡が見つかった。同9時53分ごろ、富山市岡田の県道で、子グマを目撃したと付近住民が通報。午後5時10ごろ、魚津市鉢の立山ファーム付近の県道で、体長1メートルほどの成獣が目撃された。同5時15分ごろにも南砺市大崩島の市道近くで、クマがクリを食べた跡が見つかった。
(サル被害で早々に稲刈り:石川)
白山ろくのある地区では、17日、当初の予定よりも1週間前倒しで稲刈りが行われた。急いで稲刈りをすることになったのには、ある理由があった。白山市木滑地区。過疎に悩むこの地域では、住民たちがおととしから企画会社とともに耕作放棄地を開墾し、肥料も農薬も一切使わずコメを栽培している。ところが、9月に入ってサルの被害に悩まされ始めた。電気柵も設けているが、柵を乗り越えて稲を食べに来ているようだ。17日はプロジェクトのメンバーら約20人が昔ながらの「手刈り」で稲を刈り、またサルに食べられないようにと、田んぼから少し離れたハサに干していた。稲は1週間干したあと、10月8日にこちらの地域で開かれるイベントで販売される予定だ。
(2人に軽傷の逃亡サル、捕まる:静岡)
静岡県富士宮市万野原新田の造園業男性(81)宅の檻おりから逃げ出し、2人に軽傷を負わせたオスのニホンザル(体長約60センチ)は12日早朝、同市が前日に男性宅に仕掛けた檻(縦80センチ、横1・5メートル、高さ1メートル)の中に入っているのが見つかった。富士宮署の発表などによると、12日午前6時20分頃、男性宅近くで犬の散歩をしていた別の男性が檻の中のサルに気づき、飼い主の男性に知らせたという。市が仕掛けた檻はサルが中に入ると自動的に扉が閉まる仕組みで、檻の中には好物の果物を置いていた。檻の中のサルはうなだれた様子でおとなしくしているという。飼い主の男性は「逃げ回って疲れてしまったのだろう」と話した。野生のニホンザルを自治体の許可なく飼育することは鳥獣保護法で禁じられているが、男性は無許可で飼育していたとみられる上、サルが逃走中に2人に軽傷を負わせたことから、富士宮署は過失傷害と鳥獣保護法違反(違法捕獲鳥獣の飼養)の疑いで事情を聞くという。
(住宅街でサル、林の中で枝揺さぶる:山口)
宇部市恩田町2丁目の住宅街で11日午後1時ごろ、野生のサルが目撃された。宇部日報社の男性社員(31)が、コープやまぐち宇部店の駐車場で、隣接する林の中でサルが枝を揺さぶっているのを目撃。カメラを向けたところ逃げ去ったという。市産業経済部農林振興課林務係によると今年になって恩田、川上、西岐波、常盤、小羽山の各校区で計15件の目撃情報が寄せられている。被害はない。毎年、ほぼ同数の目撃情報がある。群れからはぐれたサルが人の生活圏に出没することがあるが、通常、山に帰るという。ただ、餌付けすると居座ることがあり、餌を与えたり見せたりしないよう呼び掛けている。サルに近づかない、目を合わせない、戸締まりをきちんとすることも重要という。目撃したら同係(電話67─2819)に通報してほしいとしている。
(雑木伐採でクマ出没を抑止:富山)
とやまの森づくりボランティアの集いが15日、魚津市の魚津桃山運動公園で開かれ、約150人が孟宗(もうそう)竹や雑木の繁茂する散策広場を整備した。有志による大規模な人海作戦となり、クマが出没しにくい明るい森にした。参加者は県民参加の森づくりを進めるとやまの森づくりサポートセンターの登録団体を中心に富山、砺波、高岡市からバス4台で訪れた。荒れた里山に鳥獣類が増えた現状をサポートセンターの祖川信一所長が開会式で話し、城木一郎県農水部次長が激励。2班に分かれた一行は竹や木を次々と切り出し、チッパー機で粉砕した。集いは、毎年9月第3日曜の全国「森林ボランティアの日」に呼応して開かれ7年目。今年はクマの出没が目立ち、NPO地域福祉協会、開木の里山を守る会などが活動する魚津を対象とした。「森の勉強会」も開かれた。
(シカ皮の魅力発信:北海道)
根室青年会議所(魚谷直世理事長、略称・根室JC)は、低利用資源でもあるシカ皮を使ったファッションイベントを企画している。根室発のブランドの足がかりに―というもので、元島民2世で根室出身のファッションデザイナー加藤徹さんらの協力を受け、衣服のデザインとモデルを募集している。11月にはファッションショーを開いてシカ皮の魅力を発信する。
(10万匹に1匹!?白いイノシシ見つかる:佐賀)
浜玉町平原の山あいで、白いイノシシが見つかった。同町の猟師・芹田勝さん(69)は「10万匹に1匹いるとうわさでは聞いていたが初めて見た」と目を丸くする。唐津猟友会会員の芹田さんがタマネギ畑に仕掛けたわなにかかっていた。メスで体長80センチ体重50キロほど。農家からの依頼で50年近く有害鳥獣を駆除してきたが、白イノシシを見たのは初めてという。芹田さんは原因に色素欠乏症の可能性を挙げつつも、同じ平原地区で白いサルやカラスを目撃した経験に触れ、「平原にはマテの実があってサルもカラスもイノシシも食べている。何か関係があるのかも」と首をかしげる。
(農林業被害防止にわな講習会:長野)
野生獣による農林業などへの被害防止に向けた狩猟者の確保と捕獲技術の向上を図るために22日午前9時から東御市役所別館4階大会議室で講習会が開かれる。上小地区に住み、わな猟免許を取得したい人やわな猟免許取得者で技術の向上を目指す人が対象で、当日は上小猟友会のメンバーが講師となり、くくりわなで鳥獣を捕獲する際の注意事項、くくりわなの設置場所の選び方、安全で確実なくくりわなの仕掛け方などを学ぶ。定員は50人で受講料は無料。
(シカの食害から回復:兵庫)
シカによる食害で7月に壊滅的な被害を受けた兵庫県香美町村岡区黒田のハス園「笠波蓮華園」で、残っていた株から葉や茎が伸び、約1カ月半遅れで花を咲かせた。地元の住民らも「泥の中に生えて、あれだけきれいな花を咲かせるだけある」とハスの生命力の強さに驚き、喜んでいる。ハス園は、地元の山根亀久二さん(66)が2枚の休耕田計20アールで育て、6年前から公開してきた。ところが、今年はうち16アールの休耕田がシカの被害を受け、葉や茎を根こそぎ食べられてしまった。山根さんが将来の復活を目指して、ハスの種を植えた8月ごろから、茎や葉が伸び始め、現在、葉は8割程度まで回復している。さすがに花芽は少なく、例年の1割程度の約160本にとどまっているが、順次、清らかな花を咲かせ、訪れる地元の住民らを楽しませている。「回復の早さにびっくりした。約2年後の復活を考えていたが、来年には十分、花が楽しめそう」と山根さん。20日すぎごろまでが見ごろといい、「ちょうどお彼岸に合わせて咲いてくれた。ぜひ見に来てほしい」と話している。
(クマ出没多発、警戒を:滋賀)
県内のツキノワグマの出没件数が増えている。十四日までの県のまとめで、クマが目撃されたり捕獲されたりした件数は五十九件に上り、過去五年では、全国的に出没が問題になった二〇一〇年に次ぐ多さ。冬眠に備えてえさを探し回る秋には毎年出没が多発しており、県などが警戒を呼びかけている。県によると、今年のクマの出没件数は六月までは十件以下で推移していたが、七月に十二件、八月に十七件と増加。九月も十四日までに七件報告されている。地域別には、湖北地方が二十五件、湖西地方が三十三件で、例年見つかることが少ない三重県境のエリアでも一件確認された。八月二十八日には、これまで見つかっていなかった大津市の比叡山の山麓で、ツキノワグマ一頭が大型獣駆除目的で仕掛けたわなにかかった。相次ぐクマの出没の背景には、生息地でのえさ不足が考えられる。今年はクマが主食とするドングリの実りが不作とみられているほか、実を付けるナラやミズナラなどの木々が、害虫の侵入で一斉に枯れる「ナラ枯れ」の被害も進んでいる。猛暑などの影響でナラ枯れの面積が過去最高を記録した一〇年には、ドングリの不作も重なり、冬眠に備えるシーズンの九~十一月に二百五十三件の出没報告があった。今年も状況が似ていることから、今後、さらに出没件数が増える可能性がある。特に目撃例が多い県北部の木之本署では、目撃箇所を記した地図を作製。地元の釣り客らに配布したり観光客が立ち寄るレンタルボート店やコンビニなどに貼って注意を促している。県は、山に入る際には鈴など音の出るものを身に付けることなどを呼びかけており、担当者は「若いクマは、人里に好奇心で下りてくることもあり注意が必要。子グマだけいるように見える場合でも、近くには親グマがおり、近づいてはならない」と話す。
(クマ対策、人とのすみ分け目指す:長野)
広い山林に生息し、豊富な野山の実りを餌にしているツキノワグマは、自然の豊かさを示すシンボル的存在です。一方で大型で力の強い動物なだけに、人里へ現れると、事故や騒動につながることもしばしばです。人間もクマも安心して暮らせるよう、日本有数の別荘地・長野県軽井沢町で「クマを引きつける原因」を取り除く取り組みが進められています。軽井沢町のごみ集積所で、ツキノワグマが目撃されるようになったのは1990年代の末ごろです。週末だけ別荘で過ごす人が多く、特定の日時にごみを出すルールの徹底は難しいため、集積所に長時間、生ごみが置かれ、クマを引きつける要因の一つになったと考えられています。ツキノワグマは、1頭が特定の範囲を占有する「なわばり」を持たないため、行動圏は重なっています。ごみをあさることを覚えたクマを駆除しても、すぐに別のクマがやってくる可能性が高く、解決するには、クマが生ごみに近づけないようにするしかありません。そこで導入されたのが「野生動物対策ゴミ箱」です。指をかけて握らないと扉のロックが外れない仕組みで、クマには開けられません。クマを引きつける原因になる臭いも漏れにくくなっています。開発したのは、町の委託でクマの保護管理に携わるNPO法人「ピッキオ」です。ピッキオは、この特別仕様のごみ箱の導入を進めると同時に、人里近くに出てきたクマを捕獲して発信器をつけ、毎日パトロールをして、再び人里へ接近するクマは山へ追い払っています。また、農作物の被害を出すクマもいるため、電気柵も貸し出しています。被害発生後すぐに畑に設置し、クマの侵入を防ぐのに効果があり設置も難しくないことを実感してもらうのが狙いです。町が電気柵設置費用に半額を補助していることも助けとなって、貸し出しを受けた後、購入するケースが増えてきています。
(ツキノワグマご注意:鳥取)
県内でツキノワグマの捕獲が相次いでいる。今年はすでに25頭。過去最多だった2010年を上回るペースの捕獲が続く。これから収穫の秋を迎えるが、クマが好物としている木の実類が不作ならば、エサを求めて人里に近づく恐れもあり、県は注意を呼びかけている。11日には八頭町の大江と日田集落で計2頭のツキノワグマが捕獲された。9月に入って9頭目。4月からの捕獲数も、最多だった10年を1頭上回っている。県公園自然課によると、クマの捕獲は県東部に集中。今年は5月に3頭、6月に2頭のクマが捕獲されるなど、早い時期から捕獲されているのが特徴で、同課も「ここ数年は保護の対象になっていたため、生息数が増えた可能性がある」とみる。さらに09年秋の豊作で、その冬に多く生まれた子グマが今年になって親離れしたため、単独で行動し、人里近くまで下りて来る例も目立つという。10年8月には鳥取市用瀬町で、男性(当時82)が自宅近くでクマに襲われて死亡。若桜町でも7月に、新聞配達の60代男性が民家玄関前でクマと鉢合わせし、腕と顔に軽いけがをした。県公園自然課は約50頭のクマに発信機器をつけて動向を探っている。同課は「クマのエサになりそうなものは早めに収穫し、生ゴミを無造作に屋外に置いたり、捨てたりしないでほしい」と注意を呼びかけている。■クマから身を守るために【クマに出あわない】●鈴やラジオを大きな音で鳴らして歩く。人間の存在を知らせてやれば、クマは近づいてこない●クマが活動する夕方から早朝は外出を避け、出没した場所には近づかない【クマに遭遇した場合】●大きな声を出さず、そっと立ち去る●クマは「逃げるものを追う」習性がある。背中を見せて逃げない●死んだふりは俗説で、効果なし●襲われたときは、自分の首を両手でしっかり抱えてうずくまるなど急所を守る
(クマ支援団体、月内にも設立:秋田)
鹿角市の秋田八幡平クマ牧場(廃業)に残されたクマ27頭の移送費などに充てるため、県が検討してきた民間の支援団体の枠組みが固まり、月内にも設立される見通しになった。県獣医師会と秋田市内の動物愛護団体で組織し、県内外から寄付を募って施設整備費や運営費にも充てる考えだ。27頭をめぐっては、阿仁熊牧場を運営する北秋田市が全頭を受け入れる意向を示している。一方で、クマ牧場の元経営者が移送費を全額負担するのは難しく、県議会などには公費投入に異論もある。このため、県は民間の支援団体を立ち上げ、寄付を集めてもらう枠組みを検討してきた。県によると、支援団体は県獣医師会に事務局を置く。県は団体の広報や県外の動物愛護団体との調整などで協力する。県の担当者は「移送費だけでなく、施設整備費や運営費も寄付で賄い、末永く支援できる体制にしたい」と話した。
(クマ出没でマップ配布:滋賀)
県警木之本署は、管内で今春以降、クマの目撃情報が相次いだことから、目撃された地点を記した「熊出没マップ」を作成し、県外からレジャーに訪れる客らに注意を呼びかけている。クマから身を守るために、「熊に出会ったら騒がずゆっくり逃げてほしい」としている。同署によると、今月11日までに長浜市の一部となる管内で、クマの目撃情報が13件寄せられている。例年目撃数が少ない長浜市西浅井町大浦で特に増加。このため、署員らが琵琶湖に面した大浦地区にバーベキューやキャンプ、釣りなどのために訪れた行楽客らに、「熊出没マップ」を配布した。木之本署地域課の担当者は「秋になるとさらに熊の目撃が増える。これからは管内のコンビニなどにもマップを配布したい」と話している。
(サル追い犬の訓練士へ:京都)
篠山市熊谷の小立麻代(まよ)さん(22)が今月1日、市内の農作物被害を食い止めるため、サルを追い払う犬「モンキードッグ」の訓練士として市に採用され、京丹波警察犬訓練所(京都府京丹波町)で訓練している。小立さんは「早く訓練士として一人前になり、農作物被害防止に少しでも役に立てれば」と話している。市は2010年度、モンキードッグ5頭を認定。実用化に向け、今年度、訓練士2人を公募していた。また、今月から市はモンキードッグの候補犬を市民から募集している。小立さんは12月まで訓練し、有資格者のもう一人の訓練士とともに来年からモンキードッグを育成する。小立さんは、小学生から自宅で犬を飼っていた。篠山産業高校商業科を卒業するときに、好きな犬に関係する仕事に就きたい、とドッグトレーナー育成コースがある専門学校「大阪ビジネスカレッジ」に進んだ。ドッグトレーナーは、小規模経営が多く、雇用が少ないのが現状。諦めかけていたところに、市の募集を知り、サルによる農作物被害を知っていた小立さんは「少しでも役に立てるなら」と応募を決意した。6日から、平日の4日間、京丹波町に通い、「服従訓練」など犬の扱い方の基本を、同訓練所の井関仁志さん(34)から学んでいる。最終的には、サルを発見して威嚇できるようなモンキードッグを育てられる技術を習得する。小立さんは「覚えることがたくさんあり、大変だが、好きな犬に囲まれ、うれしい」と話している。井関さんは「専門学校で習っていたので、扱い方が上手。犬にも好かれている」と期待している。
(実弾入り銃、部下に向ける:千葉)
実弾入りの拳銃の銃口を部下に向けたとして、千葉県警は13日までに、銃刀法違反(加重所持)容疑で、成田空港警備隊の元小隊長の男性警部補(34)を書類送検し、停職6カ月の懲戒処分とした。警部補は「厳しく当たった若い部下との関係修復のため、冗談で和ませようとした」と話しており、同日付で依願退職した。送検容疑は、第5空港機動隊の小隊長だった昨年12月と今年1月、勤務中に同じ小隊の30歳と23歳の男性巡査に実弾入りの拳銃の銃口を向け、不適切に拳銃を使用した疑い。県警監察官室によると、警部補は2010年4月以降、巡査2人と別の男性巡査(25)の計3人に対し、銃口を十数回向けていた。今年5月、拳銃の不正使用を訴える匿名の投書が空港警備隊に届き、発覚した。
(環境省、ライチョウ保護へ増殖計画策定へ)
国の特別天然記念物で絶滅危惧種に指定されているライチョウを保護しようと、環境省が種の保存法に基づく保護増殖事業計画を策定することが分かった。18日の中央環境審議会の野生生物部会に諮問し答申を得た上で、近く官報に告示する予定。環境省によると、現在、計画が定められている生物はトキなど48種で、山岳に生息する鳥類ではライチョウが初めて。ライチョウは本州中部の高山地帯に生息しているが、環境の悪化に加え、キツネやカラスに食べられるなどして減少。1980年代には約3千羽いたとされるが、現在は2千羽以下と推定されている。絶滅の恐れがある野生生物を分類した同省のレッドリストでも、今年8月の改訂で「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」とされる絶滅危惧1B類に分けられた。計画では(1)山岳ごとの生息実態を把握(2)減少要因の詳細な調査(3)各地の動物園で進められている近縁亜種の飼育繁殖の推進――などを規定。今後、専門家による検討会で具体的な内容を決める。同省の担当者は「トキやコウノトリのように、絶滅寸前で対策を始めるのでは遅い。有名な種であるライチョウの保護計画を進めることで、他の希少生物も含めた保護の機運が高まれば」と期待している。

TOPへ