<射撃ニュース1月>

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(イノシシと間違え散弾銃発砲:千葉)
散弾銃で誤って人を撃ち重傷を負わせたとして、千葉県警館山署は11日、業務上過失傷害の疑いで、同県館山市大井、無職、秋山功容疑者(67)を逮捕した。「イノシシと間違えてしまった」と認めているという。逮捕容疑は10日午後2時40分ごろ、同県南房総市和田町柴の山林で、草刈りをしていた近くに住む無職男性(59)をイノシシと誤認して散弾銃を発砲し、右腕を貫通する重傷を負わせたとしている。同署によると2人の距離は20メートルほどだったが、藪の中で視界が悪かったとみられる。秋山容疑者は県の狩猟者登録を受け、この日もイヌ3匹を連れて狩りをしていたという。
(イノシシばっこの福島第一原発周辺、駆除へ:福島)
東京電力福島第一原発周辺で野生のイノシシの増加が懸念されている問題で、環境省は警戒区域内でイノシシを捕獲して殺処分する方針を固めた。住民が避難した人里にイノシシが下りてきて民家を荒らす被害が出たため、対策を取る。2013年度予算案に3000万円を要求する方針だ。警戒区域内は放射線量が高く防護服が必要なため、捕獲は猟銃ではなく箱わなを仕掛けて実施。13年度は約100頭の捕獲を予定している。同区域内のイノシシは放射性物質の濃度が高く食用にできないため、全て埋却するという。同区域内では家畜だったブタが野生化し、イノシシと交雑してイノブタが発生するとみられている。同省によると、イノブタの繁殖力はイノシシの約5倍で、年間20頭ほどを出産するとされ、放置していると爆発的に増える可能性がある。
(鳥獣保護区、食害で縮小)
全国の自治体がシカやイノシシによる農作物などへの被害を理由に、狩猟が禁止される鳥獣保護区の削減に踏み切っていることが朝日新聞の取材でわかった。30道府県が6年間に廃止・縮小した保護区は、東京23区や琵琶湖の広さを上回る約7万2千ヘクタールにのぼる。都道府県が指定する鳥獣保護区は2007~12年度、約9万2千ヘクタールが廃止・縮小され、うち約7万2千ヘクタールはシカやイノシシによる被害が原因だった。保護区内に逃げ込むと捕獲できなくなるため、狩猟範囲を広げるのが主な目的だ。ダムや道路開発で生息環境が変わったことによる減少もあった。逆に、渡り鳥が訪れる海岸を新たに指定したり、クマがすむ森林の保護区を広げたりして増えた区域も約2万9千ヘクタールあった。
(エゾシカ流し猟、羅臼町側で開始:北海道)
環境省釧路環境事務所は11日、世界自然遺産の知床半島で、トラックを移動しながら餌でおびき出したエゾシカを荷台から撃つ「流し猟式シャープシューティング」(SS)を開始した。羅臼町側のルサ-相泊地区の道道知床公園羅臼線沿いで実施し、初日は7頭を駆除。オホーツク管内斜里町側の岩尾別地区では8日からすでに始まっている。期間は4月まで。
(クマ目撃、小田原2件:神奈川)
小田原市内で9日から10日にかけてクマの目撃情報が相次いだ。市環境保護課によると、9日午後4時半ごろ、同市久野の林道足柄久野線の熊の木橋付近で、1頭が目撃された。さらに10日午前10時ごろ、同市曽我谷津の弓張の滝付近でも1頭を目撃したとの通報が、県や市にあった。それぞれ別のクマとみられるが、大きさや種類などは不明だという。市内でのクマ目撃は、10年11月末に根府川地区で目撃されて以来になる。
(市街地にサル:鹿児島)
10日午前8時50分ごろ、「鹿児島市南新町に大きなサルがいる」と通行人から110番があった。サルは約4時間後、同市宇宿2丁目のパチンコ店立体駐車場5階で捕獲され、山に放された。鹿児島南署によると、市民にけがはなかった。同市では昨年10月と12月、市街地でサルが目撃されたが、同一かは確認できていない。市によると、捕獲したサルは体長70センチのオス。10日朝、市街地南部で目撃情報が相次ぎ、警察官が網やたもを使って捕獲した。車内に収容した際、おりから逃げ出して暴れる一幕もあった。市生産流通課の溝川信一主査(45)は「歯が抜けており、若いサルではなかった。麻酔を準備したが、使わずに済んでよかった」と話した。
(サル対策を強化:和歌山)
ニホンザルによる農作物被害が減らないことから、和歌山県は、2013年度中に管理捕獲など対策強化に乗り出す。当面、23年前の被害額まで減らすことを目標にする。実施に先立ってパブリックコメントを募集している。昨年4月に始まった第11次鳥獣保護事業計画で特定計画の対象鳥獣に位置付ける。特定計画は4年間。県内のニホンザルは、県南部を中心に個体数が増加傾向にある。1986年度の調査では80の群れで2110~2735匹のサルが生息していたと推定。2009年度では、群れ180、生息数3879~7260匹に増加したとしている。12年度(3972~7308匹)も同様の結果を示しているが、捕獲や被害の状況から「7308匹以上生息している可能性がある」と指摘している。果樹を中心に被害が深刻化しており、ここ5年の被害額は年間5千万円前後で推移している。そこで「平成」に入って一番被害額が低い1989年度の1900万円ぐらいまで減らすことを目標にする。具体的な対策は、これまでの有害捕獲に加え、被害が多い群れの個体数を大幅に減らすための管理捕獲を行う。また、被害防止としてサル用の防護柵設置や園地周囲の刈り払いなどを支援する。このほか、被害や生息の状況を把握するモニタリング調査なども予定している。県内の捕獲状況は93年度以降、常に400匹を超え、ここ数年で急増し、2010年度には1425匹となった。11年度は1156匹だった。
(イノシシ侵入防止策が効果:香川)
香川県が本年度から乗り出しているイノシシの市街地侵入防止策が効果を発揮している。1市2町の4カ所をモデル地区に指定し、市街地周辺の裏山などに複数頭を一気に捕獲できる最新式の囲いわなを設置。従来の囲いわなや、くくりわなを併設した高松市の屋島地区では、昨年8月から狩猟解禁前日の11月14日までに31頭を捕獲した。地元住民が主体となって侵入防止柵を設置する計画も進んでおり、香川県は整備費用に対する支援を検討している。香川県内の住宅地などではイノシシの出没が相次いでおり、昨年1年間に香川県に寄せられた目撃情報は前年より34件多い91件。1970年代からの松食い虫被害で松が減少し、クヌギやコナラなど広葉樹が増えたことで、ドングリを好んで食べるイノシシの生息域が拡大しているという。香川県が指定したモデル地区は、高松市の屋島地区のほか、土庄町の2地区と琴平町の1地区。最新の囲いわななどを設置し、屋島地区で31頭、土庄地区で2頭、琴平地区で9頭の計42頭を捕獲した。ハード対策に加え、モデル地区では地元住民を対象としたワークショップを開催。餌場となっている農地の改善策や人とイノシシの生息域を分離する緩衝帯の整備などの重要性を訴えた。「イノシシ封じ込め」に向けた機運が高まった屋島地区では、住民と香川県職員らが連携して現地調査を行い、農地の被害状況や出没地点をまとめたマップを作成。地元コミュニティーセンターに掲示し、注意を呼び掛けている。マップを基に侵入防止柵を整備する計画も進めており、香川県は費用の一部を補助することを検討している。香川県みどり保全課は、捕獲は市街地周辺に住み着いたイノシシを排除する対症療法の一つにすぎないとした上で、「地域住民が一体となってイノシシが住みにくい環境をつくることが重要。モデル地区で得たノウハウを他の地域にも広めていきたい」としている。
(災害救助犬、サル退治:富山)
白山市河内町福岡で災害救助犬が田畑を荒らすサルを追い払い、被害がなくなった。サ ルを退治したのは県災害救助犬協会理事の源正一郎さん(65)=同所=と、源さんが飼 育するラブラドルレトリバーの7歳雄「アトラス」。同地区で農作物が全滅することもあ ったが、今ではサルを見掛けることもなくなり、源さんとアトラスのコンビは白山麓の別 の地区から出張要請もある人気ぶりだ。河内町福岡では7年前からサルが田畑を荒らす被害が目立つようになり、トマトやキュ ウリ、ダイコンなどが全滅したこともあった。サルの数は約40匹で、地元農家から相談 を受けた源さんが災害救助犬とともにサル退治に乗り出した。源さんの訓練を受けたアトラスは連日、パトロールに出動。群れの中からリーダー格の サルを見つけて大声でほえて追い払うようになり、河内町福岡では農作物の被害はなくな った。源さんはこれまで、同市鳥越地区の河原山町や阿手町にもアトラスやほかの災害救助犬 を連れて出張し、サルを追い払ってきた。サルが田畑に寄り付かなくなった今も、源さんはアトラスとともに週に1度のパトロー ルを続けている。源さんは「要請があればほかの地域にも出向いてサルを追い払いたい」 と話した。
(北ア山麓で多数のシカ越冬:長野)
松本、塩尻市と東筑摩郡の狩猟免許を持つ人でつくる松塩筑猟友会は13日、ニホンジカの個体数を抑えるため、松本市安曇の北アルプス山麓で初めての駆除を試みた。約60ヘクタールの範囲でシカ10頭ほどを目撃。かつて北アに生息しないとみられていたシカが多く越冬している現状が分かったが、捕獲はできなかった。駆除は国、県などでつくる中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会が進める取り組みの一つ。昨春、安曇野市猟友会が実施したのに続く。松塩筑猟友会の梓川、安曇、奈川支部会員ら36人が、島々集落に近い大明神山南の標高約800~1300メートルで、生息地からシカを追い立てる「巻き狩り」をした。追い立て役の「勢子(せこ)」21人が斜面に約50メートルの間隔を保ちながら「ホイ、ホーイ」といった声を上げたり、爆竹を鳴らしたりしながら前進。間もなく、5、6頭の群れが見つかった。その後も2カ所で2、3頭ずつ目撃したが、いずれも勢子の列をすり抜けて逃げた。銃を持って待ち構えた撃つ役「立(たつ)」の前には現れなかった。下山後の反省会では「足跡がかなりあった」「(周辺の山で)越冬しているシカはかなり多いようだ」との声が出た。同猟友会安曇支部長の斎藤浩幸さん(52)=松本市安曇島々=は「シカがあまりに増えれば脅威になり、手遅れになる。(今回は使わなかった)猟犬を使ってまた駆除をしたい」と話した。
(銃使った捕殺、今夏試行:長野)
高山植物の食害や踏み荒らしが深刻な南アルプスのニホンジカ対策で、環境省は7日までに、高山帯に現れたシカの銃による捕殺を今夏に試行する方針を固めた。銃が使える日中にシカが出没し、安全に作業できる地形があるかを条件に3候補地を選定。捕殺後にシカを麓までどう運ぶかといった課題もあり、具体的な手法と併せて実施箇所を絞り込んでいる。同省南ア自然保護官事務所(山梨県南アルプス市)によると、候補地は仙丈ケ岳(3033メートル)の小仙丈沢(こせんじょうさわ)カール、中白根山(なかしらねさん)(3055メートル)東側、烏帽子岳(2726メートル)南東側の各斜面。学識者や山小屋関係者らからの聞き取りなどを踏まえ、見通しが利き、登山道から離れているシカの出没箇所を選んだ。昨年7~8月の現地調査で、それぞれ10~20頭ほどを確認。南アが世界の南限の生息地とされる絶滅危惧種のライチョウを発砲音が脅かす恐れもあるため、小仙丈沢カールでは、通常は破裂音で動物を追い払うために使う花火を数発鳴らす実験もした。ハイマツ帯から驚いて飛び立つような反応は確認されず、同事務所の中村仁自然保護官は「影響が無いとはいえないが、非常に大きいということはなさそうだ」とみる。信大農学部の竹田謙一准教授(応用動物行動学)らが2010年7~8月、同カールに現れたシカ延べ50頭の行動パターンを調べた結果、滞在時間のうち47%は横たわり、37%は植物を食べていた。同准教授は「移動の中継点としてではなく、主要な生活の場として利用されている」と指摘。若いシカもおり、餌場として引き継がれていく懸念もあるという。竹田准教授は「被害を起こすシカを直接捕る方法として効果的」と環境省の方針を評価する一方、弾が岩に当たって不規則に跳ね返り、登山者に当たる危険性を指摘。捕殺したシカをすぐに麓まで運ばない場合、キツネなどの餌となる可能性もあるとし、実施箇所や手法の具体化には「何に重きを置き、何に目をつぶるかの判断が要る」と話す。中村自然保護官は、効率性や、他でも応用できる手法を採れるかを考慮して実施箇所を決めると説明。「試行して出てくる課題を含め、高山帯でシカを捕れるのかを検証したい」としている。
(鳥獣被害対策のマップを作製:大分)
県や森林総合研究所九州支所(熊本市)は本年度、農林業の鳥獣被害対策を向上させる試みとして、シカ、イノシシの生息密度や捕獲頭数といったデータを視覚的に捉えやすいマップを作った。生息密度が高いのに捕獲が遅れている地域の特定に効果があったという。今後は市町村など関係機関と連携し、耕作放棄地や防護柵の設置エリアなど、さまざまな情報を組み合わせて「見える化」し、被害状況の把握や対策を進めたい考え。森林総合研究所が1平方キロ当たりの頭数を算出した生息密度について、色の濃淡で表す分布図を作製。それに県が県内を25平方キロごとのエリアに区切ってまとめた捕獲頭数のデータを合わせた。その結果、竹田、豊後大野両市の宮崎県境では生息密度が高いのに比べて、捕獲が進んでいないことが分かった。ほかにもイノシシ、シカ別に捕獲頭数と水稲被害を組み合わせたマップも作り、因果関係の分析をしている。今後は航空写真を基に農地情報を確認できる「水土里(みどり)情報システム」なども活用し、防護柵を設置した効果や、耕作放棄地と鳥獣被害の関係性なども調べる方針。県森との共生推進室は「情報の『見える化』を進め、より実効性のある対策につなげたい」としている。県内の昨年度の鳥獣被害金額は3億1300万円。捕獲頭数はイノシシが2万1315頭、シカが2万7811頭。
(狩猟肉使ったご当地弁当販売:岡山)
岡山県鏡野町観光協会は12日から、ご当地弁当やま弁シリーズの冬バージョン「マタギ」の販売を始める。ジビエ(狩猟肉)料理を強調した野趣あふれる内容。同町内の観光施設3カ所で、2月24日まで売り出す。民宿など同町内の4業者が考案した4種類でいずれも1個千円。地元猟友会メンバーが捕獲したイノシシ、シカ肉を鉄板焼きや煮込み、竜田揚げにし、山菜などを炊き込んだご飯に盛ったボリューム満点の弁当になっている。「道の駅奥津温泉」(同所)と「みずの郷奥津湖」(同町河内)、町物産館「夢広場」(同町円宗寺)で、土日、祝日限定で販売する。平日でも6個以上の予約には対応する。同協会は「町内の豊富な食材を弁当を通じてアピールしたい。冬場の集客増にもつなげたい」としている。やま弁シリーズは、2010年秋から観光シーズンに合わせて定期的に発売。今回が第10弾で、これまでに累計8千個を販売している。
(わな猟師かくしゃく:長野)
「ついに80歳になりました」。にこやかに語る農業の花岡末博さん=岡谷市川岸東=は、有害鳥獣捕獲の従事者として同市川岸東や湊でわな猟を行っている。昨年、市の委託を受けて活動した4月下旬~9月の間に野生鳥獣を58頭捕獲した。市の委託者では最高齢となるベテラン猟師は、かくしゃくとした姿で現役を続けている。一方で、猟友会の会員は減少傾向を示す。野生鳥獣被害の直接的対応策の捕獲は、猟友会の力に頼るところが大きいが、担い手確保が課題だ。花岡さんのわな猟免許取得は20年ほど前。山ぎわの畑に被害が出始めたのがきっかけだった。田畑を踏み荒らし、食い散らかされた収穫前の野菜を目にした時、無念さを肌で感じた。地域からの要望もあり、有害鳥獣の捕獲活動に取り組むようになった。わな猟の成功は獣道の見極めが大きな鍵を握るという。足跡から行動を予測し、適切な場所に効率よく配置する感覚が何よりも大切。「獣道を外れるところにわなを設置しても捕獲は難しい。最初は当てずっぽうだったけど、今では現場を見ると、動物の行動が予想できるようになったよ」と話す。道具は基本的に個人持ちで、常時約50丁のわなを持っているが、1丁の価格は5500円程度でそのほかにも器具が必要。仕掛けたわなは数回と持たずに修復不能になるケースがほとんど。行政支援に感謝しつつも出費は決して小さくない。それでも「健康でいられるのは猟のおかげだと思う」と笑う。市の委託を受けてわな猟を行う夏場はほぼ毎日早朝、山の中を歩き、設置場所を見て回る。鹿が掛かっていれば、処理作業を行う。だが、最近は「ごしたいなあと思うことがよくある」。「若い人に譲りたいけど、今は会社勤めの人が多いし、両立は難しいだろうな。できる限りは自分も頑張ろうと思うが、今後を考えると心配」と話した。県諏訪地方事務所林務課によると、2011年の諏訪地方の猟友会員数は292人で減少傾向。直接的対策の担い手となる狩猟者の確保のため毎年8月に狩猟、3月にわな免許の研修会を行っているが「参加状況は芳しくない」とする。地区単位で行われる鳥獣対策の防護柵説明会を通じて狩猟免許取得を呼び掛け、地道に担い手の確保対策活動を進めている。
(イノシシやシカおいしく活用を:福井)
イノシシやシカの肉をジビエ料理として提供するフェアが11日、南越地域の飲食店などで始まった。13日までの3日間と、18~20日の3日間、鯖江、越前両市と池田、南越前両町の計9店舗で実施。料理の無料サービスや安価での販売で消費拡大を図る。鳥獣害対策で駆除したイノシシなどの肉の有効活用につなげようと、県丹南農林総合事務所と南越農業農村振興協議会が「南越ジビエぐるっとフェア」と銘打って開催。期間中に二店以上を回って食事をすると、参加店舗で使える食事券が抽選で九人に当たる。初日は各店舗で、ランチにイノシシ料理の小鉢を無料で付けたり、特性の肉まんをサービスしたりして、客をもてなした。越前市安養寺町のイノシシ肉専門店「しし家」では、酢みそ和えの小鉢を先着十人に無料提供。狩猟期間も含めて五十五年以上、イノシシを扱ってきた同店の大村勘蔵さん(76)は「肉を厳選して下処理もしっかりすれば、シシ肉は臭みも硬さもない。おいしく食べていただけます」とアピールしていた。
(鳥獣害対策で県がジビエ料理冊子:福井)
県は鳥獣害対策の一環として、イノシシやシカの肉を使ったジビエ料理のレシピ集と、県内でジビエ料理を提供しているレストランや精肉販売店などの店舗ガイドを盛り込んだリーフレットを7500部作製した。県農林総合事務所やイベント会場などで無料配布する。県のホームページにも掲載している。県は10年度に店舗ガイド、11年度にレシピ集をそれぞれ作製しており、今回は内容を一冊にまとめ、見やすくした。レシピは、鯖江市在住の料理研究家、佐々木京美さんが考案。塩麹(しおこうじ)に漬け込んだシカのヒレ肉のステーキや、市販のイノシシのソーセージを使ったスープなど3品を紹介した。佐々木さんは「きちんと処理されたイノシシやシカの肉は臭いも全くなく、とてもおいしい」と話す。店舗ガイドはフレンチやイタリアン、和食などさまざまなジビエ料理が食べられるレストランや精肉販売店など計37店を掲載した。県は、レシピ集の料理講習会も企画している。嶺北会場は27日午前10時から福井市手寄1のアオッサで、嶺南会場は2月17日午前10時から若狭町市場のパレア若狭で。
(ヒガンバナでイノシシよけ:広島)
三次市三次町寺戸地区の住民グループ「年輪会(としわかい)」の50人が、地元の西城川左岸の河川敷にヒガンバナを植える活動をしている。球根に毒のあるヒガンバナを植えることで、イノシシよけにし、地区の菜園などの農作物が食べられる被害をなくす試み。2011年11月に活動を始めた。同年夏に国土交通省三次河川国道事務所などが、旭橋上流側の竹やぶや雑木を伐採したのを受け、約250メートルの区間に順次、球根を植えている。球根は同事務所の許可を得て、南畑敷町の馬洗川河川敷の自生地から調達する。寺戸地区でも近年、山から下りてきたイノシシが河川敷を通って家庭菜園のサツマイモなどを掘り返して食べる被害がみられる。会はヒガンバナの球根が有毒物質アルカロイドを含む点に注目。通り道となる河川敷に植えることで、イノシシの侵入防止を図ることにした。広島市植物公園(佐伯区)によると、球根を食べた場合、吐き気や下痢、しびれの症状が出る。横山皓治(こうじ)会長(77)は「電柵の設置には高額の費用がかかるが、ヒガンバナであれば安価で済む。景観上もプラス。効果の継続を期待したい。さらに、この地区をヒガンバナの里として売り込むことも考えたい」と話している。
(鎮守の森のカラスに住民苦悩:長野)
駒ケ根市の「大宮五十鈴神社」の境内に毎夕、多数のカラスが出没し、近隣住民がけたたましい鳴き声と大量のふんに悩まされている。早急な駆除を求める声が根強いが、周辺には住宅街が広がることから猟銃による駆除も難しく、市や猟友会は効果的な対策を見いだせずに頭を抱えている。「夕方になると、家の前がふんで真っ白になる。勘弁してほしい」。神社近くに住む六十代男性は、カラスの鳴き声と羽音が響く鎮守の森をにらみつけた。大宮五十鈴神社の境内に大量のカラスが出没し始めたのは二〇一一年の秋から。カラスの大群は日没前から集まり始め、夜明けが迫ると、四方八方に飛び去っていく。一二年夏には一時姿を消したが、同年秋には、再び集まるようになり、多い日は数千羽に達し、日没前後から遅ければ午後十時ごろまで、けたたましい鳴き声を響かせている。自宅が神社と隣接する中年男性は「うるさくて満足に眠れないこともある。本当に何とかしてほしい」と深いため息をついた。神社に集まってくるのは、大半が田園地帯に多いハシボソガラス。三月~七月の繁殖期を除き、林に夜に眠る「ねぐら」を群れで形成する習性がある。都市部に多いハシブトガラスも見かけるが、山間部の森を「ねぐら」とする習性があり、神社に集まるのは少ない。しかし、なぜ五十鈴神社に数千羽ものカラスが集まるのか。ハシボソガラスはハシブトガラスより木の実や落ち穂などの植物を好んで食べる。神社の周囲一キロには住宅地と農地が混在し、水田やソバ畑も多い。約一ヘクタールの神社境内には約二百本のスギが群生する。いずれも二十メートル前後の高さがあり、外敵に襲われる危険も少ない。似た環境は川沿いの林にも通じるが、五十鈴神社では猟銃による駆除はできず、安全にえさが手に入る場所としてカラスが覚えた可能性がある。ハシボソガラスとハシブトガラスは狩猟鳥獣で、十一月十五日から二月十五日の狩猟期間中は、狩猟免許があれば捕獲できる。しかし、銃刀法では住宅街や寺社仏閣内での発砲が禁止されている。市猟友会は定期的にカラスの駆除を実施しているが、関係者は「カラスが集まる場所で実施しなければ大きな効果は期待できない」とあきらめ顔。有害鳥獣駆除名目なら駆除できる可能性はあるが、市の担当者は「銃は危険を伴い、わなも大きな効果は上がらない」と慎重な姿勢を崩さない。大規模な駆除に関しては八方ふさがりの状況だが、「ふん害」の対策はできる。神社から約二百メートル離れた場所に住む六十代男性は、中部電力に依頼して電線にカラス避けを設置した。以前は大量のふんに悩まされていたが、ほとんどなくなった。中部電力では無料でサービスを実施しているが、男性は「サービスそのものを知らない人が多い。積極的に活用すべきだ」と話していた。
(ふるさとの森林づくり賞、上伊那猟友会が大賞:長野)
県ふるさとの森林づくり賞と県林業関係ポスター等コンクールの表彰式が11日、県庁で開かれ、森林振興などに貢献のあった県内の76人・団体をたたえた。上伊那地方では上伊那猟友会が県ふるさとの森林づくり賞で最も優れた大賞に選ばれたほか、14人・団体が受賞した。上伊那猟友会は効率的なニホンジカの捕獲方法を考案して普及を図るなど、捕獲に積極的に取り組み、農林業被害の抑止に貢献したことが評価された。会員の高齢化・減少が進む中にあって、地域の枠にとどまらない広域での捕獲隊を結成するなど先進的な取り組みを行い、行方不明者捜索など地域貢献活動も続けている。

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(たき火原因?山林12ヘクタール焼く:香川)
9日午前11時20分頃、高松市国分寺町新名の高松国際射撃場の敷地内から出火、風にあおられて近くの山林に燃え広がり、約12ヘクタールを焼いた。火は一時、民家まで約30メートルに迫ったが、午後5時頃までにほぼ収まり、消火活動は日没のため同5時10分で打ち切られた。射撃場のアルバイト職員が枯れ葉を集めてたき火をしていたといい、高松西署は出火原因とみて調べている。同署の発表などによると、この日、射撃場は休業日で、職員は1人で枯れ草を処分していたという。別の男性従業員(53)が「下草が燃え、山に火が移りそうだ」と119番。火は30分余りで鷲ノ山(322メートル)の尾根筋に達し、東側に延焼。午後2時頃にはふもとの民家に迫り、3世帯の5人が近くの体育施設に一時避難した。高松市消防局、高松市と綾川町の消防団が計280人を投入。県の防災ヘリは定期検査中だったため、県は出火から間もなく徳島県に消防防災ヘリの派遣を求めた。陸上自衛隊第14旅団(善通寺市)にも災害派遣を要請し、徳島県松茂町の第14飛行隊から指揮用を含むヘリ3機が飛来した。午後3時過ぎには岡山市の消防ヘリも加わり、計4機で近くのため池から大型バケツ(400~600リットル)で水をくみ、207回の放水を重ねてほぼ鎮圧した。消火活動中に、消防団員1人が肩を脱臼するけがを負った。高松市消防局は10日朝まで警戒を続け、日の出とともに消火活動を再開する。この日は午前4時に県内全域に乾燥注意報が出され、高松市内では午後2時8分に11・8メートルの最大瞬間風速を観測した。一時避難した山田シズコさん(75)は「山の木がバチバチとすごい音で燃えていて、怖かった。早く消し止められるのを祈るだけです」と不安そうに話していた。
(狩猟に使われる空気銃が盗まれる:茨城)
6日午前9時半ごろ、茨城県かすみがうら市のコイの養殖場で、73歳の男性が作業場に置いていた空気銃が盗まれました。盗まれた空気銃は、FXエアガンズ社製の「FXサイクロン」という連射性能が高い人気の高い銃。
(イノシシ疾走、河川敷騒然:山梨)
笛吹市石和町市部の笛吹川左岸の河川敷に8日、体長約1メートルのイノシシが現れ、小学生ら地域住民が行き交う中、市職員や笛吹署員が約2時間にわたって捕獲を試みる騒ぎがあった。イノシシは河川敷を駆け回った後、姿が見えなくなった。市は防災無線で住民に注意を呼び掛けており、9日にも捕獲用おりを設置する。市農林振興課などによると、8日午後3時すぎに「河川敷にイノシシがいる」との通報を受け、市職員や笛吹署員、地元猟友会のメンバーら15人が出動。笛吹川左岸のサイクリングロードにいるのを発見し、猟犬4頭を放つなどして捕獲しようとした。しかしイノシシは河川敷を走って山梨市方面に逃走。その際、小学生ら付近の住民と遭遇し、現場は一時騒然とした。イノシシは午後5時ごろ、同市春日居町桑戸付近の笛吹川河川敷で、姿が見えなくなったという。イノシシは7日にも同市の蛍見橋付近で目撃されており、8日に現れたイノシシと同じとみられる。同課は「見掛けたら近づかずすぐに通報してほしい」としている。
(イノシシの猟期延長:富山)
イノシシに限って来月16日から狩猟期間を延長。銃猟は2月末、わな猟は3月15日まで延ばし捕獲を進める。わな猟は11月1~14日も延長する。
(イノシシ保護管理計画案まとまる:富山)
県内でも急増するイノシシによる農作物被害の軽減を図るための県のイノシシ保護管理計画案がまとまりました。計画案は9日開かれた県環境審議会で審議され了承されました。イノシシは繁殖力が強く県内でも10年ほど前から生息域が拡大し農作物の被害額も急激に増加しています。計画では、長期的にはイノシシの生息を保ちながら農作物の被害を極力抑える状態を目指すとし、計画の最終年度である平成28年度の被害額を昨年度の3633万円の半分以下に抑えることを目標としています。そのために電気柵の設置や耕作放棄地の解消対策、それに里山林の整備などを進め捕獲数を当面、過去最大だった平成22年度の747頭を上回ることを目指すとしています。またイノシシの狩猟期間を拡大することとし、早速、来月16日からの計画スタートにあわせ実施します。
(内臓抜きで137キロ大イノシシ:京都)
福知山市城山の的場修さんら猟師仲間5人が6日、大きなイノシシを仕留め、8日に解体作業をした。内臓を抜いた重さで137キロあり、脂の厚みが5センチ以上の上物で、的場さんらを喜ばせた。的場さんらは大物を狙って6日、舞鶴市久田美の山中へ入った。午後3時ごろにこのイノシシを見つけ、犬に追わせ、待ち構えた所へ逃げてきた所をメンバーの一人が銃で急所に弾を撃ち込んだ。推定6-7歳の雄で体長は約1・5メートル。「昔はこうした大物が時々いたが、最近は小さいうちに捕られるので、こんなに大きいのは久しぶり」という。7日につけていた水から上げて水を切り、8日にメンバーらが解体。50キロ以上の肉が取れ、分けて持ち帰った。
(ベルトのバックル型拳銃所持、ナチス開発と同タイプ:神奈川)
ベルトのバックル型の拳銃を所持したとして、県警薬物銃器対策課と座間署は7日、座間市立野台3、土木作業員、和田元弘被告(47)=銃刀法違反罪で起訴=を同法違反(拳銃加重所持)容疑などで追送検した。送検容疑は昨年10月30日、自宅でバックル型拳銃と、適合する実弾1個を所持したなどとしている。同課によると、和田容疑者が所持していたバックル型拳銃は、ナチスドイツが将校向けに開発したのと同じタイプ。見かけは普通のバックルと変わらないが、カバーを外すと実弾を計4発発射できる構造になっている。捕虜になった際などに使用する目的で開発されたという。県警は昨年10月30日、自宅で別の拳銃1丁を所持した容疑で和田容疑者を現行犯逮捕。その際にバックル型拳銃も押収。鑑定した結果、殺傷能力があることが判明した。バックル型拳銃の押収は全国的にも珍しいという。

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(イノシシ駆除など対象、ハンターに奨励金:群馬)
渋川市は、農作物を食い荒らすイノシシとニホンジカ、ハクビシンを対象に狩猟期間中、駆除したハンターに奨励金を交付する「有害鳥獣狩猟期奨励金交付制度」を今月、開始した。奨励金は、一頭につきイノシシとニホンジカが各五千円、ハクビシンが三千円。狩猟期間に狩猟者登録済みの市民か、市と委託契約を結んでいる渋川市有害鳥獣捕獲隊の隊員計約百人のハンターが対象となる。狩猟期間は、昨年十一月十五日~今年二月十五日まで。ただし、ニホンジカとイノシシ猟に限り銃猟と網猟が二月二十八日、わな猟が三月十五日まで。奨励金の交付は四日から市農林課で受け付けを始めた。捕獲した有害鳥獣の実物の尾と、写真、捕獲場所の地図などを添えて所定の書類で申請する。市内で昨年、捕獲されたイノシシは百三十七頭、ニホンジカは八十七頭、ハクビシンは七十頭。クマやタヌキ、カラスなどを含めた有害鳥獣による農作物被害額は約七百万円で増加傾向にある。同様の制度は前橋市とみなかみ町、東吾妻町、高山村で実施している。
(迷いシカ、雪に埋まる:北海道)
札幌市南区川沿1の2の住宅街で5日、雄のシカが雪に埋まり動けなくなった。同市から捕獲業務を委託されている札幌のNPO法人が薬品入りの吹き矢でシカを眠らせ、出没から約9時間後の午後8時半ごろに捕獲。付近の住民にけがはなかった。付近住民によると、現場は山林に近く、シカは午前11時半ごろ出没。住民と遭遇して驚き、住宅と住宅の隙間に入って動かなくなった。駆けつけた札幌南署員は警笛などで追い払おうとしたが、シカが興奮して断念。続いて札幌のNPO法人「エンヴィジョン環境保全事務所」のスタッフが吹き矢で眠らせた。縄張り争いに負け、えさもとれずにやせ、住宅街に近づいたとみられることから、今後安楽死させる予定。
(シカ食害、アジサイほぼ枯れる:京都)
紅葉や桜の名所として知られる京都府亀岡市薭田野町の古刹(こさつ)、神蔵寺で、シカの食害が深刻化している。ネットを張るなど予防策を講じているが、初夏の庭を彩ったアジサイなどはほぼ全滅した。シカは寺務所の庭先にまで現れるようになり、寺は「どうしようもない」と頭を痛めている。同寺は朝日山の麓にあり、790年に最澄が開いたとされる。建物は何度も焼失し、現在は17世紀建立の本堂などが並ぶ。紅葉の寺として有名で、毎年秋のライトアップ時は観光客でにぎわう。境内を流れる川が改修された約20年前から、寺や信徒らが花や木を植えてきた。一時はアジサイ500株、桜約40本が境内を彩り、写真愛好家の間で「花の寺」として有名だったという。寺によると、シカは10年ほど前から境内に入り込むようになった。若芽や葉を食べ尽くし、枝を引っ張って折るため、アジサイや桜は次々に枯れた。最近は紅葉の若木も被害に遭っている。境内を囲むように防護ネットを張ったが、シカは飛び越えたり、閉められない朝日山の登山道口から入り込んだりして侵入を防げなかった。一本一本をネットで囲むことも計画したが、「景観が悪くなる」という声があり、一部しか手掛けられずにいる。市は有害鳥獣対策に年間約1800万円の予算を組み、年間にシカやイノシシ計400頭余りを捕獲、農作物被害額も減少している。しかし「対策や補助は農家組合など団体単位で行っており、寺社など個別の対応まで手が回っていない」(市農林振興課)という。同寺の松本美代子さん(66)は「また花いっぱいの寺にしたいけれど、新しく植えても食べられる。何とかしたいが、どうすればいいのか」と嘆いている。
(シカの足取り”捜査”:長野)
シカの足取り、聞き込み”捜査”―。農林業や高山植物に被害を出すニホンジカ対策で、県諏訪地方事務所が、地元の猟師や山小屋、観光関係者らへの聞き取りを基に鹿の定住地や行動ルートを突き止め、それらの情報を載せる5万分の1地図の作成に乗り出した。角とぎの跡が残ったり、丈の低いササ帯がある樹林帯から、一般道での衝突事故発生地点まで、出没や利用を裏付けるさまざまな情報を収集。諏訪広域での動態を明らかにし、「見える化」することで捕獲効率を高める狙いだ。農地や林地、山岳の防護柵設置場所、林内に残る鹿の通り道についても市町村職員を含めた協力者から集め、細かな目撃情報も拾う。大掛かりな作業だが、年度内にはまとめ上げ、猟友会員らに提供する。「こうした情報はいままで断片的だった。一元化し、見える化することで鹿の動態が分かり、効率的な捕獲に結び付く」と地事所林務課。「いい猟場は秘密にしたいという猟師もいると思うが、もはやそういう状況ではない」と強調している。すでに民間業者へ調査業務を委託。地図を電子化してコンピューターに記録する地理情報システム(GIS)を活用し、5000分の1ベースも作成。季節のほか、捕獲圧や防護対策によっても行動変化が起きるため、定期的に更新していく。同課は、地図によって、複数の市町村が連携した合同捕獲が進んだり、有害獣を自らで駆除したいと、わな免許を取得した農業者の捕獲率が高まることも期待。今後、遠隔操作で網を落とすなどの大量捕獲を試みる計画でおり、今回得られた情報を基に「実施場所を選定したい」という。諏訪地方の昨年度の鹿による農林業被害額は約6100万円。前年より2300万円余り減少したが、獣種別では依然最も多く、「数字では表れない」高山の環境や植物の被害も深刻化する。諏訪猟友会の竹内清会長(64)=下諏訪町=は「食害が集中していたり、車との衝突事故が多い場所は、頻繁に利用しているということ。ハンターにとって有益な情報になる」と話している。
(有害鳥獣加工施設、3市1町が共同で来月から運営:福岡)
宗像市と福津市、宮若市、岡垣町の3市1町は、急増するイノシシなど有害鳥獣被害対策として、加工処理施設を共同で宗像市に建設し、来月から運営する。処理を引き受けることで捕獲を促し、食肉としての販売ルートを確立する狙い。施設は現在、宗像市池田に建設中。木造平屋約200平方メートル。イノシシや鹿などを解体したり一時的に冷凍保管し、捕獲者の負担を軽減する。初年度の捕獲頭数を約2300頭と推計。このうち約450頭の搬入を見込む。整備費は1億700万円で、県が3300万円を補助、残る7400万円を各市町が負担する。運営は地元猟友会などでつくる「宗像市外2市1町ジビエ生産組合」に委託する予定。宗像市によると、イノシシによる農林業被害額は年々増加しており、県全体では5億8200万円(10年度)と10年前の1・7倍に膨らんだ。自治体ごとの詳しいデータはないが、ほぼ同様の傾向があり、3市1町の被害額推計(10年度)は4100万円超に上る。3市1町は、施設運営などに関する協定を結んだ。谷井博美・宗像市長は「有害鳥獣の駆除は1自治体でやっても効果は薄く、連携して取り組めるのは意義深い。成果が出ると確信しており、イノシシ対策のモデルになればと思う」と話している。
(グルメ「猪(シシ)―1(ワン)グランプリ」:大阪)
古典落語「池田の猪しし買い」をヒントに、イノシシにちなんだ料理で街おこしをしている大阪府池田市で10日、グルメの祭典「猪シシ―1ワングランプリ」が初めて開かれる。阪急池田駅周辺の6店がシシ肉を使った自慢の味を競う。商店主らは「ボタン鍋だけではない、シシ肉料理のおいしさを、ぜひ池田で味わって」と呼びかけている。「池田の猪買い」は、シシ肉を求めて池田の狩人を訪ねた男が、肉が新鮮か信じられずに一緒に猟に出かけるという内容。同市では、商店主らが5年前から落語に関連した街おこしプロジェクト「おたなKAIWAI」を展開しており、グランプリには6店がそれぞれ考案した1品ずつを出品する。メニューは、豚肉ではなく、シシ肉をふんだんに使った「猪焼きうどん」や「猪汁」、シシ肉をミンチにして辛みを加えた「あら挽びき猪肉の麻婆マーボー豆腐」、「猪カレー」、「猪おでん」、「猪かわり串焼き」。10日午後3時から同駅前てるてる広場のブースで、来場者に投票してもらい、初代グランプリを決める。出品者の一人、「丸一食堂」店主の増田航さん(28)は「シシ肉は軟らかくて甘みがある。池田の新名物にしたい」と意気込む。グランプリ翌日の11日からは、「池田の猪買いはじめました~」と名付けて、駅周辺の12店が猪団子スープや猪バーガーなどを販売する。

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(射撃競技、人気拡大へ新ルール)
国際射撃連盟が競技のドラマ性を高めて人気拡大を図るため、決勝を2選手による「一騎打ち方式」とするなどの新ルールを導入することが30日、分かった。来年1月1日から適用し、2016年リオデジャネイロ五輪は新ルールで行われる。予選は従来通りの方式だが、決勝に進んだ6~8選手は予選の得点を持ち越さず、0点からスタートする。一部の種目を除き、決勝は徐々に下位の選手をふるい落とし、残った2選手が直接対決で金メダルを争う。
(首相国務大臣等、連盟会長など休職)
全日本アーチェリー連盟は26日、首相に就任した安倍晋三会長(58)の申し出を受け、同会長を休職とした。国務大臣等は公益法人の役職を兼務できないためで、理事の中から会長代行を決める。副総理兼財務相、金融担当相で入閣した麻生太郎氏(72)は、日本バスケットボール協会と日本クレー射撃協会の会長を休職する。バスケットボールは深津泰彦副会長、クレー射撃は高橋義博副会長が代行を務める。
(ごみ集積所に散弾25発:愛知)
愛知県豊田市御幸本町のごみ集積所で今月24日、「燃やすごみ」の袋から散弾銃の実弾25発が見つかっていたことが、市への取材で分かった。市によると、24日午後1時半ごろ、男性収集員が発見。ごみ袋を回収しようとしたところ、破れて小さな箱が落ちた。
(スキー場にクマ、猟友会が殺処分:兵庫)
30日午後0時5分ごろ、兵庫県養父市別宮のスキー場「ハイパーボウル東鉢」ゲレンデ脇の山斜面にクマがうずくまっているのをスキー客が発見。約3時間後に県の許可を得た地元猟友会員が殺処分した。養父署によると、当時約200人のスキー客がいたが、滑走禁止にするなどしてけが人はなかった。県但馬県民局によると、体長約1・2メートルの雌。冬眠する冬場になぜ、人の多い場所にいたかは不明という。
(イノシシに襲われ、男性2人けが:新潟)
31日午後1時半前、湯沢町湯沢の県道付近で、同所、無職男性(85)がイノシシに襲われ、けがをしたと目撃者から南魚沼署に通報があった。同署によると、男性は午後1時ごろ、前から突進してきた体長約1メートルのイノシシに体当たりされ、転倒。頭をかまれ、約4センチを切るけがを負った。助けようとした同所、無職男性(68)も牙で右手を切る軽傷。現場は宿泊施設が多いことから同署員がパトロールし、警戒を呼び掛けている。
(サルの「柿泥棒」:茨城)
25日午前9時半ごろ、五霞町川妻の住宅の庭先にサルがいると、付近の住民から役場に通報があった。職員が駆けつけると、現場付近で体長約50センチのニホンザルとみられるサルを発見。境署員も午後1時ごろ近くの山林で確認したが、サルは逃げてしまい、消息は途絶えたまま。境署によると、サルは住宅の庭の柿の木に登り、柿を食べていたという。24日午後2時ごろにもその住宅から東約1キロの地点で目撃されており、署は「発見しても、むやみに近づかないで」と呼びかけている。
(イノシシ逃走、飼い主が食べようとナイフで刺したあと:静岡)
26日午後0時5分ごろ、富士宮市外神の会社経営、森利秋さん(66)方で飼われていた食用のイノシシ4頭のうち1頭が逃げた。近くの住人から「イノシシが走って行った」と110番があった。富士宮署によると、逃走したイノシシは生後10カ月の雄で、体長約60〜70センチ。森さんが夜に食べようとナイフをイノシシの首に刺したところ、暴れて小屋から逃走した。小屋は無施錠だった。同署によると、住民からの110番が複数あり、同日午後1時半ごろ、同市万野原新田の平成大橋付近での目撃されたのが最後だという。同署はパトロールで地域住民へ注意喚起を行い、情報提供を求めている。
(年の瀬にクマ騒動、なぜ:東京)
普通なら冬ごもりしているはずのツキノワグマの親子三頭が、あきる野市内に頻繁に出没した。二十五日に子グマ一頭が殺処分されたが、残る親子二頭の行方は分からない。住民らはその影におびえる日々を過ごす。年の瀬にクマ騒動で揺れる地域を歩いた。「クマに注意!」。電柱など至る所に赤い文字の看板がある。小中野地区の住宅地。自治会長の五十嵐治三さん(69)は今月中旬、自宅敷地に三度も入り込まれた。「もう星竹や戸倉地区へ移動したようだ」と話すが、警戒は緩めない。「元旦には地元の金比羅山へ登る人も多い。注意を呼び掛けるつもりだ」乙津(おっつ)地区では、先月二十三日に民家の庭に一頭が出没した。主婦の話では午後五時ごろ、庭に設置したインコの鳥小屋を引き倒そうとしていた。「クマだあ」と叫ぶと、驚いて逃げて行った。クマは時速四十キロのスピードで走り、頑丈な養蜂箱でも破壊する力を持つ。インコの鳥小屋は金網の一部が破られ、六羽のうち一羽が死んでいた。山すその寺岡地区ではキウイ畑が荒らされた。「例年、千個ぐらいとれるが、今年は百個ほど。九百個は食べられちゃった」。畑を手入れする男性は、ため息をついた。近所の浅井猛さん(66)は今月一日夜に二度、キウイ棚の枝が折れる音を不審に思って外に出た。「二回とも二頭。裏山へダダッと逃げていった」。その裏山の手前の斜面の草むらは、あちこちにふんが落ちており、クマたちが行き来したことがうかがえる。クマの行動範囲は四十~五十平方キロとかなり広く、親子グマも奥多摩などからやってきたとみられる。でも遠征先がなぜ、あきる野市だったのか。新聞販売店を営む栗原健さんは、過疎化の影響を心配する。地元の小宮小学校は今春、児童の減少から閉校した。「以前は学校放送やチャイム、子どもたちの声が聞こえてきた。閉校で静かになった分、クマの警戒心が薄くなり、山を下りてきやすくなったのでは」。来春には隣の戸倉小も閉校する。市は先月下旬から自治会を通じ、生ごみや果物など餌となる物の屋内管理を徹底するよう住民に呼び掛けている。この一方で、警察や消防、猟友会、森林レンジャーと協力して夜間パトロールなどを行ってきた。クマは12月に入ると冬ごもりするとされるが、子グマが民家近くのわなで捕獲されたのは、下旬の25日。母グマともう1頭の子グマも近くにいた可能性がある。「市としても人とクマの共存が理想であり、子グマの殺処分をなんとか避けられないものか、われわれも悩んだ」。市農林課の山際由晃課長は、殺処分を「苦渋の決断だった」と打ち明ける。動物園から子グマの引き取りを断られた後、人間の怖さを学習させて山奥に放す案も検討した。だが「3頭が人を恐れていない状況を考えると、住宅地に舞い戻ってきて住民の安全を脅かす危険が高いと判断した」と言う。市は当面、現在の対策を継続する。「将来の共存に向けて一段落付いたら、エサのドングリが自然に確保できるように山奥への植林なども検討したい」と山際課長は話した。
(カラスの大群出現:福井)
JR福井駅周辺など福井市中心部で今月20日以降、数百羽のカラスがビル屋上などにたむろする姿が度々目撃されている。大群となるのは夕方で、ねぐらに戻る前の“一時集合”とみられる。市は、市中心部でこれだけ多くのカラスが集まる例はなかったとして、調査を始めている。市有害鳥獣対策室によると、カラスの大群がいるとの情報を受け、20、21、25日に目視で調査したところ、県繊協ビル(大手3丁目)や福井春山合同庁舎(春山1丁目)などのビル屋上で数百羽が集まっている様子を確認した。通称「片町」(順化1、2丁目)では住民からふん害の連絡もあった。カラスは午後4時半から同5時ごろにかけ集まってきており、雨や雪が多く降っている日は群れはできないという。26日夕にもJR福井駅舎の上や近隣ビル屋上で数百羽の群れが見られた。30日夕にはアオッサ屋上を数百羽が“占拠”し、異様な光景に「きゃー」と驚く通行人もいた。集まってきているのは約2キロ南の八幡山をねぐらにするカラスとみられる。同山の周辺の地域で夕方に群れをなすことはあったが、市中心部ではなかった現象だという。ふん害や騒音被害を抑えるため市は同山におりを設置しており、年間1200~1300羽を捕獲している。同対策室は「なぜ市中心部に集まるようになったかは分からないが、ビル屋上は電線などに比べて暖かいことも一因では」としている。
(カラス被害、防ぐ生態調査:岩手)
盛岡市と岩手大、県立大は、ゴミ集積場や畑の農作物を荒らすカラスの生態を調べ被害対策に生かそうと20、21両日、盛岡市内で公開実験を行った。リアルタイムで野生動物の位置を把握できる最新のシステムを使ってカラスの行動パターンを把握し、より効果的な対策につなげることを目指している。市はこれまで、約4000羽のカラスのねぐらとなっている愛宕山(同市愛宕山)で、音や光を使って脅し、追い払うなどの対策を講じてきた。また猟友会も毎年約1700羽を駆除しているが、被害の減少は見られなかった。そのため市が昨年、岩手大農学部保全生物学研究室の東淳樹講師(44)に相談し、県立大も含めた3者による共同研究がスタートした。実験では、同市東安庭の北上川河川敷で捕獲した4羽のカラスにそれぞれ、アンテナが付いた約30グラムのGPSの送信機を背負わせ、再び同じ場所で放した。送信機は設定によって15分〜72分の間隔で位置情報を伝えるようになっており、情報はインターネット上でいつでも確認できる。東講師と学生たちが情報を基に、カラスのいる現場に行き、何をしているかを直接目で観察して記録した。同様の実験は既に昨年1回、今年2回実施しており、今回で4回目。これまでの実験から、カラスが冬に、郊外の農場を主要なえさ場として、家畜のえさや、野積みされたリンゴなどを食べていることが分かったという。東講師は「本来、冬の間にカラスの数は自然に減るはずだが、人為的な要因から栄養を得て生き延び、数を維持しているのではないか」と推察する。具体的な対策を立てるまでには年間を通して更にデータを集め、分析が必要だが、畜舎へのカラスの侵入を防ぐ工夫や、農作物を畑に放置せず地中に埋めて処分することなどが有効と考えられるという。今後は、カラスの観察に市民も参加してもらうなどして実験を重ねていく予定だ。東講師は「こうした実験の例は他になく、カラス対策の『盛岡モデル』を作って全国に広めたい」と意気込んでいる。
(イノシシ退散祈願の古文書発見:島根)
田畑を荒らす有害鳥獣として駆除したイノシシを地域資源として町おこしに活用している島根県美郷町で、江戸末期に被害に悩まされた住民が、出雲大社にイノシシ退散を祈願したことを記した古文書が同町内の民家に残っている。昔も今と同様、イノシシ対策に知恵を絞っていた土地柄を示すユニークな史料として注目を集めている。古文書は1864(元治元)年に記され、題名が「猪(いのしし)退参御祈祷(きとう)入用割合帳」。中身は20ページで、最初のページに「近年、イノシシ徘徊(はいかい)いたし、作物を荒し、防ぎ方人力に相叶(かな)わず難渋いたし、今般、組合村々評議の上、大社国造殿へイノシシ退散のご祈祷をお願いする」といった内容の記述がある。祈祷料は「金十七両三分」、国造へのお礼は「金五両」などとされ、他にも船賃や宿代の記載があり、現在の美郷町と、隣接する同県飯南町の旧16カ村の費用負担の割合も明示されている。石見銀山資料館(大田市)の仲野義文館長が約10年前、銀山関連の史料を探そうと、江戸時代に先祖が庄屋だった美郷町潮村、無職中原義隆さん(81)方の蔵を調べていた際に発見。同町内での講演の際に紹介するなどして、存在が分かった。同町では年間200~700頭のイノシシを有害鳥獣として捕獲。「おおち山くじら」と名付けてブランド化し、肉の販売や加工品、革製品の開発など工夫を凝らし、地域おこしにつなげている。担当する町産業振興課の安田亮係長は「先人が、鳥獣害対策に地域一丸の気持ちで臨んでいたことが分かり、感慨深い。対策への向き合い方の姿勢が参考になる」と話した。
(一網打尽、イノシシ大型わな:広島)
府中市荒谷町の農林水産省農作物野生鳥獣被害対策アドバイザーの能島正愛(くによし)さん(73)が、イノシシ捕獲のため50年の経験を生かして大型わなを造った。通常の小型わなでは捕獲が難しい母親イノシシも含め一網打尽にできるのが特長という。わなは鉄製で、長さ9メートル、幅6メートル、高さ2.2メートル。四方それぞれに出入り口を作った。中に餌を置き、イノシシが慣れて数頭単位で寄ってくるようになるのを待ち、最後に扉を閉める仕掛け。能島さんは「イノシシは短期間で子どもを産むため、母親を捕獲しないといたちごっこになる」と大型わなを造った理由を説明する。昨年7月に同市父石町の遊休地に設置。8月には5頭の母親を含め14頭を一度に捕獲した。能島さんは「農作物の被害軽減の力になれれば」と期待している。
(ジビエ料理、ブランド化:山口)
山口県下関市は農林業に大きな被害を与えるシカやイノシシの肉を特産品として売りだそうと、ジビエ(狩猟肉)専門の加工場の建設を進めている。有害鳥獣が増える背景には、農林業者の高齢化などで耕作放棄地が増え、狩猟免許保持者の減少で駆除が思うように進まないことがあるという。山口県は、携帯電話による遠隔操作が可能なシカ捕獲用移動式柵の実証実験に近く取りかかり、捕獲頭数のアップを目指している。下関市が建設しているジビエ専門の解体処理施設は同市豊田町の農業公園内に来春、完成予定。総工費約5900万円。三セクが運営し、年間シカ290頭、イノシシ310頭を食肉として加工処理して流通させる計画だ。下関をはじめとする山口県西部ではニホンジカによる農作物の食害に悩まされており、平成23年度の被害総額は約6億8000万円にのぼる。農林業従事者の減少と高齢化で、県内の耕作地は平成22年度で約3万1000ヘクタールと昭和50年度の約半分となり、大半は耕作放棄地になっている。また、9千人を超えていた猟銃やわなを使う狩猟免許保持人は3分の1の約3千人にまで減っており、その9割が50歳以上と高齢化している。そうした状況でシカやイノシシは爆発的に増加。県などは積極的に駆除に努めており、平成22年度の捕獲数はイノシシ1万8055頭、シカ2361頭と過去最多を記録したが、追いつかない状況だ。このため県は移動式捕獲柵の導入を決定。縦20メートル、横15メートル、高さ約4メートルの柵で、移動と組み立てが容易なため、シカが出没する地域を狙って設置できる。出入り口の開閉も携帯端末で遠隔操作でき、カメラを併用すれば効率的な捕獲が可能になるという。日本では有害鳥獣として駆除されたシカなどは地中に埋めるなどして処分されてきた。しかし、欧米では狩猟で得られた肉は「ジビエ」として珍重され高級料理にもなっている。山口市仁保の建設会社社長、平田英俊さん(61)は狩猟歴21年のベテラン。年に10~20回、狩猟仲間とイノシシやシカを撃ちに山に入り、駆除を依頼されることもある。肉は家庭で消費したり、料理旅館や食肉店に販売したりする人もいる。平田さんによると、厚めにスライスしたイノシシ肉を炭火であぶり、塩とコショウだけでシンプルに食べるのがお勧め。「初冬のイノシシはドングリの実をたくさん食べるので一番脂肪が乗る。大きな個体ではなく40キロから60キロくらいのイノシシがうまい。一度食べてもらえれば人気がでると思う」。このほか竜田揚げやダイコンとの煮付けなど料理としてもバリエーションが楽しめるという。農林業被害の低減、野生鳥獣の有効活用、狩猟者の所得向上にもつながり、中尾友昭・下関市長は「駆除して加工した肉が地元の名物になってくれれば」と期待している。

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