<射撃ニュース10月>

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(ヒグマが襲撃、シカ猟男性けが:北海道)
14日午後3時頃、北海道福島町浦和の山中で、エゾシカ猟のため入山していた同町の運転手道下志郎さん(58)がヒグマに襲われ、両腕や背中、顔をかまれた。道下さんは持っていたライフル銃を2発撃って応戦。一緒に入山していたハンター仲間の男性(59)が銃声に気づいて道下さんの元へ駆けつけ、ヒグマを射殺した。道警松前署の発表によると、道下さんは約2週間のけがで入院した。現場は、道道から約500メートルの山間部で、ヒグマは体長約1メートル20の雄だった。松前署が現場周辺でパトロールしている。
(イノシシが男性襲う、警官ら振り切り山に:香川)
14日午前9時半過ぎ、高松市香南町由佐で、78歳の男性が自宅隣の畑で突進してきたイノシしに右足を噛まれ、全治約2週間のケガをした。現場近くでは落花生を食べるイノシシの子供が見つかり、山に逃げるまで警察が警戒にあたった。
(サル出没、女児けが:山口)
10日午後0時40分ごろ、下関市安岡町の市道で、集団下校中の市立安岡小3年の女子児童(8)が、突然現れたサル(体長約40センチ)に太ももを引っかかれ、軽いけがをした。サルはそのまま逃げており、市や下関署が注意を呼びかけている。同署や安岡小によると、現れたサルは1匹。同日午前8時半ごろ、安岡小近くでの目撃情報があったため、同小は児童らにサルが現れても近づかないなどの指導をした上で集団下校させたという。市によるとサルは7日に同市吉母で、9日には安岡小の東約1キロの県済生会下関総合病院の駐車場で目撃されている。近くの山から下りてきた可能性があるといい、市は遭遇しても目を合わせず、静かにその場から離れるよう呼びかけている。安岡小近くで美容室を経営する女性は10日朝にサルを目撃。何かを食べながら住宅地側に向かったようだという。女性は「小学校に近いので子供の被害が心配」と話していた。
(クマよけ柵裏目、公園に閉じこめる形に:北海道)
クマが出没して閉鎖されている国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)で、園内に入り込んだクマが外に出てこず、同園を管理する国土交通省札幌開発建設部が頭を悩ませている。公園の外周にクマよけの柵(高さ約2・5メートル)があるためだ。外に出てもらいたいと、柵の扉を開放してみたものの、クマは逃げずにとどまったまま。秋の行楽シーズンを迎えても臨時休園を解除できない状態が続いている。すずらん公園は、キャンプ場や野外学習の場を備えた国営公園。休日になると大勢の利用者でにぎわう。9月23日にクマのふんと足跡が見つかり、臨時休園が続いている。札幌開建によると、園内の監視カメラが同30日にクマの姿をとらえており、園内にとどまっている可能性が高い。すずらん公園では1999年と2005年にクマが出没。これを踏まえ、札幌開建は08年までに、外周のうち、道道と接する部分を除く約7・2キロに鉄柵を設置した。今回の侵入経路は不明だが、沢沿いに入りこむなどした可能性があるという。札幌開建は、監視カメラの数を増やしたり、足跡などを見つけやすいように下草を刈ったりしたが、クマの居場所はわからないまま。クマに園外に出てもらおうと、柵に設置された12か所の扉のうち、5か所に監視カメラを設置して開放してみたが、園外に出た形跡はない。5日には、クマの爪痕と毛が柵に付着しているのが確認されており、クマが園の外に出たがっている様子もうかがえるという。ヒグマの生態に詳しい道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉氏は「クマよけの柵が、逆にクマを閉じこめるオリになってしまった。侵入を防げないならば、外から入れず、中から出られるような一方通行のゲートを検討すべきだ」としている。
(公園内の迷いグマ、森へ帰る:北海道)
札幌市南区の公園で先月23日、クマの足跡などが見つかりました。公園は閉鎖されましたが、逆に、迷い込んだクマが森へ帰れない状態になっている可能性が出てきたため、12カ所の扉のうち、6カ所を解放して警戒が続けられていました。13日、そのうちの一つの扉の近くで、クマのものとみられる足跡が確認されました。監視カメラにも、クマが外に出る様子が映っていて、専門家が調べたところ、クマが公園の外に出たことが確認されたということです。15日以降も巡回などの安全確認を続けながら、開園の日程を判断するということです。
(カラス対策、爆竹引火?:静岡)
カラス対策に使った爆竹が原因とみられる火災が十二日午後、浜松市西区であった。空気が乾燥しやすい冬に向け、消防は「爆竹や花火から枯れ草や可燃物に着火することもある。水バケツを近くに用意するなど注意を」と呼び掛けている。浜松中央署によると同日午後三時半ごろ、同区呉松町の果樹園から出火し、約百平方メートルにわたり下草が燃えた。出火当時、男性所有者(83)が柿の実を狙うカラスを撃退しようと爆竹を鳴らし続けていたといい、爆竹の火が枯れ草に引火したとみている。現場にいた男性の妻(81)が煙を吸って病院に運ばれた。柿の木に被害はない。気象庁によると、この日の浜松は強風注意報が出ていた上、最低湿度は29%と十月の平年値の70%と比べて大幅に低かった。市消防局西消防署の担当者は「大切に育ててきた果樹を守ろうという気持ちは分かるが火事になれば元も子もなくなってしまいかねない。特に乾燥している場合、周囲に燃えやすいものや枯れ草、建物がないか確認し、引火しても火事を防げるように水を準備してほしい」と助言する。
(犬のシカ猟、県内で初の実験:岩手)
ニホンジカによる食害被害が増える中、県内で初めてとなる猟犬を使ったシカ猟の実証試験が13日、釜石市平田の尾崎白浜、佐須両地区の山林で行われた。県内ではニホンジカが増加する一方、高齢化などでハンターが減少しており、今後の食害被害拡大も懸念される。本県ではシカ猟での猟犬使用が禁止されており、県や市町村、猟友会は今後の猟犬使用解禁の可能性も視野に協議を進める。宮城県猟友会石巻支部(永松重信支部長)の6人がプロットハウンド種の猟犬4頭と同市を訪問。釜石大槌猟友会(石川保文会長)を中心に宮古、岩泉、花泉などの猟友会員ら約30人が参加した。通常のシカ猟では勢子(せこ)役が大声や笛でシカを追い立て、待ち伏せたハンターがシカを撃つ。今回は衛星利用測位システム(GPS)発信機を取り付けた猟犬が勢子の役割を務めた。午前と午後の2回の猟で7頭を捕獲した。県自然保護課によると、犬を使ったシカ猟は全国で行われているが、本県では「北限のホンシュウジカ」といわれた五葉山系のシカを保護するため、猟犬使用を1950年代半ばから禁止している。
(猟友会支部長、独断で事業費を別口座で管理:北海道)
北海道猟友会釧路支部の男性支部長(82)が、2010年から釧路市や北海道森林管理局との間でエゾシカ捕獲などの委託事業を理事会などに諮らず独断で契約し、事業費を支部の資金管理口座とは別の口座で約800万円を管理していたことが11日、分かった。支部長は着服や流用を否定しているが、不明朗な会計処理だったとして7日の常任理事会で解任された。複数の支部会員によると、支部長は10年12月、釧路市内の金融機関に独断で支部名義の口座を開設。市から10年度のエゾシカ生息状況調査・捕獲事業費(計686万円)、道森林管理局から11、12年度の国有林狩猟巡視事業費(計129万円)をそれぞれ入金させ自ら引き出した。支部の会計決算に計上せず、事業の受託自体も総会で報告しなかった。解任された支部長は、北海道新聞の取材に対し「事業参加者の人選などを円滑に進めるために別会計で行っただけ。責められるところはない」と説明した。
(イノシシ、公園の芝掘る:広島)
東広島市西条町の自然公園、憩いの森公園で、イノシシ被害が後を絶たない。ことしも20カ所以上の芝生が掘り返され、来春にかけてさらに増えそう。抜本対策はなく、秋の行楽シーズンを迎えて管理者を悩ませている。キャンプ場の一画の芝生が数メートル四方にわたり掘られ、木の根がむき出しになっている。園内を回ると、荒らされた後に枯れて変色した場所が目立つ。約90ヘクタールの公園は、遠足などで年約10万人が訪れる。景観を守るために修復が必要で、職員は芝生を埋め戻して砂を入れる作業に追われる。市の指定管理者の賀茂地方森林組合によると、被害が顕著になったのは10年ほど前。利用者の減る冬場を中心にイノシシが餌のミミズや幼虫を探して繰り返し荒らす。かつては一面芝生だった小川ののり面や遊具のある広場は、今は砂地に変わった。組合は4年前、例外措置として園内に箱わなを仕掛けてウリボウを中心に30頭近くをつかまえた。しかし利用者から「危ない」と指摘され、今は園外の山中に設置。効果は乏しい。公園は鳥獣保護区で猟銃による駆除ができない。山と一体となっており、防護柵で囲うのも難しい。管理長の松浦尚樹さん(50)は「また被害の多い時期を迎える。山を整備して死角を減らしつつ、共生の道を模索するしかない」としている。
(イノシシ目撃相次ぐ、駆除継続も「いたちごっこ」:神奈川)
箱根町でイノシシの目撃情報が相次いでいる。2013年度上半期(4~9月)の通報件数は83件で、ここ数年で特に多かった昨年度に次ぐ水準。農作物や庭を荒らす被害も多発しており、町は猟友会と協力して駆除の取り組みを継続する考え。ただ、繁殖力が強いイノシシへの特効薬は見当たらず、「いたちごっこ状態」が続きそうだ。「イノシシがうろついている」。町環境課にこうした通報が寄せられるケースは、町の北西部を中心に増加傾向という。83件の内訳は、仙石原地域が47件、隣接する宮城野地域が17件で、全体の8割弱が北西部に集中している。箱根町内の年間通報件数は、12年度がここ数年で最多の324件。本年度は12年度上半期の130件には及ばないものの、すでに11年度の年間件数(66件)を上回っており、「例年に比べ多い」(同課)状況だ。県内全体でも12年度の捕獲数が前年の約1・5倍近くに増加している。ただ「サルやシカのように、頭数管理と保護の両面が必要な動物は個体数の把握に努めているが、イノシシでは調査していない」(県担当者)のが実態という。こうした状況を受け、町は県猟友会箱根支部と協力し、わなや銃による駆除を進める方針。一方で、イノシシは子どもが生まれる頻度や数が多いなど繁殖力が強いため、関係者からは「捕獲努力はしているが、いたちごっこの状態」との嘆き節も聞こえてくる。県立生命の星・地球博物館(小田原市)の広谷浩子主任学芸員は「特効薬のようなものはない」と指摘。農地を柵で囲うなどの方策を挙げた上で、「餌となるものがあると出てくるので、ごみや農作物で誘引しないことが重要」と話す。箱根町は、▽登山道から外れることや単独行動は避ける▽出くわしても近づかず、刺激しない▽食べ物を持っている場合は速やかに手放し、ゆっくりその場を離れる-などの注意を呼びかけている。
(シカの捕獲目標数、3.7倍:岩手)
県は、今年度のニホンジカの捕獲目標頭数を前年度比約3・7倍の7700頭とした。農林業被害などが年々増加していることを受けた措置で、今年度から狩猟期間を1か月延長して3月31日までとするほか、一日当たりの捕獲頭数の制限を初めて撤廃する。県の第3次シカ保護管理計画(07~12年度)によると、これまでの狩猟期間は11月15日~2月末。銃やワナによる捕獲頭数は、シカが多く生息する五葉山地域(釜石市、大船渡市、陸前高田市、住田町)で、狩猟者1人に対して一日当たり3頭に制限され、それ以外の地域では、生息域の拡大防止のために同5頭となっている。シカの食害による農林業の被害額は、07年度には約7000万円だったが、08年度以降は約2億2000万~1億6000万円と増加した。県は昨年度、被害拡大に歯止めをかけようと、五葉山地域での捕獲目標を例年の1・5倍となる計2100頭に設定。さらに、県猟友会などに捕獲を委託し、「報賞金」として、1頭当たり6000円の支給を決めた。結果、五葉山地域で2757頭、県全体で過去最多となる4240頭のシカを捕獲したが、農林業の被害は過去最高の2億8800万円に上った。ここ数年は、高山植物の宝庫として知られる早池峰山でもシカが目撃され、被害の拡大が懸念されている。県は、さらなる捕獲が必要と考え、今年9月、第4次シカ保護管理計画(13~16年度)を策定。捕獲目標頭数を設定する地域を五葉山地域から県全体に拡大した。初の頭数制限撤廃を決めた。猟期も過去最長となり、来年度以降は解禁日を11月1日に早める。県自然保護課の千田啓介主査は「生息数を何とか減らさなければ、被害は増え続ける一方。(7700頭は)前例のない数だが、県猟友会と協力し、何とか達成したい」と話している。
(野生サル、大量捕獲で被害減へ:福岡)
小倉南区に出没する野生サルによる農作物被害の対策を考える有識者と地元代表の検討会第2回会合が11日、小倉北区の市総合保健福祉センターであった。北九州市側はサルの群れは九州最大規模の120〜130頭に上るとの調査結果を初めて公表した。対策として、サルを大量捕獲し、個体数を減らす方向で合意した。市は今後、捕獲方法や時期、規模などを検討し、年度内にも具体策をまとめる。検討会は、小野勇一・九州大名誉教授(座長)ら動物生態の専門家4人と、サルが出没する東谷、中谷、合馬地区のまちづくり協議会会長ら4人の計8人で構成。市によると、サルは香春岳(香春町)から来て小倉南区の東谷、中谷、合馬地区の十数キロ四方に出没。タマネギやカボチャ、トウモロコシなどの農作物を食い散らかしている。会合では、市の委託業者が9月、野生サルの群れをビデオ撮影して個体を数えたところ、102頭を確認。子ザルの割合は約18%で、大分市の高崎山自然動物園で餌付けされているニホンザル群とほぼ同じ割合だと報告された。また山林に隠れているサルが20〜30頭とみており、全体数は120〜130頭とした。報告を受けたメンバーからは「九州最大規模の数」「子ザルの割合が多く、群れが今後大きくなり、分裂する可能性がある」「サル出没地域では高齢者が多く、発見からの対策が遅れがちだ」との意見が出た。その後、議論の結果、「農作物への被害を減らす」「サルを大量捕獲し個体数を減少させる」「香春町などと協力し、別の群れも調査して全体像を明らかにする」との意見で一致した。検討会は今回で終了。市は年度内をめどに、具体的な対策を検討する。
(シカによる食害情報提供呼び掛け:愛媛)
愛媛県内で食害が深刻化しているニホンジカの実態を把握し、効果的な防除対策に役立てようと県はこのほど、専用のチェックシートを作成し、登山者らに呼び掛け、ふんや食べ跡などの情報を提供してもらう取り組みを始めた。県自然保護課によると、ニホンジカの食害は2008年ごろから急増。12年度の森林被害実損面積は185ヘクタールで、10年間で約4倍に拡大した。農業被害は約3倍増(02年度比)の1497万円に上り、石鎚山系などに広がることが懸念されている。12年度の有害捕獲は約5倍(同)となる1863頭だった。
(食害防止へ、シカ分布図:群馬)
シカによる農林業被害を防ぐため、県は今月下旬から生息分布図の作成に乗り出す。シカが原因の林業被害は昨年度、過去最悪を記録しており、県では、年度内に分布図を完成させ、効率的な駆除計画に役立てる方針だ。県自然環境課によると、分布図は、東京都内の民間企業に製作を委託。県内を対象に個体数と生息密度を5キロ・メートル四方の網目(メッシュ)で表す。今月下旬から猟期の始まる11月15日までの間、県内30か所の生息域でシカのフンを計測。過去の生息データや駆除・狩猟捕獲数を加味して分析し、シカの個体数と分布状況を推定するという。昨年度のシカによる林業被害は、前橋や桐生を中心に計約3億2000万円と過去最悪を記録、鳥獣被害全体の4割以上を占める。同課担当者は「シカは農作物だけでなく、草や木の皮など何でも食べ、山の荒廃を招きやすい。野生動物被害の中で最初に対処する必要がある」と警戒する。被害の深刻化を受け、尾瀬国立公園や丸沼周辺では、今年度から県や片品村がシカの捕獲を始めている。県は、狩猟人口の減少に対応するため、近く太田市の警備会社と契約し、前橋市内でわなによる捕獲活動を委託する予定だ。一方、県は、県内のシカの個体数を1997年度時点で約7600頭と推定して以来、個体数や分布を詳しく調査していないという。最近は、赤城山や県南西部などで生息域が急拡大しているとみられるだけに、実態把握は喫緊の課題だ。分布図は完成後、市町村に提供し、駆除計画に活用してもらう方針。生息域周辺農家のアンケート調査を行えば、シカの生態と農作物被害との関連も解析できるという。同課担当者は「分布図を活用して駆除目標数を決めるなど、計画的で無駄のない駆除に生かせれば」と話している。
(尾瀬で大規模シカ退治:群馬)
県や尾瀬保護財団などでつくる尾瀬地域生物多様性協議会は今月から、同地域でシカによる食害が深刻化している問題をめぐり、大規模なシカの駆除作戦に乗り出した。尾瀬国立公園やその周辺にわなを仕掛け、越冬のため移動するシカを捕獲する。同協議会による本格的なシカ駆除は今春に続き2回目で、来年1月15日まで行われる。尾瀬におけるシカ被害は数年前から急増しており、ミズバショウなどの食害や、湿原の掘り起こしが目立つようになった。このため同協議会は今春、栃木・日光方面の越冬地から尾瀬に侵入するシカを狙った駆除作戦を実施。仕掛けたわなで73頭を捕獲し、焼却処分した。今回は、寒さをしのぐため、尾瀬から越冬地に移動するシカを狙う。わなのほか、地元猟友会が銃猟も実施。また、尾瀬国立公園にシカが入らないよう、侵入防止柵を増設する。県によると、春の駆除分と合わせた駆除目標頭数は105頭。今回のシカ駆除作戦に伴う登山道への影響はないとしている。
(多治見でクマ情報、イノシシの可能性も:岐阜)
十二日午後七時ごろ、多治見市脇之島町の山でクマらしき動物三頭が目撃された。市によると山にはイノシシと見られる足跡があり、クマと間違えた可能性があるという。近くの住民が多治見署に通報した。市は署からの連絡を受け、緊急メールと町内の防災無線で注意を呼び掛けた。日没となったため、十三日午前八時から市職員と猟友会員らが周辺を見回り、イノシシと見られる足跡を見つけたという。
(サルの人的被害25人:静岡)
富士市は6月以降、市北東部で発生しているサルの人的被害についてまとめた。サルに引っかかれる、抱きつかれる、かまれるといった被害に遭った人は11日現在で25人。内訳は幼児4人、小学生8人、中学生3人、高校生5人、一般5人となっている。サルが出没しているのは神戸、今宮、富士見台、比奈などで、被害に遭った場所では保育園園舎内2人、幼稚園敷地内1人、小中学校敷地内4人、高校敷地内3人、道路9人、住宅3人などとなっている。10月に入ってからは吉原工高周辺や吉原北中周辺で計11件のサルの人的被害が確認されているという。市では対応として、▽小学生の集団登下校▽神戸小にオオカミの臭いのする袋の設置▽箱わなの設置▽くくりわなの設置▽神戸小でのおびき寄せの実施▽滝川における追い払いの実施▽学校などでの早朝、夕方の監視およびパトロールの実施▽猟友会によるパトロールの実施▽青色パトロールカーによる注意喚起▽市ウエブサイトでのサル注意情報の掲載―などに取り組んでいるという。
(カラスの捕獲が激減:富山)
高岡市の高岡古城公園で、園内をねぐらとしているカラスの捕獲数が激減している。知能が高く、賢いと言われるだけに、園内に設置されたおりを警戒しているとの見方が出ている。一方で、周辺の市街地ではふんによる被害などが後を絶たず、住民の気苦労はやまない。対策を講じる市側と、捕獲から逃れるカラスとの間で「知恵比べ」の状態が続いている。カラスのおりは2010年8月から高岡古城公園内の3カ所に設置されている。高さ2~3メートル、幅3・6メートル、奥行き1・8メートルのおりの中には、ドッグフードに肉を干したジャーキーを混ぜた餌が置かれている。市によると、カラスの捕獲数は11年に417羽に上ったが、12年は262羽に減少。今年はさらに減少し、8月末現在で74羽(前年同期119羽)にとどまる。7、8月は比較的捕獲数が多いとされるが、今年は2カ月間で46羽だけで、昨年の102羽の半数以下となった。市は、捕獲数の減少理由は明確に分からないとした上で、「賢いカラスがおりに警戒している可能性も捨てきれない」(花と緑の課)と分析する。委託業者に、おり周辺の枝木の伐採や餌の工夫を求めるなど環境改善を図る構えだ。カラスをめぐっては、高岡古城公園内の市民会館周辺や市街地などでふんの被害が目立ち、路上はふんで白くなっている箇所があちこちで見られる。同市中心部で暮らす30代女性は「朝夕はいつふんが降ってくるか分からず、安心して歩けない」と語気を強める。各地でごみ集積所を荒らす行動が見受けられ、水稲や野菜など農作物の食害も昨年度は0・36ヘクタールに上るなど、問題となっている。市は2010年度に設置したカラス対策庁内連絡会議を中心に、ねぐら対策やごみ集積所対策、農作物への食害対策などに取り組むが、市関係者からは「こちらが知恵を出しても、カラスも学習してくる。いたちごっこの状態が続いている」とため息交じりの声が漏れている。
(「猪塾」修了者が活躍:茨城県)
広がるイノシシによる農産物被害を減らそうと、茨城県は、地域住民に被害防止対策を指導、助言する人材の育成に力を入れている。行政担当者らを対象に、1年間ノウハウを伝授する「茨城猪塾(いのししじゅく)」を昨年度から始め、修了者を「支援者」として認定する。今年度末には60人に増える見通しだ。山林に接し、小さな田んぼが連なる那珂市戸崎集落。9月下旬、今年度4回目の塾の講習が行われた。農産物の被害状況、人里に誘引する放任果樹、足跡――参加者は1時間半、実際に集落を丹念に歩いて調べ、対策を考えるのが課題だ。地図に書き落とし、そこから侵入ルートの仮説を立て、対策をまとめ発表した。2期生で笠間市農政課の菊地恵一主査は「実際に役立つ技術が学べる」と語る。塾は応募のあった市町村担当者らを対象に年5回ほど講習を開き、被害防止対策の立て方や防護柵の設置方法などを幅広く教える。1期生37人は支援者として活躍し、今年度は2期生25人が学ぶ。来年度も続け、最終的に支援者を100人に増やすのが目標だ。講師を務める農研機構中央農業総合研究センターの竹内正彦主任研究員は「対策は地域住民主体で進めないとうまくいかない。支援者はあくまで指導や助言が役割」と指摘。こうした支援者の育成は東日本ではまだ少ない。県によると、イノシシによる農産物被害額は約6200万円(2012年)。事務局を務める県病害虫防除所の渡邊健所長は「イノシシを寄せ付けない集落づくりを進め、被害拡大を食い止めたい」としている。
(シカ被害対策で研修:栃木)
県内でも鳥獣による農林業被害が拡大する中、対策の専門資格「鳥獣管理士」を認定する鳥獣管理技術協会(会長・杉田昭栄宇都宮大農学部長)は13日、宇都宮市内のホテルで、シカ被害対策をテーマとした第4回鳥獣管理技術研修会を開いた。鳥獣管理士は、宇都宮大と県が2009年から行う養成プログラムの修了者に対して、同協会が認定する。所定プログラムを修了した4人が同日、初めて最高位の1級に認定された。研修会では、北海道の酪農学園大の赤坂猛教授が、増え続けるエゾシカの現状や対策について基調講演した。パネルディスカッションでは、地域の農林業の鳥獣管理士が被害実態を紹介した。宇都宮大の小金沢正昭教授は「シカは増えているが、各地域で多くの鳥獣の複合的な被害が出ている」と指摘。「まず加害獣が何かの判定が重要。鳥獣管理士の指導、助言が地域で大きな役割を果たす」と総括した。
(既存ビルを建て替え:東京)
東京都猟友会(千代田区)は、老朽化した現在の事務所ビルを建て替える。施工者は未定で2014年1月10日の着工に向け今後、役員会を開き施工者の選定を進める。既存ビルの老朽化対策として現地建て替えを行う。
(愛媛国体、全会場内定:愛知)
国体県準備委員会は10日、2017年愛媛国体で県外開催を予定している水泳(飛び込み)、馬術、クレー射撃の3競技が会場の内定手続きを終え、正式・特別競技計38競技の73会場が全て内定したと発表した。事務局は「今後、競技施設の整備状況なども踏まえ、本格的に準備を進めたい」としている。会場内定は07年3月の29会場を皮切りに、6年半で完了した。主な会場は、総合開・閉会式のほか陸上競技など4競技を行う県総合運動公園、ボートの全種別がある玉川湖ボートコース(今治市)、特別競技の高校野球を行う坊っちゃんスタジアムなど。準備委は今年3月に第2次競技施設整備計画を策定し、当時内定済みの35競技70会場のうち、54会場で整備が必要と判断。大規模改修から、照明設備や芝の張り替えなどの軽微なものも含め、順次進めていくという。10日に内定した県外開催の3競技は、年度内に中央競技団体が現地視察し、整備の必要性などを検討する。
(狩猟者、20年間で4割以下に:秋田)
県内で狩猟者が減り続けている。2012年度の狩猟者登録数は1920人で、20年前の1992年度の4932人の4割以下となった。高齢化や猟銃の規制強化で狩猟をやめる人が増える一方、レジャーの多様化で若い狩猟者が増えないのが要因。各地の猟友会に所属する狩猟者が少なくなれば、有害鳥獣駆除への対応が困難になると案じる関係者も多い。県は狩猟免許試験の回数を増やし、狩猟者の確保に乗り出した。県自然保護課によると、県内の狩猟者登録数は毎年100から200人前後減少。92年度以降で増加に転じた年はなく、右肩下がりが続く。12年度は前年度より117人減り、2千人を割った。現在は11月のカモ猟解禁を前に、本年度の登録者数を集計中。各地の猟友会は、自治体の要請で、農作物や人間に危害を与えるクマやカラスなどを捕獲する役目も担う。県自然保護課によると、狩猟者数が20年間で約61%減ったのに対し、有害鳥獣捕獲許可件数は92年度の365件から、11年度は707件とほぼ2倍(12年度は未集計)に増えた。同課は「現在は間に合っているが、狩猟者の減少が続くと、有害鳥獣駆除に即応できない恐れがある」と懸念を示す。
(白神ブナ林食害の危機、迫るニホンジカ)
青森、秋田両県にまたがる世界自然遺産・白神山地に、貴重なブナ林を食い荒らし、生態系に大きな影響を与える恐れのあるニホンジカが迫っている。両県では明治時代に絶滅したとされるシカが近年、遺産地域周辺でも目撃されている。関係者は「侵入は時間の問題」と警戒を強める。秋田市の東北森林管理局で7日開かれた白神山地世界遺産地域科学委員会の席上、中静透委員長=東北大大学院教授(森林生態学)=は「世界遺産地域にシカが近づいている」と警鐘を鳴らした。環境省によると、目撃情報は青森県で2005年以降66件(うち13年は5件)、秋田県では09年以降26件(同3件)寄せられた。9月には、世界遺産地域の外側約10キロの青森県西目屋村の山林で、山形大農学部の江成広斗准教授(野生動物管理学)と、妻で農学博士のはるかさんが雄のシカ2頭を自動撮影カメラで捉えた。科学委がシカ問題を議題にするのは3回目。侵入阻止は待ったなしの課題だ。7日はシカの生態に詳しい専門家を招き、意見を聞いた。森林総合研究所東北支所(盛岡市)の堀野真一生物多様性研究グループ長は、男鹿半島に18世紀後半、2万7000頭のシカが生息していたという文献を紹介。「シカにとっては新天地開拓ではなく、分布を回復しているだけ。拡大は止められない」と指摘した。北里大獣医学部の岡田あゆみ講師(野生動物学)のDNA分析では、青森、秋田両県で確認されたシカの大半は、岩手県にすむシカと遺伝子型が同じだった。岩手から広がっていることを意味し、「北東北3県で連携して対応すべきだ」と強調した。科学委の委員で東北芸術工科大芸術学部の田口洋美教授(環境学)は「5、6年のうちに間違いなく白神山地に入ってくる。樹皮を食べられ、水が吸い上げられなくなれば、ブナは立ち枯れしてしまう」と危機感をあらわにした。科学委は、監視態勢の強化や個体数のコントロールを図るべきだとの見解で一致。国と両県でつくる白神山地世界遺産地域連絡会議に、侵入阻止に向けた具体策を作るよう勧告する。
(後絶たぬシカ食害、林業関係者が悲鳴:和歌山)
植林したヒノキ、スギなどをニホンジカやウサギに食べられたり、樹皮をはがされたりする被害が後を絶たない。和歌山県内の林業関係者は植林した区域をネットで囲むなど対策を講じているが「ネットが倒されたり破られたりすることもたびたび。シカの数が多過ぎる」と対応に頭を抱えている。中辺路町森林組合(田辺市中辺路町)の岡上哲三組合長は「雇用を確保するため毎年植樹をしているが、その約1割が食害に遭っている。大きくなった木は樹皮をはがされ商品にならなくなる。とてもつらい」と苦境を語る。大辺路森林組合(白浜町日置)の三角孝参事は「今春約5ヘクタールに植え終えたスギ、ヒノキが食害され、シカが好むヒノキは全滅した。近く全て植え直すが、昨年も被害に遭ったばかり」と悔しがる。どの組合でも植樹後はシカの侵入を防ぐため区域をネットで囲んでいるが、強風でネットが支柱ごと倒れたり、動物に倒されたりすることがある。人が故意に支柱を引き抜いたり、ネットを刃物のようなもので切ったりしたとみられる場合もあるという。苗木一本一本にプラスチックの筒をかぶせることもしているが、「2メートル近くある筒も倒され食害された」(大辺路森林組合)という。西牟婁森林組合(田辺市鮎川)や龍神村森林組合(同市龍神村)の職員も「ネットに不具合が出ていないか見回っているが、面積が広いので十分にはできていない。シカの駆除を求める林業関係者の声が強い」と話している。県がまとめた『平成25年度森林・林業および山村の概況』によると、シカによる2011年度の県内の森林被害実損面積は約53ヘクタール。10年度より6ヘクタール減ったが09年度に比べると13ヘクタール増えた。実損面積は食害で枯死し、自治体などから報告のあったもののみ計上している。これに対し「被害報告はしていない。詳細を調べること自体困難なので調べてもいない」という森林組合もある。広大な植林地内に被害に遭った木が散在しているため、被害規模は推定するしかないという。西牟婁振興局林務課の担当職員も「被害実態を把握するのは難しい」と話す。県は、農林業に大きな被害を及ぼすシカの生息数を減らそうと11年度から3年計画で管理捕獲を実施。県の担当者は「捕獲目標はほぼ達成したが、紀北・紀中など今まであまり農業への被害のなかった所にも被害が広まっている」と説明。県内のシカの生息数を再度調査し、それを参考に14年度以降の取り組みを検討するとしている。
(クマ出没ハイペース:岡山)
岡山県内でツキノワグマの目撃数が増えている。県北を中心に今年度の出没数は9月15日現在で41頭。79頭が出没した23年度の同時期を4頭上回るペースで推移しているといい、同県は冬眠を控えて大量出没する可能性がある秋季、注意を呼びかけている。クマは同県北東部で多く目撃され、兵庫、鳥取県境の氷ノ山周辺が主たる生息地とみられる。環境省レッドリストでは、「絶滅のおそれのある地域個体群」(東中国地域個体群)に指定されており、岡山県内全域が捕獲禁止エリア。目撃情報があっても、むやみに駆除はできない。エサとなるブナやミズナラなどの木の実(堅果類)の豊凶が出没数に大きく影響するといわれており、県は津山・勝英地区で毎年調査を実施してきた。23年度は「並作」、昨年度は「凶作」で、出没数がやや増加したという。一方、9月に行った今年度調査の結果は「豊作」。このため、県自然環境課は「今秋は人里に下りることが少なくなるだろう」と分析。だが、県内の生息数は漸増傾向のため、「木の実の豊作に安心することなく、クマには十分警戒してほしい」としている。
(シカ肉をミートソースに:長野)
大鹿村内の民間企業が、村内産のシカ肉を使ったミートソースを作った。12日から村内などで販売を始めるほか、村内の飲食店などはこのミートソースをかけたスパゲティを提供する。村内にはシカ肉カレーなどをメニューとする飲食店もあり、ジビエ(野生鳥獣肉)の利用がさらに一歩進みそうだ。開発したのは、村内の漬物製造販売「前沢産業」と、シカ肉・猪肉加工販売「ヘルシーMeat(ミート)大鹿」。村内でシカ肉利用が徐々に広がっており、前沢産業も自社商品を売り出そうと昨年から準備を進めてきた。家庭でも利用が多いミートソースに着目し、シカ肉の購入先のヘルシーMeatと試作を重ねた。シカのモモ肉をトマトやデミグラスソースと煮込み、ニンニクなどの風味でシカ肉特有の臭みを抑えた。「シカ肉のミートソース」の商品名で、1袋(2人分250グラム入り)780円。村内の商店や土産物店などで販売する。また、村大河原の村特産物センター「秋葉路」と、村鹿塩(かしお)のそば店「おい菜(な)」は、シカ肉のミートソースをかけたスパゲティを扱う。いずれも12日から提供を始め、コーンスープやきのこ汁が付いて1千円。前沢産業の大坪弘之営業部長は「ミートソースで大鹿村に興味を持ってもらい、村に足を運んでほしい」と期待している。

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10/9
(サルまたも去る:静岡)
かみつきサル被害が6月から多発している富士市で8日朝、吉原工高(比奈)にサルが現れた。市環境部職員と富士猟友会のメンバーら約40人が2時間を超す“大捕物”を繰り広げたが、サルはまたも包囲網を突破して、行方をくらませた。同日午前7時半ごろ、同校テニスコートでコート整備中の2年生男子の右脚にサルが抱きついた。サルはすぐに逃げ出し、生徒にけがはなかった。通報を受けた市職員らは網、たも、棒、爆竹などを手に現場に急行し、学校を包囲した。猟友会の猟犬2頭も応援に駆け付け、サルが逃げ込んだ学校南側の林を捜し回ったが結局、サルは見つからずじまい。市内では6月28日以降、神戸、今宮、富士見台、比奈地区などでサル目撃が相次ぎ、7日までに3歳児からお年寄りまで男女計22人がかみつかれるなどの被害も出ている。市、市教委、地域住民は朝夕のパトロール、人形や餌を使った誘い込み作戦を継続中だ。市環境保全課は注意点として「一人歩きを避ける」「サルには近寄らず目を合わせない」「餌を与えない」を挙げ、発見時の通報も呼び掛けている。
(絶縁体に大量の鳥のふん、93戸が停電:山形)
3日午前4時40分ごろ、鶴岡市泉町の一部で最大93戸(街路灯などを含む契約数)が停電し、約2時間5分後に全面復旧した。東北電力は、原因は絶縁体に大量の鳥のふんが付着したためとし、広報担当者は「県内での発生は記録にない」と話している。同支店によると、電柱と高圧線を接続する絶縁体にカラスとみられる鳥のふんが大量に付着、降雨によって通電し、電流が電柱から地面に漏れた。同支店は汚れた絶縁体を清掃するなどして対応した。本年度、東北電力管内では同様の原因で4件の停電が発生しているという。鶴岡市が9月に行った調査によると、現場近くの鶴岡公園周辺には、約3300羽のカラスが生息しているとされる。
(有害鳥獣駆除、浪江町が捕獲隊に委嘱:福島)
東京電力福島第一原発事故で全町避難している浪江町の有害狩猟鳥獣捕獲隊への委嘱状交付式は7日、二本松市の町役場二本松事務所で行われた。東日本大震災前までは里山に生息していたイノシシなどの動物が街中でも目撃されるようになり、家屋などに被害が出ている。今年4月から10月7日までに、町に少なくとも14件の目撃情報などの報告が寄せられた。同隊は平成24年4月から今年3月末までにイノシシ96頭、ニホンザル9頭を捕獲した。今年度の活動期間は交付日から平成26年3月31日までで、捕獲予定数はイノシシ70頭、ニホンザル12頭を目標に掲げている。式で、馬場有町長が牛渡信吾隊長らに委嘱状を手渡した。馬場町長は「家屋や田畑などがかなり鳥獣に荒らされている。1匹でも多く捕獲することが町の財産を守り、復興につながる」とあいさつした。
(壱岐で泳ぐイノシシ“指名手配”:長崎)
「WANTEDイノシシ」―。長崎県の離島・壱岐で、海を泳ぐイノシシの情報提供を求める西部劇風のポスターが話題だ。島に生息していなかったが、3年前の上陸以来、農産物の被害が拡大。“新参者”の姿形を詳しく知らない島民向けに、県などが写真入りのポスターを作り、上陸阻止と捕獲に全力を挙げている。県によると、イノシシが初めて見つかったのは10年6月。釣り人が壱岐島南部の海岸で上陸を目の当たりにして以降、稲やイモの被害が相次ぐようになった。県や壱岐市などは、これ以上の上陸と被害拡大を防ぐためポスターを作製。注意を引こうと西部劇風に「WANTED」と記した。
(防護柵が逆に障害か、侵入ヒグマ森に帰れず:北海道)
札幌市南区の国営滝野すずらん丘陵公園でヒグマ出没の痕跡が相次ぎ見つかり、9月下旬から臨時閉園が続いている。森に囲まれた公園ではクマの侵入を防ぐため外周に高さ2・5メートルの防護柵を巡らせているが、どこからか迷い込んだ1頭が、逆に柵に阻まれ園内から出られなくなっているとみられる。これまで出没跡は大半が柵近くで、専門家は「クマも外に出たがっている」とみる。園を管理する開発局は各所で柵のゲートを開け、クマを森に帰そうと懸命だ。これまで開発局は森に面した公園南側の柵のゲート3カ所を開放。5日の痕跡発見を受け、7日さらに2カ所のゲートを開けた。「柵がやっかいなのは、一度中に入ってしまうと外に出にくくなることだ。クマも園外に出たがっているはずだ」。開発局の対策会議の専門家委員で、道立総合研究機構環境・地質研究本部の間野勉氏は指摘する。クマの人的被害などがない今回は、駆除ではなく園外に出す対策を基本とするが、柵に囲われた公園の構造が対応を難しくしているという。開発局は閉園期間を当初は今月7日までとしていたが、クマの痕跡発見がやまないことから17日まで延長することを決めた。
(サル被害の18市民に見舞金2万円:宮崎)
宮崎県日向市は8日、野生ザルにかみつかれるなどして負傷した市民18人に見舞金として一律2万円を支給することを明らかにした。サルが逃げ込んだ空き家の所有者には、捕獲時に破損した補修費などとして30万円を支払う。同市では8月28日から9月7日にかけて、男女計18人が相次いでサルにかみつかれるなどして重軽傷を負った。市は見舞金の支給について「深刻な被害だったことを踏まえ、特別に配慮することにした」と説明している。サルを捕獲した空き家は、消防隊員らが突入した際に内壁などを破損したという。同市塩見の瀧井病院が9月上旬、「サル被害の警戒に充てて」と30万円を寄付。直後にサルが捕獲されたことから、市が36万円を追加して予算を計上した。日向市議会は8日、最終本会議を開き、2012年度の一般会計など16件の決算を認定するなどして閉会した。約5380万円を追加する一般会計補正予算案など10議案は会期中に可決された。
(ブナ林保護、シカ対策必要:秋田)
白神山地の保護や管理計画を有識者が話し合う地域科学委員会が7日、秋田市で開かれた。岩手県でシカの食害被害が目立っていることから、いずれ秋田、青森県にもシカが入り込み、白神山地のブナ林を脅かすとの見方が大勢を占め、早期に対策を講じることが必要との意見でまとまった。専門家は「最悪の場合、5、6年で被害が出る可能性がある」と懸念している。委員会は、東北大や秋田県立大、弘前大の教授らで構成。年2回のペースで開いており、今回が7回目。シカの食害については、これまでも委員会で懸念の声が出ていたが、今回は詳細な実態を把握しようと、専門家に見解を聞いた。森林総合研究所東北支所の堀野真一・生物多様性研究グループ長は、18世紀後半に約2万7000頭のシカが秋田にいたと過去の文献にあることや、既に岩手県では食害が広がっていることを指摘。「シカがいなかったのは気候などが理由ではなく、江戸時代にはたくさんいた。今後、この地域で復活する可能性は大いにある」と分析した。北里大の岡田あゆみ講師は、秋田、青森県でシカの目撃情報が徐々に増えていることから、「初期対応が重要。シカは岩手県から来ているので、北東北3県で対策を協議すべき」と提案した。委員からは提案について「白神山地周辺の里山から守らないといけないのではないか」などの声も上がり、白神山地の保護とシカの食害防止に向け、早期に効果的な対策が必要との意見をまとめた。この意見は、環境省や秋田、青森県などで作る地域連絡会議に今年度内に報告され、具体的な対策を話し合うという。委員で東北芸術工科大の田口洋美教授(環境学)は「シカは間違いなく来る。このままだと、5、6年で影響が出てくるのではないか」と危惧している。
(シカ食害、土石流に影響与える:福井)
8、9月の大雨により福井県美浜町新庄で発生した土石流とみられる土砂崩れについて、同町はニホンジカによる食害の影響を指摘している。土砂被害があった谷につながる山肌では草原がシカにより食べ尽くされ裸地化し、土壌浸食が急速に進んでいるからだ。町は県や国に対し、治山対策の強化を求めている。町によると、同町新庄にある関西電力耳川水力発電所近くの「庄(しょ)ム谷」とそこから約500メートル南にある「崩谷(くずれだに)」では、8月23日の大雨と台風18号による9月16日の豪雨でそれぞれ土砂崩れが発生。山際を走る県道まで土砂が押し寄せ通行止めとなった。町は土砂と水が一体となり流れ落ちる土石流だったとみている。両谷の上方には、かつて集落の住民が屋根をふくためにカヤを刈っていた「茅場(かやば)(茅山(かややま))」と呼ばれるススキの草原が広がっていた。しかし近年シカが増え、ここ1、2年は遠目からも茶色い表土がはっきり見えるほど食べ尽くされた状態となっている。同町土木建築課の職員が8月の大雨の後、被害調査のため庄ム谷の入り口から土砂の源流をたどった。250メートルほど登った先に広がるかつての茅場は、ほぼ“丸裸”状態で、一帯の表土には浸食の筋ができていた。中には深さ2メートルほどの溝もあったという。同課は表土を押さえていたススキやササなどの下層植生がシカに食べ尽くされ、雨が降るたびに浸食されていると説明。その上で「今回の大雨で谷にたまっていたものを含め一気に流れ出たのでは。食害が土石流に影響している」と指摘する。新庄区の牧野実雄区長代理は「庄ム谷の入り口にある堰堤(えんてい)の溝から、雨が降るたびに赤茶色の水が出ていた。大雨が来たら危ないぞという話をしていた」と振り返る。新庄にある別の2カ所の茅場の下部でも今回、土砂崩れが起きており、町は同様の影響があったとみている。山口治太郎町長は9月18日、台風18号の被害現場を視察した西村康稔内閣府副大臣に対し、食害と土砂崩れの関連を説明し治山対策の強化を口頭で要望した。同25日に小浜市長、若狭町長とともに復旧への協力を西川知事に求めた際も、浸食された茅場の画像を見せ状況を説明した。山口町長は「堰堤を設け土砂崩れを止める当面の対策に加え、山の浸食を防ぐことの重要性をあらためて感じた」という。治山を担当する県嶺南振興局は「シカの食べない植物による緑化の研究を、県の専門部署で進めている」とし、緑化を含めた治山対策を検討していく考えだ。
(養殖ノリ消失はカモ食害:福岡)
全国有数の養殖ノリの産地・有明海で、養殖中のノリが一晩から数日で消えてしまう原因不明の被害が数十年前から多発し、福岡県が調査した結果、付近の河川から飛来したカモ類の食害であることがわかった。ノリの種付けを10月中旬に控え、一部の養殖業者は漁場周辺にカモ類の侵入を防ぐ網を張る対策に乗り出し、県も撃退策の検討を始めた。福岡県水産海洋技術センター有明海研究所などによると、被害は主に同県柳川市から大牟田市に至る約10キロの沿岸部で発生。養殖中のノリが突然消える現象が頻発し、昨年度の被害額は約2450万円に上った。一部の網のノリが刈り取られたようになるため、養殖業者の間では「バリカン症」と呼ばれてきたが、原因は分かっていなかった。同研究所は2010年度から調査を開始。11年12月、河口の約2キロ沖に調査用のノリ網(縦36メートル、横1・8メートル)を設置し、近くの観測塔から職員が監視していたところ、午後3時頃、数羽のカモが飛来。日没後に一気に増え、午後9時頃には44羽に上り、ノリを食べる様子も暗視カメラで確認できた。未明に飛び立ち、翌朝には、ほぼ食べ尽くされた状態になっていた。
(食害防護網取り付け:徳島)
那賀町の木頭中の生徒らが、同町木頭北川の那賀川源流周辺の樹木に、シカの食害を防ぐネットを取り付けた。生徒22人と那賀川アフターフォーラムのメンバーら37人が参加。周辺の広葉樹約60本にネットを巻いて樹皮がシカに食べられないよう保護した。周辺にはブナやトチノキなどの苗木約100本を植えた。県南部県民局の職員を講師に、シカの生息密度も調査。1平方メートル当たりにあるシカのふんの数を14カ所で調べた結果、ほかの地域と比べてシカの数が非常に多いことが分かった。活動は5年目。苗木は瀬戸内オリーブ基金(事務局・香川県土庄町)の助成金で購入した。
(東大ゼミ、ジビエ料理に挑戦:千葉)
シカやイノシシをさばいて野生動物との関わりを考えるゼミが東京大学千葉演習林(鴨川市、君津市)で9月にあった。1、2年生11人がナイフを手に解体に挑戦し、ジビエ(野生鳥獣)料理を味わった。市の野生動物担当者や鳥獣被害に悩む農家に取材をした後、地元猟師の高橋幸廣さん(64)がワナで捕ったシカと、オリに掛かったイノシシを解体した。「解剖はカエル以来」という学生ばかり。高橋さんは愛用のナイフを使わせ、「刃は手の方に向けない」「関節は曲げておいて切る」と基本を教えた。学生は交代で皮をはぎ、肉を切り進んだ。柔らかなモモ肉の塊を切り出すと、「おー」とどよめきが沸いた。

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10/7
(列車がイノシシはねる:福島)
2日午後7時15分ごろ、田村市船引町のJR磐越東線船引-要田間で下り普通列車がイノシシをはね、安全確認などのため一時運転を見合わせた。乗客約80人にけがはなかった。JR東日本福島支店によると、上下線4本に最大1時間18分の遅れが出て、乗客約620人に影響があった。
(車中3歳女児、サル10匹が囲む:栃木)
三日午前十一時すぎ、那須町の路上で、埼玉県草加市の公務員の男性(37)が長女(3つ)を車中に残し、乗用車を離れたすきに、野生のサル約十匹が車を取り囲んだ。男性からの一一〇番で駆け付けた那須塩原署員が追い払い、約三十分後に助け出した。女児にけがはなかった。同署によると、男性は家族四人で那須町の別荘に滞在。三日午前、帰宅のために約三十メートル離れた路上に止めた車の後部座席に長女だけを先に乗せ、生活ごみも積み込み、荷物を取りにいったん別荘に戻った。再び玄関を開けると、体長約七〇~八〇センチのサルが車を取り囲んでいた。署員は撃退用のロケット花火を持参し、現場に急行。パトカーのサイレンを鳴らして近づくと逃げていった。周辺では以前から野生のサルが目撃されているが、こうしたトラブルは珍しいという。同署は「サルは生ごみなどの臭いに敏感なので、始末には十分注意してほしい」と呼び掛けている。
(住宅街でサル傍若無人:青森)
5日昼、鯵ケ沢町中心部の本町や米町にサル5、6匹が現れ、カボチャなどを荒らし回った。近年、夏から秋にかけ住宅地へのサル出没が「恒例」ともいえるほど頻繁にある鯵ケ沢町。住民は「町は真剣に対策に取り組んでほしい」とうんざりした表情だった。サルは同日午前11時半ごろから午後1時ごろまでの間、町中心部、国道101号沿いの海の駅わんど近辺に出没した。付近は役場や消防庁舎、民家があり車の通行量も多いが、サルは悠々と国道を行き来。電線から電線、民家の屋根から屋根に器用に飛び移り、窓が開いた留守の民家に侵入した。道端には食い荒らしたカボチャも。庭のイチジクを食べられた住民もいたという。西海岸地域ではここ数年、収穫期の夏から秋にかけ山間部だけでなく民家の多い町中心部で悪さをするサルが目立つが、有効な撃退策はない。本町の住民によるとサルは秋に入り出没回数が増え、ここ1週間では3度目。5日は住民の通報を受けた町職員が追い払い用のロケット花火8発を発射したがサルはすぐに舞い戻り、逆に樹上で奇声を発し威嚇するように激しく枝を揺らした。本町に住む戸沼正温さん(70)は「何とかならないものか。布団は干せないし窓も開けられない。近くに通学路があるので子どもたちが襲われでもしたら大変だ」と顔をしかめた。
(住宅地近く、クマの足あと:北海道)
札幌市南区の山中でクマの足跡が発見されました。発見場所から100メートルほど離れたところには住宅地があり市は注意を呼びかけています。「南沢の住宅街から100メートルほど離れたこちらの山道でクマの足跡が見つかったということです」午前6時ごろ、札幌市南区南沢の山中で、近くに住む女性からクマの足跡を見つけたと、南区役所に連絡がありました。札幌市が調べたところ、親子と思われるヒグマ2頭の足跡が確認されました。近くに住宅地があることら、市は看板を設置するなどして注意を呼びかけています。また、札幌市西区西野の「宮丘公園」でもきょう午前クマのフンが見つかり、札幌市は公園の立ち入りを禁止しました。
(知床岬の越冬シカ激減:北海道)
エゾシカの食害が深刻化している世界自然遺産・知床半島の知床岬地区で、シカの生息数が大幅に減少している。環境省が2月に行った航空調査では前年同期比209頭減の56頭となり、過去10年で最少となった。食害で失われた植生も回復傾向で、同省は2007年度に始めた捕獲の成果とみている。9月29日に釧路市内で開かれた知床世界自然遺産地域科学委員会のワーキンググループの会合で報告された。知床岬地区は同半島の突端で、4カ所あるエゾシカの主要越冬地の一つ。強風により草原の雪が吹き飛ばされるため草木を食べやすく、格好の採食地となっている。毎冬実施している航空調査によると、調査開始の1986年は53頭だったが、年々増加し、ピークの03年には626頭を確認。その後もほぼ500頭台で推移していた。同省は植生への被害軽減を図るため、07年度から岬地区でエゾシカを追い詰めて撃つ「巻き狩り」を実施し、これまで計717頭を駆除した。それに伴い確認頭数も大幅に減少。推定生息密度は1平方キロメートル当たり3・4頭となり、目標としていた80年代初頭レベルの同5頭を下回った。同省が8月に実施した岬地区の草原調査では、エゾシカの採食でダメージを受けていたクサフジやオオヨモギなどの植生の回復が確認された。同省釧路自然環境事務所は「捕獲の成果が表れている」とみている。
(クマの痕跡相次ぎ、17日まで閉園を延長:北海道)
9月23日にヒグマの痕跡が発見され、同日から閉園している国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)の安全対策を話し合う会議が4日、札幌開建で開かれ、同園を管理する開発局は、10月7日までとしていた閉園期間を17日まで延長することを決めた。会合には開発局、札幌市、野生生物の生態調査を行うNPO法人の担当者らが委員として出席。9月30日にクマの姿が園内の監視カメラに映っていたことや、10月3日にも足跡が発見されたことから、委員から「一定期間の閉園は必要」などの意見が上がった。また開発局は、足跡などが公園南側で集中して発見されていることから、南側境界に設置されている柵のゲート3カ所を開放。周辺に監視カメラを設置した上で、クマが園外に出られるよう対策を講じていると説明した。開発局は「クマは入った場所から出る習性があるとされ、仮に別のクマが園内に入ってもそこから出て行くとみている」という。
(クマ目撃最多ペース:北海道)
千歳、恵庭両市でクマの目撃情報が相次いでいる。今年は千歳で18件、恵庭で4件で、千歳の場合は過去10年間で最多だった2011年の年間20件に迫る勢い。両市とも大半は郊外でシカなどとの見間違えもあるとみられるが、千歳では住宅街付近での目撃情報もあり、4日もクマ防除隊が出動した。キノコ狩りの季節のさなかでもあり、両市は市民に細心の注意を呼び掛けている。4日にクマ防除隊が出動したのは千歳市桂木。前日に目撃情報が市に寄せられ、クマが通ったとみられる崖付近を調べたが、痕跡は見つからなかった。防除隊の野田嘉彦副隊長(68)は「山の奥は大きなクマのテリトリー。日当たりの良い崖にコクワなどを探しに来たのでは」と話す。千歳では、住宅街付近でのクマの出没情報が今年に入って5件。そのうち山林と隣り合う向陽台地区では6月、住宅地に隣接する歩道上で初めてクマのフンが見つかった。市街地での目撃は、一昨年に大和などで相次いだのが初めてで、近年の特徴と言える。人間とクマの接近で指摘されるのは、人間を恐れない「新世代のクマ」の出現だ。「人間が10人もいるのに、全然帰る気配がなかった」。防除隊の井上正雄隊長(73)は、9月22日に蘭越のゴルフ場で射殺されたクマをこう振り返る。井上さんによると、新世代のクマは、道が1990年に春グマの駆除制度を廃止したため、人間に追われる経験がない。そのため、人間を恐れず、住宅街にも姿を現しやすい。ドングリの不作も指摘されるが、千歳の場合はコクワなどが豊富で、エサ不足だけが原因とは言えないという。一方、恵庭でも8~9月、盤尻の畑でクマの出没が相次いだ。「これまでは通り過ぎるだけだったが、居座ってしまった」と、恵庭市クマ防除隊の岩崎清行隊長(67)。無人カメラで1週間監視を続けたが、事故を防ぐためにやむなく計3頭を駆除した。クマは陸上自衛隊の北海道大演習場や国有林に主に生息。岩崎さんは「駆除をやめて頭数が増え、過密になって出てきているのではないか」と指摘する。人間を恐れず、住宅街近くにまで出没するクマに対し、どう対処すればよいのか。千歳市は「住宅街に寄せ付けないため、ごみは朝に出すように」と注意を促す。またキノコ狩りや渓流釣りで山林に入るときは、「クマと遭遇しないように、早朝や夜間、雨など見通しの悪いときは避けてほしい」、恵庭市も「鈴や笛など音が出るものを持ち、家族にも知らせてから出かけてほしい」と話す。その上で千歳市クマ防除隊の井上隊長は、「もし出合ったら、クマと目を合わせて、じっと逃げない。背中を見せて逃げると襲ってくるので一番危険」と話している。
(シカ目撃、泳いで海渡る?:熊本)
天草地域では長年生息が確認されていなかったシカが3日、上天草市龍ケ岳町の山間部で目撃され、写真撮影された。海を泳いで渡ってきたと考えられ、専門家は「増えすぎると食害で農林業や生態系に悪影響を及ぼす」と警戒している。撮影したのは上天草市職員の高野信子さん(59)=同市松島町。3日午後5時ごろ、車で走行中に路上にシカがいるのを発見した。シカは1分ほど車の方を見つめた後、ガードレールを超えて谷底へ向かったという。高野さんは「子ジカのように見えた」と話している。天草地域では、貝塚からシカの骨が出土しているが、熊本大の研究者らが30年ほど前に実施した本格的調査では生存が確認できず、いなくなったと考えられてきた。しかし、5年ほど前から目撃情報が寄せられるようになっていた。熊本野生生物研究会は「増えすぎたシカが森林に与える悪影響は全国で問題となっている。天草はイノシシの急増による農業被害もひどく、早めの対処が望まれる」としている。
(シカの生息調査、センサーカメラ設置:福井)
ニホンジカに農作物が食べられる被害が起きている敦賀市が、センサーカメラを使ってシカの生息域を調べたところ、市南部に多く出没していることが分かった。市は猟友会と協力して、重点的に捕獲を進める。敦賀市では約10年前までシカの食害はほとんどなかったが、09年ごろから急増した。昨年度は田んぼやみかん畑など77アールが荒らされた。市は昨年度予算で220万円を計上し、業者に委託して11集落に夜でも撮影できるセンサーカメラを設置。昨年10~11月にシカの出没状況を調べた。シカがカメラにとらえられた場所は、滋賀県境付近の市南部に集中していた。滋賀県ではシカが増えて10年には4万7000頭から6万7000頭が生息していると推定され、昨年度の農業被害額は約1億2300万円にのぼる。一方、市北東部の南越前町との境付近の集落では、南部の約半分の頻度でシカが出没していた。市は、滋賀県から入ってきたシカが、生息域を北に広げている可能性があるとみている。市は調査結果をパンフレット「つるがでも増えています!ニホンジカ」にまとめ、今年4月に農家などに配った。柵の設置など対策を呼びかけている。福井県によると、シカの食害は2000年代から増え始め、嶺南に集中している。昨年度は捕獲された約5900頭のほぼ全てが嶺南でだった。県の担当者は「イノシシと違って、シカは樹皮をかじるため、森林被害も起きる。防護策や捕獲などの対策をさらに進めたい」と話している。
(室蘭でシカの出没相次ぐ:北海道)
室蘭市の新富町、幸町などでシカの出没が相次いでいる。市内では以前から蘭北、蘭東方面で多く目撃されたが、昨年あたりから蘭中、蘭西でも見られるようになってきた。頭数の増加で行動エリアが拡大し、“西進”が進行しているとみられる。新富町では今年9月下旬、佐久間豊さん宅の庭に4頭が現れた。大人の雄2頭と雌1頭、子どもが1頭だったという。「生まれた時から65年間、このマチに住んでいるがシカを見たのは初めて」と驚く。「観光道路方向へ逃げていった後、家庭菜園を見にいくと枝豆が全部食べられていた」と苦笑する。同じころ、同町内で地球岬街道夢の森づくりの会が植樹、整備している「夢の森」にも出没。佐久間さん宅の庭に現れた4頭と同じとみられる。会長の森川卓也さんは「5月に初めて目撃した。地球岬付近でシカを見たのは初めて」と話す。夢の森ではシカの仕業とみられる折れた苗木も確認。「共存共栄も視野に解決策を見いださなければ」と今後の対応を検討している。幸町の市役所駐車場に1頭が出現したのは8月。複数の職員が目撃し、やがて山手町方向へ逃げていったという。市の生活環境部地域生活課に2012年(平成24年)、市民から寄せられた出没情報は9件。地区別内訳は蘭北が3件、蘭東が5件、蘭西が1件だった。同課によると「11年以前には蘭西での出没情報は聞いたことがない」と話す。今年4月にシカ肉料理・加工品販売店「いけもん屋」をオープンし、本年度すでに100頭を仕留めている元猟友会メンバーの門馬智良さんは「おととしの11月ごろに大沢町で目撃されて以降、発見場所が母恋地区、栄町と確実に西へ移ってきている。やがては絵鞆、祝津の方にも出没するのでは」とみる。「シカは捕っても捕ってもまったく減らない感じ。頭数の増加によって、行動半径が蘭西の市街地まで広がってきたのではないか」と背景を分析している。
(高山帯でシカ撮影、捕獲など対応求める声:長野)
県環境保全研究所(長野市)は3日、大町市の北アルプス後立山連峰岩小屋沢岳付近の標高約2600メートルの稜線(りょうせん)に設置した赤外線カメラで7月、雄のニホンジカを撮影したと発表した。北アで近年、ニホンジカの目撃情報は珍しくないが、2500メートル以上の高山帯での撮影例は数少なく、専門家は「高山帯での生息がより明確になった」とする。高山植物の食害が深刻な南アルプスの二の舞いにならないよう捕獲などの速やかな対応を関係機関に求めている。赤外線カメラは後立山連峰爺ケ岳(2669メートル)付近と、爺ケ岳南西の岩小屋沢岳に計7台設置。うち岩小屋沢岳山頂から南西に約300メートル離れた標高2591メートル地点にある1台に7月22日午前10時40分、角の長さから1~2歳とみられる個体が写っていた。同研究所は同じ山域で2007年、11年、12年にもカメラを設置したが、ニホンジカを撮影したのは初めて。県や林野庁など関係機関でつくる中部山岳国立公園野生鳥獣対策連絡協議会の事務局、環境省松本自然環境事務所(松本市)は「爺ケ岳周辺の2千~2500メートルエリアではこれまでも登山者らから目撃情報が寄せられている」と説明。今後は食害に備え、守るべき植物を洗い出すなどして対策を検討する。信州大農学部の竹田謙一准教授(応用動物行動学)は「撮影で確実に生息していることが裏付けられた」と指摘。県のニホンジカの管理計画で北ア地域は11月からの狩猟期に捕獲制限を設けず捕獲を勧めていることもあり、「積極的に捕獲しないと、代表的な観光資源である北アの景観が変わってしまいかねない」と危惧している。
(高野山、クマ出没急増:和歌山)
和歌山県高野町でツキノワグマとみられるクマの目撃情報が相次いでいる。今年度は9月末までの半年で、既に昨年度1年間(4件)の6倍を超える26件に上り、うち21件は観光名所が集まる同町高野山内。現時点では目立った被害は出ていないものの、町や県は看板の設置やパトロールの強化など警戒を強め、紅葉シーズンを前に観光客にも注意を呼びかけている。県伊都振興局などによると、同町内の目撃件数は、2008年度から12年度までの5年間で計13件だったが、今年度は8月は12件、9月は10件に上った。8月19日は、国道沿いのコンビニエンスストアの裏山に1メートル20程度のクマが出没。9月21日は、町立高野山中付近で親子とみられる2頭が目撃され、以後、町内の小、中学校では集団登校を実施。壇上伽藍付近や大門付近など町中心部の高野山地区で確認されたケースが多い。こうした状況を受け、町や同振興局、橋本署や地元の猟友会などは、7、8月に相次いで対策会議を開催。捕獲用のオリを仕掛けたり、目撃情報が寄せられた場合には町内放送で周知し、町職員が現場で爆音機を鳴らしたりしている。また、日本語と英語で「クマ出没注意」と書いた看板を山道の入り口など8か所に設置。町職員がほぼ毎日町内をパトロールし、1人でハイキングしている観光客には、近くの集団への合流を呼びかけるなど、注意を促している。10月1日早朝にも、同町花坂の町石道付近で目撃された。同町まち未来課の佐古典英課長は「こんな事態は初めてだが、紅葉を楽しみに来てくださる方々の安全を守るため警戒を強めたい」と話す。県環境審議会鳥獣部会委員の細田徹治さんによると、県内では今年、ドングリなどの生育はよく、クマが餌を求めて人里に出没するケースは例年より少ない見込みという。細田さんは、「高野町では、何らかの理由で人里近くに居着いてしまったのではないか。行動範囲は広く、同じ個体が何度も目撃されている可能性もある」と分析。さらに、「これから冬眠に向けて餌を求め、行動が活発になるため、クマがよく活動する明け方や夕暮れ時などには山に近づかないように」と注意を呼びかけた。
(クマ目撃件数、大幅減:秋田)
県内のクマの目撃件数が今年、大幅に減少している。県警などによると、9月30日現在で259件と昨年同期より183件少ない。また、農作物の食害も7件と昨年(84件)の10分の1以下にとどまる。クマの餌となるブナの実が8年ぶりの豊作となり、クマの人里への出没が少なくなっているとみられる。警察署別の目撃件数では、大仙署管内が最多で38件。次いで秋田東署の37件、鹿角署の32件。これらの管内は集落部が山に近いため、目撃が多くなるという。一方、男鹿署では目撃が昨年に続いてゼロ。男鹿半島はクマの生息域に入っていないためという。クマの目撃件数などの減少は、クマの餌となる木の実の実り具合が関係しているという。東北森林管理局によると、県内のブナの実は昨年まで凶作が続いていたが、今年は8年ぶりの豊作。クマの大量出没を抑えているようだ。ただ、年間の目撃件数は、2010年463件▽11年399件▽12年491件で、県警は「目撃件数は過去3年間が異常に多いだけで、例年とそれほど変わらない」とも。これからは秋の山菜採りシーズン。県自然保護課では「山に入る際の単独行動を控え、鈴やラジオを鳴らしながら歩いてほしい」と警戒を呼びかけている。
(シカの角切り:宮城)
宮城県石巻市の離島・金華山の鹿山公園で6日、秋の恒例行事のシカの角切りがあった。駆け回る雄シカを勢子(せこ)が果敢に捕らえる様子に、訪れた観客約500人からは大きな拍手が送られた。勢子を務めたのは同市の鹿友華角(ろくゆうかすみ)会のメンバーら約20人。角切り場にシカの群れを放ち、赤い旗をつけた竹棒を振って追い立てた。逃げるシカの角に勢子が投げ縄を絡ませると、見物客から歓声が上がった。数人がかりで取り押さえられたシカは、神職にのこぎりで角を切り落とされた後、野山に戻された。石巻市の主婦内海博子さん(77)は「人間とシカの力のぶつかり合いで迫力がある。両者の生き生きとした姿を見ると励みになる」と話した。角切りは、発情期の雄シカの角が鋭くなるため、金華山黄金山神社が参拝客の安全に配慮して1963年に始めた。東日本大震災が起きた2011年を除き毎年行われており、50回目の開催。
(銃の所持、難しい競技環境)
日本ではなじみの薄い「射撃競技」。2020年東京五輪開催が決まったが、7年後に活躍が期待されるジュニア選手たちの育成を「法律」の壁が阻んでいる。県高体連によると、ライフル射撃部がある高校は県内に12校。昨年度の18校から大幅に減った。「バシーン」という鋭い音が射撃場に響く。高木学園女子高校(横浜市港北区)のライフル射撃部員たちが、エアライフルの練習をしている。みな自分の世界に集中し、無言だ。一ノ渡桜(いちのわたりさくら)さん(2年)は重さ約5キロの銃を持ち上げ、10メートル先にある標的を狙う。中心の10点は直径0・5ミリの白点だ。5秒……10秒……。微動だにしない。やがて、ゆっくり目を閉じ、銃を台に戻した。引き金を引かなかったのは「10点を狙いすぎて迷った」から。同校の上村曙美コーチ(65)は「無心で引き金を引け」と指導する。女子の競技は40発。全部10点に命中させれば400点。東京国体にも出場している一ノ渡さんの試合での自己最高は393点だ。創部翌年の1999年に全国大会で初めて団体優勝し、翌年に連覇すると学校が射撃場を作ってくれた。「高校から始める選手が多い競技。毎日練習できる環境は大きい」と上村コーチは話す。一方で、2009年の銃刀法改正で競技環境は厳しくなった。以前は高校生もエアライフルを所持できたが、「年少射撃資格」の導入で指導員の銃を生徒が使う形になり、銃の所持許可と指導員の資格を持つ教諭らが試合や練習すべてに同行する。こうした教諭らの転勤は部活動の存続に関わり、特に公立校には厳しい条件だ。好成績をあげた生徒が、日本体育協会の推薦で自ら所持できる「射撃エリート」の特例はある。その一人、海老名高校の高木裕貴君(2年)の夢は、ずばり「五輪」。だが同校に射撃場はなく、銃も年少者は自宅に置けないため高木学園に預けている。銃を取りに行き、練習や試合がある射撃場で撃って、また預けに行く。「撃つ前に疲れちゃう」と嘆く。法改正で、逆に長い距離を銃を持って歩かせるという矛盾も生んでいる。「14歳以上18歳未満を年少者」とする規定も部活動の障害だ。高木学園の上村コーチは「大会中でも18歳になったら別の資格が必要。せめて高校在学中は認めてほしい」と要望する。高校生の銃所持が難しくなる中、高校射撃部の活動はビームライフル(BR)が中心になっている。BRは光線銃を使い、実弾を発射しないため所持許可は必要ない。ルールはエアライフルとほぼ同じで、国体種目にもなっている。公立の強豪校・海老名高校では放課後、物理実験室が「射撃場」になる。同校OBで大学射撃部の現役選手の嘉山豪(かやまたけし)さん(20)がコーチとして指導し、大会でも好成績を出している。課題は専用の銃や標的が高価なこと。昨年末、標的を1台新調した同校によると、50万円ほどかかった。秦野曽屋高校では維持費を理由に活動を縮小し、今年は1年生部員を募集しなかった。昨年、創部5年目で全国大会出場を果たしただけに、他校からは惜しむ声が出ている。前回のロンドン五輪直前、日本コカ・コーラのアンケートで、やりたい競技の1位になったのは「射撃」だった。県射撃協会の葛谷寛一さんは「潜在的な関心は高い」とみる。サッカーや水泳のように、早い年齢から競技を始め、トップレベルまで一貫した指導を狙う「地域クラブ化」の動きもある。中学2年の有賀朱里(ありがあかり)さんは昨年10月、横須賀市営くりはま花の国エアライフル場での体験会で見いだされた逸材。光線銃を片手で持つビームピストルで、8月には中学日本一に輝いた。現在、全国で500人しか所持を認められないエアピストルの許可を申請中だ。同射撃場では今年から、BRを使った小学生の競技会も始めた。広田真作・県ライフル射撃協会会長は「トップのレベルを上げるにはすそ野の広さが必要。この射撃場から五輪選手を出したい」と意気込んでいる。
(九州のクマ確認できず:大分)
学識経験者らでつくる民間組織「日本クマネットワーク」(JBN)は5日、シンポジウム(大分合同新聞後援)を大分市内で開いた。絶滅したとされる九州のツキノワグマについて、昨年の調査でも存在を確認できなかったことなどが報告された。JBNは目撃情報を基に、昨年6月から5カ月間、祖母・傾山系に約50台のカメラを設置して調査をしたが、ツキノワグマは見つからなかった。報告した立山カルデラ砂防博物館(富山県)の後藤優介さんは「1シーズンの調査で範囲も限られ、生息の有無は断定できない。仮にいても極めて少数だろう」と話した。九州産とみられる昔のツキノワグマの骨などを分析した結果、九州の個体の遺伝的な特長が分かってきたという研究発表もあった。九州では、1987年に豊後大野市緒方町で捕獲されたツキノワグマが最後の確認とされてきたが、九州以外から持ち込まれたことがDNA鑑定で判明。環境省は昨年8月、九州では「絶滅した」とした。JBNの坪田敏男代表(北海道大学教授)は「絶滅を覆すような報告はなかったが、いまだに目撃情報もあり、引き続き見守っていきたい」としている。
(クマ出没に注意、ドングリの実りは「平年並み」:兵庫)
兵庫県森林動物研究センター(丹波市青垣町)は、ツキノワグマが食べるドングリ類の今秋の実り具合を「全体的に並作」と発表した。大凶作だった2010年度のようなクマの大量出没は「考えられない」とするが、冬眠前に餌を求めて人里に現れる可能性もあり、注意を呼び掛けている。豊凶調査はブナ、コナラ、ミズナラの3種類計243地点で、9月6~20日に実施。豊凶度はブナ=並上▽コナラ=凶▽ミズナラ=並上と判明した。本年度は当初からツキノワグマの目撃・痕跡件数が例年に比べて多く、5~7月は過去最高を記録した。ただ、8月以降は10年度や12年度を下回り、9月19日時点で計331件となっている。地域別では但馬271件▽西播31件▽丹波17件▽中播10件▽北播2件。同センターは、大量出没の危険性はないとみるが、果樹園や集落の柿の木周辺など「出るところには出る。ハイキングやキノコ狩りで山に入るときなど、被害に遭わないよう十分気を付けてほしい」と話している。
(CoCoだけシカないカレー:三重)
三重県とカレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋(ココいちばんや)」が協力して作ったカレーが6日から発売された。鹿肉や県産のキノコを使い、商品名は「CoCoだけシカ食べられないカレー」。県などは、鹿肉の消費が増えれば獣害対策にもつながると期待している。昨年に続く第2弾。前回は、カレーに鹿肉入りのコロッケを入れたが、今回は豚肉ベースに県産の鹿肉ミンチと鈴鹿産のキノコ「はなびらだけ」を混ぜ込んだハムカツをトッピングする。780円。12月末まで県内30店で限定販売。県フードイノベーション課の担当者によると、ハムカツは直径約15センチと大きめで、「しっとりしたハムに、キノコのコリコリした食感が楽しめる」。亀山産の粉茶をかければさっぱりしたおいしさや風味を楽しめるという。担当者は「三重の隠れた良い食材があることを知ってもらえれば」と話す。
(シカ肉ドッグ、好評受け販売拡大:高知)
安芸郡北川村の「モネの庭マルモッタン」のレストランで、シカ肉の「しかじかソーセージドッグ」が人気を呼んでいる。村内に食害を広げているニホンジカの肉を使ったソーセージに、野菜や特製ソースを絡めてホットドッグ風に調理。9月から土日限定で販売を始めたばかりだが、好評のため、今後は平日も提供する。村ではユズの新芽が食べ荒らされるなど、ニホンジカの食害が近年増加。駆除などの捕獲数も2008年度の301頭から、13年度は既に667頭(4日現在)に増加している。そこで、モネの庭スタッフが「消費拡大に協力できれば」と、シカ肉の加工品を製造する村の狩猟者らの民間団体「ヘルシーミートゆずの村」にソーセージの提供を依頼。タマネギやレタスなどの野菜に特製トマトソースをまぶして仕上げた。シカと「かくかくしかじか」をかけて「しかじかソーセージドッグ」と名付け、1個500円。ソーセージはつなぎに豚肉の背脂を使う以外はシカ肉100%。食べた人に「臭みもなく柔らかくて、食べやすい」と好評で、1日30個以上が売れる人気になっている。レストランでは田野町の完全天日塩を使ったパスタも販売予定で、前田正隆支配人は「中芸地区の他町村とも手を携えながら、入園者増への取り組みを進めていきたい」と意気込んでいる。
(シカ肉料理に300人舌鼓:徳島)
シカの食害が深刻な那賀町で5日、シカ肉料理を食べて森林保護を考えるイベント「きさわ鹿の森フェスタおいしく食べて守ろう!ナカの自然」(四季美谷温泉主催)が初めて開かれ、約300人の来場者でにぎわった。那賀町横谷の同温泉前に、シカ肉入りの塩焼きそば、シカとイノシシの肉を使った「山賊鍋」など、多彩なシカ肉料理の屋台が並んだ。先着100人には、果物などで作ったたれに数日間漬けて柔らかくしたシカ肉のバーベキューが振る舞われ、家族連れらが焼きたてを味わった。施設内には、シカやサル、イノシシによる食害の実態を紹介する写真や図のパネル展示もあった。イベントは、食害をもたらすシカを地域の資源と位置づけ、食べることで自然保護につなげようと企画した。家族で訪れた徳島市南昭和町4の公務員、多田圭一さん(50)は「シカは初めて食べたが、思ったよりも柔らかくてくせもない。食べることで自然保護に協力できれば」と話した。
(害獣駆除で解禁、ヘリでイノシシ狩り:アメリカ)
アメリカでは野生のイノシシの被害が深刻です。イノシシの生息分布図を見ると、全米でイノシシの数は550万頭と推測され、半数以上がテキサス州に生息しています。そのテキサス州で空からイノシシを撃つハンティングが全面解禁され、関連ビジネスが急成長しています。
(シカ猟師と仏料理長が講演:三重)
津市の美杉中学校は五日、文化祭に市内でシカの狩猟と調理に携わる二人を招いて講演会を開いた。シカは、地元の山で農作物に被害を与えるやっかいものだが、全校生徒六十人が、シカと真剣に向き合う二人の話から、命の尊さと食の重要さを学んだ。「美杉の豊かな食と命」と題し、講演したのは同市大谷町の仏料理店「ミュゼボンヴィヴァン」の料理長出口直希さん(36)と同市美杉町の猟師古田洋隆さん(58)。シカをはじめ、狩猟した動物の肉を使ったジビエ料理を手掛ける出口さんは、古田さんが獣害対策として狩ったシカ肉を利用している。古田さんは、食肉用にシカの息の根を止める際、わなに掛かっただけではおとなしいシカがナイフを前にした途端に抵抗し出すと説明。暴れるシカに命懸けで向き合うため、シカの命を頂戴していることを忘れてはならず、肉だけでなく皮の加工もしていると語った。出口さんは、シカ肉を料理する際、通常は上質な背ロースなど一部の部位だけを使用するが、肉だけでなく骨まで余すことなく使うことを心掛けている。古田さんの情熱に共感しているためで、「料理をする際にその思いに答えなければならない。一つの料理をとっても食材を捕まえたり、加工したりする人が関わっており、人と人とのつながりを忘れたことはない」と強調した。二年生の勝田悠斗君(13)は「普段は意識していなかったが、食べることのありがたみを知った。食材に関わる人にも、料理する人にも感謝しなければいけない」と話した。
(地元産イノシシ肉PR:鳥取)
南部町下中谷の宿泊施設「緑水園」が地元産イノシシ肉をPRする地域おこし音頭「いのっちぃー音頭」を考案した。18日に施設隣の体育館・レークサイドアリーナで開催の「秋の山菜を楽しむ会」で初披露される。イノシシ解体処理施設を2012年に新設した南部町はイノシシ肉の特産化を進めている。緑水園のレストランでは、イノシシカレー、焼き肉定食などが食べられる。
(捕獲イノシシで加工品:富山)
加賀市三谷地区で水田が荒らされるなどのイノシシ被害が相次いだことを受け、東京・青山の料理店のオーナーシェフ成澤由浩さんが、三谷で捕獲されたイノシシ肉でミートソースなどの加工品3品を考案した。食材として生かし農作物被害の減少を目指す。13日に成澤さんが同市で料理を振る舞い、住民らが販路などを検討する。加工品は県猟友会加賀支部が捕獲したイノシシを使ったミートソース、ギョーザ、ショウロンポウの3品。成澤さんと親交のある里山楽遊会(らくゆうかい)が成澤さんにイノシシを提供した。成澤さんは頭や骨など、食材として一般的ではない部位も生かして調理した品を加賀市に送り、同市山代温泉の料理店「山背」で楽遊会メンバー3人が試食し、ジビエらしい味わいの料理に太鼓判を押した。13日、同市直下町民会館で行われる「里山フェスタinみたに」(本社後援)で成澤さんがイノシシの肉で作ったミートソースと、山菜など三谷産の食材を合わせて料理する。楽遊会の敷地屋(しきじや)富士雄会長は「3品とも風味が生きていておいしかった。加工品に使われるようになることでイノシシ肉の需要が高まってほしい」と話した。

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(わなにかかった熊へ発砲、男性に当たり重傷:福島)
30日午前9時15分ごろ、喜多方市山都町蓬莱字田ノ入の山林で熊の駆除作業をしていた同市山都町、農業男性(64)が捕獲用のドラム缶形のわなにかかった熊に向けて散弾銃を発砲したところ、わなの反対側にいた同市山都町、農業男性(70)の下腹部に弾1発が当たった。銃弾を受けた男性は重傷。喜多方署は業務上過失傷害などの疑いがあるとみて調べている。喜多方署の調べでは、銃弾を受けた男性は発砲した男性が熊を狙いやすいように、筒状のわなの反対側を持ち上げていたという。ドラム缶には弾が貫通した跡があった。二人の男性は県猟友会喜多方支部所属の喜多方有害捕獲隊員で、他の男性隊員1人と市職員の男性と共に駆除のため現場を訪れた。熊はツキノワグマの子どもだった。県警によると、狩猟による人身事故は平成21年1月以来。この月は11日に喜多方市、12日には中島村で事故が相次いだ。
(散弾銃事故で喜多方市職員が虚偽の119番通報:福島)
喜多方市で9月30日発生したクマ駆除中の男性(70)が散弾銃の弾に当たりけがをした事故で、同行していた市山都総合支所住民課の職員が「コンバインの清掃作業中に部品が当たってけがをした」と虚偽の119番通報をしていたことが1日、市と喜多方地方消防本部への取材で分かった。同支所によると、職員は男性が「鉄砲事故だと騒ぎになり、迷惑が掛かる」と救急車を呼ぶことを拒んだため、虚偽の通報をしたという。職員は男性が搬送された後、喜多方署に散弾銃による事故を通報した。虚偽の通報で同署の事故把握が約50分遅れたとみられる。
(JR千歳線、シカと衝突:北海道)
1日午後6時5分ごろ、北海道苫小牧市のJR千歳線美々―植苗間で、札幌発苫小牧行き普通列車がシカ1頭と衝突した。乗客168人にけがはなかった。JR北海道によると、ぶつかった衝撃で、車体の横揺れを抑えるための空気を送る管の一部に穴が開き、処置後、約50分遅れで運転を再開した。同じ車両による苫小牧からの折り返し運転も約1時間遅れ、計約250人に影響した。
(クマ目撃:栃木)
2日午後6時半ごろ、鹿沼市下日向の市道で通行人がクマ1頭を目撃した。鹿沼署によると、クマは体長約1・5メートル。道路を西から東に横切って走り去ったという。同署は周辺の住民に警戒を呼び掛けている。
(クマ出没:北海道)
クマの出没が続いている札幌市内で、29日もクマの痕跡や目撃情報が相次いだ。手稲山(1023メートル)では午前8時ごろ、登山していた市内の男性が、山頂付近で体長約1メートルのクマ1頭を目撃し、市に通報。市は西区と手稲区にまたがる自然歩道「平和の滝~手稲山ルート」の2・5キロを立ち入り禁止にした。クマの痕跡が見つかったため23日から閉園している南区の国営滝野すずらん丘陵公園では、アシリベツの滝から約300メートルの草むらで前日見つかっていた足跡がクマのものと判明。同園を管理する札幌開建は「閉園予定は10月7日までだが、あらためて専門家に期間について相談したい」と延長も視野に入れている。
(サル帰った?目撃情報相次ぐ:静岡)
2日午後1時10分ごろ、静岡市葵区千代田1の駐車場で、通行人から「サルがいる」と110番があった。その後も区内で複数の目撃情報が相次いで市に寄せられ、9月25日から県庁周辺に出没したサルと同一とみられる。静岡中央署によると、同2時半ごろ、同区大岩本町の城北公園で、署員が賤機山(しずはたやま)方向へ走っていくのを確認したという。市中山間地振興課は9月30日、県庁に仕掛けた餌入りのわなを撤去している。同課の望月健・統括主幹は「山に帰ったと思うが、『離れザル』なのでいつ帰ってきてもおかしくない」と話し、引き続き住民に注意を呼びかけている。
(イノシシ1頭捕獲1万3000円:広島)
尾道市は今月から、有害鳥獣駆除としてイノシシを捕まえた際に支払う金額を、1頭5千円から1万3千円に大幅アップする。活動支援金として8千円を上乗せした。捕獲活動を強化し、年々、深刻化する農作物の被害を食い止める狙いで、2015年度末まで。市有害鳥獣捕獲班に所属しているメンバーが対象。原則として狩猟期間(11月15日~2月末)以外に捕獲したものに限る。従来の尻尾に加え、捕獲者とイノシシ、日時と場所を記したボードを一緒に収めた写真と、両耳を市に提出する。活動支援金8千円は、国の補助金を充てる。同市のイノシシによる農業被害額は年々増加傾向で、08年の5623万円から12年は7308万円になった。サツマイモやキヌサヤ、キャベツなどが食われ、中でもミカンなどのかんきつ類は枝を折って食べられるケースがあり被害が大きいという。対策として同市は銃猟免許を持っている人がわな猟免許を取得するなどの費用を全額助成したり、防護柵の設置などに補助金を出したりしてきた。しかし目に見えて成果が表れていない状況が続いている。
(クマの目撃情報:兵庫)
県森林動物研究センター(丹波市青垣町沢野)がツキノワグマの出没情報などをまとめた。県民からの目撃・痕跡情報は、9月19日現在で331件。5―7月にかけては過去最多だったが、8月以降は大量出没年だった2010年の806件と比較すると少ない。同センターでは、「地域によっては、冬眠前のクマが餌を求めて人里に出没する可能性がある。ハイキング、登山、キノコ狩りなど、クマの生息地域に出かける時や、集落周辺でもクマの被害に遭わないように十分注意を」と呼びかけている。4月からの目撃・痕跡件数は、丹波地域は5―6月が各6件、7月が3件、8―9月(19日まで)が各1件の17件。2001年から今年度までの年度比較では、県全体で大量出没年になった10年は丹波地域でも68件と最多だった。翌11年は8件、12年は12件と少なかったが、今年は9月半ばで17件を記録した。同センターは、クマの被害対策として、「山林に行く時は音の出るものを携行する。クマは日の出、日の入りの時間帯に採食行動が活発になり、夜間は行動が大胆になる。人里でも夕方から朝までの外出には注意し、特にカキやクリの木の近くなど、クマが出没しそうな場所に近づかない」と注意を促している。また、▽ごみを野外に置かない▽食べ物を屋内に収納する▽不要なカキ、クリの木は伐採する▽クマが潜みやすいヤブは刈り取る▽クマに出あったら周辺住民に知らせ、安全を確保し市役所に連絡する▽夜間にクマが木に登っている場合は、無理に追い払わず山に帰るのを待ち、防護対策を行う―など、身の回りからクマ除け対策を求めている。
(鳥獣駆除、雌雄別に統計:群馬)
県は今年度から主要な有害鳥獣の駆除結果について、雌雄別の統計をとることにした。野生動物による昨年度の林業と農作物の県内被害額が過去最悪を記録する中、県は、個体数や生息域を詳細に把握して被害軽減に役立てたい考えだ。県自然環境課によると、雌雄別で統計をとるのは、シカ、イノシシ、カモシカ、サル、ハクビシン、アライグマの6種。昨年度の国の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策事業がきっかけとなった。県は事業で得た補助金で基金を作り、今年度から市町村に対し、シカ、イノシシ、カモシカの3種に1頭8000円の助成を始めているが、助成にあたり、駆除の検証効果を高めるため雌雄別の報告も市町村に求めるべきだと判断した。合わせて県単独で補助金を出していたサル、ハクビシン、アライグマも雌雄別の報告を依頼することにした。4月の市町村担当者会議で各自治体に要請したという。野生動物による昨年度の林業と農作物の県内被害額は、過去最悪の計約12億2000万円で、被害は拡大傾向にある。被害対策の柱となるのが有害駆除だが、駆除を行う狩猟者の減少や高齢化で駆除数を急増するのは難しい状況だ。詳細な駆除情報で野生動物の個体数や生息域を把握し、効率的に被害を軽減する必要が高まっている。同課によると、雌雄別統計は、駆除効果の高い雌の捕獲数と個体数、生息域の関係が把握できるメリットがある。ただ、駆除動物の雌雄を判別するのは煩雑なため、これまで角の有無で雌雄が容易に分かるシカ以外は区別していなかった。2011年度の県内の駆除数(鳥類は除く)は、イノシシが最多で2743頭、続いてシカが920頭、ハクビシンが557頭となっている。県は、将来的に野生動物の個体数や生息域と農作物被害の関連性も調べたい考えだ。同課担当者は「市町村の協力を得ながら、科学的根拠に基づいた捕獲管理を進めたい」と話している。
(ヒグマの情報多発:北海道)
苫小牧市内で、ヒグマの出没情報が相次いでいる。市に寄せられた情報は40件を超え、例年になく多い。今年は特に親子グマや若いクマの目撃が目立ち、民家のすぐそばに現れたケースもある。今秋は餌となるドングリなど木の実が不作のため、食べ物を探し回って市街地に出没する恐れがあるとして、道などは注意を呼び掛けている。9月5日夕、苫小牧市美沢の70代の夫婦は自宅で異常な光景を目にした。居間の窓のそばに、黒々とした四つんばいの大きな動物がいた。目を凝らすと、体長1.2メートルのクマ。家の様子をうかがいながら玄関前へ。さらに周りをうろつき、やがて立ち去った。その間、1分以上。主婦は「30年以上、ここに住んでクマを見たのは初めて。家に入って来るのかと恐怖を感じた」と振り返った。市への情報は9月30日時点で41件。年間30件前後で推移し、例年、秋から初冬にかけて出没情報が増えるため、今年は突出した多さとなる可能性がある。市ヒグマ防除隊の荒木義信隊長によると、今年の特徴は植苗や美沢、沼ノ端地域などで親子グマや若いクマの目撃が多かったこと。道内の森林は昨年、クマの食料になるドングリなど木の実が豊作だったため、「秋に栄養を蓄えた雌グマが冬ごもりの間、子をたくさん産んだのだろう」と推測。また「春に親離れした若いクマも多かったことが、目撃情報の増加につながっているのでは」とみる。秋は、冬ごもりを前に食べ物を探し回る行動が活発化する。「市街地に接近したり、畑に現れたりして、クマと遭遇するリスクも高まる季節。特に若いクマは人を恐れず、近づくこともあるから注意が必要だ」と指摘。さらに今年は全道的にクマの食料となるドングリのなりが悪く、行動範囲が広がって人里に近づく可能性があるとして、道も警戒している。道内では秋に入ってクマの出没が多発。苫小牧でも9月28日朝、高丘森林公園内の道央道高架下付近で、体長約1.5メートルのヒグマが目撃され、管理者の市は園路の通行止め措置を取った。市は「人への警戒心の薄いクマが何度も出てきている」と話し、山林に入る際は▽食べ物やごみを捨てない▽複数で行動し、会話をしたり、鈴やラジオを鳴らす▽夕方から早朝に掛けては入林をを避ける―などの注意を促している。
(クマ通報80件減:青森)
県警地域課は9月末までの今年のクマに関する通報状況をまとめた。通報件数は211件で、昨年同期より80件少ない。昨年1年間の通報件数は306件だったが、それ以前の5年間の通報は200件以下で、同課は「昨年が異常に多かっただけで、今年も例年よりは多い」と分析している。通報件数のうち、「目撃」が188件で昨年同期比で50件減。農作物を食べられる「食害」が23件で、昨年より29件減った。昨年2件あった人が襲われる被害もなかった。警察署別の通報件数ではむつ署が最多で39件、次いで大間署の33件。ともに減少傾向だが、全体の約3割が下北地方に集中。集落部分が山に近いため目撃が多くなるという。一方、つがる、板柳両署管内では昨年に続いて通報が一件もなかった。平野部が多く、集落が山と離れているためと見られる。昨年は2006年とともに通報が300件を超えた。豪雪でドングリなどの木の実が凶作だったため、クマが人里に下りてくることが多かったことが要因という。今後、秋の山菜採りでの入山も多くなるため、クマに遭遇する可能性も高まる。一方で、原発事故の影響でキノコの出荷自粛を県が求める地域が増えており、県警関係者は「人がキノコを採らなくなると、クマが食べに来て通報件数が増えるのではないか」ともしている。県警では、目撃多発場所への看板設置などの対策を実施。件数の多い大間署ではクマよけのホイッスルを無料配布している。同課は「山や雪の状況でクマの動きは左右される。自然が相手なので状況把握は雲をつかむように難しく、気をつけてほしい」としている。
(「クレー射撃」のネックは遠征費の自己負担)
あと7年あれば、出場だって夢ではない。2020年東京五輪は観客席で見るのもいいが、自分や子が選手として出場できるならもっと楽しいはず。そんな簡単じゃないだろう……と思うのは当然だが、競技開始から2、3年で五輪出場を果たした人も実際にいるのだ。でも、選手になるまでの費用が気になる?東京五輪の競技数は、次のリオ五輪から正式種目になるゴルフや7人制ラグビーなど28競技で、約300種目もある。これならきっと穴場もあるはずで、不断の努力と“運”次第では五輪選手になれる可能性もある。もっとも近い競技のひとつとされるのが、「クレー射撃」だ。五輪では、「トラップ」、「ダブルトラップ」(男子のみ)、「スキート」の男女計5種目がある。23日にペルーで行われた世界選手権女子トラップで、中山由起枝さん(34)が見事に銀メダルに輝いた。「彼女が選手を始めたのは、OLになった18歳のとき。そのわずか3年後には、シドニー五輪に出場しています」(スポーツ担当記者)そして現在、彼女は小学生の娘を育てながらのママさん選手として活躍中。時間をやりくりしながら、シドニー、北京、ロンドンと五輪3大会出場を果たした。中山さんのような格好のモデルがあるのだから、運動神経抜群なら、サラリーマンでも何とかなりそうだ。<散弾は1発40円、クレーは1枚45円>競技を始めるに当たって、まず猟銃所持の許可を警察署に届けなくてはいけない。年齢は20歳からだが、スポーツ特例で18歳からも認められるケースがある。禁錮以上の前科がある者はペケだ。所持許可の費用は、警察に支払う「初心者講習会」(6800円=東京都)や「医師の診断書」(約5000円)など計5万円ほどだ。散弾銃は、新品で30万円からだが、ここは奮発し、オリンピックでメダルを独占してきた伊製「ベレッタDT10」の改良型「DT11」が欲しいところ。メーカー希望価格は、138万円(税抜き=トラップ用)。散弾は1発40円、クレー(皿)は1枚45円だ。「1回の練習では、実際の競技を想定して25枚1ラウンドを4回繰り返す人が多いようです。やり過ぎても、集中力が続きません。費用は1ラウンド1125円です」(神奈川県立伊勢原射撃場)このほか、散弾銃を管理する「ガンロッカー」(2万5000円~)や射撃ベスト(1万円~)、銃の手入れ用品などで10万円ほどかかる。気になるのは、遠征費用だ。開催国特権で出場枠はあるが、代表に選ばれるにはW杯や世界選手権でポイントを獲得する必要がある。日本クレー射撃協会の永島宏泰氏がこう言う。「強化選手はJOCなどから遠征費用が出ますが、それ以外だと自費で出場する場合もあります」ん~、これは難問だ。計2270万円
(ライフル競技協会理事「主婦が始めても五輪選手の可能性」)
「今から主婦が始めても五輪に出られる競技を探せ」という無茶ぶりにはさすがに焦った。サッカー、陸上、水泳…を取材してみるものの、どれも厳しい。そんな競技はないと報告する直前、耳より情報が。やって来たのは、日本ライフル射撃協会。常務理事の溝部政司さんは笑顔でこう言う。「主婦のかたが今から始めても、五輪選手になれる可能性はあります」ええっ!あっさり肯定!?「ライフル射撃」とは、ライフル銃またはピストルを使用し、固定された標的を射撃して得点を競うスポーツ。今から、主婦でも五輪選手になれる理由は2つある。第1に、競技人口の少なさ。「競技人口は日本で約6000人で、ロンドン五輪は男女計3人が代表になりました。つまり、2000人に1人が日本代表になれます」(溝部さん「」内以下同)例えば水泳の場合、日本代表になれる確率は約42万分の1。いかに射撃の確率が高いかがわかる。そして第2に、体力よりも“精神力”を必要とする競技だからだ。「極論を言えば、集中力さえあれば、体力はほとんどいりません。だから、若い人よりメンタルが強い年齢を重ねた人のほうがうまい。ロサンゼルス五輪の金メダリスト・蒲池猛夫さんは、当時48才でした」ちなみに、この蒲池さんの記録は、いまだに日本人の金メダル最高年齢記録とか。確かに主婦に向いているのはわかった。だけど、ライフル銃を撃つって、練習場所がなさそうだし、お金もかかりそうな気が…。「ライフル銃を持つには資格が必要で警察の許可をもらうのに1か月ほどかかりますが、18才以上ならどなたでも取れます。ライフル銃の値段は30万円ほど。市町村の体育館に射撃場があるところも多いので、意外に練習場所には困りませんよ」週末に許可のいらないビームライフル銃で体験会をしているところも多いので行ってみてもいいかも。ただし、すぐ定員オーバーになるところが多いので、早めに申し込もう。面白かったら、本気で五輪を目指してみる?
(西興部、猟区10年:北海道)
鳥獣保護法に基づく道内唯一の猟区が西興部村に誕生して10年目の秋を迎えた。エゾシカを自然資源ととらえ、ガイド付きの安全で魅力ある狩猟の場を提供し、ハンターの育成や環境教育にも一役買ってきた。いま描くのはハンタースクール構想。野生動物の保護管理のプロを育てようとしている。猟区では今季、道内のほかの地域の解禁より半月早い今月15日に狩猟が始まった。29日までに8人6組のハンターが訪れ、計18頭のエゾシカを仕留めた。全員が本州のハンターで、リピーターも多い。東京から来た2人組の男性は22日朝、前日に仕留めたメス1頭を大型冷蔵庫から出して解体し、肉をそれぞれの家庭に送った。猟区常連の友人と訪れ、初めて猟区での狩猟を体験した大学講師(44)は「エゾシカ肉は本当においしいし、地形もエゾシカの生態もよく知るガイドが付くからこそ、安心して撃つことができる」と満足そうだった。猟区はNPO法人西興部村猟区管理協会(大澤安廣会長)が運営にあたる。入猟者は1組1~3人で1日2組に制限され、地元ハンターのガイドでゆったりと猟を楽しめる。昨季までに訪れたハンターはのべ588人で、計1323頭を仕留めた。捕獲率の高さもあって、入猟者は昨季がのべ83人と年々増えている。狩猟関係者の宿泊も増え、村内唯一のホテル「森夢」は昨年度、456泊の利用があった。村の人口は約1200人。同村産業建設課は「地元商店の利用も増え、小さな村の経済にも貢献している」という。猟区ではエゾシカの調査研究も進められ、春と秋の生息数調査や全捕獲個体について雌雄や年齢、栄養状態も確認。牧草や樹皮食い被害の状況と照らし合わせて適正生息数を割り出し、研究者の意見を交えて管理計画を立てている。協会のもう一つの役割は次世代のハンター育成だ。これまでエゾシカの生態や探し方、銃の取り扱いに加え、解体から料理まで学ぶ初心者向けのセミナーや自然探索を盛り込んだエコツアーを企画。狩猟学を学ぶ学生を対象とした実習も2005年に開始し、これまで酪農学園大、東北芸術工科大、東京農工大などの学生を受け入れた。こうした中、同協会の伊吾田順平事務局長(39)は「狩猟も含め、野生動物の保護管理の専門家を認証するような仕組みを作りたい」と話す。モデルにしているのは、長い狩猟の歴史を持つ英国だ。民間団体による狩猟資格者への認証制度があり、認証を受けると、猟区の管理人など野生動物の保護管理に携わる職場への就職が有利になる。伊吾田さんが考えるのは、この認証制度の北海道版だ。構想では、酪農学園大や森林総合研究所、エゾシカ協会などと連携して「ハンタースクール」のような研修機関を立ち上げ、ここで野生動物の生態や管理、有効活用、狩猟技術や文化、被害防除などに精通した「プロ」を育てる。村には今年度中に射撃場や新しい鳥獣解体加工施設が完成する予定で、実践的な狩猟技術を教える場としては格好の存在だ。協会では来年、英国の大学で使われている狩猟学の教科書を参考に、北海道向けの教科書を作る考えだ。英国の教科書は野生動物の保護管理を担う人材育成を目的に作られ、シカの生態から解体方法、銃の特性、狩猟技術まで、科学的な根拠に基づいて詳しく書かれている。伊吾田さんは「狩猟の現場では、シカの年齢の判別方法などで誤解も多い。野生動物対策がますます重要になる中で、狩猟も含め、保護管理をきちっとできる次世代のハンターを育てていきたい」と話している。
(のり面保護事業で会計検査院が指摘:大分)
国の補助金を使い県が実施した宇佐市ののり面保護事業で、保護するために植えた草木を野生のシカに荒らされたのは県が対策を怠ったためだと会計検査院から指摘があったことが分かりました。県によりますと、会計検査院から指摘があったのは2010年度に県が実施した宇佐市安心院町筌ノ口地区ののり面保護事業です。この事業は農道を造った際にできたのり面を保護するため、草木を植える工事を農林水産省から総事業費の50%の補助金を受けて行われました。会計検査院が今年2月に現地で調査したところ、のり面に植えた草木が野生のシカに荒らされていたことが判明。検査院は県に対して「シカ対策を怠りのり面の保護ができていない」と指摘しました。この指摘について、県はすでに防護ネットを貼るなどの対策を取った上で、「来月まとまる会計検査院の検査結果で追加工事の必要があれば対応を協議する」としています。
(けがのシカ保護:広島)
1日午前7時半ごろ、広島市安芸区瀬野町のJR山陽線で、「線路敷地にシカがいる」と、通行人から近くの海田署瀬野交番に連絡があった。同署員がうずくまっているシカを確認し、午前9時25分ごろ、JR西日本広島支社の保線作業員とともに保護した。シカは体長1・2メートルの雄とみられ、下半身にけがをしていた。数人で抱えて担架に載せてJRのトラックに運んだ。保護されるまで、そばを列車が通り過ぎるたびに動こうとして頭を持ち上げていた。列車とぶつかったのか、山から下りて来る時にけがをしたのかは不明。列車は、上下線とも運行に支障はなかった。現場はJR瀬野駅から東に約500メートル。山林と瀬野川に挟まれた斜面に山陽線と国道2号が併走している。
(天敵のにおいでシカよけ:北海道)
稚内市は増え続けるエゾシカ対策の切り札として、天敵であるクマやオオカミ、ライオンなどのふん尿と似た成分の薬剤を使った実証試験を10月、ノシャップ岬西側の富士見地区で実施する。においなどによる防除効果が確認されれば、来春から本格導入する方針だ。工藤広市長は26日の定例市議会で、本田満氏(政和会)の一般質問に答え、エゾシカ食害対策について「(国有林内で冬季に行っている)捕獲を前倒し実施すると共に、天敵動物のふん尿を活用した対策にも取り組みたい」との考えを示した。市内のエゾシカ駆除頭数は2010年度が158頭、12年度は400頭と増加傾向にあり、ノシャップ岬や農村地帯の沼川、勇知などで食害が深刻化している。市は開会中の市議会に、エゾシカ駆除を行う「鳥獣被害対策実施隊」の新設に向けた関連議案を提出しているが、捕獲に加え、防除対策も迫られていた。道内では、東日本高速道路北海道支社が札樽道などで輸入したオオカミの尿を散布し、蒸発するまでの1~2カ月間はシカが近寄らないなど一定の防除効果を上げている。JR北海道は、根室市内の花咲線でライオンの鳴き声や銃声が大音量で流れる装置を導入、効果を検証中だ。稚内市も当初、天敵動物のふん尿利用を検討して旭山動物園に協力を打診したが、衛生上の問題が万一にも起きないよう、成分が似た輸入薬剤を活用する方針に傾いた。木のくいや枝などに薬剤をつけ、シカが近寄らないかを確認する予定で、費用は数万円の見込み。市農政課は「まず個体数の多い富士見地区で行い、効果が上がれば雪解け後に本格導入したい」と話している。
(クマいる?いない?:大分)
学識経験者らでつくる民間組織「日本クマネットワーク」(JBN、代表・坪田敏男北海道大学教授)は、5日午後1時からNHK大分放送局スタジオホールキャンバスで、シンポジウム「九州のツキノワグマは絶滅したのか?」(大分合同新聞後援)を開く。参加無料。JBNが九州内でシンポジウムを開くのは今回が初めてで「クマはいるのか、いないのかという疑問が晴れない人たちの参加を待っています」と話している。九州のクマ(ツキノワグマ)をめぐっては、祖母・傾山系で昭和初期ごろまで野生のクマが捕獲されていたと文献にあるが、同山系のまたがる大分、熊本、宮崎3県は2001年までに野生種の絶滅を認定。国も昨年8月に絶滅を認めた。足跡や爪痕などのクマの生息を裏付ける明確な物証は長年見つかっていないものの、周辺自治体には目撃情報が毎年のように寄せられている。最後に個体が確認されたのは1987年11月。豊後大野市緒方町で捕獲されたが2010年、DNA鑑定により「九州以外から持ち込まれた個体か、その子孫と考えられる」との結論が出た。それ以前は1957年の子グマの死骸の発見、41年の個体の射殺にさかのぼる。昨年6~10月、JBNは同市に寄せられたクマらしい動物の目撃情報に基づき山系にカメラ約50台を設置したが、クマらしい姿は映っていなかった。今年7月には同市緒方町の男性がクマらしい動物を目撃、足跡のようなものを写真に収めた。JBNは現在、目撃現場周辺にカメラを設置、調査を続けている。シンポジウムでは、近年のクマ目撃情報や、昨年の生息調査の詳細な報告を会員の研究者が発表。参加者も交えた討論もある。現在緒方町の山中に設置しているカメラは当日までに回収し、映像を確認した結果を説明する。
(不発弾を不法投棄か:沖縄)
うるま市与那城の宮城島の海岸の草むらで、7月下旬から9月にかけて、不発弾8発が発見された。火薬や信管などはなく爆発の危険性はない。以前、草刈りや清掃をした時にはなかったことから、不法投棄とみられている。周辺は以前から不法投棄が多く、自治会関係者からは怒りの声が上がっている。宮城自治会の名護徹会長によると、最初に発見されたのは7月20日。周辺で草刈りや清掃をしていた住民らが直径約15センチ、長さ約40センチの不発弾2発を見つけた。沖縄戦当時に米軍が使った物とみられる。翌日にも近くで1発が見つかり、自衛隊が回収した。その後、市を通じて県の防災危機管理課に周辺の磁気探査を依頼。9月に実施し、さらに5発見つかった。周辺は以前から、家電などの不法投棄が多く、島内4自治会は市に対し、防犯カメラの設置などを求めている。名護会長は「島内の人目につきにくい所には、不法投棄された物がまだまだあるはず」とし、調査の拡大を求めている。
(話し声うるさい?大学生の頭上を洋弓銃の矢:石川)
大学生に向かって洋弓銃(クロスボウ)を発射したとして、石川県警金沢中署は29日、金沢市もりの里、無職日当宗樹容疑者(34)を暴力行為等処罰法違反の疑いで逮捕した。同署は、日当容疑者のアパート自室と現場からクロスボウ3丁と矢35本を押収した。発表によると、日当容疑者は29日午前6時40分頃、アパート自室から、隣接する駐車場にいた大学生6人の頭上に向け、クロスボウ2発を発射して脅した疑い。具体的な動機は供述していないが、大学生たちは「自分たちの話し声がうるさかったのではないか」と話しているという。同署幹部によると、クロスボウは殺傷能力があり、アパートから大学生がいた場所まで20~30メートル離れていたという。矢は頭上数メートルを通過したという。
(「シカにゲンコツ」新兵器評判:長野)
佐久市野沢の金井憲一さん(65)と同市臼田の沖浦隆さん(62)が、農作物を荒らす鹿などを火薬の爆発音で追い払う器具「シカにゲンコツ」「たぬきギャフン」を開発し、販売数を伸ばしている。2人とも家庭菜園が食い荒らされた経験があり、その悔しさをばねに試行錯誤を繰り返した。器具は筒状で、動物の通り道の脇に立てて使う。上部のレバーと通り道の反対側に立てた棒の間に張った糸が引っ張られると、筒内の少量の火薬が爆発して大きな音を出す仕組みだ。陸上競技のスタート用ピストルの火薬を用い、二つの器具は鹿などの大型獣とタヌキなどの中型獣の体の大きさに合わせて作った。IT会社経営の沖浦さんが、2005年ごろに大豆などの食害に困って開発を開始。知人で金属加工会社に勤めていた金井さんも同じ悩みがあり、開発に加わったという。2人は実験を繰り返し、10年春に火薬を使う方法に到達。赤外線カメラを仕掛けて効果を調べたところ、鹿が爆発音で一目散に逃げるのを確認。その後、食害はほとんどなくなったという。2人は10年夏に製造販売会社「ビックリたぬき」を設立し、これまでに計120個ほど売った。東信地方を中心に10カ所ほどの農業資材の販売店が取り扱い、今年から南信地方の農協も農家に紹介してくれることになった。農協職員らの話から「県内の農家が本当に困っていると実感した」という2人。「製品が役に立てばうれしい」と話している。器具は大型獣用が4800円、中型獣用が4300円で、年内はそれぞれ400円値下げしている。

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