<射撃ニュース11月>

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(狩猟解禁、事故防止を:岡山)
狩猟が解禁された15日、誤射などの事故防止に向け、岡山県警は県内の猟場で違反行為の取り締まりを始めた。狩猟期間の終わる来年2月まで続ける。初日は全22署の約330人が出動。実弾を装てんしたままの猟銃の携帯、運搬や鳥獣保護区、休猟区、公道といった禁止区域での発射を監視し、ハンターたちに適切な取り扱いを指導した。玉野市では、日の出前の午前6時半から玉野署員、県鳥獣保護員ら計13人が狩猟可能な同市東七区の児島湖畔などを巡回。カモ猟に訪れた農業の男性(74)=岡山市=は「けがのないよう銃の扱いには十分気を付けたい」と話した。県警によると、昨年9月にはイノシシ駆除中の玉野市、男性の散弾銃が暴発、自分の太ももを銃弾が貫通する事故が発生した。生活環境課は「小さな油断が危険を生む。自治体や警察の指示に従って厳重な管理を」と呼び掛けている。狩猟期間はカモ、キジ、ウサギなどが来年2月15日まで。農作物に被害を与えるイノシシ、ニホンジカに限っては同3月15日まで延長する。
(狩猟解禁、日の出とともにハンター繰り出す:富山)
県内でも狩猟が解禁され、待ちかねたハンターたちが日の出とともに河川敷などに繰り出しました。このうち、常願寺川左岸の河川敷では、大阪から毎年、解禁日にやって来るというハンターたちが午前6時29分の日の出とともに次々と茂みの中に入りました。狩猟の対象となるのは、鳥類が、今シーズンからウズラが対象から外れて28種類、イノシシなどの獣類は従来どおりの20種類です。県自然保護課によりますと、キジやカルガモ、キツネなどの数は平年並み、ノウサギは少ないということです。県内での狩猟者の登録は昨シーズンから2人減った934人で、狩猟期間は来年の2月15日までですが、ここ数年、農作物への被害が急増しているイノシシについては、わな猟の期間を今月1日から来年3月15日まで、銃による猟の期間を2月いっぱいまで延長したほか、県内18か所の特例休猟区での狩猟も許可しています。
(鳥獣被害の防止策、成果は:岩手)
野生鳥獣の狩猟が15日に解禁される。ツキノワグマやニホンジカの増加に伴い、農林業被害が深刻になりつつあり、県は捕獲上限数を引き上げたり狩猟期間を延長したりするなど矢継ぎ早に対策を打ち出している。一方でハンターの減少は続いており、今年度の成果が注目される。県が2009~12年に調査した結果に基づき推定した県内の生息頭数は、今年11月現在で約3400頭と、06年時点から倍増した。人への被害も深刻で、自宅付近や農作業中など山林以外で襲われるケースが増えている。12年度は過去10年間で最多となる19人がけがをし、今年度も今月14日現在で11人がけがを負った。リンゴやトウモロコシなどの農林業被害も、12年度は記録の残っている1999年度以降で最悪となる約7300万円(前年度比約2600万円増)に達した。このため、県は8日、ツキノワグマ保護管理検討委員会を開き、保護管理計画に基づく捕獲上限数を、今年度は12年度より90頭多い327頭に引き上げた。実際の捕獲頭数は、08~11年度は約150~200頭、12年度は315頭だった。また、来年度からは、県が事前に市町村に捕獲許可を与え、迅速に駆除できるよう手続きを変更する。県は保護管理計画に基づき、今年度は捕獲目標頭数を7700頭(前年度2100頭)に引き上げ、狩猟期間を3月31日まで1か月延長した。福島第一原発事故による放射性セシウムなどの影響で、狩猟による捕獲数が11年度は1160頭(前年度比637頭減)と大きく減ったため、県は12年度、県猟友会などに1頭当たり6000円の“報奨金”を支払い捕獲の委託を始めた。12年度の捕獲数は過去最多の4240頭(前年度比2337頭増)と成果を発揮していて、今年度も委託を継続する。■ハンター 県猟友会によると、同会の会員は00年には3107人だったが、12年には1714人と約45%減少した。県自然保護課は、狩猟免許試験のための講習会を開いたり、試験のためのテキストを無料で支給したりするなどしており、「ハンターの力を借りて何とか野生動物による被害を抑えたい」と話している。
(狩猟期間、2月15日まで:群馬)
県は、県内の狩猟を15日から解禁する。期間は来年2月15日まで。昨年度はシカ、イノシシについて、銃やわななどの手法によって狩猟期間を変えていたが、今年度は一本化した。県自然環境課によると、昨年度はシカ、イノシシの銃猟は2月末まで、わな猟は3月15日まで、それ以外の鳥獣は2月15日までと定めていた。ただ、狩猟中の死亡事故が2件発生したこともあり、狩猟関係者から「期間がわかりにくいので統一を」との声が挙がっていた。また、食害が深刻化しているシカについて、県は捕獲を奨励しており、国が定める捕獲上限「1人1日1頭」を「雄1頭、雌制限なし」に緩和。一方クマは、ここ2年の捕獲数が県の設定を上回ったため、捕獲の自粛を要請している。
(クマ捕獲上限3割引き上げ:岩手)
ツキノワグマによる人や農地への相次ぐ被害を受け、県の検討委員会は、今年度のツキノワグマの捕獲上限数を、前年度より約3割多い327頭に引き上げることを決めた。県自然保護課によると、県内では昨年度19人、今年度は1日現在で11人が、山菜採りや農作業の最中や帰宅中などにツキノワグマに襲われ、重軽傷を負っている。昨年度の農業被害額は約7200万円と、過去最高になっている。ただ、捕獲上限を上げても、慢性的なハンター不足やクマの増加は深刻で、到達するかは不確定な要素も多い。昨年度は上限に85頭及ばなかった。また委員会では、従来は県が持っていた捕獲許可の権限を、市町村に委ねることも決まった。これにより、クマの被害の通報を受けた市町村が自ら猟銃による駆除などの許可を出すことができ、素早い捕獲が可能になるという。
(大阪ど真ん中に野生サル、事故でけがか:大阪)
大阪・船場の中央大通で12日までに、けがをした野生のニホンザルが見つかった。直前に交通事故に遭ったとみられ、約1時間の捕物の末に保護されたが、衰弱死した。府警東署や市健康局によると、見つかったのは、11日午前6時40分ごろで、大阪市中央区久太郎町3丁目。片側3車線の車が行き交う道の中央近くに座っていた。激しくほえて威嚇するため、駆けつけた警察官は市消防局にも応援を要請し、約20人がかりで、7時40分ごろ保護した。サルは大人の雌。山から、餌を求めて迷いこんだらしい。左頬から大量に血を流しており、車との接触事故によるものとみられる。おりの中で保護されていたが、元気がなくなり、11日午後10時半ごろに死んだ。付近の住宅街や河川では今月、サルが歩いたり、電柱をよじ登ったりする姿が目撃されていた。
(放浪サル、都心で御用:大阪)
11日午前6時40分頃、大阪市中央区久太郎町の中央大通を車で走行中の男性から、「サルが座っている」と110番があった。東署などは、中央大通と、すぐ上を走る阪神高速の西行き車線を規制。約1時間後、サルを網で捕獲し、市保健所に引き渡した。同署や同市によると、体長約40センチの雌のニホンザルで、飼育の届け出などがないことから、野生とみられる。捕獲した際、顔にけがをしていた。サルは今月5日、約15キロ離れた兵庫県尼崎市北部のJR猪名寺駅前に出没して以降、同市南部や、大阪市西淀川、福島、中央各区で電柱に登っているところなどを目撃されていた。大阪市の担当者は「大阪市中心部にサルが現れるのは珍しい。同じサルが追跡をかわしながら逃げてきたのではないか」としている。
(クマ情報:富山)
14日午後2時45分ごろ、南砺市下梨(平)の平中学校から約200メートル離れた山林に成獣のクマがいるのを、市職員が見つけ、市教委へ通報した。間もなく、山林の奥へ姿を消したという。市は同中学校や地元に知らせ、注意を呼び掛けた。
(クマ情報:富山)
6日午前7時半ごろ、南砺市沖(井波)の畑にクマの足跡とふんがあるのを畑所有者宅の女性が見つけ、市井波行政センターへ通報した。現場は田園地帯の集落の一角。市によると、成獣の足跡とみられる。同地区の区長らに注意を呼び掛けた。
(猟銃事故受け地元で検討会:静岡)
11月3日、長泉町で山菜採りに来ていた男性が、誤って猟銃で撃たれ死亡した事故を受けて、警察は12日夜、事故防止の検討会を開いた。検討会には警察や行政の担当者、駿東猟友会の会員などおよそ100人が出席した。冒頭、亡くなった男性に黙祷した後、警察から今回の事故の詳しい説明があった。これを受けて、駿東猟友会の6つの支部がそれぞれ現在行っている安全管理の方法などを発表していた。その結果、安全対策をさらに進めるために、事前ミーティングの実施や現地での注意喚起の強化など、6つの対応策を取りまとめ、すぐに実施していくことを決めた。
(新十津川でシカ猟の男性死亡:北海道)
新十津川町吉野の山林で7日、仲間とエゾシカ猟をしていた滝川市の〓野木則敏(たものぎ・のりとし)さん(65)が銃弾に当たって死亡した事故は、徒歩でササなどを分け入らないと行くことができない場所で発生した。滝川署は8日、誤射で死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで新十津川町中央、無職井上政一容疑者(67)を逮捕した。逮捕容疑は7日午前7時40分ごろ、同町吉野の山林で、一緒に狩猟をしていた〓野木さんをシカと間違ってライフル銃で撃ち、死亡させた疑い。現場は、新十津川町吉野の国道451号から町道を経由し5キロ入った山林の中。日没前には報道関係のヘリコプターが上空を飛び交い、騒然となった。道猟友会滝川支部の会員は「12月までは雄は1日1頭までと決まっているため、しっかり確認してから撃つはずだけど」と首をかしげる。道生物多様性保全課動物管理グループは「いったん『人かも』と疑い、落ち着いてから撃ってほしい」と呼びかけている。
(長瀞クレー射撃場跡地、メガソーラー事業地に:埼玉)
鉛散弾による環境汚染のため、十年以上閉鎖されていた長瀞射撃場(長瀞町野上下郷)のクレー射撃場跡地が、メガソーラー事業地として活用されることが決まった。県は十月、プロポーザル方式で募集していた事業者を選定し、基本協定書を締結。今春にクレー射撃場の廃止が決まるまで適切な利用が見いだせなかった遊休地の使途に、ついにめどが付く形となった。クレー射撃場跡地のメガソーラー事業者に選ばれたのは、グッドエネジーSPC長瀞合同会社(さいたま市浦和区)。県の事業者募集に七業者が応募したが、メガ級の発電設備を全国十六カ所で整備している実績などが評価され、グッドエネジーが選ばれた。県は、土地を貸す形で年五百十万円の貸付料を得る。貸付期間(発電期間)は、設備の設置工事期間などを除き二十年。来年六月に約一万八千平方メートルの敷地で太陽光パネル設置工事が始まり、同十月に発電・売電が始まる。年間発電量は、一般住宅三百戸に相当する百四十万キロワット時となる見通し。長瀞射撃場は一九九四年に開業。クレー、ライフルの両射撃場を有する総合射撃場として一時は年二万人の利用者があった。しかし、二〇〇〇年に福岡県立総合射撃場で鉛散弾による汚染問題が判明したことを機に、全国の射撃場で鉛汚染が表面化。長瀞射撃場のクレー射撃場も〇一年に閉鎖に追い込まれ、ライフル射撃場だけの運営となった。鉛除去などの対策には、六億六千万円が投じられた。その後、識者らでつくる射撃場あり方検討会が一二年三月に「鉛散弾を前提とした全弾回収型施設への改修工事は、ほぼ不可能」などとする意見をまとめたことから今春、クレー射撃場は廃止された。廃止後は、太陽光などで発電した電力の買い取りを電力会社に義務付ける「再生エネルギー特別措置法」も追い風となってメガソーラー構想が急浮上し、今回、スムーズに事業者との協定書締結に結び付いた。県の担当者は、メガソーラー事業地として活用されることに「貸付料収入に加え、再生エネ促進や環境産業振興にも貢献できる一石三鳥の施策」と歓迎している。
(特別功労賞に射撃・中山さん:茨城)
県は、平成25年度「県表彰」に34人16団体を選出したと発表した。表彰式は13日の「県民の日」に県庁で行われる。県内に明るい話題を提供した人に贈る特別功労賞には、9月の世界クレー射撃選手権大会の女子トラップで、日本人初の銀メダルを獲得した日立建機の中山由起枝さん(34)=結城市=を選んだ。また、県勢の発展に特に著しい功績があったとして、特別功績者に元日本医師会会長の原中勝征さん(73)=筑西市=を選出。原中さんは日本医師会会長や県医師会会長を歴任し、日本の医療の発展に尽力したことなどが評価された。県表彰は平成6年度から毎年11月に実施しており、特別功績者の選出は2年ぶり25人目。
(市内唯一の狩猟場継続へ:神奈川)
市内唯一の猟区として親しまれる「鳥屋猟区」。神奈川県の猟区は、県が10年ごとに認可を与え、入猟日や入猟者の制限を行うことで、鳥獣の保護と狩猟の調整を図りながら管理している。鳥屋猟区は、10月末で認可期限が満了を迎えたが、良好な猟区として狩猟者も多いことから、2023年10月31日まで、認可が継続されることになった。1921年「鳥屋村鳥屋猟区」として開設された鳥屋猟区。首都圏に近く、鳥屋地区の奥山である早戸川流域と串川源流部及び宮ヶ瀬湖畔の南山に位置し、面積は2995ha。「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に基づき設定され、県知事が10年以内の期間を定め認可を与えている。認可の継続が決定された鳥屋猟区の開猟期間は、11月15日から2月28日までの土・日曜日と11月15日と2月28日。入猟者は、事前に県から入猟の承認(1日6300円)を受け、案内人が同行し、グループ単位(組猟)での入猟が原則となっている。このように狩猟の場所、人数、日時などの制限を設けることで、事故の防止に役立つとともに、鳥獣類の乱獲が防げ、自然環境と生物多様性の維持にも大いに役立っているという。最盛期の1970年代には、年間1500人近い入猟者が鳥屋で猟を行っていたが、年々狩猟者は減り続け、昨年度の年間入猟者は180人。また、70年代にはキジやヤマドリといった鳥類が千羽以上狩猟され、猟の中心となっていたが、近年は鳥の猟を行う人は少なく、昨年の鳥類の狩猟はゼロ。代わりに昨年度は鹿19頭、猪7頭(最盛期の1975年は鹿52頭、猪13頭)の狩猟報告がされるなど、猟の形態にも変化が見られるという。猟区を管理する津久井環境課では「鳥屋猟区は豊かな自然の中にあるので、秩序ある狩猟を引き続き行っていくことで、自然環境の維持に寄与していきたい」と話している。
(イノシシ被害、年3億円超:熊本)
イノシシが農作物を食い荒らす被害が深刻だ。田畑を囲う電気柵でも防げない場合があり、年間の被害額は3億円を超える。現状と対策を取材した。「里芋の収穫の前日、根こそぎやられた」。10月下旬、天草市本渡町の男性(67)が悔しそうに言った。畑を囲った電気柵はあちこちで破壊され、無残な姿。何頭来たのだろうか。掘り返された畑に無数の足跡が残っていた。電気柵は約8年前に設置したが、効果はまったくないという。「どうしようもない」とあきらめ顔だった。この男性が箱わなで捕らえたイノシシを見た。体長約1メートル20センチ、推定体重70~80キロ。私より重いイノシシが鉄製のおりに何度も全力で体当たりし、大きな音を立てた。野生の獣独特の臭いが漂っていた。1頭捕まえると、しばらくは被害が出なくなるが、それも1週間程度しか続かないという。県むらづくり課によると、イノシシによる県内の農作物被害は、2005年度に2億円を超え、10年度は過去最高の約4億4500万円に達した。12年度は約3億2500万円まで減ったが、同年度の鳥獣被害総額(約5億1900万円)の6割を占める。狩猟などによる捕獲は毎年2万頭を超えるが、生息数はつかめていないという。同課は「本来は、警戒心が強いイノシシが人に慣れ、エサが豊富な人里に生息域を広げている。栄養状態が良くなり、メスの出産頭数も増えているようだ」と話す。県が10月29日、あさぎり町で開いた「鳥獣被害対策講座」で、近畿中国四国農業研究センター(広島県福山市)の専門員井上雅央(まさてる)さん(64)がイノシシ対策を説明した。「実った柿や栗を確実に収穫する」「生ごみを放置しない」「農地周辺の草を刈り、隠れ場所をなくす」――などが大事だという。参加した約15人の農家は真剣な表情で聞いていた。「どんな対策をしても被害を防げない」という農家の嘆きを何度も聞いた。年間2万頭以上というイノシシの捕獲数の多さにも驚いた。天草市の小学校で足跡を見たという話もあった。イノシシが人に危害を加える恐れもゼロではない。専門家は「人里にはエサがないとイノシシに思わせれば、柵で囲わなくても現れなくなる」と指摘している。農家と行政が知恵を絞り、努力を続けて、かつてのように、人とイノシシのすみ分けができるようになればいいのだが。電気柵は、地面から高さ20センチ間隔に電線を巡らせたうえ、24時間通電が鉄則。「柵に近寄ってもエサはないと学習させることが大事。被害が出たということはイノシシの餌付けと同じ。一か所で柵が破られると、他の田畑の柵も効かなくなる」と注意した。あさぎり町松尾地区の遠山好勝さん(53)は地元のイノシシ対策を紹介した。昨年12月、栗林などに電気柵を設置。住民総出で周辺の草刈りをし、落ちた柿や栗をこまめに拾った。その結果、今年のイノシシ被害はゼロに。「住民同士で話し合い、優先して守る農地を決めて取り組んだ。収量も増え、生産意欲が高まっている」と効果を語った。
(シカと車衝突、道央で急増:北海道)
秋から冬にかけての時期はエゾシカと自動車の交通事故が多発する。エゾシカの交通事故は道東が中心と思われがちだが、近年は道央地域でも増加傾向だ。また夕方や夜間にかけての発生が圧倒的に多く注意したい。道エゾシカ対策課によると道内のエゾシカが関係した交通事故は、2012年で計1809件。10~12月の3カ月間で計928件発生しており、ほぼ半数を占める。地域別では釧路管内の415件、胆振管内211件、根室管内182件、オホーツク管内181件など。ここ数年で事故件数が大きく増えているのは石狩、空知の道央地域だ。道央地域の事故件数の統計を取り始めた2004年は石狩管内で33件だったが、11年140件、12年は100件だった。空知管内も04年は50件、08年から100件以上となり12年は100件だった。道エゾシカ対策課では「道東などでエゾシカの密度が高まったため、エサを求めて移動して道央でも増えてきているのではないか」と推測する。ドライバーにとって、道路上のエゾシカの動きはやっかいだ。日本損保協会道支部事務局の内藤潤副長は「エゾシカは群れで移動する習性があり連続して飛び出してくる。1頭見たらスピードダウンを」と話す。またエゾシカは車の音やライトに反応して道路上で立ち止まることもある。ひづめが滑りやすく舗装道路では動きが鈍い。エゾシカが関わる交通事故は、夕方以降の発生がほとんどだ。道エゾシカ対策課によると昨年の事故件数1809件のうち、午後4時~8時の時間帯での発生が978件と半数以上だった。午後8時~午前0時も418件と多い。午前0~4時152件、4~8時は144件だった。一方で午前8時から午後4時までの昼間時間帯での事故件数は合計117件と全体の1割に満たない。内藤副長は「暗くなってもヘッドライトがエゾシカに当たると目が光って見えるので、すぐに減速してください」と呼び掛ける。自動車保険の車両保険は、動物との衝突による事故の場合、単独事故の扱いになる。車両保険の掛け方もいろいろあり、他車との衝突事故などは補償するが単独事故は補償しない契約内容にしている場合、エゾシカの事故は補償されない。エゾシカは大きい個体だと体長2メートル、体重は100キロ以上になる。衝突して道路上に死骸を残したままにしておくと車両通行の障害になる。事故の発生場所が国道、道道、市町村道の区別なく道路緊急ダイヤル「♯9910」に電話すると道路管理者が対応する。
(参院選で違法ビラ、猟友会事務局長:山梨)
今夏の参院選比例代表で大日本猟友会長の佐々木洋平氏(71)=自民党、落選=への投票を呼びかける違法なビラを配ったとして、甲府区検は県猟友会の男性事務局長を公職選挙法違反(事前運動、法定外文書頒布)の罪で甲府簡裁に略式起訴したと発表した。略式起訴は5日付。区検によると、事務局長は公示前の6月、佐々木氏への投票を呼びかける法定外ビラを6支部を通じて80人に配布したとしている。事務局長は「悪いことをしようという意識はなかったが、反省している」と話している。
(シカ食害からサクラ守れ:静岡)
荒れた山林を里山に復活させようと下田市椎原で10日、地域の住民ら約30人が参加してサクラの植樹などに汗を流した。この計画の最大の悩みはシカの害。植えた苗木を守るため周りに風車(かざぐるま)を取り付けた。風車が回って音を出すことでシカを警戒させる狙いだという。里山化を進めているのは市立稲梓小学校の裏山約2ヘクタール。人の手が入らなくなって常緑樹が茂り、昼間も暗い森になっていた。3年前、木々をいったん伐採、地元の「お吉桜を保存し普及する会」が中心になって落葉樹を植えたり遊歩道を造ったりしている。とたんに現れだしたのがシカだ。今春植えた苗木20本のうち、残ったのは1本だけというありさま。同会の高橋忍会長は「風車のほかにもシカ害対策を取り入れ、早く花を楽しめる名所にしたい」と話す。
(捕ったぞ、127キロのイノシシ:和歌山)
和歌山県上富田町岩田、農業国本昇さん(71)が11日、体長140センチ、重さ127キロの雌のイノシシをくくりわなで捕獲した。猟友会員として50年、狩猟に携わってきたという国本さんは「雌でこれほどの大きさは珍しいのではないか」と話している。国本さんは「ミカン畑がイノシシに荒らされて困っている」と知人から相談を受け、同町岩田の畑にわなを8日午後に設置していた。今回捕獲したイノシシは、さばいて近所に肉を配るという。国本さんは有害鳥獣捕獲の許可を町から受けている。狩猟解禁(1日)以降、国本さんが捕獲したのは、これで5頭目になるという。
(繁殖願ってキジ放つ:広島)
広島県猟友会庄原支部は、庄原市内にキジ176羽を放った。生後半年の雄と雌88羽ずつで、繁殖させて生息数を増やす。旧庄原、東城、西城、比和、口和、総領の各地区の鳥獣保護区などに放した。市内で約40年放鳥を続けているが、森林の減少やキツネやタヌキによる捕食で数は減っている。旧庄原では、山内小の5、6年生17人が12羽を放鳥した。6年児玉吉平君(12)は「山内地区がキジの名所といわれるぐらいに増えてほしい」と願った。高小でも12羽を放った。「生き物を大切にする心が、人を大切にする心も育む」と同支部の岸昇会長(69)は話していた。
(解体講習会、猟友会主催で開催:三重)
農作物の被害防止で捕獲したイノシシ、鹿の解体処理の技術を学ぶ「解体講習会」が9日午後2時、名張市薦生の解体作業場で開かれる。無料。名張市猟友会がイノシシなどを食材に活用しようと、数年前から講習会を開いている。当日捕獲したイノシシか鹿を解体し、焼き肉にして振る舞う。狩猟免許所得者が対象だが、なくても可。同会の中嶋有示会長は「おいしいことを知ってほしい」。
(JA上伊那まつり、狩猟を疑似体験:長野)
農のある暮らしをテーマにした「第18回JA上伊那まつり」が9日から始まりました。会場には、狩猟を疑似体験できるコーナーなどが設けられ、家族連れなどで賑わいました。まつりでは、地元産の農畜産物の販売ブースやイベントステージなどが設けられ賑わいました。このうち本所3階に設置されたシューティングシュミレーションのコーナーでは、クレー射撃の体験が行われました。新規狩猟者の確保や鳥獣被害対策への感心を高めることを目的に、猟友会などが各地のイベントで行っているものです。訪れた人達は、伊那猟友会の会員から操作方法を教わると、シミュレーション用のライフル銃を使って的を狙っていました。JA上伊那まつりは、あすも午前9時から午後4時まで行われることになっています。
(シカ肉のおいしさ味わって:高知)
シカやイノシシなどジビエ料理を一堂に集める「四国ジビエグルメフェスタ」が、今年も長岡郡大豊町中村大王の「ゆとりすとパークおおとよ」で17日に開かれる。四国のシェフらが腕を振るい、ユニークな「利き肉」大会も開く。初開催だった昨秋は2千人を超える大盛況で、「嶺北ジビエ実行委員会」(委員長=岩﨑憲郎大豊町長)は開催後も、嶺北の料理店やスーパーも参加した料理研究などに力を入れている。イタリアンやフレンチのシェフら四国の23店・団体が出店し、シカ肉のテリーヌやタコスなどの特製料理を販売。東京で人気のシカ料理店を営む石崎英治氏らを招き、〝シカビジネス〟の可能性を探る勉強会も開く。さらに、シカやウサギ、カンガルーなどの肉を食べ比べ、肉の種類を当てる「利き肉」大会や料理教室なども企画されている。現在、シカは高知県内で年間約1万5千頭が駆除されているが、ほとんどは捨てられている状態。実行委メンバーは「おいしい食材として親しんでもらうことで、流通と消費拡大の道を探りたい」としている。
(おいしく食べて鳥獣供養:長野)
大町市美麻にある狩猟肉解体・加工施設「美麻ジビエ工房」で14日、猟友会員らが有害駆除した鳥獣の供養祭をした。神事の後、近くの市美麻基幹センターに移動。「おいしく食べて供養しよう」と、駆除したイノシシや鹿の肉で作った焼き肉や肉団子、鍋料理などで会食し、山の恵みに感謝した。地元猟友会と、猟友会員らでつくる「美麻ジビエ振興会」が開いた。猟友会の18人は、有害鳥獣駆除のために美麻地区内に約200のくくりわなを設置し、4月から狩猟解禁前日のこの日まで毎朝見回ってきた。今年は鹿15頭とイノシシ7頭を駆除し、同工房で解体、加工。肉は市内のホテルや学校給食などで食べられている。この日は、会員らが持ち込んだ鹿肉のローストやイノシシ肉の薫製も登場し、柔らかい食感とうま味に舌鼓を打った。振興会の種山博茂会長(70)は「処理や調理の仕方でおいしい肉になる。捕った肉をおいしく食べて有効利用していきたい」と話していた。
(ジビエ料理をPR:岡山)
農作物に被害を与える有害鳥獣として捕獲したイノシシやシカを食肉として活用するジビエ(狩猟肉)料理のPRイベント「森からの贈り物。備前ジビエ」(県備前県民局など主催)が12月7日午前10時半から、岡山市北区柳町の山陽新聞社で開かれる。日本ジビエ振興協議会の藤木徳彦代表=長野県=が「ジビエによる地域活性化の可能性」、ジビエ料理をセールスポイントにした民宿経営の梅野知子さん=鳥取県=が「ハンター系女子〜地域からの挑戦」と題して講演する。イノシシ肉を使ったミートローフやコンソメスープ、シカ肉のウインナーシュニッツェルなど、フランス料理店「食工房ぶどうの木舎」(同市北区楢津)の藪原正雄シェフが用意した料理を試食する。参加費500円。定員200人。20日までに県備前県民局農林水産事業部のホームページなどから申し込む。問い合わせは同部農畜産物生産課(086―233―9827)。県によると、2012年度に県内で捕獲されたイノシシは1万5387匹、シカは6550匹。同県民局は11年度から3年計画で「備前ジビエ創出事業」として掲げ料理の試作やレシピ研究などに取り組んでいる。
(ジビエ使い洋食レストラン:岡山)
イノシシやシカといったジビエ(狩猟肉)を使った洋食レストラン「びすとろ美作☆西粟倉食堂」が今秋、美観地区近くの倉敷市阿知にオープン。新鮮で栄養価の高いジビエと産地のPRに一役買っている。野生鳥獣の食肉処理施設「地美恵(ジビエ)の郷(さと)みまさか」(美作市)が今年開設されたことを知った会社役員中川一成さん(55)が、10月に本格オープンさせた。ジビエを抵抗なく食べてもらおうと、手をかけた洋食中心のメニューを考案した。シカ肉のシチュー、パスタ、カツレツ、ハンバーグ、イノシシ肉のカレーライス、ソーセージやベーコンといった加工品…。ジビエのほかにも美作市と西粟倉村の野菜や米、水、倉敷市や近隣の野菜や肉、瀬戸内海産の魚介類もふんだんに取り入れ、神戸市のホテルなどで経験を積んだフレンチシェフ坂本好弘さん(43)が腕を振るう。「適切に処理されているので臭みがなく、良質の動物性タンパク質をたくさん含んで低カロリーな肉。先入観なく味わってみて」と中川さん。美作市のホテルでの勤務経験があり、「県北東部の新鮮でおいしい食材を県内外の人に知ってもらうアンテナショップにしたい」と話す。
(新型「くくりワナ」考案:長野)
ニホンジカの農林業被害拡大で捕獲の推進が求められる中、御代田町猟友会の会員が新型の「くくりワナ」を考案した。従来のものより軽量で、設置が簡単という。県佐久地方事務所などは12日、御代田町の浅間・湯の丸山麓(さんろく)国有林で開く捕獲技術現地研修会で新型ワナの設置を試みる。くくりワナは鹿などが踏むとバネ式の金属製ワイヤが足首を締める仕組みで、従来型は地面をある程度掘って設置する。一方、新型は同様にバネ式ワイヤを使うが、踏み板がアルミニウム製で軽く、表土をはがす程度で設置できるという。佐久地方事務所林務課によると、従来型は地面を掘るため設置場所の様子が変わり、現場を通る鹿に警戒されやすい。新型は容易に設置できて警戒もされにくく、担当者は「一頭でも多く捕ってもらうため、活用してほしい」と期待する。考案した御代田町猟友会の柳沢国保さん(56)は「従来のくくりワナは設置に20〜30分かかるが、新型は5〜10分程度で済む。特許を出願中で、皆さんに試してもらって効果を見たうえで、使ってもらえれば」と話している。
(クマよけ鈴、生徒・児童820人に贈る:神奈川)
ツキノワグマが出没している相模原市緑区の山間部にある市立の小学校6校、中学校4校の児童・生徒計約820人に12日、クマよけ鈴が贈られた。配電盤や制御盤の回路用に使われる電線(太さ0・6ミリ、長さ70センチ)で作ったストラップに直径約2センチの鈴を付けた手作り品だ。鈴をプレゼントされたのは、旧藤野町の藤野小、藤野北小、藤野南小、藤野中と旧津久井町の鳥屋小、青野原小、青根小、鳥屋中、青野原中、青根中の計10校の子どもたち。これらの学校の学区内では、昨年1年間で合わせて22件のクマの目撃情報があった。相模原市南区大野台の「中村電機」社長の中村勝彦さん(42)が贈った。配電盤などの製作で使った電線の切れ端の有効利用を考えていたところ、「クマよけ鈴のひもに活用しては」と市産業振興財団の村上博由・常務理事から提案を受けた。福田智枝子さん(38)ら同社のパート従業員女性7人が、10月下旬から約2週間で900個を手作りした。10校を代表して藤野小(児童244人)でこの日、中村社長や福田さんらパート女性5人が出席して、クマよけ鈴の贈呈式があった。中村社長は「心を込めて作りました」とあいさつ。感謝の言葉を述べた5年の榎本有伽(ゆうか)さん(11)は「すごくきれいでかわいい」と鈴をかざして喜んでいた。お礼として中村さんらに、藤野小の1、2年生が学校の畑で作った大根やサツマイモが贈られた。

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(ささやぶでシカと間違い、猟仲間撃ち死なせる:北海道)
北海道新十津川町の山林で7日朝、男性が鹿と誤って撃たれて死亡する事件があり、道警滝川署は8日、同町中央、無職井上政一容疑者(67)を業務上過失致死容疑で逮捕した。発表によると、井上容疑者は7日午前7時40分頃、同町吉野の山中で鹿狩りをしていた際に、一緒に来ていた滝川市栄町の無職●野木たものぎ則敏さん(65)をライフル銃で撃ち、死亡させた疑い。井上容疑者は「鹿だと思って撃った」と容疑を認めているという。(●は「木」へんに「茂」)2人は7日午前7時頃から現場の山林に入ったが、●野木さんの姿が見えなくなったため、井上容疑者が捜したところ、午前11時半頃に倒れているのを見つけ、同署に通報したという。
(県猟友会、誤射死亡事故を受け緊急会議:静岡)
3日、長泉町で猟友会の男性に誤って発砲された男性が死亡したことを受け、県猟友会は、6日、臨時の理事会を開いた。理事会では今後の再発防止策について話し合われたほか、発砲したメンバーが所属する長泉町猟友会の土屋支部長から当時の状況などが説明され た。再発防止に向け、県猟友会では、会員に対し事故防止対策を徹底するとともに、各市町やJAに協力を要請し、同報無線や看板設置などで鳥獣駆除作業の広報に努めることを確認した。
(住宅街にイノシシ、約4時間逃げ回る:広島)
7日夜、広島県の住宅街にイノシシが現れた。イノシシは約4時間逃げ回り、2人が軽いケガをした。7日午後8時過ぎ、広島県安芸郡海田町の美容室にイノシシが入ってきたと警察に通報があった。イノシシはその後、広島市安芸区に逃げ込み、自転車に乗った男性(23)にぶつかった。男性は転倒し、軽傷を負った。さらに、イノシシは国道を走っていたタンクローリーにぶつかった後、今度はJR矢野駅のホームに現れ、女性(55)の足を蹴って軽いケガをさせた。その後は住宅街の敷地を点々とした。イノシシは約4時間にわたって逃げ回ったが、最後は地元の猟友会の手で処分された。警察によると、イノシシはオスとみられ、体長1メートル20センチ、体重は約80キロだった。
(イノシシ現れる、男女2人けが:広島)
7日夜、広島市安芸区のJRの駅のホームや路上で、男女2人が相次いでイノシシに襲われてけがをし、イノシシは逃げ込んだ住宅の庭で地元の猟友会によって駆除されました。7日午後8時半ごろ、広島市安芸区矢野西にあるJR呉線の矢野駅で、ホームにいた50代の女性が突然、イノシシに襲われ、左足に軽いけがをしました。ほぼ同じ頃、駅から500メートルほど離れた路上では、20代の男性が乗っていた自転車にイノシシがぶつかり、男性は転倒して足に軽いけがをしました。警察には同じ時間帯に、近くの国道でタンクローリーとイノシシが接触したという通報も寄せられていたことから、同じイノシシとみて消防などと付近を捜索したところ、JR矢野駅から700メートルほど離れた住宅団地の庭でイノシシが見つかり、8日午前0時すぎ、地元の猟友会によって駆除されました。警察によりますと、イノシシは体長1メートル20センチほど、体重がおよそ80キロの雄だということです。安芸区役所で防災を担当している浜岡克宣課長は、「イノシシが捕まってほっとしています。イノシシが出たときは近づかないよう注意してほしい」と話していました。
(居座るイノシシ、2人けが:岡山)
7日早朝、岡山市北区今の住宅街に突如イノシシが現れ、警察官40人、同市職員約30人らが出動。約4時間にわたって“大捕物”が繰り広げられた。捕獲中、警察官2人が指などをかまれて軽傷を負ったが、近くの住民に被害はなかった。岡山県警岡山西署などによると、午前6時頃、通行していた女性が「路上でイノシシがうろついている」と110番。雌で体長約1メートル、体重約80キロとみられ、約3時間にわたり、近くの田んぼに居座った。同署員らは木の板でイノシシを囲い込んで捕獲しようとしたが、板を飛び越えて逃走した。民家の敷地に侵入するなどした後、同10時10分頃、田んぼから約300メートル南の北区今村の民家敷地内で、同署員ら7、8人でイノシシを押さえ込んで捕獲。猟友会が殺処分した。同署には約1か月前から、今回の現場から約3キロ北西の同区花尻、尾上など山の麓付近でイノシシの目撃情報が数件寄せられていた。同市によると、目撃情報は増加傾向にあるが、住宅地に出没したケースはこの数年はないという。
(住宅街にイノシシ、くぼみに落ちて捕獲:富山)
富山県高岡市の住宅街に7日、イノシシが現れた。イノシシは工事現場のくぼみに落ちて出られなくなったところを麻酔を打たれて捕獲された。ケガ人はいなかった。  高岡市などによると、午前10時20分頃、高岡市清水町の国道156号線付近で「イノシシを見た」と市に通報があった。その約40分後、イノシシは1キロほど離れた高岡市羽広の県道の高架橋工事現場に現れた。走り回っていたイノシシは、高架橋の土台になるくぼみに落ちて、出られなくなった。駆け付けた富山県の職員が午後2時半頃に麻酔を打ち込み、イノシシは捕獲された。ケガをした人はいなかった。  捕獲されたイノシシは体長約80センチ、重さ約30キロの1歳とみられていて、その後、市内の山に戻された。
(走行中のJR列車がイノシシと衝突:長崎)
3日夜、長崎県東彼杵町でJRの列車とイノシシが衝突する事故があり、列車10本が運休した。事故があったのは、JR大村線の川棚駅と彼杵駅の間で、3日午後6時頃、走行中の普通列車が線路内にいたイノシシと衝突した。乗客・乗員約70人にケガはなかった。イノシシは体長1メートル程で、近くで死んでいるのが見つかった。事故の衝撃で列車のブレーキが故障したため、約2時間運行を見合わせ、上下線の普通列車10本が運休、4本に最大2時間の遅れが出るなど、約900人に影響が出た。
(イノシシ2頭、農道横切る:栃木)
那須塩原署によると、4日午後5時ごろ、那須町高久甲の広域農道で、車で帰宅途中の家族連れが、道路を横切るイノシシ2頭を目撃し、同署に通報した。同署によると、イノシシ2頭は体長約1メートルで、民家から約100メートル離れたところで目撃したという。成獣とみられ、同署で警戒するとともに、注意を呼び掛けている。
(サル目撃相次ぐ:兵庫)
尼崎市で5、6日、サルの目撃情報が相次いだ。JR猪名寺駅周辺から南東の杭瀬寺島2までの約5キロの範囲で7件確認された。同市農政課によると、けが人など被害は出ていないという。同課の大脇勲課長は「絶対に近寄ったり食べ物を与えず、速やかに通報を」と呼びかけている。同市や尼崎東署によると、最初の目撃は5日午前9時ごろ、JR猪名寺駅駐輪場周辺。以降、同市猪名寺の尼崎稲園高校や同市久々知西町の大成中学で目撃された。6日も同市潮江の潮小学校や杭瀬寺島で目撃された。同市によると、目撃されたサルはいずれもシバイヌの成犬程度の大きさで、同じサルの可能性が高いという。同市では約7年前まで、大阪府箕面市の山から、群れからはぐれたサルが迷い込むことがあったという。
(市町村の枠超えてシカ駆除:岩手)
花巻市鳥獣被害対策実施隊(藤沼弘文隊長)は3日、同市大迫町の早池峰山周辺でニホンジカを有害駆除した。県が初めて取り組む市町村の枠を超えた一斉有害捕獲の一環。約50人が参加。午前7時すぎから4班に分かれて山中で追い込み、3頭を仕留めた。県内のニホンジカの生息域は五葉山地域から年々拡大し、同地域以外の捕獲数は1998年度の9頭から、2012年度は1483頭に増えた。早池峰山周辺は、目撃情報などから県北部や県西部へ生息域を広げる拠点の一つとみられている。
(狩猟で社会貢献、養成講座に定員の2.3倍:宮城)
有害鳥獣による農作物被害が深刻化する一方で、高齢化し、減少の一途をたどる猟友会所属の狩猟者。まずは関心を持ってほしいと県が始めた養成講座に、定員の約2・3倍に当たる56人の応募があった。しかも大半がレジャー目的ではなく、狩猟免許を取得後は有害鳥獣の駆除で社会に貢献したいという。予想外の人気ぶりに、担当者は「若い狩猟者が増えてくれれば」と期待を寄せる。「収穫間際の農作物を荒らされた農家の方から『ありがとう』って言われる。その言葉がうれしい」。10月20日に開かれた第1回目の講座で、講師を務めた狩猟歴約50年の県猟友会会員渡辺優(あつし)さん(72)が話すと、受講者たちはうなずいた。この日は、県自然保護課の職員が鳥獣保護法や有害鳥獣による被害の具体例などの説明も行った。24~65歳で、女性2人を含む56人の応募者のうち、選ばれた受講者は24人。全員が有害鳥獣の駆除をしたいという人で、平均年齢は36歳。職業は学生や医師など様々。いずれも狩猟未経験か経験の浅い人たちだ。登山が趣味の大河原町、中学教師佐藤朋さん(37)は「山に入るとシカやイノシシの被害で困っているという声をよく聞く。免許を取得し、猟友会に入りたい」と話す。若手猟師の手記「ぼくは猟師になった」(千松信也著)を読んで狩猟に興味を持ち、狩猟免許のひとつである「わな免許」を10月に取得した岩沼市、会社員遠山優美子さん(31)は「知識を深め、農作物被害に遭っている人たちの力になりたい」と語った。遠山さんは夫・太郎さん(29)と一緒に受講しており、将来、夫婦で有害鳥獣の駆除に参加するつもりだ。イノシシ、シカなどの有害鳥獣による農作物被害は年々、深刻化している。12年度の鳥獣類による農作物被害額は10年前の約2倍の1億214万円に上る。一方、自治体から要請を受けて駆除活動をする県猟友会の会員数は減っている。同会によると、12年度は10年前から約4割減の1516人。高齢化も問題で60歳以上が73・8%を占める。同会の須貝隆・事務局長(62)によると、1980年代まではレジャーとして認知され、免許の取得者が多く、狩猟を楽しむ一方、県猟友会に所属し有害鳥獣の駆除にも参加していた。その後、レジャーの多様化で徐々に減少。誤射事件が起きるなど、銃に対するイメージも悪くなったことも一因だという。講座は2014年3月まで計9回開催され、鳥獣保護法に関する知識を学ぶほか、銃の仕組み、鳥獣の解体方法、狩猟の見学などが組み込まれている。受講料は実費で5000円。
(シカ対策、国が捕獲目標を)
ニホンジカなどの捕獲強化策を議論している中央環境審議会(環境相の諮問機関)の検討小委員会は6日、答申の素案をまとめた。国が具体的な捕獲目標を盛り込んだ基本指針を策定し、都道府県による取り組みを促すことが柱。国として予算の確保や配分を検討すべきだとして、財政支援の必要性も指摘した。パブリックコメント(意見公募)を経て、来年1月に答申を正式決定する。これを受け、同省は鳥獣保護法改正案を来年の通常国会に提出する方針だ。近年、日本各地ではニホンジカの急増で、樹皮を食べられて樹木が枯死するなどの被害が拡大している。一方、捕獲を担う狩猟免許所持者は高齢化で年々減少している。
(イノシシ駆除、軌道に:愛媛)
イノシシによる農作物被害に悩まされている西予市野村地区で、若手農家が手がける駆除が軌道に乗り始めた。駆除を担う猟師が高齢化するなか、住民たちの期待が集まっている。
(イノシシどうにかしてくれ:和歌山)
イノシシによる農作物荒らしが後を絶たない。和歌山市岩橋の約700平方㍍の市民農園で作物を育てている穂芝徳彦さん(73)も被害に頭を悩ませている。これまでに、スイカ、カボチャ、柿、イチジク、黒豆、トウモロコシなど収穫前の半分以上が被害に。穂芝さんは「ことしの被害は特にひどく、ミミズを探して土を全部掘り起こしてしまう。被害がひどいので、サツマイモやジネンジョをつくるのはやめたね」と怒りの矛先が見つからない様子で話した。イノシシは、多い時で2日に1回、夕方から夜間に出没。被害の状況からイノシシの大きさは1㍍前後とみられ、1頭で行動しているという。田んぼの表面には、食べ物を探し回って付いたとみられる2本爪の足跡が無数に残っていた。近くに住宅地もあり、人と遭遇した場合、危害を加える恐れもあり対策の必要性がある。県や市によると、イノシシの農作物被害は一向に減らず、昨年の被害額は市内で673万円。県全体では、1億9104万円にも上る。市では、猟期以外の4~10月も狩猟を許可し約500頭を捕獲しているが、増えるスピードを抑えるのがやっとの状態という。猟友会などには、報奨金を出して捕獲を推進。しかし、平野部では、頭数が少なく不効率なため、わなが設置されることは少ないという。市の担当者は、動物による農作物被害において別の視点から各自の対策を促す。「食べ物が豊富にある場所では、親イノシシはわざわざわなに入らない。それにわなを仕掛けると多くの農家は安心して、対策を行わないようになる」とし、「柵など対策をせずに動物に畑を荒らされている状況は、居着かせていることと同じ」と指摘し、防護策の設置を推奨している。
(イノシシ捕獲確認の緩和を:千葉)
県内市町村が抱えるさまざまな課題について森田健作知事と首長が協議する「意見交換会」が5日、県庁で開かれ、県南地域を中心とする10市3町の首長らが出席した。イノシシなどによる農産物被害が深刻化する中、半数近い首長から「県主体で広域的な取り組みを実施してほしい」などと対策を求める声が相次いだ。森田知事は補助対象となるイノシシ捕獲の確認方法について「緩和してもらえるよう国と現在協議している」ことを明らかにした。県によると、有害鳥獣による県内の農業被害は昨年度、総額約3億8千万円に上り、このうちイノシシが約半分の1億9千万円を占めている。一方で2011年度のイノシシ捕獲数は1万3717頭に上っている。意見交換会では君津市の鈴木洋邦市長が、猟友会のメンバーら有害鳥獣の駆除に当たる捕獲従業者の高齢化や後継者不足を指摘した上で「駆除した死骸を埋設処理するのは能力的にも厳しい。焼却を含めた処理法を検討してほしい」と要望した。知事と市町村長の意見交換は19日まで計4日間にわたって行われる。
(イノシシ対策、自治会にスーパー協力:栃木)
田畑を荒らすイノシシの侵入を食い止め、中山間地の農地を守ろうと鹿沼市の上板荷地区で、自治会と企業がタッグを組んで、獣害防護柵の金網を加工した。柵は6、7日に設置される。地域の問題に頭を抱える自治会と社会貢献活動に意欲を示す企業の熱意を結び付け、具体的な問題解決を目指す取り組みとして注目されている。鹿沼市北部に位置する上板荷地区(4自治会)ではイノシシがジャガイモ畑や水田などを荒らす被害が拡大。耕作意欲の低下が懸念され、耕作放棄地の拡大につながりかねない事態になっていた。このため一昨年、市に対策を求めたところ、県の企業等中山間地域集落支援モデル事業の導入が決定。同市内などに8店舗のスーパーを展開し、社会貢献活動にも取り組んでいる八百半フードセンターと自治会を県と市が橋渡しし、協働することになった。両者は昨年度、地区の東西に走る県道と黒川の北側の山際に約5・2キロの防護柵を設置したところ「予想以上の効果があり、6、7年ぶりにジャガイモの収穫ができた」(斎藤秀男・板荷地区協議会会長)。今年はさらに残る南側の山際に4キロの金網を設置して万全を図ることになった。加工作業には、同社員14人と地区住民8人が参加。イノシシの進入防護効果を高めるため、2000枚ある1メートル×2メートルの金網を幅30センチ折り曲げて、「ねずみ返し」を加工した。同社はレジ担当者が「認知症養成講座」を受けるなど、社会貢献活動に取り組んでいる。作業に参加した藤沢秀雄常務は「日ごろお世話になっており、恩返しのために参加したが、予想外の効果に私たちもうれしく、今後もお役に立ちたい」と話している。これまでジャガイモやサトイモなどは食い荒らされ全滅。水田はイノシシが体に付くダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びる「ぬた場」にされ、においが付いて収量が落ちた。斎藤会長は「金網の効果が証明できたので、耕作意欲がわく。協働作業ができてよかった」と評価した。
(クマ出没、ドングリ豊凶と関係:福井)
秋・冬季のクマ出没とドングリの豊凶作との因果関係を、福井県自然保護センター(大野市)が明らかにした。実の量を調べて出没数と照合する研究を7年間続けた成果で、論文が今年の「日本森林学会誌」第1号に7ページ特集で掲載された。科学的な解明は県内初。「あくまで推測だった」(同センター)クマ出没予測をより正確に立てられるようになる。2004年、北陸3県でのツキノワグマの捕獲数が平年の7倍近い計546頭に達し、人身被害が44件発生した。1990年以降では突出した大量出没だった。これを機に、同センターの水谷瑞希企画主査(40)らが出没予測の基礎データとなる豊凶モニタリングに着手した。調査手法は研究者の間でもばらつきがあり、マニュアル作りから試みた。クマのエサとなるドングリの樹種は地域ごとに異なる。ブナ科の中で、クマの大量出没を引き起こす「鍵(かぎ)植物」の特定も課題だった。北海道の研究を基に「枝先50センチに実が平均3個以上あり、半分以上の枝先に着果していれば『4』」などと5段階の評価基準を作成。県内約40地点で一部の木を調べ、地点の平均値と県全体での豊凶レベルを判断した。05~11年にかけ調べた結果、コナラは年間の変動が小さかった。一方でブナとミズナラは06、10年の着果が極端に悪く、勝山市などでクマ出没が相次いだ。両年の捕獲数は238頭と143頭で、他の年は0~3頭。この2種が「鍵植物」との結論を導き出した。県自然保護センターの呼び掛けで北陸3県の共同研究が実現。北陸では鍵植物が同じで、豊凶が同時に起きやすいことも突き止めた。クマは県境を越え移動するため広域での対策が可能になる。ドングリ豊凶の調査手法を持たない自治体は依然多く、同センターのマニュアルは滋賀、愛知など県外で採用され始めているという。水谷企画主査は「今後も調査を続けて予測精度を高め、県民への注意喚起に生かしたい」と話している。同センターによると今年のブナ、ミズナラは不作気味だが「クマの大量出没に至るほどではない」と予測している。
(クマ対策でごみ箱撤去:北海道)
クマの目撃情報などが相次ぐ札幌市南区などで、クマ対策に乗り出すゴルフ場が増えている。ごみ箱の撤去や爆竹による追い払い、鈴の貸し出しなど、取り組みはさまざまだ。ただ、ゴルフ場単独による物理的な対策には予防効果に限界があり、専門家は「官民の連携で利用者のマナー向上にも力を注ぐべきだ」と指摘している。札幌市南区滝野の「滝のカントリークラブ」では8月、全27ホールの各ティー・グラウンド付近に設置していた金属製ごみ箱を撤去した。近隣の滝野すずらん丘陵公園が今年、相次ぐクマの出没で閉園が続いただけに、例年以上に警戒を強めており、担当者は「今季の終了まで気を緩めず、できる対策を講じていく」9月に付近でクマが出没し、射殺された千歳市蘭越の「ザ・ノースカントリーゴルフクラブ」は、約20年前の開業以来、従業員が数時間おきに巡回し、目を光らせてきた。プレーヤーの安全確保には「早期発見が何より重要」といい、出没以降は従業員に警笛を持たせ、速やかにクマ出没を伝達するよう徹底した。このほか札幌市南区常盤の常盤台ゴルフコースでは前年に続き、クマよけの鈴を利用者に貸与。爆竹を毎朝鳴らし、クマに山に戻るよう促している。ヒグマ学習センター(登別市)の前田菜穂子代表は「ハンター人口の減少などを背景にクマ出没は今後さらに増える恐れもある」と分析。その上で、事故防止には物理的な努力に加え、ごみ捨て防止の徹底など利用者へのマナー指導が重要といい「指導をゴルフ場が単独で行うのは困難。行政が積極的に関与し、支援すべきだ」と話している。
(クマ、柵の隙間出入りか:北海道)
国営滝野すずらん丘陵公園(札幌市南区)でクマの出没が相次いでいる問題で、国土交通省札幌開発建設部が5日に開いた対策会議で、公園の外周を覆う柵に隙間があり、そこからクマが出入りした可能性が高いことが明らかにされた。会議に出席した専門家は「隙間から通り抜けられることをクマが学習しているなら、クマよけの柵はないも同然」と指摘している。同園ではヒグマの侵入を防ぐため、外周約8・6キロのうちの約7・2キロに鉄製の柵(高さ2・5メートル)を設置している。これまで、柵がとぎれている部分などからクマが入り込んだとみられていたが、札幌開建が調べたところ、キツネなどの小動物が出入りできるように柵と柵の間に設けた隙間(幅約20センチ)の計7か所で、ヒグマのものとみられる毛などが確認された。このため、札幌開建は、11月10日に最終日を迎える夏季開園の再開を断念した。冬季開園(12月22日~2014年3月31日)に向けて対策を検討する。
(花火使ったサル退治:和歌山)
印南町鳥獣害防止対策協議会(村上智一会長)は、サルによる農作物被害の減少へ、日高地方で初めてサル追い払い用花火「動物駆逐用煙火」を導入する。6日に古井の若者広場で安全講習会を開き、農家の人ら32人が参加。試し打ちでは大きな爆発音が響き、参加者たちは効果に期待を寄せていた。町内では稲原、切目川地区を中心に、農作物や果樹のサル被害を受けており、平成24年度の被害額は約85万円で、毎年同程度の被害を受けている。町や協議会では通報に応じて追っ払い活動を行う「鳥獣被害対策実施隊」や大型囲いわなの設置などで、被害の減少に努めているが、農家自らも追い払うことを可能にしようと、花火の導入を決めた。花火は三重県の伊藤煙火工業(伊藤照雄社長)が開発した製品。全長約40㌢の筒から5連発の花火が出る。発射された花火は約20㍍飛んだあと閃光(せんこう)と爆発音でサルを威嚇する。使い方は一般的な連発式の手持ち花火と似ているが、通常の花火より火薬を多く使うため、使用には安全講習が必要となっている。ことし6月に導入した古座川町では、使用者から「花火で威嚇して1、2カ月出没しなくなった」などの効果を確認しているほか、農家が山へ追いやり待ち構えていた猟師が山で仕留めるなどの連携駆除にも役立っているという。講習会には伊藤社長が講師で訪れ、使用方法や管理方法、注意事項などを説明したあと、順番に発射練習。花火を専用ホルダーに入れたあと、蚊取り線香で着火。しばらくすると火の玉が飛び出し、閃光とともに「パーン」と大きな音が周辺に響いた。サルにビニールハウスを破られるなどの被害を受けている平野勝彦さん(27)=印南原=は「思った以上に大きな音がしました。効果が期待できそうです」と話していた。講習後、参加した32人に受講証が手渡された。花火は協議会で200本購入し、講習を受けた希望農家に譲渡。価格は1本数百円で個人の負担は半分のみとなっている。また、講習会は来年1月に日高郡の対策協議会での開催も予定されている。
(柿を収穫しサル対策:兵庫)
ニホンザルが寄り付かないようにするため、餌となる柿を人の手であらかじめ収穫する催し「さる×はた合戦」が4日、兵庫県篠山市畑地区の4集落で行われた。住民と神戸大の学生ら約150人が参加し、合計で約1・2トン分を集めた。同地区ではニホンザルによる農作物の被害が深刻化している。催しは、実習などを通じて同地区とつながりがある同大のグループが地元の「みたけの里づくり協議会」と初めて企画した。参加者は、先端を二股にした長さ数メートルの竹の棒で柿の実を挟み、次々と収穫。作業の合間には熟した甘柿を試食し、渋柿の皮の使い道などについて雑談をしながら親交を深めていた。同大発達科学部3年の男子学生(22)は「気軽に収穫の喜びを味わえて楽しかった。活動が地元の人々に役立っているならうれしい」。今谷自治会の山内一隆会長(65)は「遊び心がある上に集落の活性化にもつながる催し。来年以降も続けてほしい」と話した。
(縁が深いと悩みも深い、カラスと知恵比べ:愛知)
「熱田さん」が、カラスと知恵比べ――。名古屋市熱田区の熱田神宮が、カラスの被害に困っている。神宮にとってカラスは神事にかかわる縁の深い鳥。事を荒立てず、共存しようと試行錯誤するが、なかなかうまくいかない。「ギャー、ギャー」。夕方になると、境内のあちこちから鳴き声が聞こえる。本宮南側の西楽所(にしがくしょ)の檜皮葺(ひわだぶき)の屋根はカラスに一部はがされ、こけが生えている。材料のヒノキ樹皮は、カラスの巣作りにもってこいの材料らしい。被害を防ぐため、現在は釣り糸を屋根に張りめぐらせている。駐輪場のバイクはシートを破られ、境内にはところどころにフンが落ちている。参拝者が手や口を清める手水舎(ちょうずや)で水浴びする姿もかつては目撃されていた。迷惑なカラスだが、神宮にとって大切な存在でもある。神宮内の御田(みた)神社では10月17日、カラスに供え物を食べさせる「烏喰(おとぐい)の儀」があった。中世以前からの伝統で、「ほー、ほー」というかけ声とともに蒸し固めた米粉を土用殿(どようでん)の屋根に投げ上げる。昔はカラスが食べるまで、収穫を感謝する新嘗祭(にいなめさい)を開かなかったという。古事記や日本書紀には、三本足の「八咫烏(やたがらす)」が神武天皇の東征の道案内をしたという記述があり「神の使い」とする神社もある。カラス撃退には、花火やカラスの死骸に見える模型などで追い払うのが一般的だが、神聖な境内ではやりづらい。本宮を改修した2009年には、カラスが嫌がる紫外線を反射する成分を含むという説があるヒトデを、三重県志摩の漁師から譲り受けた。だが、これもうまくいかない。砕いて地面に置くと、飼っているニワトリに食べられた。ポリ袋に入れて駐輪場などにつるしたが、劇的な効果はない。
(オシドリ飛来、仲むつまじく:鳥取)
きょう7日は立冬-。鳥取県日野町の日野川には越冬のため、オシドリが次々と飛来している。岩場でオスとメスが互いにつつき合う様子が見られ、愛鳥家らを楽しませている。オシドリは、カモ科の水鳥で、オスが銀杏羽と呼ばれる鮮やかなだいだい色の羽が特徴。国内では北海道や本州中部以北で繁殖し、西日本で越冬する。オシドリのエサやりや環境づくりに取り組んでいる「日野町オシドリグループ」によると、今シーズンは10月5日に40~50羽の初飛来を確認した。現在は200~300羽集まっており、同町根雨の日野川沿いにあるオシドリ観察小屋では早朝から愛鳥家らが愛らしい姿を写真に収めようと盛んにシャッターを切っている。例年12月が飛来のピークで、多い年で千羽以上が集まる。同グループ事務局の森田順子さんは「例年と比べて集まるのが遅いように感じるが、これから寒くなるにつれて増えてくると思う」と話している。
(小学生キジ放鳥:三重)
名張市の薦原小学校と滝之原小学校で11月5日、児童らが市猟友会の協力でキジ40羽を大空へ放った。児童は放ったキジの成長を願っている。放鳥は市猟友会が児童らに生き物や自然と触れ合ってほしいと、20年ほど前から毎年企画しているもの。この日は熊野市で養殖された生後120日ほどのキジ雌雄各小それぞれ10羽ずつ、計40羽が放鳥された。薦原小学校での放鳥は今年が初めて。6年生の児童22人が同猟友会からキジの生態の説明などを受けた後、1羽ずつ手で抱え、空へ放つとキジは勢いよく大空へ飛び立っていった。
(雑草を飼料化に成功:奈良)
国天然記念物「奈良のシカ」を保護、収容する奈良市春日野町の鹿苑(ろくえん)で、大阪国際空港に生えている雑草を飼料として活用することになり、5日、刈り草を発酵させた牧草が試験的に搬入された。大阪国際空港では、草丈が伸びると航空機の視認性が悪くなるため、年3回草刈りを実施。年間900トンの刈り草はすべて焼却していたが、有効活用を目指し平成22年から飼料化や肥料化を試みており、兵庫県内の牧場に提供してきた。今年7月には刈り草を乳酸菌で発酵させて、栄養価が高く長期保存が可能な牧草づくりに成功した。一方、鹿苑では病気などの鹿約300頭を収容し、飼料として牧草などが年間約130トン必要で約660万円を出費。管理する財団法人「奈良の鹿愛護会」は協賛金を募っている。同空港の運営会社「新関西国際空港」から牧草の無償提供の申出があり、飼料の一部として活用することを決めた。この日は4トントラックで約3・7トンの牧草を搬入。早速、袋から開封されると、鹿たちがおいしそうに食べていた。愛護会では費用面や栄養面など検討し、本格導入するかどうか決める。愛護会の大川靖則会長は「草の質も良く、鹿も喜んで食べている。大いに期待できる」と笑顔。新関西国際空港の田中貴之さん(35)は「空港内の雑草は無農薬で、ごみもないために安心安全。焼却処分するよりもコストは安く、できるだけ要望に応えたい」としている。
(ハト・カラス等の野鳥被害の対策を無償提供:東京)
鳥獣の生態を研究し、効果的な防除技術の開発を進める一般社団法人日本鳥獣被害対策協会(所在地:東京都大田区、会長:服部雄二、URL: http://www.jwdm.or.jp/ )では、ハト・カラス等の野鳥被害の対策を全国ネットワークで提供する事業「BIRD BLOCK」(名称:バードブロック)を展開することとし、このほど、害鳥による被害やその対策に関する情報を紹介するインターネットホームページ「BIRD BLOCK」(URL: http://birdblock.jp/ )を開設しました。日本鳥獣被害対策協会では、ホームページ「BIRD BLOCK」の公開記念事業として、害鳥による被害対策を無償で提供する「鳥害対策ボランティア施工現場」を全国的に募集することとしました。この「鳥害対策ボランティア施工現場」に採択されると、害鳥の種類や被害実態を調査し、最善の鳥害防除施工を工事資材費含めて無償にて行います。対象は、日本国内に対象施設・建物を所有する法人および団体です。「鳥害対策ボランティア施工現場」の募集と採択された施工事例の紹介により、被害に悩んでいる多くの方々に、害鳥対策法に関して周知を図ってまいります。
(統計から見るハンターの誤射と高齢化)
動物と間違えて人を誤射してしまう事故は毎年のように発生しておりますが、目立つのは高齢者による事故です。背景には何があるのでしょうか。環境省の生物多様性センターが鳥獣関係の統計を公開しておりますので、一番新しい平成22年度から遡った10年間のデータから、その原因を考えてみましょう。狩猟事故による年間死傷者数の推移を見るとハンターによる狩猟事故は微減或いは横ばいの傾向にあるようです。また、狩猟事故と一口で言っても、動物に襲われたり、猟の最中に転倒した怪我なども含まれます。ハンター本人に起因する銃の誤射などによる事故は、年間概ね20名以下の死傷者数で推移しています。ハンターの数を表す狩猟者免状の交付者数の推移グラフを見ると、狩猟事故同様に微減か横ばいの状態です。1970年年代に50万人台のピークを迎えてから、右肩下がりの状況にあります。現在の狩猟免状交付者数は20万人行くか行かないかのラインを推移していますが、その大半が60代以上の高齢者で占められており、年々その割合は増してきています。反面、若年層は伸び悩んでおり、近い将来にハンターの更なる大幅減が予想されます。このように狩猟事故と狩猟免状交付者数には一定の相関関係があるように見えます。今度は交付される狩猟免状の種類を見てみるとどうでしょうか。平成19年度に狩猟免許制度に変更があり、それまでの網・わな免許が、網免許・わな免許に分割されました。これは害獣被害に悩む農家が、わなを仕掛けやすいようにする為の措置でもありましたが、この免許制度変更に伴い網猟・わな猟免許交付数がほぼ倍になる形になりました。一方、平成13年度には散弾銃・ライフル銃・空気銃で狩猟ができる第一種免状と、空気銃のみで狩猟ができる第二種の合計交付数は17万人を超えていましたが、平成22年度には11万人台にまで減っています。つまり、わな猟を行うハンターが増加した反面、銃を使えるハンターの数は大きく減少しているのです。銃を使うハンターが大きく減少しているにも関わらず、狩猟事故数が微減か横ばいに留まっているということは、銃猟ハンターが事故を起こす確率が上がった可能性があるのかもしれません。では、銃猟での死傷者数を銃猟第一種・第二種の銃猟免状の交付数で割ってみて、どのくらいの可能性で事故が起きているのかを見てみましょう。銃猟免許交付数に対する銃猟事故死傷者の割合の推移を見ますと、平成20年度のみ突発的に上昇が見られるものの、この10年間は銃猟免状交付数に対する事故率は0.015%近辺で推移しており、銃猟ハンターによる事故率が上がっているとは言えない状況にあるようです。つまり、ハンターの高齢化によって事故率が増加していると統計の上では証明できないようです。高齢による身体能力の低下を、長い狩猟経験でカバーしているのかもしれません。意外なことに、ハンターの高齢化と事故率に相関性は見い出せませんでした。しかし、銃猟ハンターの減少と高齢化が進んでいる事は事実であり、ハンターの出番は増加傾向にあります。イノシシとシカの年間捕獲数の推移を見ると、イノシシ・シカ共に、捕獲総数と、狩猟以外の有害駆除・個体数調整による捕獲の割合が増加している事が分かります。ハンターの減少に伴い、逆にイノシシやシカの生息数が増加しており、この逆転現象によりハンター1人あたりの捕獲数が増えていることになります。それも、趣味や食肉目的で行う狩猟以外のケースである有害駆除や個体数調整による捕獲が増してきており、有害駆除の度に猟友会が呼ばれる形になっています。ハンターの高齢化が事故率に関係が無さそうとはいえ、あまりに駆除数が増加すると、ハンター1人あたりの負担が高齢化と相まって増えることは想像に難くありません。ハンターは趣味・食肉目的で狩猟を許されていると同時に、地域で行う有害駆除に協力する事が求められています。冒頭で挙げた2つの誤射も、シカ駆除で猟友会が呼ばれた際に起きています。狩猟が行える期間は本州では通常11月中旬から2月中旬までに限られており、その間は可猟区周辺では誤射を避ける為の注意喚起が行われていますが、猟期以外に行われる有害駆除は目立った注意喚起も無い上、木々も生い茂っている時期なので誤射を招きやすい環境にあると言えます。ここまでの結論をまとめてみましょう。1.銃猟ハンターの高齢化と銃猟事故に相関関係は見られない。2.総捕獲数に占める、狩猟以外の駆除数とその割合が増えている。3.猟期以外の時期での捕獲は、誤射を招きやすいのではないか。結論1、2はデータ的に証明が可能なものの、3は推測混じりである点は補足しておきます。しかし、ハンターの高齢化が懸念要素である点に変わりなく、ハンターの更なる高齢化で、肉体機能の低下に経験が追いつかなくなるケースも今後出てくるとも考えられます。その一方でイノシシやシカ等動物数は増加しつつあり、このままのペースで増え続ければ、2025年度にはシカの生息頭数が、北海道を除く地域で500万頭に達するという環境省の推計が報道されています。少数の高齢ハンターが、ますます増え続ける動物を相手にする事態は、事故の可能性を増やすもので望ましいものではありません。長期的・抜本的な解決策としては若年ハンターを増やす事なのですが、近年の強まる銃規制の動きや、煩雑な行政手続きや費用、更には動物の命を奪う事に対する抵抗感が大きな壁となっています。しかし、野生動物と人間の軋轢は増しつつあり、どこかで共存可能なバランスを見出すことが、昨今話題の生物多様性や持続可能社会を考える上でも重要なテーマとなっています。今月中旬には、日本のほとんどの地域で猟期に入ります。狩猟事故が起きないことを願うと同時に、どうやったら事故や動物との軋轢を少なくすのかを考える機会になればと願っております。
(シカ肉加工講習会:北海道)
西興部村、滝上町、下川町でつくる「オホーツク山の幸活用推進協議会」(会長=高畑秀美西興部村長)は1・2日、滝上町農産加工研究センターで「シカ肉加工講習会」を行った。各町村の役場職員やハンターら7人が参加し、エゾシカ肉の風味や旨みを引き出した粗びきウィンナーやソーセージ、ジャーキーなどの加工や衛生管理を学んだ。講習会には、公益財団法人オホーツク地域振興機構研究員の拔山(ぬきやま)嘉友氏(43)を講師に迎え、肉の切り方や仕込み、製造方法などに研さんを積んだ。粗びきウィンナーの製造では、ミンチにしたシカ肉と豚の脂肪ペーストを合わせブラックペッパーやナツメグ、ジンジャーなど数種類のスパイスを混ぜ込んでいく。次第にペーストの白から鮮やかなもみじ色に変化していき、手ごたえを確かめながら練り込む作業を繰り返す。製品は見た目も重要で、脂肪分の変化を抑えるための温度管理にも注意を払っていた。拔山氏は「パリッとした歯ごたえを出すため練りの作業はとても大事です」と強調していた。スパイスについては、単に臭みを消すのではなくシカ肉の旨みを引き出すための基本として独自に配合したという。「滝上町ではハーブを調合するなど、地域の特性も十分活かせます」と話していた。試食会では、「さすがに美味しい、旨みが良く出ている」と拔山氏の味付けも大好評で、参加者らは製品化への手応えを感じていた様子だった。
(ジビエでイタリアン:鳥取)
地元で捕獲されたイノシシやシカなどの野生動物の肉(ジビエ)に親しんでもらおうと鳥取県は4日、鳥取市片原5丁目の鳥取ガスグループショールーム・サルーテで、県民対象の「とっとりジビエ料理教室~ジビエとワインのマリアージュ」を開いた。男女19人が参加し、ジビエを使ったイタリア料理に挑戦した。ジビエのPRと消費拡大に向けた県の取り組みの一環。地元で活躍するシェフが講師となり、じっくり煮込んだイノシシ肉を使った「ラグーのペンネグラタン」、ローストした薄切りのシカ肉にバターソースをかけた「タリアータベアルネーズソース」などの調理方法を伝授した。参加者は4班に分かれて料理。ジビエの調理に初挑戦したという琴浦町の会社員、古田裕一さん(43)は「あらかじめ肉を漬け込むなど、ジビエに合った仕込みがあると知った。手間はかかるが家庭でもできないことはない」と話していた。試食時間には、地元酒販店の経営者がジビエ料理に合うワインについて講義した。
(イノシシ肉PR:大分)
イノシシやシカといった「獣肉」の消費拡大を目指す日田市の関係者でつくる「じゅう肉キャラバン隊」が、県庁でイノシシ肉の消費拡大をPRした。同市は昨年4月に獣肉の処理施設を建設し、特産品として売り出そうと力を入れている。松尾康夫市鳥獣害対策協議会長らが小風茂副知事にスライスしたイノシシ肉を手渡し「10月29日は語呂合わせで『じゅう肉』の日としている。多くの人においしさを知ってもらいたい」と説明した。小風副知事はシシ肉のコロッケやシシ鍋を試食。「臭みがなくとてもおいしい。スライスをパック詰めすると調理しやすく家庭向きだ」と話していた。

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(シカと間違え人撃つ:静岡)
3日午前10時20分ごろ、静岡県長泉町の雑木林で、シカを駆除していた同町中土狩の農家の男性(73)が発砲した猟銃の弾が、付近に山菜採りに来ていた60代の男性の頭部に当たった。60代男性は意識不明の重体。裾野署によると、70代の男性は猟友会の会員。他の会員9人と一緒にシカの駆除中だった。「間違って撃った」と話しており、同署が詳しい状況を調べている。現場は住宅地に隣接した雑木林で、同署は狩猟禁止区域だったかどうか確認を進めている。猟友会の別の会員が「狩猟中に人を誤射した」と119番した。
(イノシシ出没、6人けが:長野)
31日午前9時40分頃、松本市島立の島立小学校から「グラウンドにイノシシがいる」と、近くの交番に通報があり、周辺でも同様の通報が相次いだ。イノシシは移動しながら人を襲うなどし、約50分後、同小から約5キロの松本城南側付近で市職員らに捕獲された。松本署などによると、イノシシは体長約1・3メートル、体重約80キロの雌。市内の数か所で人を襲ったり、車に接触したりして、40~70歳代の男女3人が切り傷などの軽傷を負い、捕獲の際、20~50歳代の男性市職員3人も軽傷を負った。イノシシは捕獲作業中に死んだ。交番に通報した島立小の笠原幸一教頭(55)によると、発見当時、グラウンドでは5年生が体育の授業でソフトボールをしており、児童がボールを追う横を、イノシシが走って駆け抜けていったという。笠原教頭らはすぐに児童を屋内に避難させ、けが人はなかった。笠原教頭は「山や森林も近くにない平地で、イノシシが出るなんて。川を上流から下ってきたのだろうか」と話した。
(シカ捕獲、県がシムックスに委託:群馬)
県は前橋市の赤城大沼周辺のシカの捕獲から殺処分までの業務を太田市の警備会社「シムックス」に委託した。県自然環境課によると、県内のシカの生息数は近年大幅に増加しており、赤城大沼周辺ではニッコウキスゲなどの食害が深刻化している。農作地帯に出没するシカは猟友会の協力で駆除しているが、生息数そのものを減らすため、今回の委託を決めた。同社は以前から、動物がわなにかかった際に自動通報するシステムを開発、県の捕獲事業に採用されている。9月下旬から実験捕獲を実施し、すでに7頭以上を捕獲。今年度末までに計約15頭を捕獲するという。
(スーパー駐車場にイノシシ:栃木)
2日午後7時45分ごろ、那須塩原市材木町のスーパー駐車場で買い物客がイノシシ1頭を目撃、那須塩原署に通報した。同署によると、体長約1メートルで成獣とみられる。同署は付近の検索や警戒の呼び掛けをしている。
(親子連れイノシシ目撃:栃木)
31日午前1時15分ごろ、那須塩原市黒磯幸町の路上で、イノシシ10頭を目撃した、と通行人から那須塩原署に通報があった。10頭は体長約1メートルの1頭と小さい9頭。親子連れのイノシシとみられ、同署は警戒を呼び掛けている。
(駅周辺にイノシシ10頭、3頭を捕獲:栃木)
那須塩原市のJR黒磯駅西部の市街地で31日、イノシシ10頭が目撃され、3頭が捕獲された。小学校の校庭でも目撃されており、付近の小中学校は児童生徒の安全確保に追われた。同日午後8時現在、けが人は確認されていない。那須塩原署によると、同日午前1時15分ごろ、同市黒磯幸町の県道を体長約1メートルのイノシシ1頭と小さいイノシシ9頭が歩いているのを通行人が見つけ通報。午前6時半ごろ、黒磯駅から約150メートル南西の交差点で後ろ足を引きずっていた体長約80センチの雌を捕獲した。午前7時半ごろには、捕獲現場から約1キロ西で体長約50センチの雌の幼獣を捕獲。さらに約400メートル西のアパート敷地で雄の成獣が捕獲された。近くの葬儀社のガラスが割られており、イノシシによる被害とみられる。イノシシが目撃、捕獲された現場は住宅や商店、学校がある市街地。県自然環境課の担当者は「市街地にイノシシが出るのは珍しい。数が増えていることと関係があるとみられるが、なぜこの時期に出没したかは分からない」としている。
(イノシシ1頭目撃:栃木)
1日午後7時45分ごろ、那須塩原市下厚崎の住宅敷地内にいるイノシシ1頭を付近に住む女性が目撃し110番した。那須塩原署によると、イノシシは体長80センチ。成獣とみられる。付近は住宅地で、31日にイノシシ10頭が目撃された場所から南に約1キロ。
(クマ目撃:栃木)
3日午前8時ごろ、那須町高久乙の山林内で、クマ1頭が目撃された。那須塩原署によると、クマの体長は約1メートル。犬の散歩をしていた男性が目撃し、同署に119番した。クマは犬の鳴き声で山林内に立ち去ったという。同署は警戒を呼び掛けている。
(改造銃所持容疑で61歳男を逮捕:神奈川)
自宅で改造拳銃を不法所持したとして、神奈川県警暴力団対策課と平塚署は30日、銃刀法違反容疑で、同県平塚市纏(まとい)の会社員、鈴木忠雄容疑者(61)を逮捕した。逮捕容疑は、3日、自宅で改造拳銃1丁を所持したとしている。容疑を認めているという。同容疑で3日に行われた鈴木容疑者宅の家宅捜索で発見、押収された。鉄製のモデルガンを改造したもので、全長16・5センチ、銃身47・1ミリ、重さ約487グラム。実包はなかったが、鑑定の結果、殺傷能力があることが判明した。
(ハンター養成校が開校:岩手)
花巻市のNPO法人市射撃場・施設管理総合支援機構(藤沼弘文理事長)は1日、同市湯口の市クレー射撃場で銃狩猟者を養成するハンティングスクールin花巻を初めて開校した。今後も希望者を募って開催し、高齢化や銃管理の規制強化で減少の一途をたどる銃狩猟者の確保を図る。本県、東京都、神奈川県から4人が受講。3日間の日程で、初日は射撃を見学し散弾銃の構造も学び、講義では撃つとき以外は装填(そうてん)しないなどの基本事項に耳を傾けた。県によると、県内の2012年度の銃狩猟免許所持者は1863人。20年前は4576人で減少が著しい。藤沼理事長は「受講者は継続して支援し、全員が銃狩猟者の仲間になるよう努める」としている。
(クレー射撃中山選手知事表敬:茨城)
9月にペルーで行われた世界クレー射撃選手権女子トラップで準優勝した中山由起枝選手(34)がきのう、橋本昌知事を表敬訪問した。同大会で女子選手がメダルを獲得したのは、1999年のフィンランド大会以来14年ぶりで、トラップでは男女通じて初。中山選手はシドニー、北京、ロンドンの3大会で五輪に出場。今回は昨年のロンドン五輪での反省を生かし、練習量を増やして臨んだといい、「バックアップしていただいた結果」と、所属する日立建機に感謝した。6年後に本県で開催される国体、さらにその翌年の東京五輪出場にも意欲を示す中山選手。次のリオデジャネイロ五輪での代表入りに向けて「アピールになった」と自信を示した。
(クレー射撃競技の中央競技団体正規視察:岩手)
平成25年10月22日(火)に、花巻市クレー射撃場において、希望郷いわて国体「クレー射撃競技」に係る中央競技団体正規視察が行われました。今回の視察には、社団法人日本クレー射撃協会から、副会長兼競技委員長の笹田矩史様を始めとする3名の視察員が来県し、競技会場施設の利用及び整備計画、運営の準備状況等について具体的な指導、助言をいただきました。なお、今回の視察をもって、正式競技及び特別競技全38競技の中央競技団体正規視察が終了となりました。
(狩猟禁止区を詳細に:岐阜)
11月15日の狩猟解禁日を前に、県は31日から、狩猟が禁止されている鳥獣保護区などの位置を示したハンターマップを、地理情報システム(GIS)を活用して県のホームページで公開する。GISによる公開は京都府、島根県に次いで全国3例目で、東海地方では初。県は毎年、狩猟登録者に対し、狩猟禁止地区である鳥獣保護区や特別保護地区などを記した地図を配布。より詳細な確認ができるとして、今年は地図の配布に加え、GISでの公開を始める。公開するのは、鳥獣保護区や特別保護地区、銃の使用が禁止されている特定猟具(銃)使用禁止区域、休猟区など計285地区。GISの公開で、これまで15万分の1だった表示縮尺が、2万5000分の1まで拡大。より詳しい境界線も確認できるようになった。地図の印刷も自由にできるほか、狩猟登録者以外も閲覧できる。県自然環境保全課は「マップを十分に活用して、法令をしっかりと守ってほしい」と話している。
(イノシシ猟始まる:福井)
福井県内の狩猟(わな猟)が1日解禁され、越前市安養寺町の「しし家グループ」も田畑を荒らすイノシシ退治をスタートした。2日には、32頭を捕獲。「昨シーズンは全体の捕獲量が少なかった」といい、今シーズンは例年より多い約400頭の捕獲を見込んでいる。同グループの大村進治郎さん(66)らは1日朝から、同市白山地区などの14カ所に、仕掛けとなる高さ2メートル、幅2・75メートル、奥行き3・6メートルの鉄製のおりを設置した。2日早朝、設置場所を巡回すると、おりに掛かったイノシシが次々と見つかり、半数近くは体重60キロから90キロの大物だった。捕獲したイノシシは、安養寺町のしし家で、焼き肉やぼたん鍋として格安で提供している。完全予約制。問い合わせはしし家=電話0778(29)2055。県内のイノシシとシカの狩猟は、わな猟が来年3月15日までで、銃猟が同2月15日までとなっている。
(狩猟解禁で山間部をパトロール:和歌山)
和歌山県内で1日、イノシシとシカの狩猟が解禁された。旧田辺市内では、県鳥獣保護員の山本実さん(86)=田辺市新庄町=と西牟婁振興局の職員1人が、山間部を回って適正な狩猟が行われているかどうかをパトロールした。山本さんらは、狩猟登録者証や鉄砲の所持許可証を持っているかなどをチェックするため、稲成町―上芳養―秋津川―伏菟野など山あいの林道などを巡った。また、野山に設置したわなに、県が各猟友会を通じて配布した標識が付けられているかなどを確認した。高齢化などで年々狩猟者の数が少なくなり、連休前とあってこの日はパトロールを2時間過ぎても狩猟者と出会わなかった。1日現在、同振興局管内の狩猟登録者数は、鉄砲(空気銃を含む)が314人、わなが290人。両方登録している人がいるため、実際の人数は502人となっている。県によると、イノシシとシカの狩猟期間は来年3月15日まで。そのほかの鳥獣は今月15日に解禁で来年2月15日まで。狩猟期間中はオレンジ色の目立つベストを着用したり、銃の安全な取り扱いに注意したりするよう呼び掛けている。県によると、狩猟解禁日の捕獲数はイノシシ5匹、シカ3匹の計8匹だった。いずれも日高郡以南で、印南町で60キロのイノシシと40キロのシカ、田辺市で30キロのイノシシが捕獲された。県内全体での出猟者は159人(前年同日比29人増)だった。
(ニホンジカ猟、前倒し解禁:石川)
石川県内で1日、ニホンジカとイノシシの狩猟が解禁された。農作物被害を防ぐため、イノシシに加え、今年からニホンジカの猟期も例年より2週間前倒しした。白山市内の山中では猟師が金属製のおり「箱わな」を仕掛けた。県によると、県内でニホンジカによる農作物被害は確認されていないが、福井県では深刻化しており、例年は11月15日から翌年2月15日だった猟期を、11月1日から翌年3月末に拡大した。イノシシについても、同様に2年連続で猟期を拡大。いずれも11月1~14日と来年3月1~31日は「箱わな」による狩猟に限られる。白山市内の山中では、県猟友会白山支部の山本徳孝さん(75)=同市明島町=が、おり内にトウモロコシの粉などイノシシの餌を設置し、ワイヤに触れると柵が閉まる仕掛けを準備した。山本さんは「周辺でタケノコが食い荒らされている。食い止めたい」と話した。
(クマ出没、今秋は少なめ:長野)
県がまとめたツキノワグマの出没予測によると、餌となる堅果類(ドングリの仲間)は県内全域で一定の結実があることから、今秋の野生のクマの出没件数は昨年よりも少ないとみられる。しかし、昨年10月の長野市中心市街地での目撃例のように、クマの生息地域が市街地近くまで広がっているとの調査報告もあり、県野生鳥獣対策室では「カキなどの不要な果実や野菜、生ごみなどの適正管理を徹底し、クマが里山に定着する原因を作らないようにしてほしい」と呼びかけている。出没予測は、冬眠を前にしたクマが堅果類を食いだめする習性に着目し、8月末から9月上旬にかけて、県内101カ所の森林にある1015本のナラやブナなどの樹木の結実状況を調べ、分析してまとめた。それによると、クマが一番好むコナラ・ミズナラは、ほぼ平年並みの結実で昨年よりは少し結実も多い。ただ、木曽地域の北部では昨年同様、やや結実が少ないため、クマが餌を求めて長い距離を移動する可能性があることから、同対策室は「広範囲を動き回るうち里に出没することも考えられ、警戒してほしい」としている。他の堅果類では、ブナが昨年の凶作状態からやや改善しているものの、不作の状態が続き、クリも下伊那地域の一部で結実が見られない状況だという。しかし、同対策室では「コナラ・ミズナラほど食物としての依存度は少なく、約4500件の出没があった平成18年のような状況にはならないだろう」とみている。例年は年間を通じて1000件超から1500件ほどの目撃があり、昨年は1676件が目撃された。今年は9月末で1019件の目撃報告がある。同対策室では「里山への出没は少ないとみられるが、まだキノコ狩りのシーズンが続いており、クマに遭遇する可能性もある。山に入る際は鈴やラジオなど、音の出るものを身につけてほしい」と呼びかけている。
(イノシシ被害、牧草畑全滅:富山)
富山市大山地域の山間部でイノシシが牧草畑や田んぼに侵入し、牧草や水稲を荒らす被害が出ている。同市文珠寺では、今年初めて乳牛の飼料用に育てている牧草畑が全滅となった。中央農高は住民と協力して電気柵設置を目指す。富山市文珠寺のアデア牧場では、乳牛に与えるイネ科の牧草「スーダングラス」がイノシシの被害に遭い、畑1ヘクタールが全滅し、種や肥料代など計6万円の損失となった。10月下旬に実施する計画だった「イタリアンライグラス」の種まきも白紙に戻り、牛舎の此口幸二舎長(67)は「次はいつ種をまけばよいのか」と声を落とす。中央農高でも、生徒がコシヒカリやてんたかくを育てる富山市東福沢の田んぼが被害を受けた。イノシシが体をこすりつけて稲を倒したとみられ、米約250キロにイノシシのにおいが移って販売できず、約6万4千円の減収となった。中央農高は東福沢の住民と協力して電気柵設置を目指しており、同校の室井康志農場長は「地域全体で農地を守る取り組みが必要」と指摘する。県富山農林振興センターによると、2012年は管内の富山市、上市、立山町内でのイノシシ農作物被害額が879万円で、前年の1879万円の半分以下となっている。ただ、効果的な電気柵の設置に地域間のばらつきがあり、イノシシが移動してきた地域が被害に遭うケースもある。同センターは▽電気柵の設置▽人里と山の境界線を作る下草刈り▽規格外の野菜や豆類を屋外に放置しない-ことを対策に挙げる。
(奥日光のシカ、柵内7頭に:栃木)
奥日光・戦場ケ原の植生をシカから守るため侵入防止柵を設置している環境省は、28、29の両日に行った今年度の柵内の個体数把握調査の結果、昨年度より3頭減の7頭が確認されたと発表した。2006年度の調査開始以降で最も少なく初めて1ケタになった。環境省は01年度に柵を設置した。その後増設していき、現在の総延長は約17キロ、柵内面積は約980ヘクタール。国道などの開口部があり、完全には囲われていない。このためシカが侵入し、06年度には71頭を確認した。以降、捕獲を進めたため減少傾向が続き、昨年度は10頭だった。環境省は12月に日光国立公園戦場ケ原シカ侵入防止柵モニタリング検討会を開催し、来年1〜3月には柵内のシカを捕獲をする。
(イノシシ最多ペース:石川)
県内のイノシシ捕獲数が今年すでに879頭となり、過去最多ペースであることが1日までに分かった。これまで出没したことのない平野部での目撃が増えており、生息地の急速な拡大がうかがえる。県は1日、昨年に続いて、通常より2週間早く狩猟を解禁し、農作物の被害抑制へ積極的な捕獲に乗り出す。イノシシは狩猟期間外、わなに掛けて捕まえる「有害捕獲」が許されている。今年4~10月の有害捕獲は小松市で320頭、加賀市で257頭など県内全体で879頭に上り、昨年度の有害捕獲693頭、一昨年度の296頭を大幅に超えるペースだ。11月~3月末の狩猟期間では例年、千頭前後が捕獲されることから、有害捕獲と狩猟を合計すると、2千頭近くに達する見込み。過去最高の2314頭が捕獲された2010年度並みが予想され、個体数増加に依然、歯止めが掛かっていないことがうかがえる。生息拡大が著しいのは、能登地区だ。宝達志水町では、イノシシが水田で稲をなぎ倒すなど農作物被害の面積が昨年度の2倍弱となる318アールに拡大した。志賀町でも5倍の220アールに広がり、「これまでの旧富来町の山間部だけでなく、旧志賀町でも被害があり、町全体に広がった」(農林水産課)とする。七尾市湯川町の澤野實さん(86)は8月初旬、自宅近くの畑が初めて荒らされた。「足跡からイノシシと推測できた。丹精したヤマイモが掘り起こされた」と、能登北上に困惑する。先端の珠洲市では2010年度に被害が初確認され、今年は市内全域から足跡情報が寄せられるという。対策が手薄な能登地区では電気柵の設置が急がれ、おりを仕掛ける「箱わな」の狩猟免許所持者も増えている。10月には津幡町のJR北陸線で特急列車とイノシシが衝突したほか、小松市で市街地にイノシシが侵入するなど、人的被害の懸念も出てきた。ニホンジカとイノシシの狩猟が始まった1日、白山市内では、県猟友会白山支部の山本徳孝さん(75)=同市明島町=が、金属製のおり「箱わな」にトウモロコシの粉などイノシシの餌を設置し、準備を進めた。今年からイノシシに加え、ニホンジカの猟期も2週間前倒しした。猟期終了も2月15日から3月31日に遅らせた。11月1~14日と来年3月は「箱わな」による狩猟のみとなる。
(シカの食害、報告して:愛媛)
シカ(ニホンジカ)による農林業への食害が増えているとして、県は目撃した姿や見つけた被害を記録する「痕跡チェックシート」を作った。遭遇する機会の多い登山者や林業関係者、狩猟者らに、利用して情報を寄せるよう協力を呼びかけている。
(希少カモ越冬地:愛媛)
愛媛県は30日、絶滅危惧種のトモエガモが飛来する西条市の県営黒瀬ダム湖面を11日1日付で「特別保護指定区域」に指定すると発表した。同区域指定は四国で初めて。来年3月末まで、湖面で許可なくカモの追い払いにつながるモーターボートの使用や釣りなどを禁止する。黒瀬ダム湖はトモエガモの県内有数の飛来地であることから、鳥獣保護区分の中でも最も規制が厳しい「特別保護指定区域」での指定を決めた。違反した場合は6月以下の懲役か、50万円以下の罰金が課せられる。県は指定までに黒瀬ダム管理事務所の敷地内に掲示板を設置するほか、チラシを置いて来訪者に周知する。県自然保護課は「カモが安心して越冬できるよう協力してほしい」と呼び掛けている。来年から禁止開始日が10月1日となる。
(カモの群れ飛来 :徳島)
鳴門市大麻町の農業用ため池「中池」に、越冬するカモの群れが飛来しており、水面や水際で羽を休めている。中池の周辺は、雑草の実や、水草など餌が豊富で、マガモやコガモなど多くのカモが繁殖地のシベリアからやって来る。日中は外敵を避けて水面で過ごし、夜になると餌を探す。10月に入ってカモの数は増えており、12月ごろまで次々と飛来し、にぎやかさを増す。4月ごろシベリアなどへ向けて旅立つ。
(駆除を食に生かせ、第1回狩猟サミット:岐阜)
狩猟免許を持つ人が高齢化し、減少する中で十月下旬、若手の狩猟者を中心に「第一回狩猟サミット」が岐阜県郡上市で開かれた。主催は同市で地域づくりから狩猟にも取り組むようになった若者らのNPO法人。北海道などで結成された女性狩猟者のネットワークも参加した。狩猟文化の継承、有害鳥獣対策のあり方について活発に議論し、女性の活躍が目を引いた。サミットは二泊三日で、十五の分科会があった。女性狩猟者ネットワークの分科会では、新人女性狩猟者たちが悩みを打ち明けた。技術が低い、トイレに困る、狩猟の費用が合計でいくらかかるか分からず不安-などの声が上がった。北海道で昨年設立された「TWIN」代表の松浦友紀子さん(39)らが経験談を交えて答えた。今年、わな猟の狩猟免許を取得した長野県諏訪市の小泉沙奈恵さん(25)は「地元では有害鳥獣の駆除が増えているが、食に回せず埋めて処理していることも多い。命だから最後まで利用する技術を習得したいと免許を取ったが、身近に女性の狩猟者はいなかった。今回は同世代の女性が集まってうれしいし、悩みも話しやすい」と語った。松浦さんは狩猟歴十六年。大学院でエゾシカの生態を研究中にハンターと知り合い、猟銃の狩猟免許を取得。現在は森林総合研究所北海道支所(札幌市)でエゾシカの個体数管理の研究をしている。北海道では増加したエゾシカによる農林業被害や交通事故の増加、生態系への影響などが深刻化し、四月には道庁にエゾシカ対策課が新設された。「道内で年間十四万頭ほどのシカが捕獲されているのに、大半は流通していない。利用率をもっと増やしたいし、食べることを考えると女性の影響力は強い」と話す。TWINは三十代を中心に三十一人の会員がおり、うち二十人がハンターだ。九月には本州、四国、九州の女性たちを対象にしたグループ「縁鹿(えにしか)小町」も設立。近畿・中部地方を中心に二十代~五十代の幅広い年齢層の女性二十二人が設立メンバーだ。その一人は「野生生物全般に興味がある女性で悩み事を共有し、まずは肉の食への生かし方など、女性ならではの情報を発信していきたい」という。今回のサミットには二百人弱が参加、平均年齢は三十代半ばで、女性は三分の一を占めた。主催者のNPO法人「メタセコイアの森の仲間たち」代表の興膳(こうぜん)健太さん(31)は「自給自足の文化、技術としての狩猟と、有害鳥獣対策として行政と農家の間に立つ中間支援組織の必要性、両方の発信ができた」と振り返る。岐阜大学生を中心に有害鳥獣を管理、調査する団体「バランサー」も参加。岐阜市内の集落で農作物などの被害を知り、捕獲以外にも防御柵や動物の行動を調査している。森元萌弥(ともや)代表(29)は「メンバーの半数以上が女性。集落で柵の補修をお願いするときなど、柔らかく話ができ活発に活動している」という。環境省によると、狩猟免許所持者は一九七〇年度の約五十三万人から、二〇一〇年度には約十九万人に減少。うち六割強が六十歳以上の高齢者だ。女性の割合は全体の0・9%、千七百八人で増加傾向にある。大日本猟友会は今年七月からホームページ上で東京都の女性会社員(32)が猟銃の狩猟免許を取得し、実際に狩猟を行うまでの実体験を「目指せ!狩りガール」として公開。広報の石崎英治さん(35)は「動物の命と食べ物のつながりを取り戻したい。食から狩猟に興味を持ちやすいのは女性」と説明する。モデルになった女性は「大学で森林環境教育を学び、森林を管理するレンジャーになりたかった。ハンターは森や山のことをよく知らないといけないと聞き、またおいしい鹿肉がどうやって捕られているのか知りたいと思った」と話す。
(獣肉の処理加工施設、野生のシカを食肉に:愛媛)
愛媛県松野町は食害対策で捕獲するイノシシやシカなど野生動物の獣肉を処理加工する施設を建設する。事業費は約3000万円で年内をめどに着工し、来年3月末に完成させる予定。県内自治体が処理加工施設を整備するのは西予市、上島町に続き3例目。松野町はシカによる被害が最も大きい。シカを中心に処理する県内初の施設となる見込み。施設は町有の倉庫を改装する計画で、広さは約100平方メートル。年間で約190頭程度のシカを処理する見込み。
(シカ肉を試食:徳島)
三好市がシカ、イノシシ肉処理施設の建設を進めていることから、大阪の販売業者が29日、同市池田町の市林業研修センターでシカ肉の試食会を開いた。岡山県美作市でシカ肉販売に協力する業者が、同市から持参したシカの脚の肉を塩こしょうや塩こうじで味付けして焼き、三好市などの関係者約10人が味わった。市観光協会の宮北優希さん(24)は「臭みがなく、脂分が少なくて食べやすい。いろんな料理に使えそう」と話していた。市は旧栃之瀬保育所に処理施設を建設中で、年間の処理能力はシカ120頭、イノシシ20頭。年明けには操業開始を予定している。事業費は約980万円。

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